JP2015199772A - 酵素切断可能なオピオイドプロドラッグとそのインヒビターとを含んでなる組成物 - Google Patents

酵素切断可能なオピオイドプロドラッグとそのインヒビターとを含んでなる組成物 Download PDF

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E Jenkins Thomas
イー. ジェンキンス,トーマス
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オー. フスフェルド,クレイグ
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ディー. セローギー,ジュリー
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ダブリュー. レイ,ジョナサン
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Abstract

【課題】誤用、乱用又は過剰服用されやすいオピオイドを、使用及び入手制限することなく適切に投与できる医薬組成物の提供。
【解決手段】オピオイドが胃腸(GI)酵素切断可能部分を含むプロモイエティ(保護基)に共有結合し、GI酵素による該切断可能部分の切断によりオピオイドの酵素制御放出が仲介されるオピオイドプロドラッグ、及び摂取後に該オピオイドの酵素制御放出を仲介する該GI酵素と相互作用するGI酵素インヒビターとを含有する医薬組成物。
【選択図】なし

Description

オピオイドは、誤用、乱用、または過量服用され易い。従って、このような薬物の使用および入手手段を制限する必要がある。薬物の入手手段を制限すると投与費用が高額になり、また投薬のために来院できない患者が治療を受けられないことにつながり得る。例えば、急性痛を患う患者が、入院しない限りオピオイドによる治療を受けられないことになり得る。さらに、使用の制限は多くの場合に効果がなく、疾病率が高まって社会的に有害な影響が生じ得る。
本開示は、オピオイドの酵素制御放出を提供するオピオイドプロドラッグと、プロドラッグからのオピオイドの酵素制御放出を仲介する1つまたは複数の酵素と相互作用してプロドラッグの酵素切断を減弱させる酵素インヒビターとを含んでなる医薬組成物、およびその使用方法を提供する。
一態様によれば、本実施形態は、胃腸(GI)酵素切断可能なオピオイドプロドラッグとGI酵素インヒビターとを含んでなる医薬組成物を含む。「GI酵素切断可能なオピオイドプロドラッグ」は、GI酵素切断可能部分を含んでなるプロモイエティを含んでなるオピオイドプロドラッグである。GI酵素切断可能部分は、GI酵素による切断を受け易い部位を有する。
本実施形態は、GI酵素切断可能部分を含んでなるプロモイエティに共有結合した薬物を含んでなるプロドラッグであって、GI酵素によるGI酵素切断可能部分の切断が薬物の放出を仲介する、プロドラッグと;組成物の摂取後にプロドラッグからの薬物の酵素制御放出を仲介するGI酵素と相互作用するGI酵素インヒビターとを含んでなる組成物を含む。かかる切断は、薬物放出を惹起し、それに寄与し、またはそれを生じさせることができる。
本実施形態は、プロドラッグとGI酵素インヒビターとを含んでなる組成物を含んでなる用量単位を含み、プロドラッグおよびGI酵素インヒビターは、摂取後に予め選択された薬物動態(PK)プロファイルをもたらすのに有効な量で用量単位中に存在する。さらなる実施形態において、予め選択されたPKプロファイルは、インヒビターの非存在下で等価投薬量のプロドラッグを摂取した後に放出される薬物のPKパラメータ値より低い少なくとも1つのPKパラメータ値を含んでなる。さらなる実施形態において、PKパラメータ値は、薬物Cmax値、薬物曝露値、および(1/フェノール性オピオイドTmax)値から選択される。
特定の実施形態では、用量単位は、少なくとも2用量単位を摂取した後に予め選択されたPKプロファイルをもたらす。関連する実施形態において、かかる用量単位の予め選択されたPKプロファイルは、インヒビターなしに等価投薬量のフェノール修飾オピオイドプロドラッグを摂取した後のPKプロファイルと比べて改変される。関連する実施形態において、かかる用量単位は、漸増数の用量単位の摂取により線形性のPKプロファイルがもたらされることを提供する。関連する実施形態において、かかる用量単位は、漸増数の用量単位の摂取により非線形性のPKプロファイルがもたらされることを提供する。関連する実施形態において、かかる用量単位のPKプロファイルのPKパラメータ値は、薬物Cmax値、(1/薬物Tmax)値、および薬物曝露値から選択される。
本実施形態は、患者に投与される組成物を収容するのに好適な容器と;容器の中に配置された本明細書に記載されるとおりの用量単位とを含んでなる組成物を含む。
本実施形態は、プロドラッグとGI酵素インヒビターとの用量単位を含み、用量単位は1マイクログラム〜2グラムの全重量を有する。本実施形態は、プロドラッグとGI酵素インヒビターとの医薬組成物を含み、プロドラッグとGI酵素インヒビターとを合わせた重量は、組成物1グラム当たり0.1%〜99%である。
本実施形態は、組成物および用量単位を含み、ここでプロドラッグは、式:
X−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−C(O)−CH(R)−NH(R) (PC−(I))
の化合物、またはその薬学的に許容できる塩であり、式中:
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでフェノール性ヒドロキシル基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−C(O)−CH(R)−NH(R)との共有結合に置換され;
は(1−4C)アルキル基を表し;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子または(1−4C)アルキル基を表し;
nは2または3を表し;
は−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHを表し、Rが結合する炭素原子の配置は、L−アミノ酸における配置に対応し;および
は、水素原子、N−アシル基、または、アミノ酸の、ジペプチドの、またはアミノ酸もしくはジペプチドのN−アシル誘導体の残基を表す。
本実施形態は、組成物および用量単位を含み、ここでプロドラッグは、式PC−(IIa):
X−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−C(O)−CH(R)−NH(R) (PC−(IIa))
の化合物、またはその薬学的に許容できる塩であり、式中:
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでフェノール性ヒドロキシル基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−C(O)−CH(R)−NH(R)との共有結合に置換され;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数を表し;
は−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHを表し、Rが結合する炭素原子の配置は、L−アミノ酸における配置に対応し;および
は、水素原子、N−アシル基(N−置換アシルを含む)、アミノ酸の、ジペプチドの、またはアミノ酸もしくはジペプチドのN−アシル誘導体(N−置換アシル誘導体を含む)の残基を表す。
本実施形態は、組成物および用量単位を含み、ここでプロドラッグは、式PC−(IIb):
X−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−C(O)−CH(R)−NH(R) (PC−(IIb))
の化合物、またはその薬学的に許容できる塩であり、式中:
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでフェノール性ヒドロキシル基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−C(O)−CH(R)−NH(R)との共有結合に置換され;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
nは2〜4の整数を表し;
は−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHを表し、Rが結合する炭素原子の配置は、L−アミノ酸における配置に対応し;および
は、水素原子、N−アシル基(N−置換アシルを含む)、アミノ酸の、ジペプチドの、またはアミノ酸もしくはジペプチドのN−アシル誘導体(N−置換アシル誘導体を含む)の残基を表す。
本実施形態は、組成物および用量単位を含み、ここでプロドラッグは、式PC−(III):
X−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−C(O)−CH(R)−NH(R) (PC−(III))
の化合物、またはその薬学的に許容できる塩であり、式中:
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでフェノール性ヒドロキシル基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−C(O)−CH(R)−NH(R)との共有結合に置換され;
は(1−4C)アルキル基を表し;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子または(1−4C)アルキル基を表し;
nは2または3を表し;
は−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHを表し、Rが結合する炭素原子の配置は、L−アミノ酸における配置に対応し;および
は、水素原子、N−アシル基(N−置換アシルを含む)、アミノ酸の、ジペプチドの、またはアミノ酸もしくはジペプチドのN−アシル誘導体(N−置換アシル誘導体を含む)の残基を表す。
本実施形態は、組成物および用量単位を含み、ここでプロドラッグは、式PC−(IV):
の化合物、またはその薬学的に許容できる塩であり、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
はオキソ(=O)またはヒドロキシルであり;
破線は二重結合または単結合であり;
は(1−4C)アルキル基を表し;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子または(1−4C)アルキル基を表し;
nは2または3を表し;
は−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHを表し、Rが結合する炭素原子の配置は、L−アミノ酸における配置に対応し;および
は、水素原子、N−アシル基、または、アミノ酸の、ジペプチドの、またはアミノ酸もしくはジペプチドのN−アシル誘導体の残基を表す。
本実施形態は、組成物および用量単位を含み、ここでプロドラッグは、式PC−(Va):
の化合物、またはその薬学的に許容できる塩であり、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
はオキソ(=O)またはヒドロキシルであり;
破線は二重結合または単結合であり;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数を表し;
は−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHを表し、Rが結合する炭素原子の配置は、L−アミノ酸における配置に対応し;および
は、水素原子、N−アシル基(N−置換アシルを含む)、アミノ酸の、ジペプチドの、またはアミノ酸もしくはジペプチドのN−アシル誘導体(N−置換アシル誘導体を含む)の残基を表す。
本実施形態は、組成物および用量単位を含み、ここでプロドラッグは、式PC−(Vb):
の化合物、またはその薬学的に許容できる塩であり、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
はオキソ(=O)またはヒドロキシルであり;
破線は二重結合または単結合であり;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
nは2〜4の整数を表し;
は−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHを表し、Rが結合する炭素原子の配置は、L−アミノ酸における配置に対応し;および
は、水素原子、N−アシル基(N−置換アシルを含む)、アミノ酸の、ジペプチドの、またはアミノ酸もしくはジペプチドのN−アシル誘導体(N−置換アシル誘導体を含む)の残基を表す。
本実施形態は、組成物および用量単位を含み、ここでプロドラッグは、式PC−(VI):
の化合物、またはその薬学的に許容できる塩であり、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
はオキソ(=O)またはヒドロキシルであり;
破線は二重結合または単結合であり;
は(1−4C)アルキル基を表し;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子または(1−4C)アルキル基を表し;
nは2または3を表し;
は−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHを表し、Rが結合する炭素原子の配置は、L−アミノ酸における配置に対応し;および
は、水素原子、N−アシル基(N−置換アシルを含む)、アミノ酸の、ジペプチドの、またはアミノ酸もしくはジペプチドのN−アシル誘導体(N−置換アシル誘導体を含む)の残基を表す。
本実施形態は、組成物および用量単位を含み、ここでプロドラッグは、式PC−(VII):
X−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−R (PC−(VII))
の化合物、またはその薬学的に許容できる塩であり、式中:
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでフェノール性ヒドロキシル基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−Rとの共有結合に置換され;
は(1−4C)アルキル基を表し;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子または(1−4C)アルキル基を表し;
nは2または3を表し;および
はトリプシン切断可能部分である。
本実施形態は、組成物および用量単位を含み、ここでプロドラッグは、式PC−(VIII):
X−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−R (PC−(VIII))
の化合物、またはその薬学的に許容できる塩であり、式中:
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでフェノール性ヒドロキシル基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−Rとの共有結合に置換され;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数を表し;および
はトリプシン切断可能部分である。
本実施形態は、組成物および用量単位を含み、ここでプロドラッグは、式PC−(IX):
の化合物、またはその薬学的に許容できる塩であり、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
はオキソ(=O)またはヒドロキシルであり;
破線は二重結合または単結合であり;
は(1−4C)アルキル基を表し;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子または(1−4C)アルキル基を表し;
nは2または3を表し;および
はトリプシン切断可能部分である。
本実施形態は、組成物および用量単位を含み、ここでプロドラッグは、式PC−(X):
の化合物、またはその薬学的に許容できる塩であり、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
はオキソ(=O)またはヒドロキシルであり;
破線は二重結合または単結合であり;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数を表し;および
はトリプシン切断可能部分である。
本実施形態は、組成物および用量単位を含み、ここでプロドラッグは、式:
X−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−R (PC−(XI))
の化合物、またはその薬学的に許容できる塩であり、式中:
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでフェノール性ヒドロキシル基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−C(O)−CH(R)−NH(R)との共有結合に置換され;
は(1−4C)アルキル基を表し;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子または(1−4C)アルキル基を表し;
nは2または3を表し;および
はGI酵素切断可能部分である。
本実施形態は、組成物および用量単位を含み、ここでプロドラッグは、式:
X−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−R (PC−(XII))
の化合物、またはその薬学的に許容できる塩であり、式中:
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでフェノール性ヒドロキシル基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−C(O)−CH(R)−NH(R)との共有結合に置換され;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数を表し;および
はGI酵素切断可能部分である。
本実施形態は、組成物および用量単位を含み、ここでプロドラッグは、式:
の化合物、またはその薬学的に許容できる塩であり、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
はオキソ(=O)またはヒドロキシルであり;
破線は二重結合または単結合であり;
は(1−4C)アルキル基を表し;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子または(1−4C)アルキル基を表し;
nは2または3を表し;および
はGI酵素切断可能部分である。
本実施形態は、組成物および用量単位を含み、ここでプロドラッグは、式:
の化合物、またはその薬学的に許容できる塩であり、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
はオキソ(=O)またはヒドロキシルであり;
破線は二重結合または単結合であり;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数を表し;および
はGI酵素切断可能部分である。
本実施形態は、組成物および用量単位を含み、ここでプロドラッグは、式:
の化合物であり、式中:
Xはフェノール性オピオイドであり、ここでヒドロキシル基の水素原子は、−C(O)−Y−(C(R)(R))−N−(R)(R)との共有結合に置換され;
Yは、−NR−、−O−または−S−であり;
nは1〜4の整数であり;
各R、R、RおよびRは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであるか、あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
は、
であり;
各Rは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にRおよびRが、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;
pは1〜10の整数であり;
各Wは、独立して、−NR−、−O−または−S−であり;および
各Rは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであるか、あるいは任意選択的に、各RおよびRが、独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成する。
本実施形態は、組成物および用量単位を含み、ここでプロドラッグは、式:
の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは水和物であり、式中:
Xは、フェノールを含んでなるオピオイドであり、ここでフェノールの水素原子は、−(CR1213)−Y−Z−R11との共有結合により置換され;
12およびR13は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり;
Yは、任意選択的に1つまたは複数の−F、−Cl、−Br、−I、−R14、−O、−OR14、−SR14、−S、−NR1415、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、−N、−S(O)、−S(O)OH、−S(O)14、−OS(O)O、−OS(O)14、−P(O)(O、−P(O)(OR14)(O)、−OP(O)(OR14)(OR15)、−C(O)R14、−C(S)R14、−C(O)OR14、−C(O)NR1415、−C(O)O、−C(S)OR14、−NR16C(O)NR1415、−NR16C(S)NR1415、−NR17C(NR16)NR1514または−C(NR16)NR1514で置換されているアリール、ヘテロアリールまたはアリールアリールであり;
14、R15、R16およびR17は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであるか、あるいは任意選択的にR14およびR15が、それらが結合する窒素原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
Zは、N(R18)−、−O−または−S−であり;
18は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは
であり;
各Wは、独立して、−NR20−、−O−または−S−であり;
各R19は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR19およびR20が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各R20は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR20およびR21が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
21は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;
nは0〜5の整数であり;
11は、
であり;
各Uは、独立して、−NR23−、−O−または−S−であり;
各R22は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR22およびR23が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各R23は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR23およびR24が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
24は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;および
oは1〜100の整数であり;
ただし、ZはX−(CR1213)−に対してパラ位またはオルト位に配向し、かつR18およびR11のいずれも水素ではないものとする。
本実施形態は、組成物および用量単位を含み、ここでプロドラッグは、式:
の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは水和物であり、式中:
Xは、フェノールを含んでなるオピオイドであり、ここでXはフェノールにより結び付けられ;
12およびR13は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり;
26は、それぞれ、−F、−Cl、−Br、−I、−R14、−O、−OR14、−SR14、−S、−NR1415、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、−N、−S(O)、−S(O)OH、−S(O)14、−OS(O)O、−OS(O)14、−P(O)(O、−P(O)(OR14)(O)、−OP(O)(OR14)(OR15)、−C(O)R14、−C(S)R14、−C(O)OR14、−C(O)NR1415、−C(O)O、−C(S)OR14、−NR16C(O)NR1415、−NR16C(S)NR1415、−NR17C(NR16)NR1514および−C(NR16)NR1514の1つまたは複数からなる群から独立して選択され、およびkは、0、1、2、3、または4であり;
14、R15、R16およびR17は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであるか、あるいは任意選択的にRおよびRが、それらが結合する窒素原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
18は水素またはメチルであり;
22は、アミノ酸の側鎖またはアミノ酸の側鎖の誘導体であり;
各Uは、独立して、−NR23−、−O−または−S−であり;
各R23は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR23およびR24が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;および
24は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;および
oは1〜100の整数である。
本実施形態は、組成物および用量単位を含み、ここでプロドラッグは、式:
X−C(R31a)(R32a))−Ar−Z−C(O)−Y−(C(R31)(R32))−N−(R33)(R34)A− (PC−(XVIII)
の化合物、またはその塩、水和物もしくは溶媒和物であり、式中:
Xは、フェノールを含んでなるオピオイドであり、ここでフェノールの水素原子は、−(C(R31a)(R32a)−Ar−Z−C(O)−Y−(C(R31)(R32))−N−(R33)(R34)との共有結合により置換され;
31aおよびR32aは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり;
Arは、任意選択的に1つまたは複数の−F、−Cl、−Br、−I、−R34a、−O、−OR34a、−SR34a、−S−、−NR34a35a、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、−N、−S(O)O’、−S(O)OH、−S(O)34a、−OS(O)O’’、−OS(O)34a、−P(O)(O’’)、−P(O)(OR34a)(O’’)、−OP(O)(OR34a)(OR35a)、−C(O)R34a、−C(S)R34a、−C(O)OR34a、−C(O)NR34a35a、−C(O)O;−C(S)OR34a、−NR36aC(O)NR34a35a、−NR36aC(S)NR34a35a、−NR37aC(NR36a)NR35a34aまたは−C(NR36a)NR35a34aで置換されているか、あるいはポリマーに結合したアリール、ヘテロアリールまたはアリールアリールであり;
34a、R35a、R36aおよびR37aは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであるか、あるいは任意選択的にR34およびR35が、それらが結合する窒素原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
Zは、O、SまたはNHであり;
Yは、−NR35−、−O−または−S−であり;
nは1〜10の整数であり;
各R31、R32、R33およびR35は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであるか、あるいはR31およびR32が、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR31基またはR32基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
34は、
であり;
各R36は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR36およびR37が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
37は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;
pは1〜5の整数であり;
各Wは、独立して、−NR38−、−O−または−S−であり;
各R38は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであるか、あるいは任意選択的に各R36およびR38が、独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;および
A’はアニオンを表す。
本実施形態は、組成物および用量単位を含み、ここでプロドラッグは、式KC−(Ia):
の化合物であって、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rが、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rが、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;あるいはRおよびRは、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基は、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数であり;
は水素であり;
は、
であり;
各Rが、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから独立して選択されるか、あるいは場合により、RおよびRは、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各Wが、独立して、−NR−、−O−または−S−であり;
各Rが、水素、アルキル、置換アルキル、アリールおよび置換アリールから独立して選択されるか、あるいは場合により、各RおよびRは独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
pは1〜100の整数であり;かつ
は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択される、化合物またはその塩、水和物もしくは溶媒和物である。
本実施形態は、組成物および用量単位を含み、ここでオピオイドプロドラッグは、式KC−(Ib):
の化合物であって、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rが、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rが、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;あるいはRおよびRは、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基は、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
nは2〜4の整数であり;
は水素であり;
は、
であり;
各Rが、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから独立して選択されるか、あるいは場合により、RおよびRは、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各Wが、独立して、−NR−、−O−または−S−であり;
各Rが、水素、アルキル、置換アルキル、アリールおよび置換アリールから独立して選択されるか、あるいは場合により、各RおよびRは独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
pは1〜100の整数であり;かつ
は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択される、化合物またはその塩、水和物もしくは溶媒和物である。
本実施形態は、組成物および用量単位を含み、ここでプロドラッグは、式KC−(II):
の化合物であり、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
は、(1−6C)アルキル、(1−6C)置換アルキル、−(CH(C)−COOH、−(CH(C)−COOCH、および−(CH(C)−COOCHCHから選択され、ここでqは1〜10の整数であり;
各Rが、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rが、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;あるいはRおよびRは、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基は、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
nは2または3であり;
は水素であり;
は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンから選択されるL−アミノ酸の残基、もしくは前記アミノ酸のいずれかのN−アシル誘導体の残基;または、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンから独立して選択される少なくとも2つのL−アミノ酸残基から構成されるペプチドの残基、もしくはそのN−アシル誘導体の残基である。
本実施形態は、組成物および用量単位を含み、ここでプロドラッグは、式KC−(IIIa):
の化合物であって、式中:
Xはケトン含有オピオイドの残基を表し、ここでケトンの対応するエノール基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NRとの共有結合に置換され;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rが、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rが、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;あるいはRおよびRは、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基は、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数であり;
は水素であり;
は、
であり;
各Rが、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから独立して選択されるか、あるいは場合により、RおよびRは、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各Wが、独立して、−NR−、−O−または−S−であり;
各Rが、水素、アルキル、置換アルキル、アリールおよび置換アリールから独立して選択されるか、あるいは場合により、各RおよびRは独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
pは1〜100の整数であり;かつ
は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択される、化合物またはその塩、水和物もしくは溶媒和物である。
本実施形態は、組成物および用量単位を含み、ここでプロドラッグは、式KC−(IIIb):
の化合物であって、式中:
Xはケトン含有オピオイドの残基を表し、ここでケトンの対応するエノール基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NRとの共有結合に置換され;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rが、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rが、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;あるいはRおよびRは、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基は、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
nは2〜4の整数であり;
は水素であり;
は、
であり;
各Rが、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから独立して選択されるか、あるいは場合により、RおよびRは、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各Wが、独立して、−NR−、−O−または−S−であり;
各Rが、水素、アルキル、置換アルキル、アリールおよび置換アリールから独立して選択されるか、あるいは場合により、各RおよびRは独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
pは1〜100の整数であり;かつ
は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択される、化合物またはその塩、水和物もしくは溶媒和物である。
本実施形態は、組成物および用量単位を含み、ここでプロドラッグは、式KC−(IV):
の化合物であって、式中:
Xはケトン含有オピオイドの残基を表し、ここでケトンの対応するエノール基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NRとの共有結合に置換され;
は、(1−6C)アルキル、(1−6C)置換アルキル、−(CH(C)−COOH、−(CH(C)−COOCH、および−(CH(C)−COOCHCHから選択され、ここでqは1〜10の整数であり;
各Rが、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rが、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;あるいはRおよびRは、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基は、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
nは2または3であり;
は水素であり;
は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンから選択されるL−アミノ酸の残基、もしくは前記アミノ酸のいずれかのN−アシル誘導体の残基;または、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンから独立して選択される少なくとも2つのL−アミノ酸残基から構成されるペプチドの残基、もしくはそのN−アシル誘導体の残基である、化合物またはその塩、水和物もしくは溶媒和物である。
本実施形態は、組成物および用量単位を含み、ここでプロドラッグは、式KC−(Va):
の化合物であって、式中:
Xはケトン含有オピオイドの残基を表し、ここでケトンの対応するエノール基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NRとの共有結合に置換され;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rが、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rが、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;あるいはRおよびRは、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基は、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数であり;
は水素であり;
はトリプシン切断可能部分である、化合物またはその塩、水和物もしくは溶媒和物
である。
本実施形態は、組成物および用量単位を含み、ここでプロドラッグは、式KC−(Vb):
の化合物であって、式中:
Xは、ケトン含有オピオイドの残基を表し、ここでケトンの対応するエノール基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NRとの共有結合により置換され;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;あるいは
およびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数であり;
は水素であり;
はGI酵素切断可能部分である、化合物またはその塩、水和物もしくは溶媒和物である。
本実施形態は、組成物および用量単位を含み、ここでプロドラッグは、式:
の化合物であり、式中:
Xは、ケトン含有オピオイドの残基を表し、ここでケトンの対応するエノール基の水素原子は、−C(O)−Y−(C(R)(R))−NRとの共有結合により置換され;
Yは、−NR−、−O−または−S−であり;
nは1〜4の整数であり;
各R、R、RおよびRは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであるか、あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
は、
であり;
各Rは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にRおよびRが、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;
pは1〜10の整数であり;
各Wは、独立して、−NR−、−O−または−S−であり;および
各Rは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであるか、あるいは任意選択的に、各RおよびRが、独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成する。
本実施形態は、組成物および用量単位を含み、ここでプロドラッグは、式:
の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは水和物であり、式中:
Xは、ケトン含有オピオイドの残基を表し、ここでケトンの対応するエノール基の水素原子は、共有結合−(CR1213)−Y−Z−R11により置換され;
12およびR13は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり;
Yは、任意選択的に1つまたは複数の−F、−Cl、−Br、−I、−R14、−O、−OR14、−SR14、−S、−NR1415、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、−N、−S(O)、−S(O)OH、−S(O)14、−OS(O)O、−OS(O)14、−P(O)(O、−P(O)(OR14)(O)、−OP(O)(OR14)(OR15)、−C(O)R14、−C(S)R14、−C(O)OR14、−C(O)NR1415、−C(O)O、−C(S)OR14、−NR16C(O)NR1415、−NR16C(S)NR1415、−NR17C(NR16)NR1514または−C(NR16)NR1514で置換されているアリール、ヘテロアリールまたはアリールアリールであり;
14、R15、R16およびR17は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであるか、あるいは任意選択的にR14およびR15が、それらが結合する窒素原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
Zは、N(R18)−、−O−または−S−であり;
18は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは
であり;
各Wは、独立して、−NR20−、−O−または−S−であり;
各R19は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR19およびR20が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各R20は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR20およびR21が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
21は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;
nは0〜5の整数であり;
11は、
であり;
各Uは、独立して、−NR23−、−O−または−S−であり;
各R22は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR22およびR23が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各R23は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリールであるか、あるいは任意選択的にR23およびR24が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
24は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;および
oは1〜100の整数であり;
ただし、ZはX−(CR1213)−に対してパラ位またはオルト位に配向し、かつR18およびR11のいずれも水素ではないものとする。
本実施形態は、組成物および用量単位を含み、ここでプロドラッグは、式:
の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは水和物であり、式中:
Xは、ケトン含有オピオイドの残基を表し、ここでケトンの対応するエノール基の水素原子は、−(CR1213)−Y−Z−R11との共有結合により置換され;
12およびR13は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり;
26は、それぞれ、−F、−Cl、−Br、−I、−R14、−O、−OR14、−SR14、−S、−NR1415、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、−N、−S(O)、−S(O)OH、−S(O)14、−OS(O)O、−OS(O)14、−P(O)(O、−P(O)(OR14)(O)、−OP(O)(OR14)(OR15)、−C(O)R14、−C(S)R14、−C(O)OR14、−C(O)NR1415、−C(O)O、−C(S)OR14、−NR16C(O)NR1415、−NR16C(S)NR1415、−NR17C(NR16)NR1514および−C(NR16)NR1514の1つまたは複数からなる群から独立して選択され、およびkは、0、1、2、3、または4であり;
14、R15、R16およびR17は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであるか、あるいは任意選択的にRおよびRが、それらが結合する窒素原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
18は水素またはメチルであり;
22は、アミノ酸の側鎖またはアミノ酸の側鎖の誘導体であり;
各Uは、独立して、−NR23−、−O−または−S−であり;
各R23は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR23およびR24が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;および
24は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;および
oは1〜100の整数である。
本実施形態は、組成物および用量単位を含み、ここでプロドラッグは、式:
X−C(R31a)(R32a))−Ar−Z−C(O)−Y−(C(R31)(R32))−N−(R33)(R34)A− (KC−(IX))
の化合物、またはその塩、水和物もしくは溶媒和物であり、式中:
Xは、ケトン含有オピオイドの残基を表し、ここでケトンの対応するエノール基の水素原子は、−(C(R31a)(R32a)−Ar−Z−C(O)−Y−(C(R31)(R32))−N−(R33)(R34)との共有結合により置換され;
31aおよびR32aは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり;
Arは、任意選択的に1つまたは複数の−F、−Cl、−Br、−I、−R34a、−O、−OR34a、−SR34a、−S−、−NR34a35a、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、−N、−S(O)O’、−S(O)OH、−S(O)34a、−OS(O)O’’、−OS(O)34a、−P(O)(O’’)、−P(O)(OR34a)(O’’)、−OP(O)(OR34a)(OR35a)、−C(O)R34a、−C(S)R34a、−C(O)OR34a、−C(O)NR34a35a、−C(O)O;−C(S)OR34a、−NR36aC(O)NR34a35a、−NR36aC(S)NR34a35a、−NR37aC(NR36a)NR35a34aまたは−C(NR36a)NR35a34aで置換されているか、あるいはポリマーに結合したアリール、ヘテロアリールまたはアリールアリールであり;
34a、R35a、R36aおよびR37aは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであるか、あるいは任意選択的にR34およびR35が、それらが結合する窒素原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
Zは、O、SまたはNHであり;
Yは、−NR35−、−O−または−S−であり;
nは1〜10の整数であり;
各R31、R32、R33およびR35は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであるか、あるいはR31およびR32が、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR31基またはR32基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
34は、
であり;
各R36は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR36およびR37が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
37は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;
pは1〜5の整数であり;
各Wは、独立して、−NR38−、−O−または−S−であり;
各R38は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであるか、あるいは任意選択的に各R36およびR38が、独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;および
A’はアニオンを表す。
本実施形態は、組成物および用量単位を含み、ここでプロドラッグは、式:
の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは水和物であり、式中:
Xは、アミンを含んでなるオピオイドであり、ここで第一級または第二級アミンの水素原子が−(CR1213)−Y−Z−R11との共有結合により置換されるか、あるいは第三級アミンの電子の孤立電子対が−(CR1213)−Y−Z−R11との共有結合により置換され;
12およびR13は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり;
Yは、任意選択的に1つまたは複数の−F、−Cl、−Br、−I、−R14、−O、−OR14、−SR14、−S、−NR1415、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、−N、−S(O)、−S(O)OH、−S(O)14、−OS(O)O、−OS(O)14、−P(O)(O、−P(O)(OR14)(O)、−OP(O)(OR14)(OR15)、−C(O)R14、−C(S)R14、−C(O)OR14、−C(O)NR1415、−C(O)O、−C(S)OR14、−NR16C(O)NR1415、−NR16C(S)NR1415、−NR17C(NR16)NR1514または−C(NR16)NR1514で置換されているアリール、ヘテロアリールまたはアリールアリールであり;
14、R15、R16およびR17は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであるか、あるいは任意選択的にR14およびR15が、それらが結合する窒素原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
Zは、N(R18)−、−O−または−S−であり;
18は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは
であり;
各Wは、独立して、−NR20−、−O−または−S−であり;
各R19は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR19およびR20が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各R20は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR20およびR21が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
21は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;
nは0〜5の整数であり;
11は、
であり;
各Uは、独立して、−NR23−、−O−または−S−であり;
各R22は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR22およびR23が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各R23は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR23およびR24が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
24は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;および
oは1〜100の整数であり;
ただし、ZはX−(CR1213)−に対してパラ位またはオルト位に配向し、かつR18およびR11のいずれも水素ではないものとする。
本実施形態は、組成物および用量単位を含み、ここでプロドラッグは、式:
の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは水和物であり、式中:
Xは、アミンを含んでなるオピオイドであり、ここで第一級または第二級アミンの水素原子が−(CR1213)−Y−Z−R11との共有結合により置換されるか、あるいは第三級アミンの電子の孤立電子対が−(CR1213)−Y−Z−R11との共有結合により置換され;
12およびR13は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり;
26は、それぞれ、−F、−Cl、−Br、−I、−R14、−O、−OR14、−SR14、−S、−NR1415、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、−N、−S(O)、−S(O)OH、−S(O)14、−OS(O)O、−OS(O)14、−P(O)(O、−P(O)(OR14)(O)、−OP(O)(OR14)(OR15)、−C(O)R14、−C(S)R14、−C(O)OR14、−C(O)NR1415、−C(O)O、−C(S)OR14、−NR16C(O)NR1415、−NR16C(S)NR1415、−NR17C(NR16)NR1514および−C(NR16)NR1514の1つまたは複数からなる群から独立して選択され、およびkは、0、1、2、3、または4であり;
14、R15、R16およびR17は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであるか、あるいは任意選択的にRおよびRが、それらが結合する窒素原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
18は水素またはメチルであり;
22は、アミノ酸の側鎖またはアミノ酸の側鎖の誘導体であり;
各Uは、独立して、−NR23−、−O−または−S−であり;
各R23は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR23およびR24が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;および
24は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;および
oは1〜100の整数である。
本実施形態は、組成物および用量単位を含み、ここでプロドラッグは、式:
X−C(R31a)(R32a))−Ar−Z−C(O)−Y−(C(R31)(R32))−N−(R33)(R34)A− (QS−(III)
の化合物、またはその塩、水和物もしくは溶媒和物であり、式中:
Xはオピオイドの残基であり、ここでアミノ窒素の電子の孤立電子対は、−(C(R31a)(R32a)−Ar−Z−C(O)−Y−(C(R31)(R32))−N−(R33)(R34)との結合により置換され;
31aおよびR32aは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり;
Arは、任意選択的に1つまたは複数の−F、−Cl、−Br、−I、−R34a、−O、−OR34a、−SR34a、−S−、−NR34a35a、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、−N、−S(O)O’、−S(O)OH、−S(O)34a、−OS(O)O’’、−OS(O)34a、−P(O)(O’’)、−P(O)(OR34a)(O’’)、−OP(O)(OR34a)(OR35a)、−C(O)R34a、−C(S)R34a、−C(O)OR34a、−C(O)NR34a35a、−C(O)O;−C(S)OR34a、−NR36aC(O)NR34a35a、−NR36aC(S)NR34a35a、−NR37aC(NR36a)NR35a34aまたは−C(NR36a)NR35a34aで置換されているか、あるいはポリマーに結合したアリール、ヘテロアリールまたはアリールアリールであり;
34a、R35a、R36aおよびR37aは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであるか、あるいは任意選択的にR34およびR35が、それらが結合する窒素原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
Zは、O、SまたはNHであり;
Yは、−NR35−、−O−または−S−であり;
nは1〜10の整数であり;
各R31、R32、R33およびR35は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであるか、あるいはR31およびR32が、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR31基またはR32基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
34は、
であり;
各R36は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR36およびR37が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
37は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;
pは1〜5の整数であり;
各Wは、独立して、−NR38−、−O−または−S−であり;
各R38は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであるか、あるいは任意選択的に各R36およびR38が、独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;および
A’はアニオンを表す。
本実施形態は、組成物および用量単位を含み、ここでプロドラッグは、式:
の化合物であって、式中:
Xは、アミド含有オピオイドの残基を表し、ここで−C(O)−NR−(C(R)(R))−NRがアミド基の酸素を介してアミド含有オピオイドに結合し、アミド基はアミドエノールまたはイミン互変異性体に変換され;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数であり;
は水素または(1−4C)アルキルであり;
は、
であり;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから独立して選択されるか、あるいは任意選択的にRおよびRが、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各Wは、独立して、−NR−、−O−または−S−であり;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリールおよび置換アリールから独立して選択されるか、あるいは任意選択的に各RおよびRが、独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
pは1〜100の整数であり;および
は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択される、化合物またはその塩、水和物もしくは溶媒和物である。
本実施形態は、組成物および用量単位を含み、ここでプロドラッグは、式:
の化合物であり、式中:
Xは、アミド含有オピオイドの残基を表し、ここで−C(O)−NR−(C(R)(R))−NRがアミド基の酸素を介してアミド含有オピオイドに結合し、アミド基はアミドエノールまたはイミン互変異性体に変換され;
は、(1−6C)アルキル、(1−6C)置換アルキル、−(CH(C)−COOH、−(CH(C)−COOCH、および−(CH(C)−COOCHCHから選択され、式中、qは1〜10の整数であり;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2または3であり;
は水素であり;
はGI酵素切断可能部分である、化合物またはその塩、水和物もしくは溶媒和物である。
本実施形態は、組成物および用量単位を含み、ここでプロドラッグは、式:
の化合物であって、式中:
Xは、アミド含有オピオイドの残基を表し、ここで−CO−C(R)−NRがアミド基の酸素を介してアミド含有オピオイドに結合し、アミド基はアミドエノールまたはイミン互変異性体に変換され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから独立して選択されるか、あるいは任意選択的にRおよびRが、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリールおよび置換アリールから独立して選択されるか、あるいは任意選択的に各RおよびRが、独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択される、化合物またはその塩、水和物もしくは溶媒和物である。
本実施形態は、患者を治療する方法を含み、この方法は、本明細書に記載される組成物または用量単位のいずれかを、それを必要とする患者に投与する工程を含んでなる。本実施形態は、治療法の副作用を低減する方法を含み、この方法は、本明細書に記載される組成物または用量単位のいずれかを、それを必要とする患者に投与する工程を含んでなる。本実施形態は、臨床医により処方された治療法に関する患者コンプライアンスを向上させる方法を含み、この方法は、本明細書に記載される組成物または用量単位のいずれかの投与を、それを必要とする患者に指示する工程を含んでなる。この実施形態は、インヒビターを伴うプロドラッグと比較したときの薬物を使用する、および/またはインヒビターを伴わずプロドラッグを使用する処方の治療法に関する患者コンプライアンスと比較して、処方された治療法に関する患者コンプライアンスの向上をもたらすことができる。
本実施形態は、薬物の偶発的過量服用のリスクを低減する方法を含み、この方法は、本明細書に記載される医薬組成物または用量単位のいずれかの投与を、治療を必要とする患者に指示する工程を含んでなる。
本実施形態は、プロドラッグとGI酵素インヒビターとを用量単位に組み合わせる工程を含んでなる、用量単位の作製方法を含み、ここでプロドラッグおよびGI酵素インヒビターは、プロドラッグからの薬物の放出を減弱させるのに有効な量で用量単位中に存在する。
本実施形態は、プロドラッグとGI酵素インヒビターとを用量単位に組み合わせる工程を含んでなる、複数用量単位のプロドラッグの誤用または乱用を防止する方法を含み、ここでプロドラッグおよびGI酵素インヒビターは、患者が複数の用量単位を摂取しても比例した薬物の放出をもたらさないようにプロドラッグからの薬物の放出を減弱させるのに有効な量で用量単位中に存在する。さらなる実施形態において、薬物の放出は、インヒビターの非存在下での等価投薬量のプロドラッグによる薬物の放出と比較して減少する。
一実施形態は、用量単位に製剤化するのに好適なプロドラッグおよびGI酵素インヒビターを同定する方法である。この方法は、例えば、インビトロアッセイ、インビボアッセイ、またはエキソビボアッセイとして実施することができる。
本実施形態は、用量単位に製剤化するのに好適なプロドラッグおよびGI酵素インヒビターを同定する方法を含み、この方法は、プロドラッグとGI酵素インヒビターと酵素とを反応混合物に組み合わせる工程と、プロドラッグ変換を検出する工程とを含んでなり、ここでGI酵素インヒビターの非存在下でのプロドラッグ変換と比較したときのGI酵素インヒビターの存在下でのプロドラッグ変換の減少は、そのプロドラッグおよびGI酵素インヒビターが用量単位に製剤化するのに好適であることを示す。
本実施形態は、用量単位に製剤化するのに好適なプロドラッグおよびGI酵素インヒビターを同定する方法を含み、この方法は、プロドラッグおよびGI酵素インヒビターを動物に投与する工程と、プロドラッグ変換を検出する工程とを含んでなり、ここでGI酵素インヒビターの非存在下での薬物変換と比較したときのGI酵素インヒビターの存在下での薬物変換の減少は、そのプロドラッグおよびGI酵素インヒビターが用量単位に製剤化するのに好適であることを示す。特定の実施形態では、投与する工程は、選択された一定用量のプロドラッグと同時投与する漸増用量のインヒビターを投与する工程を含んでなる。プロドラッグ変換を検出する工程は、予め選択された薬物動態(PK)プロファイルをもたらすインヒビターの用量およびプロドラッグの用量の同定を促進し得る。かかる方法は、例えば、インビボアッセイまたはエキソビボアッセイとして実施することができる。
本実施形態は、用量単位に製剤化するのに好適なプロドラッグおよびGI酵素インヒビターを同定する方法を含み、プロドラッグおよびGI酵素インヒビターを動物組織に投与する工程と、プロドラッグ変換を検出する工程とを含んでなり、ここでGI酵素インヒビターの非存在下でのプロドラッグ変換と比較したときのGI酵素インヒビターの存在下でのプロドラッグ変換の減少は、そのプロドラッグおよびGI酵素インヒビターが用量単位に製剤化するのに好適であることを示す。
一定用量のプロドラッグについてのGI酵素インヒビター(「インヒビター」、X軸)のレベル上昇がPKパラメータ(例えば、薬物Cmax)(Y軸)に及ぼす影響を表す概略図である。インヒビターのプロドラッグPKパラメータに対する影響は、検出不能から中程度、完全阻害(即ち、検出可能な薬物の放出がない)までの範囲をとり得る。 時間(X軸)の経過に伴う血漿中薬物濃度(Y軸)の概略図を提供する。パネルAは、プロドラッグをGI酵素インヒビターと共に摂取した後の薬物動態(PK)プロファイル(破線)の概略図であり、ここでその薬物Cmaxは、インヒビターを伴わないプロドラッグの場合(実線)と比べて改変されている。パネルBは、プロドラッグをインヒビターと共に摂取した後のPKプロファイル(破線)の概略図であり、ここでその薬物Cmaxおよび薬物Tmaxは、インヒビターを伴わないプロドラッグの場合(実線)と比べて改変されている。 時間(X軸)の経過に伴う血漿中薬物濃度(Y軸)の概略図を提供する。パネルCは、プロドラッグをインヒビターと共に摂取した後のPKプロファイル(破線)の概略図であり、ここで薬物Tmaxは、インヒビターを伴わないプロドラッグの場合(実線)と比べて改変されている。 本開示物の用量単位(X軸)の複数を投与することにより生じ得る異なる濃度−用量PKプロファイルを表す概略図を提供する。異なるPKプロファイル(本明細書では代表的なPKパラメータである薬物Cmax(Y軸)について例証されるとおり)は、単一の用量単位に含まれるプロドラッグおよびGI酵素インヒビターの相対量を調整することによるか、またはその用量単位で異なるプロドラッグもしくはインヒビターを使用することにより提供され得る。 化合物PC−1を単独で、および化合物PC−1を様々な量のグリシン・マックス(Glycine max)(ダイズ)由来トリプシンインヒビター(SBTI)と共にラットにPO投与した後のヒドロモルホン(HM)の経時的な平均血中濃度を比較するグラフである。 化合物PC−1を単独で、化合物PC−1をオボアルブミン(OVA)と共に、および化合物PC−1をオボアルブミンおよびSBTIと共にラットにPO投与した後のヒドロモルホン(HM)の経時的な平均血漿中濃度を比較するグラフである。 化合物PC−1を単独で、および化合物PC−1をボウマン−バーク(Bowman−Birk)トリプシン−キモトリプシンインヒビター(BBSI)と共にラットにPO投与した後のヒドロモルホン(HM)の経時的な個体血中濃度を比較するグラフである。 化合物PC−2を単独で、および化合物PC−2をSBTIと共にラットにPO投与した後のヒドロモルホン(HM)放出の経時的な平均血漿中濃度を比較するグラフである。 化合物PC−3を単独で、および化合物PC−3をSBTIと共にラットにPO投与した後のヒドロモルホン(HM)放出の経時的な平均血漿中濃度を比較するグラフである。 化合物PC−4を単独で、および化合物PC−4をSBTIと共にラットにPO投与した後のヒドロモルホン(HM)放出の経時的な平均血漿中濃度を比較するグラフである。 いかなるトリプシンインヒビターも存在しない場合、またはSBTI、化合物107、化合物108、もしくは化合物109が存在する場合における化合物PC−4とトリプシンとの特定の組み合わせのインビトロでの曝露結果を示すグラフである。図10Aは、このような条件下における経時的な化合物PC−4の消失を示す。 いかなるトリプシンインヒビターも存在しない場合、またはSBTI、化合物107、化合物108、もしくは化合物109が存在する場合における化合物PC−4とトリプシンとの特定の組み合わせのインビトロでの曝露結果を示すグラフである。図10Bはヒドロモルホンの出現を示す。 化合物PC−3を単独で、および化合物PC−3を化合物101と共にラットにPO投与した後のヒドロモルホン(HM)放出の経時的な平均血漿中濃度を比較するグラフである。 化合物PC−4を単独で、および化合物PC−4を化合物101と共にラットにPO投与した後のヒドロモルホン(HM)放出の経時的な平均血漿中濃度を比較するグラフである。 漸増用量のプロドラッグ化合物PC−5をラットにPO投与した後のヒドロモルホン放出の経時的な平均血漿中濃度を比較する。 漸増用量のプロドラッグ化合物PC−5をラットにPO投与した後のヒドロモルホン放出の経時的な平均血漿中濃度を比較する。 プロドラッグ化合物PC−5を漸増量のトリプシンインヒビター化合物109の同時投与を伴いラットにPO投与した後のヒドロモルホン放出の経時的な平均血漿中濃度を比較する。 プロドラッグ化合物PC−5単独又はそれとトリプシンインヒビター化合物109とを含んでなる組成物の単一用量単位および複数用量単位をラットにPO投与した後のヒドロモルホン放出の経時的な平均血漿中濃度を比較する。 プロドラッグ化合物PC−5とトリプシンインヒビター化合物109とを含んでなる組成物の単一用量単位および複数用量単位をラットにPO投与した後のヒドロモルホン放出の経時的な平均血漿中濃度を比較する。 漸増用量のプロドラッグ化合物PC−6をラットにPO投与した後のヒドロモルホン放出の経時的な平均血漿中濃度を比較する。 プロドラッグ化合物PC−6を漸増量のトリプシンインヒビター化合物109の同時投与を伴いラットにPO投与した後のヒドロモルホン放出の経時的な平均血漿中濃度を比較する。 プロドラッグ化合物PC−6とトリプシンインヒビター化合物109とを含んでなる組成物の単一用量単位および複数用量単位をラットにPO投与した後のヒドロモルホン放出の経時的な平均血漿中濃度を比較する。 ラットにおいてオキシコドンプロドラッグを経口(PO)投与した後のオキシコドン生成の血漿中濃度経時変化を示す。 ラットにおいてオキシコドンプロドラッグを静脈内(IV)投与した後のオキシコドン生成の血漿中濃度経時変化を示す。 種々の容易に入手可能な家庭用化学品または酵素製剤に曝露したオキシコドンプロドラッグからのオキシコドンの放出を示す。 トリプシンインヒビターの非存在下または存在下でプロドラッグおよびトリプシンをインビトロでインキュベートした後のオキシコドンプロドラッグの消失およびオキシコドンの出現を示す。 プロドラッグ化合物KC−2を単独で、および化合物KC−2をトリプシンインヒビター化合物109と共にラットにPO投与した後のオキシコドン放出の経時的な平均血漿中濃度を比較する。 漸増用量のプロドラッグ化合物KC−2をラットにPO投与した後のオキシコドン放出の経時的な平均血漿中濃度を比較する。 プロドラッグ化合物KC−2を漸増量の同時投与されるトリプシンインヒビター化合物109と共にラットにPO投与した後のオキシコドン放出の経時的な平均血漿中濃度を比較する。 漸増用量の化合物KC−3のをラットにPO投与した後のオキシコドン放出の経時的な平均血漿中濃度を比較する。 ラットにおいてプロドラッグ化合物KC−3を静脈内(IV)投与した後のオキシコドン生成の血漿中濃度経時変化を示す。 プロドラッグ化合物KC−3を漸増量の同時投与されるトリプシンインヒビター化合物109と共にラットにPO投与した後のオキシコドン放出の経時的な平均血漿中濃度を比較する。 種々の家庭用化学品および酵素製剤に曝露したプロドラッグ化合物KC−3からのオキシコドンの放出を示す。 ラットにおいてプロドラッグ化合物KC−4を静脈内(IV)投与した後のオキシコドン生成の血漿中濃度経時変化を示す。 プロドラッグ化合物KC−4をトリプシンインヒビターの同時投与有りで、または無しでPO投与した後のヒドロコドン放出の経時的な平均血漿中濃度を比較する。 化合物KC−5をPO投与した後のオキシコドン放出の経時的な平均血漿中濃度を示す。 ラットにおいてプロドラッグ化合物KC−5を静脈内(IV)投与した後のオキシコドン生成の血漿中濃度経時変化を示す。 化合物KC−6をラットにPO投与した後のオキシコドン放出の経時的な平均血漿中濃度を示す。 ラットにおいてプロドラッグ化合物KC−6を静脈内(IV)投与した後のオキシコドン生成の血漿中濃度経時変化を示す。
定義
他で示さない限り、以下の用語は以下の意味を有する。任意の定義されていない用語は、それらの認識された意味を有する。
本明細書において使用する用語「アルキル」は、それ自体、または別の置換基の一部として、親のアルカンの単一の炭素原子から1個の水素原子を取り出すことによって誘導される飽和の分枝鎖または直鎖の一価炭化水素ラジカルを指す。典型的なアルキル基として、メチル;エチル、プロパン−1−イルまたはプロパン−2−イルなどのプロピル類;およびブタン−1−イル、ブタン−2−イル、2−メチル−プロパン−1−イルまたは2−メチル−プロパン−2−イルなどのブチル類が挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、アルキル基は、1〜20個の炭素原子を含んでなる。他の実施形態では、アルキル基は、1〜10個の炭素原子を含んでなる。なお他の実施形態では、アルキル基は、1〜6個の炭素原子、例えば、1〜4個の炭素原子を含んでなる。
「アルカニル」は、それ自体、または別の置換基の一部として、アルカンの単一の炭素原子から1個の水素原子を取り出すことによって誘導される飽和の分枝鎖、直鎖または環式のアルキルラジカルを指す。典型的なアルカニル基として、メタニル;エタニル;プロパン−1−イル、プロパン−2−イル(イソプロピル)、シクロプロパン−1−イルなどのプロパニル類;ブタン−1−イル、ブタン−2−イル(sec−ブチル)、2−メチル−プロパン−1−イル(イソブチル)、2−メチル−プロパン−2−イル(t−ブチル)、シクロブタン−1−イルなどのブタニル類などが挙げられるが、これらに限定されない。
「アルキレン」は、一般的には1〜40個の炭素原子、より一般的には1〜10個の炭素原子およびさらにより一般的には1〜6個の炭素原子を有する分枝鎖または非分枝鎖飽和炭化水素鎖を指す。この用語は、メチレン(−CH−)、エチレン(−CHCH−)、プロピレン異性体(例えば、−CHCHCH−および−CH(CH)CH−)などの基により例示される。
「アルケニル」は、それ自体、または別の置換基の一部として、アルケンの単一の炭素原子から1個の水素原子を取り出すことによって誘導される少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有する不飽和の分枝鎖、直鎖または環式のアルキルラジカルを指す。基は、二重結合についてシス配座またはトランス配座のいずれで存在してもよい。典型的なアルケニル基として、エテニル;プロパ−1−エン−1−イル、プロパ−1−エン−2−イル、プロパ−2−エン−1−イル(アリル)、プロパ−2−エン−2−イル、シクロプロパ−1−エン−1−イルなどのプロペニル類;シクロプロパ−2−エン−1−イル;ブタ−1−エン−1−イル、ブタ−1−エン−2−イル、2−メチル−プロパ−1−エン−1−イル、ブタ−2−エン−1−イル、ブタ−2−エン−1−イル、ブタ−2−エン−2−イル、ブタ−1,3−ジエン−1−イル、ブタ−1,3−ジエン−2−イル、シクロブタ−1−エン−1−イル、シクロブタ−1−エン−3−イル、シクロブタ−1,3−ジエン−1−イルなどのブテニル類など;およびその他が挙げられるが、これらに限定されない。
「アルキニル」は、それ自体、または別の置換基の一部として、アルキンの単一の炭素原子から1個の水素原子を取り出すことによって誘導される少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有する不飽和の分枝鎖、直鎖または環式のアルキルラジカルを指す。典型的なアルキニル基として、エチニル;プロパ−1−イン−1−イル、プロパ−2−イン−1−イルなどのプロピニル類;ブタ−1−イン−1−イル、ブタ−1−イン−3−イル、ブタ−3−イン−1−イルなどのブチニルなど;およびその他が挙げられるが、これらに限定されない。
「アシル」は、それ自体、または別の置換基の一部として、ラジカル−C(O)R30を指し、ここで、R30は、本明細書に定義するように、水素、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、アリールアルキル、ヘテロアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルおよびその置換バージョンである。代表的な例として、ホルミル、アセチル、シクロヘキシルカルボニル、シクロヘキシルメチルカルボニル、ベンゾイル、ベンジルカルボニル、ピペロニル、スクシニル、およびマロニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
用語「アミノアシル」は、基−C(O)NR2122を指し、ここで、R21およびR22は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、アリール、置換アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環、および置換ヘテロ環からなる群から選択され、そしてここで、R21およびR22は、場合により、それに対する窒素結合と共に接続されて、ヘテロ環または置換ヘテロ環基を形成し、そしてここで、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、シクロアルケニル、置換シクロアルケニル、アリール、置換アリール、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロ環、および置換ヘテロ環は、本明細書において定義されるとおりである。
「アルコキシ」は、それ自体、または別の置換基の一部として、ラジカル−OR31を指し、ここで、R31は、本明細書において定義するアルキルまたはシクロアルキル基を表す。代表的な例として、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、シクロヘキシルオキシなどが挙げられるが、これらに限定されない。
「アルコキシカルボニル」は、それ自体、または別の置換基の一部として、ラジカル−C(O)OR31を指し、ここで、R31は、本明細書において定義するアルキルまたはシクロアルキル基を表す。代表的な例として、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
「アリール」は、それ自体、または別の置換基の一部として、芳香環系の単一の炭素原子から1個の水素原子を取り出すことによって誘導される一価の芳香族炭化水素ラジカルを指す。典型的なアリール基として、アセアントリレン、アセナフチレン、アセフェナントリレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、コロネン、フルオランテン、フルオレン、ヘキサセン、ヘキサフェン、ヘキサレン(hexalene)、as−インダセン、s−インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、オクタセン、オクタフェン、オクタレン、オバレン、ペンタ−2,4−ジエン、ペンタセン、ペンタレン、ペンタフェン、ペリレン、フェナレン、フェナントレン、ピセン、プレイアデン、ピレン、ピラントレン、ルビセン、トリフェニレン、トリナフタレンなどから誘導される基が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、アリール基は、6〜20個の炭素原子を含んでなる。特定の実施形態では、アリール基は、6〜12個の炭素原子を含んでなる。アリール基の例には、フェニルおよびナフチルがある。
「アリールアルキル」は、それ自体、または別の置換基の一部として、炭素原子、典型的に、末端またはsp炭素原子に結合した水素原子のうちの1つが、アリール基によって置き換えられる非環式アルキルラジカルを指す。典型的なアリールアルキル基として、ベンジル、2−フェニルエタン−1−イル、2−フェニルエテン−1−イル、ナフチルメチル、2−ナフチルエタン−1−イル、2−ナフチルエテン−1−イル、ナフトベンジル、2−ナフトフェニルエタン−1−イルなどが挙げられるが、これらに限定されない。特定のアルキル部分が意図される場合、命名法アリールアルカニル、アリールアルケニルおよび/またはアリールアルキニルが用いられる。特定の実施形態では、アリールアルキル基は(C−C30)アリールアルキルであり、例えば、アリールアルキル基のアルカニル部分、アルケニル部分またはアルキニル部分は(C−C10)であり、アリール部分は(C−C20)である。特定の実施形態では、アリールアルキル基は(C−C20)アリールアルキルであり、例えば、アリールアルキル基のアルカニル部分、アルケニル部分またはアルキニル部分は(C−C)であり、アリール部分は(C−C12)である。
「アリールアリール」は、それ自体、または別の置換基の一部として、2個以上の同じまたは同じでない芳香環系が互いに単結合によって連結される環系の単一の炭素原子から1個の水素原子を取り出すことによって誘導される一価の炭化水素基を指し、ここでそのような直接的な環連結の数は、関与する芳香環系の数より1つ少ない。典型的なアリールアリール基として、ビフェニル、トリフェニル、フェニル−ナプチル(napthyl)、ビナフチル、ビフェニル−ナプチル(napthyl)などが挙げられるが、これらに限定されない。アリールアリール基中の炭素原子の数が指定されるとき、その数は各芳香環を含んでなる炭素原子を指す。例えば、(C−C14)アリールアリールは、各芳香環が5〜14個の炭素を含んでなるアリールアリール基、例えば、ビフェニル、トリフェニル、ビナフチル、フェニルナプチル(phenylnapthyl)などである。特定の実施形態では、アリールアリール基の各芳香環系は独立して(C−C14)芳香族である。特定の実施形態では、アリールアリール基の各芳香環系は独立して(C−C10)芳香族である。特定の実施形態では、各芳香環系は同じであり、例えば、ビフェニル、トリフェニル、ビナフチル、トリナフチルなどである。
「シクロアルキル」は、それ自体、または別の置換基の一部として、飽和または不飽和環式アルキルラジカルを指す。特定の飽和レベルが意図される場合、命名法「シクロアルカニル」または「シクロアルケニル」が用いられる。典型的なシクロアルキル基としては、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサンなどから誘導される基が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、シクロアルキル基は(C−C10)シクロアルキルである。特定の実施形態では、シクロアルキル基は(C−C)シクロアルキルである。

ヘテロシクロアルキル」または「ヘテロシクリル」は、それ自体、または別の置換基の一部として、1個以上の炭素原子(および任意の会合した水素原子)が、独立して、同じまたは異なるヘテロ原子で置き換えられる飽和または不飽和環式アルキルラジカルを指す。炭素原子を置き換えるための典型的なヘテロ原子として、N、P、O、S、Siなどが挙げられるが、これらに限定されない。特定の飽和レベルが意図される場合、命名法「ヘテロシクロアルカニル」または「ヘテロシクロアルケニル」が用いられる。典型的なヘテロシクロアルキル基としては、エポキシド類、アジリン類、チイラン類、イミダゾリジン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ピラゾリジン、ピロリジン、キヌクリジンなどから誘導される基が挙げられるが、これらに限定されない。
「ヘテロアルキル、ヘテロアルカニル、ヘテロアルケニルおよびヘテロアルキニル」は、それ自体、または別の置換基の一部として、それぞれ、1個以上の炭素原子(および任意の会合した水素原子)が、独立して、同じまたは異なるヘテロ芳香族基で置き換えられるアルキル基、アルカニル基、アルケニル基およびアルキニル基を指す。これらの基に含まれ得る典型的なヘテロ原子基として、−O−、−S−、−O−O−、−S−S−、−O−S−、−NR3738−、=N−N=、−N=N−、−N=N−NR3940、−PR41−、−P(O)−、−POR42−、−O−P(O)−、−S−O−、−S−(O)−、−SO−、−SnR4344−などが挙げられるが、これらに限定されず、ここで、R37、R38、R39、R40、R41、R42、R43およびR44は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルである。
「ヘテロアリール」は、それ自体、または別の置換基の一部として、ヘテロ芳香環系の単一の原子から1個の水素原子を取り出すことによって誘導される一価のヘテロ芳香族ラジカルを指す。典型的なヘテロアリール基として、アクリジン、アルシンドール、カルバゾール、β−カルボリン、クロマン、クロメン、シンノリン、フラン、イミダゾール、インダゾール、インドール、インドリン、インドリジン、イソベンゾフラン、イソクロメン、イソインドール、イソインドリン、イソキノリン、イソチアゾール、イソオキサゾール、ナフチリジン、オキサジアゾール、オキサゾール、ペリミジン、フェナントリジン、フェナントロリン、フェナジン、フタラジン、プテリジン、プリン、ピラン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、ピロリジン、キナゾリン、キノリン、キノリジン、キノキサリン、テトラゾール、チアジアゾール、チアゾール、チオフェン、トリアゾール、キサンテン、ベンゾジオキソールなどから誘導される基が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、ヘテロアリール基は、5〜20員環ヘテロアリールである。特定の実施形態では、ヘテロアリール基は、5〜10員環ヘテロアリールである。特定の実施形態では、ヘテロアリール基は、チオフェン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、インドール、ピリジン、キノリン、イミダゾール、オキサゾールおよびピラジンから誘導されるものである。
「ヘテロアリールアルキル」は、それ自体、または別の置換基の一部として、炭素原子、典型的に、末端またはsp炭素原子に結合した水素原子のうちの1つが、ヘテロアリール基によって置き換えられる非環式アルキルラジカルを指す。特定のアルキル部分が意図される場合、命名法ヘテロアリールアルカニル、ヘテロアリールアルケニルおよび/またはヘテロリールアルキニル(heterorylalkynyl)が用いられる。特定の実施形態では、ヘテロアリールアルキル基は、6〜30員環ヘテロアリールアルキルであり、例えば、ヘテロアリールアルキルのアルカニル部分、アルケニル部分またはアルキニル部分は、1〜10員環であり、そしてヘテロアリール部分は、5〜20員環ヘテロアリールである。特定の実施形態では、ヘテロアリールアルキル基は、6〜20員環ヘテロアリールアルキルであり、例えば、ヘテロアリールアルキルのアルカニル部分、アルケニル部分またはアルキニル部分は、1〜8員環であり、そしてヘテロアリール部分は、5〜12員環ヘテロアリールである。
「芳香環系」は、それ自体、または別の置換基の一部として、共役π電子系を有する非飽和の環式または多環式環系を指す。具体的には、環のうちの1つ以上が芳香族性であり、そして環のうちの1つ以上が、例えば、フルオレン、インダン、インデン、フェナレンなどの飽和または不飽和である縮合環系が、「芳香環系」の定義内に含まれる。典型的な芳香環系として、アセアントリレン、アセナフチレン、アセフェナントリレン、アントラセン、アズレン、ベンゼン、クリセン、コロネン、フルオランテン、フルオレン、ヘキサセン、ヘキサフェン、ヘキサレン(hexalene)、as−インダセン、s−インダセン、インダン、インデン、ナフタレン、オクタセン、オクタフェン、オクタレン、オバレン、ペンタ−2,4−ジエン、ペンタセン、ペンタレン、ペンタフェン、ペリレン、フェナレン、フェナントレン、ピセン、プレイアデン、ピレン、ピラントレン、ルビセン、トリフェニレン、トリナフタレンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
「ヘテロ芳香環系」は、それ自体、または別の置換基の一部として、1個以上の炭素原子(および任意の会合した水素原子)が、独立して、同じまたは異なるヘテロ原子で置き換えられる芳香環系を指す。炭素原子を置き換えるための典型的なヘテロ原子として、N、P、O、S、Siなどが挙げられるが、これらに限定されない。具体的には、環のうちの1つ以上が芳香族性であり、そして環のうちの1つ以上が、例えば、アルシンドール、ベンゾジオキサン、ベンゾフラン、クロマン、クロメン、インドール、インドリン、キサンテンなどの飽和または不飽和である縮合環系が、「親のヘテロ芳香環系」の定義内に含まれる。典型的なヘテロ芳香環系として、アルシンドール、カルバゾール、β−カルボリン、クロマン、クロメン、シンノリン、フラン、イミダゾール、インダゾール、インドール、インドリン、インドリジン、イソベンゾフラン、イソクロメン、イソインドール、イソインドリン、イソキノリン、イソチアゾール、イソオキサゾール、ナフチリジン、オキサジアゾール、オキサゾール、ペリミジン、フェナントリジン、フェナントロリン、フェナジン、フタラジン、プテリジン、プリン、ピラン、ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、ピリジン、ピリミジン、ピロール、ピロリジン、キナゾリン、キノリン、キノリジン、キノキサリン、テトラゾール、チアジアゾール、チアゾール、チオフェン、トリアゾール、キサンテンなどが挙げられるが、これらに限定されない。
「置換された」は、1個以上の水素原子が、独立して、同じまたは異なる置換基で置き換えられる基を指す。典型的な置換として、アルキレンジオキシ(例えば、メチレンジオキシ)、−M、−R60、−O、=O、−OR60、−SR60、−S、=S、−NR6061、=NR60、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、=N、−N、−S(O)、−S(O)OH、−S(O)60、−OS(O)、−OS(O)60、−P(O)(O、−P(O)(OR60)(O)、−OP(O)(OR60)(OR61)、−C(O)R60、−C(S)R60、−C(O)OR60、−C(O)NR6061、−C(O)O、−C(S)OR60、−NR62C(O)NR6061、−NR62C(S)NR6061、−NR62C(NR63)NR6061および−C(NR62)NR6061が挙げられるが、これらに限定されず、ここで、Mはハロゲンであり;R60、R61、R62およびR63は独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであるか、あるいは場合により、R60およびR61は、それらが結合する窒素原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;およびR64およびR65は独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであるか、あるいは場合により、R64およびR65は、それらが結合する窒素原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成する。特定の実施形態では、置換基として、−M、−R60、=O、−OR60、−SR60、−S、=S、−NR6061、=NR60、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、=N、−N、−S(O)60、−OS(O)、−OS(O)60、−P(O)(O、−P(O)(OR60)(O)、−OP(O)(OR60)(OR61)、−C(O)R60、−C(S)R60、−C(O)OR60、−C(O)NR6061、−C(O)O、−NR62C(O)NR6061が挙げられる。特定の実施形態では、置換基として、−M、−R60、=O、−OR60、−SR60、−NR6061、−CF、−CN、−NO、−S(O)60、−P(O)(OR60)(O)、−OP(O)(OR60)(OR61)、−C(O)R60、−C(O)OR60、−C(O)NR6061、−C(O)Oが挙げられる。特定の実施形態では、置換基として、−M、−R60、=O、−OR60、−SR60、−NR6061、−CF、−CN、−NO、−S(O)60、−OP(O)(OR60)(OR61)、−C(O)R60、−C(O)OR60、−C(O)Oが挙げられ、ここで、R60、R61およびR62は上記に定義されるとおりである。例えば、置換基は、メチレンジオキシ置換基か、またはハロゲン原子、(1−4C)アルキル基および(1−4C)アルコキシ基から選択される1個、2個、もしくは3個の置換基を有し得る。
本明細書において使用する「用量単位」は、GI酵素切断可能なプロドラッグ(例えば、トリプシン切断可能なプロドラッグ)とGI酵素インヒビター(例えば、トリプシンインヒビター)との組み合わせを指す。「単一用量単位」は、GI酵素切断可能なプロドラッグ(例えば、トリプシン切断可能なプロドラッグ)とGI酵素インヒビター(例えば、トリプシンインヒビター)との組み合わせの単一の単位であり、ここで単一用量単位は薬物の治療有効量(即ち、治療効果を生じるのに十分な量の薬物、例えば、それぞれの薬物の治療ウィンドウ、即ち治療域の範囲内の用量)を提供する。「複数用量単位(multiple dose units)」または「複数の用量単位(multiples of a dose unit)」またはある「複数の用量単位(multiple of a dose unit)」は、少なくとも2つの単一用量単位を指す。
「PKプロファイル」は、血中または血漿中における薬物濃度のプロファイルを指す。このプロファイルは、時間に対する薬物濃度の関係(即ち、「濃度−時間PKプロファイル」)または薬物濃度の摂取用量数に対する関係(即ち、「濃度−用量PKプロファイル」)であり得る。PKプロファイルはPKパラメータにより特徴付けられる。
「PKパラメータ」は、血中または血漿中における薬物濃度の尺度を指し、例えば:1)「薬物Cmax」、血中または血漿中で達成される薬物の最高濃度;2)「薬物Tmax」、摂取後Cmaxに達するまでの経過時間;および3)「薬物曝露量」、特定の期間にわたり血中または血漿中に存在する薬物の総濃度(これは特定の期間(t)にわたる薬物放出の経時変化の曲線下面積(AUC)を使用して計測することができる)である。1つ以上のPKパラメータを改変することにより改変PKプロファイルが提供される。
「薬力学的(PD)プロファイル」は、患者(または対象または使用者)における薬物の効力のプロファイルを指し、これはPDパラメータにより特徴付けられる。「PDパラメータ」には、「薬物Emax」(最大薬物効力)、「薬物EC50」(Emaxの50%での薬物濃度)および副作用が含まれる。
「胃腸酵素」または「GI酵素」は、口から肛門に至る解剖学的部位を包含する胃腸(GI)管にある酵素を指す。トリプシンはGI酵素の例である。
「胃腸酵素切断可能部分」または「GI酵素切断可能部分」は、GI酵素による切断を受け易い部位を含んでなる基を指す。例えば、「トリプシン切断可能部分」は、トリプシンによる切断を受け易い部位を含んでなる基を指す。
「胃腸酵素インヒビター」または「GI酵素インヒビター」は、胃腸酵素の基質に対する作用を阻害することが可能な任意の因子を指す。この用語はまた、胃腸酵素インヒビターの塩も包含する。例えば、「トリプシンインヒビター」は、トリプシンの基質に対する作用を阻害することが可能な任意の因子を指す。
「医薬組成物」は少なくとも1つの化合物を指し、さらに、それと共に化合物が患者に投与される薬学的に許容できるキャリアを含んでなってもよい。
「薬学的に許容できる塩」は、化合物の所望される薬理活性を有する化合物の塩を指す。そのような塩として:(1)塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸によって形成されるか;または酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、シクロペンタンプロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、乳酸、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、3−(4−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、1,2−エタン−ジスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、4−クロロベンゼンスルホン酸、2−ナフタレンスルホン酸、4−トルエンスルホン酸、カンファースルホン酸、4−メチルビシクロ[2.2.2]−オクタ−2−エン−1−カルボン酸、グルコヘプトン酸、3−フェニルプロピオン酸、トリメチル酢酸、第三級ブチル酢酸、ラウリル硫酸、グルコン酸、グルタミン酸、ヒドロキシナフトエ酸、サリチル酸、ステアリン酸、ムコン酸などの有機酸によって形成される酸付加塩;または(2)化合物に存在する酸性プロトンが金属イオン、例えば、アルカリ金属イオン、アルカリ土類イオン、もしくはアルミニウムイオンによって置き換えられるか;またはエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルグルカミンなどの有機塩基と配位結合する場合に形成される塩が挙げられる。
本明細書において使用する用語「溶媒和物」は、溶質、例えばプロドラッグまたはその薬学的に許容できる塩の1つ以上の分子と溶媒の1つ以上の分子とによって形成される複合体または凝集体を指す。かかる溶媒和物は、典型的に、実質的に一定のモル比の溶質と溶媒とを有する結晶性固体である。代表的な溶媒として、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸などが挙げられる。溶媒が水である場合、形成される溶媒和物は水和物である。
「薬学的に許容できるキャリア」は、それと共に、またはその中にあって化合物が投与される希釈剤、補助剤、賦形剤またはビヒクルを指す。
「予防する」または「予防」または「予防法」は、疼痛などの病態の発生リスクを低減することを指す。
「プロドラッグ」は、活性薬剤を放出するために体内での転換を必要とする活性薬剤の誘導体を指す。特定の実施形態では、転換は酵素転換である。プロドラッグは、必ずではないが、多くの場合に活性薬剤に変換されるまで薬理学的に不活性である。
「プロモイエティ」は、活性薬剤中の官能基を遮蔽するために使用する場合、活性薬剤をプロドラッグに変換する保護基の形態を指す。典型的には、プロモイエティは、生体内で酵素的または非酵素的手段により切断される1つ以上の結合を介して薬物に結合し得る。
疼痛などの任意の病態を「治療する」または「治療」は、特定の実施形態において、病態を改善すること(即ち、病態の発達を阻止または低減すること)を指す。特定の実施形態では、「治療する」または「治療」は、患者によって認識され得ない少なくとも1つの物理パラメータを改善することを指す。特定の実施形態では、「治療する」または「治療」は、物理的に(例えば、認識可能な徴候の安定化)、生理学的(例えば、物理パラメータの安定化)、またはその両方のいずれかで病態を阻害することを指す。特定の実施形態では、「治療する」または「治療」は、病態の発生を遅延させることを指す。
「治療有効量」は、疼痛などの病態を防止または治療するために患者に投与する場合の化合物の量(例えばプロドラッグ)が、そのような治療を生じさせるのに十分であることを意味する。「治療有効量」は、化合物、患者の病態およびその重症度ならびに年齢、重量などに依存して、変動する。
本発明についてさらに詳細に説明する前に、本発明は、記載された特定の実施形態に限定されるものではなく、当然のことながら多様であり得ることは理解されたい。また、本明細書において使用する用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とするものであって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定されるため、特定の実施形態に限定されることを意図していないことも理解されたい。
本明細書および添付の特許請求の範囲において使用される単数形「a」、「an」および「the」は、別段文脈が明示しない限り、複数の指示対象も含むことが留意されなければならない。特許請求の範囲は、任意の随意的要素を除外するために起案され得ることもさらに留意される。従って、この記述は、特許請求の範囲の要素の列挙と関連して、「単に」、「唯一の」などのような排他的用語を使用するため、または「消極的な」限定を使用するための前提として働くように意図される。
本明細書において使用する用語「a」実体または「an」実体は、その実体の1つ以上を指すことを理解すべきである。例えば、化合物(a compound)は、1つ以上(one or more)の化合物を指す。従って、用語「a」、「an」、「1つ以上(one or more)」および「少なくとも1つ(at least one)」は、同義的に使用することができる。同様に、用語「含んでなる」、「含む」および「有する」も、同義的に使用することができる。
