JP2015173684A - 生体情報処理システム、電子機器及び生体情報処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】基底心拍数と安静時心拍数の関係を考慮して、一方から他方を求める演算処理を行うことで、ユーザーのライフスタイル等によらず、基底心拍数や安静時心拍数を適切に取得する生体情報処理システム、電子機器及び生体情報処理方法等を提供すること。【解決手段】生体情報処理システム100は、ユーザーの心拍数情報を取得する心拍数情報取得部110と、心拍数情報に基づいて、ユーザーの安静状態に対応すると判定された心拍数情報である安静時心拍数を求め、安静時心拍数に基づいて基底心拍数を演算する処理部120を含む。【選択図】 図3
Description
本発明は、生体情報処理システム、電子機器及び生体情報処理方法等に関する。
従来、ユーザーの心拍数情報を取得し、取得した情報に基づいて、ユーザーの健康等に関する情報を提供する装置やシステムが用いられている。心拍数情報は、例えば脈拍センサーや心拍センサーから取得されたセンサー情報に基づいて取得すればよい。ここで、心拍数は心臓の拍動回数であり、脈拍数は心臓の拍動により心臓から押し出された血液により生じた圧力が末梢の血管に伝わり、動脈が拍動した回数のことを差し、通常、健常者においては心拍数と脈拍数とは同じものとなる。
心拍数情報そのもの(例えば心拍数の値)も、ユーザーの健康状態を表す指標値として用いることができるものであるが、心拍数情報を用いた所与の演算を行うことで、ユーザーの日常の生活習慣に関する情報を求めることもできる。例えば、心拍数情報に基づいてユーザーの消費カロリー量を算出し、ユーザーに提示する手法等が知られている。
ユーザーの健康状態を判定する際には、測定により取得されていく心拍数情報を用いるだけでなく、当該心拍数情報と、基準となる心拍数との比較処理を行うことが考えられる。一般的に、心拍数の値はユーザーごとの個人差が大きいものであり、当該ユーザーの状態判定では、心拍数の絶対値ではなく基準値に対する相対値等を用いることで適切な判定が可能になるためである。
例えば、特許文献1には、基底安静時脈拍を用いて被測定者の健康状態を把握する手法が開示されている。また、特許文献2には、基礎脈拍周波数や安静時脈拍周波数を用いて、ノイズの影響を抑止して生体情報を取得する手法が開示されている。
なお、特許文献1における「基底安静時脈拍数」とは、ユーザー(測定対象者、機器の装着者)が覚醒状態且つ安静状態にある場合の脈拍数であり、本実施形態における「安静時心拍数」に近い概念である。また、特許文献2における「安静時脈拍数」についても、同様に本実施形態における「安静時心拍数」に近い概念である。また、「基礎脈拍数」は、安静時脈拍数よりも低い値が期待されるものではあるが、覚醒状態での情報であり、本実施形態における「基底心拍数」と完全に一致するものではない。
特許文献1や特許文献2では、上記の各脈拍数の具体的な計測手法が何ら開示されていない。特に、ユーザー毎のライフスタイルの個人差を考慮すれば、計測が困難な可能性のある情報が存在するが、当該情報の計測手法(或いは演算手法)が開示されていない。
例えば、本実施形態において後述する基底心拍数は、定義上は睡眠中の最も低い心拍数を表す情報であるし、特許文献2の基礎脈拍数も、覚醒後且つ身体を起こす前の限られたタイミングで測定すべき情報である。仮に日中のみしか機器を装着しないユーザーがいた場合、これらの情報を計測可能なタイミング(期間)では機器が装着されないため、基底心拍数や基礎脈拍数を直接的に計測することは難しい。
本発明の幾つかの態様によれば、基底心拍数と安静時心拍数の関係を考慮して、一方から他方を求める演算処理を行うことで、ユーザーのライフスタイル等によらず、基底心拍数や安静時心拍数を適切に取得する生体情報処理システム、電子機器及び生体情報処理方法等を提供することができる。
本発明の一態様は、ユーザーの心拍数情報を取得する心拍数情報取得部と、前記心拍数情報に基づいて、前記ユーザーの安静状態に対応すると判定された前記心拍数情報である安静時心拍数を求め、前記安静時心拍数に基づいて基底心拍数を演算する処理部と、を含む生体情報処理システムに関係する。
本発明の一態様では、安静時心拍数に基づいて基底心拍数を演算する。そのため、ユーザーのライフスタイル等によって基底心拍数を直接的に測定することができない場合であっても、実測された心拍数情報を用いて基底心拍数を適切に設定すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記ユーザーの体動情報を取得する体動情報取得部をさらに含み、前記処理部は、前記体動情報の信号レベルが所与の閾値以上となる前記心拍数情報から求められた前記安静時心拍数に基づいて、第1の心拍数を演算し、前記体動情報の信号レベルが前記所与の閾値より小さい前記心拍数情報から、第2の心拍数を求め、前記第1の心拍数と前記第2の心拍数の比較処理を行って前記基底心拍数を決定してもよい。
これにより、体動情報のレベルに応じて、第1,第2の心拍数を求め、それらの比較処理から基底心拍数を決定すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記処理部は、前記第1の心拍数と前記第2の心拍数のうち、小さい方を前記基底心拍数としてもよい。
これにより、第1,第2の心拍数の大小関係の比較処理から基底心拍数を決定すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記処理部は、前記安静時心拍数に対して、所与の演算式による演算処理を行って前記第1の心拍数を演算してもよい。
これにより、所与の演算式を用いて、安静時心拍数から第1の心拍数を演算すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記ユーザーの体動情報を取得する体動情報取得部をさらに含み、前記処理部は、前記体動情報に基づいて、取得した前記心拍数情報が睡眠状態の情報か、覚醒状態の情報かを判定し、判定結果に基づいて前記基底心拍数を演算してもよい。
これにより、睡眠状態か覚醒状態かを判定した上で、基底心拍数を演算すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記処理部は、前記覚醒状態の情報であると判定された前記心拍数情報から求められた最低心拍数を、前記安静時心拍数として求め、求めた前記安静時心拍数に基づいて前記基底心拍数を演算してもよい。
これにより、覚醒状態に対応する心拍数情報から安静時心拍数を求め、当該安静時心拍数から基底心拍数を演算すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記処理部は、前記覚醒状態の情報と判定された前記心拍数情報である覚醒心拍数情報と、前記睡眠状態の情報と判定された前記心拍数情報である睡眠心拍数情報とが取得され、且つ、前記覚醒心拍数情報と前記睡眠心拍数情報との差又は比率が所与の閾値以下の場合には、計測期間における最低心拍数を前記安静時心拍数として求めてもよい。
これにより、覚醒状態と睡眠状態での心拍数情報の変化が小さい場合でも、適切に安静時心拍数を求めること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記心拍数情報が前記睡眠状態の情報であると判定された場合に、前記処理部は、前記心拍数情報から求められた最低心拍数を、前記基底心拍数としてもよい。
これにより、睡眠状態に対応する心拍数情報に基づいて基底心拍数を求めること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記処理部は、前記安静時心拍数に対して、所与の演算式による演算処理を行って前記基底心拍数を演算してもよい。
これにより、所与の演算式を用いて、安静時心拍数から基底心拍数を演算すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記処理部は、前記心拍数情報の計測期間が所定時間以上の場合に、前記安静時心拍数に基づく前記基底心拍数の演算を行ってもよい。
これにより、計測期間の長さに基づいて、基底心拍数の演算を行うか否かを判定すること等が可能になる。
また、本発明の他の態様は、ユーザーの心拍数情報を取得する心拍数情報取得部と、前記心拍数情報に基づいて、前記ユーザーの深睡眠状態に対応すると判定された前記心拍数情報である基底心拍数を求め、求められた前記基底心拍数に基づいて、安静時心拍数を演算する処理部と、を含む生体情報処理システムに関係する。
本発明の他の態様では、基底心拍数に基づいて安静時心拍数を演算する。そのため、ユーザーのライフスタイル等によって安静時心拍数を直接的に測定することができない場合であっても、実測された心拍数情報を用いて安静時心拍数を適切に設定すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記処理部は、前記安静時心拍数に基づいて、前記ユーザーの消費カロリーを演算してもよい。
これにより、安静時心拍数を用いてユーザーの消費カロリーを演算すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記ユーザーの体動情報を取得する体動情報取得部をさらに含み、前記処理部は、前記体動情報に基づいて、取得した前記心拍数情報が睡眠状態の情報か、覚醒状態の情報かを判定し、判定結果に基づいて、前記安静時心拍数を演算してもよい。
これにより、睡眠状態か覚醒状態かを判定した上で、安静時心拍数を演算すること等が可能になる。
また、本発明の一態様では、前記処理部は、前記基底心拍数に対して、所与の演算式による演算処理を行って前記安静時心拍数を演算してもよい。
これにより、所与の演算式を用いて、基底心拍数から安静時心拍数を演算すること等が可能になる。
また、本発明の他の態様は、上記の生体情報処理システムを含む電子機器に関係する。
