JP2015176157A - ナビゲーションシステム - Google Patents

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Masashige Ikehara
正成 池原
塩濱 英二
Eiji Shiohama
英二 塩濱
修 上杉
Osamu Uesugi
修 上杉
丹羽 徹
Toru Niwa
徹 丹羽
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Abstract

【課題】GPSの電波を受信することができない場所においても、低コストでかつ受信端末の位置および移動方向を判定可能なナビゲーションシステムおよび受信端末を提供する。
【解決手段】ナビゲーションシステムは、基準点から互いに異なる方向に指向性を有し、かつ方向毎に異なる第1IDを有する複数の信号を繰り返し送信する無線装置100と受信端末を備える。受信端末は、第1IDを取得した無線モジュールの位置情報により、自身の位置と移動方向を判定するとともに、判定された位置および移動方向に応じて、ユーザに移動のガイダンスを音声で出力または表示する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ナビゲーションシステム(Navigation system)に関し、特に、無線通信を用いるナビゲーションシステムに関する。
近年、GPS(Global Positioning System)衛星から送信される信号を利用するナビゲーションシステムは、自動車だけでなく携帯型情報機器にも広く利用されている。
GPS衛星を利用するナビゲーションシステムは、地下街、屋内、トンネルなどでは電波が届かないため利用が制限される。
GPSの電波を受信することができない場所においても、現在位置の表示を可能にするため、例えば、特許文献1は、次の位置情報配信装置を開示している。すなわち、この位置情報配信装置は、複数のエリアの位置情報を記憶する記憶部を有し、記憶部により記憶されている位置情報を順番に取得し、取得した位置情報にしたがってフェーズドアレイ・アンテナのビーム方向を決定し、そのアンテナを用いて当該位置情報を配信するように構成されている。
特開2005−139761号公報
しかしながら、特許文献1では、装置の構成およびその制御が複雑であり、コストがかかるという問題がある。さらに、受信装置の位置または受信装置が位置する範囲を知ることができるが、移動方向を知ることは困難であるという問題がある。
本発明は、受信端末の位置および移動方向を判定可能な低コストのナビゲーションシステムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明の一態様におけるナビゲーションシステムは、基準点から互いに異なる方向に指向性を有し、かつ前記方向毎に異なる第1IDを有する複数の信号を繰り返し送信する無線装置を備える。
ここで、前記無線装置は、前記指向性に対応する複数のアンテナと、互いに異なる前記第1IDを有し、前記複数のアンテナに対応し、対応するアンテナを介して前記第1IDを繰り返し送信する複数の無線モジュールとを有していてもよい。
ここで、前記ナビゲーションシステムは、交差点におけるユーザの移動をガイドするシステムであり、前記指向性の向きは、通行路の方向に対応していてもよい。
ここで、前記ナビゲーションシステムは、さらに、前記無線装置から前記第1IDを受信することによって、ユーザの移動をガイドする受信端末を備えてもよい。
ここで、前記受信端末は、前記無線装置から特定のプログラムの起動を指示する通知を受信したとき、ユーザの移動をガイドするプログラムの実行を開始してもよい。
ここで、前記受信端末は、前記第1IDを受信することによって、当該第1IDを受信可能な範囲である無線エリアを表す図形を付加した地図を表示してもよい。
ここで、前記ナビゲーションシステムは、さらに受信端末を備え、前記受信端末は、前記第1IDにより前記無線モジュールの位置を示す位置情報を取得する第1取得部と、前記位置情報により前記受信端末の位置を判定する位置判定部と、前記位置情報によりにより前記受信端末の移動方向を判定する方向判定部と、判定された位置および移動方向に応じてユーザに移動のガイダンスを音声出力または表示する出力部とを備えてもよい。
ここで、前記ナビゲーションシステムは、さらに、前記基準点の周辺を照明し、照明光に固有の第2IDを重畳することにより前記第2IDを繰り返し送信する照明装置を備えてもよい。
ここで、前記ナビゲーションシステムは、前記第1IDを受信可能な範囲である無線エリア内に設置される照明装置であって、照明装置に固有の第2IDを照明光に重畳することによって、前記第2IDを繰り返し送信する複数の照明装置を備えてもよい。
ここで、前記複数の照明装置は、異なるエリアを照明してもよい。
ここで、前記ナビゲーションシステムは、さらに、受信端末を備え、前記受信端末は、無線通信により送信される前記第1IDを受信する無線部と、照明光に重畳された前記第2IDを受信する光受信部と、前記第1IDにより前記無線モジュールの位置を示す位置情報を取得する第1取得部と、前記第2IDにより前記照明装置の位置を示す位置情報を取得する第2取得部と、2つの前記位置情報から前記受信端末の位置を判定する位置判定部と、2つの前記位置情報から前記受信端末の移動方向を判定する方向判定部と、判定された位置および移動方向に応じてユーザに移動のガイダンスを音声出力または表示する出力部とを備えてもよい。
本発明によれば、低コストであり、かつ受信端末の位置および移動方向を判定可能である。
図1は、実施の形態1におけるナビゲーションシステムの構成例を示す図である。 図2は、実施の形態1における無線装置の構成例を示す図である。 図3Aは、実施の形態1における受信端末の構成例を示すブロック図である。 図3Bは、実施の形態1における制御部の機能構成例を示すブロック図である。 図4は、実施の形態1における無線エリアに入ったときの受信端末の動作例を示すフローチャート例である。 図5は、実施の形態1における受信端末の動作例を示すフローチャート例である。 図6は、実施の形態1における表示画面の表示例を示す図である。 図7Aは、実施の形態2におけるナビゲーションシステムの構成例を示す図である。 図7Bは、実施の形態2におけるナビゲーションシステムの設置例を示す図である。 図8は、実施の形態2における照明装置の構成例を示す図である。 図9Aは、実施の形態2における受信端末の構成例を示すブロック図である。 図9Bは、実施の形態2における制御部の機能構成例を示すブロック図である。 