JP2015214554A - 植物病害及び有害節足動物防除組成物及び植物病害及び有害節足動物の防除方法 - Google Patents

植物病害及び有害節足動物防除組成物及び植物病害及び有害節足動物の防除方法 Download PDF

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Abstract

【課題】植物病害及び有害節足動物に対する優れた防除効力を有する組成物の提供。
【解決手段】式(1)で示される化合物と、群(A)、群(B)、群(C)よりそれぞれ選ばれる1種以上の化合物とを含有する組成物。対象植物が稲である組成物。
Figure 2015214554

〔RはH又はメチル;Rはメチル基又はフッ素化メチル基;エナンチオマー比が、R体/S体で80/20以上〕群(A):イソチアニル、フサライド、カスガマイシン、式(2)で示される化合物等、群(B):フルピラジフロン、スルホキサフロル等、群(C):テトラニリプロール、BT菌、BT菌産生結晶毒素等
【選択図】なし

Description

本発明は、植物病害及び有害節足動物防除組成物、及び植物病害及び有害節足動物の防除方法に関するものである。
従来、植物病害及び有害節足動物防除組成物の有効成分として、多くの化合物が知られている(例えば、非特許文献1参照)。
The Pesticide Manual−16th edition(BCPC刊);ISBN 978−1−901396−18−8
本発明は、植物病害及び有害節足動物に対する優れた防除効力を有する植物病害及び有害節足動物防除組成物を提供することを課題とする。
本発明者等は、植物病害及び有害節足動物に対する優れた防除効力を有する組成物を見出すべく検討した結果、式(1)で示される化合物と、群(A)より選ばれる1種以上の化合物と、群(B)より選ばれる1種以上の化合物と、群(C)より選ばれる1種以上の化合物とを含有する組成物が、相乗効果を示し、植物病害及び有害節足動物に対する優れた防除効力を有することを見出し、本発明に到った。
すなわち、本発明とは以下の[1]〜[6]のものである。
[1] 式(1)で示される化合物と、下記群(A)より選ばれる1種以上の化合物と、下記群(B)より選ばれる1種以上の化合物と、下記群(C)より選ばれる1種以上の化合物とを含有する、植物病害又は有害節足動物防除組成物
式(1)
Figure 2015214554
〔式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rはメチル基、ジフルオロメチル基又はトリフルオロメチル基を表し、エナンチオマー比が、R体/S体で80/20以上である〕で示されるカルボキサミド化合物;
群(A):イソチアニル(isotianil)、ジクロシメット(diclocymet)、プロベナゾール(probenazole)、オリサストロビン(orysastrobin)、チアジニル(tiadinil)、トリシクラゾール(tricyclazole)、ピロキロン(pyroquilon)、カルプロパミド(carpropamid)、トルプロカルブ(tolprocarb)、フサライド(phthalide)、フェリムゾン(ferimzone)、テブフロキン(tebufloquin)、ピリベンカルブ(pyribencarb)、アゾキシストロビン(azoxystrobin)、カスガマイシン(kasugamycin hydrochloride hydrate)、フェノキサニル(fenoxanil)、チオファネートメチル(thiophanate-methyl)、式(2)で示される化合物、及び3−(3,4−ジクロロイソチアゾール−5−イルメトキシ)−1,2−ベンゾチアゾール−1,1−ジオキシドからなる群、
式(2)
Figure 2015214554
〔式中、R、R、Rは、それぞれ水素原子又はフッ素原子を表す〕
群(B):フルピラジフロン(flupyradifurone)、スルホキサフロル(sulfoxaflor)、フロニカミド(flonicamid)、ジノテフラン(dinotefuran)、チアメトキサム(thiamethoxam)、イミダクロプリド(imidacloprid)、フィプロニル(fipronil)、エチプロール(ethiprole)、ピメトロジン(pymetrozine)、クロチアニジン(clothianidin)、ニテンピラム(nitenpyram)、トリフルメゾピリム(triflumezopyrim)、及び式(3)で示される化合物からなる群、
式(3)
Figure 2015214554
〔式中、Rは酸素原子又は硫黄原子を表す〕
群(C):テトラニリプロール(tetraniliprole)、シアントラニリプロール(cyantraniliprole)、クロラントラニリプロール(chlorantraniliprole)、スピノサド(spinosad)、スピネトラム(spinetoram)、カルタップ(cartap hydrochloride)、ジクロロメゾチアズ(dicloromezotiaz)、クロマトフェノジド(chromafenozide)、メトキシフェノジド(methoxyfenozide)、テブフェノジド(tebufenozide)、エトフェンプロックス(etofenprox)、シラフルオフェン(silafluofen)、BT菌(Bacillus thuringiensis)、及びBT菌産生結晶毒素(Bacillus thuringiensis delta endotoxins)からなる群。
[2] 式(1)で示される化合物と、群(A)より選ばれる1種以上の化合物との重量比が、100:1〜1:100である、項[1]記載の植物病害又は有害節足動物防除組成物。
[3] 式(1)で示される化合物と、群(B)より選ばれる1種以上の化合物との重量比が、100:1〜1:100である、項[2]記載の植物病害又は有害節足動物防除組成物。
[4] 式(1)で示される化合物と、群(C)より選ばれる1種以上の化合物との重量比が、100:1〜1:100である、項[3]記載の植物病害又は有害節足動物防除組成物。
[5] 項[1]〜項[4]のいずれか一項記載の植物病害又は有害節足動物防除組成物の有効量を、植物又は植物が生育する土壌(例えば、育苗箱若しくはセルトレイの土壌)又は水面に施用する工程を含む、植物病害又は有害節足動物の防除方法。
[6] 植物がイネである、項[5]記載の植物病害又は有害節足動物の防除方法。
本発明により、植物病害及び/又は有害節足動物を防除することができる。
本発明の植物病害及び/又は有害節足動物防除組成物とは、式(1)で示される化合物と、下記群(A)より選ばれる1種以上の化合物(以下、本化合物Aと記す。)と、下記群(B)より選ばれる1種以上の化合物(以下、本化合物Bと記す。)と、下記群Cより選ばれる1種以上の化合物(以下、本化合物Cと記す。)とを含有するものである。
