JP2015175338A - 内燃機関の油圧調整弁構造 - Google Patents

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宏次 松井
卓也 金澤
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卓也 金澤
勇介 丸井
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Abstract

【課題】内燃機関の高回転時における油圧調整弁の共振による油圧振幅への対応と、低回転時における油圧調整弁の制御油圧のオーバーシュートの防止とを両立させつつ、構造を大幅に変えることなく安価に対応させる油圧調整弁構造を提供する。【解決手段】オイルポンプ42の下流側に位置して、弁ボディ61内をスプリング63により付勢された有底筒状のリリーフ弁体62によりオイル循環路内の油圧を一定に保つ油圧調整弁60が設けられた内燃機関の油圧調整弁構造において、リリーフ弁体62を、底部62bの直径に対して筒状部62aの長さを大きく形成し、リリーフ弁体62の筒状部62aに、リリーフ弁体62の中心軸Cに対して周方向に均等な大きさとなるように開口させたバランス孔62cを複数設ける。【選択図】図11

Description

本発明は鞍乗型車両等に搭載される内燃機関の油圧調整弁構造に関する。
内燃機関は、オイルポンプによりオイルが圧送されて、オイル循環路を経由して各所にオイルが送られるようになっている。オイル圧力が所定以上に高められて、オイル循環路の各構成部に許容範囲以上の圧力がかかるのを防ぐために、オイル循環路中に油圧調整装置が設けられている。自動二輪車等の鞍乗型車両に用いられる油圧調整装置は、油圧を良好な状態に制御しつつ軽量で簡便な装置にするため、例えば特許文献1に示されるような、弁本体内に弁室を形成し、この弁室内にボール弁と該ボール弁を弾発する圧縮コイルばねとを備えた油圧調整弁構造が用いられている。
オイルポンプのうち、トロコイドポンプン等、ポンプ室の容積の増減によりオイルの吸入・吐出が行われてオイルを圧送する容積型のオイルポンプでは、オイルポンプから吐出されるオイル量が変動し、吐出されたオイルの圧力に脈動が発生する。特許文献1に示された油圧調整弁構造では、このようなオイル圧力の脈動にボール弁が共振することによるオイル鳴りやボール弁自体のチャタリングを抑制するために、ボール弁の共振を防ぐ油圧弁制振バネを追加して設けている。しかし、このようなボール弁を用いた油圧調整弁構造に比べて、ピストンを用いた油圧調整弁構造は、オイル鳴りやチャタリングに対してより有為なため、ボール弁に変えてピストン弁を用い、制御バネによってピストン弁の開閉を制御して、オイル循環路のリリーフ圧を調整する構造の油圧調整弁構造が用いられている(特許文献2参照)。このような油圧調整弁構造では、オイルポンプの吐出オイルのオイル圧の脈動とピストン弁の制御バネによる作動が共振しないように、ピストン弁や制御バネを所定条件に設定して油圧調整弁構造の固有振動数を定めていた。
しかし、近年の内燃機関は使用される回転数の領域が広範囲にわたり多様化し、またオイルポンプの吐出脈動周波数は内燃機関の回転数に伴って変化するため、内燃機関の高回転時における油圧調整弁の共振による油圧振幅への対応と、低回転時における油圧調整弁の制御圧力のオーバーシュート防止との両立を、油圧調整弁構造を大幅に変えることなく安価に対応することが課題となっている。
特開平11−013446号公報 特開2013−068166号公報
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、内燃機関の高回転時における油圧調整弁の共振による油圧振幅への対応と、低回転時における油圧調整弁の制御油圧のオーバーシュートの防止とを両立させつつ、構造を大幅に変えることなく安価に対応させる油圧調整弁構造を提供することにある。
本発明は前記目的を達成するために、請求項1に係る内燃機関の油圧調整弁構造は、オイルポンプの下流側に位置して、弁ボディ内をスプリングにより付勢された有底筒状のリリーフ弁体によりオイル循環路内の油圧を一定に保つ油圧調整弁が設けられた内燃機関の油圧調整弁構造において、前記リリーフ弁体は、底部の直径に対して筒状部の長さを大きく形成するとともに、前記リリーフ弁体の筒状部に、前記リリーフ弁体の中心軸に対して周方向に均等な大きさとなるように開口させたバランス孔が複数設けられたことを特徴とするものである。
請求項2に係る内燃機関の油圧調整弁構造は、請求項1に記載の内燃機関の油圧調整弁構造において、前記リリーフ弁体は、有底筒状の前記弁ボディ内に開口部から挿入されてピンにより抜け止めされる構造で、前記弁ボディにおける前記開口部近傍に、前記リリーフ弁体が後退した時に循環路内のオイルを逃がすリリーフ開口部が設けられ、前記油圧調整弁の閉弁状態において、前記バランス孔の少なくとも一部が、前記リリーフ開口部と常に連通しており、前記油圧調整弁の開弁状態において、前記バランス孔と前記リリーフ開口部とは連通しないことを特徴とするものである。
