JP2015168688A - 軽油基材の製造方法 - Google Patents

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【課題】寒冷地向けの軽油を製造するのに好適な低温性能を有するとともに高い酸化安定性を有する軽油基材を効率よく得る軽油基材の製造方法の提供。【解決手段】直留軽油(R−LGO)及び/又は接触分解軽油(LCO)が含まれる炭化水素原料油を水素化脱硫して得られる、硫黄分濃度が50質量ppm以下である被処理油を、10員環1次元細孔ゼオライトを含む担体と該担体に担持された白金及び/又はパラジウムとを有する水素化異性化触媒に、水素存在下、反応温度280〜350℃、液空間速度0.5〜3.0h−1、水素分圧2〜8MPa、水素/油比150〜850NL/Lの条件で接触させる工程を備え、上記被処理油から、硫黄分濃度が10質量ppm以下且つペトロオキシ誘導期間が60分以上である軽油基材を得ることを特徴とする軽油基材の製造方法。【選択図】図1

Description

本発明は、軽油基材の製造方法に関する。
石油製品のなかで、軽油、ジェット燃料等は低温における流動性が重要視される製品である。そのため、これらの製品に用いられる基材は、低温流動性の低下の原因となるノルマルパラフィンや、わずかに分岐を有するイソパラフィンなどのワックス成分が、完全に若しくは部分的に、除去されている又はワックス成分以外のものに転換されていることが望ましい。
軽油の低流動点化プロセスとしては、主に分解型と異性化型の2種類の方法が知られている(例えば、下記非特許文献1を参照)。分解型は、BP接触脱蝋法、MDDW法の他、FIZ法などが知られており、原料油中のn−パラフィンおよび側鎖の少ないパラフィンをZSM−5ゼオライト、Pt−Hモルデナイトで選択的に水素化分解して流動点の低い製品を得るプロセスである。一方、異性化型は、MIDW法、IDW法などが知られており、異性化触媒ICR−404などによりn−パラフィンを選択的に水素化分解すると同時に、異性化反応により品質の良好な灯・軽油留分が得られるプロセスである。
流動性の他に、ディーゼルエンジンに対する排出ガス規制強化により、コモンレールによる燃料噴射の高圧化が一段と進むことで軽油への熱負荷が増大し、従来以上に軽油の酸化安定性向上が求められている。しかし、酸化防止剤などの添加は軽油の製造コストの増大を引き起こしてしまう。そこで、例えば、下記特許文献1には、軽油の芳香族成分やナフテン成分の含有量を特定範囲にすることで酸化防止用添加剤を添加しないで酸化安定性を維持することが提案されている。
特開2006−137922号公報
「石油精製プロセス」石油学会編、66−69ページ及び304−307ページ、講談社1998年5月20日第1刷発行
接触脱蝋法は炭化水素油の低温流動性を改善する方法として有効であるが、燃料基材に適した留分を得るためにはノルマルパラフィンの転化率を十分高くする必要がある。しかし、接触脱蝋法で使用される触媒はノルマルパラフィンの分解及び異性化能とともに他の炭化水素成分の分解能も有していることから、炭化水素油を接触脱蝋する場合、ノルマルパラフィンの転化率の上昇に伴い炭化水素油の軽質化も進行してしまい、所望の留分を収率よく得ることが困難であった。更に、低い目詰まり点が要求される寒冷地向け軽油を製造する場合では、上記の分解能によってオレフィン成分などが副生するため、酸化安定性の低下に繋がり、スラッジやデポジットが生成しやすくなる結果、エンジンの燃料噴射ノズルの詰まりによる出力低下や、燃料タンク等の金属材質を腐食させる等の悪影響が出やすくなる。
一方、従来の異性化型のプロセスにおいては酸化安定性について十分な検討がなされていない。上記特許文献1に記載の発明では、酸化安定性の悪い物質としてフルオレン類とナフテノベンゼン類に着目し、これらの含有量と酸化安定性が良好な物質であるナフタレン類含有量とのバランスをとっている。このような事情に鑑みれば、異性化型のプロセスは、ナフタレン類の低減による酸化安定性の低下が懸念される。
本発明は、寒冷地向けの軽油を製造するのに好適な低温性能を有するとともに高い酸化安定性を有する軽油基材を効率よく得ることができる軽油基材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の軽油基材の製造方法は、直留軽油(R−LGO)及び/又は接触分解軽油(LCO)が含まれる炭化水素原料油を水素化脱硫して得られる、硫黄分濃度が50質量ppm以下である被処理油を、10員環1次元細孔ゼオライトを含む担体と該担体に担持された白金及び/又はパラジウムとを有する水素化異性化触媒に、水素存在下、反応温度280℃〜350℃、液空間速度0.5h−1〜3.0h−1、水素分圧2MPa〜8MPa、水素/油比150NL/L〜850NL/Lの条件で接触させる工程を備え、上記被処理油から、硫黄分濃度が10質量ppm以下且つペトロオキシ誘導期間が60分以上である軽油基材を得ることを特徴とする。
本発明の軽油基材の製造方法によれば、被処理油を上記特定の水素化異性化触媒を用いて上記特定の条件で処理することにより、十分に低い曇り点(CP:Cloud Point)及び目詰まり点(CFPP:Cold Filter Plugging Point)を有し、ペトロオキシ誘導期間が60分以上である軽油留分を高い得率で得ることができる。したがって、本発明によれば、十分な低温性能を有するとともに高い酸化安定性を有する軽油基材を効率よく得ることができ、特には寒冷地向けの軽油の製造コスト低減を図ることができる。
本発明の軽油基材の製造方法において、上記炭化水素原料油は直留軽油及び接触分解軽油を含むことができる。この場合、接触分解軽油には、ナフタレン類が多く含まれており、高い酸化安定性を有する軽油基材を更に容易に得ることができる。
また、十分な異性化選択性を得る観点から、上記水素化異性化触媒のカーボン量が0.4〜3.5質量%であることが好ましい。異性化選択性が向上する理由として、上記水素化異性化触媒に含有されるゼオライトは、有機テンプレートを含有し10員環一次元状細孔構造を有する有機テンプレート含有ゼオライトをアンモニウムイオン及び/又はプロトンを含む溶液中でイオン交換して得られるイオン交換ゼオライトに由来するものであり、細孔にイオン交換ゼオライトに含まれる有機テンプレートが適度に残留していることにより、ノルマルパラフィンの分解反応が十分に抑制できたことが考えられる。
更に、ゼオライトの細孔に上記イオン交換ゼオライトに含まれる有機テンプレートを適度に残留させることにより、ノルマルパラフィンの分解反応は十分に抑制されながらも異性化反応は十分に進行させる観点から、上記水素化異性化触媒の単位質量あたりのミクロ細孔容積が0.02〜0.12cm/gであることが好ましい。
本発明の軽油基材の製造方法においては、酸化安定性の改善の観点から、上記被処理油を、上記水素化異性化触媒に接触させた後、水素化仕上げ触媒に接触させることが好ましい。この場合、同一の反応塔に充填された水素化異性化触媒及び水素化仕上げ触媒に上記被処理油を接触させることができる。
本発明によれば、寒冷地向けの軽油を製造するのに好適な低温性能を有するとともに高い酸化安定性を有する軽油基材を効率よく得ることができる軽油基材の製造方法を提供することができる。
また、本発明は所定の低温性能を有する酸化安定性に優れた軽油基材を得ることができることにより次の効果を奏することができる。すなわち、従来、ディーゼルエンジンに利用される寒冷地向け軽油燃料には、適切な低温性能を確保し、安定した走行を確保するため、パラフィン分の少ない灯油基材が配合されていたが、本発明によれば、この灯油基材の配合量を減らすことができ、潤滑性の問題だけでなく、特に冬季に灯油の需要が増加することに対処することができる。
本発明に係る軽油基材の製造方法を実施する軽油基材製造装置の一例を示すフロー図である。 本発明に係る軽油基材の製造方法を実施する軽油基材製造装置の他の例を示すフロー図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
図1は、本発明に係る軽油基材の製造方法を実施する軽油基材製造装置の一例を示すフロー図である。図1に示される軽油基材製造装置100は、脱硫軽油である被処理油が導入される流路L1と、流路L1から導入された被処理油を水素化脱蝋する第1の反応器10と、第1の反応器10から流路L2を通じて供給される水素化脱蝋油を水素化仕上げする第2の反応器20と、第2の反応器20から流路L3を通じて供給される水素化脱蝋油を蒸留する蒸留塔30と、蒸留塔30から所望の留分をそれぞれ取り出すための流路L4、L5、L6及びL7と、を備えて構成されている。
第1の反応器には本発明に係る所定の水素化異性化触媒1が充填されている。また、第2の反応器には水素化仕上げ触媒2が充填されている。
軽油基材製造装置100において、例えば、蒸留塔30から所望の脱蝋軽油留分を流路L6から取り出し、それよりも軽質の留分(例えば、メタン、エタン、エチレンを主成分とするドライガス、LPG、ナフサ、ガソリン留分)を流路L4及びL5から取り出し、重質の留分をボトム油として流路L7から取り出すことができる。
