JP2015210866A - 照明ランプ及び照明装置 - Google Patents

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貴行 中尾
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Toshiyuki Yoneda
俊之 米田
絵里 桑原
Eri Kuwahara
絵里 桑原
恒人 西岡
Tsuneto Nishioka
恒人 西岡
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Abstract

【課題】放熱性能が低下することを抑制しながら、カバーの反りを抑制することができる照明ランプ及び照明装置を提供することを目的としている。【解決手段】発光素子と、発光素子が設けられた長尺状の取付体と、取付体の長手方向に延びるように形成され、発光素子及び取付体を収容する筒状のカバーと、取付体の両方の端部側にそれぞれ固定され、カバーが長手方向に延びるのを規制する規制手段と、を備え、規制手段は、カバーの端部側に設けられているものである。【選択図】図2

Description

本発明は、照明ランプ及び照明装置に関する。
照明ランプは、たとえば、LED(LEDパッケージ)と、LEDが実装された基板と、基板が設けられたヒートシンクと、これらを収容する円筒状の樹脂製のカバーとを有しているものが各種提案されている。このようなLEDを有する照明ランプでは、カバー内の空間のうちの一方側(上側)にヒートシンクを寄せている場合がある。これは、LEDとカバーとの対向間隔を確保して、LEDから発せられた光をカバーで拡散しやすくするなどの理由による。この場合には、カバーのうちのヒートシンクと近接する側の部分は、ヒートシンクと近接する分、熱が伝達されやすくなっている。
ここで、カバーに伝達される熱に偏りがあると、カバーが反ってしまう。すなわち、カバーのうちのヒートシンクに近接する部分とその反対側の部分とで温度差が発生し、カバーのうちのヒートシンクに近接する部分の膨張量が相対的に大きくなって、結果としてカバーが反ってしまう。
そこで、発光素子としてLEDを用いている直管型照明ランプには、カバーのうちのヒートシンクと近接する側からの熱の伝達が抑制されるように、ヒートシンクとカバーとの間に断熱部材を配置しているものが提案されている(たとえば、特許文献1参照)。
特開2012−238600号公報(たとえば、図3参照)
特許文献1に記載の技術では、断熱部材を設けることでカバーに温度差が発生することを抑制することができるが、断熱部材を配置する分、放熱性能が低下するという課題がある。
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、放熱性能が低下することを抑制しながら、カバーの反りを抑制することができる照明ランプ及び照明装置を提供することを目的としている。
本発明に係る照明ランプは、発光素子と、発光素子が設けられた長尺状の取付体と、取付体の長手方向に延びるように形成され、発光素子及び取付体を収容する筒状のカバーと、取付体の両方の端部側にそれぞれ固定され、カバーが長手方向に延びるのを規制する規制手段と、を備え、規制手段は、カバーの端部側に設けられているものである。
本発明に係る照明ランプによれば、上記構成を有しているため、放熱性能が低下することを抑制しながら、カバーの反りを抑制することができる。
本発明の実施の形態1に係る照明ランプを備えた照明装置の斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る照明ランプを示す分解斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る照明ランプの給電口金を外した状態の斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る照明ランプの長手方向に平行な面の断面図である。 本発明の実施の形態2に係る照明ランプの長手方向に平行な面の断面図である。 本発明の実施の形態3に係る照明ランプの長手方向に平行な面の断面図である。 本発明の実施の形態4に係る照明ランプの長手方向に平行な面の断面図である。 本発明の実施の形態5に係る照明ランプの長手方向に平行な面の断面図である。 本発明の実施の形態6に係る照明ランプの長手方向に平行な面の断面図である。 本発明の実施の形態7に係る照明ランプの短手方向に平行な面の断面図である。 本発明の実施の形態7に係る照明ランプの変形例の長手方向に平行な面の断面図である。
以下、本発明に係る照明ランプの実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本発明が限定されるものではない。また、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。
実施の形態1.
