JP2015203061A - 連続気孔構造体とその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】材料を混合するために有機溶媒を使用せず、かつ耐熱性及び圧縮永久歪みが良好な連続気孔構造体の提供を目的とする。
【解決手段】イソシアネート基を熱解離性ブロック剤で封鎖した液状のブロックポリイソシアネートと、水溶性無機塩の粒子からなる気孔成形材と、活性水素化合物とを混合し、得られた混合物Pを加熱した金型20に充填し、熱プレスすることにより、混合物Pを賦形すると共に加熱して架橋、硬化を行って架橋成形体を形成し、その後に架橋成形体を金型20から取り出して水に浸漬し、架橋成形体内の気孔成形材を架橋成形体から抽出除去して連続気孔構造体とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、連続気孔構造体とその製造方法に関する。
連続気孔構造体は印材や化粧用パフあるいはその他の用途に広く使用されている。
従来における連続気孔構造体の製造方法として、湿式法あるいは乾式法で、水に可溶な気孔成形材を混入・分散させた樹脂成形体を形成し、その後に気孔成形材を水で溶解、抽出して樹脂成形体から除去することにより連続気孔構造体を製造するものがある。
湿式法は、熱可塑性ポリウレタンを有機溶媒で溶解し、これに水に可溶な気孔成形材を配合して混合し、所定形状に成形後、気孔成形材と有機溶媒を水で抽出して除去する方法である(特許文献1)。
乾式法は、常温固体の熱可塑性エラストマーと、水に可溶な気孔成形材とを加熱混練した後、押出成形等により成形体とし、その成形体を水に浸漬して気孔成形材を抽出し除去する方法である(特許文献2)。
しかしながら、従来の湿式法においては、大量に使用する有機溶媒の処理に問題があった。一方、従来の乾式法においては、製造した連続気孔構造体は、非架橋のため、レーザー加工のような高温加工時に溶けたり変形し易く、加工精度が悪く、耐熱性が低い問題がある。
特開昭52−32971号公報 特開2006−104436号公報
本発明は前記の点に鑑みなされたものであって、材料を混合するために有機溶媒を添加する必要がなく、かつ耐熱性及び圧縮永久歪みが良好な連続気孔構造体とその製造方法の提供を目的とする。
請求項1の発明は、末端イソシアネート基を熱解離性ブロック剤で封鎖した液状のブロックポリイソシアネートと、水溶性無機塩の粒子からなる気孔成形材と、活性水素化合物とを混合した混合物の成形体を加熱により架橋、硬化させた架橋成形体から、前記気孔成形材を水により抽出除去して連続気孔構造としたことを特徴とする連続気孔構造体に係る。
請求項2の発明は、請求項1において、前記活性水素化合物はポリアミン化合物であることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または2において、第二の活性水素化合物として、さらに活性水素化合物であるポリエチレングリコールを加えて前記混合を行ない前記混合物としたことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1から3の何れか一項において、動的粘弾性測定での貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)の交点が160℃以上、JIS−K6400A法に基づく試験温度70℃、50%圧縮における圧縮永久歪が35%以下であることを特徴とする。
請求項5の発明は、イソシアネート基を熱解離性ブロック剤で封鎖した液状のブロックポリイソシアネートと、水溶性無機塩の粒子からなる気孔成形材と、活性水素化合物とを混合し、得られた混合物を賦形した成形体を加熱して架橋、硬化を行うことにより架橋成形体を形成し、前記架橋成形体を水に浸漬して前記気孔成形材を前記架橋成形体から抽出除去して連続気孔構造体とすることを特徴とする連続気孔構造体の製造方法に係る。
請求項6の発明は、請求項5において、第二の活性水素化合物として、さらに活性水素化合物であるポリエチレングリコールを加えて前記混合を行なうことを特徴とする。
