JP2015201789A - プログラム、補正方法及び表示装置 - Google Patents

プログラム、補正方法及び表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】アプリケーションにより表示される画像の視認性を向上させる。【解決手段】表示装置は、アプリケーションにより表示される画像に基づいて、画像が有する第1の輝度値と第2の輝度値との差を補正するルックアップテーブルを生成し、生成したルックアップテーブルを記憶部に記憶する。表示装置は、アプリケーションが動作しているときに、記憶部に記憶されたルックアップテーブルに基づいて、画像の輝度値を補正する。【選択図】図9

Description

本発明は、画像の輝度値を補正する技術に関する。
カラー画像から変換された白黒画像を見やすくするための技術として、例えば特許文献1〜3に記載の技術が知られている。特許文献1には、カラー画像を複数の種類の白黒パターンの白黒画像に変換して白黒画像通信装置に送信することが記載されている。特許文献2には、カラー画像における色の境界部を抽出し、カラー画像を白黒変換した画像に対して境界部情報を重畳して相手ファクシミリに送信することが記載されている。特許文献3には、カラー画像をモノクロプリンタに出力して印刷物を得る際に、カラー画像中の文字部に対して強調処理を施すことが記載されている。
特開平6−070180号公報 特開平11−205617号公報 特開2002−252773号公報
グレースケール表示を行う表示装置では、例えばアプリケーションからカラー画像が提供される場合には、このカラー画像を白黒画像に変換して表示する。しかし、元のカラー画像の内容によっては、表示された白黒画像が見づらくなる場合がある。例えば、色は異なるものの輝度値が近い2つのオブジェクトがカラー画像に含まれる場合には、白黒画像ではこれらのオブジェクトが区別して表示されない場合がある。
本発明は、アプリケーションにより表示される画像の視認性を向上させることを目的の一つとする。
本発明は、コンピューターに、アプリケーションにより表示される画像に基づいて、前記画像が有する第1の輝度値と第2の輝度値との差を補正する補正データを生成する生成ステップと、前記生成された補正データを記憶部に記憶する記憶制御ステップと、前記アプリケーションが動作しているときに、前記記憶部に記憶された前記補正データに基づいて、前記画像の輝度値を補正する補正ステップとを実行させるためのプログラムを提供する。
このプログラムによれば、アプリケーションにより表示される画像の視認性を向上させることができる。
このプログラムは、前記画像の輝度分布を生成するステップと、前記生成された輝度分布に含まれる、隣り合う2つのピークが有する輝度値の差が閾値以下である場合には、前記2つのピークの少なくとも一方のピークを選択する選択ステップをさらに有し、前記生成ステップでは、前記選択されたピークの輝度値を前記差が大きくなるように補正することを示すデータが、前記補正データとして生成されてもよい。
このプログラムによれば、画像に含まれる輝度値の近いオブジェクトを区別して表示することができる。
前記選択ステップでは、前記2つのピークのうち、出現頻度が低いピークが選択されてもよい。
このプログラムによれば、画像への影響が少ない輝度値を補正することができる。
前記選択ステップでは、前記2つのピークの一方が、前記輝度分布における輝度の最大値又は最小値を含む所定の範囲の輝度値を有する場合には、他方のピークが選択されてもよい。
このプログラムによれば、画像の輝度値を確実に補正することができる。
前記画像は、コンテンツ以外のオブジェクトが表示される領域を有し、前記生成ステップでは、前記画像のうち前記領域の輝度分布が生成され、前記補正ステップでは、前記画像のうち前記領域の輝度値が補正されてもよい。
このプログラムによれば、コンテンツが表示される領域については、輝度値を補正しないようにすることができる。
前記閾値は、前記画像を表示する表示部の入出力特性と前記2つのピークの輝度値とに応じて変更されてもよい。
このプログラムによれば、表示装置の入出力特性を反映した補正を行うことができる。
前記生成ステップでは、前記画像を表示する表示部の種別に応じて異なる補正データが生成されてもよい。
このプログラムによれば、表示部の種別の違いを反映した補正データを生成することができる。
前記生成ステップでは、1つのアプリケーションについて複数の補正データが生成されてもよい。
このプログラムによれば、複数の補正データを使い分けることができる。
また、本発明は、アプリケーションにより表示される画像に基づいて、前記画像が有する第1の輝度値と第2の輝度値との差を補正する補正データを生成する生成ステップと、前記生成された補正データを記憶部に記憶する記憶制御ステップと、前記アプリケーションが動作しているときに、前記記憶部に記憶された前記補正データに基づいて、前記画像の輝度値を補正する補正ステップとを備える補正方法を提供する。
