JP2015207936A - 移動体通信システム、マスタ移動局、スレーブ移動局および移動体通信方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】移動局だけで構成される移動体通信システムの最短経路の選択と、移動局間の経路の再構成を容易にする。
【解決手段】マスタ移動局11は、移動局リストに含まれる全てのスレーブ移動局21〜28に、プローブパケットを所定の周期で送信する。スレーブ移動局21〜28は、自局宛てのプローブパケットを受信した場合に、ホップ数を含む応答パケットをマスタ移動局宛に送信し、他のスレーブ移動局宛てのプローブパケットを、通信可能な他のスレーブ移動局に送信する。スレーブ移動局21〜28は、受信した応答パケットのホップ数に単位数を加算して、直接通信できる場合はマスタ移動局に、マスタ移動局に直接通信できない場合は、受信した応答パケットの送信局を除いて通信可能なスレーブ移動局すべてに送信する。マスタ移動局11は、同じ発生アドレスの応答パケットのうち、ホップ数が最小の送信アドレスをその発生局への最短経路情報として記憶する。
【選択図】図1
【解決手段】マスタ移動局11は、移動局リストに含まれる全てのスレーブ移動局21〜28に、プローブパケットを所定の周期で送信する。スレーブ移動局21〜28は、自局宛てのプローブパケットを受信した場合に、ホップ数を含む応答パケットをマスタ移動局宛に送信し、他のスレーブ移動局宛てのプローブパケットを、通信可能な他のスレーブ移動局に送信する。スレーブ移動局21〜28は、受信した応答パケットのホップ数に単位数を加算して、直接通信できる場合はマスタ移動局に、マスタ移動局に直接通信できない場合は、受信した応答パケットの送信局を除いて通信可能なスレーブ移動局すべてに送信する。マスタ移動局11は、同じ発生アドレスの応答パケットのうち、ホップ数が最小の送信アドレスをその発生局への最短経路情報として記憶する。
【選択図】図1
Description
本発明は、複数の移動局から構成され、移動局が相互に直接無線で通信し、移動局どうしが直接無線で通信できない場合は、他の移動局が中継する移動体通信システムに関する。
固定局、固定された基地局または衛星を介さず、移動局が相互に直接無線で通信し、移動局どうしが直接無線で通信できない場合に、他の移動局が中継する移動体通信システムを考える。このような移動体通信システムでは、移動局が動くことによって、直接通信可能な移動局の関係であるネットワークの構成が変化する。また、移動体通信システムに新たに移動局が加入したり、加入していた移動局が離れて通信できなくなり離脱したりする。これらに合わせて、移動局相互の通信を円滑かつ迅速にルーティングするためには、ネットワークの構成を各移動局で把握できることが望ましい。
例えば特許文献1の群追跡方式では、移動体通信システムにおいて、加入者が船舶の如き移動体に搭乗されて移動するような場合、加入者の管理ファイルに搭乗中の移動体のデータを記入しておき、この移動体の移動にもとづく位置情報の管理を移動体に行うようにしている。
移動体通信システムでは、移動局が加入したときに、移動局間で自局情報を通信するための方式にて通信することで情報を管理し、交換機能を構築する。また、移動局に障害があっても、通信を開始してから接続できない場合に初めて、障害として判断される。そのため、通信を開始して障害が判明してから通信を行う経路が再構築され、その後、移動局間の通信が実行されることになる。通信中に、その経路のいずれかの移動局に障害が発生した場合も、再度、移動局間にて通信を行う経路が構築され、その後、移動局間の通信が実行(再開)されることになる。
上述のような移動体通信システムにおいて、移動局が加入して移動局間の交換機能を構築しようとするとき、移動局の情報を、移動局間のデータ通信サービス機能とは別の通信として、移動局が加入する毎に、移動局間で通信する必要がある。また、移動体通信システムの移動局間通信では、移動体通信システムの全ての移動局間の通信状態、及び障害情報を常時監視し、通信中の経路を選択することは困難であった。
本発明は、上述のような事情に鑑みてなされたもので、移動局だけで構成される移動体通信システムの最短経路の選択と、移動局間の経路の再構成を容易にすることを目的とする。
本発明の観点に係る移動体通信システムは、1つのマスタ移動局と1以上のスレーブ移動局を含む複数の移動局から構成され、移動局が相互に直接無線で通信し、移動局どうしが直接無線で通信できない場合は、他の移動局が中継する移動体通信システムである。マスタ移動局は、スレーブ移動局のアドレスを含む移動局リストを記憶する記憶部と、移動局リストにアドレスが含まれる全てのスレーブ移動局に宛てて、当該マスタ移動局で送信ごとに一意に識別できる識別符号を含むプローブパケットを、所定の周期で送信するプローブ生成部と、を備える。スレーブ移動局は、パケット生成部、プローブ転送部およびパケット転送部を備える。パケット生成部は、宛先アドレスに自局のアドレスが含まれるプローブパケットを受信した場合に、ホップ数と当該スレーブ移動局で送信ごとに一意に識別できる識別符号を含むマスタ移動局宛の応答パケットを生成して送信する。プローブ転送部は、宛先アドレスに自局以外のスレーブ移動局のアドレスが含まれるプローブパケットを受信した場合に、同じ識別符号を有するプローブパケットを再度受信した場合を除いて、受信したプローブパケットの送信局以外の、自局が通信可能な他のスレーブ移動局にそのプローブパケットを送信する。パケット転送部は、応答パケットを受信した場合に、同じ発生アドレスと識別符号を有する応答パケットを再度受信した場合を除いて、その応答パケットのホップ数に単位数を加算してその応答パケットを、マスタ移動局に直接通信できる場合にはマスタ移動局に、マスタ移動局に直接通信できない場合は、受信した応答パケットの送信局を除いて直接通信可能なスレーブ移動局すべてに、送信する。マスタ移動局は、受信した同じ発生アドレスと識別符号を有する応答パケットのうち、ホップ数が最も小さい応答パケットの送信アドレスを、その応答パケットの発生局への最短経路情報として、その応答パケットの発生アドレスに対応づけて記憶部に記憶する更新部をさらに備える。
本発明によれば、所定の周期ですべてのスレーブ移動局に宛てて送信されるプローブパケットへの応答パケットが、通信可能なすべてのスレーブ移動局の経路を経由して、マスタ移動局に転送される。そのため、移動局が移動してその配置が連続的に変化しても、それに合わせて最短経路情報が更新される。その結果、移動体通信システムの最短経路の選択と、移動局間の経路の再構成を容易に行うことができる。
実施の形態1
図1は、本発明の実施の形態1に係る移動体通信システムの構成を示す概念図である。移動体通信システム10は、1つのマスタ移動局11と1以上のスレーブ移動局21〜28を含む、複数の移動局から構成される。スレーブ移動局を特定せず、いずれか1つのスレーブ移動局に言及する場合はスレーブ移動局20という。移動局は相互にパケットを直接無線で通信する。直接無線で通信できない2つの移動局、例えば図1のマスタ移動局11とスレーブ移動局26が通信する場合、スレーブ移動局25または28がパケットを中継する。図1でマスタ移動局11とスレーブ移動局21〜28のブロックの中の英数字M1、S1〜S8)は、それぞれの移動局のアドレスを示す。
図1は、本発明の実施の形態1に係る移動体通信システムの構成を示す概念図である。移動体通信システム10は、1つのマスタ移動局11と1以上のスレーブ移動局21〜28を含む、複数の移動局から構成される。スレーブ移動局を特定せず、いずれか1つのスレーブ移動局に言及する場合はスレーブ移動局20という。移動局は相互にパケットを直接無線で通信する。直接無線で通信できない2つの移動局、例えば図1のマスタ移動局11とスレーブ移動局26が通信する場合、スレーブ移動局25または28がパケットを中継する。図1でマスタ移動局11とスレーブ移動局21〜28のブロックの中の英数字M1、S1〜S8)は、それぞれの移動局のアドレスを示す。
図2は、実施の形態に係る移動体通信システムにおけるパケットの基本構成を示す図である。パケットは、送信アドレス、受信アドレス、パケット種類、識別符号、発生アドレスおよび宛先アドレスを含む。その他、ホップ数を含む場合がある。送信アドレスは、そのパケットを無線で送信する移動局のアドレスである。パケットを送信する移動局を送信局という。受信アドレスは、そのパケットを無線で受信すべき移動局のアドレスである。パケットを受信すべき移動局を受信局という。パケット種類は、そのパケットの種類を表すコードであって、本実施の形態では、「プローブ」、「応答」および「自発」の3種類がある。
