JP2015178794A - 回転ポンプの軸シール構造 - Google Patents

回転ポンプの軸シール構造 Download PDF

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Abstract

【課題】回転ポンプの軸シール性を高めてポンプ性能を向上できる回転ポンプの軸シール構造を提供すること。【解決手段】回転ポンプのロータ19をシリンダ10内で回転させるように、ロータ19と一体化されて軸心長方向に延長されるように設けられ、動力が伝達されることでロータ19を伴って回転駆動される回転軸部20を備え、ロータ19と回転軸部20を受ける軸受40との間において、回転軸部20とハウジング15の軸穴内周面15aとの間に介在して軸シールをするため、回転軸部20と共に回転するように回転軸部20に形成されたリング状溝部30に嵌められることで装着され、熱膨張することによって所要のシール性を生じるように回転軸部20やハウジング15に比較して熱膨張率の高い材質によって設けられている軸シールリング50を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、回転ポンプのロータをシリンダ内で回転させるように、該ロータと一体化されて軸心長方向に延長されるように設けられ、動力が伝達されることで前記ロータを伴って回転駆動される回転軸部を備え、該回転軸部についてハウジングの軸穴内周面との間について軸シールをする回転ポンプの軸シール構造に関する。
従来から回転ポンプとしては、回転軸が一軸のベーンポンプや、回転軸が二軸のクローポンプやルーツポンプのようなロータの非接触型のポンプが知られている。
ロータの非接触型の二軸回転ポンプとしては、例えば、ポンプ室を形成するシリンダと、シリンダの端面を塞ぐ一方のサイドプレート及び他方のサイドプレートと、シリンダ内で平行に位置するように配されて反対方向に回転される二つの回転軸と、その二つの回転軸のそれぞれに一体的に固定されて設けられ、相互に非接触状態で噛合って吸入した気体を圧縮できるように鉤形の爪部が形成されたロータと、回転駆動装置と、シリンダ内の気体が圧縮されないポンプ室の部分に連通する吸気口と、一方のサイドプレート及び他方のサイドプレートの両方にシリンダ内の気体が圧縮されるポンプ室の部分に開口する排気口とを具備するクローポンプ(特許文献1参照)が、本出願人によって先に提案されている。
また、他のクローポンプとしては、シリンダが、シリンダの周壁部と、一方のサイドプレート部と、他方のサイドプレート部とを備え、ギアボックスが、他方のサイドプレート部のシリンダの周壁部側とは反対側へ設けられ、ギアボックスの周壁部と、一方の軸受部と、他方の軸受部とを備え、シリンダとギアボックスとによって一体的に構成される構造体(ハウジング)が、一方のサイドプレート部とシリンダの周壁部との間で分割されると共に、一方の軸受部と他方の軸受部との間で分割されることで、排気口側の端面壁部(一方のサイドプレート部)と、中間本体部と、ギア側の本体部との三分割構造になっているもの(特許文献2参照)が、本出願人によって先に提案されている。
以上に示したクローポンプについては、オイルシールの構成はあるが、軸シールの構成については具体的な提示がなされていなかった。
これに対して、例えば従来は、ハウジングのネック部に設けたグランドパッキンにロータシャフトを通して、該ハウジングに設けたボールベアリングにより支持した多段真空ポンプ(特許文献3参照)が開示されている。このグランドパッキンは、ハウジングの側に嵌められた状態に装着・固定されたものであって、特許文献3に、ネック部5にはテフロン(登録商標)製のグランドパッキン13を設けて初段の吸込口における滴下液体の大量流入を防止するシールを施す(第3頁右上欄第1〜4行目)との記載があるが、気体に関するシール性の向上については言及されていない。なお、気体に関するシール性を向上させるためには、グランドパッキンが、ロータシャフト(回転軸部)を締め付ける状態になることを要し、その締め付けが回転軸部の回転動の抵抗になるため起動に大きな動力を要し、起動ができたとしてもエネルギーロスを生じ、ポンプ性能を向上できない。さらに、このグランドパッキンは、摩耗し易く、頻繁にメンテナンスをすることが必要となる。
特開2011−38476号公報(第1頁) 特開2011−64078号公報(第1頁) 特開平3−130592号公報(第1頁、第1図など)