群(A):イソチアニル(isotianil)、ジクロシメット(diclocymet)、プロベナゾール(probenazole)、オリサストロビン(orysastrobin)、チアジニル(tiadinil)、トリシクラゾール(tricyclazole)、ピロキロン(pyroquilon)、カルプロパミド(carpropamid)、トルプロカルブ(tolprocarb)、フサライド(phthalide)、フェリムゾン(ferimzone)、テブフロキン(tebufloquin)、ピリベンカルブ(pyribencarb)、アゾキシストロビン(azoxystrobin)、カスガマイシン(kasugamycin hydrochloride hydrate)、フェノキサニル(fenoxanil)、チオファネートメチル(thiophanate-methyl)、式(2)で示される化合物、および3−(3,4−ジクロロイソチアゾール−5−イルメトキシ)−1,2−ベンゾチアゾール−1,1−ジオキシドからなる群。
群(B):フルピラジフロン(flupyradifurone)、スルホキサフロル(sulfoxaflor)、フロニカミド(flonicamid)、ジノテフラン(dinotefuran)、チアメトキサム(thiamethoxam)、イミダクロプリド(imidacloprid)、フィプロニル(fipronil)、エチプロール(ethiprole)、ピメトロジン(pymetrozine)、クロチアニジン(clothianidin)、ニテンピラム(nitenpyram)、トリフルメゾピリム(triflumezopyrim)、及び式(3)で示される化合物からなる群。
群(C):テトラニリプロール(tetraniliprole)、シアントラニリプロール(cyantraniliprole)、クロラントラニリプロール(chlorantraniliprole)、スピノサド(spinosad)、スピネトラム(spinetoram)、カルタップ(cartap hydrochloride) 、ジクロロメゾチアズ(dicloromezotiaz)、クロマトフェノジド(chromafenozide)、メトキシフェノジド(methoxyfenozide)、テブフェノジド(tebufenozide)、エトフェンプロックス(etofenprox)、シラフルオフェン(silafluofen)、BT菌(Bacillus thuringiensis)、及びBT菌産生結晶毒素(Bacillus thuringiensis delta endotoxins)からなる群。なお、これ以降化合物名の英語表記は略する。
本発明に用いられる、以下の化合物は公知化合物であり、The pesticide manual 16th editionや特許等に記載がある。特に断りのない限り、以下の括弧()内の数値はThe pesticide manual 16th editionに記載のページ番号である。式(1)で示される化合物(特開2012-25735に記載)、イソチアニル(672)、ジクロシメット(335)、プロベナゾール(917)、オリサストロビン(830)、チアジニル(1124)、トリシクラゾール(1153)、ピロキロン(995)、カルプロパミド(164)、トルプロカルブ(1231)、フサライド(895)、フェリムゾン(488)、テブフロキン(1068)、ピリベンカルブ(977)、アゾキシストロビン(63)、カスガマイシン(680)(本明細書中、カスガマイシンとはカスガマイシン塩酸塩水和物を意味する)、フェノキサニル(469)、チオファネートメチル(1118)、式(2)で示される化合物(WO2005/070917に記載)、3−(3,4−ジクロロイソチアゾール−5−イルメトキシ)−1,2−ベンゾチアゾール−1,1−ジオキシド(WO2012/165511に記載)、ジクロロメゾチアズ(WO2013/090547に記載)、フルピラジフロン(536)、スルホキサフロル(1057)、フロニカミド(498)、ジノテフラン(384)、チアメトキサム(1104)、イミダクロプリド(640)、フィプロニル(491)、エチプロール(434)、ピメトロジン(959)、クロチアニジン(225)、ニテンピラム(809)、トリフルメゾピリム(WO2013/090547に記載)、式3で示される化合物(酸素原子(O)の化合物はWO2012/029672に記載、硫黄原子(S)の化合物はWO2013/129692に記載)、テトラニリプロール(WO2011/157664に記載)、シアントラニリプロール(247)、クロラントラニリプロール(172)、スピノサド(1036)、スピネトラム(1034)、カルタップ(166)(本明細書中、カルタップとはカルタップ塩酸塩を意味する)、ジクロロメゾチアズ(WO2013/090547に記載)、クロマフェノジド(206)、メトキシフェノジド(758)、テブフェノジド(1065)、エトフェンプロックス(445)、シラフルオフェン(1024)、BT菌(67)、BT菌産生結晶毒素(72)は公知化合物であり、これらの化合物は市販の製剤から得るか、公知の方法により製造することができる。
式(1)で示される化合物において、R体とは以下の構造:
Figure 2015214554
によって表され、またS体とは以下の構造:
Figure 2015214554
によって表される。
式(1)で示される化合物において、そのエナンチオマー比はR体が優位であることが好ましく、具体的には、R体/S体が80/20以上であり、例えば90/10〜10,000/1が好ましく、例えば95/5〜10,000/1がより好ましく、例えば98/1〜1,000/1が一層好ましい。
本発明の植物病害及び有害節足動物防除組成物における、式(1)で示される化合物と本化合物Aと本化合物Bと本化合物Cとの含有割合は、特に限定されるものではないが、式(1)で示される化合物が100重量部に対して、本化合物Aが、通常0.1〜100,000重量部、好ましくは1〜10,000重量部であり、本化合物Bが、通常0.1〜100,000重量部、好ましくは1〜10,000重量部であり、本化合物Cが、通常0.1〜100,000重量部、好ましくは1〜10,000重量部である。
本発明の植物病害及び有害節足動物防除組成物は、式(1)で示される化合物と本化合物Aと本化合物Bと本化合物Cとの混合物そのものでもよいが、通常は、式(1)で示される化合物、本化合物A、本化合物B及び化合物Cと不活性担体とを混合し、必要に応じて界面活性剤又はその他の製剤用補助剤を添加して、油剤、乳剤、フロアブル剤、水和剤、顆粒水和剤、粉剤、粒剤等に製剤化されたものである。
また、前記の製剤化された植物病害及び有害節足動物防除組成物は、そのまま又はその他の不活性成分を添加して植物病害及び有害節足動物防除剤として使用することができる。
