JP2015198663A - 抗体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】効率よく安価に組換え抗体を生産することができる方法を提供する。
【解決手段】抗体のL鎖又はその断片をコードする外来DNAを抗体のH鎖又はその断片をコードする外来DNAよりも多いコピー数で含む細胞を用いて抗体又はその断片を産生させることを含む、抗体又はその断片の製造方法。抗体のH鎖又はその断片をコードするDNAを1コピー、L鎖又はその断片をコードするDNAを2コピー以上含む組換えベクター及び形質転換細胞なども提供される。
【選択図】 図2

Description

本発明は、抗体の製造方法に関する。
遺伝子組換え技術を用いて、医薬として有用な組換抗体を生産する際に、動物細胞を用いると、原核細胞が行い得ないような複雑な翻訳後修飾やフォールディングが可能となるため、動物細胞は組換抗体生産のための宿主細胞として多用されてきている。
近年、抗体や生理活性タンパク質などの多くのバイオ医薬品が輩出されている。特に、抗体医薬の場合は通常1回の投与量がmgオーダーとなり、かなりの量の活性成分としての抗体が必要となる。組換抗体を効率よく動物細胞に生産させる技術は、抗体医薬品の低コスト化につながり、患者への安定な供給を約束するものである。
従って、より生産効率の高い組換抗体の製造方法が望まれている。
組換抗体を産生するための宿主細胞を作製する際には、通常その抗体のH鎖をコードするDNAを1コピーとL鎖をコードするDNAを1コピーずつ宿主細胞に導入する(非特許文献1及び2)。
Reff ME, Carner K, Chambers KS, Chinn PC, Leonard JE, Raab R et al. Depletion of B cells in vivo by a chimeric mouse human monoclonal antibody to CD20. Blood. 1994 Jan 15;83(2):435-45. Presta LG, Chen H, O'Connor SJ, Chisholm V, Meng YG, Krummen L, et al. Humanization of an anti-vascular endothelial growth factor monoclonal antibody for the therapy of solid tumors and other disorders. Cancer Res. 1997 Oct 15;57(20):4593-9.
一方、所望の組換抗体のH鎖をコードするDNAを1コピー、L鎖をコードするDNAを2コピー以上導入した形質転換安定発現細胞が所望の組換抗体の産生向上に寄与するかどうかはこれまで知られていない。
本発明は、抗体を高産生する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意努力した結果、抗体のL鎖をコードする外来DNAを抗体のH鎖をコードする外来DNAよりも多いコピー数で含む細胞を用いることによって、抗体の生産量を増加させることができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
本発明の要旨は以下の通りである。
(1)抗体のL鎖又はその断片をコードする外来DNAを抗体のH鎖又はその断片をコードする外来DNAよりも多いコピー数で含む細胞を用いて抗体又はその断片を産生させることを含む、抗体又はその断片の製造方法。
(2)抗体のL鎖又はその断片をコードする外来DNAを抗体のH鎖又はその断片をコードする外来DNAよりも多いコピー数で含む細胞が、抗体のH鎖又はその断片をコードするDNAを1コピー、抗体のL鎖又はその断片をコードするDNAを2コピー以上含むベクターを導入した細胞である(1)記載の方法。
(3)細胞が動物細胞である(2)記載の方法。
(4)動物細胞がチャイニーズハムスター卵巣細胞である(3)記載の方法。
(5)抗体が、キメラ抗体、ヒト化抗体又はヒト抗体である(1)〜(4)のいずれかに記載の方法。
(6)抗体が、抗IL-6レセプター抗体、抗IL-6抗体、抗グリピカン-3抗体、抗CD3抗体、抗CD20抗体、抗GPIIb/IIIa抗体、抗TNF抗体、抗CD25抗体、抗EGFR抗体、抗Her2/neu抗体、抗RSV抗体、抗CD33抗体、抗CD52抗体、抗IgE抗体、抗CD11a抗体、抗VEGF抗体及び抗VLA4抗体からなる群より選択される(1)〜(5)のいずれかに記載の方法。
(7)(1)〜(6)のいずれかに記載の方法で製造された抗体又はその断片を含有する医薬品を製造する方法。
(8)抗体のH鎖又はその断片をコードする外来DNAを1コピー、抗体のL鎖又はその断片をコードする外来DNAを2コピー以上含む組換えベクター。
(9)(8)記載のベクターが導入されている細胞。
(10)抗体のL鎖又はその断片をコードする外来DNAを抗体のH鎖又はその断片をコードする外来DNAよりも多いコピー数で含む培養細胞。
(11)抗体のH鎖又はその断片よりも抗体のL鎖又はその断片を高発現する細胞を用いて抗体又はその断片を産生させることを含む、抗体又はその断片の製造方法。
(12)細胞が、抗体又はその断片を恒常的発現(stable expression)している細胞である(1)〜(7)、(11)のいずれかに記載の方法。
(13)抗体又はその断片を恒常的発現している、(9)または(10)に記載の細胞。
本発明により、安価に所望の組換抗体を生産することができるようになった。
本明細書は、本願の優先権の基礎である日本国特許出願、特願2008‐103308の明細書および/または図面に記載される内容を包含する。
図1は、プラスミドあたりL鎖発現ユニットを1 copyとH鎖発現ユニットを1 copy保持するL鎖1 copy発現プラスミドphGC33CAG#1及びプラスミドあたりL鎖発現ユニットを2 copyとH鎖発現ユニットを1 copy保持するL鎖2 copy発現プラスミドphGC33CAG1を示す。 図2は、L鎖1copy発現プラスミド導入細胞株とL鎖2copy発現プラスミド導入細胞株の抗体(ヒト化抗ヒトグリピカン-3抗体)の産生量をしめすグラフである。 ヒト化坑ヒトIL-6R抗体遺伝子のH鎖1 copy及びL鎖1 copyで構成されるL鎖1 copy発現プラスミドとH鎖1 copy及びL鎖2 copyで構成されるL鎖2 copy発現プラスミドを示す。 図4は、L鎖1copy発現プラスミド導入細胞株とL鎖2copy発現プラスミド導入細胞株の抗体(ヒト化抗ヒトIL-6R抗体)の産生量をしめすグラフである。
以下、本発明の実施の形態についてより詳細に説明する。
本発明は、抗体のL鎖又はその断片をコードする外来DNAを抗体のH鎖又はその断片をコードする外来DNAよりも多いコピー数で含む細胞を用いて抗体又はその断片を産生させることを含む、抗体又はその断片の製造方法を提供する。
本発明の方法において、抗体のL鎖又はその断片をコードする外来DNAを抗体のH鎖又はその断片をコードする外来DNAよりも多いコピー数で含む細胞は、例えば、所望の組換抗体のH鎖又はその断片をコードするDNAを1コピー、L鎖又はその断片をコードするDNAを2コピー以上導入した形質転換細胞で、且つ所望の組換抗体又はその断片を産生する細胞であるとよい。