図10は、実施の形態2における受信端末の動作例を示すフローチャートである。 図11は、実施の形態2における表示画面の表示例を示す図である。 図12は、実施の形態3におけるナビゲーションシステムの構成例を示す図である。 図13は、変形例における照明装置の構成例を示す図である。 図14は、変形例における照明装置による光通信の説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序等は、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、より好ましい形態を構成する任意の構成要素として説明される。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1におけるナビゲーションシステムの構成例を示す図である。同図のナビゲーションシステムは、無線装置100を備える。このナビゲーションシステムは、例えば、地下街、オフィスビル、大規模店舗、病院、ホテル、駅構内、空港、校舎、学校敷地、大型船舶、テーマパーク、等々の通行路や交差点等に設置される。また、屋内に限らず、このナビゲーションシステムは屋外に設置されてもよい。図1では、例えば、地下街の交差点の天井に取り付けられている例を示している。
無線装置100は、基準点から互いに異なる方向に指向性を有し、かつ方向毎に異なる第1ID(IDはidentifier、識別子の略)を有する複数の信号を繰り返し送信する。図1での基準点は交差点天井の中央部分である。無線装置100は、交差点から通行路のそれぞれの方向を向く指向性を有している。図中のハッチング部分は、指向性を模式的に表している。
このように、無線装置100は、異なる方向に異なる第1IDを送信する。例えば、第1IDを受信した受信端末は、受信端末の現在位置が地図上で無線装置100からどの位置なのか、どの方向に移動しているのかを判定することができる。また、無線装置は少なくとも第1IDを繰り返し送信すればよく、複雑な機能を要しないので低コスト化できる。
次に、無線装置100のより詳細な構成例について説明する。
図2は、実施の形態1における無線装置100の構成例を示す図である。同図のように無線装置100は、アンテナRa〜Rd、無線モジュール101a〜101d、および制御部102を備える。
アンテナRa〜Rdは、基準点から互いに異なる方向に指向性を有する。図1では、Ra〜Rdの指向性の強い方向はそれぞれ通行路の通行方向を一致している。また、アンテナRa〜Rdからの電波を受信端末が有効に受信可能な範囲を無線エリアと呼ぶ。本実施の形態では、アンテナRa〜Rdに対応する無線エリアは、通行路の区間をカバーし、互いに重ならないかまたは重なる部分が小さいことが望ましい。
無線モジュール101a〜101dは、互いに異なる第1IDを有し、アンテナRa〜Rdに対応し、対応するアンテナを介して第1IDを繰り返し送信する。第1IDは無線モジュール101a〜101dに固有の識別子であり、モジュールIDとも呼ぶ。無線モジュール101a〜101dのそれぞれは、例えば、Bluetooth(登録商標)(ブルートゥース)規格の無線通信モジュールである。
また、無線モジュール101a〜101dは、第1IDを繰り返し送信するだけでなく、受信端末と無線リンクを確立したときに、受信端末に対して特定のアプリケーションプログラムの起動を指示する通知を送信する。これは、いわゆるプッシュ(push)通知である。ここで、特定のアプリケーションプログラムは、ユーザの移動をガイドするナビゲーション用のプログラムである。
制御部102は、プロセッサ102a、メモリ102bを備える。以下、無線モジュール101a〜101dのうちの1つを単に無線モジュール101と表記する。
プロセッサ102aは、メモリ102bに格納された制御プログラムを実行することにより無線装置100の制御を行う。
メモリ102bは、上記の制御プログラムを格納する。
ナビゲーションシステムの送信側は以上のように構成されている。次に、受信端末の構成例について説明する。
図3Aは、実施の形態1における受信端末12の構成例を示すブロック図である。同図のように、受信端末12は、制御部22、加速度センサ23、照度センサ24、外部出力部25、タッチパネル26、無線部30a〜30cを備え、いわゆるスマートフォンと呼ばれる携帯型情報装置と同様のハードウェア構成である。
制御部22は、プロセッサ22a、メモリ22bとを備える。
プロセッサ22aは、メモリ22bに格納されたプログラムを実行することにより受信端末全体の動作を制御する。特に、メモリ22bにはユーザの移動をガイドするアプリケーションプログラム(以下、ナビゲーションプログラムと呼ぶ)が格納されており、プロセッサ22aはナビゲーションプログラムを実行することにより、無線モジュール101から受信されたモジュールID(つまり第1ID)に基づいて、ユーザの移動をガイドするナビゲーションを制御する。
メモリ22bは、キャッシュメモリ、メインメモリ、および補助記憶を含み、ナビゲーションプログラム、受信端末12を情報端末として動作させるOS(Operating System)プログラム等を格納する。さらに、メモリ22bは、無線モジュール101の位置およびその無線エリアを示す位置情報とモジュールIDとを対応付けたデータベース、および、無線モジュール101位置を含む地図を表す地図情報を有するデータベースの少なくとも1つを格納していてもよい。なお、位置情報は、無線モジュール101の位置だけでなく、無線モジュール101に対応するアンテナにより形成される無線エリアの位置および範囲も示す。
加速度センサ23は、受信端末12の加速度および速度の少なくとも一つを検出するセンサの一例であり、例えば、3軸加速度センサ及び角速度センサ(ジャイロセンサ)である。
照度センサ24は、照度(周囲の明るさ)を検出するセンサの一例であり、例えば、フォトトランジスタを含む検出回路である。
外部出力部25は、音声出力部25a、表示部25bを備える。音声出力部25aは、スピーカおよびイヤホンジャックを有し、上記のナビゲーションプログラムの実行中には、受信端末12の現在位置を表現する音声ガイド、目的地への進路をガイドする音声等を出力する。これにより、視覚障害者にも適切にガイドすることができる。また、表示部25bは、表示パネルを有し、上記のナビゲーションプログラムの実行中には、地図を表示する。この地図には、受信端末12の現在位置、移動方向、目的地、無線エリア等を表すマークまたは図形が付加される。
タッチパネル26は、ユーザ操作を受け付ける。
