JP2015215268A - コンクリート表層品質の簡易定量評価方法および装置 - Google Patents

コンクリート表層品質の簡易定量評価方法および装置 Download PDF

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昌史 久保
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Abstract

【課題】コンクリート表層品質の評価を定量的かつ効率的に行うことができるコンクリート表層品質の簡易定量評価方法および装置を提供する。【解決手段】コンクリートの表層の表面を撮影し(ステップS1)、撮影した画像をコンピュータを用いて画像解析してコンクリートの表層の表面の変状を表す変状情報を抽出し(ステップS2)、抽出した変状情報に基づいて、コンクリートの表層の表面の変状展開図をコンピュータを用いて作成し(ステップS3)、作成した変状展開図に基づいて、コンクリートの表層の定量的な品質評価を行うようにする(ステップS4)。【選択図】図1

Description

本発明は、例えばトンネル建設工事などにおいて施工される覆工コンクリートなどのコンクリート表層に対する品質評価技術に関し、特に、定量的な品質評価や診断を簡易的に行うことができるコンクリート表層品質の簡易定量評価方法および装置に関するものである。
従来、コンクリート構造物の品質を評価する一般的な手法として、コンクリート構造物の各施工段階および施工中に目視による状況確認を行い、その表面の状態を評価することが行われてきた(例えば、特許文献1を参照)。その一例として、施工状況を把握すべき事項とそれに対するチェック欄とが記載された「施工状況把握チェックシート」を使用し、型枠脱型から完成検査の間に表面状態を目視により評価する取り組みがある(例えば、特許文献1または非特許文献1を参照)。この方法では、施工準備、生コンクリートの運搬、コンクリート打ち込み、締め固め、養生の各施工段階における留意事項をチェックして評価し、この評価の結果、チェックした事項において不良等と評価されたものがあればその都度改善し、次段階の施工にフィードバックすることとなっている。
また、トンネル建設工事などで施工される覆工コンクリートの場合には、変状展開図を用いた品質評価が行われてきた。この方法は、覆工コンクリート表面に生じたクラックなどの変状の位置を示した変状展開図を所定のスパン毎に作成し、作成した変状展開図に基づいて表面の状態を評価するものである。変状展開図は、観察員が現地で目視によりスケッチを行って図化したものを、コンピュータで取り扱えるよう電子データ化したものが一般に使用されている。
ところで近年、コンクリート構造物の表層品質を密実とすることで表面からのコンクリート劣化を防止でき、耐久性が向上することが明らかとなってきた。こうしたことから、コンクリート品質確保を評価するための指標が、これまで評価指標とされてきた強度と出来形だけでなく、密実性についても加えられるようになってきている。
例えば、国土交通省東北地方整備局においてコンクリート構造物品質確保対策の試行が行われ始めている(例えば、非特許文献2を参照)。また、コンクリート構造物の表層品質評価手法を開発するとともに、この手法を品質向上に役立てる取り組みを表明している民間会社もある(例えば、非特許文献3を参照)。
こうしたコンクリート構造物の表面品質評価に関しては、例えば特許文献2〜5に示される技術が知られている。
特許文献2に示される技術は、コンクリート構造物の表面で反射した光を各波長に分光して各波長毎の吸光度を求め、これら各波長毎の吸光度に基づいてコンクリート構造物表面の成分の濃度を求めて、コンクリート構造物の表面品質を診断するものである。
また、特許文献3に示される技術は、赤外線カメラでコンクリート構造物の表面を観測して得られる赤外線熱画像の診断により、コンクリート構造物内部の剥離の所在と、大きさを検知するものである。
また、特許文献4に示される技術は、三次元写真画像と赤外線温度差画像とを合成することにより、劣化部分を判定して、その位置や大きさを正確に表示した正面図と断面図を作成するものである。
