JP2015215949A - 照明装置および表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】光学設計が容易であり任意の形状での製造が可能な照明装置を提供する。【解決手段】光源6と、湾曲部3aを有する光ファイバ3と、導光板1とを備え、光源6からの光が光ファイバ3の一端に入射され、導光板1の内部に光ファイバ3が配置され、光ファイバ3の湾曲部3aから漏れだした光が、導光板1の内部を伝搬して、導光板1の外部へ放出される。導光板1の一方の面側には拡散板7を備え、導光板1の他方の面側には反射板5を備える。【選択図】図5

Description

本発明は照明装置に関し、より詳細には、光ファイバの湾曲部から漏れだした光が、導光板の内部を伝搬した後に、導光板の外部へ放出される照明装置およびこの照明装置を備える表示装置に関する。
液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display、以下ではLCD)は、液晶表示パネルと、この液晶表示パネルの背面に配置されるバックライトユニットとを備えており、液晶表示パネルが、バックライトユニットからの光の透過率(透過量)を調整することにより、液晶表示パネルの正面に画像を表示している。
LCDの分野における従来の技術とその課題は、次の3つに分類できる。第一に、LCDに用いられるバックライトの製造コストが高いという課題がある。第二に、光源の状態とシースルーの状態とを切り替えられる平面状の照明装置に関わる課題がある。即ち、従来の表示装置には、光源モードのときの光利用効率が低く、シースルーモードのときの画像が鮮明ではないという課題がある。第三に、明所と暗所との両方で良好な視認性が得られる表示装置に関わる課題がある。即ち、従来の半透過型LCDには、明所でも暗所でも共に光利用効率が低いという課題がある。これら3つの従来技術とその課題について、参考文献を参照しながら以下に順に説明する。
第一の課題(製造コスト)
透過型LCDと半透過型LCDにはバックライトが必須である。現在は光源に発光ダイオード(Light Emitting Diode、以下ではLED)を用いるものが主流だが、LCDの色再現性を改善するためには、光源にレーザーダイオード(Laser Diode、以下ではLD)を用いるのが合理的である。いずれにせよLEDとLDは共に点光源なので、平面状の光源にするための光学技術が必要である。これには直下型バックライトとエッジ点灯型バックライトという2つの技術がある。前者は、点光源を2次元平面上に配置し、その上方に拡散板を配置して光出力を均一化するものである。後者は、透明基板の端部に点光源を配置し、出力カプラと呼ばれる光学手段を用いて透明基板から均一に光を外部へ取り出す構成である。特に後者はバックライトの薄型化に有利である。また、後者は光源素子の数が少なくてよいので製造コストの面でも有利である。過去数年の間には、構成要素の機能を統合して部品点数を削減することにより、エッジ点灯型バックライトの薄型化と低コスト化が更に進展している。2つの具体例を以下に説明する。
第一の従来技術は、非特許文献1として示す参考文献1に報告された構成である。図1は、点光源を均一な平面光源へ変換するための構成例を示す、従来技術に係る参考文献1の図である。(a)は導光板の構成を示す斜視図であり、(b)は微細構造を含む導光板の断面図である。
第一の従来技術では、図1(a)に示すように、透明基板の片側の表面に複数のプリズムのような微細構造を形成する。これらの微細構造を含む透明基板を一般に導光板と呼ぶ。導光板の左下の角の側面にLEDを設置して光を入射すると、光は全反射を繰り返して導光板の内部を伝搬する。微細構造に光が入射すると、図1(b)に示すように微細構造の斜面で全反射されて、光が外部へ取り出される。このような構造物は、出力カプラあるいは出力結合器と呼ばれている。
第二の従来技術は、非特許文献2として示す参考文献2に報告された構成である。図2は、点光源を均一な平面光源へ変換するための構成例を示す、従来技術に係る参考文献2の図である。
第二の従来技術では、図2に示すように、Optically-Patterned Film(OPF)を、透明基板であるLight Guideに接着する。透明基板を伝搬する光は、OPFとの接触部であるOptical WindowからOPFへ侵入し、上方に配置された液晶パネルの方向へ取り出される。即ち、透明基板に接触したOPFの部分が出力カプラとして機能する。
図1と図2のいずれの構成においても、導光板から均一に光を取り出すために、光源からの距離が大きくなるに連れて出力カプラの密度を高くする必要がある。光源、導光板、出力カプラの形状や分布は、一般には光線追跡の手法を用いた計算機シミュレーションによって決定される。この解析の入力パラメータは、出力カプラの形状と密度の他にも、導光板の形状、厚さ、光源から発せられる光の角度分布などが含まれる。解析には多くの入力パラメータが必要とされるため、エッジ点灯型バックライトの設計には多大な労力を要する。また、バックライトの形状は矩形の場合が多いが、自由度の高い設計が望まれている。従来のエッジ点灯型バックライトの技術では、例えばハート形の均一な面状光源を設計することは必ずしも自明ではない。任意の形状の均一な面状光源を効率よく設計するためには、何らかの工夫が必要である。
図3は、エンボス工程による出力カプラの製造方法を示す、従来技術に係る参考文献2の図である。出力カプラのような微細な構造は、一般には図3に示すようなエンボス工程によって製造される。即ち、透明基板の片面に光硬化性樹脂を塗布し、これを金型に押し付けた状態で紫外線を照射する。図3に示すロール製法は生産性に優れるが、初期の設備投資が必要である。また、表示装置の仕様変更に対応してバックライトの設計を変更するときには、その度に新しい金型が必要になる。
このように、従来のバックライトの設計と製造には、多大な労力と初期および継続的な設備投資が必要となるため製造コストが高く、発光部を自由な形状で安価に製造することが困難であるという課題がある。
第二の課題(シースルー化)
ディスプレイをシースルーにすることで、現実の世界の画像に関連の情報を重ねて表示することができる。例えば、車のフロントガラスにナビゲーションの情報を表示する、携帯端末に事務所の入り口の案内や営業時間を表示する、などの応用が可能になる。メガネ型端末では、小型の液晶ライトバルブやMEMS素子を光源に組み合せた構成の投射型ディスプレイと半透過のスクリーンを用いてこれらの機能を提供している。画像の投射にはスクリーンまでにある程度の距離が必要なため、装置の小型化が困難という課題がある。直視型の薄型ディスプレイをシースルーにすれば、小型化の課題は解決される。
直視型の薄型ディスプレイとしては、1980年代から有機ELディスプレイ(Organic Light Emitting Diode、以下ではOLED)の潜在能力が注目されている。発光素子の2つの電極を透明にすれば、OLEDはシースルーになる。しかし、光の半分は観察者と反対側に放射されてしまうので、表示の目的には使用できない。また、30年以上の研究開発にも関わらず、OLEDには依然として製造コストや信頼性の課題がある。
直視型の薄型ディスプレイとしては、LCDがはるかに成熟した技術であり、商業的に成功している。バックライトを取り除いたLCDは、一般に液晶パネルと呼ばれる。液晶パネルの偏光板や液晶分子の配向を工夫すれば、液晶パネルはシースルーになる。これをショーウィンドウの一部に用いると、現実の商品に価格や仕様などの情報を表示することが可能になる。ショーウィンドウには商品を照明するための光源が用意されているため、人はショーウィンドウの中の物体を見ることができる。しかし、他の応用には光源をどのようにして提供するかという課題がある。
そこで、バックライトを含むLCDをシースルーにすることが望まれる。図4は、従来技術に係る液晶表示装置の一態様を示す図である。この態様の液晶表示装置では、紫外線を発するバックライト(図中の導光板・拡散板に対応)と、紫外線の透過と非透過を切り替える液晶パネル(図中のLCDパネルおよびこの両面に配置された偏光板に対応、一般には偏光板を含む構成を液晶パネルと呼ぶ)と、紫外線を吸収して発光する蛍光ガラスとを積層する。蛍光ガラスは、液晶パネルの画素パターンに対応してR、G、Bの3色に発光する金属成分を分散したもので、高い透明性を有するとしている。
図4の構成について検討する。UV光源と導光板・拡散板とで構成される要素は、従来のエッジ点灯型バックライトの光源をUV光源に置き換えたものだが、この構成要素の透明性に関して詳細な記載はない。実際には、図4の導光板・拡散板の下方から上方へ伝搬する光は、拡散板によって拡散されるはずである。そのため、この構成要素を通して見える画像は鮮明さを失うと考えられる。擦りガラスを通して見るような画像では、本願発明で想定しているような、前述のような応用は困難である。即ち、図4の構成では鮮明さが不十分であり、鮮明なシースルー画像が得られないという課題がある。
尚、図1や図2の構成のエッジ点灯型バックライトは、拡散板やその他の構成要素を不要にして薄型化を目指したものであり、そもそもシースルー化を目的としたものではない。実際に、導光板から均一に光を取り出すためには、出力カプラの密度を高くするしかなく、図4の拡散板と同様の課題がある。即ち、図1や図2の構成の下方から上方へ透過する光は出力カプラによって拡散されるため、鮮明なシースルー画像は得られない。導光板の端部に光源を置くため、光源に近い領域では出力カプラの密度は低くてもよい。しかし、光源から離れた領域では、導光板を伝搬する光の量が減少しているために出力カプラの密度を高くするしかない。従って、エッジ点灯型バックライトの全面をシースルーにすることは依然として困難である。
第三の課題(明所での視認性と暗所での画質の両立)
透過型LCDやOLEDには、屋外などの明るい場所で視認性が悪いという課題がある。一方、反射型LCDは外光を利用するため、屋外での視認性に優れ、消費電力も格段に低いという利点がある。しかし、室内ではOLEDや透過型LCDに比べて画質が劣る。
携帯電話やスマートフォンなどの小型機器への応用では、明所での視認性と暗所での画質に加えて消費電力も重要になる。このため、これらの小型機器には半透過型LCDが広く採用されている。半透過型LCDでは、画素電極が半透明な材料で形成されるか、あるいは透明領域と反射領域とに分割される。画素電極の透過率は、明所と暗所での使用のバランスを勘案して設定するため、いずれの場面でも光の利用効率が低い。即ち、半透過型LCDは妥協の産物であり、その画質は、明所では反射型LCDに劣り、暗所では透過型LCDやOLEDに劣るという課題がある。
Shigeru Aoyama, Akihiro Funamoto, and Koichi Imanaka, "Hybrid normal-reverse prism coupler for light-emitting diode backlight systems," Applied Optics 45, 7273-7278, 2006. A. Nagasawa and K. Fujisawa, "An ultra slim backlight system using optical-patterned film," Digest of Technical Papers, Society for Information Display 36, 570-573, 2005.