本発明の植物病害及び有害節足動物防除組成物における、式(1)で示される化合物、本化合物A、本化合物B及び化合物Cの合計量は、該組成物の総重量に対して、通常0.01〜99重量%、好ましくは0.1〜90重量%の範囲、さらに好ましくは0.5〜80重量%の範囲である。
製剤化の際に用いられる固体担体としては、例えばカオリンクレー、アッタパルジャイトクレー、ベントナイト、モンモリロナイト、酸性白土、パイロフィライト、タルク、珪藻土、方解石等の鉱物、トウモロコシ穂軸粉、クルミ殻粉等の天然有機物、尿素等の合成有機物、炭酸カルシウム、硫酸アンモニウム等の塩類、合成含水酸化珪素等の合成無機物等からなる微粉末あるいは粒状物等が挙げられ、液体担体としては、例えばキシレン、アルキルベンゼン、メチルナフタレン等の芳香族炭化水素類、2−プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノエチルエーテル等のアルコール類、アセトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン類、ダイズ油、綿実油等の植物油、n−ヘキサン、シクロヘキサノン、灯油等の石油系脂肪族炭化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド、アセトニトリル等のニトリル類及び水が挙げられる。
界面活性剤としては、例えばアルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルリン酸エステル塩、リグニンスルホン酸塩、ナフタレンスルホネートホルムアルデヒド重縮合物等の陰イオン界面活性剤、及びポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤、及びアルキルトリメチルアンモニウム塩等の陽イオン界面活性剤が挙げられる。
その他の製剤用補助剤としては、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性高分子、アラビアガム、アルギン酸及びその塩、CMC(カルボキシメチルセルロ−ス)、ザンサンガム等の多糖類、アルミニウムマグネシウムシリケート、アルミナゾル等の無機物、防腐剤、着色剤及びPAP(酸性リン酸イソプロピル)、BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)等の安定化剤が挙げられる。
本発明の植物病害および有害節足動物防除組成物は、植物又は植物が生育する土壌若しくは水面に対して植部病害からの保護、及び摂食、吸汁等の加害を行う有害節足動物による加害から植物を保護するために使用される。また、植物が生育する土壌には、水稲等の育苗箱に充填された土壌若しくは培土、又は作物のセルトレイに充填された土壌若しくは培土も含む。
本発明の植物病害及び有害節足動物防除組成物が防除効力を有する植物病害及び有害節足動物としては、例えば次のものが挙げられるが、これらに限定されない。
植物病害
イネの病害:いもち病(Magnaporthe grisea)、ごま葉枯病(Cochliobolus miyabeanus)、紋枯病(Rhizoctonia solani)、ばか苗病(Gibberella fujikuroi)、小黒菌核病(Helminthosporium sigmoideum)、腹黒米(Alternaria padwickii)、褐色米(Alternaria属、Curvularia属)、紅変米(Epicoccum属)、褐変穂(Alternaria属、Epicoccum属)、すじ葉枯病(Cercospora oryzae)、褐色葉枯病(Monographella属等)、稲こうじ病(Claviceps virens)、もみ枯細菌病(Burkholderia glumae)、葉鞘褐変病(Pseudomonas fuscovaginae)。
コムギの病害:うどんこ病(Erysiphe graminis)、赤かび病(Fusarium graminearum、F. avenacerum、F. culmorum、Microdochium nivale)、さび病(Puccinia striiformis、P. graminis、P. recondita)、紅色雪腐病(Micronectriella nivale)、雪腐小粒菌核病(Typhula sp.)、裸黒穂病(Ustilago tritici)、なまぐさ黒穂病(Tilletia caries)、眼紋病(Pseudocercosporella herpotrichoides)、葉枯病(Mycosphaerella graminicola)、ふ枯病(Stagonospora nodorum)、黄斑病(Pyrenophora tritici−repentis)。
オオムギの病害:うどんこ病(Erysiphe graminis)、赤かび病(Fusarium graminearum、F. avenacerum、F. culmorum、Microdochium nivale)、さび病(Puccinia striiformis、P.graminis、P.hordei)、裸黒穂病(Ustilago nuda)、雲形病(Rhynchosporium secalis)、網斑病(Pyrenophora teres)、斑点病(Cochliobolus sativus)、斑葉病(Pyrenophora graminea)、リゾクトニア属菌による苗立枯れ病(Rhizoctonia solani)。
トウモロコシの病害:黒穂病(Ustilago maydis)、ごま葉枯病(Cochliobolus heterostrophus)、ひょう紋病(Gloeocercospora sorghi)、南方さび病(Puccinia polysora)、グレイリーフスポット病(Cercospora zeae−maydis)、リゾクトニア属菌による苗立枯れ病(Rhizoctonia solani)。
カンキツ類の病害:黒点病(Diaporthe citri)、そうか病(Elsinoe fawcetti)、果実腐敗病(Penicillium digitatum、 P. italicum)、フィトフトラ病(Phytophthora parasitica、Phytophthora citrophthora)。
リンゴの病害:モニリア病(Monilinia mali)、腐らん病(Valsa ceratosperma)、うどんこ病(Podosphaera leucotricha)、斑点落葉病(Alternaria alternata apple pathotype)、黒星病(Venturia inaequalis)、炭そ病(Colletotrichum acutatum)、疫病(Phytophtora cactorum)。
