JP2015215698A - 電磁界シミュレーションプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】実用的な計算機占有時間で、電子機器が放射する電界強度を、精度良く予測する電磁界シミュレーションプログラムを提供する。
【解決手段】電磁界シミュレーションプログラムは、複数の周波数を含む基準信号を、対象物の設計データの第1点に入力した場合に、第2点での前記基準信号の変化を電磁界シミュレーションにより求め、求めた前記基準信号の変化より、前記複数の周波数毎の変動データを算出し、前記第1点に印加する信号を周波数分解し、周波数分解した信号と前記周波数毎の変動データから、前記信号が印加された前記第1点より伝搬した第2点における前記信号の周波数分布を算出する処理をコンピュータに実行させる。
【選択図】図7

Description

本発明は、電子機器の放射する電界強度をシミュレーションにより予測する電磁界シミュレーションプログラムに関する。
電子機器が多く普及している現代において、各電子機器が発する電波やノイズは、他の電子機器の動作に障害を与える原因となる。そのため、例えば、日本ではVCCI、米国ではFCCの定めた規格により、電子機器は一定のレベル以上の電波やノイズを放射してはならないと規制されている。
電子機器を設計する際には、上記の規格を満足するために、さまざまな対策を設計に盛り込むとともに、盛り込んだ対策が有効であるかの検証が必要となる。検証のために、電子機器を試作し、試作した電子機器が放射する電波やノイズを計測することは、時間と費用などのコストが要する。それに対して、電磁界シミュレーションを用いて机上で定量的に対策の効果を検証することが提案されている(特許文献1)。
また、シミュレーション手法の一つとして、FDTD法(Finite−difference time−domain method、時間領域差分法、有限差分時間領域法)が、広く使われている。
特開2001−356142号公報
しかし、電磁界シミュレーションを用いて、電子機器が放射する電波やノイズを計測する場合であっても、計算量の増大による計算時間の増加という問題がある。電子機器のある1点(「第1点」という)にノイズが発生し、それが観測点(「第2点」という)に伝搬する状況をシミュレーションにより評価する場合を考える。この場合、第1点にノイズが発生してから、ノイズ停止後の定常状態に戻るまでの時間、第2点の状況を評価する必要がある。ここで、定常状態に戻るとは、第1点でのノイズが停止後であって、第2点において、第1点から伝搬したノイズが第2点を通過し、更に遠方へ伝搬したことにより、第2点ではノイズが観測されない状態になったことをいう。したがって、第1点で発生するノイズが、インパルスノイズのように短い時間で発生するものであったとしても、定常状態に戻るまでの時間をシミュレーションする必要がある。特に、シミュレーション手法としてFDTD法を用いる場合、FDTD法は時間領域での解析であるため、評価する時間が長くなることは、時間軸方向でのステップが多くなることを意味する。すなわち、計算量が増大する。
一方、上述したVCCIなどの規格では周波数領域での解析が必要となっている。FDTD法を用いる場合、時間領域での解析結果を周波数領域に変換する必要がある。周波数領域での解析を精度良く行うためには、時間軸方向で一定数回以上の計算が必要となり、時間領域での計算量が膨大となる。また、時間領域で解析結果を周波数領域に変換するには、フーリエ変換を用いるため、フーリエ変換の精度を高めるためにも、シミュレーション対象とする時間を長くすることが望まれる。以上のことから、FDTD法による電磁界シミュレーションは、計算機占有時間が長時間にわたり、実用的な時間で解析が終了しないという不具合が生じる。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、実用的な計算機占有時間で、電子機器が放射する電界強度を、精度良く予測する電磁界シミュレーションプログラムを提供することを目的とする。
本明細書に開示する電磁界シミュレーションプログラムは、複数の周波数を含む基準信号を、対象物の設計データの第1点に入力した場合に、第2点での前記基準信号の変化を電磁界シミュレーションにより求め、求めた前記基準信号の変化より、前記複数の周波数毎の変動データを算出し、前記第1点に印加する信号を周波数分解し、周波数分解した信号と前記周波数毎の変動データから、前記信号が印加された前記第1点より伝搬した第2点における前記信号の周波数分布を算出する処理をコンピュータに実行させる。