また、特許文献5に示される技術は、コンクリート構造物の表面を時々刻々に撮像して熱画像情報と熱画像履歴情報を得ることでコンクリート構造物の欠陥を検知するサーモグラフィを用いた方法であり、コンクリート構造物内の鉄筋や鉄骨に熱を加え、加熱された鉄筋や鉄骨から熱伝導によって変動するコンクリート表面の熱画像情報と熱画像履歴情報に基づいて、熱伝導方程式に基づく逆解析を行なうことで鉄筋や鉄骨とコンクリートの欠陥を同時に得るものである。
また、特許文献6に示される技術は、鉄筋コンクリート表面の劣化因子の濃度と、鉄筋コンクリートのかぶりと、鉄筋コンクリートの供用年数とに基づき、鉄筋コンクリートの劣化度を診断するものである。より具体的には、あらかじめ撮影した診断対象となる鉄筋コンクリートの対象構造物の画像上に、診断対象となる領域を設定してメッシュに分割し、各メッシュ毎に、鉄筋コンクリート表面の劣化因子の濃度、鉄筋コンクリートのかぶり、鉄筋コンクリートの供用年数を設定し、設定した値に基づいて各メッシュ毎に劣化度を求め、その大きさに応じて各メッシュを色分け表示するものである。
特許第2726054号公報 国際公開WO2010/046968号公報 特開2004−012454号公報 特許第4155976号公報 特許第3834749号公報 特開2010−271062号公報
山口県/土木建築部技術管理課/ひび割れ・トップページ、「〜コンクリートのひび割れ抑制対策〜」、[online]、[平成26年1月10日検索]、インターネット<URL:http://www.pref.yamaguchi.lg.jp/cms/a18000/hibiware/hibiwareyokusei.html> 国土交通省東北地方整備局東北技術事務所ホームページ、「東北地方におけるコンクリート構造物設計・施工ガイドライン(案)」、[online]、[平成26年1月10日検索]、インターネット<URL:http://www.thr.mlit.go.jp/tougi/gijutsuryoku/hinshitsu/pdf/main.pdf> 鹿島建設株式会社プレスリリース、「コンクリート構造物の表層品質評価手法の開発と品質向上への取り組み」、[online]、[平成26年1月10日検索]、インターネット<URL:http://www.kajima.co.jp/news/press/201304/23c1-j.htm>
ところで、上記の従来のコンクリート構造物の表面品質を評価する方法では、観察員の目視により評価を行うため、評価結果が観察員の経験技量などに依存し、観察員によりばらついたり、見落とし等が生じて不確実なものとなるおそれがある。また、評価結果の施工へのフィードバックが実施担当者の経験技量などに依存するおそれがある。
また、上記の従来のトンネル建設工事などにおける覆工コンクリートの品質評価においても、評価は目視により行うため、評価結果が観察員の経験技量などに依存し、観察員によりばらついたり、見落とし等が生じて不確実なものとなるおそれがある。また、トンネルの覆工コンクリートは一般に広大な表面積を有することから、その表面の目視観察には多大な時間と手間を要してしまう。
さらに、上記の従来の特許文献2〜5には、目視観察によらない品質評価方法が示されているが、トンネルの覆工コンクリートなどの広大なコンクリート表面の品質評価を定量的かつ効率的に行う方法については明示されていない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、コンクリート表層品質の評価を定量的かつ効率的に行うことができるコンクリート表層品質の簡易定量評価方法および装置を提供することを目的とする。
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係るコンクリート表層品質の簡易定量評価方法は、コンクリートの表層の表面を撮影し、撮影した画像をコンピュータを用いて画像解析して前記コンクリートの表層の表面の変状を表す変状情報を抽出し、抽出した前記変状情報に基づいて、前記コンクリートの表層の表面の変状展開図をコンピュータを用いて作成し、作成した前記変状展開図に基づいて、前記コンクリートの表層の定量的な品質評価を行うことを特徴とする。
