JP2015191512A - 血管部強調画像生成装置および血管部強調画像生成方法 - Google Patents

血管部強調画像生成装置および血管部強調画像生成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ぼかしフィルタのフィルタサイズを最適に設定する。
【解決手段】血管部強調画像生成装置は、撮像対象物を撮像した元画像を取得する画像取得部(2)と、上記取得された元画像に基づいて、上記元画像上における上記撮像対象物のサイズを判定するサイズ判定部(9)と、上記判定された撮像対象物のサイズに応じて、ぼかしフィルタのフィルタサイズを設定するフィルタサイズ設定部(10)と、上記元画像に対して、上記設定されたフィルタサイズを有する上記ぼかしフィルタを用いた平滑化処理を行って、ぼかし画像を生成するぼかし画像生成部(11)と、上記元画像および上記生成されたぼかし画像に基づいて、上記元画像における血管部のコントラストを強調した血管部強調画像を生成する血管強調画像生成部(12)とを備えている。
【選択図】図2

Description

この発明は、血管部強調画像生成装置および血管部強調画像生成方法に関する。
医用画像や血管認証の分野において、生体画像中における血管部分を強調して表示する各種手法が用いられている。例えば、特表2010‐517733号公報(特許文献1)に開示された「皮下構造物を物体表面に投射する装置と方法」においては、体組織等の対象物に赤外線を照射して撮像する。そして、得られた画像に対してアンシャープマスク処理を適用して、血管部分のコントラストを強調して血管部分を鮮明に表示するようにしている。
ここで、上記アンシャープマスク処理とは、先ず元画像に対して平滑化フィルタ(ぼかしフィルタ)を作用させて、各画素の画素値を周辺画素の画素値を用いて平滑化処理したぼかし画像を生成する。その後に、上記元画像と上記ぼかし画像との対応する画素の差分画素値を求め、この差分画素値を画素値として生成された差分画像に対して適宜画像処理を行った上で、元画像に足し合わせる一連のプロセスのことをいう。これにより、元画像の画素値とアンシャープ画像の画素値との差分が大きい個所、すなわち、画素値の急峻なピークやエッジの箇所が強調され、結果として画像のコントラストを強調することができる。
上記アンシャープマスク処理において、コントラストの強調を適切に行うためには、アンシャープ画像(ぼかし画像)を生成する際の平滑化フィルタ(ぼかしフィルタ)による平滑化処理を適切に行う必要がある。さらに言えば、平滑化処理を適切に行うためには平滑化フィルタのサイズを適切に設定する必要がある。すなわち、適切な平滑化フィルタのサイズは、撮像対象の種類や撮像の倍率等の撮像環境に応じて異なるため、上記撮像対象の種類や撮像環境に応じて適宜設定することが望ましいのである。
しかしながら、上記従来の特許文献1に開示された「皮下構造物を物体表面に投射する装置と方法」においては、上述のような平滑化フィルタのサイズの適切な設定については考慮されておらず、フィルタサイズの最適化を図るようなフィルタサイズ設定手段を有していない。そのために、撮像対象の種類や撮像環境によってはアンシャープマスク処理によるコントラストの強調が適切になされず、血管部分を表示する際の鮮明さが低下してしまうという問題がある。
特表2010‐517733号公報
そこで、この発明の課題は、アンシャープマスク処理時に使用されるぼかしフィルタのフィルタサイズを最適に設定可能な血管部強調画像生成装置および血管部強調画像生成方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、この発明の血管部強調画像生成装置は、
撮像対象物である生体を撮像した元画像を取得する画像取得部と、
上記取得された元画像に基づいて、上記元画像上における上記撮像対象物のサイズを判定するサイズ判定部と、
上記判定された撮像対象物のサイズに応じて、ぼかしフィルタのフィルタサイズを設定するフィルタサイズ設定部と、
上記元画像に対して、上記設定されたフィルタサイズを有する上記ぼかしフィルタを用いた平滑化処理を行って、ぼかし画像を生成するぼかし画像生成部と、
上記元画像および上記生成されたぼかし画像に基づいて、上記元画像における血管部のコントラストを強調した血管部強調画像を生成する血管強調画像生成部と
を備えたことを特徴としている。
また、一実施の形態の血管部強調画像生成装置では、
上記サイズ判定部は、
上記元画像上における上記撮像対象物の領域と上記撮像対象物以外の領域との境界部を判定する境界部判定部と、
上記境界部間の距離を検出する距離検出部と
を含み、
上記検出された境界部間の距離に基づいて、上記撮像対象物のサイズを判定するようになっている。
また、一実施の形態の血管部強調画像生成装置では、
上記境界部判定部は、予め上記撮像対象物の領域の平均画素値と上記撮像対象物以外の領域の平均画素値との間に設定された閾値を越えて画素値が変化する箇所の連なりを上記境界部と判定するようになっている。
また、一実施の形態の血管部強調画像生成装置では、
上記境界部判定部は、互いに隣接する画素間における画素値の変化率が予め設定された設定値以上となる箇所の連なりを上記境界部と判定するようになっている。
また、一実施の形態の血管部強調画像生成装置では、
上記距離検出部は、上記元画像上に予め設定された注目軸と上記境界部との交差位置の間の距離を検出することによって、上記境界部間の距離を検出するようになっている。
また、一実施の形態の血管部強調画像生成装置では、
上記元画像を表示する表示部を備え、
上記距離検出部は、上記表示部に表示された上記元画像上において、使用者によって指定された位置を通るように上記注目軸を設定するようになっている。
