JP2015195651A - 環境発電装置 - Google Patents

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昌也 田村
Masaya Tamura
昌也 田村
勝村 英則
Hidenori Katsumura
英則 勝村
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Abstract

【課題】不安定な発電環境において、負荷に必要な電圧を供給することができる環境発電装置を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の環境発電装置は、電力を発電する環境発電部と、環境発電部で発生した電力を蓄電する充電コンデンサと、環境発電部で発生した電力を所望の電圧値に変換するDC/DCコンバータと、DC/DCコンバータを起動させる動作信号を出力する制御部とを有する。制御部は、オペアンプと抵抗器により構成される。抵抗器は、充電コンデンサとオペアンプの電源端子との間に直列に接続される。
【選択図】図1

Description

本発明は、圧電素子や電磁コイル等を用いた環境発電装置に関する。
環境発電とは、太陽光や機械の発する振動、熱などのエネルギーを電力に変換する技術である。例えば、圧電発電素子や電磁コイル等を用いた環境発電装置は、機械的な振動をエネルギーとして微小電力を得ることができる。環境発電装置で発電した電力を用いてセンサや送信機等の電子機器を駆動することができる。そのため、環境発電装置を用いることで、電池交換等のメンテナンスが不要なセンサや送信機等を実現することができる。
図8は、従来の圧電発電装置500のブロック図である。圧電素子501は、振動により圧電部に交互に正負の電荷を発生させ、その電荷を取り出すことで交流電流を生成する。整流回路502は、取り出した交流電流を整流して直流電流に変換する。変換された直流電流は、充電コンデンサ503に充電される。DC/DCコンバータ504は充電コンデンサ503に充電された直流電圧Vinを所望の直流電圧にVoutに変換する。例えば、DC/DCコンバータ504が降圧型DC/DCコンバータである場合は、直流電圧Vinより低い電圧に変換された直流電圧Voutが出力される。また、昇圧型DC/DCコンバータである場合は、直流電圧Vinよりも高い電圧に変換された直流電圧Voutが出力される。出力されたVoutは電池や電子機器等の負荷505に供給される。
尚、本出願の発明に関連する先行技術文献としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開2012−80596号公報
負荷505には充電コンデンサ503に充電された電力が供給される。図8に示す従来の圧電発電装置500では、DC/DCコンバータ504が起動する電圧までしか充電コンデンサ503を充電することができない。したがって、負荷505へ供給される電力を増やすためには、大容量の充電コンデンサ503を使用するか、DC/DCコンバータ504の設計を変更してDC/DCコンバータ504が起動する電圧を変える必要がある。そのため、圧電発電装置500の大型化や高コスト化をまねく。
また、DC/DCコンバータ504が昇圧型のDC/DCコンバータである場合、DC/DCコンバータ504へ入力される直流電圧Vinが小さいと、DC/DCコンバータ504を起動させることはできるが、起動電圧よりも昇圧に必要な電圧の方が高いため、昇圧させるには電圧が足りず、直流電圧Voutを所望の値まで昇圧できない場合がある。
例えば、図9はDC/DCコンバータ504の入力電圧Vinと出力電圧Voutを示す。図9において、縦軸は電圧を示し、横軸は時間を示す。負荷505を動作させるために必要な電圧Voutは約3.4Vである。しかし、図9に示すように、起動してから電圧Voutは約1Vで飽和し、必要な電圧3.4Vに達しない場合がある。
