JP2015192366A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、使用する記録材の表面粗さに応じた定着制御が行えるように、使用する記録材の表面粗さを精度良く検出することが可能な画像形成装置を提供することである。
【解決手段】発光手段から原稿に光を照射してその反射光によって原稿の画像を読み取る画像読取手段と、読み取った画像情報に基づいて記録材に画像を形成する画像形成手段と、前記画像読取手段及び前記画像形成手段の動作を制御する制御手段と、を有し、前記発光手段から画像形成前の記録材に光を照射してその反射光によって前記記録材の表面粗さを判断する表面粗さ判断モードを備え、前記制御手段は、前記表面粗さ判断モードの動作をするときは、前記画像読取手段で読み取る濃度レンジを画像情報を読み取るときより明部側へ変更して、前記記録材の表面粗さを判断することを特徴とする。
【選択図】 図9

Description

本発明は、記録材の表面粗さを計測する機能を備える複写機等の画像形成装置に関するものである。
従来、複写機に代表される画像形成装置では、画像読取手段により原稿の画像を読み取り、その画像情報に基づいて像担持体に現像剤像を形成し、その現像剤像を転写手段により記録材に転写し、転写した現像剤像を定着手段により記録材に定着している。
かかる画像形成装置においては、例えば画像形成装置本体に設けられた操作パネル等で記録材としての記録紙のサイズや紙種がユーザにより設定され、その設定に応じて最適な画像形成条件の制御がなされる。
しかしながら、ユーザが設定する項目には、ユーザが使用する記録紙の表面粗さは細かく考慮されておらず、記録紙の表面粗さが記録材に現像剤像を定着させる定着手段に影響を与え、画像不良(特に定着不良)が問題となっていた。
そこで、ユーザが使用する記録紙に対して光を照射し、正反射光による明部と拡散反射光による暗部の違いを検知することで、自動で記録紙の表面粗さを判別し、その表面粗さに応じた画像形成条件を制御する構成が提案されている(特許文献1)。
また、CCDエリアセンサで記録紙の表面画像を捉え、フラクタル次元を求めることにより、記録紙の粗度を求める方法が提案されている(特許文献2)。
特開2009−75119号公報 特開平11−271037号公報
しかしながら、上記従来の技術では、記録紙の表面粗さを正確に読み取るには不十分であった。すなわち、記録紙表面の画像を画像読取手段により読み取った際に、読取濃度のレンジが何も印刷されていない白紙状態に合せて設定がなされていないため、記録紙の表面粗さによる明暗のコントラストがつきづらく検出精度が不十分であった。このように記録紙の表面粗さの検出精度が不十分であると、記録紙の表面粗さに応じた最適な定着制御が行えないといった問題があった。
そこで、本発明の目的は、使用する記録紙の表面粗さに応じた定着制御が行えるように、使用する記録紙の表面粗さを精度良く検出することが可能な画像形成装置を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明は、発光手段から原稿に光を照射してその反射光によって原稿の画像を読み取る画像読取手段と、読み取った画像情報に基づいて記録材に画像を形成する画像形成手段と、前記画像読取手段及び前記画像形成手段の動作を制御する制御手段と、を有し、前記発光手段から画像形成前の記録材に光を照射してその反射光によって前記記録材の表面粗さを判断する表面粗さ判断モードを備え、前記制御手段は、前記表面粗さ判断モードの動作をするときは、前記画像読取手段で読み取る濃度レンジを画像情報を読み取るときより明部側へ変更して、前記記録材の表面粗さを判断することを特徴とする。
本発明によれば、表面粗さ計測モードの動作をするときは、画像読取手段で読み取る濃度レンジを画像情報を読み取るときより明部側へ変更するため、使用する記録材の表面粗さを精度良く検出することができる。これにより、記録材の表面粗さに応じた動作制御をすることで定着不良等の画像不良を防止することができる。