また、一実施の形態の血管部強調画像生成装置では、
上記元画像上に予め設定された注目軸は複数在り、
上記距離検出部は、上記元画像上に設定された複数の注目軸の夫々に関して、上記境界部間の距離を検出するようになっており、
上記サイズ判定部は、上記検出された複数の境界部間の距離のうちの最も短い距離に基づいて、上記撮像対象物のサイズを判定するようになっている。
また、この発明の血管部強調画像生成方法は、
画像取得部によって、撮像対象物である生体を撮像した元画像を取得する画像取得ステップと、
サイズ判定部によって、上記取得された元画像に基づいて、上記元画像上における上記撮像対象物のサイズを判定するサイズ判定ステップと、
フィルタサイズ設定部によって、上記判定された撮像対象物のサイズに応じて、ぼかしフィルタのフィルタサイズを設定するフィルタサイズ設定ステップと、
ぼかし画像生成部によって、上記元画像に対して、上記設定されたフィルタサイズを有する上記ぼかしフィルタを用いた平滑化処理を行って、ぼかし画像を生成するぼかし画像生成ステップと、
血管強調画像生成部によって、上記元画像と上記生成されたぼかし画像とに基づいて、上記元画像における血管部のコントラストを強調した血管部強調画像を生成する血管強調画像生成ステップと
を備えたことを特徴としている。
以上より明らかなように、この発明の血管部強調画像生成装置は、画像取得部で取得された元画像に基づいて、サイズ判定部で上記元画像上の撮像対象物のサイズを判定し、上記判定された撮像対象物のサイズに応じて、フィルタサイズ設定部でぼかしフィルタのフィルタサイズを設定するようにしている。
したがって、上記元画像の撮像時におけるレンズ倍率や上記元画像上における上記撮像対象物のサイズ等の撮影状況に応じて、差分画像を生成する際に用いるぼかしフィルタのフィルタサイズを最適化することができる。
すなわち、この発明によれば、上記撮像対象部分以外の背景部分の情報の影響を受けない差分画像を生成することができ、上記アンシャープマスク処理を最適に行って、最適に血管部が強調された血管部強調画像を生成することができる。さらに、上記元画像上の上記撮像対象物のサイズに対応させてぼかしフィルタのフィルタサイズを拡大・縮小することが可能である。そのため、幅広いサイズの上記撮像対象物を被写体とすることができ、細い血管に対しても容易に短時間での穿刺作業が可能になる。
また、この発明の血管部強調画像生成方法は、取得された元画像に基づいて上記元画像上の撮像対象物のサイズを判定し、上記判定された撮像対象物のサイズに応じてぼかしフィルタのフィルタサイズを設定するようにしている。
したがって、上記この発明の血管部強調画像生成装置の場合と同様の効果を奏することができる。
この発明の血管部強調画像生成装置における概略構成図である。 図1に示す血管部強調画像生成装置のブロック図である。 血管部強調画像生成処理動作のフローチャートである。 図2におけるサイズ判定部の内部構成を示す図である。 第1実施の形態における撮像対象物のサイズ判定の説明図である。 撮像対象物サイズに適応したぼかしフィルタサイズの変化を示す図である。 元画像とぼかし画像と差分画像とにおける階調変化を示す図である。 元画像に重み付け差分画像を加算する場合の階調変化を示す図である。 第2実施の形態における注目軸設定の説明図である。 第3実施の形態における注目軸設定の説明図である。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
・第1実施の形態
図1は、本実施の形態の血管部強調画像生成装置における概略外観図である。図1において、1は照明部であり、2は撮影部であり、3は演算部であり、4は表示部である。表示部4には、筺体が隣接しており、この筺体内に演算部3が収納されている。照明部1と撮影部2とは一体に形成されており、照明部1および撮影部2と演算部3とが接続されている。
図2は、本血管部強調画像生成装置におけるブロック図である。図2において、照明部1は、光源5を有している。光源5は、例えばLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)等でなり、波長750nm〜1000nmの近赤外線を照射する。
また、上記撮影部2は、カメラ6を有している。カメラ6は、カラーカメラあるいはモノクロカメラで構成されて、撮像素子としてCCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor:相補性金属酸化膜半導体)素子等が用いられている。尚、カメラ6の解像度には特に制限はない。
また、上記演算部3は、生体である撮像対象物を撮像した元画像における撮像対象物のサイズを判定するサイズ判定部9と、サイズ判定部9によって判定された撮像対象物のサイズに応じてぼかしフィルタのフィルタサイズを設定するフィルタサイズ設定部10と、フィルタサイズ設定部10によって設定されたフィルタサイズのぼかしフィルタを用いてぼかし画像を生成するぼかし画像生成部11と、ぼかし画像生成部11によって生成されたぼかし画像を用いて血管部のコントラストを強調した血管部強調画像を生成する血管強調画像生成部12とを含んでいる。ここで、サイズ判定部9,フィルタサイズ設定部10,ぼかし画像生成部11および血管強調画像生成部12は、CPU(中央演算処理装置)7によって実現される。
また、上記演算部3は、記憶部8を有している。記憶部8には、CPU7が、撮影部2で撮影された生体画像に対して後に詳述する血管部強調処理を行って、血管部強調画像を生成するためのプログラム13や、サイズ対応表14や、上記ぼかしフィルタ15や、生成された上記ぼかし画像および上記血管部強調画像を含む各種画像16等が記憶されている。
