JP2015195825A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】遊技興趣の低下を抑制することのできる遊技機を提供する。
【解決手段】このパチンコ機1では、遊技領域1100に打ち込まれた遊技球を受け入れ可能な始動口2101,2102を有する。始動口2101,2102に遊技球が入賞されると、当たりについての判断処理が行われる。そしてこの結果、当たりが得られた場合は、遊技者によって賞の獲得が可能とされる遊技が実行可能とされるとともに、遊技者に有利な遊技状態への移行制御が行われうる。ただし、このパチンコ機1では、有利な遊技状態において当たりが得られる確率は低いままとされるにもかかわらず、1度でも落選結果が得られると有利な遊技状態を終了させる早期終了制御を行うこととしている。
【選択図】図114
【解決手段】このパチンコ機1では、遊技領域1100に打ち込まれた遊技球を受け入れ可能な始動口2101,2102を有する。始動口2101,2102に遊技球が入賞されると、当たりについての判断処理が行われる。そしてこの結果、当たりが得られた場合は、遊技者によって賞の獲得が可能とされる遊技が実行可能とされるとともに、遊技者に有利な遊技状態への移行制御が行われうる。ただし、このパチンコ機1では、有利な遊技状態において当たりが得られる確率は低いままとされるにもかかわらず、1度でも落選結果が得られると有利な遊技状態を終了させる早期終了制御を行うこととしている。
【選択図】図114
Description
本発明は、ぱちんこ遊技機(一般的に「パチンコ機」とも称する)等の遊技機に関するものである。
従来、この種の遊技機としては、例えば特許文献1に記載されている遊技機が知られている。
すなわち、この特許文献1に記載の遊技機にあって、その遊技領域には、始動口、及び該始動口に遊技球が受け入れられることに基づいて予め定められた時間だけ開閉動作する一対の羽根部材、及びこの羽根部材による開閉動作を通じて開放される大入賞口装置などが設けられている。また、上記大入賞口装置の内部領域には、該内部領域に進入した遊技球が特定領域に受け入れられるか否かについての抽選処理を機械的な構造をもって行う特別駆動役物などが設けられている。
このような遊技機では、遊技者はまず、上記始動口に遊技球が受け入れられるように操作ハンドルを操作する。そしてこの結果、上記始動口に遊技球が受け入れられると、羽根部材による動作によって上記大入賞口装置の内部領域が予め定められた時間だけ開放される補助遊技が行われるようになる。そこで、遊技者は、上記始動口に遊技球が受け入れられた後は、上記大入賞口装置内に遊技球が入球するように操作ハンドル(図示略)を操作する。そしてこの結果、上記大入賞口装置の内部領域に遊技球が入球すると、該入球した遊技球が特定領域に受け入れられるか否かについての抽選処理が上記特別駆動役物によって行われる。なお、この特許文献1に記載の特別駆動役物は、上記特定領域へと通じる流下経路を定常的に変位(回転動作)させる回転体からなる。すなわち、こうした回転動作を通じて上記特定領域に遊技球が受け入れられるか否かについての抽選処理が行われ、その結果、上記大入賞口装置の内部領域に進入した遊技球が上記特定領域に受け入れられると、この補助遊技に続く一連の遊技として多くの賞球が遊技者に払い出される特別遊技(特典)が行われるようになる。
ただし、このような従来の遊技機にあって、上記特別駆動役物とは、上記大入賞口装置の内部領域に遊技球が進入したとき、該進入した遊技球が予め定められた単一の確率にて上記特定領域に受け入れられるように動作するものでしかなく、このような単調な抽選処理だけは遊技の興趣が低下しかねない。
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、遊技興趣の低下が抑制されうる遊技機を提供することを目的とする。
手段1: 可動片が動作したときに遊技媒体の進入が可能とされる入賞装置と、前記入賞装置に進入した遊技媒体を受け入れ可能な一般口及び特定口と、前記可動片の動作から特定時間が経過したとき、前記一般口及び前記特定口のうちの前記特定口に遊技媒体が誘導される誘導期間を生み出すように動作する定時動作手段とを備え、前記特定口に遊技媒体が受け入れられた場合、多量の賞が獲得可能とされる特典遊技を付与する遊技機であって、遊技領域内に配置される第1の始動口及び第2の始動口と、前記第1の始動口に遊技媒体が受け入れられたとき、前記可動片を相対的に長い時間にわたって開放状態にて動作させるにもかかわらず、前記入賞装置に進入した遊技媒体が前記特定口に誘導されないように前記特定時間が経過するよりも前に前記可動片を前記開放状態から閉鎖状態へと動作させる制御を実行可能な低確抽選化制御手段と、前記第2の始動口に遊技媒体が受け入れられたとき、前記入賞装置に遊技媒体が進入され難くなるように前記可動片を相対的に短い時間だけ開放状態としてから閉鎖状態へと動作させるにもかかわらず、前記特定時間が経過した後の前記誘導期間において前記特定口に遊技媒体が誘導されるように前記可動片を再び動作させて相対的に長い時間にわたって開放状態にて維持させる制御を実行可能な高確抽選化制御手段と、前記低確抽選化制御手段による制御が行われる場合、前記入賞装置に進入した遊技媒体が前記特定口に誘導されないように前記可動片を動作させるにもかかわらず、遊技者に対して前記入賞装置に遊技媒体を進入させることを促す表示が現れるように制御する低確遊技表示制御手段とを備えることを特徴とする遊技機。
すなわち、入賞装置内での機械抽選の確率を変化させようとするにあたって、その都度、特定口に遊技媒体を誘導させる部材の動きを変えるようなことがあれば、公平性が失われて機械抽選に対する信頼がなくなってしまう懸念がある。この点、上記構成では、特定口に遊技媒体を誘導させる部材としては、可動片の動作から特定時間が経過したときに動作する定時動作手段としてのみ備えることとした上で、上記低確抽選化制御手段による制御と上記高確抽選化制御手段による制御とによって特定口への遊技媒体の誘導確率が変化させるようにしたことから、機械抽選に対する信頼を維持しつつ入賞装置内での機械抽選の確率をその都度変化させることができるようになる。
しかも、上記構成によれば、入賞装置を開放させるときに、可動片を相対的に長い時間にわたって開放状態にて動作させる側で遊技者に不利な機械抽選が行われることとして、可動片を相対的に短い時間だけしか開放状態としないように動作させる側で遊技者に有利な機械抽選が行われることとした。このように、見た目では有利に見える側で不利な機械抽選が行われるようにしたことで、該不利な機械抽選が行われるときの遊技者の不快感を低減させることが期待できるようになる。また、見た目では不利に見える側で有利な機械抽選が行われるようにしたことで、該有利な機械抽選が行われるときのギャップによって遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
またさらに、上記構成では、特定口に誘導されないように可動片を動作させる場合であっても、遊技者に対して入賞装置に遊技媒体を進入させることを促すようにしている。すなわちこの場合、特定口には遊技媒体が誘導され難いことを遊技者に対して実感させることができるようになり、これによって高確抽選化制御手段による制御が行われるときの遊技興趣の向上を好適に図ることができるようになる。
この発明によれば、遊技興趣の低下が抑制されうる。
[パチンコ機の全体構造]
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について、図面を参照して説明する。まず、図1乃至図7を参照して実施形態に係るパチンコ機の全体について説明する。図1は、実施形態に係るパチンコ機の外枠に対して本体枠を開放し、本体枠に対して扉枠を開放した状態を示す斜視図である。図2は、パチンコ機の正面図であり、図3は、パチンコ機の右側面図である。また、図4は、パチンコ機の平面図であり、図5は、パチンコ機の背面図である。更に、図6は、パチンコ機を構成する外枠、本体枠、遊技盤、扉枠の後方から見た分解斜視図であり、図7は、パチンコ機を構成する外枠、本体枠、遊技盤、扉枠の前方から見た分解斜視図である。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について、図面を参照して説明する。まず、図1乃至図7を参照して実施形態に係るパチンコ機の全体について説明する。図1は、実施形態に係るパチンコ機の外枠に対して本体枠を開放し、本体枠に対して扉枠を開放した状態を示す斜視図である。図2は、パチンコ機の正面図であり、図3は、パチンコ機の右側面図である。また、図4は、パチンコ機の平面図であり、図5は、パチンコ機の背面図である。更に、図6は、パチンコ機を構成する外枠、本体枠、遊技盤、扉枠の後方から見た分解斜視図であり、図7は、パチンコ機を構成する外枠、本体枠、遊技盤、扉枠の前方から見た分解斜視図である。
図1乃至図7において、本実施形態に係るパチンコ機1は、遊技ホールの島設備(図示しない)に設置される外枠2と、外枠2に開閉自在に軸支され前側が開放された箱枠状の本体枠3と、本体枠3に前側から装着固定され遊技媒体としての遊技球が打ち込まれる遊技領域1100を有した遊技盤4と、本体枠3及び遊技盤4の前面を遊技者側から閉鎖するように本体枠3に対して開閉自在に軸支された扉枠5とを備えている。このパチンコ機1の扉枠5には、遊技盤4の遊技領域1100が遊技者側から視認可能となるように形成された遊技窓101と、遊技窓101の下方に配置され遊技球を貯留する皿状の上皿301及び下皿302と、上皿301に貯留された遊技球を遊技盤4の遊技領域1100内へ打ち込むために遊技者が操作するハンドル装置500と、を備えている。
本例のパチンコ機1は、図示するように、正面視において、外枠2、本体枠3、及び扉枠5が夫々上下方向へ延びた縦長の矩形状に形成されており、夫々の左右方向の横幅が略同じ寸法とされていると共に、上下方向の縦幅の寸法が、外枠2に対して本体枠3及び扉枠5の寸法が若干短く形成されている。そして、本体枠3及び扉枠5よりも下側の位置において、外枠2の前面に装飾カバー23が取付けられており、扉枠5及び装飾カバー23によって外枠2の前面が完全に閉鎖されるようになっている。また、外枠2、本体枠3、及び扉枠5は、上端が略揃うように夫々が配置されると共に、外枠2の左端前側の位置で本体枠3及び扉枠5が回転可能に軸支されており、外枠2に対して本体枠3及び扉枠5の右端が前側へ移動することで開状態となるようになっている。
このパチンコ機1は、正面視において、略円形状の遊技窓101を介して遊技球が打ち込まれる遊技領域1100が望むようになっており、その遊技窓101の下側に前方へ突出するように二つの上皿301及び下皿302が上下に配置されている。また、扉枠5の前面右下隅部には、遊技者が操作するためのハンドル装置500が配置されており、上皿301内に遊技球が貯留されている状態で遊技者がハンドル装置500を回転操作すると、その回転角度に応じた打球強さで上皿301内の遊技球が遊技盤4の遊技領域1100内へ打ち込まれて、遊技をすることができるようになっている。
なお、詳細は後述するが、扉枠5の遊技窓101は、透明なガラスユニット590によって閉鎖されており、遊技者から遊技領域1100内を視認することができるものの、遊技者が遊技領域1100内へ手等を挿入して遊技領域1100内の遊技球や障害釘、各種入賞口や役物等に触ることができないようになっている。また、本体枠3の後側には、各種の制御基板が備えられていると共に、遊技盤4の後方を覆うように閉鎖するカバー体1250備えられている。
[外枠]
外枠2について、主として図8乃至図16を参照して説明する。図8は外枠の正面斜視図であり、図9は外枠の正面から見た分解斜視図であり、図10は外枠の正面図である。また、図11は外枠の背面斜視図であり、図12は外枠の右側面図である。更に、図13は、本体枠の上軸支金具と外枠の上支持金具との脱着構造を説明するための斜視図である。また、図14(A)は外枠の上支持金具の裏面に設けられるロック部材の取付状態を示す分解斜視図であり、(B)は(A)の図を下方から見た斜視図である。図15は、軸支ピンとロック部材との関係を説明するための上支持金具部分の裏面図である。更に、図16は、ロック部材の作用を説明するための上支持金具部分の裏面図である。
外枠2について、主として図8乃至図16を参照して説明する。図8は外枠の正面斜視図であり、図9は外枠の正面から見た分解斜視図であり、図10は外枠の正面図である。また、図11は外枠の背面斜視図であり、図12は外枠の右側面図である。更に、図13は、本体枠の上軸支金具と外枠の上支持金具との脱着構造を説明するための斜視図である。また、図14(A)は外枠の上支持金具の裏面に設けられるロック部材の取付状態を示す分解斜視図であり、(B)は(A)の図を下方から見た斜視図である。図15は、軸支ピンとロック部材との関係を説明するための上支持金具部分の裏面図である。更に、図16は、ロック部材の作用を説明するための上支持金具部分の裏面図である。
図8及び図9に示すように、本実施形態のパチンコ機1における外枠2は、横方向へ延びる上下の上枠板10及び下枠板11と、縦(上下)方向へ延びる左右の側枠板12,13と、夫々の枠板10,11,12,13の端部を連結する四つの連結部材14と、を備えており、連結部材14で各枠板10,11,12,13同士を連結することで縦長の矩形状(方形状)に組立てられている。本例の外枠2における上枠板10及び下枠板11は、所定厚さの無垢材(例えば、木材、合板、等)により形成されており、左右両端の前後方向の略中央に、上下に貫通し左右方向中央側へ窪んだ係合切欠部15が備えられている。なお、上枠板10における左側端部の上面及び前面には、その他の一般面よりも窪んだ取付段部10aが形成されており、この取付段部10aに後述する上支持金具20が取付けられるようになっている。
一方、側枠板12,13は、一定断面形状の軽量金属型材(例えば、アルミ合金)とされており、外側側面は略平坦面とされていると共に、内側側面は後端部に内側へ突出し上下方向(押出方向)に貫通する空洞を有した突出部16を備えており、強度剛性が高められている(図9及び図112を参照)。なお、側枠板12,13の外側側面及び内側側面には、上下方向へ延びた複数の溝が形成されており、パチンコ機1を遊技ホールの島設備に設置する際等に、作業者の指掛りとなってパチンコ機1を保持し易くすることができるようにっていると共に、外観の意匠性を高められるようになっている。なお、便宜上、側枠板12,13の側面に形成された複数の溝を省略して示した図面もある。
本例の外枠2における連結部材14は、所定厚さの金属板をプレス成型等によって屈曲塑性変形させることで形成されたものであり、上枠板10又は下枠板11に固定され左右方向へ延びた板状の水平片17と、水平片17の外側端部から上下方向の一方側へ延び側枠板12,13に固定される板状の垂直片18と、垂直片18とは反対方向へ延び上枠板10又は下枠板11の係合切欠部15内に挿入係合可能な板状の係合片19と、を有している。なお、本例では、上枠板10と左側の側枠板12とを連結する連結部材14と、上枠板10と右側の側枠板13とを連結する連結部材14とは、夫々左右非対称の形状に形成されていると共に、垂直片18が前後に分かれて形成されている。一方、下枠板11と左側の側枠板12とを連結する連結部材14と、下枠板11と右側の側枠板13とを連結する連結部材14とは、夫々左右対称の形状に形成されている。
この連結部材14は、水平片17の上面及び下面が上枠板10及び下枠板11の下面及び上面と当接すると共に、係合片19が上枠板10及び下枠板11の係合切欠部15内に挿入係合された状態で、水平片17及び係合片19を貫通して所定のビスが上枠板10及び下枠板11にねじ込まれることで、上枠板10及び下枠板11に固定されるようになっている。また、上枠板10に固定された連結部材14は、その垂直片18が側枠板12,13の上端内側側面に当接した状態で、側枠板12,13を貫通して所定のビスが垂直片18へねじ込まれることで、上枠板10と側枠板12,13とを連結することができるようになっている。なお、上枠板10に固定された連結部材14における後側の垂直片18は、側枠板12,13の突出部16内に挿入された状態で、側枠板12,13へ固定されるようになっている。更に、下枠板11に固定された連結部材14は、その垂直片18が側枠板12,13の下端内側側面に当接した状態で、側枠板12,13を貫通して所定のビスが垂直片18へねじ込まれることで、下枠板11と側枠板12,13とを連結することができるようになっており、四つの連結部材14により、上枠板10、下枠板11、及び側枠板12,13を枠状に組立てることができるようになっている。
本例の外枠2は、上枠板10の左端上面に固定される上支持金具20と、上支持金具20と対向するように配置され左側の側枠板12における下部内側の所定位置に固定される下支持金具21と、下支持金具21の下面を支持するように配置され左右の側枠板12,13を連結するように固定される補強金具22と、補強金具22の前面に固定される装飾カバー23と、を備えている。この上支持金具20及び下支持金具21は、本体枠3及び扉枠5を開閉可能に軸支するためのものである。
まず、上支持金具20は、上枠板10に固定される板状の固定片20aと、固定片20aの前端から上枠板10の前端よりも前方へ突出する支持突出片20bと、支持突出片20bにおける前端付近の右側端から先端中央部へ向かって屈曲するように切欠かれて形成された支持鉤穴20cと、固定片20a及び支持突出片20bの左端から下方へ垂下し左側の側枠板12における外側側面と当接する板状の垂下固定片20d(図14(A)を参照)と、垂下固定片20dと連続し支持突出片20bの外側縁に沿って垂下する垂下壁20e(図14を参照)と、垂下壁20eと連続し支持鉤穴20cの入口端部で内側へ向って傾斜した停止垂下部20f(図15を参照)と、を備えている。この上支持金具20における支持鉤穴20cには、後述する本体枠3における上軸支金具630の軸支ピン633(図67を参照)が着脱自在に係合されるようになっている。また、上支持金具20は、固定片20aと垂下固定片20dとによって、上枠板10と左側の側枠板12とを連結することができるようになっている。
この上支持金具20は、支持突出片20bの外側縁から垂下する垂下壁20eによって、支持突出片20bの強度が高められていると共に、詳細は後述するが、正面から見た時に支持突出片20bの裏面に配置されるロック部材27が遊技者側から視認できないように隠蔽することができ、外観の見栄えを良くすることができるようになっている。また、支持突出片20bに形成された支持鉤穴20cは、垂下壁20eが形成されない反対側(右側)の側方から先端中央部に向かって傾斜状となるようにく字状に屈曲した形状とされていると共に、支持鉤穴20cの傾斜状穴部の幅寸法は、軸支ピン633の直径よりもやや大きな寸法とされている。
一方、下支持金具21は、補強金具22上に載置固定される水平固定片21aと、水平固定片21aの左端から上方へ立上がり左側の側枠板12の内側側面に固定される垂直固定片21bと、水平固定片21aの前端から上枠板10及び下枠板11よりも前方へ突出する板状の支持突出片21cと、支持突出片21cの前端付近から上向きに突設されたピン状の支持突起21dと、を備えている。この下支持金具21における支持突起21dには、後述する本体枠3の本体枠軸支金具644(図70等を参照)に形成された本体枠軸支が挿入されるようになっており、下支持金具21の支持突起21dを、本体枠3における本体枠軸支金具644の支持穴に挿入した後に、本体枠3の上軸支金具630の軸支ピン633を支持鉤穴20cに係止することにより簡単に本体枠3を開閉自在に軸支することができるようになっている。
また、本例の外枠2は、図示するように、右側の側枠板13の内側に、上下方向に所定距離離反して配置される二つの閉鎖板24,25が取付固定されている。これら閉鎖板24,25は、平面視で略L字状に形成されており、下側に配置される閉鎖板25には、前後方向に貫通する矩形状の開口25aを有している(図9を参照)。この閉鎖板24,25は、外枠2に対して本体枠3を閉じる際に、本体枠3の開放側辺に沿って取付けられる錠装置1000のフック部1054,1065(図97を参照)と係合するものであり、詳細は後述するが、錠装置1000のシリンダ錠1010に鍵を差し込んで一方に回動することにより、フック部1054,1065と閉鎖板24,25との係合が外れて本体枠3を外枠2に対して開放することができるものである。
更に、本例の外枠2は、補強金具22の右端上面に固定される案内板26を更に備えている。この案内板26は、外枠2に対して本体枠3を閉止する際に、本体枠3をスムーズに案内するためのものであり、交換可能に装着固定されている。
また、本例の外枠2は、図14等に示すように、上支持金具20における支持突出片20bの裏面に支持されたロック部材27を更に備えており、リベット28によって支持突出片20bに対して回動可能に軸支されている。このロック部材27は、合成樹脂により形成されており、リベット28により軸支される位置から前方へ突出するストッパ部27aと、リベット28により軸支される位置から右方向へストッパ部27aよりも短く突出する操作部27bと、操作部27bに対してリベット28により軸支される位置とは反対側から突出する弾性片27cと、ストッパ部27aの先端に前方側へ膨出するように形成された円弧状の先端面27dと、を備えている。このロック部材27は、図示するように、ストッパ部27aと操作部27bとで、略L字状に形成されている。また、ロック部材27の弾性片27cは、ストッパ部27aや操作部27bよりも狭い幅に形成されていると共に、ストッパ部27aから左方へ遠ざかるに従って前方へ延びだすように形成されている。
このロック部材27は、図14(B)や図15に示すように、上支持金具20の支持突出片20bに支持した状態(通常の状態)では、弾性片27cの先端当接部が垂下壁20eの内側面と当接しており、ストッパ部27aが支持鉤穴20cの傾斜状穴部を閉塞するようになっていると共に、ストッパ部27aの先端部分が、支持鉤穴20cの傾斜状穴部の先頭空間部分を閉塞した状態とはならず、支持鉤穴20cの先頭空間部分に本体枠3の上軸支金具630の軸支ピン633を挿入可能な空間が形成された状態となっている。
本例の上支持金具20とロック部材27とを用いた軸支ピン633の支持機構は、軸支ピン633が支持鉤穴20cの傾斜状穴部の先端空間部分に挿入されてストッパ部27aの先端側方が入口端部の停止垂下部20fに対向している状態(この状態ではストッパ部27aの先端側方と停止垂下部20fとの間に僅かな隙間があり当接した状態となっていない)である通常の軸支状態においては、屈曲して形成される支持鉤穴20cの傾斜状穴部の先端空間部分に位置する軸支ピン633とストッパ部27aの先端面27dとの夫々の中心が斜め方向にずれて対向した状態となっている。そして、この通常の軸支状態においては、重量のある本体枠3を軸支している軸支ピン633が支持鉤穴20cの先端部分に当接した状態となっているので、軸支ピン633からストッパ部27aの先端面27dへの負荷がほとんどかかっていないため、ロック部材27の弾性片27cに対し負荷がかかっていない状態となっている。なお、ストッパ部27aの先端に円弧状の先端面27dを備えているので、ロック部材27を回動させるために操作部27bを回動操作した時に、ロック部材27がスムーズに回動するようになっている。また、図示では、先端面27dの円弧中心が、リベット28の中心(ロック部材27の回転中心)とされている。
従って、軸支ピン633が支持鉤穴20cの傾斜状穴部の傾斜に沿って抜ける方向に作用力Fがかかって円弧状の先端面27dに当接したとき、その作用力Fを、軸支ピン633と円弧状の先端面27dとの当接部分に作用する分力F1(先端面27dの円弧の法線方向)と、軸支ピン633と支持鉤穴20cの傾斜状穴部の一側内面との当接部分に作用する分力F2と、に分けたときに、分力F1の方向がリベット28の中心(ロック部材27の回転中心)を向くため、ロック部材27のストッパ部27aの先端部が支持突出片20bから外れる方向(図示の時計方向)に回転させるモーメントが働かず、軸支ピン633がロック部材27のストッパ部27aの先端部と支持鉤穴20cの傾斜状穴部の一側内面との間に挟持された状態を保持する。このため、通常の軸支状態でもあるいは軸支ピン633の作用力がロック部材27にかかった状態でも、ロック部材27の弾性片27cに常時負荷がかからず、合成樹脂で一体形成される弾性片27cのクリープによる塑性変形を防止し、長期間に亘って軸支ピン633の支持鉤穴20cからの脱落を防止することができる。なお、仮に無理な力がかかってロック部材27のストッパ部27aの先端部が支持突出片20bから外れる方向(図示の時計方向)に回転させられても、ストッパ部27aの先端部の一側方が停止垂下部20fに当接してそれ以上外れる方向に回転しないので、ロック部材27が支持突出片20bの外側にはみ出ないようになっている。
なお、ストッパ部27aの先端面27dの形状は円弧状でなくても、上記した分力F1の作用により回転モーメントが生じない位置又はロック部材27をその先端部が支持突出片20bの外側に向って回転させる回転モーメントが生ずる位置にロック部材27の回転中心(リベット28により固定される軸)を位置させることにより、常時ロック部材27の弾性片27cに対しても負荷がかかることはないし、ロック部材27が回転してもストッパ部27aの先端一側方が停止垂下部20fに当接するだけであるため、ロック部材27が支持突出片20bの外側にはみ出ることもないという点を本出願人は確認している。
本例のロック部材27の作用について図16を参照して具体的に説明する。外枠2に本体枠3を開閉自在に軸支する前提として、本体枠3の本体枠軸支金具644(図67を参照)に形成される本体枠軸支穴(図示しない)に下支持金具21の支持突起21dが挿通されていることが必要である。そのような前提において、図16(A)に示すように、本体枠3の上軸支金具630の軸支ピン633をロック部材27のストッパ部27aの側面に当接させて押し込むことにより、図16(B)に示すように、ロック部材27が弾性片27cを変形させながら反時計方向に回動させるので、軸支ピン633を支持鉤穴20cに挿入することができる。そして、軸支ピン633が支持鉤穴20cの傾斜状穴部の先頭空間部分に到達すると、図16(C)に示すように、軸支ピン633とストッパ部27aの先端側面とが当接しなくなるためロック部材27が弾性片27cの弾性力に付勢されて時計方向に回動し、ロック部材27のストッパ部27aが再度通常の状態に戻って支持鉤穴20cの入口部分を閉塞すると同時に、ストッパ部27aの先端部分が軸支ピン633と対向して軸支ピン633が支持鉤穴20cから抜け落ちないようになっている。
そして、この状態は、図16(D)に示すように、本体枠3が完全に閉じられた状態でもあるいは本体枠3の通常の開閉動作中も保持される。次いで、軸支ピン633を支持鉤穴20cから取外すためには、図16(E)に示すように、指を支持突出片20bの裏面に差し入れてロック部材27の操作部27bを反時計方向に回動することにより、ロック部材27が弾性片27cの弾性力に抗して回動し、ストッパ部27aの先端部分が支持鉤穴20cから退避した状態となるため、軸支ピン633を支持鉤穴20cから取り出すことができる。その後、本体枠3を持ち上げて、本体枠軸支金具644に形成される本体枠軸支穴と下支持金具21の支持突起21dとの係合を解除することにより、本体枠3を外枠2から取外すことができるようになっている。
上述したように、本例の外枠2は、外枠2の外郭を構成する上枠板10と下枠板11とを従来と同じく木製とすると共に、側枠板12,13を軽量金属(例えば、アルミ合金)の押出型材としているので、パチンコ機1を遊技場に列設される島設備に設置する場合に、島の垂直面に対し所定の角度をつけて固定する作業を行う必要があるが、そのような作業は上枠板10及び下枠板11と島とに釘を打ち付けて行われるため、釘を打ち易くすることができ、既存の島設備に本パチンコ機1を問題なく設置することができるようになっている。また、側枠板12,13を軽量金属(例えば、アルミ合金)の押出型材としているので、従来の木製の外枠と比較して強度を維持しつつ肉厚を薄く形成することが可能となり、側枠板12,13の内側に隣接する本体枠3の周壁部605(図67等を参照)の正面から見たときの左右幅を広くすることができ、左右方向の寸法の大きな遊技盤4を本体枠3に装着することができると同時に、遊技盤4の遊技領域1100を大きく形成することができるようになっている。
また、外枠2の外郭を構成する上枠板10、下枠板11、及び側枠板12,13を連結部材14で連結するようにしており、連結部材14が側枠板12,13の内面に密着して止着されると共に連結部材14と上枠板10及び下枠板11が係合した状態で止着されるので、外枠2の組付け強度を高くすることができ、頑丈な方形状の枠組みとすることができるようになっている。また、連結部材14によって上枠板10、下枠板11、及び側枠板12,13を連結した後、上支持金具20を所定の位置に取付けたときに、図10に示すように、各枠板10,11,12,13の外側面(外周面)から外側に突出する部材が存在しないので、パチンコ機1を図示しない遊技ホールの島設備に設置する際に、隣接する装置(例えば、隣接する玉貸機)と密着して取付けることができるようになっている。
[扉枠の全体構成]
次に、上記した本体枠3の前面側に開閉自在に設けられる扉枠5について、図17乃至図23を参照して説明する。図17は扉枠の正面図であり、図18は扉枠の背面図であり、図19は扉枠を右前方から見た斜視図である。また、図20は扉枠を左前方から見た斜視図であり、図21は扉枠の右後方から見た斜視図である。更に、図22は扉枠を正面から見た分解斜視図であり、図23は扉枠を背面から見た分解斜視図である。
次に、上記した本体枠3の前面側に開閉自在に設けられる扉枠5について、図17乃至図23を参照して説明する。図17は扉枠の正面図であり、図18は扉枠の背面図であり、図19は扉枠を右前方から見た斜視図である。また、図20は扉枠を左前方から見た斜視図であり、図21は扉枠の右後方から見た斜視図である。更に、図22は扉枠を正面から見た分解斜視図であり、図23は扉枠を背面から見た分解斜視図である。
本実施形態のパチンコ機1における扉枠5は、図示するように、外形が縦長の矩形状に形成され内周形状がやや縦長の円形状(楕円形状)とされた遊技窓101を有する扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100の前面で遊技窓101の右外周に取付けられる右サイド装飾ユニット200と、右サイド装飾ユニット200と対向し扉枠ベースユニット100の前面で遊技窓101の左外周に取付けられる左サイド装飾ユニット240と、扉枠ベースユニット100の前面で遊技窓101の上部外周に取付けられる上部装飾ユニット280と、を備えている。
また、扉枠5は、扉枠ベースユニット100の前面で遊技窓101の下部に取付けられる皿ユニット300と、皿ユニット300の上部中央に取付けられる操作ユニット400と、皿ユニット300を貫通して扉枠ベースユニット100の右下隅部に取付けられ遊技球の打込操作をするためのハンドル装置500と、扉枠ベースユニット100を挟んで皿ユニット300の後側に配置され扉枠ベースユニット100の後面に取付けられるファールカバーユニット540と、ファールカバーユニット540の右側で扉枠ベースユニット100の後面に取付けられる球送りユニット580と、扉枠ベースユニット100の後側に遊技窓101を閉鎖するように取付けられるガラスユニット590と、を備えている。
[扉枠ベースユニット]
続いて、扉枠5における扉枠ベースユニット100について、主に図24乃至図28を参照して説明する。図24(A)は扉枠における扉枠ベースユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠における扉枠ベースユニットの背面斜視図である。また、図25は扉枠ベースユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図26は扉枠ベースユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。更に、図27は扉枠ベースユニットにおける扉枠ベース基板カバーと配線保持部材とを後から見た斜視図であり、図28は扉枠と本体枠とを電気的に接続するの配線の様子を拡大して示す斜視図である。
続いて、扉枠5における扉枠ベースユニット100について、主に図24乃至図28を参照して説明する。図24(A)は扉枠における扉枠ベースユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠における扉枠ベースユニットの背面斜視図である。また、図25は扉枠ベースユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図26は扉枠ベースユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。更に、図27は扉枠ベースユニットにおける扉枠ベース基板カバーと配線保持部材とを後から見た斜視図であり、図28は扉枠と本体枠とを電気的に接続するの配線の様子を拡大して示す斜視図である。
本例の扉枠ベースユニット100は、図示するように、外形が縦長の矩形状に形成されると共に、前後方向に貫通し内周が縦長の略楕円形状に形成された遊技窓101を有する扉枠ベース本体110と、扉枠ベース本体110の前面で遊技窓101の下端左右両外側に配置される一対のサイドスピーカ130と、サイドスピーカ130を扉枠べース本体110へ固定するためのスピーカブラケット132と、扉枠ベース本体110の前面で正面視右下隅部に取付けられハンドル装置500を支持するためのハンドルブラケット140と、を備えている。
なお、扉枠ベースユニット100は、正面視で右側のサイドスピーカ130の外側には、サイドスピーカ130の側面と、右サイド装飾ユニット200等へ接続される配線(図示は省略)の前側とを覆い扉枠ベース本体110の前面に取付けられるカバー部材134を更に備えている。このカバー部材134は、配線をスピーカ取付部111の外周に沿って案内させることができると共に、サイドスピーカ130を取付ける際や取外す際に、配線が邪魔にならないように配線を保持することができるようになっている。
また、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース本体110の後側に固定される金属製で枠状の補強ユニット150と、扉枠ベース本体110の後面で遊技窓101の下部を被覆するように取付けられる防犯カバー180と、扉枠ベース本体110の後面で遊技窓101の外周の所定位置に回動可能に取付けられるガラスユニット係止部材190と、背面視で左右方向の中央より左側(開放側)に配置され遊技窓101の下端に沿って扉枠ベース本体110の後面に取付けられる発射カバー191と、発射カバー191の下側で扉枠ベース本体110の後面に取付けられハンドル装置500の回転位置検知センサ512と主制御基板4100との接続を中継するハンドル装置中継基板192と、ハンドル装置中継基板192の後側を被覆するハンドル装置中継基板カバー193と、左右方向の中央を挟んで発射カバー191やハンドル装置中継基板192等とは反対側(背面視で左右方向中央よりも右側(軸支側))に配置され扉枠ベース本体110の後面に取付けられる扉枠ベース基板194と、扉枠ベース基板194の後側を被覆する扉枠ベース基板カバー195と、扉枠ベース基板カバー195の後面に回動可能に軸支され扉枠5側と本体枠3側とを接続する配線196(図28を参照)の一部を保持する配線保持部材197と、を備えている。
本例の扉枠ベースユニット100は、合成樹脂からなる矩形状の扉枠ベース本体110の後側に、金属板金をリベット等で組立てた補強ユニット150が固定されることで、全体の剛性が高められていると共に、各装飾ユニット200,240,280や皿ユニット300等を充分に支持することができる強度を有している。
この扉枠ベースユニット100における扉枠ベース基板194は、サイドスピーカ130や左右のサイド装飾ユニット200,240の上部スピーカ222,262と接続されると共に、後述する遊技盤4に備えられた周辺制御部4140と接続されており、周辺制御部4140から送られた音響信号を増幅して各スピーカ130へ出力する増幅回路を備えている。なお、本例では、各装飾ユニット200,240,280及び皿ユニット300や操作ユニット400に備えられた各装飾基板430,432、操作ユニット400に備えられたダイヤル駆動モータ414やセンサ432a,432b,432c、ハンドル装置中継基板192、皿ユニット300の貸球ユニット360等と、払出制御基板4110や周辺制御部4140等とを接続する配線196が、扉枠ベース基板194の背面視で右側(軸支側)の位置に集約して束ねられた上で、詳細は後述するが、配線保持部材197に保持されて後方へ延出し、本体枠3の主側中継端子板880や周辺側中継端子板882に接続されるようになっている(図1及び図28を参照)。
本例の扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110は、図25及び図26等に示すように、合成樹脂によって縦長の額縁状に形成されており、前後方向に貫通し内形が縦長で略楕円形状の遊技窓101が全体的に上方へオフセットするような形態で形成されている。この遊技窓101は、図示するように、左右側及び上側の内周縁が連続した滑らかな曲線状に形成されているのに対して、下側の内周縁は左右へ延びた直線状に形成されている。また、扉枠ベース本体110における遊技窓101の下側の内周縁には、軸支側(正面視で左側)にファールカバーユニット540の第一球出口544aを挿通可能な方形状の切欠部101aが形成されている。この扉枠ベース本体110は、遊技窓101によって形成される上辺、及び左右の側辺の幅が、後述する補強ユニット150の上側補強板金151、軸支側補強板金152、及び開放側補強板金153の幅と略同じ幅とされており、正面視における扉枠ベース本体110の大きさに対して、遊技窓101が可及的に大きく形成されている。従って、扉枠5の後側に配置される遊技盤4のより広い範囲を遊技者側から視認できるようになっており、従来のパチンコ機よりも広い遊技領域1100を容易に形成することができるようになっている。
この扉枠ベース本体110は、遊技窓101の他に、遊技窓101の下辺の左右両外側に配置されサイドスピーカ130を取付固定するためのスピーカ取付部111と、球送りユニット580を取付固定するための球送りユニット取付凹部112(図26を参照)と、球送りユニット取付凹部112の所定位置で前後方向に貫通し皿ユニット300の上皿301に貯留された遊技球を球送りユニット580へ供給するための球送り開口113と、正面視で右下隅部に配置され前方へ膨出した前面の右側(開放側)端が後退するように斜めに傾斜しハンドルブラケット140を取付けるためのハンドル取付部114と、ハンドル取付部114の所定位置で前後方向へ貫通しハンドル装置500からの配線が通過可能な配線通過口115と、ハンドル取付部114の上側で前方へ向かって短く延びた筒状に形成され後述するシリンダ錠1010が挿通可能な錠穴116と、を備えている。
また、扉枠ベース本体110は、図26に示すように、球送りユニット取付凹部112に下側にハンドル装置中継基板192を取付けるための中継基板取付部117と、背面視で扉枠ベース本体の下部右側(軸支側)に配置され扉枠ベース基板194を取付けるための基板取付部118と、遊技窓101の下端の背面視左側(開放側)でスピーカ取付部111よりも中央寄りの配置から後方へ突出し防犯カバー180の装着弾性片185を装着するための防犯カバー装着部119と、扉枠ベース本体110は、その後側に、遊技窓101の内周に略沿って前側へ凹みガラスユニット590の前面外周縁が当接可能なガラスユニット支持段部110aと、遊技窓101の外周の所定位置から後方へ突出しガラスユニット係止部材190を回動可能に支持するための二つの係止部材取付部110bと、を更に備えている。
更に、扉枠ベース本体110の後側には、その下辺から後方へ所定量突出する扉枠突片110cを備えており、この扉枠突片110cは、後述する本体枠3の係合溝603内に挿入されるようになっている。これにより、扉枠5が本体枠3に対して位置決め係止することができると共に、扉枠5と本体枠3との下辺の隙間からピアノ線等の不正な工具をパチンコ機1内に挿入しようとしても、係合溝603と係合した扉枠突片110cによって工具の侵入を阻止することができ、パチンコ機1の防犯機能が高められている。また、扉枠ベース本体110の後側には、背面視で錠穴116よりもやや右下の位置から後方へ突出し本体枠3の嵌合溝612と嵌合する位置決め突起110dを、備えており、この位置決め突起110dが嵌合溝612と嵌合することで、扉枠5と本体枠3とが正しい位置に位置決めされるようになっている。
また、扉枠ベース本体110は、図25に示すように、その前面に、装飾ユニット200,240,280や皿ユニット300等を固定するための前方へ突出した複数の取付ボス110eが備えられていると共に、ハンドルブラケット140等を取付けるための取付穴が適宜位置に多数形成されている。また、扉枠ベース本体110は、サイドスピーカ130を取付けるスピーカブラケット132を取付けるための取付用ボス部110gや、サイドスピーカカバー338を取付けるための取付孔110h(図18等を参照)が、適宜位置に夫々形成されている。
また、扉枠ベース本体110には、球送りユニット取付凹部112と基板取付部118との間で、後述する皿ユニット300の皿ユニットベース310における下皿球供給口310g及びファールカバーユニット540の第二球出口544bと対応する位置に、前後方向に貫通する矩形状の球通過口110fを備えている。
更に、扉枠ベース本体110は、その前面側で左右のスピーカ取付部111の上側に形成され、略三角形状に後方へ窪んだ浅い皿状の防犯凹部120を備えている。この防犯凹部120内には、前側から浅い箱状に形成された防犯部材121が挿入されるようになっている。防犯部材121は、金属板を屈曲させて前側が開放された浅い箱状に形成されている。これにより、パチンコ機1の内部に対して不正行為を行うために、例えば、サイド装飾ユニット200,240と皿ユニット300との接合部位から細いドリル等により穴を開けられてしまうのを金属製の防犯部材121によって阻止することができ、不正行為が行われるのを防止することができるようになっている。
また、扉枠ベースユニット100における一対のサイドスピーカ130は、詳細な図示は省略するが、その中心軸の交点が正面視で遊技領域1100の中央から前方へ所定距離
(例えば、0.2m〜1.5m)の位置となるように斜めに固定されており、パチンコ機1の前に着座した遊技者に対して最も効率良く音が届くようになっている。また、このサイドスピーカ130は、主に中高音域の音を出力するようになっていると共に、パチンコ機1に対して、可及的に左右方向へ離反した位置に配置されており、左右のサイドスピーカ130から関連した異なる音を出力させることで、ステレオ感の高い音を出力することができるようになっている。
(例えば、0.2m〜1.5m)の位置となるように斜めに固定されており、パチンコ機1の前に着座した遊技者に対して最も効率良く音が届くようになっている。また、このサイドスピーカ130は、主に中高音域の音を出力するようになっていると共に、パチンコ機1に対して、可及的に左右方向へ離反した位置に配置されており、左右のサイドスピーカ130から関連した異なる音を出力させることで、ステレオ感の高い音を出力することができるようになっている。
これらサイドスピーカ130は、その外周が、前側に配置された略円環状のスピーカブラケット132と、後側に配置された扉枠ベース本体110のスピーカ取付部111とによって挟持されることで、扉枠ベース本体110に取付けられるようになっている。なお、スピーカブラケット132は、所定のビスによって、前側から扉枠ベース本体110の取付用ボス部110gに取付けられるようになっている。
また、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース基板カバー195は、図25乃至図27等に示すように、前側が開放された薄い箱状に形成されていると共に、後側の後面に、上下方向の中央よりもやや下寄りの位置で前方へ窪んだ段部195aを備えている。この扉枠ベース基板カバー195の段部195aに、配線保持部材197が回動可能に取付けられている。
一方、扉枠ベースユニット100における配線保持部材197は、図27及び図28等に示すように、横方向へ長く延びた板状に形成されていると共に、断面がI字状に形成されており、比較的、硬質の合成樹脂によって形成されている。また、配線保持部材197は、図示するように、上下両端に長手方向へ沿って所定間隔で複数(本例では、上下に夫々三つずつ)の保持孔197aを備えている。この配線保持部材197は、扉枠5を組立てた状態で扉枠5が本体枠3に軸支される側の端部が、扉枠ベース基板カバー195における後面の段部195aに、上下方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支されており、詳細な図示は省略するが、配線保持部材197の自由端側が扉枠ベース基板カバー195側へ回動することで、配線保持部材197が扉枠ベース基板カバー195の段部195a内へ収容することができるようになっている。
この配線保持部材197は、その後面側に扉枠5と本体枠3とを電気的に接続するための配線196を沿わせた状態で、上下で対になった保持孔197aに所定の結束バンド198を挿通させて、その結束バンド198により配線保持部材197ごと配線196を締付けることで、配線196を保持することができるようになっている(図1及び図28を参照)。
本例の配線保持部材197は、本体枠3に対して扉枠5を閉じる方向へ回動させると、配線保持部材197の自由端側が、配線196における自由端側から本体枠3へ延びた部分により前方へ押されて扉枠ベース基板カバー195側へ近付く方向へ回動することとなる。これにより、扉枠5が閉まるに従って、配線保持部材197の自由端側が扉枠ベース基板カバー195へ接近すると共に、配線保持部材197の自由端から本体枠3側へ延びだした配線196が自由端付近で折れ曲りが大きく(鋭く)なる。そして、本体枠3に対して扉枠5が閉じられた状態となると、配線196が配線保持部材197の自由端側で横方向へ二つに折り畳まれたような状態となる。
一方、本体枠3に対して閉じられた扉枠5を開ける場合では、本体枠3と扉枠5とが相対的に遠ざかることとなるので、本体枠3側に接続された配線196によって配線保持部材197の自由端側が後方へ引っ張られることとなり、自由端側が扉枠ベース基板カバー195から遠ざかる方向(本体枠3の方向)へ移動するように配線保持部材197がスムーズに回動する。これにより、配線保持部材197の自由端側で折り畳まれた配線196が真直ぐに延びるように展開し、配線196によって阻害されること無く扉枠5を開くことができるようになっている。
このように、本例によると、配線保持部材197における扉枠5が軸支された側と同じ側の端部を、自由端側が本体枠3側へ移動するように扉枠ベース基板カバー195の後面に回動可能に軸支させると共に、扉枠5と本体枠3とを電気的に接続する配線196の一部が上下方向へ移動しないように保持するようにしているので、本体枠3に対して扉枠5を開閉させる際に、配線保持部材197の自由端側で配線196を横方向へ折り畳んだり、展開したりすることができ、扉枠5の開閉時に配線196が引っ掛かったり挟まれたりして不具合(配線196の断線、接続コネクタの外れ、等)が発生するのを防止することができるようになっている。
また、本例によると、配線保持部材197を比較的硬質で剛性の高い合成樹脂によって形成するようにしているので、扉枠5の開閉時に、配線196を介して力が作用しても、上下方向へブレ難くすることができ、配線196を確実に横方向へ折り畳んで不具合の発生を防止することができるようになっている。
更に、上述したように、本体枠3に対して扉枠5を開閉させると、配線保持部材197によって本体枠3と扉枠5との間に橋が掛けられたような状態となり、配線196の一部が配線保持部材197によって架橋された状態となるので、扉枠5を開閉させても配線196が垂れ下がるのを防止することが可能となり、配線196が垂れ下がることで他の部材に引っ掛かって断線したり扉枠5を閉じることができなくなったりする不具合が発生するのを防止することができ、本体側電気機器としての主制御基板4100、周辺制御部4140、払出制御基板4110等、と扉側電気機器としての各装飾基板214,216,254,256,288,290,322,430,432、スピーカ130,222,262、貸球ユニット360、ハンドル装置500等、とを接続する配線196に不具合が発生するのを可及的に低減させることが可能なパチンコ機1を提供することができる。
また、配線196の一部を回動可能な配線保持部材197で保持するようにしており、扉枠5を開ける時に、配線196が無理に引っ張られても、配線保持部材197が回動することでその力を逃がすことができるので、配線196が引っ張られるのを防止することができ、配線196が引っ張られて断線したり接続コネクタが外れたりするような不具合が発生するのを防止することができる。また、配線保持部材197によって配線196の一部を保持しており、配線196は配線保持部材197の回動に伴って単に部分的に曲がるだけなので、従来のもの(例えば、特開2009−213675)のように配線196が摺動することは無く、配線196が擦れて漏電や断線等の不具合が発生するのを防止することができる。
更に、配線保持部材197では、長手方向へ所定間隔で複数配置された貫通する保持孔197aに結束バンド198を挿通し、その結束バンド198によって配線196を保持するようにしているので、配線196を保持した結束バンド198が保持孔197aによって配線保持部材197の長手方向へ移動(スライド)するのを防止することができ、配線保持部材197から結束バンド198ごと配線196が脱落するのを確実に防止することができる。
また、本体枠3や扉枠5から配線196が延びだす位置を、扉枠5を軸支した側辺から離れた位置に配置しても、上述したように、配線保持部材197によって配線196をガイド(案内)して扉枠5を開閉する際に配線196が垂れ下がるのを良好に防止することができるので、扉枠5おける軸支された側辺側の強度・剛性を高めた本体枠3や扉枠5とすることができ、不正行為に対する防犯性の高いパチンコ機1とすることができる。
更に、配線保持部材197に、長手方向に対して直角方向両端から少なくとも配線196が沿う側へ突出した突条を備えるようにしているので、一対の突条と配線保持部材197の板面によって配線196の三方を囲むことができ、配線保持部材197に沿って配線196を保持し易くすることができる。また、配線保持部材197に突条を備えているので、板状の配線保持部材197の曲げ剛性を高めることができ、扉枠5を開閉する際に配線保持部材197が撓むのを防止して、良好な状態で扉枠5を開閉させることができる。
また、配線保持部材197の基端から先端までの長さを、扉枠5の軸心から基端の軸心までの距離と略同じ長さとすると共に、配線196における本体枠3の延出した所定位置を、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態で、配線保持部材197の先端よりも扉枠5の軸心側の位置としており、扉枠5の軸心と、配線保持部材197の軸心と、配線保持部材197の先端と、本体枠3における配線196が延出した位置とで、パンタグラフ状のリンクが形成されることとなるので、扉枠5を開閉する時の配線保持部材197や配線196等の動きをスムーズにすることができ、開閉作業を行い易くすることができると共に、配線196等に無理な力が作用するのを低減させて断線等の不具合が発生するのを防止することができる。また、パンタグラフ状のリンクを形成するようにしており、扉枠5を閉じる時に、配線196における配線保持部材197の先端から延出した部位が、配線保持部材197と沿うように先端側で折返されるので、扉枠5を閉じた状態では配線196を折り畳んでコンパクトに纏めることができ、配線保持部材197や配線196に係るスペースを小さくすることができる。
また、配線保持部材197を軸支した扉枠5の扉枠ベース基板カバー195に、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態で、本体枠3側へ向かって開口するように凹み、配線保持部材197を収納可能な段部195aを備えるようにしており、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、配線保持部材197が扉枠ベース基板カバー195に備えられた段部195a内へ収納されるので、扉枠5側から本体枠3側への配線保持部材197の突出を殆ど無くすことができ、扉枠5を閉じ易くすることができると共に、配線保持部材197や配線196をコンパクトに纏めることができ、配線196が他の部材に引っ掛かるのを抑制して不具合が発生するのを防止することができる。
更に、配線196を、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態で、配線保持部材197における本体枠3側を向いた面に沿って保持させるようにしており、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とした時に、配線保持部材197を扉枠5側(扉枠ベース基板カバー195側)へ可及的に近づけることができるので、これによっても、扉枠5からの配線保持部材197の突出を少なくすることができ、扉枠5を閉じ易くすることができると共に、配線保持部材197や配線196に係るスペースを可及的に小さくすることができる。
また、配線保持部材197を移動(開閉)する扉枠5側に備えているので、扉枠5を開閉させる慣性力や衝撃力等によって配線保持部材197を回動させ易くすることができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。また、配線保持部材197を扉枠5に備えており、本体枠3に配線保持部材197を備えるためのスペースを確保する必要が無いので、相対的に本体枠3における遊技盤4を保持するスペースを大きくしてより大きな遊技領域1100を有した遊技盤4を保持させることができ、大型の遊技盤4を有して遊技者の関心を強く引付けることが可能なパチンコ機1とすることができる。
更に、扉枠ベースユニット100におけるハンドルブラケット140は、図25及び図26等に示すように、前後方向へ延びた円筒状の筒部141と、筒部141の後端から筒部141の軸に対して直角方向外方へ延びた円環状のフランジ部142と、筒部141内に突出し筒部141の周方向に対して不等間隔に配置された複数(本例では三つ)の突条143と、筒部141の外周面とフランジ部142の前面とを繋ぎ筒部141の周方向に対して複数配置された補強リブ144と、を備えている。このハンドルブラケット140は、フランジ部142の後面を、扉枠ベース本体110におけるハンドル取付部114の前面に当接させた状態で、所定のビスによってハンドル取付部114に取付けられるようになっており、図示は省略するが、ハンドル取付部114に取付けた状態で、筒部141の軸が配線通過口115と略一致するようになっている。
このハンドルブラケット140は、筒部141内の上側に一つ、下側に二つの突条143が備えられており、これら突条143はハンドル装置500におけるハンドルベース502の円筒部の外周に形成された三つの溝部502aと対応する位置に配置形成されている。そして、ハンドルブラケット140の三つの突条143と、ハンドル装置500の三つの溝部502aとが一致した状態でのみ、筒部141内にハンドル装置500の円筒部を挿入させることができるようになっている。従って、ハンドルブラケット140に挿入支持されたハンドル装置500のハンドルベース502は、ハンドルブラケット140に対して相対回転不能の状態に支持されるようになっている。
なお、このハンドルブラケット140は、斜めに傾斜したハンドル取付部114に取付けることで、筒部141の軸が正面視で前方へ向かうに従って右側(開放側)へ向かうように延びるように取付けられ、この状態でハンドルブラケット140に支持されたハンドル装置500の軸も、同様に斜めに傾いた状態となるようになっている。
続いて、扉枠ベースユニット100における補強ユニット150は、主に図25及び図26に示すように、扉枠ベース本体110の上辺部裏面に沿って取付けられる上側補強板金151と、扉枠ベース本体110の軸支側辺部裏面に沿って取付けられる軸支側補強板金152と、扉枠ベース本体110の開放側辺部裏面に沿って取付けられる開放側補強板金153と、扉枠ベース本体110の遊技窓101の下辺裏面に沿って取付けられる下側補強板金154と、を備えており、それらが相互にビスやリベット等で締着されて方形状に形成されている。
この補強ユニット150は、図25に示すように、軸支側補強板金152の上下端部に、その上面に上下方向に摺動自在に設けられる軸ピン155を有する上軸支部156と、その下面に軸ピン157(図18を参照)を有する下軸支部158と、を一体的に備えている。そして、上下の軸ピン155,157が本体枠3の軸支側上下に形成される上軸支金具630及び下軸支金具640に軸支されることにより、扉枠5が本体枠3に対して開閉自在に軸支されるようになっている。
また、補強ユニット150の下側補強板金154は、所定幅を有して扉枠ベース本体110の横幅寸法と略同じ長さに形成され、その長辺の両端縁のうち下方長辺端縁に前方へ向って折曲した下折曲突片159と(図25を参照)、上方長辺端縁の正面視右側(開放側)部に前方へ向って折曲した上折曲突片160と、上方長辺端縁の中央部分に後方へ折曲した上で垂直方向に延設された垂直折曲突片161と、を備えている。この下側補強板金154は、下折曲突片159や上折曲突片160等によって強度が高められている。また、この下側補強板金154の垂直折曲突片161は、後述するガラスユニット590のユニット枠592の下端に形成された係止片592bと係合係止するように形成されており、ガラスユニット590を扉枠5の裏面側に固定した時に、垂直折曲突片161がガラスユニット590におけるユニット枠592の係止片592bが係止されることで、ガラスユニット590の下端が左右方向及び後方へ移動するのを規制することができるようになっている。なお、下側補強板金154には、扉枠ベース本体110の切欠部101aと略対応した切欠部162が形成されている。
また、補強ユニット150の開放側補強板金153は、上側補強板金151と下側補強板金154との間の長辺の両側に、後方へ向かって屈曲された開放側外折曲突片163と、開放側内折曲突片164とを備えており、図示するように、開放側外折曲突片163よりも開放側内折曲突片164の方が後方へ長く延び出したように形成されている。また、開放側補強板金153の後側下部には、後述する錠装置1000の扉枠用フック部1041と当接するフックカバー165が備えられている。更に、軸支側補強板金152には、その長辺の外側端に後方へ延び出すと共に軸支側の外側に開口したコ字状の軸支側コ字状突片166を備えている(図112を参照)。また、上側補強板金151は、その長辺の両側に後方へ向かって屈曲された屈曲突片167を夫々備えている。
この補強ユニット150の軸支側補強板金152は、本体枠3に対して上軸支部156と下軸支部158の上下の二点でのみ取付支持されるようになっているので、軸支側の扉枠5と本体枠3との間にドライバーやバール等の不正な工具が差込まれると、軸支側補強板金152が変形して扉枠5と本体枠3との隙間が大きくなって不正行為を行い易くなる虞があるが、本例の軸支側補強板金152では、軸支側コ字状突片166を備えているので、軸支側補強板金152の強度がより高められており、軸支側補強板金152が曲がり難くなっている。また、軸支側補強板金152の軸支側コ字状突片166は、そのコ字内に後述する本体枠3における側面防犯板950における前端片952bが挿入されるようになっており(図112を参照)、工具の挿入を阻止することができると共に、軸支側補強板金152のみが曲がるのを防止することができ、パチンコ機1の防犯機能を高めることができるようになっている。
次に、扉枠5における扉枠ベースユニット100の防犯カバー180について、主に図25及び図26を参照して説明する。この防犯カバー180は、上記したガラスユニット590の下部裏面を被覆して遊技盤4への不正具の侵入を防ぐ防犯機能が付与されたものであり、図示するように、透明な合成樹脂によって左右の補強板金152,153の間に配されるガラスユニット590の下方部を覆うような平板状に形成され、その上辺部に遊技盤4の内レール1112の下方円弧面に略沿って円弧状に形成された当接凹部181と、当接凹部181の上端に沿って後方に向って突出する防犯後突片182と、を備えている。また、防犯カバー180の左右両端には、その端部形状に沿って後方へ突出する防犯後端部突片183が夫々備えられている。なお、背面視で右側(軸支側)の防犯後端部突片183は、反対側(開放側)の防犯後端部突片183よりも後方へ長く延びだした形態となっている。一方、防犯カバー180の前面には、防犯カバー180を取付けた状態でガラスユニット590におけるユニット枠592の下方形状に沿って突設する防犯前突片184と、防犯前突片184の外側で左右の下部端に前方へ突出するU字状の装着弾性片185と、を備えている。
この防犯カバー180は、正面視で右側(開放側)の装着弾性片185を扉枠ベースユニット100の防犯カバー装着部119に装着すると共に、反対側(軸支側)の装着弾性片185を皿ユニット300の防犯カバー装着部364に装着することで、扉枠5の裏面側に着脱自在に取付けられるようになっている。この防犯カバー180を、扉枠5に取付けた状態では、詳細な図示は省略するが、防犯前突片184がガラスユニット590のユニット枠592の下部外周と嵌合するようになっていると共に、ユニット枠592の下端部後面が垂直折曲突片161と当接するようになっている。また、後方へ突出した防犯後突片182は、扉枠5を閉じた時に、軸支側の半分が遊技盤4に固定された内レール1112の下側面に挿入され、開放側の半分が前構成部材1110における内レール1112のレール防犯溝1118に挿入された状態となるようになっている。これにより、遊技盤4の遊技領域1100に不正な工具を侵入させようとしても、内レール1112の下側に挿入された防犯後突片182によりその侵入を阻止することができるようになっている。
なお、防犯カバー180は、その裏面によって、扉枠5を閉じた状態で外レール1111と内レール1112とで形成される打球の誘導通路の前面下方部分を覆うことができるようになっているので、誘導通路部分を飛送若しくは逆送する打球のガラス板594への衝突を防止することができるようになっている。
これにより、本例では、防犯カバー180で扉枠5におけるガラスユニット590(遊技窓101)の後側下部外周を覆うようにしているので、扉枠5の前側から遊技窓101とガラスユニット590との間に可撓性の高い工具を挿入してパチンコ機1内(遊技領域1100内)に対して不正行為を行おうとしても、防犯カバー180によって工具の侵入を阻止することができ、不正行為等に対してより安全性の高いパチンコ機1とすることができるようになっている。
続いて、扉枠ベースユニット100における四つのガラスユニット係止部材190は、扉枠ベース本体110から後方へ突出する係止部材取付部110bに対して回動可能に嵌合する嵌合部190aと、嵌合部190aの軸方向に対して直角方向へ延出しガラスユニット590の係止突片451fを係止する係止片190bと、を備えている。このガラスユニット係止部材190は、嵌合部190aに対して扉枠ベース本体110の係止部材取付部110bが貫通した状態で、係止部材取付部110bの先端に抜止め用のビスを固定することで、係止部材取付部110bに対して回転可能に軸支されるようになっている。
このガラスユニット係止部材190の係止片190bは、詳細な図示は省略するが、後側に後方へ突出した突条を有しており、この突条がガラスユニット590の着脱時において、回転操作する際の指掛りとなっている。
また、扉枠ベースユニット100における発射カバー191は、補強ユニット150における下側補強板金154の後側に固定されるようになっている。また、ハンドル装置中継基板カバー193及び扉枠ベース基板カバー195は、夫々扉枠ベース本体110の後側の所定位置に固定されるようになっている。なお、扉枠ベースユニット100に対して発射カバー191、ハンドル装置中継基板カバー193、及び球送りユニット580を取付けた状態では、それらの後面が略同一面状となるようになっており、それらによって本体枠3に取付けられる打球発射装置650の前面を被覆することができるようになっている。
[右サイド装飾ユニット]
続いて、扉枠5における右サイド装飾ユニット200について、主に図29乃至図31を参照して説明する。図29(A)は扉枠における右サイド装飾ユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠における右サイド装飾ユニットの背面斜視図である。また、図30は、右サイド装飾ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。更に、図31は、右サイド装飾ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。
続いて、扉枠5における右サイド装飾ユニット200について、主に図29乃至図31を参照して説明する。図29(A)は扉枠における右サイド装飾ユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠における右サイド装飾ユニットの背面斜視図である。また、図30は、右サイド装飾ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。更に、図31は、右サイド装飾ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。
本実施形態における扉枠5の右サイド装飾ユニット200は、図示するように、遊技窓101の前側外周のうち、正面視で下部を除く右側半分を装飾するものであり、内側が遊技窓101に沿って円弧状に形成されていると共に、外側が扉枠ベースユニット100の外周に沿って直線状に形成されている。この右サイド装飾ユニット200は、右サイド装飾ユニット200の外面を形成し略紡錘状の複数の湾曲面を有したサイドレンズ210と、サイドレンズ210の後側に配置されるサイドインナーレンズ212と、サイドインナーレンズ212の後側で上下方向の略中央から上側に配置され表面に複数のLED214a(フルカラーLED),214b(白色LED)が実装された右サイド上装飾基板214と、下側でサイドインナーレンズ212の上下方向の略中央から下側に配置され表面に複数のLED216a(フルカラーLED),216b(白色LED)が実装された右サイド下装飾基板216と、右サイド上装飾基板214の後側を覆い右サイド上装飾基板214を挟むようにサイドインナーレンズ212に取付けられる右サイド上装飾基板カバー218と、右サイド下装飾基板216の後側を覆い右サイド下装飾基板216を挟むようにサイドレンズ210及びサイドアウターカバー202に取付けられる右サイド下装飾基板カバー220と、を備えている。
また、右サイド装飾ユニット200は、サイドレンズ210の右上隅に取付けられるサイドアウターカバー202と、サイドレンズ210の前面で且つ遊技窓101の周方向に所定間隔で配置されると共に遊技窓101の略中央を中心として放射状に延びた複数のサイド閃光レンズ204と、サイドインナーレンズ212における左上部とサイドレンズ210との間に配置されるサイド上部インナーレンズ206と、サイド上部インナーレンズ206をサイドインナーレンズ212に取付けるためのインナーレンズブラケット208と、サイド上部インナーレンズ206に取付けられる右上部スピーカ222と、を備えている。
この右サイド装飾ユニット200は、サイドアウターカバー202、サイド閃光レンズ204、サイド上部インナーレンズ205、インナーレンズブラケット208、サイドレンズ210、及びサイドインナーレンズ212が、透光性の部材によって形成されており、サイドアウターカバー202、サイド上部インナーレンズ205、インナーレンズブラケット208、サイドレンズ210、及びサイドインナーレンズ212が略無色透明に、サイド閃光レンズ204が有色透明(本例では赤色)とされている。
なお、詳細な図示は省略するが、サイドインナーレンズ212及びサイド上部インナーレンズ206の表面には、複数の小径レンズが形成されており、光を乱屈折させることができるようになっている。そのため、サイドレンズ210、サイドインナーレンズ212、及びサイド上部インナーレンズ206の後側に配置された右サイド上装飾基板214や右サイド下装飾基板216の表面(前面)に実装されたLED214a,214b,216a,216b等が、遊技者側から明確に視認することができないようになっている。また、右サイド上装飾基板214や右サイド下装飾基板216の前面は、白色とされており、実装されたLED214a,214b,216a,216b等の光によって右サイド装飾ユニット200を効率良く発光装飾させることができるようになっていると共に、LED214a,214b,216a,216bが非点灯時に各装飾基板214,216が目立たないようになっている。なお、右サイド上装飾基板214及び右サイド下装飾基板216は、夫々周辺制御部4140と接続されており、周辺制御部4140からの駆動信号
(発光駆動信号)により各LED214a,214b,214c,216a,216bを適宜発光させて、右サイド装飾ユニット200を発光装飾させることができるようになっている。
(発光駆動信号)により各LED214a,214b,214c,216a,216bを適宜発光させて、右サイド装飾ユニット200を発光装飾させることができるようになっている。
本例の右サイド装飾ユニット200におけるサイドレンズ210は、図示するように、正面視で右端及び上端が扉枠ベース本体110の外周に沿った直線状に形成されていると共に、左端が遊技窓101の右側外周に沿った湾曲状に形成されている。このサイドレンズ210は、略紡錘状の複数の湾曲面からなる周レンズ部210aと、周レンズ部210aを遊技窓101の周方向へ複数に分割すると共に遊技窓101と略同心円状に延びた複数のプリズム面からなる放射レンズ部210bと、を備えている。このサイドレンズ210における複数の放射レンズ部210bは、図示するように、正面視で遊技窓101の中央下部を中心とした放射線上に延びるように形成されていると共に、周レンズ部210aの前面よりも後方へ窪んだ状態に形成されており、その窪みにサイド閃光レンズ204が挿入されるようになっている。
また、サイドレンズ210は、右側面に、前後方向へ延びると共に上下方向へ列設されたサイド拡散レンズ部210cを備えている。このサイド拡散レンズ部210cにより、右サイド上装飾基板214及び右サイド下装飾基板216からの光をパチンコ機1の右方向及び上下方向へ広く拡散させることができるようになっている。なお、詳細な図示は省略するが、サイドレンズ210における右上部スピーカの下側に該当する部位には、複数の貫通孔が形成されており、右上部スピーカからのサウンドを遊技者側へ良好に伝達させることができるようになっている。
サイドインナーレンズ212は、略無色透明でサイドレンズ210の内部に後側から挿入嵌合されるものであり、図示するように、サイドレンズ210における周レンズ部210aと対応した部位がシワ状に形成されていると共に、放射レンズ部210bと対応した部位が平坦面状に形成されている。また、詳細な図示は省略するが、サイドインナーレンズ212は、サイドレンズ210の周レンズ部210aに対応したシワ状の部位における前方へ突出した山部に複数の小径レンズが形成されている。このサイドインナーレンズ212は、シワ状の部位と複数の小径レンズとによって光を乱屈折及び乱反射させることができ、前側に配置されるサイドレンズ210と協同して右サイド装飾ユニット200の外観をキラキラさせると共に遠近感が不明瞭な不思議な感じに見せることができるようになっている。
右サイド装飾ユニット200の右サイド上装飾基板214及び右サイド下装飾基板216は、表面に高輝度のカラーLEDが複数実装されており、サイドレンズ210の周レンズ部210aと対応する位置に配置されたLED214a,216aは比較的照射角度の広いもの(例えば、60゜〜180゜)が用いられており、サイドレンズ210の放射レンズ部210bと対応する位置に配置されたLED214b,216bは比較的照射角度の狭いもの(例えば、15゜〜60゜)が用いられている。なお、右サイド上装飾基板214のLED214cは、本例では、赤色と緑色のLEDとされている。
右サイド装飾ユニット200の右上部スピーカ222は、サイドスピーカ130と同様に、中高音域の音を出力するものであり、サイド上部インナーレンズ206により所定位置に所定方向へ向けて取付けられるようになっている。この右上部スピーカ222を支持するサイド上部インナーレンズ206は、正面視でパチンコ機1の左右中央で斜め前下方に向かって延びた円筒状のホーン部を備えており、ホーン部の上端裏側に、右上部スピーカ222が固定されて正面視では右上部スピーカ222が遊技者側から見えないようになっている。
本例の右上部スピーカ222は、サイド上部インナーレンズ206のホーン部によって、パチンコ機1の上部から下方の遊技者へ向かって発せられるようになっており、他のパチンコ機に対して騒音に為り難いようになっている。なお、このサイド上部インナーレンズ206もまた、サイドインナーレンズ212と同様に、その前面がシワ状に形成されていると共に、シワ状の部位における前方へ突出した山部に複数の小径レンズが形成されており、シワ状の部位と複数の小径レンズとによって光を乱屈折及び乱反射させることができるようになっている。
右サイド装飾ユニット200のサイド閃光レンズ204は、サイドレンズ210の後方へ窪んだ放射レンズ部210bの前側に挿入配置されるようになっており、紡錘状の複数の湾曲面によりゴツゴツした岩場を模したサイドレンズ210にアクセントを付けることができるようになっている。また、サイド閃光レンズ204は、後側に配置される右サイド上装飾基板214及び右サイド下装飾基板216のLED214b,216aの発光により、放射状の発光演出を行うことができると共に、周レンズ部210aを遊技窓101の周方向へ分割させて夫々を強調させることができるようになっている。
[左サイド装飾ユニット]
続いて、扉枠5における左サイド装飾ユニット240について、主に図32乃至図36を参照して説明する。図32(A)は扉枠における左サイド装飾ユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠における左サイド装飾ユニットの背面斜視図である。また、図33は、左サイド装飾ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。更に、図34は、左サイド装飾ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。また、図35は左サイド装飾ユニットの断面図であり、図36は左サイド装飾ユニットの発光態様を写真で示す説明図である。
続いて、扉枠5における左サイド装飾ユニット240について、主に図32乃至図36を参照して説明する。図32(A)は扉枠における左サイド装飾ユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠における左サイド装飾ユニットの背面斜視図である。また、図33は、左サイド装飾ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。更に、図34は、左サイド装飾ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。また、図35は左サイド装飾ユニットの断面図であり、図36は左サイド装飾ユニットの発光態様を写真で示す説明図である。
本実施形態における扉枠5の左サイド装飾ユニット240は、図示するように、遊技窓101の前側外周のうち、正面視で下部を除く左側半分を装飾するものであり、右側が遊技窓101に沿って円弧状に形成されていると共に、左側及び上側が扉枠ベースユニット100の外周に沿って直線状に形成されており、右サイド装飾ユニット200とは非対称に形成されている。この左サイド装飾ユニット240は、右サイド装飾ユニット200の幅と略同じ幅で遊技窓101の周方向へ延びた複数の大窓枠242a、及び大窓枠242a同士の間に配置される楕円状の小窓枠242bを有した枠状のサイド下装飾フレーム242と、サイド下装飾フレーム242の上側に連続し遊技窓101の周方向へ延びると共に列設された二つの大窓枠244a、及び大窓枠244a同士の間に配置される一つの楕円状の小窓枠244bを有した枠状のサイド上装飾フレーム244と、を備えている。
また、左サイド装飾ユニット240は、サイド下装飾フレーム242及びサイド上装飾フレーム244の各小窓枠242b,244bに対して後側から嵌込まれるサイド閃光レンズ246と、サイド閃光レンズ246を後側から支持すると共にサイド下装飾フレーム242及びサイド上装飾フレーム244の大窓枠242a,244aに対して後側から嵌込まれる周レンズ部250aを複数有した透明なサイドレンズ250と、サイドレンズ250における周レンズ部250aの後側に配置され遊技窓101の周方向に延びた複数のスリット251aが形成され表面に金属光沢を有するメッキ層を備えたインナー装飾部材251と、インナー装飾部材251の後側に配置され遊技窓101の左右中央下部を中心とした放射状に延びる複数の帯状レンズにより形成された拡散部252aを有するサイドインナーレンズ252と、を備えている。
また、左サイド装飾ユニット240は、サイドインナーレンズ252の後側で上下方向の略中央から上側に配置され表面に複数のLED254a(フルカラーLED),254b(白色LED)が実装された左サイド上装飾基板254と、下側でサイドインナーレンズ252の上下方向の略中央から下側に配置され表面に複数のLED256a(フルカラーLED),256b(白色LED)が実装された左サイド下装飾基板256と、左サイド上装飾基板254の後側を覆い左サイド上装飾基板254を挟むようにサイドインナーレンズ252に取付けられる左サイド上装飾基板カバー258と、左サイド下装飾基板256の後側を覆い左サイド下装飾基板256を挟むようにサイドレンズ250に取付けられる左サイド下装飾基板カバー260と、を備えている。
更に、左サイド装飾ユニット240は、サイドインナーレンズ252の前側且つ正面視右上部に配置される左上部スピーカ262と、左上部スピーカ262を支持しサイドインナーレンズ252の前面右上部に取付けられる透明な上部スピーカブラケット264と、上部スピーカブラケット264の前面に取付けられ正面視右上のインナー装飾部材251内に後側から挿入され左右中央下部を中心とした放射状に延びる複数の帯状レンズにより形成された拡散部266aを有する右上インナーレンズ266と、を備えている。なお、左上部スピーカ262は、サウンドを透過可能な金属板からなる保護板268を挟むように上部スピーカブラケット264に取付けられている。
この左サイド装飾ユニット240は、サイド下装飾フレーム242、サイド上装飾フレーム244、左サイド上装飾基板カバー258、及び左サイド下装飾基板カバー260が不透光性の部材によって形成されており、インナー装飾部材251の表面には所定色(本例では、銀色)のメッキ層が備えられている。また、サイド閃光レンズ246は、透光性を有し全体が乳白色の合成樹脂により形成されている。また、サイドレンズ250、サイドインナーレンズ252、上部スピーカブラケット264、及び右上インナーレンズ266は、略無色透明の合成樹脂によって形成されている。
なお、本例では、サイド下装飾フレーム242及びサイド上装飾フレーム244における夫々の小窓枠242b,244bの両側(遊技窓101の左右中央下部を中心とした放射線状の軸線方向に対して小窓枠242b,244bを挟んだ両側)には、サイド下装飾フレーム242及びサイド上装飾フレーム244の側面まで切欠いた状態で貫通する開口枠242c,244cが形成されており、小窓枠242b,244b及び両側の開口枠242c,244cが後側からサイド閃光レンズ246によって閉鎖されるようになっている。従って、遊技者側からは、サイド下装飾フレーム242及びサイド上装飾フレーム244における小窓枠242b,244b及び開口枠242c,244cの後側が、乳白色のサイド閃光レンズ246によって視認できないようになっている。
一方、サイド下装飾フレーム242及びサイド上装飾フレーム244における大窓枠242a,244aには、後側から透明なサイドレンズ250における周レンズ部250aが挿入されて閉鎖されており、透明な周レンズ部250aを通して後側に配置されたインナー装飾部材251が遊技者側から視認できるようになっている。このインナー装飾部材251の後側には、サイドインナーレンズ252の拡散部252aが位置しており、拡散部252aで光が乱屈折することでインナー装飾部材251のスリット251aを通してサイドインナーレンズ252の後側を明確に視認することができないようになっている。つまり、インナー装飾部材251のスリット251aを通してサイドインナーレンズ252の後側に配置された左サイド上装飾基板254や左サイド下装飾基板256の表面(前面)に実装されたLED254a,254b,256a,256b等が、遊技者側から明確に視認することができないようになっている。
また、左サイド上装飾基板254や左サイド下装飾基板256の前面は、白色とされており、実装されたLED254a,254b,256a,256b等の光によって左サイド装飾ユニット240を効率良く発光装飾させることができるようになっていると共に、LED254a,254b,256a,256bが非点灯時に各装飾基板254,256が目立たないようになっている。なお、左サイド上装飾基板254及び左サイド下装飾基板256は、夫々周辺制御部4140と接続されており、周辺制御部4140からの駆動信号(発光駆動信号)により各LED254a,254b,256a,256bを適宜発光させて、左サイド装飾ユニット240を発光装飾させることができるようになっている。
本例の左サイド装飾ユニット240におけるサイド下装飾フレーム242は、遊技窓101の左側外周に沿って上下方向へ延びた形態とされ、後側が開放された断面コ字状に形成されている。このサイド下装飾フレーム242は、遊技窓101の外周に沿って延び前後方向に貫通した複数の大窓枠242aと、大窓枠242a同士の間に配置され前後方向へ貫通した略楕円形状の小窓枠242bと、小窓枠242bの両側(遊技窓101側及びパチンコ機1の外側)に配置され前後方向に貫通すると共に側面まで切欠かれた開口枠242cと、を備えており、合成樹脂により形成されている。
サイド下装飾フレーム242は、大窓枠242aにサイドレンズ250の対応する周レンズ部250aが後側から嵌め込まれるようになっていると共に、小窓枠242b及び開口枠242cに対応するサイド閃光レンズ246が後側から嵌め込まれるようになっている。つまり、サイド下装飾フレーム242は、夫々対応するサイドレンズ250の周レンズ部250aとサイド閃光レンズ246の外周枠を形成することができるようになっている。
また、左サイド装飾ユニット240におけるサイド上装飾フレーム244は、サイド下装飾フレーム242の上端に連続し遊技窓101の左上側外周から上側外周にかけて延びた正面視が略三角形状の形態とされ、後側が開放された断面コ字状に形成されている。このサイド上装飾フレーム244は、遊技窓101に沿って延び前後方向に貫通した二つの大窓枠244aと、大窓枠244a同士の間に配置され前後方向に貫通した略楕円形状の小窓枠244bと、小窓枠244bの両側(遊技窓101側及びパチンコ機1の外側)に配置され前後方向に貫通すると共に側面まで切欠かれた開口枠244cと、を備えており、合成樹脂によって形成されている。
このサイド上装飾フレーム244は、大窓枠244aにサイドレンズ250の対応する周レンズ部250aが後側から嵌め込まれるようになっていると共に、小窓枠244b及び開口枠244cに対応するサイド閃光レンズ246が後側から嵌め込まれるようになっている。つまり、サイド上装飾フレーム244は、夫々対応するサイドレンズ250の周レンズ部250aとサイド閃光レンズ246の外周枠を形成することができるようになっている。サイド上装飾フレーム244は、左サイド装飾ユニット240として組立てた状態では、サイド下装飾フレーム242と連続した意匠を形成するようになっている。
なお、本例では、サイド下装飾フレーム242及びサイド上装飾フレーム244は、黒色に着色されており、大窓枠242a,244a、小窓枠242b,244b、及び開口枠242c,244cから臨むサイドレンズ250やサイド閃光レンズ246が強調されて見えるようになっている。
また、左サイド装飾ユニット240におけるサイドレンズ250は、サイド下装飾フレーム242とサイド上装飾フレーム244とを組合せた大きさとされ、遊技窓101の左側及び上側で中央よりも左側に亘る大きさとされている。このサイドレンズ250は、サイド下装飾フレーム242及びサイド上装飾フレーム244の大窓枠242a,244aに後側から嵌め込まれる周レンズ部250aと、周レンズ部250a同士の間で後側へ窪んだ形態に形成され前側にサイド閃光レンズ246が配置される放射レンズ部250bと、を備えている。サイドレンズ250は、周レンズ部250aが夫々滑らかに湾曲した一つの曲面により形成されており、放射レンズ部250bが略平坦な面により形成されている。また、サイドレンズ250は、透明な合成樹脂により形成されており、後側が視認できるようになっている。
更に、左サイド装飾ユニット240におけるインナー装飾部材251は、サイドレンズ250における各周レンズ部250aの後側に配置され、遊技窓101の外周に沿って延び前後方向に貫通した複数のスリット251aを備えている。インナー装飾部材251は、図示するように、複数のスリット251aが、遊技窓101の外周に沿って延びると共に、遊技窓101の中央を中心として同心円状となるように、その幅方向に対しても複数備えられている。また、インナー装飾部材251は、複数のスリット251aが形成された前面が、サイドレンズ250の周レンズ部250aの内面に略沿った湾曲状に形成されている。なお、本例のインナー装飾部材251は、表面に銀色の金属光沢を有したメッキ層を有しており、透明なサイドレンズ250の周レンズ部250aを通して遊技者側から視認できるようになっている。
また、左サイド装飾ユニット240におけるサイドインナーレンズ252は、インナー装飾部材251の後側に配置されると共にサイドレンズ250と略同じ大きさ且つ外形形状とされ、略無色透明な合成樹脂により形成されている。サイドインナーレンズ252は、インナー装飾部材251と対応する部位が各インナー装飾部材251の内部へ後側から挿入されるように前方へ膨出した拡散部252aが形成されている。このサイドインナーレンズ252の拡散部252aは、前面に遊技窓101の左右方向中央下部を中心とした放射状に延びる複数の帯状レンズが形成されており、帯状レンズの延びる方向が前側に配置されるインナー装飾部材251のスリット251aの延びる方向に対して交差(略直交)するようになっている。
サイドインナーレンズ252は、インナー装飾部材251のスリット251aを通して拡散部252aが遊技者側から見えるようになっているが、拡散部252aに形成された複数の帯状レンズにより光が乱屈折するため、拡散部252aを通しては後側が明確には見えないようになっている。また、サイドインナーレンズ252は、図示するように、拡散部252a同士の間が略平坦面となっており、後側に配置される左サイド上装飾基板254や左サイド下装飾基板256からの光を、拡散させたり屈折させたりすることなく前方へ透過させることができるようになっている。
また、左サイド装飾ユニット240の左サイド上装飾基板254及び左サイド下装飾基板256は、表面に高輝度のカラーLEDが複数実装されており、サイド下装飾フレーム242及びサイド上装飾フレーム244の大窓枠242a,244a(サイドレンズ250の周レンズ部250a)と対応する位置に配置されたLED254a,256aは比較的照射角度の広いもの(例えば、60゜〜180゜)が用いられており、サイド下装飾フレーム242及びサイド上装飾フレーム244の小窓枠242b,244b及び開口枠242c,244c(サイドレンズ250の放射レンズ部250b、つまり、サイド閃光レンズ246)と対応する位置に配置されたLED254b,256bは比較的照射角度の狭いもの(例えば、15゜〜60゜)が用いられている。
左サイド装飾ユニット240の左上部スピーカ262は、サイドスピーカ130と同様に、中高音域の音を出力するものであり、上部スピーカブラケット264により所定位置に所定方向へ向けて取付けられるようになっている。この左上部スピーカ262を支持する上部スピーカブラケット264は、正面視でパチンコ機1の左右中央で斜め前下方に向かって突出する円筒状のホーン部(図示は省略)を備えている。そして、上部スピーカブラケット264におけるホーン部の上端裏側に、左上部スピーカ262が保護板268を介して固定されるようになっており、正面視では、左上部スピーカ262が遊技者側から見えないようになっている。また、金属板からなる保護板268により、左上部スピーカ262にイタズラされたり、左上部スピーカ262のコーンを破ってパチンコ機1内に不正工具が挿入されたりするのを防止することができるようになっている。本例の左上部スピーカ262は、パチンコ機1の上部から下方の遊技者へ向かって発せられるようになっており、他のパチンコ機に対して騒音に為り難いようになっている。
次に、本例の左サイド装飾ユニット240における特徴的な発光演出について説明する。左サイド装飾ユニット240は、上述したように、左サイド装飾ユニット240の外面を形成し湾曲した透明な周レンズ部250aを備えたサイドレンズ250と、周レンズ部250aの後側に配置され表面に金属光沢のメッキ層を有し前後方向に貫通した複数のスリット251aを備えたインナー装飾部材251と、インナー装飾部材251の後側に配置されスリット251aの延びる方向に対して交差する方向へ延びた複数の帯状レンズからなる拡散部252aを備えたサイドインナーレンズ252と、サイドインナーレンズ252の後側に配置され複数のLED254a,256aが実装された左サイド上装飾基板254及び左サイド下装飾基板256と、を備えている(図35等を参照)。これにより、左サイド装飾ユニット240では、LED254a,256aを発光させると、前方へ照射された光が、サイドインナーレンズ252の拡散部252aで拡散された上でインナー装飾部材251のスリット251aを通り、サイドレンズ250の周レンズ部250aから遊技者側へと照射され、左サイド装飾ユニット240の周レンズ部250aを発光装飾させることができるようになっている。
ところで、インナー装飾部材251のスリット251aを通って前方(サイドレンズ250側)へ照射された光は、その一部が透明なサイドレンズ250の周レンズ部250aを透過して遊技者側へ照射されると共に、残りの光が周レンズ部250aの内面で反射してインナー装飾部材251の前面を照射することとなる。そして、インナー装飾部材251に表面には銀色の金属光沢を有したメッキ層が備えられているので、周レンズ部250aの内面でインナー装飾部材251側へ反射した光が、インナー装飾部材251の表面(前面)で周レンズ部250a側へ反射することとなり、インナー装飾部材251の表面で反射した光の一部が周レンズ部250aを透過して遊技者側へ照射されることとなる。
この際に、本例では、図35に示すように、周レンズ部250a、インナー装飾部材251の前面、及びサイドインナーレンズ252の拡散部252aが、夫々滑らかに湾曲しているので、内面側(後面側)で反射した光は収束し外面側(前面側)で反射した光は拡散することとなり、周レンズ部250aには、インナー装飾部材251のスリット251aを通した直接的な光と、周レンズ部250a及びインナー装飾部材251の前面で反射した間接的な光とが、夫々ずれた位置に照射されることとなる。また、インナー装飾部材251のスリット251aを通過する光は、サイドインナーレンズ252における複数の帯状レンズにより形成された拡散部252aによって、スリット251aの延びた方向に対して縞状に拡散されると共に交差(略直交)する方向へ拡散される。従って、サイドレンズ250における周レンズ部250aには、スリット251aの幅よりも長くスリット251aの延びた方向に対して交差する方向へ延び、濃淡の異なる複数の縞状の光が照射
(投影)されることとなり、遠近感のある幻想的な発光装飾をすることができるようになっている(図36を参照)。
(投影)されることとなり、遠近感のある幻想的な発光装飾をすることができるようになっている(図36を参照)。
[上部装飾ユニット]
続いて、扉枠5における上部装飾ユニット280について、主に図37乃至図40を参照して説明する。図37は、扉枠における上部装飾ユニットの正面斜視図であり、図38は、扉枠における上部装飾ユニットの背面斜視図である。また、図39は上部装飾ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図40は上部装飾ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。
続いて、扉枠5における上部装飾ユニット280について、主に図37乃至図40を参照して説明する。図37は、扉枠における上部装飾ユニットの正面斜視図であり、図38は、扉枠における上部装飾ユニットの背面斜視図である。また、図39は上部装飾ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図40は上部装飾ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。
本実施形態の扉枠5における上部装飾ユニット280は、図17等に示すように、扉枠5の前面中央上部で、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240における中央側の上端縁同士の間に取付けられ、それらの間を装飾するものである。上部装飾ユニット280は、図示するように、前後方向に貫通した円環状の中央枠281a、中央枠281aの上部から左右に細長く延出し先端に向かうに従って細くなる枠状の上部延出枠281b、及び中央枠281aの下部から左右に延出し先端に向かうに従って細くなる枠状の下部延出枠281cを備えた前面装飾部材281と、前面装飾部材281の後側に配置され上部延出枠281b及び下部延出枠281cの枠内を閉鎖すると共に中央枠281aの内径よりも小径の貫通孔282aを備えた透光性を有する上部レンズ282と、上部レンズ282の貫通孔282aに挿入される筒状の中央スリーブ283と、中央スリーブ283内に挿入され前方へ膨出した上部中央レンズ284と、上部中央レンズ284の後側に配置され表面に微細なプリズムが複数形成された板状の拡散レンズ285と、拡散レンズ285の外周を保持すると共に上部レンズ282の後側に支持される環状のレンズ支持部材286と、レンズ支持部材286の後側に配置されレンズ支持部材286の内径と略同径の筒部287aを有した遮光部材287と、遮光部材287の後側に配置され遮光部材287の筒部287aの内側と対応した位置に配置された複数のLED288a、及び筒部287aの外側と対応した位置に配置された複数のLED288bが前面に実装された上部中央装飾基板288と、を備えている。
また、上部装飾ユニット280は、前面装飾部材281、上部レンズ282、遮光部材287、及び上部中央装飾基板288を後側から支持するユニットベース289と、ユニットベース289の後側に配置され前面に複数のLED290aが実装された上部サイド装飾基板290と、上部サイド装飾基板290の後面を覆いユニットベース289の後側に取付けられる基板カバー291と、基板カバー291の後面下部に取付けられ後方に延出した取付ブラケット292と、取付ブラケット292の下側に取付けられ前面装飾部材281の下部後端から後方へ延出した上部下カバー293と、上部下カバー293の下側を多い透光性を有すると共に所定形状に造形された上部下装飾カバー294と、を備えている。
更に、上部装飾ユニット280は、基板カバー291に取付けられると共に前面装飾部材281の上部後端から後方へ板状に延出し、左右方向中央に後端側が開放された切欠き部295aを有する上部上カバー295と、上部上カバー295の切欠き部295aを閉鎖する板状の蓋部材296と、ユニットベース289の正面視右側面に取付けられ所定形状に造形された飾り部材297と、を備えている。
本例の上部装飾ユニット280は、前面装飾部材281の表面に、銀色の金属光沢を有したメッキ層が形成されており、前面装飾部材281が外部からの光によってキラキラ光るようになっている。また、上部レンズ282は、無色透明な合成樹脂により形成されており、貫通孔282aの外周で前面装飾部材281の中央枠281a内に臨む中央環レンズ部282bと、前面装飾部材281における上部延出枠281b及び下部延出枠281cの枠内に臨む延出枠レンズ部282cと、を備えている。上部レンズ282は、中央環レンズ部282bの後面に放射状に延びた複数の帯状レンズが周方向に列設されていると共に、延出枠レンズ部282cの前面に貫通孔282aの軸芯を中心とした同心円状に延びた複数のプリズムが形成されている。これにより、上部レンズ282の複数のプリズムや帯状レンズにより、光を乱屈折させることができ、上部レンズ282の後側が明確には見えないようになっている。
また、上部装飾ユニット280の上部中央レンズ284は、無色透明な合成樹脂により形成されている。この上部中央レンズ284は、前面側が滑らかな紡錘形状に形成されているのに対して、後面側が同心円状の複数のレンズが形成されており、光を乱屈折させることができるので、後側が明確には見えないようになっている。
また、上部装飾ユニット280の上部中央装飾基板288は、前面に実装された複数のLED288a,288bが夫々フルカラーLEDとされており、上部中央レンズ284と前面装飾部材281における中央枠281aの枠内で上部中央レンズ284の外周とを夫々別々に発光装飾させることができるようになっている。更に、上部装飾ユニット280の上部サイド装飾基板290は、前面に実装された複数のLED290aが夫々フルカラーLEDとされており、それらLED290aが前面装飾部材281における上部延出枠281b及び下部延出枠281cの夫々枠内と対応した位置に配置されている。この上部サイド装飾基板290は、LED290aを適宜発光させることで、前面装飾部材281の上部延出枠281bや下部延出枠281cを発光装飾させることができるようになっている。
[皿ユニット]
続いて、扉枠5における皿ユニット300について、主に図41乃至図45を参照して説明する。図41は、扉枠における皿ユニットの正面斜視図であり、図42は、扉枠における皿ユニットの背面斜視図である。また、図43は、皿ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図44は、皿ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。図45は、扉枠における皿ユニットの貸球ユニットの部位で切断した断面図である。
続いて、扉枠5における皿ユニット300について、主に図41乃至図45を参照して説明する。図41は、扉枠における皿ユニットの正面斜視図であり、図42は、扉枠における皿ユニットの背面斜視図である。また、図43は、皿ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図44は、皿ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。図45は、扉枠における皿ユニットの貸球ユニットの部位で切断した断面図である。
本実施形態の扉枠5における皿ユニット300は、後述する賞球装置740から払出された遊技球を貯留するための上皿301及び下皿302を備えていると共に、上皿301に貯留した遊技球を球送りユニット580を介して後述する打球発射装置650へ供給することができるものである。本例の皿ユニット300は、図43及び図44等に示すように、扉枠ベースユニット100の下部前面に固定される左右方向延びた略板状の皿ユニットベース310と、皿ユニットベース310の前面略中央に固定され上方及び後方が開放され正面視左側(軸支側)が大きく前方へ膨出した皿状の上皿本体312と、上皿本体312の上部外周を覆うと共前端が正面視で左右方向中央が前方へ突出するように湾曲状に形成された上皿上部パネル314と、上皿上部パネル314の上側前端縁に取付けられる上皿前部装飾部材316と、上皿前部装飾部材316と上皿上部パネル314との間に配置される上皿上部インナー装飾部材318と、上皿前部装飾部材316における右側の部位と連続すると共に上皿上部パネル314における右側上部を覆う上皿上部右装飾部材319と、を備えている。
また、皿ユニット300は、上皿上部パネル314における左右中央から右側の下面に取付けられ表面に微細なプリズムが複数形成された板状の基板取付ベース320と、基板取付ベース320の下側に取付けられ上面に複数のLED322aが実装された上皿装飾基板322と、を備えている。この上皿装飾基板322のLED322aを適宜発光させることで、上皿前部装飾部材316の一部と上皿上部右装飾部材319を発光装飾させることができるようになっている。
更に、皿ユニット300には、上皿本体312の下側で皿ユニットベース310の前面に固定され上方及び後方が開放されると共に正面視で左右方向中央が前方へ膨出し前端が左右方向中央へ向かうに従って低くなるように形成された皿状の下皿本体324と、下皿本体324の上部に固定され正面視で左右方向中央が下皿本体324と略同様に前方へ膨出し前端が左右方向中央へ向かうに従って高くなるように湾曲した板状の下皿天板326と、下皿本体324の下辺前端を被覆し正面視で右側へ延出した部位に後述する錠装置1000のシリンダ錠1010が臨む錠孔328aを有した下皿カバー328と、下皿カバー328下端の左右中央左寄りの位置から右側を装飾し下皿カバー328の錠孔328aと同軸上の上開口部330a及び上開口部330aの下側に開口し前方からハンドル装置500が挿入される下開口部330bを備えた下皿サイドカバー330と、を備えている。
また、皿ユニット300には、下皿本体324の左辺前端及び下皿天板326の左側前端を覆う斜めに延びた下皿左上サイドカバー332と、下皿左上サイドカバー332の下端に配置され前後方向に貫通した開口部334aを有する下皿左下サイドカバー334と、下皿左下サイドカバー334の開口部334aを後側から閉鎖しサウンドが透過可能とされた金属板からなる保護カバー336と、保護カバー336の外周を保持し下皿左下サイドカバー334の後面に取付けられる枠状の保持部材337と、を備えている。なお、下皿天板326の右側前端は、上皿前部装飾部材316によって覆われるようになっている。
また、皿ユニット300は、皿ユニットベース310の左右両端上部に取付けられ右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240の下端と下皿サイドカバー330及び下皿左上サイドカバー332の上端とがデザイン的に連続するような形状に形成されると共に扉枠ベースユニット100に取付けられたサイドスピーカ130と対応する位置に前後方向に貫通した開口部338aを有するサイドスピーカカバー338と、サイドスピーカカバー338の開口部338aを後側から閉鎖し前側へ膨出するように緩く湾曲した円盤状で複数の孔を有したカバー体339と、を備えている。
なお、本例では、カバー体339が、所定のパンチングメタルによって形成されているので、表側から押されたり、叩かれたりしても、変形し難いようになっており、サイドスピーカ130を可能な限り保護することができるようになっている。また、サイドスピーカカバー338は、表面に銀色の金属光沢を有したメッキ層が形成されている。カバー体339は、黒色に着色されている。
更に、皿ユニット300には、皿ユニットベース310及び上皿本体312に取付けられ上皿301に貯留された遊技球を下皿302へ抜くための上皿球抜き機構340と、下皿本体324の下面に取付けられ下皿302に貯留された遊技球を下方へ抜くための下皿球抜き機構350と、皿ユニットベース310の正面視で左側上部に取付けられパチンコ機1に隣接して設置された球貸し機(CRユニット6とも称す、図示は省略)を作動させる貸球ユニット360と、を備えている。
本例の皿ユニット300は、皿ユニットベース310の一部、上皿本体312、及び上皿上部パネル314等によって遊技球を貯留可能な上皿301を構成している。また、皿ユニット300は、皿ユニットベース310の一部、下皿本体324、下皿天板326、及び下皿カバー328等によって遊技球を貯留可能な下皿302を構成している。
この皿ユニット300における皿ユニットベース310は、図43に示すように、左右方向へ延びた略板状に形成されており、左右へ延びた上端縁には所定形状の形成された装飾部310aが備えられている。この装飾部310aの左端に前後方向へ貫通し貸球ユニット360を取付けるための貸球ユニット取付部310bが形成されている。この皿ユニットベース310は、貸球ユニット取付部310bの下側(正面視で左上隅部近傍)に配置され横長の矩形状で前後方向に貫通する上皿球供給口310cと、上皿球供給口310cよりも下側(皿ユニットベース310の高さ方向の略中間)で装飾部310aの右端近傍の下側に前後方向へ貫通し上下方向へ延びた上皿球排出口310dと、上皿球排出口310d及び上皿球供給口310cの直下に配置され前方へ突出すると共に上面が同じ高さとされた一対の下皿支持部310eと、を備えている。なお、上皿球排出口310dは、直下に配置された下皿支持部310eの上面の前後方向中間位置まで連続して形成されている。
また、皿ユニット300は、一対の下皿支持部310eの間に配置され下皿本体324及び下皿天板326の後端と嵌合し正面視で横長の矩形環状に形成された下皿支持溝310fと、下皿支持溝310fによって囲まれた部位の中央右寄りの下部に配置され前後方向に貫通する矩形状の下皿球供給口310gと、を備えている。更に、皿ユニットベース310は、図44に示すように、下皿球供給口310gと連続するように後方へ筒状に延びた下皿球供給樋310hと、下皿球供給樋310hの開放側側面に形成され遊技球が通過可能な大きさの切欠部310iと、を備えている。
この皿ユニットベース310の上皿球供給口310cは、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110及び補強ユニット150の切欠部101a,162を介して扉枠ベースユニットの後側に取付けられるファールカバーユニット540の第一球出口544aと連通するようになっている。この上皿球供給口310cの前端には、正面視右方向へ長く延び後方へ窪んだ誘導凹部310jを備えている。この誘導凹部310jは、左右方向に対しては正面視右端側が若干低くなるように傾斜していると共に、前後方向に対しては前端側が低くなるように傾斜している。これにより、誘導凹部310jの前端と上皿本体312の底面との高低差は、誘導凹部310j右端へ向かうほど高くなるようになっており、誘導凹部310jの右端では、上皿本体312の底面との高低差が遊技球の外径よりも若干高くなるようになっている。
従って、本例では、上皿301内に貯留された遊技球によって上皿球供給口310cの前側が閉鎖された場合、ファールカバーユニット540を介して賞球装置740から払出された遊技球が、上皿球供給口310cから直線的に前方の上皿301内に出ることができなくなるので、払出された遊技球は上皿球供給口310cの前側を閉鎖した遊技球に当接してその転動方向が変化し、誘導凹部310j内を正面視右方向へと転動するように誘導され、誘導凹部310jの右端付近から上皿301内に貯留された遊技球の上側へと放出されることとなる。これにより、上皿301内において遊技球を自動的に上下二段に貯留させることができるので、上皿球供給口310cの前を遊技球が塞いだ時に遊技者が手で遊技球を寄せなくても払出された遊技球を上皿301内に供給(放出)し続けることが可能となり、上皿301への遊技球の貯留に対して遊技者が煩わしく感じてしまうのを抑制することができ、遊技者を遊技球の打込操作や打ち込まれた遊技球による遊技に専念させて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができると共に、上皿301における遊技球の貯留量を多くすることができるようになっている。