画像形成装置の概略構成を示す模式断面図 画像形成装置における画像読取装置の拡大斜視図 画像読取装置におけるイメージセンサユニットを走行体に支持する機構の分解斜視図 図3に示すイメージセンサユニットの部分拡大図 実施例1の定着装置の詳細図 実施例1に係るイメージセンサユニットの構成図 記録紙の表面粗さと輝度の関係を示す図 (a)(b)は記録紙の表面粗さと反射光量の関係を示す図 記録紙の表面粗さを判断する動作の流れを示す実施例1におけるフローチャート 制御系のブロック図 (a)(b)は通常のコピー動作時と表面粗さ判断モード時の輝度−濃度変換テーブルを示す図 記録紙の表面粗さにより定着不良が起こるメカニズムを示す部分断面図 比較例と本実施例とを比較した記録紙の表面粗さと定着性の関係を示す図 実施例2に係るイメージセンサユニットの構成図 記録紙の表面粗さを判断する動作の流れを示す実施例2におけるフローチャート
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。従って、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
〔実施例1〕
図1に実施例1に係る画像形成装置の概略構成を示す。図1に示すように、本実施例に係る画像形成装置は、原稿の画像を読み取るスキャナ部である画像読取装置100と、普通紙等の記録材に現像剤による画像を形成するプリンタ部である装置本体200とを備えている。
図2は、本実施例における画像読取装置100の概略斜視図である。図2に示すように、画像読取装置100は、画像読取手段としてのイメージセンサユニット101によって原稿の画像を読み取るようになっている。画像読取装置100は、読み取った情報をプリンタ部である装置本体200に送る他に、パソコン、ファクシミリ等の外部機器にも送信できるようになっている。
画像読取装置100は、密着型イメージセンサユニット101、イメージセンサユニット101を支持する走行体102、走行体102を案内するガイドシャフト103、駆動モータ104、同軸プーリ105、プーリ106、駆動モータ104の回転軸(不図示)と同軸プーリ105とに掛け渡したタイミングベルト107、同軸プーリ105とプーリ106とに掛け渡したタイミングベルト108、画像読取装置100の装置本体154に設けられて、走行体102がホームポジションに居るか否かを検知するホームポジションセンサ109、コンタクトガラス110、装置本体154のコンタクトガラス左に位置するカバー120、コンタクトガラス110とカバー120とを装置本体154に支持する介在部材である例えばステー130等を備えている。
ガイドシャフト103は、イメージセンサユニット101の長手方向に対して直交する方向に伸びるように配置されており、イメージセンサユニット101を装着した走行体102を往復移動案内できるように装置本体154に設置されている。タイミングベルト108は、ガイドシャフト103に略平行に架設されており、このタイミングベルト108の一部が走行体102に係合している。駆動モータ104の回転は、タイミングベルト107、同軸プーリ105を介してタイミングベルト108に伝達されるようになっている。
したがって、駆動モータ104によって、タイミングベルト108が循環すると、タイミングベルト108に連動して走行体102がガイドシャフト103に沿って移動し、イメージセンサユニット101がコンタクトガラス110,120の下側において移動する。イメージセンサユニット101の移動方向は、駆動モータ104の正逆回転により変えることができる。
図3は、イメージセンサユニット101を走行体102に支持する機構の分解斜視図である。図4は図3の部分拡大図である。図3及び図4に示すように、スペーサ111は、イメージセンサユニット101の長手方向両端部の上部に設けられている。延出部112はイメージセンサユニット101の長手方向両端部から長手方向に沿って延出しており、長孔113が形成されている。長孔113は、イメージセンサユニット101の長手方向に沿った長い孔である。付勢手段である例えば圧縮コイルばね115は、走行体102に設けられた軸突起116に嵌挿されている。