本発明は、上記の課題を解決するものであり、不安定な発電環境において、負荷に必要な電圧を供給することができる環境発電装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の環境発電装置は、電力を発電する環境発電部と、
環境発電部で発生した電力を蓄電する充電コンデンサと、環境発電部で発生した電力を所望の電圧値に変換するDC/DCコンバータと、DC/DCコンバータを起動させる動作信号を出力する制御部とを有する。制御部は、オペアンプと抵抗器により構成される。抵抗器は、充電コンデンサとオペアンプの電源端子との間に直列に接続される。
本発明の環境発電装置は、入力が省電力で不安定な環境発電において、DCDCコンバータの駆動制御を、オペアンプと抵抗器を用いて行うことにより、外部負荷に必要な電力を効率よく供給することができる。
本発明の実施の形態における環境発電装置の回路図 本発明の実施の形態における環境発電部の断面図 本発明の実施の形態における環境発電部の出力電流の波形図 本発明の実施の形態における環境発電装置の他の例を示す回路図 本発明の実施の形態におけるオペアンプの動作例を示す図 (A)環境発電装置の充電電圧の一例を示すグラフ(B)環境発電装置の出力電圧の一例を示すグラフ(C)オペアンプの出力電圧の一例を示すグラフ 本発明の実施の形態における環境発電装置の他の例を示す回路図 従来の環境発電装置の回路図 従来の環境発電装置の入力電圧と出力電圧を示す図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は、本明細書に記載された基本的な特徴に基づく限り、以下に記載の内容に限定されるものではない。
(実施の形態)
図1は、本発明の本実施の形態における環境発電装置20のブロック図である。
環境発電装置20は、電力を発電する環境発電部1と、環境発電部1に接続された整流回路2と、整流回路2に接続された充電コンデンサ3と、整流回路2及び充電コンデンサ3と接続されたDC/DCコンバータ4と、整流回路2と充電コンデンサ3及びDC/DCコンバータ4の入力端子とに接続された制御部5とを有する。制御部5は、オペアンプ6と抵抗器7A、7B、7C、7D、7Eにより構成される。抵抗器7Eは、オペアンプ6の出力電圧値を制御するように充電コンデンサ3とオペアンプ6の電源端子との間に直列に接続される。DC/DCコンバータ4は外部負荷8に接続されている。
このような構成とすることにより、環境発電装置20は、入力が省電力で不安定な環境発電において、DC/DCコンバータ4の駆動制御を、オペアンプ6と抵抗器7A〜7Eを用いて行うことにより、外部負荷8に必要な電力を効率よく供給することができる。
環境発電部1は、圧電発電素子等を用いた振動発電素子を用いることができる。
図2は、圧電発電素子100の一例を模式的に示す断面図である。圧電発電素子100は、機械的な振動を電力に変換することができる。圧電発電素子100は、固定部103に接続された弾性片102と、弾性片102上に設けられた発電部101とを有する。発電部101は、弾性片102上に設けられた下部電極101Aと、下部電極101A上に設けられたPZT等の圧電材料よりなる圧電層101Bと、圧電層101B上に設けられた上部電極101Cとを有する。弾性片102は、固定部103に固定された固定端102Bと、固定端102Bの反対側で固定部103に固定されていない自由端102Aとを有する。また、発電量を向上させるために、発電部101は弾性片102の両面に配置されていても良い。
