JP2015198484A - 発電監視装置 - Google Patents

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Takeshi Fujiyama
毅 藤山
林 一雅
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Abstract

【課題】筐体の内部に発生する結露の影響を抑制し、通信特性を向上できる発電監視装置を提供する。【解決手段】発電監視装置は、水蒸気を含む第1の領域と熱容量が第1の領域よりも大きい第2の領域とを内部に有すると共に、第1の領域の少なくとも一部を覆う第1の内面を有する筐体と、第1の領域において、第1の内面よりも第2の領域の近くに配置された電子部品と、を備え、第1の内面の少なくとも一部は、電子部品における重力の反対方向の射影に重ならない。【選択図】図1

Description

本発明は、発電監視装置に関する。
従来、太陽光発電パネル(PV(Photo Voltaic)パネル)を利用し、太陽光のエネルギーを電気エネルギーに変換する太陽光発電が普及している。
太陽光発電システムでは、PVパネルによる発電に関する発電情報を取得する発電監視装置を含むことがある。例えば、発電監視装置は、外部の通信装置に対して発電情報を送信し、外部の通信装置が、各太陽光発電モジュールの発電情報を収集できる。従って、発電監視装置は、正確な発電情報を送信するために、通信特性が良好であることが望まれる。
通信特性を良好にするための技術として、プリント基板の搭載部品の通電部分を除いて、冷却用のポッティング材が被覆されたプリント基板が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平05−003383号公報
特許文献1に記載された技術では、筐体の内部に発生する結露の影響により、通信特性が劣化することがあった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、筐体の内部に発生する結露の影響を抑制し、通信特性を向上できる発電監視装置を提供する。
本発明の発電監視装置は、水蒸気を含む第1の領域と熱容量が前記第1の領域よりも大きい第2の領域とを内部に有すると共に、前記第1の領域の少なくとも一部を覆う第1の内面を有する筐体と、前記第1の領域において、前記第1の内面よりも前記第2の領域の近くに配置された電子部品と、を備え、前記第1の内面の少なくとも一部は、前記電子部品における重力の反対方向の射影に重ならない。
本発明によれば、筐体の内部に発生する結露の影響を抑制し、通信特性を向上できる。
第1の実施形態における太陽光発電システムの構成例を示す模式図 第1の実施形態における太陽光発電パネルの構成例を示す模式図 第1の実施形態における子機の構成例を示すブロック図 第1の実施形態における子機の構造例を示す断面図 (A),(B)図4に対して垂直方向から視た子機の構造例を示す断面図 第1の実施形態における露点付近の冷却過程における子機の筐体内部の温度プロファイルの一例を示す模式図 (A)〜(D)ウレタンゴム系ポッティング材に融点の異なる潜熱蓄熱材を30重量%添加して測定した示差走査熱量(DSC:Differential Scanning Calorimetry)の変化例を示すグラフ 潜熱蓄熱材を含有するポッティング材を用いた子機の結露サイクル試験におけるプリント基板の表面温度の時間変化例を示すグラフ 第2の実施形態における子機の構造例を示す断面図 (A),(B)図9に対して垂直方向から視た子機の構造例を示す断面図 第3の実施形態における子機の構造例を示す断面図 第4の実施形態における子機の構造例を示す断面図 第5の実施形態における子機の構造例を示す断面図 (A)第6の実施形態における子機の構造例を示す図、(B)第6の実施形態における子機の筐体カバーの裏面の一例を示す平面図 第7の実施形態における子機の構造例を示す断面図 第8の実施形態における子機の構造例を示す断面図 第9の実施形態における子機の構造例を示す断面図 第10の実施形態における子機の構造例を示す断面図 第11の実施形態における子機の構造例を示す断面図 第12の実施形態における子機の構造例を示す断面図 第13の実施形態における子機の構造例を示す断面図
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
(本発明の一形態を得るに至った経緯)
発電監視装置にポッティング材を充填する場合、直流回路か交流回路かを問わず、プリント基板に半田付けされた半導体素子のリード端子とポッティング材との熱膨張係数差により、半田付け部にストレスが加わり、半田部に破損が生じることがある。これは、ポッティング材が電子部品に及ぼす機械的悪影響の1つである。また、ポッティング材が電子回路の誘電体として作用することにより、高周波交流回路において、例えば、インピーダンスアンマッチ、クロストーク、又は信号遅延が発生することがある。これは、ポッティング材が電子部品に及ぼす電気的悪影響の1つである。
特許文献1では、このプリント基板では、半導体素子のリード端子等の通電部分を除いてポッティング材が被覆されている。
しかし、特許文献1に記載のプリント基板では、筐体内の通電部分が存在する空間において発生する結露については考慮されていない。従って、発電監視装置に特許文献1の技術を適用した場合でも、発電監視装置において結露が発生した場合には、通信特性が劣化する可能性がある。
特に、PVパネル及び発電監視装置は屋外に設置され、設置される場所によっては昼夜の温度差が大きい。例えば、日中には日当たりの良い場所では70℃程度と高温になり、夜間では−30℃程度と低温になることがある。従って、発電監視装置の筐体内には、結露が発生することが想定され、結露の影響を抑制することが望まれる。
以下、筐体の内部に発生する結露の影響を抑制し、通信特性を向上できる発電監視装置について説明する。
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態における太陽光発電システムの構成例を示す模式図である。太陽光発電システム(PVシステム)10は、太陽光発電パネル(PVパネル)20、子機30、接続箱40、集電箱50、パワーコンディショナ(PCS:Power Conditioning System)90、及びゲートウェイ70を備える。
PVシステム10は、例えば、PVパネル20の性能又は劣化度を収集する遠隔モニタリングシステム、収集されたデータから異常部位を検出する不具合検出システム、として動作する。また、PVシステム1000における各装置は、例えば、異常部位又は異常原因を特定するためのアルゴリズムを基に動作してもよい。
PVパネル20は、光電効果により光エネルギーを電力に変換する太陽電池を含むパネルである。PVパネル20は、複数の太陽電池セル(PVセル)を含む太陽電池モジュール(PVモジュール)である。
PVパネル20が電力線PLを介して直列に接続されて太陽電池ストリング(PVストリング)20STが形成される。PVストリング20STが電力線PLを介して並列に接続されて太陽電池クラスタ(PVクラスタ)20CLが形成される。PVクラスタ20CLが電力線PLを介して並列に接続されて太陽電池アレイ(PVアレイ)20ARが形成される。
図1では、PVストリング20STは、18個のPVパネル20を含むが、PVストリング20STにおけるPVパネル20の個数は、これに限られない。PVクラスタ20CLは、8個のPVストリング20STを含むが、PVクラスタ20CLにおけるPVストリング20STの個数は、これに限られない。PVアレイ20ARは、例えば4個のPVクラスタ20CLを含むが、PVアレイ20ARにおけるPVクラスタ20CLの個数は、これに限られない。
各PVクラスタ20CLは、各接続箱40に接続される。接続箱40は、例えば、複数の子機30及び逆流防止ダイオード(ブロッキングダイオード)42を含む。図1では、1つのPVストリング20STに対して、電力線PLを介して、1組の子機30及び逆流防止ダイオード42が接続される。複数の接続箱40は、並列に接続され、電力線PLを介して集電箱50において集線される。
例えば、1つのPVクラスタ20CLは、18直列×8並列=144個のPVパネル20を有する。よって、1つのPVアレイ20ARは、4個のPVクラスタ20CLを含む場合、144個×4=576個のPVパネル20を含む規模となる。
PVシステム10は、PVアレイ20ARの出力電流が大電流(例えば10A)、PVアレイ20ARの出力電圧が高電圧(例えば1000V)となるメガソーラに対応可能である。但し、PVシステム10は、メガソーラでなくてもよい。
