JP2015182073A - 造水方法および造水装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】被処理水の殺菌剤濃度の精確かつ便利な測定方法、及びその測定方法により、殺菌剤の添加量を最適化した造水方法および造水装置を提供する。【解決手段】被処理水WAを半透膜処理し、透過水PAと濃縮水CAを生成する半透膜処理工程Aを含む造水方法であって、予め被処理水WAの吸光度U1を測定した後、被処理水WAへ殺菌剤を添加し半透膜処理を行い、生成した濃縮水CAの吸光度U2を測定することにより、前記吸光度U2およびU1に基づいて、被処理水WAへの前記殺菌剤の添加の継続/停止、または殺菌剤の流量を制御することを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、原水を半透膜処理して淡水を生産するプラントで、殺菌剤の注入量を最適化する造水方法および造水装置に関する。
水不足が深刻になっている中で、海水、もしくはかん水等を半透膜処理することで、淡水を生成する造水システムが知られている。しかしながら、膜利用造水システムにおいて、微生物が膜面で堆積・繁殖し、バイオファウリングを引き起こすようなトラブルがよく報告されている。その対策として、次亜塩素酸ナトリウムを代表とする塩素系殺菌剤、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド(以下、「DBNPA」と記す。)を代表とするブロム系殺菌剤等の使用が提案されている。その中で、特許文献1では、下廃水を逆浸透膜で処理して得られる濃縮水を希釈水とし、海水と混合して更に逆浸透膜処理する統合システムにおいて、様々な薬剤の添加方法が提案されている。その中で、混合水中の薬剤の濃度を測定し、混合水への更なる薬剤添加の量を決定する方法が示唆される。
特許文献2では、原水中の有機物濃度を測定し、該測定値に基づいて原水への凝集剤添加量を制御する方法が提案されている。
特許文献3では、特許文献2の改善案として、濃縮水中の有機物濃度を測定することにより、該測定値に基づいて原水への凝集剤添加量を制御する方法が提案されている。
特許文献4では、膜分離水処理システムにおいて、最適残留濃度になるように、酸化剤残留濃度測定器の測定値に基づいて原水への酸化剤注入濃度を制御する方法が提案されている。
国際公開WO2011/021415号公報 特開2007−203249号公報 特開2012−213675号公報 特開平8−257377号公報
特許文献1では、濃度測定計器として、pH計、ORP計、TOC計、塩素濃度計等が記載されているが、特に殺菌剤濃度の精確かつ便利な測定については、まだ工夫する余地がある。例えば、DPD法(検水にDPD試薬(ジエチル−p−フェニレンジアミン)を混ぜて、発色させ色の濃淡から塩素濃度を算出する検査方法)で塩素濃度を測定する場合、送水フローでオンライン測定できるが、多量のDPD試薬添加量が必要となり、経済的ではない。DPD法測定のために分岐管を設けることもできるが、水流条件及び配管汚れの剥離具合等が異なるため、送水フローにおける殺菌剤濃度を精確に把握しにくい。
特許文献2及び特許文献3では、廃水処理領域において、原水への凝集剤添加制御に関するものであり、性質が異なる膜洗浄に使用する殺菌剤の場合、殺菌剤に適した制御方法を実施する必要がある。
特許文献4では、残留酸化剤を最適化することにより、原水への酸化殺菌を確保する方法が提案され、限外ろ過膜等への応用が期待されるが、酸化剤を使用するため、普及している酸化剤耐性の弱い膜の洗浄には使用できない。
本発明は、上記問題点に鑑み、被処理水中の殺菌剤濃度の精確かつ便利な測定方法、及びその測定方法により、殺菌剤の添加量を最適化した造水方法および造水装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成をとる。
(1) 被処理水WAを半透膜処理し、透過水PAと濃縮水CAを生成する半透膜処理工程Aを含む造水方法であって、
予め被処理水WAの吸光度U1を測定した後、被処理水WAへ殺菌剤を添加し半透膜処理を行い、生成した濃縮水CAの吸光度U2を測定することにより、前記吸光度U2およびU1に基づいて、被処理水WAへの前記殺菌剤の添加の継続/停止、または殺菌剤の流量を制御することを特徴とする造水方法。
(2) 被処理水WAを半透膜処理し、透過水PAと濃縮水CAを生成する半透膜処理工程Aと、濃縮水CAを被処理水WBに混合させ、その混合水Wmixを更に半透膜処理し、透過水PBと濃縮水CBを生成する半透膜処理工程Bを含む造水方法であって、
被処理水WAへ殺菌剤を添加して半透膜処理を行い、生成した濃縮水CAまたは混合水Wmixへの被処理水WAと同種類の殺菌剤の添加と、濃縮水CAの吸光度U2の測定を行うことにより、前記吸光度U2に基づいて、混合水Wmixまたは濃縮水CAへの前記殺菌剤添加の継続/停止、または前記殺菌剤の流量を制御することを特徴とする造水方法。
(3) 被処理水WAを半透膜処理し、透過水PAと濃縮水CAを生成する半透膜処理工程Aと、濃縮水CAを被処理水WBに混合させ、その混合水Wmixを更に半透膜処理し、透過水PBと濃縮水CBを生成する半透膜処理工程Bを含む造水方法であって、
被処理水WAへ殺菌剤を添加して半透膜処理を行い、生成した濃縮水CAまたは混合水Wmixに被処理水WAと同種類の殺菌剤を添加し、その後、混合水Wmixの吸光度U3を測定することにより、前記吸光度U3に基づいて、混合水Wmixまたは濃縮水CAへの前記殺菌剤添加の継続/停止、または前記殺菌剤の流量を制御することを特徴とする造水方法。
(4) 被処理水WAを半透膜処理し、透過水PAと濃縮水CAを生成する半透膜処理工程Aと、濃縮水CAを被処理水WBに混合させ、その混合水Wmixを更に半透膜処理し、透過水PBと濃縮水CBを生成する半透膜処理工程Bを含む造水方法であって、
被処理水WAへ殺菌剤を添加して半透膜処理を行い、生成した濃縮水CAまたは混合水Wmixに被処理水WAと同種類の殺菌剤を添加して半透膜処理を行い、生成した濃縮水CBの吸光度U4を測定することにより、前記吸光度U4に基づいて、混合水Wmixまたは濃縮水CAへの殺菌剤添加の継続/停止、または殺菌剤流量を制御することを特徴とする造水方法。
(5) 被処理水WAを半透膜処理し、透過水PAと濃縮水CAを生成する半透膜処理工程Aと、濃縮水CAを被処理水WBに混合させ、その混合水Wmixを更に半透膜処理し、透過水PBと濃縮水CBを生成する半透膜処理工程Bを含む造水方法であって、
被処理水WAへ殺菌剤を添加して半透膜処理を行い、生成した濃縮水CAまたは混合水Wmixに被処理水WAと同種類の殺菌剤を添加するとともに、混合水Wmixの吸光度U3と濃縮水CBの吸光度U4を測定することにより、前記吸光度U3とU4に基づいて、混合水Wmixまたは濃縮水CAへ殺菌剤添加の継続/停止、または殺菌剤流量を制御することを特徴とする造水方法。
(6) 前記吸光度U1とU2の差に基づき、前記殺菌剤についての制御を行うことを特徴とする(1)に記載の造水方法。
(7) 前記吸光度U1,U2から下記一般式(i)で表されるUA値を求め、このUA値に基づき、前記殺菌剤についての制御を行うことを特徴とする(1)に記載の造水方法。
UA=U2−U1*Y (i)
UAは濃縮水CA中の殺菌剤の吸光度であり、Yは濃縮倍数である。
(8) 半透膜処理工程Aにおいて、前記吸光度U1とU2の差または前記UA値が予め定めた上限値を上回ったときに、被処理水WAへ殺菌剤添加の停止または殺菌剤流量を減少させる制御、および/または前記吸光度U2とU1の差または前記UA値が予め定めた下限値を上回ったときに、被処理水WAへの殺菌剤添加の継続または殺菌剤流量を増加させる制御、を行うことを特徴とする(1),(6)または(7)に記載の造水方法。
(9) 前記吸光度U3とU4の差に基づき、前記殺菌剤についての制御を行うことを特徴とする(5)に記載の造水方法。