図3は、圧電発電素子100を振動させることで生成される出力電流i1の波形図の一例である。弾性片102の自由端102Aが弾かれることにより、弾性片102に入力される振動、または固定部103で発生して固定端102Bを介して弾性片102に伝わる振動により、弾性片102は撓む。そして、弾性片102の撓みを介して、圧電層101Bに機械的歪みが印加される。圧電層101Bは、印加された歪の向きに応じて交互に正負の電荷を発生させ、上部電極101Cと下部電極101Cには、図3に示すように、弾性片102の振動に応じた交流の出力電流が発生する。図3に示す電流i1では、圧電発電素子100に外力が3回付与されており、外力の付与により、圧電発電素子100が発電する電流は大きくなる。また、外力の付与による振動で圧電発電素子100が生み出す電流i1は時間の経過により減衰している。これは、外力による圧電発電素子100に生じる振動が、時間の経過とともに減衰するためである。
なお、環境発電部1は、圧電発電素子100に限定されない。環境発電部1は、機械エネルギーや光エネルギー、熱エネルギー等を電気エネルギーに変換できる装置であればよい。例えば、環境発電部1は、圧電発電素子のほかに、コイルと磁石を用いた電磁誘導による振動発電や太陽光発電、波力発電等、周囲の環境に依存して発電する発電体などがある。環境発電部1は、一般的に、発電量が周囲の環境に依存するため、発電量が低く不安定となる性質を有する。
整流回路2は、環境発電部1で発電された電流を整流する。整流回路2は、例えば、ダイオードにより構成される。環境発電部1が圧電発電素子100である場合、振動により発電される電流は交流である。そのため、環境発電部1で発電された電流は、整流回路2により、交流を直流に変換された後、充電コンデンサ3に充電される。このように、交流電流を発電する環境発電部1を用いる場合は、整流回路2を用いて交流電流を直流電流に変換する必要がある。
なお、直流電流を発電する環境発電装置を用いる場合、整流回路2は設けなくてもよい。
充電コンデンサ3は、整流回路2に接続される。充電コンデンサ3は、整流回路2で整流された直流電力を蓄える。充電コンデンサ3の容量は、外部負荷8への供給に必要な電力量に応じて選択される。
DC/DCコンバータ4は、整流回路2で整流された直流電圧Vinを所望の直流電圧Voutに変換する。DC/DCコンバータ4は、制御部5から出力される信号により昇圧動作、または、降圧動作を行う。DC/DCコンバータ4は、充電コンデンサ3からの電力が入力される入力端子と、DC/DCコンバータ4のICの起動及び昇圧動作又は降圧動作の起動に関する入力信号が入力されるイネーブル端子を有する。一般的に、DC/DCコンバータ4のICの起動電圧は、昇圧動作又は降圧動作の起動電圧よりも小さい。
DC/DCコンバータ4は、入力端子に入力された直流電圧Vinを所望の直流電圧Voutに昇圧、または降圧する。DC/DCコンバータ4の出力端子は、外部負荷8に接続されるように構成されている。
外部負荷8は、例えば、センサや無線機、二次電池等である。なお、外部負荷8に供給される直流電圧を安定させるために、外部負荷8に対して並列にコンデンサ9を接続してもよい。
制御部5は、オペアンプ6と抵抗器7A〜7Eにより構成されている。抵抗器7Eは、充電コンデンサ3とオペアンプ6の電源端子との間に直列に接続される。また、抵抗器7Aは充電コンデンサ3に直列に接続され、抵抗器7Bは、接続点10を介して抵抗器7Aと直列に接続されている。接続点10は、オペアンプ6の非反転入力端子に接続される。抵抗器7Cは、接続点10とオペアンプ6の出力端子との間に直列に接続される。抵抗器7Dはオペアンプ6の出力端子とオペアンプ6の反転入力端子との間に直列に接続される。また、反転入力端子とグランドとの間にコンデンサ11が直列に接続される。オペアンプ6の出力端子はDC/DCコンバータ4のイネーブル端子に接続される。このように制御部5は、抵抗器7A〜7Eにより構成されている。これらの抵抗器7A〜7Eを調整することにより、オペアンプ6の出力波形を制御することができる。具体的には、充電コンデンサ3に充電された電圧に対して、オペアンプ6が出力する出力電圧の値や、間隔を任意に設定することができる。
