JP2015190993A - 反射鏡の姿勢調整構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】取付け台6a上に固定される固定部110と細幅なスリット形状の切欠き部113,113,115を有する可動部111が一体に形成されてなる基部11と、反射鏡9を保持して基部11の先端に固定される反射鏡ホルダー12と、基部11の切欠け部113,113,115の隙間の幅を調整する隙間幅調整部材13とに反射鏡保持機構10を構成し、隙間幅調整部材13を操作して切欠け部113,113,115の隙間幅を減少又は増加させ、反射鏡ホルダー12に保持された反射鏡9の傾斜度合いが調整する。
【選択図】図2
Description
そして、この測長器で検出した測長値による、ステージ駆動源に対するフィードバック制御により、テーブルで保持した材料や試料を所望の移動量や移動速度で高精度に制御して変位させるように構成されている(例えば特許文献1参照)。
しかし、実際には、コラムは真空容器上に設置され、真空・大気圧の差圧、周囲温度や気圧の変化による容器の変形などによって前記コラムの位置は変化し、さらには、ステージ自体の振動或いは床や外部環境要因による振動などの外乱により、前記コラムとステージは、ステージ稼働中だけではなく、ステージが静止状態であっても、微妙な相対位置変化を生じさせていた。
然し乍ら、現実的には、取り付け制約上、コラムにリファレンスの反射鏡を取り付けることができず、コラム近傍の真空容器に取り付けたときには、必然的に前述の外乱要素が多くなり、コラムリファレンス本来の性能及び機能を発揮することができず、前記方法及び構成を具現化することは困難であった。
コラムリファレンスを構築する方法として、理論的には数台の干渉計を組み合わせ、各干渉計によるリファレンス軸とステージなどの測長軸を構成してもよいが、実装空間や費用の制約などから一つの測長計で、つまりリファレンス軸と測長軸を併せて持つ多軸の干渉計を用いてコラムリファレンスを構築するのが合理的である。
次に、リファレンス軸の調整は、必然的に前記干渉計は動かさずに、コラム側に取り付けられる反射鏡の姿勢を調整することのみで行なうことになるが、かかるリファレンス軸の反射鏡の調整には次のような条件が必要となる。
第1に反射鏡の姿勢を調整する機構がコラム自体に外乱要素とならないような構成であることが必要である。具体的には、調整機構は軽量で占有空間が小さく、非磁性材料により形成されていることなどが必要となる。
第2に調整機構で調整した後、反射鏡の姿勢に経時変化が生じることがないようにすることが必要である。
第3に反射鏡が真空中に設置される場合に、真空下の反射鏡の姿勢を大気側からの操作により調整可能であることが必要である。
取付け台上に固定される固定部と細幅なスリット形状の切欠き部を有する可動部が一体に形成されてなる基部と、反射鏡を保持して基部の可動部の先端に固定される反射鏡ホルダーと、基部の切欠け部の隙間の幅を調整する隙間幅調整部材とを備え、
前記隙間幅調整部材を操作して切欠け部の隙間幅を減少又は増加させることにより、反射鏡ホルダーに保持された反射鏡の傾斜度合いが調整されるようにした構成を有することを特徴とする。
また、基部の切欠け部の隙間の幅を調整する隙間幅調整部材を具備しているので、隙間幅調整部材により切欠け部の隙間幅を調節することで、容易に反射鏡の姿勢の調整をすることが可能である。
切り欠いた方向の異なる複数の切欠け部を基部に設け、これら各切欠け部の隙間幅を調整することで、反射鏡を所望の姿勢に高精度で調整することが可能となる。
このように雄・雌のテーパ形状を組み合わせることで、例えばボルト型の隙間幅調整部材のネジ入れ操作した際の軸力方向に対して、垂直方向に調整力を生じさせることが可能となるため、調整のための操作方向を一方向に集約させることが可能となる。また、テーパ部の角度の設定によっては、より精度の高い調整が可能となる。
このように、隙間幅調整部材の引きボルト又は押しボルトの近傍で、固定ボルトで可動部が固定されるように設けることで、調整の状態を強固に保持することが可能となり、状態の保持剛性が向上し、経時変化を生じさせずに、反射鏡を調整した姿勢に安定的に保持することができる。
真空シール機能を備えたアクセス機構により、真空下の反射鏡の姿勢を大気側から調整可能に構成すれば、電子線応用装置などの真空中に配置される反射鏡への適用が可能となる。
図1は本発明の反射鏡の姿勢調整構造を適用した電子線応用装置の全体構成を示しており、図中、符号1は床面、2は除振装置、3は定盤、4は真空容器、5はステージ、6はコラム、7は干渉計、8,9は反射鏡をそれぞれ示している。
干渉計7は、真空容器4内に配置され、図示されない大気側に配置されたレーザー光源により発せられたレーザー光を干渉計7に入光させ、干渉計7よりステージ5上に設置された反射鏡8と後述する反射鏡保持機構10によりコラム6の下端部に取り付けられた反射鏡9とに測長用のレーザー光をそれぞれ照射し、各反射鏡8,9で反射されたレーザー光を干渉計7で受光し、干渉計7から出力光として大気側へと出力する。そして、この出力光を基に干渉計7の初期状態からの相対変位が、図示されない大気側に配置された電装部で算出されるとともに、ステージ5のフィードバック制御のための信号として制御システム内に構築されるように構成してある。
この構成により、コラム6の下端部を基準とした、コラムリファレンス測長システムが構築される。