また、上記表示部4は、ディスプレイ17を有している。このディスプレイ17は、例えばLCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)パネル等の表示デバイスと、キーボードやマウス等の入力デバイスとで構成されており、上記表示デバイスにはCPU7で生成された血管部強調画像が表示される。また、上記入力デバイスからは使用者による位置の指示や拡大・縮小指示や回転指示等が入力される。
上記入力デバイスから入力された使用者の指示は演算部3に送出される。そして、CPU7によって上記指示に応じた表示制御信号が生成されて、上記表示デバイスに送出される。こうして、使用者は、ディスプレイ17に表示された血管部強調画像に対して、拡大・縮小や回転等を自在に行うことができる。尚、上記血管部強調画像の具体的な表示方法は、特に上記の方法に限定されるものではない。
図3は、上記CPU7による制御の下に実行される、血管部強調画像生成処理動作のフローチャートである。以下、図3に従って、血管部強調画像生成処理動作について説明する。
ステップS1で、指等の皮膚表面に上記近赤外波長を照射して上記撮影部2によって撮影された「血管画像」が取得されて、記憶部8に格納される。ステップS2で、サイズ判定部9によって、上記ステップS1において取得された血管画像(元画像)における撮像対象物(指)のサイズが判定される。ステップS3で、フィルタサイズ設定部10によって、上記ステップS2において設定された撮像対象物(指)のサイズに応じて、ぼかしフィルタのフィルタサイズが設定される。
ステップS4で、上記ぼかし画像生成部11によって、上記ステップS3において設定されたフィルタサイズを有するぼかしフィルタを用いて、ぼかし画像が生成されて記憶部8に格納される。ステップS5で、血管強調画像生成部12によって、上記ステップS1において取得された血管画像(元画像)と、上記ステップS4において生成されたぼかし画像との差分画像が生成される。ステップS6で、血管強調画像生成部12によって、上記ステップS5において生成された差分画像に重み係数を掛けて、上記血管画像(元画像)に加算することによって、血管部強調画像が生成されて記憶部8に格納される。そうした後に、上記血管部強調画像生成処理動作が終了される。
以下、上記血管部強調画像生成処理動作の各ステップでの処理について、詳細に説明する。
(上記ステップS1:血管画像の取得)
人体は上記近赤外線を反射する一方、血管はヘモグロビンによって近赤外線が吸収される。したがって、皮膚部は白色(階調で大きい側)、血管部は黒色(階調で小さい側)に、夫々コントラストされた血管画像が得られる。
ところで、上記カメラ6の標準的な解像度のスケールは下記のとおりである。
すなわち、上記カメラ6はズーム機能を有しており、10cm〜30cm程度の範囲で調整可能となっている。つまり、カメラ6の視野範囲は10cm〜30cm程度である。
ここで、視野のサイズが12cm×15cmの範囲であり、画素数が1024×1280である場合を例に上げて説明する。この場合、1画素のサイズは実際の撮像対象物のサイズにして約0.12mm程度の大きさに対応している。
一般的な大人の腕の太さは10cm程度であり、画像サイズにして800画素程度の大きさに対応する。また、代表的な血管の太さは5mm程度であり、画素サイズにして40画素程度の大きさに対応する。
上記ぼかしフィルタのフィルタサイズは、撮像対象物より十分小さいことが望ましい。例えば、上記フィルタサイズを81×81の画素数に設定すれば、撮像対象物である腕のサイズの800画素に比べて1割程度の大きさとなる。この場合、腕の両側の輪郭近傍で1割ずつ、合計2割程度の領域が、血管が見え難い難視領域となる。しかしなが、通常、この程度の範囲であれば、腕の大部分の領域において血管を正常に強調できるため大きな問題とはならない。
次に、上記カメラ6をズームアウトさせて上記対象物を1/2倍に縮小して撮像した場合について説明する。この場合、画素数は1024×1280のままであるが、視野のサイズが2倍の24cm四方の範囲となる。この場合、1画素のサイズは実際の撮像対象物のサイズにして約0.24mm程度の大きさに対応する。
したがって、同じ太さの腕を撮像したサイズは400画素程度の大きさになり、上記フィルタサイズを81×81の画素数に設定した場合、腕の両側の輪郭近傍で2割ずつ、合計4割程度の領域が上記難視領域となり、問題となる。
ここで、上記難視領域について説明する。
上記アンシャープマスク処理によって血管部強調画像を生成する場合、特に問題となるのは、上記ぼかしフィルタである平滑化フィルタを作用させた場合に、腕や指等の撮像対象物の輪郭の外の背景部分がフィルタ内に入ってしまうと、平滑化(ぼかし)を適切に行うことができないことである。このような不適切な平滑化画像(ぼかし画像)を用いて血管部分の強調を行うと、適切な強調を行うことができず、以下に詳述するように、結果として血管が見え難くなってしまう。
一般的に、撮像対象物と背景部分とでは、撮像対象物の輪郭部分を境界として画素値が非連続的且つ急激に変化する。そのために、撮像対象部分(人間の腕や指が写っている部分)と背景部分(人間の腕や指が写っていない背景部分)とに跨がって平滑化すると、本来平滑化に用いるべきではない背景部分の情報をも含んで平滑化されてしまい、不適切な平滑化となってしまう。このように、背景部分を含んだ平滑化画像を用いて血管部分の強調を行うと、血管が見え難くなってしまう。言い換えると、普通の強調方法では輪郭部分が過度に強調されてしまい、血管の部分の情報が埋もれてしまうと言える。この発明では、輪郭部分ではなく血管部分を強調することが目的であるため、このことが問題となるのである。
