JP2015177616A - ソレノイド - Google Patents

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禎彦 池田
陽一 屋方
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陽一 屋方
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Abstract

【課題】ソレノイドの根本的な動作原理に影響を与えず、大きなストローク量での推力を実現できるソレノイドを提供する。【解決手段】プランジャー2と、プランジャー2を収納する収納部3と、収納部3の外周の一部に設けられる中継リング4と、収納部3および中継リング4の周囲にまかれる導電性の巻線5と、を備え、中継リング4は、収納部3に収納されるプランジャー2の外周の一部と重複する位置に設けられ、中継リング4は、磁性体である。【選択図】図1

Description

本発明は、ソレノイドであって、筐体およびプランジャーの大型化をせずに、プランジャーのストローク動作を増大させたソレノイドに関する。
電子ロックや自動車のシフトレバーのロック機構などに、ソレノイドが利用されている。ソレノイドは、往復動作であるストローク動作を行うプランジャーと、プランジャーの周囲のコイル、筐体などを備える。コイルは、導電線の巻線が施されており、巻線に電流が付与されると、コイルが磁力を帯びて磁界を生じさせる。この磁界により、プランジャーのストローク動作が実現される。
近年、電子ロックや自動車のシフトレバーのロック機構などは、複雑化していると共に高性能化している。このため、これらのロック機構などに用いられるソレノイドには、長いストローク動作が要求される。すなわち、プランジャーのコイルからの突出量が大きくても、推力が低下せずに高い吸引力を維持できることが要求される。
また、工場や事業場における製造対象物の製造においては、様々な製造工程が実行される。製造工程においては、種々の自動化が進んでおり、工作機械、組み立て機械、製造ロボットなどが利用されて、様々な製造工程が実行される。製造工程では、コンベアラインに部品を供給したり、コンベアラインから部品が取り除かれたりする工程が行われる。この工程では、部品を直線動作させることが必要であり、電動モーター駆動装置やエアシリンダーが用いられることが多い。
電動モーター駆動装置は、電動モーターからの回転力を直線運動に変化させて、ピストンを往復運動させる。このピストンの往復運動により、コンベアラインを基準として、部品を往復運動させる。この往復運動によって、電動モーター駆動装置は、コンベアラインに部品を供給したり(ピストンで部品を押し出す)、コンベアラインから部品を取り除いたりできる。
エアシリンダーは、接続されるコンプレッサーからの空気圧力を受けて、ピストンを往復運動させる。ピストンの往復運動により、エアシリンダーは、コンベアラインを基準として、部品を往復運動させる。こうして、エアシリンダーも、コンベアラインへ部品を供給したり、コンベアラインから部品を取り除いたりできる。
もちろん、電動モーター駆動装置やエアシリンダーは、コンベアラインを基準とした部品の往復運動だけでなく、部品や製品の位置決めなどを行う事もできる。
しかしながら、電動モーター駆動装置は、高いコストを要する。また、電動モーター駆動装置は、電源、モーター部分、伝達部分、ピストンなど多くの要素の組み合わせであるので、装置も大掛かりとなる。一方で、工場の製造ラインは、複雑化しており、装置の設置領域が十分に確保できない状況にある。このような工場において、大掛かりな装置となる電動モーター駆動装置を、製造工程の一部のために設置することができない問題も生じている。
エアシリンダーも、電動モーター駆動装置と同様に、高いコストと広い設置領域を必要とする。加えて、エアシリンダーは、エアコンプレッサーを必要とするが、このエアコンプレッサーの設置領域が確保しにくい問題がある。また、エアコンプレッサーは、空気を取り扱う装置である。これに対して、工場の製造ラインの各工程は、電気を動力源としている。すなわち、一つの製造ラインにおいて、電気を動力とする工程と、空気を動力とする工程とが混在することになる。
このような動力源の混在は、製造ラインを構築する上で不便である。また、エアシリンダーは、空気を動力源とするため、設置領域のみならずライン構築上の制限や制約により、製造ラインの一部に設置が困難となることも多い。特に、近年の省エネルギーが求められる製造ラインや複雑化する製造ラインでは、これらの電動モーター駆動装置やエアシリンダーが設置困難となることも生じている。
このように、部品の往復運動を生じさせる製造工程に、電動モーター駆動装置やエアシリンダーではなく、ソレノイドが用いられることが求められるようになっている。ソレノイドも、プランジャーを往復動作させるので、電動モーター駆動装置やエアシリンダーに置き換わることが可能である。
しかしながら、ソレノイドは、その筐体とプランジャーの大きさにもよるが、磁界による推力のみであるので、筐体からのプランジャーの突出量(ストローク量)が小さい問題を有している。例えば、筐体やプランジャーが60mm〜80mm程度の市販では大型のソレノイドであっても、プランジャーのストローク量は、10mm〜15mm程度である。
