まず、パチンコ遊技機1の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1は、パチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、以下の説明において、図1の手前側をパチンコ遊技機1の前方(前面、正面)側、奥側を背面(後方)側として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ遊技機1の前面とは、遊技者側からパチンコ遊技機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。尚、本実施例におけるフローチャートの各ステップの説明において、例えば「ステップS1」と記載する箇所を「S1」と略記する場合がある。
図1は、本実施例におけるパチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(以下、遊技機と略記する場合がある)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定するパチンコ遊技機1用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示器4Aと、第2特別図柄表示器4Bとが設けられている。第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、変動表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(変動表示または可変表示ともいう)される。例えば、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を変動表示する。尚、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。
複数種類の特別図柄には、それぞれに対応した図柄番号が付されている。一例として、「0」〜「9」を示す数字それぞれには、「0」〜「9」の図柄番号が付され、「−」を示す記号には、「10」の図柄番号が付されていればよい。以下では、第1特別図柄表示器4Aにおいて変動表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示器4Bにおいて変動表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはともに、例えば方形状に形成されている。尚、第1特図の種類と第2特図の種類は同じ(例えば、ともに「0」〜「9」を示す数字、及び、「−」を示す記号)であってもよいし、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bはそれぞれ、例えば「00」〜「99」を示す数字(あるいは2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、演出表示装置5が設けられている。演出表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。演出表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示器4Aによる第1特図の変動表示や第2特別図柄表示器4Bによる第2特図の変動表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の変動表示部となる演出図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である演出図柄が変動表示される。この演出図柄の変動表示も、変動表示ゲームに含まれる。
一例として、演出表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて演出図柄(飾り図柄ともいう)の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける変動表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて、演出図柄の変動表示結果となる確定演出図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、演出表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の演出図柄の変動表示を行い、変動表示結果となる確定演出図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。尚、例えば特別図柄や演出図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、演出図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して変動表示を終了させることである。これに対して、演出図柄の変動表示を開始してから変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでの変動表示中には、演出図柄の変動速度が「0」となって、演出図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、変動表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による演出図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。尚、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、演出図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される演出図柄には、例えば8種類の図柄(英数字「1」〜「8」あるいは漢数字や、英文字、所定のモチーフに関連する8個のキャラクタ画像、数字や文字あるいは記号とキャラクタ画像との組合せなどであればよく、キャラクタ画像は、例えば人物や動物、これら以外の物体、もしくは、文字などの記号、あるいは、その他の任意の図形を示す飾り画像であればよい)で構成される。演出図柄のそれぞれには、対応する図柄番号が付されている。例えば、「1」〜「8」を示す英数字それぞれに対して、「1」〜「8」の図柄番号が付されている。尚、演出図柄は8種類に限定されず、大当り組合せやハズレとなる組合せなど適当な数の組合せを構成可能であれば、何種類であってもよい(例えば7種類や9種類など)。
演出図柄の変動表示が開始された後、変動表示結果となる確定演出図柄が導出表示されるまでには、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて、例えば図柄番号が小さいものから大きいものへと順次に上方から下方へと流れるようなスクロール表示が行われ、図柄番号が最大(例えば「8」)である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最小(例えば「1」)である演出図柄が表示される。あるいは、演出図柄表示エリア5L,5C,5Rのうち少なくともいずれか1つ(例えば「左」の演出図柄表示エリア5Lなど)において、図柄番号が大きいものから小さいものへとスクロール表示を行って、図柄番号が最小である演出図柄が表示されると、続いて図柄番号が最大である演出図柄が表示されるようにしてもよい。
演出表示装置5の表示領域の下部の左右2箇所には、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uが設定されている。第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uでは、特図ゲームに対応した変動表示の保留記憶数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。
尚、本実施例では、演出表示装置5の表示領域における第1保留記憶表示エリア5Dと第2保留記憶表示エリア5Uの間の中央位置に、実行中の変動表示に対応する保留表示を表示する保留ボックス5Fの表示領域が設定されている。
ここで、特図ゲームに対応した変動表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや演出図柄の変動表示といった変動表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく変動表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、変動表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する変動表示の保留が行われる。本実施例では、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を丸型の表示とし、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生した保留記憶表示を同様に丸型の表示とする。
尚、以下の説明において、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uを保留表示エリアと称することがあり、保留記憶数は、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uに表示される保留記憶表示の数により認識できるようになっている。更に、この保留記憶表示が集まった表示を保留表示と称することがある。
第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uにおける保留表示は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるか、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生したものであるかに応じて、その表示態様(例えば表示色や形状)を異ならせても良い。尚、本実施例においては、『実行』と『実施』とは同義である。
図1に示す例では、保留記憶表示エリアとともに、第1特別図柄表示器4A及び第2特別図柄表示器4Bの上部と下部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1特図保留記憶数は、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第2特図保留記憶数は、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されている記憶数である。第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した変動表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
また、本実施例では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが、このように演出表示装置5を用いた演出を行う場合において、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、近年においては演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置5上の表示領域を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。よって、これら現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくいことを解消することを目的として、演出表示装置5に、演出図柄と特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示エリアを設けても良い。これら第4図柄は、第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われるとともに、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われるようにすれば良い。尚、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽されたりすることはないため、常に視認することができる。
演出表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用となるソレノイド81によって、垂直位置となる通常開放状態と傾動位置となる拡大開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、始動領域(第2始動領域)としての第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しがたい通常開放状態となる。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となる傾動制御により、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすい拡大開放状態となる。尚、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態であるときでも、第2始動入賞口には遊技球が進入可能であるものの、拡大開放状態であるときよりも遊技球が進入する可能性が低くなるように構成してもよい。あるいは、普通可変入賞球装置6Bは、通常開放状態において、例えば第2始動入賞口を閉鎖することなどにより、第2始動入賞口には遊技球が進入しないように構成してもよい。このように、第2始動領域としての第2始動入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすい拡大開放状態と、遊技球が通過(進入)しにくいまたは通過(進入)できない通常開放状態とに変化する。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第1特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2特図保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)未満であれば、第2始動条件が成立する。尚、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方位置には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくする。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくする。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。尚、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(変動表示)する。このような普通図柄の変動表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
パチンコ遊技機1用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L,8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。パチンコ遊技機1用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。打球操作ハンドルには、打球発射装置が備える発射モータの駆動を停止させるための単発発射スイッチや、タッチリング(タッチセンサ)が設けられていればよい。
遊技領域の下方におけるパチンコ遊技機1用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。パチンコ遊技機1用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検出するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検出するコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。例えば、コントローラセンサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組合せた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下動作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下動作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者による押下動作を検出するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
次に、パチンコ遊技機1における遊技の進行を概略的に説明する。パチンコ遊技機1では、遊技領域に設けられた通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことといった、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動表示を実行するための普図始動条件が成立した後に、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の変動表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。
この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、普図変動時間となる所定時間が経過すると、普通図柄の変動表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字といった、特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として、例えば「7」を示す数字以外の数字や記号といった、普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の変動表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる拡大開放制御(傾動制御)が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る通常開放制御が行われる。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出されたことなどにより第1始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームが開始される。また、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出されたことなどにより第2始動条件が成立した後に、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームが開始される。
第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームでは、特別図柄の変動表示を開始させた後、特図変動時間としての変動表示時間が経過すると、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄(特図表示結果)を導出表示する。このとき、確定特別図柄として特定の特別図柄(大当り図柄)が停止表示されれば、特定表示結果としての「大当り」となり、大当り図柄とは異なる特別図柄が確定特別図柄として停止表示されれば「ハズレ」となる。尚、大当り図柄とは異なる所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示されるようにしても良く、これら所定表示結果としての所定の特別図柄(小当り図柄)が停止表示される場合には、大当り遊技状態とは異なる特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御すれば良い。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
尚、本実施例では、大当り図柄が導出表示されることで移行する大当り遊技状態を特定遊技状態とする形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、特定遊技状態としては、小当り図柄が導出表示されることで移行する小当り遊技状態、大当り遊技終了後に移行する確変状態や時短状態等であっても良い。
本実施例におけるパチンコ遊技機1では、一例として、「3」、「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄としている。尚、小当り図柄を停止表示する場合には、例えば、「2」の数字を示す特別図柄を小当り図柄とすれば良い。尚、第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として大当り図柄が停止表示されて特定表示結果としての「大当り」となった後、大当り遊技状態において、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間や0.1秒間)が経過するまでの期間あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を開放状態とする。これにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とするラウンドが実行される。
ラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤2の表面を落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。大入賞口の開放サイクルであるラウンドは、その実行回数が所定の上限回数(例えば「16」など)に達するまで、繰り返し実行可能となっている。尚、ラウンドの実行回数が上限回数に達する前であっても、所定条件の成立(例えば大入賞口に遊技球が入賞しなかったことなど)により、ラウンドの実行が終了するようにしてもよい。
大当り遊技状態におけるラウンドのうち、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となるラウンドは、通常開放ラウンドともいう。一方、特別可変入賞球装置7を第1状態(開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となるラウンドは、短期開放ラウンドともいう。
大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄は後述する確変大当りに対応する大当り図柄となる。特図ゲームにおける確定特別図柄として、「3」または「7」の大当り図柄が導出された後に制御される大当り遊技状態(通常開放大当り状態)では、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが第1回数(例えば、16回)繰返し実行される。尚、通常開放大当り状態は、第1特定遊技状態ともいう。
尚、大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄のうち、「3」の数字を示す特別図柄は後述する通常大当りに対応する大当り図柄となり、特別可変入賞球装置7の大入賞口扉が、所定の上限時間(例えば29秒間)が経過するまでの期間、あるいは所定個数(例えば9個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが、確変大当りと同じく第1回数(例えば、16回)繰返し実行される。
尚、小当り図柄(例えば「2」の数字)を停止表示する場合にあっては、これら小当り図柄が確定特別図柄として導出された後に、特殊遊技状態としての小当り遊技状態に制御すれば良い。具体的に小当り遊技状態では、例えば、上記した、実質的には出玉(賞球)が得られない短期開放大当り状態と同様に特別可変入賞球装置7において大入賞口を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させる可変入賞動作を実行すれば良い。
演出表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rでは、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける確定演出図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。
ここで、リーチ状態とは、演出表示装置5の表示領域にて停止表示された演出図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の演出図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L,5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの演出図柄表示エリア(例えば「中」の演出図柄表示エリア5Cなど)では演出図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおける全部又は一部で演出図柄が大当り組合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
また、リーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動速度を低下させたり、演出表示装置5の表示領域に演出図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、演出図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、演出図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ状態となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、演出図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。尚、リーチ演出には、演出表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L,8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ状態となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(リーチ態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ態様では「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、変動表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。
