JP2015167882A - 光触媒の製造方法、光触媒及び水素生成方法 - Google Patents

光触媒の製造方法、光触媒及び水素生成方法 Download PDF

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泰宣 井上
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一則 佐藤
千尋 大島
Chihiro Oshima
千尋 大島
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Kohei Iwatani
航平 岩谷
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Yoshiro Ishii
義朗 石井
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Abstract

【課題】 金属酸化物及び窒化物とは異なる新しい化学組成及び構造を持ち、可視光領域での水の分解反応において充分に高い水素生成活性を有する光触媒の製造方法、当該製造方法により得られる光触媒、及び当該光触媒を用いた水素生成方法を提供すること。
【解決手段】 Zn、ZnO、Mg及びBeからなる群より選択される少なくとも1種が添加されたp型GaNに、リン化処理を行う工程と、リン化処理されたp型GaNに助触媒を担持させる工程と、を備える、水からの水素生成に用いられる光触媒の製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、光触媒の製造方法、当該製造方法により得られる光触媒及び、当該光触媒を用いた水素生成方法に関する。
1年間に地球上に降り注ぐ太陽エネルギー量は、現在の我々が1年間に消費するエネルギー量の約1万倍に相当するほどの膨大な量である。そこで、この太陽エネルギーを用いて豊富に存在する水を分解し、クリーンな資源である水素を得る技術の確立が望まれている。これを実現するためには、光エネルギーを吸収し水を分解する機能を持つ新光触媒の開発が重要である。
水を水素と酸素に化学量論比で分解できる光触媒としては、Ga3+、In3+、Ge4+、Sn4+及びSb5+といった、d軌道が満たされたd10電子状態の典型金属酸化物にRuOが担持された触媒が提案されている(例えば、特許文献1及び2)。一方、酸化物以外では、d10電子状態の典型金属窒化物であるZnO/GaNの固溶体や、Mg又はZn等の2価の金属イオンの添加によってp型化したGaNに、RuOが担持された触媒が提案されている(例えば、非特許文献1、2)。金属酸化物光触媒では、400nmより短波長の紫外光領域でしか、水を分解し水素を発生できないのに対し、典型金属窒化物ZnO/GaNは、400〜500nmの可視光領域でも水を分解し水素を発生できる光触媒として注目されている。
特開2004−097924号公報 特開2007−125496号公報
Y. Inoue, Energy Environ. Sci., 2. 364 (2009) K.Maeda, K. Teramura, D. Lu, T. Takata, N. Saito, Y. Inoue, K. Domen, Nature, 440,295 (2006).
ところで、太陽光の波長域を考えると、可視光域で作用する光触媒の開発は不可欠であるが、しかしながら、上述のような金属酸化物や窒化物を用いた従来の光触媒では、可視光領域での水の分解反応における活性が低いのが現状である。
そこで、本発明は、金属酸化物及び窒化物とは異なる新しい化学組成及び構造を持ち、可視光領域での水の分解反応において充分に高い水素生成活性を有する光触媒の製造方法、当該製造方法により得られる光触媒、及び当該光触媒を用いた水素生成方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、典型金属窒化物表面をリン化処理することに着目した。というのも、リン化合物は、価電子帯がリン原子、また伝導帯が金属イオンで構成されるため、価電子帯準位が高く、酸化物や窒化物に比べ可視光に有利に応答すると考えられるためである。すなわち、本発明は、窒化物をリン化することで、可視光領域における水素生成活性の向上を図るものである。
