JP2015174076A - 固体酸触媒及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】容易且つ多量に入手することができる原料から製造される固体酸触媒及びその製造方法を提供する。【解決手段】本発明に係る固体酸触媒は、石油系コークスにスルホン酸基を導入したことを特徴とする。本発明に係る固体酸触媒は、前記スルホン酸基が、固体酸触媒1gあたり1〜6mmol含有されているのが好ましく、固体酸触媒中の全炭素原子のうち10〜30%の炭素原子に酸素が結合しているのが好ましく、前記石油系コークスは、乾燥状態での硫黄含有量が5〜12質量%であるのが好ましい。また、本発明に係る固体酸触媒の製造方法は、石油系コークスを20〜300℃の硫酸中又は発煙硫酸中で処理することを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、固体酸触媒及びその製造方法に関する。
硫酸は、石油化学製品や医薬品の製造、また、近年注目を集めているバイオエタノールやバイオディーゼルの製造において必要不可欠な触媒である。しかし、硫酸はリサイクルができないという問題や、液体である製品との分離が難しいという問題、廃触媒処理に膨大なエネルギーを要するという問題などを抱えている。これらの問題は固体酸触媒により解決することができるのではないかと期待されている。
このような背景から、無機系や有機系の固体酸触媒の研究開発が盛んに行われている。固体酸触媒の研究開発に関する知見として、例えば、特許文献1〜3がある。
この特許文献1には、2以上で7以下の芳香環が縮合した多環式芳香族炭化水素群から選択される少なくとも1種を濃硫酸あるいは発煙硫酸中で200℃≦T≦450℃加熱処理し前記多環式芳香族炭化水素の縮合およびスルホン化することによって得られる極性溶媒に不溶の固体酸からなる固体強酸が開示されている。
また、特許文献2には、有機化合物を重縮合剤の存在下で減圧し、減圧下で加熱処理することを特徴とする固体酸の製造方法が開示されている。
そして、特許文献3には、有機物を不活性ガス雰囲気下の加熱による炭化処理及びスルホン化処理することにより得られるスルホン酸基含有炭素質材料からなる固体酸触媒の製造法において、炭化処理を行った後にスルホン化処理を行い、当該炭化処理の温度が300〜600℃、かつスルホン化時間が5分〜150分であることを特徴とするスルホン酸基含有炭素質材料からなる固体酸触媒の製造方法が開示されている。
特許第4041409号公報 特開2006−342092号公報 特許第5360719号公報
しかしながら、特許文献1に具体的に示されている原料はコロネンやアントラセンであり、特許文献2に具体的に示されている原料は2−ナフタレンスルホン酸、コロネンやアントラセンである。また、特許文献3に具体的に示されている原料はセルロースである。いずれの原料も特定の有機物や有機酸を使用しており、硫酸代替とするにあたっては原料としての汎用性が低い、つまり、容易且つ多量に入手することが困難であるという問題があった。
本発明は前記問題に鑑みてなされたものであり、容易且つ多量に入手することができる原料から製造される固体酸触媒及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は前記課題を解決するため鋭意研究開発を行ったところ、石油系コークスにスルホン酸基を導入した固体酸触媒が、固体酸触媒として使用可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。前記課題を解決した本発明は以下の手段を有する。
(1)石油系コークスにスルホン酸基を導入したことを特徴とする固体酸触媒。
(2)前記スルホン酸基が、固体酸触媒1gあたり1〜6mmol含有されていることを特徴とする前記(1)に記載の固体酸触媒。