子機30は、発電情報を取得(例えば、検出、測定)する。発電情報は、例えば、電圧、電流、電力の情報を含む。図1の接続例では、各子機30は、例えば、各PVストリング20STの発電情報を取得(電圧、電流、又は電力の検出(測定))し、発電情報を例えば親機80に送信する。発電情報は、例えば、親機80が、PVパネル20、PVストリング20ST、PVクラスタ20CL、又はPVアレイ20ARにおける異常の有無を判別する場合に用いられる。なお、発電情報は、例えば、直接的に測定された測定値に対する演算結果、判別結果の情報を含んでもよい。
子機30は、MPPT(Maximum Power Point Tracking)制御してもよい。子機30のMPPT制御とは、子機30が接続されたPVパネル20の発電量を最大とするための制御である。このMPPT制御は、公知の方法により実現可能であり、例えば山登り法が採用される。子機30は、親機80に管理される。子機30は、例えば、電圧調整回路(例えばDCDCコンバータ)を備え、スイッチングによりPVストリング20STの電力を制御する。子機30は、例えば、接続箱40又はPVストリング20STから動作するための電力を供給される。
子機30は、例えば、屋外に設置され、外気温が70℃〜−30℃の間で変化する状態で使用されることがある。子機30は、例えば、接続箱40に収容されて配置され、又はPVパネル20に接続されて配置される。
接続箱40は、PVストリング単位で配線としての電力線PLをまとめて、集電箱50に接続する。接続箱40には、例えば、電力線PLを接続するための端子、点検又は保守の際に使用されるスイッチ(図示せず)、避雷素子(図示せず)、電気の逆流を防止するための逆流防止ダイオード42、が含まれる。接続箱40の筐体は、例えば、変性PPE(modified−Polyphenyleneether)、又は、グラスファイバーの複合材を含んで形成される。接続箱40は、屋外に配置される。
本実施形態では、接続箱40の筐体は、金属性の材料により形成されなくてもよい。この場合、子機30による無線通信が導体により阻害されない。
PVシステム10では、無線通信状況が予め推定される。無線通信状況として、例えば、PVシステム10周辺における無線通信の受信電波強度(例えば、RSSI(Received Signal Strength Indicator))が予め測定される。例えば、子機30が配置される場所と親機80が配置される場所との位置関係に応じて、無線通信状況は多種多様と考えられるためである。親機80は、例えば、屋内に設置された制御室のデータ収集のための機器でもよい。RSSIは、通信信号の信号強度の一例である。
本実施形態では、例えば、接続箱40に子機30が配置された場合の受信電波強度が、PVシステム10における他の位置に子機30が配置された場合の受信電波強度と比較して大きくなるように、子機30が接続箱40に配置される。接続箱40に子機30が配置された場合の受信電波強度が所定値以上である場合、接続箱40に子機30が配置されてもよい。接続箱40内では、無線通信状況(例えばRSSI)を推定(例えば測定)した結果、無線通信状況が良好であることを想定する。無線通信状況が良好な場所とは、例えば、周囲の建物又はその他構造物による影に入らない場所を含む。
逆流防止ダイオード42は、接続箱40に接続された複数のPVストリング20ST間に電位差が生じた場合、電位が低いPVストリング20STに電流が逆流することを防止する。逆流防止ダイオード42は、例えば、高電圧耐圧のために直列に接続された2つのダイオードを含む。
集電箱50は、各接続箱40に接続された各電力線PLを介して複数組の入力端子から集電し、一組の出力端子から電力をパワーコンディショナ90へ出力する。集電箱50の構成は、接続箱40と同様の構成である。集電箱50は、例えば制御室内に設置される。なお、集電箱50は省略されてもよい。
パワーコンディショナ90は、複数のPVパネル20(例えばPVアレイ20AR)による発電電力に相当する直流電力を交流電力に変換する。パワーコンディショナ90は、MPPT制御してもよい。パワーコンディショナ90のMPPT制御とは、各PVパネル20により発電される発電電力の総和が最大とするための制御である。このMPPT制御は、公知の方法により実現可能であり、例えば山登り法が採用される。パワーコンディショナ90には、例えば、パワーコンディショナ90からの電力を各電気負荷(図示せず)に分配する分電盤(図示せず)が接続される。パワーコンディショナ90は、例えばPVアレイ20AR毎に設置される。
ゲートウェイ70は、例えば、所定のプロトコル変換を行い、他のネットワークとの間におけるデータ通信を中継する。ゲートウェイ70は、例えば、複数の親機80からのパワーコンディショナ90へのアクセスを制御する。
親機80は、子機30と無線回線又は有線回線を介して通信可能であり、子機30から所定の情報を受信する。所定の情報は、例えば、PVストリング20STの発電情報を含む。発電情報は、例えば、子機30が異常を検出した旨の情報、PVストリング20STにおける電流の情報、電圧の情報、又は電力の情報を含んでもよい。親機80は、子機30を管理する。図1では、1つのPVクラスタ20CLに対して1つの親機80が配置される。親機80は、例えば集電箱50に配置される。
子機30及び親機80は、通信装置の一例である。子機30は、発電監視装置の一例である。子機30の配置位置は、図1に例示された配置位置に限られない。例えば、子機30は、PVパネル20に接続されて、PVパネル20の付近に配置されてもよい。
次に、PVパネル20の構成例について説明する。
図2は、PVパネル20の構成例を示す模式図である。
PVパネル20は、複数の太陽電池セル群(PVセル群)20Gを含む。各PVセル群20Gは、複数のPVセル20Cを含む。PVセル群20Gに含まれる複数のPVセル20Cは、直列に接続される。また、PVセル群20G(20G1〜20G3)の各々に、バイパスダイオードBD(BD1〜BD3)が並列に接続される。図2では、PVセル群20G及びバイパスダイオードBDが3個設けられているが、数はこれに限られない。
PVセル20Cに不具合が発生していない場合、各PVセル群20Gは発電するため電圧が生じる。これにより、バイパスダイオードBDには逆電圧が印加されるので、バイパスダイオードBDは電流を通過させない。
一方、PVセル群20G1に含まれるPVセル20Cに不具合(例えば故障又は日影)が発生したとする。この場合、不具合のあるPVセル20Cは、発電せずに単なる抵抗体となるため、他のPVセル群20G2,20G3が発生したエネルギーを消費し、PVパネル20の発電電力を低下させる。
また、不具合のあるPVセル20Cに電流の供給が継続されると、このPVセル20Cが例えば熱破損することがある。PVセル群20G1に並列に接続されたバイパスダイオードBD1により、不具合が発生したPVセル20Cを含むPVセル群20Gに流れる電流を、バイパスして通過させる。
次に、子機30の構成例について説明する。図3は子機30の構成例を示すブロック図である。
子機30は、電源部32、電圧検出部33、電流検出部34、制御部36、無線通信部37、入力端子38、及び出力端子39を備える。図1では、PVストリング20ST毎に1台の子機30が設けられる。子機30は、例えば、PVストリング20STの電流及び電圧を、接続箱40に設けられた逆流防止ダイオード42の端子間を測定箇所として測定する。
電源部32は、例えば、子機30が接続又は配置されたPVパネル20、PVストリング20ST、又は接続箱40から電力供給を受け、子機30内の各部に電力を供給する。
電圧検出部33は、子機30が接続されたPVストリング20STの出力電圧を検出する。電流検出部34は、子機30が接続されたPVストリング20STの出力電流を検出する。
制御部36は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)を有する。ROMに格納されたプログラムをCPUが実行することで、制御部36の各種処理を行う。
制御部36は、PVストリング20STの出力電力を、PVストリング20STの出力電圧と、PVストリング20STの出力電流と、の積として算出してもよい。PVパネル20の出力電力は、図示しない電力検出部により検出されてもよい。
無線通信部37は、例えば、電流検出部34により検出された電流値若しくは電圧検出部33により検出された電圧値を含む検出情報、又は、検出された情報に基づくPVストリング20STにおける異常の情報を、親機80に送信する。この検出情報と異常の情報は、発電情報に含まれる。無線通信部37は、例えば、他の子機30、パワーコンディショナ90、ゲートウェイ70と無線通信してもよい。