ナシの病害:黒星病(Venturia nashicola、 V. pirina)、黒斑病(Alternaria alternata Japanese pear pathotype)、赤星病(Gymnosporangium haraeanum)、疫病(Phytophtora cactorum)。
モモの病害:灰星病(Monilinia fructicola)、黒星病(Cladosporium carpophilum)、フォモプシス腐敗病(Phomopsis sp.)。
ブドウの病害:黒とう病(Elsinoe ampelina)、晩腐病(Glomerella cingulata)、うどんこ病(Uncinula necator)、さび病(Phakopsora ampelopsidis)、ブラックロット病(Guignardia bidwellii)、べと病(Plasmopara viticola)。
カキの病害:炭そ病(Gloeosporium kaki)、落葉病(Cercospora kaki、Mycosphaerella nawae)。
ウリ類の病害:炭そ病(Colletotrichum lagenarium)、うどんこ病(Sphaerotheca fuliginea)、つる枯病(Mycosphaerella melonis)、つる割病(Fusarium oxysporum)、べと病(Pseudoperonospora cubensis)、疫病(Phytophthora sp.)、苗立枯病(Pythium sp.)。
トマトの病害:輪紋病(Alternaria solani)、葉かび病(Cladosporium fulvum)、疫病(Phytophthora infestans)。
ナスの病害:褐紋病(Phomopsis vexans)、うどんこ病(Erysiphe cichoracearum)。
アブラナ科野菜の病害:黒斑病(Alternaria japonica)、白斑病(Cercosporella brassicae)、根こぶ病(Plasmodiophora brassicae)、べと病(Peronospora parasitica)。
ネギの病害:さび病(Puccinia allii)、べと病(Peronospora destructor)。
ダイズの病害:紫斑病(Cercospora kikuchii)、黒とう病(Elsinoe glycines)、黒点病(Diaporthe phaseolorum var. sojae)、褐紋病(Septoria glycines)、斑点病(Cercospora sojina)、さび病(Phakopsora pachyrhizi)、茎疫病(Phytophthora sojae)、リゾクトニア属菌による苗立枯れ病(Rhizoctonia solani)、褐色輪紋病(Corynespora casiicola)、菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)。
インゲンの病害:炭そ病(Colletotrichum lindemthianum)。
ラッカセイの病害:黒渋病(Cercospora personata)、褐斑病(Cercospora arachidicola)、白絹病(Sclerotium rolfsii)。
エンドウの病害:うどんこ病(Erysiphe pisi)。
ジャガイモの病害:夏疫病(Alternaria solani)、疫病(Phytophthora infestans)、緋色腐敗病(Phytophthora erythroseptica)、粉状そうか病(Spongospora subterranean f. sp. subterranea)。
イチゴの病害:うどんこ病(Sphaerotheca humuli)、炭そ病(Glomerella cingulata)。
チャの病害:網もち病(Exobasidium reticulatum)、白星病(Elsinoe leucospila)、輪斑病(Pestalotiopsis sp.)、炭そ病(Colletotrichum theae−sinensis)。
タバコの病害:赤星病(Alternaria longipes)、うどんこ病(Erysiphe cichoracearum)、炭そ病(Colletotrichum tabacum)、べと病(Peronospora tabacina)、疫病(Phytophthora nicotianae)。
ナタネの病害:菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)、リゾクトニア属菌による苗立枯れ病(Rhizoctonia solani)。
ワタの病害:リゾクトニア属菌による苗立枯れ病(Rhizoctonia solani)、白かび病(Mycosphaerella areola)、Thielaviopsis属菌によるBlack root rot病(Thielaviopsis basicola)。
コーヒーの病害:さび病(Hemileia vastatrix)。
サトウキビの病害:さび病(Puccinia melanocephela、Puccinia kuehnii)、黒穂病(Ustilago scitaminea)。
ヒマワリの病害:さび病(Puccinia helianthi)、べと病(Plasmopara halstedii)。
テンサイの病害:褐斑病(Cercospora beticola)、葉腐病(Thanatephorus cucumeris)、根腐病(Thanatephorus cucumeris)、黒根病(Aphanomyces cochlioides)。
バラの病害:黒星病(Diplocarpon rosae)、うどんこ病(Sphaerotheca pannosa)、べと病(Peronospora sparsa)。
キクおよびキク科野菜の病害:べと病(Bremia lactucae)、褐斑病(Septoria chrysanthemi−indici)、白さび病(Puccinia horiana)。
種々の作物の病害:ピシウム属菌によって引き起こされる病害(Pythium aphanidermatum、P. debarianum、P. graminicola、P. irregulare、P. ultimum)、灰色かび病(Botrytis cinerea)、菌核病(Sclerotinia sclerotiorum)。
ダイコンの病害:黒斑病(Alternaria brassicicola)。
シバの病害:ダラースポット病(Sclerotinia homeocarpa)、ブラウンパッチ病及びラージパッチ病(Rhizoctonia solani)。
バナナの病害:シガトカ病(Mycosphaerella fijiensis、Mycosphaerella musicola)。