本発明の方法において、所望の組換抗体は特に限定されず、例えば、抗IL-6レセプター抗体、抗IL-6抗体、抗グリピカン-3抗体、抗CD3抗体、抗CD20抗体、抗GPIIb/IIIa抗体、抗TNF抗体、抗CD25抗体、抗EGFR抗体、抗Her2/neu抗体、抗RSV抗体、抗CD33抗体、抗CD52抗体、抗IgE抗体、抗CD11a抗体、抗VEGF抗体、抗VLA4抗体など如何なる抗原に対する組換抗体でもよい。抗体は、ヒト、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、サル等の動物由来のモノクローナル抗体だけでなく、キメラ抗体、ヒト化抗体、bispecific抗体など人為的に改変した遺伝子組み換え型抗体も含む。組換抗体は、ポリエチレングリコール等の各種分子と結合させるなどの化学的な修飾がなされてもよい。また、抗体のクラスも特に限定されるものではなく、抗体の免疫グロブリンクラスは特に限定されるものではなく、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4などのIgG、IgA、IgD、IgE、IgMなどいずれのクラスでもよいが、医薬として用いる場合はIgG及びIgMが好ましい。
抗体のL鎖をコードするDNA及びH鎖をコードするDNAは、以下のようにして調製することができる。抗体を発現する遺伝子を持つハイブリドーマ,細胞,ファージ,リボソームなどからmRNAを抽出する。このmRNAより逆転写酵素を用いる逆転写反応によりcDNAを作製する。L鎖遺伝子又はH鎖遺伝子と相補塩基配列を持つプライマーとcDNAを用いるPCRによりL鎖遺伝子又はH鎖遺伝子を増幅し,クローニング用プラスミドと結合することにより各遺伝子を取得する。
本発明の方法において、所望の組換抗体の断片としては、Fab、F(ab')2、Fvなどが挙げられる。
抗体のL鎖の断片をコードするDNA及びH鎖の断片をコードするDNAは、以下のようにして調製することができる。抗体を発現する遺伝子を持つハイブリドーマ,細胞,ファージ,リボソームなどからmRNAを抽出する。このmRNAより逆転写酵素を用いる逆転写反応によりcDNAを作製する。L鎖遺伝子断片又はH鎖遺伝子断片と相補塩基配列を持つプライマーとcDNAを用いるPCRによりL鎖遺伝子断片又はH鎖遺伝子断片を増幅し,クローニング用プラスミドと結合することにより各遺伝子断片を取得する。
本発明者らは、組換抗体のH鎖をコードするDNAを1コピー、L鎖をコードするDNAを2コピー以上導入した形質転換細胞を用いることにより、通常組換抗体の製造に用いられる、H鎖をコードするDNAを1コピー、L鎖をコードするDNAを1コピー導入した形質転換細胞に比べ、明らかに優位に所望の組換抗体の産生量が増加することを見出した。
抗体分子を構成するH鎖ポリペプチドとL鎖ポリペプチドはBiP (Immunoglobulin heavy chain binding protein)のサポートでアセンブルし,その後foldingすることにより完全な抗体構造を完成する。このアセンブル過程はL鎖ポリペプチド依存的である(Molecular Biology of the Cell, 1999, 10, 2209)。従ってL鎖遺伝子数比を高めL鎖ポリペプチドの比率を高める事によりH鎖ポリペプチドとL鎖ポリペプチドのアセンブルが促進し,産生量が増加するものと考えられる。
しかし、特に、恒常発現系(Stable Expression)で組換抗体を発現している恒常発現形質転換細胞(Stable Transformant)の場合、一過性発現系(Transient Expression)のものよりH鎖の発現量が低下するので、H鎖の発現量がより重要になることが示唆されている(Biotechnol. Prog.,2005, 21, 122)。よって、恒常発現系の場合、抗体の産生量を増加させるためにH鎖とL鎖の発現量の比をどのように制御するかは、まったく不明である。
組換抗体のH鎖又はその断片をコードするDNAの数に対するL鎖又はその断片をコードするDNAの数の比は、1よりも大きければよく、1.1以上5以下であることが好ましく、2が最も好ましい。
抗体のL鎖又はその断片をコードする外来DNAを抗体のH鎖又はその断片をコードする外来DNAよりも多いコピー数で含む細胞としては、例えば、H鎖又はその断片をコードするDNAを含むベクター(例えば、1つ)と該ベクターよりも多い数のL鎖又はその断片をコードするDNAを含むベクター(例えば、2つ以上)とを導入した細胞、H鎖又はその断片をコードするDNA 1コピーとL鎖又はその断片をコードするDNA 1コピーを同一のベクター内に含むベクターとL鎖又はその断片をコードするDNAを1コピー含むベクターを1つ以上導入した細胞、H鎖又はその断片をコードするDNAを1コピーとL鎖又はその断片をコードするDNAを2コピー以上同一のベクター内に含むベクターを導入した細胞などが挙げられ、好ましくはH鎖又はその断片をコードするDNAを1コピーとL鎖又はその断片をコードするDNAを2コピー以上同一のベクター内に含むベクターを導入した細胞である。
H鎖又はその断片をコードするDNAが1コピーとL鎖又はその断片をコードするDNAが2コピー以上のうち少なくとも1コピーが他とは別のベクターに存在する場合、これらのベクターの導入の順序は特に制限されず、これらのベクターを別々に導入してもよいし、同時に導入してもよい。
本発明で抗体の発現に用いる細胞は、特に限定されることなく、動物細胞、植物細胞、酵母などの真核細胞、大腸菌、枯草菌などの原核細胞など如何なる細胞でもよく、CHO細胞、COS細胞、3T3細胞、ミエローマ細胞、BHK細胞、HeLa細胞、Vero細胞などの動物細胞が好ましく、特にCHO細胞が好ましい。また、所望の抗体を製造するためには、CHO dhfr−細胞など所望の遺伝子を導入するのに適した細胞であることが好ましい。例えば、遺伝子工学的操作によって所望の抗体をコードする遺伝子を組み込んだCOS細胞やCHO細胞を培養することが可能である。
本発明の方法で使用できるベクターとしては、例えば、大腸菌を宿主とする場合には、ベクターを大腸菌(例えば、JM109、DH5α、HB101、XL1Blue)などで大量に増幅させ大量調製するために、大腸菌で増幅されるための「ori」をもち、さらに形質転換された大腸菌の選抜遺伝子(例えば、なんらかの薬剤(アンピシリンやテトラサイクリン、カナマイシン、クロラムフェニコール)により判別できるような薬剤耐性遺伝子)を有することが好ましい。ベクターの例としては、M13系ベクター、pUC系ベクター、pBR322、pBluescript、pCR-Scriptなどが挙げられる。また、cDNAのサブクローニング、切り出しを目的とした場合、上記ベクターの他に、例えば、pGEM-T、pDIRECT、pT7などが挙げられる。本発明の抗体又はその断片を生産する目的においてベクターを使用する場合には、特に、発現ベクターが有用である。発現ベクターとしては、例えば、大腸菌での発現を目的とした場合は、ベクターが大腸菌で増幅されるような上記特徴を持つほかに、宿主をJM109、DH5α、HB101、XL1-Blueなどの大腸菌とした場合においては、大腸菌で効率よく発現できるようなプロモーター、例えば、lacZプロモーター(Wardら, Nature (1989) 341, 544-546;FASEB J. (1992) 6, 2422-2427)、araBプロモーター(Betterら, Science (1988) 240, 1041-1043 )、またはT7プロモーターなどを持っていることが好ましい。このようなベクターとしては、上記ベクターの他にpGEX-5X-1(Pharmacia社製)、「QIAexpress system」(Qiagen社製)、pEGFP、またはpET(この場合、宿主はT7 RNAポリメラーゼを発現しているBL21が好ましい)などが挙げられる。
