JP2015179842A - 発光性の粒子を含んだ分散液、およびその利用 - Google Patents

発光性の粒子を含んだ分散液、およびその利用 Download PDF

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Abstract

【課題】発光ドーパント材料と発光ホスト材料とを含んでなる粒子が分散媒に分散している新規な分散液を提供する。
【解決手段】発光ドーパント材料と発光ホスト材料とを含んでなる複数個の粒子が分散媒に分散している分散液であって、異なる種類の発光ドーパント材料が別々の粒子に含まれかつ各粒子において発光ドーパント材料が一種類のみ含まれている粒子の群が、上記粒子として少なくとも含まれている、分散液。
【選択図】なし

Description

本発明は、発光性の粒子を含んでなる分散液とその利用とに関する。
発光性の化合物は、当該化合物同士が近接しすぎること等により発光が抑制される場合がある。そのため、当該化合物にかさ高い置換基を持たせることや、当該化合物を包接化合物で包接して発光性の化合物同士の近接を抑制する試みがなされている。
例えば、特許文献1には、リン光発光性有機イリジウム錯体が包接化合物に包接された複合体を含有した、有機エレクトロルミネセンス素子が記載されている。特許文献1では、包接化合物の内部空間にゲスト化合物(例えば、リン光発光性有機金属錯体)が完全に取り込まれていない構成が好ましいとされている(例えば、特許文献1の段落〔0054〕等参照)。
また、特許文献1には、複数種類のリン光発光性有機金属錯体の混合物と発光ホストとを溶媒中に溶解して得た溶液から、複数種類のリン光発光性有機金属錯体と発光ホストとを含んでなる微粒子の分散液を得ることが記載されている(例えば、特許文献1の段落〔0628〕〜〔0629〕参照)。
特開2006−96697号公報(2006年4月13日公開)
しかしながら、上記特許文献1に記載の構成では、例えば、発光性の化合物(特許文献1ではリン光発光性有機金属錯体)が受けた励起エネルギーの閉じ込めが充分ではない虞が生じ、充分な発光が得られない虞がある。
或いは、上記特許文献1に記載の構成では、複数種類の発光性の化合物を用いる場合に、発光性の化合物それぞれを効率的に発光させて、これら発光の混色光を取り出すことが困難となる虞がある。
本発明の第一の目的は、発光性の粒子を複数種類含んでなり、粒子の個々において発光性に優れる新規な分散液とその利用とを提供することである。本発明の第二の目的は、発光性の粒子の個々において発光性に優れる新規な分散液とその利用とを提供することである。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の何れかの一態様を包含する。
<1> 発光ドーパント材料と発光ホスト材料とを含んでなる複数個の粒子が分散媒に分散している分散液であって、異なる種類の発光ドーパント材料が別々の粒子に含まれかつ各粒子において発光ドーパント材料が一種類のみ含まれている粒子の群が、上記粒子として少なくとも含まれている、分散液。
<2> 上記発光ドーパント材料がリン光発光性の化合物である場合は、1)同じ粒子に含まれる発光ドーパント材料と発光ホスト材料との間で三重項エネルギーは、発光ドーパント材料の三重項エネルギー<発光ホスト材料の三重項エネルギーの関係を満たし、
上記発光ドーパント材料が蛍光発光性の化合物である場合は、2)同じ粒子に含まれる発光ドーパント材料と発光ホスト材料との間で一重項エネルギーは、発光ドーパント材料の一重項エネルギー<発光ホスト材料の一重項エネルギーの関係を少なくとも満たし、
上記発光ドーパント材料が熱活性化遅延蛍光性の化合物である場合は、上記2)の関係を満たすとともに、同じ粒子に含まれる発光ドーパント材料と発光ホスト材料との間で三重項エネルギーは、発光ドーパント材料の三重項エネルギー<発光ホスト材料の三重項エネルギーの関係を満たす、<1>に記載の分散液。なお、<は、大小関係を示す通常の意味で用いている。
<3> 上記粒子として、その最外殻において、実質的に上記発光ホスト材料のみからなるか、上記発光ホスト材料が上記発光ドーパント材料よりも質量単位で多量に含まれている、<1>又は<2>に記載の分散液。
<4> 上記発光ホスト材料がカルバゾール基を有する発光ホスト材料であり、上記粒子が水、メタノール、及びn−ヘキサンからなる群より選択される少なくとも一種を含む分散媒に分散している、<1>〜<3>の何れかに記載の分散液。
<5> 上記分散媒が水である、<4>に記載の分散液。
<6> 上記粒子の粒径が10nm〜150nmの範囲内である、<1>〜<5>の何れかに記載の分散液。
<7> 上記発光ドーパント材料が何れもリン光発光性有機金属錯体である、<1>〜<6>の何れかに記載の分散液。
<8> 上記粒子の励起により白色発光をする、<1>〜<7>の何れかに記載の分散液。
<9> 上記粒子の群に含まれる粒子として、赤色発光性の上記リン光発光性有機金属錯体を含む粒子、緑色発光性の上記リン光発光性有機金属錯体を含む粒子、及び、青色発光性の上記リン光発光性有機金属錯体を含む粒子を少なくとも含んでいる、<8>に記載の分散液。
<10> 上記<1>〜<9>の何れかに記載の分散液を対象物に供給するとともに上記分散媒を除去することによって、上記発光ドーパント材料と上記発光ホスト材料とを含む発光層を製造する工程を含む、有機発光素子の製造方法。
<11> 上記対象物は導電性を有しており、上記分散液をエレクトロスプレーデポジション(ESD)法によって上記対象物に供給する、<10>に記載の有機発光素子の製造方法。
<12> 上記分散液が<8>又は<9>に記載の分散液であり、上記発光層が白色発光する発光層である、<10>又は<11>に記載の有機発光素子の製造方法。
<13> 上記<10>〜<12>の何れかに記載の製造方法によって製造される、有機発光素子。
本発明は、発光性の粒子を複数種類含んでなり、発光性の粒子の個々において発光性に優れる新規な分散液とその利用とを提供することが出来るという効果を奏する。
実施例において、2種類のコロイド分散液の混合実験における発光スペクトルを示す図である。 実施例において、3種類のコロイド分散液の混合実験における吸収スペクトル、励起スペクトル及び発光スペクトルを示す図である。 比較例において、コロイド分散液の吸収スペクトル、励起スペクトル及び発光スペクトルを示す図である。 実施例及び比較例において、コロイド分散液のキャスト膜の吸収スペクトル、励起スペクトル及び発光スペクトルを示す図である。 実施例において、コロイド分散液のキャスト膜の発光スペクトルの経時変化を示す図である。 比較例において、コロイド分散液のキャスト膜の発光スペクトルの経時変化を示す図である。 比較例において、コロイド分散液のキャスト膜の発光スペクトルの経時変化を示す図である。 実施例において、2種類のコロイド分散液の混合実験における発光スペクトルを示す図である。 実施例において、3種類のコロイド分散液の混合実験における吸収スペクトル、励起スペクトル及び発光スペクトルを示す図である。 参考例において、コロイド分散液の吸収スペクトル、励起スペクトル及び発光スペクトルを示す図である。 実施例において、有機EL素子の概略図及びその特性を示す図である。 実施例において、有機EL素子の概略図及びその特性を示す図である。
以下、本発明の実施の一形態について詳細に説明する。
〔1.本発明に係る分散液〕
(分散液の構成)
本発明に係る分散液は、「発光ドーパント材料」と「発光ホスト材料(単にホスト材料と称する場合もある)」とを含んでなる粒子が、分散媒に分散されてなるものである。粒子が微小な場合において、当該分散液はコロイド分散液とみなすこともできる。
本発明において「発光ドーパント材料」とは、後述する「発光ホスト材料」と組み合わせられ、励起エネルギーを受けて蛍光又はリン光を発光する化合物の総称である。「発光ドーパント材料」は、特に限定されないが、具体的には、例えば、「リン光発光性有機金属錯体」、「蛍光発光性有機金属錯体」、及び「蛍光発光性有機化合物(非金属系)」等が挙げられる。発光ドーパント材料は、発光ホスト材料に対して、ゲスト材料とも称される。なお、単に「発光性有機金属錯体」という場合は、リン光発光性有機金属錯体及び蛍光発光性有機金属錯体等の発光性の有機金属錯体の総称である。