皿ユニットベース310の上皿球排出口310dは、上皿球抜き機構340における上皿球抜きベース344の開口部344a、及び扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110の球送り開口113、を介して扉枠ベースユニット100の後側に取付けられる球送りユニット580の進入口581aと連通するようになっている。更に、下皿球供給口310gは、その後側から後方へ延びた下皿球供給樋310hが、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110の球通過口110fを貫通して後方へ延出した上で、扉枠ベースユニット100の後側に取付けられるファールカバーユニット540の第二球出口544bに接続されていると共に、下皿球供給樋310hの切欠部310iが、上皿球抜き機構340における上皿球抜きベース344の球抜き流路344cと接続されている。
なお、本例では、図示するように、下皿球供給口310gの前端には、正面視で左方向へ広がった拡口部310kを備えており、この拡口部310kによって下皿球供給口310gの前端が左右方向へ広がった状態となっている。これにより、下皿球供給口310gの前側に溜まった下皿302内の遊技球により下皿球供給口310gにおいて早期に球詰りが発生してしまうのを抑制することができ、より多くの遊技球を下皿302内へ供給することができるようになっている。
皿ユニット300の上皿本体312は、正面視で中央よりも左側(軸支側)が前方へ膨出し、底面が全体的に左端側(開放側)及び後端側が低くなるように形成されている。この上皿本体312の底面は、軸支側の後端が皿ユニットベース310における上皿球供給口310cの底辺付近に、開放側の後端が皿ユニットベース310における上皿球排出口310dの上下方向中間位置付近に、夫々位置するように形成されており、上皿球供給口310cから上皿本体312(上皿301)に供給された遊技球が、上皿球排出口310dへ誘導されるようになっている。
なお、上皿本体312は、底面の後端で左右方向中央から開放側に遊技球と接触可能な金属製の上皿レール313が取付けられている。この上皿レール313は、図示は省略するが、電気的に接地(アース)されており、遊技球に帯電した静電気を除去することができるようになっている。
皿ユニット300の上皿上部パネル314は、上皿本体312の上端から扉枠5の左右方向中央が前方へ突出するように湾曲状に延びだしており、上皿本体312の開放側よりも外側に上下方向へ貫通し後述する上皿球抜き機構340の上皿球抜きボタン341が取付けられる取付孔314aが形成されている。この上皿上部パネル314は、前端に上皿本体312の上部前端よりも一段下がった段状に形成され上皿前部装飾部材316及び上皿上部インナー装飾部材318を取付けるための装飾取付部314bと、左右方向の中央で上皿本体312よりも前側の位置で装飾取付部314bよりも更に下がった段状に形成され後述する操作ユニット400を取付けるための操作ユニット取付部314cと、を備えている。
上皿前部装飾部材316は、無色透明な合成樹脂により、上皿上部パネル314の前端に沿って左右方向へ湾曲状に延びた形状に形成されている。この上皿前部装飾部材316は、左右方向中央右寄りの位置から左側が滑らかな形状に形成されているのに対して、右側が紡錘状に湾曲した複数の湾曲面により形成されており岩場のようなゴツゴツした形状に形成されている。また、上皿前部装飾部材316は、詳細な図示は省略するが、複数の湾曲面により形成された右側の後面に複数の小径レンズが形成されており、光を乱屈折させることができると共に遊技者側から後側が明確に見えないようになっている。上皿上部インナー装飾部材318は、上皿前部装飾部材316における左側の滑らかに形成された部位の後側に配置されるものであり、表面に銀色の金属光沢を有したメッキ層が備えられている。これにより、上皿上部インナー装飾部材318は、組立てた状態では上皿前部装飾部材316の左側を通して見える部位が遊技者側から明確に見えるのに対して、上皿前部装飾部材316の右側を通して見える部位は遊技者側から不明確で距離感の定まらない感じに見えるようになっている。
また、上皿上部右装飾部材319は、無色透明な合成樹脂により形成されている。この上皿上部右装飾部材319は、表面が上皿前部装飾部材316の右側の部位と同様に、紡錘状に湾曲した複数の湾曲面により形成されており、上皿前部装飾部材316の右側の部位と一体的な形状に形成されている共に、上部右端側が後述する上皿球抜き機構340の上皿球抜きボタン341の外周を装飾するように形成されている。また、上皿上部右装飾部材319は、裏面(下面)に複数の小径レンズが形成されており、光を乱屈折させることができると共に、遊技者側から下側が明確に見えないようになっている。なお、上皿前部装飾部材316における右側の部位の後側と、上皿上部右装飾部材319の下側には、上皿装飾基板322が配置されており、上皿装飾基板322のLED322aを適宜発光させることで、上皿前部装飾部材316及び上皿上部右装飾部材319を適宜発光させることができるようになっている。
皿ユニット300の下皿本体324は、平面視で前方へ扇状に広がり後端が左右方向へ直線状に形成され上面の略中央が最も低くなるように形成された底板324aと、底板324aの中央に上下方向へ貫通するように形成された下皿球抜き孔324bと、底板324aの後端を除く前端及び側端から上方へ立上る側板324cと、を備えている。この下皿本体324の側板324cは、底板324aの側端から上方へ立上った上端が、前側が最も低く後側へ向かうに従って高くなるように曲線状に形成されていると共に、底板324aの側端から上方へ立上った上端が直線状に形成されており、上端の直線状の部分に下皿天板326の左右両端が載置接続されるようになっている。
この下皿本体324は、底板324a及び側板324cの後端が、皿ユニットベース310の前面に形成された下皿支持溝310f内に挿入支持されるようになっている。また、下皿本体324の下皿球抜き孔324bは、底板324aの裏面側に配置される下皿球抜き機構350の開閉シャッター352によって閉鎖されるようになっている。
下皿カバー328は、黒色の合成樹脂で形成されている。一方、下皿サイドカバー330は、所定の合成樹脂により形成されていると共に表面に銀色で金属感(鏡面ではなくサンドブラスト処理をしたような艶消しの状態)のあるメッキ層が備えられている。この下皿サイドカバー330は、下端から後方へ延出し皿ユニット300の底面の一部を形成する板状の部位を備えている。下皿カバー328の錠孔328aと下皿サイドカバー330の上開口部330aとは、本体枠3に取付けられた錠装置1000のシリンダ錠1010と対応した位置に形成されており、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、この錠孔328a及び上開口部330aからシリンダ錠1010の錠穴が臨むようになっている。
また、下皿左上サイドカバー332は、所定の合成樹脂により形成されていると共に表面に銀色の金属光沢を有したメッキ層が備えられている。また、下皿左下サイドカバー334は、所定の合成樹脂により形成されていると共に表面に赤色の金属光沢を有したメッキ層が備えられており、下端から後方へ延出し皿ユニット300の底面の一部を形成する板状の部位を備えている。下皿左下サイドカバー334の開口部334aは、後述する本体枠3に備えられた下部スピーカ821(低音用スピーカ)の前面に相当する位置に形成されており、下部スピーカ821からのサウンドを遊技者側へ透過させることができるようになっている。この下皿左下サイドカバー334の開口部334aを閉鎖する保護カバー336は、金属板に複数の孔を穿設したパンチングメタルとされており、内部に不正工具が挿入されるのを防止している。
本例の皿ユニット300は、下皿サイドカバー330と下皿左下サイドカバー334とによって左右方向中央を除いた底面が閉鎖されるようになっており、下皿サイドカバー330と下皿左下サイドカバー334との間の底面が後述する下皿球抜き機構350によって閉鎖されるようになっている。
皿ユニット300における上皿球抜き機構340は、上皿上部パネル314の取付孔314aに対して上下方向へ進退可能に取付けられる上皿球抜きボタン341と、上皿球抜きボタン341の操作に対して上皿球抜きボタン341の上下動よりも大きく上下動し皿ユニットベース310の前面側に支持される作動片342と、作動片342を作動(回動)可能に支持すると共に皿ユニットベース310の前面に取付けられる取付ベース346と、取付ベース346に支持された作動片342の上下動によって上下方向へスライドし後述する球送りユニット580における球抜き部材583の作動棹583cと当接する当接片343aを備え皿ユニットベース310の後側に配置される上皿球抜きスライダ343と、上皿球抜きスライダ343を上下方向へスライド可能に支持し皿ユニットベース310の後側に取付けられる上皿球抜きベース344と、を備えている。
この上皿球抜き機構340は、詳細な図示は省略するが、上皿球抜きボタン341が上側の移動端に位置するように、上皿球抜きボタン341と伴に上下動する作動片342がコイルバネによって上方側へ付勢されている。また、上皿球抜きスライダ343は、上皿球抜きベース344との間に備えられたコイルバネによって上方側へ付勢された状態となっている。
上皿球抜き機構340の上皿球抜きベース344は、皿ユニットベース310の上皿球排出口310dを閉鎖すると同時に上皿球排出口310dと連絡し前方へ向かって開口する開口部344a(図43を参照)と、上皿球抜きベース344の裏面側で開口部344aと連通し開口部344aを通過した遊技球を下方へ誘導した後に後方へ誘導する球誘導流路344b(図42及び図44を参照)と、球誘導流路344bの下側から下方へ延出した後に上皿球抜きベース344の下辺に略沿って背面視で右側(軸支側)の端部へ向かって延出し遊技球が転動可能とされた球抜き流路344cと、を備えている。
上皿球抜きベース344は、開口部344aが上皿球排出口310dと連通すると共に、開口部344aと連通する球誘導流路344bの下端が扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110の球送り開口113を介して扉枠ベース本体110の後側に取付けられる球送りユニット580の進入口581aと連通するようになっており、上皿301内に貯留された遊技球を、球送りユニット580へ供給することができるようになっている。
また、上皿球抜きベース344の球抜き流路344cは、球誘導流路344bと隣接した上端が扉枠ベース本体110の球送り開口113を介して球送りユニット580の球抜口581bと連通していると共に、軸支側へ延びた下端が皿ユニットベース310における下皿球供給樋310hの切欠部310iと連通しており、球送りユニット580の球抜口581bから排出された遊技球を下皿302へ誘導することができるようになっている。なお、球抜き流路344cの後端下部は上皿球抜き流路カバー345によって閉鎖されている。
この上皿球抜き機構340は、コイルバネの付勢力に抗して上皿球抜きボタン341を下方へ押圧すると、上皿球抜きスライダ343が下方へスライドすると共に後方へ突出した当接片343aも下方へ移動する。そして、当接片343aの上面と当接する球送りユニット580における球抜き部材583の作動棹583cは、当接片343aが下方へ移動することで球抜き部材583の仕切部583aが所定方向へ回動し、仕切部583aによって仕切られた進入口581aと球抜口581bとの仕切りが解除されて進入口581aと球抜口581bとが連通した状態となる。これにより、上皿301に貯留された遊技球は、上皿球排出口310dから上皿球抜きベース344の開口部344a及び球誘導路路344bを介して、球送りユニット580の進入口581aへ進入した上で球抜口581bから上皿球抜きベース344の球抜き流路344cへと排出され、皿ユニットベース310の下皿球供給樋310hを介して下皿球供給口310gから下皿302へ排出することができるようになっている。
なお、球送りユニット580の球抜き部材583は、その作動棹583cがコイルバネによって上方へ付勢された上皿球抜きスライダ343における当接片343aの上面と当接しているので、球抜き部材583の仕切部583a上に遊技球が勢い良く供給されても、その衝撃を、作動棹583cを介して上皿球抜きスライダ343を付勢するコイルバネによって吸収させることができ、球抜き部材583等が破損するのを防止することができると共に、遊技球が仕切部583aで跳ね返るのを防止することができるようになっている。
皿ユニット300における下皿球抜き機構350は、下皿本体324の下側で下皿サイドカバー330と下皿左下サイドカバー334との間に配置され皿ユニット300の底面中央部を形成する下皿球抜きベース351と、下皿球抜きベース351の上面に回動可能に軸支され下皿本体324の下皿球抜き孔324bを開閉可能な板状の開閉シャッター352と、開閉シャッター352を回動させると共に下皿球抜きベース351の上面に前後方向へスライド可能に支持された下皿球抜きスライド353と、下皿球抜きスライド353の前端に取付けられる下皿球抜きボタン354と、を備えている。
この下皿球抜きベース351は、下皿本体324の下皿球抜き孔324bと対向する位置に上下方向に貫通したベース球抜き孔351aを備えている。また、開閉シャッター352は、下皿球抜き孔324bを閉鎖可能な閉鎖部352aと、閉鎖部352aの前側に配置され下皿球抜き孔324bと略一致可能な上下方向に貫通したシャッター球抜き孔352bと、を備えており、下皿球抜きベース351との間でコイルバネ356によって閉鎖部352aが下皿球抜き孔324b及びベース球抜き孔351aを閉鎖する位置となるように付勢されている。
なお、詳細な図示は省略するが、開閉シャッター352は、下皿球抜きスライド353と当接可能な当接ピンを備えており、この当接ピンが下皿球抜きスライド353と当接することで、下皿球抜きスライド353によって閉鎖部352a及びシャッター球抜き孔352bが後方へ移動するように回動させられたり、コイルバネ356の付勢力により下皿球抜きスライド353を前方側へスライドさせたりすることができるようになっている。
また、下皿球抜き機構350は、開閉シャッター352のシャッター球抜き孔352bが、下皿本体324の下皿球抜き孔324b及び下皿球抜きベース351のベース球抜き孔351aと略一致した回動位置に保持するために、下皿球抜きスライド353を所定位置に保持する保持機構355を、更に備えている。
この下皿球抜き機構350は、下皿球抜きボタン354の表面形状が下皿カバー328等の表面形状と連続したような状態では、下皿球抜きボタン354が前方端へ移動した閉状態であり、開閉シャッター352の閉鎖部352aによって下皿本体324の下皿球抜き孔324bが閉鎖された状態となっている。この状態で、下皿本体324(下皿302)内に遊技球を貯留することができるようになっている。閉状態の下皿球抜きボタン354を、後方へ押圧しすると、下皿球抜きボタン354と下皿球抜きスライド353とが後方へスライドすると共に、下皿球抜きスライド353の後方へのスライドによって開閉シャッター352がコイルバネ356の付勢力に抗してその閉鎖部352a及びシャッター球抜き孔352bが後方へ移動するように回動することとなる。
そして、開閉シャッター352が後方へ回動することでシャッター球抜き孔352bが下皿球抜き孔324b及びベース球抜き孔351aと重なるようになり、やがて、シャッター球抜き孔352bと下皿球抜き孔324bとが一致し、下皿302に貯留された遊技球を下皿球抜き孔324bを介して皿ユニット300の下方へ排出することができる。なお、シャッター球抜き孔352bと下皿球抜き孔324bとが略一致する位置へ下皿球抜きスライド353が後方へ移動すると、下皿球抜きスライド353が保持機構355によってスライドが保持されるようになっており、下皿球抜きスライド353のスライドがロック(保持)されることで下皿球抜きボタン354が後方へ後退した開状態のままとなると共に、シャッター球抜き孔352bが下皿球抜き孔3324bと一致した状態で保持され、下皿球抜きボタン354を押し続けていなくても、下皿302に貯留された遊技球を下方へ排出することができるようになっている。
一方、下皿球抜き孔324bを閉鎖する場合、後退した開状態の下皿球抜きボタン354を更に後方へ押圧すると、保持機構355による下皿球抜きスライド353の保持が解除されて、下皿球抜きスライド353がスライドすることができるようになり、コイルバネによって閉鎖部352aが下皿球抜き孔324bを閉鎖する方向へ付勢された開閉シャッター352が、その付勢力によって閉鎖部352aが下皿球抜き孔324bの方向(前方)へ移動する方向へ回動することとなる。そして、開閉シャッター352の前方への回動に伴って下皿球抜きスライド353が前方へスライドし、閉鎖部352aによって下皿球抜き孔324bが閉鎖されると共に、下皿球抜きボタン354が下皿カバー328等の前面と略一致した閉状態の位置に復帰し、下皿302内に遊技球を貯留することができるようになる。
なお、下皿球抜き機構350の保持機構355は、上記の機能を有した公知の技術を用いており、その詳細な機構については、説明を省略する。
皿ユニット300における貸球ユニット360は、後方へ押圧可能な貸球ボタン361及び返却ボタン362を備えていると共に、貸球ボタン361と返却ボタン362の間に貸出残表示部363を備えている。この貸球ユニット360は、パチンコ機1に隣接して設けられた球貸し機に対して現金やプリペイドカードを投入した上で、貸球ボタン361を押すと、所定数の遊技球を皿ユニット300の上皿301内へ貸出す(払出す)ことができると共に、返却ボタン362を押すと貸出された分の残りを引いた上で投入した現金の残金やプリペイドカードが返却されるようになっている。また、貸出残表示部363には、球貸し機に投入した現金やプリペイドカードの残数が表示されるようになっている。
この貸球ユニット360は、皿ユニットベース310における上端の装飾部310aに形成された貸球ユニット取付部310bに対して、後側から取付けられるようになっている。また、貸球ユニット360には、後面から後方へ突出し防犯カバー180における軸支側(正面視で左側)の装着弾性片185を装着係止する防犯カバー装着部364を備えている。
更に詳述すると、貸球ユニット360は、貸出残表示部363の前面側を覆う透明な貸球ユニット前カバー365と、貸球ユニット前カバー365の後側に配置され貸出残表示部363が取付けられると共に貸球ボタン361及び返却ボタン362の操作により作動するスイッチが取付けられる貸球ユニット基板366(図45を参照)と、貸球ユニット基板366の後側を覆い皿ユニットベース310の貸球ユニット取付部310bの後側に取付けられる後カバー367と、を備えている。なお、防犯カバー装着部364は、後カバー367の後面に備えられている。
この貸球ユニット360が取付けられる皿ユニットベース310の貸球ユニット取付部310bには、貸球ボタン361及び返却ボタン362が臨む円形状のボタン開口310mと、ボタン開口310m同士の間に形成され貸球ユニット前カバー365によって閉鎖される矩形状の表示開口310nと、二つのボタン開口310mの外周に夫々形成され前方へ突出した突出部310oと、を備えており、表示開口310nを閉鎖する透明な貸球ユニット前カバー365を通して後側に配置された貸出残表示部363が遊技者側から見えるようになっている。また、皿ユニットベース310の突出部310oは、図45に示すように、前端が丸く形成されている。
本例の貸球ユニット360は、図示するように、皿ユニットベース310の貸球ユニット取付部310bが、上皿301よりも上側で上皿球供給口310cの直上に配置されていると共に、正面を向くように配置されている。また、貸球ユニット360は、返却ボタン362が貸球ボタン361よりも左右方向中央寄りの位置に配置されている。なお、本例では、貸球ボタン361及び返却ボタン362が、皿ユニットベース310(貸球ユニット取付部310b)とは異なる色に着色されている。これにより、遊技者に対して貸球ボタン361や返却ボタン362が認識し易くなっている。
また、貸球ユニット360は、貸球ボタン361及び返却ボタン362の外周から前方
(遊技者側)へ突出した突出部310oを備えており、遊技者が上皿301内に手を挿入した際に、手が貸球ボタン361や返却ボタン362に触れる前に突出部310oに触れることとなるので、遊技者に対して貸球ボタン361や返却ボタン362の存在に気付かせることができ、貸球ボタン361や返却ボタン362等を誤操作してしまうのを防止することができるようになっている。
(遊技者側)へ突出した突出部310oを備えており、遊技者が上皿301内に手を挿入した際に、手が貸球ボタン361や返却ボタン362に触れる前に突出部310oに触れることとなるので、遊技者に対して貸球ボタン361や返却ボタン362の存在に気付かせることができ、貸球ボタン361や返却ボタン362等を誤操作してしまうのを防止することができるようになっている。
本例の皿ユニット300は、上皿301と下皿302とを備えており、貯留皿を二つ備えた従前のパチンコ機と同様な感じのパチンコ機1とすることができるので、昔ながらのパチンコ機を髣髴とさせることができ、新しいパチンコ機1(新機種のパチンコ機)でも遊技者に与える不安感等を低減させて遊技するパチンコ機として選択し易いパチンコ機1とすることができるようになっている。
[操作ユニット]
次に、扉枠5における操作ユニット400について、主に図46乃至図50を参照して説明する。図46(A)は扉枠における操作ユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠における操作ユニットの背面斜視図である。また、図47は、操作ユニットを分解して右前上方から見た分解斜視図であり、図48は、操作ユニットを分解して右前下方から見た分解斜視図である。更に、図49は、操作ユニットの断面図であり、図50は、操作ユニットにおける押圧操作部押した状態で示す断面図である。
次に、扉枠5における操作ユニット400について、主に図46乃至図50を参照して説明する。図46(A)は扉枠における操作ユニットの正面斜視図であり、(B)は扉枠における操作ユニットの背面斜視図である。また、図47は、操作ユニットを分解して右前上方から見た分解斜視図であり、図48は、操作ユニットを分解して右前下方から見た分解斜視図である。更に、図49は、操作ユニットの断面図であり、図50は、操作ユニットにおける押圧操作部押した状態で示す断面図である。
本実施形態の扉枠5における操作ユニット400は、正面視左右方向の略中央で上皿301の前面に配置され、遊技者が回転操作可能なダイヤル操作部401と、遊技者が押圧可能な押圧操作部405と、を備えており、遊技状態に応じて遊技者の操作を受付けたり、ダイヤル操作部401が可動したりすることができ、遊技者に対して遊技球の打込操作だけでなく、遊技中の演出にも参加することができるようにするものである。
この操作ユニット400は、円環状のダイヤル操作部401と、ダイヤル操作部401の円環内に挿入される円柱状の押圧操作部405と、ダイヤル操作部405の下端と連結される円環状の従動ギア410と、従動ギア410と噛合する円盤状の駆動ギア412と、駆動ギア412が回転軸に固定されるダイヤル駆動モータ414と、従動ギア410を回転可能に支持する円環状のギアレール416a、及び押圧操作部405を上下方向へ摺動可能に支持する円筒状のボタン支持筒416bを有した操作部保持部材416と、操作部保持部材416のボタン支持筒416b内に配置され押圧操作部405を上方へ付勢するバネ418と、操作部保持部材416のギアレール416a及びボタン支持筒416bが通過可能な開口420aを有し操作部保持部材416とダイヤル駆動モータ414とが下面に固定されるベース部材420と、ベース部材420の上面を覆いダイヤル操作部401の内筒部401aが通過可能な開口422aを有した上カバー422と、上カバー422の下側にベース部材420を挟むように取付けられベース部材420及びダイヤル駆動モータ414の下面を覆う下カバー424と、を主に備えている。
また、操作ユニット400は、上カバー422の上側を覆うようにベース部材420に固定されダイヤル操作部401の内筒部401aが通過可能な開口426a、及び開口426aの左右両側から外方へ延出し皿ユニット300における操作ユニット取付部314cへ固定するための固定部426bを有したカバー本体426と、カバー本体426の上側に配置され所定形状に形成されると共に表面に銀色の金属光沢を有したメッキ層が備えられたインナーカバー427と、インナーカバー427の上面を覆う透明な表面カバー428と、を備えている。インナーカバー427及び表面カバー428には、ダイヤル操作部401の外筒部401cが通過可能な円形の開口が形成されている。
更に、操作ユニット400は、ベース部材420の上面に取付けられ操作部保持部材416のボタン支持筒416b及びダイヤル操作部401の内筒部401aが通過可能な開口430aを有し上面におけるダイヤル操作部401の円環と対応した位置に複数のカラーLED430bが実装されたダイヤル装飾基板430と、操作部保持部材416の下側に固定され、ダイヤル操作部401の回転を検知する一対の回転検知センサ432a,432b、押圧操作部405の操作を検知する押圧検知センサ432c、及び押圧操作部405の直下の上面に実装されたカラーLED432dを有したボタン装飾基板432と、を備えている。このボタン装飾基板432は、操作部保持部材416の基板保持爪416gによって操作部保持部材416の下面に係止保持されるようになっている。
本例の操作ユニット400におけるダイヤル操作部401は、透光性を有した素材により形成されており、上下方向へ延びた筒状の内筒部401aと、内筒部401aの上端から外方へ延出し表面に所定の装飾が施された円環状の天板部401bと、天板部401bの外周端から下方へ筒状に延出し内筒部401aよりも短い外筒部401cと、外筒部401cの下端から外側へ環状に延出する鍔部401dと、を主に備えている。このダイヤル操作部401における鍔部401dの外径は、上カバー422における開口422aの内径よりも大径とされている。また、ダイヤル操作部401は、内筒部401aの下端に連結係止部(図48を参照)を備えており、従動ギア410の連結係止爪410bが係止されることで、ダイヤル操作部401と従動ギア410とを連結することができるようになっている。
更に、ダイヤル操作部401は、上端から所定距離下がった位置に内筒部401aの内壁から中心方向へ突出した突出部401fを更に備えている。ダイヤル操作部401の突出部401fは、内筒部401aの内周に沿って環状に形成されている。この突出部401fは、詳細は後述するが、押圧操作部405におけるボタンキャップ407の段部407aと当接することができるようになっており、ボタンキャップ407の段部407aがダイヤル操作部401の突出部401fと当接することで、ボタンキャップ407(押圧操作部405)がこれ以上内筒部401e内へ没入するのを防止することができるようになっている(図50を参照)。
なお、図示するように、ダイヤル操作部401の突出部401fと、押圧操作部405におけるボタンキャップ407の段部407aは、互いの当接面が、ダイヤル操作部401の中心へ向かうに従って低くなるような傾斜面とされており、互いが当接した時の接触面積が大きくなるようになっている。これにより、押圧操作部405からの荷重をダイヤル操作部401側へより多く分散させる(逃がす)ことができると共に、ダイヤル操作部401からの振動を押圧操作部405側へ伝え易くすることができるようになっている。
また、操作ユニット400における押圧操作部405は、上端が閉鎖された円筒状に形成されており、有底筒状のボタン本体406と、ボタン本体406の上端を閉鎖するボタンキャップ407と、ボタンキャップ407の内側に配置されボタン本体406の上端とボタンキャップ407の間に挟持されるキャップインナ408と、を備えている。この押圧操作部405のボタン本体406は、底部下面が下方へ向かうに従って窄まる円錐台形状とされており、この円錐台形状の下面にコイル状のバネ418の上端が挿入されるようになっていると共に、円錐台形状の下端面中央に上下方向に貫通する貫通孔406aを備えており、この貫通孔406aを通してボタン装飾基板432のLED432dからの光がボタンキャップ407及びキャップインナ408へ照射されるようになっている。
また、ボタン本体406は、外周下部から下方へ向かって延出し下端が軸直角方向外方へ突出した一対の係止爪406bを有しており、この係止爪406bが操作部保持部材416のボタン支持筒416b内に形成された係止凸部416f(図49及び図50を参照)と係止することで、ボタン本体406がボタン支持筒416bから抜けないように、上方への移動端を規制することができるようになっている。また、詳細な図示は省略するが、操作部保持部材416におけるボタン支持筒416b内には、ボタン本体406の係止爪406bが周方向へ移動するのを阻止する当接部を備えており、ボタン本体406(押圧操作部405)が、ボタン支持筒416b内で回転しないようになっている。なお、ボタン本体406の係止爪406bと、ボタン支持筒416b内の当接部との間には、周方向へ所定量の隙間が形成されており、その隙間によって、ボタン本体406が所定角度範囲内で回動することができるようになっている。
また、ボタン本体406は、係止爪406bとは外周下部の異なる位置から下方へ延出しボタン装飾基板432の押圧検知センサ432cによって検知可能な押圧検知片406cを備えている。この押圧検知片406cは、バネ418の付勢力に抗してボタン本体406(押圧操作部405)が下方へ移動すると、押圧検知センサ432cによって検知されるようになっている。
更に、押圧操作部405のボタンキャップ407は、図示するように、上下方向の略中央よりも下側の外径が上側よりも小径とされており、上側と下側との間に段部407aが形成されている。このボタンキャップ407(押圧操作部405)は、段部407aよりも下側が、ダイヤル操作部401における突出部401fの内径よりも小径とされていると共に、段部407aよりも上側が、ダイヤル操作部401の内筒部401aの内径よりも小径で突出部401fの内径よりも大径とされている。これにより、ボタンキャップ407(押圧操作部405)を、ダイヤル操作部401の上側から内筒部401a内へ挿入すると、ボタンキャップ407の段部407aがダイヤル操作部401の突出部401fに当接して、ボタンキャップ407(押圧操作部405)がこれ以上内筒部401a内へ没入することができないようになっている(図50を参照)。
更に、押圧操作部405のボタンキャップ407及びキャップインナ408は、透光性環有した素材によって形成されている。キャップインナ408の上面には「Push」の文字が表示されており、その文字がボタンキャップ407を通して外側から視認することができるようになっている。
操作ユニット400における従動ギア410は、円環状の外周に駆動ギア412と噛合する複数のギア歯を備えている。この従動ギア410は、その内径が操作部保持部材416におけるボタン支持筒416bの外径よりも若干大径とされていると共に、下面に操作部保持部材416のギアレール416aと当接する円環状の摺動面410aを備えている。この従動ギア410をボタン支持筒416bへ挿入すると共に、摺動面410aをギアレール416a上に当接させることで、従動ギア410がボタン支持筒416bと略同心状に摺動回転することができるようになっている。
また、従動ギア410は、上端の対向する位置から上方へ延出した上で内側へ向かって突出する一対の連結係止爪410bを備えており、この連結係止爪410bがダイヤル操作部401における内筒部401aの連結係止部401eと係止することで、従動ギア410とダイヤル操作部401とが一体回転可能に連結されるようになっている。
また、従動ギア410は、下端から下方へ突出し周方向に一定間隔で列設された複数の回転検知片410cを備えている。これら回転検知片410cは、ボタン装飾基板432に取付けられた一対の回転検知センサ432a,432bによって検知されるようになっており、詳細は後述するが、回転検知片410cと回転検知片410c同士の間に形成されたスリット410dとにより、回転検知片410cに対する各回転検知センサ432a,432bの検知パターンによって従動ギア410すなわちダイヤル操作部401の回転方向を検知することができるようになっている。なお、本例では、回転検知片410cとスリット410dにおける周方向の長さが、略同じ長さとされている。
また、操作ユニット400における駆動ギア412は、図示するように、従動ギア410と噛合する平歯車とされており、ダイヤル駆動モータ414の回転軸と一体回転可能に固定されている。また、ダイヤル駆動モータ414は、回転方向、回転速度、及び回転角度を任意に制御可能な公知のステッピングモータとされており、ダイヤル駆動モータ414によって回転軸を介して駆動ギア412を回転駆動させることで、従動ギア410を介してダイヤル操作部401を回転させることができるようになっている。また、ダイヤル駆動モータ414によって駆動ギア412(回転軸)を小刻みに正転・逆転を繰返させることで、ダイヤル操作部401を振動させるようにすることができる。また、回転検知センサ432a,342bからの検知信号等に基づいて所定回転角度毎にダイヤル駆動モータ414の回転を短時間停止させるようにすることで、ダイヤル操作部401の回転操作に対して、クリック感を付与することができるようになっている。
更に、操作ユニット400における操作部保持部材416は、従動ギア410を回転可能に支持する円環状のギアレール416aと、ギアレール416aの内側から上方へ筒状に突出し内部に押圧操作部405のボタン本体406を上下方向へ摺動可能に支持するボタン支持筒416bと、ボタン支持筒416b内の底部近傍の内周面に形成されボタン本体406の係止爪406bと係止可能な係止凸部416f(図49及び図50を参照)と、ボタン支持筒416b内の底部中央を貫通しボタン装飾基板432に実装されたLED432dからの光をボタン支持筒416b内(押圧操作部405)へ送る貫通孔416cと、ボタン支持筒416bよりも外側の底部を上下方向に貫通しボタン装飾基板432に取付けられた回転検知センサ432a,432bが通過可能な開口部416dと、ボタン支持筒416b内の底部を上下方向に貫通しボタン装飾基板432に取付けられた押圧検知センサ432cが上側から望む開口部416eと、下面から下方へ延出しボタン装飾基板432を係止保持するための一対の基板保持爪416gと、を備えている。
また、操作部保持部材416は、詳細な図示は省略するが、ボタン支持筒416b内に配置され、ボタン本体406の係止爪406bに対して周方向へ所定量の隙間を形成すると共に係止爪406bと当接可能とされた複数の当接部を更に備えている。この当接部によって、ボタン本体406(押圧操作部405)が、所定角度範囲内で回動することができると共に、ボタン支持筒416b内でグルグルと回転しないようになっている。更に、操作部保持部材416は、詳細な説明は省略するが、ベース部材420へ固定するためのビス孔や、ベース部材420やボタン装飾基板432との位置決めをするための位置決めボス等が適宜位置に備えられている。
この操作部保持部材416は、ボタン支持筒416bの外周に従動ギア410を挿通させてギアレール416a上に載置することで、従動ギア410(ダイヤル操作部401)を所定の回転軸を中心として摺動回転可能に支持することができるようになっている。また、ボタン支持筒416b内に押圧操作部405のボタン本体406を挿入することで、ボタン本体406を介して押圧操作部405を上下方向へ摺動可能に支持することができるようになっている。なお、ボタン支持筒416b内の底部とボタン本体406の円錐台状の下面と間に、コイル状のバネ418が配置されるようになっており、このバネ418によって、ボタン本体406(押圧操作部405)が上方へ向かって付勢された状態となっている。
操作ユニット400におけるベース部材420は、アルミ合金等の金属により形成されており、ダイヤル操作部401や押圧操作部405を強く叩いても操作ユニット400が破損し難いようになっている。このベース部材420は、操作部保持部材416の外周が嵌合可能とされ上方へ向かって窪んだ下部凹部420bと、下部凹部420bの底部(天井部)を上下方向に貫通し操作部保持部材416のギアレール416aが通過可能な内形とされた開口420aと、開口420aを挟んで下部凹部420bとは反対側に配置され少なくとも従動ギア410を収容可能な下方へ向かって窪んだ上部凹部420cと、を備えている。また、ベース部材420は、図48に示すように、下部凹部420bの外側に下方へ向かって開放されダイヤル駆動モータ414を取付けるためのモータ取付部420dと、下部凹部420bの外側から下方へ向かって所定量突出する複数(本例では四つ)の脚部420eと、各脚部420eの下端に下方へ向かって開口する位置決め孔420fと、を備えている。
また、ベース部材420は、上部凹部420cの外側に上方に配置されるカバー本体426を固定するための複数のカバー固定部420gと、カバー固定部420gとは上部凹部420cの外側の異なる位置から上方へ突出しダイヤル装飾基板430を取付けるための複数の基板取付ボス420hと、を備えている。更に、ベース部材420は、詳細な説明は省略するが、その上面及び下面の適宜位置に、各部材の位置決めをするための位置決めボスや、取付孔等が形成されている。
このベース部材420は、中央の開口420aに対して、下側からボタン支持筒416b及びギアレール416aが通過するように下部凹部420b内に操作部保持部材416を嵌合挿入した上で、所定のビスを上側から下部凹部420bの天井部を通して操作部保持部材416にねじ込むことで、操作部保持部材416を支持することができるようになっている。ベース部材420は、詳細な図示は省略するが、操作部保持部材416を支持した状態では、ギアレール416aの上端が下部凹部420bの天井部の上面、つまり、上部凹部420cの底面よりも僅かに上方へ突出した状態となるようになっており、ギアレール416a上に載置される従動ギア410が、上部凹部420c内で問題なく摺動回転することができるようになっている。
また、ベース部材420の脚部420eは、その下端に形成された位置決め孔420fが、後述する下カバー424における底部の上面に形成された位置決め突起424aと嵌合するようになっており、ベース部材420と下カバー424とが互いに決められた位置に位置決めすることができるようになっている。また、ベース部材420の基板取付ボス420hは、上部凹部420c内に収容配置された従動ギア410よりも上方の位置まで突出しており、基板取付ボス420h上に取付けられたダイヤル装飾基板430が、従動ギア410と接触しないようになっている。
更に、ベース部材420は、モータ取付部420dにダイヤル駆動モータ414を取付けることで、ダイヤル駆動モータ414の上面と面で接触するようになっており、ダイヤル駆動モータ414からの熱をベース部材420側へ充分に伝達させることができ、ダイヤル駆動モータ414の熱を、ベース部材420によって放熱させることができるようになっている。これにより、ダイヤル駆動モータ414の過熱を抑制させることができ、過熱によりダイヤル駆動モータ414等に不具合が発生するのを防止することができるようになっている。
操作ユニット400の上カバー422は、下方が開放された箱状で、その天板にダイヤル操作部401の外筒部401cが通過可能で鍔部401dが通過不能とされた内径の開口422aを備えている。この上カバー422は、平面視で、押圧操作部405(従動ギア410)の軸心と、ダイヤル駆動モータ414(駆動ギア412)の軸心とを結ぶ方向
(パチンコ機1における左右方向)が長く延びたように形成されており、その長軸方向両端に下方へ突出した係合爪422bを備えており、この係合爪422bを下カバー424の係合部424bに係合させることで、上カバー422と下カバー424とを組立てることができるようになっている。
(パチンコ機1における左右方向)が長く延びたように形成されており、その長軸方向両端に下方へ突出した係合爪422bを備えており、この係合爪422bを下カバー424の係合部424bに係合させることで、上カバー422と下カバー424とを組立てることができるようになっている。
また、上カバー422は、短軸方向(パチンコ機1における前後方向)の一方(パチンコ機1における前側)の外周から下方へ延出した上で下端が外側へ突出した爪状の係止片422cを備えている。この係止片422cは、皿ユニット300における上皿前部装飾部材316と係止することができるようになっており、係止片422cを上皿前部装飾部材316に係止させることで、操作ユニット400が操作ユニット取付部314cから上方へ抜けるのを阻止することができるようになっている。
この上カバー422は、ベース部材420に、操作部保持部材416、従動ギア410、ダイヤル装飾基板430、及びダイヤル操作部401等を取付けた状態で、開口422aに対して下側からダイヤル操作部401が通るようにベース部材420の上方を覆うことで、開口422aによってダイヤル操作部401が上方へ抜けるのを防止することができるようになっている。
一方、操作ユニット400の下カバー424は、上方が開放された箱状で、外周形状が上カバー422の外周と略一致した形状とされており、底部上面の所定位置にベース部材420における脚部420e下端の位置決め孔420fと嵌合可能な位置決め突起424aを備えている。この下カバー424は、長軸方向(パチンコ機1における左右方向)両端の上部に、上カバー422の係合爪422bと係合可能な係合部424bを備えており、この係合部424bに係合爪422bを係合させることで、下カバー424に上カバー422を取付けることができるようになっている。
操作ユニット400におけるカバー本体426は、図示するように、中央に上下方向に貫通し上カバー422が通過可能な開口426aと、開口426aの左右両側から外方へ延出し皿ユニット300の操作ユニット取付部314cに固定される固定部426bと、開口426aの外周下面から下方へ延出しベース部材420のカバー固定部420gに固定される固定ボス426cと、を備えている。
本例の操作ユニット400は、カバー本体426の固定部426bを介して皿ユニット300に取付けられるようになっており、詳細な図示は省略するが、皿ユニット300の操作ユニット取付部314cに取付けた状態では、操作ユニット400(下カバー424)の下面が操作ユニット取付部314cの上面よりも若干浮いた状態(例えば、0.5mm〜2.0mm)で取付けられるようになっており、操作ユニット400を押圧操作した場合や叩いた場合に、カバー本体426が弾性変形して衝撃を緩和させることができるようになっている。
なお、この操作ユニット400は、インナーカバー427及び表面カバー428を外した状態で、皿ユニット300の操作ユニット取付部314cに対して、カバー本体426の固定部426bを所定のビスで取付け、その後、カバー本体426の上面にインナーカバー427及び表面カバー428を取付けるような構造となっている。
本実施形態の操作ユニット400は、ダイヤル操作部401と共に回転する従動ギア410の回転検知片410cが、隣接する回転検知片410c同士の間のスリットにおける周方向の長さと、回転検知片410cの周方向の長さが同じ長さとされている。また、ボタン装飾基板432に取付けられた一対の回転検知センサ432a,432bは、ダイヤル操作部401に対応した周方向の間隔が、回転検知片410cの周方向における長さの2.5倍の間隔とされている。これにより、詳細は後述するが、遊技者がダイヤル操作部401を回転操作することで、一対の回転検知センサ432a,432bによる回転検知片410cの検知・非検知にタイムラグが発生し、各回転検知センサ432a,432bによる回転検知片410cの検知パターンから、ダイヤル操作部401が何れの方向に回転しているのかを検知することができるようになっている。
また、本例の操作ユニット400は、詳細は後述するが、ダイヤル駆動モータ414の駆動力によって、ダイヤル操作部401を時計回りや、反時計周りの方向へ回転させることができるようになっている。また、操作ユニット400は、ステッピングモータを用いたダイヤル駆動モータ414の駆動力によって、ダイヤル操作部401を、カクカクと段階的に回転させたり、遊技者がダイヤル操作部401を回転操作した時に、その回転を補助したり、わざと回らないようにしたり、回転にクリック感を付与したりすることができるようになっている。更に、操作ユニット400は、ダイヤル駆動モータ414を小刻みに正転・逆転を繰返させることで、ダイヤル操作部401を振動させるようにすることができるようになっている。
また、本例の操作ユニット400は、図50に示すように、押圧操作部405を下方へ押圧すると、ボタンキャップ407の段部407aがダイヤル操作部401の突出部401fへ当接して、ボタンキャップ407(押圧操作部405)がこれ以上内筒部401a内へ没入することができないようになっているので、押圧操作部405へ加えられた荷重を、段部407a及び突出部401fを介してダイヤル操作部401側へ分散させることができ、押圧操作部405(操作ユニット400)が壊れ難いようになっている。
更に、本例の操作ユニット400は、押圧操作部405を押圧してボタンキャップ407の段部407aとダイヤル操作部401の突出部401fとが当接した状態で、ダイヤル駆動モータ414を小刻みに正転・逆転を繰返させることで、ダイヤル操作部401と共に押圧操作部405も振動させるようにすることができ、押圧操作部405の振動によって遊技者を驚かせて遊技や演出を楽しませることができるようになっている。
本例の操作ユニット400によると、遊技者が回転操作可能なダイヤル操作部401と押圧操作可能な押圧操作部405とを、金属製のベース部材420によって支持するようにしており、操作ユニット400の強度を高めることができるので、遊技者等が操作部401,405を強く叩いても、操作ユニット400が破損するのを防止することができ、遊技者に対して操作部401,405を自由に操作させることができると共に、操作部401,405の操作性を向上させることができ、操作部401,405を用いた演出を楽しませて遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、円環状のダイヤル操作部401の中心に押圧操作部405を配置するようにしており、押圧操作部405を強く叩こうとすると、蓋然的に、ダイヤル操作部401も叩くこととなり、操作部401,405を叩く力をダイヤル操作部401と押圧操作部405とに分散させることができ、叩いた衝撃が集中するのを抑制して、操作ユニット400や皿ユニット300が破損するのを防止することができるので、操作ユニット400の操作部401,405を強打に耐え得るものとすることが可能となり、遊技者に対して操作部401,405を自由に操作させることができ、操作部401,405の操作性を向上させることができると共に、操作部401,405を用いた演出を楽しませて、遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、操作ユニット400のベース部材420等を皿ユニット300の凹んだ操作ユニット取付部314cに収容すると共にベース部材420の下端と操作ユニット取付部314cの底面との間で所定量の隙間が形成されるように、ベース部材420に取付けられたカバー本体426を皿ユニット300の上面に固定しており、操作ユニット400の操作部401,405を叩いて衝撃をかけたり、荷重をかけたりした場合、操作ユニット400の下端が操作ユニット取付部314cの底面と当接するまでは、カバー本体426の弾性変形によって衝撃や荷重を吸収することができ、操作ユニット400の下端が操作ユニット取付部314cの底面と当接した後には、操作ユニット取付部314cの底部(皿ユニット300)によって衝撃や荷重を受けることができるので、操作部401,405からの衝撃等を分散させて衝撃等が集中するのを回避させることができ、操作ユニット400及び皿ユニット300による耐衝撃性や耐荷重性を高めることができる。
更に、操作部401,405を支持する位置から離れた位置に下方へ突出した複数の脚部420eをベース部材420に備えるようにしており、ベース部材420の脚部420eが皿ユニット300における操作ユニット取付部314cの底面と当接して、操作部401,405からの衝撃がベース部材420にかかっても、衝撃の直下に脚部420eが配置されていないので、ベース部材420における操作部401,405を支持した部位が衝撃によって撓むこととなり、ベース部材420が撓む(弾性変形する)ことで操作部401,405からの衝撃をある程度吸収することができ、ベース部材420から皿ユニット300へかかる衝撃を減少させて皿ユニット300が破損するのを防止することができる。
また、ベース部材420に下側から取付けられる操作部保持部材416によって、ダイヤル操作部401の一部が平面視でベース部材420と重なるようにダイヤル操作部401を保持するようにしているので、ダイヤル操作部401を上側から強打した時に、ダイヤル操作部401を保持する操作部保持部材416がベース部材420から外れて下方へ移動しても、ベース部材420の上面にダイヤル操作部401が当接してベース部材420によりダイヤル操作部401の下方への移動を規制することができ、ダイヤル操作部401が落ち込んでしまうのを良好に防止することができる。
更に、中心に押圧操作部405を配置したダイヤル操作部401を、遊技状態に応じてダイヤル駆動モータ414により回転させるようにしているので、勝手に回転(振動も含む回転駆動)するダイヤル操作部401によって、遊技者を驚かせて操作部401,405による演出に注目させることができ、遊技者を楽しませることができると共に、ダイヤル操作部401をダイヤル駆動モータ414によって適宜駆動させることで、ダイヤル操作部401(押圧操作部405)を用いた演出をより多様なものとして飽き難くすることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、ダイヤル操作部401を従動ギア410及び駆動ギア412を介してダイヤル駆動モータ414によって回転させるようにしており、蓋然的に、ダイヤル駆動モータ414の回転軸の位置をダイヤル操作部401(従動ギア410)の回転軸の位置に対して偏芯した位置とすることができるので、ダイヤル操作部401や押圧操作部405が強く叩かれても、その衝撃がダイヤル操作部401の回転軸を介して直接ダイヤル駆動モータ414にかかるのを回避させることができ、ダイヤル駆動モータ414(操作ユニット400)が破損するのを防止することができる。
更に、ベース部材420の開口420aをダイヤル操作部401よりも小径とした上で、その開口420aを通して操作部保持部材416のギアレール416aによりダイヤル操作部401を支持するようにしているので、ダイヤル操作部401からの衝撃や荷重によってギアレール416a(操作部保持部材416)が下方へ移動しても、ダイヤル操作部401がベース部材420の開口420a上面に当接することができ、ダイヤル操作部401がベース部材420よりも落ち込んでしまうのを確実に防止することができる。また、ダイヤル操作部401を円環状のギアレール416aによって支持するようにしているので、ダイヤル操作部401と操作部保持部材416(ギアレール416a)との接触面積を増加させることができ、ダイヤル操作部401からの衝撃や荷重を分散させて操作部保持部材416が破損するのを防止することができる。
また、ダイヤル操作部401を回転駆動させるダイヤル駆動モータ414を金属製のベース部材420に取付けるようにしているので、ダイヤル駆動モータ414によりダイヤル操作部401を頻繁に回転駆動させたり、ダイヤル駆動モータ414により回転駆動させられているにも関わらず遊技者によってダイヤル操作部401の回転が強制的に停止させられていたりすることで、ダイヤル駆動モータ414に対する過度の負荷により発熱量が多くなっても、ダイヤル駆動モータ414から発生する熱を、ベース部材420を介して良好に発散・放熱させることができ、過熱によってダイヤル駆動モータ414に不具合が発生するの防止することができると共に、ダイヤル駆動モータ414を高い負荷に耐えられるようにすることが可能となり、上述したようなダイヤル駆動モータ414を用いたダイヤル操作部401の演出を十分に具現化することができ、遊技者を楽しませられるパチンコ機1とすることができる。
更に、ダイヤル操作部401の回転を検知する回転検知センサ432a,432bと、押圧操作部405の押圧を検知する押圧検知センサ432cと、を備えるようにしており、ダイヤル操作部401や押圧操作部405の回転操作や押圧操作を検知することができるので、その検知信号に基いて遊技者の操作に応じた演出を行うことが可能となり、操作部401,405を操作する遊技者に対してより一体感の有る演出を提供することができ、遊技者を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。また、操作部401,405を発光装飾させるためのダイヤル装飾基板430やボタン装飾基板432を備えるようにしており、操作部401,405を発光装飾させることができるので、操作部401,405を発光させることで、遊技者の関心を操作部401,405に引付けることができ、遊技者に対して操作部401,405を操作させ易くすることができる。
また、操作ユニット400における押圧操作部405を押圧した時に、押圧操作部405の段部407aとダイヤル操作部401の突出部401fとが互いに接触するようにしているので、遊技者が押圧操作部405を押圧した時に、ダイヤル駆動モータ414によりダイヤル操作部401を所定角度範囲内で正転・逆転を繰返させて振動させることで、ダイヤル操作部401の突出部401fと接触した段部407aを介して押圧操作部405も振動させるができる。従って、押圧操作部405を振動させるためのバイブレータ等を別途備えなくても、遊技者に対して押圧操作405に対する操作感を付与することができるので、操作ユニット400を用いた演出を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。また、押圧操作部405を押圧操作した時に押圧操作部405が振動するので、勝手には動かないと思っていた押圧操作部405が動くことで遊技者を大きく驚かせることができ、何か良いことがあるのではないかと思わせることが可能となり、遊技に対する期待感を高めて興趣が低下するのを抑制することができる。従って、従来の操作部と違ってダイヤル操作部401や押圧操作部405が勝手に動くことで遊技者の関心を操作ユニット400へ強く引付けることができ、操作ユニット400を用いた演出へ参加させ易くすることができると共に、遊技者に対して操作ユニット400を積極的に操作させることができ、操作ユニット400のダイヤル操作部401や押圧操作部405の操作を楽しませて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、押圧操作部405を押圧操作した時に、押圧操作部405とダイヤル操作部401とが互いに接触するようにしているので、押圧操作部405からの力をダイヤル操作部401側へ伝達させることが可能となり、押圧操作部405を強打された場合でも、押圧操作部405にかかった荷重や衝撃をダイヤル操作部401側にも分散させることができ、押圧操作部405に対する耐荷重性や耐衝撃性を高めることができる。従って、押圧操作部405を強打しても、押圧操作部405が破損するのを防止することができるので、押圧操作部405(操作ユニット400)の破損によって遊技が中断してしまうのを回避させることができ、遊技の中断によって遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを防止することができる。
また、押圧操作部405を、上下方向へ延びた軸心周りに対して所定角度範囲内のみ回動可能に支持するようにしており、遊技者が押圧操作部405を押圧操作した時に、ダイヤル駆動モータ414によってダイヤル操作部401を回転駆動させても、押圧操作部405がダイヤル操作部401と一緒に回転しようとするのを防止することができるので、遊技者に対して操作ユニット400におけるダイヤル操作部401と押圧操作部405の夫々の役割を確実に認識させることができ、遊技者に対して操作ユニット400を用いた演出を楽しませ易くすることができると共に、押圧操作部405の上面に案内された「PUSH」の文字が回ったり大きく傾いたりすることがなく遊技者側から読み易くすることができ、遊技者に対して押圧操作部405が押圧操作するものであることを確実に認識させることができる。
また、ダイヤル操作部401における内筒部401aの内周から軸心側へ突出した突出部401fを備えると共に、押圧操作部405の外周面に上下方向の所定位置よりも下側を小径とすることで形成する段部407aを備えるようにしているので、操作ユニット400の上端ではダイヤル操作部401の内筒部401aの内周面と押圧操作部405の外周面とを可及的に近付けることができ、ダイヤル操作部401と押圧操作部405との隙間を可及的に小さくして見栄えを良くすることができると共に、ダイヤル操作部401と押圧操作部405との隙間を介して操作ユニット400内へゴミや埃等の異物の侵入をし難くすることができ、異物の侵入によってダイヤル操作部401が回動し難くなったり、押圧操作部405を押圧し難くなったりする不具合の発生を防止することができる。
更に、操作ユニット400における押圧操作部405とダイヤル操作部401との接触部位を円環状に形成しており、押圧操作部405を押圧操作した際に、ダイヤル操作部401に対して周方向のどの位置でも接触することができるので、押圧操作部405が傾くような感じで押圧(押圧操作部405の中心よりも外周へ偏った位置を押圧)されても、確実にダイヤル操作部401と接触させることができ、ダイヤル操作部401を介してダイヤル駆動モータ414からの回動駆動を押圧操作部405へ確実に伝達させることができる。また、ダイヤル操作部401と押圧操作部405とが円環状に接触するので、押圧操作部405からの荷重を広くダイヤル操作部401側へ分散させることができ、押圧操作部405に対する耐荷重性や耐衝撃性をより高めることができる。
また、操作ユニット400における押圧操作部405とダイヤル操作部401との接触部位を、ダイヤル操作部401の回転軸心の方向へ向かって低くなるように傾斜させているので、傾斜していない場合と比較して相対的に接触面積を増やすことができ、ダイヤル操作部401を介してダイヤル駆動モータ414からの駆動力を押圧操作部405側へ伝達させ易くすることができる。また、押圧操作部405からの荷重を、回転軸心の延びた方向に対して直角方向の外側方向へ放射状に分散させることができ、荷重が集中するのを防止して、操作ユニット400における耐荷重性や耐衝撃性を確実に高めることができると共に、操作ユニット400の耐久性を高めることができ、遊技中に不具合が発生するのを可及的に低減させて遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、操作ユニット400のダイヤル駆動モータ414を、正転・逆転可能なステッピングモータとしているので、ダイヤル操作部401を単に回転させるだけでなく、簡単に所定位置で停止させたり、正転、逆転の繰返しにより簡単に振動させたりすることができ、上記の作用効果を奏する操作ユニット400(パチンコ機1)を確実に具現化することができる。
また、遊技球を貯留する上皿301を備えた皿ユニット300に操作ユニット400を支持させるようにしているので、蓋然的に、多数の遊技球を貯留するために皿ユニット300の強度剛性が高くなっており、操作ユニット400(押圧操作部405)への強打に対しても充分に対応することができ、操作ユニット400を用いた演出を楽しませ易くすることができる。
[ハンドル装置]
次に、扉枠5におけるハンドル装置500について、主に図51を参照して説明する。図51(A)は扉枠におけるハンドル装置を分解して前から見た分解斜視図であり、(B)はハンドル装置を分解して後から見た分解斜視図である。本実施形態のハンドル装置500は、図示するように、皿ユニット300における下皿サイドカバー330の下開口部330bを通して扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110の前面に取付けられたハンドルブラケット140に固定され円筒状で前端が軸直角方向へ丸く膨出したハンドルベース502と、ハンドルベース502に対して相対回転可能にハンドルベース502の前側に配置されるハンドル本体504と、ハンドル本体504の前面に配置されると共にハンドルベース502に固定されハンドルベース502と協働してハンドル本体504を回転可能に支持する前端カバー506と、を備えている。
次に、扉枠5におけるハンドル装置500について、主に図51を参照して説明する。図51(A)は扉枠におけるハンドル装置を分解して前から見た分解斜視図であり、(B)はハンドル装置を分解して後から見た分解斜視図である。本実施形態のハンドル装置500は、図示するように、皿ユニット300における下皿サイドカバー330の下開口部330bを通して扉枠ベースユニット100における扉枠ベース本体110の前面に取付けられたハンドルブラケット140に固定され円筒状で前端が軸直角方向へ丸く膨出したハンドルベース502と、ハンドルベース502に対して相対回転可能にハンドルベース502の前側に配置されるハンドル本体504と、ハンドル本体504の前面に配置されると共にハンドルベース502に固定されハンドルベース502と協働してハンドル本体504を回転可能に支持する前端カバー506と、を備えている。
また、ハンドル装置500は、ハンドル本体504の後側でハンドルベース502の前面に取付けられるインナーベース508と、インナーベース508及び前端カバー506とによって後端及び前端が回転可能に支持されると共にハンドル本体504と一体回転可能とされ外周に駆動ギア部510aを有した軸部材510と、軸部材510の駆動ギア部510aと噛合する伝達ギア511と、伝達ギア511と一体回転可能な検知軸部512aを有しインナーベース508とハンドルベース502との間に挟持される回転位置検知センサ512と、を備えている。
更に、ハンドル装置500は、一端側がインナーベース508に取付けられると共に他端側が伝達ギア511に取付けられ伝達ギア511を介して回転位置検知センサ512の検知軸部512aを正面視で時計回りの方向へ付勢する補助バネ514と、インナーベース508の後側に取付けられるタッチセンサ516と、タッチセンサ516とはインナーベース508の後面の異なる位置に取付けられる発射停止スイッチ518と、インナーベース508に対して回転可能に軸支され発射停止スイッチ518を作動させる単発ボタン520と、一端側がハンドルベース502に取付けられると共に他端側がハンドル本体504に取付けられハンドル本体504を初期回転位置(正面視で反時計周りの方向への回転端)へ復帰させるように付勢するハンドル復帰バネ522と、を備えている。
本例のハンドル装置500のハンドルベース502は、図示するように、前側が開放され後方へ丸く膨出した前端部から後方へ円筒状に延びた後端部を有した形態とされ、後端部の円筒状の外周に軸方向へ延びた三つの溝部502aが形成されている。ハンドルベース502の三つの溝部502aは、ハンドルブラケット140における筒部141内の三つの突条143と対応するように、上側に一つ、下側に二つ、周方向に対して不等間隔に配置されている。このハンドルベース502は、溝部502aが突条143と嵌合するように、ハンドルブラケット140の筒部141内に挿入することで、回転不能な状態で支持されるようになっている。
ハンドル装置500は、ハンドル本体504に、その回転軸と同心円状に配置された円弧状のスリット504aが形成されていると共に、前端カバー506に、後方へ突出する三つの取付ボス506aが形成されており、これら取付ボス506aがハンドル本体504のスリット504aを通してハンドルベース502の前面に固定されるようになっている。これにより、ハンドル本体504におけるスリット504aの周方向端部が、前端カバー506の取付ボス506aに当接することで、ハンドル本体504の回転範囲が規制されるようになっている。
また、ハンドル装置500は、ハンドル本体504に、後方へ突出する係止突部504bが形成されており、この係止突部504bにコイル状のハンドル復帰バネ522の他端側(前端側)が係止されることで、一端側がハンドルベース502に取付けられたハンドル復帰バネ522によってハンドル本体504が正面視で反時計周りの方向へ回動するように付勢されている。
本例のハンドル装置500は、扉枠ベース本体110のハンドル取付部114に対して、ハンドルブラケット140を介して取付けられるようになっている。この扉枠ベース本体110のハンドル取付部114は、上方から見た平面視において、その取付面が、外側
(開放側)を向くように傾斜しているので、ハンドルブラケット140を介して取付けられるハンドル装置500も平面視で外側に傾斜(換言すると、パチンコ機1の前面垂直面に直交する線に対してその先端部がパチンコ機1の外側に向かうように傾斜している。)して扉枠5に取付固定されるようになっている。これにより、遊技者がハンドル装置500を握り易く、回動動作に違和感がなく回動操作が行い易いようになっている。
(開放側)を向くように傾斜しているので、ハンドルブラケット140を介して取付けられるハンドル装置500も平面視で外側に傾斜(換言すると、パチンコ機1の前面垂直面に直交する線に対してその先端部がパチンコ機1の外側に向かうように傾斜している。)して扉枠5に取付固定されるようになっている。これにより、遊技者がハンドル装置500を握り易く、回動動作に違和感がなく回動操作が行い易いようになっている。
また、ハンドル装置500は、回転位置検知センサ512が可変抵抗器とされており、ハンドル本体504(ハンドル装置500)を回転させると、軸部材510及び伝達ギア511を介して回転位置検知センサ512の検知軸部512aが回転することとなる。そして、検知軸部512aの回転角度に応じて回転位置検知センサ512の内部抵抗が変化し、回転位置検知センサ512の内部抵抗に応じて後述する打球発射装置650における発射ソレノイド654の駆動力が変化して、ハンドル装置500の回転角度に応じた発射強度で遊技球が遊技領域1100内へ打ち込まれるようになっている。したがって、発射強度が所定値以上となるようにハンドル本体504を回すと、遊技領域1100に向けて発射された遊技球は、センター役物2500よりも右側の右側領域にまで到達し、この右側領域を流下する。一方、発射強度が所定値よりも小さくなるようにハンドル本体504を回すと、遊技領域1100に向けて発射された遊技球は、センター役物2500よりも左側の左側領域を流下する。このように、遊技者の操作によって、右側領域と左側領域とに遊技球を打ち分けることが可能とされている。なお、センター役物2500よりも右側の右側領域を流下する遊技球の球速度は、センター役物2500よりも左側の左側領域を流下する遊技球の球速度よりも相対的に速くなる。そして、相対的に速い球速度で右側領域を流下する遊技球は、後述する第2始動口2102への入賞が可能となり、相対的に遅い球速度で左側領域を流下する遊技球は、後述する第1始動口2101への入賞が可能となる。
なお、ハンドル本体504や前端カバー508の外周表面は、導電性のメッキが施されており、遊技者がハンドル本体504等に接触することでタッチセンサ516が接触を検出するようになっている。そして、タッチセンサ516が遊技者の接触を検出している時に、ハンドル本体504が回動すると、その回動に応じた強さで発射ソレノイド654の回転駆動が制御されて、遊技球を打ち込むことができるようになっている。つまり、遊技者がハンドル装置500を触らずに、何らかの方法でハンドル装置500を回転させて遊技球の打ち込みを行おうとしても、発射ソレノイド654は駆動されず、遊技球を打ち込むことができず、遊技者が本来とは異なる遊技をすることを防止してパチンコ機1を設置する遊技ホールに係る負荷(負担)を軽減させることができるようになっている。
また、遊技者がハンドル装置500を回転操作中に、単発ボタン520を押圧すると、発射停止スイッチ518が単発ボタン520の操作を検知し、発射制御部4120(図118を参照)によって発射ソレノイド654の回転駆動が停止させられるようになっている。これにより、ハンドル装置500の回転操作を戻さなくても、遊技球の発射を一時的に停止させることができると共に、単発ボタン520の押圧操作を解除することで、単発ボタン520を操作する前の打込強さで遊技球を発射することができるようになっている。
本例のハンドル装置500は、ハンドル本体504の回転操作を回転位置検知センサ512によって電気的に検知した上で、その回転位置検知センサ512からの回転位置の検知に基いて、発射制御部4120で発射ソレノイド654の回転駆動強さを制御するようにしているので、従来のパチンコ機のように、扉枠5に備えられるハンドル装置500と、本体枠3に備えられる打球発射装置650とを、扉枠5の閉鎖時には互いに連係し、扉枠5の開放時には連係が解除されるように機械的(例えば、ジョイントユニット)な機構を備える必要が無く、パチンコ機1に係る構成を簡略化することができると共に、ジョイントユニットでの不具合の発生をなくすことができ、遊技球の打込不具合によって遊技者の興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
なお、この実施の形態にかかる打球発射装置650(発射ソレノイド654)では、ハンドル装置500の操作が行われると(維持されると)、1分間に100個の遊技球が一定の間隔で順次打ち出される打出速度(ペース)となるように駆動するものとなっている。したがって、この実施の形態では、ハンドル装置500の操作が行われると(維持されると)、遊技領域1100には0.6秒間隔で遊技球が次々と打ち込まれることとなる。
[ファールカバーユニット]
次に、扉枠5におけるファールカバーユニット540について、主に図52及び図53を参照して説明する。図52(A)は扉枠におけるファールカバーユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(B)ファールカバーユニットを分解して後から見た分解斜視図である。また、図53は、ファールカバーユニットの前カバーを外した状態で示す正面図である。
次に、扉枠5におけるファールカバーユニット540について、主に図52及び図53を参照して説明する。図52(A)は扉枠におけるファールカバーユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(B)ファールカバーユニットを分解して後から見た分解斜視図である。また、図53は、ファールカバーユニットの前カバーを外した状態で示す正面図である。
扉枠5におけるファールカバーユニット540は、扉枠ベースユニット100における遊技窓101よりも下側の後面に取付けられ、後述する賞球ユニット700から払出された遊技球や、打球発射装置650により発射されにも関わらず遊技領域1100内へ到達しなかった遊技球(ファール球)を、皿ユニット300の上皿301や下皿302へ誘導するものである。本例のファールカバーユニット540は、前側が開放され複数の遊技球の流路を内部に有したカバーベース542と、カバーベース542の前端を閉鎖する前カバー544と、を備えている。
このファールカバーユニット540のカバーベース542は、図52(B)に示すように、背面視で右上隅に配置され前後方向に貫通する第一球入口542aと、この第一球入口542aと連通しカバーベース542の前端に向かうに従って正面視右側へ広がる第一球通路542bと、第一球入口542aの外側(背面視でで右側)に配置され第一球入口542aよりも大口の第二球入口542cと、第二球入口542cと連通しカバーベース542の内部で、下方へ延びた上で正面視右下隅へ向かって低くなるように傾斜した第二球通路542dと、を備えている。この第一球入口542a及び第二球入口542cは、扉枠5を本体枠3に対して閉じた状態で、賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770の通常球出口774及び満タン球出口776と夫々対向する位置に形成されている。なお、カバーベース542における第二球通路542dは、図示するように、下端に沿って左右方向へ延びた部分の高さが、遊技球の外径に対して約3倍の高さとされており、所定量の遊技球を収容可能な収容空間546が形成されている。
また、カバーベース542は、左右方向の略中央上部に配置され上方に開口したファール球入口542eと、ファール球入口542eと連通し第二球通路542dの下流付近の上部へ遊技球を誘導可能なファール球通路542fと、を備えている。また、カバーベース542は、第二球入口542cの下側の後面に球出口開閉ユニット790の開閉シャッター792を作動させるための開閉作動片542gを、備えている。この開閉作動片542gは、扉枠5を本体枠3に対して閉じた時に、球出口開閉ユニット790における開閉クランク793の球状の当接部793dと当接することで、開閉クランク793を回転させて開閉シャッター792を開状態とすることができるものである。
ファールカバーユニット540の前カバー544は、カバーベース542の前面を閉鎖する略板状に形成されており、正面視左上隅に配置されカバーベース542の第一球通路542bと連通し前後方向に貫通した第一球出口544aと、正面視右下隅に配置されカバーベース542の第二球通路の下流端と連通し前後方向に貫通した第二球出口544bと、を備えている。前カバー544の第一球出口544aは、扉枠ベースユニット100の切欠部101aを通して皿ユニット300の上皿球供給口310cと接続されるようになっている。また、第二球出口544bは、扉枠ベース本体110の球通過口110fを通して皿ユニット300における下皿球供給樋310hの後端が接続されるようになっている。
本例のファールカバーユニット540は、賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770の通常球出口774から第一球入口542aへ供給された遊技球を、第一球通路542bを通って第一球出口544aから皿ユニット300の上皿球供給口310cを介して上皿301へ供給することができるようになっている。また、ファールカバーユニット540は、賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770の満タン球出口776から第二球入口542cへ供給された遊技球を、第二球通路542dを通って第二球出口544bから皿ユニット300の下皿球供給樋310h及び下皿球供給口310gを介して下皿302へ供給することができるようになっている。
更に、ファールカバーユニット540は、詳細は後述するが、扉枠5を本体枠3に対して閉じた状態とすると、ファール球入口542eが本体枠3のファール空間626の下部に位置するようになっており、打球発射装置650により発射された遊技球が遊技領域1100内へ到達せずにファール球となってファール空間626を落下すると、ファール球入口542eによって受けられるようになっている。そして、ファールカバーユニット540は、ファール球入口542eに受けられた遊技球を、ファール球通路542f及び第二球通路542dを通って第二球出口544bから皿ユニット300の下皿302へ排出
(供給)することができるようになっている。
(供給)することができるようになっている。
また、本例のファールカバーユニット540は、第二球通路542dにおける収容空間546の上流側(正面視左側)側面を形成し収容空間546内に貯留された遊技球によって揺動可能にカバーベース542に軸支された揺動部材548と、揺動部材548の揺動を検知する満タン検知センサ550と、揺動部材548が満タン検知センサ550によって非検知状態となる方向へ付勢するバネ552と、を備えている。この揺動部材548は、図53に示すように、カバーベース542に対して下端が回動可能に軸支されていると共に、上端が正面視左側へ回動するようになっており、略垂直な状態で収容空間546の左側側壁を形成するようになっている。また、揺動部材548は、バネ552によって略垂直状態となる位置へ付勢されている。また、揺動部材548は、収容空間546側とは反対側の側面に外側へ突出する検知片548aが形成されており、この検知片548aが満タン検知センサ550よって検知されるようになっている。
更に、ファールカバーユニット540は、第二球通路542dにおける収容空間546の底部に配置されるアースレール554と、カバーベース542の背面視で右端と、左端を夫々被覆する板状のアース金具556と、を備えており、遊技球の転動による転動抵抗によって発生する静電気を除去することができるようになっている。
本例では、賞球ユニット700から払出された遊技球が満タン分岐ユニット770の通常球出口774からファールカバーユニット540を介して皿ユニット300の上皿301へ供給されるようになっており、上皿301内が満杯となっても更に遊技球が賞球ユニット700から払出されると、ファールカバーユニット540の第一球通路542b内で滞り、更に満タン分岐ユニット770における通常球出口774の上流の通常通路773内も一杯になると、満タン分岐ユニット770の分岐空間772を介して満タン通路775側へ遊技球が転動するようになり(図83を参照)、満タン分岐ユニット770の満タン球出口776からファールカバーユニット540の第二球入口542c、第二球通路542d、及び第二球出口544bを介して皿ユニット300の下皿302へ供給されるようになる。
そして、皿ユニット300の下皿302内が遊技球で一杯になると、ファールカバーユニット540の第二球出口544bから遊技球が出られなくなり、第二球通路542d内の収容空間546内に滞った遊技球が貯留されることとなる。更に、賞球ユニット700から遊技球が払出されて収容空間546内に遊技球が多く貯留されるにつれて、遊技球の貯留圧が揺動部材548に作用し、バネ552の付勢力に抗して揺動部材548の上端が左方へと移動することとなる。そして、揺動部材548の検知片548aが、満タン検知センサ550によって検知されると、払出制御基板4110(図118を参照)において賞球ユニット700から遊技球の払出しが停止されると共に、遊技者に対して皿ユニット300内の遊技球を外部へ排出するのを促す通知を行うようになっている。
なお、収容空間546(下皿302)内の遊技球が排出されて、揺動部材548がバネ552の付勢力によって略垂直な状態に復帰すると、満タン検知センサ550による検知片548aの検知が非検知となり、賞球ユニット700からの遊技球の払出しが再開されるようになっている。
[扉枠ベース基板194の静電気防止対策]
上述したとおり、ファールカバーユニット540(透明ポリカーボネイトの成形品)(図52(A),(B)及び図53参照)は、下皿へ遊技球を誘導するための第二球通路542d及び遊技球を滞留する収容空間546が形成されており、遊技球(金属)が通路壁面と接触しながら早いスピードで通過するので、遊技球と樹脂とがこすれることにより静電気が発生し、遊技球が帯電しやすい。
上述したとおり、ファールカバーユニット540(透明ポリカーボネイトの成形品)(図52(A),(B)及び図53参照)は、下皿へ遊技球を誘導するための第二球通路542d及び遊技球を滞留する収容空間546が形成されており、遊技球(金属)が通路壁面と接触しながら早いスピードで通過するので、遊技球と樹脂とがこすれることにより静電気が発生し、遊技球が帯電しやすい。
このため、第二球通路542dの底部には、遊技球の転動による転動抵抗によって発生する遊技球の静電気を除去して下皿に排出するための金属製のアースレール554が設けられている。また、ファールカバーユニット540には、カバーベース542の右端と左端とを被覆する板状のアース金具556が設けられると共に、左端のアース金具556がファールカバーユニット540の底面においてアースレール554に導電可能に当接されている(図52(A),(B)及び図53参照)。このアース金具556は、静電気が逃げるように扉枠5の金属製の下側補強板金154(図18、図23、図26)にねじ止めされている。
ファールカバーユニット540の第二球通路542dは、上記のようにアースレール554により遊技球から静電気を除去できるものの、この部分のポリカーボネイトに静電の電荷が蓄積され、10数kVにもなることがある(蓄積された静電電荷の放電で痛みを感じるような場合でもせいぜい3〜4kV)。また、樹脂に蓄積された電荷はアースしてもそのごく周辺しか抜けず、大半が残っている。そして、この電荷による静電誘導で、これに近接した扉枠ベース基板194のデジタルアンプ回路が誤動作してしまう虞がある。
遊技機には、静電気を逃がすためのアース線が、例えば、上記下側補強板金154に取り付けられている。しかしながら、不慮の事故によりアース線が断線してしまったり、アース線の接続端子部が外れてしまったりする虞がある。
以下に説明する実施形態は、このような事情に鑑みてなされたものであり、万が一アースが取られていない場合であっても、ファールカバーユニット540に溜った電荷によって静電誘導を起こさないように金属板(後述のシールド板562)で扉枠ベース基板194をシールドし、さらにシールド用の金属板に逃がした静電気が周囲の導電体に飛び移るのを防止する静電気防止機構に係る発明に関するものである。
図54は静電気防止機構の正面図である。図55は静電気防止機構を備えた状態を示す扉枠を背面から見た場合の斜視図である。図56は静電気防止機構を備えた状態を示す扉枠の要部背面図である。また、図57は図56のA−A線断面図である。
図54に示すように、実施形態における静電気防止機構560は、ファールカバーユニット540に溜った電荷によって静電誘導を起こさないように扉枠ベース基板194をシールドする金属製(本例ではブリキ)薄板状のシールド板562と、シールド板562よりも大きい外周形状に形成され、かつシールド板562に飛び移った電荷が周囲の導電体に飛び移らないように絶縁するポリエチレンテレフタレート(PET)の薄板よりなる絶縁シート570と、を含んで構成されている。
シールド板562は、上下方向における上部に、扉枠5の下側補強板金154に当接することで導電接触される平板状の導電部563と、左右方向に向けて折曲形成された段部568を境界として導電部563よりも下方かつ奥方に位置し、扉枠5の下部裏面に取り付けられた扉枠ベース基板カバー195の背面側の略全域に亘って配置される略板状のシールド部564とを有している。
導電部563の上辺中程には、略半円状に延出された取付部565が形成され、取付部565には挿通孔566が穿設され、導電部563の上辺寄り左隅に取付孔567が穿設されている。
絶縁シート570は、シールド板562のシールド部564の外周縁よりも大きい形状とされ、シールド部564の外周縁を周囲の導電体に対して電気的に絶縁する機能を果たす。本実施形態では、図54に示されるように、シールド板562のシールド部564の裏面の上辺寄りに絶縁シート570が貼着により取り付けられている。
図55〜図57において、先に説明したように、扉枠ベース基板194は、後側を扉枠ベース基板カバー195で被覆されている(図23、図24)。静電気防止機構560の絶縁シート570は、扉枠ベース基板カバー195の背面の略全域亘って配置される。このとき、シールド板562は、絶縁シート570の背面において、絶縁シート570によってシールド部564の外周縁が囲まれるように配置される。すなわち、扉枠ベース基板カバー195とシールド板562との間にシールド板562が挟まれるかたちで配置される。このとき、絶縁シート570の外周部がシールド板562の外周部よりも径方向の外側に位置する。そして、シールド板562の導電部563が扉枠5の下側補強板金154(図23参照)の裏面に当接することで導電接触され、静電気を逃がすようになっている。
なお、扉枠5(扉枠ベース本体110)の下部裏面の右側部分の適宜箇所には、ファールカバーユニット540に対する取付用ボス部110g、110h、110i、110jが突設されている。また、下側補強板金154の適宜箇所には、シールド板562並びにアース金具556に対して、金属製の下側補強板金154に静電気を逃がすようにビス止めするための、ネジ挿通孔154a、154b、154cが設けられている(図56参照)。
シールド板562は、挿通孔566に取付用ボス部110gが挿通されることで位置決めされ、取付孔567及び下側補強板金154のネジ挿通孔154aにビスが挿通され、ビスをねじ込むことにより扉枠ベース本体110にビス止めされる。
そして、ファールカバーユニット540は、シールド板562の背面に前カバー544を面接触させて配置されると共に、その取付部分にビスが挿通され、ビスを取付用ボス部110g〜110jにねじ込むことにより、扉枠ベース本体110の裏面にビス止めされる。また、アース金具556もその取付部分にビスが挿通され、さらに下側補強板金154のネジ挿通孔154b、154cにビスが挿通され、ビスをねじ込むことにより金属製の下側補強板金154に静電気を逃がすように扉枠ベース本体110にビス止めされる。
なお、シールド板562及びファールカバーユニット540はビスによって取付用ボス部110gに共締めされて取り付けられている。また、下側補強板金154のネジ挿通孔154cには、ビスによりアース金具556と共にアース線(図示せず)が共締めされて取り付けられている。
[静電気防止機構560の作用]
ファールカバーユニット540に溜った静電気は面接触しているシールド板562のシールド部564及び下側補強板金154に面接触している導電部563を通じて金属製の下側補強板金154に逃げるので、金属製薄板状のシールド板562により、ファールカバーユニット540に溜った電荷によって静電誘導を起こさないように扉枠ベース基板194をシールドすることができる。
ファールカバーユニット540に溜った静電気は面接触しているシールド板562のシールド部564及び下側補強板金154に面接触している導電部563を通じて金属製の下側補強板金154に逃げるので、金属製薄板状のシールド板562により、ファールカバーユニット540に溜った電荷によって静電誘導を起こさないように扉枠ベース基板194をシールドすることができる。
また、シールド板562は絶縁シート570によってシールド部564の外周縁が囲まれるように配置されているので、シールド板562に飛び移った電荷がシールド部564の角や端面から周囲の導電体(金属物やハーネス)飛び移ってしまうことを防止することができる。
[球送りユニット]
続いて、扉枠5における球送りユニット580について、主に図58乃至図61を参照して説明する。図58(A)は扉枠における球送りユニットの正面斜視図であり、(B)は球送りユニットの背面斜視図である。また、図59は、球送りユニットの背面図である。また、図60(A)は球送りユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(B)は球送りユニットの後ケースを外して後から見た分解斜視図である。更に、図61(A)は球送りユニットにおける不正防止部材の平面図であり、(B)は不正防止部材の正面図であり、(C)は不正防止部材を前から見た斜視図であり、(D)は不正防止部材の作用を示す説明図である。扉枠5における球送りユニット580は、皿ユニット300における上皿301から供給される遊技球を一つずつ打球発射装置650へ供給することができると共に、上皿301内に貯留された遊技球を、上皿球抜き機構340の上皿球抜きボタン341の操作によって下皿302へ抜くことができるものである。
続いて、扉枠5における球送りユニット580について、主に図58乃至図61を参照して説明する。図58(A)は扉枠における球送りユニットの正面斜視図であり、(B)は球送りユニットの背面斜視図である。また、図59は、球送りユニットの背面図である。また、図60(A)は球送りユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(B)は球送りユニットの後ケースを外して後から見た分解斜視図である。更に、図61(A)は球送りユニットにおける不正防止部材の平面図であり、(B)は不正防止部材の正面図であり、(C)は不正防止部材を前から見た斜視図であり、(D)は不正防止部材の作用を示す説明図である。扉枠5における球送りユニット580は、皿ユニット300における上皿301から供給される遊技球を一つずつ打球発射装置650へ供給することができると共に、上皿301内に貯留された遊技球を、上皿球抜き機構340の上皿球抜きボタン341の操作によって下皿302へ抜くことができるものである。
この球送りユニット580は、皿ユニット300の上皿301に貯留された遊技球が、皿ユニットベース310の上皿球排出口310d、扉枠ベース本体110の球送り開口113を通して供給され前後方向に貫通した進入口581a、及び進入口581aの下側に開口する球抜口581bを有し後方が開放された箱状の前カバー581と、前カバー581の後端を閉鎖すると共に前方が開放された箱状で、前後方向に貫通し前カバー581の進入口581aから進入した遊技球を打球発射装置650へ供給するための打球供給口582aを有した後カバー582と、後カバー582及び前カバー581の間で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支され前カバー581の後側で進入口581aと球抜口581bとの間を仕切る仕切部583aを有した球抜き部材583と、球抜き部材583の仕切部583a上の遊技球を一つずつ後カバーの打球供給口582aへ送り前カバー581と後カバー582との間で上下方向へ延びた軸周りに回動可能に支持された球送り部材584と、球送り部材584を回動させる球送ソレノイド585と、を備えている。本例では、図示するように、正面視で、球送り部材584が進入口581aの右側に配置されており、この球送り部材584の左側に球抜き部材583が右側に球送ソレノイド585が夫々配置されている。
この球送りユニット580の前カバー581は、正面視で球抜口581bの左側に、球抜き部材583の回転中心に対して同心円状に形成された円弧状のスリット581cを備えており、このスリット581cから後述する球抜き部材583の作動棹583cが前方へ延びだすようになっている。また、前カバー581は、進入口581aの上縁から上側が上方へ延びだしており、扉枠ベースユニット100へ組立てた際に、上皿球抜きベース344における球誘導流路344bの後端開口を閉鎖するように形成されている。
また、球抜き部材583は、進入口581aよりも下側で進入口581aと球抜口581bと間を仕切り上面が球送り部材584の方向へ向かって低くなる仕切部583aと、仕切部583aの球送り部材584とは反対側の端部から下方へ延出すると共に上下方向の中間付近から球抜口581bの下側中央へ向かってく字状に屈曲し下端が前後方向へ延びた軸周りに回動可能に支持される回動棹部583bと、回動棹部583bの上端から前方へ向かって突出する棒状の作動棹583cと、作動棹583cよりも下側で回動棹部583bの側面から仕切部583aとは反対側へ突出した錘部583dと、を備えている。この球抜き部材583の作動棹583cは、前カバー581に形成された円弧状のスリット581cを通して前方へ突出するように形成されており(図58を参照)、扉枠ベース本体110の球送り開口113を介して皿ユニット300の上皿球抜き機構340における上皿球抜きスライダ343の当接片343aの上端と当接するようになっている。
更に、球送り部材584は、進入口581a及び球抜き部材583の仕切部583aの方向を向き上下方向へ延びた回転軸芯を中心とした平面視が扇状の遮断部584aと、遮断部584aの後端から回転軸芯側へ円弧状に窪んだ球保持部584bと、球保持部584bの後端から下方へ延出する棒状の棹部584cと、を備えている。この球送り部材54における遮断部584aと球保持部584bは、夫々回転軸芯を中心とした約90゜の角度範囲内に夫々形成されている。また、球送り部材584の球保持部584bは、一つの遊技球を保持可能な大きさとされている。この球送り部材584は、球送ソレノイド585の駆動によって回転軸芯と偏芯した位置に配置された棹部584cが左右方向へ移動させられることで、回転軸芯周りに回動するようになっている。
球送り部材584は、遮断部584aが仕切部583aの方向を向くと同時に球保持部584bが打球供給口582aと連通した方向を供給位置と、球保持部584bが仕切部583aの方向へ向いた保持位置との間で回動するようになっている。この球送り部材584が供給位置の時には、球保持部584bに保持された遊技球が、打球供給口582aから打球発射装置650へ供給されると共に、進入口581aから仕切部583a上に進入した遊技球が、遮断部584aによって球保持部584b(打球供給口582a)側への移動が遮断されて仕切部583a上に留まった状態となる。一方、球送り部材584が保持位置へ回動すると、球保持部584bが仕切部583aの方向を向くと共に、球保持部584bの棹部584c側の端部が打球供給口582aを閉鎖した状態となり、仕切部583a上の遊技球が一つだけ球保持部584b内に保持されるようになっている。
また、球送りユニット580は、球送ソレノイド585の駆動(通電)によって先端が上下方向へ揺動する球送り作動桿586と、球送り作動桿586における上下方向へ揺動する先端の動きによって前後方向へ延びた軸周りに回動すると共に、球送り部材584を上下方向へ延びた軸周りに回動させる球送りクランク587と、を備えている。この球送りクランク587は、球送り作動桿586の上下動する先端と係合可能とされ左右方向へ延びた係合部587aと、係合部587aの球送り作動桿586と係合する側とは反対側に配置され前カバー581と後カバー582との間で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支される軸部587bと、軸部587bから上方へ延出し球送り部材584における回動中心に対して偏芯した位置から下方へ突出する棒状の棹部584c(図60を参照)と係合する伝達部587cと、を備えている。
本例の球送りユニット580は、球送り作動桿586及び球送りクランク587によって、上下方向へ進退する球送ソレノイド585の駆動により揺動する球送り作動桿586の動きを伝達させて球送り部材584を回動させることができるようになっている。なお、球送ソレノイド585の非駆動時(通常時)では、球送り作動桿586が球送ソレノイド585の下端から離れて揺動する先端が下方へ位置した状態となるようになっており、この状態では球送り部材584が供給位置に位置した状態となる。また、球送ソレノイド585の駆動時では、球送り作動桿586が球送ソレノイド585の下端に吸引され揺動する先端が上方へ位置した状態となり、球送り部材584が保持位置へ回動するようになっている。つまり、球送ソレノイド585が駆動される(ONの状態)と球送り部材584が遊技球を一つ受入れ、球送ソレノイド585の駆動が解除される(OFFの状態)と球送り部材584が受入れた遊技球を打球発射装置650側へ送る(供給する)ようになっている。この球送りユニット580における球送ソレノイド585の駆動は、発射制御部4120により発射ソレノイド654の駆動制御と同期して制御されるようになっている。
また、本例の球送りユニット580における回動可能に軸支された球抜き部材583は、錘部583dによって正面視反時計周りの方向へ回転するようなモーメントがかかるようになっているが、前方へ突出した作動棹583cが皿ユニット300の上皿球抜き機構340における上皿球抜きスライダ343の当接片343aの上端と当接することで、その回動が規制されるようになっており、通常時では、球抜き部材583の仕切部583aが進入口581aと球抜口581bとの間を仕切って、球抜口581b側へ遊技球が侵入しないようになっている。そして、遊技者が、皿ユニット300における上皿球抜き機構340の上皿球抜きボタン341を下方へ押圧操作すると、上皿球抜きスライダ343が当接片343aと共に下方へスライドして、当接片343aの下方への移動に伴って作動棹583cも相対的に下方へ移動することとなる。
このように、上皿球抜き機構340の当接片343aと共に作動棹583cが下方へ移動することで、球抜き部材583が正面視反時計周りの方向へ回動して仕切部583aによる進入口381aと球抜口381bとの間の仕切りが解除され、進入口381aから進入した遊技球が、球抜口381bから皿ユニット300の上皿球抜きベース344の球抜き流路344cへと排出され、下皿302へ排出(供給)されるようになっている。
なお、球抜き部材583の作動棹583cが当接する上皿球抜きスライダ343の当接片343aは、コイルバネによって上方へ付勢されているので、仕切部583a上に遊技球が勢い良く供給されても、その衝撃を、作動棹583cを介して上皿球抜きスライダ343を付勢するコイルバネによって吸収させることができ、球抜き部材583等が破損するのを防止することができると共に、遊技球が仕切部583aで跳ね返るのを防止することができるようになっている。
また、本例の球送りユニット580は、後カバー582における打球供給口582aの背面視で右上に前方へ窪んだ矩形状の取付凹部582b(図60(B)等を参照)が形成されていると共に、その取付凹部582b内に不正防止部材588が取付けられている。球送りユニット580の不正防止部材588は、工具鋼やステンレス等の硬質の金属板により形成されており、後カバー582の取付凹部582b内に対して後側から脱着可能に取付けられている。この不正防止部材588は、図59等に示すように、背面視における全体の外径が横長の矩形状に形成されており、背面視で左辺側となる先端における上下方向の略中央から反対側の基端側(右辺側)へ向かって所定長さ伸びた分割線588aを境界として上下に分断された上片部588b及び下片部588cと、上片部588b及び下片部588cの先端が互いに遠ざかるように上片部588bの基端側を不正防止部材588の一般面に対して垂直方向(後方)へ屈曲させることで上片部588bと下片部588cとの間に形成されるV字状の切断部588dと、上片部588b及び下片部588cの先端に形成され切断部588dへ向かって傾斜した傾斜部588eと、を備えている。
この不正防止部材588は、図示するように、上片部588bの先端(背面視で左端側)が後方へ移動するように上片部588bの基端側が屈曲されることで、切断部588dが平面視でV字状に形成されており、V字状の内部に不正な遊技球Iに付けられた線材Iwが挿入されるようになっている。この不正防止部材588の切断部588dは、上片部588bの下辺と下片部588cの上辺とが平面視において所定角度で交差した状態となっており、基端側へ向かうに従って隙間が狭くなるように形成されている。
また、不正防止部材588の傾斜部588eは、切断部588dの先端に形成されており、傾斜部588eによって不正な遊技球Iに付けられた線材Iwを切断部588d内へ誘導案内することができるようになっている。本例の球送りユニット580は、不正防止部材588が、図示するように、後カバー582の取付凹部582b内に後側から取付けられていると共に、後カバー582における取付凹部582b内の切断部588dが形成された部位と対応した部位が前後方向に貫通すると同時に打球供給口582aと連通した形態に形成されている。換言すると、後カバー582は、打球供給口582aが取付凹部582b内まで延びだした形状に形成されている。
この不正防止部材588によると、線材Iwが付けられた不正な遊技球Iを球送りユニット580から打球発射装置650へ供給し、打球発射装置650によって不正な遊技球Iを遊技盤4の遊技領域1100内へ向かって打込むと、打球発射装置650によって発射された不正な遊技球Iが発射レール660に沿って正面視で斜め左上へと移動し、外レール1111と内レール1112との間を通って遊技領域1100内に侵入しようとする。この際に、不正な遊技球Iに付けられた線材Iwは、打撃された遊技球Iの勢いによって引張られることとなり、線材Iwは不正な遊技球Iの移動軌跡とは異なり、遊技球の通路内において最短距離で結ぶルート上に沿うように移動することとなる。従って、皿ユニット300から球送りユニット580の打球供給口582aを通って打球発射装置650側へ延びた線材Iwは、遊技球Iが正面視で左上方向(背面視で右上方向)へ移動することで、最短ルート上へ移動しようと打球供給口582aの背面視右上隅の方へと引張られ、打球供給口582aの背面視右上に形成された取付凹部582b内へと移動することとなる。そして、打球供給口582aの背面視で右方へ延出した部位(取付凹部582b内)へ移動した線材Iwは、当該位置に配置された不正防止部材588の一対の傾斜部588eによって、切断部588d内へと案内された上で、更に、不正な遊技球Iの勢いによって背面視右方へと引張られる。
これにより、不正な遊技球Iに付いた線材Iwが、不正な遊技球Iの勢いにより、不正防止部材588の切断部588dで、その隙間が狭くなる方向(正面視で左方向)へ引張られた状態となり、切断部588dにより摩擦や剪断力が作用して、線材Iwが切断されることとなる(図61(D)を参照)。この際に、線材Iwが付いた不正な遊技球Iは、線材Iwに作用する摩擦等によりその勢いが減衰するので、遊技領域1100内へ侵入することなく外レール1111と発射レール660との間を通って排出されることとなる。
従って、不正防止部材588の切断部588dによって、不正な遊技球Iに付いた線材Iwを切断することができるので、遊技領域1100内において線材Iwの付いた不正な遊技球Iで不正行為が行われるのを防止することができるようになっている。なお、仮に不正な遊技球Iが遊技領域1100内へ侵入した場合でも、上述したように、不正防止部材588により線材Iwを切断することができるので、不正行為を行うことができない状態となる。また、仮に不正防止部材588により線材Iwを切断することができなかった場合でも、線材IwがV字状の切断部588dに食込むことで不正な遊技球Iの勢いを減衰させて遊技領域1100内に侵入するのを阻止することができるので、不正行為が行われるのを防止することができるようになっている。
上述したように、本例によると、上皿301内に遊技球を貯留させて球送りユニット580へ遊技球を供給した上で、扉枠5の前面に備えられたハンドル装置500を遊技者が操作すると、球送りユニット580の球送ソレノイド585の駆動によって遊技球が打球発射装置650へ送られ、打球発射装置650によって遊技球が遊技領域1100へ打ち込まれることで、扉枠5の遊技窓101を介して視認可能とされた遊技領域1100内で遊技が行われることとなり、遊技者を楽しませることができると共に、扉枠ベースユニット100の後面に送り機構(球送り部材584や球送ソレノイド585等)と排出機構(球抜き部材583)とを備えた球送りユニット580を配置しているので、球送り部材584と球抜き部材583だけでなく球送り部材584と打球発射装置650も可及的に接近した状態となり、上皿球抜きボタン341の操作によって上皿301内の遊技球を排出させた時に、球送り部材584側に残存する遊技球の数を可及的に低減させることができ、遊技者が損した気分となるのを回避させて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、球抜き部材583を備えた球送りユニット580を扉枠ベースユニット100の後面に配置しているので、皿ユニット300における上皿301の容量を大きくすることが可能となり、遊技球の打込操作によって上皿301内の遊技球が早期になくなったり、上皿301内が遊技球で早期に満タンとなってしまったりするのを抑制することができ、上皿301内の遊技球に対して遊技者が煩わしく感じるのを低減させて興趣が低下するのを抑制することができると共に、上皿301の容量を維持した状態で皿ユニット300を小型化することができるので、相対的に遊技領域1100を大きく(広く)して遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ機1とすることができる。
また、球送りユニット580に球抜き部材583を備えるようにしているので、球送り部材584と球抜き部材583とを別々にしたものと比較して、球送りユニット580を取付けるだけで球送り部材584と球抜き部材583を取付けることができ、組立てに係る手間を簡略化することができると共に、送りユニット580を容易に交換することができ、球送り部材584や球抜き部材583に不具合が発生しても、球送りユニット580を交換することで簡単に不具合を解消させることができる。
更に、扉枠5における扉枠ベースユニット100の後面に球送りユニット580を配置するようにしているので、球送りユニット580を本体枠3側に備えるようにしたものと比較して、上皿球抜きボタン341の操作を球送りユニット580の球抜き部材583へ伝達させる伝達機構(上皿球抜き機構340)を開閉可能な扉枠5と本体枠3とに跨るように構成する必要がなく、伝達機構にかかる構成を簡略化することができる。また、球送りユニット580を扉枠5側に備えるようにしているので、球送りユニット580を本体枠3側に備えるようにした場合と比較して、扉枠5を開放する度に伝達機構(上皿球抜き機構340)が遮断されることで伝達機構が早期に消耗して誤作動したり破損したりする虞を回避させることができ、伝達機構や球送りユニット580等の作動に対する信頼性や耐久性を高めることができる。
また、上皿球抜きボタン341を下方へ押圧操作するものとしているので、上皿球抜きボタン341を下方へ押圧するだけで上皿301から遊技球を下皿302へ排出させたり、上皿301からの遊技球の排出を停止させたりすることができ、遊技者に対して上皿球抜きボタン341による上皿301内の球抜き操作を楽に操作させることができる。
また、上皿球抜きボタン341の操作に応じて上下方向へスライドする上皿球抜きスライダ343の動きによって、球抜き部材583の仕切部583aを可動させるようにしており、上皿球抜きスライダ343と共に仕切部583aも上下方向へ可動するので、上皿球抜きスライダ343や仕切部583aに係る水平方向の移動範囲を可及的に小さくすることが可能となり、上皿球抜き機構340や球送りユニット580を小型化することができ、上述した作用効果を確実に奏することが可能なパチンコ機1とすることができる。
更に、上皿球抜きスライダ343を上方へ付勢すると共に、上皿球抜きスライダ343が上昇位置の時に球抜き部材583の仕切部583aが進入口581aと打球供給口582aとを連通させるようにしているので、上皿301から遊技球が勢い良く仕切部583aに当接しても、その衝撃を上皿球抜きスライダ343に作用する付勢力によって緩和させることができ、仕切部583a(球抜き部材583)の耐久性を高めることができる。また、上皿球抜きスライダ343に作用する付勢力によって仕切部583aに係る衝撃を緩和させることができるので、遊技球が仕切部583aに衝突しても撥ね難くすることができ、遊技球の撥ねにより球送りユニット580等が破損して不具合が発生するのを抑制することができる。
また、仕切部583aを回動させるようにしているので、仕切部583aをスライドさせるようにした場合と比較して、仕切部583aに遊技球の荷重がかかった時の仕切部583aの移動に係るフリクションロスを低減させることができ、上皿球抜きボタン341の操作を軽くして操作性を向上させることができると共に、平面投影において仕切部583aの移動範囲を小さくすることができ、上記と同様の作用効果を奏することができる。
また、仕切部583aを、自重によって進入口581aと球抜口581bを連通する方向へ回動させるようにしているので、仕切部583aや上皿球抜き機構340に不具合が発生した場合、仕切部が自重によって回動することで進入口と排出口とを連通させた状態となり、排出操作部を操作していないのにも関わらず貯留皿内の遊技媒体が送り機構(投入装置)側へ送られずに遊技者側へ排出されることとなるため、遊技者に対してパチンコ機1に不具合が発生していることを認識させることができ、不具合の無いパチンコ機1へ移動させて興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、球抜き部材583において仕切部583aを屈曲した回動棹部583bを介して回動させるようにしているので、遊技球が仕切部583aに衝突した場合、その衝撃を屈曲した回動棹部583bによって分散させたり、回動棹部583bの撓りによって吸収させたりすることで、回動軸へ直線的に衝撃が伝達されるのを防止することができ、球抜き部材583の耐久性を高めることができる。