軽油基材製造装置100で実施される本実施形態の軽油基材の製造方法は、直留軽油(R−LGO)及び/又は接触分解軽油(LCO)が含まれる炭化水素原料油を水素化脱硫して得られる、硫黄分濃度が50質量ppm以下である被処理油を、10員環1次元細孔ゼオライトを含む担体と該担体に担持された白金及び/又はパラジウムとを有する水素化異性化触媒に、水素存在下、反応温度280℃〜350℃、液空間速度0.5h−1〜3.0h−1、水素分圧2MPa〜8MPa、水素/油比150NL/L〜850NL/Lの条件で接触させる第1工程と、第1工程で得られる水素化脱蝋油を水素化仕上げ触媒に接触させる第2工程と、第2工程で得られる水素化脱蝋油を蒸留することにより、硫黄分濃度が10質量ppm以下且つペトロオキシ誘導期間が60分以上である軽油留分を得る第3工程と、を備える。
本実施形態においては、軽油基材製造装置100に第2の反応器20が設けられており、そこで上記第2工程が実施されるが、これを省略することもできる。
本実施形態において用いられる直留軽油(R−LGO)は、原油を常圧蒸留することにより得られる軽油留分である。直留軽油は特に限定されず、軽油基材の製造に通常使用されるものが使用できる。直留軽油の代表的な性状を以下に示す。
沸点範囲 :150〜400℃
密度(15℃):0.83〜0.87g/cm
硫黄分濃度 :1.0〜1.5質量%
芳香族分 :20〜30容量%
本実施形態において用いられる接触分解軽油(LCO)は、重質軽油、減圧軽油、常圧残油、減圧残油、脱瀝油等の重質石油留分をFCC装置(流動接触分解装置)において流動接触分解することにより得られるものであれば特に制限はなく使用できる。接触分解軽油の代表的な性状を以下に示す。
沸点範囲 :150〜400℃
密度(15℃):0.85〜0.99g/cm
硫黄分濃度 :0.1〜0.6質量%
芳香族分 :40〜90容量%
多環芳香族分(2環以上の芳香族分):30〜80容量%
炭化水素原料油は、直留軽油及び/又は接触分解軽油を合計で30質量%以上含有することが好ましく、50質量%以上含有することがより好ましく、70質量%以上含有することが更に好ましく、100質量%含有することが更により好ましい。
本実施形態においては、炭化水素原料油が直留軽油及び接触分解軽油を含むことができる。この場合、接触分解軽油には、ナフタレン類が多く含まれており、酸化安定性が高い軽油基材を更に容易に得ることができる。
本実施形態において、被処理油は、上記炭化水素原料油を水素化脱硫用触媒に接触させて、硫黄分濃度が50質量ppm以下となるように処理することにより得ることができる。
本願明細書において、硫黄分濃度とは、JIS K2541「原油及び石油製品−硫黄分試験方法」により測定される値(質量ppm)を意味する。
水素化脱硫用触媒は、担体に周期表第6族、第8族、第9族及び第10族の元素から選ばれる金属を担持した触媒が挙げられる。
水素化脱硫用触媒の担体としては、アルミニウム、ケイ素、ジルコニウム、ホウ素、チタン及びマグネシウムから選ばれる元素を2種以上含んで構成される多孔性の無機酸化物が好適に用いられる。例えば、アルミナ、シリカ、ジルコニア、ボリア、チタニア、マグネシアなどが挙げられ、好ましくは、アルミナ、シリカ、チタニア、ボリアが挙げられる。
水素化脱硫用触媒の担体は、アルミナと、アルミナ以外の担体構成成分として、シリカ、ジルコニア、ボリア、チタニア及びマグネシアから選ばれる少なくとも1種類と、を含む複合酸化物が好ましい。複合酸化物としては、例えば、シリカ−アルミナ、シリカ−アルミナ−チタニア、及びシリカ−アルミナ−ボリア等が挙げられる。また、この他の成分として、リンを酸化物の形で含んでいてもよい。
シリカ、ジルコニア、ボリア、チタニア、マグネシアの前駆体となる原料は特に限定されず、一般的なケイ素、ジルコニウム、ボロン、チタン又はマグネシウムを含む溶液を用いることができる。例えば、ケイ素についてはケイ酸、水ガラス、シリカゾルなど、チタンについては硫酸チタン、四塩化チタンや各種アルコキサイド塩など、ジルコニウムについては硫酸ジルコニウム、各種アルコキサイド塩など、ボロンについてはホウ酸などを用いることができる。マグネシウムについては、硝酸マグネシウムなどを用いることができる。リンとしては、リン酸あるいはリン酸のアルカリ金属塩などを用いることができる。
アルミナ以外の担体構成成分の原料は、担体の焼成より前のいずれかの工程において添加する方法が望ましい。例えば、予めアルミニウム水溶液に添加した後にこれらの構成成分を含む水酸化アルミニウムゲルとしてもよく、調合した水酸化アルミニウムゲルに添加してもよく、あるいは市販のアルミナ中間体やベーマイトパウダーに水あるいは酸性水溶液を添加して混練する工程に添加してもよいが、水酸化アルミニウムゲルを調合する段階で共存させる方法がより望ましい。
水素化脱硫用触媒は、活性金属として、周期表第6族、第8族、第9族及び第10族の元素から選択される二種類以上の金属を含有することが好ましい。また、水素化脱硫用触媒は、活性金属として、第6族から選択される少なくとも一種類の金属と、第8〜10族から選択される少なくとも一種類の金属と、を含有することが好ましい。活性金属の組み合わせとしては、例えば、コバルト−モリブデン、ニッケル−モリブデン、ニッケル−コバルト−モリブデン、ニッケル−タングステンなどが挙げられる。
活性金属成分の担持量は、触媒全量基準で、酸化物として、1〜35質量%の範囲が好ましく、15〜30質量%の範囲がさらに好ましい。特に、周期表第6族の活性金属成分は、酸化物として、好ましくは10〜30質量%の範囲、より好ましくは13〜24質量%の範囲、周期表第8〜10族の活性金属成分は、酸化物として、好ましくは1〜10質量%の範囲、より好ましくは2〜6質量%の範囲にあることが望ましい。
水素化脱硫触媒が周期表第6族の活性金属成分を含有する場合は、酸を用いて該活性金属成分を溶解させることが好ましい。ここで酸としては、リン酸および/または有機酸を使用することが好ましい。
リン酸を用いる場合、リン酸の配合量は、周期表第6族の活性金属成分100質量%に対して、酸化物換算で3〜25質量%であることが好ましく、10〜15質量%であることがより好ましい。配合量が25質量%を超えると触媒性能が低下する傾向にあるので好ましくなく、3質量%未満だと担持金属溶液の安定性が悪くなり好ましくない。
また、有機酸を用いる場合、有機酸の配合量は、周期表第6族の活性金属成分100質量%に対して、35〜75質量%であることが好ましく、55〜65質量%であることがより好ましい。有機酸の配合量が75質量%を超えると該活性金属成分を含有した溶液(以下、「担持金属含有溶液」ともいう。)の粘度が上がり、製造での含浸工程が困難になるため好ましくなく、35質量%未満だと担持金属含有溶液の安定性が悪くなる上、触媒性能が低下する傾向にあり好ましくない。
なお、上記担体に、上記活性金属成分、必要に応じて更にリンおよび/または有機酸を担持・含有させる方法は特に限定されず、上記活性金属成分を含む化合物、リンを含む化合物および/または有機酸を用いた含浸法(平衡吸着法、ポアフィリング法、初期湿潤法)、イオン交換法等の公知の方法を用いることができる。ここで、含浸法とは、担体に活性金属を含む溶液を含浸させた後、乾燥、焼成する方法のことである。
含浸法では、周期表第6族の活性金属成分と周期表第8〜10族の活性金属成分とを同時に担持することが好ましい。別々に金属を担持すると、脱硫活性又は脱窒素活性が不充分になることがある。担持を含浸法により行う場合には、担体上での周期表第6族の活性金属成分の分散性が高くなって、得られる触媒の脱硫活性及び脱窒素活性がより高くなることから、酸の共存下、好ましくはリン酸又は有機酸の共存下で行う。その際、周期表第6族の活性金属成分100質量%に対して3〜25質量%のリン酸又は35〜75質量%の有機酸を添加することが好ましい。ここで、有機酸としてはカルボン酸化合物が好ましく、具体的にはクエン酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸などが挙げられる。
上記炭化水素原料油の水素化脱硫に際しては、上記の金属を硫化物の状態に転換して使用することができる。
上記炭化水素原料油の水素化脱硫は、以下の反応条件で行なわれることが好ましい。
反応温度としては、300〜420℃であることが好ましく、320〜380℃であることがより好ましい。反応温度が300℃未満では、脱硫及び脱窒素活性が著しく低下する傾向にあり、反応温度が420℃を超えると触媒劣化が顕著になると共に、反応装置の耐熱温度(通常約425℃)に近づくため好ましくない。
圧力条件としては、水素分圧が3〜15MPaであることが好ましい。水素分圧が3MPa未満では脱硫及び脱窒素活性が著しく低下する傾向にあるため、3MPa以上が好ましく、3.5MPa以上がより好ましい。水素分圧が15MPaを超えると水素消費が大きくなり運転コストが増加するので好ましくないため、15MPa以下が好ましく、10MPa以下がより好ましく、7MPa以下がさらに好ましい。