本明細書において考察する刊行物は、本出願の出願日前に開示されたもののみ提供している。本明細書には、先行本発明に基づいて、本発明がそのような刊行物に先行する権利を有さないものと承認するように解釈されるものは含まれていない。さらに、提供した公開日は、実際の公開日とは異なることもあるため、独立して確認する必要があり得る。
別段定義しない限り、本明細書において使用するすべての技術的および科学的用語は、本発明が属する当該技術分野における当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載のものと類似または等価なあらゆる方法および材料は、本発明の実践または試験にも使用することができるが、ここで、好適な方法および材料について説明する。本明細書において言及するすべての刊行物は、引用する刊行物に関連する方法および/または材料を開示および説明するために、本明細書において参考として援用される。
別段留意する場合を除いて、本実施形態の方法および教示内容は、一般的に、当該技術分野において周知の従来の方法に従って、ならびに本明細書を通して引用および考察した様々な一般的および特定の参考文献において記載のとおりに、実施される。例えば、Loudon,Organic Chemistry,Fourth Edition,New York:Oxford University Press,2002,pp.360−361,1084−1085;Smith and March,March’s Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms,and Structure,Fifth Edition,Wiley−Interscience,2001を参照のこと。
主題化合物を命名するために本明細書において使用する命名法を、本明細書の実施例に例示する。可能である場合、この命名法は、一般的に、市販のAutoNomソフトウェア(MDL,San Leandro,Calif.)を使用して誘導した。
明確にするため個別の実施形態との関連において説明される本発明の特定の特徴は、単一の実施形態に組み合わせて提供されてもよいことが理解される。逆に、簡潔にするため単一の実施形態との関連において説明される本発明の様々な特徴が、個別に、または任意の好適な部分的組み合わせで提供されてもよい。可変基により表現される化学基に関する実施形態のあらゆる組み合わせが、本発明に具体的に包含され、および一つ一つの組み合わせが安定な化合物(即ち、分離し、特性決定し、および生物活性について試験することができる化合物)である化合物を包含する限りにおいて、かかる組み合わせがまさに個々にかつ明示的に開示されたものとして本明細書に開示される。加えて、かかる可変基を説明する実施形態に列挙される化学基のあらゆる部分的な組み合わせもまた、具体的に本発明に包含され、および化学基の一つ一つのかかる部分的な組み合わせがまさに個々にかつ明示的に本明細書に開示されたものとして本明細書に開示される。
一般的合成手順
開示される化合物の合成に有用な一般に公知の化学合成スキームおよび条件を提供する一般的な参考文献が多く利用可能である(例えば、Smith and March, March’s Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms,and Structure,Fifth Edition,Wiley−Interscience,2001;またはVogel,A Textbook of Practical Organic Chemistry,Including Qualitative Organic Analysis,Fourth Edition,New York:Longman,1978を参照のこと)。
本明細書に記載されるとおりの化合物は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、分取薄層クロマトグラフィー、フラッシュカラムクロマトグラフィーおよびイオン交換クロマトグラフィーなどのクロマトグラフ手段を含め、当該技術分野において公知の手段のいずれかにより精製することができる。順相および逆相ならびにイオン性樹脂を含む任意の好適な固定相を使用することができる。例えば、Introduction to Modern Liquid Chromatography,2nd Edition,ed.L.R.Snyder and J.J.Kirkland,John Wiley and Sons,1979;およびThin Layer Chromatography,ed E.Stahl,Springer−Verlag,New York,1969を参照のこと。
本開示物の化合物の調製方法のいずれかの間、対象の分子のいずれかにおける感受性または反応性の基を保護することが必要となる、および/または望ましいことがあり得る。これは、T.W.Greene and P.G.M.Wuts,“Protective Groups in Organic Synthesis”,Fourth edition,Wiley,New York 2006などの標準的な著書に説明されるとおりの従来の保護基を用いて達成することができる。保護基は、好都合な後続の段階で当該技術分野により公知の方法を用いて取り除くことができる。
本明細書に記載される化合物は、1つ以上のキラル中心および/または二重結合を含んでもよく、従って、二重結合異性体(即ち、幾何異性体)、エナンチオマーまたはジアステレオマーなどの立体異性体として存在してもよい。従って、立体異性的に純粋な(例えば、幾何学的に純粋、エナンチオマー的に純粋またはジアステレオマー的に純粋な)形態を含む化合物のすべての可能なエナンチオマーおよび立体異性体ならびにエナンチオマーおよび立体異性混合物が、本明細書における化合物の説明に含まれる。エナンチオマーおよび立体異性混合物は、当業者に周知の分離技術またはキラル合成技術を使用して、それらの成分のエナンチオマーまたは立体異性体に分割することができる。化合物はまた、エノール型、ケト型およびそれらの混合物を含むいくつかの互変異性型で存在してもよい。従って、本明細書において示す化学的構造は、例示される化合物のすべての可能な互変異性体型を包含する。記載される化合物はまた、同位体標識化合物を含み、ここで1個以上の原子は、天然において従来見出される原子質量とは異なる原子質量を有する。本明細書に開示される化合物に組み入れられ得る同位体の例として、H、H、11C、13C、14C、15N、18O、17Oなどが挙げられるが、これらに限定されない。化合物は、非溶媒和形態、ならびに水和形態を含む溶媒和形態で存在してもよい。一般に、化合物は水和または溶媒和されていてもよい。特定の化合物は複数の結晶質形態または非晶質形態で存在してもよい。一般に、すべての物理形態は、本明細書で考慮される使用について等価であり、本開示物の範囲内にあることが意図される。
ここで様々な実施形態を詳細に参照する。本発明はこれらの実施形態に限定されないことは理解されるであろう。むしろ、認められる特許請求の範囲の趣旨および範囲に含まれ得るとおりの代替例、変形例、および均等物を網羅することが意図される。
本開示物は、医薬組成物、およびその使用方法を提供し、この医薬組成物は、オピオイドの酵素制御放出を提供するオピオイドプロドラッグと、プロドラッグからのオピオイドの酵素制御放出を仲介する1つまたは複数の酵素と相互作用することによりプロドラッグの酵素切断を減弱させる酵素インヒビターとを含んでなる。本開示物は、酵素インヒビターと、切断されるとオピオイドの放出を促進する酵素切断可能部分を含むオピオイドプロドラッグとを含んでなる医薬組成物を提供する。
一態様によれば、本実施形態は、GI酵素切断可能なオピオイドプロドラッグとGI酵素インヒビターとを含んでなる医薬組成物を含む。オピオイドプロドラッグおよび酵素インヒビターの例を以下に記載する。
オピオイドプロドラッグ
「オピオイド」は、オピオイド受容体における相互作用によってその薬理学的作用を及ぼす化学物質を指す。オピオイドは、天然産物、合成化合物または半合成化合物であってよい。特定の実施形態では、オピオイドは、芳香族基および脂肪族アミン基を構造上異なる方法でオピオイド受容体に提示するファルマコフォアを有する化合物である。例えば、Foye’s Principles of Medicinal Chemistry,Sixth Edition,ed.T.L.Lemke and D.A.Williams,Lippincott Williams & Wilkins,2008,特にChapter 24,653−678頁を参照のこと。
本開示物は、オピオイドの酵素制御放出を提供するオピオイドプロドラッグを提供する。本開示物は、オピオイド上の任意の構造的部分を介してオピオイドに結合するプロモイエティを提供し、この構造的部分は反応基を有する。オピオイド上の任意のタイプの反応基が、プロモイエティとの結合点用の手を提供することができる。オピオイド上の反応基の例として、限定はされないが、アルコール(フェノールなど)、ケトン、アミノ、およびアミドが挙げられる。オピオイド上のアルコール(フェノールなど)は、カルバメート、エーテル、またはエステルなどの連結を形成する反応により、プロモイエティとの結合点を提供することができる。オピオイド上のケトンは、カルバミン酸エノールなどの連結を形成する反応により、プロモイエティとの結合点を提供することができる。オピオイド上のアミノ基は、第四級塩を含むアミノ連結基、またはアミドを形成する反応により、プロモイエティとの結合点を提供することができる。オピオイド上のアミドは、アミドエノールまたはN−アシル化アミドなどの連結を形成する反応により、プロモイエティとの結合点を提供することができる。
アルコール含有(フェノール含有など)オピオイドは、アルコール基(フェノール基など)を含有するオピオイドの一部を指す。フェノール性オピオイドは、フェノール基を含有するオピオイドの一部を指す。例えば、以下のオピオイドが、プロモイエティとの結合点となり得るアルコール(フェノール基など)を含有する:ブプレノルフィン、ジヒドロエトルフィン、ジプレノルフィン、エトルフィン、ヒドロモルホン、レボルファノール、モルヒネ、ナルメフェン、ナロキソン、N−メチルジプレノルフィン、N−メチルナロキソン、ナルトレキソン、N−メチルナルテキソン(methylnaltexone)、オキシモルホン、オリパビン、ケトベミドン、デゾシン、ペンタゾシン、フェナゾシン、ブトルファノール、ナルブフィン、メプタジノール、o−デスメチルトラマドール、タペンタドール、およびナロルフィン。以下のオピオイドもまた、プロモイエティとの結合点となり得るアルコール(フェノールなど)を含有する:ベンジルモルフィン、コデイン、ジヒドロコデイン、ジヒドロモルフィン、エチルモルヒネ、ロペラミド、メチルジヒドロモルヒネ、ノルモルヒネ、N−メチルナルメフェン、オルメフェンタニル(olmefentanyl)、オキシコドン、ペンタモルホン、フォルコジン、およびトラマドール。
ケトン含有オピオイドは、ケトン基を含有するオピオイドの一部を指す。例えば、以下のオピオイドが、プロモイエティとの結合点となり得るケトン基を含有する:アセチルモルホン、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、ケトベミドン、メタドン、ナロキソン、N−メチルナロキソン、ナルトレキソン、N−メチルナルトレキソン、オキシコドン、オキシモルホン、およびペンタモルホン。
アミノ含有オピオイドは、アミノ基を含有するオピオイドの一部を指す。例えば、以下のオピオイドが、第四級アンモニウム塩としてプロモイエティとの結合点となり得るアミノ基を含有する:アセチルモルフィン、アルフェンタニル、ベンジルモルフィン、ブプレノルフィン、ブトルファノール、カーフェンタニル、コデイン、デキストロプロポキシフェン、ジアセチルヒドヒドロモルフィン(diacetylhidhydromorphine)、ジアセチルモルフィン、ジヒドロコデイン、ジヒドロコデイノンエノールアセテート、ジヒドロエトルフィン、ジヒドロモルフィン、ジフェノキシラート、ジプレノルフィン、ジプロパノイルモルフィン、エチルモルヒネ、エトルフィン、フェンタニル、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、ケトベミドン、レバ−α−アセチルメタドール、レボルファノール、ロフェンタニル、メペリジン、メプタジノール、メタドン、メチルジヒドロモルヒネ、モルヒネ、ナルブフィン、ナルメフェン、ナロルフィン、ナロキソン、ナルトレキソン、ニココデイン、ニコモルピン(nicomorpine)、ノルモルヒネ、オルメフェンタニル(olmefentanyl)、オリパビン、オキシコドン、オキシモルホン、ペンタモルホン、ペンタゾシン、フェナゾシン、フォルコジン、レミフェンタニル、スフェンタニル、タペンタドール、テバイン、チリジン、トラマドール、およびo−デスメチルトラマドール。例えば、以下のオピオイドが、プロモイエティとの結合点となり得るアミノ基を含有する:デゾジン(dezozine)。
アミド含有オピオイドは、アミド基を含有するオピオイドの一部を指す。例えば、以下のオピオイドが、プロモイエティとの結合点となり得るアミド基を含有する:アルフェンタニル、カーフェンタニル、フェンタニル、ロフェンタニル、ロペラミド、オルメフェンタニル(olmefentanyl)、レミフェンタニル、およびスフェンタニル。
本明細書に記載される官能性の少なくとも一部を有するオピオイドが開発されることが考えられる;そのようなオピオイドは本開示物の範囲の一部として含まれる。
特定の実施形態では、プロモイエティは、アルコール(フェノールなど)の部分の修飾によってアルコール性(フェノール性など)のオピオイドに結合することができる。オピオイドの放出は、アルコール性(フェノール性など)のオピオイドからのプロモイエティの酵素切断により仲介される。特定の実施形態では、プロモイエティはケトン部分のエノール酸素原子を介してケトン含有オピオイドに結合することができる。オピオイドの放出は、ケトン含有オピオイドからのプロモイエティの酵素切断により仲介される。特定の実施形態では、プロモイエティは、アミノ部分を介してアミノ含有オピオイドに結合することができる。オピオイドの放出は、アミノ含有オピオイドからのプロモイエティの酵素切断により仲介される。特定の実施形態では、プロモイエティは、アミド部分またはイミン互変異性体のエノール酸素を介してアミド含有オピオイドに結合することができる。オピオイドの放出は、アミド含有オピオイドからのプロモイエティの酵素切断により仲介される。いずれの場合も、プロモイエティは、GI酵素による切断を受け易い酵素切断可能部分を含んでなる。かかる切断は、薬物放出を惹起し、それに寄与し、またはそれを生じさせることができる。
アルコール修飾オピオイドプロドラッグ
本開示物は、アルコール含有オピオイドの酵素制御放出を提供するアルコール修飾オピオイドプロドラッグを提供する。アルコール修飾オピオイドプロドラッグでは、アルコール部分の修飾によってプロモイエティがアルコール含有オピオイドに結合される。アルコール修飾オピオイドプロドラッグでは、アルコール含有オピオイドのヒドロキシル基の水素原子がプロモイエティとの共有結合により置換される。アルコール修飾オピオイドプロドラッグのプロモイエティはアルコール部分を介してアルコール含有オピオイドに結合することができ、このアルコール部分はフェノールであってもよく、または、第一級、第二級、および第三級アルコール部分を含め、フェノール以外のアルコール部分であってもよい。
オピオイドの放出は、アルコール含有オピオイドからのプロモイエティの酵素切断により仲介される。本開示物は、アルコール含有オピオイドからのプロモイエティのGI酵素切断(例えば、トリプシン切断)によるオピオイドの放出を提供する。切断は、薬物放出を惹起し、それに寄与し、またはそれを生じさせることができる。
アルコール修飾オピオイドプロドラッグの構造の例を、式PC−(I)〜式PC−(XVIII)に示し、式中、Xはアルコール含有オピオイドである。プロモイエティとの結合は、オピオイドのヒドロキシル基の修飾による。
例えば、式PC−(I)〜式PC−(VI)において、Xはアルコール含有オピオイドの残基を表し、ここでヒドロキシル基の水素原子が、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−C(O)−CH(R)−NH(R)との共有結合により置換される。例えば、式PC−(VII)〜式PC−(XIV)において、Xはアルコール含有オピオイドの残基を表し、ここでヒドロキシル基の水素原子が、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−Rとの共有結合により置換される。例えば、式PC−(XV)において、Xはアルコール含有オピオイドであり、ここでヒドロキシル基の水素原子が、−C(O)−Y−(C(R)(R))−N−(R)(R)との共有結合により置換される。
例えば、式PC−(XVI)において、Xはヒドロキシル基を含んでなるオピオイドであり、ここでヒドロキシル基の水素原子は、−(CR1213)−Y−Z−R11との共有結合により置換される。例えば、式PC−(XVII)において、Xはヒドロキシル基を含んでなるオピオイドであり、ここでXは、ヒドロキシル基の修飾によってプロモイエティに結合される。
例えば、式PC−(XVIII)において、Xはヒドロキシル基を含んでなるオピオイドであり、ここでヒドロキシル基の水素原子は、−(C(R31a)(R32a)−Ar−Z−C(O)−Y−(C(R31)(R32))−N−(R33)(R34)との共有結合により置換される。
アルコール修飾オピオイドプロドラッグの例
特定のアルコール修飾オピオイドプロドラッグの例を以下に示す。式CC−(I)〜式CC−(XIV)において、AAはアミノ酸の側鎖を表し得る。アミノ酸については、アミノ酸バリアントを含め、本明細書の一節で考察する。
式CC−(I)
特定の例は、式CC−(I):
の化合物であり、式中
Xはアルコール含有オピオイドの残基を表し、ここでヒドロキシル基の水素原子は、−C(O)−CH(AA)−NRcc1cc2との共有結合により置換され;
AAはアミノ酸の側鎖であり;および
cc1およびRcc2は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから独立して選択される。
式CC−(II)
特定の例は、式CC−(II):
の化合物であり、式中
Xはアルコール含有オピオイドの残基を表し、ここでヒドロキシル基の水素原子は、−C(O)−N(Rcc3)−CH(AA)−C(O)−Zとの共有結合により置換され;
cc3は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択され;
AAはアミノ酸の側鎖であり;
Zは、NH−Rcc4、O−Rcc4、OH、およびNHから選択され;および
cc4は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択される。
式CC−(III)
特定の例は、式CC−(III):
の化合物であり、式中
Xはアルコール含有オピオイドの残基を表し、ここでヒドロキシル基の水素原子は、−C(O)−O−Rcc5との共有結合により置換され;および
cc5は、
から選択される。
式CC−(IV)
特定の例は、式CC−(IV):
の化合物であり、式中
Xはアルコール含有オピオイドの残基を表し、ここでヒドロキシル基の水素原子はベンゾイル基との共有結合により置換され;および
Zはアミジノまたはグアニジノである。
式CC−(V)
特定の例は、式CC−(V):
の化合物であり、式中
Xはアルコール含有オピオイドの残基を表し、ここでヒドロキシル基の水素原子はカルボニル基との共有結合により置換され;
cc6およびRcc7は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから独立して選択され;
nは0〜2の数であり;
ZはOまたはNHであり;
AAはアミノ酸の側鎖であり;および
cc8は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択される。
式CC−(VI)
特定の例は、式CC−(VI):
の化合物であり、式中
Xはアルコール含有オピオイドの残基を表し、ここでヒドロキシル基の水素原子はカルボニル基との共有結合により置換され;
cc9は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択され;
ZはOまたはNHであり;
AAはアミノ酸の側鎖であり;および
cc10は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択される。
式CC−(VII)
特定の例は、式CC−(VII):
の化合物であり、式中
Xはアルコール含有オピオイドの残基を表し、ここでヒドロキシル基の水素原子はカルボニル基との共有結合により置換され;
cc11およびRcc12は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから独立して選択され;
cc13は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択され;
ZはOまたはNHであり;および
AAはアミノ酸の側鎖である。
式CC−(VIII)
特定の例は、式CC−(VIII):
の化合物であり、式中
Xはアルコール含有オピオイドの残基を表し、ここでヒドロキシル基の水素原子はカルボニル基との共有結合により置換され;
cc14およびRcc15は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから独立して選択され;
nは0〜2の数であり;
AAはアミノ酸の側鎖であり;および
ZはOまたはNであり;
cc16およびRcc17は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから独立して選択され、ここでZがOである場合、Rcc17は存在しない。
式CC−(IX)
特定の例は、式CC−(IX):
の化合物であり、式中
Xはアルコール含有オピオイドの残基を表し、ここでヒドロキシル基の水素原子はカルボニル基との共有結合により置換され;
cc18、Rcc19、Rcc20は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから独立して選択される。
式CC−(X)
特定の例は、式CC−(X):
の化合物であり、式中
Xはアルコール含有オピオイドの残基を表し、ここでヒドロキシル基の水素原子はカルボニル基との共有結合により置換され;
cc21およびRcc22は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから独立して選択され;
cc23は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択され;および
AAはアミノ酸の側鎖である。
式CC−(XI)
特定の例は、式CC−(XI):
の化合物であり、式中
Xはアルコール含有オピオイドの残基を表し、ここでヒドロキシル基の水素原子はカルボニル基との共有結合により置換され;
cc24は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択され;および
AAはアミノ酸の側鎖である。
式CC−(XII)
特定の例は、式CC−(XII):
の化合物であり、式中
Xはアルコール含有オピオイドの残基を表し、ここでヒドロキシル基の水素原子はカルボニル基との共有結合により置換され;
cc25およびRcc26は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから独立して選択され;
cc27は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択され;および
AAはアミノ酸の側鎖である。
式CC−(XIII)
特定の例は、式CC−(XIII):
の化合物であり、式中
Xはアルコール含有オピオイドの残基を表し、ここでヒドロキシル基の水素原子はカルボニル基との共有結合により置換され;
cc28およびRcc29は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから独立して選択され;
cc30は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択され;および
AAはアミノ酸の側鎖である。
式CC−(XIV)
特定の例は、式CC−(XIV):
の化合物であり、式中
Xはアルコール含有オピオイドの残基を表し、ここでヒドロキシル基の水素原子はカルボニル基との共有結合により置換され;
cc31は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択され;
ZはOまたはNHであり;
cc32は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択され;および
AAはアミノ酸の側鎖である。
フェノール修飾オピオイドプロドラッグ
本開示物は、フェノール性オピオイドの酵素制御放出を提供するフェノール修飾オピオイドプロドラッグを提供する。フェノール修飾オピオイドプロドラッグでは、フェノール部分の修飾によってプロモイエティがフェノール性オピオイドに結合される。フェノール修飾オピオイドプロドラッグはまた、フェノール性オピオイドプロドラッグとも称され得る。フェノール修飾オピオイドプロドラッグでは、フェノール性オピオイドのフェノール性ヒドロキシル基の水素原子がプロモイエティとの共有結合により置換される。
本明細書に開示されるとおり、胃腸(GI)酵素切断可能フェノール修飾オピオイドプロドラッグは、GI酵素による切断を受け易い部位を有するGI酵素切断可能部分を含んでなるプロモイエティを含んでなるフェノール修飾オピオイドプロドラッグである。かかるプロドラッグは、GI酵素切断可能部分を含んでなるプロモイエティに共有結合するフェノール性オピオイドを含んでなり、ここでGI酵素によるGI酵素切断可能部分の切断が薬物の放出を仲介する。切断は、薬物放出を惹起し、それに寄与し、またはそれを生じさせることができる。
環化可能なスペーサー脱離基と切断可能部分とを含んでなるプロモイエティを有するフェノール修飾オピオイドプロドラッグ
特定の実施形態によれば、フェノール性オピオイドの酵素制御放出を提供するフェノール修飾オピオイドプロドラッグが提供される。本開示物は、プロモイエティが環化可能なスペーサー脱離基と切断可能部分とを含んでなるフェノール修飾オピオイドプロドラッグを提供する。特定の実施形態では、フェノール修飾オピオイドプロドラッグは、酵素的に切断可能な部分で保護された窒素求核種を有するスペーサー脱離基でフェノール水素原子が置換されている対応する化合物であり、スペーサー脱離基および窒素求核種の配置は、切断可能部分が酵素切断されると窒素求核種が環状尿素を形成し、スペーサー脱離基から化合物が遊離してフェノール性オピオイドを提供することが可能であるような配置である。
酵素的に切断可能な部分を切断する能力を有する酵素は、プロテアーゼとも称されるペプチダーゼであってもよい−酵素的に切断可能な部分を含んでなるプロモイエティはアミド(例えばペプチド:−NHC(O)−)結合を介して求核性窒素に連結される。いくつかの実施形態において、酵素はタンパク質の消化酵素である。
対応するプロドラッグは、投与後に活性化される制御されたフェノール性オピオイド放出を提供する。プロドラッグはフェノール性オピオイドの放出を惹起するのに酵素切断を必要とし、従ってフェノール性オピオイドの放出速度が酵素切断の速度および環化の速度の双方に依存する。従ってこのプロドラッグは、意図的な過量服用によるか、注射によるなどの不適切な経路での投与か、または即時利用可能な家庭用化学品を使用した化学修飾によるかに関わらず、偶発的過量服用または乱用が起こり難くなっている。このプロドラッグは、それが不適切に投与されても過剰に高い血漿中活性薬物濃度を提供しないように構成され、および酵素切断と、それに続く制御された環化による以外には、容易には分解されず、活性薬物を提供することができない。
アミド結合を介して窒素求核種に連結される酵素切断可能部分は、例えば、アミノ酸またはペプチド、またはアミノ酸もしくはペプチドの(α)N−アシル誘導体(例えば薬学的に許容できるカルボン酸のN−アシル誘導体)の残基であってもよい。ペプチドは、例えば、最大約100アミノ酸残基を含み得る。各アミノ酸は有利には、L−アミノ酸などの、天然に存在するアミノ酸であってよい。天然に存在するアミノ酸の例は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンである。従って、酵素切断可能な部分の例として、以上に列挙するL−アミノ酸およびそのN−アシル誘導体、ならびに以上に列挙するL−アミノ酸の少なくとも2つから形成されるペプチド、およびそのN−アシル誘導体の残基が挙げられる。
フェノール性オピオイドが放出されるときに形成される環状の基は、好都合には薬学的に許容できるものであり、特に薬学的に許容できる環状尿素である。環状尿素は概して極めて安定しており、毒性が低いことは理解されるであろう。
式PC−(I)〜式PC−(VI)
環化可能なスペーサー脱離基と切断可能部分とを有するフェノール修飾オピオイドプロドラッグの例を、式PC−(I)〜式PC−(VI)に示し、ここで切断可能部分のRは、アルギニンまたはリジンの側鎖であってもよい。ここで式PC−(I)〜式PC−(VI)を以下にさらに詳細に記載する。
式PC−(I)
一態様によれば、本実施形態は、一般式PC−(I):
X−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−C(O)−CH(R)−NH(R) (PC−(I))
の化合物、またはその薬学的に許容できる塩を含んでなる医薬組成物を含み、式中:
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでフェノール性ヒドロキシル基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−C(O)−CH(R)−NH(R)との共有結合に置換され;
は(1−4C)アルキル基を表し;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子または(1−4C)アルキル基を表し;
nは2または3を表し;
は−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHを表し、Rが結合する炭素原子の配置は、L−アミノ酸における配置に対応し;および
は、水素原子、N−アシル基、または、アミノ酸の、ジペプチドの、またはアミノ酸もしくはジペプチドのN−アシル誘導体の残基を表す。
式PC−(I)の化合物は、国際公開第2007/140272号パンフレットに開示される化合物に対応し、ここでは求核性窒素原子がL−アルギニンまたはL−リジンの残基に結合している。
Xに提供されるとおりのフェノール性オピオイドの値の例は、オキシモルホン、ヒドロモルホン、およびモルヒネである。
の値の例は、メチル基およびエチル基である。
およびRの各々の値の例は水素原子である。
nの値の例は2である。
一実施形態において、Rは−CHCHCHNH(C=NH)NHを表す。
に関して、特定の値の例は以下である:
N−アシル基について:アセチルなどのN−(1−4C)アルカノイル基、N−ベンゾイルなどのN−アロイル基、またはN−ピペロニル基;
アミノ酸について:アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、またはバリン;および
ジペプチドについて:アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、およびバリンから独立して選択される任意の2つのアミノ酸の組み合わせ。
アミノ酸は天然に存在するアミノ酸であってもよい。天然に存在するアミノ酸は通常L配置を有することが理解されるであろう。
の特定の値の例は以下である:
水素原子;
N−アシル基について:アセチルなどのN−(1−4C)アルカノイル基、N−ベンゾイルなどのN−アロイル基、またはN−ピペロニル基;および
アミノ酸、ジペプチド、またはアミノ酸もしくはジペプチドのN−アシル誘導体の残基について:グリシニルまたはN−アセチルグリシニル。
一実施形態において、Rは、N−アセチル、N−グリシニルまたはN−アセチルグリシニル、例えばN−アセチルを表す。
−C(O)−CH(R)−NH(R)により表される基の例は、N−アセチルアルギニルである。
詳細な実施形態において、式PC−(I)の化合物は、ヒドロモルホン3−(N−メチル−N−(2−N’−アセチルアルギニルアミノ))エチルカルバメート、またはその薬学的に許容できる塩である。この化合物は、国際公開第2007/140272号パンフレットの実施例3に記載されている。
式PC−(II)
本実施形態は、一般式PC−(IIa):
X−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−C(O)−CH(R)−NH(R) (PC−(IIa))
の化合物、またはその薬学的に許容できる塩を含んでなる医薬組成物を提供し、式中:
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでフェノール性ヒドロキシル基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−C(O)−CH(R)−NH(R)との共有結合に置換され;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数を表し;
は−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHを表し、Rが結合する炭素原子の配置は、L−アミノ酸における配置に対応し;および
は、水素原子、N−アシル基(N−置換アシルを含む)、アミノ酸の、ジペプチドの、またはアミノ酸もしくはジペプチドのN−アシル誘導体(N−置換アシル誘導体を含む)の残基を表す。
本実施形態は、一般式PC−(IIb):
X−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−C(O)−CH(R)−NH(R) (PC−(IIb))
の化合物、またはその薬学的に許容できる塩を含んでなる医薬組成物を提供し、式中:
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでフェノール性ヒドロキシル基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−C(O)−CH(R)−NH(R)との共有結合に置換され;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
nは2〜4の整数を表し;
は−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHを表し、Rが結合する炭素原子の配置は、L−アミノ酸における配置に対応し;および
は、水素原子、N−アシル基(N−置換アシルを含む)、アミノ酸の、ジペプチドの、またはアミノ酸もしくはジペプチドのN−アシル誘導体(N−置換アシル誘導体を含む)の残基を表す。
式PC−(II)に対する参照は、式PC−(IIa)およびPC−(IIb)の化合物を含むことが意図される。
式PC−(II)において、Xに提供されるとおりのフェノール性オピオイドの値の例は、オキシモルホン、ヒドロモルホン、およびモルヒネである。
式PC−(II)において、Rは、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され得る。ある場合において、Rは(1−6C)アルキルである。他の場合には、Rは(1−4C)アルキルである。他の場合には、Rはメチルまたはエチルである。他の場合には、Rはメチルである。ある場合には、Rはエチルである。
ある場合に、式PC−(II)において、Rは置換アルキルである。ある場合において、Rは、カルボン酸、カルボン酸エステルまたはカルボン酸アミドなどのカルボン酸基で置換されているアルキル基である。ある場合において、Rは、−(CH−COOH、−(CH−COOCH、または−(CH−COOCHCHであり、式中、nは1〜10の数である。ある場合において、Rは、−(CH−COOH、−(CH−COOCH、または−(CH−COOCHCHである。
ある場合に、式PC−(II)において、Rはアリールアルキルまたは置換アリールアルキルである。ある場合において、Rはアリールアルキルである。ある場合において、Rは置換アリールアルキルである。ある場合において、Rは、カルボン酸、カルボン酸エステルまたはカルボン酸アミドなどのカルボン酸基で置換されたアリールアルキル基である。ある場合において、Rは、−(CH(C)−COOH、−(CH(C)−COOCH、または−(CH(C)−COOCHCHであり、式中、qは1〜10の整数である。ある場合において、Rは、−CH(C)−COOH、−CH(C)−COOCH、または−CH(C)−COOCHCHである。
ある場合に、式PC−(II)において、Rはアリールである。ある場合において、Rは置換アリールである。ある場合において、Rは、カルボン酸、カルボン酸エステルまたはカルボン酸アミドなどのカルボン酸基でオルト置換、メタ置換またはパラ置換されたアリール基である。ある場合において、Rは、−(C)−COOH、−(C)−COOCH、または−(C)−COOCHCHである。
式PC−(II)において、各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され得る。ある場合において、Rは水素またはアルキルである。ある場合において、Rは水素である。ある場合において、Rはアルキルである。ある場合において、Rはアシルである。ある場合において、Rはアミノアシルである。
式PC−(II)において、各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され得る。ある場合において、Rは水素またはアルキルである。ある場合において、Rは水素である。ある場合において、Rはアルキルである。ある場合において、Rはアシルである。ある場合において、Rはアミノアシルである。
ある場合において、RおよびRは水素である。ある場合において、同じ炭素上のRおよびRは双方ともアルキルである。ある場合において、同じ炭素上のRおよびRはメチルである。ある場合において、同じ炭素上のRおよびRはエチルである。
ある場合において、隣接するRおよびRは双方ともアルキルであり、かつ隣接するRおよびRは双方とも水素である。ある場合において、隣接するRおよびRは双方ともエチルであり、かつ隣接するRおよびRは双方とも水素である。ある場合において、隣接するRおよびRは双方ともメチルであり、かつ隣接するRおよびRは双方とも水素である。
ある場合に、式PC−(II)中の−[C(R)(R)]−の鎖において、すべての炭素が置換されるとは限らない。ある場合に、−[C(R)(R)]−の鎖には、メチルまたはエチルなどの異なるアルキル置換基の組み合わせがある。
ある場合において、RおよびRのうち一方は、メチル、エチルまたは他のアルキルであり、かつRはアルキルである。ある場合において、隣接するRおよびRは双方ともアルキルであり、かつ隣接するRおよびRは双方とも水素であり、かつRはアルキルである。ある場合において、隣接するRおよびRは双方ともエチルであり、かつ隣接するRおよびRは双方とも水素であり、かつRはアルキルである。ある場合において、隣接するRおよびRは双方ともメチルであり、かつ隣接するRおよびRは双方とも水素であり、かつRはアルキルである。
ある場合において、RおよびRのうち一方は、メチル、エチルまたは他のアルキルであり、かつRは置換アルキルである。ある場合において、RおよびRのうち一方は、メチル、エチルまたは他のアルキルであり、かつRは、カルボン酸、カルボン酸エステルまたはカルボン酸アミドなどのカルボン酸基で置換されているアルキル基である。ある場合において、RおよびRのうち一方は、メチル、エチルまたは他のアルキルであり、かつRは、−(CH(C)−COOH、−(CH(C)−COOCH、または−(CH(C)−COOCHCHであり、式中、qは1〜10の整数である。ある場合において、RおよびRのうち一方は、メチル、エチルまたは他のアルキルであり、かつRはカルボキサミドである。
式PC−(II)において、RおよびRは、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成することができるか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基は、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成することができる。ある場合において、RおよびRは、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基を形成することができる。それ故、ある場合において、同じ炭素上のRおよびRはスピロ環を形成する。ある場合において、RおよびRは、それらが結合する炭素と共に、置換シクロアルキル基を形成することができる。ある場合において、隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基は、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基を形成することができる。ある場合において、隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基は、それらが結合する炭素原子と共に、置換シクロアルキル基を形成することができる。
ある場合において、RおよびRは、それらが結合する炭素と共に、アリール基または置換アリール基を形成することができ、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基は、それらが結合する炭素原子と共に、アリール基または置換アリール基を形成することができる。ある場合において、隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基は、それらが結合する炭素原子と共に、フェニル環を形成する。ある場合において、隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基は、それらが結合する炭素原子と共に、置換フェニル環を形成する。ある場合において、隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基は、それらが結合する炭素原子と共に、ナフチル環を形成する。
ある場合において、RおよびRのうち一方はアミノアシルである。
ある場合において、RおよびRのうち一方は、フェニレンジアミンを含んでなるアミノアシルである。ある場合において、RおよびRのうち一方または両方は、
であり;式中、各R10は、水素、アルキル、置換アルキル、およびアシルから独立して選択され、およびR11はアルキルまたは置換アルキルである。ある場合において、R10のうち少なくとも1つはアシルである。ある場合において、R10のうち少なくとも1つはアルキルまたは置換アルキルである。ある場合において、R10のうち少なくとも1つは水素である。ある場合において、R10の両方が水素である。
ある場合において、RおよびRのうち一方は、
であり;式中、R10は、水素、アルキル、置換アルキル、またはアシルである。ある場合において、R10はアシルである。ある場合において、R10はアルキルまたは置換アルキルである。ある場合において、R10は水素である。
ある場合において、RおよびRのうち一方は、
であり;式中、各R10は独立して、水素、アルキル、置換アルキル、またはアシルであり、およびbは1〜5の数である。ある場合において、RおよびRのうち一方は、
であり;式中、各R10は独立して、水素、アルキル、置換アルキル、またはアシルである。ある場合において、RおよびRのうち一方は、
であり;式中、R10aはアルキルであり、および各R10は独立して、水素、アルキル、置換アルキル、またはアシルである。
ある場合において、RおよびRのうち一方は、
であり;式中、R10は独立して、水素、アルキル、置換アルキル、またはアシルであり、およびbは1〜5の数である。ある場合において、RおよびRのうち一方は、
であり;式中、R10は独立して、水素、アルキル、置換アルキル、またはアシルである。
ある場合において、RおよびRのうち一方はアミノアシル基、例えば−C(O)NR10a10bであり、式中、各R10aおよびR10bは、水素、アルキル、置換アルキル、およびアシルから独立して選択される。ある場合において、RおよびRのうち一方はアミノアシル基、例えば−C(O)NR10a10bであり、式中、R10aはアルキルであり、かつR10bは置換アルキルである。ある場合において、RおよびRのうち一方はアミノアシル基、例えば−C(O)NR10a10bであり、式中、R10aはアルキルであり、かつR10bは、カルボン酸またはカルボキシルエステルで置換されたアルキルである。ある場合において、RおよびRのうち一方はアミノアシル基、例えば−C(O)NR10a10bであり、式中、R10aはメチルであり、かつR10bは、カルボン酸またはカルボキシルエステルで置換されたアルキルである。
ある場合において、RまたはRは分子内環化速度を調節することができる。RまたはRは、RおよびRが双方とも水素である場合の対応する分子と比較したとき、分子内環化速度を速めることができる。ある場合において、RまたはRは電子求引基または電子供与基を含んでなる。ある場合において、RまたはRは電子求引基を含んでなる。ある場合において、RまたはRは電子供与基を含んでなる。
電子求引置換基として機能することが可能な原子および基は、有機化学の分野で周知されている。それらには、電気陰性原子および電気陰性原子を含む基が含まれる。かかる基は、電子密度を誘導的に求引することによってβ位の求核性窒素の塩基性度またはプロトン化状態を低下させる働きをする。かかる基はまた、アルキレン鎖に沿った他の位置に位置することもできる。例として、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子)、アシル基(例えばアルカノイル基、アロイル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基またはアミノカルボニル基(カルバモイル基、アルキルアミノカルボニル基、ジアルキルアミノカルボニル基またはアリールアミノカルボニル基など))、オキソ(=O)置換基、ニトリル基、ニトロ基、エーテル基(例えばアルコキシ基)およびオルト位、パラ位またはオルト位およびパラ位の双方の置換基を有するフェニル基(各置換基は、ハロゲン原子、フルオロアルキル基(トリフルオロメチルなど)、ニトロ基、シアノ基およびカルボキシル基から独立して選択される)が挙げられる。電子求引置換基の各々は、これらから独立して選択することができる。
ある場合において、−[C(R)(R)]は、−CH(CHF)CH(CHF)−;−CH(CHF)CH(CHF)−;−CH(CF)CH(CF)−;−CHCH(CF)−;−CHCH(CHF)−;−CHCH(CHF)−;−CHCH(F)CH−;−CHC(F)CH−;−CHCH(C(O)NR2021)−;−CHCH(C(O)OR22)−;−CHCH(C(O)OH)−;−CH(CHF)CHCH(CHF)−;−CH(CHF)CHCH(CHF)−;−CH(CF)CHCH(CF)−;−CHCHCH(CF)−;−CHCHCH(CHF)−;−CHCHCH(CHF)−;−CHCHCH(C(O)NR2324)−;−CHCHCH(C(O)OR25)−;および−CHCHCH(C(O)OH)−から選択され、式中、R20、R21、R22およびR23は各々独立して水素または(1−6C)アルキルを表し、かつR24およびR25は各々独立して(1−6C)アルキルを表す。
式PC−(II)において、nは2〜4の整数を表す。nの値の例は2である。nの値の例は3である。nの値の例は4である。
式PC−(II)において、一実施形態では、Rは−CHCHCHNH(C=NH)NHを表す。別の実施形態において、Rは−CHCHCHCHNHを表す。
式PC−(II)において、Rに関して、特定の値の例は以下である:
N−アシル基について:アセチルなどのN−(1−4C)アルカノイル基、N−ベンゾイルなどのN−アロイル基、またはN−ピペロニル基;
アミノ酸について:アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、またはバリン;および
ジペプチドについて:アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、およびバリンから独立して選択される任意の2つのアミノ酸の組み合わせ。
アミノ酸は天然に存在するアミノ酸であってもよい。天然に存在するアミノ酸は通常L配置を有することが理解されるであろう。
式PC−(II)において、Rの特定の値の例は以下である:
水素原子;
N−アシル基について:アセチルなどのN−(1−4C)アルカノイル基、N−ベンゾイルなどのN−アロイル基、またはN−ピペロニル基;および
アミノ酸、ジペプチド、またはアミノ酸もしくはジペプチドのN−アシル誘導体の残基について:グリシニルまたはN−アセチルグリシニル。
式PC−(II)において、一実施形態では、Rは、N−アセチル、グリシニルまたはN−アセチルグリシニル、例えばN−アセチルを表す。
式PC−(II)において、−C(O)−CH(R)−NH(R)により表される基の例は、N−アセチルアルギニルまたはN−アセチルリジニルである。
式PC−(II)において、ある場合に、Rは置換アシルを表す。ある場合において、Rはマロニルまたはスクシニルであってもよい。
式PC−(II)において、ある場合に、−C(O)−CH(R)−NH(R)により表される基は、N−マロニルアルギニル、N−マロニルリジニル、N−スクシニルアルギニルおよびN−スクシニルリジニルである。
式PC−(III)
本実施形態は、一般式PC−(III):
X−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−C(O)−CH(R)−NH(R) (PC−(III))
の化合物、またはその薬学的に許容できる塩を含んでなる医薬組成物を提供し、式中:
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでフェノール性ヒドロキシル基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−C(O)−CH(R)−NH(R)との共有結合に置換され;
は(1−4C)アルキル基を表し;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子または(1−4C)アルキル基を表し;
nは2または3を表し;
は−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHを表し、Rが結合する炭素原子の配置は、L−アミノ酸における配置に対応し;および
は、水素原子、N−アシル基(N−置換アシルを含む)、アミノ酸の、ジペプチドの、またはアミノ酸もしくはジペプチドのN−アシル誘導体(N−置換アシル誘導体を含む)の残基を表す。
式PC−(III)において、Xに提供されるとおりのフェノール性オピオイドの値の例は、オキシモルホン、ヒドロモルホン、およびモルヒネである。
式PC−(III)において、Rの値の例はメチル基およびエチル基である。
式PC−(III)において、RおよびRの各々の値の例は水素原子である。
式PC−(III)において、nの値の例は2である。
式PC−(III)において、一実施形態では、Rは−CHCHCHNH(C=NH)NHを表す。別の実施形態において、Rは−CHCHCHCHNHを表す。
式PC−(III)において、Rに関して、特定の値の例は以下である:
N−アシル基について:アセチルなどのN−(1−4C)アルカノイル基、N−ベンゾイルなどのN−アロイル基、またはN−ピペロニル基;
アミノ酸について:アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、またはバリン;および
ジペプチドについて:アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、およびバリンから独立して選択される任意の2つのアミノ酸の組み合わせ。
アミノ酸は天然に存在するアミノ酸であってもよい。天然に存在するアミノ酸は通常L配置を有することが理解されるであろう。
式PC−(III)において、Rの特定の値の例は以下である:
水素原子;
N−アシル基について:アセチルなどのN−(1−4C)アルカノイル基、N−ベンゾイルなどのN−アロイル基、またはN−ピペロニル基;および
アミノ酸、ジペプチド、またはアミノ酸もしくはジペプチドのN−アシル誘導体の残基について:グリシニルまたはN−アセチルグリシニル。
式PC−(III)において、一実施形態では、Rは、N−アセチル、グリシニルまたはN−アセチルグリシニル、例えばN−アセチルを表す。
式PC−(III)において、−C(O)−CH(R)−NH(R)により表される基の例は、N−アセチルアルギニルまたはN−アセチルリジニルである。
式PC−(III)において、ある場合に、Rは置換アシルを表す。ある場合において、Rはマロニルまたはスクシニルであってもよい。
式PC−(III)において、ある場合に、−C(O)−CH(R)−NH(R)により表される基は、N−マロニルアルギニル、N−マロニルリジニル、N−スクシニルアルギニルおよびN−スクシニルリジニルである。
式PC−(IV)
本実施形態は、一般式PC−(IV):
の化合物、またはその薬学的に許容できる塩を含んでなる医薬組成物を提供し、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
はオキソ(=O)またはヒドロキシルであり;
破線は二重結合または単結合であり;
は(1−4C)アルキル基を表し;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子または(1−4C)アルキル基を表し;
nは2または3を表し;
は−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHを表し、Rが結合する炭素原子の配置は、L−アミノ酸における配置に対応し;および
は、水素原子、N−アシル基、または、アミノ酸の、ジペプチドの、またはアミノ酸もしくはジペプチドのN−アシル誘導体の残基を表す。
式PC−(IV)において、Rの特定の例は水素である。式PC−(IV)において、Rの特定の例はヒドロキシルである。
式PC−(IV)において、Rの特定の例はオキソ(=O)である。式PC−(IV)において、Rの特定の例はヒドロキシルである。
式PC−(IV)において、破線の特定の例は二重結合である。式PC−(IV)において、破線の特定の例は単結合である。
式PC−(IV)において、Rの値の例はメチル基およびエチル基である。
式PC−(IV)において、RおよびRの各々の値の例は水素原子である。
式PC−(IV)において、nの値の例は2である。
式PC−(IV)において、一実施形態では、Rは−CHCHCHNH(C=NH)NHを表す。
式PC−(IV)において、Rに関して、特定の値の例は以下である:
N−アシル基について:アセチルなどのN−(1−4C)アルカノイル基、N−ベンゾイルなどのN−アロイル基、またはN−ピペロニル基;
アミノ酸について:アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、またはバリン;および
ジペプチドについて:アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、およびバリンから独立して選択される任意の2つのアミノ酸の組み合わせ。
アミノ酸は天然に存在するアミノ酸であってもよい。天然に存在するアミノ酸は通常L配置を有することが理解されるであろう。
式PC−(IV)において、Rの特定の値の例は以下である:
水素原子;
N−アシル基について:アセチルなどのN−(1−4C)アルカノイル基、N−ベンゾイルなどのN−アロイル基、またはN−ピペロニル基;および
アミノ酸、ジペプチド、またはアミノ酸もしくはジペプチドのN−アシル誘導体の残基について:グリシニルまたはN−アセチルグリシニル。
式PC−(IV)において、一実施形態では、Rは、N−アセチル、グリシニルまたはN−アセチルグリシニル、例えばN−アセチルを表す。
式PC−(IV)において、−C(O)−CH(R)−NH(R)により表される基の例は、N−アセチルアルギニルである。
式PC−(V)
本実施形態は、一般式PC−(Va):
の化合物、またはその薬学的に許容できる塩を含んでなる医薬組成物を提供し、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
はオキソ(=O)またはヒドロキシルであり;
破線は二重結合または単結合であり;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数を表し;
は−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHを表し、Rが結合する炭素原子の配置は、L−アミノ酸における配置に対応し;および
は、水素原子、N−アシル基(N−置換アシルを含む)、アミノ酸の、ジペプチドの、またはアミノ酸もしくはジペプチドのN−アシル誘導体(N−置換アシル誘導体を含む)の残基を表す。
本実施形態は、一般式PC−(Vb):
の化合物、またはその薬学的に許容できる塩を含んでなる医薬組成物を提供し、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
はオキソ(=O)またはヒドロキシルであり;
破線は二重結合または単結合であり;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
nは2〜4の整数を表し;
は−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHを表し、Rが結合する炭素原子の配置は、L−アミノ酸における配置に対応し;および
は、水素原子、N−アシル基(N−置換アシルを含む)、アミノ酸の、ジペプチドの、またはアミノ酸もしくはジペプチドのN−アシル誘導体(N−置換アシル誘導体を含む)の残基を表す。
式PC−(V)に対する参照は、式PC−(Va)およびPC−(Vb)の化合物を含むことが意図される。
式PC−(V)において、Rの特定の例は水素である。式PC−(V)において、Rの特定の例はヒドロキシルである。
式PC−(V)において、Rの特定の例はオキソ(=O)である。式PC−(V)において、Rの特定の例はヒドロキシルである。
式PC−(V)において、破線の特定の例は二重結合である。式PC−(V)において、破線の特定の例は単結合である。
式PC−(V)において、Rは、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され得る。ある場合において、Rは(1−6C)アルキルである。他の場合には、Rは(1−4C)アルキルである。他の場合には、Rはメチルまたはエチルである。他の場合には、Rはメチルである。ある場合には、Rはエチルである。
ある場合に、式PC−(V)において、Rは置換アルキルである。ある場合において、Rは、カルボン酸、カルボン酸エステルまたはカルボン酸アミドなどのカルボン酸基で置換されているアルキル基である。ある場合において、Rは、−(CH−COOH、−(CH−COOCH、または−(CH−COOCHCHであり、式中、nは1〜10の数である。ある場合において、Rは、−(CH−COOH、−(CH−COOCH、または−(CH−COOCHCHである。
ある場合に、式PC−(V)において、Rはアリールアルキルまたは置換アリールアルキルである。ある場合において、Rはアリールアルキルである。ある場合において、Rは置換アリールアルキルである。ある場合において、Rは、カルボン酸、カルボン酸エステルまたはカルボン酸アミドなどのカルボン酸基で置換されたアリールアルキル基である。ある場合において、Rは、−(CH(C)−COOH、−(CH(C)−COOCH、または−(CH(C)−COOCHCHであり、式中、qは1〜10の整数である。ある場合において、Rは、−CH(C)−COOH、−CH(C)−COOCH、または−CH(C)−COOCHCHである。
ある場合に、式PC−(V)において、Rはアリールである。ある場合において、Rは置換アリールである。ある場合において、Rは、カルボン酸、カルボン酸エステルまたはカルボン酸アミドなどのカルボン酸基でオルト置換、メタ置換またはパラ置換されたアリール基である。ある場合において、Rは、−(C)−COOH、−(C)−COOCH、または−(C)−COOCHCHである。
式PC−(V)において、各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され得る。ある場合において、Rは水素またはアルキルである。ある場合において、Rは水素である。ある場合において、Rはアルキルである。ある場合において、Rはアシルである。ある場合において、Rはアミノアシルである。
式PC−(V)において、各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され得る。ある場合において、Rは水素またはアルキルである。ある場合において、Rは水素である。ある場合において、Rはアルキルである。ある場合において、Rはアシルである。ある場合において、Rはアミノアシルである。
ある場合において、RおよびRは水素である。ある場合において、同じ炭素上のRおよびRは双方ともアルキルである。ある場合において、同じ炭素上のRおよびRはメチルである。ある場合において、同じ炭素上のRおよびRはエチルである。
ある場合において、隣接するRおよびRは双方ともアルキルであり、かつ隣接するRおよびRは双方とも水素である。ある場合において、隣接するRおよびRは双方ともエチルであり、かつ隣接するRおよびRは双方とも水素である。ある場合において、隣接するRおよびRは双方ともメチルであり、かつ隣接するRおよびRは双方とも水素である。
ある場合に、式PC−(V)中の−[C(R)(R)]−の鎖において、すべての炭素が置換されるとは限らない。ある場合に、−[C(R)(R)]−の鎖には、メチルまたはエチルなどの異なるアルキル置換基の組み合わせがある。
ある場合において、RおよびRのうち一方は、メチル、エチルまたは他のアルキルであり、かつRはアルキルである。ある場合において、隣接するRおよびRは双方ともアルキルであり、かつ隣接するRおよびRは双方とも水素であり、かつRはアルキルである。ある場合において、隣接するRおよびRは双方ともエチルであり、かつ隣接するRおよびRは双方とも水素であり、かつRはアルキルである。ある場合において、隣接するRおよびRは双方ともメチルであり、かつ隣接するRおよびRは双方とも水素であり、かつRはアルキルである。
ある場合において、RおよびRのうち一方は、メチル、エチルまたは他のアルキルであり、かつRは置換アルキルである。ある場合において、RおよびRのうち一方は、メチル、エチルまたは他のアルキルであり、かつRは、カルボン酸、カルボン酸エステルまたはカルボン酸アミドなどのカルボン酸基で置換されているアルキル基である。ある場合において、RおよびRのうち一方は、メチル、エチルまたは他のアルキルであり、かつRは、−(CH(C)−COOH、−(CH(C)−COOCH、または−(CH(C)−COOCHCHであり、式中、qは1〜10の整数である。ある場合において、RおよびRのうち一方は、メチル、エチルまたは他のアルキルであり、かつRはカルボキサミドである。
式PC−(V)において、RおよびRは、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成することができるか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基は、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成することができる。ある場合において、RおよびRは、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基を形成することができる。それ故、ある場合において、同じ炭素上のRおよびRはスピロ環を形成する。ある場合において、RおよびRは、それらが結合する炭素と共に、置換シクロアルキル基を形成することができる。ある場合において、隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基は、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基を形成することができる。ある場合において、隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基は、それらが結合する炭素原子と共に、置換シクロアルキル基を形成することができる。
ある場合において、RおよびRは、それらが結合する炭素と共に、アリール基または置換アリール基を形成することができ、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基は、それらが結合する炭素原子と共に、アリール基または置換アリール基を形成することができる。ある場合において、隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基は、それらが結合する炭素原子と共に、フェニル環を形成する。ある場合において、隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基は、それらが結合する炭素原子と共に、置換フェニル環を形成する。ある場合において、隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基は、それらが結合する炭素原子と共に、ナフチル環を形成する。
ある場合において、RおよびRのうち一方はアミノアシルである。
ある場合において、RおよびRのうち一方は、フェニレンジアミンを含んでなるアミノアシルである。ある場合において、RおよびRのうち一方または両方は、
であり;式中、各R10は、水素、アルキル、置換アルキル、およびアシルから独立して選択され、およびR11はアルキルまたは置換アルキルである。ある場合において、R10のうち少なくとも1つはアシルである。ある場合において、R10のうち少なくとも1つはアルキルまたは置換アルキルである。ある場合において、R10のうち少なくとも1つは水素である。ある場合において、R10の両方が水素である。
ある場合において、RおよびRのうち一方は、
であり;式中、R10は、水素、アルキル、置換アルキル、またはアシルである。ある場合において、R10はアシルである。ある場合において、R10はアルキルまたは置換アルキルである。ある場合において、R10は水素である。
ある場合において、RおよびRのうち一方は、
であり;式中、各R10は独立して、水素、アルキル、置換アルキル、またはアシルであり、およびbは1〜5の数である。ある場合において、RおよびRのうち一方は、
であり;式中、各R10は独立して、水素、アルキル、置換アルキル、またはアシルである。ある場合において、RおよびRのうち一方は、
であり;式中、R10aはアルキルであり、および各R10は独立して、水素、アルキル、置換アルキル、またはアシルである。
ある場合において、RおよびRのうち一方は、
であり;式中、R10は独立して、水素、アルキル、置換アルキル、またはアシルであり、およびbは1〜5の数である。ある場合において、RおよびRのうち一方は、
であり;式中、R10は独立して、水素、アルキル、置換アルキル、またはアシルである。
ある場合において、RおよびRのうち一方はアミノアシル基、例えば−C(O)NR10a10bであり、式中、各R10aおよびR10bは、水素、アルキル、置換アルキル、およびアシルから独立して選択される。ある場合において、RおよびRのうち一方はアミノアシル基、例えば−C(O)NR10a10bであり、式中、R10aはアルキルであり、かつR10bは置換アルキルである。ある場合において、RおよびRのうち一方はアミノアシル基、例えば−C(O)NR10a10bであり、式中、R10aはアルキルであり、かつR10bは、カルボン酸またはカルボキシルエステルで置換されたアルキルである。ある場合において、RおよびRのうち一方はアミノアシル基、例えば−C(O)NR10a10bであり、式中、R10aはメチルであり、かつR10bは、カルボン酸またはカルボキシルエステルで置換されたアルキルである。
ある場合において、RまたはRは分子内環化速度を調節することができる。RまたはRは、RおよびRが双方とも水素である場合の対応する分子と比較したとき、分子内環化速度を速めることができる。ある場合において、RまたはRは電子求引基または電子供与基を含んでなる。ある場合において、RまたはRは電子求引基を含んでなる。ある場合において、RまたはRは電子供与基を含んでなる。
電子求引置換基として機能することが可能な原子および基は、有機化学の分野で周知である。それらには、電気陰性原子および電気陰性原子を含む基が含まれる。かかる基は、電子密度を誘導的に求引することによってβ位の求核性窒素の塩基性度またはプロトン化状態を低下させる働きをする。かかる基はまた、アルキレン鎖に沿った他の位置に位置することもできる。例として、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子)、アシル基(例えばアルカノイル基、アロイル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基またはアミノカルボニル基(カルバモイル基、アルキルアミノカルボニル基、ジアルキルアミノカルボニル基またはアリールアミノカルボニル基など))、オキソ(=O)置換基、ニトリル基、ニトロ基、エーテル基(例えばアルコキシ基)およびオルト位、パラ位またはオルト位およびパラ位の双方の置換基を有するフェニル基(各置換基は、ハロゲン原子、フルオロアルキル基(トリフルオロメチルなど)、ニトロ基、シアノ基およびカルボキシル基から独立して選択される)が挙げられる。電子求引置換基の各々は、これらから独立して選択することができる。
ある場合において、−[C(R)(R)]−は、−CH(CHF)CH(CHF)−;−CH(CHF)CH(CHF)−;−CH(CF)CH(CF)−;−CHCH(CF)−;−CHCH(CHF)−;−CHCH(CHF)−;−CHCH(F)CH−;−CHC(F)CH−;−CHCH(C(O)NR2021)−;−CHCH(C(O)OR22)−;−CHCH(C(O)OH)−;−CH(CHF)CHCH(CHF)−;−CH(CHF)CHCH(CHF)−;−CH(CF)CHCH(CF)−;−CHCHCH(CF)−;−CHCHCH(CHF)−;−CHCHCH(CHF)−;−CHCHCH(C(O)NR2324)−;−CHCHCH(C(O)OR25)−;および−CHCHCH(C(O)OH)−から選択され、式中、R20、R21、R22およびR23は各々独立して水素または(1−6C)アルキルを表し、かつR24およびR25は各々独立して(1−6C)アルキルを表す。
式PC−(V)において、nは2〜4の整数を表す。nの値の例は2である。nの値の例は3である。nの値の例は4である。
式PC−(V)において、一実施形態では、Rは−CHCHCHNH(C=NH)NHを表す。別の実施形態において、Rは−CHCHCHCHNHを表す。
式PC−(V)において、Rに関して、特定の値の例は以下である:
N−アシル基について:アセチルなどのN−(1−4C)アルカノイル基、N−ベンゾイルなどのN−アロイル基、またはN−ピペロニル基;
アミノ酸について:アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、またはバリン;および
ジペプチドについて:アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、およびバリンから独立して選択される任意の2つのアミノ酸の組み合わせ。
アミノ酸は天然に存在するアミノ酸であってもよい。天然に存在するアミノ酸は通常L配置を有することが理解されるであろう。
式PC−(V)において、Rの特定の値の例は以下である:
水素原子;
N−アシル基について:アセチルなどのN−(1−4C)アルカノイル基、N−ベンゾイルなどのN−アロイル基、またはN−ピペロニル基;および
アミノ酸、ジペプチド、またはアミノ酸もしくはジペプチドのN−アシル誘導体の残基について:グリシニルまたはN−アセチルグリシニル。
式PC−(V)において、一実施形態では、Rは、N−アセチル、グリシニルまたはN−アセチルグリシニル、例えばN−アセチルを表す。
式PC−(V)において、−C(O)−CH(R)−NH(R)により表される基の例は、N−アセチルアルギニルまたはN−アセチルリジニルである。
式PC−(V)において、ある場合に、Rは置換アシルを表す。ある場合において、Rはマロニルまたはスクシニルであってもよい。
式PC−(V)において、ある場合に、−C(O)−CH(R)−NH(R)により表される基は、N−マロニルアルギニル、N−マロニルリジニル、N−スクシニルアルギニルおよびN−スクシニルリジニルである。
式PC−(VI)
本実施形態は、一般式PC−(VI):
の化合物、またはその薬学的に許容できる塩を含んでなる医薬組成物を提供し、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
はオキソ(=O)またはヒドロキシルであり;
破線は二重結合または単結合であり;
は(1−4C)アルキル基を表し;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子または(1−4C)アルキル基を表し;
nは2または3を表し;
は−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHを表し、Rが結合する炭素原子の配置は、L−アミノ酸における配置に対応し;および
は、水素原子、N−アシル基(N−置換アシルを含む)、アミノ酸の、ジペプチドの、またはアミノ酸もしくはジペプチドのN−アシル誘導体(N−置換アシル誘導体を含む)の残基を表す。
式PC−(VI)において、Rの特定の例は水素である。式PC−(VI)において、Rの特定の例はヒドロキシルである。
式PC−(VI)において、Rの特定の例はオキソ(=O)である。式PC−(VI)において、Rの特定の例はヒドロキシルである。
式PC−(VI)において、破線の特定の例は二重結合である。式VIにおいて、破線の特定の例は単結合である。
式PC−(VI)において、Rの値の例はメチル基およびエチル基である。
式PC−(VI)において、RおよびRの各々の値の例は水素原子である。
式PC−(VI)において、nの値の例は2である。
式PC−(VI)において、一実施形態では、Rは−CHCHCHNH(C=NH)NHを表す。別の実施形態において、Rは−CHCHCHCHNHを表す。
式PC−(VI)において、Rに関して、特定の値の例は以下である:
N−アシル基について:アセチルなどのN−(1−4C)アルカノイル基、N−ベンゾイルなどのN−アロイル基、またはN−ピペロニル基;
アミノ酸について:アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、またはバリン;および
ジペプチドについて:アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、およびバリンから独立して選択される任意の2つのアミノ酸の組み合わせ。
アミノ酸は天然に存在するアミノ酸であってもよい。天然に存在するアミノ酸は通常L配置を有することが理解されるであろう。
式PC−(VI)において、Rの特定の値の例は以下である:
水素原子;
N−アシル基について:アセチルなどのN−(1−4C)アルカノイル基、N−ベンゾイルなどのN−アロイル基、またはN−ピペロニル基;および
アミノ酸、ジペプチド、またはアミノ酸もしくはジペプチドのN−アシル誘導体の残基について:グリシニルまたはN−アセチルグリシニル。
式PC−(VI)において、一実施形態では、Rは、N−アセチル、グリシニルまたはN−アセチルグリシニル、例えばN−アセチルを表す。
式PC−(VI)において、−C(O)−CH(R)−NH(R)により表される基の例は、N−アセチルアルギニルまたはN−アセチルリジニルである。
式PC−(VI)において、ある場合に、Rは置換アシルを表す。ある場合において、Rはマロニルまたはスクシニルであってもよい。
式PC−(VI)において、ある場合に、−C(O)−CH(R)−NH(R)により表される基は、N−マロニルアルギニル、N−マロニルリジニル、N−スクシニルアルギニルおよびN−スクシニルリジニルである。
本明細書に示されるとおり、式PC−(I)は式PC−(II)の化合物を示し、式中、Rは(1−4C)アルキル基であり;RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子または(1−4C)アルキル基を表し;およびRは、水素原子、N−アシル基、アミノ酸の、ジペプチドの、またはアミノ酸もしくはジペプチドのN−アシル誘導体の残基を表す。
式PC−(III)は式PC−(II)の化合物を示し、式中、Rは(1−4C)アルキル基であり;RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子または(1−4C)アルキル基を表し;およびRは、水素原子、N−アシル基(N−置換アシルを含む)、アミノ酸の、ジペプチドの、またはアミノ酸もしくはジペプチドのN−アシル誘導体(N−置換アシル誘導体を含む)の残基を表す。
式PC−(IV)は式PC−(I)の化合物を示し、式中、「X」は構造的に特定のフェノール性オピオイドに置換される。
同様に本明細書に示されるとおり、式PC−(IV)は式PC−(V)の化合物を示し、式中、Rは(1−4C)アルキル基であり;RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子または(1−4C)アルキル基を表し;およびRは、水素原子、N−アシル基、アミノ酸の、ジペプチドの、またはアミノ酸もしくはジペプチドのN−アシル誘導体の残基を表す。
式PC−(VI)は式PC−(V)の化合物を示し、式中、Rは(1−4C)アルキル基であり;RおよびRは、それぞれ独立して、水素原子または(1−4C)アルキル基を表し;およびRは、水素原子、N−アシル基(N−置換アシルを含む)、アミノ酸の、ジペプチドの、またはアミノ酸もしくはジペプチドのN−アシル誘導体(N−置換アシル誘導体を含む)の残基を表す。
式PC−(I)〜式PC−(III)について、Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでフェノール性ヒドロキシル基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−C(O)−CH(R)−NH(R)との共有結合に置換される。
式PC−(VII)〜式PC−(X)
環化可能なスペーサー脱離基と切断可能部分とを有するフェノール修飾オピオイドプロドラッグの例を、式PC−(VII)〜式PC−(X)に示し、ここでRはトリプシン切断可能部分である。ここで式PC−(VII)〜式PC−(X)を以下にさらに詳細に記載する。
本実施形態は、一般式PC−(VII):
X−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−R (PC−(VII))
の化合物、またはその薬学的に許容できる塩を含んでなる医薬組成物を含み、式中:
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでフェノール性ヒドロキシル基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NHRとの共有結合に置換され;
は(1−4C)アルキル基を表し;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子または(1−4C)アルキル基を表し;
nは2または3を表し;および
はトリプシン切断可能部分である。
本実施形態は、一般式PC−(VIII):
X−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−R (PC−(VIII))
の化合物、またはその薬学的に許容できる塩を含んでなる医薬組成物を提供し、式中:
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでフェノール性ヒドロキシル基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NHRとの共有結合に置換され;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数を表し;および
はトリプシン切断可能部分である。
本実施形態は、一般式PC−(IX):
の化合物、またはその薬学的に許容できる塩を含んでなる医薬組成物を提供し、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
はオキソ(=O)またはヒドロキシルであり;
破線は二重結合または単結合であり;
は(1−4C)アルキル基を表し;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子または(1−4C)アルキル基を表し;
nは2または3を表し;および
はトリプシン切断可能部分である。
本実施形態は、一般式PC−(X):
の化合物、またはその薬学的に許容できる塩を含んでなる医薬組成物を提供し、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
はオキソ(=O)またはヒドロキシルであり;
破線は二重結合または単結合であり;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数を表し;および
はトリプシン切断可能部分である。
式PC−(VII)〜式PC−(X)において、Rはトリプシン切断可能部分である。トリプシン切断可能部分は、トリプシンによって切断可能な構造部分である。ある場合において、トリプシン切断可能部分は、トリプシンの活性部位に適合することができ、かつプロドラッグを切断可能な結合で切断されるように配向させることが可能な荷電部分を含んでなる。例えば、この荷電部分は、生理学的pHで荷電部分として存在する塩基性部分であってもよい。
特定の実施形態では、式PC−(VII)〜式PC−(X)において、Rは−C(O)−CH(R)−NH(R)であり、式中、Rは、トリプシン切断可能部分であるRをもたらすアミノ酸の側鎖またはアミノ酸の側鎖の誘導体を表す。誘導体は、修飾、部分的置換、ホモログ化、トランケーション、または酸化状態の変化により別の物質から変化した物質を指す。
例えば、トリプシン切断可能部分を形成するため、Rはリジン(L−リジンなど)、アルギニン(L−アルギニンなど)、ホモリジン、ホモアルギニン、およびオルニチンの側鎖を含むことができるが、これらに限定されない。Rの他の値は、アルギニンミミック、アルギニンホモログ、アルギニントランケート、酸化状態が変化するアルギニン(例えば、代謝物)、リジンミミック、リジンホモログ、リジントランケート、および酸化状態が変化するリジン(例えば、代謝物)を含むが、これらに限定されない。アルギニンミミックおよびリジンミミックの例として、アリールグアニジン、アリールアミジン(置換ベンズアミジン)、ベンジルアミンおよび(ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−イル)メタンアミンおよびその誘導体が挙げられる。
ある場合に、式PC−(VII)〜式PC−(X)において、Rは−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHを表し、Rが結合する炭素原子の配置は、L−アミノ酸における配置に対応する。
式PC−(VII)〜式PC−(X)において、Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択される。ある場合において、Rはアミノ酸またはアミノ酸のN−アシル誘導体である。ある場合において、RはペプチドまたはかかるペプチドのN−アシル誘導体であり、ここでペプチドは1〜100アミノ酸を含んでなり、かつ各アミノ酸は独立して選択され得る。ある場合において、ペプチドには1〜50アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには1〜90、80、70、60、50、40、30、20、または10アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約100アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約75アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約50アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約25アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約20アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約15アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約10アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約9アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約8アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約7アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約6アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約5アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約4アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約3アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約2アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約1アミノ酸がある。
式PC−(XI)〜式PC−(XIV)
環化可能なスペーサー脱離基と切断可能部分とを有するフェノール修飾オピオイドプロドラッグの例を、式PC−(XI)〜式PC−(XIV)に示し、ここで切断可能部分はGI酵素切断可能部分である。ここで式PC−(XI)〜式PC−(XIV)を以下にさらに詳細に記載する。
本実施形態は、一般式PC−(XI):
X−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−R (PC−(XI))
の化合物、またはその薬学的に許容できる塩を含んでなる医薬組成物を含み、式中:
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでフェノール性ヒドロキシル基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−Rとの共有結合に置換され;
は(1−4C)アルキル基を表し;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子または(1−4C)アルキル基を表し;
nは2または3を表し;および
はGI酵素切断可能部分である。
本実施形態は、一般式PC−(XII):
X−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−R (PC−(XII))
の化合物、またはその薬学的に許容できる塩を含んでなる医薬組成物を提供し、式中:
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでフェノール性ヒドロキシル基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−Rとの共有結合に置換され;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数を表し;および
はGI酵素切断可能部分である。
本実施形態は、一般式PC−(XIII):
の化合物、またはその薬学的に許容できる塩を含んでなる医薬組成物を提供し、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
はオキソ(=O)またはヒドロキシルであり;
破線は二重結合または単結合であり;
は(1−4C)アルキル基を表し;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子または(1−4C)アルキル基を表し;
nは2または3を表し;および
はGI酵素切断可能部分である。
本実施形態は、一般式PC−(XIV):
の化合物、またはその薬学的に許容できる塩を含んでなる医薬組成物を提供し、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
はオキソ(=O)またはヒドロキシルであり;
破線は二重結合または単結合であり;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数を表し;および
はGI酵素切断可能部分である。
式PC−(XI)〜式PC−(XIV)において、RはGI酵素切断可能部分である。GI酵素切断可能部分は、GI酵素によって切断可能な構造的部分である。
特定の実施形態では、式PC−(XI)〜式PC−(XIV)において、Rは−C(O)−CH(R)−NH(R)であり、式中、Rは、GI酵素切断可能部分であるRをもたらすアミノ酸の側鎖またはアミノ酸の側鎖の誘導体を表す。誘導体は、修飾、部分的置換、ホモログ化、トランケーション、または酸化状態の変化により別の物質から変化した物質を指す。
例えば、GI酵素切断可能部分を形成するため、Rは、リジン(L−リジンなど)、アルギニン(L−アルギニンなど)、ホモリジン、ホモアルギニン、およびオルニチンの側鎖を含むことができるが、これらに限定されない。Rの他の値は、アルギニンミミック、アルギニンホモログ、アルギニントランケート、酸化状態が変化するアルギニン(例えば、代謝物)、リジンミミック、リジンホモログ、リジントランケート、および酸化状態が変化するリジン(例えば、代謝物)を含むが、これらに限定されない。アルギニンミミックおよびリジンミミックの例として、アリールグアニジン、アリールアミジン(置換ベンズアミジン)、ベンジルアミン、および(ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−イル)メタンアミンおよびその誘導体が挙げられる。
ある場合に、式PC−(XI)〜式PC−(XIV)において、Rは−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHを表し、Rが結合する炭素原子の配置は、L−アミノ酸における配置に対応する。
式PC−(XI)〜式PC−(XIV)において、Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択される。ある場合において、Rはアミノ酸またはアミノ酸のN−アシル誘導体である。ある場合において、RはペプチドまたはかかるペプチドのN−アシル誘導体であり、ここでペプチドは1〜100アミノ酸を含んでなり、かつ各アミノ酸は独立して選択され得る。ある場合において、ペプチドには1〜50アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには1〜90、80、70、60、50、40、30、20、または10アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約100アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約75アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約50アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約25アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約20アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約15アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約10アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約9アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約8アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約7アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約6アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約5アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約4アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約3アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約2アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約1アミノ酸がある。
式PC−(XV)
本実施形態は、一般式PC−(XV):
の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは水和物を含んでなる医薬組成物を含み、
式中:
Xはフェノール性オピオイドであり、ここでヒドロキシル基の水素原子は、−C(O)−Y−(C(R)(R))−N−(R)(R)との共有結合に置換され
Yは、−NR−、−O−または−S−であり;
nは1〜4の整数であり;
各R、R、RおよびRは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであるか、あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
は、
であり;
各Rは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にRおよびRが、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;
pは1〜10の整数であり;
各Wは、独立して、−NR−、−O−または−S−であり;および
各Rは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであるか、あるいは任意選択的に、各RおよびRが、独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成する。
式PC−(XV)の化合物はまた、全体として参照により本明細書に援用される国際公開第2007/140272号パンフレットにも記載される。
式PC−(I)〜式PC−(XV)の化合物の一般的合成手順
式PC−(I)の化合物は、国際公開第2007/140272号パンフレットに記載される特定のプロドラッグであり、式PC−(I)の化合物の合成はそこに記載される。
国際公開第2007/140272号パンフレットの合成のスキームおよび手順はまた、式PC−(II)〜式PC−(XV)の化合物の合成にも用いることができる。本明細書に記載される化合物は、一般的にスキームPC−1に示す経路を経て得ることができる。
本明細書に記載されるプロモイエティは、当業者に公知の手順により調製し、フェノールを含有する薬物に結合させることができる(例えば、Green et al.,’’Protective Groups in Organic Chemistry,’’(Wiley,2nd ed.1991);Harrison et al.,’’Compendium of Synthetic Organic Methods,’’Vols.1−8(John Wiley and Sons,1971−1996);’’Beilstein Handbook of Organic Chemistry,’’Beilstein Institute of Organic Chemistry,Frankfurt,Germany;Feiser et al.,’’Reagents for Organic Synthesis,’’Volumes 1−17,(Wiley Interscience);Trost et al.,’’Comprehensive Organic Synthesis,’’(Pergamon Press,1991);’’Theilheimer’s Synthetic Methods of Organic Chemistry,’’Volumes 1−45,(Karger,1991);March,’’Advanced Organic Chemistry,’’(Wiley Interscience),1991;Larock ’’Comprehensive Organic Transformations,’’(VCH Publishers,1989);Paquette,’’Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis,’’(John Wiley & Sons,1995),Bodanzsky,’’Principles of Peptide Synthesis,’’(Springer Verlag,1984);Bodanzsky,’’Practice of Peptide Synthesis,’’(Springer Verlag,1984)を参照のこと。さらに、出発物質は商業的供給元から得てもよく、または上記の、十分に確立された合成手順によって得てもよい。
ここで上記のスキームPC−1および式PC−(I)を参照すると(ここでは説明する目的から、TはNHであり、YはNRであり、WはNHであり、pは1であり、R、R、およびRは先に定義したとおりであり、Xはフェノール性オピオイドであり、Pは保護基であり、およびMは脱離基である)、化合物PC1−1が適切なカルボン酸またはカルボン酸等価物でアシル化されて化合物PC1−2を提供してもよく、次にその化合物PC1−2が脱保護されると化合物PC1−3が得られ得る。次に化合物PC1−3が活性炭酸等価物PC1−4と反応して化合物PC1−5が提供される。
式PC−(II)〜式PC−(VI)の化合物について、−(C(R)(R))−は、YとTとの間の−(CH−CH)−部分に対応する。従って、式PC−(II)〜式PC−(VI)の化合物の合成について、化合物PC1−1は−(C(R)(R))−に適切な実体を有することで、式PC−(II)〜式PC−(VI)の化合物の合成をもたらし得る。式PC−(VII)〜式PC−(XV)の化合物はまた、本明細書のスキームに開示される方法を用いても合成することができる。
電子的にデカップリングするスペーサーと切断可能部分とを含んでなるプロモイエティを有するフェノール修飾オピオイドプロドラッグ
本開示物は、プロモイエティで官能化されるフェノール性オピオイドのプロドラッグを提供し、ここでプロモイエティはスペーサー基と切断可能部分とを含み、このスペーサー基は、とりわけ、切断可能部分から活性薬剤を電子的にデカップリングし、および/または物理的に分離し得る。従って、本明細書に開示されるプロドラッグは、概して、ヘテロ原子を介してスペーサーに結合されたオピオイドであって、そのスペーサーがさらに切断可能部分に結合されるオピオイドを含んでなる。一実施形態において、切断可能部分は、トリプシン切断可能部分などのGI酵素切断可能部分である。
様々なスペーサーが当該技術分野において公知であり、例として、および限定としてではなく、アルキル、ヘテロアルキル、非環式ヘテロ原子架橋、アリール、アリールアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、アルコール、アミンなどが挙げられる。従って、スペーサーは、例えば、一重、二重、三重または芳香族の炭素−炭素結合、窒素−窒素結合、炭素−窒素結合、炭素−酸素結合および/または炭素−硫黄結合を含むことができ、従って、カルボニル、エーテル、チオエーテル、カルボキサミド、スルホンアミド、尿素、ウレタン、ヒドラジン等の官能性を含み得る。一実施形態において、スペーサーは、キノンメチドをクエンチすることができるアルコールまたはアミンであってもよい。好適なスペーサーの例には、アリール、ビアリール、ヘテロアリール等が含まれるが、これらに限定されない。
切断可能部分は、アミノ酸、ペプチド、エステル、ポリエステル、チオエステル、ポリチオエステルまたは当業者に公知の任意の他の切断可能な基を含んでなり得る。概して、切断可能部分は生理学的条件下で切断されることができる。切断可能部分は、化学的に(例えば、加水分解)または酵素的に切断され得る。いくつかの実施形態において、切断可能部分は酵素的に切断される。概して、本明細書に記載される化合物は水溶液中で安定であるが、切断可能部分を化学的に(例えば、加水分解)または酵素的に切断できないほどの安定性はない。
式PC−(XVI)
本実施形態は、一般式PC−(XVI):
の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは水和物を提供し、式中:
Xは、フェノールを含んでなるオピオイドであり、ここでフェノールの水素原子は、−(CR1213)−Y−Z−R11との共有結合により置換され;
12およびR13は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり;
Yは、任意選択的に1つまたは複数の−F、−Cl、−Br、−I、−R14、−O、−OR14、−SR14、−S、−NR1415、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、−N、−S(O)、−S(O)OH、−S(O)14、−OS(O)O、−OS(O)14、−P(O)(O、−P(O)(OR14)(O)、−OP(O)(OR14)(OR15)、−C(O)R14、−C(S)R14、−C(O)OR14、−C(O)NR1415、−C(O)O、−C(S)OR14、−NR16C(O)NR1415、−NR16C(S)NR1415、−NR17C(NR16)NR1514または−C(NR16)NR1514で置換されているアリール、ヘテロアリールまたはアリールアリールであり;
14、R15、R16およびR17は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであるか、あるいは任意選択的にR14およびR15が、それらが結合する窒素原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
Zは、N(R18)−、−O−または−S−であり;
18は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは
であり;
各Wは、独立して、−NR20−、−O−または−S−であり;
各R19は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR19およびR20が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各R20は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR20およびR21が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
21は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;
nは0〜5の整数であり;
11は、
であり;
各Uは、独立して、−NR23−、−O−または−S−であり;
各R22は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR22およびR23が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各R23は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR23およびR24が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
24は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;および
oは1〜100の整数であり;
ただし、ZはX−(CR1213)−に対してパラ位またはオルト位に配向し、かつR18およびR11のいずれも水素ではないものとする。
式PC−(XVII)
本実施形態は、一般式PC−(XVII):
の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは水和物を提供し、式中:
Xは、フェノールを含んでなるオピオイドであり、ここでXはフェノールにより結び付けられ;
12およびR13は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり;
26は、それぞれ、−F、−Cl、−Br、−I、−R14、−O、−OR14、−SR14、−S、−NR1415、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、−N、−S(O)、−S(O)OH、−S(O)14、−OS(O)O、−OS(O)14、−P(O)(O、−P(O)(OR14)(O)、−OP(O)(OR14)(OR15)、−C(O)R14、−C(S)R14、−C(O)OR14、−C(O)NR1415、−C(O)O、−C(S)OR14、−NR16C(O)NR1415、−NR16C(S)NR1415、−NR17C(NR16)NR1514および−C(NR16)NR1514の1つまたは複数からなる群から独立して選択され、およびkは、0、1、2、3、または4であり;
