JP2015188882A - マイクロプラズマ用電極及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】より細かな粉塵を効率よく捕集でき、かつ殺菌効果を有する安価なマイクロプラズマ用電極を提供すること。【解決手段】多孔粒子の小孔h内に金属微粒子を担持した担持粒子Pを鞘材Yに練り込んで複合フィラメントとし、該複合フィラメントを延伸して担持粒子を鞘材の表面に露出させ、該担持粒子が鞘材の表面に露出した複合フィラメントを織成又は不織布として形成して絶縁シート30とし、該絶縁シートの一方の面に第1電極10を積層し、他方の面に第2電極20を積層してマイクロプラズマ用電極とし、低電圧マイクロプラズマを生成するとともに空気中の粉塵を捕集する。【選択図】図1
Description
本発明は、エアコンや空気清浄機などの通気口などに取り付けて使用するマイクロプラズマ用電極であって、詳しくは、空気中の微細な粉塵などを効率よく捕集することができ、殺菌効果も併せもったマイクロプラズマ用電極及びその製造方法に関するものである。
近年の健康指向の高まりにあって、現在では生活必需品ともなっているエアコンや空気清浄機のエアフィルタにおいても、種々の方法により空気中に浮遊している粉塵などの異物を除去している。
この種のエアフィルタは、一般的には熱可塑性樹脂製のフィラメントからなるネットであって、ネットの編み目に風にのって浮遊してきた粉塵を引っかけて捕集し、空気中の粉塵を除去するものである。
このため、吸込み側のフィルタ近傍に針状電極やタングステンワイヤーに直流の高電圧を印加することによりコロナ放電を発生させ、プラスイオンあるいはマイナスイオンが充満する中をたばこの煙などの微細粒子の粉塵を流入させて、プラスまたはマイナスに帯電させ、風下にフィルタを配置し吸着させるようにしている。
このため、吸込み側のフィルタ近傍に針状電極やタングステンワイヤーに直流の高電圧を印加することによりコロナ放電を発生させ、プラスイオンあるいはマイナスイオンが充満する中をたばこの煙などの微細粒子の粉塵を流入させて、プラスまたはマイナスに帯電させ、風下にフィルタを配置し吸着させるようにしている。
例えば、特許文献1(特開2003−10731号公報)には、樹脂製のフィルタ枠の吸込口側に針状の放電電極を設け、放電電極と対向し通気可能なアース電極を設け、アース電極の風下側に設けられてなるフィルタによりフィルタ装置を形成し、フィルタ装置が装着されることにより放電電極にマイナスの高電圧が印加され、アース電極にアースが接続されるようにして空気調和機の空気流路を配設した電気捕集ユニットが記載されている。
しかしながら、上記のようなフィルタは、電極間距離が大きいため、高電圧を付与する必要があり、省エネ性に劣る。また、オゾン発生の可能性もあり、日常的に用いるエアフィルタとして問題がある。
さらに、電気集塵式の空気清浄装置を搭載した場合には、高電圧部の周辺が不必要に帯電することで粉塵が吸着し、美観を損ね、定期的な清掃が必要という課題を有していた。
これらの問題を解決するため、放電ユニットの表面に導電性樹脂を用いたり、使用樹脂に界面活性剤、導電性繊維、金属粉などを配合したりして、帯電と粉塵の蓄積を抑制することもできるが、製造コストの増加を招くという問題があった。
本発明の目的は、空気中のより細かな粉塵を効率よく捕集でき、かつ殺菌効果を有する安価なマイクロプラズマ用電極を提供することである。
また、本発明の他の目的は、通気性を有する電極構造とし、この電極間にプラズマを生成させ、これによって通過する空気の殺菌処理をするとともに、通過する空気中の粉塵の捕集を同時に行うことができるマイクロプラズマ用電極、及びその製造方法を提供することを目的とする。
さらに、電気集塵式の空気清浄装置を搭載した場合には、高電圧部の周辺が不必要に帯電することで粉塵が吸着し、美観を損ね、定期的な清掃が必要という課題を有していた。
これらの問題を解決するため、放電ユニットの表面に導電性樹脂を用いたり、使用樹脂に界面活性剤、導電性繊維、金属粉などを配合したりして、帯電と粉塵の蓄積を抑制することもできるが、製造コストの増加を招くという問題があった。
本発明の目的は、空気中のより細かな粉塵を効率よく捕集でき、かつ殺菌効果を有する安価なマイクロプラズマ用電極を提供することである。
また、本発明の他の目的は、通気性を有する電極構造とし、この電極間にプラズマを生成させ、これによって通過する空気の殺菌処理をするとともに、通過する空気中の粉塵の捕集を同時に行うことができるマイクロプラズマ用電極、及びその製造方法を提供することを目的とする。
(1)本発明のマイクロプラズマ用電極は、低電圧マイクロプラズマを生成するとともに空気中の粉塵を捕集する電極であって、通気性を有する絶縁シートと、
前記絶縁シートの一方の面に積層された通気性を有する第1電極と、
この絶縁シートの他方の面に積層された通気性を有する第2電極と、を備え、
前記絶縁シートを形成する複合フィラメントの鞘材には、多孔粒子の小孔内に金属微粒子が担持された担持粒子が練り込まれていることを特徴とする。
(2)本発明のマイクロプラズマ用電極は、上記(1)において、前記絶縁シートは、それを形成する複合フィラメントを織成して形成したものであることを特徴とする。
(3)本発明のマイクロプラズマ用電極は、上記(1)において、前記絶縁シートは、それを形成する複合フィラメントを不織布として形成したものであることを特徴とする。
(4)本発明のマイクロプラズマ用電極は、上記(1)〜(3)のいずれかにおいて、前記金属微粒子が、銀粒子であることを特徴とする。
(5)本発明のマイクロプラズマ用電極は、上記(1)〜(4)のいずれかにおいて、前記多孔粒子が、シリカ、ゼオライトであることを特徴とする。
(6)本発明のマイクロプラズマ用電極の製造方法は、低電圧マイクロプラズマを生成するとともに空気中の粉塵を捕集する電極の製造方法であって、多孔粒子の小孔内に金属微粒子を担持した担持粒子を鞘材に練り込んで複合フィラメントとし、該複合フィラメントを延伸して担持粒子を鞘材の表面に露出させ、該担持粒子が鞘材の表面に露出した複合フィラメントを織成又は不織布として形成して絶縁シートとし、該絶縁シートの一方の面に第1電極を積層し、他方の面に第2電極を積層することを特徴とする。
