JP2015194605A - 照明装置およびプロジェクタ - Google Patents

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佐藤 能久
Yoshihisa Sato
能久 佐藤
裕幸 柳澤
Hiroyuki Yanagisawa
裕幸 柳澤
靖治 永原
Yasuji Nagahara
靖治 永原
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Abstract

【課題】蛍光体への熱の蓄積を抑制できる照明装置およびこれを含むプロジェクタを提供すること。【解決手段】本技術に係る照明装置は、第1の光源と、蛍光体層と、保持体と、第2の光源と、合波光学系とを具備する。前記第1の光源は、第1の波長域の励起光を出射する第1の光源と、前記蛍光体層は、蛍光体およびシリコーン系のバインダを含み、前記励起光が入射することにより、前記第1の波長域より長い第2の波長域を有する光を発する。前記保持体は、前記蛍光体層を保持可能に構成された光反射型の保持体である。前記第2の光源は、第3の波長域を有する光を出射する。前記合波光学系は、前記第2の波長域を有する光と、前記第3の波長域を有する光とを合成する。【選択図】図3

Description

本技術は、照明装置およびこの照明装置を搭載したプロジェクタに関する。
最近、プレゼンテーション用、もしくはデジタルシネマ用プロジェクタに用いられる光源に、従来の水銀ランプ又はキセノンランプ等ではなく、LED(Light Emitting Diode)やLD(Laser Diode)といった固体光源を採用する製品が増えてきている。LED等の固定光源は寿命が長く従来のようなランプ交換が不要であり、また電源を入れて即時に点灯するといった利点を有する。
例えば、特許文献1に記載の照明装置は、励起光源と、この励起光源からの励起光が照射される蛍光体と、蛍光体への励起光の照射位置を時間とともに移動させるモータとを備える。例えば蛍光体層が形成された例えばガラス等の透明基板をモータが回転させるようになっている。励起光として青色レーザが用いられる。その励起光が透明基板に入射し、透明基板を通過して蛍光体層に照射され、黄色光が発生する。蛍光体層では青色の励起光の一部が透過するため、黄色光と青色光とが混合することで、白色光が生成される(例えば、特許文献1の明細書段落[0031]、[0040]、図2参照)。
特開2012-3923号公報
励起光が蛍光体に照射されることにより、蛍光体が高温になり、蛍光体の劣化が早まるという問題がある。
以上のような事情に鑑み、本技術の目的は、蛍光体への熱の蓄積を抑制できる照明装置およびこれを含むプロジェクタを提供することにある。
上記目的を達成するため、本技術に係る照明装置は、第1の光源と、蛍光体層と、保持体と、第2の光源と、合波光学系とを具備する。
前記第1の光源は、第1の波長域の励起光を出射する第1の光源と、
前記蛍光体層は、蛍光体およびシリコーン系のバインダを含み、前記励起光が入射することにより、前記第1の波長域より長い第2の波長域を有する光を発する。
前記保持体は、前記蛍光体層を保持可能に構成された光反射型の保持体である。
前記第2の光源は、第3の波長域を有する光を出射する。
前記合波光学系は、前記第2の波長域を有する光と、前記第3の波長域を有する光とを合成する。
第2の波長域を有する光を反射させる光反射型の保持体は、熱伝導が比較的高い材料を含むので、保持体に保持された蛍光体層から保持体を介して外部へ効率良く放熱される。すなわち、蛍光体層への熱の蓄積を抑制することができる。
前記蛍光体はYAG(Yttrium Aluminum Garnet)系の材料であり、前記蛍光体の粒子の平均粒径は、20μm以上30μm以下であってもよい。
これにより、良質な蛍光体層を形成することができる。
前記蛍光体は、YAG(Yttrium Aluminum Garnet)系の材料であり、かつ、20μm以上32μm以下の粒径を持つ粒子を、70体積%以上80体積%以下の濃度で含んでいてもよい。
これにより、良質な蛍光体層を形成することができる。
前記照明装置は、前記蛍光体層への前記励起光の照射位置を時間とともに移動させる移動機構をさらに具備してもよい。
これにより、照射位置の温度上昇を抑制することができる。
前記移動機構は、前記第1の光源と前記保持体とを相対的に移動させてもよい。
前記第2の光源は、前記第1の波長域と異なる波長域としての前記第3の波長域を有する光を出射してもよい。
これにより、照明光の色域を向上させ、また、照明装置に関連する光学部品等の材料の選択の幅が広がる。
前記照明装置は、前記第3の波長域の光を拡散させる拡散部をさらに具備してもよい。この場合、前記拡散部は、前記第3の波長域の光を拡散させる複数の拡散部材を有してもよい。あるいは、前記照明装置は、前記複数の拡散部材のうち少なくとも1つの拡散部材への、前記第3の波長域を有する光の照射位置を、時間とともに移動させる移動機構をさらに具備してもよい。これにより、照度ムラを低減できる。
前記照明装置は、前記励起光を集光する集光光学系をさらに具備してもよい。集光は、拡散光をコリメートすることも含む。以下同様である。
前記照明装置は、前記第2の波長域の光を集光する集光光学系をさらに具備してもよいし、あるいは、前記第3の波長域の光を集光する集光光学系をさらに具備してもよい。
前記照明装置は、前記第1の光源および第2の光源が搭載された一平面を有するヒートスプレッダをさらに具備してもよい。
これにより、ヒートスプレッダに接続されるヒートシンク等の部材との接触面積を大きくすることができ、効率的な熱伝導が可能となる。
本技術に係るプロジェクタは、照明光学系と、光変調素子と、投影ユニットとを具備する。
前記照明光学系としては、上述した照明装置が用いられる。
前記光変調素子は、前記照明光学系からの光を変調する。
前記投影ユニットは、前記変調された光を投影する。
本技術の他の照明装置は、光源と、拡散部と、集光レンズと、照明光学系とを具備する。
前記拡散部は、出射有効径d1を有し、前記光源から入射する光を拡散して出射する。
前記集光レンズは、焦点距離f1を有し、前記拡散部から出射される光を集光する。
前記照明光学系は、入射有効径d2を有し、前記集光レンズからの光が入射し、照明対象の一辺の長さがd3である領域を照明する。
前記照明対象に入射する光の集光角度がθ2であるとき、
(θ2×d3)/(arctan(d1/f1)×d2)≦4
である。
照明光学系に入射させる光を、上記の式を満たすように拡散させることで、光の離散的な分布が緩和され、光学部材上の傷や塵等による影をカバーすることができる。これにより、照明の均一性を向上させることができる。
前記光源は、レーザ光源であってもよい。
直進性が高いことから光学部材上の傷や塵等によるノイズを生じやすいレーザ光を使用しても、上記構成により照明の均一性を向上させることができる。
前記拡散部は、第1の拡散部材と、第2の拡散部材とを有してもよい。
前記第1の拡散部材には、前記光源からの光が入射する。
前記第2の拡散部材は、前記第1の拡散部材により拡散された光を出射有効径d1で拡散して出射する。
光源からの光を第1の拡散部材で拡散し、拡散された光を第2の拡散部材でさらに拡散することにより、光均一性を高めて適当な大きさの出射有効径d1を得ることができる。
照明装置は、アパーチャ素子をさらに具備してもよい。前記アパーチャ素子は、前記第2の拡散部材に入射する光を透過可能な透光領域と、前記第1の拡散部材により拡散された光のうち前記透光領域に入射する光以外を遮光する遮蔽部とを有する。
光源からの光のうち、照明対象の有効領域に入射しない漏れ光を遮蔽部であらかじめ遮ることにより、各光学部材に入射する不要光を低減し、これに起因する発熱を低減することができる。
本技術に係る他の照明装置は、光源と、拡散部と、集光レンズと、光変調素子とを具備する。
前記拡散部は、出射有効径d1を有し、前記光源から入射する光を拡散して出射する。
前記集光レンズは、焦点距離f1を有し、前記拡散部から出射される光を集光する。
前記照明光学系は、入射有効径d2を有し、前記集光レンズからの光を照明する。
前記光変調素子は、一辺の長さがd3であり前記照明光学系により照明される被照明領域を有する。
前記被照明領域に入射する光の集光角度がθ2であるとき、
(θ2×d3)/(arctan(d1/f1)×d2)≦4
である。