軸突起116に、圧縮コイルばね115と、長孔113とを嵌挿させることで、イメージセンサユニット101が走行体102に装着される。さらに、走行体102を装置本体154に装着すると、イメージセンサユニット101が圧縮コイルばね115に押されて、スペーサ111がコンタクトガラス110の下面に当接する。スペーサ111は、接触部119で、コンタクトガラス110の下面に当接する。接触部119は、スペーサ111の上部に突設されている。接触部119は、スペーサ移動方向の中間部分に、スペーサ111の移動方向に沿った長さを有している。
スペーサ111がコンタクトガラス110に接触することによって、イメージセンサユニット101とコンタクトガラス110との間には一定の隙間(不図示)が形成される。この隙間は、イメージセンサユニット101を有するスペーサ111を圧縮コイルばね115によってコンタクトガラス110に押し付けて、コンタクトガラス110が多少捻じれてもイメージセンサユニット101とコンタクトガラス110との距離を一定に保つために形成されている。この隙間によって、イメージセンサユニット101の焦点距離に合わせて、イメージセンサユニット101をコンタクトガラス110に対する距離を一定に保つことができて、読取精度の低下を防止することができる。
走行体102は、ガイドシャフト103に沿って読取方向に移動すると、スペーサ111がコンタクトガラス110の下面を摺動して、イメージセンサユニット101とともに同じ方向へ移動するようになっている。
以上の構成の画像読取装置100は、イメージセンサユニット101をコンタクトガラス110の下を移動させて、ユーザによってコンタクトガラス110の上面に置かれた原稿を読み取ることができるようになっている。
図1において、画像形成装置における装置本体200は、電子写真プロセスによって記録材としての記録紙に所定の現像剤による画像(トナー像)を転写し、定着させるものである。
画像形成動作が始まると、画像形成手段を構成する像担持体としての感光ドラム26が回転し、感光ドラム26の表面に接触して設けられる帯電ローラ22が、感光ドラム26の表面を一様に帯電する。
本実施例における感光ドラム26は、OPC、アモルファスSe、アモルファスSi等の感光材料をアルミニウム、またはニッケル等のシリンダ状の基盤上に設けることで形成される。
一様に帯電した感光ドラム26の表面に対して、レーザスキャナ(露光手段)21が画像情報に基づいてON/OFF制御されたレーザー光(画像光)を射出し、感光ドラム26の表面に静電潜像を形成する。その後、現像装置(現像手段)23が、感光ドラム26表面との電位差を利用して静電潜像に現像剤としてのトナーを供給し、感光ドラム26の表面上で静電潜像をトナー像として現像する。
本実施例における現像方法としては、ジャンピング現像法、2成分現像法、FEED現像法、のいずれの現像法を用いることが可能である。また、イメージ露光と反転現像とを組み合わせて用いられることも多い。
感光ドラム26の表面において現像されたトナー像は、感光ドラム26と転写手段としての転写ローラ24のニップ部20において、記録紙に転写される。この際、記録紙に転写されずに感光ドラム26の表面に残留した残留トナーは、クリーニング装置25において除去される。
記録紙は、給送カセット65A〜65Dに積載収納されており、搬送手段を構成する以下の各ローラによって給送から排出に至るまで搬送される。給送カセット65A〜65Dに収納された記録紙は、給送ローラ60A〜60Dによって選択的に一枚ずつ給送される。給送された記録紙は、搬送ローラ63A〜63Dによって搬送路67に沿って搬送され、レジストローラ68によって所定のタイミングで前記ニップ部20に送り込まれる。なお、記録紙を前記ニップ部20に搬送する際のタイミングは、不図示のトップセンサによって記録紙の先端を検知することで、トナー像を記録紙上の所望の位置に転写可能なタイミングに制御される。