14、R15、R16およびR17は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであるか、あるいは任意選択的にRおよびRが、それらが結合する窒素原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
18は水素またはメチルであり;
22は、アミノ酸の側鎖またはアミノ酸の側鎖の誘導体であり;
各Uは、独立して、−NR23−、−O−または−S−であり;
各R23は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR23およびR24が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;および
24は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;および
oは1〜100の整数である。
式PC−(XVI)およびPC−(XVII)において、R22はアミノ酸の側鎖を表し得る。アミノ酸については、アミノ酸バリアントを含め、本明細書の一節で考察する。特定の実施形態では、R22はアミノ酸の側鎖の誘導体である。かかる誘導体は本明細書に記載される。
特定の実施形態では、式PC−(XVI)およびPC−(XVII)において、R22は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシンまたはバリンなどのアミノ酸の側鎖である。ある場合において、R22は、L−アラニン、L−アルギニン、L−アスパラギン、L−アスパラギン酸、L−システイン、L−グリシン、L−グルタミン、L−グルタミン酸、L−ヒスチジン、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−リジン、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、L−セリン、L−スレオニン、L−トリプトファン、L−チロシンまたはL−バリンなどのL−アミノ酸の側鎖である。特定の実施形態では、R22は、アミノ酸の側鎖の誘導体である。かかる誘導体は本明細書に記載される。
ある場合に、式PC−(XVI)およびPC−(XVII)において、R22は−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHを表し、R22が結合する炭素原子の配置は、L−アミノ酸における配置と一致する。
式PC−(XVI)およびPC−(XVII)において、−CO−C(R22)−U−R24はGI酵素切断可能部分である。GI酵素切断可能部分は、GI酵素によって切断可能な構造的部分である。ある場合において、GI酵素切断可能部分は、GI酵素の活性部位に適合することができ、かつプロドラッグを切断可能な結合で切断されるように配向させることが可能な荷電部分を含んでなる。例えば、この荷電部分は、生理学的pHで荷電部分として存在する塩基性部分であってもよい。例えば、GI酵素切断可能部分を形成するため、R22は、リジン(L−リジンなど)の側鎖、アルギニン(L−アルギニンなど)の側鎖、ホモリジンの側鎖、ホモアルギニンの側鎖、およびオルニチンの側鎖を含むことができるが、これらに限定されない。GI酵素切断可能部分の他の値は、アルギニンホモログ、アルギニントランケート、酸化状態が変化するアルギニン(例えば、代謝物)、リジンホモログ、リジントランケート、および酸化状態が変化するリジン(例えば、代謝物)を含むが、これらに限定されない。アルギニンミミックおよびリジンミミックの例として、アリールグアニジン、アリールアミジン(置換ベンズアミジン)、ベンジルアミンおよび(ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−イル)メタンアミンおよびその誘導体が挙げられる。
ある場合に、式PC−(XVI)およびPC−(XVII)において、R24はペプチドまたはかかるペプチドのN−アシル誘導体であり、ここでペプチドは1〜100アミノ酸を含んでなり、かつ各アミノ酸は独立して選択され得る。ある場合において、ペプチドには1〜50アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには1〜90、80、70、60、50、40、30、20、または10アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約100アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約75アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約50アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約25アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約20アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約15アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約10アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約9アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約8アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約7アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約6アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約5アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約4アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約3アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約2アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約1アミノ酸がある。
式PC−(XVI)〜式PC−(XVII)の化合物の一般的合成手順
本明細書に記載される化合物は、スキームPCQ−1〜2に示される合成方法により得ることができる。本明細書に記載されるプロモイエティは、当業者に公知の確立された手順により調製し、活性薬剤に結合させることができる(例えば、Green et al.,’’Protective Groups in Organic Chemistry’’,(Wiley,2nd ed.1991);Harrison et al.,’’Compendium of Synthetic Organic Methods’’,Vols.1−8(John Wiley and Sons,1971−1996);’’Beilstein Handbook of Organic Chemistry,’’Beilstein Institute of Organic Chemistry,Frankfurt,Germany;Feiser et al.,’’Reagents for Organic Synthesis,’’Volumes 1−17,Wiley Interscience;Trost et al.,’’Comprehensive Organic Synthesis,’’Pergamon Press,1991;’’Theilheimer’s Synthetic Methods of Organic Chemistry,’’Volumes 1−45,Karger,1991;March,’’Advanced Organic Chemistry,’’Wiley Interscience,1991;Larock ’’Comprehensive Organic Transformations,’’VCH Publishers,1989;Paquette,’’Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis,’’John Wiley & Sons,1995,Bodanzsky,’’Principles of Peptide Synthesis,’’Springer Verlag,1984;Bodanzsky,’’Practice of Peptide Synthesis,’’Springer Verlag,1984を参照のこと)。
本明細書に記載されるプロドラッグの他の合成方法が当業者には容易に明らかであろうとともに、本明細書に記載される化合物の合成に用いることができる。従って、本明細書のスキームに提示される方法は、包括的というより例示的なものである。
上記のスキームPCQ−1に示されるとおりの、式PCQ−Iのプロドラッグの一合成方法。ここで、化合物PCQ1(式中、Nは脱離基に変換可能であり、かつR、R、YおよびZは先に定義したとおりである)と化合物PCQ2(式中、A、R12、R14、Uおよびoは先に定義したとおりである)とを標準的な条件下で反応させると、官能化された誘導体が提供される。化合物PCQ3を標準的な条件下で化合物PCQ4に変換し、次にここで標準的な条件下で活性薬剤XHと反応させると、式PCQ−Iのプロドラッグが提供される。活性薬剤XHは商業的供給元から購入してもよく、または公知の手順を用いて合成してもよい。
上記のスキームPCQ−2に示されるのは、ZがNRである場合の化合物PCQ10を合成するための合成戦略である。ここで、化合物PCQ5(式中、Qは脱離基に変換可能であり、かつR、R、およびYは先に定義したとおりである)と化合物PCQ6(式中、B、R12、R11、Wおよびnは先に定義したとおりである)とを標準的な条件下で反応させると、化合物PCQ7が形成される。化合物PCQ7を従来の条件下で化合物PCQ2と反応させて、化合物PCQ8を生じさせ得る。化合物PCQ8を標準的な条件下で化合物PCQ9に変換し、次にここで従来の条件下で活性薬剤XHと反応させると、化合物PCQ10のプロドラッグが提供される。
電子的にデカップリングするスペーサーと、環化可能なスペーサー脱離基と、切断可能部分とを含んでなるプロモイエティを有するフェノール修飾オピオイドプロドラッグ
本実施形態は、一般式PC−(XVIII):
X−C(R31a)(R32a))−Ar−Z−C(O)−Y−(C(R31)(R32))−N−(R33)(R34)A− (PC−(XVIII)
の化合物、またはその塩、水和物もしくは溶媒和物を提供し、式中:
Xは、フェノールを含んでなるオピオイドであり、ここでフェノールの水素原子は、−(C(R31a)(R32a)−Ar−Z−C(O)−Y−(C(R31)(R32))−N−(R33)(R34)との共有結合により置換され;
31aおよびR32aは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり;
Arは、任意選択的に1つまたは複数の−F、−Cl、−Br、−I、−R34a、−O、−OR34a、−SR34a、−S−、−NR34a35a、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、−N、−S(O)O’、−S(O)OH、−S(O)34a、−OS(O)O’’、−OS(O)34a、−P(O)(O’’)、−P(O)(OR34a)(O’’)、−OP(O)(OR34a)(OR35a)、−C(O)R34a、−C(S)R34a、−C(O)OR34a、−C(O)NR34a35a、−C(O)O;−C(S)OR34a、−NR36aC(O)NR34a35a、−NR36aC(S)NR34a35a、−NR37aC(NR36a)NR35a34aまたは−C(NR36a)NR35a34aで置換されているか、あるいはポリマーに結合したアリール、ヘテロアリールまたはアリールアリールであり;
34a、R35a、R36aおよびR37aは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであるか、あるいは任意選択的にR34およびR35が、それらが結合する窒素原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
Zは、O、SまたはNHであり;
Yは、−NR35−、−O−または−S−であり;
nは1〜10の整数であり;
各R31、R32、R33およびR35は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであるか、あるいはR31およびR32が、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR31基またはR32基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
34は、
であり;
各R36は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR36およびR37が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
37は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;
pは1〜100の整数であり;
各Wは、独立して、−NR38−、−O−または−S−であり;
各R38は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであるか、あるいは任意選択的に各R36およびR38が、独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;および
A’はアニオンを表す。
式PC−(XVIII)の化合物において、オピオイド中のフェノールは、酵素的に切断可能な部分(R34)で保護された窒素求核種を有するスペーサー基で置換されており、スペーサー脱離基および窒素求核種の配置は、切断可能部分が酵素切断されると窒素求核種がスペーサー脱離基から化合物を遊離して、患者に化合物の制御された放出をもたらすことが可能であるような配置である。
N−R34アミド結合が酵素切断されると、窒素求核種が遊離し、カルボニル基と再び環化して環状尿素を形成し、かつ化合物を放出するが、この放出された化合物が自発的な1,6−脱離を行いオピオイドを放出することは理解されるであろう。
式PC−(XVIII)の化合物の一般的合成手順
本明細書に記載される化合物は、一般的にスキームPCH−1〜4に示す経路を経て得ることができる。
本明細書に記載されるプロモイエティは、当業者に公知の手順により調製し、フェノールを含有する化合物に結合させることができる(例えば、Green et al.,’’Protective Groups in Organic Chemistry,’’(Wiley,2nd ed.1991);Harrison et al.,’’Compendium of Synthetic Organic Methods,’’ Vols.1−8(John Wiley and Sons,1971−1996);’’Beilstein Handbook of Organic Chemistry,’’ Beilstein Institute of Organic Chemistry,Frankfurt,Germany;Feiser et al.,’’Reagents for Organic Synthesis,’’ Volumes 1−17,(Wiley Interscience);Trost et al.,’’Comprehensive Organic Synthesis,’’(Pergamon Press,1991);’’Theilheimer’s Synthetic Methods of Organic Chemistry,’’ Volumes 1−45,(Karger,1991);March,’’Advanced Organic Chemistry,’’(Wiley Interscience),1991;Larock ’’Comprehensive Organic Transformations,’’(VCH Publishers,1989);Paquette,’’Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis,’’(John Wiley & Sons,1995),Bodanzsky,’’Principles of Peptide Synthesis,’’(Springer Verlag,1984);Bodanzsky,’’Practice of Peptide Synthesis,’’(Springer Verlag,1984を参照のこと)。さらに、出発物質は商業的供給元から得てもよく、または上記の、十分に確立された合成手順によって得てもよい。
ここで上記のスキームPCH−1および式PC−(XXI)を参照すると(ここでは説明する目的から、Tは−NRであり、Yは、NR、−O−または−S−であり、Wは、NR、−O−または−S−であり、nは2であり、RおよびRは水素であり、p、R、R、R、RおよびRは先に定義したとおりであり、RN−はオピオイドの残基を表し、Xは、適切な、任意選択的に置換されているフェノール、任意選択的に置換されているチオール、または任意選択的に置換されているアニリン(例えば、式HO−(C(R1a)(R2a))−Ar−ZHの化合物)であり、Pは保護基であり、およびMは脱離基である)、化合物PCH1が適切なカルボン酸またはカルボン酸等価物でアシル化されて化合物PCH2を提供してもよく、次にその化合物PCH2が脱保護されると化合物PCH3が生じ得る。次に化合物PCH3が活性炭酸等価物PCH4と反応して所望の化合物PCH5が提供される。次に化合物PCH5がオピオイドの第三級窒素とカップリングすると、化合物PCH−Aの合成が完了する。
ここで上記のスキームPCH−2および式PC−(XXI)を参照すると(ここでは説明する目的から、Tは−NRであり、YはNCHであり、Wは、NR、−O−または−S−であり、nは2であり、RおよびRは水素であり、p、R、R、RおよびRは先に定義したとおりであり、RN−はオピオイドの残基を表し、Xは、適切な、任意選択的に置換されているフェノール、任意選択的に置換されているチオール、または任意選択的に置換されているアニリンであり、Pは保護基であり、およびMは脱離基である)、化合物PCH6が適切なカルボン酸またはカルボン酸等価物でアシル化されて化合物PCH7が提供される。次に化合物PCH7が脱保護され、活性炭酸等価物PCH4と反応して所望の化合物PCH9が提供される。次に化合物PCH9がオピオイドの第三級窒素とカップリングすると、化合物PCH−Bの合成が完了する。
ここで上記のスキームPCH−3および式PC−(XXI)を参照すると(ここでは説明する目的から、TはNCHであり、Yは、NR、−O−または−S−であり、Wは、NR、−O−または−S−であり、nは2であり、RおよびRは水素であり、p、R、R、RおよびRは先に定義したとおりであり、RN−はオピオイドの残基を表し、Xは、適切な、任意選択的に置換されているフェノール、任意選択的に置換されているチオール、または任意選択的に置換されているアニリンであり、Pは保護基であり、およびMは脱離基である)、化合物PCH10が適切なカルボン酸またはカルボン酸等価物でアシル化されて化合物PCH11が提供され、化合物PCH11は、必要に応じて脱保護および官能基内変換(functional group intraconversion)された後、化合物PCH12に変換される。化合物PCH12の活性炭酸等価物PCH4との反応により所望の化合物PCH13が提供される。次に化合物PCH13がオピオイドの第三級窒素とカップリングすると、化合物PCH−Cの合成が完了する。
ここで上記のスキームPCH−4および式PC−(XXI)を参照すると(ここでは説明する目的から、TおよびYはNCHであり、Wは、NR、−O−または−S−であり、nは2であり、RおよびRは水素であり、p、R、RおよびRは先に定義したとおりであり、RN−はオピオイドの残基を表し、Xは、適切な、任意選択的に置換されているフェノール、任意選択的に置換されているチオール、または任意選択的に置換されているアニリンであり、Pは保護基であり、およびMは脱離基である)、化合物PCH14が適切なカルボン酸またはカルボン酸等価物でアシル化されて化合物PCH15が提供される。化合物PCH15の活性炭酸等価物PCH4との反応により所望の化合物PCH16が提供される。次に化合物PCH16がオピオイドの第三級窒素とカップリングすると、化合物PCH−Dの合成が完了する。
フェノール修飾オピオイドプロドラッグの例
特定のフェノール修飾オピオイドプロドラッグの例を以下に示す。式CC−(XV)〜式CC−(XXVIII)において、AAはアミノ酸の側鎖を表し得る。アミノ酸については、アミノ酸バリアントを含め、本明細書の一節で考察する。
式CC−(XV)
特定の例は、式CC−(XV):
の化合物であり、式中
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでフェノール基の水素原子は、−C(O)−CH(AA)−NRcc1cc2との共有結合により置換され;
AAはアミノ酸の側鎖であり;および
cc1およびRcc2は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから独立して選択される。
式CC−(XVI)
特定の例は、式CC−(XVI):
の化合物であり、式中
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでヒドロキシル基の水素原子は、−C(O)−N(Rcc3)−CH(AA)−C(O)−Zとの共有結合により置換され;
cc3は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択され;
AAはアミノ酸の側鎖であり;
Zは、NH−Rcc4、O−Rcc4、OH、およびNHから選択され;および
cc4は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択される。
式CC−(XVII)
特定の例は、式CC−(XVII):
の化合物であり、式中
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでフェノール基の水素原子は、−C(O)−O−Rcc5との共有結合により置換され;および
cc5は、
から選択される。
式CC−(XVIII)
特定の例は、式CC−(XVIII):
の化合物であり、式中
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでヒドロキシル基の水素原子はベンゾイル基との共有結合により置換され;および
Zはアミジノまたはグアニジノである。
式CC−(XIX)
特定の例は、式CC−(XIX):
の化合物であり、式中
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでヒドロキシル基の水素原子はカルボニル基との共有結合により置換され;
cc6およびRcc7は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから独立して選択され;
nは0〜2の数であり;
ZはOまたはNHであり;
AAはアミノ酸の側鎖であり;および
cc8は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択される。
式CC−(XX)
特定の例は、式CC−(XX):
の化合物であり、式中
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでヒドロキシル基の水素原子はカルボニル基との共有結合により置換され;
cc9は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択され;
ZはOまたはNHであり;
AAはアミノ酸の側鎖であり;および
cc10は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択される。
式CC−(XXI)
特定の例は、式CC−(XXI):
の化合物であり、式中
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでヒドロキシル基の水素原子はカルボニル基との共有結合により置換され;
cc11およびRcc12は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから独立して選択され;
cc13は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択され;
ZはOまたはNHであり;および
AAはアミノ酸の側鎖である。
式CC−(XXII)
特定の例は、式CC−(XXII):
の化合物であり、式中
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでヒドロキシル基の水素原子はカルボニル基との共有結合により置換され;
cc14およびRcc15は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから独立して選択され;
nは0〜2の数であり;
AAはアミノ酸の側鎖であり;および
ZはOまたはNであり;
cc16およびRcc17は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから独立して選択され、ここでZがOである場合、Rcc17は存在しない。
式CC−(XXIII)
特定の例は、式CC−(XXIII):
の化合物であり、式中
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでヒドロキシル基の水素原子はカルボニル基との共有結合により置換され;
cc18、Rcc19、Rcc20は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから独立して選択される。
式CC−(XXIV)
特定の例は、式CC−(XXIV):
の化合物であり、式中
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでヒドロキシル基の水素原子はカルボニル基との共有結合により置換され;
cc21およびRcc22は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから独立して選択され;
cc23は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択され;および
AAはアミノ酸の側鎖である。
式CC−(XXV)
特定の例は、式CC−(XXV):
の化合物であり、式中
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでヒドロキシル基の水素原子はカルボニル基との共有結合により置換され;
cc24は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択され;および
AAはアミノ酸の側鎖である。
式CC−(XXVI)
特定の例は、式CC−(XXVI):
の化合物であり、式中
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでヒドロキシル基の水素原子はカルボニル基との共有結合により置換され;
cc25およびRcc26は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから独立して選択され;
cc27は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択され;および
AAはアミノ酸の側鎖である。
式CC−(XXVII)
特定の例は、式CC−(XXVII):
の化合物であり、式中
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでヒドロキシル基の水素原子はカルボニル基との共有結合により置換され;
cc28およびRcc29は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから独立して選択され;
cc30は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択され;および
AAはアミノ酸の側鎖である。
式CC−(XXVIII)
特定の例は、式CC−(XXVIII):
の化合物であり、式中
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでヒドロキシル基の水素原子はカルボニル基との共有結合により置換され;
cc31は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択され;
ZはOまたはNHであり;
cc32は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択され;および
AAはアミノ酸の側鎖である。
ケトン修飾オピオイドプロドラッグ
本開示物は、ケトン含有オピオイドの酵素制御放出を提供するケトン修飾オピオイドプロドラッグを提供する。本明細書で使用されるとき、ケトン含有オピオイドは、エノール化可能なケトン基を含有するオピオイドである。ケトン修飾オピオイドプロドラッグでは、プロモイエティがケトン部分のエノール酸素原子を介してケトン含有オピオイドに結合する。ケトン修飾オピオイドプロドラッグでは、ケトン含有オピオイドの対応するエノール基の水素原子がプロモイエティとの共有結合に置き換えられる。
本明細書に開示されるとおり、トリプシン切断可能なケトン修飾オピオイドプロドラッグは、トリプシン切断可能部分、即ちトリプシンによる切断を受け易い部位を有する部分を含んでなるプロモイエティを含んでなるケトン修飾オピオイドプロドラッグである。そのようなプロドラッグは、トリプシン切断可能部分を含んでなるプロモイエティに共有結合したケトン含有オピオイドを含んでなり、ここでトリプシンによるトリプシン切断可能な部分の切断が、薬物の放出を仲介する。切断は薬物放出を惹起し、それに寄与し、またはそれを生じさせることができる。
環化可能なスペーサー脱離基と切断可能部分とを含んでなるプロモイエティを有するケトン修飾オピオイドプロドラッグ
特定の実施形態によれば、ケトン含有オピオイドの酵素制御放出を提供するケトン修飾オピオイドプロドラッグが提供される。本開示物は、プロモイエティが環化可能なスペーサー脱離基と切断可能部分とを含んでなるケトン修飾オピオイドを提供する。特定の実施形態では、ケトン含有オピオイドは、酵素切断可能な部分で保護された窒素求核種を有するスペーサー脱離基である置換基をエノール酸素原子が有する対応する化合物であり、スペーサー脱離基および窒素求核種の配置は、切断可能部分が酵素切断されると窒素求核種が環状尿素を形成し、スペーサー脱離基から化合物が遊離してケトン含有オピオイドを提供することが可能であるような配置である。
対応するプロドラッグは、投与後に活性化される制御されたケトン含有オピオイド放出を提供する。プロドラッグはケトン含有オピオイドの放出を惹起するのに酵素切断を必要とし、従ってケトン含有オピオイドの放出速度は酵素切断の速度および環化の速度の双方に依存する。従ってこのプロドラッグは、意図的な過量服用によるか、注射によるなどの不適切な経路での投与か、または即時利用可能な家庭用化学品を使用した化学修飾によるかに関わらず、偶発的過量服用または乱用され易さが抑えられている。このプロドラッグは、それが不適切に投与されても過剰に高い血漿中活性薬物濃度を提供しないように構成され、および酵素切断と、それに続く制御された環化による以外には容易に分解されず、活性薬物を提供することができない。
アミド結合を介して窒素求核種に連結された酵素切断可能な部分は、例えば、アミノ酸もしくはペプチド、またはアミノ酸もしくはペプチドの(α)N−アシル誘導体(例えば薬学的に許容できるカルボン酸のN−アシル誘導体)の残基であってよい。ペプチドは、例えば、最大約100アミノ酸残基を含み得る。各アミノ酸は有利には、L−アミノ酸などの、天然に存在するアミノ酸であってよい。天然に存在するアミノ酸の例は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンである。従って、酵素切断可能な部分の例としては、以上に列挙するL−アミノ酸およびそのN−アシル誘導体、ならびに以上に列挙するL−アミノ酸の少なくとも2つから形成されるペプチドおよびそのN−アシル誘導体の残基が挙げられる。
ケトン含有オピオイドが放出されるときに形成される環状の基は、好都合には薬学的に許容できるものであり、特に薬学的に許容できる環状尿素である。環状尿素は概して極めて安定しており、毒性が低いことは理解されるであろう。
式KC−(I)および式KC−(II)
本開示物の組成物は、以下に示す式KC−(I)および式KC−(II)の化合物を含む。式KC−(I)および式KC−(II)の化合物は、オキシコドンおよびヒドロコドンのプロドラッグである。本開示物の医薬組成物および方法もまた、式KC−(I)および式KC−(II)の化合物を企図する。
式KC−(I)
その組成物の態様の一つにおいて、本実施形態は、式KC−(Ia):
の化合物であって、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rが、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rが、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;あるいはRおよびRは、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基は、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数であり;
は水素または(1−4C)アルキルであり;
は、
であり;
各Rが、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから独立して選択されるか、あるいは場合により、RおよびRは、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各Wが、独立して、−NR−、−O−または−S−であり;
各Rが、水素、アルキル、置換アルキル、アリールおよび置換アリールから独立して選択されるか、あるいは場合により、各RおよびRは独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
pは1〜100の整数であり;かつ
は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択される、化合物またはその塩、水和物もしくは溶媒和物を提供する。
その組成物の態様の一つにおいて、本実施形態は、式KC−(Ib):
の化合物であって、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rが、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rが、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;あるいはRおよびRは、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基は、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
nは2〜4の整数であり;
は水素または(1−4C)アルキルであり;
は、
であり;
各Rが、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから独立して選択されるか、あるいは場合により、RおよびRは、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各Wが、独立して、−NR−、−O−または−S−であり;
各Rが、水素、アルキル、置換アルキル、アリールおよび置換アリールから独立して選択されるか、あるいは場合により、各RおよびRは独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
pは1〜100の整数であり;かつ
は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択される、化合物またはその塩、水和物もしくは溶媒和物を提供する。
式KC−(I)に対する参照は、式KC−(Ia)および式KC−(Ib)の化合物を含むことが意図される。
式KC−(I)において、Rは水素またはヒドロキシルであり得る。ある場合において、Rは水素である。他の場合には、Rはヒドロキシルである。
式KC−(I)において、Rは、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択されてもよい。ある場合において、Rは(1−6C)アルキルである。他の場合には、Rは(1−4C)アルキルである。他の場合には、Rはメチルまたはエチルである。他の場合には、Rはメチルである。ある場合において、Rはエチルである。
ある場合において、Rは置換アルキルである。ある場合において、Rは、カルボン酸、カルボン酸エステルまたはカルボン酸アミドなどのカルボン酸基で置換されたアルキル基である。ある場合において、Rは、−(CH−COOH、−(CH−COOCH、または−(CH−COOCHCHであり、ここでnは1〜10の数である。ある場合において、Rは、−(CH−COOH、−(CH−COOCH、または−(CH−COOCHCHである。
ある場合において、式KC−(I)においてRは、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルである。ある場合において、式KC−(I)においてRはアリールアルキルである。ある場合において、Rは置換アリールアルキルである。ある場合において、Rは、カルボン酸、カルボン酸エステルまたはカルボン酸アミドなどのカルボン酸基で置換されたアリールアルキル基である。ある場合において、Rは、−(CH(C)−COOH、−(CH(C)−COOCH、または−(CH(C)−COOCHCHであり、ここでqは1〜10の整数である。ある場合において、Rは、−CH(C)−COOH、−CH(C)−COOCH、または−CH(C)−COOCHCHである。
ある場合において、式KC−(I)においてRはアリールである。ある場合において、Rは置換アリールである。ある場合において、Rは、カルボン酸、カルボン酸エステルまたはカルボン酸アミドなどのカルボン酸基でオルト置換、メタ置換またはパラ置換されたアリール基である。ある場合において、Rは、−(C)−COOH、−(C)−COOCH、または−(C)−COOCHCHである。
式KC−(I)において、各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され得る。ある場合において、Rは水素またはアルキルである。ある場合において、Rは水素である。ある場合において、Rはアルキルである。ある場合において、Rはアシルである。ある場合において、Rはアミノアシルである。
式KC−(I)において、各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され得る。ある場合において、Rは水素またはアルキルである。ある場合において、Rは水素である。ある場合において、Rはアルキルである。ある場合において、Rはアシルである。ある場合において、Rはアミノアシルである。
ある場合において、RおよびRは水素である。ある場合において、同じ炭素上のRおよびRは双方ともアルキルである。ある場合において、同じ炭素上のRおよびRはメチルである。ある場合において、同じ炭素上のRおよびRはエチルである。
ある場合において、隣接するRおよびRは双方ともアルキルであり、かつ隣接するRおよびRは双方とも水素である。ある場合において、隣接するRおよびRは双方ともエチルであり、かつ隣接するRおよびRは双方とも水素である。ある場合において、隣接するRおよびRは双方ともメチルであり、かつ隣接するRおよびRは双方とも水素である。
ある場合において、式KC−(I)中の−[C(R)(R)]−の鎖におけるすべての炭素が置換されるとは限らない。ある場合において、−[C(R)(R)]−の鎖には、メチルまたはエチルなどの異なるアルキル置換基の組み合わせがある。
ある場合において、RおよびRの一方は、メチル、エチルまたは他のアルキルであり、かつRはアルキルである。ある場合において、隣接するRおよびRは双方ともアルキルであり、かつ隣接するRおよびRは双方とも水素であり、かつRはアルキルである。ある場合において、隣接するRおよびRは双方ともエチルであり、かつ隣接するRおよびRは双方とも水素であり、かつRはアルキルである。ある場合において、隣接するRおよびRは双方ともメチルであり、かつ隣接するRおよびRは双方とも水素であり、かつRはアルキルである。
ある場合において、RおよびRの一方は、メチル、エチルまたは他のアルキルであり、かつRは置換アルキルである。ある場合において、RおよびRの一方は、メチル、エチルまたは他のアルキルであり、かつRは、カルボン酸、カルボン酸エステルまたはカルボン酸アミドなどのカルボン酸基で置換されたアルキル基である。ある場合において、RおよびRの一方は、メチル、エチルまたは他のアルキルであり、かつRは、−(CH(C)−COOH、−(CH(C)−COOCH、または−(CH(C)−COOCHCHであり、ここでqは1〜10の整数である。ある場合において、RおよびRの一方は、メチル、エチルまたは他のアルキルであり、かつRは、カルボキサミドで置換されたアルキル基である。
式KC−(I)では、RおよびRは、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのRまたはR基は、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキルまたは置換シクロアルキル基を形成することができる。ある場合において、RおよびRは、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基を形成することができる。それ故、ある場合において、同じ炭素上のRおよびRは、スピロ環を形成する。ある場合において、RおよびRは、それらが結合する炭素と共に、置換シクロアルキル基を形成することができる。ある場合において、隣接する炭素原子上の2つのRまたはR基は、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基を形成することができる。ある場合において、隣接する炭素原子上の2つのRまたはR基は、それらが結合する炭素原子と共に、置換シクロアルキル基を形成することができる。
式KC−(I)において、RおよびRは、それらが結合する炭素と共に、アリール基または置換アリール基を形成し得るか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基は、それらが結合する炭素原子と共に、アリール基または置換アリール基を形成し得る。ある場合において、隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基は、それらが結合する炭素原子と共に、フェニル環を形成する。ある場合において、隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基は、それらが結合する炭素原子と共に、置換フェニル環を形成する。ある場合において、隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基は、それらが結合する炭素原子と共に、ナフチル環を形成する。
ある場合において、RおよびRのうち一方はアミノアシルである。
ある場合において、RおよびRのうち一方または両方は、フェニレンジアミンを含んでなるアミノアシルである。
ある場合において、RおよびRのうち一方は、
であって;ここで、各R10は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、およびアシルから選択され、そしてR11は、アルキルまたは置換アルキルである。ある場合において、R10のうち少なくとも1つは、アシルである。ある場合において、R10のうち少なくとも1つは、アルキルまたは置換アルキルである。ある場合において、R10のうち少なくとも1つは、水素である。ある場合において、R10のうち両方が水素である。
ある場合において、RおよびRのうち一方は
であり;ここで、R10は、水素、アルキル、置換アルキル、またはアシルである。ある場合において、R10はアシルである。ある場合において、R10はアルキルまたは置換アルキルである。ある場合において、R10は水素である。
ある場合において、RおよびRの一方は
であり;式中、各R10は独立して、水素、アルキル、置換アルキル、またはアシルであり、かつbは1〜5の数である。ある場合において、RおよびRの一方は
であり;式中、各R10は独立して、水素、アルキル、置換アルキル、またはアシルである。ある場合において、RおよびRの一方は
であり;式中、R10aはアルキルであり、かつ各R10は独立して、水素、アルキル、置換アルキル、またはアシルである。
ある場合において、RおよびRの一方は
であり;式中、R10は独立して、水素、アルキル、置換アルキル、またはアシルであり、かつbは1〜5の数である。ある場合において、RおよびRの一方は
であり;式中、R10は独立して、水素、アルキル、置換アルキル、またはアシルである。
ある場合において、RおよびRの一方は、−C(O)NR10a10bなどのアミノアシル基であり、式中、各R10aおよびR10bは、水素、アルキル、置換アルキル、およびアシルから独立して選択される。ある場合において、RおよびRの一方は、−C(O)NR10a10bなどのアミノアシル基であり、式中、R10aはアルキルであり、かつR10bは置換アルキルである。ある場合において、RおよびRの一方は、−C(O)NR10a10bなどのアミノアシル基であり、式中、R10aはアルキルであり、かつR10bは、カルボン酸またはカルボキシルエステルで置換されたアルキルである。ある場合において、RおよびRの一方は、−C(O)NR10a10bなどのアミノアシル基であり、式中、R10aはメチルであり、かつR10bは、カルボン酸またはカルボキシルエステルで置換されたアルキルである。
ある場合において、RまたはRは、分子内環化の速度をモジュレートすることができる。RまたはRは、RおよびRが両方とも水素である対応する分子と比較して、分子内環化の速度を増加することができる。ある場合において、RまたはRは、電子吸引基または電子供与基を含んでなる。ある場合において、RまたはRは、電子吸引基を含んでなる。ある場合において、RまたはRは、電子供与基を含んでなる。
電子吸引置換基を官能化することが可能な原子および基は、有機化学の分野において周知である。それらは、電気陰性原子および電気陰性原子を含有する基を含む。そのような基は、電子密度の誘導性吸引を介して、β位における求核性窒素の塩基度またはプロトン化状態を低下するように機能する。そのような基はまた、アルキレン鎖に沿った他の位置上に位置することができる。例として、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子)、アシル基(例えば、アルカノイル基、アロイル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基またはアミノカルボニル基(例えば、カルバモイル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニルもしくはアリールアミノカルボニル基))、オキソ(=O)置換基、ニトリル基、ニトロ基、エーテル基(例えば、アルコキシ基)およびオルト位、パラ位またはオルト位およびパラ位の両方において置換基を有するフェニル基(各置換基は、ハロゲン原子、フルオロアルキル基(例えば、トリフルオロメチル)、ニトロ基、シアノ基およびカルボキシル基から独立して選択される)が挙げられる。電子吸引置換基のそれぞれは、独立して、これらから選択することができる。
ある場合において、−[C(R)(R)]−は、−CH(CHF)CH(CHF)−;−CH(CHF)CH(CHF)−;−CH(CF)CH(CF)−;−CHCH(CF)−;−CHCH(CHF)−;−CHCH(CHF)−;−CHCH(F)CH−;−CHC(F2)CH−;−CHCH(C(O)NR2021)−;−CHCH(C(O)OR22)−;−CHCH(C(O)OH)−;−CH(CHF)CHCH(CHF)−;−CH(CHF)CHCH(CHF)−;−CH(CF)CHCH(CF)−;−CHCHCH(CF)−;−CHCHCH(CHF)−;−CHCHCH(CHF)−;−CHCHCH(C(O)NR2324)−;−CHCHCH(C(O)OR25)−;および−CHCHCH(C(O)OH)−から選択され、式中、R20、R21、R22およびR23は、それぞれ独立して、水素または(1−6C)アルキルを表し、そしてR24およびR25は、それぞれ独立して、(1−6C)アルキルを表す。
式KC−(I)において、nは2〜4の整数であってもよい。ある場合において、nは2である。他の場合には、nは3である。他の場合には、nは4である。
式KC−(I)において、Rは水素または(1−4C)アルキルであってもよい。ある場合において、Rは水素またはメチルである。ある場合において、Rは水素である。ある場合において、Rはメチルである。ある場合において、Rはエチルである。ある場合において、Rはプロピルまたはブチルである。
式KC−(I)において、Rは、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンから選択されるL−アミノ酸の残基、もしくは前記アミノ酸のいずれかのN−アシル誘導体の残基;または、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンから独立して選択される少なくとも2つのL−アミノ酸残基から構成されるペプチドの残基、もしくはそのN−アシル誘導体の残基であり得る。そのようなペプチドは、2〜約100アミノ酸長であり得る。N−アシル誘導体の例として、アセチル誘導体、ベンゾイル誘導体、マロニル誘導体、ピペロニル誘導体またはスクシニル誘導体が挙げられる。
ある場合において、Rは、L−アルギニンまたはL−リジンの残基であるか、あるいはL−アルギニンまたはL−リジンのN−アシル誘導体の残基である。
ある場合において、式KC−(I)におけるpが1より大きいとき、−N(R)(R)の窒素に隣接するRは、L−アルギニンまたはL−リジンの残基である。ある場合において、pが1より大きいとき、−N(R)(R)の窒素に隣接するRは、L−アルギニンまたはL−リジンの残基であり、かつ第1の残基が、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンから独立して選択される少なくとも1つのさらなるL−アミノ酸残基に結合する。ペプチドの末端残基は、そのようなL−アミノ酸のいずれかのN−アシル誘導体であってもよい。ある場合において、Rは、ジペプチドまたはそのN−アシル誘導体である。ある場合において、Rは、トリペプチドまたはそのN−アシル誘導体である。
式KC−(I)において、R
である。
式KC−(I)において、各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから独立して選択されてもよく、あるいは場合により、RおよびRは、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成してもよい。
ある場合において、式KC−(I)においてRは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから選択される。ある場合において、Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから選択される。ある場合において、Rは水素である。ある場合において、Rはアルキルである。ある場合において、Rは置換アルキルである。ある場合において、Rは、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルである。ある場合において、Rは、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルである。
ある場合において、Rは、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシンまたはバリンなどのアミノ酸の側鎖である。ある場合において、Rは、L−アラニン、L−アルギニン、L−アスパラギン、L−アスパラギン酸、L−システイン、L−グリシン、L−グルタミン、L−グルタミン酸、L−ヒスチジン、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−リジン、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、L−セリン、L−スレオニン、L−トリプトファン、L−チロシンまたはL−バリンなどのL−アミノ酸の側鎖である。
ある場合において、Rは、−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHである。
式KC−(I)において、各Wは独立して、−NR−、−O−または−S−であってもよい。ある場合において、Wは−NR−である。ある場合において、Wは−O−である。ある場合において、Wは−S−である。
式KC−(I)において、各Rは独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであってもよく、あるいは場合により、各RおよびRは独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成する。
ある場合において、式KC−(I)においてRは水素またはアルキルである。ある場合において、Rは水素である。ある場合において、Rはアルキルである。ある場合において、Rはアリールである。ある場合において、RおよびRは独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成する。
式KC−(I)において、pは1〜100の整数であってもよく、かつ各Rは任意のアミノ酸の側鎖から独立して選択されてもよい。ある場合において、pは1〜50の整数である。ある場合において、pは、1〜90、80、70、60、50、40、30、20、または10の整数である。ある場合において、pは約100である。ある場合において、pは約75である。ある場合において、pは約50である。ある場合において、pは約25である。ある場合において、pは約20である。ある場合において、pは約15である。ある場合において、pは約10である。ある場合において、pは約9である。ある場合において、pは約8である。ある場合において、pは約7である。ある場合において、pは約6である。ある場合において、pは約5である。ある場合において、pは約4である。ある場合において、pは約3である。ある場合において、pは約2である。ある場合において、pは約1である。
ある場合において、−N(R)(R)の窒素に隣接するRのRは、−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHであり、かつ任意のさらなるRが、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシンまたはバリンから独立して選択される任意のアミノ酸の側鎖であってよい。
式KC−(I)において、Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択され得る。
ある場合において、Rは、水素、アルキル、アシル、または置換アシルである。ある場合において、Rは水素である。ある場合において、Rはアルキルである。ある場合において、Rはアシルまたは置換アシルである。ある場合において、Rはアシルである。ある場合において、Rは置換アシルである。ある場合において、Rは、アセチル、ベンゾイル、マロニル、ピペロニルまたはスクシニルであってもよい。
式KC−(II)
式KC−(II)の化合物は、Rが、(1−6C)アルキル、(1−6C)置換アルキル、−(CH(C)−COOH、−(CH(C)−COOCH、および−(CH(C)−COOCHCHから選択され、ここでqは1〜10の整数であり;nが2または3であり;Rが水素であり;RがL−アミノ酸またはペプチドであって、L−アミノ酸から構成され得るペプチドである式KC−(I)の化合物である。その組成物の態様の一つにおいて、本実施形態は、式KC−(II):
の化合物を提供し、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
は、(1−6C)アルキル、(1−6C)置換アルキル、−(CH(C)−COOH、−(CH(C)−COOCH、および−(CH(C)−COOCHCHから選択され、ここでqは1〜10の整数であり;
各Rが、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rが、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;あるいはRおよびRは、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基は、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
nは2または3であり;
は水素であり;
は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンから選択されるL−アミノ酸の残基、もしくは前記アミノ酸のいずれかのN−アシル誘導体の残基;または、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンから独立して選択される少なくとも2つのL−アミノ酸残基から構成されるペプチドの残基、もしくはそのN−アシル誘導体の残基である。
式KC−(II)の特定の実施形態では、Rは、アルギニンおよびリジンから選択されるL−アミノ酸の残基である。
ある場合において、式KC−(II)においてRが2個以上のアミノ酸を含んでなるペプチドであるとき、−N(R)(R)の窒素に隣接するRは、L−アルギニンまたはL−リジンの残基である。ある場合において、Rは、ジペプチドまたはそのN−アシル誘導体である。ある場合において、Rは、トリペプチドまたはそのN−アシル誘導体である。
式KC−(II)における特定の実施形態では、Rは、そのN−アシル誘導体の残基である。ある場合において、Rは、そのN−アシル誘導体の残基であり、ここでN−アシル誘導体は、限定はされないがマロニルおよびスクシニルなど、置換されている。
式KC−(III)〜式KC−(V)
本開示物の組成物は、以下に示す式KC−(III)〜式KC−(V)の化合物を含む。本開示物の医薬組成物および方法もまた、式KC−(III)〜式KC−(V)の化合物を企図する。
式KC−(III)
その組成物の態様の一つにおいて、本実施形態は、式KC−(IIIa):
の化合物であって、式中:
Xはケトン含有オピオイドの残基を表し、ここでケトンの対応するエノール基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NRとの共有結合に置換され;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rが、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rが、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;あるいはRおよびRは、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基は、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数であり;
は水素であり;
は、
であり;
各Rが、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから独立して選択されるか、あるいは場合により、RおよびRは、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各Wが、独立して、−NR−、−O−または−S−であり;
各Rが、水素、アルキル、置換アルキル、アリールおよび置換アリールから独立して選択されるか、あるいは場合により、各RおよびRは独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
pは1〜100の整数であり;かつ
は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択される、化合物またはその塩、水和物もしくは溶媒和物を提供する。
その組成物の態様の一つにおいて、本実施形態は、式KC−(IIIb):
の化合物であって、式中:
Xはケトン含有オピオイドの残基を表し、ここでケトンの対応するエノール基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NRとの共有結合に置換され;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rが、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rが、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;あるいはRおよびRは、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基は、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
nは2〜4の整数であり;
は水素であり;
は、
であり;
各Rが、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから独立して選択されるか、あるいは場合により、RおよびRは、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各Wが、独立して、−NR−、−O−または−S−であり;
各Rが、水素、アルキル、置換アルキル、アリールおよび置換アリールから独立して選択されるか、あるいは場合により、各RおよびRは独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
pは1〜100の整数であり;かつ
は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択される、化合物またはその塩、水和物もしくは溶媒和物を提供する。
式KC−(III)に対する参照は、式KC−(IIIa)およびKC−(IIIb)の化合物を含むことが意図される。
式KC−(III)において、Rは、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され得る。ある場合において、Rは(1−6C)アルキルである。他の場合には、Rは(1−4C)アルキルである。他の場合には、Rはメチルまたはエチルである。他の場合には、Rはメチルである。ある場合において、Rはエチルである。
ある場合において、Rは置換アルキルである。ある場合において、Rは、カルボン酸、カルボン酸エステルまたはカルボン酸アミドなどのカルボン酸基で置換されたアルキル基である。ある場合において、Rは、−(CH−COOH、−(CH−COOCH、または−(CH−COOCHCHであり、ここでnは1〜10の数である。ある場合において、Rは、−(CH−COOH、−(CH−COOCH、または−(CH−COOCHCHである。
ある場合において、式KC−(III)においてRは、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルである。ある場合において、式KC−(III)においてRはアリールアルキルである。ある場合において、Rは置換アリールアルキルである。ある場合において、Rは、カルボン酸、カルボン酸エステルまたはカルボン酸アミドなどのカルボン酸基で置換されたアリールアルキル基である。ある場合において、Rは、−(CH(C)−COOH、−(CH(C)−COOCH、または−(CH(C)−COOCHCHであり、ここでqは1〜10の整数である。ある場合において、Rは、−CH(C)−COOH、−CH(C)−COOCH、または−CH(C)−COOCHCHである。
ある場合において、式KC−(III)においてRはアリールである。ある場合において、Rは置換アリールである。ある場合において、Rは、カルボン酸、カルボン酸エステルまたはカルボン酸アミドなどのカルボン酸基でオルト置換、メタ置換またはパラ置換されたアリール基である。ある場合において、Rは、−(C)−COOH、−(C)−COOCH、または−(C)−COOCHCHである。
式KC−(III)において、各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され得る。ある場合において、Rは水素またはアルキルである。ある場合において、Rは水素である。ある場合において、Rはアルキルである。ある場合において、Rはアシルである。ある場合において、Rはアミノアシルである。
式KC−(III)において、各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され得る。ある場合において、Rは水素またはアルキルである。ある場合において、Rは水素である。ある場合において、Rはアルキルである。ある場合において、Rはアシルである。ある場合において、Rはアミノアシルである。
ある場合において、RおよびRは水素である。ある場合において、同じ炭素上のRおよびRは双方ともアルキルである。ある場合において、同じ炭素上のRおよびRはメチルである。ある場合において、同じ炭素上のRおよびRはエチルである。
ある場合において、隣接するRおよびRは双方ともアルキルであり、かつ隣接するRおよびRは双方とも水素である。ある場合において、隣接するRおよびRは双方ともエチルであり、かつ隣接するRおよびRは双方とも水素である。ある場合において、隣接するRおよびRは双方ともメチルであり、かつ隣接するRおよびRは双方とも水素である。
ある場合において、式KC−(III)中の−[C(R)(R)]−の鎖におけるすべての炭素が置換されるとは限らない。ある場合において、−[C(R)(R)]−の鎖には、メチルまたはエチルなどの異なるアルキル置換基の組み合わせが存在する。
ある場合において、RおよびRの一方は、メチル、エチルまたは他のアルキルであり、かつRはアルキルである。ある場合において、隣接するRおよびRは双方ともアルキルであり、かつ隣接するRおよびRは双方とも水素であり、かつRはアルキルである。ある場合において、隣接するRおよびRは双方ともエチルであり、かつ隣接するRおよびRは双方とも水素であり、かつRはアルキルである。ある場合において、隣接するRおよびRは双方ともメチルであり、かつ隣接するRおよびRは双方とも水素であり、かつRはアルキルである。
ある場合において、RおよびRの一方は、メチル、エチルまたは他のアルキルであり、かつRは置換アルキルである。ある場合において、RおよびRの一方は、メチル、エチルまたは他のアルキルであり、かつRは、カルボン酸、カルボン酸エステルまたはカルボン酸アミドなどのカルボン酸基で置換されたアルキル基である。ある場合において、RおよびRの一方は、メチル、エチルまたは他のアルキルであり、かつRは、−(CH(C)−COOH、−(CH(C)−COOCH、または−(CH(C)−COOCHCHであり、ここでqは1〜10の整数である。ある場合において、RおよびRの一方は、メチル、エチルまたは他のアルキルであり、かつRは、カルボキサミドで置換されたアルキル基である。
式KC−(III)では、RおよびRは、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基は、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成することができる。ある場合において、RおよびRは、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基を形成することができる。それ故、ある場合において、同じ炭素上のRおよびRは、スピロ環を形成する。ある場合において、RおよびRは、それらが結合する炭素と共に、置換シクロアルキル基を形成することができる。ある場合において、隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基は、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基を形成することができる。ある場合において、隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基は、それらが結合する炭素原子と共に、置換シクロアルキル基を形成することができる。
ある場合において、RおよびRは、それらが結合する炭素と共に、アリール基または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基は、それらが結合する炭素原子と共に、アリール基または置換アリール基を形成し得る。ある場合において、隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基は、それらが結合する炭素原子と共に、フェニル環を形成する。ある場合において、隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基は、それらが結合する炭素原子と共に、置換フェニル環を形成する。ある場合において、隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基は、それらが結合する炭素原子と共に、ナフチル環を形成する。
ある場合において、RおよびRのうち一方はアミノアシルである。
ある場合において、RおよびRのうち一方または両方は、フェニレンジアミンを含んでなるアミノアシルである。
ある場合において、RおよびRのうち一方は
であって;ここで、各R10は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、およびアシルから選択され、そしてR11は、アルキルまたは置換アルキルである。ある場合において、R10のうち少なくとも1つは、アシルである。ある場合において、R10のうち少なくとも1つは、アルキルまたは置換アルキルである。ある場合において、R10のうち少なくとも1つは、水素である。ある場合において、R10のうち両方が水素である。
ある場合において、RおよびRのうち一方は
であり;ここで、R10は、水素、アルキル、置換アルキル、またはアシルである。ある場合において、R10はアシルである。ある場合において、R10はアルキルまたは置換アルキルである。ある場合において、R10は水素である。
ある場合において、RおよびRの一方は、
であり;式中、各R10は独立して、水素、アルキル、置換アルキル、またはアシルであり、かつbは1〜5の数である。ある場合において、RおよびRの一方は、
であり;式中、各R10は独立して、水素、アルキル、置換アルキル、またはアシルである。ある場合において、RおよびRの一方は、
であり;式中、R10aはアルキルであり、かつ各R10は独立して、水素、アルキル、置換アルキル、またはアシルである。
ある場合において、RおよびRの一方は、
であり;式中、R10は独立して、水素、アルキル、置換アルキル、またはアシルであり、かつbは1〜5の数である。ある場合において、RおよびRの一方は、
であり;式中、R10は独立して、水素、アルキル、置換アルキル、またはアシルである。
ある場合において、RおよびRの一方は、−C(O)NR10a10bなどのアミノアシル基であり、式中、各R10aおよびR10bは、水素、アルキル、置換アルキル、およびアシルから独立して選択される。ある場合において、RおよびRの一方は、−C(O)NR10a10bなどのアミノアシル基であり、式中、R10aはアルキルであり、かつR10bは置換アルキルである。ある場合において、RおよびRの一方は、−C(O)NR10a10bなどのアミノアシル基であり、式中、R10aはアルキルであり、かつR10bは、カルボン酸またはカルボキシルエステルで置換されたアルキルである。ある場合において、RおよびRの一方は、−C(O)NR10a10bなどのアミノアシル基であり、式中、R10aはメチルであり、かつR10bは、カルボン酸またはカルボキシルエステルで置換されたアルキルである。
ある場合において、RまたはRは、分子内環化の速度をモジュレートすることができる。RまたはRは、RおよびRが両方とも水素である対応する分子と比較して、分子内環化の速度を増加することができる。ある場合において、RまたはRは、電子吸引基または電子供与基を含んでなる。ある場合において、RまたはRは、電子吸引基を含んでなる。ある場合において、RまたはRは、電子供与基を含んでなる。
電子吸引置換基を官能化することが可能な原子および基は、有機化学の分野において周知である。それらは、電気陰性原子および電気陰性原子を含有する基を含む。そのような基は、電子密度の誘導性吸引を介して、β位における求核性窒素の塩基度またはプロトン化状態を低下するように機能する。そのような基はまた、アルキレン鎖に沿った他の位置上に位置することができる。例として、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子)、アシル基(例えば、アルカノイル基、アロイル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基またはアミノカルボニル基(例えば、カルバモイル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニルもしくはアリールアミノカルボニル基))、オキソ(=O)置換基、ニトリル基、ニトロ基、エーテル基(例えば、アルコキシ基)およびオルト位、パラ位またはオルト位およびパラ位の両方において置換基を有するフェニル基(各置換基は、ハロゲン原子、フルオロアルキル基(例えば、トリフルオロメチル)、ニトロ基、シアノ基およびカルボキシル基から独立して選択される)が挙げられる。電子吸引置換基のそれぞれは、独立して、これらから選択することができる。
ある場合において、−[C(R)(R)]−は、−CH(CHF)CH(CHF)−;−CH(CHF)CH(CHF)−;−CH(CF)CH(CF)−;−CHCH(CF)−;−CHCH(CHF)−;−CHCH(CHF)−;−CHCH(F)CH−;−CHC(F)CH−;−CHCH(C(O)NR2021)−;−CHCH(C(O)OR22)−;−CHCH(C(O)OH)−;−CH(CHF)CHCH(CHF)−;−CH(CHF)CHCH(CHF)−;−CH(CF)CHCH(CF)−;−CHCHCH(CF)−;−CHCHCH(CHF)−;−CHCHCH(CHF)−;−CHCHCH(C(O)NR2324)−;−CHCHCH(C(O)OR25)−;および−CHCHCH(C(O)OH)−から選択され、式中、R20、R21、R22およびR23は、それぞれ独立して、水素または(1−6C)アルキルを表し、そしてR24およびR25は、それぞれ独立して、(1−6C)アルキルを表す。
式KC−(III)において、nは2〜4の整数であってもよい。ある場合において、nは2である。他の場合には、nは3である。他の場合には、nは4である。
式KC−(III)において、Rは水素または(1−4C)アルキルであってもよい。ある場合において、Rは水素またはメチルである。ある場合において、Rは水素である。ある場合において、Rはメチルである。ある場合において、Rはエチルである。ある場合において、Rはプロピルまたはブチルである。
式KC−(III)において、Rは、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンから選択されるL−アミノ酸の残基、もしくは前記アミノ酸のいずれかのN−アシル誘導体の残基;または、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンから独立して選択される少なくとも2つのL−アミノ酸残基から構成されるペプチドの残基、もしくはそのN−アシル誘導体の残基であってもよい。そのようなペプチドは、2〜約100アミノ酸長であり得る。N−アシル誘導体の例として、アセチル誘導体、ベンゾイル誘導体、マロニル誘導体、ピペロニル誘導体またはスクシニル誘導体が挙げられる。
ある場合において、Rは、L−アルギニンまたはL−リジンの残基であるか、あるいはL−アルギニンまたはL−リジンのN−アシル誘導体の残基である。
ある場合において、式KC−(III)においてpが1より大きいとき、−N(R)(R)の窒素に隣接するRは、L−アルギニンまたはL−リジンの残基である。ある場合において、pが1より大きいとき、−N(R)(R)の窒素に隣接するRは、L−アルギニンまたはL−リジンの残基であり、かつ第1の残基が、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンから独立して選択される少なくとも1つのさらなるL−アミノ酸残基に結合する。ペプチドの末端残基は、このようなアミノ酸のいずれかのN−アシル誘導体であってもよい。ある場合において、Rは、ジペプチドまたはそのN−アシル誘導体である。ある場合において、RはトリペプチドまたはそのN−アシル誘導体である。式KC−(III)において、Rは、
である。
式KC−(III)において、各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから独立して選択され得るか、あるいは場合により、RおよびRは、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し得る。
ある場合において、式KC−(III)においてRは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから選択される。ある場合において、Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから選択される。ある場合において、Rは水素である。ある場合において、Rはアルキルである。ある場合において、Rは置換アルキルである。ある場合において、Rは、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルである。ある場合において、Rは、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルである。
ある場合において、Rは、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシンまたはバリンなどのアミノ酸の側鎖である。ある場合において、Rは、L−アラニン、L−アルギニン、L−アスパラギン、L−アスパラギン酸、L−システイン、L−グリシン、L−グルタミン、L−グルタミン酸、L−ヒスチジン、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−リジン、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、L−セリン、L−スレオニン、L−トリプトファン、L−チロシンまたはL−バリンなどのL−アミノ酸の側鎖である。
ある場合において、Rは、−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHである。
式KC−(III)において、各Wは独立して、−NR−、−O−または−S−であってもよい。ある場合において、Wは−NR−である。ある場合において、Wは−O−である。ある場合において、Wは−S−である。
式KC−(III)において、各Rは独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであってもよく、あるいは場合により、各RおよびRは独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成する。
ある場合において、式KC−(III)においてRは水素またはアルキルである。ある場合において、Rは水素である。ある場合において、Rはアルキルである。ある場合において、Rはアリールである。ある場合において、RおよびRは、独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成する。
式KC−(III)において、pは1〜100の整数であってもよく、かつ各Rは任意のアミノ酸の側鎖から独立して選択されてもよい。ある場合において、pは1〜50の整数である。ある場合において、pは、1〜90、80、70、60、50、40、30、20、または10の整数である。ある場合において、pは約100である。ある場合において、pは約75である。ある場合において、pは約50である。ある場合において、pは約25である。ある場合において、pは約20である。ある場合において、pは約15である。ある場合において、pは約10である。ある場合において、pは約9である。ある場合において、pは約8である。ある場合において、pは約7である。ある場合において、pは約6である。ある場合において、pは約5である。ある場合において、pは約4である。ある場合において、pは約3である。ある場合において、pは約2である。ある場合において、pは約1である。
ある場合において、−N(R)(R)の窒素に隣接するRのRは、−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHであり、そして任意のさらなるRが、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシンまたはバリンから独立して選択される任意のアミノ酸の側鎖であってよい。
式KC−(III)において、Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択され得る。
ある場合において、Rは、水素、アルキル、アシル、または置換アシルである。ある場合において、Rは水素である。ある場合において、Rはアルキルである。ある場合において、Rはアシルまたは置換アシルである。ある場合において、Rはアシルである。ある場合において、Rは置換アシルである。ある場合において、Rは、アセチル、ベンゾイル、マロニル、ピペロニルまたはスクシニルであってもよい。
式KC−(IV)
式KC−(IV)の化合物は、Rが、(1−6C)アルキル、(1−6C)置換アルキル、−(CH(C)−COOH、−(CH(C)−COOCH、および−(CH(C)−COOCHCHから選択され、ここでqは1〜10の整数であり;nが2または3であり;Rが水素であり;RがL−アミノ酸またはペプチドであって、L−アミノ酸から構成され得るペプチドである式KC−(III)の化合物である。その組成物の態様の一つにおいて、本実施形態は、式KC−(IV):
の化合物であって、式中:
Xはケトン含有オピオイドの残基を表し、ここでケトンの対応するエノール基の水素原子は、−C(O)−NR
−(C(R)(R))−NRとの共有結合に置換され;
は、(1−6C)アルキル、(1−6C)置換アルキル、−(CH(C)−COOH、−(CH(C)−COOCH、および−(CH(C)−COOCHCHから選択され、ここでqは1〜10の整数であり;
各Rが、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rが、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;あるいはRおよびRは、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基は、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
nは2または3であり;
は水素であり;
は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンから選択されるL−アミノ酸の残基、もしくは前記アミノ酸のいずれかのN−アシル誘導体の残基;または、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンから独立して選択される少なくとも2つのL−アミノ酸残基から構成されるペプチドの残基、もしくはそのN−アシル誘導体の残基である、化合物またはその塩、水和物もしくは溶媒和物を提供する。
式KC−(IV)における特定の実施形態では、Rは、アルギニンおよびリジンから選択されるL−アミノ酸の残基である。
ある場合には、式KC−(IV)においてRが2個以上のアミノ酸を含んでなるペプチドであるとき、−N(R)(R)の窒素に隣接するRは、L−アルギニンまたはL−リジンの残基である。ある場合において、Rは、ジペプチドまたはそのN−アシル誘導体である。ある場合において、RはトリペプチドまたはそのN−アシル誘導体である。
式KC−(IV)における特定の実施形態では、Rは、そのN−アシル誘導体の残基である。ある場合において、Rは、そのN−アシル誘導体の残基であり、ここでN−アシル誘導体は、限定はされないがマロニルおよびスクシニルなど、置換されている。
式KC−(V)
式KC−(Va)の化合物は、Rがトリプシン切断可能部分である式KC−(III)の化合物である。
その組成物の態様の一つにおいて、本実施形態は、式KC−(Va):
の化合物であって、式中:
Xはケトン含有オピオイドの残基を表し、ここでケトンの対応するエノール基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NRとの共有結合に置換され;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rが、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rが、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;あるいはRおよびRは、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基は、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数であり;
は水素であり;
はトリプシン切断可能部分である、化合物またはその塩、水和物もしくは溶媒和物を提供する。
式KC−(Va)において、Rはトリプシン切断可能部分である。トリプシン切断可能部分は、トリプシンにより切断されることが可能な構造部分である。ある場合において、トリプシン切断可能部分は、トリプシンの活性部位に適合することができ、かつプロドラッグを切断可能な結合で切断されるように配置することが可能な荷電部分を含んでなる。例えば、この荷電部分は、生理学的pHで荷電部分として存在する塩基性部分であってもよい。
特定の実施形態では、式KC−(Va)においてRは、−C(O)−CH(R6a)−NH(R7a)であり、式中、R6aは、トリプシン切断可能部分であるRをもたらすアミノ酸の側鎖またはアミノ酸の側鎖の誘導体を表す。誘導体は、修飾、部分的置換、ホモログ化、トランケーション、または酸化状態の変更により別の物質から変化した物質を指す。
例えば、トリプシン切断可能部分を形成するため、R6aは、リジン(L−リジンなど)、アルギニン(L−アルギニンなど)、ホモリジン、ホモアルギニン、およびオルニチンの側鎖を含むことができるが、これらに限定されない。Rの他の値は、アルギニンミミック、アルギニンホモログ、アルギニントランケート、酸化状態が変化するアルギニン(例えば、代謝物)、リジンミミック、リジンホモログ、リジントランケート、および酸化状態が変化するリジン(例えば、代謝物)を含むが、これらに限定されない。アルギニンミミックおよびリジンミミックの例としては、アリールグアニジン類、アリールアミジン類(置換ベンズアミジン類)、ベンジルアミン類、および(ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−イル)メタンアミンおよびその誘導体が挙げられる。
ある場合において、式KC−(Va)においてR6aは、−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHを表し、Rが結合する炭素原子の配置は、L−アミノ酸における配置に対応する。
式KC−(Va)において、R7aは、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択される。ある場合において、R7aは、アミノ酸またはアミノ酸のN−アシル誘導体である。ある場合において、R7aは、ペプチドまたはそのようなペプチドのN−アシル誘導体であり、ここでペプチドは1〜100アミノ酸を含んでなり、かつ各アミノ酸は独立して選択され得る。ある場合において、ペプチドには1〜50アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには1〜90、80、70、60、50、40、30、20、または10アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約100アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約75アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約50アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約25アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約20アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約15アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約10アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約9アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約8アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約7アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約6アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約5アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約4アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約3アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約2アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約1アミノ酸がある。
式KC−(Vb)
式KC−(Vb)の化合物は、RがGI酵素切断可能部分である式KC−(III)の化合物である。
その組成物の態様の一つにおいて、本実施形態は、式KC−(Vb):
の化合物であって、式中:
Xは、ケトン含有オピオイドの残基を表し、ここでケトンの対応するエノール基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NRとの共有結合により置換され;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数であり;
は水素であり;
はGI酵素切断可能部分である、化合物またはその塩、水和物もしくは溶媒和物を提供する。
式KC−(Vb)において、RはGI酵素切断可能部分である。GI酵素切断可能部分は、GI酵素によって切断可能な構造的部分である。
特定の実施形態では、式KC−(Vb)において、Rは−C(O)−CH(R)−NH(R)であり、式中、Rは、GI酵素切断可能部分であるRをもたらすアミノ酸の側鎖またはアミノ酸の側鎖の誘導体を表す。誘導体は、修飾、部分的置換、ホモログ化、トランケーション、または酸化状態の変化により別の物質から変化した物質を指す。
例えば、GI酵素切断可能部分を形成するため、Rは、リジン(L−リジンなど)、アルギニン(L−アルギニンなど)、ホモリジン、ホモアルギニン、およびオルニチンの側鎖を含むことができるが、これらに限定されない。Rの他の値は、アルギニンミミック、アルギニンホモログ、アルギニントランケート、酸化状態が変化するアルギニン(例えば、代謝物)、リジンミミック、リジンホモログ、リジントランケート、および酸化状態が変化するリジン(例えば、代謝物)を含むが、これらに限定されない。アルギニンミミックおよびリジンミミックの例として、アリールグアニジン、アリールアミジン(置換ベンズアミジン)、ベンジルアミン、および(ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−イル)メタンアミンおよびその誘導体が挙げられる。
ある場合に、式KC−(Vb)において、Rは−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHを表し、Rが結合する炭素原子の配置は、L−アミノ酸における配置と一致する。
式KC−(Vb)において、Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択される。ある場合において、Rはアミノ酸またはアミノ酸のN−アシル誘導体である。ある場合において、RはペプチドまたはかかるペプチドのN−アシル誘導体であり、ここでペプチドは1〜100アミノ酸を含んでなり、かつ各アミノ酸は独立して選択され得る。ある場合において、ペプチドには1〜50アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには1〜90、80、70、60、50、40、30、20、または10アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約100アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約75アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約50アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約25アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約20アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約15アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約10アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約9アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約8アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約7アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約6アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約5アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約4アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約3アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約2アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約1アミノ酸がある。
式KC−(VI)
その組成物の態様の一つにおいて、本実施形態は、式KC−(VI):
の化合物を提供し、式中:
Xは、ケトン含有オピオイドの残基を表し、ここでケトンの対応するエノール基の水素原子は、−C(O)−Y−(C(R)(R))−NRとの共有結合により置換され;
Yは、−NR−、−O−または−S−であり;
nは1〜4の整数であり;
各R、R、RおよびRは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであるか、あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
は、
であり;
各Rは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にRおよびRが、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;
pは1〜10の整数であり;
各Wは、独立して、−NR−、−O−または−S−であり;および
各Rは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであるか、あるいは任意選択的に、各RおよびRが、独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成する。
詳細な目的の化合物、およびその塩または溶媒和物または立体異性体としては:
オキシコドン6−(N−メチル−N−(2−N’−アセチルアルギニルアミノ))エチルカルバメート:
ヒドロコドン6−(N−メチル−N−(2−N’−アセチルアルギニルアミノ))エチルカルバメート:
オキシコドン6−(N−メチル−N−(2−N’−マロニルアルギニルアミノ))エチルカルバメート:
オキシコドン6−(N−5’−カルボキシペンチル−N−(2−N’−アセチルアルギニルアミノ))エチルカルバメート:
ヒドロコドン6−(N−メチル−N−(2−N’−マロニルアルギニルアミノ))エチルカルバメート:
オキシコドン6−(N−メチル−N−(2−N’−アセチルアルギニルアミノ−2−(N−メチル−N−カルボキシメチル−アセトアミド))エチルカルバメート:
が挙げられ、
ここでアミノ酸残基はL配置である。
本実施形態は、一般式KC−(I)〜KC−(II)の化合物、またはその薬学的に許容できる塩を含んでなる医薬組成物を提供する。
本実施形態は、一般式KC−(III)〜KC−(V)の化合物、またはその薬学的に許容できる塩を含んでなる医薬組成物を提供する。
本実施形態は、一般式KC−(I)〜KC−(II)の化合物以外の本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に許容できる塩を含んでなる医薬組成物を提供する。
式KC−(I)〜KC−(VI)の一般的合成手順
式KC−(I)および式KC−(II)の化合物の代表的な合成を以下のスキームに示す。式KC−(III)〜式KC−(VI)の化合物もまた、開示される方法を用いて合成することができる。化合物KC203についての代表的な合成をスキームKC−1に示す。スキームKC−1における用語R、R、R、およびnは、本明細書に定義される。用語PGおよびPGはアミノ保護基である。
スキームKC−1において、化合物KC200は市販の出発物質である。あるいは、化合物KC200は、市販の出発物質および/または従来の合成方法により調製された出発物質を使用して、様々な異なる合成経路を経て合成することができる。
引き続きスキームKC−1を参照すると、化合物KC200がアミノ基で保護されて化合物KC201が形成され、ここでPGおよびPGはアミノ保護基である。アミノ保護基については、T.W.Greene and P.G.M.Wuts,“Protective Groups in Organic Synthesis”,Fourth edition,Wiley,New York 2006に見出すことができる。代表的なアミノ保護基としては、ホルミル基;アシル基、例えばアセチルなどのアルカノイル基;tert−ブトキシカルボニル(Boc)などのアルコキシカルボニル基;ベンジルオキシカルボニル(Cbz)および9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)などのアリールメトキシカルボニル基;ベンジル(Bn)、トリチル(Tr)、および1,1−ジ−(4’−メトキシフェニル)メチルなどのアリールメチル基;トリメチルシリル(TMS)およびtert−ブチルジメチルシリル(TBS)などのシリル基が挙げられるが、これらに限定されない。
特定の実施形態では、PGおよびPGはBoc基である。化合物KC201上にBoc基を形成するための条件は、Greene and Wutsに見出すことができる。一つの方法は、化合物KC200のジ−tert−ブチルジカーボネートとの反応である。この反応は場合により、DMAPなどの活性化剤の存在下で実行されてもよい。
引き続きスキームKC−1を参照すると、化合物KC201上のカルボキシベンジル基が脱保護されて化合物KC202が形成される。カルボキシベンジル基を除去する条件は、Greene and Wutsに見出すことができる。カルボキシベンジル基を除去する方法には、化合物KC201の水素化分解または化合物KC201のHBrによる処理が含まれる。カルボキシベンジル基を除去する一つの方法は、化合物KC201を水素およびパラジウムと反応させることである。
引き続きスキームKC−1を参照すると、化合物KC202をホスゲンと反応させることにより化合物KC203が形成される。ホスゲンと反応させると、化合物KC202のアミノ基に塩化アシルが形成される。ホスゲンの代わりとして、ジホスゲンまたはトリホスゲンなどの他の試薬が機能し得る。
化合物KC302についての代表的な合成をスキームKC−2に示す。スキーム2における用語R、R、R、R、およびnは、本明細書に定義される。用語PGおよびPGはアミノ保護基である。
スキームKC−2において、化合物KC300は市販の出発物質である。あるいは、化合物KC300は、市販の出発物質および/または従来の合成方法により調製された出発物質を使用して、様々な異なる合成経路を経て合成することができる。
引き続きスキームKC−2を参照すると、化合物KC300を化合物KC203と反応させることにより化合物KC301が形成される。この反応では、化合物KC300のエノラートが化合物KC203の塩化アシルと反応してカルバメートを形成する。
引き続きスキームKC−2を参照すると、保護基PGおよびPGが化合物KC301から除去されて化合物KC302を形成する。アミノ基を除去する条件は、Greene and Wutsに見出すことができる。PGおよびPGがBoc基である場合、保護基は、トリフルオロ酢酸による処理など、酸性条件で除去することができる。
化合物KC402についての代表的な合成をスキームKC−3に示す。スキームKC−3における用語R、R、R、R、R、Rおよびnは、本明細書に定義される。用語PGはアミノ保護基である。
スキームKC−3において、化合物KC400は市販の出発物質である。あるいは、化合物KC400は、市販の出発物質および/または従来の合成方法により調製された出発物質を使用して、様々な異なる合成経路を経て合成することができる。
引き続きスキームKC−3を参照すると、化合物KC302を化合物KC400と反応させることにより、ペプチドカップリング反応で化合物KC401が形成される。ペプチドカップリング反応は、典型的には従来のペプチドカップリング試薬を用い、典型的にはエチルジイソプロピルアミンまたはジイソプロピルエチルアミン(DIEA)などのトリアルキルアミンの存在下で、従来のカップリング反応条件に基づき行われる。使用に好適なカップリング試薬として、例えば、エチル−3−(3−ジメチルアミノ)プロピルカルボジイミド(EDC)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)などのカルボジイミド類、およびN,N’−カルボニルジイミダゾール、2−エトキシ−1−エトキシカルボニル−1,2−ジヒドロキノリン(EEDQ)、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスファート(BOP)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート(HATU)などの他の周知されているカップリング試薬が挙げられる。場合により、N−ヒドロキシスクシンイミド、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(HOAT)、N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)などの周知のカップリングプロモーターがこの反応に用いられてもよい。典型的には、このカップリング反応は、約0℃〜約60℃の範囲の温度で約1〜約72時間にわたりTHFまたはDMFなどの不活性希釈剤中で行われる。ある場合には、DMF中のHATUおよびDIEAの存在下で化合物KC302を化合物KC400と反応させて化合物KC401が形成される。
引き続きスキームKC−3を参照すると、化合物KC401はアミノ保護基が除去され、かつR基が付加されて、化合物KC402に転換される。ある場合にはアミノ保護基がRであり、アミノ保護基の除去は任意選択である。
本明細書に開示されるとおり、代表的なアミノ保護基としては、ホルミル基;アシル基、例えばアセチルなどのアルカノイル基;tert−ブトキシカルボニル(Boc)などのアルコキシカルボニル基;ベンジルオキシカルボニル(Cbz)および9−フルオレニルメトキシカルボニル(Fmoc)などのアリールメトキシカルボニル基;ベンジル(Bn)、トリチル(Tr)、および1,1−ジ−(4’−メトキシフェニル)メチルなどのアリールメチル基;トリメチルシリル(TMS)およびtert−ブチルジメチルシリル(TBS)などのシリル基などが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、PGはBoc基である。PGがBoc基である場合、保護基は、トリフルオロ酢酸による処理など、酸性条件で除去することができる。