このような知見の下、本発明者らは、所定の金属あるいは金属酸化物が添加された窒化物光触媒をリン化することにより、優れた水素生成活性を発現する、窒化物リン化合物形態を有する光触媒を開発するに至った。
すなわち、本発明は、Zn、ZnO、Mg及びBeからなる群より選択される少なくとも1種が添加されたp型GaNに、リン化処理を行う工程と、リン化処理されたp型GaNに助触媒を担持させる工程と、を備える、水からの水素生成に用いられる光触媒の製造方法を提供する。
本発明は、新規な光触媒であって、特に400nmより長波長の可視光領域で水を分解し水素を与える有用な光触媒の製造方法を提供するものである。この製造方法により得られる光触媒は、金属酸化物及び窒化物とは異なる新しい化学構造を持つ、水からの水素生成用途における全く新規な触媒である。そして、可視光領域(例えば、400nmより長波長側の可視光領域)での水の分解反応において充分に高い水素生成活性を有する。
本発明において、助触媒が貴金属及び貴金属酸化物からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。これにより、水素生成活性をより高めることができる。
本発明はまた、上記製造方法により得られ、平均粒子径が0.1〜10μmである光触媒を提供する。このような光触媒は、可視光領域における水の分解反応において極めて高い水素生成活性を発現することができる。
したがって、本発明において、光触媒は、300〜700nmの範囲から選択される波長を有する光を照射することにより励起状態となることが好ましい。
本発明はさらに、上記光触媒を用いて水からの水素生成を行う、水素生成方法を提供する。この方法であれば、例えば太陽光を用いた水の分解反応において極めて多くの水素を選択的にかつ高速に生成することができる。
本発明によれば、金属酸化物及び窒化物とは異なる新しい化学組成及び構造を持ち、可視光領域での水の分解反応において充分に高い水素生成活性を有する光触媒の製造方法、当該製造方法により得られる光触媒、及び当該光触媒を用いた水素生成方法を提供することができる。
なお、本発明の光触媒は単一系において反応を促進することができる。したがって、実用装置の設計が容易であるという利点を持つ。
実施例1における、(a)リン化処理をしていないZnO添加GaNと、(b)リン化処理をしたZnO添加GaNとについてのX線回折パターンを示す図である。 (a)比較例1(ZnO添加GaN(RuO担持有))と、(b)実施例1(リン化処理をしたZnO添加GaN(RuO担持有))とについての、経過時間と水素及び酸素生成量との関係を示すグラフである。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
<光触媒の製造方法>
本実施形態の光触媒の製造方法は、Zn、ZnO、Mg及びBeからなる群より選択される少なくとも1種が添加されたp型GaNに、リン化処理を行う工程と、リン化処理されたp型GaNに助触媒を担持させる工程と、を備えるものである。
[p型GaNの準備]
まず、p型GaNの作製では、Zn、ZnO、Mg及びBeの出発物質(例えば、Zn:ZnS、ZnO:ZnO、Mg:MgS、Be:BeO)およびGaを用いる。Zn及びZnOの場合は、ZnS又はZnOとGaとを2〜4:1のモル比で、Mgの場合は、Gaに対しMgSを0.5〜7%のモル比で、またBeの場合は、Gaに対しBeOを2〜5%のモル比で混合した後に、石英ガラス管に導入する。これを、回転式電気炉内に装填する。そして、好ましい条件として、100%アンモニア気体を流量100〜500mLmin−1で流しつつ、電気炉内で750〜1000℃で10〜30時間加熱することにより、粒子状のp型GaNを得ることができる。なお、この時の条件は、アンモニア流量が200〜400mLmin−1であることがより好ましく、200〜300mLmin−1であることがさらに好ましい。また、加熱温度が800〜950℃であることがより好ましく、800〜850℃であることがさらに好ましい。さらに、加熱時間が10〜25時間がより好ましく、15〜20時間であることがさらに好ましい。
[リン化処理を行う工程]