本発明の一観点によれば、計算量が少なく、かつ精度良く予測電界強度を算出することが可能となる。
電界強度予測装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。 実施の形態1で扱う系の一例を実環境として表現した場合の構成図である。 リファレンス波の一例を示すグラフである。 リファレンステーブルのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。 テストテーブルのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。 電界強度テーブルのレコードレイアウトの一例を示す説明図である。 電界強度予測処理の処理手順を示すフローチャートである。 求めた電界強度の一例を示すグラフである。 電界強度予測装置の機能構成例を示すブロック図である。
(実施の形態1)
以下、本明細書に開示する電界強度予測装置を、図面を参照しつつ、詳細に説明する。図1は電界強度予測装置1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。電界強度予測装置1は、CPU(Central Processing Unit)11、RAM(Random Access Memory)12、ROM(Read Only Memory)13、大容量記憶装置14、読取部15、通信部16を含む。各構成はバスで接続されている。
CPU11はROM13に記憶された電界強度予測プログラム(電磁界シミュレーションプログラム)1Pに従いハードウェア各部を制御する。RAM12は例えばSRAM(Static RAM)、DRAM(Dynamic RAM)、フラッシュメモリである。RAM12はCPU11によるプログラムの実行時に発生するデータを一時的に記憶する。
大容量記憶装置14は例えばハードディスク、SSD(Solid State Drive)である。大容量記憶装置14は、解析モデルデータ141、リファレンステーブル142、テストテーブル143、電界強度テーブル144を記憶する。なお、電界強度予測プログラム1Pを大容量記憶装置14に記憶しても良い。
読取部15はCD(Compact Disk)−ROM、DVD(Digital Versatile Disc)−ROMを含む可搬型記憶媒体1aを読み取る。通信部16はネットワークNを介して、他のコンピュータと通信を行う。電界強度予測プログラム1Pを、CPU11が読取部15を介して、可搬型記憶媒体1aより読み取り、大容量記憶装置14に記憶しても良い。また、CPU11がネットワークNを介して他のコンピュータから電界強度予測プログラム1Pをダウンロードし、大容量記憶装置14に記憶しても良い。さらにまた、半導体メモリ1bから、CPU11が電界強度予測プログラム1Pを読み込んでも良い。
なお、電界強度予測装置1は、専用の装置として構成することは必須ではなくパーソナルコンピュータ、サーバコンピュータなどの汎用のコンピュータで構成することが可能である。
次に、電界強度予測装置1による処理の内容を説明する前に、FDTD法について簡単に説明する。FDTD法は、物理的な物体の形状が定義された仮想空間(解析空間)内に、電界強度を計算する点(電界計算点)と磁界強度を計算する点(磁界計算点)とを離散的に配置し、時間軸に沿って電界強度と磁界強度とを交互に算出する方法である。FDTD法では、具体的には、物理的な物体の形状が定義された仮想空間に直方体状の複数のセルが設定される。各セルには、自セルに多く含まれている媒体(物体又は空気)の媒質に応じた電気定数、すなわち、誘電率、透磁率、及び、導電率が、付与される。そして、各セルの各辺の中心には、電界計算点が配置され、各セルの各面の中心には、磁界計算点が配置される。つまり、FDTD法では、セルが仮想空間内に設定されることにより、電界計算点と磁界計算点とが離散的に配置され、電界計算点での電界強度、磁界計算点での磁界強度が算出される。FDTD法では、時間領域での電界強度、磁界強度がほぼ0に収束したところで、シミュレーションを終了する。
次に、本実施の形態におけるシミュレーションの手法について説明する。上述したように、FDTD法は時間領域解析法である。一方、上述したVCCIなどのEMI(Electro Magnetic Interference)規格に定められた測定では、横軸を周波数、縦軸に電界強度として評価する。そのため、FDTD法で時間領域解析した結果を周波数領域に変換する必要がある。しかし、ノイズ源を使って時間領域で解析する場合、実用的な計算機占有時間でシミュレーションを実行するためには、ノイズ源の振動回数に制限が必要となる。FDTD法のような時間領域解析では、観測する時間が長くなればなるほど計算ステップ数が増え、計算量が増える。それに伴い計算機占有時間も長くなる。計算機占有時間を実用的な時間にするため観測する時間を短くすれば、ノイズ源の振動回数は制限されることになる。しかし、振動回数を減らすと予測精度は低下することとなる。