また、本発明に係る他のコンクリート表層品質の簡易定量評価方法は、上述した発明において、前記コンクリートは、トンネル工事において施工される覆工コンクリート、橋梁における床版、橋脚、橋台のコンクリート、桟橋のコンクリート、護岸のコンクリート、共同溝または洞道のコンクリート、三面水路のコンクリート、立坑のコンクリート、水槽のコンクリート、ドック壁面のコンクリート、ダムのコンクリートのいずれか一つであることを特徴とする。
また、本発明に係るコンクリート表層品質の簡易定量評価装置は、コンクリートの表層の定量的な品質評価を行うためのコンクリート表層品質の簡易定量評価装置であって、コンクリートの表層の表面を撮影する撮影手段と、撮影した画像を画像解析して前記コンクリートの表層の表面の変状を表す変状情報を抽出する変状抽出手段と、抽出した変状情報に基づいて、前記コンクリートの表層の表面の変状展開図を作成する変状展開図作成手段と、作成した前記変状展開図に基づいて前記コンクリートの表層の定量的な品質評価を行う品質評価手段とを備えることを特徴とする。
また、本発明に係る他のコンクリート表層品質の簡易定量評価装置は、上述した発明において、前記コンクリートの諸元を表す諸元データと、前記変状展開図を表す変状展開図データとを格納するデータ格納手段をさらに備え、前記データ格納手段は、前記変状展開図データと前記諸元データとを関連付けて格納することを特徴とする。
また、本発明に係る他のコンクリート表層品質の簡易定量評価装置は、上述した発明において、前記データ格納手段は、前記品質評価手段による品質評価の結果と、前記コンクリートの表層に対する別の品質評価方法による品質評価の結果とを関連付けて格納することを特徴とする。
また、本発明に係る他のコンクリート表層品質の簡易定量評価装置は、上述した発明において、前記コンクリートは、トンネル工事において施工される覆工コンクリート、橋梁における床版、橋脚、橋台のコンクリート、桟橋のコンクリート、護岸のコンクリート、共同溝または洞道のコンクリート、三面水路のコンクリート、立坑のコンクリート、水槽のコンクリート、ドック壁面のコンクリート、ダムのコンクリートのいずれか一つであることを特徴とする。
本発明に係るコンクリート表層品質の簡易定量評価方法によれば、コンクリートの表層の表面を撮影し、撮影した画像をコンピュータを用いて画像解析して前記コンクリートの表層の表面の変状を表す変状情報を抽出し、抽出した前記変状情報に基づいて、前記コンクリートの表層の表面の変状展開図をコンピュータを用いて作成し、作成した前記変状展開図に基づいて、前記コンクリートの表層の定量的な品質評価を行うので、観察員の経験技量に依存することなく、より確実にコンクリートの表層の品質評価を定量的かつ効率的に行うことができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他のコンクリート表層品質の簡易定量評価方法によれば、前記コンクリートは、トンネル工事において施工される覆工コンクリートであるので、広大な表面積を有する覆工コンクリートや数量が多く合計面積の大きい橋梁のコンクリート等の表層の品質評価を定量的かつ効率的に行うことができるという効果を奏する。
また、本発明に係るコンクリート表層品質の簡易定量評価装置によれば、コンクリートの表層の定量的な品質評価を行うためのコンクリート表層品質の簡易定量評価装置であって、コンクリートの表層の表面を撮影する撮影手段と、撮影した画像を画像解析して前記コンクリートの表層の表面の変状を表す変状情報を抽出する変状抽出手段と、抽出した変状情報に基づいて、前記コンクリートの表層の表面の変状展開図を作成する変状展開図作成手段と、作成した前記変状展開図に基づいて前記コンクリートの表層の定量的な品質評価を行う品質評価手段とを備えるので、観察員の経験技量に依存することなく、より確実にコンクリートの表層の品質評価を定量的かつ効率的に行うことができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他のコンクリート表層品質の簡易定量評価装置によれば、前記コンクリートの諸元を表す諸元データと、前記変状展開図を表す変状展開図データとを格納するデータ格納手段をさらに備え、前記データ格納手段は、前記変状展開図データと前記諸元データとを関連付けて格納するので、コンクリートの供用中の品質の評価を、関連付けて格納された変状展開図データと、諸元データ(例えば、かぶり厚、設計強度など)とを参照して行うことで、コンクリートの保守管理を効率的に行うことができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他のコンクリート表層品質の簡易定量評価装置によれば、前記データ格納手段は、前記品質評価手段による品質評価の結果と、前記コンクリートの表層に対する別の品質評価方法による品質評価の結果とを関連付けて格納するので、例えば別の品質評価方法として透気、吸水試験、超音波探査などによる直接的な評価方法による品質評価の結果と、本発明による評価結果とを関連付けることにより、コンクリート表層の品質評価を多面的に行うことができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他のコンクリート表層品質の簡易定量評価装置によれば、前記コンクリートは、トンネル工事において施工される覆工コンクリートや数量が多く合計面積の大きい橋梁のコンクリート等であるので、広大な表面積を有する覆工コンクリートの表層の品質評価を定量的かつ効率的に行うことができるという効果を奏する。
図1は、本発明に係るコンクリート表層品質の簡易定量評価方法の一例を示す概略フローチャート図である。 図2は、本発明に係るコンクリート表層品質の簡易定量評価装置の一例を示す概略構成図である。 図3は、撮影手段の構成例を示す概略図である。 図4は、撮影状況の一例を示す概略図である。 図5は、分割撮影における区画割りの一例を示すトンネル断面図である。 図6は、抽出する変状の項目と対策の一例を示す図である。
以下に、本発明に係るコンクリート表層品質の簡易定量評価方法および装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
[コンクリート表層品質の簡易定量評価方法]
まず、本発明に係るコンクリート表層品質の簡易定量評価方法について説明する。図1に示すように、本発明に係るコンクリート表層品質の簡易定量評価方法は、コンクリートの表層の表面を撮影し(ステップS1)、撮影した画像をコンピュータを用いて画像解析してコンクリートの表層の表面の変状を表す変状情報を抽出し(ステップS2)、抽出した変状情報に基づいて、コンクリートの表層の表面の変状展開図をコンピュータを用いて作成し(ステップS3)、作成した変状展開図に基づいて、コンクリートの表層の定量的な品質評価を簡易的に行うものである(ステップS4)。このようにすることで、観察員の経験技量に依存することなく、より確実にコンクリートの表層の品質評価を定量的かつ効率的に行うことができる。
ここで、本発明の評価対象のコンクリートとしては、トンネル工事において施工される覆工コンクリートを選択することができる。このような覆工コンクリートの表層は、広大な表面積を有していることから、本発明の適用によって表層の品質評価を定量的かつ効率的に行うことができる。
[コンクリート表層品質の簡易定量評価装置]
次に、本発明に係るコンクリート表層品質の簡易定量評価装置について説明する。図2に示すように、本発明に係るコンクリート表層品質の簡易定量評価装置10は、コンピュータを用いてコンクリートの表層Sの定量的な品質評価を行うコンクリート表層品質の簡易定量評価装置であって、コンクリートの表層Sの表面を撮影する撮影手段12と、変状抽出手段14と、変状展開図作成手段16と、品質評価手段18と、データ格納手段20と、これらの手段を制御する制御手段22とを備える。制御手段22は図示しないCPU(Central Processing Unit)を含んで構成され、インターネット等の通信手段24に接続可能となっている。
撮影手段12は、図3に示すように、例えばデジタル一眼レフカメラ12Aを用いて構成することができる。デジタル一眼レフカメラ12Aは、三脚12Bの頂部に回転自在に固定した回転雲台12Cに取り付けられており、撮影時にカメラ12Aの前方を照明するフラッシュ光源12Dを有している。撮影手段12の構成としてはこれに限るものではなく、別の態様のものを使用してもよい。
図4は、本発明による撮影状況の一例であり、トンネル工事において施工される覆工コンクリートに適用した場合の例である。図4に示すように、広大な表面積を有する覆工コンクリートの表層Sを撮影するために、撮影手段12を基準となる位置Oに設置する。そして、必要に応じ投光器26を車両等に搭載し、撮影箇所となる表層Sを照明しながら撮影を行う。なお、撮影手段12によって撮影できる画角には制限があるため、表層Sをトンネル周方向に複数に分割し、トンネル長手方向1スパン毎に撮影を行う。
