JP2015172500A - 接触具、硬度推定装置、接触移動用定規、硬度推定方法および硬度推定プログラム - Google Patents

接触具、硬度推定装置、接触移動用定規、硬度推定方法および硬度推定プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】簡易的で客観性のある硬度推定を行うことができ、また対象物の破壊を極力抑えることができる接触具、硬度推定装置、接触移動用定規および硬度推定方法を提供する。
【解決手段】硬度推定装置1は、接触具2と、データ処理装置3とを備える。上記接触具2は、筒状筐体部21と、対象物に接触して移動されることで摩擦熱を発生する接触部材22と、上記接触部材22の温度を計測する温度センサー23とを備える。上記データ処理装置3は、上記接触具2の温度センサー23の出力等を記憶する記憶部31、上記温度センサー23の出力に基づいて推定硬度を算出する算出部32、算出した推定硬度を表示する表示部33等を備える。
【選択図】図1

Description

この発明は、コンクリート等の対象物の硬度を推定することに用いることができる接触具、硬度推定装置、接触移動用定規、硬度推定方法および硬度推定プログラムに関する。
コンクリートの硬度を検証する方法として、例えば、コンクリートの表面に釘状のもので傷を付け、この傷の幅から大凡の強度を把握する簡易方法がある。また、いわゆるシュミットハンマー法と呼ばれる反発度法や、コンクリート躯体からコアを直接採取してコンクリートの圧縮強度を確認する直接採取法等が知られている。
また、特許文献1には、既存のコンクリート構造物のコンクリート強度を推定するコンクリート強度の推定方法であって、前記コンクリート構造物を砥石ビットにより一定の推進力で切削しながら該砥石ビットの切削速度を計測し、この計測値に基づいて前記コンクリート構造物のコンクリート強度を推定する推定方法が開示されている。
特開2008−128831号公報
しかしながら、上記簡易方法は、傷の付け方に個人差が生じ易く、客観性に劣るという欠点がある。また、上記反発度法は、材齢が1日〜3日の場合にはコンクリート強度が十分に発現していないため、ハンマー打撃によって躯体コンクリートを傷める欠点がある。さらに、この反発度法は、上記直接採取法との併用が基本とされるので、非破壊検査を優先する場合には利用し辛いという欠点がある。
また、上記直接採取法では、採取したコアの両端を研磨するため、例えば豪雨等で対象となるコンクリートの表層が傷んでいるような場合には、この傷んでいる部分が研磨により削られてしまい、正確な試験が実行されないおそれがある。
また、特許文献1に開示されたシステムは大掛かりであり、簡易的に対象物の硬度を推定するのには不向きである。
この発明は、上記の事情に鑑み、簡易的で客観性のある硬度推定を行うことができ、また対象物の破壊を極力抑えることができる接触具、硬度推定装置、接触移動用定規、硬度推定方法および硬度推定プログラムを提供することを課題とする。
この発明の接触具は、対象物に接触して移動されることで摩擦熱を発生する接触部材と、上記接触部材の温度を計測する温度センサーとを備えることを特徴とする。
上記の構成であれば、上記接触部材を対象物に接触させて移動するので、従来の砥石ビットにより一定の推進力で対象物を切削するような大掛かりなシステムとなるのを回避でき、また対象物の破壊を極力抑えることができる。また、上記接触部材の温度を温度センサーによって計測するので、簡易的で客観性のある硬度推定を行うことが可能になる。
上記接触部材の少なくとも先端接触部が交換可能に設けられてもよい。これによれば、磨耗した接触部材を使い続けることによる計測の精度低下を抑えることが可能になる。
上記接触部材を上記対象物に一定範囲内の押圧力で接触させる弾性体を備えてもよい。これによれば、上記接触部材の接触移動時における押圧力の個人差等を軽減することが可能になる。