また、図4に示すように、オペアンプ6とDC/DCコンバータ4のイネーブル端子との間に、順方向バイアスとなるようにダイオード12を設けてもよい。ダイオード12の順方向電圧Vfは、DC/DCコンバータ4の昇降圧動作の起動電圧よりも大きいことが好ましい。このような構成とすることにより、昇降圧動作の起動電圧よりも小さいオペアンプの出力電圧は、イネーブル端子に印加されないので、昇降圧動作のよりも小さい出力電圧により、DC/DCコンバータ4のICが起動することを抑制することができる。
また、オペアンプ6とDC/DCコンバータ4のイネーブル端子との間に、順方向バイアスとなるようにトランジスタスイッチもしくはFETスイッチを設けてもよい。オペアンプ6とDC/DCコンバータ4のイネーブル端子との間に、コレクタとエミッタを接続、もしくはドレインとソースを接続し、オペアンプ6の非反転入力端子とベース、もしくはゲートを接続することで、非反転入力端子の電圧が高くなったとき、すなわち、オペアンプ6から出力が行われるときにスイッチをONとすることができる。
なお、整流回路2の出力側に、環境発電部1と並列に逆バイアスとなるようにツェナーダイオード13を設けてもよい。ツェナーダイオード13を設けることにより、DC/DCコンバータ4や制御部5に過電圧が印加されることを防ぐことができる。
圧電発電素子100を用いた環境発電装置20の動作を以下に説明する。
環境発電部1は、圧電発電素子100を振動させることで、図3に示すような交流の出力電流i1を生成する。出力電流i1は、整流回路2に入力される。整流回路2は、入力された出力電流i1を直流電流に変換し、出力電流i2を出力する。出力電流i2は、充電コンデンサ3に流れる充電電流i3と、制御部5に流れる電流i4、i5との和である。この時、DC/DCコンバータ4は起動されていないので、DC/DCコンバータ4への入力電流i6は流れない。
ここで、DC/DCコンバータ4のICの起動電圧を1V、DC/DCコンバータ4の定電圧出力に必要な昇降圧動作の起動電圧を1.2Vとする。そのため、DC/DCコンバータ4は、イネーブル端子に印加される電圧が1V以上のときICが起動する。また、DC/DCコンバータ4は、イネーブル端子に印加される電圧が1.2V以上のとき昇降圧動作を行う。
充電コンデンサ3は、電流i3により充電される。DC/DCコンバータ4が起動した場合、充電コンデンサ3から放電される電流がDC/DCコンバータ4に入力される。したがって、DC/DCコンバータ4に入力される電圧Vinは、充電コンデンサ3の充電電圧と等しい。
以下、オペアンプ6の動作について、図5を用いて説明する。
制御部5を流れる電流i4は、抵抗器7Aおよび7Bに流れる。この電流i4によって抵抗器7Bに生じる電圧がオペアンプ6の非反転入力端子Aに入力される。そのため、充電コンデンサ3の充電が進むにつれて、オペアンプ6の非反転入力端子Aに印加される電圧VAも大きくなる。
充電コンデンサ3に充電が開始された瞬間は、制御部5の反転入力端子Bの電位VBは0であるため、オペアンプ6は出力を行う。この出力電圧VOは抵抗器7Eを流れる電流i5により生じる電圧と等しい。すなわち、充電コンデンサ3の充電が進むにつれて、オペアンプ6から出力される電圧VOも大きくなる。
このとき、オペアンプの出力電圧VOのほうがオペアンプ6の非反転入力端子Aに印加される電圧VAよりも高いため、抵抗器7Cには電流は流れない。
オペアンプの出力電圧は抵抗器7Dにも印加されるため、抵抗器7Dには電流i8が流れる。抵抗器7Dはコンデンサ11に接続されるため、電流i8によってコンデンサ11は充電される。また、抵抗器7Dとコンデンサ11との接続点はオペアンプ6の反転入力端子Bと接続されている。したがって、コンデンサ11に充電される電圧が反転入力端子Bに印加される電圧VBである。
