[第1の実施の形態]
以下、本発明の第1の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1の正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄又は第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小、若しくは変形している状態、又は、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
演出表示装置9の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄及び普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9c,9dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動パターンコマンドに基づいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、演出表示装置9を用いた演出を行う場合、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部又は一部を遮蔽するような演出が行われるなど、演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置9上の表示画面を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、この実施の形態では、演出表示装置9の表示画面の一部でさらに第4図柄の変動表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在変動表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽することはないため、常に視認することができる。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動(可変表示)は、第4図柄表示領域9c,9dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおける第1特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおける第2特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。なお、「可変表示が同期する」とは、可変表示の開始時点及び終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(通常大当りや確変大当りのいずれであるか)に応じて表示色を異ならせてもよい。)で点灯されたままになる。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(通常大当りや確変大当りのいずれであるか)に応じて表示色を異ならせてもよい。)で点灯されたままになる。なお、第4図柄表示領域9c,9dの消灯時の表示色は、消灯したときに背景画像と同化して見えなくなることを防止するために、背景画像とは異なる表示色(例えば、黒色)であることが望ましい。
なお、この実施の形態では、第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設ける場合を示しているが、演出表示装置9とは別に、ランプやLEDなどの発光体を用いて第4図柄表示領域を実現するようにしてもよい。この場合、例えば、第4図柄の変動(可変表示)を、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現されるようにしてもよく、2つのLEDのうちのいずれのLEDが停止表示されたかによって大当り図柄が停止表示されたか否かを表すようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とにそれぞれ対応させて別々の第4図柄表示領域9c,9dを備える場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設けるようにしてもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域をランプやLEDなどの発光体を用いて実現するようにしてもよい。この場合、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、一定の時間間隔で異なる表示色の表示を点灯及び消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、異なる時間間隔で点灯及び消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、例えば、第1特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときと、第2特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときとで、同じ大当り図柄であっても異なる態様の停止図柄を停止表示するようにしてもよい。
遊技盤6における下部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。即ち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(又は、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤6における下部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。即ち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(又は、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8a及び第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(又は、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄又は第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件又は第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13又は第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄及び第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどの予め入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(即ち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口又は始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13及び第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第1特別図柄表示器8aの側方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数即ち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶又は始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器8bの側方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数即ち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部9aと第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部9bとが設けられている。なお、この実施の形態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを個別に表示する場合を示しているが、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数である合算保留記憶数を表示する合算保留記憶表示部を設けるように構成してもよい。そのように構成すれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。また、そのように構成した場合に、合算保留記憶表示部において、第1保留記憶と第2保留記憶とが第1始動入賞口13及び第2始動入賞口14への入賞順に並べて表示されると共に、第1保留記憶であるか第2保留記憶であるかを認識可能な態様で表示される(例えば、第1保留記憶は赤色で表示され、第2保留記憶は青色で表示される)ように構成してもよい。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、及び第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
なお、この実施の形態では、後述するように、特別図柄の変動表示を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ560が変動時間を特定可能な変動パターンコマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ100によって、受信した変動パターンコマンドで特定される変動時間に従って演出図柄の変動表示が制御される。そのため、変動パターンコマンドに基づいて変動時間が特定されることから、特別図柄の変動表示と演出図柄の変動表示とは、原則として同期して実行されるはずである。ただし、万一変動パターンコマンドのデータ化けなどが生じた場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で認識している変動時間と、演出制御用マイクロコンピュータ100側で認識している変動時間との間にズレが生じる可能性がある。そのため、コマンドのデータ化けなどの不測の事態が生じた場合には、特別図柄の変動表示と演出図柄の変動表示とが完全には同期しない事態が生じる可能性がある。
演出表示装置9の周囲の飾り部において、左側には、モータ86の回転軸に取り付けられ、モータ86が回転すると移動する可動部材78が設けられている。この実施の形態では、可動部材78は、予告演出(可動物予告演出)やスーパーリーチ演出が実行されるときに動作する。なお、可動物予告演出やスーパーリーチ演出に限らず、例えば、擬似連の演出において可動部材78が動作するようにしてもよい。なお、この実施の形態では、可動物予告演出やスーパーリーチ演出が実行される場合には、後述するように、可動部材78の可動に加えて、導光板の発光制御が行われる。
また、演出表示装置9の周囲の飾り部において、左右の下方には、モータ87の回転軸に取り付けられ、モータ87が回転すると移動する羽根形状の可動部材(以下、演出羽根役物という。)79a,79bが設けられている。演出羽根役物79a,79bは、例えば、予告演出(演出羽根役物予告演出)が実行されるときに動作する。なお、演出羽根役物予告演出に限らず、例えば、擬似連の演出やスーパーリーチ演出において演出羽根役物79a,79bが動作するようにしてもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。ここで特定表示結果は、第1特別図柄と第2特別図柄とで、共通でもよく、また別個でもよい。また前記演出図柄が、第1保留記憶に基づいて変動する第1演出図柄と、第2保留記憶に基づいて変動する第2演出図柄とで異なる場合にも、特定表示結果は、第1演出図柄と第2演出図柄とで、共通でもよく、また別個でもよい。
遊技領域6には、遊技球の入賞に基づいて予め決められている所定数の景品遊技球の払出を行うための入賞口(普通入賞口)29,30,33,39も設けられている。入賞口29,30,33,39に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aで検出される。
遊技盤6の右側方には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」及び「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。即ち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、即ちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態。高確率状態。)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められると共に、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
打球供給皿3を構成する部材においては、遊技者により操作可能な操作手段としての操作ボタン120が設けられている。操作ボタン120には、遊技者が押圧操作をすることが可能な押しボタンスイッチが設けられている。なお、操作ボタン120は、遊技者による押圧操作が可能な押しボタンスイッチが設けられているだけでなく、遊技者による回転操作が可能なダイヤルも設けられている。遊技者は、ダイヤルを回転操作することによって、所定の選択(例えば演出の選択)を行うことができる。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されると共に、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。即ち、第1特別図柄及び演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されると共に、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。即ち、第2特別図柄及び演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、確変大当りとなった場合には、大当り遊技終了後にいわゆる確変状態に移行され、遊技状態を高確率状態に移行すると共に、遊技球が始動入賞しやすくなる(即ち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。即ち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当りとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、この実施の形態では、高ベース状態に移行される場合には、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態(特別図柄時短状態)にも移行される。そのように時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態及び特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態及び特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態及び特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37及び演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56及びI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54及びRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。即ち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路53が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部又は全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。即ち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部又は全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態即ち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(又はCPU56)が実行する(又は、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路53は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路53は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路53は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、及び、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、及び数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路53が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行って得られた数値データを、乱数回路53が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路53が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、始動口スイッチ13a、カウントスイッチ23、入賞口スイッチ29a,30a,33a,39aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、及び大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、及び普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、遊技盤に設けられている装飾LED25、及び枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うと共に、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35及び音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35及び音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35及び音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、及び演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵又は外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102及び入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドに基づいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、及び背景画像のデータを予め格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
演出制御コマンド及び演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンド及び演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。即ち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、出力ポート106を介して、可動部材78を動作させるためにモータ86を駆動する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート106を介して、演出羽根役物79a,79bを動作させるためのモータ87を駆動する。
また、演出制御用CPU101は、入力ポート107を介して、遊技者による操作ボタン120の押圧操作に応じて操作ボタン120からの信号を入力する。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDやランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDやランプを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLED/ランプドライバ352に入力される。LED/ランプドライバ352は、LEDやランプを駆動する信号に基づいて枠LED28などの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25などに電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音又は音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、S1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(S1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(S2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(S3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)及びPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(S4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(S5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(S6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(S10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(S7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(S8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、S8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(S41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(S42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。S41及びS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(S43)。また、CPU56は、バックアップRAMに保存されている表示結果(通常大当り、確変大当り、突然確変大当り、小当り、又ははずれ)を指定した表示結果指定コマンドを演出制御基板80に対して送信する(S44)。そして、S14に移行する。なお、S44において、CPU56は、例えば、後述する特別図柄ポインタの値もバックアップRAMに保存している場合には、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンド(図13参照)も送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドを受信したことに基づいて、第4図柄の変動表示を再開するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する変動時間タイマの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、S44で表示結果指定コマンドが送信された後、保存していた変動時間タイマの値の計測を再開して特別図柄の変動表示が再開されると共に、保存していた変動時間タイマの値がタイムアウトしたときに、さらに後述する図柄確定指定コマンドが送信される。また、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する特別図柄プロセスフラグの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、保存されている特別図柄プロセスフラグの値に応じたプロセスから特別図柄プロセス処理が再開される。
なお、停電復旧時に必ず表示結果指定コマンドを送信するのではなく、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している変動時間タイマの値が0であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、変動時間タイマの値が0でなければ、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、変動時間タイマが0であれば、停電時に変動中の状態ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
また、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値が3であれば、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、特別図柄プロセスフラグが3でなければ、停電時に変動中ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。即ち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(S10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値又は予め決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(S11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(S12)。
S11及びS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(S13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、即ち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路53を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(S14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路53にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、S15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行う。即ち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(S10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(S17)及び初期値用乱数更新処理(S18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理及び初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(S16)、表示用乱数更新処理及び初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(S19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、又は他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される演出図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される場合もある)。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた変動パターン種別や変動パターンを決定する抽選を行うことによって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(S20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a及びカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:S21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(S22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b及び普通図柄表示器10については、S32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:S23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数及び表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:S24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(S26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b及び大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(S27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。なお、S27の普通図柄プロセス処理では、ゲート32への遊技球の通過を検出したことに基づいて普通図柄の変動表示を実行して変動表示結果を導出表示したり、普通図柄の変動表示結果が当りとなったときに可変入賞球装置15を開放状態に制御したり閉鎖状態に制御したりする処理を実行する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:S28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(S29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a及びカウントスイッチ23の検出信号に基づく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(S30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a及びカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことに基づく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(S31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(S32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(S33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」及び「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、S22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(S34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるS21〜S33(S29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8a又は第2特別図柄表示器8b及び演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8a又は第2特別図柄表示器8b及び演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8a又は第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される場合もある)。
第1特別図柄表示器8a又は第2特別図柄表示器8bに小当りである「5」が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。例えば「135」)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8a又は第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である「5」が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
ここで、小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。即ち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。また、突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである(即ち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。つまり、この実施の形態では、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、大当り種別が全て確変大当りであるように遊技機を構成する場合、小当りを設けなくてもよい。また、大当り種別が全て確変大当りである場合に小当りを設けるように構成する場合には、確変状態(高確率状態)に移行されるのみで時短状態(高ベース状態)を伴わない突然確変大当りを設けるようにすることが好ましい。
図6は、予め用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図6に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。なお、図6に示すように、リーチしない場合に使用され擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が1回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。なお、再変動とは、演出図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の可変表示を再度実行することである。
また、図6に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄又は小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンが用意されている。なお、図6において、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンは、突然確変大当り又は小当りとなる場合に使用される変動パターンである。また、図6に示すように、突然確変大当り又は小当りでない場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。また、突然確変大当り又は小当りの場合に使用され擬似連の演出を伴う特殊PG1−3の変動パターンについては、再変動が1回行われる。
なお、この実施の形態では、図6に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が32.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数又は第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄に基づく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの演出の有無でグループ化してもよい。
なお、この実施の形態では、後述するように、通常大当り、確変大当りである場合には、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチ及び擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている。また、突然確変大当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている。また、小当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1に種別分けされている。また、はずれである場合には、リーチも擬似連や滑り演出も伴わない変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−1と、リーチを伴わないが擬似連や滑り演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−2と、リーチも擬似連や滑り演出も伴わない短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−3と、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−4と、ノーマルリーチ及び再変動2回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−5と、ノーマルリーチ及び再変動1回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−6と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA2−7とに種別分けされている。
図5に示された遊技制御処理におけるS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、及び(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。即ち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)又は初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図8(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図8(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図8(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図8(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図8(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図8(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図8(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図8(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