図1は、本実施の形態1に係る照明ランプ100を備えた照明装置600の斜視図である。図1に基づいて、照明装置600について説明する。
本実施の形態1に係る照明ランプ100は、放熱性能が低下することを抑制しながら、カバー2の反りを抑制することができる。
[照明装置600の構成説明]
照明装置600は、固定具(図示せず)を介してたとえば天井に取り付けられ、照明ランプ100が点灯することによって床面、室内空間などに光が照射される。図1に示すように、照明装置600には、照明ランプ100に給電して照明ランプ100を点灯させる照明器具500と、着脱自在の照明ランプ100とを備えている。
照明器具500は、器具本体501と、照明ランプ100の上側に配設される反射板504とを備えているものである。また、照明器具500は、給電口金3Aが取り付けられ、給電口金3Aと電気的に接続される給電ソケット502と、アース口金3Bが取り付けられ、アース口金3Bと電気的に接続されるアースソケット503とを備えているものである。ここで、給電ソケット502及びアースソケット503には、照明ランプ100を機械的に保持する役割も有している。また、器具本体501には、電源ボックス501Aが収納されている。電源ボックス501Aは、スイッチ(図示省略)をONの状態に切り替えると給電ソケット502を介して照明ランプ100に給電し、スイッチをOFFの状態に切り替えると給電を停止する電源装置(図示省略)が収納される。
照明ランプ100は、たとえば円筒状の外郭であるカバー2と、カバー2の一端側に取り付けられた給電口金3Aと、カバー2の他端側に取り付けられたアース口金3Bと、カバー2に収納され、複数のLEDパッケージ4A及び放熱に利用されるヒートシンク4Dなどを有する発光ユニット4と、給電口金3A内に設置される規制部材7と、各種部材同士を固定するのに利用される第1の固定部材8及び第2の固定部材9とを備えているものである。照明ランプ100の構成は、後述の図2〜図4などに基づいて詳しく説明する。
[照明ランプ100の構成説明]
図2は、本実施の形態1に係る照明ランプ100を示す分解斜視図である。図3は、本実施の形態1に係る照明ランプ100の給電口金3Aを外した状態の斜視図である。図4は、本実施の形態1に係る照明ランプ100の長手方向Xに平行な面の断面図である。なお、図4では給電口金3Aに設けられた給電端子3A1については記載を省略している。図2〜図4を参照して照明ランプ100の構成について説明する。
(カバー2)
カバー2は、図2に示す長手方向Xに平行に延びるように形成された筒状部材である。カバー2は、その内部に発光ユニット4が収納されるものである。カバー2は、透光性を有するものであり、たとえば樹脂材料を押出成形することで得られるものである。カバー2を形成する樹脂材料としては、たとえば、ポリカーボネート(PC)、アクリルなどを使用するとよい。
カバー2は、照明ランプ100の設計仕様に応じて拡散、反射、演色などの光学的な機能をもたせてもよい。たとえば、カバー2は、光を拡散透過する乳白色管となるように、拡散材を混ぜ込んだポリカーボネートで形成することができる。なお、カバー2を形成する材料としては、樹脂材料に限定されるものではなく、たとえば、樹脂、ガラスなどが混在したハイブリットタイプなどを採用してもよい。なお、本実施の形態1では、カバー2が円筒状であるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、縦断面が多角形状の角筒状の管であってもよい。
カバー2は、発光ユニット4のヒートシンク4Dをカバー2内に設置するのに利用される凸条部2Aを有している。凸条部2Aは、長手方向Xに平行に延びるように形成されているものである。一方の凸条部2Aは、ヒートシンク4Dの短手方向Yの一端側と当接し、他方の凸条部2Aは、ヒートシンク4Dの短手方向Yの他端側と当接する。すなわち、カバー2には、2列の凸条部2Aが形成されている。カバー2及び発光ユニット4を図3に示すような姿勢にしたとき、ヒートシンク4Dが凸条部2Aに引っ掛かるため、発光ユニット4が落下してしまうことが防止される。
(給電口金3A及びアース口金3B)
給電口金3Aは、カバー2の一端側の開口部を閉じるように取り付けられるものである。給電口金3Aは、導電性を有する給電端子3A1と、給電端子3A1が埋め込まれている給電口金筐体3A2とを備えている。給電端子3A1及び給電口金筐体3A2は、たとえばインサート成形などで一体的に形成される。
