JP2015174521A - 衝突発生箇所特定装置 - Google Patents

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知良 潮木
Tomoyoshi Ushiogi
知良 潮木
稔 志村
Minoru Shimura
稔 志村
敏雄 早川
Toshio Hayakawa
敏雄 早川
幸子 吉江
Sachiko Yoshie
幸子 吉江
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Abstract

【課題】簡単な構成で衝突発生箇所を特定することができるうえに、列車の運行の支障になることがない衝突発生箇所特定装置を提供する。
【解決手段】列車Tの前面T1に取り付けられる衝突発生箇所特定装置1である。
この衝突発生箇所特定装置は、前方板部21と後方板部22とを有するとともに下方が開放された挟み体2と、前方板部と後方板部との間となる挟み体の内空に配置される砂31が充填された袋体3と、袋体に対峙する位置に配置されるトリガー部4とを備えている。そして、前方板部に所定値以上の衝撃力Fが作用すると、トリガー部によって袋体が損傷(損傷部3a)して砂が放出される。
【選択図】図1

Description

本発明は、列車と鹿や猪などの動物とが衝突した位置を特定するための衝突発生箇所特定装置に関するものである。
近年、野生の鹿の個体数が増加するとともに分布域が広がりつつあり、それに伴って列車と鹿の衝突事故が増えている。列車が動物と衝突することは、野生動物保護の観点から好ましくないだけでなく、定時運行に支障をきたすことになるため、様々な衝突防止策が施されている(特許文献1,2など参照)。
例えば特許文献1には、線路内に入り込んだ動物を避難させるための退避路を設けた動物の衝突防止設備が開示されている。また、特許文献2には、列車が接近したときにだけ動物が嫌う忌避音を出力させる動物撃退装置が開示されている。
特開2013−78271号公報 特開2013−158334号公報 特開2003−203290号公報
しかしながら特許文献1,2のような衝突防止策を施したとしても、列車と動物との衝突事故を完全に無くすことは難しい。動物との衝突事故が発生すると、死骸の腐敗臭などの問題が発生するため、後日、保線担当が現場周辺に死骸が残っていないかを徒歩で探索することになる。
ところが山林などの目印になるものが少ない場所では、列車の乗務員から受けた報告だけでは衝突事故が起きた正確な位置を特定することが難しく、保線担当は実質的には1km程度の範囲を探索しなければならなくなる。
過失の認定などで正確な事故の検証が必要となる自動車用道路であれば、特許文献3に開示されているように多くのカメラを設置して車両事故を正確に記録させるための投資を行う需要はあるが、総延長の長い線路に衝突事故の発生箇所を特定するためだけに多くのカメラを設置していくという対策は現実的ではない。
そこで、本発明は、簡単な構成で衝突発生箇所を特定することができるうえに、列車の運行の支障になることがない衝突発生箇所特定装置を提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本発明の衝突発生箇所特定装置は、列車の前面に取り付けられる衝突発生箇所特定装置であって、前方板部と後方板部とを有するとともに下方が開放された挟み体と、前記前方板部と前記後方板部との間となる前記挟み体の内空に配置される粒状物が充填された袋体と、前記袋体に対峙する位置に配置されるトリガー部とを備え、前記前方板部に所定値以上の衝撃力が作用すると、前記トリガー部によって前記袋体が損傷して前記粒状物が放出されることを特徴とする。
ここで、前記挟み体、袋体及びトリガー部は、前記列車の幅方向に複数組が配置される構成とすることができる。また、前記粒状物は、砂であることが好ましい。
さらに、前記挟み体は、前記前方板部と前記後方板部とが上端で連続する断面視略逆V字状に形成することができる。
このように構成された本発明の衝突発生箇所特定装置は、列車の前面に取り付けられる前方板部と後方板部とを有する挟み体の内空に、粒状物が充填された袋体が配置されている。