これ以上のストローク量になると、コイルからの磁界のみでは推力が不足する。推力が不足すると、プランジャーがコイルに戻りきれなくなり、往復運動の繰り返しが実現できない。当然に、部品の往復運動を繰り返し実行することができない。
また、10mm〜15mm程度のストローク量は、コンベアラインにおける部品の供給や除去などの工程実現には不足している。より大きなストローク量が必要である。
このような状況で、ロングストロークのソレノイドが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−145321号公報
特許文献1は、ケースとベースを有しコイルに通電することにより可動子が可動するソレノイドにおいて、コイルと可動子の間に円筒状固定鉄心を備え、円筒状固定鉄心は永久磁石よりなる円筒状固定鉄心と磁性材よりなる円筒状固定鉄心とを備え、永久磁石よりなる円筒状固定鉄心と磁性材よりなる円筒状固定鉄心との間に隙間を有するように構成してあることを特徴としたロングストロークソレノイドを開示する。
特許文献1は、コイルの通電による磁界の発生に加えて、コイル以外の永久磁石による磁界を加えて、可動子のストローク量を大きくすることを目的としている。永久磁石は、コイルの通電に関係なく、常に磁界を発生しているので、コイルへの通電で不足する磁界を補うことを目的としている。
しかしながら、永久磁石を用いることで、特許文献1のソレノイドは部品コストおよび製造コストが増加する問題を有している。また、永久磁石を含むことで、ソレノイド全体の強度や耐久性が低下する問題も有している。
また、永久磁石は常に磁界を発生させている。このため、コイルへの通電で発生する間欠的な磁界とのバッティングが生じてしまい、可動子の突出へ悪影響が出たり、逆に可動子の引き戻しへの悪影響が出たりする問題も生じる。
そもそもソレノイドは、必要な時のみに磁界を発生させることで、プランジャーを往復運動させることを目的としている。にも係らず、特許文献1のように、恒常的に磁界を発生させる永久磁石を用いることは、ソレノイドの基本動作に悪影響を与える懸念がある。
このような問題により、特許文献1に開示されるソレノイドは、大きなストローク量を必要とするロック機構や工場の製造工程に用いることが難しい。
本発明は、上記の課題に鑑み、ソレノイドの根本的な動作原理に影響を与えず、大きなストローク量での推力を実現できるソレノイドを提供することを目的とする。
上記課題に鑑み、本発明のソレノイドは、プランジャーと、
プランジャーを収納する収納部と、
収納部の外周の一部に設けられる中継リングと、
収納部および中継リングの周囲にまかれる導電性の巻線と、を備え、
中継リングは、収納部に収納されるプランジャーの外周の一部と重複する位置に設けられ、
中継リングは、磁性体である。
本発明のソレノイドは、筐体およびプランジャーの大きさに対して、大きなストローク量を実現できる。大きなストローク量でプランジャーが突出する場合でも、十分な推力で、プランジャーを筐体に引き戻すことができる。
また、本発明のソレノイドは、永久磁石の磁界とコイルによる磁界とのバッティングを生じさせない。この結果、本発明のソレノイドは、ソレノイドとしての基本動作に問題を生じさせることがない。このため、確実に繰り返される往復運動を実現でき、ロック機構や工場での製造工程などに適用できる。
更に、簡便な構成で実現されるので、部品コストや製造コストを抑えることもできる。
本発明の実施の形態1におけるソレノイドの正面図である。 本発明の実施の形態1におけるソレノイドの正面図である。 本発明の実施の形態2におけるソレノイドの正面図である。 本発明の実施の形態2におけるソレノイドの正面図である。 本発明の実施の形態2におけるソレノイドの正面図である。 本発明の実施の形態2におけるソレノイドの正面図である。 本発明の実施の形態3におけるソレノイドの引き戻し能力を測定した実験結果のグラフである。
本発明の第1の発明に係るソレノイドは、プランジャーと、
プランジャーを収納する収納部と、
収納部の外周の一部に設けられる中継リングと、
収納部および中継リングの周囲にまかれる導電性の巻線と、を備え、
中継リングは、収納部に収納されるプランジャーの外周の一部と重複する位置に設けられ、
中継リングは、磁性体である。
この構成により、ソレノイドは、プランジャーの突出量が大きくても、十分な引き戻し力で引き戻すことができる。
本発明の第2の発明に係るソレノイドでは、第1の発明に加えて、収納部は、プランジャーが突出する開口部とプランジャーが収納される際の停止位置となる終端と、を有し、
中継リングは、収納部の外周において、終端側に設けられる。
この構成により、中継リングは、終端に集まりやすい磁界を、開口部側に拡大することができる。
本発明の第3の発明に係るソレノイドでは、第1または第2の発明に加えて、中継リングの開口部側の端部は、プランジャーの最大突出時におけるプランジャーの端部と略一致する。
この構成により、中継リングによる磁界の拡大によるプランジャーの引き戻し力が、プランジャーの突出量に最適に合わされる。
本発明の第4の発明に係るソレノイドでは、第1から第3のいずれかの発明に加えて、プランジャーは終端側においてテーパー部を有し、中継リングの長さは、テーパー部の長さと略同一である。
この構成により、中継リングによる磁界の拡大によるプランジャーの引き戻し力が、プランジャーのテーパー部に最適に合わされる。結果として、引き戻し力が高まる。
本発明の第5の発明に係るソレノイドでは、第2から第4のいずれかの発明に加えて、終端は磁性体であり、巻線への通電による磁界は、終端を中心に発生し、中継リングは、終端を中心に発生する磁界を、開口部側に拡大する。