発生アドレスは、そのパケットを発生して最初に送信する移動局のアドレスである。パケットを発生する移動局を発生局という。宛先アドレスは、そのパケットが最終的に到達すべき移動局のアドレスである。パケットが最終的に到達すべき移動局を宛先局という。識別符号は、発生局でそのパケットを一意に識別できる符号である。識別符号は、パケットが繰り返し転送されるのを回避するために使われる。すなわち、移動局は、同じ発生アドレスと識別符号のパケットを再度受信した場合には、そのパケットを転送しない。識別符号のビット数は限られているので、同じ符号が繰り返し使われることになるが、そのパケットが移動体通信システム10の中で、転送されている間に重複しなければよい。すなわち、一意にとは厳密には、移動体通信システム10の中でそのパケットの転送が継続している間に一意に識別できることをいう。
ホップ数は、移動局が転送するごとに単位数を加算して送信する値である。同じ発生アドレスと識別符号のパケットを受信した移動局では、ホップ数で中継回数の大小を比較することができる。発生局でホップ数を0に設定し、中継する移動局で1ずつ加算すれば、ホップ数は中継回数を表す。
送信アドレスと発生アドレスは、それぞれ必ずいずれか1つの移動局のアドレスである。それに対して、受信アドレスと宛先アドレスは1つとは限らない。例えば、ブロードキャストの場合、受信アドレスはすべての移動局を表すコードである。ブロードキャストでは、受信アドレスだけでなく、宛先アドレスもすべての移動局を表すコードの場合がある。
図3は、実施の形態1に係るマスタ移動局の構成例を示すブロック図である。マスタ移動局11は、送受信部30、プローブ生成部31、更新部32およびマスタ記憶部36を備える。マスタ記憶部36は、移動局リスト37と最短経路情報38を記憶する。送受信部30は、他の移動局(スレーブ移動局20)と相互に無線でパケットを通信する。
移動局リスト37は、移動体通信システム10に属しているとマスタ移動局11から認識できるスレーブ移動局20のアドレスを含む。最短経路情報38は、移動局リスト37にアドレスが含まれるスレーブ移動局20へ最短経路で送信する場合の、最初の受信局であるスレーブ移動局20のアドレスを含む。
図4は、実施の形態1に係る移動局リストと最短経路情報の構成を示す図である。スレーブ移動局アドレスの欄は、移動局リスト37になっている。最短経路は、移動局リスト37のスレーブ移動局20ごとに、そのスレーブ移動局20への最短経路の移動局のアドレスが、マスタ移動局11に近い方から順に並べられている。図4は、図1の移動局の関係を表す。例えば、スレーブ移動局24(S4)へ最短経路で送信する場合の、最初の受信局はスレーブ移動局25(S5)である。
図3のプローブ生成部31は、移動局リスト37にアドレスが含まれる全てのスレーブ移動局21〜28に宛てて、マスタ移動局11で送信ごとに一意に識別できる識別符号を含むプローブパケットを、所定の周期で生成して、送受信部30から送信する。所定の周期とは、例えば、一定の周期である。プローブパケットは、スレーブ移動局20ごとに個別に生成して送信してもよいし、複数のスレーブ移動局20、またはすべてのスレーブ移動局20を対象に1つのパケットをブロードキャストしてもよい。
図5は、実施の形態1に係るプローブパケットの構成を示す図である。プローブパケットは、パケット種類が「プローブ」であり、発生アドレスはマスタ移動局11のアドレスである。宛先アドレスは前述のとおり、1つのスレーブ移動局20、複数のスレーブ移動局20またはすべてのスレーブ移動局20のアドレスである。図5の例では、プローブパケットはホップ数を含む。ホップ数はなくてもよい。
プローブパケットがホップ数を含み、中継局でホップ数を加算する場合は、受信したスレーブ移動局20で、それまでに中継した回数を知ることができる。異なる経路をたどる複数のプローブパケットを受信した移動局は、どちらの経路が中継回数が少ないかを知ることができる。プローブパケットの送信周期ごとに、自局が受信する識別符号が同じプローブパケットのうち、最もホップ数が小さいプローブパケットの送信アドレスを更新して記憶しておけば、マスタ移動局11へ送信する場合に、その送信アドレスを受信アドレスとしてパケットを送信すれば、最短経路でマスタ移動局11に到達することが期待できる。
図3の更新部32は、プローブパケットを受信したスレーブ移動局20から送信される応答パケットを送受信部30で受信して、同じ発生アドレスと識別符号を有する応答パケットのうち、ホップ数が最も小さい応答パケットの送信アドレスを、その応答パケットの発生局への最短経路情報38として、その応答パケットの発生アドレスに対応づけてマスタ記憶部36に記憶する。その結果、プローブパケットを送信するごとに、最短経路情報38がネットワーク経路の実態に合わせて更新される。
図6は、実施の形態1に係るスレーブ移動局の構成例を示すブロック図である。スレーブ移動局20は、送受信部30、パケット生成部41、プローブ転送部42およびパケット転送部43を備える。送受信部30は、マスタ移動局11の送受信部30と同じである。パケット生成部41は、宛先アドレスに自局のアドレスが含まれるプローブパケットを受信した場合に、ホップ数と当該スレーブ移動局20で送信ごとに一意に識別できる識別符号を含むマスタ移動局宛の応答パケットを生成して、送受信部30から送信する。宛先アドレスが「すべて」の場合は、自局のアドレスが含まれている。パケット生成部41は、同じ識別符号を有するプローブパケットを再度受信した場合、すなわち同じプローブパケットを異なる経路から2回目以降に受信した場合は、応答パケットを送信しないことが好ましい。
パケット生成部41は、そのスレーブ移動局20がマスタ移動局11に直接通信可能ならば、例えば、プローブパケットをマスタ移動局11から直接受信した場合、すなわち、受信したプローブパケットの送信アドレスがマスタ移動局11の場合は、応答パケットをマスタ移動局11に送信する。その場合、応答パケットの受信アドレスを「すべて」に設定してもよいが、マスタ移動局11のみに送信すればよい。マスタ移動局11では、発生局から直接受信した応答パケットが最小のホップ数なので、同じ発生アドレスと識別符号の応答パケットのうち、必ず直接受信したパケットを選択することになる。他の経路で送信される応答パケットは無駄なので、マスタ移動局11のみに送信することが好ましい。
パケット生成部41は、そのスレーブ移動局20がマスタ移動局11に直接通信可能でないなら、通信可能なすべてのスレーブ移動局20に応答パケットを送信する。マスタ移動局11に直接通信できない場合は、例えば、送信アドレスがマスタ移動局11のアドレスであるプローブパケットを、直近のプローブパケットの送信周期に受信しなかった場合である。その場合、応答パケットの受信アドレスを「すべて」に設定するか、または、通信可能なスレーブ移動局20のアドレスを設定して送信する。スレーブ移動局20ごとに送信する場合は、同じ識別符号の応答パケットを複製して、通信可能なスレーブ移動局20それぞれのアドレスを受信アドレスとして送信する。通信可能なスレーブ移動局20のアドレスは、例えば、直近の定めた期間に受信したパケットの送信アドレスである。
プローブ転送部42は、宛先アドレスに自局以外のスレーブ移動局20のアドレスが含まれるプローブパケットを受信した場合に、同じ識別符号を有するプローブパケットを再度受信した場合を除いて、受信したプローブパケットの送信局以外の、自局が通信可能な他のスレーブ移動局20にそのプローブパケットを送信する。プローブパケットにホップ数が含まれていれば、ホップ数に単位数を加算して送信する。
転送する経路である中継アドレスがプローブパケットに設定されていなければ、プローブ転送部42は、プローブパケットの受信アドレスを「すべて」に設定して送信してもよい。プローブ転送部42は、受信したプローブパケットの送信局以外の、自局が通信可能な他のすべてのスレーブ移動局20のうち、直近の定めた期間に受信した応答パケットの送信局だけにプローブパケットを送信してもよい。
プローブパケットの宛先アドレスが個別のスレーブ移動局20のアドレスである場合、直近の期間にそのアドレスが発生アドレスである応答パケットを受信していれば、受信アドレスにその応答パケットの送信アドレスを設定して送信してもよい。プローブパケットに中継アドレスが設定されていれば、プローブ転送部42は、そのプローブパケットの受信アドレスに自局の次に受信すべき中継アドレスを設定して送信する。
パケット転送部43は、他のスレーブ移動局20から応答パケットを受信した場合に、同じ発生アドレスと識別符号を有する応答パケットを再度受信した場合を除いて、その応答パケットのホップ数に単位数を加算してその応答パケットを、他の移動局に転送する。その場合、マスタ移動局11に直接通信可能ならば、応答パケットをマスタ移動局11に送信する。マスタ移動局11に直接通信可能でないなら、受信した応答パケットの送信局以外の通信可能なすべてのスレーブ移動局20にその応答パケットを送信する。