感光ドラム26と転写ローラ24のニップ部20でトナー像が転写された記録紙は、定着装置(定着手段)50に搬送され、定着装置50にてトナー像が記録紙に定着される。トナー像が定着された記録紙は、定着装置50から排出され、不図示の排出センサを経由して排出ローラ69によって装置本体外部に排出される。なお、本実施例における排出センサは、記録紙がトップセンサと排出センサの間で紙詰まりなどを起こした場合にそれを検知するためのセンサである。
なお、図5に定着装置の詳細図を示す。図5に示すように、定着装置50は、加熱部材としての定着フィルム51と、加圧部材としての加圧ローラ52を備えており、記録紙に転写された画像を加熱して定着する。定着フィルム51は、ポリイミドなどからなる基層511、導電性を有する接着層512、PFAあるいはPTFEからなる表層513で構成される。また加圧ローラ52は、シリコンゴム等の弾性層に表層としてPFAあるいはPTFEなどが設けられている。定着フィルム51と加圧ローラ52は不図示の加圧機構により圧接されている。また、接着層512には定着尾引きの発生を防止するフィルムバイアスがスイッチング素子77を介して定着高圧電源(HV)76から出力される。スイッチング素子77は、CPU(コントローラ部)71からの信号によりオン・オフを制御されている。
ヒータ支持部材53は、ヒータ54の保持および定着フィルム51のガイド部材としての役割を果たす耐熱性及び剛性を有する部材である。
図6は本実施例に係るイメージセンサユニット101の拡大図である。図6に示すように、イメージセンサユニット101は、画像素子12、セルフォック(登録商標)レンズ13、光源(発光手段)14を備えている。イメージセンサユニット101は、ユーザによってコンタクトガラス110に載置された原稿を光走査して、原稿のアナログ画像情報を得るものである。すなわち、イメージセンサユニット101は、ガイドシャフト103に沿って移動しつつ、光源14からコンタクトガラス110上の原稿に向けて光を照射して、原稿からの反射光をセルフォックレンズ13を通して画像素子12で読み取り、原稿の画像情報を得る。この原稿の画像情報(アナログの画像データ)は制御手段としてのコントローラ部71(図10参照)の画像処理部に送られ、デジタルの画像データに変換される。その後、変換された画像データは、プリンタ部である装置本体200での画像形成処理のために、レーザスキャナ21(図1参照)に出力される。
なお、図2〜図4および図6はCIS方式の読取光学系を表しており、1次元のラインを走査しながら連続的に読取るラインセンサである。しかし、本実施例においてはCIS方式の読取光学系を採用する画像読取装置に限定した発明ではない。
また、記録紙の表面粗さと輝度の関係を、図7及び図8に示す。記録紙の表面粗さが小さい、つまり記録紙の表面が滑らかな場合は、図8(b)に示すように、イメージセンサユニット101の光源14から照射された光は、散乱せずに画像素子12に届き、高輝度の信号がコントローラ部へ送られる。しかし、記録紙の表面粗さが大きくなる、つまり記録紙の表面が粗くなるにしたがって、図8(a)に示すように、イメージセンサユニット101の光源14から照射された光は、記録紙の表面で散乱し、画像素子12に届く光量は小さくなり、低輝度の信号がコントローラ部へ送られることになる。その結果、図7のグラフに示すように、記録紙の表面粗さが小さいほど高輝度になり、記録紙の表面粗さが大きいほど低輝度のデータとして画像処理が行われる。
図9は記録紙の表面粗さを判断する動作の流れを示す本実施例におけるフローチャートである。本実施例に係る画像形成装置は、光源14から画像形成前の記録紙に光を照射してその反射光によって記録紙の表面粗さを判断する表面粗さ判断モードを備えている。
図9において、最初に、ユーザが操作パネル40により表面粗さ判断モードをオンにする(S1)。ここで、表面粗さ判断モードがオフの場合は、原稿を画像読取装置100にセットし(S13)、操作パネル40で印刷モードや印刷枚数を入力しスタートボタン41を押すことで通常のコピー動作が開始し(S14)、記録紙に原稿の画像が形成される。