(3)固体酸触媒中の全炭素原子のうち10〜50%の炭素原子に酸素が結合していることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の固体酸触媒。
(4)前記石油系コークスは、乾燥状態での硫黄含有量が5〜12質量%であることを特徴とする前記(1)から(3)のいずれか1つに記載の固体酸触媒。
(5)石油系コークスを20〜300℃の硫酸中又は発煙硫酸中で処理することを特徴とする固体酸触媒の製造方法。
本発明によれば、容易且つ多量に入手することができる原料から製造される固体酸触媒及びその製造方法を提供することができる。
スルホン化した石油系コークス(スルホン化石油系コークス)のスルホン酸基の含有量を求めるために行った電位差滴定の測定結果を示す図である。同図において横軸は滴定量(ml)を示し、縦軸は電位(μs)を示す。 スルホン化処理していない石油系コークス(未処理石油系コークス)のXPS測定の結果を示す分析チャート(ワイドスキャン)である。同図において横軸はBinding Energy、すなわち、光電子の結合エネルギー(eV)を示し、縦軸は光電子のカウント数(Counts per Second;C/S)を示す。 スルホン化石油系コークスのXPS測定の結果を示す分析チャート(ワイドスキャン)である。同図において横軸は光電子の結合エネルギー(eV)を示し、縦軸は光電子のカウント数(C/S)を示す。 未処理石油系コークスのC1sに関するXPS測定の結果を示す分析チャート(ナロースキャン)である。同図において横軸は光電子の結合エネルギー(eV)を示し、縦軸は光電子のカウント数(C/S)を示す。 スルホン化石油系コークスのC1sに関するXPS測定の結果を示す分析チャート(ナロースキャン)である。同図において横軸は光電子の結合エネルギー(eV)を示し、縦軸は光電子のカウント数(C/S)を示す。 未処理石油系コークスのS2pに関するXPS測定の結果を示す分析チャート(ナロースキャン)である。同図において横軸は光電子の結合エネルギー(eV)を示し、縦軸は光電子のカウント数(C/S)を示す。 スルホン化石油系コークスのS2pに関するXPS測定の結果を示す分析チャート(ナロースキャン)である。同図において横軸は光電子の結合エネルギー(eV)を示し、縦軸は光電子のカウント数(C/S)を示す。
以下、本発明に係る固体酸触媒及びその製造方法を実施するための形態(実施形態)について詳細に説明する。
[固体酸触媒]
はじめに、本発明に係る固体酸触媒の一実施形態について説明する。
本実施形態に係る固体酸触媒は、石油系コークスにスルホン酸基を導入したものである。
(石油系コークス)
本実施形態に係る固体酸触媒の原料となる石油系コークスは、石油精製プロセスにおいて生成する熱分解原料油を熱分解装置で熱分解して採取されるコークスであり、それを100〜1500℃で乾燥させてもよい。石油系コークスを100〜1500℃で乾燥させると、揮発分を除去できる。
ここで、熱分解処理される熱分解原料油としては、原油を常圧蒸留した後の常圧蒸留残渣油や、常圧蒸留残渣油を減圧蒸留した後の減圧蒸留残渣油や、常圧蒸留残渣油と減圧蒸留残渣油の混合油や、常圧蒸留残渣油及び減圧蒸留残渣油のうちの1種以上と他の炭化水素油(1)との混合油が挙げられる。
熱分解原料油に係る常圧蒸留残渣油は、原油を常圧蒸留して、蒸発留分を分離した後の残渣分であればよく、特に制限はない。
また、熱分解原料油に係る減圧蒸留残渣油は、常圧蒸留残渣油を減圧蒸留して、蒸発留分を分離した後の残渣分であればよく、特に制限はない。
さらに、熱分解原料油は、常圧蒸留残渣油と減圧蒸留残渣油の混合油であってもよく、熱分解原料油が、常圧蒸留残渣油と減圧蒸留残渣油の混合油である場合、常圧蒸留残渣油と減圧蒸留残渣油の混合割合は、特に制限されず、適宜調節することができる。