請求項3に係る内燃機関の油圧調整弁構造は、請求項2に記載の内燃機関の油圧調整弁構造において、前記弁ボディの前記リリーフ開口部は周方向に対して等間隔に複数設けられ、前記リリーフ弁体の前記バランス孔は周方向に対して等間隔に複数設けられ、前記リリーフ弁体の前記バランス孔の数は、前記弁ボディの前記リリーフ開口部の数の公倍数とならないように設定されたことを特徴とするものである。
請求項4に係る内燃機関の油圧調整弁構造は、請求項1ないし請求項3のいずれかの請求項に記載の内燃機関の油圧調整弁構造において、前記バランス孔は4か所に等間隔の長穴として設けられることを特徴とするものである。
請求項5に係る内燃機関の油圧調整弁構造は、請求項1ないし請求項3のいずれかの請求項に記載の内燃機関の油圧調整弁構造において、前記バランス孔は千鳥に複数設けられることを特徴とするものである。
請求項6に係る内燃機関の油圧調整弁構造は、請求項2ないし請求項5のいずれかの請求項に記載の内燃機関の油圧調整弁構造において、前記弁ボディの前記リリーフ開口部の数は、前記リリーフ弁体の前記バランス孔の数よりも多く形成したことを特徴とする
請求項7に係る内燃機関の油圧調整弁構造は、請求項2ないし請求項6のいずれかの請求項に記載の内燃機関の油圧調整弁構造において、前記オイルポンプは、前記内燃機関により駆動され、前記油圧調整弁が設けられるオイル循環構造は、前記オイルポンプから吐出されるオイルが、前記内燃機関の潤滑用オイルとクラッチ作動用オイルが分配される構造であって、前記油圧調整弁は、潤滑用オイルとクラッチ作動用オイルとに分配される前のオイルの圧力調整に用いられるものであることを特徴とするものである。
請求項1に記載の発明によれば、リリーフ弁体は、底部の直径に対して筒状部の長さを大きく形成するとともに、リリーフ弁体の筒状部にリリーフ弁体の中心軸に対して周方向に均等な大きさとなるように開口させたバランス孔が複数設けられているので、リリーフ弁体がケーシングにガイドされるガイド部を長く残しつつ軽量化されることで、リリーフ弁体の固有振動数を高くすることができ、専用制振弁等を追加することなく内燃機関の高回転時でのリリーフ弁体による圧力振幅に対応することができる。また、リリーフ弁体が軽量化することでリリーフ弁体の動作初期の動作性を向上させて、内燃機関の初動時等の低回転時でオイル粘性が高い場合であっても、リリーフ弁体の動きを良くして制御圧力のオーバーシュートを防止することが可能となる。さらに油圧調整弁構造を大幅に変えることなくコストの低減を図ることができる。また、バランス孔は、リリーフ弁体の筒状部にリリーフ弁体の中心軸に対して周方向に均等な大きさとなるように開口されているので、リリーフ弁体は、中心軸に対してバランス良く軽量化され、摺動方向に対する弁動作のバランスが良好なままで軽量化することができる。
請求項2に記載の発明によれば、油圧調整弁構造は有底筒状の弁ボディ内に開口部から挿入されてピンにより抜け止めされる構造で、弁ボディにおける開口部近傍にリリーフ弁体が後退した時に循環路内のオイルを逃がすリリーフ開口が設けられ、圧力調整弁の閉弁状態において、バランス孔の少なくとも一部がリリーフ開口部と常に連通されているので、リリーフ弁体の動作初期において、リリーフ弁体の裏のオイルや空気がバランス孔からリリーフ開口部を経由して容易に排出されて、リリーフ弁体の動きがさらに良好となり、油圧調整弁の開弁状態においては、バランス孔とリリーフ開口部とは連通しないので、リリーフ弁体の裏のオイルや空気の排出が抑制され、リリーフ弁体の挙動を抑制するダンピング効果を強めることとなり、油圧振幅の低減化や制御圧力のオーバーシュートの防止をより図ることができる。また、リリーフ開口部を弁ボディのドレイン孔として共用することができ、加工コストをより低減させることができる。
請求項3に記載の発明によれば、弁ボディのリリーフ開口部は周方向に対して等間隔に複数設けられ、リリーフ弁体のバランス孔は周方向に対して等間隔に複数設けられ、リリーフ弁体のバランス孔の数は、弁ボディのリリーフ開口部の数の公倍数とならないように設定されているので、弁ボディ内のリリーフ弁体の摺動にともなってリリーフ弁体が軸中心に対して回動しても、弁ボディのリリーフ開口部とリリーフ弁体のバランス孔は常に連通している状態であるので、リリーフ弁体の動作初期におけるリリーフ弁体の内部のオイルや空気が確実に排出されて、リリーフ弁体の動作性が向上する。
請求項4に記載の発明によれば、バランス孔は4か所の等間隔の長穴として設けられているので、リリーフ弁体の中心軸を挟んで対になる2つのバランス孔を同時に加工することができて、生産性が向上する。
請求項5に記載の発明によれば、バランス孔は、千鳥に複数設けられているので、弁ボディと接するリリーフ弁体の面が、弁ストロークとともに変化し、リリーフ弁体が弁ボディにガイドされる面の耐久性を向上させることができる。
請求項6に記載の発明によれば、弁ボディのリリーフ開口の数は、バランス孔の数よりも多く形成されているので、リリーフ開口部とバランス孔との連通が良くなり、油圧振幅をより低減させ、リリーフ弁体のオーバーシュートをさらに抑制することができる。
請求項7に記載の発明によれば、オイルポンプは内燃機関により駆動され、油圧調整弁が設けられるオイル循環構造は、内燃機関により駆動される同一のオイルポンプから吐出されたオイルが、内燃機関の潤滑用オイルとクラッチ作動用オイルとに分配される構造であって、油圧調整弁は潤滑用オイルとクラッチ作動用オイルとに分配される前のオイルの圧力調整に用いられるので、内燃機関とともに高い回転域までの圧力変動に追従することが可能となり、リリーフ圧を良好に制御するとともに、クラッチ系へ供給するオイルの圧力変動を低減して変速時のクラッチ切り替えをスムーズに行うことが可能となり、乗り心地を向上させることができる。
