JP2015208815A - 角部に切欠を有する曲尺 - Google Patents

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Abstract

【課題】ボルト中心距離の値を計算する作業を必要としない曲尺であって、ボルト中心距離Dに一致した罫書き3d及び墨線方向ボルト位置の罫書き3eを正確に行うことを可能とした曲尺を提供する。
【解決手段】主枝部1aと妻枝部1bを有する曲尺1とし、欠妻辺1dと欠主辺1eとを有する切欠を設ける。また、主枝部1aの外辺1hと妻枝部1bの外辺1kの交点を曲尺角とし、外辺1hに設けた目盛1mの原点を曲尺角とする。さらに、外辺1kに設けた目盛1nの原点を欠主辺1eとし、欠主辺1eの長さを基礎ボルト2bの呼び径の半分の長さAとする。また、主枝部1aの端部に、端欠妻辺1gと端欠主辺1qとを有する切欠を設け、端欠主辺1qの長さを基礎ボルト5bの呼び径の半分の長さBとし、主枝部1aの内辺1jに設けた目盛1pの原点を端辺1fとする。
【選択図】図1

Description

本発明は、基礎の天面に載せる木造建築用の土台に対して、基礎ボルト用の穴を明ける場合に、実際の基礎ボルトの位置を、現場において正確に、土台に罫書くことを可能とした曲尺に関するものである。
土台を基礎に固定するために、基礎の天面から多数の基礎ボルトが突き出している。また、天面には土台を配置する位置を示す墨線が墨打ちされており、墨線に土台の側面を合わせて、土台を基礎に据え付ける必要がある。
従来、土台に基礎ボルト用の穴を明ける場合、基礎の天面に土台を載せ、墨線に平行にして土台を仮置きした状態にする。そして、曲尺を基礎ボルトに当て、基礎ボルトの外面と墨線との間の距離(以下「ボルト外面距離」という。)を測定した後に、ボルト外面距離に基礎ボルトの半径を加えた値を算出し、これを基礎ボルトの中心と墨線との間の距離(以下「ボルト中心距離」という。)としていた。
また、土台の墨線方向における基礎ボルトの中心位置(以下「墨線方向ボルト位置」という。)については、目視により曲尺を基礎ボルトの中心に合わせた状態として、罫書き線や矢印などの印(以下「罫書き」という。)を付けていた。しかし、正確に曲尺を基礎ボルトの中心位置に合わせることは困難であった。
墨線方向ボルト位置の罫書きが正確でなかった場合は、基礎ボルトの配置と土台に設けたボルト穴の配置とが会わず、基礎ボルトを土台のボルト穴に挿入することができない。また、ボルト外面距離に基礎ボルトの半径を加えて、ボルト中心距離の値を算出する計算を間違えた場合は、基礎ボルトをボルト穴に挿入して土台を基礎の天面に載せたときに、墨線と土台の側面との位置が合わない。このような場合は、土台にボルト穴の穴開け加工をやり直す必要があった。
また、基礎ボルトは多数あることから、基礎ボルト毎にボルト中心距離の値を算出する計算は面倒である。このため、正確に素早くまた簡単に、土台に基礎ボルトの位置を罫書くことを可能にすることが望まれていた。
従来、曲尺の外側角部に切欠部を設けた考案があった(例えば、特許文献1参照。)、しかし、係る考案は、曲尺を被測定物にしっかりと押さえつけて被測定物を切断することを目的としており、基礎ボルトの中心位置を正確に罫書くことに貢献しない考案であった。また、特許文献1に係る考案の切欠部は、ガイド兼用当接板の折り曲げを正確におこなうために設けたものにすぎない。
実公平 3−53121号公報
本発明の目的は、ボルト外面距離に基礎ボルトの半径を加えることにより、ボルト中心距離の値を計算する作業を必要としない曲尺を提供することにある。また、墨線方向ボルト位置の罫書きを正確に行うことを可能とした曲尺を提供することにある。
主枝部と妻枝部を有する曲尺において、主枝部の外辺と妻枝部の外辺の交点を曲尺角とし、曲尺角の部分に、妻枝部に平行な欠妻辺と主枝部に平行な欠主辺とを有する切欠を設け、主枝部の外辺に設けた目盛の原点を曲尺角とし、妻枝部の外辺に設けた目盛の原点を欠主辺とし、さらに、欠主辺の長さを基礎ボルトの呼び径の半分の長さとする。
欠主辺の長さを基礎ボルトの呼び径の半分の長さとしたので、基礎ボルトの外面に欠妻辺を当てたときに、基礎ボルトの中心と主枝部の外辺に設けた目盛の原点とが一致する。このため、主枝部の外辺に設けた目盛を読み取るだけで、何ら計算することなくボルト中心距離の値を得ることができた。
また、欠主辺の長さを基礎ボルトの呼び径の半分の長さとしたことから、基礎ボルトの外面に欠妻辺を当てたときに、基礎ボルトの中心と妻枝部の外辺の延長線とが一致し、土台に対する墨線方向ボルト位置の罫書きを正確かつ簡単に行うことができた。
曲尺の正面図である。 曲尺を使用する状態を表した平面図である。 図2のJ−J視である。 図2のK−K視である。 曲尺を使用する状態を表した平面図である。
主枝部と妻枝部とを有する曲尺であって、主枝部の外辺と妻枝部の外辺の交点を曲尺角とし、曲尺角の部分に、妻枝部に平行な欠妻辺と主枝部に平行な欠主辺とを有する切欠を設ける。さらに、主枝部の外辺に設けた目盛の原点を曲尺角とし、妻枝部の外辺に設けた目盛の原点を欠主辺とし、欠主辺の長さを基礎ボルトの呼び径の半分の長さとする。このようにすると、基礎ボルトの外面に欠妻辺を当てたときに、妻枝部の外辺の延長線が基礎ボルトの中心と一致するからである。
基礎ボルトの呼び径は、JISによりM8、M10、M12、M16、M20、M24
、M30、M36、M42、M48と決まっている。建築用の基礎ボルトとしては呼び径M12が最も多く使用され、次に呼び径M16が使用されている。従って、欠主辺の長さを、呼び径M12の半分となる6mm又は呼び径M16の半分となる8mm、のいずれかとすることが好ましい。しかし、これにこだわるものではない。
主枝部の外辺に設けた目盛及び妻枝部の外辺に設けた目盛については、曲尺の片面にのみ設けても構わないが、両面に設けると表裏をひっくり返す必要が無く好ましい。
欠主辺が主枝部の内辺の延長線上に位置するよう配置した曲尺とする。