回転ポンプの軸シール構造に関して解決しようとする問題点は、従来のグランドパッキンでは、汚染物質がシリンダ内へ侵入することをある程度防止できるが、回転ポンプの軸シール性を所要のレベル以上に高めつつ動力消費を抑制することは困難であり、ポンプ性能を向上できない点にある。
そこで本発明の目的は、回転ポンプの軸シール性を高めてポンプ性能を向上できる回転ポンプの軸シール構造を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するために次の構成を備える。
本発明にかかる回転ポンプの軸シール構造の一形態によれば、回転ポンプのロータをシリンダ内で回転させるように、該ロータと一体化されて軸心長方向に延長されるように設けられ、動力が伝達されることで前記ロータを伴って回転駆動される回転軸部を備え、該回転軸部についてハウジングの軸穴内周面との間について軸シールをする回転ポンプの軸シール構造であって、前記ロータと該回転軸部を受ける軸受との間において該回転軸部と前記ハウジングの軸穴内周面との間に介在して軸シールをするため、前記回転軸部と共に回転するように該回転軸部の外周部に形成されたリング状溝部に嵌められることで装着され、熱膨張することによって所要のシール性を生じるように前記回転軸部や前記ハウジングに比較して熱膨張率の高い材質によって設けられている軸シールリングを備える。
また、本発明にかかる回転ポンプの軸シール構造の一形態によれば、前記回転軸部が、回転軸と、該回転軸の軸心長方向における前記ロータと該回転軸を受ける軸受との間であって、前記回転軸と共に回転するように該回転軸に外嵌装着されたスリーブとによって構成され、前記リング状溝部が前記スリーブの外周部に形成されていることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる回転ポンプの軸シール構造の一形態によれば、前記ロータと前記スリーブとが前記回転軸に装着されることで一体化されて設けられ、前記リング状溝部が、一方の溝内側面と、溝内底面及び他方の溝内側面とに二分割された分割溝であって、前記ロータと前記スリーブの隣接部に設けられ、前記一方の溝内側面が前記ロータの端面によって構成され、前記溝内底面及び他方の溝内側面とが、前記スリーブの外周角部に設けられた円周段状部によって構成されていることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる回転ポンプの軸シール構造の一形態によれば、前記軸シールリングの断面形状が矩形であって、該軸シールリングの断面形状に対応して前記リング状溝部の断面形状が矩形であることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる回転ポンプの軸シール構造の一形態によれば、前記軸受の前記シリンダの側とは反対側にギアボックスが設けられ、該ギアボックスからの圧力を逃がすことができるように、前記ロータと前記軸受との間の前記回転軸部が挿通された前記ハウジングに該ハウジングの内部を大気に開放する大気開放穴が設けられていることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる回転ポンプの軸シール構造の一形態によれば、前記軸シールリングの材質が樹脂であることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる回転ポンプの軸シール構造の一形態によれば、前記回転軸部が前記ロータを中心に軸心長方向の両側に延長され、該両側の回転軸部について前記軸シール構造が設けられていることを特徴とすることができる。
また、本発明にかかる回転ポンプの軸シール構造の一形態によれば、前記回転ポンプが二つの前記ロータを備える二軸の回転ポンプであって、該二軸の両方の前記回転軸部について前記軸シール構造が設けられていることを特徴とすることができる。
本発明にかかる回転ポンプの軸シール構造によれば、回転ポンプの軸シール性を高めてポンプ性能を向上できるという特別有利な効果を奏する。
本発明に係る回転ポンプの軸シール構造の形態例を示す断面図である。 図1の形態例の要部を示す部分拡大断面図である。 図1の形態例の軸シールリングの装着状態をより詳細に示す部分拡大断面図である。