また、本発明の他の態様は、心拍数情報取得部が、ユーザーの心拍数情報を取得し、処理部が、前記心拍数情報に基づいて、前記ユーザーの安静状態に対応すると判定された前記心拍数情報である安静時心拍数を求め、前記安静時心拍数に基づいて基底心拍数を演算する生体情報処理方法に関係する。
また、本発明の他の態様は、心拍数情報取得部が、ユーザーの心拍数情報を取得し、処理部が、前記心拍数情報に基づいて、前記ユーザーの深睡眠状態に対応すると判定された前記心拍数情報である基底心拍数を求め、求められた前記基底心拍数に基づいて、安静時心拍数を演算する生体情報処理方法に関係する。
以下、本実施形態について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また本実施形態で説明される構成の全てが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.本実施形態の手法
まず本実施形態の手法について説明する。上述したように、心拍数を用いた処理を行う際には、基準となる値を設定することが好ましい。特許文献1では基底安静時脈拍数(基底脈拍数)を用いる例が開示され、特許文献2では安静時脈拍数や基礎脈拍数等を用いる例が開示されている。
まず本実施形態の手法について説明する。上述したように、心拍数を用いた処理を行う際には、基準となる値を設定することが好ましい。特許文献1では基底安静時脈拍数(基底脈拍数)を用いる例が開示され、特許文献2では安静時脈拍数や基礎脈拍数等を用いる例が開示されている。
ここで、基礎安静時脈拍数や、安静時脈拍数は、ユーザーが安静になっている場合の脈拍数であり、本実施形態における安静時心拍数に対応する。また、特許文献2の基礎脈拍数は、ユーザーが覚醒してから身体を起こすまでの脈拍数である。また、後述するように、本実施形態における基底心拍数とは、定義上では睡眠中の最も低い心拍数を表す。
つまり、処理の基準となる心拍数を直接的に測定するのであれば、ユーザーが対応する状態となっている時に測定を行わなくてはならない。例えば、「ユーザーが安静になっている」とは、一定時間以上座位状態を継続した場合等であり、安静時心拍数を測定するにはそれらの状態で測定用の電子機器を動作状態で装着しておく必要がある。また、本実施形態の基底心拍数や特許文献2の基礎脈拍数のように、睡眠状態、或いは睡眠状態から覚醒状態への移行直後等での心拍数を測定するのであれば、例えば睡眠中に電子機器を動作状態で装着しておく必要がある。
本出願人は、小型軽量、且つ低消費電力の電子機器を実現することで、長時間の連続計測を行う、すなわち当該電子機器をライフログの取得に用いることを想定している。当該想定通りに、覚醒状態から睡眠状態まで、電子機器が動作状態で装着されるのであれば、上記の情報の測定は可能である。
しかし、生体情報処理システム(或いはそれを含む電子機器)の利用形態はユーザー毎に異なるものである。そのため、ユーザーのライフスタイル等によっては、所望の情報を直接的に測定することが困難なケースも考えられる。
図6(A)、図6(B)を用いて後述するような腕時計型(バンド型)の電子機器を用いる場合であれば、腕時計が嫌いである、或いは皮膚が弱くバンドの締め付けや汗の付着によりかぶれてしまうといった種々の理由により、所定期間しか電子機器を装着しないユーザーもいる。例えば、外出中は電子機器を装着するが、帰宅時に外してしまうようなユースケースでは、睡眠状態での情報を取得することができない。そのため、本実施形態における基底心拍数を直接的に測定することが困難になってしまう。
逆に、仕事等の関係で邪魔になるため、日中は電子機器を付けず、睡眠時にのみ電子機器を装着するユーザーもいると考えられる。その場合、覚醒状態且つ動きが非常に少ない状態(安静状態)の情報に対応する安静時心拍数を測定することが困難になる。
特に、このようなユースケースはユーザーのライフスタイルに依存することも多く、その場合には電子機器の購入後、一回も睡眠状態での情報を取得することなく使用を継続するといった状況も起こりえる。測定した心拍数の値をそのまま出力する場合はそれでもよいが、後述する睡眠判定や消費カロリー判定等、心拍数を用いた種々の処理を行う場合には、基準となる基底心拍数或いは安静時心拍数が取得できなければそもそも処理を行うことができなくなってしまう。
さらに、基底心拍数や安静時心拍数は個人差が大きいため、年齢等から求められる初期値を用いた場合には、実情に合わない判定結果が出力されてしまうおそれもある。例えば、図1は、睡眠状態での測定が行われないため、基底心拍数として年齢等から求めた初期値(=57)が設定されたケースのデータである。図1の場合、ユーザー本来の基底心拍数は45程度であったため、実際よりも大きい初期値が設定されてしまっているが、上述したように、睡眠状態での装着が行われないため、当該初期値を実測値を用いて更新することができない。結果として、45を基準に行うべき判定が、57を基準として行われてしまい、判定結果が不適切となる。
図1は昼間の時間帯の測定データであり、この期間内でユーザーは常時覚醒状態であったことがわかっている。しかし、心拍数を用いた睡眠状態の判定を、後述する式(2)のように、Th=基底心拍数×α(αは1より大きい定数)となる閾値Thを用いて行った場合、上記初期値ではThが過剰に大きくなってしまう。そのため、図1に破線の円で示したように、計測された心拍数がThを下回ってしまう場合があり、当該箇所では実際にはユーザーは覚醒状態であるにもかかわらず、睡眠状態であると誤判定してしまう。なお図1中段は体動情報(加速度信号)の変化量を表し、図1の下段は、基底心拍数等から求められたユーザーの状態を表す情報である。図1下段は具体的には、TYPE7〜8が高負荷の状態、TYPE5〜6が活動状態、TYPE4がリラックスした状態、TYPE1〜3が睡眠状態を表す。なおTYPE1が深い睡眠であり、TYPE2が浅い睡眠であるといったように、図1はより細かい分類を行っている例であるが、ここでは詳細な説明は省略する。またこの点は図2や図14でも同様である。
逆に、図2はユーザー本来の基底心拍数=69であり、それに比べて小さい初期値(=55)が設定されてしまったケースである。この場合、閾値Thが本来用いるべき値に比べて小さくなる。図2は夜間の時間帯の測定データであり、この期間のうち少なくとも1:00〜7:00でユーザーは睡眠状態であったことがわかっている。しかしThが大きいため、図2に破線の円で示したように、計測された心拍数がThを上回ってしまう場合があり、当該箇所では実際にはユーザーは睡眠状態であるにもかかわらず、覚醒状態であると誤判定してしまう。なお、図2では睡眠状態での情報を計測できているため、基底心拍数を計測し本来設定すべき値に近づけていくことは可能である。
また、安静時心拍数についても同様であり、個人差を考慮して値を設定しなければ、安静時心拍数を用いた処理の信頼性が低下してしまう。例えば、後述するように安静時心拍数を用いて消費カロリー量を演算する場合、算出されたカロリー量と実際の消費量が対応しなくなってしまう。
このように、基底心拍数や安静時心拍数は個人差に対応するために、実測された情報を用いて設定すべきであるところ、ライフスタイル等によっては直接的に測定することが困難なケースが考えられる。それに対して、特許文献1や特許文献2等の従来手法は、何ら対応する手法を開示するものではない。
そこで本出願人は、ユーザーのライフスタイル等に起因して、基底心拍数又は安静時心拍数を直接的に測定することができなかった場合であっても、当該情報を実測値に基づいて演算する手法を提案する。具体的には、本実施形態に係る生体情報処理システム100(生体情報処理装置)は、図3に示したように、ユーザーの心拍数情報を取得する心拍数情報取得部110と、心拍数情報に基づいて、ユーザーの安静状態に対応すると判定された心拍数情報である安静時心拍数を求め、安静時心拍数に基づいて基底心拍数を演算する処理部120を含む。
ここで、基底心拍数とは、ユーザーが深睡眠状態にある場合の心拍数情報を表す。深睡眠状態では、メンタル活動による心拍数の変動が生じないため、運動時(体動時)だけでなく安静時(非体動時)においても精度よく心拍数情報を用いた処理を行うことが可能である。ただし、本実施形態では上述したように、安静時心拍数から演算される値を基底心拍数とする。すなわち、本実施形態における基底心拍数は、必ずしも深睡眠状態での心拍数情報から求められるものに限定されず、深睡眠状態での心拍数情報に対応すると推定される情報も含むものである。
このようにすれば、ユーザーのライフスタイル等によらず基底心拍数を求めることができる。例えば、睡眠状態では電子機器を装着しないユーザーであっても、覚醒時に安静時心拍数が求められていれば、当該安静時心拍数から基底心拍数を演算(推定)することが可能である。さらに、安静時心拍数を実測値から求めるため、演算される基底心拍数は、測定対象であるユーザーの特性を反映した値となり、年齢等から一律に設定する基底心拍数と比較した場合、個人差を考慮した高精度の処理が可能になる。
なお、安静時心拍数から基底心拍数を演算する際には、処理部120は安静時心拍数に対して、所与の演算式による演算処理を行って基底心拍数を演算すればよく、さらに具体的には後述する下式(1)を用いればよい。
また、ユーザーによっては基底心拍数は直接的に測定できるが、安静時心拍数は直接的に測定できない場合も考えられる。よって本実施形態に係る生体情報処理システム100は、ユーザーの心拍数情報を取得する心拍数情報取得部110と、心拍数情報に基づいて、ユーザーの深睡眠状態に対応すると判定された心拍数情報である基底心拍数を求め、求められた基底心拍数に基づいて、安静時心拍数を演算する処理部120を含むものであってもよい。この場合、処理部120は、例えば基底心拍数に対して、所与の演算式による演算処理を行って安静時心拍数を演算すればよく、さらに具体的には後述する下式(5)を用いればよい。
このようにすれば、睡眠状態でのみ電子機器を装着するようなユーザーであっても、睡眠時の測定結果から求められた基底心拍数を用いて、安静時心拍数を演算(推定)することが可能である。そして、演算した安静時心拍数が個人差を反映したものである点は、上述の例と同様である。