ユーザが表面粗さ判断モードをオンにした場合、次にユーザが自身で使用する記録紙を1枚抜き取り、その記録紙を画像読取装置100のコンタクトガラス110上にセットする(S2)。その後、スタートボタン41を押すことで(S3)、ユーザが使用する記録紙の表面粗さを判断する動作が開始される。
表面粗さ判断モードでスタートボタン41が押されると、イメージセンサユニット101の光源14からコンタクトガラス15を通して記録紙の表面に光が照射される。記録紙の表面で反射された光がセルフォックレンズ13を通して画像素子12に運ばれ、画像素子12から反射光の輝度に応じた信号が、図10のブロック図に示すコントローラ部71の画像処理部へ送られる。
同様の動作をイメージセンサユニット101が走査しながら、連続的に記録紙の表面粗さ情報を画像処理部へ読み込んでいく。
本実施例の表面粗さ判断モードにより照射される光源14の光量は、画像形成動作時(以下、通常のコピー動作時という)が100%として、20%減の80%とする。表面粗さ判断時に光源14の光量を減少させることで、白色度が高い記録紙に対して反射光が強くなることによる白飛びを防止し、表面粗さをより正確に判断することができる(S4)。
また、記録紙の表面粗さを判断する際の走査方向の読み取り精度はイメージセンサユニット101の画像読取速度(以下、走査スピードという)に比例している。イメージセンサユニット101の走査スピードが遅いほど精度が高くなり、早いほど精度は低くなる。
そのため本実施例では、通常のコピー動作時におけるイメージセンサユニット101の走査スピードに対して、表面粗さ判断モードの動作をする際のイメージセンサユニット101の走査スピードを50%減にする。具体的には、通常のコピー動作時におけるイメージセンサユニット101の走査スピード10.0msec/line(2400dpi)に対して、表面粗さ判断モードの動作をする際のイメージセンサユニット101の走査スピードを20.0msec/line(4800dpi)にする。このように、表面粗さ判断モードの動作をするときは、イメージセンサユニット101による走査スピードを画像形成動作時よりも遅くすることで読取解像度を上げ、記録紙の表面粗さの検出精度を高める(S5)。
画像処理部では画像素子12から送られた輝度のアナログ信号を8bit(=256)階調にA/D変換する。さらに、輝度のデジタル信号は輝度−濃度変換テーブルを用いて濃度に変換される。その際に、図11に示すように通常のコピー動作で用いる輝度−濃度変換テーブル(図11(a))とは別に、表面粗さ判断モードが開始されたときのみに用いられる輝度−濃度変換テーブル(図11(b))が適用される(S6)。
表面粗さ判断モードの動作をしないときは、図10に示すように、画像処理部に送られた原稿の画像情報などの画像形成命令の信号が、エンジン制御部75に送られ、通常のコピー動作が開始される。なお、エンジン制御部75は、定着装置50の温度や搬送速度を制御する定着制御部73を備えており、定着装置50はエンジン制御部75を通してコントローラ部71により動作が制御される。
通常のコピー動作時における輝度−濃度変換テーブルは、図11(a)に示すように、輝度データを濃度へ変換する濃度範囲が0.07〜1.6までの範囲となっており、この範囲を8ビットデータとして濃度階調を表現する。これに対し、表面粗さ判断モードにおける輝度−濃度変換テーブルは、図11(b)に示すように、本実施例では輝度を濃度へ変換する際の濃度範囲を0.03〜0.3の範囲に限定し、この範囲を8ビットデータとして濃度階調を表す。すなわち、表面粗さ判断モードの動作をするときは、コントローラ部71が、イメージセンサユニット101で読み取る濃度レンジを通常のコピー動作時などの画像情報を読み取るときより暗部を明部側へ、明部はより明部側へ変更して、記録材の表面粗さを判断する(S7)。これにより、より輝度が高い(明るい)部分の諧調性を細かく読み取ることができ、光源からの照射光に対しての記録紙の表面の明暗、つまり記録紙の表面粗さの情報をより精度良く検出することができる。