また、ベクターには、ポリペプチド分泌のためのシグナル配列が含まれていてもよい。ポリペプチド分泌のためのシグナル配列としては、大腸菌のペリプラズムに産生させる場合、pelBシグナル配列(Lei, S. P. et al J. Bacteriol. (1987) 169, 4379 )を使用すればよい。宿主細胞へのベクターの導入は、例えば塩化カルシウム法、エレクトロポレーション法を用いて行うことができる。
大腸菌を宿主とする場合以外にも、例えば、本発明の方法で使用できるベクターとしては、哺乳動物由来の発現ベクター(例えば、pcDNA3 (Invitrogen社製)や、pEGF-BOS (Nucleic Acids. Res.1990, 18(17),p5322)、pEF 、pCDM8やINPEP4(Biogen-IDEC社製))、昆虫細胞由来の発現ベクター(例えば「Bac-to-BAC baculovairus expression system」(GIBCO BRL社製)、pBacPAK8)、植物由来の発現ベクター(例えばpMH1、pMH2)、動物ウィルス由来の発現ベクター(例えば、pHSV、pMV、pAdexLcw )、レトロウィルス由来の発現ベクター(例えば、pZIpneo)、酵母由来の発現ベクター(例えば、「Pichia Expression Kit」( Invitrogen社製)、pNV11 、SP-Q01)、枯草菌由来の発現ベクター(例えば、pPL608、pKTH50)などが挙げられる。
CHO細胞、COS細胞、NIH3T3細胞等の動物細胞での発現を目的とした場合には、細胞内で発現させるために必要なプロモーター、例えばSV40プロモーター(Mulliganら, Nature (1979) 277, 108)、MMLV-LTRプロモーター、EF1αプロモーター(Mizushimaら, Nucleic Acids Res. (1990) 18, 5322)、CMVプロモーター(Niwaら,Gene. (1991) 108, 193),マウスβグロビンプロモーター(mBGP)などを持っていることが好ましく、細胞への形質転換を選抜するための遺伝子(例えば、薬剤(ネオマイシン、G418など)により判別できるような薬剤耐性遺伝子)を有すればさらに好ましい。このような特性を有するベクターとしては、例えば、pMAM、pDR2、pBK-RSV、pBK-CMV、pOPRSV、pOP13などが挙げられる。polyAを持つmRNAは細胞内で安定する事が知られており,polyAを遺伝子に付加させるために必要なポリAシグナル,例えばマウスβグロビンpolyAシグナル,ウシ成長ホルモンpolyAシグナル,SV40 polyAシグナルなどを持っていることが好ましい。
本発明の細胞は、一過性発現系(Transient Expression)で抗体又はその断片が発現されていてもよいし、恒常的発現系(Stable Expression)で発現されていてもよいが、恒常的発現系で発現されているものが好ましい。
一過性発現系とは、環状プラスミドをリン酸カルシウム法,エレクトロポレーション法,リポフェクション法などにより細胞内に取り込ませ発現させる方法である。環状プラスミドは染色体に挿入される効率が低く,目的遺伝子が染色体外に存在する事が多い。このため環状プラスミドからの目的遺伝子の発現は長期間維持することが難しい。
恒常的発現系とは、制限酵素処理などにより作成した直鎖上プラスミドをリン酸カルシウム法,エレクトロポレーション法,リポフェクション法などにより細胞内に取り込ませ発現させる方法である。直鎖状プラスミドは環状プラスミドより染色体に挿入される効率が高く,目的遺伝子が染色体上に維持される効率も高くなる。このため目的遺伝子の発現を長期間維持することが可能である。またプラスミドへの薬剤耐性遺伝子の導入を行えば薬剤選抜が可能となり,目的遺伝子が染色体上に維持された細胞を効率的に選択することが出来るようになる。恒常的発現系で用いる動物細胞としては、CHO細胞、NS0細胞、SP2/0細胞などが挙げられ、CHO細胞が好ましい。
さらに、遺伝子を安定的に発現させ、かつ、細胞内での遺伝子のコピー数の増幅を目的とする場合には、核酸合成経路を欠損したCHO細胞にそれを相補するDHFR遺伝子を有するベクター(例えば、pCHOIなど)を導入し、メトトレキセート(MTX)により増幅させる方法が挙げられ、また、遺伝子の一過性の発現を目的とする場合には、SV40 T抗原を発現する遺伝子を染色体上に持つCOS細胞を用いてSV40の複製起点を持つベクター(pcDなど)で形質転換する方法が挙げられる。複製開始点としては、また、ポリオーマウィルス、アデノウィルス、ウシパピローマウィルス(BPV )等の由来のものを用いることもできる。さらに、宿主細胞系で遺伝子コピー数増幅のため、発現ベクターは選択マーカーとして、アミノグリコシドトランスフェラーゼ(APH )遺伝子、チミジンキナーゼ(TK)遺伝子、大腸菌キサンチングアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(Ecogpt)遺伝子、ジヒドロ葉酸還元酵素(dhfr)遺伝子等を含むことができる。
本発明は、抗体のH鎖又はその断片をコードするDNAを1コピー、抗体のL鎖又はその断片をコードするDNAを2コピー以上含む組換えベクターも提供する。
本発明のベクターは、宿主細胞内において組換抗体又はその断片をコードするDNAを保持したり、組換抗体又はその断片を発現させるために有用である。宿主細胞に組換抗体のH鎖又はその断片をコードするDNAを1copy、L鎖又はその断片をコードするDNAを2copy以上導入させることにより、H鎖ポリペプチドの抗体分子へのアセンブルが促進し、宿主細胞による所望の組換抗体又はその断片の生産を増加させることができる。
また、本発明は、本発明のベクターが導入された宿主細胞を提供する。本発明のベクターが導入される宿主細胞は特に制限はなく、例えば、大腸菌や種々の動物細胞などを用いることが可能である。本発明の宿主細胞は、例えば、本発明の抗体又はその断片の製造や発現のための産生系として使用することができる。ポリペプチド製造のための産生系としては、in vitroおよびin vivo の産生系がある。in vitroの産生系としては、真核細胞を使用する産生系や原核細胞を使用する産生系などが挙げられる。