図5は、分割撮影における区画割りの一例を示すトンネル断面図である。表層Sをトンネル周方向に領域1〜7の7つに分けた場合を例示している。この図5および図4に示すように、トンネルの略中央に設定した基準位置Oに撮影手段12を設置し、回転雲台12Cを所定の角度ずつ回転させることにより領域1〜7について分割撮影を行い、各表層Sのデジタル画像を取得する。1スパンの撮影が終了したら、撮影手段12を次のスパンに移設して同様の分割撮影を行う。なお、分割撮影における区画割りは7つとしたがこれ以外であってもよいし、区画割りした各領域を周方向に等角度にしなくてもよい。
変状抽出手段14は、撮影手段12により撮影して取得したデジタル画像を画像解析してコンクリート2の表層の表面の変状を表す変状情報を抽出するものであり、画像解析部14Aと変状抽出部14Bとからなる。画像解析部14Aは、デジタル画像に対して公知の手法による画像解析処理を施すものであり、市販の画像解析ソフトを利用することができる。変状抽出部14Bは、画像解析部14Aによる画像解析処理の結果に基づいて、コンクリート2の表層の表面の変状を表す変状情報を公知の手法によって抽出するものである。
ここで、表面の変状とは、例えば図6の変状項目に示すように、(1)表面気泡痕(あばた)、(2)豆板、(3)剥離、(4)表面収縮ひび割れ、(5)拘束、沈込みひび割れ、(6)押当てひび割れ、(7)コールドジョイント、(8)のろ漏れ、(9)砂すじ、といったものが挙げられる。これらの変状を表す変状情報は変状抽出部14Bによって定量的に抽出される。ここで、定量的とは、変状の生じている具体的な位置、変状の長さ、方向、変状の範囲を表す面積などを、例えばセンチメートルなどの単位を用いて表すことをいう。また、本発明の品質評価によって変状が抽出された場合の対策としては、図6に示すように、コンクリートの配合、型枠支保、運搬打設、締固め、養生などを改善することが挙げられる。
変状展開図作成手段16は、変状抽出手段14により抽出した変状情報に基づいて、コンクリートの表層Sの表面の変状展開図を作成するものである。この変状展開図は、コンクリートの表層Sの平面展開図上に、抽出した変状情報の位置と種別が配置された図であり、変状の位置と種別が視覚的に認識できるようになっている。ここで作成された変状展開図は、電子データ化されてデータ格納手段20に変状展開図データ20Aとして格納される。
品質評価手段18は、作成した変状展開図に基づいてコンクリートの表層Sの定量的な品質評価を行うものである。より具体的には、品質評価手段18は、データ格納手段20に格納された変状展開図データ20Aを参照し、この変状展開図データ20Aに基づいて、コンクリートの表層Sに生じている変状に対してランク付け等による判定を下すことで、コンクリートの表層Sの定量的な品質評価を行う。
データ格納手段20は、変状展開図を表す変状展開図データ20Aと、コンクリートの諸元(例えば、覆工厚、設計強度、配合、打設日時など)を表す諸元データ20B、画像解析部14Aのデータおよび変状抽出部14Bのデータを格納するものであり、例えばコンピュータに内蔵されるメモリやハードディスクなどを用いて構成することができる。
ここで、データ格納手段20は、変状展開図データ20A、画像解析部14Aのデータおよび変状抽出部14Bのデータと諸元データ20Bとを関連付けて格納している。このため、上記の品質評価手段18において、コンクリートの供用中の品質の評価を、関連付けて格納された変状展開図データ20A、画像解析部14Aのデータおよび変状抽出部14Bのデータと、諸元データ20Bとを参照して行えば、コンクリートの保守管理を効率的に行うことができる。例えば、変状の範囲や大きさ等によってどの部分をより優先して補修すべきか判断できる。このように、保守管理上の判断が容易となり、保守管理を効率的に行うことができる。
また、データ格納手段20は、品質評価手段18による品質評価の結果と、コンクリートの表層Sに対する別の品質評価方法による品質評価の結果とを関連付けて格納してもよい。例えばこの別の品質評価方法として透気、吸水試験、超音波探査などによる直接的な評価方法とすれば、この品質評価の結果と、本発明による評価結果との関連付けによって、コンクリートの表層Sの品質評価を多面的に行うことができる。