一例として、本実施例では、図6に示すように、ノーマルリーチ、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったリーチ態様が予め設定されている。そして、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様が出現した場合には、ノーマルリーチのリーチ態様が出現した場合に比べて、変動表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。更に、本実施例では、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ態様においては、スーパーリーチβが出現した場合には、スーパーリーチαが出現した場合よりも変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高い(大当り期待度:スーパーリーチβ>スーパーリーチα>ノーマルリーチ)。
尚、本実施例では、後述するように、リーチにおいては、変動時間がスーパーリーチβ>スーパーリーチα>ノーマルリーチとなるように設定されており(図6参照)、変動時間が長くなる程、大当り期待度が高くなるようになっている。
演出図柄の変動表示中には、リーチ演出とは異なり、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、演出図柄の変動表示態様などにより遊技者に報知するための「滑り」や「擬似連」といった変動表示演出が実行されることがあるようにしてもよい。これら「滑り」や「擬似連」の変動表示演出は、主基板11の側で変動パターンが決定されることなどに対応して実行するか否かが決定されればよい。尚、「滑り」の変動表示演出は、主基板11の側で決定された変動パターンにかかわらず、演出制御基板12の側で実行するか否かが決定されてもよい。
演出図柄の変動表示中には、リーチ演出あるいは「滑り」や「擬似連」などの変動表示演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力、ランプ点灯などのように、演出図柄の変動表示動作とは異なる演出動作により、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることなどを、遊技者に予め報知するための予告演出が実行されることがある。予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rの全部にて演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の演出図柄表示エリア5L,5Rにて演出図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、変動表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。
予告演出のうちには、保留表示予告演出となるものが含まれていてもよい。保留表示予告演出は、変動表示結果が「大当り」となる可能性などが、予告される対象となる変動表示を開始するより前に、特図ゲームの保留表示などの表示態様の変化に基づいて示唆される予告演出である。特に、複数回の特図ゲームに対応して複数回実行される演出図柄の変動表示にわたり、変動表示結果が「大当り」となる可能性などを連続して予告する演出は、連続予告演出(連続演出)とも称される。尚、特図ゲームが1回実行される間に、演出図柄を一旦仮停止表示させた後、当該演出図柄を再び変動(擬似連変動、再変動)させる演出表示を所定回数行い、擬似的に複数回の変動表示が実行されているかのように見せる「擬似連」の変動表示演出を実行するパチンコ遊技機1においては、当該擬似的な複数回の変動表示にわたり、変動表示結果が「大当り」となる可能性などを連続して予告する予告演出も連続予告演出(連続演出)に含まれる。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態とならずに、所定の非リーチ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「非リーチ」(「通常ハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、ハズレ図柄となる特別図柄が停止表示(導出)される場合には、演出図柄の変動表示が開始されてから、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、リーチ演出が実行された後に、あるいは、リーチ演出が実行されずに、所定のリーチハズレ組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。このような演出図柄の変動表示結果は、変動表示結果が「ハズレ」となる場合における「リーチ」(「リーチハズレ」ともいう)の変動表示態様と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち「3」の数字を示す大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の通常大当り組合せ(「通常大当り組合せ」ともいう)となる確定演出図柄が停止表示される。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として通常大当り組合せを停止表示しても良い。
通常大当り組合せ(通常大当り組合せ)となる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄のいずれか1つが、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。通常大当り組合せを構成する図柄番号が偶数「2」、「4」、「6」、「8」である演出図柄は、通常図柄と称される。
特図ゲームにおける確定特別図柄が通常大当り図柄となることに対応して、所定のリーチ演出が実行された後に、通常大当り組合せの確定演出図柄が停止表示される演出図柄の変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「通常大当り」(「非確変大当り」ともいう)の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)を停止表示しても良い。「通常大当り」の大当り種別で変動表示結果が「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時間短縮制御(時短制御)が行われる。時短制御が行われることにより、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示時間(特図変動時間)は、通常状態に比べて短縮される。尚、時短制御では、後述するように普通図柄の当選頻度が高められて、普通可変入賞球装置6Bへの入賞頻度が高められる、いわゆる電チューサポートが実施される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態などとは異なる通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短制御は、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば100回)の特図ゲームが実行されることと、変動表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに、終了すればよい。
特図ゲームにおける確定特別図柄として、大当り図柄となる特別図柄のうち、「7」の数字を示す特別図柄といった確変大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態となったことに対応して、演出図柄の変動表示態様が「通常」である場合と同様のリーチ演出が実行された後に、複数種類の大当り組合せのうち、所定の確変大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがある。尚、リーチ演出が実行されずに、確定演出図柄として確変大当り組合せを停止表示しても良い。確変大当り組合せとなる確定演出図柄は、例えば演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて変動表示される図柄番号が「1」〜「8」の演出図柄のうち、図柄番号が「7」である演出図柄が、「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて所定の有効ライン上に揃って停止表示されるものであればよい。確変大当り組合せを構成する図柄番号が「7」である演出図柄は、確変図柄と称される。特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される場合に、演出図柄の変動表示結果として、通常大当り組合せとなる確定演出図柄が停止表示されることがあるようにしてもよい。
確定演出図柄が通常大当り組合せであるか確変大当り組合せであるかにかかわらず、特図ゲームにおける確定特別図柄として確変大当り図柄が停止表示される変動表示態様は、変動表示結果が「大当り」となる場合における「確変」の変動表示態様(「大当り種別」ともいう)と称される。尚、本実施例では、「確変」の大当り種別のうち、確定特別図柄として「7」の変動表示結果にて「大当り」となったことに基づいて、通常開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。一方、「確変」の大当り種別のうち、確定特別図柄として「5」の変動表示結果にて「大当り」となったことに基づいて、短期開放大当り状態に制御され、その終了後には、時短制御とともに確率変動制御(確変制御)が行われる。
これら確変制御が行われることにより、各回の特図ゲームにおいて変動表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる確率は、通常状態に比べて高くなるように向上する。確変制御は、大当り遊技状態の終了後に変動表示結果が「大当り」となって再び大当り遊技状態に制御されるという条件が成立したときに、終了すればよい。尚、時短制御と同様に、大当り遊技状態の終了後に所定回数(例えば時短回数と同じ100回や、時短回数とは異なる90回)の特図ゲームが実行されたときに、確変制御を終了してもよい。また、大当り遊技状態の終了後に特図ゲームが開始されるごとに実行される確変転落抽選にて確変制御を終了させる「確変転落あり」の決定がなされたときに、確変制御を終了してもよい。
時短制御が行われるときには、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の変動表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、変動表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御(電チューサポート制御)が行われる。このように、時短制御に伴い第2始動入賞口に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御としては、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。
高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に変動表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、時短制御が行われる期間と同一であればよい。
時短制御と高開放制御がともに行われる遊技状態は、時短状態あるいは高ベース状態ともいう。また、確変制御が行われる遊技状態は、確変状態あるいは高確状態ともいう。確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態は、高確高ベース状態とも称される。尚、本実施例では制御される遊技状態としては設定されていないが、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態は、高確低ベース状態とも称される。また、確変制御とともに時短制御や高開放制御が行われる遊技状態のみを、特に「確変状態」ということもあり、高確低ベース状態とは区別するために、時短付確変状態ということもある。一方、確変制御のみが行われて時短制御や高開放制御が行われない確変状態(高確低ベース状態)は、高確高ベース状態と区別するために、時短なし確変状態ということもある。確変制御が行われずに時短制御や高開放制御が行われる時短状態は、低確高ベース状態とも称される。確変制御や時短制御および高開放制御がいずれも行われない通常状態は、低確低ベース状態とも称される。通常状態以外の遊技状態において時短制御や確変制御の少なくともいずれかが行われるときには、特図ゲームが頻繁に実行可能となることや、各回の特図ゲームにおける変動表示結果が「大当り」となる確率が高められることにより、遊技者にとって有利な状態となる。大当り遊技状態とは異なる遊技者にとって有利な遊技状態は、特別遊技状態とも称される。
尚、小当り図柄を停止表示する場合にあっては、前述した小当り遊技状態に制御した後には、遊技状態の変更が行われず、変動表示結果が「小当り」となる以前の遊技状態に継続して制御すれば良い。
確定演出図柄が通常大当り組合せや確変大当り組合せとなる演出図柄の変動表示中には、再抽選演出を実行しても良い。再抽選演出では、演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rに通常大当り組合せとなる演出図柄を仮停止表示させた後に、例えば「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにて同一の演出図柄が揃った状態で再び変動させ、確変大当り組合せとなる演出図柄(確変図柄)と、通常大当り組合せとなる演出図柄(通常図柄)のうちいずれかを、確定演出図柄として停止表示(最終停止表示)させる。ここで、大当り種別が「通常大当り」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた演出図柄を再変動させた後に通常大当り組合せとなる確定演出図柄を導出表示する再抽選落選演出が行われば良い。これに対して、大当り種別が「確変」である場合に再抽選演出が実行されるときには、その再抽選演出として、仮停止表示させた演出図柄を再変動させた後に確変大当り組合せとなる確定演出図柄を停止表示する再抽選当選演出が実行されることもあれば、再抽選落選演出が実行されることもある。
通常大当り組合せ(非確変大当り組合せ)となる確定演出図柄が導出表示された後には、大当り遊技状態の開始時や大当り遊技状態におけるラウンドの実行中、大当り遊技状態においていずれかのラウンドが終了してから次のラウンドが開始されるまでの期間、大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから次の変動表示ゲームが開始されるまでの期間などにて、確変状態に制御するか否かの確変報知演出となる大当り中昇格演出が実行されてもよい。尚、大当り中昇格演出と同様の報知演出が、大当り遊技状態の終了後における最初の変動表示ゲーム中などにて実行されてもよい。大当り遊技状態において最終のラウンドが終了してから実行される大当り中昇格演出を、特に「エンディング昇格演出」ということもある。
大当り中昇格演出には、確定演出図柄が通常大当り組合せであるにもかかわらず遊技状態が確変状態となる昇格がある旨を報知する大当り中昇格成功演出と、確変状態となる昇格がない旨を報知する大当り中昇格失敗演出とがある。例えば、大当り中昇格演出では、演出表示装置5の表示領域にて演出図柄を変動表示させて通常図柄と確変図柄のいずれかを演出表示結果として停止表示させること、あるいは、演出図柄の変動表示とは異なる演出画像の表示を行うことなどにより、確変状態となる昇格の有無を、遊技者が認識できるように報知すればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤2などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示器4Aと第2特別図柄表示器4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の変動表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の変動表示を制御することといった、所定の表示図柄の変動表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100や、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送するスイッチ回路110、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号をソレノイド81,82に伝送するソレノイド回路111などが搭載されている。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、演出表示装置5、スピーカ8L,8R及び遊技効果ランプ9といった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、演出表示装置5における表示動作や、スピーカ8L,8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L,8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9などにおける点灯/消灯駆動を行うランプ制御基板14などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23からの検出信号を伝送する配線が接続されている。尚、ゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23は、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示器4A、第2特別図柄表示器4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば演出表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L,8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。
図3及び図4は、遊技制御用マイクロコンピュータ100が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図3及び図4に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の変動表示に対応して演出表示装置5において変動表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動時間の情報を含む変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、後述する図6に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用CPU120は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置5において演出図柄の変動表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C03(H)は、大当りとするか否か、および大当り種別を特定可能な演出制御コマンドである。演出制御用CPU120は、コマンド8C01(H)〜8C03(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C03(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の変動表示を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の変動表示を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の変動表示を開始するのか第2特別図柄の変動表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、演出図柄(飾り図柄)の変動表示(可変表示)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用CPU120は、図柄確定指定コマンドを受信すると、演出図柄の変動表示を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、パチンコ遊技機1に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、パチンコ遊技機1に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ100は、パチンコ遊技機1に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(以下、大当り開始指定コマンドまたはファンファーレ指定コマンドともいう。)である。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド)である。
コマンドB001(H)は、遊技状態が低ベース状態であることを示す演出制御コマンド(低ベース状態指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が高ベース状態であることを示す演出制御コマンド(高ベース状態指定コマンド)である。コマンドB003(H)は、遊技状態が確変状態でないことを示す演出制御コマンド(非確変状態指定コマンド)である。コマンドB004(H)は、遊技状態が確変状態であることを示す演出制御コマンド(確変状態指定コマンド)である。
なお、低ベース状態指定コマンド、高ベース状態指定コマンド、非確変状態指定コマンドおよび確変状態指定コマンドを遊技状態指定コマンドと総称することがある。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)である。
コマンドC4XX(H)は、入賞時判定結果(始動入賞が生じたときに実行される判定処理の結果)の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。この実施の形態では、後述する入賞時乱数値判定処理(図14参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、第1始動入賞口または第2始動入賞口において始動入賞が生じたときに、その始動入賞にもとづいて大当りとなるか否かを判定するとともに、その始動入賞にもとづく変動表示の変動パターンを判定する。そして、入賞時判定結果指定コマンドのEXTデータに判定結果を設定し、演出制御用CPU120に対して送信する制御を行う。
また、この実施の形態では、特別図柄表示装器4A,4Bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置5における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア5L,5C,5Rに、演出図柄が揃って停止表示される。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板11から中継基板15を介して演出制御基板12に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Outputport)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
図5は、主基板11の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図5に示すように、本実施例では、主基板11の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3、普図表示結果判定用の乱数値MR4のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。尚、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路104は、これらの乱数値MR1〜MR4の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU103は、例えば図9に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路104とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR4の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
特図表示結果判定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65536」の範囲の値をとる。大当り種別判定用の乱数値MR2は、変動表示結果を「大当り」とする場合における大当り種別を「確変大当り」「通常大当り」のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
変動パターン判定用の乱数値MR3は、特別図柄や演出図柄の変動表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに決定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。
普図表示結果判定用の乱数値MR4は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける変動表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「13」の範囲の値をとる。
図6は、本実施例における変動パターンを示している。本実施例では、変動表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。尚、変動表示結果が「ハズレ」で演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、変動表示結果が「ハズレ」で演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンは、変動表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。尚、本実施例では、ノーマルリーチ変動パターンを1種類のみしか設けていないが、本発明はこれに限定されるものではなく、スーパーリーチと同様に、ノーマルリーチα、ノーマルリーチβ、…のように、複数のノーマルリーチ変動パターンを設けても良い。また、スーパーリーチ変動パターンでも、スーパーリーチαやスーパーリーチβに加えてスーパーリーチγ…といった3以上のスーパーリーチ変動パターンを設けても良い。