パケット転送部43は、受信した応答パケットの受信アドレスを「すべて」にして送信してもよい。受信アドレスを「すべて」に設定して送信すると、パケット転送部43が受信した応答パケットの送信局も受信することになる。しかし、その移動局では自局が送信した応答パケットと発生アドレスおよび識別符号が同じ応答パケットであるから、廃棄されるだけである。ただし、前述のパケット生成部41と同様に、マスタ移動局11に直接通信できる場合は、マスタ移動局11のみに送信することが好ましい。
パケット生成部41は、最後にプローブパケットを受信してからプローブパケットの送信周期を超える所定の時間を経過した場合に、ホップ数と当該スレーブ移動局20で送信ごとに一意に識別できる識別符号を含むマスタ移動局宛の自発パケットを、送受信部30からブロードキャストする。自発パケットは、パケット種類と受信アドレス以外は、応答パケット同じである。自発パケットを送信するときは、マスタ移動局11のアドレスがわからない場合があり、宛先アドレスは不定である。
パケット転送部43は、自発パケットを受信した場合、応答パケットを受信した場合と同じように、転送する。自発パケットを受信したマスタ移動局11では、更新部32は自発パケットの発生アドレスを移動局リスト37に重複なく追加する。そして、応答パケットと同様に、受信した発生アドレスと識別符号が同じ自発パケットのうち、ホップ数が最小の自発パケットの送信アドレスを、その自発パケットの発生局への最短経路情報として、その自発パケットの発生アドレスに対応づけて記憶する。このように、スレーブ移動局20は、自発パケットをブロードキャストすることによって、再度または新たに、移動体通信システム10に加入することができる。
図7は、実施の形態1に係るスレーブ移動局の加入を表す概念図である。図7は、スレーブ移動局29が新たに移動体通信システム10に加入する場合を示す。スレーブ移動局29は、宛先に自局のアドレスが含まれるプローブパケットを受信していない状態で、自発パケットをブロードキャストする。図7では、自発パケットはスレーブ移動局26に受信される。スレーブ移動局26は、受信した自発パケットのホップ数に単位数を加算して、スレーブ移動局25と28に送信する。図7では、マスタ移動局11に直接通信できるスレーブ移動局20は、自発パケットをマスタ移動局11に送信すると同時に、受信した自発パケットの送信局以外の通信可能なスレーブ移動局20にも送信している。
図7では、マスタ移動局11が、スレーブ移動局22、23、25および28から、同じ発生アドレスと識別符号の自発パケットを受信する場合が示されている。マスタ移動局11の更新部32は、自発パケットの発生アドレスを移動局リスト37に追加する。そして、受信した4つの自発パケットのうち、ホップ数が最小の自発パケットである、スレーブ移動局28から受信した自発パケットの送信アドレス(S8)を、スレーブ移動局29への最短経路情報として、その発生アドレス(S9)に対応づけて記憶する。
マスタ移動局11のプローブ生成部31は、移動局リスト37に含まれるスレーブ移動局29に宛てて、プローブパケットを生成して、送受信部30から送信する。図7では、プローブパケットがスレーブ移動局28、26で中継されて、スレーブ移動局29に到達することが示されている。スレーブ移動局29が、応答パケットを送信すると、自発パケットと同様に、マスタ移動局11に転送されることになる。
応答パケットと自発パケットは、それらが生成される条件が異なるだけで、その後の取り扱いは同じである。そこで、応答パケットと自発パケットを総称して、マスタ移動局宛のパケットという。
図8は、実施の形態1に係るスレーブ移動局の離脱を表す概念図である。スレーブ移動局20が通信可能だった他の移動局から離れて、プローブパケットを受信できなくなる場合がある。または、送信した応答パケットが経路の途中で、いずれの移動局にも受信されない状況が発生することがある。そうすると、マスタ移動局11で移動局リスト37に含まれるスレーブ移動局20のアドレスのいずれかについて、宛先アドレスにそのスレーブ移動局20のアドレスを含むプローブパケットを送信してから一定時間以内に、発生アドレスがそのスレーブ移動局20のアドレスである応答パケットを受信しないことになる。その場合、更新部32は、プローブパケットに対して、応答パケットを受信しなかったスレーブ移動局20のアドレスを移動局リスト37から消去する。そのスレーブ移動局20にはプローブパケットが送信されなくなる。この状態が離脱である。
スレーブ移動局20は離脱すると、自発パケットをブロードキャストして再加入を試みる。何度か自発パケットを送信してもプローブパケットを受信しない場合、他のスレーブ移動局20へのプローブパケット、または、他のスレーブ移動局20が送信する応答パケットの受信を待ち受ける。あるいは、オペレータが加入を指示するまで、待機してもよい。
図9Aは、マスタ移動局宛てパケットの基本の構成を示す図である。マスタ移動局宛てパケットには、応答パケットと自発パケットがある。応答パケットと自発パケットとは、パケット種類と受信アドレス以外は同じである。自発パケットを送信するときは、マスタ移動局11のアドレスがわからない場合があり、宛先アドレスは不定である。
図9Bは、受信レベルを含むマスタ移動局宛てパケットの構成を示す図である。図9Bでは、パケット種類以下が省略されている。パケット種類以下は、図9Aの基本の構成と同じである。パケット転送部43は、マスタ移動局宛のパケット、すなわち応答パケットまたは自発パケットを転送するときに、そのパケットを受信したときの受信レベルを、そのパケットに含めて送信してもよい。図9Bに示されるように、中継するスレーブ移動局20ごとに、受信レベルの領域を追加して送信してもよいし、受信レベルの領域を1つにして、中継するスレーブ移動局20で受信レベルを加算してもよい。受信レベルの領域が1つの場合、受信したマスタ移動局宛のパケットに含まれる受信レベルより、自局でそのパケットを受信した受信レベルの方が小さい場合に、受信レベルを置き換えて送信してもよい。
マスタ移動局宛のパケットに受信レベルが含まれる場合、マスタ移動局11の更新部32は、受信した発生アドレスと識別符号が同じマスタ移動局宛のパケットの中で、ホップ数が最小のパケットのうち、そのパケットに含まれる受信レベルが最大のパケットの送信アドレスを、そのパケットの発生局への最短経路情報として、そのパケットの発生アドレスに対応づけて記憶する。受信レベルが中継するスレーブ移動局20ごとに追加される場合は、パケットに含まれる受信レベルの最小値を比較して、ホップ数が最小のパケットのうち、最小の受信レベルが最も大きいパケットを選択する。あるいは、パケットに含まれる受信レベルの平均値もしくは合計値で比較してもよい。その結果、ホップ数が最小の経路のうち、最も通信の確度が高い経路が選択されることになる。
図9Cは、中継アドレスを含むマスタ移動局宛てパケットの構成を示す図である。図9Cでも、パケット種類以下が省略されている。パケット種類以下は、図9Aの基本の構成と同じである。パケット転送部43は、マスタ移動局宛のパケット、すなわち応答パケットまたは自発パケットを転送するときに、自局のアドレスを中継アドレスとして、そのパケットに含めて送信してもよい。さらに、図9Cに示されるように、そのパケットを受信したときの受信レベルを、そのパケットに含めて送信してもよい。受信レベルは、図9Bで説明したように、中継するスレーブ移動局20ごとに追加してもよいし、1つの領域で加算されても、または最小値が含まれるようにしてもよい。
マスタ移動局11の更新部32は、受信した発生アドレスと識別符号が同じマスタ移動局宛のパケットのうち、ホップ数が最小のパケットの送信アドレスおよび中継アドレスを、そのパケットの発生局への最短経路情報として、そのパケットの発生アドレスに対応づけて記憶する。その結果、図4に示されるように、そのスレーブ移動局20への最短経路の移動局のアドレスが、マスタ移動局11に近い方から順に並べられる。
中継アドレスに加えて受信レベルが含まれる場合は、図9Bのマスタ移動局宛のパケットと同様に、ホップ数が最小のパケットのうち、そのパケットに含まれる受信レベルが最大のパケットの送信アドレスおよび中継アドレスを最短経路情報として、そのパケットの発生アドレスに対応づけて記憶する。
マスタ移動局11で、最短経路情報38に中継アドレスを記憶する場合、マスタ移動局11は、スレーブ移動局20に送信するパケットに、そのスレーブ移動局20への最短経路の中継アドレスを含めて送信することができる。その場合、中継するスレーブ移動局20は、そのパケットに含まれる中継アドレスを参照して、自局の次のスレーブ移動局20に送信する。中継アドレスは、プローブパケットを送信するごとにマスタ移動局11で受信されて選択される応答パケットに従って更新されるので、マスタ移動局11からスレーブ移動局20に送信されるパケットは、迅速に最短経路で到達する。