本発明の一実施形態の油圧調整弁機構を備えたパワーユニットの斜視図である。 パワーユニットの後面図である。 パワーユニットからクランクケースからケースカバーを取り外して一部を断面図とした後面図である。 パワーユニットのオイル供給構造およびオイル循環路を示す説明図である。 パワーユニットの動力伝達系の全体を示す動力伝達装置の展開断面図である。 ケース部の後面図である。 カバー部の後面図である。 パワーユニットのオイル循環路を示した概略図である。 油圧調整弁、フィードポンプおよびオイルフィルタ近傍を示した断面図である。 リリーフ弁体を示した斜視図である。 閉弁状態の油圧調整弁を示した断面図である。 リリーフ弁体が移動を開始した直後の油圧調整弁を示した断面図である。 リリーフ弁体がさらに移動してバランス孔とリリーフ開口部が連通しなくなった状態の油圧調整弁を示した断面図である。 開弁状態の油圧調整弁を示した断面図である。 リリーフ弁体の重量と最大油圧振幅の関係を示したグラフである。 他の実施形態のリリーフ弁体を示した斜視図である。 弁ボディと弁ボディ内に収納された図16のリリーフ弁をリリーフ弁体61の中心軸Cに直交する面で切断した断面図である。
本発明を係る一実施の形態について図1ないし図15に基づいて説明する。図1は、本実施形態に係る油圧調整弁機構を備えた内燃機関EのパワーユニットPの斜視図である。パワーユニットPは、内燃機関Eのクランク軸7を前後方向に指向して鞍乗型車両(不図示)に搭載されている。なお、本明細書の説明および特許請求の範囲において、前後左右の向きは、本実施の形態に係るパワーユニットPが鞍乗型車両に搭載された際の鞍乗型車両自の直進方向を前方とする前後左右の決まりに従うものとする
図1ないし図3に示されるように、内燃機関Eは、直列2気筒の4ストローク内燃機関であり、クランク軸7を軸支するクランクケース1は、上クランクケース1aと下クランクケース1bからなる上下2つ割りのクランクケース構造をなし、上クランクケース1aには、斜め上方にシリンダ1cが延出されている。上クランクケース1aにはシリンダヘッド2が重ねられてボルト(不図示)でもって一体に締結され、シリンダヘッド2の上部はヘッドカバー3で覆われ、下クランクケース1bの下部には、オイルパン4が取り付けられている。さらに、上クランクケース1aと下クランクケース1bの後側はケース部5で覆われ、ケース部5の後側にはカバー部6が取り付けられている。
図3に示されるように、シリンダ1c内にはピストン9が摺動自在に嵌合されており、ピストン9とクランク軸7はコンロッド8で連結されている。シリンダヘッド2には燃焼室10が形成されており、内燃機関Eの燃焼室10における燃焼エネルギーは、ピストン9の運動エネルギーに変換されてピストン9が上下動し、コンロッド8を介してクランク軸7が回転駆動されるようになっている。
燃焼室10の上面には吸気口10aおよび排気口10bが形成され、それぞれシリンダヘッド2に形成された吸気ポート2aおよび排気ポート2bと連通している。シリンダヘッド2には、吸気口10a、排気口10bを開閉する弁11がそれぞれ設けられており、シリンダヘッド2内に設けられた動弁装置12の動弁カム軸13に形成された動弁カム14により開閉されるようになっている。図4に示されるように、動弁カム軸13の後端にはドリブンスプロケット16が一体回転可能に取り付けらており、該ドリブンスプロケット16とクランク軸7の後方に一体回転可能に設けられたドライブスプロケット15とに架け渡されたカムチェーン17によって、動弁カム軸13にクランク軸7からの回転駆動力が伝達されるようになっており、クランク軸7の回転における所定のタイミングで、吸気用および排気用の弁11がそれぞれ開閉される。
図1および図5に示されるように、パワーユニットPには、前後方向に対して略中央でかつ右側に位置して、主変速機Tmが設けられ、該主変速機Tmの後方に位置して副変速機Tsが設けられている。
主変速機Tmは、クランク軸7の後端に一体に回動可能に取り付けられたプライマリドライブギア18から動力が伝達されるプライマリドリブンギア19を備えたメイン軸20と、1速から6速まで変速可能な変速ギア機構22と、メイン軸20から変速ギア機構22を介して動力が伝達されるカウンタ軸21を具備している。主変速機Tmでは、変速ギア機構22の奇数段を断接する第1クラッチ23と、偶数段を断接する第2クラッチ24を具備した、いわゆるデュアルクラッチトランスミッション(DCT)が採用されている。主変速機Tmは、第1クラッチ23および第2クラッチ24を油圧回路の操作でもって断接し、変速ギア機構22の所望する変速段のギアを噛み合わせることで、スムーズに変速することができるようになっている。