液空間速度としては、0.5〜4.0h−1であることが好ましく、0.5〜2.0h−1であることがより好ましい。液空間速度が0.5h−1未満では処理量が低いので生産性が低くなる傾向にあり、液空間速度が4.0h−1を超えると反応温度が高くなり、触媒劣化が速くなるので好ましくない。
水素/油比としては、120〜420NL/Lであることが好ましく、170〜340NL/Lであることがより好ましい。水素/油比が120NL/L未満では脱硫率が低下する傾向にあり、一方で水素/油比が420NL/Lを超えても脱硫活性に大きな変化がなく、運転コストが増加するだけなので好ましくない。
本実施形態においては、上記炭化水素原料油を上記水素化脱硫用触媒に接触させた後、少なくとも1つの分離ユニットに供給し、上記の水素化脱硫工程で得られる硫化水素と他の生成物に分離するストリッピング工程などを更に設けることもできる。
次に、第1工程について説明する。
本実施形態で用いられる水素化異性化触媒は、10員環1次元細孔ゼオライトを含む担体と該担体に担持された白金及び/又はパラジウムとを有する。
本実施形態においては、以下の方法によって製造された触媒を用いることが好ましい。
本実施形態に係る水素化異性化触媒の製造方法は、有機テンプレートを含有し10員環一次元状細孔構造を有する有機テンプレート含有ゼオライトを、アンモニウムイオン及び/又はプロトンを含む溶液中でイオン交換して得られるイオン交換ゼオライトと、バインダーと、が含まれる混合物を、N雰囲気下、250〜350℃の温度で加熱して担体前駆体を得る第1工程と、担体前駆体に白金塩及び/又はパラジウム塩を含ませた触媒前駆体を、分子状酸素を含む雰囲気下、350〜400℃の温度で焼成して、ゼオライトを含む担体に白金及び/又はパラジウムが担持された水素化異性化触媒を得る第2工程とを備える。
本実施形態で用いられる有機テンプレート含有ゼオライトは、ノルマルパラフィンの水素化異性化反応における高い異性化活性と抑制された分解活性とを高水準で両立する観点から、10員環からなる一次元状細孔構造を有する。このようなゼオライトとしては、AEL、EUO、FER、HEU、MEL、MFI、NES、TON、MTT、WEI、MRE及びSSZ−32などが挙げられる。なお、上記の各アルファベット三文字は、分類分けされたモレキュラーシーブ型ゼオライトの各構造に対して、国際ゼオライト協会構造委員会(The Structure Commission of The International Zeolite Association)が与えている骨格構造コードを意味する。また、同一のトポロジーを有するゼオライトは包括的に同一のコードで呼称される。
上記有機テンプレート含有ゼオライトとしては、上記の10員環一次元状細孔構造を有するゼオライトの中でも、高異性化活性及び低分解活性の点で、TON、MTT構造を有するゼオライト、MRE構造を有するゼオライトであるZSM−48ゼオライト、及びSSZ−32ゼオライトが好ましい。TON構造を有するゼオライトとしては、ZSM−22ゼオライトがより好ましく、また、MTT構造を有するゼオライトとしては、ZSM−23ゼオライトがより好ましい。
有機テンプレート含有ゼオライトは、シリカ源、アルミナ源及び上記所定の細孔構造を構築するために添加する有機テンプレートから、公知の方法によって水熱合成される。
有機テンプレートは、アミノ基、アンモニウム基等を有する有機化合物であり、合成するゼオライトの構造に応じて選択されるものであるが、アミン誘導体であることが好ましい。具体的には、アルキルアミン、アルキルジアミン、アルキルトリアミン、アルキルテトラミン、ピロリジン、ピペラジン、アミノピペラジン、アルキルペンタミン、アルキルヘキサミン及びそれらの誘導体からなる群より選択される少なくとも一種であることがより好ましい。上記アルキル基の炭素数は、4〜10であればよく、好ましくは6〜8である。なお、代表的なアルキルジアミンとしては、1、6−ヘキサンジアミン、1,8−ジアミノオクタン等が挙げられる。
10員環一次元状細孔構造を有する有機テンプレート含有ゼオライトを構成する珪素とアルミニウム元素とのモル比([Si]/[Al])(以下、「Si/Al比」という。)は、10〜400であることが好ましく、20〜350であることがより好ましい。Si/Al比が10未満の場合には、ノルマルパラフィンの転換に対する活性は高くなるが、イソパラフィンへの異性化選択性が低下し、また反応温度の上昇に伴う分解反応の増加が急激となる傾向にあることから好ましくない。一方、Si/Al比が400を超える場合には、ノルマルパラフィンの転換に必要な触媒活性が得られにくくなり好ましくない。
合成され、好ましくは洗浄、乾燥された上記有機テンプレート含有ゼオライトは、対カチオンとして通常アルカリ金属カチオンを有し、また有機テンプレートが細孔構造内に包含される。本発明に係る水素化異性化触媒を製造する際に用いる有機テンプレートを含むゼオライトとは、このような、合成された状態のもの、すなわち、ゼオライト内に包含される有機テンプレートを除去するための焼成処理がなされていないものであることが好ましい。
上記有機テンプレート含有ゼオライトは、次に、アンモニウムイオン及び/又はプロトンを含む溶液中でイオン交換される。イオン交換処理により、有機テンプレート含有ゼオライト中に含まれる対カチオンは、アンモニウムイオン及び/又はプロトンに交換される。またそれと同時に、有機テンプレート含有ゼオライト中に包含される有機テンプレートの一部が除去される。
上記イオン交換処理に使用する溶液は、水を少なくとも50容量%含有する溶媒を用いた溶液であることが好ましく、水溶液であることがより好ましい。また、アンモニウムイオンを溶液中に供給する化合物としては、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、酢酸アンモニウム等の無機及び有機の各種のアンモニウム塩が挙げられる。一方、プロトンを溶液中に供給する化合物としては、通常、塩酸、硫酸、硝酸等の鉱酸が利用される。有機テンプレート含有ゼオライトをアンモニウムイオンの存在下でイオン交換することにより得られるイオン交換ゼオライト(ここでは、アンモニウム型ゼオライト)は、後の焼成の際にアンモニアを放出し、対カチオンがプロトンとなってブレンステッド酸点となる。イオン交換に用いるカチオン種としてはアンモニウムイオンが好ましい。溶液中に含まれるアンモニウムイオン及び/又はプロトンの含有量は、使用する有機テンプレート含有ゼオライトに含まれる対カチオン及び有機テンプレートの合計量に対して10〜1000当量となるように設定されることが好ましい。
上記イオン交換処理は、粉末状の有機テンプレート含有ゼオライト担体に対して行ってもよく、またイオン交換処理に先立って、有機テンプレート含有ゼオライトにバインダーである無機酸化物を配合し、成型を行い、得られる成型体に対して行ってもよい。但し、上記の成型体を焼成することなくイオン交換処理に供すると、当該成型体が崩壊、粉化する問題が生じやすくなることから、粉末状の有機テンプレート含有ゼオライトをイオン交換処理に供することが好ましい。
イオン交換処理は、定法、すなわち、アンモニウムイオン及び/又はプロトンを含む溶液、好ましくは水溶液に有機テンプレートを含むゼオライトを浸漬し、これを攪拌又は流動する方法によって行うことが好ましい。また、上記の撹拌又は流動は、イオン交換の効率を高めるために加熱下に行うことが好ましい。本実施形態においては、上記水溶液を加熱し、沸騰、還流下でイオン交換する方法が特に好ましい。
更に、イオン交換の効率を高める点から、溶液によってゼオライトをイオン交換する間に、溶液を一回又は二回以上新しいものに交換することが好ましく、溶液を一回又は二回新しいものに交換することがより好ましい。溶液を一回交換する場合、例えば、有機テンプレート含有ゼオライトをアンモニウムイオン及び/又はプロトンを含む溶液に浸漬し、これを1〜6時間加熱還流し、次いで、溶液を新しいもの交換した後、更に6〜12時間加熱還流することにより、イオン交換効率を高めることが可能となる。
イオン交換処理により、ゼオライト中のアルカリ金属等の対カチオンのほぼ全てをアンモニウムイオン及び/又はプロトンに交換することが可能である。一方、ゼオライト内に包含される有機テンプレートについては、上記のイオン交換処理によりその一部が除去されるが、同処理を繰り返し行っても、その全てを除去することは一般に困難であり、その一部がゼオライト内部に残留する。
本実施形態では、イオン交換ゼオライトとバインダーとが含まれる混合物を窒素雰囲気下、250〜350℃の温度で加熱して担体前駆体を得る。