また、上皿301側と連通する進入口581aの直下に球抜口581bを配置しているので、上皿301内の遊技球を排出させる際に、球送りユニット580内での遊技球の左右方向の動きを最小限とすることができ、球送りユニット580内での遊技球の通りを良くして遊技球を良好に排出させることができる。また、進入口581aの直下に球抜口581bを配置しているので、球送りユニット580内における遊技球の排出経路を可及的に短くすることができ、球送りユニット580に排出機構としての球抜き部材583を備えても、球送りユニット580が不必要に大型化するのを抑制することができる。
更に、不正防止部材588を、後カバー582の後側の取付凹部582bに取付けるようにしており、不正防止部材588(切断部588d)を打球発射装置650に対して可及的に近い位置に配置することができるので、打球発射装置650によって発射された直後の最も速度の速い(勢いのある)状態の不正な遊技球Iに付着した線材Iwが切断部588dに接触することとなり、切断部588dに対して線材Iwが速く(強く)引張られることで、線材Iwを確実に切断することができると共に、不正な遊技球Iの勢いを減衰させて遊技領域1100内に侵入するのを阻止することができ、不正な遊技球Iによって不正行為が行われるのを確実に防止することができる。
また、切断部588dを備えた不正防止部材588を、後カバー582の後面から前方へ向かって窪んだ取付凹部582b内に取付けるようにしているので、V字状の切断部588dを形成するために後方へ折曲げられた上片部588bが後カバー582の後端面から後方へ突出しない状態とすることができ、不正防止部材588の上片部588bによって組立て等の際に作業者が怪我をしてしまうのを防止することができる。
また、不正な遊技球Iに付けられた線材Iwを切断することが可能な不正防止部材588において、金属板材の右端から伸びた分割線588aを挟んで上側の上片部588bを後方へ屈曲させることで、V字状の切断部588dを形成するようにしているので、剪断力を発揮することが可能な切断部588dを簡単に形成(加工)することができ、パチンコ機1に係るコストが増加するのを抑制することができる。
[ガラスユニット]
次に、扉枠5におけるガラスユニット590について、主に図22及び図23を参照して説明する。このガラスユニット590は、遊技窓101と略同じ大きさの開口を有し合成樹脂で成型した環状で縦長八角形状のユニット枠592と、ユニット枠592の開口の前後端を夫々閉鎖する二枚の透明なガラス板594(図112を参照)と、を備えている。このガラスユニット590のユニット枠592は、左右両辺の上部に配置され外方へ板状に延出した二つの止め片592aと、下端に沿って左右方向へ延び下方へ延出した板状の係止片592bと、を備えている。
次に、扉枠5におけるガラスユニット590について、主に図22及び図23を参照して説明する。このガラスユニット590は、遊技窓101と略同じ大きさの開口を有し合成樹脂で成型した環状で縦長八角形状のユニット枠592と、ユニット枠592の開口の前後端を夫々閉鎖する二枚の透明なガラス板594(図112を参照)と、を備えている。このガラスユニット590のユニット枠592は、左右両辺の上部に配置され外方へ板状に延出した二つの止め片592aと、下端に沿って左右方向へ延び下方へ延出した板状の係止片592bと、を備えている。
このガラスユニット590は、下端の係止片592bを、扉枠ベースユニット100の補強ユニット150における下側補強板金154の垂直折曲突片161に対して後上方から係合するように係止させた上で、ユニット枠592の外周縁を扉枠ベース本体110のガラスユニット支持段部110a内に嵌め込み、ガラスユニット係止部材190によってユニット枠592の止め片592aを係止させることで、扉枠ベースユニット100に対して脱着可能に取付けられるようになっている(図21等を参照)。
[扉枠における造形装飾]
次に、扉枠5における造形装飾、つまり、形状的な装飾について主に図17、図19、図20、及び図62を参照して説明する。図62は、扉枠を上下方向略中央で切断して示す断面図である。本実施形態のパチンコ機1における扉枠5は、図示するように、縦長楕円形状の遊技窓101の下側に、遊技球を貯留するための上皿301と下皿302とが上下に並ぶと共に、下皿302の正面視右側に、上皿301に貯留された遊技球を遊技窓101を閉鎖する透明なガラスユニット590の後側に配置された遊技盤4の遊技領域1100内へ打ち込むためのハンドル装置500が配置されている。また、扉枠5は、遊技窓101の左右及び上側を囲むように右サイド装飾ユニット200、左サイド装飾ユニット240、及び上部装飾ユニット280が配置されていると共に、遊技窓101の下側を囲むように皿ユニット300が配置されている。
次に、扉枠5における造形装飾、つまり、形状的な装飾について主に図17、図19、図20、及び図62を参照して説明する。図62は、扉枠を上下方向略中央で切断して示す断面図である。本実施形態のパチンコ機1における扉枠5は、図示するように、縦長楕円形状の遊技窓101の下側に、遊技球を貯留するための上皿301と下皿302とが上下に並ぶと共に、下皿302の正面視右側に、上皿301に貯留された遊技球を遊技窓101を閉鎖する透明なガラスユニット590の後側に配置された遊技盤4の遊技領域1100内へ打ち込むためのハンドル装置500が配置されている。また、扉枠5は、遊技窓101の左右及び上側を囲むように右サイド装飾ユニット200、左サイド装飾ユニット240、及び上部装飾ユニット280が配置されていると共に、遊技窓101の下側を囲むように皿ユニット300が配置されている。
扉枠5は、遊技窓101を挟んで両側の外観が大きく異なっており、右側が右サイド装飾ユニット200の外面を形成するサイドレンズ210によりゴツゴツした自然の岩のような感じの外観となっているの対して、左側が左サイド装飾ユニット240の透明なサイドレンズ250の周レンズ部250aから見えるサイド下装飾フレーム242及びサイド上装飾フレーム244により金属質のシャープで人工的な感じの外観となっている。
また、扉枠5は、図62に示すように、右サイド装飾ユニット200と左サイド装飾ユニット240とでは、前方への突出量が異なっており、右サイド装飾ユニット200の方が左サイド装飾ユニット240よりも大きく前方へ突出している。また、右サイド装飾ユニット200の前端は前方へ尖ったような形状に形成されているのに対して、左サイド装飾ユニット240の前端は緩く湾曲した平面状に形成されている。
これにより、本例の扉枠5は、右前方から見た時には右サイド装飾ユニット200と左サイド装飾ユニット240とが互いに同じようなボリュウムに見える(図19を参照)のに対して、左前方から見た時には右サイド装飾ユニット200が左サイド装飾ユニット240よりも大きく見える上に左サイド装飾ユニット240の装飾が殆ど見えなくなり、パチンコ機1に対する遊技者の立ち位置によって異なる印象を与えることができるようになっている。つまり、本パチンコ機1に対する遊技者の位置によって本パチンコ機1の外観が変化して見えて機種の異なるパチンコ機のように錯覚させることができるので、遊技するパチンコ機を選択中の遊技者等に対する訴求力を高くすることができ、遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ機1とすることができる。
また、扉枠5の前面外観を左右非対称としているので、例えば、遊技ホールの島設備等で本パチンコ機1を左右方向へ複数列設した場合、島設備全体の外観がのっぺりとしたベタな感じになってしまうのを抑制し異なる形態の右サイド装飾ユニット200と左サイド装飾ユニット240とが交互に配置されることでリズミカルな印象を与えて遊技者をワクワクさせられる外観(雰囲気)とすることができ、遊技者に対する訴求力を高くして遊技者の関心を強く引付けることができる。
また、扉枠5は、各ユニット200,220,280,300に備えられた装飾基板214,216,254,256,288,290,322等に実装されたLEDを発光させることで、遊技窓101を囲むように任意の発光色で発光装飾させることができるようになっている。また、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240に備えられた装飾基板214,216,254,256に実装されたLEDのうち、サイド閃光レンズ204,246の後側に配置されたLED214b,216b,254b,256を点灯したり消灯したりすることで、遊技窓101を囲んだ発光装飾の態様を変化させることができるようになっている。
[扉枠における発光装飾]
続いて、扉枠5における発光装飾について、主に図63及び図64を参照して説明する。図63は、扉枠における発光装飾用のLEDの配置を示す正面図である。また、図64は、扉枠における発光装飾用のLEDの系統を示す正面図である。本実施形態の扉枠5は、右サイド装飾ユニット200、左サイド装飾ユニット240、上部装飾ユニット280、及び皿ユニット300によって遊技盤4の遊技領域1100と略対応した遊技窓101の外周を略環状に囲うように形成されている。これら各ユニット200,240,280,300には、LEDが実装された装飾基板214,216,254,256,288,290,322を備えており、各LEDを適宜発光させることで、遊技窓101の外周を発光装飾させることができるようになっている。
続いて、扉枠5における発光装飾について、主に図63及び図64を参照して説明する。図63は、扉枠における発光装飾用のLEDの配置を示す正面図である。また、図64は、扉枠における発光装飾用のLEDの系統を示す正面図である。本実施形態の扉枠5は、右サイド装飾ユニット200、左サイド装飾ユニット240、上部装飾ユニット280、及び皿ユニット300によって遊技盤4の遊技領域1100と略対応した遊技窓101の外周を略環状に囲うように形成されている。これら各ユニット200,240,280,300には、LEDが実装された装飾基板214,216,254,256,288,290,322を備えており、各LEDを適宜発光させることで、遊技窓101の外周を発光装飾させることができるようになっている。
扉枠5の右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240は、上述したように、遊技窓101の下辺を除く外周の殆どを囲うように形成されており、サイドレンズ210,250における複数の周レンズ部210a,250aが遊技窓101の外周に沿うように配置されていると共に、サイド閃光レンズ204,246が遊技窓101の左右方向中央の下部付近を中心とした放射状の軸線に沿って延びるように隣接した周レンズ部210a,250a同士の間に配置されている。
本例の扉枠5は、右サイド装飾ユニット200におけるサイドレンズ210の周レンズ部210aが略紡錘状の複数の湾曲面により形成されているのに対して、左サイド装飾ユニット240におけるサイドレンズ250の周レンズ部250aが一つの滑らかな緩い湾曲面により形成されている。また、扉枠5は、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240におけるサイドレンズ210,250の後側に、光を拡散させることが可能なサイドインナーレンズ212,252が配置されている。なお、左サイド装飾ユニット240では、サイドレンズ250における周レンズ部250aとサイドインナーレンズ252との間に複数のスリット251aを有したインナー装飾部材251が配置されている。
また、扉枠5は、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240におけるサイドインナーレンズ212,252の後側に、右サイド上装飾基板214、右サイド下装飾基板216、左サイド上装飾基板254、及び左サイド下装飾基板256が配置されており、各装飾基板214,216,254,256の前面には複数のLED214a,214b,214c,216a,216b,254a,254b,256a,256bが実装されている。
サイドインナーレンズ212,252の後側に配置される右サイド上装飾基板214、右サイド下装飾基板216、左サイド上装飾基板254、左サイド下装飾基板256には、周レンズ部210a,250aと対応する位置に配置されたLED214a,216a,254a,256aと、放射レンズ部210b,250b(サイド閃光レンズ204,246)と対応する位置に配置されたLED214b,216b,254b,256bとを備えている。本例では、周レンズ部210a,250aと対応したLED214a,216a,254a,256aがフルカラーLEDとされており、放射レンズ部210b,250bと対応したLED214b,216b,254b,256bが比較的高輝度のLEDとされている。また、右サイド上装飾基板214における上部右端に配置された二つのLED214cは、緑色LEDと赤色LEDとされている。
なお、本例では、右サイド上装飾基板214、右サイド下装飾基板216、左サイド上装飾基板254、及び左サイド下装飾基板256の表面が、白色のフォトレジスト、白色印刷(例えば、シルク印刷)、白色塗装、等によって白色とされている。これにより、装飾基板214,216,254,256での反射率を高めることができるので、各LED214a,216a等が非点灯時に遊技者側からの光を装飾基板214,216,254,256によって反射させることで、サイドレンズ210,250が暗くなりすぎて見栄えが悪くなるのを防止することができると共に、発光する各LED214a,216a等からの光を基板によって遊技者側へ反射させることで、サイドレンズ210,250をより明るく発光装飾させることができるようになっている。
扉枠5の上部装飾ユニット280は、上述したように、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240の上部における扉枠5の左右方向中央側を向いた端部同士の間を接続するように形成されており、遊技窓101の上部中央を装飾するものである。この上部装飾ユニット280は、左右方向中央に配置される上部中央レンズ284と、上部中央レンズ284の外周に配置される環状の中央環レンズ部282bと、中央環レンズ部282bよりも外側で外方へ延びた四つの延出枠レンズ部282cと、を備えている。なお、正面視右下側の延出枠レンズ部282cは前面が上部下装飾カバー294によって被覆されている。
この上部装飾ユニット280は、上部中央レンズ284及び上部レンズ282における中央環レンズ部282bの後側に配置される上部中央装飾基板288と、上部中央装飾基板288よりも左右方向へ延出し上部レンズ282における延出枠レンズ部282c及び上部中央装飾基板288の後側に配置される上部サイド装飾基板290と、を備えている。上部中央装飾基板288には、上部中央レンズ284と対応した複数のLED288aと、中央環レンズ部282bと対応した複数のLED288bとが前面に実装されており、上部中央レンズ284と中央環レンズ部282bとを夫々別々に発光装飾させることができるようになっている。また、上部サイド装飾基板290には、延出枠レンズ部282cと対応した複数のLED290aが前面に実装されており、各延出枠レンズ部282cを夫々発光装飾させることができるようになっている。なお、上部中央装飾基板288及び上部サイド装飾基板290の各LED288a,288b,290aは、フルカラーLEDとされている。
続いて、皿ユニット300では、外側表面が略紡錘状の複数の湾曲面によって形成されており、右サイド装飾ユニット200の外観と連続した外観となっている。この皿ユニット300は、上皿前部装飾部材316の後側に上皿装飾基板322が配置されており、上皿装飾基板322に実装された複数のLED322aによって、上皿前部装飾部材316における右側の部位と、上皿球抜きボタン341の前側外周を装飾する上皿上部右装飾部材319を発光装飾させることができるようになっている。なお、本例では、上皿装飾基板322のLED322aは、フルカラーLEDとされている。
次に、皿ユニット300に取付けられる操作ユニット400は、透光性を有した環状のダイヤル操作部401と、ダイヤル操作部401の内側に配置された透光性を有した円柱状の押圧操作部405とを備えており、ダイヤル操作部401及び押圧操作部405の下側にはダイヤル装飾基板430及びボタン装飾基板432が夫々配置されている。ダイヤル装飾基板430には、ダイヤル操作部401と対応するように周方向へ複数(本例では、四つ)配置されたLED430bが備えられている。また、ボタン装飾基板432には、押圧操作部405と対応するように一つのLED432dが備えられている。本例では、ダイヤル装飾基板430のLED430bが高輝度の白色LEDとされており、ボタン装飾基板432のLED432dがフルカラーLEDとされている。また、ダイヤル装飾基板430及びボタン装飾基板432の表面(上面)もまた、白色とされており、上記と同様の作用効果を奏することができるようになっている。
ところで、本例の扉枠5では、遊技窓101の下辺よりも上側の外周を覆う右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240におけるサイドレンズ210,250の各周レンズ部210a,250aと対応したLED214a,216a,254a,256aが、遊技窓101に近い第一環状グループ102(図63及び図64においてハッチの範囲内)と、第一環状グループ102よりも外側に配置された第二環状グループ103(図63及び図64においてクロスハッチの範囲内)とに分けられており、第一環状グループ102と第二環状グループ103のLEDを適宜発光させることで、遊技窓101を囲むように略同心円状に複数(本例では二つ)発光装飾させることができるようになっている。つまり、第一環状グループ102のLED214a,216a,254a,256aを全て発光させると、遊技窓101に近いハッチの範囲が環状に発光装飾され、第二環状グループ103のLED214a,216a,254a,256aを全て発光させると、遊技窓101から遠ざかったクロスハッチの範囲が環状に発光装飾されるようになっている。
また、扉枠5では、右サイド装飾ユニット200及び左サイド装飾ユニット240におけるサイド閃光レンズ204,246(サイドレンズ210,250の放射レンズ部210b,250b)と対応したLED214b,216b,254b,256bが、第一環状グループ102及び第二環状グループ103を周方向へ分割するように遊技窓101(遊技領域1100)の左右方向中央下部を中心として放射状に延びた放射状グループ104(図63及び図64において網掛けの範囲内)とされている。この放射状グループ104のLED214b,216b,254b,256bを適宜発光させることで、遊技窓101の外側を放射状に発光装飾させることができる他に、第一環状グループ102や第二環状グループ103による環状の発光装飾を周方向へ分割するように発光装飾させることができるようになっている。
また、扉枠5では、右サイド装飾ユニット200におけるサイドレンズ210の右上隅と対応した右サイド上装飾基板214のLED214cは、報知グループ105とされており、このLED214cを適宜発光させることで、遊技者やパチンコ機1を設置した遊技ホールの従業員等に対して様々な情報を報知させることができるようになっている。
また、扉枠5では、遊技窓101の上側中央を装飾する上部装飾ユニット280における上部中央レンズ284及び中央環レンズ部282bと対応したLED288a,288bが、第一環状グループ102及び第二環状グループ103の上部中央を発光装飾する上部中央グループ106とされている。この上部中央グループ106のLED288a,288bを適宜発光させることで、遊技窓101の上部中央を発光装飾させることができる他に、第一環状グループ102や第二環状グループ103による環状の発光装飾の基準点となるような発光装飾をさせることができるようになっている。また、上部装飾ユニット280における延出枠レンズ部282cと対応したLED290aは、上部中央グループ106の左右両側を発光装飾させる上部中央サイドグループ107とされている。この上部中央サイドグループ107のLED290aを適宜発光させることで、第一環状グループ102及び第二環状グループ103と上部中央グループ106との境界を発光装飾させることができるようになっている。
更に、扉枠5では、遊技窓101の下側に配置された皿ユニット300の上皿前部装飾部材316及び上皿上部右装飾部材319と対応したLED322aは、上皿301を発光装飾させる上皿グループ108とされている。また、扉枠5では、遊技窓101の下側中央で皿ユニット300の上部中央に配置された操作ユニット400のダイヤル操作部401及び押圧操作部405と対応したLED430b,432dが、操作ユニット400を発光装飾させる操作グループ109とされている。この操作グループ109のLED430b,432dを適宜発光させることで、ダイヤル操作部401や押圧操作部405を発光装飾させることができ、ダイヤル操作部401や押圧操作部405の操作タイミングや操作方向等を遊技者に知らせることができるようになっている。
本実施形態における扉枠5における発光装飾について、更に、詳述すると、本例では、扉枠5に備えられた各LED214a,214b,214c,216a,216b,254a,254b,256a,256b,288a,288b,290a,322a,430b,432dが、夫々が属するグループ102,103,104,106,107,108,109内で制御系統に対応して更に細分化されている。具体的には、図64に示すように、第一環状グループ102に属する20個のLED214a,216a,254a,256aは、サイドレンズ210,250の各周レンズ部210a,250a毎に102a〜102jの10系統に分けられており、第二環状グループ103に属する26個のLED214a,216a,254a,256aは、サイドレンズ210,250の各周レンズ部210a,250a毎に103a〜103jの10系統に分けられている。
また、放射状グループ104に属する20個のLED214b,216b,254b,256bは、サイド閃光レンズ204,246(サイドレンズ210,250の放射レンズ部210b,250b)毎に104a〜104hの8系統に分けられている。また、報知グループ105に属する2個のLED214cは、上側105aと下側105bの2系統に分けられている。更に、上部中央グループ106に属する8個のLED288a,288bは、中央部106a、右部106b、左部106cの3系統に分けられている。また、上部中央サイドグループ107に属する7個のLED290aは、右側107aと左側107bの2系統に分けられている。
更に、上皿グループ108に属する11個のLED322aは、前後及び左右に108a〜108dの4系統に分けられている。また、操作グループ109に属する5個のLED430b,432dは、ダイヤル操作部401と対応した4個のLED430bが押圧操作部405を挟んで対角線状に配置されたLED430bを一組として左右109aと前後109bの2系統、押圧操作部405と対応した1個のLED432cが1系統、の3系統に分けられている。このように、本例の扉枠5では、各LED214a,214b,214c,216a,216b,254a,254b,256a,256b,288a,288b,290a,322a,430b,432dが、42の系統に分けられている。
ところで、扉枠5では、上述したように、LED214a,216a,254a,256a,288a,288b,290a,322a,432dがフルカラーLEDとされており、それらLED214a,216a,254a,256a,288a,288b,290a,322a,432dの属する28の系統102a〜102j,103a〜103j,106a〜106c,108a〜108d,109cでは、フルカラーで発光させるためにRGBの独立した3つの系統を更に備えており、実際の発光制御では3倍の84系統となっている。また、LED288a,430bは高輝度の白色LEDとされており、それらLED288a,430bが属する4つの系統107a,109a,109bでは、高輝度で発光させるために多くの電流を必要とするので、夫々2つの系統が接続されており、実際の発光制御では2倍の8系統となっている。
なお、LED214b,216b,254b,256bは通常の輝度の白色LEDとされており、8つの系統104a〜108hに属している。また、LED214cは緑色LED及び赤色LEDとされており、2つの系統105a,105bに属している。これらLED214b,216b,254b,256b,214cによる10の系統104a〜108h,105a,105bは、各系統で充分に制御することができるので、実際の発光制御でも同数の10系統となっている。
従って、扉枠5における発光制御での実際の系統数は、102系統となっており、各LED214a,214b,214c,216a,216b,254a,254b,256a,256b,288a,288b,290a,322a,430b,432dが属した系統毎に、点灯・点滅等がダイナミック点灯により制御されていると共に、階調(色や明るさ)がPWM制御(パルス幅変調制御)により制御されるようになっている。これにより、表情豊かな発光演出をすることができるようになっている。
扉枠5における発光演出としては、例えば、第一環状グループ102から第二環状グループ103へ順に発光(同色、或いは、類似色で順次発光)させることで遊技窓101を中心として外側へ広がるような発光演出や、逆に、第二環状グループ103から第一環状グループ102へ順に発光(同色、或いは、類似色で順次発光)させることで遊技窓101へ向かって外側から収束するような発光演出、或いは、第一環状グループ102と第二環状グループ103とを同時に発光させることで遊技窓101の外周全体を広く発光させるような発光演出等をすることができるようになっている。
また、遊技盤4に備えられたLED(詳細な図示は省略する)と協調することで、遊技盤4のLEDと、遊技窓101に近い第一環状グループ102のLEDと、第一環状グループ102よりも外側に配置された第二環状グループ103のLEDとによって、更に表情豊かな発光演出を行うことが可能となり、遊技者の関心を強く引付けることができると共に、遊技者を楽しませて興趣が低下するのを抑制することができる。
また、第一環状グループ102、第二環状グループ103や、下部グループ108において、各系統102a〜102j,103a〜103jを適宜発光させることで、遊技窓101の外周に沿って上部装飾ユニット280の上部中央レンズ284へ向かって光が移動するような、或いは、上部中央レンズ284から光が遊技窓101の外周に沿って移動するような発光演出をしたりすることができる。なお、本例では、第一環状グループ102や第二環状グループ103を周方向へ10系統102a〜102j,103a〜103jに分割(10分割)したものを示したが、これに限定するものではなく、8系統程に分割(8分割程)されていれば遊技窓101の外周を光が周回するような発光演出を良好に行うことができる。
更に、放射状グループ104のみを発光させることで遊技窓101を中心に放射状に発光する発光演出をしたり、放射状グループ104と同時に第一環状グループ102、第二環状グループ103、及び下部グループ108を発光させることで遊技窓101の外周全体を略均一に発光させる発光演出をしたり、第一環状グループ102や第二環状グループ103の発光中に放射状グループ104を発光(点灯・点滅)させることで環状の発光装飾に対してアクセントを付与する発光演出をしたりすることができる。また、放射状グループ104の各系統104a〜104hを夫々個々に発光させることで、サイド閃光レンズ204,246(放射レンズ部210b,250b)が周回するような発光演出もすることができる。
また、上部中央グループ106や上部中央サイドグループ105を発光させることで、遊技者に対してチャンスの到来や特定の遊技状態(例えば、大当たり遊技状態、確変遊技状態、時短遊技状態、確変時短遊技状態、等)を示唆する発光演出を行うことができる。
更に、下部グループ108の各系統108a〜108dを適宜発光させることで、上皿301を発光装飾させる発光演出をしたり、操作グループ109と関連させて発光させることで、ダイヤル操作部401や押圧操作部405の操作を促す発光演出をしたりすることができる。また、操作グループ109におけるダイヤル操作部401と対応した系統109a,109bを適宜発光させることで、ダイヤル操作部401の操作を促したり、ダイヤル操作部401の回転操作方向を案内したりする発光演出をすることができる。更に、操作グループ109における押圧操作部405と対応した系統109cを発光させることで、押圧操作部405の操作を促す発光演出をすることができる。
なお、第一環状グループ102、第二環状グループ103、上部中央グループ106、下部グループ108、及び操作グループ109の系統109cは、フルカラーLEDとされているので、各グループ102,103,106,108,109毎や、各系統102a〜102j,103a〜103j,106a〜106c,108a〜108d,109c毎に、発光色や明るさ等の階調を異ならせた発光演出を行うことができ、多彩で表情豊かな発光演出を行うことができる。
[本体枠の全体構成]
次に、パチンコ機1における本体枠3について、図65乃至図71を参照して説明する。図65は、本体枠の正面図であり、図66は、本体枠の背面図である。また、図67は、本体枠の正面斜視図であり、図68は、本体枠の背面斜視図である。更に、図70は、本体枠を分解して前から見た分解斜視図であり、図69は、本体枠の左側面図であり、図71は、本体枠を分解して後から見た斜視図である。本実施形態の本体枠3は、外枠2に対して正面視左辺が軸支されており、扉枠5の後側で外枠2の前面を開閉するように扉状に支持されていると共に、前側が扉枠5によって開閉させられるようになっている。また、本体枠3は、扉枠5の遊技窓101と対応した位置に前側から遊技盤4を着脱自在に保持することができるようになっている。
次に、パチンコ機1における本体枠3について、図65乃至図71を参照して説明する。図65は、本体枠の正面図であり、図66は、本体枠の背面図である。また、図67は、本体枠の正面斜視図であり、図68は、本体枠の背面斜視図である。更に、図70は、本体枠を分解して前から見た分解斜視図であり、図69は、本体枠の左側面図であり、図71は、本体枠を分解して後から見た斜視図である。本実施形態の本体枠3は、外枠2に対して正面視左辺が軸支されており、扉枠5の後側で外枠2の前面を開閉するように扉状に支持されていると共に、前側が扉枠5によって開閉させられるようになっている。また、本体枠3は、扉枠5の遊技窓101と対応した位置に前側から遊技盤4を着脱自在に保持することができるようになっている。
本例の本体枠3は、本体枠3の骨格を形成すると共に前後方向に貫通し遊技盤4を保持するための矩形状の遊技盤保持口601を有した本体枠ベース600と、本体枠ベース600の正面視左側端部の上端及び下端に夫々取付けられ外枠2に軸支されると共に扉枠5を軸支するための上軸支金具630及び下軸支金具640と、本体枠ベース600の下部前面に取付けられ遊技盤4の遊技領域1100内へ遊技球を打ち込むための打球発射装置650と、本体枠ベース600の後側に取付けられ皿ユニット300の上皿301へ遊技球を払出すための賞球ユニット700と、本体枠ベース600の前面に取付けられ本体枠3に対して扉枠5が開いた時に賞球ユニット700から扉枠5の皿ユニット300への遊技球の流れを遮断する球出口開閉ユニット790と、を備えている。
また、本体枠3は、本体枠ベース600の下部後面に取付けられ遊技盤4を除く扉枠5や本体枠3に備えられた電気的部品を制御するための各種の制御基板や電源基板851等を一纏めにしてユニット化した基板ユニット800と、本体枠ベース600における遊技盤保持口601の後側開口を覆う裏カバー900と、本体枠ベース600の正面視左側端部を被覆する側面防犯板950と、本体枠ベースの正面視右側端部に取付けられ外枠2に対する本体枠3の開閉施錠、及び本体枠3に対する扉枠5の開閉施錠をする錠装置1000と、を主に備えている。
[本体枠ベース]
次に、本体枠3における本体枠ベース600について、主に図72及び図73を参照して説明する。図72は、本体枠における本体枠ベースの正面斜視図である。また、図73は、本体枠における本体枠ベースの背面斜視図である。本実施形態の本体枠3における本体枠ベース600は、合成樹脂によって一体成形されており、正面視の外形が扉枠5の外形と沿った縦長の矩形状とされていると共に、前後方向へ略一定の奥行きDを有するように形成されている(図69を参照)。これにより、本体枠ベース600に対して、その後側に賞球ユニット700、基板ユニット800、裏カバー900、及び錠装置1000等の取付作業時において、本体枠ベース600を伏せた状態で作業する際に、本体枠ベース600の後面が本体枠ベース600における奥行きDの高さで略平らな状態となり、賞球ユニット700等を容易に載置することができ、本体枠3の組立てに係る作業性を良くすることができるようになっている。
次に、本体枠3における本体枠ベース600について、主に図72及び図73を参照して説明する。図72は、本体枠における本体枠ベースの正面斜視図である。また、図73は、本体枠における本体枠ベースの背面斜視図である。本実施形態の本体枠3における本体枠ベース600は、合成樹脂によって一体成形されており、正面視の外形が扉枠5の外形と沿った縦長の矩形状とされていると共に、前後方向へ略一定の奥行きDを有するように形成されている(図69を参照)。これにより、本体枠ベース600に対して、その後側に賞球ユニット700、基板ユニット800、裏カバー900、及び錠装置1000等の取付作業時において、本体枠ベース600を伏せた状態で作業する際に、本体枠ベース600の後面が本体枠ベース600における奥行きDの高さで略平らな状態となり、賞球ユニット700等を容易に載置することができ、本体枠3の組立てに係る作業性を良くすることができるようになっている。
本体枠ベース600は、図示するように、上部から下部へ向かって全体の約3/4の範囲内が前後方向へ矩形状に貫通し遊技盤4の外周を嵌合保持可能な遊技盤保持口601と、本体枠ベース600の正面視左辺を除く前端外周を形成するコ字状の前端枠部602と、前端枠部602の前面から後方へ向かって窪み、扉枠5における扉枠ベース本体110の下端から後方へ突出した扉枠突片110c、扉枠5の補強ユニット150における上側補強板金151の後方へ突出した上側の屈曲突片167及び開放側補強板金153の後方へ突出した開放側外折曲突片163が挿入係合される係合溝603と、を備えている。
また、本体枠ベース600は、遊技盤保持口601の下側から本体枠ベース600下端まで延出し前端枠部602の前端から所定量後側へ窪み左右方向へ板状に広がった下部後壁部604と、前端枠部602よりも内側で後方へ突出し遊技盤保持口601の内周壁を形成する周壁部605と、を備えている。この周壁部605によって、コ字状の前端枠部602の自由端部(正面視で上下の左側端部)同士が連結されるようになっており、本体枠ベース600の外形が枠状となるようになっている。
また、本体枠ベース600は、下部後壁部604の上端に遊技盤保持口601の下辺を形成すると共に遊技盤4が載置される遊技盤載置部606と、遊技盤載置部606の左右方向略中央から上方へ突出し遊技盤4における遊技パネル1150のアウト球排出溝1156と係合する位置決め突起607と、周壁部605における正面視右側内壁の所定位置に形成され遊技盤4の遊技盤止め具1120が止め付けられる遊技盤係止部608(図65を参照)と、周壁部605の上側内壁から下方へ垂下し下端が遊技盤4の上端と当接可能な板状で左右方向に複数配置された上端規制リブ609と、を備えている。本体枠ベース600の位置決め突起607は、遊技盤4のアウト球排出溝1156と嵌合することで、遊技盤4の下端が左右方向及び後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。また、遊技盤係止部608は、遊技盤4の遊技盤止め具1120が係止されることで遊技盤4の正面視右辺が前後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。なお、遊技盤4の正面視左辺は、詳細は後述するが、側面防犯板950の位置決め部材956によって前後方向への移動が規制されるようになっている。
更に、本体枠ベース600は、コ字状の前端枠部602の自由端部(正面視で上下の左側端部)の後面に上軸支金具630及び下軸支金具640を取付けるための金具取付部610を備えている(図73を参照)。この金具取付部610は、図72等示すように、その前側が上下及び左右に延びた複数のリブによって補強されており、充分な強度で上軸支金具630及び下軸支金具640を取付けることができるようになっている。また、本体枠ベース600は、正面視で下部後壁部604の右端上部に前後方向に貫通した略円形のシリンダ錠貫通穴611と、シリンダ錠貫通穴611の正面視左下に形成され扉枠5における扉枠ベース本体110から後方へ突出する位置決め突起110dと嵌合するU字状の嵌合溝612と、嵌合溝612の正面視左下に形成され打球発射装置650の発射ソレノイド654を収容するソレノイド収容凹部613と、を備えている。
本例の本体枠ベース600は、上述したように、下部後壁部604が前端枠部602の前面よりも後側へ一段窪んだ位置に形成されており、下部後壁部604の正面視右側前面に、打球発射装置650の発射ソレノイド654がソレノイド収容凹部613内に収容されるように前側から打球発射装置650が取付けられるようになっている。この下部後壁部604の前面に打球発射装置650を取付けた状態では、図67や図102等に示すように、打球発射装置650における発射レール660の上端よりも正面視左側に、左方向及び下方へ広がったファール空間626が形成されるようになっている。本例では、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、ファール空間626の下部にファールカバーユニット540におけるファール球入口542eが位置するようになっており、ファール空間626を下降した遊技球が、ファールカバーユニット540のファール球入口542eに受けられて、皿ユニット300における下皿302へ排出されるようになっている。
また、本体枠ベース600は、正面視で下部後壁部604の左右中央よりも左側に前後方向へ矩形状に貫通する開口部614と、開口部614の上側及び正面視左右両側に複数形成され前後方向に貫通した透孔615と、を備えている。この本体枠ベース600の開口部614は、前側から中継端子板カバー692(図70等を参照)によって閉鎖されるようになっており、中継端子板カバー692の開口692aを通して、下部後壁部604の後面に取付けられた基板ユニット800の主側中継端子板880と周辺側中継端子板882とが前側へ臨むようになっている。また、複数の透孔615は、基板ユニット800のスピーカボックス820からの音を、本体枠ベース600の前側へ伝達させるためのものである。なお、開口部614の左右両側に配置された透孔615は、前側に衝壁を有したベンチレーション型の孔とされている。
また、本体枠ベース600は、開口部614の上側で下部後壁部604の前面上端付近に遊技盤4を脱着可能に固定するための遊技盤固定具690を回転可能に支持する固定具支持部616と、固定具支持部616の正面視右下から前方へ突出し遊技盤固定具690の回転位置を規制するストッパ617と、を備えている。
ここで、遊技盤固定具690は、図65等に示すように、本体枠ベース600の固定具支持部616に軸支される軸心を中心に扇状に広がる固定片690aと、固定片690aにおける周方向一端側(正面視で時計回りの方向へ回転させた時に後端となる側)から外方へ延出する操作片690bと、を備えている。この遊技盤固定具690は、本体枠ベース600の固定具支持部616に軸支させた上で、操作片690bを操作して遊技盤固定具690を正面視で時計回りの方向へ回動させると、固定片690aが遊技盤載置部606よりも上方へ突出し、遊技盤載置部606に載置された遊技盤4の固定凹部1121内に挿入されるようになっており、遊技盤4が前側へ移動するのを阻止することができるようになっている。また、遊技盤固定具690は、操作片690bがストッパ617と当接するようになっており、ストッパ617と当接することで、正面視反時計周りの方向への回動端が規制されるようになっている。
更に、本体枠ベース600は、シリンダ錠貫通穴611の下側前面に、本体枠3に対する扉枠5の開放を検知するための扉枠開放スイッチ618が取付けられており、本体枠3に対して扉枠5が開かれる(開放される)と、その押圧が解除されて扉枠5の開放を検知することができるようになっている。また、本体枠ベース600は、扉枠開放スイッチ618が取付けられた位置よりも下側後面に、外枠2に対する本体枠3の開放を検知するための本体枠開放スイッチ619が取付けられており(図73を参照)、外枠2に対して本体枠3が開かれる(開放される)と、その押圧が解除されて本体枠3の開放を検知することができるようになっている。
また、本体枠ベース600は、コ字状の前端枠部602における正面視で右側(開放側)辺の係合溝603よりも内側(軸支側)に、前後方向へ縦長に貫通する三つの扉用フック穴620と、下端の扉用フック穴620の下側に前後方向へ貫通し左右方向に二つ並んだ錠係止穴621と、を備えている。これら三つの扉用フック穴620は、上下方向の上下両端付近と、上下方向の略中央に夫々形成されている。この上側と中央の扉用フック穴620と錠係止穴621には、錠装置1000の上下両端に備えられた係止突起1004が係合係止されるようになっており、前端枠部602における正面視右辺の後側で周壁部605の外壁に沿って錠装置1000が本体枠ベース600に取付けられるようになっている。そして、本体枠ベース600に錠装置1000を取付けた状態では、錠装置1000の三つの扉枠用フック部1041が、三つの扉用フック穴620から前方へ突出すると共に、錠装置1000のシリンダ錠1010がシリンダ錠貫通穴611から前方へ突出した状態となるようになっている(図67を参照)。
更に、本体枠ベース600は、下部後壁部604の後面に、背面視で、右側上端から左右方向略中央へ向かって緩く斜めに下降した上で、左右方向の略中央で下部後壁部604における上下方向の中間からやや上寄りの位置まで垂下し遊技球が転動可能とされた本体枠ベース球抜通路622を備えている。この本体枠ベース球抜通路622は、基板ユニット800における基板ユニットベース810によって後側が閉鎖されようになっており、詳細は後述するが、賞球装置740における球抜通路741dを転動した遊技球が転動するようになっている。
また、本体枠ベース600は、周壁部605における背面視左辺の後端に、上下方向へ所定間隔で複数配置され裏カバー900の軸支ピン906を回動可能に軸支する裏カバー軸支部623と、下部後壁部604の前面で開口部614の正面視斜め左上に球出口開閉ユニット790を取付けるための取付部624と、周壁部605の正面視右側(開放側)側面に錠装置1000を取付固定するための錠取付部625と、を備えている。
なお、詳細な説明は省略するが、本体枠ベース600には、上記の他に、打球発射装置650、賞球ユニット700、及び基板ユニット800等を取付けるための取付ボスや取付孔等が適宜位置に形成されている。
[上軸支金具及び下軸支金具]
次に、本体枠3における上軸支金具630及び下軸支金具640について、主に図70及び図71を参照して説明する。本体枠3における上軸支金具630及び下軸支金具640は、本体枠ベース600の正面視左端上下後面の金具取付部610に、所定のビスを用いて夫々取付けることで、本体枠3に対して扉枠5を開閉可能に軸支することができると共に、外枠2に対して本体枠3を開閉可能に軸支させることができるものである。
次に、本体枠3における上軸支金具630及び下軸支金具640について、主に図70及び図71を参照して説明する。本体枠3における上軸支金具630及び下軸支金具640は、本体枠ベース600の正面視左端上下後面の金具取付部610に、所定のビスを用いて夫々取付けることで、本体枠3に対して扉枠5を開閉可能に軸支することができると共に、外枠2に対して本体枠3を開閉可能に軸支させることができるものである。
まず、上軸支金具630は、本体枠ベース600の上側の金具取付部610に取付けられ上下左右方向へ広がる板状の取付部631と、取付部631の上端から前方へ延出する板状の前方延出部632と、前方延出部632の前端付近から上方へ延びだすように突設された軸支ピン633と、軸支ピン633の正面視左側に配置され扉枠5の軸ピン155が挿入される上下方向に貫通した扉枠軸支穴634(図67等を参照)と、前方延出部632の正面視左側端部から下方へ垂下し扉枠5の開放側への回動端を規制するストッパ635(図69及び図113を参照)と、を備えている。この上軸支金具630は、取付部631、前方延出部632、及びストッパ635が、一枚の金属板を屈曲成形することで一体的に形成されている。
一方、下軸支金具640は、扉枠5を軸支するための扉枠軸支金具642と、扉枠軸支金具642の下側に配置され外枠2に対して本体枠3を軸支するための本体枠軸支金具644と、を備えている。下軸支金具640における扉枠軸支金具642は、本体枠ベース600の下側の金具取付部610に取付けられ上下左右方向へ広がる板状の取付部642aと、取付部642aの下端から前方へ延出する板状の前方延出部642bと、前方延出部642bの前端付近に上下方向へ貫通し扉枠5の軸ピン157が挿入される扉枠軸支穴634と、前方延出部642bの正面視左側端部から上方へ立設され扉枠5の開放側への回動端を規制するストッパ642dと、を備えている。この扉枠軸支金具642は、取付部642a、前方延出部642b、及びストッパ642dが、一枚の金属板を屈曲成形することで一体的に形成されている。
また、下軸支金具640における本体枠軸支金具644は、本体枠ベース600の下側の金具取付部610に取付けられ上下左右方向へ広がる板状の取付部644aと、取付部644aの下端から前方へ延出する前方延出部644bと、前方延出部644b前端付近に上下方向へ貫通した本体枠軸支穴(図示は省略する)と、を備えている。この本体枠軸支金具644もまた、取付部644a、及び前方延出部644bが、一枚の金属板を屈曲成形することで一体的に形成されている。
本例の下軸支金具640は、扉枠軸支金具642の取付部642aと本体枠軸支金具644の取付部644aとが前後方向に重なった(接した)状態とされると共に、扉枠軸支金具642の前方延出部642bと本体枠軸支金具644の前方延出部644bとが上下方向に所定距離離間した状態で、本体枠ベース600における下側の金具取付部610に取付けられるようになっている。
この上軸支金具630及び下軸支金具640は、本体枠ベース600に取付けた状態で、上軸支金具630の軸支ピン633と、下軸支金具640の図示しない本体枠軸支穴とが同軸上に位置するようになっており、下軸支金具640における本体枠軸支金具644の本体枠軸支穴が、外枠2における下支持金具21の支持突起21dに嵌合挿入されるように、本体枠軸支金具644の前方延出部644bを、下支持金具21の支持突出片21c上に載置した上で、上軸支金具630の軸支ピン633を、外枠2における上支持金具20の支持鉤穴20c内に挿入することで、本体枠3を外枠2に対して開閉可能に軸支させることができるようになっている。
また、この上軸支金具630及び下軸支金具640は、本体枠ベース600に取付けた状態で、上軸支金具630の扉枠軸支穴634と、下軸支金具640の扉枠軸支金具642cとが同軸上に位置するようになっており、下軸支金具640における扉枠軸支金具642の扉枠軸支穴634に、扉枠5の軸ピン157が挿入されるように扉枠5の下軸支部158を扉枠軸支金具642の前方延出部642b上に載置した上で、扉枠5の軸ピン155を、上軸支金具630の扉枠軸支穴634に挿入することで、本体枠3に対して扉枠5を開閉可能に軸支することができるようになっている。なお、本例では、扉枠5の上側の軸ピン155は、上下方向へ摺動可能とされており、上軸支金具630の扉枠軸支穴634へ挿入させる際に、軸ピン155を一旦、下方へスライドさせて、扉枠5の上軸支部156と上軸支金具630の前方延出部632とが上下に重なるようにした上で、軸ピン155を上方へスライドさせることで扉枠軸支穴634へ挿入することができるようになっている。
[打球発射装置]
次に、本体枠3における打球発射装置650について、主に図74及び図75を参照して説明する。図74は、本体枠における打球発射装置の正面斜視図である。また、図75は、本体枠における打球発射装置の背面斜視図である。この打球発射装置650は、扉枠5の球送りユニット580から供給された遊技球を、ハンドル装置500の回転操作に応じた強さで遊技盤4の遊技領域1100内へ打ち込むことができるものである。
次に、本体枠3における打球発射装置650について、主に図74及び図75を参照して説明する。図74は、本体枠における打球発射装置の正面斜視図である。また、図75は、本体枠における打球発射装置の背面斜視図である。この打球発射装置650は、扉枠5の球送りユニット580から供給された遊技球を、ハンドル装置500の回転操作に応じた強さで遊技盤4の遊技領域1100内へ打ち込むことができるものである。
本実施形態の打球発射装置650は、本体枠ベース600における下部後壁部604の前面所定位置に取付けられる金属板の発射ベース652と、発射ベース652の下部後面に前側へ回転駆動軸654aが突出するように取付けられる発射ソレノイド654と、発射ソレノイド654の駆動軸654aに一体回転可能に固定される打球槌656と、打球槌656の先端に固定される槌先658と、槌先658の移動軌跡上における所定位置を基端として正面視斜め左上へ延出し発射ベース652の前面に取付けられる発射レール660と、発射レール660の基端上部に発射レール660との間で打球槌656先端の槌先658が通過可能とされると同時に遊技球が通過不能な隙間を形成し発射レール660の基端に遊技球を保持する球止め片662と、球止め片662によって発射レール660の基端に保持された遊技球を打球可能な打球位置よりも打球槌656(槌先658)が発射レール660側へ回動するのを規制するストッパ664と、を備えている。
この打球発射装置650における発射ソレノイド654は、詳細な図示は省略するが、駆動軸654aがハンドル装置500の回転操作角度に応じた強さ(速さ)で往復回動するようになっている。また、打球発射装置650の打球槌656は、発射ソレノイド654の駆動軸654aに固定される固定部656aと、固定部656aから緩やかな円弧状に延出し先端が駆動軸654aの軸心に対して法線方向を向き先端に槌先658が固定される棹部656bと、棹部656bに対して固定部656aを挟んで反対側へ延出しストッパ664と当接可能なストッパ部656cと、を備えている。打球槌656のストッパ部656cがストッパ664と当接することで、先端の槌先658が打球位置(正面視で反時計周りの方向の回動端)よりも発射レール660側へ回動するのが規制されるようになっている。
また、打球発射装置650の発射レール660は、遊技盤4の外レール1111の下端延長線上と略沿うように下方が窪んだ緩い円弧状とされている(図102を参照)と共に、前後方向に対して中央がV字状に窪んだ形状とされており、打球槌656によって打球された遊技球を発射レール660に沿って滑らかに遊技盤4側へ誘導させることができるようになっている。この発射レール660は、金属板を屈曲成形することで形成されている。
また、打球発射装置650は、打球槌656における打球位置側への回動端を規制可能なストッパ664の前面を被覆するストッパカバー666と、打球槌656における打球位置とは離れた位置の回動端(正面視で時計回りの方向の回動端)を規制するストッパ668と、を備えている。本例の打球発射装置650は、ストッパ664,668の表面がゴムで覆われており、打球槌656が当接した時の衝撃を吸収することができると共に、当接による騒音の発生を抑制することができるようになっている。
本例の打球発射装置650は、図67や図102等に示すように、本体枠ベース600の下部後壁部604に取付けた状態とすると、発射レール660の上端が左右方向の略中央で下部後壁部604の上端、つまり、遊技盤載置部606(遊技盤保持口601の下辺)よりも下方に位置するようになっており、遊技盤保持口601に保持された遊技盤4における外レール1111の下端との間で、左右方向に所定幅で下方へ広がったファール空間626が形成されるようになっている。そして、本例の打球発射装置650は、発射レール660よりも正面視左側のファール空間626を飛び越えるようにして遊技球を発射することで、遊技盤4の遊技領域1100内へ遊技球を打ち込むことができるようになっている。なお、上述したように、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、ファール空間626の下部にファールカバーユニット540のファール球入口542eが位置するようになっており、遊技領域1100内へ打ち込まれずにファール球となった遊技球が、ファール空間626を落下してファール球入口542eへ受入れられて、下皿302へ排出されるようになっている。
また、打球発射装置650は、発射ソレノイド654が、発射制御部4120によりハンドル装置500の回転操作に応じた駆動強さで駆動させられるようになっていると共に、球送りユニット580の球送ソレノイド585の駆動と同期するように駆動させられるようになっている。具体的には、打球発射装置650へ遊技球を供給する球送りユニット580では、球送ソレノイド585が駆動(ON)すると球送り部材584が遊技球を受入れ、その状態から球送ソレノイド585の駆動が解除(OFF)されると球送り部材584が受入れた遊技球を打球発射装置650側へ送るようになっているので、この球送りユニット580の球送ソレノイド585と略同時に発射ソレノイド654を駆動(ON)することで、球送りユニット580から発射レール660の後端へ遊技球を円滑に供給することができ、打球槌656の回動により遊技球を確実に発射することができるようになっている。
[賞球ユニット]
次に、本体枠3における賞球ユニット700について、主に図76乃至図83を参照して説明する。図76は、本体枠における賞球ユニットの正面斜視図であり、図77は、本体枠における賞球ユニットの背面斜視図である。また、図78は、賞球ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図79は、賞球ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。更に、図80は、賞球ユニットにおける賞球タンクとタンクレールユニットとの関係を分解して後方から示す分解斜視図である。図81は、賞球ユニットにおける賞球装置を分解して後から見た分解斜視図である。図82は、賞球装置における払出通路と払出モータと払出回転体との関係を示す背面図である。また、図83は、賞球ユニットにおける球の転動通路を示す断面図である。
次に、本体枠3における賞球ユニット700について、主に図76乃至図83を参照して説明する。図76は、本体枠における賞球ユニットの正面斜視図であり、図77は、本体枠における賞球ユニットの背面斜視図である。また、図78は、賞球ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図79は、賞球ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。更に、図80は、賞球ユニットにおける賞球タンクとタンクレールユニットとの関係を分解して後方から示す分解斜視図である。図81は、賞球ユニットにおける賞球装置を分解して後から見た分解斜視図である。図82は、賞球装置における払出通路と払出モータと払出回転体との関係を示す背面図である。また、図83は、賞球ユニットにおける球の転動通路を示す断面図である。
本実施形態の本体枠3における賞球ユニット700は、パチンコ機1を設置する遊技ホールにおける島設備において、島設備側からパチンコ機1へ供給された遊技球を貯留した上で、所定の払出指示に基いてパチンコ機1の上皿301へ払出すものである。この賞球ユニット700は、本体枠ベース600の後面に取付けられる賞球ベース710と、賞球ベース710の後面上部に取付けられ島設備側から供給される遊技球を受けると共に貯留する賞球タンク720と、賞球タンク720の下側に配置され賞球タンク720に貯留された遊技球を整列させて下流側へ送るタンクレールユニット730と、タンクレールユニット730によって整列された遊技球を所定の払出指示に基いて払出す賞球装置740と、賞球装置740によって払出された遊技球を皿ユニットの上皿301へ誘導することができると共に上皿301が遊技球で満タンになると払出された遊技球を下皿302側へ分岐誘導することができる満タン分岐ユニット770と、を主に備えている。
また、賞球ユニット700は、賞球ベース710に形成された賞球通路715の後側開口を閉鎖する賞球通路蓋780と、タンクレールユニット730や賞球装置740を接地するためのアース金具782と、賞球ベース710の後面に取付けられる外部端子板784と、外部端子板784の後側を覆う外部端子板カバー786と、を備えている。賞球ユニット700における賞球通路蓋780は、その後面に裏カバー900を固定するための裏カバー係合溝780aと、裏カバー係合溝780aの背面視左側に裏カバー900を締結固定するための裏カバー締結孔780bとが形成されている(図77及び図79等を参照)。
この賞球ユニット700は、賞球ベース710が、正面視で本体枠ベース600の上辺と左辺に沿うような逆L字状に形成されており、上辺に賞球タンク720及びタンクレールユニット730が配置されていると共に、左辺に縦長の賞球装置740が配置されており、賞球装置740の下側に満タン分岐ユニット770が配置されている。また、賞球装置740の直上でタンクレールユニット730よりも上側に賞球タンク720と隣接するように外部端子板784及び外部端子板カバー786が配置されている。
次に、賞球ユニット700における賞球ベース710は、図示するように、本体枠ベース600の上辺と正面視で遊技盤保持口601の左辺と略対応するような正面視逆L字状に形成されており、透明な合成樹脂によって一体的に成形されている。この賞球ベース710は、逆L字状の外側外周に略沿って後方へ延出した周壁部710aと、周壁部710aの後端から内側へ所定幅で延出し略同一面状に配置された後壁部710bと、を備えている。本例では、図79に示すように、周壁部710aの上辺側が、賞球ベース710の上端よりも一段下がった位置から後方へ延出するように形成されている。この賞球ベース710は、後壁部710bが前端よりも奥まった位置に位置しており、本体枠ベース600に取付けた時に、遊技盤4を収容可能な空間を形成することができるようになっている。
また、賞球ベース710は、周壁部710aの上辺上側に賞球タンク720を取付けるタンク取付部711と、タンク取付部711の横(背面視で右側)に配置され外部端子板784及び外部端子板カバー786を取付けるための外部端子板取付部712と、後壁部710bの上辺下端後側にタンクレールユニット730を取付けるための複数の取付係止部713と、後壁部710bの垂直辺後側に賞球装置740を取付けるための賞球装置取付部714と、賞球装置取付部714に隣接して賞球装置740から払出された遊技球を下方へ誘導する賞球通路715と、後壁部710bの下端に満タン分岐ユニット770を取付けるための取付係止部716と、を備えている。
更に、賞球ベース710は、後壁部710bの賞球装置取付部714の位置に前後方向へ貫通し賞球装置740から前方へ突出した払出モータ744等を逃がすための逃し穴717と、裏カバー900を固定するための裏カバー係合溝718と、を備えている。また、賞球ベース710には、詳細な説明は省略するが、賞球タンク720や賞球装置740等を取付けたり、本体枠ベース600に取付けたりするための取付孔や取付ボス等が適宜位置に形成されている。
続いて、賞球ユニット700における賞球タンク720は、図80にも示すように、上方が開放された横長箱状に形成されており、平面視が横長の略矩形状とされた底壁部721と、底壁部721の外周から上方へ立上ると共に平面視で右側後部(開放側の後部)のみが矩形状に底壁部721よりも後方へ突出した外周壁部722と、外周壁部722における右側後部の底壁部721よりも後方へ突出した部位によって形成され下方へ開口した排出口723と、排出口723の平面視左側(軸支側)から賞球タンク720の左端まで板状に延びた庇部724と、庇部724の平面視左端下側から後方へ延出する棒状の軸部725と、軸部725の基端付近及び外周壁部722の前側両端に形成され賞球タンク720を賞球ベース710における賞球タンク取付部711へ取付けるための取付部726と、を備えている。
この賞球タンク720は、底壁部721の外周が外周壁部722で囲まれており、底壁部721上に所定量の遊技球を貯留することができるようになっている。また、賞球タンク720は、底壁部721の上面が、排出口723へ向かって低くなるように傾斜しており、底壁部721上の遊技球が排出口723へ向かって転動するようになっている。
また、賞球タンク720は、軸部725に回動自在に軸支される二つの球ならし部材727を備えている。この球ならし部材727は、図示するように、一端側が軸部725に軸支されるようになっていると共に内部に錘を保持しており、自重によって他端側が垂下するようになっている。この球ならし部材727は、後述するタンクレールユニット730内に垂下するようになっており、タンクレールユニット730内を転動する遊技球をならして整列させることができるものである。また、賞球タンク720の庇部724は、タンクレールユニット730の上側の略半分を覆うように形成されており、タンクレールユニット730内から遊技球が溢れるのを防止することができると共に、タンクレールユニット730内に埃等が侵入するのを防止することができるようになっている。
なお、詳細な図示は省略するが、賞球タンク720の底壁部721の上面は、平面視で左側(排出口723から遠い側)が右側へ向かって低くなるように傾斜していると共に、平面視で右側(排出口723に近い側)が後側の排出口723へ向かって傾斜するように形成されている。これにより、遊技球の流れをスムーズにすることができ、賞球タンク720内で球詰まりが発生するのを抑制することができるようになっていると共に、排出口723からタンクレールユニット730側へ遊技球をスムーズに排出することができるようになっている。
次に、賞球ユニット700におけるタンクレールユニット730は、図80にも示すように、賞球タンク720の下側に配置され左右方向へ長く延びたタンクレール731を備えている。このタンクレール731は、上方が開放された所定深さの樋状で前後方向に遊技球が二列で整列することが可能な幅(奥行)とされ、正面視左側(軸支側)端部が低くなるように底部が傾斜している。このタンクレール731は、左側(軸支側)端部に下方へ開口する排出口731a(図83を参照)と、前後方向の略中央で底部から上方へ延出した仕切壁731bと、前端下面より下方へ突出し賞球ベース710の取付係止部713に上側から係止される複数の係止突片731c(図78を参照)と、を備えている。
このタンクレール731は、正面視右側(開放側)端部が賞球タンク720における排出口723の直下に位置するようになっており、賞球タンク720の排出口723から排出された遊技球を受取った後に左方向へ転動させて排出口731aから賞球装置740側へ受け渡すことができるようになっている。また、タンクレール731の係止突片731cを賞球ベース710の取付係止部713に係止させることで、タンクレール731つまりタンクレールユニット730を賞球ベース710に取付けることができるようになっている。
また、タンクレールユニット730は、タンクレール731の排出口731a上部に回転可能に支持される整列歯車732と、整列歯車732の上部を覆う歯車カバー733と、歯車カバー733の正面視右端と連続しタンクレール731の上部を閉鎖する球押え板734と、タンクレール731内に進退可能とされタンクレール731内の遊技球が排出口731a側へ転動するのを停止させることが可能な球止片735と、タンクレール731内に配置されタンクレール731内の遊技球と接触可能とされたアース板736と、を備えている。整列歯車732は、図示するように、タンクレール731の仕切壁731bによって二列に仕切られた遊技球の二つの流路と対応するように、前後方向に並んで二つ備えられている。また、球押え板734は、上部に球止片735が取付けられる取付部734aと、上下方向に貫通し球止片735の突片735aが挿通可能な二つのスリット734bと、を備えている。
このタンクレールユニット730内には、賞球タンク720に軸支された二つの球ならし部材727が上方から球押え板734の上流側(開放側)に挿入されるようになっており、この球ならし部材727によって賞球タンク720の排出口723からタンクレール731内に排出された遊技球が、一段となるようにならすと共に、仕切壁731bに沿って二列に整列させるようにすることができるようになっている。また、球押え板734は、球ならし部材727によって一段とならなかった遊技球を強制的に一段とするためのものであり、排出口731a側へ向かうに従ってタンクレール731の底部との隙間が狭くなるようにタンクレール731に取付けられている。
タンクレールユニット730の整列歯車732は、図示するように、外周に複数の歯が形成されており、一対の整列歯車732における歯のピッチが半ピッチずつ、ずれるように軸支されている。これにより、タンクレール731を流下してきた遊技球の上部が整列歯車732の歯と噛み合いながら下流側の排出口723へ流下する時に、二列に整列された遊技球が交互に一つずつ賞球装置740へ送られるようになっている。
なお、タンクレール731の底部には、上下に貫通する細溝が形成されており、タンクレール731内を遊技球と一緒に転動する埃等の異物がその細溝から下方に落下するようになっている。また、タンクレール731の内壁に配置されたアース板736は、詳細な図示は省略するが、アース金具782を介して電源基板851のアース用コネクタを経由して外部に接地されるようになっており、タンクレール731内で遊技球がアース板736と接触することで、帯電した静電気を除去することができるようになっている。
また、タンクレールユニット730は、球押え板734の取付部734aに回動可能に取付けられた球止片735を回動させて、球止片735の突片735aをスリット734bを通してタンクレール731内へ挿入することで、突片735aによってタンクレール731内の二列の流路を閉止することができ、賞球装置740側へ遊技球が供給されるのを停止させることができるようになっている。
更に、タンクレールユニット730は、タンクレール731が透明な合成樹脂によって形成されており、外部からタンクレール731内の遊技球等の状態を視認することができるようになっている。
続いて、賞球ユニット700における賞球装置740は、タンクレールユニット730の排出口731aから排出供給された遊技球を、所定の払出指示に基いて皿ユニット300の上皿301へ払出すためのものである。この賞球装置740は、図81乃至図83等に示すように、賞球ベース710における賞球装置取付部714に取付けられる上下方向へ延びたユニットベース741を備えている。賞球装置740におけるユニットベース741は、図示するように、後面側に、上端に開口し遊技球の外形よりも若干広い幅で上下方向の中央よりもやや下側の位置まで延出する供給通路741aと、供給通路741aの下端と連通し所定広さの空間を有した振分空間741bと、振分空間741bの背面視左側(開放側)下端と連通し略く字状に曲がって背面視左側面に開口する賞球通路741cと、振分空間741bの背面視右側(軸支側)下端と連通し下方へ延出して下端に開口する球抜通路741dと、を備えている。このユニットベース741の供給通路741a、振分空間741b、賞球通路741c、及び球抜通路741dは、後方へ開放された状態で形成されている。
本例の賞球装置740は、ユニットベース741の後側に取付けられユニットベース741よりも上下方向の長さが短い裏蓋742と、裏蓋742の下側に配置される板状のモータ支持板743と、モータ支持板743の前側に配置され回転軸744aがモータ支持板743よりも後方へ突出するようにユニットベース741に固定される払出モータ744と、払出モータ744の回転軸744aに一体回転可能に固定されモータ支持板743の後側に配置される第一ギア745と、第一ギア745と噛合しユニットベース741に軸支される第二ギア746と、第二ギア746と噛合しユニットベース741に軸支される第三ギア747と、第三ギア747と共に一体回転しユニットベース741の振分空間741b内に配置される払出回転体748と、払出回転体748とは第三ギア747を挟んで反対側に一体回転可能に固定され周方向に等間隔で複数(本例では三つ)の検出スリット749aを有した回転検出盤749と、を備えている。
また、賞球装置740は、ユニットベース741に取付けられ供給通路741a内の遊技球の有無を検出する球切れスイッチ750と、ユニットベース741に取付けられ賞球通路741c内を転動する遊技球の数を計測するための計数センサ751と、払出回転体748と一体回転する回転検出盤749の検出スリット749aを検出する回転角センサ752と、回転角センサ752を保持し裏蓋742の後面に取付けられるセンサ基板753と、払出モータ744、球切れスイッチ750、計数センサ751、及び回転角センサ752と払出制御基板4110との接続を中継し裏蓋742の後面に取付けられる賞球中継基板754と、を備えている。
更に、賞球装置740は、賞球中継基板754を後側から覆い裏蓋742の後面に取付けられる基板カバー755と、第一ギア745、第二ギア746、第三ギア747(回転検出盤749)、及びセンサ基板753を後側から覆い裏蓋742を挟んでユニットベース741の後面に取付けられるギアカバー756と、ユニットベース741の供給通路741a内を転動する遊技球と接触可能な供給通路アース金具757と、モータ支持板743を挟んで払出モータ744をユニットベース741へ固定すると共に払出モータ744をアース接続するためのビス758と、裏蓋742をユニットベース741に対して着脱可能に支持する着脱ボタン759と、を備えている。
本例の賞球装置740は、ユニットベース741の後側に裏蓋742が取付けられることで、供給通路741a、振分空間741b、賞球通路741c、及び球抜通路741dの開放された後端が閉鎖されるようになっている。また、ユニットベース741は、供給通路741aにおける上端よりも下の位置が、一旦、後方へ膨出した形状とされており、タンクレールユニット730から排出落下してきた遊技球の勢いを緩和させることができるようになっている。また、ユニットベース741は、供給通路741aにおける後方へ膨出した位置よりも下側の一方(背面視左側)の側面が部分的に切欠かれていると共に供給通路741aの切欠かれた位置の外側に球切れスイッチ750を取付けるためのスイッチ取付部741eと、賞球通路741cの途中に計数センサ751を取付けるためのセンサ取付部741fと、賞球通路741cよりも下側で前後方向へ貫通するように形成され払出モータ744を挿通可能なモータ挿通孔741gと、を備えている。
このユニットベース741のスイッチ取付部741eに球切れスイッチ750を取付けることで、球切れスイッチ750の作動片が供給通路741aの側壁の一部を形成するようになっており、供給通路741a内に存在する遊技球によって作動片が押圧されることで球切れスイッチ750によって供給通路741a内の遊技球の有無を検知することができるようになっている。この球切れスイッチ750により供給通路741a内の遊技球が検知されていない状態(球切れの状態)では、払出モータ744が回転しないようになっていると共に、球切れであることが遊技者やホール側に報知されるようになっている。
また、ユニットベース741は、第二ギア746、及び第三ギア747(払出回転体748)を軸支するための軸受部741hと、供給通路741aにおけるスイッチ取付部741eと振分空間741bとの間に配置され供給通路アース金具757を取付けるためのアース金具取付部741iと、ユニットベース741の上部に配置され裏蓋742を着脱支持するための着脱ボタン759が支持されるボタン支持孔741jと、を備えている。このユニットベース741は、アース金具取付部741iに供給通路アース金具757を取付けることで、供給通路アース金具757の後面が供給通路741a内の遊技球と接触することができるようになっていると共に、供給通路アース金具757の前面がコ字状のアース金具782の下端後面と接触するようになっており、供給通路アース金具757を介して供給通路741a内を転動する遊技球の静電気を除去することができるようになっている。
賞球装置740の裏蓋742は、全体が縦長の板状とされ上端が後方へ膨出した形態とされている。裏蓋742の上部には、着脱ボタン759を挿通させるボタン挿通穴742aと、上下方向の略中央後面に賞球中継基板754及び基板カバー755を取付けるための中継基板取付部742bと、中継基板取付部742bの下側に配置されセンサ基板753を取付けるためのセンサ基板取付部742cと、払出回転体748が通過可能な貫通孔742dと、を備えている。裏蓋742の中継基板取付部742bは、ユニットベース741のアース金具取付部741iの後側に位置するように形成されている。
また、賞球装置740のモータ支持板743は、本例では、アルミ板とされており、払出モータ744の金属製のモータハウジングと接触するようになっており、払出モータ744で発生する熱を放熱し易くすることができるようになっている。
また、賞球装置740の払出回転体748は、図82に示すように、周方向に等間隔で夫々一つの遊技球を収容可能な大きさの三つの凹部748aを備えており、払出回転体748が回転することで、供給通路741aから供給された遊技球が一つずつ凹部748aに収容されて、賞球通路741c又は球抜通路741d側へ払出すことができるようになってい。また、払出回転体748と一体回転する回転検出盤749の三つの検出スリット749aは、払出回転体748の凹部748a間と対応する位置に夫々形成されており、検出スリット749aを回転角センサ752によって検出することで、払出回転体748の回転位置を検出することができるようになっている。
本例の賞球装置740は、払出制御基板4110に、主制御基板4100からの払出コマンドやCRユニット6からの貸出コマンド等が入力されたり、球抜きスイッチ860bが操作されたりすることで払出モータ744が回転して、所定数の遊技球を遊技者側(上皿301)へ払出したり、遊技ホール側(パチンコ機1の後側)へ排出したりすることができるようになっている。この払出モータ744の回転軸744aを回転駆動させると、回転軸744aに固定された第一ギア745を回転すると同時に、第一ギア745と噛合する第二ギア746が回転し、更に第二ギア746と噛合する第三ギア747が回転するようになっている。この第三ギア747には、前側に払出回転体748が、後側に回転検出盤749が、夫々一体回転可能に固定されており、第三ギア747と共に払出回転体748及び回転検出盤749が回転するようになっている。
この賞球装置740は、図82に示すように、振分空間741bの略中央に払出回転体748が回転可能に軸支されている。そして、払出モータ744によって払出回転体748が背面視反時計周りの方向へ回転させられると、供給通路741a内の遊技球が、賞球通路741c側へ払出されるようになっており、払出回転体748の回転によって賞球通路741c側へ払出された遊技球は、計数センサ751によって一つずつ数えられた上で賞球ベース710の賞球通路715へ受け渡されるようになっている。一方、払出モータ744によって払出回転体748が背面視時計回りの方向へ回転させられると、供給通路741a内の遊技球が球抜通路741d側へ払出されるようになっており、払出回転体748によって球抜通路741d側へ払出された遊技球は、球抜通路741dの下端から後述する満タン分岐ユニット770の球抜通路778、本体枠ベース600の本体枠ベース球抜通路622、基板ユニット800における基板ユニットベース810の開口部812、及び電源基板ボックスホルダ840の排出通路842を介してパチンコ機1の後側外部へと排出することができるようになっている。
なお、本例の賞球装置740におけるユニットベース741は、透明な合成樹脂によって形成されており、本体枠3に組立てられた状態でも、透明な賞球ベース710を通して本体枠3の前側から、賞球装置740の供給通路741a、振分空間741b、賞球通路741c、球抜通路741d等の内部を視認することができ、球詰り等の不具合を簡単に発見することができるようになっている。
次に、賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770について、主に図78、図79及び図83を参照して説明する。賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770は、賞球ベース710の下端に取付けられるものであり、賞球装置740の賞球通路741c側へ払出された遊技球を、皿ユニット300へ誘導することができると共に、皿ユニット300の上皿301において遊技球が満タンになると、皿ユニット300の下皿302に対して遊技球を払出すように振分けることができるものである。
この満タン分岐ユニット770は、前後方向の略中央上部に賞球ベース710の取付係止部716に係止される係止部770aと、後端上部に賞球ベース710の下端裏面に固定される固定部770bと、を備えている。満タン分岐ユニット770は、係止部770aを賞球ベース710の取付係止部716に、後側から係止させることで取付係止部716に対して吊持ちされた状態となり、賞球ベース710に対して固定部770bを所定のビスで固定することで、満タン分岐ユニット770を賞球ベース710の下端に取付固定することができるようになっている。
また、満タン分岐ユニット770は、図示するように、全体が後端から前端へ向かうに従って低くなるような箱状に形成されており、後端上部における左右方向の略中央に上方へ向かって開口し賞球ベース710の賞球通路715を流下してきた遊技球を受ける賞球受口771と、賞球受口771の下側に配置され左右方向へ広がった分岐空間772(図83を参照)と、分岐空間772における賞球受口771の直下から前側へ向かって遊技球を誘導する通常通路773(図83を参照)と、通常通路773を転動した遊技球を前方へ放出し前端の正面視右端に開口した通常球出口774と、分岐空間772における賞球受口771の直下よりも背面視右側へ離れた位置から前側へ向かって遊技球を誘導する満タン通路775(図83を参照)と、満タン通路775を転動した遊技球を前方へ放出し通常球出口774の正面視左側に開口した満タン球出口776と、を備えている。
更に、満タン分岐ユニット770は、後端上部の正面視左側端部に上方へ向かって開口し賞球装置740の球抜通路741dを流下してきた遊技球を受ける球抜受口777と、球抜受口777に受けられた遊技球を前側へ誘導する球抜通路778(図83を参照)と、球抜通路778を転動した遊技球を前方へ放出し正面視左端で通常球出口774及び満タン球出口776よりも後方の位置で開口した球抜出口779と、を備えている。
本例の満タン分岐ユニット770は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、通常球出口774及び満タン球出口776が、夫々扉枠5におけるファールカバーユニット540の第一球入口542a及び第二球入口542cと対向して連通するようになっており、通常球出口774から放出された遊技球は、ファールカバーユニット540の第一球入口542aを通って皿ユニット300の上皿301へ供給され、満タン球出口776から放出された遊技球は、ファールカバーユニット540の第二球入口542cを通って皿ユニット300の下皿302へ供給されるようになっている。また、球抜出口779は、本体枠ベース600における本体枠ベース球抜通路622の背面視右側上端と連通するように形成されており、球抜出口779から放出された遊技球が本体枠ベース600の本体枠ベース球抜通路622へ受け渡されるようになっている。
この満タン分岐ユニット770は、賞球装置740の賞球通路741c側へ払出された遊技球が、賞球ベース710の賞球通路715を介して賞球受口771で受取られるようになっており、賞球受口771へ進入した遊技球は、通常の状態では、分岐空間772を垂下して賞球受口771の直下に配置された通常通路773内へと流下する。そして、通常通路773内へ流下した遊技球は、通常球出口774からファールカバーユニット540の第一球入口542aに進入し、第一球通路542bを通って第一球出口544aから皿ユニット300の上皿301へ供給されることとなる。
ところで、皿ユニット300の上皿301が遊技球で満タンとなった状態で、更に賞球ユニット700(賞球装置740)から遊技球が払出されると、ファールカバーユニット540の第一球出口544aから上皿301側へ出られなくなった遊技球が、ファールカバーユニット540の第一球通路542b内で滞り、やがて、満タン分岐ユニット770における通常球出口774を通して上流の通常通路773内も一杯になる。この状態で、賞球受口771から分岐空間772内へ進入した遊技球は、通常通路773内へ進入することができず、分岐空間772内で横方向へ移動し始め、横方向へ移動した遊技球が満タン通路775内へ進入して、満タン球出口776からファールカバーユニット540の第二球入口542c、第二球通路542d、及び第二球出口544bを介して皿ユニット300の下皿302へ供給されるようになっている。
なお、本例の満タン分岐ユニット770は、全体が透明な合成樹脂によって形成されており、外部から内部を視認することができるようになっている。これにより、満タン分岐ユニット770内に侵入した埃やゴミ等の異物や、球詰りの発生等を、満タン分岐ユニット7700を分解しなくても簡単に発見することができるようになっている。
このように、本例の満タン分岐ユニット770は、上皿301内で遊技球が満タンとなると、その満タンが解消されるまでは、賞球装置740から払出された遊技球を、自動的に下皿302へ供給させることができるので、従来のパチンコ機のように上皿が満タンとなって上皿の球抜ボタンを操作することで遊技球が打球発射装置に供給されなくなって遊技球の打込が中断してしまうのを回避させることができ、遊技中の煩わしさを解消させて遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
また、本例の満タン分岐ユニット770は、上述したように、上皿301が満タンとなると、賞球装置740の直下、つまり、パチンコ機1の後部で払出される遊技球の通路を分岐させるようにしており、満タン分岐ユニット770の通常通路773内で滞留した遊技球は上皿301へ払出されるので、上皿301内の遊技球と通常通路773内の遊技球が打球発射装置650によって直接打ち込むことができる遊技球となり、上皿301における遊技球の貯留量は、実質的には、上皿301の容量と通常通路773の容量とを合わせた量となる。つまり、上皿301の容量を、従来のパチンコ機における上皿の容量よりも小さくしても、通常通路773の容量が加えられるので、従来と同等量の遊技球を上皿301で貯留することができる。従って、上皿301を小さくすることで相対的に扉枠5における遊技窓101を大きく(広く)することが可能となり、より広い遊技領域1100を備えたパチンコ機1とすることができ、遊技する遊技者に対して訴求力の高いパチンコ機1とすることができると共に、広い遊技領域1100により遊技者を楽しませることができるようになっている。
更に、満タン分岐ユニット770の二つの通常球出口774と満タン球出口776とを左右に並べて配置しているので、扉枠5に貯留皿を一つのみ備えるようにして受入口(第一球入口542a及び第二球入口542c)を一つのみとした場合でも、本体枠3側(満タン分岐ユニット770)を変更することなく、扉枠5側へ遊技球を送ることができる。従って、本体枠3における遊技球の流路(満タン分岐ユニット770)を変更しなくても、貯留皿の数が異なる扉枠5に対応させることが可能なパチンコ機1とすることができると共に、貯留皿の数が異なる扉枠5を備えたパチンコ機1のラインナップにかかるコストが増加するのを抑制することができる。
また、上述したように、扉枠5に備えられた貯留皿の数を変更しても、本体枠3を変更することなく対応させることができるので、扉枠5の変更にかかるパチンコ機1全体のコストを低減させることができ、多様なパチンコ機1を低コストで提供することができるようになっている。
更に、通常通路773を通って通常球出口774から扉枠5側へ送られる遊技球が、優先的に遊技領域1100内へ打ち込まれるようにしており、貯留皿を一つのみ備えた扉枠5に交換しても、賞球装置740から払出された遊技球を通常通路773及び通常球出口774を介して直ちに貯留皿へ送ることができるので、払出しから貯留までのタイムラグを少なくすることができ、打ち込むための遊技球が不足して遊技者の興趣が低下するのを抑制することができると共に、貯留皿の数が異なる扉枠5に対して充分に対応することができるようになっている。
また、上皿301が満タンでない限りは、賞球装置740から払出された遊技球が上皿301へ送られるので、下皿302に貯留された遊技球を上皿301へ移す頻度を低減させることが可能となり、遊技球の打込操作等に遊技者を専念させることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、満タン分岐ユニット770の通常球出口774と満タン球出口776とを、左右に並んで配置しており、扉枠5に貯留皿を一つのみ備えるようにした場合でも、第一球入口542a等に相当する受入口の下端の位置を、貯留皿を二つ備えた扉枠5の上皿301と対応した第一球入口542a等と同じ高さとすることができるので、貯留皿の深さが浅くなるのを回避させることが可能となり、貯留皿を深くして充分な遊技球の貯留量を確保することができ、遊技者に対して頻繁に貯留量を気にさせることなく遊技を行わせることができると共に、本体枠3側を変更することなく、異なる数の貯留皿を備えた扉枠5に対応させることができ、パチンコ機1の機種変更等にかかるコストが増加するのを抑制することができる。
更に、満タン分岐ユニット770における満タン通路775が通常通路773から分岐する位置を、賞球装置740に可及的に近い位置で分岐させるようにしており、上皿301が遊技球で満タンとなり通常球出口774から遊技球が出られなくなっても、通常球出口774から満タン通路775の分岐位置までの間の通常通路773内に貯留される遊技球の量を可及的に多くすることができ、上皿301に貯留される実質的な遊技球の貯留量を可及的に多くすることができる。なお、扉枠5に一つのみ貯留皿を備えるようにした場合では、貯留皿が遊技球で満タンとなって通常球出口774や満タン球出口776から遊技球が出られなくなっても、通常通路773から満タン通路775が分岐する位置を、賞球装置740に対して可及的に近い位置に配置しているので、通常通路773だけでなく満タン通路775にも多くの遊技球を貯留させることができ、貯留皿に貯留される実質的な遊技球の貯留量を可及的に多くすることができる。従って、扉枠5側に備えられた貯留皿の数が異なっていても、本体枠3側(満タン分岐ユニット770)を変更することなく、夫々の扉枠5における遊技球の貯留量を最大限に多くすることができ、異なる扉枠5に対して充分に対応することが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、満タン分岐ユニット770における通常通路773及び満タン通路775を、複数列で遊技球を転動可能な広さとしており、満タン分岐ユニット770内での遊技球の停留量(貯留量)をより多くすることができるので、扉枠5に備えられた貯留皿の数が異なっていても、満タン分岐ユニット770内の遊技球を合わせた実質的な貯留量が少なくなるのを回避させることができ、本体枠3における遊技球の流路を変更することなく、貯留皿の数が異なる扉枠5に対応させることが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、満タン分岐ユニット770を透明樹脂で形成することで通常通路773及び満タン通路775の内部を、外部から視認可能としているので、満タン分岐ユニット770内で遊技球が詰まって不具合が発生した際に、満タン分岐ユニット770の外部から球詰りの箇所を容易に発見することができ、不具合を早期に解消させてパチンコ機1の稼働率を高めることができる。
[球出口開閉ユニット]
次に、本体枠3における球出口開閉ユニット790について、主に図84乃至図86を参照して説明する。図84は、本体枠における球出口開閉ユニットの正面斜視図である。また、図85は、本体枠における球出口開閉ユニットの背面斜視図である。更に、図86は、本体枠における球出口開閉ユニットと扉枠におけるファールカバーユニットとの関係を示す説明図である。本実施形態の本体枠3における球出口開閉ユニット790は、本体枠ベース600の下部後壁部604における正面視左上端付近に形成された取付部624に取付けられるものであり、本体枠3に対して扉枠5が開いた時に、賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770前端の通常球出口774と満タン球出口776とを閉鎖して、賞球ユニット700から扉枠5の皿ユニット300への遊技球の流れを遮断することができるものである。
次に、本体枠3における球出口開閉ユニット790について、主に図84乃至図86を参照して説明する。図84は、本体枠における球出口開閉ユニットの正面斜視図である。また、図85は、本体枠における球出口開閉ユニットの背面斜視図である。更に、図86は、本体枠における球出口開閉ユニットと扉枠におけるファールカバーユニットとの関係を示す説明図である。本実施形態の本体枠3における球出口開閉ユニット790は、本体枠ベース600の下部後壁部604における正面視左上端付近に形成された取付部624に取付けられるものであり、本体枠3に対して扉枠5が開いた時に、賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770前端の通常球出口774と満タン球出口776とを閉鎖して、賞球ユニット700から扉枠5の皿ユニット300への遊技球の流れを遮断することができるものである。
この球出口開閉ユニット790は、本体枠ベース600の下部後壁部604における正面視左上端付近に形成された取付部624に下部後壁部604の上端よりも突出しないように取付けられるシャッターベース791と、シャッターベース791に上下方向へスライド可能に保持される板状の開閉シャッター792と、開閉シャッター792を上下方向へスライドさせる開閉クランク793と、開閉クランク793を介して開閉シャッター792が上昇するように付勢する開閉バネ794と、を備えている。
球出口開閉ユニット790のシャッターベース791は、開閉シャッター792がシャッターベース791の上端よりも上方へ突出するように上下方向へスライド可能に保持するための上下方向へ延びた一対のスライド溝791aと、一対のスライド溝791aの間で前後方向に貫通した矩形状の開口部791bと、正面視で左側端部前面に配置され開閉クランク793を前後方向へ延びた軸周りに回動可能に支持するクランク支持部791cと、開閉バネ794の一端(上端)を係止するバネ係止部791dと、を備えている。シャッターベース791のクランク支持部791cは、開口部791bの正面視左側に配置されていると共に、バネ係止部791dは、正面視で左右方向中央から左寄りの上部付近に配置されている。
また、球出口開閉ユニット790の開閉シャッター792は、平板状のシャッター本体792aと、シャッター本体792aの前面から突出しシャッターベース791のスライド溝791a内を摺動する一対の摺動突部(図示は省略)と、一対の摺動突部の間でシャッターベース791の開口部791bから臨む位置に配置され前後方向へ貫通した横長矩形状の駆動孔792bと、を備えている。
更に、球出口開閉ユニット790の開閉クランク793は、シャッターベース791のクランク支持部791cにより前後方向へ延びた軸周りに回動可能に支持される軸部793aと、軸部793aの正面視右側外周から右外方へ延出し先端が開口部791bの左右方向中央付近まで延出した駆動棹793bと、駆動棹793bの先端から後方へ突出し開閉シャッター792の駆動孔792b内に摺動可能に挿入される駆動ピン793cと、軸部793aの正面視下側外周から下方へ延出し先端が球形状とされた当接部793dと、駆動棹793bの途中上面に形成され開閉バネ794の他端(下端)を係止するバネ係止部793eと、を備えている。
なお、本例の球出口開閉ユニット790は、シャッターベース791及び開閉シャッター792が、透明な合成樹脂によって形成されており、開閉シャッター792が上昇した状態でも、開閉シャッター792を通して後側に配置された満タン分岐ユニット770における通常球出口774や満タン球出口776等が視認できるようになっている。
本例の球出口開閉ユニット790は、開閉クランク793が前後方向へ延びた軸回りに回動することで、開閉クランク793の駆動ピン793cが円弧状に上下方向へ回動すると同時に、駆動ピン793cが挿入された駆動孔792bを介して開閉シャッター792が上下方向へスライドするようになっている。この球出口開閉ユニット790は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態では、開閉クランク793の当接部793dが扉枠5におけるファールカバーユニット540の開閉作動片542gと当接して、当接部793dが正面視で時計回りの方向へ開閉バネ794の付勢力に抗して回動させられるようになっており、当接部793dと共に駆動ピン793cが正面視時計回りの方向へ回動することで、開閉シャッター792が下降して満タン分岐ユニット770前端の通常球出口774と満タン球出口776とを開放させることができるようになっている。
この状態から本体枠3に対して扉枠5を開くと、開閉クランク793の当接部793dと、扉枠5におけるファールカバーユニット540の開閉作動片542gとの当接が解除され、開閉クランク793が開閉バネ794の付勢力によって正面視反時計周りの方向へ回動すると同時に、開閉シャッター792が上昇して、満タン分岐ユニット770前端の通常球出口774と満タン球出口776とを閉鎖することができるようになっている。
このように、本体枠3に対する扉枠5の開閉に応じて、球出口開閉ユニット790により賞球ユニット700における満タン分岐ユニット770前端の通常球出口774と満タン球出口776とを自動的に開閉させることができるので、満タン分岐ユニット770内に遊技球が残っている状態で扉枠5を開いても、通常球出口774や満タン球出口776から遊技球がこぼれてしまうのを防止することができるようになっている。
[基板ユニット]
次に、本体枠3における基板ユニット800について、主に図87乃至図93を参照して説明する。図87は、本体枠における基板ユニットの正面斜視図であり、図88は、本体枠における基板ユニットの背面斜視図である。また、図89は、基板ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。更に、図90は、基板ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。また、図91は、基板ユニットにおける電源基板ボックスの立壁部の作用を説明する斜視図である。図92(A)は基板ユニットにおける端子基板ボックスの断面図であり、(B)は基板ユニットにおける端子基板ボックスを分解して前から見た分解斜視図である。また、図93(A)は発射電源基板ボックスの正面図であり、(B)は(A)に示すA−A線の断面図である。
次に、本体枠3における基板ユニット800について、主に図87乃至図93を参照して説明する。図87は、本体枠における基板ユニットの正面斜視図であり、図88は、本体枠における基板ユニットの背面斜視図である。また、図89は、基板ユニットを分解して前から見た分解斜視図である。更に、図90は、基板ユニットを分解して後から見た分解斜視図である。また、図91は、基板ユニットにおける電源基板ボックスの立壁部の作用を説明する斜視図である。図92(A)は基板ユニットにおける端子基板ボックスの断面図であり、(B)は基板ユニットにおける端子基板ボックスを分解して前から見た分解斜視図である。また、図93(A)は発射電源基板ボックスの正面図であり、(B)は(A)に示すA−A線の断面図である。
本体枠3における基板ユニット800は、本体枠ベース600の下部後壁部604の後面に取付けられる基板ユニットベース810と、基板ユニットベース810の正面視左側後面に取付けられるスピーカボックス820と、基板ユニットベース810の正面視右端後面に取付けられる発射電源基板ボックス830と、発射電源基板ボックス830を後側から囲うように基板ユニットベース810の後面に取付けられる電源基板ボックスホルダ840と、電源基板ボックスホルダ840の後面に取付けられ後端がスピーカボックス820の後端と略同一面状となる大きさに形成された電源基板ボックス850と、電源基板ボックス850及びスピーカボックス820の後面に取付けられる払出制御基板ボックス860と、払出制御基板ボックス860の正面視左側端部を覆うようにスピーカボックス820の後面に取付けられる端子基板ボックス870と、基板ユニットベース810の前面に取付けられる主側中継端子板880及び周辺側中継端子板882と、を備えている。
本例の基板ユニット800における基板ユニットベース810は、図示するように、左右方向へ長く延びた形態とされ、左右方向の略中央部が下方へ一段下がり左右両端へ向かうに従って緩やかに上側へ傾斜し前面から前方へ突出した壁状の遮蔽壁部811と、遮蔽壁部811における左右方向中央の一段下がった位置の上側に配置され前後方向へ貫通した開口部812と、遮蔽壁部811の下側で正面視左端近傍の前面に形成され主側中継端子板880及び周辺側中継端子板882を取付けるための基板取付部813と、基板取付部813の正面視左側で前後方向へ横長の矩形状に貫通した筒状のダクト部814と、後面に固定されるスピーカボックス820の下部スピーカ821と対応する位置で前後方向に貫通する縦長スリット状の複数の透孔815と、背面視左側(正面視右側)上部の後面に後方及び上方へ開放され発射電源基板ボックス830の前側を収容可能なボックス収容部816と、を備えている。
この基板ユニットベース810は、遮蔽壁部811が、本体枠ベース600における下部後壁部604の後面に形成された本体枠ベース球抜通路622の下側に沿うように形成されており、本体枠ベース球抜通路622から遊技球が下方へ脱落するのを防止することができると共に、基板ユニットベース810の強度を高めることができるようになっている。また、基板ユニットベース810は、前後方向に貫通した開口部812を通して、本体枠ベース球抜通路622を流下してきた遊技球を基板ユニットベース810の後側に配置された電源基板ボックスホルダ840へ送ることができるようになっている。
また、基板ユニットベース810は、主側中継端子板880及び周辺側中継端子板882を取付ける基板取付部813が、本体枠ベース600における矩形状に開口した開口部614と対応した位置に配置されており、基板取付部813に主側中継端子板880と周辺側中継端子板882を取付けた状態では、本体枠ベース600の開口部614から主側中継端子板880と周辺側中継端子板882が前側へ臨むようになっている。また、基板ユニットベース810は、ダクト部814及び複数の透孔815によってスピーカボックス820の下部スピーカ821からの音を前側へ良好に伝達させることができるようになっている。
更に、基板ユニットベース810は、ボックス収容部816が後側に配置される電源基板ボックスホルダ840の前ボックス収容部843と対応した位置に形成されており、ボックス収容部816と前ボックス収容部843とで、発射電源基板ボックス830を収容する収容凹部を形成することができるようになっている。
基板ユニット800におけるスピーカボックス820は、文字通り、前側を向いて取付けられた下部スピーカ821を備えている。このスピーカボックス820は、下部スピーカ821の後側を密閉状に覆うと同時に、正面視で下部スピーカ821の左側に横長矩形状の開放口822が形成されている。この開放口822は、詳細な図示は省略するが、所定の迷路状の通路を介して下部スピーカ821の後側の空間と連通することで、下部スピーカ821の後側の音の位相を反転させて前方へ放射するようにしており、下部スピーカ821の口径に対してより重低音を発することが可能なバスレフ型のスピーカボックスとされている。なお、基板ユニットベース810におけるダクト部814は、スピーカボックス820の開放口822と対応する位置に形成されており、開放口822から放射される音を前方へ良好に伝達させることができるようになっている。
基板ユニット800における発射電源基板ボックス830は、後方が開放された箱状に形成されており、その後端開口を閉鎖するように取付けられた発射電源基板831を備えている。この発射電源基板ボックス830は、発射電源基板831に取付けられた各種電子部品が内部に収容されるようになっており、上面及び下面に形成されたスリット830aを介して、電子部品等からの熱を外部へ放出することができるようになっている。
この発射電源基板ボックス830は、基板ユニットベース810のボックス収容部816と、後述する電源基板ボックスホルダ840の前ボックス収容部843とによって形成される上方へ開放された収容凹部内に、上方から脱着可能に収容されるようになっている。これにより、本体枠3を組立てた状態では、発射電源基板ボックス830に不具合が発生した場合、本体枠3の前側から発射電源基板ボックス830を簡単に脱着して交換したり修理したりすることができるようになっている(図67を参照)。
更に、発射電源基板ボックス830を詳述すると、図93にも示すように、発射電源基板831には、DC/DCコンバータ831aと、DC/DCコンバータ831aからの電力を充電及び放電する電解コンデンサSC0と、を備えており、DC/DCコンバータ831aからの電流と電解コンデンサSC0からの放電による電流とを併合した併合電流を打球発射装置650の発射ソレノイド654に電流を流して駆動している。この発射電源基板ボックス830は、発射電源基板831に実装されるDC/DCコンバータ831a及び電解コンデンサSC0が発する熱を外部へ放出するために、その上面及び下面に放熱孔としてのスリット830aが形成されている。
また、発射電源基板831の電解コンデンサSC0はDC/DCコンバータ831aと比べて熱によって破損しやすい電子部品であるため、電解コンデンサSC0が配置される発射電源基板ボックス830の側面には放熱孔としてのスリット830aが形成されている。また発射電源基板ボックス830には、その内部空間を、DC/DCコンバータ831aを収容するための空間と、電解コンデンサSC0を収容するための空間と、の2つの空間に仕切る仕切壁830bが上面内壁と下面内壁とを接続するように底面から端開口縁まで一体に形成されている。これにより、発射電源基板ボックス830の端開口に発射電源基板831を取付けて発射電源基板ボックス830の内部空間を閉鎖すると、発射電源基板ボックス830の内部空間が仕切壁830bによって、電解コンデンサSC0を収容するための収容空間830cと、DC/DCコンバータ831aを収容するための収容空間830dと、の2つ空間が形成されるため、仕切壁830bは、電解コンデンサSC0を収容するための収容空間830cと、DC/DCコンバータ831aを収容するための収容空間830dと、の熱の出入りを遮断する断熱壁として機能している。
電解コンデンサSC0が収容された収容空間830c内の熱は、つまり、電解コンデンサSC0が発する熱は、収容空間830cと外気とを連通する上面、側面、及び下面にそれぞれ形成された放熱孔としてのスリット830aを介して、外部へ放出されることにより、この放出される熱をDC/DCコンバータ831aが収容される収容空間830dへ入り込ませないようにすることができる。従って、電解コンデンサSC0が発する熱をDC/DCコンバータ831aへ伝えないようにすることができる。また、DC/DCコンバータ831aが収容された収容空間830d内の熱は、つまり、DC/DCコンバータ831aが発する熱は、収容空間830dと外気とを連通する上面及び下面にそれぞれ形成された放熱孔としてのスリット830aを介して、外部へ放出されることにより、この放出される熱を電解コンデンサSC0が収容される収容空間830cへ入り込ませないようにすることができる。従って、DC/DCコンバータ831aが発する熱を電解コンデンサSC0へ伝えないようにすることができる。
本実施形態では、打球発射装置650の発射ソレノイド654に流す併合電流を作成するためのDC/DCコンバータ831a及び電解コンデンサSC0が電源基板851に設られるのではなく、電源基板851と別体の発射電源基板831に設けられることにより発射電源基板831のサイズを電源基板851のサイズと比べて小さくすることができる。従って、発射電源基板831の小型化により取り扱え易くなって発射電源基板831の交換作業が容易となりその交換作業に費やす時間の短縮化に寄与することができる。この交換作業では、発射電源基板ボックス830の端開口に発射電源基板831が取付けたままの状態、つまり発射電源基板ボックス830ごと、交換することもできる。
またパチンコ機1が稼働されて電解コンデンサSC0がその寿命を迎え、発射ソレノイド654による駆動発射が突然発射不能となって遊技を中断せざるを得なくなっても、発射電源基板831の交換作業が容易に行えることにより遊技の中断を早い段階で解消することができる。したがって、電解コンデンサSC0の寿命による発射不能を極めて簡単に解消することができるとともに、その発射不能による遊技の中断を早い段階で解消して遊技を再開することができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
なお、発射電源基板831の電解コンデンサSC0は、発射ソレノイド654による駆動発射が行われるごとに、例えば、1分当たりに100回という頻度において、充放電が繰り返し行われることにより劣化して寿命を迎えるのに対して、電源基板851は、遊技ホール等の島設備の交流電源から直流電源を作成するものの、発射電源基板831の電解コンデンサSC0と同様の頻度で充放電が繰り返し行わるものではないため、発射電源基板831と比べると、その寿命は極めて長い。換言すると、発射電源基板831は、電解コンデンサSC0の充放電にともなう劣化によって寿命を迎えるのに対して、電源基板851は、経年変化によって寿命を迎える。発射ソレノイド654に流す併合電流を作成するためのDC/DCコンバータ831a及び電解コンデンサSC0が電源基板851に設られるのではなく、電源基板851と別体の発射電源基板831に設けられることにより、寿命の長い経年変化にともなう電子部品を電源基板851に集中させることができる。これにより、寿命の長い経年変化にともなう電子部品が寿命の短い電解コンデンサSC0と一緒に交換されることを防止することができる。
また、打球発射装置650を制御する電解コンデンサSC0を備えた発射電源基板831を、遊技盤4を保持する遊技盤保持口601を通して前側から脱着可能としているので、打込特性を変化させるために容量の異なる電解コンデンサSC0に変更する不正を行おうとしても、発射電源基板831を脱着させるには遊技盤保持口601に保持された遊技盤4を取外す必要があり、発射電源基板831を交換し辛くして不正を行い難くすることができ、発射電源基板831が不正改造されて最適化されている打込強さを故意に変化させる不正を抑止することができると共に、不正を行い難くすることで苛立ち等を覚えた遊技者が不正行為等の不正へ発展するのを抑止することが可能なパチンコ機1とすることができるようになっている。