無線部30aは、無線モジュール101から送信されるモジュールIDを受信する。無線部30aは、例えば、Bluetooth(登録商標)規格の無線通信モジュールである。また、無線部30aは、モジュールIDを受信するだけでなく、無線モジュール101と無線リンクを確立したときに、特定のアプリケーションプログラムの起動を指示する通知(上記のプッシュ通知)を受信する。特定のアプリケーションプログラムは、上記のナビゲーションプログラムである。
無線部30bは、無線LAN(Local Area Network)に接続する通信モジュールである。受信端末12の周囲に無線LANのアクセスポイントが存在する場合は、無線部30bはアクセスポイントに接続可能である。これにより、制御部22は、無線LANおよびアクセスポイントを介してインターネット上のサーバー装置の各種データベースにアクセスし、無線モジュール101の位置および無線エリアを示す位置情報、地図情報等を取得することができる。
無線部30cは、携帯電話機(ここでは、受信端末12がスマートフォンつまり携帯電話機であるものとする)の基地局と無線接続する通信モジュールである。これにより、制御部22は、無線部30cおよび基地局を介して上記のサーバー装置の各種データベースにアクセスすることができる。
制御部22のハードウェア構成例は上記の通りである。さらに、制御部22の機能的な構成について説明する。
図3Bは、実施の形態1における制御部22の機能構成例を示すブロック図である。
制御部22は、第1取得部222、電界強度処理部224、地図取得部225、位置判定部226、方向判定部227、ガイド生成部228を備える。これらの構成要素(つまり図3Bの各ブロック)は、プロセッサ22aが上記ナビゲーションプログラムを実行することによって実現される機能である。
第1取得部222は、無線部30aによって受信された第1IDから、当該モジュールIDを送信した無線モジュール101の位置および無線エリアを示す位置情報を取得する。この位置情報の取得経路は、メモリ22bに格納されたデータベース、無線部30bを介して接続された上記のサーバー装置のデータベース、無線部30cを介して接続された上記のサーバー装置のデータベースの何れかである。
電界強度処理部224は、モジュールIDを受信したときの無線部30aにおける受信電界強度(RSSI、Received Signal Strength Indicator)の変化を測定し、受信電界強度の変化に応じて、受信端末12の移動方向を判定する。すなわち、受信電界強度が一定範囲を超えて以前よりも増加している場合は、電界強度処理部224は、受信端末12が無線モジュール101に近付いていると判定する。受信電界強度が一定範囲を超えて以前よりも減少している場合は、電界強度処理部224は、受信端末12が無線モジュール101に遠ざかっていると判定する。受信電界強度が以前と比べて一定範囲を超えない場合(つまりほとんど変化していない場合)は、電界強度処理部224は、受信端末12が動いていない、または無線モジュール101の無線エリアの周方向に移動していると判定する。この判定に関して、電界強度処理部224は、地図情報から、例えば無線モジュールの無線エリア内の通行路が東西を向いていて移動方向が限定可能である場合には、移動方向を東向き、西向きの何れかとみなしてもよい。
地図取得部225は、無線モジュール101の位置およびその無線エリアを含む地図を示す地図情報を取得する。この地図情報の取得経路は、メモリ22bに格納された地図データベース、無線部30bを介して接続された上記のサーバー装置の地図データベース、無線部30cを介して接続された上記のサーバー装置の地図データベースの何れかである。
位置判定部226は、無線モジュール101の位置および無線エリアを示す位置情報、および、地図情報から受信端末12の位置を判定する。
方向判定部227は、無線モジュール101の位置および無線エリアを示す位置情報、地図情報、および、電界強度処理部224の判定結果から受信端末12の移動方向を判定する。
ガイド生成部228は、地図情報、位置判定部226に判定された受信端末12の位置、方向判定部227に判定された受信端末12の移動方向に従って、ガイダンス画像およびガイダンス音声を生成する。ガイダンス画像は、地図、現在位置を示すマーク、移動方向を示すマーク等により構成される。ガイダンス音声は、現在位置、移動方向、目的地への案内の少なくとも1つを含む。
なお、方向判定部227は、受信端末12の現在位置が通行路内である場合は、通行路の長手方向の一方向き、他方向きの2つの方向に絞って判定してもよい。現在位置が三叉路であれば、各通行路の長手方向に沿う6方向に絞って判定してもよい。現在位置が四叉路であれば、各通行路の長手方向に沿う8方向に絞って判定してもよい。
以上のように構成された実施の形態1におけるナビゲーションシステムについて、以下その動作を説明する。
図4は、実施の形態1における無線エリアに入ったときの受信端末12の動作例を示すフローチャート例である。図4に示すように、受信端末12は、無線エリアに入ったとき、それまで受信していなかった無線モジュール101からのモジュールIDを受信し、さらに、無線モジュール101から特定のアプリケーションプログラムの起動を指示するプッシュ通知を受信する(S60)。このとき、受信端末12は、特定のアプリケーションプログラム(つまり上記のナビゲーションプログラム)を起動済みであるか否かを判定し(S61)、起動済みであればこの処理を終了し、起動済みでなければナビゲーションプログラムを起動する(S62)。
なお、図6では、ナビゲーションプログラム起動のトリガーとして、上記のプッシュ通知の受信としているが、モジュールIDの受信をトリガーとしてもよいし、ユーザ操作によって起動するようにしてもよい。また、受信端末12がナビゲーション専用端末である場合には電源オン時に起動し、常時実行中の状態としてもよい。
次に、ナビゲーションプログラムによる動作例について詳細に説明する。
図5は、実施の形態1における受信端末12の動作例を示すフローチャート例である。
同図は、プロセッサ22aがナビゲーションプログラムを実行することによる受信端末12の動作を示している。
同図において、まず、受信端末12は、受信したモジュールIDに対応する無線モジュール101の位置情報を取得し(S70)、当該無線モジュール101の位置情報に対応する地図情報を取得して出力する(S71)。位置情報、地図情報の取得は、上述した図3Bに示した第1取得部222、地図取得部225によりそれぞれなされる。地図情報の出力について、表示部25bは、地図情報に基づいて、無線エリアの範囲を示す図形を付加した地図を表示する。また、音声出力部25aは、例えば「ナビゲーションアプリを起動しました。」「ナビゲーションを開始します。」「無線エリアに入りました。」等の音声ガイドを出力する。また、ステップS71において、ユーザにナビゲーションの開始を知らせるために、バイブレータの振動を追加してもよいし、特定の起動音の鳴動を追加してもよい。こうすれば、例えば、ユーザが受信端末12をポケットに入れていたとしても、ナビゲーションの開始を知らせることができる。