また、プローブパケットをスレーブ移動局20ごとに、そのスレーブ移動局20への最短経路の中継アドレスを含めて送信する場合、そのプローブパケットを受信するスレーブ移動局20ではそれぞれ、自局からマスタ移動局11への最短経路を、プローブパケットを受信するごとに更新することができる。スレーブ移動局20では、応答パケットおよび自発パケット以外にマスタ移動局11に送信するパケットを、記憶した最短経路の移動局に送信すれば、最短経路でマスタ移動局11に到達する。
マスタ移動局宛のパケットに中継アドレスが含まれる場合、マスタ移動局宛のパケットを中継するスレーブ移動局20で、その転送するパケットに含まれる中継アドレスを、そのパケットの発生アドレスに対応づけて記憶してもよい。その場合、マスタ移動局11から中継アドレスが通知されなくても、記憶しているスレーブ移動局20を宛先とするパケットを受信したときに、マスタ移動局11を経由せずに最短経路で転送することができる。
マスタ移動局11のプローブ生成部31は、所定の周期、例えば一定の周期でプローブパケットを送信するが、周期は変動しても構わない。例えば、移動局リスト37と最短経路情報38の更新頻度が小さければ、プローブパケットを送信する周期を長くし、最短経路情報38の更新または自発パケットの発生が多ければ、送信する周期を短くすることができる。その場合、周期の最大を決めておいて、スレーブ移動局20は、最後にプローブパケットを受信してから周期の最大を超える期間を経過したら、自発パケットを送信する。
スレーブ移動局20は、マスタ移動局宛てパケットに自局の通信状況と障害情報の少なくとも1つを含めて送信してもよい。その場合、マスタ移動局11は、受信したマスタ移動局宛てパケットに含まれる通信状況および障害情報を、そのパケットの発生アドレスに対応づけて、マスタ記憶部36に記憶する。プローブ生成部31は、プローブパケットにスレーブ移動局の通信状況および障害情報の少なくとも1つを含めて送信してもよい。
図10は、実施の形態1に係る更新処理の動作の一例を示すフローチャートである。マスタ移動局11のプローブ生成部31は、前回プローブパケットを送信してから、所定の周期が経過するまで待機する(ステップS11;N)。所定の周期が経過すると(ステップS11;Y)、移動局リスト37にアドレスが含まれるすべてのスレーブ移動局20に宛てて、プローブパケットを生成して、送受信部30から送信する(ステップS12)。そして、更新部32は、応答パケットを受信する(ステップS13)。プローブパケットがすべてのスレーブ移動局20に受信され、応答パケットがマスタ移動局11まで到達するまでの時間を見込んだ一定の時間が経過するまで、応答パケットの受信を続ける(ステップS14;N、ステップS13)。
一定時間が経過したら(ステップS14;Y)、更新部32は受信した応答パケットを発生アドレスと識別符号で仕分けする(ステップS15)。そして、発生アドレスと識別符号が同じ応答パケットのうち、ホップ数が最小のパケットの送信アドレスを、その応答パケットの発生局への最短経路情報として、その発生アドレスに対応づけて記憶する(ステップS16)。
更新部32は、移動局リスト37に含まれるスレーブ移動局20のアドレスのうち、応答パケットを受信していないアドレスがなければ(ステップS17;N)、ステップS11に戻って、周期経過から繰り返す。移動局リスト37に含まれるスレーブ移動局20のアドレスのうち、応答パケットを受信していないアドレスがあれば(ステップS17;Y)、すなわち、受信したいずれの応答パケットの発生アドレスにも含まれないアドレスがあれば、応答パケットを受信しなかったアドレスを移動局リスト37から消去する(ステップS18)。そして、ステップS11に戻って、周期経過から繰り返す。
図11は、実施の形態1に係るプローブ応答処理の動作の一例を示すフローチャートである。スレーブ移動局20は、プローブパケットを待ち受ける(ステップS21、ステップS22;N)。プローブパケットを受信した場合(ステップS22;Y)、同じ識別符号の再受信であれば(ステップS23;Y)、そのプローブパケットを廃棄して、パケット待ち受け(ステップS21)に戻る。受信したプローブパケットが同じ識別符号の再受信でなく、新たな識別符号のプローブパケットの場合(ステップS23;N)、宛先に自局のアドレスが含まれれば(ステップS24;Y)、応答パケットを生成して、送信する(ステップS25)。宛先に自局のアドレスが含まれなければ(ステップS24;N)、応答パケットを生成しない。
次に、そのプローブパケットの宛先に自局以外のアドレスが含まれなければ(ステップS26;N)、パケット待ち受け(ステップS21)に戻る。宛先自局以外のアドレスが含まれれば(ステップS26;Y)、そのプローブパケットを通信可能なスレーブ移動局20に送信して(ステップS27)、パケット待ち受け(ステップS21)に戻る。
図12は、実施の形態1に係るマスタ移動局宛てパケット転送の動作の一例を示すフローチャートである。スレーブ移動局20のパケット転送部43は、応答パケットと自発パケットを待ち受ける(ステップS31、ステップS32;N)。マスタ移動局宛てパケット(応答パケットまたは自発パケット)を受信した場合(ステップS32;Y)、同じ識別符号の再受信であれば(ステップS33;Y)、そのプローブパケットを廃棄して、パケット待ち受け(ステップS31)に戻る。
受信したマスタ移動局宛てパケットが同じ識別符号の再受信でなく、新たな識別符号のマスタ移動局宛てパケットの場合(ステップS33;N)、そのパケットのホップ数に単位数を加算する(ステップS34)。そして、マスタ移動局11と通信可能なら(ステップS35;Y)、そのパケットをマスタ移動局11に送信して(ステップS36)、パケット待ち受け(ステップS31)に戻る。マスタ移動局11と通信可能でなければ(ステップS35;N)、受信した応答パケットの送信局を除く通信可能なすべてのスレーブ移動局20に、そのパケットを送信する(ステップS37)。そして、パケット待ち受け(ステップS31)に戻る。
図13は、実施の形態1に係る加入処理の動作の一例を示すフローチャートである。スレーブ移動局20は、プローブパケットを受信してから一定時間が経過しない場合(ステップS41;N)、加入処理を行わない。プローブパケットを受信してから一定時間が経過したら(ステップS41;Y)、パケット生成部41は、自発パケットを生成して、ブロードキャストし(ステップS42)、パケットを待ち受ける(ステップS43)。そして、プローブパケットを受信しない間(ステップS44;N)、一定時間が経過するまで(ステップS45;N)パケットを待ち受ける(ステップS43)。一定時間経過してもプローブパケットを受信しない場合は(ステップS45;Y)、規定回数に達しない限り(ステップS46;N)、自発パケットのブロードキャスト(ステップS42)から処理を繰り返す。
規定回数に達するまでに、プローブパケットを受信したら(ステップS44;Y)、加入処理を終了して、プローブ応答処理に移行する。規定回数に達してもプローブパケットを受信しない場合は(ステップS46;Y)、加入処理を終了して、例えば待機モードに移行する(図示せず)。
図14は、実施の形態1に係る追加処理の動作の一例を示すフローチャートである。マスタ移動局11は、自発パケットを待ち受ける(ステップS51、ステップS52;N)。自発パケットを受信したら(ステップS52;Y)、複数の経路から自発パケットを受信する可能性があるので、一定時間経過するまで、自発パケットの受信を続ける(ステップS53、ステップS54;N)。
自発パケットを受信して一定時間経過したら(ステップS54;Y)、更新部32は、自発パケットの発生アドレスを移動局リスト37に追加する(ステップS55)。更新部32は、受信した発生アドレスと識別符号が同じ自発パケットのうち、ホップ数が最小のパケットの送信アドレスを、そのパケットの発生局への最短経路情報として、そのパケットの発生アドレスに対応づけて記憶する(ステップS56)。そして、自発パケットの待ち受け(ステップS51)から繰り返す。
以上説明したように、実施の形態1の移動体通信システム10によれば、所定の周期ですべてのスレーブ移動局20に宛てて送信されるプローブパケットへの応答パケットが、通信可能なすべてのスレーブ移動局20の経路を経由して、マスタ移動局11に転送される。そのため、移動局が移動してその配置が連続的に変化しても、それに合わせて最短経路情報38が更新される。その結果、移動体通信システム10の最短経路の選択と、移動局間の経路の再構成を容易に行うことができる。
実施の形態2.