この補正方法によれば、アプリケーションにより表示される画像の視認性を向上させることができる。
さらに、本発明は、アプリケーションにより表示される画像に基づいて、前記画像が有する第1の輝度値と第2の輝度値との差を補正する補正データを生成する生成部と、前記生成された補正データを記憶部に記憶する記憶制御部と、前記アプリケーションが動作しているときに、前記記憶部に記憶された前記補正データに基づいて、前記画像の輝度値を補正する補正部と、前記補正された画像を単色で表示する表示部とを備える表示装置を提供する。
この表示装置によれば、アプリケーションにより表示される画像の視認性を向上させることができる。
さらに、本発明は、コンテンツを表示するためのアプリケーションで、単色表示の表示装置に前記コンテンツを表示するときの補正方法であって、前記アプリケーションが最初に起動されたとき、少なくともユーザーの操作領域の画像データから輝度分布のヒストグラムを生成し、前記ヒストグラムのピークを検出し、前記ピークが複数ある場合、隣り合うピークの輝度差を求め、前記輝度差が所定値未満の一対のピークがあるか判定し、前記輝度差が前記所定値未満の場合、前記一対のピークの一方のピークを他方のピークから、所定値以上に離すように補正する補正用データを算出し、前記補正用データを記憶し、前記補正用データを読み出して、少なくとも前記操作領域の画像データを補正する補正方法を提供する。
この補正方法によれば、アプリケーションにより表示される画像の視認性を向上させることができる。
表示装置1のハードウェア構成を示す図。 表示装置1のソフトウェア構成を示す図。 表示装置1の機能構成を示す図。 表示装置1が行う解析処理を示すフローチャート。 動作画面11の一例を示す図。 ヒストグラムの一例を示す図。 ルックアップテーブル64の一例を示す図。 表示装置1が行う補正処理を示すフローチャート。 補正後の輝度値の分布を示すヒストグラムを示す図。 表示部10に表示される動作画面12の一例を示す図。 本発明の比較例において表示部10に表示される動作画面13を示す図。 変形例に係る動作画面14の一例を示す図。 変形例に係る表示装置1の動作を説明する図。 変形例に係る表示装置1の動作を説明する図。
1.構成
図1は、表示装置1のハードウェア構成を示す図である。表示装置1は、表示部10と、コントローラー20と、CPU(Central Processing Unit)30と、VRAM(Video RAM)40、RAM(Random Access Memory)50と、記憶部60と、入力部70とを有する。表示部10は、画像を表示する表示素子を含むディスプレイパネルを有する。表示部10は、例えばEPD(Electrophoretic Display)である。表示部10は、複数階調の画像をグレースケールで表示する。このグレースケールは、単色の一例である。コントローラー20は、表示部10を制御する制御装置である。CPU30は、表示装置1の各部を制御する装置である。CPU30は、RAM50をワークエリアとして、記憶部60に記憶されたプログラムを実行する。VRAM40は、表示部10に表示される画像を示すデータを記憶するメモリーである。RAM50は、データを記憶する揮発性のメモリーである。記憶部60は、各種のデータ及びプログラムを記憶する記憶装置であり、HDD又はフラッシュメモリーなど不揮発性のメモリーを有する。入力部70は、ユーザーの指示を入力するための入力装置であり、例えば、タッチスクリーン、キーパッド、又はボタンを含む。以上の要素は、バスにより接続されている。
図2は、表示装置1のソフトウェア構成を示す図である。記憶部60には、OS(Operating System)61と、複数のアプリケーション62と、補正プログラム63とが記憶される。OS61は、表示装置1のコンピューターとしての基本機能を提供するシステムソフトウェアである。OS61は、例えば汎用OSであり、カラーディスプレイをサポートするように設計されている。アプリケーション62は、OS61上で動作する。アプリケーション62は、例えば汎用アプリケーションであり、カラー表示をするように設計されている。アプリケーション62は、例えばテキスト等のコンテンツを表示するビューワーである。補正プログラム63は、アプリケーション62により表示される画像を解析し、この画像の輝度値を補正する。
表示装置1では、以下のように画面表示が行われる。まず、アプリケーション62からカラーの画像データが出力される。OS61のアプリケーション62に近い階層では、この画像データがカラーで扱われる。しかし、OS61の下位の階層又はハードウェアにて、この画像データから輝度のデータだけが抽出され、抽出された輝度のデータがVRAM40に書き込まれる。そして、VRAM40に書き込まれた輝度のデータを使って、グレースケール(モノクロ複数階調)の画像が表示される。