前記絶縁シートの一方の面に積層された通気性を有する第1電極と、
この絶縁シートの他方の面に積層された通気性を有する第2電極と、を備え、
前記絶縁シートを形成する複合フィラメントの鞘材には、多孔粒子の小孔内に金属微粒子が担持された担持粒子が練り込まれていることを特徴とする。
(2)本発明のマイクロプラズマ用電極は、上記(1)において、前記絶縁シートは、それを形成する複合フィラメントを織成して形成したものであることを特徴とする。
(3)本発明のマイクロプラズマ用電極は、上記(1)において、前記絶縁シートは、それを形成する複合フィラメントを不織布として形成したものであることを特徴とする。
(4)本発明のマイクロプラズマ用電極は、上記(1)〜(3)のいずれかにおいて、前記金属微粒子が、銀粒子であることを特徴とする。
(5)本発明のマイクロプラズマ用電極は、上記(1)〜(4)のいずれかにおいて、前記多孔粒子が、シリカ、ゼオライトであることを特徴とする。
(6)本発明のマイクロプラズマ用電極の製造方法は、低電圧マイクロプラズマを生成するとともに空気中の粉塵を捕集する電極の製造方法であって、多孔粒子の小孔内に金属微粒子を担持した担持粒子を鞘材に練り込んで複合フィラメントとし、該複合フィラメントを延伸して担持粒子を鞘材の表面に露出させ、該担持粒子が鞘材の表面に露出した複合フィラメントを織成又は不織布として形成して絶縁シートとし、該絶縁シートの一方の面に第1電極を積層し、他方の面に第2電極を積層することを特徴とする。
本発明のマイクロプラズマ用電極は、絶縁シートを形成するフィラメントに、金属微粒子が担持された担持粒子が練り込まれているので、電極に低電圧をかけてマイクロプラズマを発生させることにより、空気の殺菌、消臭とともに、粉塵の引き寄せをおこなって、効率のよい捕集ができる。
本発明のマイクロプラズマ用電極1は、図1(a)の平面図、(b)X−X断面図に示すように、金属微粒子が担持された担持粒子が練り込まれて通気性を有するフィラメントで構成される絶縁シート30と、前記絶縁シートの一方の面に積層された通気性を有する第1電極10と、この絶縁シートの他方の面に積層された通気性を有する第2電極20と、を備え、空気中の粉塵を捕集するとともに、第1電極10及び第2電極20に設けられた貫通孔13を通過する空気(矢印↓)の殺菌などの機能を有する低電圧マイクロプラズマを生成する電極である。
また、マイクロプラズマ用電極1は、第1電極10、絶縁シート30、及び第2電極20を積層したその周縁を上下枠で挟むように、例えば、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)樹脂からなるフレーム40で周囲を成型加工し、第1電極10、絶縁シート30、及び第2電極20を固定して、接続端子41、42を介してエアコンや空気清浄機などに取り付けるようになっている。
また、第1電極10、第2電極20は、基体である樹脂フィルム上に形成されており、それぞれの樹脂フィルム11、21と、絶縁シート30とが接着されている。
なお、本発明で「マイクロプラズマ」という用語は、例えば、200V〜2kVの低電圧で生成させるプラズマをいう。
また、マイクロプラズマ用電極1は、第1電極10、絶縁シート30、及び第2電極20を積層したその周縁を上下枠で挟むように、例えば、ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)樹脂からなるフレーム40で周囲を成型加工し、第1電極10、絶縁シート30、及び第2電極20を固定して、接続端子41、42を介してエアコンや空気清浄機などに取り付けるようになっている。
また、第1電極10、第2電極20は、基体である樹脂フィルム上に形成されており、それぞれの樹脂フィルム11、21と、絶縁シート30とが接着されている。
なお、本発明で「マイクロプラズマ」という用語は、例えば、200V〜2kVの低電圧で生成させるプラズマをいう。
<絶縁シート>
第1電極10と第2電極20との間には絶縁シート30が介在し、第1電極10と第2電極20との間で絶縁性を確保するようにしている。ここで、絶縁シート30は、不導体でかつ通気性があればよく、例えば、樹脂フィラメントから形成される不織布や織物などから形成されたものが挙げられる。絶縁シート30の厚みは特定するものではないが、プラズマ生成時の絶縁破壊に耐える程度の厚みであればよく、適宜決定される。
第1電極10と第2電極20との間には絶縁シート30が介在し、第1電極10と第2電極20との間で絶縁性を確保するようにしている。ここで、絶縁シート30は、不導体でかつ通気性があればよく、例えば、樹脂フィラメントから形成される不織布や織物などから形成されたものが挙げられる。絶縁シート30の厚みは特定するものではないが、プラズマ生成時の絶縁破壊に耐える程度の厚みであればよく、適宜決定される。
<フィラメント>
本発明の絶縁シート30を構成する不織布や織物の素材としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂などからなる複合フィラメントが挙げられる。具体的には、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体などの単独または組み合わせた芯鞘型の複合フィラメントである。
本発明の絶縁シート30を構成する不織布や織物の素材としては、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂などからなる複合フィラメントが挙げられる。具体的には、ポリプロピレン、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体などの単独または組み合わせた芯鞘型の複合フィラメントである。
<複合フィラメントからなる絶縁シート>
図2は絶縁シートを構成する複合フィラメントの断面図であり、(a)は担持粒子が鞘材Yの中に担持された状態を示す説明図であり、(b)は複合フィラメントを延伸して担持粒子を鞘材Yの表面上に露出させた状態を示す説明図である。