(10) 前記吸光度U3,U4から下記一般式(ii)で表されるUB値を求め、このUB値に基づき、前記殺菌剤についての制御を行うことを特徴とする(5)に記載の造水方法。
UB=U3−U4*Y (ii)
UBは混合水Wmix中の殺菌剤の吸光度であり、Yは濃縮倍数である。
(11) 半透膜処理工程Bにおいて、前記吸光度U3とU4の差または前記UB値が予め定めた上限値を上回ったときに、混合水Wmixまたは濃縮水CAへの殺菌剤添加の停止または殺菌剤流量を減少させる制御、および/または、前記吸光度U3とU4の差または前記UB値が予め定めた下限値を上回ったときに、混合水Wmixまたは濃縮水CAへの殺菌剤添加の継続または殺菌剤流量を増加させる制御、を行うことを特徴とする(5),(9)または(10)に記載の造水方法。
(12) 前記吸光度の測定を、紫外線吸光度計を用いて行うことを特徴とする(1)〜(11)のいずれかに記載の造水方法。
(13) 前記殺菌剤として、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド(DBNPA)を使用することを特徴とする(1)〜(12)のいずれかに記載の造水方法。
(14) 被処理水WAを半透膜処理し、透過水PAと濃縮水CAを生成する半透膜処理部SAを備えた造水装置であって、
被処理水WAへ殺菌剤を添加する薬剤添加手段F1と、
被処理水WAの吸光度U1を測定する測定手段D1と、
濃縮水CAの吸光度U2を測定する測定手段D2と、
前記吸光度U2とU1に基づいて、被処理水WAへの殺菌剤添加の継続/停止、または殺菌剤流量を制御する制御手段、
を備えたことを特徴とする造水装置。
(15) 被処理水WAを半透膜処理し、透過水PAと濃縮水CAを生成する半透膜処理部SAと、濃縮水CAを被処理水WBに混合させ、その混合水Wmixを更に半透膜処理し、透過水PBと濃縮水CBを生成する半透膜処理部SBを備えた造水装置であって、
被処理水WAへ殺菌剤を添加する薬剤添加手段F1と、
混合水Wmixまたは濃縮水CAに、被処理水WAと同種類の殺菌剤を添加する薬剤添加手段F2と、
濃縮水CAの吸光度U2を測定する測定手段D2と、
前記吸光度U2に基づいて、混合水Wmixまたは濃縮水CAへの殺菌剤添加の継続/停止、または殺菌剤流量を制御する制御手段、
を備えたことを特徴とする造水装置。
(16) 被処理水WAを半透膜処理し、透過水PAと濃縮水CAを生成する半透膜処理部SAと、濃縮水CAを被処理水WBに混合させ、その混合水Wmixを更に半透膜処理し、透過水PBと濃縮水CBを生成する半透膜処理部SBを備えた造水装置であって、
被処理水WAへ殺菌剤を添加する薬剤添加手段F1と、
混合水Wmixまたは濃縮水CAに、被処理水WAと同種類の殺菌剤を添加する薬剤添加手段F2と、
混合水Wmixの吸光度U3を測定する測定手段D3と、
前記吸光度U3に基づいて、混合水Wmixまたは濃縮水CAへの殺菌剤添加の継続/停止、または殺菌剤流量を制御する制御手段、
を備えたことを特徴とする造水装置。
(17) 被処理水WAを半透膜処理し、透過水PAと濃縮水CAを生成する半透膜処理部SAと、濃縮水CAを被処理水WBに混合させ、その混合水Wmixを更に半透膜処理し、透過水PBと濃縮水CBを生成する半透膜処理部SBを備えた造水装置であって、
被処理水WAへ殺菌剤を添加する薬剤添加手段F1と、
混合水Wmixまたは濃縮水CAに、被処理水WAと同種類の殺菌剤を添加する薬剤添加手段F2と、
濃縮水CBの吸光度U4を測定する測定手段D4と、
前記吸光度U4に基づいて、混合水Wmixまたは濃縮水CAへの殺菌剤添加の継続/停止、または殺菌剤流量を制御する制御手段、
を備えたことを特徴とする造水装置。
(18) 被処理水WAを半透膜処理し、透過水PAと濃縮水CAを生成する半透膜処理部SAと、濃縮水CAを被処理水WBに混合させ、その混合水Wmixを更に半透膜処理し、透過水PBと濃縮水CBを生成する半透膜処理部SBを備えた造水装置であって、 被処理水WAへ殺菌剤を添加する薬剤添加手段F1と、
混合水Wmixまたは濃縮水CAに、被処理水WAと同種類の殺菌剤を添加する薬剤添加手段F2と、
混合水Wmixの吸光度U3を測定する測定手段D3と、
濃縮水CBの吸光度U4を測定する測定手段D4と、
前記吸光度U3およびU4に基づいて、混合水Wmixまたは濃縮水CAへの殺菌剤添加の継続/停止、または殺菌剤流量を制御する制御手段、
を備えたことを特徴とする造水装置。
本発明の造水方法及び造水装置によれば、半透膜への洗浄効果を確保する上で、殺菌剤使用量の削減が実現でき、造水コスト低減につながる。
即ち、殺菌剤添加前の被処理水の吸光度と、殺菌剤添加後の濃縮水の吸光度を測定することにより、殺菌剤添加量の過不足を防止する。従って、殺菌剤添加量不足による膜面の不十分な洗浄を防止して、良好な膜面洗浄効果を行うことができると共に、殺菌剤の過剰添加による薬剤コストの高騰を防止できる。
上記(1)の造水方法及び(14)の造水装置の発明によれば、殺菌剤を添加した被処理水WAを半透膜処理し、透過水PAと濃縮水CAを生成する。殺菌剤を添加する前に、被処理水WAの吸光度U1を測定し、更に殺菌剤添加後、濃縮水CAの吸光度U2も測定する。U1とU2に基づいて、被処理水WAへ殺菌剤添加の継続/停止、または殺菌剤流量を制御する。
上記(2)の造水方法及び(15)の造水装置の発明によれば、濃縮水CAを被処理水WBに混合させ、その混合水Wmixを更に半透膜処理する。被処理水WAと、混合水Wmixまたは濃縮水CAとに同種類の殺菌剤を注入し、殺菌剤添加後濃縮水CAの吸光度U2を測定し、U2に基づいて、混合水Wmixまたは濃縮水CAへ殺菌剤添加の継続/停止、または殺菌剤流量を制御する。例えば、U2を予め設定した値と比較し、U2が設定値になるように、混合水Wmixへの薬液添加流量を増減する。
上記(3)の造水方法及び(16)の造水装置の発明によれば、濃縮水CAを被処理水WBに混合させ、その混合水Wmixを更に半透膜処理する。被処理水WAと、混合水Wmixまたは濃縮水CAとに同種類の殺菌剤を注入し、殺菌剤添加後、混合水Wmixの吸光度U3を測定し、U3に基づいて、混合水Wmixまたは濃縮水CAへ殺菌剤添加の継続/停止、または殺菌剤流量を制御する。例えば、U3を予め設定した値と比較し、U3が設定値になるように、混合水Wmixへの薬液添加流量を増減する。
上記(4)の造水方法及び(17)の造水装置の発明によれば、濃縮水CAを被処理水WBに混合させ、その混合水Wmixを更に半透膜処理する。被処理水WAと、混合水Wmixまたは濃縮水CAとに同種類の殺菌剤を注入し、殺菌剤添加後、濃縮水CBの吸光度U4を測定し、U4に基づいて、混合水Wmixまたは濃縮水CAへ殺菌剤添加の継続/停止、または殺菌剤流量を制御する。例えば、U4を予め設定した値と比較し、U4が設定値になるように、混合水Wmixへ薬液添加流量を増減する。
上記(5)の造水方法及び(18)の造水装置の発明によれば、濃縮水CAを被処理水WBに混合させ、その混合水Wmixを更に半透膜処理する。被処理水WAと、混合水Wmixまたは濃縮水CAに同種類の殺菌剤を注入し、殺菌剤添加後、混合水Wmixの吸光度U3と濃縮水CBの吸光度U4を測定し、U3とU4に基づいて、混合水Wmixまたは濃縮水CAへ殺菌剤添加の継続/停止、または殺菌剤流量を制御する。
上記(6)または(9)の造水方法の発明によれば、U1とU2の差、またはU3とU4の差に基づいて、殺菌剤の添加を制御する。例えば、U3とU4の差がゼロになるように、混合水Wmixへ薬液添加流量を増減する。
上記(7)または(10)の造水方法の発明によれば、吸光度U1とU2、またはU3とU4に基づいて一般式(i)で表されるUA値、または一般式(ii)で表されるUB値を算出する。被処理水中に吸光度のある物質(例えば、有機物等)が存在する場合、殺菌剤の吸収波長と重なる可能性があるため、精確な濃度測定の阻害因子となる。特許文献2〜4のような測定方法では、被処理水のみ、もしくは濃縮水のみの薬剤濃度を測定しても、殺菌剤による吸光度を特定できない。UA値およびUB値は、阻害因子の影響を除き、濃縮水中にある殺菌剤の濃度を表す指標である。