以下、本発明にかかる回転ポンプの軸シール構造について最良の形態例を添付図面(図1〜3)に基づいて詳細に説明する。なお、回転ポンプは、例えば吸気側を空気圧機器に接続することで真空ポンプとして利用でき、排気側を空気圧機器に接続することでコンプレッサー又はブロアとして利用できる。また、空気に限定されず、他の気体について吸排気する回転ポンプ装置としても利用できる。
本発明は、回転ポンプのロータ19をシリンダ10内で回転させるように、そのロータ19と一体化されて軸心長方向に延長されるように設けられ、動力が伝達されることでロータ19を伴って回転駆動される回転軸部20を備え、その回転軸部20についてハウジング15の軸穴内周面15a(図3参照)との間について軸シールをする回転ポンプの軸シール構造に関するものである。なお、上記のハウジング15とは、回転ポンプの外形の構造体であり、回転軸部20などのポンプ構成を内蔵するケーシング状に形成されている。
50は軸シールリングであり、回転軸部20の軸心長方向であって、ロータ19と回転軸部20を受ける軸受40との間において、回転軸部20とハウジング15の軸穴内周面15aとの間に介在して軸シールをするため、回転軸部20と共に回転するようにその回転軸部20の外周部に形成されたリング状溝部30に嵌められることで装着され、熱膨張することによって所要のシール性を生じるように回転軸部20やハウジング15に比較して熱膨張率の高い材質によって設けられている。
本形態例では、軸シールリング50の外周面50a(図3参照)とハウジング15の軸穴内周面15aとの間には、組立ての際に僅かな隙間(クリアランス)が生じるように、軸シールリング50の外径寸法と軸穴内周面15aの内径寸法が設定されている(図3参照)。本形態例では、軸シールリング50と後述するスリーブ22の外径寸法が同径に設けられている。このため、運転直後の低温時には、軸シールリング50が膨張しておらず、十分な気密性(シール性)を発揮できないが、運転後の短時間で回転ポンプの発熱によって熱膨張を開始することでシール性が高まり、汚染物質(異物)の侵入(吸引)を十分に防止できる。なお、回転ポンプは連続して長時間使用されるもので、運転初期の短時間のシール性については、回転ポンプの性能に関してほとんど影響しない。
そして、軸シールリング50の熱膨張によって所要のレベル以上に十分にシール性が向上することで、この回転ポンプを真空ポンプとして用いる場合、シリンダ10内への吸気漏れが防止されるため、到達真空度を高めることができ、高真空を達成できる。また、漏れが防止されるため、吸排気性能が向上し、ポンプ効率を格段に高めることができる。
すなわち、本形態例の軸シールでは、完全シールを目的としないで、リング状溝部30内に軸シールリング50を圧縮して固定し、運転開始時には軸穴内周面15aに対して僅かなクリアランスを保ちながら、回転軸部20と共に回転する。そして、運転の発熱による軸シールリング50の熱膨張を利用してクリアランスを埋めてシール性を高めることにより、動力消費の増加や摩耗による能力低下を抑制しつつ、完全シールではないもののシール効果が大きいため、真空ポンプとしての到達真空度の上昇やブロアとしての流量増加という効果が得られる。後述する大気開放穴16(大気圧ポート)からの吸い込み空気量も減少し、汚染物質の吸引防止としての効果も顕著に得られる。
到達真空度としては、軸シールリング50の有無以外は全て同一の条件で、例えば、軸シールリング50の無い場合の97kPaに対して、本発明の軸シールリング50を装着した場合には98kPaまで高めることができた。
また、回転ポンプを真空ポンプとして用いた場合の空気の漏れ量については、軸シールリング50の有無以外は全て同一の条件で、軸シールリング50の無い場合の漏れの流量に対して、本発明の軸シールリング50を装着した場合には、その10分の1の流量まで低減することができた。
さらに、本形態例では、熱膨張を利用したシールであるため、停止時及び運転開始時には、軸シールリング50がハウジング15の軸穴内周面15aに接触してシールをしているわけではない。このため、起動時の軸シールリング50による摺動抵抗は無く、運転開始時の負荷となることが無いため、これに起因する動力消費の増加も生じない。