上記他の照明装置の構成をプロジェクタに適用することで、画像の表示面内における均一性を向上させることができる。
以上、本技術によれば、蛍光体への熱の蓄積を抑制できる。
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
図1は、本技術の一実施形態に係る、冷却ユニットが接続された照明装置(照明光学系)を示す斜視図である。 図2は、図1に示す照明装置を構成する光学部品を主に示す斜視図である。 図3は、図2に示す照明装置の平面図である。 図4Aは、蛍光光学ユニットの構成を示す斜視図である。図4Bは、この蛍光光学ユニットの分解斜視図である。 図5は、この蛍光光学ユニットの模式的な断面図である。 図6は、蛍光体層に含まれる蛍光体の粒子の粒径の分布の実測のグラフである。 図7は、蛍光体層の光の変換効率を示すグラフである。 この照明装置の色域を説明するための色度図の一部を示す。 図9AおよびBは、LDアレイが接続された冷却ユニットをそれぞれ示す斜視図である。 図10は、本技術の一実施形態に係るプロジェクタの構成例を示す模式図である。 図11は、照明装置の光学的設計について、実施形態1に係る照明装置の構成を示す図である。 図12は、図1に示した照明装置の光学的なパラメータを説明する図である。 図13は、上記パラメータの光利用効率への影響を説明する図であり、本技術の実施形態の例を示す。 図14は、上記パラメータの光利用効率への影響を説明する図であり、参考例を示す。 図15は、上記パラメータの、照明光学系に入射した後の光の分布への影響を説明する図であり、他の参考例を示す。 図16は、図15の例における、第2フライアイレンズ上の光の分布を説明する図である。 図17は、図15の例における、照明対象に入射する光の入射角度の分布を説明する図である。 図18A〜Dは、照明装置の上記パラメータを変化させて照明した被照明面における輝度分布の測定結果を示し、図18Eは図18A〜Dの各領域の輝度レベルを示す。 図19A〜Dは、照明装置の上記パラメータを変化させて照明した被照明面における輝度分布の測定結果を示す。 図20は、本技術の実施形態2に係る照明装置の構成を示す図である。 図21は、本技術の実施形態3に係る照明装置の構成を示す図である。 図22は、本技術の実施形態4に係る照明装置の構成を示す図である。 図23は、実施形態4に係る照明装置のアパーチャ素子を示す正面図である。 図24は、ガウシアンビームのビーム直径について説明する図である。
以下、図面を参照しながら、本技術の実施形態を説明する。
1.照明装置
1)照明装置の全体構成
図1は、本技術の一実施形態に係る、冷却ユニット180が接続された照明装置150(照明光学系)を示す斜視図である。図2は、図1に示す照明装置150を構成する光学部品を主に示す斜視図である。図3は、図2に示す照明装置150の平面図である。
照明装置150は、励起光を出射する第1の光源110、第1の光源110とは別に設けられた第2の光源120を備える。第1の光源110は、例えば440nm〜455nmの波長域(第1の波長域)を有する青色のレーザ光を発生する。第2の光源120は、例えば上記の第1の波長域とは異なる455nm〜470nmの波長域(第3の波長域)を有する青色のレーザ光を発生する。
第1の光源110は、例えば複数のLD(Laser Diode)が配列されて構成されるLDアレイ111を有する。第2の光源120も同様にLDアレイ121を有する。本実施形態では、第1の光源110のLD数が第2の光源120のそれより多いが、その逆でもよいし、両者の数は同じでもよい。
照明装置150は、コリメータレンズアレイ112、122、レンズ131〜138、拡散板141〜143、ダイクロイックミラー145、蛍光光学ユニット160、およびミラー153等を備える。
コリメータレンズアレイ112は、第1の光源110の個々のLDに対応して配置され、コリメータレンズアレイ122は、第2の光源120の個々のLDに対応して配置されている。コリメータレンズアレイ112、122の各レンズは、各LDから出射されたレーザ光をそれぞれコリメートする。
レンズ131、132、133、134は、コリメータレンズアレイ112から出射された励起光を蛍光光学ユニット160の後述する蛍光体層164に集光する集光光学系である。図3に示すように、レンズ133、134は、後述するように蛍光光学ユニット160で反射されて戻っきた蛍光光をコリメートする。
拡散板141は、例えばレンズ132とレンズ133との間に配置され、蛍光光学ユニット160の蛍光体層164で生成される光スポットのサイズを制御する。
ダイクロイックミラー145は、青色の波長域(例えば400nm〜500nm)を有する光を透過させ、緑および赤色の波長域(例えば第2の波長域である500nm〜700nm)を有する黄色光を反射する機能を有する。したがって、ダイクロイックミラー145は、拡散板141から出射された励起光を透過し、後述するように蛍光光学ユニット160により生成され反射されて戻ってきた蛍光光を、レンズ135に向けて反射する。
レンズ136、137は、コリメータレンズアレイ122から出射された、第2の光源120からの光を集光する集光光学系である。以下では、説明の便宜上、第2の光源120からの光を「第2の光」という。拡散板(拡散部材)142は、レンズ137からの光をミラー153に向けて出射する。拡散板(拡散部材)143は、ミラー153で反射された第2の光を受けてこれをさらに拡散する。このように複数の拡散板142、143が設けられることにより、照度ムラを低減することができる。拡散板142、143は、「拡散部」として機能する。
ミラー153からの反射光の拡散板143への照射位置は、時間とともに移動するように構成されている。例えば拡散板143は、ホイール状に形成されてモータ149により回転可能に構成され、拡散板143の中心からずれた位置に第2の光が入射するようになっている。これにより、モータ149の1回転の時間で第2の光はリング状に拡散板143に入射することになる。このような構成により、照度の均一化に寄与する。この場合、モータ149は「移動機構」として機能する。
レンズ138は、拡散板143から出射された第2の光の光束径を制御し、その光をダイクロイックミラー145へ向けて出射する。
レンズ138から出射された第2の光(青色光)はダイクロイックミラー145を透過して、上記ダイクロイックミラー145で反射した蛍光光(黄色光)と合波される。レンズ135は、合波により生成された白色の合波光を集光する集光光学系である。レンズ135は、ここではその合波光をコリメートして照明装置150外へ出射する。本実施形態では、例えばダイクロイックミラー145および/またはレンズ135は、合波光学系として機能する。
2)蛍光光学ユニット
図4Aは、蛍光光学ユニット160の構成を示す斜視図である。図4Bは、この蛍光光学ユニット160の分解斜視図である。図5は、この蛍光光学ユニット160の模式的な断面図である。
蛍光光学ユニット160は、光反射型の保持体161と、この保持体161に接続されたモータ165とを備える。例えばモータ165は、ハブ166を介して保持体161に接続されている。図5に示すように、保持体161は、例えばホイール状の基板162と、基板162上に設けられた誘電体層163とを有する。保持体161は、この誘電体層163上に例えばリング状の蛍光体層164を保持している。
基板162は、例えば高い熱伝導率を有する金属材料が用いられる。その材料としては、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、ステンレス等が用いられる。
誘電体層163は、例えば蛍光光を高反射率で反射するように設計された膜である。誘電体膜は例えば多層のものが用いられてもよい。誘電体層163に代えて、アルミニウム等の金属膜であってもよい。あるいは、誘電体層163がなく、基板162の表面が反射面として機能してもよい。
ダイクロイックミラー145を透過してきた青色の励起光が、レンズ133、134を介して蛍光体層164に入射する。蛍光体層164は、その励起光を、上記緑および赤色の波長域を有する黄色の蛍光光に変換して出力する。
基板162は、励起光の入射方向の少なくとも反対方向に、その蛍光光を反射させる機能を有する。また誘電体層163は、その反射効率を高める機能を有する。蛍光体層164を透過した励起光の一部も、基板162により反射される。なお、基板162で反射され、かつ、蛍光体層164で蛍光光に変換されずに蛍光体層164から出射した励起光の一部(青色)は、ダイクロイックミラー145を透過して、第1の光源110の方向へ戻るようになっている。