Aspergillus属、Penicillium属、Fusarium属、Gibberella属、Tricoderma属、Thielaviopsis属、Rhizopus属、Mucor属、Corticium属、Phoma属、Rhizoctonia属、及びDiplodia属菌等によって引き起こされる、各種作物の種子病害または生育初期の病害。
Polymixa属またはOlpidium属等によって媒介される各種作物のウイルス病。
有害節足動物
半翅目害虫:ヒメトビウンカ(Laodelphax striatellus)、トビイロウンカ(Nilaparvata lugens)、セジロウンカ(Sogatella furcifera)等のウンカ類、ツマグロヨコバイ(Nephotettix cincticeps)、タイワンツマグロヨコバイ(Nephotettix virescens)、イナズマヨコバイ(Recilia dorsalis)、チャノミドリヒメヨコバイ(Empoasca onukii)等のヨコバイ類、ワタアブラムシ(Aphis gossypii)、モモアカアブラムシ(Myzus persicae)、ダイコンアブラムシ(Brevicoryne brassicae)、ユキヤナギアブラムシ(Aphis spiraecola)、チューリップヒゲナガアブラムシ(Macrosiphum euphorbiae)、ジャガイモヒゲナガアブラムシ(Aulacorthum solani)、ムギクビレアブラムシ(Rhopalosiphum padi)、ミカンクロアブラムシ(Toxoptera citricidus)、モモコフキアブラムシ(Hyalopterus pruni)、リンゴワタムシ(Eriosoma lanigerum)等のアブラムシ類、アオクサカメムシ(Nezara antennata)、アカヒゲホソミドリカスミカメ(Trigonotylus caelestialium)、アカスジカメムシ(Graphosoma rubrolineatum)、オオトゲシラホシカメムシ(Eysarcoris lewisi)、ホソハリカメムシ(Riptortus clavetus)、クモヘリカメムシ(Leptocorisa chinensis)、トゲシラホシカメムシ(Eysarcoris parvus)、クサギカメムシ(Halyomorpha mista)、ミナミアオカメムシ(Nezara viridula)、ターニシュトプラントバグ(Lygus lineolaris)等のカメムシ類、オンシツコナジラミ(Trialeurodes vaporariorum)、タバココナジラミ(Bemisia tabaci)、ミカンコナジラミ(Dialeurodes citri)、ミカントゲコナジラミ(Aleurocanthus spiniferus)等のコナジラミ類、アカマルカイガラムシ(Aonidiella aurantii)、サンホーゼカイガラムシ(Comstockaspis perniciosa)、シトラススノースケール(Unaspis citri)、ルビーロウムシ(Ceroplastes rubens)、イセリヤカイガラムシ(Icerya purchasi)、フジコナカイガラムシ(Planococcus kraunhiae)、クワコナカイガラムシ(Pseudococcus longispinis)、クワシロカイガラムシ(Pseudaulacaspis pentagona)等のカイガラムシ類、グンバイムシ類、トコジラミ(Cimex lectularius)等のトコジラミ類、ペアシラ(Cacopsylla pyricola)等のキジラミ類等。
鱗翅目害虫:ニカメイガ(Chilo suppressalis)、サンカメイガ(Tryporyza incertulas)、コブノメイガ(Cnaphalocrocis medinalis)、ワタノメイガ(Notarcha derogata)、ノシメマダラメイガ(Plodia interpunctella)、アワノメイガ(Ostrinia furnacalis)、ハイマダラノメイガ(Hellula undalis)、シバツトガ(Pediasia teterrellus)等のメイガ類、ハスモンヨトウ(Spodoptera litura)、シロイチモジヨトウ(Spodoptera exigua)、アワヨトウ(Pseudaletia separata)、イネヨトウ(Sesamia inferens)、ヨトウガ(Mamestra brassicae)、タマナヤガ(Agrotis ipsilon)、タマナギンウワバ(Plusia nigrisigna)、イラクサギンウワバ(Trichoplusia ni)、トリコプルシア属、ヘリオティス属、ヘリコベルパ属等のヤガ類、モンシロチョウ(Pieris rapae)等のシロチョウ類、アドキソフィエス属、ナシヒメシンクイ(Grapholita molesta)、マメシンクイガ(Leguminivora glycinivorella)、アズキサヤムシガ(Matsumuraeses azukivora)、リンゴコカクモンハマキ(Adoxophyes orana fasciata)、チャノコカクモンハマキ(Adoxophyes honmai.)、チャハマキ(Homona magnanima)、ミダレカクモンハマキ(Archips fuscocupreanus)、コドリンガ(Cydia pomonella)等のハマキガ類、チャノホソガ(Caloptilia theivora)、キンモンホソガ(Phyllonorycter ringoneella)のホソガ類、モモシンクイガ(Carposina niponensis)等のシンクイガ類、リオネティア属等のハモグリガ類、リマントリア属、ユープロクティス属等のドクガ類、コナガ(Plutella xylostella)等のスガ類、ワタアカミムシ(Pectinophora gossypiella)、ジャガイモガ(Phthorimaea operculella)等のキバガ類、アメリカシロヒトリ(Hyphantria cunea)等のヒトリガ類、イガ(Tinea translucens)、コイガ(Tineola bisselliella)等のヒロズコガ類、トゥタアブソリュータ(Tuta absoluta)等。
アザミウマ目害虫:ミカンキイロアザミウマ(Frankliniella occidentalis)、ミナミキイロアザミウマ(Thrips palmi)、チャノキイロアザミウマ(Scirtothrips dorsalis)、ネギアザミウマ(Thrips tabaci)、ヒラズハナアザミウマ(Frankliniella intonsa)、タバコアザミウマ(Frankliniella fusca)、オニオンスリップス(Thrips tabaci)、イネアザミウマ(Stenchaetothrips biformis)、イネクダアザミウマ(Haplothrips aculeatus)等のアザミウマ類等。
