JP2015168339A - 異常状態検出装置及び異常状態検出プログラム - Google Patents

異常状態検出装置及び異常状態検出プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】簡単な構成で乗務員の異常状態を容易に検出し安全性を向上させることができる異常状態検出装置及び異常状態検出プログラムを提供する。
【解決手段】状態変化検出装置5は、乗務員Mが着席する座席4Aの前後方向及び左右方向の傾斜を検出する。異常状態検出装置6は、乗務員Mを支持する座席4Aの傾斜角度に基づいて乗務員Mの異常状態を検出し、乗務員Mが業務を継続不可能であると判断したときには、警告を発生して乗務員Mの異常状態を知らせるとともに車両を安全に停止させる。異常状態判定部14は、状態変化検出装置5の検出結果に基づいて、乗務員Mの異常状態を判定する。異常状態判定部14は、座席4Aの傾斜角度が基準経過時間以上継続して基準傾斜角度を超えたときには、乗務員Mが異常状態であると判定する。
【選択図】図1

Description

この発明は、乗務員の異常状態を検出する異常状態検出装置及び異常状態検出プログラムに関する。
従来、鉄道、自動車又は航空機などの交通機関の乗務員の身体にセンサを貼り付けたり乗務員をカメラで撮影して撮影画像を画像処理したりして、この乗務員の異常状態を検出していた。しかし、乗務員の身体にセンサを貼り付ける場合には、乗務員の身体に外部から刺激が加えられてしまうため侵襲性の問題点があり、乗務員をカメラで撮影する場合には頭部が動いてしまうと乗務員を正確に検出できない問題点があった。このような問題点を解決するために、車両の乗員検出装置が提案されている。
従来の車両の乗員検出装置は、車両の乗員の頭部の左右の目、鼻、口及び左右の耳などの構成要素を撮影する2つのステレオカメラと、この乗員の頭部を複数の異なるポーズで予め撮影したときにこれらの複数の異なる頭部の画像を記憶するデータベースと、2つのステレオカメラが撮影した撮影画像情報とデータベースが記憶する画像情報とを照合して、乗員が存在するか否かを判断するプロセッサなどを備えている(例えば、特許文献1参照)。このような従来の車両の乗員検出装置では、2つのステレオカメラが撮影した撮影画像情報とデータベースが記憶する画像情報とが一致するまでステレオマッチングを繰り返して、乗員の頭部の構成要素の位置を検出することによって、乗員が存在するか否かを検出し、乗員の居眠りや運転能力喪失に対して警報を発している。
特開2009-169958号公報
従来の車両の乗員検出装置では、乗員が存在するか否かを検出するために、この乗員の頭部を複数の異なるポーズで予め撮影しておき、複数の異なる頭部の画像をデータベースに記憶する必要がある。このため、従来の車両の乗員検出装置では、乗員毎に多量の頭部の画像を記憶するだけではなく、頭部の構成要素以外の画像も記憶しており、データベースの容量が大規模になり装置のコストが高くなってしまう問題点がある。また、従来の車両の乗員検出装置では、2つのステレオカメラが撮影した撮影画像情報とデータベースが記憶する画像情報とが一致するまでステレオマッチングを繰り返す必要があり、乗員の頭部の構成要素の位置を簡単に検出することができず、装置が複雑になってしまう問題点がある。
この発明の課題は、簡単な構成で乗務員の異常状態を容易に検出し安全性を向上させることができる異常状態検出装置及び異常状態検出プログラムを提供することである。
この発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
なお、この発明の実施形態に対応する符号を付して説明するが、この実施形態に限定するものではない。
請求項1の発明は、図1、図7及び図12に示すように、乗務員(M)の異常状態を検出する異常状態検出装置であって、前記乗務員を支持する支持体(4A;4B)の状態の変化を検出する状態変化検出装置(5)の検出結果に基づいて、この乗務員の異常状態を判定する異常状態判定部(14;27)を備えることを特徴とする異常状態検出装置(6)である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の異常状態検出装置において、図1及び図2に示すように、前記異常状態判定部(14)は、前記状態変化検出装置が検出する前記乗務員が着席する座席(4A)の前後方向及び/又は左右方向の傾斜に基づいて、この乗務員の異常状態を判定することを特徴とする異常状態検出装置である。
請求項3の発明は、請求項2に記載の異常状態検出装置において、図5に示すように、前記異常状態判定部は、前記座席の傾斜角度(±θFR,±θRL)が所定角度(±θth)を越えているか否かを判定することを特徴とする異常状態検出装置である。
請求項4の発明は、請求項3に記載の異常状態検出装置において、前記異常状態判定部は、前記傾斜角度が所定時間(ΔTth)以上継続して前記所定角度を越えているときには、前記乗務員が異常状態であると判定することを特徴とする異常状態検出装置である。
請求項5の発明は、請求項1に記載の異常状態検出装置において、図7及び図8に示すように、前記異常状態判定部(27)は、前記状態変化検出装置が検出する前記乗務員が着席する座席(4A)の座部(4a)及び/又は背もたれ部(4)の圧力に基づいて、この乗務員の異常状態を判定することを特徴とする異常状態検出装置である。
請求項6の発明は、請求項5に記載の異常状態検出装置において、図10に示すように、前記異常状態判定部は、前記座部及び/又は前記背もたれ部の圧力分布(PS,PB)が所定範囲(Pth)内であるか否かを判定することを特徴とする異常状態検出装置である。
請求項7の発明は、請求項1に記載の異常状態検出装置において、図12及び図13に示すように、前記異常状態判定部は、前記状態変化検出装置が検出する前記乗務員が踏む床部(4B)の圧力に基づいて、この乗務員の異常状態を判定することを特徴とする異常状態検出装置である。
請求項8の発明は、請求項7に記載の異常状態検出装置において、図15に示すように、前記異常状態判定部は、前記床部の圧力分布(PF)が所定範囲(Pth)内であるか否かを判定することを特徴とする異常状態検出装置である。
請求項9の発明は、請求項6又は請求項8に記載の異常状態検出装置において、図10及び図15に示すように、前記異常状態判定部は、前記圧力分布が所定時間(ΔTth)以上継続して前記所定範囲外であるときには、前記乗務員が異常状態であると判定することを特徴とする異常状態検出装置である。
請求項10の発明は、請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の異常状態検出装置において、図1、図7及び図12に示すように、前記乗務員が異常状態であると前記異常状態判定部が判定したときには、ブレーキ装置にブレーキ動作を指令するブレーキ動作指令部(15)を備えることを特徴とする異常状態検出装置である。
請求項11の発明は、請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の異常状態検出装置において、図1、図7及び図12に示すように、前記乗務員が異常状態であると前記異常状態判定部が判定したときには、中央指令装置(20)にこの乗務員の異常状態を送信する異常状態送信部(16)を備えることを特徴とする異常状態検出装置である。
請求項12の発明は、請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の異常状態検出装置において、図1、図7及び図12に示すように、前記乗務員が異常状態であると前記異常状態判定部が判定したときには、この乗務員の異常状態を警告する異常状態警告部(17)を備えることを特徴とする異常状態検出装置である。
請求項13の発明は、図1、図6、図7、図11、図12及び図16に示すように、乗務員(M)の異常状態を検出する異常状態検出プログラムであって、前記乗務員を支持する支持体(6A;6B)の状態の変化を検出する状態変化検出装置(5)の検出結果に基づいて、この乗務員の異常状態を判定する異常状態判定手順(S140〜S160;S340〜S360;S540〜S560)をコンピュータに実行させることを特徴とする異常状態検出プログラムである。
請求項14の発明は、請求項13に記載の異常状態検出プログラムにおいて、図1、図2及び図6に示すように、前記異常状態判定手順は、前記状態変化検出装置が検出する前記乗務員が着席する座席(4A)の前後方向及び/又は左右方向の傾斜に基づいて、この乗務員の異常状態を判定する手順(S140)を含むことを特徴とする異常状態検出プログラムである。
請求項15の発明は、請求項14に記載の異常状態検出プログラムにおいて、図5及び図6に示すように、前記異常状態判定手順は、前記座席の傾斜角度(±θFR,±θRL)が所定角度(±θth)を越えているか否かを判定する手順(S140)を含むことを特徴とする異常状態検出プログラムである。
請求項16の発明は、請求項15に記載の異常状態検出プログラムにおいて、前記異常状態判定手順は、前記傾斜角度が所定時間(ΔTth)以上継続して前記所定角度を越えているときには、前記乗務員が異常状態であると判定する手順(S160)を含むことを特徴とする異常状態検出プログラムである。
請求項17の発明は、請求項13に記載の異常状態検出プログラムにおいて、図7、図8及び図11に示すように、前記異常状態判定手順は、前記状態変化検出装置が検出する前記乗務員が着席する座席(4A)の座部(4a)及び/又は背もたれ部(4b)の圧力に基づいて、この乗務員の異常状態を判定する手順(S340)を含むことを特徴とする異常状態検出プログラムである。
請求項18の発明は、請求項17に記載の異常状態検出プログラムにおいて、前記異常状態判定手順は、前記座部及び/又は前記背もたれ部の圧力分布(PS,PB)が所定範囲(Pth)内であるか否かを判定する手順(S340)を含むことを特徴とする異常状態検出プログラムである。
請求項19の発明は、請求項13に記載の異常状態検出プログラムにおいて、図12、図13及び図16に示すように、前記異常状態判定手順は、前記状態変化検出装置が検出する前記乗務員が踏む床部(6B)の圧力に基づいて、この乗務員の異常状態を判定する手順(S540)を含むことを特徴とする異常状態検出プログラムである。
請求項20の発明は、請求項19に記載の異常状態検出プログラムにおいて、前記異常状態判定手順は、前記床部の圧力分布(PF)が所定範囲(Pth)内であるか否かを判定する手順(S540)を含むことを特徴とする異常状態検出プログラムである。