図5のステップS71に続いて、受信端末12は、受信電界強度(RSSI)の変化を測定し、受信電界強度の変化に応じて、受信端末12の移動方向を判定する(S72)。すなわち、受信端末12は、受信端末12が無線モジュール101に近付いているか、遠ざかっているか、受信端末12が動いていないか(または無線モジュール101の無線エリアの周方向に移動しているか)を判定する。なお、この移動方向の判定において、移動方向は、通行路の長手方向の2つの方向の何れかであるとみなしてもよい。この移動方向の判定は、電界強度処理部224によってなされる。
次に、受信端末12は、受信端末12の地図上の位置を判定する(S80)。受信端末12の地図上の位置の判定は、図4Bに示した位置判定部226によってなされる。より詳しくは、位置判定部226は、地図上の無線エリアの位置および大きさと、ステップS72の判定結果を満たす地図上の位置とを判定する。
さらに、受信端末12は、地図上の受信端末12の移動方向を判定する(S81)。移動方向の判定は、図4Bに示した方向判定部227によってなされる。より具体的には、方向判定部227は、ステップS72の判定結果(つまり受信電界強度の変化による移動方向の判定結果)と、位置判定部226による判定結果とを満たす地図上の移動方向を判定する。このとき、方向判定部227は、例えば、地図上の通行路を無線エリアがカバーしている場合、通行路の長手方向の通行方向である2つの方向のうちのどちらの方向を受信端末12の移動方向とみなしてもよい。
次に、受信端末12は、ステップS80およびS81で判定された受信端末12の位置および移動方向を、地図上に表示する(S82)。
図6は、ステップS82において表示される表示画面の一例を示す図である。同図の表示画面の例では、交差点を含む地図に、無線装置100を示すマーク(画面中央のマーク)と、無線エリアを示す図形(破線の楕円)と、現在位置および移動方向を示すマーク(ハッチングされた矢印)が付加されている。このときの表示画面に表示される画像は、ガイド生成部228によって生成される。
図6のステップS82に続いて、受信端末12は、受信端末12の位置および移動方向をガイドする音声を出力する(S83)。音声出力部25aは、例えば、「この先に交差点があります。」等の音声ガイダンスを出力する。この音声ガイダンスは、ガイド生成部228によって生成される。
つづいて、受信端末12は、モジュールIDに変化があるか否か、すなわち、モジュールIDを受信できなくなったか、受信しているモジュールIDが別のモジュールIDに変わったかどうかを判定し(S85)、モジュールIDに変化がある場合には(S85でyes)ステップS70の処理に戻る。モジュールIDに変化がない場合には(S85でno)ステップS72の処理に戻る。
以上のように構成された本実施の形態におけるナビゲーションシステムによれば、受信端末12は、無線モジュール101からモジュールIDを受信することによって、受信端末12の位置と移動方向とを判定し、ユーザの移動をガイドすることができる。
(実施の形態2)
実施の形態2では、実施の形態1に対して、さらに、基準点の周辺を照明し、照明光に固有の第2IDを重畳することにより第2IDを繰り返し送信する照明装置を備えるナビゲーションシステムについて説明する。
図7Aは、実施の形態2におけるナビゲーションシステムの構成例を示す図である。同図は、図1と比べて、基準点つまり交差点天井の中央付近に、照明装置200が追加されている点が異なる。以下、異なる点を中心に説明する。
照明装置200は、基準点の周辺を照明し、照明装置200に固有の第2IDを照明光に重畳することにより第2IDを繰り返し送信する。ここで、基準点の周辺というのは、例えば、図7A中の破線円で示された可視光エリアA1であり、基準点が天井であれば基準点に対応する路面を含む周辺をいう。可視光エリアA1は、受信端末12が第2IDを受信可能なエリアを表している。また、第2IDを、可視光IDとも呼ぶ。
図7Bは、実施の形態2におけるナビゲーションシステムの設置例を示す図である。
同図のナビゲーションシステムは、地下街の交差点の天井に設置され、地下街の行き先案内を記した内照式の看板装置を構成している。照明装置200は通行路が交差する領域を照明し、これにより、破線で示すような可視光エリアA1が形成されている。
図8は、実施の形態2における照明装置200の構成例を示す図である。同図の照明装置200は、電流源201、容量素子202、発光部203、負荷210、スイッチトランジスタ205、IDメモリ206、信号発生部207を備える。
電流源201は、発光部203に定電流を供給する。発光部203を流れる電流は、実際には完全に一定ではなく、スイッチトランジスタ205の動作による変動を含む。
容量素子202は、発光部203を流れる電流の変動を抑制し、ノイズを除去する。
発光部203は、直列に接続された複数の発光素子により構成され、照明光を発生する。ここで、発光素子は、照明光に可視光IDを重畳するための応答性の観点から、例えばLED(Light Emitting Diode)である。複数のLEDは白色が望ましいが、部分的に他の色のLEDが存在してもよい。また、発光部203は、スイッチトランジスタ205のスイッチング速度に対する応答性が良ければよく、例えば複数のLEDの代わりに有機EL(Electro Luminescence)発光体、無機EL発光体等を用いてもよい。
負荷210は、発光部203と直列に接続され、抵抗成分を有する負荷回路である。
スイッチトランジスタ205は、負荷210に並列に接続され、例えば、電流容量が大きくオン抵抗が小さい電力制御用のパワーMOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタである。スイッチトランジスタ205がオフのとき、電流源201からの電流は、発光部203および負荷210を流れる。スイッチトランジスタ205がオンのとき、電流源201からの電流は発光部203およびスイッチトランジスタ205を流れる。すなわち、スイッチトランジスタ205のオンおよびオフにより発光部203の電流量が異なり、照明光の明暗が異なる。このように、スイッチトランジスタ205を照明光の明暗を制御する。光通信では、デジタルデータが明暗として伝送される。つまり、デジタルデータが照明光に重畳される。
