JP2015209738A - 遮熱瓦及びその製造方法 - Google Patents

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哲也 古賀野
Tetsuya Kogano
哲也 古賀野
一平 青木
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一平 青木
竜太 服部
Ryuta Hattori
竜太 服部
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Abstract

【課題】粘土瓦の遮熱性能を向上させる。【解決手段】遮熱瓦1は、粘土瓦9とその裏面に接着剤50で貼り付けられたアルミニウム箔40とからなる。その粘土瓦9は、本体部20と、本体部20の一側方のアンダーラップ10と、本体部20の他側方のオーバーラップ30とを有し、アンダーラップ10及びオーバーラップ30はそれぞれ葺設時に同段の隣の粘土瓦9のオーバーラップ30及びアンダーラップ10と重なる。そして、アルミニウム箔40は、本体部20の裏面内の少なくとも中央部を含む範囲に貼り付けられ、アンダーラップ10及びオーバーラップ30の裏面には貼り付けられていない。【選択図】図1

Description

本発明は、粘土瓦の遮熱性能を向上させるための技術に関する。
野地の上に粘土瓦が葺かれてなる一般的な屋根においては、粘土瓦が直射日光に曝されることで高温になり、その高温になった粘土瓦の裏面から下方へ熱が輻射されることで、野地等を介して屋内の温度が上昇するといった問題があった。そのため、粘土瓦には、遮熱性能を向上させるための工夫が施されてきた。そして、実際に遮熱性能を向上させるための措置が施された粘土瓦(以下、「遮熱瓦」という。)としては、例えば、次の従来例1〜3に示すものがある。
[従来例1]粘土瓦の表面に、日光の反射率を向上させる目的で、釉薬が塗られたもの。
[従来例2]粘土瓦の裏面に、下方への熱の輻射を抑制する目的で、金属粒子の遮熱層が塗装されたもの(特許文献2)。
[従来例3]粘土瓦の裏面に、下方への熱の輻射を抑制する目的で、金属粒子の遮熱層がメッキ又は蒸着されたもの。
また、粘土瓦ではないが、遮熱性能を向上させるための他の措置が施された屋根材としては、次の従来例4に示すものがある。
[従来例4]金属屋根の下の室内の天井面に、室内への熱の輻射を抑制する目的で、アルミニウム箔等の遮熱層を貼り付けたもの(特許文献3)。
特開2008−291544号公報 特開2012−112185号公報 特開2014−43762号公報
今後は、温暖化現象による夏場対策として、遮熱瓦の需要が高まることが予想される。そして、自治体も補助金新設などの動きがある。また、長期優良住宅や、品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)による雨漏り保証も留意すべき規定で、住宅建材の高耐久化は今後も重要なテーマとなる。その点、遮熱瓦により野地上のルーフィングの熱劣化を抑えることができれば、住宅建材の高耐久化に繋がるものと期待される。また、低炭素社会の構築、省エネルギー化の観点からも、遮熱瓦による住宅・建築分野の高断熱化、高気密化は更なる発展が期待されている。
しかしながら、従来例1〜4の遮熱瓦には、次に示す課題がある。すなわち、まず、従来例1では、粘土瓦の表面に釉薬を塗るので、瓦の表面の色が釉薬の色に染まってしまう。そのため、所望の瓦の色と同じ色の釉薬がある場合にしか、実施することができない。
また、従来例2では、金属粒子の遮熱層を塗装するので、無機又は有機溶剤の中に金属粉末が分散した状況となる。そのため、金属粒子が疎らになり易く、よって、あまり高い遮熱性能が得られない。
また、従来例3では、金属粒子の遮熱層をメッキし、又は蒸着させるので、遮熱層が厚くなり易く、よって、コストが高くなる傾向がある。そのため、大規模に実施するのが難しい。
また、従来例4では、屋根が、粘土瓦の屋根ではなく、金属屋根であるので、もともとの遮熱性能が低い。そのため、その下の室内の天井面にいくらアルミニウム箔等の遮熱層を貼り付けても、その遮熱性能には限界がある。また、遮熱層を設けるのが室内の天井面であるので、野地上のルーフィングの熱劣化については、抑制することができない。そして、このようにアルミニウム箔等の遮熱層を貼り付ける技術については、粘土瓦には採用されていない。その理由は、不明であるが、粘土瓦に対してアルミニウム箔等の遮熱層を剥れないように貼り付けるのが困難であるといった理由(以下、「理由1」という。)や、粘土瓦の裏面は、起伏が大きいので、その裏面に沿って全体にアルミニウム箔等の遮熱層を貼り付けるのは困難であるからといった理由(以下、「理由2」という。)が考えられる。
そこで、従来例1〜3の課題及び従来例4の理由1を同時に解決すること、すなわち、所望の瓦の色に関係なく実施できるようにし(従来例1)、高い遮熱性能が得られるようにし(従来例2)、遮熱層が厚くなり過ぎないようにし(従来例3)、遮熱層を粘土瓦から剥れ難くする(従来例4の理由1)ことを第1の目的とし、従来例4の理由2を解決すること、すなわち、遮熱層の貼付作業を簡単にすることを第2の目的とする。
[基本構造]
上記第1の目的を達成するため、本発明の遮熱瓦は、粘土瓦の裏面の少なくとも一部に、該裏面から下方への熱の輻射を抑制するためのアルミニウム箔が、接着剤により貼り付けられている。
