JP2015168009A - 刃先交換式溝入れ工具 - Google Patents

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Kenji Ishizawa
賢司 石澤
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Abstract

【課題】切削インサートのクランプ強度を向上できる刃先交換式溝入れ工具を提供すること。
【解決手段】インサート保持部材2と、インサート保持部材2をクランプするクランプ部材と、インサート保持部材2の端部から溝入れ方向に切れ刃を突出させて、該インサート保持部材2のインサート取付座3に着脱可能に装着される切削インサート4と、を備え、クランプ部材により、インサート保持部材2の上顎部11における可動部30が高さ方向Hの下方に向けて押圧されたときに、該可動部30が切削インサート4の上面13dのうち幅方向Wの一方側部分を押圧することで、インサート保持部材2に対してこの切削インサート4が、溝入れ方向に沿うインサート軸線C回りに回動させられつつ、該切削インサート4の上面13dのうち幅方向Wの他方側部分が、上顎部11における固定部31を押圧する構成とされたことを特徴とする。
【選択図】図7

Description

本発明は、被削材に溝入れ加工や突切り加工を施す刃先交換式溝入れ工具に関するものである。
従来、円柱状や円筒状の金属材料からなる被削材をその軸線回りに回転させて、被削材の外周面や内周面、又は軸線方向を向く端面などに、切削インサートの切れ刃で溝入れ加工を施したり、突切り加工を施す刃先交換式溝入れ工具が知られている。
例えば、下記特許文献1、2に記載された刃先交換式溝入れ工具は、概略矩形板状をなすインサート保持部材と、インサート保持部材をクランプするクランプ部材と、インサート保持部材の長手方向の端部から溝入れ方向に切れ刃を突出させて、該インサート保持部材のインサート取付座に着脱可能に装着される切削インサートと、を備えている。また切削インサートは、インサート保持部材の上顎部と下顎部との隙間に形成されたインサート取付座に差し入れられた状態で、クランプ部材により上顎部が弾性変形させられることで、該上顎部と下顎部との間にクランプされている。
特許第2902086号公報 特許第4870753号公報
しかしながら、上記従来の刃先交換式溝入れ工具では、切削インサートのクランプ強度を向上することについて、未だ改善の余地があった。
特に従来では、切削加工時に切削インサートに対して、該切削インサートの溝入れ方向に沿うインサート軸線回りや、幅方向(溝入れ方向及び高さ方向に直交する方向)への外力が作用した場合に、切削インサートがぐらつきやすく、クランプ強度を十分に確保することが難しかった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、切削インサートのクランプ強度を向上できる刃先交換式溝入れ工具を提供することを目的としている。
このような課題を解決して、前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提案している。
すなわち、本発明の刃先交換式溝入れ工具は、インサート保持部材と、前記インサート保持部材をクランプするクランプ部材と、前記インサート保持部材の端部から溝入れ方向に切れ刃を突出させて、該インサート保持部材のインサート取付座に着脱可能に装着される切削インサートと、を備え、前記インサート保持部材は、前記溝入れ方向に直交する方向のうち、高さ方向の上方から前記切削インサートに対向配置される上顎部と、前記高さ方向の下方から前記切削インサートに当接する下顎部と、を有し、前記上顎部と前記下顎部との隙間に前記インサート取付座が形成されており、前記上顎部は、前記切削インサートの上面のうち、前記溝入れ方向及び前記高さ方向に直交する幅方向の一方側部分に対向配置される可動部と、前記切削インサートの上面のうち、前記幅方向の他方側部分に対向配置される固定部と、を有し、前記クランプ部材により前記可動部が前記高さ方向の下方に向けて押圧されたときに、該可動部が前記切削インサートの上面のうち前記一方側部分を押圧することで、前記インサート保持部材に対してこの切削インサートが、前記溝入れ方向に沿うインサート軸線回りに回動させられつつ、該切削インサートの上面のうち前記他方側部分が前記固定部を押圧する構成とされたことを特徴とする。
本発明に係る刃先交換式溝入れ工具では、クランプ部材によりインサート保持部材をクランプしたときに、該インサート保持部材の上顎部における可動部が下方に向けて押圧され、該可動部は、切削インサートの上面のうち幅方向の一方側部分を押圧する。前記一方側部分が押圧された切削インサートは、インサート軸線回りに回動させられて、該切削インサートの上面のうち幅方向の他方側部分が、インサート保持部材の上顎部における固定部を押圧する。
これにより、インサート保持部材のインサート取付座に対して、切削インサートが、高さ方向への移動は勿論、インサート軸線回りや幅方向への移動をも規制された状態で強固にクランプされる。
以上より本発明によれば、切削インサートのクランプ強度(クランプ剛性)を向上することができる。
特に従来では、切削加工時に切削インサートに対して、該切削インサートのインサート軸線回りや幅方向への外力が作用した場合に、切削インサートがぐらつきやすく、クランプ強度を十分に確保することが難しかったが、本発明によれば、インサート軸線回りや幅方向への外力が作用した場合においても、切削インサートのクランプ強度を十分に確保できる。