無線通信には、例えば、DECT(Digital Enhanced Cordless Telecommunication)による1.9GHz高周波通信、無線LAN(Local Area Network)による通信、又はZigbee(登録商標)による2.4GHz高周波通信が含まれる。
入力端子38は、例えば、PVストリング20STからの電圧又は電流を入力する。出力端子39は、例えば、PVストリング20STからの電圧又は電流を出力する。
図4は、子機30の構造例を示す断面図である。図5(A),(B)は、図4に対して垂直方向から視た子機30の構造例を示す断面図である。つまり、図5(A)は、図4において矢印A−A線方向から視た(上側から視た)プリント基板41の表面の一例を示す。図5(B)は、図4において矢印A−A線方向とは反対方向から視た(下側から視た)プリント基板41の裏面の一例を示す。
子機30は、例えば、箱形の筐体31を有する。子機30は、図4の上下方向が鉛直方向になるように、接続箱40に取り付けられる。筐体31は、取り外し自在な筐体カバー31Aによって封止されており、例えば変性PPE(modified−Polyphenyleneether)またはPC(polycarbonate)樹脂とABS樹脂を含む材料で成形される。筐体31は、PVケーブルグランド(PVケーブル用防水ゴムパッキン内蔵)によっても封止される。これにより、防水性及び防塵性を確保できる。
筐体31の両側面31a,31bには、それぞれ入力端子38及び出力端子39が設けられる。入力端子38及び出力端子39には、剛性を有するケーブル53、54がそれぞれ挿し込まれるケーブルグランド51、52が接続される。
筐体31の内部には、筐体31の内側の空間を上下に二分するように取り付けられ、電子部品が実装されるプリント基板41が収容される。
プリント基板41は両面基板である。プリント基板41の表(おもて)面(図4の上面、図5(A)参照)には、例えば、アンテナ及び整合回路を含むアンテナ部45が実装される。一方、プリント基板41の裏面(図4の下面、図5(B)参照)には、例えば、高周波交流回路である通信モジュール及びその周辺部品を含む電子部品47が実装される。なお、プリント基板41の表面及び裏面を比較すると、表面は重力方向の上流側に位置し、裏面は重力方向の下流側に位置する。アンテナ部45は、電子部品47の一例である。
筐体31の内部は、例えば、水蒸気を含む空気が存在する第1の領域63と、アンテナ部45を囲む空間を除くプリント基板41の表面及び裏面をポッティング材60で充填した第2の領域61と、に区画される。なお、第1の領域63及び第2の領域61を比較すると、第1の領域63は重力方向の上流側に位置し、第2の領域61は重力方向の下流側に位置する。
第1の領域63は、例えば、水蒸気を含む空気が存在する空間を含む。第1の領域63は、アンテナ部45と対向する筐体31の天井側の内面(筐体カバー31Aの裏面)、及び、アンテナ部45と対向しない(非対向の位置にある)筐体31の両側面31a,31bと接する。以下の説明において、第1の領域63の少なくとも一部を覆う筐体31の内面を第1の内面として説明する。すなわち、図4の場合、第1の内面は、筐体カバー31Aの内面(裏面)及び筐体31の両側面31a,31bの内面(裏面)に相当する。アンテナ部45は、第1の領域63において、第1の内面よりも第2の領域61の近くに配置される。なお、上記第1の内面とは、第1の領域63を形成する複数の面において、外気の温度の影響を最も受けやすい面のことである。例えば、上記第1の内面は、第1の領域63を形成する複数の面において、筐体31の表面から鉛直方向の距離が最も短い面に相当する。このとき、仮に上記第1の内面が筐体31とは異なる他の部材の薄膜で覆われ、この薄膜が第1の領域63の一部を覆うとしても、この薄膜は本実施形態における上記第1の内面に相当する。
第1の領域63を囲む筐体31の端部に近い内面は、筐体31が外気の温度に連動して温度が変化しやすいので、結露が生じやすい場所である。アンテナ部45は、通信性能を確保するために、第1の領域63に設けられ、ポッティング材から露出されて設けられている。つまり、アンテナ部45の周囲には、ポッティング材が充填されていない。但し、図4に示すように、プリント基板41のアンテナ部45の周囲を除く表側の一部にはポッティング材60が充填される。これにより、プリント基板41の表面の一部に水滴が付着することを抑制することができる。
第2の領域61は、ポッティング材60により充填されているので、水蒸気を含む空気が存在しない空間である。ポッティング材60には、第1の領域63に存在する空気よりも熱容量が大きく熱が伝わりにくい材質が用いられる。本実施形態のポッティング材60は、例えば、比熱容量が比較的大きなウレタンゴムに、保温効果を高めるための潜熱蓄熱材が添加された、蓄熱ポッティング材として成形される。潜熱蓄熱材が含有されることで、ポッティング材60の温度は、後述するように、例えば冷却時に露点付近で保持される。筐体31は、第2の領域61の少なくも一部を覆う第2の内面を有する。
本実施形態では、第1の領域63に接するポッティング材60の表面と、筐体31の内面との間に温度勾配を持たせることで、第1の領域63内の空気に含まれる水蒸気が筐体31の内面で結露するように仕向けている。仮に表面側のポッティング材60が充填されなかったとしても、アンテナ部45は第1の内面よりも第2の領域の近くに配置されるため、第2の領域を介してアンテナ部45に外部の熱が伝わるより先に第1の内面に熱が伝わる。従って、アンテナ部45自身に結露が付着することなく、第1の内面に結露を付着させることができる。
尚、ここでは、ポッティング材として、ウレタンゴムを用いることを例示したが、これに限らず、表1に示す材料を用いることも可能である。
Figure 2015198484
表1は、各種プラスチック、ゴム類の20℃における比重と熱物性値とを示す。シリコーンゴムでは、比重が0.97、比熱が約1600(J/Kg・℃)の値である。これより比熱が大きな物質として、一般的に用いられているゴム類やウレタンゴム1900〜2200(J/Kg・℃)が挙げられる。
表2は、潜熱蓄熱材の各種芯物質の融点と融解熱量とを示す。
Figure 2015198484
ここでは、融点が5℃から71℃まで種々の潜熱蓄熱材を用いることが可能である。
表3は、有機系及び無機系の潜熱蓄熱材の特徴を示す。
Figure 2015198484
潜熱蓄熱材の種類として、芯物質にパラフィンを用いた有機系蓄熱材と、無機塩を用いた無機系蓄熱材と、がある。例えば、有機系蓄熱材は、パラフィンを芯物質とするので、可燃性を有する。有機系蓄熱材を電子部品へ応用するためには、例えば、難燃性樹脂に分散させる工夫が必要である。
次に、潜熱蓄熱材を含有するポッティング材60を用いた子機30の内部の露点付近の温度勾配について説明する。図6は、露点付近を含む子機30の内部の温度プロファイルの一例を示す模式図である。図6では、露点が9℃であることを例示する。
露点(9℃)付近の冷却過程において、筐体31の天井側の内面(筐体カバー31Aの裏面)が、外気温が−10℃であるPVパネル20用の架台からの熱伝導又は冷えた外気により、筐体31内の中央部(例えばプリント基板41周辺)よりも先に冷える。これにより、第1の領域63に存在する空気中に含まれる水蒸気は、例えば、筐体31の天井側の内面(又は筐体31の側面の内面)で結露する。一方、ポッティング材60で被覆されている場所は、温度がすぐに下がらないので、結露の発生が抑制され、水滴から保護される。
図7(A)〜(D)は、ウレタンゴム系のポッティング材に融点の異なる潜熱蓄熱材を30重量%添加して測定した場合の示差走査熱量(DSC:Differential Scanning Calorimetry)の変化例を示すグラフである。図7(A)は、潜熱蓄熱材を含有していない場合を示す。図7(B)は、融点が32℃の潜熱蓄熱材を用いた場合を示す。図7(C)は、融点が39℃の潜熱蓄熱材を用いた場合を示す。図7(D)は、融点が66℃の潜熱蓄熱材を用いた場合を示す。
図7(B)〜(D)では、ベースとなるウレタンゴムの比熱容量を示すDSC曲線に、添加された潜熱蓄熱材の各融点に起因する比較的シャープな吸熱ピークが重なって検出される。この吸熱ピークは、潜熱蓄熱材の添加量の増加と共に大きくなるが、ポッティング材の硬化(80℃で2時間加熱する硬化工程)前の粘度が高くなる。そのため、ポッティング材はチクソ性を呈するようになる。
なお、図7(A)〜(D)では、ウレタンゴムの例として、難燃性二液硬化タイプのウレタンゴムが用いられているが、これに限られない。
図8は、潜熱蓄熱材を含有するポッティング材60を用いた子機30の結露サイクル試験におけるプリント基板41の表面温度の時間変化例を示すグラフである。図8では、蓄熱ポッティング材として、9℃に融点を有する潜熱蓄熱材を10重量%含有したウレタンゴムが、子機30の筐体内部の第2の領域61に充填された場合を例示する。結露サイクル試験は、プリント基板41に熱電対が固定され、−10℃から50℃の範囲内で、昇降温速度2.5℃/分において実施された。結露サイクル試験は、子機30が、所定の加熱・冷却槽内に収容された状態で実施された。