図7は記録紙の表面粗さと輝度の関係である。表面粗さRzが小さいほど影はできにくく輝度は高くなり、表面粗さRzが大きいほど影ができやすく輝度が小さくなっている。
判断された記録紙の表面粗さに基づく輝度情報は、紙サイズに応じたピクセルデータとしてコントローラ部71(図10参照)の画像処理部へ送られる。輝度値である各ピクセルデータは8bitデータ0〜255の範囲で、表面粗さが大きい場合は輝度値が小さくなり、表面粗さが小さい場合は輝度値が大きくなる。また、紙自身が持つ色みによっても、輝度値は変わる。
そこで、全ピクセルデータの中の輝度値の最大値Kmaxと最小値Kminの差をΔKとし(S8)、ΔK<15である場合(S9)、記録紙の表面粗さは小さく(表面粗さ換算Ra<1.0um)、平滑度が高いと判断し、通常のコピーモード設定で記録紙を印刷する(S13,S14)。
一方、15≦ΔK<20である場合(S10)、記録紙の表面粗さは中程度(1.0um≦Ra<3.0um)だと判断し、定着装置50による記録紙の搬送速度を通常のコピー動作時250mm/sから10%減らし225mm/sとする(S12)。このように、表面粗さ判断モード時は、通常のコピー動作時に比べて記録紙の搬送速度を遅くすることで、図12に示すように、記録紙の表面が(Ra≧0.5um)、トナーに熱が伝わりづらい記録紙の場合でも、通常より熱をかける時間が長くなるため、定着性を10%改善することができる。
また、20≦ΔKである場合(S10)は、記録紙の表面粗さが高い紙(Ra≧3.0um)と判断し、定着装置50による記録紙の搬送速度を通常のコピー動作時250mm/sから20%減らし200mm/sとし、なおかつ定着装置50の温度を通常のコピー動作時の温度180℃より10℃アップし190℃にする(S11)。このように、表面粗さ判断モード時は、通常のコピー動作時に比べて記録紙の搬送速度を遅くし、なおかつ定着装置の温調温度を上げることで、トナーに与える熱量をアップさせ定着性を20%改善することができる。
なお、前述した設定は本実施例における一例であり、前述した数値に限定されるものではない。
記録紙の表面粗さ判断後は、画像読取装置100にセットした記録紙をコンタクトガラス15上から取り、画像形成装置本体200の給送カセット65に戻す。そして、原稿を画像読取装置100のコンタクトガラス15上にセットし(S13)、印刷モードや印刷枚数を操作パネル40に入力しスタートボタン41を押すことで、コピー動作が開始される(S14)。
図13は本実施例の効果を表した図である。記録紙の表面粗さによって搬送速度を変えない比較例では、図13中の点線で示すように、記録紙の表面粗さRzが大きくなるに従って、トナー定着性が悪化していく。そして、記録紙の表面粗さRz=1.5を超えると、定着性の目標値である20%を超え、オフセットやトナー汚れ等の画像問題が発生する。
これに対して、本実施例では、前述したように、記録紙の表面粗さが所定値(ここではRz=1.5)より大きいと判断したときは、定着装置50による記録紙の搬送速度を遅くし、または定着装置の温調温度を上げることのうち、少なくとも一方を実行する。これにより、記録紙の表面粗さが大きい場合でも、定着性の目標値である20%未満を維持することができる。その結果、ユーザーの細かな設定なしに記録紙の表面粗さ状態に適したトナー定着性を得ることができ、オフセットやトナー汚れ等の画像不良を防止することが可能となる。ここでは、記録紙の表面粗さの所定値として1,5を例示したが、これに限定されるものではない。記録紙の表面粗さの所定値は、画像不良が発生するような定着性の目標値に応じて、それを超えない値に適宜決めればよい。
上述したように、本実施例によれば、表面粗さ判断モードの動作をするときは、イメージセンサユニット101で読み取る濃度レンジを通常のコピー動作時などの画像情報を読み取るときより暗部を明部側へ、明部はより明部側へ変更する。そのため、使用する記録紙の表面粗さを精度良く検出することができる。これにより、記録紙の表面粗さに応じた動作制御をすることで定着不良等の画像不良を防止することができる。
〔実施例2〕