また、本発明の刃先交換式溝入れ工具において、前記可動部が、前記インサート保持部材に着脱可能に装着されることとしてもよい。
この場合、インサート保持部材から上顎部の可動部を取り外した状態で、インサート取付座に対して、切削インサートを装着したり取り外したりすることができるので、切削インサートの着脱容易性が向上する。
ここで、従来の刃先交換式溝入れ工具においては、切削インサートをインサート保持部材のインサート取付座に対して着脱する際、例えば、切削インサートをインサート取付座に軽く差し込んだ状態(インサート取付座の奥面まで突き当てていない状態)で、該切削インサートの刃部(刃先)をハンマー等により打ち込んで装着する方式のものが知られている。しかしながらこの方式では、切削インサートの刃先が欠けてしまったり、切削インサートの着脱操作の際、インサート取付座の上顎部及び下顎部に対して切削インサートが強く擦られることで、該インサート取付座が早期に摩耗したりすることが問題となっていた。
一方、本発明の上記構成によれば、切削インサートをインサート保持部材のインサート取付座に着脱する際に、該切削インサートが、インサート取付座の上顎部や下顎部に対して強く擦られることを防止できるとともに、該インサート取付座の摩耗を抑制することができ、よって切削インサートの取り付け安定性を長期に亘り良好に維持することができる。また、ハンマー等により切削インサートの刃部を打ち込んでインサート取付座に装着する必要はないので、該切削インサートの刃先欠損等を防止できる。
また、本発明の刃先交換式溝入れ工具において、前記切削インサートに対して、前記可動部は、その前記溝入れ方向の端部以外の部分を中心に回動可能であるとともに、前記溝入れ方向の端部で、前記切削インサートを押圧可能に構成されたこととしてもよい。
この場合、可動部が、その溝入れ方向の端部で切削インサートを押圧することから、切削箇所に近い位置で切削インサートをクランプでき、該切削インサートをクランプする強度がより安定して高められることになる。
また、本発明の刃先交換式溝入れ工具において、前記インサート取付座は、前記インサート保持部材における前記幅方向に沿う該インサート保持部材の中心軸回りに180°回転対称となる位置に、一対形成されていることとしてもよい。
この場合、切削インサートを装着するインサート取付座が、インサート保持部材の幅方向に沿う中心軸回りに180°回転対称となる位置に一対設けられているので、例えば、これらインサート取付座を互いに同一形状とした場合には、使用に供されて十分なインサート取り付け精度が得られなくなった古いインサート取付座の代わりに、未使用の新しいインサート取付座を使用することができ、工具寿命を倍増(延長)できる。また、これらインサート取付座を互いに異なる形状とした場合には、刃先交換式溝入れ工具に複数種類の切削インサートを装着可能として、種々の切削加工に容易に対応することができる。
本発明の刃先交換式溝入れ工具によれば、切削インサートのクランプ強度を向上することができる。
本発明の一実施形態に係る刃先交換式溝入れ工具を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る刃先交換式溝入れ工具の分解斜視図である。 刃先交換式溝入れ工具を(a)高さ方向の上方から見た上面図、(b)幅方向の一方側から見た側面図である。 刃先交換式溝入れ工具を溝入れ方向から見た正面図である。 図3のA−A断面を示す図であり、インサート取付座から切削インサートを取り外した状態を表している。 図3のB−B断面を示す図である。 切削インサートのクランプ状態を説明する図である。
以下、本発明の一実施形態に係る刃先交換式溝入れ工具1について、図面を参照して説明する。
本実施形態の刃先交換式溝入れ工具1は、円柱状や円筒状の金属材料からなる被削材をその軸線回りに回転させて、被削材の外周面や内周面、又は軸線方向を向く端面などに、切削インサート4の切れ刃4aで溝入れ加工を施したり、突切り加工を施すものである。
図1〜図4に示されるように、刃先交換式溝入れ工具1は、インサート保持部材2と、インサート保持部材2をクランプするクランプ部材6と、インサート保持部材2の端部から溝入れ方向Laに切れ刃4aを突出させて、該インサート保持部材2のインサート取付座3に着脱可能に装着される切削インサート4と、を備えている。
まず、インサート保持部材2について説明する。
図1において、インサート保持部材2は、上顎部11と、下顎部12と、これら上顎部11及び下顎部12の間に形成されるインサート取付座3と、を備えている。また上顎部11は、インサート保持部材2の可動部30と、固定部31と、により構成されている。インサート保持部材2には、可動部30が着脱可能に装着される凹所5が、インサート取付座3の後方に連なって形成されている。
インサート保持部材2は、概略矩形板状をなしており、具体的にはインサート取付座3及び凹所5を除く概略の外形が矩形板状に形成されていて、その長手方向に沿う端部から、切削インサート4の切れ刃4aが突出させられている。インサート保持部材2は、その厚さ方向を向く一対の矩形面(側面10、概略矩形状をなす面)における長手方向が水平方向に沿うように配置され、該矩形面の短手方向が鉛直方向に沿うように配置された状態で、クランプ部材6を介して不図示の工作機械に装着される。