図2(b)に示すように、複合フィラメントは、芯材Xと鞘材Yとで構成された芯鞘型の繊維であり、鞘材Y中に含まれた担持粒子Pが延伸されることにより鞘材Yの表面に露出している。芯鞘型の複合フィラメントは、従来公知の芯鞘型であればよく、同心円芯鞘型、偏心芯鞘型、多心芯鞘型のいずれであってもよい。
図2は絶縁シートを構成する複合フィラメントの断面図であり、(a)は担持粒子が鞘材Yの中に担持された状態を示す説明図であり、(b)は複合フィラメントを延伸して担持粒子を鞘材Yの表面上に露出させた状態を示す説明図である。
図2(b)に示すように、複合フィラメントは、芯材Xと鞘材Yとで構成された芯鞘型の繊維であり、鞘材Y中に含まれた担持粒子Pが延伸されることにより鞘材Yの表面に露出している。芯鞘型の複合フィラメントは、従来公知の芯鞘型であればよく、同心円芯鞘型、偏心芯鞘型、多心芯鞘型のいずれであってもよい。
〈芯材〉
複合フィラメントの芯材Xは相対的な高融点熱可塑性樹脂で形成されており、ガラス転移温度または融点まで加熱することによって軟らかくなり、目的の形に成形できる樹脂である。
複合フィラメントの芯材Xは相対的な高融点熱可塑性樹脂で形成されており、ガラス転移温度または融点まで加熱することによって軟らかくなり、目的の形に成形できる樹脂である。
〈鞘材〉
複合フィラメントの鞘材Yは、相対的な低融点熱可塑性樹脂で形成されるとともに混合粒子が配合されており、鞘材Yを構成する低融点熱可塑性樹脂の例としても、上記芯材Xを構成する高融点熱可塑性樹脂と同様のものを用いることができる。
複合フィラメントの鞘材Yは、相対的な低融点熱可塑性樹脂で形成されるとともに混合粒子が配合されており、鞘材Yを構成する低融点熱可塑性樹脂の例としても、上記芯材Xを構成する高融点熱可塑性樹脂と同様のものを用いることができる。
芯材Xや鞘材Yを構成する熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、テフロン(登録商標)、ABS樹脂、AS樹脂、アクリル樹脂、などが挙げられるが、本発明においてはいずれも使用できる。
また、ポリエチレンとしては、エチレンが重合した最も単純な構造をもつ高分子であり、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、があるが、いずれも使用可能である。ポリエチレンは、エチレンのホモポリマーのみならず、エチレンを主体とするプロピレンやブテン−1などのα−オレフィンとの共重合体であってもよい。
ポリエチレンのメルトインデックス(MI)は、0.1〜100、好ましくは0.2〜80とすることが多い。なお、MIとあるのは、温度190℃、荷重2160g、オリフィス孔径2.092mmの条件で10分間押し出した試料の質量をg数で表わしたものである。
また、ポリエチレンとしては、エチレンが重合した最も単純な構造をもつ高分子であり、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレン、があるが、いずれも使用可能である。ポリエチレンは、エチレンのホモポリマーのみならず、エチレンを主体とするプロピレンやブテン−1などのα−オレフィンとの共重合体であってもよい。
ポリエチレンのメルトインデックス(MI)は、0.1〜100、好ましくは0.2〜80とすることが多い。なお、MIとあるのは、温度190℃、荷重2160g、オリフィス孔径2.092mmの条件で10分間押し出した試料の質量をg数で表わしたものである。
芯材Xや鞘材Yを構成するポリプロピレンは、プロピレンを重合させたポリマーであり、プロピレンのホモポリマーのみならず、プロピレンを主体とするエチレン、ブテン−1などのα−オレフィンとの共重合体であってもよい。ポリプロピレンのメルトフローレート(MFR)は0.3〜400、好ましくは0.5〜200とする。
ポリプロピレンの代表例は、融点がたとえば150℃以上のプロピレン単独重合体であり、そのような高融点のポリプロピレンを芯材Xとする複合フィラメントは、紡糸性、延伸性、物性(強度、寸法安定性)などの点において特に好ましい。なお、メルトフローレート(MFR)とは、温度230℃、荷重2160g、オリフィス孔径2.092mmの条件で10分間押し出した試料の質量をg数で表わしたものである。
上記の構成の複合フィラメントにおいて、鞘材Yとなる熱可塑性樹脂は、芯材Xとなる熱可塑性樹脂よりも低融点熱可塑性樹脂を用いる。例えば5℃以上、より好ましくは30℃以上低い融点の樹脂を用いる。
なお、同じ種類の樹脂で、芯材X及び鞘材Yとする場合は、樹脂の平均分子量を大きくすることで高融点の芯材Xとすることができる。
なお、同じ種類の樹脂で、芯材X及び鞘材Yとする場合は、樹脂の平均分子量を大きくすることで高融点の芯材Xとすることができる。
また、芯鞘型複合フィラメントとしては、芯材Xの融点よりも鞘材Yの融点が低いことによって、複合フィラメントを延伸して、鞘材Yに含まれている混合粒子を、硬い芯材Xによって鞘材Yの外に押し出して鞘材Yの表面から露出させることができる。
また、鞘材Yの融点が低いことによって、絶縁シート30に構成した場合の芯鞘型複合フィラメント同士の交点や、第1電極10、第2電極20の基体11,21(一例として樹脂フィルム)と融着させることができる。例えば、通常、160〜240℃程度の温度で鞘材Y同士が融着するものを用いるのが好ましい。
なお、芯材の樹脂と鞘材の樹脂の種類は、同じであっても異なっていてもよい。
また、鞘材Yの融点が低いことによって、絶縁シート30に構成した場合の芯鞘型複合フィラメント同士の交点や、第1電極10、第2電極20の基体11,21(一例として樹脂フィルム)と融着させることができる。例えば、通常、160〜240℃程度の温度で鞘材Y同士が融着するものを用いるのが好ましい。
なお、芯材の樹脂と鞘材の樹脂の種類は、同じであっても異なっていてもよい。
芯鞘型複合フィラメントの太さとしては、特に限定されず、適宜、決定されるものであるが、通常、直径50〜400μm程度であることが好ましい。
<多孔粒子>