本発明において「発光ホスト材料」は、上記「発光ドーパント材料」と組合せられて、発光組成物を形成する。発光組成物の利用の一形態は、有機エレクトロルミネセンス素子等における発光層である。なお、発光ホスト材料は、当該材料に通常求められる性質、例えば、発光ドーパント材料へのエネルギー移動を担当する;発光ドーパントの一重項(蛍光発光の場合)/三重項エネルギー(リン光発光の場合)の閉じ込めを行う;電子及び/又は正孔の電荷輸送を担当する;等の少なくとも一つを有すればよい。なお、発光ドーパント材料が選択されれば、当該発光ドーパント材料に適した発光ホスト材料は、当業者であれば適宜選択可能である。例えば、1)発光ドーパント材料がリン光発光性の化合物の場合は、リン光発光性の化合物の三重項エネルギー(励起三重項状態のエネルギー)が発光ホスト材料より低いこと、2)発光ドーパント材料が蛍光発光性の化合物の場合は、蛍光発光性の化合物の一重項エネルギー(励起一重項状態のエネルギー)が発光ホスト材料より低いこと、3)発光ドーパント材料が蛍光発光性の化合物であって、かつ熱エネルギーの付与により励起三重項励起子を励起一重項励起子にアップコンバージョンして蛍光発光させる化合物(熱活性化遅延蛍光性の化合物)の場合は2)の条件に加えて、化合物の三重項エネルギーが発光ホスト材料より低いことが求められる。なお、発光ドーパント材料と発光ホスト材料との典型的な組み合わせについては後述する。
本発明において「粒子」とは、「発光ドーパント材料」と「発光ホスト材料」とを含んでなる粒形の物質(例えば、粒形の固体)である。粒子において、発光ドーパント材料と発光ホスト材料とは複合されていることが好ましく、粒子の最外殻において実質的に上記発光ホスト材料のみからなるか、上記発光ホスト材料が上記発光ドーパント材料よりも質量単位で多量に含まれていることがより好ましい。なお、粒子の最外殻において「発光ホスト材料が発光ドーパント材料よりも質量単位で多量に含まれている」とは、発光ホスト材料と発光ドーパント材料との質量比で1:1(50%)を超えていることであり、3:1(75%)を超えていることが好ましく、4:1(80%)を超えていることがより好ましく、9:1(90%)を超えていることがさらに好ましい。さらに、粒子の最外殻における発光ホスト材料と発光ドーパント材料との質量比が、粒子全体における発光ホスト材料と発光ドーパント材料との質量比より大きくなっていることがより好ましい。なお、粒子は、発光ホスト材料の被膜が発光ドーパント材料からなる核を実質的に完全に被覆しているコア−シェル構造をとっていてもよい。発光ドーパント材料と発光ホスト材料とが複合されていることは効率的な発光のために好ましく、粒子の最外殻において発光ホスト材料が多量に含まれる構造は、発光のためのエネルギーの閉じ込めを通じた効率的な発光のために好ましい。粒子の粒径(直径)は特に限定されないが、例えば、10nm〜150nmの範囲内であり、20nm〜70nmの範囲内であることが好ましく、30nm〜50nmの範囲内であることが、コロイドとしての安定性に優れる観点からより好ましい。本発明における「粒子」における、発光ドーパント材料と発光ホスト材料との含有比率(質量比)は、特に限定されないが、発光ドーパント材料:発光ホスト材料(質量比)=3:100〜70:100の範囲内であることが好ましく、10:100〜30:100の範囲内であることがより好ましい。
本発明において「分散媒」とは、上記「粒子」を分散させる液体である。特に限定されないが、好ましい分散媒の性質としては、発光ドーパント材料に対してよりも発光ホスト材料に対する親和性がより高いが、発光ホスト材料を溶解しない状態で維持することができる液体、ということが挙げられる。良溶媒及び貧溶媒という観点では、分散媒は、発光ドーパント材料及び発光ホスト材料に対する貧溶媒であることが好ましい。なお、本発明に係る分散液の安全性に優れることや、特に当該分散液をESD(エレクトロスプレーデポジション)法で対象に付与する場合の安全性に優れることから、分散媒は水を主分散媒として用いることが好ましく、実質的に水のみであることがより好ましい。なお、本発明において、「特定の液体(例えば水)を主分散媒として用いる」とは、使用される全分散媒に占める「特定の液体」の体積の割合が他の分散媒と比較して最も多いことを指し、好ましくは使用される全分散媒の体積の合計の50%を超え100%以下の量の「特定の液体」を用いることを指す。また、水を主分散媒として用いて調製された、本発明に係る分散液を、「水分散型の分散液」と称する場合がある。
上記分散媒における上記粒子の含有量(濃度)は、特に限定されるものではないが、例えば、0.001mg/mL〜4.0mg/mLの範囲内であり、好ましくは0.01mg/mL〜4.0mg/mLの範囲内であり、より好ましくは0.05mg/mL〜3.0mg/mLの範囲内であり、さらに好ましくは0.1mg/mL〜1.0mg/mLの範囲内である。なお、ここでいう粒子の含有量は、分散液が複数種類の粒子を含有する場合においては、これら複数種類の粒子の合計の含有量(合計の濃度)を指す。
本発明に係る分散液の特に好ましい一形態では、上記「発光ホスト材料」がカルバゾール基を有する発光ホスト材料であり、かつ上記「粒子」が水、メタノール、及びn−ヘキサンからなる群より選択される少なくとも一種を分散媒として含んでいる分散媒に分散しており、好ましくはこれらの分散媒を主分散媒として含んでいる。この一形態において、分散媒は水を主分散媒とするものであることがより好ましく、実質的に水のみを分散媒とすることがさらに好ましい。また、この一形態において、発光ドーパント材料は発光性有機金属錯体である。さらに、この一形態において、粒子の最外殻において、実質的に発光ホスト材料のみからなるか、発光ホスト材料が発光ドーパント材料よりも質量単位で多量に含まれている構造であることが好ましい。上記例示の分散媒は、発光ホスト材料の貧溶媒ではあるが、カルバゾール基との親和性を有することによって、粒子の分散性が向上する。
本発明に係る分散液の好ましい他の形態は、発光ドーパント材料と発光ホスト材料とを含んでなる複数個の粒子が分散媒に分散している分散液であって、異なる種類の発光ドーパント材料が別々の粒子に含まれかつ各粒子において発光ドーパント材料が一種類のみ含まれている粒子の群が、上記粒子として少なくとも含まれているものである(以下、当該分散液を「複数種類の粒子を含む分散液」という)。すなわち、分散媒に分散している上記粒子の群として、少なくとも、1)第一の上記「発光ドーパント材料(例えば、第一の発光性有機金属錯体)」と上記「発光ホスト材料」とを含んだ第一の「粒子」と、2)第一の上記「発光ドーパント材料」とは異なる第二の上記「発光ドーパント材料(例えば、第二の発光性有機金属錯体)」と「発光ホスト材料」とを含んだ第二の「粒子」とを含んでおり、これら各粒子には上記「発光ドーパント材料」が一種類のみ含まれている、分散液である。なお、第一の「粒子」と第二の「粒子」との間で、「発光ホスト材料」は同一であっても異なる種であってもよいが、好ましくは同一である。
また、「複数種類の粒子を含む分散液」においては、上記第一の粒子、上記第二の粒子の他に、第三以上の粒子が含まれていてもよい。第三以上の粒子は、例えば、「発光ドーパント材料」が一種類のみ含まれており、かつこの「発光ドーパント材料」は第一の「粒子」及び第二の「粒子」に含まれる「発光ドーパント材料」とは異なるものである。第三以上の「粒子」と、第一、第二の粒子との間で「発光ホスト材料」は同一であっても異なる種であってもよいが、好ましくは同一である。あるいは、第三以上の粒子は、第一及び第二の粒子とは性質が異なり、例えば、複数種類の発光ドーパント材料が発光ホスト材料と共に一つの粒子内に含まれているものである。
以上のように、「複数種類の粒子を含む分散液」においては、二種以上の発光ドーパント材料が、それぞれが別々の粒子(第一の粒子、第二の粒子、及び必要に応じて第三以上の粒子)中に含まれている。これらの粒子では、同一の粒子内で三重項/一重項エネルギーの異なる発光ドーパント材料が含まれていないことによって、発光ドーパント材料間の不所望なエネルギー移動が抑制されて、個々の粒子において効率的かつ所望する発光を得やすい。結果として、異なる発光ドーパント材料からの発光の混色を設計通りに実現しやすい。同じ分散液に含まれる二種以上の発光ドーパント材料の組み合わせ(厳密には、これら発光ドーパント材料を含む粒子の組み合わせ)は特に限定されないが、励起されることによりそれぞれの発光ドーパント材料が発する波長の異なる発光の混色によって、分散液が白色発光(いわゆる疑似白色発光を含む概念)を呈するものが挙げられる。発光ドーパント材料に由来する発光の混色によって、分散液が白色発光を呈するものとして、例えば、1)青色発光性の発光ドーパント材料と黄色発光性の発光ドーパント材料との組み合わせ、2)赤色発光性の発光ドーパント材料と緑色発光性の発光ドーパント材料と青色発光性の発光ドーパント材料との組み合わせ、3)赤色発光性の発光ドーパント材料と緑色発光性の発光ドーパント材料と青色発光性の発光ドーパント材料と黄色発光性の発光ドーパント材料の組み合わせ、4)青色発光性の発光ドーパント材料とオレンジ色発光性の発光ドーパント材料との組み合わせ等が挙げられる。発光ドーパント材料の好ましい一例は、発光性有機金属錯体であり、より好ましい一例は、リン光発光性有機金属錯体である。また、一例において、二種以上の発光ドーパント材料は、何れもが発光性有機金属錯体であることが好ましく、何れもがリン光発光性有機金属錯体であることがより好ましい。