給電口金筐体3A2は、円板状部材である基部3A3と、基部3A3の周縁側に形成された円筒状の円筒状部3A4とを有しているものである。基部3A3には給電端子3A1が接続されるとともに、第1の固定部材8が挿入される開口部3A5が形成されている。円筒状部3A4は、図4に示すように、その内側面3A6にカバー2の一端側が挿入される。ここで、内側面3A6は、カバー2の円筒状の外側面と対向する円筒状の面を指している。また、内側面3A6のうちのヒートシンク4D側は規制部材7の外側面と対向している。
アース口金3Bは、カバー2の他端側の開口部を閉じるように取り付けられているものである。アース口金3Bは、図示省略の導電性を有するアース端子及びアース端子が埋め込まれるアース口金筐体などを有するものである。アース端子とアース口金筐体とは、たとえばインサート成形などで一体的に形成される。
給電端子3A1及びアース口金3Bは、たとえば導電性を有する金属で形成され、給電口金筐体3A2及びアース口金筐体3B2は、たとえば絶縁性を有する樹脂材料で形成される。なお、給電口金3A及びアース口金3Bは、たとえばG13タイプなどの口金を採用することができるが、それに限定されるものではなく、他の種類の口金を用いてもよい。
(発光ユニット4)
発光ユニット4は、複数のLEDパッケージ4Aと、複数のLEDパッケージ4Aが実装される基板4Bと、基板4Bが敷設されるヒートシンク4Dとを備えているものである。
LEDパッケージ4Aは、基板4Bに形成された電極パッド上に半田などで固定される素子パッケージである。複数のLEDパッケージ4Aは、たとえば、ヒートシンク4Dの長手方向Xに並ぶように配置されているものである。LEDパッケージ4Aは、たとえば、440〜480nm程度の青色光を発するLEDチップに、青色光を黄色光に波長変換する蛍光体を配し、パッケージ化したもので構成することができる。このように構成されたLEDパッケージ4Aは、擬似白色の光を照射する。LEDパッケージ4Aには、基板4Bに形成された電極パッド上に配置されるリード線が設けられ、このリード線と基板4Bに形成された電極パッドとが、たとえば半田などで接続される。
なお、LEDパッケージ4Aを用いる代わりに、チップオンボード(COB)などのように、LEDチップを直接、基板4Bに実装してもよい。LEDパッケージ4Aの個数、配置、種類は、照明ランプ100の用途などに応じて適宜変更するとよい。また、LEDパッケージ4Aに代えて、レーザーダイオード(LD)、有機ELなどのデバイスなど(発光素子)を採用してもよい。
基板4Bは、カバー2の長手方向Xと平行な方向に延びるように設けられているものであり、ヒートシンク4D上に敷設されているものである。基板4Bは、たとえば絶縁性を有する樹脂製の基材などを用いて構成することができる。基板4Bには、基板4Bをヒートシンク4Dに接着させるための接着層4B1が形成されている。接着層4B1は、たとえば、シリコン製の熱伝導グリス、又は熱伝導シートなどで構成され、基板4B側からヒートシンク4D側への熱の伝達効率が低下することが抑制されている。基板4Bは、ヒートシンク4D上に固定され、また、基板4Bの熱がヒートシンク4Dに伝達されにくくなることが抑制される。なお、本実施の形態1では、接着層4B1を形成した例を説明したが、それに限定されるものではなく、基板4Bとヒートシンク4Dとをネジなどで固定してもよい。
基板4Bは、LEDパッケージ4Aに電力を供給するのに利用されるダイオード、ヒューズ、抵抗などの点灯回路素子及び配線などが設けられているものである。また、基板4Bには、LEDパッケージ4Aが実装される電極パッドが設けられている。また、基板4B上には、たとえば、配線パターン保護及びLEDの光を全反射させるため、白色のレジストなどが塗布される。
ヒートシンク4Dは、取付体に対応する構成要素である。ヒートシンク4Dは、LEDパッケージ4Aから発生する動作熱を、基板4Bを介してカバー2に伝達して、カバー2の外部に放散するのに利用されるものである。ヒートシンク4Dは、カバー2の長手方向Xと平行な方向に延びるように形成されたものであって、カバー2、給電口金3A及びアース口金3Bで形成される空間内に収容されているものである。