ある場合において、化合物KC401にR基が付加される。Rを付加するための条件はRのアイデンティティに依存し、当業者には公知である。ある場合において、Rは、アセチル、ベンゾイル、マロニル、ピペロニルまたはスクシニルなどのアシル基である。
式KC−(I)の化合物のN−アシル誘導体は、好都合には、適切なアシル化剤、例えば無水酢酸(N−アセチル化合物を調製するため)などの無水物または酸ハロゲン化物を使用して式KC−(I)の対応する化合物をアシル化することにより調製されてもよい。反応は、好都合には、非反応性の塩基、例えばトリエチルアミンなどの第三級アミンの存在下に実施される。好都合な溶媒として、ジメチルホルムアミドなどのアミド類が挙げられる。反応を実施する温度は好都合には、周囲温度など、0〜100℃の範囲である。
引き続きスキームKC−3を参照すると、R部分に存在する保護基などの他の保護基が用いられた場合には、他の保護基の除去が実施され得る。他の保護基を除去するための条件はその保護基のアイデンティティに依存し、当業者には公知である。それらの条件はまた、Greene and Wutsにも見出すことができる。
本明細書でさらに詳細に説明するとおり、本開示物は、本開示物の化合物またはその塩もしくは溶媒和物もしくは立体異性体を調製するのに有用な方法および中間体を提供する。従って本開示物は、本開示物の化合物の調製方法を提供し、この方法は:
式:
の化合物を、式
の化合物と接触させる工程を含み、式中、PGおよびPGはアミノ保護基である。
従って、および本明細書でさらに詳細に説明するとおり、本開示物は、本開示物の化合物の調製方法を提供し、この方法は:
式:
の化合物を、式
の化合物と接触させる工程を含み、式中、PGはアミノ保護基である。
ある場合において
、上記の方法は、本開示物の化合物の塩を形成する工程をさらに含む。実施形態は本明細書に記載される他の方法に関し;および本明細書に記載される方法のいずれかにより調製された生成物に関する。
電子的にデカップリングするスペーサーと切断可能部分とを含んでなるプロモイエティを有するケトン修飾オピオイドプロドラッグ
本開示物は、プロモイエティで官能化されるケトン含有オピオイドのプロドラッグを提供し、ここでプロモイエティはスペーサー基と切断可能部分とを含み、このスペーサー基は、とりわけ、切断可能部分から活性薬剤を電子的にデカップリングし、および/または物理的に分離し得る。従って、本明細書に開示されるプロドラッグは、概して、ヘテロ原子を介してスペーサーに結合されたオピオイドであって、そのスペーサーがさらに切断可能部分に結合されるオピオイドを含んでなる。一実施形態において、切断可能部分は、トリプシン切断可能部分などのGI酵素部分である。
様々なスペーサーが当該技術分野において公知であり、例として、および限定としてではなく、アルキル、ヘテロアルキル、非環式ヘテロ原子架橋、アリール、アリールアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルなどが挙げられる。従って、スペーサーは、例えば、一重、二重、三重または芳香族の炭素−炭素結合、窒素−窒素結合、炭素−窒素結合、炭素−酸素結合および/または炭素−硫黄結合を含むことができ、従って、カルボニル、エーテル、チオエーテル、カルボキサミド、スルホンアミド、尿素、ウレタン、ヒドラジン等の官能性を含み得る。一実施形態において、スペーサーは、キノンメチドをクエンチすることができるアルコールまたはアミンであってもよい。好適なスペーサーの例には、アリール、ビアリール、ヘテロアリール等が含まれるが、これらに限定されない。
切断可能部分は、アミノ酸、ペプチド、エステル、ポリエステル、チオエステル、ポリチオエステルまたは当業者に公知の任意の他の切断可能な基を含んでなり得る。概して、切断可能部分は生理学的条件下で切断されることができる。切断可能部分は、化学的に(例えば、加水分解)または酵素的に切断され得る。いくつかの実施形態において、切断可能部分は酵素的に切断される。概して、本明細書に記載される化合物は水溶液中で安定であるが、切断可能部分を化学的に(例えば、加水分解)または酵素的に切断できないほどの安定性はない。
式KC−(VII)
本実施形態は、一般式KC−(VII):
の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは水和物を提供し、式中:
Xは、ケトン含有オピオイドの残基を表し、ここでケトンの対応するエノール基の水素原子は、共有結合−(CR1213)−Y−Z−R11により置換され;
12およびR13は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり;
Yは、任意選択的に1つまたは複数の−F、−Cl、−Br、−I、−R14、−O、−OR14、−SR14、−S、−NR1415、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、−N、−S(O)、−S(O)OH、−S(O)14、−OS(O)O、−OS(O)14、−P(O)(O、−P(O)(OR14)(O)、−OP(O)(OR14)(OR15)、−C(O)R14、−C(S)R14、−C(O)OR14、−C(O)NR1415、−C(O)O、−C(S)OR14、−NR16C(O)NR1415、−NR16C(S)NR1415、−NR17C(NR16)NR1514または−C(NR16)NR1514で置換されているアリール、ヘテロアリールまたはアリールアリールであり;
14、R15、R16およびR17は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであるか、あるいは任意選択的にR14およびR15が、それらが結合する窒素原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
Zは、N(R18)−、−O−または−S−であり;
18は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは
であり;
各Wは、独立して、−NR20−、−O−または−S−であり;
各R19は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR19およびR20が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各R20は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR20およびR21が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
21は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;
nは0〜5の整数であり;
11は、
であり;
各Uは、独立して、−NR23−、−O−または−S−であり;
各R22は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR22およびR23が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各R23は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリールであるか、あるいは任意選択的にR23およびR24が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
24は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;および
oは1〜100の整数であり;
ただし、ZはX−(CR1213)−に対してパラ位またはオルト位に配向し、かつR18およびR11のいずれも水素ではないものとする。
式KC−(VIII)
本実施形態は、一般式KC−(VIII):
の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは水和物を提供し、式中:
Xは、ケトン含有オピオイドの残基を表し、ここでケトンの対応するエノール基の水素原子は、−(CR1213)−Y−Z−R11との共有結合により置換され;
12およびR13は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり;
26は、それぞれ、−F、−Cl、−Br、−I、−R14、−O、−OR14、−SR14、−S、−NR1415、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、−N、−S(O)、−S(O)OH、−S(O)14、−OS(O)O、−OS(O)14、−P(O)(O、−P(O)(OR14)(O)、−OP(O)(OR14)(OR15)、−C(O)R14、−C(S)R14、−C(O)OR14、−C(O)NR1415、−C(O)O、−C(S)OR14、−NR16C(O)NR1415、−NR16C(S)NR1415、−NR17C(NR16)NR1514および−C(NR16)NR1514の1つまたは複数からなる群から独立して選択され、およびkは、0、1、2、3、または4であり;
14、R15、R16およびR17は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであるか、あるいは任意選択的にRおよびRが、それらが結合する窒素原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
18は水素またはメチルであり;
22は、アミノ酸の側鎖またはアミノ酸の側鎖の誘導体であり;
各Uは、独立して、−NR23−、−O−または−S−であり;
各R23は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR23およびR24が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;および
24は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;および
oは1〜100の整数である。
式KC−(VII)および式KC−(VIII)において、R22はアミノ酸の側鎖を表し得る。アミノ酸については、アミノ酸バリアントを含め、本明細書の一節で考察する。特定の実施形態では、R22はアミノ酸の側鎖の誘導体である。かかる誘導体は本明細書に記載される。
特定の実施形態では、式KC−(VII)および式KC−(VIII)において、R22は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシンまたはバリンなどのアミノ酸の側鎖である。ある場合において、R22は、L−アラニン、L−アルギニン、L−アスパラギン、L−アスパラギン酸、L−システイン、L−グリシン、L−グルタミン、L−グルタミン酸、L−ヒスチジン、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−リジン、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、L−セリン、L−スレオニン、L−トリプトファン、L−チロシンまたはL−バリンなどのL−アミノ酸の側鎖である。特定の実施形態では、R22は、アミノ酸の側鎖の誘導体である。かかる誘導体は本明細書に記載される。
ある場合において、式KC−(VII)および式KC−(VIII)において、R22は−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHを表し、R22が結合する炭素原子の配置は、L−アミノ酸における配置と一致する。
式KC−(VII)および式KC−(VIII)において、−CO−C(R22)−U−R24はGI酵素切断可能部分である。GI酵素切断可能部分は、GI酵素によって切断可能な構造的部分である。ある場合において、GI酵素切断可能部分は、GI酵素の活性部位に適合することができ、かつプロドラッグを切断可能な結合で切断されるように配向させることが可能な荷電部分を含んでなる。例えば、この荷電部分は、生理学的pHで荷電部分として存在する塩基性部分であってもよい。例えば、GI酵素切断可能部分を形成するため、R22は、リジン(L−リジンなど)の側鎖、アルギニン(L−アルギニンなど)の側鎖、ホモリジンの側鎖、ホモアルギニンの側鎖、およびオルニチンの側鎖を含むことができるが、これらに限定されない。GI酵素切断可能部分の他の値は、アルギニンホモログ、アルギニントランケート、酸化状態が変化するアルギニン(例えば、代謝物)、リジンホモログ、リジントランケート、および酸化状態が変化するリジン(例えば、代謝物)を含むが、これらに限定されない。アルギニンミミックおよびリジンミミックの例として、アリールグアニジン、アリールアミジン(置換ベンズアミジン)、ベンジルアミンおよび(ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−イル)メタンアミンおよびその誘導体が挙げられる。
ある場合に、式KC−(VII)および式KC−(VIII)において、−[CO−C(R22)−U]−R24はペプチドまたはかかるペプチドのN−アシル誘導体であり、ここでペプチドは1〜100アミノ酸を含んでなり、かつ各アミノ酸は独立して選択され得る。ある場合において、ペプチドには1〜50アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには1〜90、80、70、60、50、40、30、20、または10アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約100アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約75アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約50アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約25アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約20アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約15アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約10アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約9アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約8アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約7アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約6アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約5アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約4アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約3アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約2アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約1アミノ酸がある。
式KC−(VII)〜式KC−(VIII)の化合物の一般的合成手順
式PC−(XVI)〜式PC−(XVII)についての本明細書に開示される合成のスキームおよび手順はまた、式KC−(VII)〜式KC−(VIII)の化合物の合成にも用いることができる。
電子的にデカップリングするスペーサーと、環化可能なスペーサー脱離基と、切断可能部分とを含んでなるプロモイエティを有するケトン修飾オピオイドプロドラッグ
本実施形態は、一般式KC−(IX):
X−C(R31a)(R32a))−Ar−Z−C(O)−Y−(C(R31)(R32))−N−(R33)(R34)A− (KC−(IX)
の化合物、またはその塩、水和物もしくは溶媒和物を提供し、式中:
Xは、ケトン含有オピオイドの残基を表し、ここでケトンの対応するエノール基の水素原子は、−(C(R31a)(R32a)−Ar−Z−C(O)−Y−(C(R31)(R32))−N−(R33)(R34)との共有結合により置換され;
31aおよびR32aは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり;
Arは、任意選択的に1つまたは複数の−F、−Cl、−Br、−I、−R34a、−O、−OR34a、−SR34a、−S−、−NR34a35a、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、−N、−S(O)O’、−S(O)OH、−S(O)34a、−OS(O)O’’、−OS(O)34a、−P(O)(O’’)、−P(O)(OR34a)(O’’)、−OP(O)(OR34a)(OR35a)、−C(O)R34a、−C(S)R34a、−C(O)OR34a、−C(O)NR34a35a、−C(O)O;−C(S)OR34a、−NR36aC(O)NR34a35a、−NR36aC(S)NR34a35a、−NR37aC(NR36a)NR35a34aまたは−C(NR36a)NR35a34aで置換されているか、あるいはポリマーに結合したアリール、ヘテロアリールまたはアリールアリールであり;
34a、R35a、R36aおよびR37aは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであるか、あるいは任意選択的にR34およびR35が、それらが結合する窒素原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
Zは、O、SまたはNHであり;
Yは、−NR35−、−O−または−S−であり;
nは1〜10の整数であり;
各R31、R32、R33およびR35は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであるか、あるいはR31およびR32が、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR31基またはR32基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
34は、
であり;
各R36は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR36およびR37が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
37は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;
pは1〜5の整数であり;
各Wは、独立して、−NR38−、−O−または−S−であり;
各R38は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであるか、あるいは任意選択的に各R36およびR38が、独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;および
A’はアニオンを表す。
式KC−(IX)の化合物において、オピオイド中の対応するケトンのエノール酸素は、酵素的に切断可能な部分(R34)で保護されている窒素求核種を有するスペーサー基で置換されており、スペーサー脱離基および窒素求核種の配置は、切断可能部分が酵素切断されると窒素求核種がスペーサー脱離基から化合物を遊離して、患者に化合物の制御された放出をもたらすことが可能であるような配置である。
N−R34アミド結合が酵素切断されると窒素求核種が遊離し、カルボニル基と再び環化して環状尿素を形成し、かつ化合物を放出するが、この放出された化合物が自発的な1,6−脱離を行いオピオイドを放出することは理解されるであろう。
式KC−(IX)の化合物の一般的合成手順
式PC−(XVIII)についての本明細書に開示される合成のスキームおよび手順はまた、式KC−(IX)の化合物の合成にも用いることができる。
ケトン修飾オピオイドプロドラッグの例
特定のケトン修飾オピオイドプロドラッグの例を以下に示す。式CC−(XXIX)〜式CC−(XXXXIII)において、AAはアミノ酸の側鎖を表し得る。アミノ酸については、アミノ酸バリアントを含め、本明細書の一節で考察する。
式CC−(XXIX)
特定の例は、式CC−(XXIX):
の化合物であり、式中
Xは、ケトン含有オピオイドの残基を表し、ここでケトンの対応するエノール基の水素原子は、−C(O)−CH(AA)−NRcc1cc2との共有結合により置換され;
AAはアミノ酸の側鎖であり;および
cc1およびRcc2は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから独立して選択される。
式CC−(XXX)
特定の例は、式CC−(XXX):
の化合物であり、式中
Xは、ケトン含有オピオイドの残基を表し、ここでケトンの対応するエノール基の水素原子は、−C(O)−N(Rcc3)−CH(AA)−C(O)−Zとの共有結合により置換され;
cc3は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択され;
AAはアミノ酸の側鎖であり;
Zは、NH−Rcc4、O−Rcc4、OH、およびNHから選択され;および
cc4は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択される。
式CC−(XXXI)
特定の例は、式CC−(XXXI):
の化合物であり、式中
Xは、ケトン含有オピオイドの残基を表し、ここでケトンの対応するエノール基の水素原子は、−C(O)−O−Rcc5との共有結合により置換され;および
cc5は、
から選択される。
式CC−(XXXII)
特定の例は、式CC−(XXXII):
の化合物であり、式中
Xは、ケトン含有オピオイドの残基を表し、ここでケトンの対応するエノール基の水素原子はベンゾイル基との共有結合により置換され;および
Zはアミジノまたはグアニジノである。
式CC−(XXXIII)
特定の例は、式CC−(XXXIII):
の化合物であり、式中
Xは、ケトン含有オピオイドの残基を表し、ここでケトンの対応するエノール基の水素原子はカルボニル基との共有結合により置換され;
cc6およびRcc7は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから独立して選択され;
nは0〜2の数であり;
ZはOまたはNHであり;
AAはアミノ酸の側鎖であり;および
cc8は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択される。
式CC−(XXXIV)
特定の例は、式CC−(XXXIV):
の化合物であり、式中
Xは、ケトン含有オピオイドの残基を表し、ここでケトンの対応するエノール基の水素原子はカルボニル基との共有結合により置換され;
cc9は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択され;
ZはOまたはNHであり;
AAはアミノ酸の側鎖であり;および
cc10は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択される。
式CC−(XXXV)
特定の例は、式CC−(XXXV):
の化合物であり、式中
Xは、ケトン含有オピオイドの残基を表し、ここでケトンの対応するエノール基の水素原子はカルボニル基との共有結合により置換され;
cc11およびRcc12は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから独立して選択され;
cc13は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択され;
ZはOまたはNHであり;および
AAはアミノ酸の側鎖である。
式CC−(XXXVI)
特定の例は、式CC−(XXXVI):
の化合物であり、式中
Xは、ケトン含有オピオイドの残基を表し、ここでケトンの対応するエノール基の水素原子はカルボニル基との共有結合により置換され;
cc14およびRcc15は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから独立して選択され;
nは0〜2の数であり;
AAはアミノ酸の側鎖であり;および
ZはOまたはNであり;
cc16およびRcc17は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから独立して選択され、ここでZがOである場合、Rcc17は存在しない。
式CC−(XXXVII)
特定の例は、式CC−(XXXVII):
の化合物であり、式中
Xは、ケトン含有オピオイドの残基を表し、ここでケトンの対応するエノール基の水素原子はカルボニル基との共有結合により置換され;
cc18、Rcc19、Rcc20は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから独立して選択される。
式CC−(XXXVIII)
特定の例は、式CC−(XXXVIII):
の化合物であり、式中
Xは、ケトン含有オピオイドの残基を表し、ここでケトンの対応するエノール基の水素原子はカルボニル基との共有結合により置換され;
cc21およびRcc22は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから独立して選択され;
cc23は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択され;および
AAはアミノ酸の側鎖である。
式CC−(XXXIX)
特定の例は、式CC−(XXXIX):
の化合物であり、式中
Xは、ケトン含有オピオイドの残基を表し、ここでケトンの対応するエノール基の水素原子はカルボニル基との共有結合により置換され;
cc24は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択され;および
AAはアミノ酸の側鎖である。
式CC−(XXXX)
特定の例は、式CC−(XXXX):
の化合物であり、式中
Xは、ケトン含有オピオイドの残基を表し、ここでケトンの対応するエノール基の水素原子はカルボニル基との共有結合により置換され;
cc25およびRcc26は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから独立して選択され;
cc27は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択され;および
AAはアミノ酸の側鎖である。
式CC−(XXXXI)
特定の例は、式CC−(XXXXI):
の化合物であり、式中
Xは、ケトン含有オピオイドの残基を表し、ここでケトンの対応するエノール基の水素原子はカルボニル基との共有結合により置換され;
cc28およびRcc29は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから独立して選択され;
cc30は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択され;および
AAはアミノ酸の側鎖である。
式CC−(XXXXII)
特定の例は、式CC−(XXXXII):
の化合物であり、式中
Xは、ケトン含有オピオイドの残基を表し、ここでケトンの対応するエノール基の水素原子はカルボニル基との共有結合により置換され;
cc31は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択され;
ZはOまたはNHであり;
cc32は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択され;および
AAはアミノ酸の側鎖である。
アミノ修飾オピオイドプロドラッグ
本開示物は、アミノ含有オピオイドの酵素制御放出を提供するアミノ修飾オピオイドプロドラッグを提供する。アミノ修飾オピオイドプロドラッグにおいて、プロモイエティは、第四級アンモニウム塩などを介する、またはアミドとしての、アミノ部分の修飾によって結合される。オピオイドの放出は、アミノ含有オピオイドからのプロモイエティの酵素切断により仲介される。本開示物は、アミノ含有オピオイドからのプロモイエティの酵素切断を介したオピオイドの放出を提供する。
電子的にデカップリングするスペーサーと切断可能部分とを含んでなるプロモイエティを有するアミノ修飾オピオイドプロドラッグ
本開示物は、プロモイエティで官能化されるアミノ基を有するオピオイドのプロドラッグを提供し、ここでプロモイエティはスペーサー基と切断可能部分とを含み、このスペーサー基は、とりわけ、切断可能部分から活性薬剤を電子的にデカップリングし、および/または物理的に分離し得る。従って、本明細書に開示されるプロドラッグは、概して、ヘテロ原子を介してスペーサーに結合されたオピオイドであって、そのスペーサーがさらに切断可能部分に結合されるオピオイドを含んでなる。特定の実施形態では、オピオイドは第四級アンモニウム塩としてのアミノ基の修飾によってプロモイエティに結合される。一実施形態において、切断可能部分は、トリプシン切断可能部分などのGI酵素切断可能部分である。かかる切断は、薬物放出を惹起し、それに寄与し、またはそれを生じさせることができる。
様々なスペーサーが当該技術分野において公知であり、例として、および限定としてではなく、アルキル、ヘテロアルキル、非環式ヘテロ原子架橋、アリール、アリールアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルなどが挙げられる。従ってスペーサーは、例えば、一重、二重、三重または芳香族の炭素−炭素結合、窒素−窒素結合、炭素−窒素結合、炭素−酸素結合および/または炭素−硫黄結合を含むことができ、従って、カルボニル、エーテル、チオエーテル、カルボキサミド、スルホンアミド、尿素、ウレタン、ヒドラジン等の官能性を含み得る。一実施形態において、スペーサーは、キノンメチドをクエンチすることができるアルコールまたはアミンであってもよい。好適なスペーサーの例には、アリール、ビアリール、ヘテロアリール等が含まれるが、これらに限定されない。
切断可能部分は、アミノ酸、ペプチド、エステル、ポリエステル、チオエステル、ポリチオエステルまたは当業者に公知の任意の他の切断可能な基を含んでなり得る。概して、切断可能部分は生理学的条件下で切断されることができる。切断可能部分は、化学的に(例えば、加水分解)または酵素的に切断され得る。いくつかの実施形態において、切断可能部分は酵素的に切断される。概して、本明細書に記載される化合物は水溶液中で安定であるが、切断可能部分を化学的に(例えば、加水分解)または酵素的に切断できないほどの安定性はない。
式QS−(I)
本開示物は、プロモイエティが第四級アンモニウム塩としてのアミノ基を介して結合されるアミノ修飾オピオイドプロドラッグを提供する。本開示物は、一般式QS−(I):
の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは水和物を提供し、式中:
Xは、アミンを含んでなるオピオイドであり、ここで第一級または第二級アミンの水素原子が−(CR1213)−Y−Z−R11との共有結合により置換されるか、あるいは第三級アミンの電子の孤立電子対が−(CR1213)−Y−Z−R11との共有結合により置換され;
12およびR13は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり;
Yは、任意選択的に1つまたは複数の−F、−Cl、−Br、−I、−R14、−O、−OR14、−SR14、−S、−NR1415、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、−N、−S(O)、−S(O)OH、−S(O)14、−OS(O)O、−OS(O)14、−P(O)(O、−P(O)(OR14)(O)、−OP(O)(OR14)(OR15)、−C(O)R14、−C(S)R14、−C(O)OR14、−C(O)NR1415、−C(O)O、−C(S)OR14、−NR16C(O)NR1415、−NR16C(S)NR1415、−NR17C(NR16)NR1514または−C(NR16)NR1514で置換されているアリール、ヘテロアリールまたはアリールアリールであり;
14、R15、R16およびR17は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであるか、あるいは任意選択的にR14およびR15が、それらが結合する窒素原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
Zは、N(R18)−、−O−または−S−であり;
18は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは
であり;
各Wは、独立して、−NR20−、−O−または−S−であり;
各R19は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR19およびR20が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各R20は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR20およびR21が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
21は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;
nは0〜5の整数であり;
11は、
であり;
各Uは、独立して、−NR23−、−O−または−S−であり;
各R22は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR22およびR23が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各R23は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR23およびR24が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
24は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;および
oは1〜100の整数であり;
ただし、ZはX−(CR1213)−に対してパラ位またはオルト位に配向し、かつR18およびR11のいずれも水素ではないものとする。
式QS−(II)
本開示物は、一般式QS−(II):
の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは水和物を提供し、式中:
Xは、アミンを含んでなるオピオイドであり、ここで第一級または第二級アミンの水素原子が−(CR1213)−Y−Z−R11との共有結合により置換されるか、あるいは第三級アミンの電子の孤立電子対が−(CR1213)−Y−Z−R11との共有結合により置換され;
12およびR13は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり;
26は、それぞれ、−F、−Cl、−Br、−I、−R14、−O、−OR14、−SR14、−S、−NR1415、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、−N、−S(O)、−S(O)OH、−S(O)14、−OS(O)O、−OS(O)14、−P(O)(O、−P(O)(OR14)(O)、−OP(O)(OR14)(OR15)、−C(O)R14、−C(S)R14、−C(O)OR14、−C(O)NR1415、−C(O)O、−C(S)OR14、−NR16C(O)NR1415、−NR16C(S)NR1415、−NR17C(NR16)NR1514および−C(NR16)NR1514の1つまたは複数からなる群から独立して選択され、およびkは、0、1、2、3、または4であり;
14、R15、R16およびR17は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであるか、あるいは任意選択的にRおよびRが、それらが結合する窒素原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
18は水素またはメチルであり;
22は、アミノ酸の側鎖またはアミノ酸の側鎖の誘導体であり;
各Uは、独立して、−NR23−、−O−または−S−であり;
各R23は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR23およびR24が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;および
24は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;および
oは1〜100の整数である。
式QS−(I)および式QS−(II)において、R22はアミノ酸の側鎖を表し得る。アミノ酸については、アミノ酸バリアントを含め、本明細書の一節で考察する。特定の実施形態では、R22はアミノ酸の側鎖の誘導体である。かかる誘導体は本明細書に記載される。
特定の実施形態では、式QS−(I)および式QS−(II)において、R22は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシンまたはバリンなどのアミノ酸の側鎖である。ある場合において、R22は、L−アラニン、L−アルギニン、L−アスパラギン、L−アスパラギン酸、L−システイン、L−グリシン、L−グルタミン、L−グルタミン酸、L−ヒスチジン、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−リジン、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、L−セリン、L−スレオニン、L−トリプトファン、L−チロシンまたはL−バリンなどのL−アミノ酸の側鎖である。特定の実施形態では、R22は、アミノ酸の側鎖の誘導体である。かかる誘導体は本明細書に記載される。
ある場合に、式QS−(I)および式QS−(II)において、R22は−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHを表し、R22が結合する炭素原子の配置は、L−アミノ酸における配置と一致する。
式QS−(I)および式QS−(II)において、−CO−C(R22)−U−R24はGI酵素切断可能部分である。GI酵素切断可能部分は、GI酵素によって切断可能な構造的部分である。ある場合において、GI酵素切断可能部分は、GI酵素の活性部位に適合することができ、かつプロドラッグを切断可能な結合で切断されるように配向させることが可能な荷電部分を含んでなる。例えば、この荷電部分は、生理学的pHで荷電部分として存在する塩基性部分であってもよい。例えば、GI酵素切断可能部分を形成するため、R22は、リジン(L−リジンなど)の側鎖、アルギニン(L−アルギニンなど)の側鎖、ホモリジンの側鎖、ホモアルギニンの側鎖、およびオルニチンの側鎖を含むことができるが、これらに限定されない。GI酵素切断可能部分の他の値は、アルギニンホモログ、アルギニントランケート、酸化状態が変化するアルギニン(例えば、代謝物)、リジンホモログ、リジントランケート、および酸化状態が変化するリジン(例えば、代謝物)を含むが、これらに限定されない。アルギニンミミックおよびリジンミミックの例として、アリールグアニジン、アリールアミジン(置換ベンズアミジン)、ベンジルアミンおよび(ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−イル)メタンアミンおよびその誘導体が挙げられる。
ある場合に、式QS−(I)および式QS−(II)において、−[CO−C(R22)−U]−R24はペプチドまたはかかるペプチドのN−アシル誘導体であり、ここでペプチドは1〜100アミノ酸を含んでなり、かつ各アミノ酸は独立して選択され得る。ある場合において、ペプチドには1〜50アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには1〜90、80、70、60、50、40、30、20、または10アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約100アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約75アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約50アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約25アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約20アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約15アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約10アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約9アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約8アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約7アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約6アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約5アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約4アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約3アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約2アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約1アミノ酸がある。
式QS−(I)〜式QS−(II)の化合物の一般的合成手順
式PC−(XVI)〜式PC−(XVII)についての本明細書に開示される合成のスキームおよび手順はまた、式QS−(I)〜式QS−(II)の化合物の合成にも用いることができる。
電子的にデカップリングするスペーサーと、環化可能なスペーサー脱離基と、切断可能部分とを含んでなるプロモイエティを有するアミノ修飾オピオイドプロドラッグ
本実施形態は、一般式QS−(III):
X−C(R31a)(R32a))−Ar−Z−C(O)−Y−(C(R31)(R32))−N−(R33)(R34)A− (QS−(III)
の化合物、またはその塩、水和物もしくは溶媒和物を提供し、式中:
Xはオピオイドの残基であり、ここでアミノ窒素の電子の孤立電子対は、−(C(R31a)(R32a)−Ar−Z−C(O)−Y−(C(R31)(R32))−N−(R33)(R34)との結合により置換され;
31aおよびR32aは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり;
Arは、任意選択的に1つまたは複数の−F、−Cl、−Br、−I、−R34a、−O、−OR34a、−SR34a、−S−、−NR34a35a、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、−N、−S(O)O’、−S(O)OH、−S(O)34a、−OS(O)O’’、−OS(O)34a、−P(O)(O’’)、−P(O)(OR34a)(O’’)、−OP(O)(OR34a)(OR35a)、−C(O)R34a、−C(S)R34a、−C(O)OR34a、−C(O)NR34a35a、−C(O)O;−C(S)OR34a、−NR36aC(O)NR34a35a、−NR36aC(S)NR34a35a、−NR37aC(NR36a)NR35a34aまたは−C(NR36a)NR35a34aで置換されているか、あるいはポリマーに結合したアリール、ヘテロアリールまたはアリールアリールであり;
34a、R35a、R36aおよびR37aは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであるか、あるいは任意選択的にR34およびR35が、それらが結合する窒素原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
Zは、O、SまたはNHであり;
Yは、−NR35−、−O−または−S−であり;
nは1〜10の整数であり;
各R31、R32、R33およびR35は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであるか、あるいはR31およびR32が、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR31基またはR32基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
34は、
であり;
各R36は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR36およびR37が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
37は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;
pは1〜100の整数であり;
各Wは、独立して、−NR38−、−O−または−S−であり;
各R38は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであるか、あるいは任意選択的に各R36およびR38が、独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;および
A’はアニオンを表す。
式QS−(III)の化合物において、オピオイド中のアミノ基は、酵素的に切断可能な部分(R34)で保護されている窒素求核種を有するスペーサー基で置換されており、スペーサー脱離基および窒素求核種の配置は、切断可能部分が酵素切断されると窒素求核種がスペーサー脱離基から化合物を遊離して、患者に化合物の制御された放出をもたらすことが可能であるような配置である。
N−R34アミド結合が酵素切断されると窒素求核種が遊離し、カルボニル基と再び環化して環状尿素を形成し、かつ化合物を放出するが、この放出された化合物が自発的な1,6−脱離を行いオピオイドを放出することは理解されるであろう。
式QS−(III)の化合物の一般的合成手順
式PC−(XVIII)についての本明細書に開示される合成のスキームおよび手順はまた、式QS−(III)の化合物の合成にも用いることができる。
アミノ修飾オピオイドプロドラッグの例
特定のアミノ修飾オピオイドプロドラッグの例を以下に示す。式CC−(XXXXIII)〜式CC−(XXXXIV)において、AAはアミノ酸の側鎖を表し得る。アミノ酸については、アミノ酸バリアントを含め、本明細書の一節で考察する。
式CC−(XXXXIII)
特定の例は、式CC−(XXXXIII):
の化合物であり、式中
Xはオピオイドの残基であり、ここでアミノ窒素の電子の孤立電子対は、−C(Rcc33cc34)−O−P(O)(OH)−OZとの結合により置換され;
cc33およびRcc34は、水素、ハロゲン化物、アルキル、およびシクロアルキルから独立して選択されるか、あるいはRcc33およびRcc34が、それらが結合する炭素との組み合わせでシクロアルキル基を形成することができ;および
Zは水素またはアルキルである。
CC−(XXXXIII)の特定の式を以下に示す:
式中
cc33およびRcc34は、水素、ハロゲン化物、アルキル、およびシクロアルキルから独立して選択されるか、あるいはRcc33およびRcc34が、それらが結合する炭素との組み合わせでシクロアルキル基を形成することができ;
Zは水素またはアルキルであり;
Rは水素またはメチルであり;および
R’は水素またはヒドロキシルである。
式CC−(XXXXIV)
特定の例は、式CC−(XXXXIV):
の化合物であり、式中
Xはオピオイドの残基であり、ここでアミノ窒素の電子の孤立電子対は、−C(Rcc33cc34)−O−C(O)−C(AA)−NZZとの結合により置換され;
cc35およびRcc36は、水素、ハロゲン化物、アルキル、およびシクロアルキルから独立して選択されるか、あるいはRcc35およびRcc36が、それらが結合する炭素との組み合わせでシクロアルキル基を形成することができ;
AAはアミノ酸の側鎖であり;および
Zは、水素、アルキル、またはアシルである。
CC−(XXXXIV)の特定の式を以下に示す:
式中
cc35およびRcc36は、水素、ハロゲン化物、アルキル、およびシクロアルキルから独立して選択されるか、あるいはRcc35およびRcc36が、それらが結合する炭素との組み合わせでシクロアルキル基を形成することができ;
AAはアミノ酸の側鎖であり;
Zは、水素、アルキル、またはアシルであり;および
Rは水素またはメチルであり;および
R’は水素またはヒドロキシルである。
アミド修飾オピオイドプロドラッグ
本開示物は、アミド含有オピオイドの酵素制御放出を提供するアミド修飾オピオイドプロドラッグを提供する。アミド修飾オピオイドプロドラッグでは、プロモイエティが、アミドエノール部分のエノール酸素原子を介して、またはイミン互変異性体の酸素を介してアミド含有オピオイドに結合される。アミド修飾オピオイドプロドラッグでは、アミド含有オピオイドのアミドエノールまたはイミン互変異性体の対応するエノール基の水素原子が、プロモイエティとの共有結合により置換されている。特定の実施形態では、アミド含有オピオイドのアミドエノールまたはイミン互変異性体の対応するエノール基の水素原子に置き換わるプロモイエティは、結合点としてアシル基を含有する。
オピオイドの放出は、アミド含有オピオイドからのプロモイエティの酵素切断により仲介される。プロモイエティは酵素切断可能な部分を含んでなる。一実施形態において、切断可能部分は、トリプシン切断可能部分などのGI酵素切断可能部分である。かかる切断は、薬物放出を惹起し、それに寄与し、またはそれを生じさせることができる。
環化可能なスペーサー脱離基と切断可能部分とを含んでなるプロモイエティを有するアミド修飾オピオイドプロドラッグ
特定の実施形態によれば、アミド含有オピオイドの酵素制御放出を提供するアミド修飾オピオイドプロドラッグが提供される。アミド含有オピオイドは、アミドエノール部分のエノール酸素原子またはイミン互変異性体の酸素が、酵素的に切断可能な部分で保護されている窒素求核種を有するスペーサー脱離基である置換基を有する対応する化合物であり、スペーサー脱離基および窒素求核種の配置は、切断可能部分が酵素切断されると窒素求核種が環状尿素を形成し、スペーサー脱離基から化合物が遊離してアミド含有オピオイドを提供することが可能であるような配置である。
化合物の放出を惹起するには酵素切断が必要であるため、およびアミド含有オピオイドの放出速度が酵素切断の速度および環化の速度の双方に依存するため、対応する化合物(本開示におけるプロドラッグ)は、投与後に活性化される制御されたアミド含有オピオイド放出を提供する。従ってこのプロドラッグは、意図的な過量服用によるか、注射によるなどの不適切な経路での投与か、または即時利用可能な家庭用化学品を使用した化学修飾によるかに関わらず、偶発的過量服用または乱用が起こり難くなっている。このプロドラッグは、それが不適切に投与されても過剰に高い血漿中活性薬物濃度を提供しないように構成され、および酵素切断と、それに続く制御された環化による以外には、容易には分解されず、活性薬物を提供することができない。
アミド結合を介して窒素求核種に連結される酵素切断可能部分は、例えば、アミノ酸またはペプチド、またはアミノ酸もしくはペプチドの(α)N−アシル誘導体(例えば薬学的に許容できるカルボン酸のN−アシル誘導体)の残基であってもよい。ペプチドは、例えば、最大約100アミノ酸残基を含み得る。各アミノ酸は有利には、L−アミノ酸などの、天然に存在するアミノ酸であってよい。天然に存在するアミノ酸の例は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンである。従って、酵素切断可能な部分の例として、以上に列挙するL−アミノ酸およびそのN−アシル誘導体、ならびに以上に列挙するL−アミノ酸の少なくとも2つから形成されるペプチド、およびそのN−アシル誘導体の残基が挙げられる。
アミド含有オピオイドが放出されるときに形成される環状の基は、好都合には薬学的に許容できるものであり、特に薬学的に許容できる環状尿素である。環状尿素は概して極めて安定しており、毒性が低いことは理解されるであろう。
式AE−(I)
その組成物の態様の一つにおいて、本実施形態は、式AE−(I):
の化合物であって、式中:
Xは、アミド含有オピオイドの残基を表し、ここで−C(O)−NR−(C(R)(R))−NRがアミド基の酸素を介してアミド含有オピオイドに結合し、アミド基はアミドエノールまたはイミン互変異性体に変換され;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数であり;
は水素または(1−4C)アルキルであり;
は、
であり;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから独立して選択されるか、あるいは任意選択的にRおよびRが、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各Wは、独立して、−NR−、−O−または−S−であり;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリールおよび置換アリールから独立して選択されるか、あるいは任意選択的に各RおよびRが、独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
pは1〜100の整数であり;および
は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択される、化合物またはその塩、水和物もしくは溶媒和物を提供する。
式AE−(II)
式AE−(II)の化合物は、Rが、(1−6C)アルキル、(1−6C)置換アルキル、−(CH(C)−COOH、−(CH(C)−COOCH、および−(CH(C)−COOCHCHから選択され、式中、qが1〜10の整数であり;nが2または3であり;Rが水素であり;Rがアミノ酸またはペプチドである(ここでペプチドはアミノ酸から構成されてもよい)、式AE−(I)の化合物である。その組成物の態様の一つにおいて、本実施形態は、式AE−(II):
の化合物であって、式中:
Xは、アミド含有オピオイドの残基を表し、ここで−C(O)−NR−(C(R)(R))−NRがアミド基の酸素を介してアミド含有オピオイドに結合し、アミド基はアミドエノールまたはイミン互変異性体に変換され;
は、(1−6C)アルキル、(1−6C)置換アルキル、−(CH(C)−COOH、−(CH(C)−COOCH、および−(CH(C)−COOCHCHから選択され、式中、qは1〜10の整数であり;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2または3であり;
は水素であり;
はGI酵素切断可能部分である、化合物またはその塩、水和物もしくは溶媒和物を提供する。
式AE−(II)において、RはGI酵素切断可能部分である。GI酵素切断可能部分は、GI酵素によって切断可能な構造的部分である。
特定の実施形態では、式AE−(II)において、Rは−C(O)−CH(R)−NH(R)であり、式中、Rは、GI酵素切断可能部分であるRをもたらすアミノ酸の側鎖またはアミノ酸の側鎖の誘導体を表す。誘導体は、修飾、部分的置換、ホモログ化、トランケーション、または酸化状態の変化により別の物質から変化した物質を指す。
例えば、GI酵素切断可能部分を形成するため、Rとして、限定はされないが、リジン(L−リジンなど)、アルギニン(L−アルギニンなど)、ホモリジン、ホモアルギニン、およびオルニチンを挙げることができる。GI酵素切断可能部分の他の値は、アルギニンミミック、アルギニンホモログ、アルギニントランケート、酸化状態が変化するアルギニン(例えば、代謝物)、リジンミミック、リジンホモログ、リジントランケート、および酸化状態が変化するリジン(例えば、代謝物)を含むが、これらに限定されない。アルギニンミミックおよびリジンミミックの例として、アリールグアニジン、アリールアミジン(置換ベンズアミジン)、ベンジルアミン、および(ビシクロ[2.2.2]オクタン−1−イル)メタンアミンおよびその誘導体が挙げられる。
ある場合に、式AE−(II)において、Rは−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHを表し、Rが結合する炭素原子の配置は、L−アミノ酸における配置と一致する。
式AE−(II)において、Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択される。ある場合において、Rはアミノ酸またはアミノ酸のN−アシル誘導体である。ある場合において、RはペプチドまたはかかるペプチドのN−アシル誘導体であり、ここでペプチドは1〜100アミノ酸を含んでなり、かつ各アミノ酸は独立して選択され得る。ある場合において、ペプチドには1〜50アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには1〜90、80、70、60、50、40、30、20、または10アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約100アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約75アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約50アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約25アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約20アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約15アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約10アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約9アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約8アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約7アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約6アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約5アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約4アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約3アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約2アミノ酸がある。ある場合において、ペプチドには約1アミノ酸がある。
式AE−(I)〜式AE−(II)の化合物の一般的合成手順
式PC−(I)〜式PC−(XV)についての本明細書に開示される合成のスキームおよび手順はまた、式AE−(I)〜式AE−(II)の化合物の合成にも用いることができる。
アミノ酸プロモイエティとの結合を有するアミド修飾オピオイドプロドラッグ
特定の実施形態によれば、アミド含有オピオイドの酵素制御放出を提供するアミド修飾オピオイドプロドラッグが提供される。アミド含有オピオイドは、アミド基の窒素の電子の孤立電子対がプロモイエティとの結合に置き換えられた対応する化合物である。
その組成物の態様の一つにおいて、本実施形態は、式AE−(III):
の化合物であって、式中:
Xは、アミド含有オピオイドの残基を表し、ここで−CO−C(R)−NRがアミド基の酸素を介してアミド含有オピオイドに結合し、アミド基はアミドエノールまたはイミン互変異性体に変換され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから独立して選択されるか、あるいは任意選択的にRおよびRが、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリールおよび置換アリールから独立して選択されるか、あるいは任意選択的に各RおよびRが、独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択される、化合物またはその塩、水和物もしくは溶媒和物を提供する。
式AE−(III)の化合物の一般的合成手順
式AE−(III)の化合物は標準的なペプチドカップリング化学で作製することができる。
プロドラッグ中に存在するアミノ酸
「アミノ酸」はポリペプチドの構成要素を意味する。本明細書で使用されるとき、「アミノ酸」には、20個の一般的な天然に存在するL−アミノ酸および全てのアミノ酸バリアントが含まれる。特定の実施形態では、アミノ酸は胃腸酵素にとって切断可能な物質である。
「天然に存在するアミノ酸」は、20個の一般的な天然に存在するL−アミノ酸、即ち、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンを意味する。
「アミノ酸バリアント」は、20個の一般的な天然に存在するL−アミノ酸のいずれでもない、天然に存在するL−アミノ酸を加水分解するプロテアーゼの能力と同様の方法でプロテアーゼにより加水分解可能であるアミノ酸を意味する。従ってアミノ酸バリアントには、20個の天然に存在するアミノ酸以外のアミノ酸またはアミノ酸の類似体が含まれる。アミノ酸バリアントには合成アミノ酸が含まれる。アミノ酸バリアントにはまたアミノ酸誘導体も含まれる。誘導体は、GI酵素により切断される能力を保ちながら、修飾、部分的置換、ホモログ化、トランケーション、または酸化状態の変化により別の物質から変化した物質を指す。
アミノ酸バリアントの特定の例としては:
2−アミノインダン−2−カルボン酸、2−アミノイソ酪酸、4−アミノ−フェニルアラニン、5−ヒドロキシリジン、ビフェニルアラニン、シトルリン、シクロヘキシルアラニン、シクロヘキシルグリシン、ジエチルグリシン、ジプロピルグリシン、ホモアルギニン、ホモシトルリン、ホモフェニルアラニン、ホモプロリン、ホモセリン、ホモチロシン、ヒドロキシプロリン、ランチオニン、ナフチルアラニン、ノルロイシン、オルニチン、フェニルアラニン(4−フルオロ)、フェニルアラニン(4−ニトロ)、フェニルグリシン、ピペコリン酸、tert−ブチルアラニン、tert−ブチルグリシン、tert−ロイシン、テトラヒドロイソキノリン−3−カルボン酸、α−アミノ酪酸、γ−アミノ酪酸、2,3−ジアミノプロプリオン酸(diaminoproprionic acid)、フェニルアラニン(2,3,4,5,6ペンタフルオロ)、アミノヘキサン酸およびこれらの誘導体を含むが、これらに限定されない。
アミノ酸バリアントの特定の例は、N−メチルアミノ酸を含むが、これに限定されない。例えば、N−メチル−アラニン、N−メチルアスパラギン酸、N−メチル−グルタミン酸、N−メチル−グリシン(サルコシン)が、N−メチルアミノ酸である。
アミノ酸バリアントの特定の例は、デヒドロアラニン、エチオニン、ハイプシン、ランチオニン、ピロリシン、α−アミノイソ酪酸、セレノメチオニンおよびこれらの誘導体を含むが、これらに限定されない。
アミノ酸バリアントの特定の例は、(3,2−アミノ安息香酸、2−アミノメチル安息香酸、2−アミノ−3−グアニジノプロピオン酸、2−アミノ−3−メトキシ安息香酸、2−アミノ−3−ウレイドプロピオン酸、3−アミノ安息香酸、4−アミノ安息香酸、4−アミノメチル安息香酸、4−ニトロアントラニル酸、5−アセトアミド−2−アミノ安息香酸、ブタン酸(HMB)、グルタチオン、ホモシステイン、スタチン、タウリン、β−アラニン、2−ヒドロキシ−4−(メチルチオ)、(3,4)−ジアミノ安息香酸、(3,5)−ジアミノ安息香酸およびこれらの誘導体を含むが、これらに限定されない。
アミノ酸バリアントの特定の例は、(2アミノエチル)システイン、2−アミノ−3−エチオキシブタン酸(ethyoxybutanoic acid)、ブチオニン、シスタチオン、システイン酸、エチオニン、エトキシテオリン(ethoxytheorine)、メチルセリン、N−ε−ε−ジメチル−リジン、N−ω−ニトロ−アルギニン、サッカロピン、そのイソセリン誘導体、およびそれらの組み合わせを含むが、これらに限定されない
アミノ酸バリアントの特定の例は、l−カルニチン、セレノシステイン、l−サルコシン、l−リシノール、安息香酸、クエン酸、コリン、EDTAまたはコハク酸およびこれらの誘導体を含むが、これらに限定されない。
アミノ酸バリアントの特定の例はアミノアルコールである。アミノアルコールの例は、アラニノール、インダノ(indano)、ノルエフェドリン、アスパラギノール、アスパルチモール(aspartimol)、グルタモール、ロイシノール、メチオニノール、フェニルアラニノール、プロリノール、トリプトファノール、バリノール、イソロイシノール、アルギニノール、セリノール、チロシノール、トレオニノール、システイノール、リシノール、ヒスチジノールおよびこれらの誘導体を含むが、これらに限定されない。
酵素インヒビター
オピオイドプロドラッグの酵素的に切断可能な部分を切断することが可能な酵素は、プロテアーゼとも称されるペプチダーゼであってもよい。特定の実施形態では、この酵素は、胃腸(GI)管に位置する酵素、即ち胃腸酵素、またはGI酵素である。この酵素は消化酵素、例えば、胃、腸、膵臓もしくは刷子縁の酵素またはGI微生物叢の酵素、例えばペプチド加水分解に関与するものなどであってもよい。例として、ペプシンAまたはペプシンBなどのペプシン;トリプシン;キモトリプシン;エラスターゼ;カルボキシペプチダーゼAまたはカルボキシペプチダーゼBなどのカルボキシペプチダーゼ;アミノペプチダーゼ(アミノペプチダーゼNまたはアミノペプチダーゼAなど;エンドペプチターゼ;エキソペプチダーゼ;ジペプチジルアミノペプチダーゼIVなどのジペプチジルアミノペプチダーゼ;ジペプチダーゼ;トリペプチダーゼ;またはエンテロペプチダーゼが挙げられる。特定の実施形態では、酵素は、GI刷子縁上またはその中にある細胞質プロテアーゼである。特定の実施形態では、酵素はトリプシンである。従って、特定の実施形態では、対応する組成物は患者に経口投与される。
本開示物は、GI酵素インヒビターを含んでなる組成物を提供する。かかるインヒビターは、本明細書に開示されるGI酵素のいずれかの少なくとも1つを阻害することができる。GI酵素インヒビターの例は、トリプシンインヒビターなどのプロテアーゼインヒビターである。
本明細書で使用されるとき、用語「GI酵素インヒビター」は、GI酵素の基質に対する作用を阻害することが可能な任意の因子を指す。GI酵素を阻害する因子の能力は、当該技術分野において周知のアッセイを用いて測定することができる。
特定の実施形態では、酵素的に切断可能な部分を切断することが可能なGI酵素は、プロテアーゼであり得る−酵素的に切断可能な部分を含んでなるプロモイエティは、アミド(例えばペプチド:−NHC(O)−)結合を介してオピオイドまたはプロドラッグに連結される。本開示物は、プロテアーゼのインヒビターを提供する。
プロテアーゼはエキソペプチダーゼまたはエンドペプチターゼとして分類することができる。エキソペプチダーゼの例として、アミノペプチダーゼおよびカルボキシペプチダーゼ(A、B、またはY)が挙げられる。エンドペプチターゼの例として、トリプシン、キモトリプシン、エラスターゼ、ペプシン、およびパパインが挙げられる。本開示物は、エキソペプチダーゼおよびエンドペプチターゼのインヒビターを提供する。
いくつかの実施形態において、酵素はタンパク質の消化酵素である。本開示物は、消化酵素のインヒビターを提供する。胃相にはペプシンなどの胃酵素が関与する。腸相には、トリプシン、キモトリプシン、エラスターゼ、カルボキシペプチダーゼA、およびカルボキシペプチダーゼBなどの小腸十二指腸の酵素が関与する。腸刷子縁相には、アミノペプチダーゼN、アミノペプチダーゼA、エンドペプチターゼ、ジペプチダーゼ、ジペプチジルアミノペプチダーゼ、およびジペプチジルアミノペプチダーゼIVなどの小腸刷子縁の酵素が関与する。腸細胞内相には、ジペプチダーゼ(即ちイミノペプチダーゼ)およびアミノペプチダーゼなどの細胞内ペプチダーゼが関与する。
特定の実施形態では、開示される組成物中の酵素インヒビターはペプチダーゼインヒビターまたはプロテアーゼインヒビターである。特定の実施形態では、この酵素は、ペプチド加水分解に関与するものなど、胃、膵臓または刷子縁の酵素などの消化酵素である。例として、ペプシン、トリプシン、キモトリプシン、コリパーゼ、エラスターゼ、アミノペプチダーゼN、アミノペプチダーゼA、ジペプチジルアミノペプチダーゼIV、トリペプチダーゼまたはエンテロペプチダーゼが挙げられる。
プロテアーゼは、天然に存在するペプチドまたはタンパク質インヒビターによるか、または小分子の天然に存在するまたは合成のインヒビターにより阻害され得る。プロテアーゼインヒビターであるタンパク質またはペプチドインヒビターの例は、ヒト血漿由来のα1−アンチトリプシン、アプロチニン、ダイズ由来のトリプシンインヒビター(SBTI)、ダイズ由来のボーマン・バークインヒビター(BBSI)、卵白由来のトリプシンインヒビター(オボムコイド)、クロモスタチン、およびジャガイモ由来のカルボキシペプチダーゼインヒビターを含むが、これらに限定されない。プロテアーゼインヒビターである小分子不可逆インヒビターの例は、TPCK(1−クロロ−3−トシルアミド−4−フェニル−2−ブタノン)、TLCK(1−クロロ−3−トシルアミド−7−アミノ−2−ヘプトン)、およびPMSF(フッ化フェニルメチルスルホニル(phenylmethyl sulfonyl floride))を含むが、これらに限定されない。プロテアーゼインヒビターである小分子不可逆インヒビターの例は、ベンズアミジン、アピキサバン、カモスタット、3,4−ジクロロイソクマリン、ε−アミノカプロン酸(aminocaprionic acid)、アマスタチン、リシアナ二酸(lysianadioic acid)、1,10−フェナントロリン、システアミン、およびベスタチンを含むが、これらに限定されない。小分子インヒビターの他の例は、化合物101、化合物102、化合物103、化合物104、化合物105、化合物106、化合物107、化合物108、化合物109および化合物110である。
以下の表は、胃腸(GI)プロテアーゼの例、それらの対応する基質の例、および対応するインヒビターの例を示す。
トリプシンインヒビター
本明細書で使用する用語「トリプシンインヒビター」は、トリプシンの基質に対する作用を阻害することが可能な任意の因子を指す。用語「トリプシンインヒビター」はまた、トリプシンインヒビターの塩も包含する。トリプシンを阻害する因子の能力は、当該技術分野において周知のアッセイを用いて測定することができる。例えば、典型的なアッセイでは、1単位が、1ベンゾイル−L−アルギニンエチルエステル単位(BAEE−U)だけトリプシン活性を低減するインヒビターの量に対応する。1BAEE−Uは、pH7.6および25℃における253nmの吸光度を1分間あたり0.001だけ増加させる酵素の量である。例えば、K.Ozawa,M.Laskowski,1966,J.Biol.Chem.241,3955およびY.Birk,1976,Meth.Enzymol.45,700を参照のこと。ある場合において、トリプシンインヒビターは、S1ポケットおよびS3/4ポケットなどのトリプシンの活性部位と相互作用することができる。S1ポケットはアスパラギン酸残基を有し、この残基は正に帯電した部分に対して親和性を有する。S3/4ポケットは疎水性ポケットである。本開示物は、特異的トリプシンインヒビターおよび非特異的セリンプロテアーゼインヒビターを提供する。
当該技術分野において公知のトリプシンインヒビターは、トリプシンに特異的なインヒビターならびにトリプシンおよびその他のキモトリプシンなどのプロテアーゼを阻害するインヒビターの双方とも、多く存在する。本開示物は、タンパク質、ペプチド、および小分子であるトリプシンインヒビターを提供する。本開示物は、不可逆的インヒビターまたは可逆的インヒビターであるトリプシンインヒビターを提供する。本開示物は、競合的インヒビター、非競合的インヒビター、または不競合的インヒビターであるトリプシンインヒビターを提供する。本開示物は、天然、合成または半合成トリプシンインヒビターを提供する。
トリプシンインヒビターは様々な動物または植物供給源から誘導することができる:例えば、ダイズ、トウモロコシ、ライマメおよび他のマメ、カボチャ、ヒマワリ、ウシならびに他の動物の膵臓および肺、ニワトリおよびシチメンチョウの卵白、ダイズベースの調製粉乳、および哺乳動物の血液。トリプシンインヒビターはまた微生物起源であってもよい:例えば、アンチパイン;例えば、H.Umezawa,1976,Meth.Enzymol.45,678を参照のこと。
一実施形態において、トリプシンインヒビターはダイズから誘導される。ダイズ(Glycine max)から誘導されるトリプシンインヒビターは容易に入手可能であり、ヒトの食用として安全であると考えられる。これには、トリプシンを阻害するSBTI、ならびにトリプシンおよびキモトリプシンを阻害するBowman−Birkインヒビターが含まれるが、それらに限定されない。このようなトリプシンインヒビターは、例えばSigma−Aldrich、St.Louis,MO,USAから入手可能である。
トリプシンインヒビターは、天然化合物または合成化合物のいずれかの、アルギニンミミックまたはリジンミミックであり得る。特定の実施形態では、トリプシンインヒビターはアルギニンミミックまたはリジンミミックであり、ここでアルギニンミミックまたはリジンミミックは合成化合物である。本明細書で使用されるとき、アルギニンミミックまたはリジンミミックとは、トリプシンのPポケットに対する結合能および/またはトリプシン活性部位機能の阻害能を有する化合物を含み得る。アルギニンまたはリジンミミックは切断可能な部分であっても、または切断不可能な部分であってもよい。
アルギニンミミックおよび/またはリジンミミックであるトリプシンインヒビターの例として、アリールグアニジン、ベンズアミジン、3,4−ジクロロイソクマリン、ジイソプロピルフルオロホスフェート、メシル酸ガベキサート、およびフェニルメタンスルホニルフルオリド、またはその置換型もしくは類似体が挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、トリプシンインヒビターは、クロロケトン部分、アルデヒド部分、またはエポキシド部分などの共有結合的に修飾可能な基を含んでなる。トリプシンインヒビターの他の例は、アプロチニン、カモスタットおよびペンタミジンである。
トリプシンインヒビターの他の例は、以下の式の化合物を含み:
式中:
は、−O−Qまたは−Q−COOHから選択され、ここでQはC−Cアルキルであり;
は、NまたはCHであり;かつ
は、アリールまたは置換アリールである。
特定のトリプシンインヒビターは、以下の式の化合物を含み:
式中:
は、−C(O)−COOHまたは−NH−Q−Q−SO−Cであって、ここで、
は−(CH−COOHであり;
は−(CH−Cであり;
はNHであり;
nは、0〜2の数であり;
oは、0または1であり;
pは、1〜3の整数であり;かつ
rは、1〜3の整数である。
トリプシンインヒビターの別の例は、以下の式の化合物を含み:
式中:
は、−C(O)−COOHまたは−NH−Q−Q−SO−Cであって、ここで
は−(CH−COOHであり;
は−(CH−Cであり;かつ
pは、1〜3の整数であり;かつ
rは、1〜3の整数である。
特定のトリプシンインヒビターは以下を含む:
特定の実施形態では、トリプシンインヒビターは、SBTI、BBSI、化合物101、化合物106、化合物108、化合物109、または化合物110である。特定の実施形態では、トリプシンインヒビターはカモスタットである。
特定の実施形態では、トリプシンインヒビターは式T−I:
の化合物であって、式中、
Aは、以下の式の群を表し:
t9およびRt10は、各々が独立して水素原子またはC1−4アルキル基を表し、
t8は、以下の式から選択される群を表し:
式中、Rt11、Rt12およびRt13は、各々が独立して、
(1)水素原子、
(2)フェニル基、
(3)フェニル基により置換されたC1−4アルキル基、
(4)C1−10アルキル基、
(5)C1−10アルコキシル基、
(6)1〜3個の二重結合を有するC2−10アルケニル基、
(7)1〜2個の三重結合を有するC2−10アルキニル基、
(8)式:Rt15−C(O)XRt16の群、
式中、Rt15は単結合またはC1−8アルキレン基を表し、
Xは酸素原子またはNH基を表し、かつ
t16は、水素原子、C1−4アルキル基、フェニル基またはフェニル基により置換されたC1−4アルキル基を表す、または
(9)C3−7シクロアルキル基;
を表し、
構造
は、1〜2個の窒素原子または酸素原子を含む4〜7員単環式へテロ環を表し、
t14は、水素原子、フェニル基により置換されたC1−4アルキル基または式:COORt17の群を表し、式中Rt17は、水素原子、C1−4アルキル基またはフェニル基により置換されたC1−4アルキル基を表し;
ただし、Rt11、Rt12およびRt13が同時に水素原子を表すことはない、化合物またはその非毒性の塩、酸付加塩もしくは水和物である。
特定の実施形態では、トリプシンインヒビターは、以下から選択される化合物である:
特定の実施形態では、トリプシンインヒビターは、式T−II:
の化合物であり、式中、
XはNHであり;
Nは0または1であり;かつ
t1は、水素、ハロゲン、ニトロ、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アシル、アミノアシル、グアニジン、アミジノ、カルバミド、アミノ、置換アミノ、ヒドロキシル、シアノおよび−(CH−C(O)−O−(CH−C(O)−N−Rn1n2から選択され、ここで各mは独立して0〜2であり;かつ;Rn1およびRn2は、水素およびC1−4アルキルから独立して選択される。
特定の実施形態では、式T−IIにおいてRt1は、グアニジノまたはアミジノである。
特定の実施形態では、式T−IIにおいてRt1は、−(CH−C(O)−O−(CH−C(O)−N−Rn1n2であり、ここでmは1であり、かつRn1およびRn2はメチルである。
特定の実施形態では、トリプシンインヒビターは式T−III:
の化合物であり、式中、
XはNHであり;
nは0または1であり;
t1は、−C(O)−O−;−O−C(O)−;−O−(CH−O−;−OCH−Art2−CHO−;−C(O)−NRt3−;および−NRt3−C(O)−から選択され;
t3は、水素、C1−6アルキル、および置換C1−6アルキルから選択され;
Art1およびArt2は、独立して置換または非置換アリール基であり;
mは1〜3の数であり;かつ
t2は、水素、ハロゲン、ニトロ、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、カルボキシル、アルコキシカルボニル、アシル、アミノアシル、グアニジン、アミジノ、カルバミド、アミノ、置換アミノ、ヒドロキシル、シアノおよび−(CH−C(O)−O−(CH−C(O)−N−Rn1n2から選択され、ここで各mは、独立して0〜2であり;かつRn1およびRn2は、水素およびC1−4アルキルから独立して選択される。
特定の実施形態では、式T−IIIにおいて、Rt2はグアニジノまたはアミジノである。
特定の実施形態では、式T−IIIにおいて、Rt2は、−(CH−C(O)−O−(CH−C(O)−N−Rn1n2であり、ここでmは1であり、かつRn1およびRn2はメチルである。
特定の実施形態では、トリプシンインヒビターは、式T−IV:
の化合物であり、式中、
各XはNHであり;
各nは、独立して、0または1であり;
t1は、−C(O)−O−;−O−C(O)−;−O−(CH−O−;−OCH−Art2−CHO−;−C(O)−NRt3−;および−NRt3−C(O)−から選択され;
t3は、水素、C1−6アルキル、および置換C1−6アルキルから選択され;
Art1およびArt2は、独立して、置換または非置換アリール基であり;かつ
mは1〜3の数である。
特定の実施形態では、式T−IVにおいて、Art1またはArt2はフェニルである。
特定の実施形態では、式T−IVにおいて、Art1またはArt2はナフチルである。
特定の実施形態では、トリプシンインヒビターは化合物109である。
特定の実施形態では、トリプシンインヒビターは
である。
特定の実施形態では、トリプシンインヒビターは化合物110またはそのビス−アリールアミジンバリアントである;例えば、J.D.Geratz,M.C.−F.Cheng and R.R.Tidwell(1976) J Med.Chem.19,634−639を参照のこと。

実施形態による医薬組成物が1つ以上の他のトリプシンインヒビターをさらに含んでなり得ることは理解されるであろう。
本発明はまた、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、もしくはバリンのアミノ酸またはそのアミノ酸バリアントを含んでなる本明細書に開示されるプロドラッグと組み合わせて使用することができるタンパク質同化に関わる他の酵素のインヒビターも含むことは理解されるべきである。
プロドラッグと酵素インヒビターとの組み合わせ
上記に考察されるとおり、本開示物は、トリプシンインヒビターと、切断されるとオピオイドの放出を促進するトリプシン切断可能部分を含有するオピオイドプロドラッグとを含んでなる医薬組成物を提供する。
アルコール修飾オピオイドプロドラッグと酵素インヒビターとの組み合わせ
アルコール修飾オピオイドプロドラッグ(例えば、フェノール修飾オピオイドプロドラッグ)と、酵素インヒビター(例えば、トリプシンインヒビター)とを含有する組成物の例を以下に記載する。
式PC−(I)〜式PC−(VI)と酵素インヒビターとの組み合わせ
本実施形態は、酵素インヒビターと、一般式PC−(I)の化合物、またはその薬学的に許容できる塩とを含んでなる医薬組成物を提供する。
本実施形態は、酵素インヒビターと、一般式PC−(II)〜PC−(VI)の化合物、またはその薬学的に許容できる塩とを含んでなる医薬組成物を提供する。
本実施形態は、式T−I〜式T−IVの化合物と、一般式PC−(I)〜PC−(VI)の化合物、またはその薬学的に許容できる塩とを含んでなる医薬組成物を提供する。本実施形態は、化合物109と、一般式PC−(I)〜PC−(VI)の化合物、またはその薬学的に許容できる塩とを含んでなる医薬組成物を提供する。
本実施形態は、酵素インヒビターと、一般式PC−(I)の化合物以外の本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に許容できる塩とを含んでなる医薬組成物を提供する。
本実施形態は、酵素インヒビターと、一般式PC−(II)〜PC−(VI)の化合物以外の本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に許容できる塩とを含んでなる医薬組成物を提供する。
特定の実施形態は、式の化合物PC−(I)と酵素インヒビターとの組み合わせを提供し、ここで式PC−(I)のフェノール性オピオイドおよび酵素インヒビターを以下の表に示す。
特定の実施形態は、式PC−(II)の化合物と酵素インヒビターとの組み合わせを提供し、ここで式PC−(II)のフェノール性オピオイドおよび酵素インヒビターを以下の表に示す。
特定の実施形態は、式PC−(III)の化合物と酵素インヒビターとの組み合わせを提供し、ここで式PC−(III)のフェノール性オピオイドおよび酵素インヒビターを以下の表に示す。
特定の実施形態は、化合物PC−1と酵素インヒビター、化合物PC−2と酵素インヒビター、化合物PC−3と酵素インヒビター、化合物PC−4と酵素インヒビター、化合物PC−5と酵素インヒビター、および/または化合物PC−6と酵素インヒビターとの組み合わせを提供し、ここで酵素インヒビターを以下の表に示す。化合物PC−1はヒドロモルホン3−(N−メチル−N−(2−N’−アセチルアルギニルアミノ))エチルカルバメートである(これは、2007年12月6に公開された国際公開第2007/140272号パンフレットの実施例3に記載されるとおり生成することができる)。化合物PC−2、化合物PC−3、化合物PC−4、化合物PC−5、および化合物PC−6は、各々、実施例に記載される。かかる化合物と酵素インヒビターとの組み合わせの例を以下の表に提供する。
式PC−(VII)〜式PC−(X)と酵素インヒビターとの組み合わせ
本実施形態は、酵素インヒビターと一般式PC−(VII)〜PC−(X)の化合物、またはその薬学的に許容できる塩とを含んでなる医薬組成物を提供する。
本実施形態は、式T−I〜式T−IVの化合物と一般式PC−(VII)〜PC−(X)の化合物、またはその薬学的に許容できる塩とを含んでなる医薬組成物を提供する。本実施形態は、化合物109と、一般式PC−(VII)〜PC−(X)の化合物、またはその薬学的に許容できる塩とを含んでなる医薬組成物を提供する。
本実施形態は、酵素インヒビターと一般式PC−(I)〜PC−(VI)の化合物以外の本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に許容できる塩とを含んでなる医薬組成物を提供する。
特定の実施形態は、式PC−(VII)の化合物と酵素インヒビターとの組み合わせを提供し、ここで式PC−(VII)のフェノール性オピオイドおよび酵素インヒビターを以下の表に示す。
特定の実施形態は、式PC−(VIII)の化合物と酵素インヒビターとの組み合わせを提供し、ここで式PC−(VIII)のフェノール性オピオイドおよび酵素インヒビターを以下の表に示す。
ケトン修飾オピオイドプロドラッグと酵素インヒビターとの組み合わせ
ケトン修飾オピオイドプロドラッグと酵素インヒビター(例えば、トリプシンインヒビター)とを含有する組成物の例を以下に記載する。
式KC−(I)〜式KC−(II)と酵素インヒビターとの組み合わせ
本実施形態は、酵素インヒビターと一般式KC−(I)〜KC−(II)の化合物、またはその薬学的に許容できる塩とを含んでなる医薬組成物を提供する。本実施形態は、式T−I〜T−VIの化合物と、一般式KC−(I)〜KC−(II)の化合物、またはその薬学的に許容できる塩とを含んでなる医薬組成物を提供する。本実施形態は、化合物109と、一般式KC−(I)〜KC−(II)の化合物、またはその薬学的に許容できる塩とを含んでなる医薬組成物を提供する。
特定の実施形態は、式KC−(I)の化合物と酵素インヒビターとの組み合わせを提供し、ここで式KC−(I)のケトン含有オピオイドおよび酵素インヒビターを以下の表に示す。特定の実施形態は、式KC−(II)の化合物と酵素インヒビターとの組み合わせを提供し、ここで式KC−(II)のケトン含有オピオイドおよび酵素インヒビターもまた以下の表に示す。
式KC−(III)〜式KC−(V)と酵素インヒビターとの組み合わせ
本実施形態は、酵素インヒビターと一般式KC−(III)〜KC−(V)の化合物、またはその薬学的に許容できる塩とを含んでなる医薬組成物を提供する。本実施形態は、式T−I〜T−VIの化合物と、一般式KC−(III)〜KC−(V)の化合物、またはその薬学的に許容できる塩とを含んでなる医薬組成物を提供する。本実施形態は、化合物109と、一般式KC−(III)〜KC−(V)の化合物、またはその薬学的に許容できる塩とを含んでなる医薬組成物を提供する。
本実施形態は、酵素インヒビターと、一般式KC−(I)〜KC−(II)の化合物以外の本明細書に開示される化合物、またはその薬学的に許容できる塩とを含んでなる医薬組成物を提供する。
特定の実施形態は、式KC−(III)の化合物と酵素インヒビターとの組み合わせを提供し、ここで式KC−(III)のケトン含有オピオイドおよび酵素インヒビターを以下の表に示す。特定の実施形態は、式KC−(IV)の化合物と酵素インヒビターとの組み合わせを提供し、ここで式KC−(IV)のケトン含有オピオイドおよび酵素インヒビターを以下の表に示す。特定の実施形態は、式KC−(V)の化合物と酵素インヒビターとの組み合わせを提供し、ここで式KC−(V)のケトン含有オピオイドおよび酵素インヒビターを以下の表に示す。
化合物KC−2と酵素インヒビターとの組み合わせ
特定の実施形態は、化合物KC−2と酵素インヒビターとの組み合わせを提供し、ここで酵素インヒビターを以下の表に示す。
オピオイドプロドラッグと他の薬物との組み合わせ
本開示物は、医薬組成物中に含まれるオピオイドプロドラッグとさらなるプロドラッグまたは薬物とを提供する。かかるプロドラッグまたは薬物は、さらなる鎮痛または他の利益を提供し得る。例として、オピオイド、アセトアミノフェン、非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)および他の鎮痛薬が挙げられる。一実施形態において、オピオイド作動プロドラッグまたは薬物が、オピオイド拮抗プロドラッグまたは薬物と組み合わされ得る。他の例として、鎮痛以外に、または鎮痛に加えて利益を有する薬物またはプロドラッグが挙げられる。本実施形態は、オピオイドプロドラッグとアセトアミノフェンとを含んでなり、かつ任意選択的に酵素インヒビターを含んでなる医薬組成物を提供する。また、その薬学的に許容できる塩も含まれる。
特定の実施形態では、酵素インヒビターは、SBTI、BBSI、化合物101、化合物106、化合物108、化合物109、および化合物110から選択される。特定の実施形態では、酵素インヒビターがカモスタットである。
特定の実施形態では、医薬組成物は、オピオイドプロドラッグと、非オピオイド薬物と、少なくとも1つのオピオイドまたはオピオイドプロドラッグとを含んでなり得る。
医薬組成物および使用方法
本実施形態に従う医薬組成物は、薬学的に許容できるキャリアをさらに含んでなり得る。組成物は、例えば、錠剤、カプセル、薄フィルム、粉末、懸濁液、溶液、シロップ、分散液またはエマルジョンとして経口(バッカルおよび舌下を含む)投与に適切な形態で簡便に製剤化される。組成物は、製剤における従来の成分、例えば、1つ以上のキャリア、結合剤、潤滑剤、賦形剤(例えば、制御放出の特徴を付与するため)、pH調整剤、甘味剤、充填剤、着色剤またはさらなる活性薬剤を含有することができる。
患者は、ヒトであっても、また他の哺乳動物、例えば、家畜、動物園の動物、ならびにネコ、イヌまたはウマなどの伴侶動物であってもよい。
別の態様において、本実施形態は、疼痛の治療に使用される上記のとおりの医薬組成物を提供する。本実施形態に係る医薬組成物は、例えば、疼痛を患う、または疼痛を患うリスクがある患者の治療において有用である。従って、本開示物は、対象において疼痛を治療または予防する方法を提供し、この方法は、本開示物の組成物を対象に投与する工程を含む。本開示物は、治療もしくは予防において使用される、または医薬品として使用される本開示物の組成物を提供する。本開示物はまた、医薬品を製造するための、特に疼痛の治療用または予防用医薬品を製造するための本開示物の組成物の使用も提供する。
本開示物の組成物は、限定はされないが、急性痛、慢性痛、神経因性疼痛、急性外傷痛、関節炎痛、骨関節炎痛、関節リウマチ痛、筋肉骨格痛、口腔外科術後痛、歯痛、筋筋膜痛、癌性疼痛、内臓痛、糖尿病性疼痛、筋肉痛、ヘルペス後神経痛、慢性骨盤痛、子宮内膜症痛、骨盤内炎症性疼痛および分娩関連疼痛を含む疼痛の治療または予防において使用することができる。急性痛として、急性外傷痛または術後痛が挙げられるが、これらに限定はされない。慢性痛として、神経因性疼痛、関節炎痛、骨関節炎痛、関節リウマチ痛、筋肉骨格痛、歯痛、筋筋膜痛、癌性疼痛、糖尿病性疼痛、内臓痛、筋肉痛、ヘルペス後神経痛、慢性骨盤痛、子宮内膜症痛、骨盤内炎症性疼痛および背痛が挙げられるが、これらに限定はされない。
本開示物は、疼痛の治療におけるオピオイドプロドラッグとトリプシンインヒビターとの使用を提供する。本開示物は、疼痛の予防におけるオピオイドプロドラッグとトリプシンインヒビターとの使用を提供する。
本開示物は、疼痛の治療用医薬品の製造におけるオピオイドプロドラッグとトリプシンインヒビターとの使用を提供する。本開示物は、疼痛の予防用医薬品の製造におけるオピオイドプロドラッグとトリプシンインヒビターとの使用を提供する。
別の態様において、本実施形態は、治療を必要とする患者において疼痛を治療する方法を提供し、この方法は、上記に記載されるとおりの医薬組成物の有効量を投与する工程を含んでなる。別の態様において、本実施形態は、治療を必要とする患者において疼痛を予防する方法を提供し、この方法は、上記に記載されるとおりの医薬組成物の有効量を投与する工程を含んでなる。
本明細書に開示される組成物が患者に投与されて有効となる(即ち、疼痛の治療または予防に有効であるのに十分なフェノール性オピオイドの血中濃度を提供する)ための量は、特定の組成物のバイオアベイラビリティ、特定の組成物の消化管における酵素活性化に対する感受性、組成物中に存在するトリプシンインヒビターの量および効力、ならびに患者の人種、年齢、体重、性別および状態、投与方法および処方医師の判断などの他の要因に依存し得る。一般に、組成物の用量は、オピオイドプロドラッグが体重1キログラムあたり0.01ミリグラムのプロドラッグ〜1キログラムあたり20ミリグラム(mg/kg)のプロドラッグの範囲となる用量であってよい。例えば、オピオイドの残基を含んでなる組成物は、0.02〜0.5mg/kg体重または0.01mg/kg〜10mg/kg体重または0.01〜2mg/kg体重の範囲の遊離オピオイドを投与するのと等価な用量で投与することができる。組成物がオピオイドプロドラッグを含んでなる一実施形態において、組成物は、血中で達成されるオピオイドのレベルが0.5ng/ml〜200ng/mlの範囲であるような用量で投与することができる。
トリプシンインヒビターが患者に投与されて有効となる(即ち、本明細書に開示されるオピオイドプロドラッグを単独投与するとオピオイドの過剰な曝露がもたらされるであろう場合にオピオイドの放出を減弱させる)ための量は、特定のプロドラッグの有効用量および特定のインヒビターの効力、ならびに患者の人種、年齢、体重、性別および状態、投与方法および処方医師の判断などの他の要因に依存し得る。一般に、インヒビターの用量は、本明細書に開示されるプロドラッグ1mgあたり0.05mg〜50mgの範囲であり得る。特定の実施形態では、インヒビターの用量は、本明細書に開示されるプロドラッグ1mgあたり0.001mg〜50mgの範囲であり得る。一実施形態において、インヒビターの用量は、本明細書に開示されるプロドラッグ1マイクロモルあたり0.01ナノモル〜100マイクロモルの範囲であり得る。
所望の薬物動態プロファイルを有するプロドラッグおよびインヒビターの用量単位
本開示物は、所望の薬物動態(PK)プロファイルを提供することができるプロドラッグおよびインヒビターの用量単位を提供する。用量単位は、本明細書に開示されるとおりの基準PKプロファイルと比較して改変されたPKプロファイルを提供することができる。改変PKプロファイルが改変された薬力学的(PD)プロファイルをもたらし得ることは理解されるであろう。そのような用量単位の複数の摂取もまた、所望のPKプロファイルを提供し得る。
特に具体的に明記されない限り、本明細書で使用される「用量単位」は、GI酵素切断可能なプロドラッグ(例えば、トリプシン切断可能なプロドラッグ)とGI酵素インヒビター(例えば、トリプシンインヒビター)との組み合わせを指す。「単一用量単位」は、GI酵素切断可能なプロドラッグ(例えば、トリプシン切断可能なプロドラッグ)とGI酵素インヒビター(例えば、トリプシンインヒビター)との組み合わせの単一の単位であり、ここで単一用量単位は薬物の治療有効量(即ち、治療効果を生じさせるのに十分な量の薬物、例えば、それぞれの薬物の治療ウィンドウ、即ち治療域の範囲内の用量)を提供する。「複数用量単位(multiple dose units)」または「複数の用量単位(multiples of a dose unit)」またはある「複数の用量単位(multiple of a dose unit)」は、少なくとも2つの単一用量単位を指す。
本明細書で使用されるとき、「PKプロファイル」は、血中または血漿中における薬物濃度のプロファイルを指す。そのようなプロファイルは、時間に対する薬物濃度の関係(即ち、「濃度−時間PKプロファイル」)または薬物濃度の摂取用量数に対する関係(即ち、「濃度−用量PKプロファイル」)であり得る。PKプロファイルはPKパラメータにより特徴付けられる。
本明細書で使用されるとき、「PKパラメータ」は、血中または血漿中における薬物濃度の尺度を指し、例えば:1)「薬物Cmax」、血中または血漿中で達成される薬物の最高濃度;2)「薬物Tmax」、摂取後Cmaxに達するまでの経過時間;および3)「薬物曝露量」、特定の期間にわたり血中または血漿中に存在する薬物の総濃度(これは特定の期間(t)にわたる薬物放出の経時変化の曲線下面積(AUC)を使用して計測することができる)である。1つ以上のPKパラメータを改変することにより改変されたPKプロファイルがもたらされる。
本開示物の用量単位の特徴を説明するため、PKプロファイルを定義する「PKパラメータ値」は、薬物Cmax(例えば、フェノール性オピオイドCmax)、全薬物曝露量(例えば、曲線下面積)(例えば、フェノール性オピオイド曝露量)および1/(薬物Tmax)(1/Tmaxの低下が基準Tmaxに対するTmaxの遅延を示すように)(例えば、1/フェノール性オピオイドTmax)を含む。従って基準PKパラメータ値に対するPKパラメータ値の低下は、例えば、薬物Cmaxの低下、薬物曝露量の低下、および/またはTmaxの遅延を示し得る。
本開示物の用量単位は、改変PKプロファイル、例えば、インヒビターの非存在下で(即ち、インヒビターなしで)所与の用量のプロドラッグを投与することにより達成されるものと異なるPKプロファイルを提供するように適合され得る。例えば用量単位は、同じ量だがインヒビターが存在しない場合のプロドラッグ用量の摂取と比較して、薬物Cmaxの低下、薬物Tmaxの遅延および/または薬物曝露量の低下のうちの少なくとも1つをもたらし得る。このような改変は、用量単位にインヒビターを含めることによるものである。
本明細書で使用されるとき、「薬力学的(PD)プロファイル」は、患者(または対象または使用者)における薬物の効力のプロファイルを指し、これはPDパラメータにより特徴付けられる。「PDパラメータ」には、「薬物Emax」(最大薬物効力)、「薬物EC50」(Emaxの50%での薬物濃度)、および副作用が含まれる。
図1は、一定用量のプロドラッグについての、インヒビター濃度の増加がPKパラメータ薬物Cmaxに対して及ぼす影響の例を示す概略図である。低濃度のインヒビターでは、薬物Cmax(Y軸)のインヒビター濃度(X軸)に対するプロットのプラトー部分により示されるとおり、薬物放出に対する検出可能な影響はないこともある。インヒビター濃度が上昇すると、プロドラッグからの薬物放出が減弱される濃度に達して薬物Cmaxが低下し、または抑制される。従って、本開示物の用量単位についてのインヒビターのプロドラッグPKパラメータに対する影響は、検出不能から中程度、完全阻害(即ち、検出可能な薬物の放出がない)までの範囲をとり得る。
用量単位は、単一用量の摂取後に所望のPKプロファイル(例えば、濃度−時間PKプロファイル)をもたらすように適合され得る。用量単位は、複数用量単位(例えば、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4またはそれ以上の用量単位)の摂取後に所望のPKプロファイル(例えば、濃度−用量PKプロファイル)を提供するように適合され得る。
改変PKプロファイルを提供する用量単位
用量単位におけるプロドラッグとインヒビターとの組み合わせは、単一用量の摂取後に所望の(または「予め選択された」)PKプロファイル(例えば、濃度−時間PKプロファイル)を提供することができる。そのような用量単位のPKプロファイルは、予め選択された薬物Cmax、予め選択された薬物Tmaxまたは予め選択された薬物曝露量のうちの1つ以上により特徴付けることができる。用量単位のPKプロファイルは、インヒビターの非存在下でプロドラッグの等価投薬量(即ち、インヒビターを欠いていることを除いては用量単位と同じである用量)により達成されるPKプロファイルと比較して改変されたものであり得る。
改変PKプロファイルは、基準PKパラメータ値(例えば、インヒビターを含まないことを除き用量単位と等価なプロドラッグ投薬量を摂取した後のPKプロファイルのPKパラメータ値)と比べて低下したPKパラメータ値を有し得る。例えば用量単位は、薬物Cmaxの低下、薬物曝露量の低下、および/または薬物Tmaxの遅延をもたらすことができる。
図2は、単一用量単位の改変濃度−時間PKプロファイルの例を示す概略的なグラフを提示する。パネルAは、インヒビターの非存在下または存在下におけるプロドラッグの摂取からある期間(X軸)経った後の血中または血漿中薬物濃度(Y軸)の概略図である。パネルAにおける上側の実線は、インヒビターなしでプロドラッグを摂取した後の薬物濃度の例を提供する。パネルAにおける下側の破線は、同じ用量のプロドラッグをインヒビターと共に摂取した後の薬物濃度を表す。インヒビターをプロドラッグと共に摂取すると、インヒビターの非存在下で同量のプロドラッグを摂取して得られる薬物Cmaxと比べ、薬物Cmaxの低下がもたらされる。パネルAはまた、プロドラッグをインヒビターと共に摂取した後の全薬物曝露量もまた、インヒビターを伴わない同量のプロドラッグの摂取と比べて低下することも示す。
図2のパネルBは、改変濃度−時間PKプロファイルを有する用量単位の別の例を提供する。パネルAと同じく、上側の実線が、インヒビターなしにプロドラッグを摂取した後の経時的な血中または血漿中薬物濃度を表し、一方、下側の破線が、同量のプロドラッグをインヒビターと共に摂取した後の薬物濃度を表す。この例では、用量単位は、薬物Cmaxの低下、薬物曝露量の低下、および薬物Tmaxの遅延(即ち、インヒビターを伴わない同用量のプロドラッグの摂取と比べたときの(1/薬物Tmax)の低下)を有するPKプロファイルを提供する。
図2のパネルCは、改変濃度−時間PKプロファイルを有する用量単位の別の例を提供する。パネルAと同じく、実線が、インヒビターなしにプロドラッグを摂取した後の経時的な血中または血漿中薬物濃度を表し、一方、破線が、同量のプロドラッグをインヒビターと共に摂取した後の薬物濃度を表す。この例では、用量単位は、薬物Tmaxの遅延(即ち、インヒビターを伴わない同用量のプロドラッグの摂取と比べたときの(1/薬物Tmax)の低下)を有するPKプロファイルを提供する。
改変されたPKプロファイル(例えば、薬物のPKプロファイルまたはインヒビターを伴わないプロドラッグのPKプロファイルと比較したときの薬物Cmaxの低下および/または薬物Tmaxの遅延)をもたらす用量単位は、患者の必要性に合わせた薬物用量の調整(例えば、特定の用量単位の選択および/または投薬レジメンの選択による)、副作用の低減、および/または患者コンプライアンスの向上(薬物またはインヒビターを伴わないプロドラッグに関連する副作用または患者コンプライアンスと比較したとき)に利用が見出される。本明細書で使用されるとき、「患者コンプライアンス」は、処方された用量を著しく上回ることも、または著しく下回ることもない用量の摂取を含め、患者が臨床医(例えば、医師)の指示に従うかどうかを指す。かかる用量単位はまた、患者による誤用、乱用または過量服用のリスクを、薬物またはインヒビターを伴わないプロドラッグに関連するそのようなリスクと比較して低減する。例えば、薬物Cmaxが低下した用量単位は、摂取に対する報酬が、同量の薬物、および/またはインヒビターを伴わない同量のプロドラッグの用量がもたらす報酬と比べて少ない。
複数用量単位の摂取時に改変PKプロファイルを提供する用量単位
本開示物の用量単位は、複数の用量単位(例えば、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4、またはそれ以上の用量単位)を摂取した後に所望のPKプロファイル(例えば、濃度−時間PKプロファイルまたは濃度−用量PKプロファイル)をもたらすように適合され得る。濃度−用量PKプロファイルは、選択されたPKパラメータと摂取される単一用量単位の数との間の関係を指す。このプロファイルは用量に比例して線形(線形性のPKプロファイル)または非線形(非線形性のPKプロファイル)であり得る。改変濃度−用量PKプロファイルは、単一用量単位中に含まれるプロドラッグとインヒビターとの相対量を調整することにより、および/または異なるプロドラッグおよび/またはインヒビターを使用することにより、提供することができる。
図3は、本開示物の用量単位(X軸)を複数摂取することにより提供され得る濃度−用量PKプロファイル(薬物Cmaxにより例示される、Y軸)の例の概略図を提供する。各プロファイルは、漸増用量の薬物単独によって提供される濃度−用量PKプロファイルと比較することができ、ここでは1用量による血中または血漿中薬物量が、本開示物の1用量単位によって血中または血漿中に放出される薬物量と等価な治療有効量に相当する。このような「薬物単独」PKプロファイルは、典型的には用量に比例し、45度の正の直線の傾きを有する。また、本開示物の用量単位を複数摂取して得られる濃度−用量PKプロファイルはまた、他の基準、例えばインヒビターなしでプロドラッグの漸増用量数を摂取することにより提供される濃度−用量PKプロファイルと比較してもよいことも理解されるべきであり、ここでは、インヒビターの非存在下で単一用量のプロドラッグにより血中または血漿中に放出される薬物量が、本開示物の1用量単位によって血中または血漿中に放出される薬物量と等価な治療有効量に相当する。