本発明に係る分散液は、用途の観点から捉えた場合、発光層を作成するための粒子分散液(発光層作成用インク)である。より典型的な一例では、ESD法による発光層作成用インクである。なお、ESD法による発光層作成の一例は後述する。
(発光ドーパント材料と発光ホスト材料との組合せ)
・ リン光発光性有機金属錯体と発光ホスト材料との組合せ:
リン光発光性有機金属錯体は、有機発光素子の発光層に使用される公知のものの中から適宜選択して用いることができる。例えば、特開2001−247859号公報、国際公開第00/70,655号パンフレット、特開2006−96697号公報、特開2008−147399号公報、特表2003−526876号公報、及び、国際公開2010/061625等に記載のものを適宜用いることができる。また、当該リン光発光性有機金属錯体の発光ホスト材料としても、上記した公報に開示されるもののほか、リン光発光性有機金属錯体を用いた有機発光素子の発光層に使用される公知のものの中から適宜選択して用いることができる。
リン光発光性有機金属錯体としては、好ましくは元素周期表の8族、9族、10族に属するいずれか1種の金属を含有する錯体系化合物が挙げられるが、より好ましくは、イリジウム錯体、オスミウム錯体、白金錯体、又は、希土類錯体であり、中でも、特に好ましいのはイリジウム錯体である。
リン光発光性有機金属錯体の好ましい一例は、以下の通りである。
(一般式(1)中、C^Nはm個のシクロメタル化配位子を表し、Mは元素周期表の8族、9族、又は10族に属するいずれか1種の金属を表す。mは1以上の整数でnは0以上の整数であり、mとnとの合計は、Mに配位することができる配位子の最大数以下である。なお、X1^X2は必要に応じて設けられるn個(0以上)の二座配位子を指し、X1とX2はMに配位している原子である。)
また、上記一般式(1)中、mとnとの合計は、中心金属Mに配位することができる配位子の最大数と同数である。中心金属Mの種類にもよるが、より優れた発光特性を得るためにはnが0か1であり、mが(中心金属Mに配位することができる配位子の最大数−0又は−1)であることが好ましい。例えば、中心金属Mがイリジウムの場合、mとnとの合計は3以下になるので、nが1であり、mが2であるか、nが0であり、mが3であることが好ましい。
また、一般式(1)において、主にスペーサ(立体制御用)として機能する二座配位子X1^X2が存在する場合、(X1、X2)の組合せは、例えば、(N、N)、(O、O)、(P、N)、或いは(O、N)等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。より具体的には、例えば、X1、X2の双方が酸素原子である場合のアセチルアセトナト(acac)構造、X1、X2の双方が窒素原子を表すアミジナート構造若しくはグアニジナト構造、又は、X1、X2の少なくとも一方がリン原子を表すホスフィジナト構造を有する。
主に発光性配位子として機能するシクロメタル化配位子C^Nの構造は特に限定されないが、以下の一般式で表されるものであることが好ましい。なお、以下の式において、R11〜R18は互いに独立して、水素原子;ハロゲン原子;又は炭素数1〜10個の炭化水素基;を表し、炭化水素基に含まれる少なくとも一つの水素はハロゲン原子で置換されていてもよく、炭化水素基が2個以上の炭素原子を含む場合に当該炭素原子の一部が硫黄原子又は窒素原子で置換されていてもよく、炭化水素基同士(より好ましくは、隣接する炭化水素基であるR11とR12、R12とR13、R13とR14、R14とR15、R15とR16、R16とR17、R17とR18から選択される少なくとも一組)は互いに連結して、芳香族環、飽和又は不飽和の炭化水素環(芳香族環を除く)、或いは、硫黄原子及び/又は窒素原子(ヘテロ原子)を含んだ複素環を構成してもよい。
発光ホスト材料の好ましい一例は、選択されるリン光発光性有機金属錯体の発光ホスト材料として公知のもののうちカルバゾール基を有するものであり、より好ましくは一分子内にカルバゾール基を複数個(例えば、2〜5個)有するものである。なお、カルバゾール基とは以下の基本骨格を有するものであり、非置換のものも置換基を有するものも含んだ総称である。
カルバゾール基が有していてもよい置換基としては、例えば、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基等のアリール基、チオフェン基、カルバゾール基、及び電子供与性基(例えば、アルコキシ基、アミノ基、及びアルキルアミノ基等)等が挙げられる。
カルバゾール基を有する化合物の具体例としては、後述の実施例で用いた化合物H−1、H−2、H−3、H−7、H−8、H−9及びH−10、並びにこれらの化合物において置換基を有するもの等が挙げられる。置換基は上記のカルバゾール基が有していてもよい置換基と同様である。他にも、BCC−36、BTCC−36、BCC−27、BTCC−27、3,6−ビス(N−カルバゾール)−N−エチルカルバゾ−ル、N,N’−ジ−[(1−ナフチル)−N,N’−ジフェニル]−1,1’−ビフェニル)−4,4’−ジアミン(NPB)、3,3’−ジ(9H−カルバゾール−9−イル)−1,1’−ビフェニル(mCBP)、SimCP、及び1,3,5−トリ(9H−カルバゾール−9−イル)ベンゼン(tCP)、並びにこれらの化合物において前述の置換基を有するもの等が挙げられる。
また、発光ホスト材料として他にも、後述の実施例で用いた化合物H−4、H−5及びH−6並びにこれらの化合物において置換基を有するもの等が挙げられる。置換基は上記のカルバゾール基が有していてもよい置換基と同様である。さらに、2,7−ビス(カルバゾル−9−イル)−9,9−ジオクチルフルオレン(DOFL−CBP)、2,2’−ビス(4−(カルバゾール−9−イル)フェニル)ビフェニル(BCBP)、ビス(4−N,N−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)−4−メチルフェニルメタン(MPMP)、3,6−ビス(カルバゾル−9−イル)−9−(2−エチルヘキシル)−9H−カルバゾール(TCz1)、2,8−ジ(9H−カルバゾル−9−イル)ジベンゾ[b,d]チオフェン(DCzDBT)、9−(4−tert−ブチルフェニル)−3,6−ビス(トリフェニルシリル)−9H−カルバゾール(CzSi)、4,4,8,8,−12,12−ヘキサ−p−トリル−4H−8H−12H−12C−アザジベンゾ[cd,mn]ピレン(FATPA)、及び1,4−ビス((9H−カルバゾル−9−イル)メチル)ベンゼン(DCB)等も挙げられる。
・ 蛍光発光性有機金属錯体と発光ホスト材料との組合せ:
・ 蛍光発光性有機化合物(非金属系)と発光ホスト材料との組合せ:
緑色(クマリン6:ポリビニルカルバゾール(PVK))、青色(α−NPD:PVK)、赤色(4−(ジシアノメチレン)−2−メチル−6−(p−ジメチルアミノスチリル)−4Hピラン(DCM1):PVK)、赤色(4−ジシアノメチレン−2−メチル−6−(ジュロリジン−4−イル−ビニル)−4H−ピラン(DCM2):PVK)、白色(1,1,4,4−テトラフェニル−1,3−ブタジエン(TPB)及びナイルレッド、PVK)。
・ 熱活性化遅延蛍光(TADF)材料と発光ホスト材料との組合せ:
(TADF:ホスト)
CC2TA:DPEPO、SPIRO−CN:mCP、ACRFLCN:TPSi−F、PXZ−TRZ:CBP、4CzIPN:CBP、4CzPN:CBP、
4CzTPN:CBP、4CzIPN:mCBP
(参考文献:Nature, Vol.492, p234-240 (2012)、及び、応用物理 第82巻 第6号 458頁〜467頁(2013年))。
〔2.本発明に係る分散液の調整方法の一例〕
本発明に係る分散液の調製方法は特に限定されるものではないが、例えば、良溶媒と貧溶媒との組合せを用いた再沈法、又は、再結晶法等を挙げることができ、再沈法を用いることが好ましい。以下、再沈法について説明する。
(再沈法の概要)
再沈法は概略的には、1)発光ドーパント材料及び発光ホスト材料に対しては良溶媒となる溶媒に、これら発光ドーパント材料及び発光ホスト材料を溶解させて溶液(化合物溶液)を作製する工程、及び、2)化合物溶液を貧溶媒に加えて、発光ドーパント材料と発光ホスト材料とを含んでなる粒子が貧溶媒に分散してなる、本発明に係る分散液を調製する工程、を含んでなる。
