JP2015194317A - 給湯システム - Google Patents

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Abstract

【課題】蒸発器を由来とする冷却源と貯湯タンクの温水に由来する加熱源を用いて温度調節対象の温度調節を行うことが可能な給湯システムを提供する。
【解決手段】ヒートポンプ2、貯湯タンク35、および、温度調節対象としての蓄電池71を備える給湯システム100であって、貯湯タンク35は、下方に未加熱の水が供給され、上方でヒートポンプ2によって加熱された温水を蓄える。温度調節部8は、冷媒回路10の蓄冷用冷媒熱交換器24において冷媒が蒸発する際に得られる冷熱を冷却源として用い、貯湯タンク35の上方に蓄えられている温水の熱を加熱源として用いて、温度調節対象としての蓄電池71の温度を調節する。
【選択図】図1

Description

本発明は、給湯システムに関する。
従来より冷媒回路における放熱器から得られる熱によって水を加熱して温水を得て、貯湯タンクの上方に当該温水を蓄えるヒートポンプ式給湯システムが知られている。
例えば、特許文献1(特開2010−145072号)においては、貯湯タンク内の水を、放熱器において加熱する前に、二次電池から生じる熱によって暖めるように構成したヒートポンプ式給湯システムが提案されている。この特許文献1によると、貯湯タンクの下部の水温が低い場合に二次電池の冷却が可能になり、貯湯タンクの下部の水温が高い場合に二次電池の加熱保温が可能になり、二次電池の温度を常に一定に保つことが可能になる、と述べられている。
しかし、特許文献1に記載の給湯システムでは、貯湯タンクの下部の水を用いて温度調節対象としての二次電池を温度調節している。このため、貯湯タンクの下部の水の温度が所望の温度範囲でない状況では、温度調節対象としての二次電池の温調を適切に行うことができない。
ここで、給湯システムにおいては、冷媒回路において冷凍サイクルが行われることで放熱器から得られる熱によって作られた温水が貯湯タンクに蓄えられている。また、冷媒回路において冷凍サイクルが行われている場合には、蒸発器を通過する冷媒は周囲から吸熱して蒸発しているため、蒸発器の周囲を冷却することが可能になっている。
このように、給湯システムにおいては、貯湯タンク内に蓄えられた温水に由来する加熱源と、周囲を冷却する蒸発器に由来する冷却源が存在しているが、任意の温度調節対象の温度調節にこれらの加熱源と冷却源を用いることはなんら検討されていない。
本発明は上記上述した点に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、蒸発器を由来とする冷却源と貯湯タンクの温水に由来する加熱源を用いて温度調節対象の温度調節を行うことが可能な給湯システムを提供することにある。
第1観点に係る給湯システムは、ヒートポンプ、貯湯タンク、および、温度調節手段を備えている。ヒートポンプは、圧縮機、放熱器、膨張機構、および、蒸発器を含んでおり冷媒が循環する冷媒回路を有している。貯湯タンクは、未加熱の水が下方に供給され、放熱器を流れる冷媒の熱を利用して加熱された温水を上方で蓄える。温度調節手段は、蒸発器を流れる冷媒の熱を利用して冷やされた熱媒体の熱を低温側調節手段として用い、貯湯タンクの上方に蓄えられている温水の熱を高温側調節手段として用いて温度調節対象の温度を調節する。
この給湯システムでは、温度調節手段において、蒸発器を流れる冷媒の熱を利用して冷やされた熱媒体による冷却源と、貯湯タンクの上方に蓄えられている温水による加熱源を併用することによって、温度調節対象の温度を調節することが可能になっている。
特に、温度調節手段による温度調節対象の温調のやり方によっては、温度調節対象を、蒸発器を流れる冷媒の熱を利用して冷やされた熱媒体の温度に近づけることができるとともに、貯湯タンクの上方に蓄えられている温水の温度に近づけることも可能になり、温度調節対象の温度を広い温度範囲で調節することも可能になる。
第2観点に係る給湯システムは、第1観点に係る給湯システムであって、低温側調節手段と高温側調節手段は、互いに独立して温度調節対象に対する熱伝達を行う。高温側調節手段は、貯湯タンクの上方に蓄えられている温水を温度調節対象に対して熱的接触が可能な位置まで送って循環させる高温側回路を有している。
この給湯システムでは、高温側回路において貯湯タンクの上方に蓄えられている温水を温度調節対象に対して熱的接触が可能な位置まで送って循環させるだけで、温度調節対象の温度を上昇させることが可能になっている。
第3観点に係る給湯システムは、第1観点または第2観点に係る給湯システムであって、温度調節手段は、温度調節介在部を有している。温度調節介在部は、低温側調節手段の一部分および高温側調節手段の一部分を内包させており、低温側調節手段と高温側調節手段との間で熱媒体と温水を直接混合させることなく熱的に混合させることで、低温側調節手段から得た熱および高温側調節手段から得た熱を温度調節対象に伝える。この温度調節介在部の外周の少なくとも一部は、温度調節対象の外周に沿った形状となっている。
この給湯システムでは、温度調節介在部は、低温側調節手段と高温側調節手段との間の物質的な混合を防ぎつつ、低温側調節手段から得た熱および高温側調節手段から得た熱を温度調節対象に伝えることが可能になる。しかも、低温側調節手段の一部分や高温側調節手段の一部分が温度調節対象に対して十分に接触を確保できない形状等であっても、温度調節介在部の形状の少なくとも一部が、温度調節対象の外周に沿った形状となっていることで、温度調節対象に対する接触面積(もしくは熱的接触面積)を確保しやすくなっている。
第4観点に係る給湯システムは、第3観点に係る給湯システムであって、温度調節対象は、互いに適用温度範囲が異なる第1温度調節対象と第2温度調節対象を有している。温度調節介在部は、第1温度調節対象および第2温度調節対象のうち適用温度範囲が高い方に高温側調節手段から得た熱を主に供給し、適用温度範囲が低い方に低温側調節手段から得た熱を主に供給するように構成されている。
この給湯システムでは、互いに適用温度範囲が異なる複数の温度調節対象として、第1温度調節対象および第2温度調節対象が存在している場合に、各温度調節対象の温度がそれぞれの適用温度範囲内に調節されやすくなる。
第5観点に係る給湯システムは、第3観点または第4観点に係る給湯システムであって、低温側調節手段は、蒸発器を流れる冷媒の熱を利用して冷やされた熱媒体を温度調節介在部まで送って循環させ、高温側回路とは独立した回路を構成している低温側回路を有している。
この給湯システムでは、温度調節介在部を通過するように構成された低温側回路において、蒸発器を流れる冷媒の熱を利用して冷やされた熱媒体を循環させるだけで、温度調節対象の温度を低下させることが可能になっている。
第6観点に係る給湯システムは、第5観点に係る給湯システムであって、冷蓄熱槽をさらに備えている。蒸発器の少なくとも一部は、冷蓄熱槽内の熱媒体と熱交換可能となるように配置されている。低温側回路は、温度調節介在部と冷蓄熱槽の間で熱媒体が循環可能となるように構成された冷蓄熱槽連結回路を有している。
この給湯システムでは、熱媒体に冷熱が保持されている場合には、温度調節対象の温度を低下させることが可能になる。また、この給湯システムでは、冷蓄熱槽連結回路において熱媒体が循環することで、冷蓄熱槽内において熱媒体の対流を生じさせることができる。これにより、冷蓄熱槽内において蒸発器の内部を流れる冷媒と熱媒体の間の熱交換効率を向上させることが可能になっている。
第7観点に係る給湯システムは、第6観点に係る給湯システムであって、熱媒体を循環させる状態を切り換える制御部をさらに備えている。冷蓄熱槽連結回路は、温度調節介在部に対する上流側と下流側をバイパスするバイパス熱媒体回路と、バイパス熱媒体回路の途中に設けられたバイパス熱媒体開閉機構と、ポンプをさらに有している。熱媒体を循環させる状態を切り換える制御部は、温度調節介在部と冷蓄熱槽の間で熱媒体を循環させる状態と、温度調節介在部に送ることなく冷蓄熱槽とバイパス熱媒体回路の間で熱媒体を循環させる状態を切り換える。
なお、冷蓄熱槽連結回路において、ポンプが設けられている位置は、熱媒体を循環させる状態を切り換える制御部による切換制御に応じて、温度調節介在部と冷蓄熱槽の間で熱媒体を循環させることと、温度調節介在部に送ることなく冷蓄熱槽とバイパス熱媒体回路の間で熱媒体を循環させることが可能な位置であれば、特に限定されない。
この給湯システムでは、熱媒体を循環させる状態を切り換える制御部が切り換えを行うことによって、温度調節対象の冷熱による温度調節を行わない状態であっても、冷蓄熱槽とバイパス熱媒体回路の間で熱媒体を循環させることができる。これにより、冷蓄熱槽において熱媒体の対流を生じさせることができるため、冷蓄熱槽内の蒸発器による熱媒体の冷却効率を高めることが可能になる。
第8観点に係る給湯システムは、第6観点または第7観点に係る給湯システムであって、貯湯回路、貯湯回路流量調節手段、および、温度調節対象の温度の調節を行う制御モードを有する制御部をさらに備えている。貯湯回路は、放熱器を流れる冷媒の熱を利用して、貯湯タンクの下方の水を加熱し、貯湯タンクの上方に温水を蓄える。貯湯回路流量調節手段は、貯湯回路における流量を調節する。温度調節対象の温度の調節を行う制御モードを有する制御部は、貯湯回路流量調節手段が停止している状態において、冷蓄熱槽において蓄えられている冷熱を用いて温度調節手段によって温度調節対象の温度の調節を行う制御モードを有している。
なお、当該制御モードは、貯湯回路流量調節手段が停止している状態において常に実行されている必要は無く、貯湯回路流量調節手段が停止している状態において所定の条件を満たした場合にのみ実行されるものであってもよい。また、この給湯システムは、蓄えた冷熱を用いて温度調節手段によって蓄電池の温度の調節を行う動作を、貯湯回路流量調節手段が停止していない状態において行っても構わない。
この給湯システムでは、冷媒回路の蒸発器で冷媒の蒸発を生じさせていない(冷凍サイクルが行われていない)ために、貯湯回路流量調節手段が停止している状況であっても、冷蓄熱槽において蓄えられている冷熱を用いて温度調節手段によって温度調節対象の温度を下げるための調節を行うことが可能になっている。
第9観点に係る給湯システムは、第5観点に係る給湯システムであって、冷蓄熱槽、および、中間熱媒体連結回路をさらに備えている。中間熱媒体連結回路は、蒸発器を流れる冷媒の熱と熱交換可能な蒸発熱交換部を有しており、冷蓄熱槽と蒸発熱交換部の間で熱媒体が循環可能となるように構成されている。低温側回路は、温度調節介在部と冷蓄熱槽の間で熱媒体が循環可能となるように構成された冷蓄熱槽連結回路を有している。
この給湯システムでは、熱媒体に冷熱が保持されている場合には、温度調節対象の温度を低下させることが可能になる。また、この給湯システムでは、中間熱媒体連結回路と冷蓄熱槽と冷蓄熱槽連結回路の全てにおいて同一種類の熱媒体を循環させることが可能になり、異種媒体間での熱交換を行わせる必要が無くなる。さらに、この給湯システムでは、冷媒回路の蒸発器に対して熱媒体を冷蓄熱槽内において接触させる必要が無いため、すなわち、蒸発器を冷蓄熱槽内に配置する必要が無いため、蒸発器と冷蓄熱槽の配置の自由度を高めることができる。以上により、蒸発器と冷蓄熱槽の配置の自由度を高めつつ、異種媒体間での熱交換を不要にすることが可能になる。
第10観点に係る給湯システムは、第9観点に係る給湯システムであって、貯湯回路、貯湯回路流量調節手段、および、温度調節対象の温度の調節を行う制御モードを有する制御部をさらに備えている。貯湯回路は、放熱器を流れる冷媒の熱を利用して、貯湯タンクの下方の水を加熱し、貯湯タンクの上方に温水を蓄える。貯湯回路流量調節手段は、貯湯回路における流量を調節する。温度調節対象の温度の調節を行う制御モードを有する制御部は、貯湯回路流量調節手段が停止している状態において、冷蓄熱槽において蓄えられている冷熱を用いて温度調節手段によって温度調節対象の温度の調節を行う制御モードを有している。
なお、当該制御モードは、貯湯回路流量調節手段が停止している状態において常に実行されている必要は無く、貯湯回路流量調節手段が停止している状態において所定の条件を満たした場合にのみ実行されるものであってもよい。また、この給湯システムは、蓄えた冷熱を用いて温度調節手段によって蓄電池の温度の調節を行う動作を、貯湯回路流量調節手段が停止していない状態において行っても構わない。
この給湯システムでは、冷媒回路の蒸発器で冷媒の蒸発を生じさせていない(冷凍サイクルが行われていない)ために、貯湯回路流量調節手段が停止している状況であっても、冷蓄熱槽において蓄えられている冷熱を用いて温度調節手段によって温度調節対象の温度を下げるための調節を行うことが可能になっている。
第11観点に係る給湯システムは、第5観点に係る給湯システムであって、内部に中間媒体を蓄えている冷蓄熱槽をさらに備えている。蒸発器の少なくとも一部は、冷蓄熱槽内の中間媒体と熱交換可能となるように配置されている。低温側回路は、冷蓄熱槽内の中間媒体と熱交換可能な冷蓄熱熱交換部を有しており、温度調節介在部と冷蓄熱熱交換部の間で熱媒体が循環可能となるように構成された冷蓄熱槽独立回路を有している。
この給湯システムでは、中間媒体または熱媒体に冷熱が保持されている場合には、温度調節対象の温度を低下させることが可能になる。また、冷蓄熱槽内の中間媒体は、伝熱のために流動させる必要が無い。このため、冷蓄熱槽内の中間媒体として、蓄熱能力が高く流動性の低いような材料を採用することが可能になっている。
第12観点に係る給湯システムは、第11観点に係る給湯システムであって、貯湯回路、貯湯回路流量調節手段、および、温度調節対象の温度の調節を行う制御モードを有する制御部をさらに備えている。貯湯回路は、放熱器を流れる冷媒の熱を利用して、貯湯タンクの下方の水を加熱し、貯湯タンクの上方に温水を蓄える。貯湯回路流量調節手段は、貯湯回路における流量を調節する。温度調節対象の温度の調節を行う制御モードを有する制御部は、貯湯回路流量調節手段が停止している状態において、冷蓄熱槽において蓄えられている冷熱を用いて温度調節手段によって温度調節対象の温度の調節を行う制御モードを有している。
なお、当該制御モードは、貯湯回路流量調節手段が停止している状態において常に実行されている必要は無く、貯湯回路流量調節手段が停止している状態において所定の条件を満たした場合にのみ実行されるものであってもよい。また、この給湯システムは、蓄えた冷熱を用いて温度調節手段によって蓄電池の温度の調節を行う動作を、貯湯回路流量調節手段が停止していない状態において行っても構わない。
この給湯システムでは、冷媒回路の蒸発器で冷媒の蒸発を生じさせていない(冷凍サイクルが行われていない)ために、貯湯回路流量調節手段が停止している状況であっても、冷蓄熱槽において蓄えられている冷熱を用いて温度調節手段によって温度調節対象の温度を下げるための調節を行うことが可能になっている。
第13観点に係る給湯システムは、第5観点に係る給湯システムであって、冷蓄熱槽、および、中間媒体独立回路をさらに備えている。中間媒体独立回路は、蒸発器を流れる冷媒の熱と熱交換可能な蒸発熱交換部を有しており、冷蓄熱槽と蒸発熱交換部の間で中間媒体が循環可能となるように構成されている。低温側回路は、冷蓄熱槽内の中間媒体と熱交換可能な冷蓄熱熱交換部を有しており、温度調節介在部と冷蓄熱熱交換部の間で熱媒体が循環可能となるように構成された冷蓄熱槽独立回路を有している。
この給湯システムでは、中間媒体または熱媒体に冷熱が保持されている場合には、温度調節対象の温度を低下させることが可能になる。また、この給湯システムでは、中間媒体独立回路において中間媒体が循環することで、冷蓄熱槽内において中間媒体の対流を生じさせることができる。これにより、冷蓄熱槽内において中間媒体と熱交換可能となるように設けられている冷蓄熱熱交換部は、中間媒体と内部を流れる熱媒体の間の熱交換効率を向上させることが可能になっている。さらに、この給湯システムでは、冷媒回路の蒸発器に対して中間媒体を冷蓄熱槽内において接触させる必要が無いため、すなわち、蒸発器を冷蓄熱槽内に配置する必要が無いため、蒸発器と冷蓄熱槽の配置の自由度を高めることができる。以上により、蒸発器と冷蓄熱槽の配置の自由度を高めつつ、冷蓄熱熱交換部の内部を流れる熱媒体と中間媒体の間の熱交換効率を向上させることが可能になっている。
第14観点に係る給湯システムは、第13観点に係る給湯システムであって、貯湯回路、貯湯回路流量調節手段、および、温度調節対象の温度の調節を行う制御モードを有する制御部をさらに備えている。貯湯回路は、放熱器を流れる冷媒の熱を利用して、貯湯タンクの下方の水を加熱し、貯湯タンクの上方に温水を蓄える。貯湯回路流量調節手段は、貯湯回路における流量を調節する。温度調節対象の温度の調節を行う制御モードを有する制御部は、貯湯回路流量調節手段が停止している状態において、冷蓄熱槽において蓄えられている冷熱を用いて温度調節手段によって温度調節対象の温度の調節を行う制御モードを有している。
なお、当該制御モードは、貯湯回路流量調節手段が停止している状態において常に実行されている必要は無く、貯湯回路流量調節手段が停止している状態において所定の条件を満たした場合にのみ実行されるものであってもよい。また、この給湯システムは、蓄えた冷熱を用いて温度調節手段によって蓄電池の温度の調節を行う動作を、貯湯回路流量調節手段が停止していない状態において行っても構わない。