真核細胞を使用する場合、例えば、動物細胞、植物細胞、真菌細胞を宿主に用いることができる。動物細胞としては、哺乳類細胞、例えば、CHO(J. Exp. Med. (1995) 108, 945)、COS 、3T3、ミエローマ、BHK (baby hamster kidney )、HeLa、Vero、両生類細胞、例えばアフリカツメガエル卵母細胞(Valle, et al., Nature (1981) 291, 358-340 )、あるいは昆虫細胞、例えば、Sf9 、Sf21、Tn5が知られている。CHO 細胞としては、特に、DHFR遺伝子を欠損したCHO 細胞であるdhfr-CHO(Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1980) 77, 4216-4220 )やCHO K-1 (Proc. Natl. Acad. Sci. USA (1968) 60, 1275)を好適に使用することができる。動物細胞において、大量発現を目的とする場合には特にCHO細胞が好ましい。宿主細胞へのベクターの導入は、例えば、リン酸カルシウム法、DEAEデキストラン法、カチオニックリボソームDOTAP(ベーリンガーマンハイム社製)を用いた方法、エレクトロポーレーション法、リポフェクションなどの方法で行うことが可能である。
植物細胞としては、例えば、ニコチアナ・タバカム(Nicotiana tabacum )由来の細胞がポリペプチド生産系として知られており、これをカルス培養すればよい。真菌細胞としては、酵母、例えば、サッカロミセス(Saccharomyces )属、例えば、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae )、糸状菌、例えば、アスペルギルス(Aspergillus )属、例えば、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger )が知られている。
原核細胞を使用する場合、細菌細胞を用いる産生系がある。細菌細胞としては、大腸菌(E. coli )、例えば、JM109、DH5α、HB101 等が挙げられ、その他、枯草菌が知られている。
これらの細胞を目的とする遺伝子により形質転換し、形質転換された細胞をin vitroで培養することにより、目的とする遺伝子がコードするポリペプチドが得られる。培養は、公知の方法に従い行うことができる。例えば、動物細胞の培養液として、例えば、DMEM、MEM 、RPMI1640、IMDMを使用することができる。その際、牛胎児血清(FCS)等の血清補液を併用することもできるし、無血清培養してもよい。培養時のpHは、約6〜8であるのが好ましい。培養は、通常、約30〜40℃で約15〜200時間行い、必要に応じて培地の交換、通気、攪拌を加える。
抗体のL鎖又はその断片をコードする外来DNAを抗体のH鎖又はその断片をコードする外来DNAよりも多いコピー数で含む細胞を培養することにより、この細胞に抗体又はその断片を従来よりも高発現させることができる。抗体のL鎖又はその断片をコードする外来DNAを抗体のH鎖又はその断片をコードする外来DNAよりも多いコピー数で含む細胞の培養には、通常の細胞(好ましくは、動物細胞)培養で使用されている培地を用いることができる。これらには通常、アミノ酸、ビタミン類、脂質因子、エネルギー源、浸透圧調節剤、鉄源、pH緩衝剤を含む。これらの成分の含量は、通常、アミノ酸は0.05−1500mg/L、ビタミン類は0.001−10mg/L、脂質因子は0−200mg/L、エネルギー源は1−20g/L、浸透圧調節剤は0.1−10000mg/L、鉄源は0.1−500mg/L、pH緩衝剤は1−10000mg/L、微量金属元素は0.00001−200mg/L、界面活性剤は0−5000mg/L、増殖補助因子は0.05−10000μg/Lおよびヌクレオシドは0.001−50mg/Lの範囲が適当であるが、これらに限定されず、培養する細胞の種類、所望の組換抗体又はその断片の種類などにより適宜決定できる。
上記成分のほか、例えば、微量金属元素、界面活性剤、増殖補助因子、ヌクレオシドなどを添加しても良い。
具体的には、例えば、L-アラニン、L-アルギニン、L-アスパラギン、L-アスパラギン酸、L-システイン、L-シスチン、L-グルタミン、L-グルタミン酸、グリシン、L-ヒスチジン、L-イソロイシン、L-ロイシン、L-リジン、L-メチオニン、L-オルニチン、L-フェニルアラニン、L-プロリン、L-セリン、L-スレオニン、L-トリプトファン、L-チロシン、L-バリン等、好ましくはL-アラニン、L-アルギニン、L-アスパラギン、L-アスパラギン酸、L-シスチン、L-グルタミン、L-グルタミン酸、グリシン、L-ヒスチジン、L-イソロイシン、L-ロイシン、L-リジン、L-メチオニン、L-フェニルアラニン、L-プロリン、L-セリン、L-スレオニン、L-トリプトファン、L-チロシン、L-バリン等のアミノ酸類;i−イノシトール、ビオチン、葉酸、リポ酸、ニコチンアミド、ニコチン酸、p-アミノ安息香酸、パントテン酸カルシウム、塩酸ピリドキサール、塩酸ピリドキシン、リボフラビン、塩酸チアミン、ビタミンB12、アスコルビン酸等、好ましくはビオチン、葉酸、リポ酸、ニコチン酸アミド、パントテン酸カルシウム、塩酸ピリドキサール、リボフラビン、塩酸チアミン、ビタミンB12、アスコルビン酸等のビタミン類;塩化コリン、酒石酸コリン、リノール酸、オレイン酸、コレステロール等、好ましくは塩化コリン等の脂質因子;グルコース、ガラクトース、マンノース、フルクトース等、好ましくはグルコース等のエネルギー源;塩化ナトリウム、塩化カリウム、硝酸カリウム等、好ましくは塩化ナトリウム等の浸透圧調節剤;EDTA鉄、クエン酸鉄、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、硝酸第二鉄等、好ましくは塩化第二鉄、EDTA鉄、クエン酸鉄等の鉄源類;炭酸水素ナトリウム、塩化カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、HEPES、MOPS等、好ましくは炭酸水素ナトリウム等のpH緩衝剤を含む培地を例示できる。
上記成分のほか、例えば、硫酸銅、硫酸マンガン、硫酸亜鉛、硫酸マグネシウム、塩化ニッケル、塩化スズ、塩化マグネシウム、亜ケイ酸ナトリウム等、好ましくは硫酸銅、硫酸亜鉛、硫酸マグネシウム等の微量金属元素;Tween80、プルロニックF68等の界面活性剤;および組換え型インスリン、組換え型IGF-1、組換え型EGF、組換え型FGF、組換え型PDGF、組換え型TGF-α、塩酸エタノールアミン、亜セレン酸ナトリウム、レチノイン酸、塩酸プトレッシン等、好ましくは亜セレン酸ナトリウム、塩酸エタノールアミン、組換え型IGF-1、塩酸プトレッシン等の増殖補助因子;デオキシアデノシン、デオキシシチジン、デオキシグアノシン、アデノシン、シチジン、グアノシン、ウリジン等のヌクレオシドなどを添加してもよい。なお上記培地の好適例においては、ストレプトマイシン、ペニシリンGカリウム及びゲンタマイシン等の抗生物質や、フェノールレッド等のpH指示薬を含んでいても良い。
培地のpHは培養する細胞により異なるが、一般的にはpH6.8〜7.6、多くの場合pH7.0〜7.4が適当である。