また、発射電源基板831を脱着可能として交換できるようにしているので、仮に、発射電源基板831の電解コンデンサSC0等に対して不正が行われても、発射電源基板831を直ちに交換して不正を解消させることができ、遊技の中断期間を可及的に短くすることができると共に、遊技の中断によって苛立ちを感じたり残念な気分になってしまったりするのを早期に解消させることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができるようになっている。
更に、打球発射装置650を制御する発射制御部4120における電解コンデンサSC0を備えた発射電源基板831が、遊技盤4を保持する本体枠3の遊技盤保持口601を通して前側から脱着可能とされており、機種変更等により遊技盤4を交換する際に、発射制御部4120の発射電源基板831(発射電源基板ボックス830)も簡単に交換することができるので、交換する新機種のコンセプト等にマッチした打込特性を実現できる電解コンデンサSC0やDC/DCコンバータ831aを備えた発射電源基板831に交換することで、本体枠3に以前から備えられている打球発射装置650の打込特性を、新しい遊技盤4にマッチしたものとすることができる。従って、遊技球の打込特性を遊技盤4のコンセプトに簡単に合わせることができるので、新機種の遊技盤4による遊技を充分に楽しませることができ、遊技者の興趣が低下するのを抑制することができる。
また、発射制御部4120の発射電源基板831を前側から脱着できるようにしているので、発射電源基板831を交換する際に、遊技ホール等の島設備に対して本体枠3を開ける必要がなく、交換にかかる手間を簡略化することができると共に、短時間で交換することができ、遊技ホール側の負担が増加するのを抑制することができる。また、発射電源基板831(発射電源基板ボックス830)を脱着可能として交換できるようにしているので、発射制御部4120(払出制御基板4110)全体を交換する場合と比較して、打込特性の変更にかかるコストを低減させることができ、ホール側等の負担を軽減させることができる。
更に、機種等を変更する際に、遊技盤4のみを交換して扉枠5や本体枠3等は以前のものをそのまま使用できるようにしているので、長期間の使用によって発射制御部4120の発射電源基板831の電解コンデンサSC0等が劣化した場合、上述したように、発射電源基板ボックス830を前側から簡単に交換することができるので、劣化によって不具合が発生して発射電源基板831を直ちに交換して不具合を解消させることができ、遊技の中断期間を可及的に短くすることができると共に、遊技の中断によって苛立ちを感じたり残念な気分になってしまったりするのを早期に解消させることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、本体枠3の遊技盤保持口601を通して発射電源基板831(発射電源基板ボックス830)を支持させるようにしており、発射電源基板831を脱着させるには、遊技盤保持口601に保持された遊技盤4を取外す必要があるので、扉枠5と本体枠3との隙間から不正行為を行うための工具を侵入させても、遊技盤4によって不正な工具が発射電源基板831に到達するのを阻止することができ、発射電源基板831に対して不正行為が行われるのを防止することができると共に、不正行為に対する防御力の高いパチンコ機1とすることができる。
更に、遊技盤保持口601を通して発射電源基板ボックス830を支持させるようにしており、蓋然的に、発射電源基板ボックス830を支持する位置が本体枠3の前面よりも後側となるので、発射電源基板ボックス830を支持するためのスペースを確保し易くすることができ、発射電源基板ボックス830を支持して上記の作用効果を奏するパチンコ機1を確実に具現化することができる。
また、電解コンデンサSC0を発射電源基板831に備えるようにしており、発射電源基板831を本体枠3の前側から簡単に脱着することができるので、電解コンデンサSC0から発射ソレノイド654へ電源を供給することで電解コンデンサSC0にかかる負荷が大きくなって電解コンデンサSC0が劣化し易くなっても、電解コンデンサSC0(発射電源基板831)を簡単に交換することができ、不具合を早期に解消させて遊技の中断時間を可及的に短くすることができると共に、上述した作用効果を確実に奏するパチンコ機1とすることができる。
また、基板ユニット800における電源基板ボックスホルダ840は、正面視で左右中央よりも左側前面に、上方へ開放され遊技盤4のアウト球排出部1161から排出された下方へ排出された遊技球を受ける排出球受部841と、排出球受部841で受けられた遊技球を下方へ誘導して排出する排出通路842と、排出通路842及び排出球受部841の横(正面視で右側)の前面に前方及び上方へ開放され発射電源基板ボックス830の後側を収容可能な前ボックス収容部843と、電源基板ボックスホルダ840の後面全体が前側へ窪んだように形成され電源基板ボックス850の前端を収容可能な後ボックス収容部844と、を備えている。
この電源基板ボックスホルダ840は、排出通路842の開放された前端側が基板ユニットベース810の後面によって閉鎖されるようになっていると共に、基板ユニットベース810の開口部812が排出通路842へ望む位置に形成されており、本体枠ベース600における下部後壁部604の後面に形成された本体枠ベース球抜通路622を転動して基板ユニットベース810の開口部812を通って基板ユニットベース810の後側へ流下した遊技球と、詳細は後述するが遊技盤4のアウト球排出部1161から排出されて排出球受部841で受けられた遊技球とを、排出通路842を通してパチンコ機1の後側下方へ排出することができるようになっている。
また、電源基板ボックスホルダ840は、基板ユニットベース810のボックス収容部816と対応した位置に形成されており、ボックス収容部816と前ボックス収容部843とで、発射電源基板ボックス830を収容する収容凹部を形成することができるようになっている。
更に、基板ユニット800における電源基板ボックス850は、前方が開放された横長の箱状に形成されており、その前端開口を閉鎖するように取付けられた電源基板851を備えている。この電源基板ボックス850は、電源基板851に取付けられた各種電子部品が収容されるようになっており、上面及び下面に形成された複数のスリット850aを介して、電子部品等からの熱を外部へ放出することができるようになっている。なお、図90に示すように、電源基板ボックス850の後面には、電源基板851に取付けられた電源スイッチ852が臨むようになっている。
また、電源基板ボックス850は、電源基板851における電源スイッチ852の下側に取付けられた電源端子853(図88及び図90を参照)が後側へ臨む開口の下辺に沿って後方へ突出した立壁部850bと、立壁部850bの後端の両側から後方へ突出した突起部850cと、立壁部850bよりも前側且つ下側に配置され電源基板ボックス850の外周との間で配線コード854を挿通可能な隙間を形成する配線ガイド部850dと、を備えている。なお、詳細な図示は省略するが、電源基板851に実装された電源端子853は、コネクタ端子855の係止爪と係止する係止片を有しており、それら係止爪と係止片とを係止させることで、電源端子853からコネクタ端子855が外れないようになっている。
この電源基板ボックス850は、立壁部850bが、図91に示すように、電源基板851の電源端子853に配線コード854のコネクタ端子855を接続した状態で、コネクタ端子855の後端よりも若干後方へ突出するように形成されている。本例の電源基板ボックス850では、配線コード854が電源基板ボックス850の前方下側から立壁部850bの後端に引っ掛かるように後側へ回り込んだ状態で、電源基板851の電源端子853にコネクタ端子855が接続されるようになっている。
ところで、基板に取付けられた接続端子に対して、配線コードが延びだしたコネクタ端子を接続した上で、その配線コードを基板側へ引っ張った状態とすると、配線コードから係る張力によってコネクタ端子が接続端子側へ押し付けられるような状態となるので、接続端子からコネクタ端子を外し難くなる問題がある。しかしながら、本例の電源基板ボックス850によると、配線コード854の先端側(電源端子853と接続されたコネクタ端子855側とは反対側)が電源基板851側(本体枠3に対して前側)へ引っ張られても、コネクタ端子855よりも後方へ突出した立壁部850bによって、配線コード854がコネクタ端子855よりも後側へ回り込む(折返す)ように取り回されているので、配線コード854からコネクタ端子855が電源端子853側へ押し付けられるような力が作用するのを防止することができ、電源端子853に接続されたコネクタ端子855を簡単に外すことができるようになっている。
また、電源基板ボックス850は、立壁部850bの後端両側に後方へ突出した突起部850cを備えているので、配線コード854が立壁部850bの後端に沿ってスライドしても、後端の両端に備えられた突起部850cによって、それ以上外側へ配線コード854がスライドするのを阻止することができ、配線コード854が立壁部850bから外れるのを防止することができるようになっている。
また、電源基板ボックス850の配線ガイド部850dに配線コード854を挿入させることで、立壁部850bで折返された配線コード854を立壁部850b側へ寄せることができるので、立壁部850bから配線コード854を外れ難くすることができると共に、立壁部850bで配線コード854を折返した上で、直ちに配線ガイド部850dで配線コード854を立壁部850b側へ寄せることができるので、一連の作業を連続して行わせることができ、組立てに係る作業工程を簡略化することができるようになっている。
なお、電源基板ボックス850及び電源基板ボックスホルダ840は、互いに組付けた状態における前後方向の寸法が、スピーカボックス820の前後方向の寸法と略同じとなるように形成されており、基板ユニットベース810に取付けると、電源基板ボックス850の後面と、スピーカボックス820の後面とが略同一面状となるようになっている。
また、本例では、電源基板851を覆う電源基板ボックス850の開口から臨む電源端子853にコネクタ端子855を接続した上で、コネクタ端子855の後端よりも後側へ突出した立壁部850bによってコネクタ端子855の後端から延出した配線コード854を折返させるようにしているので、配線コード854が引っ張られることでコネクタ端子855に作用する張力を、係止爪等により接続が固定された電源端子853との接続を解除するような方向へ作用させることが可能となり、配線コード854によってコネクタ端子855が外せなくなるのを回避させることができ、電源基板851の電源端子853に接続されたコネクタ端子855を外し易くして基板の交換等のメンテナンスを簡単に行うことができる。
また、電源基板ボックス850の立壁部850bによって配線コード854を折返させるようにしており、立壁部850bが無い場合と比較して、配線コード854の折曲がり具合を緩くさせることができるので、配線コード854自体に無理な力が作用するのを回避させることができ、無理な力により配線コード854が断線して不具合が発生するのを防止することができる。
更に、電源端子853が臨む電源基板ボックス850の開口の近傍に立壁部850bを備えるようにしており、蓋然的に、立壁部850bが電源端子853と隣接した位置となるので、電源端子853に接続されたコネクタ端子855から延びた配線コード854を、コネクタ端子855に対して可及的に真直ぐ後側へ延びださせることが可能となり、コネクタ端子855と配線コード854との繋ぎ目が折れて無理な力が作用するのを防止することができ、断線等の不具合が発生するのを防止することができる。
また、電源基板851を被覆する電源基板ボックス850に立壁部850bを備えるようにしているので、電源基板851に立壁部850bを備える必要が無く、電源基板851の組立作業を容易にすることができる。また、電源基板ボックス850で電源基板851を覆うようにしているので、電源基板851に不具合の発生原因となる埃やゴミ等が付着するのを防止することができると共に、電源基板851に実装された電子部品(例えば、抵抗器、コンデンサ、トランジスタ、IC、CPU、メモリー、等)に対して触れ難くしたり交換し難くしたりすることができ、不正行為に対する防御力を高めることができるようになっている。
また、電源基板851における電源端子853にコネクタ端子855を接続する方向を、基板面に対して略直角方向(前後方向)としており、電源基板851に実装された電源端子853に対して、コネクタ端子855を接続したり取外したりする時にかかる力を電源基板851の面に作用させ易くすることができるので、電源端子853におけるリード部に剪断力が作用するのを防止することが可能となり、リード部が破断して通電不良が発生したり電源基板851から電源端子853が外れてしまったりするのを防止することができ、不具合が発生し難いパチンコ機1とすることができる。
更に、コネクタ端子855と電源端子853との接続を係止爪と係止片とによる固定手段によって固定するようにしているので、配線コード854が立壁部850bによって折返されることで配線コード854を介してコネクタ端子855に電源端子853との接続を解除するような方向へ力が作用しても、コネクタ端子855と電源端子853との接続が解除されてしまうのを防止することができ、コネクタ端子855と電源端子853との接続を確実に維持して接触不良や通電不良等の不具合が発生するのを防止することができる。
また、電源基板ボックス850の立壁部850bにおける配線コード854が折返される後端の両端に、後方へ突出する突起部850cを備えるようにしているので、配線コード854が立壁部850bにおける折返される辺に沿ってスライドしても、辺の両端に備えられた突起部850cによって、それ以上外側へ配線コード854がスライドするのを阻止することができ、配線コード854が立壁部850bから外れるのを防止して上述した作用効果を確実に奏するパチンコ機1を具現化することができる。
また、電源基板ボックス850に備えられた配線ガイド部850dによって、立壁部850bで折返された配線コード854を立壁部850b側へ寄せるようにしているので、立壁部850bから配線コード854を外れ難くすることができ、上述した作用効果を確実に奏するようにすることができると共に、立壁部850bで配線コード854を折返した上で、直ちに配線ガイド部850dで配線コード854を立壁部850b側へ寄せることが可能となり、一連の作業を連続して行わせることができ、組立てに係る作業工程を簡略化してコストが増加するのを抑制することができる。
また、基板ユニット800における払出制御基板ボックス860は、横長で後方が開放された薄箱状のボックスベース861と、ボックスベース861内へ後側から嵌合し前方が開放された薄箱状のカバー862と、ボックスベース861の後面に取付けられカバー862によって後面が覆われる払出制御基板4110(図118を参照)と、を備えている。また、払出制御基板ボックス860は、背面視左端から外方へ突出しボックスベース861及びカバー862の双方に形成された複数の分離切断部863を備えており、複数の分離切断部863の一箇所でボックスベース861とカバー862とがカシメ固定されている。これによってボックスベース861とカバー862とを分離するためには、分離切断部863を切断しないと分離できないようになっており、払出制御基板ボックス860を開くと、その痕跡が残るようになっている。従って、払出制御基板ボックス860が不正に開閉させられたか否かが判るようになっている。なお、本例では、検査等のために払出制御基板ボックス860を一回だけ開閉することができるようになっている。
この払出制御基板ボックス860は、払出制御基板4110に取付けられたエラー解除スイッチ860a、球抜きスイッチ860b、検査用出力端子860c、等がカバー862を通して後方へ臨むようになっている(図66を参照)。また、払出制御基板ボックス860は、主制御基板4100等と接続するための各種接続用の端子が、カバー862を通して後方へ臨むようになっている。
更に、基板ユニット800における端子基板ボックス870は、スピーカボックス820の後面に取付けられ、背面視左側上部後面に形成された基板取付部871a、及び背面視右端後面に形成された基板カバー取付部871bを有した基板ベース871と、基板ベース871の基板取付部871aに後側から取付けられ後面に周辺パネル中継端子872aが取付けられた周辺パネル中継端子板872と、基板ベース871の基板カバー取付部871bに後側から取付けられ後壁部873aに上下方向へ延びた開口部873bを有する接続端子板カバー873と、接続端子板カバー873の開口部873bから後方へ臨むCRユニット接続端子874aが後面に取付けられた接続端子板カバー873内に支持されるCRユニット接続端子板874と、接続端子板カバー873と共に基板ベース871の後側を覆う基板ボックスカバー875と、を備えている。
この端子基板ボックス870における周辺パネル中継端子板872は、パチンコ機1を設置する島設備側に備えられたパチンコ機1の稼動状態等を表示するための度数表示器と本パチンコ機1とを接続するためのものであり、CRユニット接続端子板874は、パチンコ機1と隣接して設置される球貸し機(CRユニット6とも称す)と本パチンコ機1とを接続するためのものである。なお、端子基板ボックス870における基板ベース871、接続端子板カバー873、及び基板ボックスカバー875は、夫々透明な合成樹脂によって形成されており、外部から内部の周辺パネル中継端子板872やCRユニット接続端子板874等を視認することができるようになっている。また、基板ボックスカバー875の後面には、パチンコ機1において球詰り等の不具合が発生した場合に、島設備側に設置された度数表示器やCRユニット6等に表示されるエラーコードの内容が表示された状態表示シール876が貼り付けられている。
この端子基板ボックス870における基板ベース871は、図92に示すように、基板取付部871aが、後端が開放された薄い箱状に形成されている。この基板ベース871は、基板取付部871aの内側上部に形成され周辺パネル中継端子板872の上端を固定する固定片(図示は省略する)と、基板取付部871aの内側下部に形成され周辺パネル中継端子板872の下端を係止する端子基板ボックス係止爪871Iと、を備えており、固定片と端子基板ボックス係止爪871Iとによって周辺パネル中継端子板872を後側から脱着可能に保持することができるようになっている。
また、基板ベース871は、基板カバー取付部871bが、後側へ開放された薄い箱状に形成されており、その内周の大きさが接続端子板カバー873の外周が挿入可能な大きさとされていると共に、その内周壁が前後方向へ延びた外片部871cとされている。基板ベース871は、背面視右側の外片部871cを左右方向へ貫通する一対の固定孔871dと、基板カバー取付部871bの底壁から後方へ延出しCRユニット接続端子板874の前面と当接する上下方向へ延びた二つの突条871eと、基板カバー取付部871bの背面視左外側に配置され前後方向へ貫通する係止孔871fと、を備えている。この基板ベース871における突条871eは、後方への突出量が外片部871cよりもやや控えた状態となっていると共に、図示するように、CRユニット接続端子板874の両側端に可及的に近い位置となるように配置されている。
更に、基板ベース871は、基板カバー取付部871bの背面視右側後面に上下方向へ離反して配置され基板ボックスカバー875を回動可能に軸支するための一対の軸受部871gと、背面視左端部付近の後面に配置され前後方向へ延びた角筒状の係止部871hと、を備えている。
端子基板ボックス870における接続端子板カバー873は、CRユニット接続端子板874の外周を囲うと共に基板ベース871の外片部871cで囲まれた基板カバー取付部871b内へ挿入可能とされた外壁部873cと、外壁部873cの後端を閉鎖する後壁部873aと、後壁部873aを貫通し上下方向へ延びた矩形状の開口部873bと、開口部873bの内周に略沿って後壁部873aから前方(基板ベース871側)へ延出する内壁部873dと、内壁部873dの前端がCRユニット接続端子板874の前面と当接するようにCRユニット接続端子板874を保持し上下の外壁部873cに形成された鉤爪状の一対の基板保持部873eと、を備えている。
また、接続端子板カバー873は、CRユニット接続端子板874に取付けられた複数の内部接続端子874bと対応する位置に配置され後壁部873aを貫通した複数の開口部873fと、上下方向の略中央に配置された開口部873fの後側を覆い背面視左側が開放された箱状の保護部873gと、外壁部873cにおける背面視右側端部から外方(右方向)へ延出し基板ベース871の固定孔871d内へ挿通可能とされた一対の固定片873hと、外壁部873cにおける背面視左側端部に形成され基板ベース871の係止孔871fへ係止可能とされた弾性爪状の係止爪片873iと、を備えている。なお、図示は省略するが、保護部873gを備えた中央の開口部873fにおける内周の上下にも前方へ延出した内壁部873dが形成されている。
この接続端子板カバー873は、外壁部873cと後壁部873aとによって、前側が開放された薄い箱状となっている。また、接続端子板カバー873は、開口した前側からCRユニット接続端子板874を内部へ挿入することで、内壁部873dの前端によってCRユニット接続端子板874が後方へ移動するのを規制することができると共に、一対の基板保持部873eによってCRユニット接続端子板874が前方へ移動するのを規制することができ、而して、CRユニット接続端子板874を脱着可能に保持することができるようになっている。更に、接続端子板カバー873は、その固定片873hを基板ベース871の固定孔871d内へ挿入した上で、係止爪片873iを基板ベース871の係止孔871fへ係止させることで、基板ベース871の基板カバー取付部871bへ脱着可能に取付けることができるようになっている。
端子基板ボックス870におけるCRユニット接続端子板874は、その表面側(後面側)に、パチンコ機1と遊技ホールの島設備側に設置されたCRユニット6とを接続するためのCRユニット接続端子874aの他に、払出制御基板4110や、貸球ユニット360等と接続するための複数の内部接続端子874bが備えられている。なお、本例のCRユニット接続端子板874では、図示するように、CRユニット接続端子874aが係止機能を有したD−subコネクタとされており、内部接続端子874bが角形ツーピースコネクタとされている。
また、端子基板ボックス870における基板ボックスカバー875は、基板ベース871の後面全体を略覆う大きさで全体が前側へ開放された薄い箱状に形成され、背面視右側面に配置され基板ベース871の軸受部871gに回動可能に軸支される一対の軸部875aと、接続端子板カバー873における開口部873bと対応し前後方向へ貫通した貫通口875bと、貫通口875bの左右両側端から前方へ延出する衝壁875cと、基板ベース871の係止部871hに係止される係止片875dと、を備えている。
この基板ボックスカバー875は、一対の軸部875aを基板ベース871の軸受部871gに軸支させることで、接続端子板カバー873と共に基板ベース871の後面を開閉可能に覆うことができるようになっている。また、基板ボックスカバー875は、軸部875aに近い側(軸支された側)の衝壁875cが基板ベース871の後面まで延出する長さとされており、軸部875aから遠い側の衝壁875cが接続端子板カバー873の後面まで延出する長さとされている。つまり、本例の端子基板ボックス870では、基板ボックスカバー875を閉じた状態とすると、夫々の衝壁875cの前端が、基板ベース871や接続端子板カバー873の後面に略当接した状態となるようになっている。
本例の端子基板ボックス870は、CRユニット接続端子板874のCRユニット接続端子874aをD−subコネクタとしているので、図92に示すように、CRユニット接続端子板874の後面に対してCRユニット接続端子874aの本体が浮いた状態となっており、CRユニット接続端子874aから延びたリード部がCRユニット接続端子板874の後面側でも外部に露出した状態となっている。また、CRユニット接続端子板874の内部接続端子874bは、角形のツーピースコネクタとされており、図示するように、後方から嵌合接続できるように取付けられている。
そして、本例の端子基板ボックス870は、図92に示すように、組立てた状態では、CRユニット接続端子板874の前面に沿った方向には接続端子板カバー873の外壁部873cと基板ベース871の突条871e及び外片部871cとが、また、CRユニット接続端子板874の後面に沿った方向には接続端子板カバー873の外壁部873cと内壁部873dと基板ボックスカバー875の軸部875a側の衝壁875cとが、夫々存在するので、幾重にもよる防壁が構築されることとなると共に、接続端子板カバー873と基板ベース871との境界の断面形状が蛇行したクランク形状となるようになっている。従って、喩え、接続端子板カバー873と基板ベース871との間(境界)に、可撓性に優れた不正な工具を侵入させようとしても、境界に沿って工具が曲がらず、CRユニット接続端子板874の面に沿った方向からの不正な工具の侵入を確実に阻止することができ、CRユニット接続端子板874に備えられたCRユニット接続端子874aに対する不正行為を確実に防ぐことができるようになっている。
また、この端子基板ボックス870は、接続端子板カバー873における内壁部873dの前端がCRユニット接続端子板874の後面と当接するようになっているので、CRユニット接続端子874aとして取付けられたCRユニット接続端子板874との間に隙間が形成されるD−subコネクタを用いても、内壁部873dによって露出したリード部の外周を覆うことができ、不正行為が行われるのを防止することができるようになっている。
また、端子基板ボックス870は、基板ベース871の後面に回動可能に軸支された基板ボックスカバー875に、CRユニット接続端子874aが臨む貫通口875bの軸部875a側に、一対の軸部875a間に跨る長さの衝壁875cを備えており、衝壁875cによって基板ボックスカバー875の強度・剛性を高めることができるので、基板ボックスカバー875と基板ベース871との間にドライバー等を差し込んで一対の軸部875aの間に隙間を形成させようとしても、基板ボックスカバー875が歪むのを阻止して隙間が形成されるのを防止することができ、不正行為を行い難くして抑止力の高いものとすることができるようになっている。
更に、本例の端子基板ボックス870は、CRユニット接続端子板874の中央付近の内部接続端子874bの後側を接続端子板カバー873の保護部873gと基板ボックスカバー875とで覆うようにしているので、ツーピースコネクタとされた内部接続端子874bに配線コード側の接続端子が嵌合接続された状態で接続端子のコネクタ本体と配線コードとの隙間を通して針状の電極を挿入する不正行為を行おうとしても、保護部873gと基板ボックスカバー875とによって電極の挿入を阻止することができ、内部接続端子874bに対する不正行為も防止することができるようになっている。
このように、本例によると、本体枠3の後面にCRユニット接続端子板874を収容した端子基板ボックス870を取付けるようにしているので、パチンコ機1の表側から外枠2と本体枠3との間等を介して不正な工具を挿入して、パチンコ機1の裏面側へ不正な工具の先端を侵入させても、端子基板ボックス870によって、収容されたCRユニット接続端子板874を保護することができ、CRユニット接続端子板874に対する不正行為を確実に防ぐことができる。
また、端子基板ボックス870内にCRユニット接続端子板874を収容した状態では、CRユニット接続端子板874の前面(基板の裏面)に沿った方向には接続端子板カバー873の外壁部873cと基板ベース871の突条871e及び外片部と871cが、また、CRユニット接続端子板874の後面(基板の表面)に沿った方向には接続端子板カバー873の外壁部873cと内壁部873dと基板ボックスカバー875の衝壁875cとが、夫々存在するので、幾重にもよる防壁が構築されることとなると共に、接続端子板カバー873と基板ベース871との境界の断面形状が蛇行したクランク形状となり、喩え、接続端子板カバー873と基板ベース871との間(境界)に、可撓性に優れた不正な工具を侵入させようとしても、境界に沿って工具が曲がらず、CRユニット接続端子板874の面に沿った方向からの不正な工具の侵入を確実に阻止することができ、CRユニット接続端子板874に備えられたCRユニット接続端子874aや内部接続端子874bに対する不正行為を確実に防ぐことが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、接続端子板カバー873における内壁部873dの前端がCRユニット接続端子板874の後面と当接するようにしているので、CRユニット接続端子874aとして基板との間に各リード部が露出するようなD−subコネクタを用いても、内壁部873dによって露出したリード部の外周を覆うことができ、不正行為が行われるのを確実に防止することができる。
更に、端子基板ボックス870に、基板ベース871の後面に一方の端部が回動可能に軸支されて接続端子板カバー873の後面を開閉可能に覆うと共に、接続端子板カバー873の開口部873bと対応した貫通口875bにおける軸支された側の側端から前方へ基板ベース871の後面まで延出する板状の衝壁875cを有した基板ボックスカバー875を更に備えるようにしているので、基板ボックスカバー875における基板ベース871に対して軸支された部位同士の間に、ドライバー等を差し込んで隙間を形成して不正な工具を侵入させようとしても、衝壁875cによって不正な工具が接続端子板カバー873(CRユニット接続端子板874)側へ到達するのを阻止することができ、不正行為が行われるのを防止することができる。
また、端子基板ボックス870内のCRユニット接続端子板874を取出すには、基板ボックスカバー875を開けた上で接続端子板カバー873を開けなければならず、CRユニット接続端子板874を取出し難くすることができ、不正行為に対する抑止力を高めることができる。また、衝壁875cによって基板ボックスカバー875の強度・剛性を高めることができるので、基板ボックスカバー875と基板ベース871との間にドライバー等を差し込んで隙間を形成させようとしても、基板ボックスカバー875が歪むのを阻止して隙間が形成されるのを防止することができ、不正行為を行い難くして抑止力の高いものとすることができる。
更に、CRユニット接続端子板874の内部接続端子874bに接続された配線コード側の端子における被コネクタ本体と配線コードとの隙間を通して、針状の電極を挿入する不正行為を行おうとしても、対応した開口部873fの後側、すなわち、被コネクタ本体の配線コードと沿った隙間の開口の後側を保護部873gと基板ボックスカバー875とで覆うようにしているので、端子基板ボックス870の外側(後側)から被コネクタ本体の隙間へ針状の電極を挿入することができず、接続された配線コードの端子に対して不正行為が行われるのを防止することができ、防犯能力の高いものとすることができる。
また、接続端子板カバー873の外壁部873cに、CRユニット接続端子板874を保持する基板保持部873eを備えると共に、外壁部873cをCRユニット接続端子板874よりも前側へ延出させているので、不正行為を行うために接続端子板カバー873と基板ベース871との間にドライバー等を差し込んで隙間を形成させても、CRユニット接続端子板874が接続端子板カバー873と共に後側へ移動するため、接続端子板カバー873における外壁部873cの前端とCRユニット接続端子板874との位置関係は変化することが無く、CRユニット接続端子板874の外周が外壁部873c(接続端子板カバー873)で保護されたままとすることができ、CRユニット接続端子板874の後面のCRユニット接続端子874a等に対して不正行為を行うことができず、CRユニット接続端子板874やCRユニット接続端子874a等を狙った不正行為を防止することができる。
更に、端子基板ボックス870を、透明樹脂によって形成しており、外側から端子基板ボックス870内を視認することができるので、端子基板ボックス870を分解しなくても、端子基板ボックス870の外側から、内部に収容されたCRユニット接続端子板874や周辺パネル中継端子板872等に対して不正な工具が挿入されていないか、CRユニット接続端子板874等自体が不正なものに交換されていないか、或いは、CRユニット接続端子板874等に実装された電子部品(例えば、ROM、IC、抵抗器、コンデンサ、等)が不正なものと交換されていないか、等を簡単に点検することができ、不正行為を発見し易くすることができると共に、不正行為が発見し易くなるので、不正行為を行うものに対して不正行為の実行を躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力を高めることができる。
また、本体枠3の裏面側に、CRユニット接続端子板874等の表面が後側を向く方向となるように端子基板ボックス870を取付けているので、メンテナンス等の際に外枠2に対して本体枠3を前側へ回動させて本体枠3の後側が現れると、端子基板ボックス870に収容されたCRユニット接続端子板874等が作業者側(遊技者側)を向いた状態となり、CRユニット接続端子板874等や端子基板ボックス870を点検し易くすることができる。
基板ユニット800における主側中継端子板880及び周辺側中継端子板882は、本体枠3に取付けられる遊技盤4に備えられた周辺制御部4140や基板ユニット800の払出制御基板4110等と、扉枠5に備えられたハンドル装置500、各装飾基板や操作ユニット400等との接続を中継するためのものである。これら主側中継端子板880及び周辺側中継端子板882は、本体枠3側や扉枠5側へ接続するための複数の接続端子を備えており、基板ユニットベース810の前面に形成された基板取付部813に取付けることで、それら接続端子が本体枠ベース600の前面から前側を向くようになっている。
なお、主側中継端子板880及び周辺側中継端子板882は、図65及び図67等に示すように、本体枠ベース600の前面に取付けられる中継端子板カバー692によってその前側が覆われるようになっていると共に、中継端子板カバー692の開口692aを通して、扉枠5側と接続するための接続端子のみが前側へ臨むようになっており、それらの接続端子に配線196が接続されるようになっている(図1及び図28を参照)。
また、主側中継端子板880は、扉枠5側に配置される皿ユニット300における貸球ユニット360の貸球ボタン361、返却ボタン362、貸出残表示部363、ハンドル装置500の回転位置検知センサ512、タッチセンサ516、発射停止スイッチ518、及びファールカバーユニット540の満タン検知センサ550と、本体枠3側に配置される払出制御基板4110との接続を中継するためのものである。また、周辺側中継端子板882は、扉枠5側に配置される各装飾ユニット200,240,280及び皿ユニット300や操作ユニット400に備えられた各装飾基板430,432、及び操作ユニット400に備えられたダイヤル駆動モータ414やセンサ432a,432b,432cと、本体枠3側に配置される遊技盤4の周辺制御部4140との接続を中継するためのものである。
[裏カバー]
続いて、本体枠3における裏カバー900について、図94乃至図96を参照して説明する。図94(A)は本体枠における裏カバーの正面斜視図であり、(B)は本体枠における裏カバーの背面斜視図である。また、図95は、裏カバーにおける締結機構の部位を拡大して示す断面図であり、図96は、裏カバーにおける締結機構を分解して後側から見た分解斜視図である。本例の裏カバー900は、透明な合成樹脂によって形成されており、パチンコ機1の後側から本体枠3内を視認することができるようになっている。
続いて、本体枠3における裏カバー900について、図94乃至図96を参照して説明する。図94(A)は本体枠における裏カバーの正面斜視図であり、(B)は本体枠における裏カバーの背面斜視図である。また、図95は、裏カバーにおける締結機構の部位を拡大して示す断面図であり、図96は、裏カバーにおける締結機構を分解して後側から見た分解斜視図である。本例の裏カバー900は、透明な合成樹脂によって形成されており、パチンコ機1の後側から本体枠3内を視認することができるようになっている。
本体枠3における裏カバー900は、本体枠3における遊技盤4を保持するための遊技盤保持口601(本体枠3に取付けられた遊技盤4)の後側を開閉可能に被覆するものである。この裏カバー900は、遊技盤保持口601の後側開口を閉鎖する板状の本体部902と、本体部902の正面視右辺から前方へ延出する側部904と、側部904の前端に上下方向へ並んで複数配置され下方へ向かって突出し本体枠ベース600の裏カバー軸支部623に軸支される軸支ピン906と、本体部902の正面視左辺上部と下部に夫々形成され賞球ベース710の裏カバー係合溝718と賞球通路蓋780の裏カバー係合溝780aとに夫々係合する係合片908と、下側の係合片908の近傍に裏カバー900を本体枠3に対して開閉不能に締結するための締結機構920とを備えている。
裏カバー900における締結機構920は、図95及び図96等に示すように、裏カバー900の本体部902における下側の係止片923の背面視で左側に前後方向へ貫通した円形の挿通孔921と、挿通孔921の背面視で左側に所定距離はなれて配置され前後方向へ貫通した縦長矩形状の係止口922と、係止口922に対して後側から弾性係止される係止片923aを一端側に有すると共に他端側に挿通孔921と対応した横長の長孔923bを有する板状のガイド部材923と、ガイド部材923の長孔923bへ後側から挿通され本体部902の挿通孔921を介して賞球通路蓋780の裏カバー締結孔780bへ螺合される雄ねじ部924aを有した締結部材924と、締結部材924の雄ねじ部924aにガイド部材923を挟むように取付けられる保持部材925と、を備えている。なお、締結機構920におけるガイド部材923は、軟質の合成樹脂によって形成されており、曲がり易くなっている。
また、締結機構920は、ガイド部材923の係止片923aが、本体部902の係止口922に対して遊嵌状態で係止されるようになっており、ガイド部材923が所定の範囲内で遊動することができるようになっている。また、締結機構920は、締結部材924の雄ねじ部924aに取付けられた円盤状の保持部材925によって、締結部材924が長孔923bを通してガイド部材923に支持された状態となり、長孔923bに沿って左右方向へスライドすることができると共に、長孔923bから脱落しないようになっている。この締結機構920は、本体部902の係止口922へ後側からガイド部材923の係止片923aを係止させると、ガイド部材923の長孔923bを介して前側へ突出した締結部材924の雄ねじ部924aが、本体部902の挿通孔921へ挿通された状態となるようになっている。
本例の裏カバー900は、軸支ピン906を本体枠ベース600の裏カバー軸支部623に軸支させることで、本体枠3における遊技盤保持口601の後側開口を開閉することができ、係合片908を本体枠ベース600及び賞球通路蓋780の裏カバー係合溝718,780aに係合させることで、閉じた状態とすることができるようになっている。なお、裏カバー900を閉じた状態とすると、締結機構920における挿通孔921と賞球通路蓋780の裏カバー締結孔780bとが略一致した状態となるようになっている。
この裏カバー900を閉じた状態では、挿通孔921へ後側から前側へ挿通された締結部材924の雄ねじ部924aが、裏カバー締結孔780b内へ自然と螺合されることがないので、裏カバー900を閉じても雄ねじ部924aの先端が裏カバー締結孔780bの後端で止まった状態となり、締結部材924が裏カバー900の本体部902から後方へ突出することとなる。ところで、本例では、締結部材924が裏カバー900の本体部902の係止されたガイド部材923の長孔923b内に支持されているので、締結部材924が裏カバー900から脱落することなく、本体部9002の後側に位置した状態が維持されるようになっている。
そして、この状態から締結部材924の雄ねじ部924aの先端を裏カバー締結孔780bへ挿入して締結部材924を回転させることで、雄ねじ部924aが裏カバー締結孔780b内へとねじ込まれて(螺合されて)、裏カバー900を締結固定することができるようになっている。なお、本例の締結機構920は、締結部材924を裏カバー締結孔780bへねじ込む時に、締結部材924を支持するガイド部材923が本体部902に対して斜めになっていても、締結部材924を長孔923bで支持しているので、締結部材924(雄ねじ部924a)を裏カバー締結孔780bの軸心に対して真直ぐに位置させることができ、締結部材924を裏カバー締結孔780bへ良好にねじ込むことができるようになっている。
また、本例では、裏カバー900を、一箇所の締結機構920によって本体枠3側へ締結固定するようにしているので、一箇所の締結部材924を操作するだけで簡単に締結したり締結を解除したりすることができ、裏カバー900の開閉に係る手間を簡略化してメンテナンス性を向上させることができるようになっている。
また、裏カバー900は、本体部902の正面視右側下端で上方へ矩形状に切欠かれた接続用切欠部910と、接続用切欠部910の正面視上側で矩形状に貫通した確認用開口部912と、本体部902の正面視左下隅部に矩形状に切欠かれた確認用切欠部914と、を備えている。
この裏カバー900は、図5に示すように、本体枠3に対して閉じた状態で、接続用切欠部910を通して遊技盤4における主制御基板ボックス1170のRAMクリアスイッチ4100cや主制御入力回路4100f等が後側へ臨むようになっている。また、裏カバー900は、確認用開口部912を通して、主制御基板ボックス1170の後面に貼り付けられた基板管理シール1178(図105を参照)が後側へ臨むようになっていると共に、確認用切欠部914を通して主制御基板ボックス1170の封止部1176が臨むようになっている。これにより、裏カバー900を本体枠3に対して開かなくても、主制御基板ボックス1170及び主制御基板4100の作動確認や外観確認、管理状態確認等を行うことができるようになっている。
また、裏カバー900は、本体部902及び側部904に細長く貫通した複数のスリット916が形成されており、これらスリット916を通して遊技盤4等で発生した熱を本体枠3(パチンコ機1)の後側外部へ排出することができるようになっている。なお、図示するように、中央から正面視でやや左寄りの位置に、幅広で上下方向へ長く延びた左右方向へ所定間隔で列設された複数の透孔918を備えている。これら透孔918は、裏カバー900を本体枠3に対して閉じた状態とすると共に、本体枠3内に遊技盤4を収容保持させた状態で、遊技盤4における液晶表示装置1900及び第二液晶表示装置3252の後側に備えられた周辺制御部4140や液晶制御部4150を冷却するための冷却ファンの後側に位置するようになっており、周辺制御部4140等からの熱を良好に排気することができるようになっている。因みに、透孔918の幅は、遊技球の外径よりも小さい幅とされており、透孔918を通してパチンコ機1内へ遊技球が侵入しないようになっている。
これにより、本例では、本体枠3に保持された遊技盤4の後側を閉鎖する裏カバー900を本体枠3へ締結する締結部材924を、裏カバー900に取付けられたガイド部材923に対して遊動可能に保持させているので、本体枠3に遊技盤4を保持した状態で、本体枠3の後側から裏カバー900を開いて遊技盤4の後側をメンテナンス等を行う際に、本体枠3に対して裏カバー900を締結固定している締結部材924の締結を解除して本体枠3の裏カバー締結孔780bから締結部材924を分離させても、締結部材924がガイド部材923を介して裏カバー900に保持された状態となり、締結部材924を紛失してしまったり、パチンコ機1内に取残してしまったりするのを防止することができ、裏カバー900から締結部材924が脱落するのを防止することが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、上述したように、開いた裏カバー900から締結部材924が脱落するのを防止することができるので、メンテナンス等の際に、締結を解除した締結部材924を所定位置に保管する必要が無く、ガイド部材923を介して裏カバー900の挿通孔921の近傍に保持することができ、メンテナンスを行い易くすることができる。
また、ガイド部材923の長孔923bを、少なくとも係止口922側とは反対側へ延びるようにしているので、ガイド部材923が裏カバー900の面に対して傾いた状態となっていても、締結部材924の雄ねじ部924aを裏カバー900の挿通孔921を通して本体枠3の裏カバー締結孔780bへ真直ぐに位置させることができ、裏カバー締結孔780bに対して雄ねじ部924aを正しい状態で確実に締結させることができる。従って、本体枠3に裏カバー900をきちんと締結させることができ、裏カバー900による防犯効果を確実に発揮させることができる。
更に、締結部材924の頭部と協働して締結部材924をガイド部材923に対して遊動可能に保持させる保持部材925を締結部材924の雄ねじ部924aに取付けるようにしているので、締結部材924の頭部と保持部材925とでガイド部材923が挟まれた状態となり、締結部材924の雄ねじ部924aがガイド部材923の長孔923bから抜けるのを確実に防止することができると共に、保持部材925との隙間と長孔923bによってガイド部材923に対して締結部材924を遊動可能に保持させることができる。
また、裏カバー900における挿通孔921の周囲に保持部材を収容可能な収容凹部を備えるようにしており、締結部材924の雄ねじ部924aを、裏カバー900の挿通孔921を通して本体枠3の裏カバー締結孔780bへ締結させる際に、締結部材924の頭部とでガイド部材923を挟んだ保持部材925を、収容凹部内へ収容することができるので、裏カバー900とガイド部材923とを密着させて裏カバー900からの突出を可及的に少なくすることができ、ガイド部材923や締結部材924の突出した部位に他の部材が当接する可能性を低くして不具合が発生するのを低減させることができると共に、見栄えを良くすることができる。
また、本体枠3の裏カバー締結孔780bを雌ねじ部として、締結部材924の雄ねじ部924aとねじ結合するようにしているので、単なる係止爪による係合と比較して、引っ張っただけでは締結を解除することができず裏カバー900を取外し難くすることができ、裏カバー900による防犯効果をより高めることができると共に、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1とすることができる。
更に、可撓性を有したガイド部材923としており、ガイド部材923が撓むことができるので、裏カバー900(挿通孔921)に対する締結部材924の動きの自由度を更に高めることが可能となり、締結部材924の雄ねじ部924aを本体枠3の裏カバー締結孔780bに対して真直ぐな位置に位置させたり、雄ねじ部924aを裏カバー締結孔780bに対して真直ぐに移動させたりするのをし易くすることができ、裏カバー締結孔780bに対して雄ねじ部924aを確実に締結させることができる。
また、ガイド部材923の係止片923aが、裏カバー900の係止口922における挿通孔921とを結んだ軸線に対して直角方向へ延びた内壁に沿って当接した状態で、係止口922へ弾性係止されるようにしているので、遊動可能に取付けられたガイド部材923の先端側(長孔923b側)を、挿通孔921とを結んだ軸線に対して直角方向へ延びた軸心周りを回動するように動かすことができ、係止口922に対して係止片923aが軸支されたようにすることができる。従って、ガイド部材923の先端側の長孔923bに保持された締結部材924を、裏カバー900の挿通孔921、すなわち、本体枠3の裏カバー締結孔780bを開閉するように回動させることができるので、挿通孔921や裏カバー締結孔780bに対して締結部材924の雄ねじ部924aを挿入し易くすることができ、締結部材924による締結作業を行い易くすることができる。
更に、本体枠3における裏カバー締結孔780bとは異なる位置に複数の裏カバー係合溝718,780aを更に備えた上で、裏カバー900に裏カバー係合溝718,780aと夫々弾性係合する複数の係合片908を更に備えるようにしており、裏カバー900の係合片908を本体枠3の裏カバー係合溝718,780aに係合させることで、締結部材924による締結とは別に、裏カバー900を本体枠3へ固定することができるので、締結部材924を用いて締結する箇所を一箇所のみとして締結作業を可及的に少なくすることができ、組立てやメンテナンス等の作業性を高めることができる。また、上述したように、締結部材924とは別に係合片908と裏カバー係合溝718,780aとの係合によって裏カバー900を本体枠3へ固定することができるので、閉鎖範囲の広い裏カバー900でも締結部材924による締結箇所を増やすことなく良好な状態で本体枠3における遊技盤保持口601の後側(遊技盤4の後側)を閉鎖させることができる。
また、本体枠3(本体枠ベース600)の裏カバー軸支部623に裏カバー900の軸支ピン906を軸支させることで、本体枠3に対して裏カバー900を回動可能に軸支できるようにしているので、裏カバー900を閉じる方向へ回動させて本体枠3における遊技盤保持口601の後側を閉鎖するだけで、裏カバー900の挿通孔921と本体枠3の裏カバー締結孔780bとを簡単に一致させることができ、挿通孔921を通して裏カバー900に保持された締結部材924を簡単に裏カバー締結孔780bへ締結させることができる。また、本体枠3に対して裏カバー900を回動可能に軸支するようにしているので、メンテナンス等の際に、締結部材924による締結を解除して裏カバー900を開けた場合でも、裏カバー900を本体枠3に軸支させた状態のままとすることができ、裏カバー900を本体枠3から取外す必要が無く、裏カバー900の開閉にかかる手間を簡略化することができる。
[側面防犯板]
次に、本体枠3における側面防犯板950について、主に図70及び図71を参照して説明する。本体枠3における側面防犯板950は、図示するように、正面視における本体枠3の左側面を形成するものであり、本体枠ベース600に取付けられるようになっている。この側面防犯板950は、平面視で浅いコ字状に押出し成形された金属製の本体952と、本体952の内側前端付近の上下に固定され本体枠ベース600の前面に取付けられる取付金具954と、本体952の内側に固定され遊技盤4の位置決め凹部1119と係合する位置決め部材956と、を備えている。
次に、本体枠3における側面防犯板950について、主に図70及び図71を参照して説明する。本体枠3における側面防犯板950は、図示するように、正面視における本体枠3の左側面を形成するものであり、本体枠ベース600に取付けられるようになっている。この側面防犯板950は、平面視で浅いコ字状に押出し成形された金属製の本体952と、本体952の内側前端付近の上下に固定され本体枠ベース600の前面に取付けられる取付金具954と、本体952の内側に固定され遊技盤4の位置決め凹部1119と係合する位置決め部材956と、を備えている。
この側面防犯板950の本体952は、本体枠ベース600の高さと略同じ長さで上下方向へ延びると共に前後方向が略一定奥行きとされた側面片952aと、側面片952aの前端から正面視右方向へ延出した前端片952bと、前端片952bの後側に所定量の隙間を形成するように配置され前端片952bよりも突出量の少ない中片952cと、側面片952aの後端から正面視右方向へ前端片952bよりも長く延出した後端片952dと、を備えている(図112を参照)。この本体952は、側面片952a、前端片952b、及び後端片952dによって浅いコ字状に形成されており、中片952cと後端片952dとの間に遊技盤4における前構成部材1110と遊技パネル1150との正面視左側側部が挿入されるようになっている(図112を参照)。
本例の側面防犯板950は、取付金具954が本体枠ベース600の前面に取付けられると共に、本体952の後端片952dが本体枠ベース600の後面に取付けられるようになっている。この側面防犯板950は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、本体952の前端片952bが、扉枠5の補強ユニット150における軸支側補強板金152の軸支側コ字状突片166のコ字内に挿入されるようになっており、正面視左側において本体枠3と扉枠5との間に不正行為を行うための工具が挿入されるのを防止することができるようになっている(図112を参照)。また、側面防犯板950の本体952は、金属(例えば、アルミ合金)の押出型材とされていると共に、側面片952aの面に対して直角方向へ配置された前端片952b、中片952c、及び後端片952dを備えているので、側面防犯板950の強度・剛性が高められており、本体枠3全体の強度を高めて遊技盤4や扉枠5等を良好に支持することができるようになっている。
このように、本例によると、本体枠3の前面を扉枠5で閉鎖した状態とすると、側面防犯板950の前端内側に形成された前端片952bと中片952cとの間に扉枠5における補強ユニット150の略コ字状に形成された軸支側コ字状突片166の後側の片が挿入される(侵入する)ようになっており、前端片952bを軸支側コ字状突片166で挟持した状態となるので、本体枠3に対して扉枠5を無理やり開けようとしても、扉枠5の軸支側コ字状突片166が本体枠3の前端片952bに当接して扉枠5の軸支側コ字状突片166が本体枠3から離れる方向へ移動するのを阻止することが可能となり、閉鎖された扉枠5が抉じ開けられるのを防止することができ、本体枠3に対して扉枠5を抉じ開けるような不正行為が行われるのを防止することが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、本体枠3における金属により形成された側面防犯板950と、扉枠5における金属により形成された補強ユニット150とを嵌合させるようにしているので、本体枠3と扉枠5との間の強度・剛性が高くなり、不正工具によって本体枠3や扉枠5を歪み難くすることができ、パチンコ機1における防犯性能を高めることができる。また、遊技盤4を支持する本体枠ベース600を合成樹脂により形成した上で、扉枠5を軸支する側(軸支側)の側面防犯板950を金属により形成するようにしているので、本体枠3全体を金属によって形成するようにした場合と比較して、パチンコ機1に係るコストを低減させることができる。
更に、本体枠3に対して扉枠5を施錠する錠装置1000の扉枠用フック部1041を、上下両端と上下両端の間の一箇所で扉枠5における補強ユニット150のフックカバー165と係止させるようにして、錠装置1000側(開放側)における扉枠5と本体枠3との間を三つの扉枠用フック部1041によって係止するようにしているので、開放側がバール等の不正な工具によって抉られても扉枠5と本体枠3との間が広がるのを良好に防止することができ、扉枠5が無理やり抉じ開けられるのを防止することができる。
また、側面防犯板950における側面片952aの後端を、遊技盤4の前面(遊技領域1100)よりも後方へ延出させるようにしており、側面片952aの前後方向の寸法が長くなることで前後方向へかかる荷重に対する曲げ剛性が強くなるので、側面防犯板950全体の強度・剛性をより高めることができ、側面防犯板950が無理やり曲げられて不正行為が行われるのを防止することができる。
また、金属製の押出型材によって本体枠3の側面防犯板950を形成するようにしているので、前端片952bや中片952cを有した所定断面形状の側面防犯板950(本体952)を簡単に形成することができ、パチンコ機1の防犯性能を高めてもコストが増加するのを抑制することができると共に、金属板を屈曲させた場合と比較して、加工時に生ずる強度低下等の欠陥を可及的に少なくすることができ、耐久性や強度の高い側面防犯板950とすることができる。
[錠装置]
続いて、本体枠3における錠装置1000について、主に図97乃至図101を参照して説明する。図97(A)は本体枠における錠装置の左側面図であり、(B)は本体枠における錠装置を前から見た斜視図である。また、図98(A)は錠装置の背面斜視図であり、(B)は錠装置のコ字状基体の内部に摺動自在に設けられるガラス扉用摺動杆と本体枠用摺動杆を示す背面斜視図であり、(C)は(B)の正面斜視図である。更に、図99は、錠装置を分解して後から見た分解斜視図であり、図100は、錠装置におけるガラス扉用摺動杆と本体枠用摺動杆の動作を示す説明図であり、図101は、錠装置における不正防止部材の動作を示す説明図である。
続いて、本体枠3における錠装置1000について、主に図97乃至図101を参照して説明する。図97(A)は本体枠における錠装置の左側面図であり、(B)は本体枠における錠装置を前から見た斜視図である。また、図98(A)は錠装置の背面斜視図であり、(B)は錠装置のコ字状基体の内部に摺動自在に設けられるガラス扉用摺動杆と本体枠用摺動杆を示す背面斜視図であり、(C)は(B)の正面斜視図である。更に、図99は、錠装置を分解して後から見た分解斜視図であり、図100は、錠装置におけるガラス扉用摺動杆と本体枠用摺動杆の動作を示す説明図であり、図101は、錠装置における不正防止部材の動作を示す説明図である。
本体枠3における錠装置1000は、本体枠3の本体枠ベース600における周壁部605の開放側の外側側面に沿って本体枠3の略上端から下端にかけて取付けられるものであり、図72に示すように、本体枠ベース600における前端枠部602の正面視右側(開放側)辺の上部に形成された扉用フック穴620及び下部に形成された錠係止穴621と、本体枠ベース600における周壁部605の正面視右側側面に複数形成された錠取付部625と、に取付られるようになっている。
図97乃至図99に示すように、錠装置1000は、断面コ字状に形成される錠基体としてのコ字状基体1001と、コ字状基体1001内に摺動自在に設けられる扉枠用摺動杆1040と、コ字状基体1001内に摺動自在に設けられる本体枠用摺動杆1050と、本体枠用摺動杆1050の摺動を不正に行うことができないようにコ字状基体1001の下部に取付けられる不正防止部材1023,1032と、を備えている。
錠装置1000におけるコ字状基体1001は、所定の金属板を断面コ字状となるように折曲成形したものであり、その内部に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが摺動可能に配置されるようになっている。なお、コ字状基体1001は、その横幅寸法が従来の断面L字状に成形された基体に集約された錠装置に比べて極めて薄いものとなっている。これにより、錠装置1000の左右方向の寸法を可及的に薄くすることが可能となり、相対的に本体枠3における遊技盤保持口601の左右方向の寸法を大きくすることができ、より遊技領域1100の広い遊技盤4を備えることができるようになっている。
このコ字状基体1001は、断面コ字状の開放側が本体枠ベース600の裏面と対面した状態で取付けられるようになっており、錠装置1000を本体枠3に取付けた状態では、コ字状基体1001の開放側が本体枠ベース600に閉鎖されるようになっている。これにより、コ字状基体1001の内部に配置された扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、夫々のフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001に完全に被覆された状態となり、外部から錠装置1000に対して不正行為を行い難い不正防止構造となっている。
また、錠装置1000におけるコ字状基体1001は、その開放側(後側)と反対の閉塞側(前側)上下に本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065が貫通可能な長方形状のフック貫通開口1002と、前側における本体枠ベース600の周壁部605と接する側面1001b(図99を参照)の上部と中程に外方へ向かって突設されたビス止め部1003と、ビス止め部1003が突設された側面1001bとは反対側の側面1001a(図99を参照)の開放側(前側)の上端部と中間部、及び開放側の両側面1001a,1001bの下端部から前方へ突出した係止突起1004と、を備えている。
コ字状基体1001のビス止め部1003と係止突起1004は、錠装置1000を本体枠ベース600の裏面に取付けるためのものであり、係止突起1004を本体枠ベース600の扉用フック穴620及び錠係止穴621に後側から挿入した上で、上方へ移動させると、ビス止め部1003と本体枠ベース600の錠取付部625とが一致するようになっており、ビス止め部1003を介して図示しないビスを錠取付部625へ螺着することで、錠装置1000を本体枠ベース600(本体枠3)に強固に固定することができるようになっている。
なお、錠装置1000のビスによる取付けは、上部と中程のビス止め部1003だけではなく、後述する錠取付片1008に形成されたビス止め部1003と、シリンダ錠貫通穴611の上方近傍に形成された錠取付部625と、においても図示しないビスで本体枠ベース600に止着されるようになっており、錠装置1000の下方も取付けられるようになっている。
また、錠装置1000の取付けに際し、コ字状基体1001の開放側(前側)の上中下の3箇所に形成された係止突起1004を、上中の扉用フック穴620と錠係止穴621とに挿入して位置決め係止すると共に、コ字状基体1001のビス止め部1003を錠取付部625にビスで固定する構造としているので、極めて簡単な構造で錠装置1000を本体枠ベース600(本体枠3)に強固に固定することができるようになっている。
換言すると、錠装置1000を極めて横幅寸法の薄いコ字状基体1001に集約して構成した場合でも、錠装置1000の前側及び後側の係止及び固定により、錠装置1000を本体枠3に強固に固定することができるものである。特に、本実施形態の場合には、前側の係止構造(固定構造でもよい)を構成する係止突起1004がコ字状基体1001の周壁部605と接しない側面1001aに突設した上で、後側の固定構造を構成するビス止め部1003がコ字状基体1001の周壁部605と密する側面1001bから周壁部605側へ突設した構造としているので、前側の係止構造が周壁部605と密する側面1001bに形成した場合と比較して、ガタ付きが生じないように錠装置1000を本体枠3に固定することができるようになっている。
また、コ字状基体1001は、その両側面1001a,1001bの上部、中程、下部に左右方向へ貫通した挿通穴1005を備えており、コ字状基体1001に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を収納した状態で挿通穴1005にリベット1006を差込んでかしめることで、コ字状基体1001の内部に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を上下方向へ摺動自在に取付けることができるようになっている。
つまり、図98(C)に示すように、扉枠用摺動杆1040の上中下の3箇所に形成されたリベット用長穴1042の上端部にリベット1006が貫通していると共に、図98(B)に示すように、本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051及び下フック部材1052に夫々一つずつ形成されたリベット用長穴1055,1061の下端部にリベット1006が貫通しており、扉枠用摺動杆1040を上方に、本体枠用摺動杆1050を下方に移動させることができるようになっている。
更に、コ字状基体1001は、その下部の閉塞側面に形成された不正防止切欠部1007と、開放側の本体枠ベース600における周壁部605と接する側面1001bの前端から側方へ向かって突設されシリンダ錠1010を取付けるための錠取付片1008と、周壁部605と接する側面1001bに挿入縦開口1020、バネ係止片1021、及び逃げ横穴1022と、が夫々形成されている。コ字状基体1001の不正防止切欠部1007は、詳細は後述するが、第一不正防止部材1023のストッパ片部1027が進退するようになっている。また、コ字状基体1001の錠取付片1008は、錠装置1000を本体枠ベース600の裏面に取付けた状態で、遊技盤保持口601の下端辺よりも下方の位置となるように側面1001bの前端部から側方に向かって突設されており、シリンダ錠1010が貫通する錠挿通穴1009と、シリンダ錠1010の錠取付基板1011に形成された取付穴1013をビス1012で取付けるため上下2箇所に穿設された取付穴1014と、錠装置1000の下部を本体枠3の裏面に取付けるために穿設されたビス止め部1003と、が形成されている。
また、コ字状基体1001は、シリンダ錠1010に固定される係合カム1016の第一係合突片1017及び第二係合突片1018がシリンダ錠1010の回動時に侵入する挿入縦開口1020と、第二不正防止部材1032を上方へ付勢するバネ1035を係止するためのバネ係止片1021と、連結ピン1034の移動の邪魔をしないように逃げ穴を形成する逃げ横穴1022と、を備えている。
錠装置1000におけるシリンダ錠1010は、コ字状基体1001における錠取付片1008に取付けられるものである。このシリンダ錠1010は、円筒状のシリンダ錠本体の後端に錠取付片1008へ取付けるための錠取付基板1011が固定されており、錠取付基板1011の後面からシリンダ錠本体の錠軸1015が延びだしていると共に、錠軸1015の後端にビス1019によって係合カム1016が固定されている。この係合カム1016は、ブーメラン形状に形成され、一端辺が回動時に本体枠用摺動杆1050の下降係合穴1062に係合する第一係合突片1017とされていると共に、他端辺が回動時に扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045に係合する第二係合突片1018とされている。
このシリンダ錠1010は、円筒状のシリンダ錠本体部分を錠取付片1008に形成された錠挿通穴1009に後側から挿通した上で、錠取付基板1011の上下2箇所に形成された取付穴1013を通して錠取付片1008の取付穴1014へビス1012を螺着することで、シリンダ錠1010をコ字状基体1001に固定することができるようになっている。
錠装置1000のコ字状基体1001に取付けられる不正防止部材1023,1032は、シリンダ錠1010を正式な鍵で回動させずに、例えばピアノ線や針金等で不正に本体枠用摺動杆1050を下降させることを防止するためのものである。この不正防止部材1023,1032は、図99に示すように、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とを連結ピン1034で連結した構造となっている。第一不正防止部材1023は、縦長の板状で上端の揺動軸穴1025を中心にしてコ字状基体1001に揺動自在に支持されるようになっている。具体的には、この第一不正防止部材1023は、その揺動軸穴1025を通して、コ字状基体1001の内部に配置される扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050と共に最下方の挿通穴1005及びリベット1006によって取付けられるようになっている。
また、第一不正防止部材1023は、その板状面にコ字状基体1001の挿入縦開口1020と重複する位置で縦長に開口し係合カム1016の第二係合突片1018が挿入可能とされた突片挿入穴1026を備えている。この突片挿入穴1026と挿入縦開口1020とを、係合カム1016の第二係合突片1018が貫通することで、コ字状基体1001の内部に設けられた扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045と第二係合突片1018とが係合するようになっている。また、第一不正防止部材1023は、突片挿入穴1026の前斜め上方の外辺に、係合カム1016の回動時に第一係合突片1017の後面側と当接可能な斜めに傾斜した傾斜部1024を備えており、この傾斜部1024が、係合カム1016の回動時に第一係合突片1017と当接することで、第一不正防止部材1023が揺動軸穴1025を中心として揺動(図101(B)において時計回転方向)するようになっている。
更に、第一不正防止部材1023は、突片挿入穴1026の斜め後下方の外辺からコ字状基体1001側へ向かって突出したストッパ片部1027と、ストッパ片部1027が突出した位置から更に下方へ突出した規制突片1031と、規制突片1031の前側に左右方向へ貫通し上下に配置されたピン穴1029及び連結穴1030と、を備えている。この第一不正防止部材1023のストッパ片部1027は、本体枠用摺動杆1050の施錠時に、不正防止切欠部1007及び本体枠用摺動杆1050の係合切欠部1066に侵入係合させることで、本体枠用摺動杆1050が不正に摺動しないようにすることができるようになっている。また、第一不正防止部材1023の規制突片1031は、バネ1035によって上方へ付勢された第二不正防止部材1032と当接することで、第二不正防止部材1032が上方(付勢方向)へ移動するのを規制することができるようになっている。
また、第一不正防止部材1023のピン穴1029は、ガイドピン1028が第一不正防止部材1023の裏面側から挿入固定されるようになっており、ピン穴1029に固定されたガイドピン1028を、コ字状基体1001における挿入縦開口1020の最下端部に形成された横長状開口部に係合させることで、第一不正防止部材1023をコ字状基体1001の側面1001bに沿って案内することができるようになっている。更に、第一不正防止部材1023の連結穴1030は、連結ピン1034によって、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とを回動可能に連結するためのものである。
一方、第一不正防止部材1023に連結される第二不正防止部材1032は、逆「て」字状の板材で形成され、その上部一端に連結穴1033と、上部他端にバネ係止穴1036とが夫々穿設されていると共に、下方端部に当接部1037が備えられている。第二不正防止部材1032は、連結穴1033を第一不正防止部材1023の連結穴1030と合わせた上で連結ピン1034を挿入することで第一不正防止部材1023と相対回転可能に連結することができるようになっている。また、第二不正防止部材1032は、バネ係止穴1036に、上端(一端)がコ字状基体1001のバネ係止片1021に係止されたバネ1035の下端(他端)を係止させることで、バネ1035によって上方へ付勢されるようになっている。更に、第二不正防止部材1032は、当接部1037が、本体枠3の閉鎖時に外枠2の内側下部に固定された閉鎖板25と当接するようになっている。
次に、錠装置1000における扉枠用摺動杆1040は、コ字状基体1001の内部に摺動自在に支持され、縦長の金属製の板状部材によって形成されている。この扉枠用摺動杆1040は、その一側縦辺の上中下の3箇所に前方へ向かって突出する扉枠用フック部1041を備えている。扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041は、コ字状基体1001内に扉枠用摺動杆1040を収納した状態で、コ字状基体1001の開放側から前方に突出するようになっており、錠装置1000を本体枠ベース600の裏面に固定した時に、本体枠ベース600に形成された扉用フック穴620(図67及び図72等を参照)から前方に突出して、扉枠5の裏面に形成されるフックカバー165(図18を参照)に係止することができるようになっている。なお、扉枠用フック部1041は、図示するように、下向きの係合爪形状となっており、これにより、扉枠用摺動杆1040を上昇させることで扉枠用フック部1041とフックカバー165との係止状態を解除することができるようになっている。
また、扉枠用摺動杆1040は、上中下の側面中央に穿設されリベット1006が挿通される縦長のリベット用長穴1042と、最上部のリベット用長穴1042の下方及び扉枠用摺動杆1040の最下端に扉枠用摺動杆1040の面に対して直角方向へ突出したガイド突片1043と、を備えている。この扉枠用摺動杆1040のリベット用長穴1042は、コ字状基体1001の挿通穴1005に挿通されるリベット1006が挿通されるようになっていると共に、リベット1006が扉枠用摺動杆1040の上昇動作を邪魔しないように縦長に形成されている。なお、通常状態では、リベット用長穴1042の上端部に貫通したリベット1006が当接した状態となっている。また、扉枠用摺動杆1040は、ガイド突片1043が、本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051及び下フック部材1052に形成された突片移動穴1056,1064に挿通されるようになっており、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の摺動動作を案内することができるようになっている。
また、扉枠用摺動杆1040は、上端部にスプリング1048の一端を係止するスプリングフック部1046が形成されている。このスプリングフック部1046に係止されたスプリング1048の他端は、本体枠用摺動杆1050における上フック部材1051のスプリングフック部1057に係止されており、スプリング1048によって、扉枠用摺動杆1040が下方向に、本体枠用摺動杆1050が上方向に、夫々相互に付勢されるようになっている。また、扉枠用摺動杆1040は、上下方向の中程に凸状に形成された当接弾性片1047を備えており、扉枠用摺動杆1040の一側側面からプレス成形により打ち出して凸状に形成されている。この当接弾性片1047は、コ字状基体1001の内側面に当接するようになっており、コ字状基体1001の内部で扉枠用摺動杆1040がガタ付くのを抑制することができるようになっている。
更に、扉枠用摺動杆1040は、下方部分の側面に縦長な遊び穴1044と、上昇係合穴1045と、を備えている。この遊び穴1044は、係合カム1016の第一係合突片1017が差し込まれて回動する時に、係合カム1016の回動動作の邪魔にならないように第一係合突片1017の先端部が移動可能な空間を構成するものである。また、上昇係合穴1045は、係合カム1016の第二係合突片1018が差し込まれて回動する時に、係合カム1016の回動動作によって扉枠用摺動杆1040が上昇するように係合するためのものである。なお、扉枠用摺動杆1040は、縦辺下部後方に、不正防止切欠部1007よりも上下方向に大きく切欠いた逃げ切欠部1049を備えている。この逃げ切欠部1049は、第一不正防止部材1023のストッパ片部1027が、確実に不正防止切欠部1007及び係合切欠部1066に係合するように、扉枠用摺動杆1040が邪魔にならないように該当部分を切欠いたものである。
一方、本体枠用摺動杆1050は、金属板製の上フック部材1051と、金属板製の下フック部材1052と、上フック部材1051と下フック部材1052とを連結する連結線杆1053と、を備えている。つまり、本体枠用摺動杆1050は、従来のように1つの金属製の縦長板で構成されておらず、フック部1054,1065を有する上フック部材1051と下フック部材1052とを金属製の板材をプレスで形成し、その金属製の上フック部材1051と下フック部材1052とを細い金属製の連結線杆1053で連結したものである。これにより、狭いコ字状基体1001の空間に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを効率よく収納することができるようになっている。
この本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051は、上端部に後方に向かって形成されたフック部1054と、フック部1054に隣接した板面部に左右方向へ貫通したリベット用長穴1055と、リベット用長穴1055の下方に左右方向へ貫通した突片移動穴1056と、突片移動穴1056の前方の縦辺下端部に形成されたスプリングフック部1057と、スプリングフック部1057の下側に穿設された連結穴1058と、上フック部材1051の上辺及び下辺に形成された当接部1059と、を備えている。この上フック部材1051のフック部1054は、コ字状基体1001の上方のフック貫通開口1002を貫通して外枠2の開放側内側の上部に備えられた閉鎖板24に係合するようになっており、上向きに係止爪部が形成されている。
また、上フック部材1051のこのリベット用長穴1055は、扉枠用摺動杆1040の上部に形成されたリベット用長穴1042に対応する位置に配置されており、このリベット用長穴1055にリベット1006が貫通した通常の状態では、リベット1006がリベット用長穴1055の最下端部を貫通した状態となり、上フック部材1051が下方へ向かって移動することができるようになっている。上フック部材1051の突片移動穴1056は、扉枠用摺動杆1040の上方のガイド突片1043が挿入されるようになっており、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の移動を案内することができるようになっている。
また、上フック部材1051のスプリングフック部1057は、スプリング1048の他端が係止されるようになっている。また、上フック部材1051の連結穴1058は、連結線杆1053の上端が折り曲げられて挿入されるようになっている。更に、上フック部材1051の当接部1059は、コ字状基体1001に収納された時に、コ字状基体1001の内部側壁に当接するようになっており、上フック部材1051の摺動動作においてガタ付きがなくスムーズに摺動することができるようになっている。
一方、本体枠用摺動杆1050の下フック部材1052は、下端部から後方に向かって突設されたフック部1065と、下フック部材1052の板面部の上端付近で左右方向へ貫通したリベット用長穴1061と、リベット用長穴1061の下側に配置された下降係合穴1062と、下降係合穴1062の下部後側から下方へ延出した遊び穴1063と、遊び穴1063の下方で下端付近に形成された突片移動穴1064と、下フック部材1052の縦辺上端部の前端側に穿設された連結穴1060と、下フック部材1052の後方の縦辺下部に形成された係合切欠部1066と、下フック部材1052の上辺及び下辺に形成された当接部1067と、を備えている。
この下フック部材1052のフック部1065は、コ字状基体1001の下方のフック貫通開口1002を貫通して外枠2の開放側内側の下部に形成された閉鎖板25と係合するようになっており、上向きに係止爪部が形成されている。また、下フック部材1052のリベット用長穴1061は、扉枠用摺動杆1040の下部に形成されたリベット用長穴1042と対応する位置に形成されており、このリベット用長穴1061にリベット1006を貫通させた通常の状態では、リベット1006がリベット用長穴1061の最下端部を貫通した状態となるようになっている。これにより、下フック部材1052が下方に向かって移動することができるようになっている。
また、下フック部材1052の下降係合穴1062は、係合カム1016の第一係合突片1017が差し込まれて回動する時に、その回動動作によって本体枠用摺動杆1050が下降するように係合するためのものである。また、下フック部材1052の遊び穴1063は、係合カム1016の第二係合突片1018が差し込まれて回動する時に、その回動動作の邪魔にならないように第二係合突片1018の先端部が移動可能な空間を形成することができるようになっている。また、下フック部材1052の突片移動穴1064は、扉枠用摺動杆1040の下方のガイド突片1043が挿入されるようになっており、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050との相互の移動を案内することができるようになっている。
また、下フック部材1052の連結穴1060は、連結線杆1053の折り曲げられた下端が挿入されるようになっている。更に、下フック部材1052の当接部1067は、コ字状基体1001に収納された時に、コ字状基体1001の内部側壁に当接するようになっており、コ字状基体1001に対して下フック部材1052が摺動動作する際に、ガタ付きがなくスムーズに摺動させることができるようになっている。
次に、本実施形態の錠装置1000の組立てについて説明する。この錠装置1000を組付けるには、本体枠用摺動杆1050の上フック部材1051と下フック部材1052とを連結線杆1053で連結し、その状態で扉枠用摺動杆1040のガイド突片1043を、上フック部材1051と下フック部材1052の突片移動穴1056,1064に挿入すると共に、相互のリベット長穴1042とリベット用長穴1055,1061を位置合わせして重ね合わせ、その重ね合わせた状態で上フック部材1051のフック部1054と下フック部材1052のフック部1065とを、コ字状基体1001のフック貫通開口1002に貫通させながら扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050をコ字状基体1001のコ字状の空間に挿入した後に、挿通穴1005からリベット1006を差し込む。
このリベット1006を挿入する際に、リベット1006がリベット用長穴1055,1061、1042を貫通するように差し込む。なお、最下端のリベット1006を差し込む時には、第一不正防止部材1023の揺動軸穴1025にもリベット1006を差し込んで第一不正防止部材1023をコ字状基体1001に同時に取付ける必要がある。また、第一不正防止部材1023をコ字状基体1001に取付ける前に、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とを連結ピン1034で連結し、且つ、ガイドピン1028を、ピン穴1029に図示しないビスで止着してから、さらにガイドピン1028を挿入縦開口1020の最下端の開口部に挿入しておく必要がある。
更に、リベット1006で扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050をコ字状基体1001内に収納固定した状態で、スプリング1048をスプリングフック部1046,1057相互間に掛け渡し、扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを相互に反対方向に付勢し、さらに、バネ1035をバネ係止片1021とバネ係止穴1036とに掛け渡して第二不正防止部材1032が規制突片1031に当接した状態とする。その後、錠取付片1008の錠挿通穴1009に、シリンダ錠1010の円筒状本体部分を挿入してシリンダ錠1010をビス1012で取付穴1014に固定する。なお、この時、係合カム1016の第一係合突片1017の先端部が傾斜部1024の外側で且つ挿入縦開口1020に僅かに挿入されると共に、係合カム1016の第二係合突片1018の先端部が第一不正防止部材1023の突片挿入穴1026及び挿入縦開口1020に僅かに挿入された状態となるようにシリンダ錠1010を錠取付片1008に取付ける。
このように、組立てた錠装置1000を本体枠ベース600の裏面に取付けるには、扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041を本体枠ベース600に形成された扉用フック穴620に差し込みながら、鉤型に突出する係止突起1004を本体枠ベース600の扉用フック穴620及び錠係止穴621に差し込んで上方に移動させ、その状態で水平方向に突出したビス止め部1003を錠取付部625に一致させ、その一致した穴に図示しないビスを螺着することにより、錠装置1000を本体枠ベース600の裏面に強固に固定することができる。特に、本実施形態の場合には、前方部の係止構造を構成する係止突起1004がコ字状基体1001の周壁部605と接しない側面1001aに突設形成される一方、後方部の固定構造を構成するビス止め部1003がコ字状基体1001の周壁部605と接する側面1001bから水平方向に突設形成される構造とされているので、前方部の係止構造が周壁部605と接する側面1001bに形成された場合と比較して、ガタ付きが生じないように錠装置1000を本体枠ベース600に固定することができるようになっている。
次に、本実施形態の錠装置1000の作用について、図100及び図101を参照して説明する。図100に示すように、本体枠ベース600(本体枠3)が外枠2に対して閉じ且つ扉枠5が本体枠3に対して閉じている状態においては、図100(A)に示すように、外枠2の閉鎖板24,25と本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065とが係止し且つ扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041と扉枠5のフックカバー165とが係止した状態となっている。その状態でシリンダ錠1010に図示しない鍵を差し込んで係合カム1016の第一係合突片1017が挿入縦開口1020内に侵入する方向に回動すると、図100(B)に示すように、第一係合突片1017の先端が本体枠用摺動杆1050の下降係合穴1062に係合してスプリング1048の付勢力に抗して下フック部材1052を下方に押下げ、これと連結されている連結線杆1053と上フック部材1051も押下げられて下降する。これにより、外枠2の閉鎖板24,25と本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065との係止状態が解除され、本体枠3を前面側に引くことにより本体枠3を外枠2に対して開放することができる。
なお、本体枠3を閉じる場合には、フック部1054,1065がスプリング1048の付勢力により上昇した状態(図100(A)に示す状態と同じ上昇した位置)となっているが、フック部1054,1065の上辺が外側に向かって下り傾斜しているため、強制的に本体枠3を外枠2に対して押圧することにより、フック部1054,1065の上辺傾斜部が閉鎖板24,25の下端部と当接するので、本体枠用摺動杆1050が下方に下降し、フック部1054,1065の上向き爪部と閉鎖板24,25とが再度係止した状態となって本体枠用摺動杆1050が上昇して係止状態に戻るようになっている。
一方、シリンダ錠1010に図示しない鍵を差し込んで係合カム1016の第二係合突片1018が挿入縦開口1020内に侵入する方向に回動すると、図100(C)に示すように、第二係合突片1018の先端が扉枠用摺動杆1040の上昇係合穴1045に係合してスプリング1048の付勢力に抗して扉枠用摺動杆1040を上方に押し上げ上昇する。このため、扉枠5のフックカバー165と扉枠用摺動杆1040の扉枠用フック部1041とが係止状態が解除されるので、扉枠5を前面側に引くことにより扉枠5を本体枠3に対して開放することができる。
なお、扉枠5を閉じる場合には、扉枠用フック部1041がスプリング1048の付勢力により下降した状態(図100(A)に示す状態と同じ下降した位置)となっているが、扉枠用フック部1041の下辺が外側に向かって上り傾斜しているので、強制的に扉枠5を本体枠3に対して押圧することにより、扉枠用フック部1041の下辺傾斜部がフックカバー165の上端部と当接して扉枠用摺動杆1040が上方に上昇し、更に、扉枠用フック部1041の下向き爪部とフックカバー165とが再度係止した状態となって扉枠用摺動杆1040が下降して係止状態に戻る。なお、本実施形態における扉枠用摺動杆1040は、コ字状基体1001の全長と略同じ長さに形成されると共に、そのコ字状基体1001が本体枠3の縦方向の側面の略全長に亘って取付けられ、しかも、扉枠5との係止部である扉枠用フック部1041が扉枠用摺動杆1040の上端部、中央部、下端部の3箇所に形成されているので、扉枠5と本体枠3の縦方向の全長における施錠を確実に行うことができ、扉枠5と本体枠3との間を無理やりこじ開けてその間からピアノ線等の不正具を挿入する不正行為を行うことができないようになっている。
このように、本実施形態の扉枠5の錠装置1000は、シリンダ錠1010に差し込んだ鍵を一方向に回動することにより、外枠2に対する本体枠3の施錠を解除し、他方向に回動することにより、本体枠3に対する扉枠5の施錠を解除することができる。また、本例の錠装置1000は、シリンダ錠1010に鍵を差し込むことなく本体枠用摺動杆1050のフック部1054,1065にピアノ線等を引っ掛けてこれを下降させるような不正行為を行うことができないようになっている。このような不正行為を防止する構造の第一番目が第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とから構成されるロック機構であり、第二番目の不正防止構造がコ字状基体1001の閉鎖空間に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050が収納される構造である。
まず、第一番目の不正防止構造であるロック機構の作用について図101を参照して説明する。まず、外枠2と本体枠3とが閉じている状態では、図101(A)に示すように、外枠2の閉鎖板25と第二不正防止部材1032の当接部1037とが当接した状態となっている。この状態においては、バネ1035の付勢力により第一不正防止部材1023が反時計方向に回動してストッパ片部1027が不正防止切欠部1007内に侵入し、ストッパ片部1027が不正防止切欠部1007に対応する位置にある本体枠用摺動杆1050の下フック部材1052に形成される係合切欠部1066と係合した状態となっている。これにより、本体枠用摺動杆1050にピアノ線等を引っ掛けて引き降ろそうとしても、ストッパ片部1027と係合切欠部1066とが係合しているので、本体枠用摺動杆1050を不正に下方に引き降ろすこと(解錠すること)が不能となり、本体枠3を開放するという不正行為を行うことができないようになっている。
一方、シリンダ錠1010に鍵を差し込んで正規に本体枠3を開錠する場合には、図101(B)に示すように、鍵を回動させることにより係合カム1016の第一係合突片1017が挿入縦開口1020内に侵入するように回動される。この第一係合突片1017の回動時に、第一不正防止部材1023の傾斜部1024と第一係合突片1017の側面とが当接するため、第一不正防止部材1023が揺動軸穴1025を中心として図示の時計回転方向に回転を始め、ストッパ片部1027も不正防止切欠部1007から退避するように移動する。これにより、ストッパ片部1027と係合切欠部1066との係合が解除された状態となる。この時、第二不正防止部材1032は、バネ1035を伸ばして当接部1037が後退した位置となっている。この状態でさらに係合カム1016を回動させて第一係合突片1017も回動させると、第一係合突片1017の先端が下フック部材1052の下降係合穴1062に係合して本体枠用摺動杆1050の全体を下降させるので、フック部1054,1065と外枠2の閉鎖板24,25との係止状態が解除されて本体枠3を外枠2に対して開放することができるようになっている。
なお、本体枠3を外枠2に対して閉じる時には、第二不正防止部材1032は、規制突片1031に当接した状態となっているので、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032との位置関係は、図101(A)に示す状態と略同じ位置関係になっている。この状態で本体枠3を閉めると、外枠2の閉鎖板25と第二不正防止部材1032の当接部1037とが正面から当接し、最終的に図101(A)に示す状態となる。これにより、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とが、本体枠3を閉じる時に邪魔にならないようになっている。また、本実施形態においては、第一不正防止部材1023と第二不正防止部材1032とが本体枠用摺動杆1050の下降動作だけが不正に行われないように防止しているのは、本体枠用摺動杆1050を不正に開放すれば、解放後に扉枠用摺動杆1040を手動で簡単に開けることができることと、ピアノ線等で摺動杆を上昇させる不正行為は事実上行い難いという理由により、本体枠用摺動杆1050に対する不正操作ができないように工夫されている。
また、上記した第一番目の不正防止構造であるロック機構であっても、第一不正防止部材1023をピアノ線等で揺動させることにより、ロック機構の機能を無力化することも不可能ではない。そこで、万一ロック機構のロック機能が不正な行為により無力化される場合を想定すると、本実施形態においては、錠装置1000が本体枠3(本体枠ベース600)に取付けられた状態では、内部に設けられる扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、夫々のフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001の閉鎖空間に収納されて完全に被覆された状態となっているので、ピアノ線等を差し込んでコ字状基体1001の閉鎖空間の内部に設けられる本体枠用摺動杆1050を引き下げようとしても、コ字状基体1001の両側面1001a,1001bによって不正具の閉鎖空間への侵入が阻止されるため、不正行為を簡単に行うことができない構造となっている。
このように、本実施形態の錠装置1000は、その横幅寸法が従来のL字状基体に集約される錠装置に比べて極めて薄いコ字状基体1001の内部に扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とを摺動可能に設け且つ錠装置1000を操作するためのシリンダ錠1010のコ字状基体1001への取付位置を遊技盤4の下端辺よりも下方となる位置としているので、遊技盤4の左右方向及び上下方向の大きさを極めて大きくすると共に、本体枠3の周壁部605で囲まれる空間を大きくしても、錠装置1000を本体枠3の裏側に強固に取付けることができる。
また、コ字状基体1001の断面コ字状の開放側が本体枠3の裏面に対面するように取付けられるので、錠装置1000が本体枠3(本体枠ベース600)に取付けられた状態では、内部に配置された扉枠用摺動杆1040と本体枠用摺動杆1050とが、夫々のフック部1041、1054,1065を除いてコ字状基体1001に完全に被覆された状態となっており、ピアノ線等を差し込んで内部に設けられる本体枠用摺動杆1050を引き下げる等の不正行為を簡単に行うことができないようになっている。
また、錠装置1000の取付けに際し、コ字状基体1001の開放側(前方部)の上中下の3箇所に形成される係止突起1004を扉用フック穴620や錠係止穴621に差し込んで位置決め係止し、コ字状基体1001の閉塞側(後方部)の上中下の3箇所に形成されたビス止め部1003を錠取付部625にビスで固定する構造としているので、極めて簡単な構造で錠装置1000を本体枠3(本体枠ベース600)に強固に固定することができるようになっている。
なお、本例の錠装置1000では、コ字状基体1001の下方部をビス止めする構造として錠取付片1008に形成されたビス止め部1003と本体枠3のシリンダ錠貫通穴611の上部近傍に形成した錠取付部625とを螺着する構造としたものを示しているが、これに代えて、シリンダ錠1010を錠取付片1008に取付けるビス1012を利用して、ビス1012の先端が錠取付片1008を貫通して螺着される錠取付穴をシリンダ錠貫通穴611の上下に形成する構造としても良い。また、コ字状基体1001の下方部をビス止めしなくても、錠装置1000の後方部のビス止め部1003と錠取付部625との固定だけでも、錠装置1000を本体枠3(本体枠ベース600)の裏面に、充分に強固に固定することができる。
また、本例の錠装置1000では、扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を左右の側面1001a,1001bを有するコ字状基体1001で完全に被覆するものを示したが、例えば、扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を周壁部605に接しない反対側の側面1001aに摺動自在にリベット等で装着し、周壁部605に接する側面1001bを省略したL字状基体(錠基体)とし、そのL字状基体(錠基体)の側面1001aと周壁部605とによって形成される閉鎖空間に扉枠用摺動杆1040及び本体枠用摺動杆1050を収納する構造としても良く、上述した錠装置1000と同様の作用効果を奏することができる。
上述したように、本例の本体枠3によると、本体枠ベース600の後側に後方(前後方向)へ延出した周壁部710aを有する透明な賞球ベース710と、賞球ベース710の上側に本パチンコ機1を設置する遊技ホールの島設備側から供給された遊技球を貯留する賞球タンク720と、賞球タンク720から排出された遊技球を整列させ賞球ベース710の後壁部710bの後側に取付けられる透明なタンクレールユニット730と、タンクレールユニット730から放出された遊技球を所定の払出指示に基いて扉枠5の上皿301へ払出し賞球ベース710の後壁部710bの後側に取付けられる一部が透明の賞球装置740と、本体枠ベース600の後端へ延出した側部904を有し後面がタンクレールユニット730や賞球装置740の後面と略同一面状に配置された透明な裏カバー900とを備えているので、賞球ベース710や裏カバー900等を通して本体枠ベース600の遊技盤保持口601に保持された遊技盤4の後側と後側側面とを視認することができ、遊技盤4の後側を覆う裏カバー900を開けなくても簡単に遊技盤4の後側を点検(目視点検)することが可能なパチンコ機1とすることができる。
また、透明な賞球ベース710や裏カバー900等を通して遊技盤4の後側(後面)だけでなく遊技盤4の後側側面も視認することができるので、本体枠ベース600の遊技盤保持口601へ前側から遊技盤4を脱着した際に、遊技盤4と裏カバー900との間にドライバーやペンチ等の工具、洗浄用のウエス、埃やゴミ、等が残留した場合でも、それらを外側からは簡単に発見することができ、残留物によって何らかの不具合が発生するのを防止することができる。
更に、上述したように、遊技盤4の後面や後側側面を外側から視認することができるので、遊技盤4の後側や側面等に不正行為を行うための不正な装置や工具等が取付けられていても、容易に発見することができ、不正行為が行われるのを防止することができると共に、遊技盤4に取付けられた不正な装置等を外側から簡単に発見することができるので、不正な装置等の取付けを躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力の高いパチンコ機1とすることができる。
また、遊技盤4の後側を賞球ベース710や裏カバー900で覆うようにしているので、パチンコ機1を設置した島設備内の他の部材が遊技盤4と接触したり、遊技盤4の後側にゴミや埃等の異物が付着したりするのを防止することができ、遊技盤4を良好な状態に維持して不具合が発生するのを抑制することができる。
また、賞球タンク720の後面が本体枠ベース600の奥行きDに対して、本体枠ベース600の前端から約2倍の奥行きの位置となるようにしている、つまり、本体枠ベース600の奥行きDを、本体枠3の奥行きの約半分としているので、賞球ベース710や裏カバー900等を通して遊技盤4の後側や後側側面をより見易くすることができ、上記した作用効果を確実に奏することができる。また、本体枠ベース600の奥行きDを、本体枠3の奥行きの約半分としているので、本体枠ベース600を伏せた時の高さを可及的に低くして平坦な形状とすることができ、本体枠ベース600の後側へ賞球ベース710や裏カバー900、タンクレールユニット730、賞球装置740等を取付ける取付作業を行い易くすることができる。
更に、透明な裏カバー900の後面(本体部902)を、賞球ベース710に取付けられた賞球タンク720、タンクレールユニット730、及び賞球装置740等の後面と、略同一面状となるようにしているので、パチンコ機1の後面を略フラットな面とすることができ、後方への突起物を無くすことで設置される島設備内の他の部材に引っ掛かったり当接したりするのを防止して不具合が発生するのを防止することができる。また、パチンコ機1の後面が略フラットとなるので、パチンコ機1を搬送する際に、単純な形状の緩衝材を用いることができると共に、集積効率(収納効率)を高くすることができ、パチンコ機1に係るコストを低減させることができる。
また、裏カバー900に、複数のスリット916や透孔918を備えるようにしており、スリット916等を介して遊技盤4の後側や後側側面等を直接視認することができるので、遊技盤4の後側等を更に見易くすることができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。また、本体枠ベース600に保持された遊技盤4の後側を裏カバー900で覆っても、裏カバー900のスリット916等を介して遊技盤4からの熱を外部へ放出することができるので、遊技盤4からの熱が蓄積されるのを防止することができ、熱によって遊技に関する制御が不安定になったり、合成樹脂等の部材が変形したりして不具合が発生するのを抑制することができる。更に、裏カバー900のスリット916や透孔918を、遊技球が通過不能な大きさとしているので、例えば、島設備内でパチンコ機1の後側に遊技球がこぼれても、スリット916等を通して遊技球がパチンコ機1内へ侵入するのを阻止することができ、遊技球の侵入によって不具合が発生するのを防止することができる。
[遊技盤の基本構成]
次に、パチンコ機1における遊技盤4の基本構成について、図102乃至図111を参照して説明する。図102は、パチンコ機の扉枠を外した状態で本体枠に取付けられた遊技盤を示す正面図である。また、図103は、遊技盤の正面図であり、図104は、遊技盤を分解して前から見た分解斜視図であり、図105は、遊技盤を分解して後から見た分解斜視図である。更に、図106(A)はパチンコ機に取付けた状態で遊技盤における機能表示ユニットを拡大して示す正面図であり、(B)は機能表示ユニットの他の形態を示す正面図である。
次に、パチンコ機1における遊技盤4の基本構成について、図102乃至図111を参照して説明する。図102は、パチンコ機の扉枠を外した状態で本体枠に取付けられた遊技盤を示す正面図である。また、図103は、遊技盤の正面図であり、図104は、遊技盤を分解して前から見た分解斜視図であり、図105は、遊技盤を分解して後から見た分解斜視図である。更に、図106(A)はパチンコ機に取付けた状態で遊技盤における機能表示ユニットを拡大して示す正面図であり、(B)は機能表示ユニットの他の形態を示す正面図である。
また、図107は、図104等の例とは異なる実施形態の遊技パネルを用いた遊技盤を分解して前から見た分解斜視図であり、図108は、図107を後から見た遊技盤の分解斜視図である。また、図109は、図107の遊技盤における遊技パネルを縦方向に切断した断面図である。更に、図110は図107等の例とは異なる実施形態の前構成部材を用いた遊技盤を分解して前から見た分解斜視図であり、図111は図110を後から見た遊技盤の分解斜視図である。
本実施形態の遊技盤4は、図示するように、遊技者がハンドル装置500を操作することで遊技球が打ち込まれる遊技領域1100の外周を区画し外形が正面で略矩形状とされた前構成部材1110と、前構成部材1110の後側に配置され遊技領域1100の後端を区画する板状の遊技パネル1150と、遊技パネル1150の後側下部に配置される基板ホルダ1160と、基板ホルダ1160の後面に取付けられ遊技球を遊技領域1100内へ打ち込むことで行われる遊技内容を制御する主制御基板4100を収容する主制御基板ボックス1170と、主制御基板4100からの制御信号に基づいて所定の遊技状況を表示可能とされ前構成部材1110の所定位置に遊技者側へ視認可能に取付けられる機能表示ユニット1180と、を備えている。この遊技盤4は、図102乃至図109での図示は省略し詳細は後述するが、遊技パネル1150の前面に取付けられる表ユニットと、遊技パネル1150の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を更に備えている(図113、図116等を参照)。
本実施形態の遊技盤4は、前構成部材1110、遊技パネル1150、基板ホルダ1160、主制御基板ボックス1170、及び機能表示ユニット1180によって、基本的な構成が形成されており、遊技パネル1150に取付けられる表ユニット2000と裏ユニット3000、及び主制御基板ボックス1170内に収容される主制御基板4100によってパチンコ機1(遊技盤4)を特徴付ける詳細な構成が形成されている。ここでは、遊技盤4の基本構成を説明し、詳細構成については後述する。
[前構成部材]
続いて、遊技盤4における前構成部材1110について説明する。本例の遊技盤4における前構成部材1110は、外形が本体枠3の遊技盤保持口601内へ挿入可能な略矩形状とされ、内形が略円形状に前後方向へ貫通しており、内形の内周によって遊技領域1100の外周が区画されるようになっている。この前構成部材1110は、正面視で左右方向中央から左寄りの下端から時計回りの周方向へ沿って円弧状に延び正面視左右方向中央上端を通り過ぎて右斜め上部まで延びた外レール1111と、外レール1111に略沿って外レール1111の内側に配置され正面視左右方向中央下部から正面視左斜め上部まで円弧状に延びた内レール1112と、内レール1112の下端から滑らかに連続するように正面視反時計回りの周方向へ沿って外レール1111の終端(上端)よりも下側の位置まで円弧状に延びた内周レール1113と、内周レール1113の終端(上端)と外レール1111の終端(上端)とを結び外レール1111に沿って転動してきた遊技球が当接可能とされた衝止部1114と、内レール1112と内周レール1113との境界部で遊技領域1100の最下端に配置され後方へ向かって低くなったアウト口誘導面1115と、内レール1112の上端に回動可能に軸支され、外レール1111との間を閉鎖するように内レール1112の上端から上方へ延出した閉鎖位置と正面視時計回りの方向へ回動して外レール1111との間を開放した開放位置との間でのみ回動可能とされると共に閉鎖位置側へ復帰するように図示しないバネによって付勢された逆流防止部材1116と、を備えている。
続いて、遊技盤4における前構成部材1110について説明する。本例の遊技盤4における前構成部材1110は、外形が本体枠3の遊技盤保持口601内へ挿入可能な略矩形状とされ、内形が略円形状に前後方向へ貫通しており、内形の内周によって遊技領域1100の外周が区画されるようになっている。この前構成部材1110は、正面視で左右方向中央から左寄りの下端から時計回りの周方向へ沿って円弧状に延び正面視左右方向中央上端を通り過ぎて右斜め上部まで延びた外レール1111と、外レール1111に略沿って外レール1111の内側に配置され正面視左右方向中央下部から正面視左斜め上部まで円弧状に延びた内レール1112と、内レール1112の下端から滑らかに連続するように正面視反時計回りの周方向へ沿って外レール1111の終端(上端)よりも下側の位置まで円弧状に延びた内周レール1113と、内周レール1113の終端(上端)と外レール1111の終端(上端)とを結び外レール1111に沿って転動してきた遊技球が当接可能とされた衝止部1114と、内レール1112と内周レール1113との境界部で遊技領域1100の最下端に配置され後方へ向かって低くなったアウト口誘導面1115と、内レール1112の上端に回動可能に軸支され、外レール1111との間を閉鎖するように内レール1112の上端から上方へ延出した閉鎖位置と正面視時計回りの方向へ回動して外レール1111との間を開放した開放位置との間でのみ回動可能とされると共に閉鎖位置側へ復帰するように図示しないバネによって付勢された逆流防止部材1116と、を備えている。
この前構成部材1110は、遊技盤4を本体枠3に取付けた状態とすると、図102等に示すように、外レール1111と内レール1112との間の下端開口が、本体枠3の打球発射装置650における発射レール660の延長線上に位置するようになっている。この外レール1111の下端と、発射レール660の上端との間には、左右方向及び下方へ広がった空間が形成されており、打球発射装置650の発射レール660に沿って打ち出された遊技球が、その空間を飛び越えて、外レール1111と内レール1112との間の下端開口から外レール1111と内レール1112との間へ打ち込まれるようになっている。外レール1111と内レール1112との間に打ち込まれた遊技球は、その勢いに応じて外レール1111に沿って上方へ転動し、内レール1112の上端に軸支された逆流防止部材1116を、その付勢力に抗して開放位置側へ回動させることにより、遊技領域1100内へ進入することができるようになっている。