副変速機Tsは、カム式トルクダンパ28を具備し主変速機Tmのカウンタ軸21を経て伝達された動力が入力されるダンパ軸25と、ダンパ軸25から動力が伝達される変速駆動軸26と、高速時用歯車30、低速時用歯車31およびリバース用歯車32を具備した変速ギア機構29と、変速駆動軸26から変速ギア機構29を介して動力が伝達され、図示されない車輪に動力を出力する変速従動軸27とを備えている。副変速機Tsは、ダンパ軸25に入力されたトルクが急激に増減した際には、カム式トルクダンパ28によりトルクの急激な変動が緩衝されるようになっており、また高速時や低速時あるいはリバース時においては、所定の歯車同士を噛み合わせることにより、所望する回転方向、回転数および回転トルクを変速従動軸27から出力することができる。
図8に本実施形態の油圧調整弁60を備えたパワーユニットPのオイル循環路の概略図が示されている。パワーユニットPには、パワーユニットPの各所にオイルを圧送するオイルポンプ機構40が設けられており、該オイルポンプ機構40はスカベンジポンプ41とフィードポンプ42を備えたドライサンプ方式が採用されている。
パワーユニットP内のオイルの流れについて図8を参照して以下述べる。オイルパン4に貯留されたオイルは、ストレーナ50を介して油路A1からスカベンジポンプ41により吸入され、該スカベンジポンプ41から吐出されて油路A2を通過してオイルタンク51に送られる。オイルタンク51内のオイルは油路A3を介してフィードポンプ42により吸入され、フィードポンプ42から吐出されたオイルは、油路A4を通過してオイルフィルタ52に送られ、オイルフィルタ52によりオイル内の不純物が濾過される。
オイルフィルタ52で濾過されたオイルは油路A5に送られ、油路A5から分岐された一方の油路A6を通って、第1クラッチ23や第2クラッチ24等の油圧により制御される油圧制御部55に送られ、分岐された他方の油路A7を通って、内燃機関Eのクランク軸7やピストン9等の被潤滑部56を潤滑するオイルとして送られる。油路A7の入口にはオリフィス57が設けられており、被潤滑部56に送られるオイルの油圧よりも、油圧制御部55に送られるオイルの油圧の方が高圧にされるようになっている。このように同一のフィードポンプ42から吐出されるオイルは、内燃機関Eを潤滑する潤滑用と、第1クラッチや第2クラッチ等の作動用とに分配されるようになっている。油圧制御部55と被潤滑部56に送られたオイルは、パワーユニットPの各所を伝ってオイルパン4に戻され、オイルパン4に戻ったオイルは再びオイルポンプ機構40によりパワーユニットP内の各所に圧送されて循環するようになっている。
フィードポンプ42とオイルフィルタ52の間の油路A4には、油圧調整弁60が設けられており、オイルフィルタ52に送られるオイルの油圧が所定圧力以上になると開弁されて油路A4内のオイルが排出され、オイルフィルタ52に圧送されるオイルの油圧が所定圧力以上にならないように調整している。油圧調整弁60から排出されたオイルは、油路A7通りフィードポンプ42の上流側の油路A3に戻されるようになっている。
本実施形態の油圧調整弁60を備えた内燃機関Eの油圧調整弁構造について、図2ないし図9を参照して以下述べる。図2ないし図4に示されるように、オイルを圧送するスカベンジポンプ41とフィードポンプ42は、パワーユニットPの下方のオイルパン4の直上に位置して、スカベンジポンプ41は下クランクケース1b内に配設され、フィードポンプ42はケース部5内に配設されている。
図4に示されるように、スカベンジポンプ41とフィードポンプ42は、スカベンジポンプ41を駆動するスカベンジポンプ軸43と、フィードポンプ42を駆動するフィードポンプ軸44とが同軸であって、これらのスカベンジポンプ軸43およびフィードポンプ軸44がクランク軸7に平行になるように、クランク軸7の下方に配設されている。さらに、スカベンジポンプ軸43とフィードポンプ軸44は、入力連結部材45でもって接続されて一体に回転されるようになっている。入力連結部材45の外周面には、フランジ状にオイルポンプドリブンスプロケット部47が形成されており、クランク軸7には、動弁カム軸13を駆動するためのドライブスプロケット15の前方に位置してオイルポンプドライブスプロケット46が一体回転可能に取り付けられている。オイルポンプドライブスプロケット46とオイルポンプドリブンスプロケット部47とに架け渡されたオイルポンプ駆動チェーン48によって、スカベンジポンプ41およびフィードポンプ42にクランク軸7から回転駆力が伝達される。
図6にはフィードポンプ42が配設されるケース部5が示されている。ケース部5の略中央に位置してオイルタンク凹部5aが形成さており、ケース部5に図7に示されるようなカバー部6が合わされことによって、ケース部5とカバー部6との内部に、スカベンジオイルから送られるオイルが貯留されるオイルタンク51が設けられる。ケース部5には、フィードポンプが収められるフィードポンプ収容穴5bが形成されており、図9に示されるように、フィードポンプ42のアウタロータ42aが収容され、アウタロータ42a内にはインナロータ42bが収容されるようになっている。フィードポンプ収容孔の底面には、フィードポンプ42の吸入側に連通する吸入凹部5cと、吐出側に連通する吐出凹部5dが形成されている。吸入凹部5cは油路A3と連通されており、オイルタンク51からのオイルが流入されるようになっている。
ケース部5には、図6に示されるように、吐出凹部5dに連続して下方に向かい渦巻き状にオイルフィルタ流入溝5eが形成されており、該オイルフィルタ流入溝5eはフィードポンプ42とオイルフィルタ52を接続する油路A4としての役割を果たすものである。オイルフィルタ流入溝5eの渦巻き形状の中央に位置して、オイルフィルタ流出穴5fが形成され、該オイルフィルタ流出穴5fから油路A5が連続して形成されている。