図1におけるプロドラッグおよびインヒビター濃度間の関係によって示されるとおり、用量単位はインヒビターを、摂取後の薬物放出に検出可能な影響を及ぼすことのない量で含むことができる。そのような用量単位の複数の摂取により、例えば漸増量のプロドラッグ単独の用量比例性PKプロファイルと同様の、摂取される用量単位数とPKパラメータ値との間の関係が正の傾きの直線となるような濃度−用量PKプロファイルを提供することができる。図3のパネルAがそのようなプロファイルを示す。プロドラッグ単独のプロファイルと比較して、インビボでそのような薬物Cmaxの変化を検出不能な濃度−用量PKプロファイルを提供する用量単位は、酵素切断可能なプロドラッグのそのそれぞれの酵素によるインビトロでの切断を低減または防止するのに十分なインヒビターを有する用量単位からのプロドラッグの酵素変換を妨げることに利用が見出され得る。
図3のパネルBは、摂取される用量単位数とPKパラメータ値との間の関係が正の傾きの直線となるような濃度−用量PKプロファイルを表し、ここでこのプロファイルはパネルAと比べて小さい傾きを呈する。この用量単位は、用量比例性を呈する基準PKパラメータ値と比べて低下したPKパラメータ値(例えば、薬物Cmax)を有するプロファイルを提供する。
複数の用量単位を摂取した後の濃度−用量PKプロファイルは非線形性であってもよい。図3のパネルCは、非線形性で二相性の濃度−用量PKプロファイルを表す。この例では、二相性の濃度−用量PKプロファイルは第1の相を含み、この相にわたっては濃度−用量PKプロファイルは正の上昇を有し、次に第2の相を含み、この相にわたっては摂取される用量単位数とPKパラメータ値(例えば、薬物Cmax)との間の関係は比較的平坦(実質的に傾きがゼロの直線)である。このような用量単位について、例えば、薬物Cmaxは選択された用量単位数(例えば、2、3、または4用量単位)に対しては増加し得る。しかしながらそれ以上の用量単位を摂取しても、薬物Cmaxの大幅な上昇はもたらされない。
図3のパネルDは、非線形性で二相性の濃度−用量PKプロファイルの別の例を表す。この例では、二相性の濃度−用量PKプロファイルは、濃度−用量PKプロファイルが正の上昇を有する第1の相と、摂取される用量単位数とPKパラメータ値(例えば、薬物Cmax)との間の関係が下降する第2の相とにより特徴付けられる。この濃度−用量PKプロファイルを提供する用量単位は、選択された数の摂取用量単位(例えば、2、3、または4用量単位)に対しては薬物Cmaxの増加をもたらす。しかしながら、それ以上の用量単位を摂取しても、薬物Cmaxの大幅な上昇はもたらされず、むしろ薬物Cmaxの低下がもたらされる。
図3のパネルEは、摂取される用量単位数とPKパラメータ(例えば、薬物Cmax)との間の関係が、傾きがゼロの直線である濃度−用量PKプロファイルを表す。このような用量単位は、複数の用量単位の摂取によっても薬物Cmaxの大幅な上昇または低下はもたらされない。
図3のパネルFは、摂取される用量単位数とPKパラメータ値(例えば、薬物Cmax)との間の関係が負の傾きの直線である濃度−用量PKプロファイルを表す。従って摂取する用量単位数が増加するほど薬物Cmaxは低下する。
複数の用量単位が摂取されたときに濃度−用量PKプロファイルを提供する用量単位は、過量服用、誤用、または乱用のリスクを低減する一方で治療レベルの薬物放出を提供するように投薬レジメンを調整することに利用が見出される。このようなリスクの低減は、基準、例えば薬物単独またはプロドラッグ単独での投与と比較することができる。一実施形態では、比例性の濃度−用量PKプロファイルを提供する薬物またはプロドラッグの投与と比較してリスクが低減される。濃度−用量PKプロファイルを提供する用量単位は、処方投薬量を上回る用量単位を不注意に摂取することによる患者の過量服用のリスクを低減することができる。このような用量単位は、患者の誤用(例えば、セルフメディケーションによる)のリスクを低減することができる。このような用量単位は、複数用量単位を意図的に摂取することによる乱用を抑止することができる。例えば、二相性の濃度−用量PKプロファイルをもたらす用量単位は、限られた数の摂取用量単位については薬物放出の増加を許容し得るが、その後さらなる用量単位を摂取しても、薬物放出の増加は実現されない。別の例において、傾きがゼロの濃度−用量PKプロファイルをもたらす用量単位では、摂取される用量単位数にかかわらず同様の薬物放出プロファイルを維持することが可能となり得る。
複数の用量単位の摂取は、例えば、選択された数(例えば、2、3、4またはそれ以上)の単一用量単位の摂取により、インヒビターの非存在下での同じ数の用量の摂取と比較してPKパラメータ値の低下がもたらされるように、インヒビターの非存在下で同じ用量の複数を(薬物単独として、あるいはプロドラッグとして)摂取する場合と比べてPKパラメータ値の調整を提供することができる。
医薬組成物には、治療化合物がGI管で分解されないよう保護を提供するインヒビターを有するものが含まれる。インヒビターを薬物(即ち、プロドラッグでない)と組み合わせることにより、薬物がGI系で分解されないよう保護をもたらすことができる。この例では、インヒビターと薬物との組成物が、PKパラメータを増加させることによって改変PKプロファイルをもたらす。インヒビターはまた、GI酵素によって分解され易く、かつGI管外に作用部位を有するプロドラッグと組み合わせてもよい。この組成物では、インヒビターは摂取されたプロドラッグを、それがGI管外に分布して所望の作用部位で切断されるまでのGI管内で保護する。
用量単位中のプロドラッグとインヒビターとの相対量を確定するために用いられる方法
所望のPKプロファイル、例えば所望の濃度−時間PKプロファイルおよび/または所望の濃度−用量PKプロファイルをもたらす用量単位は、プロドラッグとインヒビターとを、患者が摂取した後に所望の薬物PKプロファイルをもたらす薬物の放出を提供するのに有効な相対量で用量単位中に組み合わせることにより作製され得る。
プロドラッグは、プロドラッグのGI酵素仲介性の薬物放出能力を決定することにより、用量単位中での使用に好適なものとして選択することができる。これは、インビトロ、インビボまたはエキソビボで達成することができる。
インビトロアッセイは、反応混合物中にプロドラッグをGI酵素(例えば、トリプシン)と組み合わせることにより行われ得る。GI酵素はプロドラッグの切断を触媒するのに十分な量で反応混合物中に提供され得る。アッセイは好適な条件下で行われ、場合により、対象、例えばヒトのGI管内に認められる条件を模倣する条件下であってもよい。「プロドラッグ変換」は、プロドラッグからの薬物の放出を指す。プロドラッグ変換は、プロドラッグ変換の生成物(例えば、放出された薬物)のレベルを検出することにより、および/またはGI酵素の存在下で維持されるプロドラッグのレベルを検出することにより評価することができる。プロドラッグ変換はまた、プロドラッグ変換の生成物が生じる速度、またはプロドラッグが消失する速度を検出することによっても評価することができる。放出薬物の増加、またはプロドラッグの減少は、プロドラッグ変換が起こったことを示す。許容できる期間内にGI酵素の存在下で許容できるレベルのプロドラッグ変換を呈するプロドラッグが、プロドラッグ変換を仲介することが示されているGI酵素のインヒビターと組み合わせて用量単位中に使用するのに好適である。
インビボアッセイは、プロドラッグを動物(例えば、ヒトまたは非ヒト動物、例えば、ラット、イヌ、ブタ等)に投与することにより、そのプロドラッグが用量単位中に使用するのに適切かどうかを評価することができる。この投与は経腸(例えば経口投与)であってもよい。プロドラッグ変換の検出は、例えばプロドラッグ変換の生成物(例えば、放出された薬物または放出された薬物の代謝物)を検出するか、または投与後の1つ以上の所望の時間点における動物の血中または血漿中のプロドラッグを検出することにより行うことができる。
エキソビボアッセイ、例えば腸ループ(gut loop)または逆腸ループ(inverted gut loop)アッセイは、例えばプロドラッグを動物の腸の結紮部分に投与することにより、あるプロドラッグが用量単位中に使用するのに適切かどうかを評価することができる。プロドラッグ変換の検出は、例えば、プロドラッグ変換の生成物(例えば、放出された薬物または放出された薬物の代謝物)を検出するか、または投与後の1つ以上の所望の時間点における動物の結紮した腸ループ中のプロドラッグを検出することにより行うことができる。
概して
インヒビターは、例えば、それと共にインヒビターが同時投与されるプロドラッグからの薬物の放出を仲介する1つ以上のGI酵素との相互作用における活性に基づき選択される。このようなアッセイは、酵素の存在下でプロドラッグと共に、またはプロドラッグなしで行われ得る。インヒビターはまた、GI系での半減期、効力、アビディティ、アフィニティ、分子の大きさおよび/または酵素阻害特性(例えば、酵素活性アッセイにおける阻害曲線の傾き度、阻害開始速度)などの特性に従い選択することができる。プロドラッグ−インヒビターの組み合わせに使用されるインヒビターは、インビトロ、インビボおよび/またはエキソビボアッセイを用いて選択することができる。
一実施形態は、用量単位に製剤化するのに好適なプロドラッグおよびGI酵素インヒビターを同定する方法であり、この方法は、プロドラッグ(例えば、フェノール修飾オピオイドプロドラッグ)と、GI酵素インヒビター(例えば、トリプシンインヒビター)と、GI酵素(例えば、トリプシン)とを反応混合物中に組み合わせる工程と、プロドラッグ変換を検出する工程とを含んでなる。このような組み合わせは、プロドラッグとインヒビターと酵素との間の相互作用について試験され、即ち、インヒビターがプロドラッグからの薬物の酵素制御放出を仲介する酵素とどのように相互作用するかを決定するために試験される。一実施形態において、GI酵素インヒビターの非存在下におけるプロドラッグ変換と比較したときのGI酵素インヒビターの存在下におけるプロドラッグ変換の低下は、そのプロドラッグおよびGI酵素インヒビターが用量単位に製剤化するのに好適であることを示す。このような方法はインビトロアッセイであってもよい。
一実施形態は、用量単位に製剤化するのに好適なプロドラッグおよびGI酵素インヒビターを同定する方法であり、この方法は、プロドラッグ(例えば、フェノール修飾オピオイドプロドラッグ)およびGI酵素インヒビター(例えば、トリプシンインヒビター)を動物に投与する工程と、プロドラッグ変換を検出する工程とを含んでなる。一実施形態において、GI酵素インヒビターの非存在下におけるプロドラッグ変換と比較したときのGI酵素インヒビターの存在下におけるプロドラッグ変換の低下は、そのプロドラッグおよびGI酵素インヒビターが用量単位に製剤化するのに好適であることを示す。このような方法はインビボアッセイであってもよい;例えば、プロドラッグおよびGI酵素インヒビターは経口投与され得る。このような方法はまたエキソビボアッセイであってもよい;例えば、プロドラッグおよびGI酵素インヒビターは経口投与されるか、または腸などの、少なくとも一時的に露出される組織に投与されてもよい。検出は、血中または血漿中またはそれぞれの組織において行われ得る。本明細書で使用される組織とは、組織それ自体を指し、また組織内の内容物を指すこともある。
一実施形態は、用量単位に製剤化するのに好適なプロドラッグおよびGI酵素インヒビターを同定する方法であり、この方法は、プロドラッグおよび胃腸(GI)酵素インヒビターを動物から取り出された動物組織に投与する工程と、プロドラッグ変換を検出する工程とを含んでなる。一実施形態において、GI酵素インヒビターの非存在下におけるプロドラッグ変換と比較したときのGI酵素インヒビターの存在下におけるプロドラッグ変換の低下は、そのプロドラッグおよびGI酵素インヒビターが用量単位に製剤化するのに好適であることを示す。
インビトロアッセイは、プロドラッグとインヒビターとGI酵素とを反応混合物に組み合わせることにより行われ得る。GI酵素は、プロドラッグの切断を触媒するのに十分な量で反応混合物中に提供されてもよく、およびアッセイは好適な条件下で、場合により対象、例えばヒトのGI管内に認められる条件を模倣する条件下で行われてもよい。プロドラッグ変換は、プロドラッグ変換の生成物(例えば、放出された薬物)のレベルを検出することにより、および/またはGI酵素の存在下で維持されるプロドラッグのレベルを検出することにより評価することができる。プロドラッグ変換はまた、プロドラッグ変換の生成物が生じる速度、またはプロドラッグが消失する速度を検出することにより評価することもできる。インヒビターの非存在下におけるプロドラッグ変換のレベルと比較したときインヒビターの存在下での改変されたプロドラッグ変換は、そのインヒビターが、プロドラッグ変換を減弱させ、かつ用量単位中に使用するのに好適であることを示す。一定量のプロドラッグと漸増量のインヒビターとを有するか、または一定量のインヒビターと漸増量のプロドラッグとを有する反応混合物を使用して、プロドラッグ変換の所望の改変をもたらすプロドラッグとインヒビターとの相対量を同定することができる。
インビボアッセイは、プロドラッグとインヒビターとを動物に同時投与することによりプロドラッグとインヒビターとの組み合わせを評価することができる。そのような同時投与は経腸であってもよい。「同時投与」は、プロドラッグとインヒビターとの別個の用量としての、または組み合わせた用量としての(即ち、同じ製剤中での)投与を指す。プロドラッグ変換の検出は、例えば、プロドラッグ変換の生成物(例えば、放出された薬物または薬物代謝物)を検出することによるか、または投与後の1つ以上の所望の時間点における動物の血中または血漿中のプロドラッグを検出することにより行うことができる。例えばインヒビターを伴わないプロドラッグと比較したときに所望のPKプロファイルをもたらすプロドラッグ変換レベルを提供するプロドラッグとインヒビターとの組み合わせを同定することができる。
所望のPKプロファイルをもたらすプロドラッグとインヒビターとの相対量の組み合わせは、動物に一定量のプロドラッグと漸増量のインヒビターとを、または一定量のインヒビターと漸増量のプロドラッグとを投与することにより同定することができる。次に、1つ以上のPKパラメータ、例えば、薬物Cmax、薬物Tmax、および薬物曝露量を評価することができる。所望のPKプロファイルをもたらすプロドラッグとインヒビターとの相対量は、用量単位中に使用されるプロドラッグおよびインヒビターの量として同定される。プロドラッグとインヒビターとの組み合わせのPKプロファイルは、例えばインヒビターを伴わないプロドラッグと比べたときのPKパラメータ値の低下により特徴付けることができる。インヒビターを伴わずプロドラッグを投与した後の対応するPKパラメータ値と比べたインヒビター対プロドラッグの組み合わせのPKパラメータ値の低下(例えば、薬物Cmaxの低下、1/薬物Tmaxの低下(即ち、薬物Tmaxの遅延)または薬物曝露量の低下)は、所望のPKプロファイルを提供することのできるインヒビター対プロドラッグの組み合わせを示し得る。アッセイは、インヒビターとプロドラッグとの種々の相対量で行うことができる。
インビボアッセイを使用して、複数(例えば、少なくとも2、少なくとも3、少なくとも4またはそれ以上)の用量単位を摂取した後に所望の濃度−用量PKプロファイルをもたらす用量単位を提供するプロドラッグとインヒビターとの組み合わせを同定することができる。エキソビボアッセイは、プロドラッグおよびインヒビターを、結紮した腸の管腔内への注入による導入(例えば、腸ループ、または腸管ループアッセイ、または逆腸アッセイ(inverted gut assay))によることを含め、腸などの、動物の組織および/またはその内容物に直接投与することにより行うことができる。エキソビボアッセイはまた、動物から組織および/またはその内容物を切除し、かかる組織および/または内容物にプロドラッグおよびインヒビターを導入することにより行うこともできる。
例えば、単一用量単位に望ましいプロドラッグの用量(例えば、効果的な血漿中薬物レベルを提供する量)が選択される。次に、単一用量単位の複数であって、当該の複数とPKパラメータとの間の関係が試験されるべき複数が、選択される。例えば、濃度−用量PKプロファイルが2、3、4、5、6、7、8、9または10用量単位の摂取に対して設計される場合、当該の同じ用量単位数の摂取と等価なプロドラッグの量が決定される(「高用量」と称される)。用量単位の複数は、単一用量単位の摂取と比べて薬物Cmaxが改変される時点で摂取された丸薬数に基づき選択されてもよい。例えば、プロファイルが乱用の抑止をもたらすべき場合、複数としては例えば10が選択され得る。インヒビターとプロドラッグとの異なる相対量を用いて様々な異なるインヒビター(例えば、インヒビターのパネルからの)を試験することができる。アッセイを用いることにより、治療上有効な単一用量単位を達成するのに好適なインヒビターとプロドラッグとの1つ以上の組み合わせを同定することができ、ここでかかる組み合わせは、複数の用量単位として摂取されるとき、同じ複数の薬物またはプロドラッグ単独での摂取と比較して改変されたPKパラメータを提供する(ここで薬物またはプロドラッグ単独のいずれかの単一用量は、単一用量単位により放出される量と同量の薬物を血中または血漿中に放出する)。
次に
漸増量のインヒビターが動物に対して高用量のプロドラッグと同時投与される。高用量のプロドラッグの摂取後に所望の薬物Cmaxを提供するインヒビターの用量レベルが同定され、得られるインヒビター対プロドラッグ比が決定される。
次に
プロドラッグとインヒビターとが、高用量のプロドラッグで所望の結果を提供したインヒビター対プロドラッグ比と等価な量で同時投与される。次に対象のPKパラメータ値(例えば、薬物Cmax)が評価される。単一用量単位等価量の摂取後に所望のPKパラメータ値が得られた場合、次に所望の濃度−用量PKプロファイルをもたらす単一用量単位が同定される。例えば、ゼロ用量線形プロファイルが所望される場合、複数の数の単一用量単位を摂取した後にも単一用量単位摂取後の薬物Cmaxが著しく増加することはない。
用量単位の製造、製剤化、および包装方法
本開示物の用量単位は、当該技術分野において利用可能な製造方法を用いて作製することができ、例えば、錠剤、カプセル、薄フィルム、粉末、懸濁液、溶液、シロップ、分散液またはエマルジョンとして経腸(経口、口腔および舌下を含む)投与に好適な様々な形態であり得る。用量単位は、医薬製剤における従来の成分、例えば1つ以上のキャリア、結合剤、潤滑剤、賦形剤(例えば、制御放出特性を付与するため)、pH調整剤、香味剤(例えば、甘味剤)、充填剤、着色剤またはさらなる活性薬剤を含有することができる。本開示物の用量単位は、望ましい場合には、胃酸からの保護を促進する腸溶性コーティングまたは他の1つ以上の成分を含むことができる。
用量単位は任意の好適なサイズまたは形状であってよい。用量単位は、経腸投与に好適な任意の形状、例えば、楕円体、レンズ形、円形、矩形、円柱形などであってよい。
乾燥
用量単位として提供される用量単位は、約1マイクログラム〜約1グラムの全重量を有することができ、約5マイクログラム〜1.5グラム、約50マイクログラム〜1グラム、約100マイクログラム〜1グラム、50マイクログラム〜750ミリグラムであることができ、約1マイクログラム〜2グラムであってもよい。
用量単位は、成分を任意の相対量で含んでなることができる。例えば用量単位は、用量単位の全重量あたり約0.1重量%〜99重量%の活性成分(即ち、プロドラッグおよびインヒビター)(単一用量単位の全重量あたり0.1%〜99%のプロドラッグとインヒビターとを合わせた総重量)であってもよい。いくつかの実施形態において、用量単位は、用量単位の全重量あたり10重量%〜50重量%、20重量%〜40重量%、または約30重量%の活性成分であってもよい。
用量単位は、様々な異なる形態で提供されてもよく、場合により保存に好適な方法で提供されてもよい。例えば用量単位は、医薬組成物の収容に好適な容器内に配置することができる。容器は、例えば、瓶(例えば、キャップなどの密閉手段を備える)、ブリスターパック(例えばこれは、1つ以上の用量単位をブリスターごとに封入することを提供し得る)、バイアル、軟質包装材(例えば、封着式マイラー(Mylar)またはプラスチック袋)、アンプル(溶液状の単一用量単位用)、ドロッパー、薄フィルム、チューブなどであってもよい。
容器はキャップ(例えば、スクリューキャップ)を含んでもよく、これは容器内に配置された用量単位にアクセスできるようにするための開口部に被せる形で容器に着脱可能に連結される。
容器は開封明示要素および/または不正開封防止要素として機能し得るシールを備えてもよく、このシールは容器内に配置された用量単位にアクセスした時点で破損する。このようなシール要素は、例えば、容器内に配置された用量単位にアクセスした時点で壊れるか、または他の形で改変される易壊性要素であってもよい。そのような易壊性シール要素の例として、容器の開口部を覆って配置されたシールであって、容器内の用量単位にアクセスするには破損させる必要があるシール(例えばシールを剥がす、および/またはシールに穴を開けることにより)が挙げられる。易壊性シール要素の例として、容器の開口部を囲み、かつキャップと接続した状態で配置された易壊性リングであって、容器内の用量単位にアクセスするためキャップを開けたときに壊れるリングが挙げられる。
乾燥および液体用量単位は、用量単位が投薬ごとに分注される期間にわたり用量単位の安定性を維持するように適合されたサイズおよび構成の容器(例えば、瓶またはパッケージ、例えば軟質バッグ)に入れることができる。例えば容器は、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100またはそれ以上の単一の乾燥または液体用量単位を収容するサイズおよび構成であってもよい。容器は密封することができるか、または再密封可能であり得る。容器はカートンに包装されてもよい(例えば、製造者から薬局または他の調剤所に出荷するため)。そのようなカートンは、箱、筒、または他の構成であってよく、任意の材料(例えば、厚紙、プラスチックなど)で作製され得る。包装システムおよび/またはそこに配置される容器は、1つ以上の添付ラベルを(例えば、ロット番号、用量単位の種類、製造者などの情報を提供するため)有し得る。
容器は、例えば防湿層および/または遮光層を備えてもよく、それによりそこに収容される用量単位中の活性成分の安定性の維持が促進される。用量単位が乾燥用量単位である場合、容器は、容器内に配置された乾燥剤パックを含んでもよい。容器は単一用量単位または複数の用量単位を収容するように適合され得る。容器は、投与レジメンの管理を促進するロックアウト機構などの分注制御機構を含んでもよい。
用量単位は固形または半固形の形態で提供されてもよく、および乾燥用量単位であってもよい。「乾燥用量単位」は、完全に液状の形態である以外の用量単位を指す。乾燥用量単位の例として、例えば、錠剤、カプセル(例えば、固形カプセル、液体を収容するカプセル)、薄フィルム、微粒子、顆粒、粉末などが挙げられる。用量単位は液体用量単位として提供されてもよく、ここで用量単位は、液状形態でプロドラッグとインヒビターとを含有する製剤の単一用量または複数用量として提供され得る。乾燥または液体用量単位の単一用量が密封容器内に配置され、場合により密封容器が、例えば処方された用量数を提供する包装システムに提供されてもよく、それにより用量単位の出荷が提供されるなどしてもよい。
用量単位は、プロドラッグとインヒビターとが同じキャリアに、例えば同じマトリックス中に可溶化または懸濁されて存在するように製剤化されてもよい。あるいは、用量単位は2つ以上の部分から構成されてもよく、ここでプロドラッグとインヒビターとは同じ部分または異なる部分に提供されてもよく、および隣接する部分または隣接しない部分に提供されてもよい。
用量単位は、それらが配置される容器に提供することができ、包装システムの一部として(場合により使用説明書付きで)提供されてもよい。例えば、異なる量のプロドラッグを含有する用量単位を別個の容器に提供することができ、それらの容器をより大きい容器に配置する(例えば、それにより出荷のため用量単位の保護を促進する)ことができる。例えば、本明細書に記載されるとおりの1つ以上の用量単位を別個の容器に提供することができ、ここでは異なる組成の用量単位が別個の容器に提供され、かつ別個の容器を分注用のパッケージの中に配置することができる。
別の例において、用量単位は2チャンバ型ディスペンサーに提供されてもよく、ここで第1のチャンバがプロドラッグ製剤を収容し、かつ第2のチャンバがインヒビター製剤を収容する。このディスペンサーは、摂取前にプロドラッグ製剤とインヒビター製剤との混合をもたらすように適合され得る。例えば、ディスペンサーの2つのチャンバは取り外し可能な壁(例えば、易壊性の壁)により隔てられていてもよく、その壁が投与前に壊されるか、または取り外されることで2つのチャンバの製剤を混合することが可能となる。第1のチャンバおよび第2のチャンバは終端が、場合により共通のチャンバを介して、分注出口に至り得る。製剤は乾燥形態または液状形態、またはそれらの組み合わせで提供することができる。例えば、第1のチャンバの製剤が液体であってもよく、かつ第2のチャンバの製剤が乾燥体であってもよく、双方が乾燥体であってもよく、または双方が液体であってもよい。
プロドラッグの制御放出、インヒビターの制御放出、またはプロドラッグとインヒビターとの双方の制御放出をもたらす用量単位が本開示によって企図され、ここで「制御放出」は、用量単位からのプロドラッグおよびインヒビターの一方または双方の、選択された期間にわたる、および/または予め選択された形での放出を指す。
用量単位の使用方法
用量単位は、例えば本明細書に開示されるとおりのPKパラメータを抑制することによる、薬物を必要とする患者に対する薬物の副作用を低減し、および/または耐容性を向上する方法において利用が見出され、そのため有利である。従って本開示物は、薬物の投与に関連する副作用と比較したとき、および/またはインヒビターを伴わないプロドラッグの投与と比較したとき副作用の低減を提供するために、必要がある患者に本開示物の用量単位を投与することによる副作用の低減方法を提供する。本開示物はまた、薬物の投与と比較したとき、および/またはインヒビターを伴わないプロドラッグの投与と比較したとき耐容性の向上を提供するために、必要がある患者に本開示物の用量単位を投与するこによる薬物の耐容性の向上方法も提供する。
用量単位は、臨床医により処方された治療法に対する患者の患者コンプライアンスを向上させる方法において利用が見出され、この方法には、薬物の投与が関わる治療法と比較したとき、および/またはインヒビターを伴わないプロドラッグの投与と比較したとき患者コンプライアンスの向上をもたらすために、本明細書に記載される用量単位の投与を、治療法を必要とする患者に指示する工程が含まれる。この方法は、臨床医により指定された治療法が処方どおりに行われる可能性を高めることに役立つ。
用量単位は、患者コンプライアンスおよび臨床医の管理の亢進をもたらすことができる。例えば、複数(例えば、2以上、3以上、または4以上)の用量単位が摂取されるときのPKパラメータ(例えば、薬物Cmaxまたは薬物曝露量など)を制限することにより、より高用量の薬物を必要とする患者は臨床医の助力を求めざるを得ない。用量単位は、患者が容易に行うことのできる「セルフメディケーション」の程度の管理をもたらし得るとともに、さらには患者による用量の調整が許容範囲内の用量となることをもたらし得る。用量単位は、例えば、例えばPKパラメータの低下(例えば、薬物Cmaxの低下、薬物曝露量の低下)により定義されるとおりの、有効用量ながらPKプロファイルが改変された薬物の送達を治療期間にわたってもたらすことにより、副作用の低減をもたらし得る。
用量単位は、同時に、または短期間で服用される複数用量の摂取に伴い起こり得る薬物の偶発的過量服用のリスクを低減する方法において利用が見出される。本開示物のこの方法は、薬物の偶発的過量服用のリスクと比較したとき、および/またはインヒビターを伴わないプロドラッグの偶発的過量服用のリスクと比較したとき、偶発的過量服用のリスクの低減をもたらし得る。この方法には、プロドラッグの変換により放出される薬物を必要とする患者に対し、本明細書に記載される投薬量の投与を指示する工程が含まれる。この方法は、意図的な、または意図的でない用量単位の誤用による偶発的過量服用を回避することに役立ち得る。
本開示物は、薬物の誤用および乱用を低減し、ならびに例えば同時に摂取された、複数の薬物用量の摂取に伴い起こり得る過量服用のリスクを低減する方法を提供する。これらの方法には、概して、プロドラッグと、プロドラッグからの薬物の放出を仲介するGI酵素のインヒビターとを用量単位中に組み合わせる工程が含まれ、ここでインヒビターは、例えば患者が複数の用量単位を摂取した後の、プロドラッグからの薬物の放出を減弱させるのに有効な量で用量単位中に存在する。これらの方法は、改変された濃度−用量PKプロファイルをもたらす一方で、処方臨床医が指示したとおりの単一用量単位からの治療上有効なレベルを提供する。これらの方法は、特にプロドラッグの変換が麻薬または他の乱用薬物(例えば、オピオイド)の放出をもたらす場合に、例えばプロドラッグの誤用および/または乱用に伴い起こり得るリスクの低減をもたらし得る。例えば、プロドラッグが乱用薬物の放出をもたらすとき、用量単位は乱用薬物の用量単位を複数摂取した後に生じ得る報酬の低減をもたらし得る。
用量単位は、臨床医の薬物処方における柔軟性の亢進を提供し得る。例えば臨床医は、異なる用量強度を含む投薬レジメンを処方することができ、これには、プロドラッグの相対量が異なるか、インヒビターの量が異なるか、またはプロドラッグおよびインヒビターの双方の量が異なる2つ以上の異なる用量単位のプロドラッグおよびインヒビターが関わり得る。このような異なる強度の用量単位は、異なるPKパラメータ(例えば、本明細書に記載されるとおりの薬物曝露量、薬物Cmaxなど)に従う薬物の送達をもたらし得る。例えば、第1の用量単位が摂取後に第1の用量の薬物の送達をもたらすことができ、かつ第2の用量単位が摂取後に第2の用量の薬物の送達をもたらすことができる。これらの用量単位の第1のプロドラッグ用量と第2のプロドラッグ用量とは異なる強度であってよく、例えば第2の用量が第1の用量より高くてもよい。従って臨床医は、異なる強度の2用量単位以上、または3用量単位以上の一群を処方することができ、これは、例えば患者の疼痛治療の必要性に従いオピオイド薬物の送達を増加させるため、セルフメディケーションの程度を促進する指示を伴い得る。
プロドラッグからのオピオイドの酵素仲介性放出による不正変換の防止
本開示物は、本明細書に開示される化合物と酵素インヒビターとを含んでなる組成物であって、薬物乱用の可能性を低減する組成物を提供する。酵素インヒビターは、使用者がインビトロでオピオイドプロドラッグからのオピオイドの放出を生じさせるために酵素を適用することができないよう妨げ得る。例えば、乱用者がオピオイドプロドラッグと酵素インヒビターとを含む本実施形態の組成物と共に酵素をインキュベートしようと試みた場合、酵素インヒビターがその添加された酵素の作用を低減し得るため、乱用目的でオピオイドを放出させようとする試みが妨げられ得る。
以下の実施例は、当業者に、本実施形態をどのように作製し、そして使用するかについて完全な開示および説明を提供するように記載されており、本発明者らが自らの発明と考えている範囲を限定することを意図するものではなく、また下記の実験が、実施されるすべてまたは唯一の実験として表すことを意図するものでもない。使用する数字(例えば、量、温度など)に関して、正確性を確実にする努力は行ってきたが、いくつかの実験誤差および偏差は考慮されるべきである。別段示さない限り、部は重量部であり、分子量は重量平均分子量であり、温度はセルシウス度であり、そして圧力は大気またはその付近におけるものである。標準的な略称を使用し得る。
小分子トリプシンインヒビターの合成
実施例1
(S)−エチル4−(5−グアニジノ−2−(ナフタレン−2−スルホンアミド)ペンタノイル)ピペラジン−1−カルボキシレート(化合物101)の合成
調製1
4−[(S)−5−({アミノ−[(E)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−スルホニルイミノ]−メチル}−アミノ)−2−(9H−フルオレン−9−イルメトキシカルボニルアミノ)−ペンタノイル]−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(A)の合成
DMF(200mL)中Fmoc−Arg(Pbf)−OH1(25.0g、38.5mmol)の溶液に、室温でDIEA(13.41mL、77.1mmol)を添加した。室温で10分間、撹拌した後、反応混合物を約5℃にまで冷却した。反応混合物にHATU(16.11g、42.4mmol)を少しずつ添加し、そして20分間撹拌し、そしてDMF(50mL)中tert−ブチル−1−ピペラジンカルボキシレート(7.18g、38.5mmol)の溶液を滴下で添加した。反応混合物を約5℃で5分間、撹拌した。次いで、反応混合物を室温まで加温し、そして2時間、撹拌した。溶媒を減圧下で取り除き、そして残渣をEtOAc(500mL)に溶解し、水(2×750mL)、1%HSO(300mL)および塩水(750mL)で洗浄した。有機層を分離し、NaSOで乾燥させ、そして減圧下で溶媒を取り除いて、100mLの全容積とした。化合物Aを、EtOAc溶液(100mL)として、次の工程のために採取した。LC−MS[M+H]817.5(C4356S+H、計算値:817.4)。
調製2
4−[(S)−2−アミノ−5−({アミノ−[(E)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−スルホニルイミノ]−メチル}−アミノ)−ペンタノイル]−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(B)の合成
室温でEtOAc(175mL)中化合物A(46.2mmol)の溶液にピペリジン(4.57mL、46.2mmol)を添加し、反応混合物を室温で18時間、撹拌した。次に溶媒を減圧下で取り除き、そして得られた残渣を、最小量のEtOAc(約50mL)に溶解し、そしてヘキサン(約1L)を添加した。沈殿した粗生成物を濾過して取り出し、EtOAc(約30mL)およびヘキサン(約750mL)で再び再結晶化させた。沈殿物を濾過して取り出し、ヘキサンで洗浄し、そして減圧下で乾燥して、化合物B(28.0g、46.2mmol)を得た。LC−MS[M+H]595.4(C2846S+H、計算値:595.3)。
調製3
4−[(S)−5−({アミノ−[(E)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−スルホニルイミノ]−メチル}−アミノ)−2−(ナフタレン−2−スルホニルアミノ)−ペンタノイル]−ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(C)の合成
THF(250mL)中化合物B(28.0g、46.2mmol)の溶液に、1NのNaOH水溶液(171mL)を添加した。反応混合物を約5℃にまで冷却し、THF(125mL)中2−ナフタレンスルホニルクロリド(26.19g、115.6mmol)の溶液を滴下で添加した。反応混合物を約5℃で10分間、撹拌し、室温で2時間、撹拌を継続した。反応混合物をEtOAc(1L)で希釈し、1NのNaOH水溶液(1L)、水(1L)および塩水(1L)で洗浄した。有機層を分離し、NaSOで乾燥し、そして減圧下で溶媒を取り除くことにより、化合物C(36.6g、46.2mmol)を得た。LC−MS[M+H]785.5(C3852+H、計算値:785.9)。
調製4
2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−スルホン酸1−アミノ−1−[(S)−4−(ナフタレン−2−スルホニルアミノ)−5−オキソ−5−ピペラジン−1−イル−ペンチルアミノ]−メト−(E)−イリデンアミド(D)の合成
ジオキサン(60mL)中化合物C(36.6g、46.2mmol)の溶液に、ジオキサン(58mL)中4MのHClを滴下で添加した。反応混合物を室温で1.5時間、撹拌した。EtO(600mL)を反応混合物に添加し、沈殿した生成物を濾過して取り出し、EtOで洗浄し、そして最終的に、減圧下で乾燥して、化合物D(34.5g、46.2mmol)を得た。LC−MS[M+H]685.4(C3344+H、計算値:685.9)。化合物Dを、さらなる精製を伴わずに使用した。
調製5
4−[(S)−5−({アミノ−[(E)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−スルホニルイミノ]−メチル}−アミノ)−2−(ナフタレン−2−スルホニルアミノ)−ペンタノイル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル(E)の合成
CHCl(50ml)中化合物D(8.0g、11.1mmol)の溶液に、DIEA(4.1mL、23.3mmol)を室温で添加し、そして15分間、撹拌した。混合物を約5℃にまで冷却し、エチルクロロホルメート(1.06mL、11.1mmol)を滴下で添加した。室温で一晩(約18時間)撹拌した後、溶媒を減圧下で取り除いた。残渣をMeOH(約25ml)に溶解し、そしてEtO(約500mL)を添加した。沈殿した粗生成物を濾過して取り出し、EtOで洗浄し、そして減圧下で乾燥して、化合物E(8.5g、11.1mmol)を得た。LC−MS[M+H]757.6(C3648+H、計算値:757.9)。化合物Eを、さらなる精製を伴わずに使用した。
(S)−エチル4−(5−グアニジノ−2−(ナフタレン−2−スルホンアミド)ペンタノイル)ピペラジン−1−カルボキシレート(化合物101)の合成
5%m−クレゾール/TFA(50ml)の溶液を、室温で化合物E(8.5g、11.1mmol)に添加した。1時間、撹拌した後、反応混合物をEtO(約500mL)で沈殿させた。沈殿物を濾過し、EtOで洗浄し、そして減圧下で乾燥して、粗生成物を得た。粗生成物を、調製用逆相HPLCによって精製した。[カラム:VARIAN、LOAD&LOCK、L&L4002−2、パッキング:MicrosoRb100−10C18、注入容積:約15mL×2、注入流速:20mL/min、100%A、(水/0.1%TFA)、流速:100mL/min、分画:30秒間(50mL)方法:0%B(MeCN/0.1%TFA)/−60%B/60分/100ml/min/254nm]。減圧下で、純粋画分から溶媒を取り出した。2×i−PrOH(50ml)を伴う共エバポレーションによって、微量の水を取り出した。残渣を最小量のi−PrOHに溶解し、そしてEtO中2MのHClで沈殿させた。生成物を濾過して取り出し、そしてEtOで洗浄し、そして減圧下で乾燥して、HCl塩7として化合物101(3.78g、63%収率、99.4%純度)を得た。LC−MS[M+H]505.4(C3852+H、計算値:505.6)。
実施例2
(S)−エチル4−(5−グアニジノ−2−(2,4,6−トリイソプロピルフェニルスルホンアミド)ペンタノイル)ピペラジン−1−カルボキシレート(化合物102)の合成
調製6
4−[(S)−5−({アミノ−[(E)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−スルホニルイミノ]−メチル}−アミノ)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタノイル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル(F)の合成
DMF(10mL)中Boc−Arg(Pbf)−OH(13.3g、25.3mmol)の溶液に、DIEA(22.0mL、126.5mmol)を室温で添加し、そして15分間、撹拌した。次いで、反応混合物を約5℃にまで冷却し、そしてHATU(11.5g、30.3mmol)を少しずつ添加し、そして30分間、撹拌し、続いて、DMF(30mL)中エチル−1−ピペラジンカルボキシレート(4.0g、25.3mmol)を滴下で添加した。40分間後、反応混合物をEtOAc(400mL)で希釈し、そしてHO(1L)に注いだ。EtOAc(2×400mL)で抽出し、そしてHO(800mL)、2%HSO(500mL)、HO(2×800mL)および塩水(800mL)で洗浄した。有機層を分離し、MgSOで乾燥させ、そして溶媒を減圧下で取り除いた。得られた油性残渣を、減圧下で乾燥して、泡状固体として化合物F(16.4g、24.5mmol)を得た。LC−MS[M+H]667.2(C3150S+H、計算値:667.8)。化合物Fを、さらなる精製を伴わずに使用した。
調製7
4−[(S)−2−アミノ−5−({アミノ−[(E)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5スルホニルイミノ]−メチル}−アミノ)−ペンタノイル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル(G)の合成
ジクロロメタン(90mL)中化合物F(20.2g、30.2mmol)の溶液を、1,4−ジオキサン(90mL、363.3mmol)中4.0NのHClで処置し、そして室温で2時間、撹拌した。次に、減圧下でほとんどのジクロロメタンを取り除き、そしてEtO(約1L)を添加した。得られた沈殿物を濾過して取り出し、EtOで洗浄し、そして減圧下で乾燥して、化合物G(17.8g、30.2mmol)を得た。LC−MS[M+H]567.8(C2642S+H、計算値:567.8)。
調製8
4−[(S)−5−({アミノ−[(E)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−スルホニルイミノ]−メチル}−アミノ)−2−(2,4,6−トリイソプロピル−ベンゼンスルホニルアミノ)−ペンタノイル]−ピペラジン−1−カルボン酸エチルエステル(H)の合成
THF(7mL)中化合物G(1.0g、1.8mmol)の溶液に、3.1NのNaOH水溶液(4.0mL)を添加し、そして5分間、撹拌した。反応混合物を約5℃にまで冷却し、次いで、THF(5mL)中トリプシル(tripsyl)クロリド(2.2g、7.3mmol)の溶液を滴下で添加し、そして室温で一晩(約18時間)撹拌した。反応混合物をHO(130mL)で希釈し、2%HSO(15mL)で酸性化し、そしてEtOAc(3×80mL)で抽出した。有機層を合わせ、そしてHO(2×400mL)、飽和NaHCO(100mL)、HO(200mL)および塩水(200mL)で洗浄した。有機層を分離し、MgSOで乾燥させ、そして減圧下で溶媒を取り除いて、(2.9g)の粗生成物を得た。これを、順相フラッシュクロマトグラフィー(5〜10%MeOH/DCM)によって精製して、化合物H(0.52g、1.0mmol)を得た。LC−MS[M+H]833.8(C4164+H、計算値:834.1)。
(S)−エチル4−(5−グアニジノ−2−(2,4,6−トリイソプロピルフェニルスルホンアミド)ペンタノイル)ピペラジン−1−カルボキシレート(化合物102)の合成
5%m−クレゾール/TFA(40ml)の溶液を、室温で化合物H(3.73g、3.32mmol)に添加した。45分間、撹拌した後、溶媒を減圧下で取り除いた。残渣をジクロロメタン(100ml)に溶解し、HO(3×200mL)および塩水(200mL)で洗浄した。有機層を分離し、MgSOで乾燥させ、次いで溶媒を減圧下で取り除いた。残渣をジクロロメタン(約5mL)に溶解し、次いでヘキサン(約250mL)を添加し、そして沈殿物を形成させた。これをヘキサンで洗浄し、そして減圧下で乾燥して、粗生成物(1.95g)を得た。粗生成物を、逆相HPLCによって精製した[カラム:VARIAN、LOAD&LOCK、L&L4002−2、パッキング:Microsorb100−10C18、注入容積:約15mL、注入流速:20mL/min、100%A、(水/0.1%TFA)、流速:100mL/min、分画:30秒間(50mL)方法:25%B(MeCN/0.1%TFA)/70%B/98分/100ml/min/254nm]。減圧下で、純粋画分から溶媒を取り除いた。2×i−PrOH(50ml)を伴う共エバポレーションによって、微量の水を取り除いた。残渣を最小量のi−PrOHに溶解し、そしてEtO中2MのHClで沈殿させた。生成物を濾過して取り除き、そしてEtOで洗浄し、そして減圧下で乾燥して、化合物102のHCl塩(0.72g、35%収率、99.8%純度)を得た。LC−MS[M+H]581.6(C2848S+H、計算値:581.7)。
実施例3
(S)−エチル1−(5−グアニジノ−2−(ナフタレン−2−スルホンアミド)ペンタノイル)ピペリジン−4−カルボキシレートHCl塩(化合物103)の合成
調製9
1−[boc−Arg(Pbf)]−ピペリジン−4−カルボン酸エチルエステル(I)の合成
DMF(15mL)中Boc−Arg(Pbf)−OH(3.4g、6.36mmol)およびHATU(2.9g、7.63mmol)の溶液に、DIEA(7.4mL、42.4mmol)を添加し、そして反応混合物を10分間、室温で撹拌した。DMF(6mL)中エチルイソニペコテート(1.0g、6.36mmol)の溶液を、滴下で反応混合物に添加した。反応混合物を、室温で1時間、撹拌し、次いで、酢酸エチル(150mL)で希釈し、そして水(500mL)を注いだ。生成物を酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。有機層を、0.1NのHCl水溶液(200mL)、2%重炭酸ナトリウム水溶液(200mL)、水(200mL)および塩水(200mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、次いで減圧下でエバポレートした。得られた油性生成物を、減圧下で一晩乾燥して、粘性固体として化合物I(3.7g、5.57mmol)を得た。LC−MS[M+H]666.5(C3251S+H、計算値:666.7)。化合物Iを、さらなる精製を伴わずに使用した。
調製10
1−[Arg(Pbf)]−ピペリジン−4−カルボン酸エチルエステルHCl塩(J)の合成
ジクロロメタン(25mL)中化合物I(4.7g、7.07mmol)の溶液に、ジオキサン中4NのHCl(25.0mL、84.84mmol)を添加し、そして反応混合物を、室温で2時間、撹拌した。反応混合物を、減圧下で、約20mLの溶媒にまで濃縮し、次いで、ジエチルエーテル(250mL)で希釈して、白色の微細沈殿物を生成させた。反応混合物を、1時間、撹拌し、そして固体をエーテル(50mL)で洗浄し、そして高真空下で一晩乾燥して、微粉として化合物J(4.3g、7.07mmol)を得た。LC−MS[M+H]566.5(C2743S+H、計算値:566.7)。
調製11
1−[5(S)−(N’−Pbf−グアニジノ)−2−(ナフタレン−2−スルホニルアミノ)−ペンタノイル]−ピペリジン−4−カルボン酸エチルエステル(K)の合成 THF(5mL)および水(3mL)
の混合物中の化合物J(1.1g、1.6mmol)およびNaOH(260mg、5.9mmol)の溶液に、THF(10mL)中2−ナフタロスルホニルクロリド(0.91g、2.5mmol)の溶液を、約5℃で撹拌しながら滴下で添加した。反応混合物を室温で1時間、撹拌し、次いで、水(5mL)で希釈した。1NのHCl水溶液(5mL)を添加して、pH約3を得た。さらなる水を添加し(20mL)、そして生成物を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。有機層を取り出し、次いで、2%重炭酸ナトリウム水溶液(50mL)、水(50mL)および塩水(50mL)で洗浄した。抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下でエバポレートした。形成した油性生成物を、減圧下で一晩、乾燥して、油性泡状固体として化合物K(1.3g、1.6mmol)を得た。LC−MS[M+H]756.5(C3749+H、計算値:756.7)。
(S)−エチル1−(5−グアニジノ−2−(ナフタレン−2−スルホンアミド)ペンタノイル)ピペリジン−4−カルボキシレートHCl塩(化合物103)の合成
フラスコに、化合物K(1.3g、1.6mmol)を添加し、次いで、5%m−クレゾール/TFA(10mL)で処置した。反応混合物を室温で1時間、撹拌した。次に、反応混合物を、5mLの容積にまで、減圧下で濃縮した。次いで、ジエチルエーテル(200mL)を残渣に添加し、そして細かい白色の沈殿物を形成させた。沈殿物を濾過して取り出し、そしてエーテル(2×25mL)で洗浄した。得られた固体を減圧下で一晩乾燥して、粗物質を得、調製用逆相HPLCによってこれを精製した。[Nanosyn−Pack Microsorb(100−10)C−18カラム(50×300mm);流速=100ml/min;注入容積12ml(DMSO−水、1:1、v/v);移動相A:100%水、0.1%TFA;移動相B:100%ACN、0.1%TFA;290分における5%B〜55%Bの勾配溶離、254nmでの検出]。所望の化合物を含有する画分を合わせ、そして減圧下で濃縮した。残基をi−PrOH(50ml)に溶解し、そして減圧下でエバポレートした(2回反復した)。次に、残渣をi−PrOH(5ml)に溶解し、そして2NのHCl/エーテル(100ml、200mmol)で処置して、白色の沈殿物を得た。それを減圧下で一晩乾燥して、白色固体として化合物103(306mg、31%収率、95.7%純度)を得た。LC−MS[M+H]504.5(C2433S+H、計算値:504.6)。
実施例4
(S)−エチル1−(5−グアニジノ−2−(2,4,6−トリイソプロピルフェニルスルホンアミド)ペンタノイル)ピペリジン−4−カルボキシレートHCl塩(化合物104)の合成
調製12
1−[5(S)−(N’−Pbf−グアニジノ)−2−(2,4,6−トリイソプロピル−ベンゼンスルホニルアミノ)−ペンタノイル]−ピペリジン−4−カルボン酸エチルエステル(N)の合成 THF(5mL)および水(4mL)
の混合物中の化合物J(1.0g、1.6mmol)およびNaOH(420.0mg、10.4mmol)の溶液に、2,4,6−トリイソプロピル−ベンゼンスルホニルクロリド(2.4g、8.0mmol)の溶液を、撹拌しながら滴下で添加し、そして約5℃で維持した。次いで、反応混合物を、反応の進行をモニタリングしながら、室温で1時間、撹拌し、次いで、水(20mL)で希釈し、そして1NのHCl水溶液(5mL)でpH約3にまで酸性にした。さらなる水を添加(30mL)し、そして生成物を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した。有機層を2%重炭酸ナトリウム水溶液(50mL)、水(50mL)および塩水(50mL)で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、そして減圧下でエバポレートした。形成した油性残渣を、減圧下で一晩、乾燥して、油性物質として化合物N(1.0g、1.2mmol)を得た。LC−MS[M+H]832.8(C4265+H、計算値:832.7)。
(S)−エチル1−(5−グアニジノ−2−(2,4,6−トリイソプロピルフェニルスルホンアミド)ペンタノイル)ピペリジン−4−カルボキシレートHCl塩(化合物104)の合成
フラスコに、化合物N(2.3g、2.8mmol)を添加し、次いで、5%m−クレゾール/TFA(16mL)で処置した。反応混合物を室温で1時間、撹拌した。次いで、反応混合物を、5mLの容積にまで、減圧下で濃縮した。ヘキサン(200mL)を残渣に添加し、そしてデカンテーションにより取り出して、油性の沈殿物を得た。生成物を、調製用逆相HPLCによって精製した。[Nanosyn−Pack Microsorb(100−10)C−18カラム(50×300mm);流速=100ml/min;注入容積15ml(DMSO−水、1:1、v/v);移動相A:100%水、0.1%TFA;移動相B:100%ACN、0.1%TFA;90分における35%B〜70%Bの勾配溶離、254nmでの検出]。所望の化合物を含有する画分を合わせ、そして減圧下で濃縮した。残基をi−PrOH(100ml)に溶解し、そして減圧下でエバポレートした(2回反復した)。残渣をi−PrOH(5ml)に溶解し、そして2NのHCl/エーテル(100ml、200mmol)で処置して、油性の残渣を得た。それを減圧下で一晩乾燥して、粘性固体として化合物104(1.08g、62.8%)を得た。LC−MS[M+H]580.6(C2949S+H、計算値:580.8)。
実施例5
(S)−6−(4−(5−グアニジノ−2−(ナフタレン−2−スルホンアミド)ペンタノイル)ピペラジン−1−イル)−6−オキソヘキサン酸(化合物105)の合成
調製13
6−{4−[(S)−5−({アミノ−[(E)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−スルホニルイミノ]−メチル}−アミノ)−2−(ナフタレン−2−スルホニルアミノ)−ペンタノイル]−ピペラジン−1−イル}−6−オキソ−ヘキサン酸メチルエステル(O)の合成
CHCl(50mL)中化合物D(1.5g、2.08mmol)の溶液に、DIEA(1.21mL、4.16mmol)を添加し、続いてアジポイルクロリド(0.83mL、6.93mmol)を滴下で添加した。反応混合物を室温で一晩(約18時間)、撹拌した。減圧下で溶媒を取り除き、そして残渣を減圧下で乾燥させて、化合物O(2.1g、定量値を超える量)を得た。LC−MS[M+H]827.5(C4054+H、計算値:827.3)。化合物Oを、さらなる精製を伴わずに使用した。
調製14
6−{4−[(S)−5−({アミノ−[(E)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−スルホニルイミノ]−メチル}−アミノ)−2−(ナフタレン−2−スルホニルアミノ)−ペンタノイル]−ピペラジン−1−イル}−6−オキソヘキサン酸(P)の合成
THF(5mL)、HO(5mL)中化合物O(2.1g、2.08mmol)の溶液に、2MのLiOH水溶液(6mL)を添加した。反応混合物を室温で2時間、撹拌した。溶媒を減圧下で取り除き、次いで、残渣を、水(約50mL)に溶解し、飽和NaHSO水溶液(約100ml)で酸性にし、そしてEtOAc(2×100ml)で抽出した。有機層をNaSOで乾燥させ、そして溶媒を取り出すことにより、化合物P(1.72g、2.08mmol)を得た。LC−MS[M+H]813.5(C3952+H、計算値:813.3)。化合物Pを、さらなる精製を伴わずに使用した。
(S)−6−(4−(5−グアニジノ−2−(ナフタレン−2−スルホンアミド)ペンタノイル)ピペラジン−1−イル)−6−オキソヘキサン酸(化合物105)の合成
5%m−クレゾール/TFA(25ml)の溶液を、室温で化合物P(1.72g、2.08mmol)に添加した。30分間、撹拌した後、反応混合物を、EtO(約200mL)の添加により沈殿させた。沈殿物を濾過し、EtOで洗浄し、そして減圧下で乾燥して、粗生成物を得た。粗生成物を、調製用逆相HPLCによって精製した[カラム:VARIAN、LOAD&LOCK、L&L4002−2、パッキング:Microsorb100−10C18、注入容積:約25mL、注入流速:20mL/min、95%A、(水/0.1%TFA)、流速:100mL/min、分画:30秒間(50mL)方法:5%B(MeCN/0.1%TFA)/5分/25%B/20分/25%B/15分/50%B/25分/100ml/min/254nm]。減圧下で、純粋画分から溶媒を取り除いた。i−PrOH(25ml)を伴う共エバポレーションによって、微量の水を取り除いた(2回反復した)。残渣を最小量のi−PrOHに溶解し、次いで、EtO(約50mL)中2MのHClを添加し、そしてEtO(約250mL)で希釈した。形成した沈殿物を濾過して取り出し、そしてEtOで洗浄し、そして減圧下で乾燥して、化合物105のHCl塩として生成物(0.74g、59%収率、98.9%純度)を得た。LC−MS[M+H]561.4(C2636S+H、計算値:561.2)。
実施例6
3−(4−カルバムイミドイルフェニル)−2−オキソプロパン酸(化合物107)の合成
化合物107、即ち、3−(4−カルバムイミドイルフェニル)−2−オキソプロパン酸は、Richter P et al,Pharmazie,1977,32,216−220およびそれに含有される参考文献に記載の方法のような当業者に既知の方法を使用して、生成することができる。本明細書において使用した化合物107の純度は、76%と見積もられ、見積もり値は、HPLCによってこの化合物の低いUV吸収性に起因した。質量スペクトルデータ:LC−MS[M+H]207.0(C1010+H、計算値:207.1)。
実施例7
(S)−5−(4−カルバムイミドイルベンジルアミノ)−5−オキソ−4−((R)−4−フェニル−2−(フェニルメチルスルホンアミド)ブタンアミド)ペンタン酸(化合物108)の合成
調製15
(S)−4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−(4−シアノ−ベンジルカルバモイル)−酪酸ベンジルエステル(Q)の合成
DMF(50ml)中Boc−Glu(OBzl)−OH(7.08g、21.0mmol)、BOP(9.72g、22.0mmol)およびDIEA(12.18ml、70.0mmol)の溶液を、室温で20分間維持し、続いて、4−(アミノメチル)ベンゾニトリルヒドロクロリド(3.38g、20.0mmol)を添加した。反応混合物を室温でさらに1時間、撹拌し、そしてEtOAc(500ml)で希釈した。得られた溶液を、水(100ml)、5%NaHCO水溶液(100ml)および水(2×100ml)で抽出した。有機層をMgSOで乾燥させ、エバポレートし、そして減圧下で乾燥させて、黄色がかったオイルとして化合物Q(9.65g、収量が定量値を超えた)を提供した。LC−MS[M+H]452.0(C2529+H、計算値:452.4)。化合物Qを、さらなる精製を伴わずに使用した。
調製16
(S)−4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−[4−(N−ヒドロキシカルバムイミドイル)−ベンジルカルバモイル]−酪酸ベンジルエステル(R)の合成
エタノール(無水、150ml)中化合物Q(9.65g、20.0mmol)、ヒドロキシルアミンヒドロクロリド(2.10g、30.0mmol)およびDIEA(5.22ml、30.0mmol)の溶液を、6時間、還流した。反応混合物を室温にまで冷却し、そしてさらに16時間、撹拌し、次いで、溶媒を、減圧下でエバポレートした。得られた残渣を減圧下で乾燥して、黄色がかったオイルとして化合物R(14.8g、収量が定量値を超えた)を提供した。LC−MS[M+H]485.5(C2532+H、計算値:485.8)。化合物Rを、さらなる精製を伴わずに使用した。
調製17
(S)−4−tert−ブトキシカルボニルアミノ−4−[4−(N−アセチルヒドロキシカルバムイミドイル)−ベンジルカルバモイル]−酪酸ベンジルエステル(S)の合成
酢酸(100ml)中化合物R(14.8g、20.0mmol)および無水酢酸(5.7ml、60.0mmol)の溶液を、室温で45分間、撹拌し、次いで、溶媒を、減圧下でエバポレートした。得られた残渣を、EtOAc(300mL)で希釈し、そして水(2×75ml)および塩水(75ml)で抽出した。有機層をMgSOで乾燥させ、エバポレートし、そして減圧下で乾燥させて、黄色がかった固体として化合物S(9.58g、18.2mmol)を提供した。LC−MS[M+H]527.6(C2734+H、計算値:527.9)。化合物Sを、さらなる精製を伴わずに使用した。
調製18
(S)−4−[4−(N−アセチルヒドロキシカルバムイミドイル)−ベンジルカルバモイル]−酪酸ベンジルエステル(T)の合成
化合物S(9.58g、18.2mmol)を1,4−ジオキサン(50ml)に溶解し、そして4NのHCl/ジオキサン(50ml、200mmol)により室温で1時間、処置した。次に、溶媒を、減圧下でエバポレートした。得られた残渣を、エーテル(200ml)と共に粉砕した。得られた沈殿物を濾過し、エーテル(100ml)およびヘキサン(50mL)で洗浄し、そして減圧下で乾燥して、オフホワイト色固体として化合物T(9.64g、収量が定量値を超えた)を提供した。LC−MS[M+H]426.9(C2226+H、計算値:427.3)。化合物Tを、さらなる精製を伴わずに使用した。
調製19:(R)−4−フェニル−2−フェニルメタンスルホニルアミノ−酪酸(U)の合成
1,4−ジオキサン(80ml)および水(50ml)の混合物中D−ホモ−フェニルアラニン(10.0g、55.9mmol)およびNaOH(3.35g、83.8mmol)の溶液を約5℃にまで冷却し、続いてpH>10を維持しながら、α−トルエンスルホニルクロリド(16.0g、83.8mmol;3.2gずつ5部分)および1.12MのNaOH(50ml、55.9mmol;10mlずつ5部分)を交互に添加した。反応混合物を2%HSO水溶液でpH=約2に酸性にした。得られた溶液をEtOAc(2×200ml)で抽出した。有機層を水(3×75ml)で洗浄し、MgSOで乾燥させ、次いで溶媒を減圧下でエバポレートした。得られた残渣を減圧下で乾燥して、白色固体として化合物U(12.6g、37.5mmol)を提供した。LC−MS[M+H]334.2(C1719NOS+H、計算値:333.4)。化合物Uを、さらなる精製を伴わずに使用した。
調製20:(S)−4−[4−(N−アセチルヒドロキシカルバムイミドイル)−ベンジルカルバモイル]−4−((R)−4−フェニル−2−フェニルメタンスルホニルアミノ−ブチリルアミノ)−酪酸ベンジルエステル(V)の合成
DMF(250ml)中化合物U(5.9g、17.8mmol)、化合物Tジヒドロクロリド(18.0mmol)、BOP(8.65g、19.6mmol)およびDIEA(10.96ml、19.6mmol)の溶液を室温で2時間、撹拌した。反応混合物をEtOAc(750ml)で希釈し、水(200ml)で抽出した。形成した沈殿物を濾過し、EtOAc(200ml)および水(200ml)で洗浄し、そして室温で一晩(約18時間)乾燥させて、オフホワイト色の固体として化合物V(8.2g、11.0mmol)を提供した。LC−MS[M+H]743.6(C3943S+H、計算値:743.9)。化合物Vを、さらなる精製を伴わずに使用した。
(S)−5−(4−カルバムイミドイルベンジルアミノ)−5−オキソ−4−((R)−4−フェニル−2−(フェニルメチルスルホンアミド)ブタンアミド)ペンタン酸(化合物108)の合成
化合物V(8.0g、10.77mmol)を酢酸(700ml)に溶解し、続いて、水(50ml)中懸濁液としてPd/C(5%wt、3.0g)を添加した。反応混合物を、室温で3時間、水素化(Parr装置、5psi)に供した。触媒を、焼結ガラスフィルタ上のCeliteのパッドにおいて濾過し、そしてメタノールで洗浄した。濾液を減圧下でエバポレートして、無色のオイルとして化合物108を提供した。LC−MS[M+H]594.2(C3035S+H、計算値:594)。得られたオイルを水(150ml)に溶解し、そしてHPLC精製に供した。[Nanosyn−Pack YMC−ODS−A(100−10)C−18カラム(75×300mm);流速=250ml/min;注入容積150ml;移動相A:100%水、0.1%TFA;移動相B:100%アセトニトリル、0.1%TFA;4分における10%Bでの均一濃度溶離、18分における24%Bまでの勾配溶離、20分における24%Bでの均一濃度溶離、68分における24%B〜58%Bの勾配溶離;254nmでの検出]。所望の化合物を含有する画分を合わせ、減圧下で濃縮した。残渣をi−PrOH(75ml)に溶解し、そして減圧下でエバポレートして(手順を2回反復した)、白色固体として化合物108(4.5g、70%収率、98.0%純度)を提供した。LC−MS[M+H]594.2(C3035S+H、計算値:594)。保持時間:3.55分。
−[Chromolith SpeedRod RP−18e C18カラム(4.6×50mm);流速1.5ml/min;移動相A:0.1%TFA/水;移動相B 0.1%TFA/アセトニトリル;5%B〜100%Bで9.6分間の勾配溶離、検出254nm]
フェノール性オピオイドプロドラッグの合成
実施例8
[2−((S)−2−アミノ−5−グアニジノ−ペンタノイルアミノ)−エチル]−メチル−カルバミン酸ヒドロモルフィル(hydromorphyl)エステル(化合物PC−2)の合成
調製21:2,2,2−トリフルオロ−N−(2−メチルアミノ−エチル)−アセトアミド(X)の合成
アセトニトリル(350mL)および水(7.8mL、436mmol)の混合物中N−メチルエチレンジアミン(27.0g、364.0mmol)およびトリフルオロ酢酸エチル(96.6mL、838.0mmol)の溶液を、一晩、撹拌しながら還流した。次いで溶媒を減圧下でエバポレートした。残渣をイソプロパノール(3×100mL)と共に再エバポレートした。残渣をジクロロメタン(500mL)に溶解し、室温で一晩放置した。形成した結晶を濾過し、ジクロロメタンで洗浄し、そして減圧下で乾燥して、白色固体粉末として化合物X(96.8g、94%)を提供した。
調製22:メチル−[2−(2,2,2−トリフルオロ−アセチルアミノ)−エチル]−カルバミン酸ベンジルエステル(Y)の合成
THF(350mL)中化合物X(96.8g、340.7mmol)およびDIEA(59.3mL、340.7mmol)の溶液を約5℃にまで冷却し、続いてTHF(150mL)中N−(ベンジルオキシカルボニル)スクシンイミド(84.0g、337.3mmol)の溶液を、滴下で20分間の期間、添加した。反応混合物の温度を室温にまで上昇させ、撹拌をさらに30分間継続し、続いて溶媒をエバポレートした。得られた残渣をEtOAc(600mL)に溶解した。EtOAcを5%NaHCO水溶液(2×150mL)および塩水(150mL)で抽出した。有機層を分離し、エバポレートして、黄色がかったオイルとして化合物Y(103.0g、340.7mmol)を提供した。LC−MS[M+H]305.3(C1315+H、計算値:305.3)。化合物Yを、さらなる精製を伴わずに使用した。
調製23:(2−アミノ−エチル)−メチル−カルバミン酸ベンジルエステル(Z)の合成
MeOH(1200mL)中化合物Y(103.0g、340.7mmol)の溶液に、水(120mL)中LiOH(16.4g、681.4mmol)の溶液を添加した。反応混合物を室温で3時間、撹拌した。溶媒を最初の容積の4分の3にまでエバポレートし、続いて水(400mL)で希釈した。溶液をEtOAc(2×300mL)で抽出した。有機層を塩水(200mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、そして減圧下でエバポレートした。得られた残渣をエーテル(300mL)に溶解し、そして2NのHCl/エーテル(200mL)で処理した。形成した沈殿物を濾過し、エーテルで洗浄し、そして減圧下で乾燥して、白色固体として化合物Zの塩酸塩(54.5g、261.2mmol)を提供した。LC−MS[M+H]209.5(C1116+H、計算値:209.3)。
調製24:{(S)−4−({アミノ−[(E)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−スルホニルイミノ]−メチル}−アミノ)−1−[2−(ベンジルオキシカルボニル−メチル−アミノ)−エチルカルバモイル]−ブチル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(AA)の合成
DMF(40mL)中Boc−Arg(Pbf)−OH(3.33g、6.32mmol)、HATU(2.88g、7.58mmol)およびDIEA(7.4mL、31.6mmol)の溶液を、室温で20分間維持し、続いて化合物Cの塩酸塩(1.45g、6.95mmol)を添加した。撹拌をさらに1時間、継続した。反応混合物をEtOAc(500mL)で希釈し、水(3×75mL)および塩水(75mL)で抽出した。有機層をMgSOで乾燥し、次いでエバポレートして、黄色がかった無定形固体として化合物AA(4.14g、5.77mmol)を提供した。LC−MS[M+H]717.6(C3552S+H、計算値:717.9)。化合物AAを、さらなる精製を伴わずに使用した。
調製25:(S)−2−アミノ−5−({アミノ−[(E)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−スルホニルイミノ]−メチル}−アミノ)−ペンタン酸(2−メチルアミノ−エチル)−アミド(BB)の合成
化合物AA(4.14g、5.77mmol)およびAcOH(330μl、5.77mmol)をメタノール(40mL)に溶解し、続いて水(5mL)中Pd/C(5%wt、880mg)懸濁液を添加した。反応混合物を室温で2.5時間、水素化(Parr装置、75psi)に供した。触媒を、焼結ガラス漏斗上のCeliteのパッドで濾過し、そしてメタノールで洗浄した。濾液を減圧下でエバポレートして、黄色がかった無定形固体として化合物BB(1.96g、3.2mmol)を提供した。LC−MS[M+H]483.2(C2238S+H、計算値:483.2)。化合物BBを、さらなる精製を伴わずに使用した。
調製26:{(S)−4−({アミノ−[(E)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−スルホニルイミノ]−メチル}−アミノ)−1−[2−(ヒドロモルフィルカルボニル−メチル−アミノ)−エチルカルバモイル]−ブチル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(CC)の合成
クロロホルム(4mL)中塩酸ヒドロモルホン(332mg、1.03mmol)およびDIEA(179μl、1.03mmol)の懸濁液を、超音波浴において室温で1時間、超音波処理した。これに続いて、4−ニトロフェニルクロロホルメート(162mg、0.80mmol)を添加した。反応混合物を、超音波浴において室温でさらに1時間、超音波処理し、続いて、DMF(4mL)中化合物BB(400mg、0.67mmol)および1−ヒドロキシベンゾ−トリアゾール(154mg、1.14mmol)の溶液を添加した。反応混合物を室温で一晩(約18時間)撹拌し、続いて溶媒を減圧下でエバポレートした。残渣をMeOH(5mL)に溶解し、そしてエーテル(500mL)を添加して沈殿させた。形成された沈殿物を濾過し、そして減圧下で乾燥して、オフホワイト色の固体として化合物CC(520mg、収量が定量値を超えた)を提供した。LC−MS[M+H]894.6(C456310S+H、計算値:894.9)。化合物CCを、さらなる精製を伴わずに使用した。
[2−((S)−2−アミノ−5−グアニジノ−ペンタノイルアミノ)−エチル]−メチル−カルバミン酸ヒドロモルフィルエステル(化合物PC−2)の合成
化合物CC(679mg、0.76mmol)を5%m−クレゾール/TFA(10mL)の混合物に溶解した。反応混合物を室温で1時間、維持し、続いてエーテル(500mL)で希釈した。形成された沈殿物を濾過し、エーテル(100mL)で洗浄し、そして減圧下で乾燥して、オフホワイト色の固体として粗化合物PC−2(441mg、収量が定量値を超えた)を提供した。LC−MS[M+H]542.4(C2739+H、計算値:542)。
粗化合物PC−2を水(10mL)に溶解し、そして分取逆相HPLC精製に供した。[Nanosyn−Pack Microsorb(100−10)C−18カラム(50×300mm);流速:100mL/min;注入容積10mL;移動相A:100%水、0.1%TFA;移動相B:100%アセトニトリル、0.1%TFA;5分における0%Bでの均一濃度溶離、6分における6%Bまでの勾配溶離、23分における6%Bでの均一濃度溶離、66分における6%B〜55%Bの勾配溶離;254nmでの検出]。所望の化合物を含有する画分を合わせ、そして減圧下で濃縮した。残渣をi−PrOH(20mL)に溶解し、そして減圧下でエバポレートした(手順を2回反復した)。残渣をi−PrOH(2mL)に溶解し、そして2NのHCl/エーテル(100mL、200mmol)で処理して、白色固体として化合物PC−2の塩酸塩(80mg、17%収率、98%純度)を提供した。LC−MS[M+H]542.0(C2739+H、計算値:542.9)。保持時間:2.04分。
−[Chromolith SpeedRod RP−18e C18カラム(4.6×50mm);流速1.5mL/min;移動相A:0.1%TFA/水;移動相B 0.1%TFA/ACN;5%B〜100%Bで9.6分間の勾配溶離、検出254nm]
実施例9
(S)−2−アセチルアミノ−6−アミノ−ヘキサン酸(2−メチルアミノ−エチル)−アミドヒドロモルホンエステル(化合物PC−3)の合成
調製27:{(S)−1−[2−(ベンジルオキシカルボニル−メチル−アミノ)−エチルカルバモイル]−5−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンチル}−カルバミン酸9H−フルオレン−9−イルメチルエステル(DD)の合成
DMF(50mL)中Fmoc−Lys(Boc)−OH(2.0g、4.26mmol)の溶液に、DIEA(2.38mL、13.65mmol)を添加し、室温で15分間、撹拌した。次いで反応混合物を約5℃にまで冷却し、続いてHATU(1.95g、5.12mmol)を部分量ずつ添加し、そして30分間、撹拌した。この反応混合物にCBZ−ジアミン(1.05g、4.26mmol)を添加し、そして室温で2時間、撹拌した。反応混合物をEtOAc(250mL)で希釈し、水(250mL)および塩水(250mL)で洗浄した。有機層を分離し、NaSOで乾燥し、そして減圧下で溶媒を取り除いて、化合物DD(2.3g、82%)を得た。LC−MS[M+H]659.6(C3746+H、計算値:659.7)。化合物DDを、さらなる精製を伴わずに使用した。
調製28:{(S)−5−アミノ−5−[2−(ベンジルオキシカルボニル−メチル−アミノ)−エチルカルバモイル]−ペンチル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル(EE)の合成
EtOAC(50mL)中化合物DD(2.3g、3.49mmol)の溶液に、ピペリジン(0.34mL、3.49mmol)を添加した。反応混合物を室温で18時間、撹拌し、次いで溶媒を減圧下で取り除いた。残渣を最小量のEtOAcに溶解し、次いでEtOで沈殿させた。沈殿物を濾取し、EtOで洗浄し、そして乾燥して、化合物EE(1.4g、94%)を得た。LC−MS[M+H]437.6(C2236+H、計算値:437.5)。化合物EEを、さらなる精製を伴わずに使用した。
調製29:{(S)−5−アセチルアミノ−5−[2−(ベンジルオキシカルボニル−メチル−アミノ)−エチルカルバモイル]−ペンチル}−カルバミン酸イソプロピルエステル(FF)の合成
室温でCHCl(10mL)中化合物EE(1.4g、3.21mmol)の溶液に、DIEA(2.6mL、15mmol)を添加し、続いてAcO(0.85mL、9.0mmol)を添加した。反応混合物を室温で2時間、撹拌した。溶媒を減圧下で取り除き、次いで残渣をDCM(100mL)に溶解した。有機層を10%クエン酸(75mL)、飽和NaHCO(75mL)および塩水(75mL)で洗浄した。有機層を分離し、NaSOで乾燥し、そして溶媒を減圧下で取り除いて、化合物FF(1.45g、99%)を得た。LC−MS[M+H]479.5(C2438+H、計算値:479.5)。化合物FFを、さらなる精製を伴わずに使用した。
調製30:[(S)−5−アセチルアミノ−5−(2−メチルアミノ−エチルカルバモイル)−ペンチル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(GG)の合成
MeOH(40mL)中化合物FF(1.4g、3.00mmol)の溶液に、5%Pd/C(300mg)を添加した。この反応混合物を70psiで2時間、水素化に供した。次に、反応混合物をceliteパッドで濾過し、MeOHをロータリーエバポレータで取り除いて、化合物GG(1.02g、98%)を得た。LC−MS[M+H]344.9(C1632+H、計算値:345.4)。化合物GGを、さらなる精製を伴わずに使用した。
調製31:[(S)−5−アセチルアミノ−5−(2−メチルアミノ−エチルカルバモイル)−ペンチル]−カルバミン酸tert−ブチル−ヒドロモルホン−ジ−エステル(II)。
ヒドロモルホンHCl塩(1.24g、3.86mmol)およびDIEA(0.67mL、3.86mmol)をCHCl(12mL)に懸濁し、そして室温で1時間、超音波処理した。反応混合物に4−ニトロフェニルクロロホルメート(600mg、2.97mmol)を添加し、次いで100分間、超音波処理した。この活性化したヒドロモルホン反応混合物に、DMF(12mL)中化合物GG(1.02g、2.97mmol)およびHOBt(0.52g、3.86mmol)の溶液を滴下で添加し、そして室温で一晩(約18時間)撹拌した。次いで溶媒を減圧下で取り除き、そして残渣を最小量のMeOHに溶解し、過剰のEtOで沈殿させた。沈殿物を濾取し、EtOで洗浄し、そして減圧下で乾燥して、化合物IIを得た。LC−MS[M+H]656.9(C3449+H、計算値:656.7)。この粗生成物を分取逆相HPLCにより精製した。[カラム:VARIAN、LOAD & LOCK、L&L 4002−2パッキング:Microsorb 100−10 C18、注入容積:約15mL、注入流速:20mL/min、100%A、(水/0.1%TFA)、流速:100mL/min、画分:30秒(50mL) 方法:0%B(MeCN/0.1%TFA)/2分/75%B/96分/100mL/min/254nm]。純粋な画分を合わせ、そして溶媒を減圧下で取り除いた。残渣をi−PrOH(4×100mL)で共エバポレートして、黄色いオイルとしてとして化合物II(0.90g、46%)を得た。
(S)−2−アセチルアミノ−6−アミノ−ヘキサン酸(2−メチルアミノ−エチル)−アミドヒドロモルホンエステル(化合物PC−3)の合成
化合物II(0.90g、1.37mmol)をジオキサン(約2mL)に懸濁し、超音波処理し、そして室温において4.0NのHCl/ジオキサン(約20mL)で処理した。直ちに白色沈殿物が形成された。次に混合物をEtO(200mL)、ヘキサン(20mL)で希釈し、沈殿物を濾取し、EtO(100mL)、ヘキサン(100mL)で洗浄し、そして減圧下で乾燥して、化合物PC−3(0.67g、78%収率、97.5%純度)を得た。LC−MS[M+H]556.3(C2941+H、計算値:556.6)。
実施例10
[2−((S)−2−アセチルアミノ−5−グアニジノ−ペンタノイルアミノ)−エチル]−エチル−カルバミン酸ヒドロモルホンエステル(化合物PC−4)の合成
調製32:2,2,2−トリフルオロ−N−(2−エチルアミノ−エチル)−アセトアミド(JJ)の合成
アセトニトリル(110mL)および水(2.5mL、139mmol)の混合物中N−エチルエチレンジアミン(10.0g、113.4mmol)およびトリフルオロ酢酸エチル(32.0mL、261mmol)の溶液を、一晩(約18時間)、撹拌しながら還流した。溶媒を減圧下でエバポレートした。残渣をi−PrOH(3×100mL)と共に再エバポレートした。残渣をジクロロメタン(500mL)に溶解し、そして室温で一晩、放置した。形成した結晶を濾過し、ジクロロメタン(100mL)で洗浄し、そして減圧下で乾燥して、白色固体粉末として化合物JJ(24.6g、82.4mmol)を提供した。
調製33:{エチル−[2−(2,2,2−トリフルオロ−アセチルアミノ)−エチル]−カルバミン酸ベンジルエステル(KK)の合成
THF(100mL)中化合物JJ(24.6g、82.4mmol)およびDIEA(14.3mL、82.4mmol)の溶液を約5℃にまで冷却し、続いてTHF(75mL)中N−(ベンジルオキシカルボニル)スクシンイミド(20.3g、81.6mmol)の溶液を滴下で20分間かけて添加した。反応混合物の温度を室温にまで上昇させ、そして撹拌をさらに30分間、継続した。溶媒をエバポレートし、残渣をEtOAc(500mL)に溶解した。有機層を5%NaHCO水溶液(2×100mL)および塩水(100mL)で抽出した。有機層をエバポレートして、黄色がかったオイルとして化合物KK(24.9g、78.2mmol)を提供した。LC−MS[M+H]319.0(C1417+H、計算値:319.2)。化合物KKを、さらなる精製を伴わずに使用した。
調製34:(2−アミノ−エチル)−エチル−カルバミン酸ベンジルエステル(LL)の合成
MeOH(300mL)中化合物KK(24.9g、78.2mmol)の溶液に、水(30mL)中LiOH(3.8g、156mmol)の溶液を添加した。反応混合物を室温で5時間、撹拌した。次に、溶媒を、最初の容積の4分の3までエバポレートし、続いて水(200mL)で希釈した。溶液をEtOAc(200mL×2)で抽出し、そして有機層を塩水(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、そして減圧下でエバポレートした。残渣をエーテル(200mL)に溶解し、そして2NのHCl/エーテル(200mL)で処理した。形成された沈殿物を濾過し、エーテルで洗浄し、そして減圧下で乾燥して、白色固体として化合物LLの塩酸塩(12.1g、46.7mmol)を提供した。LC−MS[M+H]222.9(C1218+H、計算値:223.2)。
調製35:{2−[boc−Arg(Pbf)]−アミノエチル}−エチル−カルバミン酸ベンジルエステル(MM)の合成
DMF(20mL)中Boc−Arg(Pbf)−OH(3.0g、5.69mmol)、化合物LL(1.62g、6.26mmol)、DIEA(3.17mL、18.21mmol)およびHATU(2.59g、6.83mmol)の溶液を、室温で1時間、撹拌した。反応混合物をEtOAc(300mL)で希釈し、そして水(3×75mL)および塩水(75mL)で抽出した。有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、次いでエバポレートして、黄色がかったオイルとして化合物MM(5.97g、収量が定量値を超えた)を提供した。LC−MS[M+H]731.5(C3654S+H、計算値:731.7)。化合物MMを、さらなる精製を伴わずに使用した。
調製36:{2−[H−Arg(Pbf)]−アミノエチル}−エチル−カルバミン酸ベンジルエステル(NN)の合成
化合物MM(5.69mmol)をジオキサン(20mL)に溶解し、そして4NのHCl/ジオキサン(100mL、70mmol)で室温において1時間、処理した。次いで溶媒を減圧下で取り除き、続いてi−PrOH(50mL)に懸濁し、そして最後に溶媒をエバポレートして、残留溶媒を取り除いた(手順を2回反復した)。粗反応混合物を減圧下で乾燥して、黄色がかった固体として化合物NN(5.97、収量が定量値を超えた)を提供した。LC−MS[M+H]631.5(C3146S+H、計算値:631.2)。化合物NNを、さらなる精製を伴わずに使用した。
調製37:{2−[Ac−Arg(Pbf)]−アミノエチル}−エチル−カルバミン酸ベンジルエステル(OO)の合成
クロロホルム(20mL)中化合物NN(5.69mmol)、AcO(649μl、6.83mmol)およびDIEA(2.97mL、17.07mmol)の溶液を、室温で1時間、撹拌した。それに続いて、2MのEtNH/THF(1.71mL、3.41mmol)を添加した。反応混合物を室温でさらに30分間、撹拌し、続いてEtOAc(300mL)で希釈した。有機層を水(75mL)、2%HSO水溶液(75mL)、水(3×75mL)および塩水(75mL)で抽出した。次いで、有機層をMgSOで乾燥し、そしてエバポレートして、黄色がかった固体として化合物OO(3.99g、収量が定量値を超えた)を提供した。LC−MS[M+H]673.6(C3348S+H、計算値:672.9)。化合物OOを、さらなる精製を伴わずに使用した。
調製38:N−[Ac−Arg(Pbf)]−N’−エチル−エタン−1,2−ジアミン(PP)の合成
化合物OO(5.69mmol)をメタノール(50mL)に溶解し、続いて水(5mL)中Pd/C(5%wt、1g)懸濁液を添加した。反応混合物を室温で1時間、水素化(Parr装置、80psi)に供した。完了後、触媒を焼結ガラス漏斗上のCeliteのパッドで濾過し、そしてメタノールで洗浄した。濾液を減圧下でエバポレートして、無色のオイルとして化合物PP(3.06g、定量的収率)を提供した。LC−MS[M+H]539.5(C2542S+H、計算値:539.9)。化合物PPを、さらなる精製を伴わずに使用した。
[2−(2−アセチルアミノ−5−グアニジノ−ペンタノイルアミノ)−エチル]−エチル−カルバミン酸ヒドロモルホンエステル(化合物PC−4)の合成
クロロホルム(8mL)中塩酸ヒドロモルホン(2.75g、8.54mmol)およびDIEA(1.49mL、8.54mmol)の懸濁液を、超音波浴において室温で1時間、超音波処理し、続いて4−ニトロフェニルクロロホルメート(1.38g、6.83mmol)を添加した。反応混合物を、超音波浴において室温でさらに1時間、超音波処理し、続いて、DMF(8mL)中化合物PP(3.06g、5.69mmol)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(1.31g、9.67mmol)の溶液を添加した。反応混合物を室温で一晩(約18時間)撹拌し、続いて溶媒を減圧下でエバポレートした。粗反応混合物をMeOH(10mL)に溶解し、エーテル(500mL)で沈殿させた。形成された沈殿物を濾過し、そして減圧下で乾燥して、オフホワイト色の固体としてPbf保護された化合物PC−4(6.96g 収量が定量値を超えた)を提供した。LC−MS[M+H]850.6(C4359S+H、計算値:850.2)。
Pbf保護された化合物PC−4を、5%のm−クレゾール/TFA(100mL)の混合物に溶解した。反応混合物を室温で1時間、維持し、続いてエーテル(2L)で希釈した。沈殿物が形成され、その後、焼結ガラス漏斗で濾過し、エーテル(200mL)で洗浄し、そして減圧下で乾燥して、オフホワイト色の固体として粗化合物PC−4(5.2g、97%)を提供した。この粗化合物PC−4(5.2g、5.54mmol)を水(50mL)に溶解し、そしてHPLC精製に供した。[Nanosyn−Pack Microsorb(100−10)C−18カラム(50×300mm);流速:100mL/min;注入容積50mL;移動相A:100%水、0.1%TFA;移動相B:100%アセトニトリル、0.1%TFA;5分における0%Bでの均一濃度溶離、6分における6%Bまでの勾配溶離、13分における6%Bでの均一濃度溶離、76分における6%B〜55%Bの勾配溶離;254nmでの検出]。所望の化合物を含有する画分を合わせ、そして減圧下で濃縮した。残渣をi−PrOH(50mL)に溶解し、そして減圧下でエバポレートした(手順を2回反復した)。残渣をi−PrOH(50mL)に溶解し、そして2NのHCl/エーテル(200mL、400mmol)で処理して、白色固体として化合物PC−4の塩酸塩(1.26g、32%収率、95.7%純度)を提供した。LC−MS[M+H]598.4(C3043+H、計算値:598.7)。保持時間:2.53分
−[Chromolith SpeedRod RP−18e C18カラム(4.6×50mm);流速1.5mL/min;移動相A:0.1%TFA/水;移動相B 0.1%TFA/ACN;5%B〜100%Bで9.6分間の勾配溶離、検出254nm]
実施例11
[2−((S)−2−マロニルアミノ−4−アミノ−ペンタノイルアミノ)−エチル]−エチル−カルバミン酸ヒドロモルホンエステル(化合物PC−5)の合成
調製39:2,2,2−トリフルオロ−N−(2−エチルアミノ−エチル)−アセトアミド(QQ)の合成
アセトニトリル(110mL)および水(2.5mL、139mmol)の混合物中N−エチルエチレンジアミン(10.0g、113.4mmol)およびトリフルオロ酢酸エチル(32.0mL、261mmol)の溶液を、一晩(約18時間(hr、h))、撹拌しながら還流した。溶媒を減圧下でエバポレートした。残渣をイソプロパノール(3×100mL)と共に再エバポレートした。残渣をジクロロメタン(500mL)に溶解し、室温(rt)で一晩放置した。形成した結晶を濾過し、ジクロロメタンで洗浄し(100mL)、そして減圧下で乾燥して、白色固体粉末として化合物QQ(24.6g、82.4mmol)を提供した。
調製40:エチル−[2−(2,2,2−トリフルオロ−アセチルアミノ)−エチル]−カルバミン酸ベンジルエステル(RR)の合成
THF(100mL)中化合物QQ(24.6g、82.4mmol)およびDIEA(14.3mL、82.4mmol)の溶液を、約5℃にまで冷却し、続いて、THF(75mL)中N−(ベンジルオキシカルボニル)スクシンイミド(20.3g、81.6mmol)の溶液を滴下で20分かけて添加した。反応混合物の温度を室温にまで上昇させ、撹拌をさらに30分間(min)継続した。溶媒をエバポレートし、そして残渣を酢酸エチル(500mL)に溶解した。有機層を5%NaHCO水溶液(2×100mL)および塩水(100mL)で抽出した。有機層をエバポレートして、黄色がかったオイルとして化合物RR(24.9g、78.2mmol)を提供した。LC−MS[M+H]319.0(C1417+H、計算値:319.2)。化合物RRを、さらなる精製を伴わずに使用した。
調製41:(2−アミノ−エチル)−エチル−カルバミン酸ベンジルエステル(SS)の合成
メタノール(300mL)中化合物RR(24.9g、78.2mmol)の溶液に、水(30mL)中LiOH(3.8g、156mmol)の溶液を添加した。反応混合物を室温で5時間、撹拌した。次に、溶媒を最初の容積の75%にまでエバポレートし、続いて水(200mL)で希釈した。この溶液を酢酸エチル(200mL×2)で抽出し、そして有機層を塩水(100mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、そして減圧下でエバポレートした。残渣をエーテル(200mL)に溶解し、そして2NのHCl/エーテル(200mL)で処理した。形成された沈殿物を濾過し、エーテルで洗浄し、そして減圧下で乾燥して、白色固体として化合物SSの塩酸塩(12.1g、46.7mmol)を提供した。LC−MS[M+H]222.9(C1218+H、計算値:223.2)。純度>95%(UV/254nm)。
調製42:{2−[Fmoc−Lys(Boc)]−アミノエチル}−エチル−カルバミン酸ベンジルエステル(TT)の合成
DMF(300mL)中Fmoc−Lys(Boc)−OH(25.02g、53.4mmol、1eq)、化合物SS(13.82g、53.4mmol、1eq)およびHATU(22.3g、58.7mmol、1.1eq)の溶液に、氷/水浴で冷却した、および30分間撹拌して、DIEA(28mL、160.2mmol、3.0eq)の溶液を添加した。反応混合物を周囲温度で2時間、撹拌した。完了後、反応混合物をEtOAc(1L)で希釈し、そして水(2×2.5L)および塩水(500mL)で抽出した。有機層を無水NaSOで乾燥し、濾過し、次いでエバポレートすると油性残渣が得られ、これを一晩、減圧下(120mbar)で乾燥して、黄褐色の粘性固体として化合物TT(39.5g)を得た。LC−MS[M+H]672.5(C3848+H、計算値:672.7)。純度>95%(UV/254nm)。化合物TTを、精製を伴わずに使用した。
調製43:{2−[H−Lys(Boc)]−アミノエチル}−エチル−カルバミン酸ベンジルエステル(UU)の合成
超音波処理および撹拌を用いて全ての成分の溶解を補助しながら、化合物TT(18.5g、25mmol、1eq)およびピペリジン(3.1mL、31mmol、1.2eq)を酢酸エチル(125mL)に溶解した。LC/MSで反応の進行をモニタリングしながら、反応混合物を周囲温度で5時間、撹拌した。完了後、次いで、約15mLになるまで溶媒を減圧下で取り除き、次いで、この生成物をヘキサン(250mL)で粉砕すると、油性残渣が得られた。ヘキサンをデカントし、そして残渣をさらなるヘキサン(100mL)で洗浄した。生成物を減圧下で一晩、乾燥して、黄色がかった固体として化合物UU(13.5g)を提供した。LC−MS[M+H]451.3(C23438+H、計算値:451.3)。純度>95%(UV/254nm)。化合物UUを、精製を伴わずに使用した。
調製44:{2−[t−Boc−マロニル−Lys(Boc)]−アミノエチル}−エチル−カルバミン酸ベンジルエステル(VV)の合成
化合物UU(12.5g、25.0mmol、1eq)、DIEA(10.9mL、27.5mmol、2.5eq)およびBOP(12.2g、27.5mmol、1.1eq)をDMF(20mL)に溶解し、そして反応混合物に、DMF(20mL)中モノ−t−ブチル−マロネート(4.5g、27.5mmol、1.1eq)の溶液を、氷/水浴で冷却し、かつ30分間撹拌しながら、添加した。反応を2時間で完了させ、そして溶媒を減圧下で取り除いた。残渣を酢酸エチル(700mL)に溶解し、そして水(1.2L)および次に塩水(500mL)で洗浄した。有機層を分離し、そして水相を酢酸エチル(400mL)で再抽出した。合わせた有機相を無水NaSOで乾燥し、そして溶媒を減圧下でエバポレートすると、油性残渣が得られた。この生成物を減圧下で一晩、乾燥すると、淡黄色のオイルとして化合物VV(19.2g)が得られた。LC−MS[M+H]593.7(C3048+H、計算値:593.4)。化合物VVを、精製を伴わずに使用した。純度>95%(UV/254nm)。
調製45:N−[t−Boc−マロニル−Lys(Boc)]N’−エチル−エタン−1,2−ジアミン(XX)の合成
化合物VV(19.2g、25mmol)をメタノール(500mL)に懸濁し、そして無機塩類から濾取した。水(10mL)中Pd/C(5%wt、2.4g)懸濁液を添加し、そして反応混合物を、周囲温度で2時間、水素化した(Parr装置、80psi)。反応完了後、触媒を、焼結ガラスフリット上のCelite(登録商標)のパッドで濾過し、そしてメタノール(2×50mL)で洗浄した。濾液を減圧下でエバポレートすると、油性残渣が得られた。この生成物を減圧下で一晩、乾燥すると、淡黄色のオイルとして化合物XX(17.3g)が得られた。LC−MS[M+H]459.4(C2242+H、計算値:459.3)。化合物XXを、精製を伴わずに使用した。純度>95%(UV/254nm)。
調製46:[t−Boc−マロニル−Lys(Boc)]−エチル−カルバミン酸ヒドロモルホンエステル(YY)の合成
クロロホルム(70mL)中塩酸ヒドロモルホン(10.5g、32.5mmol、1.3eq)およびDIPEA(5.7mL、32.5mmol)の懸濁液を、超音波浴において周囲温度で1時間、超音波処理し、続いて4−ニトロフェニルクロロホルメート(5.05g、25mmol、1eq)を添加した。反応混合物を、超音波浴において周囲温度でさらに1時間、超音波処理し、続いてDMF(50mL)中化合物XX(17.3g、25mmol、1eq)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(5.06g、37.5mmol、1.5eq)の溶液を添加した。反応混合物を一晩(約18時間)、周囲温度で撹拌した。次に、反応混合物をガラスフリットで濾過し、そして溶媒を減圧下でエバポレートした。粗反応混合物をメタノール(50mL)に溶解し、そしてエーテル(500mL)で沈殿させると、油性の黄色残渣が得られた。それをメタノール/エーテル(50mL/500mL)から再沈殿させると、粘性生成物が形成され、これを減圧下で一晩、乾燥して、泡状淡黄色固体として粗化合物YY(18.8g、98%収率)を提供した。LC−MS[M+H−Boc]670.1(C405910+H−boc、計算値:670.2)。純度約50%(UV/254nm)。
粗生成物YY(5.2g、5.54mmol)を混合物DMSO/AcOH(10mL/40mL)に溶解し、そして水(50mL)で希釈した。溶液をHPLC精製に供した:Nanosyn−Pack Microsorb(100−10)C−18カラム(50×300mm);流速:100mL/min;注入容積50mL;移動相A:100%水、0.1%TFA;移動相B:100%ACN、0.1%TFA;4分における10%Bでの均一濃度溶離、27分における10%〜28%Bの勾配溶離、30分における28%Bでの均一濃度溶離、29分における28%B〜42%Bの勾配溶離;254nmでの検出。所望の化合物を含有する画分を合わせ、そして減圧下で濃縮した。残渣をイソプロパノール(100mL)に溶解し、そして減圧下で共エバポレートした(手順を2回反復した)。得られた固体を減圧下で一晩、乾燥して、泡状白色固体として化合物YY(10.2g、48%収率)を提供した。LC−MS[M+H−Boc]670.1(C405910+H−boc、計算値:670.2)。純度>95%(UV/254nm)。
[2−((S)−2−マロニルアミノ−4−アミノ−ペンタノイルアミノ)−エチル]−エチル−カルバミン酸ヒドロモルホンエステル(化合物PC−5)の合成
化合物YY(10.2g、11.5mmol)をDCM(20mL)に溶解し、そしてTFA(50mL)で処理した。反応混合物を、LC/MSで反応の進行をモニタリングしながら、周囲温度で1時間、撹拌した。反応完了後、溶媒を減圧下でエバポレートして、淡黄色のオイルを得た。それをイソプロパノール(20mL)に溶解し、そして2NのHCl/エーテル(100mL、200mmol)で処理すると、直ちに濃厚な白色沈殿物が得られた。それをエーテル(500mL)で希釈し、そして濾取した。固体をエーテル(2×50mL)およびヘキサン(2×50mL)で洗浄した。固体を減圧下で乾燥して、白色固体として化合物PC−5:(6.8g、86.1%収率、96.8%純度)254nm/UVにより)を得た。LC−MS[M+H]614.2(C3143+H、計算値:614.3)。保持時間:1.93分 −[Chromolith SpeedRod RP−18e C18カラム(4.6×50mm);流速1.5mL/min;移動相A:0.1%TFA/水;移動相B 0.1%TFA/ACN;5%B〜100%Bで9.6分間の勾配溶離、検出254nm]
実施例12
[2−(2−マロニル−5−グアニジノ−ペンタノイルアミノ)−エチル]−エチル−カルバミン酸ヒドロモルホンエステル(化合物PC−6)の合成
調製47:{2−[Boc−Arg(Pbf)]−アミノエチル}−エチル−カルバミン酸ベンジルエステル(AAA)の合成
DMF(100mL)中Boc−Arg(Pbf)−OH(10.0g、18.98mmol)およびDIPEA(10.6mL、60.74mmol)の溶液に、HATU(7.21g、18.98mmol)を添加した;混合物を5℃で15分間、撹拌した。この反応混合物に、本明細書(調製41)に記載されるとおり生成した化合物SS(5.40g、24.32mmol)を添加し、そして周囲温度で2時間、撹拌した。次に、反応混合物を酢酸エチル(750mL)で希釈し、そして水(2×500mL)および塩水(500mL)で抽出した。有機層を無水NaSOで乾燥し、濾過し、次いでエバポレートすると、油性残渣が得られ、これを一晩、減圧下で乾燥して、オフホワイト色の固体として化合物AAA(20.0g)を得た。LC−MS[M+H]731.9(C3654S+H、計算値:731.3)。純度>95%(UV/254nm)。化合物AAAを、精製を伴わずに使用した。
調製48:N−[Boc−Arg(Pbf)]−N’−エチル−エタン−1,2−ジアミン(BBB)の合成
化合物AAA(20.0g、18.98mmol)をメタノール(250mL)に溶解し、続いて水(5mL)中Pd/C(5%wt、2.0g)懸濁液を添加した。反応混合物を周囲温度で1.5時間、水素化(Parr装置、70psi)に供した。完了後、触媒を、焼結ガラス漏斗上のCelite(登録商標)のパッドにおいて濾過し、そしてメタノールで洗浄した。濾液を減圧下でエバポレートして、泡状固体として化合物BBB(11.53g、定量的収率)を提供した。LC−MS[M+H]597.6(C2848S+H、計算値:597.3)。化合物BBBを、精製を伴わずに使用した。
調製49:[N−Boc−Arg(Pbf)]−エチル−カルバミン酸ヒドロモルホンエステル(CCC)の合成
クロロホルム(30mL)中塩酸ヒドロモルホン(7.94g、24.67mmol、1.3eq)およびDIPEA(4.29mL、24.67mmol)の懸濁液を、超音波浴において周囲温度で1時間、超音波処理し、続いて、4−ニトロフェニルクロロホルメート(4.21g、20.88mmol、1.1eq)を添加した。反応混合物を周囲温度でさらに1時間、超音波処理し、続いて、DMF(50mL)中化合物BBB(11.53g、18.98mmol、1eq)および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(3.33g、24.67mmol、1.3eq)の溶液を添加した。反応混合物を周囲温度で一晩、撹拌した。次に、反応混合物をガラスフリットで濾過し、そして溶媒を減圧下でエバポレートした。粗反応混合物をメタノール(50mL)に溶解し、そしてエーテル(500mL)で沈殿させた。沈殿物を濾取し、エーテルで洗浄し、そして減圧下で一晩、乾燥させて、淡黄色の固体として粗化合物CCC(23.0g)を提供した。LC−MS[M+H]908.8(C466510S+H、計算値:908.45)。純度約60%(UV/254nm)。化合物CCCを、精製を伴わずに使用した。
調製50:{2−[H−Arg(Pbf)]−アミノエチル}−エチル−カルバミン酸ヒドロモルホンエステル(DDD)の合成
化合物CCC(23.0g、20.88mmol)をジオキサン(75mL)に溶解し、そして4NのHCl/ジオキサン(45.0mL、180mmol)で周囲温度で1時間、処理した。次いで、溶媒を約50mLまで減圧下で取り除き、続いてエーテル(約500mL)で沈殿させた。沈殿物を濾取し、エーテルで洗浄し、そして減圧下で一晩、乾燥させて、淡黄色の固体として粗化合物DDD(22.6g)を提供した。LC−MS[M+H]808.8(C4157S+H、計算値:808.4)。純度約60%(UV/254nm)。
粗生成物DDD(22.6g)を水(70mL)に溶解した。溶液をHPLC精製に供した:Nanosyn−Pack Microsorb(100−10)C−18カラム(50×300mm);流速:100mL/min;注入容積15mL;移動相A:100%水、0.1%TFA;移動相B:100%ACN、0.1%TFA;5分における0%Bでの均一濃度溶離、30分における0%〜30%Bの勾配溶離、20分における30%Bでの均一濃度溶離、40分における30%B〜50%Bの勾配溶離;254nmでの検出。所望の化合物を含有する画分を合わせ、そして減圧下で濃縮した。残渣をイソプロパノール(100mL)に溶解し、そして減圧下で共エバポレートした(手順を2回反復した)。残渣を約25mLのイソプロパノールに溶解し、エーテル(100mL)中2.0MのHClを添加した。得られた固体を濾過し、エーテルで洗浄し(2×100mL)、そして減圧下で一晩、乾燥して、白色固体として化合物DDD(10.0g、60%収率)を提供した。LC−MS[M+H]808.8(C4157S+H、計算値:808.4)。純度>95%(UV/254nm)。
調製51:[2−(2−tert−ブチル−マロニル−Arg(Pbf)]−アミノエチル]−エチル−カルバミン酸ヒドロモルホンエステル(EEE)の合成
DMF(20mL)中モノ−tert−ブチルマロネート(182mg、1.13mmol)およびDIEA(0.592mL、3.40mmol)の溶液に、BOP(502mg、1.13mmol)を添加した;混合物を5℃で15分間、撹拌した。この反応混合物に、化合物DDD(1g、1.13mmol)を添加し、周囲温度で3時間、撹拌した。完了後、次いで溶媒を約5mLまで減圧下で取り除き、続いてエーテル(150mL)で沈殿させた。沈殿物を濾取し、エーテルで洗浄し、そして減圧下で一晩、乾燥して、淡黄色の固体として粗化合物EEE(1.64g)を提供した。LC−MS[M+H]950.4(C486711S、計算値:950.4)。純度約60%(UV/254nm)。化合物EEEを、精製を伴わずに使用した。
[2−(2−マロニル−5−グアニジノ−ペンタノイルアミノ)−エチル]−エチル−カルバミン酸ヒドロモルホンエステル(化合物PC−6)の合成
化合物EEE(1.64g、1.13mmol)を、TFA中5%m−クレゾールにおいて周囲温度で1時間、処理した。完了後、反応混合物をエーテル(100mL)で沈殿させた。沈殿物を濾取し、エーテルで洗浄し、そして減圧下で一晩、乾燥して、淡黄色の固体として粗化合物PC−6(1.7g)を提供した。LC−MS[M+H]642.7(C3143、計算値:642.3)。純度約60%(UV/254nm)。
粗化合物PC−6(1.7g)を水(15mL)に溶解した。溶液をHPLC精製に供した:Nanosyn−Pack Microsorb(100−10)C−18カラム(50×300mm);流速:100mL/min;注入容積15mL;移動相A:100%水、0.1%TFA;移動相B:100%ACN、0.1%TFA;5分における0%Bでの均一濃度溶離、12分における0%〜12%Bの勾配溶離、20分における12%Bでの均一濃度溶離、43分における12%B〜40%Bの勾配溶離;254nmでの検出。所望の生成物を含む画分を合わせて、そして減圧下で濃縮した。残渣をイソプロパノール(50mL)に溶解し、そして減圧下で共エバポレートした(手順を2回反復した)。残渣を約5mLのイソプロパノールに溶解し、そしてエーテル(50mL)中2.0MのHClを添加した。生成物がHCl塩として沈殿した。得られた固体を濾過し、エーテル(2×50mL)で洗浄し、そして減圧下で一晩、乾燥して、白色固体として化合物PC−6(468mg、62%収率)を提供した。LC−MS[M+H]642.7(C3143、計算値:642.3)。純度98.8%(UV/254nm)。
フェノール修飾オピオイドプロドラッグの生物学的データ
実施例13
ラットへの化合物PC−1およびSBTIトリプシンインヒビターの経口投与