ヒートシンク4Dは、カバー2の内側面に沿うように形成された円弧状面を有する円弧状部4D1と、接着層4B1を介して基板4Bを設置する平面部4D2とが形成されている。ここで、ヒートシンク4Dは、カバー2のうちの光出射側とは対向する側に設けられている。すなわち、ヒートシンク4Dは、カバー2のうちの光出射側とは反対側に寄るように設けられている。
円弧状部4D1と、カバー2の光出射側とは反対側の内側面とが近接するように設けられている。すなわち、ヒートシンク4Dは、発光ユニット4がカバー2の光の出射側とは反対側に寄せて配置される。このため、カバー2から透けてLEDパッケージ4Aが光っている様子が見えてしまうことを抑制することができ、LEDパッケージ4Aのつぶつぶ感を抑制することができる。
ヒートシンク4Dは、第1の固定部材8と螺合する開口部4D3及び第2の固定部材9と螺合する開口部4D4が形成されている。ここで、カバー2の長手方向Xに平行な中心軸を基準としたとき、開口部4D4は、開口部4D3よりも外側に位置するように形成されている。また、開口部4D3及び開口部4D4は、円筒状のカバー2の径方向に並ぶように形成されている。
ヒートシンク4Dは、たとえば金属材料を押出成形して得られるものである。なお、押出成形に限定されるものではなく、その他の方法でヒートシンク4Dを得てもよい。ヒートシンク4Dの金属材料としては、たとえばアルミニウム、鉄などの熱伝導性が良好なものを採用するとよい。なお、ヒートシンク4Dの材料は、金属材料に限定されるものではなく、たとえば、セラミック、熱伝導性のフィラーなどを混ぜ込んだ高熱伝導樹脂を採用してもよい。
(規制部材7)
規制部材7が規制手段に対応する構成要素である。規制部材7は、カバー2のうちのヒートシンク4Dと近接する部分が、近接しない部分よりも温度上昇することで、相対的にその部分が膨張することを規制するものである。規制部材7は、カバー2の端部側に設けられている。具体的には、規制部材7は、ヒートシンク4Dの長手方向Xの端部(端面)とカバー2の長手方向Xの端部とに当接するように設けられているものである。規制部材7は、第2の固定部材9が接続される開口部7Bが形成された基部7Aと、基部7Aの周縁からカバー2の外周面と平行に延びる周縁部7Cとを有している。規制部材7は、たとえば金属などで形成することができ、また、強度を確保できるのであれば樹脂などで形成することもできる。
基部7Aは、一方の端面がカバー2の長手方向Xの端部と当接するとともにヒートシンク4Dの長手方向Xの端部と当接しているものである。また、基部7Aは、他方の端面が、第2の固定部材9の頭部と当接するとともに、給電口金筐体3A2の基部3A3と対向するように設けられている。また、基部7Aは、周縁部7Cが形成されている側の端面が、円弧状に形成され、給電口金筐体3A2の円筒状部3A4の内側面3A6に対向するように設けられている。さらに、基部7Aは、第1の固定部材8から逃げて干渉しないように、カバー2の軸側の端面がたとえば平面状に形成されている。
周縁部7Cは、基部7Aの周縁からカバー2の外周面に沿うように形成された、断面円弧状部材である。周縁部7Cは、基部7Aに対して直交するように接続されている。周縁部7Cは、規制部材7をカバー2に取り付ける際の位置決めとしての機能を有している。
また、周縁部7Cは、カバー2の変形を抑制する機能も有している。すなわち、カバー2が膨張すると、カバー2は基部7Aが設けられている側に延びる。このとき、基部7Aによってカバー2が延びることが規制されるが、基部7Aによって延びが規制されたカバー2は、径方向に広がるように変形する場合がある。そこで、規制部材7には、カバー2が径方向に広がるように変形することを抑制するように、周縁部7Cが形成されている。
なお、図4では、規制部材7が給電口金3A側に配置されている様子を示しているが、アース口金3B側にも図示省略の規制部材7が配置されている。すなわち、カバー2及びヒートシンク4Dの両方の端部に、規制部材7が設けられている。
(第1の固定部材8及び第2の固定部材9)
第1の固定部材8は、給電口金筐体3A2の開口部3A5を介してヒートシンク4Dの開口部4D3に接続されているものである。すなわち、第1の固定部材8は、給電口金3Aとヒートシンク4Dとを固定するのに利用されるものである。この第1の固定部材8により、給電口金3Aはカバー2から脱落することが防止される。