1)化合物溶液の作製工程
本工程は、発光ドーパント材料及び発光ホスト材料に対しては良溶媒となる溶媒に溶解させて溶液(化合物溶液)を作製する工程である。
本工程で用いる良溶媒は、対象とする化合物を溶解できるとともに、後段で用いる貧溶媒と混和して相分離を起こさない溶媒から適宜選択される。発光ドーパント材料及び発光ホスト材料が有機化合物(発光性有機金属錯体を含む)の場合は、例えば有機溶媒であり、特に貧溶媒として水を主溶媒(水のみを用いる場合も含む)として用いる場合は水溶性の有機溶媒である。水溶性の有機溶媒は、水と相分離をせずに混和することができ、且つ上記発光ドーパント材料及び発光ホスト材料を溶解させることができる限り、特に限定されない。水溶性の有機溶媒は、水に対して1体積%以上の溶解性を有することが好ましく、より好ましくは水に対して10体積%以上の溶解性を有することが好ましい。なお、本発明において、「主溶媒」の定義は、「主分散媒」の定義において分散媒を溶媒と読み替えたものと同じである。
良溶媒として用いられる非水溶性の有機溶媒としては、例えば、m−キシレン等の液状の炭化水素等が挙げられる。良溶媒として用いられる水溶性の有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;テトラヒドロピラン、テトラヒドロフラン、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、エチルビニルエーテル等のエーテル類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;蟻酸エチル、蟻酸プロピル、酢酸エチル等のエステル類;二硫化炭素等の硫黄化合物;クロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素類;ジメチルスルフォキシド(DMSO)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMAc);ジオキサン、アセトニトリル等の非プロトン性溶媒;等が挙げられる。これらの有機溶媒は、単独で用いてもよいし、混合溶媒として用いてもよい。上記例示の有機溶媒のなかでも、水への溶解性に優れ、かつ環境へ悪影響を及ぼす虞が比較的少ないという観点では、エーテル類、アルコール類、及びこれらの組み合わせが好ましい。
化合物溶液の濃度は、高密度の粒子分散液を生産するという観点からすれば高いほど良いが、溶液の調製の容易性及び生産性の観点から、0.01mmol/L〜4.0mmol/Lが好ましく、0.5mmol/L〜2.0mmol/Lがより好ましい。
2)分散液の調製工程
本工程は、上述の1)化合物溶液の作製工程(工程1)と称する)の後に行われ、上記発光ドーパント材料及び発光ホスト材料に対しては貧溶媒となる溶媒と、工程1)で得られた化合物溶液とを混合して、本発明に係る分散液を調製する工程である。貧溶媒とは、良溶媒と比較して対象とする化合物の溶解性が低い溶媒を指す。貧溶媒としては、例えば、水;メタノール;エタノール;イソプロピルアルコール;n−ヘキサン、シクロヘキサン、n−ペンタン、デカリンなどの液状の飽和炭化水素;アセトニトリル;アセトン;及び酢酸エチル;等からなる群より選択される少なくとも一種を主溶媒として含むものが好ましい。水を主溶媒として含む貧溶媒としては、上記した良溶媒と水との混合溶媒であってもよい。また例えば、良溶媒として、上記した水溶性の有機溶媒を用いる場合は、特に貧溶媒としては、水、メタノール、又はn−ヘキサンを主溶媒として含むものが好ましく、水を主溶媒(水のみを用いる場合も含む)として含むものがより好ましい。
なお、工程1)で用いる良溶媒と、工程2)で用いる貧溶媒との組合せは特に限定されないが、例えば、(テトラヒドロフラン:水)、(m−キシレン:イソプロピルアルコール)、(クロロホルム:エタノール)、(クロロホルム:イソプロピルアルコール)等が挙げられる。
工程1)で得られた化合物溶液と、貧溶媒となる溶媒との混合比率は特に限定されるものではないが、1:5〜1:200の範囲内であることが好ましく、1:30〜1:100の範囲内であることがより好ましい。貧溶媒となる溶媒と、工程1)で得られた化合物溶液とを混合する方法も特に限定されるものではないが、工程1)で得られた化合物溶液を、貧溶媒となる溶媒中に滴下しながら、攪拌することが好ましい。これにより、発光ドーパント材料と発光ホスト材料とを含んでなる粒子を、微粒子の形で貧溶媒中に形成することが容易となる。
上記2)の工程を経て、発光ドーパント材料と発光ホスト材料とを含んでなる粒子が、貧溶媒(分散媒)中に分散されてなる、分散液を得ることができる。また、貧溶媒として、発光ドーパント材料に対してよりも発光ホスト材料に対する親和性がより高いが、発光ホスト材料を溶解しない状態で維持することができる液体を用いることで、形成される粒子の最外殻に発光ホスト材料を集積させることができる。なお、得られた分散液から、必要に応じて上記良溶媒を除去してもよい。良溶媒は、揮発性の高いものであれば放置によって除去されるし、良溶媒と貧溶媒との沸点の差を利用して良溶媒を除去することもできる。
再沈法を用いて本発明に係る分散液を調製する場合における特に好ましい一形態では、上記「発光ホスト材料」がカルバゾール基を有する発光ホスト材料であり、かつ上記貧溶媒が、水、メタノール、及びn−ヘキサンからなる群より選択される少なくとも一種である。この一形態において、貧溶媒は、水を主分散媒とするものであることがより好ましく、実質的に水のみであることがさらに好ましい。また、この一形態において、発光ドーパント材料は発光性有機金属錯体である。この一形態では、上記貧溶媒がカルバゾール基との親和性を有することによって、粒子の最外殻に発光ホスト材料がより多量に集積して、発光ドーパント材料が発光ホスト材料によって被覆されている構造(好ましくはコアシェル構造)をとりやすくなる。また、貧溶媒とカルバゾール基との親和性によって、粒子の分散性が向上する。
(「複数種類の粒子を含む分散液」の調製方法の一例)
以下、複数種類の粒子を含む分散液、すなわち、分散媒に分散している上記「粒子」として、少なくとも、1)第一の上記「発光ドーパント材料(例えば、第一の発光性有機金属錯体)」と上記「発光ホスト材料」とを含んだ第一の「粒子」と、2)第一の上記「発光ドーパント材料」とは異なる第二の上記「発光ドーパント材料(例えば、第二の発光性有機金属錯体)」と「発光ホスト材料」とを含んだ第二の「粒子」とを含んでおり、これら各粒子には上記「発光ドーパント材料」が一種類のみ含まれている、分散液の調製方法の一例を説明する。
この調製方法は、分散媒に分散している粒子として上記第一の「粒子」を含む分散液(1)と、分散媒に分散している粒子として上記第二の「粒子」を含む分散液(2)とを別々に調製する工程と、次いで、分散液(1)と分散液(2)とを混合することによって、所望する「複数種類の粒子を含む分散液」を調製する工程と、を含んでなる。分散液(1)と分散液(2)とは、同じ分散媒を用いてなることが好ましい。また、分散液(1)と分散液(2)との混合比率は、最終的に得られる「複数種類の粒子を含む分散液」における粒子それぞれに要求される濃度に応じて適宜設定すればよい。
この調製方法は、上記第一の「粒子」を含む分散液(1)と、上記第二の「粒子」を含む分散液(2)とを別々に調製するため、第一の「粒子」と第二の「粒子」との間(正確には第一の発光ドーパント材料と第二の発光ドーパント材料との間)での不所望なエネルギー移動や、消光という現象が抑制される。さらに、必要に応じて、分散液(1)及び分散液(2)の発光特性を別々に観測することによって、これら分散液(1)及び(2)を混合した際の混色の様子を事前にシミュレーションすることもできるので、所望の発光特性を有する「複数種類の粒子を含む分散液」の調製が飛躍的に容易となる。なお、上記第一の粒子、上記第二の粒子の他に、第三以上の粒子を含む場合においては、第三以上の粒子を含む分散液(3)を、上記分散液(1)や分散液(2)と同様に調製し、次いで、分散液(1)と分散液(2)と分散液(3)とを混合することによって、「複数種類の粒子を含む分散液」の調製ができる。
また、複数種類の粒子を含む分散液の他の調製法としては、マイクロ化学試験装置(東レエンジニアリング製等)を用いた連続マイクロフロー方式でのコロイド分散液の調製が挙げられる。粒子を形成するための発光ドーパント材料と発光ホスト材料とを溶解している良溶媒A1と、貧溶媒B1との2液を、それぞれシリンジポンプにセットし、送液ポンプによってそれぞれを一定流量で押し出し、一定温度で保たれた2液を恒温槽中に設置されたマイクロ流路内で混合する。その後、エバポレーターを用いて、得られた混合液から、残留する良溶媒A1を減圧留去して、コロイド分散液を作製する。良溶媒A1と貧溶媒B1との流量は、例えば、1:5〜1:200の範囲内、より好ましくは1:30〜1:100の範囲内に設定され、より具体的な一例では、良溶媒A1を3ml/分、貧溶媒B1を90ml/分とする。発光ドーパント材料と発光ホスト材料とを溶解している良溶媒A1と、貧溶媒B1との2液の組合わせを複数種用意し、異なる発光ドーパント材料を含んでなる複数種のコロイド分散液を調製して混合すれば、「複数種類の粒子を含む分散液」を製造することができる。