そして、前方板部に鹿などの動物との衝突によって所定値以上の衝撃力が作用すると、トリガー部によって袋体が損傷して粒状物が線路上に放出されることになる。
このような簡単な構成で放出された粒状物による目印が線路上に残され、保線担当はこの目印によって容易に衝突発生箇所を特定することができる。その結果、保線担当の作業負荷が軽減される。
また、線路上に放出される目印が粒状物で構成されていれば、撤去せずにそのまま放置してもその後の列車の走行に影響を与えることがなく、列車運行の支障になることがない。特に、粒状物が砂であれば、飛散しても周辺環境に与える影響がない。
さらに、挟み体、袋体及びトリガー部が列車の幅方向に複数組配置されていれば、列車のどの位置で衝突が起きても目印を残すことができる。また、袋体が損傷した場合には、その損傷したものだけを交換すればよいので、経済的である。
そして、前方板部と後方板部とが上端で連続する断面視略逆V字状の挟み体であれば、帯状の鋼板などを折り曲げることによって簡単に製作することができる。
本実施の形態の衝突発生箇所特定装置の構成を説明する図であって、(a)は衝突前の状態を示した側面図、(b)は衝突後の状態を示した側面図である。 衝突発生箇所特定装置が取り付けられた列車の構成を説明する斜視図である。 衝突発生箇所特定装置の詳細な構成を説明するための斜視図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1,3は、本実施の形態の衝突発生箇所特定装置1の構成を説明する図である。また、図2は、衝突発生箇所特定装置1の使用状況を説明する図である。
本実施の形態の衝突発生箇所特定装置1は、図2に示すように、列車Tの前面T1に取り付けられる。この列車Tは、鹿などの野生の動物Dが生息する地域に敷設された線路Rを走行する。
ここでは簡単に説明するために、レールR1,R1とまくら木R2,・・・とによって構成された単線のみを図示し、線路Rへの立ち入りを防止するための防護柵などの図示は省略している。
この衝突発生箇所特定装置1は、衝突が想定される動物Dの大きさに合わせて取り付け位置や大きさを決めることができる。ここでは、列車Tの前面T1の下方の位置に、列車Tの幅とほぼ同じ横幅の衝突発生箇所特定装置1が取り付けられている。
この衝突発生箇所特定装置1は、図1(a)及び図3に示すように、下方が開放された挟み体2と、挟み体2の内空に配置される袋体3と、袋体3に対峙する位置に配置されるトリガー部4とによって主に構成される。
この挟み体2は、図1(a)に示すように、前方板部21と後方板部22とによって断面視略逆V字状に形成されている。例えば帯状の鋼板を折り曲げ加工することによって挟み体2を成形することができる。
すなわち前方板部21と後方板部22とは、稜線部24を介して連続しており、前方板部21と後方板部22との間隔は、稜線部24を支点にして変化させることができる。
また、後方板部22の下縁には、前方板部21側に向けて庇状に底板部23が張り出される。この底板部23には、張り出し側に下る下り勾配が形成されている。このような底板部23は、後方板部22の下端を折り曲げ加工することによって成形することができる。
この底板部23の端縁と前方板部21の下縁との間は、隙間が開いた開放部2aとなる。そして、前方板部21と後方板部22との間となる挟み体2の内空に、袋体3が配置される。
この袋体3は、図1(b)で参照できるように、内部に粒状物としての砂31が充填されている。すなわち袋体3は、布材、合成樹脂シート、合成ゴムシートなどによって形成された袋部30と、その内部に充填される砂31とによって主に構成される。
この袋体3は、図3の右端の一部切断図に示されているように、底板部23に載せられるとともに、上端が固定具32を介して後方板部22に固定されている。
袋体3に充填する砂31の量は、底板部23の耐荷荷重、固定具32の固定強度によって調整することができる。また、袋体3の必要な重量に合わせて底板部23や固定具32の強度を調整するのであってもよい。
また、袋部30に充填する砂31には、例えば白砂を使用することができる。白砂であれば、バラストや土との区別がつきやすいうえに、強風などによって周辺に飛散してしまっても、その後は周囲に同化させることができる。なお、識別性を高めるために、黄色や赤色に着色した砂31を使用することもできる。