請求項1の発明によれば、末端イソシアネート基を熱解離性ブロック剤で封鎖したブロックポリイソシアネートと、水溶性無機塩の粒子からなる気孔成形材と、活性水素化合物とを混合するため、混合のために有機溶媒を添加する必要がなく、有機溶媒の処理の問題を解決することができる。また、請求項1の発明の連続気孔構造体は、架橋しているために耐熱性及び圧縮永久歪みが良好である。
請求項2の発明によれば、ポリアミン化合物の反応活性は高く反応が速やかに行われることで、生産性を高めることができる。
請求項3の発明によれば、第二の活性水素化合物として、ポリエチレングリコールを加えたことにより、連続気孔構造体の圧縮永久歪みを一層向上(圧縮永久歪みを小さく)させることができる。
請求項4の発明によれば、連続気孔構造体は架橋しているため、耐熱性の指標となる動的粘弾性測定での貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)の交点が160℃以上、圧縮永久歪みの指標となるJIS−K6400A法に基づく試験温度70℃、50%圧縮後の歪み率が35%以下となり、耐熱性及び圧縮永久歪みが向上していると共に、添加可能な気孔成形材を増量して連通性を高めることができ、耐熱性や連通性の向上が求められる用途に好適なものとなる。
請求項5の発明によれば、有機溶媒処理の問題を解決することができると共に、耐熱性及び圧縮永久歪みが良好な連続気孔構造体を製造することができる。
請求項6の発明によれば、第二の活性水素化合物として、ポリエチレングリコールを加えたことにより、連続気孔構造体の圧縮永久歪みを一層向上(圧縮永久歪みを小さく)させることができる。
本発明の一実施形態に係る連続気孔構造体の斜視図である。 熱プレスの例を示す図である。
図1に示す本発明の一実施形態に係る連続気孔構造体10は、ブロックポリイソシアネートと、気孔成形材と、活性水素化合物とを混合した混合物の成形体を加熱により架橋、硬化させた架橋成形体から、前記気孔成形材を水により抽出除去して連続気孔構造としたものであり、図示の例ではシート状に成形したものである。なお、連続気孔構造とは、内部の気孔が連通して連続気孔構造体10の外面で開口した構造をいう。
本発明で使用するブロックポリイソシアネートは、末端イソシアネート基を熱解離性ブロック剤で封鎖(キャップ)したブロックポリイソシアネート(以下ブロックポリイソシアネートとも記す)であり、常温で液状(JIS−Z8703に規定される20℃、23℃、または25℃のいずれか、相対湿度50%または65%のいずれか、気圧86Pa以上、106kPa以下で液状)ものである。前記ブロックポリイソシアネートは、常温では活性水素化合物と混合してもブロック剤で封鎖されているイソシアネート基が反応せず、加熱(例えばブタノンオキシムで封鎖されている場合には140〜160℃に加熱)することによって前記ブロック剤が解離し、露出したイソシアネート基と前記活性水素化合物とが反応して架橋、硬化する。
本発明で使用するブロックポリイソシアネートは、23℃の粘度が7,000〜120,000mPa・sが好ましく、より好ましくは50,000〜90,000mPa・sである。なお、粘度の測定は、E型粘度計を用いた。
本発明で使用するブロックポリイソシアネートは、末端にイソシアネート基を有するポリイソシアネートと、熱解離性ブロック剤を反応させて得られる。
前記ブロックポリイソシアネートの製造に使用されるポリイソシアネートは、脂肪族ジイソシアネート又は脂環族ジイソシアネート又は芳香族イソシアネートの単独、あるいはそれらの混合物と、ポリエステルポリオール、好ましくはポリカプロラクトンポリオール又はポリエーテルポリオールの単独、あるいはそれらの混合物とを反応させて得られるものである。
熱解離性ブロック剤としては、ホルムアルドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム等のオキシム系化合物、ピラゾール、3−メチルピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール等のピラゾール系化合物、アセト酢酸アミド等のアミド系化合物、ジフェニルアミン、アニリン、カルバゾール等のアミン系化合物、マロン酸ジエチル、マロン酸ジメチル等の活性メチレン系化合物、メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール系化合物、アセトアニリド、酢酸アミド、ε−カプロラクタム等の酸アミド系化合物、コハク酸イミド、マレイン酸イミド等の酸イミド系化合物、フェノール、クレゾール、エチルフェノール等のフェノール系化合物等を挙げることができる。