オイルフィルタ52は、図7および図9に示されるようにカバー部6内に配設されている。カバー部6には、オイルフィルタエレメント52cが収納されるオイルフィルタ収納部6aが形成されており、オイルフィルタ収納部6aの中央に位置してオイルフィルタエレメント52cを支持する筒状部6bが形成されている。オイルフィルタ収納部6aには、ケース部5に形成されたオイルフィルタ流入溝5eと連通するオイル流入孔6cが形成されている。さらに筒状部6bの中央には、ケース部5に形成されたオイルフィルタ流出穴5fと連通するオイル流出孔6dが形成されている。
オイルタンク51内に貯留されたオイルは、図4、図6および図9に示されるように、油路A3を通って吸入凹部5cからフィードポンプ42に吸入され、フィードポンプ42により圧送されて吐出凹部5dから吐出されて、油路A4であるオイルフィルタ流入溝5eに送られ、オイルフィルタ流入溝5eと連通しているオイル流入孔6cを通ってオイルフィルタエレメント52cに流入する。オイルフィルタエレメント52c内で不純物が濾過されたオイルは、カバー部6の筒状部6bのオイル流出孔6dからカバー部6のオイルフィルタ流出穴5fに送られ、油路A5を通って内燃機関Eの油圧制御部55および被潤滑部56に送れられる。
本パワーユニットPの内燃機関Eの油圧調整弁構造の油圧調整弁60について、図6、図9ないし図15に基づいて説明する。油圧調整弁60は、フィードポンプ42とオイルフィルタ52を接続する油路A4内の油圧を調整してオイルフィルタ52より下流のパワーユニットPの各所が所定圧以上になることを防ぐものである。
図6に示されるように、ケース部5のオイルフィルタ流入溝5eには、オイルフィルタ流入溝5eのオイル流れの最も下流に位置して、油圧調整弁60が収納される油圧調整弁収容穴58が形成されている。油圧調整弁60は、図9に示されるように、ケース部5に設けられた油圧調整弁収容穴58内に挿入された後、カバー部6がケース部5に取付けられると、カバー部6に形成された油圧調整弁係止部6eにより油圧調整弁収容穴58から抜け落ちないようになっている。
油圧調整弁60は、図11に示されるように、筒状部61aと底部61bとからなる有底筒状であって油圧調整弁収容穴58に収納される弁ボディ61と、筒状部62aと底部62bとからなる有底筒状であって弁ボディ61内に挿入されるリリーフ弁体62とを備えている。油圧調整弁収容穴58、弁ボディ61およびリリーフ弁体62のそれぞれの軸中心は、同一軸上にあり、以下中心軸Cと定義する。
弁ボディ61の筒状部61aのカバー部6側の端部は、カバー部6のオイル流入孔6c(油路A4)と連通する開口部61cとなっている。筒状部61aには、開口部61cの近傍に位置して周方向に亘って、弁ボディ61の内部と油圧調整弁収容穴58のオイル流通溝58cとを連通するリリーフ開口部61dが等間隔に複数形成されている。弁ボディ61の底部61bには、油圧調整弁収容穴58と連通するブリージング孔61eが形成されている。
筒状部61aのさらに開口部61c寄りには、リリーフ弁体62の弁ボディ61からの抜け落ちを防止する規制ピンを挿通する一対の規制ピン挿通孔61fが形成されている。
さらに筒状部61aには、規制ピン挿通孔61fとリリーフ開口部61dとの間に位置して周方向に亘ってシール溝61gが形成されており、該シール溝61gに環状のシール65が嵌入されている。
リリーフ弁体62は、図10に示されるように、筒状部62aの長さが、底部62bの直径よりも長くなるように形成されている。リリーフ弁体62には、周方向に対して等間隔に設けられ、中心軸Cに対して周方向に均等な大きさの4つの長孔状のバランス孔62cが形成されている。このバランス孔62cはリリーフ弁体62の肉抜き孔としての役割を果たしており、本実施形態のリリーフ弁体62の重量は、従来のリリーフ弁体の重量に対して、約45%程度の重量に軽量化されている。リリーフ弁体62の筒状部62aのバランス孔62cを除いた部分は、底部62bから摺動方向に延びリリーフ弁体62が弁ボディ61内を摺動する際のガイドの役割としてのガイド部62dと、該ガイド部62dの端部が連結された連結部62eとなっている。
弁ボディ61の筒状部61aに形成されたリリーフ開口部61dの数は、リリーフ弁体62のバランス孔62cの数よりも少なく、さらにリリーフ開口部61dの数の公倍数とならない数に設定されており、リリーフ弁体62が弁ボディ61内での摺動にともない回動しても、常にリリーフ開口部61dとバランス孔62cとが連通されるようになっている。本実施形態では、リリーフ弁体62のバランス孔62cは4つ形成され、弁ボディ61のリリーフ開口部61dは6つ形成されている。
図11に示されるように、弁ボディ61の筒状部61aの内部には、リリーフ弁体62の底部62bと弁ボディ61の底部61bとが向かい合うように、弁ボディ61の開口部61cよりリリーフ弁体62が挿入され収容されている。リリーフ弁体62の底部62bと弁ボディ61の底部61bとの間には,コイルスプリング63が圧縮して配置されており、リリーフ弁体はコイルスプリング63により弁ボディ61の開口部61cの方向に向かって付勢されている。リリーフ弁体62は、弁ボディ61の筒状部61aの規制ピン挿通孔61fに挿通された規制ピン64により抜け止めされている。