〔3.本発明に係る有機発光素子の製造方法、及び有機発光素子〕
(製造方法)
本発明に係る有機発光素子の製造方法は、本発明に係る分散液(〔1.本発明に係る分散液〕欄の記載も参照)を基体(対象物)に供給するとともに、分散液に含まれる分散媒を除去することによって、発光ドーパント材料と発光ホスト材料とを含んだ発光組成物(例えば、発光層)を製造する工程を含んでなる。
基体(対象物)の形状は特に限定されないが、基板等が挙げられる。基板としては、例えば、ガラス基板、プラスチック基板、シリコン基板等が挙げられる。基体には、電極パターン、及び、半導体膜、等が形成されていてもよい。
本発明に係る分散液を基体に供給して付着させる方法は、特に限定されない。付着させる方法としては、例えば、スピンコーティング、ロールコーティング、スピンキャスティング、ドクターブレーディング、ディップコーティング、スプレーコーティング、スクリーン印刷、グラビア印刷、又はインクジェット印刷、ダイコート法等が挙げられ、中でもスプレーコーティングが好ましい。スプレーコーティングとしては、例えば、蒸発噴霧堆積(ESDUS)法、静電噴霧堆積(ESD)法等が挙げられる。特にESDUS法、ESD法等の方法を併用することによって、容易に任意の膜厚で発光層を得ることができる。
分散液を基体に供給して付着させる方法としては、ESD法が特に好ましい。ESD法は、基体表面の特定の場所(電極の配置箇所)を指定して製膜することができ、効率的だからである。またESD法は、噴霧される液滴(分散液の液滴)が小さいため、液滴が基体に到達するまでの間に、分散液中に有機溶媒がわずかに残っていたとしても揮発させることができるからである。また、分散液中に含まれる分散媒の大部分も、液滴が基体に到達するまでの間に除去することができる。さらに、噴霧される液滴が小さいために、微小な粒子を1個又は数個単位で基体に均質に吹き付けることができるからである。
ESD法において用いる静電噴霧装置は、公知の装置でよい。基体に設ける電極としては、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)電極、アルミニウム電極、金電極、銀電極、クロム電極、酸化チタン電極、酸化亜鉛電極等が挙げられる。また、基体における発光層の形成面(分散液が供給される面)と電極との間に、絶縁膜、半導体膜、又は金属膜、等が挿入されてもよい。
ESD法における静電噴霧の条件は、本発明に係る分散液に含まれる粒子の種類、形成すべき発光層の面積及び膜厚、並びに、製造される有機発光素子の用途等によって、適宜決定すればよい。本発明に係る分散液(インク組成物)中の粒子の合計濃度は、良好な成膜スピードを確保する観点では、例えば、0.01〜2.0mg/ml程度にすることが好ましく、0.6mg/ml程度にすることがより好ましい。
本発明に係る分散液として上記「複数種類の粒子を含む分散液」であって、それぞれの発光ドーパント材料が発する波長の異なる発光の混色によって白色発光を呈するものを用いれば、発光組成物(発光層)が白色発光する有機発光素子を製造することができる。
(有機発光素子)
本発明はまた、上述の製造方法によって製造される発光層(発光組成物)を含んでなる、有機発光素子も提供する。有機発光素子の用途は特に限定されないが、有機ELディスプレイ、及び、照明装置(表示装置のバックライト等も含む)等が挙げられる。白色発光(疑似白色を含む)をする有機発光素子は特に照明装置としての需要が大きい。
有機発光素子において、上記発光層は一対の電極間に配されている。また、有機発光素子は、発光層での正孔及び電子の再結合を促進するために、必要に応じて公知材料からなる正孔注入層、正孔輸送層、正孔阻止層、電子輸送層、電子注入層等をさらに含んでもよい。有機発光素子がこれらの層を全て含む場合、例えば、基板/電極(正極)/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層/電極(負極)の順に積層される。
上記有機発光素子における電極は、正極と負極とを少なくとも含んでなる。正極は特に限定されないが、通常、発光層の光を外に取り出すために、ITO等の透明電極が用いられる。上記負極は特に限定されないが、例えば、アルミニウム電極を用いることができる。
発光層の厚さは特に限定されないが、例えば、5nm以上500nm以下、好ましくは10nm以上200nm以下の範囲内である。発光層における、発光ドーパント材料と発光ホスト材料との含有比(質量比)は、所望する発光特性に応じて適宜設定すればよい。なお、発光ドーパント材料と発光ホスト材料との含有比は、原則として、本発明に係る分散液に含まれる粒子における両者の比率を反映している。
以下の実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
〔材料〕
リン光発光性有機金属錯体(発光ゲスト材料、発光ドーパント)として、以下の化合物を用いた。
発光ホスト材料として、以下の化合物を用いた。
〔コロイド分散液の調製と評価−1〕
<コロイド分散液1〜15の調製>
H−1(トリス(4−カルバゾイル−9−イルフェニル)アミン(TCTA))10mg、及びG−1(ビス(3,5−ジフルオロ−2−(2−ピリジルフェニル−(2−カルボキシピリジル)イリジウム(III)(FIrpic))0.3mgを100mLのテトラヒドロフラン(THF:良溶媒)に添加し、室温で10分間超音波を用いて溶解してTHF溶液を得た(装置名S−101、SND社製)。次に、50℃の超純水(貧溶媒)300mLを500rpmで激しく撹拌し、これに前述のTHF溶液10mLを注入し、室温で10分間撹拌した。その後、保留粒子径1μmのフィルターでろ過し、エバポレーターを用いて残留するTHFを減圧留去して、コロイド分散液1(〜2.0mL)を得た(発光ホスト材料の含有濃度:〜1.0mg/mL)。
同様の方法で、G−1の量を1.0mg、3.0mg、5.0mg、及び7.0mgに変更したコロイド分散液2〜5(〜2.0mL)を得た(発光ホスト材料の含有濃度:〜1.0mg/mL)。
同様の方法で、発光ホスト材料をH−2(1,3−ビス(N−カルバゾリル)ベンゼン(mCP))又はH−3(4,4’−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニール(CBP))に変更したコロイド分散液6〜15(〜2.0mL)を得た(発光ホスト材料の含有濃度:〜1.0mg/mL)。
<コロイド分散液16の調製>
H−4(4,4’−シクロヘキシリデンビス[N,N−ビス(4−メチルフェニル)ベンゼンアミン](TAPC))10mg、及びG−1(FIrpic)1.0mgを100mLのTHFに添加し、室温で10分間超音波を用いて溶解してTHF溶液を得た。次に、50℃の超純水500mLを600rpmで激しく撹拌し、これに前述のTHF溶液5mLを注入し、室温で10分間撹拌した。その後、保留粒子径1μmのフィルターでろ過し、エバポレーターを用いて残留するTHFを減圧留去して、発光ホスト材料の含有濃度が0.2mg/mLのコロイド分散液16(2.3mL)を得た。
<コロイド分散液17の調製>
H−5(N,N’−ジ−1−ナフチル−N,N’−ジフェニルベンジジン(α−NPD))10mg、及びG−1(FIrpic)1.0mgを用いてコロイド分散液16と同様の方法で、発光ホスト材料の含有濃度が0.36mg/mLのコロイド分散液17(1.4mL)を得た。
<コロイド分散液18の調製>
H−6(N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−N,N’−ジフェニルベンジジン(TPD))10mg、及びG−1(FIrpic)1.0mgを用いてコロイド分散液16と同様の方法で、発光ホスト材料の含有濃度が0.2mg/mLのコロイド分散液18(2.6mL)を得た。
<コロイド分散液19の調製>
H−7(ビス[3,5−ジ(9H−カルバゾール−9−イル)フェニル]ジフェニルシラン(SimCP2))10mg、及びG−1(FIrpic)1.0mgを用いてコロイド分散液1と同様の方法で、発光ホスト材料の含有濃度が0.87mg/mLのコロイド分散液19(3.5mL)を得た。
<コロイド分散液20の調製>
