JP2015206621A - 生体分子分析装置 - Google Patents

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真一 後藤
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Abstract

【課題】生体分子の分析を効率的に行う生体分子分析装置を提供する。
【解決手段】生体分子が転写されている転写膜5を切断する切断部8を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、生体関連分子の分離および検出を効率的に行うことができる分析装置に関する。
生体分子の分析技術として、試料中に含まれている生体分子を分離ゲル中において電気泳動することによって分離し、分離した生体分子を転写膜に転写させ、転写膜上で化学反応処理を施し、対象となる生体分子を検出する技術が知られている。
例えば、生体分子がDNAの場合においてはサザンブロッティング法として、生体分子がタンパク質の場合においてはウェスタンブロット法として、分子生物学、生化学分野、分析科学分野で有用な方法として利用されている。
従来、サザンブロッティング法、ウェスタンブロッティング法は、電気泳動工程及び転写膜への転写工程、転写膜上での化学反応処理を個々に手作業で行っているが、特許文献1、特許文献2にはこれらの作業工程を自動的に進める自動化技術がダイレクトブロット電気泳動法として開示されている。
特許文献1には、ゲル電気泳動において有用な分離および移動モジュールが開示されている。この移動モジュールでは、枠により安定化されている転写膜を移動させる。この場合の転写膜の移動は、分離ゲルの平面に対して実質的に転写膜を直交させて、生体分子の分画が電気泳動的に駆動される方向のゲル末端と転写膜との接触が最小限となるように行われる。また、特許文献2には、ダイレクトブロッティングを行う時、転写膜にシワやたわみがあると、転写が上手くいかないという観点に着目した技術であって、転写膜を枠に固定し、転写膜を張った状態を維持させるためのフレーム付きの転写膜が開示されている。
特表平7−502598号公報(1995年3月16日公表) 特表平9−501239号公報(1997年2月4日公表)
上述のダイレクトブロット法は、電気泳動及び転写を自動的に行う機構であるが、ダイレクトブロット法をサザンブロッティング法およびウェスタンブロッティング法に適用した場合、ダイレクトブロット法だけでは完遂できない。通常、転写膜は化学反応処理に適したサイズに切断することが必要であり、この工程は、ユーザ自身の手で行われている。
この場合、ユーザが転写膜を切断する時に、転写膜における生体分子の転写領域を切断しまうというヒューマンエラーのリスクがある。
また、ユーザが転写膜を切断する際、ユーザからDNAやタンパク質などの生体分子が、直接または間接的に、転写膜に付着、混入し、転写膜のコンタミネーションが発生する可能性ある。
上記の転写領域を切断しまうこと、および、転写膜のコンタミネーションは、生体分子の検出の再現性に影響を及ぼす。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、生体分子が転写された転写膜の切断工程を自動で行い、生体分子分析装置の分析再現性向上、分析時間の短縮化および生体分子分析装置の自動性の向上を実現することにある。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る生体分子分析装置は、試料に含まれている生体分子を分離する分離部と、分離された上記生体分子が転写される転写膜と、上記転写がされている期間に上記転写膜を一方向に移動させる転写膜移動部とを備えている生体分子分析装置であって、生体分子が転写された上記転写膜を切断する切断部を備えている。
本発明の一態様によれば、生体分子が転写された転写膜の切断工程を自動で行い、生体分子分析装置の分析再現性向上させ、分析時間を短縮化させ、さらに、生体分子分析装置の自動性の向上させる効果を奏する。
本発明の実施形態1に係る分析装置の概略断面を示す図である。 本発明の実施形態1に分離部を構成する分離媒体および分離槽を示す概略斜視図である。 (a)および(b)は、本発明の変形例1に係る分析装置を示す図である。 (a)および(b)は、本発明の実施形態1に係る切断された転写膜を示す図である。 (a)および(b)は、本発明の実施形態2に係る切断された転写膜を示す図である。 (a)および(b)は、本発明の実施形態3に係る切断された転写膜を示す図である。 (a)および(b)は、本発明の実施形態4に係る切断された転写膜を示す図である。 本発明の実施形態5に係る分析装置の要部構成の概略を示す図である。
〔実施形態1〕
以下、本発明の一実施形態に係る分析装置(生体分子分析装置)1について、図1〜図4に基づいて説明すれば、以下のとおりである。但し、本実施形態およびその他の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
(概要)
本発明に係る分析装置1は、試料に含まれている生体分子を分離する分離部2と、分離された上記生体分子が転写される転写膜5と、上記転写がされている期間に転写膜5を一方向に移動させる転写膜駆動部(転写膜移動部)9を備えている。さらに、本発明に係る分析装置は、生体分子が転写された転写膜5を、切断する切断部8を備えている。
上記の構成によれば、切断部8が転写膜5を切断することから、ユーザ自身が転写膜5を切断する必要がなくなる。したがって、生体分子の分析工程において、迅速な分析が可能となる。
よって、生体分子が転写された転写膜5の切断工程を自動で行い、分析時間を短縮化し、生体分子の分析を効率的に行うことができる。
また、ユーザの手を介した転写膜5へのコンタミネーションを防止する事ができる。
したがって、生体分子が転写された転写膜の切断工程を自動で行い、生体分子分析装置の分析再現性向上させ、分析時間を短縮化させ、さらに、生体分子分析装置の自動性の向上させることができる。
本実施形態においては、切断された転写膜5においては、ユーザが所望するタンパク質の転写領域が含まれていればよく、例えば、切断された転写膜5が生体分子の転写領域全体を含まなくてもよい。
なお、転写膜の切断は一般的に次のような目的で行われる。1:転写後の転写膜5の化学反応工程を必要最小限の試薬量で行うため。2:ユーザが作業するにあたり、転写膜を扱い易いサイズにするため。3:特定のタンパク質のバンドが転写されている領域を回収するため。
ここで、分析対象の生体分子は、具体的には、生体内の反応に関与する生体関連分子であり、天然由来分子、合成分子、並びに天然由来分子及び/又は合成分子の複合体のいずれでもよい。
例えば、DNA(デオキシリボ核酸)、RNA(リボ核酸)等の核酸;ペプチド核酸(PNA)、グリセロール核酸(GNA)、トレオース核酸(TNA)等の核酸アナログ;上記核酸及び核酸アナログからなる群から選択される二種以上の複合体;前記核酸及び核酸アナログからなる群から選択される一種以上と、一種以上のタンパク質との複合体;タンパク質等が例示できる。なお、ここで「核酸を含む複合体」とは、構成分子の少なくとも一つが核酸である複合体を意味するものとする。