また、本発明では、回転ポンプの発熱(運転による温度上昇)を利用し、軸シールリング50を熱膨張させてシールさせるもので、軸シールリング50が、軸穴内周面15aに接触しても極短時間で摩耗して摩耗後は削り取られ、一定の径を保ってシール性を確保することができる。また、このような熱膨張を利用したシールとなるため、摺動抵抗が僅かであり、動力消費の増加がほとんどなく、耐熱材料を用いることで寿命という概念が生じない程に、十分な耐久性を確保できる。すなわち、経時的な能力低下を防止でき、安定的且つ信頼性の高い運転を行うことができる
また、軸シールリング50は、回転軸部20と共に回転する。このため、この軸シールリング50には、拡径する方向に遠心力が作用する。この遠心力によれば、軸シールリング50の外周面50aが軸穴内周面15aに接触することによるシール性を高めるように働き、軸シールリング50にかかる熱膨張の作用に付加されてシール性を向上できる。
さらに、後述するように本形態例の軸シールリング50は、ロータ19とスリーブ25の隣接部に設けられており、その外周角部がシリンダ10の内部に臨む内角に配設されているため、真空ポンプの場合に負圧となるシリンダ10の作用によって、径方向の外側方向へ伸びてシール性を高めるように働き、シール性を向上できる。この遠心力と負圧の作用は、回転ポンプが低温時でも働くため、運転開始時においてもシール性を向上できる。
本形態例のように軸シールリング50の外周面50aと軸穴内周面15aとの間に隙間が生じるようにクリアランスを設定するのではなく、運転開始時にはヘラ状の突起形状部などが部分的に接する形態、或いは運転開始時には緩く接している形態となるように、軸シールリング50の形状や外周面50aと軸穴内周面15aの径の寸法関係などを、適宜に設計してもよい。これによっても、以上に説明したような効果を得ることができる。
また、本形態例では、回転軸部20が、回転軸21と、その回転軸21の軸心長方向におけるロータ19と回転軸21を受ける軸受40との間であって、回転軸21と共に回転するようにその回転軸21に外嵌装着されたスリーブ22とによって構成され、リング状溝部30がスリーブ22の外周部に形成されている。本形態例のスリーブ22は、回転軸21に圧入されて固着され、O‐リング23によって回転軸21とスリーブ22との間がシールされている。
このようにスリーブ22を構成要素とすることによれば、軸シールリング50による軸シールやオイルシール65を行う部位を好適に構成できると共に、軸受40やロータ19の配設など、組立て作業を容易化することができ、製造効率を高めることができる。なお、本形態例では、スリーブ22のリング状溝部30を形成する部位の外径と、そのリング状溝部30内に装着された軸シールリング50の外径の寸法が同径に設定されている。
そして、本形態例では、ロータ19とスリーブ22とが回転軸21に装着されることで一体化されて設けられ、リング状溝部30が、一方の溝内側面30aと、溝内底面30b及び他方の溝内側面30cとに二分割された分割溝であって、ロータ19とスリーブ22の隣接部に設けられ、一方の溝内側面30aがロータ19の端面によって構成され、溝内底面30b及び他方の溝内側面30cとが、スリーブ22の外周角部に設けられた円周段状部22aによって構成されている。なお、29はボルトであり、ロータ19を回転軸21に締結し、両者を一体化させている。このボルト29によれば、回転軸21の段部に軸受40を構成しているベアリングの内輪の一端面側を当接させ、その内輪の他端面とロータ19の端面の間にスリーブ22が当接して介在し、それらが回転軸21と一体化して共に回転する構成になっている。
本形態例の軸シールリング50がスリーブ22に装着される組立ての際には、軸シールリング50がスリーブ22に弱く圧入され、ハウジング15の軸穴内周面15aとはクリアランスが生じるように寸法が設定されている。軸シールリング50を、スリーブ22の角部である円周段状部22aに外嵌状態に嵌める構造であるため、圧入し易く、組立て易い形態なっている。また、円周段状部22aの成形加工は角部であるため容易にでき、製造し易い形態なっている。さらに、軸シールリング50をロータ19によって押えることでリング状溝部30内に装着する構成になっており、他の専用の押え部品が不要である。部品点数を増やすことなく、合理的に構成することができ、製造効率を向上できる。