また、この発明の接触具は、対象物に接触して移動されることで摩擦熱を発生する接触部材に当該接触部材の温度を計測する温度センサーを付着させて得られることを特徴とする。これによれば、専用の接触部材を持たなくても、例えば、釘、けがき針、ドライバー等の汎用品を上記接触部材として用いて簡単に硬度推定を行うことが可能になる。
また、この発明の硬度推定装置は、上述したいずれかの接触具における温度センサーの出力に基づいて対象物の硬度を推定し、推定結果を出力することを特徴とする。上記出力は表示や印字等で行われる。
また、この発明の接触移動用定規は、接触部材の先端を対象物に接触させて一定距離移動させることを可能にする筋状開口が1本または同じ長さの筋状開口が複数本形成されたことを特徴とする。この接触移動用定規によれば、上記接触部材を一定距離移動させることが確実に行えて摩擦熱の発生量が一定化するので、対象物の硬度の推定精度が向上することになる。
また、この発明の硬度推定方法は、接触部材を対象物に接触させて移動させることで摩擦熱を発生させ、上記摩擦熱の発生量に基づく温度上昇から上記対象物の硬度を推定することを特徴とする。
上記接触部材を用いた一定長の接触移動を複数回行い、複数回計測された温度の変化から硬度を推定してもよい。これによれば、複数回の接触移動による温度変化の勾配により硬度を推定できるので、硬度の推定精度が向上する。
また、この発明の硬度推定プログラムは、コンピュータに、温度計測結果に沿う近似線の勾配を求めるステップと、上記勾配から対象物の硬度を推定するステップと、を実行させる。
本発明であれば、簡易的で客観性のある硬度推定を行うことができ、また対象物の破壊を極力抑えることができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係る硬度推定装置を示した説明図である。 本発明の一実施形態に係る接触具の先端部を示した斜視図である。 本発明の一実施形態に係る硬度推定装置の温度センサーの出力例を示したグラフである。 図3の出力例に基づく高温ピーク値の近似線を示したグラフである。 本発明の一実施形態に係る接触具の先端部を示した説明図であって、同図(A)は接触具の接触部材を可動支持部に装着した状態を示し、同図(B)は接触具の接触部材を可動支持部から外した状態を示している。 本発明の一実施形態に係る接触具を示した斜視図である。 本発明の一実施形態に係る硬度推定法を示した斜視図である。 本発明の一実施形態に係る接触移動用定規を示した斜視図である。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に示すように、この実施形態の硬度推定装置1は、接触具2と、データロガー等からなるデータ処理装置3とを備える。
上記接触具2は、筒状筐体部21と、対象物に接触して移動されることで摩擦熱を発生する接触部材22と、上記接触部材22の温度を計測する温度センサー23とを備える。上記筒状筐体部21は、人が片手で把持できる程度の大きさの筒形を有している。
上記接触部材21は、熱伝導性に優れた鉄等の金属からなり、その先端側には先鋭の接触部を有している。また、上記接触部材21は、可動支持部24に着脱可能に取り付けられている。上記可動支持部24は、先端支持部と本体摺動部とからなる。上記先端支持部が上記筒状筐体部21の先端側から突出して上記接触部材21を支持する。また、上記本体摺動部は円板状に形成されており、上記筒状筐体部21の円筒空間内壁によって案内される。
上記可動支持部24は上記筒状筐体部21の円筒空間内に設けられているコイルバネ(弾性体)25によって上記筒状筐体部21の先端側に付勢されている。上記コイルバネ25により、上記接触部材21を上記対象物に一定範囲内の押圧力で接触させることができる。
上記温度センサー23は例えば熱電対からなる。この熱電対は、図2に示すように、2種の金属線をそれぞれ樹脂被覆した熱電対ケーブルとなっており、一端側において上記2種の金属線を露出させて相互に撚った状態で上記接触部材22の表面に接着されている。この接着は絶縁膜を介在させて行われている。上記温度センサー23の接触位置は上記接触部材22の先端近傍としている。また、上記接触部材22を例えば断面V字形状とし、その内側面に上記熱電対ケーブルの露出部を接着すると、当該露出部の保護が図れることになる。また、上記熱電対ケーブル(温度センサー23)を2本設け、両温度検出値の平均値を用いることで温度検出精度を高めることもできる。