イオン交換ゼオライトとバインダーとが含まれる混合物は、上記の方法にて得られたイオン交換ゼオライトに、バインダーである無機酸化物を配合し、得られる組成物を成型したものが好ましい。無機酸化物をイオン交換ゼオライトに配合する目的は、成型体の焼成によって得られる担体(特には、粒子状の担体)の機械的強度を、実用に耐えられる程度に向上することにあるが、本発明者は、無機酸化物種の選択が水素化異性化触媒の異性化選択性に影響を与えることを見出している。このような観点から、上記無機酸化物として、アルミナ、シリカ、チタニア、ボリア、ジルコニア、マグネシア、セリア、酸化亜鉛及び酸化リン並びにこれらの2種以上の組み合わせからなる複合酸化物から選択される少なくとも一種の無機酸化物が用いられる。中でも、水素化異性化触媒の異性化選択性が更に向上するとの観点から、シリカ、アルミナが好ましく、アルミナがより好ましい。また、上記「これらの2種以上の組み合わせからなる複合酸化物」とは、アルミナ、シリカ、チタニア、ボリア、ジルコニア、マグネシア、セリア、酸化亜鉛、及び酸化リンのうちの少なくとも2種の成分からなる複合酸化物であるが、複合酸化物を基準として50質量%以上のアルミナ成分を含有するアルミナを主成分とする複合酸化物が好ましく、中でもアルミナ−シリカがより好ましい。
上記組成物におけるイオン交換ゼオライトと無機酸化物との配合比率は、イオン交換ゼオライトの質量:無機酸化物の質量の比として、好ましくは10:90〜90:10、より好ましくは30:70〜85:15である。この比が10:90よりも小さい場合には、水素化異性化触媒の活性が充分ではなくなる傾向にあるため好ましくない。一方、上記比が90:10を超える場合には、組成物を成型及び焼成して得られる担体の機械的強度が充分ではなくなる傾向にあるため好ましくない。
イオン交換ゼオライトに上記の無機酸化物を配合する方法は特に限定されないが、例えば両者の粉末に適量の水等の液体を添加して粘ちょうな流体とし、これをニーダー等により混練する等の通常行われる方法を採用することができる。
上記イオン交換ゼオライトと上記無機酸化物とを含む組成物或いはそれを含む粘ちょうな流体は、押出成型等の方法により成型され、好ましくは乾燥されて粒子状の成型体となる。成型体の形状としては特に限定されないが、例えば、円筒状、ペレット状、球状、三つ葉・四つ葉形の断面を有する異形筒状等が挙げられる。成型体の大きさは特に限定されないが、取り扱いの容易さ、反応器への充填密度等の観点から、例えば長軸が1〜30mm、短軸が1〜20mm程度であることが好ましい。
本実施形態においては、上記のようにして得られた成型された成型体を、N雰囲気下、250〜350℃の温度で加熱して担体前駆体とすることが好ましい。加熱時間については、0.5〜10時間が好ましく、1〜5時間がより好ましい。
本実施形態において、上記加熱温度が250℃より低い場合は、有機テンプレートが多量に残留し、残留したテンプレートによってゼオライト細孔が閉塞する。異性化活性点は細孔ポアマウス付近に存在すると考えられており、上記の場合、細孔閉塞によって反応基質が細孔内へ拡散できなくなり、活性点が被覆されて異性化反応が進行しにくくなり、ノルマルパラフィンの転化率が充分に得られにくくなる傾向にある。一方、加熱温度が350℃を超える場合には、得られる水素化異性化触媒の異性化選択性が充分に向上しない。
成型体を加熱して担体前駆体とするときの下限温度は280℃以上が好ましい。また、上限温度は330℃以下が好ましい。
本実施形態では、上記成型体に含まれる有機テンプレートの一部が残留するように上記混合物を加熱することが好ましい。具体的には、後述の金属担持後の焼成を経て得られる水素化異性化触媒のカーボン量が0.4〜3.5質量%(好ましくは0.4〜3.0質量%、より好ましくは0.4〜2.5質量%)となり、当該触媒の単位質量当りのミクロ細孔容積が0.02〜0.12cc/gとなり、当該触媒に含有されるゼオライトの単位質量当りのミクロ細孔容積が0.01〜0.12cc/gとなるように加熱条件を設定することが好ましい。
次に、上記担体前駆体に白金塩及び/又はパラジウム塩を含ませた触媒前駆体を、分子状酸素を含む雰囲気下、350〜400℃、好ましくは380〜400℃、より好ましくは400℃の温度で焼成して、ゼオライトを含む担体に白金及び/又はパラジウムが担持された水素化異性化触媒を得る。なお、「分子状酸素を含む雰囲気下」とは、酸素ガスを含む気体、中でも好ましくは空気と接触することを意味する。焼成の時間は、0.5〜10時間であることが好ましく、1〜5時間であることがより好ましい。
白金塩としては、例えば、塩化白金酸、テトラアンミンジニトロ白金、ジニトロアミノ白金、テトラアンミンジクロロ白金などが挙げられる。塩化物塩は反応時に塩酸が発生して装置腐食の恐れがあるため、塩化物塩以外で白金が高分散する白金塩であるテトラアンミンジニトロ白金が好ましい。
パラジウム塩としては、例えば、塩化パラジウム、テトラアンミンパラジウム硝酸塩、ジアミノパラジウム硝酸塩などが挙げられる。塩化物塩は反応時に塩酸が発生して装置腐食の恐れがあるため、塩化物塩以外でパラジウムが高分散するパラジウム塩であるテトラアンミンパラジウム硝酸塩が好ましい。
本実施形態に係るゼオライトを含む担体における活性金属の担持量は、担体の質量を基準として、0.001〜20質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましい。担持量が0.001質量%未満の場合には、所定の水素化/脱水素機能を付与することが困難となる。一方、担持量が20質量%を超える場合には、当該活性金属上での炭化水素の分解による軽質化が進行しやすくなり、目的とする留分の収率が低下する傾向にあり、さらには触媒コストの上昇を招く傾向にあるため好ましくない。
本実施形態では、上記担体前駆体に残留させた有機テンプレートが残留するように上記触媒前駆体を焼成することが好ましい。具体的には、得られる水素化異性化触媒のカーボン量が0.4〜3.5質量%(好ましくは0.4〜3.0質量%、より好ましくは0.4〜2.5質量%)となり、当該触媒の単位質量当りのミクロ細孔容積が0.02〜0.12cc/gとなり、当該触媒に含有されるゼオライトの単位質量当りのミクロ細孔容積が0.01〜0.12cc/gとなるように焼成条件を設定することが好ましい。水素化異性化触媒中のカーボン量は、酸素気流中燃焼−赤外線吸収法により測定される。具体的には、酸素気流中での当該触媒の燃焼により二酸化炭素ガスを発生させ、この二酸化炭素ガスの赤外線吸収量に基づき、炭素量が定量される。この測定には、炭素・硫黄分析装置(例えば、株式会社堀場製作所製 EMIA−920V)を用いればよい。
水素化異性化触媒の単位質量当りのミクロ細孔容積は、窒素吸着測定と呼ばれる方法にて算出される。すなわち、触媒について、液体窒素温度(−196℃)で測定した窒素の物理吸着脱離等温線を解析、具体的には、液体窒素温度(−196℃)で測定した窒素の吸着等温線をt−plot法により解析することにより、触媒の単位質量当りのミクロ細孔容積が算出される。また、触媒に含有されるゼオライトの単位質量当りのミクロ細孔容積についても、上記の窒素吸着測定により算出される。
触媒に含有されるゼオライトの単位質量当りのミクロ細孔容積Vは、例えば、バインダーがミクロ細孔容積を有していない場合、水素化異性化触媒の単位質量当りのミクロ細孔容積の値Vと、触媒におけるゼオライトの含有割合M(質量%)から下記式に従って算出することができる。
=V/M×100
本実施形態の水素化異性化触媒は、上記の焼成処理に続いて、水素化異性化の反応を行う反応器に充填後に還元処理されたものであることが好ましい。具体的には、分子状水素を含む雰囲気下、好ましくは水素ガス流通下、好ましくは250〜500℃、より好ましくは300〜400℃にて、0.5〜5時間程度の還元処理が施されたものであることが好ましい。このような工程により、炭化水素油の脱蝋に対する高い活性をより確実に触媒に付与することができる。
本実施形態で用いられる水素化異性化触媒は、10員環一次元状細孔構造を有するゼオライト、及びバインダーを含む担体と、該担体に担持された白金及び/又はパラジウムと、を含有し、触媒のカーボン量が0.4〜3.5質量%であり、触媒の単位質量当りのミクロ細孔容積が0.02〜0.12cc/gであるものが好ましい。また、上記ゼオライトは、有機テンプレートを含有し10員環一次元状細孔構造を有する有機テンプレート含有ゼオライトを、アンモニウムイオン及び/又はプロトンを含む溶液中でイオン交換して得られるイオン交換ゼオライトに由来するものであり、触媒に含有されるゼオライトの単位質量当りのミクロ細孔容積が0.01〜0.12cc/gであるものが好ましい。
上記の水素化異性化触媒は、上述した方法により製造することができる。触媒のカーボン量、触媒の単位質量当りのミクロ細孔容積及び触媒に含有されるゼオライトの単位質量当りのミクロ細孔容積は、イオン交換ゼオライトとバインダーとが含まれる混合物におけるイオン交換ゼオライトの配合量、当該混合物のN雰囲気下での加熱条件、触媒前駆体の分子状酸素を含む雰囲気下での加熱条件を適宜調整することより上記範囲内にすることができる。
本実施形態においては、上記の被処理油を、上記の水素化異性化触媒に、水素存在下、反応温度280℃〜350℃、液空間速度0.5h−1〜3.0h−1、水素分圧2MPa〜8MPa、水素/油比150NL/L〜850NL/Lの条件で接触させて、硫黄分濃度が10質量ppm以下且つペトロオキシ誘導期間が60分以上である軽油留分を含む水素化脱蝋油を得る。