そこで、本実施の形態では、電磁波の周波数毎の振る舞いに着目して、計算機占有時間の短縮を図っている。電磁波の周波数毎の振る舞い(周波数応答)は、系のインピーダンスの分布、筐体の形状などから決まる。系とはシミュレーションの対象となる電子機器又は電子機器を模した計算モデルである。そして系が線形である限り、電磁波の強弱に依存するものではない。系が線形であるとは、ノイズ電圧の振幅が異なっても、観測される電界強度が変化するだけで、周波数毎の振る舞いは変化しない。すなわち、系が線形であれは、ノイズ電圧の振幅が異なっても、電磁波が集中しやすい箇所、電磁波が集中し難い箇所は変化しない。この電磁波の性質は、放射電界についても同様である。
本実施の形態では、上述した物理的な自明な事実を用いて、電界強度をFDTD法により、現実的な計算機占有時間で、精度良く求めることを可能とする。
図2は実施の形態1で扱う系の一例を実環境として表現した場合の構成図である。系には、対象となる電子機器2、観測装置3が含まれる。電子機器2は基板21が含まれている。基板21にはノイズ発生源(第1点)22が含まれる。観測装置3はアンテナ31、アンテナ31で観測されるノイズを記録するデータロガー33が含まれる。アンテナ31には、ノイズを観測する観測点32(第2点)が含まれる。本実施の形態では、図2で示される実環境を計算モデルとして表現したものが系となる。なお、シミュレーションでは、観測点32で計測されるべきノイズを計算により求める。したがって、観測点32に理想アンテナが存在するものとしてモデルを作成し、アンテナ31及びデータロガー33は系に含める必要はない。
次に、本実施の形態で用いる各種データについて説明する。まず、評価対象となる電子機器(対象物)をシミュレーションにおいてモデル化したものが、解析モデルデータ(設計データ)141である。解析モデルデータ141は、電界強度予測の対象となる電子機器の形状データ、物性値、波源データを含む。形状データは、筐体形状及び基板形状であるが、基板形状のみでもよい。物性値は、上述した電気定数を求めるための数値であり、比誘電率、比透磁率などであり、これらは筐体や基板に使用する材質より定まるものであるので、既知の値を設定すれば良い。解析モデルデータ141は大容量記憶装置14に記憶される。
次に、リファレンス波(基準信号)について説明する。リファレンス波は、基準となるノイズ波であり、調査する周波数を十分含み励振時間も短くて済むものを用いる。励振時間が短ければ、定常状態に戻るまでの時間も短くなり、FDTD法による計算量が少なくて済むからである。リファレンス波は、例えば、ガウスパルス、微分ガウスパルス、特定周波数に変調がかかっているパルスである。図3は、リファレンス波の一例を示すグラフである。図3Aは時間軸で見た場合の波形であり、横軸が時間、縦軸が入力電力である。図3Bは周波数軸で見た場合の波形であり、横軸が周波数、縦軸が入力電力である。図3Aに示すように時間幅が狭く、図3Bに示すように周波数帯域が広くなる波形が適している。本実施の形態ではガウスパルスを用いる。
続いて、リファレンステーブル142について説明する。図4はリファレンステーブル142のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。リファレンステーブル142は周波数欄、Pr(f)欄、Er(f)欄を含む。リファレンステーブル142は、解析モデルの第1点にリファレンス波をノイズとして入力した場合に、遠方界(第2点)で観測される電界強度(変動データ)をシミュレーションにより求めた結果を記憶するテーブルである。すなわち、リファレンステーブルは、リファレンス波を電子機器の第1点に入力した場合に、第2点でのリファレンス信号の変化をシミュレーションにより求め、求めたリファレンス信号の変化を周波数毎の変動データに変換した結果を記憶している。ここでは、第2点でのリファレンス信号の変化は、FDTD法により求めた時間領域での電界強度として表現されている。周波数欄は所定の周波数値が記憶される。図4の例では、単位はMHzであり、25MHzから450MHzまで、25MHz刻みで記憶されている。Pr(f)欄は、リファレンス波の周波数毎の電力を記憶する。図4の例では、単位はmWである。Er(f)欄は、所定の定められた遠方界で観測される電界強度の値が記憶される。図4の例では、単位はV/mである。遠方界は例えば、MHz帯のであれば対象機器(解析モデル)から10m、GHz帯であれば対象機器から3mの位置である。