そして、図1(a)に示すように、前方板部21の袋体3に対向する面にトリガー部4を設ける。このトリガー部4は、例えば先端が尖ったピン状の部材とすることができる。
トリガー部4の先鋭度合いは、損傷させる袋部30の材質によって調整することができる。詳細には、図1(b)に示すように、前方板部21に所定値以上の衝撃力Fが作用したときに、トリガー部4によって袋体3が損傷して砂31が放出されるようにする。
すなわち列車Tを走行させると、前方板部21には風圧が作用することになる。しかしながらこの程度の力によって前方板部21が後方板部22側に近づいてトリガー部4の先端が袋体3に接触することで袋部30が損傷するようでは、動物Dとの衝突発生箇所を特定させる機能を発揮することはできない。
これに対して、動物Dが傷を負うような衝撃力Fが作用しても袋体3が損傷しなければ、これもまた動物Dとの衝突発生箇所を特定させる機能を発揮することができない。
要するに、前方板部21を後方板部22に近づける変形を起こさせるのに必要な力の大きさと、袋部30の突き刺す力に対する強さと、トリガー部4の先鋭度合いとの関係を、検知させたい衝撃力Fの大きさに合わせて設定する。
そして、上述したような挟み体2、袋体3及びトリガー部4によって構成されるユニット(組)を、図3に示すように列車Tの幅方向に複数配置することによって一つの衝突発生箇所特定装置1を構成する。
ここで、それぞれの挟み体2,・・・を別々に製作して繋げることによって一つの衝突発生箇所特定装置1とすることができる。また、一枚の鋼板を加工して一体となる複数の挟み体2,・・・を製作してもよい。さらに、挟み体2の幅や並べる数は、任意に設定することができる。
なお、図2に図示した衝突発生箇所特定装置1は、列車Tの前面T1の中央にある干渉する部材を避けるために、両隣の挟み体2よりも背の低い挟み体2Aに形成されている。
次に、本実施の形態の衝突発生箇所特定装置1の動作及びその作用について、図1を参照しながら説明する。
図1(a)には、列車Tの前面T1に取り付けられる衝突発生箇所特定装置1のみが図示されている。列車Tの停車時や通常の走行時には、このようにトリガー部4の先端が袋体3の表面から離隔した状態になっている。
これに対して、鹿などの動物Dが線路R内に侵入して、列車Tの前に飛び出したり、逃げる動物Dに列車Tが追いついたりして、不幸にも列車Tと動物Dが衝突してしまう場合がある。
このようなときには、動物Dは列車Tの衝突発生箇所特定装置1に最初に衝突することになって、図1(b)に示すように、前方板部21には衝突による衝撃力Fが作用することになる。
このようにして所定値以上の衝撃力Fが作用すると、稜線部24を支点にして前方板部21が後方板部22に近づいて、トリガー部4の先端が袋体3に突き刺さり、穴や断裂などの損傷が損傷部3aとして袋部30に生じることになる。
そして、この損傷部3aから袋体3に充填されていた砂31が漏れ出し、開放部2aを通って線路R上に落ちる。衝突直後は、大量に砂31が放出されることになるので、レールR1の周辺に砂31が丘のように堆積される場合もある。
このような衝突事故が発生した場合は、運転士などの列車Tの乗務員からおおよその事故発生位置とその周囲の目印などを含む事故報告がなされる。そして、その事故報告に基づいて、保線担当が事故発生現場に向かうことになる。
保線担当は、現場に着いたときに、線路Rに沿って砂31が堆積している箇所を探せばよい。そして、砂31によって衝突発生箇所を特定した後に、その周囲に動物Dの死骸などが放置されていないかを確認すればよい。
このように構成された本実施の形態の衝突発生箇所特定装置1は、列車Tの前面T1に取り付けられる前方板部21と後方板部22とを有する挟み体2の内空に、砂31が充填された袋体3が配置されている。
そして、前方板部21に鹿などの動物Dとの衝突によって所定値以上の衝撃力Fが作用すると、トリガー部4によって袋体3が損傷して砂31が線路R上に放出されることになる。
このような簡単な構成で放出された砂31による目印を線路R上に残すことができる。ここで線路Rは、鋼製のレールR1やまくら木R2やバラストによって構成されているので、白砂のような砂31が撒かれていれば、その位置は遠くからでも確認することができる。このため保線担当は、その目印によって容易に衝突発生箇所を特定することができる。