上記(8)または(11)の造水方法の発明によれば、U1とU2の差、またはU1とU2から算出するUA値の適切なコントロールにより、半透膜処理工程Aにおいて、殺菌効果を確保できるとともに、過剰な殺菌剤添加による造水コストの増加も防げられる。また、U3とU4の差、またはU3とU4から算出するUB値の適切なコントロールにより、半透膜処理工程Bにおいても、殺菌効果と造水コスト増加の防止を両立できる。
上記(12)の造水方法の発明により、吸光度を測定するにあたり、紫外線吸光度を用いることが好ましい。
上記(13)の造水方法の発明により、殺菌剤としてDBNPAを使用することが好ましい。
第一の本発明の造水装置の実施形態を例示する概略構成図である。 第二の本発明の造水装置の実施形態を例示する概略構成図である。 第三の本発明の造水装置の実施形態を例示する概略構成図である。 第四の本発明の造水装置の実施形態を例示する概略構成図である。 第五の本発明の造水装置の実施形態を例示する概略構成図である。 殺菌剤の濃度と吸光度の関係を例示するグラフである。
<第一実施形態>
図1を参照して、第一の本発明の造水装置の実施形態の一例を説明する。
図1に示すように、本発明の第一実施形態の造水装置(1)は、被処理水WAを半透膜処理部SAで半透膜処理するシステムである。
本明細書における被処理水WAは、特に限定された水ではなく、半透膜処理に好適な水であればよい。例えば、地下水、河川水、下水、産業廃水等、あるいはこれらを活性汚泥法、膜分離活性汚泥法、限外ろ過等、もしくは各プロセスの組み合わせで前処理を実施して得られた水を被処理水WAとすることができる。
本明細書における半透膜は、逆浸透膜(以下、「RO膜」と記す。)、ナノろ過膜(以下、「NF膜」と記す。)等、水と不純物とを分離するために浸透圧以上の圧力をかける必要がある膜でいい。また、浸透圧を利用した正浸透膜(以下、「FO膜」と記す。)を用いてもよい。
第一の本発明の造水装置は、被処理水WAを半透膜処理し、透過水PAと濃縮水CAを生成する半透膜モジュールMAと、被処理水WAへ殺菌剤を添加する薬剤添加手段F1と、殺菌剤添加前の被処理水WAの吸光度U1を測定する測定手段D1と、殺菌剤添加後の濃縮水CAの吸光度U2を測定する測定手段D2と、吸光度U2とU1に基づいて、被処理水WAへの殺菌剤添加の継続/停止、または添加流量を制御する制御手段と、を備える。
第一の本発明の造水方法は、上記造水装置を好適に用いることができる。この造水方法は、予め被処理水WAの吸光度U1を測定した後、被処理水WAへ殺菌剤を添加し半透膜処理を行い、生成した濃縮水CAの吸光度U2を測定することにより、吸光度U2およびU1に基づいて、被処理水WAへの殺菌剤の添加の継続/停止、または殺菌剤の流量を制御するものである。
殺菌剤の添加は、吸光度U1とU2の差に基づき行うことができる。また吸光度U1,U2から下記一般式(i)で表されるUA値を求め、このUA値に基づき、殺菌剤の添加について制御することができる。
UA=U2−U1*Y (i)
式(i)において、UAは濃縮水CA中の殺菌剤の吸光度、Yは、Y=(被処理水WAの流量)/(濃縮水CA流量)で表される濃縮倍数である。
また、吸光度測定値U1とU2の差、または、UA値が予め定めた上限値を上回ったときに、被処理水WAへ殺菌剤添加を停止し、または殺菌剤流量を減少させるように制御することができる。さらに吸光度測定値U2とU1の差、または、UA値が予め定めた下限値を上回ったときに、被処理水WAへの殺菌剤添加を継続し、または殺菌剤流量を増加させるように制御することができる。
本明細書における殺菌剤は、殺生剤とも呼ばれ、水性系及び水含有系における微生物の生育の阻害のために一般的に用いられる。組成によって、酸殺菌剤(例えばクエン酸、硫酸等)、アルカリ殺菌剤(例えば水酸化ナトリウム等)、強酸化剤(例えば次亜塩素酸ナトリウム、オゾン等)、弱酸化剤(例えばクロラミン等)、ブロム系殺菌剤(例えばDBNPA等)、還元剤殺菌剤(例えば重亜硫酸ナトリウム、シュウ酸等)等が挙げられる。
DBNPAは製紙業界を中心に、ボイラー冷却水殺菌用途等に多数使用されている比較的安全な薬剤である。最近、工業用水を生産する海淡プラントでは、膜面洗浄薬剤としてDBNPAを使用することも多くなってきた。DBNPAは、広範囲の微生物に対して、5〜10分内で殺菌効果を発揮できるという極めて有効な市販で入手可能な殺菌剤である。DBNPAは、酸及びアルカリと比べ、膜面バイオファウリングへの洗浄効果がより優れている。またDBNPAは酸化剤系殺菌剤と比べ、膜劣化を招きにくいため、殺菌剤として好ましい。
プラントの処理能力、水の単価、薬剤の単価等にもよるが、造水コストの中では薬品費が10%〜40%占める場合が多い。殺菌剤としてDBNPAを使用する場合、DBNPAは高価であるため、造水コストの中で薬品費が50%程度まで占めるケースも珍しくない。DBNPAの代替品も検討されてきたが、信頼性、汎用性等の原因でまだ広く使われていない。そのため、DBNPAの添加量を精度よく制御することができれば、効果的な膜面洗浄を実現できると共に、薬品費の削減が見込まれ、プラントの運転コスト削減につながる。
また、DBNPAの添加について、効率的な作業が行われていなかった。例えば、夏季では、水温が高いため微生物の活性も高く、バイオファウリングが発生しやすいことが知られている。逆に冬季では、水温が低く微生物の活性も低下し、バイオファウリングは比較的に発生しにくくなる。そのため、半透膜の膜間差圧の上昇具合を毎日チェックし、上昇速度が速い夏季では、DBNPAを高濃度・高頻度・長時間で添加する一方、冬季では低濃度・低頻度・短時間で実施するケースが多い。しかしながら、DBNPAの添加量が適切かどうかは、現場オーパレーターの経験に頼ることになるため、必ずしも精確な制御ができていなかった。DBNPAの添加量が十分でない場合、膜面洗浄も不十分になり、半透膜の運転が困難となる。一方で、DBNPAを過剰に添加している場合、殺菌剤使用量増により造水コストも上がるとともに、環境汚染の懸念もある。
多くの殺菌剤は、紫外線(以下、「UV」と記す)範囲内に吸光がある。例えば、次亜塩素酸ナトリウムは、292nmに吸収スペクトルのピークがある。クロラミンは、243nmに吸収スペクトルのピークがある。しかも、吸光度は殺菌剤濃度に関係がある。図6は一例として、Nalco社製のDBNPA(商品名:PERMA CLEAN 11)を用いて、人工海水での実験結果を示す。DBNPA濃度とUV吸光度との間に良好な直線関係にある。
カルボニル基による吸収は、隣接官能基の影響で約190nm〜300nmにある。DBNPAは、カルボニル基を含有するため、吸光度測定器は190nm〜300nmのUVを用いれば、DBNPAの濃度を特定できる。より高い吸光度を得るために、上記範囲内で、波長が短い方が好ましい。また、190nm以下でも吸収波長があるが、短い波長まで対応できる装置は限られる。技術の進歩により低コスト、手軽に190nm以下までも測定できる装置ができれば、それを用いてもよい。
しかしながら、有機物中にカルボニル基、もしくはその他190nm〜300nmに吸収がある官能基を含有することも多い。従って、被処理水または濃縮水中に有機物が存在する場合、有機物の吸収スペクトルとDBNPAの吸収スペクトルが重なり、UV吸光度による測定値が大きく歪曲される可能性が高い。被処理水または濃縮水中のDBNPAを精確に測定するにあたって、有機物の存在が阻害因子となる。
また、次亜塩素酸塩、アルカリ、還元剤(例:重亜硫酸ソーダ)等も被処理水に含まれる場合、シナジー効果、または消去効果でDBNPAの濃度が精確に測定できない場合がある。そのため、DBNPAを添加するときには、その他の薬剤の注入を停止することが望ましい。
有機物等の影響を排除したDBNPAの吸光度は、DBNPA添加前後の吸光度の差から計算できる。濃縮水CA中のDBNPA残留濃度による吸光度UAは、下記式から計算できる。
UA=U2−U1*Y