上述のように、上記撮像対象部分の輪郭を跨いで平滑化してしまうことによって血管が見え難くなる領域を、本実施の形態においては仮に「難視領域」と称することにする。
上記難視領域の問題は、撮像対象物の大きさ(太さ)が上記フィルタサイズに比べて十分に大きい場合には、あまり問題にはならない。その理由は、撮像対象物の輪郭の周囲に上記難視領域が発生したとしても、撮像対象物の大半(撮像対象物の中央付近)は上記難視領域の影響を受けないからである。しかしながら、上記フィルタサイズに比べて同程度に撮像対象物の大きさ(太さ)が小さい場合には、撮像対象物の領域に占める上記難視領域の割合が大きくなるので撮像対象物の中央付近が上記難視領域の影響を受けるようになり、大きな問題となる。
このように、撮像対象物が小さい場合としては、腕や足のように大きい(太い)撮像対象物よりもサイズが小さい(細い)指先等がある。このような指先の血管画像を強調して表示する場合が多々ある。また、他の場合としては、小さく(細く)はない撮像対象物であっても、ズーム機能付きのカメラによって低い倍率で撮像した場合等も、撮像対象物の見かけ上のサイズが小さく(細く)なるため、問題となる場合がある。
また、撮像するにあたり、フィルタサイズが血管サイズ以下となる場合も大きな問題となる。ぼかしフィルタによる画像処理を行う場合、血管がある箇所と血管のない箇所のコントラストの差によって血管の外形を認識することができるが、フィルタサイズが血管サイズより小さいとコントラストの差がなく、血管の外形を正確に画像処理することができない。
そこで、この発明においては、以下のごとく、撮像対象物の大きさや太さ等を撮像画像から判定し、その判定結果に基づいて、上記フィルタサイズを適切に調整して設定することによって、上述の問題の解決を図るのである。
(上記ステップS2:撮像対象物(指)のサイズ判定)
先ず、上記取得された血管画像に対して、予め設定されている注目軸に沿って、画素値のプロファイルを取得する。注目軸を何れに取るかについては、特に制約はない。本実施の形態においては、ディスプレイ17に表示された撮像画像における横方向の中心に位置する縦方向の中心線(撮像画像の中心を原点とするXY座標におけるY軸)とする。また、「画素値」とは、画素毎の特徴量であって、一般的にはカメラ6で観測された輝度値である。
次に、上記注目軸に沿った画素値のプロファイルにおいて、画素値が撮像対象領域の閾値を跨いで(越えて)変化する点を抽出する。
図4は、上記サイズ判定部9の内部構成を示すブロック図である。図4において、サイズ判定部9は、境界部判定部18および距離検出部19を含んで構成されている。また、図5は、撮像対象物(指)のサイズ判定方法の説明図である。但し、図5(a)は元画像であり、図5(b)は画素値であり、図5(c)は二値化画像である。
例えば、図5に示すように、撮像対象領域(指の領域)の平均画素値が90程度であり、撮像対象外領域(指以外の領域)の平均画素値が50程度である場合を想定する。
この場合、図4における境界部判定部18によって、元画像(撮像画像)に対して閾値70で二値化処理を行う。つまり、閾値70を設定して、画素値が70以下の画素を0、画素値が71以上の画素を1として、画素値を再設定する。そうすると、図5(c)に示すように、画素値が「1」の領域が撮像対象領域であり、画素値が「0」の領域が撮像対象外領域であると判定することができる。
次に、図4における距離検出部19によって、図5(c)において、上記注目軸(X=0)に関して、画素値が0から1、または1から0に変化する2点の座標を、夫々(0,Y1),(0,Y2)と得る。そして、上記2点間の距離を検出し、この2点間の距離を撮像対象物のサイズW
W=|Y2−Y1| (Y2−Y1)の絶対値
として判定するのである。
上述においては、上記閾値を跨い(越えて)で変化する部位を輪郭(境界部分)として判定する方法を例に挙げて説明した。しかしながら、輪郭を判定する方法は上記の方法に限定されるものではなない。例えば、上記注目軸(X=0)に関して、画素値の変化率が設定値以上の画素を輪郭として判定してもよい。図5(b)において、輪郭周辺においては画素値の変化量が15となっている。したがって、画素値の変化量が10以上の画素を輪郭として判定すれば、同様に輪郭を判定することができる。
(上記ステップS3:ぼかしフィルタのサイズ設定)
上記撮像対象物のサイズと上記ぼかしフィルタのフィルタサイズとの対応関係が予め設定されており、上記対応関係を表すサイズ対応表14が記憶部8に記憶されている。ここで、上記撮像対象物のサイズと上記ぼかしフィルタのフィルタサイズとの対応関係の設定例として、本実施の形態においては下記のように設定されているものとする。
撮像対象物のサイズ(画素数) ぼかしフィルタの
フィルタサイズ(画素数)
1〜 500 41
501〜 800 61
801〜1024 77
そして、上記サイズ対応表14を参照して、上記ぼかしフィルタのフィルタサイズが設定される。その場合におけるぼかしフィルタサイズの設定方法としては、撮像対象物で可視化を想定する最大の血管サイズが可視化可能なように設定する。想定する最大の血管サイズは、撮像対象物の約7%程度を占めると想定していれば問題はなく、撮像対象物のサイズに合わせて調整する。本実施の形態では、撮像対象物サイズが500画素である場合には、41画素のぼかしフィルタサイズが最適である。さらに、撮像対象物サイズをそれより大きくした場合にも、血管を強調することが可能であるが、ぼかしフィルタサイズを大きくした場合には、難視領域が増加するため不適切となる。