なお、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ小当りと決定するようにし、第2特別図柄の変動表示を行う場合には小当りを設けないようにしてもよい。この場合、図8(C)に示す第2特別図柄用の小当り判定テーブルは設けなくてもよい。この実施の形態では、遊技状態が確変状態に移行されているときには主として第2特別図柄の変動表示が実行される。遊技状態が確変状態に移行されているときにも小当りが発生するようにし、確変となるか否かを煽る演出を行うように構成すると、現在の遊技状態が確変状態であるにもかかわらず却って遊技者に煩わしさを感じさせてしまう。そこで、第2特別図柄の変動表示中は小当りが発生しないように構成すれば、遊技状態が確変状態である場合には小当りが発生しにくくし必要以上に確変に対する煽り演出を行わないようにすることができ、遊技者に煩わしさを感じさせる事態を防止することができる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路53のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図8(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図8(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図8(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8a又は第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8a又は第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、図8(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には300分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
図8(D),(E)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図8(D)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(即ち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図8(E)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことに基づく保留記憶を用いて(即ち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)に基づいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図8(D),(E)に示すように、大当り種別判定テーブル131aには「突然確変大当り」に対して8個の判定値が割り当てられている(40分の8の割合で突然確変大当りと決定される)のに対して、大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」に対して2個の判定値が割り当てられている(40分の2の割合で突然確変大当りと決定される)場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「突然確変大当り」と決定される割合が高い。なお、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aにのみ「突然確変大当り」を振り分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」の振り分けを行わない(即ち、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ、「突然確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図8(D),(E)に示すように、所定量の遊技価値を付与する第1特定遊技状態としての突然確変大当り(2ラウンドの大当り)と、該遊技価値よりも多い量の遊技価値を付与する第2特定遊技状態としての通常大当り及び確変大当り(15ラウンドの大当り)とに決定する場合があると共に、第1特別図柄の変動表示が実行される場合に高い割合で第1特定遊技状態とすることに決定する場合を示しているが、付与される遊技価値は、この実施の形態で示したようなラウンド数に限られない。例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、同じ15ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第1特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第2特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第2特定遊技状態の遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、例えば、第1特定遊技状態又は第2特定遊技状態いずれの場合であっても、大入賞口を15回開放したときに(この場合、第1特定遊技状態の場合には15ラウンド全てを終了し、第2特定遊技状態の場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出を実行するようにしてもよい。そして、第1特定遊技状態の場合には内部的に15ラウンド全てを終了していることから大当り遊技を終了し、第2特定遊技状態の場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(恰も15回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。
この実施の形態では、図8(D),(E)に示すように、大当り種別として、「通常大当り」、「確変大当り」、及び「突然確変大当り」がある。なお、この実施の形態では、大当り遊技において実行されるラウンド数が15ラウンド及び2ラウンドの2種類である場合を示しているが、大当り遊技において実行されるラウンド数は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、7ラウンドの大当り遊技に制御する7R確変大当りや、5ラウンドの大当り遊技に制御する5R確変大当りが設けられていてもよい。また、この実施の形態では、大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」、及び「突然確変大当り」の3種類である場合を示しているが、3種類に限らず、例えば、4種類以上の大当り種別を設けるようにしてもよい。また、逆に、大当り種別が3種類よりも少なくてもよく、例えば、大当り種別として2種類のみ設けられていてもよい。
「通常大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に時短状態(高ベース状態)に移行させる大当りである(後述するS167,168参照)。そして、時短状態に移行した後、変動表示を100回終了すると時短状態が終了する(後述するS168,S137〜140参照)。なお、この実施の形態では、時短状態に移行した後、100回の変動表示の実行を終了する前に大当りが発生した場合にも、時短状態が終了する(後述するS132参照)。
「確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態(高確率状態)に移行させる大当りである(この実施の形態では確変状態に移行されると共に時短状態(高ベース状態)にも移行される。後述するS169,S170参照)。そして、確変状態に移行した後、次の大当りが発生するまで確変状態が維持される(後述するS132参照)。
また、「突然確変大当り」とは、「通常大当り」や「確変大当り」と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。即ち、「突然確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。また、「通常大当り」や「確変大当り」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が29秒と長いのに対して、「突然確変大当り」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.1秒と極めて短く、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することは殆ど期待できない。そして、この実施の形態では、その突然確変大当り遊技状態の終了後に確変状態(高確率状態)に移行される(この実施の形態では、確変状態に移行されると共に時短状態(高ベース状態)にも移行される。後述するS169,S170参照)。そして、確変状態に移行した後、次の大当りが発生するまで確変状態が維持される(後述するS132参照)。
なお、前述したように、この実施の形態では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.1秒間ずつ2回行われ、「突然確変大当り」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の2回の開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される。そのようにすることによって、「突然確変大当り」であるか「小当り」であるかを認識できないようにし、遊技の興趣を向上させている。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、ランダム1の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図9(A)〜(C)は、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)に基づいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
各大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3、特殊CA4−1、特殊CA4−2の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
例えば、大当り種別が「通常大当り」である場合に用いられる図9(A)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aと、大当り種別が「確変大当り」である場合に用いられる図9(B)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bとで、ノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3の変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。
このように、大当り種別に応じて選択される大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cを比較すると、大当り種別に応じて各変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。また、大当り種別に応じて異なる変動パターン種別に対して判定値が割り当てられている。よって、大当り種別を複数種類のうちのいずれにするかの決定結果に応じて、異なる変動パターン種別に決定することができ、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。
なお、図9(A),(B)に示すように、この実施の形態では、「通常大当り」又は「確変大当り」である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が150〜251であれば、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、スーパーリーチ大当りについて、擬似連を伴う変動パターン種別(スーパーPA3−3、スーパーPA3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)と、擬似連を伴わない変動パターン種別(スーパーPB3−3、スーパーPB3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)とに分けてもよい。この場合、通常大当り用の大当り用変動パターン種別判定テーブル132A及び確変大当り用の大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bの両方において、スーパーリーチかつ擬似連を伴う変動パターン種別と、スーパーリーチかつ擬似連を伴わない変動パターン種別とが割り当てられることになる。
また、大当り種別が「突然確変大当り」である場合に用いられる大当り用変動パターン種別判定テーブル132Cでは、例えば、特殊CA4−1、特殊CA4−2といった大当り種別が「突然確変大当り」以外である場合には判定値が割り当てられない変動パターン種別に対して、判定値が割り当てられている。よって、可変表示結果が「大当り」となり大当り種別が「突然確変大当り」となることに応じて突然確変大当り状態に制御する場合には、通常大当りや確変大当りによる大当り状態に制御する場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。
また、図9(D)は、小当り用変動パターン種別判定テーブル132Dを示す説明図である。小当り用変動パターン種別判定テーブル132Dは、可変表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)に基づいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図9(D)に示すように、小当りとすることに決定されている場合には、変動パターン種別として特殊CA4−1が決定される場合が示されている。
図10(A)〜(C)は、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cを示す説明図である。このうち、図10(A)は、遊技状態が通常状態であると共に合算保留記憶数が3未満である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aを示している。また、図10(B)は、遊技状態が通常状態であると共に合算保留記憶数が3以上である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bを示している。また、図10(C)は、遊技状態が確変状態や時短状態である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cを示している。はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Cは、可変表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)に基づいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
なお、図10に示す例では、遊技状態が確変状態や時短状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで別々のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135B〜135Cを用いる場合を示しているが、確変状態や時短状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで、共通のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるように構成してもよい。また、図10(C)に示す例では、合算保留記憶数にかかわらず共通の確変/時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cを用いる場合を示しているが、確変/時短用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルとして合算保留記憶数に応じた複数のはずれ用変動パターン判定テーブル(判定値の割合を異ならせたテーブル)を用いるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が3未満である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブル135Aと、合算保留記憶数が3以上である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブル135Bとの2種類のテーブルを用いる場合を示しているが、はずれ変動パターン種別判定テーブルの分け方は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、合算保留記憶数の値ごとに別々のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ備えてもよい(即ち、合算保留記憶数0個用、合算保留記憶数1個用、合算保留記憶数2個用、合算保留記憶数3個用、合算保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、合算保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、合算保留記憶数0〜2用、合算保留記憶数3用、合算保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、合算保留記憶数に応じてはずれ変動パターン種別判定テーブルを複数備える場合を示しているが、第1保留記憶数や第2保留記憶数に応じてはずれ変動パターン種別判定テーブルを複数備えるようにしてもよい。例えば、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数の値ごとに別々に用意されたはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい(即ち、第1保留記憶数0個用、第1保留記憶数1個用、第1保留記憶数2個用、第1保留記憶数3個用、第1保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、第1保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、第1保留記憶数0〜2用、第1保留記憶数3用、第1保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。この場合であっても、第1保留記憶数や第2保留記憶数が多い場合(例えば3以上)には、変動時間が短い変動パターンを含む変動パターン種別が選択されやすいように構成すればよい。また、このような場合であっても、特定の可変表示パターンとしてのスーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別に対して共通の判定値を割り当てるように構成すればよい。
なお、「特定の演出態様」とは、スーパーリーチを伴う変動パターンなど、少なくとも大当りに対する期待度が高く設定され、遊技者に大当りに対する期待感を抱かせることができる変動パターン種別、変動パターンのことである。また、「大当りに対する期待度(信頼度)」とは、その特定の演出態様による可変表示(例えば、スーパーリーチを伴う変動表示)が実行された場合に大当りが出現する出現率(確率)を示している。例えば、スーパーリーチを伴う変動表示が実行される場合の大当り期待度は、(大当りと決定されている場合にスーパーリーチが実行される割合)/(大当りと決定されている場合及びはずれと決定されている場合の両方にスーパーリーチが実行される割合)を計算することによって求められる。
各はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Bには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3、ノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
なお、図10(A),(B)に示すように、この実施の形態では、はずれであると共に遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が230〜251であれば、合算保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、図10(A)、(B)に示すように、この実施の形態では、はずれであると共に遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が1〜79であれば、合算保留記憶数にかかわらず、少なくともリーチを伴わない(擬似連や滑り演出などの演出も伴わない)通常変動の変動表示が実行されることがわかる。そのようなテーブル構成により、この実施の形態では、判定テーブル(はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A,135B)は、リーチ用可変表示パターン(リーチを伴う変動パターン)以外の可変表示パターンのうちの少なくとも一部に対して、保留記憶手段(第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファ)が記憶する権利の数(第1保留記憶数や第2保留記憶数、合算保留記憶数)にかかわらず、共通の判定値(図10(A),(B)に示す例では1〜79)が割り当てられるように構成されている。なお、「リーチ用可変表示パターン以外の可変表示パターン」とは、この実施の形態で示したように、例えば、リーチを伴わず、擬似連や滑り演出などの演出も伴わず、可変表示結果が大当りとならない場合に用いられる可変表示パターン(変動パターン)のことである。
なお、この実施の形態では、図9に示すように、現在の遊技状態にかかわらず、共通の大当り用変動パターン種別判定テーブルを用いる場合を示したが、現在の遊技状態が確変状態であるか通常状態であるかに応じて、それぞれ別々に用意された大当り用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。また、この実施の形態では、合算保留記憶数が3以上である場合に、図10(B)に示す短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるように構成する場合を示しているが、現在の遊技状態に応じて短縮変動の変動パターンが選択されうる場合の合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)の閾値を異ならせてもよい。例えば、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が3である場合に(又は、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数が2である場合に)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにし、遊技状態が確変状態や時短状態である場合には、合算保留記憶数がより少ない1や2の場合でも(又は、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数がより少ない0や1の場合でも)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにしてもよい。
図11(A),(B)は、ROM54に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、可変表示結果を「大当り」や「小当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)に基づいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。即ち、変動パターン種別をノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別を特殊CA4−1、特殊CA4−2のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Bが使用テーブルとして選択される。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、演出図柄の可変表示結果が「大当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
なお、図11(A)に示す例では、変動パターン種別として、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチ及び擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う(スーパーリーチと共に擬似連を伴う場合もある)変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーCA3−3とに種別分けされている場合が示されている。また、図11(B)に示す例では、変動パターン種別として、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている場合が示されている。なお、図11(B)において、リーチの有無によって変動パターン種別を分けるのではなく、擬似連や滑り演出などの演出の有無によって変動パターン種別を分けてもよい。この場合、例えば、特殊CA4−1は、擬似連や滑り演出を伴わない変動パターンである特殊PG1−1と特殊PG2−1を含むようにし、特殊CA4−2は、擬似連や滑り演出を伴う特殊PG1−2、特殊PG1−3及び特殊PG2−2を含むように構成してもよい。
図12は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブル138Aを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)に基づいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
図13及び図14は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図13及び図14に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、及び大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(又は図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、即ち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。この実施の形態では、大当りの種類に応じて、大当り開始1指定コマンド、大当り開始2指定コマンド、又は小当り/突然確変大当り開始指定コマンドが用いられる。具体的には、「通常大当り」である場合には大当り開始1指定コマンド(A001(H))が用いられ、「通常大当り」である場合には大当り開始2指定コマンド(A002(H))が用いられ、「突然確変大当り」や「小当り」である場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(A003(H))が用いられる。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然大当りである場合に突然確変大当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはファンファーレ指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。なお、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、大入賞口開放後指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放後指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを終了する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A201(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを終了する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A30A(H))が送信される。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、即ち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。なお、大当り終了1指定コマンド(A301(H))は、「通常大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、即ち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。なお、大当り終了2指定コマンド(A302(H))は、「確変大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA303(H)は、小当りの遊技の終了又は突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然確変大当りである場合に突然確変大当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはエンディング指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(時短状態背景指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(確変状態背景指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC200(H)は、第1保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC300(H)は、第2保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数減算指定コマンド)である。
なお、この実施の形態では、保留記憶情報として、第1保留記憶数と第2保留記憶数とについて、それぞれ保留記憶数が増加又は減少したことを示す演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド、第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する場合を示しているが、保留記憶情報の形態は、この実施の形態で示したものに限らず、例えば、以下のような態様の保留記憶情報を送信するようにしてもよい。
(1)保留記憶情報として、1つのコマンドのみを送信し、その1つのコマンドにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したかを指定すると共に、増加した方の保留記憶数(第1保留記憶数又は第2保留記憶数)をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
(2)保留記憶情報として、1つのコマンドのみを送信し、その1つのコマンドにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したかを指定すると共に、合算保留記憶数をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
(3)保留記憶情報として、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれに始動入賞したか(第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したか)を指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド、第2始動入賞指定コマンド)を送信すると共に、それとは別に保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドを送信するようにし、その保留記憶数指定コマンドにおいて合算保留記憶数をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
(4)保留記憶情報として、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれに始動入賞したか(第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したか)を指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド、第2始動入賞指定コマンド)を送信すると共に、それとは別に保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドを送信するようにし、その保留記憶数指定コマンドにおいて増加した方の保留記憶数(第1保留記憶数又は第2保留記憶数)をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
コマンドC4XX(H)及びコマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否かや、小当りとなるか否か、大当りの種別の判定結果を示す演出制御コマンド(図柄指定コマンド)である。また、コマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す演出制御コマンド(変動カテゴリコマンド)である。
この実施の形態では、後述する入賞時演出処理(図22参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞時に、大当りとなるか否かや、小当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りや小当りとなることを指定する値や、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。また、変動カテゴリコマンドのEXTデータに判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、表示結果が大当りや小当りとなるか否か、大当りの種別を認識できると共に、変動カテゴリコマンドに基づいて、変動パターン種別判定用乱数の値が所定の判定値となる場合には変動パターン種別を認識できる。
図15は、図柄指定コマンドの内容の一例を示す説明図である。図15に示すように、この実施の形態では、大当りや小当りとなるか否かと、大当りの種別とに応じて、EXTデータが設定され、図柄指定コマンドが送信される。
例えば、後述する入賞時演出処理において、「はずれ」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「00(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄1指定コマンド)を送信する。また、例えば、「通常大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「01(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄2指定コマンド)を送信する。また、例えば、「確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「02(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄3指定コマンド)を送信する。また、例えば、「突然確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「03(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄4指定コマンド)を送信する。また、例えば、「小当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「04(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄5指定コマンド)を送信する。なお、図柄指定コマンドに設定されるEXTデータと、表示結果指定コマンドに設定されるEXTデータとを共通化してもよい。そのように構成すれば、図柄指定コマンドを設定する際と表示結果指定コマンドを設定する際とで、読み出すデータを共通化することができる。
図16及び図17は、変動カテゴリコマンドの内容の一例を示す説明図である。図16及び図17に示すように、この実施の形態では、いずれの遊技状態であるかと、特別図柄や演出図柄の表示結果がいずれの表示結果となるかと、始動入賞時に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲になると判定したとかとに応じて、EXTデータに値が設定され、変動カテゴリコマンドが送信される。
例えば、始動入賞時に、遊技状態が通常状態且つはずれとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79となる場合には、CPU56は、EXTデータに「00(H)」を設定した変動カテゴリ1コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数にかかわらず、判定値1〜79の範囲には非リーチCA2−1の変動パターン種別が共通に割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ1コマンドを受信したことに基づいて、少なくとも変動パターン種別が非リーチCA2−1となることを認識することができる。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が80〜89となる場合には、EXTデータに「01(H)」を設定した変動カテゴリ2コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が90〜99となる場合には、EXTデータに「02(H)」を設定した変動カテゴリ3コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が100〜169となる場合には、EXTデータに「03(H)」を設定した変動カテゴリ4コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が170〜199となる場合には、EXTデータに「04(H)」を設定した変動カテゴリ5コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が200〜214となる場合には、EXTデータに「05(H)」を設定した変動カテゴリ6コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が215〜229となる場合には、EXTデータに「06(H)」を設定した変動カテゴリ7コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が230〜251となる場合には、EXTデータに「07(H)」を設定した変動カテゴリ8コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数にかかわらず、判定値230〜251の範囲にはスーパーCA2−7の変動パターン種別が共通に割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ8コマンドを受信したことに基づいて、少なくとも変動パターン種別がスーパーCA2−7となることを認識することができる。