以下、第1の実施形態及び第2の実施形態について説明する。第1の実施形態では、少なくとも基底心拍数及び安静時心拍数を求める段階では睡眠判定を行わない手法について説明する。具体的には、体動情報(加速度信号)のレベルに応じて心拍数情報を分類してヒストグラムを作成し、加速度レベル中に対応するヒストグラムから安静時心拍数を求め、低加速度レベルに対応するヒストグラムから第2の心拍数を求める。その上で、安静時心拍数から第1の心拍数を演算し、第1の心拍数と第2の心拍数を比較して最終的な基底心拍数を求める。
この場合、睡眠状態での心拍数情報が取得されていないとすれば、基底心拍数は直接的に測定することができない。具体的には、加速度レベルが低い状態にある心拍数情報が十分に取得できず、第2の心拍数を求めることができないと想定される。しかしその場合でも、安静時心拍数は適切に求められているはずであり、そこから演算された第1の心拍数は、ユーザーの実態にあった値となることが期待される。つまり、基底心拍数を求める段階で、睡眠状態の判定を行わなくても、適切な処理を行うことが可能である。
一方、第2の実施形態では睡眠判定を伴う手法について説明する。この場合、当該睡眠判定の結果を用いることで、ヒストグラム等を用いて求められた値が、基底心拍数に対応する値であるか、安静時心拍数に対応する値であるかを判定することが可能となる。この場合、第1の実施形態とは異なり、複数の基底心拍数の候補を比較するといった処理は省略可能である。なお、第2の実施形態では、安静時心拍数から基底心拍数を演算するだけでなく、基底心拍数から安静時心拍数を演算する例についても説明する。
また、覚醒状態と睡眠状態では一般的に心拍数にある程度の差異があるものとされるが、ユーザーの中には当該差異が小さい例も見られる。第2の実施形態の変形例として、そのようなユーザーに対しても適切に基底心拍数等を設定する手法を説明する。
2.第1の実施形態
第1の実施形態について説明する。まず本実施形態に係る生体情報処理システム100等のシステム構成例について説明し、その後、図9のフローチャートを用いて本実施形態の処理の流れを説明する。さらに、図10のフローチャート等を用いて、体動情報に応じた分類処理等について説明する。第1の実施形態の最後に、本実施形態の手法により求められた基底心拍数や安静時心拍数を用いた処理の具体例について説明する。
第1の実施形態について説明する。まず本実施形態に係る生体情報処理システム100等のシステム構成例について説明し、その後、図9のフローチャートを用いて本実施形態の処理の流れを説明する。さらに、図10のフローチャート等を用いて、体動情報に応じた分類処理等について説明する。第1の実施形態の最後に、本実施形態の手法により求められた基底心拍数や安静時心拍数を用いた処理の具体例について説明する。
2.1 システム構成例
図4に本実施形態に係る生体情報処理システム100の詳細な構成例を示す。生体情報処理システム100は、心拍数情報取得部110と、処理部120と、体動情報取得部130と、健康度情報演算部140を含む。ただし、生体情報処理システム100は図4の構成に限定されず、これらの一部の構成要素を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
図4に本実施形態に係る生体情報処理システム100の詳細な構成例を示す。生体情報処理システム100は、心拍数情報取得部110と、処理部120と、体動情報取得部130と、健康度情報演算部140を含む。ただし、生体情報処理システム100は図4の構成に限定されず、これらの一部の構成要素を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。
心拍数情報取得部110と、処理部120については図3と同様であるため詳細な説明は省略する。体動情報取得部130は、体動センサー20からの体動情報を取得する。ここで体動センサーとは、心拍数情報の取得対象であるユーザーの動きを検出するセンサーであり、加速度センサーであってもよいし、角速度センサー(ジャイロセンサー)であってもよいし、他のセンサーであってもよく、またこれらのセンサーを複数組み合わせてもよい。体動情報取得部130で取得された体動情報は、基底心拍数を求める処理、安静時心拍数を求める処理等に用いられる。詳細については後述する。
健康度情報演算部140は、基底心拍数と心拍数情報との相対情報、或いは安静時心拍数と心拍数情報との相対情報を求め、相対情報に基づいて健康度を表す健康度情報を求める。ここでの健康度情報とは、ユーザーの健康状態を表す情報であり、例えば消費カロリー量、深睡眠時間情報、ストレス情報等である。健康度情報演算部140での処理の詳細は後述する。
また、本実施形態の手法は図3や図4等の生体情報処理システム100を含む電子機器に適用することができる。ここでの電子機器とは、生体情報計測装置であってもよく、狭義にはユーザーにより装着されるウェアラブル装置であってもよい。この場合、心拍センサーによる測定は本実施形態に係る電子機器であるウェアラブル装置において行われることになる。
具体的には、本実施形態に係る電子機器(ウェアラブル装置200)は、図5に示したように、心拍センサー10(脈拍センサー、脈波センサー)と、体動センサー20と、心拍数情報取得部110と、処理部120と、体動情報取得部130と、健康度情報演算部140と、報知部210と、通信部220とを含む。図4に示したように、図5における心拍数情報取得部110、処理部120、体動情報取得部130、健康度情報演算部140等が本実施形態に係る生体情報処理システム100に対応する。
心拍センサー10は心拍数の測定を行うセンサーである。体動センサー20については上述したように種々のセンサーを用いることが可能である。そして、電子機器がウェアラブル装置200である場合、心拍数情報取得部110は、機器内の心拍センサー10からのセンサー情報(或いは当該センサー情報に対する信号処理の結果)を心拍数情報として取得することになる。同様に、体動情報取得部130は、機器内の体動センサー20からのセンサー情報(或いは当該センサー情報に対する信号処理の結果)を体動情報として取得することになる。
報知部210は、健康度情報演算部140で演算された健康度情報をユーザーに対して報知(提示)する。報知部210での報知態様は種々考えられ、音や音声を発するものであってもよいし、LED等の発光部を光らせるものであってもよいし、振動部を振動させるものであってもよい。また、報知部210が種々の表示画面を表示する表示部により実現されてもよく、表示部は液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどにより実現できる。
通信部220は、種々のネットワークを介して他の機器との通信を行う。図8を用いて後述するように、ウェアラブル装置200での演算結果を他の機器において報知することも考えられるため、その場合には求められた健康度情報や、当該健康度情報を提示するための情報(例えば表示画面の情報等)を当該他の機器に対して送信する。
ここでのウェアラブル装置200の例を図6(A)、図6(B)に示す。図6(A)、図6(B)に示したように、ウェアラブル装置200は、バンド50と、バンド穴52と、バックル54とを含むバンド型(腕時計型)の電子機器であってもよい。図6(A)、図6(B)の例では、ウェアラブル装置200は報知部210として発光部56を含み、LED等の点灯、点滅等により健康度情報等の種々の情報をユーザーに報知する。また、ウェアラブル装置200はケース58を含み、ケース58に心拍センサー10や体動センサー20、生体情報処理システム100を実現する電子基板等が収納される。
また、本実施形態に係る電子機器は心拍センサー10等を含むウェアラブル装置200に限定されるものではなく、他の電子機器であってもよい。例えば、本実施形態の電子機器は、スマートフォン等の携帯端末装置であってもよい。この場合、携帯端末装置300は図7に示したように、生体情報処理システム100に対応する心拍数情報取得部110、処理部120を含み、心拍数情報取得部110は、ウェアラブル装置200等に搭載される心拍センサー10から心拍数情報を取得することになる。この場合、ウェアラブル装置200と携帯端末装置300は、短距離無線通信等、種々のネットワークにより接続されることになる。なお、図7では省略したが、携帯端末装置300も図5のウェアラブル装置200と同様に、報知部や通信部を含んでもよい。
具体例を図8に示す。図8では図6(A)等に示したバンド型のウェアラブル装置200と、スマートフォン等の携帯端末装置300とが短距離無線通信等により接続され、ウェアラブル装置200に搭載された心拍センサー10からの情報に基づいて演算された心拍数等の情報が、携帯端末装置300の表示部で表示されている。なお、図8ではウェアラブル装置200にも報知部210(発光部56)が設けられるため、心拍数情報を用いた処理結果をウェアラブル装置200で報知することも可能である。その場合、図7の構成では処理結果は携帯端末装置300において取得されるため、まずウェアラブル装置200がセンサー情報を携帯端末装置300に対して送信し、携帯端末装置300が当該センサー情報を用いて健康度情報を演算し、演算結果をウェアラブル装置200に対して送信するといった手順を経ることになる。
なお、図8は上述したように図5の構成にも対応する図であり、その場合、心拍数情報を用いた処理結果までウェアラブル装置200において取得しているため、発光部56における報知については特に通信等は不要である。ただしその場合、携帯端末装置300では健康度情報等の演算は行われないため、携帯端末装置300の表示部等での表示を行う場合には、演算結果をウェアラブル装置200から受信する必要がある。
また、本実施形態に係る電子機器は、ウェアラブル装置200や携帯端末装置300に限定されるものではなく、PC(Personal Computer)等、種々の機器を用いることが可能である。