結露サイクル試験では、潜熱蓄熱材を含有するポッティング材60の例えば中央部に位置するプリント基板41上の温度aの変化が測定された。結露サイクル試験では、加熱・冷却槽内の温度c、子機30の筐体31の表面温度dの変化が測定された。結露サイクル試験では、比較例として、ポッティング材に潜熱蓄熱材を含まないシリコーンゴムを単独で用いて、ポッティング材の例えば中央部に位置するプリント基板上の温度bの変化が測定された。
加熱・冷却槽内の温度cと比べ、ポッティング材が使用された場合の温度a,bはいずれも、ポッティング材の比熱容量(顕熱蓄熱効果)により温度の遅れを生じる。図8を参照すると、本実施形態の子機30の温度aの方が、比較例の子機の温度bよりも、温度変化の遅れは顕著である。温度a〜dの変化を示す曲線の傾きは、温度bの曲線ではシリコーンゴムの比熱容量、温度aの曲線ではウレタンゴムの比熱容量の大きさを示している。即ち、本実施形態の子機30では、温度aの曲線の傾きが緩やかであるので、温まりにくく、冷めにくいことが理解できる。
比較例では、時間的に少し遅れて槽内の最高及び最低温度である50℃及び−10℃に達する。一方、本実施形態では、時間的な遅れがある他、温度変化の範囲が40℃〜−5℃(2サイクル目は0℃以上)であり、最高及び最低の温度差ΔTが比較例と比べて小さくなることが理解できる。図8では、潜熱蓄熱材の融点である9℃付近に、平らで温度変化が特に緩やかなショルダ部分(点線枠a1参照)が観測され、ショルダ部分が、子機30の温度aと外気である加熱・冷却槽内の温度cとのズレを大きくしている。
このように、子機30の筐体31の内部では、外気の温度変化の影響が抑制される。そのため、電子部品47が搭載されたプリント基板41上の温度変化は、比較例と比較すると、遅れが生じ、緩やかである。
プリント基板41上の温度変化が比較例の温度変化よりも遅く、緩やかであることは、プリント基板41上の温度aと、筐体31内の表面(内面)の温度dとの差が大きいことを意味する。筐体31の内面は、外気と最も近い位置において筐体31の厚み分、隔てた位置にあり、筐体31の内面の温度dは、外気の温度に略一致する。
例えば、冷却前の筐体31内の空気(約20℃)が水蒸気を50%RH含んでいたとする。この場合、例えば。露点(9℃)付近の冷却過程では、結露現象は、相対的に温度が低い筐体31の内面で優先的に生じる。
本実施形態の子機30では、第2の領域61に、潜熱蓄熱材を含有するポッティング材60が設けられる。そのため、外気の冷え等により筐体31の内面の温度が下がっても、ポッティング材60により被覆されたプリント基板41上では、露点付近で温度が保持される。プリント基板41において温度が保持されている間、筐体31の内面の温度が下がり続けた場合、筐体31の内面には、第1の領域63内の空気に含まれる水蒸気による結露が発生する。
一方、プリント基板41に設けられたアンテナ部45には結露が生じない。これはアンテナ部45と筐体31の内面との距離が所定距離以上、離間されているためである。また、その他の電子部品47は、ポッティング材60で覆われた第2の領域61に配置されるので、結露の影響を受けない。その他の電子部品47は、例えば、通信モジュール、通信モジュールの周辺部品、を含む。
子機30によれば、例えば、外気温が下がり、筐体31の内部で結露が発生しても、第1の領域63に接する筐体31の内面に結露が優先的に生じるように仕向けることができる。従って、筐体31の内部では筐体31の内面に結露の発生が誘導され、アンテナ部45の表面に結露が発生することを抑制できる。よって、結露による水滴65がアンテナ部45に付着することを抑制できる。
また、図4に示すように、第1の内面の一部は、アンテナ部45における重力方向と反対の方向の射影45A(アンテナ部45と対向する位置)に重ならない。従って、上述のように誘導的に筐体31の内面(第1の内面)に発生させた水滴65が重力方向に落下したとしても、アンテナ部45に付着することは抑制される。
水の比誘電率は約80であり、空気の比誘電率は約1である。従って、アンテナ部45の表面への水滴65の付着を抑制することで、誘電損失を抑えることができ、アンテナ部45に含まれる整合回路のインピーダンスの整合精度も向上できるので、通信特性を向上できる。更に、アンテナ部45により電波が放射されても、水滴65が存在する場合、第1の領域63において水滴65による電波の吸収量が多くなる。そのため、空気中を伝搬される電波量が減少し、通信特性が劣化するが、アンテナ部45の表面への水滴65の付着を抑制することで、通信特性を向上できる。
このように、筐体31の内部に発生する結露の影響を抑制し、アンテナ部45による通信特性を向上できる。また、アンテナ部45を用いたデータ通信の長期信頼性を確保できる。
(第2の実施形態)
図9は第2の実施形態における子機30Aの構造例を示す断面図である。図10(A),(B)は、図9に対して垂直方向から視た子機30Aの構造を示す断面図である。つまり、図10(A)は、図9において矢印C−C線方向から視た(上側から視た)プリント基板41の表面の一例を示す。図10(B)は、図9において矢印C−C線方向とは反対方向から視た(下側から視た)プリント基板41の裏面の一例を示す。
第1の実施形態の図4と比べ、第2の実施形態では、プリント基板41が筐体31に対して裏表逆に取り付けられている。つまり、図9では、アンテナ部45は、プリント基板41に対して、鉛直方向下方に取り付けられている。図9では、水蒸気を含む空気が存在する第1の領域は、筐体31内の上部に位置する第1の領域63aと、筐体31内の底部に位置し、アンテナ部45が存在する第1の領域63bと、の2つの空間に分かれている。
子機30Aにおけるその他の構造は、第1の実施形態の子機30の構造と同じである。図9及び図10(A),(B)において、図4及び図5(A),(B)に示した子機30の構造と同様の構造については、同一の符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
子機30Aにおいても、第2の領域61に、潜熱蓄熱材を含有するポッティング材60が設けられている。第1の実施形態と同様、外気の冷え等により、筐体31の表面温度が下がっても、ポッティング材60により被覆されたプリント基板41では、露点付近で温度が保持される。プリント基板41付近において温度が保持されている間に、筐体31の内面の温度が下がり、筐体31の上部の内面には、第1の領域63a内の空気に含まれる水蒸気による結露が発生する(図9参照)。
同様に、筐体31の底部の内面には、第1の領域63b内の空気に含まれる水蒸気による結露が発生する。しかし、図6に示したように、筐体端部から筐体中央部に向かって温度傾斜があるため、プリント基板41に実装されたアンテナ部45では、結露の発生が抑制される。また、筐体31の底部の内面に結露が生じるので、結露により生じた水滴が、重力によりアンテナ部45の表面に落ちて濡らすこともない。
子機30Aによれば、外気の温度が下がり続けた場合、筐体31の内部で結露が発生しても、アンテナ部45の表面には結露が生じない。従って、子機30Aは、結露の影響を抑制して、アンテナ部45を用いてデータ通信できる。
(第3の実施形態)
図11は第3の実施形態における子機30Bの構造例を示す断面図である。子機30Bでは、第2の領域61に設けられたポッティング材60Aは、異なる融点を有する潜熱蓄熱材を含有するポッティング材が積層された多層構造を有する。例えば、プリント基板41に接する最も内側の層60aでは、融点9℃の潜熱蓄熱材が含有される。例えば、中間の層60bでは、融点39℃の潜熱蓄熱材が含有される。例えば、最も外側の層60cでは、融点66℃の潜熱蓄熱材が含有される。図11では、ポッティング材の積層数が3層であることを例示するが、2層でも4層以上でもよい。
このように、ポッティング材60Aの各層には、例えばウレタンゴムに融点の異なる潜熱蓄熱材が含有される。異なる融点を有する潜熱蓄熱材として、前述した表2に示した物質が挙げられる。
子機30Bは、ポッティング材60Aを除き、第1の実施形態とほぼ同じ構造を有する。ただし、ポッティング材60Aの厚さが多層構造により厚くなっている分、第1の領域63の空間は若干狭くなってもよい。図11において、図4に示した子機30の構造と同様の構造については、同一の符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