U1は、殺菌剤添加前、被処理水WAの吸光度、U2は、殺菌剤添加後、濃縮水CAの吸光度、Yは濃縮倍数(被処理水流量と濃縮水流量の比;Y=(被処理水WAの流量)/(濃縮水CA流量))であり、UAは濃縮水CA中に含まれる殺菌剤(DBNPAの残留濃度)による吸光度である。UA値をモニタリングすることで、適切な量な殺菌剤添加が行われているかどうかを判断できる。例えば、UA値が所定値より低い場合、膜が洗浄しきれない可能性がある。一方で、UA値が異常に高い場合、殺菌剤が過剰に添加されることが分かる。
UA値と比較する、制御手段に内蔵された「所定値」は、被処理水WAの性質と使用するUVの波長により異なるため、テストを行い、所定値の上限と下限を決める必要がある。下限は理論的にゼロでよいが、測定誤差等を鑑み、一定の安全許容を確保できるように設定することが望ましい。また、上限値について、特に制限はないが、造水コストを鑑み適度に設定していい。例えば、被処理水WAが海水であり、240nmのUV吸光度を使用する場合、下限値を0.02abs、上限値を0.05absに設定してよい。
ただし、被処理水WAを半透膜処理するプロセスにおいて、有機物等が消費される可能性もあるため、濃縮水CA中の殺菌剤による吸光度を表す指標であるUA値は、実際値より小さいくなる可能性がある。そのためにも、UA値に下限値を設定しておくことが好ましい。
DBNPAについて説明してきたが、DBNPAに限らず、その他吸光度のある殺菌剤であれば、前述と同じ方法で殺菌剤添加を制御できる。例えば、殺菌剤として次亜塩素酸塩、もしくはクロラミンを使用する場合、被処理水WA、濃縮水CAにおいて、それぞれの吸収ピークでの吸光度を測定し、UA値を算出することもできる。ただし、次亜塩素酸塩、クロラミン等は酸化性があるため、膜洗浄には使用が限定されると思われる。
以下、第一の本発明の造水装置の各構成について詳細に説明する。
この造水装置を構成する半透膜処理部SAは、半透膜モジュールMA、薬剤添加手段F1、測定手段D1およびD2、制御手段CM、並びにこれら連通するラインL1およびL2を有する。ラインL1は、被処理水WAの供給元と半透膜モジュールMAへの取入口を接続し、さらに半透膜モジュールMAの透過水PAの取出口と系外の移行先を接続する。ラインL2は、半透膜モジュールMAの濃縮水CAの取出口と系外の移行先を接続する。またラインL1には、半透膜モジュールMAより上流側に吸光度の測定手段D1、薬剤添加手段F1および加圧ポンプ(図示せず)が設けられている。測定手段D1により、被処理水WAの吸光度が測定される。ラインL2には、吸光度の測定手段D2が設けられている。測定手段D2により、濃縮水CAの吸光度が測定される。また薬剤添加手段F1、測定手段D1およびD2は、制御手段CMと信号ケーブルで接続されている。なお、本明細書でいう「ライン」とは、流体を移送可能な手段であり、具体的は流路、管路等が含まれる。
ラインL1は、造水システムの系外から延びて半透膜モジュールMAに接続されており、被処理水WAを半透膜モジュールMAに導入し、透過水PAを系外へ排出する。
半透膜モジュールMAは、L1に接続され、被処理水WA中の溶存イオン類を除去する。本実施形態において半透膜モジュールMAは、ろ過媒体としてRO膜、またはNF膜を備えることができる。
被処理水WAは、加圧ポンプ(図示せず)で半透膜モジュールMAへ圧送され、半透膜モジュールMAで逆浸透膜処理され、透過水PAと濃縮水CAに分離される。
ラインL2は、半透膜モジュールMAに接続され、濃縮水CAを系外へ排出する。
薬剤添加手段F1は、ラインL1に設置される。薬剤添加手段F1は、ラインL1おいて、半透膜モジュールMAの上流側に接続され、吸光度の測定手段D1の上流にでも下流にでも設置できる。制御手段CMから得られた信号により、薬剤の添加を開始/停止する。本実施形態において薬剤はDBNPAを使用するが、その他の膜面を洗浄できる薬剤を使用してもよい。
吸光度の測定手段D1および測定手段D2は、ラインL1及びラインL2に設置される。測定手段D1は、半透膜モジュールの上流側のラインL1に接続され、薬剤添加手段F1の上流にでも下流にでも接続できる。ただし、薬剤添加手段F1の下流側に接続される場合、薬剤添加を始める直前で吸光度U1を測定する必要がある。本実施形態において吸光度の測定手段D1およびD2は240nmの紫外線を用いる吸光度計が例示されるが、その他薬剤の吸収波長を特定できる光源を用いることもできる。
薬剤添加手段F1及び吸光度の測定手段D1およびD2は、CPUやメモリ等からなる制御手段CMとは電気的に接続されている。制御手段CMは、UA値に基づいて、殺菌剤注入の継続/停止を制御する。具体的に、UA値が所定の下限値を上回った場合は、制御手段CMは、被処理水WAへ薬剤添加を継続するか、薬剤添加流量を増加する信号を、薬剤添加手段F1へ出す。UA値が所定の上限値を越える場合、制御手段は、被処理水WAへ薬剤添加を停止するか、薬剤添加流量を低減する信号を薬剤添加手段F1へ出す。
なお、本実施形態において、制御手段は、CPUやメモリ等からなる自動制御手段を用いるが、手動制御、もしくは半自動制御を用いてもいい。
更に、本実施形態において薬剤添加の継続/停止、または添加流量の増減を制御するが、本実施形態の趣旨を超えない限り、薬剤の実質注入量を制御対象としてもよい。
UA値のみによる制御について説明してきたが、UA値から演算を行い、その他の指標を算出し、それに基づいて薬剤添加の制御を行なってもよい。例えば、UA値とDBNPAの濃度は直線関係にあるため、予めDBNPAの濃度とUA値との検量線データを内蔵しており、吸光度測定器から受けた測定値により、DBNPAの濃度を算出することができる。この濃度の計算値と目標添加濃度とを比較し、薬剤添加するタイミング及び添加量を決定し、薬剤添加手段へ送信することができる。
第一の本発明の造水方法および造水装置によれば、以下の効果を奏する。
殺菌剤を用いて膜洗浄するとき、例えば、UA値がゼロの場合、半透膜モジュールMAは十分に洗浄されない可能性があり、このため制御手段により殺菌剤の添加量を適当に増加することにより、効果的な膜面洗浄を行うことができる。また、UA値が異常に高い時、殺菌剤が過剰に添加されることを示唆し、制御手段により殺菌剤の添加量を減らすようにすることで、過剰な殺菌剤添加も防げるため、造水コスト減に繋がる。
次に、第二の本発明の実施形態について説明する。
<第二実施形態>
第二実施形態については、主として、第一実施形態とは異なる点を中心に説明し、第一実施形態と同様の構成については、同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。第二実施形態において特に説明しない点は、第一実施形態についての説明が適宜適用される。
第二の本発明の造水方法および造水装置によれば、2種類の原水(被処理水WAおよびWB)を処理する場合、濃縮水CAを被処理水WBと混合するシステムにおいて、混合水Wmixに適した殺菌剤を添加するように制御することができる。
図2を参照して、第二の本発明の造水装置の実施形態の一例を説明する。
図2に示すように、本発明の第二実施形態の造水装置は、半透膜処理部SAと、半透膜処理部SBとを備えており、被処理水WA及び被処理水WBを半透膜で処理するシステムである。特にラインL2が、半透膜モジュールMAの濃縮水CAの取出口と半透膜モジュールMBの取入口とを接続する。またラインL3が、被処理水WBの供給元とラインL2上の分岐点Jとを接続する。
第二の本発明の造水方法は、上記造水装置を好適に用いることができる。この造水方法は、被処理水WAへ殺菌剤を添加して半透膜処理を行い、生成した濃縮水CAまたは混合水Wmixへの被処理水WAと同種類の殺菌剤の添加と、濃縮水CAの吸光度U2の測定を行うことにより、吸光度U2に基づいて、混合水Wmixまたは濃縮水CAへの殺菌剤添加の継続/停止、または殺菌剤の流量を制御する。