図15は、本発明の実施の形態2に係る移動体通信システムの構成を示す概念図である。実施の形態2では、実施の形態1の構成に加えて、移動局に電話機50が接続し、移動局相互で電話機50の通話のための音声パケットを送信する。音声パケットは、実施の形態1の最短経路で伝送される。図15に示されるように、例えば、スレーブ移動局22の電話機50と、スレーブ移動局26に接続する電話機50が相互に通話するとき、音声パケットはスレーブ移動局22、マスタ移動局11、スレーブ移動局28およびスレーブ移動局26を順に送信される。音声パケットは、マスタ移動局11を経由せずに通信可能であるが、実施の形態2では、マスタ移動局11が電話の交換を行う。
図15は、本発明の実施の形態2に係る移動体通信システムの構成を示す概念図である。実施の形態2では、実施の形態1の構成に加えて、移動局に電話機50が接続し、移動局相互で電話機50の通話のための音声パケットを送信する。音声パケットは、実施の形態1の最短経路で伝送される。図15に示されるように、例えば、スレーブ移動局22の電話機50と、スレーブ移動局26に接続する電話機50が相互に通話するとき、音声パケットはスレーブ移動局22、マスタ移動局11、スレーブ移動局28およびスレーブ移動局26を順に送信される。音声パケットは、マスタ移動局11を経由せずに通信可能であるが、実施の形態2では、マスタ移動局11が電話の交換を行う。
図15では、スレーブ移動局22と26にしか電話機50が描かれていないが、電話機50はどの移動局にも接続する。また、電話機50が携帯端末である場合、電話機50は自由に移動できてどの移動局にも接続できる。
図16は、実施の形態2に係るマスタ移動局の構成例を示すブロック図である。実施の形態2のマスタ移動局11は、実施の形態1の構成に加えて、交換部33および音声転送部34を備え、マスタ記憶部36は電話番号リスト39を記憶する。電話番号リスト39は、電話機50の番号を、その電話機50が接続される移動局のアドレスに対応づけるリストである。
交換部33は、電話機50相互の通話の交換処理、すなわち、発呼、着呼、回線の接続と開放、通話の割り込み、通話の転送などを行う。音声転送部34は、電話機50が接続する移動局相互の最短経路情報に従って、音声パケットを移動局間で転送させる。すなわち、電話機50が属するスレーブ移動局宛ての音声パケットを、そのスレーブ移動局20への最短経路のスレーブ移動局20へ、送受信部30から送信する。あるいはさらに、音声パケットに宛先のスレーブ移動局20への中継アドレスを含めて送信する。
図17は、実施の形態2に係るスレーブ移動局の構成例を示すブロック図である。実施の形態2のスレーブ移動局20は、実施の形態1の構成に加えて、電話接続部44およびスレーブ記憶部45を備える。電話接続部44は、電話機50の発呼要求および着呼応答などを受け付けて、マスタ移動局11に伝送し、マスタ移動局11から受信した着呼などを電話機50に伝える。また、電話機50の音声信号を音声パケットにしてマスタ移動局11に宛てて送信し、受信した音声パケットを音声信号にして電話機50に伝送する。
スレーブ記憶部45は、経路情報47と電話番号リスト48を記憶する。経路情報47は、実施の形態1で説明したように、転送したマスタ移動局宛のパケットの発生アドレスとそれに対応づけた送信アドレス、プローブパケットに含まれる中継アドレスなどを含む。電話番号リスト48は、そのスレーブ移動局20に接続する電話機50の番号を含む。
図18は、実施の形態2に係るマスタ移動局宛パケットの構成を示す図である。図18では、図9Bまたは図9Cの受信レベルおよび中継アドレスが省略されている。実施の形態2では、スレーブ移動局20のパケット生成部41は、自局に接続する電話機50の番号を、マスタ移動局宛のパケットに含めて送信する。マスタ移動局11では、受信したマスタ移動局宛のパケットに含まれる電話番号をその発生アドレスに対応づけて、電話機50リストとして記憶する。
スレーブ移動局20が応答パケットに電話番号を含めて送信すれば、接続する電話機50が変化しても、マスタ移動局11の電話番号リスト39に反映される。スレーブ移動局20では、接続する電話機50が変わったときに、その直後の応答パケットに変化した電話番号のみを含めて送信してもよい。
図19は、実施の形態2に係るマスタ移動局の電話番号リストを示す図である。図4に示される移動局リスト37のスレーブ移動局20のアドレスに、そのアドレスの移動局に接続する電話機50の番号が対応づけられている。マスタ移動局11のプローブ生成部31は、プローブパケットに電話番号リスト39を含めて送信する。
図20は、実施の形態2に係るプローブパケットの構成を示す図である。図20では、移動局ごとにその移動局に接続する電話機50の番号が、宛先アドレスのあとに設定されている。プローブ生成部31は、電話番号リスト39のすべてを1つのプローブパケットで送信しなくてもよい。例えば、移動局ごとに1つのプローブパケットで電話番号を送信してもよい。図20には示されていないが、電話番号リスト39とともに、中継アドレスが送信されてもよい。また、電話番号リスト39と中継アドレスを分けて、異なるタイミングのプローブパケットで送信してもよい。
スレーブ移動局20は、受信したプローブパケットに含まれる電話番号リストを、スレーブ記憶部45に記憶する。何回かのプローブパケットですべての電話番号リスト39が送信されれば、スレーブ移動局20の電話番号リスト48には、移動体通信システム10に含まれる電話機50の番号が、それぞれ移動局のアドレスに対応づけて記憶される。このようにして、移動体通信システム10に含まれる電話機50の番号が、随時、各移動局に送信されるので、常に最新の電話番号が各移動局に保持される。その結果、電話機50から発呼要求または音声信号を受信して、その相手の電話機50が属する移動局に宛ててパケットを送信することができる。以下、割り込みを例に挙げて、通話交換の動作を説明する。
図21は、実施の形態2に係る通話と割り込みの動作の一例を示すシーケンス図である。図21では、スレーブ移動局20が省略されている。電話機50はマスタ移動局11にも接続するので、スレーブ移動局20とマスタ移動局11を総称して、電話機50が移動局に接続するように記載している。図21の各信号は、最短経路情報38に従って移動局の間で伝送される。通話交換の動作中にも、プローブパケットと応答パケットのやりとりは継続して行われる。したがって、パケットが伝送される経路は、通話交換の動作中に変化する可能性がある。通話交換の動作中にも最短経路が選択されるので、移動体通信システム10において通話が中断される可能性が減少する。
移動局Aに接続する電話機Aから移動局Bに接続する電話機Bに発呼すると(信号S61)、それを受信したマスタ移動局11の交換部33は、移動局Bの電話機Bに呼び出しを通知する(信号S62)。電話機Bが応答すると(信号S63)、交換部33は応答通知を電話機Aに送る(信号S64)。そして、電話機Aと電話機Bは通話状態になる(信号S65)。その間、音声パケットがマスタ移動局11の音声転送部34を経由して転送される。
電話機Aと電話機Bが通話している間に、移動局Cの電話機Cから電話機Aに発呼があると(信号S66)、交換部33は、電話機Aが通話中なので、通話中通知を電話機Cに送る(信号S67)。電話機Cのユーザが割り込みの操作をして電話機Cから割り込み要求を送ると(信号S68)、交換部33は、割り込み呼び出しを電話機Aに送る(信号S69)。電話機Aのユーザが割り込みを許可する操作を行って電話機Aから割り込み応答が送られると(信号S70)、交換部33は、電話機Bに保留通知を送って(信号S71)電話機Bを保留状態にする。同時に電話機Cに応答通知を送って(信号S72)、電話機Aと電話機Cが通話状態になる(信号S73)。
その後、電話機A(または電話機C)から切断すると(信号S74)、交換部33は電話機C(または電話機A)の接続を切断し(信号S75)、電話機Bの保留を解除して(信号S76)電話機Aとの通話を復帰再接続する(信号S77)。電話機Aと電話機Bは再び通話状態になる(信号S78)。電話機A(または電話機B)から切断すると(信号S79)、交換部33は電話機B(または電話機A)の接続を切断する(信号S80)。通話交換の動作は、以上に限らず、割り込み状態から通話切換もしくは3者通話、または通話転送などが可能である。
以上、説明したように、本実施の形態2の移動体通信システム10によれば、電話番号が応答パケットとプローブパケットで定期的に送信されるので、移動局に属する電話機50が変化しても、常に最新の電話番号が各移動局に保持される。また、通話交換中にも最短経路情報38が更新されるので、常に最短経路が選択され通話が中断される可能性が減少する。
実施の形態3.