このように、基板162は、熱伝導が比較的高い材料である金属で構成されるので、蛍光体層164からこの基板162を介して周囲の空気へ効率良く放熱される。例えば基板162としてガラス等の透明基板、つまり光透過型の基板を用いる場合、反射型の金属基板162に比べて熱伝導性が低いため、大風量のファンを使用する必要があり、静音性を確保できないという問題がある。本技術では、光反射型の金属の基板162を用いることにより、蛍光体層164への熱の蓄積を抑制することができる。
モータ165は、基板162に保持された蛍光体層164を回転させることが可能である。これにより、励起光の照射位置が時間とともに、蛍光体層164に対して円周上を移動する。その結果、蛍光体層164における照射位置の温度上昇を抑制することができ、蛍光体層164の発光効率が低下することを防止できる。この場合、モータ165および基板162は、蛍光体層164を時間とともに移動させる「移動機構」として機能する。
ここで、蛍光体原子が励起光を吸収して発光するまでに多少時間(例えば数nsec程度)が掛かり、その励起期間中に、次の励起光が蛍光体原子に照射されてもその励起光に対しては発光しない。しかしながら、本実施形態のように蛍光体層164の励起光の照射位置が時間とともに移動するので、励起光の照射位置には、励起されていない蛍光体原子が次々と配置されることになり、蛍光体層164を効率良く発光させることができる。
蛍光体層164は、所定の蛍光体と、シリコーン系のバインダとを含む。蛍光体としては、例えばYAG(Yttrium Aluminum Garnet)系の材料が用いられ、例えば、セリウムで付活されたYAG:Ce蛍光体が用いられる。バインダは、例えばメチル基を側鎖に持ちシロキサン結合を主鎖とする化合物(メチル系シリコーン樹脂)等が用いられる。蛍光体層164は、例えばオフセット印刷やスクリーン印刷により形成される。
図6は、蛍光体層164に含まれる蛍光体の粒子の粒径の分布の実測のグラフである。横軸は濃度(体積%)を示し、縦軸は粒径を示す。また、粒子の平均粒径、中央粒径(中央値)は、以下のような結果となった。
平均粒径:22.0μm
中央粒径:24.7μm
上記平均粒径はあくまで一例であり、蛍光体の粒子の平均粒径は、20μm以上30μm以下とされることが好ましい。
また、この蛍光体は、20μm以上32μm以下の粒径を持つ粒子を、70体積%以上80体積%以下の濃度で含むことが好ましい。本実験では、その濃度は75.3体積%であった。蛍光体が平均粒径や濃度に設定されることにより、良質な蛍光体を形成することができる。
図7は、蛍光体層164の光の変換効率の実測のグラフである。本発明者らは、蛍光体層164の塗布厚を3種類(120μm、190μm、230μm)として、塗布濃度(横軸(重量%))を変えて、変換効率(縦軸(出力エネルギー/入力エネルギー))を計測した。なお、塗布厚230μmの蛍光体層は、三重塗布により形成された。
実験の結果、塗布厚190μm、濃度が50重量%〜70重量%の蛍光体層で、特に高い変換効率が得られた。ここでの塗布厚および濃度については、蛍光体層が焼成される前の値を示す。また、塗布厚120μm、濃度60重量%〜70重量%の蛍光体層、さらに、塗布厚230μm、濃度60重量%の蛍光体層も、良い結果が得られた。
以上のように、本実施形態に係る蛍光光学ユニット160の保持体161は、蛍光光や励起光を反射する材料、すなわち熱伝導が比較的高い金属材料で構成されるので、蛍光体層164からこの基板162を介して周囲の空気へ効率良く放熱される。
本実施形態に係る照明装置150は、第1の光源110および第2の光源120の、2つの光源を備えており、それら光源からの励起光および第2の光の波長域が異なる。本実施形態では、励起光の波長域より、第2の光の波長域の方が長くなるように設定されている。このような構成により、本技術は、以下の2つの利点を有する。
1つは、後述する画像生成ユニット290(図10参照)で用いられる光学材料の選択の幅が広がるという利点がある。励起光は、蛍光光に変換されて比較的長い波長域を有する蛍光光に変換されて、画像生成ユニットに入射する。一方、第2の光として比較的短い波長域を有する光が、蛍光光と合波されて画像生成ユニットに入射する。短波長の光ほど、蛍光体層164での高い変換効率を実現できることが知られているが、その波長が短すぎると、樹脂材料や有機材料を用いた光学部品(例えば偏光板等)に与えるダメージが増え、その結果、光透過率を減少させる場合がある。そこで、本技術では、第1の光の波長域より長い波長域を有する第2の光が利用されることにより、上記画像生成ユニット内での光学材料へのダメージを軽減できる。
もう1つの利点として、波長の異なる励起光および第2の光を用いることにより、色域が向上する。例えば、図8に示すように、例えば450nmより小さい波長の光の場合、sRGB等の国際的な色域の規格を満たさない場合がある。本技術では、第1の光源110とは別に、比較的長い波長域を有する光を発生する第2の光源120を用いることにより、中心波長をずらすことができる。これにより、色域を広げることができる。一例として、第2の光の中心波長を462nmとすることができる。
3)冷却ユニット
図1〜3に示すように、冷却ユニット180は、LDアレイ111、121が接続されたヒートスプレッダ185と、ヒートシンク187と、ヒートシンク187内に配置されたヒートパイプ186とを備え、これらが一体となった構成を有している。
図9Aは、LDアレイ111および121が接続された冷却ユニット180を示す斜視図である。図9Bは、図9Aに示す冷却ユニット180を反対側から見た斜視図である。ヒートスプレッダ185は、このヒートスプレッダ185の主に外周部において、ヒートシンク187の各放熱板を保持して固定する部材188に接触している。この部材188には、ヒートシンク187およびヒートパイプ186の受熱部が熱的に接続される。
ヒートスプレッダ185は、2枚のヒートスプレッダ181、182により構成され、例えばアルミニウム、銅、鉄等の高熱伝導材料により板状に構成されている。2枚のヒートスプレッダ185のうち一方のヒートスプレッダ181は、第1の光源110のLDアレイ111に接続され、他方のヒートスプレッダ182は、第2の光源120のLDアレイ121に接続されている。ヒートスプレッダ185と各LDアレイとは、例えばグリスや接着剤を介して接続される。
2枚のヒートスプレッダ181、182の各LDアレイの搭載面は、面一、すなわち同一の一平面とされている。これにより、第1の光源110および第2の光源120とにおいて、LDアレイ111および121の配列面を実質的に同じにすることができる。また、これにより、ヒートスプレッダ185と、ヒートシンク187側の各部材との接触面積を大きくすることができ、効率的な熱伝導が可能となる。
なお、ヒートスプレッダ185の、LDアレイ111、121が配置される面とは反対側の面には、図示しない駆動基板がネジ等により接続されている。
2.プロジェクタ
図10は、本技術の一実施形態に係るプロジェクタの構成例を示す模式図である。
プロジェクタ800は、照明装置150と、照明装置150から発せられる光を用いて画像を生成する画像生成ユニット290と、画像生成ユニット290で生成された画像光を投射する投影ユニット390とを備える。なお、照明装置150には、図1等に示したように冷却ユニット180が一体に接続されている。
画像生成ユニット290は、インテグレータ素子210、偏光変換素子215、集光レンズ216、ダイクロイックミラー220および222、ミラー226、227および228、リレーレンズ250および260を有する。また、画像生成ユニット290は、フィールドレンズ230(230R、230Gおよび230B)光変調素子としての液晶ライトバルブ240R、240Gおよび240B、ダイクロイックプリズム270を有する。
インテグレータ素子210は、全体として、照明装置150から液晶ライトバルブ240R、240Gおよび240Bに照射される入射光を、均一な輝度分布に整える機能を有する。例えば、インテグレータ素子210は、二次元に配列された図示しない複数のマイクロレンズを有する第1のフライアイレンズ211、および、その各マイクロレンズに1つずつ対応するように配列された複数のマイクロレンズを有する第2のフライアイレンズ212を含んでいる。