図3は、表示装置1の機能構成を示す図である。表示装置1は、CPU30が補正プログラム63を実行することにより、生成部31、記憶制御部32、及び補正部33として機能する。生成部31は、アプリケーション62により表示される画像に基づいて、画像が有する第1の輝度値と第2の輝度値との差を補正する補正データを生成する。記憶制御部32は、生成された補正データを記憶部60に記憶する。補正部33は、アプリケーション62が動作しているときに、記憶部60に記憶された補正データに基づいて、画像の輝度値を補正する。
2.動作
(1)解析処理
図4は、表示装置1が行う解析処理を示すフローチャートである。この解析処理は、アプリケーション62が最初に起動されたときに行われる。このアプリケーション62は、予め表示装置1にインストールされたものであってもよいし、新たにインストールされたものであってもよい。アプリケーション62が起動されると、起動時の動作画面11の輝度のデータがVRAM40に書き込まれる。この動作画面11は、アプリケーション62により表示される画像の一例である。
図5は、動作画面11の一例を示す図である。この動作画面11は、コンテンツ領域111とメニュー領域112(操作領域の一例)とを有する。コンテンツ領域111には、テキスト等のコンテンツが表示される。ただし、アプリケーション62の起動時においては、コンテンツ領域111には何も表示されない。メニュー領域112には、アプリケーション62のメニューを示す複数のボタン113−1、113−2、・・・、113−10(以下、総称して「ボタン113」という。)が表示される。このボタン113は、コンテンツ以外のオブジェクトの一例である。
この例では、複数のボタン113には、選択された状態のボタン113−8と、選択されていない状態のボタン113−1〜113−7及び113−9〜113−10とが含まれる。ボタン113−8は、選択されているため、選択されていないボタン113−1〜113−7及び113−9〜113−10とは異なる色で表現される。この例では、ボタン113−8(の背景)は、(RGB)=(52,255,255)の薄い水色で表現され、ボタン113−1〜113−7及び113−9〜113−10(の背景)は、いずれもその他の色、例えば(255,86,255)の薄い赤紫色で表現される。また、輝度値を求める計算式Y=0.299R+0.587G+0.114Bに基づいて各ボタン113の輝度値が計算される。この例では、ボタン113−8の輝度値は194であり、ボタン113−1〜113−7及び113−9〜113−10の輝度値はいずれも204である。
ステップS101において、生成部31は、VRAM40から動作画面11の輝度のデータを読み込む。ステップS102において、生成部31は、ステップS101で読み込まれた輝度のデータに基づいて、動作画面11全体の輝度値の分布を示すヒストグラムを生成する。このヒストグラムは、輝度分布の一例である。
図6は、ヒストグラムの一例を示す図である。このヒストグラムの横軸は輝度値を示し、縦軸は画素数を示す。輝度値は、0から255の範囲の値である。画素数は、輝度値の出現頻度を示す。画素数が大きいほど、出現頻度が高いことを示す。
ステップS103において、生成部31は、ステップS102で生成されたヒストグラムのピークを検出する。具体的には、生成部31は、ヒストグラムにおいて所定数N以上の画素数を有する部分をピークとして検出する。図6に示す例では、3つのピークP1、P2、及びP3が検出されている。ピークP1の輝度値は194であり、図5に示すボタン113−8のデータに対応する。具体的には、図5に示す例では、ボタン113−8の背景部分の輝度値が194である。この背景部分とは、ボタン113−8に表示された鉛筆のマーク以外の領域である。したがって、ピークP1は、ボタン113−8の背景部分に対応する。ピークP2の輝度値は204であり、図5に示すボタン113−1〜113−7及び113−9〜113−10に対応する。ピークP3の輝度値は255であり、動作画面11の背景部分に対応する。
ステップS104において、生成部31は、ステップS103で検出されたピークにおいて、隣り合う2つのピークの輝度値の差(以下、「輝度差」という。)を算出する。図6に示す例では、ピークP1とP2、ピークP2とP3とが隣り合う。この場合、ピークP1とピークP2との輝度差D1と、ピークP2とピークP3との輝度差D2とが算出される。ピークP1の輝度値は194であり、ピークP2の輝度値は204であるため、輝度差D1は、204−194=10となる。また、ピークP2の輝度値は204であり、ピークP3の輝度値は255であるため、輝度差D2は、255−204=51となる。
ステップS105において、生成部31は、ステップS104で算出された輝度差が閾値(所定値)未満であるか否かを判断する。2つのピークの輝度値が近い場合には、これらの輝度値に基づいてグレースケールで画像を表示したときに、画像の濃度差が認識し難くなる。閾値は、このような輝度差に基づいて設定される。ここでは、閾値が50に設定されているものとする。