双翅目害虫:タマネギバエ(Hylemya antiqua)、タネバエ(Hylemya platura)、イネハモグリバエ(Agromyza oryzae)、イネヒメハモグリバエ(Hydrellia griseola)、イネキモグリバエ(Chlorops oryzae)、マメハモグリバエ(Liriomyza trifolii)等のハモグリバエ類、ウリミバエ(Dacus cucurbitae)、チチュウカイミバエ(Ceratitis capitata)等。
甲虫目害虫:ニジュウヤホシテントウ(Epilachna vigintioctopunctata)、ウリハムシ(Aulacophora femoralis)、キスジノミハムシ(Phyllotreta striolata)、イネドロオイムシ(Oulema oryzae)、イネゾウムシ(Echinocnemus squameus)、イネミズゾウムシ(Lissorhoptrus oryzophilus)、ワタミゾウムシ(Anthonomus grandis)、アズキゾウムシ(Callosobruchus chinensis)、シバオサゾウムシ(Sphenophorus venatus)、マメコガネ(Popillia japonica)、ドウガネブイブイ(Anomala cuprea)、コーンルートワームの仲間(Diabrotica spp.)、コロラドハムシ(Leptinotarsa decemlineata)、コメツキムシの仲間(Agriotes spp.)、タバコシバンムシ(Lasioderma serricorne)等。
直翅目害虫:ケラ(Gryllotalpa africana)、コバネイナゴ(Oxya yezoensis)、ハネナガイナゴ(Oxya japonica)等。
本発明の植物病害及び有害節足動物防除組成物は、畑、水田、乾田、芝生、果樹園等の農耕地又は非農耕地にて用いることができる。また、本発明の植物病害及び有害節足動物防除組成物は、「植物」等を栽培する農耕地等において、当該農耕地の有害生物を防除するために使用することができる。
本発明の植物病害及び有害節足動物防除組成物を用いることができる植物としては、例えば次のものが挙げられる。
農作物:トウモロコシ、イネ、コムギ、オオムギ、ライムギ、エンバク、ソルガム、ワタ、ダイズ、ピーナッツ、ソバ、テンサイ、ナタネ、ヒマワリ、サトウキビ、タバコ等。
野菜;ナス科野菜(ナス、トマト、ピーマン、トウガラシ、ジャガイモ等)、ウリ科野菜(キュウリ、カボチャ、ズッキーニ、スイカ、メロン等)、アブラナ科野菜(ダイコン、カブ、セイヨウワサビ、コールラビ、ハクサイ、キャベツ、カラシナ、ブロッコリー、カリフラワー、アブラナ等)、キク科野菜(ゴボウ、シュンギク、アーティチョーク、レタス等)、ユリ科野菜(ネギ、タマネギ、ニンニク、アスパラガス等)、セリ科野菜(ニンジン、パセリ、セロリ、アメリカボウフウ等)、アカザ科野菜(ホウレンソウ、フダンソウ等)、シソ科野菜(シソ、ミント、バジル等)、イチゴ、サツマイモ、ヤマノイモ、サトイモ等。
果樹:仁果類(リンゴ、セイヨウナシ、ニホンナシ、カリン、マルメロ等)、核果類(モモ、スモモ、ネクタリン、ウメ、オウトウ、アンズ、プルーン等)、カンキツ類(ウンシュウミカン、オレンジ、レモン、ライム、グレープフルーツ等)、堅果類(クリ、クルミ、ハシバミ、アーモンド、ピスタチオ、カシューナッツ、マカダミアナッツ等)、液果類(ブルーベリー、クランベリー、ブラックベリー、ラズベリー等)、ブドウ、カキ、オリーブ、ビワ、バナナ、コーヒー、ナツメヤシ、ココヤシ、アブラヤシ等。
果樹以外の樹木:チャ、クワ、花木類(サツキ、ツバキ、アジサイ、サザンカ、シキミ、サクラ、ユリノキ、サルスベリ、キンモクセイ等)、街路樹(トネリコ、カバノキ、ハナミズキ、ユーカリ、イチョウ、ライラック、カエデ、カシ、ポプラ、ハナズオウ、フウ、プラタナス、ケヤキ、クロベ、モミノキ、ツガ、ネズ、マツ、トウヒ、イチイ、ニレ、トチノキ等)、サンゴジュ、イヌマキ、スギ、ヒノキ、クロトン、マサキ、カナメモチ、等。
芝生:シバ類(ノシバ、コウライシバ等)、バミューダグラス類(ギョウギシバ等)、ベントグラス類(コヌカグサ、ハイコヌカグサ、イトコヌカグサ等)、ブルーグラス類(ナガハグサ、オオスズメノカタビラ等)、フェスク類(オニウシノケグサ、イトウシノケグサ、ハイウシノケグサ等)、ライグラス類(ネズミムギ、ホソムギ等)、カモガヤ、オオアワガエリ等。
その他:花卉類(バラ、カーネーション、キク、トルコギキョウ、カスミソウ、ガーベラ、マリーゴールド、サルビア、ペチュニア、バーベナ、チューリップ、アスター、リンドウ、ユリ、パンジー、シクラメン、ラン、スズラン、ラベンダー、ストック、ハボタン、プリムラ、ポインセチア、グラジオラス、カトレア、デージー、シンビジューム、ベゴニア等)、バイオ燃料植物(ヤトロファ、ベニバナ、アマナズナ類、スイッチグラス、ミスカンサス、クサヨシ、ダンチク、ケナフ、キャッサバ、ヤナギ等)、観葉植物等。
上記「植物」は、遺伝子組換え技術又は交配による育種法により、病害、薬剤又は害虫に対する抵抗性又は耐性を付与された植物であってもよい。
本発明の植物病害及び有害節足動物防除組成物は、植物又は植物の栽培地に施用することにより、植物病害及び有害節足動物を防除することができる。ここで植物としては、植物の茎葉、植物の花、植物の実、植物の種子等が挙げられる。
本発明の植物病害及び有害節足動物の防除方法としては、本発明の植物病害及び有害節足動物防除組成物を処理することが挙げられるが、具体的には、例えば、茎葉散布などの植物の茎葉への処理、植物の種子への処理、土壌処理、あるいは育苗箱の土壌及び培土、セルトレイの土壌及び培土、又は水面施用などの植物の栽培地への処理が挙げられる。
本発明における散布処理とは、具体的には、例えば、茎葉散布、樹幹散布等の植物体表面又は有害生物自体に、本発明組成物を施用することにより、有害生物に対する防除効力を発現する方法である。例えば、人力噴霧機、動力噴霧機、ブームスプレーヤ若しくはパンクルスプレーヤを用いて行う地上散布、又は航空防除若しくは無人ヘリコプターを用いて行う空中散布等により、栽培されている植物の表面に処理する方法が挙げられる。