また、本実施形態の手法は上記の生体情報処理システム100を含むサーバーシステムにも適用できる。サーバーシステムの構成例については図7の携帯端末装置300と同様のものとなる。ただしこの場合、サーバーシステムが物理的にユーザーから遠い位置に設けられることも充分考えられ、その場合サーバーシステムでの処理結果をサーバーシステムの報知部で報知してもユーザーが認識できない。よって、サーバーシステムでは健康度情報等の演算結果を、ウェアラブル装置200や携帯端末装置300等、ユーザーが利用する機器に対して送信することが好ましい。
一般的に、サーバーシステムはウェアラブル装置200や携帯端末装置300に比べて処理性能が高く、記憶部の記憶領域の制限も小さい。よって、生体情報処理システム100がウェアラブル装置200等に含まれる場合に比べて、心拍数情報を用いた処理を高速で行うこと等が可能になる。また、記憶領域が大きければ、心拍数情報等のログデータをとる際に、多数のユーザーのログデータを記憶することや、1人当たりのログデータの量を増やすことも可能である。そのため、多数のユーザーデータを用いて汎用性の高い処理を行うことや、数年や数十年単位でユーザーの心拍数情報を記憶しておくことで当該ユーザーについての健康度情報の演算精度を向上させること等も期待できる。
なお、ウェアラブル装置200とサーバーシステムの間の通信ルートは種々考えられる。例えば、ウェアラブル装置200がネットワークに直接接続可能な場合であれば、ウェアラブル装置200がネットワークを介して直接的にサーバーシステムと通信をおこなってもよい。或いは、ウェアラブル装置200は短距離無線通信等を利用して、まず携帯端末装置300に対してセンサー情報を送信し、携帯端末装置300がネットワークを介してサーバーシステムに当該センサー情報を転送するように、ウェアラブル装置200とサーバーシステムの間に他の機器を介して通信を行ってもよい。
2.2 処理の流れ
次に本実施形態の処理の流れを説明する。基底心拍数や安静時心拍数を求める処理は、基本的には所与の計測期間にわたる1回の計測が終了した際に、当該計測期間で取得された心拍数情報に基づいて行われることになる。ここで計測期間とは、例えばユーザーによるスタートボタンの押下を検出してから、ストップボタンの押下を検出するまでの期間であってもよい。或いは、電子機器の装着状態を判定可能であれば、電子機器が装着されたタイミングを計測期間の始点としたり、電子機器が外されたタイミングを計測期間の終点としてもよい。その他、「1回の計測」、「計測期間」をどのように規定するかは種々の変形実施が可能である。また、以下では1回の計測を単位に処理を行うが、複数回の計測を合わせて処理を行う等の変形実施も可能である。
次に本実施形態の処理の流れを説明する。基底心拍数や安静時心拍数を求める処理は、基本的には所与の計測期間にわたる1回の計測が終了した際に、当該計測期間で取得された心拍数情報に基づいて行われることになる。ここで計測期間とは、例えばユーザーによるスタートボタンの押下を検出してから、ストップボタンの押下を検出するまでの期間であってもよい。或いは、電子機器の装着状態を判定可能であれば、電子機器が装着されたタイミングを計測期間の始点としたり、電子機器が外されたタイミングを計測期間の終点としてもよい。その他、「1回の計測」、「計測期間」をどのように規定するかは種々の変形実施が可能である。また、以下では1回の計測を単位に処理を行うが、複数回の計測を合わせて処理を行う等の変形実施も可能である。
計測期間では、心拍数情報取得部110は所定周期で心拍数情報を取得し、同様に体動情報取得部130は所定周期で体動情報を取得する。ここでの所定周期は例えば4秒程度である。つまり、計測期間がT秒であったとすれば、当該計測期間ではT/4個程度の心拍数情報の値と、それに対応する体動情報の値が取得されることになる。また、取得された体動情報の移動平均をとる等の処理を、上記所定周期毎に行ってもよい。
以上を前提に、図9のフローチャートを用いて本実施形態の処理を説明する。この処理が開始されると、まず計測期間が3時間以上であるかの判定を行う(S101)。S101でNoの場合、十分な期間で測定が行われていないと判定し、基底心拍数や安静時心拍数を求めることなく、処理を終了する。本実施形態では後述するように、ヒストグラム等を用いて最低心拍数の算出精度を高めている。しかし、データ数が十分でなければ、何らかの誤差要因で生じてしまった特異な値を最低心拍数等として採用してしまうおそれがあり精度の低下につながる。そのため本実施形態では、S101の判定を行い、十分な長さの計測期間であることを、基底心拍数等を求める処理を実行する条件としている。
S101でYesの場合には、HRL最低心拍数と、HRM最低心拍数の算出処理を行う(S102)。ここでHRL最低心拍数とは体動情報の信号レベル(以下、加速度レベルを例にとる)が低い心拍数情報から求められる情報であり、HRM最低心拍数とは加速度レベルが中程度の心拍数情報から求められる情報である。HRL最低心拍数とHRM最低心拍数の詳細については後述する。
そして、HRL最低心拍数とHRM最低心拍数の少なくとも一方が求められたかの判定を行い(S103)、Noの場合、すなわち両方ともに求められなかった場合には、処理を終了する。少なくとも一方が求められた場合には、HRL最低心拍数を基底心拍数とし、HRM最低心拍数を安静時心拍数とする(S104)。なお、HRL最低心拍数とHRM最低心拍数が求められない場合には、基底心拍数や安静時心拍数として取り得ない程度に大きな値(例えば8ビットを割り当てるのであれば255等)を設定しておく。
ここで、睡眠状態であれば加速度レベルは非常に低く、運動状態等であれば加速度レベルは非常に高い。それに対して、覚醒状態且つ安静状態では、加速度レベルは運動状態等よりも低くなると考えられる。ここで安静状態での加速度レベルが睡眠状態よりも高いとの仮定をすれば、安静状態の加速度レベルは中程度となる。つまり、HRL最低心拍数とは、睡眠状態での心拍数情報から求められた最低心拍数と考えることができる。一方、HRM最低心拍数とは、安静状態での心拍数情報から求められた最低心拍数と考えることができる。
ただし、本実施形態では処理を簡略化する関係上、安静状態での加速度レベルを中程度としたが、実際の安静状態では睡眠状態と同程度に加速度レベルが低いことも考えられる。つまり、安静状態での加速度レベルを中程度とする処理は本実施形態におけるものであり、後述する第2の実施形態のように、HRL最低心拍数を安静時心拍数とするといった処理も可能である。
S104の処理で、基底心拍数と安静時心拍数として一応の値が設定されることになる。しかし、本実施形態では睡眠状態で測定したか否かを判定していない以上、計測期間での心拍数情報が睡眠状態に対応する情報を含むか否かは不明である。つまり、S104で求められた基底心拍数を無条件に用いて処理(例えばそれまで保持していた基底心拍数を更新する処理)を行うべきではない。
よって本実施形態では、下式(1)を用いて、安静時心拍数(HRM最低心拍数)から基底心拍数を演算し、演算により得られた基底心拍数(第1の心拍数)と、直接求めた基底心拍数(HRL最低心拍数、第2の心拍数)の比較処理を行う。
基底心拍数=安静時心拍数/1.2 ・・・・・(1)
比較処理とは、具体的には第1の心拍数(HRM最低心拍数/1.2)と、第2の心拍数(HRL最低心拍数)の大小関係の比較処理である(S105)。そして、第1の心拍数の方が小さい場合、すなわちS105でYesには、当該第1の心拍数を、処理対象としている計測期間における基底心拍数として採用する(S106)。そうでなければ、第2の心拍数であるHRL最低心拍数を処理対象としている計測期間における基底心拍数として採用する(S107)。ここで、HRL最低心拍数とHRM最低心拍数の少なくとも一方が求められていない場合、上述したように求められていない最低心拍数は非常に大きい値となっている。そのため、一方しか求められていないのであれば、S106又はS107で採用される値は、求められた値(或いはそこから演算された値)となる。
比較処理とは、具体的には第1の心拍数(HRM最低心拍数/1.2)と、第2の心拍数(HRL最低心拍数)の大小関係の比較処理である(S105)。そして、第1の心拍数の方が小さい場合、すなわちS105でYesには、当該第1の心拍数を、処理対象としている計測期間における基底心拍数として採用する(S106)。そうでなければ、第2の心拍数であるHRL最低心拍数を処理対象としている計測期間における基底心拍数として採用する(S107)。ここで、HRL最低心拍数とHRM最低心拍数の少なくとも一方が求められていない場合、上述したように求められていない最低心拍数は非常に大きい値となっている。そのため、一方しか求められていないのであれば、S106又はS107で採用される値は、求められた値(或いはそこから演算された値)となる。
なお、S106又はS107で求められる値は、あくまで処理対象としている計測期間における基底心拍数であり、必ずしも基底心拍数として適切な値であるとは限らない。例えば、睡眠状態にあっても常に心拍数情報の値は基底心拍数となるものではなく、基底心拍数より大きな値となる時間も多い。そのため、計測期間から求められた基底心拍数が実際の基底心拍数より大きい値となっている、つまりは上記計測期間からは適切な基底心拍数を求められていない可能性もある。
よって、図9には不図示であるが、S106又はS107で求められた更新値をそのまま基底心拍数に置き換えるのではなく、保持していた基底心拍数と上記更新値を用いて、基底心拍数を更新するか否か、更新するのであればどのような値に更新するのかといった判定を行うとよい。これについては、第2の実施形態における基底心拍数及び安静時心拍数についても同様であり、計測期間での心拍数情報から求められた基底心拍数等は、更新処理に用いられる情報である。