この構成により、プランジャーの突出量が大きくても、中継リングを活用して、ソレノイドはプランジャーを引き戻すことができる。
本発明の第6の発明に係るソレノイドでは、第5の発明に加えて、中継リングは、プランジャーが収納部から突出する場合の収納部の空き空間に、磁界を拡大する。
この構成により、プランジャーの最大突出時にも対応して、ソレノイドは中継リングを利用した引き戻しを行える。
本発明の第7の発明に係るソレノイドでは、第1から第6のいずれかの発明に加えて、プランジャーの最大突出量は、20mm〜40mmである。
この構成により、ソレノイドは、プランジャーの突出量が大きくても、十分に引き戻すことができる。
本発明の第8の発明に係るソレノイドでは、第1から第7のいずれかの発明に加えて、プランジャー、収納部および中継リングのそれぞれの断面形状は、略同一である。
この構成により、ソレノイドの構成が簡便となる。
本発明の第9の発明に係るソレノイドでは、第1から第8のいずれかの発明に加えて、中継リングは、複数のリング状部材の積み重ねで構成される。
この構成により、中継リングの大きさや形状のフレキシビリティが高まる。
本発明の第10の発明に係るソレノイドでは、第1から第9のいずれかの発明に加えて、中継リングは、所定位置に、収納部の外周に沿った空隙を有する。
この構成により、中継リングによる磁界の拡大の態様を変化させることができる。
本発明の第11の発明に係るソレノイドでは、第10の発明に加えて、空隙は、中継リングの略中央に位置する。
この構成により、中継リングによる磁界の拡大を2段階にできる。
本発明の第12の発明に係るソレノイドでは、第1から第11のいずれかの発明に加えて、中継リングは、その外周に外部へ突出する凸部を有する。
この構成により、中継リングによる磁界の拡大のバリエーションを増やすことができる。
本発明の第13の発明に係るソレノイドでは、第1から第11のいずれかの発明に加えて、中継リングは、その外周に凹部を有する。
この構成により、中継リングによる磁界の拡大のバリエーションを増やすことができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
(実施の形態1)
(全体概要)
まず、実施の形態1におけるソレノイドの全体概要を説明する。図1は、本発明の実施の形態1におけるソレノイドの正面図である。図1は、ソレノイド1の内部構成が分かるように、内部を透視した状態で示している。ソレノイド1は、プランジャー2、収納部3、中継リング4、巻線5と、を備える。また、これら要素を収容する筐体6を備える。
また、ソレノイド1の使用態様に応じて、プランジャー2の先端であって終端32側にプッシュピン7が備わってもよい。
収納部3は、プランジャー2を収容する。プランジャー2は、収納部3内部で、磁界や弾性力によって往復動作する。このため、収納部3は、プランジャー2の直径にあわせた内径を有している。このように、プランジャー2は、収納部3に収容された状態で往復運動して、ソレノイド1に必要となる押出や引き込み動作を実現する。
収納部3は、ソレノイド1として磁界をプランジャー2に付与してプランジャー2の往復運動を実現するため、非磁性材で形成される。例えば樹脂や非金属で形成されれば良い。また収納部3は、プランジャー2を収容しつつ往復運動を実現してプランジャー2を突出させることができるように、その一方に開口部31を有する。この開口部31からプランジャー2が磁界による往復運動で突出する。
収納部3は、開口部31と逆側は、プランジャー2が収納される際の停止位置となる終端32を有している。すなわち、収納部3は、プランジャー2が突出あるいは挿入される端部である開口部31と、挿入されて収容されるプランジャー2の停止位置となる端部である終端32とによって挟まれている。
プランジャー2は、磁界の付与によって収納部3内部を往復動作する。更に、磁界の付与以外に弾性力の付与を受けることで、プランジャー2は収納部3内部を往復動作する。このとき、磁界によるプランジャー2の移動方向と弾性力によるプランジャー2の移動方向は、異なる。例えば、弾性力によってプランジャー2は、終端32から開口部31に向けた方向を移動する。すなわち、弾性力によって、プランジャー2は、開口部31から突出できる。この突出によって、例えばソレノイド1は、プランジャー2の先端でデバイスや部材を押し出すことができる。
逆に、磁界によってプランジャー2は、開口部31から終端32に向けた方向を移動する。すなわち、磁界によってプランジャー2は、突出していた状態から収納部3に収納される状態に戻る。プランジャー2の突出可能量は、この磁界によって突出状態から収納状態に戻ることのできる突出量に基づいて定義される。例えば、プランジャー2が終端32(もしくは開口部31)を基準に20mm突出している状態で、巻線5による磁界によって収納部3を終端32まで戻ることができれば、当該ソレノイド1は、20mmの突出可能量(動作量)として定義できる。
中継リング4は、収納部3の外周の一部に設けられる。中継リング4は、磁性材で形成される。すなわち、中継リング4は、磁性体である。但し、中継リング4は、永久磁石ではなく、電流で生じる磁界によって磁力を有するようになる。
中継リング4は、収納部3に収納されるプランジャー2の外周の一部と重複する位置に設けられる。巻線5は、収納部3および中継リング4の外周に巻き付けられる。巻線5は、銅線などの導電性である。