さらに、テストテーブル143について説明する。図5はテストテーブル143のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。テストテーブル143は、テスト対象となるノイズ波に関するデータを記憶するものである。テストテーブル143は周波数欄、Pt(f)欄を含む。周波数欄はリファレンステーブル142の周波数欄に設定した値と同様な値が記憶される。Pt(f)欄は、ノイズ波の周波数毎の電力を記憶する。ここでは、単位はmWである。テストテーブル143は、第1点に印加する信号を周波数分解し、周波数毎の信号(電力)を記憶しているテーブルである。周波数分解には例えば、フーリエ変換を用いる。
最後に、電界強度テーブル144について説明する。図6は電界強度テーブル144のレコードレイアウトの一例を示す説明図である。電界強度テーブル144は予測結果を記憶するものである。電界強度テーブル144は周波数欄、Et(f)欄、E(f)欄を含む。周波数欄はリファレンステーブル142の周波数欄に設定した値と同様な値が記憶される。Et(f)欄は、遠方界で電界強度を記憶する。ここでは、単位はV/mである。E(f)欄は、最終的に求まった遠方界の電界強度を記憶する。単位はdBuV/mである。電界強度テーブル144は、第2点における信号の周波数分布を記憶したテーブルである。
次に、電界強度予測装置1で行われる電界強度予測処理について説明する。電界強度予測処理は、電界強度予測装置1で電界強度予測プログラム1Pが実行されることにより、行われる。図7は電界強度予測処理の処理手順を示すフローチャートである。電界強度予測装置1のCPU11は、解析モデルデータ141の設定を行う(ステップS1)。
次に、CPU11はリファレンス波の設定を行う(ステップS2)。ここでは、リファレンス波としてガウシアンパルスを用いる。リファレンス波の波形データは、例えば、シミュレーション開始からの経過時間と入力電力との組が複数からなる一群のデータである。時間の関数として表せるのであれば、関数式でも良い。また、リファレンス波の波形データをフーリエ変換により、周波数と電力値との関係を求め、リファレンステーブル142の周波数欄、Pr(f)欄に記憶する。
次に、CPU11は時間領域電界計算を行う(ステップS3)。ここでは、FDTD法を用いる。解析モデルの所定の位置に、リファレンス波を印加した場合に、解析領域内の電界及び磁界を時間領域で求める。
続いて、CPU11は求まった解析領域内の時間領域での電界及び磁界を使って観測地点における周波数領域での遠方界の電界強度に変換する(ステップS4)。
解析領域外の遠方界電界強度算出については、解析領域内に放射源を囲む閉空間を通過した電界および磁界から変換した等価電磁流を二次波源とし、そこからの放射を計算すると、比較的容易に遠方界計算が可能となる。遠方界計算については、時間領域での等価電磁流をフーリエ変換した後に観測地点まで位相シフトさせるなどして求めれば良い。その他、時間領域での遠方界を算出し、これをフーリエ変換し、周波数領域での遠方界電界強度算出する方法などもあるが、どのような方法で周波数領域遠方界電界強度を算出しても構わない。結果はリファレンステーブル142に記憶する(ステップS5)。
次に、CPU11はテスト波の設定を行う(ステップS6)。テスト波は解析対象となるノイズ波である。テスト波は、実際に観測されたノイズ波を用いても良いし、解析ツールにより得た、発生すると想定されるノイズ波を用いても良い。ノイズ波発生の解析は3次元電磁界解析である必要はないため、SPICE(Simulation Program with Integrated Circuit Emphasi)などを用いて解析すれば良い。テスト波は、リファレンス波と同様に、経過時間と入力電力の組が複数からなる一群のデータでも良いし、時間を引数とする関数式でも良い。テスト波のデータは、RAM12又は大容量記憶装置14に記憶する。
CPU11はテスト波の周波数解析を行う(ステップS7)。テスト波をフーリエ変換することにより、時間領域のデータから周波数領域のデータに変換する。変換の結果得た周波数と電力との関係をテストテーブル143に記憶する(ステップS8)。テストテーブル143の例は、図5に示した通りである。