図6に示すように、本実施例におけるノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチ変動パターンであるスーパーリーチα、スーパーリーチβよりも短く設定されている。また、本実施例におけるスーパーリーチα、スーパーリーチβといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンの特図変動時間については、スーパーリーチβのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンの方が、スーパーリーチαのスーパーリーチ演出が実行される変動パターンよりも特図変動時間が長く設定されている。
尚、本実施例では、前述したようにスーパーリーチβ、スーパーリーチα、ノーマルリーチの順に変動表示結果が「大当り」となる大当り期待度が高くなるように設定されているため、ノーマルリーチ変動パターン及びスーパーリーチ変動パターンにおいては変動時間が長いほど大当り期待度が高くなっている。
尚、本実施例においては、後述するように、これら変動パターンを、例えば、非リーチの種別や、ノーマルリーチの種別や、スーパーリーチの種別等のように、変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンに属する変動パターンから実行する変動パターンを決定するのではなく、これらの種別を決定することなしに変動パターン判定用の乱数値MR3のみを用いて決定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば、変動パターン判定用の乱数値MR3に加えて、変動パターン種別判定用の乱数値を設けて、これら変動パターン種別判定用の乱数値から変動パターンの種別を先に決定してから、該決定した種別に属する変動パターンに属する変動パターンから実行する変動パターンを決定するようにしても良い。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために予め用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、図6に示すような変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。
図7は、ROM101に記憶される表示結果判定テーブルの構成例を示している。本実施例では、表示結果判定テーブルとして、第1特図と第2特図とで共通の表示結果判定テーブルを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、小当りを発生させる場合において、小当りの当選確率を第1特図と第2特図とで異なるようにする場合には、第1特図と第2特図とで個別の表示結果判定テーブルを用いるようにしても良い。
表示結果判定テーブルは、第1特別図柄表示器4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや第2特別図柄表示器4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて変動表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果判定用の乱数値MR1に基づいて決定するために参照されるテーブルである。
本実施例の表示結果判定テーブルでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される数値(判定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
表示結果判定テーブルにおいて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される判定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられる判定用データとなっている。本実施例の表示結果判定テーブルでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの判定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ遊技機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率(本実施例では約1/300)に比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる(本実施例では約1/30)。すなわち、表示結果判定テーブルでは、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、判定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの決定結果に割り当てられている。
図8は、ROM101に記憶される大当り種別判定テーブルの構成例を示している。本実施例の大当り種別判定テーブルは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定されたときに、大当り種別判定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するために参照されるテーブルである。大当り種別判定テーブルでは、特図ゲームにおいて変動表示(変動)が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示器4Aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲーム)であるかに拘らず、大当り種別判定用の乱数値MR2と比較される数値(判定値)が、同一の範囲で「通常大当り」と「確変大当り」といった大当り種別に割り当てられている。
ここで、本実施例における大当り種別について、図8を用いて説明すると、本実施例では、大当り種別として、大当り遊技状態の終了後において高確制御と時短制御とが実行されて高確高ベース状態に移行する確変大当りと、大当り遊技状態の終了後において時短制御のみが実行されて低確高ベース状態に移行する通常大当りとが設定されている。
「確変大当り」による大当り遊技状態と「通常大当り」による大当り遊技状態では、前述したように、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態に変化させるラウンドが16回(いわゆる16ラウンド)、繰返し実行される通常開放大当りである。
確変大当りの大当り遊技状態の終了後において実行される高確制御と時短制御は、該大当り遊技状態の終了後において再度大当りが発生するまで継続して実行される。よって、再度発生した大当りが確変大当りである場合には、大当り遊技状態の終了後に再度、高確制御と時短制御が実行されるので、大当り遊技状態が通常状態を介することなく連続的に発生する、いわゆる連荘状態となる。
一方、「通常大当り」による大当り遊技状態の終了後において実行される時短制御は、所定回数(本実施例では100回)の特図ゲームが実行されること、或いは該所定回数の特図ゲームが実行される前に大当り遊技状態となることにより終了する。
図8に示す大当り種別判定テーブルの設定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに拘らず、「確変大当り」と「通常大当り」の大当り種別に対する判定値の割当てが同一となっている。すなわち、変動特図が第1特図、第2特図のいずれである場合も、判定値(MR2)における「1」〜「50」の範囲の値が「通常大当り」の大当り種別に割り当てられる一方で、判定値(MR2)における「51」〜「100」の範囲の値が「確変大当り」の大当り種別に割り当てられている。
尚、本実施例では、変動特図が第1特図と第2特図とのいずれである場合においても、判定値(MR2)の割り当てが同一となっていることで大当り種別が「通常大当り」と「確変大当り」のいずれかに決定されるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、大当り種別としてラウンド数が異なる「確変大当りA(16ラウンド)」と「確変大当りB(5ラウンド)」とを設け、変動特図が第1特図である場合はラウンド数が少ない「確変大当りB」がラウンド数の多い「確変大当りA」よりも決定されやすいように判定値を割り当てる一方、変動特図が第2特図である場合はラウンド数が多い「確変大当りA」がラウンド数の少ない「確変大当りB」よりも決定されやすいように判定値を割り当てるようにしても良い。
また、ROM101には、変動パターン判定用の乱数値MR3に基づいて変動パターンを決定するための変動パターン判定テーブルも記憶されており、変動パターンを、事前決定結果に応じて前述した複数種類のうちのいずれかの変動パターンに決定する。
具体的には、変動パターン判定テーブルとしては、特図表示結果を「大当り」にすることが事前決定されたときに使用される大当り用変動パターン判定テーブルと、特図表示結果を「ハズレ」にすることが事前決定されたときに使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルとが予め用意されている。
大当り用変動パターン判定テーブルにおいては、ノーマルリーチ大当りの変動パターン(PB1−1)、スーパーリーチα大当りの変動パターン(PB1−2)、スーパーリーチβ大当りの変動パターン(PB1−3)の各変動パターンに対して、変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。尚、本実施例では、これらの判定値が、大当りの種別が「確変大当り」である場合にはスーパーリーチβが決定され易く、大当りの種別が「通常大当り」である場合には、スーパーリーチαが決定され易いように割り当てられていることで、スーパーリーチβの変動パターンが実行されたときには、「確変大当り」となるのではないかという遊技者の期待感を高めることできる。
また、ハズレ用変動パターン判定テーブルには、保留記憶数が1個以下である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルAと、合計保留記憶数が2〜4個である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルBと、合計保留記憶数が5〜8個である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルCと、遊技状態が時短制御の実施されている高ベース状態である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルDとが予め用意されている。
ハズレ用変動パターン判定テーブルAにおいては、短縮なしの非リーチハズレの変動パターン(PA1−1)、ノーマルリーチハズレの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαハズレの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβハズレの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、ハズレ用変動パターン判定テーブルBにおいては、合計保留記憶数が2〜4個に対応する短縮の非リーチハズレの変動パターン(PA1−2)、ノーマルリーチハズレの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαハズレの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβハズレの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、ハズレ用変動パターン判定テーブルCにおいては、合計保留記憶数が5〜8個に対応する短縮の非リーチハズレの変動パターン(PA1−3)、ノーマルリーチハズレの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαハズレの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβハズレの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。また、ハズレ用変動パターン判定テーブルDにおいては、時短制御中に対応する短縮の非リーチハズレの変動パターン(PA1−4)、ノーマルリーチハズレの変動パターン(PA2−1)、スーパーリーチαハズレの変動パターン(PA2−2)、スーパーリーチβハズレの変動パターン(PA2−3)に対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち所定の乱数値が判定値として割り当てられている。
尚、図6に示すように、短縮なしの非リーチハズレの変動パターン(PA1−1)よりも非リーチハズレの変動パターン(PA1−2)の方が変動時間は短く、さらに、変動パターン(PA1−2)よりも非リーチハズレの変動パターン(PA1−3)の方が変動時間は短い。よって、保留記憶数が増加した場合には、変動時間が短い非リーチハズレの変動パターンが決定されることにより、保留記憶が消化されやすくなって、保留記憶数が上限数である4に達しているときに始動入賞することで、保留記憶がなされない無駄な始動入賞が発生し難くなるようになるとともに、保留記憶数が減少した場合には、変動時間が長い短縮なしの非リーチハズレの変動パターン(PA1−1)が決定されることによって、変動表示の時間が長くなることにより、変動表示が実行されないことによる遊技の興趣低下を防ぐことができるようになる。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM102の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図9に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図9に示す遊技制御用データ保持エリア150は、第1特図保留記憶部151Aと、第2特図保留記憶部151Bと、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき大当りとなるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
尚、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
普図保留記憶部151Cは、通過ゲート41を通過した遊技球がゲートスイッチ21によって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器20により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球が通過ゲート41を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された普図表示結果判定用の乱数値MR4を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するための複数種類のカウンタが設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU103がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数回路104で生成されない乱数値、例えば、乱数値MR2〜MR4を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU103によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU103がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路104における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路104から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるI/O105は、遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送された各種信号を取り込むための入力ポートと、遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成されている。
図2に示すように、演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、演出表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。
演出制御基板12には、演出表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。
尚、演出制御基板12の側においても、主基板11と同様に、例えば、予告演出等の各種の演出の種別を決定するための乱数値(演出用乱数ともいう)が設定されている。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。
一例として、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の演出装置(例えば演出表示装置5やスピーカ8L,8R、遊技効果ランプ9及び装飾用LED、演出用模型など)による演出動作を制御するために使用する演出制御パターンを複数種類格納した演出制御パターンテーブルが記憶されている。演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。演出制御パターンテーブルには、例えば特図変動時演出制御パターンと、予告演出制御パターンと、各種演出制御パターン等が、格納されていればよい。
特図変動時演出制御パターンは、複数種類の変動パターンに対応して、特図ゲームにおいて特別図柄の変動が開始されてから特図表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるまでの期間における、演出図柄の変動表示動作やリーチ演出、再抽選演出などにおける演出表示動作、あるいは、演出図柄の変動表示を伴わない各種の演出表示動作といった、様々な演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。予告演出制御パターンは、例えば、予め複数パターンが用意された予告パターンに対応して実行される予告演出となる演出動作の制御内容を示すデータなどから構成されている。各種演出制御パターンは、パチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて実行される各種の演出動作に対応して、その制御内容を示すデータなどから構成されている。
特図変動時演出制御パターンのうちには、例えばリーチ演出を実行する変動パターンごとに、それぞれのリーチ演出における演出態様を異ならせた複数種類のリーチ演出制御パターンが含まれてもよい。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図10(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図10(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば演出表示装置5の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば演出表示装置5の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
本実施例では、図10(B)に示すような入賞時判定結果記憶バッファ194Aを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。入賞時判定結果記憶バッファ194Aには、第1特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「1−1」〜「1−4」に対応した領域)と、第2特図保留記憶の合計保留記憶数の最大値(例えば「4」)に対応した格納領域(バッファ番号「2−1」〜「2−4」に対応した領域)とが設けられている。
各々の格納領域には、入賞時判定結果指定コマンドを格納する領域と、保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド、第2保留記憶数加算指定コマンド)を格納する領域と、後述する保留予告処理(図30)において決定される保留予告のパターンを格納する保留予告パターン格納領域と、保留予告の実行の有無の決定が未決定である旨を示す未決定フラグを格納する領域とがある。尚、未決定フラグの値に「0」がセットされている場合は、保留予告の実行の有無が決定済みであることを示し、未決定フラグの値に「1」がセットされている場合は、保留予告の実行の有無が未決定であることを示す。
第1始動入賞口や第2始動入賞口への始動入賞があったときには、入賞時判定結果指定コマンド、保留記憶数加算指定コマンドという2つのコマンドが1セットとして、主基板11から演出制御基板12へと送信される。また、入賞時判定結果記憶バッファ194Aにおける第1特図保留記憶に対応した格納領域と第2特図保留記憶に対応した格納領域は、これらの入賞時判定結果指定コマンドと保留記憶数加算指定コマンドを対応付けて、第1特図保留記憶部と第2特図保留記憶部とに分けて格納するために各格納領域(エントリ)が確保されている。
これら格納領域(エントリ)の記憶内容は、開始条件が成立して最上位の保留記憶(バッファ番号「1−1」またはバッファ番号「2−1」)の変動表示が開始されるときに、該開始条件が成立した保留記憶の内容がクリアされるとともに、クリアされた格納領域(エントリ)よりも下位の格納領域の記憶内容は、1つずつ上位の格納領域にシフトされていくようになっている。尚、図10(B)には、4個の入賞時判定結果指定コマンドが受信された例(保留記憶数が4である場合に相当)が図示されている。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。尚、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、図11のフローチャートに示す遊技制御用タイマ割込処理を実行する。図11に示す遊技制御用タイマ割込処理を開始すると、CPU103は、まず、所定のスイッチ処理を実行することにより、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する(S11)。続いて、所定のメイン側エラー処理を実行することにより、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする(S12)。この後、所定の情報出力処理を実行することにより、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する(S13)。
情報出力処理に続いて、主基板11の側で用いられる乱数値MR1〜MR4といった遊技用乱数の少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための遊技用乱数更新処理を実行する(S14)。この後、CPU103は、特別図柄プロセス処理を実行する(S15)。特別図柄プロセス処理では、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。
特別図柄プロセス処理に続いて、普通図柄プロセス処理が実行される(S16)。CPU103は、普通図柄プロセス処理を実行することにより、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の変動表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする。
普通図柄プロセス処理を実行した後、CPU103は、コマンド制御処理を実行することにより、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる(S17)。これらの一例として、コマンド制御処理では、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能とする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込処理を終了する。
図12は、特別図柄プロセス処理として、図11に示すS15にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(S21)。該始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、S22〜S29の処理のいずれかを選択して実行する。
S21の始動入賞判定処理では、図13に示すように、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(S101)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(S101;Y)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(S102)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。S102にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(S102;N)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(S103)。
S101にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(S101;N)、S102にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(S102;Y)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(S104)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(S104;Y)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(S105)。CPU103は、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。S105にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(S105;N)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(S106)。
S103,S106の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(S107)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、合計保留記憶数も1加算するように更新する(S108)。例えば、遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