上記温度センサー23をなす上記熱電対ケーブルは、上記可動支持部24に形成された挿通路から上記筒状筐体部21の上記円筒空間内を通り、上記筒状筐体部21の後部側へ出されている。そして、上記熱電対ケーブルの他端は、上記データ処理装置3に接続される。
上記データ処理装置3は、上記接触具2の温度センサー23の出力等を記憶する記憶部(メモリカードでもよい)31、上記温度センサー23の出力に基づいて推定硬度を算出する算出部32、算出した推定硬度を表示する表示部33、図示しない電源部、パーソナルコンピュータ等との接続を可能にするインターフェイス、メモリカードスロット等を備えており、携帯可能なように構成されている。このような携帯可能な構成であると、現場で直ちに推定硬度を知ることができ、現場から離れた会社のパーソナルコンピュータを使って硬度を算出する場合の手間を省くことができる。
なお、上記データ処理装置3がネットワーク接続機能を有し、上記温度センサー23の出力を特定のウェブサイト(アプリケーションサービスプロバイダ)に送信し、上記ウェブサイトに用意されているアプリケーションソフトウェアを用いて算出した硬度推定値を受信して上記表示部33に表示するようにしてもよい。このような構成であれば、上記データ処理装置3自体は上記算出部32の機能を備えなくてもよいことになる。また、スマートフォンやタブレット機器を上記データ処理装置3として機能させることも可能であり、このような機器に接続するための規格に従った接続端子を上記接触具2が備えてもよい。また、スマートフォンやタブレット機器を上記算出部32として機能させるアプリケーションソフトウェアを上記スマートフォンやタブレット機器がダウンロードするようにしてもよい。
上記記憶部31は、上記温度センサー23の出力をデジタルデータ化して記憶する。この記憶したデータの第1の例と第2の例と第3の例を図3に示している。また、これらの例による高温ピーク値の近似線(近似直線)を図4に示す。
上記温度データの取得は、予め表面硬度が高い高強度サンプル(約30N/mm)と表面硬度が低い低強度サンプル(約5N/mm)とを用意して行った。また、上記図3および図4における「単独けがき」は上記一方のサンプルに対する上記接触部材22の接触移動を複数回行った後、十分な時間をおいて他方のサンプルに対する上記接触部材22の接触移動を複数回行ったことを示している。また、図3および図4における「連続けがき」は上記高強度サンプルに対する上記接触部材22の接触移動を複数回行った直後に続けて上記低強度サンプルに対する上記接触部材22の接触移動を複数回行ったことを示している。
各グラフにおいて、高温ピークと低温ピークが繰り返されているが、上記高温ピークは上記接触部材22の各接触移動の終了時点に略対応し、上記低温ピークは上記接触部材22の各接触移動の開始時点に略対応していると考えられる。各接触移動の間隔時間は極力一定となるようにしている。
第1の例は、上記高強度サンプルに対する「単独けがき」であり、上記接触具2を用いて上記高強度サンプルに対し5回の接触移動を行った(一点鎖線参照)。ただし、3回目の接触移動で接触不良と推定されるミスがあり、温度が十分に上がらなかったため、3回目を除く4個分の高温ピークに基づく近似線を図4に示している(一点鎖線参照)。なお、近似線は上記算出部32により上記4個分の高温ピークに基づいて最小自乗法等の数学手法を用いて自動算出される。また、例えば、図4に相当するグラフを上記表示部33に表示し、人の判断によって異常値(上記3回目の値)を指定して除外する操作を行うようにしてもよいし、既存の異常値判定法を用いて自動的に異常値を除外するようにしてもよい。また、低温ピークに基づく近似線(温度上昇の勾配)を用いることも可能である。ピーク抽出にも既存の手法を用いることができる。