上述においては、上記ぼかしフィルタサイズを撮像対象物サイズに合わせて3段階に変更しているが、このフィルタサイズは下記に示すように線形的に変更(偶数のフィルタサイズはなく、奇数「2n+1 n:21以上の正の整数」のみとなる)させても良い。
図6に、上記撮像対象物サイズに適応させたぼかしフィルタサイズの推移を示す。撮像対象物サイズが500画素まではフィルタサイズが41画素のぼかしフィルタを用い、撮像対象物サイズが501画素以上の場合には、撮像対象物サイズに合わせて線形的にぼかしフィルタサイズを変更する。但し、フィルタサイズは奇数(2n+1)のみとなるので、41画素以降のフィルタサイズは、43,45,47というように増加する。
また、図6においては、線形的変化の開始点の撮像対象物サイズを500画素としているが、これはディスプレイに表示した血管の太さに応じて自由に変更することが可能である。
(上記ステップS4:ぼかし画像生成)
上記ステップS1において取得された血管画像(元画像)に対して、上記設定されたフィルタサイズ(カーネルサイズ)のぼかしフィルタを用いた平滑化処理を行って、ぼかし画像を作成する。
尚、上記平滑化処理は、上記ぼかしフィルタとしてガウシアンフィルタやメディアンフィルタや平均化フィルタ等を用いた一般的な手法によって行われる。
(上記ステップS5:差分画像生成)
上記差分画像は、上記ステップS1において取得された血管画像の画素値と、上記ステップS4において生成されたぼかし画像の対応画素の画素値との差分画素値を求め、この差分画素値を画素値として生成される。
図7は、上記血管画像(元画像)と上記ぼかし画像と差分画像とにおける上記皮膚部と上記血管部とを含む断面における明るさ曲線(階調変化)を示す。尚、図7(a)は血管画像(元画像)であり、図7(b)はぼかし画像であり、図7(c)は差分画像である。尚、以下の説明においては上記画素値を階調表示した場合を例に説明する。したがって、各画素値を「階調」と言う場合もある。
図7(a)に示すように、上記血管画像においては、血管部のみ他の皮膚部よりも黒く、コントラスト(階調)が低い。そして、平滑化することによって、図7(b)に示すように、皮膚部をバックグランウンドとしたぼかし画像が得られる。そして、上記血管画像と上記ぼかし画像との差分を取ることによって、図7(c)に示すように、上記血管部が負の側に位置すると共に、上記皮膚部における上記血管部の輪郭の一部が正の側に位置する差分画像が抽出されるのである。
(上記ステップS6:血管部強調画像生成)
図8に示すように、上記差分画像は、適宜重み係数αを掛けたうえで、元の画像データに足し合わされ、血管部強調画像が生成される。
上記血管部強調画像を生成する場合の足し合わせの際には、足し合わせ合わせ後の画素値が、血管部強調画像が有する固有の画素値(階調)の範囲を超えないようにする必要がある。例えば、図7に従って、固有の画素値(階調)の範囲が1から256の範囲である場合について説明する。足し合わせ後の画素値が1よりも小さい値、または256よりも大きい値になる場合には、画素値が飽和してしまい、画素値の違いが反映できないハレーションが発生してしまう。そして、ハレーションが発生した場合には、画素値の違いが反映できないため、結果的にコントラストが低下してしまう。
したがって、本実施の形態においては、上記差分画像に固有の画素値(階調)の範囲を超えないような適切な重み係数を用いて、元画像に比べて血管画像が強調された血管部強調画像を生成するのである。
以上のごとく、本実施の形態においては、上記照明部1と撮影部2とで撮像した撮像対象物である生体の血管画像(元画像)に基づいて、演算部3のサイズ判定部9で、撮像対象物(指)のサイズを判定する。そして、フィルタサイズ設定部10で、サイズ判定部9によって判定された撮像対象物(指)のサイズに応じてぼかしフィルタのフィルタサイズを設定する。
さらに、上記ぼかし画像生成部11によって、フィルタサイズ設定部10によって設定されたフィルタサイズのぼかしフィルタを用いて、ぼかし画像を生成する。そして、血管強調画像生成部12によって、ぼかし画像生成部11によって生成されたぼかし画像を用いて、血管部のコントラストを強調した血管部強調画像を生成するようにしている。
したがって、血管撮像時における撮影部2のレンズ倍率や、撮影された画像上における撮像対象物(指)のサイズ等の、撮影状況に応じて、差分画像を生成する際に用いるぼかしフィルタのフィルタサイズ(カーネルサイズ)を最適化することができる。その結果、上記アンシャープマスク処理を最適に行うことができ、コントラストの強調を適切に行うことが可能になる。
すなわち、本実施の形態によれば、上記撮像対象部分以外の背景部分の情報の影響を受けずに、最適に血管部が強調された血管部強調画像を生成することができるのである。
・第2実施の形態
本実施の形態は、取得された血管画像(元画像)における撮像対象物(指)のサイズを判定する際における注目軸の設定法に関する。
本実施の形態における血管部強調画像生成装置の基本構造、および、血管部強調画像生成処理の基本動作は、上記第1実施の形態の場合と同様である。したがって、上記基本構造および基本動作の説明は省略し、以下、図1〜図4を用いて説明を行う。
本実施の形態においては、図3に示す血管部強調画像生成処理動作のステップS2において、上記ステップS1で取得された血管画像(元画像)における撮像対象物(指)のサイズを判定する場合の上記注目軸を、以下のように設定する。
すなわち、上記第1実施の形態の場合には、撮像画像における横方向の中心に位置する縦方向の1本の中心線(撮像画像の中心を原点とするXY座標におけるY軸)を上記注目軸としているのに対し、本実施の形態においては、撮像画像の中心を原点とするXY座標でのX軸とY軸との直交する2軸を注目軸とするのである。