第2の固定部材9は、規制部材7の開口部7Bを介してヒートシンク4Dの開口部4D4に接続されているものである。すなわち、第2の固定部材9は、規制部材7とヒートシンク4Dとを固定するのに利用されるものである。この第2の固定部材9により、規制部材7がヒートシンク4D及びカバー2から脱落することが防止される。
第1の固定部材8及び第2の固定部材9は、たとえばネジで構成することができる。
なお、本実施の形態1では、第2の固定部材8を用いた場合を例に説明したが、それに限定されるものではなく、第2の固定部材8の代わりに接着剤を用いて規制部材7とヒートシンク4Dとを固定してもよい。
[カバー2の反りの抑制について]
LEDパッケージ4Aの発光時に発生した熱は、接着層4B1を通じてヒートシンク4Dに伝達される。ヒートシンク4Dの温度が上昇し、カバー2のうちのヒートシンク4D側の部分(図4の紙面の上側部分)の温度が上昇する。その結果として、カバー2のうちのヒートシンク4D側の部分の温度が、その他の部分と比較すると、相対的に温度が上昇する。
カバー2に生じた温度差により、カバー2のうちのヒートシンク4D側の部分(上部)が、下部に対して延びる。一方で、ヒートシンク4Dは、アルミニウムなどで形成されたものであるため、カバー2と比較すると延び量が小さい。たとえば、カバー2に用いられるポリカーボネート樹脂の線膨張係数が60〜80ppm/Kであるのに対し、アルミニウム押し出し材の線膨張係数は20〜25ppm/Kである。
また、アルミニウムの熱伝導率は、220W/mKと大きい。このため、ヒートシンク4Dは、その温度が均熱化されやすい、すなわち一方側に偏って温度が上昇しにくい。したがって、ヒートシンク4Dは、カバー2と比較すると反りにくい。カバー2には、この上下の延び量の差により、カバー2の中央部が持ち上がるようにカバー2が反る応力が発生する。
照明ランプ100が水平に平行となっている状態において、カバー2は、照明ランプ100が点灯前の状態のとき、重力により中央部が下がるように沿っている。カバー2は、照明ランプ100が点灯し発熱すると、長手方向Xに延びる。また、カバー2は、長手方向Xに延びると、中央部が上がる方向に反り始め、点灯前の状態を打ち消す方向に動く。そして、カバー2の長手方向Xの一方の端部が、給電口金3Aに設けられた規制部材7に押しつけられる。また、カバー2の長手方向Xの他方の端部が、アース口金3Bに設けられた規制部材7に押しつけられる。カバー2は延びようとしても、規制部材7によって延びが規制される。
ここで、両方の規制部材7は、カバー2と比較すると、相対的に反りが小さいヒートシンク4Dに固定されている。したがって、規制部材7の設置位置が変わってしまうことにより、規制部材7が適切にカバー2の延びを規制できないようなことが生じることも抑制される。
[実施の形態1に係る照明ランプ100の有する効果]
本実施の形態1に係る照明ランプ100は、カバー2及びヒートシンク4Dの長手方向Xの端部にカバー2の延びを規制する規制部材7が設けられている。このため、カバー2のうちの一部の温度が他部の温度よりも相対的に上昇し、この一部が延びることを抑制することができる。これにより、照明ランプ100が反ることを抑制することができる。
また、本実施の形態1に係る照明ランプ100は、従来のように、カバー2の一部の温度が上昇しないように、ヒートシンク4Dとカバー2との間に断熱部材を配置したものではないため、その分、放熱性能が低減してしまうことが抑制されるようになっている。
なお、本実施の形態1では、取付体がヒートシンク4Dである場合を一例に説明したが、それに限定されるものではない。照明ランプ100は、ヒートシンク4Dを有さず、発光素子が取り付けられる取付体が基板4Bであってもよい。この場合には、基板4Bをたとえばカバー2の凸条部2Aに設置するとよい。そして、ヒートシンク4Dの代わりに基板4Bの長手方向Xの端部に規制部材7を固定する。なお、基板4Bは、樹脂であるため、ヒートシンク4Dと比較すると、線膨張係数が高く、熱伝導率が低いため、反りやすい。したがって、アルミニウムなどで形成されるヒートシンク4Dを有している方が、照明ランプ100が反ることを抑制する効果が大きいが、ヒートシンク4Dを有さない態様であっても同種の効果を得ることができる。
本実施の形態1では、開口部4D3及び開口部4D4は、円筒状のカバー2の径方向に並ぶように形成されていなくてもよい。なお、径方向に並ぶように形成されている方が、照明ランプ100の強度を確保しやすい。
実施の形態2.