S108の処理を実行した後に、CPU103は、乱数回路104や遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データを抽出する(S109)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(S110)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、第1特図保留記憶部151Aに乱数値MR1〜MR3を示す数値データが格納される一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、第2特図保留記憶部151Bに乱数値MR1〜MR3を示す数値データが格納される。
特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データは、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否か、さらには変動表示結果を「大当り」とする場合の大当り種別を判定するために用いられる。変動パターン判定用の乱数値MR3は、特別図柄や演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンを判定するために用いられる。CPU103は、S109の処理を実行することにより、特別図柄や演出図柄の変動表示結果や変動表示時間を含む変動表示態様の判定に用いられる乱数値のうち全部を示す数値データを抽出する。
S110の処理に続いて、入賞時乱数値判定処理を実行する(S112)。その後、演出制御基板12に対して、始動口バッファ値に応じた保留記憶数加算指定コマンドを送信するための設定を行う(S113)。こうして設定された保留記憶数加算指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図11に示すS17のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板11から演出制御基板12に対して伝送される。
S113の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか否かを判定する(S114)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(S114でY)始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(S115)、S104の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(S114でN)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(S116)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ22Aと第2始動口スイッチ22Bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図14は、入賞時乱数値判定処理として、図13のS112にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。本実施例において、特別図柄や演出図柄の変動表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図12のS22、図16)により、特図表示結果(特別図柄の変動表示結果)を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの判定が行われる。また、後述する変動パターン設定処理(図12のS23、図17)において、演出図柄の変動表示態様を具体的に規定する変動パターンの判定などが行われる。他方、これらの判定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出されたタイミングで、CPU103がS112の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果として大当り図柄を導出表示すると判定されるか否かの判定や、演出図柄の変動表示態様がスーパーリーチを伴う所定表示態様となるか否かの判定などを行う。これにより、始動入賞口に進入した遊技球の検出に基づく特別図柄や演出図柄の変動表示が開始されるより前、つまり、該変動表示の開始時に大当りとするか否かが判定されるよりも前に、特図表示結果が「大当り」となることや、演出図柄の変動表示態様がいずれのカテゴリの変動表示態様となるかを判定し、この判定結果に基づいて、演出制御用CPU120などにより、後述するように、保留予告が実行されるようになる。
図14に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えば遊技制御フラグ設定部152などに設けられた時短フラグや確変フラグの状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(S121)。CPU103は、確変フラグがオンであるときには確変状態であることを特定し、確変フラグがオフで時短フラグがオンであるときには時短状態であることを特定し、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを特定すればよい。
S121の処理に続いて、図7に示す表示結果判定テーブルを選択してセットする(S122)。その後、図13のS109にて抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データが所定の大当り判定範囲内であるか否かを判定する(S123)。大当り判定範囲には、S122の処理により選択された表示結果判定用テーブルにおいて「大当り」の特図表示結果に割り当てられた個々の判定値が設定され、CPU103が乱数値MR1と各判定値とを逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する判定値の有無を判定できればよい。あるいは、大当り判定範囲に含まれる判定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り判定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であるか否かを判定できればよい。このとき、乱数値MR1が大当り判定範囲の範囲内であると判定されることにより、その乱数値MR1を含む保留データに基づく変動表示結果が「大当り」に決定されると判定できる。
S123にて大当り判定範囲内ではないと判定された場合、つまり、変動表示時に大当りとならないと判定された場合には(S123;N)、時短フラグがセットされているか否か、つまり、現在の遊技状態が時短状態であるか否かを判定する(S125)。時短フラグがセットされていない場合は(S125;N)、ハズレ用変動パターン判定テーブルAを選択してセットし、時短フラグがセットされている場合は(S125;Y)、ハズレ用変動パターン判定テーブルDを選択してセットする(S127)。
尚、ハズレ用変動パターン判定テーブルAは、保留記憶数が1個以下である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルである。また、ハズレ用変動パターン判定テーブルDは、遊技状態が時短制御の実行されている高ベース状態である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルである。
尚、本実施例では、これらのハズレ用変動パターン判定テーブルAやハズレ用変動パターン判定テーブルDに加えて、合計保留記憶数が2〜4個である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルBと、合計保留記憶数が5〜8個である場合に使用されるハズレ用変動パターン判定テーブルCが予め用意されているが、図15に示すように、これらハズレ用変動パターン判定テーブルA〜Cのうち、ハズレ用変動パターン判定テーブルAでは、非リーチの変動パターンに対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち0〜Aまでの値が割り当てられており、ハズレ用変動パターン判定テーブルB,Cでは、非リーチの変動パターンに対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうち0〜Aを超える値が割り当てられている。一方、ハズレ用変動パターン判定テーブルA〜Cでは、スーパーリーチの変動パターンに対して変動パターン判定用の乱数値MR3がとりうる範囲のうちB〜997までの値が割り当てられている。
このため、S126においてハズレ用変動パターン判定テーブルAを用いて変動パターンを判定することで、非リーチとスーパーリーチの判定は、該判定後に保留記憶数が変化しても必ず非リーチまたはスーパーリーチの変動パターンとなるので、始動入賞時の判定においては、ハズレ用変動パターン判定テーブルAを用いて判定するようになっている。
図14に示すように、S123にて大当り判定範囲内であると判定された場合、つまり、変動表示時に大当りとなると判定された場合には(S123;Y)、大当り種別判定用の乱数値MR2に基づいて、大当り種別を判定する(S128)。このとき、CPU103は、始動口バッファ値に対応して特定される変動特図(「1」に対応する「第1特図」または「2」に対応する「第2特図」)に応じて、大当り種別判定テーブルを構成するテーブルデータから大当り種別判定用テーブルデータを選択する。そして、選択した大当り種別判定用テーブルデータを参照することにより、大当り種別が複数種別のいずれに判定されるかを判定する。
また、S128において判定した大当り種別に応じた入賞時判定結果指定コマンドの送信設定を実行し(S129)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
S126,S127の処理のいずれかを実行した後には、S126,S127の処理にて設定されたハズレ用変動パターン判定テーブルと変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データとを用いて、乱数値MR3が含まれる判定値の範囲に応じて変動パターンを判定する(S131)。
その後、S131の処理による判定結果の変動パターンに応じたハズレの入賞時判定結果指定コマンドを、演出制御基板12に対して送信するための設定を行ってから(S132)、入賞時乱数値判定処理を終了する。
図12に示すように、S22の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示結果に対応して、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄やハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
S23の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づき、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データを用いて変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の変動表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
S22の特別図柄通常処理やS23の変動パターン設定処理により、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄や特別図柄および演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンが決定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を用いて、特別図柄や演出図柄の変動表示態様を決定する処理を含んでいる。
S24の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、S24の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部153に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、S24の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
S25の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
S26の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別に関係なく、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を、「通常大当り」または「確変大当り」である場合には、「16回」に設定することにより、通常開放大当り状態とする設定が行われればよい。
S27の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド82に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
S28の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
S29の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、演出表示装置5やスピーカ8L,8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定(確変フラグや時短フラグのセット)を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
尚、大当り終了処理においては、遊技制御バッファ設定部155に記憶されている大当り種別バッファ値を読み出して、大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」のいずれであったかを特定する。そして、特定した大当り種別が「通常大当り」ではないと判定された場合には、確変制御を開始するための設定(確変フラグのセット)を行う。
また、特定した大当り種別が「通常大当り」である場合には、時短制御を開始するための設定(時短フラグのセットと時短制御中に実行可能な特図ゲームの上限値に対応して予め定められたカウント初期値(本実施例では「100」)を時短回数カウンタにセット)を行う。
図16は、特別図柄通常処理として、図12のS22にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図16に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S141)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示器4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、S141の処理では、遊技制御カウンタ設定部154に記憶されている第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
S141にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(S141;N)、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(S142)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
S142の処理に続いて、第2特図保留記憶部151Bの第2特図保留記憶数カウント値や合計保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数と合計保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部のデータを更新する。具体的には、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(S143)。
その後、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「2」に更新した後(S144)、S149に移行する。
一方、S141にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(S141;Y)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(S145)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示器4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。例えば、S145の処理では、遊技制御カウンタ設定部154にて第1保留記憶数カウンタが記憶する第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、S145の処理は、S141にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
尚、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されず、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)して始動入賞が発生した順に、特図ゲームの実行が開始されるようにしてもよい。この場合には、始動入賞が発生した順番を特定可能なデータを記憶するテーブルを設けて、その記憶データから第1特図と第2特図のいずれを用いた特図ゲームの実行を開始するかを決定できればよい。
S145にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(S145;N)、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データとして、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データをそれぞれ読み出す(S146)。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
S146の処理に続いて、第1特図保留記憶部151Aの第1特図保留記憶数カウント値や合計保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数と合計保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部のデータを更新する。具体的には、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)に記憶された乱数値MR1〜MR3を示す保留データを、1エントリずつ上位にシフトする(S147)。
その後、変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を「1」に更新した後(S148)、S149に移行する。
S149においては、特別図柄の変動表示結果である特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定するための使用テーブルとして、図7に示す表示結果判定テーブルを選択してセットする。続いて、変動用乱数バッファに格納された特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データを、「大当り」や「ハズレ」の各特図表示結果に割り当てられた判定値と比較して、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかを決定する(S150)。尚、このS150においては、その時点の遊技状態が、確変フラグがセットされている高確状態であれば、特図表示結果判定用の乱数値MR1が10000〜12180の範囲に該当すれば「大当り」と判定し、該当しなければ「ハズレ」と判定する。また、確変フラグがセットされていない低確状態であれば、特図表示結果判定用の乱数値MR1が1〜219の範囲に該当すれば「大当り」と判定し、該当しなければ「ハズレ」と判定する。
このように、S149で選択される特図表示結果判定テーブルにおいては、その時点の遊技状態(高確、低確)に対応して異なる判定値が「大当り」に割り当てられていることから、S150の処理では、特図ゲームなどの変動表示が開始されるときの遊技状態が高確状態であるか否かに応じて、異なる判定用データ(判定値)を用いて特図表示結果を「大当り」とするか否かが決定されることで、遊技状態が高確状態である場合には、低確状態である場合よりも高確率で「大当り」と判定される。
S150にて特図表示結果を決定した後には、その特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(S151)。そして、「大当り」であると判定された場合には(S151;Y)、遊技制御フラグ設定部152に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(S152)。このときには、大当り種別を複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、図8に示す大当り種別判定テーブルを選択してセットする(S153)。こうしてセットされた大当り種別判定テーブルを参照することにより、変動用乱数バッファに格納された大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データと、大当り種別判定テーブルにおいて「通常大当り」、「確変大当り」の各大当り種別に割り当てられた判定値のいずれと合致するかに応じて、大当り種別を複数種別のいずれとするかを決定する(S154)。
S154の処理にて大当り種別を決定することにより、大当り遊技状態の終了後における遊技状態を、時短状態と、時短状態よりも遊技者にとって有利度が高い確変状態とのうち、いずれの遊技状態に制御するかが、変動表示結果としての確定特別図柄が導出される以前に決定されることになる。こうして決定された大当り種別に対応して、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた大当り種別バッファの格納値である大当り種別バッファ値を設定することなどにより(S155)、決定された大当り種別を記憶する。一例として、大当り種別が通常大当りであれば大当り種別バッファ値を「0」とし、確変大当りであれば「1」とすればよい。
一方、S151にて「大当り」ではないと判定された場合には(S151;N)、S156に進む。
S156においては、大当り遊技状態に制御するか否か(大当りフラグがセットされているか否か)の事前決定結果、さらには、大当り遊技状態とする場合における大当り種別の決定結果に対応して、確定特別図柄を設定する。一例として、特図表示結果を「ハズレ」とする旨の事前決定結果に対応して、ハズレ図柄となる「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、S151にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、S154における大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「3」、「7」の数字を示す特別図柄のいずれかを、確定特別図柄に設定する。すなわち、大当り種別を「通常大当り」とする決定結果に応じて「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。また、大当り種別を「確変大当り」とする決定結果に応じて「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に設定する。
S156にて確定特別図柄を設定した後には、特図プロセスフラグの値を変動パターン設定処理に対応した値である“1”に更新してから(S157)、特別図柄通常処理を終了する。
尚、S145にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(S145;Y)、所定のデモ表示設定を行ってから(S158)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば演出表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、既に、客待ちデモ指定コマンドを送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図17は、変動パターン設定処理として、図12のS23にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図17に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(S161)。そして、大当りフラグがオンであれば(S161;Y)、変動パターンを複数種別のいずれかに決定するための使用テーブルとして、大当り用変動パターン判定テーブルを選択してセットする(S162)。
S161にて大当りフラグがオフであるときには(S161;N)、例えば遊技制御フラグ設定部152に設けられた時短フラグがオンであるか否か(セットされているか)を判定することなどにより、遊技状態が確変状態や時短状態で時短制御が行われる時短制御中であるか否かを判定する(S163)。そして、時短フラグがオンであれば(S163;Y)、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ用変動パターン判定テーブルDを選択してセットする(S164)。
一方、時短制御中ではないとき、つまり、時短フラグがオフであるとき(セットされていないとき)には(S163;N)、例えば遊技制御カウンタ設定部154に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値を読み取ることなどにより、合計保留記憶数を特定し、該特定した合計保留記憶数が2以上であるか否かを判定する(S165)。
特定した合計保留記憶数が2以上でない場合(S165;N)には、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ用変動パターン判定テーブルAを選択してセットする(S166)。
また、特定した合計保留記憶数が2以上である場合(S165;Y)には、S167に進んで、合計保留記憶数が5以上であるか否かをさらに判定する(S167)。
合計保留記憶数が5以上でない場合(S167;N)には、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ用変動パターン判定テーブルBを選択してセットする(S168)。
また、合計保留記憶数が5以上である場合(S167;Y)には、変動パターンを複数種類のいずれかに決定するための使用テーブルとして、ハズレ用変動パターン判定テーブルCを選択してセットする(S169)。