請求項21の発明は、請求項18又は請求項20に記載の異常状態検出プログラムにおいて、図10、図11、図15及び図16に示すように、前記異常状態判定手順は、前記圧力分布が所定時間(ΔTth)以上継続して前記所定範囲外であるときには、前記乗務員が異常状態であると判定する手順(S360;560)を含むことを特徴とする異常状態検出プログラムである。
請求項22の発明は、請求項13から請求項21までのいずれか1項に記載の異常状態検出プログラムにおいて、図6、図11及び図16に示すように、前記乗務員が異常状態であると前記異常状態判定手順において判定されたときには、ブレーキ装置にブレーキ動作を指令するブレーキ動作指令手順(S170;S370;S570)を含むことを特徴とする異常状態検出プログラムである。
請求項23の発明は、請求項13から請求項22までのいずれか1項に記載の異常状態検出プログラムにおいて、図6、図11及び図16に示すように、前記乗務員が異常状態であると前記異常状態判定手順において判定されたときには、中央指令装置にこの乗務員の異常状態を送信する異常状態送信手順(S180;S380;S580)を含むことを特徴とする異常状態検出プログラムである。
請求項24の発明は、請求項13から請求項23までのいずれか1項に記載の異常状態検出プログラムにおいて、図6、図11及び図16に示すように、
前記乗務員が異常状態であると前記異常状態判定手順において判定されたときには、この乗務員の異常状態を警告する異常状態警告手順(S190;S390;S590)を含むことを特徴とする異常状態検出プログラムである。
この発明によると、簡単な構成で乗務員の異常状態を容易に検出し安全性を向上させることができる。
この発明の第1実施形態に係る異常状態検出装置の構成図である。 この発明の第1実施形態に係る異常状態検出装置によって異常状態が検出される乗務員が着席する座席を模式的に示す斜視図である。 この発明の第1実施形態に係る異常状態検出装置によって異常状態が検出される乗務員が着席する座席の連結部材の構造を模式的に示す断面図であり、(A)は座席が傾斜する前の状態を示す断面図であり、(B)は座席が傾斜した状態を示す断面図である。 この発明の第1実施形態に係る異常状態検出装置によって異常状態が検出される乗務員が着席する座席の状態を示す模式図であり、(A)は乗務員の姿勢が正常の状態であるときの模式図であり、(B)は乗務員の姿勢が前側に傾いた状態であるときの模式図であり、(C)は乗務員の姿勢が後側に傾いた状態であるときの模式図であり、(D)は乗務員の姿勢が右側に傾いた状態であるときの模式図であり、(E)は乗務員の姿勢が左側に傾いた状態であるときの模式図である。 この発明の第1実施形態に係る異常状態検出装置の異常状態判定部の判定動作を説明するためのタイミングチャートである。 この発明の第1実施形態に係る異常状態検出装置の動作を説明するためのフローチャートである。 この発明の第2実施形態に係る異常状態検出装置の構成図である。 この発明の第2実施形態に係る異常状態検出装置によって異常状態が検出される乗務員が着席する座席を模式的に示す斜視図である。 この発明の第2実施形態に係る異常状態検出装置によって異常状態が検出される乗務員が着席する座席の圧力分布を示す模式図であり、(A)は乗務員の姿勢が正常の状態であるときの模式図であり、(B)は乗務員の姿勢が前側に傾いた状態であるときの模式図であり、(C)は乗務員の姿勢が後側に傾いた状態であるときの模式図であり、(D)は乗務員の姿勢が右側に傾いた状態であるときの模式図であり、(E)は乗務員の姿勢が左側に傾いた状態であるときの模式図である。 この発明の第2実施形態に係る異常状態検出装置の異常状態判定部の判定動作を説明するためのタイミングチャートである。 この発明の第2実施形態に係る異常状態検出装置の動作を説明するためのフローチャートである。 この発明の第3実施形態に係る異常状態検出装置の構成図である。 この発明の第3実施形態に係る異常状態検出装置によって異常状態が検出される乗務員が立つ床部を模式的に示す斜視図である。 この発明の第3実施形態に係る異常状態検出装置によって異常状態が検出される乗務員が立つ床部の圧力分布を示す模式図であり、(A)は乗務員の姿勢が通常の状態であるときの模式図であり、(B)は乗務員の姿勢が倒れた状態であるときの模式図である。 この発明の第3実施形態に係る異常状態検出装置の異常状態判定部の判定動作を説明するためのタイミングチャートである。 この発明の第3実施形態に係る異常状態検出装置の動作を説明するためのフローチャートである。
(第1実施形態)
以下、図面を参照して、この発明の第1実施形態について詳しく説明する。
図1に示す乗務員Mは、異常状態検出装置6によって異常状態が検出される検出対象者である。乗務員Mは、例えば、動力発生装置を有する機関車、電動車又は内燃動車などの鉄道車両を操縦するために、この鉄道車両に常務する動力車乗務員(運転士)である。
運転操作装置1は、乗務員Mが車両を運転操作するための装置である。運転操作装置1は、乗務員Mが車両を制御するときに操作する主幹制御器(マスターコントローラ)であり、車両の運転室内の運転台に設置されている。運転操作装置1は、乗務員Mの手動操作によって前後方向にスライドするマスコンハンドル部1aを備えており、ワンハンドルマスコンの場合には速度制御又は加速度制御するときには後方にスライド操作され、ブレーキ制御するときには前方にスライド操作される。
ブレーキ装置2は、車両を制動させる装置である。ブレーキ装置2は、例えば、駆動力発生装置が発生する駆動力をてこの原理によって制輪子に伝達して車両の車輪の踏面又はブレーキディスクに制輪子を押し付け、踏面又はブレーキディスクと制輪子との間に発生する摩擦力によって車輪の回転を抑える基礎ブレーキ装置である。ブレーキ装置2は、制御装置3からの指令に基づいて動作する。
制御装置3は、車両の種々の動作を制御する装置である。制御装置3は、例えば、運転操作装置1のマスコンハンドル部1aを乗務員Mが操作してブレーキ動作させたときには、車輪の踏面又はブレーキディスクに制輪子が押し付けられるようにブレーキ装置2に制動動作を指令する。一方、制御装置3は、例えば、運転操作装置1のマスコンハンドル部1aを乗務員Mが操作してブレーキ解除動作させたときには、車輪の踏面又はブレーキディスクから制輪子が離れるようにブレーキ装置2に緩解動作を指令する。制御装置3には、運転操作装置1及びブレーキ装置2が相互に通信可能なように接続されている。
図1及び図2に示す座席4Aは、乗務員Mが着席するための設備である。座席4Aは、乗務員Mが腰を掛ける腰掛として機能し、車両の運転室内の床部4B上に設置されている。座席4Aは、図1及び図2に示す座部4aと、背もたれ部4bと、図2及び図3に示す支持部材4c〜4fと、図3に示す連結部材4gと、図2及び図3に示す復心部材4hなどを備えている。図1及び図2に示す座部4aは、乗務員Mが着席する座ぶとんであり、背もたれ部4bは乗務員Mの背中をもたせかける背ずりふとんである。座部4a及び背もたれ部4bは、例えば、ポリウレタンフォームなどを発泡させて形成した難燃性の詰物と、この詰物の表面に多層積層によって一体成形された純毛又はナイロンなどの難燃性の表生地と、この詰物の裏面に多層積層によって一体成形された金属板(裏当金)などを備えている。支持部材4cは、座部4aを支持する部材であり、支持部材4dは背もたれ部4bを支持する部材である。支持部材4c,4dは、FRP(繊維強化プラスチック)成形又は金属板プレス成形によってフレーム状に形成されている。支持部材4e,4fは、支持部材4cを支持する部材である。支持部材4e,4fは、金属製のフレーム状の部材であり支柱として機能する。支持部材4e,4fは、図2及び図3に示すように、この支持部材4e,4fの中心軸を回転中心として、支持部材4cと一体となって回転可能なように運転室内の床部4B上に固定されている。
図3に示す連結部材4gは、支持部材4eと支持部材4fを連結する部材である。連結部材4gは、支持部材4fに対して支持部材4eを任意の角度で接合する自在継手である。連結部材4gは、図3に示すように、支持部材4f側の球面状の凸部4iと、この凸部4iと嵌合する支持部材4e側の球面状の凹部4jとを有するボールジョイントである。連結部材4gは、図3(B)に示すように、支持部材4fの中心線に対して支持部材4eの中心線が任意の角度で傾斜するように、支持部材4eと支持部材4fとを連結することによって、図2に示すように前後方向及び左右方向への座席4Aの傾斜を許容している。
図2及び図3に示す復心部材4hは、支持部材4e側の中心線と支持部材4f側の中心線とが一致するように、支持部材4eに復元力を作用させる部材である。復心部材4hは、支持部材4eと支持部材4fとを連結する板ばね4kなどを備えている。復心部材4hは、支持部材4e,4fの周方向に間隔をあけて、支持部材4e,4fの外側に板ばね4kを配置している。復心部材4hは、板ばね4kの一方の端部を支持部材4eの外周面に固定し、板ばね4kの他方の端部を支持部材4fの外周面に固定している。復心部材4hは、図3(A)に示すように、支持部材4e側の中心線と支持部材4f側の中心線とが一致し座席4Aが傾斜していない状態では、支持部材4e,4fの外側に板ばね4kの中央部が僅かに突出するように、この板ばね4kを予め撓ませた状態で支持部材4e,4fに固定されている。復心部材4hは、図3(B)に示すように、支持部材4e側の中心線と支持部材4f側の中心線とが一致せず座席4Aが傾斜している状態では、支持部材4eが傾斜する方向の板ばね4kが外側に撓み、支持部材4eが傾斜する方向とは反対側の板ばね4kが内側に撓む。このため、復心部材4hは、座席4Aが前後方向及び左右方向に傾斜したときには、支持部材4e側の中心線と支持部材4f側の中心線とが一致するように、板ばね4kが弾性変形することによって発生する復元力を支持部材4eに作用させる。
図1〜図3に示す床部4Bは、乗客及び荷物の重量を支える鉄道車両の基本構造部(床構造)である。床部4Bは、鉄道車両の車体の前後の荷重及びねじりに対する強度を負担するとともに、車両内の遮音及び断熱などの機能を備えている。床部4Bは、多層に構成されており表面がエポキシ樹脂などの上塗り材を塗布して形成されている。
図1に示す状態変化検出装置5は、乗務員Mを支持する支持体の状態の変化を検出する装置である。状態変化検出装置5は、乗務員Mを支持する支持体の状態の変化を検出することによってこの乗務員Mの姿勢を検出して、この乗務員Mの姿勢に応じた状態変化検出信号(状態変化検出情報)を異常状態検出装置6の情報入力部7に出力する。状態変化検出装置5は、図2に示すように、乗務員Mが着席する座席4Aの前後方向及び左右方向の傾斜を検出する。状態変化検出装置5は、座席4Aの傾斜角度±θFR,±θRLを検出する加速度センサ又はひずみゲージのような傾斜角度検出部5aを備えており、この傾斜角度検出部5aが座席4Aの傾斜角度±θFR,±θRLに応じた電気信号を出力する。状態変化検出装置5は、傾斜角度検出部5aが加速度センサの場合には支持部材4eの外周面に着脱自在に装着されており、傾斜角度検出部5aがひずみゲージの場合には板ばね4kに着脱自在に装着されている。