ヒドロモルホン3−(N−メチル−N−(2−N’−アセチルアルギニルアミノ))エチルカルバメート(これは、2007年12月6日に公開された国際公開第2007/140272号パンフレットの実施例3に記載されるとおり生成することができ、以下、化合物PC−1と称する)およびSBTI(グリシン・マックス(Glycine max)(ダイズ)由来のトリプシンインヒビター)(カタログ番号93620、約10,000単位/mg、Sigma−Aldrich)を、各々、生理食塩水に溶解した。
化合物PC−1およびSBTIの生理食塩水を、表1に示すとおりに、経口投与前に16〜18hr絶食させた内頸静脈カテーテルを挿入した雄性Sprague Dawleyラットに強制経口投与によって投与した;1群あたり4匹のラットに投与した。SBTIを投与する場合、それは化合物PC−1の5分(min)前に投与した。特定の時間点で血液サンプルを採取し、メタノール中にクエンチし、14,000rpm、4℃で遠心し、高速液体クロマトグラフィー/質量分析法(HPLC/MS)による分析まで−80℃で貯蔵した。
表1は、一定量の化合物PC−1および様々な量のSBTIを投与したラットについての結果を示す。結果は、4匹のラットの群ごとに、ヒドロモルホンの最大血中濃度(平均±標準偏差)として報告する。
表1の結果は、SBTIが、高いSBTI濃度でほぼ100%の減弱に達し得る用量依存的な形で化合物PC−1のヒドロモルホン放出能力を減弱させることを示す。
表1に示すラットから得られたデータは図4にも提供され、この図4は、20mg/kgの化合物PC−1を、(a)単独で(黒い丸の記号の実線)、(b)10mg/kgのSBTIと共に(白い四角の記号の破線)、(c)100mg/kgのSBTIと共に(白い三角の記号の点線)、(d)500mg/kgのSBTIと共に(×記号の実線)、または(e)1000mg/kgのSBTIと共に(黒い四角の実線)ラットにPO投与した後の、ヒドロモルホンの経時的な平均血中濃度(±標準偏差)を比較する。図4の結果は、化合物PC−1のヒドロモルホン放出能力のSBTIによる減弱が、化合物PC−1および10、100、500または1000mg/kgのSBTIを投与されたラットの血液中へのかかるヒドロモルホン放出のCmaxを抑制し、Tmaxを遅延させることを示す。
実施例14
オボアルブミンの存在下における、ラットへの化合物PC−1およびSBTIトリプシンインヒビターの経口投与
SBTIの役割を理解するため、非トリプシンインヒビタータンパク質対照としてオボアルブミンを使用した。ニワトリ卵白由来のアルブミン(オボアルブミン)(カタログ番号A7641、グレードVII、凍結乾燥粉末、Sigma−Aldrich)を生理食塩水に溶解した。
化合物PC−1およびSBTI(実施例13に記載するとおり)の生理食塩水、およびオボアルブミンの生理食塩水を組み合わせ、表2に示すとおりに、経口投与前に16〜18hr絶食させた内頸静脈カテーテルを挿入した雄性Sprague Dawleyラット(1群あたり4匹)に強制経口投与によって投与した。特定の時間点で血液サンプルを採取し、5,400rpm、4℃で5分間遠心して血漿を回収し、各サンプルから100マイクロリットル(μl)の血漿を、1μlのギ酸が入った新しいチューブに移した。チューブを5〜10秒間ボルテックス撹拌し、直ちにドライアイス中に置き、次いでHPLC/MSによる分析まで貯蔵した。
表2は、指示されるとおりの種々の量のオボアルブミン(OVA)および/またはSBTIと共にまたはそれ無しに化合物PC−1を投与したラットについての結果を示す。結果は、4匹のラットの群ごとに、ヒドロモルホンの最大血漿中濃度(平均±標準偏差)として報告する。
表2の結果は、オボアルブミンが、ヒドロモルホンを放出する化合物PC−1の能力またはかかる放出を減弱させるSBTIの能力に有意な影響を及ぼさないことを示す。
表2の行1、行4および行6に示すラットから得られたデータは図5にも提供され、この図5は、20mg/kgの化合物PC−1を、(a)単独で(丸い記号の実線)、(b)500mg/kgのOVAと共に(三角の記号の破線)、または(c)500mg/kgのOVAおよび500mg/kgのSBTIと共に(四角の記号の点線)ラットにPO投与した後の、ヒドロモルホンの経時的な平均血漿中濃度(±標準偏差)を比較する。図5の結果は、化合物PC−1のヒドロモルホン放出能力のSBTIによる減弱が、オボアルブミンの存在下であっても、血漿中のかかるヒドロモルホンのCmaxを抑制し、Tmaxを遅延させることを示す。20mg/kgの化合物PC−1を500mg/kgのOVAおよび500mg/kgのSBTIと共に投与されたラットは、8.0hrの血漿中Tmaxを示し、一方、20mg/kgの化合物PC−1を単独で投与されたラットは2.3hrの血漿中Tmaxを示した。表2および図5の結果はまた、SBTIが、非特異的な形でなく、トリプシンを阻害することにより特異的に作用することも示している。
実施例15
ラットへの化合物PC−1およびBBSIインヒビターの経口投与
化合物PC−1およびBBSI(グリシン・マックス(Glycine max)(ダイズ)由来のボウマン−バーク(Bowman−Birk)トリプシン−キモトリプシンインヒビター、カタログ番号T9777、Sigma−Aldrich)を、各々、生理食塩水に溶解した。
化合物PC−1およびBBSIの生理食塩水を、表3に示すとおりに投与した。投与、サンプル採取および分析の手順は、実施例13に記載するとおりであった。
表3は、化合物PC−1をBBSIと共にまたはそれ無しに投与したラットについての結果を示す。結果は、4匹のラットの群ごとに(n=4)、ならびに化合物PC−1およびBBSIを投与した4匹のラットのうち3匹について(n=3)、ヒドロモルホンの最大血中濃度(平均±標準偏差)として報告する。
表3の結果は、BBSIが化合物PC−1のヒドロモルホン放出能力を減弱させることができることを示す。
表3の行1および行3に示す個々のラットから得られたデータを図6に提供し、この図6は、20mg/kgの化合物PC−1を、(a)単独で(実線)、または(b)100mg/kgのBBSIと共に(点線)ラットにPO投与した後の、ヒドロモルホンの経時的な個々の血中濃度を比較する。図6の結果は、化合物PC−1のヒドロモルホン放出能力のBBSIによる減弱が、化合物PC−1およびBBSIを投与された4匹のラットのうち少なくとも3匹について、血中のかかるヒドロモルホンのCmaxを抑制し、Tmaxを遅延させることを示す。
実施例16
ラットへの化合物PC−2およびSBTIトリプシンインヒビターの経口投与
化合物PC−2およびSBTIの生理食塩水を、表4に示すとおりに、経口投与前に16〜18hr絶食させた内頸静脈カテーテルを挿入した雄性Sprague Dawleyラット(1群あたり4匹)に強制経口投与によって投与した。SBTIを投与する場合、それは化合物PC−2の5分前に投与した。特定の時間点で血液サンプルを採取し、実施例14に記載するとおり処理および分析した。
表4および図7は、指示するとおり、20mg/kgの化合物PC−2を500mg/kgのSBTIと共にまたはそれ無しに投与したラットについての結果を提供する。表4の結果は、4匹のラットの群ごとに、(a)ヒドロモルホン(HM)の最大血漿中濃度(Cmax)(平均±標準偏差)および(b)化合物PC−2をSBTIと共にまたはそれ無しに投与した後に、最大ヒドロモルホン濃度に達するまでの時間(Tmax)として報告する。
図7は、20mg/kgの化合物PC−2を単独で(実線)または500mg/kgのSBTIと共に(点線)ラットにPO投与した後の、ヒドロモルホン放出の経時的な平均血漿中濃度(±標準偏差)を比較する。
表4および図7の結果は、SBTIが化合物PC−2のヒドロモルホン放出能力を、Cmaxの抑制およびTmaxの遅延の双方に関連して減弱させることを示す。
実施例17
ラットへの化合物PC−3およびSBTIトリプシンインヒビターの経口投与
化合物PC−3およびSBTIの生理食塩水を、表5に示すとおりに投与した。投与、サンプル採取および分析の手順は、実施例16に記載するとおりであった。
表5および図8は、指示するとおり、20mg/kgの化合物PC−3を500mg/kgのSBTIと共にまたはそれ無しに投与したラットについての結果を提供する。表5の結果は、4匹のラットの群ごとに、血漿中ヒドロモルホンのCmaxおよびTmaxとして報告する。
図8は、20mg/kgの化合物PC−3を、単独で(実線)、または500mg/kgのSBTIと共に(点線)ラットにPO投与した後の、ヒドロモルホン放出の経時的な平均血漿中濃度(±標準偏差)を比較する。
表5および図8の結果は、SBTIが化合物PC−3のヒドロモルホン放出能力を、Cmaxの抑制およびTmaxの遅延の双方に関連して減弱させることを示す。
実施例18
ラットへの化合物PC−4およびSBTIトリプシンインヒビターの経口投与
化合物PC−4およびSBTIの生理食塩水を、表6に示すとおりに投与した。投与、サンプル採取および分析の手順は、インヒビター無しでの化合物PC−4を7匹のラットに投与したことを除き、実施例16に記載するとおりであった。
表6および図9は、指示するとおり、20mg/kgの化合物PC−4を500mg/kgのSBTIと共にまたはそれ無しに投与したラットについての結果を提供する。表6の結果は、4匹のラットの群ごとに、血漿中ヒドロモルホンのCmaxおよびTmaxとして報告する。
図9は、20mg/kgの化合物PC−4を単独で(実線)、または500mg/kgのSBTIと共に(点線)ラットにPO投与した後の、ヒドロモルホン放出の経時的な平均血漿中濃度(±標準偏差)を比較する。
表6および図9の結果は、SBTIが化合物PC−4のヒドロモルホン放出能力を、少なくともTmaxの遅延に関連して減弱させることを示す。
実施例19
インビトロIC50データ
いくつかの候補トリプシンインヒビター、即ち化合物101〜105、107および108を、本明細書に記載するとおり生成した。化合物106(4−アミノベンズアミジンとしても知られる)、化合物109および化合物110は、Sigma−Aldrich(St.Louis,MO)から入手可能である。
化合物101〜110の各々ならびにSBTIおよびBBSIの最大半数阻害濃度(IC50またはIC50)値を、Bergmeyer,HU et al,1974,Methods of Enzymatic Analysis Volume 1,2nd edition,515−516,Bergmeyer,HU,ed.,Academic Press,Inc.New York,NYにより記載されるとおりの改良トリプシンアッセイを用いて決定した。
表7は、指定されるトリプシンインヒビターの各々についてのIC50値を示す。
表7の結果は、化合物101〜110の各々が、トリプシン阻害活性を呈することを示す。
実施例20
化合物PC−4からのヒドロモルホンのインビトロでのトリプシン仲介性トリプシン放出に対するトリプシンインヒビターの効果
化合物PC−4を、以下のトリプシンインヒビター:SBTI、化合物107、化合物108または化合物109のうちの1つの非存在下または存在下で、ウシ膵臓由来のトリプシン(カタログ番号T8003、タイプI、約10,000BAEE単位/mgタンパク質、Sigma−Aldrich)と共にインキュベートした。トリプシンインヒビターがインキュベーション混合物の一部であった場合、化合物PC−4は他のインキュベーション成分の5分後に添加した。反応は37℃で24時間行った。特定の時間点でサンプルを回収し、アセトニトリル中0.5%ギ酸に移してトリプシン活性を停止させ、LC−MS/MSによる分析まで−70℃未満で貯蔵した。
最終インキュベーション混合物は、以下の成分からなった:
図10Aおよび図10Bは、任意のトリプシンインヒビターの非存在下(菱形の記号)、または10mg/mLのSBTI(丸の記号)、1.67mg/mLの化合物107(上向き三角の記号)、1.67mg/mLの化合物108(四角の記号)または1.67mg/mLの化合物109(下向き三角の記号)の存在下で、0.51mg/mLの化合物PC−4を22.8ng/mLのトリプシンに曝露した結果を示す。具体的には、図10Aは、これらの条件下における経時的な化合物PC−4の消失を示し、図10Bはヒドロモルホンの出現を示す。
図10Aおよび図10Bの結果は、本実施形態のトリプシンインヒビターが、トリプシンを利用して化合物PC−4からヒドロモルホンの放出を生じさせる使用者の能力を妨げ得ることを示す。
実施例21
ラットへの化合物PC−3および化合物101トリプシンインヒビターの経口投与
化合物PC−3および化合物101の生理食塩水を、表8に示すとおりに投与した。投与、サンプル採取および分析の手順は、投与のため化合物PC−3と化合物101とを合わせたことを除き、実施例16に記載するとおりであった。
表8および図11は、指示するとおり、20mg/kgの化合物PC−3を10mg/kgの化合物101と共にまたはそれ無しに投与したラットについての結果を提供する。表8の結果は、4匹のラットの群ごとに、血漿中ヒドロモルホンのCmaxおよびTmaxとして報告する。
図11は、20mg/kgの化合物PC−3を単独で(実線)、または10mg/kg化合物101と共に(点線)ラットにPO投与した後の、ヒドロモルホン放出の経時的な平均血漿中濃度(±標準偏差)を比較する。
表8および図11の結果は、化合物101が化合物PC−3のヒドロモルホン放出能力を、Cmaxの抑制およびTmaxの遅延の双方に関連して減弱させることを示す。
実施例22
ラットへの化合物PC−4および化合物101トリプシンインヒビターの経口投与
化合物PC−4および化合物101の生理食塩水を、表9に示すとおりに投与した。投与、サンプル採取および分析の手順は、投与のため化合物PC−4と化合物101とを合わせたこと、およびインヒビター無しでの化合物PC−4を7匹のラットに投与したことを除き、実施例16に記載するとおりであった。
表9および図12は、指示するとおり、20mg/kgの化合物PC−4を10mg/kgの化合物101と共にまたはそれ無しに投与したラットについての結果を提供する。表9の結果は、4匹のラットの群ごとに、血漿中ヒドロモルホンのCmaxおよびTmaxとして報告する。
図12は、20mg/kgの化合物PC−4を単独で(実線)、または10mg/kg化合物101と共に(点線)ラットにPO投与した後の、ヒドロモルホン放出の経時的な平均血漿中濃度(±標準偏差)を比較する。
表9および図12の結果は、化合物101が化合物PC−4のヒドロモルホン放出能力を、Cmaxの抑制およびTmaxの遅延の双方に関連して減弱させることを示す。
実施例23
プロドラッグのヒドロモルホンへのインビトロでのトリプシン変換およびトリプシンインヒビターによる阻害
この実施例は、プロドラッグのヒドロモルホンへのトリプシン変換を実証する。化合物PC−1、化合物PC−4、化合物PC−5および化合物PC−6を、各々、ウシ膵臓由来のトリプシン(カタログ番号T8003、タイプI、約10,000BAEE単位/mgタンパク質、Sigma−Aldrichと共にインキュベートした。化合物PC−4はまた、トリプシンインヒビターの化合物109(カタログ番号3081、Tocris Bioscience)の存在下で、上記のとおりのトリプシンと共にインキュベートした;この試験では、化合物109およびトリプシンを37℃で5分間、予めインキュベートしてから、化合物PC−4を添加した。具体的には、反応には、0.02〜0.0228mg/mLのトリプシン、17.5〜22.5mMの塩化カルシウム、40〜172mMのトリス pH8、およびインヒビターがインキュベーションに含まれるかどうかに応じて、0.25%DMSOか、または表11に示すとおりの化合物109かのいずれかの存在下で、0.761mMの化合物PC−1・2HCl、化合物PC−4・2HCl、化合物PC−5・2HClまたは化合物PC−6・2HClを含んだ。反応は37℃で24時間行った。特定の時間点でサンプルを回収し、アセトニトリル中0.5%ギ酸に移してトリプシン活性を停止させ、LC−MS/MSによる分析まで−70℃未満で貯蔵した。
表10は、任意のトリプシンインヒビターの非存在下で化合物PC−1、化合物PC−4、化合物PC−5、および化合物PC−6をトリプシンに曝露した結果を示し、表11は、トリプシンインヒビターの存在下での化合物PC−4についての結果を示す。結果は、トリプシンに曝露したときのプロドラッグの時間単位の半減期(即ち、プロドラッグトリプシン半減期)およびトリプシンの単位あたりのHM形成速度として表す。
表10および表11の結果は、トリプシンがそれぞれの化合物からヒドロモルホンを放出させ得ること、および本実施形態のトリプシンインヒビターがトリプシン仲介性のヒドロモルホン放出を減弱させ得ることを示す。
実施例24
ラットへのPO投与後の化合物PC−5の薬物動態
化合物PC−5の生理食塩水を、表12Aおよび表12Bに示すとおりに、経口投与前に16〜18hr絶食させた内頸静脈カテーテルを挿入した雄性Sprague Dawleyラット(1群あたり4匹)に強制経口投与によって投与した。特定の時間点で血液サンプルを採取し、5,400rpm、4℃で5分間遠心して血漿を回収し、各サンプルから100マイクロリットル(μl)の血漿を、2μlの50%ギ酸が入った新しいチューブに移した。チューブを5〜10秒間ボルテックス撹拌し、直ちにドライアイス中に置き、次いでHPLC/MSによる分析まで−80℃のフリーザーに貯蔵した。
表12A、表12B、図13Aおよび図13Bは、種々の用量の化合物PC−5を投与したラットについてのヒドロモルホン曝露の結果を提供する。表12Aおよび表12Bの結果は、4匹のラットの群ごとに、(a)ヒドロモルホン(HM)の最大血漿中濃度(Cmax)(平均±標準偏差)、(b)化合物PC−5の投与後に最大ヒドロモルホン濃度に達するまでの時間(Tmax)(平均±標準偏差)および(c)1.5mg/kgの化合物PC−5の用量を除く全ての用量についての0〜24hrの曲線下面積(AUC)(1.5mg/kgの用量ではAUCを0〜8hrで計算した)として報告する。
図13Aおよび図13Bは、それぞれ表12Aおよび表12Bに報告される試験の漸増用量の化合物PC−5をPO投与した後のヒドロモルホン放出の経時的な平均血漿中濃度を比較する。
表12A、表12B、図13Aおよび図13Bの結果は、ヒドロモルホンの血漿中濃度が化合物PC−5の用量に比例して増加することを示す。
実施例25
トリプシンインヒビター化合物109と同時投与される化合物PC−5のラットへの経口投与
化合物PC−5の生理食塩水を、表13に示すとおりに、漸増同時投与用量の化合物109(カタログ番号3081,Tocris Bioscience,Ellisville,MO,USAまたはカタログWS38665,Waterstone Technology,Carmel,IN,USA)と共に、経口投与前に16〜18hr絶食させた内頸静脈カテーテルを挿入した雄性Sprague Dawleyラット(1群あたり4匹)に強制経口投与によって投与した。特定の時間点で血液サンプルを採取し、5,400rpm、4℃で5分間遠心して血漿を回収し、各サンプルから100マイクロリットル(μl)の血漿を、2μlの50%ギ酸が入った新しいチューブに移した。チューブを5〜10秒間ボルテックス撹拌し、直ちにドライアイス中に置き、次いでHPLC/MSによる分析まで−80℃のフリーザーに貯蔵した。
表13および図14は、化合物PC−5および漸増用量のトリプシンインヒビターを投与したラットについてのヒドロモルホン曝露の結果を提供する。表13の結果は、4匹のラットの群ごとに、(a)ヒドロモルホン(HM)の最大血漿中濃度(Cmax)(平均±標準偏差)、(b)化合物PC−5の投与後に最大ヒドロモルホン濃度に達するまでの時間(Tmax)(平均±標準偏差)および(c)0〜24hrの曲線下面積(AUC)として報告する。
図14は、化合物PC−5を漸増量のトリプシンインヒビター化合物109との同時投与でPO投与した後のヒドロモルホン放出の経時的な平均血漿中濃度を比較する。
表13および図14の結果は、CmaxおよびAUCの抑制およびTmaxの遅延の双方により、化合物PC−5のヒドロモルホン放出能力を用量依存的に減弱させる化合物109の能力を示す。
実施例26
ラットにおけるプロドラッグ化合物PC−5およびトリプシンインヒビター化合物109を含んでなる組成物の単一用量単位および複数用量単位の経口投与
単一用量単位を代表する、0.87μmol/kg(0.6mg/kg)の化合物PC−5と1.9μmol/kg(1mg/kg)の化合物109とを含んでなる組成物の生理食塩水を、4匹のラットの群に強制経口投与によって投与した。トリプシンインヒビター対プロドラッグ(109対PC−5)のモル対モル比は2.2対1であるため、この用量単位は、本明細書では109対PC−5(2.2対1)用量単位と称されることは注記されるべきである。109対PC−5(2.2対1)用量単位の(a)2用量単位(即ち、1.7μmol/kg(1.2mg/kg)の化合物PC−5と3.8μmol/kg(2mg/kg)の化合物109とを含んでなる組成物)、(b)3用量単位(即ち、2.6μmol/kg(1.8mg/kg)の化合物PC−5と5.7μmol/kg(3mg/kg)の化合物109とを含んでなる組成物)、および(c)10用量単位(即ち、8.7μmol/kg(6mg/kg)の化合物PC−5と19μmol/kg(10mg/kg)の化合物109とを含んでなる組成物)を代表する生理食塩水を、4匹のラットのさらなる群に同様に投与した。全てのラットは、経口投与前に16〜18hr絶食させた内頸静脈カテーテルを挿入した雄性Sprague Dawleyラットであった。特定の時間点で血液サンプルを採取し、5,400rpm、4℃で5分間遠心して血漿を回収し、各サンプルから100マイクロリットル(μl)の血漿を、2μlの50%ギ酸が入った新しいチューブに移した。チューブを5〜10秒間ボルテックス撹拌し、直ちにドライアイス中に置き、次いでHPLC/MSによる分析まで−80℃のフリーザーに貯蔵した。
表14Aおよび図15Aは、単一用量単位または10用量単位の109対PC−5(2.2対1)用量単位を投与したラットについてのヒドロモルホン曝露の結果を提供する。また、実施例25に記載するとおりに得られた、トリプシンインヒビターなしに0.87μmol/kg(0.6mg/kg)または8.7μmol/kg(6mg/kg)の化合物PC−5を投与したラットについての結果も提供する。表14Bおよび図15Bは、1、2、3または10用量単位の109対PC−5(2.2対1)用量単位を投与したラットについてのヒドロモルホン曝露の結果を比較する。表14Aおよび表14Bの結果は、4匹のラットの群ごとに、(a)ヒドロモルホン(HM)の最大血漿中濃度(Cmax)(平均±標準偏差)、(b)化合物PC−5の投与後に最大ヒドロモルホン濃度に達するまでの時間(Tmax)(平均±標準偏差)および(c)0〜24hrの曲線下面積(AUC)として報告する。
図15Aおよび図15Bは、プロドラッグ化合物PC−5とトリプシンインヒビター化合物109とを含んでなる組成物の単一用量単位および複数用量単位をPO投与した後のヒドロモルホン放出の経時的な平均血漿中濃度を比較する。
表14A、表14B、図15Aおよび図15Bの結果は、複数用量単位(2、3および10用量単位の109対PC−5(2.2対1)用量単位により例示されるとおり)の投与により、血漿中ヒドロモルホン濃度−時間PKプロファイルが単一用量単位の血漿中ヒドロモルホン濃度−時間PKプロファイルに用量比例しなかったことを示す。加えて、複数用量単位のPKプロファイルは、トリプシンインヒビターの非存在下における等価投薬量のプロドラッグのPKプロファイルと比較して改変された。
実施例27
ラットへのPO投与後の化合物PC−6の薬物動態
化合物PC−6の生理食塩水を、表15に示すとおりに、経口投与前に16〜18hr絶食させた内頸静脈カテーテルを挿入した雄性Sprague Dawleyラット(1群あたり4匹)に強制経口投与によって投与した。特定の時間点で血液サンプルを採取し、5,400rpm、4℃で5分間遠心して血漿を回収し、各サンプルから100マイクロリットル(μl)の血漿を、2μlの50%ギ酸が入った新しいチューブに移した。チューブを5〜10秒間ボルテックス撹拌し、直ちにドライアイス中に置き、次いでHPLC/MSによる分析まで−80℃のフリーザーに貯蔵した。
表15および図16は、種々の用量の化合物PC−6を投与したラットについてのヒドロモルホン曝露の結果を提供する。表15の結果は、4匹のラットの群ごとに、(a)ヒドロモルホン(HM)の最大血漿中濃度(Cmax)(平均±標準偏差)、(b)化合物PC−6の投与後に最大ヒドロモルホン濃度に達するまでの時間(Tmax)(平均±標準偏差)および(c)0〜24hrの曲線下面積(AUC)として報告する。
図16は、漸増用量の化合物PC−6をPO投与した後のヒドロモルホン放出の経時的な平均血漿中濃度を比較する。
表15および図16の結果は、ヒドロモルホンの血漿中濃度が化合物PC−6の用量と比例して増加することを示す。
実施例28
トリプシンインヒビター化合物109と同時投与される化合物PC−6のラットへの経口投与
化合物PC−6の生理食塩水を、表16に示すとおりに、漸増同時投与用量の化合物109(カタログ番号3081、Tocris Bioscienceまたはカタログ番号WS38665、Waterstone Technology)と共に、経口投与前に16〜18hr絶食させた内頸静脈カテーテルを挿入した雄性Sprague Dawleyラット(1群あたり4匹)に強制経口投与によって投与した。特定の時間点で血液サンプルを採取し、5,400rpm、4℃で5分間遠心して血漿を回収し、各サンプルから100マイクロリットル(μl)の血漿を、2μlの50%ギ酸が入った新しいチューブに移した。チューブを5〜10秒間ボルテックス撹拌し、直ちにドライアイス中に置き、次いでHPLC/MSによる分析まで−80℃のフリーザーに貯蔵した。
表16および図17は、化合物PC−6および漸増用量のトリプシンインヒビターを投与したラットについてのヒドロモルホン曝露の結果を提供する。表16の結果は、4匹のラットの群ごとに、(a)ヒドロモルホン(HM)の最大血漿中濃度(Cmax)(平均±標準偏差)、(b)化合物PC−6の投与後に最大ヒドロモルホン濃度に達するまでの時間(Tmax)(平均±標準偏差)および(c)0〜24hrの曲線下面積(AUC)として報告する。
図17は、化合物PC−6を漸増量のトリプシンインヒビターとの同時投与でPO投与した後のヒドロモルホン放出の経時的な平均血漿中濃度を比較する。
表16および図17の結果は、CmaxおよびAUCの抑制およびTmaxの遅延の双方により、化合物PC−6のヒドロモルホン放出能力を用量依存的に減弱させる化合物109の能力を示す。
実施例29
ラットにおけるプロドラッグ化合物PC−6とトリプシンインヒビター化合物109とを含んでなる組成物の単一用量単位および複数用量単位の経口投与
単一用量単位を代表する、0.84μmol/kg(0.6mg/kg)の化合物PC−6と5.5μmol/kg(3mg/kg)の化合物109とを含んでなる組成物の生理食塩水を、4匹のラットの群に強制経口投与によって投与した。トリプシンインヒビター対プロドラッグ(109対PC−6)のモル対モル比は6.5対1であり;そのためこの用量単位は、本明細書では109対PC−6(6.5対1)用量単位と称されることは注記されるべきである。10用量単位(即ち、8.4μmol/kg(6mg/kg)の化合物PC−6と55μmol/kg(30mg/kg)の化合物109とを含んでなる組成物)の109対PC−6(6.5対1)用量単位を代表する組成物の生理食塩水を、第2の群の4匹のラットに同様に投与した。全てのラットは、経口投与前に16〜18hr絶食させた内頸静脈カテーテルを挿入した雄性Sprague Dawleyラットであった。特定の時間点で血液サンプルを採取し、5,400rpm、4℃で5分間遠心して血漿を回収し、各サンプルから100マイクロリットル(μl)の血漿を、2μlの50%ギ酸が入った新しいチューブに移した。チューブを5〜10秒間ボルテックス撹拌し、直ちにドライアイス中に置き、次いでHPLC/MSによる分析まで−80℃のフリーザーに貯蔵した。
表17および図18は、単一用量単位または10用量単位の109対PC−6(6.5対1)用量単位を投与したラットについてのヒドロモルホン曝露の結果を提供する。また、実施例28に記載するとおりに得られた、トリプシンインヒビターなしに0.84μmol/kg(0.6mg/kg)または8.4μmol/kg(6mg/kg)の化合物PC−6を投与したラットについての結果も提供する。表17の結果は、4匹のラットの群ごとに、(a)ヒドロモルホン(HM)の最大血漿中濃度(Cmax)(平均±標準偏差)、(b)化合物PC−6の投与後に最大ヒドロモルホン濃度に達するまでの時間(Tmax)(平均±標準偏差)および(c)0〜24hrの曲線下面積(AUC)として報告する。
図18は、プロドラッグ化合物PC−6とトリプシンインヒビター化合物109とを含んでなる組成物の単一用量単位および複数用量単位をPO投与した後のヒドロモルホン放出の経時的な平均血漿中濃度を比較する。
表17および図18の結果は、複数用量単位(10用量単位の109対PC−6(6.5対1)用量単位により例示されるとおり)の投与により、血漿中ヒドロモルホン濃度−時間PKプロファイルが単一用量単位の血漿中ヒドロモルホン濃度−時間PKプロファイルに用量比例しなかったことを示す。加えて、複数用量単位のPKプロファイルは、トリプシンインヒビターの非存在下における等価投薬量のプロドラッグのPKプロファイルと比較して改変された。
ケトン修飾オピオイドプロドラッグの合成
実施例30:N,N−ビス(tert−ブチル)N’−2−(クロロカルボニル(メチル)アミノ)エチルカルバメートの合成
[2−(ベンジルオキシカルボニル−メチル−アミノ)−エチル]−ジカルバミン酸tert−ブチルエステル(P−1)の合成
2−(アミノエチル)−メチル−カルバミン酸ベンジルエステル(2.0g、9.6mmol)を室温でジクロロエテン(DCE)(20mL)に溶解した。トリエチルアミン(NEt)(1.40mL、11.5mmol)を添加し、続いてジ−tert−ブチルジカーボネート(BOCO)(10.5g、48mmol)およびジメチルアミノピリジン(DMAP)(120mg)を添加した。反応混合物を窒素(N)下に室温で2時間、撹拌し、次いで、60℃で16時間、加熱した。次いで、反応混合物を濃縮した。残渣を、4/1のヘキサン/EtOAcを使用してシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、86%収率でP−1(3.4g、8.3mmol)を得た。MS:(m/z)計算値:408.2、実測値(M+Na)431.9。
N1,N1−ビス−BOC−N2−メチルエタン−1,2−ジアミン(P−2)の合成
P−1(1.3g、3.18mmol)をメタノール/EtOAc(それぞれ10mL/3mL)に溶解した。混合物を脱気し、Nで飽和させた。炭素上のパラジウム(Pd/C)(330mg、炭素上5%)を添加した。混合物をParrハイドロジェネーターフラスコ(50psi H)において4時間、振盪した。次いで、混合物をセリットパッドで濾過し、濾液を濃縮して、P−2(1.08g、収量が定量値(quantative)を超えた)を得た。P−2を、さらなる精製を伴わずに使用した。
N,N−ビス(tert−ブチル)N’−2−(クロロカルボニル(メチル)アミノ)エチルカルバメート(E−8)の合成
P−2(500mg、1.82mmol)およびNEt(0.4mL、2.74mmol)をジクロロメタン(4mL)中に共に混合した。混合物を、予め0℃に冷却したホスゲン溶液(5.5mL、トルエン中0.5M)に添加した。反応混合物を0℃で1時間、撹拌し、続いてエーテル(20mL)で希釈し、そして濾紙で濾過した。濾液を濃縮し、そしてショートシリカゲルカラム(10cm×3cm)に通過させ、3/1のヘキサン/EtOAcで溶離した。画分を濃縮して、無色の固体として定量的(quantative)収率でN,N−ビス(tert−ブチル)N’−2−(クロロカルボニル(メチル)アミノ)エチルカルバメート(E−8)(615mg、1.82mmol)を得た。MS:(m/z)計算値:336.1、実測値(M+Na)359.8。
実施例31:オキシコドン6−(N−メチル−N−(2−アミノ)エチルカルバメート−2TFAの合成
オキシコドン6−(N−メチル−N−(2−アミノ)エチルカルバメート−2TFAの合成
オキシコドン遊離塩基(6.5g、20.6mmol)を、脱気した乾燥テトラヒドロフラン(120mL)に溶解し、そしてドライアイス/アセトン浴を使用して混合物を−10℃に冷却した。カリウムビス(トリメチルシリル)アミド(KHMDS)(103.0mL、51.6mmol、トルエン中0.5M)を、カニューレを用いて添加した。混合物をN下に−5℃未満で30分間、撹拌した。次いで、THF(30mL)中の、本明細書の実施例に説明するとおり調製したN,N−ビス(tert−ブチル)N’−2−(クロロカルボニル(メチル)アミノ)エチルカルバメート(8.0g、23.7mmol)(E−8)を、カニューレを用いて15分間で添加した。混合物を−5℃で30分間、撹拌した。THF(10mL)中塩化カルバモイル(4.0g、11.9mmol)のもう一つの分量を添加した。反応物を室温で2時間、撹拌した。重炭酸ナトリウム(10mL、飽和水溶液)を添加した。混合物を、その最初の容積の半分まで減圧下で濃縮した。EtOAc(50mL)を添加し、そして層を分離した。有機相を水(3×20mL)、塩水(40mL)でさらに洗浄し、次いで濃縮した。残渣を、DCM/MeOH(勾配100/1〜100/15)を使用してシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、白色の泡を55%収率(7.0g、13.4mmol)で得た。この物質を、室温でDCM/トリフルオロ酢酸(TFA)(20mL/20mL)の1:1混合物に溶解し、そして1時間、撹拌した。次いで、溶液を減圧下で濃縮して、濃厚な油としてオキシコドン6−(N−メチル−N−(2−アミノ)エチルカルバメート−2TFA(7.3g、11.4mmol、99%純度)を得た。MS:(m/z)計算値:415.2、実測値(M+H)416.5。オキシコドン6−(N−メチル−N−(2−アミノ)エチルカルバメート−2TFA(E−9)を、さらなる精製なしに使用した。
実施例32:オキシコドン6−(N−メチル−N−(2−N’−アセチルアルギニルアミノ))エチルカルバメート(化合物KC−2)の合成
調製52:オキシコドン6−(N−メチル−N−(2−N’−Boc−アルギニル(Pbf)アミノ))エチルカルバメート(P−3)の合成
本明細書の実施例に記載のとおりに調製したオキシコドン6−(N−メチル−N−(2−アミノ)エチルカルバメート−2TFA(7.3g、11.4mmol)、(E−9)を、ジメチルホルムアミド(DMF)(60mL)に溶解した。Boc−Arg(Pbf)−OH(6.0g、11.4mmol)、HATU(4.75g、12.5mmol)およびジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)(6.0mL、34.4mmol)を、この順序で添加した。反応物を室温で2時間、撹拌した。次いで、混合物を減圧下で濃縮し、そして残渣をEtOAc/水(100mL/60mL)の間で分配した。有機層を、水(60mL)、塩水(50mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、そして濃縮して、粗P−3(11.0g)を得た。P−3を、さらなる精製を伴わずに使用した。
調製53:オキシコドン6−(N−メチル−N−(2−N’−アセチルアルギニル(Pbf)アミノ))エチルカルバメート(P−4)の合成
上記のとおり調製したP−3(11.0g)をジオキサン(10mL)に溶解し、0℃に冷却した。ジオキサン中塩酸(HCl)溶液(4N、30mL)を添加した。混合物を室温で3時間、撹拌し、次いで、減圧下で濃縮した。10gの粗混合物を、DCM(60mL)中DIPEA(5.0mL 28.5mmol)混合物に溶解した。無水酢酸(1.4mL、14.3mmol)を滴下で添加した。反応混合物を室温で2時間、撹拌した。次いで、NaHCO(30mL、飽和水溶液)を添加した。層を分離し、そしてDCM層をNaSOで乾燥し、濾過し、そして濃縮して、P−4(8.5g)を得た。P−4を、さらなる精製を伴わずに使用した。
ビス−TFA塩としてのオキシコドン6−(N−メチル−N−(2−N’−アセチルアルギニルアミノ))エチルカルバメート(化合物KC−2)の合成
P−4(8.5g)を、TFA(30mL)中m−クレゾール(3mL)の混合物に溶解した。混合物を室温で3時間、撹拌した。次いで、TFAを減圧下で取り除いた。残渣を、MeOH(10mL)に溶解し、そしてエーテル中の撹拌HCl溶液(40mL、2M)に滴下で添加した。白色の固体を濾過し、そしてエチルエーテル(4×30mL)で洗浄した。白色の固体を、分取HPLCによりさらに精製し(*RP−18e C18カラム(4.6×50mm);流速1.5mL/min;移動相A:0.1%TFA/水;移動相B 0.1%TFA/アセトニトリル(CHCN);勾配溶離)、化合物KC−2(3.5g、4.1mmol、96.6%純度)を得た。MS:(m/z)計算値:613.7、実測値(M+H)614.5。
実施例33:N−{(S)−4−グアニジノ−1−[2−(メチル−[(5R,9R,13S,14S)−4,5a−エポキシ−6,7−ジデヒドロ−14−ヒドロキシ−3−メトキシ−17−メチルモルフィナン−6−オキシ]カルボニル−アミノ)−エチルカルバモイル]−ブチル}−マロンアミド酸(化合物KC−3)の合成
調製54:2,2,2−トリフルオロ−N−(2−メチルアミノ−エチル)−アセトアミド(A)の合成
ACN(350mL)および水(7.8mL、436mmol)の混合物中N−メチルエチレンジアミン(27.0g、364mmol)およびトリフルオロ酢酸エチル(96.6mL、812mmol)の溶液を、一晩、撹拌しながら還流した。溶媒を減圧下でエバポレートした。残渣を、i−PrOH(3×100mL)と共に再エバポレートし、続いて加熱−冷却によりDCM(500mL)から結晶化させた。形成した結晶を濾過し、DCMで洗浄し、そして減圧下で乾燥して、白色の固体粉末として化合物A(88.3g、85%)を提供した。
調製55:メチル−[2−(2,2,2−トリフルオロ−アセチルアミノ)−エチル]−カルバミン酸ベンジルエステル(B)の合成
THF(350mL)中化合物A(88.2g、311mmol)およびDIEA(54.1mL、311mmol)の溶液を氷浴で冷却し、続いてTHF(150mL)中N−(ベンジルオキシカルボニル)スクシンイミド(76.6g、307mmol)の溶液を、滴下で20分間の期間、添加した。反応混合物の温度を周囲温度にまで上昇させ、そして撹拌をさらに30分間継続した。次いで、溶媒をエバポレートし、そして得られた残渣をEtOAc(600mL)に溶解した。有機層を5%NaHCO水溶液(2×150mL)および塩水(150mL)で抽出した。有機層をエバポレートして、黄色がかったオイルとして化合物Bを提供した。LC−MS[M+H]305.1(C1315+H、計算値:305.3)。化合物Bを、MeOH溶液として、精製を伴わずに次の反応で直接使用した。
調製56:(2−アミノ−エチル)−メチル−カルバミン酸ベンジルエステル(C)の合成 MeOH(1.2L)
中化合物B(約311mmol)の溶液に、水(120mL)中LiOH(14.9g、622mmol)の溶液を添加した。反応混合物を周囲温度で3時間、撹拌した。溶媒を最初の容積の75%にまでエバポレートし、続いて水(400mL)で希釈した。溶液をEtOAc(2×300mL)で抽出した。有機層を塩水(200mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し、そして減圧下でエバポレートした。残渣をエーテル(300mL)に溶解し、そして2NのHCl/エーテル(200mL)で処置した。形成した沈殿物を濾過し、エーテルで洗浄し、そして減圧下で乾燥して、白色の固体として化合物Cの塩酸塩(67.8g、89%)を提供した。LC−MS[M+H]209.0(C1116+H、計算値:209.3)。化合物Cを、DMF溶液として、精製を伴わずに次の反応で直接使用した。
調製57:{2−[boc−Arg(Pbf)]−アミノエチル}−メチル−カルバミン酸ベンジルエステル(D)の合成
DMF(150mL)中Boc−Arg(Pbf)−OH(16.0g、約30.4mmol)、化合物C塩酸塩(8.2g、33.4mmol)およびDIEA(16.9mL、97.2mmol)の溶液を、氷浴で冷却し、続いて、HATU(13.8g、36.4mmol)の溶液を、滴下で20分間で添加した。反応混合物の温度を周囲温度にまで上昇させ、そして撹拌をさらに1時間、継続した。反応混合物をEtOAc(1L)で希釈し、そして水(3×200mL)および塩水(200mL)で抽出した。有機層をMgSOで乾燥し、そしてエバポレートして、黄色がかったオイルとして化合物D(24.4g、収量が定量値を超えた)を提供した。LC−MS[M+H]717.4(C3552S+H、計算値:717.9)。化合物Dを、ジオキサン溶液として、精製を伴わずに次の反応で直接使用した。
調製58:{2−[H−Arg(Pbf)]−アミノエチル}−メチル−カルバミン酸ベンジルエステル(E)の合成
化合物D(24.4g、約30.4mmol)をジオキサン(150mL)に溶解し、そして周囲温度で1時間、4NのHCl/ジオキサン(150mL、600mmol)で処置した。次いで、溶媒をエバポレートした。残渣をi−PrOH(100mL)に懸濁し、そして混合物をエバポレートした(手順を2回反復した)。次いで、残渣を減圧下で乾燥して、黄色がかった固体として化合物E(21.1g、収量が定量値を超えた)を提供した。LC−MS[M+H]617.5(C3044S+H、計算値:617.8)。化合物Eを、DMF溶液として、精製を伴わずに次の反応で直接使用した。
調製59:{2−[2−tert−ブチルマロニル−Arg(Pbf)]−アミノエチル}−メチル−カルバミン酸ベンジルエステル(F)の合成
DMF(100mL)中化合物E(21.1g、約30.4mmol)、マロン酸モノ−tert−ブチル(5.9mL、36.7mmol)、BOP(16.2g、36.7mmol)およびDIEA(14.9mL、83.5mmol)の溶液を周囲温度で1時間、維持した。反応混合物をEtOAc(1L)で希釈し、そして水(500mL)、5%NaHCO水溶液(500mL)、水(3×500mL)および塩水(500mL)で抽出した。有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、次いでエバポレートして、黄色がかった無定形固体として化合物F(24.5g、97%)を提供した。LC−MS[M+H]759.6(C3754S+H、計算値:759.9)。化合物Fを、さらなる精製を伴わずに使用した。
調製60:N−{2−[2−tert−ブチルマロニル−Arg(Pfb)]}−N’−メチル−エタン−1,2−ジアミン(G)の合成
化合物F(12.3g、16.7mmol)をメタノール(100mL)に溶解し、続いて、水(2mL)中Pd/C(5%wt、2.0g)懸濁液を添加した。反応混合物を周囲温度で1時間、水素化(Parr装置、70psi H)に供した。触媒を濾過し、そしてメタノールで洗浄した。濾液を減圧下でエバポレートして、無色の無定形固体として化合物G(10.0g、99%)を提供した。LC−MS[M+H]625.5(C2948S+H、計算値:625.8)。化合物Gを、さらなる精製を伴わずに使用した。
調製61:オキシコドン遊離塩基
塩酸オキシコドン(10.0g、28.5mmol)をクロロホルム(150mL)に溶解し、そして5%NaHCO水溶液(50mL)で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥し、そしてエバポレートした。残渣を、一晩、減圧下で乾燥して、白色の固体としてオキシコドン遊離塩基(8.3g、93%)を提供した。
調製62:N−{(S)−4−(2,2,4,6,7−ペンタメチルジヒドロベンゾフラン−5−スルホニル−グアニジノ)−1−[2−(メチル−[(5R,9R,13S,14S)−4,5a−エポキシ−6,7−ジデヒドロ−14−ヒドロキシ−3−メトキシ−17−メチルモルフィナン−6−オキシ]カルボニル−アミノ)−エチルカルバモイル]−ブチル}−マロンアミド酸tert−ブチルエステル(H)の合成
THF(400mL)中オキシコドン遊離塩基(6.6g、21.0mmol)の溶液を−20℃にまで冷却し、続いて、トルエン中KHMDSの0.5M溶液(46.3mL、23.1mmol)を添加した。次いで、得られた溶液を、THF(100mL)中4−ニトロ−クロロギ酸フェニル(4.3g、21.0mmol)の溶液に−20℃において滴下で20分間の期間、添加した。反応物を−20℃でさらに1時間、維持し、続いて、−20℃でTHF(200mL)中化合物G(10.0g、16.1mmol)の溶液を添加した。反応混合物を周囲温度にまで加温させ、そして一晩、撹拌した。溶媒を減圧下でエバポレートした。得られた残渣をEtOAc(20mL)に溶解し、そしてエーテル(1L)で沈殿させた。形成した沈殿物を濾過し、エーテルで洗浄し、そして減圧下で乾燥して、オフホワイトの固体として化合物H(13.6g、87%)を提供した。LC−MS[M+H]966.9(C486712S+H、計算値:966.2)。
N−{(S)−4−グアニジノ−1−[2−(メチル−[(5R,9R,13S,14S)−4,5a−エポキシ−6,7−ジデヒドロ−14−ヒドロキシ−3−メトキシ−17−メチルモルフィナン−6−オキシ]カルボニル−アミノ)−エチルカルバモイル]−ブチル}−マロンアミド酸(化合物KC−3)の合成
化合物H(13.6g、14.1mmol)を、5%m−クレゾール/TFA(100mL)混合物に溶解した。反応混合物を周囲温度で1時間、維持し、続いてエチルエーテル(1L)で希釈した。形成した沈殿物を濾過し、エーテルおよびヘキサンで洗浄し、そして減圧下で乾燥して、オフホワイトの固体として化合物KC−3のTFA塩(11.4g、81%)を提供した。LC−MS[M+H]658.6(C3143+H、計算値:658.7)。
粗化合物KC−3のTFA塩(11.4g、11.4mmol)を水(50mL)に溶解した。得られた溶液をHPLC精製に供した。[Nanosyn−Pack YMC−GEL−ODS A(100−10)C−18カラム(75×500mm);流速:250mL/min;注入容積50mL;移動相A:100%水、0.1%TFA;移動相B:100%ACN、0.1%TFA;4分における0%Bでの均一濃度溶離、20分における0%〜10%Bでの勾配溶離、30分における10%Bでの均一濃度溶離、41分における10%B〜30%Bでの勾配溶離;254nmでの検出]。化合物KC−3を含有する画分を合わせ、そして減圧下で濃縮した。そのTFA対イオンを、0.1NのHClを使用した凍結乾燥によってHCl対イオンに置き換えて、白色の固体として化合物KC−3のHCl塩(4.2g、41%収率)を提供した。LC−MS[M+H]658.6(C3143+H、計算値:658.7)。
実施例34:N−((S)−1−{2−[(ジヒドロコデイン−6−エニルオキシカルボニル)−メチルアミノ]−エチルカルバモイル−4−グアニジノ}−ブチル)−マロンアミド酸(化合物KC−4)の合成
調製63:tert−ブチル2−(ベンジルアミノ)エチルカルバメート(A)の合成
メタノール(60mL)中tert−ブチル2−アミノエチルカルバメート(6.4g、40.0mmol)の溶液に、ベンズアルデヒド(4.7g、44.0mmol)および分子篩3Åを添加した。周囲温度で一晩、撹拌した後、混合物を約−10℃にまで冷却し(氷/塩浴)、そして部分量ずつNaBH(9.1g、240.0mmol)で30分間、処置した。すべて添加した後、浴槽を取り除き、そして反応混合物を周囲温度で16時間、撹拌した。溶媒をエバポレートし、そして残渣をEtOAc(150mL)中に取り、そして水(100mL)に注いだ。有機層を0.5NのHCl(3×100mL)で抽出した。合わせた水溶液を0℃にまで冷却し、飽和NaHCOで塩基性化し、そしてCHCl(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層を塩水(200mL)で洗浄した。MgSOで乾燥および濾過した後、溶媒を減圧下でエバポレートして、無色のオイルとして化合物A(9.2g、36.8mmol、92%)を得た。LC−MS[M+H]251.2(C1422+H、計算値:251.3)。TLC R(DCM/MeOH 9:1):0.30。化合物Aを、さらなる精製を伴わずに使用した。
調製64:tert−ブチル2−(N−ベンジル−N−メチルアミノ)エチルカルバメート(B)の合成
クロロホルム(50mL)中化合物A(6.2g、25.0mmol)およびTEA(3.0g、29.7mmol、4.13mL)の冷却した(約5℃)溶液に、ヨードメタン(4.2g、29.7mmol、1.85mL)を添加した。圧力管を密封し、そして混合物を周囲温度で20時間、撹拌した。次いで、混合物をエーテル(300mL)で沈殿し;白色の固体を濾過して取り出し、そしてエーテル(50mL)で洗浄した。濾液を濃縮し、そして残渣の黄色のオイル(5.2g)をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM中2〜10%のMeOH勾配)により精製して、無色のオイルとして化合物B(3.3g、12.5mmol、50%)を得た。TLC R(DCM/MeOH 9:1):0.55。LC−MS[M+H]264.3(C1524+H、計算値:264.4)。
調製65:tert−ブチル2−(メチルアミノ)エチルカルバメート(C)の合成
フラスコに、炭素(3.1g)上の20%Pd(OH)、MeOH(200mL)中化合物B(3.3g、12.5mmol)および水(10mL)を、H(40psi)に曝露しながら添加した。2.5時間後、反応混合物をセリットで濾過し、そして減圧下で濃縮した。次いで、水を添加し(50mL)、そして混合物のpHを12にし(1NのNaOHを添加することにより)、そしてDCM(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮して、無色のオイルとして化合物C(2.0g、11.7mmol、94%)を得た。LC−MS[M+H]686.5(C3551S+H、計算値:685.9)。化合物Cを、さらなる精製を伴わずに使用した。
調製66:[2−(N−ジヒドロコデイン−6−エニルオキシカルボニル−N−メチルアミノ)エチル]カルバミン酸tert−ブチルエステル(D)の合成
無水THF(150mL)中ヒドロコドン(2.9g、9.8mmol、遊離塩基)の冷却した(−5℃)溶液に、トルエン中KHMDSの0.5M溶液(11.6mmol、23.3mL)を20分間で滴下で添加した。黄色の溶液をこの温度で30分間、撹拌した。この溶液を、無水THF(40mL)中4−ニトロフェニルクロロホルメート(1.9g、9.5mmol)の冷却溶液(−30℃)にカニューレを用いて15分間、添加した。浴槽を取り除き、そして混合物を周囲温度で15分間、撹拌してから、無水THF(15mL)中化合物C(2.3g、11.6mmol)の溶液により10分間で滴下で処置した。周囲温度で18時間、撹拌した後、反応混合物を飽和NaHCO溶液(7mL)でクエンチした。得られた沈殿物を濾過し、EtOAc(30mL)で洗浄し、そして濾液を減圧下で濃縮した。残渣をEtOAc(300mL)中に取り、そして水(100mL)および2%HSO水溶液(30mL)の混合物で洗浄した。水層を2NのNaOHでpH12に塩基性化し、そしてEtOAc(2×200mL)で抽出した。合わせた有機層を水(2×400mL)および塩水(300mL)で洗浄し、MgSOで乾燥し濾過し、そして減圧下で濃縮すると、黄色がかった泡状固体(5.9g)が得られ、それをHPLCにより精製した。[Nanosyn−Pack Microsorb(100−10)C−18カラム(50×300mm);流速:100mL/min;注入容積:65mL;移動相A:100%水、0.1%TFA;移動相B:100%アセトニトリル、0.1%TFA;5分における10%Bでの均一濃度溶離、8分における18%Bまでの勾配溶離、20分における18%Bでの均一濃度溶離、44分における18%B〜40%Bでの勾配溶離;UV254nmでの検出]。所望の化合物を含有する画分を合わせ、そして減圧下で濃縮した。残渣をトルエン(30mL)で処置することにより微量の水を取り除き、続いて、減圧下でエバポレートした(手順を2回反復した)。分離した画分は、化合物Dおよびboc脱保護化合物E(4.37g、7.85mmol、83%)の1:1混合物である。LC−MS[M+H]500.2(C27H36+H、計算値:500.6)。保持時間[Chromolith SpeedRod RP−18e C18カラム(4.6×50mm);流速:1.5mL/min;移動相A:0.1%TFA/水;移動相B 0.1%TFA/ACN;5%B〜100%Bで9.6分間の勾配溶離、検出254nm]:3.52min(化合物D)、1.82(化合物E)。
調製67:ジヒドロコデイン−6−エニル−2−アミノエチルメチルカルバメート(E)の合成
DCM(40mL)中化合物D(4.4g、8.8mmol)の溶液を、ジオキサン(105mmol、26mL)中4MのHClで処置すると、いくらかの沈殿物の形成が生じた。アセトニトリル(20mL)を添加することにより混合物をホモジナイズし、そして周囲温度で45分間、撹拌した。エーテル(400mL)を添加し、そして得られた白色沈殿物を濾過し、エーテル(50mL)およびヘキサン(50mL)で洗浄して、次いで減圧下で乾燥して、オフホワイトの固体として化合物E(2.4g、4.7mmol、58%)を得た。LC−MS[M+H]400.3(C2229+H、計算値:400.5)。化合物Eを、さらなる精製を伴わずに使用した。
調製68:{2−[boc−Arg(Pbf)]−アミノメチル}−エチルカルバミン酸ヒドロコドンエステル(F)の合成
化合物E(2.0g、4.0mmol)、Boc−Arg(Pbf)−OH(2.0g、3.8mmol)およびHATU(1.7g、4.3mmol)をDMF(40mL)に溶解し、約5℃にし、そしてDIPEA(3.2mL、18.1mmol)により10分間で滴下で処置した。反応混合物を約5℃でさらに10分間、撹拌し、次いで周囲温度に加温し、続いて30分間、撹拌した。次いで反応物をEtOAc(200mL)で希釈し、水(250mL)に注いだ。層を分離し、水溶液をEtOAc(2×150mL)で抽出し、そして合わせた有機層を2%HSO水溶液(30mL)、水(2×250mL)および塩水(250mL)で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮して、黄色がかった泡状固体として化合物F(3.0g、3.2mmol、83%)を得た。LC−MS[M+H]908.7(C466510S+H、計算値:909.1)。化合物Fを、さらなる精製を伴わずに使用した。
調製69:{2−[H−Arg(Pbf)]−アミノメチル}−エチルカルバミン酸ヒドロコドンエステル(G)の合成
DCM(20mL)中化合物F(3.0g、3.3mmol)の溶液を、ジオキサン中4MのHCl(39mmol、9.8mL)で処置し、そして周囲温度で30分間、撹拌した。エーテル(500mL)を添加し、そして得られた白色の沈殿物を濾過し、エーテル(50mL)およびヘキサン(50mL)で洗浄し、次いで、減圧下で乾燥して、オフホワイトの固体として化合物Gを得た(2.7g、3.0mmol、93%)。LC−MS[M+H]808.7(C4157S+H、計算値:809.0)。化合物Gを、さらなる精製を伴わずに使用した。
調製70:N−((S)−1−{2−[(ジヒドロコデイン−6−エニルオキシカルボニル)−メチルアミノ]−エチルカルバモイル−4−グアニジノ(Pbf))−ブチル}−マロンアミド酸tert−ブチルエステル(H)の合成
化合物G(2.7g、3.0mmol)の冷却溶液(約5℃)に、DMF(25mL)中マロン酸モノtert−ブチル(474mg、3.0mmol、438μL)を添加し、続いて、BOP(1.4g、3.2mmol)を5分間で添加し、そして最後にDIEA(1.6g、12.1mmol、2.1mL)を滴下で10分間で添加した。さらに15分後、氷浴を取り除き、そして混合物を周囲温度で撹拌した。45分後、反応混合物をEtOAc(300mL)で希釈し、そして水(200mL)に注いだ。層を分離し、そして水層をEtOAc(2×250mL)で抽出した。合わせた有機層を水(500mL)、2%HSO水溶液(100mL)、水(3×500mL)および塩水(2×500mL)で洗浄した。MgSOで乾燥した後、溶媒を減圧下でエバポレートし、そして残渣を高真空下で乾燥して、黄色がかった固体としてH(1.7g、1.8mmol、58%)を得た。LC−MS[M+H]950.8(C486711S+H、計算値:951.2)。化合物Hを、さらなる精製を伴わずに使用した。
N−((S)−1−{2−[(ジヒドロコデイン−6−エニルオキシカルボニル)−メチルアミノ]−エチルカルバモイル−4−グアニジノ−ブチル)−マロンアミド酸(化合物KC−4)の合成
5%m−クレゾール/TFA(45mL)中化合物H(1.7g、1.8mmol)の溶液を周囲温度で撹拌した。1時間後、混合物をエーテル(300mL)で希釈した。得られた微細懸濁液を濾過し、固体をエーテル(30mL)およびヘキサン(30mL)で洗浄し、そして減圧下で15分間、乾燥した。粗物質を水(35mL)に溶解し、そしてHPLCにより精製した[Nanosyn−Pack Microsorb(100−10)C−18カラム(50×300mm);流速:100mL/min;注入容積:35mL;移動相A:100%水、0.1%TFA;移動相B:100%アセトニトリル、0.1%TFA;10分における0〜10%Bでの勾配溶離、20分における10%Bでの均一濃度溶離、60分における10%B〜42%Bでの勾配溶離;UV254nmでの検出]。所望の化合物を含有する画分を合わせ、そして減圧下で濃縮した。残渣をトルエン(50mL)で処置して微量の水を取り除き、そして減圧下で共エバポレートした(手順を2回反復した)。残渣をアセトニトリル(5mL)に溶解し、エーテル(20mL)中2.0MのHClで処置し、続いて、エーテル(100mL)で希釈した。得られた固体を濾過し、エーテル(20mL)およびヘキサン(20mL)で洗浄し、そして減圧下で一晩乾燥して、白色の固体の塩酸塩として化合物KC−4(1.1g、86%収率)を提供した。LC−MS[M+H]642.5(C31438+H、計算値:642.7)。純度>95%(UV/254nm)。保持時間[Chromolith SpeedRod RP−18e C18カラム(4.6×50mm);流速:1.5mL/min;移動相A:0.1%TFA/水;移動相B 0.1%TFA/ACN;5%B〜100%Bで9.6分間の勾配溶離、検出254nm]:2.24分。
実施例35:6−{[2−(2−アセチルアミノ−5−グアニジノ−ペンタノイルアミノ)−エチル]−[(5R,9R,13S,14S)−4,5a−エポキシ−6,7−ジデヒドロ−14−ヒドロキシ−3−メトキシ−17−メチルモルフィナン−6−オキシ]−1−エニルオキシカルボニル−アミノ}−ヘキサン酸(化合物KC−5)の合成
調製71:6−[ベンジルオキシカルボニル−(2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−エチル)−アミノ]−ヘキサン酸エチルエステル(B)の合成
化合物A(26.8g、88.6mmol)を、周囲温度でDCM(200mL)に溶解した。NEt(12.5mL、88.6mmol)を添加し、続いて、Cbz−Cl(Z−Cl)(12.5mL、88.6mmol)を添加した。反応混合物をN下に周囲温度で2時間、撹拌した。反応混合物をNaHCO(30mL、飽和水溶液)で処置した。層を分離し、そして有機層をMgSOで乾燥し、濾過し、そして濃縮した。残渣を、4/1ヘキサン/EtOAcを使用したシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、無色のオイルとして化合物B(22.5g、66.5mmol、75%)を得た。
調製72:中間体(C)の合成
化合物B(22.0g、50.4mmol)を、周囲温度でDCE(100mL)に溶解した。NEt(8.5mL、61mmol)を添加し、続いて、(Boc)O(33.0g、151.2mmol)およびDMAP(615mg、5.0mmol)を添加した。反応混合物をN下に周囲温度で2時間、撹拌し、次いで、60℃で16時間、加熱した。反応混合物を濃縮し、そして残渣を、4/1ヘキサン/EtOAcを使用したシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、無色のオイルとして化合物C(23.2g、41.9mmol、86%)を得た。MS:(m/z)計算値:536.6、実測値(M+Na)560.1。
調製73:中間体(D)の合成
化合物C(22.5g、41.9mmol)を、EtOH(50mL)に溶解した。混合物を脱気し、そしてNで飽和した。Pd/C(500mg、炭素上5%)を添加した。混合物をParrハイドロジェネーターフラスコにおいて2atmのH下で2時間、振盪した。次いで、混合物をセリットパッドで濾過し、そして濾液を濃縮して、無色のオイルとして粗化合物D(21.0g、52.2mmol、粗製)を得た。この物質を、さらなる精製を伴わずに使用した。
調製74:中間体(E)の合成
化合物D(21.0g、52.2mmol、粗化合物)およびNEt(11.0mL、78.3mmol)をDCM(150mL)と共に混合した。混合物を、トルエン中の予め冷却した(氷/水浴)ホスゲン溶液(41.2mL、トルエン中20%wt、約83.3mmol)に添加した。反応混合物を0℃で2時間、撹拌した。次いで、これを、最初の容積の3分の1にまで濃縮し、エーテル(50mL)で希釈した。混合物を濾紙で濾過した。濾液を濃縮して、白色の固体として化合物E(20.0g、43.1mmol、82%)を得た MS:(m/z)計算値:464.2、実測値(M+Na)487.7。化合物Eを、さらなる精製を伴わずに使用した。
調製75:中間体(F)の合成
オキシコドン遊離塩基(1.0g、3.2mmol)を、乾燥THF(脱気したもの)(15mL)に溶解し、そしてドライアイス/アセトン浴を使用して混合物を−10℃にまで冷却した。KHMDS(7.6mL、3.8mmol、トルエン中0.5M)を、シリンジを用いて添加した。混合物をN下に−5℃を下回る温度で30分間、撹拌した。次いで、THF(10mL)中化合物E(1.5g、3.2mmol)を、シリンジを用いて5分間で添加した。混合物を−5℃で30分間、撹拌した。反応を周囲温度で2時間、継続した。NaHCO(10mL、飽和水溶液)を添加した。混合物を、次にその最初の容積の半分にまで減圧下で濃縮した。EtOAc(20mL)を添加し、そして層を分離した。有機相を水(20mL)および塩水(20mL)でさらに洗浄し、続いて濃縮し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(DCM/MeOH(勾配100/1〜100/15))により精製して、無色のオイル(約1.7g、3.1mmol、97%)を得た。この物質を、周囲温度でDCM/TFA(5mL/5mL)の混合物に溶解し、そして1時間、撹拌した。次いで、これを減圧下で濃縮して、そのTFA塩として化合物F(1.8g、2.7mmol、88%)を得た。MS:(m/z)計算値:543.7、実測値(M+H)545.2。化合物Fを、さらなる精製を伴わずに使用した。
調製76:中間体(G)の合成
化合物F(1.8g、2.6mmol)を、撹拌しながらDMF(20mL)に溶解した。Boc−Arg(Pbf)−OH(1.4g、2.7mmol)、HATU(1.1g、2.9mmol)およびDIPEA(1.4mL、8.0mmol)を、撹拌しながら添加した。反応を周囲温度で2時間、継続した。次いで、混合物を濃縮し、そして残渣をEtOAcおよび水(30mL/20mL)の間で分配した。有機層を分離し、水(20mL)、塩水(20mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、そして濃縮して、粗化合物G(1.5g、1.4mmol、54%)を得た。MS:(m/z)計算値:1052.3、実測値(M+H)1053.9。化合物Gを、さらなる精製を伴わずに使用した。
調製77:中間体(H)の合成
粗化合物G(1.5g、1.4mmol))をジオキサン(3mL)中に取り、そして氷/水浴で冷却した。ジオキサン(4N、10mL、40mmol)中HCl溶液を添加し、そして混合物を周囲温度で3時間、撹拌し、次いで減圧下で濃縮して、白色の泡を得た。この物質を、DCM(20mL)中DIPEA(0.8mL 4.3mmol)の混合物に溶解した。無水酢酸(0.2mL、2.1mmol)を添加した。反応混合物を周囲温度で2時間、撹拌した。NaHCO(20mL、飽和水溶液)を添加した。層を分離し、そしてDCM層をNaSOで乾燥し、濾過し、そして濃縮して、中間体化合物H(0.85g、粗化合物)を得た。化合物Hを、さらなる精製を伴わずに使用した。
6−{[2−(2−アセチルアミノ−5−グアニジノ−ペンタノイルアミノ)−エチル]−[(5R,9R,13S,14S)−4,5a−エポキシ−6,7−ジデヒドロ−14−ヒドロキシ−3−メトキシ−17−メチルモルフィナン−6−オキシ]−1−エニルオキシカルボニル−アミノ}−ヘキサン酸(化合物KC−5)の合成
化合物H(0.85g、粗化合物)を、TFA(20mL)中m−クレゾール(0.5mL)の混合物に溶解した。混合物を周囲温度で2時間、撹拌した。混合物を減圧下で濃縮した。残渣をMeOH(3mL)中に取り、そしてエーテル中の撹拌HCl溶液(20mL、2M、40mmol)に滴下で添加した。得られた白色の固体(化合物I)を濾過し、そしてエーテル(3×10mL)で洗浄した。次いで、化合物Iを周囲温度でTHF/HO(2mL/2mL)の混合物に溶解した。LiOH(41mg、1.7mmol)を一分量として添加した。混合物を4時間、撹拌した。次いで、AcOHを添加することにより混合物をpH約6まで酸性化した。次いで、混合物を濃縮し、そして残渣を、RP−18e C18カラム(4.6×50mm);流速:1.5mL/min;移動相A:0.1%TFA/水;移動相B 0.1%TFA/CHCN;勾配溶離を使用した分取HPLCにより精製した。回収した画分を凍結乾燥させて、白色の固体として化合物KC−5(TFA塩)を得た。この固体を0.1NのHCl(水溶液)で処置し、そして凍結乾燥して、白色の泡として化合物KC−5の対応するHCl塩を得た(406mg、化合物Eから38%、100%純度)。MS:(m/z)計算値:713.8、実測値(M+H)714.5。
実施例36:({(S)−2−((S)−2−アセチルアミノ−5−グアニジノ−ペンタノイルアミノ)−3−[(オキシコドン−エニルオキシカルボニル)−メチル−アミノ]−プロピオニル}−メチル−アミノ)−酢酸(化合物KC−6)
調製78:(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(2−ニトロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−プロピオン酸(A)
(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−アミノ−プロピオン酸(14.9g、73.2mmol)を、THF(45mL)および3NのNaOH水溶液(45mL)の混合物に溶解した。反応混合物を−10℃にまで冷却し、そして塩化ノシル(17.9g、80.5mmol)をTHF溶液(75mL)として滴下で30分間で添加した。反応混合物を−10℃で45分間、撹拌し、続いて、周囲温度で30分間、撹拌した。反応混合物を水(150mL)で希釈し、2%HSO水溶液で(pH約2まで)酸性化し、そしてさらなる水(450mL)で希釈した。生成物をEtOAc(合計600mL)で抽出し、そして水(3×400mL)および塩水(100mL)で洗浄した。有機層を分離し、NaSOで乾燥し、濾過し、そして減圧下で濃縮して、クリーム色の固体として化合物A(20.0g、70%収率)を得た。LC−MS[M+H−Boc]290.3(C1419S+H、計算値:390.4)。純度>95%(UV/254nm)。化合物Aを、さらなる精製を伴わずに使用した。
調製79:{[(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−(2−ニトロ−ベンゼンスルホニルアミノ)−プロピオニル]−メチル−アミノ}−酢酸エチルエステル(B)
サルコシンエチルエステルの遊離塩基形成手順:サルコシンエチルエステル塩酸塩(39.3g、256.8mmol)を、水(300mL)に溶解し、EtO(2×100mL)で洗浄し、pHを約pH8に調整し、CHCl(3×100mL)で抽出し、そしてNaSOで乾燥し、最後に濾過した。
DMF(100mL)中化合物A(10.0g、25.7mmol)の溶液に、HOBt(5.2g、38.5mmol)を添加し、そして反応混合物を−10℃にまで冷却した。この反応混合物に、EDC−HCl(5.4g、28.2mmol)を部分量ずつ10分間で添加し、そして−10℃で20分間、撹拌した。反応混合物に、CHCl(300mL)中サルコシンエチルエステル(256.8mmol)を滴下で30分間で添加した。反応混合物をこの温度で30分間、撹拌し、続いて、周囲温度で一晩、撹拌した。次いで、溶媒を減圧下で取り除き、そして残渣をEtOAc(500mL)に溶解し、水(3×300mL)、NaHCO飽和水溶液(2×300mL)および塩水(100mL)で洗浄した。有機層を分離し、NaSOで乾燥し、そして減圧下で濃縮して、クリーム色の固体として化合物B(11.5g、91%)を得た。LC−MS[M+H]489.5(C1928S+H、計算値:489.3)。純度>95%(UV/254nm)。化合物Bを、さらなる精製を伴わずに使用した。
調製80:({(S)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−3−[メチル−(2−ニトロ−ベンゼンスルホニル)−アミノ]−プロピオニル}−メチル−アミノ)−酢酸エチルエステル(C)
化合物B(8.0g、16.3mmol)をDMF(40mL)に溶解し、そして反応混合物を−10℃にまで冷却した。反応混合物にKCO(6.8g、49.1mmol)を添加し、続いて、MeI(5.1mL、81.9mmol)を滴下で添加し、そして0℃で1時間、撹拌した。反応混合物を濾過し、そしてEtOAcで洗浄した。溶媒を減圧下で取り除き、そして残渣を、EtOAc(250mL)に溶解し、そして水(500mL)に注ぎ、EtOAc(2×250mL)で抽出し、そして水(250mL)および塩水(100mL)で洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、次いで減圧下で濃縮して、クリーム色の固体として化合物C(8.1g、98%収率)を得た。LC−MS[M+H]503.1(C2030S+H、計算値:503.5)。純度>95%(UV/254nm)。化合物Cを、さらなる精製を伴わずに使用した。
調製81:({(S)−2−アミノ−3−[メチル−(2−ニトロ−ベンゼンスルホニル)−アミノ]−プロピオニル}−メチル−アミノ)−酢酸エチルエステル(D)
化合物C(6.9g、13.8mmol)をDCM(45mL)に溶解し、次いで、周囲温度でジオキサン(40mL)中4MのHClで処置した。反応混合物を周囲温度で90分間、撹拌した。混合物を減圧下で濃縮して、約25mLの全容積とし、そしてEtO(400mL)を添加した。沈殿生成物を濾過して取り出し、EtO(250mL)、およびヘキサン(250mL)で洗浄し、最後に減圧下で乾燥して、クリーム色の固体として化合物D(6.3g、100%収率)を得た。LC−MS[M+H]403.3(C1522S+H、計算値:403.4)。純度>95%(UV/254nm)。化合物Dを、さらなる精製を伴わずに使用した。
調製82:({(S)−2−[(S)−5−({アミノ−[(Z)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−スルホニルイミノ]−メチル}−アミノ)−2−tert−ブトキシカルボニルアミノ−ペンタノイルアミノ]−3−[メチル−(2−ニトロ−ベンゼンスルホニル)−アミノ]−プロピオニル}−メチル−アミノ)−酢酸エチルエステル(E)
DMF(35mL)中Boc−Arg(Pbf)−OH(7.3g、13.8mmol)、DIPEA(7.7mL、44.2mmol)の溶液に、HATU(5.8g、15.2mmol)を添加し、そして5℃で15分間、撹拌した。この反応混合物に、化合物D(6.3g、13.8mmol)を添加し、そして周囲温度で1時間、撹拌した。次いで、DMFを減圧下で取り除いて、約15mLの全容積とした。反応混合物をEtOAc(250mL)で希釈し、そして水(500mL)に注ぎ、EtOAc(2×250mL)で抽出し、そして2%HSO水溶液(150mL)、水(150mL)および塩水(150mL)で洗浄した。有機層を無水NaSOで乾燥し、濾過し、次いでエバポレートすると油性残渣が得られ、これを一晩、高真空下で乾燥して、オフホワイトの固体として化合物E(7.4g、59%)を得た。LC−MS[M+H]911.5(C395813S+H、計算値:912.05)。純度>95%(UV/254nm)。化合物Eを、さらなる精製を伴わずに使用した。
調製83:({(S)−2−[(S)−2−アミノ−5−({アミノ−[(Z)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−スルホニルイミノ]−メチル}−アミノ)−ペンタノイルアミノ]−3−[メチル−(2−ニトロ−ベンゼンスルホニル)−アミノ]−プロピオニル}−メチル−アミノ)−酢酸エチルエステル(F)
DCM(24mL)中化合物E(7.4g、8.2mmol)を、周囲温度でジオキサン(24mL)中4MのHClで処置した。反応混合物を周囲温度で1時間、撹拌した。DCMおよびほとんどのジオキサンを減圧下で取り除いて、約15mLの全容積とし、そしてEtO(300mL)を添加した。沈殿生成物を濾過して取り出し、EtO(150mL)およびヘキサンで洗浄し、最後に減圧下で乾燥して、クリーム色の固体として化合物F(6.34g、100%収率)を得た。LC−MS[M+H]811.4(C345011+H、計算値:811.94)。純度>95%(UV/254nm)。化合物Fを、さらなる精製を伴わずに使用した。
調製84:({(S)−2−[(S)−2−アセチルアミノ−5−({アミノ−[(Z)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−スルホニルイミノ]−メチル}−アミノ)−ペンタノイルアミノ]−3−[メチル−(2−ニトロ−ベンゼンスルホニル)−アミノ]−プロピオニル}−メチル−アミノ)−酢酸エチルエステル(G)
5℃でCHCl(50mL)中化合物F(6.6g、7.8mmol)の溶液に、DIPEA(4.8mL、27.4mmol)を添加し、続いて、AcO(0.9mL、9.4mmol)を添加した。反応混合物を周囲温度で30分間、撹拌した。溶媒を減圧下で取り除き、次いで、残渣を水(500mL)およびEtOAc(500mL)で希釈した。有機層を分離し、そして水(300mL)、2%HSO水溶液(200mL)、水(2×300mL)および塩水(100mL)で洗浄した。有機層を分離し、NaSOで乾燥し、そして溶媒を減圧下で取り除いて、化合物G(5.5g、82%)を得た。LC−MS[M+H]853.4(C365212+H、計算値:853.9)。純度>95%(UV/254nm)。化合物Gを、さらなる精製を伴わずに使用した。
調製85:({(S)−2−[(S)−2−アセチルアミノ−5−({アミノ−[(Z)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−スルホニルイミノ]−メチル}−アミノ)−ペンタノイルアミノ]−3−メチルアミノ−プロピオニル}−メチル−アミノ)−酢酸エチルエステル(H)
周囲温度でDMF(21mL)中化合物G(5.5g、6.5mmol)の溶液に、KCO(8.9g、64.5mmol)を添加し、続いて、チオグリセロール(5.6mL、64.5mmol)を添加した。反応混合物を周囲温度で1時間、撹拌し、濾過して取り出し、そしてDMFを減圧下で取り除いた。残渣を水(500mL)で希釈し、そしてEtOAc(2×300mL)およびCHCl(2×300mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥し、そして溶媒を減圧下で取り除いて、粗生成物を得た。この粗生成物を、EtOAcで溶離し、続いてCHCl中10%MeOHで溶離するフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、化合物H(1.3g、30%)を得た。LC−MS[M+H]668.3(C3049S+H、計算値:667.8)。純度>95%(UV/254nm)。
調製86:({(S)−2−[(S)−2−アセチルアミノ−5−({アミノ−[(Z)−2,2,4,6,7−ペンタメチル−2,3−ジヒドロ−ベンゾフラン−5−スルホニルイミノ]−メチル}−アミノ)−ペンタノイルアミノ]−3−[(オキシコドン−エニルオキシカルボニル)−メチル−アミノ]−プロピオニル}−メチル−アミノ)−酢酸エチルエステル(I)
−60℃でTHF(100mL)中オキシコドン遊離塩基(2.0g、6.3mmol)の溶液に、0.5MのKHMDS(13.9mL、7.0mmol)を滴下で添加した。反応混合物を30分間、撹拌し、次いで、−60℃でTHF(100mL)中4−ニトロフェニルクロロホルメート(1.3g)の溶液に移し、そして30分間、撹拌した。アミン化合物H(3.2g、4.9mmol)の溶液を、THF(20mL)溶液として反応混合物に添加した。−60℃で15分間、撹拌した後、冷却浴を取り除き、そして反応物を周囲温度で一晩、撹拌した。オキシコドン遊離塩基の別の分量(1.0g、3.2mmol)を、上記の手順を用いて活性化し、そして上記のとおり反応混合物に添加し、そして撹拌を一晩、継続した。反応の完了はLC−MSにより判断した。溶媒を取り除き、そして残渣をMeOH(約25mL)に溶解し、そしてEtO(400mL)で沈殿した。沈殿物をEtOおよびヘキサンで洗浄し、そして減圧下で乾燥した。生成物を、水およびDMSOに溶解し、そしてHPLCにより精製した。[Nanosyn−Pack Microsorb(100−10)C−18カラム(50×300mm);流速:100mL/min;注入容積15mL;移動相A:100%水、0.1%TFA;移動相B:100%ACN、0.1%TFA;33分における0%〜33%Bでの勾配溶離、30分における33%Bでの均一濃度溶離、33分における33%B〜50%Bでの勾配溶離;254nmでの検出]。所望の画分を合わせ、そして減圧下で乾燥して、化合物I(5g、92%収率))を得た。LC−MS[M+H]979.6(C486612S+H、計算値:980.15)。純度>95%(UV/254nm)。
調製87:({(S)−2−((S)−2−アセチルアミノ−5−グアニジノ−ペンタノイルアミノ)−3−[(オキシコドン−エニルオキシカルボニル)−メチル−アミノ]−プロピオニル}−メチル−アミノ)−酢酸エチルエステル(J)
化合物I(5g、4.5mmol)をTFA(25mL)中5%m−クレゾールで処置した。1時間後、エーテル(400mL)を反応混合物に添加した。沈殿生成物を濾過して取り出し、EtOおよびヘキサンで洗浄し、そして減圧下で乾燥して、化合物J(3.2g、65%収率)を得た。LC−MS[M+H]757.7(C365210+H、計算値:757.9)。純度>95%(UV/254nm)。化合物Jを、さらなる精製を伴わずに使用した。
({(S)−2−((S)−2−アセチルアミノ−5−グアニジノ−ペンタノイルアミノ)−3−[(オキシコドン−エニルオキシカルボニル)−メチル−アミノ]−プロピオニル}−メチル−アミノ)−酢酸(化合物KC−6)
化合物Jを2NのHCl水溶液(75mL)で処置し、そして55℃で6.5時間、加熱した。加熱を取り除き、そして反応混合物を約5℃にまで冷却し、そしてNaHCO飽和水溶液でpHを約pH6に調整した。ほとんどの水を減圧下で取り除いて、約50mLの全容積とした。この溶液をHPLC精製に供した。[Nanosyn−Pack Microsorb(100−10)C−18カラム(50×300mm);流速:100mL/min;注入容積15mL;移動相A:100%水、0.1%TFA;移動相B:100%ACN、0.1%TFA;2分における0%Bでの均一濃度溶離、14分における0%〜8%Bでの勾配溶離、30分における8%Bでの均一濃度溶離、55分における8%B〜33%Bでの勾配溶離;254nmでの検出]。所望の画分を合わせ、そして減圧下で乾燥し、続いて、0.1NのHClを使用して凍結乾燥し、HCl塩として化合物KC−6(1.5g、48%収率)を得た。LC−MS[M+H]729.6(C344810+H、計算値:729.8)。純度>95%(UV/254nm)。
生物学的データ
実施例37:ラットへのPO投与後のオキシコドンプロドラッグの薬物動態
この例は、ラットにおいてオキシコドン6−(N−メチル−N−(2−N’−アセチルアルギニルアミノ))エチルカルバメート(本明細書の実施例に記載するとおり生成され、化合物KC−2とも称される)またはオキシコドンを経口(PO)投与した後のオキシコドンの血漿中濃度を比較する。
化合物KC−2およびオキシコドンを各々生理食塩水に溶解し、等モル用量(それぞれ20mg/kgおよび10mg/kg)で内頸静脈カテーテルを挿入した雄性Sprague Dawleyラットに強制経口投与によって投与した;1群あたり4匹のラットに投与した。特定の時間点で血液サンプルを採取し、5,400rpm、4℃で5分間遠心して血漿を回収し、各サンプルから100マイクロリットル(μl)の血漿を、1μlのギ酸が入った新しいチューブに移した。チューブを5〜10秒間ボルテックス撹拌し、直ちにドライアイス中に置き、次いで高速液体クロマトグラフィー/質量分析法(HPLC/MS)による分析まで貯蔵した。
表18は、4匹のラットの各群についてのオキシコドンの血漿中Cmax(最大血漿中濃度)値およびTmax(最大血漿中濃度に達したときの投与後の経過時間)値(平均±標準偏差)を示す。また、オキシコドンの代謝物であるオキシモルホンについてのCmax値およびTmax値も示す。
図19は、20mg/kgの化合物KC−2(実線)または10mg/kgのオキシコドン(破線)をラットにPO投与した後のオキシコドンの経時的な平均血漿中濃度(±標準偏差)を比較する。
表18および図19の結果は、化合物KC−2の投与が、オキシコドンの投与と比較してCmaxの抑制およびTmaxの遅延を呈するオキシコドン血漿中濃度をもたらすことを示す。
実施例38:ラットへのIV投与後のオキシコドンプロドラッグの薬物動態
この例は、オキシコドン6−(N−メチル−N−(2−N’−アセチルアルギニルアミノ))エチルカルバメート(本明細書の実施例に記載するとおり生成され、化合物KC−2とも称される)を静脈内(IV)投与した後のラットにおけるプロドラッグおよびオキシコドンの血漿中濃度を比較する。
化合物KC−2を生理食塩水に溶解し、4匹の内頸静脈カテーテルを挿入した雄性Sprague Dawleyラットに2mg/kgの用量で尾静脈注射した。特定の時間点で血液サンプルを採取し、5,400rpm、4℃で5分間遠心して血漿を回収し、各サンプルから100マイクロリットル(μl)の血漿を、1μlのギ酸が入った新しいチューブに移した。チューブを5〜10秒間ボルテックス撹拌し、直ちにドライアイス中に置き、次いで高速液体クロマトグラフィー/質量分析法(HPLC/MS)による分析まで貯蔵した。
表19は、化合物KC−2、オキシコドンおよびオキシモルホン(オキシコドンの代謝物)の血漿中Cmax値(平均±標準偏差)を示す。
図20は、2mg/kgの化合物KC−2をラットにIV投与した後の化合物KC−2(実線)およびオキシコドン(破線)の経時的な平均血漿中濃度(±標準偏差)を比較する。Y軸上の数値はまた、それぞれ化合物KC−2およびオキシコドンのCmax値も表す。
表19および図20は、化合物KC−2をIV投与されたラットにおけるオキシコドンの血漿中濃度が、化合物KC−2の血漿中濃度の僅か0.03%であることを実証し、化合物KC−2のIV投与が、オキシコドンの有意な放出をもたらさないことを示している。
実施例39:オキシコドンプロドラッグのインビトロ安定性
この実施例は、種々の容易に入手可能な家庭用化学品および酵素製剤に対するオキシコドン6−(N−メチル−N−(2−N’−アセチルアルギニルアミノ))エチルカルバメート(本明細書の実施例に記載するとおり生成され、化合物KC−2とも称される)の安定性を実証する。
化合物KC−2を室温(RT)または80℃で1時間または24時間(hr)のいずれかにわたり以下の家庭用化学品に曝露した:ウォッカ(40%アルコール)、重曹(飽和重炭酸ナトリウム溶液、pH9)、Ammonia−D(pH11)入りWINDEX(登録商標)および酢(5%酢酸)。化合物KC−2はまた、以下の酵素含有組成物にも、RTで1hrまたは24hrにわたり曝露した:GNC(登録商標)Super Digestive(5mLの水に溶解した2カプセルのGNC Super Digestive Enzymes)、軟化剤(Adolfの食肉軟化剤、主にパパイン、濃度が0.123g/mLとなるよう水に溶解し、瓶のラベルに掲載されているマリネの濃度を近似した)、およびサブチリシン(subtilisn)(4mLの水に溶解した8錠のULTRAZYME(登録商標)コンタクトレンズ洗浄剤(Advanced Medical Optics))。サンプルを記載のとおりにインキュベートし、1hrおよび24hrでアリコートを取り出し、各々を85%リン酸溶液の50%または100%の溶液に添加してpH4以下の最終pHを達成して安定化させた。次に安定化したアリコートを水で4倍〜6倍希釈し、ボルテックス混合してHPLCにかけた。
図21は、化合物KC−2を上記の様々な家庭用化学品および酵素含有組成物に曝露したときのオキシコドンの放出を実証する。曝露後の化合物KC−2の残留率が黒色のバーで示され、化合物KC−2のオキシコドンへの変換率が、黒線の輪郭を有する薄い陰影付きのバーで示される。これらの結果は、化合物KC−2をこれらの様々な条件に曝露して生じるオキシコドンへの変換が実質的に10%未満であることを示している。
実施例40:いくつかの候補トリプシンインヒビターのインビトロIC50データ
いくつかの候補トリプシンインヒビター、即ち化合物101〜105、107および108を、本明細書の実施例に記載するとおり生成した。化合物106(4−アミノベンズアミジンとしても公知である)、化合物109および化合物110は、Sigma−Aldrich(St.Louis,MO)から入手可能である。
化合物101〜110ならびにSBTIおよびBBSIの各々の最大半数阻害濃度(IC50またはIC50)値を、Bergmeyer,HU et al,1974,Methods of Enzymatic Analysis Volume 1,2nd edition,515−516,Bergmeyer,HU,ed.,Academic Press,Inc.New York,NYに記載されるとおりの改良トリプシンアッセイを用いて決定した。
表20は、指定されるトリプシンインヒビターの各々についてのIC50値を示す。
表20の結果は、化合物101〜110のそれぞれがトリプシン阻害活性を呈することを示している。
実施例41:インビトロでの化合物KC−2からのオキシコドンのトリプシン仲介性トリプシン放出に対するトリプシン阻害効果
化合物KC−2(本明細書の実施例に記載のとおり調製することができる)を、化合物109(カタログ番号N0289、Sigma−Aldrich)の非存在下または存在下で、ウシ膵臓由来のトリプシン(カタログ番号T8003、I型、約10,000BAEE単位/mgタンパク質、Sigma−Aldrich)と共にインキュベートした。化合物109をインキュベーション混合物の一部とした場合、化合物KC−2は他のインキュベーション成分の5分後に添加した。具体的には、反応は、0.761mM化合物KC−2・2HCl、0.0228mg/mLトリプシン、22.5mM塩化カルシウム、40〜172mMトリスpH8、およびインキュベーションにインヒビターが含まれるかどうかに応じて0.00108mg/mL(2μM)化合物109または0.25%DMSOを含んだ。反応は37℃で24hr行った。サンプルを特定の時間点で回収し、アセトニトリル中の0.5%ギ酸中に移してトリプシン活性を停止させ、LC−MS/MSによる分析まで−70℃未満で貯蔵した。
図22は、いかなるトリプシンインヒビターも存在しない場合(黒色の記号)または化合物109が存在する場合(白色の記号)に化合物KC−2をトリプシンに曝露した結果を示す。四角形の記号は、この実施例に記載される条件下における経時的な化合物KC−2の消失を示し、三角形の記号はオキシコドンの出現を表す。
図22の結果は、本実施形態のトリプシンインヒビターが化合物KC−2からのオキシコドンのトリプシン仲介性放出を減弱させることができることを示す。加えて、このようなトリプシンインヒビターは、トリプシンを利用して化合物KC−2からオキシコドンの放出を生じさせる使用者の能力を妨げることができる。
表21は、化合物109の非存在下および存在下で化合物KC−2をトリプシンに曝露した結果を示す。結果は、トリプシンに曝露されたときのプロドラッグの時間単位の半減期(即ち、プロドラッグトリプシン半減期)およびトリプシンに対する単位あたりのオキシコドン形成速度として表す。
表21の結果は、トリプシンが本実施形態のプロドラッグからのオキシコドンの放出に影響を及ぼすことができること、および本実施形態のトリプシンインヒビターがトリプシン仲介性のオキシコドン放出を減弱させることができることを示す。
実施例42:ラットに対する化合物KC−2およびトリプシンインヒビター化合物109の経口投与
表22に示すとおり、8.7μmol/kg(6mg/kg)の化合物KC−2の生理食塩水(本明細書の実施例に記載のとおり調製することができる)を、55μmol/kg(30mg/kg)の化合物109(カタログ番号3081、Tocris Bioscience,Ellisville,MO,USAまたはカタログ番号WS38665、Waterstone Technology,Carmel,IN,USA)の同時投与有りで、または無しで、経口投与前に16〜18hr絶食させた内頸静脈カテーテルを挿入した雄性Sprague Dawleyラット(1群あたり4匹)に強制経口投与によって投与した。特定の時間点で血液サンプルを採取し、5,400rpm、4℃で5分間遠心して血漿を回収し、各サンプルから100マイクロリットル(μl)の血漿を、2μlの50%ギ酸が入った新しいチューブに移した。チューブを5〜10秒間ボルテックス撹拌し、直ちにドライアイス中に置き、次いでHPLC/MSによる分析まで−80℃のフリーザーに貯蔵した。
表22および図23は、トリプシンインヒビターの非存在下または存在下で化合物KC−2を投与したラットについてのオキシコドン曝露の結果を提供する。表22の結果は、(a)オキシコドン(OC)の最大血漿中濃度(Cmax)(平均±標準偏差)および(b)化合物KC−2の投与後に最大オキシコドン濃度に達するまでの時間(Tmax)(平均±標準偏差)として報告する。
図23は、トリプシンインヒビターとの同時投与有りで、または無しで化合物KC−2をPO投与した後のオキシコドン放出の経時的な平均血漿中濃度を比較する。
表22および図23の結果は、化合物109が化合物KC−2のオキシコドン放出能力を、Cmaxの抑制およびTmaxの遅延の双方によって減弱させることを示す。
実施例43:ラットへのPO投与後の化合物KC−2の薬物動態
化合物KC−2(本明細書の実施例に記載のとおり調製することができる)の生理食塩水を、表23に示すとおりに、経口投与前に16〜18hr絶食させた内頸静脈カテーテルを挿入した雄性Sprague Dawleyラット(1群あたり4匹)に強制経口投与によって投与した。特定の時間点で血液サンプルを採取し、5,400rpm、4℃で5分間遠心して血漿を回収し、各サンプルから100マイクロリットル(μl)の血漿を、2μlの50%ギ酸が入った新しいチューブに移した。チューブを5〜10秒間ボルテックス撹拌し、直ちにドライアイス中に置き、次いでHPLC/MSによる分析まで−80℃のフリーザーに貯蔵した。
表23および図24は、異なる用量の化合物KC−2を投与したラットについてのオキシコドン曝露の結果を提供する。表23の結果は、ラット群ごとに、(a)オキシコドン(OC)の最大血漿中濃度(Cmax)(平均±標準偏差)、(b)化合物KC−2の投与後に最大オキシコドン濃度に達するまでの時間(Tmax)(平均±標準偏差)および(c)0〜24hrの曲線下面積(AUC)(平均±標準偏差)として報告する。
図24は、漸増用量の化合物KC−2をPO投与した後のオキシコドン放出の経時的な平均血漿中濃度を比較する。
表24および23の結果は、オキシコドンの血漿中濃度が化合物KC−2用量に比例して増加することを示す。
実施例44:トリプシンインヒビター化合物109と同時投与される化合物KC−2のラットへの経口投与
化合物KC−2の生理食塩水を7.3μmol/kg(5mg/kg)および73μmol/kg(50mg/kg)で投与した。高いほうの用量を、経口投与前に16〜18hr絶食させた内頸静脈カテーテルを挿入した雄性Sprague Dawleyラット(1群あたり4匹)に、表24に示すとおり漸増濃度の化合物109(カタログ番号3081、Tocris Bioscienceまたはカタログ番号WS38665、Waterstone Technology)と強制経口投与によって同時投与した。特定の時間点で血液サンプルを採取し、5,400rpm、4℃で5分間遠心して血漿を回収し、各サンプルから100マイクロリットル(μl)の血漿を、2μlの50%ギ酸が入った新しいチューブに移した。チューブを5〜10秒間ボルテックス撹拌し、直ちにドライアイス中に置き、次いでHPLC/MSによる分析まで−80℃のフリーザーに貯蔵した。
表24および図25は、種々の用量の化合物KC−2を投与したラットについてのオキシコドン曝露の結果を提供する。表24の結果は、ラット群ごとに、(a)オキシコドン(OC)の最大血漿中濃度(Cmax)(平均±標準偏差)、(b)化合物KC−2の投与後に最大オキシコドン濃度に達するまでの時間(Tmax)(平均±標準偏差)および(c)0〜24hrの曲線下面積(AUC)(平均±標準偏差)として報告する。
図25は、化合物KC−2を漸増量のトリプシンインヒビター化合物109との同時投与でPO投与した後のオキシコドン放出の経時的な平均血漿中濃度を比較する。
表24および図25の結果は、オキシコドンを用量依存的に放出する化合物KC−2の能力を、CmaxおよびAUCの抑制とTmaxの遅延との双方によって減弱させる化合物109の能力を示す。
実施例45:インビトロヒトμオピオイド受容体結合アッセイ
この例は、組換えHEK−293細胞中で発現したミュー(μ)オピオイド受容体に対する化合物KC−2の親和性を計測する。
全般的な手順は、Wang,J.−B.,Johnson,P.S.,Perscio,A.M.,Hawkins,A.L.,Griffin,C.A.およびUhl,G.R.(1994).FEBS Lett.,338:217−222により記載されるプロトコルに従う。より具体的に、アッセイは必要に応じて、オキシコドンまたは化合物KC−2(実施例10に記載のとおり調製することができる)ならびに細胞表面上でヒトμオピオイド受容体を発現する組換えHEK−293細胞、基準化合物[d−Ala,N−Me−Phe,Gly−オール]−エンケファリン(DAMGO)、放射性リガンド[H]DAMGO(0.5nM)および非特異的リガンドのナロキソン(10uM)を含んだ。反応混合物を22℃で2時間インキュベートした。次いで、サンプルをシンチレーション計数に供した。
これらのアッセイでは、試験化合物の受容体に対する特異的結合は、過剰量の非標識リガンドの存在下で測定される全結合量と非特異的結合量との差として定義される。結果は特異的結合のコントロールの割合として、および試験化合物の存在下で得られたコントロール特異的結合の阻害割合として表される。IC50値([H]DAMGO結合を50%阻害するのに必要な競合リガンドの濃度)、およびヒル係数(nH)を、ヒルの式の曲線の当てはめを用いた競合曲線の非線形回帰分析により決定した。
表25は、オキシコドンおよび化合物KC−2のIC50値を示す。
これらのデータは、化合物KC−2が、オキシコドンと比べて約2倍低い親和性でμオピオイド受容体に結合することを実証する。
実施例46:インビトロでのヒトμオピオイド受容体作動薬の細胞機能アッセイ
この実施例は、CHO細胞中で発現した組換えヒトμオピオイド受容体に曝露されたときに作動応答を生じさせる本開示物の特定の化合物の能力を計測する。
全般的な手順は、Wang,J.−B.,Johnson,P.S.,Perscio,A.M.,Hawkins,A.L.,Griffin,C.A.およびUhl,G.R.(1994).FEBS Lett.,338:217−222に記載されるプロトコルに従う。より具体的には、アッセイは、表9に示す化合物のそれぞれと、細胞表面上でヒトμオピオイド受容体を発現する組換えチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞とを含んだ。コントロール反応は、1μMのDAMGOを含んだ。反応混合物を37℃で10分間インキュベートし、反応産物はサイクリックAMP(cAMP)であった。サンプルをホモジニアス時間分解蛍光法(HTRF(登録商標))に供した。Hillplotソフトウェアを使用した非線形回帰の当てはめにより、EC50値(最大半数の特異的応答を生じる濃度)を決定した。
表26は、3つの別個の実験からの結果を示す。化合物KC−2、化合物KC−3、化合物KC−5、および化合物KC−6(この各々は、それぞれ本明細書の実施例に記載のとおり調製することができる)についてのEC50値が提供され、それぞれの同じ実験で計測したオキシコドンについてのEC50値と比較される。また、同じ実験で計測した化合物KC−4(実施例12に記載のとおり調製することができる)およびヒドロコドンについてのEC50値も示す。表26はまた、オキシコドンまたはヒドロコドンの、それぞれの当該薬物のプロドラッグに対する薬物対プロドラッグ(薬物/プロドラッグ)相対効力(即ち、ヒトμオピオイド受容体におけるEC50)も提供する。
表26の結果は、本実施形態のプロドラッグが、1より大きい薬物/プロドラッグ相対効力を呈することを示し;従って本実施形態のプロドラッグのヒトμオピオイド受容体における効力は、それが放出するそれぞれの薬物の効力より低い。
実施例47:化合物KC−2またはオキシコドンをラットにIV投与した後の薬物動態:血漿中および脳脊髄液中への移行
この実施例は、プロドラッグ化合物KC−2およびオキシコドンをラットに静脈内(IV)投与した後のそれぞれの化合物の血漿中および脳脊髄液(CSF)中濃度を比較する。血漿/CSF分配係数から、化合物の血液脳関門透過能力を予測することができる。
10mg/kgの用量の化合物KC−2(本明細書の実施例に記載のとおり調製することができる)、または等モル用量のオキシコドンを、各々生理食塩水に溶解し、4匹の雄性Sprague Dawleyラットに尾静脈注射した。15分後、ラットを二酸化炭素窒息により麻酔し、血液サンプルを採取し、5,400rpm、4℃で5分間遠心して血漿を回収し、各サンプルから100マイクロリットル(μl)の血漿を、2μlの50%ギ酸が入った新しいチューブに移した。ポリウレタンカテーテル型MRE−040チュービング(Braintree Scientific,Inc.,Braintree,MA)に接続した22×1インチゲージ針を使用して、CSF液を回収した。針は、大後頭孔の範囲で項部稜の直下に挿入した;透明なCSF液をカテーテルに回収し、回収チューブに移した。CSFサンプルを5,400rpm、4℃で5分間遠心し、各サンプルから100μlのCSF液を新しいチューブに移した。血漿およびCSFサンプルを直ちにドライアイス中に置き、次いで高速液体クロマトグラフィー/質量分析法(HPLC/MS)による分析まで−80℃のフリーザーに貯蔵した。
表27の結果は、4匹のラットの群ごとに、血漿中またはCSF中の示される化合物の平均濃度として報告する。表27はまた、血漿対CSF(血漿/CSF)分配係数、即ち、示される化合物についての血漿中濃度のCSF中濃度に対する比も提供する。
表27の結果は、化合物KC−2のオキシコドンに対する相対血漿/CSF分配係数が約116(即ち、439/3.8)であり;即ち化合物KC−2はCSF中への移行がオキシコドンより約116倍低いことを示している。加えて、本明細書の実施例に示されるとおり、化合物KC−2の薬物/プロドラッグ相対効力は約4.1である。従って、化合物KC−2は、等モル量で静脈内投与されるとき、CNSμオピオイド受容体における有効性がオキシコドンより約475倍(即ち、116×4.1)低いと予想することができる。
実施例48:ラットへのPO投与後の化合物KC−3の薬物動態
この実施例は、ラットに経口(PO)投与したいくつかの濃度の化合物KC−3の薬物動態を比較する。
化合物KC−3(本明細書の実施例に記載のとおり調製することができる)の生理食塩水を、表28に示すとおりに、経口投与前に16〜18hr絶食させた内頸静脈カテーテルを挿入した雄性Sprague Dawleyラット(1群あたり4匹、但し3匹のラットを使用した場合の用量46mg/kg KC−3は例外とする)に強制経口投与によって投与した。特定の時間点で血液サンプルを採取し、5,400rpm、4℃で5分間遠心して血漿を回収し、各サンプルから100μlの血漿を、2μlの50%ギ酸が入った新しいチューブに移した。チューブを5〜10秒間ボルテックス撹拌し、直ちにドライアイス中に置き、次いでHPLC/MSによる分析まで−80℃のフリーザーに貯蔵した。
表28および図28は、種々の用量の化合物KC−3を投与したラットについてのオキシコドン曝露の結果を提供する。表28の結果は、ラット群ごとに、すべての用量について(a)オキシコドン(OC)の最大血漿中濃度(Cmax)(平均±標準偏差)、(b)化合物KC−3の投与後に最大オキシコドン濃度に達するまでの時間(Tmax)(平均±標準偏差)および(c)0〜24hrの曲線下面積(AUC)として報告し、但し0〜8hrのAUC値(平均±標準偏差)を計算した場合の1.4mg/kgおよび22mg/kgの用量は例外とする。
図26は、漸増用量の化合物KC−3をPO投与した後のオキシコドン放出の経時的な平均血漿中濃度を比較する。
表28および図26の結果は、オキシコドンの血漿中濃度が、化合物KC−3の用量に比例して増加することを示す。
実施例49:ラットへのIV投与後の化合物KC−3の薬物動態
この実施例は、化合物KC−3を静脈内(IV)投与した後のラットにおけるプロドラッグおよびオキシコドンの血漿中濃度を比較する。
化合物KC−3(本明細書の実施例に記載のとおり調製することができる)を生理食塩水に溶解し、2mg/kgの用量で4匹の内頸静脈カテーテルを挿入した雄性Sprague Dawleyラットに尾静脈注射した。特定の時間点で血液サンプルを採取し、5,400rpm、4℃で5分間遠心して血漿を回収し、各サンプルから100μlの血漿を、2μlの50%ギ酸が入った新しいチューブに移した。チューブを5〜10秒間ボルテックス撹拌し、直ちにドライアイス中に置き、次いで高速液体クロマトグラフィー/質量分析法(HPLC/MS)による分析まで−80℃のフリーザーに貯蔵した。
表29および図27は、化合物KC−3を静脈内投与したラット群についての化合物KC−3およびオキシコドン曝露の結果を提供する。表29の結果は、それぞれ化合物KC−3およびオキシコドン(OC)の最大血漿中濃度(Cmax)(平均±標準偏差)として報告する。
表29および図27は、化合物KC−3を静脈内投与したラットにおけるオキシコドンの血漿中濃度が化合物KC−3の血漿中濃度の僅か0.04%であることを実証し、化合物KC−3のIV投与がオキシコドンの血漿中への有意な放出をもたらさないことが示される。
実施例50:ケトン修飾オピオイドプロドラッグからの薬物のインビトロでのトリプシン仲介性トリプシン放出に対するトリプシン阻害効果
この実施例は、本実施形態のプロドラッグを切断するトリプシンの能力およびそのような切断に対するトリプシンインヒビターの効果を実証する。
化合物KC−3、化合物KC−4、化合物KC−5、または化合物KC−6を、それぞれウシ膵臓由来のトリプシン(カタログ番号T8003、I型、約10,000BAEE単位/mgタンパク質、Sigma−Aldrich)と共にインキュベートした。具体的に反応は、0.761mmの化合物KC−3・2HCl、化合物KC−5・2HCl、化合物KC−4・2HCl、または化合物KC−6・2HClと、22.5mMの塩化カルシウム、40〜172mMのトリスpH8および0.25%DMSOを含み、表30Aに示すとおりの異なるトリプシン活性を有した。反応を37℃で24時間行った。特定の時間点でサンプルを回収し、アセトニトリル中0.5%ギ酸に移してトリプシン活性を停止させ、LC−MS/MSによる分析まで−70℃未満で貯蔵した。
化合物KC−3はまた、2マイクロモル濃度の(μM)トリプシンインヒビター化合物109の存在下でもインキュベートした。この場合、化合物KC−3は他のインキュベーション成分の5分後に添加した。他の反応およびサンプル処置条件は上記に記載したとおりとした。
表30Aおよび表30Bは、トリプシンインヒビターの非存在下または存在下で試験化合物をトリプシンに曝露した結果を示す。結果は、時間単位におけるトリプシンに曝露されたときのプロドラッグの半減期(即ち、プロドラッグトリプシン半減期)および時間あたりBAEE単位のトリプシンあたりのマイクロモル単位(umol/h/BAEE U)におけるオキシコドンまたはヒドロコドンの形成速度として表す。
表30Aの結果は、トリプシンが本実施形態のプロドラッグからのオキシコドンまたはヒドロコドンの放出を仲介し得ることを示す。表30Bの結果は、本実施形態のトリプシンインヒビターが、本実施形態のケトン修飾オピオイドプロドラッグからのトリプシン仲介性の薬物放出を減弱させ得ることを示す。
実施例51:化合物KC−3およびトリプシンインヒビター化合物109のラットへの経口投与
この実施例は、経口投与された化合物KC−3からの血漿中への薬物放出に影響を及ぼす本実施形態のトリプシンインヒビターの能力を実証する。