なお、本実施形態では基底心拍数を求める処理において、心拍数情報に睡眠状態に対応する情報が含まれるか否かを判定しないというものであり、その他の処理において睡眠状態を判定を行うことは妨げられない。例えば、図9に示したように、基底心拍数が求められた後に、計測期間内において寝ている時間が30分未満か否かの判定を行ってもよい(S108)。S108でYesであれば、計測期間で取得された心拍数情報は、覚醒状態に対応する情報のみであると判定することができ(S109)、Noであれば計測期間で取得された心拍数情報には、睡眠状態に対応する情報が含まれると判定することができる(S110)。
2.3 HRM、HRL
次に、図10のフローチャート等を用いてHRM最低心拍数とHRL最低心拍数について説明する。上述したように、HRM最低心拍数とは加速度レベルが中程度であるため、安静時心拍数と考えることができるし、HRL最低心拍数とは加速度レベルが低いため、基底心拍数と考えることができる。
次に、図10のフローチャート等を用いてHRM最低心拍数とHRL最低心拍数について説明する。上述したように、HRM最低心拍数とは加速度レベルが中程度であるため、安静時心拍数と考えることができるし、HRL最低心拍数とは加速度レベルが低いため、基底心拍数と考えることができる。
本実施形態では、計測期間で取得された心拍数情報を、体動情報のレベルに応じて分類する。具体的には、図10のフローチャートに示した処理を、心拍数情報とそれに対応する体動情報の取得毎に行えばよい。心拍数情報等は、上述したように4秒等の所定周期で取得されるため、図10の処理も所定周期で実行されることになる。
図10の処理が開始されると、まず心拍数情報と加速度レベルの移動平均をとる(S201)。移動平均をとる理由は後述する。そして、加速度強度(加速度レベル)がLowレベルかの判定を行う(S202)。S202の処理は例えば加速度レベルが、所与のLowレベル閾値AccL未満であるかを判定すればよい。
S202でYesの場合には、取得された心拍数情報は加速度レベルが低い状態での情報であるとして、当該心拍数情報を用いてHRLヒストグラムの更新処理を行う(S203)。HRLヒストグラムとは、加速度レベルが低い状態に対応する心拍数情報のヒストグラムである。
S202でNoの場合には、加速度強度がHighレベルかの判定を行う(S204)。S204もS202と同様に、加速度レベルが、所与のHighレベル閾値AccHより大きいかを判定することで実現できる。S204でYesの場合には、取得された心拍数情報は加速度レベルが高い状態での情報であるとして、加速度レベル高でのヒストグラムであるHRHヒストグラムの更新処理を行う(S205)。
一方、S204でNoの場合には、取得された心拍数情報は加速度レベルが中程度の状態での情報であるとして、加速度レベル中でのヒストグラムであるHRMヒストグラムの更新処理を行う(S205)。
以上の処理を計測期間にわたって実行することで、心拍数情報を体動情報に基づいて分類した上で、分類毎にヒストグラムを作成することが可能になる。後は、作成したヒストグラムから、それぞれの分類に対応する最低心拍数を求めればよい。図11(A)に実測された心拍数情報を示し、図11(B)に当該心拍数情報に基づいて作成されたHRL、HRM、HRHのそれぞれのヒストグラムを示す。
しかし、体動アーティファクト等により心拍数を誤検出する場合があるため、単純に最も値が小さい心拍数情報を最低心拍数とするのでは精度が十分でない。そこで、本実施形態では所与の計測期間において取得された心拍数情報に対して、移動平均処理を行って最低心拍数を求める。これが上述したS201の処理に対応する。
心拍数情報は取得される値をそのまま用いると値のばらつきが多く、特に図11(B)等のヒストグラムでの下限付近でのばらつきが顕著である。そして、最低心拍数は上述したように最低値に近い値であるから、ばらつきの大きい下限付近の情報を用いて求めることになり、演算精度が低下してしまう。これに対して、移動平均をとることで値のばらつきを抑えることができるため、最低心拍数を精度よく求めることが可能である。
具体例を図12に示す。図12ではB1が移動平均処理前、B2が移動平均処理後のヒストグラムである。B1とB2を比較した場合、移動平均処理によりばらつきが押さえられ、B1に比べてB2では42,43といった心拍数の度数を低く抑えることができる。その結果、度数が閾値(図12であれば90)を超える最低の心拍数を最低心拍数とする判定を行う場合、B1であれば最低心拍数が43となっていたところ、43を最低心拍数から除外することが可能である。
ただし、上述したように移動平均処理を行っても、ヒストグラムにおいて特異な点が生じてしまう場合がある。例えば図12のB2では心拍数44で度数が大きくなっており、最低心拍数が44となる。しかしB2の45〜48での度数が非常に小さいことに鑑みれば、44での度数は測定の誤差や移動平均演算の結果生じてしまった特異な値であり、最低心拍数を44とすることは不適切である。
よって本実施形態では、所与の心拍数の値での度数だけではなく、その前後の心拍数の値での度数も用いて最低心拍数を求めてもよい。具体的には、処理部120は、最低心拍数計測期間において取得された心拍数情報に基づいて、心拍数の値と、各心拍数の値が検出された頻度との関係を表すヒストグラムを求め、心拍数の値がx〜x+n(x、nは所与の正数)の範囲で、頻度が所与の頻度閾値を超え、且つ値が最小となるxを、最低心拍数として求める。
図12の例ではヒストグラムの横軸は整数値でありxは自然数となる。また、nとしては例えば2を用いてもよく、この場合、心拍数の値がx、x+1、x+2の全てにおいて度数が閾値を超えている場合に、xを最低心拍数とする。図12の場合、x=44とした場合、44での度数は閾値を超えているがx+1=45及びx+2=46では度数が閾値を超えていない。よってx=44を最低心拍数と判定しないことが可能になる。そして、x=48のとき、48、49、50の全てで度数が閾値を超え、xが48未満では3つ連続で閾値を超える心拍数の数値は見つからない。よって最低心拍数を48と判定することができ、最低心拍数を精度よく求めることが可能である。
図9のS102では、HRLヒストグラムから求められた最低心拍数をHRL最低心拍数とし、HRMヒストグラムから求められた最低心拍数をHRM最低心拍数とすればよい。
2.4 基底心拍数を用いた処理及び安静時心拍数を用いた処理
本実施形態は、基底心拍数(及び安静時心拍数)を適切に求めることを主眼としているため、求められた基底心拍数等をどのような処理に用いるかは任意である。以下では、基底心拍数に基づいて睡眠時間に関する情報やストレス情報を求める例、及び安静時心拍数を用いて消費カロリー量を求める例について説明する。なお、以下の処理は、例えば生体情報処理システム100の健康度情報演算部140で実行される。
本実施形態は、基底心拍数(及び安静時心拍数)を適切に求めることを主眼としているため、求められた基底心拍数等をどのような処理に用いるかは任意である。以下では、基底心拍数に基づいて睡眠時間に関する情報やストレス情報を求める例、及び安静時心拍数を用いて消費カロリー量を求める例について説明する。なお、以下の処理は、例えば生体情報処理システム100の健康度情報演算部140で実行される。
まず、基底心拍数を用いた深睡眠時間情報の演算について説明する。睡眠不足(例えば深睡眠時間が4時間以下の場合)は、翌日の自律神経に大きな影響を与え、健康に悪影響があることが知られているため、ライフスタイルの評価において睡眠時間は重要な指標値となる。特に、睡眠状態のうち、より深い眠りにある深睡眠状態(或いは脳波徐波睡眠状態と表記)の時間等は睡眠状態を表す指標値として重要である。例えば、睡眠時間自体は長いのに深睡眠時間が短い場合には健康に悪影響があり、寝ているはずなのに疲れがとれない等の自覚症状にもつながる。
よって本実施形態では、ユーザーが深睡眠状態にあるか否かの情報(狭義には24時間のうち深睡眠状態にある時間である深睡眠時間に関する情報)について、健康度情報として演算するものとする。
深睡眠状態では心拍数情報HRの値は、基底心拍数HR0の値に近い値をとることになる。よって、HRとHR0との比較により、ユーザーが深睡眠状態にあるか否かを判定すればよい。ただし、深睡眠状態にあったとしてもHRの値にはばらつきがあるため、HRの値がHR0よりも大きくなることは十分考えられる。よって、HRとの比較に用いる値はHR0そのものではなく、ある程度のマージンを持たせ、HR0×(睡眠係数)の値を用いる。つまり、下式(2)が成り立つ場合には、ユーザーは深睡眠状態にあると判定し、24時間のうち下式(2)が成り立つ時間の積算値を深睡眠時間とする。ここで、下式(2)の睡眠係数はユーザー毎に異なる値となるが、例えば統計的に求めた1.12等の値を用いればよい。
HR≦HR0×(睡眠係数) ・・・・・(2)
また、基底心拍数からストレス情報を求めてもよい。ユーザーに対してかかる負荷を表すストレス情報も、健康度を表す指標値として用いることができる。ここでストレス情報としては、体動時の身体的な活動に起因する身体ストレス(フィジカルストレス、physical stress)と、非体動時の精神的な活動に起因する心理ストレス(メンタルストレス、mental stress)とが考えられる。
また、基底心拍数からストレス情報を求めてもよい。ユーザーに対してかかる負荷を表すストレス情報も、健康度を表す指標値として用いることができる。ここでストレス情報としては、体動時の身体的な活動に起因する身体ストレス(フィジカルストレス、physical stress)と、非体動時の精神的な活動に起因する心理ストレス(メンタルストレス、mental stress)とが考えられる。
フィジカルストレス及びメンタルストレスによる負荷の程度は心拍数情報HRの値に大きく反映される。ここで、非体動時に心拍数が増加するのは主に脳活動によるものであることが知られていることから、非体動時に一定以上の心拍数上昇が見られた時間を積算することによりメンタルストレスを評価できる。その目安としてストレス係数を設け、HRが下式(3)を満たす場合に、ユーザーに対して注視すべき程度のメンタルストレスがかかっていると判定し、下式(3)が成り立つ時間の積算値をメンタルストレスについての指標値(メンタルストレス情報)とする。