本発明は、上記した課題を解決するためになされたものであり、第一の目的は、任意の形状の平面状の照明装置の設計を容易にすると同時に、その製造コストを低減することである。
第二の目的は、平面状の光源のモードと、シースルーで鮮明な画像を見るモードの2つの機能を有し、光源モードのときの光の利用効率が高い照明装置を実現することである。
第三の目的は、明所と暗所の両方での視認性が良好で、明所では消費電力が低い表示装置を実現することである。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討を進めていたところ、光ファイバの湾曲部から光を導光板へ漏洩させる構成により、第一の課題(製造コスト)と第二の課題(シースルー化)とを解決することができることを見いだした。通常、光ファイバは離れた場所に光を伝える伝送路として用いられており、このような用途では、光の伝送損失をより低下することが求められている。本発明では、光ファイバに湾曲部を設けることにより意図的に光を漏洩させる構成としており、このような構成は、これまでの光ファイバの用途では想定されていないものである。
更に、液晶パネルとシースルー化が可能なバックライトとをこの順に反射部材の上に積層することにより、第三の課題(明所での視認性と暗所での画質の両立)を解決することができることを見いだした。
すなわち、本発明は、以下に示す態様を含むものである。
本発明に係る第1の照明装置は、光源と、湾曲部を有する光ファイバと、導光板とを備え、前記光源からの光が前記光ファイバの一端に入射され、前記導光板の内部に前記光ファイバが配置され、前記光ファイバの前記湾曲部から漏れだした光が、前記導光板の内部を伝搬して、前記導光板の外部へ放出される、照明装置である。
第2の照明装置は、第1の照明装置において、前記導光板の一方の面側に拡散板をさらに備える。
第3の照明装置は、第2の照明装置において、前記導光板の他方の面側に反射板をさらに備える。
第4の照明装置は、第1〜第3のいずれかの照明装置において、複数の前記導光板が前記光ファイバで接続されている。
第5の照明装置は、第1の照明装置において、前記導光板の表面に、光を前記導光板の外部へ取り出すための出力カプラが配置される。
第6の照明装置は、第5の照明装置において、前記出力カプラに対応する領域に光の吸収材または屈折体が配置され、前記出力カプラに入射する外光の量を制限する。
第7の照明装置は、第5の照明装置において、前記導光板の屈折率が前記光ファイバのコアの屈折率とほぼ同じである。
第8の照明装置は、第5〜第7のいずれかの照明装置において、複数の前記導光板が前記光ファイバで接続され、前記導光板の各々において、前記光ファイバの前記湾曲部の曲率半径が異なっている。
本発明に係る第1の表示装置は、第1〜第8のいずれかの照明装置と、前記照明装置の一方の面側に配置された液晶パネルとを備える表示装置である。
本発明に係る第2の表示装置は、第5〜第8のいずれかの照明装置と、前記照明装置の一方の面側に配置された液晶パネルとを備え、前記液晶パネルが、前記照明装置がオン状態の場合には、前記照明装置からの光を画像表示用の光源とし、前記照明装置がオフ状態の場合には、外光を画像表示用の光源とする表示装置である。
第3の表示装置は、第2の表示装置において、前記照明装置の他方の面側に配置され、電圧の印加により光を透過する状態と光を拡散する状態とを複数の領域毎に独立して切り替え可能な透過拡散パネルをさらに備え、前記照明装置は、前記透過拡散パネルの前記複数の領域に対応する複数の領域毎に独立して、オン状態とオフ状態とが切り替え可能である。
本発明の第一の実施の形態の照明装置では、湾曲部を有する光ファイバを導光板の内部に配置する構成であるため、光ファイバのレイアウトは自由度が高く、発光領域が均一な照明装置の設計が容易である。また、微細な加工が不要なため、製造も容易である。更に、単位要素を周期的に配置することにより、adaptive dimming技術を適用することも可能である。
本発明の第二の実施の形態の照明装置では、光ファイバの湾曲部を等価的な光源として導光板の中央に配置することにより、導光板に形成する出力カプラの密度を低くできる。外光が出力カプラによって散乱されないためシースルーになる。光を吸収材または屈折する材料を出力カプラの近傍に配置することにより、鮮明なシースルー画像が得られる。また、モジュール化の手法を用いて、大面積で様々な形状の均一な照明装置が実現される。
本発明の第三の実施の形態の表示装置では、第二の実施の形態の照明装置を備えることにより、従来の半透過型LCDに比べて光利用効率が向上する。また、従来のOLEDや透過型LCDに比べて、外光が強い環境での視認性が優れ、消費電力が格段に低下する。外光が弱い環境でも従来のOLEDや透過型LCDと同等の画質が得られる。
更に、本発明の照明装置の光源にレーザーダイオードを用いれば、従来の光源を使用する透過型LCDやOLEDに比べて表示装置の色再現領域が拡大されて、より現実に近い画像を表示できる。
点光源を均一な平面光源へ変換するための構成例を示す、従来技術に係る参考文献1の図である 点光源を均一な平面光源へ変換するための構成例を示す、従来技術に係る参考文献2の図である エンボス工程による出力カプラの製造方法を示す、従来技術に係る参考文献2の図である 従来技術に係る液晶表示装置の一態様を示す図である 本発明の第一の実施の形態に係る照明装置の構成を示す模式図である 照明装置の構成要素と照明装置の動作中の写真である POFのレイアウトを変更した照明装置の動作中の写真である 複数のセルを並置して個々の光出力を独立に制御する構成を示す模式図である。 本発明の第二の実施の形態に係る照明装置の構成を示す模式図である。 出力カプラによる外光の散乱を防止する構成を示す模式図である 本発明の第二の実施の形態に係る照明装置を並べて大面積化する構成を示す模式図である POFの曲率半径に依存して湾曲部から取り出される光量が変化する現象を説明するための模式図である。 各セルの光取り出し効率と各セルにおいてPOFを伝搬する光量との設計例の一例を示すグラフである 多彩な形状の照明装置の一例を示す模式図である 本発明の照明装置を備える液晶表示装置の構成を示す分解斜視図である