この給湯システムでは、冷媒回路の蒸発器で冷媒の蒸発を生じさせていない(冷凍サイクルが行われていない)ために、貯湯回路流量調節手段が停止している状況であっても、冷蓄熱槽において蓄えられている冷熱を用いて温度調節手段によって温度調節対象の温度を下げるための調節を行うことが可能になっている。
第15観点に係る給湯システムは、第5観点から第14観点のいずれかに係る給湯システムであって、温度調節手段は、高温側回路の流量と低温側回路の流量を調節することで、温度調節対象の温度を調節する。
この給湯システムでは、高温側回路の流量と低温側回路の流量を調節することにより、温度調節対象の温度をより詳細に調節することが可能になる。
第16観点に係る給湯システムは、第5観点から第15観点のいずれかに係る給湯システムであって、熱媒体は、不凍液である。
この給湯システムでは、流動性が高く、熱保持量の多い不凍液を採用することで、温度調節対象の温度調節範囲を広げることが可能になる。
第17観点に係る給湯システムは、第11観点または第12観点に係る給湯システムであって、中間媒体は、スラリーアイスである。
なお、スラリーアイスは、特に限定されないが、例えば、微小な氷粒子と塩水等の液体が混ざり合った流動性のある氷であってもよい。
この給湯システムでは、冷蓄熱槽内に蓄えられており温度調節介在部や蒸発器との間で循環させる必要が無い中間媒体としてスラリーアイスを採用することで、冷蓄熱槽内における熱交換効率を高めることができる。
第18観点に係る給湯システムは、第1観点または第2観点のいずれかに係る給湯システムであって、低温側調節手段は、蒸発器を流れる冷媒の熱を利用して冷やされる温度調節用媒体を封入しており、温度調節用媒体の熱を温度調節対象に向けて移動させるヒートパイプを有している。
この給湯システムでは、温度調節対象に冷熱を伝える低温側調節手段として、ヒートパイプが採用されている。これにより、温度調節対象に冷熱を伝える低温側調節手段において、循環する流体を流すためのポンプ等を不要にすることができる。
第19観点に係る給湯システムは、第1観点から第18観点のいずれかに係る給湯システムであって、ファンをさらに備えている。冷媒回路は、蒸発器と膨張機構の間において、内部を流れる冷媒をファンから供給される空気と熱交換させる熱交換器をさらに有している。
この給湯システムでは、ファンにより熱交換器に供給される空気量を調節することで、熱交換器における冷媒と空気の熱交換量を調節することができる。これにより、冷媒回路において、冷熱を蓄えるための蒸発器の能力と貯湯タンクに温水を蓄えるための放熱器の能力のバランスを、熱交換器における熱交換量の調節によって向上させることが可能になる。
例えば、貯湯タンクにおいて温水を蓄えるために冷凍サイクルが行われている場合において、冷蓄熱槽内における冷熱が十分に溜まっている状態では、蒸発器において冷媒の蒸発が促進されない場合があるが、その場合には、熱交換器の熱交換量を増大させて、バランスを向上させることが可能になっている。
第20観点に係る給湯システムは、第19観点に係る給湯システムであって、冷媒回路は、蒸発器と熱交換器の間を通過する冷媒を膨張させる中間膨張機構をさらに有している。
この給湯システムでは、膨張機構と中間膨張機構における減圧程度を調節することにより、熱交換器を冷媒の放熱器もしくは蒸発器として機能させることが可能になる。これにより、冷媒回路において、冷熱を蓄えるための蒸発器の能力と貯湯タンクに温水を蓄えるための放熱器の能力のバランスを、より向上させやすくすることができる。
第21観点に係る給湯システムは、第1観点から第20観点のいずれかに係る給湯システムであって、蒸発器に冷媒を通過させる状態と蒸発器に冷媒を通過させない状態を切り換える制御部をさらに備えている。冷媒回路は、圧縮機と蒸発器の間の部分と中間膨張機構と熱交換器の間の部分を接続するバイパス冷媒回路と、バイパス冷媒回路の途中に設けられたバイパス冷媒開閉機構をさらに有している。蒸発器に冷媒を通過させる状態と蒸発器に冷媒を通過させない状態を切り換える制御部は、蒸発器に冷媒を通過させる状態と、蒸発器に冷媒を通過させない状態を切り換える。
この給湯システムでは、貯湯タンクにおいて温水を蓄えるために冷凍サイクルが行われている場合において、制御部が蒸発器に冷媒を通過させない状態に切り換えることで、冷熱が過度に蓄えられないようにすることが可能になる。
例えば、冷蓄熱槽内の熱媒体等の種類によっては、過度に冷却されることによって体積変化が生じ、機器にダメージを生じさせる問題があるが、過度な冷却を抑制することで当該問題を避けることも可能になる。
第22観点に係る給湯システムは、第1観点から第21観点のいずれかに係る給湯システムであって、相変化媒体をさらに備えている。相変化媒体は、温度調節手段と温度調節対象の間において両方に熱的に接触するように介在している。相変化媒体は、温度調節対象の異常温度上昇を防ぐために所定の温度で相変化する。
相変化媒体の所定の温度での相変化は、特に限定されず、例えば、固体から液体への相変化であってもよい。
この給湯システムでは、所定の温度で相変化する相変化媒体が、温度調節手段と温度調節対象の間に設けられているため、温度調節手段によって温度調節対象が過度に加熱されてしまいそうになったとしても、相変化媒体は、当該過度な熱エネルギーを潜熱変化に要するエネルギーとして消費し、温度上昇を抑制させることが可能になる。これにより、温度調節対象の温度が過度に上昇することを抑制できる。
第23観点に係る給湯システムは、第1観点から第22観点のいずれかに係る給湯システムであって、相変化媒体は、パラフィンを含有している潜熱蓄熱材である。
なお、パラフィンを含有している潜熱蓄熱材において相変化が生じる温度は、特に限定されないが、例えば、60℃付近の温度とすることができる。
この給湯システムでは、パラフィンを含有している潜熱蓄熱材を相変化させることで、温度調節対象の温度が過度に上昇することを抑制できる。
第24観点に係る給湯システムは、第1観点から第23観点のいずれかに係る給湯システムであって、市水を、蒸発器で冷やされた熱媒体によって冷却させた後に、水が利用される蛇口の位置まで導く冷水配管をさらに備えている。
この給湯システムでは、市水を熱媒体によって冷却させることにより、市水よりも冷たい温度の水を得ることが可能になる。
第25観点に係る給湯システムは、第1観点から第24観点のいずれかに係る給湯システムであって、温度調節対象は、少なくともヒートポンプによって使用される電力を蓄電する蓄電池である。
この給湯システムでは、ヒートポンプによって使用される電力を蓄電する蓄電池の温度を、当該ヒートポンプが使用されることで得られる加熱源および冷却源を用いて調節することができる。このため、蓄電池の温度を調節するための装置やシステムを、蓄電池が使用されるヒートポンプ以外に別途設ける必要が無くなる。
第26観点に係る給湯システムは、第25観点に係る給湯システムであって、貯湯タンクおよび蓄電池を覆うように設置され、太陽光を受光して発電する太陽光発電パネルをさらに備えている。蓄電池は、太陽光発電パネルが発電することで得られる電気エネルギーを充電する。
この給湯システムでは、太陽光発電パネルによって蓄電池の周囲が覆われているため、蓄電池が太陽光に曝されることで昇温することを防止することができる。さらに、この太陽光発電パネルが発電した電力を蓄電池に蓄えることができる。
第27観点に係る給湯システムは、第25観点に係る給湯システムであって、貯湯タンクおよび蓄電池を覆うように設置され、太陽光を受光して発電する太陽光発電パネルをさらに備えている。ヒートポンプの駆動には、太陽光発電パネルが発電することで得られる電気エネルギーが利用される。
この給湯システムでは、太陽光発電パネルによって蓄電池の周囲が覆われているため、蓄電池が太陽光に曝されることで昇温することを防止することができる。さらに、この太陽光発電パネルが発電した電力をヒートポンプの駆動に利用することができる。
第1観点に係る給湯システムでは、温度調節手段において、蒸発器を流れる冷媒の熱を利用して冷やされた熱媒体による冷却源と、貯湯タンクの上方に蓄えられている温水による加熱源を併用することによって、温度調節対象の温度を調節することが可能になっている。
第2観点に係る給湯システムでは、高温側回路において温水を循環させるだけで、温度調節対象の温度を上昇させることが可能になっている。
第3観点に係る給湯システムでは、低温側調節手段と高温側調節手段との間で熱媒体と温水を直接混合させることなく熱的に混合させることで、低温側調節手段から得た熱および高温側調節手段から得た熱を温度調節対象に伝えやすくすることが可能になる。
第4観点に係る給湯システムでは、各温度調節対象の温度がそれぞれの適用温度範囲内に調節されやすくなる。
第5観点に係る給湯システムでは、低温側回路において熱媒体を循環させるだけで、温度調節対象の温度を低下させることが可能になっている。
第6観点に係る給湯システムでは、蒸発器の内部を流れる冷媒と熱媒体の間の熱交換効率を向上させることが可能になっている。
第7観点に係る給湯システムでは、温度調節対象の冷熱による温度調節を行わない状態であっても、冷蓄熱槽内の蒸発器による熱媒体の冷却効率を高めることが可能になる。
第8観点に係る給湯システムでは、貯湯回路流量調節手段が停止している状況であっても、温度調節対象の温度を下げるための調節を行うことが可能になっている。
第9観点に係る給湯システムでは、蒸発器と冷蓄熱槽の配置の自由度を高めつつ、異種媒体間での熱交換を不要にすることが可能になる。
第10観点に係る給湯システムでは、貯湯回路流量調節手段が停止している状況であっても、温度調節対象の温度を下げるための調節を行うことが可能になっている。
第11観点に係る給湯システムでは、蓄熱能力が高く流動性の低いような材料を冷蓄熱槽内の中間媒体として採用することが可能になっている。
第12観点に係る給湯システムでは、貯湯回路流量調節手段が停止している状況であっても、温度調節対象の温度を下げるための調節を行うことが可能になっている。
第13観点に係る給湯システムでは、蒸発器と冷蓄熱槽の配置の自由度を高めつつ、冷蓄熱熱交換部の内部を流れる熱媒体と中間媒体の間の熱交換効率を向上させることが可能になっている。
第14観点に係る給湯システムでは、貯湯回路流量調節手段が停止している状況であっても、温度調節対象の温度を下げるための調節を行うことが可能になっている。
第15観点に係る給湯システムでは、温度調節対象の温度をより詳細に調節することが可能になる。
第16観点に係る給湯システムでは、温度調節対象の温度調節範囲を広げることが可能になる。
第17観点に係る給湯システムでは、冷蓄熱槽内における熱交換効率を高めることができる。
第18観点に係る給湯システムでは、温度調節対象に冷熱を伝える低温側調節手段において、循環する流体を流すためのポンプを不要にすることができる。
第19観点に係る給湯システムでは、蒸発器の能力と放熱器の能力のバランスを、熱交換器における熱交換量の調節によって向上させることが可能になる。
第20観点に係る給湯システムでは、冷媒回路において、冷熱を蓄えるための蒸発器の能力と貯湯タンクに温水を蓄えるための放熱器の能力のバランスを、より向上させやすくすることができる。
第21観点に係る給湯システムでは、制御部が蒸発器に冷媒を通過させない状態に切り換えることで、冷熱が過度に蓄えられないようにすることが可能になる。
第22観点に係る給湯システムでは、温度調節対象の温度が過度に上昇することを抑制できる。
第23観点に係る給湯システムでは、パラフィンを含有している潜熱蓄熱材を相変化させることで、温度調節対象の温度が過度に上昇することを抑制できる。
第24観点に係る給湯システムでは、市水よりも冷たい温度の水を得ることが可能になる。
第25観点に係る給湯システムでは、蓄電池の温度を調節するための装置やシステムを、蓄電池が使用されるヒートポンプ以外に別途設ける必要が無くなる。
第26観点に係る給湯システムでは、太陽光に曝されることによる蓄電池の昇温を防止し、太陽光発電パネルが発電した電力を蓄電池に蓄えることができる。
第27観点に係る給湯システムでは、太陽光に曝されることによる蓄電池の昇温を防止し、太陽光発電パネルが発電した電力をヒートポンプの駆動に利用することができる。
第1実施形態に係る給湯システムの概略外観図である。 第1実施形態に係る給湯システムの概略構成図である。 第1実施形態に係る冷媒回路のモリエル線図である。 第2実施形態に係る給湯システムの概略構成図である。 第3実施形態に係る給湯システムの概略構成図である。 第4実施形態に係る給湯システムの概略構成図である。 他の実施形態A−1に係る給湯システムの概略構成図である。 他の実施形態A−2に係る給湯システムの概略構成図である。 他の実施形態A−3に係る給湯システムの概略構成図である。 他の実施形態A−4に係る給湯システムの概略構成図である。 他の実施形態B−1に係る給湯システムの概略構成図である。 他の実施形態B−1に係る冷媒回路の蒸発負荷が大きい状態でのモリエル線図である。 他の実施形態B−1に係る冷媒回路の蒸発負荷が小さい状態でのモリエル線図である。 他の実施形態B−2に係る給湯システムの概略構成図である。 他の実施形態B−3に係る給湯システムの概略構成図である。 他の実施形態B−4に係る給湯システムの概略構成図である。 他の実施形態C−1に係る給湯システムの概略構成図である。 他の実施形態C−2に係る給湯システムの概略構成図である。 他の実施形態C−3に係る給湯システムの概略構成図である。 他の実施形態C−4に係る給湯システムの概略構成図である。 他の実施形態Dに係る給湯システムの概略構成図である。 他の実施形態E−1に係る給湯システムの概略構成図である。 他の実施形態E―2に係る給湯システムの概略構成図である。 他の実施形態F−1に係る給湯システムの概略構成図である。 他の実施形態F−2に係る給湯システムの概略構成図である。 他の実施形態Gに係る貯湯ユニットの概略構成図である。 他の実施形態Hに係る温度調節ジャケット近傍の概略構成図である。 他の実施形態Iに係る温度調節ジャケット近傍の概略構成図である。 他の実施形態Jに係る温度調節ジャケット近傍の概略構成図である。 他の実施形態Kに係る温度調節ジャケット近傍の概略構成図である。
以下、各実施形態の給湯システムについて、それぞれ説明する。
(1)第1実施形態
第1実施形態に係る給湯システム100について、図面を用いて説明する。
図1に、本発明の第1実施形態に係る給湯システム100の外観概略図を示す。図2に、給湯システム100の概略構成図を示す。
(1−1)全体構成
給湯システム100は、使用される前に予め温水を溜めておいたり浴槽の温水を加熱したりするための貯湯式給湯システムであって、主として、ヒートポンプ2、貯湯ユニット3、および、ヒートポンプ2や貯湯ユニット3等の管理や制御を行うコントローラ7を備えている。
(1−2)詳細構成
(1−2−1)ヒートポンプ2
ヒートポンプ2は、温水を作り出すための熱源装置として機能し、電力を動力源とする。ヒートポンプ2は、ケーシング2pを備え、当該ケーシング2p内には、冷媒が循環する冷媒回路20、水熱交換器22、冷蓄熱槽6、冷蓄熱槽連結回路50、および、図示しない各種センサ等を備えている。
この冷媒回路20は、内部に冷媒を循環させることで冷凍サイクルを行うことが可能であり、主に、圧縮機21、水熱交換器22内の冷媒管22r、膨張弁23、蓄冷用冷媒熱交換器24、および、冷媒配管25を有している。
冷媒配管25は、圧縮機21の吐出側、水熱交換器22内の冷媒管22r、膨張弁23、蓄冷用冷媒熱交換器24、圧縮機21の吸入側、の順に各機器を接続しており、内部に冷媒を循環させている。
ここで、圧縮機21は、ガス状の低圧冷媒を吸入し、圧縮動作を行って、高圧冷媒を吐出する。圧縮機21は、特に限定されないが、例えば、インバータ式であって、コントローラ7によって駆動周波数が調節されることにより冷媒循環量の調節や高圧および低圧の調節を行うことができる。
水熱交換器22は、冷媒の熱を放熱する放熱器としての役割を果たす。水熱交換器22は、冷媒管22rおよび水管32wを有している。水熱交換器22は、ヒートポンプ2の圧縮機21によって吐出された後に冷媒管22rを流れる高温の冷媒と、後述する貯湯ユニット3で循環動作を行う際に水管32wを流れる水の間で熱交換を行わせる。この水熱交換器22における熱交換によって、冷媒管22rを通過する冷媒が冷却され、同時に水管32wを通過する水が加熱されて温水(お湯)を作り出すことができる。ここで、温水とは、後述する貯湯タンク35に供給される市水が加熱された水であって、市水の温度よりも少なくとも1℃高い温度の水をいうものとする。
膨張弁23は、水熱交換器22の冷媒管22rを通過して放熱した冷媒を通過させる際に、冷媒の圧力を減少させる。膨張弁23は、特に限定されないが、例えば、コントローラ7によって減圧程度を調節することにより冷媒循環量の調節や高圧および低圧の調節を行うことができる。
蓄冷用冷媒熱交換器24は、内部を流れる冷媒と冷蓄熱槽6内に充填されている熱媒体としての不凍液の間で熱交換を行わせ、冷媒を蒸発させる蒸発器として機能させることができる。蓄冷用冷媒熱交換器24は、冷蓄熱槽6内の不凍液に少なくとも一部が浸るように配置されていればよく、全体が浸るように配置されていることが好ましい。