第2の例は、上記低強度サンプルに対する「単独けがき」であり、上記接触具2を用いて上記低強度サンプルに対し3回の接触移動を行った(点線参照)。これら3個分の高温ピークに基づく近似線を図4に示している(点線参照)。この点線の勾配は上記第1の例における近似線(一点鎖線)の勾配よりも緩い。
すなわち、上記高強度サンプルにおける摩擦熱による温度上昇の勾配は、上記低強度サンプルにおける摩擦熱による温度上昇の勾配に比べて大きくなることから、この温度上昇の勾配が大きければ対象物の硬度が高く、勾配が小さければ対象物の硬度が低いというように推定することができる。
第3の例は、上記高強度サンプルおよび上記低強度サンプルに対する「連続けがき」であり、二点鎖線と実線とによって表されている。上記接触具2を用いて上記高強度サンプルに対して3回の接触移動を行い(二点鎖線参照)、続けて上記低強度サンプルに対して3回の接触移動を行った(実線参照)。上記高強度サンプルにおける摩擦熱による温度上昇は、上記低強度サンプルにおける摩擦熱による温度上昇に比べて高くなり、この温度上昇の勾配をもって対象物の硬度を推定することが可能になる。また、異なる硬度の対象物に対して連続した接触移動を行っても特に問題のないことが分かる。なお、このように連続させる場合には、対象物が変更されたことを上記データ処理装置3に認識させるために、当該データ処理装置3に設けられている図示しないボタン等を操作する。これにより、各々の連続高温ピークに基づいて近似線を算出してしまうのを防止できる。
上記算出部32は、上記近似線を算出し、当該近似線の勾配に基づいて対象物の硬度を推定する。例えば、幾つかの既知の硬度のコンクリートについて上記接触具2を用いて接触移動を行い、そのときの温度上昇の勾配をデータテーブル化しておく。実際に対象物に対して上記接触具2を用いて接触移動を行って得られた温度上昇の勾配に最も近い勾配を示しているコンクリートの硬度が、上記対象物の硬度であると推定できる。上記データテーブルは上記記憶部31等に記憶しておくことができる。
なお、例えば1℃刻みの異なる気温下で上記既知の硬度のコンクリートのデータテーブル化を行っておき、実際に対象物に対して上記接触具2を用いて硬度検証を行うときの気温に最も近い気温のときに得られたデータテーブルを選出し、この選出したデータテーブルを用いて上記対象物の硬度を推定するようにしてもよい。上記データテーブルの気温による選出は人の操作により行ってもよいし、上記データ処理装置3が備える気温計の計測値に基づいて自動的に選出するようにしてもよい。また、上記ネットワーク接続機能によって特定のウェブサイトに硬度推定の算出処理を行わせる場合には、上記気温計の計測値を上記ウェブサイトに送ればよい。
また、接触部材による対象物に対する押圧の圧力値を検知する圧力センサーを設けておき、上記温度センサー23の出力を上記圧力値に基づいて補正するようにしてもよい。例えば、1回の接触移動の中での規定圧力よりも高かった接触区間(時間)の累積による過剰摩擦熱量と、規定圧力よりも低かった接触区間(時間)の累積による過少摩擦熱量を算出し、これらを用いて実測の温度を補正する。例えば、上記過剰摩擦熱量が多いようであれば、温度を低くする補正が行われる。上記圧力センサーは、例えば歪みゲージを接触部材に貼り付けることで得ることが可能である。この場合において、上記接触部材は比較的撓みやすく形成されているとよい。また、上記コイルバネ25を受ける部材に圧力センサーとして荷重計を設けてもよい。
図5(A)および図5(B)は他の実施形態の接触具2Aの先端側を構成している、接触部材22Aと温度センサー23Aと可動支持部24Aとを示している。上記接触部材22Aは螺子によって上記可動支持部24Aに着脱可能に設けられる。上記接触部材22Aの内部には空同部が形成されており、この空同部内に上記温度センサー23Aの先端側が収容される。上記接触部材22Aが上記可動支持部24Aに装着されたとき、上記温度センサー23Aの先端が上記接触部材22Aの先端部の空同部側の表面に接触するようになっている。上記接触部材22Aの先端部は柱状に形成されており、磨耗しても一定の接触面積を維持し易いようにしている。また、上記温度センサー23Aとしてサーミスタ等を用いることができる。
