JP2015210145A - アンテナ診断装置 - Google Patents
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Abstract
Description
通常、被診断アレーアンテナの送信における故障診断を行う場合、被診断アレーアンテナに接続された送受信機より送信された信号を、被診断アレーアンテナを構成する各素子アンテナより放射し、その放射された電波をピックアップアンテナで受信し、受信した信号をピックアップアンテナに接続された送受信機で受信する。
一方、被診断アレーアンテナの受信における故障診断を行う場合、ピックアップアンテナに接続された送受信機より送信された信号をピックアップアンテナより放射し、その放射された電波を被診断アレーアンテナの各素子アンテナで受信し、被診断アレーアンテナに接続された送受信機で受信する。
各送受信機で受信された信号は、例えばその受信電力の振幅値や位相値、または特許文献2で記載された解析手法により、被診断アレーアンテナの故障、すなわち各素子アンテナの信号系統の故障を判定する。
ここで各素子アンテナの信号系統の故障とは、被診断アレーアンテナを構成する素子アンテナ、各素子アンテナに接続される可変移相器や増幅器等の送受信モジュール等の故障をいう。
また、相互結合量の減少を避けるために、対象としている素子アンテナとピックアップアンテナの距離が近くなるよう、被診断アレーアンテナの開口にまんべんなく複数のピックアップアンテナを設けている。
また、ピックアップアンテナが増えると、それらを合成または切り替える給電回路が複雑になる。
その対策として、被診断アレーアンテナの開口分布に影響を与えないために、被診断アレーアンテナの開口の端付近に設けることが考えられる。しかし、大きな開口のアレーアンテナの場合、被診断アレーアンテナの対象としている素子アンテナとピックアップアンテナの距離が遠くなり、対象としている素子アンテナとピックアップアンテナとの間に他の素子アンテナが多く存在することになる。この他の素子アンテナにより、対象としている素子アンテナとピックアップアンテナ間の電波が吸収され、素子アンテナとピックアップアンテナ間の相互結合量は自由空間伝搬損失の距離に対する損失の割合よりも減少する。相互結合量が減少することにより、対象としている素子アンテナによる信号電力が小さくなりすぎると、受信機の最小感度電力を下回り、対象としている素子アンテナの系統からの信号の振幅、位相が分からないため、故障判定ができなくなるという課題があった。
図1はこの発明の実施の形態1によるアンテナ診断装置100の構成を示すブロック図である。図1において、実施の形態1のアンテナ診断装置100は、アンテナ診断用のピックアップアンテナ1と、ピックアップアンテナに接続された送受信機2と、ピックアップアンテナ1と診断対象である被診断アレーアンテナ3を覆うレドーム4で構成される。
本実施の形態に係るレドーム4については、被診断アレーアンテナが搭載される艦船においてアレーアンテナの前方に設けられるレドームを、そのまま使用することが可能である。
すなわち、アレーアンテナの診断のために、別途、レドーム4を用意する必要はなく、アレーアンテナ3を搭載する艦船に設置されるレドームをそのまま用いることが可能である。これにより、余分のコストをかけることなく、アレーアンテナ3の診断を行うことができる。
なお、当然のことながら、アレーアンテナの診断用に別途レドーム4を製造しても構わない。
ピックアンプアンテナ1は被診断アレーアンテナ3のアンテナ開口端付近に設置される。また、ピックアンプアンテナ1は、ピックアップアンテナ1から被診断アレーアンテナ3を見たとき、ピックアップアンテナ1及び被診断アレーアンテナ3上に設置されるレドーム4に対し、ピックアップアンテナ1から放射された電波6の電界ベクトル7がレドーム4の入射面8に対して垂直になるように設置される。
また、ここではピックアップアンテナ1を送信アンテナ、被診断アレーアンテナ3を受信アンテナにした場合について説明をするが、送信と受信が逆になっても動作は同じであることは言うまでもない。
ピックアップアンテナ1からレドーム4に入射された電波6は、レドーム4の入射面8で反射され、その反射波9は被診断アレーアンテナ3の診断対象の系統の素子アンテナ5に到達する。
アンテナ診断装置100は、素子アンテナ5、送受信モジュール12、合成分配回路13を経由して送受信機14で受信された受信信号に基づき、例えばその受信信号電力の振幅値や位相値、または特許文献2で記載された解析手法により、被診断アレーアンテナの故障、すなわち各素子アンテナの信号系統の故障を判定する。
なお、図1では診断対象の素子アンテナを素子アンテナ5、送受信モジュールを送受信モジュール12と表す。また、被診断アレーアンテナ3において、診断対象の素子アンテナ5を除いた素子アンテナを素子アンテナ5’、診断対象の送受信モジュール12を除いた送受信モジュールを送受信モジュール12’と表す。
レドーム4からの反射波9と、相互結合としてピックアップアンテナ1から直接素子アンテナ5に到達した電波11は素子アンテナ5で受信され、送受信モジュール12、合成分配回路13を経て送受信機14に入力される。送受信モジュール12は増幅器、移相器等から構成される。
図2で示されるように、垂直入射201(入射面に対して電界が垂直方向に入射)のほうが、水平入射(入射面に対して電界が水平方向に入射)202よりも反射量が大きい。
図3において横軸はピックアップアンテナ1からの距離であり、縦軸はピックアップアンテナ1に入力された電力に対する素子アンテナ5で受信した電力の減衰量を表す。減衰量が0dBに近いほど、素子アンテナ5で受信した電力が大きいことを示す。
図3に示すように、ピックアンプアンテナから離れた素子アンテナで、実施の形態1によるレドームにおいて垂直入射で反射させて伝搬することにより、素子アンテナ5での受信電力を直接伝搬である相互結合よりも大きくできる。
これにより、アンテナ診断装置100においては、ピックアップアンテナ1から遠方に位置する被診断アレーアンテナの素子アンテナ5に対して、ピックアップアンテナ1からの相互結合による素子アンテナの受信電力よりも、レドーム4での反射による伝搬での素子アンテナの受信電力を大きくすることが可能となり、対象としている素子アンテナの系統の故障判定が可能となる。
Claims (5)
- アンテナ診断用のピックアップアンテナと、
前記ピックアップアンテナに接続されたアンテナ診断用送受信機と、
前記ピックアップアンテナから放射された電波を反射するレドームと、
診断対象のアンテナに接続された送受信機と、
からなるアンテナ診断装置であって、
前記レドームは、前記診断対象のアンテナ上に配置され、
前記診断対象のアンテナに接続された送受信機は、前記ピックアップアンテナから放射された電波が前記レドームで反射された反射波を受信することを特徴とするアンテナ診断装置。 - 前記ピックアップアンテナの電界面は、前記診断対象のアンテナの電界面と平行に配置されることを特徴とする請求項1記載のアンテナ診断装置。
- 前記ピックアップアンテナから放射された電波の電界ベクトルは前記レドームの入射面に対して垂直方向であることを特徴とする請求項1、2いずれか記載のアンテナ診断装置。
- 前記診断対象のアンテナは、アレーアンテナであることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載のアンテナ診断装置。
- 前記レドームは、前記診断対象のアンテナが搭載される艦船に設けられるレドームであることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載のアンテナ診断装置。
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