照明装置150からインテグレータ素子210に入射する平行光は、第1のフライアイレンズ211のマイクロレンズによって複数の光束に分割され、第2のフライアイレンズ212における対応するマイクロレンズにそれぞれ結像される。第2のフライアイレンズ212のマイクロレンズのそれぞれが、二次光源として機能し、複数の平行光を偏光変換素子215に入射光として照射する。
偏光変換素子215は、インテグレータ素子210等を介して入射する入射光の、偏光状態を揃える機能を有する。この偏光変換素子215は、例えば照明装置150の出射側に配置された集光レンズ216等を介して、青色光B、緑色光Gおよび赤色光Rを含む出射光を出射する。
ダイクロイックミラー220および222は、所定の波長域の色光を選択的に反射し、それ以外の波長域の光を透過させる性質を有する。例えば、ダイクロイックミラー220が、赤色光Rを選択的に反射する。ダイクロイックミラー222は、ダイクロイックミラー220を透過した緑色光Gおよび青色光Bのうち、緑色光Gを選択的に反射する。残る青色光Bが、ダイクロイックミラー222を透過する。これにより、照明装置150から出射された光が、異なる色の複数の色光に分離される。
分離された赤色光Rは、ミラー226により反射され、フィールドレンズ230Rを通ることによって平行化された後、赤色光の変調用の液晶ライトバルブ240Rに入射する。緑色光Gは、フィールドレンズ230Gを通ることによって平行化された後、緑色光の変調用の液晶ライトバルブ240Gに入射する。青色光Bは、リレーレンズ250を通ってミラー227により反射され、さらにリレーレンズ260を通ってミラー228により反射される。ミラー228により反射された青色光Bは、フィールドレンズ230Bを通ることによって平行化された後、青色光の変調用の液晶ライトバルブ240Bに入射する。
液晶ライトバルブ240R、240Gおよび240Bは、画像情報を含んだ画像信号を供給する図示しない信号源(例えばPC等)と電気的に接続されている。液晶ライトバルブ240R、240Gおよび240Bは、供給される各色の画像信号に基づき、入射光を画素毎に変調し、それぞれ赤色画像、緑色画像および青色画像を生成する。変調された各色の光(形成された画像)は、ダイクロイックプリズム270に入射して合成される。ダイクロイックプリズム270は、3つの方向から入射した各色の光を重ね合わせて合成し、投影ユニット390に向けて出射する。
投影ユニット390は、複数の310等を有し、ダイクロイックプリズム270によって合成された光を図示しないスクリーンに照射する。これにより、フルカラーの画像が表示される。
照明装置150の形状等を適宜設定することで、プロジェクタ800の外形のデザイン性の向上等を図ることが可能となる。
3.他の各種の実施形態
本技術は、以上説明した実施形態に限定されず、他の種々の実施形態を実現することができる。
第1の光源の光の波長域(第1の波長域)と、第2の光源の光の波長域(第3の波長域)は、同じであってもよい。この場合、両波長域は、概ね400nm〜500nmの範囲の青色光の波長域とされる。
上述した実施形態に係る照明装置150およびプロジェクタ800の各光学部品の配置、機能、個数等は、適宜変更され得る。また、冷却ユニットの形態も適宜変更され得る。例えばプロジェクタには、後述する光学的設計を有する照明装置100、200、300、400のうちいずれか1つの照明装置が備えられていてもよい。
例えばプロジェクタ800は、液晶ライトバルブを光変調素子として備えていたが、光変調素子は、DLP(登録商標)(Digital Light Processing)等の素子であってもよい。
上記実施形態では、モータ165が保持体161を回転移動させたが、第1の光源110から出射された励起光が、ガルバノミラーやポリゴンミラー等によって移動されるようにしてもよい。あるいは、保持体161が直線方向で振動するような構成であってもよい。
なお、モータ165等、蛍光体層164への励起光の照射位置を時間とともに移動させる移動機構は、本技術においては必須の要素ではない。
4.照明装置の光学的設計
1)背景
プロジェクタ等の、比較的小型な光変調素子(液晶パネルやDLP(登録商標)等)を用いる装置では、光変調素子への集光性を高め、光源から生じた光を高効率に利用して照明することが行われている。例えば、特許文献1には、直進性の高さから集光性がよいとされるレーザ光源を用い、透過型拡散手段を用いてレーザ光源からの光を拡散させることによってスペックルノイズを緩和するプロジェクタが開示されている(例えば、特開2012-47996号公報参照。)。
2)本技術の概要
しかしながら、特許文献1に記載されたプロジェクタのように直進性の高い光を用いた場合、例えば、インテグレータ光学系等の光学系に光を拡散させてから入射させたとしても、光学系を構成する部材の表面に存在する微小な傷や塵を投影しやすいため、照明の均一性が失われやすいという問題がある。
以上のような事情に鑑み、本技術の目的の1つは、照明の均一性を向上させることを可能とする照明装置、およびこの照明装置を用いたプロジェクタを提供することにある。
上記目的を達成するため、本技術に係る照明装置は、光源と、拡散部と、集光レンズと、照明光学系とを具備する。
前記拡散部は、出射有効径d1を有し、前記光源から入射する光を拡散して出射する。
前記集光レンズは、焦点距離f1を有し、前記拡散部から出射される光を集光する。
前記照明光学系は、入射有効径d2を有し、前記集光レンズからの光が入射し、照明対象の一辺の長さがd3である領域を照明する。
前記照明対象に入射する光の集光角度がθ2であるとき、
(θ2×d3)/(arctan(d1/f1)×d2)≦4
である。
以上のように、本技術によれば、照明の均一性を向上させることができる。
なお、ここに記載された効果は必ずしも限定されるものではなく、本開示中に記載されたいずれかの効果であってもよい。
3)光学設計の実施形態1
図11は、プロジェクタ(例えば図10に示したもの)に用いられる照明装置の構成を示す図である。以下では、上記の実施形態で説明した照明装置の光学的な設計を原理的に説明するので、光学部品の配置や個数等をできるだけ簡略化して記載する。
本実施形態において、照明装置100は、例えば、青色波長域のレーザ光、および、そのレーザ光によって励起される蛍光物質から生じる赤色波長域から緑色波長域の光を合成して白色光を出射するタイプの、プロジェクタ用の照明装置である。本実施形態の照明装置100が照明する照明対象Sとして、液晶やDLP等の光変調素子が挙げられる。
照明装置100は、光源1、拡散部2、集光レンズ3および照明光学系4を備えている。
光源1は、例えば、青色レーザダイオードを含む固体光源であり、400nm〜500nmの波長範囲内に発光強度のピーク波長を有する青色レーザ光を発する。
ここでは上述した蛍光光学ユニットを図示していない。光源1が出射する青色レーザ光の一部は、この青色レーザ光に励起されて赤色および緑色の蛍光(すなわち黄色光)を発するYAG系の蛍光物質に入射し、黄色の蛍光に変換される。残りの青色レーザ光は、青色の照明光としてそのまま出射される。このため、照明装置100から出射される光は、青色のレーザ光と黄色の蛍光との混色による白色光となる。なお、図11ではLD光源を1つのみ示している。
以下の説明においては、図中「L」で示される光源1からの光として、照明用に出射される青色レーザ光を例示する。例えば、図11では、光源1から出射される青色レーザ光のうち、青色の照明光として利用されるレーザ光Lの通過範囲を図示している。
拡散部2は、第1拡散板21(第1の拡散部材)および第2拡散板22(第2の拡散部材)を有する。第1拡散板21、第2の拡散板22は、図1〜3に示した拡散板142、143に相当する
第1拡散板21は、光源1から出射される上記レーザ光Lの光路上に設けられている。第1拡散板21は、光源1から入射するレーザ光Lを表面の凹凸により拡散して透過させ、第2拡散板22に向けて出射する。これにより、直進性の高い(コヒーレントな)レーザ光を発散し、レーザ光のスポットのサイズを大きくして第2拡散板22に入射させることができる。
第2拡散板22は、例えば、第1拡散板21より大きい面積を有し、円盤状に形成されている。第2拡散板22の中心は、第1拡散板21を通ったレーザ光Lが入射する位置から偏心して設けられている。