IDメモリ206は、照明装置200に固有の第2ID(つまり可視光ID)を記憶する。
信号発生部207は、IDメモリ206に記憶された可視光IDを照明光に重畳するようにスイッチトランジスタ205へのゲート信号を発生する。例えば、信号発生部207は、電子情報技術産業協会規格(JEITA)のCP−1223「可視光ビーコンシステム」に規定された通信フレームに準拠してゲート信号を発生する。具体的には、通信フレームは周期的に繰り返し送信される。各通信フレームは、その通信フレームの先頭を示すプリアンブルと、そのフレームのタイプを示すタイプ情報と、任意の情報(ここでは、照明装置200の可視光ID)を載せるペイロードと、その通信フレームの誤り検出符号とを含む固定長のデータである。誤り検出符号は、そのフレームのデータ誤りを検出するための符号であり、例えば、CRC(Cyclic Redundancy Check)符号である。また、信号発生部207は、光強度変調として、本実施の形態では、N(Nは整数)値のパルス位置変調(PPM;Pulse Position Modulation)を用いるものとする。
この構成により、照明装置200は、固有の第2IDを照明光に重畳することにより第2IDを繰り返し送信する。
このナビゲーションシステムによれば、基準点の近くでは第1IDの電波が届かない不感エリアであり、あるいは、所望の指向性からの漏れ電波により第1IDの電波が混信するエリアであり、モジュールIDの受信が困難になるが、受信端末12は、第2IDの受信により受信端末12が基準点付近に居ることを判定することができる。
以上が送信側の構成である。次に、受信端末の構成例について説明する。
図9Aは、実施の形態2における受信端末12の構成例を示すブロック図である。図9Aの受信端末12は、図3Aと比べて、光受信部20が追加されている点が主に異なっている。以下異なる点を中心に説明する。
光受信部20は、照明装置200からの照明光に重畳された第2IDを受信するために、受光部20a、復調部20bを備える。
受光部20aは、光電変換機能を有し、例えばフォトダイオード、フォトトランジスタ、フォトコンダクタ等である。
復調部20bは、受光部20aからの電気信号を復調する。例えば、N値パルス位置変調された可視光IDを含む電気信号を、元の可視光IDに復調する。
制御部22のハードウェア構成例は図3Aと同じであるが、機能的にはナビゲーションプログラムが可視光IDに対応するようになっている点で異なる。さらに、制御部22の機能的な構成について説明する。
図9Bは、実施の形態2における制御部22の機能構成例を示すブロック図である。図9Bの構成は、図3Bと比べて、第2取得部223が追加されている点が主として異なっている。以下異なる点を中心に説明する。
第2取得部223は、光受信部20によって受信された可視光IDから、当該可視光IDを送信した照明装置200の位置を示す位置情報を取得する。この位置情報の取得経路は、メモリ22bに格納されたデータベース、無線部30bを介して接続された上記のサーバー装置のデータベース、無線部30cを介して接続された上記のサーバー装置のデータベースの何れかである。
また、地図取得部225、位置判定部226、方向判定部227、ガイド生成部228も可視光IDに対応する処理が追加されている。詳細はフローチャートを用いた動作例で説明する。
図10は、実施の形態2における受信端末12の動作例を示すフローチャートである。図10のフローチャートは、図5と比べて、ステップS73〜S79、S84が追加されている点が主に異なっている。以下、異なる点を中心に説明する。
図10のステップS72に続いて、受信端末12は、現在可視光IDを受信しているか否か、例えば、一定時間内に可視光IDを受信したか否かを判定する(S73)。一定時間は、繰り返し送信される可視光IDの1周期以上の時間であり、例えば、光受信部20が偶発的に遮光され得ることを考慮すれば、一定時間を数100mSとしてもよい。
現在可視光IDを受信していると判定した場合(S73でyes)、受信端末12は、当該可視光IDの最初の受信であるか否かを判定する(S74)。さらに、受信端末12は、最初の受信であると判定した場合(S74でyes)、受信端末12が当該可視光エリアの外から中に入ったと判定し(S75)、最初の受信でないと判定した場合(S74でno)、受信端末12が既に当該可視光エリアの中にいると判定し(S77)、ステップS80の処理に進む。ステップS76、S77、S79の判定は、図9Bに示した位置判定部226によりなされる。
一方、現在可視光IDを受信していないと判定した場合(S73でno)、受信端末12は直前に可視光IDを受信していたか否か、例えば、上記の一定時間より前に可視光IDを受信していたか否かを判定する(S78)。直前に可視光IDを受信していたと判定した場合(S78でyes)、受信端末12は、受信端末12が可視光エリアから出たと判定し(S79)、ステップS80の処理に進む。また、直前に可視光IDを受信していないと判定した場合(S78でno)、受信端末12は、受信端末12が可視光エリア内にいないことから、ステップS84の処理に進む。ステップS78、S79の判定は、図4Bに示した位置判定部226によりなされる。
ステップS75の次に、受信端末12は、最初に受信した可視光IDに対応する照明装置200の位置情報を取得する(S76)。位置情報の取得は、図4Bに示した第2取得部223によりなされる。この時点で、ステップS71において既に地図情報が取得されているが、より狭い可視光エリアの詳細な地図を表示するために、ステップS76において当該照明装置200の位置情報に対応する地図情報を取得してもよい。地図情報の取得は、地図取得部225によりなされる。
ステップS76、S77、S79それぞれの次に、受信端末12は、受信端末12の地図上の位置を判定する(S80)。受信端末12の地図上の位置の判定は、図4Bに示した位置判定部226によってなされる。より詳しくは、位置判定部226は、地図上の可視光エリアの位置および大きさと、ステップS76、S77、S79の何れかの判定結果(つまり受信端末12が光通信エリアに入ったか、出たか、中にいるかを示す判定結果)とを満たす地図上の位置を判定する。