電流i8によってコンデンサ11が徐々に充電され、非反転入力端子Aに印加される電圧VAと等しくなったとき、オペアンプ6の出力電圧VOは0となる。オペアンプ6の出力電圧VOが0となるため、電流i8によって充電されたコンデンサ11はオペアンプ6の出力側に放電を開始する。
一方、オペアンプ6の出力電圧VOが0となるため、非反転入力端子Aに印加される電圧は、抵抗器7Aと抵抗器7Bの合成抵抗と電流i4の積となる。
コンデンサ11の放電によって低下していく反転入力端子Bの印加電圧VBと、非反転入力端子Aの印加電圧VAが等しくなるとオペアンプ6は再び出力が開始される。オペアンプ6の出力が開始されると、再びコンデンサ11に電流i8が流れ込み充電が開始される。この電圧が反転入力端子Bへ印加される。一方、非反転入力端子Aに印加される電圧VAは抵抗器7Bと電流i7の積となる。コンデンサ11の充電電圧が非反転入力端子Aの電圧と等しくなると、再びオペアンプ6の出力電圧VOが0となる。
このように、オペアンプ6は図5に示すように動作を繰り返し、充電コンデンサ3の充電電圧に応じて出力電圧VOも変化し、その出力電圧VOがDC/DCコンバータ4のイネーブル端子に印加される。
オペアンプ6の出力端子から1.2V以上の出力電圧がイネーブル端子に印加されると、DC/DCコンバータ4は出力電圧の設定に応じて入力電圧Vinの昇圧もしくは降圧動作を開始し、外部負荷に所望の出力電圧Voutを供給できる。
なお、オペアンプ6が出力する出力電圧VOのタイミングは、抵抗器7A〜7Eの抵抗値RA〜REにより、以下の数式に従って、決定することができる。
Figure 2015195651
Figure 2015195651
ここで、Cはコンデンサ11の容量値である。また、tw、tdは、それぞれ、オペアンプの出力パルス幅、パルス間隔を表している。
図6Aは、環境発電装置20の充電電圧のグラフである。図6Bは、環境発電装置20の出力電圧のグラフである。図6Cは、オペアンプ6の出力電圧VOのグラフである。
図6Aに示すように、環境発電部1に振動を加えたことにより発電された電力は、充電コンデンサ3に充電されるため、充電電圧は増加する。一方で、制御部5は抵抗器7A〜7Eにより、充電コンデンサ3の充電電圧が電圧値Va以上になったときに、オペアンプ6が所定電圧Vbを出力するように設計されている。そのため、充電電圧がVaとなるt01において、オペアンプ6は、所定電圧Vb以上の電圧を出力する。ここで、所定電圧Vbは、DC/DCコンバータ4の昇降圧動作の起動電圧である。そのため、オペアンプ6が所定電圧Vb以上の電圧を出力することにより、DC/DCコンバータは、例えば降圧動作を開始する。そして、充電コンデンサ3から電流がDC/DCコンバータ4に流れることにより、DC/DCコンバータ4は入力電圧Vinを所望の出力電圧Voutに変換して出力する。
その後、外部負荷8側での電力消費により充電コンデンサ3の充電電力が低下し、充電電圧Vinも低下する。充電電圧Vinの低下とともに、オペアンプ6の出力電圧VOも低下し、最終的にDC/DCコンバータ4のICを起動できる電圧を下回り、DC/DCコンバータ4の動作が停止する。そして、再び、充電電圧Vinが電圧値Vaまで充電されると、オペアンプ6が所定電圧Vbを出力し、DC/DCコンバータ4は、降圧動作を開始する動作を繰り返す。
なお、図7に示すように抵抗器7Eとオペアンプ6との間に、直列にインダクタ14を接続してもよい。DC/DCコンバータ4が起動すると、充電コンデンサ3から供給される電流は、DC/DCコンバータ4に流れる。そのため、オペアンプ6の電源端子に流れる電流が減少し、オペアンプ6の出力電圧VOをDC/DCコンバータ4の昇降圧動作の起動電圧Vb以上に維持できない場合がある。一方、インダクタ14を設けることにより、DC/DCコンバータ4が起動した際に、充電電圧が減少し、オペアンプ6の電源端子に流れる電流量が減っても、抵抗器7Eとオペアンプ6との間に、直列に接続したインダクタ14からまかなうことができる。したがって、DC/DCコンバータ4を起動しても、オペアンプ6の出力電圧をDC/DCコンバータ4の昇降圧動作の起動電圧以上に一定期間維持することが可能となる。