鞘材Yに配合する担持粒子Pは、図2(c)に示すように、その表面に多数の小孔hが形成されている多孔粒子の小孔h内に金属微粒子が担持されているものである。すなわち、図2(b)に示すように、複合フィラメントを延伸し、機能性を有する金属微粒子を小孔h内に担持した担持粒子が、鞘材Yの表面に露出させられることにより、絶縁シート30に担持された金属微粒子の有する機能を付与することができるのである。
鞘材Yに配合する担持粒子Pは、図2(c)に示すように、その表面に多数の小孔hが形成されている多孔粒子の小孔h内に金属微粒子が担持されているものである。すなわち、図2(b)に示すように、複合フィラメントを延伸し、機能性を有する金属微粒子を小孔h内に担持した担持粒子が、鞘材Yの表面に露出させられることにより、絶縁シート30に担持された金属微粒子の有する機能を付与することができるのである。
多孔粒子の材質は、特に限定するものではないが、複合フィラメントの延伸時の加熱で溶融しないものであればよく、セラミックス、ガラス、金属などの粒子が挙げられる。例えば、各種の粘土鉱物、酸化物、水酸化物、複合酸化物、窒化物、炭化物、ケイ化物、ホウ化物、ゼオライト、クリストバライト、ケイ藻土、ケイ酸の多価金属塩なども用いることができる。
粘土鉱物としては、カオリン、ろう石、セリサイト、ベントナイトなどが挙げられる。
酸化物としては、アルミナ、チタニア、シリカ、ジルコニア、マグネシアなどが挙げられる。
水酸化物としては、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、マンガンの水酸化物などが挙げられる。
複合酸化物としては、ミョウバン、雲母などが挙げられ、窒化物としては窒化ケイ素、窒化ホウ素などが挙げられ、炭化物としては炭化ケイ素、炭化ホウ素などが挙げられる。
ケイ酸の多価金属塩としては、アルミニウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、マンガン塩などが挙げられる。
また、その形としては、球状、卵型状、立方体、直方体、多角立体、扁平体、など、特にその形状は限定するものではない。
多孔粒子の大きさは、特に限定するものではないが、好適には、平均粒径が1〜100μm程度の大きさを有する多孔性の粒子が挙げられる。
粘土鉱物としては、カオリン、ろう石、セリサイト、ベントナイトなどが挙げられる。
酸化物としては、アルミナ、チタニア、シリカ、ジルコニア、マグネシアなどが挙げられる。
水酸化物としては、アルミニウム、亜鉛、マグネシウム、カルシウム、マンガンの水酸化物などが挙げられる。
複合酸化物としては、ミョウバン、雲母などが挙げられ、窒化物としては窒化ケイ素、窒化ホウ素などが挙げられ、炭化物としては炭化ケイ素、炭化ホウ素などが挙げられる。
ケイ酸の多価金属塩としては、アルミニウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、マンガン塩などが挙げられる。
また、その形としては、球状、卵型状、立方体、直方体、多角立体、扁平体、など、特にその形状は限定するものではない。
多孔粒子の大きさは、特に限定するものではないが、好適には、平均粒径が1〜100μm程度の大きさを有する多孔性の粒子が挙げられる。
<金属微粒子>
多孔粒子の小孔h内に担持する金属微粒子としては、その種類を特に限定するものではないが、銀、金、白金、銅、ニッケル、ステンレス、などの金属粒子が挙げられる。
また、金属微粒子の大きさは、上述した多孔粒子の小孔hの大きさよりも小さなもの、例えば、その粒径が1〜10nm程度のものが挙げられる。金属微粒子の大きさをナノオーダーとすることで、金属微粒子の有する機能性を多孔粒子に付与することができる。例えば、銀、金、白金などの金属微粒子は、触媒や抗菌の機能を有するとされるが、金属微粒子を多孔粒子の小孔内に担持させることで、高価である白金,金、銀などの金属微粒子を鞘材の表面に効率よく露出させることができ、絶縁シート30に、長期にわたる抗菌作用や消臭作用、抗酸化作用などの機能を付与させることができる。
多孔粒子の小孔h内に担持する金属微粒子としては、その種類を特に限定するものではないが、銀、金、白金、銅、ニッケル、ステンレス、などの金属粒子が挙げられる。
また、金属微粒子の大きさは、上述した多孔粒子の小孔hの大きさよりも小さなもの、例えば、その粒径が1〜10nm程度のものが挙げられる。金属微粒子の大きさをナノオーダーとすることで、金属微粒子の有する機能性を多孔粒子に付与することができる。例えば、銀、金、白金などの金属微粒子は、触媒や抗菌の機能を有するとされるが、金属微粒子を多孔粒子の小孔内に担持させることで、高価である白金,金、銀などの金属微粒子を鞘材の表面に効率よく露出させることができ、絶縁シート30に、長期にわたる抗菌作用や消臭作用、抗酸化作用などの機能を付与させることができる。
<多孔粒子と金属微粒子との割合>
多孔粒子と金属微粒子との割合は、多孔粒子100質量部に対し金属微粒子を0.1〜10質量部とすることが望ましい。好ましくは0.1〜5質量部、さらに好ましくは0.2〜1質量部である。金属微粒子の割合がこれより少ないときには、所望の殺菌性、抗菌性、消臭性、抗酸化性などの機能性の発揮が不足し、金属微粒子の割合がこれより多いときにはコスト的にアップする。
多孔粒子と金属微粒子との割合は、多孔粒子100質量部に対し金属微粒子を0.1〜10質量部とすることが望ましい。好ましくは0.1〜5質量部、さらに好ましくは0.2〜1質量部である。金属微粒子の割合がこれより少ないときには、所望の殺菌性、抗菌性、消臭性、抗酸化性などの機能性の発揮が不足し、金属微粒子の割合がこれより多いときにはコスト的にアップする。
<多孔粒子の小孔内への金属微粒子の担持>
金属微粒子を多孔粒子の小孔h内に担持させるには、例えば、以下のような手段を用いて実現することができる。金属微粒子が銀の場合を例にとると、サイズが数ナノから10マイクロメートルの銀粒子を、リン酸、キト酸、乳酸をバインダーにして錯体化させて、ゼオライトやシリカなどの多孔粒子の表面の小孔内部に担持させることができる。
また、金属微粒子を多孔粒子の小孔h内に担持させるには、以下の方法も適用できる。すなわち、白金や金などの金属微粒子をコロイド化剤によってコロイド状態(金属微粒子含有分散液)とし、これに、多孔粒子、結合剤(例えばコロイダルシリカ)、分散媒体(水やアルコールなど)を混合して撹拌する。