第3の実施形態の子機30Bでは、様々な融点を持つポッティング材60Aは、外気温が変動しても各融点付近で外気の温度変化の影響を受けにくく、温度変化に遅れが生じ、温度変化が緩やかである。つまり、露点付近の冷却過程において、結露現象は、相対的に温度が低い筐体31の内面で優先的に生じるので、外気の冷え等により筐体31の表面温度が下がっても、ポッティング材60Aで覆われたプリント基板41上では、各露点付近でその温度が保持される。この温度が保持されている間、筐体31の内面の温度が下がり続けた場合、筐体31の内面には、第1の領域63内の空気に含まれる水蒸気による結露が発生する。一方、プリント基板41上のアンテナ部45には、結露が生じない。
子機30Bによれば、第2の領域61に、融点の異なる潜熱蓄熱材が含有された複数層からなるポッティング材60Aが設けられる。従って、子機30B内のアンテナ部45は、外気温が例えば70℃〜−30℃の範囲で大きく変動する環境でも、プリント基板41上の電子部品47の温度変化は緩やかであり、機械的悪影響を抑えると共に結露の影響を抑制できる。これにより、子機30Bの通信特性を確保できる。
なお、子機30Bでは、子機30Bの各箇所に配置される部品に応じて、各層に充填されるポッティング材60に含有される潜熱蓄熱材の融点が決定されてもよい。例えば、プリント基板41に実装された電子部品47は、発電電力に係る電圧を制御するDC−DCコンバータを含む。DC−DCコンバータの通常の動作電圧は、例えば40℃以下である。従って、電子部品47を含み、プリント基板41に接する最も内側の層60aでは、融点9℃又は39℃の潜熱蓄熱材が含有されてもよい。
(第4の実施形態)
第4の実施形態では、筐体31の内面と接する一部のポッティング材の材質として、発泡ポッティング材を用いた場合を示す。
図12は第4の実施形態における子機30Cの構造例を示す断面図である。図12において、図4に示した子機30の構造と同様の構造については、同一の符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
ポッティング材60Bは、筐体31の内面と接する部分に設けられた発泡ポッティング材60eと、発泡ポッティング材60eの内側(発泡ポッティング材60eよりも筐体31の中央部側)に設けられたポッティング材60fと、の2層構造を有する。発泡ポッティング材60eは、筐体31の内側の底面31d及び両側面31a、31bに設けられる。
ポッティング材60fには、例えば、第1の実施形態と同様に、ウレタンゴムに潜熱蓄熱材が添加された蓄熱ポッティング材が用いられる。発泡ポッティング材60eには、例えば、ウレタンゴムに潜熱蓄熱材が添加された蓄熱ポッティング材に、発泡剤を加えて発泡させた発泡蓄熱ポッティング材が用いられる。発泡蓄熱ポッティング材では、発泡蓄熱ポッティング材の内部に無数の泡が存在するので、断熱効果が高く、熱が伝わりにくい。また、泡は空気を含むので、その占有体積分、比誘電率が下がり、電気的な作用である誘電損失が小さくなり、通信への影響が少ない。
子機30Cによれば、筐体31の内面と接する発泡ポッティング材60eが、断熱性の高い発泡蓄熱ポッティング材となっている。従って、外気等によって筐体31の表面が冷えても、筐体31の内部では熱が奪われにくく、発泡ポッティング材60eよりも中央部側のポッティング材60fにより覆われたプリント基板41の温度変化は、特に緩やかとなる。
従って、第1の領域63内の空気に含まれる水蒸気は、筐体31の内面に結露し易くなり、プリント基板41に実装されたアンテナ部45の表面には、結露が生じにくくなる。
(第5の実施形態)
図13は、第5の実施形態における子機30Dの構造例を示す断面図である。第5の実施形態の子機30Dは、筐体31の天井側の内面(筐体カバー31Aの裏面)を除き、第1の実施形態と同様の構造を有する。図13において、図4に示した子機30の構造と同様の構造については、同一の符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
筐体カバー31A(天板)の裏面、つまり筐体31の天井側の内面には、例えば、略円柱状にくり抜かれた複数の穴部35が形成される。このように、穴部35は、筐体31を貫通せず、穴部35が設けられた筐体カバー31Aの裏面は、平面とならず凹凸が形成される。穴部35は、結露によって生じた水滴65が滴下しないように、毛管応力により水滴65を筐体31の内面側に引っ張り、貯留する。穴部35の大きさは、例えば直径1mm以下である。また、複数の穴部35の多くは、アンテナ部45と対向しない、非対向位置の筐体31の内面に形成される。これにより、仮に穴部35が貯留する水滴65の量が増え、穴部35が毛管応力では水滴65を保持しきれなくなり、水滴65が重力方向に落ちたとしても、水滴65がアンテナ部45に落ちることを抑制することができる。
子機30Dによれば、外気等の冷えにより、筐体31の内面に、第1の領域63内の空気に含まれる水蒸気による結露が発生しても、結露により生じた水滴65は穴部35に貯留される。そのため、水滴65がアンテナ部45側へ滴下することが抑制される。これにより、アンテナ部45が水滴によって濡れることを抑制できるので、アンテナ部45による通信性能を維持でき、子機30Dにおけるデータ通信の長期信頼性を確保できる。
尚、ここでは、筐体31の天井側の内面に、結露を貯留可能な複数の穴部35が形成されることを例示したが、筐体31の内側の側面に、同様の穴部が設けられてもよい。これにより、水滴65が側面に付着する場合、穴部35が水滴65を保持し、アンテナ部45まで水滴65が到達することを抑制することができる。また、穴部35は、アンテナ部45と対向する位置の筐体31の内面に形成されてもよい。これにより、アンテナ部45の上部に水滴65が発生しても、毛管応力の効果により、アンテナ部45への水滴落下を抑制することができる。
(第6の実施形態)
図14(A)は、第6の実施形態における子機30Eの構造例を示す断面図である。図14(A)において、図4に示した子機30の構造と同様の構造については、同一の符号を付し、説明を省略又は簡略化する。図14(B)は、筐体カバー31Bの裏面(筐体31の天井側の内面)の一例を示す。
ここでは、筐体カバーは鉛直方向の上側(図14(A)の上側)に位置するように取り付けられる。子機30Eは、図14(A)に示すように、アンテナ部45が重力方向の上流、電子部品47が重力方向の下流に位置するように取り付けられることを想定している。すなわち、子機30Eは、水滴65が重力によって、後述する溝部31cに沿って傾斜方向(図14(A)のケーブルグランド51側からケーブルグランド52側)に流れるように取付けられることを想定している。
筐体カバー31Bの裏面は、プリント基板41と向かい合い、第1の領域63の空間がアンテナ部45から遠ざかるにつれて狭くなるように、傾斜して形成される。筐体カバー31Bの裏面には、傾斜方向に沿って複数本の溝部31cが形成される。
子機30Eでは、外気等の冷えにより、筐体31の内面に、第1の領域63内の空気に含まれる水蒸気による結露が発生すると、筐体カバー31Bの裏面に形成された溝部31cに沿って、付着した水滴65が流れて移動する。
これにより、筐体31の内面に結露が発生しても、アンテナ部45と対向する位置にある筐体カバー31Bの裏面には、結露により付着した水滴65が留まらない。水滴65は、アンテナ部45から離れた、破線gで囲まれる場所に向かって移動して留まる。
子機30Eによれば、例えば振動が発生しても、アンテナ部45と対向する位置にある筐体カバー31Bの裏面には、水滴65が存在する可能性が低いので、水滴65がアンテナ部45に落下することを抑制できる。よって、アンテナ部45は、通信性能を維持でき、子機30Eにおけるデータ通信の長期信頼性を確保できる。
尚、複数の溝部31cは、傾斜方向に沿って平行に形成されていたが、下端側(図14(A),(B)では右側)が同じ場所になるように、途中で1本にまとめられてもよい。これにより、水滴を1箇所に貯留し易くなり、例えばドレン抜きなどを設けることで排水し易くなる。
(第7の実施形態)
図15は、第7の実施形態における子機30Fの構造例を示す断面図である。図15において、図4に示した子機30の構造と同様の構造については、同一の符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
子機30Fでは、筐体31に使用されるケーブルグランド75内に金属棒71(金属部材の一例)が仕込まれている。金属棒71は、筐体カバー31Cを貫通し、第1の領域63に金属棒71の一方の先端が露出し、ケーブルグランド75によって取り付けられる。第1の領域63に露出する金属棒71の先端の位置は、アンテナ部45から離れており、アンテナ部45の非対向位置にある。