なお、上記のいずれの変動カテゴリに属するかを判定するために用いられる閾値79、89、99、169、199、214、及び229は、具体的には、図10(A),(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別に割り当てられた判定値の範囲の境界となりうる値をピックアップして導き出されたものである。このことは、以降の変動カテゴリ9〜10,21〜29についても同様であり、図9(A)〜(D)や図10(C)に示す変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別に割り当てられた判定値の範囲の境界となりうる値をピックアップしてカテゴリ判定のために用いられる閾値が導き出される。
また、例えば、始動入賞時に、遊技状態が確変状態や時短状態且つはずれとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜219となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜219となる場合(即ち、非リーチCA2−3の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「08(H)」を設定した変動カテゴリ9コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が220〜251となる場合(即ち、スーパーCA2−7の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「09(H)」を設定した変動カテゴリ10コマンドを送信する。
なお、遊技状態が確変状態や時短状態である場合にも、判定値230〜251の範囲にスーパーCA2−7の変動パターン種別を割り当てるようにしてもよい。そのようにすれば、遊技状態にかかわらず、スーパーCA2−7の変動パターン種別に対して共通の判定値が割り当てられるようにすることができる。そのため、後述する入賞時演出の処理のS232の処理を実行する際に、はずれであれば、遊技状態にかかわらず共通の判定処理を行えばよくなり、プログラム容量をより低減することができる。また、この場合、S226の遊技状態の判定処理も不要とすることができる。
また、例えば、始動入賞時に、「通常大当り」となると判定した場合、後述する入賞時演出処理のS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜74となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜74となる場合(即ち、ノーマルCA3−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「10(H)」を設定した変動カテゴリ21コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が75〜149となる場合(即ち、ノーマルCA3−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「11(H)」を設定した変動カテゴリ22コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が150〜251となる場合(即ち、スーパーCA3−3の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「12(H)」を設定した変動カテゴリ23コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、「確変大当り」となると判定した場合、後述する入賞時演出処理のS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜38となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜38となる場合(即ち、ノーマルCA3−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「13(H)」を設定した変動カテゴリ24コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が39〜79となる場合(即ち、ノーマルCA3−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「14(H)」を設定した変動カテゴリ25コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が80〜251となる場合(即ち、スーパーCA3−3の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「15(H)」を設定した変動カテゴリ26コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、突然確変大当りとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜100となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜100となる場合(即ち、特殊CA4−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「16(H)」を設定した変動カテゴリ27コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が101〜251場合(即ち、特殊CA4−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「17(H)」を設定した変動カテゴリ28コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、小当りとなると判定した場合、CPU56は、EXTデータに「18(H)」を設定した変動カテゴリ29コマンドを送信する。
なお、始動入賞時に入賞時判定を行ったときと実際に変動表示を開始するときとでは必ずしも合算保留記憶数が同じであるとは限らないのであるから、入賞時判定結果指定コマンドで示される変動パターン種別が実際に変動表示で用いられる変動パターン種別と一致しない場合も生じうる。しかし、この実施の形態では、少なくとも非リーチCA2−1、スーパーCA2−7及びスーパーCA3−3の変動パターン種別については、合算保留記憶数にかかわらず共通の判定値が割り当てられているのであるから(図9、図10参照)、入賞時判定結果と実際に実行される変動表示の変動パターン種別とで不整合が生じない。そのため、この実施の形態では、非リーチCA2−1、スーパーCA2−7又はスーパーCA3−3の変動パターン種別になると入賞時判定された変動表示に対して、後述する保留予告演出が実行される。なお、非リーチCA2−1、スーパーCA2−7及びスーパーCA3−3の変動パターン種別となると判定した場合にのみ、図16及び図17に示す変動カテゴリコマンド(具体的には、変動カテゴリ1コマンド、変動カテゴリ8コマンド、変動カテゴリ23コマンド、変動カテゴリ26コマンドのみ)を送信し、それ以外の変動パターン種別の入賞時判定結果の場合には変動カテゴリコマンドを送信しないようにしてもよい。また、非リーチCA2−1、スーパーCA2−7及びスーパーCA3−3以外となると入賞時判定された場合には、変動パターン種別を特定不能であることを示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。
なお、「保留予告演出」とは、予告演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前に実行されるいわゆる先読み演出の一種であり、第1保留記憶表示部9aや第2保留記憶表示部9bにおける保留表示を通常とは異なる表示態様で表示することにより行われる予告演出である。この実施の形態では、保留予告演出は、予告対象となる変動表示に対する始動入賞が発生したことに基づいて後述する保留表示が表示されたタイミングで実行される。なお、予告対象となる変動表示に対する始動入賞が発生したことに基づいて後述する保留表示が表示されたタイミングでは通常の表示態様で保留表示の表示を一旦開始し、その後の所定タイミング(例えば、保留のシフトのタイミング)で通常とは異なる表示態様に保留表示を変化させることにより保留予告演出を実行するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、確変状態や時短状態(高ベース状態)であるときに第1始動入賞口13への始動入賞が発生した場合や、大当り遊技状態中に第1始動入賞口13への始動入賞が発生した場合を除いて(S1215A,S1216A参照)、始動入賞が発生するごとに入賞時判定の処理が実行され、図15に示す図柄指定コマンドが送信されると共に図16及び図17に示す変動カテゴリコマンドが送信される。そして、演出制御用マイクロコンピュータ100は、受信した図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドに基づいて、予告対象の変動表示が開始される以前に、前もって大当りとなるか否かやリーチとなるか否かを予告する保留予告演出を実行する。即ち、通常状態では、第1始動入賞口13又は第2始動入賞口14への始動入賞が発生した場合に保留予告演出が実行され、高ベース状態及び大当り遊技状態では、第2始動入賞口14への始動入賞が発生した場合に保留予告演出が実行される。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図13及び図14に示された内容に応じて画像表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8a又は第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンド及び表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図13及び図14に示す例では、変動パターンコマンド及び表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄及び第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う画像表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図18及び図19は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(S26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8a又は第2特別図柄表示器8b及び大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、即ち、第1始動入賞口13への始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(S311,S312)。また、CPU56は、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、即ち第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(S313,S314)。そして、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13a又は第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、S300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
S300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(S300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄又は第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(S301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(S302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(S303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(S301でセットされる変動時間タイマがタイムアウト即ち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において第4図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(S304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグ及び小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことに基づいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され(図30参照)、S22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(S305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化すると共に、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、大入賞口開放中指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うと共に、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理は各ラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。また、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。
大入賞口開放中処理(S306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大入賞口開放中処理では、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、大当り中開放後指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うと共に、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(S307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(S308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化すると共に、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は小当り遊技中の大入賞口の開放毎に実行されるが、小当り遊技中の最初の開放を開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(S309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ大入賞口の開放回数が残っている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全ての開放を終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS310に対応した値(この例では10)に更新する。
小当り終了処理(S310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図20は、S312,S314の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。このうち、図20(A)は、S312の第1始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。また、図20(B)は、S314の第2始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
まず、図20(A)を参照して、第1始動口スイッチ通過処理について説明する。第1始動口スイッチ13aがオン状態の場合に実行される第1始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1211A)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1212A)と共に、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213A)。次いで、CPU56は、乱数回路53やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図21(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1214A)。このS1214Aの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)及び変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を第1始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
図21は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図21に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファ及び第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)及び変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。この第1保留記憶バッファ及び第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
ここで第1保留記憶バッファは、第1始動入賞口13を遊技球が通過したにもかかわらず未だ開始されていない可変表示について第1の保留記憶として複数記憶可能な第1の保留記憶手段として機能するものであり、第2保留記憶バッファは、第2始動入賞口14を遊技球が通過したにもかかわらず未だ開始されていない可変表示について第2の保留記憶として複数記憶可能な第2の保留記憶手段として機能するものである。なお、第1の保留記憶手段と第2の保留記憶手段とは、一つの保留記憶手段であってもよく、この場合には、例えば一つの保留記憶バッファにおいて、第1始動入賞口13への入賞か第2始動入賞口14への入賞かを特定可能にして、保留記憶を行えばよい。
なお、この実施の形態では、大当り判定用乱数などの乱数値を保留記憶として第1保留記憶バッファ及び第2保留記憶バッファに記憶する場合を示しているが、保留記憶として記憶する所定の情報は乱数値に限られない。例えば、大当り判定用乱数などに基づいて大当りや小当りとするか否かを予め決定しておき、その決定結果を保留記憶として第1保留記憶バッファ及び第2保留記憶バッファに記憶してもよい。
図20に戻り、次いで、CPU56は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(S1215A)。セットされていれば、そのままS1220Aに移行する。時短フラグがセットされていなければ、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるか否かを確認する(S1216A)。特別図柄プロセスフラグの値が5以上であれば(即ち、大当り遊技状態又は小当り遊技状態であれば)、CPU56は、そのままS1220Aに移行する。
特別図柄プロセスフラグの値が5未満であれば、検出した始動入賞に基づく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時に予め判定する入賞時演出処理を実行する(S1217A)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1218A)と共に、変動カテゴリコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1219A)。また、CPU56は、第1保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1220A)。
なお、S1218A,S1219Aの処理を実行することによって、この実施の形態では、CPU56は、第1始動入賞口13に始動入賞してS1217Aの入賞時演出処理を実行するごとに、必ず図柄指定コマンド及び変動カテゴリコマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1218A〜S1220Aの処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生してS1217Aの入賞時演出処理を実行したときに、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、及び第1保留記憶数加算指定コマンドの3つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
ただし、S1215A又はS1216AでYと判定したことによりS1217Aの入賞時演出処理を実行しなかった場合には、CPU56は、S1220Aにおいて、第1保留記憶数加算指定コマンドのみを送信する制御を行い、入賞時判定結果指定コマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)を送信する制御は行わない。なお、S1217Aの入賞時演出処理を実行しなかった場合に、入賞判定結果を特定不能であることを示す値(例えば、「FF(H)」)をEXTデータとして設定した入賞時判定結果指定コマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)を送信するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、S1215Aの処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合には、遊技状態が低ベース状態である場合にのみS1217Aの入賞時演出処理が実行される。また、この実施の形態では、S1216Aの処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合には、大当り遊技状態や小当り遊技状態でない場合にのみS1217Aの入賞時演出処理が実行される。なお、大当り遊技状態である場合にのみS1217Aに移行しないようにし、小当り遊技状態である場合にはS1217Aに移行して入賞時演出処理が実行されるようにしてもよい。
また、この実施の形態において、大当り遊技状態(特定遊技状態)とは、大当りを開始することが報知されてから、所定数のラウンド(例えば、15ラウンド)にわたって大入賞口が開放する制御が行われ、最終ラウンドの大入賞口の開放を終了して大当りを終了することが報知されるまでの状態である。具体的には、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(S305参照)から大当り終了処理(S307参照)までの処理が実行されている状態である。
次に、図20(B)を参照して、第2始動口スイッチ通過処理について説明する。第2始動口スイッチ14aがオン状態の場合に実行される第2始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(S1211B)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1212B)と共に、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(S1213B)。次いで、CPU56は、乱数回路53やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図21(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(S1214B)。なお、S1214Bの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)及び変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を第2始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域に予め格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、入賞時演出処理を実行する(S1217B)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果に基づいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1218B)と共に、変動カテゴリコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1219B)。また、CPU56は、第2保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1220B)。
なお、S1218B,S1219Bの処理を実行することによって、この実施の形態では、CPU56は、第2始動入賞口14に始動入賞してS1217Bの入賞時演出処理を実行するごとに、必ず図柄指定コマンド及び変動カテゴリコマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、S1218B〜S1220Bの処理が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生してS1217Bの入賞時演出処理を実行したときに、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、及び第2保留記憶数加算指定コマンドの3つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
なお、第2始動口スイッチ通過処理においても、S1215Aと同様の処理を行い、時短状態であればS1217Bの入賞時演出処理を実行しないようにしてもよい。即ち、通常状態(低ベース状態)である場合にのみS1217Bの入賞時演出処理を実行して、図柄指定コマンド及び変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。
また、第2始動口スイッチ通過処理においても、S1216Aと同様の処理を行い、大当り遊技中であればS1217Bの入賞時演出処理を実行しないようにしてもよい。また、第2始動口スイッチ通過処理において、S1217Bの入賞時演出処理を実行しないようにしてもよい(即ち、第2特別図柄に対しては入賞時判定処理を実行しないようにしてもよい)。
図22は、S1217A,S1217Bの入賞時演出処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理では、CPU56は、まず、S1214A,S1214Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S220)。この実施の形態では、特別図柄及び演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りや小当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞に基づく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、予め大当りや小当りとなるか否かや、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前に予め変動表示結果や変動パターン種別を予測し、後述するように、入賞時の判定結果に基づいて、演出制御用マイクロコンピュータ100によって演出図柄の変動表示中に大当りやスーパーリーチとなることを予告する保留予告演出を実行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(S220のN)、CPU56は、遊技状態が確変状態(高確率状態)であることを示す確変フラグがセットされているか否かを確認する(S221)。確変フラグがセットされていれば、CPU56は、S1214A,S1214Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S222)。なお、始動入賞時にS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に確変大当りや突然確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS221で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態に基づいて始動入賞時の判定を行うようにしてもよい。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(S222のN)、CPU56は、S1214A,S1214Bで抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(B),(C)に示す小当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(S223)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(S1217Aの入賞時演出処理を実行する場合)には、図8(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(S1217Bの入賞時演出処理を実行する場合)には、図8(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値とも一致しなければ(S223のN)、CPU56は、「はずれ」となることを示すEXTデータ「00(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う(S224)。
次いで、CPU56は、現在の遊技状態を判定する処理を行う(S225)。この実施の形態では、CPU56は、S225において、遊技状態が確変状態であるか否か及び時短状態であるか否か(具体的には、確変フラグや時短フラグがセットされているか否か)を判定する。なお、始動入賞時にS225で確変状態であるか否か及び時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にS225で確変状態であるか否か及び時短状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞に基づく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に確変大当りや突然確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にS225で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態に基づいて始動入賞時の判定を行うようにしてもよい。
そして、CPU56は、S225の判定結果に応じて、はずれ用の各閾値を設定する(S226)。この実施の形態では、予め閾値判定を行う閾値判定プログラムが組み込まれており、閾値より大きいか否かを判定することにより、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかが判定され、図16及び図17に示す変動カテゴリコマンドに設定するEXTデータの値が決定される。
例えば、CPU56は、遊技状態が確変状態や時短状態であると判定した場合には閾値219を設定する。この場合、CPU56は、後述するS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値219以下であるか否かを判定し、閾値219以下である場合(即ち、1〜219である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「08(H)」を設定すると判定する(図16参照)。また、閾値219以下でない場合(即ち、220〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「09(H)」を設定すると判定する(図16参照)。
また、例えば、CPU56は、遊技状態が通常状態であると判定した場合には、合算保留記憶数にかかわらず、閾値79、89、99、169、199、214、及び229を設定する。この場合、CPU56は、後述するS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値79以下であるか否かを判定し、閾値79以下である場合(即ち、1〜79である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「00(H)」を設定すると判定する(図16参照)。また、閾値89以下である場合(即ち、80〜89である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「01(H)」を設定すると判定する(図16参照)。また、閾値99以下である場合(即ち、90〜99である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「02(H)」を設定すると判定する(図16参照)。また、閾値169以下である場合(即ち、100〜169である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「03(H)」を設定すると判定する(図16参照)。また、閾値199以下である場合(即ち、170〜199である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「04(H)」を設定すると判定する(図16参照)。また、閾値214以下である場合(即ち、200〜214である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「05(H)」を設定すると判定する(図16参照)。また、閾値229以下である場合(即ち、215〜229である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「06(H)」を設定すると判定する(図16参照)。また、閾値229以下でない場合(即ち、230〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「07(H)」を設定すると判定する(図16参照)。
なお、上記に示す閾値判定の例では、閾値の値が小さい方から順に79、89、99、169、199、214、及び229と判定していくので、後の順番の閾値で判定されたものが前の順番の閾値以下の範囲内となることはない。即ち、閾値79以下であるか否かを判定した後に、閾値89以下であるか否かを判定するときには、前の順番の閾値以下の1〜79の範囲内となることはなく、80〜89の範囲であるか否かを判定することになる。また、この実施の形態では、閾値の値が小さい方から順に79、89、99、169、199、214、及び229と判定していく場合を示したが、逆に大きい方から順に229、214、199、169、99、89、及び79と判定していってもよい。このことは、以下に示す他の閾値を用いた判定を行う場合も同様である。
なお、S225の遊技状態の判定を行うことなく、常に通常状態(低確率/低ベース状態)における閾値を設定するようにしてもよい。そのように構成しても、少なくとも「スーパーリーチはずれ」となる変動パターン種別とに関しては判定値の範囲が共通化されているのであるから、「スーパーリーチはずれ」となるか否かについては判定することができる。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値と一致した場合には(S223のY)、CPU56は、「小当り」となることを示すEXTデータ「04(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う(S227)。
次いで、CPU56は、小当り用の閾値を設定する(S228)。なお、この実施の形態では、CPU56は、閾値251を設定するものとし、後述するS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値251以下である(1〜251である)と判定して、変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「18(H)」を設定すると判定するものとする(図17参照)。なお、小当りである場合には、閾値判定を行うことなく、そのままEXTデータ「18(H)」を設定すると判定するようにしてもよい。
S220又はS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、S1214A,S1214Bで抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)に基づいて大当りの種別を判定する(S229)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(S1217Aの入賞時演出処理を実行する場合)には、図8(D)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aを用いて大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」又は「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(S1217Bの入賞時演出処理を実行する場合)には、図8(E)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bを用いて大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」又は「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
次いで、CPU56は、大当り種別の判定結果に応じたEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行う(S230)。この場合、「通常大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「通常大当り」となることを示すEXTデータ「01(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「確変大当り」となることを示すEXTデータ「02(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「突然確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「突然確変大当り」となることを示すEXTデータ「03(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。