また、上記第2の目的(アルミニウム箔の貼付作業の簡易化)を達成するため、本発明の遮熱瓦は次の態様であることが好ましい。すなわち、粘土瓦は、本体部と、本体部の一側方のアンダーラップと、本体部の他側方のオーバーラップとを有し、アンダーラップ及びオーバーラップはそれぞれ葺設時に同段の隣の粘土瓦のオーバーラップ及びアンダーラップと重なるものであり、アルミニウム箔は、本体部の裏面内の少なくとも中央部を含む範囲に貼り付けられ、アンダーラップ及びオーバーラップの裏面には貼り付けられていない態様である。
このような態様が好ましい理由は、具体的には次の通りである。すなわち、アルミニウム箔は、粘土瓦の裏面全体に貼れば、その遮熱効果は最も大きいが、裏面全体では起伏が大き過ぎるため、アルミニウム箔を一枚で貼るのは無理である。その一方、アルミニウム箔を細かく多数枚に分割して貼り付けていけば、手間になり、コストアップに繋がる。特に、アンダーラップ及びオーバーラップの裏面は起伏が大きいので、アルミニウム箔を貼り付けるのが手間になる。また、そのアンダーラップ及びオーバーラップは、それぞれ同段の隣の粘土瓦のオーバーラップ及びアンダーラップと重なるので、もともと遮熱性能は高い。よって、アンダーラップ及びオーバーラップは、その裏面にアルミニウム箔を貼り付ける手間及びコストの割には、それにより得られる遮熱効果が少ない。その点、本体部の中央部の裏面は、起伏が少なくて、アルミニウム箔を貼り付け易い。また、本体部の中央部は、周囲の粘土瓦と上下に重ならないので、もともと、アンダーラップ及びオーバーラップに比べて遮熱性能は低い。よって、本体部の中央部は、その裏面にアルミニウム箔を貼り付ける手間及びコストの割には、それにより得られる遮熱効果が大きい。そこで、アルミニウム箔は、上記のとおり、本体部の裏面内の少なくとも中央部を含む範囲に貼り付け、アンダーラップ及びオーバーラップの裏面には貼り付けないようにしたのである。
[アルミニウム箔]
本体部の裏面内のアルミニウム箔で覆う範囲は、特に限定されないが、平面視で、粘土瓦の少なくとも1つの釘孔にまで達することが好ましい。その理由は、次の通りである。すなわち、釘孔のある箇所は、粘土瓦の尻部とその上段の粘土瓦の頭部とが上下に重なる箇所なので、遮熱性能はもともと高いが、この箇所の加熱は、ルーフィングの釘の刺さった部分の周辺部(以下、「釘周辺部」という。)の加熱に繋がることで、雨漏りの原因となりかねない該釘周辺部の熱劣化を特に顕著に進行させるおそれがある。そのため、この釘周辺部の加熱は、少しでも多く抑えた方が好ましい。その点、アルミニウム箔が少なくとも1つの釘孔にまで達するようにするとともに、その釘孔に釘を打つようにすれば、ルーフィングの釘周辺部の熱劣化を少しでも多く抑えることができるからである。そして、そのような態様(アルミニウム箔が少なくとも1つの釘孔にまで達する態様)としては、特に限定されないが、次のア,イの態様を例示する。
(ア)本体部の尻部に少なくとも1つの釘孔が形成され、本体部の頭部は、葺設時に下段の粘土瓦の尻部の上に重なるように形成され、アルミニウム箔は、葺設時に下段の粘土瓦の少なくとも1つの釘孔の延長線上に存在するように、本体部の頭部の裏面にまでかかるように貼り付けられた態様。
(イ)本体部の尻部に少なくとも1つの釘孔が形成され、アルミニウム箔は、前記釘孔の少なくとも1つに達するように、本体部の尻部の裏面にまでかかるように貼り付けられた態様。
そして、前記アの態様の遮熱瓦が葺かれてなる屋根構造は、前記アルミニウム箔が延長線上に存在する釘孔に、釘が打たれていることが好ましい。また、前記イの態様の遮熱瓦が葺かれてなる屋根構造は、前記アルミニウム箔が達する釘孔に、釘が打たれていることが好ましい。
アルミニウム箔の流れ方向の長さは、特に限定されないが、粘土瓦の流れ方向の長さの55〜90%であることが好ましい。55%に満たないと充分な遮熱性能が得られないおそれがある一方、90%を超えると、アルミニウム箔が、粘土瓦の本体部の裏面内の平坦な範囲に納まり切らなくなるおそれがあるからである。前記アルミニウム箔の流れ方向の長さは、特に限定されないが、粘土瓦の流れ方向の長さの65〜85%であることがより好ましく、75〜85%であることが更に好ましい。
アルミニウム箔の幅は、特に限定されないが、粘土瓦の幅の40〜80%であることが好ましい。40%に満たないと充分な遮熱性能が得られないおそれがある一方、80%を超えると、アルミニウム箔が、粘土瓦の本体部の裏面内の平坦な範囲に納まり切らなくなるおそれがあるからである。前記アルミニウム箔の幅は、特に限定されないが、粘土瓦の幅の45〜65%であることがより好ましく、50〜60%であることが更に好ましい。
粘土瓦の本体部にその裏面から突出したリブが設けられた場合のアルミニウム箔の態様は、特に限定されないが、次のa,bの態様を例示する。
(a)アルミニウム箔は、厚さが7〜20μmであり、リブに沿って貼り付けられてリブを覆った態様。ここで、アルミニウム箔の厚さが7〜20μmなのは、7μmに満たないと、充分な遮熱性能が得られないおそれがある一方、20μmを超えると、リブに沿って曲げ難くなるからである。
(b)アルミニウム箔にはリブを通すためのリブ孔が貫設された態様。
上記aの態様のより具体的な態様は、特に限定されないが、アルミニウム箔を粘土瓦の裏面により沿わせ易くする目的で、次のa1又はa2の態様であることが好ましい。