筐体31の外部に配置された、金属棒71の他方の端部は、例えばPVパネル20の架台に子機30Fを取り付けるためのクリップ74に接続される。金属棒71の熱伝導率は、筐体カバー31Cと比べて大きく、外気と共にクリップ74が冷えた場合、金属棒71は筐体カバー31Cより先に冷える。
金属棒71の先端には、ヒートシンク76が、例えばねじ止めによって固定される。ヒートシンク76は、金属棒71と熱的に接触する。ヒートシンク76は、表面に凹凸形状を有し、熱伝達表面積が大きい。また、ヒートシンク76は、例えば金属製であり、熱伝導率が大きい。
子機30Fでは、外気と共にクリップ74が冷えた場合、筐体カバー31Cの裏面の温度より先に、金属棒71及びヒートシンク76の温度が下がるので、金属棒71及びヒートシンク76において結露が発生し易い。結露によって生じた水滴65は、例えば金属棒71及びヒートシンク76に留まる。
子機30Fによれば、金属棒71及びヒートシンク76において結露が発生するので、筐体カバー31Cの裏面において結露が生じにくい。従って、筐体カバー31Cの裏面から水滴65が雫となってアンテナ部45に落下することを抑制できる。これにより、アンテナ部45の通信性能を確保できる。
尚、ヒートシンク76は、多孔質材料により成形されてもよい。この場合、第5の実施形態と同様、ヒートシンクの貯留能力が高まる。また、ヒートシンク76は、金属製である場合、熱伝導性粒子を含有した接着剤又は熱伝導性テープによって、筐体カバー31Cの裏面に設置されてもよい。
(第8の実施形態)
図16は、第8の実施形態における子機30Gの構造例を示す断面図である。図16において、図4に示した子機30の構造と同様の構造については、同一の符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
図16では、筐体カバー31Aは、鉛直方向の上側(図16の上側)に位置するように取り付けられる。子機30Gは、図16に示すように、アンテナ部45が重力方向の上流、電子部品47が重力方向の下流に位置するように取り付けられることを想定している。すなわち、子機30Gは、水滴65が重力によって、後述するポッティング材60Cの傾斜に沿って流れるように取付けられることを想定している。
子機30Gでは、第1の実施形態と比べ、ポッティング材60Cの形状が異なる。即ち、ポッティング材60Cは、アンテナ部45の周囲において最も厚く、アンテナ部45から遠ざかるにつれて薄くなるように傾斜した形状を有する。これにより、筐体31の天井側の内面に結露が発生し、雫となってポッティング材60Cに滴下した水滴65は、傾斜面に沿って流れるので、アンテナ部45に水滴65が存在することを抑制できる。ポッティング材60Cには、例えば上述した潜熱蓄熱材が含有される。
ポッティング材60Cの表面には、複数の凹部81が形成されてもよい。この場合、例えばポッティング材60Cに滴下した水滴65は、傾斜面に沿って流れ、傾斜面の途中に存在する凹部81によりトラップされる。
これにより、ポッティング材60Cに滴下した水滴65は、例えば振動が発生しても、アンテナ部45に流入しにくくなる。尚、ポッティング材60Cに凹部81が形成される代わりに、例えば吸水又は放水する調湿物質が設けられてもよい。調湿物質は、例えば、和紙、木材、又は吸湿樹脂及びシリカゲル等の乾燥剤を含む。
(第9の実施形態)
図17は、第9の実施形態における子機30Hの構造例を示す断面図である。図16において、図4に示した子機30の構造と同様の構造については、同一の符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
子機30Hでは、金属製のヒートシンク76Aは、熱伝導性テープ78によって、筐体カバー31Dの裏面に接着される。尚、熱伝導性テープの代わりに、熱伝導性粒子を含有した接着剤を用いてもよい。
筐体カバー31Dには、X方向(図17では、プリント基板41の面に沿う方向、横方向)におけるヒートシンク76Aとアンテナ部45との間に、壁部材83が設けられる。壁部材83は、第1の領域63を、アンテナ部45が存在する第1の領域63cと、ヒートシンク76Aが設置された第1の領域63dと、に仕切る。壁部材83は、第1の領域63c,63dの空間を、僅かな間隙を介して連通させる。壁部材83は、筐体カバー31Dの内壁から第2の領域61に向かって延びるように形成される。壁部材83は、例えば、射出成形により筐体カバー31Dと一体に成形され、ポッティング材60に接しない程度の高さを有する。
子機30Hでは、壁部材83は、温度分布の差に応じた対流現象により第1の領域63内の発生する空気の流れを遮る。空気の流れが遮られることで、第1の領域63内の温度は均一になりにくく、第1の領域63dでは、冷えたヒートシンク76Aによって結露が発生し易い。一方、アンテナ部45が存在する第1の領域63cでは、温度が下がりにくく、結露の発生が抑えられる。
子機30Hによれば、壁部材83を用いることで、筐体カバー31Dの裏面から結露により生じた水滴65が雫となってアンテナ部45に落下することを抑制できる。従って、アンテナ部45の通信性能を確保できる。
(第10の実施形態)
図18は、第10の実施形態における子機30Iの構造例を示す断面図である。図18において、図4に示した子機30の構造と同様の構造については、同一の符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
子機30Iでは、X方向(図18では、プリント基板41の面に沿う方向、横方向)におけるヒートシンク76Aとアンテナ部45との間に、ベントフィルタ85が設けられる。ベントフィルタ85は、分離部の一例である。ベントフィルタ85は、第1の領域63を、アンテナ部45が存在する第1の領域63cと、ヒートシンク76Aが設置された第1の領域63dと、に隙間なく仕切り、通気する。ベントフィルタ85は、筐体カバー31Eとは異なる材料により成形され、水蒸気を含む空気を通すが、水を通さない性質を有する。
ベントフィルタ85が設置されることで、水蒸気を含む空気は、対流によってベントフィルタ85を通り、比較的冷えやすい第1の領域63d内のヒートシンク76Aにおいて結露する。結露により生じた水滴65は、ベントフィルタ85を通過できず、第1の領域63d内に濃縮され、蓄積される。
子機30Iによれば、ベントフィルタ85を用いることで、アンテナ部45が設けられた第1の領域63cでは、結露が生じにくくなり、アンテナ部45の通信性能が確保される。
(第11の実施形態)
図19は、第11の実施形態における子機30Jの構造例を示す断面図である。図19において、図4に示した子機30の構造と同様の構造については、同一の符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
子機30Jでは、第1の領域63Aは、アンテナ部45を覆う発泡ポッティング材60hを含む。発泡ポッティング材60hの内部の一つ一つの泡は各々閉空間であり、空気の流れが生じず、対流による熱伝達が発生しない。また、泡と泡の間には、ポッティング材の中空粒子の殻のように薄い壁が形成されている。そのため、泡の周囲を回りながら熱伝導されることとなり、沿面距離が長くなる。従って、発泡ポッティング材60hの熱伝導率は小さく、発泡ポッティング材60hは冷えにくい。発泡ポッティング材60hには、例えば上述した潜熱蓄熱材が含有される。
子機30Jによれば、外気の冷え等によって筐体31の内部の温度が下がっても、アンテナ部45は、発泡ポッティング材60hによって断熱され、温度が下がりにくい。これにより、アンテナ部45は結露から保護される。また、アンテナ部45と対向する位置における、筐体31の内面に結露が生じても、水滴65は発泡ポッティング材60hの上に落下するので、アンテナ部45が濡れることを防止できる。
(第12の実施形態)
図20は、第12の実施形態における子機30Kの構造を示す断面図である。図20において、図4に示した子機30の構造と同様の構造については、同一の符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
子機30Kでは、第2の領域61に含まれるポッティング材60Dは、第1の領域63を挟んでアンテナ部45と対向する筐体カバー31Aまで延設される。ポッティング材60Dには、例えば上述した潜熱蓄熱材が含有される。
これにより、外気等の冷えにより、第1の領域63内の水蒸気を含む空気が冷えても、アンテナ部45と対向する筐体カバー31Aにまで延設されたポッティング材60Dは、冷えにくく、結露を生じさせない。従って、結露は、ポッティング材60Dが存在しない筐体31の天井の内面又は側面に生じる。これにより、アンテナ部45が滴下した水滴によって濡れることを抑制でき、アンテナ部45によるデータ通信の長期信頼性を確保できる。