そして、CPU56は、S229で判定した大当り種別に応じて、大当り用の各閾値を設定する(S231)。
例えば、CPU56は、「通常大当り」と判定した場合には、閾値74及び149を設定する。この場合、CPU56は、後述するS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値74以下であるか否かを判定し、閾値74以下である場合(即ち、1〜74である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「10(H)」を設定すると判定する(図17参照)。また、閾値149以下である場合(即ち、75〜149である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「11(H)」を設定すると判定する(図17参照)。また、閾値149以下でない場合(即ち、150〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「12(H)」を設定すると判定する(図17参照)。
また、例えば、CPU56は、「確変大当り」と判定した場合には、閾値38及び79を設定する。この場合、CPU56は、後述するS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値38以下であるか否かを判定し、閾値38以下である場合(即ち、1〜38である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「13(H)」を設定すると判定する(図17参照)。また、閾値79以下である場合(即ち、39〜79である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「14(H)」を設定すると判定する(図17参照)。また、閾値79以下でない場合(即ち、80〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「15(H)」を設定すると判定する(図17参照)。
また、例えば、CPU56は、「突然確変大当り」と判定した場合には、閾値100を設定する。この場合、CPU56は、後述するS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値100以下であるか否かを判定し、閾値100以下である場合(即ち、1〜100である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「16(H)」を設定すると判定する(図17参照)。また、閾値100以下でない場合(即ち、101〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「17(H)」を設定すると判定する(図17参照)。
次いで、CPU56は、S226,S228,S231で設定した閾値と、S1214A,S1214Bで抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)とを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する(S232)。
なお、S226,S228,S231において、予め定められた閾値を設定するのではなく、変動パターン種別判定テーブル(図9、図10参照)を設定するようにし、S232において、設定した変動パターン種別判定テーブルを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値の範囲やいずれの変動パターン種別となるかを判定するようにしてもよい。
そして、CPU56は、判定結果に応じたEXTデータを変動カテゴリコマンドに設定する処理を行う(S233)。具体的には、CPU56は、S232でいずれの変動パターン種別になると判定したかに応じて、図16及び図17に示すような「00(H)」〜「0B(H)」、「10(H)」〜「18(H)」のいずれかの値を変動カテゴリコマンドのEXTデータに設定する処理を行う。
なお、この実施の形態では、入賞時判定において大当りや小当りとなると判定した場合であっても一律に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの範囲となるかを判定する場合を示したが、大当りや小当りとなると判定した場合には、変動パターン種別判定用乱数の値の範囲の判定を行わないようにしてもよい。そして、大当り又は小当りとなると入賞時判定したことを示す図柄指定コマンドを送信すると共に、大当り又は小当りの変動パターン種別となることを包括的に示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。そして、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、具体的にいずれの変動パターン種別となるかまでは示されていないものの、包括的にいずれかの大当りの変動パターン種別となることが示された変動カテゴリコマンドを受信したことに基づいて、後述する保留予告演出を実行するようにしてもよい。
図23及び図24は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(S300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(S51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(S51A)、処理を終了する。なお、例えば、CPU56は、S51Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることに基づいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(S52)。具体的には、第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(S53)。第2保留記憶数が0であれば(即ち、第1保留記憶数のみが溜まっている場合)には、CPU66は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(S54)。
この実施の形態では、S52〜S54の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される(いわゆる特図2優先消化)。言い換えれば、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件に優先して成立するように制御される。
なお、この実施の形態で示したように第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成する場合、図22に示した入賞時演出処理において、大当り判定用乱数(ランダムR)の値を、低確率状態における大当り判定値と比較する処理のみを実行するようにし、確変状態(高確率状態)における大当り判定値とは比較しないようにしてもよい(具体的には、S220の処理のみを実行し、S221,S222の処理は行わないようにしてもよい)。そのように構成すれば、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成する場合に、入賞時判定における大当りの判定結果と実際の変動開始時における大当りの決定結果との間にズレが生じることを防止することができる。
また、この実施の形態で示したように第2特別図柄の変動表示を優先して実行する例に限らず、始動入賞口への入賞順に第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示を実行するもの(いわゆる入賞順消化)であってもよい。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(S55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(S56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域及び第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域及び第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
即ち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」又は「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(又は、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(又は、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。即ち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(S58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S60)。この場合、CPU56は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされている場合には、確変状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグのみがセットされ、確変フラグがセットされていない場合には、時短状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、確変フラグも時短フラグもセットされていなければ、通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(予めROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(S28)において演出制御コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、特別図柄の変動を開始するときに、タイマ割込ごとに、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド又は第2保留記憶数減算指定コマンド)の順に演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されることになる。具体的には、特別図柄の変動を開始するときに、まず、背景指定コマンドが送信され、4ms経過後に変動パターンコマンドが送信され、さらに4ms経過後に表示結果指定コマンドが送信され、さらに4ms経過後に保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド又は第2保留記憶数減算指定コマンド)が送信される。なお、特別図柄の変動を開始するときにはさらに図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド)も送信されるが、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと同じタイマ割込において演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信される。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ即ち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、又は第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータ即ち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、S300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のS1214Aや第2始動口スイッチ通過処理のS1214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、予め決められている大当り判定値や小当り判定値(図8参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。即ち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態の場合には、遊技状態が非確変状態(通常状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、予め大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。即ち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(S61)、S71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「確変大当り」又は「突然確変大当り」とすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされる。そして、大当り遊技終了後、次の大当りが発生したときにリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(S61のN)、CPU56は、小当り判定テーブル(図8(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。即ち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図8(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図8(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(S62)、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(S63)、S75に移行する。
なお、ランダムRの値が大当り判定値及び小当り判定値のいずれにも一致しない場合(S62のN)、即ち、はずれである場合には、そのままS75に移行する。
S71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(S72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図8(D)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131aを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図8(E)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131bを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」又は「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(S73)。なお、この場合、CPU56は、第1始動口スイッチ通過処理のS1214Aや第2始動口スイッチ通過処理のS1214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファに予め格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。また、この場合に、図8(D),(E)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りが選択される割合が高い。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(S74)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(S75)。具体的には、大当りフラグ及び小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」、「9」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。即ち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別及び特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、予め特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数に基づいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果に基づいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(S301)に対応した値に更新する(S76)。
図25は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(S301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132C(図9(A)〜(C)参照)のいずれかを選択する(S92)。そして、S100に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(S93)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン種別判定テーブル132D(図9(D)参照)を選択する(S94)。そして、S100に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU56は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(S95)。なお、この実施の形態では、通常大当りに基づく大当り遊技終了時に時短状態に移行されるときに時短フラグがセットされると共に、確変大当りに基づく大当り遊技終了時にも確変状態に移行されると共に時短状態にも移行されることから時短フラグがセットされる。従って、S95でYと判定された場合には、通常大当りに基づく大当り遊技終了後に時短状態にのみ制御されているときに加えて、確変大当りに基づく大当り遊技終了後に確変状態と共に時短状態に制御されているときがある。
時短フラグがセットされていない(S95のN)、即ち、遊技状態が通常状態であれば、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(S96)。合算保留記憶数が3未満であれば(S96のN)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図10(A)参照)を選択する(S97)。そして、S100に移行する。
合算保留記憶数が3以上である場合(S96のY)には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135B(図10(B)参照)を選択する(S98)。そして、S100に移行する。
時短フラグがセットされている場合(S95のY)、即ち、遊技状態が確変状態又は時短状態であれば、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135C(図10(C)参照)を選択する(S99)。そして、S100に移行する。
この実施の形態では、S95〜S99の処理が実行されることによって、遊技状態が通常状態であって合算保留記憶数が3以上である場合には、図10(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bが選択される。また、遊技状態が確変状態や時短状態である場合には、図10(C)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cが選択される。この場合、後述するS100の処理で変動パターン種別として非リーチCA2−3が決定される場合があり、非リーチCA2−3の変動パターン種別が決定された場合には、S102の処理で変動パターンとして短縮変動の非リーチPA1−2が決定される(図12参照)。従って、この実施の形態では、遊技状態が確変状態や時短状態である場合又は合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。なお、この実施の形態では、確変状態や時短状態で用いる短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(図10(C)参照)と、保留記憶数に基づく短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(図10(B)参照)とが異なるテーブルである場合を示したが、短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとして共通のテーブルを用いるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、遊技状態が確変状態や時短状態である場合であっても、合算保留記憶数がほぼ0である場合(例えば、0であるか、0又は1である場合)には、短縮変動の変動表示を行わないようにしてもよい。この場合、例えば、CPU56は、S95でYと判定したときに、合算保留記憶数がほぼ0であるか否かを確認し、合算保留記憶数がほぼ0であれば、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図10(A)参照)を選択するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファ又は第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、S92、S94、S97、S98、又はS99の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(S100)。
次いで、CPU56は、S100の変動パターン種別の決定結果に基づいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル137A,137B(図11参照)、はずれ変動パターン判定テーブル138A(図12参照)のうちのいずれかを選択する(S101)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファ又は第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、S101の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(S102)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値に基づいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S103)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S104)。
次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(S105)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(S302)に対応した値に更新する(S106)。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果に基づいて、S95〜S100の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、予め非リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図10に示す非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3の変動パターン種別を含むもの)と、リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図10に示すノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別を含むもの)とを用意しておき、リーチ判定結果に基づいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるに従ってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。この場合、CPU56は、例えば、入賞時演出処理における「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」となるか否かの判定において、リーチ判定テーブルの共通の範囲に割り当てられた判定値に合致するか否かを判定することによって、リーチとなるか否かを予め判定するようにしてもよい。なお、予告演出の実行割合が低下してしまうことを考慮すると、この実施の形態で示したように、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理を行うことなく、変動パターン種別によって「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」となるか否かを事前判定して保留予告演出を行うように構成することが好ましい。
図26は、表示結果指定コマンド送信処理(S302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図13参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(S110)。セットされていない場合には、S116に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が「通常大当り」であるときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(S111,S112)。なお、「通常大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU56は、大当りの種別が「確変大当り」であるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(S113,S114)。なお、「確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。そして、「通常大当り」及び「確変大当り」のいずれでもないときには(即ち、「突然確変大当り」であるときには)、CPU56は、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(S115)。
一方、CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには(S110のN)、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(S116)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(S117)。小当りフラグもセットされていないとき(S116のN)、即ち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(S118)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(S303)に対応した値に更新する(S119)。
図27は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(S303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、まず、保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド又は第2保留記憶数減算指定コマンド)を既に送信済みであるか否かを確認する(S1121)。なお、保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かは、例えば、後述するS1122で保留記憶数減算指定コマンドを送信する際に保留記憶数減算指定コマンドを送信したことを示す保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグをセットするようにし、S1121では、その保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグがセットされているか否かを確認するようにすればよい。また、この場合、セットした保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグは、特別図柄の変動表示を終了する際や大当りを終了する際に後述する特別図柄停止処理や大当り終了処理でリセットするようにすればよい。
次いで、保留記憶数減算指定コマンドを送信済みでなければ、CPU56は、保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(S1122)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第1保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU56は、第2保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。
次いで、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(S1125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(S1126)、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(S1127)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(S304)に対応した値に更新する(S1128)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図28は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(S304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(S131)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグや、時短状態であることを示す時短フラグ、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタをリセットし(S132)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(S133)。具体的には、大当りの種別が「通常大当り」である場合には大当り開始1指定コマンド(コマンドA001(H))を送信する。また、大当りの種別が「確変大当り」である場合には大当り開始2指定コマンド(コマンドA002(H))を送信する。また、大当りの種別が突然確変大当りである場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA003(H))を送信する。なお、大当りの種別が「通常大当り」、「確変大当り」、又は「突然確変大当り」のいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)に基づいて判定される。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S134)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、「通常大当り」や「確変大当り」の場合には15回。「突然確変大当り」の場合には2回。)をセットする(S135)。また、大当り遊技における1ラウンドあたりのラウンド時間もセットされる。具体的には、突然確変大当りの場合には、ラウンド時間として0.1秒がセットされ、通常大当りや確変大当りの場合には、ラウンド時間として29秒がセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(S305)に対応した値に更新する(S136)。
また、S131で大当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値が0であるか否かを確認する(S137)。時短回数カウンタの値が0でなければ、CPU56は、時短回数カウンタの値を−1する(S138)。そして、CPU56は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(S139)、時短フラグをリセットする(S140)。
次いで、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(S141)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA003(H))を送信する(S142)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(S143)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば2回)をセットする(S144)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(S308)に対応した値に更新する(S145)。
小当りフラグもセットされていなければ(S141のN)、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S146)。
図29は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(S307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(S160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、S164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(S161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(S162)。ここで、「通常大当り」であった場合には大当り終了1指定コマンド(コマンドA301(H))を送信し、「確変大当り」であった場合には大当り終了2指定コマンド(コマンドA302(H))を送信し、「突然確変大当り」であった場合には小当り/突然確変大当り終了指定コマンド(コマンドA303(H))を送信する。そして、大当り終了表示タイマに、画像表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(S163)、処理を終了する。
S164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、即ち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(S165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(S165のY)、CPU56は、今回終了する大当り遊技が通常大当りに基づくものであるか否かを確認する(S166)。ここで通常大当りに基づく大当り遊技を終了する場合であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。通常大当りに基づく大当り遊技を終了する場合であれば(S166のY)、CPU56は、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(S167)。また、CPU56は、時短回数カウンタに所定回数(本例では100回)をセットする(S168)。
通常大当りに基づく大当り遊技を終了する場合でなければ(即ち、確変大当り又は突然確変大当りに基づく大当り遊技を終了する場合であれば)、CPU56は、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(S169)と共に、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(S170)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(S300)に対応した値に更新する(S171)。
なお、この実施の形態では、以上の処理が実行されることによって、確変状態に制御される場合には時短状態にも制御されることから、遊技状態として、通常状態(低確率/低ベース状態)、時短状態(低確率/高ベース状態)、及び確変状態(高確率/高ベース状態)の3つの状態があることになる。
図30は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄表示制御処理(S32)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄表示制御処理では、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認する(S3201)。特別図柄プロセスフラグの値が3であれば(即ち、特別図柄変動中処理の実行中であれば)、CPU56は、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定又は更新する処理を行う(S3202)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の変動表示を行うための特別図柄表示制御データを設定又は更新する。例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される特別図柄表示制御データの値を+1する。そして、その後、表示制御処理(S22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおける特別図柄の変動表示が実行される。
特別図柄プロセスフラグの値が3でなければ、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値が4であるか否かを確認する(S3203)。特別図柄プロセスフラグの値が4であれば(即ち、特別図柄停止処理に移行した場合には)、CPU56は、特別図柄通常処理で設定された特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する処理を行う(S3204)。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄又は第2特別図柄)の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを設定する。そして、その後、表示制御処理(S22参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器8a,8bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器8a,8bにおいて特別図柄の停止図柄が停止表示される。なお、S3204の処理が実行され停止図柄表示用の特別図柄表示制御データが設定された後には、設定データの変更が行われないので、S22の表示制御処理では最新の特別図柄表示制御データに基づいて最新の停止図柄を次の変動表示が開始されるまで停止表示し続けることになる。また、S3201において特別図柄プロセスフラグの値が2又は3のいずれかであれば(即ち、表示結果指定コマンド送信処理又は特別図柄変動中処理のいずれかであれば)、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを更新するようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560側で認識する変動時間と演出制御用マイクロコンピュータ100側で認識する変動時間との間にズレが生じないようにするため、表示結果指定コマンド送信処理においても変動時間タイマを1減算するように構成すればよい。
なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄表示制御データを出力バッファに設定する場合を示したが、特別図柄プロセス処理において、特別図柄の変動開始時に開始フラグをセットすると共に、特別図柄の変動終了時に終了フラグをセットするようにしてもよい。そして、特別図柄表示制御処理(S32)において、CPU56は、開始フラグがセットされたことに基づいて特別図柄表示制御データの値の更新を開始するようにし、終了フラグがセットされたことに基づいて停止図柄を停止表示さえるための特別図柄表示制御データをセットするようにしてもよい。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図31は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(S702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:S704)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(S705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、第4図柄プロセス処理を行う(S706)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の第4図柄表示領域9c,9dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S707)。その後、S702に移行する。
図32は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号に基づく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図13及び図14参照)であるのか解析する。なお、演出制御INT信号に基づく割込処理は、4msごとに実行されるタイマ割込処理に優先して実行される。
図33〜図35は、コマンド解析処理(S704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(S611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(S612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(S613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(S614)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(S615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(S616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(S617)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果6指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(S618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(S619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(S620)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンド(コマンドA001〜A002(H))であれば(S621)、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(S622)。この場合、例えば、大当り開始1指定コマンドを受信した場合であれば、大当り開始1指定コマンド受信フラグをセットし、大当り開始2指定コマンドを受信した場合であれば、大当り開始2指定コマンド受信フラグをセットする。
受信した演出制御コマンドが小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA003(H))であれば(S623)、演出制御用CPU101は、小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(S624)。
受信した演出制御コマンドが大当り終了指定コマンド(コマンドA301〜A302(H))であれば(S625)、演出制御用CPU101は、大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(S626)。この場合、例えば、大当り終了1指定コマンドを受信した場合であれば、大当り終了1指定コマンド受信フラグをセットし、大当り終了2指定コマンドを受信した場合であれば、大当り終了2指定コマンド受信フラグをセットする。
受信した演出制御コマンドが小当り/突然確変大当り終了指定コマンド(コマンドA303(H))であれば(S627)、演出制御用CPU101は、小当り/突然確変大当り終了指定コマンド受信フラグをセットする(S628)。
受信した演出制御コマンドがいずれかの図柄指定コマンドであれば(S651)、演出制御用CPU101は、受信した図柄指定コマンドを、RAMに形成されている図柄指定コマンド格納領域に一時格納する(S652)。
受信した演出制御コマンドがいずれかの変動カテゴリコマンドであれば(S653)、演出制御用CPU101は、受信した変動カテゴリコマンドを、RAMに形成されている変動カテゴリコマンド格納領域に一時格納する(S654)。
受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであれば(S655)、演出制御用CPU101は、RAMに形成されている第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数の値を1加算する(S656)。また、演出制御用CPU101は、図柄指定コマンドに一時格納されている図柄指定コマンドと、変動カテゴリコマンド格納領域に一時格納されている変動カテゴリコマンドと、受信した第1保留記憶数加算指定コマンドとを、RAMに形成されている第1始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する(S657)。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数加算指定コマンドであれば(S658)、演出制御用CPU101は、RAMに形成されている第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数の値を1加算する(S659)。また、演出制御用CPU101は、図柄指定コマンドに一時格納されている図柄指定コマンドと、変動カテゴリコマンド格納領域に一時格納されている変動カテゴリコマンドと、受信した第2保留記憶数加算指定コマンドとを、RAMに形成されている第2始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する(S660)。
図36は、始動入賞時コマンド格納領域の具体例を示す説明図である。このうち、図36(A)は、第1始動入賞時コマンド格納領域の具体例を示し、図36(B)は、第2始動入賞時コマンド格納領域の具体例を示している。図36(A)に示すように、第1始動入賞時コマンド格納領域には、第1保留記憶数の最大値(この例では4)に対応した領域(格納領域1〜4)が確保されている。また、第2始動入賞時コマンド格納領域にも、第2保留記憶数の最大値(この例では4)に対応した領域(格納領域1〜4)が確保されている。
この実施の形態では、図20の第1始動口スイッチ通過処理のS1218A〜S1220A及び第2始動口スイッチ通過処理のS1218B〜S1220Bで示したように、第1始動入賞口13又は第2始動入賞口14への始動入賞があったときに、1タイマ割込内に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、及び保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド又は第2保留記憶数加算指定コマンド)の3つのコマンドがセットで送信される。そのため、図36に示すように、第1始動入賞時コマンド格納領域及び第2始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜4には、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、及び保留記憶数加算指定コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。さらに第1始動入賞時コマンド格納領域及び第2始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜4には、後述する図39のS720でセットされる非同期フラグの記憶領域も確保されている。
この実施の形態では、1タイマ割込内に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、及び保留記憶数加算指定コマンドの順にコマンド送信が行われるので、演出制御用CPU101は、コマンド解析処理において、図柄指定コマンド及び変動カテゴリコマンドを受信したときに、それぞれ図柄指定コマンド格納領域及び変動カテゴリコマンド格納領域に一時格納する。そして、保留記憶数加算指定コマンドを受信すると、第1保留記憶数加算指定コマンドを受信した場合であれば第1保留記憶が1増加した場合であることが分かり、第2保留記憶数加算指定コマンドを受信した場合であれば第2保留記憶が1増加した場合であることが分かるので、第1保留記憶数加算指定コマンドを受信した場合であれば一時格納した図柄指定コマンド及び変動カテゴリコマンドと共に第1保留記憶数加算指定コマンドを第1始動入賞時コマンド格納領域に格納し、第2保留記憶数加算指定コマンドを受信した場合であれば一時格納した図柄指定コマンド及び変動カテゴリコマンドと共に第2保留記憶数加算指定コマンドを第2始動入賞時コマンド格納領域に格納する(なお、図36では、第1始動入賞時コマンド格納領域の格納領域1〜4の全ての格納領域にコマンドが格納され、第2始動入賞時コマンド格納領域の格納領域1〜4のうちの格納領域1のみにコマンドが格納されている例が示されている)。
なお、図36に示す始動入賞時コマンド格納領域に格納されている各コマンドは、演出図柄の変動表示を開始するごとに、演出図柄の変動表示を開始するタイミングで、後述するS664,S668において順次削除される。この場合、この実施の形態では、第2特別図柄の変動表示を優先実行する(特図2優先消化)ので、まず、図36(B)に示す第2始動入賞時コマンド格納領域の格納領域1の記憶内容が削除される。次いで、新たに第2保留記憶が発生しなければ、第1保留記憶のみが記憶されている状態となるので、次に演出図柄の変動表示を開始するタイミングで図36(A)に示す第1始動入賞時コマンド格納領域の1つ目の格納領域1に格納されているものから削除され、第1始動入賞時コマンド格納領域の内容がシフトされる。例えば、図36(A)に示す格納状態において新たな演出図柄の変動表示が開始された場合には、格納領域1に格納されている各コマンドが削除され、格納領域2に格納されている各コマンドが格納領域1にシフトされ、格納領域3に格納されている各コマンドが格納領域2にシフトされ、格納領域4に格納されている各コマンドが格納領域3にシフトされる。
また、この実施の形態では、始動入賞の発生時に受信する図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、及び保留記憶数加算指定コマンドを、包括的に表現する場合に、始動入賞時のコマンドともいう。また、これら始動入賞時のコマンドのうち、第1保留記憶数又は第2保留記憶数が増加したことを認識可能な情報を指定するコマンドである保留記憶数加算指定コマンドを、包括的に表現する場合に、保留記憶情報ともいう。また、始動入賞時の入賞時演出処理(図22参照)で判定される大当りや小当りとなるか否か、大当り種別の判定結果、変動パターン種別の判定結果を示すコマンドである図柄指定コマンド及び変動カテゴリコマンドを、包括的に表現する場合に、入賞時判定結果指定コマンドや判定結果情報ともいう。
図34に戻り、受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数減算指定コマンドであれば(S661)、演出制御用CPU101は、第1保留記憶数保存領域に格納する第1保留記憶数の値を1減算する(S662)。また、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部9aにおける第1保留表示を1つ消去し、その消去した第1保留記憶以降の残りの第1保留表示を1つずつシフトして、第1保留記憶表示部9aにおける第1保留記憶数表示を更新する(S663)。例えば、第1保留記憶表示部9aの1つ目〜3つ目の第1保留表示が点灯表示されていた場合に、第1保留記憶数減算指定コマンドを受信した場合には1つ目の第1保留表示を消去すると共に、2つ目に表示されていた第1保留表示を1つ目の表示領域にシフトし、3つ目に表示されていた第1保留表示を2つ目の表示領域にシフトする。次いで、演出制御用CPU101は、第1始動入賞時コマンド格納領域の1つ目の格納領域に格納されている始動入賞時のコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、及び第1保留記憶数加算指定コマンド)を削除し、第1始動入賞時コマンド格納領域の内容をシフトする(S664)。
受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数減算指定コマンドであれば(S665)、演出制御用CPU101は、第2保留記憶数保存領域に格納する第2保留記憶数の値を1減算する(S666)。また、演出制御用CPU101は、第2保留記憶表示部9bにおける第2保留表示を1つ消去し、その消去した第2保留記憶以降の残りの第2保留表示を1つずつシフトして、第2保留記憶表示部9aにおける第2保留記憶数表示を更新する(S667)。例えば、第2保留記憶表示部9bの1つ目〜3つ目の第1保留表示が点灯表示されていた場合に、第2保留記憶数減算指定コマンドを受信した場合には1つ目の第2保留表示を消去すると共に、2つ目に表示されていた第2保留表示を1つ目の表示領域にシフトし、3つ目に表示されていた第2保留表示を2つ目の表示領域にシフトする。次いで、演出制御用CPU101は、第2始動入賞時コマンド格納領域の1つ目の格納領域に格納されている始動入賞時のコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、及び第1保留記憶数加算指定コマンド)を削除し、第2始動入賞時コマンド格納領域の内容をシフトする(S668)。
受信した演出制御コマンドが通常状態背景指定コマンドであれば(S669)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9における背景画面を通常状態に応じた背景画面(例えば、青色の背景色の背景画面)に変更する(S670)。従って、この実施の形態では、遊技状態が通常状態(低確率/低ベース状態)である場合には、通常状態に応じた背景画面が表示されることによって通常状態に応じた演出モード(以下、通常演出モードともいう)に制御される。また、演出制御用CPU101は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変状態フラグや、時短状態であることを示す時短状態フラグをリセットする(S671)。
受信した演出制御コマンドが時短状態背景指定コマンドであれば(S672)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9における背景画面を時短状態に応じた背景画面(例えば、緑色の背景色の背景画面)に変更する(S673)。従って、この実施の形態では、遊技状態が時短状態(低確率/高ベース状態)である場合には、時短状態に応じた背景画面が表示されることによって時短状態に応じた演出モード(以下、時短演出モードともいう)に制御される。また、演出制御用CPU101は、時短状態フラグをセットする(S674)。
受信した演出制御コマンドが確変状態背景指定コマンドであれば(S675)、演出制御用CPU101は、演出表示装置9における背景画面を確変状態に応じた背景画面(例えば、赤色の背景色の背景画面)に変更する(S676)。従って、この実施の形態では、遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態)である場合には、確変状態に応じた背景画面が表示されることによって確変状態に応じた演出モード(以下、確変演出モードともいう)に制御される。また、演出制御用CPU101は、確変状態フラグをセットする(S677)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(S678)。そして、S611に移行する。
図37は、図31に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、まず、保留表示の表示制御を行う保留表示処理(S800A)と、所定の周期で動作表示する保留表示である特定保留表示を同期させて動作表示する保留表示同期処理(S800B)とを行う。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理においては、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御すると共に、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)又は変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示すると共にファンファーレを鳴らすファンファーレ演出を行う制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(S805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(S807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(S806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知するエンディング演出の表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
ここで本発明は、図42に示すように、確変状態,時短状態,又は大当り遊技状態において、保留表示として、所定の周期で動作表示する特定保留表示を表示し(S800Aの保留表示処理)、可変表示を行っているとき又は大当り遊技状態中に始動入賞口を通過した場合に表示する新保留表示について、所定の同期要件を満たしたとき(次の可変表示を行うとき,現在行われている可変表示の表示結果が導出表示されるとき,当該可変表示の表示結果として特定表示結果が導出表示される場合における大当り遊技状態が開始されるとき又は大当り遊技状態が終了するとき)に、既に表示していた特定表示結果と同期させて動作表示する(S800Bの保留表示同期処理)ことを特徴とするものである。なお通常状態においては、通常態様(単なる丸形表示)の保留表示が表示される。
この特定保留表示は、図49に示すように、本例では、丸形表示の中に三角表示がされて、点を付した一の頂点が真上を向いている基準動作位置から、反時計回りに回転する動作表示を行うものである。そして図49(A)は、保留予告演出(先読み演出)を実行しない場合に表示される通常特定保留表示の一例であり、図49(B)は、保留予告演出を実行する場合に表示される先読み特定保留表示の一例である。
保留予告演出(先読み演出)を実行しないことに決定され、通常特定保留表示が表示される場合には、図49(A)に示すように、保留表示を白色の丸形表示の内部に白色の三角表示で表示する態様で特定保留表示が表示される。そして、図49(A)に示すように、1秒間の周期で反時計回りに1回転する態様で動作表示が行われる。一方、保留予告演出を実行することに決定され、先読み特定保留表示が表示される場合には、図49(B)に示すように、保留表示を白色の丸形表示の内部に黒色の三角表示で表示する態様で特定保留表示が表示される。そして、図49(B)に示すように、1秒間の周期で反時計回りに1回転する態様で動作表示が行われる。
なお、この実施の形態では、通常特定保留表示及び先読み特定保留表示の具体例として、図49に示すように、保留表示の形状が同じで表示色が異なるもの(本例では、特定保留表示中の一部の表示色が異なるもの)を示したが、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、通常特定保留表示と先読み特定保留表示とで保留表示の形状が異なるもの(例えば、丸形表示と矩形表示)であってもよい。また、この実施の形態では、通常特定保留表示と先読み特定保留表示とで動作表示の態様が同じもの(1秒間の周期で反時計回りに1回転する)を示したが、該動作表示の態様が異なるもの(例えば、回転動作するものと揺動動作するもの)であってもよい。また、通常特定保留表示と先読み特定保留表示のいずれか一方が動作するが他方が動作しないようにしたり、両者の動作速度(周期)を異ならせてもよい。また通常特定保留表示及び先読み特定保留表示は、態様や動作が異なるキャラクタであってもよい。このように、通常態様の保留表示とは異なる特定保留表示であることを認識できると共に、その特定保留表示の中の異なる種類のものであることを認識できるものであればよい。
図38は、特定保留表示の動作タイミングの一例を表す図である。確変状態,時短状態,又は大当り遊技状態において、第1始動入賞口13に入賞した場合には、第1保留記憶表示部9aに、前記特定保留表示が表示され、第2始動入賞口14に入賞した場合には、第2保留記憶表示部9bに、前記特定保留表示が表示される。以下、第1保留記憶表示部9aに表示される特定保留表示を「特図1特定保留表示」と称し、第2保留記憶表示部9bに表示される特定保留表示を「特図2特定保留表示」と称する。ここで特図1特定保留表示には、前記通常特定保留表示と先読み特定保留表示とが含まれ、特図2特定保留表示にも、該通常特定保留表示と先読み特定保留表示とが含まれる。
これら特図1特定保留表示及び特図2特定保留表示は、図38に示すように、所定の動作タイミングになると動作開始して、交互に動作表示される。具体的には、特図1特定保留表示が(a)動作開始して、1秒後に(b)動作終了し、0.5秒のインターバル後、特図2特定保留表示が(c)動作開始して、1秒後に(d)動作終了し、0.5秒のインターバル後、再び特図1特定保留表示が(a)動作開始する、という3秒の動作サイクルを繰り返す。即ち、特図1特定保留表示と特図2特定保留表示とで、動作の周期を同期させつつ、異なる動作を行わせるようになっている。これによれば、特図1特定保留表示と特図2特定保留表示との区別が付くと共に、保留表示の見栄えを良くすることができる。なお、動作時間(本例では1秒)やインターバル時間(本例では0.5秒)は、任意に設定可能である。
このように、本例では、動作サイクル時間を、高ベース時の短縮変動ではずれの場合における変動パターンである非リーチPA1−2の特図変動時間3.00秒(図6参照)に合わせてあるが、該動作サイクルの時間は、最短の特図変動時間以上であれば、特に限定されない。
図39は、保留表示処理(S800A)の一例を示すフローチャートである。保留表示処理において、演出制御用CPU101は、まず、客待ちデモンストレーション表示中であるか否かを判定する(S711)。ここで客待ちデモンストレーション表示中であるか否かは、例えば、演出図柄の変動表示中でなく(例えば、後述するS8007でセットされる変動時間タイマの値が0であり)、第1保留記憶及び第2保留記憶のいずれもない(例えば、S656,S659,S662,S666で更新される第1保留記憶数及び第2保留記憶数のいずれもが0である)ことを確認することにより判定できる。このS711で客待ちデモンストレーション表示中である(YES)と判定した場合には、保留表示処理を終了する。即ち、客待ちデモンストレーション表示中に新たに始動入賞が発生しても、直ちに変動表示が開始され殆ど保留表示を表示する時間がないことから、S712以降の保留表示を表示する処理を行うことなく(保留表示の表示を行わずに)、そのまま処理を終了する。なお、客待ちデモンストレーション表示中に新たに始動入賞が発生した場合に、保留表示を一旦表示してからすぐに消去するようにしてもよい。
また、演出図柄の変動表示中であっても、第1保留記憶及び第2保留記憶のいずれもなく、実行中の変動表示の残り時間が極めて少なく変動表示の終了直前である場合(例えば、残り1秒以内である場合)にも、新たに始動入賞が発生しても実質的に保留表示を表示する時間が殆どないことから、S712以降の保留表示を表示する処理を行うことなく(保留表示の表示を行わずに)、そのまま処理を終了するようにしてもよい。この場合にも、保留表示を一旦表示してからすぐに消去するようにしてもよい。
また、例えば、演出図柄の変動表示を停止してから直ちに客待ちデモンストレーション表示を開始するのではなく、最後の変動表示を終了してから所定期間(例えば、1分間)経過後に客待ちデモンストレーション表示を開始するように構成している場合であれば、この所定期間中も保留記憶がなく変動表示を実行していない期間なのであるから、S711でYと判定し、そのまま処理を終了するようにしてもよい。
なお、客待ちデモンストレーション表示中でS711でYと判定して保留表示処理を終了した場合には、保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド、第2保留記憶数加算指定コマンド)を受信しても保留表示を増加させていないのであるから、その後に保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド、第2保留記憶数減算指定コマンド)を受信しても、コマンド解析処理のS663,S667の処理を実行せず保留表示を削除しないように制御する。この場合、例えば、コマンド解析処理のS655,S658でYと判定し新たな保留記憶数加算指定コマンドを受信したと判定した場合に、客待ちデモンストレーション表示中であるか否かを確認し、客待ちデモンストレーション表示中であれば、その旨を示すフラグをセットし、その後、保留記憶数減算指定コマンドを受信したときに(S661,S665のY参照)、そのフラグがセットされていればS663,S667の処理を実行しないようにすればよい。また、この場合、保留表示の増減の処理のみをスキップするのではなく、S656,S659,S662,S666の処理もスキップして、第1保留記憶数や第2保留記憶数の増減の処理自体も行わないようにしてもよい。なお、この場合にも、保留表示を一旦表示してからすぐに消去するようにしてもよい。
前記S711で客待ちデモンストレーション表示中でない(NO)と判定した場合には、演出制御用CPU101は、図36に示す始動入賞時コマンド格納領域に、新たな始動入賞の発生に基づく新たな始動入賞時のコマンド(新コマンド)の格納が有るか否かを判定する(S712)。このS712で新コマンドの格納が無い(NO)と判定した場合には、保留表示処理を終了する。
一方、S712で新コマンドの格納が有る(YES)と判定した場合には、演出制御用CPU101は、遊技状態が確変状態,時短状態,又は大当り遊技状態のいずれかであるか否かを判定する(S713)。ここで遊技状態が確変状態であるか否かは、確変状態フラグ(S677)がセットされているか否かを確認することにより判定でき、時短状態であるか否かは、時短状態フラグ(S674)がセットされているか否かを確認することにより判定でき、遊技状態が大当り遊技状態であるか否かは、演出制御プロセスフラグが「大当り表示処理」,「ラウンド中処理」,「ラウンド後処理」,又は「大当り終了演出処理」のいずれかであるか否かを確認することにより判定できる。
このS713で遊技状態が確変状態,時短状態,又は大当り遊技状態のいずれでもない(NO)と判定した場合には、通常態様の保留表示を表示して(S714)、保留表示処理を終了する。一方、S713で確変状態,時短状態,又は大当り遊技状態のいずれかである(YES)と判定した場合には、演出制御用CPU101は、保留予告演出を実行するか否かを決定するための保留予告決定テーブルを用いて、新たに受信した変動カテゴリコマンドに基づいて、保留予告演出を実行するか否かを決定するための乱数を用いた抽選処理を行い、保留予告演出を実行するか否かを決定する(S715)。
図41は、保留予告演出を実行するか否かを決定するための保留予告決定テーブルの具体例を示す説明図である。図41に示すように、各保留予告決定テーブルには、保留予告演出なし、及び保留予告演出ありに対して、それぞれ判定値が割り振られている。
また、図41に示すように、保留予告決定テーブルには、変動カテゴリコマンドで非リーチCA2−1の変動パターン種別となることを特定した場合(具体的には、コマンドC600(H)を受信している場合)、変動カテゴリコマンドでスーパーCA2−7の変動パターン種別となることを特定した場合(具体的には、コマンドC607(H)を受信している場合)、及び変動カテゴリコマンドでスーパーCA3−3の変動パターン種別となることを特定した場合(具体的には、コマンドC612(H)又はコマンドC615(H)を受信している場合)にのみ判定値が割り振られている。従って、この実施の形態では、非リーチはずれ、スーパーリーチはずれ、又はスーパーリーチ大当りとなる場合にのみ保留予告演出が実行されうる。この実施の形態では、図41に示すように、非リーチはずれとなる場合には5%の割合で保留予告演出を実行することに決定され、スーパーリーチはずれとなる場合には60%の割合で保留予告演出を実行することに決定され、スーパーリーチ大当りとなる場合には80%の割合で保留予告演出を実行することに決定される。
なお、この実施の形態で示した態様に限らず、非リーチはずれ、スーパーリーチはずれ、及びスーパーリーチ大当り以外の変動カテゴリとなる場合も保留予告演出を実行可能に構成してもよい。この場合、例えば、変動カテゴリコマンドに基づいて大当りとなるか否かのみを特定し、その特定結果に従って保留予告演出を実行可能に構成してもよい。また、この実施の形態では、非リーチはずれとなる場合やスーパーリーチはずれとなる場合にも保留予告演出(いわゆるガセの保留予告演出)を実行する場合を示しているが、非リーチはずれとなる場合には保留予告演出を実行しないようにしたり、スーパーリーチ大当りとなる場合にのみ保留予告演出を実行するようにしたりしてもよい。
また、この実施の形態では、確変状態,時短状態,又は大当り遊技状態である場合にS715の処理が実行されて保留予告演出を実行する場合があるのであるが、既に説明したように、時短フラグがセットされている高ベース状態(確変状態又は時短状態)である場合には、第1始動入賞口13への始動入賞に対する入賞時判定の処理は実行されず図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドは送信されないので(S1215A参照)、第2保留記憶に対してのみ保留予告演出が実行される。また、特別図柄プロセスフラグの値が5以上である大当り遊技状態である場合にも、第1始動入賞口13への始動入賞に対する入賞時判定の処理は実行されず図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドは送信されないので(S1216A参照)、第2保留記憶に対してのみ保留予告演出が実行される。なお大当り遊技状態中には、第2保留記憶に対しても保留予告演出が実行されないようにしてもよい。
図39に戻り、S715の処理の後、演出制御用CPU101は、該S715で保留予告演出を実行すると決定したか否かを判定する(S716)。このS716で、保留予告演出を実行しない(NO)と判定した場合には、新保留表示として、図49(A)に示す通常特定保留表示を表示し(S717)、保留予告演出を実行する(YES)と判定した場合には、新保留表示として、図49(B)に示す先読み特定保留表示を表示して(S718)、該S717又はS718で表示した特定保留表示の動作表示(回転)を開始し(S719)、図36に示す始動入賞時コマンド格納領域に非同期フラグをセットして(S720)、保留表示処理を終了する。
ここで、S712において、図36(A)に示す第1始動入賞時コマンド格納領域に新コマンドの格納が有る場合には、S717又はS718において、第1保留記憶表示部9aに特定保留表示を表示し、S720において、第1始動入賞時コマンド格納領域の当該新コマンドに対応する保留記憶に対応付けて非同期フラグをセットする。一方、S712において、図36(B)に示す第2始動入賞時コマンド格納領域に新コマンドの格納が有る場合には、S717又はS718において、第2保留記憶表示部9bに特定保留表示を表示し、S720において、第2始動入賞時コマンド格納領域の当該新コマンドに対応する保留記憶に対応付けて非同期フラグをセットする。
このように、確変状態,時短状態,又は大当り遊技状態において、始動入賞口に入賞が有ると、新保留表示として通常特定保留表示又は先読み特定保留表示が表示され、該新保留表示は、既に表示されている特定保留表示とは同期せずに、動作表示(回転)が開始される。ここで新保留表示の動作と既に表示されている特定保留表示の動作とが偶々一致する場合は有り得るが、この場合にも、制御上は非同期フラグがセットされる。なお、新保留表示の動作と既に表示されている特定保留表示の動作とが一致した場合には、例えば非同期フラグをセットしないようにして、その後に該動作を同期させる処理を行わないようにしてもよい。
図40は、保留表示同期処理(S800B)の一例を示すフローチャートである。この保留表示同期処理は、特定保留表示を同期させて動作表示する処理であるが、保留表示の動作表示が「同期する」とは、動作表示を伴う複数の特定保留表示間で、各特定保留表示が所定の基準動作位置となるタイミングが同じタイミングとなるようにすることである。具体的には、この実施の形態では、特定保留表示が複数表示されている場合に、保留表示の丸形表示の内部の三角表示の三角形の1頂点が上方向を向いている状態となるタイミングが同じタイミングとなるように表示制御する。
この保留表示同期処理において、演出制御用CPU101は、まず同期要件を満たすか否かを判定する(S731)。この実施例における同期要件は、「次の可変表示を行うとき」、即ち、次の可変表示の開始時であり、具体的には、後述する図43(変動パターンコマンド受信待ち処理)のS813で演出制御プロセスフラグが「演出図柄変動開始処理」とされており、かつ、前記図34(コマンド解析処理)のS664又はS668で始動入賞時コマンド格納領域の内容がシフトされていることである。このS731で同期要件を満たさない(NO)と判定した場合には、保留表示同期処理を終了する。
一方、S731で同期要件を満たす(YES)と判定した場合には、始動入賞時コマンド格納領域(第1始動入賞時コマンド格納領域又は第2始動入賞時コマンド格納領域)において非同期フラグのセットが有るか否かを判定する(S732)。このS732で非同期フラグのセットが無い(NO)と判定した場合には、保留表示同期処理を終了する。
一方、S732で非同期フラグのセットが有る(YES)と判定した場合には、特図1特定保留表示の回転開始タイミング(図38(a))であるか否かを判定する(S733)。このS733で特図1特定保留表示の回転開始タイミングである(YES)と判定した場合には、特図1特定保留表示を同期して回転開始する(S734)。即ち、第1始動入賞時コマンド格納領域において非同期フラグがセットされている保留記憶に対応する新保留表示を、既に表示していた特図1特定保留表示と同期させて動作表示する。なお第1始動入賞時コマンド格納領域において非同期フラグがセットされていない(つまり第2始動入賞時コマンド格納領域において非同期フラグがセットされている)場合には、既に表示していた特図1特定保留表示の動作表示を行う。そしてS734の処理の後、前記セットされていた非同期フラグをリセットして(S735)、保留表示同期処理を終了する。
前記S733で特図1特定保留表示の回転開始タイミングでない(NO)と判定した場合には、特図2特定保留表示の回転開始タイミング(図38(c))であるか否かを判定する(S736)。このS736で特図2特定保留表示の回転開始タイミングである(YES)と判定した場合には、特図2特定保留表示を同期して回転開始する(S737)。即ち、第2始動入賞時コマンド格納領域において非同期フラグがセットされている保留記憶に対応する新保留表示を、既に表示していた特図2特定保留表示と同期させて動作表示する。なお第2始動入賞時コマンド格納領域において非同期フラグがセットされていない(つまり第1始動入賞時コマンド格納領域において非同期フラグがセットされている)場合には、既に表示していた特図2特定保留表示の動作表示を行う。そしてS737の処理の後、前記セットされていた非同期フラグをリセットして(S738)、保留表示同期処理を終了する。
このS734又はS737の処理を行うことにより、所定の周期で動作表示する特定保留表示を表示可能に構成した場合に、新保留表示が、既に表示していた特定保留表示と同期して動作表示されるので、保留表示の見栄えを良くすることができる。また、新保留表示について、第1始動入賞口13又は第2始動入賞口14を遊技球が通過したときではなく、次の第1特別図柄又は第2特別図柄の可変表示を行うときに、既に表示していた特定保留表示と同期させて動作表示するので、処理負担を過度に増やすことがない。
ここで仮に、新保留表示について、第1始動入賞口13又は第2始動入賞口14を遊技球が通過したときに、既に表示していた特定保留表示と同期させて動作表示すれば、動作がずれることが無いので、保留表示の見栄えは良くなる。しかしながら、この場合には、新保留表示を、既に動作表示している特定保留表示に合わせて、基準動作位置でない位置から動作表示させなければならないため、処理負担が過度に増えることになる。そこで本発明は、新保留表示について、第1始動入賞口13又は第2始動入賞口14を遊技球が通過したときには、既に表示していた特定保留表示と同期させずに基準動作位置から動作表示しておき、次の第1特別図柄又は第2特別図柄の可変表示を行うときに同期させて動作表示することにより、処理負担を過度に増やすことがないようにしているのである。
そして仮に、第1保留記憶表示部9aの新保留表示(第1新保留表示)について、第1特別図柄の可変表示を行うときのみで同期させる(即ち第2特別図柄の可変表示を行うときには同期させない)とすると、本例のように特図2優先消化の場合には、確変状態や時短状態において第1特別図柄の可変表示はほとんど行われないので、第1新保留表示がいつまでも同期しないという問題が生ずるところ、本発明では、第1特別図柄の可変表示を行うときのみならず、第2特別図柄の可変表示を行うときにも、第1新保留表示を同期させているので、かかる問題が生じない。また仮に入賞順消化の場合には、第2特別図柄の可変表示が連続している間は、第1新保留表示がいつまでも同期しないという問題が生ずるところ、本発明では、第1特別図柄の可変表示を行うときのみならず、第2特別図柄の可変表示を行うときにも、第1新保留表示を同期させているので、かかる問題が生じない。