さらに、受信端末12は、地図上の受信端末12の移動方向を判定する(S81)。移動方向の判定は、図4Bに示した方向判定部227によってなされる。より具体的には、方向判定部227は、ステップS72の判定結果(つまり受信電界強度の変化による移動方向の判定結果)と、位置判定部226による判定結果とを満たす地図上の移動方向を判定する。このとき、方向判定部227は、例えば、地図上の通行路に照明装置200が取り付けられている場合、通行路の長手方向の通行方向である2つの方向のうちのどちらの方向を受信端末12の移動方向とみなしてもよい。
ステップS80、S81における判定の後、上述の表示部25bおよび音声出力部25aによる表示および音声出力がなされる(S82、S83)。
図11は、ステップS83における受信端末12表示画面の表示例を示す図である。同図では、交差点を表す地図上に、無線装置100を表すマークと、可視光エリアを表す図形(画面中の破線円)と、無線エリアを表す図形(画面中の破線の楕円部分)、受信端末12の位置および移動方向を示すマーク(画面中の白抜き矢印)が付加されている。
ステップS82、S83における表示および音声出力の後、受信端末12は、可視光IDに変化があるか否か、すなわち、可視光IDを受信できなくなったか、受信している可視光IDが別の可視光IDに変わったかどうかを判定し(S84)、可視光IDに変化がある場合には(S84でyes)ステップS72の処理に戻る。
さらに、可視光IDに変化がない場合には(S84でno)、受信端末12は、モジュールIDに変化があるか否か、すなわち、モジュールIDを受信できなくなったか、受信しているモジュールIDが別のモジュールIDに変わったかどうかを判定し(S85)、モジュールIDに変化がある場合には(S85でyes)ステップS70の処理に戻る。
なお、図7のステップS84では所定時間が経過したか否かを判定し、所定時間が経過したときにステップS72に戻り、所定時間が経過していないときにステップS85に進むようにしてもよい。所定時間は、表示画面の更新周期でもあり、例えば、プロセッサの処理能力等に応じて定めればよく、数10m秒〜数秒程度でよい。
以上のように構成された本実施の形態におけるナビゲーションシステムによれば、受信端末12は、無線モジュール101および照明装置200からモジュールIDおよび可視光IDを受信することによって、受信端末12の位置と移動方向とを判定し、ユーザの移動をガイドすることができる。
(実施の形態3)
実施の形態3では、実施の形態1または2に対して、さらに、第1IDの送信範囲内(つまり無線エリア内)に複数の照明装置が追加されたナビゲーションシステムについて説明する。複数の照明装置のそれぞれは、実施の形態2で説明した照明装置と同じ構成である。
図12は、実施の形態3におけるナビゲーションシステムの構成例の一部を示す図である。つまり、同図は、図1または図7Aにおける1つの通行路の部分を示している。図12における交差点の部分は図1または図7Aと同じである。
図12のナビゲーションシステムは、無線装置100と、複数の照明装置200a〜200fとを備えている。複数の照明装置200a〜200fは、互いに異なる第2IDを有している。照明装置200a〜200fのそれぞれは、例えば店名を表示する看板として、地下街通行路に面する店A〜Fの入り口の上部に備え付けられる。図中の破線丸印は、各照明装置の照明光により形成される可視光エリアを表している。
また、受信端末12は、実施の形態2で説明した構成およびフローチャートに示した動作例と同じでよい。
この構成によれば、受信端末12は、通行路を移動に伴って複数の可視光エリアを通過することになる。受信端末12は、図10に示したフローチャートによれば、1つの可視光エリアに入る毎に画面に表示された地図上の図形やマークを更新し、また音声ガイドを更新することができる。例えば、音声出力部25aは、「左側のスポーツ用品店Bでは・・・の販売セールをしています。」「左側の日本料理店Aでは、期間限定ランチを・・円で提供しています。」等の音声ガイドを出力することができる。
以上のように構成された本実施の形態におけるナビゲーションシステムによれば、無線エリア内の通行路に沿って照明装置を複数備えることにより、受信端末12の移動に伴って照明装置の可視光エリア毎にその位置に適切なガイドをすることができる。例えば、照明装置が店舗の入り口にあれば、店舗の所在をガイドすることができる。
なお、図12において、可視光エリアは重なりがない方が望ましいが、重なりがあっても受信端末12の受光部20aの向きによって第2IDを正しく受信することが可能である。
また、図12では通行路の1つしか図示していないが、他の通行路においても同様に複数の照明装置を備えてもよい。
なお、照明装置200は、図3に示した構成例の代わりに図13に示す構成例としてもよい。図13は、変形例における照明装置200aの構成例を示す図である。
図13の構成は、図3と比べて、負荷210の代わりに第2発光部204を備える点が異なっている。本実施の形態では、発光部203を第1発光部203と呼ぶ。
以下異なる点を中心に説明する。
第2発光部204は、直列に接続された複数のLEDにより構成され、照明光を発生する。また、第2発光部204は、スイッチトランジスタ205のスイッチング速度に対する応答性が良ければよく、例えば複数のLEDの代わりに有機EL発光体、無機EL発光体等を用いてもよい。第2発光部204は、スイッチトランジスタ205のオフおよびオンにより点灯および消灯する。この点灯および消灯により可視光IDは第2発光部204の照明光に重畳される。
これにより、照明装置200aは、第1発光部203により形成される可視光エリアと、第2発光部204により形成される可視光エリアの2つを持つことができる。
ここで、照明光への可視光IDの重畳、つまり変調について説明する。
図14は、変形例における照明装置200aによる光通信の説明図である。同図では照明光を4値パルス位置変調(4PPM)する場合の、変調の単位である1シンボルとして扱われる2ビットのデータ、4PPMによる4つの位置に対応する4PPM値、第2発光部204および第1発光部203の光信号波形を示している。「点灯」および「消灯」を付加した光信号波形は第2発光部204に、「明」および「暗」を付加した光信号波形は第1発光部203に対応する。
第2発光部204の光信号波形の変動は、実際には、第1発光部203の光信号波形の変動よりもずっと大きい。すなわち、第2発光部204の変調度は第1発光部203よりも大きい。それゆえ、第2発光部204からの可視光IDは、第1発光部203よりも遠くまで送信される。