上記注目軸を1軸のみとした場合、判定される撮像対象物のサイズは上記撮像対象物の向きによって異なることになる。例えば、撮像対象物が「指」の場合、指は1方向に細長い形状を有している。したがって、指の方向を注目軸の方向とした場合、見かけ上の指の大きさが大きくなってしまう。したがって、撮像対象物の向き等に依存することなく正確に撮像対象物の大きさを判定するには、上記注目軸を2以上の軸とすることが望ましい。
本実施の形態においては、2つの注目軸の夫々で測定した撮像対象物の2つのサイズのうち、短い方のサイズに応じてぼかしフィルタのフィルタサイズを設定するのである。
図9は、本実施の形態における注目軸設定の説明図である。但し、図9(a)は元画像の二値化画像であり、図9(b)は設定されたぼかしフィルタのサイズである。
図4における境界部判定部18によって、上記第1実施の形態の図5と同様にして、図9(a)に示すような元画像の二値化画像を得る。そして、図4における距離検出部19によって、図9(a)において、注目軸「X=0」に関して、画素値が0から1、または、1から0に変化する2点A,Bの座標を、夫々A(0,Y),B(0,Y)と得る。同様にして、注目軸「Y=0」に関して、2点C,Dの座標を、夫々C(X,0),D(X,0)と得る。そうすると、撮像対象物のAB間距離およびCD間距離が、
Figure 2015191512
Figure 2015191512
と得られる。そして、AB間距離とCD間距離とのうちの短い方の距離(図9においてはAB間距離)を、撮像対象物のサイズWとして判定される。
以下、図3に示す血管部強調画像生成処理動作のステップS3において、記憶部8に記憶されているサイズ対応表14を参照して、上記ぼかしフィルタのフィルタサイズが設定される。こうして、図9(b)に示すように、撮像対象物の大半(撮像対象物の中央付近)が上記難視領域の影響を受けないようなフィルタサイズが設定されるのである。
以上のごとく、本実施の形態においては、撮像画像の中心を原点とするXY座標でのX軸とY軸との直交する2軸を、上記取得された血管画像における撮像対象物(指)のサイズを判定する場合の注目軸としている。したがって、撮像対象物の向き等に依存することなく正確に撮像対象物の大きさを判定することができる。
すなわち、本実施の形態によれば、上記撮像対象領域のサイズに合わせたぼかしフィルタを用いて平滑化処理することが可能になり、より正確な血管強調画像を得ることが可能になるのである。
・第3実施の形態
本実施の形態は、取得された血管画像(元画像)における撮像対象物(指)のサイズを判定する際における注目軸の、さらに他の設定法に関する。
本実施の形態における血管部強調画像生成装置の基本構造、および、血管部強調画像生成処理の基本動作は、上記第1実施の形態の場合と同様である。したがって、上記基本構造および基本動作の説明は省略する。
本実施の形態においては、使用者が、表示部4のディスプレイ17から注目軸を適宜指定するものである。
使用者は、上記ディスプレイ17上において、注目すべき個所をマウスやキーボード等を用いて指定する。上記注目軸は、使用者が設定した位置を中心に直交する2つの軸が設定される。
図10は、本実施の形態における注目軸設定の説明図である。但し、図10(a)は元画像の二値化画像であり、図10(b)は設定されたぼかしフィルタのサイズである。
図4における境界部判定部18によって、上記第1実施の形態の図5と同様にして、図9(a)に示すような元画像の二値化画像を得る。そして、図10(a)において、使用者が上述のようにして注目箇所を指定することによって、マーカー20の位置を自由に設定することができる。そうすると、図4における距離検出部19によって、ディスプレイ17上にマーカー20を原点とするXY座標が設定される。以後、上記第2実施の形態の場合と同様にして、XY座標でのX軸とY軸との2軸を注目軸と設定し、注目軸上における上記撮像対象領域の輪郭(境界部分)である4点A,B,C,Dが求められる。そして、2点A,Bの座標A(0,Y),B(0,Y)と2点C,Dの座標C(X,0),D(X,0)が得られ、AB間距離とCD間距離とのうちの短い方の距離(図10においてはCD間距離)が撮像対象物のサイズWとして判定されるのである。
以上のごとく、本実施の形態においては、撮像画像上に2軸の注目軸を設定するためのXY座標の原点を、使用者が直接指定するようにしている。したがって、上記撮像対象領域が如何なる形状であっても、使用者がマーカー20の位置を指定することによって、指定箇所の上記撮像対象領域のサイズに合わせて最適にぼかしフィルタのフィルタサイズを設定することができるのである。
尚、上記第3実施の形態においては、使用者がマーカー20の位置を設定する構成を、2軸の注目軸を設定する場合に適用した例を挙げて説明している。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、上記第1実施の形態のごとく1軸の注目軸を設定する場合に適用しても差し支えない。
また、上記各実施の形態においては、上記元画像を撮影部2によって得るようにしている。しかしながら、この発明はこれに限定されるものではなく、例えばネットワークを介して取得することも可能である。
また、上記各実施の形態においては、上記撮像対象物として「指」を挙げて説明しているが、「指」に限定されるものではない。例えば、「腕」や「足」等の人体の他の部分であっても一向に差し支えない。
以上のごとく、この発明の血管部強調画像生成装置は、
撮像対象物である生体を撮像した元画像を取得する画像取得部2と、
上記取得された元画像に基づいて、上記元画像上における上記撮像対象物のサイズを判定するサイズ判定部9と、