例えば、図6に示す輝度差D1は10であるため、閾値未満であると判断される。一方、図6に示す輝度差D2は51であるため、閾値以上であると判断される。このように、ステップS104で算出された輝度差の少なくとも1が閾値未満である場合には(ステップS105:YES)、輝度差が閾値未満の一対のピークがあると判定されるため、ステップS106に進む。なお、ステップS104で算出された全ての輝度差が閾値以上である場合には(ステップS105:NO)、解析処理は終了する。
ステップS106において、生成部31は、ステップS104で輝度差が閾値未満であると判断された2つのピークのうち、少なくとも一方のピークを選択する。例えば、2つのピークがピークP1とP2である場合には、ピークP1、ピークP2、又はピークP1及びP2の両方が選択される。ピークP1の輝度値は、第1の輝度値の一例である。ピークP2の輝度値は、第2の輝度値の一例である。
また、生成部31は、2つのピークの画素数に基づいて、2つのピークのいずれか一方を選択してもよい。例えば、2つのピークがピークP1とP2である場合には、ピークP1の画素数とピークP2の画素数が比較される。図6に示す例では、ピークP1の画素数は、ピークP2の画素数より小さい。この場合、ピークP1が選択されてもよい。これは、画素数の少ないピークP1の輝度値を補正した方が、画素数の多いピークP2の輝度値を補正するよりも、画像への影響が少ないと考えられるからである。このピークP1は、出現頻度が低いピークの一例である。
ステップS107において、生成部31は、隣り合う2つのピークの輝度差が大きくなるように、ステップS106で選択されたピークの輝度値の補正値を算出する。具体的には、選択されたピークの輝度値が、隣り合うピークの輝度値より小さい場合には、選択されたピークを低輝度側に移動するような補正値が算出される。一方、選択されたピークの輝度値が、隣り合うピークの輝度値より大きい場合には、選択されたピークを高輝度側に移動するような補正値が算出される。
例えば、図6に示すピークP1が選択された場合には、ピークP1を矢印A方向(低輝度側)に移動すれば、ピークP1の輝度値とピークP2の輝度値との差が大きくなる。この場合、生成部31は、ピークP1の輝度値から定数を減じた値を補正値として算出する。ここでは、定数が50に設定されているものとする。この場合、ピークP1の輝度値は194であるため、補正値は、194−50=144となる。
ステップS108において、生成部31は、ステップS107で算出された補正値に基づいて、ルックアップテーブル64を生成する。このルックアップテーブル64は、補正データ又は補正用データの一例である。
図7は、ルックアップテーブル64の一例を示す図である。ルックアップテーブル64には、入力輝度値と出力輝度値とが関連付けて格納される。入力輝度値は、0から255までの範囲の値である。出力輝度値は、入力輝度値を補正しない場合には、入力輝度値と同じ値が用いられる。一方、ステップS106で選択されたピークの輝度値が入力輝度値である場合には、ステップS107で算出された補正値が出力輝度値となる。例えば、ステップS106で選択されたピークの輝度値が194であり、ステップS107で算出された補正値が144である場合には、図7に示すように、入力輝度値「194」に対する出力輝度値は「144」になる。なお、図7では省略されているが、これ以外の入力輝度値と出力輝度値とは、それぞれ同じ値を有する。例えば、入力輝度値「195」に対する出力輝度値は「195」となる。
ステップS109において、記憶制御部32は、ステップS108で生成されたルックアップテーブル64を記憶部60に記憶させる。上述した解析処理は、各アプリケーション62が最初に起動される度に行われる。したがって、記憶部60には、各アプリケーション62に対応するルックアップテーブル64が記憶される。
(2)補正処理
図8は、表示装置1が行う補正処理を示すフローチャートである。この補正処理は、例えばアプリケーション62が起動されたときや画面の書き換えが指示されたとき等、アプリケーション62の動作中に、アプリケーション62により画面が表示される度(更新される度)に行われる。この画面は、起動時の動作画面11であってもよいし、コンテンツが表示された動作画面14であってもよい。ここでは、アプリケーション62により図5に示す起動時の動作画面11が表示されるときに行われる補正処理について説明する。
ステップS201において、補正部33は、起動時の動作画面11を示す輝度のデータをVRAM40から読み込む。ステップS202において、補正部33は、ステップS201で読み込んだ輝度のデータとアプリケーション62に対応するルックアップテーブル64とに基づいて、動作画面11の輝度値を補正する。具体的には、補正部33は、VRAM40に記憶された動作画面11の輝度値を入力輝度値とし、アプリケーション62に対応するルックアップテーブル64を参照して、入力輝度値を全て出力輝度値に書き換える。ただし、図7に示すルックアップテーブル64では、入力輝度値「194」に対応する出力輝度値だけが入力輝度値と値が異なるため、入力輝度値が「194」の画素のみ輝度値の値が補正される。これにより、図5に示すボタン113−8の背景の輝度値が194から144に変換される。