本明細書における被処理水WBは、特に限定された水源ではなく、RO膜、またはNF膜処理に好適な水であればいい。例えば、かん水、塩湖水、海水等、あるいはこれら砂ろ過、限外ろ過等、もしくは描くプロセスの組み合わせを用い、予め処理して得られた水を被処理水WBとすることができる。また、被処理水WBの塩分濃度は濃縮水CAよりも高い場合、濃縮水CAは希釈水とする機能を発揮し、被処理水WBを処理するために必要な動力を軽減できるため、好ましい。
本明細書における「同種類」の殺菌剤とは、同じ化学種の薬品を含むことを意味する。例えば、被処理水WAと混合水Wmixへ添加する薬剤が酸系の薬剤であれば、同種類の殺菌剤と見なす。殺菌剤がアルカリ系、強酸化剤系、弱酸化剤系、ブロム系、還元剤系も同様である。
第二の造水装置は、第一の造水装置の構成に加えて、濃縮水CAを被処理水WBに混合させ、その混合水Wmixを更に半透膜処理する半透膜処理部SBを備える。 以下、第二の造水装置の各構成について詳細に説明する。
第二の造水装置は、被処理水WAへ殺菌剤を添加する薬剤添加手段F1と、混合水Wmixまたは濃縮水CAに、被処理水WAと同種類の殺菌剤を添加する薬剤添加手段F2と、濃縮水CAの吸光度U2を測定する測定手段D2と、前記吸光度U2に基づいて、混合水Wmixまたは濃縮水CAへの殺菌剤添加の継続/停止、または殺菌剤流量を制御する制御手段、を備える。
ラインL2は、半透膜モジュールMAの濃縮水CAの取出口と半透膜モジュールMBの取入口とを接続し、さらに透過水PBを系外へ排出する。またラインL2は、半透膜モジュールMBの上流の分岐点JでラインL3に接続され、濃縮水CAを被処理水WBと混合する。
ラインL3は、造水システムの系外から延びて、半透膜モジュールMBの上流のラインL2上の分岐点JでL2に接続され、濃縮水CAを被処理水WBと混合する。ラインL2を通して混合水Wmixが半透膜モジュールMBに導入され、透過水PBが系外へ排出される。
半透膜モジュールMBは、ラインL2上の分岐点Jの下流側に接続され、混合水Wmix中の溶存イオン類を除去する。本実施形態において半透膜モジュールMBは、ろ過媒体としてRO膜、またはNF膜、またはFO膜を備える。
ラインL4は、半透膜モジュールMBに接続され、濃縮水CBを系外へ排出する。
混合水Wmixは加圧ポンプ(図示せず)で半透膜モジュールMBへ圧送され、半透膜モジュールMBで半透膜処理され、透過水PBと濃縮水CBを生成する。
吸光度の測定手段D2は、本実施形態において、ラインL2の分岐点Jの上流側のみに設置される。測定手段D2は、濃縮水CAの吸光度を測定し、吸光度U2を制御手段CMへ送信する。
薬剤添加手段F2について、図2の例では分岐点Jの下流で、半透膜モジュールMBの上流側に設置し、混合水Wmixへ薬剤を添加するようになっている。しかし、薬剤添加手段F2の位置は、これに限らず、ラインL2上の測定手段D2より上流または下流で、半透膜モジュールMBの上流側であればよい。薬剤添加手段F2が測定手段D2より上流側に設置される場合、ラインL2にける薬剤添加手段F2は、測定手段D2による吸光度測定の動作が完了した後に動作するように制御する必要がある。なお、膜面洗浄効果を最も発揮するために、薬剤添加手段F2は半透膜モジュールMBの直前に設置することが好ましい。
制御手段CMは、吸光度U2値に基づいて、被処理水WAへ殺菌剤を添加する制御を行うと共に、半透膜モジュールMBを洗浄するために、混合水Wmixまたは濃縮水CAへの殺菌剤添加の制御を行う。例えば、吸光度U2と予め設定した所定値と比較し、U2が所定値になるように、混合水Wmixへ薬液添加流量を増減する。所定値の設定基準は、テストを行い、半透膜モジュールMBを洗浄できるレベルの値にする。
第二の本発明の造水方法および装置によれば、以下の効果を奏する。
2種類の原水(被処理水WAおよびWB)を処理する統合システムに対して、膜洗浄に適切な殺菌剤注入量を制御できるため、無駄なく膜洗浄効果を確保できる。また、濃縮水CA中の残留殺菌剤は半透膜モジュールMBの洗浄に再利用できるため、殺菌剤使用量削減が図れる。
次に、第三の本発明実施形態について説明する。
<第三実施形態>
第三実施形態については、主として、第二実施形態とは異なる点を中心に説明し、第二実施形態と同様の構成については、同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。第三実施形態において特に説明しない点は、第一または第二実施形態についての説明が適宜適用される。
第三の本発明の造水方法および造水装置によれば、2種類の原水(被処理水WAおよびWB)を処理する場合、濃縮水CAを被処理水WBと混合するシステムにおいて、混合水Wmixに適した殺菌剤を添加するように制御することができる。
図3を参照して、第三の本発明の造水装置の実施形態の一例を説明する。
図3に示すように、第三実施形態の造水装置は、半透膜処理部SAと、半透膜処理部SBとを備えており、被処理水WA及び被処理水WBを半透膜で処理するシステムである。特に、第二実施形態の濃縮水CAの吸光度U2を測定する測定手段D2の代わりに、混合水Wmixの吸光度U3を測定する測定手段D3を備えている。 第三の本発明の造水方法は、上記造水装置を好適に用いることができる。この造水方法は、被処理水WAへ殺菌剤を添加して半透膜処理を行い、生成した濃縮水CAまたは混合水Wmixに被処理水WAと同種類の殺菌剤を添加し、その後、混合水Wmixの吸光度U3を測定することにより、前記吸光度U3に基づいて、混合水Wmixまたは濃縮水CAへの殺菌剤添加の継続/停止、または殺菌剤の流量を制御する。
以下、第三の造水装置の各構成について詳細に説明する。
第三の本発明の造水装置は、被処理水WAへ殺菌剤を添加する薬剤添加手段F1と、混合水Wmixまたは濃縮水CAに、被処理水WAと同種類の殺菌剤を添加する薬剤添加手段F2と、混合水Wmixの吸光度U3を測定する測定手段D3と、前記吸光度U3に基づいて、混合水Wmixまたは濃縮水CAへの殺菌剤添加の継続/停止、または殺菌剤流量を制御する制御手段、を備える。
吸光度U3の測定手段D3は、ラインL2において、分岐点Jの下流側、半透膜モジュールMBの上流側に設置される。測定手段D3は、混合水Wmixの吸光度U3を測定し、吸光度U3を制御手段CMへ送信する。
制御手段CMは、U3値に基づいて、薬剤添加手段F1に対し被処理水WAへ殺菌剤を添加する制御を行うと共に、半透膜モジュールMBを洗浄するために、薬剤添加手段F2に対し混合水Wmixまたは濃縮水CAへの殺菌剤添加の制御を行う。例えば、U3と予め設定した所定値と比較し、U3が所定値になるように、混合水Wmixへ薬液添加流量を増減する。所定値の設定基準は、テストを行い、半透膜モジュールMBを洗浄できるレベルの値にする。
第三の本発明の造水方法および装置によれば、以下の効果を奏する。
2種類の原水(被処理水WAおよびWB)を処理する統合システムに対して、膜洗浄に適切な殺菌剤注入量を制御できるため、無駄なく膜洗浄効果を確保できる。また、濃縮水CA中の残留殺菌剤は半透膜モジュールMBの洗浄に再利用できるため、殺菌剤使用量削減が図れる。加えて、濃縮水CA中の残留殺菌剤が半透膜モジュールMBに到着する途中まで一部消費されてしまうことを鑑み、混合水の吸光度値に基づいた制御は、もっと適切な殺菌剤必要量を制御できる。
次に、本発明の第四実施形態について説明する。
<第四実施形態>
第四実施形態については、主として、第三実施形態とは異なる点を中心に説明し、第三実施形態と同様の構成については、同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。第四実施形態において特に説明しない点は、第一、第二または第三実施形態についての説明が適宜適用される。
第四の本発明の造水方法および造水装置によれば、2種類の原水(被処理水WAおよびWB)を処理する場合、濃縮水CAを被処理水WBと混合するシステムにおいて、混合水Wmixに適した殺菌剤を添加するように制御することができる。
図4を参照して、第四の本発明の造水装置の実施形態の一例を説明する。