HR≧HR0×(ストレス係数) ・・・・・(3)
ここで、ストレス係数の値は個人により異なるものとなるため、外部から入力するものとしてもよい。ただし、ストレス係数が不明な場合、或いはユーザーによる操作負担の軽減を図る場合等には、統計的に求められた値として、ストレス係数=1.8等を用いてもよい。
ここで、ストレス係数の値は個人により異なるものとなるため、外部から入力するものとしてもよい。ただし、ストレス係数が不明な場合、或いはユーザーによる操作負担の軽減を図る場合等には、統計的に求められた値として、ストレス係数=1.8等を用いてもよい。
一方、フィジカルストレスについては体動時におけるユーザーへの負荷を表すものであり、主に筋肉活動による心拍数増加を考慮することで、その値を求めることが可能である。具体的には、上述したメンタルストレスと同様に、上式(3)による判定を行えばよいが、フィジカルストレスの場合には、体動時を対象とする点が異なる。
なお、体動時か非体動時かの判定手法は種々考えられるが、例えば体動センサーからのセンサー情報に基づいて処理を行えばよい。体動センサーが加速度センサーであれば、当該センサーからのセンサー情報である加速度検出値が大きい場合には体動時であると判定できるし、加速度検出値が体動時よりも小さければ非体動時であると判定できる。或いは、加速度検出値の大きさそのものではなく、加速度検出値の周波数特性(例えば歩行、走行運動時のピッチに相当)を求め、そこから体動時か非体動時かを判定してもよい。つまり、本実施形態の体動センサーは、ストレス情報の演算においては体動時か非体動時かを判定できるセンサーであれば十分であり、加速度センサーを用いてもよいし、他のセンサーを用いてもよい。また、センサー情報に基づいて体動時か非体動時かの判定を行う手法も任意である。
このようにして求めたストレス情報は、メンタルストレスについてはその積算時間の値が小さいほど好ましく、フィジカルストレスについてはその積算時間が適度な値(運動不足にならない程度に大きく、過負荷とならない程度に小さい値)となるほど好ましいと判定する指標値として用いることができる。
また、安静時心拍数からは消費カロリー量を求めることができる。具体的には、下式(4)を用いることで、消費カロリー量の演算が可能である。なお、下式(4)のVO2mは分時酸素消費量の最大値、VO2rは安静状態における分時酸素消費量、HRmは心拍数情報の最大値、HRrは安静時心拍数である。具体的には、VO2m、VO2r、HRm、の各値を求めておくとともに、図9のS104や後述する第2の実施形態の手法により安静時心拍数HRrを求めておく。そして、それらの値と実測されたHRとからVO2を求めている。VO2と消費カロリー量には所与の関係があるため、推定したVO2から消費カロリー量を求めることが可能になる。
以上の本実施形態では、生体情報処理システム100は図4に示したように、ユーザーの体動情報を取得する体動情報取得部130をさらに含んでもよい。そして処理部120は、体動情報の信号レベルが所与の閾値以上となる心拍数情報から求められた安静時心拍数に基づいて、第1の心拍数を演算し、体動情報の信号レベルが所与の閾値より小さい心拍数情報から、第2の心拍数を求める。処理部120はさらに、第1の心拍数と第2の心拍数の比較処理を行って基底心拍数を決定する。
ここで、体動情報とは例えば加速度センサーから取得される加速度情報(加速度信号)であってもよく、体動情報の信号レベルが所与の閾値以上とは、加速度レベルが所与のLowレベル閾値AccL以上(且つ上述の例であればAccH以下)となる状態である。具体的には、体動情報の信号レベルが所与の閾値以上となる心拍数情報とは、図10のS202でNo、且つS204でNoと判定される心拍数情報に対応し、当該心拍数情報からはS206に示したようにHRMヒストグラムが求められる。本実施形態では、HRMヒストグラムから、図12を用いて上述した手法により求められた最低心拍数を安静時心拍数としたが、加速度レベルがAccL以上となる心拍数情報から安静時心拍数を求める手法は種々の変形実施が可能である。そして安静時心拍数から第1の心拍数を演算する。同様に、体動情報の信号レベルが所与の閾値より小さい心拍数情報とは、図10のS202でYesと判定される心拍数情報に対応し、当該心拍数情報からはS203に示したようにHRLヒストグラムが求められる。そして、HRLヒストグラムから求められた最低心拍数を第2の心拍数とする。
ここで、第1,第2の心拍数は、ともに概念的には基底心拍数に相当する情報である。しかし、覚醒状態での計測が行われない場合等では、安静時心拍数が求められないことで第1の心拍数が求められない。或いは睡眠状態での計測が行われない場合では第2の心拍数が求められない。その点本実施形態の手法では、上記の第1,第2の心拍数は暫定的な情報として扱い、それらを比較することで適切な基底心拍数を求める。第1,第2の心拍数のうち少なくとも一方が適切に求められていれば、その両方を用いて求められる基底心拍数も適切なものとすることが可能である。
なお、処理部120は、安静時心拍数に対して、所与の演算式による演算処理を行って第1の心拍数を演算すればよく、具体的には上式(1)と同様に、安静時心拍数を1.2で割ることで第1の心拍数を演算する。
また、処理部120は、第1の心拍数と第2の心拍数のうち、小さい方を基底心拍数とする。これは具体的には、図9のS105〜S107の処理に対応する。
このようにすれば、第1の心拍数(HRM最低心拍数/1.2)と、第2の心拍数(HRL最低心拍数)から、適切に基底心拍数を求めることが可能になる。基底心拍数は対象ユーザーが取り得る最も低い心拍数であるため、より値の小さい方を採用することで、適切な基底心拍数を求められる。
また、処理部120は、心拍数情報の計測期間が所定時間以上の場合に、安静時心拍数に基づく基底心拍数の演算を行ってもよい。これは具体的には図9のS101等に対応する。
このようにすれば、計測期間の長さに応じて、基底心拍数に関する処理を行うか否かを判定することが可能になる。計測期間が短い場合、十分なデータが取得されておらず、精度の高い処理が難しいと考えられる。その場合、低精度となるおそれのある処理を無理に行わずにスキップできるため、処理負荷の軽減が可能である。図9の例であれば、S102以降の処理をスキップ可能である。
また、処理部120は、安静時心拍数に基づいて、ユーザーの消費カロリーを演算してもよい。
これにより、安静時心拍数から消費カロリーを求めることが可能になる。具体的には、例えば上式(4)等を用いた演算を行えばよい。ただし上述したように、安静時心拍数を他の処理に用いることが可能である。
また、以上の本実施形態は、心拍数情報取得部110が、ユーザーの心拍数情報を取得し、処理部120が、心拍数情報に基づいて、ユーザーの安静状態に対応すると判定された心拍数情報である安静時心拍数を求め、安静時心拍数に基づいて基底心拍数を演算する生体情報処理方法(或いは生体情報処理装置の作動方法、生体情報処理システムの作動方法)に適用できる。また、心拍数情報取得部110が、ユーザーの心拍数情報を取得し、処理部120が、心拍数情報に基づいて、ユーザーの深睡眠状態に対応すると判定された心拍数情報である基底心拍数を求め、求められた基底心拍数に基づいて、安静時心拍数を演算することを特徴とする生体情報処理方法(或いは生体情報処理装置の作動方法、生体情報処理システムの作動方法)に適用できる。
3.第2の実施形態
次に第2の実施形態について説明する。本実施形態では、基底心拍数等を求める際に、体動情報を用いて睡眠状態を判定する。システム構成例や、HRL最低心拍数等の演算手法、基底心拍数等を用いた処理については第1の実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。以下、具体的な処理の流れを図13のフローチャート等を用いて説明する。また、図14等を用いて変形例についても説明する。
次に第2の実施形態について説明する。本実施形態では、基底心拍数等を求める際に、体動情報を用いて睡眠状態を判定する。システム構成例や、HRL最低心拍数等の演算手法、基底心拍数等を用いた処理については第1の実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。以下、具体的な処理の流れを図13のフローチャート等を用いて説明する。また、図14等を用いて変形例についても説明する。
3.1 処理の流れ
第1の実施形態では、HRL最低心拍数を基底心拍数と仮定し、HRM最低心拍数を安静時心拍数と仮定することで低負荷での処理を実現した。しかし上述したように、安静状態でも十分加速度レベルが低いことも考えられる。つまり、HRL最低心拍数を求める際に用いられるHRLヒストグラムには、睡眠状態での情報も安静状態での情報も両方含まれうると考えることで、基底心拍数等を精度よく求めることが可能となる。
第1の実施形態では、HRL最低心拍数を基底心拍数と仮定し、HRM最低心拍数を安静時心拍数と仮定することで低負荷での処理を実現した。しかし上述したように、安静状態でも十分加速度レベルが低いことも考えられる。つまり、HRL最低心拍数を求める際に用いられるHRLヒストグラムには、睡眠状態での情報も安静状態での情報も両方含まれうると考えることで、基底心拍数等を精度よく求めることが可能となる。
そこで本実施形態では、体動情報等を用いて睡眠状態を判定し、計測期間における心拍数情報が覚醒状態のみ(或いは睡眠状態を含むが十分でない)のデータであるのか、睡眠状態を十分な時間分だけ含むデータであるのかの判定を行う。
覚醒状態のみのデータである場合、HRLヒストグラムは覚醒状態且つ体動が小さい状態のデータから構成されるため、HRL最低心拍数は安静状態に対応する心拍数、すなわち安静時心拍数に対応すると考えられる。一方、睡眠状態を十分含むデータである場合、HRLヒストグラムは、覚醒状態での情報(例えば安静状態での情報)を含む可能性がある。しかし、覚醒状態での心拍数は一般的に睡眠状態での心拍数よりも高くなることから、求められるHRL最低心拍数は、結局睡眠状態に対応する心拍数、すなわち基底心拍数に対応すると考えられる。