図9は、補正後の輝度値の分布を示すヒストグラムを示す図である。この例では、上述した補正により、ボタン133−8に対応するピークP1が矢印A方向に移動される。これにより、ピークP1がピークP2から離され、ピークP1とピークP2の輝度差がD1からD10に拡大される。輝度差D10は、50以上の値となる。
ステップS203において、コントローラー20は、VRAM40に記憶された輝度のデータに基づいて、グレースケールの動作画面12を表示部10に表示させる。
図10は、表示部10に表示される動作画面12の一例を示す図である。この動作画面12は、図9に示す輝度値に基づいて表示される。図9に示すピークP1の輝度値は、動作画面12に含まれる選択された状態のボタン123−8の背景部分の輝度値に対応する。図9に示すピークP2は、動作画面12に含まれる選択されていない状態のボタン123−1〜123−7及び123−9〜123−10の背景の輝度値に対応する。上述したように、ピークP1とピークP2との輝度差はD10に拡大されている。この場合、動作画面12では、ボタン123−8の濃度とボタン123−1〜123−7及び123−9〜123−10の濃度との濃度差が大きくなる。したがって、ボタン123−8が選択された状態であることを容易に認識することができる。
図11は、本発明の比較例において表示部10に表示される動作画面13を示す図である。この比較例では、輝度値の補正が行われない。したがって、動作画面13は、例えば図6に示す輝度値に基づいて表示される。図6に示すピークP1は、動作画面13に含まれる選択された状態のボタン133−8に対応する。図6に示すピークP2は、動作画面12に含まれる選択されていない状態のボタン133−1〜133−7及び133−9〜133−10に対応する。上述したように、ピークP1とP2との輝度差はD1であり、閾値未満である。この場合、動作画面13では、ボタン133−8とボタン133−1〜133−7及び133−9〜133−10とが同じ濃度で表示される。したがって、ボタン133−8が選択された状態であることを認識し難い。このように、比較例では、アプリケーション62の画像を適切に表示できない場合がある。
本実施形態によれば、アプリケーション62により表示される画像の輝度値を補正することにより、輝度値の近い複数のオブジェクトが画像に含まれる場合であっても、それらのオブジェクトを区別して表示することができる。これにより、アプリケーション62により表示される画像の視認性を向上させることができる。また、各アプリケーション62について解析処理を一度行えば、その後は解析処理を行うことなく、アプリケーション62の画像の輝度値を補正することができる。
3.変形例
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、種々の変形実施が可能である。以下、変形例をいくつか説明する。以下の変形例のうち2つ以上のものが組み合わせて用いられてもよい。
上述したステップS106においてピークを選択する方法は、実施形態で説明した方法に限定されない。例えば、生成部31は、ステップS105で輝度差が閾値未満であると判断された2つのピークの一方が、ヒストグラムの輝度の最大値「255」又は最小値「0」を有する場合には、他方のピークを選択してもよい。例えば、図6に示すピークP2とP3の輝度差D2が閾値未満である場合を想定する。ここで、ピークP3の輝度値は、最大値の「255」である。この場合、ピークP2が選択されてもよい。
仮に、ピークP3が選択され、ピークP3の輝度値の補正値として255より大きい値が算出された場合には、このピークP3の輝度値を補正することができない。本変形例によれば、このような問題が起こることが回避されるため、画像の輝度値を確実に補正することができる。
また、一方のピークの輝度値が、ヒストグラムの輝度の最大値又は最小値に近い場合にも、同様の問題が起こり得る。したがって、例えば一方のピークの輝度値が、ヒストグラムの輝度の最大値又は最小値を含む所定の範囲の値である場合には、他方のピークが選択されてもよい。この所定の範囲とは、ステップS107で用いられる定数と同じで、例えばステップS107で用いられる定数が50である場合には、50であってもよい。
上述した解析処理は、コンテンツが表示された1又は複数の動作画面14を用いて行われてもよい。
図12は、動作画面14の一例を示す図である。この動作画面14は、図5に示す起動時の動作画面11と同様に、コンテンツ領域111とメニュー領域112とを有する。コンテンツ領域111には、テキスト等のコンテンツが表示される。メニュー領域112には、アプリケーション62のメニューを示す複数のボタン113が表示される。この場合、ステップS101では、この動作画面14の輝度のデータが読み込まれる。ステップS102では、ステップS101で読み込まれた輝度のデータに基づいて、動作画面14の輝度値の分布を示すヒストグラムが生成される。これにより、アプリケーション62により表示されるコンテンツについても、視認性を向上させることができる。