なお、ロータ19の端面と、シリンダ10の他方のサイドプレート部10c側の内端面とのクリアランスを調整するため、ロータ19の端面とスリーブ22との端面の間に、クリアランス調整用の薄板であるシム(図示せず)を介在させることができる。これによれば、シリンダ10の内端面と、その内端面に非接触に隣接するにロータ19の端面との間を所要の隙間(クリアランス)に保つようにクリアランスの調整ができ、そのシムのスリーブ22側の面が一方の溝内側面30aとなって、軸シールリング50が装着されるリング状溝部30が構成される。すなわち、このシムは、ロータ19と一体化した部材であり、ロータ19の一部を成す構成部品になっている。
また、本形態例では、軸シールリング50の断面形状が矩形であって、その軸シールリング50の断面形状に対応してリング状溝部の断面形状が矩形であるように設けられている。これによれば、成形し易く且つ組立て易い形態であると共に、軸シールリング50が熱膨張してそのシール性を高める際の合理的な形状であって、耐久性の高い形態となっている。
また、本形態例では、軸受40のシリンダ10の側とは反対側にギアボックス60が設けられ、そのギアボックス60からの圧力を逃がすことができるように、ロータ19と軸受40との間の回転軸部20が挿通されたハウジング15にそのハウジング15の内部を大気に開放する大気開放穴16が設けられている。
この大気開放穴16によれば、ギアボックス60とシリンダ10との差圧を断ち切り、ギアボックス60とシリンダ10と間のハウジング15内(軸穴内部)を大気に開放することができる。すなわち、大気開放穴16は、陽圧のギアボックス60側と負圧のシリンダ10側との差圧によって、ギアボックス60内のオイルがシリンダ10側へ流入することを防ぐため、両者の間のハウジング15内が大気に開放するように設けられている。また、オイル振り切り(図示せず)とオイルシール65で遮断しきれなかったオイルを外部へ排出するという役目もある。なお、17はオイル供給孔である。
この大気開放穴16を設けることによって、大気がその大気開放穴16から負圧のシリンダ10内に吸引されることになる。また、異物(汚染物質)がその大気開放穴16から侵入し、負圧のシリンダ10内まで入り込み、ロータ19の回転に悪影響を及ぼすことや、ロータ19とシリンダ10内面を摩耗するなど、ポンプ性能を低下させる原因になる。この問題に対しては、以上に説明した本発明の軸シールリング50にかかる構成を設けることによって合理的に解消することができ、ポンプ性能を向上させることができる。
軸シールリング50の材質としては、回転軸部20やハウジング15に比較して熱膨張率の高い材質であって、具体的には樹脂であるとよい。すなわち、回転ポンプの構造材となっている鋼材よりも熱膨張し易い材質として、樹脂材を用いることができる。さらに詳細には、本形態例の軸シールリング50では、耐熱性を耐摩耗性に優れるポリテトラフッ化エチレン(PTFE)によって形成されている。
ポリテトラフッ化エチレンによって形成された軸シールリング50は、適度の弾性もあって、スリーブ22の外周角部に設けられた円周段状部22aの溝内底面30bに、圧入状態で外嵌めして装着できる。また、ポリテトラフッ化エチレンによって形成された軸シールリング50は、耐熱性や耐摩耗性にも優れて耐久性が高い上に、熱膨張してハウジング15の軸穴内周面15aに適度に接触できることから摩擦による温度上昇や摩耗が抑制される。従って、極めて長時間においてメンテナンスを必要とせず、また、メンテナンスを容易にできて、ランニングコストを低減できる。
また、以上に説明した本発明の構成を、回転軸部20がロータ19を中心に軸心長方向の両側に延長されている回転ポンプについて、その両側の回転軸部20について以上に説明した軸シール構造を設けることができるのは勿論である。すなわち、図1の実施例のような片持ちの回転軸部20によって支持されるロータ19を備える場合に限られず、ロータ19を回転軸によって両側から支持する場合についても、本発明の構成を適用でき、ポンプ性能を格段に向上できる。
また、以上に説明した本発明の構成を、回転ポンプが二つのロータ19を備える二軸の回転ポンプについて、その二軸の両方の回転軸部20について以上に説明した軸シール構造を設けることができるのも勿論のことである。通常の二軸回転ポンプの場合は、回転軸部20として駆動軸とその駆動軸から歯車25を介して駆動力が伝達される従動軸とを備えており、その両回転軸部20について本発明の構成を適用でき、ポンプ性能を格段に向上できる。なお、図1の形態例は、二軸回転ポンプであり、図面上、一方の回転軸部20として駆動軸が示されており、従動軸が省略されて記載されている。