(a1)前記リブの高さは5mm以下であり、粘土瓦の裏面のアルミニウム箔を貼り付ける範囲内のその他の凹凸も、一般面に対して±5mmの範囲内である態様。但し、前記一般面は、凹凸のない状態での面をいい、平面や曲面やそれらが歪んでなる変形面等を例示する。ここで、凹凸が一般面に対して±5mmの範囲内であるのは、5mmを超える凹凸があると、厚さが7〜20μmのアルミニウム箔では、十分に該凹凸に沿って曲げ難くなるからである。
(a2)前記リブの側面は、一般面からなだらかに起き上がった態様。リブの側面が、一般面から垂直に又は急勾配で起き上がっているのではなく、なだらかに起き上がっている場合には、アルミニウム箔を該リブに沿わせ易くなるからである。
[接着剤]
接着剤は、特に限定されないが、エポキシ樹脂を主成分とする二液を混合して使用する二液エポキシ系の接着剤であることが好ましい。また、接着剤の粘度は、特に限定されないが、0.5〜20Pa・sであることが好ましい。0.5Pa・s以上だと、粘土瓦の裏面のポーラスが埋められて該裏面とアルミニウム箔とが強固に接着されることが期待される一方、20Pa・sを超えると、接着剤が均等に広がり難くなるおそれがあるからである。
[製造方法]
また、同第1の目的を達成するため、本発明の遮熱瓦の製造方法は、粘土瓦の裏面に接着剤を付け、その接着剤にアルミニウム箔を当て、スポンジでアルミニウム箔を粘土瓦の裏面に押圧することで、アルミニウム箔を接着剤で粘土瓦の裏面に貼り付ける。
この製造方法の具体的な態様は、特に限定されないが、次のア又はイの態様であることが好ましい。
(ア)粘土瓦の裏面のアルミニウム箔を貼り付ける部位には、流れ方向に延びるリブが突設され、スポンジのアルミニウム箔を押圧する押圧面の長さは、アルミニウム箔の流れ方向の長さよりも長く、該押圧面の幅は、アルミニウム箔の幅の25〜120%であり、アルミニウム箔の押圧は、まず、スポンジの押圧面でアルミニウム箔のリブよりも幅方向一方側の部位を押圧し、次に、該押圧面でアルミニウム箔のリブよりも幅方向他方側の部位を押圧し、次に、該押圧面でアルミニウム箔のリブを覆う部位を押圧することで行う態様。
ここで、アルミニウム箔のリブよりも幅方向一方側の部位の押圧や、幅方向他方側の部位の押圧は、一回で行ってもよいし、数回に分けて行ってもよい。そして、ここで、スポンジの押圧面の幅が、アルミニウム箔の幅の25〜120%なのは、25%に満たないと、リブよりも幅方向一方側の部位又は他方側の部位を一回の押圧で十分に広く押圧できないことで押圧回数が多くなり過ぎるおそれがある一方、120%を超えると、スポンジが大きくなり過ぎることで操作性が悪くなるおそれがあるからである。該押圧面の幅は、アルミニウム箔の幅の40〜80%であることがより好ましく、50〜60%であることが更に好ましい。また、アルミニウム箔のリブよりも幅方向一方側の部位の押圧や、幅方向他方側の部位の押圧は、作業効率が良くなる点で、それぞれ一回ずつで行うことが好ましい。
(イ)スポンジのアルミニウム箔を押圧する押圧面の長さは、アルミニウム箔の流れ方向の長さよりも長く、該押圧面の幅は、アルミニウム箔の幅よりも大きく、アルミニウム箔の押圧は、スポンジの押圧面でアルミニウム箔全体を一回で押圧することで行う態様。
また、更に、前記スポンジの押圧面が接着剤で汚れてきても、その接着剤がアルミニウム箔に付着しないように、前記製造方法は、より具体的には、次の態様であることが好ましい。すなわち、アルミニウム箔の押圧時には、アルミニウム箔の粘土瓦側とは反対側の面は紙で覆われ、該押圧は、スポンジで紙を介してアルミニウム箔を押圧することで行い、該押圧後にアルミニウム箔から紙を剥がす態様である。
本発明によれば、次の1〜4の効果を得ることができる。
[1]アルミニウム箔を貼るのは粘土瓦の裏面なので、粘土瓦の色とアルミニウム箔の色とが異なっても特に問題はない。よって、粘土瓦の表面に遮熱用の釉薬を塗る場合(従来例1)とは違い、所望の瓦の色に関係なく実施することができる。
[2]アルミニウム箔を貼り付けるので、金属粒子の遮熱層を塗装する場合(従来例2)とは違い、金属粒子が疎らになる心配がない。よって、該塗装する場合に比べて、高い遮熱性能が得られる。
[3]アルミニウム箔を貼り付けるので、メッキや蒸着で金属粒子の遮熱層を施す場合(従来例3)とは違い、遮熱層が厚くなり過ぎる心配がない。
[4]アルミニウム箔は接着剤で貼り付けるので、粘土瓦の裏面からアルミニウム箔が剥れ落ちる心配がない。
よって、従来例1〜3の課題及び従来例4の理由1を同時に解決することができる。
実施例1の遮熱瓦を示す(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は底面図(d)は部分拡大断面図(Id−Id断面)である。 実施例1の遮熱瓦の葺設時を示す側面断面図(図3中のII−II断面)である。 実施例1の遮熱瓦の葺設時を示す平面側である。 実施例1の遮熱瓦の製造工程を(a)〜(c)に示す平面図である。 実施例1の遮熱瓦の製造工程の続きを(d)〜(f)に示す平面図である。 実施例1の遮熱瓦の製造工程の続きを(g)〜(i)に示す平面図である。 (a)は試験1を示す側面図、(b)は試験3を示す側面断面図(図3中のVIIb−VIIb断面)である。 実施例2の遮熱瓦の葺設時を示す平面側である。 実施例3の遮熱瓦を示す(a)は平面図、(b)は側面図、(c)は底面図である。 実施例4の遮熱瓦を示す(a)は底面図、(b)は部分拡大断面図(Xb−Xb断面)、(c)は分解底面図である。 (a)は実施例5の遮熱瓦を示す底面図、(b)は実施例6の遮熱瓦の製造工程の1つを示す平面図である。