以下、本発明の実施の形態を、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明および図面において、同じ符号は同じまたは類似の構成要素を示すこととし、よって、同じまたは類似の構成要素に関する説明を省略する。
本発明の照明装置は、少なくとも湾曲部を有する光ファイバを備える。曲げに強いという特性から、以下に説明する実施の形態では、光ファイバはプラスチック製である。
第一の実施の形態
図5は、本発明の第一の実施の形態に係る照明装置の構成を示す模式図である。(a)は平面図であり、(b)は断面図である。導光板として機能する透明基板1の表面に溝2を形成し、その中にプラスチック光ファイバ3(Plastic Optical Fiber、以下ではPOF)を配置する。この例では、POF3と溝2の隙間には空気が存在する。図5(a)に示すように溝2は湾曲して形成されるため、POF3にも湾曲部3aが存在する。ここで、POF3の曲率半径を適切に設定して、湾曲部3aから光が漏れ出て、漏れた光が透明基板1の内部を伝搬するようにする。湾曲部3aから漏れ出た光を、図中に矢印で示す。透明基板1の端部の側面は、POF3を通すための溝2の領域を除き、反射材4で覆う。透明基板1の底面には反射板5が配置されている。透明基板1の上方には拡散板7が配置される。
次に、図5に示す構成の動作を説明する。光源6からの光はPOF3の内部を伝搬して湾曲部3aに至る。湾曲部3aから一定の割合で光が漏れて透明基板1に侵入する。この光は、図5(b)に示すように透明基板1の内部を伝搬する。透明基板1の端部まで到達した光は反射材4で反射されて透明基板1の内部を伝搬する。透明基板1の底面に到達した光も、反射板5で反射されて透明基板1の内部を伝搬する。このような過程により、透明基板1の内部を伝搬する光の量は、透明基板の場所に依らず均一になる。この光の一部は、POF3や溝2と空気との界面で屈折、反射されて進路を変えられて、透明基板1の外部へ放射される。即ち、POF/溝/隙間の空気層からなる構造物は出力カプラとして機能する。透明材料や反射材料での光の吸収を無視すれば、光源から放出された全ての光が最終的に拡散板7へ入射して、均一化された光が図中の上方へ伝搬する。本実施形態では、拡散板7は、導光板1の図中上方に導光板1との間に空間を空けて配置されている。
以下では数値例を挙げながら実施の形態を更に詳しく説明する。図6は、照明装置の構成要素と照明装置の動作中の写真である。構成要素を図6(a)に示す。寸法10cm×10cm×3mmのアクリル板(屈折率1.49)を導光板(透明基板1)として使用し、その表面に断面が矩形の溝2を波状に形成した。以下では、このように加工した導光板をPOFホルダ1hと表記する。POF3には、直径500μm、コアとクラッドの屈折率がそれぞれ1.49、1.40のものを使用した。曲率半径を12.5mmより小さくすると光が漏れる。ここではPOF3の曲率半径を全て9.5mmに設定した。反射板5と拡散板7には、バックライトの構成に用いる一般的な部材を用いた。図5(a)では一つのPOFのパターンに対応して光源6を配置しているが、図6の実施の形態では一筆書きの要領で1本のPOF3をレイアウトして、光源6も1個のみを使用した。POFホルダ1hと拡散板7との間の距離dを0.2cmまたは2.0cmに設定してPOF3にレーザー光を入射させたときの写真をそれぞれ図6(b)、(c)に示す。POFホルダ1hから0.2cmの場所に拡散板7を配置した図6(b)の例では、光が十分に拡散されておらず均一な光源になっていないが、図6(c)の例に示すようにPOFホルダ1hから2.0cmの場所に拡散板7を置くと、光が十分に拡散されることが確認できる。また、図6(b)のPOFのパターンはほぼ同じ強度である。これは、POF3および溝2の構造が出力カプラとして機能することと、アクリル板の内部を伝搬する光の量が場所に依らずほぼ一定であることを示している。
図7は、POFのレイアウトを変更した照明装置の動作中の写真である。以上では、POF3を波型にレイアウトした例を説明したが、POF3のレイアウトパターンは波型に限定されず、POF3が湾曲部3aを有する限り、図7に示すように様々なパターンが可能である。図6の例と異なる点はPOFホルダ1hの溝2のパターンのみである。曲率半径は、図7(a)、(b)では8.5mm、図7(c)、(d)では10.5mmである。POFホルダ1hと拡散板7との間の距離dを2.0cmに設定すると、これまでに示したPOF3の3つのレイアウトパターンのいずれにおいても、光は十分に拡散されており、これにより面状光源を実現することができる。
このように、本発明の照明装置では、湾曲部3aを有する光ファイバ3を導光板1の内部に配置する。光ファイバのレイアウトは自由度が高く、発光領域が均一な照明装置の設計が容易である。また、微細な加工が不要なため、製造も容易である。
更に、光源6にレーザーダイオードを使用する場合には、光源6と光ファイバ3との結合には、光ファイバに関する公知の技術を適用することができるため、光の損失をより低減させることができる。すなわち湾曲部3aから導光板1へ光が漏れるときの損失はほぼゼロである。従って、光の利用効率が高い。また、レーザーは単一波長なので、液晶パネルと組み合わせて表示装置を構成するときの色再現域が広くなる。もちろん本発明は、光源の種類をレーザーに限定するものではなく、光ファイバに光を通すことができる限り、光源にはLED、蛍光灯、または白熱電球等の種々の光源を用いることができる。
変形例(溝を用いない構成)
以上に説明した構成では導光板1の表面に溝2を形成してPOF3を配置したが、これは、導光板の内部に配置したPOFに湾曲部を設けて光をPOFの外部へ漏洩させることを目的としている。この目的を達成するための構成は、導光板1の表面の溝2に限るものではない。例えば、POFを加熱して冷却すると加熱時の形状が記憶される現象を利用してもよい。即ち、まず、湾曲した溝を有する金型にPOFを配置して加熱した後に冷却する。次に、湾曲したPOFを金型から取り出して、透明基板の表面に配置し、接着剤で固定する。最後にもう1枚の透明基板を上からかぶせて固定する。以上の工程により導光板の内部に湾曲部を有するPOFが配置され、湾曲部の周囲の空間に光を漏らすことができる。周囲の空間とは、この場合は具体的には空気だが、POFのコアよりも低い屈折率の材料で埋めてもよい。あるいは、1枚の透明基板の表面に湾曲部を有する突起を形成し、POFに一定の張力を加えた状態でこの突起の側面に沿わせ、もう1枚の透明基板を上から接着する。これらの工程により導光板に内部に湾曲部を有するPOFを配置し、湾曲部から光を導光板の内部へ漏洩させることができる。