冷蓄熱槽6は、断熱材で覆われた筐体の内部に不凍液が充填されるようにして構成されている。ここで、不凍液としては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコールを少なくとも50%以上の主成分として含み、0℃以下でも凍結しない流体を用いることができる。
冷蓄熱槽連結回路50は、冷蓄熱槽6内と後述する温度調節ジャケット48内の間で不凍液が循環するように構成された回路であって、低温側ポンプ51を備えている。冷蓄熱槽連結回路50を循環する不凍液は、流動性が高く、熱保持量が多く、効率的に冷熱を移動させることができる。この冷蓄熱槽連結回路50は、一部がヒートポンプ2内に、他の一部が貯湯ユニット3内に設けられ、両方にまたがるようにして配置されている。冷蓄熱槽連結回路50は、冷蓄熱槽6内に連通するように構成されており、低温側ポンプ51が駆動することにより、冷蓄熱槽6内の不凍液を温度調節ジャケット48内との間で循環させることが可能になっている。
なお、低温側ポンプ51が駆動することにより、冷蓄熱槽6内の不凍液が対流するため、冷媒回路20の蓄冷用冷媒熱交換器24の外側表面の不凍液を流動させることができるため、蓄冷用冷媒熱交換器24における冷媒と不凍液の間の熱交換効率を高めることができている。
(1−2−2)貯湯ユニット3
貯湯ユニット3は、市水等の外部からの外部給水路81およびタンク用給水路82を介して供給される水をヒートポンプ2から得られる熱によって加熱し、貯湯タンク35内で蓄えつつ、混合用給水路83を介して混合された温水を浴室等に供給するための装置である。
この貯湯ユニット3は、ケーシング3pを備え、当該ケーシング3p内には、主に、貯湯タンク35、貯湯回路30、蓄電池71、スイッチング素子収納部72、高温側回路40、および、温度調節ジャケット48等を備えている。
(1−2−2−1)貯湯タンク35
貯湯タンク35は、ヒートポンプ2から得られる熱によって得られる温水を蓄えておくタンクである。
貯湯タンク35内は水および/または温水によって常に満たされており、温水の量をコントローラ7に把握させるための湯量温度検知センサ36が設けられている。この湯量温度検知センサ36は、第1湯量検知温度センサT1〜第6湯量検知温度センサT6を有している。これらの第1湯量検知温度センサT1〜第6湯量検知温度センサT6は、貯湯タンク35の下方から上方に向けて順に所定間隔で配置されている。
貯湯タンク35内の温水の温度分布は、温度の低い温水は比重が大きいために下に沈み、温度の高い温水は比重が小さいために上昇する傾向にあるため、上端から下端に下がるにつれて温度が低くなるような分布となっている。貯湯タンク35の下端は、後述するように、未加熱の水が市水として導入されるため、貯湯タンク35内のうち最も温度が低い領域になっている。貯湯タンク35の上端は、後述するように放熱器として機能する水熱交換器22において暖められた温水が導入されるため、貯湯タンク35内のうち最も温度が高い領域になっている。なお、コントローラ7は、第1湯量検知温度センサT1〜第6湯量検知温度センサT6の検知温度に基づいて貯湯タンク35内の温水の量を把握することができる。
貯湯タンク35の下端部近傍には、タンク用給水路82が接続されており、市水等の外部からの水が外部給水路81およびタンク用給水路82を介して貯湯タンク35内に供給される。
貯湯タンク35の上端部近傍には、出湯管85が接続されている。出湯管85を介して供給される温水と混合用給水路83を介して供給される市水等の外部からの水が湯水混合弁84により混合される。このように混合された温水は、給湯管86を介して浴室等に供給される。
なお、図示されていないが、貯湯タンク35は、発泡スチロールもしくは発泡ポリエチレン等によって形成された断熱材によって下端を除く周囲が覆われており、貯湯タンク35内の熱が逃げ出しにくいように構成されている。
(1−2−2−2)貯湯回路30
貯湯回路30は、貯湯タンク35内の水に対してヒートポンプ2で得られる熱を伝えて温水を生じさせるための回路であり、一部が貯湯ユニット3内に、他の一部がヒートポンプ2内に設けられ、両方にまたがるようにして配置されている。この貯湯回路30は、沸き上げ往き管31、水熱交換器22内の水管32w、沸き上げ戻り管33、および、沸き上げポンプ34を有している。
沸き上げ往き管31は、貯湯タンク35の下端部近傍と水熱交換器22内の水管32wの上流側端部とを接続している。
沸き上げ戻り管33は、水熱交換器22内の水管32wの下流側端部と貯湯タンク35の上端近傍とを接続している。
沸き上げポンプ34は、沸き上げ往き管31の途中に設けられている。貯湯回路30では、沸き上げポンプ34がコントローラ7からの指令を受けて駆動することにより、貯湯タンク35内の水または温水のうち下方に存在している温度の低い水を、沸き上げ往き管31に流出させ、水熱交換器22内の水管32wを通過させることで温度上昇させ、沸き上げ戻り管33を介して貯湯タンク35の上端近傍に戻している。なお、沸き上げポンプ34が駆動している状態では、コントローラ7は、ヒートポンプ2の冷媒回路20において冷凍サイクルを行わせている。
これにより、貯湯タンク35内の温水と水との境界が上から下に向けて移動していくことになり、貯湯タンク35内の温水の量が増えていく。
(1−2−2−3)蓄電池71
蓄電池71は、給湯システム100によって使用される電気を溜める電池であり、本実施形態においては、貯湯タンク35の下端に熱的に接触した状態で貯湯タンク35の下に設置されている。蓄電池71は、電気料金が比較的安価な夜間に充電され、充電された電気は、電気料金が比較的高価である日中に給湯システム100の稼働のために使用される。蓄電池71は、本実施形態においてはリチウムイオン電池である。なお、蓄電池71は、蓄電池71の内部温度を検知する蓄電池温度センサ71aが内蔵されている。コントローラ7は、当該蓄電池温度センサ71aの検出値を把握することができる。
ここで、蓄電池71の上面は、貯湯タンク35の下面と熱的に接触している。熱的に接触している状態とは、直接的に接触している状態と、他の部材が介在して間接的に接触している場合の両方が含まれる(以下同じ。)。本実施形態においては、貯湯タンク35の下端と蓄電池71の上面とは、直接的に接触している。
現状の蓄電池は適切な動作が可能な温度範囲に制約があり、温度上昇とともに電池容量が劣化するため、電池の設置場所の条件が厳しい。このため、寿命を延ばすためには一定の温度を保つことが重要な条件となる。
一方、貯湯タンク35の下端近傍には、市水からの水が導入されるので、未加熱の水が存在しており、年間を通じて市水の温度は比較的安定している。
したがって、蓄電池71を、貯湯タンク35の下端に対して熱的に接触させることができるように貯湯タンク35の下に配置することで、一年を通じて蓄電池71の温度を比較的安定的に維持することが可能になっている。
(1−2−2−4)高温側回路40
高温側回路40は、貯湯タンク35内の上方部分から伸びだしており、後述する温度調節ジャケット48内を通過した後、貯湯タンク35内の中間部分まで伸びて構成された回路であって、高圧側ポンプ41を備えている。高温側回路40は、貯湯タンク35内に連通するように構成されており、高温側ポンプ41が駆動することにより、貯湯タンク35内の高温の温水を温度調節ジャケット48内まで送り、再び、貯湯タンク35内の中間部分に戻して循環させることが可能になっている。
なお、高温側回路40において、温度調節ジャケット48内を通過した後に貯湯タンク35内に戻す位置、すなわち、貯湯タンク35の高さ位置は、特に限定されないが、貯湯タンク35のうち下端近傍のタンク用給水路82が接続されている位置よりも高く貯湯タンク35内のうち上端近傍の高温側回路40が伸びだしている位置より低いことが好ましい。本実施形態においては、貯湯タンク35の高さにおける60%から90%の間の高さ位置に、高温側回路40を流れる温水が戻されるように構成されている。
(1−2−2−5)温度調節ジャケット48
温度調節ジャケット48は、主に蓄電池71の温度を調節するための部材であり、蓄電池71の下端に熱的に接触した状態で蓄電池71の下に設置されている。
なお、温度調節ジャケット48の下には、スイッチング素子収納部72が設置されており、温度調節ジャケット48の下方部分とスイッチング素子収納部72の上方部分とは熱的に接触している(本実施形態では、直接的に接触している。)。温度調節ジャケット48は、アルミニウムもしくはアルミニウム合金等の熱伝導率の高い金属によって構成されている。したがって、蓄電池71およびスイッチング素子収納部72と温度調節ジャケット48の間で熱が伝わりやすくなっている。
この温度調節ジャケット48は、内部には、高温側回路40の一部および冷蓄熱槽連結回路50の一部が通過している。温度調節ジャケット48内では、高温側回路40を流れる温水と、冷蓄熱槽連結回路50を流れる不凍液が、互いに混合されることが無いように構成されている。また、温度調節ジャケット48の内部の高温側回路40の一部と冷蓄熱槽連結回路50の一部は、温度調節ジャケット48の蓄電池71側の端部およびスイッチング素子収納部72側の端部において部分的な温度ムラが生じにくいように、温度調節ジャケット48内において均等に配置されている。温度調節ジャケット48自体は、高温側回路40を流れる温水の流量が増大したり温水の温度が高くなることで高温化し、冷蓄熱槽連結回路50を流れる不凍液の流量が増大したり不凍液の温度が低くなることで低温化する。
このようにして、高温側回路40を流れる温水の温熱と冷蓄熱槽連結回路50を流れる不凍液の冷熱によって温度調節ジャケット48自体の温度が調節されることで温度調節部8が構成されている。すなわち、温度調節部8である温度調節された温度調節ジャケット48が有する熱が、温度調節対象である蓄電池71およびスイッチング素子収納部72に対して伝えられ、蓄電池71およびスイッチング素子収納部72の温度が調節されることになる。
また、温度調節ジャケット48の内部には、上述のように、高温側回路40の一部および冷蓄熱槽連結回路50の一部が通過している。そして、温度調節ジャケット48の外形は、蓄電池71およびスイッチング素子収納部72との接触面積が大きく確保されるように、蓄電池71の下方の形状に沿うように、スイッチング素子収納部72の上方の形状に沿うように、成形されている。このため、高温側回路40の一部の形状や冷蓄熱槽連結回路50の一部の形状が、蓄電池71やスイッチング素子収納部72の形状との間で十分な接触面積を確保しにくい場合であっても、熱伝導性が高く接触面積も十分に確保された温度調節ジャケット48が介在していることで、熱を伝えやすくすることができる。
(1−2−2−6)スイッチング素子収納部72
スイッチング素子収納部72は、スイッチング素子72aとコンバータ72bが収納されている。スイッチング素子72aは、ヒートポンプ2が有するインバータのために用いられる。コンバータ72bは、蓄電池71の充電と放電の制御に用いられる。なお、スイッチング素子収納部72の内部は、熱伝導率の高いアルミニウムもしくはアルミニウム合金等の金属によって構成されており、スイッチング素子収納部72に収納されているスイッチング素子72aやコンバータ72bに対して、スイッチング素子収納部72の外部の熱が伝わりやすいように構成されている。
スイッチング素子72aやコンバータ72bは、稼働中に熱を帯びるようになる。スイッチング素子収納部72の上方部分は、温度調節ジャケット48の下方部分に対して熱的に接触するように配置されている。スイッチング素子収納部72が、温度調節ジャケット48と熱的に接触していることにより、スイッチング素子72aやコンバータ72bの温度を下げる等して一定の温度に維持することが可能になっている。
(1−3)動作
次に、給湯システム100の動作について説明する。
(1−3−1)蓄冷動作
冷蓄熱槽6内の不凍液に冷熱を蓄える処理は、貯湯タンク35内に温水を溜めるための沸き上げ時に行われる。
沸き上げを行う場合には、コントローラ7は、ヒートポンプ2を駆動させつつ、沸き上げポンプ34を駆動させる。ヒートポンプ2は、コントローラ7からの指令を受けて、圧縮機21を駆動させ膨張弁23を所望の開度に制御することで、冷媒回路20において冷媒を循環させて冷凍サイクルを行う。沸き上げポンプ34は、コントローラ7からの指令を受けて駆動することで、貯湯タンク35内の下方に存在している温度の低い水を、沸き上げ往き管31に流出させる。沸き上げ往き管31の中を流れる水は、温度調節ジャケット48の中を通って水熱交換器22に到達する。水熱交換器22内では、沸き上げ往き管31の中を流れる水と、ヒートポンプ2の高温冷媒の間で熱交換が行われ、水が加熱され温水となる。温水は、沸き上げ戻り管33を介して貯湯タンク35の上端近傍に戻る。
冷凍サイクルが行われている冷媒回路20においては、図3のモリエル線図に示すように、圧縮機21に吸入された冷媒(図3の点a参照)は、圧縮機21により圧縮され高温高圧となり(図3の点b参照)、冷媒配管25を流れて水熱交換器22内の冷媒管22r内を通過する際に、沸き上げ往き管31を通過して流れてきた水と熱交換を行って、放熱する(図3の点c参照)。放熱後の冷媒は、膨張弁23を通過することで減圧され、低温かつ気液二相状態となる(図3の点d参照)。低温低圧になった気液二相状態の冷媒は、蓄冷用冷媒熱交換器24へ流れ、蓄冷用冷媒熱交換器24において冷蓄熱槽6内の不凍液との間で熱交換を行って蒸発する(図3の点a参照)。この際に、冷蓄熱槽6内の不凍液は冷却され、冷熱が蓄積されていく。蓄冷用冷媒熱交換器24において気化した冷媒は、圧縮機21に吸入され、再び、圧縮されて、高温高圧の冷媒となり、上記サイクルを繰り返す。
このようにして、貯湯タンク35内の水の沸き上げが行われる際に、冷蓄熱槽6内の不凍液に冷熱が蓄積されていく。
なお、貯湯タンク35から温水を浴室等に供給する場合は、貯湯タンク35の上端近傍に存在する温水が当該上端近傍に接続されている出湯管85から流出する。出湯管85を介して供給される温水と混合用給水路83を介して供給される市水等の外部からの水は、湯水混合弁84により混合される。このように混合された温水が、給湯管86を介して浴室等に供給される。
(1−3−2)冷熱利用動作
冷蓄熱槽6内の不凍液が蓄えた冷熱は、温度調節対象としての蓄電池71等の温度を調節するための冷熱利用動作において利用される。
冷熱利用動作では、コントローラ7が、蓄電池温度センサ71aが検出する温度を把握し、把握した温度が所定の温度範囲内(蓄電池71が好適に動作可能である温度範囲内)に収まっているか否かを判断することで、蓄電池71の温度調節が必要か否かを判断する。本実施形態においては、例えば、蓄電池温度センサ71aが検出する温度が40℃以上になった場合に、低温側ポンプ51を駆動させて、冷蓄熱槽連結回路50に不凍液を循環させ、温度調節ジャケット48内の温度を低下させることにより、蓄電池71の温度を低下させる。このように、冷蓄熱槽6内の不凍液に冷熱が蓄えられているため、ヒートポンプ2を駆動させていない状況であっても、沸き上げポンプ34を駆動させていない状況であっても、蓄電池71の温度調節を行うことができる。すなわち、ヒートポンプ2や沸き上げポンプ34が駆動している状態であっても駆動していない状況であっても、これらの駆動状況とは無関係に、蓄電池71の温度調節を行うことができる。
また、ここで、温度調節ジャケット48内の温度が低下しすぎることによって、蓄電池温度センサ71aが検出する温度が低下し過ぎ、所定の温度範囲内を下回っている場合には、コントローラ7は、高温側ポンプ41を駆動させて、高温側回路40において温水を循環させる。本実施形態においては、例えば、蓄電池温度センサ71aが検出する温度が0℃以下になった場合に、高温側ポンプ41を駆動させて、高温側回路40に温水を循環させ、温度調節ジャケット48内の温度を上昇させることにより、蓄電池71の温度を上昇させる。このように、上述した冷蓄熱槽6内に蓄えられている冷熱と同様に、貯湯タンク35内の上方部分には高温の温水が蓄えられているため、ヒートポンプ2を駆動させていない状況であっても、沸き上げポンプ34を駆動させていない状況であっても、蓄電池71の温度調節を行うことができる。すなわち、加熱源を利用した温度調節についても、ヒートポンプ2や沸き上げポンプ34が駆動している状態であっても駆動していない状況であっても、これらの駆動状況とは無関係に、蓄電池71の温度調節を行うことができる。
このようにして、温度調節対象である蓄電池71の温度を調節することができる。
なお、スイッチング素子収納部72に収納されているスイッチング素子72aおよびコンバータ72bは、上記蓄電池71の温度が調節されることにより、結果的に温度調節されることができる。
(1−4)第1実施形態の特徴
(1−4−1)
第1実施形態の給湯システム100では、温度調節部8は、冷蓄熱槽連結回路50を通過する冷媒が蒸発する際に冷やされた不凍液の冷熱と貯湯タンク35の上方に蓄えられている温水の温熱を利用して、温度調節ジャケット48の温度を調節することで、温度調節ジャケット48の温度と熱的に接触するように配置されている蓄電池71の温度を調節することが可能になっている。
このように、第1実施形態の給湯システム100は、冷熱と温熱の両方を、貯湯タンク35内の水の沸き上げに必要な構成要素を用いて、すなわち、蓄電池71の温度調節を行うためだけの温度調節設備等を別途設けることなく、蓄電池71の温度調節を行うことが可能になっている。しかも、冷熱と温熱の両方を用いることで、温度調節可能な温度範囲を拡大させることが可能になっている。
(1−4−2)