同図に示されるように、反射鏡支持機構10は、L字形に屈曲していてコラム6の設置面を基にコラム6に固定ボルト15により固定された取付け台6a上に配置される基部11と、反射鏡9を保持して基部11の先端に固定される反射鏡ホルダー12と、後述する基部11に形成された切欠け部の隙間の幅を調整する隙間幅調整部材13とを有して構成されている。
可動部111は、固定部110と連なっていて固定部110の下面に対して垂直な方向で左右両側に切り欠いてなる一対の切欠け部113,113が配置された第1の可動部112と、第1の可動部112の先端側に連なっていて固定部11の下面に対して平行な方向で先端側から根元方向へ切り欠いてなる切欠け部115を配置した第2の可動部114からなり、可動部114の先端部に反射鏡ホルダー12を固定ボルト14,14で一体に固定してある。
そして、隙間幅調整部材131,131のネジ部131bの螺合深さを変えることにより、第1の可動部112の切欠け部113,113の隙間幅が減少又は増加させる調整がなされ、これにより、反射鏡ホルダー12に保持される反射鏡9の横方向の傾斜度合いが調整されるようになっている。
そして、隙間幅調整部材13の引きボルト132の下側可動片114bへの螺合深さと、押しボルト133,133の上側可動片114aへの螺合深さを変えることにより、第2の可動部114の切欠け部115の隙間幅が減少又は増加させる調整がなされ、これにより、反射鏡ホルダー12に保持される反射鏡9の縦方向の傾斜度合いが調整されるようになっている。
なお、部材131〜134の各隙間幅調整部材13の頂面には、後述するアクセス機構15の操作棒161の下端部が嵌入する凹部が設けてある。また、これら反射鏡支持機構10を構成する各部材は非磁性材料により形成されている。
両図に示されるように、アクセス機構16は、反射鏡支持機構10の上方の大気側から操作可能なように、両端部が六面カットされた操作棒161と、操作棒161の外周面をシールするOリングなどのシール機構162を備えて構成される。
操作棒161が挿通されたシールベース板163の上面は、Oリングシールからなる蓋板164が設置されて隙間を塞ぎ、また、その上方には、調整後の操作棒161の下方への変位を制約するように機能するストッパ蓋165を被せて覆い、このストッパ蓋165とストッパ蓋165の上面に突出していて操作棒161の上端に連結したストッパボルト166とでストッパ機構が構成され、これにより大気・真空の差圧による変位を抑制できるようになっている。
このような場合の対応策として、図9に示されるように、真空容器4側にリング状の延長保持部材17を設け、同部材の内部に設けた孔部17aを通るようにコラム延長取付け部材18を配置することが好ましい。
なお、コラム延長取付け部材18は、セラミックスなどの低線膨張係数の材料により構成することが望ましい。
また、図示した反射鏡保持機構10やアクセス機構16の形態は一例であり、本発明はこれに限定されず、他の適宜な形態で構成することが可能である。
Claims (5)
- 取付け台上に固定される固定部と細幅な切欠き部を有する可動部が一体に形成されてなる基部と、反射鏡を保持して基部の可動部の先端に固定される反射鏡ホルダーと、基部の切欠け部の隙間の幅を調整する隙間幅調整部材とを備え、
前記隙間幅調整部材を操作して切欠け部の隙間幅を減少又は増加させることにより、反射鏡ホルダーに保持された反射鏡の傾斜度合いが調整されるようにした構成を有することを特徴とする反射鏡の姿勢調整構造。 - 取付け台上に固定される固定部の下面に対して垂直な方向に切欠け部を配置した第1の可動部と、平行な方向に切欠け部を配置した第2の可動部を少なくとも有して基部が形成された構成を有すること特徴とする請求項1に記載の反射鏡の姿勢調整構造。
- 第1の可動部の切欠け部内の対向する面内に下方に向けて窄まった雌側テーパ部がそれぞれ設けられ、外周面に前記雌側テーパ部と組み合う雄側テーパ部が形成された隙間幅調整部材を、前記雌側テーパ部に上方から嵌め入れるとともに、隙間幅調整部材の先端部に形成されたネジ部を第1の可動部の下側で重なった取付け台に設けたネジ孔に螺合して固定し、
隙間幅調整部材のネジ部の螺合深さを変えることにより第1の可動部の切欠け部の隙間幅が調整されるように構成されたことを特徴とする請求項2に記載の反射鏡の姿勢調整構造。 - 第2の可動部は切欠け部に面する上側可動片と下側可動片により形成され、上側可動片の上面に、
軸部が上側可動片を貫通し且つ下側可動片に設けたネジ孔に螺合した引きボルトと、軸部が上側可動片に設けたネジ孔に螺合し且つ軸部端部が下側可動片の上面に接合した押しボルトと、引きボルト又は押しボルトの近傍で軸部を上側可動片及び下側可動片を貫通し且つ第2の可動部の下側で重なった取付け台に設けたネジ孔に螺合して第2の可動部を固定する固定ボルトからなる隙間幅調整部材を配置し、
隙間幅調整部材の引きボルトの下側可動片への螺合深さと押しボルトの上側可動片への螺合深さを変えることにより第2の可動部の切欠け部の隙間幅が調整されるように構成されたことを特徴とする請求項2又は3に記載の反射鏡の姿勢調整構造。 - 真空シール機能を備えていて隙間幅調整部材を操作するアクセス機構を基部の上方に設置して、大気側でのアクセス機構の操作によって真空中に設置された反射鏡の傾斜度合いが調整されるようにした構成を有することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の反射鏡の姿勢調整構造。
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