常圧蒸留残渣油の蒸留原料となる原油は特に制限されない。本発明において用いることのできる原油種としては、例えば、アラビアンヘビー、アラビアンミディアム、アラビアンライト、アラビアンエクストラライト、クウェート、バスラ、オマーン、マーバン、ムバラスブレンド、ザクム、アッパーザクム、カタールランド、カタールマリン、ウムシャイフ、シリー、カフジ、エスポなどが挙げられる。本発明においては、これらのうちのいずれか1種であってもよく、2種以上の組み合わせであってもよい。
また、熱分解原料油は、常圧蒸留残渣油及び減圧蒸留残渣油のうちの1種以上と他の炭化水素油(1)の混合油、すなわち、常圧蒸留残渣油と他の炭化水素油(1)との混合油、減圧蒸留残渣油と他の炭化水素油(1)との混合油、又は常圧蒸留残渣油と減圧蒸留残渣油と他の炭化水素油(1)との混合油であってもよい。熱分解原料油が、常圧蒸留残渣油及び減圧蒸留残渣油のうちの1種以上と他の炭化水素油(1)の混合油である場合、他の炭化水素油(1)は、本発明の効果を奏することのできる炭化水素油であればよく、例えば、流動接触分解処理のスラリーオイル、エチレンクラッカー残渣油などを用いることができる。
熱分解処理を行う際の条件としては、熱分解温度、圧力(ゲージ圧)、雰囲気などが挙げられる。熱分解温度は、例えば、490〜510℃とするのが好ましく、495〜505℃とするのがより好ましい。熱分解処理の際の圧力(ゲージ圧)は、例えば、0.01〜0.6MPaGとするのが好ましく、0.05〜0.4MPaGとするのがより好ましい。熱分解処理の雰囲気は、スチームとするのが好ましい。
なお、熱分解処理中に過度の発泡が認められる場合は、消泡剤を投入することもできる。消泡剤は、例えば、シリコン系の消泡剤などを用いるとよい。
なお、石油系コークスには、一般的にショットコークスと呼ばれる形状が粒状のものや、一般的にスポンジコークスと呼ばれる形状が多孔質の大きな塊状のものがある。本実施形態に係る固体酸触媒において賦活処理原料となる石油系コークスは、ショットコークスであっても、スポンジコークスであってもよく、これらの混合物であってもよく、また、それらの粉砕物であってもよい。
(スルホン酸基の含有量)
石油系コークスに導入されたスルホン酸基の含有量は、固体酸触媒1gあたり、例えば、1〜6mmol(つまり、1〜6mmol/g)であるのが好ましく、2〜4mmol/gであるのがより好ましい。スルホン酸基の含有量が1〜6mmolの範囲にあると、固体酸触媒として十分な反応活性を得ることができる。
(固体酸触媒中の全炭素原子のうち10〜50%の炭素原子に酸素が結合)
本実施形態に係る固体酸触媒は、自身に含まれる全炭素原子のうち、例えば、10〜50%の炭素原子に酸素が結合しているのが好ましく、20〜40%の炭素原子に酸素が結合しているのがより好ましく、25〜35%の炭素原子に酸素が結合しているのが特に好ましい。この酸素は、カルボニル基やカルボキシル基などの官能基に由来するものであると考えられる。そのため、固体酸触媒中の全炭素原子に対する酸素の結合量が前記した範囲にあると、固体酸触媒におけるこれらの官能基の存在が反応基質との親和性などを向上させることができると考えられる。その結果、固体酸触媒による反応基質に対する反応活性を向上させることが可能になると考えられる。
(石油系コークスの乾燥状態での硫黄含有量:5〜12質量%)
本実施形態に係る固体酸触媒は、原料となる石油系コークスの乾燥状態での硫黄含有量が、例えば、5〜12質量%であるのが好ましく、6〜10質量%であるのがより好ましい。石油系コークスの乾燥状態での硫黄含有量が5〜12質量%の範囲にあると、硫黄によって、本実施形態に係る固体酸触媒と、反応基質との親和性などを向上させることができると考えられる。その結果、固体酸触媒による反応基質に対する反応活性を向上させることが可能になると考えられる。
なお、石油系コークスの硫黄含有量の制御は、熱分解処理される熱分解原料油中の硫黄分量を調整することによって行うことができる。特には、例えば、常圧蒸留残渣油を熱分解原料油として使用する場合には、その蒸留原料となる原油種を適宜選択することにより行うことができる。
