JP2015190239A - ハイブリッド梁 - Google Patents
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ハイブリッド梁の鉄筋コンクリート梁部においては、一般的に複数の梁主筋と、それら複数の梁主筋および鉄骨の周囲を囲む複数の横補強筋とが配筋され、鉄筋コンクリート梁部全体に渡り埋設されている。この横補強筋は、鉄筋コンクリート梁部の柱側の端部及び鉄骨梁部側の端部の配筋を密にした集中補強筋も含んでいる。
ハイブリッド梁は、中央部がS造であることから梁自重が軽減され、梁せいが減少するために梁のロングスパン化を可能とした建物が得られる新しい構法として注目されている。
ハイブリッド梁の鉄筋コンクリート梁部は一般的なRC造として設計されており、一般的なRC造の梁に貫通孔を設けた場合、貫通孔の補強は、開孔補強筋(リング状のもの)や座屈補強筋(串形もの)などを用いて行われている。
そして、それら補強筋が過密となると、鉄筋コンクリート梁部にはもともと梁主筋と横補強筋が密に配筋されていることから、配筋するのに手間がかかり、施工性が悪くなる。
また、既往の研究例から一般的なRC造の梁の開孔を補強した場合、地震を経験したあとの開孔周りのせん断ひび割れが目立ち、梁の損傷度合いも顕著である。
この発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、設備用孔が貫通形成された鉄筋コンクリート梁部の補強の施工性を向上でき、また、地震の際の損傷度合を軽減する上で有利なハイブリッド梁を提供することにある。
また、繊維補強コンクリートが設備用孔の周辺を補強するため、鉄筋の配筋がもともと過密なハイブリッド梁の鉄筋コンクリート梁部を、開孔補強筋を用いて補強する場合に比べ、簡単に迅速に確実に補強でき、施工性が改善され、工期の短縮化、コストダウンを図る上で有利となる。
また、繊維補強コンクリートで地震のエネルギーを吸収し、地震の際の損傷度合を軽減する上で有利となる。
また、設備用孔周辺の鉄筋コンクリート梁部の箇所に作用するせん断力を、鉄筋、鉄骨で補強されたコンクリートと同等またはそれ以上の性能を有する繊維補強コンクリートが負担するので、横補強筋の本数を削減可能であり、場合によっては省略することも可能となる。
まず、図3、図4を参照して本発明が適用される一般的なハイブリッド梁10について説明すると、ハイブリット梁10は、対向する柱12間に架け渡されたI鋼やH鋼等の鉄骨Sの両端部を鉄筋コンクリートで覆う構造のものである。
鉄骨Sの中央部は鉄骨梁部10Aとされ、両端部は鉄筋コンクリート梁部10Bとされ、鉄骨Sは内法スパン(柱フェースまでの長さ)とし柱12には貫通されておらず、図1において符号11Aはスタッドボルト、符号11Bは床スラブを示している。
鉄筋コンクリート梁部10Bは、複数の梁主筋14、それら梁主筋14を囲む複数の横補強筋16により補強され、梁主筋14の柱梁接合部への定着は、定着金物あるいは折り曲げ定着により行われる。
また、鉄筋コンクリート梁部10Bの柱12側の端部と鉄骨梁10A側の端部に相当する部分においては、特に横補強筋16の配筋を密に配した集中補強筋16Aとしている。このように鉄筋コンクリート梁部10Bの柱12側の端部と鉄骨梁10A側の端部に相当する部分に集中補強筋16Aを設けることで、鉄筋から鉄筋コンクリート梁部10Bへの応力の伝達が図られている。
そして、設備用孔20が貫通形成された鉄筋コンクリート梁部10Bの箇所を補強するため、鉄筋コンクリート梁部10Bに用いるコンクリートに繊維補強コンクリート24を用いている。
繊維補強コンクリート24は、コンクリートに補強繊維を複合したものであり、このような補強繊維として、設備用孔20周辺の鉄筋コンクリート梁部10Bの箇所を補強し、設備用孔20周辺の鉄筋コンクリート梁部10Bの箇所に作用するせん断力を負担できるものであればよく、例えば、鋼繊維や炭素繊維、アラミド繊維など従来公知の様々な繊維が採用可能である。補強繊維の使用量は、適用されるハイブリット梁10に作用する荷重や、設備用孔20の大きさなどに応じて適宜決定される。
効果A:鉄筋コンクリート梁部10Bを構成する繊維補強コンクリート24自体が設備用孔20周辺の鉄筋コンクリート梁部10Bの箇所を補強するため、設備用孔20周りの鉄筋コンクリート梁部10Bのせん断ひび割れや損傷度合いが改善される。
効果B:鉄筋コンクリート梁部10Bに用いるコンクリートを利用して設備用孔20周辺の鉄筋コンクリート梁部10Bの箇所を補強するため、鉄筋の配筋がもともと過密なハイブリッド梁10の鉄筋コンクリート梁部10Bを、開孔補強筋を用いて補強する場合に比べ、簡単に迅速に確実に補強でき、施工性が改善され、工期の短縮化、コストダウンを図る上で有利となる。
効果C:鉄筋コンクリート梁部10Bを構成する繊維補強コンクリート24で地震のエネルギーを吸収でき、地震の際の損傷度合を軽減する上で有利となる。
効果D:設備用孔20周辺の鉄筋コンクリート梁部10Bの箇所に作用するせん断力を繊維補強コンクリート24で負担できるので、横補強筋16の本数を削減可能であり、場合によっては省略することも可能となる。
10A……鉄骨梁部
10B……鉄筋コンクリート梁部
14……梁主筋
16……横補強筋
20……設備用孔
24……繊維補強コンクリート
Claims (1)
- 対向する柱間に架け渡された鉄骨の両端部を鉄筋コンクリートで覆い、前記鉄骨の中央部を鉄骨梁部とし、両端部を鉄筋コンクリート梁部としたハイブリッド梁であって、
前記鉄筋コンクリート梁部に設備用孔が貫通形成され、
前記鉄筋コンクリート梁部を構成するコンクリートは繊維補強コンクリートである、
ことを特徴とするハイブリッド梁。
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---|---|---|---|---|
JP2010065449A (ja) * | 2008-09-11 | 2010-03-25 | Takenaka Komuten Co Ltd | 開口部を有するコンクリート系梁 |
JP2010196324A (ja) * | 2009-02-24 | 2010-09-09 | Ohbayashi Corp | 柱梁接合構造、柱梁接合方法 |
US20110225927A1 (en) * | 2008-10-20 | 2011-09-22 | Cross Structural Consultant Co., Ltd. | Steel-concrete composite beam and construction method using same |
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