図5は、本実施の形態2に係る照明ランプ102の長手方向Xに平行な面の断面図である。本実施の形態2では、実施の形態1と共通する構成については同一符号を付し、相違点について中心に説明する。本実施の形態2では、さらにカバー2の反りを抑制するため、規制部材7に加えて貫通部材10も備えた構成となっている。
貫通部材10は、カバー2の一方の端部側であってヒートシンク4Dが寄せて配置されている側に複数設けられている。また、図示は省略しているが、貫通部材10は、カバー2の他方の端部側にも同様に設けられている。
貫通部材10は、カバー2に形成された開口部2Bを介してヒートシンク4Dに接続されているものである。貫通部材10の先端は、ネジになっており、ヒートシンク4D側のネジ穴に接続されてヒートシンク4Dに固定されている。また、貫通部材10は、カバー2の外周側の部分が、先端側よりも径が太い頭部が形成されている。貫通部材10は、たとえば樹脂又は金属などで形成することができる。
貫通部材10を用いてカバー2とヒートシンク4Dとを接続しているので、カバー2とヒートシンク4Dとの固定がより強固となる。実施の形態1では、カバー2の端部側と当接する規制部材7で延びを抑制しているのに対し、本実施の形態2では、それに加えてカバー2の複数個所でカバー2とヒートシンク4Dとを固定している。これにより、カバー2の長手方向Xの中央側においても、カバー2とヒートシンク4Dとの位置関係がずれてしまうことが抑制され、より確実にカバー2の反りを抑制することができる。
たとえば、カバー2の一方側(上側)の部分と他方側(下側)の部分との上下温度差が一定以上になると、給電口金3A及びアース口金3Bの位置に対し、カバー2の中央部が落ち込み、カバー2の両方の端部側が持ち上げられるようにカバー2が反る力が働く場合がある。しかし、本実施の形態2に係る照明ランプ102は、貫通部材10を備えているので、このような力が働いても、カバー2が反ることを抑制することができる。
[実施の形態2に係る照明ランプ102の有する効果]
本実施の形態2に係る照明ランプ102は、実施の形態1に係る照明ランプ100と同様の効果を有することに加えて次の効果を有する。
本実施の形態2に係る照明ランプ102は、規制部材7と併用される貫通部材10を有するため、規制部材7に働く力を貫通部材10に分散し、より効果的にカバー2の反りを抑制することができる。これにより、カバー2の破損、カバー2の蛇行などが発生することを抑制することができる。
なお、本実施の形態2では、貫通部材10の先端側がネジになっており、ヒートシンク4Dの開口部に接続されるものとして説明したが、それに限定されるものではない。たとえば、貫通部材10の先端側はネジとする代わりに、接着剤を用いて貫通部材10とヒートシンク4Dとを接続してもよい。
実施の形態3.
図6は、本実施の形態3に係る照明ランプ103の長手方向Xに平行な面の断面図である。本実施の形態3では、実施の形態1、2と共通する構成については同一符号を付し、相違点について中心に説明する。本実施の形態3では、規制部材7の代わりに、ヒートシンク4Dとカバー2とを固定する接着剤層11を備えた構成となっている。
接着剤層11は規制手段に対応する構成要素である。接着剤層11は、円弧状部4D1の外周面である円弧状面と、カバー2の内周面との間に充填されているものである。接着剤層11は、たとえば、シリコン接着剤などで構成することができる。
カバー2に応力が発生すると、カバー2とヒートシンク4Dとの間に挟まれた接着剤層11には、せん断方向の応力がかかる。接着剤層11の塗布範囲を予め設定された範囲だけ確保すれば、カバー2の延びを抑制することができ、カバー2が反ることを抑制することができる。
[実施の形態3に係る照明ランプ103の有する効果]
本実施の形態3に係る照明ランプ103は、実施の形態1に係る照明ランプ100と同様の効果を有する。
また、本実施の形態3に係る照明ランプ103は、接着剤層11をカバー2の端部から中央部側にまで形成すれば、実施の形態2のように、より効果的にカバー2の反りを抑制することができる。
本実施の形態3に係る照明ランプ103は、接着剤層11に加えて、実施の形態2に係る照明ランプ102の貫通部材10を備えてもよい。
実施の形態4.
図7は、本実施の形態4に係る照明ランプ104の長手方向Xに平行な面の断面図である。本実施の形態4では、実施の形態1〜3と共通する構成については同一符号を付し、相違点について中心に説明する。本実施の形態4では、給電口金3A(アース口金3B)に、規制部材7に対応する機能を有する規制部3A7が形成されている。
給電口金3Aは、基部3A3のうちのヒートシンク4D側の部分の厚みが肉厚に形成されて構成された規制部3A7を有している。すなわち、基部3A3は、規制手段に対応する規制部3A7を有している。規制部3A7は、給電口金筐体3A2に一体的に形成されているものである。規制部3A7は、その端面がヒートシンク4Dの端部及びカバー2の端部と当接するように設けられている。なお、図示は省略しているが、アース口金3Bも同様に、規制部3A7に対応する構成を有している。
[実施の形態4に係る照明ランプ104の有する効果]
本実施の形態4に係る照明ランプ104は、実施の形態1に係る照明ランプ100と同様の効果を有する。
本実施の形態4に係る照明ランプ104は、規制部3A7に加えて、実施の形態2に係る照明ランプ102の貫通部材10を備えてもよい。
実施の形態5.