第2拡散板22の中心には、第2拡散板22を回転させるモータ23が接続されている。モータ23は、照明装置100が照明している間、第2拡散板22を回転させることによって、第2拡散板22に対するレーザ光Lの入射位置を変動させる。これにより、第2拡散板22から出射されるレーザ光Lの照度ムラの発生を抑制することができる。
第2拡散板22の拡散度は第1拡散板21のそれよりも比較的大きい。これにより、第2拡散板22は、第1拡散板21から入射したレーザ光Lをより拡散して出射することができる。
集光レンズ3は、焦点距離f1を有し、第2拡散板22から出射される光を集光するレンズまたはレンズ群である。集光レンズ3は、実質的にその焦点距離f1に近い距離だけ第2拡散板22から離れて設けられている(図12参照)。これにより、第2拡散板22で拡散されたレーザ光Lを、実質的に平行に近いビームに変換することができる。
本実施形態の照明光学系4は、フライアイインテグレータにより構成されている。すなわち、照明光学系4は、第1フライアイレンズ41、第2フライアイレンズ42、重畳レンズ43および集光レンズ44を有する。
第1フライアイレンズ41は、二次元に配列された複数のマイクロレンズ41aを有する。第2フライアイレンズ42は、第1フライアイレンズ41の各マイクロレンズ41aに1つずつ対応するように配列された複数のマイクロレンズ42aを有する。マイクロレンズ41aおよびこれらに対応するマイクロレンズ42aは、例えばマトリクス状に配置されている(図16参照)。
この照明光学系4は、集光レンズ3から入射するレーザ光Lを、第1フライアイレンズ41の各マイクロレンズ41aに対応する部分光束に分割する。複数の部分光束は、第2フライアイレンズ42でそれぞれ対応するマイクロレンズ42aにより個別に集光される。第2フライアイレンズ42のマイクロレンズ42aは、それぞれ集光した部分光束を、重畳レンズ43に向かって出射する。
重畳レンズ43は、第2フライアイレンズ42から複数の部分光束として出射されたレーザ光Lを、集光レンズ44の入射領域に重畳させる。これにより、照明光学系4の出射領域の面内の輝度分布を均一化することができる。集光レンズ44は、重畳レンズ43から入射するレーザ光Lを、光変調素子である照明対象S上に入射させる。これにより、照明光学系4は、照明対象Sの被照明領域Aを実質的に均一な輝度分布で照明する。
図12は、本実施形態における照明装置100に関する光学的なパラメータを説明する図である。
図12に示すように、拡散部2の出射有効径は、d1と表すことができる。ここでいう「出射有効径」とは、ある光学面における、ビームを出射する領域の有効径である。すなわち、第2拡散板22が、第1拡散板21により拡散されて入射した光を拡散し、出射光学面上でのスポットの有効径をd1として、さらに拡散(発散)して出射する。なお、「有効径」は直径であるが、光学面を通過するビームの断面形状が円形でない場合は、それと等しい面積をもつ円の直径を「有効径」と呼ぶ。
上述したように、第2拡散板22に形成される直径d1のスポットから拡散されて出射されるレーザ光Lは、焦点距離f1に近い距離だけ離れた集光レンズ3で実質的に平行化される。このとき、一方向におけるサイズが直径d1であるスポットの面内から集光レンズ3を通過して発散するビームの発散角度をθ1とすると、θ1の値は実質的に次式(1)を満たす。
tan(θ1)=d1/f1 …(1)
したがって、
θ1=arctan(d1/f1) …(2)
なお、発散角度とは、ビームの進行方向に対しビームの直径が広がる度合いを全幅値の角度で表したもの(ビーム広がり角)である。また、上記の発散角度θ1は、直径d1のスポット光が集光レンズ3の主点を通るように集光レンズ3に入射して発散する角度である。
上記式(2)から分かるとおり、第2拡散板22上のレーザ光Lのスポット直径d1が大きいほど、集光レンズ3を通過後の発散角度θ1が大きくなる。
図12に示すように、照明光学系4の入射有効径は、d2と表すことができる。ここでいう「入射有効径」とは、光学面における、ビームが入射する領域の有効径である。すなわち、照明光学系4の入射有効径d2は、第1フライアイレンズ41上における、集光レンズ3からのレーザ光Lが入射する領域の有効径である。
集光レンズ3を通過した後のレーザ光Lが実質的に平行ビームであることから、照明光学系4の入射有効径d2は、集光レンズ3の出射有効径と実質的に等しい値といえる。
なお、集光レンズ3の出射有効径に等しい入射有効径d2でフライアイレンズ41に入射する光の集光角度は、集光レンズ3からの光の発散角度と同じくθ1となる(図13参照)。
また、図12に示すように、照明光学系4から照明対象Sに入射するレーザ光Lの集光角度は、θ2と表すことができる。集光レンズ44に入射する部分光束のそれぞれの、照明対象Sの被照明領域A内の1点に対する入射角度は、この集光角度θ2の範囲内で分布する。
本実施形態における照明対象Sの被照明領域Aは、例えば、照明光学系4から入射した光をプロジェクタの投影光として利用することができる有効領域である。この被照明領域Aの一方向におけるサイズは、被照明領域Aの一辺の長さであるd3として表すことができる。
後で詳述するが、本実施形態の照明装置100において、上記の光学的なパラメータは次の関係式を満たす。
(θ2×d3)/(θ1×d2)≦4 …(3)
すなわち、上記式(2)を式(3)に代入して、
(θ2×d3)/(arctan(d1/f1)×d2)≦4 …(4)
これらの関係式(3)および(4)を満たす照明装置100を説明する前に、照明装置の光利用効率を考慮した光学的なパラメータの設定について説明する。
図13およびBは、上記の光学的なパラメータの光利用効率への影響を説明する図である。図13は、本実施形態の照明装置100を示し、図14は、本実施形態に比べてθ1を大きくした参考例に係る照明装置を示す。
ここで、光の性質として、あるビームが出射または入射する光学面におけるビームの断面積と、その光学面を通過するビームが発散または集光される立体角とを乗じたエテンデュ(Etendue)という値が保存されることが知られている。
エテンデュ(Etendue)が保存されることから、光源側と照明対象側との間で、光学面上のビームのサイズとそのビームの発散角度(または集光角度)の積も保存される。このため、照明光学系4に入射するレーザ光Lの集光角度θ1と入射有効径d2との積が、照明対象Sに入射するレーザ光Lの集光角度θ2とその被照明領域Aの一辺の長さd3との積を上回る場合、照明光学系4で照明対象Sに集光できない光の損失があることになる。
この場合、例えば、図14に示すように、第1フライアイレンズ41のマイクロレンズ41a毎に得られる部分光束のうち、第2フライアイレンズ42の対応するマイクロレンズ42aに収まらない光が増加してしまう。そのような光は、照明対象Sに入射しない漏れ光となる。
このような光の損失を生じさせないようにするため、上述した照明装置100の光学的なパラメータは、次の関係式を満たすことが好ましい。
d2×θ1≦d3×θ2 …(5)
すなわち、上記式(2)を式(5)に代入して、
d2×arctan(d1/f1)≦d3×θ2 …(6)
この場合、図13に示すように、照明光学系4に充分に小さい集光角度θ1で入射した光を第2フライアイレンズ42の個々のマイクロレンズ42aに収めることができるため、可能な限り照明対象Sに集光して照明に利用することができる。
したがって、照明光学系4における光の損失を防ぎ、光源1からの光の利用効率を向上させるためには、上記式(5)を満たすように、集光レンズ3を通過したビームの発散角度θ1を小さくすることがよいと考えられる。これは、例えば、上記式(6)によれば、拡散部2の出射有効径d1(第2拡散板22上のスポット直径)を小さくすることで実現できる。
拡散部2の出射有効径d1を非常に小さくすると、光利用効率のよい照明装置を実現することができる反面、以下のような問題が生じることがある。
図15〜17を参照して、照明光学系4に入射する集光角度θ1と入射有効径d2との積を、被照明領域Aに入射する集光角度θ2と一辺の長さd3との積に比べて非常に小さくした場合の、照明光学系に入射した後の光の分布への影響を説明する。