図1に示す異常状態検出装置6は、乗務員Mの異常状態を検出する装置である。異常状態検出装置6は、乗務員Mを支持する座席4Aの傾斜角度±θFR,±θRLに基づいて乗務員Mの異常状態を検出する。異常状態検出装置6は、乗務員Mが業務を継続不可能であると判断したときには、警告を発生して乗務員Mの異常状態を知らせるとともに車両を安全に停止させる。異常状態検出装置6は、図1に示すように、情報入力部7と、傾斜角度演算部8と、基準傾斜角度設定部9と、基準傾斜角度情報記憶部10と、経過時間計測部11と、基準経過時間設定部12と、基準経過時間情報記憶部13と、異常状態判定部14と、ブレーキ動作指令部15と、異常状態送信部16と、異常状態警告部17と、プログラム記憶部18と、制御部19などを備えている。異常状態検出装置6は、例えば、パーソナルコンピュータなどによって構成されており、異常状態検出プログラムに従って所定の処理を実行する。
情報入力部7は、種々の情報を入力させる手段である。情報入力部7は、状態変化検出装置5が出力する状態変化検出情報が入力し、この状態変化検出情報を制御部19に出力する。情報入力部7は、状態変化検出装置5と制御部19とを接続してこれらの間で種々の情報を入出力させるインタフェース(I/O)回路である。情報入力部7は、状態変化検出装置5からの出力信号(電気信号)を増幅する増幅回路と、この増幅回路が出力する電気信号(アナログ信号)をディジタル信号に変換するA/D変換回路などを備えている。
傾斜角度演算部8は、状態変化検出装置5の検出結果に基づいて、座席4Aの前後方向及び左右方向の傾斜角度±θFR,±θRLを演算する手段である。傾斜角度演算部8は、情報入力部7が出力する状態変化検出情報に基づいて、座席4Aの前後方向及び左右方向の傾斜角度±θFR,±θRLを演算する。ここで、図2及び図4(B)に示す傾斜角度+θFRは、乗務員M側から見て座席4Aが前側に傾いたときの角度である。図2及び図4(C)に示す傾斜角度−θFRは、乗務員M側から見て座席4Aが後側に傾いたときの角度である。図2及び図4(D)に示す傾斜角度+θRLは、乗務員M側から見て座席4Aが右側に傾いたときの角度である。図2及び図4(D)に示す傾斜角度−θRLは、乗務員M側から見て座席4Aが左側に傾いたときの角度である。傾斜角度演算部8は、例えば、図4(A)に示すように、乗務員Mが通常の姿勢であるときには、座席4Aが床部4Bの床面に対して略平行であり、傾斜角度±θFR,±θRLがゼロであると演算する。傾斜角度演算部8は、例えば、図4(B)に示すように、乗務員Mが突っ伏して前側に傾いた姿勢になって座席4Aが前側に向かって下方に傾斜したときの傾斜角度+θFRを演算する。傾斜角度演算部8は、例えば、図4(C)に示すように、乗務員Mが仰け反り後側に傾いた姿勢になって座席4Aが後側に向かって下方に傾斜したときの傾斜角度−θFRを演算する。傾斜角度演算部8は、例えば、図4(D)に示すように、乗務員Mが右側に倒れ込み右側に傾いた姿勢になって座席4Aが右側に向かって下方に傾斜したときの傾斜角度+θRLを演算する。傾斜角度演算部8は、例えば、図4(E)に示すように、乗務員Mが左側に倒れ込み左側に傾いた姿勢になって座席4Aが左側に向かって下方に傾斜したときの傾斜角度−θRLを演算する。傾斜角度演算部8は、座席4Aの前後方向及び左右方向の傾斜角度±θFR,±θRLの演算結果を傾斜角度信号(傾斜角度情報)として制御部19に出力する。
図1に示す基準傾斜角度設定部9は、乗務員Mが異常状態であるか否かを判定するときの基準傾斜角度±θthを設定する手段である。基準傾斜角度設定部9は、例えば、図4(B)〜(E)に示すように、乗務員Mが異常状態になったときの座席4Aの傾斜角度±θFR,±θRLを、この乗務員Mが異常状態であるか否かを判定するときの判定基準となる基準傾斜角度(しきい値)±θthとして設定する。基準傾斜角度設定部9は、例えば、異常状態検出装置6の管理者が任意の基準傾斜角度±θthを設定するときに、この基準傾斜角度±θthを管理者が入力するための入力装置などである。基準傾斜角度設定部9は、管理者によって設定される基準傾斜角度±θthを基準傾斜角度信号(基準傾斜角度情報)として制御部19に出力する。
図1に示す基準傾斜角度情報記憶部10は、基準傾斜角度設定部9によって設定される基準傾斜角度±θthを基準傾斜角度情報として記憶する手段である。基準傾斜角度情報記憶部10は、例えば、図2及び図4に示す前側の傾斜角度+θFR、後側の傾斜角度−θFR、右側の傾斜角度+θRL及び左側の傾斜角度−θRLにそれぞれ対応する基準傾斜角度情報を記憶するメモリなどである。
図1に示す経過時間計測部11は、座席4Aの傾斜角度±θFR,±θRLが基準傾斜角度θthを超えてからの経過時間ΔTを計測する手段である。経過時間計測部11は、例えば、座席4Aの傾斜角度±θFR,±θRLが基準傾斜角度θthを超えていると異常状態判定部14が判定してからの経過時間ΔTを計測するタイマなどである。経過時間計測部11は、経過時間ΔTの計測結果を経過時間信号(経過時間情報)として制御部19に出力する。
基準経過時間設定部12は、乗務員Mが異常状態であるか否かを判定するときの基準経過時間ΔTthを設定する手段である。基準経過時間設定部12は、乗務員Mが異常状態であるか否かを判定するときの判定基準となる基準経過時間(しきい値)ΔTthとして設定する。基準経過時間設定部12は、基準経過時間ΔTthを短時間に設定すると乗務員Mが一時的に姿勢を変更しただけで異常状態であると誤って判定されてしまう問題点があり、基準経過時間ΔTthを長時間に設定すると乗務員Mが異常状態になっても車両を迅速に停止させることができない問題点がある。このため、基準経過時間設定部12は、基準経過時間ΔTthを十数秒間程度に設定することが好ましい。基準経過時間設定部12は、例えば、異常状態検出装置6の管理者が任意の基準経過時間ΔTthを設定するときに、この基準経過時間ΔTthを管理者が入力するための入力装置などである。基準経過時間設定部12は、管理者によって設定される基準経過時間ΔTthを基準経過時間信号(基準経過時間情報)として制御部19に出力する。
基準経過時間情報記憶部13は、基準経過時間設定部12によって設定される基準経過時間ΔTthを基準経過時間情報として記憶する手段である。基準経過時間情報記憶部13は、例えば、図2及び図4に示す前側の傾斜角度+θFR、後側の傾斜角度−θFR、右側の傾斜角度+θRL及び左側の傾斜角度−θRLにそれぞれ対応する基準傾斜角度情報を記憶するメモリなどである。
図1に示す異常状態判定部14は、状態変化検出装置5の検出結果に基づいて、乗務員Mの異常状態を判定する手段である。異常状態判定部14は、状態変化検出装置5が検出する座席4Aの前後方向及び左右方向の傾斜に基づいて、乗務員Mの異常状態を判定する。異常状態判定部14は、図2及び図4に示す座席4Aの傾斜角度±θFR,±θRLが基準傾斜角度±θthを超えているか否かを判定する。以下では、図5に示すように、乗務員M側から見て右斜め前方にこの乗務員Mが倒れ込んだ場合を例に挙げて説明する。ここで、図5に示す縦軸は座部4a及び背もたれ部4bの傾斜角度±θFR,±θRLであり、横軸は時間である。異常状態判定部14は、例えば、図5に示すように時間T13,T15,T17において座席4Aの傾斜角度±θFR,±θRLが基準傾斜角度±θthを超えたときには、傾斜角度超過信号(傾斜角度超過情報)を制御部19に出力する。
図1に示す異常状態判定部14は、座席4Aの傾斜角度±θFR,±θRLが基準経過時間ΔTth以上継続して基準傾斜角度±θthを超えたときには、乗務員Mが異常状態であると判定する。異常状態判定部14は、例えば、図5に示す時間T17以降のように座席4Aの傾斜角度±θFR,±θRLが基準傾斜角度±θthを超えている経過時間ΔTが基準経過時間ΔTth以上であるときには、乗務員Mが座席4Aに着席後に倒れ込み業務を継続不可能な状態であり、乗務員Mが異常状態であると判定する。一方、異常状態判定部14は、例えば、図5に示す時間T13〜T14,T15〜T16において座席4Aの傾斜角度±θFR,±θRLが基準傾斜角度±θthを超えている時間が基準経過時間ΔTth未満であるときには、乗務員Mが座席4Aに着席後に座席4A上で座り直し一時的に姿勢を変更しているような状態であり、乗務員Mが異常状態ではないと判定する。異常状態判定部14は、乗務員Mが異常状態であると判定したときには、異常状態判定信号(異常状態判定情報)を制御部19に出力する。
図1に示すブレーキ動作指令部15は、乗務員Mが異常状態であると異常状態判定部14が判定したときには、ブレーキ装置2にブレーキ動作を指令する手段である。ブレーキ動作指令部15は、例えば、図5に示すように、乗務員Mが異常状態になる時間T17から基準経過時間ΔTth経過した時間T18において、車両が安全に停止するようにブレーキ装置2にブレーキ動作を指令する。ブレーキ動作指令部15は、乗務員Mが異常状態であると異常状態判定部14が判定したときには、ブレーキ動作指令信号を制御装置3に出力する。
図1に示す異常状態送信部16は、乗務員Mが異常状態であると異常状態判定部14が判定したときには、乗務員Mの異常状態を中央指令装置20に送信する手段である。異常状態送信部16は、例えば、図5に示すように、乗務員Mが異常状態になる時間T17から基準経過時間ΔTth経過した時間T18において、乗務員Mが異常状態であることを中央指令装置20に送信する。異常状態送信部16は、乗務員Mが異常状態であると異常状態判定部14が判定したときには、異常状態判定信号を中央指令装置20に無線で送信する。
図1に示す異常状態警告部17は、乗務員Mが異常状態であると異常状態判定部14が判定したときには、乗務員Mの異常状態を警告する手段である。異常状態警告部17は、例えば、図5に示すように、乗務員Mが異常状態になる時間T17から基準経過時間ΔTth経過した時間T18において、乗務員Mが異常状態であることを警告する。異常状態警告部17は、例えば、乗務員Mが運転士であるときには、列車防護及びブレーキ操作などを行う列車乗務員(車掌)が乗務する鉄道車両の車掌室内に設置されている。異常状態警告部17は、例えば、乗務員Mの異常状態を表示画面上に文字、図形、記号又はこれらの組み合わせによって表示する表示装置又は音声で告知する音声発生装置などである。