また、打球発射装置650において遊技球を強く打球した場合、遊技領域1100内で外レール1111に沿って転動した遊技球が、外レール1111の終端に備えられた衝止部1114に当接するようになっており、この衝止部1114に遊技球が当接することで遊技球の転動方向を強制的に変化させることができ、外レール1111から内周レール1113へ連続して遊技球が転動するのを防止することができるようになっている。なお、遊技領域1100内へ進入した(打ち込まれた)遊技球が、外レール1111と内レール1112との間へ戻ろうとしても、その前に逆流防止部材1116が付勢力によって閉鎖位置へ復帰することで、逆流防止部材1116によって遊技球の逆流が阻止されるようになっている。
また、遊技領域1100内へ打ち込まれた遊技球は、後述する表ユニット2000の始動口2101,2102や入賞口2103,2104,2201等に受入れられなかった場合は、遊技領域1100の下端へと流下し、内レール1112と内周レール1113との境界のアウト口誘導面1115によって、遊技パネル1150のアウト口1151へ誘導され、アウト口1151から遊技盤4の後側下方へ排出されるようになっている。
一方、打球発射装置650から発射された遊技球が、内レール1112先端の逆流防止部材1116を越えて遊技領域1100内へ進入することができなかった場合は、外レール1111と内レール1112との間を逆方向の下方へ向かって転動し、外レール1111と内レール1112との間の下端開口から、発射レール660の上端と外レール1111の下端との間に形成されたファール空間626を落下することとなり、ファール空間626の下部に位置する扉枠5におけるファールカバーユニット540のファール球入口542eに受入れられて、皿ユニット300における下皿302へ排出されるようになっている。
なお、前構成部材1110における外レール1111は、その表面に金属板が取付けられており、遊技球の転動による耐摩耗性が高められていると共に、遊技球が滑らかに転動するようになっている。また、衝止部1114は、表面にゴムや合成樹脂等の弾性体が配置されており、遊技球が外レール1111に沿って勢い良く転動してきて衝突しても、その衝撃を緩和させることができるようになっていると共に、遊技球を内側へ反発させることができるようになっている。
また、前構成部材1110は、外レール1111の下部外側から前方へ向かって突出した壁状の防犯突起1117と、アウト口誘導面1115の下側から内周レール1113に沿って上下方向の略中央まで延出し前端から所定量窪んだ溝状のレール防犯溝1118と、を備えている。前構成部材1110における防犯突起1117は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とした時に、扉枠5における防犯カバー180の防犯後端部突片183と上下方向に重複するようになっており、これにより、軸支側(正面視左側)における本体枠3と扉枠5との間からピアノ線等の不正具を侵入させても、不正具を遊技領域1100内まで到達させることができないようになっている。
また、本例の前構成部材1110は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、レール防犯溝1118内に、扉枠5における防犯カバー180の防犯後突片182が挿入されるようになっていると共に、防犯後突片182が内レール1112の外側(遊技領域1100とは反対側)面に略接するように内レール1112と外レール1111との間に挿入されるようになっており、内レール1112及びレール防犯溝1118と防犯後突片182とでも、本体枠3と扉枠5との間から侵入させたピアノ線等の不正具が遊技領域1100内へ到達するのを防止することができるようになっている。
また、前構成部材1110は、正面視左端に上下方向へ離間して配置され前方から後方へ向かって窪むと共に左端に開放された一対の位置決め凹部1119と、正面視右端に上下方向へ離間して配置された一対の遊技盤止め具1120と、外レール1111の下端よりも正面視左側に配置され下方へ開放されると共に上側が円弧状に形成され前側から窪んだ固定凹部1121と、正面視下端の左側端部付近に下端から上方へ左右方向へ長く延びた矩形状に切欠かれた球通路用切欠部1122と、を備えている。前構成部材1110の位置決め凹部1119は、本体枠3における側面防犯板950の内側に取付けられた位置決め部材956と嵌合させることで、遊技盤保持口601に挿入された遊技盤4の正面視左端が、前後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。また、遊技盤止め具1120は、本体枠3における本体枠ベース600の遊技盤係止部608に対して着脱可能に係止することができるようになっており、遊技盤止め具1120を遊技盤係止部608に係止させることで、本体枠3の遊技盤保持口601に挿入された遊技盤4の正面視右端が、前後方向へ移動するのを規制することができるようになっている。
また、前構成部材1110の固定凹部1121は、遊技盤4を本体枠3の遊技盤保持口601へ挿入した状態で、本体枠3の前面に軸支された遊技盤固定具690を正面視で時計回りの方向へ回動させると、遊技盤固定具690の固定片690aが挿入されるようになっており、遊技盤固定具690によって遊技盤4の下端が前方へ移動するのが規制されるようになっている。また、前構成部材1110の球通路用切欠部1122は、遊技パネル1150の同位置にも同様の球通路用切欠部1152が形成されており、遊技盤4を本体枠3の遊技盤保持口601へ挿入した状態では、球通路用切欠部1122,1152内に満タン分岐ユニット770の前端が挿通されるようになっている。
更に、前構成部材1110は、下端部における正面視右端近傍に、前後方向へ貫通した横長の貫通穴1123と、貫通穴1123の下辺における左右方向の中央から正面視左寄りの位置に前後方向の厚さを薄く形成した締結部1124と、貫通穴1123の正面視左側に配置され証明確認用の証紙を貼付るための証紙貼付部1125と、を備えている。この前構成部材1110における締結部1124は、詳細な図示は省略するが、本遊技盤を従前の本体枠に取付ける場合に、従前の本体枠に形成された締結穴に対して所定の締結バンドを互いに巻き掛けて締結することで、遊技盤4を取外し難くすることができ、遊技盤4の不正な取外しを防止することができるものである。
また、前構成部材1110は、内周レール1113に沿ったレール防犯溝1118の外側で正面視右下に、後述する機能表示ユニット1180の表示部1181が配置されている。また、前構成部材1110は、後面の下部の左右両端から後方へ突出した複数の取付ボス1126と、内レール1112の後面から後方へ突出した複数の位置決め突起1127と、を備えている。この取付ボス1126は、遊技パネル1150を貫通して基板ホルダ1160の固定ボス1162と係合するようになっており、基板ホルダ1160の後側から固定ボス1162を通して取付ボス1126へ所定のビスを螺着することで、前構成部材1110と基板ホルダ1160とで遊技パネル1150を挟持することができるようになっている。また、位置決め突起1127は、遊技パネル1150に形成された内レール固定孔1155へ嵌合させることで、内レール1112を遊技パネル1150の所定位置に固定することができるようになっている。
[遊技パネル]
続いて、遊技盤4における遊技パネル1150について説明する。本例の遊技パネル1150は、所定厚さ(例えば、18mm〜21mm)のベニア合板等の木質板材によって形成されており、外形が前構成部材1110の外形と略同形状とされている。この遊技パネル1150は、正面視左右方向略中央の下部で前構成部材1110におけるアウト口誘導面1115と対応した位置に前後方向へ貫通するアウト口1151と、下端の正面視左側に前後方向へ横長に貫通すると共に下方へ開放され前構成部材1110の球通路用切欠部1122と同形状の球通路用切欠部1152と、正面視右下隅部に前後方向へ貫通し機能表示ユニット1180の後方突出部1182が挿入される挿入穴1153と、を備えている。
続いて、遊技盤4における遊技パネル1150について説明する。本例の遊技パネル1150は、所定厚さ(例えば、18mm〜21mm)のベニア合板等の木質板材によって形成されており、外形が前構成部材1110の外形と略同形状とされている。この遊技パネル1150は、正面視左右方向略中央の下部で前構成部材1110におけるアウト口誘導面1115と対応した位置に前後方向へ貫通するアウト口1151と、下端の正面視左側に前後方向へ横長に貫通すると共に下方へ開放され前構成部材1110の球通路用切欠部1122と同形状の球通路用切欠部1152と、正面視右下隅部に前後方向へ貫通し機能表示ユニット1180の後方突出部1182が挿入される挿入穴1153と、を備えている。
また、遊技パネル1150は、下部の左右両端付近で前構成部材1110の取付ボス1126と対応した位置に前後方向へ貫通した複数のボス挿通孔1154と、前構成部材1110の位置決め突起1127が挿入固定される複数の内レール固定孔1155と、アウト口1151の後面側で後面から前方へ向かって所定量窪むと共に下端側が下方へ開放された溝状のアウト球排出溝1156(図105を参照)と、前構成部材1110の遊技盤止め具1120と対応した位置に形成され正面視右端から前後方向へ貫通するように切欠かれた切欠部1157と、を備えている。また、遊技パネル1150は、適宜位置に前構成部材1110の後面に対して取付固定するための複数の取付孔を備えている。
本例の遊技盤4における遊技パネル1150は、前構成部材1110によって外周が区画される遊技領域1100の後端を区画することができるものであり、前面における遊技領域1100と対応した範囲内に、複数の障害釘(図示は省略)が所定のゲージ配列で植設されるようになっていると共に、表ユニット2000が取付けられるようになっている。また、遊技パネル1150の後面には、裏ユニット3000が取付けられるようになっている。また、遊技パネル1150は、アウト口1151が、遊技領域1100の最下端に位置するように形成されており、遊技盤4に組立てた状態では、前構成部材1110における遊技領域1100の最下端に形成されたアウト口誘導面1115によって後方へ誘導された遊技球がアウト口1151へ進入して遊技盤4の後側へ排出されるようになっている。
[基板ホルダ]
次に、遊技盤4における基板ホルダ1160について説明する。基板ホルダ1160は、上方及び前方が開放された横長の箱状に形成されている。この基板ホルダ1160は、正面視左右方向の略中央における底壁部の前端に上下方向へ貫通するように形成されたアウト球排出部1161が形成されていると共に、底壁部の上面がアウト球排出部1161へ向かって低くなるように形成されており、遊技パネル1150のアウト口1151、表ユニットや裏ユニットから排出されて、基板ホルダ1160の底部上面に供給(排出)された遊技球が、アウト球排出部1161から下方へ排出されるようになっている。なお、アウト球排出部1161は、遊技盤4を本体枠3に取付けた状態とすると、本体枠3における基板ユニット800の排出球受部841の直上に位置するようになっており、遊技盤4から排出された遊技球は、すべて基板ユニット800の排出通路842を通ってパチンコ機1の後側下方へ排出されるようになっている。
次に、遊技盤4における基板ホルダ1160について説明する。基板ホルダ1160は、上方及び前方が開放された横長の箱状に形成されている。この基板ホルダ1160は、正面視左右方向の略中央における底壁部の前端に上下方向へ貫通するように形成されたアウト球排出部1161が形成されていると共に、底壁部の上面がアウト球排出部1161へ向かって低くなるように形成されており、遊技パネル1150のアウト口1151、表ユニットや裏ユニットから排出されて、基板ホルダ1160の底部上面に供給(排出)された遊技球が、アウト球排出部1161から下方へ排出されるようになっている。なお、アウト球排出部1161は、遊技盤4を本体枠3に取付けた状態とすると、本体枠3における基板ユニット800の排出球受部841の直上に位置するようになっており、遊技盤4から排出された遊技球は、すべて基板ユニット800の排出通路842を通ってパチンコ機1の後側下方へ排出されるようになっている。
また、基板ホルダ1160は、側壁部における上下両端の前端から前方へ突出した複数の固定ボス1162を備えている。複数の固定ボス1162は、先端が遊技パネル11520の後側からボス挿通孔1154内へ挿入された上で、前構成部材1110の取付ボス1126の後端と嵌合するようになっており、取付ボス1126と嵌合させた状態で、基板ホルダ1160の後側から固定ボス1162内を貫通して取付ボス1126へ所定のビスを螺着することで、前構成部材1110に対して基板ホルダ1160を組付けることができるようになっていると共に、前構成部材1110と基板ホルダ1160とで遊技パネル1150を挟持することができるようになっている。
また、基板ホルダ1160は、図105に示すように、後壁部における後面の背面視左側端部に主制御基板ボックス1170の固定片1174が横側から嵌合可能な固定部1163と、固定部1163と対向するように配置され主制御基板ボックス1170の弾性固定片1175が後方から係止可能な係止部1164と、を備えている。この基板ホルダ1160の固定部1163及び係止部1164によって、基板ホルダ1160の後面に主制御基板ボックス1170を着脱可能に支持することができるようになっている。
[主制御基板ボックス]
続いて、遊技盤4における主制御基板ボックス1170について説明する。この主制御基板ボックス1170は、後側が開放された薄い横長箱状の基板ベース1171と、基板ベース1171の後面を覆い前側が開放された薄い横長箱状で基板ベース1171の内部へ後側から嵌合する基板カバー1172と、基板カバー1172の前端に電子部品や端子等が後面側に実装された主制御基板4100と、を備えている。また、主制御基板ボックス1170は、基板ベース1171における背面視左側端部から外方へ延出し基板ホルダ1160の固定部1163と嵌合する固定片1174と、基板カバー1172における背面視右側端部から後方へ突出し基板ホルダ1160の係止部1164に弾性係止される弾性固定片と、を備えている。
続いて、遊技盤4における主制御基板ボックス1170について説明する。この主制御基板ボックス1170は、後側が開放された薄い横長箱状の基板ベース1171と、基板ベース1171の後面を覆い前側が開放された薄い横長箱状で基板ベース1171の内部へ後側から嵌合する基板カバー1172と、基板カバー1172の前端に電子部品や端子等が後面側に実装された主制御基板4100と、を備えている。また、主制御基板ボックス1170は、基板ベース1171における背面視左側端部から外方へ延出し基板ホルダ1160の固定部1163と嵌合する固定片1174と、基板カバー1172における背面視右側端部から後方へ突出し基板ホルダ1160の係止部1164に弾性係止される弾性固定片と、を備えている。
また、主制御基板ボックス1170は、図105等に示すように、弾性固定片1175を挟んで上下に二つずつ背面視右側端部に配置され基板ベース1171と基板カバー1172との開閉を封止可能な封止部1176と、基板ベース1171と基板カバー1172の下端で基板ベース1171と基板カバー1172とに跨って貼付けられる密封シール(図示は省略)と、密封シールの表面を被覆する透明なシール保護カバー1177と、基板カバー1172の後面に貼り付けられる基板管理シール1178と、を備えている。この主制御基板ボックス1170の封止部1176は、基板ユニット800における払出制御基板ボックス860の分離切断部863と同様の構成とされており、四つの封止部1176の何れか一つにおいてカシメ固定されている。この主制御基板ボックス1170は、基板ベース1171と基板カバー1172とを分離するには、カシメ固定された封止部1176を切断する必要があり、主制御基板ボックス1170の開閉の痕跡が残るようになっている。これにより、主制御基板ボックス1170が不正に開かれたか否かが外部から目視で明瞭に判別することができるようになっている。
なお、主制御基板ボックス1170の封止部1176は、本例では四つ備えられているので、主制御基板ボックス1170を三回まで開閉することができるようになっている。また、本例の主制御基板ボックス1170は、基板ベース1171と基板カバー1172とに跨って密封シールが貼付られており、基板ベース1171と基板カバー1172とを分離させる際に、密封シールを切断したり剥したりする必要があり、この密封シールにおいても開閉の痕跡が残るようになっている。従って、主制御基板ボックス1170が不正に開閉されて、内部の主制御基板4100が不正に改造されたり、不正な主制御基板(或いは、遊技内容のプログラム等を記憶したROM)と交換されたりしても、外部から目視で確認することができ、それらの不正行為が行われるのを防止することができるようになっている。
また、主制御基板ボックス1170は、基板カバー1172の前後方向へ貫通した開口が適宜位置に形成されており、その開口を通して主制御基板4100に取付けられた、RAMクリアスイッチ4100cや主制御入力回路4100f、周辺制御基板4010や払出制御基板4110等と接続するための各種接続端子等が後側へ臨むようになっている。なお、主制御基板ボックス1170の後面から臨む主制御入力回路4100fに、所定の計測機器を接続することで、主制御基板ボックス1170を開けることなく主制御基板4100を外部からチェックすることができると共に、上述の封止部1176や密封シールに対して巧妙な細工がなされていても、主制御基板4100に対する不正な改造の有無を目視以外に確認することができ、防犯性能の高いパチンコ機1とすることができるようになっている。
[機能表示ユニット]
次に、遊技盤4における機能表示ユニット1180について説明する。この機能表示ユニット1180は、前構成部材1110の所定位置に取付配置されるものであり、前構成部材1110の前面で遊技者側から視認可能に配置される表示部1181と、前構成部材1110の後面よりも後方へ突出した後方突出部1182と、を備えている。
次に、遊技盤4における機能表示ユニット1180について説明する。この機能表示ユニット1180は、前構成部材1110の所定位置に取付配置されるものであり、前構成部材1110の前面で遊技者側から視認可能に配置される表示部1181と、前構成部材1110の後面よりも後方へ突出した後方突出部1182と、を備えている。
本例の機能表示ユニット1180の表示部1181には、図106(A)に拡大して示すように、正面視左側端部に遊技領域1100内へ打ち込まれた遊技球によって変化する遊技状態を表示するための一つのLEDからなる遊技状態表示器1183と、遊技状態表示器1183の右側で上下方向へ並んだ二つのLEDからなり第1始動口2101への遊技球の受入れに関する保留数を表示するための第一特別図柄記憶表示器1184と、第一特別図柄記憶表示器1184の右側に配置され第1始動口2101への遊技球の受入れにより抽選された第一特別図柄の抽選結果(第一特別抽選結果)を第一特別図柄として表示するための一つの7セグメントLEDからなる第一特別図柄表示器1185と、第一特別図柄表示器1185の右斜め上に配置され第2始動口2102への遊技球の受入れにより抽選された第二特別図柄の抽選結果(第二特別抽選結果)を第二特別図柄として表示するための一つの7セグメントLEDからなる第二特別図柄表示器1186と、第二特別図柄表示器1186の右側で上下方向へ並んだ二つのLEDからなり第2始動口2102への遊技球の受入れに関する保留数を表示するための第二特別図柄記憶表示器1187と、を備えている。
また、機能表示ユニット1180の表示部1181には、第二特別図柄表示器1186の直上から内周レール1113に略沿った円弧状に並んで配置され遊技球によるゲート部2301の通過に関する保留数を表示するための四つのLEDからなる普通図柄記憶表示器1188と、普通図柄記憶表示器の下側に配置され遊技球がゲート部2301を通過することで抽選された普通抽選結果を普通図柄として表示するための一つのLEDからなる普通図柄表示器1189と、普通図柄記憶表示器1188の斜め右上側へ並んで配置され第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果が「大当たり(条件装置が作動する当り)」の時に大入賞口2103の開閉パターンの繰返し回数(ラウンド数)を表示するための二つのLEDからなるラウンド表示器1190と、を備えている。
本例の機能表示ユニット1180における遊技状態表示器1183は、赤色・緑色・橙色と、その発光色を変化させることが可能なカラーLEDとされており、発光する発光色と、点灯・点滅との組合せにより、様々な遊技状態(例えば、確率変動状態、時間短縮状態、確変時短遊技状態、大当たり遊技状態、等)を表示することができるようになっている。
また、機能表示ユニット1180における第一特別図柄記憶表示器1184は、第一特別図柄表示器1185において第一特別図柄を変動表示させることができない時に、第1始動口2101へ遊技球が受入れられた場合に、変動表示の開始が保留(記憶)された第一特別図柄の保留数(記憶数)を表示するものである。この第一特別図柄記憶表示器1184は、所定のLEDからなる第一特別図柄記憶ランプ1184aと、第一特別図柄記憶ランプ1184bとを有しており、第一特別図柄記憶ランプ1184a,1184bの点灯・点滅パターンによって、保留数を表示することができるようになっている。具体的には、例えば、保留数が一つの時には第一特別図柄記憶ランプ1184aが点灯して第一特別図柄記憶ランプ1184bが消灯し、保留数が二つの時には第一特別図柄記憶ランプ1184a,1184bが共に点灯し、保留数が三つの時には第一特別図柄記憶ランプ1184aが点滅して第一特別図柄記憶ランプ1184bが点灯し、保留数が四つの時には第一特別図柄記憶ランプ1184a,1184bが共に点滅するようになっている。なお、本例では、四つまで保留されるようになっている。
また、機能表示ユニット1180における第二特別図柄記憶表示器1187は、第二特別図柄表示器1186において第二特別図柄を変動表示させることができない時に、第2始動口2102へ遊技球が受入れられた場合に、変動表示の開始が保留(記憶)された第二特別図柄の保留数(記憶数)を表示するものである。この第二特別図柄記憶表示器1187は、所定のLEDからなる第二特別図柄記憶ランプ1187aと、第二特別図柄記憶ランプ1187bとを有しており、第二特別図柄記憶ランプ1187a,1187bの点灯・点滅パターンによって、保留数を表示することができるようになっている。具体的には、例えば、保留数が一つの時には第二特別図柄記憶ランプ1187aが点灯して第二特別図柄記憶ランプ1187bが消灯し、保留数が二つの時には第二特別図柄記憶ランプ1187a,1187bが共に点灯し、保留数が三つの時には第二特別図柄記憶ランプ1187aが点滅して第二特別図柄記憶ランプ1187bが点灯し、保留数が四つの時には第二特別図柄記憶ランプ1187a,1187bが共に点滅するようになっている。なお、本例では、四つまで保留されるようになっている。
更に、機能表示ユニット1180における第一特別図柄表示器1185及び第二特別図柄表示器1186は、第1始動口2101や第2始動口2102への遊技球の受入れにより、抽選された第一特別抽選結果や第二特別抽選結果を表示するものであり、7セグメントLEDが特別抽選結果に応じた所定の時間、変動した後に停止し、停止した7セグメントLEDの発光パターン(特別図柄)によって、第一特別抽選結果や第二特別抽選結果を遊技者側に認識させることができるようになっている。
また、機能表示ユニット1180における普通図柄表示器1189は、赤色・緑色・橙色と、その発光色を変化させることが可能なカラーLEDとされており、発光する発光色と、点灯・点滅との組合せにより、ゲート部2301を遊技球が通過することで抽選される普通抽選結果を表示することができるようになっている。なお、普通図柄表示器1189による普通図柄の表示も、特別図柄と同様に、所定時間変動表示した後に、普通抽選結果に対応した発光パターンで停止表示するようになっている。
また、機能表示ユニット1180における普通図柄記憶表示器1188は、普通図柄表示器1189において普通図柄を変動表示させることができない時に、ゲート部2301を遊技球が通過した場合に、変動表示の開始が保留(記憶)された普通図柄の保留数(記憶数)を表示するものである。この普通図柄記憶表示器1188は、下から並んで配置された四つの普通図柄記憶ランプ1188a〜1188dを備え、夫々が所定のLEDとされており、保留数に応じて下から普通図柄記憶ランプ1188a〜1188dを順次点灯させることで普通図柄の保留数を表示させることができるようになっている。なお、本例では、普通図柄の変動表示が四つまで保留(記憶)されるようになっている。
更に、機能表示ユニット1180におけるラウンド表示器1190は、所定のLEDからなるラウンド表示ランプ1190a,1190bを備えており、これらの表示ランプの点灯により、「大当たり」遊技におけるラウンド数を表示することができるようになっている。
本例の機能表示ユニット1180は、図106(A)に示すように、遊技盤4をパチンコ機1に取付けた状態で、扉枠5の遊技窓101を通して遊技者側から視認することができるようになっている。また、機能表示ユニット1180の遊技状態表示器1183、第一特別図柄記憶表示器1184、第一特別図柄表示器1185、第二特別図柄表示器1186、第二特別図柄記憶表示器1187、普通図柄記憶表示器1188、普通図柄表示器1189、及びラウンド表示器1190は、機能表示基板(図示せず)の前面に取付けられている。また、機能表示ユニット1180の後方突出部1182の後端には、機能表示基板1191と、主制御基板4100とを接続するための接続端子が取付けられている。
本例では、機能表示ユニット1180を遊技盤4の前構成部材1110に備えるようにしているので、遊技パネル1150に取付けられる表ユニット2000や裏ユニット3000に備えるようにした場合と比較して、機能表示ユニット1180を遊技盤4の基本構成として流用することができ、パチンコ機1に係る構成を簡略化してコストが増加するのを防止することができると共に、パチンコ機1の機種(表ユニット2000や裏ユニット3000により具現化されパチンコ機1の機種を特徴付けることが可能な遊技盤4の詳細構成)が異なっていても、機能表示ユニット1180の表示部1181の位置が変化しないので、遊技者や遊技ホールの店員等に対して、戸惑うことなく表示部1181の位置を認識させることができるようになっている。
また、パチンコ機1の機能表示ユニット1180としては、図106(B)に示すような形態としても良い。この例では、7セグメントLEDにより構成した第一特別図柄表示器1185と第二特別図柄表示器1186を、夫々八つのLED群によって構成したものである。また、第一特別図柄記憶表示器1184と第二特別図柄記憶表示器1187を、夫々四つのLED群により構成すると共に、普通図柄記憶表示器1188を、二つのLEDにより構成するようにしている。
この機能表示ユニット1180でも上記と同様の作用効果を奏することができる他に、第一特別図柄表示器1185と第二特別図柄表示器1186を八つのLED群で構成するようにしているので、7セグメントLEDを用いた場合と比較して、遊技者に対して表示される特別図柄を憶え難くすることができる。従って、機能表示ユニット1180で表示されている内容が判り辛いので、遊技中に機能表示ユニット1180の表示が気掛かりとなって遊技に専念し難くなるのを抑制することができ、遊技球の動き、可動演出や演出画像等に専念させて遊技をより楽しませることができるようになっている。
[遊技パネルの第二実施形態]
続いて、上記した遊技盤4における遊技パネル1150とは異なる形態の遊技パネル1200について、図107乃至図109を参照して説明する。なお、図107乃至図109における前構成部材1110、基板ホルダ1160、及び主制御基板ボックス1170は、上述したものと同一の構成とされており、ここでの詳細な説明は省略する。本実施形態の遊技パネル1200は、上述した遊技パネル1150よりも厚さが薄く前構成部材1110によって外周が区画された遊技領域1100の後端を区画可能な板状で前構成部材1110の外形よりも外形が小さく形成されたパネル板1210と、パネル板1210を前側から脱着可能に保持すると共に前構成部材1110の後面に取付けられる枠状のパネルホルダ1220と、を備えている。
続いて、上記した遊技盤4における遊技パネル1150とは異なる形態の遊技パネル1200について、図107乃至図109を参照して説明する。なお、図107乃至図109における前構成部材1110、基板ホルダ1160、及び主制御基板ボックス1170は、上述したものと同一の構成とされており、ここでの詳細な説明は省略する。本実施形態の遊技パネル1200は、上述した遊技パネル1150よりも厚さが薄く前構成部材1110によって外周が区画された遊技領域1100の後端を区画可能な板状で前構成部材1110の外形よりも外形が小さく形成されたパネル板1210と、パネル板1210を前側から脱着可能に保持すると共に前構成部材1110の後面に取付けられる枠状のパネルホルダ1220と、を備えている。
このパネル板1210は、その外形が遊技領域1100よりも若干大きい多角形状とされており、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂等の合成樹脂板や、ガラスや金属等の無機質板により形成されている。このパネル板1210の板厚は、パネルホルダ1220(遊技パネル1150)よりも薄く、障害釘Gを前面に植設したり表ユニット2000を取付けたりしても十分に保持可能な必要最低限の厚さ(8〜10mm)とされている。なお、本例では、透明な合成樹脂板によってパネル板1210が形成されている。
このパネル板1210は、外周近傍に配置され前後方向に貫通する丸孔からなる複数の嵌合孔1211と、左下部の外周近傍に配置され前後方向に貫通し上下方向に延びる長孔1212と、を備えている。これら嵌合孔1211及び長孔1212は、遊技領域1100よりも外側に配置されており、パネルホルダ1220との位置決めを行うものである。また、パネル板1210には、その上辺の両端と下辺の両端に、前側が窪んだ段状の係合段部1213が夫々備えられている。この係合段部1213は、パネル板1210の板厚の略半分まで切欠いた形態とされると共に、嵌合孔1211及び長孔1212と同様に、遊技領域1100よりも外側に配置されており、パネル板1210をパネルホルダ1220へ係合固定するためのものである。
また、パネル板1210は、所定位置に内レール固定孔1214が複数備えられている。この内レール固定孔1214に内レール1112の後側から突出する位置決め突起1127を嵌合固定させることで、内レール1112を所定の位置に固定することができるようになっている。更に、パネル板1210は、センター役物2500等の表ユニット2000を取付けるための前後方向へ貫通した複数の開口部1215を備えており、開口部1215に対して前側からアタッカ装置2100,2150等を有するユニットが挿入固定されるようになっている。
一方、遊技パネル1200におけるパネルホルダ1220は、パネル板1210を包含する大きさで外形が略四角形状とされ、上述した木質板からなる遊技パネル1150の厚さと略同じ厚さ(本例では、約20mm)とされた合成樹脂(例えば、熱可塑性合成樹脂)からなるものである。このパネルホルダ1220には、パネル板1210を着脱可能に保持し前面側から後方側に向かって凹んだ保持段部1221と、保持段部1221の内側において略遊技領域1100と同等の大きさで前後方向に貫通する貫通口1222とを主に備えている。
パネルホルダ1220の保持段部1221は、前面からの深さがパネル板1210の厚さと略同じ深さとされており、保持段部1221内に保持されたパネル板1210の前面がパネルホルダ1220の前面と略同一面となるようになっている。また、この保持段部1221は、その前側内周面が、パネル板1210の外周面に対して所定量のクリアランスが形成される大きさとされている。このクリアランスにより、温度変化や経時変化により相対的にパネル板1210が伸縮しても、その伸縮を吸収できるようになっている。なお、クリアランス内にゴム等の弾性部材を詰めても良い。
また、パネルホルダ1220には、保持段部1221に保持されるパネル板1210に形成された嵌合孔1211及び長孔1212と対応する位置に配置され、保持段部1221の前面から前方に向かって延び、パネル板1210の嵌合孔1211及び長孔1212に嵌合及び挿通可能な複数の突出ピン1223を備えている。これらの突出ピン1223をパネル板1210の嵌合孔1211及び長孔1212に嵌合及び挿通することで、パネルホルダ1220とパネル板1210とを互いに位置決めすることができるようになっている。
更に、パネルホルダ1220には、パネル板1210の係合段部1213と対応する位置に、係合段部1213と係合する係合爪1224及び係合片1225を供えている。詳述すると、係合爪1224は、パネルホルダ1220の上側の保持段部1221に配置されており、パネル板1210における上側の係合段部1213と対応し、保持段部1221の前面から前方に向かって突出し係合段部1213と弾性係合するようになっている。この係合爪1224は、その先端がパネルホルダ1220の前面から突出しない大きさとされている。一方、係合片1225は、パネルホルダ1220の下側の保持段部1221に配置され、パネル板1210における下側の係合段部1213と対応し、保持段部1221の前面との間にパネル板1210の係合段部1213が挿入可能な大きさの所定の隙間を形成した状態で、パネルホルダ1220の前面に沿って上側(中心側)に向かって所定量延びる形態とされている。これら係合爪1224及び係合片1225にパネル板1210の係合段部1213を係合させることで、パネル板1210がパネルホルダ1220に対して着脱可能に保持されるようになっている。
また、パネルホルダ1220には、前構成部材1110に備えられた取付ボス1126を挿通可能な前後方向に貫通するボス挿通孔1226を備えており、このボス挿通孔1226に前構成部材1110の取付ボス1126を挿通することで、パネルホルダ1220と前構成部材1110とが互いに位置決めされるようになっている。
このパネルホルダ1220には、図108に示すように、その後面側に、上下方向の中央やや下方より下側と外周縁を残すように前側に所定量窪んだ形態の取付支持部1227が備えられている。この取付支持部1227により、パネルホルダ1220の後面は、下端より所定高さまでの所定範囲より上側で、後面側外周部が後方に突出したような状態で窪んだ形態となると共に、その窪み量(深さ)が、取付支持部1227に取付固定される裏ユニット3000における裏箱3010のフランジ状の固定部3010c(図116参照)を収容できる深さ(本例では、約2.5mmとされており、1〜3mmの間とすることが望ましい)とされている。この取付支持部1227に所定の部材を取付固定することで、その固定部3010cがパネルホルダ1220よりも後側に突出するのを防止することができ、パネルホルダ1220すなわち遊技盤4を本体枠3(パチンコ機1)の遊技盤保持口601内に確実に設置装着できるようになっている。
更に、パネルホルダ1220には、図示するように、後面側の取付支持部1227内及び収容凹部630hよりも上側に配置され所定のビスを螺合可能な複数の取付孔1228が所定配列で配置されている。また、パネルホルダ1220には、取付孔1228と対応するように配置される複数の位置決め孔1229が備えられている。この位置決め孔1229は、取付孔1228を用いて取付固定される部材に形成された位置決め突起(例えば、裏箱3010における前面のフランジ状に形成された固定部3010cから前方へ突出する位置決め突起(図示は省略する))が挿入されるものである。なお、本例では、位置決め孔1229は、背面視略矩形状(角孔状)の止り孔とされている。
なお、取付孔1228に対して、その孔の内径が大径のものと小径のものとを混在させるようにして、取付固定する所定の部材の大きさや重量等に応じて、適宜径の取付孔1228を用いるようにしても良い。
また、パネルホルダ1220には、少なくとも下端から所定高さまでの所定範囲では後面側に開口する複数の肉抜き部1230が形成されており、肉抜き部1230によりパネルホルダ1220の重量が軽減されるようになっている。図107に示すように、収容凹部630hの前側、つまり、パネルホルダ1220の前面側の下端から所定高さまでの所定範囲内には、これらの肉抜き部1230が形成されておらず、その範囲内では、パネルホルダ1220の前面が略平らな面となるようになっているので、その前面に配置される前構成部材1110の後面が略平らな面となり、打球発射装置650から発射された遊技球が、滑らかに案内されるようになっている。また、このパネルホルダ1220は、図示するように、肉抜き部1230が形成されることで、取付孔1228等がボス状に形成されると共に、それらを支持したりパネルホルダ1220の強度を維持したりするために、箱状のリブが形成された状態となっている。
なお、このパネルホルダ1220には、障害釘植設装置(図示しない)や、組立治具等の位置決め手段に対応した位置決め部1231が形成されており、障害釘植設装置に遊技パネル1150を保持した状態でセットできるようになっている。また、パネルホルダ1220の下部には、前構成部材1110のアウト口誘導面1115と対応した位置に前後方向へ貫通するアウト口1232と、下端の正面視左側に前後方向へ横長に貫通すると共に下方へ開放され前構成部材1110の球通路用切欠部1122と同形状の球通路用切欠部1233と、正面視右下隅部に前後方向へ貫通し機能表示ユニット1180の後方突出部1182が挿入される挿入穴1234と、を備えている。
また、パネルホルダ1220は、アウト口1232の後面側で後面から前方へ向かって所定量窪むと共に下端側が下方へ開放された溝状のアウト球排出溝1235(図108を参照)と、前構成部材1110の遊技盤止め具1120と対応した位置に形成され正面視右端から前後方向へ貫通するように切欠かれた切欠部1236と、を備えている。また、パネルホルダ1220は、適宜位置に前構成部材1110の後面に対して取付固定するための複数の取付孔を備えている。
このパネルホルダ1220におけるアウト球排出溝1235は、遊技盤4を本体枠3の遊技盤保持口601へ挿入保持させると、本体枠3(本体枠ベース600における遊技盤載置部606の上面)に備えられた位置決め突起607と嵌合するようになっており、アウト球排出溝1235が位置決め突起607と嵌合することで、本体枠3に対して遊技盤4が左右方向へ相対移動するのが規制されるようになっている。
本実施形態の遊技パネル1200は、前方からパネルホルダ1220の保持段部1221内へパネル板1210を嵌合挿入して、係合爪1224及び係合片1225と、係合段部1213とを係合させることで、パネルホルダ1220にパネル板1210を保持させることができると共に、パネル板1210とパネルホルダ1220の前面側が略面一となるようになっており、従来より用いられている障害釘植設装置を改造等しなくてもパネル板1210をパネルホルダ1220に保持した状態で従前の障害釘植設装置にセットすることが可能となり、障害釘Gの植設にかかるコストが増加するのを抑制することができるようになっている。
また、本例の遊技パネル1200は、図示は省略するが、パネル板1210の前面における遊技領域1100と対応した範囲内に、複数の障害釘が所定のゲージ配列で植設されるようになっていると共に、表ユニット2000が取付けられるようになっている。また、パネルホルダ1220の後面には、裏ユニット3000が取付けられるようになっている。これにより、薄いパネル板1210においては、表ユニットのみを支持するようにしているので、表ユニットの荷重によってパネル板1210が歪むのを防止することができるようになっている。
更に、遊技パネル1200を、パネル板1210とパネルホルダ1220とによる分割構造としているので、パネル板1210を透明板としても遊技パネル1200全体の重量が増加するのを抑制することができ、透明なパネル板1210を通して遊技領域1100の後側が遊技者から見えるパチンコ機1を具現化することができ、遊技者の関心を強く引付けられるパチンコ機1とすることができるようになっている。
また、遊技パネル1200を、パネル板1210、及びパネルホルダ1220に分割するようにしているので、パチンコ機1の機種によって障害釘や入賞口等の位置が変化するパネル板1210を交換パーツとすると共に、パネルホルダ1220を共通パーツとすることができ、パネル板1210のみを交換するだけで種々の機種に対応可能な遊技盤4を備えたパチンコ機1とすることができるようになっている。
更に、パネルホルダ1220に予め複数の取付孔1228が所定配列で備えられているので、機種に応じてパネルホルダ1220の後面側に取付固定される裏ユニット3000等の種々の所定部材の取付固定位置が異なる位置となっていても、各種部材の固定部を取付孔1228の位置と対応させるように設計することで、パネルホルダ1220を機種に依存しないパチンコ機1の共通パーツとすることができるようになっている。
[前構成部材の第二実施形態]
次に、上記した遊技盤4における前構成部材1110とは異なる形態の前構成部材1110Aについて、図110及び図111を参照して説明する。なお、図110及び図112における遊技パネル1200、基板ホルダ1160、及び主制御基板ボックス1170は、パネル板1210の外形とパネルホルダ1220の貫通口1222の内形が、図107乃至図109の実施形態と異なるのみで、図107乃至図109の例と同一の構成とされており、ここでの詳細な説明は省略する。
次に、上記した遊技盤4における前構成部材1110とは異なる形態の前構成部材1110Aについて、図110及び図111を参照して説明する。なお、図110及び図112における遊技パネル1200、基板ホルダ1160、及び主制御基板ボックス1170は、パネル板1210の外形とパネルホルダ1220の貫通口1222の内形が、図107乃至図109の実施形態と異なるのみで、図107乃至図109の例と同一の構成とされており、ここでの詳細な説明は省略する。
図110及び図111に示す前構成部材1110Aは、上記の前構成部材1110と比較して、前後方向に貫通した内周形状の一部が異なっている他に、機能表示ユニット1180を備えていない点が大きく異なっている。なお、その他の構成については、前構成部材1110と同様であり、同一の符号を付すと共に、詳細な説明は省略する。また、この前構成部材1110Aを用いた遊技盤4では、機能表示ユニット1180が、遊技盤4における表ユニット2000又は裏ユニット3000の何れかに備えられるようになっている(本例では、表ユニット2000に備えられている)。
この前構成部材1110Aは、図示するように、枠状の内周形状が、アウト口誘導面1115を基点として正面視で時計回りの方向へ内レール1112及び外レール1111の衝止部1114までの形状が、前述の前構成部材1110と同じ形状に形成されており、衝止部1114から時計回りの方向へアウト口誘導面1115までの形状が、前述の前構成部材1110とは異なる形状となっている。具体的には、衝止部1114から衝止部1114の直下に配置された右側の証紙貼付部1125の直上までの間が緩やかな円弧状に形成されていると共に、円弧状の下端からアウト口誘導面1115までの間がアウト口誘導面1115へ向かって低くなるように傾斜した直線状に形成されている。
本例の前構成部材1110Aは、前述の前構成部材1110と比較して、遊技領域1100がより広く確保することができるようになっており、広い遊技領域1100によって遊技者をより楽しませることができるようになっている。
[パチンコ機の防犯構造]
続いて、本実施形態のパチンコ機1における防犯構造について、主に図112及び図113を参照して説明する。図112は、パチンコ機の軸支側における防犯構造を示す部分断面図である。また、図113は、遊技盤を収容した状態で後側から見た斜視図である。
続いて、本実施形態のパチンコ機1における防犯構造について、主に図112及び図113を参照して説明する。図112は、パチンコ機の軸支側における防犯構造を示す部分断面図である。また、図113は、遊技盤を収容した状態で後側から見た斜視図である。
まず、本例のパチンコ機1における軸支側の防犯構造は、図112に示すように、本体枠3における合成樹脂によって形成された本体枠ベース600の軸支側(正面視で左側)の側面に取付けられる金属製の側面防犯板950と、扉枠5における合成樹脂によって形成された扉枠ベース本体110の後面に取付けられる金属製の補強ユニット150とによって構成されている。
本体枠3の側面防犯板950は、上述したように、金属(例えば、アルミ合金)製の押出型材によって形成されており、上下方向の寸法が本体枠ベース600の上下方向の寸法と略同じ寸法とされると共に、前後方向の寸法が遊技盤4における前構成部材1110と遊技パネル1150とを合せた前後方向の寸法よりも大きい寸法とされている。この側面防犯板950は、上下方向へ延びると共に前後方向へ延び本体枠3の側面を形成する板状の側面片952aと、側面片952aの前端から略直角方向内側(開放側)へ延びた前端片952bと、前端片952bの後側に所定量の隙間を形成するように側面片952aから前端片952bに沿って延びた中片952cと、側面片952aの後端から略直角方向内側へ延びた後端片952dとを備えている。これにより、側面防犯板950の前端は、前端片952bと中片952cとによって内側(開放側)に開口する断面が略コ字状に形成されている。
また、側面防犯板950(本体952)は、側面片952aの面に対して直角方向へ配置された前端片952b、中片952c、及び後端片952dにより、側面防犯板950の強度・剛性が高められており、本体枠3全体の強度を高めて遊技盤4や扉枠5等を良好に支持することができるようになっている。
一方、扉枠5の補強ユニット150は、上述したように、複数の長尺状の金属板をスポット溶接やリベット等を用いて扉枠5における遊技窓101の外周を囲うように枠状に形成したものであり、軸支側の軸支側補強板金152の外側辺には外側(軸支側)に開口した断面が略コ字状の軸支側コ字状突片166を備えている。この補強ユニット150の軸支側補強板金152では、軸支側コ字状突片166によって軸支側補強板金152の強度がより高められており、軸支側補強板金152が曲がり難くなっている。
ところで、本例では、扉枠5が本体枠3に対して上軸支部156と下軸支部158の上下の二点でのみ取付支持されるようになっているので、軸支側の扉枠5と本体枠3との間にドライバーやバール等の不正な工具が差込まれると、軸支側補強板金152が変形して扉枠5と本体枠3との隙間が大きくなりその隙間を介して不正行為が行われる虞がある。これに対して、本例の防犯構造は、本体枠3に対して扉枠5を閉じた状態とすると、側面防犯板950の前端内側に形成された前端片952bと中片952cとの間に扉枠5における補強ユニット150の略コ字状に形成された軸支側コ字状突片166の後側の片が挿入される(侵入する)ようになっており、前端片952bを軸支側コ字状突片166で挟持した状態となるようになっている。これにより、本体枠3に対して扉枠5を無理やり開けようとしても、扉枠5の軸支側コ字状突片166が本体枠3の前端片952bの後面側に当接して扉枠5の軸支側コ字状突片166が本体枠3から離れる方向へ移動するのを阻止することができるので、閉鎖された扉枠5が抉じ開けられるのを防止することができ、本体枠3に対して扉枠5を抉じ開けるような不正行為が行われるのを防止することができるようになっている。
また、本体枠3における金属により形成された側面防犯板950と、扉枠5における金属により形成された補強ユニット150とを嵌合させるようにしているので、本体枠3と扉枠5との間の強度・剛性が高くなり、不正な工具によって本体枠3や扉枠5を歪み難くすることができ、防犯性能を高めることができるようになっている。
更に、側面防犯板950における側面片952aの後端が遊技盤4における遊技パネル1150よりも後方へ延出するようにしているので、仮に側面片952aの後端よりも後側の本体枠ベース600が破壊されても、側面片952aの後端から遊技盤4(遊技パネル1150)の前面の遊技領域1100内へピアノ線等の不正な工具を侵入させることができず、不正行為が行われるのを確実に防止することができるようになっている。なお、図112に示すように、側面防犯板950の外側を覆うように外枠2の側枠板12が接しているので、堅牢な側面を有したパチンコ機1となっており、側面側からの破壊行為に対して充分に対抗できるようになっている。また、一般的に、パチンコ機1を設置する遊技ホールでは、パチンコ機1の側面がパチンコ機1を設置するための島設備の枠内に挿入固定されるようになっているので、遊技者側(前側)からは中片952cの後端よりも後側へ不正工具を侵入させることはほとんど不可能な状態となり、パチンコ機1の防犯性能をより高められた状態となるようになっている。
続いて、本例のパチンコ機1における後方側からの防犯構造としては、図113に示すように、遊技盤4を収容する本体枠3における賞球ベース710、タンクレール731、賞球装置740のユニットベース741、満タン分岐ユニット770、及び裏カバー900が、透明な合成樹脂によって形成されているので、本体枠3内に収容された遊技盤4の後側や側面側を、遊技盤4を本体枠3から取外したり裏カバー900を開けたりしなくても、本体枠3の後側から視認することができるようになっている。これにより、遊技盤4の後側等に不正な装置が取付けられていても、容易に発見することができ、不正行為が行われるのを防止することができるようになっている。また、遊技盤4に取付けられた不正な装置等を外側から簡単に発見することができるので、不正な装置の取付けを躊躇させることができ、不正行為に対する抑止力を高めることができるようになっている。
また、本体枠3の後側から遊技盤4の後側や側面側を、透明な賞球ベース710や裏カバー900等を通して視認することができるので、メンテナンスや機種の変更を行うために本体枠3に対して遊技盤4を脱着した際、本体枠3と遊技盤4との間に、ドライバーやペンチ等の工具、洗浄用のウエス、埃やゴミ、等が残留した場合でも、それらを外側から簡単に発見することができ、それらによって何らかの不具合が発生するのを防止することができるようになっていると共に、パチンコ機1に対するメンテナンス性を向上させることができるようになっている。
[遊技盤の詳細構成]
続いて、本実施形態のパチンコ機1における遊技盤4の詳細な構成について、図114乃至図117を参照して説明する。図114及び図115はパチンコ機における遊技盤の正面図である。また、図116は、遊技盤を後から見た斜視図であり、図117は、遊技盤を構成する主な部材(ただしセンター役物2500は図示していない)毎に分解して斜め後から見た斜視図である。
続いて、本実施形態のパチンコ機1における遊技盤4の詳細な構成について、図114乃至図117を参照して説明する。図114及び図115はパチンコ機における遊技盤の正面図である。また、図116は、遊技盤を後から見た斜視図であり、図117は、遊技盤を構成する主な部材(ただしセンター役物2500は図示していない)毎に分解して斜め後から見た斜視図である。
本実施形態のパチンコ機1における遊技盤4は、外レール1111及び内レール1112を有し、遊技者がハンドル装置500を操作することで遊技媒体としての遊技球(単に「球」とも称す)が打ち込まれる遊技領域1100の内周を区画形成する枠状の前構成部材1110Aと、板状の遊技パネル1200と、を備えている。
本例の遊技パネル1200は、前構成部材1110Aによって内周が区画された遊技領域1100の後端を区画可能な板状で前構成部材1110Aよりも外形が小さく形成された透明なパネル板1210と、パネル板1210を前側から脱着可能に保持すると共に前構成部材1110Aの後面に取付けられる枠状のパネルホルダ1220と、を備えている。遊技パネル1200の開口部は、透明なパネル板1210に形成されている。
また、遊技盤4は、遊技パネル1200の開口部に対して前側から取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1200(パネルホルダ1220)の後面に取付けられる裏ユニット3000と、裏ユニット3000の前端左端で透明なパネル板1210を通して遊技者側から視認可能とされると共にパチンコ機1へ取付けた時に扉枠5の遊技窓101から遊技者側へ視認可能となる位置に配置された機能表示ユニット1180と、裏ユニット3000の後側に遊技者側から視認可能に取付けられ所定の演出画像を表示可能な矩形の表示画面(表示領域)を有する液晶表示装置1900と、裏ユニット3000の下部を後側から覆うように遊技パネル1200の後面下部に取付けられる基板ホルダ1160と、基板ホルダ1160の後面に取付けられる主制御基板ボックス1170と、を備えている。
図114及び図115に示されるように、遊技領域1100内には、多数の障害釘が所定のゲージ配列をなして設けられているほか、その途中の所定位置に風車が設けられている。遊技領域1100のほぼ中央位置には、センター役物2500が配設されており、このセンター役物2500のデザインによってパチンコ機1の機種やゲームコンセプト等が特徴付けられている。
また、センター役物2500の後方には、遊技者からの注目を集めるように正面視で大きな領域をもって演出表示する演出表示装置1900が設けられている。演出表示装置1900は、装飾図柄画像情報、背景画像情報、キャラクタ画像情報等を合成した画像情報を表示可能な適宜の表示装置が用いられる。本実施の形態では、演出表示装置1900として液晶表示装置が用いられている。
また、演出表示装置1900の上方には、演出表示装置1900よりも小さな表示領域を有して補助的な表示演出を実現する第二液晶表示装置3252が設けられている。この第二液晶表示装置3252にも、装飾図柄画像情報、背景画像情報、キャラクタ画像情報等を合成した画像情報などを表示するようにしてもよい。
一方、遊技領域1100におけるセンター役物2500の右側領域から下側領域にかけては、第1始動口2101、ゲートユニット2300、第一アタッカ装置2100及び第二アタッカ装置2150が設けられている。これに対し、遊技領域1100におけるセンター役物2500の左側領域には、複数の一般入賞口2201が設けられている。
ここで、第1始動口2101は、遊技領域1100の左右方向略中央であって液晶表示装置1900の下方にて遊技球が常時受け入れ可能とされている常時受入口2101aと、遊技領域1100内の右側にて特設可動片2111が動作したときにのみ遊技球が受け入れ可能とされる特設受入口2101bとを有して構成されている。そして、この第1始動口2101(常時受入口2101a、特設受入口2101b)に遊技球が入球したときには、後述の第一始動口センサ3131(図118参照)によって同遊技球の入球(入賞)が検出される。そしてこの際、所定の特別始動条件が成立すれば、予め定められた数値範囲内で定期的(例えば4ms毎)に更新(生成)される第1特別図柄用の乱数に基づいて、後述のアタッカ装置(第一アタッカ装置2100や第二アタッカ装置2150)の動作契機となる当たりについての第1特別図柄抽選(第1特別判定)が行われ、第一特別図柄表示器1185に動的表示される第1特別図柄が所定の時間だけ変動表示される。そして、当たりが得られているときには、この変動表示が終了した後に、ソレノイドなどを有して構成される後述のアタッカ駆動機構2121(図118参照)の駆動制御が行われ、これによってアタッカ装置(第一アタッカ装置2100や第二アタッカ装置2150)が開閉動作されるようになる。こうしてアタッカ装置(第一アタッカ装置2100や第二アタッカ装置2150)が開閉動作された後には、上記ゲートユニット2300内にて設けられる第2始動口2102への遊技球の受け入れ易さの向上が図られる後述の時短遊技状態に移行制御されうることとなる。
ただし後述するが、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、時短遊技状態に移行制御された場合、第1特別図柄抽選にて当選する確率については通常遊技状態と同じ低い当選確率のままでこれを維持するにもかかわらず該抽選にてハズレが1度でも得られると当該時短遊技状態が終了される早期終了制御を行うこととしている。そして、こうした早期終了制御が行われるなかで、この実施の形態にかかる特設可動片2111は、入賞口振分駆動モータ2558(図118参照)によって特定の動作パターンで常時動作することで、上記時短遊技状態を早期に終了させる第1始動口として上記特設受入口2101bを機能させるものとなっている。
より具体的には、特設可動片2111が常時動作するときの特定の動作パターンとは、
A.大当たり遊技が開始されてから終了されるまでの期間中に、アタッカ装置へと流下する遊技球の少なくとも1つは特設受入口2101bに誘導されるようにする第1性能、及び
B.センター役物2500の左側領域に遊技球が打ち込まれるときに常時受入口2101aに遊技球が受け入れられる確率よりも、センター役物2500の右側領域に遊技球が打ち込まれるときに特設受入口2101bに遊技球に誘導される確率のほうを低くする第2性能
をいずれも満たす動作パターンのことであり、これによって遊技者に対して利益を付与することなく(第2性能)、大当たり遊技が行われている期間中に第1特別図柄抽選を少なくとも1つは保留状態としてから時短遊技状態に移行制御させることができるようになる(第1性能)。すなわちこの場合、時短遊技状態に移行制御されたとしても、通常は、既に保留状態とされている第1特別図柄抽選がすぐに実行されて後述の「落選」が得られることから、該「落選」の結果に応じた第1特別図柄の変動が消化し終わった時点で当該時短遊技状態が終了されるようになる。
A.大当たり遊技が開始されてから終了されるまでの期間中に、アタッカ装置へと流下する遊技球の少なくとも1つは特設受入口2101bに誘導されるようにする第1性能、及び
B.センター役物2500の左側領域に遊技球が打ち込まれるときに常時受入口2101aに遊技球が受け入れられる確率よりも、センター役物2500の右側領域に遊技球が打ち込まれるときに特設受入口2101bに遊技球に誘導される確率のほうを低くする第2性能
をいずれも満たす動作パターンのことであり、これによって遊技者に対して利益を付与することなく(第2性能)、大当たり遊技が行われている期間中に第1特別図柄抽選を少なくとも1つは保留状態としてから時短遊技状態に移行制御させることができるようになる(第1性能)。すなわちこの場合、時短遊技状態に移行制御されたとしても、通常は、既に保留状態とされている第1特別図柄抽選がすぐに実行されて後述の「落選」が得られることから、該「落選」の結果に応じた第1特別図柄の変動が消化し終わった時点で当該時短遊技状態が終了されるようになる。
なお、これも後述するが、このような早期終了制御が行われる本実施形態にかかるパチンコ機1では、第1特別図柄と第2特別図柄とを同時変動させうる制御構造を有することとしており、第2特別図柄の変動を開始させることによって第1特別図柄抽選の結果に応じた図柄変動を変動開始待ち状態とすることはできないようになっている。したがって、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、上述の早期終了制御が行われているなかで、通常は、時短遊技状態に移行制御された直後から、第1特別図柄抽選がすぐに実行されて落選時の変動が開始されるといった、時短遊技状態を早期終了させようとする大きな動きが現れているなかで遊技が進行されることとなる。
また、上記ゲートユニット2300は、上記特設受入口2101bの下方にて設けられており、遊技球が通過可能なゲート部2301と、手前側位置と奥側位置との間で前後方向に摺動動作可能な可動片2305と、遊技パネル1200を前後方向に貫通する開口部として形成されている第2始動口2102とを有して構成されている。
そしてこのうち、ゲート部2301への遊技球の受け入れ(通過)があったときには、後述のゲート2302(図118参照)によって同受け入れがあったことが検出される。
そしてこの際、所定の普通始動条件が成立すれば、予め定められた数値範囲内で定期的(例えば4ms毎)に更新(生成)される普通図柄用の乱数に基づいて、上記可動片2305の動作契機となる普通当たりについての判定処理(普通判定)が行われ、普通図柄表示器1189に動的表示される普通図柄が所定の時間だけ変動表示される。そして、普通当たりが当選されているときには、この変動表示が終了した後、ソレノイドなどを有して構成される後述の普通役物駆動機構3114(図118参照)の駆動制御が行われ、これによって可動片2305の手前側位置への動作を通じて第2始動口2102への遊技球の受け入れが許容されるようになる。
すなわち、上記第2始動口2102は、普通当たりの当選に応じて上記可動片2305による開放動作(可動片2305の奥側位置から手前側位置への動作)があったときにのみ遊技球の(入球)入賞が可能とされるように設けられている。この意味では、上記可動片2305は、第2始動口2102への遊技球の入球を不可能とする態様(拒球態様)と、同入球を可能とする態様(許球態様)との間で切り替わるように動作可能なものであって、普通役物駆動機構3114の駆動制御が行われない限りは拒球態様(奥側位置)にて維持されるものであるといえる。したがって、上記第2始動口2102では、基本的には、通常遊技状態にあるときには遊技球の受け入れがほとんど行われることがない。これに対し、時短遊技状態においては、遊技領域1100のうち、センター役物2500の右側領域に遊技球が打ち込まれることで(右打ち)、遊技球の受け入れ易さの向上が図られている第2始動口2102への遊技球の受け入れに応じた遊技(第2特別図柄抽選)を中心とした遊技性が実現されることとなる。
こうして開放された第2始動口2102に遊技球が入球されたときには、後述の第二始動口センサ3132(図118参照)によって同遊技球の入球(入賞)が検出される。そしてこの際、所定の特別始動条件が成立すれば、予め定められた数値範囲内で定期的(例えば4ms毎)に更新(生成)される第2特別図柄用の乱数に基づいて、後述のアタッカ装置(第一アタッカ装置2100や第二アタッカ装置2150)の動作契機となる当たりについての第2特別図柄抽選(第2特別判定)が行われ、第二特別図柄表示器1186に動的表示される第2特別図柄が所定の時間だけ変動表示される。そして、当たりが得られているときには、この変動表示が終了した後に、ソレノイドなどを有して構成される後述のアタッカ駆動機構2121(図118参照)の駆動制御が行われ、これによってアタッカ装置(第一アタッカ装置2100や第二アタッカ装置2150)が開閉動作されるようになる。こうしてアタッカ装置(第一アタッカ装置2100及び第二アタッカ装置2150)が開閉動作された後には、当該第2始動口2102への遊技球の受け入れ易さの向上が図られる時短遊技状態に移行制御されうることとなる。
ところで、この実施の形態にかかるパチンコ機1にあって、時短遊技状態においては、第1始動口2101への遊技球の受け入れに応じた遊技(第1特別図柄抽選)によって時短遊技状態を早期終了させようとする大きな動きが現れることは上述した。この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、後述するが、第2始動口2102への遊技球の受け入れに応じた遊技(第2特別図柄抽選)によって、こうした時短遊技状態を早期終了させようとする大きな動きに抗した制御を進行させていくことで、時短遊技状態にて維持される時間を引き延ばすことができるようにしている。
より具体的には、時短遊技状態においては、第1始動口2101への遊技球の受け入れに応じた遊技(第1特別図柄抽選)によって上述の早期終了制御が行われるなかで、遊技球の受け入れ易さの向上が図られている第2始動口2102への遊技球の受け入れに応じた遊技(第2特別図柄抽選)も同時進行されるようにしている。そしてこの上で、第2特別図柄抽選が行われる都度、後述のアタッカ装置(第一アタッカ装置2100や第二アタッカ装置2150)の動作契機となる当たりに当選するようにしている。すなわち、第2特別図柄抽選にて当たりに当選したときには、第1特別図柄抽選側との間で当たりの重複発生を回避すべく第1特別図柄側の遊技の進行を一時停止させる制御が行われることから、こうした制御を通じて、第1特別図柄側の遊技によって時短遊技状態が終了されるタイミングを遅延させることができるようになる(引延制御)。
しかも、第2特別図柄側の遊技においては、アタッカ装置(第一アタッカ装置2100及び第二アタッカ装置2150)の開閉動作が行われる遊技を適正に消化しさえすれば、大当たり遊技が行われた後に、第2始動口2102への遊技球の受け入れ易さの向上が図られる時短遊技状態に再び移行制御されるようにしている。したがって、時短遊技状態に移行制御された以降は、上述の早期終了制御が行われるなかでこれに抗した第2特別図柄側の遊技によって時短遊技状態と大当たり遊技状態とが繰り返し発生可能とされる有利遊技状態として機能することとなる。
なお、こうした有利遊技状態にあって、時短遊技状態と大当たり遊技状態とが繰り返される回数の期待値(継続確率)については、通常遊技状態(若しくは、大当たり遊技状態)にあるときに取得されて保留状態とされている乱数に応じた第1特別図柄抽選の結果によって可変とされるようになっているが、これについては後述することとする。
ここで、この実施の形態にかかるアタッカ装置は、上記特設受入口2101bの上方にて設けられる第一アタッカ装置2100と、上記ゲートユニット2300の下方にて設けられる第二アタッカ装置2150とを有して構成されている。
第一アタッカ装置2100は、第一大入賞口2103、閉状態(図114参照)と開状態(図115参照)との間で動作可能な開閉部材2106、及びこの開閉部材2106を開閉駆動させる駆動手段等によって構成されており、通常は、第一大入賞口2103に遊技球が受け入れられないように開閉部材2106によって閉鎖されている(図114参照)。
すなわち、この第一アタッカ装置2100には、後述の特定領域振分駆動モータ2559(図118)によって第一大入賞口2103から内部領域に進入した遊技球を特定領域(図示略)及び一般領域(図示略)のいずれかに振り分けるように動作可能な振分装置(図示略)が設けられている。そして、上記第1特別図柄抽選及び上記第2特別図柄抽選のいずれかの結果として小当たりが得られたことに応じた小当たり遊技において開閉部材2106が開閉動作されることで、第一大入賞口2103から内部領域に遊技球が進入可能とされるようになっている。そしてこの結果、この進入した遊技球が上記特定領域に振り分けられたとき、特定センサ2580によって遊技球が検出されて遊技者に有利な特典としての大当たり遊技状態が発生することとなる。一方、上記一般領域に遊技球が振り分けられたときは、遊技者に有利な特典としての大当たり遊技状態は発生しない。
したがって、上述の「アタッカ装置(第一アタッカ装置2100や第二アタッカ装置2150)の動作契機となる当たり」には、より正確には、第一アタッカ装置2100の動作契機となる小当たり(条件装置の作動しない当たり)と、第二アタッカ装置2150の動作契機となる大当たり(条件装置の作動する当たり)との両方が含まれる。
ここで、この実施の形態にかかる振分装置は、開閉部材2106の動作によって第一大入賞口2103が開放されたときから特定時間が経過したときに、特定領域及び一般領域のうちの特定領域に遊技球が誘導される誘導期間を生み出すように動作する定時動作手段として設けられている。このような定時動作手段によれば、常に、開閉部材2106が動作したときから一定時間の経過後に上記誘導期間が生み出されるようになることから、上記誘導に供される動作がその都度変化する装置よりも上記特定領域及び一般領域の振り分けにかかる公平性(少なくとも見た目上の公平性)が好適に維持されるようになる。
ただし後述するが、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、第1始動口2101への遊技球の受け入れに基づいて行われた特別抽選の結果として第一大入賞口2103を開放させるときと(第1特別図柄側の小当たり遊技)、第2始動口2102への遊技球の受け入れに基づいて行われた特別抽選の結果として第一大入賞口2103を開放させるときとでは(第2特別図柄側の小当たり遊技)、それらの開放にかかる制御態様を異ならせることによって特定領域に遊技球が受け入れられる確率の調整を図ることとしている。
より具体的には、第1特別図柄側の小当たり遊技での特定領域への受け入れ確率を低くして犠牲にする代わりに、第2特別図柄側の小当たり遊技においては特定領域に遊技球が必ず振り分けられるように遊技可能としており、これによって第2特別図柄側の遊技で上述の早期終了制御に抗する制御を実行可能ならしめる斬新な遊技性を実現している。
これに対し、第二アタッカ装置2150は、第二大入賞口2153、閉状態(図115参照)と開状態(図114参照)との間で動作可能な開閉部材2156、及びこの開閉部材2156を開閉駆動させる駆動手段等によって構成されており、通常は、第二大入賞口2153に遊技球が受け入れられないように開閉部材2156によって閉鎖されている(図115参照)。
すなわち、この第二アタッカ装置2150は、上記第1特別判定及び上記第2特別判定のいずれかの判定結果として大当たりが得られたか、若しくは上記小当たり遊技において第一アタッカ装置2100内の特定領域に遊技球が振り分けられたときに、開閉部材2156の開閉動作によって第二大入賞口2153を開放させることで、遊技者に有利な特典としての大当たり遊技状態を発生させるものとなっている。したがって、上記第1始動口2101(第一始動口センサ3131)や上記第2始動口2102(第二始動口センサ3132)、第一大入賞口2103(第一カウントセンサ2122a)に遊技球が入賞したときには3個の遊技球が払い出されるのに対し、大当たり遊技状態の実行に供される第二大入賞口2153(第二カウントセンサ2122b)に遊技球が入賞したときには15個の遊技球が払い出されるようになっている。なお、一般入賞口2201(一般入賞口センサ3133)に遊技球が入賞したときには10個の遊技球が払い出される。
ところで、時短遊技状態では、普通図柄の変動時間が「0.08秒」となっており、普通図柄の変動停止後に可動片2305が開状態(第2始動口2102に遊技球が受け入れ可能とされる手前側位置)にて維持される時間が「5.5秒」となっている。すなわち、ゲート部2301を遊技球が通過するときには普通当りが必ず当選されるようにした上で、この通過した遊技球が、可動片2305の可動領域に到達するまでの時間よりも短い時間(0.08秒)で普通図柄の変動を停止させるようにすることで、普通当りが当選される契機となった遊技球が第2始動口2102にそのまま受け入れられるようにしている。このような構成によれば、第2特別図柄抽選が保留の状態とされていない状態で時短遊技状態に移行された場合であっても、その移行直後(遅くても1秒以内)から第2始動口2102への遊技球の受け入れに応じた第2特別図柄抽選を開始させることが可能とされるようになる。
なお、可動片2305は、開状態(第2始動口2102に遊技球が受け入れ可能とされる手前側位置)にて「5.5秒」維持された後は、閉状態(第2始動口2102に遊技球が受け入れ不能とされる奥側位置)となるように動作する。
一方、非時短遊技状態(通常遊技状態)においては、普通図柄の当選確率を0%に設定するとともに普通図柄の変動表示制御に要する時間を所定の変動時間(例えば1秒)に設定することで第2始動口2102への遊技球の受入れが不能とされる。なお、非時短遊技状態では、普通図柄の当選確率を0%以上となるようにしてもよく、この場合には時短遊技状態よりも低い当選確率(例えば50%)とし、普通図柄の抽選結果が当りとなったときに上記第2始動口2102の可動片2305を時短遊技状態よりも短い時間、例えば、0.1秒間だけ手前側状態にて維持してから再び奥側位置まで移動させて第2始動口2102への遊技球の受入れを実質的に不能となるようにしてもよい。要は、通常遊技状態において、遊技領域1100におけるセンター役物2500の左側領域に遊技球を打つ場合に得られる賞(入賞によって得られる賞のほか、入賞に応じた抽選結果により獲得可能とされる賞も含める)の期待値よりも、遊技領域1100におけるセンター役物2500の右側領域に遊技球を打つ場合に得られる賞(入賞によって得られる賞のほか、入賞に応じた抽選結果により獲得可能とされる賞も含める)の期待値のほうが低くなるような値を各種の設定値として採用するものであればよい。
つまり、非時短遊技状態では、右打ちしたとしても第2始動口2102への遊技球の入賞は不可能、若しくは極めて低い確率での入賞となる。そして、非時短遊技状態においてセンター役物2500の右側へ打ち込まれた遊技球は、ゲート部2301を通過したのちに、上記第2始動口2102に受け入れられることなくアウト口1151へと導かれることとなる。したがって、非時短遊技状態では、上記第2始動口2102ではなく、上記第1始動口2101(常時受入口2101a)に多くの遊技球が入賞するように、センター役物2500の左側を狙って遊技球を発射(いわゆる「左打ち」)するほうが、上述の特設受入口2101bへの入球確率を含めても、遊技者にとって有利とされている。
一方、時短遊技状態では、普通図柄の当選確率は100%であり、更に第2始動口2102の可動片2305を長期間(この例では5.5秒間)にわたって手前側位置にて維持させるため、この場合には右打ちすることで第2始動口2102への遊技球の入賞が容易となる。したがって、時短遊技状態では、上記第1始動口2101(常時受入口2101a)ではなく、上記第2始動口2102に多くの遊技球が入賞するように、センター役物2500の右側を狙って遊技球を発射(いわゆる「右打ち」)するほうが遊技者にとって有利とされている。
なお、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、いわゆる開放延長機能が作動する遊技状態(時短遊技状態)における普通図柄の当選確率を「255/255」としているが、普通抽選にて普通ハズレよりも普通当りが得られやすい確率にて設定するなど、必ずしも普通当りが100%で当選されるようにしなくてもよい。
また、時短制御としては、上記普通図柄の当選確率を非時短遊技状態よりも高める制御、上記普通図柄の変動表示制御に要する時間を非時短遊技状態よりも短縮する制御、上記第2始動口2102の可動片2305を手前側位置にて維持させる期間を非時短遊技状態よりも延長する制御、上記第2始動口2102の可動片2305を手前側位置に動作させる回数を非時短遊技状態よりも増加する制御、第一特別図柄表示器1185や第二特別図柄表示器1186における特別図柄の変動表示制御に要する時間(液晶表示装置1900における装飾図柄の変動表示制御に要する時間)を非時短遊技状態よりも短縮する制御、のうち何れか一つ又は任意の組み合わせ(全部でもよい)を実行するようにしてもよい。
ただし後述するが、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、時短遊技状態に移行制御された場合、上述の早期終了制御に抗するように、上記第2始動口2102への遊技球の受け入れに応じた特別抽選が行われる都度、遊技者に対して賞の獲得機会を付与しつつ当該時短遊技状態が終了されるタイミングを遅延させる引延制御を実行可能としている(都度抗制御手段)。このような引延制御による作用効果を好適に得る上では、上記普通図柄の当選確率を非時短遊技状態よりも高める制御、上記普通図柄の変動表示制御に要する時間を非時短遊技状態よりも短縮する制御、及び上記第2始動口2102の可動片2305を手前側位置にて維持させる期間を非時短遊技状態よりも延長する制御についてはこれらを行うようにすることがより望ましい。
また、遊技盤4における裏ユニット3000は、遊技パネル1200(パネルホルダ1220)の後側に取付けられ前側が開放されると共に後壁3010aに液晶表示装置1900の表示画面が臨む前後方向に貫通する開口3010bが形成された裏箱3010と、裏箱3010内の前端付近に配置される裏前装飾ユニット3100と、裏箱3010内で開口3010bの上側に配置される裏上演出ユニット3200と、裏箱3010内で開口3010bの下側に配置される裏下演出ユニット3400と、裏箱3010内の正面視右下隅で裏下演出ユニット3400と裏前装飾ユニット3100との間に配置される裏右下演出ユニット3600と、を主に備えている。裏ユニット3000における裏前装飾ユニット3100には、透明なパネル板1210を通して遊技者側から視認できる位置に機能表示ユニット1180が備えられている。
更に、遊技盤4における液晶表示装置1900の後側には、詳細は後述するが、周辺制御部4140及び液晶制御部4150を有した周辺制御基板4010(図118を参照)を収容する周辺制御基板ボックス1910が備えられている。
本実施形態の遊技盤4は、センター役物2500の左側の外周と遊技領域1100の外周(前構成部材1110Aの内周)との間では遊技球が充分に転動可能な広い領域とされており、遊技領域1100におけるセンター役物2500の左側の領域内でパネル板1210の前面に、複数の障害釘(図示は省略)が所定のゲージ配列で植設されている。
本例の遊技盤4では、センター役物2500の右側へ遊技球を打込む(所定強さ以上の強さで打込む)と、この遊技球は、前構成部材1110Aの衝止部1114の上流側からセンター役物2500の右側通路2545を流下する。ここで、右側通路2545は遊技球が1球ずつ流下できる幅となっており、この右側通路2545を流下した遊技球は、衝止部1114にて減速された後、まず、第一アタッカ装置2100の開閉部材2106の可動領域に誘導される。この可動領域において、開閉部材2106により第一大入賞口2103に受け入れられるように誘導されなかった遊技球は、第1誘導部2901で再び減速された後、次いで、特設可動片2111の可動領域に誘導される。
特設可動片2111の可動領域において、特設可動片2111により特設受入口2101bに受け入れられるように誘導されなかった遊技球は、第2誘導部2902で再び減速された後、次いで、右側通路2545の経路上に配置されたゲートユニット2300に誘導される。ゲートユニット2300の上方には、右側通路2545を流下した遊技球をゲートユニット2300へと誘導する4本の誘導釘2350が正方形状に並んで植設されている。右側通路2545を流下する遊技球は、上記第一大入賞口2103と上記特設受入口2101bとのいずれにも入球しない限り、この4本の誘導釘2350に必ず導かれ、さらにこの4本の誘導釘2350によって100%に近い確率で、ゲートユニット2300のゲート部2301へと誘導される。
これにより、時短遊技状態においては、ゲート部2301を通過した遊技球を含めて、右打ちされた遊技球の大部分は、第2始動口2102に受け入れられるようになる。ただし、こうした遊技が行われているなかで、所定の低頻度では、特設可動片2111の可動領域から特設受入口2101bへと遊技球が受け入れられることとなる。
そして、こうした遊技が行われた結果、上記第1特別判定及び上記第2特別判定のいずれかの判定結果として小当たりが得られると、開閉部材2106の可動領域から第一大入賞口2103へと遊技球が受け入れられることとなる。そしてこの結果、第一大入賞口2103内の特定領域に遊技球が振り分けられるか、若しくは上記第1特別判定及び上記第2特別判定のいずれかの判定結果として大当たりが得られたときに、開閉部材2156の開閉動作によって第二大入賞口2153が開放されることで、遊技者に有利な特典としての大当たり遊技状態を発生させるものとなっている。なお後述するが、大当たり遊技では、時短遊技状態ではなく通常遊技状態に制御されているなかで進行されることから、右打ちされた遊技球の大部分は、第2始動口2102に受け入れられずに第二アタッカ装置2150の開閉部材2156の可動領域に誘導される。そして、この可動領域において、開閉部材2156により第二大入賞口2153に多くの遊技球が受け入れられることで、多量の賞が遊技者に対して払い出されるようになる。
[液晶表示装置]
続いて、本例の遊技盤4における液晶表示装置1900について説明する。この液晶表示装置1900は、裏ユニット3000における裏箱3010の後面に脱着可能に取付けられるようになっており、遊技状態に応じて所定の演出画像を表示することができるようになっている。この液晶表示装置1900は、図117等に示すように、左右両側から外方へ突出した固定片1902を備えており、この固定片1902を介して裏箱3010の後側に取付けられるようになっている。
続いて、本例の遊技盤4における液晶表示装置1900について説明する。この液晶表示装置1900は、裏ユニット3000における裏箱3010の後面に脱着可能に取付けられるようになっており、遊技状態に応じて所定の演出画像を表示することができるようになっている。この液晶表示装置1900は、図117等に示すように、左右両側から外方へ突出した固定片1902を備えており、この固定片1902を介して裏箱3010の後側に取付けられるようになっている。
具体的には、液晶表示装置1900は、裏箱3010における後壁3010aの後側に形成された液晶挿入部3010d内へ後側から挿入されるようになっており、正面視右辺から突出した二つの固定片1902が、裏箱3010における背面視左側の二つの液晶固定部3010e内に挿入された上で、反対側の固定片1902がロック機構3050により形成される挿入口に挿入させた上で、ロック機構3050を下方へスライドして挿入口を閉鎖することで液晶表示装置1900を裏箱3010にロックして取付けられるようになっている。
また、液晶表示装置1900は、図116等に示すように、周辺制御部4140や液晶制御部4150(図118を参照)等を収容した周辺制御基板ボックス1910と、周辺制御基板ボックス1910の下部から後方へ延出したボリューム1912と、を備えている。このボリューム1912を適宜方向へ回転させることで、扉枠5に備えられた各スピーカ130,222,262や本体枠3に備えられた下部スピーカ821等から出力される音量を調節することができるようになっている。
なお、液晶表示装置1900は、バックライトとして光輝度白色LEDを用いたものとされている。
[各種基板]
続いて、パチンコ機1の各種制御を行う制御基板について、図118を参照して説明する。図118はパチンコ機の制御構成を概略的に示すブロック図である。パチンコ機1の制御構成は、図示するように、主基板4000のグループ及び周辺制御基板4010のグループから構成されており、これら2つのグループにより各種制御が分担されている。主基板4000のグループは、遊技動作(遊技の進行)を制御する主制御基板4100と、遊技球の払出し等を制御する払出制御基板4110と、を備えて構成されている。また、周辺制御基板4010のグループは、主制御基板4100からのコマンドに基いて遊技中の各種演出を制御する周辺制御部4140と、周辺制御部4140からのコマンドに基いて液晶表示装置1900での演出画像の表示を制御する液晶制御部4150と、を備えている。
続いて、パチンコ機1の各種制御を行う制御基板について、図118を参照して説明する。図118はパチンコ機の制御構成を概略的に示すブロック図である。パチンコ機1の制御構成は、図示するように、主基板4000のグループ及び周辺制御基板4010のグループから構成されており、これら2つのグループにより各種制御が分担されている。主基板4000のグループは、遊技動作(遊技の進行)を制御する主制御基板4100と、遊技球の払出し等を制御する払出制御基板4110と、を備えて構成されている。また、周辺制御基板4010のグループは、主制御基板4100からのコマンドに基いて遊技中の各種演出を制御する周辺制御部4140と、周辺制御部4140からのコマンドに基いて液晶表示装置1900での演出画像の表示を制御する液晶制御部4150と、を備えている。
[主制御基板]
遊技の進行を制御する主制御基板4100は、図118に示すように、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである主制御MPU4100aと、入出力デバイス(I/Oデバイス)としての主制御I/Oポート4100bと、各種検出スイッチからの検出信号が入力される主制御入力回路4100fと、各種ソレノイドを駆動するための主制御ソレノイド駆動回路4100gと、主制御MPU4100aに内蔵されているRAM4100e(以下、「主制御内蔵RAM4100e」とも記載する。)に記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリアスイッチ4100cと、を備えている。主制御MPU4100aは、その内蔵されたROM4100d(以下、「主制御内蔵ROM4100d」とも記載する。)や主制御内蔵RAM4100eのほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
遊技の進行を制御する主制御基板4100は、図118に示すように、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである主制御MPU4100aと、入出力デバイス(I/Oデバイス)としての主制御I/Oポート4100bと、各種検出スイッチからの検出信号が入力される主制御入力回路4100fと、各種ソレノイドを駆動するための主制御ソレノイド駆動回路4100gと、主制御MPU4100aに内蔵されているRAM4100e(以下、「主制御内蔵RAM4100e」とも記載する。)に記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリアスイッチ4100cと、を備えている。主制御MPU4100aは、その内蔵されたROM4100d(以下、「主制御内蔵ROM4100d」とも記載する。)や主制御内蔵RAM4100eのほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマや不正を防止するための機能等も内蔵されている。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、第1始動口2101へ受入れられた遊技球を検出する第1始動口センサ3131、第2始動口2102へ受入れられた遊技球を検出する第2始動口センサ3132、及び一般入賞口2201へ受入れられた遊技球を検出する一般入賞口センサ3133からの検出信号が夫々主制御I/Oポート4100bを介して入力されたり、ゲートセンサ2302、カウントセンサ2122(カウントセンサ2122a,カウントセンサ2122b)、特定センサ2580、及び裏ユニット3000に取付けられた磁気検出センサ3134からの検出信号が、遊技盤4に取付けられたパネル中継基板3040、及び主制御I/Oポート4100bを介して入力されたりするようになっている。
主制御MPU4100aは、これらの検出信号に基づいて、主制御I/Oポート4100bから主制御ソレノイド駆動回路4100gに制御信号を出力することにより、パネル中継基板3040を介して普通役物駆動機構2114、アタッカ駆動機構2121、入賞口振分駆動モータ2558、及び特定領域振分駆動モータ2559に駆動信号を出力したり、主制御I/Oポート4100b、パネル中継基板3040、及び機能表示基板1191を介して第一特別図柄表示器1185、第二特別図柄表示器1186、第一特別図柄記憶表示器1184、第二特別図柄記憶表示器1187、普通図柄表示器1189、普通図柄記憶表示器1188、遊技状態表示器1183、ラウンド表示器1190に駆動信号を出力したりする。
また、主制御MPU4100aは、遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払出しに関する各種コマンド等を払出制御基板4110に送信したり、この払出制御基板4110からのパチンコ機1の状態に関する各種コマンド等を受信したりする。更に、主制御MPU4100aは、遊技演出の制御に関する各種コマンド及びパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを、主制御I/Oポート4100bを介して後述する周辺制御基板4010の周辺制御部4140に送信したりする(主制御基板4100と周辺制御部4140との基板間は図示しないハーネスより電気的に接続されている)。なお、主制御MPU4100aは、その詳細な説明は後述するが、払出制御基板4110からパチンコ機1の状態に関する各種コマンドを受信すると、これらの各種コマンドを整形して周辺制御部4140に送信する。
主制御基板4100には、詳細な説明は後述するが、電源基板851から各種電圧が供給されている。この主制御基板4100に各種電圧を供給する電源基板851は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板4100に電力を供給するためのバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と記載する。)を備えている。このキャパシタにより主制御MPU4100aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を主制御内蔵RAM4100eに記憶することができるようになっている。この記憶した各種情報は、電源投入時に主制御基板4100のRAMクリアスイッチ4100cが操作されると、主制御内蔵RAM4100eから完全に消去(クリア)されるようになっている。このRAMクリアスイッチ4100cの操作信号(検出信号)は、払出制御基板4110にも出力されるようになっている。
また、主制御基板4100には、停電監視回路が設けられている。この停電監視回路は、電源基板851から供給される各種電圧の低下を監視しており、それらの電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号を出力するようになっている。この停電予告信号は、主制御I/Oポート4100bを介して主制御MPU4100aに入力される他に図示しないハーネスを介して払出制御基板4110等にも伝達されている。
[払出制御基板]
遊技球の払出し等を制御する払出制御基板4110は、図118に示すように、払出しに関する各種制御を行う払出制御部4111と、発射ソレノイド654による発射制御を行うとともに、球送ソレノイド585による球送制御を行う発射制御部4120と、パチンコ機1の状態を表示するエラーLED表示器4130と、エラーLED表示器4130に表示されているエラーを解除するためのエラー解除スイッチ860aと、賞球タンク720、タンクレール731、及び賞球装置740内の遊技球をパチンコ機1の外部へ排出して球抜き動作を開始するための球抜きスイッチ860bと、を備えている。
遊技球の払出し等を制御する払出制御基板4110は、図118に示すように、払出しに関する各種制御を行う払出制御部4111と、発射ソレノイド654による発射制御を行うとともに、球送ソレノイド585による球送制御を行う発射制御部4120と、パチンコ機1の状態を表示するエラーLED表示器4130と、エラーLED表示器4130に表示されているエラーを解除するためのエラー解除スイッチ860aと、賞球タンク720、タンクレール731、及び賞球装置740内の遊技球をパチンコ機1の外部へ排出して球抜き動作を開始するための球抜きスイッチ860bと、を備えている。
[払出制御部]
払出制御基板4110における払出しに関する各種制御を行う払出制御部4111は、図118に示すように、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである払出制御MPU4111aと、I/Oデバイスとしての払出制御I/Oポート4111bと、払出制御MPU4111aが正常に動作しているか否かを監視するための外部ウォッチドックタイマ4111c(以下、「外部WDT4111c」と記載する。)と、賞球装置740の払出モータ744に駆動信号を出力するための払出モータ駆動回路4111dと、払い出しに関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される払出制御入力回路4111eと、を備えている。払出制御MPU4111aには、その内蔵されたROM(以下、「払出制御内蔵ROM」と記載する。)やRAM(以下、「払出制御内蔵RAM」と記載する。)のほかに、不正を防止するため機能等も内蔵されている。
払出制御基板4110における払出しに関する各種制御を行う払出制御部4111は、図118に示すように、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである払出制御MPU4111aと、I/Oデバイスとしての払出制御I/Oポート4111bと、払出制御MPU4111aが正常に動作しているか否かを監視するための外部ウォッチドックタイマ4111c(以下、「外部WDT4111c」と記載する。)と、賞球装置740の払出モータ744に駆動信号を出力するための払出モータ駆動回路4111dと、払い出しに関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される払出制御入力回路4111eと、を備えている。払出制御MPU4111aには、その内蔵されたROM(以下、「払出制御内蔵ROM」と記載する。)やRAM(以下、「払出制御内蔵RAM」と記載する。)のほかに、不正を防止するため機能等も内蔵されている。
払出制御部4111の払出制御MPU4111aは、主制御基板4100からの遊技に関する各種情報(遊技情報)及び払い出しに関する各種コマンドを払出制御I/Oポート4111bを介してシリアル方式で受信したり、主制御基板4100からのRAMクリアスイッチ4100cの操作信号(検出信号)が払出制御I/Oポート4111bを介して入力されたりする他に、満タン検知センサ550からの検出信号が入力されたり、球切れスイッチ750、計数センサ751及び回転角センサ752からの検出信号が賞球中継基板754を介して入力されたりする。
賞球装置740のユニットベース741に形成された供給通路741a内に遊技球の有無を検出する球切れスイッチ750、及びユニットベース741に形成された賞球通路741c内を流下する遊技球を検出する計数センサ751からの検出信号は、まず賞球装置740の賞球中継基板754を介して払出制御入力回路4111eに入力され、払出制御I/Oポート4111bを介して払出制御MPU4111aに入力されている。賞球装置740の回転検出盤749に形成された検出スリット749aを検出するための回転角センサ752からの検出信号は、まず賞球装置740のセンサ基板753、そして賞球中継基板754を介して払出制御入力回路4111eに入力され、払出制御I/Oポート4111bを介して払出制御MPU4111aに入力されている。
また、本体枠3に対する扉枠5の開放を検出する扉枠開放スイッチ618、及び外枠2に対する本体枠3の開放を検出するた本体枠開放スイッチ619からの検出信号は、まず払出制御入力回路4111eに入力され、払出制御I/Oポート4111bを介して払出制御MPU4111aに入力されている。
また、ファールカバーユニット540の収容空間546が貯留された遊技球で満タンであるか否かを検出する満タン検知センサ550からの検出信号は、まずハンドル装置中継基板192、そして主側中継端子板880を介して払出制御入力回路4111eに入力され、払出制御I/Oポート4111bを介して払出制御MPU4111aに入力されている。
払出制御MPU4111aは、払出モータ744を駆動するための駆動信号を、払出制御I/O4111b、そして賞球中継基板754を介して払出モータ744に出力したり、パチンコ機1の状態をエラーLED表示器4130に表示するための信号を、払出制御I/Oポート4111bを介してエラーLED表示器4130に出力したり、パチンコ遊1の状態を示すためのコマンドを、払出制御I/Oポート4111bを介して主制御基板4100にシリアル方式で送信したり、実際に払い出した遊技球の球数を払出制御I/Oポート4111bを介して外部端子板784に出力したりする。この外部端子板784は、遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータと電気的に接続されている。このホールコンピュータは、パチンコ機1が払い出した遊技球の球数やパチンコ機1の遊技情報等を把握することにより遊技者の遊技を監視している。
エラーLED表示器4130は、セグメント表示器であり、英数字や図形等を表示してパチンコ機1の状態を表示している。エラーLED表示器4130が表示して報知する内容としては、次のようなものがある。例えば、図形「−」が表示されているときには「正常」である旨を報知し、数字「0」が表示されているときには「接続異常」である旨
(具体的には、主制御基板4100と払出制御基板4110との基板間の電気的な接続に異常が生じている旨)を報知し、数字「1」が表示されているときには「球切れ」である旨(具体的には、球切れスイッチ750からの検出信号に基づいて賞球装置740のユニットベース741に形成された供給通路741a内に遊技球がない旨)を報知し、数字「2」が表示されているときには「球がみ」である旨(具体的には、回転角センサ752からの検出信号に基づいて賞球装置740のユニットベース741に形成された供給通路741aと連通する振分空間741bの入口において払出回転体748と遊技球とがその入口近傍でかみ合って払出回転体748が回転困難となっている旨)を報知し、数字「3」が表示されているときには「計数スイッチエラー」である旨(具体的には、計数センサ751からの検出信号に基づいて計数センサ751に不具合が生じている旨)を報知し、数字「5」が表示されているときには「リトライエラー」である旨(具体的には、払い出し動作のリトライ回数が予め設定された上限値に達した旨)を報知し、数字「6」が表示されているときには「満タン」である旨(具体的には、満タン検知センサ550からの検出信号に基づいてファールカバーユニット540の収容空間546が貯留された遊技球で満タンである旨)を報知し、数字「7」が表示されているときには「CR未接続」である旨
(払出制御基板4110からCRユニット6までに亘るいずれかにおいて電気的な接続が切断されている旨)を報知し、数字「9」が表示されているときには「ストック中」である旨(具体的には、まだ払い出していない遊技球の球数が予め定めた球数に達している旨)を報知している。
(具体的には、主制御基板4100と払出制御基板4110との基板間の電気的な接続に異常が生じている旨)を報知し、数字「1」が表示されているときには「球切れ」である旨(具体的には、球切れスイッチ750からの検出信号に基づいて賞球装置740のユニットベース741に形成された供給通路741a内に遊技球がない旨)を報知し、数字「2」が表示されているときには「球がみ」である旨(具体的には、回転角センサ752からの検出信号に基づいて賞球装置740のユニットベース741に形成された供給通路741aと連通する振分空間741bの入口において払出回転体748と遊技球とがその入口近傍でかみ合って払出回転体748が回転困難となっている旨)を報知し、数字「3」が表示されているときには「計数スイッチエラー」である旨(具体的には、計数センサ751からの検出信号に基づいて計数センサ751に不具合が生じている旨)を報知し、数字「5」が表示されているときには「リトライエラー」である旨(具体的には、払い出し動作のリトライ回数が予め設定された上限値に達した旨)を報知し、数字「6」が表示されているときには「満タン」である旨(具体的には、満タン検知センサ550からの検出信号に基づいてファールカバーユニット540の収容空間546が貯留された遊技球で満タンである旨)を報知し、数字「7」が表示されているときには「CR未接続」である旨
(払出制御基板4110からCRユニット6までに亘るいずれかにおいて電気的な接続が切断されている旨)を報知し、数字「9」が表示されているときには「ストック中」である旨(具体的には、まだ払い出していない遊技球の球数が予め定めた球数に達している旨)を報知している。
球貸スイッチ365aからの遊技球の球貸要求信号、及び返却スイッチ365bからのプリペイドカードの返却要求信号は、まず貸球ユニット基板366、主側中継端子板880、そしてCRユニット接続端子板874を介してCRユニット6に入力されるようになっている。CRユニット6は、球貸要求信号に従って貸し出す遊技球の球数を指定した信号を、CRユニット接続端子板874を介して払出制御基板4110にシリアル方式で送信し、この信号が払出制御I/Oポート4111bで受信されて払出制御MPU4111aに入力されるようになっている。またCRユニット6は、貸し出した遊技球の球数に応じて挿入されたプリペイドカードの残度を更新するとともに、その残度を残度数表示器365cに表示するための信号を、CRユニット接続端子板874、主側中継端子板880、そして貸球ユニット基板366に出力し、この信号が残度数表示器365cに入力されるようになっている。
[発射制御部]
発射ソレノイド654による発射制御と、球送ソレノイド585による球送制御と、を行う発射制御部4120は、図118に示すように、発射に関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される発射制御入力回路4120aと、定時間毎にクロック信号を出力する発振回路4120bと、このクロック信号に基づいて遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出すための発射基準パルスを出力する発射タイミング制御回路4120cと、この発射基準パルスに基づいて発射ソレノイド654に駆動信号を出力する発射ソレノイド駆動回路4120dと、発射基準パルスに基づいて球送ソレノイド585に駆動信号を出力する球送ソレノイド駆動回路4120eと、を備えている。発射タイミング制御回路4120cは、発振回路4120bからのクロック信号に基づいて、1分当たり100個の遊技球が遊技領域1100に向かって打ち出されるよう発射基準パルスを生成して発射ソレノイド駆動回路4120dに出力するとともに、発射基準パルスを所定数倍した球送基準パルスを生成して球送ソレノイド駆動回路4120eに出力する。
発射ソレノイド654による発射制御と、球送ソレノイド585による球送制御と、を行う発射制御部4120は、図118に示すように、発射に関する各種検出スイッチからの検出信号が入力される発射制御入力回路4120aと、定時間毎にクロック信号を出力する発振回路4120bと、このクロック信号に基づいて遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出すための発射基準パルスを出力する発射タイミング制御回路4120cと、この発射基準パルスに基づいて発射ソレノイド654に駆動信号を出力する発射ソレノイド駆動回路4120dと、発射基準パルスに基づいて球送ソレノイド585に駆動信号を出力する球送ソレノイド駆動回路4120eと、を備えている。発射タイミング制御回路4120cは、発振回路4120bからのクロック信号に基づいて、1分当たり100個の遊技球が遊技領域1100に向かって打ち出されるよう発射基準パルスを生成して発射ソレノイド駆動回路4120dに出力するとともに、発射基準パルスを所定数倍した球送基準パルスを生成して球送ソレノイド駆動回路4120eに出力する。
ハンドル本体504に手のひらや指が触れているか否かを検出するタッチセンサ516、及び遊技者の意志によって遊技球の打ち出しを強制的に停止するか否かを検出する発射停止スイッチ518からの検出信号は、まずハンドル装置中継基板192、そして主側中継端子板880を介して発射制御入力回路4120aに入力され、発射タイミング制御回路4120cに入力されている。またCRユニット6とCRユニット接続端子板874とが電気的に接続されると、CR接続信号として発射制御入力回路4120aに入力され、発射タイミング制御回路4120cに入力されるようになっている。ハンドル本体504の回転位置に応じて遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出す強度を電気的に調節する回転位置検知センサ512からの信号は、まずハンドル装置中継基板192、そして主側中継端子板880を介して発射ソレノイド駆動回路4120dに入力されている。
この発射ソレノイド駆動回路4120dは、回転位置検知センサ512からの信号に基づいて、ハンドル本体504の回転位置に見合う打ち出し強度で遊技球を遊技領域1100に向かって打ち出すための駆動電流を、発射基準パルスが入力されたことを契機として、発射ソレノイド654に出力するようになっている。これに対して、球送ソレノイド駆動回路4120eは、球送基準パルスが入力されたことを契機として、主側中継端子板880、そしてハンドル装置中継基板192を介して球送ソレノイド585に一定電流を出力することにより球送りユニット580の球送り部材584が皿ユニット300の上皿301に貯留された遊技球を1球受入れ、その球送基準パルスの入力が終了したことを契機として、その一定電流の出力を停止することにより球送り部材584が受入れた遊技球を打球発射装置650側へ送るようになている。このように、発射ソレノイド駆動回路4120dから発射ソレノイド654に出力される駆動電流は可変に制御されるのに対して、球送ソレノイド駆動回路4120eから球送ソレノイド585に出力される駆動電流は一定に制御されている。
なお、払出制御基板4110に各種電圧を供給する電源基板851は、電源遮断時にでも所定時間、払出制御基板4110に電力を供給するためのバックアップ電源としてのキャパシタBC1(乙169参照)を備えている。このキャパシタBC1により払出制御MPU4111aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を払出制御内蔵RAMに記憶することができるようになっている。この記憶した各種情報は、電源投入時に主制御基板4100のRAMクリアスイッチ4100cが操作されると、払出制御内蔵RAMから完全に消去(クリア)されるようになっている。
[周辺制御基板]
周辺制御基板4010は、図118に示すように、主制御基板4100からのコマンドに基づいて演出制御を行う周辺制御部4140と、この周辺制御部4140からの制御データに基づいて液晶表示装置1900や第二液晶表示装置3252の描画制御を行う液晶制御部4150と、を備えている。
周辺制御基板4010は、図118に示すように、主制御基板4100からのコマンドに基づいて演出制御を行う周辺制御部4140と、この周辺制御部4140からの制御データに基づいて液晶表示装置1900や第二液晶表示装置3252の描画制御を行う液晶制御部4150と、を備えている。
[周辺制御部]
周辺制御基板4010における演出制御を行う周辺制御部4140は、図118に示すように、マイクロプロセッサとしての周辺制御MPU4140aと、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶する周辺制御ROM4140bと、高音質の演奏を行う音源IC4140cと、この音源IC4140cが参照する音楽及び効果音等の音情報が記憶されている音ROM4140dと、を備えている。
周辺制御基板4010における演出制御を行う周辺制御部4140は、図118に示すように、マイクロプロセッサとしての周辺制御MPU4140aと、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶する周辺制御ROM4140bと、高音質の演奏を行う音源IC4140cと、この音源IC4140cが参照する音楽及び効果音等の音情報が記憶されている音ROM4140dと、を備えている。