図22は、本発明の実施の形態3に係る移動体通信システムの構成を示す概念図である。実施の形態3の移動体通信システム10は、スレーブ移動局20の1つである待機系マスタ移動局12を備える。そして、マスタ移動局11に障害が発生して動作できなくなった場合、待機系マスタ移動局12がマスタ移動局になる。図22では、図1のスレーブ移動局28が待機系マスタ移動局12である場合を示す。マスタ移動局11は、移動局リスト37および最短経路情報38を含むミラーリングパケットを、定期的に待機系マスタ移動局12に送信する。
図22は、本発明の実施の形態3に係る移動体通信システムの構成を示す概念図である。実施の形態3の移動体通信システム10は、スレーブ移動局20の1つである待機系マスタ移動局12を備える。そして、マスタ移動局11に障害が発生して動作できなくなった場合、待機系マスタ移動局12がマスタ移動局になる。図22では、図1のスレーブ移動局28が待機系マスタ移動局12である場合を示す。マスタ移動局11は、移動局リスト37および最短経路情報38を含むミラーリングパケットを、定期的に待機系マスタ移動局12に送信する。
図23は、実施の形態3に係るマスタ移動局の構成例を示すブロック図である。実施の形態3に係るマスタ移動局11は、実施の形態2の構成に加えて、ミラーリング部35を備える。ミラーリング部35は、移動局リスト37および最短経路情報38の少なくとも一部を含むミラーリングパケットを、待機系マスタ移動局12に規定の周期で送信する。ミラーリングパケットは移動局リスト37および最短経路情報38のすべてを含むとは限らない。移動局リスト37および最短経路情報38を分割して、部分ごとに送信してもよい。一旦、移動局リスト37と最短経路情報38をすべて送信した後は、更新したデータのみをミラーリングパケットで送信してもよい。マスタ移動局11が電話番号リスト39をマスタ記憶部36に記憶している場合は、ミラーリング部35は、電話番号リスト39もミラーリングパケットに含めて待機系マスタ移動局12に送信する。
ミラーリングパケットを送信する規定の周期は、一定でなくてもよい。原理的には、次回に送信するまでの周期が、マスタ移動局11と待機系マスタ移動局12とに記憶されて一致していればよい。ただし、待機系マスタ移動局12でミラーリングパケットを規定の周期で受信できないときに、待機系マスタ移動局12がマスタ移動局として動作を開始する構成の場合には、マスタ移動局が不在である状態を短くするために、周期をあまり長くしないほうがよい。
図24は実施の形態3に係る待機系マスタ移動局の構成例を示すブロック図である。待機系マスタ移動局12は、スレーブ移動局20の1つである。実施の形態3の待機系マスタ移動局12は、実施の形態2のスレーブ移動局20の構成に加えて、制御部46、待機系マスタ記憶部49を備える。待機系マスタ記憶部49は、マスタ記憶部36と同じ情報を記憶する。待機系マスタ記憶部49の最短経路情報38および電話番号リスト39は、スレーブ記憶部45の経路情報47および電話番号リスト48を含む。また、マスタ移動局として動作するために、プローブ生成部31、更新部32、交換部33、音声転送部34およびミラーリング部35を含む。待機系マスタ移動局12は、マスタ移動局11とスレーブ移動局20を合わせ構成に、制御部46が追加されている。
制御部46は、受信したミラーリングパケットを受信すると、ミラーリングパケットに含まれる移動局リスト37および最短経路情報38を、待機系マスタ記憶部49の移動局リスト37および最短経路情報38を更新して記憶する。ミラーリングパケットに電話番号リストが含まれる場合は、電話番号リスト39も待機系マスタ記憶部49に記憶する。その結果、待機系マスタ記憶部49は、ミラーリングパケットの送信周期だけ遅れて、マスタ記憶部36に一致する。
待機系マスタ移動局12が、ミラーリングパケットを規定の周期で受信している間は、マスタ移動局としての機能である、プローブ生成部31、更新部32、交換部33、音声転送部34およびミラーリング部35は、動作を停止している。待機系マスタ移動局12が、最後にミラーリングパケットを受信してから、規定の周期を超える定めた時間を経過した場合、制御部46はマスタ移動局11に障害が発生したと判断して、待機系マスタ記憶部49をマスタ記憶部36に変更して、当該待機系マスタ移動局12をマスタ移動局として動作させる。すなわち、少なくともプローブ生成部31および更新部32を動作させる。実施の形態2の構成の場合は、交換部33および音声転送部34も動作させる。
待機系マスタ移動局12がマスタ移動局として動作を開始する場合、移動局リスト37および電話番号リスト39は、前マスタ移動局11の電話番号を除いて変わらない。しかし、最短経路情報38は、前マスタ移動局11を中心としているので、新マスタ移動局を中心に変更する必要がある。新マスタ移動局がスレーブ移動局20として、最短経路情報38に含まれているはずなので、制御部46は新マスタ移動局(自局)を中心に最短経路情報38を変更する。ただし、前マスタ移動局11に直接通信可能であったスレーブ移動局20どうしが、相互に通信可能であるかどうかはわからない。そこで、プローブ生成部31がプローブパケットを送信して、最短経路情報38を更新することによって、最短経路情報38が完全になっていく。新マスタ移動局からプローブパケットを受信したスレーブ移動局20は、プローブパケットの発生アドレスを新たなマスタ移動局のアドレスとして記憶する。
さらに、制御部46は、最短経路情報38の中で、自局が直接通信可能なスレーブ移動局20を新たな待機系マスタ移動局として選択することができる。ミラーリング部35は、新たに選択された待機系マスタ移動局にミラーリングパケットを規定の周期で送信する。さらに直接通信可能なスレーブ移動局20のうち、そこから受信するパケットの受信レベルが最も高いスレーブ移動局20を新たな待機系マスタ移動局として選択することができる。直接通信可能で最も受信レベルが高いスレーブ移動局20は、全スレーブ移動局20の中で、新マスタ移動局を中心とする移動体通信システム10から離脱するまでの時間が最も長いことが期待できるからである。
移動局は相互に移動するので、待機系マスタ移動局12がマスタ移動局11から直接通信可能であり続けるとは限らない。待機系マスタ移動局12に直接通信できない場合、すなわち、待機系マスタ移動局12から直接応答パケットを受信できない場合、ミラーリングパケットは、他のスレーブ移動局20を経由して待機系マスタ移動局12に送信される。待機系マスタ移動局12が発生局である応答パケットのホップ数の最小値が規定の値を超えた場合に、マスタ移動局11は直接通信可能なスレーブ移動局20の1つを新たに待機系マスタ移動局として選択してもよい。その場合、それまでの待機系マスタ移動局12に、待機系であることを解除する指令を送る。待機系マスタ移動局12は待機系であることを解除されると、スレーブ移動局20として動作する。
図25は、実施の形態3に係るミラーリング処理の動作の一例を示すフローチャートである。マスタ移動局11のミラーリング部35は、前回ミラーリングパケットを送信してから規定時間経過するのを待機する(ステップS81;N)。ミラーリングパケット送信から規定時間を経過すると(ステップS81;Y)、ミラーリングパケットを生成して、待機系マスタ移動局12に送信する(ステップS82)。そして、ミラーリングパケットの待ち受け(ステップS81)から繰り返す。
図26は、実施の形態3に係る待機系同期処理の動作の一例を示すフローチャートである。待機系マスタ移動局12の制御部46は、ミラーリングパケットを待ち受ける(ステップS91、ステップS92;N、ステップS93;N)。規定時間経過する前に(ステップS92;N)、ミラーリングパケットを受信すれば(ステップS93;Y)、制御部46は、受信したミラーリングパケットに含まれる移動局リスト37および最短経路情報38を待機系マスタ記憶部49に記憶する(ステップS94)。そして、ミラーリングパケットを待ち受ける(ステップS91)。