収納部3は、非磁性材で形成されているので、巻線5に電流が流されることで生じる磁界は、収納部3において磁界の収束や拡大を生じさせる力が弱い。一方で収納部3が磁性体であると、磁性体であるプランジャー2の往復動作を妨げる可能性がある。
また、終端32は磁性体である。このため、巻線5に電流が流れることで生じる磁界は、終端32を中心に発生する。終端32は、収納部3の開口部31と逆側であるので、磁界は、終端32側でより強く発生し、開口部31では磁界は弱い。
この状況でプランジャー2の突出量が大きい場合には、プランジャー2の終端側は、終端32からより遠ざかる状態となる。この遠ざかった状態では、巻線5が発生させる磁界(終端32を中心として発生する)は、プランジャー2に及びにくい。この状態では、突出しているプランジャー2は、収納部3に引き戻されにくい。これが従来技術の状態である。
中継リング4は、磁性体であるので巻線5に電流が流されることで磁界の発生を終端32から収納部3の往復運動方向に拡大することができる。言い換えれば、中継リング4は、磁界の発生を終端32から開口部31に向けて拡大することができる。この結果、終端32を中心に発生する磁界は、終端32から開口部31に向けて広い範囲で発生しやすくなる。
この磁界の範囲拡大によって、終端32から離れて突出しているプランジャー2に磁界が及ぶようになる。磁界が及べば、プランジャー2が磁界による吸引力によって、収納部3に引き戻されるようになる。
このように実施の形態1におけるソレノイド1は、磁性体である中継リング4が備わることで、プランジャー2の突出量が大きくても、十分な力でプランジャー2を収納部3に引き戻すことができる。この結果、ソレノイド1は、プランジャー2をより大きく突出させることができる。
(ソレノイドの動作説明)
図2は、本発明の実施の形態1におけるソレノイドの正面図である。図2は、図1と同じく内部が透視可能な状態である。図1と同じ符号を付しているものは同様の要素である。
図1では、プランジャー2が収納部3に収容されている状態が示されている。図2では、プランジャー2が収納部3から開口部31を通じて突出している状態が示されている。
図1、図2では、ソレノイド1がプランジャー2の先端であって終端32側にプッシュピン7を接続している。このため、ソレノイド1は、プッシュピン7を終端32から突出させたり引き戻したりすることで、対象物を押し出したり引き戻したりできる。例えば、プッシュピン7の前方に対象物が設置されている。ソレノイド1は、プッシュピン7を押し出すことで、対象物を押し出す。逆に、ソレノイド1は、プッシュピン7を引き戻すことで、対象物を引き戻す。
対象物が、コンベア上を流れる部品であれば、ソレノイド1は、連続的にプッシュピン7を押し出して、次々と流れてくる部品を押し出す。部品は、押し出されることで次の工程に投入される。
あるいは対象物が前後移動を要する部材である場合には、ソレノイド1は、断続的にプッシュピン7を押し出したり引き戻したりすることで、部材を前後移動させる。この場合には、プッシュピン7の先端が部材と接続されていたり嵌合されていたりすることも好適である。
このように、ソレノイド1は、プッシュピン7を用いて対象物を押し出したり引き戻したりして、工場の製造工程で用いられたり、機械の一部の部材の前後移動動作を実現したりする。
また、図1、図2でのソレノイド1は、プッシュピン7を備えているが、プッシュピン7を備えていない場合には、プランジャー2の開口部31側の先端を用いて、やはり対象物を押し出したり引き戻したりできる。いずれの構成においても、ソレノイド1は、プランジャー2の前後運動によって対象物を前後運動させることができる。
図1の状態をソレノイド1の動作開始状態とする。すなわち、ソレノイド1は、プランジャー2を収納部3に収容している。プランジャー2の一端は、終端32に到達して収容されている。プランジャー2は、終端32側にテーパー部21を備えていることが好適である。テーパー部21を備えていることで、巻線5に電流が通電した際に生じる磁界によるプランジャー2の動作に好影響が生じるからである。
図1の状態から、ソレノイド1は、バネなどの弾性力を用いてプランジャー2を突出させる。すなわち、図2の状態になる。プランジャー2の突出は、収納部3の開口部31側からの突出である。言い換えれば、プッシュピン7は収納部3側に引き戻される。
プランジャー2が開口部31から突出した状態になることで、プッシュピン7が収納部3側に引き戻される。すなわち、プッシュピン7が対象物を押し出すための準備状態になる。
図2の状態となったところで、巻線5に電流が付与される。巻線5は、収納部3の外周に巻かれている。巻線5に電流が通電すると、ソレノイド1の周囲に磁界が発生する。この磁界によって収納部3は電磁石と同じ磁力を発生させる。この磁力によって、磁性体であるプランジャー2は、収納部3に引き戻される。この引き戻しによって、図1の状態に戻る。プランジャー2の一端は、終端32に到達する。
プランジャー2が収納部3に引き戻されることで、プッシュピン7が終端32から突出する状態となる。図1に示されるとおりである。プッシュピン7が突出することで、プッシュピン7は対象物を押し出すことができる。