また、上記核酸としては、1本鎖DNA、2本鎖DNA、cDNA、伝令RNA(mRNA)、mRNA前駆体(pre−mRNA)、転移RNA(tRNA)、リボゾームRNA(rRNA)、アンチセンスRNA(aRNA)、ガイドRNA(gRNA)、MiRNA(miRNA)、ノンコーディングRNA(ncRNA)、PiRNA(piRNA)、ShRNA(shRNA)、SiRNA(siRNA)、DNAアプタマー、RNAアプタマー等が例示できる。
また上記タンパク質としては、動物由来タンパク質、植物由来タンパク質、微生物由来タンパク質、合成タンパク質、これらの二種以上が混成された混成タンパク質、およびこれらタンパク質が糖鎖修飾等の翻訳後修飾を受けた修飾タンパク質のいずれでもよい。
上記動物由来タンパク質としては、ヒト、実験動物、家畜もしくは培養細胞から得られた組織を構成するタンパク質、又は抽出されたタンパク質が例示できる。ここで、前記実験動物としては、キイロショウジョウバエ、線虫、マウス、モルモット、アフリカツメカエル、メダカ、カニクイザル、ニホンザル等が例示できる。
上記植物由来タンパク質としては、農業用植物;トウモロコシ、サトウキビ等のバイオエタノール製造用の植物;薬理効果を有する植物;漢方薬剤の原料植物等が例示できる。
上記微生物由来タンパク質としては、ウイルス、細菌、真菌又は原虫に由来するタンパク質が例示でき、病原性微生物に由来するタンパク質等であってもよい。
分析に用いられる上記試料は、上記分子を含むものであり、生体から採取した生体由来試料、該生体由来試料を処理して得られた処理試料、上記分子を二種以上混合して人工的に作製した人工試料、これら試料の二種以上を混合して得られた混合試料等が例示できる。
分析対象となる上記分子は、一種のみでもよいし、二種以上でもよく、目的に応じて任意に調節できる。
(分析装置1)
次に、分析装置1の詳細を説明する。図1は、本実施形態に係る分析装置1の概略断面を示す図である。分析装置1は、分離部2、第1緩衝液槽3、第2緩衝液槽4、転写膜5、ガイドロール6、切断部設置台7、切断部8、および、転写膜駆動部9を備えている。
また、図1に示すように、転写膜駆動部9に近接する位置に、トレイ12が設置されていてもよい。トレイ12は、分析装置1によって切断された転写膜5を受け止めるためのトレイである。例えば、トレイ12には、溶液121が充填されており、当該溶液121は転写膜をブロッキングするブロッキング溶液などであってもよい。
(分離部2)
分離部2は、所定の試料に含まれている生体分子を分離する。図1に示すように、分離部2は、陰極31を備えている第1緩衝液槽3の下方に位置し、かつ、第2緩衝液槽4の後述する第2底43上に位置している。すなわち、第1緩衝液槽3、分離部2および第2緩衝液槽4は、垂直に重なって配置されている。
(第1緩衝液槽3および第2緩衝液槽4)
ここで、第1緩衝液槽3および第2緩衝液槽4について説明する。
第1緩衝液槽3には、生体分子の分離時に第1緩衝液32が充填される。
第2緩衝液槽4には、生体分子の分離時に第2緩衝液42が充填される。第2緩衝液槽4は二重底構造である。第2緩衝液槽4は第1底44の上方に第2底43を備えている構成である。第2底43は槽開口部45を備えている。第2緩衝液槽4の第1底44と第2底43との間には陽極41が備わっている。
第1緩衝液槽3および第2緩衝液槽4の材質は、絶縁性を有していればよく、石英ガラス等のガラス;セラミックス;アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂が例示できる。そして、第1緩衝液槽3及び第2緩衝液槽4の緩衝液との接触箇所の材質は、耐薬品性及び防水性が高い材質が好ましい。
分離部2は、第2緩衝液槽4の第2底43上に転写膜5を介して配置している。
第1緩衝液32および第2緩衝液42としては、導電性を有する公知の組成のものが使用でき、分析対象の分子の種類に応じて適宜選択すればよい。例えば、生体分子は分離部2内における電気泳動によって分離される。電気泳動に好ましいものとしては、トリス(Tris)/グリシン緩衝液、酢酸緩衝液、炭酸ナトリウム緩衝液、N−シクロヘキシル−3−アミノプロパンスルホン酸(CAPS)緩衝液、Tris/ホウ酸/エチレンジアミン四酢酸(EDTA)緩衝液、Tris/酢酸/EDTA緩衝液、3−モルホリノプロパンスルホン酸(MOPS)緩衝液、リン酸緩衝液、Tris/トリシン緩衝液等が例示できる。
また、第1緩衝液槽3および第2緩衝液槽4が備えている電極(陰極31、または、陽極41)の材質は、例えば、白金、金、銀、銅等の金属や、カーボン等である。
分離部2は、第1緩衝液槽3に向けて開口された第1開口部22aと、転写膜5を介して第2緩衝液槽4の槽開口部45に向けて開口された第2開口部22bとを有し、内部に格納した分離媒体21が、これら開口部で露出可能となっている(分離媒体21の第1開口部22aにおける露出面21a、および、分離媒体21の第2開口部22bにおける露出面21b)。
電気泳動時には、泳動上流側の第1開口部22aから、泳動下流側の第2開口部22bへ向けて負電荷に帯電した生体分子が泳動される。
なお、本発明において「泳動上流」とは、試料の泳動方向における上流を、「泳動下流」とは、試料の泳動方向における下流をそれぞれ意味する。したがって、分離部2の泳動下流端(露出面21b)が、試料から分離された分子を転写膜へ転写する部位となる。
(分離部2の詳細)
分離部2について、図2を用いて詳細に説明する。
図2は、分離部2を構成する分離媒体21および分離槽22を示す概略斜視図である。
分離槽22は、側板221a、側板222aおよび封止部材223を用いて構成される。側板221aと側板222aとが対向するようにして配置され、これらの対向面間の空隙部に分離媒体21が格納される。すなわち、側板221a、分離媒体21および側板222aは、密着している。
また、分離媒体21の第1開口部22aに第4開口部22cが設けられている。第4開口部22cは、試料の注入口に相当する。
側板221aおよび側板222aの大きさは、分析対象の試料の数や量に応じて適宜調節すればよいが、取り扱い性の観点からは、長辺の長さ(分子の移動方向に対して直交する方向の長さ)Y1は10〜150mmが好ましく、30〜100mmがさらに好ましい。
また、短辺の長さ(分子の移動方向の長さ)X1は10〜100mmが好ましく、20〜50mmがさらに好ましい。
また、厚さZ1が0.5〜2mmであることが好ましい。
第4開口部22cの長辺方向の長さは、第1開口部22aの長辺方向の長さに対して90〜98%であることが好ましい。
封止部材223は、分離体21の第4開口部22dに、矢印Iで示すように挿入されて装着されるものであり、幅広の基体部223a上に凸状部223bが突設された形状を有しており、その長手方向に対して垂直な断面の形状が略T字状である。封止部材223の装着時には、凸状部223bは第4開口部22dに嵌合し、基体部223aは、その凸状部223bが設けられている面(図中の下面)が、分離媒体21の第1開口部22aと接触することで、第4開口部22dが封止される。