周辺制御MPU4140aは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を複数内蔵しており、主制御基板4100から各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、遊技盤4の各装飾基板に設けられたカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データをランプ駆動基板用シリアルI/Oポートからランプ駆動基板3041に送信したり、遊技盤4に設けられた各種演出ユニットを作動させる駆動モータへの駆動信号を出力するための遊技盤側駆動データを遊技盤装飾駆動基板用シリアルI/Oポートから裏箱3010の後面に取付けられたモータ駆動基板3045に送信したり、扉枠5に設けられたダイヤル駆動モータ414等の電気的駆動源への駆動信号を出力するための扉側駆動データと、扉枠5の各装飾基板に設けられたカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力すための扉側発光データと、から構成される扉側駆動発光データを枠装飾駆動基板用シリアルI/Oポートから周辺パネル中継端子板872、そして周辺側中継端子板882を介して扉枠ベース基板194に送信したり、液晶表示装置1900や第二液晶表示装置3252に表示させる画面を示す制御データ(表示コマンド)を液晶制御部用シリアルI/Oポートから液晶制御部4150に送信したりするほかに、音ROM4140dから音情報を抽出するための制御信号
(音コマンド)を音源IC4140cに出力したりする。
(音コマンド)を音源IC4140cに出力したりする。
遊技盤4に設けられた各種演出ユニットの原位置を検出するための各種原位置検出センサからの検出信号は、裏箱3010の後面に取付けられたモータ駆動基板3045を介して周辺制御MPU4140aに入力されている。扉枠5に設けられた操作ユニット400のダイヤル操作部401の回転を検出する回転検知センサ432a,432b、押圧操作部405の操作を検出する押圧検知センサ432cからの検出信号は、扉枠ベース基板194、周辺側中継端子板882、そして周辺パネル中継端子板872を介して周辺制御MPU4140aに入力されている。
また周辺制御MPU4140aは、液晶制御部4150が正常に動作している旨を伝える信号(動作信号)が液晶制御部4150から入力されており、この動作信号に基づいて液晶制御部4150の動作を監視している。
音源IC4140cは、周辺制御MPU4140aからの制御データ(音コマンド)に基づいて音ROM4140dから音情報を抽出し、周辺パネル中継端子板872、そして周辺側中継端子板882を介して本体枠3に設けられた下部スピーカ821から各種演出に合せた音楽及び効果音等が流れるよう制御を行うとともに、周辺パネル中継端子板872、周辺側中継端子板882、そして扉枠ベース基板194を介して扉枠5に設けられたスピーカ130,222,262や、本体枠3に備えられた下部スピーカ821から各種演出に合せた音楽及び効果音等が流れるよう制御を行っている。なお、周辺制御基板4010に実装され周辺制御基板ボックス1910から後方へ突出したボリューム1912を回転操作することで、音量を調整することができるようになっている。
なお、周辺制御部4140は、周辺制御MPU4140aに内蔵されたウォッチドックタイマ(以下、「周辺制御内蔵WDT」と記載する。)のほかに、図示しない、外部ウォッチドックタイマ(以下、「周辺制御外部WDT」と記載する。)も備えており、周辺制御MPU4140aは、周辺制御内蔵WDTと周辺制御外部WDTとを併用して自身のシステムが暴走しているか否かを診断している。
この周辺制御MPU4140aから液晶制御部4150に出力される表示コマンドはシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレート(単位時間あたりに送信できるデータの大きさ)として19.2キロ(k)ビーピーエス(bits per second、以下、「bps」と記載する)が設定されている。一方、周辺制御MPU4140aから裏箱3010の後面に取付けられたランプ駆動基板3041やモータ駆動基板3045に出力される、初期データ、扉枠側点灯点滅コマンド、遊技盤側点灯点滅コマンド、可動体駆動コマンド、表示コマンドと異なる複数のシリアル入出力ポートにより行われ、本実施形態では、ビットレートとして250kbpsが設定されている。
この裏箱3010の後面に取付けられたランプ駆動基板3041やモータ駆動基板3045は、受信した扉枠側点灯点滅コマンドに基いて点灯信号又は点滅信号を、周辺側中継端子板882を介して扉枠5に備えられた各装飾基板214,216,254,256,288,290,322,430,432等のLEDに出力したり、受信した遊技盤側点灯点滅コマンドに基いて点灯信号又は点滅信号を遊技盤4に備えられた各装飾基板2116,2125,2569,3113,3114,3115,3123,3124,3266,3320,3322,3426,3536,3546等のLEDに出力したりする。また、裏箱3010の後面に取付けられたパネル中継基板3040は、受信した可動体の駆動コマンドに基いて駆動信号を、周辺側中継端子板882を介して扉枠5に備えられたダイヤル駆動モータ414や、遊技盤4に備えられた各駆動モータ3228,3234,3304,3460,3476,3508等や、各ソレノイド等に出力したりする。
また、周辺制御MPU4140aは、液晶制御部4150が正常動作している旨を伝える信号(動作信号)が液晶制御部4150から入力されたり、扉枠5における皿ユニット300に備えられた操作ユニット400におけるダイヤル操作部401の回転操作を検知する回転検知センサ432a,432bや、操作ユニット400における押圧操作部405の操作を検知する押圧検知センサ432cからの検知信号が、周辺側中継端子板882及び裏箱3010の後面に取付けられたランプ駆動基板3041やモータ駆動基板3045を介して入力されたりする。
音源IC4140cは、周辺制御MPU4140aから出力された音コマンドに基いて音ROM4140dから音情報を抽出し、裏箱3010の後面に取付けられたランプ駆動基板3041やモータ駆動基板3045等及び周辺側中継端子板882を介して扉枠5のサイドスピーカ130や上部スピーカ222,262から、或いは、裏箱3010の後面に取付けられたランプ駆動基板3041やモータ駆動基板3045等を介して本体枠3の下部スピーカ821から、各種演出に合せた音楽及び効果音等が流れるよう制御を行う。本例では、上述したように、遊技窓101における下辺の左右両側に配置されたサイドスピーカと、遊技窓101の上側に配置された上部スピーカ222,262と、本体枠3の下部に備えられた低音用の下部スピーカ821に、音情報としての音響信号(例えば、2chステレオ信号、4chステレオ信号、後述する下部スピーカ391を加えた2.1chサラウンド信号或いは4.1chサラウンド信号、等)を送ることで、従来よりも臨場感のある音響効果(音響演出)を提示することができるようになっている。
[異常音発生防止対策]
扉枠5には、種々の音響設備、LED、センサなど電力を要する設備が装備されており、扉枠5の裏面には扉枠ベース基板194が取り付けられている(図25)。扉枠ベース基板194は、サイドスピーカ130、左右のサイド装飾ユニットの上部スピーカ222、262(図29、図32)及び本体枠3に設けられたスピーカボックス820内(図67)の下部スピーカ821(低音用スピーカ)(図89)と接続されると共に、遊技盤4に備えられた周辺制御基板4010と接続されており、周辺制御基板4010から送られた音声信号を増幅して各スピーカへ出力する増幅回路(デジタルアンプ回路)を備えている。
扉枠5には、種々の音響設備、LED、センサなど電力を要する設備が装備されており、扉枠5の裏面には扉枠ベース基板194が取り付けられている(図25)。扉枠ベース基板194は、サイドスピーカ130、左右のサイド装飾ユニットの上部スピーカ222、262(図29、図32)及び本体枠3に設けられたスピーカボックス820内(図67)の下部スピーカ821(低音用スピーカ)(図89)と接続されると共に、遊技盤4に備えられた周辺制御基板4010と接続されており、周辺制御基板4010から送られた音声信号を増幅して各スピーカへ出力する増幅回路(デジタルアンプ回路)を備えている。
また、扉枠ベース基板194には、種々の音響設備、LED、センサなどと払出制御基板4110や周辺制御基板4010等とを接続する配線が、集約して束ねられた上で後方へ延出して本体枠3の主側中継端子板880や周辺側中継端子板882に接続されるようになっている(図67、図89)。なお、扉枠ベース基板194は、後側を扉枠ベース基板カバー195によって被覆されている(図23)。
また、扉枠ベース基板カバー195が配設されている箇所(後側)には、賞球ユニット700から払出された遊技球や、打球発射装置650により発射されにも関わらず遊技領域1100内へ到達しなかった遊技球(ファール球)を、皿ユニットの上皿301や下皿302へ誘導するファールカバーユニット540(透明ポリカーボネイトの成形品)が近接して設けられている(図23)。
ファールカバーユニット540の球通路542bは、遊技球(金属)が通路壁面と接触しながら早いスピードで通過するので、この部分のポリカーボネイトに静電の電荷が蓄積され、10数kVにもなることがある(蓄積された静電電荷の放電で痛みを感じるような場合でもせいぜい3〜4kV)。また、金属とは異なり、樹脂に蓄積された電荷は、アースしてもそのごく周辺しか抜けず、大半が残っている。
そして、この電荷による静電誘導で、これに近接した扉枠ベース基板194のデジタルアンプ回路(図示せず)が誤動作してしまうことがある。この場合、ある一定期間継続する異常な音声信号がスピーカのボイスコイルに入力されたり、デジタルアンプ回路による音声信号が極端に増幅されて適正増幅幅を超える(過度な交流電圧となると)といったことが起こる。そうなると、例えば、スピーカからガビガビバリバリといったような割れた音が発生したり、スピーカで再生される音が大きな不快音になってしまい(異常音が発生してしまい)、遊技者が不快な音に感じられることになる。また、スピーカが破損する虞もあり、スピーカにとってよくない。なお、デジタルアンプ回路は入力側に直流電圧カット機能があるが、出力側にはないのが通常である。
なお、下部スピーカ821のウーファは聞こえにくいので出力を大きめに設定する傾向がある。
以下に説明する実施形態は、扉枠ベース基板194から下部スピーカ821に対して出力される音声信号が、上述の異常な音声信号であるか否かを検知し、異常な音声信号である場合、異常な音声信号が下部スピーカ821に入力されないように遮断する異常音声信号遮断基板(後述)に関わる発明に関するものである。
音声出力に関して、先に述べたように、周辺制御MPU4140aは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を複数内蔵しており、主制御基板4100から各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、音ROM4140dから音情報を抽出するための制御信号(音コマンド)を音源IC4140cに出力する(図118)。
音源IC4140cは、周辺制御MPU4140aからの制御データ(音コマンド)に基づいて音ROM4140dから音情報を抽出し、周辺側中継端子板882や扉枠ベース基板194等を介して本体枠3に設けた下部スピーカ821並びに扉枠5に設けたサイドスピーカ130や上部スピーカ222,262から各種演出に合わせた音楽及び効果音等が流れるよう制御を行っている(図118及び図119参照)。
[異常音声信号遮断基板]
次に、異常音声信号遮断基板について、図119及び図120を参照して説明する。図119は、扉枠ベース基板194、周辺側中継端子板882、異常音声信号遮断基板884及び下部スピーカ821のブロック図である。図120は、異常音声信号遮断基板884の回路を示す回路図である。
次に、異常音声信号遮断基板について、図119及び図120を参照して説明する。図119は、扉枠ベース基板194、周辺側中継端子板882、異常音声信号遮断基板884及び下部スピーカ821のブロック図である。図120は、異常音声信号遮断基板884の回路を示す回路図である。
図119に示すように、扉枠5に配設された扉枠ベース基板194と本体枠3に配設された周辺側中継端子板882とは配線196で接続され、扉枠ベース基板194から周辺側中継端子板882へは、+24V電圧、扉枠ベース基板194で増幅された下部スピーカ821用の音声信号であるウーファ+信号及びウーファ−信号が出力され、配線196を通じて周辺側中継端子板882に伝送されるようになっている。
また、図119に示すように、本体枠3において、周辺側中継端子板882とスピーカボックス820内に収納された下部スピーカ821との間に異常音声信号遮断基板884が設けられ、周辺側中継端子板882と異常音声信号遮断基板884とはスピーカ保護ハーネス883で接続され、異常音声信号遮断基板884と下部スピーカ821とは下部スピーカハーネス819で接続されている。
図120において、周辺側中継端子板882から異常音声信号遮断基板884へは、グランドGNDと、+24V電圧、扉枠ベース基板194から出力された下部スピーカ821用の音声信号であるウーファ+信号及びウーファ−信号が中継出力され、スピーカ保護ハーネス883を通じて異常音声信号遮断基板884に伝送されるようになっている。
また、異常音声信号遮断基板884から下部スピーカ821へは、下部スピーカ821用の音声信号であるウーファ+信号及びウーファ−信号が出力され、下部スピーカハーネス819を通じて下部スピーカ821に供給入力される構成とされている。このように、異常音声信号遮断基板884を通じて扉枠ベース基板194から出力される音声信号が下部スピーカ821に供給入力されるようになっている。
ところで、本体枠3における異常音声信号遮断基板884の配置箇所は、静電気ノイズの影響を受け難い箇所であることが望ましい。本実施形態では、ファールカバーユニット540から遠く距離を離した箇所、例えば、図67に示したスピーカボックス820の内部に異常音声信号遮断基板884が配置されている。このように、静電気ノイズの影響を受け難い箇所に異常音声信号遮断基板884を配置することにより、下部スピーカ821に対して異常な音声信号が入力されることを安定的に抑止することができる。
[異常音声信号遮断基板の回路]
異常音声信号遮断基板884は、スピーカ保護ハーネス883を通じて異常音声信号遮断基板884に供給された音声信号が、異常な音声信号であるか否かを検知し、異常な音声信号である場合、異常な音声信号が下部スピーカ821に入力されないように遮断するものである。
異常音声信号遮断基板884は、スピーカ保護ハーネス883を通じて異常音声信号遮断基板884に供給された音声信号が、異常な音声信号であるか否かを検知し、異常な音声信号である場合、異常な音声信号が下部スピーカ821に入力されないように遮断するものである。
図120に示すように、異常音声信号遮断基板884は、音声信号が異常な音声信号であることを検知して異常検知信号を出力する異常音声信号検知回路885と、異常音声信号検知回路885から出力された異常検知信号を受けると、下部スピーカ821への異常な音声信号の供給を遮断する異常音声信号遮断回路895とを備えている。
スピーカ保護ハーネス883を通じて供給された+24V電圧は、異常音声信号遮断基板884において+24V供給ライン886を通じて異常音声信号遮断回路895に供給される。また、スピーカ保護ハーネス883を通じて供給されたグランドGNDは、異常音声信号遮断基板884においてグランドライン887を通じて異常音声信号遮断回路895に供給される。
スピーカ保護ハーネス883を通じて供給された音声信号であるウーファ+信号は、異常音声信号遮断基板884において2つに分岐され、一方はウーファ+信号ライン888を通じて異常音声信号遮断回路895に入力され、他方は異常音声信号検知回路885に入力される。
また、スピーカ保護ハーネス883を通じて供給された音声信号であるウーファ−信号は、異常音声信号遮断基板884において2つに分岐され、一方は、ウーファ−信号ライン889を通じて異常音声信号遮断基板884において中継されるのみで、下部スピーカハーネス819を通じて外部の下部スピーカ821に接続されている。また、他方は異常音声信号検知回路885に入力される。
[異常音声信号検知回路]
異常音声信号検知回路885は、4つのダイオードSD1〜SD4をブリッジ型に接続してなる整流ブリッジ回路、整流ブリッジ回路の後段に配された抵抗SR1(47kΩ)及び電解コンデンサSC1(本実施形態では、静電容量47μF)、トランジスタSTR1、トランジスタSTR2、フォトカプラSPC1(赤外LEDとフォトトランジスタとが内蔵されている)の赤外LEDを主として構成されている。
異常音声信号検知回路885は、4つのダイオードSD1〜SD4をブリッジ型に接続してなる整流ブリッジ回路、整流ブリッジ回路の後段に配された抵抗SR1(47kΩ)及び電解コンデンサSC1(本実施形態では、静電容量47μF)、トランジスタSTR1、トランジスタSTR2、フォトカプラSPC1(赤外LEDとフォトトランジスタとが内蔵されている)の赤外LEDを主として構成されている。
ダイオードSD4のカソード端子はダイオードSD2のアノード端子と接続され、ダイオードSD4のカソード端子とダイオードSD2のアノード端子との接続点に、2つに分岐されたうちの他方のウーファ+信号が入力されている。また、ダイオードSD3のカソード端子はダイオードSD1のアノード端子と接続され、ダイオードSD3のカソード端子とダイオードSD1のアノード端子との接続点に、2つに分岐されたうちの他方のウーファ−信号が入力されている。
さらに、ダイオードSD1のカソード端子とダイオードSD2のカソード端子とが電気的に接続され、ダイオードSD3のアノード端子とダイオードSD4のアノード端子とが電気的に接続されて整流ブリッジ回路が構成されている。ダイオードSD2のカソード端子には、後段に対して、整流ブリッジ回路によって整流されたプラス電圧を供給する+電圧ライン890が接続される一方、ダイオードSD4のアノード端子には、後段に対して、整流ブリッジ回路によってマイナス部分がカットされて実質的に電圧が0Vとされた0Vを供給する0Vライン891が接続されている。
そして、整流ブリッジ回路の後段において、+電圧ライン890に抵抗SR1の一端が接続され、抵抗SR1の他端が電解コンデンサSC1の+端子に接続され、さらに電解コンデンサSC1の−端子が0Vライン891に接続されている。
すなわち、整流ブリッジ回路によって整流されたウーファ+信号及びウーファ−信号(音声信号波形の高低の山が0Vを接続点として互いに連続的に接続している+電圧の波形)が抵抗SR1を介して電解コンデンサSC1の+端子に印加されることにより、+電圧の波形の0Vから山のピーク電圧までに至る期間は電解コンデンサSC1が充電され、+電圧の波形の山のピーク電圧から0Vまで至る期間は電解コンデンサSC1が放電するようになっている。なお、抵抗SR1の抵抗値と電解コンデンサSC1の静電容量とにより、抵抗SR1と電解コンデンサSC1の直列回路(平滑回路)における充電及び放電の時定数が決められている。
+電圧ライン890の抵抗SR1の接続点の後段において、+電圧ライン890にコンデンサSC2の一端が接続され、コンデンサSC2の他端はトランジスタSTR1のベース端子に接続されている。トランジスタSTR1のベース端子は、コンデンサSC2の他端と接続されるほかに、抵抗SR1と電解コンデンサSC1との接続点に一端が接続された抵抗SR3の他端と接続されている。つまり、電解コンデンサSC1の+端子の電圧が抵抗SR3を介してトランジスタSTR1のベース端子に印加されるようになっている。また、コンデンサSC2により、+電圧の波形のリップルが除去されて平滑化されている。
+電圧ライン890のコンデンサSC2の接続点の後段において、+電圧ライン890にトランジスタSTR1のコレクタ端子が接続され、整流後に平滑化されたウーファ信号、つまり+電圧が印加されている。トランジスタSTR1のエミッタ端子は抵抗SR2の一端に接続され、抵抗SR2の他端は抵抗SR4の一端に接続され、抵抗SR4の他端が0Vライン891に接続されている。抵抗SR2及び抵抗SR4は、分圧抵抗である。
抵抗SR2と抵抗SR4との接続点には、抵抗SR5の一端が接続され、抵抗SR5の他端がツェナーダイオードSZD1のカソード端子に接続され、ツェナーダイオードSZD1のアノード端子は抵抗SR6の一端に接続され、抵抗SR6の他端がトランジスタSTR2のベース端子に接続されている。また、トランジスタSTR2のベース端子には、抵抗SR7の一端が接続され、抵抗SR7の他端が0Vライン891に接続されている。
つまり、トランジスタSTR1のエミッタの出力電圧に基づいて現れる抵抗SR7の一端の電圧がトランジスタSTR2のベース端子に印加されるようになっている。
一方、+電圧ライン890のトランジスタSTR1のコレクタ端子との接続点の後段において、+電圧ライン890にダイオードSD5のアノード端子が接続され、ダイオードSD5のカソード端子はフォトカプラSPC1の赤外ダイオードのアノード端子に接続されている。また、フォトカプラSPC1の赤外ダイオードのカソード端子はトランジスタSTR2のコレクタ端子と接続され、トランジスタSTR2のエミッタ端子が0Vライン891に接続されている。
つまり、トランジスタSTR2がオンすることにより、フォトカプラSPC1がオンするようになっている。
[異常音声信号遮断回路]
異常音声信号遮断回路895は、フォトカプラSPC1のフォトトランジスタ、トランジスタSTR3、リレーSRL1を主として構成されている。つまり、フォトカプラSPC1を通じて異常音声信号検知回路885と異常音声信号遮断回路895とが接続されている。
異常音声信号遮断回路895は、フォトカプラSPC1のフォトトランジスタ、トランジスタSTR3、リレーSRL1を主として構成されている。つまり、フォトカプラSPC1を通じて異常音声信号検知回路885と異常音声信号遮断回路895とが接続されている。
異常音声信号遮断回路895において、24V供給ライン886は、2つに分岐され、一方はフォトカプラSPC1のフォトトランジスタのコレクタ端子に接続され、他方はリレーSRL1の8番端子(コイル+入力)に接続されている。フォトカプラSPC1のフォトトランジスタのエミッタ端子は抵抗SR8の一端に接続され、抵抗SR8の他端は抵抗SR9の一端に接続され、抵抗SR9の他端がグランドライン887に接続されている。抵抗SR8及び抵抗SR9は、分圧抵抗である。
抵抗SR8と抵抗SR9との接続点には、リレー動作用のトランジスタSTR3のベース端子が接続されると共に、他端をグランドライン887に接続されたコンデンサSC3の一端が接続されている。トランジスタSTR3のエミッタ端子はグランドライン887に接続され、トランジスタSTR3のコレクタ端子は、リレーSRL1の1番端子(コイル−入力)並びにリレーSRL1の3番端子(A接点の一方)に接続されている。
また、リレーSRL1の4番端子(A接点の他方)はグランドライン887に接続されている。さらに、リレーSRL1の5番端子(B接点の一方)は、ウーファ+信号ライン888に接続され、リレーSRL1の6番端子(B接点の他方)は、ウーファ+信号の外部出力として下部スピーカハーネス819を通じて外部の下部スピーカ821に接続される。
さらに、リレーSRL1の8番端子(コイル+入力)とリレーSRL1の1番端子(コイル−入力)との間に自己誘導作用による誘導電流バイパス用のバリスタSZNR1が並列接続され、リレーSRL1の5番端子(B接点の一方)とリレーSRL1の6番端子(B接点の他方)との間に接点保護用のバリスタSZNR2が並列接続されている。
なお、異常音声信号検知回路885と異常音声信号遮断回路895とがフォトカプラSPC1により信号接続されていることにより、異常音声信号検知回路885から異常音声信号遮断回路895に直接電気的ノイズが入り込まないようになっている。
次に、以上のように構成された異常音声信号遮断基板884の回路の作動について説明する。
[正常な音声信号が入力されたときの作動]<異常音声信号検知回路885>
正常な音声信号(振幅のピークが異なる交流電圧の波形)が入力された場合、異常音声信号検知回路885の整流ブリッジ回路において、ウーファ+信号の場合には、ダイオードSD2及びダイオードSD3が導通し、図120において抵抗SR1を通じて電解コンデンサSC1に上から下へと電流が流れ、+電圧の波形の0Vから山のピーク電圧までに至る期間は電解コンデンサSC1が充電される。
正常な音声信号(振幅のピークが異なる交流電圧の波形)が入力された場合、異常音声信号検知回路885の整流ブリッジ回路において、ウーファ+信号の場合には、ダイオードSD2及びダイオードSD3が導通し、図120において抵抗SR1を通じて電解コンデンサSC1に上から下へと電流が流れ、+電圧の波形の0Vから山のピーク電圧までに至る期間は電解コンデンサSC1が充電される。
正常な音声信号(振幅のピークが異なる交流電圧の波形)が入力された場合、電解コンデンサSC1の+端子に蓄えられる電荷による電圧の上昇は、トランジスタSTR1を動作させるベース端子電圧に至らない。従って、トランジスタSTR1はオンせず、オフの状態を維持する。
次いで、+電圧の波形の山のピーク電圧から0Vまで至る期間は電解コンデンサSC1が放電し、電解コンデンサSC1の+端子に溜った電荷は、抵抗SR1を通じてダイオードSD2のカソード端子に移動する。
ウーファ−信号の場合には、ダイオードSD1及びダイオードSD4が導通し、図120において抵抗SR1を通じて電解コンデンサSC1に上から下へと電流が流れ、+電圧の波形の0Vから山のピーク電圧までに至る期間は電解コンデンサSC1が充電される。
正常な音声信号(振幅ピークが異なる交流電圧の波形)が入力された場合、電解コンデンサSC1の+端子に蓄えられる電荷による電圧の上昇は、トランジスタSTR1を動作させるベース端子電圧に至らない。従って、トランジスタSTR1はオンせず、オフの状態を維持する。
次いで、+電圧の波形の山のピーク電圧から0Vまで至る期間は電解コンデンサSC1が放電し、電解コンデンサSC1の+端子に溜った電荷は、抵抗SR1を通じてダイオードSD1のカソード端子に移動する。
このように、正常な音声信号(振幅のピークが異なる交流電圧の波形)が入力された場合、異常音声信号検知回路885のトランジスタSTR1はオフの状態を維持する。従って、トランジスタSTR2、フォトカプラSPC1の赤外LED(フォトカプラ)もオフ状態を維持し、異常音声信号検知回路885は、実施的にオン作動しない。
<異常音声信号遮断回路895>
一方、異常音声信号遮断回路895においては、フォトカプラSPC1がオフ状態を維持することにより、トランジスタSTR3もオフ状態を維持する。また、リレーSRL1は非作動状態にある。よって、リレーSRL1のコイルは非励磁状態にあり、リレーSRL1の5番端子と6番端子間は非作動のB接点(接点が閉じた状態)、3番端子と4番端子間は非作動のA接点(接点が開いた状態)となっている。したがって、リレーSRL1の5番端子と6番端子とが導通状態にあり、ウーファ+信号ライン888のウーファ+信号は、下部スピーカハーネス819を通じて下部スピーカ821に供給入力される。
一方、異常音声信号遮断回路895においては、フォトカプラSPC1がオフ状態を維持することにより、トランジスタSTR3もオフ状態を維持する。また、リレーSRL1は非作動状態にある。よって、リレーSRL1のコイルは非励磁状態にあり、リレーSRL1の5番端子と6番端子間は非作動のB接点(接点が閉じた状態)、3番端子と4番端子間は非作動のA接点(接点が開いた状態)となっている。したがって、リレーSRL1の5番端子と6番端子とが導通状態にあり、ウーファ+信号ライン888のウーファ+信号は、下部スピーカハーネス819を通じて下部スピーカ821に供給入力される。
[ある一定期間継続する異常な音声信号が入力された場合][固定された直流電圧による異常な音声信号が入力されたときの作動]<異常音声信号検知回路885>
固定された直流電圧による異常な音声信号(例えば、+24V、+18V、+1.5V等の定電圧)が継続的に入力された場合、異常音声信号検知回路885の整流ブリッジ回路において、ダイオードSD2及びダイオードSD3が導通し、図120において抵抗SR1を通じて電解コンデンサSC1に上から下へと充電電流が流れ、電解コンデンサSC1が充電され続ける。
固定された直流電圧による異常な音声信号(例えば、+24V、+18V、+1.5V等の定電圧)が継続的に入力された場合、異常音声信号検知回路885の整流ブリッジ回路において、ダイオードSD2及びダイオードSD3が導通し、図120において抵抗SR1を通じて電解コンデンサSC1に上から下へと充電電流が流れ、電解コンデンサSC1が充電され続ける。
固定的な定電圧による異常な音声信号が入力された場合、時間経過と共に抵抗SR1を通じて電解コンデンサSC1の+端子に蓄えられる電荷の増加による電解コンデンサSC1の+端子の電圧の上昇は、印加されている定電圧に近づくことになり、トランジスタSTR1を動作させるベース端子電圧に達する。従って、トランジスタSTR1がオンする。
トランジスタSTR1がオンすると、トランジスタSTR1のコレクタ端子、トランジスタSTR1のエミッタ端子、抵抗SR2及び抵抗SR4に電流が流れ、抵抗SR4に印加される電圧(抵抗SR2と抵抗SR4との接続点に現れる電圧)により、抵抗SR5、ツェナーダイオードSZD1、抵抗SR6、抵抗SR7を通じて電流が流れ、抵抗SR7に印加される電圧(抵抗SR6と抵抗SR7との接続点に現れる電圧)が後段のトランジスタSTR2のベース端子に印加されることでトランジスタSTR2がオンする。
トランジスタSTR2がオンすると、トランジスタSTR2のコレクタ電圧が0Vライン891側に引き下げられることになり、ダイオードSD5を通じてフォトカプラSPC1の赤外LEDがオンする。すなわち、フォトカプラSPC1がオンする。ここで、フォトカプラSPC1の赤外LEDがオンすることが、請求項1に記載される異常検知信号を出力することに相当する。なお、ダイオードSD5は赤外LEDに流れる電流を制限するものである。
<異常音声信号遮断回路895>
フォトカプラSPC1がオンすると、フォトカプラSPC1のフォトトランジスタがオンし、フォトカプラSPC1のフォトトランジスタ、抵抗SR8及び抵抗SR9を通じて電流がグランドに流れる。ここで、フォトカプラSPC1のフォトトランジスタがオンするとは、異常検知信号を受けることである。抵抗SR9に印加された電圧(抵抗SR8と抵抗SR9との接続点に現れる電圧)がトランジスタSTR3のベース端子に印加され、トランジスタSTR3がオンする。なお、トランジスタSTR3のベース端子に印加される電圧は、コンデンサSC3によりノイズが除去されて平滑化されている。
フォトカプラSPC1がオンすると、フォトカプラSPC1のフォトトランジスタがオンし、フォトカプラSPC1のフォトトランジスタ、抵抗SR8及び抵抗SR9を通じて電流がグランドに流れる。ここで、フォトカプラSPC1のフォトトランジスタがオンするとは、異常検知信号を受けることである。抵抗SR9に印加された電圧(抵抗SR8と抵抗SR9との接続点に現れる電圧)がトランジスタSTR3のベース端子に印加され、トランジスタSTR3がオンする。なお、トランジスタSTR3のベース端子に印加される電圧は、コンデンサSC3によりノイズが除去されて平滑化されている。
トランジスタSTR3がオンすると、トランジスタSTR3のコレクタ端子がグランド側に引き下げられ、トランジスタSTR3のコレクタ端子に接続されたリレーSRL1の1番端子がグランド側に引き下げられることにより、リレーSRL1の8番端子と1番端子との間のリレーSRL1内部のコイルが通電され、リレーSRL1が作動する。
よって、リレーSRL1のコイルは励磁状態となり、リレーSRL1の5番端子と6番端子間は作動状態時のB接点(接点が開いた状態)、3番端子と4番端子間は作動状態時のA接点(接点が閉じた状態)となる。したがって、リレーSRL1の5番端子と6番端子とが遮断状態に移行し、ウーファ+信号ライン888のウーファ+信号は、リレーSRL1の6番端子からの出力が遮断される。これにより、異常なウーファ+信号の下部スピーカハーネス819を通じた下部スピーカ821への供給が遮断される。
また、リレーSRL1の3番端子と4番端子とが導通状態に移行し、リレーSRL1の3番端子がグランドに引き下げられ、リレーSRL1の3番端子に接続されたトランジスタSTR3のコレクタ端子がグランドに引き下げられ、トランジスタSTR3がオフする。
一方、リレーSRL1の3番端子に並列接続されたリレーの1番端子もグランドに引き下げられることにより、8番端子、1番端子、3番端子、4番端子、グランドライン887の経路で電流が流れる導通状態に移行してコイルの通電状態が維持される。よって、ウーファ+信号は、リレーSRL1の6番端子からの出力が遮断されたままとなる。
このように、固定的な定電圧による異常な音声信号が入力された場合、異常音声信号検知回路885によって音声信号が異常な音声信号であることが検知されて異常検知信号を出力する(フォトカプラがオンする)。異常音声信号遮断回路895は、異常音声信号検知回路885から出力された異常検知信号を受けると(フォトカプラがオンすると)、リレーSRL1が作動することにより下部スピーカ821への異常な音声信号の供給を遮断する。従って、スピーカに固定的な直流電圧が印加され続けることによるスピーカの破損を防止することができる。
上述の実施形態では、異常な音声が入力された場合、リレーSRL1のコイルの通電状態が維持され、ウーファ+信号は、リレーSRL1の6番端子からの出力が遮断されたままとすることで、スピーカの破損を防止することを最優先として究極的に安全対策をとっている。したがって、係員等により異常な音声信号の原因が把握できた場合、或いは音声の出力停止状態が確認された場合には、遊技機の電源を再投入することにより、リレーSRL1の作動状態を解除して正常な初期状態に戻すことが可能である。
[過度な交流電圧による異常な音声信号が入力されたときの作動]<異常音声信号検知回路885>
過度な交流電圧による異常な音声信号が入力されたとき、即ち、音声信号が極端に増幅されて適正増幅幅を超える過度な交流電圧が入力されたとき、例えば、ウーファ+信号の場合には、ダイオードSD2及びダイオードSD3が導通し、図120において抵抗SR1を通じて電解コンデンサSC1に上から下へと充電電流が流れ、+電圧の波形の0Vから山のピーク電圧までに至る期間は電解コンデンサSC1が充電される。
過度な交流電圧による異常な音声信号が入力されたとき、即ち、音声信号が極端に増幅されて適正増幅幅を超える過度な交流電圧が入力されたとき、例えば、ウーファ+信号の場合には、ダイオードSD2及びダイオードSD3が導通し、図120において抵抗SR1を通じて電解コンデンサSC1に上から下へと充電電流が流れ、+電圧の波形の0Vから山のピーク電圧までに至る期間は電解コンデンサSC1が充電される。
また、例えば、ウーファ−信号の場合には、ダイオードSD1及びダイオードSD4が導通し、図120において抵抗SR1を通じて電解コンデンサSC1に上から下へと充電電流が流れ、+電圧の波形の0Vから山のピーク電圧までに至る期間は電解コンデンサSC1が充電される。
この場合、正常な音声信号によるピーク電圧に比べて異常な音声信号のピーク電圧が極端に高いため、たとえ山型波形の幅が正常な波形と異常な波形とで同じであっても、抵抗SR1を通じて急速に電解コンデンサSC1に充電電流が流れ、電解コンデンサSC1が急速に充電される。
したがって、抵抗SR1を通じて電解コンデンサSC1の+端子に蓄えられる電荷は急速に増加する。この急速な電荷の増加により、電解コンデンサSC1の+端子の電圧は上昇し、トランジスタSTR1を動作させるベース端子電圧に達する。従って、トランジスタSTR1がオンする。
トランジスタSTR1がオンした後の異常音声信号検知回路885の作動と異常音声信号遮断回路895の作動は、先に説明した固定された直流電圧による異常な音声信号が入力された場合の作動と同じであり、簡略して説明する。
. トランジスタSTR1がオンすることで、トランジスタSTR2がオンし、トランジスタSTR2がオンすることで、フォトカプラSPC1がオンする。異常音声信号遮断回路895では、フォトカプラSPC1がオンすることで、トランジスタSTR3がオンし、トランジスタSTR3がオンすることで、リレーSRL1が作動し、リレーSRL1の5番端子と6番端子とが遮断状態に移行し、ウーファ+信号ライン888のウーファ+信号は、リレーSRL1の6番端子からの出力が遮断される。これにより、異常なウーファ+信号の下部スピーカハーネス819を通じた下部スピーカ821への供給が遮断される。従って、極端に増幅されて適正増幅幅を超える過度な交流電圧の異常な音声信号による異常音の発生を防止することができる。したがって、不快な音を遊技者に出さないようにすることができる。
[液晶制御部]
次に、周辺制御基板4010における液晶表示装置1900や第二液晶表示装置3252の描画制御を行う液晶制御部4150は、図118に示すように、マイクロプロセッサとしての液晶制御MPU4150aと、各種処理プログラム、各種コマンド及び各種データを記憶する液晶制御ROM4150bと、上述した液晶表示装置1900や第二液晶表示装置3252を表示制御するVDP(Video Display Processorの略)4150cと、液晶表示装置1900に表示される画面の各種データを記憶するキャラROM4150dと、このキャラROM4150dに記憶されている各種データが転送されてコピーされるキャラRAM4150eと、を備えている。
次に、周辺制御基板4010における液晶表示装置1900や第二液晶表示装置3252の描画制御を行う液晶制御部4150は、図118に示すように、マイクロプロセッサとしての液晶制御MPU4150aと、各種処理プログラム、各種コマンド及び各種データを記憶する液晶制御ROM4150bと、上述した液晶表示装置1900や第二液晶表示装置3252を表示制御するVDP(Video Display Processorの略)4150cと、液晶表示装置1900に表示される画面の各種データを記憶するキャラROM4150dと、このキャラROM4150dに記憶されている各種データが転送されてコピーされるキャラRAM4150eと、を備えている。
この液晶制御MPU4150aは、パラレルI/Oポート、シリアルI/Oポート等を内蔵しており、周辺制御部4140からの制御データ(表示コマンド)に基づいてVDP4150cを制御して液晶表示装置1900や第二液晶表示装置3252の描画制御を行っている。なお、液晶制御MPU4150aは、正常に動作していると、その旨を伝える動作信号を周辺制御部4140に出力する。また液晶制御MPU4150aは、VDP4150cから後述する実行中信号が入力されており、この実行中信号の出力が16msごとに停止されたことを契機として、割り込み処理を行っている。
液晶制御ROM4150bは、液晶表示装置1900や第二液晶表示装置3252に描画する画面を生成するための各種プログラムのほかに、周辺制御基板4010からの制御データ(表示コマンド)と対応するスケジュールデータ、その制御データ(表示コマンド)と対応する非常駐領域転送スケジュールデータ等を複数記憶している。スケジュールデータは、画面の構成を規定する画面データが時系列に配列されて構成されており、液晶表示装置1900や第二液晶表示装置3252に描画する画面の順序が規定されている。非常駐領域転送スケジュールデータは、キャラROM4150dに記憶されている各種データをキャラRAM4150eの非常駐領域に転送する際に、その順序を規定する非常駐領域転送データが時系列に配列されて構成されている。この非常駐領域転送データは、スケジュールデータの進行に従って液晶表示装置1900に描画される画面データを、前もって、キャラROM4150dからキャラRAM4150eの非常駐領域に各種データを転送する順序が規定されている。
液晶制御MPU4150aは、周辺制御基板4010からの制御データ(表示コマンド)と対応するスケジュールデータの先頭の画面データを液晶制御ROM4150bから抽出してVDP4150cに出力した後に、先頭の画面データに続く画面データを液晶制御ROM4150bから抽出してVDP4150cに出力する。このように、液晶制御MPU4150aは、スケジュールデータに時系列に配列された画面データを、先頭の画面データから1つずつ液晶制御ROM4150bから抽出してVDP4150cに出力する。
VDP4150cは、液晶制御MPU4150aから出力された画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいてキャラRAM4150eからスプライトデータを抽出して液晶表示装置1900や第二液晶表示装置3252に表示する描画データを生成し、この生成した描画データを液晶表示装置1900に出力する。またVDP4150cは、液晶制御MPU4150aからの画面データを受入れないときに、その旨を伝える実行中信号を液晶制御MPU4150aに出力する。なお、VDP4150cは、ラインバッファ方式が採用されている。この「ラインバッファ方式」とは、液晶表示装置1900の左右方向を描画する1ライン分の描画データをラインバッファに保持し、このラインバッファに保持した1ライン分の描画データを液晶表示装置1900や第二液晶表示装置3252に出力する方式である。
キャラROM4150dには、極めて多くのスプライトデータが記憶されており、その容量が大きくなっている。キャラROM4150dの容量が大きくなると、つまり液晶表示装置1900に描画するスプライトの数が多くなると、キャラROM4150dのアクセス速度が無視できなくなり、液晶表示装置1900に描画する速度に影響することとなる。そこで、本実施形態では、アクセス速度の速いキャラRAM4150eに、キャラROM4150dに記憶されているスプライトデータを転送してコピーし、このキャラRAM4150eからスプライトデータを抽出している。なお、スプライトデータは、スプライトをビットマップ形式に展開する前のデータである基データであり、圧縮された状態でキャラROM4150dに記憶されている。
ここで、「スプライト」について説明すると、「スプライト」とは、液晶表示装置1900にまとまった単位として表示されるイメージである。例えば、液晶表示装置1900や第二液晶表示装置3252に種々の人物を表示させる場合には夫々の人物を描くためのデータを「スプライト」と呼ぶ。これにより、液晶表示装置1900や第二液晶表示装置3252に複数人の人物を表示させる場合には複数のスプライトを用いることとなる。また人物のほかに、背景を構成する家、山、道路等もスプライトであり、背景全体を1つのスプライトとすることもできる。これらのスプライトは、画面に配置される位置やスプライト同士が重なる場合の上下関係(以下、「スプライトの重ね合わせの順序」と記載する。)が設定されて液晶表示装置1900や第二液晶表示装置3252に描画される。
なお、スプライトは縦横それぞれ64画素の矩形領域を複数張り合わせて構成されている。この矩形領域を描くためのデータを「キャラクタ」と呼ぶ。小さなスプライトの場合には1つのキャラクタを用いて表現することができるし、人物など比較的大きいスプライトの場合には、例えば横2×縦3などで配置した合計6個のキャラクタを用いて表現することができる。背景のように更に大きいスプライトの場合には更に多数のキャラクタを用いて表現することができる。このように、キャラクタの数及び配置は、スプライトごとに任意に指定することができるようになっている。
液晶表示装置1900や第二液晶表示装置3252は、その正面から見て左から右に向かって順次、画素に沿った一方向に画素ごとの表示状態を設定する主走査と、その一方向と交差する方向に主走査を繰り返し行う副走査と、によって駆動されるようになっている。液晶表示装置1900は、液晶制御部4150から出力された1ライン分の描画データが入力されると、主走査として液晶表示装置1900や第二液晶表示装置3252の正面から見て左から右に向かって順次、1ライン分の画素にそれぞれ出力する。そして1ライン分の出力が完了すると、液晶表示装置1900や第二液晶表示装置3252は、副走査として直下のラインに移行し、同様に次ライン分の描画データが入力されると、この次ライン分の描画データに基づいて主走査として液晶表示装置1900や第二液晶表示装置3252の正面から見て左から右に向かって順次、1ライン分の画素にそれぞれ出力する。
[主制御基板での制御処理]
次に、主制御基板4100(特に主制御MPU4100a)で実行される制御処理の例について、図121乃至図141を参照して説明する。図121は、主制御基板におけるメイン処理の一例を示すフローチャートである。図122は、電源断発生時処理の一例を示すフローチャートである。図123はタイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。なお、タイマ割込処理は、主制御基板4100に搭載される主制御MPU4100aにより所定のタイミング(本実施形態では、4ms毎)で実行される。
次に、主制御基板4100(特に主制御MPU4100a)で実行される制御処理の例について、図121乃至図141を参照して説明する。図121は、主制御基板におけるメイン処理の一例を示すフローチャートである。図122は、電源断発生時処理の一例を示すフローチャートである。図123はタイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。なお、タイマ割込処理は、主制御基板4100に搭載される主制御MPU4100aにより所定のタイミング(本実施形態では、4ms毎)で実行される。
図124は、特別制御処理の一例を示すフローチャートである。図125は、始動口入賞処理を示すフローチャートである。図126は、第1特別図柄の制御処理の手順を示すフローチャートである。図127は、第1特別図柄の変動開始処理を示すフローチャートである。図128は、第1特別図柄の変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図129は、第1特別図柄の変動中処理の一例を示すフローチャートである。図130は、第1特別図柄の小当たり遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。図131は、第1特別図柄の小当たり遊技処理の一例を示すフローチャートである。図132は、第1特別図柄の大当たり遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。図133は、第1特別図柄の大当たり遊技処理の一例を示すフローチャートである。図134は、第2特別図柄の制御処理の手順を示すフローチャートである。図135は、第2特別図柄の変動開始処理を示すフローチャートである。図136は、第2特別図柄の変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。図137は、第2特別図柄の変動中処理の一例を示すフローチャートである。図138は、第2特別図柄の小当たり遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。図139は、第2特別図柄の小当たり遊技処理の一例を示すフローチャートである。図140は、第2特別図柄の大当たり遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。図141は、第2特別図柄の大当たり遊技処理の一例を示すフローチャートである。
[メイン処理について]
メイン処理は、図121に示すように、パチンコ機1へ電力の供給が開始されると、主制御MPU4100aは、電源投入時処理を実行する(ステップS1)。この電源投入時処理では、主制御基板4100(主制御MPU4100a)のRAMに記憶されているバックアップデータが正常であるか(停電発生時の設定値となっているか)否か判別し、正常であればRAMに記憶されているバックアップデータに従って停電発生時の状態に戻す処理(復電時処理)を実行し、バックアップデータが異常であればRAMをクリアしてCPU周辺のデバイス設定(通常の初期設定、割込タイミングの設定、等)を行う。
メイン処理は、図121に示すように、パチンコ機1へ電力の供給が開始されると、主制御MPU4100aは、電源投入時処理を実行する(ステップS1)。この電源投入時処理では、主制御基板4100(主制御MPU4100a)のRAMに記憶されているバックアップデータが正常であるか(停電発生時の設定値となっているか)否か判別し、正常であればRAMに記憶されているバックアップデータに従って停電発生時の状態に戻す処理(復電時処理)を実行し、バックアップデータが異常であればRAMをクリアしてCPU周辺のデバイス設定(通常の初期設定、割込タイミングの設定、等)を行う。
なお、遊技途中でパチンコ機1への電力供給が停止すると、RAMに現在の遊技状態がバックアップデータとして記憶される。また、電源投入時処理にてRAMに記憶されているバックアップデータのクリアを指示するRAMクリアスイッチ624aがオンであれば、RAMをクリアし、通常の初期設定を行う。また、電源投入時処理において、主制御基板4100(主制御MPU4100a)のRAMにバックアップデータが保存されていない場合には、RAMをクリアし、通常の初期設定を行う。
また、電源投入時処理では、通常の初期設定を実行した時に周辺制御部4140に、主制御基板4100が起動したことを示す電源投入コマンドを送信可能な状態にセットする処理も実行される。電源投入コマンドは、主制御基板4100が起動したことや電源遮断時における遊技状態などの遊技の進行状況を周辺制御部4140に通知するものである。なお、パチンコ機1を設置する遊技ホールの閉店時等にパチンコ機1への電力供給を停止した場合(電源を落とした場合)にもRAMにバックアップデータが記憶され、再びパチンコ機1への電力供給を開始した時には電源投入時処理が実行される。
この電源投入時処理が終了すると、主制御MPU4100aは、遊技用の各処理を繰返し実行するループ処理を開始する。このループ処理の開始時には、主制御MPU4100aは、まず、停電予告信号が検知されているか否かを判定する(ステップS2)。なお、この実施の形態では、パチンコ機1にて使用する電源電圧は、電源基板によって生成される。すなわち、パチンコ機1に搭載される複数種類の装置はそれぞれ異なる電源電圧で動作するため、外部電源からパチンコ機1に供給される電源電圧を電源基板にて所定の電源電圧に変換した後、各装置に供給している。しかして、停電が発生し、外部電源から電源基板に供給される電源電圧が所定の電源電圧以下となると、電源基板から主制御基板4100に電源電圧の供給が停止することを示す停電予告信号が送信される。そして、ステップS2で主制御基板4100に搭載される主制御MPU4100aにより停電予告信号を検知すると、電源断発生時処理を実行する(ステップS4)。
この電源断発生時処理は、停電後に電源基板に供給される電源電圧(この実施の形態では、24V)が復旧した場合に(以下、復電と呼ぶ)、遊技機の動作を停電前の状態から開始するために停電発生時の状態を主制御基板4100(主制御MPU4100a)のRAMにバックアップデータとして記憶する処理である。処理内容は後述するが、本実施例においては、図示する通り、電源断発生時処理は、割込処理ではなく、ループの開始直後に停電予告信号の検知有無に応じて実行される分岐処理としてメイン処理(主制御処理)内に組み込まれている。
ところで、ステップS2で停電予告信号が検知されていない場合、すなわち外部電源からの電力が正常に供給されている場合には、遊技にて用いられる各種乱数を更新する乱数更新処理2を行う(ステップS3)。なお、乱数更新処理2にて更新される乱数については後述する。
[電源断発生時処理について]
次に、電源断発生時処理は、図122に示すように、メイン処理において、停電予告信号が検出された時に実行される処理である。主制御MPU4100aは、まず、割込処理が実行されないように割込禁止設定を行う(ステップS4a)。そして、主制御基板4100(主制御MPU4100a)のRAMのチェックサムを算出し、RAMの所定領域に保存する(ステップS4b)。このチェックサムは、復電時に停電前のRAMの内容が保持されているか否かをチェックするのに使用される。
次に、電源断発生時処理は、図122に示すように、メイン処理において、停電予告信号が検出された時に実行される処理である。主制御MPU4100aは、まず、割込処理が実行されないように割込禁止設定を行う(ステップS4a)。そして、主制御基板4100(主制御MPU4100a)のRAMのチェックサムを算出し、RAMの所定領域に保存する(ステップS4b)。このチェックサムは、復電時に停電前のRAMの内容が保持されているか否かをチェックするのに使用される。
続いて、主制御MPU4100aは、RAMの所定領域に設けられたバックアップフラグに、電源断発生時処理が行われたことを示す規定値を設定する(ステップS4c)。以上の処理を終えると、主制御MPU4100aは、RAMへのアクセスを禁止し(ステップS4d)、無限ループに入って電力供給の停止に備える。なお、この処理では、ごく短時間の停電等(以下、「瞬停」と呼ぶ)によって、電源電圧が不安定となることにより、電源断発生時処理が開始されてしまった場合、実際には電源電圧は停止されないため、上記処理では、無限ループから復帰することができなくなるおそれがある。かかる弊害を回避するため、本実施例の主制御MPU4100aには、ウォッチドックタイマが設けられており、所定時間、ウォッチドックタイマが更新されないとリセットがかかるように構成されている。ウォッチドックタイマは、正常に処理が行われている間は定期的に更新されるが、電源断発生時処理に入り、更新が行われなくなる。これにより、瞬停によって、電源断発生時処理に入り、無限ループに入った場合でも、所定期間経過後にリセットがかかり、電源投入時と同じプロセスで主制御MPU4100aが起動するようになっている。
[タイマ割込処理について]
次に、タイマ割込処理は、メイン処理の実行中に主制御基板4100に搭載される主制御MPU4100aにより4ms毎にタイマ割込処理が実行されるものであり、図123に示すように、主制御MPU4100aは、レジスタの退避処理を実行した後(ステップS10)、ステップS11からステップS18の処理を実行する。ステップS11のスイッチ入力処理では、上述したスイッチ(ゲートスイッチ、始動口センサ、カウントセンサ、一般入賞スイッチ等)の検出信号を監視する処理を実行する。ステップS12の乱数更新処理1では、遊技にて用いられる各種乱数を更新する処理を実行する。なお、この実施の形態では、乱数更新処理1にて更新される乱数と、上述した乱数更新処理2にて更新される乱数と、は異なる。乱数については後述するが、乱数更新処理2にて更新される乱数を乱数更新処理1でも更新するようにしてもよい。ステップS13の払出動作処理では、スイッチ入力処理(ステップS11)にて検出された信号に基づいて払出制御基板4110に遊技球の払出しを指示する払出コマンドを設定する。
次に、タイマ割込処理は、メイン処理の実行中に主制御基板4100に搭載される主制御MPU4100aにより4ms毎にタイマ割込処理が実行されるものであり、図123に示すように、主制御MPU4100aは、レジスタの退避処理を実行した後(ステップS10)、ステップS11からステップS18の処理を実行する。ステップS11のスイッチ入力処理では、上述したスイッチ(ゲートスイッチ、始動口センサ、カウントセンサ、一般入賞スイッチ等)の検出信号を監視する処理を実行する。ステップS12の乱数更新処理1では、遊技にて用いられる各種乱数を更新する処理を実行する。なお、この実施の形態では、乱数更新処理1にて更新される乱数と、上述した乱数更新処理2にて更新される乱数と、は異なる。乱数については後述するが、乱数更新処理2にて更新される乱数を乱数更新処理1でも更新するようにしてもよい。ステップS13の払出動作処理では、スイッチ入力処理(ステップS11)にて検出された信号に基づいて払出制御基板4110に遊技球の払出しを指示する払出コマンドを設定する。
また、ステップS14の特別制御処理では、遊技の進行状態に基づいて特別図柄表示器1185,1186で第一特別図柄及び第二特別図柄を変動表示させたり、特別電動役物(すなわちアタッカ駆動機構2121によって第一大入賞口2103や第二大入賞口2153を開閉させる開閉部材2106,2156)を制御し、第一大入賞口2103や第二大入賞口2153の開閉状態を変化させたりする処理を実行する。
ステップS15では、可動片2305の動作契機となる普通当りの当落にかかる抽選処理を含む普通制御処理を実行する。この普通制御処理では、基本的に、遊技の進行状況を示す普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理が選択的に実行されることとなる。また、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、大当り遊技状態の終了後、特定の条件(時短フラグのON)が満たされていると、可動片2305の駆動頻度がより高くなるように当該抽選処理を実行する構成となっている(いわゆる時短遊技状態)。なお、この実施の形態では、大当り遊技状態の終了後の所定期間だけ普通図柄の変動表示制御に要する時間を短縮するとともに、可動片2305が動作するときの動作時間としてもこれを長い時間に設定することによって、通常状態(非時短遊技状態)よりも第2始動口2102への遊技球の受け入れが容易化される時短遊技状態を実現するようにしている。
続くステップS16の出力データ設定処理では、パチンコ機1の外部(例えば、管理コンピュータ等)に遊技状態を示す状態信号を出力する処理、特図始動記憶表示器(図示せず)に駆動信号を出力する処理、等を実行する。ステップS17のコマンド送信処理では、演出コマンドを周辺制御部4140に送信する処理を実行する。また、コマンド送信処理では、パチンコ機1への電力供給が開始された時に電源投入時処理(ステップS1)でセットされた電源投入コマンドを周辺制御部4140に送信する処理も行われる。ステップS11からステップS17の処理を実行すると、レジスタの復帰処理(ステップS18)を実行して、処理を終了する。
ここで、上述した乱数更新処理1(ステップS12)および乱数更新処理2(ステップS3)で、主制御基板4100の主制御MPU4100aにより更新される各種乱数について説明する。この実施の形態では、遊技にて用いられる各種乱数として、大当たり遊技状態を発生させるか否かの判定(大当たり判定、大当たり抽選とも呼ぶ)に用いられる大当たり判定用乱数、大当たり判定において大当たり遊技状態を発生させると判定されたときに特別図柄の停止図柄を決定するために用いられる大当たり図柄用乱数、大当たり抽選にて当たりでない旨判断されたときにリーチ演出などの高期待演出を行うか否かについての判定(リーチ判定)に用いられるリーチ判定乱数、特別図柄表示器1185,1186に表示されている特別図柄の変動表示パターン(変動時間など)を決定するために用いられる変動表示パターン乱数(変動時間用乱数)、大当たり遊技(特別ボーナス遊技)における大入賞口2103,2153の開放態様(ラウンド数など)を決定するために用いられるラウンド決定用乱数、第2始動口2102を開閉する可動片2305を開放状態(手前側位置に位置する状態)に制御するか否かの判定(普通抽選当り判定)に用いられる普通当り判定用乱数、等がある。
また、大当たり図柄用乱数は、大当たりに当選された旨判断されたときに行われる大当たりの状態種別(時短機能を作動させるか否かなど)にかかる判断にも供される。
これらの乱数のうち、乱数更新処理1では、大当たり遊技状態の発生に関わる大当たり判定用乱数、大当たり図柄用乱数、ラウンド決定用乱数、および可動片2305を開放状態に制御するか否かに関わる普通図柄当り判定用乱数の更新を行う。すなわち、大当たり遊技状態の発生および可動片2305を開放状態に制御するか否かに関わる判定に用いられる乱数は所定のタイミングとして4ms毎に更新される。このようにすることにより、それぞれの乱数での所定期間における確率(大当たり遊技状態を発生させると判定する確率、可動片2305を開放状態に制御すると判定する確率)を一定にすることができ、遊技者が不利な状態となることを防止することができる。一方、乱数更新処理2では、大当たり遊技状態の発生、及び普通抽選に関わらないリーチ判定乱数、及び変動表示パターン乱数等の更新を行う。
なお、図123には図示されていないが、タイマ割込処理では、遊技状態にかかわらず、特設可動片2111を上記特定の動作パターンで常時動作させる入賞口振分駆動モータ2558の駆動制御処理も行われる。
[特別制御処理について]
次に、図124に基づいて特別制御処理について説明する。図124は、特別制御処理の一例を示すフローチャートである。
次に、図124に基づいて特別制御処理について説明する。図124は、特別制御処理の一例を示すフローチャートである。
この特別制御処理では、まず、第1・第2始動口入賞処理(ステップS110)を行う。この第1・第2始動口入賞処理では、第1始動口2101や第2始動口2102に遊技球が入賞したか否かについての判断などが行われる。そして、この第1・第2始動口入賞処理(ステップS110)が行われた後、第2特別図柄側の遊技の進行が制御される第2特別図柄制御処理(ステップS14b)と、第1特別図柄側の遊技の進行が制御される第1特別図柄制御処理(ステップS14a)とが順次にそれぞれ行われる。これにより、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、第1特別図柄側の遊技(第1特別図柄)と第2特別図柄側の遊技(第2特別図柄)とが同時変動しうるようになり、これによって一方側の図柄変動が開始しても、他方側の図柄変動が開始されなくなるようなことがなくなる。
そして、このような制御構造を通じて、第1特別図柄側の遊技によって時短遊技状態を早期終了させようとする大きな動きを出現させているなかで、第2特別図柄側の遊技によってこれに抗した制御を行うことで、時短遊技状態と大当たり遊技状態とが繰り返し行われる有利遊技が適度の緊張感のあるなかで行われるようになることは上述した通りである。この点、上記構成では、第2特別図柄制御処理(ステップS14b)を、第1特別図柄制御処理(ステップS14a)に対して先行して行うようにしたことで、第1特別図柄制御処理(ステップS14a)内で時短遊技状態を終了させるタイミングが到来していたとしても、これに先行した第2特別図柄制御処理(ステップS14b)内で、こうした第1特別図柄側の動きを一時停止させることができる可能性が生じうるようになることから、遊技興趣の低下が抑制されるようになる。
[第1・第2始動口入賞処理について]
次に、第1・第2始動口入賞処理(ステップS110の処理)について図125に基づいて説明する。図125は、第1・第2始動口入賞処理の一例を示すフローチャートである。
次に、第1・第2始動口入賞処理(ステップS110の処理)について図125に基づいて説明する。図125は、第1・第2始動口入賞処理の一例を示すフローチャートである。
この第1・第2始動口入賞処理(ステップS110)においては、大きくは、第1始動口2101や第2始動口2102に遊技球が入賞されたか否かについての判断にかかる処理と、該入賞があった旨判断されたことを条件に、該当する特別図柄(第一特別図柄、もしくは第二特別図柄)の保留状態の更新にかかる処理とが行われる。
したがって、主制御MPU4100aは、まず、第2始動口センサ3132から検出信号が出力されたか否かについての判断を行う。そしてこの結果、第2始動口センサ3132から検出信号が出力された旨判断されたときには、第2始動口2102への遊技球の入賞があった旨判断し(ステップS201にてYES)、次にステップS202の処理を行う。このステップS202の処理では、第二特別図柄抽選用の各種乱数(大当たり判定用乱数、大当たり図柄用乱数など)を取得し、主制御基板4100(主制御MPU4100a)のRAMに設けられている第二保留数カウンタの値が上限値となる1未満であるか否かについての判断を行う。そしてこの結果、第二保留数カウンタが1未満(第二保留数カウンタが0)であれば、第二始動保留記憶処理(ステップS203)、及び保留履歴更新処理(ステップS204)を順次に行う。
すなわちこの場合、主制御MPU4100aは、まず、第二始動保留記憶処理(ステップS203)として、第2始動口2102に遊技球が入賞したことによって取得された各種データ(大当たり判定用乱数、大当たり図柄用乱数など)を、特別図柄の種類や保留順に対応付けしつつ所定の記憶領域(RAM)に記憶する。次いで、保留履歴更新処理(ステップS204)として、RAMに設けられている第二保留数カウンタのカウンタ値に1を加算することとなる。
なお、ステップ203の処理においては、第2始動口2102への遊技球の入賞があった旨(より正確には、特別図柄の種類や保留順など)が示される入賞通知コマンドをセットし、こうしてセットされた入賞通知コマンドが上述のコマンド送信処理(ステップS17)にて周辺制御部4140に対して送信されるようにしてもよい。このような構成では、周辺制御部4140による制御を通じて、液晶表示装置1900などに第2始動口2102側の保留表示をする場合にこれを迅速に更新させることができるようになる。
一方、上記ステップS201の処理において、第2始動口センサ3132からの検出信号が出力されていない旨判断されたときや、上記ステップS202の処理において、第二保留数カウンタの値が上限値となる1である旨判断されたときは、次にステップS205の処理として、第1始動口センサ3131から検出信号が出力されたか否かについての判断を行う。そしてこの結果、第1始動口センサ3131から検出信号が出力された旨判断されたときは、第1始動口2101への遊技球の入賞があった旨判断し(ステップS205にてYES)、次にステップS206の処理を行う。このステップS206の処理では、第一大当たり抽選用の各種乱数(大当たり判定用乱数、大当たり図柄用乱数など)を取得し、主制御MPU4100aのRAMに設けられている第一保留数カウンタの値が上限値となる4未満であるか否かについての判断を行う。そしてこの結果、第一保留数カウンタが4未満であれば、第一始動保留記憶処理(ステップS207)、及び保留履歴更新処理(ステップS208)を順次に行う。
すなわちこの場合、主制御MPU4100aは、まず、第一始動保留記憶処理(ステップS207)として、第1始動口2101に遊技球が入賞したことによって取得した各種データ(大当たり判定用乱数、大当たり図柄用乱数など)を、特別図柄の種類や保留順に対応付けしつつ所定の記憶領域(RAM)に記憶する。次いで、保留履歴更新処理(ステップS208)として、RAMに設けられている第一保留数カウンタのカウンタ値に1を加算することとなる。
なお、ステップ207の処理においても、第1始動口2101への遊技球の入賞があった旨(より正確には、特別図柄の種類や保留順など)が示される入賞通知コマンドをセットし、こうしてセットされた入賞通知コマンドが上述のコマンド送信処理(ステップS17)にて周辺制御部4140に対して送信されるようにしてもよい。このような構成では、周辺制御部4140による制御を通じて、液晶表示装置1900などに第1始動口2101側の保留表示をする場合についてもこれを迅速に更新させることができるようになる。
他方、上記ステップS205の処理において、第1始動口2101への遊技球の入賞がなかった旨判断されたときや、上記ステップS206の処理において、第一保留数カウンタのカウンタ値が上限値となる4に達している旨判断されたときは、この時点で、当該第1・第2始動口入賞処理を終了する。
なお、この実施の形態では、第2始動口2102への入賞処理(ステップS201〜ステップS204)を実行したのちに、第1始動口2101への入賞処理(ステップS205〜ステップS208)を実行している。ただし、これに代えて、第1始動口2101への入賞処理を実行したのちに、第2始動口2102への入賞処理を実行する態様であってもよい。
また、主制御MPU4100aは、取得された各種乱数に基づく先行判定処理を実行し、入賞通知コマンドとして、更に先行判定処理の結果を表すコマンドを、周辺制御部4140に送信する場合がある。先行判定処理は、ステップS203、S207で記憶された乱数を用いた抽選(例えば、後述の大当たり抽選、確変抽選、変動表示パターンの決定)に先立って行われ、その抽選結果を事前に判定する処理である。先行判定処理では、ステップS203、S207で記憶された乱数と、先行判定テーブルとを用いて行われる。先行判定テーブルは、当該乱数を用いた抽選に利用されるテーブルと同様のテーブルである。先行判定処理では、当該乱数と先行判定テーブルとを比較することによって、当該乱数を用いた抽選が行われた場合の抽選結果(大当たりの当否と、大当たりの種類と、変動表示パターン等)が判定される(このように抽選に先行して行われる判定は、「先読み判定」とも呼ばれる)。周辺制御部4140は、受信した入賞通知コマンド(先行判定結果)を反映した演出を、当該乱数を利用した抽選が行われるよりも前に、実現してもよい(このような演出は、「先読み演出」とも呼ばれる)。
なお、本実施形態のパチンコ機1では、先行判定テーブルの内容は、抽選に利用されるテーブルの内容と同じである。ただし、先行判定テーブルの内容の少なくとも一部が、抽選に利用されるテーブルの内容と異なっていても良い。
以下、第1特別図柄側の遊技の進行が制御される第1特別図柄制御処理(ステップS14a)と、第2特別図柄側の遊技の進行が制御される第2特別図柄制御処理(ステップS14b)とについての各詳細な手順について説明する。なおここでは、説明の便宜上、制御の実行手順とは異なり、第1特別図柄制御処理(ステップS14a)を先に説明することとする。
[第1特別図柄制御処理について]
次に、第1特別図柄制御処理について図126に基づいて説明する。図126は、第1特別図柄側の特別図柄制御処理の一例を示すフローチャートである。
次に、第1特別図柄制御処理について図126に基づいて説明する。図126は、第1特別図柄側の特別図柄制御処理の一例を示すフローチャートである。
いま、上述の第1・第2始動口入賞処理と、後述の第2特別図柄制御処理とがそれぞれ行われたとすると、第1特別図柄側の特別図柄制御処理(ステップS14a)として、まず、第1特別図柄側の遊技を一時停止させるべき状態にあることを示す一時停止フラグがオン状態となっているか否かを判断する(ステップS100a)。
すなわち上述の通り、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、第1特別図柄側の遊技と第2特別図柄側の遊技とが同時に進行可能とされる制御構造となっている。このような制御構造では、第1特別図柄側の遊技と第2特別図柄側の遊技との間で当たりや大当たり遊技が重複して発生してしまう懸念があることから、これを回避すべく、一方側の遊技で当たりが得られたときには、その時点で、他方側の遊技の進行を停止させるべき旨を示すフラグをオン状態に操作するようにしている。
したがって、上記ステップS100aの処理において、第1特別図柄側の遊技を一時停止させるべき状態にあることを示す一時停止フラグがオン状態となっている場合には、第1特別図柄側の遊技にかかる処理(ステップS130a〜ステップS240a)を何ら行うことなく、当該割込処理内での第1特別図柄側の特別図柄制御処理が終了される。すなわちこの場合、上述の割込処理が行われる都度、上記ステップS100aの処理において、一時停止フラグがオン状態であるか否かが判断されるようになり、この一時停止フラグがオフであると判断されるようになるまでの間、第1特別図柄側の遊技の進行が実質的に待機状態とされることとなる。例えば、第1特別図柄が変動中であった場合には、後述の第1変動中処理(ステップS170a)内にて第1変動タイマのタイマ値が減算されることはないにもかかわらずその変動状態が維持される一時停止状況が生み出されることとなる。
これに対し、上記ステップS100aの処理において、第1特別図柄側の遊技を一時停止させるべき状態にあることを示す一時停止フラグがオフ状態となっている場合には、第1特別図柄側の遊技の進行が許容される遊技状況にあるとして、第1特別図柄側の遊技の進行状況を示す第1処理フラグの状態を確認する。そして、図中に示す複数の処理(ステップS130a〜ステップS240a)のうち、こうして確認された第1処理フラグの状態(第1特別図柄側の遊技の進行状況)に合った処理を選択的に実行することで、第1特別図柄側の遊技が適正に進行されていくこととなる。
より具体的には、まず、第1処理フラグが0であるか否かを判断し(ステップS120a)、第1処理フラグが0であれば(ステップS120aにおけるYES)、第1変動開始処理(ステップS130a)を実行する。この第1変動開始処理(ステップS130a)では、アタッカ装置(第一アタッカ装置2100や第二アタッカ装置2150)の動作契機となる当たりについての第1特別図柄抽選(第1特別判定)の結果などに基づいて第1特別図柄の変動表示を開始するための設定などが行われた後、第1処理フラグが「1」に更新される。
一方、第1処理フラグが0でなければ(ステップS120aにおけるNO)、第1処理フラグが1であるか否かを判断する(ステップS140a)。そしてこの結果、第1処理フラグが1であれば(ステップS140aにおけるYES)、第1変動パターン設定処理(ステップS150a)を実行する。この第1変動パターン設定処理(ステップS150a)では、第一特別図柄表示器1185に表示される第1特別図柄(識別図柄)の変動パターン(第一特別図柄表示器1185において第1特別図柄(識別図柄)の変動表示を開始してから停止表示するまでの変動時間など)が決定された後、第1処理フラグが「2」に更新される。
また一方、第1処理フラグが1でなければ(ステップS140aにおけるNO)、第1処理フラグが2であるか否かを判断する(ステップS160a)。そしてこの結果、第1処理フラグが2であれば(ステップS160aにおけるYES)、第1変動中処理(ステップS170a)を実行する。この第1変動中処理では、第1変動パターン設定処理(ステップS150a)にて設定された変動時間をタイマにより監視し、タイムアウトしたことに基づいて第一特別図柄表示器1185における第1特別図柄の変動表示を停止させる。そしてこの後、第1変動開始処理(ステップS130a)にて小当たりに当選している旨判断されたときは、第2特別図柄側の遊技を一時停止させるべき状態にあることを示す一時停止フラグをオン状態としてから、小当たり遊技を開始させるべく、第1処理フラグが「3」に更新される。これに対し、大当たりに当選している旨判断されたときは、第2特別図柄側の遊技を一時停止させるべき状態にあることを示す一時停止フラグをオン状態としてから、大当たり遊技を開始させるべく、第1処理フラグが「5」に更新される。ただし、小当たりと大当たりとのいずれの当たりにも当選しなかった場合(ハズレ)は、第1処理フラグは「0」に更新される。すなわちこの場合、次の割込処理では、第1変動開始処理(ステップS130a)から再びやり直すこととなる。
また一方、第1処理フラグが2でなければ(ステップS160aにおけるNO)、第1処理フラグが3であるか否かを判断する(ステップS180a)。そしてこの結果、第1処理フラグが3であれば(ステップS180aにおけるYES)、小当たり遊技を開始させる前のインターバル期間を創出する第1小当たり遊技開始処理(ステップS190a)を実行する。なお、小当たり遊技を開始させる前のインターバル期間が経過したときには、当該第1小当たり遊技開始処理内にて第1処理フラグが「4」に更新される。
一方、ステップS180aにおいて第1処理フラグが3でなければ(ステップS180aにおけるNO)、第1処理フラグが4であるか否かを判断する(ステップS200a)。そしてこの結果、第1処理フラグが4であれば(ステップS200aにおけるYES)、第1小当たり遊技処理(ステップS210a)を実行する。この第1小当たり遊技処理では、小当たりの種別に応じた制御態様で開閉部材2106を開閉動作させる小当たり遊技を行うとともに、第一大入賞口2103から内部領域に進入した遊技球が特定領域に振り分けられるか否かを判断する。そしてこの結果、当該第1小当たり遊技処理において、特定領域に遊技球が振り分けられた旨判断された場合、大当たり遊技を開始させるべく、第1処理フラグが「5」に更新される。ただし、予め定められた時間内で特定領域に遊技球が振り分けられた旨判断されなかった場合は、第1処理フラグが「0」に更新される。すなわちこの場合、次の割込処理では、第1変動開始処理(ステップS130a)から再びやり直すこととなる。
また一方、第1処理フラグが4でなければ(ステップS200aにおけるNO)、第1処理フラグが5であるか否かを判断する(ステップS220a)。そしてこの結果、第1処理フラグが5であれば(ステップS220aにおけるYES)、第1大当たり遊技開始処理(ステップS230a)を実行する。この第1大当たり遊技開始処理においては、大当たり遊技を実行するための条件の一つである条件装置を作動させたり、時短機能を停止させたりする。そして、こうして大当たり遊技の開始準備が完了された後に、第1処理フラグを「6」に更新する。
一方、ステップS220aにおいて第1処理フラグが5でなければ(ステップS220aにおけるNO)、第1処理フラグが6であるとして、第1大当たり遊技処理(ステップS240a)を実行する。この第1大当たり遊技処理では、大当たり遊技の態様(ラウンド数や開放時間、最大入賞数など)をセットし、このセットされた大当たり遊技の態様に基づいて開閉部材2156にかかる開閉動作が制御される。また、大当たり遊技が終了する場合には、条件装置の作動を停止させる処理などが行われた後、処理フラグが「0」に更新される。すなわちこの場合、次の割込処理では、第1変動開始処理(ステップS130a)から再びやり直すこととなる。
このように、上記ステップS100aの処理において、第1特別図柄側の遊技を一時停止させるべき状態にあることを示す一時停止フラグがオフ状態となっている場合には、ステップS130a、ステップS150a、ステップS170a、ステップS190a、ステップS210a、ステップS230a、及びステップS240aの処理のいずれかが第1処理フラグの状態に基づいて選択的に実行された時点で、当該割込処理内における第1特別制御処理は終了される。
以下、第1変動開始処理(ステップS130a)、第1変動パターン設定処理(ステップS150a)、第1変動中処理(ステップS170a)、第1小当たり遊技開始処理(ステップS190a)、第1小当たり遊技処理(ステップS210a)、第1大当たり遊技開始処理(ステップS230a)、及び第1大当たり遊技処理(ステップS240a)の各処理について、それらの詳細な手順を各別にそれぞれ説明する
[第1変動開始処理について]
まず、第1変動開始処理について図127に基づいて説明する。図127は、第1変動開始処理の一例を示すフローチャートである。
まず、第1変動開始処理について図127に基づいて説明する。図127は、第1変動開始処理の一例を示すフローチャートである。
第1処理フラグが「0」のときに実行される第1変動開始処理(ステップS130a)では、同図127に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、まず、ステップS301aの処理として、上記第1特別保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある第1特別図柄の抽選処理があるか否かの判断を行う。そしてこの結果、上記ステップS301aの処理において、上記第1特別保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある第1特別図柄の抽選処理がない旨判断された場合は、当該割込処理内での第1変動開始処理が一旦終了される。すなわちこの場合、上述の割込処理が行われる都度、上記ステップS301aの処理において、保留の状態にある第1特別図柄の抽選処理があるか否かが判断されるようになり、該保留の状態にある第1特別図柄の抽選処理がある旨判断されるようになるまでの間、第1特別図柄側の遊技の進行が実質的に待機状態とされることとなる。
これに対し、上記ステップS301aの処理において、保留の状態にある第1特別図柄の抽選処理がある旨判断された場合には、次にステップS302aの処理として、上記主制御MPU4100aのRAM4100eの第1特別図柄保留記憶領域に格納されている第1特別図柄の抽選処理に関わる乱数群(例えば、第1当落判定用乱数、第1図柄乱数、第1リーチ乱数、第1変動乱数)のうちの最先の記憶領域に格納された乱数群を同RAM4100eから読み出す。次いで、ステップS303aの処理として、上記主制御MPU4100aのRAM4100eの第1特別図柄保留記憶領域の各記憶領域に格納されている上記第1特別図柄の抽選処理に関わる乱数群(第1当落判定用乱数、第1図柄乱数、第1リーチ乱数、第1変動乱数)を先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作する。
より具体的には、第一特別図柄保留記憶領域は1〜4の4つの記憶領域を有し、始動入賞の発生に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に始動入賞が発生するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2〜4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、上記第1特別図柄の変動表示制御の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示制御の保留が解除されるようになる。
そしてその後、ステップS304a及びS305aの処理として、上記第1特別保留数カウンタをカウントダウンするとともに、上記読み出された第1当落判定用乱数に基づいて上記当たりについての抽選処理(第1特別図柄抽選)を行う。
ここで、この実施の形態にかかる第1特別図柄抽選では、図142(a)に示されるように、遊技状態(通常遊技状態、時短遊技状態)にかかわらず一の当たり判定テーブルに基づいて大当たりであるか、小当たりであるか、リーチハズレであるか、リーチを伴わないハズレであるか、若しくは無抽選とするかについての判定処理が行われる。より具体的には、第1当落判定用乱数と比較するために参照される当たり判定テーブルでは、上記第1当落判定用乱数として取得されうる1200種類の値のうち、3種類の値が大当たりに当選したことを示す大当たり判定値と一致し、48種類の値が小当たりに当選したことを示す小当たり判定値と一致し、1149種類の値が上記ハズレであることを示すハズレ判定値と一致するように上記第1当落判定用乱数として取得されうる1200種類の値がそれぞれ関連付けされている。このような構成によれば、遊技状態(通常遊技状態、時短遊技状態)にかかわらず、第1特別図柄抽選の結果として大当たりが得られる確率は1/400として設定されることとなり、第1特別図柄抽選の結果として小当たりが得られる確率は1/25として設定されることとなる。
なお、第1当落判定用乱数として取得された値がハズレである場合は、上記取得された第1リーチ乱数の値に基づいてリーチハズレであるか、リーチを伴わないハズレであるかをさらに決定する。
また、上述の通り、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、第1特別図柄側の遊技と第2特別図柄側の遊技とが同時に進行可能とされる制御構造となっている。このような制御構造では、第1特別図柄側の遊技と第2特別図柄側の遊技との間で当たりが重複してしまう懸念がある。したがって、第2特別図柄側の遊技で大当たりの図柄変動が行われている期間内に第1特別図柄側の当たり判定処理(ステップS305a)が行われる場合は、上記ステップS302aの処理で取得した第1当落判定用乱数を用いることなく、大当たりと小当たりとのいずれにも該当しないことを無抽選で決定するようにしている。これにより、第1特別図柄側の遊技と第2特別図柄側の遊技との間で当たりが重複してしまう懸念が好適に抑制されるようになる。
なお、大当たりと小当たりとのいずれにも該当しないことを無抽選で決定する場合、ハズレとして用意されているハズレ値のいずれかを選択的に決定するか、若しくは予め決定されているハズレ値を決定するようにしてもよいし、第1当落判定用乱数として取得されうる1200種類の値のいずれにも該当しない専用値として決定するようにしてもよい。
ところで、この実施の形態にかかる第1特別図柄抽選では、図142(b)に示されるように、その結果として大当たりが得られた場合、上記取得された図柄乱数の値にかかわらず、特定種別の大当たり(6回にわたってラウンド遊技が繰り返し行われた後に時短遊技状態に移行制御される6R時短大当たり)のみがその種別として決定される。
これに対し、図142(c)に示されるように、第1特別図柄抽選の結果として小当たりが得られた場合は、上記取得された図柄乱数の値に基づいて、不利小当たりと有利小当たりとのうちの不利小当たりがその種別として極めて高い確率(999/1000)で決定されるようにしている。
ここで、後述するが、小当たりの種別として上記不利小当たりが決定された場合、1分間に100個の遊技球が順次右打ちされている条件下では第一大入賞口2103に平均して2個の遊技球が入賞するにもかかわらずそれら遊技球のいずれも特定領域に振り分けられないように上記開閉部材2106を開閉動作させる不利小当たり遊技が行われる。これに対し、小当たりの種別として上記有利小当たりが決定された場合、1分間に100個の遊技球が順次右打ちされている条件下では第一大入賞口2103に平均して2個の遊技球が入賞してそれら遊技球のいずれかが特定領域に振り分けられるように上記開閉部材2106を開閉動作させる有利小当たり遊技が行われるようになっている。
したがって、小当たりの種別として上記不利小当たりが決定された場合は、第一大入賞口2103の開放によって賞の獲得機会が付与される小当たり遊技は行われるものの、特定領域に遊技球が受け入れられて大当たり遊技を発生させることはないため、広義の意味ではハズレの一種別として分別することができるものあるといえる。したがって、このような不利小当たりを含めて、大当たり遊技を発生させる可能性が持たされていない抽選結果(若しくは、極めて低い確率に設定される大当たりの当選確率よりもさらに低い確率でしか大当たり遊技を発生させることができない抽選結果)の総称を「落選」と呼称するようにしてもよい。
これに対し、小当たりの種別として上記有利小当たりが決定された場合は、特定領域と一般領域との間で遊技球が振り分けられる小当たり遊技が行われるものの、実質的には、特定領域に遊技球が振り分けられて大当たり遊技を発生させることが決定済みとされている遊技として実行されるため、広義の意味では大当たりの一種別として分別することができるものあるといえる。したがって、このような有利小当たりを含めて、適正に遊技(例えば、1分間に100個の遊技球が順次右打ちされるなど)を進行させていれば大当たり遊技を発生させることとなる抽選結果(若しくは、適正に遊技を進行させていれば1/2を超える確率(大当たり遊技を発生させる確率のほうが高い)で大当たり遊技を発生させることとなる抽選結果)の総称を「当選」と呼称するようにしてもよい。
しかも、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、有利小当たりについては、その種別として、
・遊技状態にかかわらず抽選結果として小当たり遊技を行った結果、特定領域に振り分けられたことに基づいて大当たり遊技(ここでは、ラウンド遊技が6回にわたって行われる大当たり遊技)を発生させた場合には、時短遊技状態を必ず発生させる種別である第1有利小当たり、及び
・時短遊技状態に制御されているときの抽選結果として小当たり遊技を行った結果、特定領域に振り分けられたことに基づいて大当たり遊技(ここでは、ラウンド遊技が6回にわたって行われる大当たり遊技)を発生させた場合に限り、時短遊技状態を発生させる種別である第2有利小当たり
をさらに用意することとしている。
・遊技状態にかかわらず抽選結果として小当たり遊技を行った結果、特定領域に振り分けられたことに基づいて大当たり遊技(ここでは、ラウンド遊技が6回にわたって行われる大当たり遊技)を発生させた場合には、時短遊技状態を必ず発生させる種別である第1有利小当たり、及び
・時短遊技状態に制御されているときの抽選結果として小当たり遊技を行った結果、特定領域に振り分けられたことに基づいて大当たり遊技(ここでは、ラウンド遊技が6回にわたって行われる大当たり遊技)を発生させた場合に限り、時短遊技状態を発生させる種別である第2有利小当たり
をさらに用意することとしている。
そして、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、図142(c)に示されるように、通常遊技状態にあるときに第1特別図柄抽選の結果として小当たりが得られた場合であっても、大当たりの当選確率よりもさらに低い確率(1/1000)ではあるものの、その種別として第1有利小当たりが決定される可能性が持たせられるようにしている。このため、第1特別図柄側の小当たり遊技が行われる場合であっても、上述の「当選」が得られている可能性があることから、第1特別図柄側の小当たり遊技において第一大入賞口2103が開放される都度、該第一大入賞口2103への入賞を遊技者に対して促すことができるとともに、大当たり遊技が行われた後に時短遊技状態に移行制御されることを期待させることができるようになる。
そして、こうして第1特別図柄抽選(ステップS305a)が行われると、次にステップS306aの処理として、該第1特別図柄抽選の結果が示されるフラグと当選情報コマンドとをそれぞれセットする。またこの際、第1特別図柄抽選の結果に応じた停止図柄も決定する。そしてその後は、ステップS307aの処理として、上記第1変動パターン設定処理(ステップS150a)にプロセス移行されるように上記第1処理フラグを「1」に更新した時点で、この処理を終了する。
なお、この第1変動開始処理で得られた第1特別図柄抽選の結果は、上記ステップS306aの処理においてセットされた当選情報コマンドとして、図123に示したコマンド送信処理(ステップS17)によって周辺制御部4140に送信されることとなる。
[第1変動パターン設定処理について]
次に、第1特別図柄抽選(ステップS305a)の結果などに基づいて第1特別図柄の変動パターンが設定される第1変動パターン設定処理について説明する。図128は、第1変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。
次に、第1特別図柄抽選(ステップS305a)の結果などに基づいて第1特別図柄の変動パターンが設定される第1変動パターン設定処理について説明する。図128は、第1変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。
第1処理フラグが「1」のときに実行される第1変動パターン設定処理(ステップS150a)では、同図128に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、大当たりに当選したことを示すフラグがセットされていれば(ステップS401aにおけるYES)、遊技状態に応じた大当たり時の変動パターンテーブルを選択し(ステップS402a)、小当たりに当選したことを示すフラグがセットされていれば(ステップS403aにおけるYES)、その種別及び遊技状態に応じた小当たり時の変動パターンテーブルを選択し(ステップS404a)、リーチフラグがセットされていれば(ステップS405aにおけるYES)、リーチ時の変動パターンテーブルを選択し(ステップS406a)、大当たりと小当たりとリーチハズレとのいずれでもないハズレであることを示すフラグ状態である場合、すなわち通常のハズレ(リーチ演出を実行しないハズレ)となる場合には(ステップS405aにおけるNO)、ハズレ時の変動パターンテーブルを選択する(ステップS407a)。
そして、選択した変動パターンテーブルと第1変動開始処理内のステップS302aで読み出した第1変動乱数とを比較することによって変動パターンを決定し(ステップS408a)、該決定した変動パターンを開始することを周辺制御基板4010に通知する変動パターンコマンドをセットして第一特別図柄表示器1185に表示される第1特別図柄の変動表示を開始する(ステップS409a)。また、主制御MPU4100aは、決定した変動パターンに対応して設定されている変動時間を第1変動タイマに設定する(ステップS410a)。これにより、こうして決定された変動時間だけ第一特別図柄表示器1185及び上記液晶表示装置1900にて変動制御が行われるようになる。そしてその後は、ステップS411aの処理として、上記第1変動中処理(ステップS170a)にプロセス移行されるように上記第1処理フラグを「2」に更新した時点で、この処理を終了する。
なお、この第1変動パターン設定処理で設定された変動パターンは、上記ステップS409aの処理においてセットされた変動パターンコマンドとして、図123に示したコマンド送信処理(ステップS17)によって周辺制御部4140に送信される。これにより、液晶表示装置1900においては、周辺制御部4140側による制御を通じて、上記演出コマンドにより示される変動パターンと上記当選情報コマンドにより示される情報とに基づいて、大当たり抽選の結果が示されるように表示演出が行われるようになる。
ちなみに、この実施の形態にかかる第1変動パターン設定処理にあって、上記ステップS402aの処理にて用いられる大当たり変動パターンテーブルのうち、通常遊技状態にあるときに用いられる通常時の大当たり変動パターンテーブルでは、後述のリーチハズレ変動パターンテーブルと協働して、液晶表示装置1900における表示演出を盛り上げるための複数の変動パターン(変動時間)が記憶されている。すなわち、後述のリーチハズレ変動パターンテーブルと協働して、それら変動パターンの別に上述の「当選」となる期待度をそれぞれ異ならしめるようにしており、上記ステップS408aの処理において、それら変動パターンのいずれかが選択的に決定されることとなる。
これに対し、上記ステップS402aの処理にて用いられる大当たり変動パターンテーブルのうち、時短遊技状態にあるときに用いられる時短時の大当たり変動パターンテーブルでは、時短遊技状態にあるときに第1特別図柄側で選択可能とされる他のいかなる変動時間よりも10倍以上の長さを持った変動時間(例えば、600秒)が必ず選択されるようになっている。すなわち後述するが、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、時短遊技状態に一旦移行された以降は、基本的に、少なくとも通常遊技状態に戻るまでの期間にわたって右打ち状態を維持し続けなければ、時短遊技状態が早期終了することになったり、十分な賞を獲得することができなくなってしまうなどの不利益が生じる遊技性とされている。この点、上記構成によれば、こうした遊技性が現れているなかで、第1特別図柄側で大当たりが得られた場合には、第1特別図柄側で選択可能とされる他のいかなる変動時間よりも10倍以上の長さを持った変動時間(例えば、600秒)が必ず選択されるようにすることで、この変動時間(例えば、600秒)が消化し終わるまでの間は、右打ち状態を維持しなくても上述の不利益が生じなくなるようにしている。したがって、上述の遊技性が現れているなかで時短遊技状態が予想外の多回数にわたって継続した場合であっても、遊技者に対して不利益を与えることなくトイレ休憩などの自由に使える時間を提供することができるようになる。
ただし、時短遊技状態にあるときに、第1特別図柄側でこのような長い変動時間が頻繁に採用されるようなことがあると、上述の早期終了制御に悪影響を及ぼしうる懸念がある。この点、上記構成によれば、第1特別図柄抽選にて上述の「当選」する確率については通常遊技状態と同じ低い当選確率のままでこれが維持されているなかで、大当たりが得られた場合に限り、このような長い変動時間を採用することとしている。すなわち上述の通り、時短遊技状態においては、第2特別図柄側の遊技によって第1特別図柄側の遊技の進行を一時停止させる引延制御が行われることとも相まって、第1特別図柄抽選にて大当たりが得られる可能性は極めて低くなっていることから、上述の早期終了制御に悪影響を及ぼしてしまうようなことが回避されるようになる。
また、時短遊技状態にあるときに、第1特別図柄側でこのような極めて長い変動時間が採用されるようなことがあると、この変動時間内で第2特別図柄側の遊技を進行させることによって遊技者側の利益が過大になってしまうことも懸念される。ただし上述の通り、第1特別図柄が大当たり時の変動中である場合、第2特別図柄側では上述の無抽選の遊技が行われるようにしたことから、遊技者側に大きな利益が付与されるようなことはあり得ず、こうした懸念についてもこれが好適に回避されている。
また、この実施の形態にかかる第1変動パターン設定処理にあって、上記ステップS404aの処理にて用いられる小当たり変動パターンテーブルのうち、通常遊技状態にあるときに用いられる通常時の小当たり変動パターンテーブルでは、上述した通常時の大当たり変動パターンテーブルや、後述する通常時のリーチハズレ変動パターンテーブルを用いて変動パターンが選択されるときの変動時間よりも総じて短い変動時間(より厳密には、時間長さの期待値の比較で短い)が選択されるようになっている。すなわち上述の通り、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、第2特別図柄側の小当たり遊技においては特定領域に遊技球が必ず振り分けられるように遊技可能とするべく、第1特別図柄側の小当たり遊技での特定領域への受け入れ確率についてはこれを低くして犠牲(不利小当たりと有利小当たりとの合成確率で1/1000)としていることから、このような低期待の小当たり遊技が遊技進行の妨げ(遅延)とならないように相対的に短い変動時間(例えば、小当たりの種別にかかわらず常に2秒の変動時間)でこれを終了させるようにしている。
これに対し、上記ステップS404aの処理にて用いられる小当たり変動パターンテーブルのうち、時短遊技状態にあるときに用いられる時短時の小当たり変動パターンテーブルでは、後述の時短時のハズレ変動パターンテーブルと同様、図143(a)に示されるテーブルが採用されることから、これについては後述することとする。
また、この実施の形態にかかる第1変動パターン設定処理にあって、上記ステップS406aの処理にて用いられるリーチハズレ変動パターンテーブルのうち、通常遊技状態にあるときに用いられる通常時のリーチハズレ変動パターンテーブルでは、上述の大当たり変動パターンテーブルと協働して、液晶表示装置1900における表示演出を盛り上げるための複数の変動パターン(変動時間)が記憶されている。すなわち、上述の大当たり変動パターンテーブルと協働して、それら変動パターンの別に上述の「当選」となる期待度をそれぞれ異ならしめるようにしており、上記ステップS408aの処理において、それら変動パターンのいずれかが選択的に決定されることとなる。
これに対し、上記ステップS406aの処理にて用いられるリーチハズレ変動パターンテーブルのうち、時短遊技状態にあるときに用いられる時短時のリーチハズレ変動パターンテーブルでは、上述の時短時の小当たり変動パターンテーブルや、後述の時短時のハズレ変動パターンテーブルと同様、図143(a)に示されるテーブルが採用されることから、これについては後述することとする。
また、この実施の形態にかかる第1変動パターン設定処理にあって、上記ステップS407aの処理にて用いられるハズレ変動パターンテーブルのうち、通常遊技状態にあるときに用いられる通常時のハズレ変動パターンテーブルでは、適宜のハズレ変動が現れるように複数の変動パターン(変動時間)が記憶されている。したがって、当該テーブルを用いて変動パターンが選択されるときの変動時間は、上述した通常時の大当たり変動パターンテーブルや、上述した通常時のリーチハズレ変動パターンテーブルを用いて変動パターンが選択されるときの変動時間よりも総じて短くなっている(より厳密には、時間長さの期待値の比較で短い)。
これに対し、上記ステップS407aの処理にて用いられるハズレ変動パターンテーブルのうち、時短遊技状態にあるときに用いられる時短時のハズレ変動パターンテーブルでは、上述の時短時の小当たり変動パターンテーブルや、上述の時短時のリーチハズレ変動パターンテーブルと同様、図143(a)に示されるテーブルが採用される。
すなわち上述の通り、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、時短遊技状態に移行制御された場合、第1特別図柄抽選にて上述の「当選」する確率については通常遊技状態と同じ低い当選確率のままでこれを維持するにもかかわらず該抽選にて上述の「落選」が1度でも得られると当該時短遊技状態が終了される早期終了制御を行うこととしている。そして後述するが、時短遊技状態にあるときの上述の「落選」時の変動時間は、このような早期終了制御の一部を担っており、この変動時間が消化し終わった段階で通常遊技状態に移行させるものとなっている。したがって、第1変動パターン設定処理にあって、時短時の小当たり変動パターンテーブルや、時短時のリーチハズレ変動パターンテーブルや、時短時のハズレ変動パターンテーブルにて用いられる変動時間については、数秒から長くても10秒程度などの比較的短い変動時間(通常時のハズレ変動パターンテーブルを用いて変動パターンを選択するときの変動時間の期待値よりも短い)として設定することで、こうした早期終了制御の一部を担うようにしている。
ただし、この実施の形態では、第1特別図柄抽選の結果として得られる小当たりの種別として、上述の「落選」に該当する不利小当たりのほか、「当選」に該当する有利小当たりも僅かながらに得られるようにしている(1/1000)。このような構成によれば、時短遊技状態において第1特別図柄の変動時間が消化し終わったにもかかわらず小当たり遊技にて特定領域に遊技球が受け入れられて、次いで大当たり遊技が行われて、さらには時短遊技状態に再び制御される、といったプレミアの遊技パターンを出現させることができるようになる。
なお、第1特別図柄抽選において大当たりと小当たりとのいずれにも該当しないことが無抽選で決定された場合における変動パターンについては、第1特別図柄抽選の結果がハズレである場合と同様の手法(リーチハズレ変動テーブル、若しくはハズレ変動テーブル)で決定することが可能である。ただし、無抽選で決定されたときの専用の変動パターンテーブルを用意して、この専用の変動パターンテーブルに基づいて変動パターンを決定するようにしてもよい。例えば、時短遊技状態において、「第2特別図柄が大当たり変動している期間中に、第1特別図柄の変動が終了して保留状態とされている第1特別図柄が新たに消化される」といった稀有な事象が生じた場合に、専用の変動パターンテーブルにおいて比較的長い変動時間が選択されるようにしておけば、第1特別図柄の変動終了によって時短遊技状態が本来は終了されるべきところで、特別に高い継続率を持たせた時短遊技状態を新たに発生させることができるようになる。これは、この実施の形態にかかるパチンコ機1にあって、時短遊技状態と大当たり遊技状態とが繰り返される確率(時短遊技状態の継続率)は、第1特別図柄の変動時間が長いほど高くなる遊技性が実現されているからである。
[第1変動中処理について]
次に、第1処理フラグが「2」のときに実行される第1変動中処理(ステップS170a)について説明する。図129は、第1変動中処理の一例を示すフローチャートである。
次に、第1処理フラグが「2」のときに実行される第1変動中処理(ステップS170a)について説明する。図129は、第1変動中処理の一例を示すフローチャートである。
上記第1処理フラグが当該第1変動中処理(ステップS170a)を行うべき旨を示しているときは、同図129に示されるように、まず、ステップS501aの処理として、上記第1変動パターン設定処理(ステップS150a)内のステップS410aの処理にて設定した第1変動タイマが0になったか否か、すなわち、上記設定された変動時間が経過したか否かについての判断を行う。そしてこの結果、第1変動タイマが0でない、すなわち、上記設定された変動時間が経過していない旨判断される限りは(ステップS501aにおけるNO)、当該第1変動中処理(ステップS170a)が行われる都度、ステップS531aの処理として、第1変動タイマを1減算することとなる。
そして、こうした処理が行われた結果、上記ステップS501aの処理において、第1変動タイマが0になった、すなわち、上記設定された変動時間が経過した旨判断されたときに、ステップS502a及びステップS503aの処理として、既に決定済みとされている停止図柄(第1特別図柄抽選の結果に応じた停止図柄)を上記第一特別図柄表示器1185に表示することにより変動表示を終了させるための表示制御を行うとともに、上記液晶表示装置1900に第1特別図柄の停止図柄に応じた装飾図柄の表示結果の導出表示を指示する第1確定停止コマンドを上記周辺制御部4140へのコマンドとしてセットする。なお、こうしてセットされた第1確定停止コマンドは、図123に示したコマンド送信処理(ステップS17)によって周辺制御部4140に送信されることとなる。これにより、液晶表示装置1900においては、周辺制御部4140側による後述の制御を通じて、同表示演出における演出結果を確定表示させるようになる。
こうして図柄停止にかかる処理を行った後は、第1特別図柄抽選の結果に応じた各種の処理を実行した時点で、この処理を終了することとなる。
例えば、まず、第1特別図柄抽選の結果が大当たりである場合は(ステップS504aにおけるYES)、第2特別図柄側で当たりが重複して発生することを回避すべく、第2特別図柄側の遊技を一時停止させるべき状態にあることを示す上述の一時停止フラグをオン状態とする(ステップS505a)。そしてこの後、大当たり遊技を開始させるべく、第1処理フラグを「5」に更新した時点で(ステップS506a)、この処理を終了する。
一方、第1特別図柄抽選の結果が小当たりである場合も同様(ステップS504aにおけるNO、且つステップS511aにおけるYES)、まずは、第2特別図柄側で当たりが重複して発生することを回避すべく、第2特別図柄側の遊技を一時停止させるべき状態にあることを示す上述の一時停止フラグをオン状態とする(ステップS512a)。そしてこの後、小当たり遊技を開始させるべく、第1処理フラグを「3」に更新した時点で(ステップS513a)、この処理を終了する。
このような制御を行うようにしたことで、特定領域に受け入れられずに小当たり遊技が終了するまでの間(ステップS725a)、若しくは大当たり遊技の終了インターバルが終了するまでの間(ステップS926a)は、第2特別図柄側の遊技は進行されることなくこれが一時停止の状態にて維持されることとなる。
他方、第1特別図柄抽選の結果がハズレである場合は(ステップS504aにおけるNO、ステップS511aにおけるNO、且つステップS521aにおけるYES)、まず、時短機能が作動中であるか否かを判断する(ステップS521a)。そして、時短機能が作動中であるときには、時短機能が作動している間に消化した特別図柄の変動回数が予め定められている上限値に達したか否かを判断する(ステップS522a)。すなわち、時短機能が作動している間に消化した特別図柄の変動回数が予め定められている上限値に達したときには、時短遊技状態を終了させるべき条件が成立したとして、時短機能を停止させることとなる(ステップS523a)。そして、こうして時短機能に関する処理が行われた後は、ハズレであることが示されるように特別図柄が変動停止された処理段階にあるとして、第1処理フラグを「0」に更新した時点で(ステップS524a)、この処理を終了する。すなわちこの場合、次の割り込み制御が行われる際に、上記ステップS301aの処理にて保留消化されることを条件に、第1特別図柄にかかる次変動が行われることとなる。
ただし、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、時短遊技状態において消化可能とされる変動回数の上限値についてはこれを「1」とすることで、第1特別図柄抽選にて当選する確率については通常遊技状態と同じ低い当選確率のままでこれを維持するにもかかわらず該抽選にてハズレが1度でも得られると当該時短遊技状態が終了される早期終了制御を実現するようにしている。したがって、この実施の形態にかかるステップS521aの処理において時短機能が作動している旨判断された場合は必ず、上記ステップS522aの処理において時短機能を停止させることが決定されて上記ステップS523aの処理において時短機能を停止させることとなる。