以下、本発明の遮熱瓦を図面を参照に説明する。なお、図中の二点差線のハンチングは、アルミニウム箔を分かり易いように示すものであり、断面を示すものではない。
[基本構造]
図1〜図6に示す実施例1の遮熱瓦1は、次に示す粘土瓦9と、アルミニウム箔40とを含み構成されている。
その粘土瓦9は、本体部20と、本体部20の一側方のアンダーラップ10と、本体部20の他側方のオーバーラップ30とを有している。そして、アンダーラップ10及びオーバーラップ30はそれぞれ葺設時に同段の隣の粘土瓦9のオーバーラップ30及びアンダーラップ10と重なる。
また、アルミニウム箔40は、粘土瓦9の裏面から下方への熱の輻射を抑制するため遮熱材であって、粘土瓦9の本体部20の裏面内の少なくとも中央部を含む範囲に接着剤50で貼り付けられている。そして、このアルミニウム箔40は、アンダーラップ10及びオーバーラップ30の裏面には貼り付けられていない。
[粘土瓦9]
本体部20は、その中央部及び頭部に、周囲に比べて下方に凹んだ状態で流れ方向及び幅方向に平坦に延びる平坦部22が設けられている。そして、平坦部22には、その裏面から突出したリブ23a,23bが設けられている。そのリブ23a,23bは、粘土瓦9の生産工程で粘土瓦9が捩れるのを防止するためのものであって、それぞれ流れ方向に延びている。そのリブ23a,23bは、平坦部22の裏面の幅方向中央部に突設された中央のリブ23bと、平坦部22の裏面のアンダーラップ10側の端部に突設されたサイドのリブ23aとを含み構成されている。そして、平坦部22の裏面のアルミニウム箔40が貼り付けられる範囲内には、サイドのリブ23aは入らないが、中央のリブ23bは入る。その中央のリブ23bの高さは5mm以下であり、それによって、平坦部22の裏面のアルミニウム箔40が貼り付けられる範囲内の凹凸は、一般面(平面)に対して±5mmの範囲内に抑えられている。
本体部20の頭部は、葺設時に下段の粘土瓦9の尻部の上に重なるように形成されている。その本体部20の頭部の前端部には、下方に突出した見付け部21,21が設けらている。また、本体部20の尻部には、下方に突出した2本の尻剣25a,25bが幅方向に並べて設けられている。また、本体部20の尻部の2本の尻剣25a,25bよりも前方の部位には、2つの釘孔24a,24bが幅方向に並べて貫設されている。また、本体部20の尻部の表面には、葺設時に上段(流れ方向上流側)の粘土瓦9のアンダーラップ10を係止するための係止突起26が突設されている。
また、アンダーラップ10の表面には、流れ方向に延びる2本の水切り11a,11bが幅方向に並べて設けられている。そして、そのうちの幅方向外側の水切り11aの前部には、幅方向内側に凹んだ、葺設時に下段(流れ方向下流側)の粘土瓦9の係止突起26との干渉を避けるための凹部12が設けられている。また、オーバーラップ30の裏面には、流れ方向に延びる1本の水切り31が設けられている。
この粘土瓦9は、流れ方向の長さが352mm程度であり、幅が344mm程度であり、厚さ方向の肉厚が12mm程度である。
[アルミニウム箔40]
アルミニウム箔40は、葺設時に下段の粘土瓦9の一方の釘孔24bの延長線上に存在するように、本体部20の頭部の裏面にまでかかるように貼り付けられている。詳しくは、このアルミニウム箔40は、本体部20の平坦部22の裏面に貼り付けられている。そして、葺設時には、平面視(流れ方向及び幅方向の両方に直交する方向側からみた平面視)で、下段の遮熱瓦1,1のアルミニウム箔40,40及び上段の遮熱瓦1,1のアルミニウム箔40,40と、流れ方向に連続するようになっている。また、このアルミニウム箔40は、中央のリブ23bの部分では、リブ23bに沿って貼り付けられてリブ23bを覆っている。
このアルミニウム箔40の流れ方向の長さは、280mm程度であり、よって、粘土瓦9の流れ方向の長さの80%程度である。詳しくは、このアルミニウム箔40は、頭部の端から流れ方向上流側に15〜295mmの範囲内に貼り付けられている。また、このアルミニウム箔40の幅は、190mm程度であり、よって、粘土瓦9の幅の55%程度である。また、このアルミニウム箔40の厚さは、7〜20μmであることが好ましい。
[接着剤50]
接着剤50は、エポキシ樹脂を主成分とする二液を混合して使用する二液エポキシ系の接着剤である。この接着剤50の粘度は、15Pa・s程度である。
[屋根構造]
そして、この遮熱瓦1,1・・が葺かれてなる本実施例1の屋根構造は、次のようになっている。すなわち、野地板81と、その上に設けられたルーフィング82と、その上に流れ方向に間隔をおいて並設された複数本の桟木83,83・・と、その桟木83に尻剣25a,25bが引っ掛けられて葺かれた複数枚の遮熱瓦1,1・・とからなり、前記一方の釘孔24b(アルミニウム箔40が延長線上に存在する釘孔)に、釘88が打たれている。なお、もう一方の釘孔24aについては、強度が特に必要な場合等にのみ釘が打たれる。
次に本実施例1の遮熱瓦1の製造方法を説明する。
[1]まず、粘土瓦9と、アルミニウム箔40と、スポンジ75とを用意する。そのスポンジ75は、アルミニウム箔40を粘土瓦9の裏面に押圧するためのものであって、アルミニウム箔40を押圧する押圧面の長さは、320mm程度であり、よって、アルミニウム箔40の流れ方向の長さ(280mm程度)よりも長い。また、該押圧面の幅は、105mm程度であり、よって、アルミニウム箔40の幅(190mm程度)の55%程度である。