なお、分離槽22は、第1開口部22a及び第2開口部22bが設けられていない側面(図中の左右の面)の近傍において、側板221aと側板222aとの間に、板状又は棒状のスペーサ(図示略)が設けられた構成であってもよい。
側板221a、側板222aおよびスペーサの材質は、絶縁性を有していればよく、石英ガラス等のガラス;セラミックス;アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂が例示できる。なかでも、親水性を有し、平坦性及び放熱性に優れることから、ガラスが好ましい。
側板221a、側板222aおよびスペーサは、その材質に応じて公知の方法で作製すればよい。
分離媒体21は、例えば、電気泳動によって前記試料から分析対象の分子を分離するものであり、分子の種類に応じて適宜選択すればよく、好ましいものとしては、ポリアクリルアミドゲル、アガロースゲルが例示できる。また、超微細柱(ナノピラー)が立設された構造のものでもよい。
分離媒体21は、試料保持部(注入部)を設けており、当該試料保持部に試料を導入する。試料保持部は、後述するように電流を流す前に、導入した試料を保持しておくためのものである。また、試料保持部は生体分子を分離する前の試料を保持する。
試料保持部は、例えば、ゲル状の分離媒体21の場合、分離部2の第1開口部22aから内部にこの分離媒体21の原料を充填し、次いで、封止部材223を分離部21に挿入してから前記原料をゲル化させ、封止部材223を取り外すことで、封止部材223の凸状部223bによって型どりされた分離媒体21における凹部として形成できる。このとき、封止部材223として、凸状部223bの先端部がくし歯状とされたものを使用することで、このくし歯に対応した複数個の凹部(試料保持部)を形成できる。
(転写膜5)
転写膜5は、分離された分子を分離部2から転写するものである。図1に示すように、転写膜5は、第2緩衝液槽4の内壁に沿って配置されており、当該転写膜5の一方の末端部分は転写膜駆動部9に連結している。転写膜5は、後述の転写膜駆動部9によって、転写膜駆動部9に向かう方向Dへ移動する。
転写膜5の材質としては、例えば、疎水性であることが好ましく、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ニトロセルロース、ナイロン等を挙げることができる。しかし、転写膜5の材質は、これらの材質に限定されず、分析対象となる分子を転写できればよい。
また、転写膜5として、複数枚の転写膜を重ねたものを利用してもよい。上記の構成によれば、転写膜5の不可逆的な変形(例えば、転写膜5がちぎれる、伸びるなど)を防止する事ができる。
また、転写膜を複数枚重ねる場合において、各転写膜の素材が同じ素材であってもよいし、異なる素材であってもよい。
転写膜5は、分離槽22の第2開口部22bにおける分離媒体21の露出面21bに対向する位置を通過するように移動するようになっていればよく、露出面21bと接触していてもよいし、接触していなくてもよいが、生体分子の転写量が向上する点から、接触していることが好ましい。接触していない場合、分離媒体21の前記露出面21bと転写膜5との間の距離は、0.1mm以下であることが好ましい。
転写膜5の大きさは、組み合わせる分離部2の大きさに応じて設定すればよい。例えば、短辺の長さ(図1の方向Dで示す転写膜5の移動方向に対して直交する方向、すなわち転写膜5の幅方向の長さ)は、分離媒体21の同方向の長さに対して同等以上であることが好ましく、取り扱い性の観点からは、上記上板221の長辺の長さY1と同様の範囲であることが好ましい。転写膜5の厚さは、0.05〜2mmであることが好ましい。
また、転写膜5はロール状で保持されており、転写膜使用時に当該ロールから引っ張り出され、分析装置1に供給される構成であってもよい。
(ガイドロール6)
ガイドロール6は、第2緩衝液槽4に設けられており、方向Dへの転写膜5の移動をガイドする。
方向Dに転写膜5を移動させた時、ガイドロール6は、回転方向Q1またはQ2に回転する。
ガイドロール6は、転写膜5が、第2緩衝液槽4の第2底43に略平行であることを維持するように転写膜5の移動をガイドする。ガイドロール6は複数個が互いに間隔を空けて直列に設けられていてもよい。
ガイドロール6の材質は、絶縁性を有していればよく、上述した上板221の材質と同様でよい。
また、本実施形態では、分子の転写時に、転写膜5の配置位置を維持し、転写膜5の移動をガイドする手段として、ガイドロールを使用した例を示しているが、これらの目的を達することができれば、その他の手段を使用してもよい。
(切断部設置台7)
切断部設置台7は、切断部8および転写膜駆動部9を設置する台である。なお、切断部設置台7の材質としては、第1緩衝液槽3および第2緩衝液槽4の説明にて例示した材質を用いてもよい。
(切断部8)
切断部8は、生体分子が転写されている転写膜5を、生体分子の転写領域以外の箇所にて切断する。切断部8は切断部設置台に設置されている。切断部8は、固定されていてもよいし、可動式であってもよい。切断部8は転写膜5を、カッターなどの物理的な切断方法で切断してもよいし、レーザ等の光学的な切断方法で切断してもよい。また、転写膜5に切断のためのミシン目および/または切れ目が、予め、加工されており、切断部8は転写膜5に力を加えることによって、当該ミシン目および/または切れ目に沿って転写膜5を切断してもよい。
また、上記ミシン目および/または切れ目は、転写膜5に所定の間隔で加工されており、隣り合う上記ミシン目および/または切れ目の間に、生体分子が転写される構成であってもよい。
切断部8による転写膜5の切断、および、切断線の設定については詳細に後述する。
(転写膜駆動部9)
転写膜駆動部9は、少なくとも転写が行われている期間に上記転写膜を一方向に移動させる。
また、転写膜駆動部9は、生体分子が転写された転写膜5の転写領域およびその周辺領域を切断部8まで移動させる。
例えば、転写膜駆動部9は、ロボットアームを備えている構成であってもよい。上記ロボットアームの先端部には、対の電磁石が備わっている。対の電磁石の間に転写膜5を挟み、当該ロボットアームが転写膜5を引っ張ることによって、転写膜5を移動させる。
また、ロボットアームの先端部にて転写膜5を挟む構成としては対の電磁石に限らない。例えば、転写膜を挟んで移動させることが可能であればよく、例えば、ロボットアームの先端部に、洗濯バサミ様の部材が備わっていてもよい。あるいは、ロボットアームの先端部が鉤状に形成されており、転写膜5の末端にはロボットアームの先端部と連結するための連結部が備わっている構成であってもよい。上記連結部は、ロボットアームの鉤状の先端部に結合でき、ロボットアームが転写膜5を引き上げることができる形状であればよい。例えば、上記連結部は樹脂により形成されていてもよい。上記連結部は、転写膜5への生体分子の転写後に、切断部8によって、転写膜5から切断されてもよい。
また、ロボットアームの先端部と転写膜5とを、テープ、接着剤等で接着してもよい。
転写膜駆動部9は、上述したロボットアームを備えている構成の他に次のような構成であってもよい。