なお、この実施の形態では、第1特別図柄抽選の結果として大当たりが得られている場合、時短機能が作動している間に消化した特別図柄の変動回数が予め定められている上限値(1回)に達しているにもかかわらず当該第1変動中処理内で時短機能を停止させることはない。すなわちこの場合、後述の第1大当たり遊技開始処理(ステップS230a)内のステップS804aの処理にて時短機能の作動を停止させるようにしており、時短遊技状態にて特別図柄の変動回数が予め定められている上限値を超えるようなことがないようにしている。
また、第1特別図柄抽選の結果として小当たりが得られている場合も、時短機能が作動している間に消化した特別図柄の変動回数が予め定められている上限値(1回)に達しているにもかかわらず当該第1変動中処理内で時短機能を停止させることはない。すなわちこの場合、後述の第1小当たり遊技処理内のステップS718aの処理にて時短機能の作動を停止させるようにしており、時短遊技状態にて特別図柄の変動回数が予め定められている上限値を超えるようなことがないようにしている。小当たり遊技中にも時短機能が継続されるようにすることで、第2特別図柄の保留状態が途切れないようにしているが、これについては後述することとする。
[第1小当たり遊技開始処理について]
次に、第1処理フラグが「3」のときに実行される第1小当たり遊技開始処理(ステップS190a)について説明する。図130は、第1小当たり遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。
次に、第1処理フラグが「3」のときに実行される第1小当たり遊技開始処理(ステップS190a)について説明する。図130は、第1小当たり遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。
同図130に示されるように、第1小当たり遊技開始処理(ステップS190a)では、主制御MPU4100aは、まず、ステップS601aの処理として、小当たり遊技の開始前インターバルを計時するタイマ(第1小当たり開始インターバルタイマ)がセット済みの状態であるか否かを判断する。そしてこの結果、第1小当たり開始インターバルタイマが未だセットされていない場合には、小当たり遊技の開始前インターバルを開始させるべく、ステップS602a及びS603aの処理として、第1小当たり開始インターバルタイマをセットするとともに、第1小当たりインターバル開始コマンドをセットした時点で、この処理を一旦終了する。
なお、上記ステップS603aの処理にてセットされた第1小当たりインターバル開始コマンドは、図123に示したコマンド送信処理(ステップS17)によって周辺制御部4140に送信されることとなる。これにより、液晶表示装置1900においては、周辺制御部4140側による後述の制御を通じて、小当たり遊技の開始前インターバル中の表示演出が現れるようになる。
すなわち、こうして第1小当たり開始インターバルタイマがセットされた以降は、割込処理が行われる都度、上記ステップS601aの処理にて第1小当たり開始インターバルタイマがセット済みであると判断されるようになり、次のステップS611aの処理において当該第1小当たり開始インターバルタイマが0、すなわち、上記小当たり遊技の開始前インターバルとして設定された時間が経過したか否かについての判断を行うこととなる。そして、このステップS611aの処理において、第1小当たり開始インターバルタイマが0でない、すなわち、上記小当たり遊技の開始前インターバルとして設定された時間が経過していない旨判断される限りは(ステップS611aにおけるNO)、当該第1小当たり遊技開始処理(ステップS190a)が行われる都度、ステップS621aの処理として、第1小当たり開始インターバルタイマを1減算することとなる。
そして、こうした処理が行われた結果、上記ステップS611aの処理において、第1小当たり開始インターバルタイマが0になった、すなわち、上記小当たり遊技の開始前インターバルとして設定された時間が経過した旨判断されたとき、小当たり遊技を実行するべく、第1処理フラグを「4」に更新した時点で(ステップS612a)、この処理を終了する。
ところで、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、有利小当たりが得られた場合は、第一大入賞口2103に平均して2個の遊技球が入賞してそれら遊技球のいずれかが特定領域に誘導される態様で第一大入賞口2103を開放させる小当たり遊技が行われるのに対し、不利小当たりが得られた場合は、第一大入賞口2103には平均して2個の遊技球が入賞されるものの特定領域にはいずれの遊技球も誘導されない態様で第一大入賞口2103を開放させる小当たり遊技が行われることは上述した。したがって、有利小当たりと不利小当たりとのうち、有利小当たりに応じた小当たり遊技が行われる場合に限り、第一大入賞口2103に入賞させる遊技が遊技者によって行われてしまう懸念がある。すなわちこの場合、小当たり遊技において第一大入賞口2103に入賞させれば大当たり遊技を必ず開始させることができるようになることから、特定領域には遊技球が誘導され難い条件(例えば、1/11の振分確率)が設定されているなかで、特定領域に遊技球がようやく誘導されたときの喜び(実感)を遊技者に対して提供することができなくなってしまう懸念がある。
この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、有利小当たりと不利小当たりとのいずれが得られた場合であっても、小当たり遊技の開始前インターバルが行われる期間中は、遊技者に対して第一大入賞口2103に遊技球を進入させることを促す演出表示が現れるようにしている。すなわちこの場合、不利小当たりに応じた小当たり遊技では、特定領域に遊技球が誘導されることはないにもかかわらず、遊技者に対して第一大入賞口2103に遊技球を進入させることを促す演出表示が現れることとなるが、特定領域には遊技球が誘導され難いことを遊技者に対して実感させることができるようになり、これによって有利小当たりに応じた小当たり遊技が行われるときの遊技興趣の向上を好適に図ることができるようになる。
なお、第1小当たり開始インターバルタイマについては、小当たり図柄の種類(第1図柄乱数により決定付けされる種類)に応じて時間長さが設定可能とされている。例えば、不利小当たりが得られているときには相対的に短い時間が設定される傾向(時間長さの期待値を相対的に短くする)を持たせるのに対し、有利小当たりが得られているときには相対的に長い時間が設定される傾向(時間長さの期待値を相対的に長くする)を持たせるようにすれば、小当たりインターバルの長さによって有利小当たりが得られている期待度を示すことができるようになる。また、小当たりの種別が同じであっても、小当たり図柄の種類(第1図柄乱数により決定付けされる種類)に応じて小当たり遊技前のインターバルの長さを変えるようにすれば、小当たり図柄の種類によって特別図柄の保留の維持し易さを可変とすることができるようになる。
[第1小当たり遊技処理について]
次に、第1処理フラグが「4」のときに実行される第1小当たり遊技処理(ステップS210a)について説明する。図131は、第1小当たり遊技処理の一例を示すフローチャートである。
次に、第1処理フラグが「4」のときに実行される第1小当たり遊技処理(ステップS210a)について説明する。図131は、第1小当たり遊技処理の一例を示すフローチャートである。
同図131に示されるように、第1小当たり遊技処理(ステップS210a)では、主制御MPU4100aは、まず、ステップS701aの処理として、小当たり遊技の実行にかかる制御が既に進行している状態にあることを示す第1小当たり遊技実行フラグがオン状態にあるか否かを判断する。そしてこの結果、第1小当たり遊技実行フラグがオン状態にない場合は、小当たり遊技の実行にかかる制御を開始させるべく、ステップS702aの処理として、小当たりの種類(有利小当たり、不利小当たり)に応じた開放パターンと該開放パターンにかかる制御実行に要する時間を計時する制御タイマとをそれぞれセットする。次いで、ステップS703a及びステップS704aの処理として、小当たり遊技の実行にかかる制御が既に進行している状態にあることを示す第1小当たり遊技実行フラグをオン状態に操作するとともに、第1小当たり開始コマンドをセットした時点で、この処理を一旦終了する。
すなわち、こうして第1小当たり遊技実行フラグがオン状態とされた以降は、割込処理が行われる都度、上記ステップS701aの処理にて小当たり遊技の実行にかかる制御が既に進行している状態にあると判断されるようになり、次のステップS711aの処理において上記制御タイマが0、すなわち、上記小当たり遊技の実行にかかる制御が終了されるタイミングが到来したか否かについての判断を行うこととなる。そして、このステップS711aの処理において、制御タイマが0でない、すなわち、上記小当たり遊技の実行にかかる制御の中途段階である旨判断される限りは(ステップS711aにおけるNO)、当該第1小当たり遊技処理(ステップS210a)が行われる都度、まず、ステップS712aの処理として、上記セットした開放パターンに応じた制御を実行することとなる。これにより、上記割込処理が行われる都度(4ms毎に)、ステップS712aの処理を通じて開閉部材2106の開閉にかかる動きが更新(管理)されるようになり、ひいては小当たりの種類(有利小当たり、不利小当たり)に応じた開放パターンをもって上記第一アタッカ装置2100が開閉動作する小当たり遊技が実現されるようになる。なお、小当たりの種類(有利小当たり、不利小当たり)に応じた開放パターンの詳細については後述することとする。
こうして開放パターンに応じた制御が実行された後は、ステップS713aの処理として、特定領域に遊技球が受け入れられたことを検出する特定センサ2580がオン状態となったか否かを判断する。そしてこの結果、特定領域に遊技球が受け入れられた旨判断された場合は(特定センサ2580がオン状態)、上記セットされた開放パターンの中途の状態にあるにもかかわらず、この時点で、当該小当たり遊技を終了させて上記特定領域に遊技球が受け入れられたことに応じた大当たり遊技を開始させるための各処理(ステップS714a〜ステップS719a)を行う。
すなわち、主制御MPU4100aは、まず、ステップS714aの処理として、上記第一アタッカ装置2100の第一大入賞口2103を閉鎖させる制御を行う。次いで、ステップS715aの処理として、小当たり遊技の実行にかかる制御が既に進行している状態にあることを示す第1小当たり遊技実行フラグをオフ状態に操作する。そして次に、時短機能が作動している状態であれば(ステップS716aにおけるYES)、時短機能が作動している間に消化した特別図柄の変動回数が予め定められている上限値に達したか否かを判断する(ステップS717a)。すなわち上述の通り、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、時短機能が作動している間に消化した特別図柄の変動回数が予め定められている上限値に達したときには、時短遊技状態を終了させるべき条件が成立したとして、時短機能を停止させることとしており、当該最終の変動が小当たりに応じた図柄変動であった場合には、小当たり遊技を消化し終わったタイミングで時短機能を停止させるようにしている(ステップS718a)。これにより、小当たり図柄が停止した以降も、小当たり遊技が消化し終わるまでの間は時短機能が継続されるようになることから、時短遊技状態にあるときの特別図柄の保留状態を好適に維持することができるようになるが、これについては後述することとする。
そして、こうして時短機能に関する処理が行われた後に、大当たり遊技を開始させるべく、第1処理フラグを「5」に更新した時点で(ステップS719a)、この処理を終了する。
一方、上記ステップS713aの処理において、特定領域に遊技球が受け入れられたことを検出する特定センサ2580がオン状態となっていない場合は(ステップS713aにおけるNO)、その時点で、この処理を一旦終了する。すなわちこの場合、上記割込処理が行われる都度、上記ステップS711aの処理において制御タイマが0でない、すなわち、上記小当たり遊技の実行にかかる制御の中途段階である旨判断される限りは、上記ステップS712aの処理を通じて開閉部材2106の開閉にかかる動きを更新(管理)しながら、上記ステップS713aの処理において特定センサ2580がオン状態になるのを待つこととなる。そして、こうした制御が行われているなかで、特定センサ2580がオン状態になれば、この時点で、当該小当たり遊技を終了させて上記特定領域に遊技球が受け入れられたことに応じた大当たり遊技を開始させるための上述の各処理(ステップS714a〜ステップS719a)を行うこととなる。
ただし、こうした制御が行われているなかで、上記ステップS711aの処理において制御タイマが0である、すなわち、上記小当たり遊技の実行にかかる制御が全て完了した旨判断された場合は、特定領域に遊技球が受け入れられないままで当該小当たり遊技を終了させるための各処理(ステップS721a〜ステップS726a)を行う。
なお、制御タイマが0になっている状況では、上記割込処理が行われる都度(4ms毎)のステップS712aの処理によって予め定められたスケジュール通りに上記第一アタッカ装置2100の開閉部材2106の開閉が動作し終わっている状況にあることから、第一大入賞口2103は既に閉鎖状態とされている。より厳密には、第一大入賞口2103が閉鎖状態とされてから既に入賞済みとなっている遊技球が上記第一アタッカ装置2100内から排出されるまでに要する時間よりも長い時間が経過した状況にあるが、これについては後述することとする。
すなわち、主制御MPU4100aは、まず、ステップS721aの処理として、小当たり遊技の実行にかかる制御が既に進行している状態にあることを示す第1小当たり遊技実行フラグをオフ状態に操作する。そして次に、時短機能が作動している状態であれば(ステップS722aにおけるYES)、時短機能が作動している間に消化した特別図柄の変動回数が予め定められている上限値に達したか否かを判断する(ステップS723a)。すなわち上述の通り、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、時短機能が作動している間に消化した特別図柄の変動回数が予め定められている上限値に達したときには、時短遊技状態を終了させるべき条件が成立したとして、時短機能を停止させることとしており、当該最終の変動が小当たりに応じた図柄変動であった場合には、小当たり遊技を消化し終わったタイミングで時短機能を停止させるようにしている(ステップS724a)。これにより、小当たり図柄が停止した以降も、小当たり遊技が消化し終わるまでの間は時短機能が継続されるようになることから、時短遊技状態にあるときの特別図柄の保留状態を好適に維持することができるようになるが、これについては後述することとする。
そして、こうして時短機能に関する処理が行われた後は、第2特別図柄側で当たりが重複して発生する可能性がなくなったことに鑑みて、第2特別図柄側の遊技を一時停止させるべき状態にあることを示す上述の一時停止フラグをオフ状態とする(ステップS725a)。そしてこの後、特定領域に遊技球が受け入れられないままで小当たり遊技が消化し終わった処理段階にあるとして、第1処理フラグを「0」に更新した時点で(ステップS726a)、この処理を終了する。すなわちこの場合、次の割り込み制御が行われる際に、上記ステップS301aの処理にて保留消化されることを条件に、第1特別図柄にかかる次変動が行われることとなる。
[第1大当たり遊技開始処理について]
次に、第1処理フラグが「5」のときに実行される第1大当たり遊技開始処理(ステップS230a)について説明する。図132は、第1大当たり遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。
次に、第1処理フラグが「5」のときに実行される第1大当たり遊技開始処理(ステップS230a)について説明する。図132は、第1大当たり遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。
同図132に示されるように、第1大当たり遊技開始処理(ステップS230a)では、主制御MPU4100aは、まず、ステップS801aの処理として、大当たり遊技の開始前インターバルを計時するタイマ(第1大当たり開始インターバルタイマ)がセット済みの状態であるか否かを判断する。そしてこの結果、第1大当たり開始インターバルタイマが未だセットされていない場合には、ステップS802aの処理として、条件装置を作動させるとともに、ステップS803a及びステップS804aの処理として、時短機能が作動しているのであれば(ステップS803aにおけるYES)、該作動を停止させる。すなわち、こうした準備が整った後に、大当たり遊技の開始前インターバルを開始させるべく、ステップS805a及びS806aの処理として、第1大当たり開始インターバルタイマをセットするとともに、第1大当たりインターバル開始コマンドをセットした時点で、この処理を一旦終了することとなる。
なお、上記ステップS806aの処理にてセットされた第1大当たりインターバル開始コマンドは、図123に示したコマンド送信処理(ステップS17)によって周辺制御部4140に送信されることとなる。これにより、液晶表示装置1900においては、周辺制御部4140側による後述の制御を通じて、大当たり遊技の開始前インターバル中の表示演出が現れるようになる。
すなわち、こうして第1大当たり開始インターバルタイマがセットされた以降は、割込処理が行われる都度、上記ステップS801aの処理にて第1大当たり開始インターバルタイマがセット済みであると判断されるようになり、次のステップS811aの処理において当該第1大当たり開始インターバルタイマが0であるか否か、すなわち、上記大当たり遊技の開始前インターバルとして設定された時間が経過したか否かについての判断を行うこととなる。そして、このステップS811aの処理において、第1大当たり開始インターバルタイマが0でない、すなわち、上記大当たり遊技の開始前インターバルとして設定された時間が経過していない旨判断される限りは(ステップS811aにおけるNO)、当該第1大当たり遊技開始処理(ステップS230a)が行われる都度、ステップS821aの処理として、第1大当たり開始インターバルタイマを1減算することとなる。
そして、こうした処理が行われた結果、上記ステップS811aの処理において、第1大当たり開始インターバルタイマが0になった、すなわち、上記大当たり遊技の開始前インターバルとして設定された時間が経過した旨判断されたとき、大当たり遊技を実行するべく、第1処理フラグを「6」に更新した時点で(ステップS812a)、この処理を終了する。
なお、第1大当たり開始インターバルタイマについては、大当たり図柄の種類(第1図柄乱数により決定付けされる種類)に応じて時間長さが設定可能とされている。
[第1大当たり遊技処理について]
次に、第1処理フラグが「6」のときに実行される第1大当たり遊技処理(ステップS240a)について説明する。図133は、第1大当たり遊技処理の一例を示すフローチャートである。
次に、第1処理フラグが「6」のときに実行される第1大当たり遊技処理(ステップS240a)について説明する。図133は、第1大当たり遊技処理の一例を示すフローチャートである。
同図133に示されるように、第1大当たり遊技処理(ステップS240a)では、主制御MPU4100aは、まず、ステップS901aの処理として、大当たり遊技の実行にかかる制御が既に進行している状態にあることを示す第1大当たり遊技実行フラグがオン状態にあるか否かを判断する。そしてこの結果、第1大当たり遊技実行フラグがオン状態にない場合は、第二アタッカ装置2150を用いた大当たり遊技の実行にかかる制御を開始させるべく、ステップS902aの処理として、大当たりの種類に応じた開放態様(ラウンド数、各ラウンドの開放時間、各ラウンドの最大入賞数)をセットする。
なお上述の通り、この実施の形態では、大当たりの種類として6R時短大当たりのみが用意されていることに加えて、小当たり遊技において特定領域に遊技球が振り分けられた場合にもラウンド遊技が6回にわたって行われる大当たり遊技を発生させることとなっていることから、このステップS902aの処理においては、常に、ラウンド数として「6回」がセットされることとなる。また、各ラウンドの開放時間としては、例えば「30秒」が一律で設定されて、各ラウンドの最大入賞数としては、例えば「10個」が一律でセットされる。ただし、大当たりの種類を複数用意してもよいし、各ラウンドでの開放時間や最大入賞数を異ならせるようにしてもよい。
こうして大当たり遊技の実行態様がセットされた後、ステップS903a及びステップS904aの処理として、大当たり遊技の実行にかかる制御が既に進行している状態にあることを示す第1大当たり遊技実行フラグをオン状態に操作するとともに、第1大当たり開始コマンドをセットした時点で、この処理を一旦終了する。
すなわち、こうして第1大当たり遊技実行フラグがオン状態とされた以降は、割込処理が行われる都度、上記ステップS901aの処理にて大当たり遊技の実行にかかる制御が既に進行している状態にあると判断されるようになり、次のステップS911aの処理において上記セットされたラウンド数を消化したか否かについての判断を行うこととなる。そして、このステップS911aの処理において、上記セットされたラウンド数を未だ消化し終わっていない、すなわち、上記大当たり遊技の実行にかかる制御の中途段階である旨判断される限りは(ステップS911aにおけるNO)、当該第1大当たり遊技処理(ステップS240a)が行われる都度、ステップS912aの処理として、上記セットした開放パターンに応じた制御を実行することとなる。これにより、上記割込処理が行われる都度(4ms毎に)、ステップS912aの処理を通じて開閉部材2156の開閉にかかる動き(ラウンド間のインターバルも含めて)が更新(管理)されるようになり、ひいては大当たりの種類に応じた開放パターンをもって上記第二アタッカ装置2150が開閉動作する大当たり遊技が実現されるようになる。
そして、こうした制御が行われているなかで、上記ステップS911aの処理において、上記セットされたラウンド数を消化し終わった、すなわち、上記大当たり遊技の実行にかかる制御が全て完了した旨判断された場合は(ステップS911aにおけるYES)、大当たり遊技の終了インターバルを発生させるための各処理(ステップS921a,ステップS922a,ステップS931a,ステップS941a,ステップS942a)を行う。
すなわち、主制御MPU4100aは、まず、大当たり遊技の終了インターバルを計時するタイマ(第1大当たり終了インターバルタイマ)がセット済みの状態であるか否かを判断する(ステップS921a)。そしてこの結果、第1大当たり終了インターバルタイマが未だセットされていない場合には、大当たり遊技の終了インターバルを開始させるべく、ステップS941a及びS942aの処理として、第1大当たり終了インターバルタイマをセットするとともに、第1大当たりインターバル終了コマンドをセットした時点で、この処理を一旦終了することとなる。
なお、上記ステップS942aの処理にてセットされた第1大当たりインターバル終了コマンドは、図123に示したコマンド送信処理(ステップS17)によって周辺制御部4140に送信されることとなる。これにより、液晶表示装置1900においては、周辺制御部4140側による後述の制御を通じて、大当たり遊技の終了インターバル中の表示演出が現れるようになる。
すなわち、こうして第1大当たり終了インターバルタイマがセットされた以降は、割込処理が行われる都度、上記ステップS921aの処理にて第1大当たり終了インターバルタイマがセット済みであると判断されるようになり、次のステップS922aの処理において当該第1大当たり終了インターバルタイマが0であるか否か、すなわち、上記大当たり遊技の終了インターバルとして設定された時間が経過したか否かについての判断を行うこととなる。そして、このステップS922aの処理において、第1大当たり終了インターバルタイマが0でない、すなわち、上記大当たり遊技の開始前インターバルとして設定された時間が経過していない旨判断される限りは(ステップS922aにおけるNO)、当該第1大当たり遊技処理(ステップS240a)が行われる都度、ステップS931aの処理として、第1大当たり終了インターバルタイマを1減算することとなる。
そして、こうした処理が行われた結果、上記ステップS922aの処理において、第1大当たり終了インターバルタイマが0になった、すなわち、上記大当たり遊技の終了インターバルとして設定された時間が経過した旨判断されたときに、当該大当たり遊技を終了させるための各処理(ステップS923a〜ステップS928a)を行うこととなる。
すなわち、主制御MPU4100aは、まず、ステップS923aの処理として、大当たり遊技の実行にかかる制御が既に進行している状態にあることを示す第1大当たり遊技実行フラグをオフ状態に操作する。そして次に、上記第1特別図柄抽選の結果が時短機能を作動させる条件を満たすものであれば(ステップS924aにおけるYES)、時短機能を作動させることにより時短遊技状態に移行制御させることとなる(ステップS925a)。
そして、こうして時短機能に関する処理が行われた後は、第2特別図柄側で大当たり遊技が重複して発生する可能性がなくなったことに鑑みて、第2特別図柄側の遊技を一時停止させるべき状態にあることを示す上述の一時停止フラグをオフ状態とする(ステップS926a)。そしてこの後、条件装置の作動を停止させて(ステップS927a)、第1処理フラグを「0」に更新した時点で(ステップS928a)、この処理を終了する。すなわちこの場合、次の割り込み制御が行われる際に、上記ステップS301aの処理にて保留消化されることを条件に、第1特別図柄にかかる次変動が行われることとなる。
このような大当たり遊技処理によれば、ステップ911aの処理にてラウンド遊技が最大ラウンド数に到達した旨判断されるまでの間、対応する第二大入賞口2153は、大当りの種別に応じた開放態様(ステップS912a)をもって繰り返し開放されるようになり、ひいては大当たりの種別に応じた賞球が遊技者によって獲得可能とされるようになる。
以下、第2特別図柄側の遊技の進行が制御される第2特別図柄制御処理(ステップS14b)についての各詳細な手順について説明する。なお上述の通り、この第2特別図柄制御処理は、図124に示されるように、割込処理内で、上述の第1特別図柄制御処理(ステップS14a)よりも先に実行されるものとなっている。ただし、通常遊技状態においては第2始動口2102に遊技球が受け入れられ難くなっていることから(右打ちは、左打ちを行う場合よりも遊技で獲得可能な賞の期待値で不利とされる状態)、遊技者の遊技手順としては、まず、第1始動口2101への遊技球の受け入れに応じた第1特別図柄側の遊技を進行させることによって時短遊技状態を発生させた以降に、以下の第2特別図柄制御処理を中心とした遊技を開始させることとなる(右打ちは、左打ちを行う場合よりも遊技で獲得可能な賞の期待値で有利とされる状態)。
なお、第2特別図柄制御処理については、上述の第1特別図柄制御処理を行う場合と同じプログラムを用いて、該プログラム内にて参照する各種の値を変えることによって行うようにしてもよい。
[第2特別図柄制御処理について]
第2特別図柄制御処理について図134に基づいて説明する。図134は、第2特別図柄側の特別図柄制御処理の一例を示すフローチャートである。
第2特別図柄制御処理について図134に基づいて説明する。図134は、第2特別図柄側の特別図柄制御処理の一例を示すフローチャートである。
いま、上述の第1・第2始動口入賞処理が行われたとすると、第2特別図柄側の特別図柄制御処理(ステップS14b)として、まず、第2特別図柄側の遊技を一時停止させるべき状態にあることを示す一時停止フラグがオン状態となっているか否かを判断する(ステップS100b)。
すなわち上述の通り、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、第1特別図柄側の遊技と第2特別図柄側の遊技とが同時に進行可能とされる制御構造となっている。このような制御構造では、第1特別図柄側の遊技と第2特別図柄側の遊技との間で当たりや大当たり遊技が重複して発生してしまう懸念があることから、これを回避すべく、一方側の遊技で当たりが得られたときには、その時点で、他方側の遊技の進行を停止させるべき旨を示すフラグをオン状態に操作するようにしている。
したがって、上記ステップS100bの処理において、第2特別図柄側の遊技を一時停止させるべき状態にあることを示す一時停止フラグがオン状態となっている場合には、第2特別図柄側の遊技にかかる処理(ステップS130b〜ステップS240b)を何ら行うことなく、当該割込処理内での第2特別図柄側の特別図柄制御処理が終了される。すなわちこの場合、上述の割込処理が行われる都度、上記ステップS100bの処理において、一時停止フラグがオン状態であるか否かが判断されるようになり、この一時停止フラグがオフであると判断されるようになるまでの間、第2特別図柄側の遊技の進行が実質的に待機状態とされることとなる。例えば、第2特別図柄が変動中であった場合には、後述の第2変動中処理(ステップS170b)内にて第2変動タイマのタイマ値が減算されることはないにもかかわらずその変動状態が維持される一時停止状況が生み出されることとなる。
これに対し、上記ステップS100bの処理において、第2特別図柄側の遊技を一時停止させるべき状態にあることを示す一時停止フラグがオフ状態となっている場合には、第2特別図柄側の遊技の進行が許容される遊技状況にあるとして、第2特別図柄側の遊技の進行状況を示す第2処理フラグの状態を確認する。そして、図中に示す複数の処理(ステップS130b〜ステップS240b)のうち、こうして確認された第2処理フラグの状態(第2特別図柄側の遊技の進行状況)に合った処理を選択的に実行することで、第2特別図柄側の遊技が適正に進行されていくこととなる。
より具体的には、まず、第2処理フラグが0であるか否かを判断し(ステップS120b)、第2処理フラグが0であれば(ステップS120bにおけるYES)、第2変動開始処理(ステップS130b)を実行する。この第2変動開始処理(ステップS130b)では、アタッカ装置(第一アタッカ装置2100や第二アタッカ装置2150)の動作契機となる当たりについての第2特別図柄抽選(第2特別判定)の結果などに基づいて第2特別図柄の変動表示を開始するための設定などが行われた後、第2処理フラグが「1」に更新される。
一方、第2処理フラグが0でなければ(ステップS120bにおけるNO)、第2処理フラグが1であるか否かを判断する(ステップS140b)。そしてこの結果、第2処理フラグが1であれば(ステップS140bにおけるYES)、第2変動パターン設定処理(ステップS150b)を実行する。この第2変動パターン設定処理(ステップS150b)では、第二特別図柄表示器1186に表示される第2特別図柄(識別図柄)の変動パターン(第二特別図柄表示器1186において第2特別図柄(識別図柄)の変動表示を開始してから停止表示するまでの変動時間など)が決定された後、第2処理フラグが「2」に更新される。
また一方、第2処理フラグが1でなければ(ステップS140bにおけるNO)、第2処理フラグが2であるか否かを判断する(ステップS160b)。そしてこの結果、第2処理フラグが2であれば(ステップS160bにおけるYES)、第2変動中処理(ステップS170b)を実行する。この第2変動中処理では、第2変動パターン設定処理(ステップS150b)にて設定された変動時間をタイマにより監視し、タイムアウトしたことに基づいて第二特別図柄表示器1186における第2特別図柄の変動表示を停止させる。そしてこの後、第2変動開始処理(ステップS130b)にて小当たりに当選している旨判断されたときは、第1特別図柄側の遊技を一時停止させるべき状態にあることを示す一時停止フラグをオン状態としてから、小当たり遊技を開始させるべく、第2処理フラグが「3」に更新される。これに対し、大当たりに当選している旨判断されたときは、第1特別図柄側の遊技を一時停止させるべき状態にあることを示す一時停止フラグをオン状態としてから、大当たり遊技を開始させるべく、第2処理フラグが「5」に更新される。ただし、小当たりと大当たりとのいずれの当たりにも当選しなかった場合(ハズレ)は、第2処理フラグは「0」に更新される。すなわちこの場合、次の割込処理では、第2変動開始処理(ステップS130b)から再びやり直すこととなる。
また一方、第2処理フラグが2でなければ(ステップS160bにおけるNO)、第2処理フラグが3であるか否かを判断する(ステップS180b)。そしてこの結果、第2処理フラグが3であれば(ステップS180bにおけるYES)、小当たり遊技を開始させる前のインターバル期間を創出する第2小当たり遊技開始処理(ステップS190b)を実行する。なお、小当たり遊技を開始させる前のインターバル期間が経過したときには、当該第2小当たり遊技開始処理内にて第2処理フラグが「4」に更新される。
一方、ステップS180bにおいて第2処理フラグが3でなければ(ステップS180bにおけるNO)、第2処理フラグが4であるか否かを判断する(ステップS200b)。そしてこの結果、第2処理フラグが4であれば(ステップS200bにおけるYES)、第2小当たり遊技処理(ステップS210b)を実行する。この第2小当たり遊技処理では、小当たりの種別に応じた制御態様で開閉部材2106を開閉動作させる小当たり遊技を行うとともに、第一大入賞口2103から内部領域に進入した遊技球が特定領域に振り分けられるか否かを判断する。そしてこの結果、当該第2小当たり遊技処理において、特定領域に遊技球が振り分けられた旨判断された場合、大当たり遊技を開始させるべく、第2処理フラグが「5」に更新される。ただし、予め定められた時間内で特定領域に遊技球が振り分けられた旨判断されなかった場合は、第2処理フラグが「0」に更新される。すなわちこの場合、次の割込処理では、第2変動開始処理(ステップS130b)から再びやり直すこととなる。
また一方、第2処理フラグが4でなければ(ステップS200bにおけるNO)、第2処理フラグが5であるか否かを判断する(ステップS220b)。そしてこの結果、第2処理フラグが5であれば(ステップS220bにおけるYES)、第2大当たり遊技開始処理(ステップS230b)を実行する。この第2大当たり遊技開始処理においては、大当たり遊技を実行するための条件の一つである条件装置を作動させたり、時短機能を停止させたりする。そして、こうして大当たり遊技の開始準備が完了された後に、第2処理フラグを「6」に更新する。
一方、ステップS220bにおいて第2処理フラグが5でなければ(ステップS220bにおけるNO)、第2処理フラグが6であるとして、第2大当たり遊技処理(ステップS240b)を実行する。この第2大当たり遊技処理では、大当たり遊技の態様(ラウンド数や開放時間、最大入賞数など)をセットし、このセットされた大当たり遊技の態様に基づいて開閉部材2156にかかる開閉動作が制御される。また、大当たり遊技が終了する場合には、条件装置の作動を停止させる処理などが行われた後、処理フラグが「0」に更新される。すなわちこの場合、次の割込処理では、第2変動開始処理(ステップS130b)から再びやり直すこととなる。
このように、上記ステップS100bの処理において、第2特別図柄側の遊技を一時停止させるべき状態にあることを示す一時停止フラグがオフ状態となっている場合には、ステップS130b、ステップS150b、ステップS170b、ステップS190b、ステップS210b、ステップS230b、及びステップS240bの処理のいずれかが第2処理フラグの状態に基づいて選択的に実行された時点で、当該割込処理内における第2特別制御処理は終了される。
以下、第2変動開始処理(ステップS130b)、第2変動パターン設定処理(ステップS150b)、第2変動中処理(ステップS170b)、第2小当たり遊技開始処理(ステップS190b)、第2小当たり遊技処理(ステップS210b)、第2大当たり遊技開始処理(ステップS230b)、及び第2大当たり遊技処理(ステップS240b)の各処理について、それらの詳細な手順を各別にそれぞれ説明する
[第2変動開始処理について]
まず、第2変動開始処理について図135に基づいて説明する。図135は、第2変動開始処理の一例を示すフローチャートである。
まず、第2変動開始処理について図135に基づいて説明する。図135は、第2変動開始処理の一例を示すフローチャートである。
第2処理フラグが「0」のときに実行される第2変動開始処理(ステップS130b)では、同図135に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、まず、ステップS301bの処理として、上記第2特別保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある第2特別図柄の抽選処理があるか否かの判断を行う。そしてこの結果、上記ステップS301bの処理において、上記第2特別保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある第2特別図柄の抽選処理がない旨判断された場合は、当該割込処理内での第2変動開始処理が一旦終了される。すなわちこの場合、上述の割込処理が行われる都度、上記ステップS301bの処理において、保留の状態にある第1特別図柄の抽選処理があるか否かが判断されるようになり、該保留の状態にある第1特別図柄の抽選処理がある旨判断されるようになるまでの間、第1特別図柄側の遊技の進行が実質的に待機状態とされることとなる。
これに対し、上記ステップS301bの処理において、保留の状態にある第2特別図柄の抽選処理がある旨判断された場合には、次にステップS302bの処理として、上記主制御MPU4100aのRAM4100eの第2特別図柄保留記憶領域に格納されている第2特別図柄の抽選処理に関わる乱数群(例えば、第2当落判定用乱数、第2図柄乱数、第2リーチ乱数、第2変動乱数)のうちの最先の記憶領域に格納された乱数群を同RAM4100eから読み出す。次いで、ステップS303bの処理として、上記主制御MPU4100aのRAM4100eの第2特別図柄保留記憶領域の各記憶領域に格納されている上記第2特別図柄の抽選処理に関わる乱数群(第2当落判定用乱数、第2図柄乱数、第
2リーチ乱数、第2変動乱数)を先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作する。
2リーチ乱数、第2変動乱数)を先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作する。
より具体的には、第二特別図柄保留記憶領域は1〜4の4つの記憶領域を有し、始動入賞の発生に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に始動入賞が発生するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2〜4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、上記第2特別図柄の変動表示制御の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示制御の保留が解除されるようになる。
そしてその後、ステップS304b及びS305bの処理として、上記第2特別保留数カウンタをカウントダウンするとともに、上記読み出された第2当落判定用乱数に基づいて上記当たりについての抽選処理(第2特別図柄抽選)を行う。
ここで、この実施の形態にかかる第2特別図柄抽選では、図142(a)に示されるように、遊技状態(通常遊技状態、時短遊技状態)にかかわらず一の当たり判定テーブルに基づいて大当たりであるか、小当たりであるか、リーチハズレであるか、リーチを伴わないハズレであるか、若しくは無抽選とするかについての判定処理が行われる。より具体的には、第2当落判定用乱数と比較するために参照される当たり判定テーブルでは、上記第2当落判定用乱数として取得されうる1200種類の値のうち、3種類の値が大当たりに当選したことを示す大当たり判定値と一致し、1197種類の値が小当たりに当選したことを示す小当たり判定値と一致するように上記第2当落判定用乱数として取得されうる1200種類の値がそれぞれ関連付けされている。このような構成によれば、遊技状態(通常遊技状態、時短遊技状態)にかかわらず、第2特別図柄抽選の結果として大当たりが得られる確率は1/400として設定される。ただし後述するが、この大当たりが得られなかった場合には、無抽選とならない限りは、第2特別図柄抽選の結果として必ず小当たりが得られるようにすることで、第1特別図柄側での上述の早期終了制御に抗する制御を第2特別図柄側での遊技を通じて実現可能としている。
なお、第2当落判定用乱数として取得された値がハズレである場合は、上記取得された第2リーチ乱数の値に基づいてリーチハズレであるか、リーチを伴わないハズレであるかをさらに決定する。
また、上述の通り、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、第1特別図柄側の遊技と第2特別図柄側の遊技とが同時に進行可能とされる制御構造となっている。このような制御構造では、第1特別図柄側の遊技と第2特別図柄側の遊技との間で当たりが重複してしまう懸念がある。したがって、第1特別図柄側の遊技で大当たりの図柄変動が行われている期間内に第2特別図柄側の当たり判定処理(ステップS305b)が行われる場合は、上記ステップS302bの処理で取得した第2当落判定用乱数を用いることなく、大当たりと小当たりとのいずれにも該当しないことを無抽選で決定するようにしている。これにより、第1特別図柄側の遊技と第2特別図柄側の遊技との間で当たりが重複してしまう懸念が好適に抑制されるようになる。
なお、大当たりと小当たりとのいずれにも該当しないことを無抽選で決定する場合、ハズレとして用意されているハズレ値のいずれかを選択的に決定するか、若しくは予め決定されているハズレ値を決定するようにしてもよいし、第2当落判定用乱数として取得されうる1200種類の値のいずれにも該当しない専用値として決定するようにしてもよい。
ところで、この実施の形態にかかる第2特別図柄抽選では、図142(b)に示されるように、その結果として大当たりが得られた場合、上述の第2特別図柄抽選と同様、上記取得された図柄乱数の値にかかわらず、特定種別の大当たり(6回にわたってラウンド遊技が繰り返し行われた後に時短遊技状態に移行制御される6R時短大当たり)のみがその種別として決定される。
これに対し、図142(c)に示されるように、第2特別図柄抽選の結果として小当たりが得られた場合は、上記取得された図柄乱数の値に基づいて、不利小当たりと有利小当たりとのうちの有利小当たりのみがその種別として決定されるようにしている。
ここで、第2特別図柄抽選の結果が有利小当たりである場合は、上述の通り、1分間に100個の遊技球が順次右打ちされている条件下では第一大入賞口2103に平均して2個の遊技球が入賞してそれら遊技球のいずれかが特定領域に振り分けられるように上記開閉部材2106を開閉動作させる有利小当たり遊技が行われる。すなわち、小当たりの種別として上記有利小当たりが決定された場合は、特定領域と一般領域との間で遊技球が振り分けられる小当たり遊技が行われるものの、実質的には、特定領域に遊技球が振り分けられて大当たり遊技を発生させることが決定済みとされている遊技として実行されるため、広義の意味では大当たりの一種別として分別することができるものあるといえる(当選)。
この点、この実施の形態にかかる主制御MPU4100aでは、上述の通り、時短遊技状態においては、第2始動口2102への遊技球の入賞確率を高めた上で、該第2始動口2102への遊技球の入賞に応じた第2特別図柄抽選が行われる都度、大当たりと有利小当たりとのいずれかが必ず得られて(当選)、第1特別図柄側の遊技を一時停止させてから該当選に応じた賞獲得可能な遊技(小当たり遊技、大当たり遊技)を開始させるようにしている。しかも、こうして賞獲得可能な遊技(小当たり遊技、大当たり遊技)が行われた後には、時短遊技状態に再び移行制御されるようにしている。これにより、時短遊技状態と賞獲得可能な遊技(小当たり遊技、大当たり遊技)とが繰り返し行われる特定遊技を第1特別図柄側での遊技によって早期に終了させようする力が働いているなかで、その終了タイミングの遅延を狙いながら賞を獲得していく第2特別図柄側の遊技を楽しむことができるようになり、このような緊張感のある遊技によって遊技興趣の低下の抑制が期待できるようになる。
ただし、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、図142(c)に示されるように、第2特別図柄抽選の結果として小当たりが得られた場合、第2図柄乱数の値に基づいて、その10%が第1有利小当たりであり、残りの90%が第2有利小当たりとして割り振られる種別判定を行うこととしている。したがって、時短遊技状態に制御されている間に第2特別図柄抽選が行われる限りは、その抽選結果(大当たり、第1有利小当たり、第2有利小当たり)にかかわらず、賞獲得可能な遊技(小当たり遊技、大当たり遊技)が行われた後に、時短遊技状態に再び移行制御させる特定遊技を継続させることが可能である。ただし後述するが、第1特別図柄側での遊技が進行することにより時短遊技状態が終了されてしまった後に、保留状態とされていた第2特別図柄抽選が消化されて、その抽選結果として第2有利小当たりが得られた場合は、賞獲得可能な遊技(小当たり遊技、大当たり遊技)は提供されうるものの、時短遊技状態に再び移行制御されることはなくなる。
このような構成によれば、第2特別図柄抽選の保留状態さえ維持しておけば、第1特別図柄側での遊技が進行することにより時短遊技状態から通常遊技状態に移行制御されてしまった場合であっても、保留状態にある第2特別図柄抽選を消化させることで、まず、賞獲得可能な遊技(小当たり遊技、大当たり遊技)についてはこれを必ず発生させることができるようになる。これにより、時短遊技状態から通常遊技状態に移行制御されたときの遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
しかも、通常遊技状態に移行制御されたにもかかわらず賞獲得可能な遊技(小当たり遊技、大当たり遊技)が必ず行われるようにされているなかで、消化された第2特別図柄抽選の結果が大当たり、若しくは第1有利小当たりであった場合には、時短遊技状態に再び移行制御されるようになることから、時短遊技状態から通常遊技状態に移行制御されたときの遊技興趣の低下がより好適に抑制されうるようになる。
そして、こうして第2特別図柄抽選(ステップS305b)が行われると、次にステップS306bの処理として、該第2特別図柄抽選の結果が示されるフラグと当選情報コマンドとをそれぞれセットする。またこの際、第2特別図柄抽選の結果に応じた停止図柄も決定する。そしてその後は、ステップS307bの処理として、上記第2変動パターン設定処理(ステップS150b)にプロセス移行されるように上記第2処理フラグを「1」に更新した時点で、この処理を終了する。
なお、この第2変動開始処理で得られた第2特別図柄抽選の結果は、上記ステップS306bの処理においてセットされた当選情報コマンドとして、図123に示したコマンド送信処理(ステップS17)によって周辺制御部4140に送信されることとなる。
[第2変動パターン設定処理について]
次に、第2特別図柄抽選(ステップS305b)の結果などに基づいて第2特別図柄の変動パターンが設定される第2変動パターン設定処理について説明する。図136は、第2変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。
次に、第2特別図柄抽選(ステップS305b)の結果などに基づいて第2特別図柄の変動パターンが設定される第2変動パターン設定処理について説明する。図136は、第2変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。
第2処理フラグが「1」のときに実行される第2変動パターン設定処理(ステップS150b)では、同図136に示されるように、上記主制御基板4100の主制御MPU4100aは、大当たりに当選したことを示すフラグがセットされていれば(ステップS401bにおけるYES)、遊技状態に応じた大当たり時の変動パターンテーブルを選択し(ステップS402b)、小当たりに当選したことを示すフラグがセットされていれば(ステップS403bにおけるYES)、その種別及び遊技状態に応じた小当たり時の変動パターンテーブルを選択し(ステップS404b)、リーチフラグがセットされていれば(ステップS405bにおけるYES)、リーチ時の変動パターンテーブルを選択し(ステップS406b)、大当たりと小当たりとリーチハズレとのいずれでもないハズレであることを示すフラグ状態である場合、すなわち通常のハズレ(リーチ演出を実行しないハズレ)となる場合には(ステップS405bにおけるNO)、ハズレ時の変動パターンテーブルを選択する(ステップS407b)。
そして、選択した変動パターンテーブルと第2変動開始処理内のステップS302bで読み出した第2変動乱数とを比較することによって変動パターンを決定し(ステップS408b)、該決定した変動パターンを開始することを周辺制御基板4010に通知する変動パターンコマンドをセットして第二特別図柄表示器1186に表示される第2特別図柄の変動表示を開始する(ステップS409b)。また、主制御MPU4100aは、決定した変動パターンに対応して設定されている変動時間を第2変動タイマに設定する(ステップS410b)。これにより、こうして決定された変動時間だけ第二特別図柄表示器1186及び上記液晶表示装置1900にて変動制御が行われるようになる。そしてその後は、ステップS411bの処理として、上記第2変動中処理(ステップS170b)にプロセス移行されるように上記第2処理フラグを「2」に更新した時点で、この処理を終了する。
なお、この第2変動パターン設定処理で設定された変動パターンは、上記ステップS409bの処理においてセットされた変動パターンコマンドとして、図123に示したコマンド送信処理(ステップS17)によって周辺制御部4140に送信される。これにより、液晶表示装置1900においては、周辺制御部4140側による制御を通じて、上記演出コマンドにより示される変動パターンと上記当選情報コマンドにより示される情報とに基づいて、大当たり抽選の結果が示されるように表示演出が行われるようになる。
すなわち上述の通り、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、第1特別図柄側の遊技と第2特別図柄側の遊技とが同時に進行されるようになっていることから、液晶表示装置1900においては、周辺制御部4140側による制御を通じて、第1特別図柄側の表示演出(装飾図柄の変動など)と第2特別図柄側の表示演出(装飾図柄の変動など)とが同時に現れるようになっている。
ちなみに、この実施の形態にかかる第2変動パターン設定処理にあって、上記ステップS402bの処理にて用いられる大当たり変動パターンテーブルのうち、通常遊技状態にあるときに用いられる通常時の大当たり変動パターンテーブルでは、1秒などの相対的に短い時間が設定された変動パターンが記憶されている。すなわち、通常遊技状態にあるときに第2特別図柄が変動する場合を想定すると、時短遊技状態にあるときに保留状態とされた第2特別図柄抽選が、通常遊技状態に移行制御された後に消化される場合が想定されることから、こうした短い時間を設定しておくことで、通常遊技状態に移行制御されてからすぐに時短遊技状態に戻すことができるようになる。
これに対し、上記ステップS402bの処理にて用いられる大当たり変動パターンテーブルのうち、時短遊技状態にあるときに用いられる時短時の大当たり変動パターンテーブルでは、時短遊技状態にあるときに第1特別図柄側で選択可能とされる変動時間のうち大当たり時の変動時間を除いた他のいかなる変動時間よりも長いか、若しくは同じ長さを持った変動時間(例えば、11秒)が必ず選択されるようになっている。すなわちこの場合、第2特別図柄側で大当たり(6R時短大当たり)時の図柄変動が消化し終わった後には、大当たり遊技が行われてから時短遊技状態に再び移行制御されることが保証されているなかで、第2特別図柄側で大当たり時の図柄変動が行われている間に、第1特別図柄側の遊技を進行させて時短遊技状態を一旦終了させることができるようになる。そして、第2特別図柄側で大当たり時の図柄変動が行われている間に、第1特別図柄側の遊技を新たに開始させることができるようになることから、上述の早期終了制御に抗するかたちで上記特定遊技(時短遊技状態と賞獲得可能な遊技(小当たり遊技、大当たり遊技)とが繰り返される遊技)が継続されてきたなかで減算されていた第1特別図柄側の残りの変動時間を回復させることができるようになる。
このような構成によれば、時短遊技状態にあるときに第2特別図柄抽選の結果として大当たりが得られた場合は、上述の早期終了制御に供される上記第1特別図柄側の残り変動時間を遅延させるだけに留まらず、逆に回復させることができるようになることから、時短遊技状態にあるときの遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
しかも、上述の通り、第2特別図柄側で大当たり時の図柄変動が行われている間に、第1特別図柄側の遊技を新たに開始させる場合は、無抽選の遊技として開始されることとなる。この点、無抽選で決定されたときの専用の変動パターンテーブルを用意し、この専用の変動パターンテーブルにおいて図143(a)に示される変動時間よりも長い変動時間(例えば、30秒)が選択されるようにしておけば、時短遊技状態にあるときに第2特別図柄抽選の結果として大当たりが得られた場合は、特別に高い継続率を持たせた時短遊技状態を新たに発生させることができるようになる。これは、この実施の形態にかかるパチンコ機1にあって、時短遊技状態と大当たり遊技状態とが繰り返される確率(時短遊技状態の継続率)は、第1特別図柄の変動時間が長いほど高くなる遊技性が実現されているからである。
ちなみに、このような第2特別図柄側での大当たり時の図柄変動に要する時間を設定するにあたり、第1特別図柄側で選択可能とされる変動時間を比較対象とするときに大当たり時の変動時間を除いた理由は、第1特別図柄側で大当たり時の変動時間が現れているときには、第2特別図柄側の遊技では無抽選となり、大当たりが得られる可能性がなくなっているためである。
ただし、時短遊技状態にあるときに、上記第1特別図柄側の残り変動時間を頻繁に回復させるようなことがあると、上述の早期終了制御に悪影響を及ぼしうる懸念がある。この点、上記構成によれば、第2特別図柄抽選にて大当たりが得られる確率については通常遊技状態と同じ低い当選確率のままでこれが維持されているなかで、大当たりが得られた場合に限り、このような残り変動時間の回復を行うこととしていることから、上述の早期終了制御に悪影響を及ぼすことが抑制されている。
また、この実施の形態にかかる第2変動パターン設定処理にあって、上記ステップS404bの処理にて用いられる小当たり変動パターンテーブルのうち、通常遊技状態にあるときに用いられる通常時の小当たり変動パターンテーブルでも、1秒などの相対的に短い時間が設定された変動パターンが記憶されている。すなわち、通常遊技状態にあるときに第2特別図柄が変動する場合を想定すると、時短遊技状態にあるときに保留状態とされた第2特別図柄抽選が、通常遊技状態に移行制御された後に消化される場合が想定されることから、こうした短い時間を設定しておくことで、通常遊技状態に移行制御されてからすぐに時短遊技状態に戻すことができる期待感を持たせることができるようになる。
これに対し、上記ステップS404bの処理にて用いられる小当たり変動パターンテーブルのうち、時短遊技状態にあるときに用いられる時短時の小当たり変動パターンテーブルでは、図143(b)に示されるテーブルが採用されるようにしている。
すなわち上述の通り、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、時短遊技状態に移行制御された場合、第1特別図柄抽選にて上述の「当選」する確率については通常遊技状態と同じ低い当選確率のままでこれを維持するにもかかわらず該抽選にて上述の「落選」が1度でも得られると当該時短遊技状態が終了される早期終了制御を行うこととしている。そして、第1特別図柄側の変動時間(より正確には、第1変動パターン設定処理にあって、時短遊技状態にあるときの上述の「落選」時の変動時間)は、このような早期終了制御の一部を担っており、この変動時間が消化し終わった段階で通常遊技状態に移行させるものとなっている。
これに対し、第2特別図柄側の遊技では、こうした第1特別図柄側の早期終了制御に抗するように、上記第2始動口2102への遊技球の受け入れに応じた特別抽選が行われる都度、有利小当たりと大当たりとのいずれかが得られるようにして、遊技者に対して賞の獲得機会を付与しつつ当該時短遊技状態が終了されるタイミングを遅延させる引延制御を実行可能としている(都度抗制御手段)。そして、時短遊技状態にあるときの第2特別図柄側の変動時間は、このような引延制御の一部を担っており、この変動時間をすぐに消化し終わらせて小当たり遊技(若しくは、大当たり遊技)の開始条件を満たすようにすることで、第1特別図柄側の遊技(第1特別図柄側の変動時間の減算)を一時停止させて、ひいては当該時短遊技状態が終了されるタイミングを遅延させるようにしている。
この点、上記ステップS404bの処理にて用いられる小当たり変動パターンテーブルのうち、時短遊技状態にあるときに用いられる時短時の小当たり変動パターンテーブルでは、その決定候補として、0.004秒、2.5秒、5秒、10秒といった5つの変動時間が用意されている。
ここで、時短遊技状態にあるときの第2特別図柄側の小当たり時の変動時間として、「0.004秒」の意味するところは、第1特別図柄側の変動時間を実質的に減算させることなく、特定遊技(時短遊技状態と賞獲得可能な遊技(小当たり遊技、大当たり遊技)とが繰り返される遊技)を継続させることにある。すなわち、第1特別図柄側の変動時間が仮に1秒しか残っていない状況が生じたとしても、上記特定遊技において第2特別図柄抽選が行われる都度、小当たり(有利小当たり)時の変動時間として、「0.004秒」が選択され続けた場合は、250(1秒/0.004秒)回にわたって時短遊技状態と賞獲得可能な遊技(小当たり遊技、大当たり遊技)とを繰り返し行うことが可能である。
すなわちこの場合、賞獲得可能な遊技(小当たり遊技、大当たり遊技)を1回分消化するのに5分を要するようにしたとすると、20時間以上(250回×5分)にわたって特定遊技を継続させることができるようになる。この点、遊技ホールの通常営業時間が長くても14時間を超えないことに鑑みれば、「0.004秒」が選択され続けた場合は、営業時間内で特定遊技を終了させないように遊技することが可能となることから、第1特別図柄側の変動時間を実質的に減算させない変動時間として用いることが可能である。
なお、第1特別図柄側の変動時間を実質的に減算させない変動時間としては、例えば、以下の計算式が成り立つ値として設定するようにすることが望ましい。すなわち、
・第1変動パターン設定処理にあって、時短遊技状態にあるときに上述の早期終了制御の一部を担うように設定されている変動時間(上述の「落選」時の変動時間)を「X」、
・第2変動パターン設定処理にあって、時短遊技状態にあるときの決定候補とされている変動時間のうち、実質的に減算させない変動時間を除く他の変動時間を適宜に算入可能な時間を「Y」、
・賞獲得可能な遊技(小当たり遊技、大当たり遊技)を1回分消化するのに要する平均時間(好ましくは最大時間)を「Z」、且つ
・「X」から「Y」をn(1以上の整数)回にわたって減算した結果、「X」として残すことのできる最小の時間を「x」
とするとき、時短遊技状態にあるときの第2特別図柄側の小当たり時の変動時間として、「x時間×Z時間/14時間」未満となる適宜の時間を採用するようにすれば、通常営業時間中に特定遊技を終了させないように遊技することが可能、換言すれば、第1特別図柄側の変動時間を実質的に減算させない変動時間として機能させることが可能である。ちなみに、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、上述の割込制御(4ms)を利用して実現することのできる変動時間の最小値を、第1特別図柄側の変動時間を実質的に減算させない変動時間として用いることとしている。
・第1変動パターン設定処理にあって、時短遊技状態にあるときに上述の早期終了制御の一部を担うように設定されている変動時間(上述の「落選」時の変動時間)を「X」、
・第2変動パターン設定処理にあって、時短遊技状態にあるときの決定候補とされている変動時間のうち、実質的に減算させない変動時間を除く他の変動時間を適宜に算入可能な時間を「Y」、
・賞獲得可能な遊技(小当たり遊技、大当たり遊技)を1回分消化するのに要する平均時間(好ましくは最大時間)を「Z」、且つ
・「X」から「Y」をn(1以上の整数)回にわたって減算した結果、「X」として残すことのできる最小の時間を「x」
とするとき、時短遊技状態にあるときの第2特別図柄側の小当たり時の変動時間として、「x時間×Z時間/14時間」未満となる適宜の時間を採用するようにすれば、通常営業時間中に特定遊技を終了させないように遊技することが可能、換言すれば、第1特別図柄側の変動時間を実質的に減算させない変動時間として機能させることが可能である。ちなみに、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、上述の割込制御(4ms)を利用して実現することのできる変動時間の最小値を、第1特別図柄側の変動時間を実質的に減算させない変動時間として用いることとしている。
これに対し、時短遊技状態にあるときの第2特別図柄側の小当たり時の変動時間として、「2.5秒」の意味するところは、第1特別図柄側の遊技によって上述の早期終了制御が行われているなかで、該早期終了制御に抗して特定遊技(時短遊技状態と賞獲得可能な遊技(小当たり遊技、大当たり遊技)とが繰り返し行われる遊技)を早期に終了させないように機能することにある(引延制御の一部を担うこと)。すなわち、時短遊技状態にあるときの第1特別図柄側の変動時間としては、5秒や10秒が選択可能とされているが、時短遊技状態にあるときの第2特別図柄側の小当たり時の変動時間として、これらの変動時間のいずれよりも短い時間(2.5秒)が用いられることで、時短遊技状態と賞獲得可能な遊技(小当たり遊技、大当たり遊技)とが繰り返し行われる遊技を少なくとも1回は生じさせることが期待できるようになる(引延制御)。
ただし、このような引延制御が複数回にわたって行われて第1特別図柄側の残り変動時間が減算されていった結果として「2.5秒」未満になった時点で、早期終了制御に抗することができない変動時間に成り下がることとなる。すなわちこの場合、第2特別図柄側の変動時間中に第1特別図柄側の変動が終了して時短機能が停止されることとなる。例えば、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、第1特別図柄側の変動時間として「10秒」が選択された場合、第2特別図柄側の変動時間として「2.5秒」が4回にわたって連続選択されると、第1特別図柄側の残り変動時間が「0」となり、時短機能が停止されることとなる。
なお、この実施の形態では、第2特別図柄制御処理を、第1特別図柄制御処理よりも先に実行することとしていることから、第2特別図柄側の残り変動時間と、第1特別図柄側の残り変動時間が同時に「0」になるときには、まず、第2特別図柄側の遊技で1回分の特定遊技(時短遊技状態と賞獲得可能な遊技(小当たり遊技、大当たり遊技)とが繰り返し行われる遊技)を実行してから、第1特別図柄側の遊技で時短遊技状態を終了させることとなる。
一方、時短遊技状態にあるときの第2特別図柄側の小当たり時の変動時間として、「5秒」の意味するところは、第1特別図柄側の遊技によって選択された第1特別図柄の変動時間の種類によって、第1特別図柄側の遊技によって上述の早期終了制御が行われているなかで、該早期終了制御に抗して特定遊技(時短遊技状態と賞獲得可能な遊技(小当たり遊技、大当たり遊技)とが繰り返し行われる遊技)を早期に終了させないように機能する場合と、第1特別図柄側の遊技によって上述の早期終了制御が行われているなかで、該早期終了制御に抗することせずに時短遊技状態を早期終了させるように機能する場合とが使い分けされるところにある。
例えば、第1特別図柄側の変動時間として「10秒」が選択された場合は、時短遊技状態にあるときの第2特別図柄側の小当たり時の変動時間として、これよりも短い時間(5秒)が用いられることで、時短遊技状態と賞獲得可能な遊技(小当たり遊技、大当たり遊技)とが繰り返し行われる特定遊技を少なくとも1回は生じさせることが期待できるようになる(引延制御)。これに対し、第1特別図柄側の変動時間として「5秒」が選択された場合は、時短遊技状態にあるときの第2特別図柄側の小当たり時の変動時間として、これと同じ時間(5秒)が用いられることで、第1特別図柄側の残り変動時間が「0」となり、時短機能が停止されることとなる。
他方、時短遊技状態にあるときの第2特別図柄側の小当たり時の変動時間として、「10秒」の意味するところは、第1特別図柄側の遊技によって上述の早期終了制御が行われているなかで、該早期終了制御に抗することせずに時短遊技状態を早期終了させるように機能することにある。すなわち、第1特別図柄側の変動時間として選択可能な最大の変動時間と同じか、これ以上の長さを持った時間として設定するようにすることで、時短遊技状態にあるときの第2特別図柄側の変動時間中に第1特別図柄側の残り変動時間が「0」となり、時短機能が停止されることとなる。
なお上述の通り、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、第2特別図柄制御処理を、第1特別図柄制御処理よりも先に実行することとしていることから、より厳密には、時短遊技状態において、第1特別図柄側の変動時間と第2特別図柄側の変動時間とが同じ時間で同時消化された場合、まず、第2特別図柄側の遊技で1回分の特定遊技(時短遊技状態と賞獲得可能な遊技(小当たり遊技、大当たり遊技)とが繰り返し行われる遊技)を実行してから、第1特別図柄側の遊技で時短遊技状態を終了させることとなる(引延制御)。ただし実際には、第2特別図柄抽選は、通常遊技状態から時短遊技状態に移行制御された直後から消化されるわけではなく、第2始動口2102への入賞によって保留状態を生み出すまでの時間を要することから、第2特別図柄側の変動時間を、第1特別図柄側の変動時間と同じ時間に設定したとしても、実質的には、第1特別図柄側の遊技によって上述の早期終了制御が行われているなかで該早期終了制御に抗することせずに時短遊技状態を早期終了させるように機能することとなる。
ところで、このような早期終了制御が行われる時短遊技状態においては、第2特別図柄の変動中はもとより、第2特別図柄の変動待ち状態にあるときにも第1特別図柄の残り変動時間が減算されていくことから、第2特別図柄側の遊技ではこれらの状態(第2特別図柄の変動待ち状態、変動状態)を少しでも短縮させるようにすることが、上記第1特別図柄側の早期終了制御に抗して時短遊技状態が終了されるタイミングを遅延させる引延制御を好適に実現する上で重要であるといえる。そして、時短遊技状態にあるときの第2特別図柄の変動時間については、「0.004秒」といった最小の時間を選択可能としていることは上述した通りである。
しかしながら、時短遊技状態にあるときの第2特別図柄の小当たり時の変動時間を「0.004秒」といった極短時間として設定した場合には、第2特別図柄の変動状態を短くすることはできるものの、第2特別図柄の小当たり時の変動時間中に、時短機能を利用して第2始動口2102に遊技球を入球させることはできなくなってしまう。すなわち、時短遊技状態にあるときの第2特別図柄の変動時間を短く設定した場合には、これと引き換えに第2特別図柄を保留状態にて維持したままで遊技を進行させることができずに変動待ち状態が長くなってしまうというジレンマが生じて、第2特別図柄の変動待ち状態と変動状態との両方を短縮させることが困難であることから、上記第1特別図柄側の早期終了制御に抗して時短遊技状態が終了されるタイミングを遅延させる引延制御を好適に実現することができなくなってしまう懸念がある。
この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、第2特別図柄抽選の結果として小当たりが得られたことを示す小当たり図柄が停止されたときに、時短機能が作動している間に消化した特別図柄の変動回数が予め定められている上限値(ここでは1回)に達した場合であっても、この時点(図柄の停止時)で時短機能を停止せずに、小当たり遊技の実行が終了されるときまで時短機能を継続させるようにしている。すなわちこの場合、小当たり遊技のインターバル期間や小当たり遊技の実行期間内にも時短機能が継続されるようになることから、これらの期間の長さを、第2特別図柄の保留状態を維持するために必要な時間よりも長く設定することで、第2特別図柄の変動待ち状態と変動状態との両方を短縮させて上記第1特別図柄側の早期終了制御に抗して時短遊技状態が終了されるタイミングを遅延させる引延制御を好適に実現するようにしているが、これについては後述することとする。
また、この実施の形態にかかる第2特別図柄抽選では、その抽選結果として、大当たり及び小当たりのいずれにも該当しないハズレが得られることはない。ただし上述の通り、第1特別図柄側で大当たり時の図柄変動が行われている期間中においては、第2特別図柄抽選において大当たりと小当たりとのいずれにも該当しないことが無抽選で決定されることがありうる。したがって、この実施の形態にかかる第2変動パターン設定処理にあって、上記ステップS406bの処理にて用いられるリーチハズレ変動パターンテーブルや、上記ステップS407bの処理にて用いられるハズレ変動パターンテーブルについては、無抽選時に選択されうる変動パターンテーブルとして用意されている。
ここで、時短遊技状態において、第2特別図柄抽選において大当たりと小当たりとのいずれにも該当しないことが無抽選で決定されている状況とは、第1特別図柄側で大当たり遊技が行われた後に時短遊技状態に再び移行制御されることが決定済みとされている状況のことである。したがって、第2変動パターン設定処理にあって、上記ステップS406bの処理にて用いられるリーチハズレ変動パターンテーブルや、上記ステップS407bの処理にて用いられるハズレ変動パターンテーブルでは、第2特別図柄側の変動時間を、例えば「1秒(好ましくは、0.004秒)」などの短い時間(少なくとも、第1特別図柄側の変動時間(より正確には、第1変動パターン設定処理にあって、時短遊技状態にあるときの上述の「落選」時の変動時間よりも短い時間)に設定することとしている。これにより、第1特別図柄側で大当たり遊技が行われた後に時短遊技状態に再び移行制御されたときに第2特別図柄側の変動時間が未だ残っていたとしても、これをすぐに消化して第2特別図柄側の新たな変動を開始させて上述の早期終了制御に抗することができるようになる。
なお、第2特別図柄抽選において大当たりと小当たりとのいずれにも該当しないことが無抽選で決定された場合における変動パターンについては、専用の変動パターンテーブルを用意して、この専用の変動パターンテーブルに基づいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
[第2変動中処理について]
次に、第2処理フラグが「2」のときに実行される第2変動中処理(ステップS170b)について説明する。図137は、第2変動中処理の一例を示すフローチャートである。
次に、第2処理フラグが「2」のときに実行される第2変動中処理(ステップS170b)について説明する。図137は、第2変動中処理の一例を示すフローチャートである。
上記第2処理フラグが当該第2変動中処理(ステップS170b)を行うべき旨を示しているときは、同図137に示されるように、まず、ステップS501bの処理として、上記第2変動パターン設定処理(ステップS150b)内のステップS410bの処理にて設定した第2変動タイマが0になったか否か、すなわち、上記設定された変動時間が経過したか否かについての判断を行う。そしてこの結果、第2変動タイマが0でない、すなわち、上記設定された変動時間が経過していない旨判断される限りは(ステップS501bにおけるNO)、当該第2変動中処理(ステップS170b)が行われる都度、ステップS531bの処理として、第2変動タイマを1減算することとなる。
そして、こうした処理が行われた結果、上記ステップS501bの処理において、第2変動タイマが0になった、すなわち、上記設定された変動時間が経過した旨判断されたときに、ステップS502b及びステップS503bの処理として、既に決定済みとされている停止図柄(第2特別図柄抽選の結果に応じた停止図柄)を上記第二特別図柄表示器1186に表示することにより変動表示を終了させるための表示制御を行うとともに、上記液晶表示装置1900に第2特別図柄の停止図柄に応じた装飾図柄の表示結果の導出表示を指示する第2確定停止コマンドを上記周辺制御部4140へのコマンドとしてセットする。なお、こうしてセットされた第2確定停止コマンドは、図123に示したコマンド送信処理(ステップS17)によって周辺制御部4140に送信されることとなる。これにより、液晶表示装置1900においては、周辺制御部4140側による後述の制御を通じて、同表示演出における演出結果を確定表示させるようになる。
こうして図柄停止にかかる処理を行った後は、第2特別図柄抽選の結果に応じた各種の処理を実行した時点で、この処理を終了することとなる。
例えば、まず、第2特別図柄抽選の結果が大当たりである場合は(ステップS504bにおけるYES)、第1特別図柄側で当たりが重複して発生することを回避すべく、第1特別図柄側の遊技を一時停止させるべき状態にあることを示す上述の一時停止フラグをオン状態とする(ステップS505b)。そしてこの後、大当たり遊技を開始させるべく、第2処理フラグを「5」に更新した時点で(ステップS506b)、この処理を終了する。
一方、第2特別図柄抽選の結果が小当たりである場合も同様(ステップS504bにおけるNO、且つステップS511bにおけるYES)、まずは、第1特別図柄側で当たりが重複して発生することを回避すべく、第1特別図柄側の遊技を一時停止させるべき状態にあることを示す上述の一時停止フラグをオン状態とする(ステップS512b)。そしてこの後、小当たり遊技を開始させるべく、第2処理フラグを「3」に更新した時点で(ステップS513b)、この処理を終了する。
このような制御を行うようにしたことで、特定領域に受け入れられずに小当たり遊技が終了するまでの間(ステップS725b)、若しくは大当たり遊技の終了インターバルが終了するまでの間(ステップS926b)は、第1特別図柄側の遊技は進行されることなくこれが一時停止の状態にて維持されることとなる。これにより、第1特別図柄側の遊技の進行によってリアルタイムに時短遊技状態に制御される残り時間が減算されていく上述の早期終了制御が行われているなかで、このような第2特別図柄の遊技の進行にかかる制御を行うことで、早期終了制御に抗する引延制御を実現することができるようになる。
他方、第2特別図柄抽選の結果がハズレである場合は(ステップS504bにおけるNO、ステップS511bにおけるNO、且つステップS521bにおけるYES)、まず、時短機能が作動中であるか否かを判断する(ステップS521b)。そして、時短機能が作動中であるときには、時短機能が作動している間に消化した特別図柄の変動回数が予め定められている上限値に達したか否かを判断する(ステップS522b)。すなわち、時短機能が作動している間に消化した特別図柄の変動回数が予め定められている上限値に達したときには、時短遊技状態を終了させるべき条件が成立したとして、時短機能を停止させることとなる(ステップS523b)。そして、こうして時短機能に関する処理が行われた後は、ハズレであることが示されるように特別図柄が変動停止された処理段階にあるとして、第2処理フラグを「0」に更新した時点で(ステップS524b)、この処理を終了する。すなわちこの場合、次の割り込み制御が行われる際に、上記ステップS301bの処理にて保留消化されることを条件に、第2特別図柄にかかる次変動が行われることとなる。
ただし、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、時短遊技状態において消化可能とされる変動回数の上限値についてはこれを「1」としていることから、第2特別図柄抽選の結果がハズレである場合は(ステップS504bにおけるNO、ステップS511bにおけるNO、且つステップS521bにおけるYES)、時短機能の作動を停止させることとなる。しかしながら、第2特別図柄抽選でこのような事態が発生する場合とは、第1特別図柄側で大当たり時の図柄変動が行われている期間中において第2特別図柄抽選が上述の無抽選で行われた場合だけであることから、この時点で時短機能の作動は停止することにはなるものの、第1特別図柄側で大当たり遊技が行われた後には時短遊技状態に再び移行制御されることとなる(早期終了制御が機能しない)。
なお、この実施の形態では、第2特別図柄抽選の結果として大当たりが得られている場合、時短機能が作動している間に消化した特別図柄の変動回数が予め定められている上限値(1回)に達しているにもかかわらず当該第2変動中処理内で時短機能を停止させることはない。すなわちこの場合、後述の第2大当たり遊技開始処理(ステップS230b)内のステップS804bの処理にて時短機能の作動を停止させるようにしており、時短遊技状態にて特別図柄の変動回数が予め定められている上限値を超えるようなことがないようにしている。
また、第2特別図柄抽選の結果として小当たりが得られている場合も、時短機能が作動している間に消化した特別図柄の変動回数が予め定められている上限値(1回)に達しているにもかかわらず当該第2変動中処理内で時短機能を停止させることはない。すなわちこの場合、後述の第2小当たり遊技処理内のステップS718bの処理にて時短機能の作動を停止させるようにしており、時短遊技状態にて特別図柄の変動回数が予め定められている上限値を超えるようなことがないようにしている。このように、小当たり遊技中にも時短機能が継続されるようにして小当たり遊技処理内で第2特別図柄の保留状態を維持可能とすることで、第2特別図柄の変動待ち状態と変動状態との両方を短縮させて上記第1特別図柄側の早期終了制御に抗して時短遊技状態が終了されるタイミングを遅延させる引延制御を好適に実現するようにしていることは上述した通りである。
[第2小当たり遊技開始処理について]
次に、第2処理フラグが「3」のときに実行される第2小当たり遊技開始処理(ステップS190a)について説明する。図138は、第2小当たり遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。
次に、第2処理フラグが「3」のときに実行される第2小当たり遊技開始処理(ステップS190a)について説明する。図138は、第2小当たり遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。
同図138に示されるように、第2小当たり遊技開始処理(ステップS190b)では、主制御MPU4100aは、まず、ステップS601bの処理として、小当たり遊技の開始前インターバルを計時するタイマ(第2小当たり開始インターバルタイマ)がセット済みの状態であるか否かを判断する。そしてこの結果、第2小当たり開始インターバルタイマが未だセットされていない場合には、小当たり遊技の開始前インターバルを開始させるべく、ステップS602b及びS603bの処理として、第2小当たり開始インターバルタイマをセットするとともに、第2小当たりインターバル開始コマンドをセットした時点で、この処理を一旦終了する。
なお、上記ステップS603bの処理にてセットされた第2小当たりインターバル開始コマンドは、図123に示したコマンド送信処理(ステップS17)によって周辺制御部4140に送信されることとなる。これにより、液晶表示装置1900においては、周辺制御部4140側による後述の制御を通じて、小当たり遊技の開始前インターバル中の表示演出が現れるようになる。
すなわち、こうして第2小当たり開始インターバルタイマがセットされた以降は、割込処理が行われる都度、上記ステップS601bの処理にて第2小当たり開始インターバルタイマがセット済みであると判断されるようになり、次のステップS611bの処理において当該第2小当たり開始インターバルタイマが0、すなわち、上記小当たり遊技の開始前インターバルとして設定された時間が経過したか否かについての判断を行うこととなる。そして、このステップS611bの処理において、第2小当たり開始インターバルタイマが0でない、すなわち、上記小当たり遊技の開始前インターバルとして設定された時間が経過していない旨判断される限りは(ステップS611bにおけるNO)、当該第2小当たり遊技開始処理(ステップS190b)が行われる都度、ステップS621bの処理として、第2小当たり開始インターバルタイマを1減算することとなる。
そして、こうした処理が行われた結果、上記ステップS611bの処理において、第2小当たり開始インターバルタイマが0になった、すなわち、上記小当たり遊技の開始前インターバルとして設定された時間が経過した旨判断されたとき、小当たり遊技を実行するべく、第2処理フラグを「4」に更新した時点で(ステップS612b)、この処理を終了する。
なお、第2小当たり開始インターバルタイマについては、小当たり図柄の種類(第2図柄乱数により決定付けされる種類)に応じて時間長さが設定可能とされている。例えば、第2図柄乱数により決定付けされる種類に基づいて、小当たり遊技の開始前インターバル期間中に第2始動口2102に遊技球を受け入れ易い長インターバル時間と、小当たり遊技の開始前インターバル期間中に第2始動口2102に遊技球を受け入れ難い短インターバル時間とのいずれかを選択的に用いるようにすることも可能である。すなわちこの場合、小当たり遊技の開始前インターバル期間の長さによって、上述の早期終了制御に抗する引延制御の性能が変わりうるようになり(第2特別図柄の変動待ち状態を長くすることが可能であり)、ひいては時短遊技状態の継続確率を可変とすることができるようになる。
[第2小当たり遊技処理について]
次に、第2処理フラグが「4」のときに実行される第2小当たり遊技処理(ステップS210b)について説明する。図139は、第2小当たり遊技処理の一例を示すフローチャートである。
次に、第2処理フラグが「4」のときに実行される第2小当たり遊技処理(ステップS210b)について説明する。図139は、第2小当たり遊技処理の一例を示すフローチャートである。
同図139に示されるように、第2小当たり遊技処理(ステップS210b)では、主制御MPU4100aは、まず、ステップS701bの処理として、小当たり遊技の実行にかかる制御が既に進行している状態にあることを示す第2小当たり遊技実行フラグがオン状態にあるか否かを判断する。そしてこの結果、第2小当たり遊技実行フラグがオン状態にない場合は、小当たり遊技の実行にかかる制御を開始させるべく、ステップS702bの処理として、小当たりの種類(有利小当たり、不利小当たり)に応じた開放パターンと該開放パターンにかかる制御実行に要する時間を計時する制御タイマとをそれぞれセットする。次いで、ステップS703b及びステップS704bの処理として、小当たり遊技の実行にかかる制御が既に進行している状態にあることを示す第2小当たり遊技実行フラグをオン状態に操作するとともに、第2小当たり開始コマンドをセットした時点で、この処理を一旦終了する。
すなわち、こうして第2小当たり遊技実行フラグがオン状態とされた以降は、割込処理が行われる都度、上記ステップS701bの処理にて小当たり遊技の実行にかかる制御が既に進行している状態にあると判断されるようになり、次のステップS711bの処理において上記制御タイマが0、すなわち、上記小当たり遊技の実行にかかる制御が終了されるタイミングが到来したか否かについての判断を行うこととなる。そして、このステップS711bの処理において、制御タイマが0でない、すなわち、上記小当たり遊技の実行にかかる制御の中途段階である旨判断される限りは(ステップS711bにおけるNO)、当該第2小当たり遊技処理(ステップS210b)が行われる都度、まず、ステップS712bの処理として、上記セットした開放パターンに応じた制御を実行することとなる。これにより、上記割込処理が行われる都度(4ms毎に)、ステップS712bの処理を通じて開閉部材2106の開閉にかかる動きが更新(管理)されるようになり、ひいては小当たりの種類(有利小当たり、不利小当たり)に応じた開放パターンをもって上記第一アタッカ装置2100が開閉動作する小当たり遊技が実現されるようになる。なお、小当たりの種類(有利小当たり、不利小当たり)に応じた開放パターンの詳細については後述することとする。
こうして開放パターンに応じた制御が実行された後は、ステップS713bの処理として、特定領域に遊技球が受け入れられたことを検出する特定センサ2580がオン状態となったか否かを判断する。そしてこの結果、特定領域に遊技球が受け入れられた旨判断された場合は(特定センサ2580がオン状態)、上記セットされた開放パターンの中途の状態にあるにもかかわらず、この時点で、当該小当たり遊技を終了させて上記特定領域に遊技球が受け入れられたことに応じた大当たり遊技を開始させるための各処理(ステップS714b〜ステップS719b)を行う。
すなわち、主制御MPU4100aは、まず、ステップS714bの処理として、上記第一アタッカ装置2100の第一大入賞口2103を閉鎖させる制御を行う。次いで、ステップS715bの処理として、小当たり遊技の実行にかかる制御が既に進行している状態にあることを示す第2小当たり遊技実行フラグをオフ状態に操作する。そして次に、時短機能が作動している状態であれば(ステップS716bにおけるYES)、時短機能が作動している間に消化した特別図柄の変動回数が予め定められている上限値に達したか否かを判断する(ステップS717b)。すなわち上述の通り、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、時短機能が作動している間に消化した特別図柄の変動回数が予め定められている上限値に達したときには、時短遊技状態を終了させるべき条件が成立したとして、時短機能を停止させることとしており、当該最終の変動が小当たりに応じた図柄変動であった場合には、小当たり遊技を消化し終わったタイミングで時短機能を停止させるようにしている(ステップS718b)。
そして、こうして時短機能に関する処理が行われた後に、大当たり遊技を開始させるべく、第2処理フラグを「5」に更新した時点で(ステップS719b)、この処理を終了する。
一方、上記ステップS713bの処理において、特定領域に遊技球が受け入れられたことを検出する特定センサ2580がオン状態となっていない場合は(ステップS713bにおけるNO)、その時点で、この処理を一旦終了する。すなわちこの場合、上記割込処理が行われる都度、上記ステップS711bの処理において制御タイマが0でない、すなわち、上記小当たり遊技の実行にかかる制御の中途段階である旨判断される限りは、上記ステップS712bの処理を通じて開閉部材2106の開閉にかかる動きを更新(管理)しながら、上記ステップS713bの処理において特定センサ2580がオン状態になるのを待つこととなる。そして、こうした制御が行われているなかで、特定センサ2580がオン状態になれば、この時点で、当該小当たり遊技を終了させて上記特定領域に遊技球が受け入れられたことに応じた大当たり遊技を開始させるための上述の各処理(ステップS714b〜ステップS719b)を行うこととなる。
ただし、こうした制御が行われているなかで、上記ステップS711bの処理において制御タイマが0である、すなわち、上記小当たり遊技の実行にかかる制御が全て完了した旨判断された場合は、特定領域に遊技球が受け入れられないままで当該小当たり遊技を終了させるための各処理(ステップS721b〜ステップS726b)を行う。
なお、制御タイマが0になっている状況では、上記割込処理が行われる都度(4ms毎)のステップS712bの処理によって予め定められたスケジュール通りに上記第一アタッカ装置2100の開閉部材2106の開閉が動作し終わっている状況にあることから、第一大入賞口2103は既に閉鎖状態とされている。より厳密には、第一大入賞口2103が閉鎖状態とされてから既に入賞済みとなっている遊技球が上記第一アタッカ装置2100内から排出されるまでに要する時間よりも長い時間が経過した状況にあるが、これについては後述することとする。
すなわち、主制御MPU4100aは、まず、ステップS721bの処理として、小当たり遊技の実行にかかる制御が既に進行している状態にあることを示す第2小当たり遊技実行フラグをオフ状態に操作する。そして次に、時短機能が作動している状態であれば(ステップS722bにおけるYES)、時短機能が作動している間に消化した特別図柄の変動回数が予め定められている上限値に達したか否かを判断する(ステップS723b)。すなわち上述の通り、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、時短機能が作動している間に消化した特別図柄の変動回数が予め定められている上限値に達したときには、時短遊技状態を終了させるべき条件が成立したとして、時短機能を停止させることとしており、当該最終の変動が小当たりに応じた図柄変動であった場合には、小当たり遊技を消化し終わったタイミングで時短機能を停止させるようにしている(ステップS724b)。
そして、こうして時短機能に関する処理が行われた後は、第1特別図柄側で当たりが重複して発生する可能性がなくなったことに鑑みて、第1特別図柄側の遊技を一時停止させるべき状態にあることを示す上述の一時停止フラグをオフ状態とする(ステップS725b)。そしてこの後、特定領域に遊技球が受け入れられないままで小当たり遊技が消化し終わった処理段階にあるとして、第2処理フラグを「0」に更新した時点で(ステップS726b)、この処理を終了する。すなわちこの場合、次の割り込み制御が行われる際に、上記ステップS301bの処理にて保留消化されることを条件に、第2特別図柄にかかる次変動が行われることとなる。
[第2大当たり遊技開始処理について]
次に、第2処理フラグが「5」のときに実行される第2大当たり遊技開始処理(ステップS230b)について説明する。図140は、第2大当たり遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。
次に、第2処理フラグが「5」のときに実行される第2大当たり遊技開始処理(ステップS230b)について説明する。図140は、第2大当たり遊技開始処理の一例を示すフローチャートである。
同図140に示されるように、第2大当たり遊技開始処理(ステップS230b)では、主制御MPU4100aは、まず、ステップS801bの処理として、大当たり遊技の開始前インターバルを計時するタイマ(第2大当たり開始インターバルタイマ)がセット済みの状態であるか否かを判断する。そしてこの結果、第2大当たり開始インターバルタイマが未だセットされていない場合には、ステップS802bの処理として、条件装置を作動させるとともに、ステップS803b及びステップS804bの処理として、時短機能が作動しているのであれば(ステップS803bにおけるYES)、該作動を停止させる。すなわち、こうした準備が整った後に、大当たり遊技の開始前インターバルを開始させるべく、ステップS805b及びS806bの処理として、第2大当たり開始インターバルタイマをセットするとともに、第2大当たりインターバル開始コマンドをセットした時点で、この処理を一旦終了することとなる。
なお、上記ステップS806bの処理にてセットされた第2大当たりインターバル開始コマンドは、図123に示したコマンド送信処理(ステップS17)によって周辺制御部4140に送信されることとなる。これにより、液晶表示装置1900においては、周辺制御部4140側による後述の制御を通じて、大当たり遊技の開始前インターバル中の表示演出が現れるようになる。
すなわち、こうして第2大当たり開始インターバルタイマがセットされた以降は、割込処理が行われる都度、上記ステップS801bの処理にて第2大当たり開始インターバルタイマがセット済みであると判断されるようになり、次のステップS811bの処理において当該第2大当たり開始インターバルタイマが0であるか否か、すなわち、上記大当たり遊技の開始前インターバルとして設定された時間が経過したか否かについての判断を行うこととなる。そして、このステップS811bの処理において、第2大当たり開始インターバルタイマが0でない、すなわち、上記大当たり遊技の開始前インターバルとして設定された時間が経過していない旨判断される限りは(ステップS811bにおけるNO)、当該第2大当たり遊技開始処理(ステップS230b)が行われる都度、ステップS821bの処理として、第2大当たり開始インターバルタイマを1減算することとなる。
そして、こうした処理が行われた結果、上記ステップS811bの処理において、第2大当たり開始インターバルタイマが0になった、すなわち、上記大当たり遊技の開始前インターバルとして設定された時間が経過した旨判断されたとき、大当たり遊技を実行するべく、第2処理フラグを「6」に更新した時点で(ステップS812b)、この処理を終了する。
なお、第2大当たり開始インターバルタイマについては、大当たり図柄の種類(第2図柄乱数により決定付けされる種類)に応じて時間長さが設定可能とされている。
[第2大当たり遊技処理について]
次に、第2処理フラグが「6」のときに実行される第2大当たり遊技処理(ステップS240b)について説明する。図141は、第2大当たり遊技処理の一例を示すフローチャートである。
次に、第2処理フラグが「6」のときに実行される第2大当たり遊技処理(ステップS240b)について説明する。図141は、第2大当たり遊技処理の一例を示すフローチャートである。
同図141に示されるように、第2大当たり遊技処理(ステップS240b)では、主制御MPU4100aは、まず、ステップS901bの処理として、大当たり遊技の実行にかかる制御が既に進行している状態にあることを示す第2大当たり遊技実行フラグがオン状態にあるか否かを判断する。そしてこの結果、第2大当たり遊技実行フラグがオン状態にない場合は、第二アタッカ装置2150を用いた大当たり遊技の実行にかかる制御を開始させるべく、ステップS902bの処理として、大当たりの種類に応じた開放態様(ラウンド数、各ラウンドの開放時間、各ラウンドの最大入賞数)をセットする。
なお上述の通り、この実施の形態では、大当たりの種類として6R時短大当たりのみが用意されていることに加えて、小当たり遊技において特定領域に遊技球が振り分けられた場合にもラウンド遊技が6回にわたって行われる大当たり遊技を発生させることとなっていることから、このステップS902bの処理においては、常に、ラウンド数として「6回」がセットされることとなる。また、各ラウンドの開放時間としては、例えば「30秒」が一律で設定されて、各ラウンドの最大入賞数としては、例えば「10個」が一律でセットされる。ただし、大当たりの種類を複数用意してもよいし、各ラウンドでの開放時間や最大入賞数を異ならせるようにしてもよい。
こうして大当たり遊技の実行態様がセットされた後、ステップS903b及びステップS904bの処理として、大当たり遊技の実行にかかる制御が既に進行している状態にあることを示す第2大当たり遊技実行フラグをオン状態に操作するとともに、第2大当たり開始コマンドをセットした時点で、この処理を一旦終了する。
すなわち、こうして第2大当たり遊技実行フラグがオン状態とされた以降は、割込処理が行われる都度、上記ステップS901bの処理にて大当たり遊技の実行にかかる制御が既に進行している状態にあると判断されるようになり、次のステップS911bの処理において上記セットされたラウンド数を消化したか否かについての判断を行うこととなる。そして、このステップS911bの処理において、上記セットされたラウンド数を未だ消化し終わっていない、すなわち、上記大当たり遊技の実行にかかる制御の中途段階である旨判断される限りは(ステップS911bにおけるNO)、当該第2大当たり遊技処理(ステップS240b)が行われる都度、ステップS912bの処理として、上記セットした開放パターンに応じた制御を実行することとなる。これにより、上記割込処理が行われる都度(4ms毎に)、ステップS912bの処理を通じて開閉部材2156の開閉にかかる動き(ラウンド間のインターバルも含めて)が更新(管理)されるようになり、ひいては大当たりの種類に応じた開放パターンをもって上記第二アタッカ装置2150が開閉動作する大当たり遊技が実現されるようになる。
そして、こうした制御が行われているなかで、上記ステップS911bの処理において、上記セットされたラウンド数を消化し終わった、すなわち、上記大当たり遊技の実行にかかる制御が全て完了した旨判断された場合は(ステップS911bにおけるYES)、大当たり遊技の終了インターバルを発生させるための各処理(ステップS921b,ステップS922b,ステップS931b,ステップS941b,ステップS942b)を行う。
すなわち、主制御MPU4100aは、まず、大当たり遊技の終了インターバルを計時するタイマ(第2大当たり終了インターバルタイマ)がセット済みの状態であるか否かを判断する(ステップS921b)。そしてこの結果、第2大当たり終了インターバルタイマが未だセットされていない場合には、大当たり遊技の終了インターバルを開始させるべく、ステップS941b及びS942bの処理として、第2大当たり終了インターバルタイマをセットするとともに、第2大当たりインターバル終了コマンドをセットした時点で、この処理を一旦終了することとなる。
なお、上記ステップS942bの処理にてセットされた第2大当たりインターバル終了コマンドは、図123に示したコマンド送信処理(ステップS17)によって周辺制御部4140に送信されることとなる。これにより、液晶表示装置1900においては、周辺制御部4140側による後述の制御を通じて、大当たり遊技の終了インターバル中の表示演出が現れるようになる。
すなわち、こうして第2大当たり終了インターバルタイマがセットされた以降は、割込処理が行われる都度、上記ステップS921bの処理にて第2大当たり終了インターバルタイマがセット済みであると判断されるようになり、次のステップS922bの処理において当該第2大当たり終了インターバルタイマが0であるか否か、すなわち、上記大当たり遊技の終了インターバルとして設定された時間が経過したか否かについての判断を行うこととなる。そして、このステップS922bの処理において、第2大当たり終了インターバルタイマが0でない、すなわち、上記大当たり遊技の開始前インターバルとして設定された時間が経過していない旨判断される限りは(ステップS922bにおけるNO)、当該第2大当たり遊技処理(ステップS240b)が行われる都度、ステップS931bの処理として、第2大当たり終了インターバルタイマを1減算することとなる。
そして、こうした処理が行われた結果、上記ステップS922bの処理において、第2大当たり終了インターバルタイマが0になった、すなわち、上記大当たり遊技の終了インターバルとして設定された時間が経過した旨判断されたときに、当該大当たり遊技を終了させるための各処理(ステップS923b〜ステップS928b)を行うこととなる。
すなわち、主制御MPU4100aは、まず、ステップS923bの処理として、大当たり遊技の実行にかかる制御が既に進行している状態にあることを示す第2大当たり遊技実行フラグをオフ状態に操作する。そして次に、上記第2特別図柄抽選の結果が時短機能を作動させる条件を満たすものであれば(ステップS924bにおけるYES)、時短機能を作動させることにより時短遊技状態に移行制御させることとなる(ステップS925b)。
そして、こうして時短機能に関する処理が行われた後は、第1特別図柄側で大当たり遊技が重複して発生する可能性がなくなったことに鑑みて、第1特別図柄側の遊技を一時停止させるべき状態にあることを示す上述の一時停止フラグをオフ状態とする(ステップS926b)。そしてこの後、条件装置の作動を停止させて(ステップS927b)、第2処理フラグを「0」に更新した時点で(ステップS928b)、この処理を終了する。すなわちこの場合、次の割り込み制御が行われる際に、上記ステップS301bの処理にて保留消化されることを条件に、第2特別図柄にかかる次変動が行われることとなる。
このような大当たり遊技処理によれば、ステップ911bの処理にてラウンド遊技が最大ラウンド数に到達した旨判断されるまでの間、対応する第二大入賞口2153は、大当りの種別に応じた開放態様(ステップS912b)をもって繰り返し開放されるようになり、ひいては大当たりの種別に応じた賞球が遊技者によって獲得可能とされるようになる。
[小当たり遊技について]
図144は、小当たり遊技(不利小当たり、有利小当たり)が行われるときの第一大入賞口2103の開放状態と第一アタッカ装置2100内の振分装置の動作状態との関係について、その一例を示すタイムチャートである。なお、図144に示される制御は、上記第1小当たり遊技処理、若しくは上記第2小当たり遊技処理によって例えば4ms毎に上記主制御MPU4100aにより制御進行されるかたちで実行される。
図144は、小当たり遊技(不利小当たり、有利小当たり)が行われるときの第一大入賞口2103の開放状態と第一アタッカ装置2100内の振分装置の動作状態との関係について、その一例を示すタイムチャートである。なお、図144に示される制御は、上記第1小当たり遊技処理、若しくは上記第2小当たり遊技処理によって例えば4ms毎に上記主制御MPU4100aにより制御進行されるかたちで実行される。
まず、同図144(c)に示されるように、この実施の形態にかかる振分装置は、小当たりの種別にかかわらず開閉部材2106の開放動作が開始されるタイミングt1を基準として一定の動作を行うものとなっている。
より具体的には、上記タイミングt1から一定時間(ここでは、2.3秒)が経過したタイミングt3が到来するまでの間は、特定領域と一般領域とのうちの一般領域に遊技球が振り分けられるように上記振分装置の動作状態を制御する(非誘導期間)。ただし、タイミングt3から一定時間(ここでは、1.9秒)が経過したタイミングt5が到来するまでの間は、特定領域と一般領域とのうちの特定領域に遊技球が振り分けられるように上記振分装置の動作状態を制御する(誘導期間)。このような振分装置にかかる定動作制御によれば、小当たりの種別にかかわらずタイミングt1から一定時間(ここでは、2.3秒)が経過したときに生み出される誘導期間(ここでは1.9秒間)内に当該振分装置に対して供給された遊技球のみが特定領域に振り分けられて大当たり遊技を発生させることとなることから、上記振分装置によって公平性の振分動作が実現されるようになる。
この点、この実施の形態にかかる主制御MPU4100aは、こうした振分装置による公平性の高い振分動作が行われるなかで、不利小当たり時の小当たり遊技が行われるときには、特定領域への受け入れ確率を低くしてこれを犠牲にすることとしている。
すなわち、いま、不利小当たりが得られたことに基づいて上記タイミングt1が到来したとすると、図144(a),(c)に示されるように、主制御MPU4100aは、まず、開閉部材2106の開放動作を開始させる制御を行う。そして、こうした開始された開放動作を1.8秒間にわたって継続させることで、開放状態にある第一大入賞口2103に複数の遊技球(例えば、0.6秒毎に遊技球が打ち出されるなかでは平均して3個の遊技球)が受け入れられるようにして、これらの遊技球が上記振分装置による振分動作に供されるようにしている。このように、不利小当たり時の小当たり遊技であっても、多くの遊技球が振分装置による振分動作に供されるようにすることで、遊技興趣の向上が図られるようになる。
しかしながら、上記開放動作が開始されてから1.8秒が経過して開閉部材2106の開放動作を終了させるタイミングt2が到来する時点では、振分装置による上述の誘導期間(タイミングt3〜t5)は未だ生み出されていない。しかも、第一大入賞口2103に遊技球が入賞してから上記第一アタッカ装置2100内の振分装置に到達するまでの時間(例えば、最大で0.2秒)よりも長い時間が経過した以降に(ここでは、タイミングt2から0.5秒が経過したときに)、上記振分装置による誘導期間(タイミングt3〜t5)が生み出される時間設定とされている。
このような不利小当たり時の小当たり遊技によれば、上記第一大入賞口2103内に比較的多くの遊技球が受け入れ可能とされるにもかかわらず、それら遊技球の全てが当該第一大入賞口2103内の一般領域に振り分けられるのを待ってから上記振分装置による誘導期間を生み出す制御を行うようにしている。これにより、不利小当たり時の小当たり遊技では、特定領域への受け入れ確率が実質的に「0%」となるように遊技が進行されるようになる。
これに対し、この実施の形態にかかる主制御MPU4100aは、上述の振分装置による公平性の高い振分動作が行われるなかで、有利小当たり時の小当たり遊技が行われるときには、特定領域に遊技球が必ず振り分けられるように遊技可能とする制御を行うこととしている。
すなわち、いま、有利小当たりが得られたことに基づいて上記タイミングt1が到来したとすると、同図144(b),(c)に示されるように、主制御MPU4100aは、まず、開閉部材2106の開放動作を開始させる制御を行う。ただし、有利小当たり時の開放動作については、第一大入賞口2103への遊技球の入賞を拒むような短い時間(例えば、遊技球の発射間隔よりも短い時間)が経過したときにすぐに終了させる(ここでは、0.1秒経過で閉鎖)。このように、不利小当たり時の小当たり遊技では、第一大入賞口2103が開放されるにもかかわらず該第一大入賞口2103への入賞がないままで閉鎖状態とされることとなる。
ただし、有利小当たり時の小当たり遊技にあって、このような第一大入賞口2103の閉鎖状態は、上記第一アタッカ装置2100内の振分装置によって誘導期間が生み出されるタイミングt3が到来したときに解除される。
すなわち、主制御MPU4100aは、上記振分装置による誘導期間が開始されるタイミングt3が到来したことに基づいて、第一大入賞口2103が再び開放されるように開閉部材2106の開放動作にかかる制御を行う。しかも、上記振分装置による誘導期間が終了されるタイミングt5よりも早いタイミングt4が到来した時点で、こうした再度の開放動作を終了させる制御を行うこととしている。なお、タイミングt4からタイミングt5までの時間は、第一大入賞口2103に遊技球が入賞してから上記第一アタッカ装置2100内の振分装置に同遊技球が到達するまでの時間(例えば、最大で0.2秒)よりも長い時間として設定される。
このような構成によれば、再度の開放動作が1.7秒間(タイミングt3〜タイミングt4)にわたって継続されることから、開放状態にある第一大入賞口2103には複数の遊技球(例えば、0.6秒毎に遊技球が打ち出されるなかでは平均して3個弱の遊技球)が受け入れられるようになる。しかも、こうした再度の開放動作が行われている期間内(タイミングt3からタイミングt4)であれば、いずれのタイミングで入賞した遊技球であっても、該遊技球は、上記誘導期間が経過するよりも前に上記振分装置に対して供給されて特定領域に必ず振り分けられるようになる。これにより、上述の振分装置による公平性の高い振分動作が行われるなかで、有利小当たり時の小当たり遊技が行われるときには、特定領域に遊技球が必ず振り分けられるように遊技可能とされるようになる。
なお、上述の再度の開放動作を開始させるタイミングについては、上記誘導期間が生み出されるタイミングt3よりも早いタイミング(若しくは、遅いタイミング)としてもよく、必ずしも同じタイミングとして設定しなくてもよい。ただし、上記誘導期間が生み出されるタイミングt3よりも早いタイミングt3´として設定する場合、タイミングt3´からタイミングt3までの時間については、第一大入賞口2103に遊技球が入賞してから上記第一アタッカ装置2100内の振分装置に同遊技球が到達するまでの時間(例えば、最大で0.2秒)よりも短い時間として設定されるようにすることが、このような作用効果を得る上で重要である。これに対し、上記誘導期間が生み出されるタイミングt3よりも遅いタイミングt3´として設定する場合は、タイミングt3´からタイミングt4までの時間内に少なくとも1つの遊技球が受け入れ可能とされるように設定することが、このような作用効果を得る上で重要である。