上述のように、蓄電池71の温度が常に動作温度範囲内に維持されることで、蓄電池71の寿命を延ばすことが可能になっている。
しかも、上記実施形態では、蓄電池71は、貯湯タンク35の下方部分に対して熱的に接触するように配置されており、当該部分は一年を通じて蓄電池71の動作温度範囲とほぼ同じ温度範囲に維持される傾向にあるため、蓄電池71の温度調節を行いやすくすることが可能になっている。なお、例えば、蓄電池71がリチウムイオン電池の場合には、放電深度が50%では温度上昇を10℃抑えることにより、他の条件下に比べて電池寿命を最低2倍延長でき、温度を25℃前後に保つ事で電池の寿命を飛躍的に向上させることができる。
(1−4−3)
第1実施形態の給湯システム100では、蓄電池71が用いられている。このため、例えば、電気料金の単価が比較的安い夜間の間に充電を行っておき、蓄電池71に充電された電力を利用して、電気料金の単価が比較的高価な昼間の時間帯に、貯湯タンク35内の水を沸き上げ、および、冷蓄熱槽6内の不凍液における蓄冷を行うことが可能になっている。
しかも、冷蓄熱槽6内の不凍液において蓄えられた冷熱は、利用タイミングは特に限定されないものの、例えば、夜間の充電時における蓄電池71の発熱を抑制することに利用することも可能になる。
(1−4−4)
第1実施形態の給湯システム100では、給湯システム100において使用される電力を蓄電する蓄電池71の温度を、当該給湯システム100が使用されることで得られる加熱源および冷却源を用いて調節することができる。このため、蓄電池71の温度を調節するための装置やシステムを、蓄電池71が使用される給湯システム100以外に別途設ける必要が無い。
(1−4−5)
第1実施形態の給湯システム100では、冷蓄熱槽連結回路50において不凍液が循環することで、冷蓄熱槽6内において不凍液の対流を生じさせることができる。これにより、冷蓄熱槽6内の不凍液に浸されるように配置されている蓄冷用冷媒熱交換器24の内部を流れる冷媒と冷蓄熱槽6内の不凍液の間の熱交換効率を向上させることができる。
(2)第2実施形態
第2実施形態に係る給湯システム200について、図面を用いて説明する。
図4に、本発明の第2実施形態に係る給湯システム200の概略構成図を示す。
(2−1)全体構成
給湯システム200は、上述した第1実施形態に係る給湯システム100と同様、貯湯回路30を含む貯湯ユニット3、および、コントローラ7を備えており、ヒートポンプ2の代わりに冷媒回路120を含むヒートポンプ202を備えている。給湯システム200は、給湯システム100とほぼ同様の構成をしているので、給湯システム100と同じ構成をしている部分については説明を省略する。以下では、給湯システム100と異なる構成となっている部分を中心に説明する。
(2−2)詳細構成
(2−2−1)ヒートポンプ202
ヒートポンプ202は、給湯システム100のヒートポンプ2と異なり、冷蓄熱槽6内の不凍液に浸された冷熱用冷媒熱交換器24の代わりに、冷媒中間媒体熱交換器124が設けられている。
冷媒中間媒体熱交換器124は、冷蓄熱槽6内の不凍液に浸されておらず、冷媒回路120の一部を構成しつつ、中間熱媒体連結回路60の一部を構成している。
中間熱媒体連結回路60は、不凍液を冷蓄熱槽6内と冷媒中間媒体熱交換器124の間で循環させるための中間ポンプ61を有している。
冷媒中間媒体熱交換器124は、冷媒回路120の冷媒が流れる冷媒通路124rと、中間熱媒体連結回路60の不凍液が流れる連結不凍液通路62aを有している。この冷媒中間媒体熱交換器124は、冷媒通路124rを流れる冷媒と連結不凍液通路62aを流れる不凍液の間で熱交換を行わせ、冷媒を蒸発させるとともに、不凍液を冷却させる。
冷蓄熱槽連結回路50は、上記第1実施形態の給湯システム100と同様であるが、冷蓄熱槽6内を介して中間熱媒体連結回路60と連結されている。このため、ヒートポンプ202では、中間熱媒体連結回路60と、冷蓄熱槽6と、冷蓄熱槽連結回路50において、同一の不凍液が循環している。このため、中間媒体熱交換器124において冷却された不凍液が保持する冷熱は、そのまま温度調節ジャケット48における蓄電池71等の温度調節に利用することができる。
なお、貯湯ユニット3の構成や動作等については、上記第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
(2−3)第2実施形態の特徴
第2実施形態の給湯システム200では、上記第1実施形態と同様に、(1−4−1)〜(1−4−4)で述べた効果を奏することができる。
また、この給湯システム200では、冷媒回路120の中間媒体熱交換器124を第1実施形態のように冷蓄熱槽6内の不凍液に浸すように配置する必要が無い。このため、中間媒体熱交換器124と冷蓄熱槽6の配置の自由度を高めることができる。
(3)第3実施形態
第3実施形態に係る給湯システム300について、図面を用いて説明する。
図5に、本発明の第3実施形態に係る給湯システム300の概略構成図を示す。
(3−1)全体構成
給湯システム300は、上述した第1実施形態に係る給湯システム100と同様、貯湯回路30を含む貯湯ユニット3、および、コントローラ7を備えており、ヒートポンプ2の代わりに冷媒回路20を含むヒートポンプ302を備えている。給湯システム300は、給湯システム100とほぼ同様の構成をしているので、給湯システム100と同じ構成をしている部分については説明を省略する。以下では、給湯システム100と異なる構成となっている部分を中心に説明する。
(3−2)詳細構成
(3−2−1)ヒートポンプ302
ヒートポンプ302は、給湯システム100のヒートポンプ2と異なり、冷蓄熱槽6内には、微小な氷粒子と塩水等の液体が混ざり合った流動性を有する氷であるスラリーアイスが充填されている。冷媒回路20の蓄冷用冷媒熱交換器24は、この冷蓄熱槽6内のスラリーアイスに浸されている。
また、ヒートポンプ302は、第1実施形態の冷蓄熱槽連結回路50の代わりに、冷蓄熱槽独立回路150が設けられている。冷蓄熱槽独立回路150は、冷蓄熱槽6内のスラリーアイスに浸された冷蓄熱熱交換器152と、冷蓄熱槽独立回路150に不凍液を循環させるための低温側ポンプ151を有している。冷蓄熱槽独立回路150は、この冷蓄熱熱交換器152と温度調節ジャケット48内との間において不凍液を循環させている。冷蓄熱熱交換器152と蓄冷用冷媒熱交換器24は、共に冷蓄熱槽6内のスラリーアイスに浸されているが、両熱交換器の内部を流れる冷媒と不凍液は混合されないように、それぞれ独立した回路を構成している。
また、本実施形態では、高温側回路40を流れる温水の温熱と冷蓄熱槽独立回路150を流れる不凍液の冷熱によって温度調節ジャケット48自体の温度が調節されることで温度調節部8aが構成されている。
なお、貯湯ユニット3の構成や動作等については、上記第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
(3−3)第3実施形態の特徴
第3実施形態の給湯システム300では、上記第1実施形態と同様に、(1−4−1)〜(1−4−4)で述べた効果を奏することができる。
また、この給湯システム300では、冷蓄熱槽6内に、冷蓄熱熱交換器152と蓄冷用冷媒熱交換器24の2つの熱交換器が浸されている。この冷蓄熱槽6内のスラリーアイスは、第1、2実施形態の冷蓄熱槽連結回路50を循環する不凍液のように流動させる必要が無い。このため、冷蓄熱槽6内に充填される蓄冷材は、流動性の低い材料であってよく、流動性は低いものの保冷効果の優れた材料を採用することができる。
(4)第4実施形態
第4実施形態に係る給湯システム400について、図面を用いて説明する。
図6に、本発明の第4実施形態に係る給湯システム400の概略構成図を示す。
(4−1)全体構成
給湯システム400は、上述した第1実施形態に係る給湯システム100と同様、貯湯回路30を含む貯湯ユニット3、および、コントローラ7を備えており、ヒートポンプ2の代わりに冷媒回路120を含むヒートポンプ402を備えている。給湯システム400は、給湯システム100とほぼ同様の構成をしているので、給湯システム100と同じ構成をしている部分については説明を省略する。以下では、給湯システム100と異なる構成となっている部分を中心に説明する。
(4−2)詳細構成
(4−2−1)ヒートポンプ402
ヒートポンプ402は、給湯システム100のヒートポンプ2と異なり、蓄冷用冷媒熱交換器24の代わりに中間媒体独立回路160が採用されており、冷蓄熱槽連結回路50の代わりに第3実施形態において説明した冷蓄熱槽独立回路150が採用されている。
中間媒体独立回路160は、第1不凍液を冷蓄熱槽6内と冷媒中間媒体熱交換器124の間で循環させるための中間ポンプ161を有している。
冷媒中間媒体熱交換器124は、冷媒回路120の冷媒が流れる冷媒通路124rと、中間媒体独立回路160の第1不凍液が流れる独立不凍液通路162aを有している。この冷媒中間媒体熱交換器124は、冷媒通路124rを流れる冷媒と独立不凍液通路162aを流れる第1不凍液の間で熱交換を行わせ、冷媒を蒸発させるとともに、第1不凍液を冷却させる。
冷蓄熱槽独立回路150の構成は、第3実施形態で説明した通りではあるが、内部を第2不凍液が循環している。ヒートポンプ402の冷蓄熱槽6内の第1不凍液に浸されている冷蓄熱熱交換器152は、内部を第2不凍液が流れており、この第2不凍液は冷蓄熱槽6内の第1不凍液とは混ざり合わないように構成されている。このため、中間媒体独立回路160の内部を循環する第1不凍液と冷蓄熱槽独立回路150を循環する第2不凍液の種類を違えることができる
また、本実施形態では、高温側回路40を流れる温水の温熱と冷蓄熱槽独立回路150を流れる不凍液の冷熱によって温度調節ジャケット48自体の温度が調節されることで温度調節部8aが構成されている。
なお、貯湯ユニット3の構成や動作等については、上記第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
(4−3)第4実施形態の特徴
第4実施形態の給湯システム400では、上記第1実施形態と同様に、(1−4−1)〜(1−4−4)で述べた効果を奏することができる。
また、この給湯システム400では、中間媒体独立回路160の内部を循環する第1不凍液と冷蓄熱槽独立回路150を循環する第2不凍液の種類を違えることができるため、中間媒体独立回路160や冷蓄熱槽独立回路150の流路抵抗やポンプの種類等に応じて適切な材料を選択することが可能になる。例えば、中間媒体独立回路160を循環する第1不凍液としては、保冷効果の高い材料を選択し、冷蓄熱槽独立回路150を循環する第2不凍液としては、流動性が高く低温側ポンプ151に負荷を与えにくい材料を選択することが可能になる。
さらに、この給湯システム400では、冷媒回路120の中間媒体熱交換器124を第1実施形態のように冷蓄熱槽6内の不凍液に浸すように配置する必要が無い。このため、中間媒体熱交換器124と冷蓄熱槽6の配置の自由度を高めることができる。そして、この給湯システム400では、中間媒体独立回路160において第1不凍液が循環することで、冷蓄熱槽6内において第1不凍液の対流を生じさせることができる。これにより、冷蓄熱槽6内において第1不凍液と熱交換可能となるように設けられている冷蓄熱熱交換器152は、第1不凍液と内部を流れる第2不凍液の間の熱交換効率を向上させることができている。
(5)他の実施形態
上述した各実施形態は、以下に述べるように変形させた実施形態とすることもできる。
(5−1)他の実施形態A−1
図7に、本発明の他の実施形態A−1に係る給湯システム100aの概略構成図を示す。
(5−1−1)全体構成
給湯システム100aは、本発明の第1実施形態に係る給湯システム100と同様、貯湯回路30を含む貯湯ユニット3、および、コントローラ7を備えており、ヒートポンプ2の代わりに冷媒回路20aを含むヒートポンプ2aを備えている。給湯システム100aは、給湯システム100とほぼ同様の構成をしているので、給湯システム100と同じ構成をしている部分については説明を省略する。以下では、給湯システム100と異なる構成となっている部分を中心に説明する。
(5−1−2)詳細構成
給湯システム100aのヒートポンプ2aは、給湯システム100のヒートポンプ2と異なり、冷媒回路20aにおいて、蓄冷用冷媒熱交換器24と膨張弁23の間に補助熱交換器26が接続されている。さらに、補助熱交換器26に対して空気流れを供給するための補助ファン26Fが設けられている。これらの補助熱交換器26および補助ファン26Fの配置は、特に限定されないが、本実施形態では屋外に配置されている。また、補助熱交換器26の空気流れの上流側には外気温度を検出するための外気温度センサ26aが設けられている。
(5−1−3)動作
上記冷媒回路20aでは、貯湯回路30において沸き上げポンプ34が駆動すると共に、冷凍サイクルが行われ、貯湯タンク35内の水の沸き上げを行う。
この沸き上げの際に、ヒートポンプ2aにおいて補助ファン26Fを駆動させると、冷媒回路20aにおいて水熱交換器22での放熱の後、膨張弁23で減圧された冷媒が、補助熱交換器26において蒸発し、その後、蓄冷用冷媒熱交換器24において不凍液を冷却しつつさらに冷媒が蒸発し、再び、圧縮機21に吸入される、という冷凍サイクルが行われる。
他方、沸き上げの際に、ヒートポンプ2aにおいて補助ファン26Fを駆動させない場合には、蓄冷用冷媒熱交換器24での冷媒の蒸発は抑制され、概ね、上記第1実施形態における動作と同様の冷凍サイクルが行われる。
ここで、補助ファン26Fを駆動させるか否かは、コントローラ7が、冷蓄熱槽6内の不凍液における蒸発能力の大小に基づいて判断する。
(5−1−4)他の実施形態A−1の特徴
他の実施形態A−1の給湯システム100aでは、上記第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、この給湯システム100aでは、冷蓄熱槽6内の不凍液に冷熱が十分に蓄積されている状況において蓄冷用冷媒熱交換器24で冷媒を十分に蒸発させることができない場合であっても、補助ファン26Fを駆動させることで、補助熱交換器26において冷媒を蒸発させることが可能になっている。
これにより、冷媒回路20aにおいて冷凍サイクルを行う場合の、水熱交換器22での放熱程度とのバランスを確保することが可能になっている。
(5−2)他の実施形態A−2
図8に、本発明の他の実施形態A−2に係る給湯システム200aの概略構成図を示す。
(5−2−1)全体構成
給湯システム200aは、本発明の第2実施形態に係る給湯システム200と同様、貯湯回路30を含む貯湯ユニット3、および、コントローラ7を備えており、ヒートポンプ202の代わりに冷媒回路120aを含むヒートポンプ202aを備えている。給湯システム200aは、給湯システム200とほぼ同様の構成をしているので、給湯システム200と同じ構成をしている部分については説明を省略する。以下では、給湯システム200と異なる構成となっている部分を中心に説明する。
(5−2−2)詳細構成
給湯システム200aのヒートポンプ202aは、給湯システム200のヒートポンプ202と異なり、冷媒回路120aにおいて、冷媒中間媒体熱交換器124と膨張弁23の間に補助熱交換器26が接続されている。さらに、補助熱交換器26に対して空気流れを供給するための補助ファン26Fが設けられ、外気温度センサ26aが設けられている点等は上記他の実施形態A−1と同様である。
(5−2−3)動作
上記冷媒回路120aでは、貯湯回路30において沸き上げポンプ34が駆動すると共に、冷凍サイクルが行われ、貯湯タンク35内の水の沸き上げを行う。
この沸き上げの際に、ヒートポンプ202aにおいて補助ファン26Fを駆動させると、冷媒回路120aにおいて水熱交換器22での放熱の後、膨張弁23で減圧された冷媒が、補助熱交換器26において蒸発し、その後、冷媒中間媒体熱交換器124において不凍液を冷却しつつさらに冷媒が蒸発し、再び、圧縮機21に吸入される、という冷凍サイクルが行われる。
他方、沸き上げの際に、ヒートポンプ202aにおいて補助ファン26Fを駆動させない場合には、冷媒中間媒体熱交換器124での冷媒の蒸発は抑制され、概ね、上記第2実施形態における動作と同様の冷凍サイクルが行われる。
ここで、補助ファン26Fを駆動させるか否かは、コントローラ7が、冷蓄熱槽6内の不凍液における蒸発能力の大小に基づいて判断する。
(5−2−4)他の実施形態A−2の特徴
他の実施形態A−2の給湯システム200aでは、上記第2実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、この給湯システム200aでは、冷蓄熱槽6内の不凍液に冷熱が十分に蓄積されている状況において冷媒中間媒体熱交換器124で冷媒を十分に蒸発させることができない場合であっても、補助ファン26Fを駆動させることで、補助熱交換器26において冷媒を蒸発させることが可能になっている。
これにより、冷媒回路120aにおいて冷凍サイクルを行う場合の、水熱交換器22での放熱程度とのバランスを確保することが可能になっている。
特に、他の実施形態A−2の給湯システム200aでは、冷蓄熱槽6内の不凍液に十分な冷熱が蓄えられているとコントローラ7が判断した場合には、沸き上げが行われている最中であっても、補助ファン26Fを駆動させることで、中間ポンプ61を停止させることが可能になっている。
(5−3)他の実施形態A−3
図9に、本発明の他の実施形態A−3に係る給湯システム300aの概略構成図を示す。