もちろん、図5に示した先端側構造に限らず、上記接触部材22A様の部材を小螺子、磁石、係合凹凸等で上記可動支持部24A様の部材に着脱可能に装着できるようにしてもよい。また、上記接触部材22A様の部材を例えば縦に半分割し、小螺子、磁石、係合凹凸等で上記可動支持部24A様の部材に着脱可能に装着できるようにしてもよい。
図6は他の実施形態にかかる硬度推定装置における接触具2Bを示している。この接触具2Bは、対象物に接触して移動されることで摩擦熱を発生する接触部材22Bに当該接触部材22Bの温度を計測する温度センサー23Bを付着させたものである。上記接触部材22Bとして、釘が用いられているが、これに限らず、けがき針やドライバー(螺子回し)等の金属製の汎用品が用いられる。
上記温度センサー23Bは例えば熱電対からなる。この熱電対は、2種の金属線をそれぞれ樹脂被覆したケーブルとなっており、一端側において上記2種の金属線を露出させて相互に撚った状態で上記接触部材22Bである釘の表面に接着されている。この接着は絶縁膜を介在させた状態で図示しない接着テープ等により行われている。
この実施形態の硬度推定方法は、図7に示すように、例えば、上記接触具2の接触部材22を対象物5に接触させて移動させることで摩擦熱を発生させ、上記摩擦熱の発生量に基づく温度上昇から上記対象物5の硬度を推定する。硬度推定の具体的手法は先述の通りであるが、この硬度推定手法を簡潔に述べると、計測温度の高温ピークに沿う近似線の勾配を求めるステップと、データテーブル等を用いて上記勾配から対象物の硬度を推定するステップと、からなる。また、推定硬度を表示部に表示するステップ或いは記録媒体に記録するステップを備えてもよい。また、硬度推定プログラムは、コンピュータ(データロガー、スマートフォン、タブレット機器等を含む)に上記ステップを実行させる。
上記接触具2の接触部材22を上記対象物5に接触させて移動させることにおいては、図8に示すように、上記接触部材22の先端を対象物5に接触させて一定距離移動させることを可能にする複数本の同じ長さの筋状開口6aが形成された接触移動用定規6を用いるのがよい。この接触移動用定規6は、上記筋状開口6aを複数本有するが、1本でもよい。また、上記筋状開口6aは直線であるが、曲線でもよい。上記筋状開口6aの長さは、例えば3秒程度かけて接触押圧が行われるような長さとする。また、上記筋状開口6aの端部にスポンジ等の緩衝材を設けておくと、異常値の発生を抑制できる。
上記接触具2等であれば、上記接触部材22等を対象物に接触させて移動するので、従来の砥石ビットにより一定の推進力で対象物を切削するような大掛かりなシステムとなるのを回避でき、また対象物の破壊を極力抑えることができる。また、上記接触部材22等の温度を温度センサー23等によって計測するので、簡易的で客観性のある硬度推定を行うことが可能になる。
また、上記接触部材22等の少なくとも先端接触部が着脱可能に設けられていると、磨耗した接触部材を使い続けることによる計測の精度低下を抑えることが可能になる。
また、上記接触部材22等を上記対象物に一定範囲内の押圧力で接触させる弾性体を備えていると、上記接触部材22等の接触移動時における押圧力の個人差等を軽減した計測を行うことが可能になる。
また、上記接触具2Bであれば、専用の接触部材を持たなくても、例えば、釘、けがき針、ドライバーを含む汎用品を上記接触部材22Bとして用いて簡単に硬度推定を行うことが可能になる。
また、上記硬度推定装置1であれば、自身処理で硬度を推定して表示するので、現場から離れた会社のパーソナルコンピュータを使わずに、現場で直ぐに推定硬度を知ることができる。
また、上記接触移動用定規6によれば、上記接触部材22等を一定距離移動させることが確実に行えて摩擦熱の発生量を一定化できるので、対象物の硬度の推定精度が向上する。
また、上記硬度推定方法によれば、上記接触部材22等を対象物に接触させて移動させることで摩擦熱を発生させ、上記摩擦熱の発生量に基づく温度上昇から上記対象物の硬度を推定するので、簡易的な硬度推定が可能となる。上記接触部材22等を用いた一定長の接触移動を複数回行い、複数回計測された温度の変化から硬度を推定する場合には、複数回の接触移動による温度変化の勾配により硬度を推定できるので、対象物の硬度の推定精度が向上する。