図15は記録紙の表面粗さを判断する動作の流れを示す本実施例におけるフローチャートである。また、図14は本実施例に係るイメージセンサユニット101の拡大図である。
本実施例に係るイメージセンサユニット101は、図14に示すように、記録紙17に対する照射位置を挟んで両側(反射光16の光路の両側)に、発光手段としての光源14,18を有している。この2つの光源14,18を有するイメージセンサユニット101の構成を除くその他の構成は、前述した実施例1と同じであるため、同一の機能を有する部材には同一符号を付し、説明を省略する。
本実施例では、表面粗さ判断モードの動作をするときは、コントローラ部71が、前記光源14,18の一方を点灯させ、他方を消灯させる。以下、図15を用いて表面粗さ判断動作の流れを簡単に説明する。
図15において、最初に、ユーザが操作パネル40により表面粗さ判断モードをオンにする(S1)。ここで、表面粗さ判断モードがオフの場合は、原稿を画像読取装置100にセットし(S13)、操作パネル40で印刷モードや印刷枚数を入力しスタートボタン41を押すことで通常のコピー動作が開始し(S14)、記録紙に原稿の画像が形成される。
ユーザが表面粗さ判断モードをオンにした場合、次にユーザが自身で使用する記録紙を1枚抜き取り、その記録紙を画像読取装置100のコンタクトガラス110上にセットする(S2)。その後、スタートボタン41を押すことで(S3)、ユーザが使用する記録紙の表面粗さを判断する動作が開始される。
表面粗さ判断モードでスタートボタン41が押されると、イメージセンサユニット101の片側の光源14からコンタクトガラス15を通して紙表面に光が照射される。記録紙の表面で正反射された光がセルフォックレンズ13を通して画像素子12に運ばれ、画像素子12から反射光の輝度に応じた信号が、図10のブロック図に示すコントローラ部71の画像処理部へ送られる。
同様の動作をイメージセンサユニット101が走査しながら、連続的に記録紙の表面粗さ情報を画像処理部へ読み込んでいく。
本実施例においては、図14に示すように、イメージセンサユニット101に画像素子12を挟んだ走査方向に複数の光源14,18が配置されている場合を想定する。
光源が片側にしかない場合、片側の光源から記録紙に向けて照射された光は、コンタクトガラス110を通り記録紙17の表面粗さの程度に応じて正反射される光と散乱される光に分けられる。正反射された光16はセルフォックレンズ13を通り、画像素子12に当たることで、記録紙表面で正反射した部分は高輝度のアナログデータとして画像処理部へ送られる。一方、記録紙表面で光が散乱した部分は影となり、低輝度のアナログデータとして画像処理部へ送られ。表面粗さによるコントラストがつけられる。
しかし、画像素子12に対して走査方向の両側に光源がある場合、片側の光源の照射光で生まれる表面粗さの影にもう一方の光源から照射された光が当たることで、影が消されてしまう。そのため、記録紙の表面粗さに対しての明暗のコントラストがつきづらくなる。そのため、記録紙の表面粗さの検知精度は著しく低下してしまう。
そこで、本実施例のイメージセンサユニット101のように、画像素子12に対して走査方向両側に光源14,18がある場合、前述の問題を解決するために、一方の光源を点灯させ、他方の光源を消灯させる(S20,S21)。
なお、図15に示すS5以降の動作は、前述した実施例1において図9を用いて説明したS5以降の動作と同様であるため、ここでは説明を省略する。
上述したように、本実施例においても、前述した実施例と同様の効果が得られる。さらに加えて、本実施例によれば、記録紙の表面粗さ判断時に、画像素子12に対して走査方向の両側にある光源のうち、一方の光源を点灯し、他方の光源を消灯することで、両側の光源を点灯することによる記録紙の表面粗さの検知精度の低下を防止することができる。
〔他の実施例〕