本実施形態は、上記第1工程の後に水素化脱蝋油を更に水素化仕上げする第2工程が設けられているが、第2工程を省略して後述する第3工程によって硫黄分濃度が10質量ppm以下且つペトロオキシ誘導期間が60分以上である軽油留分を得てもよい。
本願明細書において、ペトロオキシ誘導期間は以下の方法で測定される時間を意味する。まず、試験燃料を入れた金属容器を密閉し、そこへ所定の圧力まで酸素を封入する。その後、密閉容器を所定の温度まで加温し、容器内圧力が最高圧力点から10%圧力が降下する点まで所定の温度を保ち、加温開始から10%圧力降下点までの時間を測定し、その時間をペトロオキシ誘導期間(分)とする。このとき、下記の測定条件が設定される。
装置:PetroOXY装置(Petrotest社製)
酸素封入圧力:700kPa(ゲージ圧)
試験温度:140℃
試験燃料量:5mL
反応温度は、軽油留分の収率と低温性能とを高水準で両立する観点から、280℃〜350℃であり、直留軽油又は接触分解軽油を単独で脱硫処理して得られる被処理油を処理する場合は、280℃〜315℃であることが好ましく、直留軽油と接触分解軽油を混合して脱硫処理することにより得られる被処理油を処理する場合は、305℃〜350℃であることが好ましい。
液空間速度は、過大な設備投資を必要とせずに十分に水素化脱蝋反応を進行させる観点から、0.5h−1〜3.0h−1であり、分解反応による軽質分の生成を抑制する点で、0.5h−1〜2.5h−1であることが好ましい。
水素分圧は、過大な設備投資を必要とせずに十分に水素化脱蝋反応を進行させる観点から、2MPa〜8MPaであり、水素化異性化触媒へのコーク生成を抑制する点で、2.5MPa〜8MPaであることが好ましい。
水素/油比は、過大な設備投資を必要とせずに十分に水素化脱蝋反応を進行させる観点から、150NL/L〜850NL/Lであり、水素化異性化触媒へのコーク生成を抑制する点で、250NL/L〜850NL/Lであることが好ましい。
第1工程で得られる水素化脱蝋油は、低温性能の観点から、炭素数27以上のノルマルパラフィン分が0.010質量%以下であることが好ましく、0.0095質量%以下であることがより好ましく、0.0090質量%以下であることが更に好ましい。
次に、第2工程について説明する。
第2工程では、第1工程で得られた水素化脱蝋油を更に水素化した水素化脱蝋油を得る。水素化仕上げによって、例えば、脱蝋油中のオレフィン及び芳香族化合物が水素化され、脱蝋軽油の酸化安定性が改善される。さらに、脱蝋油中の硫黄化合物が水素化され、硫黄分の低減も期待される。
水素化仕上げは、水素の存在下、脱蝋油を水素化仕上げ触媒に接触させることにより行われる。水素化仕上げ触媒としては、例えば、アルミナ、シリカ、ジルコニア、チタニア、ボリア、マグネシア及びリンから選ばれる1種類以上の無機固体酸性物質を含んで構成される担体と、その担体上に担持された、白金、パラジウム、ニッケル−モリブデン、ニッケル−タングステン及びニッケル−コバルト−モリブデンからなる群より選ばれる1種以上の活性金属とを備えた触媒が挙げられる。
好適な担体としては、アルミナ、シリカ、ジルコニア、又はチタニアを少なくとも2種類以上含む無機固体酸性物質である。
担体に上記活性金属を担持する方法としては、含浸やイオン交換等の常法を採用できる。
水素化仕上げ触媒における活性金属の担持量は、金属の合計量が担体に対して0.1〜25質量%であることが好ましい。
水素化仕上げ触媒の平均細孔径は6〜60nmであると好ましく、7〜30nmであるとより好ましい。平均細孔径が6nmより小さいと十分な触媒活性が得られない傾向にあり、平均細孔径が60nmを越えると、活性金属の分散度が下がることにより触媒活性が低下する傾向にある。
水素化仕上げ触媒の単位質量当りのミクロ細孔容積は0.2mL/g以上であることが好ましい。ミクロ細孔容積が0.2mL/gより小さいと、触媒の活性劣化が早くなる傾向にある。なお、水素化仕上げ触媒の細孔容積は、例えば0.5mL/g以下であってよい。また、水素化仕上げ触媒の比表面積は200m/g以上であると好ましい。触媒の比表面積が200m/gを下回ると、活性金属の分散性が不十分となり活性が低下する傾向にある。なお、水素化仕上げ触媒の比表面積は、例えば400m/g以下であってよい。これら触媒のミクロ細孔容積及び比表面積は、窒素吸着によるBET法と呼ばれる方法により測定、算出可能である。
水素化仕上げの反応条件は、例えば反応温度170〜350℃、水素分圧2〜10MPa、液空間速度(LHSV)0.1〜5h−1、水素/油比150〜850NL/Lであると好ましい。
第1工程及び第2工程が別々の反応器において実施される2塔式の本実施形態においては、反応温度170℃〜250℃、水素分圧2〜8MPa、LHSV0.5〜5h−1、水素/油比150〜850NL/Lであるとより好ましい。
反応温度が350℃を超えると、触媒の寿命が短くなる傾向にある。一方、170℃未満の低温では、反応速度が遅く、水素化が進行し難くなる傾向にある。なお、反応温度が高温の250℃を超えると、芳香族及びその水素化物(ナフテン)の化学平衡上の制約を受けて、芳香族の生成が有利になり芳香族分が増加する傾向にある。
水素分圧及び水素/油比は、高いほど脱硫反応、水素化反応とも促進される傾向にあるため、水素分圧及び水素/油比が上記下限値未満の場合は脱硫及び芳香族水素化反応が進行し難くなる傾向にある。一方、水素分圧及び水素/油比が上記上限値を超えると、過大な設備投資を必要とする傾向にある。そのため、10MPaが上限であり、中でも、8MPa以下ではさらに建設費が安くなるため、この領域が好ましい。
液空間速度(LHSV)は、低いほど脱硫反応、水素化反応に有利な傾向にある。しかしながら、液空間速度が0.1h−1未満の場合は極めて大きな反応塔容積が必要となり、過大な設備投資が必要となる傾向にある。一方、液空間速度が5h−1を超える場合は、脱硫及び芳香族の水素化反応、さらにはナフテン転換反応が十分に進行しなくなる傾向にある。
第1工程及び第2工程を同一の反応器(1塔式)で実施することもできる。この場合、例えば、図2に示される軽油基材製造装置110のように同一の反応器40に充填された上記水素化異性化触媒1及び上記水素化仕上げ触媒2に上記被処理油をこの順に接触させる。
1塔式での反応条件は、反応温度280℃〜350℃、水素分圧2〜8MPa、LHSV0.5〜3.0h−1、水素/油比150〜850NL/Lとすることができる。
1塔式での場合、酸化安定性の低下に繋がるオレフィン成分などが水素化されやすく、より優れた酸化安定性を有する軽油基材を得ることができる。また、過大な設備投資を必要としない。
1塔式での場合、反応器40における水素化異性化触媒1及び水素化仕上げ触媒2のそれぞれの体積は特に限定されないが、本実施形態においては水素化異性化触媒1の体積V1に対する水素化仕上げ触媒2の体積V2の比[V2/V1]が0/100〜40/60となるように設定することが好ましい。
次に、第3工程について説明する。
第3工程では、例えば、複数のカットポイントを設定し、第2工程で得られる水素化脱蝋油を常圧蒸留することにより、硫黄分濃度が10質量ppm以下且つペトロオキシ誘導期間が60分以上である軽油留分を得る。第1工程及び第2工程を同一の反応器(1塔式)で実施する場合は、反応器40から流路L8を通じて供給される水素化脱蝋油を蒸留塔30で蒸留する(図2を参照)。
本実施形態においては、例えば、蒸留塔30から軽油留分を流路L6から取り出し、それよりも軽質の留分(例えば、メタン、エタン、エチレンを主成分とするドライガス、LPG、ナフサ、ガソリン留分)を流路L4及びL5から取り出し、重質の留分をボトム油として流路L7から取り出すことができる。
第3工程では、例えば、常圧での沸点−50〜0℃のLPG(液化石油ガス)留分、沸点0〜145℃のナフサ及びガソリン留分、沸点145〜390℃の軽油留分、沸点390℃以上の重質留分をそれぞれ得ることができる。
本実施形態で得られる軽油留分は軽油基材として用いることができる。
本実施形態の軽油基材は、寒冷地向け軽油組成物の酸化安定性向上の観点から、ペトロオキシ誘導期間が60分以上であり、より好ましくは62分以上、更に好ましくは65分以上である。
本実施形態の軽油基材は、酸化安定性の観点から、オレフィン分が0.5容量%以下であることが好ましく、0.3容量%以下であることがより好ましく、0.1容量%以下であることが更に好ましい。
本実施形態の軽油基材は、エンジンから排出されるPM等の有害排気成分低減の観点から、芳香族分が18容量%以下であることが好ましく、15容量%以下であることがより好ましく、13容量%以下であることが更に好ましい。同様の理由で、1環芳香族分が15容量%以下であることが好ましく、13容量%以下であることがより好ましく、2環芳香族分が5容量%以下であることが好ましく、3容量%以下であることがより好ましく、1容量%以下であることが更に好ましく、3環芳香族分が3容量%以下であることが好ましく、1容量%以下であることがより好ましく、0.5容量%以下であることがより好ましい。