[2]次に、その粘土瓦9を、図4(a)に示すように、裏面を上にして作業台の上に置く。
[3]次に、図4(b)に示すように、粘土瓦9の本体部20の裏面に接着剤50を付ける。
[4]次に、図4(c)に示すように、その接着剤50に、裏面が紙74で覆われたアルミニウム箔40の表面を当てる。
[5]次に、図5(d)に示すように、指先等でアルミニウム箔40及び紙74の裏面から中央のリブ23bを押すことでリブ23bの位置を確認するとともに、アルミニウム箔40及び紙74にリブ23bの跡を付ける。
[6]次に、アルミニウム箔40及び紙74のリブ23bの幅方向一方(図ではアンダーラップ10側)の側面を覆う部位を、スポンジ75の側面でエッジを利かせるように押圧してから、図5(e)に示すように、アルミニウム箔40及び紙74のリブ23bよりも幅方向一方の部位を、スポンジ75の押圧面で押圧する。なお、このとき、スポンジ75は、サイドのリブ23aには当たらない。
[7]次に、アルミニウム箔40及び紙74のリブ23bの幅方向他方(図ではオーバーラップ30側)の側面を覆う部位を、スポンジ75の側面でエッジを利かせるように押圧してから、図5(f)に示すように、アルミニウム箔40及び紙74のリブ23bよりも幅方向他方の部位を、スポンジ75の押圧面で押圧する。
[8]次に、図6(g)に示すように、アルミニウム箔40及び紙74のリブ23bの頂部を覆う部位を、スポンジ75の押圧面で押圧する。
[9]次に、図6(h)に示すように、該押圧を止めてから、図6(i)に示すように、アルミニウム箔40の裏面から紙74を剥がす。これにより、遮熱瓦1が完成する。
本実施例1によれば、次のA〜Iの効果を得ることができる。
[A]粘土瓦9の本体部の裏面にアルミニウム箔40を貼り付けることで、遮熱性能を向上させることができる。また、アルミニウム箔40なので、ステンレス箔等に比べて、コスト安である。
その遮熱効果を確認するため、次の試験1を行った。すなわち、図7(a)に示すように、粘土瓦9の裏面に試験体Xを貼り付け、その粘土瓦9を屋外の直射日光の下に4時間程度おき、その間における粘土瓦9の中央部の裏面の所定の位置(以下、「観測位置P1」という。)での温度と、ルーフィング82の表面の前記観測位置P1の真下に位置する部位(以下、「観測位置P2」という。)での温度とを測定した。なお、観測位置P1の底面視での位置は、図1(c)にP1で示す位置である。また、観測位置P1から観測位置P2までの距離は15mmである。
その結果は、ルーフィング82の表面の観測位置P2での最高温度は、粘土瓦9の裏面に試験体Xとして何も貼り付けない場合に比べて、試験体Xとして、アルミニウム箔(厚さ10μm)、アルミテープ、断熱材(商標名「スタイロフォーム」)及びステンレステープを貼り付けた場合は顕著に低かった。具体的には、アルミニウム箔を貼り付けた場合は4.6℃低く(試験1−1)、アルミテープを貼り付けた場合は5.2℃低く(同試験1−1)、断熱材(商標名「スタイロフォーム」)を貼り付けた場合は5.1℃低く(試験1−3)、ステンレステープを貼り付けた場合には5.4℃低かった(試験1−4)。また、該観測位置P2での最高温度は、粘土瓦9の裏面に試験体Xとして何も貼り付けない場合に比べて、試験体Xとして断熱塗装コートをした場合は、若干低かった(試験1−2)。具体的には、ある種の断熱塗装コート(断熱塗装3コート)をした場合は2.9℃低く、別の断熱塗装コート(断熱塗装1コート)をした場合には1.3℃低かった。その一方、試験体Xとして、スノーホワイト色の釉薬を塗った場合(試験1−1)や、アルミスクラッチやビニールテープを貼り付けた場合(試験1−5,1−6)は、効果がなく、逆に該観測位置P2での最高温度は、試験体Xとして何も貼り付けない場合に比べて、それぞれ、2.2℃、4.2℃、3.0℃上昇した。その温度上昇の理由は不明である。
この試験1の結果を次の表1にまとめる。なお、この試験1及び後述の試験2,4,5で使用した粘土瓦9は、いずれも当社(株式会社鶴弥)製の瓦「クールブラック」である。
Figure 2015209738
また、アルミニウム箔40の厚さやその他の条件等の違いによる遮熱性能の違いを確認するために、次の試験2を行った。その試験2の試験方法は、試験1の試験方法と比較して、屋内で赤外線ランプを使って行った点で相違し、その他の点で同様である。その赤外線ランプの消費電力は240Wであり、赤外線ランプから粘土瓦9の表面までの距離は、394mmである。その赤外線ランプの照射時間は、4時間程度であり、その間における観測位置P1,P2での温度を測定した。
その結果は、ルーフィング82の表面の観測位置P2での最高温度は、粘土瓦9の裏面に試験体Xとして何も貼り付けない場合に比べて、試験体Xとして厚さ7μmのアルミニウム箔を貼り付けた場合は5.2℃低下く(試験2−2)、厚さ10μmのアルミニウム箔を貼り付けた場合は5.5℃低かった(試験2−1)。また、該観測位置P2での最高温度は、厚さ11μmのアルミニウム箔を貼り付けた場合に比べて、厚さ10μmのアルミニウム箔を貼り付けた場合は略同じ(試験2−3)で、厚さ20μmのアルミニウム箔を貼り付けた場合は0.5℃低かった(試験2−4)。一方、該最高温度は、厚さ7μmのアルミニウム箔を貼り付けた場合に比べて、厚さ40μmのアルミニウム箔を貼り付けた場合も、上記の試験2−4(11μm対20μm)と同じ0.5℃しか低下しなかった(試験2−5)。よって、アルミニウム箔の厚さは、7〜20μmの範囲では、該厚さを厚くしていくに従い、遮熱性能は徐々に向上するが、20μmを超えると、該厚さを厚くしていっても、遮熱性能はあまり変わらないと予想される。