(5−3−1)全体構成
給湯システム300aは、本発明の第3実施形態に係る給湯システム300と同様、貯湯回路30を含む貯湯ユニット3、および、コントローラ7を備えており、ヒートポンプ302の代わりに冷媒回路20aを含むヒートポンプ302aを備えている。給湯システム300aは、給湯システム300とほぼ同様の構成をしているので、給湯システム300と同じ構成をしている部分については説明を省略する。以下では、給湯システム300と異なる構成となっている部分を中心に説明する。
(5−3−2)詳細構成
給湯システム300aのヒートポンプ302aは、給湯システム300のヒートポンプ302と異なり、冷媒回路20aにおいて、蓄冷用冷媒熱交換器24と膨張弁23の間に補助熱交換器26が接続されている。さらに、補助熱交換器26に対して空気流れを供給するための補助ファン26Fが設けられ、外気温度センサ26aが設けられている点等は上記他の実施形態A−1と同様である。
(5−3−3)動作
上記冷媒回路20aでは、貯湯回路30において沸き上げポンプ34が駆動すると共に、冷凍サイクルが行われ、貯湯タンク35内の水の沸き上げを行う。
この沸き上げの際に、ヒートポンプ302aにおいて補助ファン26Fを駆動させると、冷媒回路20aにおいて水熱交換器22での放熱の後、膨張弁23で減圧された冷媒が、補助熱交換器26において蒸発し、その後、蓄冷用冷媒熱交換器24においてスラリーアイスを冷却しつつさらに冷媒が蒸発し、再び、圧縮機21に吸入される、という冷凍サイクルが行われる。
他方、沸き上げの際に、ヒートポンプ302aにおいて補助ファン26Fを駆動させない場合には、蓄冷用冷媒熱交換器24での冷媒の蒸発は抑制され、概ね、上記第1実施形態における動作と同様の冷凍サイクルが行われる。
ここで、補助ファン26Fを駆動させるか否かは、コントローラ7が、冷蓄熱槽6内の不凍液における蒸発能力の大小に基づいて判断する。
(5−3−4)他の実施形態A−3の特徴
他の実施形態A−3の給湯システム300aでは、上記第3実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、この給湯システム300aでは、冷蓄熱槽6内の不凍液に冷熱が十分に蓄積されている状況において蓄冷用冷媒熱交換器24で冷媒を十分に蒸発させることができない場合であっても、補助ファン26Fを駆動させることで、補助熱交換器26において冷媒を蒸発させることが可能になっている。
これにより、冷媒回路20aにおいて冷凍サイクルを行う場合の、水熱交換器22での放熱程度とのバランスを確保することが可能になっている。
(5−4)他の実施形態A−4
図10に、本発明の他の実施形態A−4に係る給湯システム400aの概略構成図を示す。
(5−4−1)全体構成
給湯システム400aは、本発明の第4実施形態に係る給湯システム400と同様、貯湯回路30を含む貯湯ユニット3、および、コントローラ7を備えており、ヒートポンプ402の代わりに冷媒回路120aを含むヒートポンプ402aを備えている。給湯システム400aは、給湯システム400とほぼ同様の構成をしているので、給湯システム400と同じ構成をしている部分については説明を省略する。以下では、給湯システム400と異なる構成となっている部分を中心に説明する。
(5−4−2)詳細構成
給湯システム400aのヒートポンプ402aは、給湯システム400のヒートポンプ402と異なり、冷媒回路120aにおいて、冷媒中間媒体熱交換器124と膨張弁23の間に補助熱交換器26が接続されている。さらに、補助熱交換器26に対して空気流れを供給するための補助ファン26Fが設けられ、外気温度センサ26aが設けられている点等は上記他の実施形態A−1と同様である。
(5−4−3)動作
上記冷媒回路120aでは、貯湯回路30において沸き上げポンプ34が駆動すると共に、冷凍サイクルが行われ、貯湯タンク35内の水の沸き上げを行う。
この沸き上げの際に、ヒートポンプ402aにおいて補助ファン26Fを駆動させると、冷媒回路120aにおいて水熱交換器22での放熱の後、膨張弁23で減圧された冷媒が、補助熱交換器26において蒸発し、その後、冷媒中間媒体熱交換器124において第1不凍液を冷却しつつさらに冷媒が蒸発し、再び、圧縮機21に吸入される、という冷凍サイクルが行われる。
他方、沸き上げの際に、ヒートポンプ402aにおいて補助ファン26Fを駆動させない場合には、冷媒中間媒体熱交換器124での冷媒の蒸発は抑制され、概ね、上記第1実施形態における動作と同様の冷凍サイクルが行われる。
ここで、補助ファン26Fを駆動させるか否かは、コントローラ7が、冷蓄熱槽6内の不凍液における蒸発能力の大小に基づいて判断する。
(5−4−4)他の実施形態A−4の特徴
他の実施形態A−4の給湯システム400aでは、上記第4実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、この給湯システム400aでは、冷蓄熱槽6内の不凍液に冷熱が十分に蓄積されている状況において冷媒中間媒体熱交換器124で冷媒を十分に蒸発させることができない場合であっても、補助ファン26Fを駆動させることで、補助熱交換器26において冷媒を蒸発させることが可能になっている。
これにより、冷媒回路120aにおいて冷凍サイクルを行う場合の、水熱交換器22での放熱程度とのバランスを確保することが可能になっている。
特に、他の実施形態A−4の給湯システム400aでは、冷蓄熱槽6内の不凍液に十分な冷熱が蓄えられているとコントローラ7が判断した場合には、沸き上げが行われている最中であっても、補助ファン26Fを駆動させることで、中間ポンプ161を停止させることで過剰な蓄熱動作を停止させることが可能になっている。
(5−5)他の実施形態B−1
図11に、本発明の他の実施形態B−1に係る給湯システム100bの概略構成図を示す。
(5−5−1)全体構成
給湯システム100bは、本発明の他の実施形態A−1に係る給湯システム100aと同様、貯湯回路30を含む貯湯ユニット3、および、コントローラ7を備えており、ヒートポンプ2aの代わりに冷媒回路20bを含むヒートポンプ2bを備えている。給湯システム100bは、給湯システム100aとほぼ同様の構成をしているので、給湯システム100aと同じ構成をしている部分については説明を省略する。以下では、給湯システム100aと異なる構成となっている部分を中心に説明する。
(5−5−2)詳細構成
給湯システム100bのヒートポンプ2bは、給湯システム100aのヒートポンプ2aと異なり、冷媒回路20bにおいて、蓄冷用冷媒熱交換器24と補助熱交換器26の間に補助膨張弁27が接続されている。
(5−5−3)動作
上記冷媒回路20bでは、貯湯回路30において沸き上げポンプ34が駆動すると共に、冷凍サイクルが行われ、貯湯タンク35内の水の沸き上げを行う。
ここで、コントローラ7は、水熱交換器22における放熱程度と蓄冷用冷媒熱交換器24における蒸発程度および外気温度センサ26aの検出温度に基づいて、膨張弁23と補助膨張弁27の弁開度制御を行う。また、コントローラ7は、補助ファン26Fの風量を、外気温度センサ26aの検出温度に基づいて、水熱交換器22における放熱程度と蓄冷用冷媒熱交換器24における蒸発程度のバランスが確保されるように制御する。
具体的には、冷蓄熱槽6内の不凍液において冷熱があまり蓄えられていない等、水熱交換器22における放熱程度が蓄冷用冷媒熱交換器24における蒸発程度と比較して不足気味であるとコントローラ7が判断した場合には、コントローラ7は、膨張弁23を全開に制御し、補助膨張弁27において吐出圧力から吸入圧力まで減圧するように補助膨張弁27の弁開度を制御する。これにより、図12のモリエル線図に示すように、圧縮機21から吐出された冷媒(図12の点b参照)は、水熱交換器22において水を加熱しつつ放熱(図12の点c1参照)し、全開状態の膨張弁23を通過して、補助熱交換器26においてさらに放熱(図12の点c2参照)し、その後、補助膨張弁27において吸入圧力まで減圧される(図12の点d参照)。そして、減圧された冷媒は、蓄冷用冷媒熱交換器24において不凍液を冷却させつつ蒸発し、圧縮機21に吸入され、上記冷凍サイクルを繰り返す。
他方、例えば、冷蓄熱槽6内の不凍液において冷熱が十分に蓄えられている等により、蓄冷用冷媒熱交換器24における蒸発程度が水熱交換器22における放熱程度と比較して不足気味であるとコントローラ7が判断した場合には、コントローラ7は、膨張弁23において吐出圧力から中間圧力まで減圧するように膨張弁23の弁開度を制御し、補助膨張弁27において中間圧力から吸入圧力まで減圧するように補助膨張弁27の弁開度を制御する。これにより、図13のモリエル線図に示すように、圧縮機21から吐出された冷媒(図13の点b参照)は、水熱交換器22において水を加熱しつつ放熱(図13の点c参照)し、膨張弁23において中間圧力まで減圧され(図13の点d1参照)、補助熱交換器26において蒸発(図13の点d2参照)し、その後、補助膨張弁27において吸入圧力まで減圧される(図13の点d3参照)。そして、減圧された冷媒は、蓄冷用冷媒熱交換器24において不凍液を冷却させつつ蒸発し、圧縮機21に吸入され、上記冷凍サイクルを繰り返す。ここで、中間圧力をどのような圧力に制御するかについては、特に限定されないが、例えば、外気温度センサ26aの検出温度に応じて、補助熱交換器26において冷媒を蒸発させることが可能な程度まで減圧されることが好ましい。
(5−5−4)他の実施形態B−1の特徴
他の実施形態B−1の給湯システム100bでは、上記他の実施形態A−1と同様の効果を奏することができる。
また、この給湯システム100bでは、冷蓄熱槽6内の不凍液における冷熱の蓄積状況に応じて、補助熱交換器26を冷媒の放熱器として機能させたり蒸発器として機能させることが可能になっている。
このため、給湯システム100bの状況に応じて、蓄冷用冷媒熱交換器24における蒸発程度と水熱交換器22における放熱程度のバランスを、より確保しやすくなっている。
(5−6)他の実施形態B−2
図14に、本発明の他の実施形態B−2に係る給湯システム200bの概略構成図を示す。
(5−6−1)全体構成
給湯システム200bは、本発明の他の実施形態A−2に係る給湯システム200aと同様、貯湯回路30を含む貯湯ユニット3、および、コントローラ7を備えており、ヒートポンプ202aの代わりに冷媒回路120bを含むヒートポンプ202bを備えている。給湯システム200bは、給湯システム200aとほぼ同様の構成をしているので、給湯システム200aと同じ構成をしている部分については説明を省略する。以下では、給湯システム200aと異なる構成となっている部分を中心に説明する。
(5−6−2)詳細構成
給湯システム200bのヒートポンプ202bは、給湯システム200aのヒートポンプ202aと異なり、冷媒回路120bにおいて、冷媒中間媒体熱交換器124と補助熱交換器26の間に補助膨張弁27が接続されている。
(5−6−3)動作
上記冷媒回路120bでは、貯湯回路30において沸き上げポンプ34が駆動すると共に、冷凍サイクルが行われ、貯湯タンク35内の水の沸き上げを行う。
ここで、コントローラ7は、水熱交換器22における放熱程度と冷媒中間媒体熱交換器124における蒸発程度および外気温度センサ26aの検出温度に基づいて、膨張弁23と補助膨張弁27の弁開度制御を行う。また、コントローラ7は、補助ファン26Fの風量を、外気温度センサ26aの検出温度に基づいて、水熱交換器22における放熱程度と冷媒中間媒体熱交換器124における蒸発程度のバランスが確保されるように制御する。
ここでの動作は、上記他の実施形態B−1に対応し、同様であるため、説明を省略する。
(5−6−4)他の実施形態B−2の特徴
他の実施形態B−2の給湯システム200bでは、上記他の実施形態A−2と同様の効果を奏することができる。
また、この給湯システム200bでは、冷蓄熱槽6内の不凍液における冷熱の蓄積状況に応じて、補助熱交換器26を冷媒の放熱器として機能させたり蒸発器として機能させることが可能になっている。
このため、給湯システム200bの状況に応じて、冷媒中間媒体熱交換器124における蒸発程度と水熱交換器22における放熱程度のバランスを、より確保しやすくなっている。
(5−7)他の実施形態B−3
図15に、本発明の他の実施形態B−3に係る給湯システム300bの概略構成図を示す。
(5−7−1)全体構成
給湯システム300bは、本発明の他の実施形態A−3に係る給湯システム300aと同様、貯湯回路30を含む貯湯ユニット3、および、コントローラ7を備えており、ヒートポンプ302aの代わりに冷媒回路20bを含むヒートポンプ302bを備えている。給湯システム300bは、給湯システム300aとほぼ同様の構成をしているので、給湯システム300aと同じ構成をしている部分については説明を省略する。以下では、給湯システム300aと異なる構成となっている部分を中心に説明する。
(5−7−2)詳細構成
給湯システム300bのヒートポンプ302bは、給湯システム300aのヒートポンプ302aと異なり、冷媒回路20bにおいて、蓄冷用冷媒熱交換器24と補助熱交換器26の間に補助膨張弁27が接続されている。
(5−7−3)動作
上記冷媒回路20bでは、貯湯回路30において沸き上げポンプ34が駆動すると共に、冷凍サイクルが行われ、貯湯タンク35内の水の沸き上げを行う。
ここで、コントローラ7は、水熱交換器22における放熱程度と蓄冷用冷媒熱交換器24における蒸発程度および外気温度センサ26aの検出温度に基づいて、膨張弁23と補助膨張弁27の弁開度制御を行う。また、コントローラ7は、補助ファン26Fの風量を、外気温度センサ26aの検出温度に基づいて、水熱交換器22における放熱程度と蓄冷用冷媒熱交換器24における蒸発程度のバランスが確保されるように制御する。
ここでの動作は、上記他の実施形態B−1に対応し、同様であるため、説明を省略する。
(5−7−4)他の実施形態B−3の特徴
他の実施形態B−3の給湯システム300bでは、上記他の実施形態A−3と同様の効果を奏することができる。
また、この給湯システム300bでは、冷蓄熱槽6内の不凍液における冷熱の蓄積状況に応じて、補助熱交換器26を冷媒の放熱器として機能させたり蒸発器として機能させることが可能になっている。
このため、給湯システム300bの状況に応じて、蓄冷用冷媒熱交換器24における蒸発程度と水熱交換器22における放熱程度のバランスを、より確保しやすくなっている。
(5−8)他の実施形態B−4
図16に、本発明の他の実施形態B−4に係る給湯システム400bの概略構成図を示す。
(5−8−1)全体構成
給湯システム400bは、本発明の他の実施形態A−4に係る給湯システム400aと同様、貯湯回路30を含む貯湯ユニット3、および、コントローラ7を備えており、ヒートポンプ402aの代わりに冷媒回路120bを含むヒートポンプ402bを備えている。給湯システム400bは、給湯システム400aとほぼ同様の構成をしているので、給湯システム400aと同じ構成をしている部分については説明を省略する。以下では、給湯システム400aと異なる構成となっている部分を中心に説明する。
(5−8−2)詳細構成
給湯システム400bのヒートポンプ402bは、給湯システム400aのヒートポンプ402aと異なり、冷媒回路120bにおいて、冷媒中間媒体熱交換器124と補助熱交換器26の間に補助膨張弁27が接続されている。
(5−8−3)動作
上記冷媒回路120bでは、貯湯回路30において沸き上げポンプ34が駆動すると共に、冷凍サイクルが行われ、貯湯タンク35内の水の沸き上げを行う。
ここで、コントローラ7は、水熱交換器22における放熱程度と冷媒中間媒体熱交換器124における蒸発程度および外気温度センサ26aの検出温度に基づいて、膨張弁23と補助膨張弁27の弁開度制御を行う。また、コントローラ7は、補助ファン26Fの風量を、外気温度センサ26aの検出温度に基づいて、水熱交換器22における放熱程度と冷媒中間媒体熱交換器124における蒸発程度のバランスが確保されるように制御する。
ここでの動作は、上記他の実施形態B−1に対応し、同様であるため、説明を省略する。
(5−8−4)他の実施形態B−4の特徴
他の実施形態B−4の給湯システム400bでは、上記他の実施形態A−4と同様の効果を奏することができる。
また、この給湯システム400bでは、冷蓄熱槽6内の不凍液における冷熱の蓄積状況に応じて、補助熱交換器26を冷媒の放熱器として機能させたり蒸発器として機能させることが可能になっている。
このため、給湯システム400bの状況に応じて、冷媒中間媒体熱交換器124における蒸発程度と水熱交換器22における放熱程度のバランスを、より確保しやすくなっている。
(5−9)他の実施形態C−1
図17に、本発明の他の実施形態C−1に係る給湯システム100cの概略構成図を示す。
(5−9−1)全体構成
給湯システム100cは、本発明の他の実施形態B−1に係る給湯システム100bと同様、貯湯回路30を含む貯湯ユニット3、および、コントローラ7を備えており、ヒートポンプ2bの代わりに冷媒回路20cを含むヒートポンプ2cを備えている。給湯システム100cは、給湯システム100bとほぼ同様の構成をしているので、給湯システム100bと同じ構成をしている部分については説明を省略する。以下では、給湯システム100bと異なる構成となっている部分を中心に説明する。
(5−9−2)詳細構成