上述した解析処理は、起動時の動作画面11とコンテンツが表示された動作画面14とを両方とも使用して行われてもよい。この場合、ステップS101では、この動作画面11の輝度のデータと、動作画面14の輝度のデータとが読み込まれる。ステップS102では、ステップS101で読み込まれたこれらの輝度のデータに基づいて、動作画面11の輝度値の分布を示す第1のヒストグラムと、動作画面14の輝度値の分布を示す第2のヒストグラムとが生成される。そして、第1のヒストグラム及び第2のヒストグラムのそれぞれについて、ステップS103〜S107の処理が行われる。ステップS108では、ステップS107で第1のヒストグラムに基づいて算出された補正値と、第2のヒストグラムに基づいて算出された補正値とに基づいて、1つのルックアップテーブル64が生成される。したがって、例えば第1のヒストグラムに基づいて選択されたピークが、第2のヒストグラムに基づいて選択されなかった場合にも、このピークの補正値がルックアップテーブル64に格納される。これにより、このようなピークの輝度値も補正することができる。
上述した解析処理は、特定のコンテンツが表示された動作画面14を用いて行われてもよい。この場合、ステップS101では、この動作画面14の輝度のデータが読み込まれる。ステップS102では、ステップS101で読み込まれた輝度のデータに基づいて、動作画面14の輝度値の分布を示すヒストグラムが生成される。これにより、特定のコンテンツと同じ種類のコンテンツについて、視認性を向上させることができる。
上述した解析処理及び補正処理は、動作画面11又は14のメニュー領域112だけを対象として行われてもよい。この場合、ステップS102では、動作画面11又は14のメニュー領域112の輝度値の分布を示すヒストグラムが生成される。このメニュー領域112は、予め指定されてもよいし、動作画面11又は14の内容を解析することにより特定されてもよい。
例えば、互いに異なる複数のコンテンツが表示された複数の動作画面14においては、コンテンツ領域111だけが変化し、メニュー領域112は変化しない。したがって、生成部31は、これらの動作画面14の輝度のデータを読み込み、読み込んだ輝度のデータにおいて変化のない領域をメニュー領域112として特定してもよい。なお、多少変化がある領域であっても、その変化量が所定の値より小さい場合には、メニュー領域112として特定されてもよい。
他の例として、図5に示す起動時の動作画面11には、コンテンツが表示されず、メニューだけが表示される。したがって、生成部31は、この動作画面11の輝度のデータを読み込み、読み込んだ輝度のデータにおいてオブジェクトが含まれる領域をメニュー領域112として特定してもよい。
また、ステップS202では、動作画面11又は14のうちメニュー領域122の輝度値だけが補正されてもよい。このメニュー領域112は、上述したように、予め指定されてもよいし、動作画面11又は14の内容を解析することにより特定されてもよい。これにより、コンテンツ領域111については、輝度値を補正しないようにすることができる。
上述した実施形態において、ピークの位置関係によっては、1のピークの輝度値を補正したときに、1のピークの補正後の輝度値が他のピークの輝度値を追い越してしまう場合がある。この場合、1のピークの輝度値とともに、他のピークの輝度値を補正してもよい。
図13は、この変形例に係る表示装置1の動作を説明する図である。図13に示すヒストグラムはピークP1〜P4を有する。ピークP1の補正前の輝度値は194であり、ピークP4の輝度値より大きい。ピークP1の輝度値は、ピークP2の輝度値との差が閾値より小さいため、ピークP2との差が大きくなるよう、低輝度方向に補正されることになる。また、ピークP4の輝度値は、輝度差が閾値未満の対となるピークがないため、ピークP4の輝度値は基本的には補正されないことになる。しかし、図13(a)に示すように、ピークP1の輝度値が194から144に補正される場合、ピークP1の補正後の輝度値「144」が、ピークP4の輝度値より小さくなってしまう場合がある。このように、あるピークの輝度値を低輝度側へ補正することで、そのピークより低輝度側にあるピークより低輝度になってしまう場合、低輝度側に位置するピークも合わせて低輝度側に補正する。高い輝度側へ補正する場合も同様に、あるピークの輝度値を高輝度側へ補正することで、そのピークより高輝度側にあるピークより高輝度になってしまう場合、高輝度側に位置するピークも合わせて高輝度側に補正する。例えば、図13(b)に示すように、ピークP4の輝度値が144より小さくなるように補正されてもよい。具体的には、ステップS107では、ピークP1の輝度値の補正値に加えて、この補正値より小さくなるように、ピークP4の輝度値の補正値が算出される。また、ピークP4の輝度値の補正値として、ピークP1の輝度値の補正値とピークP4の輝度値の補正値との差が閾値以下となるような値が算出されてもよい。