例えば、転写膜5をローラーとローラーとで挟み、当該ローラーを回転させることで転写膜5を移動させてもよい。
また生体分子の転写膜5への転写時において、転写膜駆動部9は、転写膜5を一時間で10cmの速度で移動させてもよい。
また、本実施形態においては、第2緩衝液槽4と転写膜駆動部9との間に切断部8が配置している構成であるが、切断部8と第2緩衝液槽4との間に転写膜駆動部9が配置している構成(すなわち、図1において、切断部8と転写膜駆動部9とが入れ替わっている構成)であってもよい。
(変形例1)
次に、本実施形態に係る分析装置1の変形例である分析装置1aについて説明する。なお、本実施形態において上述した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。分析装置1aについて、図3を用いて説明する。図3の(a)は、本変形例に係る分析装置1aの概略断面を示す図である。
分析装置1aは、分離部2、第1緩衝液槽3、および、第2緩衝液槽4が直列となるように、水平に配置されている。
分析装置1aは、分離部2、第1緩衝液槽3、第2緩衝液槽4、転写膜5、ガイドロール6および6a、切断部8、および、転写膜駆動部9から構成されている。
分離部2は、第1緩衝液槽3と第2緩衝液槽4との間に設けられ、これらが直列となるように、水平に配置されている。このとき、分析装置1は、筐体11中の所定の箇所に分離部2を配置することで、第1緩衝液槽3および第2緩衝液槽4がそれぞれ同時に構成されるようになっている。
第1開口部22aおよび第2開口部22bは、それぞれ、第1緩衝液槽3に備わっている陰極31および第2緩衝液槽4に備わっている陽極41に対向して配置されている。そして分離槽22は、第1開口部22aを有する側面が第1緩衝液槽3の一つの壁面を構成し、第2開口部22bを有する側面が第2緩衝液槽4の一つの壁面を構成している。
筐体11の材質は、絶縁性を有していればよく、石英ガラス等のガラス;セラミックス;アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂が例示できる。
転写膜5は、転写膜駆動部9による移動時に、分離槽22の第2開口部22bにおける分離媒体21の露出面21bに対向する位置を通過するように移動するようになっていればよく、露出面21bと接触していてもよいし、接触していなくてもよいが、分子の転写量が向上する点から、接触していることが好ましい。接触していない場合、分離媒体21の前記露出面21bと転写膜5との間の距離は、0.1mm以下であることが好ましい。
ガイドロール6および6aは、転写膜5の移動をガイドする。ガイドロール6aは分離槽22の第2開口部22bにおいて露出されている分離媒体21(上記露出面21b)に対して、上記のように接触または非接触の状態で転写膜5の配置位置を維持すると共に、方向Dへ転写膜5の移動をガイドする。
ガイドロール6aは、その回転軸方向が、分離槽22の第2開口部22bの長辺方向に略平行となるように、第2開口部22bに対向して配置され、第2開口部22bにおいて露出されている分離媒体21から転写膜5へ、分離された分子を転写できるようになっている。ガイドロール6aの回転軸方向の長さは、第2開口部22bの長辺方向の長さよりも短くてもよいが、前記長辺方向の長さと同等であることが好ましい。
また、分離媒体21の前記露出面21bと陽極41との間に、ガイドロール6等の介在構造が存在しない場合には、転写膜5は、転写膜駆動部9による移動時に、陽極41と接触していてもよいし、接触していなくてもよい。
切断部8、および、転写膜駆動部9は、第2緩衝液槽4の上方に位置している。本変形例においては、第2緩衝液槽4と転写膜駆動部9との間に切断部8が配置している構成であるが、切断部8と第2緩衝液槽4との間に転写膜駆動部9が配置している構成(すなわち、図3において、切断部8と転写膜駆動部9とが入れ替わっている構成)であってもよい。
(分離部2の詳細)
分離部2について、図3の(b)を用いて詳細に説明する。なお、上記実施形態1にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
図3の(b)は、分離部2を構成する分離媒体21および分離槽22を示す概略斜視図である。
分離槽22は、上板221、下板222および封止部材223を用いて構成される。上板221の下面と下板222の上面が対向するようにして、上板221および下板222は配置され、これらの対向面間の空隙部に分離媒体21が格納される。すなわち、下板222、分離媒体21および上板221は、この順に密着して積層されている。
上板221は、第1開口部22a側の周縁部に沿って、該周縁部近傍に第3開口部22cが設けられている。第3開口部22cは、後述するゲル状の分離媒体21用の原料の注入口に相当する。
上板221の大きさは、側板221aと同様であるためここでの説明を省略する。
第3開口部22cの長辺方向の長さY11は、第1開口部22aの長辺方向の長さに対して90〜98%であることが好ましい。
下板222は、第3開口部22cが設けられていないこと以外は、上板221と同様のものであり、その形状(第3開口部22cが設けられていないことを除く)および大きさは、組み合わせる上板221と同じであることが好ましい。
封止部材223は、上板221の第3開口部22cに、矢印Iで示すように挿入されて装着されるものであり、幅広の基体部223a上に凸状部223bが突設された形状を有しており、その長手方向に対して垂直な断面の形状が略T字状である。封止部材223の装着時には、凸状部223bは第3開口部22cに嵌合し、基体部223aは、その凸状部223bが設けられている面(図中の下面)が、上板221の分離媒体21との接触面とは反対側の面(図中の上面)に接触することで、第3開口部22cが封止される。
なお、分離槽22は、第1開口部22a及び第2開口部22bが設けられていない側面(図中の手前の面と、これとは反対側の奥の面)の近傍において、上板221と下板222との間に、板状又は棒状のスペーサ(図示略)が設けられた構成であってもよい。
上板221、下板222及びスペーサの材質および作成方法は、側板221aと同様であるためここでの説明を省略する。
分離媒体21は、試料保持部(注入部)を設けており、当該試料保持部に試料を導入する。試料保持部は、後述するように電流を流す前に、導入した試料を保持しておくためのものである。また、試料保持部は生体分子を分離する前の試料を保持する。
試料保持部は、例えば、ゲル状の分離媒体21の場合、分離部2の第3開口部22cから内部にこの分離媒体21の原料を充填し、次いで、封止部材223を第3開口部22cに挿入してから前記原料をゲル化させ、封止部材223を取り外すことで、封止部材223の凸状部223bによって型どりされた分離媒体21における凹部として形成できる。
(分析装置1における処理工程)
分析装置1における処理工程である、(1)試料の前処理、(2)生体分子の分離、(3)分離された生体分子の転写膜への転写(以下、「(3)転写」と略記する)、および、(4)転写膜の切断について、説明する。
(1)試料の前処理
試料の前処理は、生体分子を目的の状態とするために行う。