具体的な処理の流れを図13のフローチャートに示す。この処理が開始されると、まず計測時間が3時間以上かの判定を行い(S301)、Noなら処理を終了し、YesならHRL最低心拍数を算出する(S302)。そして、HRL最低心拍数を算出できたかの判定を行い(S303)、算出できない場合には処理を終了する。なお、図13に示したように、S302においてHRM最低心拍数を求めておいてもよい。
HRL最低心拍数が算出できた場合には、計測期間において寝ている時間が30分未満であるかの判定を行う(S304)。この処理は、例えば加速度信号(或いはその移動平均)を用いて行えばよい。一例としては、4秒ごとの処理において加速度信号がLowレベルであるか否かを判定し、Lowレベルの場合には、累計値を増大させる(4秒周期であれば4秒だけ増加させる等)ことで寝ている時間を求めることが可能である。
S304でYesの場合には、寝ている時間がない、或いはあったとしても十分な長さではないとして、計測データが覚醒状態のみに対応すると判定する(S305)。この場合、HRLヒストグラムには、睡眠状態の情報は含まれないと考えられるため、S302で求められたHRL最低心拍数を安静時心拍数とする(S306)。そして、安静時心拍数が求められたので、上式(1)に従って基底心拍数を演算する(S307)。
一方、S304でNoの場合、起きている時間が3時間未満かの判定を行う(S308)。起きている時間とは、計測時間から上記の寝ている時間を引いた時間とすればよい。S308でYesの場合には、起きている時間がない、或いはあったとしても十分な長さではないとして、計測データが睡眠状態のみに対応すると判定する(S309)。S308でNoの場合には、計測データが睡眠状態と覚醒状態の両方に対応すると判定する(S310)。ただし、睡眠状態のみか両方を含むかの判定結果を処理に用いる実施形態(例えば後述する変形例)でなければ、S308〜S310の処理を省略してもよい。
S309であってもS310であっても、HRLヒストグラムには十分な量の睡眠状態でのデータが含まれることになる。そのため、S302で求められたHRL最低心拍数を基底心拍数とする(S311)。そして、基底心拍数が求められたので、上式(1)を変形した下式(5)に従って安静時心拍数を演算する(S312)。
安静時心拍数=基底心拍数×1.2 ・・・・・(5)
以上の本実施形態では、生体情報処理システム100は図4に示したように、ユーザーの体動情報を取得する体動情報取得部130をさらに含む。そして、処理部120は、体動情報に基づいて、取得した心拍数情報が睡眠状態の情報か、覚醒状態の情報かを判定し、判定結果に基づいて基底心拍数を演算する。或いは、処理部120は、体動情報に基づいて、取得した心拍数情報が睡眠状態の情報か、覚醒状態の情報かを判定し、判定結果に基づいて安静時心拍数を演算する。
以上の本実施形態では、生体情報処理システム100は図4に示したように、ユーザーの体動情報を取得する体動情報取得部130をさらに含む。そして、処理部120は、体動情報に基づいて、取得した心拍数情報が睡眠状態の情報か、覚醒状態の情報かを判定し、判定結果に基づいて基底心拍数を演算する。或いは、処理部120は、体動情報に基づいて、取得した心拍数情報が睡眠状態の情報か、覚醒状態の情報かを判定し、判定結果に基づいて安静時心拍数を演算する。
ここで、心拍数情報が睡眠状態の情報か覚醒状態の情報かの判定とは、図13のS304,S308の判定に対応する。つまり本実施形態では、計測期間での心拍数情報のうち、t1〜t2の期間での心拍数情報が睡眠状態である、という情報を取得することは妨げられないが、そこまで詳細な情報取得を行う必要はない。具体的には、計測期間における心拍数情報に、十分な量の睡眠状態の情報が含まれているか否か(及び十分な量の覚醒状態の情報が含まれているか)を判定できればよい。
これにより、睡眠状態を判定した処理を行うことが可能である。上述したように、睡眠状態の心拍数情報からは基底心拍数に関する処理が可能であり、覚醒状態の心拍数情報からは安静時心拍数に関する処理が可能である。つまり、睡眠状態を判定しておくことで、直接的に求めることができるのが基底心拍数か安静時心拍数かを判定でき、それにより、直接的に求められない情報については、演算処理により推定すべきであるとの判定もできる。
また、処理部120は、覚醒状態の情報であると判定された心拍数情報から求められた最低心拍数を、安静時心拍数として求め、求めた安静時心拍数に基づいて基底心拍数を演算する。これは、図13のS306、S307の処理に対応する。
なお、図13のフローチャートでは、S310のように心拍数情報が覚醒状態での情報を含むと判定された場合であっても、S306,S307の処理は行われない。なぜなら一般的に基底心拍数<安静時心拍数という関係があり、且つS310の場合には心拍数情報が睡眠状態の情報も含んでいるため、その際の心拍数情報から最低心拍数を求めた場合、当該最低心拍数は基底心拍数となるためである。つまり本実施形態における「覚醒状態の情報であると判定された心拍数情報」とは、狭義には「覚醒状態の情報を十分含み、且つ睡眠状態の情報が所定以下しか含まれない心拍数情報」となる。ただしこのようになるのは、図13では計測期間を1単位として、睡眠状態か、覚醒状態か、両方かを判定しているためであり、計測期間での心拍数情報から、覚醒状態に対応する情報だけを抽出可能な場合であれば、当然その抽出された情報を「覚醒状態の情報であると判定された心拍数情報」とすればよい。
このようにすれば、覚醒状態の心拍数情報から安静時心拍数を求めること、及び求めた安静時心拍数から上式(1)により基底心拍数を演算すること等が可能になる。つまり、直接的に求められるのは安静時心拍数であり、基底心拍数は安静時心拍数を用いて演算するとよいと判定できるため、求められる基底心拍数及び安静時心拍数を適切なものとすることが可能である。
一方、処理部120は、睡眠状態の情報であると判定された心拍数情報から求められた最低心拍数を、基底心拍数として求めてもよい。さらに、求めた基底心拍数に基づいて安静時心拍数を演算してもよい。これは、図13のS311、S312の処理に対応する。つまり、直接的に求められるのは基底心拍数であり、安静時心拍数は基底心拍数を用いて演算すればよいとの判定もできる。
3.2 変形例
以上の手法により、ユーザーのライフスタイル等によらずに、基底心拍数や安静時心拍数を求めることが可能になる。しかし、本出願人による実験の中で、睡眠状態と覚醒状態とで、心拍数情報の値の変化が通常よりも小さいユーザーがいることがわかった。図14がこのようなユーザーの実測データである。図14は13:00から翌日の8:00までのデータであり、覚醒状態のデータと睡眠状態のデータの両方を含むにもかかわらず、明確に運動を行った6:00〜の情報を除いて、心拍数情報の値の変化が小さい。また、後述する図15(A)も心拍数情報の変化を表すグラフであるが、通常のユーザーのグラフである図11(A)と比較すれば、心拍数情報の変化が小さいことがよくわかる。
以上の手法により、ユーザーのライフスタイル等によらずに、基底心拍数や安静時心拍数を求めることが可能になる。しかし、本出願人による実験の中で、睡眠状態と覚醒状態とで、心拍数情報の値の変化が通常よりも小さいユーザーがいることがわかった。図14がこのようなユーザーの実測データである。図14は13:00から翌日の8:00までのデータであり、覚醒状態のデータと睡眠状態のデータの両方を含むにもかかわらず、明確に運動を行った6:00〜の情報を除いて、心拍数情報の値の変化が小さい。また、後述する図15(A)も心拍数情報の変化を表すグラフであるが、通常のユーザーのグラフである図11(A)と比較すれば、心拍数情報の変化が小さいことがよくわかる。
これは例えば、ユーザーが睡眠時無呼吸症候群である、或いは睡眠前に飲酒をした、心拍数を上げるような薬品を服用している、といった要因により、睡眠状態での心拍数が十分に下がりきらないためと考えられる。このようなユーザーに対して、睡眠状態での心拍数情報から基底心拍数を設定した場合、覚醒状態においても心拍数情報が当該基底心拍数に近い値となってしまう。
そのため、例えば心拍数情報HRが上式(2)を満たしてしまうことで、実際には覚醒しているにもかかわらず、睡眠状態であると誤判定されるおそれがある。図14はこの点も表しており、16:30〜17:00頃、或いは19:00前後といった覚醒状態にある時間帯でも睡眠状態であると判定してしまっている。
このようなユーザーについては、たとえ睡眠状態で計測を行ったとしても、本来基底心拍数として設定されるべき値を取得することはできない。そこで本変形例では、このように睡眠状態と覚醒状態で心拍数情報の差が小さいユーザーについては、専用の処理を行うことで基底心拍数を演算する。
具体的には、実測されたデータから求められる最低心拍数を安静時心拍数とする。安静時心拍数を求める際には、対象データが睡眠状態のデータか、覚醒状態のデータかを考慮しない。そしてその上で、求められた安静時心拍数と上式(1)を用いて、基底心拍数を求める。このようにすれば、対象ユーザーであれば深睡眠時にはこの程度まで下がるべきであると期待される値を基底心拍数とすることが可能になる。
なお、上述した図11(B)は、睡眠状態と覚醒状態で心拍数情報の差が大きい通常のユーザーのHRL,HRM,HRHの各ヒストグラムであるが、図から明らかなように体動が大きいほどに心拍数情報は大きくなる傾向にある。そのため、第2の実施形態で上述したように、処理の基準となる最も低い心拍数としては、HRL最低心拍数を用いればよい。
しかし、本出願人の実験では、図14のようなユーザーでは、この傾向が必ずしも成り立たないことがわかった。図15(A)が睡眠状態と覚醒状態で心拍数情報の差が小さいユーザーの心拍数情報の変化であり、図15(B)が当該心拍数情報から求められたHRL,HRM,HRHの各ヒストグラムである。図15(B)からわかるように、このユーザーではHRM最低心拍数<HRL最低心拍数となり、体動情報の大小と、最低心拍数の大小が逆転してしまっている。その場合でも、処理の基準として用いるのは、最も低い心拍数に対応する情報である。