以下に、図1に示したクローポンプの各構成例について、以上の説明で不足している点を中心に補足的に説明する。
本形態例のシリンダ10は、二つの円の一部を重ね合わせた断面形状のポンプ室を形成する。このシリンダ10内には、反対方向に同一速度で回転される二つの回転軸部20が平行に配されている。なお、図1では、駆動側の回転軸部20のみを記載してある。そして、その二つの回転軸部20の片持ちに保持された自由端側のそれぞれに一体的に固定されて、相互に非接触状態で噛合って吸入した気体を圧縮できるように鉤形(図示せず)の爪部が形成された二つのロータ19が、シリンダ10内に配されている。
また、このシリンダ10は、シリンダの周壁部10bと、シリンダ10の一方の端面壁を構成する部位である一方のサイドプレート部10aと、シリンダ10の他方の端面壁を構成する部位である他方のサイドプレート部10cと、シリンダ10内の気体が圧縮されないポンプ室の部分に連通する吸気口(図示せず)と、一方のサイドプレート部10aにシリンダ10内の気体が圧縮されるポンプ室の部分に開口するように設けられた排気口11とを備えている。
なお、吸気口は、本形態例では、シリンダの周壁部10bに開口されて設けられている。これによれば、開口を十分に大きく設定でき、接続口を適切に形成し易いメリットがある。
但し、吸気口の開口位置は、これに限定されるものではなく、一方のサイドプレート部10aに設けられる場合もある。つまり、非圧縮室部であるポンプ室の部分に連通できれば、設けられる位置や形状は限定されない。
本形態例のギアボックス60は、シリンダ10を基準にして回転軸部20の延長方向の側へ設けられている。このギアボックス60内に、二つの回転軸部20のそれぞれに一体的に固定されて、相互に噛合って反対方向に同一速度で回転させる一対の歯車25が配されている。
また、このギアボックス60は、他方のサイドプレート部10cのシリンダの周壁部10b側とは反対側へ設けられ、一対の歯車25を内包するギアボックスの周壁部60bと、ギアボックス60の一方の端面壁を構成する部位であると共に二つの回転軸部20を受ける部位である一方の軸受部60aと、ギアボックス60の他方の端面壁を構成する部位であると共に二つの回転軸部20を受ける部位である他方の軸受部60cとを備えている。なお、41は軸受であり、他方の軸受部60cにO‐リング42によってシールされて配設されている。また、両軸受40、41について、オイルシール65によってギアボックス60からのオイル漏れを防止している。45は軸受押え板であり、軸受40を押えて固定するように装着されている。
そして、シリンダ10とギアボックス60とによって一体的に構成される構造体が、一方のサイドプレート部10aとシリンダの周壁部10bとの間で分割されると共に、一方の軸受部60aと他方の軸受部60cとの間で分割されることで、排気口側の端面壁部(一方のサイドプレート部10a)と、中間本体部70と、ギア側の本体部80との三分割構造になっている。本形態例では、中間本体部70と、ギア側の本体部80とが、一方の軸受部60aとギアボックスの周壁部60bの間で分割されている。
なお、分割の位置は本形態例に限られず、ギアボックスの周壁部60b自体を二つに分割することで三分割構造とすることが可能であって、同様の効果を生じる。但し、そのように分割した場合、中間本体部70が、図に示した形態例に比べて軸の延長方向に厚くなり、製造(成型)しにくくなる傾向がある。
回転駆動装置(図示せず)は、回転軸部20と、その回転軸部20から歯車25を介して駆動される回転軸部20によって動力を伝達することで、二つのロータ19を、回転駆動させるように設けられる。例えば、回転駆動装置の一例である電動モータの回転シャフトが、カップリングを介して、他方の軸受部60cの外側において、回転軸部20の端部に接続することができる。なお、遠心ファンを、カップリングに同軸に固定して空冷構造とすることができる。また、回転駆動装置は、電動モータに限定されず、他の既知の駆動装置を用いることができるのは勿論である。
90はボルトであり、図1に示すように、中間本体部70とギア側の本体部80を連結するように、複数本が配されている。本形態例のボルト90は、ギア側の本体部80に設けられたボルト孔に挿通され、中間本体部70に設けられた雌ネジ部に螺合するように設けられている。また、91はボルトであり、一方のサイドプレート部10aと中間本体部70を締結している。