給湯システム100cのヒートポンプ2cは、給湯システム100bのヒートポンプ2bと異なり、冷媒回路20cにおいて、補助熱交換器26と補助膨張弁27の間の部分と、蓄冷用冷媒熱交換器24と圧縮機21の吸入側の間の部分を接続するバイパス冷媒回路28が設けられている。このバイパス冷媒回路28は、蓄冷用冷媒熱交換器24を通過しておらず、途中にバイパス冷媒開閉弁28aが設けられている。
(5−9−3)動作
上記冷媒回路20cでは、貯湯回路30において沸き上げポンプ34が駆動すると共に、冷凍サイクルが行われ、貯湯タンク35内の水の沸き上げを行う。
ここで、コントローラ7は、水熱交換器22における放熱程度と蓄冷用冷媒熱交換器24における蒸発程度および外気温度センサ26aの検出温度に基づいて、膨張弁23と補助膨張弁27の弁開度制御を行う。また、コントローラ7は、補助ファン26Fの風量を、外気温度センサ26aの検出温度に基づいて、水熱交換器22における放熱程度と蓄冷用冷媒熱交換器24における蒸発程度のバランスが確保されるように制御する。
具体的には、冷蓄熱槽6内の不凍液において冷熱があまり蓄えられていない等、水熱交換器22における放熱程度が蓄冷用冷媒熱交換器24における蒸発程度と比較して不足気味であるとコントローラ7が判断した場合には、コントローラ7は、膨張弁23を全開に制御し、補助膨張弁27において吐出圧力から吸入圧力まで減圧するように補助膨張弁27の弁開度を制御する。なお、この際、バイパス冷媒回路28のバイパス冷媒開閉弁28aは、コントローラ7によって全閉状態に制御されている。これにより、補助熱交換器26を冷媒の放熱器として機能させることが可能になり、水熱交換器22における放熱程度の不足分を補って、蓄冷用冷媒熱交換器24における蒸発程度とバランスさせることが可能になる。
他方、例えば、冷蓄熱槽6内の不凍液において冷熱が十分に蓄えられている等により、蓄冷用冷媒熱交換器24における蒸発程度が水熱交換器22における放熱程度と比較して不足気味であるとコントローラ7が判断した場合には、コントローラ7は、膨張弁23において吐出圧力から中間圧力まで減圧するように膨張弁23の弁開度を制御し、補助膨張弁27において中間圧力から吸入圧力まで減圧するように補助膨張弁27の弁開度を制御する。なお、この際、バイパス冷媒回路28のバイパス冷媒開閉弁28aは、コントローラ7によって全閉状態に制御されている。これにより、補助熱交換器26を冷媒の蒸発器として機能させることが可能になり、蓄冷用冷媒熱交換器24における蒸発程度の不足分を補って、水熱交換器22における放熱程度とバランスさせることが可能になる。
さらに、冷蓄熱槽6内の不凍液において冷熱が十分に蓄えられており、蓄冷が過剰になるとコントローラ7が判断した場合には、コントローラ7は、バイパス冷媒回路28のバイパス冷媒開閉弁28aを全開状態に切り換える。これにより、蓄冷用冷媒熱交換器24における冷媒の流れを抑制することができるため、蓄冷用冷媒熱交換器24における過剰な蓄冷動作を抑制することが可能になる。
(5−9−4)他の実施形態C−1の特徴
他の実施形態C−1の給湯システム100cでは、上記他の実施形態B−1と同様の効果を奏することができる。
また、この給湯システム100cでは、冷蓄熱槽6内の不凍液における冷熱の蓄積状況に応じて、蓄冷が過剰になるとコントローラ7が判断した場合には、バイパス冷媒開閉弁28aを全開状態に切り換えることで、蓄冷用冷媒熱交換器24における過剰な蓄冷動作を抑制することが可能になる。
これにより、例えば、冷蓄熱槽6における機器の過剰な熱収縮を防ぎ、機器のダメージを軽減することが可能になっている。
(5−10)他の実施形態C−2
図18に、本発明の他の実施形態C−2に係る給湯システム200cの概略構成図を示す。
(5−10−1)全体構成
給湯システム200cは、本発明の他の実施形態B−2に係る給湯システム200bと同様、貯湯回路30を含む貯湯ユニット3、および、コントローラ7を備えており、ヒートポンプ202bの代わりに冷媒回路120cを含むヒートポンプ202cを備えている。給湯システム200cは、給湯システム200bとほぼ同様の構成をしているので、給湯システム200bと同じ構成をしている部分については説明を省略する。以下では、給湯システム200bと異なる構成となっている部分を中心に説明する。
(5−10−2)詳細構成
給湯システム200cのヒートポンプ202cは、給湯システム200bのヒートポンプ202bと異なり、冷媒回路120cにおいて、補助熱交換器26と補助膨張弁27の間の部分と、冷媒中間媒体熱交換器124と圧縮機21の吸入側の間の部分を接続するバイパス冷媒回路28が設けられている。このバイパス冷媒回路28は、冷媒中間媒体熱交換器124を通過しておらず、途中にバイパス冷媒開閉弁28aが設けられている。
(5−10−3)動作
上記冷媒回路120cでは、貯湯回路30において沸き上げポンプ34が駆動すると共に、冷凍サイクルが行われ、貯湯タンク35内の水の沸き上げを行う。
ここで、コントローラ7は、水熱交換器22における放熱程度と冷媒中間媒体熱交換器124における蒸発程度および外気温度センサ26aの検出温度に基づいて、膨張弁23と補助膨張弁27の弁開度制御を行う。また、コントローラ7は、補助ファン26Fの風量を、外気温度センサ26aの検出温度に基づいて、水熱交換器22における放熱程度と冷媒中間媒体熱交換器124における蒸発程度のバランスが確保されるように制御する。
冷蓄熱槽6内の不凍液において冷熱が十分に蓄えられており、蓄冷が過剰になるとコントローラ7が判断した場合には、コントローラ7は、バイパス冷媒回路28のバイパス冷媒開閉弁28aを全開状態に切り換える。これにより、冷媒中間媒体熱交換器124における冷媒の流れを抑制することができるため、冷媒中間媒体熱交換器124における過剰な蓄冷動作を抑制することが可能になる。
なお、他の動作については、他の実施形態C−1と同様であるため、説明を省略する。
(5−10−4)他の実施形態C−2の特徴
他の実施形態C−2の給湯システム200cでは、上記他の実施形態B−2と同様の効果を奏することができる。
また、この給湯システム200cでは、冷蓄熱槽6内の不凍液における冷熱の蓄積状況に応じて、蓄冷が過剰になるとコントローラ7が判断した場合には、バイパス冷媒開閉弁28aを全開状態に切り換えることで、冷媒中間媒体熱交換器124における過剰な蓄冷動作を抑制することが可能になる。
これにより、例えば、冷媒中間媒体熱交換器124における過剰な熱収縮を防ぎ、冷媒中間媒体熱交換器124のダメージを軽減することが可能になっている。
また、バイパス冷媒開閉弁28aを全開状態に切り換えられた場合に、コントローラ7が、中間ポンプ61の駆動を停止させることで、中間ポンプ61の消費電力を抑制することも可能になる。
(5−11)他の実施形態C−3
図19に、本発明の他の実施形態C−3に係る給湯システム300cの概略構成図を示す。
(5−11−1)全体構成
給湯システム300cは、本発明の他の実施形態B−3に係る給湯システム300bと同様、貯湯回路30を含む貯湯ユニット3、および、コントローラ7を備えており、ヒートポンプ302bの代わりに冷媒回路20cを含むヒートポンプ302cを備えている。給湯システム300cは、給湯システム300bとほぼ同様の構成をしているので、給湯システム300bと同じ構成をしている部分については説明を省略する。以下では、給湯システム300bと異なる構成となっている部分を中心に説明する。
(5−11−2)詳細構成
給湯システム300cのヒートポンプ302cは、給湯システム300bのヒートポンプ302bと異なり、冷媒回路20cにおいて、補助熱交換器26と補助膨張弁27の間の部分と、蓄冷用冷媒熱交換器24と圧縮機21の吸入側の間の部分を接続するバイパス冷媒回路28が設けられている。このバイパス冷媒回路28は、蓄冷用冷媒熱交換器24を通過しておらず、途中にバイパス冷媒開閉弁28aが設けられている。
(5−11−3)動作
上記冷媒回路20cでは、貯湯回路30において沸き上げポンプ34が駆動すると共に、冷凍サイクルが行われ、貯湯タンク35内の水の沸き上げを行う。
ここで、コントローラ7は、水熱交換器22における放熱程度と蓄冷用冷媒熱交換器24における蒸発程度および外気温度センサ26aの検出温度に基づいて、膨張弁23と補助膨張弁27の弁開度制御を行う。また、コントローラ7は、補助ファン26Fの風量を、外気温度センサ26aの検出温度に基づいて、水熱交換器22における放熱程度と蓄冷用冷媒熱交換器24における蒸発程度のバランスが確保されるように制御する。
冷蓄熱槽6内の不凍液において冷熱が十分に蓄えられており、蓄冷が過剰になるとコントローラ7が判断した場合には、コントローラ7は、バイパス冷媒回路28のバイパス冷媒開閉弁28aを全開状態に切り換える。これにより、蓄冷用冷媒熱交換器24における冷媒の流れを抑制することができるため、蓄冷用冷媒熱交換器24における過剰な蓄冷動作を抑制することが可能になる。
なお、他の動作については、他の実施形態C−1と同様であるため、説明を省略する。
(5−11−4)他の実施形態C−3の特徴
他の実施形態C−3の給湯システム300cでは、上記他の実施形態B−3と同様の効果を奏することができる。
また、この給湯システム300cでは、冷蓄熱槽6内の不凍液における冷熱の蓄積状況に応じて、蓄冷が過剰になるとコントローラ7が判断した場合には、バイパス冷媒開閉弁28aを全開状態に切り換えることで、蓄冷用冷媒熱交換器24における過剰な蓄冷動作を抑制することが可能になる。
これにより、例えば、冷蓄熱槽6内の機器の過剰な熱収縮を防ぎ、この機器のダメージを軽減することが可能になっている。
(5−12)他の実施形態C−4
図20に、本発明の他の実施形態C−4に係る給湯システム400cの概略構成図を示す。
(5−12−1)全体構成
給湯システム400cは、本発明の他の実施形態B−4に係る給湯システム400bと同様、貯湯回路30を含む貯湯ユニット3、および、コントローラ7を備えており、ヒートポンプ402bの代わりに冷媒回路120cを含むヒートポンプ402cを備えている。給湯システム400cは、給湯システム400bとほぼ同様の構成をしているので、給湯システム400bと同じ構成をしている部分については説明を省略する。以下では、給湯システム400bと異なる構成となっている部分を中心に説明する。
(5−12−2)詳細構成
給湯システム400cのヒートポンプ402cは、給湯システム400bのヒートポンプ402bと異なり、冷媒回路120cにおいて、補助熱交換器26と補助膨張弁27の間の部分と、冷媒中間媒体熱交換器124と圧縮機21の吸入側の間の部分を接続するバイパス冷媒回路28が設けられている。このバイパス冷媒回路28は、冷媒中間媒体熱交換器124を通過しておらず、途中にバイパス冷媒開閉弁28aが設けられている。
(5−12−3)動作
上記冷媒回路120cでは、貯湯回路30において沸き上げポンプ34が駆動すると共に、冷凍サイクルが行われ、貯湯タンク35内の水の沸き上げを行う。
ここで、コントローラ7は、水熱交換器22における放熱程度と冷媒中間媒体熱交換器124における蒸発程度および外気温度センサ26aの検出温度に基づいて、膨張弁23と補助膨張弁27の弁開度制御を行う。また、コントローラ7は、補助ファン26Fの風量を、外気温度センサ26aの検出温度に基づいて、水熱交換器22における放熱程度と冷媒中間媒体熱交換器124における蒸発程度のバランスが確保されるように制御する。
冷蓄熱槽6内の不凍液において冷熱が十分に蓄えられており、蓄冷が過剰になるとコントローラ7が判断した場合には、コントローラ7は、バイパス冷媒回路28のバイパス冷媒開閉弁28aを全開状態に切り換える。これにより、冷媒中間媒体熱交換器124における冷媒の流れを抑制することができるため、冷媒中間媒体熱交換器124における過剰な蓄冷動作を抑制することが可能になる。
なお、他の動作については、他の実施形態C−1と同様であるため、説明を省略する。
(5−12−4)他の実施形態C−4の特徴
他の実施形態C−4の給湯システム400cでは、上記他の実施形態B−4と同様の効果を奏することができる。
また、この給湯システム400cでは、冷蓄熱槽6内の不凍液における冷熱の蓄積状況に応じて、蓄冷が過剰になるとコントローラ7が判断した場合には、バイパス冷媒開閉弁28aを全開状態に切り換えることで、冷媒中間媒体熱交換器124における過剰な蓄冷動作を抑制することが可能になる。
これにより、例えば、冷媒中間媒体熱交換器124における過剰な熱収縮を防ぎ、冷媒中間媒体熱交換器124のダメージを軽減することが可能になっている。
また、バイパス冷媒開閉弁28aを全開状態に切り換えられた場合に、コントローラ7が、中間ポンプ61の駆動を停止させることで、中間ポンプ61の消費電力を抑制することも可能になる。
(5−13)他の実施形態D
図21に、本発明の他の実施形態Dに係る給湯システム100dの概略構成図を示す。
(5−13−1)全体構成
給湯システム100dは、本発明の第1実施形態に係る給湯システム100と同様、貯湯回路30を含む貯湯ユニット3、および、コントローラ7を備えており、ヒートポンプ2の代わりに冷媒回路20を含むヒートポンプ2dを備えている。給湯システム100dは、給湯システム100とほぼ同様の構成をしているので、給湯システム100と同じ構成をしている部分については説明を省略する。以下では、給湯システム100と異なる構成となっている部分を中心に説明する。
(5−13−2)詳細構成
給湯システム100dのヒートポンプ2dは、給湯システム100のヒートポンプ2と異なり、冷蓄熱槽連結回路50の代わりに、冷蓄熱槽連結回路50dを備えている。
この冷蓄熱槽連結回路50dは、冷蓄熱槽6内の不凍液を温度調節ジャケット48まで送って循環させる回路であり、冷蓄熱槽6内の不凍液を温度調節ジャケット48内に送る途中に低温側ポンプ51dを有している。
この冷蓄熱槽連結回路50dは、冷蓄熱槽6内の不凍液を温度調節ジャケット48内に送る途中であって低温側ポンプ51dを通過した部分と、温度調節ジャケット48内から冷蓄熱槽6内に不凍液を送る途中の部分を接続するバイパス不凍液回路55が設けられている。このバイパス不凍液回路55の途中には、バイパス不凍液開閉弁56が設けられている。
(5−13−3)動作
上記冷媒回路20では、貯湯回路30において沸き上げポンプ34が駆動すると共に、冷凍サイクルが行われ、貯湯タンク35内の水の沸き上げを行う。
ここで、コントローラ7は、沸き上げが行われている状態では、低温側ポンプ51dを駆動させる。この低温側ポンプ51dを駆動させている状態において、コントローラ7は、蓄電池71の蓄電池温度センサ71aの検出温度が所定の温度範囲内(蓄電池71が好適に動作可能である温度範囲内)に収まっているか否かを判断し、範囲を超えている場合には、バイパス不凍液開閉弁56を全閉状態にして、不凍液を冷蓄熱槽6内と温度調節ジャケット48内の間で循環させ、冷熱を用いた蓄電池71の温度調節を行う。
また、コントローラ7は、沸き上げが行われている状態において、蓄電池71の蓄電池温度センサ71aの検出温度が所定の温度範囲内に収まっている場合であっても、バイパス不凍液開閉弁56を全開状態にして、低温側ポンプ51dを駆動させる。これにより、冷蓄熱槽6内の不凍液に対流を生じさせることができ、冷蓄熱槽6内の不凍液に浸されている蓄冷用冷媒熱交換器24内の冷媒と冷蓄熱槽6内の不凍液の熱交換効率を向上させている。
(5−13−4)他の実施形態Dの特徴
他の実施形態Dの給湯システム100dでは、上記第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、この給湯システム100dでは、蓄電池71の温度調節が不要な状況であっても、バイパス不凍液開閉弁56を全開状態にして、低温側ポンプ51dを駆動させることで、蓄電池71の不必要な温度調節を避けつつ、蓄冷用冷媒熱交換器24内の冷媒と冷蓄熱槽6内の不凍液の熱交換効率を向上させることが可能になっている。
(5−14)他の実施形態E−1
図22に、本発明の他の実施形態E−1に係る給湯システム100eの概略構成図を示す。
(5−14−1)全体構成
給湯システム100eは、本発明の第1実施形態に係る給湯システム100と同様、貯湯回路30を含む貯湯ユニット3、および、コントローラ7を備えており、ヒートポンプ2の代わりに冷媒回路20を含むヒートポンプ2eを備えている。給湯システム100eは、給湯システム100とほぼ同様の構成をしているので、給湯システム100と同じ構成をしている部分については説明を省略する。以下では、給湯システム100と異なる構成となっている部分を中心に説明する。
(5−14−2)詳細構成
給湯システム100eのヒートポンプ2eは、給湯システム100のヒートポンプ2と異なり、冷蓄熱槽連結回路50の代わりに、ヒートパイプ50eを備えている。
このヒートパイプ50eは、内部に作動液が封入されており、冷蓄熱槽6内の不凍液(本実施形態においてはスラリーアイスであってもよい。)に浸されている部分と、温度調節ジャケット48内に位置している部分が接続されるようにして構成されている。このヒートパイプ50eでは、内部に充填されている作動液が状態変化することによって、ヒートパイプ50e内を冷蓄熱槽6内から温度調節ジャケット48内まで移動し、冷熱を伝えている。
なお、本実施形態では、高温側回路40を流れる温水の温熱とヒートパイプ50e内を移動する作動液の冷熱によって温度調節ジャケット48自体の温度が調節されるように温度調節部8bが構成されている。
(5−14−3)動作