なお、本発明による品質評価の結果や、変状展開図データ20A、諸元データ20Bなどのデータは、必要に応じて制御手段22を介してインターネット等の通信手段24により配信できるようになっており、アクセスが許可された外部の者より閲覧可能である。このため、変状展開図データ20A、諸元データ20Bなどのデータをデータ格納手段20にコンクリートの利用者、保守管理者、施工業者などの関係者に閲覧可能に蓄積することで、コンクリートの維持管理におけるCIM(Construction Information Modeling)の実施を促進することができる。また、遠隔地のベテランの観察員が上記データを閲覧することによって、本発明の簡易定量評価装置10を扱う現場の観察員からの品質評価作業に関する相談にも応じることができる。これにより、品質評価に関する現場の観察員の技能向上に寄与することもできる。
このように、上記のように構成した本発明に係るコンクリート表層品質の簡易定量評価装置10によれば、観察員の経験技量に依存することなく、より確実にコンクリートの表層の品質評価を定量的かつ効率的に行うことができる。このため、より信頼性の高い評価結果を得ることができる。特に、広大な表面積を有する覆工コンクリートや、橋梁における床版、橋脚、橋台のコンクリート、桟橋のコンクリート、護岸のコンクリート、共同溝または洞道のコンクリート、三面水路のコンクリート、立坑のコンクリート、水槽のコンクリート、ドック壁面のコンクリート、ダムのコンクリートなどの数量が多く合計面積の大きいコンクリートに本発明を適用する場合には、品質評価作業の時間が短縮して、品質評価の検討効率を向上することができる。また、本発明の評価方法によって、変状の原因が早期究明され得るとともにその対策を早急に実施することができる。さらに、比較的簡単に評価作業が行えるので、撮影手段12によるコンクリートの表層Sの撮影を都度実施すれば、コンクリート打設後の経過時間に伴う変状を随時把握することができる。
以上説明したように、本発明に係るコンクリート表層品質の簡易定量評価方法によれば、コンクリートの表層の表面を撮影し、撮影した画像をコンピュータを用いて画像解析して前記コンクリートの表層の表面の変状を表す変状情報を抽出し、抽出した前記変状情報に基づいて、前記コンクリートの表層の表面の変状展開図をコンピュータを用いて作成し、作成した前記変状展開図に基づいて、前記コンクリートの表層の定量的な品質評価を行うので、観察員の経験技量に依存することなく、より確実にコンクリートの表層の品質評価を定量的かつ効率的に行うことができる。
また、本発明に係る他のコンクリート表層品質の簡易定量評価方法によれば、前記コンクリートは、トンネル工事において施工される覆工コンクリートや数量が多く合計面積の大きい橋梁のコンクリート等であるので、広大な表面積を有する覆工コンクリートの表層の品質評価を定量的かつ効率的に行うことができる。
また、本発明に係るコンクリート表層品質の簡易定量評価装置によれば、コンクリートの表層の定量的な品質評価を行うためのコンクリート表層品質の簡易定量評価装置であって、コンクリートの表層の表面を撮影する撮影手段と、撮影した画像を画像解析して前記コンクリートの表層の表面の変状を表す変状情報を抽出する変状抽出手段と、抽出した変状情報に基づいて、前記コンクリートの表層の表面の変状展開図を作成する変状展開図作成手段と、作成した前記変状展開図に基づいて前記コンクリートの表層の定量的な品質評価を行う品質評価手段とを備えるので、観察員の経験技量に依存することなく、より確実にコンクリートの表層の品質評価を定量的かつ効率的に行うことができる。
また、本発明に係る他のコンクリート表層品質の簡易定量評価装置によれば、前記コンクリートの諸元を表す諸元データと、前記変状展開図を表す変状展開図データとを格納するデータ格納手段をさらに備え、前記データ格納手段は、前記変状展開図データと前記諸元データとを関連付けて格納するので、コンクリートの供用中の品質の評価を、関連付けて格納された変状展開図データと、諸元データ(例えば、かぶり厚、設計強度など)とを参照して行うことで、コンクリートの保守管理を効率的に行うことができる。