CPU11はリファレンステーブル142、テストテーブル143の値を用いて、テスト波が入力された場合の、遠方界における電界強度を計算する(ステップS9)。CPU11は計算結果を出力する(ステップS10)。出力は電界強度予測装置1に接続された図示しないディスプレイに表示することでも良いし、電界強度テーブル144に記憶するのでも良いし、これら2つを共に行っても良い。CPU11は処理を終了する。出力される電界強度テーブル144の例は、図6に示した通りである。
電界強度の計算は次のようにして行う。まず、系の電力は、以下の式(1)が成り立つ。
[総電力]=[ノイズ源で発生する電力]=[放射電力+基板損で消費した電力]…(1)
上述したように、電磁波の振る舞いは、電力が変わっても変化しない。したがって、総電力の大小が変化しても、[放射電力]と[基板損で消費した電力]との比率は変化しないはずである。以上のことから、リファレンステーブル142に記憶されたリファレンス波の電力Pr(f)と電界強度Er(f)の比は、テスト波の電力Pt(f)と電界強度Et(f)との比に等しいはずである。よって、以下の式(2)が成り立つ。
Et(f)=Er(f)×Pt(f)/Pr(f) …(2)
さらに、求めた電界Et(f)を式(3)に従い、単位を[dBuv/m]に変換して最終的な成果であるE(f)を得る。
E(f)=20×log(Et(f)) …(3)
例えば、25MHzでは、Pr(f)は200.993mW、Er(f)は0.082V/mである。Pt(f)は106.23である。したがって、
Et(f)=0.082×106.23/200.993=0.043
となる。なお、図4〜図6に示す値は、小数点以下は第2位又は第3位まで示していないが、Et(f)の算出にあたっては、多い桁数で計算している。そのため図4及び図5に示す数値で計算したEt(f)の値と、図6に示すEt(f)との値には、多少の誤差が生じている場合がある。
図8は求めた電界強度の一例を示すグラフである。横軸が周波数で単位はMHz、縦軸が電界強度で単位はdBuV/mである。図8に示すグラフをディスプレイに表示すれば、周波数毎の電界強度の状況を容易に認識することが可能となる。
実施の形態1では、時間領域での電磁界計算は、時間幅の小さいリファレンス波についてのみを行い、周波数毎の入力電力と電界強度値を求める。その結果を用いて、テスト波についての電界強度値を算出する。それにより、現実的な計算機占有時間で精度良い予測結果を得ることが可能となる。
実施の形態1では、解析モデルデータ141の設定(ステップS1)から電界強度の出力(ステップS10)まで一連の処理を示しているが、繰り返し行う場合は、一部を省略することが可能である。解析モデルの形状データが大きく変更されない場合、リファレンス波に対する電磁界計算の結果はほとんど変化しない。そのため、このような場合には、図7のステップS1からステップS5を省略し、既に作成したリファレンステーブル142を利用して、ステップS6以降の処理を行えば良い。形状データが大きく変更されない例は、ノイズ源がある線路に搭載されたダンピング抵抗の値を変更した場合である。
以上のように、軽微な仕様変更の場合は、リファレンステーブル142を再度求めることが不要であるので、解を得るまでの時間を大幅に削減することが可能となる。
(実施の形態2)
ノイズ発生源が複数箇所ある場合について説明する。ノイズ発生源が複数ある場合においては、ノイズ発生源毎に実施の形態1と同様な計算を行う。全てのノイズ発生源についての計算が終了したら、計算結果から得た電界強度の値を周波数毎に加算すれば、複数のノイズ源がある場合の予測結果を得ることが可能となる。その他の事項については、実施の形態1と同様な構成であるので、説明を省略する。
実施の形態2では、ノイズ発生源が複数箇所ある場合においても、多くの計算量を必要とする時間領域での電磁界計算は、テスト波よりは時間幅の短いリファレンス波のみについて行えば良いので、計算機占有時間の増大を抑えつつ、遠方界における電界強度を精度良く求めることが可能となる。
図9は電界強度予測装置1の機能構成例を示すブロック図である。電界強度予測装置1は、予測部11a、算出部11b、周波数分布算出部11cを含む。CPU11が電界強度予測プログラム1P等を実行することにより、電界強度予測装置1は以下のように動作する。
予測部11aは、複数の周波数を含む基準信号を、対象物の設計データの第1点に入力した場合に、第2点での基準信号の変化を電磁界シミュレーションにより求める。算出部11bは、求めた基準信号の変化より、複数の周波数毎の変動データを算出する。周波数分布算出部11cは、第1点に印加する信号を周波数分解し、周波数分解した信号と周波数毎の変動データから、信号が印加された第1点より伝搬した第2点における信号の周波数分布を算出する。