変形例(単位要素化)
以上に説明した構成では1枚のPOFホルダ1hに1本のPOF3を配置したが、この構成を単位要素(セル)として平面状に周期的に配置することにより、大面積の照明装置を容易に実現することができる。図8は、複数のセルを並置して個々の光出力を独立に制御する構成を示す模式図である。(a)は平面図であり、(b)は光出力の時分割分岐を説明する図である。(a)には、単位要素(セル)として12個のPOFホルダを3行4列に配置した例を示す。以上に説明した構成と同様に、1枚のPOFホルダ1hには、一筆書きの要領で1本のPOFがレイアウトされている。このとき、個々のPOFに独立した光源6#1〜#12を設けることにより、直下型バックライトで一般に実現される「適応照明」(adaptive dimming、あるいはlocal dimming)と呼ばれる技術を適用することができる。即ち、表示したい画像の明暗に対応して光源の出力を調整することができる。具体的には、表示画像の暗い領域に対応する光源の出力を減少させ、明るい領域に対応する光源の出力を増加させる。これにより液晶パネルで無駄に吸収される光量が低減されるので、表示装置の消費電力が低減される。光源の数を減らしたい場合には、図8(b)に示すように、光スイッチ6sを用いて1個の光源6の光を時分割で複数のPOFに入力させてもよい。このような光スイッチ6sとしては、光通信分野で培われた各種の集積光学素子(例えば方向性結合器)を利用できる。
第二の実施の形態(シースルー化)
図9は、本発明の第二の実施の形態に係る照明装置の構成を示す模式図である。(a)は平面図であり、(b)は断面図である。POF3のレイアウトに湾曲部3aが含まれるのは第一の実施の形態と共通である。図9(a)に示すように、第二の実施の形態では、湾曲部3aが透明基板1の平面ほぼ中央に配置される。また、図9(a)の例では湾曲部3aは円弧状であり、複数の湾曲部3aが連続して円形となっているが、湾曲部3aの形状は円弧状に限られず、部分円や波型であってもよい。更に、この実施の形態では溝2とPOF3との隙間を接触液8で埋める点が重要である。接触液8の屈折率は、好ましくは透明基板1やPOF3のコアの屈折率とほぼ同じ(例えば、屈折率1.49)である。POF3のクラッドの屈折率は若干異なるが、この構成により、POF3は目視での確認がほぼ不可能になる。また、透明基板1の表面には複数の微細な構造物9(出力カプラ)を配置する。更に、透明基板1の側面には、POF3を通すための溝2の領域を除き、反射材4を配置する。尚、出力カプラ9は透明基板1内を伝搬する光を外部に取り出すための構造であり、従来からエッジ点灯型バックライトに用いられている。出力カプラ9には、例えば、参考文献1あるいは2の構造を採用すればよい。なお、シースルー化を実現するために、第二の実施の形態では、照明装置は、透明基板1の底面に反射板5を備えない。透明基板1の上方に拡散板7を備えない。
以上に説明した構成では導光板1の表面に溝2を形成してPOF3を配置し、隙間を接触液8で埋めたが、これは、POF3を目視で確認できないようにすることを目的としている。この目的を達成するには、POFのコアと導光体の屈折率がほぼ同じになればよいので、例えば、次の手法を用いてもよい。第一の実施例で述べた手法でPOFに湾曲部を記憶させ、これを2枚の透明基板で挟み、屈折率がPOFのコアとほぼ同一の熱硬化樹脂あるいは紫外線硬化樹脂でPOFの周囲の空間を満たし、加熱または紫外線照射により樹脂を固化させる。以上によりPOFを目視で確認できなくなる。
次に、図9に示す構成の動作を説明する。光源6から発せられた光はPOF3を伝搬して湾曲部3aに至り、透明基板1の内部へ侵入する。透明材料による光の吸収は無視できるので、この過程で光の損失はない。透明基板1内に漏れた光は出力カプラ9によって外部へ取り出される。この光取り出しの過程は従来のエッジ点灯型バックライトと同様であり、ほぼ全ての光が透明基板1の上方へ放射される。但し、図9ではPOF3の湾曲部3aが等価的に光源となるので、透明基板1の中央に光源が置かれることになる。このように、導光板として機能する透明基板1の中央に等価的に光源を配置することが可能となるので、従来のエッジ点灯型バックライトに比べて出力カプラ9の密度を低くすることが可能になる。光源6がOFFされて光がPOF3に入射されない状態では、前述のようにPOF3と溝2との隙間が接触液8で埋められているので、このPOF3と溝2はほぼ視認できなくなる。透明基板1の平面において出力カプラ9の占める領域はわずかなので、光がPOF3に入射されない状態では、図9の構成はほぼシースルーになる。以上より、図9の構成は従来のエッジ点灯型でも直下型でもなく、言うならば両者の折衷型のバックライトとなる。
但し、図9の構成では、わずかとは言え透明基板1を貫く外光Lexの一部が出力カプラ9へ入射する。出力カプラ9へ入射した外光Lexは様々な方向へ散乱されるので、白色の照明の下では透明基板1がわずかに白くなり、シースルー画像のコントラストが劣化する。この現象を防ぐには図10の構成を採用すればよい。図10は、出力カプラによる外光の散乱を防止する構成を示す模式図である。(a)は吸収材を用いる構成を示し、(b)は屈折を利用する構成である。図10(a)に示す例では、出力カプラ9の外光Lexが入射する面側に、光の吸収材10aが配置され、外光Lexの散乱を防止している。図10(b)に示す例では、出力カプラ9の外光Lexが入射する面側に、平行な斜面を有する複数の透明体10bが配置されている。透明体10bには斜面が設けられており、透明体10bの一対の斜面が略平行に配置されることにより、外光Lexは進行方向をわずかに反らして、出力カプラ9の脇を貫いて透明基板1の外部へと放出される。このように、光の吸収材10aまたは光を屈折する構成要素10bを出力カプラ9の近傍に配置することにより、外光Lexが出力カプラに入射して、画像のコントラストの低下を防止できる。