また、第2保留記憶表示部9bの新保留表示(第2新保留表示)について、第2特別図柄の可変表示を行うときのみで同期させる(即ち第1特別図柄の可変表示を行うときには同期させない)とすると、仮に入賞順消化の場合には、第1特別図柄の可変表示が連続している間は、第2新保留表示がいつまでも同期しないという問題が生ずるところ、本発明では、第2特別図柄の可変表示を行うときのみならず、第1特別図柄の可変表示を行うときにも、第2新保留表示を同期させているので、かかる問題が生じない。
ここでS734又はS737の処理を行う際に、例えば全部の保留表示を一瞬消したり、エフェクトを掛けることにより、同期したことが良く分かるようにしてもよい。
なお本例では、図39のS720に示すように、新保留表示を表示すると直ちに回転開始しているが、これに限らず、該新保留表示を表示しても回転開始せず、図40の保留表示同期処理で初めて回転開始するようにしてもよい。これによれば、新保留表示について、第1始動入賞口13又は第2始動入賞口14を遊技球が通過したときには動作表示せず、次の第1特別図柄又は第2特別図柄の可変表示を行うときに同期させて動作表示するので、処理負担を軽減できる。
また本例において、リーチ中に始動入賞しても新保留表示を表示しないようにしてもよい。この場合には、該リーチの終了後に、新保留表示を回転しない状態で表示し、次の変動開始時に、既に表示されていた特定保留表示と同期して回転するようにすればよい。
なお、以上に説明した制御においては、図6に示す特図変動時間が、必ずしも特定保留表示の動作サイクル時間(3秒)の倍数になっていないため、特別図柄の変動中に第1始動入賞口13に入賞が有ると、第1新保留表示が同期するまでに、最長で該動作サイクル時間の3秒を要することが有り得るが、該第1新保留表示を含む特図1特定保留表示が次の変動開始に合わせて同期できるように、特図変動時間を、動作サイクル時間の倍数(実際には、次の変動開始までのインターバルを考慮して、動作サイクル時間の倍数よりも若干短い時間)に設定することで、特別図柄の変動開始と特図1特定保留表示の動作開始とが近いタイミングとなるようにすることができる。
以上に説明した実施例では、同期要件が「次の可変表示の開始時」である例について説明したが、該同期要件は、図42に示す変形例1〜3であってもよい。
まず変形例1の同期要件は、「行われている可変表示の表示結果が導出表示されたとき」、即ち、現在行われている可変表示の終了時であり、具体的には、後述する図48(演出図柄変動停止処理)のS8302で演出図柄が停止表示されたことである。
また変形例2の同期要件は、「行われている可変表示の表示結果として特定表示結果(大当り図柄)が導出表示された場合における、特定遊技状態を開始するとき」、即ち、大当り遊技状態の開始時であり、具体的には、大当り図柄の停止に基づく大当り開始指定コマンドの受信時(図33のS621),ファンファーレ演出の開始時若しくは終了時(図37のS804),又は大入賞口の最初の開放開始時(図37のS805)などである。
また変形例3の同期要件は、「行われている可変表示の表示結果として特定表示結果(大当り図柄)が導出表示された場合における、特定遊技状態を終了するとき」、即ち、大当り遊技状態の終了時であり、具体的には、大入賞口の最後の開放終了時(図37のS805),エンディング演出の開始時若しくは終了時(図37のS807),又は次の可変表示の開始時などである。
これら変形例1〜3の同期要件を満たした場合にも、前記実施例の同期要件を満たした場合と同様に、図40(保留表示同期処理)のS731でYESと判定されて、S734又はS737で、新保留表示が、既に表示していた特定保留表示と同期して動作表示される。特に変形例3の同期要件を満たした場合には、大当り遊技状態中における始動入賞口への入賞に基づく新保留表示が、可変表示の開始や終了を待つことなく、当該大当り遊技状態が終了すると同期されるので、早期に保留表示の見栄えを良くすることができる。
ここで実施例及び変形例1〜3の同期要件を、2以上適用することも可能である。
例えば、前記実施例では、同期要件が「次の可変表示の開始時」であるため、大当りとなる変動中に始動入賞した場合や、大当り中に始動入賞した場合には、これら始動入賞に基づく新保留表示が、大当りとなる変動中及び大当り中において、既に表示していた特定保留表示と同期されずに表示されるため、見栄えが良くない期間が長期に亘ることになる。この場合において、実施例の同期要件(次の可変表示の開始時)と、変形例2の同期要件(大当り遊技状態の開始時)とを共に適用すれば、大当りとなる変動中の始動入賞に基づく新保留表示は、大当り遊技状態の開始時に、既に表示していた特定保留表示と同期されることになるため、見栄えが良くない期間を短縮することができる。また、実施例の同期要件(次の可変表示の開始時)と、変形例3の同期要件(大当り遊技状態の終了時)とを共に適用すれば、大当り中の始動入賞に基づく新保留表示は、大当り遊技状態の終了時に、既に表示していた特定保留表示と同期されることになるため、見栄えが良くない期間を短縮することができる。
また、前記変形例1でも、同期要件が「現在行われている可変表示の終了時」であるため、大当り中に始動入賞した場合には、該始動入賞に基づく新保留表示が、大当り中において、既に表示していた特定保留表示と同期されずに表示されるため、見栄えが良くない期間が長期に亘ることになる。この場合において、変形例1の同期要件(現在行われている可変表示の終了時)と、変形例3の同期要件(大当り遊技状態の終了時)とを共に適用すれば、大当り中の始動入賞に基づく新保留表示は、大当り遊技状態の終了時に、既に表示していた特定保留表示と同期されることになるため、見栄えが良くない期間を短縮することができる。また、変形例1の同期要件(現在行われている可変表示の終了時)と、変形例2の同期要件(大当り遊技状態の開始時)とを共に適用することも可能である。
なお、以上に説明した制御においては、同期要件を満たしても(S731でYES)、直ちに特定保留表示の同期はせず、図38で説明した動作サイクルにおける回転開始タイミングを待って(S733,S736)、同期して回転開始する(S734,S737)例について説明したが、これに限らず、同期要件を満たしたら、現在計時中に動作サイクルを切って、新たに動作サイクルの計時を開始し、それに合わせて、同期して回転開始するようにしてもよい。
具体的には、同期要件が実施例(次の可変表示の開始時)である場合には、可変表示中に始動入賞が有ると、新保留表示が表示されて同期せずに回転開始し、次の可変表示の開始時に、新たに動作サイクルの計時を開始して、該新保留表示と既に表示されていた特定保留表示とを同期して回転開始する。また、同期要件が変形例1(現在行われている可変表示の終了時)である場合には、可変表示中に始動入賞が有ると、新保留表示が表示されて同期せずに回転開始し、当該可変表示の終了時に、新たに動作サイクルの計時を開始して、該新保留表示と既に表示されていた特定保留表示とを同期して回転開始する。また、同期要件が変形例2(大当り遊技状態の開始時)である場合には、可変表示中に始動入賞が有ると、新保留表示が表示されて同期せずに回転開始し、当該可変表示に基づく大当り遊技状態の開始時に、新たに動作サイクルの計時を開始して、該新保留表示と既に表示されていた特定保留表示とを同期して回転開始する。また、同期要件が変形例3(大当り遊技状態の終了時)である場合には、可変表示中又は当該可変表示に基づく大当り遊技状態中に始動入賞が有ると、新保留表示が表示されて同期せずに回転開始し、当該大当り遊技状態の終了時に、新たに動作サイクルの計時を開始して、該新保留表示と既に表示されていた特定保留表示とを同期して回転開始する。これによれば、同期要件の充足と同期開始とが一致するので、さらに見栄えを良くすることができる。
ここで、第1始動入賞口13に入賞した場合には、第1保留記憶表示部9aに第1新保留表示が表示されて、該第1保留記憶表示部9aに既に表示されている特定保留表示と第1新保留表示とが同期し、第2始動入賞口14に入賞した場合には、第2保留記憶表示部9bに第2新保留表示が表示されて、該第2保留記憶表示部9bに既に表示されている特定保留表示と第2新保留表示とが同期する点は、既に説明した実施例と同様である。
なお、新たな動作サイクルは、図38に示すような特図1特定保留表示の回転開始からではなく、特図2特定保留表示の回転開始から計時してもよい。これによれば、高ベース状態では第1始動入賞口13よりも第2始動入賞口14に多くの遊技球が入賞するため、非同期の第2新保留表示が多く表示されるが、特図2特定保留表示の回転開始から計時することにより、該第2新保留表示が第1新保留表示よりも早く同期されるため、さらに見栄えを良くできる。
なお、以上に説明した制御においては、確変状態,時短状態,及び大当り遊技状態中の始動入賞に基づく保留表示を、特定保留表示として動作表示する例について説明したが、これに代えて、又はこれに加えて、通常状態(低ベース時)の始動入賞に基づく保留表示を、特定保留表示として動作表示するようにしてもよい。
図43は、図31に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(S812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に更新する(S813)。なお、前述したように、この実施の形態では、停電復旧時にも表示結果指定コマンドの送信が行われる(S44参照)のであるが、図43に示すように、この実施の形態では、通常時には、変動パターンコマンドを受信したことに基づいて演出図柄変動開始処理に移行し演出図柄の変動表示を開始するので、変動パターンコマンドを受信することなく表示結果指定コマンドを受信したのみでは演出図柄の変動表示は開始されない。
図44は、図37に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(S8001)。次いで、演出制御用CPU101は、S8001で読み出した変動パターンコマンド、及び表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(即ち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S8002)。即ち、演出制御用CPU101によってS8002の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、S8002において、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)も決定する。また、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。なお、S8002において、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドに基づいて大当りであるか否かを判定し、変動パターンコマンドのみに基づいて演出図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
図45は、演出表示装置9における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図45に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが「通常大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ偶数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。また、受信した表示結果指定コマンドが「確変大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ奇数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。
また、受信した表示結果指定コマンドが「突然確変大当り」や「小当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果4指定コマンド又は表示結果5指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として「135」などの演出図柄の組合せを決定する。そして、「はずれ」の場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。即ち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄(左中右が全て同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)を大当り図柄という。また、この実施の形態では、確変大当りとなる場合には左中右が奇数図柄で揃った状態で停止表示されることから、奇数図柄は確変大当りとなることを想起させる。そのように確変大当りとなることを想起させる図柄を確変図柄という。一方、この実施の形態では、通常大当りとなる場合には左中右が偶数図柄で揃った状態で停止表示されることから、偶数図柄は確変大当りとならない(通常大当りとなる)ことを想起させる。そのように確変大当りとならないことを想起させる図柄を非確変図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
次いで、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示中に演出表示装置9において予告演出(保留予告演出以外の予告演出。例えば、ステップアップ予告演出やミニキャラ予告演出、可動物予告演出、演出羽根役物予告演出。)を実行するか否かを決定したり予告演出の演出態様を設定する予告演出設定処理を実行する(S8003)。
次いで、演出制御用CPU101は、変動パターン及び予告演出を実行する場合にはその予告演出に応じたプロセステーブルを選択する(S8004)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S8005)。
図46は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。即ち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データ及び音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。
図46に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。なお、演出制御用CPU101は、予告演出を実行することに決定されている場合には、S8004において予告演出に対応したプロセステーブルを選択する。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ及び演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(S8006)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(S8007)。
そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値にする(S8008)。
図47は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算すると共に(S8101)、変動時間タイマの値を1減算する(S8102)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(S8103)、プロセスデータの切替を行う。即ち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(S8104)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データ及び音番号データに基づいて演出装置に対する制御状態を変更する(S8105)。また、この実施の形態では、S8105の処理が実行されることによって、可動物予告演出を実行する際に、モータ86を駆動させることによって可動部材78を可動させたり、演出羽根役物予告演出を実行する際に、モータ87を駆動させることによって演出羽根役物79a,79bを可動させる演出が行われる。また、この実施の形態では、後述するように、スーパーリーチ演出が実行される際にも、モータ86を駆動させることによって可動部材78が可動される。
そして、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(S8106)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新する(S8107)。
図48は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(S803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(S8301)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、S8305に移行する。この実施の形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、S8304で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、S8302の演出図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、S8305に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、決定されている停止図柄(はずれ図柄、大当り図柄)を停止表示させる制御を行う(S8302)。S8302の処理で大当り図柄及び小当り図柄のいずれも表示しなかった場合(即ち、はずれ図柄を表示した場合)には(S8303のN)、演出制御用CPU101は、S8311に移行する。
S8302の処理で大当り図柄又は小当り図柄を停止表示した場合には(S8303のY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(S8304)、大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグ、又は小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを受信したことを示す小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(S8305)。大当り開始指定コマンド受信フラグ又は小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットし(S8306)、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(S8307)。なお、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグ又は小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされていたフラグをリセットする。
そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(S8308)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、演出用部品としてのスピーカ27、及び演出用部品としての可動部材78と演出羽根役物79a,79b)の制御を実行する(S8309)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)に応じた値に更新する(S8310)。
大当り及び小当りのいずれともしないことに決定されている場合には(S8303のN)、演出制御用CPU101は、所定のフラグをリセットする(S8311)。例えば、演出制御用CPU101は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグや、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをリセットする。なお、演出制御用CPU101は、コマンド受信フラグを演出制御プロセス処理や第4図柄プロセス処理において参照されたあと直ぐにリセットするようにしてもよい(例えば、図43のS811に示すように、変動パターンコマンド受信フラグを確認すると直ちに変動パターンコマンド受信フラグをリセットするようにしてもよい)。ただし、例えば、図柄変動指定コマンドについては、演出制御プロセス処理と第4図柄プロセス処理との両方で参照されるので、この実施の形態で示すように、変動終了の際に演出図柄変動停止処理などにおいてリセットしたり、大当り終了の際に大当り終了演出処理においてリセットしたりすることが望ましい。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新する(S8312)。
図50及び図51は、特定保留表示の回転動作の一例を示す図である。本図では、大当り遊技状態の終了後において、第1保留記憶数が4で、第2保留記憶数が0である例について説明する。なお本図では、特定保留表示が通常特定保留表示である例について説明するが、該特定保留表示には先読み特定保留表示が混ざっていてもよい。
まず、大当り遊技状態の終了後に第1保留記憶表示部9aに表示されている4つの通常態様の保留表示(図示外)が、高ベース状態(例えば時短状態)が開始されると、(A)に示すように、4つの特図1特定保留表示に変化する。次に、特図1の変動が開始されて特図1特定保留表示が1つ減った後(図示外)、特図1特定保留表示の回転開始タイミング(図38(a))になると、(B)に示すように、3つの特図1特定保留表示が同期して回転を開始する。ここで第2始動入賞口14に入賞が有ると、(C)に示すように、第2保留記憶表示部9bに新保留表示(1つめ)が表示されて回転を開始し、さらに第2始動入賞口14に入賞が有ると、第2保留記憶表示部9bに新保留表示(2つめ)が表示されて回転を開始し、さらに第2始動入賞口14に入賞が有ると、第2保留記憶表示部9bに新保留表示(3つめ)が表示されて回転を開始する。なお該3つめの新保留表示は、3つの特図1特定保留表示が止まっているタイミングで始動入賞したことに基づいて表示されたものである。そして特図1の変動終了後における特図1特定保留表示の回転終了タイミング(図38(b))でも、(D)に示すように、これら3つの新保留表示は特図2特定保留表示として非同期で回転している。
次に、特図2の変動が開始されて特図2特定保留表示が1つ減った後(図示外)、特図2特定保留表示の回転開始タイミング(図38(c))になると、(E)に示すように、2つの特図2特定保留表示が同期して回転を開始する。ここで3つの特図1特定保留表示が同期して回転しているときに、第1始動入賞口14に入賞が有ると、(F)に示すように、第1保留記憶表示部9aに新保留表示が表示されて回転を開始し、特図2の変動終了後、特図1特定保留表示の回転終了タイミング(図38(b))でも、(G)に示すように、1つの新保留表示は特図1特定保留表示として非同期で回転している。そして特図2の変動が開始されて特図2特定保留表示が1つ減った後(図示外)、特図1特定保留表示の回転開始タイミング(図38(a))になると、(H)に示すように、4つの特図1特定保留表示が同期して回転を開始する。
なお(E)で、特図2の変動開始後、先に特図1特定保留表示の回転開始タイミングになった場合には、該特図1特定保留表示が同期して回転開始した後、次の特図2特定保留表示の回転開始タイミングで、該特図2特定保留表示が同期して回転開始する。また(H)で、特図2の変動開始後、先に特図2特定保留表示の回転開始タイミングになった場合には、該特図2特定保留表示が同期して回転開始した後、次の特図1特定保留表示の回転開始タイミングで、該特図1特定保留表示が同期して回転開始する。
なお本例では、確変状態及び時短状態のみならず、大当り遊技状態においても、これら図50及び図51に示す特定保留表示が表示される例について説明したが、これに限らず、特定保留表示は、確変状態及び時短状態のみ表示され、大当り遊技状態には表示されないようにしてもよい。この場合において、前記変形例2(大当り遊技状態の開始時)や前記変形例3(大当り遊技状態の終了時)の同期要件を満たした場合には、大当り遊技状態の終了後に特定保留表示を表示して同期させればよい。また通常態様の保留表示も、大当り遊技状態中には表示されないようにしてもよい。
図52〜図55は、始動入賞時コマンド格納領域における記憶内容の推移を示す図であり、図52と図53は実施例,図54は第1変形例,図55は第2変形例である。本図において、左側の表は、図36(A)に示す第1始動入賞時コマンド格納領域であり、右側の表は、図36(B)に示す第2始動入賞時コマンド格納領域である。また各始動入賞時コマンド格納領域における図柄指定コマンド格納領域,変動カテゴリコマンド格納領域,及び保留記憶数加算指定コマンド格納領域は、単にコマンド格納領域として表している。
まず図52と図53は、図50と図51で説明した実施例の回転動作が行われる場合の図である。ここでは大当り終了時において、(A)に示すように、第1保留記憶表示部9aに保留記憶が4つ、第2保留記憶表示部9bに保留記憶が0である。
ここで特図1の変動が開始されると、(B)に示すように、第1保留記憶表示部9aにおいて格納領域1のコマンドが消去されて記憶内容がシフトし、保留記憶が3つとなる。ここで特図1特定保留表示の回転開始タイミング(図38(a))になると、3つの保留記憶に対応する特図1特定保留表示が同期して回転を開始する。
次に第2始動入賞口14に入賞が有ると、(C)に示すように、第2保留記憶表示部9bにおいて格納領域1にコマンド及び非同期フラグが記憶され、さらに始動入賞口14に入賞が有ると、第2保留記憶表示部9bにおいて格納領域2にコマンド及び非同期フラグが記憶され、さらに始動入賞口14に入賞が有ると、第2保留記憶表示部9bにおいて格納領域3にコマンド及び非同期フラグが記憶される。ここで各々の入賞時には、新特定保留表示が表示されて回転を開始する。そして特図1の変動が終了すると、(D)に示すように、第1保留記憶表示部9aに保留記憶が3つ、第2保留記憶表示部9bに保留記憶が3つ(非同期フラグ有りが3つ)となる。
次に特図2の変動が開始されると、(E)に示すように、第2保留記憶表示部9bにおいて格納領域1のコマンド及び非同期フラグが消去されて、記憶内容がシフトし、保留記憶が2つとなる。ここで特図1特定保留表示の回転開始タイミング(図38(a))になると、第1保留記憶表示部9aの3つの保留記憶(格納領域1,2,3)に対応する特図1特定保留表示が同期して回転を開始する。また特図2特定保留表示の回転開始タイミング(図38(c))になると、第2保留記憶表示部9bの2つの保留記憶(格納領域1,2)に対応する特図2特定保留表示が同期して回転を開始し、該格納領域1,2の保留記憶における非同期フラグが消去される。これら特図1特定保留表示及び特図2特定保留表示は、先に回転開始タイミングが来た方が、他よりも先に回転を開始する。
次に第1始動入賞口13に入賞が有ると、(F)に示すように、第1保留記憶表示部9aにおいて格納領域4にコマンド及び非同期フラグが記憶される。ここで入賞時には、新特定保留表示が表示されて回転を開始する。そして特図2の変動が終了すると、(G)に示すように、第1保留記憶表示部9aに保留記憶が4つ(非同期フラグ有りが1つ)、第2保留記憶表示部9bに保留記憶が2つとなる。
次に特図2の変動が開始されると、(H)に示すように、第2保留記憶表示部9bにおいて格納領域1のコマンド及び非同期フラグが消去されて、記憶内容がシフトし、保留記憶が1つとなる。ここで特図1特定保留表示の回転開始タイミング(図38(a))になると、第1保留記憶表示部9aの4つの保留記憶(格納領域1〜4)に対応する特図1特定保留表示が同期して回転を開始し、格納領域4の保留記憶における非同期フラグが消去される。また特図2特定保留表示の回転開始タイミング(図38(c))になると、第2保留記憶表示部9bの1つの保留記憶(格納領域1)に対応する特図2特定保留表示が回転を開始する。これら特図1特定保留表示及び特図2特定保留表示は、先に回転開始タイミングが来た方が、他よりも先に回転を開始する。
次に図54は、第1変形例の回転動作が行われる場合の図である。この第1変形例では、特図1の変動中に、第1始動入賞口13及び第2始動入賞口14に入賞する例を示す。ここでは特図1又は特図2の変動終了時において、(A)に示すように、第1保留記憶表示部9aに保留記憶が1つ、第2保留記憶表示部9bに保留記憶が0である。
ここで特図1の変動が開始されると、(B)に示すように、第1保留記憶表示部9aにおいて格納領域1のコマンドが消去されて、保留記憶が0となる。
次に第1始動入賞口13に入賞が有ると、(C)に示すように、第1保留記憶表示部9aにおいて格納領域1にコマンド及び非同期フラグが記憶される。ここで入賞時には、新特定保留表示が表示されて回転を開始する。
次に第2始動入賞口14に入賞が有ると、(D)に示すように、第2保留記憶表示部9bにおいて格納領域1にコマンド及び非同期フラグが記憶され、さらに始動入賞口14に入賞が有ると、第2保留記憶表示部9bにおいて格納領域2にコマンド及び非同期フラグが記憶され、さらに始動入賞口14に入賞が有ると、第2保留記憶表示部9bにおいて格納領域3にコマンド及び非同期フラグが記憶される。ここで各々の入賞時には、新特定保留表示が表示されて回転を開始する。そして特図1の変動が終了すると、(E)に示すように、第1保留記憶表示部9aに保留記憶が1つ(非同期フラグ有りが1つ)、第2保留記憶表示部9bに保留記憶が3つ(非同期フラグ有りが3つ)となる。
次に特図2の変動が開始されると、(F)に示すように、第2保留記憶表示部9bにおいて格納領域1のコマンドが及び非同期フラグ消去されて、記憶内容がシフトし、保留記憶が2つとなる。ここで特図1特定保留表示の回転開始タイミング(図38(a))になると、1つの保留記憶(格納領域1)に対応する特図1特定保留表示が同期して回転を開始し、該格納領域1の保留記憶における非同期フラグが消去される。また特図2特定保留表示の回転開始タイミング(図38(c))になると、第2保留記憶表示部9bの2つの保留記憶(格納領域1,2)に対応する特図2特定保留表示が同期して回転を開始し、該格納領域1,2の保留記憶における非同期フラグが消去される。
即ち、特図1(又は特図2)の変動中に、第1始動入賞口13及び第2始動入賞口14に入賞が有ると、次の変動開始時に、先に回転開始タイミングが来た方が、先に回転を開始し、その後、他方の回転開始タイミングが来ると、該他方が回転を開始する。
次に図55は、第2変形例の回転動作が行われる場合の図である。この第2変形例では、特図1の変動開始時に、保留記憶が0になる例を示す。ここでは特図1又は特図2の変動終了時において、(A)に示すように、第1保留記憶表示部9aに保留記憶が1つ、第2保留記憶表示部9bに保留記憶が0である。
ここで特図1の変動が開始されると、(B)に示すように、第1保留記憶表示部9aにおいて格納領域1のコマンドが消去されて記憶内容がシフトし、保留記憶が0となる。
次に第1始動入賞口13に入賞が有ると、(C)に示すように、第1保留記憶表示部9aにおいて格納領域1にコマンド及び非同期フラグが記憶される。ここで入賞時には、新特定保留表示が表示されて回転を開始する。そして特図1の変動が終了すると、(E)に示すように、第1保留記憶表示部9aに保留記憶が1つ(非同期フラグ有りが1つ)、第2保留記憶表示部9bに保留記憶が0となる。
次に特図1の変動が開始されると、(F)に示すように、第1保留記憶表示部9aにおいて格納領域1のコマンド及び非同期フラグが消去されて、保留記憶が0となるので、特定保留表示は表示されず、前記図40のS732でNO(非同期フラグがセットされていない)と判定されるので、特定保留表示の同期も行われない。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、所定の遊技状態(本例では、確変状態(高確率/高ベース状態)、時短状態(低確率/高ベース状態)、又は大当り遊技状態)における保留表示として、所定の周期で動作表示する特定保留表示(図49)を表示させることが可能である。そして、特定保留表示を表示し、かつ、特別図柄の可変表示を行っているときに、新たに始動入賞口を遊技球が通過した場合に表示する新保留表示については、同期要件を満たしたタイミングで、既に表示していた特定保留表示と同期させて導出表示する。そのため、所定の周期で動作表示する特定保留表示を複数表示可能に構成した場合において、該動作表示を同期させることにより、保留表示の見栄えを良くすることができる。即ち、同時に複数の特定保留表示が表示される場合に、それらの特定保留表示の動作表示が不統一であったのでは保留表示の見栄えが悪く、特定保留表示を用いた演出効果が低減してしまうおそれがあるが、この実施の形態では、特定保留表示の動作表示を同期させることにより保留表示の見栄えを確保し、そのような特定保留表示を用いた演出効果が低減してしまうような事態を防止している。また、新保留表示について、始動入賞口を遊技球が通過したタイミングではなく、同期要件を満たしたタイミング(即ち、次の可変表示の開始時,現在行っている可変表示の終了時,大当り遊技状態の開始時又は終了時)で、既に表示していた特定保留表示と同期させて動作表示するので、処理負担を過度に増やすことがない。
また、この実施の形態によれば、特定保留表示として、第1特定保留表示(本例では、図49(A)に示す通常特定保留表示)と、該第1特定保留表示とは表示態様が異なる第2特定保留表示(本例では、図49(B)に示す先読み特定保留表示)とを同時に表示させることが可能である。そして、第1特定保留表示の動作表示と第2特定保留表示の動作表示とを同期させる。そのため、表示態様が異なる特定保留表示の動作表示も同期させるので、特定保留表示を表示可能に構成した場合に保留表示の見栄えを確保することができる。
なお、この実施の形態では、所定の遊技状態(本例では、確変状態(高確率/高ベース状態)、時短状態(低確率/高ベース状態)、又は大当り遊技状態)である場合に全ての保留記憶に対して特定保留表示を表示する場合を示したが、必ずしも全ての保留記憶に対して特定保留表示を表示する必要はなく、一部の保留記憶に対してのみ特定保留表示を表示するものであってもよい。例えば、遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態)や時短状態(低確率/高ベース状態)である場合に新たな始動入賞が発生すると、乱数を用いた抽選処理により特定保留表示とするか否かを決定し、特定保留表示とすると決定した場合には特定保留表示を表示し、特定保留表示としないと決定した場合には通常態様の保留表示を表示するようにしてもよい。そのように特定保留表示と通常態様の保留表示とが混在して表示される場合であっても、少なくとも一部に複数の特定保留表示が表示される場合に、それらの特定保留表示の動作表示が同期して表示されるものであればよい。
また、この実施の形態では、所定の遊技状態(本例では、確変状態(高確率/高ベース状態)、時短状態(低確率/高ベース状態)、又は大当り遊技状態)である場合にのみ保留予告演出を実行する場合を示したが、通常状態(低確率/低ベース状態)であっても保留予告演出を実行可能に構成してもよい。この場合、例えば、保留予告演出を伴わない通常態様の保留表示を表示する場合には、保留表示として白色の丸形表示を表示するのに対して、通常状態(低確率/低ベース状態)であるときに保留予告演出を実行することに決定した場合には、保留予告演出を伴う通常態様の保留表示として赤色の丸形表示を表示するなどして、保留予告演出を実行していることが認識できるものであればよい。
また、この実施の形態では、所定の遊技状態(本例では、確変状態(高確率/高ベース状態)、時短状態(低確率/高ベース状態)、又は大当り遊技状態)である場合に特定保留表示を表示したり、保留予告演出として特定保留表示を表示したりする構成を示したが、それら全ての構成を必ずしも備える必要はなく、いずれか1つのみの構成を備えるようにしてもよい。例えば、所定の遊技状態である場合にのみ特定保留表示を表示可能に構成したり、保留予告演出としてのみ特定保留表示を表示可能に構成したりしてもよい。
また、この実施の形態では、所定の遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態)、時短状態(低確率/高ベース状態)、又は大当り遊技状態である場合を示したが、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、所定の遊技状態として、高確率/低ベース状態である場合に特定保留表示を表示するように構成してもよいし、低確率/低ベース状態である場合に特定保留表示を表示するように構成しても構わない。
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態では、通常態様の保留表示に加えて、動作表示を伴う特定保留表示を表示する場合を示したが、複数のタイミングで複数種類の態様に保留表示を変化可能に構成すると共に、保留表示の表示態様が変化するか否かを示唆する示唆演出を実行可能に構成するようにしてもよい。以下、複数のタイミングで複数種類の態様に保留表示を変化可能に構成すると共に、保留表示の表示態様が変化するか否かを示唆する示唆演出を実行可能に構成する第2の実施の形態について説明する。
なお、この実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成及び処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
また、この実施の形態では、第1の実施の形態で示した第1保留記憶表示部9a及び第2保留記憶表示部9bに代えて、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合算保留記憶数を表示する合算保留記憶表示部を備えるものとする。また、この実施の形態に示す入賞時判定結果記憶バッファとは、第1の実施の形態で示した第1始動入賞時コマンド格納領域及び第2始動入賞時コマンド格納領域(図36参照)に相当する。また、この実施の形態で示す入賞時判定結果指定コマンドとは、第1の実施の形態で示した図柄指定コマンド及び変動カテゴリコマンドに相当する。
この実施の形態では、図37に示した演出制御プロセス処理において、保留表示処理(S800A参照)に変えて、先読み演出決定処理を実行する。図56は、第2の実施の形態における先読み演出決定処理を示すフローチャートである。
先読み演出決定処理において、演出制御用CPU101は、先読み演出の実行が制限されていることを示す先読み演出制限フラグがセットされているか否かを確認する(S67101)。なお、先読み演出制限フラグは、後述するS67111においてセットされる。先読み演出制限フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部において、最新の保留記憶に対応する新たな保留表示を通常態様で表示する(S67116)。例えば、合算保留記憶表示部の1つ目〜5つ目の保留表示が表示されていた場合には、演出制御用CPU101は、6つ目の保留表示を通常態様で表示するように制御する。
先読み演出制限フラグがセットされていなければ、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果記憶バッファが記憶する過去の入賞時判定結果(今回受信した入賞時判定結果指定コマンドに示される入賞時判定結果を除く)を全て抽出する(S67102)。
次いで、演出制御用CPU101は、抽出した入賞時判定結果が全て「非リーチ」を示す判定結果であるか否かを確認する(S67103)。この実施の形態では、演出制御用CPU101は、S67103において、抽出した入賞時判定結果が、全て変動パターンが「短縮非リーチはずれ」又は「非リーチはずれ」になることを示す値であるか否かを判定する(即ち、リーチを伴わないはずれ変動となるか否かを確認する)。