ここで、前記したように、原料である石油系コークスは、熱分解原料油の熱分解処理及びその後の採取により得ることができるが、このようにして採取した石油系コークスは水分を1〜12質量%程度含有している。含水状態の石油系コークスの質量を硫黄含有量の算出の基準とすると、石油系コークスの含水状態により、石油系コークス中の硫黄含有量の計算値が変動してしまう。そこで、石油系コークス中の硫黄含有量の算出に当たっては、含水状態の石油系コークスを200℃±10℃で4時間乾燥(JIS M 8811に準拠)させ、得られる乾燥状態の石油系コークスの質量を測定し、その乾燥状態の石油系コークスの質量を基準にして、石油系コークス中の硫黄含有量を算出するとよい。つまり、石油系コークスの乾燥状態での硫黄含有量とは、乾燥状態の石油系コークスの質量に対する石油系コークス中の硫黄の質量である。石油系コークス中の硫黄含有量は、JIS M 8819に準拠して測定することができる。
固体酸触媒中における前記したスルホン酸基の含有量、及び、全炭素原子に対する酸素の結合量は、後記する固体酸触媒の製造方法で説明するように、石油系コークスにスルホン酸基を導入する際の処理条件を変更することにより調整することができる。具体的には、例えば、石油系コークスを発煙硫酸で処理する場合、一般的な芳香族化合物のスルホン化反応と同様、高温、長時間反応させることで、より高含量のスルホン酸基を導入することができる。
(用途)
以上に説明した本実施形態に係る固体酸触媒は、各種の酸触媒反応における触媒として使用できる。固体酸触媒は、硫酸のような強酸の代替として適用することができる。また、本実施形態に係る固体酸触媒の用途としては、例えば、一般的なポリマーの重合反応や分解反応、アルコールとカルボン酸とのエステル化反応や、アルコールからのエーテル化反応、バイオ原料からの糖化反応などに適用が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
(効果)
以上に説明したように、本実施形態に係る固体酸触媒は、石油系コークスをスルホン化するだけで得ることができるので、国内での原料確保が容易である。つまり、本実施形態に係る固体酸触媒は、容易且つ多量に入手することができる原料から製造することができる。
[固体酸触媒の製造方法]
次に、本発明に係る固体酸触媒の製造方法の一実施形態について説明する。
本実施形態に係る固体酸触媒の製造方法は、石油系コークスを20〜300℃の硫酸中又は発煙硫酸中で処理(すなわち、スルホン化)を行う。
石油系コークスは、必要に応じてスルホン化する前に粉砕することができる。石油系コークスを粉砕する場合は、例えば、平均粒子径を100μm以下とするのが好ましい。このようにすると、固体酸触媒の単位重量当たりの表面積を増やすことができるので、固体酸触媒として用いた場合における処理能力を向上させることができるとともに、石油系コークスのスルホン化を均一に行うことができる。
石油系コークスをスルホン化する製造設備は、芳香族炭化水素のスルホン化を行う一般的な設備を用いることができる。石油系コークスをスルホン化する際は、窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気にしてもよい。石油系コークスのスルホン化に使用する硫酸又は発煙硫酸の量は特に限定されないが、発煙硫酸及び硫酸を使用する場合は、原料1gに対し3〜100mLとするのが好ましく、5〜50mLとするのがより好ましく、10〜30mLとするのがさらに好ましい。発煙硫酸及び硫酸の使用量がそれぞれこの範囲にあると、石油系コークスにスルホン酸基を十分な量導入することができる。
石油系コークスをスルホン化する際の処理温度は、前記したように20〜300℃であればよいが、30〜200℃とするのが好ましく、50〜100℃とするのがより好ましい。石油系コークスをスルホン化する際の処理温度がこの範囲にあると、石油系コークスにスルホン酸基を十分な量導入することができる。
また、石油系コークスをスルホン化する際の処理時間は、処理温度等との兼合いで設定すればよい。