図1に示すプログラム記憶部18は、乗務員Mの異常状態を検出する異常状態検出プログラムを記憶する手段である。プログラム記憶部18は、情報記録媒体から読み取った情報提供プログラム又は電気通信回線を通じて取り込まれた情報提供プログラムなどを記憶するメモリなどである。
制御部19は、異常状態検出装置6に関する種々の動作を制御する手段(中央処理部(CPU))である。制御部19は、例えば、情報入力部7が出力する状態検出情報を傾斜角度演算部8に出力したり、傾斜角度演算部8に傾斜角度±θFR,±θRLの演算を指令したり、傾斜角度演算部8が出力する傾斜角度情報を異常状態判定部14に出力したり、基準傾斜角度設定部9が出力する基準傾斜角度情報を基準傾斜角度情報記憶部10に出力したり、基準傾斜角度情報の記憶を基準傾斜角度情報記憶部10に指令したり、基準傾斜角度情報記憶部10から基準傾斜角度情報を読み出して異常状態判定部14に出力したり、経過時間計測部11に経過時間ΔTの計測を指令したり、経過時間計測部11が出力する経過時間情報を異常状態判定部14に出力したり、基準経過時間設定部12が出力する基準経過時間情報を基準経過時間情報記憶部13に出力したり、基準経過時間情報の記憶を基準経過時間情報記憶部13に指令したり、基準経過時間情報記憶部13から基準経過時間情報を読み出して異常状態判定部14に出力したり、傾斜角度±θFR,±θRLが基準傾斜角度±θthを超えているか否かの判定を異常状態判定部14に指令したり、異常状態判定部14が出力する傾斜角度超過情報を経過時間計測部11に出力したり、異常状態判定部14に乗務員Mが異常状態であるか否かの判定を指令したり、異常状態判定部14が出力する異常状態判定情報をブレーキ動作指令部15、異常状態送信部16及び異常状態警告部17に出力したり、ブレーキ動作指令信号の送信をブレーキ動作指令部15に指令したり、異常状態判定信号の送信を異常状態送信部16に指令したり、乗務員Mの異常状態の警告を異常状態警告部17に指令したりする。制御部19は、図1に示すように、情報入力部7、傾斜角度演算部8、基準傾斜角度設定部9、基準傾斜角度情報記憶部10、経過時間計測部11、基準経過時間設定部12、基準経過時間情報記憶部13、異常状態判定部14、ブレーキ動作指令部15、異常状態送信部16、異常状態警告部17及びプログラム記憶部18などが相互に通信可能に接続されている。
図1に示す中央指令装置20は、車両の運行状況を管理する装置である。中央指令装置20は、車両の運行を円滑に進めるための運転指令及び業務指令を行う。中央指令装置20は、例えば、各路線を走行する車両の運転状況を常時把握してダイヤの乱れを正常に戻すために、この各路線の駅又はこの路線を走行する車両に運転整理判断又は伝達業務を指令する。中央指令装置20は、中央制御所などに設置されており、交通機関の運行状況に関する運行管理情報を車両に送信する。中央指令装置20は、異常状態警告部20aなどを備えている。
異常状態警告部20aは、乗務員Mが異常状態であると異常状態判定部14が判定したときには、乗務員Mの異常状態を警告する手段である。異常状態警告部20aは、例えば、図5に示す時間T17において乗務員Mが異常状態になってから基準経過時間ΔTth経過した時間T18において、乗務員Mが異常状態であることを警告する。異常状態警告部20aは、例えば、列車の運転に関する統制権限が与えられている運転指令員が乗務する中央制御所内に設置されている。異常状態警告部20aは、異常状態検出装置6の異常状態警告部17と同一構造であり、乗務員Mの異常状態を表示画面上に表示する表示装置又は音声で告知する音声発生装置などである。
次に、この発明の第1実施形態に係る異常状態検出装置の動作について説明する。
以下では、図1に示す制御部19の動作を中心として説明する。
図6に示すステップ(以下、Sという)100において、図1に示すプログラム記憶部18から異常状態検出プログラムを制御部19が読み込む。車両が運行を開始して異常状態検出装置6に電源装置から電力が供給されて異常状態検出装置6が起動すると、プログラム記憶部18から異常状態検出プログラムを制御部19が読み出して、一連の異常状態検出処理を制御部19が実行する。
S110において、状態変化検出情報が情報入力部7から入力したか否かを制御部19が判断する。例えば、図5に示す時間T12において図2に示す状態変化検出装置5が座席4Aの傾斜角度±θFR,±θRLの検出を開始すると、異常状態検出装置6の情報入力部7に状態変化検出情報を状態変化検出装置5が出力する。状態変化検出情報が情報入力部7から入力したと制御部19が判断したときにはS120に進み、状態変化検出情報が情報入力部7から入力していないと制御部19が判断したときにはS200に進む。
S120において、基準傾斜角度情報記憶部10から基準傾斜角度情報を制御部19が読み込む。基準傾斜角度情報記憶部10から基準傾斜角度情報を制御部19が読み出して、この基準傾斜角度情報を異常状態判定部14に制御部19が出力する。
S130において、基準経過時間情報記憶部13から基準経過時間情報を制御部19が読み込む。基準傾斜角度情報記憶部10から基準経過時間情報を制御部19が読み出して、この基準経過時間情報を異常状態判定部14に制御部19が出力する。
S140において、座席4Aの傾斜角度±θFR,±θRLが基準傾斜角度±θthを超えているか否かの判定を異常状態判定部14に制御部19が指令する。情報入力部7が状態変化検出情報を制御部19に出力すると、この状態変化検出情報を制御部19が異常状態判定部14に出力して、座席4Aの傾斜角度±θFR,±θRLと基準傾斜角度±θthとを異常状態判定部14が比較する。例えば、図5に示す時間T12〜T13,T16〜T17では、座席4Aに着席している乗務員Mが通常の状態である。このような場合には、座席4Aの傾斜角度±θFR,±θRLが基準傾斜角度±θth以下であると異常状態判定部14が判定する。一方、例えば、図5に示す時間T13〜T14,T15〜T16では、座席4Aに着席している乗務員Mが着席姿勢を一時的に変更している。また、時間T17以降では、座席4Aに着席している乗務員Mに何らかの異常が発生している。このような場合には、座席4Aの傾斜角度±θFR,±θRLが基準傾斜角度±θthを超えていると異常状態判定部14が判定する。傾斜角度±θFR,±θRLが基準傾斜角度±θthを超えているときには、傾斜角度超過情報を異常状態判定部14が制御部19に出力する。
S150において、経過時間ΔTの計測を経過時間計測部11に制御部19が指令する。異常状態判定部14から傾斜角度超過情報が制御部19に入力すると、経過時間ΔTの計測を経過時間計測部11に制御部19が指令する。その結果、図5に示す時間T13,T15,T17において経過時間計測部11が経過時間ΔTの計測を開始する。
S160において、経過時間ΔTが基準経過時間ΔTthを超えているか否かの判定を異常状態判定部14に制御部19が指令する。基準経過時間情報を基準経過時間情報記憶部13から制御部19が読み出して、基準経過時間情報を制御部19が異常状態判定部14に出力する。例えば、図5に示す時間T13〜T16では、座席4Aに着席している乗務員Mが着席姿勢を一時的に変更しているため、時間T13,T15から基準経過時間ΔTthを超える前の時間T14,T16において、座席4Aに着席している乗務員Mの姿勢が通常の状態に復帰している。このような場合には、経過時間ΔTと基準経過時間ΔTthとを異常状態判定部14が比較して、経過時間ΔTが基準経過時間ΔTth以下であると異常状態判定部14が判定する。一方、図5に示す時間T17以降では、座席4Aに着席している乗務員Mに何らかの異常が発生しており、時間T17から基準経過時間ΔTthを超えた時間T18においても、乗務員Mの姿勢が通常の状態に復帰せず異常な状態が継続している。このような場合には、経過時間ΔTと基準経過時間ΔTthとを異常状態判定部14が比較して、経過時間ΔTが基準経過時間ΔTthを超えていると異常状態判定部14が判定する。経過時間ΔTが基準経過時間ΔTthを超えているときには、異常状態判定情報を異常状態判定部14が制御部19に出力する。
S170において、ブレーキ動作指令部15にブレーキ動作を制御部19が指令する。異常状態判定情報が異常状態判定部14から制御部19に入力すると、ブレーキ動作指令部15にブレーキ動作を制御部19が指令する。例えば、図5に示す時間T18においてブレーキ動作指令部15がブレーキ動作指令信号を制御装置3に出力し、制御装置3がブレーキ装置2をブレーキ動作させて、ブレーキ装置2が車両を安全に停止させる。
S180において、異常状態送信部16に異常状態判定情報の送信を制御部19が指令する。異常状態判定情報が異常状態判定部14から制御部19に入力すると、異常状態送信部16に異常状態判定情報の送信を制御部19が指令する。その結果、例えば、図5に示す時間T18において異常状態送信部16が異常状態判定信号を中央指令装置20に送信し、中央指令装置20の異常状態警告部17が中央制御所内の運転指令員などに乗務員Mが異常状態であることを告知する。
S190において、異常状態警告部17に乗務員Mの異常状態の警告を制御部19が指令する。異常状態判定情報が異常状態判定部14から制御部19に入力すると、異常状態警告部17に乗務員Mの異常状態の警告を制御部19が指令する。その結果、例えば、図5に示す時間T18において異常状態警告部17が車両内の列車乗務員に乗務員Mが異常状態であることを告知する。
S200において、乗務員Mの異常状態の検出を終了するか否かを制御部19が判断する。車両が運行を終了したと制御部19が判断したときには、一連の異常状態検出処理を制御部19が終了する。一方、車両が運行を継続していると制御部19が判断したときにはS140に戻り、S140以降の異常状態検出処理を制御部19が繰り返す。
この発明の第1実施形態に係る異常状態検出装置及び異常状態検出プログラムには、以下に記載するような効果がある。
(1) この第1実施形態では、乗務員Mを支持する支持体の状態の変化を検出する状態変化検出装置5の検出結果に基づいて、この乗務員Mの異常状態を異常状態判定部14が判定する。このため、乗務員Mが失神などによって業務を正常に継続不可能になったときに、乗務員Mを支持する支持体の状態の変化を検出することによって、乗務員Mの異常状態を簡単に検出し、車両を安全に停止させることができる。
(2) この第1実施形態では、状態変化検出装置5が検出する乗務員Mが着席する座席4Aの前後方向及び左右方向の傾斜に基づいて、乗務員Mの異常状態を異常状態判定部14が判定する。このため、例えば、乗務員Mが倒れ込んだり仰け反ったりして座席4Aが傾いたときに、この座席4Aの傾斜を簡単な構造の状態変化検出装置5によって検出して、乗務員Mの異常状態を容易に判定することができる。