なお、上記接触部材22等を用いた接触移動を1回行って硬度を推定することも可能である。このような推定の場合、上記接触部材22の初期温度からどれだけ温度が上昇したかによって対象物の硬度を推定することになる。上記接触部材22の初期温度を一定にすることができれば、算定精度を高めることができる。上記接触部材22の初期温度を一定にするために、例えば、上記接触部材22等の表面または内部に電熱線を設けておき、この電熱線に電流を供給することで上記接触部材22等の温度を上昇させ、上記温度センサー23等が所定温度を検出したときに電流供給を自動停止して操作開始可を示すLED点灯や音発生の処理を行うようにしてもよい。また、上記データ処理装置3をアタッシュケースに収まるように構成するとともに、このアタッシュケースに加熱・冷却装置を組み込んでおき、この加熱・冷却装置で上記接触部材22等の初期温度を一定にするようにしてもよい。また、上記接触部材22等を用いた接触移動を複数回行って硬度を推定する場合も、上記接触部材22等の初期温度を一定にするようにしてもよい。
また、コンクリート躯体からコアを直接採取してコンクリートの強度を確認するとともに、採取コア間の部分のコンクリートの硬度を上記硬度推定装置によって推定するようにしてもよい。推定硬度から採取コア間のコンクリートの強度を推定することも可能であり、これによれば、コアの採取個数を少なくすることが可能になる。
以上、図面を参照してこの発明の実施形態を説明したが、この発明は、図示した実施形態のものに限定されない。図示した実施形態に対して、この発明と同一の範囲内において、あるいは均等の範囲内において、種々の修正や変形を加えることが可能である。
1 硬度推定装置
2 接触具
21 筒状筐体部
22,22A,22B 接触部材
23,23A,23B 温度センサー
3 データ処理装置
31 記憶部
32 算出部
33 表示部
5 対象物
6 接触移動用定規

Claims (10)

  1. 対象物に接触して移動されることで摩擦熱を発生する接触部材と、上記接触部材の温度を計測する温度センサーとを備えることを特徴とする接触具。
  2. 請求項1に記載の接触具において、上記接触部材の少なくとも先端接触部が交換可能に設けられることを特徴とする接触具。
  3. 請求項1または請求項2に記載の接触具において、上記接触部材を上記対象物に一定範囲内の押圧力で接触させる弾性体を備えることを特徴とする接触具。
  4. 対象物に接触して移動されることで摩擦熱を発生する接触部材に当該接触部材の温度を計測する温度センサーを付着させて得られることを特徴とする接触具。
  5. 請求項4に記載の接触具において、上記接触部材として、釘、けがき針、ドライバーを含む汎用品が用いられることを特徴とする接触具。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の接触具における温度センサーの出力に基づいて対象物の硬度を推定し、推定結果を出力することを特徴とする硬度推定装置。
  7. 接触部材の先端を対象物に接触させて一定距離移動させることを可能にする筋状開口が1本または同じ長さの筋状開口が複数本形成されていることを特徴とする接触移動用定規。
  8. 接触部材を対象物に接触させて移動させることで摩擦熱を発生させ、上記摩擦熱の発生量に基づく温度上昇から上記対象物の硬度を推定することを特徴とする硬度推定方法。
  9. 請求項8に記載の硬度推定方法において、上記接触部材を用いた一定長の接触移動を複数回行い、複数回計測された温度の変化から硬度を推定することを特徴とする硬度推定方法。
  10. コンピュータに、温度計測結果に沿う近似線の勾配を求めるステップと、上記勾配から対象物の硬度を推定するステップと、を実行させる硬度推定プログラム。
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