よって本変形例では、あらかじめHRL最低心拍数とHRM最低心拍数の両方を求めておき、そのうちの小さい方を安静時心拍数とする。具体的な処理の流れを図16のフローチャートに示す。
S401〜S412については、S301〜S312と同様である。ただし、S402では上述したようにHRL最低心拍数に加えてHRM最低心拍数も求めておく。また、睡眠状態と覚醒状態で心拍数情報の差が小さいか否かは、睡眠状態と覚醒状態の両方の計測データを比較する必要がある。
よって計測期間でのデータが睡眠状態と覚醒状態の両方を含む場合、すなわち図16でS410の判定が行われた場合に、睡眠状態と覚醒状態での心拍数情報の比較を行う。ここでは、第1の実施形態と同様に、HRL最低心拍数が睡眠状態の心拍数に対応し、HRM最低心拍数が覚醒状態の心拍数に対応するとの仮定に従って、HRL最低心拍数とHRM最低心拍数の比較処理を行う(S413)。
具体的には、(HRL最低心拍数/HRM最低心拍数)<比率閾値となるか、或いは(HRM最低心拍数−HRL最低心拍数)<差分閾値となるかといった判定によりS413の処理を実現できる。
S413でYesの場合には、睡眠状態と覚醒状態で心拍数情報の差が十分大きいと判定できる(S414)。この場合、専用の処理を行う必要はないため、S411に移行して上述した第2の実施形態と同様の処理を行う。一方、S413でNoの場合には、睡眠状態と覚醒状態で心拍数情報の差が小さいと判定できる(S415)。
この場合には、上述したように、全計測期間から求められる最低心拍数を安静時心拍数とすればよい。具体的には、HRL最低心拍数とHRM最低心拍数の小さい方を安静時心拍数とし(S416)、求められた安静時心拍数と上式(1)から基底心拍数を演算する(S417)。
本変形例の処理を行うことで、基底心拍数を本来とるべき低い値に設定することが可能になる。ただし、上述したようにこのようなユーザーは睡眠状態での心拍数情報の値が、求めた基底心拍数、あるいはそれに近い値まで下がることがない。結果として、S417で設定した基底心拍数と上式(2)を用いた睡眠判定を行った場合、実際には寝ているにもかかわらず上式(2)が満たされず、覚醒状態であると誤判定するおそれがある点は考慮しなくてはならない。
以上の本変形例では、処理部120は、覚醒状態の情報と判定された心拍数情報である覚醒心拍数情報と、睡眠状態の情報と判定された心拍数情報である睡眠心拍数情報とが取得され、且つ、覚醒心拍数情報と睡眠心拍数情報との差又は比率が所与の閾値以下の場合には、計測期間における最低心拍数を安静時心拍数として求める。
なお、上述の変形例では、計測期間での心拍数情報が睡眠状態と覚醒状態の両方での情報を含む場合に、加速度レベルが中程度となる心拍数情報を覚醒心拍数情報とし、加速度レベルが低い心拍数情報を睡眠心拍数情報としている。
このようにすれば、図14や図15(A)に示したように、睡眠状態と覚醒状態で心拍数情報の差が小さいユーザーについても、安静時心拍数を適切に求めること及び基底心拍数を適切に演算することが可能になる。
以上、本発明を適用した2つの実施の形態1〜2およびその変形例について説明したが、本発明は、各実施の形態1〜2やその変形例そのままに限定されるものではなく、実施段階では、発明の要旨を逸脱しない範囲内で構成要素を変形して具体化することができる。また、上記した各実施の形態1〜2や変形例に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明を形成することができる。例えば、各実施の形態1〜2や変形例に記載した全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施の形態や変形例で説明した構成要素を適宜組み合わせてもよい。また、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。このように、発明の主旨を逸脱しない範囲内において種々の変形や応用が可能である。
10 心拍センサー、20 体動センサー、50 バンド、52 バンド穴、
54 バックル、56 発光部、58 ケース、100 生体情報処理システム、
110 心拍数情報取得部、120 処理部、130 体動情報取得部、
140 健康度情報演算部、200 ウェアラブル装置、210 報知部、
220 通信部、300 携帯端末装置、HR 心拍数情報、HR0 基底心拍数、
HRr 安静時心拍数
54 バックル、56 発光部、58 ケース、100 生体情報処理システム、
110 心拍数情報取得部、120 処理部、130 体動情報取得部、
140 健康度情報演算部、200 ウェアラブル装置、210 報知部、
220 通信部、300 携帯端末装置、HR 心拍数情報、HR0 基底心拍数、
HRr 安静時心拍数
Claims (17)
- ユーザーの心拍数情報を取得する心拍数情報取得部と、
前記心拍数情報に基づいて、前記ユーザーの安静状態に対応すると判定された前記心拍数情報である安静時心拍数を求め、前記安静時心拍数に基づいて基底心拍数を演算する処理部と、
を含むことを特徴とする生体情報処理システム。 - 請求項1において、
前記ユーザーの体動情報を取得する体動情報取得部をさらに含み、
前記処理部は、
前記体動情報の信号レベルが所与の閾値以上となる前記心拍数情報から求められた前記安静時心拍数に基づいて、第1の心拍数を演算し、
前記体動情報の信号レベルが前記所与の閾値より小さい前記心拍数情報から、第2の心拍数を求め、
前記第1の心拍数と前記第2の心拍数の比較処理を行って前記基底心拍数を決定することを特徴とする生体情報処理システム。 - 請求項2において、
前記処理部は、
前記第1の心拍数と前記第2の心拍数のうち、小さい方を前記基底心拍数とすることを特徴とする生体情報処理システム。 - 請求項2又は3において、
前記処理部は、
前記安静時心拍数に対して、所与の演算式による演算処理を行って前記第1の心拍数を演算することを特徴とする生体情報処理システム。 - 請求項1において、
前記ユーザーの体動情報を取得する体動情報取得部をさらに含み、
前記処理部は、
前記体動情報に基づいて、取得した前記心拍数情報が睡眠状態の情報か、覚醒状態の情報かを判定し、判定結果に基づいて前記基底心拍数を演算することを特徴とする生体情報処理システム。 - 請求項5において、
前記処理部は、
前記覚醒状態の情報であると判定された前記心拍数情報から求められた最低心拍数を、前記安静時心拍数として求め、求めた前記安静時心拍数に基づいて前記基底心拍数を演算することを特徴とする生体情報処理システム。 - 請求項5又は6において、
前記処理部は、
前記覚醒状態の情報と判定された前記心拍数情報である覚醒心拍数情報と、前記睡眠状態の情報と判定された前記心拍数情報である睡眠心拍数情報とが取得され、且つ、前記覚醒心拍数情報と前記睡眠心拍数情報との差又は比率が所与の閾値以下の場合には、計測期間における最低心拍数を前記安静時心拍数として求めることを特徴とする生体情報処理システム。 - 請求項5又は6において、
前記心拍数情報が前記睡眠状態の情報であると判定された場合に、
前記処理部は、
前記心拍数情報から求められた最低心拍数を、前記基底心拍数とすることを特徴とする生体情報処理システム。 - 請求項5乃至7のいずれかにおいて、
前記処理部は、
前記安静時心拍数に対して、所与の演算式による演算処理を行って前記基底心拍数を演算することを特徴とする生体情報処理システム。 - 請求項1乃至9のいずれかにおいて、
前記処理部は、
前記心拍数情報の計測期間が所定時間以上の場合に、前記安静時心拍数に基づく前記基底心拍数の演算を行うことを特徴とする生体情報処理システム。 - ユーザーの心拍数情報を取得する心拍数情報取得部と、
前記心拍数情報に基づいて、前記ユーザーの深睡眠状態に対応すると判定された前記心拍数情報である基底心拍数を求め、求められた前記基底心拍数に基づいて、安静時心拍数を演算する処理部と、
を含むことを特徴とする生体情報処理システム。 - 請求項11において、
前記処理部は、
前記安静時心拍数に基づいて、前記ユーザーの消費カロリーを演算することを特徴とする生体情報処理システム。 - 請求項11又は12において、
前記ユーザーの体動情報を取得する体動情報取得部をさらに含み、
前記処理部は、
前記体動情報に基づいて、取得した前記心拍数情報が睡眠状態の情報か、覚醒状態の情報かを判定し、判定結果に基づいて、前記安静時心拍数を演算することを特徴とする生体情報処理システム。 - 請求項11乃至13のいずれかにおいて、
前記処理部は、
前記基底心拍数に対して、所与の演算式による演算処理を行って前記安静時心拍数を演算することを特徴とする生体情報処理システム。 - 請求項1乃至14のいずれかに記載の生体情報処理システムを含むことを特徴とする電子機器。
- 心拍数情報取得部が、ユーザーの心拍数情報を取得し、
処理部が、前記心拍数情報に基づいて、前記ユーザーの安静状態に対応すると判定された前記心拍数情報である安静時心拍数を求め、前記安静時心拍数に基づいて基底心拍数を演算することを特徴とする生体情報処理方法。 - 心拍数情報取得部が、ユーザーの心拍数情報を取得し、
処理部が、前記心拍数情報に基づいて、前記ユーザーの深睡眠状態に対応すると判定された前記心拍数情報である基底心拍数を求め、求められた前記基底心拍数に基づいて、安静時心拍数を演算することを特徴とする生体情報処理方法。
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-
2014
- 2014-03-13 JP JP2014049769A patent/JP2015173684A/ja not_active Withdrawn
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