S67103において抽出した入賞時判定結果が全て「非リーチ」を示す判定結果である場合には、演出制御用CPU101は、S67104に移行する。一方、抽出した入賞時判定結果が全て「非リーチ」を示す判定結果でない場合には、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部において、最新の保留記憶に対応する新たな保留表示を通常態様で表示する(S67116)。即ち、この実施の形態では、リーチ演出を伴う変動表示が行われる保留記憶がある場合には、新たに受信した入賞時判定結果指定コマンドに基づいて先読み演出を実行しないように構成されている。なお、図56に示す例に限らず、リーチ演出を伴う変動表示が行われる保留記憶がある場合であっても、新たに受信した入賞時判定結果指定コマンドに基づいて先読み演出を実行するようにしてもよい。
S67104では、演出制御用CPU101は、入賞時判定結果記憶バッファが記憶する最新の入賞時判定結果(今回受信した入賞時判定結果指定コマンドに示される入賞時判定結果)を抽出し、抽出した入賞時判定結果に基づいて、先読み演出を実行するか否かを決定する(S67104)。
この実施の形態では、演出制御用CPU101は、図57(A)に示す先読み演出実行決定テーブルを用いて、先読み演出を実行するか否かを決定する。
図57(A)は、第2の実施の形態における先読み演出実行決定テーブルを示す説明図である。先読み演出実行決定テーブルには、入賞時判定結果ごとに決定事項(「先読み演出を実行する」又は「先読み演出を実行しない」)に対応する判定値が割り当てられているが、図57(A)に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU101は、例えば、先読み演出を実行するか否かを決定するための乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項(「先読み演出を実行する」又は「先読み演出を実行しない」)に決定する。従って、図57(A)に示す例では、各入賞時判定結果における「先読み演出を実行する」と「先読み演出を実行しない」とに対応する数値は、決定事項として「先読み演出を実行する」又は「先読み演出を実行しない」が選択される割合(%)を示している。
なお、この実施の形態では、図57(A)に示す先読み演出実行決定テーブルの他に、図57(B)に示す最終表示態様決定テーブル、図58に示す先読み演出パターン決定テーブル、図59に示す先読み演出変化タイミング決定テーブル及び図60に示す示唆演出態様決定テーブルについても、実際には判定値が割り当てられているが、説明を簡略化するために割り当てられた判定値の割合が示されている。また、それらのテーブルが用いられる後述するS67106、S67107、S67108、S67110、S67115においても、S67104と同様に、演出制御用CPU101は、例えば、最終表示態様、先読み演出パターン、変化タイミング(シフト回数)又は示唆演出の演出態様を決定するための乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている事項に決定する。
次いで、演出制御用CPU101は、先読み演出を実行すると決定した場合には(S67105のY)、S67105aに移行する。一方、先読み演出を実行しないと決定した場合には(S67105のN)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部において、最新の保留記憶に対応する新たな保留表示を通常態様で表示する(S67116)。
S67105aでは、演出制御用CPU101は、先読み演出の対象となる保留表示を特定するための演出用合算保留記憶数カウンタに、合計保留記憶数をセットする(S67105a)。演出用合算保留記憶数カウンタの値は、演出図柄変動開始処理のS1802aにおいて1減算され、S1811において、先読み演出の対象となる保留表示を特定するために用いられる。例えば、合算保留記憶数をカウントするための演出用合算保留記憶数カウンタの値が4である場合には、合算保留記憶表示部の4つ目の保留表示の表示態様を変化させる先読み演出が実行される。
次いで、演出制御用CPU101は、先読み演出において、予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示を、最終的にどの表示態様で表示するかを決定する(S67106)。この実施の形態では、保留表示の表示態様として、通常態様の他に、特殊態様、第1特別態様及び第2特別態様が設けられている。ただし、後述するように、特殊態様で表示された保留表示は、その保留表示に対応する保留情報に基づく変動表示が開始されるまでに、特殊態様から第1特別態様又は第2特別態様に変化して表示される。従って、S67106では、最終的な表示態様は第1特別態様又は第2特別態様のいずれかに決定される。以下、第1特別態様と第2特別態様とを特別態様と総称することがある。
図57(B)は、第2の実施の形態における最終表示態様決定テーブルを示す説明図である。S67106において、演出制御用CPU101は、図57(B)に示す最終表示態様決定テーブルを用いて、最終的にどの表示態様で表示するか(以下、最終表示態様ともいう)を決定する。具体的には、抽出した最新の入賞時判定結果に基づいて、最終表示態様決定テーブルにおいて入賞時判定結果(変動表示の表示結果)ごとに定められた割合で、最終表示態様を決定する。
次いで、演出制御用CPU101は、先読み演出の演出パターン(以下、先読み演出パターンともいう)を決定する(S67107)。
この実施の形態では、先読み演出パターンとして、第1先読み演出パターンと第2先読み演出パターンとが設けられている。第1先読み演出パターンでは、予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、一旦特殊態様で表示されることなく、第1特別態様又は第2特別態様で表示される。なお、第1先読み演出パターンは、始動入賞のタイミングで予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示が第1特別態様又は第2特別態様で表示されるものと、予告対象の変動表示(保留情報)が開始されるまでの任意のシフトタイミングで予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示が通常態様から第1特別態様又は第2特別態様に変化して表示されるものとを含む。一方、第2先読み演出パターンでは、予告対象の変動表示に対応する保留表示が、始動入賞のタイミングで特殊態様で表示され、その予告対象の変動表示が開始されるまでの任意のシフトタイミングで、特殊態様から第1特別態様又は第2特別態様に変化して表示される。
図58は、第2の実施の形態における先読み演出パターン決定テーブルを示す説明図である。S67107において、演出制御用CPU101は、先読み演出パターン決定テーブルと合計保留記憶数とに基づいて、先読み演出パターンを決定する。具体的には、演出制御用CPU101は、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が当り(例えば、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」又は「小当り」)である場合、図58(A)に示す当り時先読み演出パターン決定テーブルを用いる。そして、演出制御用CPU101は、図58(A)に示す当り時先読み演出パターン決定テーブルにおいて合計保留記憶数ごとに定められた割合で、先読み演出パターンを第1先読み演出パターンと第2先読み演出パターンとのいずれかに決定する。
また、演出制御用CPU101は、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が「はずれ」である場合、図58(B)に示す当り時先読み演出パターン決定テーブルを用いる。そして、演出制御用CPU101は、図58(B)に示すはずれ時先読み演出パターン決定テーブルにおいて合計保留記憶数ごとに定められた割合で、先読み演出パターンを第1先読み演出パターンと第2先読み演出パターンとのいずれかに決定する。
先読み演出パターンを決定すると、演出制御用CPU101は、予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示の表示態様を変化させる変化タイミング(本例では、保留表示のシフト回数)を決定し、決定した変化タイミング(シフト回数)を、変化タイミング(シフト回数)を特定するためのシフト回数カウンタにセットする(S67108)。この実施の形態では、予告対象の変動表示(保留情報)に対応する保留表示の表示態様が変化するタイミングは、任意の保留表示のシフトタイミングである。従って、変化タイミング(シフト回数)を決定することによって、予告対象の変動表示に対応する保留表示に対して何回目のシフトが行われるタイミングで表示態様を変化させるかが決定される。例えば、変化タイミング(シフト回数)を2と決定すると、予告対象の変動表示に対応する保留表示に対して2回目のシフトが行われるタイミングで、その保留表示の表示態様を変化させる。
図59は、第2の実施の形態における変化タイミング決定テーブルを示す説明図である。S67108において、演出制御用CPU101は、変化タイミング決定テーブルと合計保留記憶数とに基づいて、予告対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミング(シフト回数)を決定する。具体的には、演出制御用CPU101は、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が当り(例えば、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」又は「小当り」)であり、S67107で決定した先読み演出パターンが第1先読み演出パターンである場合に、図59(A)に示す当り時第1先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いる。そして、演出制御用CPU101は、図59(A)に示す当り時第1先読み演出変化タイミング決定テーブルにおいて合計保留記憶数ごとに定められた割合で、予告対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミング(シフト回数)を0(入賞時)〜7のいずれかに決定する。
また、演出制御用CPU101は、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が「はずれ」であり、S67107で決定した先読み演出パターンが第1先読み演出パターンである場合に、図59(B)に示すはずれ時第1先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いる。そして、演出制御用CPU101は、図59(B)に示すはずれ時第1先読み演出変化タイミング決定テーブルにおいて合計保留記憶数ごとに定められた割合で、予告対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミング(シフト回数)を0(入賞時)〜7のいずれかに決定する。
また、演出制御用CPU101は、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が当り(例えば、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」又は「小当り」)であり、S67107で決定した先読み演出パターンが第2先読み演出パターンである場合に、図59(C)に示す当り時第2先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いる。そして、演出制御用CPU101は、図59(C)に示す当り時第2先読み演出変化タイミング決定テーブルにおいて合計保留記憶数ごとに定められた割合で、予告対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミング(シフト回数)を0(入賞時)〜7のいずれかに決定する。
また、演出制御用CPU101は、抽出した最新の入賞時判定結果によって示される変動表示の表示結果が「はずれ」であり、S67107で決定した先読み演出パターンが第2先読み演出パターンである場合に、図59(D)に示すはずれ時第2先読み演出変化タイミング決定テーブルを用いる。そして、演出制御用CPU101は、図59(D)に示すはずれ時第2先読み演出変化タイミング決定テーブルにおいて合計保留記憶数ごとに定められた割合で、予告対象の変動表示に対応する保留表示の変化タイミング(シフト回数)を0(入賞時)〜7のいずれかに決定する。
変化タイミング(シフト回数)を決定すると、演出制御用CPU101は、S67107において決定した先読み演出パターンが、第2先読み演出パターンである場合には(S67109のY)、保留表示の変化タイミングで行う示唆演出の演出態様を決定する(S67110)。この実施の形態では、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出がシフトタイミングで実行可能である。また、示唆演出は、第1演出態様又は第2演出態様で実行される。S67110では、保留表示の変化タイミングで実行される示唆演出の演出態様が、第1演出態様又は第2演出態様のいずれかに決定される。
図60は、第2の実施の形態における示唆演出態様決定テーブルを示す説明図である。S67110において、演出制御用CPU101は、図60に示す示唆演出態様決定テーブルを用いて、保留表示の変化タイミングで行う示唆演出の演出態様を決定する。具体的には、抽出した最新の入賞時判定結果に基づいて、最終表示態様決定テーブルにおいて入賞時判定結果(変動表示の表示結果)ごとに定められた割合で、演出態様を第1演出態様又は第2演出態様のいずれかに決定する。
示唆演出の演出態様を決定すると、演出制御用CPU101は、先読み演出の実行が制限されていることを示す先読み演出制限フラグをセットする(S67111)。
先読み演出制限フラグがセットされると、S67101の処理によって、先読み演出を重ねて実行しないように制御される。即ち、この実施の形態では、いずれかの保留表示が特殊態様で表示されている場合には、新たに先読み演出を実行しないように制御される。そのため、複数の保留表示が特殊態様で表示されることが制限される。従って、複数の保留表示が特殊態様で表示されることで、どの保留表示に注目すればよいか遊技者を混乱させてしまうことを防止することができる。
次いで、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部において、新たな保留表示を特殊態様で表示させるように制御する(S67112)。なお、S67112では、演出制御用CPU101は、新たな保留表示を特殊態様で表示させるように制御すると共に、S67106で決定した最終表示態様を示す情報と、S67110で決定した示唆演出の演出態様を示す情報とを、RAMに形成された保存領域に格納する。これらの情報を記憶させておくことで、後述する演出図柄変動開始処理において、いずれの最終表示態様と示唆演出の演出態様とに決定されているかを特定することができる。
また、S67107において決定した先読み演出パターンが、第2先読み演出パターンでない場合(S67109のN)、即ち、第1先読み演出パターンに決定した場合には、演出制御用CPU101は、S67108で決定した変化タイミングが始動入賞時であるか否かを確認する(S67113)。具体的には、シフト回数カウンタの値が0であるか否かを確認する。そして、変化タイミングが始動入賞時であれば(S67113のY)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部において、新たな保留表示をS67107で決定した最終表示態様で表示させるように制御する(S67114)。
また、S67113において変化タイミングが入賞時でなければ(S67113のN)、演出制御用CPU101は、上述のS67110と同様に、保留表示の変化タイミングで行う示唆演出の演出態様を決定する(S67115)。次いで、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部において、新たな保留表示を通常態様で表示させるように制御する(S67116)。なお、S67116においても(例えば、S67115から移行した場合のみ)、S67112と同様に、演出制御用CPU101は、新たな保留表示を表示させるように制御すると共に、S67106で決定した最終表示態様を示す情報と、S67115で決定した示唆演出の演出態様を示す情報とを、RAMに形成された保存領域に格納する。これらの情報を記憶させておくことで、後述する演出図柄変動開始処理において、いずれの最終表示態様と示唆演出の演出態様とに決定されているかを特定することができる。
S67112,S67114,又はS67116の処理を行った後、前記S713と同様に、遊技状態が確変状態,時短状態,又は大当り遊技状態のいずれかであるか否かを判定する(S67117)。この67117で遊技状態が確変状態,時短状態,又は大当り遊技状態のいずれでもない(NO)と判定した場合には、先読み演出決定処理を終了する。一方、S67117で確変状態,時短状態,又は大当り遊技状態のいずれかである(YES)と判定した場合には、演出制御用CPU101は、前記S719と同様に、S67112,S67114,又はS67116で表示した保留表示を前記新保留表示として動作表示(回転)を開始し(S67118)、図36の始動入賞時コマンド格納領域に相当する入賞時判定結果記憶バッファにおいて、前記S720と同様に非同期フラグをセットして(S67119)、先読み演出決定処理を終了する。
このS67118においては、図65に示すように、新保留表示は、既に表示されていた前記特定保留表示とは同期せずに、動作表示される。そしてS800Bの保留表示同期処理(前記図40)において、非同期フラグがセットされており(S732でYES)、特定保留表示の回転開始タイミングであれば(S733又はS736でYES)、当該新保留表示は、既に表示されていた特定保留表示と同期して回転を開始する(S734又はS737)。ここで本図では、新保留表示が、S67112の特殊態様の保留表示である例を示しているが、該新保留表示は、S67114の特別態様の保留表示や、S67116の通常態様の保留表示の場合があるのはもちろんであり、これら特殊態様,特別態様,及び通常態様の新保留表示も、第1の実施の形態と同様に回転する。
なお、第1の実施の形態と同様に、確変状態,時短状態,又は大当り遊技状態に加えて通常状態でも(即ち常に)、特定保留表示を表示して回転させてもよく、また確変状態,時短状態,又は大当り遊技状態に代えて通常状態だけ、特定保留表示を表示して回転させてもよい。
図61は、第2の実施の形態における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、入賞時判定結果記憶バッファが記憶する1つ目の入賞時判定結果(最も古い判定結果)を削除し、入賞時判定結果記憶バッファの内容をシフトすると共に、合算保留記憶表示部における1つ目の保留表示を消去し、残りの保留表示を1つずつシフトして、合算保留記憶表示部における合算保留記憶数表示を更新する(S1800)。
次いで、演出制御用CPU101は、変化タイミング(シフト回数)を特定するためのシフト回数カウンタの値が0より大きいか否かを確認する(S1801)。シフト回数カウンタの値が0より大きいということは、合算保留記憶表示部に表示されている保留表示のうちのいずれかについて、表示態様を変化させる先読み演出を実行することが決定されていることを示している。従って、S1801では、先読み演出を実行すること(保留表示の表示態様を変化させること)が決定されているか否かが確認されている。
シフト回数カウンタの値が0より大きくない場合(S1801のN)、即ち、シフト回数カウンタの値が0であって、先読み演出を実行すること(保留表示の表示態様を変化させること)が決定されていない場合には、演出制御用CPU101は、処理をS1804に移行する。
一方、シフト回数カウンタの値が0より大きい場合(S1801のY)、即ち、先読み演出を実行すること(保留表示の表示態様を変化させること)が決定されている場合には、演出制御用CPU101は、演出用合算保留記憶数カウンタの値を1減算する(S1802a)。また、演出制御用CPU101は、シフト回数カウンタの値を1減算する(S1802b)。次いで、演出制御用CPU101は、シフト回数カウンタの値が0であるか否かを確認する(S1803)。S1802bでシフト回数カウンタの値を1減算した結果、シフト回数カウンタの値が0になったということは、合算保留記憶表示部に表示されている保留表示のうちのいずれかの表示態様を変化させる先読み演出を実行するタイミングであることを示している。従って、S1803では、保留表示の表示態様を変化させる先読み演出の変化タイミングであるか否かが確認されている。
S1803において、シフト回数カウンタの値が0ではない場合、即ち、保留表示の表示態様を変化させる先読み演出の変化タイミングではない場合には、演出制御用CPU101は、処理をS1804に移行する。一方、シフト回数カウンタの値が0である場合、即ち、保留表示の表示態様を変化させる先読み演出の変化タイミングである場合には、演出制御用CPU101は、処理をS1808に移行する。
次いで、S1804〜S1805の処理は、第1の実施の形態で示したS8001〜S8002の処理と同様である。
次いで、演出制御用CPU101は、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出の演出態様を決定する(S1806)。ここで、S1806の処理は、先読み演出によって保留表示の表示態様が変化するタイミングで実行されるものではない。従って、S1806では、保留表示の表示態様が変化することを示唆するものの、結果的には表示態様が変化しないときに実行される示唆演出の演出態様を決定する。なお、保留表示の表示態様が変化するときに実行される示唆演出(成功パターン)と区別するために、表示態様が変化しないときに実行される示唆演出を示唆演出(通過パターン)ともいう。
S1806では、演出制御用CPU101は、先読み演出制限フラグがセットされていないとき、即ち合算保留表示部18cにおいていずれの保留表示も特殊態様で表示されていないときには、図61(A)に示す示唆演出(通過パターン)決定テーブルの割合で、示唆演出(通過パターン)を実行しない、又は第1演出態様若しくは第2演出態様で実行すると決定する。また、演出制御用CPU101は、先読み演出制限フラグがセットされているとき、即ち合算保留表示部18cにおいていずれかの保留表示が特殊態様で表示されているときには、図61(B)に示す示唆演出(通過パターン)決定テーブルの割合で、示唆演出(通過パターン)を実行しない、又は第1演出態様若しくは第2演出態様で実行すると決定する。なお、示唆演出(通過パターン)決定テーブルには、決定事項(「演出なし」、「第1演出態様」又は「第2演出態様」)に対応する判定値が割り当てられているが、図61(A)、(B)に示すに示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU101は、例えば、示唆演出(通過パターン)の演出態様を決定するための乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項(「演出なし」、「第1演出態様」又は「第2演出態様」)に決定する。
次いで、演出制御用CPU101は、決定した示唆演出(通過パターン)の演出態様と変動パターンとに応じたプロセステーブルを選択する(S1807)。
なお、S1812〜S1815の処理は、第1の実施の形態で示したS8005〜S8008の処理と同様である。
S1803でシフト回数カウンタの値が0であると判断した場合、即ち、保留表示の表示態様を変化させる先読み演出の変化タイミングである場合には、演出制御用CPU101は、先読み演出制限フラグがセットされていれば、それをリセットする(S1808)。このような処理が実行されることによって、この実施の形態では、保留表示が特殊態様で表示されている期間は新たに先読み演出を実行することを制限することができ、複数の保留表示が特殊態様で表示されることを制限することができる。
次いで、S1809〜S1810の処理は、第1の実施の形態で示したS8001〜S8002の処理と同様である。
次いで、演出制御用CPU101は、示唆演出の演出態様と、演出用合算保留記憶数カウンタによって特定される保留表示の最終表示態様と、変動パターンとに応じた表示態様変化時用のプロセステーブルを選択する(S1811)。そして、S1812に移行する。
表示態様変化時用のプロセステーブルとは、演出図柄の変動表示と共に、演出図柄の変動開始時に、示唆演出(成功パターン)を実行し、特定の保留表示の表示態様を変化させる先読み演出を実行する制御を行うためのプロセスデータが設定されたテーブルである。この実施の形態では、実行する示唆演出(成功パターン)や先読み演出の態様に応じて複数種類の表示態様変化時用のプロセステーブルが設けられている。また、この実施の形態では、先読み演出決定処理において決定され(S67110又はS67115)、記憶されている示唆演出(成功パターン)の演出態様(本例では、第1演出態様又は第2演出態様)と、演出用合算保留記憶数カウンタによって特定される演出対象の保留表示(例えば、演出用合算保留記憶数カウンタの値が2のときには、合算保留記憶表示部における2つ目の保留表示)と、先読み演出決定処理において決定され(S67106)、記憶されている最終表示態様(本例では、第1表示態様又は第2表示態様)とに基づいて、どのような態様で示唆演出(成功パターン)を実行し、どの保留表示をどのような表示態様に変化させる先読み演出を実行するかを特定することができる。従って、演出制御用CPU101は、示唆演出(成功パターン)の演出態様と、演出用合算保留記憶数カウンタによって特定される保留表示の最終表示態様と、変動パターンとに応じて、複数種類の表示態様変化時用のプロセステーブルのいずれかを選択し、選択した表示態様変化時用のプロセステーブルのプロセスデータ1の内容に従って演出装置の制御を実行することによって、先読み演出決定処理で決定された演出態様で示唆演出(成功パターン)を実行し、予告対象の変動表示に対応する保留表示を決定された表示態様に変化させる先読み演出を実行することができる。
次に、先読み演出の具体例について説明する。図62は、第2の実施の形態における第1先読み演出パターンに基づく先読み演出の具体例を示す説明図である。図62(A)に示されるように、演出表示装置9において、演出図柄の変動表示中であって、合算保留記憶表示部に2つの保留表示が通常態様(本例では「○」)で表示されているときに始動入賞が行われると、先読み演出の態様(先読み演出パターン、最終表示態様、変化タイミング)及び示唆演出の態様が決定され、決定結果に応じて新たな保留表示が表示される。図62に示す例では、先読み演出パターンを第1先読み演出パターンと決定し、最終表示態様を第1特別態様又は第2特別態様と決定し、変化タイミングを始動入賞時(シフト回数0)又はシフト回数1と決定する。また、示唆演出(成功パターン)の演出態様を、第1演出態様又は第2演出態様と決定する。
この実施の形態では、第1先読み演出パターンに基づく先読み演出では、予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、一旦特殊態様で表示されることなく、最終表示態様の第1特別態様又は第2特別態様で表示される。また、保留表示が第1特別態様又は第2特別態様で表示されるタイミングは、始動入賞のタイミング又は任意のシフトタイミングである。そこで、変化タイミングが始動入賞時(シフト回数0)に決定され、最終表示態様が第1特別態様に決定された場合には、図62(B1)に示すように、始動入賞のタイミングで、合算保留記憶表示部に3つ目の保留表示が第1特別態様(本例では「○」内に「×」が含まれる)で表示される。また、変化タイミングが始動入賞時(シフト回数0)に決定され、最終表示態様が第2特別態様に決定された場合には、図62(B2)に示すように、始動入賞のタイミングで、合算保留記憶表示部に3つ目の保留表示が第2特別態様(本例では「○」内に「×」が2つ含まれる)で表示される。
また、最終表示態様が第1特別態様又は第2特別態様であっても、変化タイミングが始動入賞のタイミング(シフト回数0)ではなく、任意のシフトタイミング(ここでは、シフト回数1)に決定された場合には、図62(B3)に示すように、始動入賞のタイミングでは、合算保留記憶表示部に3つ目の保留表示が通常態様(本例では「○」)で表示される。そして、演出図柄の変動表示が停止し(図62(C))、1つ目の保留表示に対応する保留情報に基づく変動表示が開始されると、1つ目の保留表示が消去され、2つ目と3つ目の保留表示がそれぞれシフトされる。
このとき、変化タイミングがシフト回数1に決定され、示唆演出(成功パターン)の演出態様が第1演出態様に決定されている場合には、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置9において、表示領域の右側から黒い矢が飛んでくる表示制御が行われる(図62(D1))。
そして、最終表示態様が第1特別態様に決定されている場合には、図62(E1)に示すように、シフトのタイミングで、合算保留記憶表示部の2つ目の保留表示(図62(B3)で新たに表示された保留表示に相当)に黒い矢が刺さる演出(第1演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われると共に、黒い矢が刺さった保留表示が第1特別態様(本例では「○」内に「×」が含まれる)に変化して表示される。また、最終表示態様が第2特別態様に決定されている場合には、図62(E2)に示すように、シフトのタイミングで、合算保留記憶表示部の2つ目の保留表示(図62(B3)で新たに表示された保留表示に相当)に黒い矢が刺さる演出(第1演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われると共に、黒い矢が刺さった保留表示が第2特別態様(本例では「○」内に「×」が2つ含まれる)に変化して表示される。
また、変化タイミングがシフト回数1に決定され、示唆演出(成功パターン)の演出態様が第2演出態様に決定されている場合には、保留表示の表示態様が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置9において、表示領域の右側から白い矢が飛んでくる表示制御が行われる(図62(D2))。
そして、最終表示態様が第1特別態様に決定されている場合には、図62(E3)に示すように、シフトのタイミングで、合算保留記憶表示部の2つ目の保留表示(図62(B3)で新たに表示された保留表示に相当)に白い矢が刺さる演出(第2演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われると共に、白い矢が刺さった保留表示が第1特別態様(本例では「○」内に「×」が含まれる)に変化して表示される。また、最終表示態様が第2特別態様に決定されている場合には、図62(E4)に示すように、シフトのタイミングで、合算保留記憶表示部の2つ目の保留表示(図62(B3)で新たに表示された保留表示に相当)に白い矢が刺さる演出(第2演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われると共に、白い矢が刺さった保留表示が第2特別態様(本例では「○」内に「×」が2つ含まれる)に変化して表示される。
既に説明しているように、この実施の形態では、示唆演出(成功パターン)の演出態様が第2演出態様であるときには、第1演出態様であるときに比べて、保留表示の表示態様が第1特別態様よりも大当りとなる期待度が高い第2特別態様になる割合が高くなるように構成されている。従って、示唆演出(成功パターン)の演出態様が第1演出態様であるとき、即ち黒い矢が飛んできて保留表示に刺さったときには、保留表示が期待度の低い第1特別態様に変化する割合が高い。つまり図62(D1)から図62(E1)に移行する割合が高い。一方、示唆演出(成功パターン)の演出態様が第2演出態様であるとき、即ち白い矢が飛んできて保留表示に刺さったときには、保留表示が期待度の高い第2特別態様に変化する割合が高い。つまり図62(D2)から図62(E4)に移行する割合が高い。このように構成されることによって、矢が飛んできて保留表示に刺さる示唆演出(成功パターン)であっても、第2演出態様で行われて欲しいと感じさせると共に、示唆演出が第1演出態様で行われたとき、即ち黒い矢が飛んできたときには、保留表示に刺さらずに通過して欲しい(示唆演出(通過パターン)であってほしい)と感じさせることができる。
図63及び図64は、第2の実施の形態における第2先読み演出パターンに基づく先読み演出の具体例を示す説明図である。図63(A)に示されるように、演出表示装置9において、演出図柄の変動表示中であって、合算保留記憶表示部に2つの保留表示が通常態様(本例では「○」)で表示されているときに始動入賞が行われると、先読み演出(先読み演出パターン、最終表示態様、変化タイミング)及び示唆演出の態様が決定され、決定結果に応じて新たな保留表示が表示される。図63、図64に示す例では、先読み演出パターンを第2先読み演出パターンと決定し、最終表示態様を第1特別態様又は第2特別態様と決定し、変化タイミングをシフト回数1又はシフト回数2と決定する。また、示唆演出の演出態様を、第1演出態様又は第2演出態様と決定する。
この実施の形態では、第2先読み演出パターンに基づく先読み演出では、予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、始動入賞のタイミングで特殊態様で表示され、任意のシフトタイミングで、最終表示態様の第1特別態様又は第2特別態様に変化して表示される。そのため、先読み演出パターンが第2先読み演出パターンと決定されると、図63(B)に示すように、始動入賞のタイミングで、合算保留記憶表示部に3つ目の保留表示が特殊態様(本例では「○」の外側に6本の線が描かれている)で表示される。
そして、演出図柄の変動表示が停止し(図63(C))、1つ目の保留表示に対応する保留情報に基づく変動表示が開始されると、1つ目の保留表示が消去され、2つ目と3つ目の保留表示がそれぞれシフトされる。このとき、示唆演出の演出態様が第2演出態様に決定されていると、保留表示が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置9において、表示領域の右側から白い矢が飛んでくる(第2演出態様)表示制御が行われる(図63(D))。
ここで、変化タイミングがシフト回数1に決定され、最終表示態様が第1特別態様に決定されている場合には、図63(E1)に示すように、シフトのタイミングで、合算保留記憶表示部の2つ目の保留表示(図63(B3)で新たに表示された特殊態様の保留表示に相当)に白い矢が刺さる演出(第2演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われると共に、白い矢が刺さった保留表示が特殊態様から第1特別態様(本例では「○」内に「×」が含まれる)に変化して表示される。また、変化タイミングがシフト回数1に決定され、最終表示態様が第2特別態様に決定されている場合には、図63(E2)に示すように、シフトのタイミングで、合算保留記憶表示部の2つ目の保留表示(図63(B3)で新たに表示された特殊態様の保留表示に相当)に白い矢が刺さる演出(第2演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われると共に、白い矢が刺さった保留表示が特殊態様から第2特別態様(本例では「○」内に「×」が2つ含まれる)に変化して表示される。
また、変化タイミングがシフト回数2に決定されているときには、図63(E3)に示すように、シフトのタイミングで、白い矢がいずれの保留表示にも刺さらず通過する示唆演出(第2演出態様の示唆演出(通過パターン))が行われる。なお、図63(E3)に示す示唆演出は、演出図柄変動開始処理において示唆演出(通過パターン)を第2演出態様で実行すると決定されたときに行われる。このように、この実施の形態では、示唆演出として、演出表示装置9において、表示領域の右側から黒い矢(第1演出態様)又は白い矢(第2演出態様)が飛んでくる表示制御を行うことで、保留表示の表示態様が変化することを示唆し、矢が保留表示に刺さると(示唆演出(成功パターン)が行われると)表示態様が変化し、矢がいずれの保留表示にも刺さらず通過すると(示唆演出(通過パターン)が行われると)表示態様が変化しない。
その後、演出図柄の変動表示が停止し(図64(F))、1つ目の保留表示に対応する保留情報に基づく変動表示が開始されると、1つ目の保留表示が消去され、2つ目の保留表示がシフトされる。このとき、保留表示が変化することを示唆する示唆演出として、演出表示装置9において、表示領域の右側から黒い矢が飛んでくる(第1演出態様)表示制御が行われる(図64(G))。
そして、変化タイミングがシフト回数2に決定され、最終表示態様が第1特別態様に決定されている場合には、図64(H1)に示すように、シフトのタイミングで、合算保留記憶表示部の1つ目の保留表示(図63(B3)で新たに表示された特殊態様の保留表示に相当)に黒い矢が刺さる演出(第1演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われると共に、黒い矢が刺さった保留表示が特殊態様から第1特別態様(本例では「○」内に「×」が含まれる)に変化して表示される。また、変化タイミングがシフト回数2に決定され、最終表示態様が第2特別態様に決定されている場合には、図64(H2)に示すように、シフトのタイミングで、合算保留記憶表示部の1つ目の保留表示(図63(B3)で新たに表示された特殊態様の保留表示に相当)に黒い矢が刺さる演出(第2演出態様の示唆演出(成功パターン))が行われると共に、黒い矢が刺さった保留表示が特殊態様から第2特別態様(本例では「○」内に「×」が2つ含まれる)に変化して表示される。
図62に示すように、この実施の形態では、第1先読み演出パターンに基づく先読み演出では、予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、一旦特殊態様で表示されることなく、最終表示態様の第1特別態様又は第2特別態様で表示される。このとき、最終表示態様に表示されるタイミングは、始動入賞のタイミングの他に、任意のシフトタイミングを含む。また、図63及び図64に示すように、第2先読み演出パターンに基づく先読み演出では、予告対象となる変動表示(保留情報)に対応する保留表示が、始動入賞のタイミングで特殊態様で表示され、任意のシフトタイミングで最終表示態様の第1特別態様又は第2特別態様で表示される。このように、この実施の形態では、複数のタイミングで保留表示を第1特別態様又は第2特別態様に変化させて表示することが可能であるため、保留表示の表示態様を変化させるタイミングに多様性を持たせることができると共に、保留表示が特殊態様で表示されたときには、保留表示に対応する保留記憶に基づく可変表示が開始されるまでに、保留表示を特殊態様から第1特別態様又は第2特別態様に変化させて表示するため、遊技興趣を向上させることができる。
以上に説明したように、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、入賞時演出処理等を実行することによって実現される、始動入賞時に変動表示の表示結果及び変動パターンを判定する判定手段を備えている。また、演出制御用マイクロコンピュータ100は、先読み演出決定処理や演出図柄変動開始処理等を実行することによって実現される、判定手段による判定結果に基づいて保留記憶に対応する保留表示(合算保留記憶表示部における保留記憶)を第1特別態様又は第2特別態様で表示させる先読み演出を実行する演出実行手段を備えている。そして、演出実行手段は、複数のタイミング(始動入賞のタイミングやシフトタイミングなど)で保留表示を第1特別態様又は第2特別態様に変化させて表示することが可能であり、保留表示が特殊態様で表示されたときは、保留表示に対応する保留記憶に基づく可変表示が開始されるまでに、その保留表示を特殊態様から第1特別態様又は第2特別態様に変化させて表示するように制御するように構成されている。そのように構成されていることによって、複数のタイミングで保留表示を第1特別態様又は第2特別態様に変化させて表示することが可能であるため、保留表示の表示態様を変化させるタイミングに多様性を持たせることができると共に、保留表示が特殊態様で表示されたときには、保留表示を特殊態様から第1特別態様又は第2特別態様に変化させて表示するため、遊技興趣を向上させることができる。