本発明における土壌処理とは、例えば、有害生物による摂食等の被害から保護しようとする作物の根圏に有効成分を施用することにより、有害生物を直接防除するか、あるいは植物体内部に根部等から有効成分を浸透移行させて有害生物を防除する方法であり、具体的には、例えば、植穴処理(例えば、植穴散布、植穴処理土壌混和)、株元処理(例えば、株元散布、株元土壌混和、株元灌注、育苗期後半株元処理)、植溝処理(例えば、植溝散布、植溝土壌混和)、作条処理(例えば、作条散布、作条土壌混和、生育期作条散布)、播種時作条処理(例えば、播種時作条散布、播種時作条土壌混和)、全面処理(例えば、全面土壌散布、全面土壌混和)、側条処理、水面処理(例えば、水面施用、湛水後水面施用)、その他土壌散布処理(例えば、生育期粒剤葉面散布、樹冠下または主幹周辺散布、土壌表面散布、土壌表面混和、播穴散布、畦部地表面散布、株間散布)、その他灌注処理(例えば、土壌灌注、育苗期灌注、薬液注入処理、地際部灌注、薬液ドリップイリゲーション、ケミゲーション)、育苗箱処理(例えば、育苗箱散布、育苗箱灌注、育苗箱薬液湛水)、育苗トレイ処理(例えば、育苗トレイ散布、育苗トレイ灌注、育苗トレイ薬液湛水)、苗床処理(例えば、苗床散布、苗床灌注、水苗代苗床散布、苗浸漬)、床土混和処理(例えば、床土混和、播種前床土混和、播種時覆土前散布、播種時覆土後散布、覆土混和)、その他処理(例えば、培土混和、鋤き込み、表土混和、雨落ち部土壌混和、植位置処理、粒剤花房散布、ペースト肥料混和)が挙げられる。本発明における種子処理とは、例えば、有害生物による摂食等の被害から保護しようとする作物の種子、種芋又は球根等に直接あるいはその近傍に有効成分を施用することにより、有害生物に対する防除効力を発現する方法であり、具体的には、例えば、吹きつけ処理、塗沫処理、浸漬処理、含浸処理、塗布処理、フィルムコート処理、ペレットコート処理が挙げられる。本発明における水耕液処理とは、例えば、有害生物による摂食等の被害から保護しようとする作物の植物体内部に根部等から浸透移行させるために水耕液等に有効成分を施用することにより、該作物を有害生物による被害から保護する方法であり、具体的には、例えば、水耕液混和、水耕液混入などが挙げられる。
本発明の植物病害及び有害節足動物防除組成物を、植物に処理する場合、その処理量は、処理する植物の種類、防除対象である植物病害及び有害節足動物の種類や発生程度、製剤形態、処理時期、気象条件等によって変化させ得るが、式(1)で示される化合物と本化合物Aと本化合物Bと本化合物Cの合計量として、当該植物を栽培する場所1,000mあたり通常0.05〜3,000g、好ましくは0.1〜1,000gである。
乳剤、水和剤、フロアブル剤等は通常水で希釈して散布することにより処理する。この場合、式(1)で示される化合物と本化合物Aと本化合物Bと化合物Cとの合計での濃度は、通常0.00001〜10重量%、好ましくは0.0001〜5重量%の範囲である。粉剤等は通常希釈することなくそのまま処理する。
[組み合わせ事例]
下記の表1に、本発明組成物における化合物の組み合わせ事例を示すが以下の例に限定されるものではない。本発明組成物として、例えば、前記式(1)中のRが水素原子でありRがジフルオロメチル基(R=H、R=CHF)である化合物又はRがメチル基でありRがメチル基(R=Me、R=Me)である化合物と、表1中において番号1〜4095が付された「A群の化合物、B群の化合物およびC群の化合物の組み合わせ」との組み合わせ(即ち、式(1)の化合物+A群の化合物+B群の化合物+C群の化合物)を挙げることができる。なお、下記表1中、「式2」および「式3」とは、それぞれ前記式(2)で示される化合物および式(3)で示される化合物を意味する。
表1
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以下、本発明を製剤例及び試験例にてさらに詳しく説明するが、本発明は以下の例のみに限定されるものではない。なお、以下の例において、部は特にことわりの無い限り重量部を表す。
まず、製剤例を示す。なお、部は重量部を表す。
製剤例1
式(1)の化合物3部、混合表1〜4095の組み合わせのA群の化合物を3部、B群の化合物を3部、C群の化合物を3部、キシレン34部とN,N−ジメチルホルムアミド34部との混合物に溶解し、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル14部およびドデシルベンゼンスルホン酸カルシウム6部を加え、良く攪拌混合して各々の乳剤を得る。
製剤例2
式(1)の化合物10部、混合表1〜4095の組み合わせのA群の化合物を10部、B群の化合物を10部、C群の化合物を10部、、ラウリル硫酸ナトリウム4部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、合成含水酸化珪素微粉末20部および珪藻土34部を混合した中に加え、良く攪拌混合して各々の水和剤を得る。
製剤例3
式(1)の化合物2.5部、混合表1〜4095の組み合わせのA群の化合物2部、B群の化合物1.5部、C群の化合物4部に、合成含水酸化珪素微粉末1部、リグニンスルホン酸カルシウム2部、ベントナイト30部およびカオリンクレー57部を加え充分攪拌混合する。ついでこれらの混合物に適当量の水を加え、さらに攪拌し、増粒機で製粒し、通風乾燥して各々の粒剤を得る。
製剤例4
式(1)の化合物1部、混合表1〜4095の組み合わせのA群の化合物1部、B群の化合物0.5部、C群の化合物0.5部を、適当量のアセトンに溶解し、これに合成含水酸化珪素微粉末5部、PAP0.3部およびフバサミクレー91.7部を加え、充分攪拌混合し、アセトンを蒸発除去して各々の粉剤を得る。
製剤例5
式(1)の化合物5部、混合表1〜4095の組み合わせのA群の化合物5部、B群の化合物5部、C群の化合物5部;ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートアンモニウム塩50部を含むホワイトカーボン35部;および水45部を混合し、湿式粉砕法で微粉砕することにより、各々の10%フロアブル剤を得る。
次に、本発明の効果を試験例にて示す。
試験例1 茎葉散布試験/植物病害およびウンカ類防除試験
製剤例2に準じて、後述する試験区表中に記載された化合物の組み合わせに係る水和剤を調製する。その後、各々有効成分が100ppmになるように水で希釈し、試験用薬液を調製する。2.5葉期のポット植えイネ(Oryza sativa、品種:ヒノヒカリ)稚苗に、前記試験用薬液を1ポットあたり10ml散布する。1処理に対して、ポット植イネは3ポット使用する。このイネ稚苗を風乾後、以下に示すように各ポットに対象病害虫を接種または放飼する。
いもち病菌:処理1週間後に、100,000胞子/mlに調整したいもち病菌胞子懸濁液をイネに噴霧接種する。
紋枯病菌:処理1週間後に、PDA培地で培養した紋枯病菌菌糸をイネに接種する。
トビイロウンカ:処理11週間後に、トビイロウンカをイネに放飼する。
いもち病は接種10日後、紋枯病は接種7日後、トビイロウンカは放飼4日後に混合薬剤の効果を調査する。防除価や死虫率は以下の式から算出する。
いもち病;防除価=100×(1−(処理区の発病面積/無処理区の発病面積))
紋枯病;防除価=100×(1−(処理区の病斑高/無処理区の病斑高))
トビイロウンカ;死虫率(%)=100×(死亡虫数/供試虫数)
この試験により混合薬剤がいもち病、紋枯病、トビイロウンカを防除できることが確認できる。
試験例2 育苗箱施用モデル試験/植物病害およびウンカ類防除試験