本願明細書において、オレフィン分、飽和分、芳香族分、1環芳香族分、2環芳香族分、3環芳香族分とは、JPI−5S−49−97「石油製品−炭化水素タイプ試験方法−高速液体クロマトグラフ法」により測定される値を意味する。
本実施形態の軽油基材は、低温性能の観点から、徐冷曇り点(徐冷CP)が−12℃以下であることが好ましく、−15℃以下であることがより好ましく、−18℃以下であることが更に好ましい。
本明細書において徐冷CPとは、曇り点より10℃以上高い温度から曇り点を検知するまでは0.5℃/分で徐冷し、0.1℃単位で検知して得られた曇り点(℃)のことである。徐冷曇り点は、試料に光を照射し、試料容器底のアルミ面における反射光が、厚さ15mmの試料液の底面より3mmの高さから照射した光の反射光が7/8以下に低下した点を徐冷曇り点(℃)とする方法により検知される。例えば、田中化学機器製作(株)製MPC−102A「自動流動点・曇り点試験器」等で測定することができる。
本実施形態の軽油基材は、低温性能の観点から、目詰まり点(CFPP)が、−12℃以下であることが好ましく、−18℃以下であることがより好ましく、−20℃以下であることが更に好ましい。
本明細書において目詰まり点(CFPP)とは、JIS K2288「石油製品−軽油−目詰まり点試験方法」により測定される値(℃)を意味する。
本実施形態の軽油基材は、エンジンから排出される有害排気成分低減の観点から、硫黄分濃度が10質量ppm以下であり、8質量ppm以下であることが好ましく、5質量ppm以下であることがより好ましく、3質量ppm以下であることが更に好ましい。
本明細書において硫黄分濃度とは、JIS K2541「原油及び石油製品−硫黄分試験方法」により測定される値(質量ppm)を意味する。
本実施形態の軽油基材は、発熱量確保の観点から、15℃における密度が760g/cm以上であることが好ましく、770g/cm以上であることがより好ましく、780g/cm以上であることが更に好ましい。一方で、NOx、PMの排出量を低減する観点から、15℃における密度が860g/cm以下であることが好ましく、840g/cm以下であることがより好ましく、830g/cm以下であることが更に好ましい
本明細書において密度とは、JIS K2249「原油及び石油製品−密度試験方法及び密度・質量・容量換算表」により測定される15℃における密度の値(g/cm)を意味する。
本実施形態の軽油基材は、安全性の観点から、引火点が45℃以上であることが好ましく、50℃以上であることがより好ましく、60℃以上であることが更に好ましい。
本明細書において引火点とは、JIS K2265「原油及び石油製品−引火点試験方法」により測定される値を意味する。
本実施形態の軽油基材の蒸留性状としては、エンジン出力や高温時の始動性悪化防止の観点から、T5(5容量%留出温度)が160℃以上であることが好ましく、180℃以上であることがより好ましく、200℃以上であることが更に好ましい。更に、T5は、排出ガス性能の悪化を抑制する観点から、260℃以下であることが好ましく、250℃以下であることがより好ましく、240℃以下であることが更に好ましい。
また、エンジン出力や高温時の始動性悪化防止の観点から、T10(10容量%留出温度)が180℃以上であることが好ましく、200℃以上であることがより好ましく、210℃以上であることが更に好ましい。更に、T10は、排出ガス性能の悪化を抑制する観点から、270℃以下であることが好ましく、260℃以下であることがより好ましく、250℃以下であることが更に好ましい。
また、燃費の悪化防止の観点から、T90(90容量%留出温度)が290℃以上であることが好ましく、310℃以上であることがより好ましく、320℃以上であることが更に好ましい。更に、T90は、エンジンから排出されるPM等の有害排気成分低減の観点から、350℃以下であることが好ましく、340℃以下であることがより好ましい。
また、燃費の悪化防止の観点から、T95(95容量%留出温度)が300℃以上であることが好ましく、320℃以上であることがより好ましく、330℃以上であることが更に好ましい。更に、T95は、エンジンから排出されるPM等の有害排気成分低減の観点から、380℃以下であることが好ましく、370℃以下であることがより好ましく、360℃以下であることが更に好ましい。
本願明細書において蒸留性状(T5、T10、T90、T95)とは、JIS K2254「石油製品−蒸留性状試験方法」により測定される値(℃)を意味する。
本実施形態の軽油基材は、エンジン始動性の観点から、セタン指数が57以上であることが好ましく、58以上であることがより好ましく、60以上であることが更に好ましい。
本願明細書においてセタン指数とは、JIS K 2280「石油製品−燃料油―オクタン価及びセタン価試験方法並びにセタン指数算出方法」により測定される値を意味する。
以下に、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明の技術思想を逸脱しない限り、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[被処理油(脱硫油)の作製]
<水素化脱硫用触媒aの調製>
容量が100Lのスチームジャケット付のタンクに、Al換算の濃度が22質量%であるアルミン酸ナトリウム水溶液8.16kgを入れ、イオン交換水41kgで希釈後、SiO換算の濃度が5質量%である珪酸ナトリウム溶液1.80kgを攪拌しながら添加し、60℃に加温して、塩基性アルミニウム塩水溶液を調整した。また、Al換算の濃度が7質量%である硫酸アルミニウム水溶液7.38kgを13kgのイオン交換水で希釈した酸性アルミニウム塩水溶液と、TiO換算の濃度が33質量%である硫酸チタン1.82kgを10kgのイオン交換水に溶解したチタニウム鉱酸塩水溶液とを混合し、60℃に加温して、混合水溶液を調整した。塩基性アルミニウム塩水溶液が入ったタンクに、ローラーポンプを用いて混合水溶液をpHが7.2となるまで一定の速度で10分間添加し、シリカ、チタニア、およびアルミナを含有する水和物スラリーaを調製した。
水和物スラリーaを攪拌しながら60℃で1時間熟成した後、平板フィルターを用いて脱水し、更に、0.3質量%アンモニア水溶液150Lで洗浄した。洗浄後のケーキ状のスラリーを、Alの濃度が10質量%となるようにイオン交換水で希釈した後、15質量%アンモニア水でpHを10.5に調整した。これを還流機付熟成タンクに移し、攪拌しながら95℃で10時間熟成した。熟成後のスラリーを脱水し、スチームジャケットを備えた双腕式ニーダーにて練りながら所定の水分量まで濃縮捏和した。得られた捏和物を押型成型機にて直径が1.8mmの円柱形状に成型し、110℃で乾燥した。乾燥した成型品を電気炉で550℃の温度で3時間焼成し、担体aを得た。担体aの全質量に対するシリカの濃度はSiO換算で3質量%であった。担体aの全質量に対するチタニアの濃度はTiO換算で20質量%であった。担体aの全質量に対するアルミニウムの濃度はAl換算で77質量%であった。
リガク社製のX線回折装置RINT2100を用いて、担体aのX線回折分析を行った。担体aのX線回折パターンにおいて、アナターゼ型チタニアおよびルチル型チタニアの結晶構造を示す回折ピーク面積が、アルミニウムに帰属される結晶構造を示す回折ピーク面積に対して、1/8であった。つまり、(チタニア回折ピーク面積/アルミナ回折ピーク面積)の値が1/8であった。
三酸化モリブデン306gと炭酸コバルト68gとを、イオン交換水500mlに懸濁させ、この懸濁液を95℃で5時間液量が減少しないように適当な還流措置を施して加熱した。加熱後の懸濁液にリン酸68gを加えて溶解させ、含浸液を調製した。この含浸液を、担体a1000gに噴霧して含浸させた後、250℃で乾燥した。乾燥後の担体aを電気炉にて550℃で1時間焼成して、水素化脱硫用触媒a(以下、「触媒a」ともいう。)を得た。触媒aの全質量に対するMoOの濃度は22質量%であった。触媒aの全質量に対するCoOの濃度は3質量%であった。触媒aの全質量に対するPの濃度は3質量%あった。
(被処理油1)
上記で得られた水素化脱硫用触媒a(100ml)を充填した反応管(内径20mm)を固定床流通式水素化脱硫装置に取り付けた。その後、硫黄分濃度が1.5質量%となるようにジメチルサルファイドを加えた直留軽油を用いて触媒層平均温度350℃、水素分圧5.0MPa、液空間速度1.0h−1、水素/油比200NL/Lの条件下で、48時間触媒の予備硫化を行なった。
予備硫化後、水素雰囲気下、反応温度350℃、水素分圧5.0MPa、液空間速度1.0h−1、水素/油比200NL/Lの条件で、中東系直留軽油1を通油して水素化脱硫を行ない、軽油脱硫油である被処理油1を得た。得られた被処理油の性状を表1に示す。
(被処理油2)