図4に示すように、第四実施形態の造水装置は、半透膜処理部SAと、半透膜処理部SBとを備えており、被処理水WA及び被処理水WBを半透膜で処理するシステムである。特に、第三実施形態の混合水Wmixの吸光度U3を測定する測定手段D3の代わりに、濃縮水CBの吸光度U4を測定する測定手段D4を備えている。
第四の本発明の造水方法は、上記造水装置を好適に用いることができる。この造水方法は、被処理水WAへ殺菌剤を添加して半透膜処理を行い、生成した濃縮水CAまたは混合水Wmixに被処理水WAと同種類の殺菌剤を添加して半透膜処理を行い、生成した濃縮水CBの吸光度U4を測定することにより、前記吸光度U4に基づいて、混合水Wmixまたは濃縮水CAへの殺菌剤添加の継続/停止、または殺菌剤流量を制御する。
以下、第四の造水装置の各構成について詳細に説明する。
第四の本発明の造水装置は、被処理水WAへ殺菌剤を添加する薬剤添加手段F1と、混合水Wmixまたは濃縮水CAに、被処理水WAと同種類の殺菌剤を添加する薬剤添加手段F2と、濃縮水CBの吸光度U4を測定する測定手段D4と、前記吸光度U4に基づいて、混合水Wmixまたは濃縮水CAへの殺菌剤添加の継続/停止、または殺菌剤流量を制御する制御手段、を備える。
吸光度U4の測定手段D4は、ラインL4に設置される。測定手段D4は、濃縮水CBの吸光度を測定し、吸光度U4を制御手段CMへ送信する。
制御手段CMは、U4値に基づいて、薬剤添加手段F1に対し被処理水WAへ殺菌剤を添加する制御を行うと共に、半透膜モジュールMBを洗浄するために、薬剤添加手段F2に対し混合水Wmixまたは濃縮水CAへの殺菌剤添加の制御を行う。例えば、U4と予め設定した所定値と比較し、U4が所定値になるように、混合水Wmixへ薬液添加流量を増減する。所定値の設定基準は、テストを行い、半透膜モジュールMBを洗浄できるレベルの値にする。
第四の本発明の造水方法および装置によれば、以下の効果を奏する。
2種類の原水(被処理水WAおよびWB)を処理する統合システムに対して、濃縮水CB中の殺菌剤濃度をオンラインで測定することにより、半透膜モジュールMBが洗浄されたかどうかを客観的判断でき、無駄なく膜洗浄効果を確保できる。また、濃縮水CA中の残留殺菌剤は半透膜モジュールMBの洗浄に再利用できるため、殺菌剤使用量削減が図れる。
次に、本発明の第五実施形態について説明する。
<第五実施形態>
第五実施形態については、主として、第四実施形態とは異なる点を中心に説明し、第四実施形態と同様の構成については、同じ符号を付し、詳細な説明を省略する。第五実施形態において特に説明しない点は、第一〜第四実施形態についての説明が適宜適用される。
第五の本発明の造水方法および造水装置によれば、2種類の原水(被処理水WAおよびWB)を処理する場合、濃縮水CAを被処理水WBと混合するシステムにおいて、混合水Wmixに適した殺菌剤添加を制御できる。
図5を参照して、第五の本発明の造水装置の実施形態の一例を説明する。
図5に示すように、第五実施形態の造水装置は、半透膜処理部SAと、半透膜処理部SBとを備えており、被処理水WA及び被処理水WBを半透膜で処理するシステムである。特に、第四実施形態の濃縮水CBの吸光度U4を測定する測定手段D4に、第三実施形態の混合水Wmixの吸光度U3を測定する測定手段D3を加えている。
第五の本発明の造水方法は、被処理水WAへ殺菌剤を添加して半透膜処理を行い、生成した濃縮水CAまたは混合水Wmixに被処理水WAと同種類の殺菌剤を添加するとともに、混合水Wmixの吸光度U3と濃縮水CBの吸光度U4を測定することにより、吸光度U3とU4に基づいて、混合水Wmixまたは濃縮水CAへ殺菌剤添加の継続/停止、または殺菌剤流量を制御する。
殺菌剤の添加は、吸光度U3とU4の差に基づき行うことができる。また吸光度U3,U4から下記一般式(ii)で表されるUB値を求め、このUB値に基づき、殺菌剤の添加について制御することができる。
UB=U4−U3*Y (ii)
式(ii)において、UBは濃縮水CB中の殺菌剤の吸光度、Yは、Y=(混合水Wmixの流量)/(濃縮水CB流量)で表される濃縮倍数である。
また半透膜処理工程Bにおいて、吸光度測定値U3とU4の差、または、UB値が予め定めた上限値を上回ったときに、混合水Wmixまたは濃縮水CAへ殺菌剤添加を停止し、または殺菌剤流量を減少させるように制御することができる。さらに吸光度測定値U3とU4の差、または、UB値が予め定めた下限値を上回ったときに、混合水Wmixまたは濃縮水CAへの殺菌剤添加を継続し、または殺菌剤流量を増加させるように制御することができる。
以下、第五の本発明の造水装置の各構成について詳細に説明する。
第五の本発明の造水装置は、被処理水WAへ殺菌剤を添加する薬剤添加手段F1と、混合水Wmixまたは濃縮水CAに、被処理水WAと同種類の殺菌剤を添加する薬剤添加手段F2と、混合水Wmixの吸光度U3を測定する測定手段D3と、濃縮水CBの吸光度U4を測定する測定手段D4と、前記吸光度U3およびU4に基づいて、混合水Wmixまたは濃縮水CAへの殺菌剤添加の継続/停止、または殺菌剤流量を制御する制御手段、を備える。
吸光度の測定手段D3及び測定手段D4としては、ラインL3及びラインL4に、紫外線吸光度測定器をそれぞれ設置する。それぞれの設置場所は、第三実施形態及び第四実施形態と同様である。
制御手段CMは、吸光度U3,U4の差、または吸光度U3とU4から算出したUB値に基づいて、薬剤添加手段F2に対し混合水Wmixまたは濃縮水CAへの殺菌剤注入の継続/停止を制御する。具体的に、吸光度U3とU4の差またはUB値が所定の下限値より低い場合は、制御手段は薬剤添加手段へ信号を出し、混合水Wmixへ薬剤添加を継続するか、薬剤添加流量を増加する。吸光度U3とU4の差またはUB値が所定の上限値を越える場合、制御手段は薬剤添加手段へ信号を出し、混合水Wmixへ薬剤添加を停止するか、薬剤添加流量を低減する。
第五の本発明の造水方法および造水装置によれば、以下の効果を奏する。
2種類の原水(被処理水WAおよびWB)を処理する統合システムに対して、被処理水CB中の有機物等の阻害因子の影響を考慮し、殺菌剤のみによる吸光度を算出することにより、有機物などの含量が激しく変化した際にも、半透膜モジュールMBが洗浄されたかどうかを客観的判断でき、無駄なく膜洗浄効果を確保できる。また、濃縮水CA中の残留殺菌剤は半透膜モジュールMBの洗浄に再利用できるため、殺菌剤使用量削減が図れる。
以下に、実施例および比較例を上げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(比較例1)
下記の比較例1では、経験に基づいたオペレーションにおいての殺菌剤の添加量を説明する。すなわち比較例1では、濃縮水CA中の残留殺菌剤が測定および考慮されていない。
比較例1の造水方法は、被処理水WAを半透膜処理し、透過水PAと濃縮水CAを生成する半透膜処理部SAを備えた造水装置を用いる。
比較例1について、被処理水WAおよび濃縮水CAの流量並びに被処理水WAへの殺菌剤添加量は表1にまとめている。
Figure 2015182073
比較例1の場合、殺菌剤使用量は、被処理水WA流量×殺菌剤量=45kg/dとなる。
(実施例1)
実施例1の造水方法は、前記第一の本発明の造水装置(図1)を使用する。実施例1において、被処理水WAの流量、殺菌剤添加前の吸光度値、および殺菌剤添加量、並びに濃縮水CAの流量および吸光度値を表2に示す。
なお、被処理水WA及び濃縮水CAの吸光度の年間最大値及び安全許容度を鑑み、殺菌剤添加後、吸光度U1,U2から算出されるUA値が0.500abs以上であれば、半透膜モジュールMAは洗浄できたと予め設定した。
Figure 2015182073
表2より、殺菌剤添加前の被処理水WAの吸光度U1は、測定手段D1の測定値0.062absであった。これは被処理水WA中の有機物由来だと考えられる。薬剤添加手段F1により殺菌剤としてDBNPAを30ppm添加した後、濃縮水CAの吸光度U2は、測定手段D2の測定値0.698absであった。制御手段CMにおいて、U2及びU1より、UA値を算出できる。前記式(i)を用いて、UA=0.488absになる。