H−8(3,6−ビス(3−エチル−N−カルバゾイル)−N−フェニルカルバゾール(BCC−36誘導体))10mg、及びG−1(FIrpic)1.0mgを用いてコロイド分散液1と同様の方法で、発光ホスト材料の含有濃度が1.0mg/mLのコロイド分散液20(3.1mL)を得た。
<コロイド分散液21の調製>
H−7(2,7−ビス(9−カルバゾイル)−9,9−スピロビフルオレイン(Spiro−2CBP))10mg、及びG−1(FIrpic)1.0mgを用いてコロイド分散液1と同様の方法で、発光ホスト材料の含有濃度が0.64mg/mLのコロイド分散液21(4.8mL)を得た。
<コロイド分散液22の調製>
H−1(TCTA)10mg、及びG−2(トリス(2−フェニルピリジナト)イリジウム(III)(Ir(ppy)))1.0mgを100mLのTHFに添加し、室温で15分間超音波を用いて溶解してTHF溶液を得た。次に、50℃の超純水900mLを650rpmで激しく撹拌し、これに前述のTHF溶液30mLを注入し、50℃で3分間撹拌した。その後、保留粒子径1μmのフィルターでろ過し、エバポレーターを用いて残留するTHFを減圧留去して、発光ホスト材料の含有濃度が〜1.0mg/mLのコロイド分散液22(2.4mL)を得た。
<コロイド分散液23の調製>
H−1(TCTA)10mg、及びG−3(ビス(1−フェニルイソキノリン)(アセチルアセトネート)イリジウム(III)(Ir(piq)(acac))1.0mgを100mLのTHFに添加し、室温で15分間超音波を用いて溶解してTHF溶液を得た。次に、50℃の超純水900mLを650rpmで激しく撹拌し、これに前述のTHF溶液30mLを注入し、50℃で3分間撹拌した。その後、保留粒子径1μmのフィルターでろ過し、エバポレーターを用いて残留するTHFを減圧留去して、発光ホスト材料の含有濃度が〜1.0mg/mLのコロイド分散液23(3.4mL)を得た。
<成膜>
得られたコロイド分散液1〜23をそれぞれキャスト法でガラス基板上に成膜した。
<評価>
得られたコロイド分散液1〜23の組成、コロイドの個数分布の平均粒子径、及びゼータ電位等のデータを下記の表1に示す。平均粒子径は、装置名ELSZ−2、大塚電子社製を用いて動的光散乱法で測定した。ゼータ電位は、装置名ELSZ−2、大塚電子社製を用いて電気泳動光散乱法で測定した。なお、発光性は、成膜した後の発光性である。
〔コロイド分散液の調製と評価−2〕
<コロイド分散液24の調製>
H−1(TCTA)10mg、及びG−1(FIrpic)1.0mgを100mLのTHFに添加し、室温で10分間超音波を用いて溶解してTHF溶液を得た。次に、50℃の超純水900mLを650rpmで激しく撹拌し、これに前述のTHF溶液30mLを注入し、室温で10分間撹拌した。その後、保留粒子径1μmのフィルターでろ過し、エバポレーターを用いて残留するTHFを減圧留去して、発光ゲスト材料の含有濃度が0.25mg/mLのコロイド分散液24(1.1mL)を得た。得られたコロイド分散液24における平均粒子径は47nmであった。
<コロイド分散液25の調製>
コロイド分散液24を20倍希釈したもの(青色発光ゲスト材料の含有濃度0.0125mg/mL)と、コロイド分散液23を30倍希釈したもの(赤色発光ゲスト材料の含有濃度0.003mg/mL)とを同量混合し、コロイド分散液25を得た。得られたコロイド分散液25に、波長365nmの紫外線を照射すると紫色発光が観測された。図1に、混合前のコロイド分散液24(図1の(a))及びコロイド分散液23(図1の(b))並びに混合後のコロイド分散液25(図1の(c))の発光スペクトルをそれぞれ示す。図1の(d)には、励起三重項エネルギーの高いG−1から低いG−3へのエネルギー移動が、複合コロイド化された発光ホスト材料によって抑制され、青色及び赤色それぞれが独立して発光する機構の模式図を示した。発光スペクトルは、分光蛍光光度計(装置名:RF−5300PC、島津製作所製)を用いて測定したものである。このように、2成分の混合系において安定した発光特性を保持することがわかった。
<コロイド分散液26の調製>
青色発光ゲスト材料の含有濃度0.19mg/mLのコロイド分散液2を600μL、緑色発光ゲスト材料の含有濃度0.012mg/mLのコロイド分散液22を675μL、及び赤色発光ゲスト材料の含有濃度0.12mg/mLのコロイド分散液23を750μL、それぞれを混合し、コロイド分散液26を得た。得られたコロイド分散液26に、波長365nmの紫外線を照射すると白色発光が観測された。
図2に、混合前のコロイド分散液2(図2の(a))、コロイド分散液22(図2の(b))及びコロイド分散液23(図2の(c))並びに混合後のコロイド分散液26(図2の(d))の吸収スペクトル、励起スペクトル及び発光スペクトルをそれぞれ示す。吸収スペクトルは、紫外可視近赤外分光光度計(装置名:UV−3150、島津製作所製)を用いて測定したものである。励起スペクトル及び発光スペクトルは、分光蛍光光度計(装置名:RF−5300PC、島津製作所製)を用いて測定したものである。各発光材料に特徴的な発光ピークが、それぞれ確認され、コロイド分散液2(青色)ではTCTA由来の発光ピークも波長390nm近傍に見られた。これは、コロイド分散液22(緑色)及びコロイド分散液23(赤色)ではTCTAのエネルギーがほぼ完全に移動したのに対し、コロイド分散液2(青色)ではFIrpicとTCTAの励起三重項状態のエネルギーが近いためにエネルギー移動が限定的であったためと推測される。混合したコロイド分散液26では、各色の発光ゲスト材料の発光スペクトル特性が維持されていた。このように、3成分の混合系においても安定した発光特性を保持することがわかった。
<コロイド分散液27の調製(比較例)>
H−1(TCTA)257mg、G−1(FIrpic)14mg、G−2(Ir(ppy))1mg、及びG−3(Ir(piq)(acac))11mgを257mLのTHFに溶解してTHF溶液を得た。次に、50℃の超純水900mLを激しく撹拌し、これに前述のTHF溶液を10倍希釈した溶液30mLを注入し、保留粒子径1μmのフィルターでろ過後、エバポレーターを用いて残留するTHFを減圧留去し、コロイド分散液27(3.19mL)を得た。分散している各コロイドは、H−1、G−1、G−2、及びG−3を含んでなると考えられる。得られたコロイド分散液27に、波長365nmの紫外線を照射すると赤色発光が観測された。図3の(a)に、コロイド分散液27の吸収スペクトル、励起スペクトル及び発光スペクトルを示す。
<コロイド分散液28の調製(比較例)>
コロイド分散液27の調製において、発光ホスト材料をH−1(TCTA)からH−3(CBP)に変更した以外は同様にして、コロイド分散液28(8.07mL)を得た。分散している各コロイドは、H−3、G−1、G−2、及びG−3を含んでなると考えられる。得られたコロイド分散液28に、波長365nmの紫外線を照射すると赤色発光が観測された。図3の(b)に、コロイド分散液27の吸収スペクトル、励起スペクトル及び発光スペクトルを示す。
<成膜>
得られたコロイド分散液26〜28をそれぞれキャスト法でガラス基板上に成膜した。
<評価>
各キャスト膜について、RGBピークのPL低下率を測定して、耐色性を調べた。具体的には、分光蛍光光度計(装置名:RF−5300PC、島津製作所製)を用いて、励起光波長340nmのときの発光スペクトルを測定し、引き続き、波長340nmの紫外線を2時間照射し、その後に、再び励起光波長340nmのときの発光スペクトルを測定した。
得られたコロイド分散液26〜28の組成、コロイドの個数分布の平均粒子径、及び耐色性等のデータを下記の表2に示す。発光性は、コロイド分散液の発光性である。
図4に、コロイド分散液26のキャスト膜(図4の(a))、コロイド分散液27のキャスト膜(図4(b))及びコロイド分散液28のキャスト膜(図4の(c))の吸収スペクトル、励起スペクトル及び発光スペクトルを示す。また、図4の(d)に、コロイド分散液26Aのキャスト膜の発光スペクトル(記号:白丸)とリン光発光性有機金属錯体のTHF溶液のキャスト膜の発光スペクトル(記号:黒三角)を重ねたものを示す。なお、コロイド分散液26Aは、コロイド分散液26と同様にコロイド分散液2とコロイド分散液22とコロイド分散液23とを混合したものであるが、3mLの水にG−1が0.038mg、G−2が0.0018mg、G−3が0.027mg、TCTAが0.33mgの質量で含まれている。リン光発光性有機金属錯体のTHF溶液は、G−1、G−2及びG−3それぞれ1mgを100mLのTHFに溶解して得た溶液である。このように、各コロイド分散液を混合したコロイド分散液のキャスト膜では、各発光ゲスト材料の発光特性が保持されていたのに対し、3種の発光ゲスト材料をコロイド化せずに混合したリン光発光性有機金属錯体のTHF溶液のキャスト膜では、各発光ゲスト材料の発光特性が損なわれていた。