ここで、本明細書では、インサート保持部材2の長手方向に沿う向きを前後方向Lといい、前後方向Lのうち、インサート保持部材2から切削インサート4の切れ刃4aが突出させられる向きを溝入れ方向La又は前方という。また前後方向Lのうち、溝入れ方向Laとは反対側へ向かう方向を後方という。
また、前後方向L(溝入れ方向La)に直交する方向のうち、インサート保持部材2の前記矩形面(側面10)の短手方向に沿う向きを高さ方向Hといい、インサート保持部材2の厚さ方向に沿う向きを幅方向Wという。ここで、インサート保持部材2に保持された切削インサート4の切れ刃4aに隣接する後述するすくい面は、高さ方向Hのうち一方(図1における上方)を向いており、本明細書では高さ方向Hのうちこのすくい面が向く方向を上方といい、これとは反対側へ向かう方向を下方という。
これらの前後方向L、高さ方向H及び幅方向Wは、互いに直交する向きとなっている。
インサート保持部材2は、高さ方向Hの上方から切削インサート4に対向配置される上顎部11と、高さ方向Hの下方から切削インサート4に当接する下顎部12と、を有している。また、インサート保持部材2における上顎部11と下顎部12との隙間には、インサート取付座3が形成されている。
本実施形態ではインサート取付座3が、インサート保持部材2の前後方向Lの両端部に一対形成されている。具体的にインサート取付座3は、図3(b)に示されるように、インサート保持部材2において幅方向Wに延びる(つまり幅方向Wに沿う)該インサート保持部材2の中心軸O回りに180°回転対称となる位置に、一対形成されている。また、これらインサート取付座3は、後述する可動部30が凹所5に装着された構成(状態)同士、又は可動部30が凹所5から取り外された構成同士において、互いに同一形状とされている。尚、本実施形態では、可動部30が、一対のインサート取付座3のうち溝入れ方向Laの端部に位置するインサート取付座3に隣接する凹所5にのみ装着されており、該可動部30以外のインサート保持部材2の部分は、中心軸O回りに180°回転対称形状とされている。
ただしこれに限定されるものではなく、例えばインサート取付座3は、インサート保持部材2における前後方向Lに沿う前端部(溝入れ方向Laの端部)に1つのみ形成されていてもよい。尚、本明細書では、この前端部に配置されたインサート取付座3について説明し、後端部に配置されたインサート取付座3については、その説明を省略する。
図3(b)に示されるように、インサート取付座3は、インサート保持部材2の前後方向Lに沿う前端部(溝入れ方向Laの端部)における高さ方向Hの上方部分(高さ方向Hに沿う中央よりも上方に位置する部分)に配置されている。インサート取付座3は、溝入れ方向La及び幅方向Wの両側方に開口された切り欠き状の凹部となっており、頂壁3aと、後壁3bと、底壁3cと、を有している。
図示の例では、インサート取付座3における底壁3cと後壁3bとの連結部分には、凹状のぬすみ部が形成されている。また図2において、インサート取付座3の頂壁3aのうち後述する固定部31に位置する部分(頂壁3aにおける幅方向Wの他方側部分)と後壁3bとの連結部分には、凹状のぬすみ部が形成されている。
図5に示される前後方向Lに垂直な断面視(縦断面視)で、インサート取付座3の底壁3cは、上方に向けて凸となるV字状をなしており、頂壁3aは、下方に向けて凸となるV字状をなしている。
具体的に、図5に示される縦断面視で、インサート取付座3の底壁3cは、幅方向Wの両外側の端部から内側(中央)へ向かうに従い漸次上方に向けて傾斜するとともに、互いに鈍角を形成するように交差する一対の傾斜面を有している。またインサート取付座3の頂壁3aは、幅方向Wの両外側の端部から内側(中央)へ向かうに従い漸次下方に向けて傾斜する一対の傾斜面と、これら傾斜面の間に位置して該傾斜面同士を繋ぎ、この頂壁3aの下端に配置されるとともに、高さ方向Hに垂直な平面状に形成された下端面と、を有している。
そして、図1〜図5に示されるように、インサート保持部材2の上顎部11は、切削インサート4の上面のうち、幅方向Wの一方側部分(図4及び図5における右側部分)に対向配置される可動部30と、切削インサート4の上面のうち、幅方向Wの他方側部分(図4及び図5における左側部分)に対向配置される固定部31と、を有している。
図2において、インサート保持部材2の上顎部11を構成する可動部30及び固定部31のうち、固定部31は、下顎部12とともにインサート保持部材2に一体に形成されており、該固定部31における切削インサート4の上面に対向する部分は、三角形板状をなしている。また図5において、固定部31の下面31aは、インサート取付座3の頂壁3aのうち幅方向Wの他方側部分に位置する部分を構成しており、詳しくは、上述した傾斜面、及び該傾斜面の下端に連なり高さ方向Hに垂直に形成された下端面のうち、幅方向Wの他方側部分を有している。また固定部31の下面31aは、インサート取付座3の底壁3cのうち幅方向Wの他方側部分に位置する部分(傾斜面)に、その高さ方向Hの上方から対向している。
図2に示されるように、インサート保持部材2における幅方向Wの一方側部分のうち、インサート取付座3の上方から後方にかけての部位は、前後方向Lに長い概略矩形穴状(具体的には後述する半円形状穴部5dを除く概略形状が矩形穴状)に切り欠かれるように形成されており、この部位が、可動部30を収容可能な凹所5となっている。この凹所5に取り外し可能に収容されることで、可動部30は、インサート保持部材2に対して着脱可能に装着されている。