ここで、ソレノイド1が使用される状況によっては、プッシュピン7と対象物との距離を大きくしなければならない場合もある。あるいは、プッシュピン7がより大きな力を対象物に付与しなければならない場合もある。これらの場合には、プランジャー2の突出量を大きくする必要がある。プランジャー2の突出量が大きいことは、プランジャー2の往復運動の長さが大きくなり、プッシュピン7の往復運動の長さが大きくなるからである。
ここで、従来技術でも説明した通り、プランジャー2の引き戻しは、巻線5が生じさせる磁界によって実現される。ここで、終端32は磁性体であり、巻線5による磁界は、終端32を中心に発生する。このため、プランジャー2は、終端32を基点として収納部3に引き戻されるように動く。この動作のために、プランジャー2の突出量が大きいと(すなわち、プランジャー2は終端32に対して遠ざかっている)、磁界によってプランジャー2が確実に引き戻されないことも生じうる。
ここで、実施の形態1のソレノイド1は、磁性体である中継リング4を備えている。この中継リング4は、図1、図2に示されるように、収納部3の外周であって終端32側に近い方向に設けられる。すなわち、収納部3の中央よりも終端32側に偏って取り付けられている。
中継リング4は、巻線5が終端32を中心に発生させる磁界を、開口部31に向けて拡大する。すなわち、磁界が終端32から開口部31に向けて広がる。この磁界の広がりによって、プランジャー2の突出量が大きい場合でも、プランジャー2へ磁界の付与の力が強くなる。
このように、磁性体である中継リング4は、プランジャー2が収納部3から突出する場合の収納部3の空き空間に磁界を拡大できる。この結果、プランジャー2の突出量が大きい場合でも、巻線5に通電されることで生じる磁界がプランジャー2の突出により生じている空き空間に広がる。この磁界の拡大によって、プランジャー2が大きく突出している状態でも、プランジャー2は、収納部3に確実に引き戻される。
推測されるメカニズムは次の通りである。まず、プランジャー2が最大突出している状態で巻線5に電流が流される。この通電によって磁界が発生するが、中継リング4によって磁界の範囲が終端32から開口部31側に拡大する。この拡大している磁界によって、最大突出状態のプランジャー2が引き戻され始める。プランジャー2が引き戻され始めると、プランジャー2は次第に終端32に近づく。
終端32は、巻線5によって発生している強い磁界を有している。このため、中継リング4の磁界によって終端32に近づいたプランジャー2を、終端32近辺の磁界が更に引き戻す。この2段階目の引き戻しによって、プランジャー2は、収納部3に完全に収納される。
中継リング4によって、プランジャー2の突出量が大きい場合でも、確実に収納部3に引き戻される。プランジャー2が収納部3に確実に(終端32まで)引き戻されることで、図1に示されるようにプッシュピン7が終端32側から突出できる。
このようなメカニズムと動作によって、ソレノイド1は、長いストロークでの往復運動を実現できる。工場の製造工程や機械などの様々な場面で、従来のエアーコンプレッサーや電気モーターを使って往復運動を使用していたデバイスを、ソレノイド1で置き換えることができるようになる。この置き換えによって、工場や機械などの小型化、簡素化、低コスト化をも実現できる。
次に、各部の詳細について説明する。
(プランジャー)
プランジャー2は、ソレノイド1において磁界や弾性力に基づいて往復運動を行う。収納部3に収納されている状態で、開口部31から突出したり、収納部3に引き戻されたりする。プランジャー2は、磁界による往復運動を実現するために、磁性体であることが好ましい。このため、金属や合金などの磁性材で形成される。
収納部3および筐体6の大きさとの関係によるが、プランジャー2の開口部31からの最大突出量は、20mm〜40mmであることが好ましい。一般的なソレノイドは、実施の形態1におけるソレノイド1と同サイズの収納部や筐体で、その最大突出量は10mm程度である。
実施の形態1におけるソレノイド1は、中継リング4による磁界の拡大効果により、最大突出量が20mm〜40mmと大きくできる。なお、最大突出量が20mm〜40mmであることで、収納部3の長さは、この最大突出量を考慮していることが適当である。
プランジャー2は、収納部3に収納された状態で往復運動できる。このため、プランジャー2の断面形状は、収納部3の断面形状と略同一であることが好ましい。
プランジャー2は、終端32側にテーパー部21を有していることが好ましい。テーパー部21によって、プッシュピン7との接続が容易となるからである。また、テーパー部21を備えることで、プランジャー2が引き戻されやすくなる。終端32や中継リング4を基準として発生する磁界は、テーパー部21に影響を及ぼしやすくなるからである。
プランジャー2の開口部31側の先端は、ソレノイド1の使用態様に応じた形状を有していればよい。
(収納部)
収納部3は、プランジャー2の往復動作を実現するための収納領域である。プランジャー2が往復動作する際に、プランジャー2を安定させる役割も担う。
収納部3は、一方に開口部31を他方に終端32を備える。この終端32を基準としてプランジャー2を往復運動させる。開口部31は、プランジャー2を突出させる。
収納部3は、筐体6と一体で構成されてもよい。筐体6を構成する部材が、プランジャー2の周囲の円柱のようになって収納部3が形成されても良い。
(巻線)
巻線5は、収納部3および中継リング4の外周に巻かれている。巻線5は、導電線であり、電流が通電することで磁界を発生させる。巻線5の巻き数や太さなどは、ソレノイド1の抵抗値などの仕様に基づいて定められる。また、巻線5の材質もソレノイド1の仕様に基づいて定められればよい。