弁ボディ61の開口部61cと、フィードポンプ42からオイルフィルタ52へオイルを送る油路A4とは連通しており、油路A4の油圧が所定圧以下である場合には、リリーフ弁体62の底部62bが圧力を受けても、図11に示されるようにリリーフ弁体62は規制ピン64に当接されたまま摺動せずに、油圧調整弁60は閉弁された状態である。油圧調整弁60の閉弁状態において、リリーフ弁体62のバランス孔62cは、少なくとも一部が常に弁ボディ61のリリーフ開口部61dと連通するように形成されている。
油圧調整弁60が収容される油圧調整弁収容穴58は、ケース部5側の小径部58aと、クランクケース1側の大径部58bと、小径部58aと大径部58bとの間に位置するオイル流通溝58cとに形成されている。小径部58aの内径は油圧調整弁60が嵌合される径となっており、油圧調整弁60が収容されると、油圧調整弁収容穴58の小径部58aの内周面と弁ボディ61の筒状部61aの外周面との間は、シール65を介して液密にされるようになっている。大径部58bの内径は小径部58aの内径よりも大きく、大径部58bの内周面と弁ボディ61の筒状部61aとはクリアランスをもっており、また油圧調整弁収容穴58の底部58dと弁ボディ61の底部61bとはクリアランスをもっており、油圧調整弁収容穴58の大径部58bおよび底部58dと弁ボディ61とで囲まれる空間は、弁ボディ61のブリージング孔61eと連通して、油圧調整弁60内から流出入するオイルが流通することのできるオイル流通空間58eとなっている。オイル流通溝58cは、小径部58aと大径部58bとの間に位置して周方向に亘って大径部よりも大きな径の溝として形成されており、弁ボディ61のリリーフ開口部61dと連通するようになっている。さらにオイル流通溝58cは、ケース部5に形成されて油路A3に接続されるオイル排出通路59と連通しており、油圧調整弁60内から排出されたオイルは、油路A3に戻されるようになっている。
油圧調整弁60の動作について、図11ないし図14に基づいて説明する。油路A4の油圧が所定圧以下の場合には、図11に示されるように、リリーフ弁体62の底部62bは、弁ボディ61の規制ピン挿通孔61fに挿通された規制ピン64に当接されたまま移動しないので、油路A4とリリーフ開口部61dは連通せずに、油圧調整弁60は閉弁状態となっている。
油路A4の油圧が所定圧以上になると、図12に示されるように、リリーフ弁体62はコイルスプリング63の付勢力に抗って開弁方向に摺動を開始する。弁ボディ61とリリーフ弁体62とで囲まれる油圧調整弁60内部のオイルや空気は、リリーフ弁体62のバランス孔62cから弁ボディ61のリリーフ開口部61dを経由して、油圧調整弁収容穴58のオイル流通溝58cからオイル排出通路59を通ってフィードポンプ42の上流側の油路A3に排出され、さらに弁ボディ61のブリージング孔61eから、オイル流通空間58eを経由してオイル流通溝58c内に排出されるので、リリーフ弁体62の動作初期の油圧調整弁60内部の内圧が抜けやすくなり、リリーフ弁体62の動作初期のバルブ動作性が向上する。さらに従来の油圧調整弁60の弁ボディ61の底部61b近くに設けられていた弁内部のオイルを排出するためのドレイン孔が不要になり、加工コストを低減することができる。
さらにリリーフ弁体62が移動すると、図13に示されるように、リリーフ開口部61dは、バランス孔62cとも油路A4とも連通しない状態となり、油圧調整弁60の内部であってリリーフ弁体62の裏のオイルや空気は、径の小さいブリージング孔61eのみから流出されるようになるので、油圧調整弁60内部のオイルや空気の流出が抑制され、リリーフ弁体62の挙動を抑制するダンピング効果を強める。
さらに油路A4の油圧が上昇すると、図14に示されるように、リリーフ弁体62は弁ボディ61の底部61b側にさらに移動して、リリーフ開口部61dは、油路A4とは連通してバランス孔62cとは連通しない状態となり、油圧調整弁60は開弁状態となる。油路A4内のオイルは、リリーフ開口部61dを経由して、油圧調整弁収容穴58のオイル流通溝58cからオイル排出通路59を通って、フィードポンプ42の上流側の油路A3に排出される。油路A4内からオイルが排出されるので、オイルフィルタ52へ流入する前の油路A4内のオイルの油圧が下がり、パワーユニットPのオイル循環路の各構成部に許容範囲以上の圧力がかかるのを防止する。
図15は、本実施形態、従来例、比較例1から比較例4のリリーフ弁体62の各重量と、各リリーフ弁体62とフィードポンプ42との間の共振発生時におけるリリーフ弁体62に発生する最大の油圧振幅との関係を示した表である。従来のリリーフ弁体を用いた従来例については黒丸で表し、本実施例については黒四角で表し、各重量のリリーフ弁体を用いた比較例1から比較例4についてそれぞれ丸1から丸4で表している。これらのリリーフ弁体62の重量は、リリーフ弁体62全体の大きさ、形状および厚さを変えることなく、リリーフ弁体62の筒状部62aの面積に対するバランス孔62cの面積の割合を変更すること、すなわち筒状部62aの肉抜きされた割合を変更するによって、重量を変えているものである。表では、リリーフ弁体重量は右に向かうほど重く、油圧振幅は上に向かうほど大きくなるように表されている。