前記ブロックポリイソシアネートの製造は、前記ポリイソシアネートと前記熱解離性ブロック剤とを、−20〜150℃で混合し、反応させることにより行うことができる。
また、本発明で使用する前記ブロックポリイソシアネートは、市販のものを使用することができる。例えば、ブタノンオキシムで両末端イソシアネート基を封鎖(キャップ)したブロックポリイソシアネート(芳香族ウレタンプレポリマー)、品名:Impranil HS−62、バイエル社製、あるいは、品名:ウレハイパーCRU−5100、DIC株式会社製等を挙げることができる。
気孔成形材は、水溶性無機塩の粒子が用いられる。水溶性無機塩の粒子としては、水に可溶であって、かつ前記熱解離性ブロック剤を熱解離させる加熱温度で安定な無機物質であればよい。例えば、NaCl、KCl、CaCl、NHCl、NaNO、NaNO等を挙げることができる。また、前記気孔成形材の大きさは、前記連続気孔構造体10の連続気孔の形成に影響を与えるため、平均粒子径は、1〜300μm、好ましくは80〜200μm、特には、85〜95μmのものが好ましい。
前記ブロックポリイソシアネートと気孔成形材との混合割合は体積比で10:90〜40:60の範囲内が好ましい。前記ブロックポリイソシアネートが、10Vol%未満の場合には成形体自体が分離し、連続気孔多孔体が得られない。60Vol%を超える場合には成形体内に十分な数の気泡が形成されず連通化が困難になる。
活性水素化合物は、分子内に活性水素が2以上結合している化合物が用いられる。例えば、ポリオール化合物、ポリアミン化合物等を挙げることができる。ポリオール化合物としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、ポリオレフィンポリオール等を挙げることができる。ポリアミン化合物としては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4’’’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン等が挙げることができる。硬化剤として用いる活性水素化合物の活性水素を有する官能基に対するブロックポリイソシアネート中の封鎖されたNCO基の等量比が1.25:1〜1:1が好ましい。
その他、前記混合物には適宜の添加剤を配合してもよい。添加剤は、第二の活性水素化合物として用いるポリエチレングリコールは特に好適なものである。ポリエチレングリコールを添加することによって、前記連続気孔構造体10の圧縮永久歪みを一層向上させる(圧縮永久歪みを小さくする)ことができる。ポリエチレングリコールの添加量は、前記気孔成形材とポリエチレングリコールの体積比が45:55〜95:5程度が好ましい。
その他の添加剤として、酸化防止剤、顔料、紫外線吸収剤等を挙げることができる。
前記連続気孔構造体10の製造は、混合工程、賦形加熱工程、気孔成形材除去工程とにより行われる。
前記混合工程では、前記ブロックポリイソシアネートと、前記気孔成形材と、前記活性水素化合物、及び必要に応じて添加される適宜の添加剤(例えばポリエチレングリコール)とを、前記配合量で混合する。混合装置は、特に限定されず、例えばリボンミキサー、プラネタリウムミキサー、ニーダー、ラボプラストミル等を挙げることができる。また、前記混合は常温(非加熱)で行う。前記混合によって粘土状の混合物が得られる。
前記賦形加熱工程では、前記混合工程により得られた混合物を所定形状に賦形して成形体とし、得られた成形体を加熱して架橋、硬化を行うことにより架橋成形体を形成する。前記混合物の賦形は、押出成形あるいは金型への充填等、適宜の方法によって行われる。