(3) この第1実施形態では、座席4Aの傾斜角度±θFR,±θRLが基準傾斜角度±θthを越えているか否かを異常状態判定部14が判定する。このため、例えば、座席4Aの可動範囲内における任意の傾斜角度±θFR,±θRLを、乗務員Mの異常状態を判定する際のしきい値として設定し、このしきい値を超えたときには乗務員Mが異常状態であると容易に判定することができる。
(4) この第1実施形態では、傾斜角度±θFR,±θRLが基準傾斜角度±θthを基準経過時間ΔTth以上継続して越えているときには、乗務員Mが異常状態であると異常状態判定部14が判定する。このため、例えば、乗務員Mが座席4Aに着席し直して一時的に姿勢を変化させたような場合に、乗務員Mが異常状態であると誤って判定されてしまうのを防ぐことができる。
(5) この第1実施形態では、乗務員Mが異常状態であると異常状態判定部14が判定したときには、ブレーキ装置2にブレーキ動作をブレーキ動作指令部15が指令する。このため、乗務員Mが業務を継続できないような異常な状態になったときに、車両を安全に停止させることができる。
(6) この第1実施形態では、乗務員Mが異常状態であると異常状態判定部14が判定したときには、中央指令装置20にこの乗務員Mの異常状態を異常状態送信部16が送信する。このため、車両の運行を管理する中央制御所内の運転指令員などに乗務員Mが異常状態であることを簡単に知らせることができる。
(7) この第1実施形態では、乗務員Mが異常状態であると異常状態判定部14が判定したときには、この乗務員Mの異常状態を異常状態警告部17が警告する。このため、例えば、乗務員Mが乗務する車両内の車掌などにこの乗務員Mが異常状態であることを簡単に知らせることができる。
(第2実施形態)
以下では、図1〜図5に示す部分と同一の部分については、同一の番号を付して詳細な説明を省略する。
図8に示す座席4Aは、図2に示す座席4Aと異なり、支持部材4eと支持部材4fとが一体に形成されており、この支持部材4e,4fの中心軸を回転中心として、支持部材4cと一体となって回転可能なように運転室内の床部4B上に固定されている。
図7に示す状態変化検出装置5は、図1に示す状態変化検出装置5とは異なり、乗務員Mが着席する座席4Aの座部4a及び背もたれ部4bの圧力を検出する。状態変化検出装置5は、図7及び図8に示すように、座部4a及び背もたれ部4bの圧力分布(座圧分布)PS,PBを検出する圧力センサのような圧力検出部5bを備えている。状態変化検出装置5は、乗務員Mが座席4Aに着席したときに、この乗務員Mの臀部及び背部と圧力検出部5bの検出面とが座部4a及び背もたれ部4bを通じて面接触する。状態変化検出装置5は、圧力検出部5bの検出面に作用する圧力に応じた電気信号を出力する。状態変化検出装置5は、支持部材4c,4dの表面に圧力検出部5bを縦横に複数配列することによって、圧力検出部5bを隙間なく平面状に敷き詰めて形成されており、この圧力検出部5bの表面が座部4a及び背もたれ部4bによって被覆されている。状態変化検出装置5は、各圧力検出部5bに作用する圧力を検出することによって、座部4a及び背もたれ部4bに作用する圧力分布PS,PBを検出可能である。状態変化検出装置5は、各圧力検出部5bに作用する圧力を圧力検出信号(圧力検出情報)として制御部28に出力する。
図7に示す異常状態検出装置6は、図1に示す異常状態検出装置6とは異なり、図9に示すように乗務員Mを支持する座席4Aの座部4a及び背もたれ部4bの圧力分布PS,PBに基づいて乗務員Mの異常状態を検出する。異常状態検出装置6は、図7に示すように、情報入力部7と、ブレーキ動作指令部15と、異常状態送信部16と、異常状態警告部17と、プログラム記憶部18と、圧力分布演算部21と、基準圧力分布設定部22と、基準圧力分布情報記憶部23と、経過時間計測部24と、基準経過時間設定部25と、基準経過時間情報記憶部26と、異常状態判定部27と、制御部28などを備えている。
圧力分布演算部21は、状態変化検出装置5の検出結果に基づいて、乗務員Mが着席する座部4a及び背もたれ部4bの圧力分布PS,PBを演算する手段である。圧力分布演算部21は、情報入力部7が出力する状態変化検出信号(状態変化検出情報)に基づいて、図9に示すような座部4a及び背もたれ部4bの圧力分布PS,PBを演算する。ここで、図9に示す圧力分布PSは、座席4Aの座部4aの圧力分布であり、圧力分布PBは座席4Aの背もたれ部4bの圧力分布である。
圧力分布演算部21は、例えば、図9(A)に示すように、乗務員Mが通常の姿勢であるときには、座部4aの圧力値がこの座部4aの略中央部で高くなるような圧力分布PSを演算するとともに、背もたれ部4bの圧力値がこの背もたれ部4bの略中央部で高くなるような圧力分布PBを演算する。圧力分布演算部21は、例えば、図9(B)に示すように、乗務員Mが突っ伏して前側に傾いた姿勢になったときには、座部4aの中央部よりも前側の圧力値が高くなるような圧力分布PSを演算するとともに、背もたれ部4bの圧力値が略ゼロになるような圧力分布PBを演算する。圧力分布演算部21は、例えば、図9(C)に示すように、乗務員Mが仰け反り後側に傾いた姿勢になったときには、座部4aの中央部よりも後側の圧力値が高くなるような圧力分布PSを演算するとともに、背もたれ部4bの中央部よりも上側の圧力値が高くなるような圧力分布PBを演算する。圧力分布演算部21は、例えば、図9(D)に示すように、乗務員Mが右側に倒れ込み右側に傾いた姿勢になったときには、座部4aの中央部よりも右側の圧力値が高くなるような圧力分布PSを演算するとともに、背もたれ部4bの中央部よりも右側の圧力値も高くなるような圧力分布PBを演算する。圧力分布演算部21は、例えば、図9(E)に示すように、乗務員Mが左側に倒れ込み左側に傾いた姿勢になったときには、座部4aの中央部よりも左側の圧力値が高くなるような圧力分布PSを演算するとともに、背もたれ部4bの中央部よりも左側の圧力値が高くなるような圧力分布PBを演算する。圧力分布演算部21は、座部4a及び背もたれ部4bの圧力分布PS,PBの演算結果を圧力分布信号(圧力分布情報)として制御部28に出力する。
図7に示す基準圧力分布設定部22は、乗務員Mが異常状態であるか否かを判定するときの基準圧力分布Pthを設定する手段である。基準圧力分布設定部22は、乗務員Mが正常状態であるときの座席4Aの座部4a及び背もたれ部4bの圧力分布PS,PBを、この乗務員Mが異常状態であるか否かを判定するときの判定基準となる基準圧力分布(しきい値)Pthとして設定する。基準圧力分布設定部22は、例えば、異常状態検出装置6の管理者が任意の基準圧力分布Pthを設定するときに、この基準圧力分布Pthを管理者が入力するための入力装置などである。基準圧力分布設定部22は、例えば、図10に示すように、乗務員Mが僅かに姿勢変更しただけで異常状態であると誤判定されるのを防止するために、乗務員Mの姿勢が正常な状態であるときの座部4a及び背もたれ部4bの圧力分布PS,PBよりも僅かに広い圧力分布を基準圧力分布Pthとして設定する。基準圧力分布設定部22は、管理者によって設定される基準圧力分布Pthを基準圧力分布信号(基準圧力分布情報)として制御部28に出力する。
図7に示す基準圧力分布情報記憶部23は、基準圧力分布設定部22によって設定される基準圧力分布Pthを基準圧力分布情報として記憶する手段である。基準圧力分布情報記憶部23は、例えば、座部4a側の圧力分布PS及び背もたれ部4b側の圧力分布PBにそれぞれ対応する基準圧力分布情報を記憶するメモリなどである。
経過時間計測部24は、座席4Aの座部4a及び背もたれ部4bの圧力分布PS,PBが基準圧力分布Pth外になってからの経過時間ΔTを計測する手段である。経過時間計測部24は、例えば、座部4a及び背もたれ部4bの圧力分布PS,PBが基準圧力分布Pth外であると異常状態判定部27が判定してから、座部4a及び背もたれ部4bの圧力分布PS,PBが基準圧力分布Pth内であると異常状態判定部27が判定するまでの経過時間ΔTを計測するタイマなどである。経過時間計測部24は、経過時間ΔTの計測結果を経過時間信号(経過時間情報)として制御部28に出力する。
基準経過時間設定部25は、乗務員Mが異常状態であるか否かを判定するときの基準経過時間ΔTthを設定する手段である。基準経過時間設定部25は、乗務員Mが異常状態であるか否かを判定するときの判定基準となる基準経過時間(しきい値)ΔTthとして設定する。基準経過時間設定部25は、例えば、異常状態検出装置6の管理者が任意の基準経過時間ΔTthを設定するときに、この基準経過時間ΔTthを管理者が入力するための入力装置などである。基準経過時間設定部25は、図1に示す基準経過時間設定部12と同様に、基準経過時間ΔTthを十数秒間程度に設定することが好ましい。基準経過時間設定部25は、管理者によって設定される基準経過時間ΔTthを基準経過時間信号(基準経過時間情報)として制御部28に出力する。
基準経過時間情報記憶部26は、基準経過時間設定部25によって設定される基準経過時間ΔTthを基準経過時間情報として記憶する手段である。基準経過時間情報記憶部26は、例えば、座部4a側の圧力分布PS及び背もたれ部4b側の圧力分布PBにそれぞれ対応する基準経過時間情報を記憶するメモリなどである。
異常状態判定部27は、状態変化検出装置5の検出結果に基づいて、乗務員Mの異常状態を判定する手段である。異常状態判定部27は、状態変化検出装置5が検出する座席4Aの座部4a及び背もたれ部4bの圧力に基づいて、乗務員Mの異常状態を判定する。以下では、図10に示すように、乗務員M側から見て右斜め前方にこの乗務員Mが倒れ込んだ場合を例に挙げて説明する。ここで、図10に示す縦軸は座部4a上及び背もたれ部4b上の位置であり、横軸は時間である。異常状態判定部27は、図10に示すように、座部4a及び背もたれ部4bの圧力分布PS,PBが基準圧力分布Pth内であるか否かを判定する。異常状態判定部27は、例えば、図10に示すように時間T23,T24,T25において座部4a及び背もたれ部4bの圧力分布PS,PBが基準圧力分布Pth外になったときには、圧力分布超過信号(圧力分布超過情報)を制御部28に出力する。
図7に示す異常状態判定部27は、座部4a及び背もたれ部4bの圧力分布PS,PBが基準経過時間ΔTth以上継続して基準圧力分布Pth外であるときには、乗務員Mが異常状態であると判定する。異常状態判定部27は、例えば、図10に示す時間T25以降のように座部4a及び背もたれ部4bの圧力分布PS,PBが基準圧力分布Pth外である時間が基準経過時間ΔTth以上であるときには、乗務員Mが座席4Aに着席後に倒れ込み業務を継続不可能な状態であり、乗務員Mが異常状態であると判定する。一方、異常状態判定部27は、例えば、図10に示す時間T23〜T24において座部4a及び背もたれ部4bの圧力分布PS,PBが基準圧力分布Pth外である時間が基準経過時間ΔTth未満であるときには、乗務員Mが座席4Aに着席後に座席4A上で座り直し一時的に姿勢を変更しているような状態であり、乗務員Mが異常状態ではないと判定する。異常状態判定部27は、乗務員Mが異常状態であると判定したときには、異常状態判定信号(異常状態判定情報)を制御部28に出力する。