上述のコロイド化剤としては、増粘剤、界面活性剤、カルボキシル基を化学構造中に含むカルボキシル基含有化合物が挙げられ、ポリアクリル酸(Na、Kなどの塩を含む)、ポリメタクリル酸(Na、Kなどの塩を含む)、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリビニルピロリドン(特に、ポリ−1−ビニル−2−ピロリドン)、ポリビニルアルコール、アミノペクチン、ペクチン、メチルセルロース、メチルスロース、グルタチオン、シクロデキストリン、ポリシクロデキストリン、ドデカンチオール、有機酸(クエン酸などのヒドロキシカルバン酸)、グリセリン脂肪酸エステル(ポリソルべー卜)、カチオン性ミセル−臭化セチルトリメチルアンモニウム、界面活性剤(アニオン性、カチオン性、両性、ノニオン性)、アルキル硫酸エステルのアルカリ金属塩、それらの混合物が例示できる。
金属微粒子を多孔粒子の小孔h内に担持させるには、例えば、以下のような手段を用いて実現することができる。金属微粒子が銀の場合を例にとると、サイズが数ナノから10マイクロメートルの銀粒子を、リン酸、キト酸、乳酸をバインダーにして錯体化させて、ゼオライトやシリカなどの多孔粒子の表面の小孔内部に担持させることができる。
また、金属微粒子を多孔粒子の小孔h内に担持させるには、以下の方法も適用できる。すなわち、白金や金などの金属微粒子をコロイド化剤によってコロイド状態(金属微粒子含有分散液)とし、これに、多孔粒子、結合剤(例えばコロイダルシリカ)、分散媒体(水やアルコールなど)を混合して撹拌する。
上述のコロイド化剤としては、増粘剤、界面活性剤、カルボキシル基を化学構造中に含むカルボキシル基含有化合物が挙げられ、ポリアクリル酸(Na、Kなどの塩を含む)、ポリメタクリル酸(Na、Kなどの塩を含む)、ポリアクリル酸エステル、ポリメタクリル酸エステル、ポリビニルピロリドン(特に、ポリ−1−ビニル−2−ピロリドン)、ポリビニルアルコール、アミノペクチン、ペクチン、メチルセルロース、メチルスロース、グルタチオン、シクロデキストリン、ポリシクロデキストリン、ドデカンチオール、有機酸(クエン酸などのヒドロキシカルバン酸)、グリセリン脂肪酸エステル(ポリソルべー卜)、カチオン性ミセル−臭化セチルトリメチルアンモニウム、界面活性剤(アニオン性、カチオン性、両性、ノニオン性)、アルキル硫酸エステルのアルカリ金属塩、それらの混合物が例示できる。
コロイド化剤がカルボキシ基含有化合物である場合は、金属微粒子に対して、カルボキシ基のモル数が白金のモル数を基準として80〜180程度になるように含有させることが望ましい。結合剤としてのコロイダルシリカの濃度としては、固形分の質量が全体を基準として10質量%以上50質量%以下にすることが望ましく、10質量%以上30質量%以下にすることがより望ましい。
コロイダルシリカは粒径が1nm〜1μm程度のものをいう。
コロイダルシリカは粒径が1nm〜1μm程度のものをいう。
上述の金属微粒子含有分散液において、例えば金属微粒子を白金とした場合、白金金属塩と保護剤(例えば有機酸)とを、水及びアルコールの混合液に溶解させた溶液を還流することにより白金微粒子を析出させて金属微粒子含有分散液を調整する。その後、分散液をアルコール(エタノールなど)に置換することもできる。
置換方法としては、置換前の分散媒の一部を蒸発させた後に、置換後の分散媒(アルコールなど)を添加する操作を繰り返す方法が例示できる。
金属微粒子含有分散液と、多孔粒子と、結合剤とを混合してスラリー状態の液状物質とし、多孔粒子の小孔内にコロイド状態の金属微粒子を担持させた後(金属微粒子を担持させた多孔粒子を担持粒子という)、担持粒子を粉末状にし乾燥することで、担持粒子中の金属微粒子含有分散液中の分散媒を除去して、金属微粒子を多孔粒子の表面の小孔内に担持させることができる。
置換方法としては、置換前の分散媒の一部を蒸発させた後に、置換後の分散媒(アルコールなど)を添加する操作を繰り返す方法が例示できる。
金属微粒子含有分散液と、多孔粒子と、結合剤とを混合してスラリー状態の液状物質とし、多孔粒子の小孔内にコロイド状態の金属微粒子を担持させた後(金属微粒子を担持させた多孔粒子を担持粒子という)、担持粒子を粉末状にし乾燥することで、担持粒子中の金属微粒子含有分散液中の分散媒を除去して、金属微粒子を多孔粒子の表面の小孔内に担持させることができる。
金属微粒子含有分散液を多孔粒子の小孔h内に担持させた後、担持粒子の表面から分散媒を除去する。分散媒の除去は、加熱することによりコロイド化剤を酸化除去するが、結合剤であるコロイダルシリカが溶融乃至軟化して、金属微粒子が多孔粒子の小孔内に担持される。この場合の加熱温度は、結合剤の溶融乃至軟化温度を考慮し、800℃〜1100℃程度にすることが望ましく、900℃〜1000℃にすることが更に望ましい。
加熱時間は、コロイド化剤が除去されるために必要な時間に応じて適正に設定可能であり、例えば、1時間〜3時間程度にすることができる。
加熱時間は、コロイド化剤が除去されるために必要な時間に応じて適正に設定可能であり、例えば、1時間〜3時間程度にすることができる。
上述の担持粒子の形態を粉末状にするための方法としては、噴霧乾燥処理(スプレードライ法)を採用することができる。噴霧乾燥処理は、原料となるスラリー状態の液状物質を微細な粉末状の形態に加工する処理方法をいい、スラリー状態の液状物質を、熱風中に噴霧と同時に加熱乾燥を行い乾燥粉体を得る方法である。
本実施形態において、噴霧・加熱乾燥の条件としては、分散媒を速やかに蒸発除去することができる温度、例えば、180℃〜250℃程度とすることができる。
本実施形態において、噴霧・加熱乾燥の条件としては、分散媒を速やかに蒸発除去することができる温度、例えば、180℃〜250℃程度とすることができる。
<複合フィラメント中の担持粒子の割合>
複合フィラメントに対して、0.2〜10質量%の担持粒子を配合する。即ち、担持粒子がこれより少量であると、抗菌や抗酸化性などの機能が充分には発揮されず、逆に多量であっても機能性が頭打ちとなって無用な材料費のコスト上昇を招くと共に、絶縁シートを構成する複合フィラメント中への均一分散が困難になるなど生産性低下の問題が生じるからである。