製剤例3に準じて、後述する試験区表中に記載された化合物の組み合わせに係る粒剤を調製する。2葉期のセルトレイ植えイネ(Oryza sativa、品種:ヒノヒカリ)に、50g製剤/箱相当量の粒剤を処理後、土を充てんし、水を浸して水田状態にした1/10,000aワグネルポットに移植する。1処理に対して、ワグネルポットのイネは6ポット使用する(1病害虫あたりワグネルポットを2つ使用)。その後、3週間栽培後、供試する病害虫を以下のように接種、放飼する。
いもち病菌:処理1週間後に、100,000胞子/mlに調整したいもち病菌胞子懸濁液をイネに噴霧接種する。
紋枯病菌:処理1週間後に、PDA培地で培養した紋枯病菌菌糸をイネに接種する。
トビイロウンカ:処理1週間後に、トビイロウンカをイネに放飼する。
いもち病は接種10日後、紋枯病は接種7日後、トビイロウンカは放飼4日後に混合薬剤の効果を調査する。防除価や死虫率は以下の式から算出する。
いもち病;防除価=100×(1−(処理区の発病面積/無処理区の発病面積))
紋枯病;防除価=100×(1−(処理区の病斑高/無処理区の病斑高))
トビイロウンカ;死虫率(%)=100×(死亡虫数/供試虫数)
この試験により混合薬剤がいもち病、紋枯病、トビイロウンカを防除できることが確認できる。
試験区表
前記式(1)中のRが水素原子でありRがジフルオロメチル基(R=H、R=CHF)である化合物又はRがメチル基でありRがメチル基(R=Me、R=Me)である化合物と、下記表2中において番号1〜195が付された「A群の化合物、B群の化合物およびC群の化合物の組み合わせ」との組み合わせ(即ち、式(1)の化合物+A群の化合物+B群の化合物+C群の化合物)を挙げることができる。なお、下記表2中、「式3」とは、前記式(3)で示される化合物を意味する。
表2
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式(1)で示される化合物と、群(A)より選ばれる1種以上の化合物と、群(B)より選ばれる1種以上の化合物と、群(C)より選ばれる1種以上の化合物とを含有する組成物は、植物病害及び有害節足動物に対する優れた防除効力を有し、従って植物病害及び有害節足動物防除組成物、及び植物病害及び有害節足動物の防除方法として使用することができる。

Claims (6)

  1. 式(1)で示されるカルボキサミド化合物と、群(A)より選ばれる1種以上の化合物と、群(B)より選ばれる1種以上の化合物と、群(C)より選ばれる1種以上の化合物とを含有する、植物病害又は有害節足動物防除組成物
    式(1)
    Figure 2015214554
    〔式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、Rはメチル基、ジフルオロメチル基又はトリフルオロメチル基を表し、エナンチオマー比が、R体/S体で80/20以上である〕で示されるカルボキサミド化合物;
    群(A):イソチアニル(isotianil)、ジクロシメット(diclocymet)、プロベナゾール(probenazole)、オリサストロビン(orysastrobin)、チアジニル(tiadinil)、トリシクラゾール(tricyclazole)、ピロキロン(pyroquilon)、カルプロパミド(carpropamid)、トルプロカルブ(tolprocarb)、フサライド(phthalide)、フェリムゾン(ferimzone)、テブフロキン(tebufloquin)、ピリベンカルブ(pyribencarb)、アゾキシストロビン(azoxystrobin)、カスガマイシン(kasugamycin hydrochloride hydrate)、フェノキサニル(fenoxanil)、チオファネートメチル(thiophanate-methyl)、式(2)で示される化合物、及び3−(3,4−ジクロロイソチアゾール−5−イルメトキシ)−1,2−ベンゾチアゾール−1,1−ジオキシドからなる群、
    式(2)
    Figure 2015214554
    〔式中、R、R、Rは、それぞれ水素原子又はフッ素原子を表す〕
    群(B):フルピラジフロン(flupyradifurone)、スルホキサフロル(sulfoxaflor)、フロニカミド(flonicamid)、ジノテフラン(dinotefuran)、チアメトキサム(thiamethoxam)、イミダクロプリド(imidacloprid)、フィプロニル(fipronil)、エチプロール(ethiprole)、ピメトロジン(pymetrozine)、クロチアニジン(clothianidin)、ニテンピラム(nitenpyram)、トリフルメゾピリム(triflumezopyrim)、及び式(3)で示される化合物からなる群、
    式(3)
    Figure 2015214554
    〔式中、Rは酸素原子又は硫黄原子を表す〕
    群(C):テトラニリプロール(tetraniliprole)、シアントラニリプロール(cyantraniliprole)、クロラントラニリプロール(chlorantraniliprole)、スピノサド(spinosad)、スピネトラム(spinetoram)、カルタップ(cartap hydrochloride)、ジクロロメゾチアズ(dicloromezotiaz)、クロマトフェノジド(chromafenozide)、メトキシフェノジド(methoxyfenozide)、テブフェノジド(tebufenozide)、エトフェンプロックス(etofenprox)、シラフルオフェン(silafluofen)、BT菌(Bacillus thuringiensis)、及びBT菌産生結晶毒素(Bacillus thuringiensis delta endotoxins)からなる群。
  2. 式(1)で示される化合物と、群(A)より選ばれる1種以上の化合物との重量比が、100:1〜1:100である、請求項1記載の植物病害又は有害節足動物防除組成物。
  3. 式(1)で示される化合物と、群(B)より選ばれる1種以上の化合物との重量比が、100:1〜1:100である、請求項2記載の植物病害又は有害節足動物防除組成物。
  4. 式(1)で示される化合物と、群(C)より選ばれる1種以上の化合物との重量比が、100:1〜1:100である、請求項3記載の植物病害又は有害節足動物防除組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項記載の植物病害又は有害節足動物防除組成物の有効量を、植物又は植物が生育する土壌又は水面に施用する工程を含む、植物病害又は有害節足動物の防除方法。
  6. 植物がイネである、請求項5記載の植物病害又は有害節足動物の防除方法。
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