例えば、検出対象の分子が、タンパク質である場合、タンパク質以外の物質を除去し、タンパク質を変性状態としてもよい。タンパク質以外の物質を除去する方法として、例えば、遠心分離法、限外ろ過法、アセトン沈殿法などが利用できる。タンパク質を変性状態にする方法として、例えば、加熱法やdithiothreitol(DTT)など還元剤を添加する還元法など利用できる。
さらに、タンパク質を分析する際には、タンパク質溶液のタンパク質濃度を定量し、好適なタンパク質量を用意してもよい。例えば、タンパク質濃度が高い場合はタンパク質溶液を希釈し、タンパク質濃度が低い場合はタンパク質溶液を濃縮してもよい。
次に、タンパク質溶液にドデシル硫酸ナトリウム(SDS)を添加し、タンパク質に電荷を付加する。
また、タンパク質溶液に、ブロモフォノールブルー等の色素を添加し、タンパク質溶液を可視化してもよい。
なお、ここに挙げた前処理条件は一例であり、検出対象の生体分子の種類に応じて、適宜調節することが好ましい。
(2)生体分子の分離
生体分子の分離は、上記試料の前処理後に、陰極31および陽極41に電圧を印加することで行うことができる。
このとき、第1緩衝液32および第2緩衝液42を介して電流が流れる。すなわち、第2開口部22b側から第1開口部22aへ向けて、分離媒体21中を電流が流れる。
そのため、試料中の負の電荷に帯電した各種分子は、その分子量や電荷量に応じて、分離媒体21中を第1開口部22a側から第2開口部22b側へ向けて移動し、分子ふるい効果や電気的引力の効果により、互いに分離される。
例えば、特定の電流値における特定の距離を有する分離媒体21を用いた電気泳動では、試料中に含まれる種々のタンパク質は以下のように泳動される。
分子量が大きいタンパク質が分離媒体21を通過する時間は、分子量が小さいタンパク質が分離媒体21を通過する時間よりも長い(移動速度が遅い)、この分離媒体21を通過する時間の差に基づいてこれら分子は分離される。
電圧の印加条件は、試料中に含まれる各種分子の種類、分離媒体21の種類等に応じて、適宜調節すればよい。
電圧印加時には、前記温調手段により分離媒体21を、例えば、2〜10℃に温度調節することで、電気泳動のばらつきを抑制でき、より高精度に分子を分離できる。
(3)転写
試料中に含まれる生体分子は、分離媒体21中で互いに分離される。同じ電流値での移動速度が速い(移動度が大きい)生体分子から順に、転写膜5に転写される。
詳細には、移動速度が速い生体分子から順に、第2開口部22bにおける分離媒体21の露出面21bから排出される。排出された分子は、直ちに転写膜5に接触して吸着され、転写される。なお、分子の分離時(上記の電圧印加時)に、転写膜駆動部9によって転写膜5は同一方向に移動している。そのため、移動速度が異なる各生体分子は、転写膜5の異なる位置に転写されている。
(4)転写膜の切断
切断部8は、転写後の転写膜5を切断する。詳細には、転写膜駆動部9は、転写膜5の転写領域の周辺領域を切断部8に移動させる。切断部8は生体分子の転写領域以外の箇所にて転写膜5を切断する。
切断部8による転写膜5の切断の詳細について、図4を用いて説明する。
図4の(a)は、本実施形態に係る切断部8によって切断された転写膜5を示す図である。
図4の(a)に示すように、転写膜5は、生体分子が転写されている転写領域R1を含んでいる。転写領域R1は、転写膜5の移動方向である方向Dに展開するレーンL1からレーンL6を含んでいる。
分離媒体21は複数の試料保持部を有しており、試料保持部の数に応じた複数のレーンが上記転写膜の移動方向に形成され、各レーンには、対応する試料保持部に注入された試料に含まれている生体分子が転写されている。
また、転写されている生体分子は、分離媒体21における各生体分子の移動速度に応じた位置に転写されている。例えば、図4の(a)に示すように、レーンL6には、生体分子P1、生体分子P2および生体分子P3が転写されている。
上述したように、分離媒体21においては、移動速度が速い生体分子から順に、分離媒体21の露出面21bから排出され転写膜5に転写される。また、転写膜5は方向Dに移動する。したがって、転写領域R1において、方向Dに対し前端側((図4の(a)における上方向))に転写されている生体分子は、転写膜5に速く転写された生体分子となり、方向Dに対し後端側(図4の(a)における下方向)に転写されている生体分子は遅く転写された生体分子となる。レーンL6に転写されている生体分子は、生体分子P1、生体分子P2および生体分子P3の順で転写膜5に転写されたこととなる。
ここで、転写領域R1において、方向Dに対する前端側を「先に転写された側」とする。また、転写領域R1において、方向Dに対する後端側を「後に転写された側」とする。
また、図4の(a)に示されているレーンL1には分子量マーカーmが転写されている。分子量マーカーは、転写された生体分子の分子量の指標として用いるものである。例えば、図4の(a)に示すように、分子量マーカーmは、分子量を示す各バンドがラダー状に転写されている。転写領域R1の先に転写された側に転写されているバンドm1は最小の分子量を示すバンドであり、転写領域R1の後に転写された側に転写されているバンドm2は最大の分子量を示すバンドである。
(切断箇所の設定例1)
本実施形態に係る切断部8は、転写膜5を生体分子の転写領域以外の箇所にて切断する。
上記の構成によれば、転写膜を生体分子の転写領域以外の箇所にて切断することができる。
また、本実施形態に係る切断部8は、図4の(a)に示すように、上記転写膜移動部による上記転写膜の移動方向における上記転写領域の後端部に沿って上記転写膜を切断する。
上記の構成によれば、転写膜5の転写領域において、転写膜5の移動方向における上記転写領域の後端部に沿って切断する。したがって、転写膜の転写領域と、転写膜の移動方向における上記転写領域の後端部側の非転写領域とを切り離すことができる。
切断部8の転写膜5における切断箇所の設定について説明する。切断部8は、光学センサーを備えている。例えば、図4の(a)のレーンL1に転写されている分子量マーカーを構成する分子には色素が結合されている。切断部8の光学センサーは転写膜5における当該色素を検出し、分子量マーカーの位置を特定する。切断部8は、光学センサーが特定した分子量マーカーの色素の位置に基づいて、分子量マーカーmのバンドのうち、最大の分子量を有するバンドm2を認識する。切断部8は、バンドm2よりも方向Dに対して後端側であり、バンドm2に近接する位置に切断線(切断箇所)C1を設定する。
切断線C1は、方向Dに対して垂直に設定される。切断部8は、切断線C1にて転写膜5を切断する。ここで、例えば、分子量マーカーmのバンドのうち、最大の分子量を有するバンドm2は、200kDaを示すバンドであってもよい。
上記の構成によれば、切断された転写膜5は、200kDaまでの大きさの生体分子が転写された領域を含み、それ以上よりも大きい分子量の生体分子は切断された転写膜5に含まれない。
例えば、生体に含まれる多くのタンパク質は10kDa〜200kDaであり、200kDaよりも大きいタンパク質は少ない。