最後にミラーリングパケットを受信してから規定時間が経過すると(ステップS92;Y)、制御部46は待機系マスタ記憶部49をマスタ記憶部36に変更する(ステップS95)。そして、マスタ移動局として動作を開始する(ステップS96)。
以上説明したように、本実施の形態3の移動体通信システム10によれば、待機系マスタ移動局12に規定の周期でミラーリングパケットを送信して、待機系マスタ移動局12の移動局リスト37および最短経路情報38を最新の状態に保つので、待機系マスタ移動局12はいつでもマスタ移動局として動作を開始できる。また、新マスタ移動局は、自局が直接通信可能なスレーブ移動局20を新たな待機系マスタ移動局とする。そのため、待機系マスタ移動局が移動局通信システムから離脱しにくい。
10 移動体通信システム、11 マスタ移動局、12 待機系マスタ移動局、20,21,22,23,24,25,26,27,28,29 スレーブ移動局、30 送受信部、31 プローブ生成部、32 更新部、33 交換部、34 音声転送部、35 ミラーリング部、36 マスタ記憶部、37 移動局リスト、38 最短経路情報、39 電話番号リスト、41 パケット生成部、42 プローブ転送部、43 パケット転送部、44 電話接続部、45 スレーブ記憶部、46 制御部、47 経路情報、48 電話番号リスト、49 待機系マスタ記憶部、50 電話機。
Claims (15)
- 1つのマスタ移動局と1以上のスレーブ移動局を含む複数の移動局から構成され、前記移動局が相互に直接無線で通信し、前記移動局どうしが直接無線で通信できない場合は、他の前記移動局が中継する移動体通信システムであって、
前記マスタ移動局は、
前記スレーブ移動局のアドレスを含む移動局リストを記憶する記憶部と、
前記移動局リストにアドレスが含まれる全ての前記スレーブ移動局に宛てて、当該マスタ移動局で送信ごとに一意に識別できる識別符号を含むプローブパケットを、所定の周期で送信するプローブ生成部と、
を備え、
前記スレーブ移動局は、
宛先アドレスに自局のアドレスが含まれる前記プローブパケットを受信した場合に、ホップ数と当該スレーブ移動局で送信ごとに一意に識別できる識別符号を含む前記マスタ移動局宛の応答パケットを生成して送信する、パケット生成部と、
宛先アドレスに自局以外の前記スレーブ移動局のアドレスが含まれる前記プローブパケットを受信した場合に、同じ識別符号を有する前記プローブパケットを再度受信した場合を除いて、受信した前記プローブパケットの送信局以外の、自局が通信可能な他のスレーブ移動局にそのプローブパケットを送信するプローブ転送部と、
前記応答パケットを受信した場合に、同じ発生アドレスと識別符号を有する前記応答パケットを再度受信した場合を除いて、その応答パケットのホップ数に単位数を加算してその応答パケットを、前記マスタ移動局に直接通信できる場合には前記マスタ移動局に、前記マスタ移動局に直接通信できない場合は、受信した前記応答パケットの送信局を除いて直接通信可能な前記スレーブ移動局すべてに、送信するパケット転送部と、
を備え、
前記マスタ移動局は、受信した同じ発生アドレスと識別符号を有する前記応答パケットのうち、ホップ数が最も小さい前記応答パケットの送信アドレスを、その応答パケットの発生局への最短経路情報として、その応答パケットの発生アドレスに対応づけて前記記憶部に記憶する更新部をさらに備える、
移動体通信システム。 - 前記パケット生成部は、最後に前記プローブパケットを受信してから前記プローブパケットの送信周期を超える所定の時間を経過した場合に、ホップ数と当該スレーブ移動局で送信ごとに一意に識別できる識別符号を含む前記マスタ移動局宛の自発パケットをブロードキャストし、
前記パケット転送部は、前記自発パケットを受信した場合に、同じ発生アドレスと識別符号を有する前記自発パケットを再度受信した場合を除いて、その自発パケットのホップ数に単位数を加算してその自発パケットを、前記マスタ移動局に直接通信できる場合には前記マスタ移動局に、前記マスタ移動局に直接通信できない場合は、受信した自発パケットの送信局を除いて直接通信可能な前記スレーブ移動局すべてに、送信し、
前記更新部は、受信した同じ発生アドレスと識別符号を有する前記自発パケットのうち、ホップ数が最も小さい前記自発パケットの発生アドレスを前記移動局リストに追加し、その自発パケットの送信アドレスをその自発パケットの発生局への最短経路情報として、その自発パケットの発生アドレスに対応づけて前記記憶部に記憶する、
請求項1に記載の移動体通信システム。 - 前記更新部は、前記移動局リストに含まれるスレーブ移動局のアドレスのいずれかについて、宛先アドレスにそのスレーブ移動局のアドレスを含む前記プローブパケットを送信してから一定時間以内に、発生アドレスがそのスレーブ移動局のアドレスである前記応答パケットを受信しない場合に、そのスレーブ移動局のアドレスを前記移動局リストから消去する、請求項1または2に記載の移動体通信システム。
- 前記パケット転送部は、マスタ移動局宛のパケットを受信した場合に、発生アドレスと識別符号が同じパケットを再度受信した場合を除いて、そのパケットを受信したときの受信レベルを、そのパケットに含めて送信し、
前記更新部は、受信した発生アドレスと識別符号が同じ前記マスタ移動局宛のパケットの中で、ホップ数が最小のパケットのうち、そのパケットに含まれる受信レベルが最大のパケットの送信アドレスを、そのパケットの発生局への最短経路情報として、そのパケットの発生アドレスに対応づけて記憶する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の移動体通信システム。 - 前記パケット転送部は、マスタ移動局宛のパケットを受信した場合に、発生アドレスと識別符号が同じパケットを再度受信した場合を除いて、自局のアドレスを中継アドレスとしてそのパケットに含めて送信し、
前記更新部は、受信した発生アドレスと識別符号が同じ前記マスタ移動局宛のパケットのうち、ホップ数が最小のパケットの送信アドレスおよび中継アドレスを、そのパケットの発生局への最短経路情報として、そのパケットの発生アドレスに対応づけて記憶する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の移動体通信システム。 - 前記パケット転送部は、前記マスタ移動局に直接通信できる場合は、マスタ移動局宛のパケットを、前記マスタ移動局にのみ送信する請求項1から5のいずれか1項に記載の移動体通信システム。
- 前記プローブ生成部は、前記プローブパケットにホップ数を含めて送信し、
前記プローブ転送部は、受信したプローブパケットのホップ数に単位数を加算して他の前記スレーブ移動局に送信する、請求項1から6のいずれか1項に記載の移動体通信システム。 - 前記パケット生成部は、マスタ移動局宛のパケットに、当該スレーブ移動局に属する電話番号を含めて送信し、
前記更新部は、前記マスタ移動局宛のパケットに含まれる前記スレーブ移動局の電話番号を、そのパケットの発生アドレスに対応づけて前記記憶部に記憶する、
請求項1から7のいずれか1項に記載の移動体通信システム。 - 前記プローブ生成部は、前記マスタ記憶部に記憶されているスレーブ移動局の通信状況、障害情報および電話番号リストのうち少なくとも前記電話番号リストを前記プローブパケットに含めて送信し、
前記パケット転送部は、受信した前記プローブパケットに含まれる他のスレーブ移動局の電話番号リストを記憶する、
請求項1から8のいずれか1項に記載の移動体通信システム。 - 前記マスタ移動局は、
前記移動局に属する2つの電話機の間で送受信される通話パケットを、当該マスタ移動局を経由して前記2つの電話機が属する前記移動局の間で転送する音声転送部と、
前記通話パケットを前記マスタ移動局を経由して送受信する2つの電話機の一方への、前記2つの電話機以外の電話機からの通話要求を受け付け、前記2つの電話機の通話への割り込み処理を行う交換部と、