次に、以上に説明した構成を大面積にするときの課題と解決策について説明する。図11は、本発明の第二の実施の形態に係る照明装置を並べて大面積化する構成を示す模式図である。図9の構成においてそのまま透明基板1の面積を大きくすると、POF3の湾曲部3aから漏れ出た光が伝搬する距離が増加する。従って、従来のエッジ点灯型バックライトの場合と同様に、透明基板1の周辺部では出力カプラ9の密度を高くしなければならない。図10の構成を採用すれば出力カプラ9による外光Lexの散乱は防げるが、透明基板1の周辺部では外光の透過率が劣化する、または、周辺部でシースルー画像が歪むという問題が発生する。これらの課題を解決してシースルーの照明装置を大面積化するために、本実施の形態ではモジュール化の手法を採用する。即ち、図11に示すように、図9の構成(以下ではセルと呼ぶ)を並べてPOF3で接続する。ここで、各セルの面積は同一で光学的に独立しており、全てのセルから同じ量の光が取り出されるものとする。これを実現する手法について以下に詳しく説明する。
図11に示す構成の動作を説明する前に、均一で大面積のシースルーの照明装置を実現するための予備実験について説明する。即ち、POF3の湾曲部3aから取り出される光量が曲率半径に依存する現象を定量化する。この実験の方法を図12に示す。図12は、POFの曲率半径に依存して湾曲部から取り出される光量が変化する現象を説明するための模式図である。(a)は実験のセットアップを示す平面図であり、(b)は2種類のPOFの光取り出し効率の実験データをプロットしたグラフである。図12(a)に示すように、アクリル製の基板1に曲率半径の異なる複数の溝2を円弧状に形成してPOFホルダ1hを形成し、その溝2の一つにPOF3を配置する。この状態でPOF3の一端から一定量の光を入射し、他端から出射する光量をパワーメータ21で測定する。入力と出力をそれぞれPin、Poutとすると、光取り出し効率は曲率半径rの関数として次式で定義される。
直径が500μmと250μmの2種のPOFについてこの測定を繰り返した結果を図12(b)のグラフに示す。グラフの縦軸が光の取り出し効率であり、横軸が湾曲部3aの曲率半径rである。測定結果のグラフから、曲率半径rを適切に選択することにより、光取り出し効率を0から0.5程度までの範囲で精度よく設定できることが分かる。尚、図12(b)に示す光取り出し効率は、1/4の部分円に対応する点に留意するべきである。更に、溝2とPOF3の隙間は、アクリル板と同じ屈折率1.49の接触液で埋め、図12(a)の点線で囲む領域Dにパワーメータ21の検出部を置いて、POF3の湾曲部3aからアクリル基板の面に垂直な方向に漏れる光の測定を試みたところ、1mWのPinに対して結果は検出限界(0.1nW)以下であった。従って、POF3の湾曲部3aから漏れた光は、ほぼ完全にアクリル基板1を伝搬する。即ち、POF3の湾曲部3aから透明基板1へ光を漏れさせる過程において損失はないと判断される。
次に、図11を参照しながら、均一で大面積の照明装置が実現される原理を説明する。n番目のセルに入力する光強度と光取り出し効率をそれぞれI、ηとし、セルの総数をN、最初のセルに入力される光強度をIとする。前述の通り、各セルの面積は同一で光学的に独立しており、全てのセルから同じ量の光が取り出されるものとすると、次式が成り立つ。
これらより、I、ηが次式の通り求められる。
図13は、各セルの光取り出し効率と各セルにおいてPOFを伝搬する光量との設計例の一例を示すグラフである。数値例として、N=25、I=100の場合のI、ηを図13のグラフに示す。各セルの光取り出し効率をこのように設定すると、全てのセルから同じ量の光を取り出すことができる。各セルの光取り出し効率は、図12(b)に例示したように、POFの曲率半径を選定することで設定される。以上により、大面積で均一な照明装置が実現される。
図14は、多彩な形状の照明装置の一例を示す模式図である。前述の実施の形態では発光領域はいずれも矩形だが、図14に示すように、矩形のセルを複数並べて一筆書きの要領でPOF3をレイアウトすることができる。好ましくは、最も外側に配置されるセルの外側の側面には反射材4は設けず、実際に実現したい照明装置の形状22の外側の側面に反射材4を設ける。更に、外周に配置するセルのPOF3の湾曲部の曲率半径をやや小さめに設定することで、隅々の領域まで均一に発光する照明装置になる。これにより、多彩な形状の照明装置を簡便かつ低コストで実現できる。尚、図14では各セルの内部の円弧上のPOF3の湾曲部を描いていないが、これは要点を強調するための簡略化が目的であり、実際には図11と同様に、各セルの内部にはPOF3の湾曲部3aが存在する。
このように第二の実施の形態では、光ファイバ3の湾曲部3aを等価的な光源として導光板1の平面中央に配置することにより、導光板1に形成する出力カプラ9の密度を低くできる。外光Lexが出力カプラ9によって散乱されないためシースルーになる。光を吸収材10aまたは屈折する材料10bを出力カプラ9の近傍に配置することにより、鮮明なシースルー画像が得られる。また、モジュール化の手法を用いて、大面積で様々な形状の均一な照明装置が実現される。
第三の実施の形態(表示装置)
第二の実施の形態の照明装置を用いて表示装置を構成すれば、明所での視認性と暗所での画質の両立が可能となる。更に、明所では照明装置を点灯しないで外光を利用することで、表示装置の消費電力を格段に低減できる。以下にこの第三の実施の形態の構成とその動作を説明する。