S162,S164,S166,S168,S169の処理のいずれかを実行した後には、例えば変動用乱数バッファなどに格納されている変動パターン判定用の乱数値MR3を示す数値データなどに基づき、選択された大当り用変動パターン判定テーブルまたはハズレ用変動パターン判定テーブルA〜Dのいずれかを参照することにより、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する(S170)。
尚、大当りフラグがオフであるときには、S170の処理にて変動パターンを決定することにより、演出図柄の変動表示態様を「リーチ」とするか否かが決定される。すなわち、S170の処理には、変動表示結果が「ハズレ」となる場合に、演出図柄の変動表示状態をリーチ状態とするか否かを決定する処理が含まれている。
S170にて変動パターンを決定した後には、変動特図指定バッファ値に応じて、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのいずれかを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(S171)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示器4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示器4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
S171の処理に続いて、特別図柄の変動開始時用となる各種コマンドを送信するための設定を行う(S172)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、変動表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を示す設定データを、遊技制御バッファ設定部155に設けられた送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、変動表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを示す設定データを、送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納する。
S172の処理を実行した後、その変動パターンの決定結果に応じた特別図柄の変動表示時間である特図変動時間を設定する(S173)。特別図柄の変動表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから変動表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。その後、特図プロセスフラグの値を特別図柄変動処理に対応した値である“2”に更新してから(S174)、変動パターン設定処理を終了する。
S172でのコマンド送信設定に基づいて、変動パターン設定処理が終了してから図11に示すS17のコマンド制御処理が実行されるごとに、主基板11から演出制御基板12に対して遊技状態指定コマンド、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、変動表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドが、順次に送信されることになる。尚、これらの演出制御コマンドが送信される順番は任意に変更可能であり、例えば変動表示結果通知コマンドを最初に送信してから、第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、遊技状態指定コマンド、第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドの順などで送信されるようにしてもよい。
図18は、特別図柄停止処理として、図12のS25にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU103は、特別図柄表示制御処理で参照される終了フラグをセットして特別図柄の変動を終了させ、第1特別図柄表示器4Aや第2特別図柄表示器4Bに停止図柄を導出表示する制御を行う(S181)。尚、変動特図指定バッファ値が第1特図を示す「1」である場合には、第1特別図柄表示器4Aでの第1特別図柄の変動を終了させ、変動特図指定バッファ値が第2特図を示す「2」である場合には、第2特別図柄表示器4Bでの第2特別図柄の変動を終了させる。また、演出制御基板12に図柄確定コマンドを送信する制御を行う(S182)。そして、大当りフラグがセットされているか否かを判定し(S183)、大当りフラグがセットされていない場合(S183;N)には、S190に移行する。
一方、大当りフラグがセットされている場合(S183;Y)には、CPU103は、確変フラグや時短フラグがセットされていれば、確変フラグおよび時短フラグをクリアし(S184)、演出制御基板12に、記憶されている大当りの種別に応じて大当り開始1指定コマンド(確変大当り)、大当り開始2指定コマンド(通常大当り)を送信するための設定を行う(S185)。
さらにCPU103は、演出制御基板12に通常状態を示す遊技状態指定コマンドを送信するための設定を行う(S186)。
そして、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置5において報知する時間)に相当する値を設定する(S187)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、通常大当りや確変大当りの場合には16回)をセットする(S188)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大当り開放前処理(S26)に対応した値である“4”に更新する(S189)。
一方、S190においてCPU103は、時短回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する。時短回数カウンタの値が「0」である場合(S190;Y)には、S196に進む。
一方、時短回数カウンタの値が「0」でない場合(S190;N)、つまり、時短回数が残存している高ベース状態である場合には、該時短回数カウンタの値を−1する(S191)。そして、減算後の時短回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定し(S193)、「0」でない場合(S193;N)にはS195に進み、時短回数カウンタの値が「0」である場合(S193;Y)には、時短制御を終了させるために、時短フラグをクリアした後(S194)、確変フラグまたは時短フラグのセット状態に対応した遊技状態(具体的には低確低ベース)に対応した遊技状態指定コマンドの送信設定を行った後(S195)、S196に進む。
S196では、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新してから、当該特別図柄停止処理を終了する。
図19は、大当り終了処理として、図12のS29にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。
大当り終了処理において、CPU103は、大当り終了表示タイマが動作中、つまりタイマカウント中であるか否かを判定する(S201)。大当り終了表示タイマが動作中でない場合(S201;N)には、大当り終了表示タイマに、演出表示装置5において大当り終了表示を行う時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(S204)、処理を終了する。
一方、大当り終了表示タイマが動作中である場合(S201;Y)には、大当り終了表示タイマの値を1減算する(S205)。そして、CPU103は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち、大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(S206)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(S206;Y)、CPU103は、記憶されている大当り種別が確変大当りであるかを判定する(S207)。
大当り種別が確変大当りである場合(S207;Y)には、確変フラグをセットし(S208)、時短フラグをセットし(S209)、時短回数カウンタに「0」をセットした後(S210)、S213に進む。
一方、大当り種別が確変大当りでない場合(S207;N)には、S211とS212を実行することで、時短フラグをセットするとともに時短回数カウンタに「100」をセットした後、S213に進む。
S213では、大当りフラグをリセットし、大当り種別に応じた大当り終了指定コマンドの送信設定を行う(S214)。そして、セットされた確変フラグや時短フラグに基づく遊技状態を演出制御基板12に通知するための遊技状態指定コマンドの送信設定を行った後(S215)、特図プロセスフラグの値を特別図柄通常処理に対応した値である“0”に更新する(S216)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図20は、演出制御基板12に搭載されている演出制御用CPU120が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU120は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御処理の起動間隔を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(S701)。その後、演出制御用CPU120は、タイマ割込フラグの監視(S702)の確認を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU120は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU120は、そのフラグをクリアし(S703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU120は、まず、受信した演出制御コマンドを解析する(コマンド解析処理:S704)。次いで、演出制御用CPU120は、演出制御プロセス処理を行う(S705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置5の表示制御を実行する。さらに、演出図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(S706)。その後、S702に移行する。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファ(RAMに形成されている。)に保存されている。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。コマンド解析処理では、演出制御用CPU120が、コマンド受信バッファに保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図3および図4参照)であるのか解析する。
図21は、コマンド解析処理(S704)の具体例を示すフローチャートである。主基板11から受信された演出制御コマンドはコマンド受信バッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU120(具体的には、演出制御用CPU120)は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
なお、コマンド受信バッファへのコマンドの格納は、具体的には、遊技制御用マイクロコンピュータ100から出力される演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって、まず1バイトのMODEデータの取り込み処理を行い、コマンド受信バッファに格納される。次いで、演出制御INT信号がオフされた後、次の演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって、1バイトのEXTデータの取り込み処理を行い、コマンド受信バッファの次の領域に格納される。以上の処理によって、1つの演出制御コマンド(2バイトのコマンド)が取り込まれ、コマンド受信バッファに格納される。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU120は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(S611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU120は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(S612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(S613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(S621)、演出制御用CPU120は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(S622)。そして、演出制御用CPU120は、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(S623)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(S624)、演出制御用CPU120は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果3指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(S625)。
受信した演出制御コマンドが入賞時判定結果指定コマンドであれば(S651)、演出制御用CPU120は、受信した入賞時判定結果指定コマンドを、RAMに形成されている入賞時判定結果記憶バッファの空いている最初の格納領域に格納する(S652)。
そして、保留記憶数加算指定コマンドが受信されるまで待ちタイマである保留記憶数加算指定コマンド待ち時間を設定し(S653)、保留記憶数加算指定コマンドが受信されるまで当該待ちタイマがカウントされる。尚、当該待ちタイマがタイマアップした場合、つまり、所定時間内に保留記憶数加算指定コマンドが受信されなかった場合には、ノイズ等の影響により保留記憶数加算指定コマンドが正常に受信できなかったものとして所定のエラー処理を行って、当該受信できなかったコマンドに対応する格納領域に既に格納された受信済みのコマンドをクリアして以後の制御に用いないようにする。
また、保留記憶数加算指定コマンドが受信された後に、受信した演出制御コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであれば(S661)、演出制御用CPU120は、受信した第1保留記憶数加算指定コマンドを、RAMに形成されている入賞時判定結果記憶バッファ194Aの第1保留記憶部における入賞時判定結果指定コマンドのみが格納されたエントリ(格納領域)に格納し(S662)、保留記憶数加算指定コマンド待ち時間をクリアする(S665)。
また、受信した演出制御コマンドが第2保留記憶数加算指定コマンドであれば(S663)、演出制御用CPU120は、受信した第2保留記憶数加算指定コマンドを、RAMに形成されている入賞時判定結果記憶バッファ194Aの第2保留記憶部における入賞時判定結果指定コマンドのみが格納されたエントリ(格納領域)に格納し(S664)、保留記憶数加算指定コマンド待ち時間をクリアする(S665)。
尚、S612で読み出した受信コマンドがその他の演出制御コマンドである場合には、演出制御用CPU120は、受信コマンドに対応するフラグをセットする(S671)。
図22は、演出制御用CPU120が用いる乱数を示す説明図である。図22に示すように、この実施の形態では、演出制御用CPU120は、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3、初期表示態様決定用乱数SR2−1、最終表示態様決定用乱数SR2−2、演出タイミング決定用乱数SR2−3、キャラクタ決定用乱数SR2−4、および通常予告演出決定用乱数SR3を用いる。なお、演出効果を高めるために、これら以外の乱数を用いてもよい。
第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3は、演出図柄の変動表示結果である停止図柄として、演出表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアに停止表示される演出図柄(最終停止図柄)を決定するために用いられる乱数である。なお、最終停止図柄は、演出図柄の変動表示が終了する時点で「左」、「中」、「右」の図柄表示エリアそれぞれにおいて最終的に停止表示される3つの演出図柄のことである。なお、演出図柄の大当り図柄の組合せは、第1〜第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−1〜SR1−3のうちのいずれか1個の乱数によって決定される。
本実施例では、第1最終停止図柄決定用の乱数SR1−1は、「1」〜「80」の範囲の乱数とされていて「1」〜「80」の範囲のいずれかの値が抽出される。第2最終停止図柄決定用の乱数SR1−2は、「1」〜「70」の範囲の乱数とされていて「1」〜「70」の範囲のいずれかの値が抽出される。第3最終停止図柄決定用の乱数SR1−3は、「1」〜「96」の範囲の乱数とされていて「1」〜「96」の範囲のいずれかの値が抽出される。
初期表示態様決定用乱数SR2−1、最終表示態様決定用乱数SR2−2、演出タイミング決定用乱数SR2−3、キャラクタ決定用乱数SR2−4は、先読み予告演出としての保留予告(メモリ予告)における各演出態様を決定するために用いられる乱数である。
初期表示態様決定用乱数SR2−1は、保留表示の初期表示(始動入賞時の最初の表示)態様を決定する乱数である。最終表示態様決定用乱数SR2−2は、保留予告に登場するキャラクタにより作用演出が実行された後に保留表示の最終的な表示態様を決定する乱数である。演出タイミング決定用乱数SR2−3は、保留予告に登場するキャラクタによる演出を、始動入賞タイミング、リーチ前、またはリーチ演出中の3つのタイミングのうち、いずれのタイミングで実行するかを決定する乱数である。キャラクタ決定用乱数SR2−4は、保留予告に登場するキャラクタの種別を決定するための乱数である。
本実施例では、初期表示態様決定用乱数SR2−1は、「1」〜「100」の範囲の乱数とされていて「1」〜「100」の範囲のいずれかの値が抽出される。最終表示態様決定用乱数SR2−2は、「1」〜「100」の範囲の乱数とされていて「1」〜「100」の範囲のいずれかの値が抽出される。演出タイミング決定用乱数SR2−3は、「1」〜「100」の範囲の乱数とされていて「1」〜「100」の範囲のいずれかの値が抽出される。キャラクタ決定用乱数SR2−4は、「1」〜「100」の範囲の乱数とされていて「1」〜「100」の範囲のいずれかの値が抽出される。
通常予告演出決定用乱数SR3は、通常予告演出(実行中の変動表示の表示結果が大当り図柄になる可能性(信頼度)を報知するための演出)を実行するか否かを決定するために用いられる乱数である。なお、通常予告演出は、1回の変動表示中に実行される予告演出である。
本実施例では、通常予告演出決定用乱数SR3は、「1」〜「9」の範囲の乱数とされていて「1」〜「9」の範囲のいずれかの値が抽出される。
次に、保留表示の表示態様が変化する保留予告または通常予告の画面例について図23から図28を参照して説明する。尚、本実施例では、第1保留記憶表示エリア5Dに保留表示が表示されている態様を例示している。
図23は、始動入賞タイミングにおける保留表示の表示態様の変化を示す説明図である。図23には、始動入賞にもとづく演出図柄の変動表示が開始される前に、保留予告の実行により保留表示の表示態様が変化する例が示されている。なお、変動表示が開始される前の時点として、始動入賞が生じたときが例示されている。
図23(A)に示すように、左中右の演出図柄表示エリア5L,5C,5Rにおいて演出図柄の変動表示が実行されているときに、新たな始動入賞が発生すると、保留表示の数が1増える。尚、新たな始動入賞に対応する保留表示(保留表示Aとする。)は、初期表示態様として青色または白色で表示される。
図23(B)に示すように、保留表示Aの近傍にキャラクタ画像5a(キャラクタA)を表示する。尚、本実施例で保留予告実行時に登場するキャラクタは、キャラクタAとキャラクタBとがある。さらに、後述するように、キャラクタAが登場直後にキャラクタBに変身することもある。
また、登場したキャラクタAは、保留表示Aに作用する作用演出(所定のアクション)を実行し、この作用演出により保留表示Aの色彩が黄色または赤色に変化される。この保留表示Aの色彩の変化は、当該保留表示Aに対応する変動表示が行われたときに、停止図柄が大当りになるか否かに応じて変化されるようになっている。そのため、遊技者は、保留表示Aの色彩の変化により大当りになるかもしれないという期待感を得られるようになっている。
尚、始動入賞タイミングに実行される保留予告において、キャラクタBが登場して保留表示Aの表示態様を変化させるパターンの演出が実行される場合もある。また、キャラクタAが登場後にキャラクタBに変身して保留表示Aの表示態様を変化させるパターンの演出が実行される場合もある。更に、キャラクタAが作用演出を実行しても保留表示Aの色彩が変化しない不成功演出(ガセ演出)のパターンが実行される場合もある。
その後、保留表示Aにもとづく変動表示を開始可能な状態になると(図23(C)参照)、演出制御用CPU120は、変動表示を開始するときに、保留表示Aを保留ボックス5Fの内部に表示する(図23(D)及び図23(E)参照)。なお、演出制御用CPU120は、通常の表示領域(第1保留記憶表示エリア5D)から保留表示Aを消去する。
図24は、リーチ前における保留表示の表示態様の変化を示す説明図である。変動表示を開始可能な状態になると(図24(A)参照)、演出制御用CPU120は、変動表示を開始するときに、開始される変動表示に対応する保留表示(保留表示Aとする。)を保留ボックス5Fの内部に表示する(図24(B)参照)。なお、演出制御用CPU120は、通常の表示領域(第1保留記憶表示エリア5D)から保留表示Aを消去する。
その後、リーチになる前に、演出制御用CPU120は、表示画面(例えば、保留ボックス5Fの近傍)に所定のキャラクタ画像5a(キャラクタA)を表示する(図24(C)参照)。そして、登場したキャラクタAは、保留ボックス5F内の保留表示Aに作用する作用演出を実行し、この作用演出により保留表示Aの色彩が黄色または赤色に変化される。そして、リーチになった後、最終停止図柄が導出表示される(図24(D)及び図24(E)参照)。
尚、リーチ前に実行される保留予告において、キャラクタBが登場して保留表示Aの表示態様を変化させるパターンの演出が実行される場合もある。また、キャラクタAが登場後にキャラクタBに変身して保留表示Aの表示態様を変化させるパターンの演出が実行される場合もある。更に、キャラクタAが作用演出を実行しても保留表示Aの色彩が変化しない不成功演出(ガセ演出)のパターンが実行される場合もある。
図25は、リーチ演出中における保留表示の表示態様の変化を示す説明図である。変動表示を開始可能な状態になると(図25(A)参照)、演出制御用CPU120は、変動表示を開始するときに、開始される変動表示に対応する保留表示(保留表示Aとする。)を保留ボックス5Fの内部に表示する(図25(B)参照)。なお、演出制御用CPU120は、通常の表示領域(第1保留記憶表示エリア5D)から保留表示Aを消去する。
そして、リーチになる前の時点では、保留ボックス5Fの内部で保留表示Aの表示態様は変化しない(図25(C)参照)。その後、リーチになった後(図25(D)参照)、スーパーリーチ演出が開始される(図25(E)参照)。
スーパーリーチ演出が開始されると、演出表示装置5の表示画面の左上方部に、演出図柄が小さく小図柄が表示され、演出図柄表示エリア5L,5C,5Rを使用しないようにし、演出表示装置5の表示他面の中央部にて、様々な演出画像が表示されても、遊技者が演出図柄の内容を認識できるようになっている。
そして、演出制御用CPU120は、表示画面(例えば、保留ボックス5Fの近傍)に所定のキャラクタ画像5a(キャラクタA)を表示する。登場したキャラクタAは、保留表示Aに作用する作用演出(所定のアクション)を実行し、この作用演出により保留表示Aの色彩が黄色または赤色に変化される。
尚、リーチ演出中に実行される保留予告において、キャラクタBが登場して保留表示Aの表示態様を変化させるパターンの演出が実行される場合もある。更に、キャラクタAが作用演出を実行しても保留表示Aの色彩が変化しない不成功演出(ガセ演出)のパターンが実行される場合もある。
このように、スーパーリーチ演出が実行中であっても、保留ボックス5F内の保留表示Aに作用する作用演出が実行されるので、遊技者は、保留ボックス5F内の保留表示Aの表示態様が変化したことに気づき易くなり、保留予告が実行されたことを認識させることができる。
また、保留表示が通常の表示領域(第1保留記憶表示エリア5Dまたは第2保留記憶表示エリア5U)に表示されている時間よりも、保留表示が保留ボックス5F内に表示されている時間の方が短いため、この保留表示が保留ボックス5F内に表示されているときに、所定のキャラクタが登場して保留ボックス5F内の保留表示に作用する作用演出を実行することで、遊技者は、保留ボックス5F内の保留表示Aの表示態様が変化したことに気づき易くなり、短い実行時間であっても、保留予告が実行されたことを認識させることができる。
尚、所定のキャラクタが登場して保留ボックス5F内の保留表示に作用する作用演出を実行することで、当該変動表示の大当り期待度に応じて当該保留表示の表示態様や作用演出を変化させるようにしても良く、遊技者は変動表示の大当り期待度に応じてリアルタイムで期待感を向上させることができる。また、変動表示中に保留表示の表示態様を変化させることで、リーチ前やリーチ演出中などの複数の異なるタイミングで保留表示の表示態様を変化させることができ、保留表示が通常の表示領域にあるときと比較して、演出の実行タイミングに多数のバリエーションを設けることができる。
図26は、リーチ演出中における保留表示の表示態様の変化を示す説明図である。変動表示を開始可能な状態になると(図26(A)参照)、演出制御用CPU120は、変動表示を開始するときに、開始される変動表示に対応する保留表示(保留表示Aとする。)を保留ボックス5Fの内部に表示する(図26(B)参照)。なお、演出制御用CPU120は、通常の表示領域(第1保留記憶表示エリア5D)から保留表示Aを消去する。
その後、リーチになった後、スーパーリーチ演出が開始される(図26(C)参照)。スーパーリーチ演出が開始されると、演出表示装置5の表示画面の左上方部に演出図柄が小図柄として表示される。そして、演出制御用CPU120は、表示画面(例えば、保留ボックス5Fの近傍)に所定のキャラクタ画像5a(キャラクタA)を表示する。