また、該観測位置P2での最高温度は、粘土瓦の裏面に厚さ11μmのアルミニウム箔を表裏正しく、すなわち、裏面(ルーフィング82側の面)が光沢面になるように貼り付けた場合に比べて、表裏反対に、すなわち、裏面が非光沢面になるように貼り付けた場合には、0.9℃高かった(試験2−6)。よって、アルミニウム箔は、裏面(ルーフィング82側の面)が光沢面になるように貼り付けた場合の方が、遮熱効果が高いことが確認された。
また、該観測位置P2での最高温度は、粘土瓦9の裏面に試験体Xとして何も貼り付けない場合に比べて、試験体Xとして厚さ10μmのアルミニウム箔をその裏面(ルーフィング82側の面)が接着剤で汚れた状態で貼り付けた場合は1.6℃低くなった(試験2−7)。これは、アルミニウム箔が汚れていない場合の試験2−1(5.5℃低下)に比べて、低下幅が3.9℃も小さい。よって、アルミニウム箔の裏面が接着剤で汚れている場合には、遮熱性能が低下することが確認された。
以上の結果を次の表2にまとめる。
Figure 2015209738
[B]上記Aの通り、遮熱性能が向上することで、ルーフィング82の熱劣化速度を抑え、長期に渡ってルーフィング82の性能を維持できる。また、遮熱性能が向上することで、ルーフィング82の下方の居室内の温度上昇を抑えることができ、省エネ効果が期待できる。また、冬季には、反対に居室内の熱が屋外に逃げ難くなる効果が期待できる。
[C]アルミニウム箔40を貼るのは粘土瓦9の裏面なので、粘土瓦9の色と遮熱層(アルミニウム箔)の色とが異なっても特に問題はない。よって、所望の瓦の色に関係なく実施することができる。
[D]アルミニウム箔40を貼り付けるので、塗装する場合とは違い、アルミニウムの粒子が疎らになる心配がない。よって、該塗装する場合に比べて、高い断熱性能が得られる。また、メッキする場合や蒸着させる場合とも違い、アルミニウムの層が厚くなり過ぎる心配がない。
[E]粘土瓦9の裏面にアルミニウム箔40を接着剤50で貼り付けるので、葺設作業前や葺設作業時や葺設作業後(葺設時)に、粘土瓦9の裏面からアルミニウム箔40が剥れ落ちてしまう心配がない。
[F]アルミニウム箔40は、粘土瓦9の裏面のうち、手間及びコストの割りには遮熱効果の大きい本体部20の平坦部22の裏面には貼り、手間及びコストの割りには遮熱効果の小さいアンダーラップ10及びオーバーラップ30の裏面には貼らないので、貼付作業を困難にすることなく、効率よく遮熱効果を高めることができる。
[G]アルミニウム箔40は、前記一方の釘孔24bの延長線上に存在しているので、ルーフィング82の釘88の周辺部分が加熱され難い。そのため、雨漏り等の原因となりかねない釘88の周辺部分の熱劣化が抑えられ、ルーフィング82が長持ちするようになる。また、上段の粘土瓦9のアンダーラップ10を係止する係止突起26があるので、葺設時に粘土瓦9が幅方向にずれ難く、そのため、アルミニウム箔40が、前記一方の釘孔24bの延長線上から外れ難い。
釘88の周辺部分での遮熱効果を確認するため、次の試験3を行った。すなわち、図7(b)に示すように、3枚の粘土瓦9の裏面に試験体Xを貼り付け、その3枚の粘土瓦9を下段2枚、上段1段で、葺設時の位置関係で屋内の赤外線ランプLの下に4時間程度おき、その間における、下段の粘土瓦9の裏面における該粘土瓦9の前記一方の釘孔24bの周辺に位置する部位(以下、「観測位置P3」という。)での温度と、ルーフィング82の表面の前記観測位置P3の真下(流れ方向及び幅方向の両方に直交する方向を上下方向にみて真下)にくる位置(以下、「観測位置P4」という。)での温度を測定した。なお、観測位置P3,P4の平面視での位置は、図3及び図8にP3,P4で示す位置である。また、観測位置P3から観測位置P4までの距離は35mmである。また、赤外線ランプの消費電力は240Wであり、赤外線ランプLから粘土瓦9の表面までの距離は、394mmである。
その結果は、ルーフィングの表面の観測位置P4での最高温度は、粘土瓦9の裏面に試験体Xとして、後述の実施例2のように長さ230mmのアルミニウム箔40を前記一方の釘孔24bの延長線上に存在しないように貼り付けた場合に比べて、本実施例1のように長さ280mmのアルミニウム箔40を前記一方の釘孔24bの延長線上に存在するように貼り付けた場合は、1.8℃低かった(試験3−1)。よって、アルミニウム箔40が前記一方の釘孔24bの延長線上に存在することで、ルーフィング82の表面の釘88の周辺部の温度が低下することが確認された。
また、該観測位置P4での最高温度は、粘土瓦9の裏面に何も貼り付けない場合に比べて、後述の実施例2のように長さ230mmのアルミニウム箔を前記一方の釘孔24bの延長線上に存在しないように貼り付けた場合は、4.5℃低く(試験3−3)、本実施例1のように長さ280mmのアルミニウム箔を釘孔24bの延長線上に存在するように貼り付けた場合は、4.9℃低かった(試験3−2)。よって、このことからも、アルミニウム箔40が前記一方の釘孔24bの延長線上に存在する方が、存在しないよりも、ルーフィング82の表面の釘88の周辺部の温度が低下することが確認された。
この試験3の結果を次の表3にまとめる。なお、この試験3で使用した粘土瓦9は、当社(株式会社鶴弥)製の瓦「マットブラック」であり、アルミニウム箔40の厚さは、いずれも9μmである。