制御部28は、異常状態検出装置6に関する種々の動作を制御する手段(中央処理部(CPU))である。制御部28は、例えば、情報入力部7が出力する状態変化検出情報を圧力分布演算部21に出力したり、圧力分布演算部21に圧力分布PS,PBの演算を指令したり、圧力分布演算部21が出力する圧力分布情報を異常状態判定部27に出力したり、基準圧力分布設定部22が出力する基準圧力分布情報を基準圧力分布情報記憶部23に出力したり、基準圧力分布情報の記憶を基準圧力分布情報記憶部23に指令したり、基準圧力分布情報記憶部23から基準圧力分布情報を読み出して異常状態判定部27に出力したり、経過時間計測部24に経過時間ΔTの計測を指令したり、経過時間計測部24が出力する経過時間情報を異常状態判定部27に出力したり、基準経過時間設定部25が出力する基準経過時間情報を基準経過時間情報記憶部26に出力したり、基準経過時間情報の記憶を基準経過時間情報記憶部26に指令したり、基準経過時間情報記憶部26から基準経過時間情報を読み出して異常状態判定部27に出力したり、圧力分布PS,PBが基準圧力分布Pthを超えているか否かの判定を異常状態判定部27に指令したり、異常状態判定部27が出力する圧力分布超過情報を経過時間計測部24に出力したり、異常状態判定部27に乗務員Mが異常状態であるか否かの判定を指令したり、異常状態判定部27が出力する異常状態判定情報をブレーキ動作指令部15、異常状態送信部16及び異常状態警告部17に出力したりする。制御部28は、図7に示すように、情報入力部7、ブレーキ動作指令部15、異常状態送信部16、異常状態警告部17、プログラム記憶部18、圧力分布演算部21、基準圧力分布設定部22、基準圧力分布情報記憶部23、経過時間計測部24、基準経過時間設定部25、基準経過時間情報記憶部26及び異常状態判定部27などが相互に通信可能に接続されている。
次に、この発明の第2実施形態に係る異常状態検出装置の動作について説明する。
以下では、図6に示すステップと対応するステップについては、対応する番号を付して詳細な説明を省略する。
図11に示すS300において、図7に示すプログラム記憶部18から異常状態検出プログラムを制御部28が読み込み、S310において状態変化検出情報が情報入力部7から入力したか否かを制御部28が判断する。例えば、図10に示す時間T22において図7に示す状態変化検出装置5が座部4a及び背もたれ部4bの圧力分布PS,PBの検出を開始すると、異常状態検出装置6の情報入力部7に状態変化検出情報を状態変化検出装置5が出力する。状態変化検出情報が情報入力部7から入力したと制御部28が判断したときにはS320に進み、状態変化検出情報が情報入力部7から入力していないと制御部28が判断したときにはS400に進む。
S320において、基準圧力分布情報記憶部23から基準圧力分布情報を制御部28が読み込む。基準圧力分布情報記憶部23から基準圧力分布情報を制御部28が読み出して、この基準圧力分布情報を異常状態判定部27に制御部28が出力する。
S330において、基準経過時間情報記憶部26から基準経過時間情報を制御部28が読み込む。基準圧力分布情報記憶部23から基準経過時間情報を制御部28が読み出して、この基準経過時間情報を異常状態判定部27に制御部28が出力する。
S340において、座部4a及び背もたれ部4bの圧力分布PS,PBが基準圧力分布Pth内であるか否かの判定を異常状態判定部27に制御部28が指令する。情報入力部7が状態変化検出情報を制御部28に出力すると、この状態変化検出情報を制御部28が異常状態判定部27に出力して、座部4a及び背もたれ部4bの圧力分布PS,PBと基準圧力分布Pthとを異常状態判定部27が比較する。例えば、図10に示す時間T22〜T23では、座席4Aに着席している乗務員Mが通常の状態である。このような場合には、座部4a及び背もたれ部4bの圧力分布PS,PBが座部4a及び背もたれ部4bの略中央部に形成されており、圧力分布PS,PBが基準圧力分布Pthと略一致している。このため、圧力分布PS,PBが基準圧力分布Pth内(基準圧力分布Pthの範囲内)であると異常状態判定部27が判定する。一方、例えば、図10に示す時間T23〜T24では、座席4Aに着席している乗務員Mが着席姿勢を一時的に変更している。また、時間T25以降では、座席4Aに着席している乗務員Mに何らかの異常が発生している。このような場合には、座部4a及び背もたれ部4bの圧力分布PS,PBが座部4a及び背もたれ部4bの中央部からずれており、圧力分布PS,PBが基準圧力分布Pthと一致していない。このため、圧力分布PS,PBが基準圧力分布Pth外(基準圧力分布Pthの範囲外)であると異常状態判定部27が判定する。圧力分布PS,PBが基準圧力分布Pth外であるときには、圧力分布超過情報を異常状態判定部27が制御部28に出力する。
S350において、経過時間ΔTの計測を経過時間計測部24に制御部28が指令する。異常状態判定部27から圧力分布超過情報が制御部28に入力すると、この圧力分布超過情報を経過時間計測部24に制御部28が出力する。その結果、図8に示す時間T23,T24,T25において経過時間計測部24が経過時間ΔTの計測を開始する。
S360において、経過時間ΔTが基準経過時間ΔTthを超えているか否かの判定を異常状態判定部27に制御部28が指令する。基準経過時間情報を基準経過時間情報記憶部26から制御部28が読み出して、基準経過時間情報を制御部28が異常状態判定部27に出力する。例えば、図10に示す時間T23,T24では、座席4Aに着席している乗務員Mが着席姿勢を一時的に変更しているため、時間T23,T24から基準経過時間ΔTthを超える前に、座席4Aに着席している乗務員Mの姿勢が通常の状態に復帰している。このような場合には、経過時間ΔTと基準経過時間ΔTthとを異常状態判定部27が比較して、経過時間ΔTが基準経過時間ΔTth以下であると異常状態判定部27が判定する。一方、図10に示す時間T25以降では、座席4Aに着席している乗務員Mに何らかの異常が発生しており、時間T25から基準経過時間ΔTthを超えた時間T26においても乗務員Mの姿勢が通常の状態に復帰せず異常な状態が継続している。このような場合には、経過時間ΔTと基準経過時間ΔTthとを異常状態判定部27が比較して、経過時間ΔTが基準経過時間ΔTthを超えていると異常状態判定部27が判定する。経過時間ΔTが基準経過時間ΔTthを超えているときには、異常状態判定情報を異常状態判定部27が制御部28に出力する。
S370において、ブレーキ動作指令部15にブレーキ動作を制御部28が指令する。例えば、図10に示す時間T25から基準経過時間ΔTth経過した時間T26において、乗務員Mが異常状態であると異常状態判定部27が判定して、車両が安全に停止するようにブレーキ動作指令部15がブレーキ動作指令信号を制御装置3に出力する。その結果、制御装置3がブレーキ装置2をブレーキ動作させて、ブレーキ装置2が車両を安全に停止させる。
S380において、異常状態送信部16に異常状態判定情報の送信を制御部28が指令する。例えば、図10に示す時間T25から基準経過時間ΔTth経過した時間T26において、乗務員Mが異常状態であると異常状態判定部27が判定し、異常状態送信部16が異常状態判定信号を中央指令装置20に送信する。その結果、中央指令装置20の異常状態警告部17が中央制御所内の運転指令員などに乗務員Mが異常状態であることを告知する。
S390において、異常状態警告部17に乗務員Mの異常状態の警告を制御部28が指令する。例えば、図10に示す時間T25から基準経過時間ΔTth経過した時間T26において、異常状態警告部17が車両内の列車乗務員に乗務員Mが異常状態であることを警告する。
この発明の第2実施形態に係る異常状態検出装置及び異常状態検出プログラムには、第1実施形態の効果に加えて、以下に記載するような効果がある。
(1) この第2実施形態では、状態変化検出装置5が検出する乗務員Mが着席する座席4Aの座部4a及び背もたれ部4bの圧力に基づいて、乗務員Mの異常状態を異常状態判定部27が判定する。このため、例えば、乗務員Mが倒れ込んだり仰け反ったりして座部4a及び背もたれ部4bの圧力が変化したときに、座部4a及び背もたれ部4bの圧力を簡単な構造の状態変化検出装置5によって検出して、乗務員Mの異常状態を容易に判定することができる。
(2) この第2実施形態では、座部4a及び背もたれ部4bの圧力分布PS,PBが基準圧力分布Pthを超えているか否かを異常状態判定部27が判定する。このため、例えば、乗務員Mが正常な状態で座席4Aに着席しているときの座部4a及び背もたれ部4bの圧力分布PS,PBを、乗務員Mの異常状態を判定する際のしきい値として設定し、このしきい値を超えたときには乗務員Mが異常状態であると容易に判定することができる。
(3) この第2実施形態では、圧力分布PS,PBが基準圧力分布Pthを基準経過時間ΔTth以上継続して越えているときには、乗務員Mが異常状態であると異常状態判定部27が判定する。このため、例えば、乗務員Mが座席4Aに着席し直して一時的に姿勢を変化させたような場合に、乗務員Mが異常状態であると誤って判定されてしまうのを防ぐことができる。
(第3実施形態)
図12に示す乗務員Mは、例えば、鉄道車両のドアの開閉を操作するために、この鉄道車両に常務する列車乗務員(車掌)である。戸閉め装置29は、鉄道車両のドアを開閉する装置である。戸閉め装置29は、鉄道車両のドアを開閉するときに乗務員Mが操作する戸閉め操作部(車掌スイッチ)29aを備えている。戸閉め装置29は、戸閉め操作部(車掌スイッチ)29aが乗務員Mに操作されると戸閉め機械がドアを開閉駆動し、戸閉めスイッチがドアの閉鎖を検出すると車両を起動させる戸閉め回路を切断状態から接続状態に戸閉め連動継電器が切り替える。戸閉め装置29は、乗務員Mが乗務する鉄道車両の車掌室内に設置されている。
図12に示す状態変化検出装置5は、図1及び図7に示す状態変化検出装置5とは異なり、乗務員Mが踏む床部4Bの圧力を検出する。図12に示す状態変化検出装置5は、図12及び図13に示すように、床部4Bの圧力分布(足圧分布)PFを検出する圧力検出部5bを備えている。状態変化検出装置5は、乗務員Mが床部4B上に存在するときにこの乗務員Mの足裏部と圧力検出部5bの検出面とが面接触する。状態変化検出装置5は、図13に示すように、床部4Bの表面又は裏面に圧力検出部5bを縦横に複数配列することによって、この複数の圧力検出部5bを隙間なく平面状に敷き詰めて形成されている。状態変化検出装置5は、各圧力検出部5bに作用する圧力を検出することによって、床部4Bに作用する圧力分布PFを検出可能である。