すなわち、熱プレスによるバッチ式成形方法のほか、混合物をカレンダー成形、ロールによる圧延成形を行いシート状に連続的に加工することもできる。さらに、混合物をモールド内に充填し、加熱圧縮することで所望の形状、具体的には円柱状、円筒状、角錐状に成形することもできる。また、賦形された混合物の成形体の加熱方法は限定されず、混合物の成形体を加熱炉に収容して加熱したり、混合物を金型に充填して熱プレスすることにより賦形と加熱を一度に行ったりしてもよい。
図2に、金型20を用いる熱プレスの場合にについて一例を示す。前記金型20は、下型21と上型23とよりなり、前記下型21には混合物収容部29を内側に有する。また、前記下型21と上型23には加熱手段25、27として電熱線が配接され、前記金型20外の電源装置(図示せず)と接続されて加熱可能に構成されている。
前記加熱手段25で加熱された下型21の混合物収容部29に、前記混合物Pを所定量充填し、次に前記加熱手段27で加熱された上型23を前記下型21に重ねて金型20を閉じ、前記下型21と上型23とによって前記混合物Pを熱プレスする。
前記熱プレスによって金型20内の混合物が前記下型21と上型23間の形状(図示の例ではシート状)に賦形されて成形体になると共に加熱される。加熱によって前記成形体は、前記ブロックポリイソシアネートから熱解離性ブロック剤が解離し、前記熱解離性ブロック剤が解離したポリイソシアネートにおいて露出したイソシアネート基と前記活性水素化合物とが反応して架橋、硬化し、架橋成形体が形成される。
なお、プレスで賦形した後に架橋する場合には、熱解離性ブロック材が解離する温度よりも低く、混合物の流動性を担保できる温度で加熱し、その後、解離性ブロック剤が解離する温度以上の温度で加熱する。例えばブタノンオキシムで封鎖されたブロックポリイソシアナート(ブロック剤の乖離温度、140℃)では概ね40〜60℃の温度とし、その後にその後、金型温度を昇温、150℃を超える温度とするのが好ましい。また、賦形と架橋を一度に行う場合には、封鎖されたブロック材が解離する温度以上に加熱する。例えばブタノンオキシムで封鎖されたブロックポリイソシアナートでは概ね150〜160℃で加熱するが好ましい。
前記気孔成形材除去工程では、前記架橋成形体を水に浸浸し、前記架橋成形体内の前記気孔成形材を水で抽出して架橋成形体外へ除去する。それにより、前記気孔成形材の除去された部分が連通して連通気孔構造となる。前記架橋成形体を水に浸浸する方法は、特に限定されないが、例えば、前記架橋成形体を水槽に所定時間漬けた後に取り出す方法を挙げる。なお、前記水から取り出した架橋成形体を乾燥して図1の連続気孔構造体10を得る。
また、前記連続気孔構造体は、動的粘弾性測定での貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)の交点が160℃以上、JIS−K6400A法に基づく試験温度70℃、50%圧縮後の歪み率(圧縮永久歪)が35%以下である。さらに、前記混合物中の気孔成形材に対して抽出された気孔成形材の割合を示す抽出率が95%以上である。
前記動的粘弾性測定での貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)の交点の温度は、耐熱性の指標となるものであり、前記交点の温度が高いほど耐熱性が良好になる。
前記JIS−K6400A法に基づく試験温度70℃、50%圧縮後の歪み率は、圧縮永久歪みの指標となるものであり、試験温度70℃、50%圧縮後の歪み率の値が小さいほど、圧縮永久歪みが良好となる。
前記抽出率は、連通性の指標として使用可能なものであり、抽出率の値が大きくなるほど連通性(通気性)が良好となる。
なお、前記抽出率の計算は次のようにして行う。抽出前の試験片の重量と、抽出後に70℃で乾燥した後の試験片の重量を測定し、抽出前の試験片の重量と抽出乾燥後の試験片の重量との差、すなわち抽出量を計算し、混合物調製時に加えた気孔成形材の重量に対する抽出量の割合を計算して抽出率とした。
・実施例1