登場したキャラクタAは、キャラクタBに変身し(図26(D)参照)、この変身したキャラクタBは、保留表示Aに作用する作用演出(所定のアクション)を実行し、この作用演出により保留表示Aの色彩が黄色または赤色に変化される。
図27は、通常予告演出の一例を示す説明図である。変動表示を開始可能な状態になると(図27(A)参照)、演出制御用CPU120は、変動表示を開始するときに、開始される変動表示に対応する保留表示(保留表示Aとする。)を保留ボックス5Fの内部に表示する(図27(B)参照)。なお、演出制御用CPU120は、通常の表示領域(第1保留記憶表示エリア5D)から保留表示Aを消去する。
その後、変動表示中の所定の時期に、演出制御用CPU120は、表示画面に通常予告演出のための演出画像5cを表示する(図27(C)参照)。尚、演出表示装置5の表示画面の左上方部に演出図柄が小図柄として表示される。そして、演出画像5cの表示態様を変化させることによって通常予告演出が実行される(図27(D)参照)。尚、リーチになった後、演出画像5cの表示が終了される(図27(E)参照)。
なお、図27に例示する通常予告演出の態様は一例であって、画像、音声、LED等を用いる他の態様の予告演出を実行することができる。また、複数種類の通常予告演出から、実行するものを選択するようにしてもよい。
図28は、通常予告演出とリーチ前における保留表示の表示態様の変化を示す説明図である。変動表示を開始可能な状態になると(図28(A)参照)、演出制御用CPU120は、変動表示を開始するときに、開始される変動表示に対応する保留表示(保留表示Aとする。)を保留ボックス5Fの内部に表示する(図28(B)参照)。なお、演出制御用CPU120は、通常の表示領域(第1保留記憶表示エリア5D)から保留表示Aを消去する。
その後、変動表示中の所定の時期に、演出制御用CPU120は、表示画面に通常予告演出のための演出画像5cを表示する(図28(C)参照)。尚、演出表示装置5の表示画面の左上方部に演出図柄が小図柄として表示される。そして、演出制御用CPU120は、表示画面(例えば、保留ボックス5Fの近傍)に所定のキャラクタ画像5a(キャラクタA)を表示する。
登場したキャラクタAは、保留表示Aに作用する作用演出(所定のアクション)を実行し、この作用演出により保留表示Aの色彩が黄色または赤色に変化される。そして、演出画像5cの態様を変化させることによって通常予告演出が実行される(図28(D)参照)。尚、リーチになった後、演出画像5cの表示が終了される(図28(E)参照)。
このように、通常予告演出が実行中であっても、保留ボックス5F内の保留表示Aに作用する作用演出が実行されるので、遊技者は、保留ボックス5F内の保留表示Aの表示態様が変化したことに気づき易くなり、保留予告が実行されたことを認識させることができる。
尚、演出制御用CPU120は、保留予告の対象となる保留表示にもとづく変動表示が大当りになる場合にハズレになる場合と比較して、特定のキャラクタ画像5aを高い割合で選択する。例えば、大当りになる場合にキャラクタAよりもキャラクタBを高い割で選択する。また、キャラクタ画像5aの違いに応じて、保留表示の表示態様を変化させる割合を異なっている。例えば、後述するように、キャラクタAとキャラクタBとでは、保留表示の変化後の最終態様を赤色にする割合が異なっている。
また、本実施例では、所定のキャラクタを表示して作用演出を行った際に、保留表示の最終表示態様が「黄色」または「赤色」のいずれかに変化されるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、所定のキャラクタを表示して作用演出を行った際に、保留表示の最終表示態様がいずれかの色彩の表示態様に変化するものであっても良い。例えば、キャラクタAが登場した場合には、保留表示の最終表示態様が「黄色」になり、キャラクタBが登場した場合には、保留表示の最終表示態様が「赤色」になるように、キャラクタの種別と保留表示の最終表示態様が1対1に対応するものであっても良い。
また、本実施例では、キャラクタ画像5aを表示して作用演出を行った際に、保留表示の表示態様が変化しない不成功パターンの保留予告が実行される場合があるが、本発明はこれに限定されるものではなく、キャラクタ画像5aを表示して作用演出を行った際に、必ず保留表示の表示態様が変化するものであっても良い。
図29は、メイン処理における演出制御プロセス処理(S705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、保留予告処理を実行した後(S800A)、演出制御プロセスフラグの値に応じてS800〜S807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置5の表示状態が制御され、演出図柄の変動表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の変動表示に関する制御も、1つの演出制御プロセス処理において実行される。
変動パターンコマンド受信待ち処理(S800):遊技制御用マイクロコンピュータ100から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(S801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(S802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(S803):全図柄停止を指示する演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)を受信したことにもとづいて、演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(S804):変動時間の終了後、演出表示装置5に大当りの発生を報知するための画面(ファンファーレ画面)を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(S805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(S806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了演出処理(S807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(S806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(S805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(S807):演出表示装置5において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に対応した値に更新する。
図30は、保留予告処理(S800A)を示すフローチャートである。保留予告処理において、演出制御用CPU120は、入賞時判定結果記憶バッファ194Aに未決定フラグの値が「1」にセットされたエントリ(格納領域)があるか否か、つまり始動入賞により新たに発生した保留記憶(保留表示)があるか否かを判定する(S901)。ここで、未決定フラグの値が「1」にセットされたエントリがない場合は、後述するS918に進む。一方、未決定フラグの値が「1」にセットされたエントリがある場合は、S902に進む。尚、保留予告処理では、未決定フラグの値が「1」にセットされたエントリに対応する保留表示について保留予告を実行するか否かを決定する。
S902において演出制御用CPU120は、初期表示態様決定用乱数SR2−1(図22参照)を抽出し、当該乱数と入賞時表示態様決定テーブル(図32(A)参照)を用いて保留表示の初期表示態様を決定する。
図32(A)に示すように、入賞時表示態様決定テーブルは、保留表示の初期表示(始動入賞時の最初の表示)態様を決定するために用いるテーブルである。この入賞時表示態様決定テーブルには、決定の対象となる保留表示の判定結果(入賞時判定結果指定コマンド)が大当り若しくはハズレに対応するか否かに応じて、保留表示の初期表示態様の種類(「青色」、「白色」)における各判定値が割り当てられている。
本実施例では、保留表示の初期表示態様(入賞時表示態様)の種類である「青色」、「白色」のそれぞれに対して、決定の対象となる保留表示の判定結果が大当りである場合、ハズレである場合のそれぞれに異なる判定値が割り当てられている。具体的には、決定の対象となる保留表示の判定結果が大当りである場合については、「青色」に対して70個の判定値が割り当てられ、「白色」に対して30個の判定値が割り当てられている。また、決定の対象となる保留表示の判定結果がハズレである場合については、「青色」に対して95個の判定値が割り当てられ、「白色」に対して5個の判定値が割り当てられている。つまり、本実施例では、保留表示の初期表示態様が「青色」となる割合が高くなっているが、決定の対象となる保留表示の判定結果が大当りである場合には、保留表示の初期表示態様が「白色」となる割合が若干高まるようになっている。
尚、本実施例では、保留表示の初期表示態様を「青色」と「白色」の2種類のみとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、保留表示の初期表示態様を3種類以上設けるようにしても良いし、保留表示の初期表示態様を1種類として入賞時表示態様決定テーブルを用いずに常に同じ態様で保留表示の初期表示を行っても良い。
次いで、S903において演出制御用CPU120は、該決定の対象となっているエントリが入賞時判定結果記憶バッファ194Aの第1特図保留記憶部のエントリであるか否かを判定する。ここで、第1特図保留記憶部のエントリである場合は、決定された初期表示態様で第1保留記憶表示エリア5Dにおける保留表示を1つ追加する表示を行う(S904)。一方、第2特図保留記憶部のエントリである場合は、決定された初期表示態様で第2保留記憶表示エリア5Uにおける保留表示を1つ追加する表示を行う(S905)。
次いで、S906において演出制御用CPU120は、保留予告の新たな実行の決定を制限する保留予告決定制限フラグがセットされているか否かを判定する。ここで、保留予告決定制限フラグがセットされている場合は、当該エントリの未決定フラグの値に「0」をセットし(S907)、後述するS918に進む。一方、保留予告決定制限フラグがセットされていない場合は、S908に進む。本実施例では、既に保留予告の実行が決定されている場合に、保留予告決定制限フラグがセットされ、他に新たな保留予告の実行を決定しないようになっている。
S908において演出制御用CPU120は、入賞時判定結果記憶バッファ194Aを参照し、最新の入賞時判定結果指定コマンドが非リーチに対応するか否かを判定する。ここで、最新の入賞時判定結果指定コマンドが非リーチに対応する場合は、当該エントリの未決定フラグの値に「0」をセットし(S909)、後述するS918に進む。一方、最新の入賞時判定結果指定コマンドが非リーチに対応しない場合は、S910に進む。本実施例では、演出図柄の変動表示が非リーチとなる場合には、保留予告を実行しないようにしている。
S910において演出制御用CPU120は、最終表示態様決定用乱数SR2−2(図22参照)を抽出し、当該乱数と最終表示態様決定テーブル(図32(B)参照)を用いて保留予告が実行された場合における保留表示の最終表示態様を決定する。
図32(B)に示すように、最終表示態様決定テーブルは、保留表示の最終表示(保留予告実行後の表示)態様を決定するためのテーブルである。この最終表示態様決定テーブルには、決定の対象となる保留表示の判定結果(入賞時判定結果指定コマンド)が大当り若しくはハズレに対応するか否かに応じて、保留表示の最終表示態様の種類(「変化なし」、「黄色」、「赤色」)における各判定値が割り当てられている。
本実施例では、保留表示の最終態様の種類において、保留予告実行後であっても初期表示の状態のままで変化しない「変化なし」と、保留予告実行後に保留表示の表示態様が黄色に変化する「黄色」と、保留予告実行後に保留表示の表示態様が赤色に変化する「赤色」とに対応してそれぞれ異なる判定値が割り当てられている。具体的には、決定の対象となる保留表示の判定結果が大当りである場合については、「変化なし」に対して10個の判定値が割り当てられ、「黄色」に対して30個の判定値が割り当てられ、「赤色」に対して60個の判定値が割り当てられている。また、決定の対象となる保留表示の判定結果がハズレである場合については、「変化なし」に対して60個の判定値が割り当てられ、「黄色」に対して30個の判定値が割り当てられ、「赤色」に対して10個の判定値が割り当てられている。つまり、本実施例では、決定の対象となる保留表示の判定結果が大当りである場合に、最終表示態様が「赤色」になる割合が高く、決定の対象となる保留表示の判定結果がハズレである場合に、最終表示態様が「変化なし」になる割合が高くなっている。
尚、本実施例では、保留表示の最終表示態様を「変化なし」を含めて「黄色」と「赤色」の3種類のみとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、保留表示の最終表示態様を4種類以上設けるようにしても良いし、保留表示の最終表示態様を1種類として最終表示態様決定テーブルを用いずに常に同じ態様で保留表示の最終表示を行っても良い。
次いで、S911において演出制御用CPU120は、演出タイミング決定用乱数SR2−3(図22参照)を抽出し、当該乱数と演出タイミング決定テーブル(図32(C)参照)を用いて保留予告においてキャラクタが登場して作用演出を実行するタイミングを決定する。
図32(C)に示すように、演出タイミング決定テーブルは、保留予告においてキャラクタが登場して作用演出を実行するタイミングを決定するためのテーブルである。本実施例では、始動入賞直後にキャラクタが登場して作用演出を実行する「始動入賞タイミング」と、保留表示に対応する変動表示が開始されてリーチ状態になる前にキャラクタが登場して作用演出を実行する「リーチ前」と、保留表示に対応する変動表示が開始されてリーチ演出が実行されているときにキャラクタが登場して作用演出を実行する「リーチ演出中」との3つの実行タイミングが設けられている。そして、決定の対象となる保留表示の判定結果(入賞時判定結果指定コマンド)が大当り若しくはハズレに対応するか否かに応じて、各実行タイミングにおける各判定値が割り当てられている。
具体的には、決定の対象となる保留表示の判定結果が大当りである場合については、「始動入賞タイミング」に対して10個の判定値が割り当てられ、「リーチ前」に対して30個の判定値が割り当てられ、「リーチ演出中」に対して60個の判定値が割り当てられている。また、決定の対象となる保留表示の判定結果がハズレである場合については、「始動入賞タイミング」に対して60個の判定値が割り当てられ、「リーチ前」に対して30個の判定値が割り当てられ、「リーチ演出中」に対して10個の判定値が割り当てられている。つまり、本実施例では、決定の対象となる保留表示の判定結果が大当りである場合に、「リーチ演出中」にキャラクタが登場して作用演出を実行する割合が高く、決定の対象となる保留表示の判定結果がハズレである場合に、「始動入用タイミング」にキャラクタが登場して作用演出を実行する割合が高くなっている。
尚、本実施例では、保留予告を実行するタイミング(キャラクタが登場して作用演出を実行するタイミング)を「始動入賞タイミング」と「リーチ前」と「リーチ演出中」の3種類のみとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、保留予告を実行するタイミングを4種類以上設けるようにしても良いし、保留予告を実行するタイミングを1種類として演出タイミング決定テーブルに常に同じタイミングで保留予告を実行しても良い。
尚、本実施例では、保留表示が通常の表示領域(第1保留記憶表示エリア5Dまたは第2保留記憶表示エリア5U)に表示中の「始動入賞タイミング」において保留予告を実行するパターンと、保留表示が保留ボックス5F内に表示中の「リーチ前」または「リーチ演出中」において保留予告を実行するパターンとが、同一の演出タイミング決定テーブルを用いて決定される態様を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、保留表示が通常の表示領域に表示中の「始動入賞タイミング」において保留予告を実行するパターンと、保留表示が保留ボックス5F内に表示中の「リーチ前」または「リーチ演出中」において保留予告を実行するパターンと、をそれぞれ別個の演出タイミング決定テーブルを用いて決定するようにしても良い。
尚、本実施例では、入賞時判定結果指定コマンドにもとづいて、決定の対象となる保留表示の判定結果が大当り若しくはハズレに対応するか否かに応じて、保留表示の初期表示態様の種類や保留表示の最終表示態様の種類や演出の実行タイミングにおける各判定値が割り当てられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、決定の対象となる保留表示の判定結果は、入賞時判定結果指定コマンドにもとづかなくても良く、例えば、保留記憶を対象に先読み判定を実行し、当該先読み判定にもとづいて、保留表示の初期表示態様の種類や保留表示の最終表示態様の種類や演出の実行タイミングが決定されるものであっても良い。
次いで、S912において演出制御用CPU120は、キャラクタ決定用乱数SR2−4(図22参照)を抽出し、当該乱数と決定された演出タイミングに応じたキャラクタ決定テーブルを用いて保留予告における作用演出に用いるキャラクタを決定する。
図33に示すように、始動入賞タイミングに保留予告を実行すると決定した場合に用いる始動入賞タイミング用のキャラクタ決定テーブル(図33(A))と、リーチ前に保留予告を実行すると決定した場合に用いるリーチ前用のキャラクタ決定テーブル(図33(B))と、リーチ演出中に保留予告を実行すると決定した場合に用いるリーチ演出中用のキャラクタ決定テーブル(図33(C))との3種類のキャラクタ決定テーブルが設けられている。
各キャラクタ決定テーブルでは、入賞時表示態様(保留表示の初期表示態様)が「青色」であるか「黄色」であるかに応じて、「キャラクタA」が登場する態様と「キャラクタB」が登場する態様とキャラクタAがBに変身する「キャラクタA・B」の態様とがそれぞれ設けられている。尚、各キャラクタ態様は、保留表示の最終表示態様が「変化なし」であるか「黄色」であるか「赤色」であるかに応じてそれぞれに異なる判定値が割り当てられている。
具体的には、始動入賞タイミング用キャラクタ決定テーブル(図33(A))において、入賞時表示態様の種類が「青色」であるとともに保留表示の最終表示態様が「変化なし」である場合については、「キャラクタA」に対して90個の判定値が割り当てられ、「キャラクタB」に対して10個の判定値が割り当てられ、「キャラクタA・B」に対して0個の判定値が割り当てられている。また、入賞時表示態様の種類が「青色」であるとともに保留表示の最終表示態様が「黄色」である場合については、「キャラクタA」に対して70個の判定値が割り当てられ、「キャラクタB」に対して25個の判定値が割り当てられ、「キャラクタA・B」に対して5個の判定値が割り当てられている。また、入賞時表示態様の種類が「青色」であるとともに保留表示の最終表示態様が「赤色」である場合については、「キャラクタA」に対して60個の判定値が割り当てられ、「キャラクタB」に対して30個の判定値が割り当てられ、「キャラクタA・B」に対して10個の判定値が割り当てられている。
更に、始動入賞タイミング用キャラクタ決定テーブル(図33(A))において、入賞時表示態様の種類が「白色」であるとともに保留表示の最終表示態様が「変化なし」である場合については、「キャラクタA」に対して95個の判定値が割り当てられ、「キャラクタB」に対して5個の判定値が割り当てられ、「キャラクタA・B」に対して0個の判定値が割り当てられている。また、入賞時表示態様の種類が「白色」であるとともに保留表示の最終表示態様が「黄色」である場合については、「キャラクタA」に対して60個の判定値が割り当てられ、「キャラクタB」に対して30個の判定値が割り当てられ、「キャラクタA・B」に対して10個の判定値が割り当てられている。また、入賞時表示態様の種類が「白色」であるとともに保留表示の最終表示態様が「赤色」である場合については、「キャラクタA」に対して40個の判定値が割り当てられ、「キャラクタB」に対して40個の判定値が割り当てられ、「キャラクタA・B」に対して20個の判定値が割り当てられている。
また、リーチ前用キャラクタ決定テーブル(図33(B))において、入賞時表示態様の種類が「青色」であるとともに保留表示の最終表示態様が「変化なし」である場合については、「キャラクタA」に対して80個の判定値が割り当てられ、「キャラクタB」に対して20個の判定値が割り当てられ、「キャラクタA・B」に対して0個の判定値が割り当てられている。また、入賞時表示態様の種類が「青色」であるとともに保留表示の最終表示態様が「黄色」である場合については、「キャラクタA」に対して60個の判定値が割り当てられ、「キャラクタB」に対して30個の判定値が割り当てられ、「キャラクタA・B」に対して10個の判定値が割り当てられている。また、入賞時表示態様の種類が「青色」であるとともに保留表示の最終表示態様が「赤色」である場合については、「キャラクタA」に対して45個の判定値が割り当てられ、「キャラクタB」に対して35個の判定値が割り当てられ、「キャラクタA・B」に対して20個の判定値が割り当てられている。
更に、リーチ前用キャラクタ決定テーブル(図33(B))において、入賞時表示態様の種類が「白色」であるとともに保留表示の最終表示態様が「変化なし」である場合については、「キャラクタA」に対して90個の判定値が割り当てられ、「キャラクタB」に対して10個の判定値が割り当てられ、「キャラクタA・B」に対して0個の判定値が割り当てられている。また、入賞時表示態様の種類が「白色」であるとともに保留表示の最終表示態様が「黄色」である場合については、「キャラクタA」に対して50個の判定値が割り当てられ、「キャラクタB」に対して35個の判定値が割り当てられ、「キャラクタA・B」に対して15個の判定値が割り当てられている。また、入賞時表示態様の種類が「白色」であるとともに保留表示の最終表示態様が「赤色」である場合については、「キャラクタA」に対して30個の判定値が割り当てられ、「キャラクタB」に対して45個の判定値が割り当てられ、「キャラクタA・B」に対して25個の判定値が割り当てられている。
また、リーチ演出中用キャラクタ決定テーブル(図33(C))において、入賞時表示態様の種類が「青色」であるとともに保留表示の最終表示態様が「変化なし」である場合については、「キャラクタA」に対して70個の判定値が割り当てられ、「キャラクタB」に対して30個の判定値が割り当てられ、「キャラクタA・B」に対して0個の判定値が割り当てられている。また、入賞時表示態様の種類が「青色」であるとともに保留表示の最終表示態様が「黄色」である場合については、「キャラクタA」に対して50個の判定値が割り当てられ、「キャラクタB」に対して35個の判定値が割り当てられ、「キャラクタA・B」に対して15個の判定値が割り当てられている。また、入賞時表示態様の種類が「青色」であるとともに保留表示の最終表示態様が「赤色」である場合については、「キャラクタA」に対して35個の判定値が割り当てられ、「キャラクタB」に対して40個の判定値が割り当てられ、「キャラクタA・B」に対して25個の判定値が割り当てられている。
更に、リーチ演出中用キャラクタ決定テーブル(図33(C))において、入賞時表示態様の種類が「白色」であるとともに保留表示の最終表示態様が「変化なし」である場合については、「キャラクタA」に対して90個の判定値が割り当てられ、「キャラクタB」に対して10個の判定値が割り当てられ、「キャラクタA・B」に対して0個の判定値が割り当てられている。また、入賞時表示態様の種類が「白色」であるとともに保留表示の最終表示態様が「黄色」である場合については、「キャラクタA」に対して30個の判定値が割り当てられ、「キャラクタB」に対して50個の判定値が割り当てられ、「キャラクタA・B」に対して20個の判定値が割り当てられている。また、入賞時表示態様の種類が「白色」であるとともに保留表示の最終表示態様が「赤色」である場合については、「キャラクタA」に対して15個の判定値が割り当てられ、「キャラクタB」に対して55個の判定値が割り当てられ、「キャラクタA・B」に対して30個の判定値が割り当てられている。
本実施例では、いずれのキャラクタ決定テーブルであっても、「キャラクタA・B」に対して0個の判定値が割り当てられているため、保留予告において登場したキャラクタAがBに変身した場合には、必ず保留表示の最終態様が「黄色」または「赤色」に変化するようになっている。また、保留予告においてキャラクタAが登場した場合は、保留表示の最終態様が「変化なし」となる割合が高く、キャラクタBが登場したりキャラクタAがBに変身したりした場合は、保留表示の最終態様が「黄色」または「赤色」に変化する割合が高くなる。尚、キャラクタBが登場するよりもキャラクタAがBに変身した場合の方が、保留表示の最終態様が「黄色」または「赤色」に変化する割合が高い。つまり、保留予告において登場するキャラクタの種類に応じて、保留表示の最終態様が変化する割合が異なっている。
また、保留表示が大当りとなる可能性が最も高い「赤色」に変化する割合は、始動入賞タイミング用キャラクタ決定テーブル(図33(A))よりもリーチ前用キャラクタ決定テーブル(図33(B))の方が高く、さらにリーチ演出中用キャラクタ決定テーブル(図33(C))の方が高くなっている。つまり、リーチ演出中に保留予告が実行された場合には、他のタイミングと比較して保留表示が「赤色」に変化する可能性が高くなっている。また、入賞時表示態様が「青色」であるときよりも「白色」であるときの方が、保留表示が「赤色」に変化する可能性が高くなっている。つまり、保留表示の入賞時表示態様(初期の表示態様)に応じて、保留表示の最終態様が変化する割合が異なっている。
尚、本実施例では、「キャラクタA」と「キャラクタB」と「キャラクタA・B」との3種類の態様が設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、キャラクタの態様を4種類以上設けるようにしても良いし、キャラクタの態様を1種類としてキャラクタ決定テーブルを用いずに常に同じキャラクタを用いて作用演出を行っても良い。また、キャラクタを出現させない「キャラクタなし」の態様を設けるようにしても良い。
次いで、S913において演出制御用CPU120は、S902,S910,S911,S912において決定された各演出態様に対応する保留予告のパターンを、入賞時判定結果記憶バッファ194A(図10(B))における保留予告パターン格納領域に記憶する。尚、保留予告の実行を決定しなかった場合(前述のS906がY、またはS908がYの場合)は、保留予告パターン格納領域はブランクとなる。
図34は、S913の処理で記憶される保留予告のパターンの一例を示す説明図である。保留予告の各パターンは、始動入賞時の保留表示の入賞時表示態様(初期表示の態様)、始動入賞タイミングの保留表示の表示態様、リーチ前の保留表示の表示態様、及びリーチ演出中の保留表示の表示態様のそれぞれに対応するように設定されている。