上記判定された撮像対象物のサイズに応じて、ぼかしフィルタのフィルタサイズを設定するフィルタサイズ設定部10と、
上記元画像に対して、上記設定されたフィルタサイズを有する上記ぼかしフィルタを用いた平滑化処理を行って、ぼかし画像を生成するぼかし画像生成部11と、
上記元画像および上記生成されたぼかし画像に基づいて、上記元画像における血管部のコントラストを強調した血管部強調画像を生成する血管強調画像生成部12と
を備えたことを特徴としている。
上記構成によれば、画像取得部2で取得された元画像に基づいて、サイズ判定部9で上記元画像上の撮像対象物のサイズを判定し、上記判定された撮像対象物のサイズに応じて、フィルタサイズ設定部10でぼかしフィルタのフィルタサイズを設定するようにしている。
したがって、上記元画像の撮像時におけるレンズ倍率や上記元画像上における上記撮像対象物のサイズ等の撮影状況に応じて、差分画像を生成する際に用いるぼかしフィルタのフィルタサイズを最適化することができる。
すなわち、この発明によれば、上記撮像対象部分以外の背景部分の情報の影響を受けない差分画像を生成することができ、上記アンシャープマスク処理を最適に行って、最適に血管部が強調された血管部強調画像を生成することができるのである。
また、一実施の形態の血管部強調画像生成装置では、
上記サイズ判定部9は、
上記元画像上における上記撮像対象物の領域と上記撮像対象物以外の領域との境界部を判定する境界部判定部18と、
上記境界部間の距離を検出する距離検出部19と
を含み、
上記検出された境界部間の距離に基づいて、上記撮像対象物のサイズを判定するようになっている。
この実施の形態によれば、上記元画像上における上記撮像対象物の領域と上記撮像対象物以外の領域との境界部間の距離に基づいて、上記撮像対象物のサイズを判定するようにしている。したがって、上記元画像に基づいて、上記撮像対象物のサイズを的確に判定することができる。
また、一実施の形態の血管部強調画像生成装置では、
上記境界部判定部18は、予め上記撮像対象物の領域の平均画素値と上記撮像対象物以外の領域の平均画素値との間に設定された閾値を越えて画素値が変化する箇所の連なりを上記境界部と判定するようになっている。
この実施の形態によれば、上記撮像対象物の領域の平均画素値と上記撮像対象物以外の領域の平均画素値との間に設定された閾値に基づく二値化画像によって、上記撮像対象物の領域と上記撮像対象物以外の領域との境界部を判定可能になる。したがって、上記撮像対象物の領域と上記撮像対象物以外の領域との境界部を、正しく且つ明確に判定することが可能になる。
また、一実施の形態の血管部強調画像生成装置では、
上記境界部判定部18は、互いに隣接する画素間における画素値の変化率が予め設定された設定値以上となる箇所の連なりを上記境界部と判定するようになっている。
この実施の形態によれば、互いに隣接する画素間における画素値の変化率によって、上記境界部を判定するようにしている。したがって、上記元画像から直接的に上記撮像対象物の領域と上記撮像対象物以外の領域との境界部を判定することができ、境界部の判定処理を簡素化できる。
また、一実施の形態の血管部強調画像生成装置では、
上記距離検出部19は、上記元画像上に予め設定された注目軸と上記境界部との交差位置の間の距離を検出することにより、上記境界部間の距離を検出するようになっている。
この実施の形態によれば、上記元画像上の注目軸と上記境界部との交差位置の間の距離を、上記境界部間の距離として検出するようにしている。したがって、上記元画像を、上記撮像対象物の領域が上記注目軸に対して略直交する位置関係になるように撮影すれば、上記境界部間の距離を、簡単な処理で速やかに検出することができる。
また、一実施の形態の血管部強調画像生成装置では、
上記元画像を表示する表示部4を備え、
上記距離検出部19は、上記表示部4に表示された上記元画像上において、使用者によって指定された位置20を通るように上記注目軸を設定するようになっている。
この実施の形態によれば、上記注目軸の設定位置を、使用者が、上記表示部4から直接指定するようにしている。したがって、上記撮像対象物の領域が如何なる形状を有していても、使用者によって指定された位置に応じて、上記境界部間の距離を最適に検出することができる。
また、一実施の形態の血管部強調画像生成装置では、
上記元画像上に予め設定された注目軸は複数在り、
上記距離検出部19は、上記元画像上に設定された複数の注目軸の夫々に関して、上記境界部間の距離を検出するようになっており、
上記サイズ判定部9は、上記検出された複数の境界部間の距離のうちの最も短い距離に基づいて、上記撮像対象物のサイズを判定するようになっている。
上記元画像上に設定される上記注目軸が1軸のみの場合には、上記撮像対象物の長さ方向が上記注目軸の方向となった場合には、見かけ上の撮像対象物の大きさが実際の大きさよりも大きくなってしまう。
この実施の形態によれば、上記元画像上に上記注目軸を複数設定し、夫々の上記注目軸に関して上記境界部間の距離を検出するようにしている。したがって、上記撮像対象物の向き等に依存することなく、正確に上記撮像対象物の大きさを判定することができる。
また、この発明の血管部強調画像生成方法は、
画像取得部2によって、撮像対象物である生体を撮像した元画像を取得する画像取得ステップと、
サイズ判定部9によって、上記取得された元画像に基づいて、上記元画像上における上記撮像対象物のサイズを判定するサイズ判定ステップと、
フィルタサイズ設定部10によって、上記判定された撮像対象物のサイズに応じて、ぼかしフィルタのフィルタサイズを設定するフィルタサイズ設定ステップと、