この表によると、リリーフ弁体62の重量を低減させるほど、油圧振幅が低下していくことが分かる。これは、リリーフ弁体62を軽量化することによって、リリーフ弁体62の慣性力を低下させて油圧振幅が低減されていると考えらえる。比較例2のリリーフ弁体の重量は、従来のリリーフ弁体の重量に対して約55%の重量であるが、この場合には、油圧振幅は約15%しか低減されていない。一方、本実施形態のリリーフ弁体62の重量は、従来のリリーフ弁体の重量に対して約45%の重量であって、油圧振幅は約45%低減されており、リリーフ弁体を軽量化することによる油圧振幅の低減という効果が顕著なものとなっている。比較例3のリリーフ弁体の重量は、従来のリリーフ弁体の重量に対して約30%の重量であるが、この場合には、油圧振幅は57%程度低減されているが、軽量化することによる影響は本実施例に比べて少なくなっている。比較例4のリリーフ弁体の重量は、従来のリリーフ弁体の重量に対して約10%の重量であり、油圧振幅は約70%低減されているが、軽量化によるリリーフ弁体の強度の低下が考えられるため適切ではない。以上より、従来のリリーフ弁体の重量に対するリーフ弁体の重量の割合は、好適には30%から55%の範囲であって、最適には45%である。
本実施形態の内燃機関Eの油圧調整弁60の構造では、前記したように構成されており、リリーフ弁体62は、底部62bの直径に対して筒状部62aの長さを大きく形成すると共に、リリーフ弁体62の筒状部62aにリリーフ弁体62の中心軸Cに対して周方向に均等な大きさとなるように開口させたバランス孔62cが複数設けられているので、リリーフ弁体62が弁ボディ61にガイドされるガイド部62dを長く残しつつ軽量化することで、リリーフ弁体62の固有振動数を高くすることができ、専用制振弁等を追加することなく内燃機関Eの高回転時でのリリーフ弁体62による圧力振幅に対応することができる。また、リリーフ弁体62が軽量化されることでリリーフ弁体62の動作初期の動作性を向上させて、内燃機関Eの初動時等の低回転時でオイル粘性が高い場合であっても、リリーフ弁体62の動きを良くして制御圧力のオーバーシュートを防止することが可能となる。さらに油圧調整弁構造を大幅に変えることなくコストの低減を図ることができる。また、バランス孔62cは、リリーフ弁体62の筒状部62aにリリーフ弁体62の中心軸Cに対して周方向に均等な大きさとなるように開口されているので、リリーフ弁体62は、中心軸Cに対してバランス良く軽量化され、摺動方向に対する弁動作のバランスが良好なままで軽量化することができる。
さらに、油圧調整弁60の構造は有底筒状の弁ボディ61内に開口部61cから挿入されて規制ピン64により抜け止めされる構造で、弁ボディ61における開口部61c近傍にリリーフ弁体62が後退した時に循環路内のオイルを逃がすリリーフ開口部61dが設けられ、油圧調整弁60の閉弁状態において、バランス孔62cの少なくとも一部がリリーフ開口部61dと常に連通されるので、リリーフ弁体62の動作初期において、油圧調整弁60内部のリリーフ弁体62の裏のオイルや空気が、バランス孔62cからリリーフ開口部61dを通過して容易に排出されて、リリーフ弁体62の動きをさらに良好にすることができ、また、油圧調整弁60の開弁状態において、バランス孔62cとリリーフ開口部61dとは連通していないので、リリーフ弁体62の裏のオイルや空気の排出が抑制され、リリーフ弁体62の挙動を抑制するダンピング効果を強めることが可能となり、油圧振幅の低減化や制御圧力のオーバーシュートの防止を図ることができる。さらに、リリーフ開口部61dを弁ボディ61のドレイン孔として共用することができ、別途ドレイン孔を加工することが不要となって加工コストをより減少させることができる。
また、弁ボディ61のリリーフ開口部61dは周方向に対して等間隔に複数設けられ、リリーフ弁体62のバランス孔62cは周方向に対して等間隔に複数設けられ、リリーフ弁体62のバランス孔62cの数は、弁ボディ61のリリーフ開口部61dの数の公倍数とならないように設定されているので、弁ボディ61内のリリーフ弁体62の摺動にともなって、リリーフ弁体62が中心軸Cを中心として弁ボディ61内で回動しても、弁ボディ61のリリーフ開口部61dとリリーフ弁体62のバランス孔62cは常に連通している状態であるので、リリーフ弁体62の動作初期におけるリリーフ弁体62の内部のオイルや空気が確実に排出されて、リリーフ弁体62の動作性が向上する。
さらにまた、バランス孔62cは4か所の等間隔の長穴として設けられているので、リリーフ弁体62の中心軸を挟んで対になる2つのバランス孔62cを同時に加工することができて、生産性が向上する。
また、弁ボディ61のリリーフ開口部61dは、リリーフ弁体62のバランス孔62cの数よりも多く形成されているので、リリーフ開口部61dとバランス孔62cとの連通が良くなり、油圧振幅をより低減させ、リリーフ弁体62体のオーバーシュートをさらに抑制することができる。