このようにすると、主枝部の内辺を土台の側面に合わせたときに、妻枝部の外辺に設けた目盛の原点が土台の側面と一致するため、墨線方向ボルト位置の罫書きを正確に行うことができるからである。
また、主枝部の端部に、妻枝部に平行な端欠妻辺と主枝部に平行な端欠主辺とを有する切欠を設ける。さらに、主枝部の内辺に設けた目盛の原点を端辺とし、端欠主辺の長さを基礎ボルトの呼び径の半分の長さとし、かつ、欠主辺の長さと端欠主辺の長さとを、互いに異なる長さとする。そして、主枝部の内辺に設けた目盛については、曲尺の片面にのみ設けても構わないが、両面に設けると表裏をひっくり返す必要が無く好ましい。
曲尺の表面及び裏面の両面に設けておくと、表裏をひっくり返す必要が無く好ましい。
主枝部の端部に切欠を設けたのは、異なる呼び径の基礎ボルトが使用されている場合に対応したものである。例えば、欠主辺の長さを、呼び径M12の半分となる6mmとした場合は、端欠主辺の長さを、呼び径M10の半分となる5mm又は呼び径M16の半分となる8mmとするなど、欠主辺の長さと端欠主辺の長さとを、互いに異なる基礎ボルトの呼び径の半分の長さとする。
図1に示したように、曲尺1は主枝部1aと妻枝部1bとからなっている。主枝部1aの外辺1hと妻枝部1bの外辺1kとの交点を曲尺角とし、曲尺角の部分に、妻枝部1bに平行な欠妻辺1dと主枝部1aに平行な欠主辺1eとからなる切欠を設けた。
また、欠主辺1eの長さAを6mmとし、呼び径M12の基礎ボルトの外径12mmの半分の長さとした。また、欠主辺1eが主枝部1aの内辺1jの延長線上に位置するよう構成した。
そして、主枝部1aの外辺1hに目盛1mを設け、目盛1mの原点を曲尺角とした。このため目盛1mは原点からAの長さ分を欠いた目盛りとなっている。さらに、妻枝部1bの外辺1kに目盛1nを設け、目盛1nの原点を欠主辺1eとした。
また、主枝部1aの端辺1fと主枝部1aの外辺1hとが交差する部分に、妻枝部1bと平行な端欠妻辺1gと主枝部1aと平行な端欠主辺1qとを有する切欠を設けた。
このとき、端欠主辺1qの長さBを8mmとし、呼び径M16の基礎ボルトの外径16mmの半分の長さとした。そして、主枝部1aの内辺1jに目盛1pを設け、目盛1pの原点を端辺1fとした。
さらに、外辺1hの目盛1m、外辺1kの目盛1n及び内辺1jの目盛1pのいずれの目盛りについても、曲尺1の両面に設けた。
図2〜図4に示すように、基礎2の天面2aから上に向かって、呼び径12の基礎ボルト2bが多数突き出している。また、天面2aには土台3を配置する位置を示す墨線2dが墨打ちされており、墨線2dに土台3の側面3bを合わせて、土台3を基礎2に据え付けなければならない。
まず、基礎2の天面2aの上に土台3を載せ、側面3bが墨線2dに対して平行になるようにして土台3を配置する。そして、基礎2の天面2aに曲尺1を置き、基礎ボルト2bの外面に曲尺1の欠妻辺1dを当てる。
曲尺1の欠主辺1eの長さAは6mmであり、呼び径M12の基礎ボルトの外径12mmの半分の長さであるので、基礎ボルト2bの外面に曲尺1の欠妻辺1dを当てると、目盛1mの原点は自動的に基礎ボルト2bの中心線上に位置する。
従って、目盛1mを使用して墨線2dの位置を読み取ることにより、基礎ボルト2bの中心と墨線2dとの間の距離である、ボルト中心距離Dを測定することができる。
続いて、曲尺1の妻枝部1bを土台3の上面3aに置き、曲尺1の主枝部1aの内辺1jを土台3の側面3bに合わせ、目盛1nにおいてボルト中心距離Dを示す位置に罫書き3dを印す。目盛1nの原点は欠主辺1eにあり、欠主辺1eは主枝部1aの内辺1jの延長線上に位置するため、主枝部1aの内辺1jを側面3bに合わせると、目盛1nの原点が側面3b上に位置することになり、土台3の上面3aにボルト中心距離Dに一致した罫書き3dを正確に印すことができる。
また、曲尺1の主枝部1aの内辺1jを土台3の側面3bに合わせた状態で、曲尺1の欠妻辺1dを基礎ボルト2bの外面に当て、妻枝部1bの外辺1kに沿って、土台3の上面3aに罫書き3eを印す。基礎ボルト2bの外面に曲尺1の欠妻辺1dを当てると、自動的に妻外辺1kの延長線が基礎ボルト2bの中心と一致するので、土台3の墨線方向における基礎ボルト12の中心位置である、墨線方向ボルト位置の罫書き3eを正確に印すことができる。
そして、罫書き3dと罫書き3eとの交点に基礎ボルト用の穴開け加工を施し、土台3を基礎2の天面2aに載せる。このようにすれば、多数のボルト穴と基礎ボルト2bとが全て一致するだけでなく、土台3の側面3bと墨線2dとが一致するので、土台3を正確に据え付けることができる。
また、一部の基礎5に呼び径16の基礎ボルト5bが使用されている場合は、図5に示すように、基礎5の天面5aの上に土台3を載せ、側面3bが墨線5dに対して平行になるようにして土台3を配置する。そして、基礎5の天面5aに曲尺1を置き、基礎ボルト5bの外面に曲尺1の端欠妻辺1gを当てる。
曲尺1の端欠主辺1qの長さBは、呼び径16の基礎ボルトの外径16mmの半分の長さとなる8mmであるので、基礎ボルト5bの外面に曲尺1の端欠妻辺1gを当てると、目盛1pの原点は自動的に基礎ボルト5bの中心線の上に位置し、目盛1pを使用して墨線5dの位置を読み取ることにより、基礎ボルト5bの中心と墨線5dとの間の距離である、ボルト中心距離Eを測定することができる。
その後、曲尺1を土台3の上面3aに置き、土台3の側面3bからEの位置に罫書き3fを印せば、土台3の上面3aにボルト中心距離Eに一致した罫書き3fを正確に印すことができる。
本発明は、木造建築用の土台の施工を行う建築産業や曲尺を製造販売する産業で利用される。
1 :曲尺 1a:主枝部 1b:妻枝部
1d:欠妻辺 1e:欠主辺 1f:端辺
1g:端欠妻辺 1h:外辺 1j:内辺
1k:外辺 1m:目盛 1n:目盛
1p:目盛 1q:端欠主辺 2 :基礎
2a:天面 2b:基礎ボルト 2d:墨線
3 :土台 3a:上面 3b:側面
3d:罫書き 3e:罫書き 3f:罫書き
5 :基礎 5a:天面 5b:基礎ボルト 5d:墨線