ぼかし画像生成部11によって、上記元画像に対して、上記設定されたフィルタサイズを有する上記ぼかしフィルタを用いた平滑化処理を行って、ぼかし画像を生成するぼかし画像生成ステップと、
血管強調画像生成部12によって、上記元画像と上記生成されたぼかし画像とに基づいて、上記元画像における血管部のコントラストを強調した血管部強調画像を生成する血管強調画像生成ステップと
を備えたことを特徴としている。
上記構成によれば、取得された元画像に基づいて上記元画像上の撮像対象物のサイズを判定し、上記判定された撮像対象物のサイズに応じてぼかしフィルタのフィルタサイズを設定するようにしている。
したがって、上記元画像の撮像時におけるレンズ倍率や上記元画像上における上記撮像対象物のサイズ等の撮影状況に応じて、差分画像を生成する際に用いるぼかしフィルタのフィルタサイズを最適化することができる。
すなわち、この発明によれば、上記撮像対象部分以外の背景部分の情報の影響を受けない差分画像を生成することができ、上記アンシャープマスク処理を最適に行って、最適に血管部が強調された血管部強調画像を生成することができる。
1…照明部、
2…撮影部、
3…演算部、
4…表示部、
5…光源、
6…カメラ、
7…CPU、
8…記憶部、
9…サイズ判定部、
10…フィルタサイズ設定部、
11…ぼかし画像生成部、
12…血管強調画像生成部、
13…プログラム、
14…サイズ対応表、
15…ぼかしフィルタ、
16…各種画像、
17…ディスプレイ、
18…境界部判定部、
19…距離検出部、
20…マーカー。

Claims (8)

  1. 撮像対象物である生体を撮像した元画像を取得する画像取得部と、
    上記取得された元画像に基づいて、上記元画像上における上記撮像対象物のサイズを判定するサイズ判定部と、
    上記判定された撮像対象物のサイズに応じて、ぼかしフィルタのフィルタサイズを設定するフィルタサイズ設定部と、
    上記元画像に対して、上記設定されたフィルタサイズを有する上記ぼかしフィルタを用いた平滑化処理を行って、ぼかし画像を生成するぼかし画像生成部と、
    上記元画像および上記生成されたぼかし画像に基づいて、上記元画像における血管部のコントラストを強調した血管部強調画像を生成する血管強調画像生成部と
    を備えたことを特徴とする血管部強調画像生成装置。
  2. 請求項1に記載の血管部強調画像生成装置において、
    上記サイズ判定部は、
    上記元画像上における上記撮像対象物の領域と上記撮像対象物以外の領域との境界部を判定する境界部判定部と、
    上記境界部間の距離を検出する距離検出部と
    を含み、
    上記検出された境界部間の距離に基づいて、上記撮像対象物のサイズを判定するようになっている
    ことを特徴とする血管部強調画像生成装置。
  3. 請求項2に記載の血管部強調画像生成装置において、
    上記境界部判定部は、予め上記撮像対象物の領域の平均画素値と上記撮像対象物以外の領域の平均画素値との間に設定された閾値を越えて画素値が変化する箇所の連なりを上記境界部と判定するようになっている
    ことを特徴とする血管部強調画像生成装置。
  4. 請求項2に記載の血管部強調画像生成装置において、
    上記境界部判定部は、互いに隣接する画素間における画素値の変化率が予め設定された設定値以上となる箇所の連なりを上記境界部と判定するようになっている
    ことを特徴とする血管部強調画像生成装置。
  5. 請求項2から請求項4までの何れか一つに記載の血管部強調画像生成装置において、
    上記距離検出部は、上記元画像上に予め設定された注目軸と上記境界部との交差位置の間の距離を検出することによって、上記境界部間の距離を検出するようになっている
    ことを特徴とする血管部強調画像生成装置。
  6. 請求項5に記載の血管部強調画像生成装置において、
    上記元画像を表示する表示部を備え、
    上記距離検出部は、上記表示部に表示された上記元画像上において、使用者によって指定された位置を通るように上記注目軸を設定するようになっている
    ことを特徴とする血管部強調画像生成装置。
  7. 請求項5または請求項6に記載の血管部強調画像生成装置において、
    上記元画像上に予め設定された注目軸は複数在り、
    上記距離検出部は、上記元画像上に設定された複数の注目軸の夫々に関して、上記境界部間の距離を検出するようになっており、
    上記サイズ判定部は、上記検出された複数の境界部間の距離のうちの最も短い距離に基づいて、上記撮像対象物のサイズを判定するようになっている
    ことを特徴とする血管部強調画像生成装置。
  8. 画像取得部によって、撮像対象物である生体を撮像した元画像を取得する画像取得ステップと、
    サイズ判定部によって、上記取得された元画像に基づいて、上記元画像上における上記撮像対象物のサイズを判定するサイズ判定ステップと、
    フィルタサイズ設定部によって、上記判定された撮像対象物のサイズに応じて、ぼかしフィルタのフィルタサイズを設定するフィルタサイズ設定ステップと、
    ぼかし画像生成部によって、上記元画像に対して、上記設定されたフィルタサイズを有する上記ぼかしフィルタを用いた平滑化処理を行って、ぼかし画像を生成するぼかし画像生成ステップと、
    血管強調画像生成部によって、上記元画像と上記生成されたぼかし画像とに基づいて、上記元画像における血管部のコントラストを強調した血管部強調画像を生成する血管強調画像生成ステップと
    を備えたことを特徴とする血管部強調画像生成方法。
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