培地は、市販の動物細胞培養用培地、例えば、D-MEM (Dulbecco's Modified Eagle Medium)、 D-MEM/F-12 1:1 Mixture (Dulbecco's Modified Eagle Medium : Nutrient Mixture F-12)、 RPMI1640、CHO-S-SFM II(Invitrogen社)、 CHO-SF (Sigma-Aldrich社)、 EX-CELL 301 (JRH biosciences社)、CD-CHO (Invitrogen社)、 IS CHO-V (Irvine Scientific社)、 PF-ACF-CHO (Sigma-Aldrich社)などの培地を用いることも可能である。
又、培地は無血清培地であってもよい。
細胞がCHO細胞である場合、CHO細胞の培養は当業者に公知の方法を用いて行うことができる。例えば、通常、気相のCO2濃度が0−40%、好ましくは、2−10%の雰囲気下、30−39℃、好ましくは37℃程度で、培養することが可能である。
所望の組換抗体又はその断片を産生するために適当な細胞の培養期間は、通常1日〜3ヶ月であり、好ましくは1日〜2ヶ月、さらに好ましくは1日〜1ヶ月である。
また、動物細胞培養用の各種の培養装置としては、例えば発酵槽型タンク培養装置、エアーリフト型培養装置、カルチャーフラスコ型培養装置、スピンナーフラスコ型培養装置、マイクロキャリアー型培養装置、流動層型培養装置、ホロファイバー型培養装置、ローラーボトル型培養装置、充填槽型培養装置等を用いて培養することができる。
培養は、バッチ培養(batch culture)、流加培養(fed-batch culture)、連続培養(continuous culture)などのいずれの方法を用いてもよいが、流加培養又は連続培養が好ましく、流加培養がより好ましい。
一方、in vivo で抗体又はその断片を産生させる系としては、例えば、動物を使用する産生系や植物を使用する産生系が挙げられる。これらの動物又は植物に目的とする遺伝子を導入し、動物又は植物の体内でポリペプチドを産生させ、回収する。本発明における「宿主」とは、これらの動物、植物を包含する。
動物を使用する場合、哺乳類動物、昆虫を用いる産生系がある。哺乳類動物としては、ヤギ、ブタ、ヒツジ、マウス、ウシを用いることができる(Vicki Glaser, SPECTRUM Biotechnology Applications, 1993 )。また、哺乳類動物を用いる場合、トランスジェニック動物を用いることができる。
トランスジェニック動物の作製方法は公知である。例えば、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77:7380−7384(1980)に記載の方法により、トランスジェニック動物を得ることができる。具体的には、目的の遺伝子を哺乳動物の全能細胞に導入し、この細胞を個体へと発生させる。得られた個体のうち、体細胞および生殖細胞中に導入遺伝子が組み込まれてた個体を選別することによって、目的とするトランスジェニック動物を作製することができる。遺伝子を導入する全能細胞としては、受精卵や初期胚のほか、多分化能を有するES細胞のような培養細胞などが挙げられる。
例えば、目的とする遺伝子(本発明においては、抗体のH鎖又はその断片をコードするDNAと抗体のL鎖又はその断片をコードするDNA)を、ヤギβカゼインのような乳汁中に固有に産生されるポリペプチドをコードする遺伝子との融合遺伝子として調製する。次いで、この融合遺伝子を含む遺伝子断片をヤギの胚へ注入し、この胚を雌のヤギへ移植する。胚を受容したヤギから生まれるトランスジェニックヤギ又はその子孫が産生する乳汁から、目的のポリペプチド(本発明においては、抗体又はその断片)を得ることができる。トランスジェニックヤギから産生されるポリペプチドを含む乳汁量を増加させるために、適宜ホルモンをトランスジェニックヤギに使用してもよい(Ebert, K.M. et al., Bio/Technology (1994) 12, 699-702 )。
また、昆虫としては、例えばカイコを用いることができる。カイコを用いる場合、目的のポリペプチドをコードする遺伝子(本発明においては、抗体のH鎖又はその断片をコードするDNAと抗体のL鎖又はその断片をコードするDNA)を挿入したバキュロウィルスをカイコに感染させることにより、このカイコの体液から目的のポリペプチドを得ることができる(Susumu, M. et al., Nature (1985) 315, 592-594 )。
さらに、植物を使用する場合、例えばタバコを用いることができる。タバコを用いる場合、目的とするポリペプチドをコードする遺伝子(本発明においては、抗体のH鎖又はその断片をコードするDNAと抗体のL鎖又はその断片をコードするDNA)を植物発現用ベクター、例えばpMON 530に挿入し、このベクターをアグロバクテリウム・ツメファシエンス(Agrobacterium tumefaciens )のようなバクテリアに導入する。このバクテリアをタバコ、例えば、ニコチアナ・タバカム(Nicotiana tabacum )に感染させ、本タバコの葉より所望のポリペプチド(本発明においては、抗体又はその断片)を得ることができる(Julian K.-C. Ma et al., Eur. J. Immunol. (1994) 24, 131-138)。
本発明は、抗体のL鎖又はその断片をコードする外来DNAを抗体のH鎖又はその断片をコードする外来DNAよりも多いコピー数で含む培養細胞も提供する。培養細胞は上記の通りである。
また、本発明は、抗体のH鎖又はその断片よりも抗体のL鎖又はその断片を高発現する細胞を用いて抗体又はその断片を産生させることを含む、抗体又はその断片の製造方法も提供する。抗体のH鎖又はその断片よりも抗体のL鎖又はその断片を高発現する細胞としては、抗体のL鎖又はその断片をコードする外来DNAを抗体のH鎖又はその断片をコードする外来DNAよりも多いコピー数で含む細胞を挙げることができ、このような細胞は上記の通りである。抗体のH鎖又はその断片よりも抗体のL鎖又はその断片を高発現する細胞を培養することにより、この細胞に抗体又はその断片を産生させることができる。培地や培養条件などは上記の通りである。
本発明の製造方法で生産される抗体としては、ヒト、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、サル等の動物由来のモノクローナル抗体だけでなく、キメラ抗体、ヒト化抗体、bispecific抗体など人為的に改変した遺伝子組み換え型抗体も含まれる。また、抗体のクラスも特に限定されるものではなく、抗体の免疫グロブリンクラスは特に限定されるものではなく、IgG1、IgG2、IgG3、IgG4などのIgG、IgA、IgD、IgE、IgMなどいずれのクラスでもよいが、医薬として用いる場合はIgG及びIgMが好ましい。さらに本発明の抗体としてはwholeの抗体だけでなく、Fv、Fab、F(ab)2などの抗体断片なども含まれる。
本発明の方法で製造した抗体をさらに抗体修飾物として、ポリエチレングリコール(PEG)等の各種分子と結合させて、抗体修飾物として使用することもできる。このような抗体修飾物を得るには、得られた抗体に化学的な修飾を施すことによって得ることができる。これらの方法はこの分野において既に確立されている。
上述した本発明の抗体は、当業者に周知の方法により作製することができる。