化合物KC−3(本明細書の実施例に記載のとおり調製することができる)の生理食塩水を、6.8μmol/kg(5mg/kg)および68μmol/kg(50mg/kg)の化合物KC−3で、経口投与前に16〜18hr絶食させた内頸静脈カテーテルを挿入した雄性Sprague Dawleyラット(1群あたり4匹)に、表31に示すとおりの漸増濃度の化合物109(カタログ番号3081、Tocris Bioscienceまたはカタログ番号WS38665、Waterstone Technology)の同時投与有りで、または無しで強制経口投与によって投与した。特定の時間点で血液サンプルを採取し、5,400rpm、4℃で5分間遠心して血漿を回収し、各サンプルから100μlの血漿を、2μlの50%ギ酸が入った新しいチューブに移した。チューブを5〜10秒間ボルテックス撹拌し、直ちにドライアイス中に置き、次いでHPLC/MSによる分析まで−80℃のフリーザーに貯蔵した。
表31および図28は、トリプシンインヒビターの非存在下または存在下で化合物KC−3を投与したラットについてのオキシコドン曝露の結果を提供する。表31の結果は、(a)オキシコドン(OC)の最大血漿中濃度(Cmax)(平均±標準偏差)、(b)化合物KC−3の投与後に最大オキシコドン濃度に達するまでの時間(Tmax)(平均±標準偏差)および(c)0〜24hrの曲線下面積(AUC)(平均±標準偏差)として報告する。
図28は、トリプシンインヒビターとの同時投与有りで、または無しで化合物KC−3をPO投与した後のオキシコドン放出の経時的な平均血漿中濃度を比較する。
表31および図28の結果は、化合物109が化合物KC−3のオキシコドン放出能力を、CmaxおよびAUCの抑制とTmaxの遅延との双方によって減弱させることを示している。
実施例52:化合物KC−3またはオキシコドンをラットにIV投与した後の薬物動態:血漿中および脳脊髄液中への移行
この実施例は、プロドラッグ化合物KC−3およびオキシコドンをラットに静脈内(IV)投与した後のそれぞれの化合物の血漿中および脳脊髄液(CSF)中濃度を比較する。血漿/CSF分配係数から、化合物の血液脳関門透過能力を予測することができる。
10mg/kgの用量の化合物KC−3(本明細書の実施例に記載のとおり調製することができる)、または等モル用量のオキシコドンを、各々生理食塩水に溶解し、4匹の雄性Sprague Dawleyラットに尾静脈注射した。2分後、ラットを二酸化炭素窒息により麻酔し、血液サンプルを採取し、5,400rpm、4℃で5分間遠心して血漿を回収し、各サンプルから100μlの血漿を、2μlの50%ギ酸が入った新しいチューブに移した。ポリウレタンカテーテル型MRE−040チュービング(Braintree Scientific,Inc.)に接続した22×1インチゲージ針を使用して、CSF液を回収した。針は、大後頭孔の範囲で項部稜の直下に挿入した;透明なCSF液をカテーテルに回収し、回収チューブに移した。CSFサンプルを5,400rpm、4℃で5分間遠心し、各サンプルから100μlのCSF液を新しいチューブに移した。血漿およびCSFサンプルを直ちにドライアイス中に置き、次いで高速液体クロマトグラフィー/質量分析法(HPLC/MS)による分析まで−80℃のフリーザーに貯蔵した。化合物KC−3およびオキシコドンの経時的な血漿中およびCSF中への移行を調べるため、4匹のラットのさらなる群について上記のとおりの化合物を投与し、特定の時間点で麻酔した。上記のとおり血漿およびCSFを回収して分析した。これらのラットの結果から、投与後に血漿およびCSFコンパートメントで急速に平衡に達したこと、およびCSFと血漿との間での分配程度が全時間点を通じて一貫していたことが示された。従って、表32には2分における時間点データのみを報告する。
表32の結果は、4匹のラットの群ごとに、血漿中またはCSF中の示される化合物の平均濃度として報告する。表32はまた、血漿対CSF(血漿/CSF)分配係数、即ち、示される化合物についての血漿中濃度のCSF中濃度に対する比も提供する。
表32の結果は、化合物KC−3のオキシコドンに対する相対血漿/CSF分配係数が約364(即ち、1,737/4.8)であり;即ち化合物KC−3はCSF中への移行がオキシコドンより約364倍低いことを示している。加えて、本明細書の実施例に示されるとおり、化合物KC−3の薬物/プロドラッグ相対効力は約40である。従って、化合物KC−3は、等モル量で静脈内投与されるとき、CNSμオピオイド受容体における有効性がオキシコドンより約14,500倍(即ち、364×40)低いと予想することができる。
実施例53:ラットにおける化合物KC−3のインビボ耐容性
この実施例は、ラットに静脈内投与されたときに化合物KC−3が耐容されたことを実証する。
本試験では、雄性ナイーブSprague−Dawleyラットを用量あたり4匹使用した。ラットを計量し、次にヒートランプの下に15〜20分間置いて外側尾静脈を拡張した。投与量は体重に基づいた(1mL/kg);化合物KC−3(本明細書の実施例に記載のとおり調製することができる)の投与は表33に示すとおりであった。投与前、ラットをブルーム(Broome)型拘束器に入れ、シリンジおよび針を使用して薬物を尾静脈の一つに導入した。投与後、タイマーをセットし、臨床徴候についてラットを観察した。投与後5分に伏在静脈から血液サンプルを回収した。ラットは最長24時間まで観察した。結果を表33に示す。
表33の結果は、ラットが97μmol/kgの用量の化合物KC−3を耐容し、2分以内に正常な活動を回復することを示す。
実施例54:オキシコドンプロドラッグ化合物KC−3のインビトロ安定性
この実施例は、種々の容易に入手可能な家庭用化学品および酵素製剤に対する化合物KC−3の安定性を実証する。
化合物KC−3(本発明の実施例に記載のとおり調製することができる)を室温(RT)または80℃で1時間または24時間(hr)のいずれかにわたり以下の家庭用化学品に曝露した:ウォッカ(40%アルコール)、重曹(飽和重炭酸ナトリウム溶液、pH9)、Ammonia−D入りWINDEX(登録商標)(pH11)および酢(5%酢酸)。化合物KC−3はまた、以下の酵素含有組成物にも、RTで1hrまたは24hrにわたり曝露した:GNC(登録商標)Super Digestive(5mLの水中に溶解した2カプセルのGNC Super Digestive Enzymes)、軟化剤(Adolfの食肉軟化剤、主にパパイン、濃度が0.123g/mLとなるよう水に溶解し、瓶のラベルに掲載されているマリネの濃度を近似した)、およびサブチリシン(subtilisn)(4mLの水に溶解した8錠のULTRAZYME(登録商標)コンタクトレンズ洗浄剤(Advanced Medical Optics))。サンプルを記載のとおりにインキュベートした。1hrおよび24hrでアリコートを取り出し、各々を85%リン酸溶液の50%または100%の溶液に添加してpH4以下の最終pHを達成して安定化させた。次に安定化したアリコートを水で4倍〜6倍希釈し、ボルテックス混合してHPLCにかけた。
図29は、化合物KC−3を上記の様々な家庭用化学品および酵素含有組成物に曝露したときのオキシコドンの放出を実証する。曝露後の化合物KC−3の残留率が黒色のバーで示され、化合物KC−3のオキシコドンへの変換率が、黒線の輪郭を有する薄い陰影付きのバーで示される。これらの結果は、化合物KC−3をこれらの様々な条件に曝露して生じるオキシコドンへの変換が実質的に10%未満であることを示している。
実施例55:ラットへのPO投与後の化合物KC−4の薬物動態
この実施例は、化合物KC−4をラットに経口(PO)投与したときのヒドロコドンの血漿中への放出を実証する。
化合物KC−4(本明細書の実施例に記載のとおり調製することができる)の生理食塩水を、表34に示すとおり、経口投与前に16〜18hr絶食させた内頸静脈カテーテルを挿入した雄性Sprague Dawleyラット(1群あたり4匹)に強制経口投与によって投与した。特定の時間点で血液サンプルを採取し、5,400rpm、4℃で5分間遠心して血漿を回収し、各サンプルから100μlの血漿を、2μlの50%ギ酸が入った新しいチューブに移した。チューブを5〜10秒間ボルテックス撹拌し、直ちにドライアイス中に置き、次いでHPLC/MSによる分析まで−80℃のフリーザーに貯蔵した。
表34は、化合物KC−4を経口投与したラットについてのヒドロコドン曝露の結果を提供する。表34の結果は、(a)ヒドロコドン(OC)の最大血漿中濃度(Cmax)(平均±標準偏差)、(b)化合物KC−4の投与後に最大ヒドロコドン濃度に達するまでの時間(Tmax)(平均±標準偏差)および(c)0〜24hrの曲線下面積(AUC)(平均±標準偏差)として報告する。
表34の結果は、化合物KC−4の経口投与が、本実施形態のヒドロコドンプロドラッグによるヒドロコドンの放出をもたらすことを示す。
実施例56:化合物KC−4をラットにIV投与した後の薬物動態
この実施例は、化合物KC−4を静脈内(IV)投与した後のラットにおけるプロドラッグおよびヒドロコドンの血漿中濃度を比較する。
化合物KC−4(本明細書の実施例に記載のとおり調製することができる)を生理食塩水に溶解し、4匹の内頸静脈カテーテルを挿入した雄性Sprague Dawleyラットに2mg/kgの用量で尾静脈注射した。特定の時間点で血液サンプルを採取し、5,400rpm、4℃で5分間遠心して血漿を回収し、各サンプルから100μlの血漿を、2μlの50%ギ酸が入った新しいチューブに移した。チューブを5〜10秒間ボルテックス撹拌し、直ちにドライアイス中に置き、次いで高速液体クロマトグラフィー/質量分析法(HPLC/MS)による分析まで−80℃のフリーザーに貯蔵した。
表35および図30は、化合物KC−4を静脈内投与したラットについての化合物KC−4およびヒドロコドン曝露結果を提供する。表35の結果は、化合物KC−4およびヒドロコドン(HC)のそれぞれの最大血漿中濃度(Cmax)(平均±標準偏差)として報告する。
表35および図30は、化合物KC−4を静脈内投与したラットにおけるヒドロコドンの血漿中濃度が、化合物KC−4の血漿中濃度の僅か0.006%であることを実証し、化合物KC−4のIV投与がヒドロコドンの血漿中への有意な放出をもたらさないことが示される。
実施例57:ラットに対する化合物KC−4およびトリプシンインヒビター化合物109の経口投与
この実施例は、経口投与した化合物KC−4からの血漿中への薬物放出に影響を及ぼす本実施形態のトリプシンインヒビターの能力を実証する。
化合物KC−4(本明細書の実施例に記載のとおり調製することができる)の生理食塩水を8.4μmol/kg(6mg/kg)で、表36に示すとおり55μmol/kg(30mg/kg)の化合物109(カタログ番号3081、Tocris Bioscienceまたはカタログ番号WS38665、Waterstone Technology)の同時投与有りで、または無しで、経口投与前に16〜18hr絶食させた内頸静脈カテーテルを挿入した雄性Sprague Dawleyラット(1群あたり4匹)に強制経口投与によって投与した。特定の時間点で血液サンプルを採取し、5,400rpm、4℃で5分間遠心して血漿を回収し、各サンプルから100μlの血漿を、2μlの50%ギ酸が入った新しいチューブに移した。チューブを5〜10秒間ボルテックス撹拌し、直ちにドライアイス中に置き、次いでHPLC/MSによる分析まで−80℃のフリーザーに貯蔵した。
表36および図31は、トリプシンインヒビターの非存在下または存在下で化合物KC−4を投与したラットについてのヒドロコドン曝露結果を提供する。表36の結果は、(a)ヒドロコドン(HC)の最大血漿中濃度(Cmax)(平均±標準偏差)、(b)化合物KC−4の投与後に最大ヒドロコドン濃度に達するまでの時間(Tmax)(平均±標準偏差)および(c)0〜24hrの曲線下面積(平均±標準偏差)として報告する。
図31は、トリプシンインヒビターとの同時投与有りで、または無しで化合物KC−4をPO投与した後のヒドロコドン放出の経時的な平均血漿中濃度を比較する。
表36および図31の結果は、化合物109が、化合物KC−4のヒドロコドン放出能力を、CmaxおよびAUCの抑制とTmaxの遅延との双方によって減弱させることを示す。
実施例58:ラットへのPO投与後の化合物KC−5の薬物動態
この実施例は、化合物KC−5をラットに経口(PO)投与したときのオキシコドンの血漿中への放出を実証する。
化合物KC−5(本明細書の実施例に記載のとおり調製することができる)の生理食塩水を、表37に示すとおり、経口投与前に16〜18hr絶食させた内頸静脈カテーテルを挿入した雄性Sprague Dawleyラット(1群あたり4匹)に強制経口投与によって投与した。特定の時間点で血液サンプルを採取し、5,400rpm、4℃で5分間遠心して血漿を回収し、各サンプルから100μlの血漿を、2μlの50%ギ酸が入った新しいチューブに移した。チューブを5〜10秒間ボルテックス撹拌し、直ちにドライアイス中に置き、次いでHPLC/MSによる分析まで−80℃のフリーザーに貯蔵した。
表37および図32は、化合物KC−5を経口投与したラットについてのオキシコドン曝露の結果を提供する。表37の結果は、(a)オキシコドン(OC)の最大血漿中濃度(Cmax)(平均±標準偏差)、(b)化合物KC−5の投与後に最大オキシコドン濃度に達するまでの時間(Tmax)(平均±標準偏差)および(c)0〜8hrの曲線下面積(AUC)(ng×hr)/mL(平均±標準偏差)として報告する。
図32は、化合物KC−5をPO投与した後のオキシコドン放出の経時的な平均血漿中濃度を実証する。
表37および図32の結果は、化合物KC−5の経口投与が、オキシコドンの投与(本明細書の実施例を参照)と比較してCmaxおよびAUCの抑制ならびにTmaxの遅延を呈するオキシコドン血漿中濃度をもたらすことを示す。
実施例59:
ラットへのIV投与後の化合物KC−5の薬物動態
この例は、化合物KC−5を静脈内(IV)投与した後のラットにおけるプロドラッグおよびオキシコドンの血漿中濃度を比較する。
化合物KC−5(本明細書の実施例に記載のとおり調製することができる)を生理食塩水に溶解し、4匹の内頸静脈カテーテルを挿入した雄性Sprague Dawleyラットに2mg/kgの用量で尾静脈注射した。特定の時間点で血液サンプルを採取し、5,400rpm、4℃で5分間遠心して血漿を回収し、各サンプルから100μlの血漿を、2μlの50%ギ酸が入った新しいチューブに移した。チューブを5〜10秒間ボルテックス撹拌し、直ちにドライアイス中に置き、次いで高速液体クロマトグラフィー/質量分析法(HPLC/MS)による分析まで−80℃のフリーザーに貯蔵した。
表38および図33は、化合物KC−5を静脈内投与したラットについての化合物KC−5およびオキシコドン曝露の結果を提供する。表38の結果は、化合物KC−5およびオキシコドン(OC)のそれぞれの最大血漿中濃度(Cmax)(平均±標準偏差)として報告する。
表38および図33は、化合物KC−5をIV投与したラットにおけるオキシコドンの血漿中濃度が、化合物KC−5の血漿中濃度の僅か0.028%であることを実証し、化合物KC−5のIV投与がオキシコドンの血漿中への有意な放出をもたらさないことが示される。
実施例60:化合物KC−5またはオキシコドンをラットにIV投与した後の薬物動態:血漿中および脳脊髄液中への移行
この実施例は、プロドラッグ化合物KC−5およびオキシコドンをラットに静脈内(IV)投与した後のそれぞれの化合物の血漿中および脳脊髄液(CSF)中濃度を比較する。血漿/CSF分配係数から、化合物の血液脳関門透過能力を予測することができる。
10mg/kgの用量の化合物KC−5(本明細書の実施例に記載のとおり調製することができる)、または等モル用量のオキシコドンを、各々生理食塩水に溶解し、4匹の雄性Sprague Dawleyラットに尾静脈注射した。2分後、ラットを二酸化炭素窒息により麻酔し、血液サンプルを採取し、5,400rpm、4℃で5分間遠心して血漿を回収し、各サンプルから100μlの血漿を、2μlの50%ギ酸が入った新しいチューブに移した。ポリウレタンカテーテル型MRE−040チュービング(Braintree Scientific,Inc.)に接続した22×1インチゲージ針を使用して、CSF液を回収した。針は大後頭孔の範囲で項部稜の直下に挿入し、透明なCSF液をカテーテルに回収して回収チューブに移した。CSFサンプルを5,400rpm、4℃で5分間遠心し、各サンプルから100μlのCSF液を新しいチューブに移した。血漿およびCSFサンプルを直ちにドライアイス中に置き、次いで高速液体クロマトグラフィー/質量分析法(HPLC/MS)による分析まで−80℃のフリーザーに貯蔵した。化合物KC−5およびオキシコドンの経時的な血漿中およびCSF中への移行を調べるため、4匹のラットのさらなる群について上記のとおりの化合物を投与し、特定の時間点で麻酔した。上記のとおり血漿およびCSFを回収して分析した。これらのラットの結果から、投与後に血漿およびCSFコンパートメントで急速に平衡に達したこと、およびCSFと血漿との間での分配程度が全時間点を通じて一貫していたことが示された。従って、表39には2分における時間点データのみを報告する。
表39の結果は、4匹のラットの群ごとに、血漿中またはCSF中の示される化合物の平均濃度として報告する。表39はまた、血漿対CSF(血漿/CSF)分配係数、即ち、示される化合物についての血漿中濃度のCSF中濃度に対する比も提供する。
表39の結果は、化合物KC−5のオキシコドンに対する相対血漿/CSF分配係数が約316(即ち、1,508/4.8)であり;即ち化合物KC−5はCSF中への移行がオキシコドンより約316倍低いことを示している。加えて、本明細書の実施例に示されるとおり、化合物KC−5の薬物/プロドラッグ相対効力は約50である。従って、化合物KC−5は、等モル量で静脈内投与されるとき、CNSμオピオイド受容体における有効性がオキシコドンより約15,800倍(即ち、316×50)低いと予想することができる。
実施例61:ラットへのPO投与後の化合物KC−6の薬物動態
この実施例は、化合物KC−6をラットに経口(PO)投与したときのオキシコドンの血漿中への放出を実証する。
化合物KC−6(本明細書の実施例に記載のとおり調製することができる)の生理食塩水を、表40に示すとおり、経口投与前に16〜18hr絶食させた内頸静脈カテーテルを挿入した雄性Sprague Dawleyラット(1群あたり4匹)に強制経口投与によって投与した。特定の時間点で血液サンプルを採取し、5,400rpm、4℃で5分間遠心して血漿を回収し、各サンプルから100μlの血漿を、2μlの50%ギ酸が入った新しいチューブに移した。チューブを5〜10秒間ボルテックス撹拌し、直ちにドライアイス中に置き、次いでHPLC/MSによる分析まで−80℃のフリーザーに貯蔵した。
表40および図34は、化合物KC−6を経口投与したラットについてのオキシコドン曝露の結果を提供する。表40の結果は、(a)オキシコドン(OC)の最大血漿中濃度(Cmax)(平均±標準偏差)、(b)化合物KC−6の投与後に最大オキシコドン濃度に達するまでの時間(Tmax)(平均±標準偏差)および(c)0〜8hrの曲線下面積(AUC)(ng×hr)/mL(平均±標準偏差)として報告する。
図34は、化合物KC−6をPO投与した後のオキシコドン放出の経時的な平均血漿中濃度を実証している。
表40および図34の結果は、化合物KC−6の経口投与が、オキシコドンの投与(本明細書の実施例を参照)と比較してCmaxおよびAUCの抑制ならびにTmaxの遅延を呈するオキシコドン血漿中濃度をもたらすことを示す。
実施例62:ラットへのIV投与後の化合物KC−6の薬物動態
この実施例は、化合物KC−6を静脈内(IV)投与した後のラットにおけるプロドラッグおよびオキシコドンの血漿中濃度を比較する。
化合物KC−6(本明細書の実施例に記載のとおり調製することができる)を生理食塩水に溶解し、4匹の内頸静脈カテーテルを挿入した雄性Sprague Dawleyラットに2mg/kgの用量で尾静脈注射した。特定の時間点で血液サンプルを採取し、5,400rpm、4℃で5分間遠心して血漿を回収し、各サンプルから100μlの血漿を、2μlの50%ギ酸が入った新しいチューブに移した。チューブを5〜10秒間ボルテックス撹拌し、直ちにドライアイス中に置き、次いで高速液体クロマトグラフィー/質量分析法(HPLC/MS)による分析まで−80℃のフリーザーに貯蔵した。
表41および図35は、化合物KC−6を静脈内投与したラットについての化合物KC−6およびオキシコドン曝露の結果を提供する。表41の結果は、化合物KC−6およびオキシコドン(OC)のそれぞれの最大血漿中濃度(Cmax)(平均±標準偏差)として報告する。
表41および図35は、化合物KC−6を静脈内投与したラットにおけるオキシコドンの血漿中濃度が、化合物KC−6の血漿中濃度の僅か0.015%であることを実証し、化合物KC−6のIV投与が、オキシコドンの血漿中への有意な放出をもたらさないことが示される。
実施例63:化合物KC−6をラットにIV投与した後の薬物動態:血漿中および脳脊髄液中への移行
この実施例は、プロドラッグ化合物KC−6およびオキシコドンをラットに静脈内(IV)投与した後のそれぞれの化合物の血漿中および脳脊髄液(CSF)中濃度を比較する。血漿/CSF分配係数から、化合物の血液脳関門透過能力を予測することができる。
7.5mg/kgの用量の化合物KC−6(本明細書の実施例に記載のとおり調製することができる)、および7.5mg/kgの用量のオキシコドンを、各々生理食塩水に溶解し、4匹の雄性Sprague Dawleyラットに尾静脈注射した。2分後、ラットを二酸化炭素窒息により麻酔し、血液サンプルを採取し、5,400rpm、4℃で5分間遠心して血漿を回収し、各サンプルから100μlの血漿を、2μlの50%ギ酸が入った新しいチューブに移した。ポリウレタンカテーテル型MRE−040チュービング(Braintree Scientific,Inc.)に接続した22×1インチゲージ針を使用して、CSF液を回収した。針は大後頭孔の範囲で項部稜の直下に挿入し、透明なCSF液をカテーテルに回収して回収チューブに移した。CSFサンプルを5,400rpm、4℃で5分間遠心し、各サンプルから100μlのCSF液を新しいチューブに移した。血漿およびCSFサンプルを直ちにドライアイス中に置き、次いで高速液体クロマトグラフィー/質量分析法(HPLC/MS)による分析まで−80℃のフリーザーに貯蔵した。化合物KC−6およびオキシコドンの経時的な血漿中およびCSF中への移行を調べるため、4匹のラットのさらなる群について上記のとおりの化合物を投与し、特定の時間点で麻酔した。上記のとおり血漿およびCSFを回収して分析した。これらのラットの結果から、投与後に血漿およびCSFコンパートメントで急速に平衡に達したこと、およびCSFと血漿との間での分配程度が全時間点を通じて一貫していたことが示された。従って、表42には2分における時間点データのみを報告する。
表42の結果は、4匹のラットの群ごとに、血漿中またはCSF中の示される化合物の平均濃度として報告する。表25はまた、血漿対CSF(血漿/CSF)分配係数、即ち、示される化合物についての血漿中濃度のCSF中濃度に対する比も提供する。
表42の結果は、化合物KC−6のオキシコドンに対する相対血漿/CSF分配係数が約171(即ち、815/4.8)であり;即ち化合物KC−6はCSF中への移行がオキシコドンより約171倍低いことを示している。加えて、本明細書の実施例に示されるとおり、化合物KC−6の薬物/プロドラッグ相対効力は約23である。従って、化合物KC−6は、等モル量で静脈内投与されるとき、CNSμオピオイド受容体における有効性がオキシコドンより約3,940倍(即ち、171×23)低いと予想することができる。
本発明について、その特定の実施形態を参考にして説明してきたが、本発明の真の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な変更を行ってもよく、かつ同等のものと置き換えてもよいことが、当業者によって理解されるべきである。加えて、本発明の対照、趣旨および範囲に特定の状況、材料、組成物、プロセス、処理工程または工程を適応するために、多くの改変がなされ得る。そのような改変は、本明細書に添付の特許請求の範囲内にあることが意図される。
本発明は以下の態様を含む。
(A1)GI酵素切断可能部分を含んでなるプロモイエティに共有結合したオピオイドを含んでなるオピオイドプロドラッグであって、GI酵素による前記GI酵素切断可能部分の切断が、前記オピオイドの放出を仲介する、オピオイドプロドラッグと、
前記組成物の摂取後に前記オピオイドプロドラッグからの前記オピオイドの酵素制御放出を仲介する前記GI酵素と相互作用するGI酵素インヒビターとを含んでなる組成物。
(A2)前記オピオイドプロドラッグおよび前記GI酵素インヒビターが、摂取後に予め選択された薬物動態(PK)プロファイルをもたらすのに有効な量で前記用量単位中に存在する、(A1)に記載の組成物を含んでなる用量単位。
(A3)前記予め選択されたPKプロファイルが、インヒビターの非存在下で等価投薬量のオピオイドプロドラッグを摂取した後に放出されるオピオイドのPKパラメータ値より低い少なくとも1つのPKパラメータ値を含んでなる、(A2)に記載の用量単位。
(A4)前記PKパラメータ値が、オピオイドCmax値、オピオイド曝露値、および(1/オピオイドTmax)値から選択される、(A3)に記載の用量単位。
(A5)少なくとも2用量単位を摂取した後に予め選択されたPKプロファイルをもたらす、(A2)に記載の用量単位。
(A6)前記予め選択されたPKプロファイルが、インヒビターの非存在下で等価投薬量のオピオイドプロドラッグを摂取した後のPKプロファイルと比べて改変される、(A5)に記載の用量単位。
(A7)漸増数の前記用量単位の摂取により線形性のPKプロファイルがもたらされることを提供する、(A5)に記載の用量単位。
(A8)漸増数の前記用量単位の摂取により非線形性のPKプロファイルがもたらされることを提供する、(A5)に記載の用量単位。
(A9)前記PKパラメータ値が、オピオイドCmax値、(1/オピオイドTmax)値、およびオピオイド曝露値から選択される、(A5)に記載の組成物。
(A10)患者に投与される組成物を収容するのに好適な容器と、
前記容器の中に配置された(A1)に記載の組成物を含んでなる用量単位とを含んでなる組成物。
(A11)1マイクログラム〜2グラムの全重量を有する用量単位である、(A1)に記載の組成物。
(A12)前記組成物1グラム当たり0.1%〜99%のオピオイドプロドラッグとGI酵素インヒビターとを合わせた重量を有する、(A1)に記載の組成物。
(A13)前記オピオイドプロドラッグが、式PC−(I):
X−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−C(O)−CH(R)−NH(R) (PC−(I))
の化合物、またはその薬学的に許容できる塩であり、式中:
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでフェノール性ヒドロキシル基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−C(O)−CH(R)−NH(R)との共有結合に置換され;
は(1−4C)アルキル基を表し;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子または(1−4C)アルキル基を表し;nは2または3を表し;
は−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHを表し、Rが結合する炭素原子の配置は、L−アミノ酸における配置に対応し;および
は、水素原子、N−アシル基、または、アミノ酸の、ジペプチドの、またはアミノ酸もしくはジペプチドのN−アシル誘導体の残基を表す、(A1)〜(A12)のいずれかに記載の組成物。
(A14)前記オピオイドプロドラッグが、式PC−(IIa):
X−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−C(O)−CH(R)−NH(R) (PC−(IIa))
の化合物、またはその薬学的に許容できる塩であり、式中:
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでフェノール性ヒドロキシル基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−C(O)−CH(R)−NH(R)との共有結合に置換され;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数を表し;
は−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHを表し、Rが結合する炭素原子の配置は、L−アミノ酸における配置に対応し;および
は、水素原子、N−アシル基(N−置換アシルを含む)、アミノ酸の、ジペプチドの、またはアミノ酸もしくはジペプチドのN−アシル誘導体(N−置換アシル誘導体を含む)の残基を表す、(A1)〜(A12)のいずれかに記載の組成物。
(A15)前記オピオイドプロドラッグが、式PC−(IIb):
X−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−C(O)−CH(R)−NH(R) (PC−(IIb))
の化合物、またはその薬学的に許容できる塩であり、式中:
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでフェノール性ヒドロキシル基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−C(O)−CH(R)−NH(R)との共有結合に置換され;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;あるいは
およびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
nは2〜4の整数を表し;
は−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHを表し、Rが結合する炭素原子の配置は、L−アミノ酸における配置に対応し;および
は、水素原子、N−アシル基(N−置換アシルを含む)、アミノ酸の、ジペプチドの、またはアミノ酸もしくはジペプチドのN−アシル誘導体(N−置換アシル誘導体を含む)の残基を表す、(A1)〜(A12)いずれかに記載の組成物。
(A16)前記オピオイドプロドラッグが、式PC−(III):
X−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−C(O)−CH(R)−NH(R) (PC−(III))
の化合物、またはその薬学的に許容できる塩であり、式中:
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでフェノール性ヒドロキシル基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−C(O)−CH(R)−NH(R)との共有結合に置換され;
は(1−4C)アルキル基を表し;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子または(1−4C)アルキル基を表し;
nは2または3を表し;
は−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHを表し、Rが結合する炭素原子の配置は、L−アミノ酸における配置に対応し;および
は、水素原子、N−アシル基(N−置換アシルを含む)、アミノ酸の、ジペプチドの、またはアミノ酸もしくはジペプチドのN−アシル誘導体(N−置換アシル誘導体を含む)の残基を表す、(A1)〜(A12)のいずれかに記載の組成物。
(A17)前記オピオイドプロドラッグが、式PC−(IV):
の化合物、またはその薬学的に許容できる塩であり、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
はオキソ(=O)またはヒドロキシルであり;
破線は二重結合または単結合であり;
は(1−4C)アルキル基を表し;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子または(1−4C)アルキル基を表し;
nは2または3を表し;
は−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHを表し、Rが結合する炭素原子の配置は、L−アミノ酸における配置に対応し;および
は、水素原子、N−アシル基、または、アミノ酸の、ジペプチドの、またはアミノ酸もしくはジペプチドのN−アシル誘導体の残基を表す、(A1)〜(A12)のいずれかに記載の組成物。
(A18)前記オピオイドプロドラッグが、式PC−(Va):
の化合物、またはその薬学的に許容できる塩であり、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
はオキソ(=O)またはヒドロキシルであり;
破線は二重結合または単結合であり;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数を表し;
は−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHを表し、Rが結合する炭素原子の配置は、L−アミノ酸における配置に対応し;および
は、水素原子、N−アシル基(N−置換アシルを含む)、アミノ酸の、ジペプチドの、またはアミノ酸もしくはジペプチドのN−アシル誘導体(N−置換アシル誘導体を含む)の残基を表す、(A1)〜(A12)のいずれかに記載の組成物。
(A19)前記オピオイドプロドラッグが、式PC−(Vb):
の化合物、またはその薬学的に許容できる塩であり、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
はオキソ(=O)またはヒドロキシルであり;
破線は二重結合または単結合であり;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;あるいは
およびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
nは2〜4の整数を表し;
は−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHを表し、Rが結合する炭素原子の配置は、L−アミノ酸における配置に対応し;および
は、水素原子、N−アシル基(N−置換アシルを含む)、アミノ酸の、ジペプチドの、またはアミノ酸もしくはジペプチドのN−アシル誘導体(N−置換アシル誘導体を含む)の残基を表す、(A1)〜(A12)のいずれかに記載の組成物。
(A20)前記オピオイドプロドラッグが、式PC−(VI):
の化合物、またはその薬学的に許容できる塩であり、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
はオキソ(=O)またはヒドロキシルであり;
破線は二重結合または単結合であり;
は(1−4C)アルキル基を表し;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子または(1−4C)アルキル基を表し;
nは2または3を表し;
は−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHを表し、Rが結合する炭素原子の配置は、L−アミノ酸における配置に対応し;および
は、水素原子、N−アシル基(N−置換アシルを含む)、アミノ酸の、ジペプチドの、またはアミノ酸もしくはジペプチドのN−アシル誘導体(N−置換アシル誘導体を含む)の残基を表す、(A1)〜(A12)のいずれかに記載の組成物。
(A21)前記オピオイドプロドラッグが、式PC−(VII):
X−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−R (PC−(VII))
の化合物、またはその薬学的に許容できる塩であり、式中:
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでフェノール性ヒドロキシル基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−Rとの共有結合に置換され;
は(1−4C)アルキル基を表し;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子または(1−4C)アルキル基を表し;
nは2または3を表し;および
はトリプシン切断可能部分である、(A1)〜(A12)のいずれかに記載の組成物。
(A22)前記オピオイドプロドラッグが、式PC−(VIII):
X−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−R (PC−(VIII))
の化合物、またはその薬学的に許容できる塩であり、式中:
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでフェノール性ヒドロキシル基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−Rとの共有結合に置換され;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数を表し;および
はトリプシン切断可能部分である、(A1)〜(A12)のいずれかに記載の組成物。
(A23)前記オピオイドプロドラッグが、式PC−(IX):
の化合物、またはその薬学的に許容できる塩であり、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
はオキソ(=O)またはヒドロキシルであり;
破線は二重結合または単結合であり;
は(1−4C)アルキル基を表し;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子または(1−4C)アルキル基を表し;
nは2または3を表し;および
はトリプシン切断可能部分である、(A1)〜(A12)のいずれかに記載の組成物。
(A24)前記オピオイドプロドラッグが、式PC−(X):
の化合物、またはその薬学的に許容できる塩であり、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
はオキソ(=O)またはヒドロキシルであり;
破線は二重結合または単結合であり;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数を表し;および
はトリプシン切断可能部分である、(A1)〜(A12)のいずれかに記載の組成物。
(A25)前記オピオイドプロドラッグが、式PC−(XI):
X−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−R (PC−(XI))
の化合物、またはその薬学的に許容できる塩であり、式中:
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでフェノール性ヒドロキシル基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−C(O)−CH(R)−NH(R)との共有結合に置換され;
は(1−4C)アルキル基を表し;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子または(1−4C)アルキル基を表し;
nは2または3を表し;および
はGI酵素切断可能部分である、(A1)〜(A12)のいずれかに記載の組成物。
(A26)前記オピオイドプロドラッグが、式PC−(XII):
X−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−R (PC−(XII))
の化合物、またはその薬学的に許容できる塩であり、式中:
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでフェノール性ヒドロキシル基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−C(O)−CH(R)−NH(R)との共有結合に置換され;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数を表し;および
はGI酵素切断可能部分である、(A1)〜(A12)のいずれかに記載の組成物。
(A27)前記オピオイドプロドラッグが、式PC−(XIII):
の化合物、またはその薬学的に許容できる塩であり、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
はオキソ(=O)またはヒドロキシルであり;
破線は二重結合または単結合であり;
は(1−4C)アルキル基を表し;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子または(1−4C)アルキル基を表し;
nは2または3を表し;および
はGI酵素切断可能部分である、(A1)〜(A12)のいずれかに記載の組成物。
(A28)前記オピオイドプロドラッグが、式PC−(XIV):
の化合物、またはその薬学的に許容できる塩であり、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
はオキソ(=O)またはヒドロキシルであり;
破線は二重結合または単結合であり;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数を表し;および
はGI酵素切断可能部分である、(A1)〜(A12)のいずれかに記載の組成物。
(A29)前記オピオイドプロドラッグが、式PC−(XV):
の化合物であり、式中:
Xはフェノール性オピオイドであり、ここでヒドロキシル基の水素原子は、−C(O)−Y−(C(R)(R))−N−(R)(R)との共有結合に置換され
Yは、−NR−、−O−または−S−であり;
nは1〜4の整数であり;
各R、R、RおよびRは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであるか、あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
は、
であり;
各Rは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にRおよびRが、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;
pは1〜10の整数であり;
各Wは、独立して、−NR−、−O−または−S−であり;および
各Rは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであるか、あるいは任意選択的に、各RおよびRが、独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成する、(A1)〜(A12)のいずれかに記載の組成物。
(A30)前記オピオイドプロドラッグが、式PC−(XVI):
の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは水和物であり、式中:
Xは、フェノールを含んでなるオピオイドであり、ここでフェノールの水素原子は、−(CR1213)−Y−Z−R11との共有結合により置換され;
12およびR13は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり;
Yは、任意選択的に1つまたは複数の−F、−Cl、−Br、−I、−R14、−O、−OR14、−SR14、−S、−NR1415、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、−N、−S(O)、−S(O)OH、−S(O)14、−OS(O)O、−OS(O)14、−P(O)(O、−P(O)(OR14)(O)、−OP(O)(OR14)(OR15)、−C(O)R14、−C(S)R14、−C(O)OR14、−C(O)NR1415、−C(O)O、−C(S)OR14、−NR16C(O)NR1415、−NR16C(S)NR1415、−NR17C(NR16)NR1514または−C(NR16)NR1514で置換されているアリール、ヘテロアリールまたはアリールアリールであり;
14、R15、R16およびR17は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであるか、あるいは任意選択的にR14およびR15が、それらが結合する窒素原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
Zは、N(R18)−、−O−または−S−であり;
18は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは
であり;
各Wは、独立して、−NR20−、−O−または−S−であり;
各R19は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR19およびR20が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各R20は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR20およびR21が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
21は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;
nは0〜5の整数であり;
11は、
であり;
各Uは、独立して、−NR23−、−O−または−S−であり;
各R22は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR22およびR23が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各R23は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR23およびR24が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
24は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;および
oは1〜100の整数であり;
ただし、ZはX−(CR1213)−に対してパラ位またはオルト位に配向し、かつR18およびR11のいずれも水素ではないものとする、(A1)〜(A12)のいずれかに記載の組成物。
(A31)前記オピオイドプロドラッグが、式PC−(XVII):
の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは水和物であり、式中:
Xは、フェノールを含んでなるオピオイドであり、ここでXは前記フェノールにより結び付けられ;
12およびR13は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり;
26は、それぞれ、−F、−Cl、−Br、−I、−R14、−O、−OR14、−SR14、−S、−NR1415、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、−N、−S(O)、−S(O)OH、−S(O)14、−OS(O)O、−OS(O)14、−P(O)(O、−P(O)(OR14)(O)、−OP(O)(OR14)(OR15)、−C(O)R14、−C(S)R14、−C(O)OR14、−C(O)NR1415、−C(O)O、−C(S)OR14、−NR16C(O)NR1415、−NR16C(S)NR1415、−NR17C(NR16)NR1514および−C(NR16)NR1514の1つまたは複数からなる群から独立して選択され、およびkは、0、1、2、3、または4であり;
14、R15、R16およびR17は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであるか、あるいは任意選択的にRおよびRが、それらが結合する窒素原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
18は水素またはメチルであり;
22は、アミノ酸の側鎖またはアミノ酸の側鎖の誘導体であり;
各Uは、独立して、−NR23−、−O−または−S−であり;
各R23は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR23およびR24が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;および
24は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;および
oは1〜100の整数である、(A1)〜(A12)のいずれかに記載の組成物。
(A32)前記オピオイドプロドラッグが、式PC−(XVIII):
X−C(R31a)(R32a))−Ar−Z−C(O)−Y−(C(R31)(R32))−N−(R33)(R34)A− (PC−(XVIII)
の化合物、またはその塩、水和物もしくは溶媒和物であり、式中:
Xは、フェノールを含んでなるオピオイドであり、ここで前記フェノールの水素原子は、−(C(R31a)(R32a)−Ar−Z−C(O)−Y−(C(R31)(R32))−N−(R33)(R34)との共有結合により置換され;
31aおよびR32aは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり;
Arは、任意選択的に1つまたは複数の−F、−Cl、−Br、−I、−R34a、−O、−OR34a、−SR34a、−S−、−NR34a35a、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、−N、−S(O)O’、−S(O)OH、−S(O)34a、−OS(O)O’’、−OS(O)34a、−P(O)(O’’)、−P(O)(OR34a)(O’’)、−OP(O)(OR34a)(OR35a)、−C(O)R34a、−C(S)R34a、−C(O)OR34a、−C(O)NR34a35a、−C(O)O;−C(S)OR34a、−NR36aC(O)NR34a35a、−NR36aC(S)NR34a35a、−NR37aC(NR36a)NR35a34aまたは−C(NR36a)NR35a34aで置換されているか、あるいはポリマーに結合したアリール、ヘテロアリールまたはアリールアリールであり;
34a、R35a、R36aおよびR37aは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであるか、あるいは任意選択的にR34およびR35が、それらが結合する窒素原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
Zは、O、SまたはNHであり;
Yは、−NR35−、−O−または−S−であり;
nは1〜10の整数であり;
各R31、R32、R33およびR35は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであるか、あるいはR31およびR32が、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR31基またはR32基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
34は、
であり;
各R36は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR36およびR37が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
37は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;
pは1〜5の整数であり;
各Wは、独立して、−NR38−、−O−または−S−であり;
各R38は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであるか、あるいは任意選択的に各R36およびR38が、独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;および
A’はアニオンを表す、(A1)〜(A12)のいずれかに記載の組成物。
(A33)前記オピオイドプロドラッグが、式KC−(Ia):
の化合物であって、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数であり;
は水素または(1−4C)アルキルであり;
は、
であり;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから独立して選択されるか、あるいは任意選択的にRおよびRが、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各Wは、独立して、−NR−、−O−または−S−であり;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリールおよび置換アリールから独立して選択されるか、あるいは任意選択的に各RおよびRが、独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
pは1〜100の整数であり;および
は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択される、化合物
またはその塩、水和物もしくは溶媒和物である、(A1)〜(A12)のいずれかに記載の組成物。
(A34)前記オピオイドプロドラッグが、式KC−(Ib):
の化合物であって、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
nは2〜4の整数であり;
は水素または(1−4C)アルキルであり;
は、
であり;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから独立して選択されるか、あるいは任意選択的にRおよびRが、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各Wは、独立して、−NR−、−O−または−S−であり;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリールおよび置換アリールから独立して選択されるか、あるいは任意選択的に各RおよびRが、独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
pは1〜100の整数であり;および
は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択される、化合物
またはその塩、水和物もしくは溶媒和物である、(A1)〜(A12)のいずれかに記載の組成物。
(A35)前記オピオイドプロドラッグが、式KC−(II):
の化合物であり、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
は、(1−6C)アルキル、(1−6C)置換アルキル、−(CH(C)−COOH、−(CH(C)−COOCH、および−(CH(C)−COOCHCHから選択され、式中、qは1〜10の整数であり;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
nは2または3であり;
は水素であり;
は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンから選択されるL−アミノ酸の残基、もしくは前記アミノ酸のいずれかのN−アシル誘導体の残基;または、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンから独立して選択される少なくとも2個のL−アミノ酸残基から構成されるペプチドの残基、もしくはそのN−アシル誘導体の残基である、(A1)〜(A12)のいずれかに記載の組成物。
(A36)前記オピオイドプロドラッグが、式KC−(IIIa):
の化合物であって、式中:
Xは、ケトン含有オピオイドの残基を表し、ここで前記ケトンの対応するエノール基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NRとの共有結合により置換され;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数であり;
は水素または(1−4C)アルキルであり;
は、
であり;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから独立して選択されるか、あるいは任意選択的にRおよびRが、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各Wは、独立して、−NR−、−O−または−S−であり;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリールおよび置換アリールから独立して選択されるか、あるいは任意選択的に各RおよびRが、独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
pは1〜100の整数であり;および
は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択される、化合物
またはその塩、水和物もしくは溶媒和物である、(A1)〜(A12)のいずれかに記載の組成物。
(A37)前記オピオイドプロドラッグが、式KC−(IIIb):
の化合物であって、式中:
Xは、ケトン含有オピオイドの残基を表し、ここで前記ケトンの対応するエノール基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NRとの共有結合により置換され;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
nは2〜4の整数であり;
は水素または(1−4C)アルキルであり;
は、
であり;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから独立して選択されるか、あるいは任意選択的にRおよびRが、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各Wは、独立して、−NR−、−O−または−S−であり;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリールおよび置換アリールから独立して選択されるか、あるいは任意選択的に各RおよびRが、独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
pは1〜100の整数であり;および
は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択される、化合物
またはその塩、水和物もしくは溶媒和物である、(A1)〜(A12)のいずれかに記載の組成物。
(A38)前記オピオイドプロドラッグが、式KC−(IV):
の化合物であって、式中:
Xは、ケトン含有オピオイドの残基を表し、ここで前記ケトンの対応するエノール基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NRとの共有結合により置換され;
は、(1−6C)アルキル、(1−6C)置換アルキル、−(CH(C)−COOH、−(CH(C)−COOCH、および−(CH(C)−COOCHCHから選択され、式中、qは1〜10の整数であり;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
nは2または3であり;
は水素または(1−4C)アルキルであり;
は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンから選択されるL−アミノ酸の残基、もしくは前記アミノ酸のいずれかのN−アシル誘導体の残基;または、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンから独立して選択される少なくとも2個のL−アミノ酸残基から構成されるペプチドの残基、もしくはそのN−アシル誘導体の残基である、化合物
またはその塩、水和物もしくは溶媒和物である、(A1)〜(A12)のいずれかに記載の組成物。
(A39)前記オピオイドプロドラッグが、式KC−(Va):
の化合物であって、式中:
Xは、ケトン含有オピオイドの残基を表し、ここで前記ケトンの対応するエノール基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NRとの共有結合により置換され;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数であり;
は水素であり;
はトリプシン切断可能部分である、化合物
またはその塩、水和物もしくは溶媒和物である、(A1)〜(A12)のいずれかに記載の組成物。
(A40)前記オピオイドプロドラッグが、式KC−(Vb):
の化合物であって、式中:
Xは、ケトン含有オピオイドの残基を表し、ここで前記ケトンの対応するエノール基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NRとの共有結合により置換され;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数であり;
は水素であり;
はGI酵素切断可能部分である、化合物
またはその塩、水和物もしくは溶媒和物である、(A1)〜(A12)のいずれかに記載の組成物。
(A41)前記オピオイドプロドラッグが、式KC−(VI):
の化合物であり、式中:
Xは、ケトン含有オピオイドの残基を表し、ここで前記ケトンの対応するエノール基の水素原子は、−C(O)−Y−(C(R)(R))−NRとの共有結合により置換され;
Yは、−NR−、−O−または−S−であり;
nは1〜4の整数であり;
各R、R、RおよびRは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであるか、あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
は、
であり;
各Rは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にRおよびRが、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;
pは1〜10の整数であり;
各Wは、独立して、−NR−、−O−または−S−であり;および
各Rは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであるか、あるいは任意選択的に、各RおよびRが、独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成する、(A1)〜(A12)のいずれかに記載の組成物。
(A42)前記オピオイドプロドラッグが、式KC−(VII):
の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは水和物であり、式中:
Xは、ケトン含有オピオイドの残基を表し、ここで前記ケトンの対応するエノール基の水素原子は、共有結合−(CR1213)−Y−Z−R11により置換され;
12およびR13は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり;
Yは、任意選択的に1つまたは複数の−F、−Cl、−Br、−I、−R14、−O、−OR14、−SR14、−S、−NR1415、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、−N、−S(O)、−S(O)OH、−S(O)14、−OS(O)O、−OS(O)14、−P(O)(O、−P(O)(OR14)(O)、−OP(O)(OR14)(OR15)、−C(O)R14、−C(S)R14、−C(O)OR14、−C(O)NR1415、−C(O)O、−C(S)OR14、−NR16C(O)NR1415、−NR16C(S)NR1415、−NR17C(NR16)NR1514または−C(NR16)NR1514で置換されているアリール、ヘテロアリールまたはアリールアリールであり;
14、R15、R16およびR17は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであるか、あるいは任意選択的にR14およびR15が、それらが結合する窒素原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
Zは、N(R18)−、−O−または−S−であり;
18は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは
であり;
各Wは、独立して、−NR20−、−O−または−S−であり;
各R19は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR19およびR20が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各R20は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR20およびR21が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
21は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;
nは0〜5の整数であり;
11は、
であり;
各Uは、独立して、−NR23−、−O−または−S−であり;
各R22は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR22およびR23が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各R23は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリールであるか、あるいは任意選択的にR23およびR24が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
24は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;および
oは1〜100の整数であり;
ただし、ZはX−(CR1213)−に対してパラ位またはオルト位に配向し、かつR18およびR11のいずれも水素ではないものとする、(A1)〜(A12)のいずれかに記載の組成物。
(A43)前記オピオイドプロドラッグが、式KC−(VIII):
の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは水和物であり、式中:
Xは、ケトン含有オピオイドの残基を表し、ここで前記ケトンの対応するエノール基の水素原子は、−(CR1213)−Y−Z−R11との共有結合により置換され;
12およびR13は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり;
26は、それぞれ、−F、−Cl、−Br、−I、−R14、−O、−OR14、−SR14、−S、−NR1415、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、−N、−S(O)、−S(O)OH、−S(O)14、−OS(O)O、−OS(O)14、−P(O)(O、−P(O)(OR14)(O)、−OP(O)(OR14)(OR15)、−C(O)R14、−C(S)R14、−C(O)OR14、−C(O)NR1415、−C(O)O、−C(S)OR14、−NR16C(O)NR1415、−NR16C(S)NR1415、−NR17C(NR16)NR1514および−C(NR16)NR1514の1つまたは複数からなる群から独立して選択され、およびkは、0、1、2、3、または4であり;
14、R15、R16およびR17は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであるか、あるいは任意選択的にRおよびRが、それらが結合する窒素原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
18は水素またはメチルであり;
22は、アミノ酸の側鎖またはアミノ酸の側鎖の誘導体であり;
各Uは、独立して、−NR23−、−O−または−S−であり;
各R23は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR23およびR24が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;および
24は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;および
oは1〜100の整数である、(A1)〜(A12)のいずれかに記載の組成物。
(A44)前記オピオイドプロドラッグが、式KC−(IX):
X−C(R31a)(R32a))−Ar−Z−C(O)−Y−(C(R31)(R32))−N−(R33)(R34)A− (KC−(IX))
の化合物、またはその塩、水和物もしくは溶媒和物であり、式中:
Xは、ケトン含有オピオイドの残基を表し、ここで前記ケトンの対応するエノール基の水素原子は、−(C(R31a)(R32a)−Ar−Z−C(O)−Y−(C(R31)(R32))−N−(R33)(R34)との共有結合により置換され;
31aおよびR32aは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり;
Arは、任意選択的に1つまたは複数の−F、−Cl、−Br、−I、−R34a、−O、−OR34a、−SR34a、−S−、−NR34a35a、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、−N、−S(O)O’、−S(O)OH、−S(O)34a、−OS(O)O’’、−OS(O)34a、−P(O)(O’’)、−P(O)(OR34a)(O’’)、−OP(O)(OR34a)(OR35a)、−C(O)R34a、−C(S)R34a、−C(O)OR34a、−C(O)NR34a35a、−C(O)O;−C(S)OR34a、−NR36aC(O)NR34a35a、−NR36aC(S)NR34a35a、−NR37aC(NR36a)NR35a34aまたは−C(NR36a)NR35a34aで置換されているか、あるいはポリマーに結合したアリール、ヘテロアリールまたはアリールアリールであり;
34a、R35a、R36aおよびR37aは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであるか、あるいは任意選択的にR34およびR35が、それらが結合する窒素原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
Zは、O、SまたはNHであり;
Yは、−NR35−、−O−または−S−であり;
nは1〜10の整数であり;
各R31、R32、R33およびR35は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであるか、あるいはR31およびR32が、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR31基またはR32基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
34は、
であり;
各R36は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR36およびR37が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
37は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;
pは1〜5の整数であり;
各Wは、独立して、−NR38−、−O−または−S−であり;
各R38は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであるか、あるいは任意選択的に各R36およびR38が、独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;および
A’はアニオンを表す、(A1)〜(A12)のいずれかに記載の組成物。
(A45)前記オピオイドプロドラッグが、式QS−(I):
の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは水和物であり、式中:
Xは、アミンを含んでなるオピオイドであり、ここで第一級または第二級アミンの水素原子が−(CR1213)−Y−Z−R11との共有結合により置換されるか、あるいは第三級アミンの電子の孤立電子対が−(CR1213)−Y−Z−R11との共有結合により置換され;
12およびR13は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり;
Yは、任意選択的に1つまたは複数の−F、−Cl、−Br、−I、−R14、−O、−OR14、−SR14、−S、−NR1415、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、−N、−S(O)、−S(O)OH、−S(O)14、−OS(O)O、−OS(O)14、−P(O)(O、−P(O)(OR14)(O)、−OP(O)(OR14)(OR15)、−C(O)R14、−C(S)R14、−C(O)OR14、−C(O)NR1415、−C(O)O、−C(S)OR14、−NR16C(O)NR1415、−NR16C(S)NR1415、−NR17C(NR16)NR1514または−C(NR16)NR1514で置換されているアリール、ヘテロアリールまたはアリールアリールであり;
14、R15、R16およびR17は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであるか、あるいは任意選択的にR14およびR15が、それらが結合する窒素原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
Zは、N(R18)−、−O−または−S−であり;
18は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは
であり;
各Wは、独立して、−NR20−、−O−または−S−であり;
各R19は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR19およびR20が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各R20は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR20およびR21が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
21は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;
nは0〜5の整数であり;
11は、
であり;
各Uは、独立して、−NR23−、−O−または−S−であり;
各R22は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR22およびR23が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各R23は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR23およびR24が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
24は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;および
oは1〜100の整数であり;
ただし、ZはX−(CR1213)−に対してパラ位またはオルト位に配向し、かつR18およびR11のいずれも水素ではないものとする、(A1)〜(A12)のいずれかに記載の組成物。
(A46)前記オピオイドプロドラッグが、式QS−(II):
の化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは水和物であり、式中:
Xは、アミンを含んでなるオピオイドであり、ここで第一級または第二級アミンの水素原子が−(CR1213)−Y−Z−R11との共有結合により置換されるか、あるいは第三級アミンの電子の孤立電子対が−(CR1213)−Y−Z−R11との共有結合により置換され;
12およびR13は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり;
26は、それぞれ、−F、−Cl、−Br、−I、−R14、−O、−OR14、−SR14、−S、−NR1415、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、−N、−S(O)、−S(O)OH、−S(O)14、−OS(O)O、−OS(O)14、−P(O)(O、−P(O)(OR14)(O)、−OP(O)(OR14)(OR15)、−C(O)R14、−C(S)R14、−C(O)OR14、−C(O)NR1415、−C(O)O、−C(S)OR14、−NR16C(O)NR1415、−NR16C(S)NR1415、−NR17C(NR16)NR1514および−C(NR16)NR1514の1つまたは複数からなる群から独立して選択され、およびkは、0、1、2、3、または4であり;
14、R15、R16およびR17は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであるか、あるいは任意選択的にRおよびRが、それらが結合する窒素原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
18は水素またはメチルであり;
22は、アミノ酸の側鎖またはアミノ酸の側鎖の誘導体であり;
各Uは、独立して、−NR23−、−O−または−S−であり;
各R23は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR23およびR24が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;および
24は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;および
oは1〜100の整数である、(A1)〜(A12)のいずれかに記載の組成物。
(A47)前記オピオイドプロドラッグが、式QS−(III):
X−C(R31a)(R32a))−Ar−Z−C(O)−Y−(C(R31)(R32))−N−(R33)(R34)A− (QS−(III))
の化合物、またはその塩、水和物もしくは溶媒和物であり、式中:
Xはオピオイドの残基であり、ここでアミノ窒素の電子の孤立電子対は、−(C(R31a)(R32a)−Ar−Z−C(O)−Y−(C(R31)(R32))−N−(R33)(R34)との結合により置換され;
31aおよびR32aは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり;
Arは、任意選択的に1つまたは複数の−F、−Cl、−Br、−I、−R34a、−O、−OR34a、−SR34a、−S−、−NR34a35a、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、−N、−S(O)O’、−S(O)OH、−S(O)34a、−OS(O)O’’、−OS(O)34a、−P(O)(O’’)、−P(O)(OR34a)(O’’)、−OP(O)(OR34a)(OR35a)、−C(O)R34a、−C(S)R34a、−C(O)OR34a、−C(O)NR34a35a、−C(O)O;−C(S)OR34a、−NR36aC(O)NR34a35a、−NR36aC(S)NR34a35a、−NR37aC(NR36a)NR35a34aまたは−C(NR36a)NR35a34aで置換されているか、あるいはポリマーに結合したアリール、ヘテロアリールまたはアリールアリールであり;
34a、R35a、R36aおよびR37aは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであるか、あるいは任意選択的にR34およびR35が、それらが結合する窒素原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
Zは、O、SまたはNHであり;
Yは、−NR35−、−O−または−S−であり;
nは1〜10の整数であり;
各R31、R32、R33およびR35は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであるか、あるいはR31およびR32が、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR31基またはR32基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
34は、
であり;
各R36は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR36およびR37が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
37は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;
pは1〜5の整数であり;
各Wは、独立して、−NR38−、−O−または−S−であり;
各R38は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであるか、あるいは任意選択的に各R36およびR38が、独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;および
A’はアニオンを表す、(A1)〜(A12)のいずれかに記載の組成物。
(A48)前記オピオイドプロドラッグが、式AE−(I):
の化合物であって、式中:
Xは、アミド含有オピオイドの残基を表し、ここで−C(O)−NR−(C(R)(R))−NRがアミド基の酸素を介して前記アミド含有オピオイドに結合し、前記アミド基はアミドエノールまたはイミン互変異性体に変換され;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数であり;
は水素または(1−4C)アルキルであり;
は、
であり;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから独立して選択されるか、あるいは任意選択的にRおよびRが、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各Wは、独立して、−NR−、−O−または−S−であり;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリールおよび置換アリールから独立して選択されるか、あるいは任意選択的に各RおよびRが、独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
pは1〜100の整数であり;および
は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択される、化合物
またはその塩、水和物もしくは溶媒和物である、(A1)〜(A12)のいずれかに記載の組成物。
(A49)前記オピオイドプロドラッグが、式AE−(II):
の化合物であって、式中:
Xは、アミド含有オピオイドの残基を表し、ここで−C(O)−NR−(C(R)(R))−NRがアミド基の酸素を介して前記アミド含有オピオイドに結合し、前記アミド基はアミドエノールまたはイミン互変異性体に変換され;
は、(1−6C)アルキル、(1−6C)置換アルキル、−(CH(C)−COOH、−(CH(C)−COOCH、および−(CH(C)−COOCHCHから選択され、式中、qは1〜10の整数であり;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2または3であり;
は水素であり;
はGI酵素切断可能部分である、化合物
またはその塩、水和物もしくは溶媒和物である、(A1)〜(A12)のいずれかに記載の組成物。
(A50)前記オピオイドプロドラッグが、式AE−(III):
の化合物であって、式中:
Xは、アミド含有オピオイドの残基を表し、ここで−CO−C(R)−NRがアミド基の酸素を介して前記アミド含有オピオイドに結合し、前記アミド基はアミドエノールまたはイミン互変異性体に変換され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから独立して選択されるか、あるいは任意選択的にRおよびRが、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリールおよび置換アリールから独立して選択されるか、あるいは任意選択的に各RおよびRが、独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択される、化合物
またはその塩、水和物もしくは溶媒和物である、(A1)〜(A12)のいずれかに記載の組成物。
(A51)(A1)〜(A50)のいずれかに記載の医薬組成物または用量単位を、それを必要とする患者に投与する工程を含んでなる、患者の治療方法。
(A52)用量単位中に:
GI酵素により切断可能なプロモイエティに共有結合した薬物を含んでなるプロドラッグであって、前記酵素による前記プロモイエティの切断が、前記プロドラッグからの前記薬物の放出を仲介するプロドラッグ;および
前記プロドラッグからの前記薬物の酵素制御放出を仲介する前記酵素と相互作用するGI酵素インヒビターを組み合わせる工程を含んでなる、用量単位の作製方法であって、
前記プロドラッグおよび前記GI酵素インヒビターは、患者が複数の用量単位を摂取しても比例した薬物の放出をもたらさないように前記プロドラッグからの前記薬物の放出を減弱させるのに有効な量で前記用量単位中に存在する方法。
(A53)前記薬物の放出が、インヒビターの非存在下での等価投薬量のプロドラッグによる薬物の放出と比較して減少する、(A52)に記載の方法。
(A54)プロドラッグとGI酵素インヒビターと酵素とを反応混合物に組み合わせる工程であって、前記プロドラッグが、GI酵素切断可能部分を含んでなるプロモイエティに共有結合した薬物を含んでなり、前記酵素による前記GI酵素切断可能部分の切断が前記薬物の放出を仲介する工程と
プロドラッグ変換を検出する工程とを含んでなる、用量単位に製剤化するのに好適なプロドラッグおよびGI酵素インヒビターを同定する方法であって、
前記GI酵素インヒビターの非存在下でのプロドラッグ変換と比較したときの前記GI酵素インヒビターの存在下でのプロドラッグ変換の減少が、前記プロドラッグおよび前記GI酵素インヒビターは用量単位に製剤化するのに好適であることを示す方法。
(A55)プロドラッグおよびGI酵素インヒビターを動物に投与する工程であって、前記プロドラッグがGI酵素切断可能部分を含んでなるプロモイエティに共有結合した薬物を含んでなり、前記酵素による前記GI酵素切断可能部分の切断が前記薬物の放出を仲介する工程と
プロドラッグ変換を検出する工程とを含んでなる、用量単位に製剤化するのに好適なプロドラッグおよびGI酵素インヒビターを同定する方法であって、
前記GI酵素インヒビターの非存在下での薬物変換と比較したときの前記GI酵素インヒビターの存在下での薬物変換の減少が、前記プロドラッグおよび前記GI酵素インヒビターは用量単位に製剤化するのに好適であることを示す方法。
(A56)前記投与する工程が、選択された一定用量のプロドラッグと同時投与する漸増用量のインヒビターを動物に投与する工程を含んでなる、(A55)に記載の方法。
(A57)前記検出する工程が、予め選択された薬物動態(PK)プロファイルをもたらすインヒビターの用量およびプロドラッグの用量の同定を促進する、(A55)に記載の方法。
(A58)インビボアッセイを含んでなる、(A55)に記載の方法。
(A59)エキソビボアッセイを含んでなる、(A55)に記載の方法。
(A60)プロドラッグおよびGI酵素インヒビターを動物組織に投与する工程であって、前記プロドラッグが、GI酵素切断可能部分を含んでなるプロモイエティに共有結合した薬物を含んでなり、前記酵素による前記GI酵素切断可能部分の切断が前記薬物の放出を仲介する、工程と、
プロドラッグ変換を検出する工程とを含んでなる、用量単位に製剤化するのに好適なプロドラッグおよびGI酵素インヒビターを同定する方法であって、
前記GI酵素インヒビターの非存在下でのプロドラッグ変換と比較したときの前記GI酵素インヒビターの存在下でのプロドラッグ変換の減少が、前記プロドラッグおよび前記GI酵素インヒビターは用量単位に製剤化するのに好適であることを示す方法。
本発明は更に以下の態様を含む。
(B1)GI酵素切断可能部分を含んでなるプロモイエティに共有結合したオピオイドを含んでなるオピオイドプロドラッグであって、GI酵素による前記GI酵素切断可能部分の切断が、前記オピオイドの放出を仲介する、オピオイドプロドラッグと、
組成物の摂取後に前記オピオイドプロドラッグからの前記オピオイドの酵素制御放出を仲介する前記GI酵素と相互作用するGI酵素インヒビターとを含んでなる組成物。
(B2)前記オピオイドプロドラッグおよび前記GI酵素インヒビターが、摂取後に予め選択された薬物動態(PK)プロファイルをもたらすのに有効な量で用量単位中に存在する、(B1)に記載の組成物を含んでなる用量単位。
(B3)少なくとも2用量単位を摂取した後に予め選択されたPKプロファイルをもたらす、(B2)に記載の用量単位。
(B4)漸増数の前記用量単位の摂取により非線形性のPKプロファイルがもたらされることを提供する、(B3)に記載の用量単位。
(B5)(a)患者に投与される組成物を収容するのに好適な容器と、前記容器の中に配置された(B1)に記載の組成物を含んでなる用量単位とを含んでなる組成物、
(b)組成物が1マイクログラム〜2グラムの全重量を有する用量単位である、(B1)に記載の組成物、及び
(c)組成物が組成物1グラム当たり0.1%〜99%のオピオイドプロドラッグとGI酵素インヒビターとを合わせた重量を有する、(B1)に記載の組成物からなる群から選択される組成物。
(B6)GI酵素切断可能部分がトリプシン切断可能部分であり、GI酵素インヒビターがトリプシンインヒビターである、(B1)から(B5)のいずれかに記載の組成物。
(B7)前記オピオイドプロドラッグが、
(a)式PC−(I)
X−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−C(O)−CH(R)−NH(R) (PC−(I))
の化合物であり、式中:
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでフェノール性ヒドロキシル基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−C(O)−CH(R)−NH(R)との共有結合に置換され;
は(1−4C)アルキル基を表し;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子または(1−4C)アルキル基を表し;nは2または3を表し;
は−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHを表し、Rが結合する炭素原子の配置は、L−アミノ酸における配置に対応し;および
は、水素原子、N−アシル基、または、アミノ酸の、ジペプチドの、またはアミノ酸もしくはジペプチドのN−アシル誘導体の残基を表す、化合物、またはその薬学的に許容できる塩、
(b)式PC−(IIa):
X−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−C(O)−CH(R)−NH(R) (PC−(IIa))
の化合物であり、式中:
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでフェノール性ヒドロキシル基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−C(O)−CH(R)−NH(R)との共有結合に置換され;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数を表し;
は−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHを表し、Rが結合する炭素原子の配置は、L−アミノ酸における配置に対応し;および
は、水素原子、N−アシル基(N−置換アシルを含む)、アミノ酸の、ジペプチドの、またはアミノ酸もしくはジペプチドのN−アシル誘導体(N−置換アシル誘導体を含む)の残基を表す、化合物、またはその薬学的に許容できる塩、
(c)式PC−(IIb):
X−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−C(O)−CH(R)−NH(R) (PC−(IIb))
の化合物であり、式中:
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでフェノール性ヒドロキシル基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−C(O)−CH(R)−NH(R)との共有結合に置換され;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;あるいは
およびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
nは2〜4の整数を表し;
は−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHを表し、Rが結合する炭素原子の配置は、L−アミノ酸における配置に対応し;および
は、水素原子、N−アシル基(N−置換アシルを含む)、アミノ酸の、ジペプチドの、またはアミノ酸もしくはジペプチドのN−アシル誘導体(N−置換アシル誘導体を含む)の残基を表す、化合物、またはその薬学的に許容できる塩、
(d)式PC−(III):
X−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−C(O)−CH(R)−NH(R) (PC−(III))
の化合物であり、式中:
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでフェノール性ヒドロキシル基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−C(O)−CH(R)−NH(R)との共有結合に置換され;
は(1−4C)アルキル基を表し;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子または(1−4C)アルキル基を表し;
nは2または3を表し;
は−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHを表し、Rが結合する炭素原子の配置は、L−アミノ酸における配置に対応し;および
は、水素原子、N−アシル基(N−置換アシルを含む)、アミノ酸の、ジペプチドの、またはアミノ酸もしくはジペプチドのN−アシル誘導体(N−置換アシル誘導体を含む)の残基を表す、化合物、またはその薬学的に許容できる塩、
(e)式PC−(IV):
の化合物であり、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
はオキソ(=O)またはヒドロキシルであり;
破線は二重結合または単結合であり;
は(1−4C)アルキル基を表し;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子または(1−4C)アルキル基を表し;
nは2または3を表し;
は−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHを表し、Rが結合する炭素原子の配置は、L−アミノ酸における配置に対応し;および
は、水素原子、N−アシル基、または、アミノ酸の、ジペプチドの、またはアミノ酸もしくはジペプチドのN−アシル誘導体の残基を表す、化合物、またはその薬学的に許容できる塩、
(f)式PC−(Va):
の化合物であり、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
はオキソ(=O)またはヒドロキシルであり;
破線は二重結合または単結合であり;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数を表し;
は−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHを表し、Rが結合する炭素原子の配置は、L−アミノ酸における配置に対応し;および
は、水素原子、N−アシル基(N−置換アシルを含む)、アミノ酸の、ジペプチドの、またはアミノ酸もしくはジペプチドのN−アシル誘導体(N−置換アシル誘導体を含む)の残基を表す、化合物、またはその薬学的に許容できる塩、
(g)式PC−(Vb):
の化合物であり、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
はオキソ(=O)またはヒドロキシルであり;
破線は二重結合または単結合であり;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;あるいは
およびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
nは2〜4の整数を表し;
は−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHを表し、Rが結合する炭素原子の配置は、L−アミノ酸における配置に対応し;および
は、水素原子、N−アシル基(N−置換アシルを含む)、アミノ酸の、ジペプチドの、またはアミノ酸もしくはジペプチドのN−アシル誘導体(N−置換アシル誘導体を含む)の残基を表す、化合物、またはその薬学的に許容できる塩、
(h)式PC−(VI):
の化合物であり、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
はオキソ(=O)またはヒドロキシルであり;
破線は二重結合または単結合であり;
は(1−4C)アルキル基を表し;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子または(1−4C)アルキル基を表し;
nは2または3を表し;
は−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHを表し、Rが結合する炭素原子の配置は、L−アミノ酸における配置に対応し;および
は、水素原子、N−アシル基(N−置換アシルを含む)、アミノ酸の、ジペプチドの、またはアミノ酸もしくはジペプチドのN−アシル誘導体(N−置換アシル誘導体を含む)の残基を表す、化合物、またはその薬学的に許容できる塩、
(i)式PC−(VII):
X−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−R (PC−(VII))
の化合物であり、式中:
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでフェノール性ヒドロキシル基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−Rとの共有結合に置換され;
は(1−4C)アルキル基を表し;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子または(1−4C)アルキル基を表し;
nは2または3を表し;および
はトリプシン切断可能部分である、化合物、またはその薬学的に許容できる塩、
(j)式PC−(VIII):
X−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−R (PC−(VIII))
の化合物であり、式中:
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでフェノール性ヒドロキシル基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−Rとの共有結合に置換され;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数を表し;および
はトリプシン切断可能部分である、化合物、またはその薬学的に許容できる塩、
(k)式PC−(IX):
の化合物であり、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
はオキソ(=O)またはヒドロキシルであり;
破線は二重結合または単結合であり;
は(1−4C)アルキル基を表し;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子または(1−4C)アルキル基を表し;
nは2または3を表し;および
はトリプシン切断可能部分である、化合物、またはその薬学的に許容できる塩、
(l)式PC−(X):
の化合物であり、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
はオキソ(=O)またはヒドロキシルであり;
破線は二重結合または単結合であり;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数を表し;および
はトリプシン切断可能部分である、化合物、またはその薬学的に許容できる塩、
(m)式PC−(XI):
X−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−R (PC−(XI))
の化合物であり、式中:
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでフェノール性ヒドロキシル基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−Rとの共有結合に置換され;
は(1−4C)アルキル基を表し;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子または(1−4C)アルキル基を表し;
nは2または3を表し;および
はGI酵素切断可能部分である、化合物、またはその薬学的に許容できる塩、
(n)式PC−(XII):
X−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−R (PC−(XII))
の化合物であり、式中:
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでフェノール性ヒドロキシル基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−Rとの共有結合に置換され;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数を表し;および
はGI酵素切断可能部分である、化合物、またはその薬学的に許容できる塩、
(o)式PC−(XIII):
の化合物であり、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
はオキソ(=O)またはヒドロキシルであり;
破線は二重結合または単結合であり;
は(1−4C)アルキル基を表し;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子または(1−4C)アルキル基を表し;
nは2または3を表し;および
はGI酵素切断可能部分である、化合物、またはその薬学的に許容できる塩、
(p)式PC−(XIV):
の化合物であり、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
はオキソ(=O)またはヒドロキシルであり;
破線は二重結合または単結合であり;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数を表し;および
はGI酵素切断可能部分である、化合物、またはその薬学的に許容できる塩、及び
(q)式PC−(XV):
の化合物であり、式中:
Xはフェノール性オピオイドであり、ここでヒドロキシル基の水素原子は、−C(O)−Y−(C(R)(R))−N−(R)(R)との共有結合に置換され
Yは、−NR−、−O−または−S−であり;
nは1〜4の整数であり;
各R、R、RおよびRは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであるか、あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
は、
であり;
各Rは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にRおよびRが、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;
pは1〜10の整数であり;
各Wは、独立して、−NR−、−O−または−S−であり;および
各Rは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであるか、あるいは任意選択的に、各RおよびRが、独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成する、化合物、
からなる群から選択される、(B1)から(B6)のいずれかに記載の組成物。
(B8)前記オピオイドプロドラッグが、
(a)式PC−(XVI):
の化合物であり、式中:
Xは、フェノールを含んでなるオピオイドであり、ここでフェノールの水素原子は、−(CR1213)−Y−Z−R11との共有結合により置換され;