(第13の実施形態)
図21は、第13の実施形態における子機30Lの構造例を示す断面図である。図21において、図4に示した子機30の構造と同様の構造については、同一の符号を付し、説明を省略又は簡略化する。
子機30Lでは、第2の領域61に含まれるポッティング材60Eは、筐体31の一方の側面31a及び筐体カバー31Aの裏面全体に亘って、筐体31の他方の側面31bに当接するまで延設される。ポッティング材60Eは、筐体31のプリント基板41側において、他方の側面31b側で凸部60jが形成される。凸部60jと他方の側面31bとにより、溝部91が形成される。ポッティング材60Eには、例えば上述した潜熱蓄熱材が含有される。
従って、外気等によって冷えた、第1の領域63内の水蒸気を含む空気は、筐体31の他方の側面31bにおいて冷やされて結露する。結露した水滴65は、他方の側面31bを伝わって流れ、溝部91に溜まる。
子機30Lによれば、結露した水滴をアンテナ部45から離れた所定箇所(例えば溝部91)に集めることができる。そのため、例えば振動が発生しても、水滴65が分散しにくくなり、アンテナ部45は水滴から保護される。従って、アンテナ部45によるデータ通信の長期信頼性が確保できる。また、図面には示していないがドレン抜き弁等を設けて
定期的に溜まった水を排水することもできる。
以上、図面を参照しながら各種の実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上記各実施形態のうち、第6及び第8の実施形態を除き、子機の取り付け方向は任意である。即ち、子機は、プリント基板41が水平方向になるように取り付けられる場合、垂直(天地)方向に表裏どちらにも取り付けられる。子機は、プリント基板が水平方向に対し、傾斜して取り付けられてもよい。
また、上記各実施形態で用いられるポッティング材には、全て潜熱蓄熱材が含有されることを例示したが、含有されていなくてもよい。即ち、ポッティング材には、例えばウレタンゴム又はシリコーンゴムが単独で用いられてもよい。
また、上記各実施形態では、第1の領域に水蒸気を含む空気層が存在することを例示したが、第1の領域に水蒸気を含む他の層(例えば窒素層)が存在してもよい。
上記各実施形態は、適宜組み合わされてもよい。
(本発明の一態様の概要)
本発明の一態様の発電監視装置は、水蒸気を含む第1の領域と熱容量が前記第1の領域よりも大きい第2の領域とを内部に有すると共に、前記第1の領域の少なくとも一部を覆う第1の内面を有する筐体と、前記第1の領域において、前記第1の内面よりも前記第2の領域の近くに配置された電子部品と、を備え、前記第1の内面の少なくとも一部は、前記電子部品における重力の反対方向の射影に重ならない。
この構成によれば、筐体内が冷却される場合、第2の領域よりも第1の領域の方が冷えやすく、先に温度が変化する。また、例えば電子部品の非対向位置において筐体の内面と接するので、電子部品と対向しない位置において結露が生じやすい。つまり、例えば外気温が下がって筐体の内部で結露が発生しても、第1の領域に接する筐体の内面に結露が優先的に発生するので、電子部品の表面には結露が発生しない。従って、筐体の内部に発生する結露の電子部品に対する影響を抑制できるので、例えば電子部品としてのアンテナ部による通信特性を向上できる。
本発明の一態様の発電監視装置は、前記第2の領域が、ポッティング材を含む。
この構成によれば、第2の領域における熱容量を容易に大きくして、熱が伝わりにくくすることができ、第2の領域に含まれるポッティング材で覆われた電子部品に対する結露の影響を抑制できる。
本発明の一態様の発電監視装置は、前記ポッティング材が、潜熱蓄熱材を含有する。
この構成によれば、例えば、外気の冷え等により、筐体の表面温度が下がっても、ポッティング材における温度変化は筐体の表面温度よりも遅くなり、ポッティング材の温度は露点付近で維持される。ポッティング材の温度が保持されている間、筐体の内面の温度が下がり続けた場合、筐体の内面には、第1の領域内の空気に含まれる水蒸気による結露が発生する。従って、第2の領域に設けられた電子部品における結露の影響を抑制でき、例えば電子部品としてのアンテナ部は通信特性を確保できる。
本発明の一態様の発電監視装置は、前記ポッティング材は、融点の異なる複数の潜熱蓄熱材を含有する複数層を有する。
この構成によれば、電子部品は、例えば、外気温が70℃〜−30℃の範囲で大きく変動する様々な環境において、所望の温度における温度変化を緩やかにできる。例えば、露点付近の融点を有する潜熱蓄熱材を含有することで、露点付近での温度変化を遅らせることができる。従って、例えば、結露の発生が遅れている間に冷却期間が終了すると、結露が発生しなくなり、結露の影響を抑制できる。
本発明の一態様の発電監視装置は、前記筐体が、前記第2の領域の少なくも一部を覆う第2の内面を有し、前記第2の内面の少なくとも一部と接する部分に発泡ポッティング材を含む。
この構成によれば、発泡ポッティング材が断熱性が高いので、外気等によって筐体が冷えても、発泡ポッティング材付近は、熱が奪われにくく、温度変化がしにくい。従って、第1の領域内の空気に含まれる水蒸気によって、筐体の内面に結露が発生し易くなり、電子部品の表面には、より一層結露が発生しにくくなる。また、ポッティング材の一部に発泡ポッティング材を用いることで、発電監視装置を軽量化できる。
本発明の一態様の発電監視装置は、前記第1の内面の少なくとも一部に穴部が形成される。
この構成によれば、外気等の冷えにより、筐体の内面に、第1の領域内の空気に含まれる水蒸気による結露が発生しても、結露により生じた水滴は、穴部に貯留される。そのため、水滴が落下しにくくなる。これにより、電子部品が水滴によって濡れることを抑制でき、例えば電子部品としてのアンテナ部による通信性能を維持できる。
本発明の一態様の発電監視装置は、前記第1の内面が、前記電子部品から遠ざかるにつれて、前記第1の領域の空間が狭くなるように傾斜する傾斜面を有する、発電監視装置。
この構成によれば、外気等の冷えにより、筐体の内面に、第1の領域内の空気に含まれる水蒸気による結露が発生しても、電子部品と対向する位置にある筐体の内面には、結露により付着した水滴が留まらない。この水滴は、傾斜した筐体の内面に形成された溝部に沿って移動する。これにより、例えば振動が起きても、電子部品と対向する位置にある筐体の内面には、水滴は残りにくいので、電子部品の上に水滴が落下する可能性を低減できる。よって、例えば電子部品としてのアンテナ部は通信性能を維持することができ、データ通信の長期信頼性を確保できる。
本発明の一態様の発電監視装置は、前記傾斜面が、傾斜方向に沿って形成された溝部を含む。
この構成によれば、外気等の冷えにより、筐体の内面に、第1の領域内の空気に含まれる水蒸気による結露が発生しても、電子部品と対向する位置にある筐体の内面には、結露により付着した水滴が留まらない。この水滴は、傾斜した筐体の内面に形成された溝部に沿って移動し、所定の場所に貯留されるので、電子部品に水滴が付着することを抑制でき、結露による影響を抑制できる。
本発明の一態様の発電監視装置は、前記電子部品における重力の反対方向の射影に重ならない位置に、前記筐体の外部に配置された金属部材又は前記筐体と熱的に接触した放熱器を備える。
この構成によれば、例えば外気が冷えた場合、筐体の内面の温度より、先に金属部材及び放熱器の温度が下がるので、金属部材及びヒートシンクにおいて結露が発生し易い。結露により生じた水滴は、例えば、金属部材及びヒートシンクに留まる。これにより、結露は、金属部材及びヒートシンクで発生するよう誘導され、筐体の内面で発生しにくい。従って、筐体の内面から結露により生じた水滴が落下する可能性を抑制できる。
本発明の一態様の発電監視装置は、前記放熱器が、多孔質材料を含む。
この構成によれば、結露により生じた水滴が、放熱器に留まり易くなるので、放熱器の貯留能力が高まる。従って、ヒートシンクから水滴が落下する可能性を低減し、電子部品に対する結露の影響を一層抑制できる。
本発明の一態様の発電監視装置は、前記第2の領域が、前記電子部品の少なくとも一部を囲むと共に、前記第1の領域の少なくとも一部を覆うポッティング材を有し、前記ポッティング材は、前記電子部品から遠ざかるにつれて、前記第1の領域の空間が広がるように傾斜する傾斜面を有する。
この構成によれば、例えば筐体の内面において結露により発生した水滴がポッティング材に滴下した場合でも、水滴が電子部品に流れ込まないようになる。従って、電子部品に結露による水滴が到達する可能性を低減でき、例えば電子部品としてのアンテナ部による通信特性を向上できる。
本発明の一態様の発電監視装置は、前記傾斜面が、凹部を含む。