図15は本発明の照明装置を備える液晶表示装置の構成を示す分解斜視図である。この表示装置30は、液晶パネル31と、本発明の第二の実施の形態に係る照明装置32と、高分子分散型液晶(Polymer-Dispersed Liquid Crystal、以下ではPDLCと呼ぶ)パネル33とが積層して構成される。液晶パネル31は公知の構成であり、一般にスイッチ素子として機能する薄膜トランジスタ(Thin-Film Transistor、以下ではTFT)を画素ごとに設けたTFT基板311と、カラーフィルタや透明電極などを備えた対向基板312と、その間に位置する液晶層(図示せず)と、これらの構成を上下から挟む2枚の偏光板313,314とから構成される。更に、指やペンで入力するためのタッチ検出機能を実現する構成要素を液晶パネル31に備えてもよい。照明装置32は、本発明の第二の実施の形態で説明した構成であり、単体のセルでも、複数のセルをPOFで接続した構成のどちらでもよい。図15の例では、照明装置32の発光領域を領域A2と領域B2との2つに分割し、照明のON/OFFを領域毎に独立して制御する。PDLCパネル33は最下層に配置される。このPDLCパネル33は、透明電極を持つ2枚の透明基板でPDLCを挟んだものであり、透明電極への電圧の印加により、PDLCパネル33を透明な状態(光を透過する状態)と光を拡散する状態とに切り替えることができる。この実施形態では、照明装置32の領域A2と領域B2とに対応して、PDLCパネル33も領域A1と領域B1との2つに分割し、透明・拡散の状態を領域毎に独立して切り替えることができる。
次に、図15に示す構成の動作を説明する。図15の例に示した液晶表示装置30の構成において、複数の領域毎に独立して照明装置32のON/OFF制御およびPDLCパネル33の透過・拡散の切り替えを行うことにより、次の表示動作が可能になる。
まず、室内等の外光が強くない環境では、例えばPDLCパネル33の領域A1を拡散状態とし、この領域A1に対応する照明装置32の領域A2の照明をONにすると、対応する液晶パネル31の領域(以下、領域Aと呼ぶ)に画像が表示される。また例えば、PDLCパネル33の領域B1を透過状態とし、この領域B1に対応する照明装置32の領域B2の照明をOFFにすると、対応する液晶パネル31の領域(以下、領域Bと呼ぶ)はシースルーになる。即ち、領域Bでシースルーの画像を観察しながら、領域Aに関連の情報を表示することができる。以上は、シースルーモードと画像表示モードの両方を領域に分割して実現する動作である。
一方、屋外等の外光が強い環境では、照明装置32を全面でOFFにし、PDLCパネル33を全面で拡散状態にすれば、一般の反射型液晶表示装置として機能する。この状態でPDLCパネル33を全面で透過状態にすれば表示装置30はシースルーになる。PDLCパネル33の一部の領域を拡散状態とすれば、この領域には外光を利用した表示が実現され、その他の領域はシースルーになる。これらの動作において、照明装置32とPDLCパネル33で消費される電力は、それぞれの構成要素の制御に必要な電子回路の待機電力のみとなる。
このような表示装置30を携帯型端末機器に搭載すれば、例えば領域Bのシースルー画像が商品であれば、その商品の仕様や価格、外国語で書かれた文章であればその翻訳文などを、隣接する領域Aに並べて表示できる。この状態で照明装置32の領域A2、B2の照明を共にOFFにすると、表示装置30の全面がシースルーになる。また、この状態で領域A2、B2の照明を共にONにすると、表示装置30の全面に画像を表示できる。このような、シースルーモードと画像表示モードとを領域毎に切り替え可能な表示装置30を例えば車のフロントガラスに貼り付けると、従来のプロジェクタ方式のHead-Up Displayを大幅に小型化できる。
尚、シースルーの機能が不要な用途には、PDLCパネル33の代わりに拡散板7を使用してもよい。この場合にも明所・暗所の両方で視認性が良く、明所での消費電力が低い表示装置を実現できる。
以上に説明したように、本発明の照明装置32を用いた表示装置30では、液晶パネルの各画素の全領域で外光あるいは照明装置32の出力光を選択して利用することができる。従って、本発明の表示装置30は、従来の半透過型LCDに比べて光の利用効率が高い。また、本発明の表示装置30は、従来のOLEDや透過型LCDに比べて、外光が強い環境での視認性が優れ、消費電力が格段に低い。外光が弱い環境でも従来のOLEDや透過型LCDと同等の画質が得られる。更に、光ファイバはレーザーとの相性がよいという特徴がある。すなわち、本発明の照明装置32の光源6にレーザーダイオードを用いれば、従来の光源を使用する透過型LCDやOLEDに比べて表示装置の色再現領域が拡大されて、より現実に近い画像を表示できる。
以上、本発明の第一の実施の形態の照明装置では、湾曲部を有する光ファイバを導光板の内部に配置する構成であるため、光ファイバのレイアウトは自由度が高く、発光領域が均一な照明装置の設計が容易である。また、微細な加工が不要なため、製造も容易である。更に、単位要素を周期的に配置することにより、adaptive dimming技術を適用することも可能である。
また、本発明の第二の実施の形態の照明装置では、光ファイバの湾曲部を等価的な光源として導光板の中央に配置することにより、導光板に形成する出力カプラの密度を低くできる。外光が出力カプラによって散乱されないためシースルーになる。光を吸収材または屈折する材料を出力カプラの近傍に配置することにより、鮮明なシースルー画像が得られる。また、モジュール化の手法を用いて、大面積で様々な形状の均一な照明装置が実現される。
また、本発明の第三の実施の形態の表示装置では、第二の実施の形態の照明装置を備えることにより、従来の半透過型LCDに比べて光利用効率が向上する。また、従来のOLEDや透過型LCDに比べて、外光が強い環境での視認性が優れ、消費電力が格段に低下する。外光が弱い環境でも従来のOLEDや透過型LCDと同等の画質が得られる。
更に、本発明の照明装置の光源にレーザーダイオードを用いれば、従来の光源を使用する透過型LCDやOLEDに比べて表示装置の色再現領域が拡大されて、より現実に近い画像を表示できる。
以上、本発明を特定の実施の形態によって説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではない。
上記実施の形態では、光ファイバはプラスチック製であるが、曲げ損失を利用して湾曲部から光を漏れ出すことができる限り、ガラス等の他の素材で形成された光ファイバを用いてもよい。