さらにまた、フィードポンプ42は内燃機関Eにより駆動され、本実施形態の油圧調整弁60が設けられるオイル循環構造では、内燃機関Eの潤滑用オイルが供給される油路A7と、クラッチ作動用のオイルが供給される油路A8とは、フィードポンプ42から吐出されたオイルの通路である油路A4および油路A5から分配される構造であって、油圧調整弁60は、フィードポンプ42から吐出されたオイルの油路A4の圧力調整に用いられているので、内燃機関Eとともに回転されるフィードポンプ42の高い回転域までの圧力変動に追従することが可能となり、油圧調整弁60のリリーフ圧を良好に制御するとともに、第1クラッチ23および第2クラッチ24等のクラッチ系へ供給するオイルの圧力変動を低減することができ、変速時の第1クラッチ23および第2クラッチ24の切り替えをスムーズに行うことが可能となり、乗り心地を向上させることができる。
前記実施形態では、長穴をバランス孔62cとして4か所形成したリリーフ弁体62が用いられていたが、図16および図17に示されるように、筒状部70aに複数の円孔形状のバランス孔70cを千鳥に形成したリリーフ弁体70を用いても、前記実施形態と同様な効果を得ることができる。このようなリリーフ弁体70では、筒状部70aのバランス孔70cを除いた部分であるガイド部70dがリリーフ弁体70の弁ボディ61内での摺動時にガイドの役目を果たす。
本実施形態では、バランス孔70cが千鳥に複数設けられているので、弁ボディ61と接するリリーフ弁体70の面が、弁ストロークとともに変化し、リリーフ弁体70がボディ61にガイドされるガイド部70dの耐久性を向上させることができる。
以上、本発明に係る実施形態の内燃機関の油圧調整弁構造について説明したが、本発明の態様は、前記実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲で多様な態様で実施されるものも含むものである。
P…パワーユニット、E…内燃機関、C…中心軸線、A4…油路
40…オイルポンプ、42…フィードポンプ、60…油圧調整弁、61…弁ボディ、61c…開口部、61d…リリーフ開口、62…リリーフ弁体、62a…筒状部、62b…底部、62c…バランス孔、63…コイルスプリング、64…規制ピン、70…リリーフ弁体、70c…バランス孔。

Claims (7)

  1. オイルポンプ(42)の下流側に位置して、弁ボディ(61)内をスプリング(63)により付勢された有底筒状のリリーフ弁体(62)によりオイル循環路内の油圧を一定に保つ油圧調整弁(60)が設けられた内燃機関(E)の油圧調整弁構造において、
    前記リリーフ弁体(62)は、底部(62b)の直径に対して筒状部(62a)の長さを大きく形成するとともに、
    前記リリーフ弁体(62)の筒状部(62a)に、前記リリーフ弁体(62)の中心軸(C)に対して周方向に均等な大きさとなるように開口させたバランス孔(62c)が複数設けられたことを特徴とする内燃機関の油圧調整弁構造。
  2. 前記リリーフ弁体(62)は、有底筒状の前記弁ボディ(61)内に開口部(61c)から挿入されてピン(64)により抜け止めされる構造で、
    前記弁ボディ(61)における前記開口部(61c)近傍に、前記リリーフ弁体(62)が後退した時に循環路内のオイルを逃がすリリーフ開口部(61d)が設けられ、
    前記油圧調整弁(60)の閉弁状態において、前記バランス孔(62c)の少なくとも一部が、前記リリーフ開口部(61d)と常に連通しており、
    前記油圧調整弁(60)の開弁状態において、前記バランス孔(62c)と前記リリーフ開口部(61d)とは連通しないことを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の油圧調整弁構造。
  3. 前記弁ボディ(61)の前記リリーフ開口部(61d)は周方向に対して等間隔に複数設けられ、
    前記リリーフ弁体(62)の前記バランス孔(62c)は周方向に対して等間隔に複数設けられ、
    前記リリーフ弁体(62)の前記バランス孔(62c)の数は、前記弁ボディ(61)の前記リリーフ開口部(61d)の数の公倍数とならないように設定されたことを特徴とする請求項2に記載の内燃機関の油圧調整弁構造。
  4. 前記バランス孔(62c)は、4か所に等間隔の長穴として設けられることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかの請求項に記載の内燃機関の油圧調整弁構造。
  5. 前記バランス孔(62c)は、千鳥に複数設けられることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかの請求項に記載の内燃機関の油圧調整弁構造。
  6. 前記弁ボディ(61)のリリーフ開口部(61d)の数は、前記リリーフ弁体(62)の前記バランス孔(62c)の数よりも多く形成したことを特徴とする請求項2ないし請求項5のいずれかの請求項に記載の内燃機関の油圧調整弁構造。
  7. 前記オイルポンプ(42)は、前記内燃機関(E)により駆動され、
    前記油圧調整弁(60)が設けられるオイル循環構造は、前記オイルポンプ(42)から吐出されるオイルが、前記内燃機関の潤滑用オイルとクラッチ作動用オイルとに分配される構造であって、
    前記油圧調整弁(60)は、潤滑用オイルとクラッチ作動用オイルとに分配される前のオイルの圧力調整に用いられることを特徴とする請求項2ないし請求項6のいずれかの請求項に記載の内燃機関の油圧調整弁構造。
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