を備える請求項1から9のいずれか1項に記載の移動体通信システム。 - 前記移動体通信システムは、前記スレーブ移動局の1つである待機系マスタ移動局を含み、
前記マスタ移動局は、前記移動局リストおよび前記最短経路情報の少なくとも一部を含むミラーリングパケットを、前記待機系マスタ移動局に規定の周期で送信するミラーリング部を備え、
前記待機系マスタ移動局は、受信した前記ミラーリングパケットに含まれる前記移動局リストおよび前記最短経路情報を記憶する待機系記憶部と、
前記プローブ生成部と、
前記更新部と、
最後に前記ミラーリングパケットを受信してから、前記規定の周期を超える定めた時間を経過した場合に、前記待機系記憶部を前記記憶部に変更して、当該待機系マスタ移動局を前記マスタ移動局として動作させる制御部と、
を備える請求項1から10のいずれか1項に記載の移動体通信システム。 - 前記待機系マスタ移動局は、前記ミラーリング部を備え、
前記制御部は、当該待機系マスタ移動局を前記マスタ移動局として動作させるときに、自局が受信するレベルが最も大きいパケットの送信局であるスレーブ移動局を、前記待機系マスタ移動局とする、請求項11に記載の移動体通信システム。 - 1つのマスタ移動局と1以上のスレーブ移動局を含む複数の移動局から構成され、前記移動局が相互に直接無線で通信し、前記移動局どうしが直接無線で通信できない場合は、他の前記移動局が中継する移動体通信システムのマスタ移動局であって、
前記スレーブ移動局のアドレスを含む移動局リストを記憶する記憶部と、
前記移動局リストにアドレスが含まれる全ての前記スレーブ移動局に宛てて、当該マスタ移動局で送信ごとに一意に識別できる識別符号を含むプローブパケットを、所定の周期で送信するプローブ生成部と、
前記スレーブ移動局が、宛先アドレスに自局のアドレスが含まれる前記プローブパケットを受信した場合に、ホップ数と当該スレーブ移動局で送信ごとに一意に識別できる識別符号を含んで前記マスタ移動局宛に送信し、前記スレーブ移動局が転送するごとに前記ホップ数に単位数を加算する応答パケットであって、当該マスタ移動局が受信した同じ発生アドレスと識別符号を有する前記応答パケットのうち、ホップ数が最も小さい前記応答パケットの送信アドレスを、その応答パケットの発生局への最短経路情報として、その応答パケットの発生アドレスに対応づけて前記記憶部に記憶する更新部と、
を備えるマスタ移動局。 - 1つのマスタ移動局と1以上のスレーブ移動局を含む複数の移動局から構成され、前記移動局が相互に直接無線で通信し、前記移動局どうしが直接無線で通信できない場合は、他の前記移動局が中継する移動体通信システムのスレーブ移動局であって、
前記マスタ移動局が前記スレーブ移動局に宛てて所定の周期で送信する、当該マスタ移動局で送信ごとに一意に識別できる識別符号を含むプローブパケットであって、宛先アドレスに自局のアドレスが含まれる前記プローブパケットを受信した場合に、ホップ数と当該スレーブ移動局で送信ごとに一意に識別できる識別符号を含む前記マスタ移動局宛の応答パケットを生成して送信する、パケット生成部と、
宛先アドレスに自局以外の前記スレーブ移動局のアドレスが含まれる前記プローブパケットを受信した場合に、同じ識別符号を有する前記プローブパケットを再度受信した場合を除いて、受信した前記プローブパケットの送信局以外の、自局が通信可能な他のスレーブ移動局にそのプローブパケットを送信するプローブ転送部と、
前記応答パケットを受信した場合に、同じ発生アドレスと識別符号を有する前記応答パケットを再度受信した場合を除いて、その応答パケットのホップ数に単位数を加算してその応答パケットを、前記マスタ移動局に直接通信できる場合には前記マスタ移動局に、前記マスタ移動局に直接通信できない場合は、受信した前記応答パケットの送信局を除いて直接通信可能な前記スレーブ移動局すべてに送信する、パケット転送部と、
を備えるスレーブ移動局。 - 1つのマスタ移動局と1以上のスレーブ移動局を含む複数の移動局から構成され、前記移動局が相互に直接無線で通信し、前記移動局どうしが直接無線で通信できない場合は、他の前記移動局が中継する移動体通信システムが行う移動体通信方法であって、
前記マスタ移動局の記憶部に記憶される移動局リストにアドレスが含まれる全ての前記スレーブ移動局に宛てて、当該マスタ移動局で送信ごとに一意に識別できる識別符号を含むプローブパケットを、前記マスタ移動局が所定の周期で送信するプローブ生成ステップと、
前記スレーブ移動局が行う、
宛先アドレスに自局のアドレスが含まれる前記プローブパケットを受信した場合に、ホップ数と当該スレーブ移動局で送信ごとに一意に識別できる識別符号を含む前記マスタ移動局宛の応答パケットを生成して送信する、パケット生成ステップ、
宛先アドレスに自局以外の前記スレーブ移動局のアドレスが含まれる前記プローブパケットを受信した場合に、同じ識別符号を有する前記プローブパケットを再度受信した場合を除いて、受信した前記プローブパケットの送信局以外の、自局が通信可能な他のスレーブ移動局にそのプローブパケットを送信するプローブ転送ステップ、および
前記応答パケットを受信した場合に、同じ発生アドレスと識別符号を有する前記応答パケットを再度受信した場合を除いて、その応答パケットのホップ数に単位数を加算してその応答パケットを、前記マスタ移動局に直接通信できる場合には前記マスタ移動局に、前記マスタ移動局に直接通信できない場合は、受信した前記応答パケットの送信局を除いて直接通信可能な前記スレーブ移動局すべてに送信する、パケット転送ステップ、と、
前記マスタ移動局が行う、受信した同じ発生アドレスと識別符号を有する前記応答パケットのうち、ホップ数が最も小さい前記応答パケットの送信アドレスを、その応答パケットの発生局への最短経路情報として、その応答パケットの発生アドレスに対応づけて前記記憶部に記憶する更新ステップと、
を備える移動体通信方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014088317A JP2015207936A (ja) | 2014-04-22 | 2014-04-22 | 移動体通信システム、マスタ移動局、スレーブ移動局および移動体通信方法 |
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JP2014088317A JP2015207936A (ja) | 2014-04-22 | 2014-04-22 | 移動体通信システム、マスタ移動局、スレーブ移動局および移動体通信方法 |
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JP2015207936A true JP2015207936A (ja) | 2015-11-19 |
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JP2014088317A Pending JP2015207936A (ja) | 2014-04-22 | 2014-04-22 | 移動体通信システム、マスタ移動局、スレーブ移動局および移動体通信方法 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2018113579A (ja) * | 2017-01-11 | 2018-07-19 | 太陽誘電株式会社 | 無線接続装置 |
-
2014
- 2014-04-22 JP JP2014088317A patent/JP2015207936A/ja active Pending
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JP2018113579A (ja) * | 2017-01-11 | 2018-07-19 | 太陽誘電株式会社 | 無線接続装置 |
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