複合フィラメントに対して、0.2〜10質量%の担持粒子を配合する。即ち、担持粒子がこれより少量であると、抗菌や抗酸化性などの機能が充分には発揮されず、逆に多量であっても機能性が頭打ちとなって無用な材料費のコスト上昇を招くと共に、絶縁シートを構成する複合フィラメント中への均一分散が困難になるなど生産性低下の問題が生じるからである。
〈芯材と鞘材との割合〉
複合フィラメントにおける芯材Xと鞘材Yとの割合は、質量比で、芯材X:鞘材Y=30:70〜80:20、好ましくは、35:65〜75:25とすることが好ましい。鞘材Yの割合が少ないと絶縁シート30に含まれる担持粒子Pの割合が少なくなるので所望の機能性が充分には奏されなくなるからであり、一方、鞘材Yの割合が多いと、延伸後において担持粒子Pが鞘材Yの中に埋もれてしまい鞘材Yの表面に露出されなくおそれが大きくなるからである。
複合フィラメントにおける芯材Xと鞘材Yとの割合は、質量比で、芯材X:鞘材Y=30:70〜80:20、好ましくは、35:65〜75:25とすることが好ましい。鞘材Yの割合が少ないと絶縁シート30に含まれる担持粒子Pの割合が少なくなるので所望の機能性が充分には奏されなくなるからであり、一方、鞘材Yの割合が多いと、延伸後において担持粒子Pが鞘材Yの中に埋もれてしまい鞘材Yの表面に露出されなくおそれが大きくなるからである。
〈複合フィラメントの製造法〉
図3に示すように、絶縁シートを構成する複合フィラメントは、高融点の熱可塑性樹脂と、担持粒子が配合された低融点の熱可塑性樹脂とを、高融点の熱可塑性樹脂が芯材X、担持粒子Pが配合された低融点の熱可塑性樹脂が鞘材Yとなるように、それぞれの溶融温度以上の温度で共押出成形することにより製造することができる。
図3に示すように、絶縁シートを構成する複合フィラメントは、高融点の熱可塑性樹脂と、担持粒子が配合された低融点の熱可塑性樹脂とを、高融点の熱可塑性樹脂が芯材X、担持粒子Pが配合された低融点の熱可塑性樹脂が鞘材Yとなるように、それぞれの溶融温度以上の温度で共押出成形することにより製造することができる。
複合フィラメントは、二系列の押出機と、吐出孔が略同心円として芯鞘構造をなす複合ノズルを備えたフィラメント成形装置により、芯材成分樹脂と鞘材成分樹脂を各々押出機に投入して、溶融状態で押し出して、冷却した後に、熱風オーブン式、熱ロール式、ウオーターバス式などの加熱延伸を行い、弛緩処理を施して複合フィラメントとすることができる。
鞘材や芯材の熱可塑性樹脂には、必要により、酸化防止剤、紫外線吸収剤、着色剤、滑剤、帯電防止剤、艶消し剤、流動性改善剤、可塑剤、難燃剤などの助剤を添加しておくこともできる。特に、担持粒子を配合した鞘材の熱可塑性樹脂には、酸化防止剤等の安定剤と共に、金属石鹸をはじめとする凝集防止性ないし分散性の向上に有効な成形助剤を併用配合して、担持粒子の均一分散を確保することが好ましい。
また、多孔粒子小孔内への金属微粉末の担持性を向上させるため、銅塩、鉄塩、カルシウム塩、チタン塩、アルミニウム塩、銀塩、スズ塩、亜鉛塩、クロム塩、コバルト塩などの金属イオン源を適当量共存させておくこともできる。
また、多孔粒子小孔内への金属微粉末の担持性を向上させるため、銅塩、鉄塩、カルシウム塩、チタン塩、アルミニウム塩、銀塩、スズ塩、亜鉛塩、クロム塩、コバルト塩などの金属イオン源を適当量共存させておくこともできる。
製造された未延伸の複合フィラメントは、図2(b)に示すように、延伸処理して引き延ばし、鞘材Yの肉厚を薄くすることにより、鞘材Y中に配合された担持粒子Pを、鞘材Yの表面上に露出させる。このとき、鞘材Yを構成する熱可塑性樹脂の融点は、芯材を構成する熱可塑性樹脂の融点よりも低いので、鞘材がより引き延ばされて鞘材Yの肉厚が薄くなり、鞘材中に配合されている担持粒子Pの一部が鞘材の表面上に露出されるのである。
なお、延伸後の鞘材の肉厚は特に規定するものではないが、担持粒子Pの平均粒径よりも小さくすることが望ましい。
なお、延伸後の鞘材の肉厚は特に規定するものではないが、担持粒子Pの平均粒径よりも小さくすることが望ましい。
なお、延伸倍率に特に限定はないものの、倍率が余りに小さいときは、鞘材に配合した多孔粒子を鞘材の表面に露出させる割合が不足するので、延伸倍率は5倍以上とすることが望ましい。一方、延伸倍率を余りに大きくすると、芯鞘接合界面において層間剥離を起こしやすくなるなどの問題を生ずることがあるので、延伸倍率の上限は一般には10倍程度までとすることが好ましい。
延伸温度は、鞘材を構成する熱可塑性樹脂の軟化温度以上で行うことが望ましい。
また、複合フィラメントに、光触媒として有効な酸化チタンや金属粒子を配合し、それらを鞘材Yの表面に露出させることにより、極めて効率のよい光触媒機能を有する絶縁シートとすることもできる。
延伸温度は、鞘材を構成する熱可塑性樹脂の軟化温度以上で行うことが望ましい。
また、複合フィラメントに、光触媒として有効な酸化チタンや金属粒子を配合し、それらを鞘材Yの表面に露出させることにより、極めて効率のよい光触媒機能を有する絶縁シートとすることもできる。
<絶縁シート>
上記複合フィラメントを、織成(編織組織)、接着などの手段により、絶縁シートとすることができる。
図4は、実施の形態の絶縁シートの断面構造を示す一部拡大断面図であり、(a)は蜂巣織りで絶縁シートを形成した状態を示し、緯糸及び経糸が上下に編織組織となっている。
(b)は不織布から絶縁シートを形成した状態を示している。
上記複合フィラメントを、織成(編織組織)、接着などの手段により、絶縁シートとすることができる。
図4は、実施の形態の絶縁シートの断面構造を示す一部拡大断面図であり、(a)は蜂巣織りで絶縁シートを形成した状態を示し、緯糸及び経糸が上下に編織組織となっている。
(b)は不織布から絶縁シートを形成した状態を示している。
<編織組織>
図4(a)に示すような編織組織としては、一般的な組織、具体的には織布にあっては、平織、もじり織、模紗織、からみ織等が挙げられる。また、絶縁シートとして要求される絶縁性、弾力性、柔軟性、通気性に加えて取扱いにおける寸法安定性の点で、特に繊度が80〜500drの繊維材料からなる蜂巣織構造体(JIS−L0206−1976の繊維用語(織物部門)参照)とすることが好ましい。