リン化処理法では、P(赤リン)を、作製したp型GaNに対して好ましくは1:0.005〜1.0のモル比で混合した後に、石英ガラス管に導入し、真空封入する。これを、電気炉内で、好ましくは400〜900℃、好ましくは10〜30時間加熱することにより、粒子状のリン化処理化合物(リン化処理したp型GaN)を得ることができる。なお、この時の条件は、Pモル比が1:0.005〜0.1であることがより好ましく、1:0.05〜0.07であることがより好ましい。また、加熱温度が550〜800℃であることがより好ましく、550〜600℃であることがさらに好ましい。さらに、加熱時間が14〜30時間がより好ましく、21〜28時間であることがさらに好ましい。なお、リン化処理は、Flux有り又はFlux無しの2通りの方法で行うことができる。
得られたリン化処理化合物の構造は、XRDにより得られるZnO、GaNおよびGaPの回折パターンとICDD−PDF(International Center for Diffraction Data−PDF)のそれらのピークに対するデータベースとを比較することにより同定することができる。
[助触媒を担持させる工程]
次に、このようにして得られるリン化処理化合物に対し、助触媒を担持させることにより、本実施形態の光触媒を得ることができる。助触媒は、貴金属及び貴金属酸化物からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。ここで、貴金属とは、Au、Ag、Pt、Pd、Rh、Ir、Ru及びOsからなる群に属する金属をいう。
リン化処理化合物への助触媒担持法としては、含浸法、光電着法又は水素還元法といった一般的な方法を用いることができる。なお、このときのリン化処理化合物の平均粒子径は特に限定されないが、懸濁液(後述)を作製して好適に光触媒反応を行うために、0.1〜10μm程度であることが好ましく、1〜5μmであることがより好ましい。
(含浸法による助触媒の担持例)
例えば、助触媒がRuOである場合、まず、Ruのカルボニル錯体であるRu(CO)12のTHF(テトラヒドロフラン)溶液へ、リン化処理化合物を浸漬させる。これを真空乾固後、大気雰囲気で酸化処理して、Ru(CO)12をRuOに変換することにより、RuOを担持したリン化処理化合物光触媒を得ることができる。あるいは、Ru(CO)12の代わりに、塩化ルテニウムRuCl・HOを用い、その水溶液中にリン化処理化合物を浸漬させる。これを真空乾固後、大気下で酸化処理し、RuClをRuOに変換することにより、RuOを担持したリン化処理化合物光触媒を得ることができる。
なお、含浸法により助触媒を担持させる場合、所定の液にリン化処理化合物を含浸後、好ましくは300〜500℃、より好ましくは350〜450℃で酸化処理を行う。処理時間は、好ましくは1〜7時間、より好ましくは1.5〜5時間である。このような酸化処理温度及び酸化処理時間により、Ru(CO)12やRuClをより確実にRuOに変換することが可能である。
(光電着法による助触媒の担持例)
例えば、助触媒がRuO、Ir又はPtである場合、まず、RuCl・HO水溶液、(NHIrCl水溶液あるいはHPtCl・6HO水溶液に、リン化処理化合物を加える。これをガラス反応セルに移し、Ar雰囲気下でHg−Xe光又はXe光を3h照射する等してRuO2、Ir又はPtを電着させることで、RuO、Ir又はPtを担持したリン化処理化合物光触媒を得ることができる。
(水素還元法による助触媒の担持例)
例えば、助触媒がIr又はPtである場合、まず、(NHIrCl水溶液あるいはHPtCl・6HO水溶液に、リン化処理化合物を加えて還流する。その後、これを真空乾固し、流通装置を用いて、Hと窒素の混合気体下で、例えば、400℃で3h還元処理することで、Ir又はPtを担持したリン化処理化合物光触媒を得ることができる。
(複合型助触媒担持の例)
さらに、このようにして得られる光触媒に対し、一般的な方法を用いてさらに別の助触媒を組み合わせて担持(複合型助触媒担持)させることもできる。例えば、Ir又はRuOを担持したリン化処理化合物光触媒0.2gに、0.1Mリン酸カリウム緩衝液200g、及びCo(NOをCo金属物質量換算で0.5mmol%となるように加え、真空排気により反応溶液中の溶存空気を除去する。その後、系内にArガスを導入し、Xeランプによる外部照射法により光照射をして光電着を行う。3時間光照射した後、触媒を濾過・洗浄することで、Ir及びCoが担持されたリン化処理化合物光触媒、又はRuO及びCoが担持されたリン化処理化合物光触媒を得ることができる。また、Irを担持したリン化処理化合物光触媒0.2gに、助触媒供給源としてNaVOをV金属重量換算で1.5wt%となるように加え、上記と同様に光電着を行う。そして、3時間光照射した後、触媒を濾過・洗浄することで、Ir及びVO(0≦x≦1)が担持されたリン化処理化合物光触媒を得ることができる。