コロイド分散液26を用いて作製したキャスト膜の、紫外線照射による発光特性変化を図5に示す。図5の(a)に示すように、2時間の照射により全波長域にわたって発光が減少した。波長500nm付近の発光ピークで規格化したスペクトルを図5の(b)に示す。図5の(b)において紫外線照射前後のスペクトルを比較すると、TCTAに由来する発光ピーク(波長390nm付近)の強度だけが変化し、各発光材料の発光ピーク(それぞれ波長470nm、500nm、610nm付近)の強度は同程度であることが分かった。すなわち、白色を形成している赤色、緑色、及び青色の発光ピークは同程度に減少したため、発光強度が弱まる過程においても色が変化せずにほぼ白色が保たれた。
コロイド分散液27を用いて作製したキャスト膜の、紫外線照射による発光特性変化を図6に示す。図6の(a)に示すように、2時間の照射により主に波長610nm付近の赤色発光が減少した。波長500nm付近の発光ピークで規格化したスペクトルを図6の(b)に示す。図6の(b)において、紫外線照射前後のスペクトルを比較すると、赤色発光の減少が他の発光領域に比較して顕著であった。すなわち、発光強度が弱まる過程において色が変化した。
コロイド分散液28を用いて作製したキャスト膜の、紫外線照射による発光特性変化を図7に示す。図7の(a)に示すように、2時間の照射により主に波長620nm付近の赤色発光が減少した。波長410nm付近の発光ピークで規格化したスペクトルを図7の(b)に示す。図7の(b)において、紫外線照射前後のスペクトルを比較すると、赤色発光の減少が他の発光領域に比較して顕著であった。すなわち、発光強度が弱まる過程において色が変化した。
〔コロイド分散液の調製と評価−3〕
<コロイド分散液29の調製>
H−10(ポリ(9−ビニルカルバゾール)(PVK),重量平均分子量 Mw〜1100000)10mg、及びG−4(ビス(2−フェニルキノリン)(2,2,6,6−テトラメチルヘプタン−3,5−ジオナート)イリジウム(III)(Ir(dpm)PQ2))1.0mgを100mLのTHFに添加し、室温で10分間超音波を用いて溶解してTHF溶液を得た。次に、50℃の超純水300mLを500rpmで激しく撹拌し、これに前述のTHF溶液10mLを注入し、室温で3分間撹拌した。その後、保留粒子径1μmのフィルターでろ過し、エバポレーターを用いて残留するTHFを減圧留去して、コロイド分散液29(72mL)を得た(発光ホスト材料の含有濃度:〜0.014mg/mL)。
<コロイド分散液30の調製>
H−10(PVK)10mg、及びG−1(FIrpic)1.0mgを100mLのTHFに添加し、室温で10分間超音波を用いて溶解してTHF溶液を得た。次に、50℃の超純水300mLを500rpmで激しく撹拌し、これに前述のTHF溶液10mLを注入し、室温で3分間撹拌した。その後、保留粒子径1μmのフィルターでろ過し、エバポレーターを用いて残留するTHFを減圧留去して、コロイド分散液30(37mL)を得た(発光ホスト材料の含有濃度:〜0.027mg/mL)。
<コロイド分散液31の調製>
コロイド分散液29とコロイド分散液30とを質量比1:1で混合してコロイド分散液31を得た。得られたコロイド分散液31に、波長365nmの紫外線を照射するとやや青みがかった白色発光が観測された。
図8に、混合前のコロイド分散液29(図8の(a))及びコロイド分散液30(図8の(b))並びに混合後のコロイド分散液31(図8の(c))の発光スペクトルをそれぞれ示す。発光スペクトルは、分光蛍光光度計(装置名:RF−5300PC、島津製作所製)を用いて測定したものである。このように、2成分の混合系において安定した発光特性を保持することがわかった。
<成膜>
得られたコロイド分散液29〜31をそれぞれキャスト法でガラス基板上に成膜した。
<評価>
得られたコロイド分散液29〜31の組成、及びコロイドの個数分布の平均粒子径等のデータを下記の表3に示す。平均粒子径は、装置名ELSZ−2、大塚電子社製を用いて動的光散乱法で測定した。なお、発光性は、コロイド分散液の発光性である。
図8の(d)に、コロイド分散液31のキャスト膜の発光スペクトルを示す。各コロイド分散液を混合したコロイド分散液31のキャスト膜では、キャストする前の各発光ピークの相対強度が保持されていた。そのため、コロイド分散液と固体薄膜とは同等の会合状態であることがわかった。
〔コロイド分散液の調製と評価−4〕
<コロイド分散液32の調製>
H−2(mCP)を10mg、G−1(FIrpic)を1.0mg用いて、コロイド分散液7と同様の方法で、発光ホスト材料の含有濃度0.3mg/mLのコロイド分散液32を得た。
<コロイド分散液33の調製>
H−2を10mg、G−2(Ir(ppy))を1.0mg用いて、コロイド分散液7と同様の方法で、発光ホスト材料の含有濃度0.031mg/mLのコロイド分散液33を得た。
<コロイド分散液34の調製>
H−2を10mg、G−3(Ir(piq)(acac))を1.0mg用いて、コロイド分散液7と同様の方法で、発光ホスト材料の含有濃度0.024mg/mLのコロイド分散液34を得た。
<コロイド分散液35の調製>
青色発光ゲスト材料の含有濃度0.03mg/mLのコロイド分散液32を40倍希釈した分散液1mLと、緑色発光ゲスト材料の含有濃度0.0031mg/mLのコロイド分散液33を20倍希釈した分散液1mLと、赤色発光ゲスト材料の含有濃度0.0024mg/mLのコロイド分散液34を1mLとを混合して、コロイド分散液35を得た。得られたコロイド分散液35に、波長254nmの紫外線を照射すると白色発光が観察された。
図9に、混合前のコロイド分散液32(図9の(a))、コロイド分散液33(図9の(b))及びコロイド分散液34(図9の(c))の吸収スペクトル、励起スペクトル及び発光スペクトルをそれぞれ示す。また、図9に、混合後のコロイド分散液35(図9の(d))の発光スペクトルを示す。吸収スペクトルは、紫外可視近赤外分光光度計(装置名:UV−3150、島津製作所製)を用いて測定したものである。励起スペクトル及び発光スペクトルは、分光蛍光光度計(装置名:RF−5300PC、島津製作所製)を用いて測定したものである。各発光材料に特徴的な発光ピークが、それぞれ確認された。混合したコロイド分散液35では、各色の発光ゲスト材料の発光スペクトル特性が維持されていた。このように、3成分の混合系においても安定した発光特性を保持することがわかった。
<評価>
得られたコロイド分散液32〜35の組成、及びコロイドの個数分布の平均粒子径等のデータを下記の表4に示す。平均粒子径は、装置名ELSZ−2、大塚電子社製を用いて動的光散乱法で測定した。なお、発光性は、コロイド分散液の発光性である。
〔TCTA単独のコロイド分散液(参考例)〕
H−1(TCTA)1mgを100mLのTHFに添加し、50℃で10分間超音波を用いて溶解してTHF溶液を得た(装置名US−101、SND社製)。次に、50℃の超純水500mLを600rpmで激しく撹拌し、これに前述のTHF溶液5mLを注入し、室温で10分間撹拌した。その後、保留粒子径1μmのフィルターでろ過し、エバポレーターを用いて残留するTHFを減圧留去して、TCTA単独のコロイド分散液(26mL)を得た(TCTAの含有濃度:0.019mg/mL)。図10に、TCTA単独のコロイド分散液の吸収スペクトル、励起スペクトル及び発光スペクトルを示す。
〔有機EL素子の作製〕
上述のように作製したコロイド分散液を用いて有機EL素子を作製した。
<有機EL素子の作製例1>
作製例1の有機EL素子の模式図を図11の(a)に示す。作製例1の有機EL素子10は、図11の(a)に示すように、陰極18と陽極12との間に、コロイド分散液2のFIrpic:TCTA複合コロイドの発光層15が設置されている。より詳しくは、ガラス基板11上にIndium Tin Oxide(ITO)がパターニングされたITO基板の陽極12と、陽極12上に形成された銅フタロシアニン(CuPc)の正孔注入層13と、正孔注入層13上に形成されたN,N’−ジ−1−ナフチル−N,N’−ジフェニルベンジジン(α−NPD)の正孔輸送層14と、正孔輸送層14上に形成された上記FIrpic:TCTA複合コロイドの発光層15と、発光層15上に形成されたバソクプロイン(BCP)の電子輸送層11と、電子輸送層16上に形成されたフッ化リチウム(LiF)の陰極バッファ層17と、陰極バッファ層17上に形成されたアルミニウム(Al)の陰極18とを備える。