図12に示す圧力分布演算部21は、状態変化検出装置5の検出結果に基づいて、乗務員Mが踏む床部4Bの圧力分布PFを演算する。圧力分布演算部21は、図14に示すように、情報入力部7が出力する状態変化検出信号(状態変化検出情報)に基づいて、床部4Bの圧力分布PFを演算する。圧力分布演算部21は、例えば、図14(A)に示すように、乗務員Mが通常の姿勢であるときには、乗務員Mの足裏部に対応するような圧力分布PFを演算する。圧力分布演算部21は、例えば、図14(B)に示すように、乗務員Mが倒れて寝た姿勢になったときには、乗務員Mの足裏部よりも大きい乗務員Mの全身に相当するような圧力分布PFを演算する。圧力分布演算部21は、床部4Bの圧力分布PFの演算結果を圧力分布信号(圧力分布情報)として制御部28に出力する。
図12に示す基準圧力分布設定部22は、乗務員Mが正常状態であるときの床部4Bの圧力分布PFを、この乗務員Mが異常状態であるか否かを判定するときの判定基準となる基準圧力分布(しきい値)Pthとして設定する。基準圧力分布設定部22は、例えば、図15に示すように、乗務員Mが僅かに姿勢変更しただけで異常状態であると誤判定されるのを防止するために、乗務員Mの姿勢が正常な状態であるときの床部4Bの圧力分布PFよりも僅かに広い圧力分布を基準圧力分布Pthとして設定する。
図12に示す経過時間計測部24は、床部4Bの圧力分布PFが基準圧力分布Pth外になってからの経過時間ΔTを計測する。経過時間計測部24は、例えば、床部4Bの圧力分布PFが基準圧力分布Pth外であると異常状態判定部27が判定してから、床部4Bの圧力分布PFが基準圧力分布Pth内であると異常状態判定部27が判定するまでの経過時間ΔTを計測するタイマなどである。基準経過時間設定部25は、乗務員Mが異常状態であるか否かを判定するときの判定基準となる基準経過時間(しきい値)ΔTthとして設定する。
図12に示す異常状態判定部27は、状態変化検出装置5が検出する乗務員Mが踏む床部4Bの圧力分布PFに基づいて、乗務員Mの異常状態を判定する。異常状態判定部27は、図15に示すように、床部4Bの圧力分布PFが基準圧力分布Pth内であるか否かを判定する。異常状態判定部27は、例えば、図15に示すように時間T33,T34において床部4Bの圧力分布PFが基準圧力分布Pth外になったときには、圧力分布超過信号(圧力分布超過情報)を制御部28に出力する。
異常状態判定部27は、床部4Bの圧力分布PFが基準経過時間ΔTth以上継続して基準圧力分布Pth外であるときには、乗務員Mが異常状態であると判定する。異常状態判定部27は、例えば、図15示す時間T34以降のように床部4Bの圧力分布PFが基準圧力分布Pth外である時間が基準経過時間ΔTth以上であるときには、乗務員Mが床部4B上で倒れ込み業務を継続不可能な状態であり、乗務員Mが異常状態であると判定する。一方、異常状態判定部27は、例えば、図15に示す時間33において床部4Bの圧力分布PFが基準圧力分布Pth外である時間が基準経過時間ΔTth未満であるときには、乗務員Mが床部4B上で膝をつき一時的に姿勢を変更しているような状態であり、乗務員Mが異常状態ではないと判定する。
制御部28は、例えば、圧力分布演算部21に圧力分布PFの演算を指令したり、圧力分布PFが基準圧力分布Pthを超えているか否かの判定を異常状態判定部27に指令したりする。
次に、この発明の第3実施形態に係る異常状態検出装置の動作について説明する。
以下では、図6及び図11に示すステップと対応するステップについては、対応する番号を付して詳細な説明を省略する。
図16に示すS500において、図12に示すプログラム記憶部18から異常状態検出プログラムを制御部28が読み込み、S510において状態変化検出情報が情報入力部7から入力したか否かを制御部28が判断する。例えば、図15に示す時間T31において図12に示す状態変化検出装置5が床部4Bの圧力分布PFの検出を開始すると、異常状態検出装置6の情報入力部7に状態変化検出情報を状態変化検出装置5が出力する。状態変化検出情報が情報入力部7から入力したと制御部28が判断したときにはS520に進み、状態変化検出情報が情報入力部7から入力していないと制御部28が判断したときにはS600に進む。S520において、基準圧力分布情報記憶部23から基準圧力分布情報を制御部28が読み込み、S530において基準経過時間情報記憶部26から基準経過時間情報を制御部28が読み込む。
S540において、床部4Bの圧力分布PFが基準圧力分布Pth内であるか否かの判定を異常状態判定部27に制御部28が指令する。情報入力部7が状態変化検出情報を制御部28に出力すると、この状態変化検出情報を制御部28が異常状態判定部27に出力して、床部4Bの圧力分布PFと基準圧力分布Pthとを異常状態判定部27が比較する。例えば、図15に示す時間T32では、床部4B上に立つ乗務員Mが通常の状態である。このような場合には、床部4Bの圧力分布PFが乗務員Mの足裏部に対応しており、圧力分布PFが基準圧力分布Pthと略一致している。このため、圧力分布PFが基準圧力分布Pth内(基準圧力分布Pthの範囲内)であると異常状態判定部27が判定する。一方、例えば、図15に示す時間T33では、床部4B上に立っていた乗務員Mが一時的に膝をつき乗務員Mが姿勢を一時的に変更している。また、時間T34以降では、床部4B上の乗務員Mに何らかの異常が発生している。このような場合には、床部4Bの圧力分布PFが乗務員Mの足裏部に対応しておらず、圧力分布PFが基準圧力分布Pthと一致していない。このため、圧力分布PFが基準圧力分布Pth外(基準圧力分布Pthの範囲外)であると異常状態判定部27が判定する。圧力分布PFが基準圧力分布Pth外であるときには、圧力分布超過情報を異常状態判定部27が制御部28に出力する。
S550において、経過時間ΔTの計測を経過時間計測部24に制御部28が指令する。その結果、図15に示す時間T33,T34において経過時間計測部24が経過時間ΔTの計測を開始する。
S560において、経過時間ΔTが基準経過時間ΔTthを超えているか否かの判定を異常状態判定部27に制御部28が指令する。例えば、図15に示す時間T33では、床部4B上の乗務員Mが姿勢を一時的に変更しているため、時間T33から基準経過時間ΔTthを超える前に、床部4B上の乗務員Mの姿勢が通常の状態に復帰している。このような場合には、経過時間ΔTと基準経過時間ΔTthとを異常状態判定部27が比較して、経過時間ΔTが基準経過時間ΔTth以下であると異常状態判定部27が判定する。一方、図15に示す時間T34以降では、床部4B上の乗務員Mに何らかの異常が発生しており、時間T34から基準経過時間ΔTthを超えた時間T35においても乗務員Mの姿勢が通常の状態に復帰せず異常な状態が継続している。このような場合には、経過時間ΔTと基準経過時間ΔTthとを異常状態判定部27が比較して、経過時間ΔTが基準経過時間ΔTthを超えていると異常状態判定部27が判定する。
S570において、ブレーキ動作指令部15にブレーキ動作を制御部28が指令する。その結果、例えば、図15に示す時間T34から基準経過時間ΔTth経過した時間T35において、車両が安全に停止するようにブレーキ動作指令部15がブレーキ動作指令信号を制御装置3に出力する。S580において、異常状態送信部16に異常状態判定情報の送信を制御部28が指令する。その結果、例えば、図15に示す時間T34から基準経過時間ΔTth経過した時間T35において、異常状態送信部16が異常状態判定信号を中央指令装置20に送信する。S590において、異常状態警告部17に乗務員Mの異常状態の警告を制御部28が指令する。その結果、例えば、図15に示す時間T34から基準経過時間ΔTth経過した時間T35において、異常状態警告部17が車両内の列車乗務員に乗務員Mが異常状態であることを警告する。
この発明の第3実施形態に係る異常状態検出装置及び異常状態検出プログラムには、第1実施形態〜第2実施形態の効果に加えて、以下に記載するような効果がある。
(1) この第3実施形態では、状態変化検出装置5が検出する乗務員Mが踏む床部4Bの圧力に基づいて、この乗務員Mの異常状態を異常状態判定部27が判定する。このため、例えば、乗務員Mが倒れたりして床部4Bの圧力が変化したときに、この床部4Bの圧力を簡単な構造の状態変化検出装置5によって検出して、乗務員Mの異常状態を容易に判定することができる。
(2) この第3実施形態では、床部4Bの圧力分布PFが基準圧力分布Pth内であるか否かを異常状態判定部27が判定する。このため、例えば、乗務員Mが正常な状態で床部4B上に立位姿勢でいるときの床部4Bの圧力分布PFを、乗務員Mの異常状態を判定する際のしきい値として設定し、このしきい値を超えたときには乗務員Mが異常状態であると容易に判定することができる。
(3) この第3実施形態では、圧力分布PFが基準経過時間ΔTth以上継続して基準圧力分布Pth外であるときには、乗務員Mが異常状態であると異常状態判定部27が判定する。このため、例えば、乗務員Mが床部4B上に膝をついて一時的に姿勢を変化させたような場合に、乗務員Mが異常状態であると誤って判定されてしまうのを防ぐことができる
(他の実施形態)
この発明は、以上説明した実施形態に限定するものではなく、以下に記載するように種々の変形又は変更が可能であり、これらもこの発明の範囲内である。
(1) この実施形態では、鉄道車両の乗務員Mの異常状態を検出する場合を例に挙げて説明したが自動車、航空機又は船舶などの交通機関の乗務員の異常状態を検出する場合についてもこの発明を適用することができる。例えば、航空機の場合に操縦士が異常状態であるときには機内の副操縦士や航空管制司令室の航空管制官などに警告したり、バスやタクシーの場合に運転士が異常状態であるときには運転指令所の司令員などに警告したりすることもできる。また、この実施形態では、ブレーキ動作の指令、異常状態の送信及び異常状態の警告を同一の時間T18,T26,T35に実施する場合を例に挙げて説明したが、異なる時間に実施することもできる。例えば、ブレーキ動作の指令の前に異常状態の警告を実施することもできる。さらに、この実施形態では、傾斜角度±θFR,±θRLが基準経過時間ΔTth以上継続して基準傾斜角度±θthを超えたときや、圧力分布PS,PB,PFが基準経過時間ΔTth以上継続して基準圧力分布Pth外であるときには、乗務員Mが異常状態であると異常状態判定部14,27が判定しているが、このような判定方法に限定するものではない。例えば、ある時間よりも所定時間前の傾斜角度±θFR,±θRL又は圧力分布PS,PB,PFの平均値の偏差に基づいて乗務員Mが異常状態であるか否かを判定したり、傾斜角度±θFR,±θRL又は圧力分布PS,PB,PFが急激な変化に基づいて乗務員Mが異常状態であるか否かを判定したりすることもできる。