図34に示す例において、例えば、前述のS902において入賞時表示態様に「青色」が決定され、S910において最終表示態様が「変化なし」に決定され、S911において演出タイミングに始動入賞タイミングが決定され、S912においてキャラクタAが決定された場合は、「保留予告パターン1」が対応するパターンとなる。
尚、この「保留予告パターン1」は、始動入賞時の保留表示の入賞時表示態様、始動入賞タイミングの保留表示の表示態様、リーチ前の保留表示の表示態様、及びリーチ演出中の保留表示の表示態様が、「青」、「青」、「青」、及び「青」であり、キャラクタAが始動入賞タイミングで登場しても、保留表示の表示態様が変化しないパターンとなっている。
尚、他のパターンとして、「保留予告パターン5」は、キャラクタAが始動入賞タイミングで登場して保留表示を「青」から「黄」に変化させるパターンを示している。また、「保留予告パターン15」は、キャラクタAが始動入賞タイミングで登場してキャラクタBに変身し、保留表示を「青」から「黄」に変化させるパターンを示している。尚、これらの保留予告のパターンは一例であり、特に図示はしないが他のパターンも存在し、前述の各演出態様の決定結果に対応する保留予告のパターンが保留予告パターン格納領域に記憶される。
また、本実施例では、保留予告において、始動入賞タイミング、リーチ前、及びリーチ演出中の3つのタイミングのうち、いずれか1つのタイミングで保留表示の表示態様が変化するようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、始動入賞タイミング、リーチ前、及びリーチ演出中の3つのタイミングのうち、複数のタイミング、または全てのタイミングで保留表示の表示態様が変化するようにしても良い。
また、始動入賞タイミングから複数保留表示が消化されて、保留表示がシフトする各シフトタイミングにおいて、保留表示の表示態様が変化するようにし、当該保留表示がシフトする各シフトタイミングで所定キャラクタが登場して作用演出を実行するようにしても良い。尚、保留表示がシフトする各シフトタイミングのうち、いずれのシフトタイミング(シフト回数)で保留表示の表示態様が変化するかに応じて大当り期待度が異なるようにしても良い。
尚、本実施例では、演出制御用CPU120は、変動表示開始前に(一例として、始動入賞時に)、全ての時期(始動入賞時、リーチ前、リーチ演出中)における保留表示の表示態様を決定するが、入賞時判定結果指定コマンドにもとづいて変動表示が開始されるまでの態様を変動表示開始前に決定し、変動表示開始時に、例えば、表示結果指定コマンドにもとづいて変動表示中(リーチ前、リーチ演出中)の態様を決定するようにしてもよい。
尚、始動入賞時と変動表示開始前との各々において、あらかじめ決められている割合にもとづいて別個に決定する場合には、保留表示の表示態様が変化するタイミングの割合を異ならせることができる。さらに、変動表示開始前に、リーチ前の態様とリーチ演出中の態様とをあらかじめ決められている割合にもとづいて別個に決定するようにしてもよい。その場合にも、保留表示の表示態様が変化するタイミングの割合を異ならせることができる。
尚、本実施例では、入賞時表示態様決定テーブル(図32(A))と最終表示態様決定テーブル(図32(B))と演出タイミング決定テーブル(図32(C))とキャラクタ決定テーブル(図33)とを用いて、保留予告において実行する保留予告のパターンを決定するようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、保留予告の全てのパターンが1つのテーブルに登録され、各パターンに対応する判定値が割り当てられたテーブルを用いて、保留予告において実行する保留予告のパターンを決定するようにしても良い。
次いで、S914において演出制御用CPU120は、保留予告決定制限フラグをセットし、当該エントリの未決定フラグの値に「0」をセットし(S915)、S916に進む。
S916において演出制御用CPU120は、入賞時判定結果記憶バッファ194A(図10(B))に記憶された保留予告のパターンが始動入賞タイミングに作用演出を行うパターンか否か、つまり始動入賞タイミングにキャラクタが登場して保留表示の表示態様を変化させるパターンであるか否かを判定する。ここで、保留予告のパターンが始動入賞タイミングに作用演出を行うパターンでない場合は、当該保留予告処理を終了する。一方、保留予告のパターンが始動入賞タイミングに作用演出を行うパターンである場合は、後述する第1作用演出実行処理を実行した後(S917)、当該保留予告処理を終了する。尚、第1作用演出実行処理では、キャラクタ画像を表示して所定のアクション(動画の表示)を行う作用演出(図23参照)を実行する処理を行う。
また、前述のS901がN、またはS907がNの場合に進むS918において、演出制御用CPU120は、第1作用演出実行処理が実行中であることを示す第1作用演出実行中フラグがセットされているか否かを判定する。ここで、第1作用演出実行中フラグがセットされていない場合は、当該保留予告処理を終了する。一方、第1作用演出実行中フラグがセットされている場合は、第1作用演出処理を実行し(S917)、当該保留予告処理を終了する。
尚、本実施例では、始動入賞時に決定された初期表示態様で保留表示を表示し、始動入賞タイミングで保留予告を実行する場合には、作用演出を実行後に初期表示態様の保留表示を最終表示態様の色彩に変化させるようにしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、始動入賞タイミングで保留予告を実行することが決定されている場合には、最終表示態様で保留表示の初期表示を行っても良い。つまりキャラクタが作用演出を実行して保留表示の表示態様を変化させるものでなくても良い。尚、最終態様で初期表示がなされる保留表示の表示開始時または該保留表示の表示直前に作用演出を実行してキャラクタが保留表示を出現させるような演出を行うようにしても良い。
次に、第1作用演出実行処理について説明する。図31は、第1作用演出実行処理の一例を示すフローチャートである。第1作用演出実行処理において、演出制御用CPU120は、先ず、第1作用演出実行中フラグがセットされているか否か、つまり、作用演出が開始されているか否かを判定する(S301)。ここで、第1作用演出実行中フラグがセットされている場合は、S308に進む。一方、第1作用演出実行中フラグがセットされていない場合は、S303に進んで、第1作用演出の実行中であることを示す第1作用演出実行中フラグをセットし、作用演出に該当する作用演出期間に相当する値を作用演出期間タイマにセットする(S304)。
次いで、演出制御用CPU120は、入賞時判定結果記憶バッファ194A(図10(B))における保留予告パターン格納領域を参照して、記憶されている保留予告のパターンと当該実行タイミング(始動入賞タイミング)に応じた作用演出(キャラクタが登場して所定のアクションを実行する演出)に対応した作用演出プロセステーブルを読み出してセットした後(S305)、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1における作用演出プロセスタイマをスタートさせる(S306)。尚、本実施例では、各作用演出の態様(「キャラクタA」、「キャラクタB」、「キャラクタA・B」)の全ての組み合わせに対応する作用演出プロセステーブルが、予めROM121に記憶されている。
そして演出制御用CPU120は、セットした作用演出プロセステーブルの最初のプロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1、操作部制御実行データ1等)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての遊技効果ランプ9および演出用部品としてのスピーカ8L,8R)の制御を開始し(S307)、当該作用演出実行処理を終了する。
また、S301において第1作用演出実行中フラグがセットされている場合には、S308に進んで、演出制御用CPU120は、作用演出のプロセスを変更するための作用演出プロセスタイマの値を−1する。そして、作用演出期間の終了を計時するための作用演出期間タイマの値を−1する(S309)。
次いで、演出制御用CPU120は、作用演出期間タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S310)。ここで、作用演出期間タイマがタイマアウトしていない場合は、S311に進む。一方、作用演出期間タイマがタイマアウト(値が0になる)した場合は、第1作用演出実行中フラグをクリアし(S315)、S316に進む。
S316において演出制御用CPU120は、当該実行中の保留予告のパターンが当該実行タイミング(始動入賞タイミング)に保留表示の表示態様を「黄色」または「赤色」に変化するものであるか否かを判定する。ここで、当該実行タイミングに保留表示の表示態様を変化させる保留予告のパターンでない(「変化なし」)場合は、当該作用演出処理を終了する。一方、当該実行タイミングに保留表示の表示態様を変化させる保留予告のパターンである場合は、記憶されている保留予告のパターンに従って、保留予告の対象となっている保留表示の表示態様を変更して表示し(S317)、当該作用演出処理を終了する。
S311において演出制御用CPU120は、作用演出プロセスタイマがタイマアウトしたか否かを判定する。ここで、作用演出プロセスタイマがタイマアウトしていない場合は、S314に進む。一方、作用演出プロセスタイマがタイマアウトしている場合は、作用演出の作用演出プロセスデータの切り替えを行う(S312)。すなわち、作用演出プロセステーブルにおける次に設定されている作用演出プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S313)。
S314において演出制御用CPU120は、次に設定されている作用演出プロセスデータに含まれる表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データ、操作部制御実行データ、入力制御実行データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更し、当該作用演出処理を終了する。
図35は、演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU120は、変動パターン受信フラグがセットされたか否か確認する(S811)。セットされていたら、そのフラグをクリアする(S812)。そして、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(S801)に対応した値に変更する(S813)。
図36は、図29に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(S801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU120は、保留表示を保留ボックス5Fに移動させるような表示制御を行う(S818)。すなわち、保留ボックス5F内で保留表示を行い、通常の表示領域における保留表示を1減らす。なお、入賞時判定結果記憶バッファ194A(図10(B))において、格納領域「1−1」に第1保留記憶数加算指定コマンドが格納されている場合には、第1保留記憶表示エリア5Dの保留表示を1減らし、格納領域「2−1」に第2保留記憶数加算指定コマンドが格納されている場合には、第2保留記憶表示エリア5Uの保留表示を1減らす。
また、演出制御用CPU120は、入賞時判定結果記憶バッファ194A(図10(B))の当該変動表示に対応する格納領域(「1−1」または「2−1」)における保留予告パターン格納領域に格納されている保留予告のパターン(図34参照)を読み出して、RAMの所定領域に記憶する(S819)。
また、演出制御用CPU120は、入賞時判定結果記憶バッファの当該変動表示に対応する格納領域(「1−1」または「2−1」)に記憶されている入賞時判定結果指定コマンド等を削除し、入賞時判定結果記憶バッファの内容をシフトする(S820)。すなわち、下位の格納領域(「1−2」〜「1−4」、または「2−2」〜「2−4」)の内容を、1つずつ上位の格納領域にシフトする。
次いで、演出制御用CPU120は、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(S821)。
また、演出制御用CPU120は、表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(S822)。
図37は、演出図柄の停止図柄(最終停止図柄)の一例を示す説明図である。図37に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが通常大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドである場合)、演出制御用CPU120は、停止図柄として、3図柄が偶数図柄(通常大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。受信した表示結果指定コマンドが確変大当りを示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU120は、停止図柄として3図柄が奇数図柄(確変大当りの発生を想起させるような停止図柄)で揃った演出図柄の組合せを決定する。
大当り図柄を決定する際に、演出制御用CPU120は、S821の処理で、SR1−1を抽出し、SR1−1を用いて左中右の停止図柄(左中右の図柄が揃った演出図柄の組合せ)を決定する。
はずれの場合には、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。
具体的には、演出制御用CPU120は、例えば、はずれ図柄にすることに決定されていない場合であって、かつ、リーチすることに決定されていない場合には、SR1−1〜SR1−3を抽出し、SR1−1を用いて左図柄を決定し、SR1−2を用いて中図柄を決定し、SR1−3を用いて右図柄を決定する。なお、決定された左右図柄が一致した場合には、右図柄を1図柄ずらす。リーチすることに決定されている場合には、SR1−1〜SR1−2を抽出し、SR1−1を用いて左右図柄を決定し、SR1−2を用いて中図柄を決定する。なお、決定された左中右図柄がチャンス目であった場合には、例えば、左図柄を1図柄ずらす。
次いで、演出制御用CPU120は、通常予告演出の実行の有無を決定する通常予告演出決定処理を実行する(S823)。
図38は、通常予告演出決定処理を示すフローチャートである。通常予告演出決定処理において、演出制御用CPU120は、演出図柄の表示結果が大当り図柄になるか否か確認する(S501)。なお、大当り図柄になるか否かは、受信した表示結果指定コマンドで特定可能である。
演出制御用CPU120は、演出図柄の表示結果が大当り図柄になる場合には、通常予告演出決定用乱数と通常予告演出決定テーブルにおけるテーブルAとにもとづいて予告演出の決定(通常予告演出を実行するか否かの決定)を行う(S502)。
演出制御用CPU120は、演出図柄の表示結果が大当り図柄にならない(はずれ図柄になる)場合には、通常予告演出決定用乱数と通常予告演出決定テーブルにおけるテーブルBとにもとづいて予告演出の決定(通常予告演出を実行するか否かの決定)を行う(S503)。
図39は、通常予告演出決定テーブルの一例を示す説明図である。この実施の形態では、通常予告演出決定テーブルとして、演出図柄の表示結果が大当り図柄になる場合に使用されるテーブルAと、演出図柄の表示結果がはずれ図柄になる場合に使用されるテーブルBとがある。
また、テーブルA,Bには、リーチの種類に応じた判定値(予告することに関する判定値)が設定されている。なお、図39には、予告しないことに関する判定値も示されているが、予告しないことに関する判定値は設定されていなくてもよい。
演出制御用CPU120は、S502,S503の処理で、通常予告演出決定用乱数を抽出し、通常予告演出決定テーブルにおける変動パターン(S821の処理で読み出した変動パターン)の種類に応じた判定値(予告することに関する判定値)と、通常予告演出決定用乱数とが一致するか否か判定し、一致する判定値があれば、通常予告演出を実行することに決定する。
通常予告演出を実行することに決定した場合には(S504)、予告実行フラグをセットする(S505)。
図36に戻り、演出制御用CPU120は、変動パターンおよび予告演出の演出態様に応じたプロセステーブルを選択する(S824)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(S825)。
また、演出制御用CPU120は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ8L,8R)の制御を実行する(S826)。例えば、演出表示装置5において変動パターンに応じた画像を表示させるために、表示制御部123に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプ制御基板14に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ8L,8Rからの音声出力を行わせるために、音声制御基板13に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
図40は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルは、演出制御用CPU120が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU120は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置5等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と演出制御実行データ(表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データ)の組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の変動表示の変動表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置5の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU120は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。
尚、保留予告における各作用演出の開始タイミング(キャラクタの登場タイミング)は、プロセステーブルに記述されており、演出制御用CPU120は、プロセステーブルの記述を参照することで、各作用演出の開始タイミングになったか否かを把握することができる。
図40に示すプロセステーブルは、演出制御基板12におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンや演出種類に応じて用意されている。すなわち、各変動パターンや通常予告演出の態様等に応じて用意されている。
図36に戻り、演出制御用CPU120は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(S827)。
そして、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(S802)を示す値に更新する(S829)。
図41および図42は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(S802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU120は、プロセスタイマ、変動時間タイマのそれぞれの値を−1する(S840A,S840B)。
また、演出制御用CPU120は、プロセスタイマがタイマアウトしたか否か確認する(S841)。タイマアウトしていない場合には、S844に移行する。プロセスタイマがタイマアウトしていたら、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S842)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更する(S843)。
S844において演出制御用CPU120は、当該変動表示において実行対象である保留予告のパターンが前述したRAMの所定領域に記憶されているか否かを判定する。ここで、保留予告のパターンが記憶されていない場合は、後述するS861に進む。一方、保留予告のパターンが記憶されている場合は、S845に進む。
S845において演出制御用CPU120は、第2作用演出実行処理が実行中であることを示す第2作用演出実行中フラグがセットされているか否かを判定する。ここで、第2作用演出実行中フラグがセットされている場合は、後述する第2作用演出処理(図43参照)を実行し(S850)、後述するS861に進む。一方、第2作用演出実行中フラグがセットされていない場合は、S846に進む。
S846において演出制御用CPU120は、記憶されている保留予告のパターンがリーチ前に作用演出を行うパターンであるか否かを判定する。ここで、保留予告のパターンがリーチ前に作用演出を行うパターンでない場合は、後述するS848に進む。一方、保留予告のパターンがリーチ前に作用演出を行うパターンである場合は、S847に進む。
S847において演出制御用CPU120は、プロセステーブルの記述を参照し、リーチ前の作用演出の開始タイミングであるか否かを判定する。ここで、リーチ前の作用演出の開始タイミングである場合は、後述する第2作用演出処理(図43参照)を実行し(S850)、後述するS861に進む。一方、リーチ前の作用演出の開始タイミングでない場合は、後述するS861に進む。
S848において演出制御用CPU120は、プロセステーブルの記述を参照し、リーチ演出中の作用演出の開始タイミングであるか否かを判定する。ここで、リーチ演出中の作用演出の開始タイミングである場合は、後述する第2作用演出処理(図43参照)を実行し(S850)、後述するS861に進む。一方、リーチ演出中の作用演出の開始タイミングでない場合は、後述するS861に進む。
S861において演出制御用CPU120は、変動時間タイマがタイマアウトしているか否かを判定する。ここで、変動時間タイマがタイマアウトしている場合は、後述するS863に進む。一方、変動時間タイマがタイマアウトしていない場合は、S862に進む。
S862において演出制御用CPU120は、図柄確定指定コマンドを受信したことを示す図柄確定コマンド受信フラグがセットされているか否かを判定する。ここで、図柄確定コマンド受信フラグがセットされていない場合は、当該演出図柄変動中処理を終了する。一方、図柄確定コマンド受信フラグがセットされている場合は、S863に進む。
S863において演出制御用CPU120は、保留予告決定制限フラグがセットされているか否かを判定する。ここで、保留予告決定制限フラグがセットされていない場合は、後述するS866に進む。一方、保留予告決定制限フラグがセットされている場合は、S864に進む。
S864において演出制御用CPU120は、保留予告のパターンが入賞時判定結果記憶バッファ194A(図10(B))におけるいずれかの保留予告パターン格納領域に記憶されているか否かを判定する。保留予告のパターンが記憶されている場合は、S866に進む。一方、保留予告のパターンが記憶されていない場合は、保留予告決定制限フラグをクリアし(S865)、S866に進む。
尚、保留予告決定制限フラグがセットされている状態で、保留予告パターン格納領域に保留予告のパターンが記憶されていない場合とは、当該変動開始時に入賞時判定結果記憶バッファ194Aから保留予告のパターンが消去された状態で、当該変動表示において保留予告が実行されたことを示しており、保留予告が実行された直後であることを示している。そして、当該保留予告の実行が終了しているため、新たな保留予告の実行の決定を可能にするために、S865の処理で保留予告決定制限フラグをクリアする。
尚、複数の保留記憶がある場合において1のエントリに保留予告パターン格納領域に保留予告のパターンが格納されているときに、当該エントリに対応する変動表示が開始される前は、保留予告決定制限フラグがセットされている状態で(S863;Y)、保留予告のパターンがいずれかの保留予告パターン格納領域に記憶されている状態(S864;Y)となる。そのため、保留予告のパターンが格納されているエントリに対応する変動表示が実行されるまで保留予告決定制限フラグがセットされ続けることになる。
次いで、S866において演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(S803)に応じた値に更新し、当該演出図柄変動中処理を終了する。
次に、第2作用演出実行処理について説明する。図43は、第2作用演出実行処理の一例を示すフローチャートである。第2作用演出実行処理において、演出制御用CPU120は、先ず、第2作用演出実行中フラグがセットされているか否か、つまり、作用演出が開始されているか否かを判定する(S401)。ここで、第2作用演出実行中フラグがセットされている場合は、S408に進む。一方、第2作用演出実行中フラグがセットされていない場合は、S403に進んで、第2作用演出の実行中であることを示す第2作用演出実行中フラグをセットし、作用演出に該当する作用演出期間に相当する値を作用演出期間タイマにセットする(S404)。
次いで、演出制御用CPU120は、入賞時判定結果記憶バッファ194A(図10(B))における保留予告パターン格納領域を参照して、記憶されている保留予告のパターンと当該実行タイミング(リーチ前、またはリーチ演出中)に応じた作用演出(キャラクタが登場して所定のアクションを実行する演出)に対応した作用演出プロセステーブルを読み出してセットした後(S405)、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1における作用演出プロセスタイマをスタートさせる(S406)。尚、本実施例では、各作用演出の態様(「キャラクタA」、「キャラクタB」、「キャラクタA・B」)の全ての組み合わせに対応する作用演出プロセステーブルが、予めROM121に記憶されている。
そして演出制御用CPU120は、セットした作用演出プロセステーブルの最初のプロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音制御実行データ1、操作部制御実行データ1等)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置5、演出用部品としての遊技効果ランプ9および演出用部品としてのスピーカ8L,8R)の制御を開始し(S407)、当該作用演出実行処理を終了する。
また、S401において第2作用演出実行中フラグがセットされている場合には、S408に進んで、演出制御用CPU120は、作用演出のプロセスを変更するための作用演出プロセスタイマの値を−1する。そして、作用演出期間の終了を計時するための作用演出期間タイマの値を−1する(S409)。