図15は、本実施形態に比べてθ1を小さくした参考例に係る照明装置を示す。図15に示すように、第1フライアイレンズ41から第2フライアイレンズ42に向かう光の発散角度θ1が小さいため、各マイクロレンズ42aに到達する部分光束のスポット直径も比較的小さくなる。これにより、図16に示すように、第2フライアイレンズ42上のレーザ光Lの分布が離散的となる。この場合、図17に示すように、照明対象Sに入射するそれぞれの部分光束L1〜L4の入射角度の分布が、集光角度θ2の範囲内で離散的な分布となる。つまり、各マイクロレンズ42aに形成される二次光源のサイズが小さいため、被照明領域Aのある1点にマイクロレンズ42aの数だけ重畳される部分光束のそれぞれが、集光角度θ2の範囲に対して、比較的小さな範囲しかカバーできないことになる。
ここで、被照明領域Aのある1点に、照明光学系4からの光が離散的な入射角度で入射する場合、照明光学系4を構成する部材の表面に存在する微小な傷や塵が投影されやすいという問題がある。例えば、あるマイクロレンズ41aまたは42a上に傷や塵が存在すると、そのマイクロレンズを通る光路が遮られてしまい、被照明領域Aの面内で不均一に光量の減少が生じる。このように、照明光学系4からの光の分布が離散的であると、光学部材上の傷や塵等による影が大きく影響し、画面に投影される照明対象Sへの照明の均一性が損なわれてしまう。
また、このような問題は、高い直進性を有する光であるレーザ光を照明する場合に、特に顕著となる。高い直進性により、光利用効率を高めることができる一方、光路上の異物等によりノイズを生じやすいからである。したがって、レーザ光を用いた高輝度な照明装置を実現しようとすると、漏れ光を減らして光利用効率を高めることと、照明の均一性を損なわないようにすることとの両立が課題となる。
そこで、本発明者らは、上記の照明装置の集光レンズ3を通過したビームの発散角度θ1を変化させて照明し、被照明面として画面の輝度分布を測定する実験を行った。
図18A〜Dおよび図19A〜Dは、照明装置の光学的なパラメータを以下の各条件A〜Dとして照明した被照明面の輝度分布の測定結果を示す。図18A〜Dは光の強度分布を等高線図で示したものであり、図18Eは図18A〜Dの各領域の輝度レベルを表している。図19A〜Dは、それぞれ図18A〜Dに対応し、光の強度分布を疑似カラーで示した画像の写真として実際に得られた実験データである。
条件A:(θ2×d3)/(θ1×d2)=8
条件B:(θ2×d3)/(θ1×d2)=6
条件C:(θ2×d3)/(θ1×d2)=4
条件D:(θ2×d3)/(θ1×d2)=2
図19AおよびBから分かるとおり、条件AおよびBの場合、被照明面の中央部分の輝度が、その上下の部分よりも低く、面内の輝度の変化が目立って表れている。これに対して、図19CおよびDから分かるとおり、条件CおよびDの場合、つまり、上述した式(3)
(θ2×d3)/(θ1×d2)≦4 …(3)
を満たしている場合、被照明面内の輝度の変化が比較的目立ちにくくなっている。
この結果から、上記式(3)を満たす照明装置100によれば、照明対象Sの被照明領域A内の輝度の均一性を満足できるといえる。これは、θ1をこの範囲まで大きくすることによって、照明光学系4に集光角度θ1で入射した光の、照明対象Sへの集光角度θ2の範囲内での離散的な分布が緩和されるためであると考えられる。例えば、上記の個々の部分光束L1〜L4の入射角度の範囲が広がるので、光学部材上の傷や塵等による影をカバーすることができると考えられる。
したがって、上記式(2)から、
(θ2×d3)/(arctan(d1/f1)×d2)≦4 …(4)
を満たすように第2拡散板22でのスポット直径d1を設定することによって、良好な均一性の照明を得ることができる。
さらに、条件Dの場合には、図19Dに示すように、被照明面の中央部分の輝度の低下がほとんど見られなくなっている。このことから、照明装置100が
(θ2×d3)/(arctan(d1/f1)×d2)≦2 …(7)
をさらに満たす場合には、より良好な均一性の照明を得ることができる。
なお、上述したように、
d2×arctan(d1/f1)≦d3×θ2 …(6)
を満たしていれば、照明光学系4における光の損失を防ぐことができる。したがって、上記式(4)、さらに、上記式(7)を満たすようにしても、効率のよい照明を得ることが可能である。
すなわち、例えば照明装置100が、
1≦(θ2×d3)/(arctan(d1/f1)×d2)≦4 …(8)
を満たすことで、光利用効率を高めることと、照明の均一性を向上させることとを両立することができる。
また、上述したように、本実施形態の照明装置100は、高い直進性を有する光であるレーザ光を青色の照明光として用いているが、上記式(4)等を満たすことによって、照明の均一性を損なわないようにすることができる。この照明装置100は、青色のレーザ光と黄色の蛍光との混色による白色光を出射するため、青色レーザ光の輝度分布を均一にすることで、光の色の不均一性を抑制することができる。
4)光学設計の実施形態2
図20は、本技術の実施形態2に係る照明装置200の構成を示す図である。これ以降の説明において、上記実施形態1に係る照明装置100が含む部材や機能等について同様のものは説明を簡略化または省略し、異なる点を中心に説明する。
照明装置200は、偏光変換素子5をさらに備えている。偏光変換素子5は、光の偏光方向を所定の方向に揃えるPSコンバータである。偏光変換素子5は、入射した光をP偏光成分及びS偏光成分の偏光に分離する複数のPS分離膜52a、PS分離膜52aにそれぞれ対向して設けられた全反射膜52b、および、一方の偏光の光路上で出射領域に設けられた複数の波長板53を有する。
PS分離膜52aおよび全反射膜52bは、偏光変換素子5に光が入射する光路に対して実質的に45度の傾斜角を有するように設けられている。PS分離膜52aは、一方の偏光(例えばS偏光)を透過して偏光変換素子5の出射領域に導き、他方の偏光(例えばP偏光)を反射する。全反射膜52bは、PS分離膜52aで反射した偏光を反射して偏光変換素子5の出射領域に導く。波長板53は、光の偏光方向を90度回転させ、出射光の偏光方向を一方向に揃える。
偏光変換素子5は、照明光学系4の第2フライアイレンズ42と重畳レンズ43との間に配置されている。偏光変換素子5は、第2フライアイレンズ42側に、光が入射する入射領域50、および、入射領域50と交互に配置された非入射領域51を有する。これらの入射領域50と非入射領域51との面積の比率は、典型的には、1:1程度である。
偏光変換素子5の各入射領域50は、例えば、第2フライアイレンズ42中の一列のマイクロレンズ42aのそれぞれの出射光軸上の領域を含むように配置されている。非入射領域51は、これらのマイクロレンズ42aの列と列の間の、出射光量が比較的少ない領域に配置されている。非入射領域51には、例えば、遮光膜が設けられている。
偏光変換素子5では、第2フライアイレンズ42から入射領域50に入射する光のみがPS分離膜52aに入射し、非入射領域51に到達するわずかな光は不要光(迷光)として遮光される。すなわち、偏光変換素子5の入射光学面のうち、第2フライアイレンズ42からの光を有効に取り込むことができる範囲は、入射領域50の範囲に限られ、入射光学面の面積全体のうちの半分程度である。この範囲に入射する第2フライアイレンズ42上の各部分光束のスポット直径は、例えば、各マイクロレンズ42aの出射有効径の半分程度であればよい。
このように、偏光変換素子5を有する照明装置200の場合、偏光変換素子5に光を有効に入射させるため、照明光学系4における部分光束のスポット直径を小さくすることが考えられる。
この場合にも、上述したように、
(θ2×d3)/(arctan(d1/f1)×d2)≦4 …(4)
を満たすようにすることで、偏光変換素子5に光を有効に入射させることができ、かつ、良好な均一性の照明を得ることができる。
また、例えば、照明光学系4における部分光束のスポット直径を各マイクロレンズ42aの出射有効径の半分程度とすることにより、偏光変換素子5の入射光学面のうちの半分程度である入射領域50の範囲に光を入射させ、光の損失を防ぐことができる。
このことから、照明装置200は、
2≦(θ2×d3)/(arctan(d1/f1)×d2)≦4 …(9)
を満たしてもよい。
上記式(9)を満たしていれば、偏光変換素子5を設けた場合であっても、光の損失が生じないので、光利用効率を高めることと、照明の均一性を向上させることとを両立することができる。
なお、上記図18CおよびD等から分かるとおり、上記式(9)の範囲の中でも、(θ2×d3)/(arctan(d1/f1)×d2)の値が小さいほど良好な均一性の照明を得ることができる。