12およびR13は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり;
Yは、任意選択的に1つまたは複数の−F、−Cl、−Br、−I、−R14、−O、−OR14、−SR14、−S、−NR1415、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、−N、−S(O)、−S(O)OH、−S(O)14、−OS(O)O、−OS(O)14、−P(O)(O、−P(O)(OR14)(O)、−OP(O)(OR14)(OR15)、−C(O)R14、−C(S)R14、−C(O)OR14、−C(O)NR1415、−C(O)O、−C(S)OR14、−NR16C(O)NR1415、−NR16C(S)NR1415、−NR17C(NR16)NR1514または−C(NR16)NR1514で置換されているアリール、ヘテロアリールまたはアリールアリールであり;
14、R15、R16およびR17は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであるか、あるいは任意選択的にR14およびR15が、それらが結合する窒素原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
Zは、N(R18)−、−O−または−S−であり;
18は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは
であり;
各Wは、独立して、−NR20−、−O−または−S−であり;
各R19は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR19およびR20が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各R20は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR20およびR21が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
21は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;
nは0〜5の整数であり;
11は、
であり;
各Uは、独立して、−NR23−、−O−または−S−であり;
各R22は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR22およびR23が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各R23は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR23およびR24が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
24は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;および
oは1〜100の整数であり;
ただし、ZはX−(CR1213)−に対してパラ位またはオルト位に配向し、かつR18およびR11のいずれも水素ではないものとする、化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは水和物、
(b)式PC−(XVII):
の化合物であり、式中:
Xは、フェノールを含んでなるオピオイドであり、ここでXは前記フェノールにより結び付けられ;
12およびR13は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり;
26は、それぞれ、−F、−Cl、−Br、−I、−R14、−O、−OR14、−SR14、−S、−NR1415、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、−N、−S(O)、−S(O)OH、−S(O)14、−OS(O)O、−OS(O)14、−P(O)(O、−P(O)(OR14)(O)、−OP(O)(OR14)(OR15)、−C(O)R14、−C(S)R14、−C(O)OR14、−C(O)NR1415、−C(O)O、−C(S)OR14、−NR16C(O)NR1415、−NR16C(S)NR1415、−NR17C(NR16)NR1514および−C(NR16)NR1514の1つまたは複数からなる群から独立して選択され、およびkは、0、1、2、3、または4であり;
14、R15、R16およびR17は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであるか、あるいは任意選択的にRおよびRが、それらが結合する窒素原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
18は水素またはメチルであり;
22は、アミノ酸の側鎖またはアミノ酸の側鎖の誘導体であり;
各Uは、独立して、−NR23−、−O−または−S−であり;
各R23は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR23およびR24が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;および
24は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;および
oは1〜100の整数である、化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは水和物、及び、
(c)式PC−(XVIII):
X−C(R31a)(R32a))−Ar−Z−C(O)−Y−(C(R31)(R32))−N−(R33)(R34)A− (PC−(XVIII)
の化合物であり、式中:
Xは、フェノールを含んでなるオピオイドであり、ここで前記フェノールの水素原子は、−(C(R31a)(R32a)−Ar−Z−C(O)−Y−(C(R31)(R32))−N−(R33)(R34)との共有結合により置換され;
31aおよびR32aは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり;
Arは、任意選択的に1つまたは複数の−F、−Cl、−Br、−I、−R34a、−O、−OR34a、−SR34a、−S−、−NR34a35a、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、−N、−S(O)O’、−S(O)OH、−S(O)34a、−OS(O)O’’、−OS(O)34a、−P(O)(O’’)、−P(O)(OR34a)(O’’)、−OP(O)(OR34a)(OR35a)、−C(O)R34a、−C(S)R34a、−C(O)OR34a、−C(O)NR34a35a、−C(O)O;−C(S)OR34a、−NR36aC(O)NR34a35a、−NR36aC(S)NR34a35a、−NR37aC(NR36a)NR35a34aまたは−C(NR36a)NR35a34aで置換されているか、あるいはポリマーに結合したアリール、ヘテロアリールまたはアリールアリールであり;
34a、R35a、R36aおよびR37aは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであるか、あるいは任意選択的にR34およびR35が、それらが結合する窒素原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
Zは、O、SまたはNHであり;
Yは、−NR35−、−O−または−S−であり;
nは1〜10の整数であり;
各R31、R32、R33およびR35は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであるか、あるいはR31およびR32が、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR31基またはR32基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
34は、
であり;
各R36は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR36およびR37が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
37は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;
pは1〜5の整数であり;
各Wは、独立して、−NR38−、−O−または−S−であり;
各R38は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであるか、あるいは任意選択的に各R36およびR38が、独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;および
A’はアニオンを表す、化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは水和物、
からなる群から選択される、(B1)から(B6)のいずれかに記載の組成物。
(B9)前記オピオイドプロドラッグが、
(a)式KC−(Ia):
の化合物であって、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数であり;
は水素または(1−4C)アルキルであり;
は、
であり;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから独立して選択されるか、あるいは任意選択的にRおよびRが、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各Wは、独立して、−NR−、−O−または−S−であり;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリールおよび置換アリールから独立して選択されるか、あるいは任意選択的に各RおよびRが、独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
pは1〜100の整数であり;および
は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択される、化合物またはその塩、水和物もしくは溶媒和物、
(b)式KC−(Ib):
の化合物であって、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
nは2〜4の整数であり;
は水素または(1−4C)アルキルであり;
は、
であり;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから独立して選択されるか、あるいは任意選択的にRおよびRが、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各Wは、独立して、−NR−、−O−または−S−であり;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリールおよび置換アリールから独立して選択されるか、あるいは任意選択的に各RおよびRが、独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
pは1〜100の整数であり;および
は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択される、化合物またはその塩、水和物もしくは溶媒和物、
(c)式KC−(II):
の化合物であり、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
は、(1−6C)アルキル、(1−6C)置換アルキル、−(CH(C)−COOH、−(CH(C)−COOCH、および−(CH(C)−COOCHCHから選択され、式中、qは1〜10の整数であり;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
nは2または3であり;
は水素であり;
は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンから選択されるL−アミノ酸の残基、もしくは前記アミノ酸のいずれかのN−アシル誘導体の残基;または、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンから独立して選択される少なくとも2個のL−アミノ酸残基から構成されるペプチドの残基、もしくはそのN−アシル誘導体の残基である、化合物、
(d)式KC−(IIIa):
の化合物であって、式中:
Xは、ケトン含有オピオイドの残基を表し、ここで前記ケトンの対応するエノール基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NRとの共有結合により置換され;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数であり;
は水素または(1−4C)アルキルであり;
は、
であり;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから独立して選択されるか、あるいは任意選択的にRおよびRが、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各Wは、独立して、−NR−、−O−または−S−であり;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリールおよび置換アリールから独立して選択されるか、あるいは任意選択的に各RおよびRが、独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
pは1〜100の整数であり;および
は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択される、化合物またはその塩、水和物もしくは溶媒和物、
(e)式KC−(IIIb):
の化合物であって、式中:
Xは、ケトン含有オピオイドの残基を表し、ここで前記ケトンの対応するエノール基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NRとの共有結合により置換され;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
nは2〜4の整数であり;
は水素または(1−4C)アルキルであり;
は、
であり;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから独立して選択されるか、あるいは任意選択的にRおよびRが、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各Wは、独立して、−NR−、−O−または−S−であり;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリールおよび置換アリールから独立して選択されるか、あるいは任意選択的に各RおよびRが、独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
pは1〜100の整数であり;および
は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択される、化合物またはその塩、水和物もしくは溶媒和物、
(f)式KC−(IV):
の化合物であって、式中:
Xは、ケトン含有オピオイドの残基を表し、ここで前記ケトンの対応するエノール基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NRとの共有結合により置換され;
は、(1−6C)アルキル、(1−6C)置換アルキル、−(CH(C)−COOH、−(CH(C)−COOCH、および−(CH(C)−COOCHCHから選択され、式中、qは1〜10の整数であり;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
nは2または3であり;
は水素または(1−4C)アルキルであり;
は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンから選択されるL−アミノ酸の残基、もしくは前記アミノ酸のいずれかのN−アシル誘導体の残基;または、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンから独立して選択される少なくとも2個のL−アミノ酸残基から構成されるペプチドの残基、もしくはそのN−アシル誘導体の残基である、化合物またはその塩、水和物もしくは溶媒和物、
(g)式KC−(Va):
の化合物であって、式中:
Xは、ケトン含有オピオイドの残基を表し、ここで前記ケトンの対応するエノール基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NRとの共有結合により置換され;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数であり;
は水素であり;
はトリプシン切断可能部分である、化合物またはその塩、水和物もしくは溶媒和物、及び、
(h)式KC−(Vb):
の化合物であって、式中:
Xは、ケトン含有オピオイドの残基を表し、ここで前記ケトンの対応するエノール基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NRとの共有結合により置換され;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数であり;
は水素であり;
はGI酵素切断可能部分である、化合物またはその塩、水和物もしくは溶媒和物、及び、
(i)式KC−(VI):
の化合物であり、式中:
Xは、ケトン含有オピオイドの残基を表し、ここで前記ケトンの対応するエノール基の水素原子は、−C(O)−Y−(C(R)(R))−NRとの共有結合により置換され;
Yは、−NR−、−O−または−S−であり;
nは1〜4の整数であり;
各R、R、RおよびRは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであるか、あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
は、
であり;
各Rは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にRおよびRが、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;
pは1〜10の整数であり;
各Wは、独立して、−NR−、−O−または−S−であり;および
各Rは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであるか、あるいは任意選択的に、各RおよびRが、独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成する、化合物、
からなる群から選択される、(B1)から(B6)のいずれかに記載の組成物。
(B10)前記オピオイドプロドラッグが、
(a)式KC−(VII):
の化合物であり、式中:
Xは、ケトン含有オピオイドの残基を表し、ここで前記ケトンの対応するエノール基の水素原子は、共有結合−(CR1213)−Y−Z−R11により置換され;
12およびR13は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり;
Yは、任意選択的に1つまたは複数の−F、−Cl、−Br、−I、−R14、−O、−OR14、−SR14、−S、−NR1415、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、−N、−S(O)、−S(O)OH、−S(O)14、−OS(O)O、−OS(O)14、−P(O)(O、−P(O)(OR14)(O)、−OP(O)(OR14)(OR15)、−C(O)R14、−C(S)R14、−C(O)OR14、−C(O)NR1415、−C(O)O、−C(S)OR14、−NR16C(O)NR1415、−NR16C(S)NR1415、−NR17C(NR16)NR1514または−C(NR16)NR1514で置換されているアリール、ヘテロアリールまたはアリールアリールであり;
14、R15、R16およびR17は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであるか、あるいは任意選択的にR14およびR15が、それらが結合する窒素原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
Zは、N(R18)−、−O−または−S−であり;
18は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは
であり;
各Wは、独立して、−NR20−、−O−または−S−であり;
各R19は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR19およびR20が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各R20は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR20およびR21が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
21は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;
nは0〜5の整数であり;
11は、
であり;
各Uは、独立して、−NR23−、−O−または−S−であり;
各R22は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR22およびR23が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各R23は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリールであるか、あるいは任意選択的にR23およびR24が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
24は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;および
oは1〜100の整数であり;
ただし、ZはX−(CR1213)−に対してパラ位またはオルト位に配向し、かつR18およびR11のいずれも水素ではないものとする、化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは水和物、
(b)式KC−(VIII):
の化合物であり、式中:
Xは、ケトン含有オピオイドの残基を表し、ここで前記ケトンの対応するエノール基の水素原子は、−(CR1213)−Y−Z−R11との共有結合により置換され;
12およびR13は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり;
26は、それぞれ、−F、−Cl、−Br、−I、−R14、−O、−OR14、−SR14、−S、−NR1415、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、−N、−S(O)、−S(O)OH、−S(O)14、−OS(O)O、−OS(O)14、−P(O)(O、−P(O)(OR14)(O)、−OP(O)(OR14)(OR15)、−C(O)R14、−C(S)R14、−C(O)OR14、−C(O)NR1415、−C(O)O、−C(S)OR14、−NR16C(O)NR1415、−NR16C(S)NR1415、−NR17C(NR16)NR1514および−C(NR16)NR1514の1つまたは複数からなる群から独立して選択され、およびkは、0、1、2、3、または4であり;
14、R15、R16およびR17は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであるか、あるいは任意選択的にRおよびRが、それらが結合する窒素原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
18は水素またはメチルであり;
22は、アミノ酸の側鎖またはアミノ酸の側鎖の誘導体であり;
各Uは、独立して、−NR23−、−O−または−S−であり;
各R23は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR23およびR24が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;および
24は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;および
oは1〜100の整数である、化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは水和物、及び、
(c)式KC−(IX):
X−C(R31a)(R32a))−Ar−Z−C(O)−Y−(C(R31)(R32))−N−(R33)(R34)A− (KC−(IX))
の化合物であり、式中:
Xは、ケトン含有オピオイドの残基を表し、ここで前記ケトンの対応するエノール基の水素原子は、−(C(R31a)(R32a)−Ar−Z−C(O)−Y−(C(R31)(R32))−N−(R33)(R34)との共有結合により置換され;
31aおよびR32aは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり;
Arは、任意選択的に1つまたは複数の−F、−Cl、−Br、−I、−R34a、−O、−OR34a、−SR34a、−S−、−NR34a35a、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、−N、−S(O)O’、−S(O)OH、−S(O)34a、−OS(O)O’’、−OS(O)34a、−P(O)(O’’)、−P(O)(OR34a)(O’’)、−OP(O)(OR34a)(OR35a)、−C(O)R34a、−C(S)R34a、−C(O)OR34a、−C(O)NR34a35a、−C(O)O;−C(S)OR34a、−NR36aC(O)NR34a35a、−NR36aC(S)NR34a35a、−NR37aC(NR36a)NR35a34aまたは−C(NR36a)NR35a34aで置換されているか、あるいはポリマーに結合したアリール、ヘテロアリールまたはアリールアリールであり;
34a、R35a、R36aおよびR37aは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであるか、あるいは任意選択的にR34およびR35が、それらが結合する窒素原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
Zは、O、SまたはNHであり;
Yは、−NR35−、−O−または−S−であり;
nは1〜10の整数であり;
各R31、R32、R33およびR35は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであるか、あるいはR31およびR32が、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR31基またはR32基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
34は、
であり;
各R36は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR36およびR37が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
37は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;
pは1〜5の整数であり;
各Wは、独立して、−NR38−、−O−または−S−であり;
各R38は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであるか、あるいは任意選択的に各R36およびR38が、独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;および
A’はアニオンを表す、化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは水和物
からなる群から選択される、(B1)から(B6)のいずれかに記載の組成物。
(B11)前記オピオイドプロドラッグが、
(a)式QS−(I):
の化合物であり、式中:
Xは、アミンを含んでなるオピオイドであり、ここで第一級または第二級アミンの水素原子が−(CR1213)−Y−Z−R11との共有結合により置換されるか、あるいは第三級アミンの電子の孤立電子対が−(CR1213)−Y−Z−R11との共有結合により置換され;
12およびR13は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり;
Yは、任意選択的に1つまたは複数の−F、−Cl、−Br、−I、−R14、−O、−OR14、−SR14、−S、−NR1415、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、−N、−S(O)、−S(O)OH、−S(O)14、−OS(O)O、−OS(O)14、−P(O)(O、−P(O)(OR14)(O)、−OP(O)(OR14)(OR15)、−C(O)R14、−C(S)R14、−C(O)OR14、−C(O)NR1415、−C(O)O、−C(S)OR14、−NR16C(O)NR1415、−NR16C(S)NR1415、−NR17C(NR16)NR1514または−C(NR16)NR1514で置換されているアリール、ヘテロアリールまたはアリールアリールであり;
14、R15、R16およびR17は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであるか、あるいは任意選択的にR14およびR15が、それらが結合する窒素原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
Zは、N(R18)−、−O−または−S−であり;
18は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは
であり;
各Wは、独立して、−NR20−、−O−または−S−であり;
各R19は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR19およびR20が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各R20は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR20およびR21が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
21は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;
nは0〜5の整数であり;
11は、
であり;
各Uは、独立して、−NR23−、−O−または−S−であり;
各R22は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR22およびR23が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各R23は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR23およびR24が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
24は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;および
oは1〜100の整数であり;
ただし、ZはX−(CR1213)−に対してパラ位またはオルト位に配向し、かつR18およびR11のいずれも水素ではないものとする、化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは水和物、
(b)式QS−(II):
の化合物であり、式中:
Xは、アミンを含んでなるオピオイドであり、ここで第一級または第二級アミンの水素原子が−(CR1213)−Y−Z−R11との共有結合により置換されるか、あるいは第三級アミンの電子の孤立電子対が−(CR1213)−Y−Z−R11との共有結合により置換され;
12およびR13は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり;
26は、それぞれ、−F、−Cl、−Br、−I、−R14、−O、−OR14、−SR14、−S、−NR1415、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、−N、−S(O)、−S(O)OH、−S(O)14、−OS(O)O、−OS(O)14、−P(O)(O、−P(O)(OR14)(O)、−OP(O)(OR14)(OR15)、−C(O)R14、−C(S)R14、−C(O)OR14、−C(O)NR1415、−C(O)O、−C(S)OR14、−NR16C(O)NR1415、−NR16C(S)NR1415、−NR17C(NR16)NR1514および−C(NR16)NR1514の1つまたは複数からなる群から独立して選択され、およびkは、0、1、2、3、または4であり;
14、R15、R16およびR17は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであるか、あるいは任意選択的にRおよびRが、それらが結合する窒素原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
18は水素またはメチルであり;
22は、アミノ酸の側鎖またはアミノ酸の側鎖の誘導体であり;
各Uは、独立して、−NR23−、−O−または−S−であり;
各R23は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR23およびR24が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;および
24は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;および
oは1〜100の整数である、化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは水和物、及び、
(c)式QS−(III):
X−C(R31a)(R32a))−Ar−Z−C(O)−Y−(C(R31)(R32))−N−(R33)(R34)A− (QS−(III))
の化合物であり、式中:
Xはオピオイドの残基であり、ここでアミノ窒素の電子の孤立電子対は、−(C(R31a)(R32a)−Ar−Z−C(O)−Y−(C(R31)(R32))−N−(R33)(R34)との結合により置換され;
31aおよびR32aは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり;
Arは、任意選択的に1つまたは複数の−F、−Cl、−Br、−I、−R34a、−O、−OR34a、−SR34a、−S−、−NR34a35a、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、−N、−S(O)O’、−S(O)OH、−S(O)34a、−OS(O)O’’、−OS(O)34a、−P(O)(O’’)、−P(O)(OR34a)(O’’)、−OP(O)(OR34a)(OR35a)、−C(O)R34a、−C(S)R34a、−C(O)OR34a、−C(O)NR34a35a、−C(O)O;−C(S)OR34a、−NR36aC(O)NR34a35a、−NR36aC(S)NR34a35a、−NR37aC(NR36a)NR35a34aまたは−C(NR36a)NR35a34aで置換されているか、あるいはポリマーに結合したアリール、ヘテロアリールまたはアリールアリールであり;
34a、R35a、R36aおよびR37aは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであるか、あるいは任意選択的にR34およびR35が、それらが結合する窒素原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
Zは、O、SまたはNHであり;
Yは、−NR35−、−O−または−S−であり;
nは1〜10の整数であり;
各R31、R32、R33およびR35は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであるか、あるいはR31およびR32が、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR31基またはR32基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
34は、
であり;
各R36は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR36およびR37が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
37は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;
pは1〜5の整数であり;
各Wは、独立して、−NR38−、−O−または−S−であり;
各R38は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであるか、あるいは任意選択的に各R36およびR38が、独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;および
A’はアニオンを表す、化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは水和物
からなる群から選択される、(1)から(B6)のいずれかに記載の組成物。
(B12)前記オピオイドプロドラッグが、
(a)式AE−(I):
の化合物であって、式中:
Xは、アミド含有オピオイドの残基を表し、ここで−C(O)−NR−(C(R)(R))−NRがアミド基の酸素を介して前記アミド含有オピオイドに結合し、前記アミド基はアミドエノールまたはイミン互変異性体に変換され;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数であり;
は水素または(1−4C)アルキルであり;
は、
であり;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから独立して選択されるか、あるいは任意選択的にRおよびRが、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各Wは、独立して、−NR−、−O−または−S−であり;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリールおよび置換アリールから独立して選択されるか、あるいは任意選択的に各RおよびRが、独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
pは1〜100の整数であり;および
は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択される、化合物またはその塩、水和物もしくは溶媒和物、
(b)式AE−(II):
の化合物であって、式中:
Xは、アミド含有オピオイドの残基を表し、ここで−C(O)−NR−(C(R)(R))−NRがアミド基の酸素を介して前記アミド含有オピオイドに結合し、前記アミド基はアミドエノールまたはイミン互変異性体に変換され;
は、(1−6C)アルキル、(1−6C)置換アルキル、−(CH(C)−COOH、−(CH(C)−COOCH、および−(CH(C)−COOCHCHから選択され、式中、qは1〜10の整数であり;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2または3であり;
は水素であり;
はGI酵素切断可能部分である、化合物またはその塩、水和物もしくは溶媒和物、及び、
(c)式AE−(III):
の化合物であって、式中:
Xは、アミド含有オピオイドの残基を表し、ここで−CO−C(R)−NRがアミド基の酸素を介して前記アミド含有オピオイドに結合し、前記アミド基はアミドエノールまたはイミン互変異性体に変換され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから独立して選択されるか、あるいは任意選択的にRおよびRが、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリールおよび置換アリールから独立して選択されるか、あるいは任意選択的に各RおよびRが、独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択される、化合物またはその塩、水和物もしくは溶媒和物
からなる群から選択される、(B1)から(B6)のいずれかに記載の組成物。
(B13)(B1)から(B12)のいずれかに記載の組成物または用量単位を含んでなる、疾患を治療するための医薬。
(B14)用量単位中に:
GI酵素により切断可能なプロモイエティに共有結合したオピオイドを含んでなるオピオイドプロドラッグであって、前記酵素による前記プロモイエティの切断が、前記オピオイドプロドラッグからの前記オピオイドの放出を仲介する、オピオイドプロドラッグ;および
前記オピオイドプロドラッグからの前記オピオイドの酵素制御放出を仲介する前記酵素と相互作用するGI酵素インヒビター
を組み合わせる工程を含んでなる、用量単位の作製方法であって、
前記オピオイドプロドラッグおよび前記GI酵素インヒビターは、患者が複数の用量単位を摂取しても比例したオピオイドの放出をもたらさないように前記オピオイドプロドラッグからの前記オピオイドの放出を減弱させるのに有効な量で前記用量単位中に存在する方法。
(B15)前記オピオイドの放出が、インヒビターの非存在下での等価投薬量のオピオイドプロドラッグによるオピオイドの放出と比較して減少する、(B14)に記載の方法。
(B16)オピオイドプロドラッグとGI酵素インヒビターとGI酵素とを反応混合物に組み合わせる工程、又は、オピオイドプロドラッグとGI酵素インヒビターとを動物又は動物組織に投与する工程であって、前記オピオイドプロドラッグが、GI酵素切断可能部分を含んでなるプロモイエティに共有結合したオピオイドを含んでなり、前記GI酵素による前記GI酵素切断可能部分の切断が前記オピオイドの放出を仲介する工程と
プロドラッグ変換を検出する工程とを含んでなる、用量単位に製剤化するのに好適なオピオイドプロドラッグおよびGI酵素インヒビターを同定する方法であって、
前記GI酵素インヒビターの非存在下でのプロドラッグ変換と比較したときの前記GI酵素インヒビターの存在下でのプロドラッグ変換の減少が、前記オピオイドプロドラッグおよび前記GI酵素インヒビターは用量単位に製剤化するのに好適であることを示す方法。
(B17)GI酵素切断可能部分がトリプシン切断可能部分であり、GI酵素インヒビターがトリプシンインヒビターである、(B13)ら(B16)のいずれかに記載の方法。
本発明は更に以下の態様を含む。
(C1)経腸投与に適した用量単位を含む組成物であって、当該組成物は、
GIプロテアーゼ切断可能部分を含んでなるプロモイエティに共有結合したオピオイドを含んでなるオピオイドプロドラッグであって、GIプロテアーゼによる前記GIプロテアーゼ切断可能部分の切断が、前記オピオイドの放出を仲介するオピオイドプロドラッグと、
組成物の摂取後に前記オピオイドプロドラッグからの前記オピオイドの酵素制御放出を仲介する前記GIプロテアーゼと相互作用するGIプロテアーゼインヒビターとを含んでなり、
前記オピオイドプロドラッグおよび前記GIプロテアーゼインヒビターは、1用量単位中に、少なくとも2用量単位の摂取後に予め選択された薬物動態(PK)プロファイルをもたらすのに有効な量で存在し、
前記予め選択されたPKプロファイルが、インヒビター不存在下での等量のプロドラッグの摂取と比較した際の、オピオイドCmaxの低下、オピオイドTmaxの遅延、およびオピオイド曝露量の低下のうちの少なくとも1つである組成物。
(C2)前記用量単位の摂取数の増加により非線形的にPKプロファイルがもたらされる、(C1)に記載の組成物。
(C3)GIプロテアーゼ切断可能部分がトリプシン切断可能部分であり、GIプロテアーゼインヒビターがトリプシンインヒビターである、(C1)又は(C2)に記載の組成物。
(C4)前記オピオイドプロドラッグが、
(a)式PC−(I)
X−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−C(O)−CH(R)−NH(R) (PC−(I))
の化合物であり、式中:
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでフェノール性ヒドロキシル基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−C(O)−CH(R)−NH(R)との共有結合に置換され;
は(1−4C)アルキル基を表し;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子または(1−4C)アルキル基を表し;nは2または3を表し;
は−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHを表し、Rが結合する炭素原子の配置は、L−アミノ酸における配置に対応し;および
は、水素原子、N−アシル基、または、アミノ酸の、ジペプチドの、またはアミノ酸もしくはジペプチドのN−アシル誘導体の残基を表す、化合物、またはその薬学的に許容できる塩、
(b)式PC−(IIa):
X−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−C(O)−CH(R)−NH(R) (PC−(IIa))
の化合物であり、式中:
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでフェノール性ヒドロキシル基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−C(O)−CH(R)−NH(R)との共有結合に置換され;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数を表し;
は−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHを表し、Rが結合する炭素原子の配置は、L−アミノ酸における配置に対応し;および
は、水素原子、N−アシル基(N−置換アシルを含む)、アミノ酸の、ジペプチドの、またはアミノ酸もしくはジペプチドのN−アシル誘導体(N−置換アシル誘導体を含む)の残基を表す、化合物、またはその薬学的に許容できる塩、
(c)式PC−(IIb):
X−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−C(O)−CH(R)−NH(R) (PC−(IIb))
の化合物であり、式中:
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでフェノール性ヒドロキシル基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−C(O)−CH(R)−NH(R)との共有結合に置換され;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;あるいは
およびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
nは2〜4の整数を表し;
は−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHを表し、Rが結合する炭素原子の配置は、L−アミノ酸における配置に対応し;および
は、水素原子、N−アシル基(N−置換アシルを含む)、アミノ酸の、ジペプチドの、またはアミノ酸もしくはジペプチドのN−アシル誘導体(N−置換アシル誘導体を含む)の残基を表す、化合物、またはその薬学的に許容できる塩、
(d)式PC−(III):
X−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−C(O)−CH(R)−NH(R) (PC−(III))
の化合物であり、式中:
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでフェノール性ヒドロキシル基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−C(O)−CH(R)−NH(R)との共有結合に置換され;
は(1−4C)アルキル基を表し;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子または(1−4C)アルキル基を表し;
nは2または3を表し;
は−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHを表し、Rが結合する炭素原子の配置は、L−アミノ酸における配置に対応し;および
は、水素原子、N−アシル基(N−置換アシルを含む)、アミノ酸の、ジペプチドの、またはアミノ酸もしくはジペプチドのN−アシル誘導体(N−置換アシル誘導体を含む)の残基を表す、化合物、またはその薬学的に許容できる塩、
(e)式PC−(IV):
の化合物であり、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
はオキソ(=O)またはヒドロキシルであり;
破線は二重結合または単結合であり;
は(1−4C)アルキル基を表し;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子または(1−4C)アルキル基を表し;
nは2または3を表し;
は−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHを表し、Rが結合する炭素原子の配置は、L−アミノ酸における配置に対応し;および
は、水素原子、N−アシル基、または、アミノ酸の、ジペプチドの、またはアミノ酸もしくはジペプチドのN−アシル誘導体の残基を表す、化合物、またはその薬学的に許容できる塩、
(f)式PC−(Va):
の化合物であり、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
はオキソ(=O)またはヒドロキシルであり;
破線は二重結合または単結合であり;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数を表し;
は−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHを表し、Rが結合する炭素原子の配置は、L−アミノ酸における配置に対応し;および
は、水素原子、N−アシル基(N−置換アシルを含む)、アミノ酸の、ジペプチドの、またはアミノ酸もしくはジペプチドのN−アシル誘導体(N−置換アシル誘導体を含む)の残基を表す、化合物、またはその薬学的に許容できる塩、
(g)式PC−(Vb):
の化合物であり、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
はオキソ(=O)またはヒドロキシルであり;
破線は二重結合または単結合であり;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;あるいは
およびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
nは2〜4の整数を表し;
は−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHを表し、Rが結合する炭素原子の配置は、L−アミノ酸における配置に対応し;および
は、水素原子、N−アシル基(N−置換アシルを含む)、アミノ酸の、ジペプチドの、またはアミノ酸もしくはジペプチドのN−アシル誘導体(N−置換アシル誘導体を含む)の残基を表す、化合物、またはその薬学的に許容できる塩、
(h)式PC−(VI):
の化合物であり、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
はオキソ(=O)またはヒドロキシルであり;
破線は二重結合または単結合であり;
は(1−4C)アルキル基を表し;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子または(1−4C)アルキル基を表し;
nは2または3を表し;
は−CHCHCHNH(C=NH)NHまたは−CHCHCHCHNHを表し、Rが結合する炭素原子の配置は、L−アミノ酸における配置に対応し;および
は、水素原子、N−アシル基(N−置換アシルを含む)、アミノ酸の、ジペプチドの、またはアミノ酸もしくはジペプチドのN−アシル誘導体(N−置換アシル誘導体を含む)の残基を表す、化合物、またはその薬学的に許容できる塩、
(i)式PC−(VII):
X−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−R (PC−(VII))
の化合物であり、式中:
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでフェノール性ヒドロキシル基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−Rとの共有結合に置換され;
は(1−4C)アルキル基を表し;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子または(1−4C)アルキル基を表し;
nは2または3を表し;および
はトリプシン切断可能部分である、化合物、またはその薬学的に許容できる塩、
(j)式PC−(VIII):
X−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−R (PC−(VIII))
の化合物であり、式中:
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでフェノール性ヒドロキシル基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−Rとの共有結合に置換され;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数を表し;および
はトリプシン切断可能部分である、化合物、またはその薬学的に許容できる塩、
(k)式PC−(IX):
の化合物であり、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
はオキソ(=O)またはヒドロキシルであり;
破線は二重結合または単結合であり;
は(1−4C)アルキル基を表し;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子または(1−4C)アルキル基を表し;
nは2または3を表し;および
はトリプシン切断可能部分である、化合物、またはその薬学的に許容できる塩、
(l)式PC−(X):
の化合物であり、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
はオキソ(=O)またはヒドロキシルであり;
破線は二重結合または単結合であり;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数を表し;および
はトリプシン切断可能部分である、化合物、またはその薬学的に許容できる塩、
(m)式PC−(XI):
X−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−R (PC−(XI))
の化合物であり、式中:
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでフェノール性ヒドロキシル基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−Rとの共有結合に置換され;
は(1−4C)アルキル基を表し;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子または(1−4C)アルキル基を表し;
nは2または3を表し;および
はGI酵素切断可能部分である、化合物、またはその薬学的に許容できる塩、
(n)式PC−(XII):
X−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−R (PC−(XII))
の化合物であり、式中:
Xはフェノール性オピオイドの残基を表し、ここでフェノール性ヒドロキシル基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NH−Rとの共有結合に置換され;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数を表し;および
はGIプロテアーゼ切断可能部分である、化合物、またはその薬学的に許容できる塩、
(o)式PC−(XIII):
の化合物であり、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
はオキソ(=O)またはヒドロキシルであり;
破線は二重結合または単結合であり;
は(1−4C)アルキル基を表し;
およびRは、それぞれ独立して、水素原子または(1−4C)アルキル基を表し;
nは2または3を表し;および
はGIプロテアーゼ切断可能部分である、化合物、またはその薬学的に許容できる塩、
(p)式PC−(XIV):
の化合物であり、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
はオキソ(=O)またはヒドロキシルであり;
破線は二重結合または単結合であり;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数を表し;および
はGIプロテアーゼ切断可能部分である、化合物、またはその薬学的に許容できる塩、及び
(q)式PC−(XV):
の化合物であり、式中:
Xはフェノール性オピオイドであり、ここでヒドロキシル基の水素原子は、−C(O)−Y−(C(R)(R))−N−(R)(R)との共有結合に置換され
Yは、−NR−、−O−または−S−であり;
nは1〜4の整数であり;
各R、R、RおよびRは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであるか、あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
は、
であり;
各Rは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にRおよびRが、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;
pは1〜10の整数であり;
各Wは、独立して、−NR−、−O−または−S−であり;および
各Rは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであるか、あるいは任意選択的に、各RおよびRが、独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成する、化合物、
からなる群から選択される、(C1)から(C3)のいずれかに記載の組成物。
(C5)前記オピオイドプロドラッグが、
(a)式PC−(XVI):
の化合物であり、式中:
Xは、フェノールを含んでなるオピオイドであり、ここでフェノールの水素原子は、−(CR1213)−Y−Z−R11との共有結合により置換され;
12およびR13は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり;
Yは、任意選択的に1つまたは複数の−F、−Cl、−Br、−I、−R14、−O、−OR14、−SR14、−S、−NR1415、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、−N、−S(O)、−S(O)OH、−S(O)14、−OS(O)O、−OS(O)14、−P(O)(O、−P(O)(OR14)(O)、−OP(O)(OR14)(OR15)、−C(O)R14、−C(S)R14、−C(O)OR14、−C(O)NR1415、−C(O)O、−C(S)OR14、−NR16C(O)NR1415、−NR16C(S)NR1415、−NR17C(NR16)NR1514または−C(NR16)NR1514で置換されているアリール、ヘテロアリールまたはアリールアリールであり;
14、R15、R16およびR17は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであるか、あるいは任意選択的にR14およびR15が、それらが結合する窒素原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
Zは、N(R18)−、−O−または−S−であり;
18は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは
であり;
各Wは、独立して、−NR20−、−O−または−S−であり;
各R19は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR19およびR20が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各R20は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR20およびR21が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
21は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;
nは0〜5の整数であり;
11は、
であり;
各Uは、独立して、−NR23−、−O−または−S−であり;
各R22は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR22およびR23が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各R23は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR23およびR24が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
24は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;および
oは1〜100の整数であり;
ただし、ZはX−(CR1213)−に対してパラ位またはオルト位に配向し、かつR18およびR11のいずれも水素ではないものとする、化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは水和物、
(b)式PC−(XVII):
の化合物であり、式中:
Xは、フェノールを含んでなるオピオイドであり、ここでXは前記フェノールにより結び付けられ;
12およびR13は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり;
26は、それぞれ、−F、−Cl、−Br、−I、−R14、−O、−OR14、−SR14、−S、−NR1415、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、−N、−S(O)、−S(O)OH、−S(O)14、−OS(O)O、−OS(O)14、−P(O)(O、−P(O)(OR14)(O)、−OP(O)(OR14)(OR15)、−C(O)R14、−C(S)R14、−C(O)OR14、−C(O)NR1415、−C(O)O、−C(S)OR14、−NR16C(O)NR1415、−NR16C(S)NR1415、−NR17C(NR16)NR1514および−C(NR16)NR1514の1つまたは複数からなる群から独立して選択され、およびkは、0、1、2、3、または4であり;
14、R15、R16およびR17は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであるか、あるいは任意選択的にRおよびRが、それらが結合する窒素原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
18は水素またはメチルであり;
22は、アミノ酸の側鎖またはアミノ酸の側鎖の誘導体であり;
各Uは、独立して、−NR23−、−O−または−S−であり;
各R23は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR23およびR24が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;および
24は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;および
oは1〜100の整数である、化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは水和物、及び、
(c)式PC−(XVIII):
X−C(R31a)(R32a))−Ar−Z−C(O)−Y−(C(R31)(R32))−N−(R33)(R34)A− (PC−(XVIII)
の化合物であり、式中:
Xは、フェノールを含んでなるオピオイドであり、ここで前記フェノールの水素原子は、−(C(R31a)(R32a)−Ar−Z−C(O)−Y−(C(R31)(R32))−N−(R33)(R34)との共有結合により置換され;
31aおよびR32aは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり;
Arは、任意選択的に1つまたは複数の−F、−Cl、−Br、−I、−R34a、−O、−OR34a、−SR34a、−S−、−NR34a35a、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、−N、−S(O)O’、−S(O)OH、−S(O)34a、−OS(O)O’’、−OS(O)34a、−P(O)(O’’)、−P(O)(OR34a)(O’’)、−OP(O)(OR34a)(OR35a)、−C(O)R34a、−C(S)R34a、−C(O)OR34a、−C(O)NR34a35a、−C(O)O;−C(S)OR34a、−NR36aC(O)NR34a35a、−NR36aC(S)NR34a35a、−NR37aC(NR36a)NR35a34aまたは−C(NR36a)NR35a34aで置換されているか、あるいはポリマーに結合したアリール、ヘテロアリールまたはアリールアリールであり;
34a、R35a、R36aおよびR37aは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであるか、あるいは任意選択的にR34およびR35が、それらが結合する窒素原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
Zは、O、SまたはNHであり;
Yは、−NR35−、−O−または−S−であり;
nは1〜10の整数であり;
各R31、R32、R33およびR35は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであるか、あるいはR31およびR32が、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR31基またはR32基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
34は、
であり;
各R36は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR36およびR37が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
37は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;
pは1〜5の整数であり;
各Wは、独立して、−NR38−、−O−または−S−であり;
各R38は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであるか、あるいは任意選択的に各R36およびR38が、独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;および
A’はアニオンを表す、化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは水和物、
からなる群から選択される、(C1)から(C3)のいずれかに記載の組成物。
(C6)前記オピオイドプロドラッグが、
(a)式KC−(Ia):
の化合物であって、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数であり;
は水素または(1−4C)アルキルであり;
は、
であり;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから独立して選択されるか、あるいは任意選択的にRおよびRが、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各Wは、独立して、−NR−、−O−または−S−であり;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリールおよび置換アリールから独立して選択されるか、あるいは任意選択的に各RおよびRが、独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
pは1〜100の整数であり;および
は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択される、化合物またはその塩、水和物もしくは溶媒和物、
(b)式KC−(Ib):
の化合物であって、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
nは2〜4の整数であり;
は水素または(1−4C)アルキルであり;
は、
であり;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから独立して選択されるか、あるいは任意選択的にRおよびRが、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各Wは、独立して、−NR−、−O−または−S−であり;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリールおよび置換アリールから独立して選択されるか、あるいは任意選択的に各RおよびRが、独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
pは1〜100の整数であり;および
は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択される、化合物またはその塩、水和物もしくは溶媒和物、
(c)式KC−(II):
の化合物であり、式中:
は水素またはヒドロキシルであり;
は、(1−6C)アルキル、(1−6C)置換アルキル、−(CH(C)−COOH、−(CH(C)−COOCH、および−(CH(C)−COOCHCHから選択され、式中、qは1〜10の整数であり;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
nは2または3であり;
は水素であり;
は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンから選択されるL−アミノ酸の残基、もしくは前記アミノ酸のいずれかのN−アシル誘導体の残基;または、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンから独立して選択される少なくとも2個のL−アミノ酸残基から構成されるペプチドの残基、もしくはそのN−アシル誘導体の残基である、化合物、
(d)式KC−(IIIa):
の化合物であって、式中:
Xは、ケトン含有オピオイドの残基を表し、ここで前記ケトンの対応するエノール基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NRとの共有結合により置換され;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数であり;
は水素または(1−4C)アルキルであり;
は、
であり;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから独立して選択されるか、あるいは任意選択的にRおよびRが、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各Wは、独立して、−NR−、−O−または−S−であり;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリールおよび置換アリールから独立して選択されるか、あるいは任意選択的に各RおよびRが、独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
pは1〜100の整数であり;および
は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択される、化合物またはその塩、水和物もしくは溶媒和物、
(e)式KC−(IIIb):
の化合物であって、式中:
Xは、ケトン含有オピオイドの残基を表し、ここで前記ケトンの対応するエノール基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NRとの共有結合により置換され;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
nは2〜4の整数であり;
は水素または(1−4C)アルキルであり;
は、
であり;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから独立して選択されるか、あるいは任意選択的にRおよびRが、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各Wは、独立して、−NR−、−O−または−S−であり;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリールおよび置換アリールから独立して選択されるか、あるいは任意選択的に各RおよびRが、独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
pは1〜100の整数であり;および
は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択される、化合物またはその塩、水和物もしくは溶媒和物、
(f)式KC−(IV):
の化合物であって、式中:
Xは、ケトン含有オピオイドの残基を表し、ここで前記ケトンの対応するエノール基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NRとの共有結合により置換され;
は、(1−6C)アルキル、(1−6C)置換アルキル、−(CH(C)−COOH、−(CH(C)−COOCH、および−(CH(C)−COOCHCHから選択され、式中、qは1〜10の整数であり;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
nは2または3であり;
は水素または(1−4C)アルキルであり;
は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンから選択されるL−アミノ酸の残基、もしくは前記アミノ酸のいずれかのN−アシル誘導体の残基;または、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グリシン、グルタミン、グルタミン酸、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシンおよびバリンから独立して選択される少なくとも2個のL−アミノ酸残基から構成されるペプチドの残基、もしくはそのN−アシル誘導体の残基である、化合物またはその塩、水和物もしくは溶媒和物、
(g)式KC−(Va):
の化合物であって、式中:
Xは、ケトン含有オピオイドの残基を表し、ここで前記ケトンの対応するエノール基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NRとの共有結合により置換され;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数であり;
は水素であり;
はトリプシン切断可能部分である、化合物またはその塩、水和物もしくは溶媒和物、及び、
(h)式KC−(Vb):
の化合物であって、式中:
Xは、ケトン含有オピオイドの残基を表し、ここで前記ケトンの対応するエノール基の水素原子は、−C(O)−NR−(C(R)(R))−NRとの共有結合により置換され;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数であり;
は水素であり;
はGIプロテアーゼ切断可能部分である、化合物またはその塩、水和物もしくは溶媒和物、及び、
(i)式KC−(VI):
の化合物であり、式中:
Xは、ケトン含有オピオイドの残基を表し、ここで前記ケトンの対応するエノール基の水素原子は、−C(O)−Y−(C(R)(R))−NRとの共有結合により置換され;
Yは、−NR−、−O−または−S−であり;
nは1〜4の整数であり;
各R、R、RおよびRは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであるか、あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
は、
であり;
各Rは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にRおよびRが、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;
pは1〜10の整数であり;
各Wは、独立して、−NR−、−O−または−S−であり;および
各Rは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであるか、あるいは任意選択的に、各RおよびRが、独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成する、化合物、
からなる群から選択される、(C1)から(C3)のいずれかに記載の組成物。
(C7)前記オピオイドプロドラッグが、
(a)式KC−(VII):
の化合物であり、式中:
Xは、ケトン含有オピオイドの残基を表し、ここで前記ケトンの対応するエノール基の水素原子は、共有結合−(CR1213)−Y−Z−R11により置換され;
12およびR13は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり;
Yは、任意選択的に1つまたは複数の−F、−Cl、−Br、−I、−R14、−O、−OR14、−SR14、−S、−NR1415、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、−N、−S(O)、−S(O)OH、−S(O)14、−OS(O)O、−OS(O)14、−P(O)(O、−P(O)(OR14)(O)、−OP(O)(OR14)(OR15)、−C(O)R14、−C(S)R14、−C(O)OR14、−C(O)NR1415、−C(O)O、−C(S)OR14、−NR16C(O)NR1415、−NR16C(S)NR1415、−NR17C(NR16)NR1514または−C(NR16)NR1514で置換されているアリール、ヘテロアリールまたはアリールアリールであり;
14、R15、R16およびR17は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであるか、あるいは任意選択的にR14およびR15が、それらが結合する窒素原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
Zは、N(R18)−、−O−または−S−であり;
18は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは
であり;
各Wは、独立して、−NR20−、−O−または−S−であり;
各R19は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR19およびR20が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各R20は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR20およびR21が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
21は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;
nは0〜5の整数であり;
11は、
であり;
各Uは、独立して、−NR23−、−O−または−S−であり;
各R22は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR22およびR23が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各R23は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリールであるか、あるいは任意選択的にR23およびR24が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
24は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;および
oは1〜100の整数であり;
ただし、ZはX−(CR1213)−に対してパラ位またはオルト位に配向し、かつR18およびR11のいずれも水素ではないものとする、化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは水和物、
(b)式KC−(VIII):
の化合物であり、式中:
Xは、ケトン含有オピオイドの残基を表し、ここで前記ケトンの対応するエノール基の水素原子は、−(CR1213)−Y−Z−R11との共有結合により置換され;
12およびR13は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり;
26は、それぞれ、−F、−Cl、−Br、−I、−R14、−O、−OR14、−SR14、−S、−NR1415、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、−N、−S(O)、−S(O)OH、−S(O)14、−OS(O)O、−OS(O)14、−P(O)(O、−P(O)(OR14)(O)、−OP(O)(OR14)(OR15)、−C(O)R14、−C(S)R14、−C(O)OR14、−C(O)NR1415、−C(O)O、−C(S)OR14、−NR16C(O)NR1415、−NR16C(S)NR1415、−NR17C(NR16)NR1514および−C(NR16)NR1514の1つまたは複数からなる群から独立して選択され、およびkは、0、1、2、3、または4であり;
14、R15、R16およびR17は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであるか、あるいは任意選択的にRおよびRが、それらが結合する窒素原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
18は水素またはメチルであり;
22は、アミノ酸の側鎖またはアミノ酸の側鎖の誘導体であり;
各Uは、独立して、−NR23−、−O−または−S−であり;
各R23は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR23およびR24が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;および
24は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;および
oは1〜100の整数である、化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは水和物、及び、
(c)式KC−(IX):
X−C(R31a)(R32a))−Ar−Z−C(O)−Y−(C(R31)(R32))−N−(R33)(R34)A− (KC−(IX))
の化合物であり、式中:
Xは、ケトン含有オピオイドの残基を表し、ここで前記ケトンの対応するエノール基の水素原子は、−(C(R31a)(R32a)−Ar−Z−C(O)−Y−(C(R31)(R32))−N−(R33)(R34)との共有結合により置換され;
31aおよびR32aは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり;
Arは、任意選択的に1つまたは複数の−F、−Cl、−Br、−I、−R34a、−O、−OR34a、−SR34a、−S−、−NR34a35a、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、−N、−S(O)O’、−S(O)OH、−S(O)34a、−OS(O)O’’、−OS(O)34a、−P(O)(O’’)、−P(O)(OR34a)(O’’)、−OP(O)(OR34a)(OR35a)、−C(O)R34a、−C(S)R34a、−C(O)OR34a、−C(O)NR34a35a、−C(O)O;−C(S)OR34a、−NR36aC(O)NR34a35a、−NR36aC(S)NR34a35a、−NR37aC(NR36a)NR35a34aまたは−C(NR36a)NR35a34aで置換されているか、あるいはポリマーに結合したアリール、ヘテロアリールまたはアリールアリールであり;
34a、R35a、R36aおよびR37aは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであるか、あるいは任意選択的にR34およびR35が、それらが結合する窒素原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
Zは、O、SまたはNHであり;
Yは、−NR35−、−O−または−S−であり;
nは1〜10の整数であり;
各R31、R32、R33およびR35は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであるか、あるいはR31およびR32が、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR31基またはR32基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
34は、
であり;
各R36は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR36およびR37が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
37は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;
pは1〜5の整数であり;
各Wは、独立して、−NR38−、−O−または−S−であり;
各R38は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであるか、あるいは任意選択的に各R36およびR38が、独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;および
A’はアニオンを表す、化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは水和物
からなる群から選択される、(C1)から(C3)のいずれかに記載の組成物。
(C8)前記オピオイドプロドラッグが、
(a)式QS−(I):
の化合物であり、式中:
Xは、アミンを含んでなるオピオイドであり、ここで第一級または第二級アミンの水素原子が−(CR1213)−Y−Z−R11との共有結合により置換されるか、あるいは第三級アミンの電子の孤立電子対が−(CR1213)−Y−Z−R11との共有結合により置換され;
12およびR13は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり;
Yは、任意選択的に1つまたは複数の−F、−Cl、−Br、−I、−R14、−O、−OR14、−SR14、−S、−NR1415、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、−N、−S(O)、−S(O)OH、−S(O)14、−OS(O)O、−OS(O)14、−P(O)(O、−P(O)(OR14)(O)、−OP(O)(OR14)(OR15)、−C(O)R14、−C(S)R14、−C(O)OR14、−C(O)NR1415、−C(O)O、−C(S)OR14、−NR16C(O)NR1415、−NR16C(S)NR1415、−NR17C(NR16)NR1514または−C(NR16)NR1514で置換されているアリール、ヘテロアリールまたはアリールアリールであり;
14、R15、R16およびR17は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであるか、あるいは任意選択的にR14およびR15が、それらが結合する窒素原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
Zは、N(R18)−、−O−または−S−であり;
18は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは
であり;
各Wは、独立して、−NR20−、−O−または−S−であり;
各R19は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR19およびR20が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各R20は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR20およびR21が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
21は、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;
nは0〜5の整数であり;
11は、
であり;
各Uは、独立して、−NR23−、−O−または−S−であり;
各R22は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR22およびR23が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各R23は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR23およびR24が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
24は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;および
oは1〜100の整数であり;
ただし、ZはX−(CR1213)−に対してパラ位またはオルト位に配向し、かつR18およびR11のいずれも水素ではないものとする、化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは水和物、
(b)式QS−(II):
の化合物であり、式中:
Xは、アミンを含んでなるオピオイドであり、ここで第一級または第二級アミンの水素原子が−(CR1213)−Y−Z−R11との共有結合により置換されるか、あるいは第三級アミンの電子の孤立電子対が−(CR1213)−Y−Z−R11との共有結合により置換され;
12およびR13は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり;
26は、それぞれ、−F、−Cl、−Br、−I、−R14、−O、−OR14、−SR14、−S、−NR1415、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、−N、−S(O)、−S(O)OH、−S(O)14、−OS(O)O、−OS(O)14、−P(O)(O、−P(O)(OR14)(O)、−OP(O)(OR14)(OR15)、−C(O)R14、−C(S)R14、−C(O)OR14、−C(O)NR1415、−C(O)O、−C(S)OR14、−NR16C(O)NR1415、−NR16C(S)NR1415、−NR17C(NR16)NR1514および−C(NR16)NR1514の1つまたは複数からなる群から独立して選択され、およびkは、0、1、2、3、または4であり;
14、R15、R16およびR17は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであるか、あるいは任意選択的にRおよびRが、それらが結合する窒素原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
18は水素またはメチルであり;
22は、アミノ酸の側鎖またはアミノ酸の側鎖の誘導体であり;
各Uは、独立して、−NR23−、−O−または−S−であり;
各R23は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR23およびR24が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;および
24は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;および
oは1〜100の整数である、化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは水和物、及び、
(c)式QS−(III):
X−C(R31a)(R32a))−Ar−Z−C(O)−Y−(C(R31)(R32))−N−(R33)(R34)A− (QS−(III))
の化合物であり、式中:
Xはオピオイドの残基であり、ここでアミノ窒素の電子の孤立電子対は、−(C(R31a)(R32a)−Ar−Z−C(O)−Y−(C(R31)(R32))−N−(R33)(R34)との結合により置換され;
31aおよびR32aは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アルコキシ、置換アルコキシ、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキルまたは置換ヘテロアリールアルキルであり;
Arは、任意選択的に1つまたは複数の−F、−Cl、−Br、−I、−R34a、−O、−OR34a、−SR34a、−S−、−NR34a35a、−CF、−CN、−OCN、−SCN、−NO、−NO、−N、−S(O)O’、−S(O)OH、−S(O)34a、−OS(O)O’’、−OS(O)34a、−P(O)(O’’)、−P(O)(OR34a)(O’’)、−OP(O)(OR34a)(OR35a)、−C(O)R34a、−C(S)R34a、−C(O)OR34a、−C(O)NR34a35a、−C(O)O;−C(S)OR34a、−NR36aC(O)NR34a35a、−NR36aC(S)NR34a35a、−NR37aC(NR36a)NR35a34aまたは−C(NR36a)NR35a34aで置換されているか、あるいはポリマーに結合したアリール、ヘテロアリールまたはアリールアリールであり;
34a、R35a、R36aおよびR37aは、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、アリール、置換アリール、ヘテロアリールまたは置換ヘテロアリールであるか、あるいは任意選択的にR34およびR35が、それらが結合する窒素原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
Zは、O、SまたはNHであり;
Yは、−NR35−、−O−または−S−であり;
nは1〜10の整数であり;
各R31、R32、R33およびR35は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであるか、あるいはR31およびR32が、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR31基またはR32基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基または置換シクロアルキル基を形成し;
34は、
であり;
各R36は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、置換ヘテロアリールアルキルであるか、あるいは任意選択的にR36およびR37が、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
37は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキルまたは置換アリールアルキルであり;
pは1〜5の整数であり;
各Wは、独立して、−NR38−、−O−または−S−であり;
各R38は、独立して、水素、アルキル、置換アルキル、アリールまたは置換アリールであるか、あるいは任意選択的に各R36およびR38が、独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;および
A’はアニオンを表す、化合物、またはその塩、溶媒和物もしくは水和物
からなる群から選択される、(C1)から(C3)のいずれかに記載の組成物。
(C9)前記オピオイドプロドラッグが、
(a)式AE−(I):
の化合物であって、式中:
Xは、アミド含有オピオイドの残基を表し、ここで−C(O)−NR−(C(R)(R))−NRがアミド基の酸素を介して前記アミド含有オピオイドに結合し、前記アミド基はアミドエノールまたはイミン互変異性体に変換され;
は、アルキル、置換アルキル、アリールアルキル、置換アリールアルキル、アリールおよび置換アリールから選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2〜4の整数であり;
は水素または(1−4C)アルキルであり;
は、
であり;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから独立して選択されるか、あるいは任意選択的にRおよびRが、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各Wは、独立して、−NR−、−O−または−S−であり;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリールおよび置換アリールから独立して選択されるか、あるいは任意選択的に各RおよびRが、独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
pは1〜100の整数であり;および
は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択される、化合物またはその塩、水和物もしくは溶媒和物、
(b)式AE−(II):
の化合物であって、式中:
Xは、アミド含有オピオイドの残基を表し、ここで−C(O)−NR−(C(R)(R))−NRがアミド基の酸素を介して前記アミド含有オピオイドに結合し、前記アミド基はアミドエノールまたはイミン互変異性体に変換され;
は、(1−6C)アルキル、(1−6C)置換アルキル、−(CH(C)−COOH、−(CH(C)−COOCH、および−(CH(C)−COOCHCHから選択され、式中、qは1〜10の整数であり;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アシル、およびアミノアシルから独立して選択されるか;
あるいはRおよびRが、それらが結合する炭素と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成するか、あるいは隣接する炭素原子上の2つのR基またはR基が、それらが結合する炭素原子と共に、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アリール基、または置換アリール基を形成し;
nは2または3であり;
は水素であり;
はGIプロテアーゼ切断可能部分である、化合物またはその塩、水和物もしくは溶媒和物、及び、
(c)式AE−(III):
の化合物であって、式中:
Xは、アミド含有オピオイドの残基を表し、ここで−CO−C(R)−NRがアミド基の酸素を介して前記アミド含有オピオイドに結合し、前記アミド基はアミドエノールまたはイミン互変異性体に変換され;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、置換アリールアルキル、ヘテロアルキル、置換ヘテロアルキル、ヘテロアリール、置換ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、および置換ヘテロアリールアルキルから独立して選択されるか、あるいは任意選択的にRおよびRが、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
各Rは、水素、アルキル、置換アルキル、アリールおよび置換アリールから独立して選択されるか、あるいは任意選択的に各RおよびRが、独立して、それらが結合する原子と共に、ヘテロシクロアルキル環または置換ヘテロシクロアルキル環を形成し;
は、水素、アルキル、置換アルキル、アシル、置換アシル、アルコキシカルボニル、置換アルコキシカルボニル、アリール、置換アリール、アリールアルキル、および置換アリールアルキルから選択される、化合物またはその塩、水和物もしくは溶媒和物
からなる群から選択される、(C1)から(C3)のいずれかに記載の組成物。
(C10)(C1)から(C9)のいずれかに記載の組成物を含んでなる、疾患を治療するための医薬。
(C11)GIプロテアーゼにより切断可能なプロモイエティに共有結合したオピオイドを含んでなるオピオイドプロドラッグであって、前記GIプロテアーゼによる前記プロモイエティの切断が、オピオイドプロドラッグからのオピオイドの放出を仲介する、オピオイドプロドラッグ;および
前記オピオイドプロドラッグからのオピオイドのGIプロテアーゼ制御放出を仲介する前記GIプロテアーゼと相互作用するGIプロテアーゼインヒビターを、用量単位で混合する工程を含んでなる、請求項1に記載の組成物の製造方法であって、
前記オピオイドプロドラッグおよび前記GIプロテアーゼインヒビターを、患者が複数の用量単位を摂取しても比例したオピオイドの放出をもたらさないように前記オピオイドプロドラッグからのオピオイドの放出を減弱させるのに有効な量で前記用量単位中に存在せしめる方法。
(C12)前記オピオイドの放出が、インヒビターの非存在下での等価投薬量のオピオイドプロドラッグによるオピオイドの放出と比較して減少する、(C11)に記載の方法。
(C13)(C1)に記載の組成物を用量単位で製剤化するのに適したオピオイドプロドラッグおよびGIプロテアーゼインヒビターを同定する方法であって、
オピオイドプロドラッグとGIプロテアーゼインヒビターとGIプロテアーゼとを反応混合物で混合する工程、又は、オピオイドプロドラッグとGIプロテアーゼインヒビターとを非ヒト動物又は動物組織に投与する工程であって、前記オピオイドプロドラッグが、GIプロテアーゼ切断可能部分を含んでなるプロモイエティに共有結合したオピオイドを含んでなり、前記GIプロテアーゼによる前記GIプロテアーゼ切断可能部分の切断がオピオイドの放出を仲介する工程と、
プロドラッグ変換を検出する工程とを含み、
GIプロテアーゼインヒビターの非存在下でのプロドラッグ変換と比較したときのGIプロテアーゼインヒビターの存在下でのプロドラッグ変換の減少が、当該オピオイドプロドラッグおよびGIプロテアーゼインヒビターが用量単位での製剤化に適することを示す方法。
(C14)前記GIプロテアーゼ切断可能部分がトリプシン切断可能部分であり、前記GIプロテアーゼインヒビターがトリプシンインヒビターである、(C11)から(C13)のいずれかに記載の方法。
(C15)前記オピオイドプロドラッグおよびGIプロテアーゼインヒビターが、オピオイドプロドラッグからのオピオイドの放出を低下させるのに有効な量で用量単位に存在し、患者による複数の用量単位の摂取が比例したオピオイドの放出をもたらさない、(C1)から(C9)のいずれかに記載の組成物。
(C16)1マイクログラム〜2グラムの全重量を有する、(C1)から(C9)のいずれかに記載の組成物。
(C17)組成物1グラム当たりに、オピオイドプロドラッグとGIプロテアーゼインヒビターとを合計重量で0.1%〜99%含有する、(C1)から(C9)のいずれかに記載の組成物。
(C18)患者を治療するための、(C1)から(C9)のいずれかに記載の組成物。
(C19)前記医薬が容器内に収容された、(C10)に記載の医薬。

Claims (1)

  1. 明細書に記載された発明。
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