また、第1発光部203と第2発光部204とで、光信号の位相が反転しているが、受信端末12では両者の照明光をそれぞれ同一の可視光IDに正しく復調することができる。第1発光部203と第2発光部204の照明光が重なる領域では光信号波形の変動が一部相殺されるが、異なる方向を照明することにより、光信号波形の変動を相殺する領域を限定することができる。なお、第2発光部204の照明光の色は第1発光部203と異なる色にしてもよい。
このように構成された本実施の形態におけるナビゲーションシステムによれば、実施の形態2と比べて、ユーザの移動をガイドする範囲を、より広くすることができる。
すなわち、第2発光部204による可視光エリアは、第1発光部203による可視光エリアよりも可視光IDを遠くまで送信することができ、例えば、照明光を水平方向および斜め下に向けた可視光エリアの形成に適している。しかも、第1発光部203による可視光エリア、および第2発光部204による可視光エリアの2つを任意の方向に設けることができる。
以上説明してきたように、本発明のナビゲーションシステムは、基準点から互いに異なる方向に指向性を有し、かつ前記方向毎に異なる第1IDを有する複数の信号を繰り返し送信する無線装置100を備える。
この構成によれば、無線装置は、異なる方向に異なる第1IDを送信するので、第1IDを受信した受信端末は、無線装置の位置さえ分かれば、受信端末の現在位置が無線装置からどの方向の位置なのか、どの方向に移動しているのかを判定することができる。また、無線装置は少なくとも第1IDを繰り返し送信すればよく、複雑な機能を要しないので低コスト化できる。
ここで、無線装置100は、上記の指向性に対応する複数のアンテナRa〜Rdと、互いに異なる第1IDを有し、複数のアンテナRa〜Rdに対応し、対応するアンテナを介して第1IDを繰り返し送信する複数の無線モジュール101a〜101dとを有していてもよい。
この構成によれば、アンテナと無線モジュールの組を複数備える構成でよい。
ここで、ナビゲーションシステムは、交差点におけるユーザの移動をガイドするシステムであり、上記の指向性の向きは、通行路の方向に対応していてもよい。
この構成によれば、例えば、地下街の交差点にナビゲーションシステムを設置すれば、地下街における受信端末12の現在位置がどの通行路なのか、移動方向はどの方向なのかを判定を容易にする。
ここで、ナビゲーションシステムは、さらに、無線装置100から第1IDを受信することによって、ユーザの移動をガイドする受信端末12を備えてもよい。
この構成によれば、受信端末の現在位置と移動方向に基づいてガイドすることができる。
ここで、受信端末12は、無線装置100から特定のプログラムの起動を指示する通知を受信したとき、ユーザの移動をガイドするプログラムの実行を開始してもよい。
この構成によれば、いわゆるプッシュ通知によりプログラムを起動できるので、受信端末12のユーザは、プログラムの起動操作を意識しなくても移動のガイドを受けることができる。
ここで、受信端末12は、第1IDを受信することによって、当該第1IDを受信可能な範囲である無線エリアを表す図形を付加した地図を表示してもよい。
この構成によれば、受信端末12は、無線エリアを表す図が付加された地図を表示することにより、ユーザの移動をガイドすることができる。
ここで、ナビゲーションシステムは、さらに受信端末12を備え、受信端末12は、第1IDにより無線モジュール101の位置を示す位置情報を取得する第1取得部222と、位置情報により受信端末12の位置を判定する位置判定部226と、位置情報によりにより受信端末12の移動方向を判定する方向判定部227と、判定された位置および移動方向に応じてユーザに移動のガイダンスを音声出力または表示する出力部25とを備えてもよい。
この構成によれば、受信端末12は、受信端末12の位置および移動方向を判定することができる。
ここで、ナビゲーションシステムは、さらに、基準点の周辺を照明し、照明光に固有の第2IDを重畳することにより第2IDを繰り返し送信する照明装置200を備えしてもよい。
この構成によれば、受信端末12は、無線装置の位置情報から受信端末12の位置および移動方向を判定することができる。特に、基準点では第1IDの電波が混信し、無線IDの受信が困難になるが、第2IDの受信により受信端末12の基準点に居ることを知らせることができる。
ここで、ナビゲーションシステムは、第1IDを受信可能な範囲である無線エリア内に設置される照明装置200a〜200dであって、照明装置200a〜200dに固有の第2IDを、照明光に重畳することによって、第2IDを繰り返し送信する複数の照明装置200a〜200dを備えてもよい。
この構成によれば、さらに、第2IDを繰り返し送信することにより、受信端末12に照明装置の近傍に居ることを知らせることができる。例えば、照明装置が店舗の入り口にあれば、店舗の所在をガイドすることができる。
ここで、複数の照明装置200a〜200dは、異なるエリアを照明してもよい。
この構成によれば、照明エリア毎に受信端末12の位置を判定させることができ、位置判定および移動方向の判定の精度を向上させることができる。
ここで、ナビゲーションシステムは、さらに、受信端末12を備え、受信端末12は、無線通信により送信される第1IDを受信する無線部30aと、照明光に重畳された第2IDを受信する光受信部20と、第1IDにより無線モジュール30aの位置を示す位置情報を取得する第1取得部222と、第2IDにより照明装置の位置を示す位置情報を取得する第2取得部223と、2つの位置情報から受信端末12の位置を判定する位置判定部226と、2つの前記位置情報から受信端末12の移動方向を判定する方向判定部227と、判定された位置および移動方向に応じてユーザに移動のガイダンスを音声出力または表示する出力部25とを備えしてもよい。
この構成によれば、第1IDおよび第2IDによって、受信端末12は、受信端末12の位置判定および移動方向の判定をすることができる。
以上、本発明のナビゲーションシステム、受信端末について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を本実施の形態に施したものや、実施の形態における一部の構成要素を組み合わせて構築される別の形態も、本発明の範囲内に含まれる。
たとえば、上記実施の形態では、ナビゲーションシステムを地下街の通行路および交差点に配置する例を説明したが、ビル内、駅舎内などのGPSの電波が届きにくい屋内に電波の届かない屋内で有効に利用できる。また、屋外の交差点、通行路等にナビゲーションシステムを設置してもよく、GPSと併用または選択的に利用するようにしてもよい。
また、ナビゲーションシステムの設置場所は、通行路や交差点に限らず、展示会、博覧会の会場等の屋内または屋外の敷地内に、複数の照明装置を設置してもよい。