作製例1の有機EL素子10の製造方法は次の通りである。ITO基板を純水、2−プロパノール、アセトン、クロロホルムの順で各10分間超音波洗浄し、さらにUVオゾン洗浄を3分間行った。この基板上に、抵抗加熱を用いた真空蒸着法により膜厚約14nmのCuPc薄膜を作製した。CuPc薄膜上に抵抗加熱を用いた真空蒸着法により膜厚約47nmのα−NPD薄膜を作製した。続いて、静電噴霧堆積法(ESD法)を用いて、FIrpic:TCTA複合コロイドを堆積させた。このときの溶液濃度は0.1mg/mlであり、噴霧堆積条件は、ガラスキャピラリー(内径50μm)から基板までの距離が2cm、印加電圧が5kV、塗布時間が1時間であり、平均膜厚は270nmであった。堆積後に常温で真空乾燥を行った。FIrpic:TCTA複合コロイド層上に、抵抗加熱を用いた真空蒸着法により膜厚約44nmのBCP薄膜を作製した。BCP薄膜上に抵抗加熱を用いた真空蒸着法により膜厚約1nmのLiF薄膜を作製した。LiF薄膜上に抵抗加熱を用いた真空蒸着法により膜厚約100nmのAl電極を作製し、素子を完成させた。なお、有効電極サイズは2.5mm×2.5mmとした。
作製した有機EL素子10に電圧源及び電流計の機能を有するソースメーター(装置名2400、KEITHLEY製)を陽極12と陰極18とに接続し、室温、大気下で電圧を印加したところ、10V以下で発光が目視により確認された。発光輝度を輝度計(装置名LS−100、コニカミノルタ製)で測定したところ図11の(b)に示す電圧−輝度特性が得られた。
このように、ESD法により複合コロイドからなる発光層を作製し、有機EL発光が確認された。
<有機EL素子の作製例2>
作製例2の有機EL素子の模式図を図12の(a)に示す。作製例2の有機EL素子20は、図12の(a)に示すように、陰極28と陽極22との間に、コロイド分散液2のFIrpic:TCTA複合コロイドとPEDOT:PSS(商品名Clevios P VP AI4083、エイチ・シー・スタルク製)とからなる発光層25が設置されている。より詳しくは、ガラス基板上にITOがパターニングされたITO基板の陽極22と、陽極22上に形成されたFIrpic:TCTA複合コロイドとPEDOT:PSSとからなる発光層25と、発光層25上に形成されたBCPの電子輸送層26と、電子輸送層26上に形成されたAlの陰極28とを備える。
作製例2の有機EL素子20の製造方法は次の通りである。ITO基板を純水、2−プロパノール、アセトン、クロロホルムの順で各10分間超音波洗浄した。この基板上に、FIrpic:TCTA複合コロイドとPEDOT:PSSとを含む水溶液を滴下し、別のガラス基板を重ねて液滴を引き延ばして発光層薄膜を形成した。重ねた基板を取り除き、100度、60分の真空乾燥を行った。続いて、発光層薄膜上に抵抗加熱を用いた真空蒸着法により膜厚約44nmのBCP薄膜を作製した。BCP薄膜上に抵抗加熱を用いた真空蒸着法により膜厚約100nmのAl電極を作製し、素子を完成させた。なお、有効電極サイズは2.5mm×2.5mmとした。
なお、FIrpic:TCTA複合コロイドとPEDOT:PSSとを含む水溶液は、PEDOT:PSSの原液を純水で10倍希釈した溶液と、濃度1.0mg/mlのコロイド分散液2とを等量混合させて作製した。
作製した有機EL素子20に作製例1と同様にして電圧を印加したところ、10V以下で発光が目視により確認された。作製例1と同様にして輝度を測定したところ、図12の(b)に示す電圧−輝度特性が得られた。
このように、複合コロイドと導電性のある正孔輸送性ポリマーPEDOT:PSSとを混合させた発光層を有する有機EL素子において、有機EL発光が確認された。
<有機EL素子の作製例3>
作製例3の有機EL素子は、作製例2に記載の有機EL素子に対して、FIrpic:TCTA複合コロイドとPEDOT:PSSとからなる発光層25を、キャスト法で作製した以外は、全て同じである。
作製した有機EL素子に実施例1と同様にして電圧を印加したところ、10V以下で発光が目視により確認された。
発光層をキャスト法で作製した場合においても、複合コロイドと導電性のある正孔輸送性ポリマーPEDOT:PSSとを混合させた発光層を有する有機EL素子において、有機EL発光が確認された。
<有機EL素子の作製例4>
作製例4の有機EL素子は、作製例2に記載の有機EL素子に対して、複合コロイドとしてコロイド分散液22のIr(ppy):TCTAを使用したことと、Ir(ppy):TCTA複合コロイドとPEDOT:PSSとからなる発光層25をESD成膜した以外は、全て同じである。
Ir(ppy):TCTA複合コロイドとPEDOT:PSSとを含む水溶液は、PEDOT:PSSの原液を純水で10倍希釈した溶液と、発光ホスト材料の含有濃度0.59mg/mlのコロイド分散液22とを体積比1:2の割合で混合して作製した。
発光層の噴霧堆積条件は、ガラスキャピラリー(内径30μm)から基板までの距離が25mm、印加電圧が4.8kV、塗布時間が1時間であり、平均膜厚は50〜100nmであった。
作製した有機EL素子に実施例1と同様にして電圧を印加したところ、10V以下で緑色発光が目視により確認された。
複合コロイドとPEDOT:PSSとからなる発光層をESD法で作製した場合においても、有機EL発光が確認された。
10、20 有機EL素子
11、21 ガラス基板
12、22 陽極
13 正孔注入層
14 正孔輸送層
15、25 発光層
16、26 電子輸送層
17 陰極バッファ層
18、28 陰極
例えば、有機発光素子の発光層を形成するための、発光ドーパント材料の分散液として利用可能である。

Claims (13)

  1. 発光ドーパント材料と発光ホスト材料とを含んでなる複数個の粒子が分散媒に分散している分散液であって、
    異なる種類の発光ドーパント材料が別々の粒子に含まれかつ各粒子において発光ドーパント材料が一種類のみ含まれている粒子の群が、上記粒子として少なくとも含まれている、分散液。
  2. 上記発光ドーパント材料がリン光発光性の化合物である場合は、1)同じ粒子に含まれる発光ドーパント材料と発光ホスト材料との間で三重項エネルギーは、発光ドーパント材料の三重項エネルギー<発光ホスト材料の三重項エネルギーの関係を満たし、
    上記発光ドーパント材料が蛍光発光性の化合物である場合は、2)同じ粒子に含まれる発光ドーパント材料と発光ホスト材料との間で一重項エネルギーは、発光ドーパント材料の一重項エネルギー<発光ホスト材料の一重項エネルギーの関係を少なくとも満たし、
    上記発光ドーパント材料が熱活性化遅延蛍光性の化合物である場合は、上記2)の関係を満たすとともに、同じ粒子に含まれる発光ドーパント材料と発光ホスト材料との間で三重項エネルギーは、発光ドーパント材料の三重項エネルギー<発光ホスト材料の三重項エネルギーの関係を満たす、請求項1に記載の分散液。
  3. 上記粒子として、その最外殻において、実質的に上記発光ホスト材料のみからなるか、上記発光ホスト材料が上記発光ドーパント材料よりも質量単位で多量に含まれている、請求項1又は2に記載の分散液。
  4. 上記発光ホスト材料がカルバゾール基を有する発光ホスト材料であり、上記粒子が水、メタノール、及びn−ヘキサンからなる群より選択される少なくとも一種を含む分散媒に分散している、請求項1〜3の何れか一項に記載の分散液。
  5. 上記分散媒が水である、請求項4に記載の分散液。
  6. 上記粒子の粒径が10nm〜150nmの範囲内である、請求項1〜5の何れか一項に記載の分散液。
  7. 上記発光ドーパント材料が何れもリン光発光性有機金属錯体である、請求項1〜6の何れか一項に記載の分散液。
  8. 上記粒子の励起により白色発光をする、請求項1〜7の何れか一項に記載の分散液。
  9. 上記粒子の群に含まれる粒子として、赤色発光性のリン光発光性有機金属錯体を含む粒子、緑色発光性のリン光発光性有機金属錯体を含む粒子、及び、青色発光性のリン光発光性有機金属錯体を含む粒子を少なくとも含んでいる、請求項8に記載の分散液。
  10. 請求項1〜9の何れか一項に記載の分散液を対象物に供給するとともに上記分散媒を除去することによって、上記発光ドーパント材料と上記発光ホスト材料とを含む発光層を製造する工程を含む、有機発光素子の製造方法。
  11. 上記対象物は導電性を有しており、上記分散液をエレクトロスプレーデポジション(ESD)法によって上記対象物に供給する、請求項10に記載の有機発光素子の製造方法。
  12. 上記分散液が請求項8又は9に記載の分散液であり、上記発光層が白色発光する発光層である、請求項10又は11に記載の有機発光素子の製造方法。
  13. 請求項10〜12の何れか一項に記載の製造方法によって製造される、有機発光素子。
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