以上、本発明につき好適な形態例を挙げて種々説明してきたが、本発明はこの形態例に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのは勿論のことである。
10 シリンダ
10a 一方のサイドプレート部
10b シリンダの周壁部
10c 他方のサイドプレート部
11 排気口
15 ハウジング
15a 軸穴内周面
16 大気開放穴
17 オイル供給孔
19 ロータ
20 回転軸部
21 回転軸
22 スリーブ
22a 円周段状部
23 O‐リング
25 歯車
29 ボルト
30 リング状溝部
30a 一方の溝内側面
30b 溝内底面
30c 他方の溝内側面
40 軸受
41 軸受
42 O‐リング
45 軸受押え板
50 軸シールリング
50a 外周面
60 ギアボックス
60a 一方の軸受部
60b ギアボックスの周壁部
60c 他方の軸受部
65 オイルシール
70 中間本体部
80 ギア側の本体部
90 ボルト
91 ボルト

Claims (8)

  1. 回転ポンプのロータをシリンダ内で回転させるように、該ロータと一体化されて軸心長方向に延長されるように設けられ、動力が伝達されることで前記ロータを伴って回転駆動される回転軸部を備え、該回転軸部についてハウジングの軸穴内周面との間について軸シールをする回転ポンプの軸シール構造であって、
    前記ロータと前記回転軸部を受ける軸受との間において該回転軸部と前記ハウジングの内周面との間に介在して軸シールをするため、前記回転軸部と共に回転するように該回転軸部の外周部に形成されたリング状溝部に嵌められることで装着され、熱膨張することによって所要のシール性を生じるように前記回転軸部や前記ハウジングに比較して熱膨張率の高い材質によって設けられている軸シールリングを備えることを特徴とする回転ポンプの軸シール構造。
  2. 前記回転軸部が、回転軸と、該回転軸の軸心長方向における前記ロータと該回転軸を受ける軸受との間であって、前記回転軸と共に回転するように該回転軸に外嵌装着されたスリーブとによって構成され、前記リング状溝部が前記スリーブの外周部に形成されていることを特徴とする請求項1記載の回転ポンプの軸シール構造。
  3. 前記ロータと前記スリーブとが前記回転軸に装着されることで一体化されて設けられ、前記リング状溝部が、一方の溝内側面と、溝内底面及び他方の溝内側面とに二分割された分割溝であって、前記ロータと前記スリーブの隣接部に設けられ、前記一方の溝内側面が前記ロータの端面によって構成され、前記溝内底面及び他方の溝内側面とが、前記スリーブの外周角部に設けられた円周段状部によって構成されていることを特徴とする請求項2記載の回転ポンプの軸シール構造。
  4. 前記軸シールリングの断面形状が矩形であって、該軸シールリングの断面形状に対応して前記リング状溝部の断面形状が矩形であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の回転ポンプの軸シール構造。
  5. 前記軸受の前記シリンダの側とは反対側にギアボックスが設けられ、該ギアボックスからの圧力を逃がすことができるように、前記ロータと前記軸受との間の前記回転軸部が挿通された前記ハウジングに該ハウジングの内部を大気に開放する大気開放穴が設けられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の回転ポンプの軸シール構造。
  6. 前記軸シールリングの材質が樹脂であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の回転ポンプの軸シール構造。
  7. 前記回転軸部が前記ロータを中心に軸心長方向の両側に延長され、該両側の回転軸部について前記軸シール構造が設けられていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の回転ポンプの軸シール構造。
  8. 前記回転ポンプが二つの前記ロータを備える二軸の回転ポンプであって、該二軸の両方の前記回転軸部について前記軸シール構造が設けられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の回転ポンプの軸シール構造。
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