したがって、切断される転写膜5に転写されるタンパク質の対象を200kDa以下とすることで、分離されたタンパク質の大部分を転写領域に含ませることができる。
また、切断される転写膜5に転写されるタンパク質の対象を200kDa以下のタンパク質とすることで、200kDa以上の分離に時間がかかるタンパク質の転写膜5への転写の必要がなくなる。したがって、試料の生体分子の分離時間を短縮することできる。
(切断箇所の設定例2)
次に、複数の分子量を示す分子を含む分子量マーカーの代わりに、蛍光物質と結合したタンパク質などの生体分子をマーカーm3として用いて、転写膜5の切断箇所を設定する方法について、図4の(b)を用いて説明する。
図4の(b)は、切断部8によって切断された転写膜5の他の例を示す図である。図4の(b)に示すように、転写膜5は、生体分子Pが転写されている転写領域R2を含んでいる。また、転写領域R2は転写膜5の移動方向である方向Dに展開する複数のレーンを含んでいる。
各レーンには、マーカーm3が転写されている。図4の(b)に示す例示においては、試料保持部に導入された試料はマーカーm3を含ませて調整されているが、特に、試料保持部に導入された試料がマーカーm3を含むように調整される必要はない。例えば、特定の試料保持部にマーカーm3を単独で導入してもよい。また、マーカーm3の分子量は、例えば、200kDaである。マーカーm3に含まれている蛍光物質としては、cy5 dye、cy3 dye等の、一般に、生体分子を蛍光標識するための蛍光物質を利用することができる。
切断部8は、転写膜5に、マーカーm3を構成する蛍光物質を励起させるための励起光を照射する。切断部8は、光学センサーを用いて励起光によって生じたマーカーm3が発する光を検出し、マーカーm3の位置を特定する。切断部8は、光学センサーが特定したマーカーm3の位置に基づいて、マーカーm3に近接しており、かつ、マーカーm3よりも方向Dに対して後端側の位置を切断線C1として設定する。切断部8は、設定した切断線C1にて転写膜5を切断する。
転写膜駆動部9は、切断した転写膜5を、図1に示すように、ブロッキング溶液が充填されているトレイ12に移動させてもよい。例えば、上述したように、転写膜駆動部9は、転写膜5をローラーとローラーとで挟み、当該ローラーを回転させることで切断された転写膜5を移動させ、分析装置1から、例えば、ブロッキング溶液が充填されたトレイ12に移動させてもよい。
上記の分析装置1における一連の処理工程は、プログラミングによって全自動で行うことができる。
〔実施形態2〕
次に、本実施形態に係る切断部8について、図5を用いて説明する。なお、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
本実施形態に係る切断部8が行う、転写膜5の転写領域の後に転写された側の周縁に近接した切断線C1の設定、および、切断線C1における転写膜5の切断については、実施形態1と同様であるためここでの説明を省略する。
(切断箇所の設定例1)
本実施形態に係る切断部8は、転写膜駆動部9による転写膜5の移動方向における転写領域の前端部に沿って切断する。
上記の構成によれば、切断部8は、転写膜移動部9による転写膜5の移動方向における転写領域の前端部に沿って転写膜5を切断する。したがって、転写膜5の転写領域と、転写領域の転写膜5の移動方向における転写領域の前端部側の非転写領域とを切り離すことができる。
図5の(a)は、本実施形態に係る切断部8によって切断された転写膜5を示す図である。図5の(a)に示すように、転写膜5は、生体分子Pが転写されている転写領域R3を含んでいる。また、転写領域R3は転写膜5の移動方向である方向Dに展開する複数のレーンを含んでいる。
切断部8は、光学センサーを備えている。例えば、図5の(a)に示すように、転写されている分子量マーカーmに含まれている分子量の指標となる分子には色素が結合されている。当該光学センサーは転写膜5における当該色素を検出し、分子量マーカーmを構成しているバンドの位置を特定する。切断部8は、光学センサーが特定したバンドの位置に基づいて、分子量マーカーmのうち、最小の分子量を有するバンドm1を認識し、バンドm1に近接しており、かつ、バンドm1よりも方向Dに対して前端側の位置を切断線C2として設定する。切断線C2は、転写膜の移動方向である方向Dに対して垂直に設定される。切断部8は、設定した切断線C2にて転写膜5を切断する。
すなわち、転写膜5には、転写された生体分子の大きさの指標となる光学的に検出可能な分子量マーカーが転写されており、切断部8は、光学センサーを備えており、光学センサーにより検出された分子量マーカーの位置に基づいて、転写膜5の切断箇所を設定する。
上記の構成によれば、切断部は分子量マーカーを光学的に検出し、当該位置に基づいて切断箇所を設定することによって、転写膜の転写領域を避けて転写膜を切断することができる。
例えば、分子量マーカーmのバンドのうち、最小の分子量を有するバンドm1は、10kDaを示すバンドであってもよい。
上記の構成によれば、切断された転写膜5は、10kDaからの大きさの生体分子が転写された領域を含み、それ以下の分子量の生体分子は切断された転写膜5に含まれない。
上述のように、生体に含まれる多くのタンパク質は10kDa〜200kDaであり、10kDaよりも小さいタンパク質は少ない。
したがって、切断された転写膜5に、分離されたタンパク質の大部分を含ませることができる。
また、切断部8は後に転写された側の周縁に近接する位置に設定された切断線C1にて転写膜5を切断後、上記切断線C2を切断できる位置まで移動して、転写膜5を切断する構成であってもよい。
(切断箇所の設定例2)
次に、複数の分子量を示す分子量マーカーの代わりに、電気泳動における先行色素をマーカーm4として用いて、転写膜5の切断線C2を設定する方法について、図5の(b)を用いて説明する。
図5の(b)は、切断部8によって切断された転写膜5を示す図である。図5の(b)に示すように、転写膜5は、生体分子Pが転写されている転写領域R4を含んでいる。また、転写領域R4は転写膜5の移動方向である方向Dに展開する複数のレーンを含んでいる。
各レーンには、マーカーm4が転写されている。図5の(b)に示す例示においては、試料保持部に導入された試料はマーカーm4を含むように調整されているが、特に、試料保持部に導入された試料すべてにマーカーm4を含むように調整される必要はない。例えば、複数の試料保持部のうち少なくとも1つの試料保持部にマーカーm4を含む試料が導入されていればよい。
マーカーm4としては、例えば、生体分子の電気泳動のサンプル調整試薬に一般的に添加されているブロモフェノールブルーなどの色素を利用することができる。
切断部8は、光学センサーによって、マーカーm4の色素を検出し、位置を特定する。切断部8は、光学センサーが特定したマーカーm4の位置に基づいて、マーカーm4に近接しており、かつ、マーカーm4よりも方向Dに対して先端側の位置を切断線C2として設定する。切断部8は、設定した切断線C2にて転写膜5を切断する。
〔実施形態3〕
次に、本実施形態に係る切断部8について、図6を用いて説明する。なお、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