Figure 2015209738
[H]スポンジ75でアルミニウム箔40を、上記の通り、3回に分けて粘土瓦9の裏面に押圧するので、リブ23bがある場合でも、アルミニウム箔40を粘土瓦9の裏面に、簡単かつ綺麗に貼り付けることができる。また、このように綺麗に貼り付けることで、アルミニウム箔と粘土瓦9の裏面との間に空気も溜まり難くなる。
[I]アルミニウム箔40の押圧時には、アルミニウム箔40の裏面が紙74で覆われるので、スポンジ75の押圧面が接着剤50で汚れてきても、その接着剤50がアルミニウム箔40の裏面に付着し難い。
図8に示す実施例2の遮熱瓦2は、実施例1と比較して、アルミニウム箔40が流れ方向に50mm程度短く(長さ230mm程度)、そのため、粘土瓦9の頭部にまでかかっておらず、よって、葺設時にアルミニウム箔40が下段の粘土瓦9の前記一方の釘孔24bの延長線上に存在しない点で相違し、その他の点で同様である。本実施例2によれば、実施例1に記載のGを除くA〜Iの効果を得ることができる。
図9に示す実施例3の遮熱瓦3は、実施例1と比較して、アルミニウム箔40が後方に50mm程度シフトした状態で貼り付けられているため、葺設時にアルミニウム箔40が下段の粘土瓦9の前記一方の釘孔24bの延長線上には存在しないが、自身の尻部の釘孔24a,24bにまで達している点で相違し、その他の点で同様である。本実施例3によれば、実施例1に記載のGを除くA〜Iの効果に加え、次のG’の効果を得ることができる。
[G’]自身の尻部の釘孔24a,24bにまでアルミニウム箔40が達しているので、ルーフィング82の表面の釘88の周辺部分が加熱され難い。そのため、雨漏り等の原因となりかねない釘88の周辺部分の熱劣化が抑えられ、ルーフィング82が長持ちするようになる。
図10に示す実施例4の遮熱瓦4は、アルミニウム箔40にリブ23bを通すためのリブ孔43(トムソン加工)が設けられている点で相違し、その他の点で同様である。本実施例4でも、実施例1に記載のA〜Iの効果に加え、接着時にアルミニウム箔40にしわが発生し難くなり、それによる破れも発生し難くなるといった効果を得ることができる。
本実施例4での遮熱性能を確認するために、次の試験4を行った。その試験4の試験方法は、試験2の試験方法と同様である。
その結果は、ルーフィング82の表面の観測位置P2での最高温度は、粘土瓦9の裏面に試験体Xとして、前述の実施例1のようにリブ孔を備えないアルミニウム箔を貼り付けた場合に比べて、本実施例4のようにリブ孔を備えたアルミニウム箔を貼り付けた場合は、2.0℃高かった(試験4−1)。よって、リブ孔は、無いよりも有る方が遮熱性能は悪くなることが確認された。しかしながら、それでも、試験2−1(−5.5℃)とこの試験4−1(+2.0℃)との対比からは、リブ孔が有る場合(実施例4)でも、粘土瓦9の裏面に何も貼り付けない場合に比べると、差し引き3.5℃程度低くなることが期待される。
この試験4の結果を次の表4にまとめる。なお、この試験4で使用したアルミニウム箔40の厚さは、いずれも10μmである。
Figure 2015209738
図11(a)に示す実施例5の遮熱瓦は、実施例1と比較して、アルミニウム箔40及び接着剤50の代わりに、アルミニウム箔40及び接着剤50が一体となったアルミテープを使用する点、及び接着剤50の種類で相違し、その他の点で同様である。
また、その遮熱瓦の製造方法は、粘土瓦9の裏面に接着剤50を塗ることなく、また、アルミテープの裏面を紙74で覆うことなく、そのままアルミテープをスポンジ75で粘土瓦9の裏面に貼り付ける点で相違し、その他の点で同様である。
本実施例5では、実施例1に記載のA〜Gに加え、アルミニウム箔40(アルミテープ)をより簡単に粘土瓦9の裏面に貼り付けることができるといった効果を得ることができる。
本実施例5での遮熱性能を確認するために、次の試験5を行った。その試験5の試験方法は、試験2の試験方法と同様である。なお、ここで試験体Xとして使用したアルミテープA,Bは、どちらも、厚さ50μmのアルミニウム箔とアクリル系接着剤とからなる、全体の厚さが80μmのテープであり、アルミテープAは艶がなく、アルミテープBは艶がある。また、同じく試験体Xとして使用したアルミニウムテープCは、厚さ7μmのアルミニウム箔とポリエチレンネットとブチルゴム系の粘着剤とからなる、全体の厚さが500μmのテープである。
その試験の結果は、次の通りであった。すなわち、ルーフィング82の表面の観測位置P2での最高温度は、粘土瓦9の裏面に試験体Xとして何も貼り付けない場合に比べて、アルミテープBを貼り付けた場合は、6.1℃低かった(試験5−1)。また、該観測位置P2での最高温度は、粘土瓦9の裏面に試験体Xとして、アルミテープAを貼り付けた場合に比べて、アルミテープBを貼り付けた場合は、略同じ(−0.2℃)であった(試験5−2)。
また、該観測位置P2での最高温度は、粘土瓦9の裏面に試験体XとしてアルミテープBを貼り付けた場合に比べて、アルミテープCを貼り付けた場合は、4.1℃高かった(試験5−3)。しかし、それでも、試験5−1(−6.1℃)とこの試験5−3(+4.1℃)との対比から、該観測位置P2での最高温度は、粘土瓦9の裏面に試験体Xとして何も貼り付けない場合に比べて、アルミテープCを貼り付けた場合は、差し引き2.0℃程度低下するものと予想される。よって、該観測位置P2での最高温度は、粘土瓦9の裏面に何も貼り付けない場合に比べると、アルミテープA〜Cのいずれを貼り付けた場合にも、低くなることが分かる。