上記冷媒回路20では、貯湯回路30において沸き上げポンプ34が駆動すると共に、冷凍サイクルが行われ、貯湯タンク35内の水の沸き上げを行う。
なお、第1実施形態の冷蓄熱槽連結回路50では低温側ポンプ51による不凍液の循環動作が行われているが、本実施形態のヒートパイプ50eでは、内部に封入されている作動液が状態変化して自発的に移動するため、第1実施形態の冷蓄熱槽連結回路50が有しているような低温側ポンプ51およびその動作制御が不要になっている。
なお、他の動作については、上記第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
(5−14−4)他の実施形態E−1の特徴
他の実施形態E−1の給湯システム100eでは、上記第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、この給湯システム100eでは、第1実施形態の低温側ポンプ51が不要であり、その動作制御も不要であり、ヒートポンプ50eにおいて自発的に冷蓄熱槽6内の不凍液の冷熱を温度調節ジャケット48内に伝えることが可能になっている。
(5−15)他の実施形態E−2
図23に、本発明の他の実施形態E−2に係る給湯システム200eの概略構成図を示す。
(5−15−1)全体構成
給湯システム200eは、本発明の第2実施形態に係る給湯システム200と同様、貯湯回路30を含む貯湯ユニット3、および、コントローラ7を備えており、ヒートポンプ202の代わりにヒートポンプ202eを備えている。給湯システム200eは、給湯システム200とほぼ同様の構成をしているので、給湯システム200と同じ構成をしている部分については説明を省略する。以下では、給湯システム200と異なる構成となっている部分を中心に説明する。
(5−15−2)詳細構成
給湯システム200eのヒートポンプ202eは、給湯システム200のヒートポンプ202と異なり、冷蓄熱槽連結回路50の代わりに、ヒートパイプ50eを備えている。
このヒートパイプ50eは、内部に作動液が封入されており、冷蓄熱槽6内の不凍液(本実施形態においてはスラリーアイスであってもよい。)に浸されている部分と、温度調節ジャケット48内に位置している部分が接続されるようにして構成されている。このヒートパイプ50eでは、内部に充填されている作動液が状態変化することによって、ヒートパイプ50e内を冷蓄熱槽6内から温度調節ジャケット48内まで移動し、冷熱を伝えている。
なお、本実施形態では、高温側回路40を流れる温水の温熱とヒートパイプ50e内を移動する作動液の冷熱によって温度調節ジャケット48自体の温度が調節されることで温度調節部8bが構成されている。
(5−15−3)動作
上記冷媒回路120では、貯湯回路30において沸き上げポンプ34が駆動すると共に、冷凍サイクルが行われ、貯湯タンク35内の水の沸き上げを行う。
なお、第2実施形態の冷蓄熱槽連結回路50では低温側ポンプ51による不凍液の循環動作が行われているが、本実施形態のヒートパイプ50eでは、内部に封入されている作動液が状態変化して自発的に移動するため、第2実施形態の冷蓄熱槽連結回路50が有しているような低温側ポンプ51およびその動作制御が不要になっている。
なお、他の動作については、上記第2実施形態と同様であるため、説明を省略する。
(5−15−4)他の実施形態E−2の特徴
他の実施形態E−2の給湯システム200eでは、上記第2実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、この給湯システム200eでは、第2実施形態の低温側ポンプ51が不要であり、その動作制御も不要であり、ヒートポンプ50eにおいて自発的に冷蓄熱槽6内の不凍液の冷熱を温度調節ジャケット48内に伝えることが可能になっている。
(5−16)他の実施形態F−1
図24に、本発明の他の実施形態F−1に係る給湯システム100fの概略構成図を示す。
(5−16−1)全体構成
給湯システム100fは、本発明の第1実施形態に係る給湯システム100と同様、貯湯回路30を含む貯湯ユニット3、および、コントローラ7を備えており、ヒートポンプ2の代わりにヒートポンプ2fを備えている。給湯システム100fは、給湯システム100とほぼ同様の構成をしているので、給湯システム100と同じ構成をしている部分については説明を省略する。以下では、給湯システム100と異なる構成となっている部分を中心に説明する。
(5−16−2)詳細構成
給湯システム100fのヒートポンプ2fは、給湯システム100のヒートポンプ2と異なり、冷水供給回路90をさらに備えている。
この冷水供給回路90は、市水から供給される水を蛇口92まで導く回路であり、途中に冷蓄熱槽6内の不凍液に浸された冷水用熱交換器91が設けられている。
この冷水用熱交換器91を流れる市水は、冷蓄熱槽6内の不凍液が保持している冷熱によって冷却される。このため、冷水供給回路90の蛇口92からは、市水よりも温度が低い冷えた水を供給することが可能になっている。
(5−16−3)動作
上記冷媒回路20では、貯湯回路30において沸き上げポンプ34が駆動すると共に、冷凍サイクルが行われ、貯湯タンク35内の水の沸き上げを行う。
なお、その他の動作については、上記第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
(5−16−4)他の実施形態F−1の特徴
他の実施形態F−1の給湯システム100fでは、上記第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、このように冷蓄熱槽6内の不凍液に保持された冷熱を、蓄電池71の温度調節および冷水供給回路90を介した冷水の供給に利用することが可能になっている。
(5−17)他の実施形態F−2
図25に、本発明の他の実施形態F−2に係る給湯システム200fの概略構成図を示す。
(5−17−1)全体構成
給湯システム200fは、本発明の第2実施形態に係る給湯システム200と同様、貯湯回路30を含む貯湯ユニット3、および、コントローラ7を備えており、ヒートポンプ202の代わりにヒートポンプ202fを備えている。給湯システム200fは、給湯システム200とほぼ同様の構成をしているので、給湯システム200と同じ構成をしている部分については説明を省略する。以下では、給湯システム200と異なる構成となっている部分を中心に説明する。
(5−17−2)詳細構成
給湯システム200fのヒートポンプ202fは、給湯システム200のヒートポンプ202と異なり、冷水供給回路90をさらに備えている。
この冷水供給回路90は、市水から供給される水を蛇口92まで導く回路であり、途中に冷蓄熱槽6内の不凍液に浸された冷水用熱交換器91が設けられている。
この冷水用熱交換器91を流れる市水は、冷蓄熱槽6内の不凍液が保持している冷熱によって冷却される。このため、冷水供給回路90の蛇口92からは、市水よりも温度が低い冷えた水を供給することが可能になっている。
(5−17−3)動作
上記冷媒回路20では、貯湯回路30において沸き上げポンプ34が駆動すると共に、冷凍サイクルが行われ、貯湯タンク35内の水の沸き上げを行う。
なお、その他の動作については、上記第2実施形態と同様であるため、説明を省略する。
(5−17−4)他の実施形態F−2の特徴
他の実施形態F−2の給湯システム200fでは、上記第2実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、このように冷蓄熱槽6内の不凍液に保持された冷熱を、蓄電池71の温度調節および冷水供給回路90を介した冷水の供給に利用することが可能になっている。
(5−18)他の実施形態G
上記第1実施形態〜第4実施形態および他の実施形態A−1〜他の実施形態F−2においては、特に明示していないが、例えば、図26に示すように、貯湯ユニット3のケーシング3pの外表面には、太陽光発電パネルSが取り付けられていてもよい。具体的には、太陽光発電パネルSは、ケーシング3pの各側面および天面に設けられていてもよい。
貯湯ユニット3の外表面に太陽光発電パネルSが設けられることで、太陽光発電パネルSに対して太陽光を受光させて、発電させ、電力を得ることが可能になる。このようにして発電された電力は、ヒートポンプにおいて駆動電力として利用してもよいし、貯湯ユニットにおいて駆動電力として利用してもよい。また、ヒートポンプや貯湯ユニットにおいて駆動電力として用いられない場合であっても、蓄電池71の充電に用いることができる。さらに、このようにして蓄電池71に充電された電力は、後にヒートポンプや貯湯ユニットを駆動させる際に駆動電力として用いてもよい。
また、このように貯湯ユニット3のケーシング3pの外表面に太陽光発電パネルSを取り付けることにより、太陽光発電による電力を利用することが可能になるだけでなく、太陽光による熱エネルギーによってケーシング3p内の温度が上昇することを抑制させることが可能になっている。これにより、蓄電池71の温度が適切な温度範囲を外れるように上昇してしまうことを抑制できる。
(5−19)他の実施形態H
上記第1実施形態〜第4実施形態および他の実施形態A−1〜他の実施形態F−2においては、特に明示していないが、例えば、図27に示すように、温度調節ジャケット48と蓄電池71の間、および、温度調節ジャケット48とスイッチング素子収納部72の間に相変化層79が設けられている。
この相変化層79は、特に限定されないが、本実施形態では、主としてパラフィンを含有している潜熱蓄熱材によって構成されている。この潜熱蓄熱材は、所定の温度で固体から液体に相変化するように構成されている。本実施形態では、蓄電池71の動作を好適に維持できる所定の温度範囲よりも高温(例えば、60℃付近の温度)で、固体から液体に相変化するように構成されている。
このように、温度調節対象である蓄電池71やスイッチング素子収納部72に収納されているスイッチング素子72aやコンバータ72bは、温度調節ジャケット48との間に相変化層79が介在しているため、高温側回路40を流れる温水から得られる温熱の量が多くなりすぎる等、温度調節対象を過剰に加熱してしまう状況が生じそうになったとしても、相変化層79の潜熱蓄熱材が、その過度な熱エネルギーを潜熱変化に要するエネルギーとして消費することができる。このため、相変化層79の潜熱蓄熱材が潜熱変化している間は、潜熱蓄熱材の温度上昇を抑制させることができるため、温度調節対象としての蓄電池71やスイッチング素子収納部72に収納されているスイッチング素子72aやコンバータ72bの温度が過度に上昇することを抑制することが可能になっている。
なお、他の実施形態Hにおいて、相変化層79は必ずしも温度調節ジャケット48の上下に配置されている必要は無く、例えば、蓄電池71、スイッチング素子72aおよびコンバータ72bのうち、好適に駆動させるための温度範囲が最も低いものと温度調節ジャケット48の間にのみ配置するようにしてもよい。
(5−20)他の実施形態I
上記第1実施形態〜第4実施形態および他の実施形態A−1〜他の実施形態F−2においては、温度調節ジャケット48の内部の高温側回路40の一部と冷蓄熱槽連結回路50、50dの一部やヒートパイプ50eの一部や冷蓄熱槽独立回路150の一部は、温度調節ジャケット48の蓄電池71側の端部およびスイッチング素子収納部72側の端部において部分的な温度ムラが生じにくいように、温度調節ジャケット48内において均等に配置されている場合を例に挙げて説明した。
これに対して、温度調節ジャケット48内での配置は、特に限定されるものではなく、例えば、図28に示すように、温度調節部208を有するように構成されていてもよい。
この温度調節部208は、温度調節ジャケット248を有して構成されている。
温度調節ジャケット248には、高温側回路40の一部と冷蓄熱槽連結回路50、50dの一部やヒートパイプ50eの一部や冷蓄熱槽独立回路150の一部が位置している。この温度調節ジャケット248は、アルミニウムもしくはアルミニウム合金等の熱伝導率の高い金属によって構成されている。また、蓄電池71およびスイッチング素子72aやコンバータ72bを収納したスイッチング素子収納部72は、この温度調節ジャケット248の上方であって貯湯タンク35の下方に水平方向に並んで配置されている。
ここで、温度調節ジャケット248の内部の高温側回路40の一部が位置している部分と、冷蓄熱槽連結回路50、50dの一部やヒートパイプ50eの一部や冷蓄熱槽独立回路150の一部が位置している部分とは、温度調節ジャケット248全体としては均等には配置されていない。このように配置することで、例えば、温度調節対象が複数種類存在し、それらの好適な温度範囲が異なっている場合には、より好適な温度範囲に近くしやすくなるように、温度調節ジャケット248の内部の高温側回路40の一部が位置している部分と冷蓄熱槽連結回路50、50dの一部やヒートパイプ50eの一部や冷蓄熱槽独立回路150の一部が位置している部分の配置を割り当てることが可能になっている。
例えば、蓄電池71の好適な温度範囲が、スイッチング素子収納部72に収納されているスイッチング素子72aやコンバータ72bの好適な温度範囲よりも低い場合には、蓄電池71が配置されている側に、冷蓄熱槽連結回路50、50dの一部やヒートパイプ50eの一部や冷蓄熱槽独立回路150の一部が位置している部分が配置され、スイッチング素子収納部72が配置されている側に、高温側回路40の一部が位置している部分が配置されるように、配置構成を採用することができる。
(5−21)他の実施形態J
上記第1実施形態〜第4実施形態および他の実施形態A−1〜他の実施形態F−2においては、冷却源と加熱源を温度調節ジャケット48において熱的に混合させ、温度調節対象としての蓄電池71、および、スイッチング素子収納部72に収納されているスイッチング素子72aやコンバータ72bに伝熱させていく場合を例に挙げて説明した。
これに対して、温度調節対象の温度調節方法は、特に限定されるものではなく、例えば、図29に示すように、温度調節部308を有するように構成されていてもよい。
この温度調節部308は、冷却源ジャケット348a、および、加熱源ジャケット348bを有して構成されている。
冷却源ジャケット348aは、内部に、冷蓄熱槽連結回路50、50d、ヒートポンプ50e、または、冷蓄熱槽独立回路150の一部を通過させており、アルミニウムもしくはアルミニウム合金等の熱伝導率の高い金属によって構成されている。この冷却源ジャケット348aは、蓄電池71およびスイッチング素子収納部72に収納されているスイッチング素子72aやコンバータ72bに対して上方から熱を伝えることができるように配置されている。
加熱源ジャケット348bは、内部に、高温側回路40の一部を通過させており、アルミニウムもしくはアルミニウム合金等の熱伝導率の高い金属によって構成されている。この加熱源ジャケット348bは、蓄電池71およびスイッチング素子収納部72に収納されているスイッチング素子72aやコンバータ72bに対して下方から相変化層79を介して熱を伝えることができるように配置されている。
すなわち、本実施形態では、下方から上方に向けて順に、加熱源ジャケット348b、相変化層79、蓄電池71およびスイッチング素子収納部72、冷却源ジャケット348aが積層されるようにして配置されている。
このように、温度調節部308は、互いに分離された冷却源ジャケット348aと加熱源ジャケット348bによって構成されることで、加熱源と冷却源をそれぞれの目的に応じた異なる位置に配置することが可能になっている。
なお、加熱源ジャケット348bと蓄電池71およびスイッチング素子収納部72の間に配置されている相変化層79は、他の実施形態Hにおいて説明した相変化層79と同様である。ここでは、貯湯タンク35内のうち最も温度の高い温水が供給され、高温になることが予想される加熱源ジャケット348b側にのみ設け、高温になることが予想されにくい冷却源ジャケット348a側には相変化層79の配置を省略することができる。
(5−22)他の実施形態K
上記第1実施形態〜第4実施形態および他の実施形態A−1〜他の実施形態F−2においては、冷却源と加熱源を温度調節ジャケット48において熱的に混合させ、温度調節対象としての蓄電池71、および、スイッチング素子収納部72に収納されているスイッチング素子72aやコンバータ72bに伝熱させていく場合を例に挙げて説明した。
これに対して、温度調節対象の温度調節方法は、特に限定されるものではなく、例えば、上面視の概略配置構成図である図30に示すように、温度調節部408を有するように構成されていてもよい。
この温度調節部408は、温度調節ジャケット48等を備えず、蓄電池71の側面に直に接するように冷蓄熱槽連結回路50、50d、ヒートポンプ50e、または、冷蓄熱槽独立回路150の一部が巻き付けられ、その外周に高温側回路40の一部が巻き付けられるようにして構成されている。
このような構成であっても、蓄電池71等の温度調節対象の温度調節を行うことができる。
(5−23)他の実施形態M
上記各実施形態の冷媒回路を流れる冷媒としては、特に限定されるものではなく、例えば、R32やR401A等のHFC冷媒であってもよいし、二酸化炭素冷媒であってもよい。
(5−24)他の実施形態N
上記各実施形態では、蓄電池71としてリチウムイオン電池が用いられる場合を例に挙げて説明したが、蓄電池71としては、これに限られず、ニッケル水素電池等、他のタイプの蓄電池でもよい。
(5−25)他の実施形態O