インサート保持部材2の凹所5は、幅方向Wの一方側を向く側面5aと、該側面5aの後端に連なり幅方向Wの一方側に向けて立ち上がるとともに、高さ方向Hに沿うように延びる後面5bと、側面5aの下端に連なり幅方向Wの一方側に向けて立ち上がるとともに、前後方向Lに沿うように延びる底面5cと、該底面5cの後端部に位置して高さ方向Hの下方に向けて窪む半円形状穴部5dと、を有している。
図6に示されるように、インサート保持部材2における凹所5の幅方向Wの深さ(インサート保持部材2の側面10から凹所5の側面5aまでの幅方向Wに沿う長さ)は、インサート保持部材2の幅方向Wに沿う全体厚さの略半分となっている。
図3(b)において、凹所5の底面5cは、前方(溝入れ方向La)に向かうに従い漸次下方に向けて傾斜しており、該底面5cの前端は、インサート取付座3の後壁3bに連なっている。
図3(b)において、凹所5は、インサート保持部材2が中心軸O回りの上下反転対称形状とされているのに対応して、該インサート保持部材2の中心軸O回りに180°回転対称となる位置に、一対形成されている。また、これら凹所5は、互いに同一形状とされている。
尚、インサート保持部材2にインサート取付座3が1つのみ形成された場合には、凹所5もこれに対応して1つだけ形成される。
インサート保持部材2の上面8のうち、インサート取付座3及び凹所5に対応する部分以外の部位は、前後方向Lに垂直な断面視で、高さ方向Hの上方に向けて凸となるV字状をなしている(図2を参照)。またインサート保持部材2の上面8のうち、凹所5に対応する部分(凹所5に幅方向Wに隣り合う部分)は、幅方向Wの外側(他方側の端部)から内側(中央)に向かうに従い漸次上方に向けて傾斜する傾斜面となっている。
図5に示される縦断面視で、インサート保持部材2の下面9は、下方に向けて凸となるV字状をなしている。具体的には図2において、インサート保持部材2の下面9のうち、後端部に位置するインサート取付座3及び凹所5に対応する部分以外の部位が、断面凸V字状に形成されている。
また、インサート保持部材2の幅方向Wを向く一対の側面10は、幅方向Wに垂直な平面状にそれぞれ形成されている。
図2に示されるように、インサート保持部材2の上顎部11を構成する可動部30及び固定部31のうち、可動部30は、凹所5に収容可能な概略矩形板状をなしており、具体的には後述する半円形状板部30fを除く概略の外形が矩形板状に形成されている。可動部30は、インサート保持部材2の一部を構成しつつも、固定部31及び下顎部12とは別体に形成されており、該可動部30における切削インサート4の上面に対向する部分は、三角形板状をなしている。
図2、図3及び図5において、インサート保持部材2の可動部30は、高さ方向Hの下方を向く下面30aと、幅方向Wの他方側を向く側面30bと、幅方向Wの一方側を向く側面30cと、高さ方向Hの上方を向く上面30dと、前後方向Lの後方を向く後面30eと、下面30aの後端部に位置して高さ方向Hの下方に向けて突出する半円形状板部30fと、を有している。
可動部30の下面30aは、インサート取付座3の頂壁3aのうち幅方向Wの一方側部分に位置する部分を構成しており、詳しくは、上述した傾斜面、及び該傾斜面の下端に連なり高さ方向Hに垂直に形成された下端面のうち、幅方向Wの一方側部分を有している。また可動部30の下面30aは、インサート取付座3の底壁3cのうち幅方向Wの一方側部分に位置する部分(傾斜面)に、その高さ方向Hの上方から対向している。
図3(b)において、インサート保持部材2の可動部30の下面30aと、凹所5の底面5cとの間には、隙間が設けられている。可動部30の下面30aは、前後方向Lに沿うように延びており、該下面30aと凹所5の底面5cとの隙間は、溝入れ方向Laに向かうに従い漸次大きくされている。
尚、本実施形態では、図3(b)及び図5に示されるように、可動部30の下面30aのうち、インサート取付座3に対応する前端部では、該下面30aには上記傾斜面が形成されている一方、図3(b)及び図6に示されるように、可動部30の下面30aのうち、インサート取付座3に対応していない後端部では、該下面30aには上記傾斜面が形成されておらず、下面30aは高さ方向Hに垂直な平面状とされている。
図5において、インサート保持部材2の可動部30の一対の側面30b、30cは、幅方向Wに垂直な平面状に形成されている。また側面30cは、インサート保持部材2の側面10(可動部30以外の部位における側面10)に面一とされている。また、図3(a)及び図5において、凹所5に収容された可動部30の側面30bは、該凹所5の側面5aに対して摺動可能に当接している。
図3(b)において、可動部30の後面30eは、高さ方向Hに沿うように延びているとともに、凹所5の後面5bに対向配置されている。
また、可動部30の半円形状板部30fは、凹所5の半円形状穴部5d内に配設されているとともに、該半円形状穴部5dに対して、これら半円形の互いに略一致する曲率半径の中心回りに回転可能とされている。具体的に、半円形状板部30fの凸曲面状をなす外周面と、半円形状穴部5dの凹曲面状をなす内周面とが互いに摺接するようにして、これら外・内周面の曲率半径の中心軸(幅方向Wに沿う中心軸)回りに、凹所5に対して可動部30が回動可能となっている。
これにより、インサート取付座3に装着された切削インサート4に対して、可動部30は、その溝入れ方向Laの端部以外の部分(本実施形態では可動部30の後端部に位置する半円形状板部30f)を中心に回動可能であるとともに、溝入れ方向Laの端部(前端部)で、切削インサート4を押圧可能に構成されている。