巻線5は導電性であるので、巻線5の表面(外側表面)には、樹脂テープや樹脂膜などの絶縁性の素材でカバーされることも好適である。この絶縁性のカバーによって、巻線5の外側の筐体6との絶縁性が図られて、ソレノイド1の様々な形態での使用が容易となる。また、発生する磁界を強くすることもできる。
巻線5は、電流を流す必要があるので、電源と電気的に接続されていることが好適である。例えば、巻線5の一部が引き出されて、電源と接続される。電源は、複数のソレノイド1のそれぞれに個別に設けられてもよいし、並列して集中して設けられてもよい。
(筐体)
筐体6は、ソレノイド1全体の外形を構成する。特に、筐体6は、収納部3、中継リング4、巻線5などの内部要素を収容して保護する。筐体6は、ソレノイド1の使用態様にあわせた形状を有していればよい。図1、図2では、筐体6は方形を有している。
例えば、ソレノイド1が、工場の製造ラインに設置される場合には、ソレノイド1が平面に設置されやすいことが適当である。筐体6が方形であることで、ソレノイド1は、平面に設置されやすくなる。
筐体6は、金属、合金、樹脂など、外形を構成できる素材で形成される。
(プッシュピン)
プッシュピン7は、ソレノイド1の動作方式によって設けられる。ソレノイド1が、通電によるプランジャー2の引き戻しによって対象物を押し出す動作方式の場合には、プッシュピン7がプランジャー2に取り付けられる。
図1、図2に示されるように、プッシュピン7はプランジャー2と逆側に突出するように取り付けられる。プッシュピン7は、プランジャー2が引き戻される動作によって終端32から突出して対象物を押し出す。このため、プッシュピン7の先端は、対象物にあてがう平面部材を備えていることも適当である。
あるいは、ソレノイド1が接続される部材の往復運動を実現する場合には、プッシュピン7の先端は、当該部材と嵌合していることも好適である。
(中継リング)
中継リング4は、収納部3の外周に設けられる磁性体の部材である。上述した通り、巻線5への通電で発生する磁界を、終端32から開口部31側に拡大する。この拡大によって、プランジャー2の開口部31からの突出量が大きくても、プランジャー2は、収納部3に引き戻される。
中継リング4は、収納部3の外周に設けられるので、中継リング4の断面形状や収納部3の断面形状と略同一であることが適当である。すなわち、中継リング4、収納部3、プランジャー2の断面形状は、略同一であることが適当である。
また、中継リング4は、プランジャー2の突出が大きい場合に磁界の強い範囲を拡大するので、終端32に近い側に設けられることが適当である。
ここで、中継リング4の開口部31側の端部は、プランジャー2の最大突出時におけるプランジャー2の端部と略一致する位置であることが適当である。図2は、プランジャー2が最大突出時の状態を示している。図2に示されるように、中継リング4の開口部31側の端部は、プランジャー2の端部と略一致している。
中継リング4が、このような位置に設けられることで、中継リング4によるプランジャー2の引き戻しの動作効率が高まるからである。すなわち、プランジャー2が最大突出している状態で、巻線5に電流が流れる。巻線5は磁界を発生させるが、中継リング4がこの磁界範囲を拡大する。ちょうどプランジャー2の端部が中継リング4の端部と略一致している状態であることで、中継リング4が拡大した磁界が、プランジャー2に磁力を及ぼせる。
この磁力が及んだ状態で、中継リング4の磁界は、最大突出状態のプランジャー2を引き戻し始める。引き戻し始められたプランジャー2は、その動作の勢いおよび終端32を中心とする磁界による磁力によって、更に引き戻される。このさらなる引き戻しにより、プランジャー2は、収納部3に完全に収納される。
このように、中継リング4の開口部31側の端部は、最大突出時のプランジャー2の端部と略一致していることが好適である。なお、略一致とは、厳密ではなく、中継リング4の開口部31側の端部は、最大突出時のプランジャー2の端部と近い距離にあればよい。
また、中継リング4の長さは、プランジャー2のテーパー部21の長さと略同一であることも適当である。もちろん、略同一は厳密な同一ではなく、ほぼ同じ程度の長さであることでもよい。
プランジャー2は、テーパー部21を有していることも好適である。このテーパー部21は、図1、図2に示されるように先端に行くに従って尖っている。このように先端に行くに従って尖っていることで、磁界による磁力の影響を受けやすい。このため、テーパー部21は、磁界による磁力を強く受けて、収納部3に引き戻されやすくなる。
中継リング4は、上述の通り磁界を拡大できる。この拡大された範囲がテーパー部21の範囲と略同一となることで、中継リング4による拡大された磁界による引き戻し能力が高まるメリットがある。
以上のように、中継リング4の形態や形状によって、プランジャー2の引き戻し能力が高まるメリットがある。
実施の形態1におけるソレノイド1は、従来技術のソレノイドと異なり、プランジャーの突出量を大きくしても、磁界によって確実に収納部3に引き戻すことができる。結果としてロングストロークのプランジャー2の往復動作を実現でき、様々な分野にソレノイド1が適用できる。
(実施の形態2)
次に実施の形態2について説明する。実施の形態2については、中継リング4の種々の変形例などについて説明する。
(複数のリング状部材の積層)