図4(a)に示すような編織組織としては、一般的な組織、具体的には織布にあっては、平織、もじり織、模紗織、からみ織等が挙げられる。また、絶縁シートとして要求される絶縁性、弾力性、柔軟性、通気性に加えて取扱いにおける寸法安定性の点で、特に繊度が80〜500drの繊維材料からなる蜂巣織構造体(JIS−L0206−1976の繊維用語(織物部門)参照)とすることが好ましい。
なお、蜂巣織構造体は、スルザー型織機などによって一連に織成でき、表裏面に凹凸部が形成された立体的な構造を特徴とするもので、本発明の絶縁シートにおいては、経緯の織成密度として30〜75本/インチとすることができる。
<積層>
図4(b)に示すような積層組織は、複合フィラメントを形成した後に、長繊維や短繊維とし、それら同士の交点を熱融着や接着剤により接着、機械的に結合することによって実現できる。この積層方法は、例えば不織布の製造方法が適用できる。この方法により、繊維を織らずに絡み合わせてフリースとすることによって、厚みや通気性を適宜調整したシート状の絶縁シートを形成することができる。
図4(b)に示すような積層組織は、複合フィラメントを形成した後に、長繊維や短繊維とし、それら同士の交点を熱融着や接着剤により接着、機械的に結合することによって実現できる。この積層方法は、例えば不織布の製造方法が適用できる。この方法により、繊維を織らずに絡み合わせてフリースとすることによって、厚みや通気性を適宜調整したシート状の絶縁シートを形成することができる。
<第1電極、第2電極>
第1電極、第2電極の平面形状は特に限定するものではなく、使用態様に応じて適宜決定することができ、好適には、円形状、矩形状などが挙げられる。
また、第1電極、第2電極の材質は特に限定されず、導電性を有する物質であれば使用可能であり、カーボン、銅、銀、鉄、タングステン、モリブデン、マンガン、チタン、クロム、ジルコニウム、ニッケル、白金、パラジウム、あるいはこれらの合金(例えばステンレス)などが挙げられる。
また、導電性高分子、カーボンナノチューブ等も用途により用いることができる。
第1電極、第2電極の平面形状は特に限定するものではなく、使用態様に応じて適宜決定することができ、好適には、円形状、矩形状などが挙げられる。
また、第1電極、第2電極の材質は特に限定されず、導電性を有する物質であれば使用可能であり、カーボン、銅、銀、鉄、タングステン、モリブデン、マンガン、チタン、クロム、ジルコニウム、ニッケル、白金、パラジウム、あるいはこれらの合金(例えばステンレス)などが挙げられる。
また、導電性高分子、カーボンナノチューブ等も用途により用いることができる。
<基体>
第1電極、第2電極を形成する基体としては、樹脂フィルムなどのシートが挙げられる。フィルム上に上記導電性物質からなるペーストを塗布したり、蒸着したりすることで形成することができる。樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミドなどが挙げられる。
また、予め銅箔を樹脂フィルム上に積層した回路形成用の樹脂フィルムも用いることができる。
第1電極、第2電極を形成する基体としては、樹脂フィルムなどのシートが挙げられる。フィルム上に上記導電性物質からなるペーストを塗布したり、蒸着したりすることで形成することができる。樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミドなどが挙げられる。
また、予め銅箔を樹脂フィルム上に積層した回路形成用の樹脂フィルムも用いることができる。
<貫通孔>
次に、第1電極、第2電極を形成した基体11,21に、空気などの気体を通過させるための貫通孔13を形成する。貫通孔は、レーザー加工、超音波加工、切削加工、プレス打ち抜き法などによって形成することができる。
次に、第1電極、第2電極を形成した基体11,21に、空気などの気体を通過させるための貫通孔13を形成する。貫通孔は、レーザー加工、超音波加工、切削加工、プレス打ち抜き法などによって形成することができる。
貫通孔13は、その配置密度(個数)や直径、平面的形状は限定されず、使用形態に応じて適宜決定することができる。好適には、円形、楕円形、三角形、四角形、六角形等の多角形、細長いスリット形状などが挙げられる。
<低電圧処理>
本発明におけるプラズマ電極への印加電圧は、絶縁シート30の絶縁性を確保するため、プラズマ電極印加電圧としては低電圧である200V〜1.5kVとすることが好ましい。印加電圧が200V未満では、電極表面に、プラズマの生成が困難な場合があり、一方、1.5kVを超えると絶縁シートの絶縁破壊が生ずる恐れがあるので好ましくない。
本発明におけるプラズマ電極への印加電圧は、絶縁シート30の絶縁性を確保するため、プラズマ電極印加電圧としては低電圧である200V〜1.5kVとすることが好ましい。印加電圧が200V未満では、電極表面に、プラズマの生成が困難な場合があり、一方、1.5kVを超えると絶縁シートの絶縁破壊が生ずる恐れがあるので好ましくない。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施例について述べる。
<実施例1>
図5は、本発明の実施例1に係るプラズマ発生用電極の一部拡大縦断面図である。
図5に示すように、実施例1のプラズマ発生用電極は、Al箔で形成した第1電極10及び第2電極20を、それぞれ基体であるPET樹脂フィルム11、21上に形成し、プレス打ち抜き法で貫通孔13を形成したものである。なお、第1電極10及び第2電極20に形成される貫通孔13の内径を4.3mmとした。
次に、ゼオライトの小孔に銀を担持した担持粒子Pをポリプロピレン樹脂からなる鞘材Yに2%練り込んだ芯鞘型複合フィラメントを熱融着させて形成した不織布からなる絶縁シート30を、第1電極10及び第2電極20形成基体であるPET樹脂フィルム面に熱接着した。
このプラズマ発生用電極を、空気清浄機の通気口などに取り付けて使用したところ、空気中の微細な粉塵を効率よく捕集することができ、かつ殺菌効果も確認できた。