また図5において、インサート保持部材2の可動部30の上面30dは、幅方向Wの外側(一方側の端部)から内側(中央)に向かうに従い漸次上方に向けて傾斜する傾斜面となっている。そして凹所5に可動部30が収容されたときに、固定部31の上面8をなす傾斜面と、該上面8に隣接する可動部30の上面30dをなす傾斜面とにより構成される、上顎部11の上面は、図5に示される縦断面視で、上方に向けて凸となるV字状に形成される。
尚、本実施形態では図7(a)に示されるように、クランプ部材6によりインサート保持部材2がクランプされていない状態で、上顎部11の上面のうち、固定部31の上面8に対して、可動部30の上面30dが、上方に向けて若干突出している。
また図6に示されるように、インサート保持部材2における可動部30の幅方向Wに沿う厚さは、インサート保持部材2の幅方向Wに沿う全体厚さの略半分となっており、凹所5の幅方向Wの深さに対して略同一とされている。
次に、切削インサート4について説明する。
切削インサート4は、超硬合金等の硬質材料からなる。図2〜図5に示されるように、切削インサート4は、インサート保持部材2のインサート取付座3に挿入されるとともに、上顎部11と下顎部12との間でクランプされる被クランプ部13と、被クランプ部13より少なくとも溝入れ方向Laに向けて突出する切れ刃4aを有する刃部14と、を備えている。
切削インサート4の被クランプ部13は、概略直方体状をなしており、後面13bと、下面13cと、上面13dと、一対の側面13eと、を有している。切削インサート4がインサート取付座3に取り付けられた状態で、被クランプ部13の後面13b、下面13c、上面13dは、インサート取付座3の後壁3b、底壁3c、頂壁3aにそれぞれ対向配置される。
図5に示される前後方向Lに垂直な断面視で、切削インサート4の被クランプ部13の下面13cは、高さ方向Hの上方に向けて凹となるV字状に形成されている。具体的に、被クランプ部13の下面13cは、インサート取付座3の底壁3cの断面凸V字状に対応した断面凹V字状に形成されており、これらの下面13cと底壁3cとが互いに係合するようになっている。
また、この断面視で、切削インサート4の被クランプ部13の上面13dは、高さ方向Hの下方に向けて凹となるV字状に形成されている。具体的に、被クランプ部13の上面13dは、インサート取付座3の頂壁3aの断面凸V字状に対応した断面凹V字状に形成されており、これらの上面13dと頂壁3aとが互いに係合するようになっている。尚、特に図示していないが、本実施形態では、被クランプ部13の上面13dにおいて断面凹V字を構成する一対の傾斜面が、それぞれ凸曲面状をなしている。
また図7(a)(b)に示されるように、本実施形態では、切削インサート4の被クランプ部13の幅方向Wに沿う大きさが、インサート保持部材2のインサート取付座3の幅方向Wに沿う大きさと略同一にされている。
図2〜図4において、切削インサート4の刃部14は、全体として概略直方体状をなしており、被クランプ部13の前方に連なっている。切削インサート4がインサート取付座3に装着され、被クランプ部13の後面13bがインサート取付座3の後壁3bに当接した状態で、刃部14は、上顎部11よりも前方に配置されている(図3(a)(b)を参照)。
図3(b)において、切削インサート4の刃部14の上面は、該切削インサート4の被クランプ部13の上面13dよりも上方へ向けて突出しており、また前方に向かうに従い漸次上方へ向けて傾斜している。
図3(a)において、刃部14の側面は、被クランプ部13の側面13eよりも幅方向Wの外側へ向けて突出しており、また前方に向かうに従い漸次幅方向Wの外側へ向けて傾斜している。また図4において、刃部14の側面は、その下端から上方に向かうに従い漸次幅方向Wの外側へ向けて傾斜している。
図3(b)において、刃部14の下面は、被クランプ部13の下面13cに面一とされている。図4に示されるように、刃部14の下面は、被クランプ部13の下面13cと同様に断面凹V字状をなしている。
図3(b)において、刃部14の前面は、その下端から上方に向かうに従い漸次前方へ向けて傾斜している。刃部14の前面は、インサート保持部材2の前面よりも前方(溝入れ方向La)に位置している。
図3(a)において、切削インサート4の刃部14の上面には、後方へ向けて開口するコ字状又はU字状をなす切れ刃4aが形成されている。具体的に、切れ刃4aは、刃部14の上面における前端縁に位置して幅方向Wに沿うように延びる正面切れ刃と、刃部14の上面における幅方向Wの両側端縁に位置して前後方向Lに沿うように延びる一対の側方切れ刃と、を有しており、一対の側方切れ刃の前端と、正面切れ刃の両端とが連結されている。
また、刃部14の上面のうち、正面切れ刃の後方に連なる部分、及び、一対の側方切れ刃の幅方向Wの内側に連なる部分は、すくい面とされている。また、刃部14の前面及び一対の側面のうち、切れ刃4aの下方に連なる部分は、逃げ面とされている。
次に、クランプ部材6について説明する。
図1〜図4、及び図6に示されるように、クランプ部材6は、該クランプ部材6の本体部であって直方体状をなすツールブロック18と、ツールブロック18に螺着するクランプネジ19と、クランプネジ19のねじ込み量に応じて該クランプネジ19のネジ軸(ネジの中心軸)方向に沿ってツールブロック18に対して移動可能なクサビ体20と、を備えている。
クランプ部材6において、クランプネジ19及びクサビ体20は、ツールブロック18に前後方向Lに間隔をあけて、複数配設されている。