なお、図13に示す例において、必ずしもピークP4の輝度値が補正されなくてもよい。つまり、ピークP1の補正後の輝度値が、ピークP4の輝度値より小さくなってもよい。
上述した実施形態では、図6に示すように、ピークが1つの輝度値に相当する幅しかないシャープな形状を有する例について説明したが、ピークが複数の輝度値に相当する幅を有するブロードな形状を有する場合(所定数N以上の画素数を有する輝度値が連続している場合)もある。この場合、最も出現頻度の大きい輝度値をピークとして、隣り合うピークとの輝度差を計算し、ピークの幅に相当する輝度値が全て補正されてもよい。例えば、ステップS106で選択されたピークが、195〜205の輝度値に相当する幅を有する場合には、ステップS107では、145〜155という補正値が算出されてもよい。この場合、動作画面11又は14の輝度値「195」〜「205」に対して同じ値を足し算又は引き算することで、それぞれ「145」〜「155」に補正される。
上述したステップS105で用いられる閾値は、隣り合う2つのピークの輝度値と表示部10の入出力特性とに基づいて変更されてもよい。例えば、隣り合う2つのピークの輝度値が、表示部10の入出力特性が急激に変化する範囲に含まれる場合には、閾値を小さくしてもよい。つまり、画像データの輝度値の変化に対して、実際の表示部10に表示される輝度値の変化が大きい領域では閾値を小さくし、実際の表示部10に表示される輝度値の変化が小さい領域では閾値を大きくしてもよい。これは、このような場合には、隣り合う2つのピークの輝度差が比較的小さくても、動作画面12にて2つのピークに対応するオブジェクトの濃度差が大きくなる場合があるからである。本変形例によれば、表示装置1の入出力特性を反映した補正を行うことができる。
上述した解析処理では、表示部10の種別に応じて異なるルックアップテーブル64が生成されてもよい。これは、表示部10の種別によって、画像を見やすい輝度値の範囲が異なる場合があるからである。
図14は、この変形例に係る表示装置1の動作を説明する図である。例えば、表示部10が液晶ディスプレイである場合には、図14(a)に示すようにピークP1の輝度値を194からL1に補正するためのルックアップテーブル64が生成される。一方、表示部10がEPDである場合には、図14(b)に示すようにピークP1の輝度値を194からL1より小さいL2に補正するためのルックアップテーブル64が生成されてもよい。これは、例えば表示部10がEPDである場合には、ステップS107で用いられる定数を増加させることにより実現される。この場合、補正プログラム63が表示素子の種類を取得して、その表示素子の種類に応じて補正値を選択する。本変形例によれば、表示部10の種別の違いを反映した補正データを生成することができる。
表示部10が、電気泳動方式や電子粉粒体方式の反射型の表示装置である場合、本実施例の「輝度」は「階調」に対応する。
他の例として、表示部10の階調数に応じて、異なるルックアップテーブル64が生成されてもよい。例えば、表示部10の階調数が小さい場合には、図14(b)に示すような補正をするためのルックアップテーブル64が生成されてもよい。なお、表示部10の階調数は、固定であってもよいし、表示モードによって変更されてもよい。例えば、表示部10は、16階調で画像を表示する第1表示モードと、2階調で画像を表示する第2表示モードを有していてもよい。この場合、第1表示モードが選択された場合には、表示部10の階調数は16となる。一方、第2表示モードが選択された場合には、表示部10の階調数は2となる。
上述した解析処理では、1のアプリケーション62について複数のルックアップテーブル64が生成されてもよい。例えば、1のアプリケーション62により複数のコンテンツ群が表示される場合には、各々のコンテンツ群についてルックアップテーブル64が生成されてもよい。このコンテンツ群は、例えばコンテンツの種類、フォーマット、属性、又は内容に応じて決められてもよい。この場合、上述した補正処理では、アプリケーション62に対応する複数のルックアップテーブル64の中から、表示されるコンテンツが属するコンテンツ群に対応するルックアップテーブル64が選択され、使用されてもよい。本変形例によれば、アプリケーション62により表示されるコンテンツに応じて、複数のルックアップテーブル64を使い分けることができる。
上述した動作画面11又は14のメニュー領域112に表示されるオブジェクトは、ボタン113に限定されない。このオブジェクトは、例えば枠やアイコン等の画像であってもよい。また、補正データとして、カラーのボタン113に対応するグレースケール表示用のボタン123を予め記憶部60に記憶してもよい。
上述した表示装置1は、タブレット型コンピューター、電子ブックリーダー、又は携帯電話機等、アプリケーション62により画像が表示される装置であれば、いかなる装置であってもよい。また、表示装置1は、面積階調法により画像の階調を表現するものであってもよい。