(2) この実施形態では、中央指令装置20に異常状態送信部16が乗務員Mの異常状態を送信する場合を例に挙げて説明したが、周辺の列車を緊急停止させるために各列車に搭載されている防護無線装置に乗務員Mの異常状態を無線で送信することもできる。また、この実施形態では、異常状態警告部17が乗務員Mの異常状態を警告する場合を挙げて説明したが、鉄道車両の場合にはパンタグラフを強制的に降下又は信号煙管を点火させたり、自動車の場合にはブレーキ動作と同時にハザードランプを点灯させたりすることもできる。さらに、この第1実施形態及び第2実施形態では、鉄道車両の床面に座席4Aが固定されている場合を例に挙げて説明したが、鉄道車両の側面に座席4Aが固定されている場合についてもこの発明を適用することができる。
(3) この第1実施形態では、座席4Aの前後方向及び左右方向の傾斜に基づいて乗務員Mの異常状態を異常状態判定部14が判定する場合を例に挙げて説明したが、座席4Aの前後方向又は左右方向のいずれか一方の傾斜に基づいて乗務員Mの異常状態を判定することもできる。同様に、この第2実施形態では、座席4Aの座部4a及び背もたれ部4bの圧力に基づいて乗務員Mの異常状態を異常状態判定部27が判定する場合を例に挙げて説明したが、座部4a又は背もたれ部4bのいずれか一方の圧力に基づいて乗務員Mの異常状態を判定することもできる。また、この第2実施形態では、座席4Aの座部4a及び背もたれ部4bの圧力分布PS,PBが基準圧力分布Pth内であるか否かを異常状態判定部27が判定する場合に、圧力分布PS,PBと基準圧力分布Pthとの面積又は形状を比較する例を挙げて説明したが、面積又は形状以外の要素を比較して判定することもできる。
(3) この第3実施形態では、床部4Bの圧力分布PFが基準圧力分布Pth内であるか否かを異常状態判定部27が判定する場合に、圧力分布PFと基準圧力分布Pthとの面積又は形状を比較する例に挙げて説明したが、面積又は形状以外の要素を比較して判定することもできる。また、この第3実施形態では、乗務員Mが車掌である場合を例に挙げて説明したが、乗務員Mが車両を立位姿勢で運転する運転士である場合についても、この発明を適用することができる。
1 運転操作装置
2 ブレーキ装置
3 制御装置
4A 座席(支持体)
4B 床部(支持体)
4a 座部
4b 背もたれ部
5 状態変化検出装置
5a 傾斜角度検出部
5b 圧力検出部
6 異常状態検出装置
7 情報入力部
8 傾斜角度演算部
9 基準傾斜角度設定部
10 基準傾斜角度情報記憶部
11,24 経過時間計測部
12,25 基準経過時間設定部
13,26 基準経過時間情報記憶部
14,27 異常状態判定部
15 ブレーキ動作指令部
16 異常状態送信部
17 異常状態警告部
18 プログラム記憶部
19,28 制御部
20 中央指令装置
20a 異常状態警告部
21 圧力分布演算部
22 基準圧力分布設定部
23 基準圧力分布情報記憶部
29 戸閉め装置
29a 戸閉め操作部
M 乗務員
±θFR,+θRL 傾斜角度
±θth 基準傾斜角度(所定角度)
ΔT 経過時間
ΔTth 基準経過時間(所定時間)
S,PB,PF 圧力分布
th 基準圧力分布(所定範囲)

Claims (24)

  1. 乗務員の異常状態を検出する異常状態検出装置であって、
    前記乗務員を支持する支持体の状態の変化を検出する状態変化検出装置の検出結果に基づいて、この乗務員の異常状態を判定する異常状態判定部を備えること、
    を特徴とする異常状態検出装置。
  2. 請求項1に記載の異常状態検出装置において、
    前記異常状態判定部は、前記状態変化検出装置が検出する前記乗務員が着席する座席の前後方向及び/又は左右方向の傾斜に基づいて、この乗務員の異常状態を判定すること、
    を特徴とする異常状態検出装置。
  3. 請求項2に記載の異常状態検出装置において、
    前記異常状態判定部は、前記座席の傾斜角度が所定角度を越えているか否かを判定すること、
    を特徴とする異常状態検出装置。
  4. 請求項3に記載の異常状態検出装置において、
    前記異常状態判定部は、前記傾斜角度が所定時間以上継続して前記所定角度を越えているときには、前記乗務員が異常状態であると判定すること、
    を特徴とする異常状態検出装置。
  5. 請求項1に記載の異常状態検出装置において、
    前記異常状態判定部は、前記状態変化検出装置が検出する前記乗務員が着席する座席の座部及び/又は背もたれ部の圧力に基づいて、この乗務員の異常状態を判定すること、
    を特徴とする異常状態検出装置。
  6. 請求項5に記載の異常状態検出装置において、
    前記異常状態判定部は、前記座部及び/又は前記背もたれ部の圧力分布が所定範囲内であるか否かを判定すること、
    を特徴とする異常状態検出装置。
  7. 請求項1に記載の異常状態検出装置において、
    前記異常状態判定部は、前記状態変化検出装置が検出する前記乗務員が踏む床部の圧力に基づいて、この乗務員の異常状態を判定すること、
    を特徴とする異常状態検出装置。
  8. 請求項7に記載の異常状態検出装置において、
    前記異常状態判定部は、前記床部の圧力分布が所定範囲内であるか否かを判定すること、
    を特徴とする異常状態検出装置。
  9. 請求項6又は請求項8に記載の異常状態検出装置において、
    前記異常状態判定部は、前記圧力分布が所定時間以上継続して前記所定範囲外であるときには、前記乗務員が異常状態であると判定すること、
    を特徴とする異常状態検出装置。
  10. 請求項1から請求項9までのいずれか1項に記載の異常状態検出装置において、
    前記乗務員が異常状態であると前記異常状態判定部が判定したときには、ブレーキ装置にブレーキ動作を指令するブレーキ動作指令部を備えること、
    を特徴とする異常状態検出装置。
  11. 請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の異常状態検出装置において、
    前記乗務員が異常状態であると前記異常状態判定部が判定したときには、中央指令装置にこの乗務員の異常状態を送信する異常状態送信部を備えること、
    を特徴とする異常状態検出装置。
  12. 請求項1から請求項11までのいずれか1項に記載の異常状態検出装置において、
    前記乗務員が異常状態であると前記異常状態判定部が判定したときには、この乗務員の異常状態を警告する異常状態警告部を備えること、
    を特徴とする異常状態検出装置。
  13. 乗務員の異常状態を検出する異常状態検出プログラムであって、
    前記乗務員を支持する支持体の状態の変化を検出する状態変化検出装置の検出結果に基づいて、この乗務員の異常状態を判定する異常状態判定手順をコンピュータに実行させること、
    を特徴とする異常状態検出プログラム。
  14. 請求項13に記載の異常状態検出プログラムにおいて、
    前記異常状態判定手順は、前記状態変化検出装置が検出する前記乗務員が着席する座席の前後方向及び/又は左右方向の傾斜に基づいて、この乗務員の異常状態を判定する手順を含むこと、
    を特徴とする異常状態検出プログラム。
  15. 請求項14に記載の異常状態検出プログラムにおいて、
    前記異常状態判定手順は、前記座席の傾斜角度が所定角度を越えているか否かを判定する手順を含むこと、
    を特徴とする異常状態検出プログラム。
  16. 請求項15に記載の異常状態検出プログラムにおいて、
    前記異常状態判定手順は、前記傾斜角度が所定時間以上継続して前記所定角度を越えているときには、前記乗務員が異常状態であると判定する手順を含むこと、
    を特徴とする異常状態検出プログラム。
  17. 請求項13に記載の異常状態検出プログラムにおいて、
    前記異常状態判定手順は、前記状態変化検出装置が検出する前記乗務員が着席する座席の座部及び/又は背もたれ部の圧力に基づいて、この乗務員の異常状態を判定する手順を含むこと、
    を特徴とする異常状態検出プログラム。
  18. 請求項17に記載の異常状態検出プログラムにおいて、
    前記異常状態判定手順は、前記座部及び/又は前記背もたれ部の圧力分布が所定範囲内であるか否かを判定する手順を含むこと、
    を特徴とする異常状態検出プログラム。
  19. 請求項13に記載の異常状態検出プログラムにおいて、
    前記異常状態判定手順は、前記状態変化検出装置が検出する前記乗務員が踏む床部の圧力に基づいて、この乗務員の異常状態を判定する手順を含むこと、
    を特徴とする異常状態検出プログラム。
  20. 請求項19に記載の異常状態検出プログラムにおいて、
    前記異常状態判定手順は、前記床部の圧力分布が所定範囲内であるか否かを判定する手順を含むこと、
    を特徴とする異常状態検出プログラム。
  21. 請求項18又は請求項20に記載の異常状態検出プログラムにおいて、
    前記異常状態判定手順は、前記圧力分布が所定時間以上継続して前記所定範囲外であるときには、前記乗務員が異常状態であると判定する手順を含むこと、
    を特徴とする異常状態検出プログラム。
  22. 請求項13から請求項21までのいずれか1項に記載の異常状態検出プログラムにおいて、
    前記乗務員が異常状態であると前記異常状態判定手順において判定されたときには、ブレーキ装置にブレーキ動作を指令するブレーキ動作指令手順を含むこと、
    を特徴とする異常状態検出プログラム。
  23. 請求項13から請求項22までのいずれか1項に記載の異常状態検出プログラムにおいて、
    前記乗務員が異常状態であると前記異常状態判定手順において判定されたときには、中央指令装置にこの乗務員の異常状態を送信する異常状態送信手順を含むこと、
    を特徴とする異常状態検出プログラム。
  24. 請求項13から請求項23までのいずれか1項に記載の異常状態検出プログラムにおいて、
    前記乗務員が異常状態であると前記異常状態判定手順において判定されたときには、この乗務員の異常状態を警告する異常状態警告手順を含むこと、
    を特徴とする異常状態検出プログラム。
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