図8は、本実施の形態5に係る照明ランプ105の長手方向Xに平行な面の断面図である。本実施の形態5では、実施の形態1〜4と共通する構成については同一符号を付し、相違点について中心に説明する。本実施の形態5では、規制部材7とカバー2との間に隙間20を形成している。
カバー2は、長手方向Xの長さが、ヒートシンク4Dよりも短く形成されている。すなわち、図8に示すように、ヒートシンク4Dは、カバー2に収容されている状態において、カバー2の開放部から突出している。このため、本実施の形態5に係る照明ランプ105では、規制部材7とカバー2との間に、長手方向Xに平行な隙間20が形成される。すなわち、規制部材7は、取付体であるヒートシンク4Dの端面に当接するとともに、カバー2の端部との間に隙間20が形成されるように構成されたものである。
カバー2は、照明ランプ105が点灯前の状態においては、重力により中央部が下がるように反っている。カバー2は、照明ランプ105が点灯し発熱すると、中央部が上がる方向に反り始め、点灯前の状態を打ち消す方向に動く。カバー2は、一定の距離まで延びると、隙間20がカバー2で埋められ、カバー2の端部が規制部材7に当接する。これにより、カバー2の延びが規制され、カバー2が反ることが抑制される。
なお、隙間20の長手方向Xの寸法は、たとえば、カバー2の重力による反り量を考慮した上で設定するとよい。すなわち、隙間20は、カバー2が延びてカバー2が平行になったときに、隙間20が埋められてカバー2の端部と規制部材7とが当接するように寸法を設定するとよい。
[実施の形態5に係る照明ランプ105の有する効果]
本実施の形態5に係る照明ランプ105は、実施の形態1に係る照明ランプ100と同様の効果を有することに加えて次の効果を有する。
本実施の形態5に係る照明ランプ105は、規制部材7とカバー2との間に隙間20を形成したので、カバー2が延びたときに規制部材7とカバー2との間で押しつけ合う力を抑制することができ、カバー2の反りを抑制することができる。
実施の形態6.
図9は、本実施の形態6に係る照明ランプ106の長手方向Xに平行な面の断面図である。本実施の形態6では、実施の形態1〜5と共通する構成については同一符号を付し、相違点について中心に説明する。本実施の形態6では、実施の形態5の隙間20の形成位置に弾性体12を配置したものである。
カバー2と規制部材7との間に形成された隙間20には、たとえばシリコン樹脂、オレフィン樹脂などのゴム材料で構成された弾性体12が設けられている。カバー2が延びると、この弾性体12が圧縮される。弾性体12が設けられていると、カバー2の端部側に働く応力を分散することができ、カバー2の破損を抑制することができる。弾性体12は、その厚み及び弾性率などを適切に設定することで、カバー2の反りを予め設定された範囲内に抑えることができる。
[実施の形態6に係る照明ランプ106の有する効果]
本実施の形態6に係る照明ランプ106は、実施の形態1に係る照明ランプ100と同様の効果を有することに加えて次の効果を有する。
本実施の形態6に係る照明ランプ106は、カバー2の端部と規制部材7との間に形成される隙間20(図8参照)に、弾性体12を配置したので、カバー2が延びたときにカバー2の端部に働く応力を分散することができ、カバー2が破損してしまうことを抑制することができる。
弾性体12は、実施の形態2〜5に係る照明ランプ102〜105に設けてもよい。
実施の形態7.