クランプ部材6のツールブロック18において幅方向Wを向く両側面のうち、一方側を向く側面には、インサート保持部材2を収容可能な収容溝21が、前後方向Lに延びて形成されている。収容溝21は、ツールブロック18を前後方向Lに貫通しているとともに、該ツールブロック18において前後方向Lを向く両端面に開口している。
クランプ部材6のツールブロック18における収容溝21は、幅方向Wの一方側を向く側壁21aと、側壁21aの上端部に連なり下方を向く頂壁21bと、側壁21aの下端部に連なり上方を向く底壁21cと、を有している。
収容溝21の側壁21aは、幅方向Wに垂直な平面状をなしており、インサート保持部材2の一対の側面10のうち、幅方向Wの他方側を向く側面10に当接される。
収容溝21の頂壁21bは、高さ方向Hに垂直な平面状をなしており、インサート保持部材2の上面8(この上面8には、固定部31の上面8及び可動部30の上面30dを含む)との間に若干の間隔をあけて、該上面8に対向配置される。
収容溝21の底壁21cは、幅方向Wに沿って側壁21aから離間するに従い漸次高さ方向Hの上方に向けて傾斜しており、インサート保持部材2の断面凸V字状をなす下面9を構成する一対の傾斜面のうち、側壁21aとは反対側に位置する一方の傾斜面に当接される。
ツールブロック18の上端部には、前後方向Lに間隔をあけて複数の凹部22が形成されている。これら凹部22には、クサビ体20がそれぞれ収容される。図6において、凹部22の底面には、雌ネジ穴が穿設されている。雌ネジ穴のネジ軸は、インサート保持部材2の断面凸V字状をなす上面8を構成する一対の傾斜面のうち、側壁21aとは反対側に位置する一方の傾斜面に対して、垂直に延びている。
クランプ部材6のクランプネジ19は、そのネジ軸に沿う両端部(上端部及び下端部)に、互いに異なるピッチ又は互いに異なるネジの向きとされた、一対の雄ネジ部を備えている。クランプネジ19の一対の雄ネジ部のうち、下端部(下方部分)に設けられた雄ネジ部は、ツールブロック18の凹部22の雌ネジ穴に螺着している。
クランプ部材6のクサビ体20には、クランプネジ19の一対の雄ネジ部のうち、上端部(上方部分)に設けられた雄ネジ部に螺着する雌ネジ孔が穿設されている。また、クサビ体20の下面20aは、前記雌ネジ孔のネジ軸に垂直な平面状をなしており、インサート保持部材2の断面凸V字状をなす上面8を構成する一対の傾斜面のうち、側壁21aとは反対側に位置する一方の傾斜面(可動部30の上面30dを含む)に当接される。
次に、このような構成とされた刃先交換式溝入れ工具1において、切削インサート4を装着する手順について説明する。
まず、インサート保持部材2のインサート取付座3上から、上顎部11のうち可動部30を、凹所5から取り外しておく。そして、可動部30が取り外され上方が半開放状態とされたインサート取付座3に対して、切削インサート4を取り付ける。尚、可動部30を凹所5に取り付けた状態のまま、切削インサート4をインサート取付座3に装着してもよい。
インサート取付座3に切削インサート4を取り付けたら、可動部30を凹所5に装着して、インサート保持部材2をクランプ部材6に取り付けるとともにクランプ可能な状態とする。尚、インサート保持部材2をクランプ部材6に取り付けた状態から、上述のようにインサート取付座3に切削インサート4を装着してもよい。
次いで、図6において、クランプ部材6のクランプネジ19をネジ軸回りに回転させることで、該クランプネジ19のネジ軸方向に沿って、インサート保持部材2に対してクサビ体20を接近移動させる。これにより、クサビ体20の下面20aに当接するインサート保持部材2の上面8(可動部30の上面30dを含む)が、クランプネジ19のネジ軸方向に沿う力Fで押圧される。
クランプ部材6における複数のクランプネジ19のうち、可動部30上に位置するクランプネジ19を操作して生じた力Fは、図7(a)に示されるように、この可動部30の上面30dを下方に向けて押圧する。
この力Fにより可動部30は、インサート保持部材2の凹所5に対して半円形状板部30f及び半円形状穴部5dの曲率半径の中心回りに回動し、図7(a)に符号Dで示される位置において、該可動部30の下面30aが、切削インサート4の被クランプ部13の上面13dを下方に向けて押圧する。
ここで、上顎部11における可動部30の下面30aと、切削インサート4の上面13d(具体的には上面13dのうち、幅方向Wの一方側部分を構成する傾斜面)とが当接する位置は、切削インサート4のインサート軸線Cよりも幅方向Wの一方側に配置されている。
尚、本明細書でいう「インサート軸線C」とは、図7(a)(b)に示される切削インサート4の断面視で、この切削インサート4の中心(幅方向Wの中心かつ高さ方向Hの中心)を通り、該切削インサート4の長手方向(前後方向L(溝入れ方向La)、刃部14と被クランプ部13とが隣り合う方向)に沿って延びる切削インサート4の中心軸である。
そして、クランプ部材6により可動部30が高さ方向Hの下方に向けて押圧されたときに、該可動部30が切削インサート4の上面13dのうち幅方向Wの一方側部分(インサート軸線C(インサート中心)上から偏倚した位置)を押圧することで、インサート保持部材2に対してこの切削インサート4は、インサート軸線C回りに回動させられる。
尚、本明細書でいう「インサート軸線C回りに回動する」とは、切削インサート4のインサート軸線Cを中心として回動する意味を含むのは勿論のこと、該インサート軸線Cを略中心とした回動や、インサート軸線Cから外れた点(インサート軸線C上にない点、インサート軸線C上から偏倚(離間)した点)を中心としつつ該インサート軸線C回りに沿うように回動するという意味をも含んでいる。