また、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、先読み演出決定処理や演出図柄変動開始処理等を実行することによって実現される、保留表示の表示態様が変化するか否かを示唆する示唆演出(示唆演出(成功パターン)及び示唆演出(通過パターン))を実行する示唆演出実行手段を備えている。そして、示唆演出実行手段は、保留表示が特殊態様で表示されているときには、保留表示が特殊態様で表示されていないときに比べて高い頻度で示唆演出を実行するように構成されている。そのように構成されていることによって、保留表示が特殊態様で表示されたときには、高い頻度で示唆演出が実行されるため、期待感を高めることでき、遊技興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態では、保留表示が特殊態様で表示されたときには、保留表示は、必ず特殊態様から第1特別態様又は第2特別態様に変化させて表示されるが、例えば、特殊態様のまま変化させないようにしてもよい。この場合には、保留表示が特殊態様から特別態様に変化されることなく、その保留表示(保留情報)に対応する変動表示が開始されたときには、特殊態様から特別態様に変化されたときに比べて大当りとなる割合が低くなるように構成することが望ましい。このようにすることで、保留表示の表示態様が特殊態様から特別態様に変化することに対して、より関心を持たせることができる。また、この場合には、保留表示が特殊態様で表示されている状態の方が、通常状態で表示されている状態に比べて、特別態様に変化して表示される割合が高くなるように構成することが望ましい。このようにすることで、保留表示の表示態様が通常態様から特殊態様に変化することに対して関心を持たせることができ、さらに特殊態様で表示されているときの期待感を高めることもできる。また、逆に、保留表示が特殊態様で表示されている状態の方が、通常状態で表示されている状態に比べて、特別態様に変化して表示される割合が低くなるように構成してもよい。このようにすることで、特殊態様から表示態様が変化することに対して遊技者に強く望ませることができる。
[第3の実施の形態]
第1の実施の形態で示した遊技機において、可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときに第2始動入賞口14に始動入賞したことに基づく変動表示が実行されているときに特殊演出を実行するように構成していもよい。以下、可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときに第2始動入賞口14に始動入賞したことに基づく変動表示が実行されているときに特殊演出を実行するように構成する第3の実施の形態について説明する。
なお、この実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成及び処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
図66は、第3の実施の形態におけるコマンド解析処理(S704)の具体例を示すフローチャートである。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、第1の実施の形態で示した演出制御コマンドに加えて、遊技状態が高ベース状態であるときに第2始動入賞が生じたことを示す高ベース時第2始動入賞指定コマンドと、遊技状態が低ベース状態であるときに第2始動入賞が生じたことを示す低ベース時第2始動入賞指定コマンドとがある。図66に示すフローチャートでは、この実施の形態で示すコマンド解析処理のうち、高ベース時第2始動入賞指定コマンドを受信した場合の処理と、低ベース時第2始動入賞指定コマンドを受信した場合の処理の処理が示されている。なお、これらの処理以外のコマンド解析処理における処理は、第1の実施の形態で示したそれらの処理と同様である。ただし、この実施の形態では、保留記憶数を特定可能なコマンドとして、第1の実施の形態で示した第1保留記憶数加算指定コマンド及び第2保留記憶数加算指定コマンドに代えて、又は加えて、第1始動入賞があったことを指定する第1始動入賞指定コマンド及び第2始動入賞があったことを指定する第2始動入賞指定コマンドが用いられる。
この実施の形態では、コマンド解析処理において、受信した演出制御コマンドが高ベース時第2始動入賞指定コマンドである場合には(S1601)、演出制御用CPU101は、第2始動入賞時コマンド格納領域において、演出実行情報として「0」(特殊演出を実行しないことを示す。)を設定する(S1602)。
受信した演出制御コマンドが低ベース時第2始動入賞指定コマンドである場合には(S1603)、演出制御用CPU101は、第2始動入賞時コマンド格納領域において、演出実行情報として「1」(特殊演出を実行することを示す。)を設定する(S1604)。また、演出制御用CPU101は、第2始動入賞時コマンド格納領域において「0」が設定されている演出実行情報がある場合には、それらを「1」に変更する(S1605)。
この実施の形態では、基本的には、高ベース状態において当り遊技中に記憶された保留記憶に基づく識別情報の可変表示が行われているときに特殊演出は実行されないが、S1605の処理が実行されることによって、高ベース状態において当り遊技状態に制御されているときに記憶された保留記憶が記憶されているときに、当り遊技状態において第2始動入賞が生じた場合に、記憶されている保留記憶(高ベース状態において当り遊技状態に制御されているときに記憶された保留記憶)に基づく識別情報の可変表示が行われるときに特殊演出が実行されるようになる。
なお、演出制御用CPU101は、S1602,S1604の処理で、第2始動入賞時コマンド格納領域における、最後に変動カテゴリコマンドが格納された格納領域(つまり、最新の受信コマンドが格納された領域)において、演出実行情報を設定する。
図67は、第3の実施の形態における始動入賞時コマンド格納領域(第1始動入賞時コマンド格納領域、第2始動入賞時コマンド格納領域)の具体例を示す説明図である。この実施の形態では、図67に示すように、始動入賞時コマンド格納領域(第1始動入賞時コマンド格納領域、第2始動入賞時コマンド格納領域)には、第1の実施の形態で示した第1保留記憶数加算指定コマンドや第2保留記憶数加算指定コマンドに代えて、第1始動入賞指定コマンドや第2始動入賞指定コマンドが格納される。
また、この実施の形態では、低ベース状態において当り遊技状態(普通図柄の停止図柄が当り図柄であった場合に移行する。)中に記憶された保留記憶に基づく識別情報の可変表示が行われているときに特殊演出が実行される。図67に示すように、特殊演出を実行すべきか否かを示す情報(特殊演出を実行する条件が成立していることを示す情報)が、「演出実行情報」として、始動入賞時コマンド格納領域に格納される。
図68及び図69は、第3の実施の形態における特殊演出を説明するための説明図である。図68(A1)〜(D1)には、特殊演出が実行される例が示され、図68(A2)〜(D2)には、特殊演出が実行されない例が示されている。
図68(A1)〜(D1)に示す例では、低ベース状態において、第2保留記憶が増加し(図68(A1),(B1)参照)、第2保留記憶に基づく演出図柄の可変表示が開始されると、特殊演出が実行される(図68(C1),(D1)参照)。
なお、この実施の形態では、図68(C1),(D1)に示すように、特殊演出は、演出表示装置9における表示画面において特殊な(特殊演出の非実行時には表示されない)キャラクタ画像(雲状のキャラクタ画像)9jが表示される演出である。
図68(A2)〜(D2)に示す例では、高ベース状態において、第2保留記憶が増加したが(図68(A2),(B2)参照)、第2保留記憶に基づく演出図柄の可変表示が開始されても、特殊演出は実行されない(図68(C2),(D2)参照)。
図69に示す例では、低ベース状態において第2始動入賞が生じたときに、高ベース状態において生じた第2始動入賞に基づく保留記憶があるときには、その始動入賞に基づいて開始される演出図柄の変動中に特殊演出が実行される。即ち、高ベース状態において生じた第2始動入賞について、所定の条件が成立すると、その始動入賞に基づいて開始される演出図柄の変動中に特殊演出が実行される例が示されている。
図70は、第3の実施の形態における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。この実施の形態では、演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、第2図柄変動指定コマンド受信フラグがセットされている場合(第2特別図柄の変動が開始される場合)には(S8000A)、第2始動入賞時コマンド格納領域における、開始される変動に対応する格納領域(格納領域1)において演出実行情報として「1」が設定されているか否か確認する(S8000B)。「1」が設定されている場合には、特殊演出(図68(C1)参照)を開始する(S8000C)。そして、第1の実施の形態で示したS8001以降の処理に移行する。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータ100)は、通常状態(低ベース状態)で当り遊技状態において記憶された保留記憶に基づく識別情報(特別図柄及び演出図柄)の可変表示が行われているときに特殊演出を実行し、特別遊技状態(高ベース状態)で当り遊技状態において記憶された保留記憶に基づく識別情報の可変表示が行われているときに特殊演出を実行しないが、遊技状態が通常状態であるときに、特別遊技状態で当り遊技状態において記憶された保留記憶が保留記憶手段に記憶されている場合に、遊技球が第2始動領域を通過したときには、保留記憶手段に記憶されている保留記憶(特別遊技状態で当り遊技状態において記憶された保留記憶)に基づく識別情報の可変表示が行われるときに特殊演出を実行するので、特殊演出の実行頻度が上がり、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、この実施の形態で示した構成は、特に、低ベース状態において、高ベース状態と比較すると可変入賞球装置15の開放頻度は高くないが可変入賞球装置15の開放時間が長い(例えば、高ベース状態では1秒や2秒程度しか開放しないのに対して、低ベース状態では5秒や6秒の長期間開放する)ような遊技機に適用すれば、特殊演出を実行することによる遊技の興趣を向上させることができる。
この第3の実施の形態においても、前記第1の実施の形態と同様にして、保留表示として特定保留表示を表示させ、該特定保留表示を同期して動作表示させることが可能である。
[第4の実施の形態]
第1の実施の形態で示した遊技機において、遊技機において異常が発生したことを示す異常情報を異常表示領域に表示可能に構成し、その異常表示領域が可動部材の可動によって覆われない領域となるように構成するようにしてもよい。以下、遊技機において異常が発生したことを示す異常情報を異常表示領域に表示可能に構成し、その異常表示領域が可動部材の可動によって覆われない領域となるように構成する第4の実施の形態について説明する。
なお、この実施の形態において、第1の実施の形態と同様の構成及び処理をなす部分についてはその詳細な説明を省略し、主として第1の実施の形態と異なる部分について説明する。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、第1の実施の形態で示した処理に加えて、遊技機において異常が発生したことを報知する異常報知制御処理を実行する。
また、この実施の形態では、演出表示装置9の下側に可動可能な副画像表示装置51が設けられている(図72及び図73参照)。副画像表示装置51は、例えば演出表示装置9よりも小型のLCD(液晶表示装置)などから構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。副画像表示装置51の表示領域では、演出表示装置9における可変表示と関連する演出画像などが表示される。この実施の形態では、副画像表示装置51は、演出画像を表示しないときには、遊技盤6の背面に隠れており、演出表示装置9の表示領域を覆わない位置(第2位置)にある。副画像表示装置51は、演出画像を表示するときに、演出表示装置9の表示領域の前面側(遊技者側)の所定位置(第1位置)に進出する。第1位置に進出した副画像表示装置51は、演出表示装置9の表示領域の一部を前面側(遊技者側)から覆うことになる。なお、演出表示装置9をメイン液晶、副画像表示装置51をサブ液晶ともいう。サブ液晶においてメイン液晶における可変表示と関連する各種演出画像を表示するため、また、サブ液晶はメイン液晶の前面側に進出するため、サブ液晶はメイン液晶の近傍に設けられていることが好ましい。
図71は、第4の実施の形態における異常報知制御処理の一例を示すフローチャートである。異常報知制御処理は、異常報知画像の表示や異常報知音の出力などによって、発生した異常を報知するため、及び、報知の終了条件が成立した異常の報知を終了させるための処理である。なお、異常には、その種類ごと優先順位が設定されており、異常の報知では、当該優先順位の高い異常が優先して報知されるようになっている(特に異常報知音について)。優先順位を特定するためのデータなどは、ROMに予め記憶されているものとする。
図71に示す異常報知制御処理では、演出制御用CPU101は、異常判定処理を行う(S1701)。異常判定処理は、パチンコ遊技機1における異常(例えば、異常入賞や、磁気異常、振動異常、満タンエラー、球切れエラー、扉開放エラー)の有無や異常終了の有無を判定する処理である。異常判定処理では、演出制御用CPU101は、例えば、遊技機に設けられている異常検出用センサ群からの信号などに基づいて異常の有無や異常終了の有無を判定する。異常の発生条件や終了条件は、異常の種類ごとに予め定められているものとする。異常がある(異常が発生している)と判定した場合には、異常が検出されたことになる。異常の終了があると判定した場合には、異常終了が検出されたことになる。なお、発生条件や終了条件は、所定の操作部への操作によって変更可能としてもよい。また、演出制御用CPU101は、主基板31から異常検出指定コマンドが送信されている場合には、当該コマンドが指定する異常が発生していると判定する。また、演出制御用CPU101は、主基板31から異常終了指定コマンドが送信されている場合には、当該コマンドが指定する異常が終了している(異常終了あり)と判定する。なお、パチンコ遊技機1の電源がオフされるまで又は所定期間経過まで異常の報知が継続される異常については、異常終了の有無の判定を行わない。
演出制御用CPU101は、S1701の後、新たな異常の発生があるかを判定する(S1702)。例えば、演出制御用CPU101は、S1701にて発生していると判定した異常のうちに、後述の演出側異常フラグがオフ状態になっている異常がある場合、当該異常が新たな異常であるので、新たな異常の発生があると判定する(S1702;Yes)。このときには、新たな異常に対応する演出側異常フラグをオン状態にする(S1703)。演出側異常フラグは、異常の種類それぞれに対応するように、RAMに所定領域に設けられる。演出側異常フラグは、当該フラグに対応する異常の報知の制御が行われている間においてオン状態になり、報知の制御が行われていないときにオフ状態になる。新たな異常は、複数発生することもある。また、他の異常の報知が終了する前に新たな異常が発生することもある。これらの場合には、複数の演出側異常フラグがオン状態になる。
S1703の後、演出制御用CPU101は、例えば演出制御基板80のVDP109などに対して所定の表示制御指令を伝送するなどして、演出表示装置9の表示領域のうちの異常表示領域に、前述の新たな異常(S1703でオン状態にした演出側異常フラグに対応する異常)に対応する異常報知画像を表示させる制御を開始させる(S1704)。異常報知画像は、前述の新たな異常を報知する画像であり、異常の種類に応じた態様の画像である。異常表示領域は、例えば、異常の種類に応じて予め設定されている。異常表示領域は、演出表示装置9の表示領域(演出表示装置9において画像を表示可能な領域)のうちの、第1位置に位置する副画像表示装置51(図72及び図73参照)に重ならない(覆われない)領域内に設けられる。異常表示領域は、例えば、演出図柄の可変表示の邪魔にならない比較的小さな領域であったり(図72など)、演出図柄の可変表示の代わりとなる比較的大きな領域であったりする(図73など)。つまり、異常報知画像は、異常の種類に応じて、大きく表示されたり、小さく表示されたりする。なお、前述の小さな領域の位置(演出表示装置9の表示領域における位置)は、例えば、異常の種類に応じて異なる。このため、異常報知画像は、異常の種類によって異なる位置に表示される。それぞれの表示位置は、例えば、予め設定されていればよい。異常報知画像を大きく表示する場合(異常表示領域が大きい場合)には、演出表示装置9の表示領域には他の画像(他の異常報知画像も含む。)が表示されない。なお、ここでは、異常表示領域が大きい場合には、異常表示領域は固定であるが、例えば、当該異常表示領域も、異常表示領域が小さい場合と同様に、異常の種類に応じて位置が異なってもよい。
異常報知画像は、演出表示装置9に表示される演出画像(例えば、可変表示中演出の画像やデモ画像)などに重畳して表示される。例えば、異常報知画像のレイヤー(演出表示装置9の表示領域と同じ大きさのレイヤー)が、演出画像のレイヤー(演出表示装置9の表示領域と同じ大きさのレイヤー)の前面(遊技者側)に位置するように、両者は重畳して表示される。このため、演出画像の表示の制御と異常報知画像の表示の制御とが、実際に画像が表示されるかとは別に、並行して実行される。前述の小さな領域に表示される異常報知画像のレイヤーは、異常報知画像以外の部分を透明にする(異常報知画像の表示位置は異常の種類に応じて異なるので、透明部分の形状などは異常の種類に応じて異なる。)。これによって、演出画像の少なくとも一部が視認可能になる。なお、例えば、前述の小さな領域の位置は、異常の種類に応じて異なるので、レイヤーにおける異常表示領域の位置(演出表示装置9の表示領域における異常表示領域の位置)も、異常の種類に応じて異なる。前述の大きな領域に表示される異常報知画像のレイヤーは、異常報知画像以外の部分を不透明(例えば、真っ黒)にする。これによって、演出画像は視認できなくなる。
複数の演出側異常フラグがオン状態になっているときには、当該複数の異常について複数の異常報知画像を表示する制御が行われる。この場合、複数の異常報知画像全てが前述の小さな領域に表示されるものである場合には、複数の異常報知画像全てが実際に表示される(異常報知画像の表示位置が異常の種類に応じて異なり、透明部分の形状なども異常の種類に応じて異なるため)。複数の異常報知画像に前述の大きな領域に表示されるものが含まれる場合には、大きな領域に表示される異常報知画像(複数の場合には、優先順位が再上位のもの)のみが実際に表示される。例えば、異常報知画像それぞれについてレイヤー(演出表示装置9の表示領域と同じ大きさのレイヤー)を作成し、各レイヤーを異常の優先順位が上位のものほど前面に位置するように重ねて表示するようにする。これによって、異常報知画像の表示の制御は、実際に画像が表示されるかとは別に、全ての異常報知画像について並行して行われ、優先度の高い異常の報知が優先して実際に表示されやすい。このため、新たな異常の優先度によっては、S1704で表示の制御が開始されても、異常報知画像が実際に表示されない場合がある。この実施の形態では、異常報知画像が前述の大きな領域に表示される異常の優先順位は、異常報知画像が前述の小さな領域に表示される異常の優先順位よりも高くなっている。このため、異常報知画像が前述の小さな領域に表示されるレイヤーの方が、異常報知画像が前述の大きな領域に表示されるレイヤーよりも前面に来ることはない。ただし、優先順位は任意であり、異常報知画像が前述の大きな領域に表示される異常の優先順位が、異常報知画像が前述の小さな領域に表示される異常の優先順位よりも低い場合があってもよい。この場合、異常報知画像が前述の小さな領域に表示されるレイヤーの方が、異常報知画像が前述の大きな領域に表示されるレイヤーよりも前面に来るので、大きな領域と小さな領域とに2以上の異常報知画像が表示される場合も生じる。また、後述のように、1つのレイヤーで複数の異常報知画像を順次表示していく構成を採用する場合、当該1つのレイヤーで表示される複数の異常報知画像のうち最上位の優先順位が他のレイヤーの異常の優先順位と比較されればよい。
また、演出側異常フラグがオン状態となっている複数の異常報知画像が前述の小さな領域に表示されるもののみである場合には、異常報知画像が被らずに全て表示される(異常表示領域の位置が異常の種類に応じて異なり、異常報知画像の表示位置が異常の種類によって異なる位置になるため)。なお、異常表示画像が表示されるレイヤーにおける異常表示領域(前述の小さな領域)の位置は可変としてもよい。例えば、前述の小さな領域に表示される複数の異常報知画像についてのレイヤーをまとめて1つとし、1つのレイヤーで当該複数の異常報知画像を順次表示していく構成とする。この場合、異常表示領域も1つのレイヤーに複数用意し、当該複数の異常表示領域にも優先順位を設定しておき、1つのレイヤーで表示する複数の異常報知画像のうち優先順位が最も上位の異常報知画像を優先順位の最上位の異常表示領域に表示し、次順位の異常報知画像を次順位の異常表示領域に表示し、以下、各順位の異常報知画像を、対応する順位の異常表示領域に表示していくようにしてもよい。具体的には、例えば、複数の異常表示領域を縦に並べ(上の方が、優先順位が上位とする。)、異常の優先順位が最上位の異常報知画像を、上から1番目の異常表示領域に表示し、次順位の異常報知画像を上から2番目の異常表示領域に表示し、次次順位の異常報知画像を上から3番目の異常表示領域に表示していく。なお、このような場合には、新たに表示される異常報知画像の異常の優先順位によっては、当該異常報知画像の表示開始によって、すでに表示されている異常報知画像の表示位置を移動させる。また、1つのレイヤーにおける複数の異常報知画像の表示順に従って、複数の異常表示領域(それぞれが表示順に対応しているものとする。例えば、一番上の異常表示領域は表示が最も古い異常報知画像の表示領域で、上から二番目の異常表示領域は表示が2番目に古い異常報知画像の表示領域など)に当該複数の異常報知画像を表示していってもよい(例えば、上から順に表示していく。同時の場合には優先順位に従って又はランダムなどで順序を決定する)。なお、異常報知画像の表示位置を異常の種類に応じて固定とする場合に、例えば、全ての異常報知画像を表示したときの一枚の画像(例えば、レイヤーで、異常報知画像以外の部分を透明とした画像)の画像データを用意し、この画像データを用いて異常報知画像を表示するようにしてもよい。例えば、発生した異常に対応して実際に表示する異常報知画像以外の異常報知画像を前述の画像データの画像上で透明とするなどすることによって、表示すべき異常報知画像のみを表示するようにしてもよい。
なお、異常報知画像の表示の制御は、報知の終了タイミングまで継続される。例えば、演出制御用CPU101からの終了指令があるまで、異常報知画像の表示を継続させる制御を行う。また、演出制御用CPU101が当該異常報知制御処理を実行するごとにVDP109などへの表示制御指令を行うことで、異常報知画像の表示を継続させてもよい。
S1704の後、オン状態の演出側異常フラグに対応する異常のうち、新たな異常の優先順位が最も高いか(新たな異常が複数ある場合には、優先順位が最も高い異常が複数の新たな異常に含まれるか)を判定する(S1705)。なお、オン状態の演出側異常フラグが1つで、当該1つのフラグが新たな異常に対応するものである場合には、当該新たな異常の優先順位が最も高いことになる。
新たな異常の優先順位が最も高い場合(S1705;Yes)、当該優先順位が最も高い異常に対応する異常報知音を出力させることを開始する動作制御を行う(S1706)。S1706では、演出制御用CPU101は、音声制御基板70の音声合成用IC703などに対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ27から異常報知音を出力させる制御を音声制御基板70の音声合成用IC703などに開始させる。なお、この制御を行うときには、演出制御用CPU101又は音声制御基板70の音声合成用IC703などは、演出音(可変表示中演出やデモ画面表示などに応じた出力される音声や効果音など)のボリュームを0にする制御を行う。これによって、演出音の音声出力はなされないが、制御的には、演出音の再生が継続されることになる(つまり、演出音を出力するための制御自体は継続する)。なお、当該動作制御前において、異常報知音が出力されていた場合、当該出力されていた異常報知音についての動作制御を終了させる。なお、異常が複数の場合に各異常についても異常報知音を再生する動作制御を行うが優先順位が最上位でない異常についての異常報知音のボリュームを0にして実際の音声出力をさせないようにしてもよい。なお、異常報知音の出力は、出力終了タイミングまで継続される。例えば、演出制御用CPU101からの終了指令があるまで、音声制御基板70の音声合成用IC703などが異常報知音の再生出力を継続させる。また、演出制御用CPU101が当該異常報知制御処理を実行するごとに音声制御基板70の音声合成用IC703などへの指令を行うことで、異常報知音の出力を継続させてもよい。
なお、異常報知画像の表示や異常報知音の出力などの異常の報知は、異常が終了したか否かに関わらず所定期間だけ行われる場合がある。ただし、異常報知音については、優先順位の高い他の異常が途中で発生した場合には、当該異常報知音の出力が終了する場合がある。このような異常は予め設定されていればよい。また、前述の所定期間は、異常の種類に応じて異なってもよい。演出制御用CPU101は、前述の新たな異常が、前述の所定期間だけ報知される異常である場合に、当該異常に対応する所定期間に応じたタイマ初期値をRAM122に設けられた所定のタイマ(異常ごとに対応して設けられるものとする。)に設定する。このような設定は、例えば、S1704で行う。
S1706の後、新たな異常の優先順位が最上位でない場合(S1705;No)、新たな異常発生が無い場合(S1702;No)、報知を終了する異常があるかを判定する(S1707)。
報知の終了タイミングは、例えば、当該報知が、異常が終了したか否かに関わらず所定期間だけ行われるものである場合には、当該所定期間の経過時である。また、それ以外の異常の場合には、例えば、異常判定処理にて異常終了と判定されたときである。演出制御用CPU101は、S1707において、上記所定のタイマのタイマ値(0でないタイマ値)を1減じ、減じたあとのタイマ値が0である場合には、当該所定のタイマに対応する異常の報知が終了タイミングであると判定し、これによって、報知を終了する異常があると判定する(S1707;Yes)。また、演出制御用CPU101は、対応するタイマがなく、かつ、演出側異常フラグがオン状態になっている異常について、S1701の異常判定処理にて異常終了と判定されたときには、当該異常の報知が終了タイミングであると判定し、これによって、報知を終了する異常があると判定する(S1707;Yes)。これらの場合(S1707;Yes)には、報知を終了する異常の種類に対応する演出側異常フラグをオフ状態とする(S1708)。その後、例えば演出制御基板80のVDP109などに対して所定の表示制御指令を伝送するなどして、当該報知を終了する演出に対応する異常報知画像の表示を終了させて、当該異常報知画像が表示されないようにする(S1709)。例えば、レイヤーを削除することによって、当該異常報知画像が表示されないようにする。上述のように、1つのレイヤーに異常報知画像を表示していく場合であって、各優先順位の異常報知画像を、対応する優先順位の異常表示領域に表示していく場合や、異常報知画像の表示順に従って、複数の異常表示領域に異常報知画像を表示していく場合、S1709で異常報知画像が減るので、S1709では、異常報知画像の表示位置(異常表示領域のいずれか)をこれらの規則に従って表示しなおすように制御するとよい。報知を終了する異常が複数ある場合、S1708やS1709では、複数のフラグがオフされたり、複数の異常報知画像の表示が終了したりする。
S1709の後、報知を終了する異常の異常報知音が現在実際に出力されているかを判定し(S1710)、出力されている場合に、音声制御基板70の音声合成用IC703などに対する指令の出力によりスピーカ27から異常報知音を出力させることを終了させる(S1711)。なお、このとき、オン状態の演出側異常フラグがまだあるかを判定し、オン状態の演出側異常フラグがある場合には、その演出側異常フラグに対応する異常のうち優先順位が最も高い異常(オン状態になっている演出側異常フラグが1つの場合には当該フラグに対応する異常)に対応する異常報知音を出力させることを開始する動作制御を行う。例えば、演出制御用CPU101は、音声制御基板70の音声合成用IC703などに対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ27から当該異常報知音を出力させることを開始させる。なお、上述のように、優先順位が最上位の異常についての異常報知音以外の異常報知音のボリュームを0にして実際の音声出力をさせない制御を行っている場合には、今回実際の出力を開始させる異常報知音のボリュームを上げる制御を行ってもよい。
S1711の後、報知を終了する異常の異常報知音が現在実際に再生出力されていない場合(S1710;No)、報知を終了する異常がない場合(S1707;No)、異常報知制御処理は終了する。なお、異常の種類によっては、異常の報知において、異常報知画像の表示と異常報知音の出力とのいずれかが行われなくてもよい。この場合には、S1704〜S1706、S1709〜S1711の処理のいずれかが適宜省略されればよい。
上記一連の処理によって、異常が発生したときには、当該異常を報知する異常報知画像が異常表示領域に表示されることになる。また、異常を報知する異常報知音も再生出力されることになる。さらに、複数の異常が発生した場合には、画像については当該複数の異常それぞれについて異常報知画像が表示される場合がある。報知音については、優先順位が最上位の異常報知音のみ実際に再生出力される。また、異常の報知中であっても、可変表示演出などの実行はそのまま継続される(ただし、演出音は実施に出力されない。また、画像も実際に表示されない場合がある。)。
次に、この実施の形態における演出画像などの一例を、図面を参照して説明する。なお、図中、演出表示装置9の表示領域内の太線矢印は、演出図柄が可変表示されている様子を示す。
図72は、第4の実施の形態における、異常として、異常1及び異常2が発生したときの演出画像などを示す図である。例えば、演出図柄の可変表示中に(図72(A)、出力される音は演出音)、異常1が発生すると、異常1が発生したことを報知する異常報知画像(「異常1発生」)を異常表示領域に表示する(図72(B)、出力される音は異常1の異常報知音)。その後、リーチが成立し、スーパーリーチCの演出が実行されると、副画像表示装置51が第1位置に移動し、副画像表示装置51に演出画像(「スーパーリーチC!!」)が表示される(図72(C)、出力される音は異常1の異常報知音)。その後、異常2が発生すると、異常2が発生したことを報知する異常報知画像(「異常2発生」)を異常表示領域に表示する(図72(D))。なお、これ以降、出力される音は異常2の異常報知音に代わる。異常1よりも異常2の方が、優先順位が上位のためである。その後、例えば、所定期間が経過すると、異常2の報知が終了し、異常2が発生したことを報知する異常報知画像が消去される(図72(E)、出力される音は異常1の異常報知音に戻る。)。その後、スーパーリーチCが実行された可変表示が終了して、次の可変表示(次変動)が実行される(図72(F)、出力される音は異常1の異常報知音)。このとき、スーパーリーチCが終了しているので、副画像表示装置51は第2位置に移動している。なお、この後、異常2の報知が終了し、異常2が発生したことを報知する異常報知画像が消去される。
図73は、第4の実施の形態における、異常として、異常5が発生したときの演出画像などを示す図である。異常5では、演出表示装置9の表示領域では演出画像が表示されず、当該表示領域ではブラックアウトが行われ、異常5の異常報知画像が表示される。このように、異常の種類に応じて、異常報知の態様を変えてもよい。例えば、演出図柄の可変表示中に(図73(A)、出力される音は演出音)、スーパーリーチCの実行と共に異常5が発生すると、異常5が発生したことを報知する異常報知画像(「異常5発生」)を異常表示領域に表示する(図73(B)、出力される音は異常5の異常報知音)。このとき、異常報知画像は、異常1などの発生時よりも大きく表示され、可変表示中演出の画像などは表示されず、背景などは暗くなる。ただし、可変表示中演出などの実行は、画像などが実際に表示されないだけで、制御的には継続されている。その後、例えば、所定期間が経過すると、異常5の報知が終了し、異常5が発生したことを報知する異常報知画像が消去され、演出表示装置9の表示領域に表示される画像は、可変表示中演出の画像などに戻される(図73(C)、出力される音も演出音に戻る。)。
図72や図73のように、異常報知画像を表示する異常表示領域は、重り領域以外の領域に設けられる。この重り領域とは、演出表示装置9の表示領域のうち、副画像表示装置51と重なる領域であり、具体的には、第1位置に位置する副画像表示装置51によって覆われる領域と、第1位置と第2位置との間を移動する副画像表示装置51によって覆われる領域(副画像表示装置51の経路となる経路領域)と、によって構成される。即ち、異常報知画像は、これら領域以外の領域において表示されることになる。このため、異常報知画像は、第1位置に位置する副画像表示装置51や第1位置と第2位置との間を移動する副画像表示装置51によって隠れないため、遊技者は異常報知画像を視認しやすい。さらに、異常報知画像を表示する異常表示領域を遊技機に設けられている保持部材によっても覆われない領域とすることで、異常報知画像が保持部材によっても隠れないため、遊技者は異常報知画像を視認しやすい。また、この実施の形態では、副画像表示装置51が第1位置と第2位置との間を移動している間に異常が発生して異常報知画像を表示する場合であっても、当該副画像表示装置51の移動は中断されない。これによって、副画像表示装置51の移動の制御を単純化できる。また、異常の報知が行われているとき、可変表示中演出(遊技の進行に対応した演出であり、特に、演出図柄の可変表示)は中断されないので、異常の報知の終了後にスムーズに可変表示中演出の表示(異常報知画像の無い表示)などに復帰できる。さらに、異常表示領域を演出図柄が可変表示される領域以外の領域とすることで(図72)、演出図柄を視認可能に異常報知画像が表示されるので、異常の報知の終了後にスムーズに可変表示中演出の表示などに復帰できる。また、異常報知画像を半透明としてもよく、このようにすれば、可変表示中演出の画像全体を視認可能になり、異常の報知の終了後にスムーズに可変表示中演出の表示などに復帰できる。また、上記構成では、複数の異常が同時期に発生した場合、複数の異常について、互いに識別可能に異常報知画像を表示し、さらに、異常報知画像は、可変表示中演出の演出図柄とは異なる位置に表示されるので、可変表示中演出の画像の重要な部分を視認可能になり、複数種類(ここでは2種類)の異常が同時期に発生した場合であっても、当該複数種類の異常を個々に認識させやすく、かつ、遊技の進行も把握させやすい。さらに、異常報知画像を半透明とすることによって、可変表示中演出の画像全体を視認可能になり、遊技の進行を把握させやすい。また、複数の異常が発生したときには、優先順位の上位の異常報知音のみが出力されるので、異常報知音を聞き取りやすい。さらに、異常報知音の出力時には、演出音も出力させないので、異常報知音を聞き取りやすい。異常報知画像は、少なくとも副画像表示装置51が第1位置に位置するときに覆われない領域に表示することで、第1位置に位置する副画像表示装置51が存在しても異常報知画像を視認させやすくすることができる。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、表示領域を有する表示装置(本例では、演出表示装置9)と、第1位置と当該第1位置とは異なる第2位置との間を移動する可動部材(本例では、副画像表示装置51)とを備える。また、遊技機において発生した異常を検出し、異常を検出したことに応じて、異常が発生したことを示す異常情報(本例では、異常報知画像)を表示領域のうちの異常表示領域に表示させる異常表示制御を行う。そして、可動部材は、少なくとも第1位置に位置するときに表示領域の一部を遊技者側から覆い、異常表示領域は、第1位置に位置する可動部材によって覆われない領域であるように構成されている。そのため、第1位置に可動部材があっても異常情報を視認させやすくすることができる。
なお、この実施の形態において、表示装置の表示領域が演出表示装置9の表示領域であり、第1の実施の形態で示した保留表示が表示される表示領域と同じものである場合を示したが、そのような態様に限られない。例えば、保留表示が表示される表示領域とは別に設けられた表示領域に異常表示領域が設けられ、可動部材の可動によって覆われたりするものであってもよい。
この第4の実施の形態においても、前記第1の実施の形態と同様にして、保留表示として特定保留表示を表示させ、該特定保留表示を同期して動作表示させることが可能である。
[変形例]
上記の各実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の各実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけに限らず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(即ち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の各実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70及びランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の各実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、又は音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、又は例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の各実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35又は音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の各実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
また、上記の各実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
また、上記の各実施の形態では、大当り種別として確変大当りや通常大当りがあり、大当り種別として確変大当りと決定されたことに基づいて、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置(1つだけ設けられた特別可変入賞球装置内に確変領域が設けられていてもよいし、複数設けられた特別可変入賞球装置のうちの一部に確変領域が設けられていてもよい)を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことに基づいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機に上記の各実施の形態で示した構成を適用することもできる。