5)光学設計の実施形態3
図21は、本技術の実施形態3に係る照明装置300の構成を示す図である。
照明装置300の照明光学系6は、ロッドインテグレータ光学系である。この照明光学系6は、ロッドレンズ62、集光レンズ3からの光をロッドレンズ62の入射領域に集光する集光レンズ61、ロッドレンズ62の出射領域からの光を照明対象Sに集光するリレーレンズ63および集光レンズ64を有する。
集光レンズ3からの平行化されたレーザ光Lが入射する集光レンズ61の入射有効径は、照明光学系6の入射有効径であり、実施形態1の照明光学系4の入射有効径と同様の値d2である。
ロッドレンズ62は、円柱形状(ロッド形状)を有するレンズである。ロッドレンズ62の円柱側面は、高精度に研磨されており、ロッドレンズ62の入射領域および出射領域となる端面は切断面となっている。
ロッドレンズ62の入射領域に入射した光は、ロッドレンズ62内で全反射を繰り返すことで、その空間内で混合され、出射領域で均一に分布して出射される。
このようにロッドレンズ62が均一化した光を、リレーレンズ63および集光レンズ64を通して照明対象Sの被照明領域Aに投影することで、被照明領域A内の輝度分布を均一にすることができる。照明光学系6の出射領域を構成する集光レンズ64から被照明領域A内の1点に入射するレーザ光Lの入射角度は、集光角度θ2の範囲内で分布する。
本実施形態の照明装置300における光学的なパラメータは、上記と同様、
(θ2×d3)/(arctan(d1/f1)×d2)≦4 …(4)
を満たす。
この式(4)を満たすことにより、第2拡散板22でのスポット直径d1が一定以上の大きさとなり、ロッドレンズ62の入射領域に入射できる光の入射角度の範囲が大きくなる。
したがって、ロッドレンズ62内で広い範囲の角度で光を入射および反射させることで、より均一に光を混合させ、照明光学系6の光学部材上の傷や塵等による影をカバーすることができる。これにより、照明の均一性を向上させることができる。
本実施形態のように、出射光の輝度分布を均一化するための照明光学系として、フライアイインテグレータ以外の光学系を採用した場合であっても、上記第1の実施形態と同様に光学的なパラメータを設定することができ、上記同様の効果を得ることができる。
6)光学設計の実施形態4
図22は、本技術の実施形態4に係る照明装置400の構成を示す図である。
照明装置400は、第2拡散板22の第1拡散板21側に設けられたアパーチャ素子24を有する。アパーチャ素子24は、透光領域24aおよび遮蔽部24bを有する。図22に示すように、透光領域24aは、第2拡散板22に入射する光を透過可能な領域である。遮蔽部24bは、第1拡散板21により拡散された光のうち、透光領域24aに入射する光以外を遮光している。
図23は、アパーチャ素子24を示す正面図である。透光領域24aは、例えば、遮蔽部24bによってアパーチャ素子24の中央に形成された開口(アパーチャ)である。遮蔽部24bは、光を通さない材料により形成されている。なお、アパーチャ素子24としては、これに代えて、透明材料により形成された光学部材の、光学面のうち透光領域とする領域以外に遮光膜を設けたものを用いてもよい。
透光領域24aの開口形状は、例えば、四角形とすることができる。図23に示すように、この透光領域24aの一方向におけるサイズは、透光領域24aの一辺の長さであるd4として表すことができる。
本実施形態では、透光領域24aの一方向におけるサイズd4を、第2拡散板22に形成される二次光源の、所望のスポット直径d1と実質的に等しい値に設定する。
例えば、
1≦(θ2×d3)/(arctan(d4/f1)×d2) …(10)
を満たすようにすることで、照明光学系4における光の損失を防ぐことができる。
また、
(θ2×d3)/(arctan(d4/f1)×d2)≦4 …(11)
を満たすようにすることで、良好な均一性の照明を得ることができる。
一般に、レーザ光等のガウシアンビームの断面の放射強度分布は、図24に示すようなガウス分布である。ガウシアンビームのビーム直径は、そのビームの放射強度がピーク値の約13.5%以上となる範囲によって定義されている。
このビーム直径の外側の光は、照明光学系4の光学部材や光学部材や照明対象Sに有効に入射できない漏れ光となる可能性がある。特に、ビームを拡散させた場合、この漏れ光が広がる範囲も大きくなる。このような光は、照明光学系4の周辺や、照明対象Sの周辺などに入射し、装置内部で熱となり、装置の温度上昇の原因となる。
本実施形態の照明装置400では、第2拡散板22に形成される二次光源のサイズを、アパーチャ素子24の透光領域24aのサイズによって制限することができる。このとき、上述した漏れ光となる光を、遮蔽部24bであらかじめ遮ることにより、照明光学系4、照明対象Sおよびその周辺への不要光の入射を防ぐことができる。
また、この不要光をアパーチャ素子24の遮蔽部24bに入射させることにより、装置の温度上昇の原因となる熱の発生箇所を遮蔽部24bに集中させることができ、排熱を容易にすることができる。
なお、透光領域24aの開口形状は、四角形に限られず、他の形状でもよい。上記の透光領域24aの一方向におけるサイズd4は、透光領域24aを通る光の有効径としてもよい。この場合、透光領域24aでの有効径d4を、上記各実施形態における第2拡散板22の出射有効径d1に実質的に等しい値としてもよい。
なお、本技術は以下のような構成もとることができる。
(1)
第1の波長域の励起光を出射する第1の光源と、
蛍光体およびシリコーン系のバインダを含み、前記励起光が入射することにより、前記第1の波長域より長い第2の波長域を有する光を発する蛍光体層と、
前記蛍光体層を保持可能に構成された光反射型の保持体と、
第3の波長域を有する光を出射する第2の光源と、
前記第2の波長域を有する光と、前記第3の波長域を有する光とを合成する合波光学系と
を具備する照明装置。
(2)
前記(1)に記載の照明装置であって、
前記蛍光体はYAG(Yttrium Aluminum Garnet)系の材料であり、
前記蛍光体の粒子の平均粒径は、20μm以上30μm以下である
照明装置。
(3)
前記(1)または(2)に記載の照明装置であって、
前記蛍光体は、YAG(Yttrium Aluminum Garnet)系の材料であり、かつ、20μm以上32μm以下の粒径を持つ粒子を、70体積%以上80体積%以下の濃度で含む
照明装置。
(4)
前記(1)から(3)のうちいずれか1つに記載の照明装置であって、
前記蛍光体層への前記励起光の照射位置を時間とともに移動させる移動機構をさらに具備する
照明装置。
(5)
前記(4)に記載の照明装置であって、
前記移動機構は、前記第1の光源と前記保持体とを相対的に移動させる
照明装置。
(6)
前記(1)から(5)のうちいずれか1つに記載の照明装置であって、
前記第2の光源は、前記第1の波長域と異なる波長域としての前記第3の波長域を有する光を出射する
照明装置。
(7)
前記(1)から(6)のうちいずれか1つに記載の照明装置であって、
前記第3の波長域の光を拡散させる拡散部をさらに具備する
照明装置。
(8)
前記(7)に記載の照明装置であって、
前記拡散部は、前記第3の波長域の光を拡散させる複数の拡散部材を有する
照明装置。
(9)
前記(8)に記載の照明装置であって、
前記複数の拡散部材のうち少なくとも1つの拡散部材への、前記第3の波長域を有する光の照射位置を、時間とともに移動させる移動機構をさらに具備する
照明装置。
(10)
前記(1)から(9)のうちいずれか1つに記載の照明装置であって、
前記励起光を集光する集光光学系をさらに具備する
照明装置。
(11)
前記(1)から(10)のうちいずれか1つに記載の照明装置であって、
前記第2の波長域の光を集光する集光光学系をさらに具備する
照明装置。
(12)
前記(1)から(11)のうちいずれか1つに記載に照明装置であって、
前記第3の波長域の光を集光する集光光学系をさらに具備する
照明装置。
(13)
前記(1)から(12)のうちいずれか1つに記載の照明装置であって、
前記第1の光源および第2の光源が搭載された一平面を有するヒートスプレッダをさらに具備する
照明装置。
(14)
第1の波長域の励起光を出射する第1の光源と、
蛍光体およびシリコーン系のバインダを含み、前記励起光が入射することにより、前記第1の波長域より長い第2の波長域を有する光を発する蛍光体層と、