モノクローナル抗体を産生するハイブリドーマは、基本的には公知技術を使用し、以下のようにして作製できる。すなわち、所望の抗原や所望の抗原を発現する細胞を感作抗原として使用して、これを通常の免疫方法にしたがって免疫し、得られる免疫細胞を通常の細胞融合法によって公知の親細胞と融合させ、通常のスクリーニング法により、モノクローナルな抗体産生細胞(ハイブリドーマ)をスクリーニングすることによって作製できる。ハイブリドーマの作製は、たとえば、ミルステインらの方法(Kohler. G. and Milstein, C., Methods Enzymol. (1981) 73: 3-46 )等に準じて行うことができる。抗原の免疫原性が低い場合には、アルブミン等の免疫原性を有する巨大分子と結合させ、免疫を行えばよい。
また、抗体遺伝子をハイブリドーマからクローニングし、適当なベクターに組み込んで、これを宿主に導入し、遺伝子組換え技術を用いて産生させた遺伝子組換え型抗体を用いることができる(例えば、Carl, A. K. Borrebaeck, James, W. Larrick, THERAPEUTIC MONOCLONAL ANTIBODIES, Published in the United Kingdom by MACMILLAN PUBLISHERS LTD, 1990 参照)。具体的には、ハイブリドーマのmRNAから逆転写酵素を用いて抗体の可変領域(V領域)のcDNAを合成する。目的とする抗体のV 領域をコードするDNA が得られれば、これを所望の抗体定常領域(C領域)をコードするDNA と連結し、これを発現ベクターへ組み込む。または、抗体のV 領域をコードするDNA を、抗体C 領域のDNA を含む発現ベクターへ組み込んでもよい。発現制御領域、例えば、エンハンサー、プロモーターの制御のもとで発現するよう発現ベクターに組み込む。次に、この発現ベクターにより宿主細胞を形質転換し、抗体を発現させることができる。
本発明では、ヒトに対する異種抗原性を低下させること等を目的として人為的に改変した遺伝子組換え型抗体、例えば、キメラ(Chimeric)抗体、ヒト化(Humanized)抗体などを使用できる。これらの改変抗体は、既知の方法を用いて製造することができる。キメラ抗体は、ヒト以外の哺乳動物、例えば、マウス抗体の重鎖、軽鎖の可変領域とヒト抗体の重鎖、軽鎖の定常領域からなる抗体であり、マウス抗体の可変領域をコードするDNA をヒト抗体の定常領域をコードするDNA と連結し、これを発現ベクターに組み込んで宿主に導入し産生させることにより得ることができる。
ヒト化抗体は、再構成(reshaped)ヒト抗体とも称され、ヒト以外の哺乳動物、たとえばマウス抗体の相補性決定領域(CDR; complementarity determining region)をヒト抗体の相補性決定領域へ移植したものであり、その一般的な遺伝子組換え手法も知られている。具体的には、マウス抗体のCDR とヒト抗体のフレームワーク領域(framework region;FR)を連結するように設計したDNA 配列を、末端部にオーバーラップする部分を有するように作製した数個のオリゴヌクレオチドからPCR 法により合成する。得られたDNA をヒト抗体定常領域をコードするDNA と連結し、次いで発現ベクターに組み込んで、これを宿主に導入し産生させることにより得られる(欧州特許出願公開番号EP 239400 、国際特許出願公開番号WO 96/02576 参照)。CDR を介して連結されるヒト抗体のFRは、相補性決定領域が良好な抗原結合部位を形成するものが選択される。必要に応じ、再構成ヒト抗体の相補性決定領域が適切な抗原結合部位を形成するように抗体の可変領域のフレームワーク領域のアミノ酸を置換してもよい(Sato, K.et al., Cancer Res. (1993) 53, 851-856)。
また、ヒト抗体の取得方法も知られている。例えば、ヒトリンパ球をin vitroで所望の抗原または所望の抗原を発現する細胞で感作し、感作リンパ球をヒトミエローマ細胞、例えばU266と融合させ、抗原への結合活性を有する所望のヒト抗体を得ることもできる(特公平1-59878 参照)。また、ヒト抗体遺伝子の全てのレパートリーを有するトランスジェニック動物を抗原で免疫することで所望のヒト抗体を取得することができる(国際特許出願公開番号WO 93/12227, WO 92/03918,WO 94/02602, WO 94/25585,WO 96/34096, WO 96/33735参照)。さらに、ヒト抗体ライブラリーを用いて、パンニングによりヒト抗体を取得する技術も知られている。例えば、ヒト抗体の可変領域を一本鎖抗体(scFv)としてファージディスプレイ法によりファージの表面に発現させ、抗原に結合するファージを選択することができる。選択されたファージの遺伝子を解析すれば、抗原に結合するヒト抗体の可変領域をコードするDNA配列を決定することができる。抗原に結合するscFvのDNA配列が明らかになれば、当該配列を含む適当な発現ベクターを作製し、ヒト抗体を取得することができる。これらの方法は既に衆知であり、WO 92/01047, WO 92/20791, WO 93/06213, WO 93/11236, WO 93/19172, WO 95/01438, WO 95/15388を参考にすることができる。
前記のように得られた抗体又はその断片は、均一にまで精製することができる。抗体又はその断片の分離、精製は通常のポリペプチドで使用されている分離、精製方法を使用すればよい。例えば、アフィニティークロマトグラフィー等のクロマトグラフィーカラム、フィルター、限外濾過、塩析、透析、SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動、等電点電気泳動等を適宜選択、組み合わせれば、抗体を分離、精製することができる(Antibodies : A Laboratory Manual. Ed Harlow and David Lane, Cold Spring Harbor Laboratory, 1988) が、これらに限定されるものではない。上記で得られた抗体の濃度測定は吸光度の測定又は酵素結合免疫吸着検定法(Enzyme-linked immunosorbent assay;ELISA)等により行うことができる。
アフィニティークロマトグラフィーに用いるカラムとしては、プロテインAカラム、プロテインGカラムが挙げられる。例えば、プロテインAカラムを用いたカラムとして、Hyper D, POROS, Sepharose F. F. (Pharmacia) 等が挙げられる。
アフィニティークロマトグラフィー以外のクロマトグラフィーとしては、例えば、イオン交換クロマトグラフィー、疎水性クロマトグラフィー、ゲル濾過、逆相クロマトグラフィー、吸着クロマトグラフィー等が挙げられる(Strategies for Protein Purification and Characterization : A Laboratory Course Manual. Ed Daniel R. Marshak et al., Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1996)。これらのクロマトグラフィーはHPLC、FPLC等の液相クロマトグラフィーを用いて行うことができる。