この試験5の結果を次の表5にまとめる。
Figure 2015209738
図11(b)に示す実施例6は、実施例1と比較して、その製造方法のみが相違する。具体的には、スポンジ75の押圧面の幅は、アルミニウム箔40の幅よりも大きい点、及び実施例1の[5]〜[8]の作業を行う代わりに、スポンジ75の押圧面でアルミニウム箔40全体を粘土瓦9の裏面に一回で押圧する点で相違し、その他の点で同様である。本実施例6によれば、実施例1に記載のHを除くA〜Iの効果に加え、次のH’の効果を得ることができる。
[H’]粘土瓦9の裏面にアルミニウム箔40を貼り付けるときには、アルミニウム箔40よりも大きいスポンジ75の該押圧面でアルミニウム箔40を押圧するので、アルミニウム箔40を粘土瓦9の裏面に一回の押圧で貼り付けることができる。
なお、本発明は前記実施例の構成に限定されるものではなく、発明の趣旨から逸脱しない範囲で適宜変更して具体化することもできる。
1 遮熱瓦(実施例1)
2 遮熱瓦(実施例2)
3 遮熱瓦(実施例3)
4 遮熱瓦(実施例4)
5 遮熱瓦(実施例5)
6 遮熱瓦(実施例6)
9 粘土瓦
10 アンダーラップ
20 本体部
23b 中央のリブ
24a 釘孔
24b 釘孔(一方の釘孔)
30 オーバーラップ
40 アルミニウム箔
43 リブ孔
50 接着剤
74 紙
75 スポンジ

Claims (11)

  1. 粘土瓦(9)の裏面の少なくとも一部に、該裏面から下方への熱の輻射を抑制するためのアルミニウム箔(40)が、接着剤(50)により貼り付けられた遮熱瓦。
  2. 粘土瓦(9)は、本体部(20)と、本体部(20)の一側方のアンダーラップ(10)と、本体部(20)の他側方のオーバーラップ(30)とを有し、アンダーラップ(10)及びオーバーラップ(30)はそれぞれ葺設時に同段の隣の粘土瓦(9)のオーバーラップ(30)及びアンダーラップ(10)と重なるものであり、
    アルミニウム箔(40)は、本体部(20)の裏面内の少なくとも中央部を含む範囲に貼り付けられ、アンダーラップ(10)及びオーバーラップ(30)の裏面には貼り付けられていない請求項1記載の遮熱瓦。
  3. 本体部(20)の尻部に、少なくとも1つの釘孔(24a,24b)が形成され、本体部(20)の頭部は、葺設時に下段の粘土瓦(9)の尻部の上に重なるように形成され、
    アルミニウム箔(40)は、葺設時に下段の粘土瓦(9)の少なくとも1つの釘孔(24b)の延長線上に存在するように、本体部(20)の頭部の裏面にまでかかるように貼り付けられた請求項2記載の遮熱瓦。
  4. 本体部(20)の尻部に、少なくとも1つの釘孔(24a,24b)が形成され、
    アルミニウム箔(40)は、前記釘孔(24a,24b)の少なくとも1つに達するように、本体部(20)の尻部の裏面にまでかかるように貼り付けられた請求項2記載の遮熱瓦。
  5. 本体部(20)には、その裏面から突出したリブ(23b)が設けられ、アルミニウム箔(40)は、厚さが7〜20μmであり、リブ(23b)に沿って貼り付けられてリブを覆った請求項2〜4のいずれか一項に記載の遮熱瓦。
  6. 本体部(20)には、その裏面から突出したリブ(23b)が設けられ、アルミニウム箔(40)にはリブ(23b)を通すためのリブ孔(43)が貫設された請求項2〜4のいずれか一項に記載の遮熱瓦。
  7. 接着剤(50)は、エポキシ樹脂を主成分とする二液を混合して使用する二液エポキシ系の接着剤である請求項1〜6のいずれか一項に記載の遮熱瓦。
  8. 粘土瓦(9)の裏面に接着剤(50)を付け、その接着剤(50)にアルミニウム箔(40)を当て、スポンジ(75)でアルミニウム箔(40)を粘土瓦(9)の裏面に押圧することで、アルミニウム箔(40)を接着剤(50)で粘土瓦(9)の裏面に貼り付ける遮熱瓦の製造方法。
  9. 粘土瓦(9)の裏面のアルミニウム箔(40)を貼り付ける部位には、流れ方向に延びるリブ(23b)が突設され、
    スポンジ(75)のアルミニウム箔(40)を押圧する押圧面の長さは、アルミニウム箔(40)の流れ方向の長さよりも長く、該押圧面の幅は、アルミニウム箔(40)の幅の25〜120%であり、
    アルミニウム箔(40)の押圧は、まず、スポンジ(75)の押圧面でアルミニウム箔(40)のリブ(23b)よりも幅方向一方側の部位を押圧し、次に、該押圧面でアルミニウム箔(40)のリブ(23b)よりも幅方向他方側の部位を押圧し、次に、該押圧面でアルミニウム箔(40)のリブ(23b)を覆う部位を押圧することで行う請求項8記載の遮熱瓦の製造方法。
  10. スポンジ(75)のアルミニウム箔(40)を押圧する押圧面の長さは、アルミニウム箔(40)の流れ方向の長さよりも長く、該押圧面の幅は、アルミニウム箔(40)の幅よりも大きく、
    アルミニウム箔(40)の押圧は、スポンジ(75)の押圧面でアルミニウム箔(40)全体を一回で押圧することで行う請求項8記載の遮熱瓦の製造方法。
  11. アルミニウム箔(40)の押圧時には、アルミニウム箔(40)の粘土瓦(9)側とは反対側の面は紙(74)で覆われ、該押圧は、スポンジ(75)で紙(74)を介してアルミニウム箔(40)を押圧することで行い、
    該押圧後にアルミニウム箔(40)から紙(74)を剥がす請求項8〜10のいずれか一項に記載の遮熱瓦の製造方法。
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