具体的には図7(a)において、上顎部11における可動部30が切削インサート4に対して下方移動させられたときに、該可動部30の下面30aにおける傾斜面が、切削インサート4の上面13dのうち幅方向Wの一方側部分に位置する傾斜面を、下方へ向けて押圧し、かつ幅方向Wの外側へ向けて押圧することで、図7(b)に符号f1で示す力が生じる。これにより、切削インサート4をインサート軸線C回りに回転させようとする力(図7(b)に円弧状の矢印で示す力)が生じる。
このように、インサート保持部材2に対して切削インサート4がインサート軸線C回りに回動させられることにより、切削インサート4の上面13dのうち幅方向Wの他方側部分が、上顎部11における固定部31の下面31aに密着しつつ該下面31aを上方へ向けて押圧する。
具体的には、図7(a)に示される符号Eの位置において、切削インサート4の上面13dのうち幅方向Wの他方側部分に位置する傾斜面が、固定部31の下面31aにおける傾斜面を、上方へ向けて押圧し、かつ幅方向Wの内側へ向けて押圧することで、図7(b)に符号f2で示す力が生じる。
これにより、インサート保持部材2のインサート取付座3における上顎部11と下顎部12との間で、切削インサート4は、高さ方向H、幅方向W及びインサート軸線C回りに強固にクランプされることになる。
一方、刃先交換式溝入れ工具1に装着された切削インサート4を取り外すには、上述した装着の手順と逆の手順で行えばよい。
以上説明した本実施形態の刃先交換式溝入れ工具1では、クランプ部材6によりインサート保持部材2をクランプしたときに、該インサート保持部材2の上顎部11における可動部30が下方に向けて押圧され、該可動部30は、切削インサート4の上面13dのうち幅方向Wの一方側部分を押圧する。前記一方側部分が押圧された切削インサート4は、インサート軸線C回りに回動させられて、該切削インサート4の上面13dのうち幅方向Wの他方側部分が、インサート保持部材2の上顎部11における固定部31を押圧する。
これにより、インサート保持部材2のインサート取付座3に対して、切削インサート4が、高さ方向Hへの移動は勿論、インサート軸線C回りや幅方向Wへの移動をも規制された状態で強固にクランプされる。
以上より本実施形態によれば、切削インサート4のクランプ強度(クランプ剛性)を向上することができる。
特に従来では、切削加工時に切削インサートに対して、該切削インサートのインサート軸線回りや幅方向への外力が作用した場合に、切削インサートがぐらつきやすく、クランプ強度を十分に確保することが難しかったが、本実施形態によれば、インサート軸線C回りや幅方向Wへの外力が作用した場合においても、切削インサート4のクランプ強度を十分に確保できる。
また本実施形態では、可動部30が、インサート保持部材2に着脱可能に装着されているので、下記の効果を奏する。
すなわちこの場合、インサート保持部材2から上顎部11の可動部30を取り外した状態で、インサート取付座3に対して、切削インサート4を装着したり取り外したりすることができるので、切削インサート4の着脱容易性が向上する。
ここで、従来の刃先交換式溝入れ工具においては、切削インサートをインサート保持部材のインサート取付座に対して着脱する際、例えば、切削インサートをインサート取付座に軽く差し込んだ状態(インサート取付座の奥面まで突き当てていない状態)で、該切削インサートの刃部(刃先)をハンマー等により打ち込んで装着する方式のものが知られている。しかしながらこの方式では、切削インサートの刃先が欠けてしまったり、切削インサートの着脱操作の際、インサート取付座の上顎部及び下顎部に対して切削インサートが強く擦られることで、該インサート取付座が早期に摩耗したりすることが問題となっていた。
一方、本実施形態の上記構成によれば、切削インサート4をインサート保持部材2のインサート取付座3に着脱する際に、該切削インサート4が、インサート取付座3の上顎部11や下顎部12に対して強く擦られることを防止できるとともに、該インサート取付座3の摩耗を抑制することができ、よって切削インサート4の取り付け安定性を長期に亘り良好に維持することができる。また、ハンマー等により切削インサート4の刃部14を打ち込んでインサート取付座3に装着する必要はないので、該切削インサート4の刃先欠損等を防止できる。
また本実施形態では、切削インサート4に対して、可動部30が、その溝入れ方向Laの端部以外の部分を中心に回動可能であるとともに、溝入れ方向Laの端部で、切削インサート4を押圧可能に構成されているので、下記の効果を奏する。
すなわちこの場合、可動部30が、その溝入れ方向Laの端部で切削インサート4を押圧することから、切削箇所に近い位置で切削インサート4をクランプでき、該切削インサート4をクランプする強度がより安定して高められることになる。
また、切削インサート4を装着するインサート取付座3が、インサート保持部材2の幅方向Wに沿う中心軸O回りに180°回転対称となる位置に一対設けられているので、本実施形態で説明したように、これらインサート取付座3が互いに同一形状とされた場合には、使用に供されて十分なインサート取り付け精度が得られなくなった古いインサート取付座3の代わりに、未使用の新しいインサート取付座3を使用することができ、工具寿命を倍増(延長)できる。尚、これらインサート取付座3を互いに異なる形状とすることも可能であり、この場合、刃先交換式溝入れ工具1に複数種類の切削インサート4を装着可能として、種々の切削加工に容易に対応することができる。