図3は、本発明の実施の形態2におけるソレノイドの正面図である。図3は、図1、図2と同じように、内部が視認できるように透視状態で示されている。図3に示されるソレノイド1の中継リング4は、複数のリング状部材41の積み重ね(積層)で構成される。例えば、中継リング4の長さが10mmである場合に、長さ1mmのリング状部材41が10枚積み重ねられる。
このような長さの短い(薄い)リング状部材41が積層されることで、中継リング4が構成されても良い。リング状部材41は、磁性体である。このようなリング状部材41の積層で中継リング4が構成されても、中継リング4の磁界の拡大との効力は同様である。
また、リング状部材41の積層によって形成されるので、中継リング4の長さの自由度やフレキシビリティが高まる。例えば、製造されるソレノイド1のプランジャー2の長さやテーパー部21の長さの変化に対応してリング状部材41の枚数を変化させれば、中継リング4の長さを自由に変化できる。このため、中継リング4の長さにおけるバリエーション準備の手間とコストを下げることができる。
また、リング状部材41の素材が様々に変化させられることで、中継リング4の特性を変化させることができる。例えば、積層される複数のリング状部材41の一部が非磁性体であることも好適である。一部が非磁性体であることで、中継リング4の機能を変更できる。例えば、中継リング4において磁性体部分を中心にした磁界を生じさせる。すなわち、発生する磁界に変化が生じ、中継リング4による磁界拡大の態様を様々に変化させることができる。
(空隙)
図4は、本発明の実施の形態2におけるソレノイドの正面図である。図4は、図3と同様に内部を透視状態としている。
図4に示されるソレノイド1では、中継リング4の所定位置に、収納部3の外周に沿った空隙42が設けられている。空隙42があることで、中継リング4が、2箇所に分割されて、収納部3の外周に取り付けられている。このため、中継リング4による磁界の拡大の態様に変化を生じさせることができる。
例えば、図4では、空隙42の上方と下方に分割された中継リング4が設けられる。この結果、上方の中継リング4の一部と下方の中継リング4の一部とのそれぞれが、磁界を拡大させる。
このように分割された磁界の拡大によって、プランジャー2に及ぶ磁界の及ぼし方が複数の段階に分かれることが可能となる。すなわち、図4のソレノイド1では、終端32、下方の中継リング4の一部、上方の中継リング4の一部のそれぞれを中心とした磁界が発生する。この結果、これら3種類の磁界が、最大突出している状態のプランジャー2へ、3段階で及ぶようになる。
この3段階の磁界の付与により、最大突出状態から、プランジャー2が順々に磁界を受けて収納部3に完全に引き戻されるようになる。特に、プランジャー2の使用態様が、最大突出状態以外の中程度の突出状態で使用される場合を含むときには、分割された中継リング4による磁界による引き戻しが可能となる。
空隙42は、中継リング4の様々な場所に設けられればよい。例えば、中継リング4の略中央に空隙42が設けられてもよい。略中央に設けられることで、中継リング4が最適に分割されて、磁界の付与の段階を順々とできるからである。
もちろん、略中央以外に空隙42が設けられてもよい。
(凸部)
図5は、本発明の実施の形態2におけるソレノイドの正面図である。図5も図4などと同様に内部を透視状態としている。図5のソレノイド1では、中継リング4が、その外周に外部に突出する凸部43を有している。
図5に示されるように、中継リング4は、外側に凸部43を有した変形状態である。このような凸部43によって、磁性体である中継リング4の生じさせる磁界に変化を生じさせることができる。
中継リング4は、プランジャー2が大きく突出する場合に、終端32付近を中心に発生する磁界で不足する磁界を補う。凸部43によって、補われる磁界(拡大される磁界)の形態が変化する。このため、プランジャー2の突出量やプランジャー2の引き戻しにおいて求められる動作によっては、磁界の形態が変化することも好ましい。
凸部43は、このようなプランジャー2の使用態様に対応する磁界を最適に形成できる。
(凹部)
図6は、本発明の実施の形態2におけるソレノイドの正面図である。図6も、図5と同様に内部が透視できる状態で示されている。
図6に示されるソレノイド1では、中継リング4は、その外周に凹部44を備える。図6のソレノイド1は、図5のソレノイド1と逆の状態である。凹部44によって、やはり中継リング4は、その構造が変化した状態となる。この結果、中継リング4が拡大する磁界に変化が生じる。
この磁界の形態変化も、プランジャー2の突出量や引き戻しに必要な仕様によって構成されれば良い。凹部44は、凸部43と同様に、磁界変化を生じさせて、プランジャー2に磁力を及ぼしやすくする中継リング4の役割のバリエーションを拡大できる。
以上のように、実施の形態2におけるソレノイド1は、プランジャー2の引き戻しにおいて、様々な対応力を有することができる。
(実施の形態3)
次に実施の形態3について説明する。実施の形態3では、実施の形態1、2で説明したソレノイド1の動作実験結果を説明する。
図7は、本発明の実施の形態3におけるソレノイドの引き戻し能力を測定した実験結果のグラフである。図7は、横軸にプランジャーの突出量を示し縦軸に引き戻しできる力(単位:ニュートン)を示している。図7のグラフによって、3種類のソレノイドのそれぞれが、プランジャーの突出量の違いでの、引き戻しの力の状態が示されている。
図7のグラフには、次の3種類のソレノイドの実験結果が示されている。