熱解離性ブロック剤で封鎖したブロックポリイソシアネートとして、ブタンオキシムで両末端のNCOをキャップした芳香族ウレタンプレポリマー、25℃の粘度70,000mPa・s、品名:Impranil HS−62、バイエル社製、27gと、活性水素化合物として脂肪族ジアミン、1.67gと、気孔成形材として、平均粒子径90μmの塩化ナトリウム粉末、123gを、(株)東洋精機製作所製のラボプラストミルを用いて、常温(25℃)、50rpmで10分間混合し、粘土状の混合物を得た。混合中の混合物温度は34.3℃であった。
前記粘土状の混合物を、150℃に加熱した金型の混合物収容部に充填し、閉型による熱プレスを10分間行い、180×130×1.5mmのシート状からなる架橋成形体を形成した。なお、前記金型の閉型時の混合物収容部は、180×130×1.5mmである。型閉めを行っても、ヴェントが設けられており、過剰な混合物は金型の外部にバリとして流出する。
前記金型から取り出した架橋成形体を、水槽に24時間浸漬し、架橋成形体から気孔成形材としての塩化ナトリウムを抽出して除去した。その後に架橋成形体を70℃のオーブンで乾燥させて実施例1の連続気孔構造体を得た。
・実施例2
実施例1のブロックポリイソシアネートを30g、実施例1の活性水素化合物(脂肪族ジアミン)を1.86g、実施例1の気孔成形材を98gとし、さらに常温で固体のポリエチレングリコール22gを添加して、実施例1と同様の条件で混合、金型への充填、熱プレス、水への浸漬、乾燥を行い、実施例2の連続気孔構造体を得た。
・実施例3
熱解離性ブロック剤で封鎖したブロックポリイソシアネートとして、品名:ウレハイパーCRU−5100、DIC株式会社製、30℃の粘度45,000mPa・s、活性水素化合物として硬化剤・CLH−1(DIC社製、脂肪族ジアミン誘導体)、気孔成形材として、平均粒子径90μmの塩化ナトリウム(試薬)を用い、それらの配合量を実施例1と同様の仕込み比率として実施例3の連続気孔構造体を得た。
・比較例1
熱可塑性ポリウレタンエラストマー(TPU)、品名:エストランET370−10(ペレット状、常温で固体)、BASF社製、27gと、実施例1の気孔成形材123gとを、(株)東洋精機製作所製のラボプラストミルを用いて、160℃、50rpmで10分間混合し、粘土状の混合物を形成した。混合中の混合物温度は162℃であった。
混合物を、180℃に加熱した実施例1の金型の混合物収容部に充填し、閉型による熱プレスを10分間行い、180×130×1.5mmのシート状からなる架橋成形体を形成した。
金型から取り出した架橋成形体を、水槽に24時間間浸漬し、架橋成形体から気孔成形材を抽出して除去した。その後に架橋成形体を70℃のオーブンで乾燥させて比較例1の連続気孔構造体を得た。
・比較例2
比較例1の熱可塑性ポリウレタンエラストマーを30g、比較例1の気孔成形材を98gとし、さらに常温で固体のポリエチレングリコール22gを添加して、比較例1と同様の条件で混合、金型への充填、熱プレス、水への浸漬、乾燥を行い、比較例2の連続気孔構造体を得た。
・比較例3
従来の乾式法で製造された非架橋ポリオレフィン連続気孔構造体、品名:MAPS(ST30−50)、(株)イノアックコーポレーション製を比較例3の連続気孔構造体とした。なお、比較例3は市販の購入品であり、混合物調製時に加えた気孔成形材の重量および抽出前の重量が不明である。そこで、灰分分析を行い、700℃×3hの環境下に比較例3の試料を放置し、残存物が見られなかったことから抽出率を100%とした。
・比較例4
従来の湿式法で製造された熱可塑性非架橋ポリウレタン連続気孔構造体、品名:ルビーセル(密度0.15g/cm)、トーヨーポリマー(株)製を比較例4の連続気孔構造体とした。なお、比較例4は市販の購入品であり、混合物調製時に加えた気孔成形材の重量および抽出前の重量が不明である。そこで、灰分分析を行い、700℃×3hの環境下に比較例4の試料を放置し、残存物が見られなかったことから抽出率を100%とした。
前記実施例及び比較例について、前記貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)の交点の温度、JIS−K6400A法に基づく試験温度70℃、50%圧縮後の歪み率、及び抽出率を以下のようにして測定した。測定結果を表1に示す。