このUA値は予め設定した0.500absより小さいため、半透膜モジュールMAは充分に洗浄できなかった恐れがあることを示唆した。制御手段CMは薬剤添加手段F1へ信号を出し、薬剤添加流量を増やし、UA値が0.500absになるように制御した。このため、半透膜モジュールMAへの洗浄効果を確保することができる。
(比較例2)
下記の比較例2では、経験に基づいたオペレーションにおいての殺菌剤の添加量を説明する。すなわち比較例2では、濃縮水CA中の残留殺菌剤が測定および考慮されていない。
なお、比較例2は、被処理水WAを半透膜処理し、透過水PAと濃縮水CAを生成する半透膜処理部SAと、濃縮水CAを被処理水WBに混合させ、その混合水Wmixを更に半透膜処理し、透過水PBと濃縮水CBを生成する半透膜処理部SBを備えた造水装置を用いる。
比較例2について、被処理水WAおよび混合水Wmixの流量および殺菌剤添加量は表3にまとめている。
Figure 2015182073
比較例2では、濃縮水CA中の残留殺菌剤を考慮に入れないため、混合水Wmixに対して、経験に基づいて20ppmを添加するようにした。この場合、殺菌剤使用量は、被処理水WA流量×殺菌剤量+混合水Wmix流量×殺菌剤量=63kg/dになる。
(実施例2)
次に、下記実施例2を例として、濃縮水CA中の残留殺菌剤を考慮し、半透膜モジュールMBを洗浄するために薬剤注入量を制御する場合、殺菌剤使用量削減効果を具体的に説明する。
実施例2の造水方法は、第二の本発明の造水装置(図2)を使用する。実施例2について、被処理水WA、濃縮水CAおよび混合水Wmixの流量、測定手段D2による濃縮水CAの吸光度U2の測定値、薬剤添加手段F1による殺菌剤添加量等は、表4にまとめている。
Figure 2015182073
濃縮水CAの吸光度の年間最大値及び安全許容度を鑑み、殺菌剤添加後、濃縮水CAの吸光度が0.500abs以上であれば、半透膜モジュールMAは洗浄できたと予め設定した。
薬剤添加手段F1により30ppmのDBNPAを添加した後、測定手段D2による測定値U2=0.698absは予め設定した値0.500absを上回ったため、半透膜モジュールMAは洗浄できたと判断できる。制御手段CMも、測定手段D2の測定値を受け、薬剤添加手段F2は薬剤添加しないように信号を出す。
実施例2では、濃縮水CAの吸光度U2が高いため、殺菌剤が多量に残留することを示唆する。これによる薬剤削減効果を算出するために、濃縮水CAに対して、別途テストを行い、得られたDBNPAと吸光度の検量線から、濃縮水CA中の殺菌剤濃度57ppmを算出した。濃縮水CA中の残留殺菌剤を考慮に入れる場合、混合水Wmixへ新たにDBNPAを追加添加しなくてもよいため、比較例2と比べて、節約できる殺菌剤使用量は、混合水Wmix流量×殺菌剤量=18kgになる。従って、実施例2の造水方法は、比較例2より、殺菌剤使用量を28.6%削減することができる。
(実施例3)
実施例3の造水方法は、第三の本発明の造水装置(図3)を使用する。実施例3について、被処理水WA、濃縮水CAおよび混合水Wmixの流量、測定手段D3による吸光度U3の測定値、薬剤添加手段F1による殺菌剤添加量等は、表5にまとめている。
なお、混合水Wmixの吸光度の年間最大値及び安全許容度を鑑み、殺菌剤添加後、混合水Wmixの吸光度U3が0.300abs以上であれば、半透膜モジュールMBは洗浄できたと予め設定した。
Figure 2015182073
薬剤添加手段F1により30ppmのDBNPAを被処理水WAに添加した後、測定手段D3による測定値U3=0.246absは予め設定した値0.300absを下回ったため、半透膜モジュールMBは充分に洗浄されていない恐れがあると判断できる。制御手段CMは、測定手段D3の測定値U3を受け、薬剤添加手段F2に対し薬剤を添加する信号を出す。
(実施例4)
実施例4の造水方法は、第四の本発明の造水装置(図4)を使用する。実施例4について、被処理水WA、濃縮水CA、混合水Wmixおよび濃縮水CBの流量、測定手段D4による濃縮水CBの吸光度U4の測定値、薬剤添加手段F1による殺菌剤添加量等は、表6にまとめている。
なお、濃縮水CBの吸光度の年間最大値及び安全許容度を鑑み、殺菌剤添加後、濃縮水CBの吸光度が0.500abs以上であれば、半透膜モジュールMBは洗浄できたと予め設定した。
Figure 2015182073
薬剤添加手段F1により30ppmのDBNPAを被処理水WAに添加した後、測定手段D4による測定値U4=0.592absは予め設定した値0.500absを上回ったため、半透膜モジュールMBは充分に洗浄できたと判断できる。制御手段CMも、測定手段D4の測定値U3を受け、薬剤添加手段F1は薬剤添加継続するように信号を出す。
なお、本実施例4について、実施例2と同様に、比較例2より約28.6%の薬品使用量削減効果がある。
(実施例5)
実施例5の造水方法は、第五の本発明の造水装置(図5)を使用する。実施例5について、被処理水WA、濃縮水CA、混合水Wmixおよび濃縮水CBの流量、測定手段D3およびD4による吸光度U3およびU4の測定値、薬剤添加手段F1による殺菌剤添加量等は、表7にまとめている。
なお、混合水Wmixの吸光度U3の年間最小値、濃縮水CBの吸光度U4の年間最大値及び安全許容度を鑑み、殺菌剤添加後、UB値が0.500abs以上であれば、半透膜モジュールMBは洗浄できたと予め設定した。
Figure 2015182073
表7より、混合水Wmixの吸光度U3は、測定手段D3の測定値0.246absであった。これは被処理水WB中の有機物と、濃縮水CA中の残留殺菌剤由来だと考えられる。濃縮水CBの吸光度U4は、測定手段D4により測定値は0.592absであった。制御手段CMにおいて、U3及びU4より、UB値を算出できる。前記式(ii)を用いて、UB<0になる。
UB値は予め設定した0.500absより小さいため、半透膜モジュールMBは充分に洗浄できなかった恐れがあることを示唆した。制御手段CMは、UB値を受け、薬剤添加手段F2へ薬剤を添加するように信号を出す。
CA 濃縮水CA
CB 濃縮水CB
CM 制御手段
D1,D2,D3,D4 測定手段
F1,F2 薬剤添加手段
J 分岐点
L1,L2,L3,L4 ライン
MA 半透膜モジュールMA
MB 半透膜モジュールMB
PA 透過水PA
PB 透過水PB
SA 半透膜処理部SA
SB 半透膜処理部SB
WA 被処理水WA
WB 被処理水WB

Claims (18)

  1. 被処理水WAを半透膜処理し、透過水PAと濃縮水CAを生成する半透膜処理工程Aを含む造水方法であって、
    予め被処理水WAの吸光度U1を測定した後、被処理水WAへ殺菌剤を添加し半透膜処理を行い、生成した濃縮水CAの吸光度U2を測定することにより、前記吸光度U2およびU1に基づいて、被処理水WAへの前記殺菌剤の添加の継続/停止、または殺菌剤の流量を制御することを特徴とする造水方法。
  2. 被処理水WAを半透膜処理し、透過水PAと濃縮水CAを生成する半透膜処理工程Aと、濃縮水CAを被処理水WBに混合させ、その混合水Wmixを更に半透膜処理し、透過水PBと濃縮水CBを生成する半透膜処理工程Bを含む造水方法であって、
    被処理水WAへ殺菌剤を添加して半透膜処理を行い、生成した濃縮水CAまたは混合水Wmixへの被処理水WAと同種類の殺菌剤の添加と、濃縮水CAの吸光度U2の測定を行うことにより、前記吸光度U2に基づいて、混合水Wmixまたは濃縮水CAへの前記殺菌剤添加の継続/停止、または前記殺菌剤の流量を制御することを特徴とする造水方法。
  3. 被処理水WAを半透膜処理し、透過水PAと濃縮水CAを生成する半透膜処理工程Aと、濃縮水CAを被処理水WBに混合させ、その混合水Wmixを更に半透膜処理し、透過水PBと濃縮水CBを生成する半透膜処理工程Bを含む造水方法であって、