前記蛍光体層を保持可能に構成された光反射型の保持体と、
第3の波長域を有する光を出射する第2の光源と、
前記第2の波長域を有する光と、前記第3の波長域を有する光とを合成する合波光学系と
を含む照明光学系と、
前記照明光学系からの光を変調する光変調素子と、
前記変調された光を投影する投影ユニットと
を具備するプロジェクタ。
(15)
光源と、
出射有効径d1を有し、前記光源から入射する光を拡散して出射する拡散部と、
焦点距離f1を有し、前記拡散部から出射される光を集光する集光レンズと、
入射有効径d2を有し、前記集光レンズからの光が入射し、照明対象の一辺の長さがd3である領域を照明する照明光学系と
を具備し、
前記照明対象に入射する光の集光角度がθ2であるとき、
(θ2×d3)/(arctan(d1/f1)×d2)≦4
である照明装置。
(16)
前記(15)に記載の照明装置であって、
前記光源は、レーザ光源である
照明装置。
(17)
前記(15)または(16)に記載の照明装置であって、
前記拡散部は、
前記光源からの光が入射する第1の拡散部材と、
前記第1の拡散部材により拡散された光を出射有効径d1で拡散して出射する第2の拡散部材と
を有する
照明装置。
(18)
前記(17)に記載の照明装置であって、
前記第2の拡散部材に入射する光を透過可能な透光領域と、前記第1の拡散部材により拡散された光のうち前記透光領域に入射する光以外を遮光する遮蔽部とを有するアパーチャ素子をさらに具備する
照明装置。
(19)
光源と、
出射有効径d1を有し、前記光源から入射する光を拡散して出射する拡散部と、
焦点距離f1を有し、前記拡散部から出射される光を集光する集光レンズと、
入射有効径d2を有し、前記集光レンズからの光を照明する照明光学系と
を含む照明光学系と、
一辺の長さがd3であり前記照明光学系により照明される被照明領域を有する光変調素子と、
前記光変調素子により変調された光を投影する投影ユニットと
を具備し、
前記被照明領域に入射する光の集光角度がθ2であるとき、
(θ2×d3)/(arctan(d1/f1)×d2)≦4
であるプロジェクタ。
1…光源
2…拡散部
3…集光レンズ
4、6…照明光学系
21…第1拡散板
22…第2拡散板
24…アパーチャ素子
24a…透光領域
24b…遮蔽部
100、150、200、300、400…照明装置
110…第1の光源
120…第2の光源
131、132、133、134、135、136、137、138…レンズ
141、142、143…拡散板
145…ダイクロイックミラー
149…モータ
160…蛍光光学ユニット
161…保持体
162…基板
163…誘電体層
164…蛍光体層
165…モータ
180…冷却ユニット
185(181、182)…ヒートスプレッダ
800…プロジェクタ

Claims (19)

  1. 第1の波長域の励起光を出射する第1の光源と、
    蛍光体およびシリコーン系のバインダを含み、前記励起光が入射することにより、前記第1の波長域より長い第2の波長域を有する光を発する蛍光体層と、
    前記蛍光体層を保持可能に構成された光反射型の保持体と、
    第3の波長域を有する光を出射する第2の光源と、
    前記第2の波長域を有する光と、前記第3の波長域を有する光とを合成する合波光学系と、
    を具備する照明装置。
  2. 請求項1に記載の照明装置であって、
    前記蛍光体はYAG(Yttrium Aluminum Garnet)系の材料であり、
    前記蛍光体の粒子の平均粒径は、20μm以上30μm以下である
    照明装置。
  3. 請求項1に記載の照明装置であって、
    前記蛍光体は、YAG(Yttrium Aluminum Garnet)系の材料であり、かつ、20μm以上32μm以下の粒径を持つ粒子を、70体積%以上80体積%以下の濃度で含む
    照明装置。
  4. 請求項1に記載の照明装置であって、
    前記蛍光体層への前記励起光の照射位置を時間とともに移動させる移動機構をさらに具備する
    照明装置。
  5. 請求項4に記載の照明装置であって、
    前記移動機構は、前記第1の光源と前記保持体とを相対的に移動させる
    照明装置。
  6. 請求項1に記載の照明装置であって、
    前記第2の光源は、前記第1の波長域と異なる波長域としての前記第3の波長域を有する光を出射する
    照明装置。
  7. 請求項1に記載の照明装置であって、
    前記第3の波長域の光を拡散させる拡散部をさらに具備する
    照明装置。
  8. 請求項7に記載の照明装置であって、
    前記拡散部は、前記第3の波長域の光を拡散させる複数の拡散部材を有する
    照明装置。
  9. 請求項8に記載の照明装置であって、
    前記複数の拡散部材のうち少なくとも1つの拡散部材への、前記第3の波長域を有する光の照射位置を、時間とともに移動させる移動機構をさらに具備する
    照明装置。
  10. 請求項1に記載の照明装置であって、
    前記励起光を集光する集光光学系をさらに具備する
    照明装置。
  11. 請求項1に記載の照明装置であって、
    前記第2の波長域の光を集光する集光光学系をさらに具備する
    照明装置。
  12. 請求項1に記載に照明装置であって、
    前記第3の波長域の光を集光する集光光学系をさらに具備する
    照明装置。
  13. 請求項1に記載の照明装置であって、
    前記第1の光源および第2の光源が搭載された一平面を有するヒートスプレッダをさらに具備する
    照明装置。
  14. 第1の波長域の励起光を出射する第1の光源と、
    蛍光体およびシリコーン系のバインダを含み、前記励起光が入射することにより、前記第1の波長域より長い第2の波長域を有する光を発する蛍光体層と、
    前記蛍光体層を保持可能に構成された光反射型の保持体と、
    第3の波長域を有する光を出射する第2の光源と、
    前記第2の波長域を有する光と、前記第3の波長域を有する光とを合成する合波光学系と
    を含む照明光学系と、
    前記照明光学系からの光を変調する光変調素子と、
    前記変調された光を投影する投影ユニットと
    を具備するプロジェクタ。
  15. 光源と、
    出射有効径d1を有し、前記光源から入射する光を拡散して出射する拡散部と、
    焦点距離f1を有し、前記拡散部から出射される光を集光する集光レンズと、
    入射有効径d2を有し、前記集光レンズからの光が入射し、照明対象の一辺の長さがd3である領域を照明する照明光学系と
    を具備し、
    前記照明対象に入射する光の集光角度がθ2であるとき、
    (θ2×d3)/(arctan(d1/f1)×d2)≦4
    である照明装置。
  16. 請求項15に記載の照明装置であって、
    前記光源は、レーザ光源である
    照明装置。
  17. 請求項15に記載の照明装置であって、
    前記拡散部は、
    前記光源からの光が入射する第1の拡散部材と、
    前記第1の拡散部材により拡散された光を出射有効径d1で拡散して出射する第2の拡散部材と
    を有する
    照明装置。
  18. 請求項17に記載の照明装置であって、
    前記第2の拡散部材に入射する光を透過可能な透光領域と、前記第1の拡散部材により拡散された光のうち前記透光領域に入射する光以外を遮光する遮蔽部とを有するアパーチャ素子をさらに具備する
    照明装置。
  19. 光源と、
    出射有効径d1を有し、前記光源から入射する光を拡散して出射する拡散部と、
    焦点距離f1を有し、前記拡散部から出射される光を集光する集光レンズと、
    入射有効径d2を有し、前記集光レンズからの光を照明する照明光学系と
    を含む照明光学系と、
    一辺の長さがd3であり前記照明光学系により照明される被照明領域を有する光変調素子と、
    前記光変調素子により変調された光を投影する投影ユニットと
    を具備し、
    前記被照明領域に入射する光の集光角度がθ2であるとき、
    (θ2×d3)/(arctan(d1/f1)×d2)≦4
    であるプロジェクタ。
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