本実施形態に係る切断部8は、転写膜5の転写領域における後に転写された側の周縁に近接した箇所と、先に転写された側の周縁に近接した箇所とを切断する。
さらに、切断部8は、転写膜5の移動方向である方向Dに対して平行に、転写膜5の転写領域を切断する。
上記の構成によれば、転写膜5の転写領域を転写膜5の移動方向に対して平行に切り分けることができる。
本実施形態に係る切断部8は、転写膜5の転写領域における後に転写された側の周縁に近接した切断線C1を設定し、切断線C1にて切断する。また、転写膜5の転写領域における先に転写された側の周縁に近接した切断線C2を設定し、切断線C2にて切断する。これらの工程は、実施形態2と同様であるためここでの説明を省略する。
(転写領域内の切断例1)
本実施形態に係る切断部8の転写膜5の切断について説明する。
図6の(a)は、切断部8によって切断された転写膜5を示す図である。図6の(a)に示すように、転写膜5は、生体分子Pが転写されている転写領域R5を含んでいる。また、転写領域R5は、転写膜5の移動方向である方向Dに展開する複数のレーンを含んでいる。
切断部8は、所定のレーンとレーンとの間である切断線C3にて、転写領域R5を、方向Dに対して平行に切断する。そのため、転写領域R5は、転写領域N1、および、転写領域N2の2つに切り分けられている。
切断線C3は、例えば、ユーザが所望するレーンとレーンとの間である。この場合、例えば、ユーザは、分析装置1の処理工程を制御している制御装置に、切断線C3を入力する構成であってもよい。制御装置は当該入力に応じて切断部8の切断処理を制御してもよい。
(転写領域内の切断例2)
次に、図6の(b)を用いて、転写膜5の移動方向である方向Dに展開する各レーンを全て切り分けるように切断する、切断部8の切断処理について説明する。
図6の(b)は、本実施形態に係る切断部8によって切断された転写膜5を示す図である。図6の(b)に示すように、転写膜5は、生体分子Pが転写されている転写領域R6を含んでいる。また、転写領域R6は転写膜5の移動方向である方向Dに展開する複数のレーンを含んでいる。
切断部8は、各レーンの間の切断線C30、C31、C32、C33、および、C34にて切断する。切断線C30、C31、C32、C33、および、C34は、方向Dに対して平行な直線である。そのため、転写領域R6は、転写領域N3〜N8の6つに切り分けられ、各レーンは短冊状に切り分けられる。
上記の処理工程は、例えば、上述した制御装置によって制御されてもよい。
上記の構成によれば、転写膜5をレーンごとに切り分けることができる。
例えば、生体分子検出キットなどのポジティブコントロール、または、ネガティブコントロールとなる試料を、各試料保持部に導入し、転写膜に転写し、転写膜の各レーンを切り分ける。当該切り分けた転写膜5は、生体分子検出キットに添付するポジティブコントロールまたはネガティブコントロールとして提供できる。したがって、上記の構成によれば、生体分子検出キットに添付するポジティブコントロールまたはネガティブコントロールを自動的に複数作成することができる。
〔実施形態4〕
次に、本実施形態に係る切断部8について、図7を用いて説明する。なお、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
本実施形態に係る切断部8は、転写膜5の表面の形状と裏面の形状とが異なるように切断する。
また、本実施形態に係る切断部8は、転写膜5の転写領域における後に転写された側の周縁に近接する切断線C1、または、C1bを設定する。また、切断部8は転写膜5の転写領域における先に転写された側の周縁に近接した切断線C2a、または、C3bの位置を設定する。これらの工程は、実施形態2と同様であるためここでの説明を省略する。
(転写膜5の所定の位置の形状を特徴のある形状に切断する切断例1)
本実施形態に係る切断部8の転写膜5の切断例について図7の(a)を用いて説明する。
図7の(a)は、本実施形態に係る切断部8によって切断された転写膜5を示す図である。図7の(a)に示すように、転写膜5は、生体分子Pが転写されている転写領域R10を含んでいる。また、転写領域R10は、転写膜5の移動方向である方向Dに展開する複数のレーンを含んでいる。
切断部8は、転写領域R10の後に転写された側の周縁に近接する切断線C1にて切断する。次に、切断部8は、転写領域R10の先に転写された側の周縁に近接する切断線C2aにて、転写膜5を切断する。切断線C2aは、方向Dに対して垂直な直線と、転写領域R10から見てV字形状に突出している折れ線S1を含んでいる。折れ線S1は、切断後の転写膜5の表面の形状と裏面の形状とが異なるように切断線C2aの一方の端部に近接する位置に位置している。
上記の構成によれば、ユーザは、転写膜5の表面および裏面を容易に認識することができる。
また、折れ線S1の形状は、転写領域R10の先に転写された側にのみ形成されている。そのため、ユーザは、折れ線S1の位置を確認することで、転写領域R10の先に転写された側と後に転写された側とを(換言すると、転写膜の移動方向における前端部側と後端部側とを)を視認することができる。
(転写膜5の所定の位置の形状を特徴のある形状に切断する切断例2)
次に、図7の(b)を用いて、試料の分離および転写を連続して行った場合における切断部8の切断処理について例示する。
図7の(b)は、本実施形態に係る切断部8によって切断された転写膜5を示す図である。図7の(b)に示すように、転写膜5は、生体分子Pが転写されている転写領域R11、および、R12を含んでいる。また、転写領域R11、および、R12は転写膜5の移動方向である方向Dに展開する複数のレーンを含んでいる。なお、転写領域R11、および、R12は、同一の試料に含まれる生体分子が、独立に転写されたものであってもよい。
転写膜5において、転写領域R11は転写領域R12よりも方向Dにおいて前端側に位置している。
転写膜5は、転写領域R12の後に転写された側の周縁に近接する切断線C1b、転写領域R11と転写領域R12との間に位置する切断線C2b、および、転写領域R12の先に転写された側の周縁に近接する切断線C3bにて切断されている。
切断線C1bは、方向Dに対して垂直な直線である。
切断線C2bは、方向Dに対して垂直な直線と、転写領域R12から見て突出している2つのV字形状からなる折れ線S2を含んでいる。折れ線S2は、切断線C2bの一方の端部に近接して配置されている。
切断線C3bは、方向Dに対して垂直な直線と、転写領域R11から見て突出している1つのV字形状からなる折れ線S3を含んでいる。折れ線S3は、切断線C3bの一方の端部に近接して配置している。
例えば、切断部8は、光学センサーを用いて、転写領域R11における分子量マーカーmの最大のバンドm2、および、転写領域R12における分子量マーカーmの最小のバンドm1の位置を検出して、転写領域R11以外の位置、かつ、転写領域R12以外の位置に切断線C2bを設定してもよい。
なお、分子量マーカーmに含まれるバンドの検出の詳細は、上述したため、ここでの説明を省略する。