尚、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、前述の実施形態では、可動部30が、インサート保持部材2に着脱可能に装着されるとしたが、これに限定されるものではない。具体的に、可動部30は、インサート保持部材2に着脱不能に連結されていてもよく、或いは一体に形成されていてもよい。尚、可動部30がインサート保持部材2に一体に形成される場合には、例えば、可動部30の後端部が弾性部を介してインサート保持部材2に一体とされて、可動部30が固定部31に対して下方移動可能に構成される。
すなわち本発明においては、クランプ部材6により上顎部11における可動部30が高さ方向Hの下方に向けて押圧されたときに、該可動部30が切削インサート4の上面13dのうち幅方向Wの一方側部分を押圧することで、インサート保持部材2に対してこの切削インサート4がインサート軸線C回りに回動させられつつ、該切削インサート4の上面13dのうち幅方向Wの他方側部分が上顎部11における固定部31を押圧する構成とされていればよく、この発明の主旨を逸脱しない範囲であれば本発明に含まれる。
また前述の実施形態では、インサート保持部材2の凹所5に対して可動部30が、その後端部に位置する半円形状板部30f及び半円形状穴部5dの曲率半径の中心回りに回動して、該可動部30の下面30aのうち少なくとも前端部が、切削インサート4の上面13dを下方に向けて押圧するようになっているが、これに限定されるものではない。すなわち、凹所5に対して可動部30が回動する中心位置は、溝入れ方向Laの端部(前端部)以外の部分であればよく、例えば可動部30の前後方向Lに沿う中央部であってもよい。
また、前述の実施形態で説明したインサート保持部材2の上顎部11を構成する可動部30と固定部31の幅方向Wに沿う位置が、互いに逆の位置であってもよい。すなわち、例えば、図5における左側に可動部30が配置され、右側に固定部31が配置されていてもよい。この場合、「幅方向Wの一方側」が図5における左側となり、「幅方向Wの他方側」が図5における右側となる。
また前述の実施形態では、インサート取付座3が、インサート保持部材2における幅方向Wに沿う該インサート保持部材2の中心軸O回りに180°回転対称となる位置に、一対形成されているとしたが、これに限定されるものではなく、例えば二対以上形成されていてもよい。
その他、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において、前述の実施形態、変形例及び尚書き等で説明した各構成(構成要素)を組み合わせてもよく、また、構成の付加、省略、置換、その他の変更が可能である。また本発明は、前述した実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
1 刃先交換式溝入れ工具
2 インサート保持部材
3 インサート取付座
4 切削インサート
4a 切れ刃
6 クランプ部材
11 上顎部
12 下顎部
13d 上面
30 可動部
31 固定部
C インサート軸線
H 高さ方向
La 溝入れ方向
O 中心軸
W 幅方向

Claims (4)

  1. インサート保持部材と、
    前記インサート保持部材をクランプするクランプ部材と、
    前記インサート保持部材の端部から溝入れ方向に切れ刃を突出させて、該インサート保持部材のインサート取付座に着脱可能に装着される切削インサートと、を備え、
    前記インサート保持部材は、
    前記溝入れ方向に直交する方向のうち、高さ方向の上方から前記切削インサートに対向配置される上顎部と、
    前記高さ方向の下方から前記切削インサートに当接する下顎部と、を有し、前記上顎部と前記下顎部との隙間に前記インサート取付座が形成されており、
    前記上顎部は、
    前記切削インサートの上面のうち、前記溝入れ方向及び前記高さ方向に直交する幅方向の一方側部分に対向配置される可動部と、
    前記切削インサートの上面のうち、前記幅方向の他方側部分に対向配置される固定部と、を有し、
    前記クランプ部材により前記可動部が前記高さ方向の下方に向けて押圧されたときに、該可動部が前記切削インサートの上面のうち前記一方側部分を押圧することで、前記インサート保持部材に対してこの切削インサートが、前記溝入れ方向に沿うインサート軸線回りに回動させられつつ、該切削インサートの上面のうち前記他方側部分が前記固定部を押圧する構成とされたことを特徴とする刃先交換式溝入れ工具。
  2. 請求項1に記載の刃先交換式溝入れ工具であって、
    前記可動部が、前記インサート保持部材に着脱可能に装着されることを特徴とする刃先交換式溝入れ工具。
  3. 請求項1又は2に記載の刃先交換式溝入れ工具であって、
    前記切削インサートに対して、前記可動部は、その前記溝入れ方向の端部以外の部分を中心に回動可能であるとともに、前記溝入れ方向の端部で、前記切削インサートを押圧可能に構成されたことを特徴とする刃先交換式溝入れ工具。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の刃先交換式溝入れ工具であって、
    前記インサート取付座は、前記インサート保持部材における前記幅方向に沿う該インサート保持部材の中心軸回りに180°回転対称となる位置に、一対形成されていることを特徴とする刃先交換式溝入れ工具。
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