なお、ポリペプチドを精製前又は精製後に適当なポリペプチド修飾酵素を作用させることにより、任意に修飾を加えたり、部分的にペプチドを除去することもできる。ポリペプチド修飾酵素としては、例えば、トリプシン、キモトリプシン、リシルエンドペプチダーゼ、プロテインキナーゼ、グルコシダーゼなどが用いられる。
本発明の方法により製造された抗体又はその断片が医薬として利用可能な生物学的活性を有する場合には、このポリペプチドを医薬的に許容される担体又は添加剤と混合して製剤化することにより、医薬品を製造することができる。
医薬的に許容される担体及び添加剤の例として、水、医薬的に許容される有機溶剤、コラーゲン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、水溶性デキストラン、カルボキシメチルスターチナトリウム、ペクチン、メチルセルロース、エチルセルロース、キサンタンガム、アラビアゴム、カゼイン、寒天、ポリエチレングリコール、ジグリセリン、グリセリン、プロピレングリコール、ワセリン、パラフィン、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ヒト血清アルブミン(HSA)、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、医薬添加物として許容される界面活性剤等が挙げられる。
実際の添加物は、本発明治療剤の剤型に応じて上記の中から単独で又は適宜組み合わせて選ばれるが、もちろんこれらに限定するものではない。例えば、注射用製剤として使用する場合、精製されたポリペプチドを溶剤、例えば生理食塩水、緩衝液、ブドウ糖溶液等に溶解し、これに吸着防止剤、例えばTween80、Tween20、ゼラチン、ヒト血清アルブミン等を加えたものを使用することができる。あるいは、使用前に溶解再構成する剤形とするために凍結乾燥したものであってもよく、凍結乾燥のための賦形剤としては、例えば、マンニトール、ブドウ糖等の糖アルコールや糖類を使用することができる。
抗体又はその断片の有効投与量は、抗体又はその断片の種類、治療や予防の対象とする疾患の種類、患者の年齢、疾患の重篤度などにより適宜選択される。例えば、抗体が抗グリピカン-3抗体であり、これを抗癌剤として使用する場合、抗グリピカン-3抗体の有効投与量は、一回につき体重1kgあたり0.001mgから1000mgの範囲で選ばれる。あるいは、患者あたり0.01〜100000mg/bodyの投与量を選ぶことができる。しかしながら、これらの投与量に制限されるものではない。
抗体又はその断片の投与方法は、経口、非経口投与のいずれでも可能であるが、好ましくは非経口投与であり、具体的には、注射(例えば、静脈内注射、筋肉内注射、腹腔内注射、皮下注射などによる全身又は局所投与)、経鼻投与、経肺投与、経皮投与などが挙げられる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。なお、これらの実施例は、本発明を説明するためのものであって、本発明の範囲を限定するものではない。
〔実施例1〕ヒト化抗ヒトグリピカン-3抗体発現プラスミドの作成
まず、ヒト化抗ヒトグリピカン-3抗体のH鎖遺伝子を以下のようにして調製した。グリピカン−3断片(PCRによりGSTとの融合タンパク遺伝子を発現させて取得した)をマウス(MRL/lpr,日本チャールスリバー)に免疫した。このマウスの脾臓細胞を用いハイブリドーマを作製した。グリピカン−3を抗原に用いるELISAによりハイブリドーマをスクリーニングし、グリピカン−3結合抗体を産生するクローンを選択した。ハイブリドーマよりmRNAを抽出し,逆転写酵素を用いる逆転写反応によりcDNAを作製した。マウスH鎖可変領域遺伝子と相補塩基配列を持つプライマー(CAGGGGCCAGTGGATAGACCGATG)(配列番号1)とcDNAを用いるPCRによりマウス抗グリピカン−3H鎖可変領域遺伝子を増幅し,pGEM-T Easy(Promega)と結合することにより取得した。マウス抗グリピカン−3H鎖可変領域遺伝子のフレームワーク領域とホモロジーを有するヒト抗体H鎖可変領域遺伝子をKabat databaseより検索し同定した。同定したヒト抗体H鎖可変領域遺伝子の各フレームワーク部分とマウス抗グリピカン−3抗体H鎖可変領域遺伝子の各CDR部分を結合したヒト化抗グリピカン−3H鎖可変領域遺伝子の塩基配列をデザインし,PCRにより合成した。ヒト化抗グリピカン−3H鎖可変領域遺伝子をヒトIgG1定常領域遺伝子と結合し,アミノ酸置換による最適化を行いヒト化抗グリピカン−3H鎖遺伝子を作製した(WO06/06693参照)。CAGプロモーターの下流にヒト化抗ヒトグリピカン-3抗体のH鎖遺伝子を結合し,更に下流にマウスβグロビンpolyAシグナルを結合する事によりH鎖発現ユニットを作成した。H鎖発現ユニットの上流のBamHI及びHindIIIと,下流のXhoIによりH鎖発現ユニットを切り出すことが出来る。
次に、ヒト化抗ヒトグリピカン-3抗体のL鎖遺伝子を以下のようにして調製した。グリピカン−3断片をマウスに免疫した。このマウスの脾臓細胞を用いハイブリドーマを作製した。グリピカン−3を抗原に用いるELISAによりハイブリドーマをスクリーニングし、グリピカン−3結合抗体を産生するクローンを選択した。ハイブリドーマよりmRNAを抽出し,逆転写酵素を用いる逆転写反応によりcDNAを作製した。マウスL鎖可変領域遺伝子と相補塩基配列を持つプライマー(GCTCACTGGATGGTGGGAAGATG)(配列番号2)とcDNAを用いるPCRによりマウス抗グリピカン−3L鎖可変領域遺伝子を増幅し,pGEM-T Easy(Promega)と結合することにより取得した。マウス抗グリピカン−3L鎖可変領域遺伝子のフレームワーク領域とホモロジーを有するヒト抗体L鎖可変領域遺伝子をKabat databaseより検索し同定した。同定したヒト抗体L鎖可変領域遺伝子の各フレームワーク部分とマウス抗グリピカン−3抗体H鎖可変領域遺伝子の各CDR部分を結合したヒト化抗グリピカン−3L鎖可変領域遺伝子の塩基配列をデザインし,PCRにより合成した。ヒト化抗グリピカン−3L鎖可変領域遺伝子をヒトIgG κ定常領域遺伝子と結合し,アミノ酸置換による最適化を行いヒト化抗グリピカン−3L鎖遺伝子を作製した(WO06/06693参照)。CAGプロモーターの下流にヒト化抗ヒトグリピカン-3抗体のL鎖遺伝子を結合し,更に下流にマウスβグロビンpolyAシグナルを結合する事によりL鎖発現ユニットを作成した。L鎖発現ユニットはHindIII で切り出す事ができる。
BamHIとXhoIで消化したIDEC社製プラスミドINPEP4とH鎖発現ユニットを結合しpINP-GC33-H1を作成した。HindIII消化したpINP-GC33-H1とHindIIIで切り出したL鎖発現ユニットを結合した。以上の操作により,プラスミドあたりL鎖発現ユニットを1 copyとH鎖発現ユニットを1 copy保持するL鎖1 copy発現プラスミドphGC33CAG#1及びプラスミドあたりL鎖発現ユニットを2 copyとH鎖発現ユニットを1 copy保持するL鎖2 copy発現プラスミドphGC33CAG1を作成した(図1)。
〔実施例2〕ヒト化抗ヒトグリピカン-3抗体安定発現細胞株の作成