予備硫化後の脱硫反応温度を348℃に変更し、中東系直留軽油1に代えて硫黄分濃度がより高い中東系直留軽油2を用いたこと以外は被処理油1の作製と同様にして、中東系直留軽油2を通油して水素化脱硫を行ない、軽油脱硫油である被処理油2を得た。得られた被処理油の性状を表1に示す。
(被処理油3)
中東系直留軽油1及び接触分解軽油を91:9の割合(容量比)で混合した混合油を通油させたこと以外は被処理油1の作製と同様にして、軽油脱硫油である被処理油3を得た。得られた被処理油の性状を表1に示す。
Figure 2015168688

[水素化異性化触媒DW1の調製]
<ZSM−22ゼオライトの製造>
Si/Al比が45である結晶性アルミノシリケートからなるZSM−22ゼオライト(以下、「ZSM−22」ということがある。)を以下の手順で水熱合成により製造した。
まず、下記の4種類の水溶液を調製した。
溶液A:1.94gの水酸化カリウムを6.75mLのイオン交換水に溶解したもの。
溶液B:1.33gの硫酸アルミニウム18水塩を5mLのイオン交換水に溶解したもの。
溶液C:4.18gの1,6−ヘキサンジアミン(有機テンプレート)を32.5mLのイオン交換水にて希釈したもの。
溶液D:18gのコロイダルシリカ(Grace Davison社製Ludox AS−40)を31mLのイオン交換水にて希釈したもの。
次に、溶液Aを溶液Bに加え、アルミニウム成分が完全に溶解するまで攪拌を行った。
この混合溶液に溶液Cを加えた後、室温にて激しく攪拌しながら、溶液A、B、Cの混合物を溶液Dに注入した。更に、ここへ結晶化を促進する「種結晶」として、別途合成され、合成後に何ら特別な処理が行われていないZSM−22の粉末を0.25g添加し、ゲル状物を得た。
上記の操作にて得たゲル状物を、内容積120mLのステンレス鋼製オートクレーブ反応器に移し、150℃のオーブン中で60時間、約60rpmの回転速度でオートクレーブ反応器をタンブリング装置上で回転させ、水熱合成反応を行った。反応終了後、反応器を冷却後開放し、60℃の乾燥器中で一夜乾燥して、Si/Al比が45であるZSM−22を得た。
<有機テンプレートを含有するZSM−22のイオン交換>
上記で得られたZSM−22について、以下の操作によりアンモニウムイオンを含む水溶液でイオン交換処理を行った。
上記にて得られたZSM−22をフラスコ中に取り、ZSM−22ゼオライト1g当り100mLの0.5N−塩化アンモニウム水溶液を加え、6時間加熱環流した。これを室温まで冷却した後、上澄み液を除去し、結晶性アルミノシリケートをイオン交換水で洗浄した。ここに、上記と同量の0.5N−塩化アンモニウム水溶液を再び加え、12時間加熱環流した。
その後、固形分をろ過により採取し、イオン交換水で洗浄し、60℃の乾燥器中で一晩乾燥して、イオン交換されたNH型ZSM−22を得た。このZSM−22は、有機テンプレートを含んだ状態でイオン交換されたものである。
<バインダー配合、成型、焼成>
上記で得たNH型ZSM−22と、バインダーであるアルミナとを質量比7:3にて混合し、ここに少量のイオン交換水を添加して混錬した。得られた粘ちょうな流体を押出成型機に充填、成型し、直径約1.6mm、長さ約10mmの円筒状の成型体を得た。この成型体を、N雰囲気下、300℃にて3時間加熱して、担体前駆体を得た。
<白金・パラジウム担持、焼成>
テトラアンミンジニトロ白金[Pt(NH](NO、テトラアンミンパラジウム硝酸塩[Pd(NH](NOを、担体前駆体のあらかじめ測定した吸水量に相当するイオン交換水に溶解して含浸溶液を得た。この溶液を、上記の担体前駆体に初期湿潤法により含浸し、ZSM−22ゼオライトの質量に対して、0.3質量%の白金量、パラジウム量となるように担持を行った。次に、得られた含浸物(触媒前駆体)を60℃の乾燥中で一晩乾燥した後、空気流通下、400℃で3時間焼成して、カーボン量が0.56質量%である水素化異性化触媒DW1を得た。なお、カーボン量は堀場製作所製EMIA−920Vを使用して酸素気流中燃焼―赤外線吸収法で測定した。
更に、得られた水素化異性化触媒DW1の単位質量当りのミクロ細孔容積を以下の方法で算出した。まず、水素化異性化触媒に吸着した水分を除去するため、150℃、5時間の真空排気する前処理を行った。この前処理後の水素化異性化触媒について、日本ベル(株)社製 BELSORP−maxを使用して液体窒素温度(−196℃)で窒素吸着測定を行った。そして、測定された窒素の吸着等温線をt−plot法にて解析し、水素化異性化触媒の単位質量当りのミクロ細孔容積(cm/g)を算出すると、0.057cm/gであった。
[水素化異性化触媒DW2の調製]
<ZSM−22ゼオライトの製造>
まず、下記の4種類の水溶液を調製した。
溶液A:1.94gの水酸化カリウムを6.75mLのイオン交換水に溶解した水溶液。
溶液B:1.33gの硫酸アルミニウム18水塩を5mLのイオン交換水に溶解した水溶液。
溶液C:5.39gの1,8−ジアミノオクタン(有機テンプレート、「1,8−DAO」と略称する)を32.5mLのイオン交換水にて希釈した水溶液。
溶液D:18gのコロイダルシリカ(Grace Davison社製Ludox AS−40)を31mLのイオン交換水にて希釈した水溶液。
次に、溶液Aを溶液Bに加え、アルミニウム成分が完全に溶解するまで攪拌を行った。この混合溶液に溶液Cを加えた後、室温にて激しく攪拌しながら、溶液A、B、Cの混合物を溶液Dに注入した。更に、ここへ結晶化を促進する「種結晶」として、別途合成され、合成後に何ら特別な処理が行われていないZSM−22ゼオライト(1,6−ジアミノヘキサンを有機テンプレートとして水熱合成されたゼオライト)の粉末を0.25g添加し、ゲル状物を得た。
上記の操作にて得たゲル状物を、内容積120mLのステンレス鋼製オートクレーブ反応器に移し、150℃のオーブン中で60時間、約60rpmの回転速度でオートクレーブ反応器をタンブリング装置上で回転させ、水熱合成反応を行った。反応終了後、反応器を冷却後開放し、60℃の乾燥器中で一夜乾燥して、Si/Al比が45であるZSM−22を得た。
<有機テンプレートを含有するZSM−22ゼオライトのイオン交換>
上記で得られたZSM−22ゼオライトについて、以下の操作によりアンモニウムイオンを含む水溶液でイオン交換処理を行った。
上記にて得られたZSM−22ゼオライトをフラスコ中に取り、ZSM−22ゼオライト1g当り100mLの0.5N−塩化アンモニウム水溶液を加え、6時間加熱環流した。これを室温まで冷却した後、上澄み液を除去し、結晶性アルミノシリケートをイオン交換水で洗浄した。ここに、上記と同量の0.5N−塩化アンモニウム水溶液を再び加え、12時間加熱環流した。
その後、固形分をろ過により採取し、イオン交換水で洗浄し、60℃の乾燥器中で一晩乾燥して、イオン交換されたNH型ZSM−22ゼオライトを得た(以下、NH型ZSM−22ゼオライト(1,8−DAO)という)。このZSM−22ゼオライトは、有機テンプレートである1,8−DAOを含んだ状態でイオン交換されたものである。
NH型ZSM−22ゼオライト(1,8−DAO)をイオン交換されたNH型ZSM−22として用いたこと以外は水素化異性化触媒DW1の調製と同様にして、水素化異性化触媒DW2を得た。上記と同様の方法で、水素化異性化触媒DW2のカーボン量及び単位質量当りのミクロ細孔容積を測定したところ、それぞれ0.82質量%及び0.042cm/gであった。
[水素化異性化触媒DW3の調製]
珪酸ナトリウム(Jケイ酸ソーダ3号、SiO:28〜30質量%、Na:9〜10質量%、残部水、日本化学工業(株)製)の1706.1gおよび水の2227.5gからなる溶液(A)と、Al(SO・14〜18HO(試薬特級、和光純薬工業(株)製)の64.2g、テトラプロピルアンモニウムブロマイドの369.2g、HSO(97質量%)の152.1g、NaClの326.6gおよび水の2975.7gからなる溶液(B)をそれぞれ調製した。
次いで、溶液(A)を室温で撹拌しながら、溶液(A)に溶液(B)を徐々に加えた。得られた混合物をミキサーで15分間激しく撹拌し、ゲルを解砕して乳状の均質微細な状態にした。
次いで、この混合物をステンレス製のオートクレーブに入れ、温度を165℃、時間を72時間、撹拌速度を100rpmとする条件で、自己圧力下に結晶化操作を行った。結晶化操作の終了後、生成物を濾過して固体生成物を回収し、約5リットルの脱イオン水を用いて洗浄と濾過を5回繰り返した。濾別して得られた固形物を120℃で乾燥し、さらに空気流通下、550℃で3時間焼成した。
得られた焼成物は、リガク社製のX線回折装置RINT2100を用いて解析した結果、MFI構造を有するものであることが確認された。また、蛍光X線分析(機種名:Rigaku ZSX101e)による、SiO/Al比(モル比)は、64.8であった。また。この結果から計算された格子骨格中に含まれるアルミニウム元素は1.32質量%であった。