石油系コークスをスルホン化したスルホン化物は、スルホン化処理後、水で洗浄するなどして硫酸を除去し、固形分をろ過やゴム膜透析などを行って採取することで本発明に係る固体酸触媒を製造することができる。
以下に実施例を示して本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに制限されるものではない。
<石油系コークス>
(ショットコークスA)
熱分解原料油として減圧残渣(減圧蒸留残渣油)とスラリーオイルを用い、500℃、0.1MPaGの条件にて熱分解処理し、熱分解処理後、ウォータージェットにて粉砕し、目視にて、ショットコークス及びスポンジコークスを分取して、石油系コークスとして用意した。ショットコークスAの性状を表1に示す。
<石油系コークスの分析>
(水分)
石油系コークスの水分の分析は、乾燥前の試料について、JIS M 8811に準拠して行った。
(乾燥状態での硫黄含有量の測定)
乾燥状態での石油系コークスの硫黄含有量の測定は次のようにして行った。
試料を300℃で5分間乾燥し、冷却して乾燥試料を得、乾燥状態での質量を測定した。次いで、乾燥試料について、JIS M 8819に準拠して、硫黄含有量を測定した。
(灰分)
石油系コークスの灰分の分析は、乾燥試料について、JIS M 8812に準拠して行った。
(CHN分)
石油系コークスのCHN分の分析は、乾燥試料について、JIS M 8813に準拠して行った。
[実施例1]スルホン化処理
前記したショットコークスAを100℃で真空乾燥し、目視で微粉化が確認されるまで粉化を行った。
微粉化したショットコークスA4gと、発煙硫酸(H2SO4/SO3)60mLと、を用いて処理(スルホン化)した後、当該スルホン化したショットコークスAを水に投入して水分散液を得た。
その後、スルホン化したショットコークスAを水に分散させた状態で、下記透析条件にて透析し、硫酸を除去した。交換水のpHが十分上がったところで透析を終了した(pH:5.5)。
透析を行ったショットコークスAの水分散液から水を除去することで、硫酸の残存しないスルホン化石油系コークスを得た。
<透析条件>
透析膜:日本メディカルサイエンス社製
交換水:80L
時間 :5日
[実施例2]スルホン化石油系コークスの分析
〔1〕スルホン酸基含有量
スルホン化石油系コークスのスルホン酸基の含有量は電位差滴定により求めた。電位差滴定は次のようにして行った。
まず、精秤したスルホン化石油系コークスを蒸留水に分散し、正確な濃度が既知の水酸化ナトリウム水溶液を正確な量添加して、スルホン化石油系コークスに導入されたスルホン酸基を中和した。
また、余分な水酸化ナトリウムの量を正確な濃度が既知の塩酸で中和するのに要した量を正確に測定した。
そして、試料の電位を測定し、図1に示す図を作図して求めた変曲点を中和点とした。
このようにして求めた電位差滴定の結果、スルホン化石油系コークス1gあたり2.65±0.05mmolのスルホン酸基が含有されていることが確認できた。
〔2〕XPS測定
PHI 5000 VersaProbe4(アルバック社製)にて未処理石油系コークスとスルホン化石油系コークスの両方のX線光電子分光(X−ray Photoelectron Spectroscopy;XPS)を測定した。XPS測定の結果を図2から図7に示す。
なお、図2は、スルホン化処理していない石油系コークス(未処理石油系コークス)のXPS測定の結果を示す分析チャートであり、図3は、スルホン化石油系コークスのXPS測定の結果を示す分析チャートである。
図4は、未処理石油系コークスのC1sに関するXPS測定の結果を示す分析チャートであり、図5は、スルホン化石油系コークスのC1sに関するXPS測定の結果を示す分析チャートである。
そして、図6は、未処理石油系コークスのS2pに関するXPS測定の結果を示す分析チャートであり、図7は、スルホン化石油系コークスのS2pに関するXPS測定の結果を示す分析チャートである。