この構成によれば、ポッティング材に滴下した水滴は、傾斜面に沿って流れ、傾斜面の途中に形成された凹部においてトラップされる。従って、例えば振動が発生しても、電子部品に流れ込みにくくなる。電子部品に結露による水滴が到達する可能性を低減でき、例えば電子部品としてのアンテナ部による通信特性を向上できる。
本発明の一態様の発電監視装置は、前記電子部品と前記放熱器との間に、前記筐体の内面から突出した壁部を備える。
この構成によれば、温度分布の差によって起こる対流現象により第1の領域内で発生する空気の流れを、壁部が遮る。空気の流れが遮られることで、第1の領域内の温度は均一になりにくい。また、筐体端部の方が筐体中心部よりも冷えやすいので、筐体と熱的に接する放熱器において結露が発生し易い。これにより、筐体の内面から結露により生じた水滴が雫となって電子部品に落下することを抑制でき、例えば電子部品としてのアンテナ部による通信特性を向上できる。
本発明の一態様の発電監視装置は、前記電子部品と前記放熱器との間に、前記第1の領域を2つの領域に仕切り、前記2つ領域の間を通気する分離部と、を備える。
この構成によれば、第1の領域に存在する水蒸気を含む空気は、第1の領域を仕切る分離部を介して、対流によって流れ、冷却され易い放熱器において結露し易い。放熱器において結露した水滴は、分離部を通過できず、第1の領域内に蓄積される。従って、電子部品は結露から保護される。
本発明の一態様の発電監視装置は、前記第2の領域が、前記電子部品の少なくとも一部を覆う発泡ポッティング材を含む。
この構成によれば、外気の冷え等によって筐体の内部の温度が下がっても、電子部品は、発泡ポッティング材によって断熱される。そのため、電子部品の温度は下がりにくい。これにより、電子部品が結露から保護される。また、電子部品と対向する位置における筐体の内面に結露が生じ、結露による水滴が落下しても、この水滴は発泡ポッティング材の上に落ちるので、電子部品が濡れることを防止できる。
本発明の一態様の発電監視装置は、前記第2の領域が、前記電子部品における重力の反対方向の射影と重なる位置に配置されたポッティング材を備える。
この構成によれば、外気等の冷えにより、第1の領域内の水蒸気を含む空気が冷えても、電子部品と対向する筐体の内面に設けられたポッティング材は、冷えにくく、ポッティング材が存在する位置において結露を生じさせない。従って、結露が発生する場合でも、電子部品と非対向の位置に結露が発生するので、電子部品が滴下した水滴によって濡れることを抑制できる。
本発明の一態様の発電監視装置は、前記第1の領域が、前記第1の内面と前記ポッティング材との間に溝部を含む。
この構成によれば、外気等によって冷えた、第1の領域内の水蒸気を含む空気は、電子部品と非対向の位置において、筐体の内面で冷やされて結露した水滴が溝部に貯留される。これにより、結露した水滴を1箇所に集中でき、例えば振動によって分散しにくくなるので、電子部品を水滴から保護できる。
本発明は、筐体の内部に発生する結露の影響を抑制し、通信特性を向上できる発電監視装置等に有用である。
10 太陽光発電システム
20 PVパネル
20AR PVアレイ
20C PVセル
20CL PVクラスタ
20G PVセル群
20ST PVストリング
30,30A,30B,30C,30D,30E,30F,30G,30H,30I,30J,30K,30L 子機
31 筐体
31A,31B,31C,31D,31E 筐体カバー
31a,31b 側面
31c 溝部
31d 底面
32 電源部
33 電圧検出部
34 電流検出部
36 制御部
37 無線通信部
38 入力端子
39 出力端子
40 接続箱
41 プリント基板
42 逆流防止ダイオード
45 アンテナ部
47 電子部品
50 集電箱
51,52 ケーブルグランド
53,54 ケーブル
60,60A,60B,60C,60D,60E,60f ポッティング材
60a,60b,60c 層
60e,60h 発泡ポッティング材
60j 凸部
61 第2の領域
63,63A,63a,63b,63c,63d 第1の領域
65 水滴
70 ゲートウェイ
71 金属棒
74 クリップ
75 ケーブルグランド
76,76A ヒートシンク
78 熱伝導性テープ
80 親機
81 凹部
83 壁部材
85 ベントフィルタ
90 パワーコンディショナ
91 溝部

Claims (17)

  1. 水蒸気を含む第1の領域と熱容量が前記第1の領域よりも大きい第2の領域とを内部に有すると共に、前記第1の領域の少なくとも一部を覆う第1の内面を有する筐体と、
    前記第1の領域において、前記第1の内面よりも前記第2の領域の近くに配置された電子部品と、
    を備え、
    前記第1の内面の少なくとも一部は、前記電子部品における重力の反対方向の射影に重ならない、発電監視装置。
  2. 請求項1に記載の発電監視装置であって、
    前記第2の領域は、ポッティング材を含む、発電監視装置。
  3. 請求項2に記載の発電監視装置であって、
    前記ポッティング材は、潜熱蓄熱材を含有する、発電監視装置。
  4. 請求項3に記載の発電監視装置であって、
    前記ポッティング材は、融点の異なる複数の潜熱蓄熱材を含有する複数層を有する、発電監視装置。
  5. 請求項2ないし4のいずれか1項に記載の発電監視装置であって、
    前記筐体は、前記第2の領域の少なくも一部を覆う第2の内面を有し、
    前記第2の内面の少なくとも一部と接する部分に発泡ポッティング材を含む、発電監視装置。
  6. 請求項2ないし5のいずれか1項に記載の発電監視装置であって、
    前記第1の内面の少なくとも一部に穴部が形成された、発電監視装置。
  7. 請求項2ないし6のいずれか1項に記載の発電監視装置であって、
    前記第1の内面は、前記電子部品から遠ざかるにつれて、前記第1の領域の空間が狭くなるように傾斜する傾斜面を有する、発電監視装置。
  8. 請求項7に記載の発電監視装置であって、
    前記傾斜面は、傾斜方向に沿って形成された溝部を含む、発電監視装置。
  9. 請求項2ないし8のいずれか1項に記載の発電監視装置であって、更に、
    前記電子部品における重力の反対方向の射影に重ならない位置に、前記筐体の外部に配置された金属部材又は前記筐体と熱的に接触した放熱器を備える、発電監視装置。
  10. 請求項9に記載の発電監視装置であって、
    前記放熱器は、多孔質材料を含む、発電監視装置。
  11. 請求項2に記載の発電監視装置であって、
    前記第2の領域は、前記電子部品の少なくとも一部を囲むと共に、前記第1の領域の少なくとも一部を覆うポッティング材を有し、
    前記ポッティング材は、前記電子部品から遠ざかるにつれて、前記第1の領域の空間が広がるように傾斜する傾斜面を有する、発電監視装置。
  12. 請求項11に記載の発電監視装置であって、
    前記傾斜面は、凹部を含む、発電監視装置。
  13. 請求項9に記載の発電監視装置であって、更に、
    前記電子部品と前記放熱器との間に、前記筐体の内面から突出した壁部を備える、発電監視装置。
  14. 請求項9に記載の発電監視装置であって、更に、
    前記電子部品と前記放熱器との間に、前記第1の領域を2つの領域に仕切り、前記2つ領域の間を通気する分離部を備える、発電監視装置。
  15. 請求項2ないし14のいずれか1項に記載の発電監視装置であって、
    前記第2の領域は、前記電子部品の少なくとも一部を覆う発泡ポッティング材を含む、発電監視装置。
  16. 請求項2ないし15のいずれか1項に記載の発電監視装置であって、
    前記第2の領域は、前記電子部品における重力の反対方向の射影と重なる位置に配置されたポッティング材を備える、発電監視装置。
  17. 請求項16に記載の発電監視装置であって、
    前記第1の領域は、前記第1の内面と前記ポッティング材との間に溝部を含む、発電監視装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2019016336A (ja) * 2017-07-03 2019-01-31 北京信邦同安電子有限公司 太陽光パネルの太陽光モジュールストリング用スプリット式電力最適化モジュール
JP2019017234A (ja) * 2017-07-03 2019-01-31 北京信邦同安電子有限公司 太陽光パネルの太陽光モジュールストリング用スプリット式電力最適化配線ボックスアセンブリ
WO2020241067A1 (ja) * 2019-05-30 2020-12-03 ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社 基板、電子装置、および、基板の製造方法

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