(1)従来技術における中継リングの備わってないソレノイド(図7ではノーマルと表記)
(2)実施の形態1で説明した中継リングの備わっているソレノイド(図7では、一体リングと表記)
(3)実施の形態2で説明した分離された中継リング(分離リング)の備わっているソレノイド(図7では分離6と表記)
図7のグラフから、次のことが読み取れる。
<1>突出量であるストローク量が20mm以上となる範囲では、ノーマルのソレノイドの引き戻し力が弱い。これは従来技術のソレノイドでは、突出量が大きい場合にはソレノイドとしての使用が難しいことを示している。すなわち、ロングストロークを従来技術のソレノイドで実現できない。
<2>一体リングおよび分離リングのソレノイドは、20mm以上の突出量で、高い引き戻し力を有している。これにより、従来技術と異なり、中継リングによる大きな突出量でのプランジャーの引き戻しが十分にできることがわかる。
<3>一体リングおよび分離リングのソレノイドは、大きな突出量で高い引き戻し力を有しているだけでなく、短い突出量での引き戻し力との変化が少ない。これに対して、ノーマルのソレノイドは、短い突出量では引き戻し力が大きいが、大きな突出量では引き戻し力が非常に低下する。すなわち、突出量が大きくなるにつれて、引き戻し力の低下が著しい。
これに対して、一体リングおよび分離リングのソレノイドは、突出量の増加に対する引き戻し力の低下の度合いが少ない。このため、ロングストロークのソレノイドとして適切に使用が可能である。
<4>また、分離リングのソレノイドが一体リングのソレノイドよりもやや引き戻し力が大きい。実施の形態2で説明したように中継リングを分離することで、突出量が大きい場合での段階的な引き戻しが生じることが示されていると考えられる。
以上のように、実験結果からも本発明のソレノイドの効果が確かめられた。
なお、実施の形態1〜3で説明されたソレノイド1は、巻線5に電力を供給する電力供給部と、電力供給部の電力供給を制御する制御部と併せて、対象物を往復運動させることができる部品供給・除去装置に適用されてもよい。この場合には、プランジャー2もしくはプッシュピン7が、対象物を往復運動させる。
このような部品供給・除去装置であっても、実施の形態1〜3で説明した通り、プランジャー2の最大突出量を大きくできるので、対象物の往復運動でのバリエーションが広がるメリットがある。
なお、実施の形態1〜3で説明されたソレノイドは、本発明の趣旨を説明する一例であり、本発明の趣旨を逸脱しない範囲での変形や改造を含む。
1 ソレノイド
2 プランジャー
21 テーパー部
3 収納部
31 開口部
32 終端
4 中継リング
5 巻線
6 筐体
7 プッシュピン

Claims (14)

  1. プランジャーと、
    前記プランジャーを収納する収納部と、
    前記収納部の外周の一部に設けられる中継リングと、
    前記収納部および前記中継リングの周囲にまかれる導電性の巻線と、を備え、
    前記中継リングは、前記収納部に収納される前記プランジャーの外周の一部と重複する位置に設けられ、
    前記中継リングは、磁性体であるソレノイド。
  2. 前記収納部は、前記プランジャーが突出する開口部と前記プランジャーが収納される際の停止位置となる終端と、を有し、
    前記中継リングは、前記収納部の外周において、前記終端側に設けられる、請求項1記載のソレノイド。
  3. 前記中継リングの前記開口部側の端部は、前記プランジャーの最大突出時における前記プランジャーの端部と略一致する、請求項1または2記載のソレノイド。
  4. 前記プランジャーは前記終端側においてテーパー部を有し、
    前記中継リングの長さは、前記テーパー部の長さと略同一である、請求項1から3のいずれか記載のソレノイド。
  5. 前記終端は磁性体であり、前記巻線への通電による磁界は、前記終端を中心に発生し、
    前記中継リングは、前記終端を中心に発生する磁界を、前記開口部側に拡大する、請求項2から4のいずれか記載のソレノイド。
  6. 前記中継リングは、前記プランジャーが前記収納部から突出する場合の前記収納部の空き空間に、磁界を拡大する、請求項5記載のソレノイド。
  7. 前記プランジャーの最大突出量は、20mm〜40mmである、請求項1から6のいずれか記載のソレノイド。
  8. 前記プランジャー、前記収納部および前記中継リングのそれぞれの断面形状は、略同一である、請求項1から7のいずれか記載のソレノイド。
  9. 前記中継リングは、複数のリング状部材の積み重ねで構成される、請求項1から8のいずれか記載のソレノイド。
  10. 前記中継リングは、所定位置に、前記収納部の外周に沿った空隙を有する、請求項1から9のいずれか記載のソレノイド。
  11. 前記空隙は、前記中継リングの略中央に位置する、請求項10記載のソレノイド。
  12. 前記中継リングは、その外周に外部へ突出する凸部を有する、請求項1から11のいずれか記載のソレノイド。
  13. 前記中継リングは、その外周に凹部を有する、請求項1から11のいずれか記載のソレノイド。
  14. 請求項1から13のいずれか記載のソレノイドと、
    前記巻線に電力を供給する電力供給部と、
    前記電力供給部の電力供給を制御する制御部と、を備え、
    前記プランジャーは、対象物を往復動作で移動させる、部品供給・除去装置。
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