また、本発明に係る他のコンクリート表層品質の簡易定量評価装置によれば、前記データ格納手段は、前記品質評価手段による品質評価の結果と、前記コンクリートの表層に対する別の品質評価方法による品質評価の結果とを関連付けて格納するので、例えば別の品質評価方法として透気、吸水試験、超音波探査などによる直接的な評価方法による品質評価の結果と、本発明による評価結果とを関連付けることにより、コンクリート表層の品質評価を多面的に行うことができる。
また、本発明に係る他のコンクリート表層品質の簡易定量評価装置によれば、前記コンクリートは、トンネル工事において施工される覆工コンクリートや数量が多く合計面積の大きい橋梁のコンクリート等であるので、広大な表面積を有する覆工コンクリートの表層の品質評価を定量的かつ効率的に行うことができる。
以上のように、本発明に係るコンクリート表層品質の簡易定量評価方法および装置は、トンネル建設工事などにおいて施工される覆工コンクリートなどのコンクリート表層に対する品質評価に有用であり、特に、観察員の経験技量に依存することなく、より確実にコンクリートの表層の簡易的な品質評価を定量的かつ効率的に行うのに適している。
10 コンクリート表層品質の簡易定量評価装置
12 撮影手段
12A デジタル一眼レフカメラ
12B 三脚
12C 回転雲台
12D フラッシュ光源
14 変状抽出手段
14A 画像解析部
14B 変状抽出部
16 変状展開図作成手段
18 品質評価手段
20 データ格納手段
20A 変状展開図データ
20B 諸元データ
22 制御手段
24 通信手段
26 投光器
S コンクリートの表層

Claims (6)

  1. コンクリートの表層の表面を撮影し、撮影した画像をコンピュータを用いて画像解析して前記コンクリートの表層の表面の変状を表す変状情報を抽出し、抽出した前記変状情報に基づいて、前記コンクリートの表層の表面の変状展開図をコンピュータを用いて作成し、作成した前記変状展開図に基づいて、前記コンクリートの表層の定量的な品質評価を行うことを特徴とするコンクリート表層品質の簡易定量評価方法。
  2. 前記コンクリートは、トンネル工事において施工される覆工コンクリート、橋梁における床版、橋脚、橋台のコンクリート、桟橋のコンクリート、護岸のコンクリート、共同溝または洞道のコンクリート、三面水路のコンクリート、立坑のコンクリート、水槽のコンクリート、ドック壁面のコンクリート、ダムのコンクリートのいずれか一つであることを特徴とする請求項1に記載のコンクリート表層品質の簡易定量評価方法。
  3. コンクリートの表層の定量的な品質評価を行うためのコンクリート表層品質の簡易定量評価装置であって、
    コンクリートの表層の表面を撮影する撮影手段と、撮影した画像を画像解析して前記コンクリートの表層の表面の変状を表す変状情報を抽出する変状抽出手段と、抽出した変状情報に基づいて、前記コンクリートの表層の表面の変状展開図を作成する変状展開図作成手段と、作成した前記変状展開図に基づいて前記コンクリートの表層の定量的な品質評価を行う品質評価手段とを備えることを特徴とするコンクリート表層品質の簡易定量評価装置。
  4. 前記コンクリートの諸元を表す諸元データと、前記変状展開図を表す変状展開図データとを格納するデータ格納手段をさらに備え、前記データ格納手段は、前記変状展開図データと前記諸元データとを関連付けて格納することを特徴とする請求項3に記載のコンクリート表層品質の簡易定量評価装置。
  5. 前記データ格納手段は、前記品質評価手段による品質評価の結果と、前記コンクリートの表層に対する別の品質評価方法による品質評価の結果とを関連付けて格納することを特徴とする請求項4に記載のコンクリート表層品質の簡易定量評価装置。
  6. 前記コンクリートは、トンネル工事において施工される覆工コンクリート、橋梁における床版、橋脚、橋台のコンクリート、桟橋のコンクリート、護岸のコンクリート、共同溝または洞道のコンクリート、三面水路のコンクリート、立坑のコンクリート、水槽のコンクリート、ドック壁面のコンクリート、ダムのコンクリートのいずれか一つであることを特徴とする請求項3〜5のいずれか一つに記載のコンクリート表層品質の簡易定量評価装置。
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