また、実施の形態1、2のナビゲーションシステムでは、指向性を向ける方向の数が4つである例を説明したが、ナビゲーションシステムを適用する場所に応じて、指向性を向ける数を定めて、同数のアンテナおよび無線モジュール101を備えればよい。
また、無線モジュール101は、Bluetooth(登録商標)規格の無線モジュールにより、モジュールIDを繰り返し送信する例を説明したが、数mから数10mの近距離無線通信であれば他の通信方式であってもよいし、超音波にモジュールIDを重畳して繰り返し送信する無線モジュールであってもよい。
また、無線モジュール101の位置および無線エリアの範囲を示す位置情報は、無線モジュール101の位置を少なくとも示せばよく、必ずしも無線エリアの範囲を示す必要はない。この位置情報が無線エリアの範囲を示さない場合には、受信端末12は、地図上の無線モジュール101の位置から無線エリアの範囲を推定するようにすればよい。例えば、受信端末12は、無線装置100内の他の無線モジュール101の位置と、当該無線モジュール101位置から、地図上において、当該無線モジュール101の直近の通行路をカバーする位置および方向に無線エリアが存在すると推定すればよい。
また、変形例で説明した第1発光部203、第2発光部204が異なる色で照明する場合、受信端末12は、色に対応する複数の受光部を備えてもよい。この場合、第1発光部203および第2発光部204の波長領域が、異なっていればよく、排他的であっても一部重複していても包含されていてもよい。
また、各実施の形態では、無線モジュール101に対応する指向性が地下街の通行路に沿って通行路をカバーするように形成されているが、例えば、階段、エスカレータ、エレベータ等の人の移動方向に沿ってそれらの通行路をカバーするように指向性を持たせてもよい。
また、実施の形態2、3では、照明装置200の照明光が可視光であることを前提に説明したが、照明光が赤外光であって、かつ受信端末12が赤外光を受光すれば、同様の効果を得ることができる。
また、受信端末の動作は、ナビゲーション方法として実現することができ、その方法に含まれるステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現することができる。
また、本発明のナビゲーションシステムは、地下街、ビル内、駅舎内または道路等の交差点、通行路に設置され、例えば、誘導システム、案内システム、看板システムとして利用可能であり、また、本発明の受信端末は、例えば、スマートフォンを含む携帯電話機等の携帯型の情報端末装置、車載のナビゲーション端末装置等に利用可能である。
12 受信端末
20 光受信部
25 外部出力部(出力部)
30a 無線部
100 無線装置
101a、101b、101c、101d 無線モジュール
200 照明装置
222 第1取得部
223 第2取得部
226 位置判定部
227 方向判定部
Ra、Rb、Rc、Rd アンテナ

Claims (11)

  1. 基準点から互いに異なる方向に指向性を有し、かつ前記方向毎に異なる第1IDを有する複数の信号を繰り返し送信する無線装置を備える
    ナビゲーションシステム。
  2. 前記無線装置は、
    前記指向性に対応する複数のアンテナと、
    互いに異なる前記第1IDを有し、前記複数のアンテナに対応し、対応するアンテナを介して前記第1IDを繰り返し送信する複数の無線モジュールとを有する
    請求項1に記載のナビゲーションシステム。
  3. 前記ナビゲーションシステムは、交差点におけるユーザの移動をガイドするシステムであり、
    前記指向性の向きは、通行路の方向に対応する
    請求項1または2に記載のナビゲーションシステム。
  4. 前記ナビゲーションシステムは、さらに、
    前記無線装置から前記第1IDを受信することによって、ユーザの移動をガイドする受信端末を備える
    請求項1〜3の何れか1項に記載のナビゲーションシステム。
  5. 前記受信端末は、前記無線装置から特定のプログラムの起動を指示する通知を受信したとき、ユーザの移動をガイドするプログラムの実行を開始する
    請求項4に記載のナビゲーションシステム。
  6. 前記受信端末は、前記第1IDを受信することによって、当該第1IDを受信可能な範囲である無線エリアを表す図形を付加した地図を表示する
    請求項4または5に記載のナビゲーションシステム。
  7. 前記ナビゲーションシステムは、さらに受信端末を備え、
    前記受信端末は、
    前記第1IDにより前記無線モジュールの位置を示す位置情報を取得する第1取得部と、
    前記位置情報により前記受信端末の位置を判定する位置判定部と、
    前記位置情報によりにより前記受信端末の移動方向を判定する方向判定部と、
    判定された位置および移動方向に応じてユーザに移動のガイダンスを音声出力または表示する出力部とを備える
    請求項2に記載のナビゲーションシステム。
  8. 前記ナビゲーションシステムは、さらに、
    前記基準点の周辺を照明し、照明光に固有の第2IDを重畳することにより前記第2IDを繰り返し送信する照明装置を備える
    請求項2に記載のナビゲーションシステム。
  9. 前記ナビゲーションシステムは、
    前記第1IDを受信可能な範囲である無線エリア内に設置される照明装置であって、照明装置に固有の第2IDを照明光に重畳することによって、前記第2IDを繰り返し送信する複数の照明装置を備える
    請求項2に記載のナビゲーションシステム。
  10. 前記複数の照明装置は、異なるエリアを照明する
    請求項9に記載のナビゲーションシステム。
  11. 前記ナビゲーションシステムは、さらに、受信端末を備え、
    前記受信端末は、
    無線通信により送信される前記第1IDを受信する無線部と、
    照明光に重畳された前記第2IDを受信する光受信部と、
    前記第1IDにより前記無線モジュールの位置を示す位置情報を取得する第1取得部と、
    前記第2IDにより前記照明装置の位置を示す位置情報を取得する第2取得部と、
    2つの前記位置情報から前記受信端末の位置を判定する位置判定部と、
    2つの前記位置情報から前記受信端末の移動方向を判定する方向判定部と、
    判定された位置および移動方向に応じてユーザに移動のガイダンスを音声出力または表示する出力部とを備える
    請求項8〜10の何れか1項に記載のナビゲーションシステム。
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