上記各実施形態では、蓄電池71の温度調節を行う条件として、蓄電池温度センサ71aの検出する温度が適正動作範囲を超えた場合であることを例に挙げて説明した。
しかし、蓄電池71の温度調節を行う条件としては、これに限られるものではなく、例えば、室外の温度を検出可能な室外温度センサの検出温度が所定の適正動作範囲を超えた場合としてもよい。
(5−26)他の実施形態P
上記各実施形態では、水熱交換器22がヒートポンプ側に設けられた場合を例に挙げて説明した。
しかし、水熱交換器22の配置は、特に限定されるものではなく、例えば、貯湯ユニット3内に配置されていてもよい。
(5−27)他の実施形態Q
上記各実施形態では、温度調節対象として蓄電池71およびスイッチング素子収納部72に収納されているスイッチング素子72aやコンバータ72bを例に挙げて説明した。
しかし、温度調節対象としては、これらに限られるものではなく、例えば、冷蓄熱槽連結回路50、50dの一部やヒートパイプ50eの一部や冷蓄熱槽独立回路150の一部と高温側回路40の一部を床面下に張り巡らせることで、床暖房の用途に用いてもよい。
また、冷蓄熱槽連結回路50、50dの一部やヒートパイプ50eの一部や冷蓄熱槽独立回路150の一部と高温側回路40の一部に対して、ファンによって空気流れを供給し、温度調節された空気を対象空間に対して供給するようにしてもよい。
(5−28)他の実施形態R
上記各実施形態は、それぞれ互い阻害する事由が無い限り、当業者に可能な範囲で、適宜各実施形態を組み合わせてもよい。
本発明は、蓄電池を備えたヒートポンプ式の給湯システムに有用である。
2、2a、2b、2c、2d、2e、2f、202、202a、202b、202c、202e、202f、302、302a、302b、302c、402、402a、402b、402c ヒートポンプ
3 貯湯ユニット
6 冷蓄熱槽
7 コントローラ(制御部)
8、8a、8b 温度調節部(温度調節手段)
20、20a、20b、20c、120、120a、120b、120c 冷媒回路
21 圧縮機
22 水熱交換器(放熱器)
23 膨張弁(膨張機構)
24 蓄冷用冷媒熱交換器(蒸発器)
124 冷媒中間媒体熱交換器(蒸発器)
26 補助熱交換器(熱交換器)
26a 外気温度センサ
26F 補助ファン(ファン)
27 中間膨張弁(中間膨張機構)
28 バイパス冷媒回路
28a バイパス冷媒開閉弁(バイパス冷媒開閉機構)
30 貯湯回路
34 沸き上げポンプ(貯湯回路流量調節手段)
35 貯湯タンク
40 高温側回路(高温側調節手段)
41 高温側ポンプ
48 温度調節ジャケット(温度調節介在部)
50、50d 冷蓄熱槽連結回路(低温側回路、低温側調節手段)・熱媒体が循環
50e ヒートパイプ(低温側調節手段)
150 冷蓄熱槽独立回路(低温側回路、低温側調節手段)
152 冷蓄熱熱交換器(冷蓄熱熱交換部)
51、51d、151 低温側ポンプ(ポンプ)
55 バイパス不凍液回路(バイパス熱媒体回路)
56 バイパス不凍液開閉弁(バイパス熱媒体開閉機構)
60 中間熱媒体連結回路
160 中間媒体独立回路
61 中間ポンプ
62a 連結不凍液通路(蒸発熱交換部)
162a 独立不凍液通路(蒸発熱交換部)
71 蓄電池(温度調節対象、第1温度調節対象)
71a 蓄電池温度センサ
72 スイッチング素子収納部(温度調節対象、第2温度調節対象)
72a スイッチング素子(温度調節対象)
72b コンバータ(温度調節対象)
79 相変化層(潜熱蓄熱材、相変化媒体)
90 冷水供給回路
91 冷水用熱交換器(冷水配管)
92 蛇口
100、100a、100b、100c、100d、100e、100f、200、200a、200b、200c、200e、200f、300、300a、300b、300c、400、400a、400b、400c 給湯システム
S ソーラーパネル(太陽光発電パネル)
特開2010−145072号公報

Claims (27)

  1. 圧縮機(21)、放熱器(22)、膨張機構(23)、および、蒸発器(24、124)を含んでおり冷媒が循環する冷媒回路(20、20a、20b、20c、120、120a、120b、120c)を有するヒートポンプ(2、2a、2b、2c、2d、2e、2f、202、202a、202b、202c、202e、202f、302、302a、302b、302c、402、402a、402b、402c)と、
    未加熱の水が下方に供給され、前記放熱器を流れる冷媒の熱を利用して加熱された温水を上方で蓄える貯湯タンク(35)と、
    前記蒸発器を流れる冷媒の熱を利用して冷やされた熱媒体の熱を低温側調節手段(50、50d、50e、150)として用い、前記貯湯タンクの上方に蓄えられている温水の熱を高温側調節手段(40)として用いて温度調節対象(71、72)の温度を調節する温度調節手段(8、8a、8b)と、
    を備えた給湯システム(100、100a、100b、100c、100d、100e、100f、200、200a、200b、200c、200e、200f、300、300a、300b、300c、400、400a、400b、400c)。
  2. 前記低温側調節手段(50、50d、50e、150)と前記高温側調節手段(40)は、互いに独立して前記温度調節対象(71、72)に対する熱伝達を行い、
    前記高温側調節手段は、前記貯湯タンクの上方に蓄えられている温水を前記温度調節対象(71、72)に対して熱的接触が可能な位置まで送って循環させる高温側回路(40)を有している、
    請求項1に記載の給湯システム(100、100a、100b、100c、100d、100e、100f、200、200a、200b、200c、200e、200f、300、300a、300b、300c、400、400a、400b、400c)。
  3. 前記温度調節手段(8、8a、8b)は、前記低温側調節手段(50、50d、50e、150)の一部分および前記高温側調節手段(40)の一部分を内包させており、前記低温側調節手段(50、50d、50e、150)と前記高温側調節手段(40)との間で熱媒体と温水を直接混合させることなく熱的に混合させることで、前記低温側調節手段(50、50d、50e、150)から得た熱および前記高温側調節手段(40)から得た熱を前記温度調節対象(71、72)に伝えるための温度調節介在部(48)を有しており、
    前記温度調節介在部の外周の少なくとも一部は、前記温度調節対象の外周に沿った形状となっている、
    請求項1または2に記載の給湯システム(100、100a、100b、100c、100d、100e、100f、200、200a、200b、200c、200e、200f、300、300a、300b、300c、400、400a、400b、400c)。
  4. 前記温度調節対象は、互いに適用温度範囲が異なる第1温度調節対象(71)と第2温度調節対象(72)を有しており、
    前記温度調節介在部(48)は、前記第1温度調節対象(71)および前記第2温度調節対象(72)のうち前記適用温度範囲が高い方に前記高温側調節手段(40)から得た熱を主に供給し、前記適用温度範囲が低い方に前記低温側調節手段(50、50d、50e、150)から得た熱を主に供給するように構成されている、
    請求項3に記載の給湯システム(100、100a、100b、100c、100d、100e、100f、200、200a、200b、200c、200e、200f、300、300a、300b、300c、400、400a、400b、400c)。
  5. 前記低温側調節手段は、前記蒸発器を流れる冷媒の熱を利用して冷やされた前記熱媒体を前記温度調節介在部(48)まで送って循環させ、前記高温側回路とは独立した回路を構成している低温側回路(50、50d、150)を有している、
    請求項3または4に記載の給湯システム(100、100a、100b、100c、100d、100f、200、200a、200b、200c、200f、300、300a、300b、300c、400、400a、400b、400c)。
  6. 冷蓄熱槽(6)をさらに備え、
    前記蒸発器(24)の少なくとも一部は、前記冷蓄熱槽(6)内の前記熱媒体と熱交換可能となるように配置されており、
    前記低温側回路は、前記温度調節介在部(48)と前記冷蓄熱槽(6)の間で前記熱媒体が循環可能となるように構成された冷蓄熱槽連結回路(50、50d)を有している、
    請求項5に記載の給湯システム(100、100a、100b、100c、100d、100f)。
  7. 前記冷蓄熱槽連結回路(50d)は、前記温度調節介在部(48)に対する上流側と下流側をバイパスするバイパス熱媒体回路(55)と、前記バイパス熱媒体回路(55)の途中に設けられたバイパス熱媒体開閉機構(56)と、ポンプ(51d)をさらに有しており、
    前記温度調節介在部(48)と前記冷蓄熱槽(6)の間で前記熱媒体を循環させる状態と、前記温度調節介在部(48)に送ることなく前記冷蓄熱槽(6)と前記バイパス熱媒体回路(55)の間で前記熱媒体を循環させる状態を切り換える制御部(7)をさらに備えた、
    請求項6に記載の給湯システム(100d)。
  8. 前記放熱器を流れる冷媒の熱を利用して、前記貯湯タンクの下方の水を加熱し、前記貯湯タンクの上方に温水を蓄えるための貯湯回路(30)と、
    前記貯湯回路(30)における流量を調節する貯湯回路流量調節手段(34)と、
    前記貯湯回路流量調節手段(34)が停止している状態において、前記冷蓄熱槽(6)において蓄えられている冷熱を用いて前記温度調節手段(8、8a、8b)によって前記温度調節対象(71、72)の温度の調節を行う制御モードを有する制御部(7)と、
    をさらに備えた請求項6または7に記載の給湯システム(100、100a、100b、100c、100d、100f)。
  9. 冷蓄熱槽(6)と、
    前記蒸発器(124)を流れる冷媒の熱と熱交換可能な蒸発熱交換部(62a)を有しており、前記冷蓄熱槽(6)と前記蒸発熱交換部(62a)の間で前記熱媒体が循環可能となるように構成された中間熱媒体連結回路(60)と、
    をさらに備え、
    前記低温側回路は、前記温度調節介在部(48)と前記冷蓄熱槽(6)の間で前記熱媒体が循環可能となるように構成された冷蓄熱槽連結回路(50)を有している、
    請求項5に記載の給湯システム(200、200a、200b、200c、200f)。
  10. 前記放熱器を流れる冷媒の熱を利用して、前記貯湯タンクの下方の水を加熱し、前記貯湯タンクの上方に温水を蓄えるための貯湯回路(30)と、
    前記貯湯回路(30)における流量を調節する貯湯回路流量調節手段(34)と、
    前記貯湯回路流量調節手段(34)が停止している状態において、前記冷蓄熱槽(6)において蓄えられている冷熱を用いて前記温度調節手段(8、8a、8b)によって前記温度調節対象(71、72)の温度の調節を行う制御モードを有する制御部(7)と、
    をさらに備えた請求項9に記載の給湯システム(200、200a、200b、200c、200f)。
  11. 内部に中間媒体を蓄えている冷蓄熱槽(6)をさらに備え、
    前記蒸発器(24)の少なくとも一部は、前記冷蓄熱槽(6)内の前記中間媒体と熱交換可能となるように配置されており、
    前記低温側回路は、前記冷蓄熱槽(6)内の前記中間媒体と熱交換可能な冷蓄熱熱交換部(152)を有しており、前記温度調節介在部(48)と前記冷蓄熱熱交換部(152)の間で前記熱媒体が循環可能となるように構成された冷蓄熱槽独立回路(150)を有している、
    請求項5に記載の給湯システム(300、300a、300b、300c)。
  12. 前記放熱器を流れる冷媒の熱を利用して、前記貯湯タンクの下方の水を加熱し、前記貯湯タンクの上方に温水を蓄えるための貯湯回路(30)と、
    前記貯湯回路(30)における流量を調節する貯湯回路流量調節手段(34)と、
    前記貯湯回路流量調節手段(34)が停止している状態において、前記冷蓄熱槽(6)において蓄えられている冷熱を用いて前記温度調節手段(8、8a、8b)によって前記温度調節対象(71、72)の温度の調節を行う制御モードを有する制御部(7)と、
    をさらに備えた請求項11に記載の給湯システム(300、300a、300b、300c)。
  13. 冷蓄熱槽(6)と、
    前記蒸発器(124)を流れる冷媒の熱と熱交換可能な蒸発熱交換部(162a)を有しており、前記冷蓄熱槽(6)と前記蒸発熱交換部(162a)の間で中間媒体が循環可能となるように構成された中間媒体独立回路(160)と、
    をさらに備え、
    前記低温側回路は、前記冷蓄熱槽(6)内の前記中間媒体と熱交換可能な冷蓄熱熱交換部(152)を有しており、前記温度調節介在部(48)と前記冷蓄熱熱交換部(152)の間で前記熱媒体が循環可能となるように構成された冷蓄熱槽独立回路(150)を有している、
    請求項5に記載の給湯システム(400、400a、400b、400c)。
  14. 前記放熱器を流れる冷媒の熱を利用して、前記貯湯タンクの下方の水を加熱し、前記貯湯タンクの上方に温水を蓄えるための貯湯回路(30)と、
    前記貯湯回路(30)における流量を調節する貯湯回路流量調節手段(34)と、
    前記貯湯回路流量調節手段(34)が停止している状態において、前記冷蓄熱槽(6)において蓄えられている冷熱を用いて前記温度調節手段(8、8a、8b)によって前記温度調節対象(71、72)の温度の調節を行う制御モードを有する制御部(7)と、
    をさらに備えた請求項13に記載の給湯システム(400、400a、400b、400c)。
  15. 前記温度調節手段は、前記高温側回路の流量と前記低温側回路の流量を調節することで、前記温度調節対象の温度を調節する、
    請求項5から14のいずれか1項に記載の給湯システム。
  16. 前記熱媒体は、不凍液である、
    請求項5から15のいずれか1項に記載の給湯システム。
  17. 前記中間媒体は、スラリーアイスである、
    請求項11または12に記載の給湯システム(300、300a、300b、300c)。
  18. 前記低温側調節手段は、前記蒸発器(24、124)を流れる冷媒の熱を利用して冷やされる温度調節用媒体を封入しており、前記温度調節用媒体の熱を前記温度調節対象(71、72)に向けて移動させるヒートパイプ(50e)を有している、
    請求項1または2に記載の給湯システム(100e、200e)。
  19. ファン(26F)をさらに備え、
    前記冷媒回路は、前記蒸発器(24、124)と前記膨張機構(23)の間において、内部を流れる冷媒を前記ファン(26F)から供給される空気と熱交換させる熱交換器(26)をさらに有している、
    請求項1から18のいずれか1項に記載の給湯システム(100a、200a、300a、400a)。
  20. 前記冷媒回路は、前記蒸発器(24、124)と前記熱交換器(26)の間を通過する冷媒を膨張させる中間膨張機構(27)をさらに有している、
    請求項19に記載の給湯システム(100b、200b、300b、400b)。
  21. 前記冷媒回路は、前記圧縮機(21)と前記蒸発器(24、124)の間の部分と前記中間膨張機構(27)と前記熱交換器(26)の間の部分を接続するバイパス冷媒回路(28)と、前記バイパス冷媒回路(28)の途中に設けられたバイパス冷媒開閉機構(28a)をさらに有しており、
    前記蒸発器(24、124)に冷媒を通過させる状態と、前記蒸発器(24、124)に冷媒を通過させない状態を切り換える制御部(7)をさらに備えた、
    請求項20に記載の給湯システム(100c、200c、300c、400c)。
  22. 前記温度調節手段(8、8a、8b)と前記温度調節対象(71、72)の間において両方に熱的に接触するように介在しており、前記温度調節対象(71、72)の異常温度上昇を防ぐために所定の温度で相変化する相変化媒体(79)をさらに備えた、
    請求項1から21のいずれか1項に記載の給湯システム。
  23. 前記相変化媒体(79)は、パラフィンを含有している潜熱蓄熱材である、
    請求項22に記載の給湯システム。
  24. 市水を、蒸発器で冷やされた熱媒体によって冷却させた後に、水が利用される蛇口(92)の位置まで導く冷水配管(91)をさらに備えた、
    請求項1から23のいずれか1項に記載の給湯システム(100f、200f)。
  25. 前記温度調節対象は、少なくとも前記ヒートポンプによって使用される電力を蓄電する蓄電池(71)である、
    請求項1から24のいずれか1項に記載の給湯システム。
  26. 前記貯湯タンク(35)および前記蓄電池(71)を覆うように設置され、太陽光を受光して発電する太陽光発電パネル(S)をさらに備え、
    前記蓄電池(71)は、前記太陽光発電パネル(S)が発電することで得られる電気エネルギーを充電する、
    請求項25に記載の給湯システム。
  27. 前記貯湯タンク(35)および前記蓄電池(71)を覆うように設置され、太陽光を受光して発電する太陽光発電パネル(S)をさらに備え、
    前記ヒートポンプの駆動には、前記太陽光発電パネル(S)が発電することで得られる電気エネルギーが利用される、
    請求項25に記載の給湯システム。
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