Claims (6)

  1. 主枝部と妻枝部とを有する曲尺であって、前記主枝部の外辺と前記妻枝部の外辺の交点を曲尺角とし、前記曲尺角の部分に、前記妻枝部に平行な欠妻辺と前記主枝部に平行な欠主辺とを有するる切欠を設け、前記主枝部の外辺に設けた目盛の原点を前記曲尺角とし、前記妻枝部の外辺に設けた目盛の原点を前記欠主辺とし、前記欠主辺の長さを基礎ボルトの呼び径の半分の長さとしたことを特徴とする曲尺。
  2. 請求項1に記載した曲尺であって、前記欠主辺が前記主枝部の内辺の延長線上に位置するよう配置したことを特徴とする曲尺。
  3. 請求項1又は請求項2のいずれかに記載した曲尺であって、前記欠主辺の長さを6mmとしたことを特徴とする曲尺。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれかに記載した曲尺であって、前記主枝部の端部に、前記妻枝部に平行な端欠妻辺と前記主枝部に平行な端欠主辺とを有する切欠を設け、前記主枝部の内辺に設けた目盛の原点を前記主枝部の端辺とし、前記端欠主辺の長さを基礎ボルトの呼び径の半分の長さとし、かつ、前記欠主辺の長さと前記端欠主辺の長さとを、互いに異なる長さとしたことを特徴とする曲尺。
  5. 請求項4に記載した曲尺であって、前記欠主辺の長さを6mmとし、かつ、前記端欠主辺の長さを8mmとしたことを特徴とする曲尺。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれかに記載した曲尺であって、前記曲尺の両面に目盛りを設けたことを特徴とする曲尺。
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