また、線路R上に放出される目印が砂31で構成されていれば、撤去せずにそのまま放置してもその後の列車Tの走行に影響を与えることがない。このため、保線担当の作業負荷を大幅に軽減することができる。
さらに、砂31であれば、衝突時に列車Tの前面T1に飛び散っても、清掃などを行う必要がない。また、砂31であれば、周辺に飛散しても容易に同化されるため、環境に与える影響がない。
このように、本実施の形態の衝突発生箇所特定装置1を使用した場合は、その装置の使用によって列車運行に支障を与えることはない。また、保線担当のみならず、列車Tの整備担当や乗務員などの全体の作業負荷も軽減することができる。
さらに、挟み体2、袋体3及びトリガー部4のユニットが列車Tの幅方向に複数組、配置されていれば、列車Tのどの位置で衝突が起きても目印を残すことができる。
また、衝突事故が発生して一部の袋体3が損傷した場合には、その損傷した袋体3だけを交換すればよいので、経済的である。また、一部の挟み体2が修復不能になるほど変形しても、その変形した挟み体2だけを交換することができる。
そして、前方板部21と後方板部22とが上端の稜線部24で連続する断面視略逆V字状の挟み体2であれば、帯状の鋼板などを折り曲げることによって簡単に製作することができる。
以上、図面を参照して、本発明の実施の形態を詳述してきたが、具体的な構成は、この実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない程度の設計的変更は、本発明に含まれる。
例えば前記実施の形態では、一枚の鋼板を折り曲げ加工して挟み体2を成形する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、前方板部と後方板部とを蝶番で接続し、所定値以上の力が作用したときに閉じるように蝶番にバネを装着した構成にすることができる。
また、前記実施の形態では、粒状物として砂31を使用する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、ガラスビーズやリサイクル材料によって製造された粒状物など、簡単には風で飛ばされにくいうえに列車Tの走行に支障をきたすものでなければ、いずれの材料でも使用できる。
さらに、前記実施の形態では、断面視略逆V字状の挟み体2について説明したが、これに限定されるものではなく、前方板部と後方板部とが略平行に配置されるような挟み体の形態であってもよい。
1 衝突発生箇所特定装置
2,2A 挟み体
2a 開放部(開放)
21 前方板部
22 後方板部
3 袋体
3a 損傷部(損傷)
31 砂(粒状物)
4 トリガー部
F 衝撃力
T 列車
T1 前面

Claims (4)

  1. 列車の前面に取り付けられる衝突発生箇所特定装置であって、
    前方板部と後方板部とを有するとともに下方が開放された挟み体と、
    前記前方板部と前記後方板部との間となる前記挟み体の内空に配置される粒状物が充填された袋体と、
    前記袋体に対峙する位置に配置されるトリガー部とを備え、
    前記前方板部に所定値以上の衝撃力が作用すると、前記トリガー部によって前記袋体が損傷して前記粒状物が放出されることを特徴とする衝突発生箇所特定装置。
  2. 前記挟み体、袋体及びトリガー部は、前記列車の幅方向に複数組が配置されることを特徴とする請求項1に記載の衝突発生箇所特定装置。
  3. 前記粒状物は、砂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の衝突発生箇所特定装置。
  4. 前記挟み体は、前記前方板部と前記後方板部とが上端で連続する断面視略逆V字状であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の衝突発生箇所特定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109515469A (zh) * 2017-09-20 2019-03-26 兰州交通大学 喷气式扫石排障装置

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