CHO細胞DXB11株にphGC33CAG#1またはphGC33CAG1をエレクトロポレーションにより導入した。引き続き細胞を400 μg/mLのG418存在下で培養する事で,発現プラスミドが導入された細胞株を選抜した。発現プラスミドを遺伝子増幅させる目的で,引き続き10 〜 100 nM MTX存在下での培養を実施した。
L鎖1 copy発現プラスミド導入細胞株4株とL鎖2 copy発現プラスミド導入細胞株5株を取得し,125 mLフラスコを用いたBatch培養で比較を行った。培養は培養液量50 mL, 初発細胞密度2x105 cells/mL,培養温度37℃,振とう速度110 rpmの条件で実施した。培養開始後3, 5, 6, 7日目に培養液中の抗体濃度を測定し,比較を行った。L鎖1 copy発現プラスミド導入細胞株4株の7日目の抗体産生量はおよそ60 - 260 μg/mLだった。一方L鎖2 copy発現プラスミド導入細胞株5株の7日目の抗体産生量はおよそ420 - 690 μg/mLであった。L鎖2 copy発現プラスミド導入細胞株の抗体産生量はL鎖1 copy発現プラスミド導入細胞株の抗体産生量より2倍以上高かった(図2)。
以上よりH鎖1copyに対してL鎖2 copyを宿主細胞に導入することにより、従来のようにL鎖1copyコピーを宿主細胞に導入するよりも抗体産生量を高められる事を確認した。
〔実施例3〕ヒト化抗ヒトIL-6R抗体安定発現細胞株の作成
WO92/019759記載のヒト化抗ヒトIL-6R抗体H鎖遺伝子及びヒト化抗ヒトIL-6R抗体L鎖遺伝子のそれぞれの上流にCAGプロモーターを結合し,更に下流にマウスβグロビンpolyAシグナルを結合したH鎖発現ユニットとL鎖発現ユニットを作成した。ネオマイシン耐性遺伝子とdhfrを組み込んだpBluescriptにH鎖発現ユニットとL鎖発現ユニットを結合し,ヒト化抗ヒトIL-6R抗体遺伝子のH鎖1 copy及びL鎖1 copyで構成されるL鎖1 copy発現プラスミドとH鎖1 copy及びL鎖2 copyで構成されるL鎖2 copy発現プラスミドを作成し(図3),CHO細胞DXB11株にエレクトロポレーションにより導入した。引き続き細胞を400 μg/mLのG418存在下で培養する事で,発現プラスミドが導入された細胞株を選抜した。
L鎖1 copy発現プラスミド導入細胞株176株とL鎖2 copy発現プラスミド導入細胞株176株を取得し,24wellプレートを用いたBatch培養で比較を行った。培養は培養液量0.7 mL,培養温度37℃,振とう速度160 rpmの条件で実施した。培養開始後12日目に培養液中の抗体濃度を測定し,抗体産生量順に並べ替えた後,集団間の比較を行った(図4)。全体的にL鎖2 copyプラスミド導入細胞の産生量がL鎖1 copyプラスミドの産生量より高い結果となった。
以上よりH鎖1copyに対してL鎖2 copyを宿主細胞に導入することにより、従来のようにL鎖1copyコピーを宿主細胞に導入するよりも抗体産生量を高められる事を確認した。
本発明は、あらゆる抗体産生細胞へ応用可能である。
本明細書で引用した全ての刊行物、特許および特許出願をそのまま参考として本明細書にとり入れるものとする。
本発明は、抗体の生産に利用することができる。
<配列番号1>
配列番号1は、マウスH鎖可変領域遺伝子と相補塩基配列を持つプライマーの配列を示す。
<配列番号2>
配列番号2は、マウスL鎖可変領域遺伝子と相補塩基配列を持つプライマーの配列を示す。

Claims (13)

  1. 抗体のL鎖又はその抗原結合性断片をコードする外来DNAを抗体のH鎖又はその抗原結合性断片をコードする外来DNAよりも多いコピー数で含む細胞を培養して抗体又はその抗原結合性断片を産生させることを含む、抗体又はその抗原結合性断片の製造方法であって、抗体のL鎖又はその抗原結合性断片をコードする外来DNAと抗体のH鎖又はその抗原結合性断片をコードする外来DNAが同じ組換えベクターに含まれ、その組換えベクターが前記細胞に導入されている前記方法
  2. 細胞が動物細胞である請求項1記載の方法。
  3. 動物細胞がチャイニーズハムスター卵巣細胞である請求項2記載の方法。
  4. 抗体が、キメラ抗体、ヒト化抗体又はヒト抗体である請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 抗体が、抗IL-6レセプター抗体、抗IL-6抗体、抗グリピカン-3抗体、抗CD3抗体、抗CD20抗体、抗GPIIb/IIIa抗体、抗TNF抗体、抗CD25抗体、抗EGFR抗体、抗Her2/neu抗体、抗RSV抗体、抗CD33抗体、抗CD52抗体、抗IgE抗体、抗CD11a抗体、抗VEGF抗体及び抗VLA4抗体からなる群より選択される請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の方法で抗体又はその抗原結合性断片を製造し、医薬的に許容される担体と混合することを含む、医薬品の製造方法。
  7. 抗体のH鎖又はその抗原結合性断片をコードするDNAを1コピー、抗体のL鎖又はその抗原結合性断片をコードするDNAを2コピー以上含む組換えベクター。
  8. 請求項7記載のベクターが導入されている細胞。
  9. 抗体のL鎖又はその抗原結合性断片をコードする外来DNAを抗体のH鎖又はその抗原結合性断片をコードする外来DNAよりも多いコピー数で含む培養細胞であって、抗体のL鎖又はその抗原結合性断片をコードする外来DNAと抗体のH鎖又はその抗原結合性断片をコードする外来DNAが同じ組換えベクターに含まれ、その組換えベクターが前記細胞に導入されている前記細胞
  10. 抗体のH鎖又はその抗原結合性断片よりも抗体のL鎖又はその抗原結合性断片を高発現する細胞を培養して抗体又はその抗原結合性断片を産生させることを含む、抗体又はその抗原結合性断片の製造方法であって、抗体のL鎖又はその抗原結合性断片をコードする外来DNAと抗体のH鎖又はその抗原結合性断片をコードする外来DNAが同じ組換えベクターに含まれ、その組換えベクターが前記細胞に導入されている前記方法。
  11. 細胞が、抗体又はその抗原結合性断片を恒常的発現している細胞である請求項1〜6又は10のいずれかに記載の方法。
  12. 抗体又はその抗原結合性断片を恒常的発現している請求項8又は9に記載の細胞。
  13. 医薬的に許容される担体が、水、医薬的に許容される有機溶剤、コラーゲン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸ナトリウム、アルギン酸ナトリウム、水溶性デキストラン、カルボキシメチルスターチナトリウム、ペクチン、メチルセルロース、エチルセルロース、キサンタンガム、アラビアゴム、カゼイン、寒天、ポリエチレングリコール、ジグリセリン、グリセリン、プロピレングリコール、ワセリン、パラフィン、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ヒト血清アルブミン(HSA)、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、医薬添加物として許容される界面活性剤からなる群より選択される請求項6記載の方法。
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