次いで、得られた焼成物の1gあたり5mlの割合で、30質量%硝酸アンモニウム水溶液を加え、100℃で2時間加熱、撹拌した後、濾過、洗浄した。この操作を4回繰り返した後、120℃で3時間乾燥して、アンモニウム型結晶性アルミノシリケートを得た。その後、780℃で3時間焼成を行い、プロトン型結晶性アルミノシリケートを得た。
次いで、三酸化モリブデン306gと炭酸コバルト68gとを、イオン交換水500mlに懸濁させ、この懸濁液を95℃で5時間液量が減少しないように適当な還流措置を施して加熱した。加熱後の懸濁液にリン酸68gを加えて溶解させ、含浸液を調製した。この含浸液を、得られたプロトン型結晶性アルミノシリケートに、噴霧して含浸させた後、250℃で乾燥し、乾燥後に電気炉にて550℃で1時間焼成して、水素化異性化触媒DW3を得た。水素化異性化触媒DW3の全質量に対するMoOの濃度は22質量%であった。水素化異性化触媒DW3の全質量に対するCoOの濃度は3質量%であった。水素化異性化触媒DW3の全質量に対するPの濃度は3質量%あった。
[水素化仕上げ触媒HF1の調製]
ケイ酸ナトリウム水溶液(濃度29質量%、2350g)をpH4の条件下でゲル化せしめた後、60℃、pH7の条件下で2時間熟成せしめてスラリーを得た。次いで、得られたスラリーに硫酸ジルコニウム(4水和物、350g)を含む水溶液を添加し、更に添加後のスラリーをpH7に調整して、シリカ−ジルコニア複合水酸化物を生成した。これを60℃で30分熟成させた後、硫酸アルミニウム(14水和物、420g)を含む水溶液を加えてpH7に調整し、シリカ−ジルコニア−アルミナ複合水酸化物のスラリーを生成した。このシリカ−ジルコニア−アルミナ複合水酸化物のスラリーをろ過し、洗浄した後、加熱濃縮によって水分を調整した。そして、水分調整後の複合水酸化物を押し出し成型し、更に大気中で110℃、1時間乾燥し、550℃、3時間焼成を行い触媒担体(多孔質担体)を得た。得られた担体中の各構成成分の比率は、酸化物としてアルミナ20質量%、シリカ57質量%、ジルコニア23質量%であった。
この担体に、担体の吸水率に見合う容量になるように濃度を調整したテトラアンミン白金(II)クロライドとテトラアンミンパラジウム(II)クロライドの混合水溶液を用いて、活性金属を常法により含浸させた。そして、大気中で110℃、1時間乾燥し、300℃、2時間焼成を行い、水素化仕上げ触媒HF1を得た。水素化仕上げ触媒HF1における白金、パラジウムの担持量は、それぞれ触媒全体に対して0.3質量%、0.5質量%であった。
[軽油基材の製造]
(実施例1)
水素化異性化触媒DW1を20ml及び水素化仕上げ触媒HF1を10ml充填した反応管(内径20mm)を固定床流通式反応装置に取り付け、図2に示される第3の反応器40と同様の構成を有する反応装置を準備した。その後、前処理として、水素分圧5MPa、反応温度300℃、5時間の条件下で水素還元前処理を実施した。
その後、表2に示す条件下で被処理油1を反応装置に通油して水素化脱蝋処理及び水素化仕上げを実施し、水素化脱蝋油を得た。次に、得られた水素化脱蝋油を、常圧蒸留することにより、表2に示される得率でそれぞれの留分を得た。
脱蝋軽油留分(DWDGO)について、硫黄分濃度、密度、引火点、蒸留性状(T5、T10、T90、T95、低温性能(徐冷CP、CFPP)、酸化安定性として ペトロオキシ誘導期間、飽和分、オレフィン分、全芳香族分、1環芳香族分、2環芳香族分、3環以上芳香族分をそれぞれ測定した。
(実施例2)
水素化仕上げ触媒HF1を充填せず、水素化異性化触媒DW1を30ml充填した反応管を用いたこと以外は実施例1と同様にして、水素化脱蝋処理を実施し、得られた脱蝋軽油留分(DWDGO)について評価した。
(実施例3)
水素化異性化触媒DW1を20ml充填した反応管(内径20mm)及び水素化仕上げ触媒HF1を10ml充填した反応管(内径20mm)を、固定床流通式反応装置に水素化異性化触媒DW1が上流側となるよう直列に取り付け、図1に示される第1の反応器10及び第2の反応器20と同様の構成を有する反応装置を準備した。その後、前処理として、水素分圧5MPa、反応温度300℃、5時間の条件下で各反応管ともに水素還元前処理を実施した。
その後、表2に示す条件下で、各反応管温度を個々に制御して、被処理油1を反応装置に通油して水素化脱蝋処理及び水素化仕上げを実施し、水素化脱蝋油を得た。次に、得られた水素化脱蝋油を、常圧蒸留することにより、表2に示される得率でそれぞれの留分を得、得られた脱蝋軽油留分(DWDGO)について評価した。
(実施例4)
水素化異性化触媒DW1に代えて水素化異性化触媒DW2を用い、表2に示す条件下で被処理油1を反応装置に通油したこと以外は実施例2と同様にして、水素化脱蝋処理を実施し、得られた脱蝋軽油留分(DWDGO)について評価した。
(実施例5)
水素化異性化触媒DW1に代えて水素化異性化触媒DW2を用い、表3に示す条件下で被処理油1を反応装置に通油したこと以外は実施例1と同様にして、水素化脱蝋処理及び水素化仕上げを実施し、得られた脱蝋軽油留分(DWDGO)について評価した。
(実施例6)
表3に示す条件下で被処理油1を反応装置に通油したこと以外は実施例5と同様にして、水素化脱蝋処理及び水素化仕上げを実施し、得られた脱蝋軽油留分(DWDGO)について評価した。
(実施例7)
水素化異性化触媒DW1に代えて水素化異性化触媒DW2を用い、被処理油1に代えて被処理油3を表3に示す条件下で通油させたこと以外は実施例5と同様にして、水素化脱蝋処理及び水素化仕上げを実施し、得られた脱蝋軽油留分(DWDGO)について評価した。
(実施例8)
水素化異性化触媒DW1に代えて水素化異性化触媒DW2を用い、表3に示す条件下で被処理油1を反応装置に通油したこと以外は実施例3と同様にして、水素化脱蝋処理及び水素化仕上げを実施し、得られた脱蝋軽油留分(DWDGO)について評価した。
(比較例1)
水素化異性化触媒DW1に代えて水素化異性化触媒DW3を用い、表4に示す条件下で被処理油1を反応装置に通油したこと以外は実施例2と同様にして、水素化脱蝋処理を実施し、得られた脱蝋軽油留分(DWDGO)について評価した。
(比較例2)
表4に示す条件下で通油させたこと以外は実施例5と同様にして、水素化脱蝋処理及び水素化仕上げを実施し、得られた脱蝋軽油留分(DWDGO)について評価した。
(比較例3)
表4に示す条件下で通油させたこと以外は実施例5と同様にして、水素化脱蝋処理及び水素化仕上げを実施し、得られた脱蝋軽油留分(DWDGO)について評価した。
(比較例4)
被処理油1に代えて被処理油2を表5に示す条件下で通油させたこと以外は実施例5と同様にして、水素化脱蝋処理及び水素化仕上げを実施し、得られた脱蝋軽油留分(DWDGO)について評価した。なお、比較例4においては、硫黄濃度が50質量ppm超の被処理油の使用により脱蝋反応性が低下したので、反応温度を360℃に設定して、同様の総得率を得た。
(比較例5)
表5に示す条件下で通油させたこと以外は実施例5と同様にして、水素化脱蝋処理及び水素化仕上げを実施し、得られた脱蝋軽油留分(DWDGO)について評価した。
Figure 2015168688

Figure 2015168688

Figure 2015168688

Figure 2015168688

1…水素化異性化触媒、2…水素化仕上げ触媒、10…第1の反応器、20…第2の反応器、30…蒸留塔、40…第3の反応器、100,110…軽油基材製造装置。

Claims (6)

  1. 直留軽油(R−LGO)及び/又は接触分解軽油(LCO)が含まれる炭化水素原料油を水素化脱硫して得られる、硫黄分濃度が50質量ppm以下である被処理油を、10員環1次元細孔ゼオライトを含む担体と該担体に担持された白金及び/又はパラジウムとを有する水素化異性化触媒に、水素存在下、反応温度280℃〜350℃、液空間速度0.5h−1〜3.0h−1、水素分圧2MPa〜8MPa、水素/油比150NL/L〜850NL/Lの条件で接触させる工程を備え、
    前記被処理油から、硫黄分濃度が10質量ppm以下且つペトロオキシ誘導期間が60分以上である軽油基材を得る、軽油基材の製造方法。
  2. 前記炭化水素原料油が直留軽油及び接触分解軽油を含む、請求項1に記載の軽油基材の製造方法。
  3. 前記水素化異性化触媒のカーボン量が0.4〜3.5質量%である、請求項1又は2に記載の軽油基材の製造方法。
  4. 前記水素化異性化触媒の単位質量あたりのミクロ細孔容積が0.02〜0.12cm/gである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の軽油基材の製造方法。
  5. 前記被処理油を、前記水素化異性化触媒に接触させた後、水素化仕上げ触媒に接触させる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の軽油基材の製造方法。
  6. 同一の反応器に充填された前記水素化異性化触媒及び前記水素化仕上げ触媒に、前記被処理油を接触させる、請求項5に記載の軽油基材の製造方法。
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