前述した実施例1,2では、表面粗さ判断モードの動作をするときは、イメージセンサユニットによる画像読取速度を通常のコピー動作などの画像情報を読み取るときより遅くし、なおかつ、光源の光量を通常のコピー動作などの画像情報を読み取るときよりも少なくする構成を説明したが、これに限定されるものではない。表面粗さ判断モードの動作をするときは、イメージセンサユニットによる画像読取速度を通常のコピー動作などの画像情報を読み取るときより遅くし、または、光源の光量を通常のコピー動作などの画像情報を読み取るときよりも少なくする構成であっても良い。また、表面粗さ判断モード時の、イメージセンサユニットによる画像読取速度と、光源の光量についても、前述した実施例は例示であってこれに限定されるものではなく、必要に応じて適宜設定すれば良い。このように構成しても、前述した実施例と同様の効果が得られる。
また前述した実施例1,2では、画像形成前の記録材の表面粗さが所定値より大きいと判断したときは、定着装置50による記録紙の搬送速度を遅くし、さらに定着装置50の温調温度を上げることを組み合わせて実行する構成を例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。表面粗さ判断時に、画像形成前の記録材の表面粗さが所定値より大きいと判断したときは、定着装置による記録紙の搬送速度を遅くし、または定着装置の温調温度を上げることのうち、少なくとも一方を実行する構成であれば良い。
12 …画像素子
13 …セルフォックレンズ
14,18 …光源
21 …レーザユニット
50 …定着装置
71 …コントローラ部
73 …定着制御部
75 …エンジン制御部
100 …画像読取装置
101 …イメージセンサユニット
110 …コンタクトガラス
200 …装置本体

Claims (5)

  1. 発光手段から原稿に光を照射してその反射光によって原稿の画像を読み取る画像読取手段と、
    読み取った画像情報に基づいて記録材に画像を形成する画像形成手段と、
    前記画像読取手段及び前記画像形成手段の動作を制御する制御手段と、
    を有し、
    前記発光手段から画像形成前の記録材に光を照射してその反射光によって前記記録材の表面粗さを判断する表面粗さ判断モードを備え、
    前記制御手段は、前記表面粗さ判断モードの動作をするときは、前記画像読取手段で読み取る濃度レンジを画像情報を読み取るときより明部側へ変更して、前記記録材の表面粗さを判断することを特徴とする画像形成装置。
  2. 記録材に画像を加熱して定着する定着手段を有し、
    前記制御手段は、前記記録材の表面粗さが所定値より大きいと判断したときは、前記定着手段による該記録材の搬送速度を遅くし、または前記定着手段の温調温度を上げることのうち、少なくとも一方を実行することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御手段は、前記表面粗さ判断モードの動作をするときに、前記画像読取手段による画像読取速度を画像情報を読み取るときよりも遅くすることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記制御手段は、前記表面粗さ判断モードの動作をするときに、前記画像読取手段における前記発光手段の光量を画像情報を読み取るときよりも少なくすることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記画像読取手段は、原稿に対する照射位置を挟んで両側に前記発光手段を有し、
    前記制御手段は、前記表面粗さ判断モードの動作をするときに、前記発光手段の一方を点灯させ、他方を消灯させることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018039585A (ja) * 2016-09-05 2018-03-15 コニカミノルタ株式会社 画像形成装置および画像形成装置の制御プログラム
CN113776469A (zh) * 2021-08-10 2021-12-10 同济大学 一种粉体颗粒表面粗糙度的检测方法及系统

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