CPU30よって実行されるプログラムは、磁気記録媒体(磁気テープ、磁気ディスク(HDD、FD(Flexible Disk))など)、光記録媒体(光ディスク(CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk))など)、光磁気記録媒体、半導体メモリー(フラッシュROMなど)などのコンピューター読取り可能な記録媒体に記憶した状態で提供されてもよい。また、このプログラムは、インターネットのようなネットワーク経由でダウンロードされてもよい。
1…表示装置、10…表示部、20…コントローラー、30…CPU、31…生成部、32…記憶制御部、33…補正部、40…VRAM、50…RAM、60…記憶部、61…OS、62…アプリケーション、63…補正プログラム、70…入力部

Claims (11)

  1. コンピューターに、
    アプリケーションにより表示される画像に基づいて、前記画像が有する第1の輝度値と第2の輝度値との差を補正する補正データを生成する生成ステップと、
    前記生成された補正データを記憶部に記憶する記憶制御ステップと、
    前記アプリケーションが動作しているときに、前記記憶部に記憶された前記補正データに基づいて、前記画像の輝度値を補正する補正ステップと
    を実行させるためのプログラム。
  2. 前記画像の輝度分布を生成するステップと、
    前記生成された輝度分布に含まれる、隣り合う2つのピークが有する輝度値の差が閾値以下である場合には、前記2つのピークの少なくとも一方のピークを選択する選択ステップ
    をさらに有し、
    前記生成ステップでは、前記選択されたピークの輝度値を前記差が大きくなるように補正することを示すデータが、前記補正データとして生成される
    請求項1に記載のプログラム。
  3. 前記選択ステップでは、前記2つのピークのうち、出現頻度が低いピークが選択される
    請求項2に記載のプログラム。
  4. 前記選択ステップでは、前記2つのピークの一方が、前記輝度分布における輝度の最大値又は最小値を含む所定の範囲の輝度値を有する場合には、他方のピークが選択される
    請求項2に記載のプログラム。
  5. 前記画像は、コンテンツ以外のオブジェクトが表示される領域を有し、
    前記生成ステップでは、前記画像のうち前記領域の輝度分布が生成され、
    前記補正ステップでは、前記画像のうち前記領域の輝度値が補正される
    請求項2から4のいずれか1項に記載のプログラム。
  6. 前記閾値は、前記画像を表示する表示部の入出力特性と前記2つのピークの輝度値とに応じて変更される
    請求項2から5のいずれか1項に記載のプログラム。
  7. 前記生成ステップでは、前記画像を表示する表示部の種別に応じて異なる補正データが生成される
    請求項1から6のいずれか1項に記載のプログラム。
  8. 前記生成ステップでは、1つのアプリケーションについて複数の補正データが生成される
    請求項1から7のいずれか1項に記載のプログラム。
  9. アプリケーションにより表示される画像に基づいて、前記画像が有する第1の輝度値と第2の輝度値との差を補正する補正データを生成する生成ステップと、
    前記生成された補正データを記憶部に記憶する記憶制御ステップと、
    前記アプリケーションが動作しているときに、前記記憶部に記憶された前記補正データに基づいて、前記画像の輝度値を補正する補正ステップと
    を備える補正方法。
  10. アプリケーションにより表示される画像に基づいて、前記画像が有する第1の輝度値と第2の輝度値との差を補正する補正データを生成する生成部と、
    前記生成された補正データを記憶部に記憶する記憶制御部と、
    前記アプリケーションが動作しているときに、前記記憶部に記憶された前記補正データに基づいて、前記画像の輝度値を補正する補正部と、
    前記補正された画像を単色で表示する表示部と
    を備える表示装置。
  11. コンテンツを表示するためのアプリケーションで、単色表示の表示装置に前記コンテンツを表示するときの補正方法であって、
    前記アプリケーションが最初に起動されたとき、
    少なくともユーザーの操作領域の画像データから輝度分布のヒストグラムを生成し、
    前記ヒストグラムのピークを検出し、
    前記ピークが複数ある場合、隣り合うピークの輝度差を求め、
    前記輝度差が所定値未満の一対のピークがあるか判定し、
    前記輝度差が前記所定値未満の場合、前記一対のピークの一方のピークを他方のピークから、所定値以上に離すように補正する補正用データを算出し、
    前記補正用データを記憶し、
    前記補正用データを読み出して、少なくとも前記操作領域の画像データを補正する
    補正方法。
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