また、環境発電装置20は、抵抗器7Eとオペアンプ6との間に、オペアンプ6と並列にコンデンサを接続してもよい。DC/DCコンバータ4を起動すると、外部負荷8に電力が供給されるため、充電コンデンサ3の充電電圧が低下する。そのため、オペアンプ6の電源端子に流れる電流が減少し、オペアンプ6の出力電圧VOをDC/DCコンバータ4の昇降圧動作の起動電圧Vb以上に維持できない場合がある。一方、コンデンサを接続することにより、充電コンデンサ3の充電電圧の低下に伴うオペアンプ6への入力電流をコンデンサから補うことができる。したがって、DC/DCコンバータ4を起動しても、オペアンプ6の出力電圧をDC/DCコンバータ4の昇降圧動作の起動電圧以上に一定期間維持することが可能となる。
環境発電部1で発電される電力は、充電コンデンサ3に時間の経過と共に充電されていく。そのため、充電コンデンサ3の充電はゆっくりと進行する。
そのため、図8に示すように、従来の環境発電装置500では、外部負荷505に電力を供給するために必要な電力が充電コンデンサ503に十分充電される前に、時刻t504において、充電コンデンサ503の充電電圧がDC/DCコンバータ504のICの起動電圧に達する。そのため、充電コンデンサ503に充電された充電電流は、DC/DCコンバータ504に流れてしまう。その結果、充電コンデンサ503に十分な電荷がたまらないので、充電コンデンサ503の電圧に等しいDC/DCコンバータ504の入力電圧Vinも、昇圧もしくは降圧可能な電圧に届かず、出力電圧Voutが所定の電圧に昇圧もしくは降圧されないまま外部負荷505に供給される。さらに、所望の電力まで充電コンデンサ503に電力を蓄えることができないので、効率よく外部負荷505に電力を供給できない。
以上、このような構成とすることにより、環境発電装置20は、充電コンデンサ3が十分充電されるまで、DC/DCコンバータ4の起動を停止させることができる。そのため、環境発電装置20は、DC/DCコンバータ4が所望の直流電圧Voutを出力するために必要な電力を充電コンデンサ3に充電することができ、安定して所望の直流電圧Voutを出力することができる。
本発明は、入力が省電力で不安定な環境発電において、DCDCコンバータの駆動制御を、オペアンプと抵抗器を用いて行うことにより、外部負荷に必要な電力を効率よく供給することができる。
1 環境発電部
2 整流回路
3 充電コンデンサ
4 DC/DCコンバータ
5 制御部
6 オペアンプ
7A、7B、7C、7D、7E 抵抗器
8 外部負荷
9、11 コンデンサ
10 接続点
12 ダイオード
13 ツェナーダイオード
14 インダクタ

Claims (3)

  1. 電力を発電する環境発電部と、
    環境発電部で発生した電力を蓄電する充電コンデンサと、
    環境発電部で発生した電力を所望の電圧値に変換するDC/DCコンバータと、
    DC/DCコンバータを起動させる動作信号を出力する制御部と、
    を備え、
    制御部は、オペアンプと抵抗器とを有し、
    抵抗器は、充電コンデンサとオペアンプの電源端子との間に直列に接続される環境発電装置。
  2. 前記抵抗器と、前記オペアンプの電源端子との間に、直列に接続されるインダクタをさらに備えた請求項1に記載の環境発電装置。
  3. 前記抵抗器と、前記オペアンプの電源端子との間に、オペアンプと並列に接続されたコンデンサをさらに備えた請求項1に記載の環境発電装置。
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