<実施例1>
図5は、本発明の実施例1に係るプラズマ発生用電極の一部拡大縦断面図である。
図5に示すように、実施例1のプラズマ発生用電極は、Al箔で形成した第1電極10及び第2電極20を、それぞれ基体であるPET樹脂フィルム11、21上に形成し、プレス打ち抜き法で貫通孔13を形成したものである。なお、第1電極10及び第2電極20に形成される貫通孔13の内径を4.3mmとした。
次に、ゼオライトの小孔に銀を担持した担持粒子Pをポリプロピレン樹脂からなる鞘材Yに2%練り込んだ芯鞘型複合フィラメントを熱融着させて形成した不織布からなる絶縁シート30を、第1電極10及び第2電極20形成基体であるPET樹脂フィルム面に熱接着した。
このプラズマ発生用電極を、空気清浄機の通気口などに取り付けて使用したところ、空気中の微細な粉塵を効率よく捕集することができ、かつ殺菌効果も確認できた。
本発明のプラズマ発生用電極は、エアコン、空気清浄機などに取り付けて使用することによって、空気中の微細な粉塵を効率よく捕集することができるとともに、空気の殺菌作用もあり、産業上の利用可能性が高い。
1:マイクロプラズマ用電極
10:第1電極
11:基体
20:第2電極
21:基体
30:絶縁層
40:フレーム
41:接続端子
42:接続端子
10:第1電極
11:基体
20:第2電極
21:基体
30:絶縁層
40:フレーム
41:接続端子
42:接続端子
Claims (6)
- 低電圧マイクロプラズマを生成するとともに空気中の粉塵を捕集する電極であって、
通気性を有する絶縁シートと、
前記絶縁シートの一方の面に積層された通気性を有する第1電極と、
この絶縁シートの他方の面に積層された通気性を有する第2電極と、を備え、
前記絶縁シートを形成する複合フィラメントの鞘材には、
多孔粒子の小孔内に金属微粒子が担持された担持粒子が練り込まれていることを特徴とするマイクロプラズマ用電極。 - 前記絶縁シートは、
それを形成する複合フィラメントを織成して形成したものであることを特徴とする請求項1に記載のマイクロプラズマ用電極。 - 前記絶縁シートは、
それを形成する複合フィラメントを不織布として形成したものであることを特徴とする請求項1に記載のマイクロプラズマ用電極。 - 前記金属微粒子が、
銀粒子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のマイクロプラズマ用電極。 - 前記多孔粒子が、
シリカ、ゼオライトであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のマイクロプラズマ用電極。 - 低電圧マイクロプラズマを生成するとともに空気中の粉塵を捕集する電極の製造方法であって、
多孔粒子の小孔内に金属微粒子を担持した担持粒子を鞘材に練り込んで複合フィラメントとし、
該複合フィラメントを延伸して担持粒子を鞘材の表面に露出させ、
該担持粒子が鞘材の表面に露出した複合フィラメントを織成又は不織布として形成して絶縁シートとし、
該絶縁シートの一方の面に第1電極を積層し、
他方の面に第2電極を積層することを特徴とするマイクロプラズマ用電極の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014070935A JP2015188882A (ja) | 2014-03-31 | 2014-03-31 | マイクロプラズマ用電極及びその製造方法 |
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Country Status (1)
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JP (1) | JP2015188882A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2017099435A1 (en) * | 2015-12-09 | 2017-06-15 | Lg Electronics Inc. | Plasma electrode device, method of manufacturing plasma electrode device, and air conditioner |
CN109926208A (zh) * | 2019-04-15 | 2019-06-25 | 袁野 | 一种导电纤维阴极电晕线 |
CN112642589A (zh) * | 2020-12-09 | 2021-04-13 | 珠海格力电器股份有限公司 | 一种电极及其制备方法和应用 |
-
2014
- 2014-03-31 JP JP2014070935A patent/JP2015188882A/ja active Pending
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WO2017099435A1 (en) * | 2015-12-09 | 2017-06-15 | Lg Electronics Inc. | Plasma electrode device, method of manufacturing plasma electrode device, and air conditioner |
US10492285B2 (en) | 2015-12-09 | 2019-11-26 | Lg Electronics Inc. | Plasma electrode device, method of manufacturing plasma electrode device, and air conditioner |
CN109926208A (zh) * | 2019-04-15 | 2019-06-25 | 袁野 | 一种导电纤维阴极电晕线 |
CN112642589A (zh) * | 2020-12-09 | 2021-04-13 | 珠海格力电器股份有限公司 | 一种电极及其制备方法和应用 |
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