また、本実施形態においては、独立した2つの転写領域を特徴のある形状に切断する例を示したが、切断される転写領域を含む転写膜は3つ以上であってもよい。この場合、個々の切断された転写膜における形状が、異なる数の上記V字形状を有する形状に切断されもよい。
すなわち、本実施形態においては、試料に含まれる生体分子が、独立して複数回、転写膜5に転写され、転写膜5が複数の独立した転写領域を含む場合、切断部8は、転写膜5を、独立した転写領域毎に異なる形状に切断する。
上記の構成によれば、切断部8は転写膜5を、独立した転写領域毎に異なる形状に切断する。したがって。ユーザは、生体分子が複数回転写膜に転写されることにより形成された複数の転写領域であって、切断部により切断された個々の転写領域すなわち転写膜を容易に認識することができる。
〔実施形態5〕
次に、本実施形態に係る切断部8について、図8を用いて説明する。なお、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を省略する。
上記実施形態1〜4においては、切断部8が光学センサーを備えており、当該光学センサーが検出したマーカーの位置に基づいて切断箇所を設定する構成について説明した。本実施形態に係る切断部8は、制御装置15からの指示を受信し、切断動作を実行する。
図8は、本実施形態に係る分析装置1または1aの要部構成の概略を示す図である。
分析装置1または1aは、制御装置15を備えている。
制御装置15は、分析装置1または1aにおける切断部8の切断処理工程を含む一連の処理工程を、プログラミングによって制御するものである。制御装置15は、入力部151、切断時間特定部152および転写膜切断制御部153を備えている。
入力部151は、分析装置1または1aの制御条件を受け付ける。当該条件としては、例えば、分離媒体21を構成する素材の種類および濃度、分離媒体21の距離、陰極31および陽極41に印加する電圧、転写膜5の移動速度等である。
切断時間特定部152は、分離媒体21の距離、陰極31および陽極41に印加する電圧、転写膜5の移動速度から、転写膜5の切断時間を特定する。例えば、切断時間特定部152は、転写膜駆動部9が転写膜5の移動を開始させた時点から、切断部8に切断箇所が到達する切断箇所到達時間を算出する。切断時間特定部152は、算出した切断箇所到達時間を転写膜切断制御部に送信する。なお、上記切断箇所については上記実施形態1〜4に記載の切断線C1、C1b、C2、C2a、C2b、C3bと同様である。
転写膜切断制御部153は、切断箇所到達時間に従って、切断部8に転写膜5の切断を指示する。また、切断部8が可動式である場合、転写膜切断制御部153は切断部8の移動条件(例えば、移動方向、移動距離)について指示してもよい。
分析装置1および1aの切断部8は、転写膜切断制御部153の指示に従い転写膜5を切断する。
上記の構成によれば、制御装置15は、分離部2における生体分子の分離条件および上記転写膜の移動速度に基づいて、転写膜5の転写領域を避けて切断部8に転写膜5の切断を指示することができる。したがって、切断部8は転写膜5の転写領域を避けて転写膜5を適切に切断することができる。
なお、上記実施形態1〜5においては、切断部8が転写膜5を切断する構成について説明したが、分析装置が設定した上述の切断箇所において転写膜を分離できる構成であればよく、例えば、切断部8は、転写膜をくり抜く構成であってもよい。
〔ソフトウェアによる実現例〕
制御装置15の制御ブロック(特に切断時間特定部152)または切断部8の制御は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
後者の場合、制御装置15、または、切断部8は各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
本発明は、生体関連分子の分離および検出を行なう分析装置に利用することができる。
1、1a 分析装置(生体分子分析装置)
2 分離部
5 転写膜
9 転写膜駆動部(転写膜移動部)
15 制御装置
C1、C1b、C2、C2a、C2b、C3b 切断線(切断箇所)
m 分子量マーカー
m3、m4 マーカー(分子量マーカー)

Claims (11)

  1. 試料に含まれている生体分子を分離する分離部と、分離された上記生体分子が転写される転写膜と、上記転写がされている期間に上記転写膜を一方向に移動させる転写膜移動部とを備えている生体分子分析装置であって、
    生体分子が転写された上記転写膜を切断する切断部を備えていることを特徴とする生体分子分析装置。
  2. 上記切断部は、上記転写膜を生体分子の転写領域以外の箇所にて切断することを特徴とする請求項1に記載の生体分子分析装置。
  3. 上記切断部は、上記転写膜移動部による上記転写膜の移動方向における生体分子の転写領域の後端部に沿って上記転写膜を切断することを特徴とする請求項1または2に記載の生体分子分析装置。
  4. 上記切断部は、さらに、上記転写膜移動部による上記転写膜の移動方向における生体分子の転写領域の前端部に沿って上記転写膜を切断することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の生体分子分析装置。
  5. 上記切断部は、さらに、上記転写膜移動部による上記転写膜の移動方向に対して平行に、上記転写領域を切断することを特徴とする請求項4に記載の生体分子分析装置。
  6. 上記分離部は、上記試料を注入するための複数の注入部を備えており、
    上記転写領域には、上記注入部の数に応じた複数のレーンが上記転写膜の移動方向に形成され、各レーンには、対応する注入部に注入された試料に含まれている生体分子が転写されて、
    上記切断部は、上記転写膜を上記転写膜の移動方向に対して平行に上記レーンごとに切断することを特徴とする請求項5に記載の生体分子分析装置。
  7. 上記切断部は、切断後の上記転写膜の表面の形状と裏面の形状とが異なるように上記転写膜を切断することを特徴とする請求項4に記載の生体分子分析装置。
  8. 上記試料に含まれる生体分子が、独立して複数回、上記転写膜に転写され、上記転写膜が複数の独立した上記転写領域を含む場合、上記切断部は、上記転写膜を、独立した上記転写領域毎に異なる形状に切断することを特徴とする請求項4に記載の生体分子分析装置。
  9. 上記転写膜には、転写された上記生体分子の大きさの指標となる光学的に検出可能な分子量マーカーが転写されており、
    上記切断部は、光学センサーを備えており、
    上記光学センサーにより検出された上記分子量マーカーの位置に基づいて、上記転写膜の切断箇所を設定することを特徴とする請求項1から8の何れか一項に記載の生体分子分析装置。
  10. 上記切断部による転写膜の切断動作を制御する制御装置を備え、
    上記切断部は上記制御装置に制御されて上記転写膜を切断することを特徴とする請求項1から8の何れか一項に記載の生体分子分析装置。
  11. 上記転写膜は、複数枚の転写膜を重ねたものであることを特徴とする請求項1から10の何れか一項に記載の生体分子分析装置。
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