また、上記第一の実施の形態では、POF3を波型にレイアウトしているが、POF3のレイアウトパターンは波型に限定されず、POF3が湾曲部3aを有する限り、POF3は様々なレイアウトパターンが可能である。
また、上記第一の実施の形態では、拡散板7は導光板1との間に空間を空けて配置されているが、拡散板7は導光板1の表面に積層して配置されてもよい。
また、上記第一の実施の形態では、導光板1の一方の面側に拡散板7を備え、他方の面側に反射板5を備え、導光板1の一方の面側からのみ光を放出しているが、反射板5に代えて、拡散板7と同様の拡散板を配置して、導光板1の上下両方の面から光を放出する態様としてもよい。
また、上記実施の形態では、単位要素(セル)化した複数の照明装置を平面状に配置することにより、照明装置を大面積化しているが、照明装置の配置は平面状に限らず、光ファイバ3および導光板1の曲げ強度が許容される範囲において、曲面状であってもよい。これにより、車のフロントガラス等の概ね平坦な平面に限らず、ヘルメットのバイザーや航空機のキャノピー等の比較的曲率が強い曲面にも、Head-Up Display用の照明装置を提供することが可能となる。
また、上記実施の形態では、光源6の種類は特に限定されていないが、POF3を通すことができる限り、光源6には、発光ダイオード(LED)、エレクトロルミネセンスパネル(ELP)、冷陰極管(CCFL)、蛍光灯、白熱電球、放電管、レーザーダイオード(LD)等の種々の光源が利用可能である。
また、上記第二の実施の形態では、POF3の湾曲部3aは円弧状であり、複数の湾曲部3aが連続して円形となっているが、湾曲部3aの形状は円弧状に限られず、部分円や波型であってもよい。
また、上記第三の実施の形態では、シースルー化された第二の実施の形態の照明装置を用いて表示装置を構成しているが、シースルー化が不要な用途では、第一の実施の形態の照明装置を用いて表示装置を構成してもよい。この場合、表示装置は、バックライトとして機能する第一の実施の形態の照明装置と、液晶パネル31とを備える。
また、上記第三の実施の形態では、PDLCパネル33を用いているが、これに代えて、ポリマーネットワーク型液晶(Polymer Network Liquid Crystal、以下ではPNLCと呼ぶ)パネルを用いてもよい。すなわち、PNLCパネルを表示装置30の最下層に配置して、PNLCパネルの透明・拡散の状態を、領域毎に独立して切り替えてもよい。これ以外にも、パネルの透明・拡散の状態を領域毎に独立して切り替え可能な構成であれば、種々の液晶の駆動方式を用いることができる。
本発明は、照明装置およびこれを備える表示装置を提供するものであり、特に、照明装置を液晶表示装置のバックライトとして用いることにより、携帯機器の表示装置の視認性と消費電力とを改善し、更にはシースルー表示機能を追加するものである。現在、スマートフォンやタブレット端末の市場では半透過型LCDが支配的だが、画質と消費電力に優位性がある本発明の表示装置により、半透過型LCDを代替することが可能となる。更に、新規に提供されるシースルー機能により、これらの携帯機器の市場をさらに拡大することができる。
また、現在は車のフロントガラスにナビゲーション情報などを表示するプロジェクタ方式の表示装置が普及し始めている。本発明の表示装置には薄型という利点があるため、このような応用でも市場を拡大することができる。
1 透明基板(導光板)
1h POFホルダ
2 溝
3 プラスチック光ファイバ(POF)
3a 湾曲部
4 反射材
5 反射板
6 光源
6s 光スイッチ
7 拡散板
8 接触液
9 出力カプラ
10a 光の吸収材
10b 透明体
21 パワーメータ
30 表示装置
31 液晶パネル
32 本発明の照明装置
33 PDLCパネル
Lex 外光
obs 観察者

Claims (11)

  1. 光源と、
    湾曲部を有する光ファイバと、
    導光板とを備え、
    前記光源からの光が前記光ファイバの一端に入射され、前記導光板の内部に前記光ファイバが配置され、
    前記光ファイバの前記湾曲部から漏れだした光が、前記導光板の内部を伝搬して、前記導光板の外部へ放出される、照明装置。
  2. 前記導光板の一方の面側に拡散板をさらに備える、請求項1に記載の照明装置。
  3. 前記導光板の他方の面側に反射板をさらに備える、請求項2に記載の照明装置。
  4. 複数の前記導光板が前記光ファイバで接続されている、請求項1〜3のいずれかに記載の照明装置。
  5. 前記導光板の表面に、光を前記導光板の外部へ取り出すための出力カプラが配置される、請求項1に記載の照明装置。
  6. 前記出力カプラに対応する領域に光の吸収材または屈折体が配置され、前記出力カプラに入射する外光の量を制限する、請求項5に記載の照明装置。
  7. 前記導光板の屈折率が前記光ファイバのコアの屈折率とほぼ同じである、請求項5に記載の照明装置。
  8. 複数の前記導光板が前記光ファイバで接続され、前記導光板の各々において、前記光ファイバの前記湾曲部の曲率半径が異なっている、請求項5〜7のいずれかに記載の照明装置。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の照明装置と、前記照明装置の一方の面側に配置された液晶パネルとを備える、表示装置。
  10. 請求項5〜8のいずれかに記載の照明装置と、前記照明装置の一方の面側に配置された液晶パネルとを備え、
    前記液晶パネルが、
    前記照明装置がオン状態の場合には、前記照明装置からの光を画像表示用の光源とし、
    前記照明装置がオフ状態の場合には、外光を画像表示用の光源とする、表示装置。
  11. 前記照明装置の他方の面側に配置され、電圧の印加により光を透過する状態と光を拡散する状態とを複数の領域毎に独立して切り替え可能な透過拡散パネルをさらに備え、
    前記照明装置は、前記透過拡散パネルの前記複数の領域に対応する複数の領域毎に独立して、オン状態とオフ状態とが切り替え可能である、請求項10に記載の表示装置。
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