    被処理水WAへ殺菌剤を添加して半透膜処理を行い、生成した濃縮水CAまたは混合水Wmixに被処理水WAと同種類の殺菌剤を添加し、その後、混合水Wmixの吸光度U3を測定することにより、前記吸光度U3に基づいて、混合水Wmixまたは濃縮水CAへの前記殺菌剤添加の継続/停止、または前記殺菌剤の流量を制御することを特徴とする造水方法。
  4. 被処理水WAを半透膜処理し、透過水PAと濃縮水CAを生成する半透膜処理工程Aと、濃縮水CAを被処理水WBに混合させ、その混合水Wmixを更に半透膜処理し、透過水PBと濃縮水CBを生成する半透膜処理工程Bを含む造水方法であって、
    被処理水WAへ殺菌剤を添加して半透膜処理を行い、生成した濃縮水CAまたは混合水Wmixに被処理水WAと同種類の殺菌剤を添加して半透膜処理を行い、生成した濃縮水CBの吸光度U4を測定することにより、前記吸光度U4に基づいて、混合水Wmixまたは濃縮水CAへの殺菌剤添加の継続/停止、または殺菌剤流量を制御することを特徴とする造水方法。
  5. 被処理水WAを半透膜処理し、透過水PAと濃縮水CAを生成する半透膜処理工程Aと、濃縮水CAを被処理水WBに混合させ、その混合水Wmixを更に半透膜処理し、透過水PBと濃縮水CBを生成する半透膜処理工程Bを含む造水方法であって、
    被処理水WAへ殺菌剤を添加して半透膜処理を行い、生成した濃縮水CAまたは混合水Wmixに被処理水WAと同種類の殺菌剤を添加するとともに、混合水Wmixの吸光度U3と濃縮水CBの吸光度U4を測定することにより、前記吸光度U3とU4に基づいて、混合水Wmixまたは濃縮水CAへ殺菌剤添加の継続/停止、または殺菌剤流量を制御することを特徴とする造水方法。
  6. 前記吸光度U1とU2の差に基づき、前記殺菌剤についての制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の造水方法。
  7. 前記吸光度U1,U2から下記一般式(i)で表されるUA値を求め、このUA値に基づき、前記殺菌剤についての制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の造水方法。
    UA=U2−U1*Y (i)
    UAは濃縮水CA中の殺菌剤の吸光度であり、Yは濃縮倍数である。
  8. 半透膜処理工程Aにおいて、前記吸光度U1とU2の差または前記UA値が予め定めた上限値を上回ったときに、被処理水WAへ殺菌剤添加の停止または殺菌剤流量を減少させる制御、および/または前記吸光度U2とU1の差または前記UA値が予め定めた下限値を上回ったときに、被処理水WAへの殺菌剤添加の継続または殺菌剤流量を増加させる制御、を行うことを特徴とする請求項1,6または7に記載の造水方法。
  9. 前記吸光度U3とU4の差に基づき、前記殺菌剤についての制御を行うことを特徴とする請求項5に記載の造水方法。
  10. 前記吸光度U3,U4から下記一般式(ii)で表されるUB値を求め、このUB値に基づき、前記殺菌剤についての制御を行うことを特徴とする請求項5に記載の造水方法。
    UB=U3−U4*Y (ii)
    UBは混合水Wmix中の殺菌剤の吸光度であり、Yは濃縮倍数である。
  11. 半透膜処理工程Bにおいて、前記吸光度U3とU4の差または前記UB値が予め定めた上限値を上回ったときに、混合水Wmixまたは濃縮水CAへの殺菌剤添加の停止または殺菌剤流量を減少させる制御、および/または、前記吸光度U3とU4の差または前記UB値が予め定めた下限値を上回ったときに、混合水Wmixまたは濃縮水CAへの殺菌剤添加の継続または殺菌剤流量を増加させる制御、を行うことを特徴とする請求項5,9または10に記載の造水方法。
  12. 前記吸光度の測定を、紫外線吸光度計を用いて行うことを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の造水方法。
  13. 前記殺菌剤として、2,2−ジブロモ−3−ニトリロプロピオンアミド(DBNPA)を使用することを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の造水方法。
  14. 被処理水WAを半透膜処理し、透過水PAと濃縮水CAを生成する半透膜処理部SAを備えた造水装置であって、
    被処理水WAへ殺菌剤を添加する薬剤添加手段F1と、
    被処理水WAの吸光度U1を測定する測定手段D1と、
    濃縮水CAの吸光度U2を測定する測定手段D2と、
    前記吸光度U2とU1に基づいて、被処理水WAへの殺菌剤添加の継続/停止、または殺菌剤流量を制御する制御手段、
    を備えたことを特徴とする造水装置。
  15. 被処理水WAを半透膜処理し、透過水PAと濃縮水CAを生成する半透膜処理部SAと、濃縮水CAを被処理水WBに混合させ、その混合水Wmixを更に半透膜処理し、透過水PBと濃縮水CBを生成する半透膜処理部SBを備えた造水装置であって、
    被処理水WAへ殺菌剤を添加する薬剤添加手段F1と、
    混合水Wmixまたは濃縮水CAに、被処理水WAと同種類の殺菌剤を添加する薬剤添加手段F2と、
    濃縮水CAの吸光度U2を測定する測定手段D2と、
    前記吸光度U2に基づいて、混合水Wmixまたは濃縮水CAへの殺菌剤添加の継続/停止、または殺菌剤流量を制御する制御手段、
    を備えたことを特徴とする造水装置。
  16. 被処理水WAを半透膜処理し、透過水PAと濃縮水CAを生成する半透膜処理部SAと、濃縮水CAを被処理水WBに混合させ、その混合水Wmixを更に半透膜処理し、透過水PBと濃縮水CBを生成する半透膜処理部SBを備えた造水装置であって、
    被処理水WAへ殺菌剤を添加する薬剤添加手段F1と、
    混合水Wmixまたは濃縮水CAに、被処理水WAと同種類の殺菌剤を添加する薬剤添加手段F2と、
    混合水Wmixの吸光度U3を測定する測定手段D3と、
    前記吸光度U3に基づいて、混合水Wmixまたは濃縮水CAへの殺菌剤添加の継続/停止、または殺菌剤流量を制御する制御手段、
    を備えたことを特徴とする造水装置。
  17. 被処理水WAを半透膜処理し、透過水PAと濃縮水CAを生成する半透膜処理部SAと、濃縮水CAを被処理水WBに混合させ、その混合水Wmixを更に半透膜処理し、透過水PBと濃縮水CBを生成する半透膜処理部SBを備えた造水装置であって、
    被処理水WAへ殺菌剤を添加する薬剤添加手段F1と、
    混合水Wmixまたは濃縮水CAに、被処理水WAと同種類の殺菌剤を添加する薬剤添加手段F2と、
    濃縮水CBの吸光度U4を測定する測定手段D4と、
    前記吸光度U4に基づいて、混合水Wmixまたは濃縮水CAへの殺菌剤添加の継続/停止、または殺菌剤流量を制御する制御手段、
    を備えたことを特徴とする造水装置。
  18. 被処理水WAを半透膜処理し、透過水PAと濃縮水CAを生成する半透膜処理部SAと、濃縮水CAを被処理水WBに混合させ、その混合水Wmixを更に半透膜処理し、透過水PBと濃縮水CBを生成する半透膜処理部SBを備えた造水装置であって、
    被処理水WAへ殺菌剤を添加する薬剤添加手段F1と、
    混合水Wmixまたは濃縮水CAに、被処理水WAと同種類の殺菌剤を添加する薬剤添加手段F2と、
    混合水Wmixの吸光度U3を測定する測定手段D3と、
    濃縮水CBの吸光度U4を測定する測定手段D4と、
    前記吸光度U3およびU4に基づいて、混合水Wmixまたは濃縮水CAへの殺菌剤添加の継続/停止、または殺菌剤流量を制御する制御手段、
    を備えたことを特徴とする造水装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2020085106A1 (ja) * 2018-10-22 2020-04-30 株式会社日立製作所 逆浸透処理装置及び逆浸透処理方法

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