次いで、演出制御用CPU120は、作用演出期間タイマがタイマアウトしたか否かを判定する(S410)。ここで、作用演出期間タイマがタイマアウトしていない場合は、S411に進む。一方、作用演出期間タイマがタイマアウト(値が0になる)した場合は、第2作用演出実行中フラグをクリアし(S415)、S416に進む。
S416において演出制御用CPU120は、当該実行中の保留予告のパターンが当該実行タイミング(リーチ前、またはリーチ演出中)に保留表示の表示態様を「黄色」または「赤色」に変化するものであるか否かを判定する。ここで、当該実行タイミングに保留表示の表示態様を変化させる保留予告のパターンでない(「変化なし」)場合は、当該作用演出処理を終了する。一方、当該実行タイミングに保留表示の表示態様を変化させる保留予告のパターンである場合は、記憶されている保留予告のパターンに従って保留ボックス5F内の保留表示の表示態様を変更して表示し(S417)、当該作用演出処理を終了する。
S411において演出制御用CPU120は、作用演出プロセスタイマがタイマアウトしたか否かを判定する。ここで、作用演出プロセスタイマがタイマアウトしていない場合は、S414に進む。一方、作用演出プロセスタイマがタイマアウトしている場合は、作用演出の作用演出プロセスデータの切り替えを行う(S412)。すなわち、作用演出プロセステーブルにおける次に設定されている作用演出プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをあらためてスタートさせる(S413)。
S414において演出制御用CPU120は、次に設定されている作用演出プロセスデータに含まれる表示制御実行データ、ランプ制御実行データ、音制御実行データ、操作部制御実行データ、入力制御実行データ等にもとづいて演出装置(演出用部品)に対する制御状態を変更し、当該作用演出処理を終了する。
図44は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(S803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、演出制御用CPU120は、前述の演出図柄変動開始処理(図36参照)におけるS822の処理で決定された停止図柄を導出表示する制御を行う(S871)。そして、図柄確定コマンド受信フラグがセットされている場合には、図柄確定コマンド受信フラグをリセットする(S872)。
次いで、演出制御用CPU120は、大当りにすることに決定されているか否か確認する(S875)。大当りにすることに決定されているか否かは、例えば、表示結果指定コマンド格納領域に格納されている表示結果指定コマンドによって確認される。なお、決定されている停止図柄によって、大当りとすることに決定されているか否か確認することもできる。
ここで、大当りとすることに決定されている場合には、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(S804)に応じた値に更新する(S876)。一方、大当りとすることに決定されていない場合には、演出制御用CPU120は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(S800)に応じた値に更新する(S877)。
以上、本実施例のパチンコ遊技機1にあっては、図33に示すキャラクタ決定テーブルにて保留表示の最終表示態様が「変化なし」、「黄色」、「赤色」に応じて「キャラクタA」の態様と「キャラクタB」の態様と「キャラクタA・B」の態様の各判定値が異なっていることにより、演出制御用CPU120が「キャラクタA」が登場する作用演出が実行されたときに保留ボックス5F内の保留表示を「赤色」に変化させる割合が、他の態様の作用演出が実行された場合と比較して異なっていることで、遊技者が実行される作用演出の種類に着目するようになるので、保留ボックス5F内の保留表示の表示態様が最終表示態様に変化することへの興趣を高めることができる。
また、本実施例によれば、保留予告の作用演出において「キャラクタA・B」の演出態様を実行することで、キャラクタAが登場してからキャラクタBに変身することで、一の種類のキャラクタAの登場する演出が実行された以降に、他の種類のキャラクタBに変身する演出が実行される可能性があるので、遊技興趣を高めることができる。
また、本実施例によれば、図33に示すキャラクタ決定テーブルにて入賞時表示態様が「青色」であるか「黄色」であるかに応じて、「キャラクタA」、「キャラクタB」、「キャラクタA・B」の各作用演出に割り当てられた判定値が異なることで、遊技者が保留ボックス5F内の保留表示の表示態様の種類に着目するようになるので、遊技興趣を高めることができる。
また、本実施例によれば、始動入賞タイミング用のキャラクタ決定テーブル(図33(A))とリーチ前用のキャラクタ決定テーブル(図33(B))とリーチ演出中用のキャラクタ決定テーブル(図33(C))との3種類のキャラクタ決定テーブルが設けられていることで、同一種類の演出、例えば、キャラクタAが登場する演出が実行されるときであって、その実行タイミングに応じて最終表示態様に変化される割合が異なるので、遊技者が演出の実行タイミングに注目するようになるので、遊技興趣を高めることができる。
また、本実施例によれば、図32(C)に示す演出タイミング決定テーブルにおいて、通常の表示領域に表示される保留表示を変化させる「始動入賞タイミング」の態様と、保留ボックス5F内の保留表示を変化させる「リーチ前」及び「リーチ演出中」の態様とに割り当てられている判定値が異なっていることで、遊技者が保留ボックス5Fの保留表示または通常の領域に表示される保留表示の表示態様に注目するようになるので、遊技興趣を高めることができる。
また、本実施例によれば、図32(C)に示す演出タイミング決定テーブルにおいて、「リーチ前」の態様と「リーチ演出中」の態様とに割り当てられている判定値が大当り若しくはハズレに対応するか否かに応じて異なっていることで、実行中の変動表示に対応する保留ボックス5F内の保留表示に遊技者をより注目させて、遊技の興趣をより向上させることができる。
また、本実施例によれば、演出制御用CPU120が、図30に示す保留予告処理のS906にて保留予告決定制限フラグがセットされている場合に保留予告の新たな実行の決定を制限することで、実行される作用演出が、保留ボックス5F内の保留表示の表示態様の変化に対応する作用演出であるか通常の表示領域に表示される保留表示の表示態様の変化に対応する作用演出であるかが分かり難くなってしまって遊技興趣が低下してしまうことを防止できる。
また、本実施例によれば、演出制御用CPU120が実行する図30に示す保留予告処理において、既に保留予告の実行が決定されている場合に、保留予告決定制限フラグがセットされ、他に新たな保留予告の実行を決定しないことで、実行される作用演出が、保留ボックス5F内の保留表示の表示態様の変化に対応する作用演出であるか通常の表示領域に表示される保留表示の表示態様の変化に対応する作用演出であるかが分かり難くなってしまって遊技興趣が低下してしまうことを防止できる。
また、本実施例によれば、演出制御用CPU120が、図30に示す保留予告処理のS913にて保留予告のパターンを記憶した直後に、S914にて保留予告決定制限フラグをセットすることで、実行される作用演出が、保留ボックス5F内の保留表示の表示態様の変化に対応する作用演出であるか通常の表示領域に表示される保留表示の表示態様の変化に対応する作用演出であるかが分かり難くなってしまって遊技興趣が低下してしまうことを防止できる。
なお、本実施例では、「変動表示が開始される前」として始動入賞タイミングを例にしたが、「変動表示が開始される前」は、始動入賞にもとづく変動表示が開始される前であれば、始動入賞タイミングに限られない。例えば、当該始動入賞よりも前に生じた始動入賞にもとづいて変動表示が開始されるときや、第1保留記憶表示エリア5Dおよび第2保留記憶表示エリア5Uにおいて保留表示がシフトされるときであってもよい。
また、保留表示の表示態様の変化のタイミングに応じて、確変状態に移行する割合や時短回数が異なるようにしてもよい。
また、本実施例では、第1保留記憶表示エリア5D、第2保留記憶表示エリア5Uおよび保留ボックス5Fが、演出表示装置5の表示画面に表示されたが、第1保留記憶表示エリア5Dおよび第2保留記憶表示エリア5Uが、保留ボックス5Fとは異なる表示装置で実現されてもよい。例えば、保留ボックス5Fは演出表示装置5の表示画面に表示されるが、第1保留記憶表示エリア5Dおよび第2保留記憶表示エリア5Uは他の表示装置(例えば、各々の保留表示についてのLEDの集合)で実現されてもよい。また、第1保留記憶表示エリア5Dおよび第2保留記憶表示エリア5Uは演出表示装置5の表示画面に表示されるが、保留ボックス5Fは他の表示装置で実現されてもよい。
また、保留ボックス5Fは、複数種類の態様から選択可能であるようにしてもよい。その場合、保留ボックス5Fの態様に応じて、保留表示の表示態様が、変動表示が開始される前の変化するのか変動表示中に変化するのかの割合を異ならせてもよい。
また、本実施例では、「青色」、「白色」、「黄色」、「赤色」4種類の保留表示の表示態様が用いられたが、保留表示の表示態様は2種類以下でもよく、または5種類以上であってもよい。
また、本実施例では、保留表示の表示態様の相違として、色の違い(「青色」、「白色」、「黄色」、「赤色」)を例にしたが、保留表示の態様の例は色に限られない。保留表示の形状の違いで、保留表示の態様の相違を実現してもよい。
なお、本実施例では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板12、音声制御基板13およびランプ制御基板14が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置5等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ8L,8Rなど)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、本実施例では、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御用CPU120に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ100が他の基板(例えば、図3に示す音声制御基板13やランプ制御基板14など、または音声制御基板13に搭載されている回路による機能とランプ制御基板14に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板12における演出制御用CPU120に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声制御基板13、ランプ制御基板14、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置5を制御する演出制御用CPU120に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用CPU120は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ100から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声制御基板13、ランプ制御基板14または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、本実施例では、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連(1回の変動表示中に1回以上の図柄の仮停止と再変動とが実行される演出)の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用CPU120に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例が示されたが、2つ以上のコマンドで変動パターンを演出制御用CPU120に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドで通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1つ目のコマンドとして擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチになる前(リーチにならない場合にはいわゆる第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドとしてリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチになったとき以降(リーチにならない場合にはいわゆる第2停止以後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。その場合、演出制御用CPU120は、2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示(可変表示)における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、2つのコマンドのそれぞれで変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用CPU120で選択するようにしてもよい。2つのコマンドを送信する場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば、次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はそのような例に限定されず、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ以上のコマンドで変動パターンを通知するようにすることによって、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。尚、これら封入式遊技機においては遊技球ではなく得点やポイントが遊技者に付与されるので、これら付与される得点やポイントが遊技価値に該当する。
また、前記実施例では、遊技球を打球発射装置により遊技領域よりも下方から打ち出す形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、前記打球発射装置をパチンコ遊技機1における遊技領域の上方に設けることによって、遊技球を遊技領域の上方から打ち出すようにしても良い。
また、前記実施例では、キャラクタ決定テーブルにおいて「キャラクタA」と「キャラクタB」と「キャラクタA・B」との3種類のキャラクタ態様が設けられ、各キャラクタ態様に応じて保留表示の最終態様が「変化なし」、「黄色」、または「赤色」の表示態様となるように設定されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、キャラクタ態様と保留表示の最終態様とが1対1で対応するようにしても良い。例えば、変形例において、保留表示の最終態様が「黄色」である場合は、保留予告の作用演出に「キャラクタA」を必ず登場させ、保留表示の最終態様が「赤色」である場合は、保留予告の作用演出に「キャラクタB」を必ず登場させるようにしても良い。つまり、キャラクタ決定テーブルにおいて各キャラクタに対応して保留表示の最終態様が一義的に対応付けられるものであっても良い。
また、変形例において、保留表示の最終態様が「黄色」である場合は、保留予告の作用演出に「キャラクタA」を必ず登場させ、保留表示の最終態様が「赤色」である場合は、保留予告の作用演出に「キャラクタB」を必ず登場させることで、遊技者が実行される作用演出のキャラクタの種類に着目するようになるので、保留ボックス5F内の保留表示の表示態様がいずれの種類の最終表示態様に変化するかについての興趣を高めることができる。
また、変形例において、各キャラクタに対応して保留表示の最終態様が一義的に対応付けられるものとしては、例えば、青色のキャラクタが登場した場合には、保留表示を青色に変化するもの(色彩が対応するもの)であっても良いし、大きなキャラクタが出てきた場合は保留表示を大きく変化させ、小さいキャラクタが出てきた場合は保留表示を小さく変化させるもの(大きさが対応するもの)であっても良いし、キャラクタが持っているアイテムに対応する形状に保留表示が変化するもの(物語性が関連するもの、概念性が関連するもの、性質が関連するもの)であっても良い。
また、本発明の「変化対応演出」は、保留ボックス5F内の保留表示(通常の表示領域の保留表示を含む)の表示態様の変化する際に実行される演出であって、保留表示の表示態様が変化することを遊技者に報知(示唆)する演出のことをいう。尚、「変化対応演出」は、保留表示の表示態様の変化するタイミングと全く同一のタイミングで実行される演出に限らず、保留表示の表示態様の変化前または変化後の所定期間内に実行される演出であっても良い。つまり、保留表示の表示態様がこれから変化すること、または既に変化したことを遊技者に報知(示唆)する演出であれば良い。また、変化対応演出は、前記実施例のように、キャラクタが所定のアクションを行う作用演出(動画)のみならず、単にキャラクタ画像(静止画)を表示するものであっても良い。また、変化対応演出は、保留表示の表示態様としての色彩を所定キャラクタが変更する演出として例示されているが、保留表示の表示態様の変化を報知(示唆)するものであれば、他の演出態様であっても良く、保留表示の形状や大きさ等を変更するものであっても良い。また、保留表示の表示態様が変化するタイミング、またはその前後の期間において、保留表示を一時的に隠蔽する演出を変化対応演出として実行しても良い。
また、本発明の「変化対応演出」としては、保留表示の表示態様が変化することに対応して実行される演出であればその他の態様であっても良い。前記実施例では、保留予告の演出態様として所定のキャラクタが演出表示装置5の表示画面に登場して、保留表示の表示態様の変化に対応して当該保留表示に作用する作用演出を行うようにしており、この作用演出を本発明の「変化対応演出」として例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、保留予告の演出態様として、画像を用いる演出以外にも、スピーカから出力される音声を用いる態様の演出や、LED等を用いる他の態様の演出を実行することができる。また、複数種類の演出態様から、実行する演出態様を適宜選択するようにしてもよい。
また、前記実施例では、複数種類の作用演出として、キャラクタが登場して作用演出が実行されても保留表示の色彩が変化しない不成功演出のパターンが含まれているが、本発明はこれに限定されるものではなく、作用演出(変化対応演出)を実行した際には、必ず保留表示が変化するものであっても良い。つまり、前記実施例の作用演出において不成功演出のパターンが無いものであっても良く、作用演出の実行が保留表示の表示態様が変化することを遊技者に必ず報知できるものであっても良い。
また、前記実施例では、通常の表示領域(第1保留記憶表示エリア5Dまたは第2保留記憶表示エリア5U)に表示される保留表示の表示態様を変化させる本発明の「第2変化対応演出」と、保留ボックス5F内の保留表示の表示態様を本発明の「第1変化対応演出」とを、同一の3種類の作用演出(「キャラクタA」、「キャラクタB」、「キャラクタA・B」の各態様の演出)として構成しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の「第1変化対応演出」と「第2変化対応演出」として、それぞれ異なる作用演出を実行するようにしても良い。また、本発明の「第1変化対応演出」と「第2変化対応演出」とでそれぞれ複数種類の作用演出が実行される場合には、複数種類の作用演出のうち一部の作用演出を「第1変化対応演出」と「第2変化対応演出」とで共通して実行し、その他の種類の作用演出を「第1変化対応演出」と「第2変化対応演出」とで個別(独自)に実行するものであっても良い。
また、前記実施例では、キャラクタAが登場した後に、当該キャラクタAがキャラクタBに変身する態様を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、キャラクタAの変身先が複数種類あっても良く、キャラクタAが登場した後に、当該キャラクタAが他のキャラクタCに変身する態様であっても良いし、キャラクタAがキャラクタBに変身した後に、キャラクタAに再び変身する態様であっても良い。
また、前記実施例では、変化対応演出として、保留ボックス5Fに表示される保留表示の表示態様を入賞時表示態様である第1通常態様(本実施例では青色または白色の丸型の表示)から最終表示態様である第1特別態様(本実施例では黄色または赤色の丸型の表示)に変化させる形態を例示したが、本発明における変化対応演出は、保留表示の表示態様のうち、形状、大きさ、配色、等の少なくとも一部を変化させる演出であれば良い。同様に、通常の表示領域(第1保留記憶表示エリア5Dまたは第2保留記憶表示エリア5U)に表示される保留表示の入賞時表示態様である第2通常態様や最終表示態様である第2特別態様も、保留表示の表示態様のうち、形状、大きさ、配色等の少なくとも一部を変化させる演出であれば良い。
また、前記実施例では、保留ボックス5Fに表示される保留表示の入賞時表示態様である第1通常態様と、通常の表示領域(第1保留記憶表示エリア5Dまたは第2保留記憶表示エリア5U)に表示される保留表示の入賞時表示態様である第2通常態様とを、同一の表示態様(本実施例では青色または白色の丸型の表示)で表示する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、保留ボックス5Fに表示される保留表示の入賞時表示態様と、通常の表示領域に表示される保留表示の入賞時表示態様とは、少なくとも一部が異なるものであっても良く、例えば、形状が異なるもの、大きさが異なるもの、配色が異なるもののいずれかであっても良い。
また、前記実施例では、保留ボックス5Fに表示される保留表示における最終表示態様としての第1特別態様と、通常の表示領域に表示される保留表示における最終表示態様としての第2特別態様とを、同一の表示態様(本実施例では黄色または赤色の丸型の表示)で表示する形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明はこれに限定されるものではなく、保留ボックス5Fに表示される保留表示の最終表示態様と、通常の表示領域に表示される保留表示の最終表示態様とは、少なくとも一部が異なるものであっても良く、例えば、形状が異なるもの、大きさが異なるもの、配色が異なるもののいずれかであっても良い。
また、保留ボックス5Fに表示される保留表示の入賞時表示態様である第1通常態様と、通常の表示領域に表示される保留表示の入賞時表示態様である第2通常態様とは、これら形状、大きさ、配色等全てが異なっていても良い。尚、保留ボックス5Fに表示される保留表示の第1通常態様と、通常の表示領域に表示される保留表示の第1通常態様とで、形状、大きさ、配色等全てが異なっている場合の一例として、例えば、通常の表示領域に表示される保留表示の第2通常態様を宝箱、保留ボックス5Fに表示される保留表示の第1通常態様を該宝箱から取り出した宝石等の表示とする。このように、保留ボックス5Fに表示される保留表示の第1通常態様を、通常の表示領域に表示される保留表示から連想されるものの表示、或いは保留表示の第1通常態様に関連するものの表示(物語性が関連するもの、概念性が関連するもの、性質が関連するもの)とすれば良い。
同様に、保留ボックス5Fに表示される保留表示の最終表示態様である第1特別態様と、通常の表示領域に表示される保留表示の最終表示態様である第2特別態様とは、これら形状、大きさ、配色等全てが異なっていても良い。保留ボックス5Fに表示される保留表示の第1特別態様を、通常の表示領域に表示される保留表示から連想されるものの表示、或いは保留表示の第2特別態様に関連するものの表示(物語性が関連するもの、概念性が関連するもの、性質が関連するもの)とすれば良い。
また、前記実施例では、可変表示対応表示変化手段として保留ボックス5Fに表示される保留表示の表示態様を、最終表示態様としての第1特別態様(本実施例では黄色または赤色の丸型の表示)に変化させ、保留表示変化手段として保留表示の表示態様を、第1特別態様と同様の最終表示態様としての第2特別態様(本実施例では黄色または赤色の丸型の表示)に変化させる形態を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、保留ボックス5Fに表示される保留表示の最終表示態様としての第1特別態様と、通常の表示領域に表示される保留表示の最終表示態様としての第2特別態様とは、少なくとも一部が異なるものであればよく、例えば、形状が異なるもの、大きさが異なるもの、配色等が異なるもののいずれかであっても良い。また、これら形状、大きさ、配色等全てが異なっていても良い。
尚、本実施例では、第1特別図柄と第2特別図柄との保留記憶うち、第2特別図柄の保留記憶にもとづく変動表示が優先して実行されるが、本発明はこれに限定されるものではなく、第1特別図柄と第2特別図柄の保留記憶における入賞順に変動表示を行うようにしても良い。また、始動入賞タイミングから複数の保留表示(保留記憶)が消化されて、これらの保留表示がシフトする各シフトタイミングにおいて、保留表示の表示態様が変化可能にし、保留表示がシフトする所定のシフトタイミングでキャラクタが登場して作用演出を実行するようにしても良い。その場合には、第1特別図柄と第2特別図柄の保留記憶における入賞順に変動表示を行うことで、記憶される保留記憶数を増加させてシフト回数を増やすことができるとともに、途中のシフトにおいて新たな始動入賞がある場合でも、保留記憶に対する変動表示の順序が変更されることがないので、保留表示の表示態様の変化を適宜実行できる。
また、前記実施例では、変動表示を開始するときに、当該変動表示に対応する保留表示が、通常の表示領域に表示される保留表示と同一態様で保留ボックス5F内に表示されるようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、保留ボックス5F内に表示される保留表示は、当該変動表示を表す表示態様であれば通常の表示領域に表示される保留表示と同一態様でなくても良い。例えば、通常の表示領域に表示される保留表示が丸型表示であるときに、保留ボックス5F内に移動後に所定のキャラクタに保留表示が変身しても良い。
また、前記実施例では、演出制御用CPU120が実行する図30に示す保留予告処理において、既に保留予告の実行が決定されている場合に、保留予告決定制限フラグがセットされ、他に新たな保留予告の実行を決定しないようになっているが、本発明はこれに限定されるものではなく、保留予告決定制限フラグをセットせずに、既に保留予告の実行が決定されている場合であっても、他に新たな保留予告の実行を決定するようにしても良い。このように複数の保留表示に対応するそれぞれの保留予告(作用演出)を実行可能にしても良い。また、複数の保留表示に対応するそれぞれの保留予告の実行の決定を行った場合であっても、一の保留予告(作用演出)の実行中は、保留予告実行制限フラグをセットしておいて、他の保留予告(作用演出)の実行を制限して、重複して保留予告(作用演出)が実行されてしまうことを防止するようにしても良い。