ちなみに、この実施の形態にかかる主制御MPU4100aでは、不利小当たり時の小当たり遊技と有利小当たり時の小当たり遊技とのいずれが行われているかにかかわらず、振分装置により生み出される誘導期間が終了(タイミングt5)した時点で当該小当たり遊技処理を終了させることはない。すなわち、タイミングt5から所定期間(例えば0.5秒)が経過したタイミングt6が到来するまでの間は、振分装置によって振り分けられた遊技球が上記第一アタッカ装置2100内から未だ排出されていない可能性が残っていることから、このタイミングt6が経過するまでの間は、上記第一大入賞口2103を閉鎖状態にて維持し続ける制御を行うこととしている。
このように、この実施の形態にかかる主制御MPU4100aは、通常遊技状態にあるときに所定頻度(第1特別図柄側の小当たりの当選確率「1/25」)で行われる小当たり遊技においては、特定領域への受け入れ確率を低くしてこれを犠牲にするようにしている。したがって、時短遊技状態にあるときに高い頻度(第2特別図柄側の小当たりの当選確率「1197/1200」)で行われる有利小当たり時の小当たり遊技において、特定領域に遊技球が必ず振り分けられるように遊技可能としても、上記通常遊技状態にあるときの低い振分確率を合算した確率(当該パチンコ機1にあって、第一大入賞口2103内に遊技球が受け入れられたときに上記特定領域に遊技球が振り分けられる合成確率)についてはこれを所定の低確率にて維持することができるようになる。
例えば、この実施の形態にかかる主制御MPU4100aでは、通常遊技状態にあるときの不利小当たり時の小当たり遊技の平均実行回数が概ね「16回(大当たりに当選するまでのゲームの平均実行回数「400回」×小当たり確率「1/25」)」であり、それら小当たり遊技が行われる都度、平均して概ね「3個」の遊技球が入賞し、それら遊技球のいずれも特定領域に振り分けられないとして仮定すると(第1特別図柄側での第1有利小当たりは極めて低い当選確率であるので無視するとすると)、通常遊技状態にあるときには平均して概ね「48個(16回×3個)」の遊技球が入賞し、それら遊技球のいずれも特定領域に振り分けられないこととなる。これに対し、時短遊技状態の平均継続回数が概ね「4回(図143(a)及び(b)から算出可能)」であり、時短遊技状態に移行制御されてから通常遊技状態に戻るまでの間に有利小当たり時の小当たり遊技が平均して概ね「4回」行われ、それら小当たり遊技が行われる都度、平均して概ね「3個」の遊技球が入賞し、それら遊技球のいずれか1つが特定領域に振り分けられるとすると、時短遊技状態に移行制御されてから通常遊技状態に戻るまでの間には平均して概ね「12個(4回×3個)」の遊技球が入賞し、それら遊技球のうち「4個」が特定領域に振り分けられることとなる。そうすると、このような場合における上記合成確率は、概ね「4/60(「0+4」/48+12」)」といった所定の低確率にて維持されることとなる。
なお、上記誘導期間内に複数の遊技球が振分装置に対して供給された場合であっても、それら遊技球のいずれか1つのみが特定領域に振り分けられて、その他の遊技球は一般領域を通って上記第一アタッカ装置2100内から排出されるようになっている。
すなわち上述の通り、この実施の形態にかかるパチンコ機1にあっては、遊技状態(通常遊技状態、時短遊技状態)にかかわらず第2特別図柄抽選の結果として大当たりが得られる確率は1/400として設定される。そして、この大当たりが得られなかった場合、無抽選とならない限りは、第2特別図柄抽選の結果として必ず有利小当たりが得られるようにしている。
この点、このような小当たり遊技制御によれば、第1特別図柄側の小当たり遊技での特定領域への受け入れ確率を低くして犠牲にする代わりに、第2特別図柄側の小当たり遊技(有利小当たり時の小当たり遊技)においては特定領域に遊技球が必ず振り分けられるように遊技可能としている。したがって、第1特別図柄側での上述の早期終了制御が行われるなかで上記第2始動口2102への遊技球の受け入れに応じた特別抽選が行われる都度(大当たり、若しくは有利小当たり)、遊技者に対して賞の獲得機会を付与しつつ当該時短遊技状態が終了されるタイミングを遅延させる引延制御(都度抗制御)が実行可能とされるようになる(都度抗制御手段)。
また、このような都度抗制御を実現しつつも、第1特別図柄側の小当たり遊技(より正確には、不利小当たり時の小当たり遊技)での特定領域への受け入れ確率についてはこれを低くして犠牲にするようにしたことで、第1特別図柄側の小当たり遊技も含めた、第一大入賞口2103内に遊技球が受け入れられたときに上記特定領域に遊技球が振り分けられる合成確率が好適に低いままにて維持されるようになる。したがって、振分装置によって遊技球が振り分けられて特定領域に遊技球が受け入れられたときの遊技興趣を好適に維持することができるようになる。
ただし、第1特別図柄側の処理によって時短遊技状態を早期に終了させようする力が働いているなかで、該力に抗するかたちで時短遊技状態にて維持される時間を引き延ばしさせる上述の制御(都度抗制御)を好適に実現する上では、普通図柄の当選確率を非時短遊技状態よりも高める制御や、上記普通図柄の変動表示制御に要する時間を非時短遊技状態よりも短縮する制御や、上記第2始動口2102の可動片2305を手前側位置にて維持させる期間を非時短遊技状態よりも延長する制御、等々といった、普通図柄側の処理も重要となる。以下、普通図柄側の処理について説明する。
[普通制御処理について]
図145は、普通制御処理(ステップS15)の一例についてその手順を示すフローチャートである。
図145は、普通制御処理(ステップS15)の一例についてその手順を示すフローチャートである。
いま、ステップS2001の処理において、ゲートセンサ2302による検出信号がオン状態にあり、ゲート部2301への遊技球の通過があったと判断されたとすると、図145に示されるように、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS2010の処理として、まず、普通図柄の普通乱数を乱数カウンタから取得してこれをRAMの普通図柄保留記憶領域に格納するなどのゲート部通過処理を実行する。
次いで、普通制御処理では、普通図柄プロセスフラグに応じて、以下の5つのプロセス処理の1つを選択的に実行する。
1.主制御MPU4100aのRAM4100eに格納されている普通乱数を読み出し、読み出した普通乱数に基づいて普通図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理などが行われる普通図柄通常処理(ステップS2100)
2.普図変動乱数に基づいて普通図柄表示器1189に表示される普通図柄の変動態様(変動時間)についての抽選処理などが行われる普通図柄変動時間決定処理(ステップS2200)
3.普通図柄表示器1189における普通図柄の変動表示が停止されるまで待機する普通図柄変動処理(ステップS2300)
4.普通図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて決定された普通図柄の変動制御停止時の態様が普通図柄表示器1189に表示されるように普通図柄の変動表示を停止させる普通図柄停止処理(ステップS2400)
5.普通図柄の変動制御停止時の態様についての抽選処理の結果が「普図当たり」を示唆する態様となったとき、可動片2305を奥側にスライドさせて第2始動口2102への遊技球の受け入れを可能に制御する処理を実行する普通電動役物開放処理(ステップS2500)
2.普図変動乱数に基づいて普通図柄表示器1189に表示される普通図柄の変動態様(変動時間)についての抽選処理などが行われる普通図柄変動時間決定処理(ステップS2200)
3.普通図柄表示器1189における普通図柄の変動表示が停止されるまで待機する普通図柄変動処理(ステップS2300)
4.普通図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて決定された普通図柄の変動制御停止時の態様が普通図柄表示器1189に表示されるように普通図柄の変動表示を停止させる普通図柄停止処理(ステップS2400)
5.普通図柄の変動制御停止時の態様についての抽選処理の結果が「普図当たり」を示唆する態様となったとき、可動片2305を奥側にスライドさせて第2始動口2102への遊技球の受け入れを可能に制御する処理を実行する普通電動役物開放処理(ステップS2500)
なお、普通図柄プロセスフラグは、各種のレジスタや主制御内蔵RAM4100eに格納されているデータを初期化する処理において、普通図柄通常処理(ステップS2100)を行うべき旨を示すよう操作されている。
図146は、ゲート部通過処理(ステップS2010)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、ステップS2001の処理において、ゲートセンサ2302による検出信号がオン状態にあり、ゲート部2301への遊技球の通過があったと判断されたとすると、図146に示されるように、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、ステップS2011の処理として、まず、普通保留数カウンタによるカウンタ値を主制御MPU4100aのRAM4100eから取得する。そして、このカウンタ値に基づいて普通図柄の保留数がその最大値である「4」であるか否かの判断を行う。
このステップS2011の処理において、普通図柄の保留数がその最大値でないと判断された場合には、普通図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS2012〜S2014の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS2012の処理として、普通保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS2013の処理として、普通乱数、普図変動乱数を乱数カウンタから取得する。そして次に、ステップS2014の処理として、こうして取得された各乱数を、主制御MPU4100aのRAM4100eの記憶領域のうちの普通保留数カウンタによるカウンタ値に対応する普通図柄保留記憶領域に格納する。
ただし、ステップS2011の処理において、普通図柄の保留数がその最大値であると判断された場合には、普通図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS2012〜ステップS2014の処理を実行しないことで、普通図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
図147は、普通図柄通常処理(ステップS2100)についてその手順を示すフローチャートである。
上記普通制御フラグが普通図柄通常処理を行うべき旨を示しているときは、図147に示されるように、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、まず、ステップS2101の処理として、普通保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある普通図柄の変動表示制御があるか否かの判断を行う。この結果、保留の状態にある普通図柄の変動表示制御があると判断された場合には、次にステップS2102の処理として、主制御MPU4100aのRAMの普通図柄保留記憶領域に格納されている普通図柄の表示態様に関わる乱数(例えば、普通乱数、普図変動乱数)のうちの最先の記憶領域に格納された乱数を同RAMから読み出す。そして次に、ステップS2103及びS2104の処理として、普通保留数カウンタをカウントダウンするとともに、主制御MPU4100aのRAMの普通保留記憶領域の各記憶領域に格納されている普通図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(普通乱数、普図変動乱数)を先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作する。
具体的には、普通図柄保留記憶領域は1〜4の4つの記憶領域を有し、ゲート部2301への遊技球の通過に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に上記ゲート部2301に遊技球が通過するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2〜4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、普通図柄の変動表示制御の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示制御の保留が解除されるようになる。
次いで、主制御基板4100の主制御MPU4100aは、現在の遊技状態が時短遊技状態であれば(ステップS2106)、時短時の普図当たり判定テーブル(図示しない)を選択し(ステップS2106)、現在の遊技状態が非時短遊技状態であれば(ステップS2105)、非時短時の普図当たり判定テーブル(図示しない)を選択し(ステップS2107)、選択した普図当たり判定テーブルと普通図柄通常処理のステップS2102で読み出した普通乱数とを比較する(ステップS2108)。
なお、普図当たり判定テーブルは、上記主制御MPU4100aのROM4100dに記憶され、遊技状態が時短時の場合に使用する時短時の普図当たり判定テーブルと、遊技状態が非時短時の場合に使用する非時短時の普図当たり判定テーブルと、を備えている。そして、普通乱数と比較するために参照される時短時の普図当たり判定テーブルでは、255種類の全ての普通乱数が普図当たりに当選したことを示す普図当たり判定値と一致し、普図はずれであることを示す普図はずれ判定値と一致することがないように上記普通乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、時短時では、上記ゲート部2301への遊技球の通過があったとき、普図当たりに必ず当選し、可動片2305を奥側にスライドさせて第2始動口2102への遊技球の受け入れを可能に制御している。
また、普通乱数と比較するために参照される非時短時の普図当たり判定テーブルでは、255種類の全ての普通乱数が普図当たりに当選したことを示す普図当たり判定値と一致することがなく、普図はずれであることを示す普図はずれ判定値と一致するように普通乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、非時短時では、ゲート部2301への遊技球の通過があったとしても、普図当たりに当選することがないため、可動片2305の開放動作を通じて第2始動口2102への遊技球の受入れを可能に制御することがない。ただし上述の通り、非時短遊技状態においても普通図柄の当りが得られるようにしてもよく、この場合には時短遊技状態よりも低い当選確率(例えば50%)とし、普通図柄の抽選結果が当りとなったときに第2始動口2102の可動片2305を時短遊技状態よりも短い時間、例えば、0.1秒間手前側に移動させて第2始動口2102への遊技球の受入れを可能とした後に再び奥側にスライドさせて第2始動口2102への遊技球の受入れを不能にするようにしてもよい。
主制御基板4100の主制御MPU4100aは、選択した普図当たり判定テーブルと普通図柄通常処理のステップS822で読み出した普通乱数との比較の結果、普図当たりとすると判定した場合には(ステップS2109)、当該変動が普図当たりに当選していることを示す普図当たりフラグをセットした後(ステップS2110)、普通図柄の変動制御停止時の態様(普通図柄の停止図柄)としての普図当たり図柄を決定する(ステップS2112)、一方、選択した普図当たり判定テーブルと普通図柄通常処理のステップS2102で読み出した普通乱数との比較の結果、はずれとすると判定した場合には、普通図柄の変動制御停止時の態様(普通図柄の停止図柄)としての普図はずれ図柄を決定する(ステップS2111)。そしてその後、普通図柄変動時間決定処理(ステップS2200)にプロセス移行されるよう上述の普通図柄プロセスフラグが更新された時点で(ステップS2113)、この処理を終了する。
[時短遊技状態における第2始動口2102への遊技球の受け入れ確率について]
上述の通り、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、時短遊技状態において消化可能とされる変動回数の上限値についてはこれを「1」とすることで、特別図柄抽選にて当選する確率については通常遊技状態と同じ低い当選確率(1/400)のままでこれを維持するにもかかわらず該抽選にて上述の「落選(不利小当たり、若しくはハズレ)」が1度でも得られると当該時短遊技状態が終了されるようにしている。
上述の通り、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、時短遊技状態において消化可能とされる変動回数の上限値についてはこれを「1」とすることで、特別図柄抽選にて当選する確率については通常遊技状態と同じ低い当選確率(1/400)のままでこれを維持するにもかかわらず該抽選にて上述の「落選(不利小当たり、若しくはハズレ)」が1度でも得られると当該時短遊技状態が終了されるようにしている。
しかも、上述の特設可動片2111による動作によって、大当たり遊技が開始されてから終了されるまでの期間中に、該大当たり遊技の実行に供される第二アタッカ装置2150へと流下する遊技球の少なくとも1つは特設受入口2101bに受け入れられる確率が極めて高いものとなっている。したがって、時短遊技状態に移行制御されたとしても、通常は、既に保留状態とされている第1特別図柄抽選がすぐに実行されて上述の「落選(不利小当たり、若しくはハズレ)」が得られることとなる。そして、該「落選」の結果に応じた第1特別図柄の変動時間(5秒、若しくは10秒)が消化し終わった時点で当該時短遊技状態が終了される、といった早期終了制御が実現されるようになっている。
この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、時短遊技状態においては、このような早期終了制御が第1特別図柄側で行われるなかで、遊技球の受け入れ易さの向上が図られている第2始動口2102への遊技球の受け入れに応じた遊技(第2特別図柄抽選)も同時進行されるようにしている。そしてこの上で、第2特別図柄抽選が行われる都度、アタッカ装置(第一アタッカ装置2100や第二アタッカ装置2150)の動作契機となる当たりに当選するようにしている。
すなわち、第2特別図柄抽選側であっても、上述の「落選(不利小当たり、若しくはハズレ)」が得られるようなことがあれば、時短遊技状態において消化可能とされる変動回数の上限値に達したと判断されて、該「落選」の結果に応じた第2特別図柄の変動時間が消化し終わった時点で当該時短遊技状態は終了されることとなる。ただし、この実施の形態にかかる第2特別図柄抽選では、その結果として「落選(不利小当たり、若しくはハズレ)」が含まれておらず、アタッカ装置(第一アタッカ装置2100や第二アタッカ装置2150)の動作契機となる当たりに必ず当選するようになっている(図142(a)参照)。そして、第2特別図柄抽選にて当たりに当選したときには、第1特別図柄抽選側との間で当たりの重複発生を回避すべく第1特別図柄側の遊技の進行を一時停止させる制御が行われることから、第2特別図柄の遊技を進行させることによって時短遊技状態が終了されるタイミングの遅延を可能ならしめている(引延制御)。
しかしながら、上述の早期終了制御が行われているなかでは、時短遊技状態に移行制御されてから5秒(長くても10秒)が経過するよりも前に第2特別図柄の遊技を進行させることができなければ(第2始動口2102に遊技球が受け入れられなければ)、第1特別図柄の変動時間が消化し終わって時短遊技状態が早期終了されることとなってしまう(図143(a)参照))。
これに対し、時短遊技状態においては第2始動口2102への遊技球の受け入れ易さの向上が図られているとは言え、第2始動口2102に遊技球を入球させるためには、
・ゲート部2301への遊技球の通過
・普図当たりの当選
・可動片2305による第2始動口2102の開放動作
といった各種の事象を順次に生じさせることが求められる。したがって、上述の早期終了制御に抗する制御を実現する上では、上記第2特別図柄の変動時間にかかる設定態様のほか、普通図柄の制御を通じてこれらの事象を少しでも短い時間で適切に発生させていくようにすることが重要であるといえる。
・ゲート部2301への遊技球の通過
・普図当たりの当選
・可動片2305による第2始動口2102の開放動作
といった各種の事象を順次に生じさせることが求められる。したがって、上述の早期終了制御に抗する制御を実現する上では、上記第2特別図柄の変動時間にかかる設定態様のほか、普通図柄の制御を通じてこれらの事象を少しでも短い時間で適切に発生させていくようにすることが重要であるといえる。
この点、この実施の形態にかかる主制御MPU4100aは、時短遊技状態にあるときの第2始動口2102への遊技球の受け入れ確率についての飛躍的な向上を図るべく、この第2始動口2102を、遊技領域1100のうちのセンター役物2500の右側となる領域に配設するようにしている。そしてこの上で、図114及び図115に示されるように、遊技領域1100のうちのセンター役物2500の右側となる領域に遊技球が連続して打ち込まれたときには、それらの遊技球の全てが、互いの発射間隔(0.6秒)を維持しながら流下するように樹脂成型された通路を通ってゲートユニット2300へと順次に導かれる流下構造を採用することとしている。
すなわち、この実施の形態にかかるゲートユニット2300は、当該ユニット2300内におけるゲート部2301を通過した遊技球が、その通過に応じた可動片2305の可動によって入賞可能とされる第2始動口2102に、ゲート部2301から第2始動口2102までの通路を通って入賞可能とされるように、以下の特徴を有したものとなっている。
まず、ゲートセンサ2302によりゲート部2301を遊技球が通過したことが検出されると、主制御基板4100が、この検出があった旨の情報に基づいて普通乱数を取得するとともに、こうして取得された普通乱数に基づいて普通当たりが得られたかについての判定(普通判定)を行う。また、主制御基板4100は、普通判定の結果に基づいて、普通図柄表示器1189において普通図柄を所定時間だけ変動表示させる。そしてこの結果、普通判定にて普通当たりが得られている旨判定された場合(普通図柄を所定時間だけ変動表示した結果、特定の停止表示態様が現れた場合)、主制御基板4100は、第2始動口2102が開状態となるように、可動片2305を手前側にスライドさせるように制御する。
この点、ゲートユニット2300内にて所定長さをもった案内通路は、当該ユニット2300内にて一体形成された構造によって、ゲート部2301を通過した遊技球を、ほぼ一律の時間だけ要して、第2始動口2102に受け入れ可能とする領域(可動片2305の可動領域)へと必ず案内するものとなっている。これに対し、時短遊技状態(いわゆる開放延長機能が作動する遊技状態)においては、ゲート部2301を通過した遊技球が第2始動口2102にたどり着くまでの間(ほぼ一律の時間が経過する間)に、主制御基板4100が、上述の普通判定、普通図柄の変動表示、及び可動片2305を開状態とする駆動制御などを実行することで、普通当りが得られるようにゲート部2301を通過した遊技球これ自体が第2始動口2102に受け入れ可能とされるようにしている。
ちなみに、この実施の形態にかかるパチンコ機1(主制御基板4100)では、時短遊技状態においては、普通図柄の変動時間は常に「0.08秒」となっており、普通図柄の図柄が確定表示されてから可動片2305が開状態とされるまでの時間が「0.008秒」となっており、可動片2305が開状態にて維持される時間が「5.5秒」となっており、可動片2305が開状態から閉状態にされてから次回の普通図柄の変動開始(ゲートセンサ2302による遊技球の検出)が許容されるまでの時間(インターバル時間)が「0.05秒」となっている。
これに対し、この実施の形態にかかるゲートユニット2300は、ゲート部2301を遊技球が通過してから(普通図柄が変動開始してから)可動片2305が開状態とされるまでの時間「0.088秒」分(若しくは、若干の余裕時間(例えば「12ms」)が加算された時間「0.1秒」)だけを要して第2始動口2102にたどり着くようにすることで、当該ユニット2120としての小型化を図りながら、こうした時間を確保するようにしている。
これにより、時短遊技状態にあるときの普通抽選にて当りが得られた場合は、ゲート部2301の通過によって当該当りが得られる起因となった遊技球これ自体が、上記ゲートユニット2300内における案内経路を通って、上記可動片2305により開状態とされている可動領域から第2始動口2102へと受け入れられるようになる。そして、こうした開状態が「5.5秒」という長い時間だけ継続されるようになっていることから、遊技領域1100のうちのセンター役物2500の右側となる領域に遊技球が0.6秒間隔で打ち出されると(1分間に100個の遊技球が一定の間隔で順次打ち出されると)、それらの遊技球は、案内通路部材やゲートユニット2300を介して、第2始動口2102にその発射間隔(0.6秒間隔)のままで次々と受け入れられうるようになる。
この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1(主制御基板4100)では、時短遊技状態(低確率時短遊技状態)においては、保留状態にかかわらず第2特別図柄の変動時間のうちの最も短い時間を「0.004秒」としてこれが最も選択されやすいように設定している(図143参照)。このような構成によれば、1分間に100個の発射間隔での右打ちさえ継続していれば、時短遊技状態に移行制御されてから0秒〜0.6秒が経過するまでの間にゲート部2301を遊技球が通過することとなる。そしてこの後は、概ね「0.1秒」が経過したときに第2始動口2102に遊技球が受け入れられるようになることから、「0.004秒」の変動時間が選択された場合は、時短遊技状態に移行制御されてから0.104秒〜0.704秒といった極めて短い時間だけ第1特別図柄側の変動を許容するだけで、第1特別図柄側の遊技をすぐに一時停止させることができるようになる。
ちなみに、第2始動口2102に遊技球が受け入れられたときに、第2特別図柄の変動時間として「2.5秒」の変動時間が選択された場合であっても、時短遊技状態に移行制御されてから2.6秒〜3.2秒といった短い時間しか第1特別図柄側の変動は許容されない。すなわちこの場合、第1特別図柄の変動時間として5秒が選択されていたとしても、第1特別図柄の残り変動時間が1.8秒〜2.4秒程度は残されることから、遊技ホールの通常営業時間が長くても14時間を超えないことに鑑みれば、その後、第2特別図柄の保留状態を維持しながら「0.004秒」が選択され続けた場合は、営業時間内で特定遊技を終了させないように遊技することが可能となる。
[周辺制御基板の制御処理]
次に、周辺制御基板4010に搭載される周辺制御MPU4140aによって実行される処理について説明する。図148は、当該パチンコ機1に電源が投入されるとき、上記周辺制御基板4010に搭載される周辺制御MPU4140aによって行われる制御についてその処理手順を示すフローチャートである。
次に、周辺制御基板4010に搭載される周辺制御MPU4140aによって実行される処理について説明する。図148は、当該パチンコ機1に電源が投入されるとき、上記周辺制御基板4010に搭載される周辺制御MPU4140aによって行われる制御についてその処理手順を示すフローチャートである。
図148に示すように、パチンコ機1への電力供給が開始されると、周辺制御MPU4140aは、初期設定処理を行う(ステップS1001)。この初期設定処理は、周辺制御基板4010に搭載される周辺制御MPU4140aに内蔵されているRAMをクリアする処理等が行われる。なお、この初期設定処理中では割込禁止となっており、初期設定処理のあと割込許可となる。初期設定処理(ステップS1001)が終了すると、16ms経過フラグTがセットされたか否かを監視するループ処理を開始する(ステップS1002)。
この実施の形態では、周辺制御MPU4140aは、2ms経過毎に割込を発生させ、2ms定常処理を実行する。2ms定常処理では、16ms経過監視カウンタをカウントアップする(16ms経過監視カウンタを1加算する)処理が実行され、16ms経過監視カウンタの値が8になったとき、すなわち、16ms経過したときに16ms経過フラグTをセットするとともに、16ms経過監視カウンタをリセット(0にする)処理が実行される。このように、16ms経過フラグTは、2ms定常処理にて16ms毎に「1」に設定(セット)され、通常は「0」に設定(リセット)されている。ステップS1002で16ms経過フラグがセットされている(16ms経過フラグTが「1」)ときには、16ms経過フラグをリセットした後(ステップS1003)、16ms定常処理を行う(ステップS1004)。
この16ms定常処理では、主制御基板4100から受信したコマンドにもとづいて液晶表示装置1900、ランプ・LED、スピーカ130,222,262等を制御する処理が実行される。16ms定常処理を終了すると、再びステップS502に戻り、16mS経過フラグTがセットされる毎に、つまり16ms毎に上記したステップS1003〜ステップS1004を繰り返し行う。一方、ステップS1002で16ms経過フラグTがセットされていない(16ms経過フラグTが「0」)ときには、16ms経過フラグTがセットされるまでループ処理を行う。
図149は、サブメイン処理にて16ms毎に実行される16ms定常処理の一例を示すフローチャートである。16ms定常処理において、周辺制御MPU4140aは、ステップS1101〜ステップS1106の処理を実行する。ステップS1101のコマンド解析処理では、主制御基板4100から受信したコマンドを解析する。ステップS1102の演出制御処理では、変動パターンがセットされる(ステップS411)ことにより送信された変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて液晶表示装置1900に関わる制御処理を実行する。
また、ステップS1103の音制御処理では、スピーカ130,222,262に関わる制御処理を実行する。ステップS1104のランプ制御処理では、パチンコ機1に設けられたランプ・LEDに関わる制御処理を実行する。ステップS1105の情報出力処理では、ランプ駆動基板3041にランプ・LEDの点灯信号を送信する処理などを実行する。ステップS1106の乱数更新処理では、演出制御処理(ステップS1102)で各種設定に用いられる乱数を更新する処理を実行する。
なお、16ms定常処理におけるステップS1101〜ステップS1106の処理は16ms以内に終了する。仮に、16ms定常処理を開始してから当該16ms定常処理の終了までに16ms以上かかったとしても、16ms定常処理を開始してから16ms経過したときに直ぐに16ms定常処理を最初から(ステップS1101のコマンド解析処理から)実行しない。すなわち、16ms定常処理の実行中に16ms経過したときには、16ms経過フラグのセットのみを行い、当該16ms定常処理の終了後にステップS1102で16ms経過フラグがセットされていると判定されたときに16ms定常処理を開始する。
また、この実施の形態では、16ms定常処理にて乱数更新処理(ステップS1106)を実行して各種乱数を更新するように構成しているが、各種乱数を更新する時期(タイミング)はこれに限られるものではない。例えば、サブメイン処理におけるループ処理および16ms定常処理のいずれか一方または両方にて各種乱数を更新するように構成してもよい。
図150は、各種遊技が進行されたときの遊技処理の一例を示すタイムチャートである。以下、この図150を参照しつつ、この実施の形態のかかるパチンコ機1にて各種遊技が進行されたときの遊技処理について総括する。
上述の通り、通常遊技状態では、センター役物2500の左側を狙って遊技球を発射(いわゆる「左打ち」)することで、上記第2始動口2102ではなく、上記第1始動口2101(常時受入口2101a)に遊技球を入賞させるようにするほうが遊技者にとって有利とされる。これに対し、時短遊技状態では、センター役物2500の右側を狙って遊技球を発射(いわゆる「右打ち」)することで、上記第2始動口2102に遊技球を入賞させるようにするほうが遊技者にとって有利とされる。
このような遊技条件とされているなかで、いま、通常遊技状態に制御されているとすると、遊技者は、左打ちをして、上記第1始動口2101(常時受入口2101a)に遊技球を入球させる遊技を行うこととなる。そしてこの結果、上記第1始動口2101に遊技球が入球される都度、所定の上限値(ここでは4個)まで第1特別図柄抽選が保留の状態とされる。そして、こうして保留の状態とされた第1特別図柄抽選が、第1特別図柄側の始動条件が成立(ステップS301aにおけるNO)したときに保留された順序に従って消化されることで、図142に示される条件のもとで当該第1特別図柄抽選が行われることとなる。
ただし、図142に示される通り、第1特別図柄抽選の結果には、大当たり遊技を発生させることのできる当たり(当選)として、「大当たり」及び「有利小当たり」が含まれてはいるものの、大当たりが得られる確率は「1/400」といった低確率であり、有利小当たりが得られる確率(小当たり確率と、種別判定で有利小当たりが選択される確率との乗算値)にいたっては「1/25000」といった極めて低い確率となっている。
したがって、第1特別図柄抽選の結果としては、基本的には、「大当たり」及び「有利小当たり」のいずれにも該当しない「落選」が得られることとなり、該「落選」の結果に基づいて決定された変動時間だけ第1特別図柄を変動させるとともに、該変動時間が経過したときに「落選」に対応した停止図柄を出現させる、といった制御が行われることとなる。ただし、このような「落選」の種別としては、ハズレのほか、不利小当たりが概ね「1/25」の確率で得られるようになっていることから、「落選」に対応した停止図柄を出現させた後に、不利小当たり時の小当たり遊技の実行にかかる制御がさらに行われる場合もある。
なお上述の通り、不利小当たり時の小当たり遊技が行われるときには、上記開閉部材2106の動作によって第一大入賞口2103が比較的長い時間にわたって開放状態とされるにもかかわらず、この開放時に入球した遊技球が特定領域に振り分けられることはない(図144(a),(c)参照)。この点、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4140aでは、このような不利小当たりが得られた場合であっても、小当たり遊技が行われるときには、遊技者に対して第一大入賞口2103への遊技球の入球を促す表示画像を出現させるようにしている。すなわちこの場合、特定領域には遊技球が誘導され難いことを遊技者に対して実感させることができるようになり、これによって有利小当たり時の小当たり遊技にて特定領域に遊技球が振り分けられたときの遊技興趣の向上を好適に図ることができるようになる。そして、このような作用効果を得るべく、不利小当たり時の小当たり遊技であっても、上記第一大入賞口2103では、複数の遊技球が入球可能とされるだけの比較的長い時間(1.8秒)にわたって開放状態とされるようにしていることは上述した通りである。
このような構成によれば、通常遊技状態においては、基本的には、左打ちの遊技を進行させることによって「大当たり」及び「有利小当たり」のいずれにも該当しない「落選」が繰り返し得られていくなかで、所定の頻度(概ね1/25)では、図柄停止後に開放される第一大入賞口2103に遊技球が入球されるべく右打ちを促す表示画像が現れることとなる。すなわちこの場合、遊技者は、「1/25000」といった極めて低い確率で有利小当たりが得られている可能性を期待して、特定領域に遊技球が受け入れられるか否かについての機械抽選による遊技を楽しむこととなる。なお、特定領域に遊技球が受け入れられないままで当該小当たり遊技が終了した後には、遊技者に対して左打ちさせることを促す表示画像が出現される。
そして、このような低期待の遊技が繰り返し行われた結果、いま、タイミングt11において、第1特別図柄抽選の結果として大当たり(1/400)がようやく得られたとすると、大当たり時の変動パターンを決定するとともに(図128:ステップS402a)、該決定した変動パターンに対応付けされている変動時間を第1変動タイマに設定してから(図128:ステップS410a)、第1特別図柄の変動を開始させることとなる。
こうした第1特別図柄の変動状態は、第1変動タイマがタイムアップするタイミングt12が到来するまでの間にわたって維持される。そしてこの結果、第1変動タイマがタイムアップするタイミングt12が到来すると、大当たり時の停止図柄を出現させることによって第1特別図柄の変動状態が終了される。
そして、大当たり時の停止図柄が出現した後は、大当たり遊技の開始前インターバル期間を発生させて、該大当たり遊技の開始前インターバル期間が経過したことに基づいて大当たり遊技の実行を開始させる(タイミングt13)。
この実施の形態にかかるパチンコ機1では、図142(b)に示されるように、大当たりの種別として6R時短大当たりのみが得られるようになっていることから、第二アタッカ装置2150が開放動作されるラウンド遊技が6回にわたって繰り返し行われた時点で大当たり遊技が終了とされる(タイミングt14)。そしてこの後は、大当たり遊技の終了インターバルを発生させて、該大当たり遊技の終了インターバル期間が経過したときに時短機能を作動させることで時短遊技状態への移行制御が行われる(タイミングt15)。
ただし上述の通り、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、時短遊技状態において消化可能とされる変動回数の上限値についてはこれを「1」とすることで、特別図柄抽選にて当選する確率については通常遊技状態と同じ低い当選確率(1/400)のままでこれを維持するにもかかわらず該抽選にて上述の「落選(不利小当たり、若しくはハズレ)」が1度でも得られると当該時短遊技状態が終了されるようにしている。
そして、こうした時短遊技状態での早期終了制御を好適に実現するべく、上述の特設可動片2111(図114参照)による動作によって、大当たり遊技が開始されてから終了されるまでの期間中(タイミングt13〜タイミングt14)に、該大当たり遊技の実行に供される第二アタッカ装置2150へと流下する遊技球の少なくとも1つは特設受入口2101bに受け入れられるようにしている(第1特別図柄抽選を保留状態とする)。
このような構成によれば、大当たり遊技の終了インターバル期間が経過して、時短遊技状態に移行制御された直後から、既に保留状態とされている第1特別図柄抽選がすぐに実行されて、通常は(399/400の確率で)、上述の「落選(不利小当たり、若しくはハズレ)」が得られる。そして、該「落選」の結果に応じた第1特別図柄の変動時間(5秒、若しくは10秒)が消化し終わった時点で当該時短遊技状態が終了されることとなる(早期終了制御)。
この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、遊技球の受け入れ易さの向上が図られている第2始動口2102への遊技球の受け入れに応じた遊技(第2特別図柄抽選)が行われる都度、アタッカ装置(第一アタッカ装置2100や第二アタッカ装置2150)の動作契機となる当たりに当選するようにしている。
すなわち、第2特別図柄抽選側であっても、上述の「落選(不利小当たり、若しくはハズレ)」が得られるようなことがあれば、時短遊技状態において消化可能とされる変動回数の上限値に達したと判断されて、該「落選」の結果に応じた第2特別図柄の変動時間が消化し終わった時点で当該時短遊技状態は終了されることとなる。ただし、この実施の形態にかかる第2特別図柄抽選では、その結果として「落選(不利小当たり、若しくはハズレ)」が含まれておらず、アタッカ装置(第一アタッカ装置2100や第二アタッカ装置2150)の動作契機となる当たりに必ず当選するようになっている(図142(a)参照)。そして、第2特別図柄抽選にて当たりに当選したときには、第1特別図柄抽選側との間で当たりの重複発生を回避すべく第1特別図柄側の遊技の進行を一時停止させる制御が行われることから、第2特別図柄の遊技を進行させることによって時短遊技状態が終了されるタイミングの遅延を可能ならしめている(引延制御)。
したがって、時短遊技状態において上述の早期終了制御が行われているなかでは、遊技者側からすれば、第1特別図柄側の遊技の進行を少しでも早く一時停止の状態とすることが、遊技者にとって有利な遊技状態(時短遊技状態と大当たり遊技状態とが繰り返される特定遊技)を長く継続させるようにする上で重要である。しかしながら、大当たり遊技が行われている期間中、大当たり遊技の実行に供される第二アタッカ装置2150へと流下する遊技球の多くはその途中でゲート部2301を通過することから、大当たり遊技が行われるなかで普通図柄は絶え間なく保留状態とされるとともに変動することとなる。
すなわちこの場合、大当たり遊技が行われるなかで変動を開始した普通図柄が、時短遊技状態に移行制御された以降にも継続してその変動状態を維持する事態が生じうる。そればかりか、このような事態(時短機能の非作動時に開始された普通図柄の変動が、時短機能が作動した以降に持ち越された事態)が生じた場合は、該変動状態がようやく停止されたとしても、通常時(時短機能の非作動時)の開放時間(0.1秒間)でしか第2始動口2102が開状態とされないことから、該第2始動口2102に遊技球を入球させること(第1特別図柄側の遊技の進行を一時停止させること)は困難である。したがって、大当たり遊技が行われるなかで変動を開始した普通図柄に関する処理を全て終えてから、時短機能が作動しているなかで普通図柄の変動を改めて開始させて、該開始した普通図柄の変動が停止したときの時短時の開放時間(5.5秒)が現れるまでの間は、第2始動口2102に遊技球を入球させて第1特別図柄側の遊技の進行を一時停止させることができず、これによって第1特別図柄側の残りの変動時間が大幅に少なくなることにより遊技興趣が低下してしまう懸念が生じる。
そこで、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、大当たり遊技の終了インターバルについては、当該インターバル期間内で普通図柄(普通抽選)の保留(最大で4回)を全て消化し終えることが可能とされる時間として設けることとしている。より具体的には、通常遊技状態にあるときの普通図柄の変動時間を「TA(例えば0.5秒)」、通常遊技状態にあるときの普通図柄の図柄が確定表示されてから可動片2305が開状態とされるまでの時間を「TB(例えば0.008秒)」、通常遊技状態にあるときの可動片2305が開状態にて維持される時間を「TC(例えば、0.1秒)」、通常遊技状態にあるときの可動片2305が開状態から閉状態にされてから次回の普通図柄の変動開始が許容されるまでの時間(インターバル時間)を「TD(例えば、0.05秒)」とするとき、「(TA+TB+TC+TD)×4<大当たり遊技の終了インターバルの時間」といった関係式が成立するように、大当たり遊技の終了インターバルの時間を設定することとしている。
このような構成によれば、大当たり遊技の終了インターバル中に遊技球を打ち出さないようにするだけで、普通図柄(普通抽選)の保留がなされていない状況にあるなかで時短遊技状態への移行制御を行わせることができるようになる。
この点、この実施の形態にかかる周辺制御MPU4140aでは、大当たり遊技の終了インターバルが終了して時短機能が作動するタイミングt15を遊技者が認識可能となる演出制御を行うこととしている。例えば、カウントダウンによる演出表示によって遊技者が認識可能となるようにした場合は、このカウントダウンが「0」になるタイミングを狙って上記ゲート部2301を遊技球が通過するように遊技球を発射させることが可能となり、このような狙い打ちによって時短遊技状態に移行された直後から第2始動口2102に遊技球を入球させて第1特別図柄側の遊技の進行を一時停止させることができるようになる。
しかも、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、上述の通り、時短遊技状態においては、第2始動口2102を開放状態とするように上記ゲート部2301を通過した遊技球これ自体が第2始動口2102にそのまま入球されるようにしていることから、上述の狙い打ちを可能とした場合には、時短機能が作動してから極めて短い時間(ゲート部2301を通過してから第2始動口2102での入球検出がなされるまでの時間)で第1特別図柄側の遊技の進行を一時停止させることができるようになる。
したがって、このような遊技条件とされているなかでタイミングt15が到来したときには、まず、時短機能が作動することによって時短遊技状態に移行制御される。次いで、既に保留状態とされている第1特別図柄抽選が実行されて、通常は(399/400の確率で)、上述の「落選(不利小当たり、若しくはハズレ)」が得られる。そして、該「落選」時の変動パターンを決定するとともに(図128:ステップS404a,S406a,S407a)、該決定した変動パターンに対応付けされている変動時間を第1変動タイマに設定してから(図128:ステップS410a)、第1特別図柄の変動を開始させることとなる。なおここでは、第1特別図柄の変動時間として10秒が決定されたとする。
ただし上述の通り、時短遊技状態に制御されているときの「落選」時における第1特別図柄の変動時間は、通常遊技状態に制御されているときの「落選」時における第1特別図柄の変動時間よりも総じて短い変動時間(より厳密には、時間長さの期待値の比較で短い)が選択されるようになっている(例えば、保留数が0のとき)。したがって、時短遊技状態に移行制御された以降は、こうした短い変動時間(ここでは10秒)が消化し終わった時点で遊技者にとって有利な遊技状態が終了されることとなる(早期終了制御)。
これに対し、遊技者は、こうした早期終了制御に抗する制御を開始させるべく、タイミングt15から若干遅れた適宜のタイミングt16において第2始動口2102に遊技球を入球させる遊技を実行可能である。すなわちこの場合、タイミングt16においては、第2特別図柄抽選が実行されて、通常は(399/400)、有利小当たりが得られる。そして、該有利小当たり時の変動パターンを決定するとともに(図136:ステップS404b)、該決定した変動パターンに対応付けされている変動時間を第2変動タイマに設定してから(図136:ステップS410b)、第2特別図柄の変動を開始させることとなる。
ここで、図143(b)に示されるように、時短遊技状態にあるときの有利小当たり時における第2特別図柄の変動時間として決定されうる時間としては、「0.004秒」、「2.5秒」、「5秒」、「10秒」が用意されている。すなわち、これらの時間のうち、上記第1特別図柄の変動時間として決定された時間(ここでは10秒)よりも短い時間が決定された場合に、第1特別図柄の変動時間よりも先に第2特別図柄の変動時間を消化し終えることが可能とされることとなり、第1特別図柄の変動状態を維持したままで該第1特別図柄側の遊技の進行を一時停止させる制御(第1変動タイマを減算しない制御)が実行されうるようになる(引延制御)。
例えば、タイミングt16において、第2特別図柄の変動時間として「2.5秒」が決定されたとすると、この変動時間が経過して第2変動タイマがタイムアップするタイミングt17が到来するまでの間は、第1変動タイマのタイマ値も同様に減算されていくこととなり、第1特別図柄の残り変動時間の減少を止めることはできない。ただし上述の通り、タイミングt17において、第2変動タイマがタイムアップして有利小当たり時の停止図柄が出現して第2特別図柄の変動状態が終了されると、該第1特別図柄側の遊技の進行を一時停止させる制御が行われるようになる(図137:ステップS512b)。
このような構成によれば、第1特別図柄の変動状態についてはこれが維持されたままとされるにもかかわらず、第1変動タイマのタイマ値(残りの変動時間として概ね7.5秒弱のタイマ値)が減算されない状況が生み出されるようになることから、第1特別図柄側の上述の早期終了制御に抗する制御として実現されるようになる。
そして、こうして有利小当たり時の停止図柄が出現した後は、小当たり遊技の開始前インターバル期間を発生させて、該小当たり遊技の開始前インターバル期間が経過したことに基づいて有利小当たり時の小当たり遊技の実行を開始させる(タイミングt18)。
なお上述の通り、有利小当たり時の小当たり遊技が行われるときには、上記開閉部材2106の動作によって第一大入賞口2103に複数の遊技球が入球可能とされるとともに、それら遊技球のいずれかが特定領域に振り分けられるようになっている(図144(b),(c)参照)。
したがって、時短遊技状態に移行制御された以降、遊技者による右打ちが適正に継続されている場合には、通常、第2特別図柄抽選で有利小当たりに当選して、該有利小当たり時の小当たり遊技が実行されたときに特定領域に遊技球が振り分けられることとなる(タイミングt19)。このタイミングt19が到来したときには、まず、時短機能を停止させる。そして、大当たり遊技の開始前インターバル期間を発生させて、該大当たり遊技の開始前インターバル期間が経過したことに基づいて大当たり遊技の実行を開始させることとなる(タイミングt20)。
この実施の形態にかかるパチンコ機1では、小当たり遊技において特定領域に遊技球が振り分けられた場合も、大当たりの当選時と同様、第二アタッカ装置2150が開放動作されるラウンド遊技が6回にわたって繰り返し行われた時点で大当たり遊技が終了とされる(タイミングt21)。そしてこの後は、大当たり遊技の終了インターバルを発生させて、該大当たり遊技の終了インターバル期間が経過したときに時短機能を作動させることで時短遊技状態への移行制御が行われる(タイミングt22)。なお、ここでの大当たり遊技の終了インターバルの時間についても、大当たりの当選時(タイミングt14〜t15)の場合と同様、「(TA+TB+TC+TD)×4<大当たり遊技の終了インターバルの時間」といった上述の関係式が成立するように設定されている。
そして、このタイミングt22では、第1特別図柄側にかかる遊技進行の一時停止が解除されることとなり(図141:ステップS926b)、これによって第1変動タイマが再び減算される状態に戻るようになる。
ただしこの時点では(タイミングt22)、タイミングt15が到来した以降に遊技者による右打ちが適正に継続されていれば、通常は、第2特別図柄抽選は既に保留の状態とされている可能性が極めて高い。
すなわち、上記タイミングt16において第2始動口2102に遊技球が入球した際には、時短時の開放時間(5.5秒)が現れていたと考えられることから、この開放時間内には、第2始動口2102に複数の遊技球が次々と入球して第2特別図柄の変動が開始されることはもとより、第2特別図柄抽選が所定の上限値(ここでは、1個)まで保留の状態とされることとなる。
したがって、上記タイミングt22においては、時短遊技状態に移行制御された直後であるにもかかわらず、こうして既に保留の状態とされている第2特別図柄抽選を消化することで、上述の早期終了制御に抗する制御をすぐに開始させることができるようになる。そしてこの際、上記第1特別図柄の変動時間として残されている時間(ここでは7.5秒弱)よりも短い時間が決定された場合には、第1特別図柄の変動時間よりも先に第2特別図柄の変動時間を消化し終えることが可能とされることとなり、第1特別図柄の変動状態を維持したままで該第1特別図柄側の遊技の進行を再び一時停止させることができるようになる(引延制御)。
例えば、タイミングt22において、第2特別図柄の変動時間として「0.004秒」が決定されたとすると、この変動時間が経過して第2変動タイマがタイムアップするタイミングが到来するまでの間は、第1変動タイマのタイマ値も同様に減算されていくこととなり、第1特別図柄の残り変動時間の減少を止めることはできない。ただし上述の通り、第2変動タイマがタイムアップして有利小当たり時の停止図柄が出現して第2特別図柄の変動状態が終了されると、該第1特別図柄側の遊技の進行を一時停止させる制御が行われるようになる(図137:ステップS512b)。
このように、通常遊技状態から時短遊技状態に移行制御された以降は、タイミングt11において設定された第1特別図柄の変動時間を上記特定遊技(時短遊技状態と賞獲得可能な遊技(小当たり遊技、大当たり遊技)とが繰り返される遊技)が実行可能とされる制限時間として用いて、この制限時間(変動時間)を徐々に減算していくなかで、第2特別図柄側での大当たり遊技をどれだけ行うことができるか、といった遊技性が実現されるようになる。
ただし、このような遊技性によれば、制限時間が設けられる性質上、この制限時間内に実行可能とされる大当たり遊技の回数にも自ずと上限値が生じることとなる。すなわちこの場合、通常遊技状態から時短遊技状態に移行制御された場合であっても、存続可能な上限に達したときには時短遊技状態が終了されてしまうことを遊技者が意識しかねず、これによって遊技興趣が低下する懸念がある。
そこで、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、上述の通り、時短遊技状態にあるときの第2特別図柄側の小当たり時の変動時間として、「x時間×Z時間/14時間」未満となる適宜の時間を決定可能としている。したがって、通常営業時間中に特定遊技を終了させないように遊技することが可能、換言すれば、第1特別図柄側の変動時間を実質的に減算させない変動時間として機能させることが可能とされる。これにより、制限時間が設けられる遊技性でありながらも、第2特別図柄側の抽選の結果(変動時間にかかる設定抽選)によっては実質的に制限が持たされないなかで遊技者に有利な遊技をひたすら進行させることができるようになる。
しかしながら、時短遊技状態にあるときの第2特別図柄の小当たり時の変動時間を「0.004秒」といった極短時間として設定した場合には、第2特別図柄の変動状態を短くすることはできるものの、当該変動時間中の時短機能を利用して第2始動口2102に遊技球を入球させることができなくなってしまう。すなわち、時短遊技状態にあるときの第2特別図柄の変動時間を短く設定した場合には、これと引き換えに第2特別図柄を保留状態にて維持したままで賞獲得可能な遊技(小当たり遊技、大当たり遊技)を進行させることができなくなり、大当たり遊技が終了した後に第2特別図柄の変動が開始されるまでの待ち時間が長くなってしまうというジレンマが生じて、第2特別図柄の変動待ち状態と変動状態との両方を短縮させることが困難となることから、上記第1特別図柄側の早期終了制御に抗して時短遊技状態が終了されるタイミングを遅延させる引延制御を好適に実現することができなくなってしまう懸念がある。
この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、タイミングt22から0.004秒が経過して、第2特別図柄抽選の結果として有利小当たりが得られたことを示す小当たり図柄が停止されたときに、時短機能が作動している間に消化した特別図柄の変動回数が予め定められている上限値(ここでは1回)に達した場合であっても、この時点(図柄の停止時)で時短機能を停止せずに、小当たり遊技の実行が終了されるタイミングt24が到来するまでの間は時短機能を継続させるようにしている。
すなわちこの場合、タイミングt22から0.004秒が経過したときに開始される小当たり遊技のインターバル期間や、小当たり遊技のインターバル期間が終了されるタイミングt23から開始される小当たり遊技の実行期間内にも時短機能が継続されるようになることから、これらの期間の長さを、第2特別図柄の保留状態を維持するために必要な時間よりも長く設定することで、第2特別図柄の変動待ち状態と変動状態との両方を短縮させて、上記第1特別図柄側の早期終了制御に抗して時短遊技状態が終了されるタイミングを遅延させる引延制御を好適に実現するようにしている。
より具体的には、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、
・時短遊技状態において、第2特別図柄抽選の結果として有利小当たりが得られたことを示す小当たり図柄が停止されたときから第一大入賞口2103が開放状態とされるまでの時間を「TA」、
・遊技領域1100に対して所定時間(0.6秒)毎に遊技球が右打ちされる遊技状況(時短遊技状態)において第一大入賞口2103が開放状態とされてからその内部に遊技球が進入するまでに要する平均時間を「TB」、
・遊技領域1100に対して所定時間(0.6秒)毎に遊技球が打ち込まれる遊技状況(時短遊技状態)においてゲート部2301を遊技球が通過するまでに要する平均時間を「TC」、
・時短遊技状態において、普通図柄の当たり変動時の変動時間として選択されうる時間の平均値を「TD」、
・普通図柄の当たり停止図柄が現れたときから可動片2305が動作開始するまでの時間を「TE」、及び
・遊技領域1100に対して所定時間(0.6秒)毎に遊技球が打ち込まれる遊技状況(時短遊技状態)において可動片2305が動作開始してから第2始動口2102に遊技球が受け入れられるまでに要する平均時間を「TF」
とするとき、それらの関係が、「TA+TB>TC+TD+TE+TF」となるように小当たり遊技のインターバル期間の長さを設定するようにしている。
・時短遊技状態において、第2特別図柄抽選の結果として有利小当たりが得られたことを示す小当たり図柄が停止されたときから第一大入賞口2103が開放状態とされるまでの時間を「TA」、
・遊技領域1100に対して所定時間(0.6秒)毎に遊技球が右打ちされる遊技状況(時短遊技状態)において第一大入賞口2103が開放状態とされてからその内部に遊技球が進入するまでに要する平均時間を「TB」、
・遊技領域1100に対して所定時間(0.6秒)毎に遊技球が打ち込まれる遊技状況(時短遊技状態)においてゲート部2301を遊技球が通過するまでに要する平均時間を「TC」、
・時短遊技状態において、普通図柄の当たり変動時の変動時間として選択されうる時間の平均値を「TD」、
・普通図柄の当たり停止図柄が現れたときから可動片2305が動作開始するまでの時間を「TE」、及び
・遊技領域1100に対して所定時間(0.6秒)毎に遊技球が打ち込まれる遊技状況(時短遊技状態)において可動片2305が動作開始してから第2始動口2102に遊技球が受け入れられるまでに要する平均時間を「TF」
とするとき、それらの関係が、「TA+TB>TC+TD+TE+TF」となるように小当たり遊技のインターバル期間の長さを設定するようにしている。
ここで、上記「TB」とは、開放状態にある第一大入賞口2103に遊技球が入球される確率の値から算出可能とされるものである。例えば、遊技領域1100に対して所定時間(0.6秒)毎に遊技球が右打ちされる遊技状況(時短遊技状態)にあって、開放状態にある第一大入賞口2103に遊技球が入球される確率が仮に「1/2」であるとすると、第一大入賞口2103に遊技球が入球されるまでの間に平均して2個の遊技球が打ち出されることとなる。この点、第一大入賞口2103が開放状態とされてから1個目の遊技球が到達するまでの時間には概ね0秒から0.6秒までの誤差が生じることに鑑みれば、第一大入賞口2103に2個の遊技球が到達するまでの平均時間(TB)は、概ね0.9秒(((0秒+0.6秒)+(0.6秒+0.6秒))/2)であると算出されることとなる。
また、上記「TC」や上記「TF」についても、ゲート部2301を遊技球が通過する確率の値や、開放状態にある第2始動口2102に遊技球が入球される確率の値から算出可能とされるものである。
このような構成によれば、小当たり遊技のインターバル期間中にも継続して作動している時短機能を利用することによって、第2特別図柄の変動終了後に第2始動口2102に遊技球を入球させてから大当たり遊技を開始させることができるようになる。これにより、第2特別図柄の変動時間の長さに制約を設けずとも、第2特別図柄の保留状態を好適に維持することができるようになることから、遊技や演出の設計にかかる自由度の向上を図ることができるようになる。すなわちこの場合、第1特別図柄の残り変動時間は、第2特別図柄が変動状態にあるときに限り減算されることとなることから、時短遊技状態にあるときの第1特別図柄の変動時間の設定態様(図143(a)参照)と第2特別図柄の変動時間の設定態様(図143(b)参照)との関係によって、特定遊技(時短遊技状態と賞獲得可能な遊技(小当たり遊技、大当たり遊技)とが繰り返される遊技)が継続される確率を設定することができるようになる。
そして、このような自由度の高い遊技が実現可能とされているなかで、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、第2特別図柄の変動時間として極短の変動時間を決定可能とすることで、上記タイミングt22において再び減算されるようになった第1変動タイマを、そのタイマ値が極短の時間(0.004秒)だけ減算された時点で、再び一時停止の状態とするようにしたことは上述した通りである。すなわち、このような極短の時間(0.004秒)を採用した場合であっても、第2特別図柄の保留状態が好適に維持可能とされるがゆえに、第1特別図柄側で制限時間が設けられる遊技性でありながらも、第2特別図柄側の抽選の結果(変動時間にかかる設定抽選)によっては実質的に制限が持たされないなかで遊技を進行させることができるといった斬新な遊技性を実現することができるようになる。
このような遊技性によれば、タイミングt24において時短機能が停止されるとともに、タイミングt25において大当たり遊技の実行が開始されて、タイミングt26において該大当たり遊技の実行が終了されたとしても、タイミングt27において既に保留の状態とされている第2特別図柄抽選をすぐに行わせることができるようになる。
そして通常は、時短遊技状態においては、このような第2特別図柄側の遊技が繰り返し行われるなかで、第1変動タイマのタイマ値を実質的に減算させない変動時間(0.004秒)のほか、第1変動タイマのタイマ値を減算させる代わりに大当たり遊技を実行可能とする変動時間(2.5秒、5秒)が決定されることで、第1変動タイマのタイマ値は徐々に減算されていき、ついにはタイムアップとされることとなる。
こうして第1変動タイマのタイマ値がタイムアップとされた場合は、時短遊技状態において消化可能とされる変動回数の上限値に達したとして、その時点で、時短機能の作動が停止することにより通常遊技状態に移行制御されることとなる。ただし、第1変動タイマのタイマ値がタイムアップとされる状況では、第2特別図柄は未だ変動状態にあることから、この変動が停止されたときには有利小当たり時の停止図柄(若しくは、大当たり時の停止図柄)が現れることとなる。すなわちこの場合、時短遊技状態が終了されたにもかかわらず、通常遊技状態に移行制御された直後に大当たり遊技が実行可能とされる遊技が提供されることから、時短遊技状態が終了するときの遊技興趣の低下が抑制されるようになる。
しかも、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、図142(c)に示されるように、第2特別図柄抽選の結果として得られた有利小当たりの種別が第1有利小当たりである場合には、通常遊技状態に移行制御された直後に大当たり遊技が実行可能とされる遊技が提供されることのみならず、この大当たり遊技が実行された後に時短遊技状態に再び移行制御されることから、時短遊技状態が終了するときの遊技興趣の低下をより好適に抑制することができるようにになる。なお、通常遊技状態にあるときの第2特別図柄抽選の結果として得られた有利小当たりの種別が第2有利小当たりである場合には、通常遊技状態に移行制御された直後に大当たり遊技が実行可能とされる遊技が提供されることに留まり、時短遊技状態に再び移行制御されることはない。
例えば、いま、タイミングt27において、第2特別図柄の有利小当たり時の変動時間として、第1変動タイマのタイマ値をタイムアップさせることにより時短遊技状態を終了させる変動時間(10秒)が決定されたとすると、第2特別図柄の変動時間(10秒)が消化し終わるタイミングt29よりも前のタイミングt28において第1変動タイマがタイムアップして第1特別図柄の残りの変動時間(概ね7.5秒弱)が消化し終わることとなる。こうして第1特別図柄の残りの変動時間が消化し終わった時点で(タイミングt28)、時短機能の作動が停止されることにより時短遊技状態が終了されるようになる。
ただし、第1特別図柄の残りの変動時間が消化し終わるよりも前(タイミングt27からタイミングt28の間)に第2特別図柄を新たに保留の状態にすることができれば、時短遊技状態が終了した後、通常遊技状態であるにもかかわらず、変動状態にある第2特別図柄と、新たに保留の状態とされた第2特別図柄との2回にわたって大当たり遊技が実行可能とされる遊技、ひいては時短遊技状態に再び移行制御される可能性がそれぞれ付与される点で遊技者に極めて有利であるといえる。
しかも、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、第1特別図柄の残りの変動時間が消化し終わるよりも前(タイミングt27からタイミングt28の間)に第2特別図柄を新たに保留の状態にすることができなかったとしても、このタイミングt28において時短機能の作動が停止されてからの所定時間内は、第2特別図柄を新たに保留の状態にすることができる可能性が比較的大きくなる制御を行うこととしている。
すなわち上述の通り、時短遊技状態では、普通図柄の変動時間は「0.08秒」となっており、普通図柄の変動停止後に可動片2305が開状態(第2始動口2102に遊技球が受け入れ可能とされる手前側位置)にて維持される時間は「5.5秒」となっている。そして、時短遊技状態において遊技者による右打ちが適正に継続されている場合には、普通図柄は保留状態にて維持されて絶え間なく変動している状況にあることに鑑みれば、タイミングt28が到来した時点では、該タイミングt28よりも前に普通図柄の変動が開始されて未だ可動片2305が作動していないか、若しくは可動片2305が5.5秒にわたる作動時間の中途段階の状況にある可能性が高い。この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、時短機能の作動が停止されるタイミングt28において可動片2305の作動(時短状態時の作動態様)がこのような中途段階の状況にある場合は、中途段階にある作動が完了されるまでこれを継続して実行することとしている。このような制御を通じて、タイミングt28において時短機能の作動が停止されてからの所定時間内は、第2特別図柄を新たに保留の状態にすることができる可能性を比較的大きくすることができるようになる。
またさらに、時短遊技状態が終了されるタイミングt28から、第2変動タイマのタイマ値がタイムアップして第2特別図柄の変動時間(10秒)が消化し終わるタイミングt29が到来するまでの間に、第1特別図柄を新たに変動させることができれば、その抽選結果が上述の「落選」であったとしても、変動状態にある第2特別図柄の抽選の結果として得られた有利小当たりの種別が第1有利小当たりであった場合に遊技者に極めて有利であるといえる。
すなわち、このような事態が生じた場合には、総じて長い変動時間が選択されるようになっている通常時の変動パターンテーブル(図128:ステップS404a,ステップS405a,ステップS406a)から選択された第1特別図柄の変動時間を、再び移行制御された有利な遊技状態での上述の制限時間として用いることが可能とされる。特に、長い変動時間が多く登録されているリーチ時の変動パターンテーブル(図128:ステップS406)から選択された第1特別図柄の変動時間を、再び移行制御された有利な遊技状態での上述の制限時間として用いた場合には、図143(a)に示されるテーブルを用いた場合と比較して極めて高い継続率で有利な遊技状態を継続させることができるようになる。したがって、時短遊技状態が終了される際には、第2特別図柄はもとより、第1特別図柄についてもその保留の状態を維持するようにしておくことが遊技者にとって有益であるといえる。
なお、上記タイミングt27において変動を開始した第2特別図柄の抽選の結果が有利小当たりではなく、大当たり(6R時短大当たり)の場合であっても、大当たり遊技が実行された後に時短遊技状態に再び移行制御されることとなる。ただし上述の通り、第2特別図柄にて大当たりが得られたときの変動時間内に第1特別図柄を新たに変動させることができた場合は、大当たりと小当たりとのいずれにも該当しないことが無抽選で決定されることとなる。
このような場合であっても、総じて長い変動時間が選択されるようになっている通常時の変動パターンテーブル(図128:ステップS404a,ステップS405a,ステップS406a)から選択された第1特別図柄の変動時間を、再び移行制御された有利な遊技状態での上述の制限時間として用いることが可能とされる。若しくは、無抽選時には専用の変動パターンテーブルにおいて比較的長い変動時間が選択されるようにしておけば、特別に高い継続率を持たせた時短遊技状態を新たに発生させることができるようになる。
ちなみに、上記タイミングt28において第1変動タイマがタイムアップするときには、ハズレ時の停止図柄ではなく、不利小当たり時の停止図柄が出現する場合もある。このような不利小当たり時の停止図柄が出現した場合は、その時点で、第2特別図柄側の遊技の進行を一時停止させる制御が行われることとなる(図129:ステップS512a)。ただし、上述の「TA+TB>TC+TD+TE+TF」となるように時間設定された小当たり遊技のインターバル期間と、小当たり遊技の実行期間とをそれぞれ発生させて、第2始動口2102への遊技球の入球によって第2特別図柄の保留状態を維持する機会を付与した以降に、時短機能の作動を停止させて通常遊技状態への移行制御が行われるようになっている点で、ハズレ時の停止図柄が出現した場合よりも遊技者に有利であるといえる。
また、上記タイミングt28において第1変動タイマがタイムアップするときには、有利小当たり時の停止図柄が出現する可能性も僅かながらにあるが、この場合は、有利小当たり時の小当たり遊技が行われることで、時短遊技状態に再び移行制御されて新たな第1特別図柄の変動が開始されることとなる。
このように、この実施の形態にかかるパチンコ機1によれば、基本的には、第1変動タイマのタイマ値を徐々に減算していくなかでこれがタイムアップとされるよりも前に第2特別図柄側で有利小当たり(第1有利小当たり、若しくは第2有利小当たり)の当選に応じた賞獲得可能な遊技を何回発生させることができるか、といった斬新な遊技性が実現されるようになる。しかも、時短遊技状態にあるときの第2特別図柄側の小当たり時の変動時間としては、「x時間×Z時間/14時間」未満となる適宜の時間を決定可能とすることで、第1特別図柄側で制限時間が設けられる遊技性でありながらも、第2特別図柄側の抽選の結果(変動時間にかかる設定抽選)によっては実質的に制限が持たされないなかで遊技を進行させることができるようにもしている。
ただし、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、第1変動タイマのタイマ値を徐々に減算していくなかでこれがタイムアップとされるよりも前に第2特別図柄側で大当たりに当選した場合は、該大当たりに当選するまでの期間中に減算されてきた第1変動タイマのタイマ値を、減算される前の値に戻すことができるようにしている。
上述の通り、上記ステップS402bの処理にて用いられる大当たり変動パターンテーブルのうち、時短遊技状態にあるときに用いられる時短時の大当たり変動パターンテーブルでは、時短遊技状態にあるときに第1特別図柄側で選択可能とされる変動時間のうち大当たり時の変動時間を除いた他のいかなる変動時間よりも長いか、若しくは同じ長さを持った変動時間(例えば、11秒)が必ず選択されるようになっている。すなわちこの場合、第2特別図柄側で大当たり(6R時短大当たり)時の図柄変動が消化し終わった後には、大当たり遊技が行われてから時短遊技状態に再び移行制御されることが保証されているなかで、第2特別図柄側で大当たり時の図柄変動が行われている間に、第1特別図柄側の遊技を進行させて時短遊技状態を一旦終了させることができるようになる。そして、第2特別図柄側で大当たり時の図柄変動が行われている間に、第1特別図柄側の遊技を新たに開始させることができるようになることから、上述の早期終了制御に抗するかたちで上記特定遊技(時短遊技状態と賞獲得可能な遊技(小当たり遊技、大当たり遊技)とが繰り返される遊技)が継続されてきたなかで減算されていた第1特別図柄側の残りの変動時間を回復させることができるようになる。
このような構成によれば、時短遊技状態にあるときに第2特別図柄抽選の結果として大当たりが得られた場合は、上述の早期終了制御に供される上記第1特別図柄側の残り変動時間を遅延させるだけに留まらず、逆に回復させることができるようになることから、時短遊技状態にあるときの遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
しかも、上述の通り、第2特別図柄側で大当たり時の図柄変動が行われている間に、第1特別図柄側の遊技を新たに開始させる場合は、無抽選の遊技として開始されることとなる。この点、無抽選で決定されたときの専用の変動パターンテーブルを用意し、この専用の変動パターンテーブルにおいて図143(a)に示される変動時間よりも長い変動時間(例えば、30秒)が選択されるようにしておけば、時短遊技状態にあるときに第2特別図柄抽選の結果として大当たりが得られた場合は、特別に高い継続率を持たせた時短遊技状態を新たに発生させることができるようになる。
以上の通り、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、時短遊技状態を早期終了させるように機能する第1特別図柄と該早期終了に抗するように機能する第2特別図柄とを同時変動させることによって、時短遊技状態を早期に終了させようする力がリアルタイムで働いているなかで、該力に抗するかたちで時短遊技状態にて維持される時間を引き延ばしさせる制御(引延制御)を行うこととしたことから、時短遊技状態が継続される確率を無駄に低くせずともその緊張感を好適に維持することができるようになり、ひいては遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
また、時短遊技状態においては、第2始動口2102に遊技球が新たに受け入れられずとも第2特別図柄抽選が再び開始される保留状態にすることを促す制御(時短機能の作動を維持したままでの小当たり遊技の開始前インターバル制御)を実行可能としたことから、遊技者に対して賞の獲得機会を付与しつつ時短遊技状態の終了タイミングを遅延させる引延制御が行われた後、該引延制御が再び行われることを確定させることができるようになる。すなわちこの場合、時短遊技状態を早期に終了させようする力が働いているなかで、該力に抗した制御を常に働かせる(第2特別図柄の保留状態を常に維持する)ことができるようになることから、遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
またさらに、時短遊技状態が終了してしまったとしても、第2特別図柄抽選が保留の状態とされていたときには通常遊技状態においてこれを消化させることで、通常遊技状態でありながらも、遊技者に対して必ず賞の獲得機会が付与されるように制御することとしている。しかも、保留消化された第2特別図柄抽選の結果が有利小当たりのうちの第1有利小当たりである場合は、賞の獲得機会を付与することに加えて、時短遊技状態に再び移行させる制御を実行可能としたことから、時短遊技状態を早期に終了させようする力に屈して時短遊技状態を早期に終了させてしまった場合であっても、時短遊技状態へと早期に復帰させようとする力が働くことによって遊技興趣の低下を抑制して遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
また、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、上述の通り、第1図柄変動の残り変動時間が消化し終わらない限りは、第2始動口2102への遊技球の受け入れ確率が高められる時短遊技状態にあるなかで第2特別図柄抽選が行われる都度、賞獲得状態に移行させることとの引き換えに第1図柄変動の残り変動時間(特別遊技期間の残り時間)を減算させるようにしている。すなわちこの場合、第2特別図柄抽選が行われる都度、第1図柄変動の残り変動時間(特別遊技期間の残り時間)を減少させることとのトレードオフの関係として、賞獲得状態を発生させるようにしていることから、ホール側と遊技者側との利益バランスを好適に維持しつつ、早期且つ常に当たりが得られる抽選構成を実現することができるようになる。
ただし、このようなトレードオフ遊技を実現した場合、どれだけの賞を獲得することができるかを遊技者側で予測し易くなる傾向にあり、このような予測が可能とされると、意外性のない遊技になってしまうことによる遊技興趣の低下が懸念される。この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1によれば、通常遊技状態から時短遊技状態に移行制御される都度、通常遊技状態に戻されるまでの間にトレードオフ遊技が実行可能とされる回数の期待値(時短遊技状態と大当たり遊技状態とが繰り返される回数(継続確率)の期待値)を可変として賞をどれだけ獲得することができるかを予測し難くしていることから、このようなゲーム性によって遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
しかも、トレードオフ遊技が実行可能とされる残り回数の期待値(時短遊技状態と大当たり遊技状態とが繰り返される回数(継続確率)の期待値)については、上記特定遊技(時短遊技状態と賞獲得可能な遊技(小当たり遊技、大当たり遊技)とが繰り返される遊技)が開始された以降の中途段階において第2特別図柄の変動時間が選択される都度変化させて賞をどれだけ獲得することができるかを予測し難くしていることから、このようなゲーム性によって遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
ただし、このようなトレードオフ遊技を実現したとしても、第2始動口2102に遊技球が入球しなければ、第2特別図柄抽選が行われない(早期終了制御に抗する制御が行われない)にもかかわらず第1図柄変動の残り変動時間だけが消化されていくような不合理な事態が発生しかねず、遊技興趣の低下が避けられない。この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、第2図柄変動の消化に要した時間の長短にかかわらず第2特別図柄抽選の保留状態を維持可能とする遊技(時短機能の作動を維持したままでの小当たり遊技の開始前インターバル制御)を提供するようにしていることから、第2図柄変動中の演出に対して時間的な制約(第2特別図柄抽選を保留状態とするために必要とされる時間よりも長い演出時間(変動時間)を確保するなど)を課すことなく、上述の不合理な事態が発生してしまうことを回避可能とすることができるようになる。
また、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、上述の通り、第1特別図柄抽選側での遊技条件(特に、小当たりの当選時)を厳しくした代償のもとで第2特別図柄抽選側に上記常勝遊技性(抽選結果として、大当たりと有利小当たりとのいずれかが得られる遊技性)を実現可能としている。そして、第2始動口2102への遊技球の入球確率が高められる時短遊技状態にあるときに限りこのような常勝遊技性を得られ易くするとともに、こうして得られた常勝遊技性については、当該時短遊技状態が終了した後の通常遊技状態にまで第2特別図柄抽選の保留状態の維持によって持ち越すことを可能ならしめる制御を実行可能としたことから、時短遊技状態の終了後に賞を獲得可能な遊技(小当たり遊技、大当たり遊技)が行われることが確約されるようになり、時短遊技状態が終了したときの遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
また、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、上述の通り、第1変動タイマがタイムアップして時短機能の作動が停止された場合であっても、この時点で可動片2305の5.5秒(時短時の動作時間)にわたる作動が中途段階にあるときにはこの作動が完了されるまで該可動片2305の駆動制御を継続して実行することで、時短機能の作動が停止されてからの所定時間内は常勝遊技性が再び現れる確率を比較的高くしたことから、時短遊技状態が終了したときの遊技興趣の低下が抑制されうるようになる。
ただし、時短遊技状態にあるときに現れる常勝遊技性(抽選結果として、大当たりと有利小当たりとのいずれかが得られる遊技性)についての通常遊技状態への持ち越しが許容されると、時短遊技状態にあるときの遊技が緊張感に乏しくなりやすく、遊技興趣の低下が懸念される。この点、上記構成では、通常遊技状態に持ち越された常勝遊技性を通じて賞獲得遊技が実行された場合は、大当たり(1/400)に当選するか、有利小当たりの種別が第1有利小当たり(10%)でなければ、通常遊技状態から時短遊技状態への移行制御が行われないようにしたことから、時短遊技状態が終了した後の通常遊技状態にまで常勝遊技性を持ち越すことを可能ならしめるようにしつつも、時短遊技状態が終了してしまうことに対する緊張感を好適に維持することができるようになる。なお、時短遊技状態において第2特別図柄抽選が行われたときには、第1有利小当たり、第2有利小当たり、及び大当たりのいずれかが抽選結果として得られることとなるが、これら抽選結果のいずれが得られた場合であっても、大当たり遊技を発生させた後には時短遊技状態に再び制御される。
また、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、時短遊技状態において第2特別図柄抽選が行われたときには、大当たり遊技が実行可能とされるとともに大当たり遊技が行われた後には時短遊技状態に再び制御される遊技が必ず提供されるようにしている。ただし、第2特別図柄の変動が停止したときに開放状態とされて内部に進入した遊技球を一般領域と特定領域とのいずれかに振り分け可能な機械入賞装置(第一アタッカ装置2100)を備えるようにすることで、第2特別図柄の変動が停止されるだけでは大当たり遊技を開始させないようにしている。そしてこの上で、時短遊技状態において第2始動口2102に遊技球が受け入れられるまでに要する平均時間(TC+TD+TE+TF)よりも、第2特別図柄の変動時間が終了してから機械入賞装置(第一アタッカ装置2100)の内部に遊技球が進入するまでに要する平均時間(TA+TB)のほうが長くなるように設定することとした。
このような構成によれば、第2特別図柄が停止してから特定領域に遊技球が受け入れられることによって大当たり遊技が開始されるまでの間の時短機能を利用することによって保留状態を維持することができるようになることから、保留状態との関係で図柄変動の時間の長さに制約を設けずとも保留状態を好適に維持することができるようになり、遊技や演出の設計にかかる自由度の向上を図ることができるようになる。
そして、このような自由度の高い遊技が実現可能とされているなかで、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、第2特別図柄の変動時間として極短の変動時間を決定可能とすることで、上記タイミングt22において再び減算されるようになった第1変動タイマを、そのタイマ値が極短の時間(0.004秒)だけ減算された時点で、再び一時停止の状態とすることができるようにしている。すなわち、このような極短の時間(0.004秒)を採用した場合であっても、第2特別図柄の保留状態が好適に維持可能とされるがゆえに、第1特別図柄側で制限時間が設けられる遊技性でありながらも、第2特別図柄側の抽選の結果(変動時間にかかる設定抽選)によっては実質的に制限が持たされないなかで遊技を進行させることができるといった斬新な遊技性を実現することができるようになる。
ところで、機械入賞装置(第一アタッカ装置2100)内での機械抽選(振分装置による振り分け)の確率を変化させようとするにあたって、その都度、特定領域に遊技球を誘導させる部材(振分装置)の動きを変えるようなことがあれば、公平性が失われて機械抽選に対する信頼がなくなってしまう懸念がある。この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、特定領域に遊技球を誘導させる部材(振分装置)としては、開閉部材2106の動作(第一大入賞口2103の開放)から特定時間が経過したときに動作する定時動作手段としてのみ備えることとした上で、その後の開閉部材2106の開放動作にかかる制御(不利小当たり時の制御と有利小当たり時の制御)によって特定領域への遊技球の誘導確率を変化させるようにしたことから、機械抽選に対する信頼を維持しつつ機械入賞装置(第一アタッカ装置2100)内での機械抽選の確率をその都度変化させることができるようになる。
しかも、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、図144(a),(b)に示されるように、機械入賞装置(第一アタッカ装置2100)の第一大入賞口2103を開放させるときに(タイミングt1)、開閉部材2106を相対的に長い時間(1.8秒)にわたって開放状態にて動作させる側(図144(a)を参照)で遊技者に不利な機械抽選が行われることとして、開閉部材2106を相対的に短い時間(0.1秒)だけしか開放状態としないように動作させる側(図144(b)を参照)で遊技者に有利な機械抽選が行われることとした。このように、見た目では有利に見える側で不利な機械抽選が行われるようにしたことで、該不利な機械抽選が行われるときの遊技者の不快感を低減させることが期待できるようになる。また、見た目では不利に見える側で有利な機械抽選が行われるようにしたことで、該有利な機械抽選が行われるときとのギャップによって遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
ところで、上記実施の形態にかかるパチンコ機1では、第一大入賞口2103を開放状態にするときの見た目が不利に見える側(短開放側)で有利な機械抽選が行われるようにはしているものの、その後、所定の時間が経過したときに第一大入賞口2103を再び開放状態としている。このように、見た目が不利に見える側(短開放側)で有利な機械抽選を実現するにあたり、第一大入賞口2103が複数回にわたって開放状態とされるときには、開閉部材2106が閉鎖位置から開放位置までの変位によって動作するとした場合に当該開閉部材2106が開放位置の状態にて維持(停止)される時間の合計値が、見た目が有利に見える側(長開放側)で不利な機械抽選を実現するときよりも小さくなるように設定することが、遊技興趣の向上を図る上で重要とされる。
またさらに、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、特定領域に誘導されないように開閉部材2106を動作させる場合(第一大入賞口2103を開放させる場合)であっても、遊技者に対して機械入賞装置(第一アタッカ装置2100)内に遊技球を進入させることを促す表示画像を出現させるようにしている。すなわちこの場合、特定領域には遊技球が誘導され難いことを遊技者に対して実感させることができるようになり、これによって特定領域に遊技球が誘導されたときの遊技興趣の向上を好適に図ることができるようになる。
また、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、通常遊技状態から時短遊技状態に移行制御された以降は、第1特別図柄の変動時間が消化し終わることによって時短機能の作動が停止されるまでの間にわたって遊技者による右打ちを適正(0.6秒間隔での発射など)に継続させなければ、以下のような不利益な事態が生じうるものとなっている。
・第2特別図柄の変動が行われないことにより第1特別図柄の遊技の進行を一時停止させることができず、第1特別図柄の変動時間がすぐに消化し終わることによって時短機能の作動が停止される。
・第2特別図柄抽選にて有利小当たりが得られたとき、大当たり遊技が開始されるまでの間(小当たりの開始前インターバル、小当たり遊技の実行期間)に時短機能を利用して第2特別図柄を保留状態にて維持することができず、大当たり遊技の実行が終了したときに第2特別図柄の変動がすぐに開始されないことで、第1特別図柄の遊技の進行を一時停止させることができるまでに無駄な時間を要する。
・第2特別図柄抽選の結果に応じて開始された有利小当たり時の小当たり遊技において、第一大入賞口2103に遊技球が入球せず、特定領域に遊技球が受け入れられないままで当該小当たり遊技が終了されることによって、時短機能が作動している間に消化した特別図柄の変動回数が予め定められている上限値(ここでは1回)に達したとされて時短機能の作動が停止される。
・大当たり遊技の実行期間中、第二大入賞口2153に遊技球が入球せずに賞が十分に獲得されない。
・第2特別図柄の変動が行われないことにより第1特別図柄の遊技の進行を一時停止させることができず、第1特別図柄の変動時間がすぐに消化し終わることによって時短機能の作動が停止される。
・第2特別図柄抽選にて有利小当たりが得られたとき、大当たり遊技が開始されるまでの間(小当たりの開始前インターバル、小当たり遊技の実行期間)に時短機能を利用して第2特別図柄を保留状態にて維持することができず、大当たり遊技の実行が終了したときに第2特別図柄の変動がすぐに開始されないことで、第1特別図柄の遊技の進行を一時停止させることができるまでに無駄な時間を要する。
・第2特別図柄抽選の結果に応じて開始された有利小当たり時の小当たり遊技において、第一大入賞口2103に遊技球が入球せず、特定領域に遊技球が受け入れられないままで当該小当たり遊技が終了されることによって、時短機能が作動している間に消化した特別図柄の変動回数が予め定められている上限値(ここでは1回)に達したとされて時短機能の作動が停止される。
・大当たり遊技の実行期間中、第二大入賞口2153に遊技球が入球せずに賞が十分に獲得されない。
ただし上述の通り、大当たりの終了インターバルにおいては、遊技者による右打ちを一時停止させるようにすることで、保留状態にある全ての普通図柄を消化させてから時短機能の作動タイミングを狙ってゲート部2301に遊技球を通過させ、該通過した遊技球がそのまま第2始動口2102に入球されることで、第2特別図柄を早期に保留状態にて維持したり、第1特別図柄の遊技の進行を早期に一時停止させることができるようにしている。
このような遊技性によれば、通常遊技状態から時短遊技状態に移行制御された以降は、基本的に、遊技者による右打ちを継続させることが求められることから、遊技者は、仮に体調が悪化するようなことがあったとしても休憩を取ることが困難となり、有利な遊技状態に制御されているにもかかわらず遊技興趣が低下する懸念がある。この点、上記実施の形態にかかるパチンコ機1によれば、時短遊技状態において第1特別図柄側で大当たり(6R時短大当たり)が得られた場合には、第1特別図柄側で選択可能とされる他のいかなる変動時間よりも10倍以上の長さを持った変動時間(例えば、600秒)が必ず選択されるようにすることで、この変動時間(例えば、600秒)が消化し終わるまでの間は、右打ち状態を維持しなくても上述の不利益が生じなくなるようにしている。
しかも、このような変動時間(例えば、600秒)が消化し終わるまでの間は、第2特別図柄抽選を行ったとしても、大当たりと有利小当たりとのいずれでもないことが無抽選で決定されるようにすることで、当該変動時間中に第2特別図柄抽選を行うことの意味を持たせないようにしている。したがって、時短遊技状態において第1特別図柄側で大当たりが得られた場合には、大当たり遊技が実行されることに加えて、上述の遊技性が現れているなかで遊技者に対して不利益を与えることなくトイレ休憩などの自由に使える時間を提供することができるようになる。
また、上記実施の形態では、通常遊技状態から時短遊技状態への移行制御を決定する第1特別図柄抽選と、該第1特別図柄抽選にて移行させることが決定された時短遊技状態において第1特別図柄の変動時間が消化し終わるまでの間に遊技者により獲得可能とされる賞の期待値を決定する第1特別図柄抽選とが、第1始動口2101への入球タイミングの異なる2つの第1特別図柄抽選にわたって行われるようにしている。このような構成によれば、通常遊技状態から時短遊技状態に移行制御させる確率については、通常遊技状態での遊技条件に依存させるべく通常遊技状態での第1特別図柄抽選にて決定する一方で、時短遊技状態において第1特別図柄の変動時間が消化し終わるまでの間に遊技者により獲得可能とされる賞の期待値については、時短遊技状態での遊技条件に依存させるべく時短遊技状態での第1特別図柄抽選にて決定することができるようになるなど、遊技の幅を広げることができるようになる。
なお、上記実施の形態では、時短遊技状態において第1特別図柄の抽選結果が上述の「落選」であった場合における変動時間として、図143(a)に示される複数の変動時間を用意し、これら変動時間のいずれかを選択することとした。ただし、時短遊技状態において、第1特別図柄の抽選結果が上述の「落選」であった場合における変動時間として、一の変動時間のみが選択されるようにしてもよい。すなわちこの場合、通常遊技状態から時短遊技状態に移行制御される時点では、時短遊技状態と大当たり遊技状態とが繰り返される回数(継続確率)の期待値(獲得可能な賞数の期待値ともいえる)は一定となり、この特定遊技が進行されるなかで現れる第2特別図柄の変動時間の長短によって該期待値がその都度変化される遊技性を生み出すことができるようになる。
また、上記実施の形態では、時短遊技状態において第2特別図柄の抽選結果が有利小当たりであった場合における変動時間として、図143(b)に示される複数の変動時間を用意し、これら変動時間のいずれかを選択することとした。ただし、時短遊技状態において、第2特別図柄の抽選結果が有利小当たりであった場合における変動時間として、一の変動時間のみが選択されるようにしてもよい。すなわちこの場合、通常遊技状態から時短遊技状態に移行制御される時点では、図143(a)に示される複数種の期待値(第1特別図柄の変動時間の長短によって定められる、特定遊技が継続される回数の期待値)のいずれのもとで時短遊技が開始されるかといった遊技性が実現される一方で、時短遊技が一旦開始されて以降は上記決定された期待値のもとで遊技が行われる遊技性を生み出すことができるようになる。
このように、上記実施の形態にかかるパチンコ機1では、通常遊技状態から時短遊技状態に移行制御される時点で既に保留の状態とされている第1特別図柄の変動時間によって、特定遊技が継続される回数の期待値(通常遊技状態に戻るまでの有利期間中に獲得可能な賞数の期待値)が定められるようになっている。したがって、通常遊技状態から時短遊技状態への移行制御が行われるのに先立って、保留の状態とされている第1特別図柄の変動時間を先行判断し、この先行判断した変動時間の長さに応じた継続率にかかる期待演出を行うようにすれば、通常遊技状態から時短遊技状態への移行制御が行われるときの遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
また、上記実施の形態では、時短遊技状態において第1特別図柄の抽選結果が上述の「落選」であった場合における変動時間(図143(a)参照)の選択にかかる制御や、時短遊技状態において第2特別図柄の抽選結果が有利小当たりであった場合における変動時間((図143(b)参照))の選択にかかる制御などを通じて時短遊技状態と大当たり遊技状態とが繰り返される回数(継続確率)の期待値(獲得可能な賞数の期待値ともいえる)を決定付けることとした。ただし、小当たり遊技のインターバル期間として、当該期間内での第2始動口2102への遊技球の入球し易さ(時間の長短に依存する入球し易さ)が異なる複数の設定時間を用意し、それら設定時間のいずれかを選択することで、上記期待値をその都度変化させるようにしてもよい。すなわちこの場合、第2特別図柄を保留の状態にしてから大当たり遊技が開始される場合と、第2特別図柄を保留の状態にすることができないままで大当たり遊技が開始される場合とを生じさせることができるようになり、この結果に応じて第1特別図柄の変動時間の減算され易さを異ならしめることができるようになる。
また、時短遊技状態において第2特別図柄の抽選結果が有利小当たりであった場合における変動時間((図143(b)参照))の選択候補として、第1特別図柄の変動時間を実質的に減算させないように機能する上述の変動時間(0.004秒)と対になって第1特別図柄の変動時間を消化し終わらせるように機能する変動時間(例えば、4.996秒や9.996秒など)を用意するようにしてもよい。すなわちこの場合、特定のタイミングで第1特別図柄の保留と第2特別図柄の保留とがそれぞれ消化される状況にあって、第1特別図柄の変動時間として、例えば、5秒が選択されるとともに、第2特別図柄の変動時間として、例えば、4.996秒が選択された場合は、第1特別図柄の残り変動時間が0.004秒となったところで第2特別図柄側で賞獲得可能な遊技が実行されることとなり、第1特別図柄側の遊技の進行が一時停止されることとなる。この点、第1特別図柄側の遊技の進行は一時停止されるものの、第1特別図柄の残り変動時間は0.004秒となっていることから、大当たり遊技の終了時に保留消化された第2特別図柄の変動時間として0.004秒が選択されたとしても、第1特別図柄の残り変動時間を消化し終わらせることができるようになる。このような構成では、第1特別図柄の変動時間を実質的に減算させないように機能する上述の変動時間(0.004秒)を、特殊な条件時に限り、第1特別図柄の変動時間を消化し終わらせる変動時間として変貌させることができるようになり、遊技の幅を広げることができるようになる。なおこの場合、上記ステップS14aとステップS14bとの処理順序を入れ替えるようにすることが望ましい。
また、上記実施の形態では、時短機能が作動している間に消化した特別図柄の変動回数(第1特別図柄の変動回数と第2特別図柄の変動回数との加算値)が予め定められている上限値として1回に達したことに基づいて時短機能を停止させる制御を行うこととしたが、この上限値については必ずしも1回でなくてもよく、例えば2回などの複数回として設定するようにしてもよい。このような構成では、特別図柄抽選(第1特別図柄抽選、第2特別図柄抽選)にて「落選」が所定回数(上限値)分だけ連続して得られたとき(より正確には、大当たり遊技が行われることなく所定回数(上限値)の特別図柄変動が消化されたとき)に時短機能が停止されて通常遊技状態に移行制御されることとなる。
ただしこの場合、時短遊技状態と大当たり遊技状態とが繰り返される回数(継続確率)の期待値が過大になる懸念がある。そこで、時短遊技状態において第2特別図柄の抽選結果が有利小当たりであった場合における変動時間として選択されうる「0.004秒」を「0.008秒」に変更した上で、時短遊技状態において第1特別図柄の抽選結果が上述の「落選」であった場合における変動時間(図143(a)参照)の選択候補として、時短遊技状態において第2特別図柄側にて選択されうる変動時間のいずれよりも短い「0.004秒」を用意するようにすることがより望ましい。このような構成によれば、時短遊技状態において第1特別図柄の変動時間として「0.004秒」が選択されたときには、第2特別図柄の変動によって当該第1特別図柄側の遊技の進行を一時停止させることができなくなることから、時短遊技状態と大当たり遊技状態とが繰り返される回数(継続確率)の期待値が過大になることを抑制することができるようになる。
上記実施の形態では、大当たりの種別として、6R時短大当たりのみを用意することとしたが、これとは異なる種別の大当たりを用意してもよいし、複数種別の大当たりのいずれかを選択的に決定するものであってもよい。
また、上記実施の形態では、「TA+TB>TC+TD+TE+TF」なる関係式が成立するように小当たり遊技のインターバル期間の長さを設定することとしたが、
・可動片2305が動作開始してから第一アタッカ装置2100内の振分装置による誘導期間が生み出されるまでの時間を「TG」
とするとき、該「TG」を上記「TB」に代えて用いることとしてもよい。すなわち、「TA+TG>TC+TD+TE+TF」なる関係式が成立するように小当たり遊技のインターバル期間の長さを設定した場合であっても、小当たり遊技の開始前インターバルが開始されてから小当たり遊技が終了されるまでの間の時短機能を利用して第2始動口2102に遊技球を入球させることが可能とされる。
・可動片2305が動作開始してから第一アタッカ装置2100内の振分装置による誘導期間が生み出されるまでの時間を「TG」
とするとき、該「TG」を上記「TB」に代えて用いることとしてもよい。すなわち、「TA+TG>TC+TD+TE+TF」なる関係式が成立するように小当たり遊技のインターバル期間の長さを設定した場合であっても、小当たり遊技の開始前インターバルが開始されてから小当たり遊技が終了されるまでの間の時短機能を利用して第2始動口2102に遊技球を入球させることが可能とされる。
また、上記実施の形態では、特定の動作パターンで常時動作する特設可動片2111を、上記ゲート部2301や上記第2始動口2102へと至る流下経路中にて設けることとしている。すなわちこの場合、上記ゲート部2301や上記第2始動口2102へと流下する遊技球を所定の頻度で特設受入口2101bへと入賞させることが可能となることから、第2特別図柄の保留状態の維持を邪魔するように機能させることができるようになる。
なお、特設可動片2111については、さらに上方にて位置させて、第一アタッカ装置2100へと至る経路中にて設けることとしてもよい。すなわちこの場合、上記第一アタッカ装置2100へと流下する遊技球を所定の頻度で特設受入口2101bへと入賞させることが可能となることから、小当たり遊技が行われるときの第一大入賞口2103への入球を邪魔するように機能させることができるようになる。
ただし、上述の早期終了制御に抗する制御(引延制御)を好適に実現する上では、特設可動片2111については、第一アタッカ装置2100やゲート部2301、第2始動口2102へと至る経路中にて配置させないようにすることが望ましい。
また、上記実施の形態にかかるパチンコ機1では、所定の大当たり確率(1/400)で特別図柄抽選(第1特別図柄抽選、第2特別図柄抽選)を行うものとしたが、この特別図柄抽選については必ずしも大当たりに当選しうる抽選として実行されるものでなくてもよい。例えば、図142(a)に示される当たり判定テーブルに代えて、第1当落判定用乱数として取得されうる1200種類の値のうち、48種類の値が小当たりに当選したことを示す小当たり判定値と一致し、1152種類の値が上記ハズレであることを示すハズレ判定値と一致するように上記第1当落判定用乱数として取得されうる1200種類の値がそれぞれ関連付けされている当たり判定テーブルを用意する。そして、図142(c)に示される小当たり時の図柄決定テーブルに代えて、第1図柄乱数として取得されうる1000種類の値のうち、937種類の値が不利小当たりであることを示す不利小当たり図柄と一致し、63種類の値が第1有利小当たりであることを示す第1有利小当たり図柄と一致するように上記第1図柄乱数として取得されうる1000種類がそれぞれ関連付けされている小当たり時の図柄決定テーブルを用意することとする。このような構成によれば、当たり判定テーブルでの小当たり確率(1/25)と、小当たり時の図柄決定テーブルでの第1有利小当たり図柄の決定確率(63/1000)との乗算値が概ね「1/400」となり、上記実施の形態にかかるパチンコ機1にて大当たりが得られる確率とほぼ等しい確率値となる。そして上述の通り、第1有利小当たりが得られたときは、小当たり遊技において特定領域に遊技球が必ず振り分けられるように遊技可能とされていることに加えて、遊技状態にかかわらず大当たり遊技(6R大当たり遊技)が終了された後には時短遊技状態に移行制御されるようになっていることから、大当たり(6R時短大当たり)に当選しうる抽選が実行されるようにせずとも、上記実施の形態にかかるパチンコ機1と同等の遊技性を実現することが可能である。ただしこの場合、当たり判定テーブルにおいては、第2特別図柄側の遊技においても大当たりが得られないように、第2当落判定用乱数として取得されうる1200種類の値のうちの全てが小当たり判定値と一致するように上記第2当落判定用乱数として取得されうる1200種類の値がそれぞれ関連付けされるようにすることが望ましい。
また、上記実施の形態にかかる可動片2305については、普通図柄抽選の結果として普通当たりが得られたことに基づいて第2始動口2102への遊技球の受け入れを容易化させる開放動作を行うものとした。また、上記実施の形態にかかる第一アタッカ装置2100については、特別図柄抽選の結果として小当たりが得られたことに基づいて第一大入賞口2103を開放状態にして、その内部の特定領域に遊技球が振り分けられるか否かについての機械抽選が行われるものとした。ただしこれらに代えて、常には遊技球が受け入れられない特定受入口をまずは用意した上で、上記実施の形態にかかる可動片2305に代えて、普通図柄抽選の結果として普通当たりが得られたことに基づいて特定受入口への遊技球の受け入れを容易化させる開放動作を行う可動片を用意する。そして、上記実施の形態にかかる第一アタッカ装置2100に代えて、上記特定受入口に遊技球が受け入れられたときに特別図柄抽選が行われることがないままで第一大入賞口2103を開放状態にして、その内部の特定領域に遊技球が振り分けられるか否かについての機械抽選が行われる第一アタッカ装置を用意するようにしてもよい。このような構成であっても、特定受入口に遊技球が受け入れられたときには、大当たり遊技が重複しないように特別図柄の遊技の進行を一時停止させることが可能であることから、上記実施の形態にかかるパチンコ機1と同等の遊技性を実現することが可能である。
なお、保留の状態とされている次の図柄変動が開始されるまで(保留が解除されるまで)の図柄制御期間のうち、図柄の停止時間については、第二特別図柄の保留数によらずに、一定の時間(例えば「0.5秒」)にて設定される。
また、上記実施形態では、遊技機としてパチンコ機1に適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機に、適用しても良く、この場合でも、上記と同様の作用効果を奏することができる。
1 パチンコ機
2 外枠
3 本体枠
4 遊技盤
5 扉枠
1100 遊技領域
1200 遊技パネル
1900 液晶表示装置
2000 表ユニット
3000 裏ユニット
3010 裏箱
3040 パネル中継基板
3041 ランプ駆動基板
3045 モータ駆動基板
4010 周辺制御基板(演出制御手段)
4140 周辺制御部(演出制御手段)
2 外枠
3 本体枠
4 遊技盤
5 扉枠
1100 遊技領域
1200 遊技パネル
1900 液晶表示装置
2000 表ユニット
3000 裏ユニット
3010 裏箱
3040 パネル中継基板
3041 ランプ駆動基板
3045 モータ駆動基板
4010 周辺制御基板(演出制御手段)
4140 周辺制御部(演出制御手段)
Claims (1)
- 可動片が動作したときに遊技媒体の進入が可能とされる入賞装置と、
前記入賞装置に進入した遊技媒体を受け入れ可能な一般口及び特定口と、
前記可動片の動作から特定時間が経過したとき、前記一般口及び前記特定口のうちの前記特定口に遊技媒体が誘導される誘導期間を生み出すように動作する定時動作手段と
を備え、前記特定口に遊技媒体が受け入れられた場合、多量の賞が獲得可能とされる特典遊技を付与する遊技機であって、
遊技領域内に配置される第1の始動口及び第2の始動口と、
前記第1の始動口に遊技媒体が受け入れられたとき、前記可動片を相対的に長い時間にわたって開放状態にて動作させるにもかかわらず、前記入賞装置に進入した遊技媒体が前記特定口に誘導されないように前記特定時間が経過するよりも前に前記可動片を前記開放状態から閉鎖状態へと動作させる制御を実行可能な低確抽選化制御手段と、
前記第2の始動口に遊技媒体が受け入れられたとき、前記入賞装置に遊技媒体が進入され難くなるように前記可動片を相対的に短い時間だけ開放状態としてから閉鎖状態へと動作させるにもかかわらず、前記特定時間が経過した後の前記誘導期間において前記特定口に遊技媒体が誘導されるように前記可動片を再び動作させて相対的に長い時間にわたって開放状態にて維持させる制御を実行可能な高確抽選化制御手段と、
前記低確抽選化制御手段による制御が行われる場合、前記入賞装置に進入した遊技媒体が前記特定口に誘導されないように前記可動片を動作させるにもかかわらず、遊技者に対して前記入賞装置に遊技媒体を進入させることを促す表示が現れるように制御する低確遊技表示制御手段と
を備えることを特徴とする遊技機。
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