図3及び図5に示すように、スルホン化石油系コークスは、図2及び図4に示す未処理石油系コークスと比較して、C−O−、C=O、及び、COO−といった豊富な官能基を含有していることが確認できた。
また、スルホン化石油系コークスは、XPS測定の結果、図3及び図5に示すように、全炭素原子の少なくとも30%area/area分の炭素原子に酸素が結合していることが確認できた。つまり、XPS測定の結果、固体酸触媒中の全炭素原子のうち10〜50%の炭素原子に酸素が結合していることが確認できた。
さらに、図6に示す未処理石油系コークスでは、硫黄に関連した最も顕著なピークは164eVであったのに対し、図7に示すように、スルホン化石油系コークスは硫黄に関連した顕著なピークは168eVのスルホン酸基を示すピークであることが確認できた。
[実施例3]スルホン化石油系コークス(固体酸触媒)によるエステル化反応
実施例1で製造したスルホン化石油系コークス(固体酸触媒)の触媒効果を、原らの手法(オレイン酸とエタノールのエステル化反応(下記式(1)参照)で評価した(Hara,N.,et al.,Nature,483,178(2005))。
すなわち、大過剰のエタノール(C25OH)にオレイン酸(C1733COOH)を加え、硫酸又は固体酸触媒を同重量触媒として添加し、テトラデカンを内部標準に、80℃で60分反応させた後の反応率を求めた。なお、かかる反応率は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて求めた。HPLCは、GL7400シリーズ(ジーエルサイエンス社製)を用いた。カラムは、COSMOSIL 5C18−MS−II 4.6×250mm(ナカライテスク社製)を用いた。測定条件は、溶媒;アセトニトリル、流速;1mL/分、カラム温度;40℃とした。検出器は、示差屈折率検出器(RI)を用いた。
1733COOH+C25OH→C1733COOC25+H2O ・・・(1)
その結果、触媒として同じ質量を添加した場合の触媒効果は、硫酸を基準に比較すると、硫酸:スルホン化石油系コークス(固体酸触媒):前記Natureに記載の原らの固体酸触媒=100:69:55となり、本発明に係るスルホン化石油系コークス(固体酸触媒)は、原らの固体酸触媒の触媒能力を凌駕することが確認できた。
また、前記結果を同じプロトン濃度にて硫酸を基準に評価すると、硫酸:スルホン化石油系コークス(固体酸触媒):前記Natureに記載の原らの固体酸触媒=100:540:450となり、本発明に係るスルホン化石油系コークス(固体酸触媒)は、硫酸及び原らの固体酸触媒の触媒能力を凌駕することが確認できた。
以上、発明を実施するための形態、及び、実施例により、本発明に係る固体酸触媒及びその製造方法について詳細に説明したが、本発明の趣旨はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて広く解釈されなければならないことはいうまでもない。

Claims (5)

  1. 石油系コークスにスルホン酸基を導入したことを特徴とする固体酸触媒。
  2. 前記スルホン酸基が、固体酸触媒1gあたり1〜6mmol含有されていることを特徴とする請求項1に記載の固体酸触媒。
  3. 固体酸触媒中の全炭素原子のうち10〜50%の炭素原子に酸素が結合していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の固体酸触媒。
  4. 前記石油系コークスは、乾燥状態での硫黄含有量が5〜12質量%であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の固体酸触媒。
  5. 石油系コークスを20〜300℃の硫酸中又は発煙硫酸中で処理することを特徴とする固体酸触媒の製造方法。
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