なお、上述においては、時間領域解析法としてFDTD法について示したが、それに限らない。例えば、TLM(Transmission Line Matrix、伝送線路行列)法、FIT(Finite Integration Technique、有限積分)法などについても、FDTD法と同様な処理が適用可能である。
各実施例で記載されている技術的特徴(構成要件)はお互いに組合せ可能であり、組み合わせすることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものでは無いと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味では無く、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以上の実施の形態1から2に関し、さらに以下の付記を開示する。
(付記1)
複数の周波数を含む基準信号を、対象物の設計データの第1点に入力した場合に、第2点での前記基準信号の変化を電磁界シミュレーションにより求め、
求めた前記基準信号の変化より、前記複数の周波数毎の変動データを算出し、
前記第1点に印加する信号を周波数分解し、周波数分解した信号と前記周波数毎の変動データから、前記信号が印加された前記第1点より伝搬した第2点における前記信号の周波数分布を算出する
処理をコンピュータに実行させる電磁界シミュレーションプログラム。
(付記2)
前記複数の周波数毎の変動データとして電界強度を算出する
付記1に記載の電磁界シミュレーションプログラム。
(付記3)
前記複数の周波数毎の変動データは、周波数、電力及び電界強度を対応付けてあり、
前記周波数分解した信号は、周波数及び電力を対応付けてあり、
前記周波数毎の変動データに含まれる電力及び前記周波数分解した信号の電力の比率、並びに前記複数の周波数毎の電界強度より、前記第2点における前記信号の周波数分布を算出する
付記2に記載の電磁界シミュレーションプログラム。
(付記4)
前記基準信号としてガウシアンパルスを用いる
付記1から付記3のいずれか1つに記載の電磁界シミュレーションプログラム。
(付記5)
前記第1点を複数設定し、設定したそれぞれについて、
前記基準信号を入力した場合の前記第2点での前記基準信号の変化を電磁界シミュレーションにより求め、
求めた前記基準信号の変化より、前記複数の周波数毎の変動データを算出し、
前記第1点に印加する信号を周波数分解し、周波数分解した信号と前記周波数毎の変動データから、前記信号が印加された前記第1点より伝搬した第2点における前記信号の周波数分布を算出し、
求めた複数の周波数分布を合成する
付記1から付記4のいずれか1つに記載の電磁界シミュレーションプログラム。
1 電界強度予測装置
11 CPU
12 RAM
13 ROM
14 大容量記憶装置
141 解析モデルデータ(設計データ)
142 リファレンステーブル
143 テストテーブル
144 電界強度テーブル
15 読取部
16 通信部
1a 可搬型記憶媒体
1b 半導体メモリ
2 電子機器(対象物)
21 基板
22 ノイズ発生源(第1点)
3 観測装置
31 アンテナ
32 観測点(第2点)
33 データロガー
N ネットワーク

Claims (3)

  1. 複数の周波数を含む基準信号を、対象物の設計データの第1点に入力した場合に、第2点での前記基準信号の変化を電磁界シミュレーションにより求め、
    求めた前記基準信号の変化より、前記複数の周波数毎の変動データを算出し、
    前記第1点に印加する信号を周波数分解し、周波数分解した信号と前記周波数毎の変動データから、前記信号が印加された前記第1点より伝搬した第2点における前記信号の周波数分布を算出する
    処理をコンピュータに実行させる電磁界シミュレーションプログラム。
  2. 前記複数の周波数毎の変動データとして電界強度を算出する
    請求項1に記載の電磁界シミュレーションプログラム。
  3. 前記複数の周波数毎の変動データは、周波数、電力及び電界強度を対応付けてあり、
    前記周波数分解した信号は、周波数及び電力を対応付けてあり、
    前記周波数毎の変動データに含まれる電力及び前記周波数分解した信号の電力の比率、並びに前記複数の周波数毎の電界強度より、前記第2点における前記信号の周波数分布を算出する
    請求項2に記載の電磁界シミュレーションプログラム。
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