前記動的粘弾性測定での貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)の交点の温度測定は、シートを8mmφの円柱状に打抜き、TAインスツルメント社製ARESを用い、温度範囲25〜250℃、周波数1Hz、歪み3%、パラレルプレートを用いて温度依存性を測定し、貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)の交差する温度を得ることによって行った。
JIS−K6400A法に基づく試験温度70℃、50%圧縮後の歪み率測定は、試験片を50%圧縮してオーブンで70℃、22時間加温した後に取り出し、30分後に試験片の厚み(試験後の厚み)を測定し、(試験前の厚み−試験後の厚み)/(試験前の厚み)×100の計算式によって算出した。
抽出率の測定は、抽出前の試験片の重量と、抽出後に70℃で乾燥した後の試験片の重量を測定して抽出量を計算し、混合物調製時に加えた気孔成形材の重量に対する抽出量の割合を計算することによって行った。
Figure 2015203061
表1の測定結果に示すように、各実施例の連続気孔構造体は、各比較例の連続気孔構造体よりも、貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)の交点の温度が高いことから耐熱性が高いものであり、かつJIS−K6400A法に基づく試験温度70℃、50%圧縮後の歪み率が小さいことから圧縮永久歪みが小さいものである。さらに、ポリエチレングリコールを加えた実施例2の連続気孔構造体は、ポリエチレングリコールを含まない実施例1の連続気孔構造体よりも、前記耐熱性及び圧縮永久歪みが良好であった。また、抽出率は、各実施例においては95%以上であり、連通性が良好であった。
このように本発明によれば、有機溶媒を加えることなく連続気孔構造体を製造することができ、有機溶媒の処理の問題がない。さらに、連続気孔構造体は架橋しているため、耐熱性及び圧縮永久歪みが良好である。
なお、前記連続気孔構造体の形状は、実施例のような長方形のシート状に限られず、用途に応じた形状とされる。
10 連続気孔構造体
20 金型
21 下型
23 上型
25 加熱手段
29 混合物収容部
P 混合物

Claims (6)

  1. イソシアネート基を熱解離性ブロック剤で封鎖した液状のブロックポリイソシアネートと、水溶性無機塩の粒子からなる気孔成形材と、活性水素化合物とを混合した混合物の成形体を加熱により架橋、硬化させた架橋成形体から、前記気孔成形材を水により抽出除去して連続気孔構造としたことを特徴とする連続気孔構造体。
  2. 前記活性水素化合物はポリアミン化合物であることを特徴とする請求項1に記載の連続気孔構造体
  3. 第二の活性水素化合物として、さらに活性水素化合物であるポリエチレングリコールを加えて前記混合を行ない前記混合物としたことを特徴とする請求項1または2に記載の連続気孔構造体。
  4. 動的粘弾性測定での貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)の交点が160℃以上、JIS−K6400A法に基づく試験温度70℃、50%圧縮における圧縮永久歪が35%以下であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の連続気孔構造体。
  5. イソシアネート基を熱解離性ブロック剤で封鎖した液状のブロックポリイソシアネートと、水溶性無機塩の粒子からなる気孔成形材と、活性水素化合物とを混合し、
    得られた混合物を賦形した成形体を加熱して架橋、硬化を行うことにより架橋成形体を形成し、
    前記架橋成形体を水に浸漬して前記気孔成形材を前記架橋成形体から抽出除去して連続気孔構造体とすることを特徴とする連続気孔構造体の製造方法。
  6. 第二の活性水素化合物として、さらに活性水素化合物であるポリエチレングリコールを加えて前記混合を行なうことを特徴とする請求項5に記載の連続気孔構造体の製造方法。
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