図10は、本実施の形態7に係る照明ランプのカバー2の短手方向Yに平行な面の断面図である。本実施の形態7では、実施の形態1〜6と共通する構成については同一符号を付し、相違点について中心に説明する。本実施の形態7では、実施の形態1に係る照明ランプ100の構成に加えて、カバー2のうちのヒートシンク4D側の部分に肉厚部13を形成したものである。
図10に示すように、カバー2は、ヒートシンク4Dに近接する側の部分が肉厚に形成された肉厚部13を有している。肉厚部13は、長手方向Xに延びるように形成されている。カバー2には肉厚部13が形成されているため、図示省略の規制部材7(図2参照)との接触面積を増大させることができる。これにより、カバー2と規制部材7とが押しつけ合ったときにカバー2に働く応力を分散することができ、カバー2が破損してしまうことを抑制することができる。
[実施の形態7に係る照明ランプの有する効果]
本実施の形態7に係る照明ランプは、実施の形態1に係る照明ランプ100と同様の効果を有することに加えて次の効果を有する。
本実施の形態7に係る照明ランプは、規制部材7とカバー2との接触面積を増やし、カバー2に働く応力を分散させることができ、カバー2が破損してしまうことを抑制することができる。
[変形例について]
図11は、本実施の形態7に係る照明ランプの変形例(照明ランプ107)の長手方向Xに平行な面の断面図である。図11に示す照明ランプ107は、実施の形態4に係る照明ランプ104の構成に加えて、カバー2に肉厚部13を形成し、さらに、肉厚部13を介してヒートシンク4Dに接続される第2の固定部材19を備えているものである。基部3A3を肉厚にした規制部3A7は、規制手段に対応する構成である。基部3A3のうちの規制部3A7の形成部分には、第2の固定部材19が挿入される開口部3A8が形成されている。
この変形例に係る照明ランプ107においても、規制部材7とカバー2との接触面積を増やし、カバー2に働く応力を分散させることができ、カバー2が破損してしまうことを抑制することができる。
2 カバー、2A 凸条部、2B 開口部、3A 給電口金、3A1 給電端子、3A2 給電口金筐体、3A3 基部、3A4 円筒状部、3A5 開口部、3A6 内側面、3A7 規制部、3A8 開口部、3B アース口金、3B2 アース口金筐体、4 発光ユニット、4A LEDパッケージ、4B 基板、4B1 接着層、4D ヒートシンク、4D1 円弧状部、4D2 平面部、4D3 開口部、4D4 開口部、7 規制部材、7A 基部、7B 開口部、7C 周縁部、8 第1の固定部材、9 第2の固定部材、10 貫通部材、11 接着剤層、12 弾性体、13 肉厚部、19 第2の固定部材、20 隙間、100 照明ランプ、102 照明ランプ、103 照明ランプ、104 照明ランプ、105 照明ランプ、106 照明ランプ、107 照明ランプ、500 照明器具、501 器具本体、501A 電源ボックス、502 給電ソケット、503 アースソケット、504 反射板、600 照明装置、X 長手方向、Y 短手方向。

Claims (13)

  1. 発光素子と、
    前記発光素子が設けられた長尺状の取付体と、
    前記取付体の長手方向に延びるように形成され、前記発光素子及び前記取付体を収容する筒状のカバーと、
    前記取付体の両方の端部側にそれぞれ固定され、前記カバーが前記長手方向に延びるのを規制する規制手段と、
    を備え、
    前記規制手段は、
    前記カバーの端部側に設けられている
    ことを特徴とする照明ランプ。
  2. 前記取付体は、
    前記カバーのうちの光出射側に対向する側に設けられている
    ことを特徴とする請求項1に記載の照明ランプ。
  3. 前記カバーの両方の端部にそれぞれ設けられた口金と、
    前記取付体の端部側に接続され、前記口金と前記取付体とを固定する第1の固定部材とをさらに備えた
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の照明ランプ。
  4. 前記カバーと前記取付体とを固定するように、前記カバーを貫通して前記取付体に接続された貫通部材をさらに備えた
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の照明ランプ。
  5. 前記取付体の端部側に接続され、前記規制手段と前記取付体とを固定する第2の固定部材をさらに備えた
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の照明ランプ。
  6. 前記規制手段は、
    前記取付体の端面に当接するとともに、前記カバーの端部との間に隙間が形成されるように構成された
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の照明ランプ。
  7. 前記規制手段と前記カバーとの間に設けられ、前記カバーの端部と当接する弾性体をさらに備えた
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の照明ランプ。
  8. 前記カバーは、
    前記取付体側の部分が肉厚形成された肉厚部を有し、
    前記肉厚部は、
    前記長手方向に延びるように形成されている
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の照明ランプ。
  9. 前記規制手段は、
    前記カバーの内周面と前記取付体の外周面との間に形成され、前記カバーと前記取付体とを接着する接着剤層で構成されている
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の照明ランプ。
  10. 前記口金は、
    前記カバー及び前記取付体の端部側に対向する基部と、前記基部の周縁に形成され、前記カバーが挿入される周縁部とを有し、
    前記基部は、
    前記取付体と対向する部分が前記長手方向に肉厚に形成されて構成された前記規制手段である
    ことを特徴とする請求項3、請求項3に従属する請求項4〜9のいずれか一項に記載の照明ランプ。
  11. 前記取付体は、
    金属で構成されたヒートシンクである
    ことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の照明ランプ。
  12. 前記発光素子は、LEDである
    ことを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の照明ランプ。
  13. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の照明ランプを備えた
    ことを特徴とする照明装置。
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