<光触媒>
以上のようにして、リン化処理化合物の作製及び助触媒の担持工程を経て、粒子状の光触媒を得ることができる。なお、この光触媒粒子の平均粒子径は、懸濁液(後述)を作製して好適に光触媒反応を行うために、0.1〜10μmであることが好ましく、1〜5μmであることがより好ましい。なお、平均粒子径は、例えば、走査型電子顕微鏡観察により測定することができる。
本実施形態により得られる光触媒は、新規な光触媒、特に400nmより長波長の可視光領域で水を分解し水素を与える有用な光触媒であり、窒化物をリン化処理した化合物と当該化合物に担持された、貴金属及び貴金属酸化物からなる群より選択される少なくとも1種の助触媒と、を備え、水からの水素生成に用いられる光触媒である。
この光触媒は、A添加GaNのリン化処理化合物であり、Aは、Zn、ZnO、Mg及びBeからなる群より選択される少なくとも1種である。Aは、ZnOであることがより好ましい。これにより、より良好な水素生成活性を得ることができる。
本実施形態において、助触媒は、貴金属及び貴金属酸化物からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。触媒活性をより向上させるという観点から、貴金属よりも貴金属酸化物であることが好ましい。触媒活性をより向上させるという観点から、これら貴金属の中でも、Rh、Ir、Ru、Pt及びPdからなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。同様の観点から、Rh、Ir、Ru、Pt及びPdからなる群より選択される少なくとも一種の酸化物であることが好ましい。なお、これら貴金属及び貴金属酸化物は、CoやVなどの助触媒と共に用いられてもよい。このような助触媒としては、具体的には、IrO(0≦x≦2)、RuO(0≦x≦2)、IrO(0≦x≦2)+Co、RuO(0≦x≦2)+Co、IrO(0≦x≦2)+VO(0≦x≦1)などが挙げられる。
なお、可視光領域での水の分解反応においてより高い水素生成活性を発現するという観点から、リン化処理化合物と好適に組み合わせて用いられる助触媒としては、IrO(0≦x≦2)、RuO(0≦x≦2)、が挙げられ、これらの中でもRuO(0≦x≦2)がより好ましい。
助触媒の担持量は、GaNのリン化処理化合物の全質量を基準として、0.5〜5.0質量%が好ましく、3.5質量%がより好ましい。助触媒の担持量をこのようにすることで、より活性化し易くなる傾向にある。
<光触媒を用いた水素生成方法>
本実施形態の水素生成方法は、上記のとおり得られた光触媒の存在下、水の分解反応により水素を得るものである。具体的には、光触媒及び純水を含む懸濁液を調製し、この懸濁液に対して光を外部照射法により照射することにより、水素を得ることができる。本実施形態の水素生成方法によれば、紫外光および400nm以上の可視光領域での水の分解反応において水素を得ることができる。
光触媒を用いた水素生成反応の活性の評価には、例えば、閉鎖循環系反応装置を用いることができる。この装置は高真空排気系、光照射用反応セル(石英製)、気体循環用ピストンポンプ、圧力計及び反応装置に直結したガス組成を測定するためのガスクロマトグラフにより構成される。光触媒反応により生成する気体(H、O)は、反応装置に予め加えた50〜100Torrの圧力のArと共にピストンポンプにより反応中循環させて、反応系に直結したガスクロマトグラフにより随時分析することができる。なお、反応装置は閉鎖系であるので、反応時間の経過と共に発生する気体生成物は反応内に蓄積される。そのため、反応を繰り返す場合には、気相を排気した後、再度反応操作を繰り返せばよい。
なお、光触媒の評価用サンプルとしては、上記のとおり得られた光触媒を光照射用反応セル(例えば、パイレックス製反応セル(パイレックスは登録商標))に入れ、これに純水(例えば、蒸留水をさらにイオン交換した純水)を加えて懸濁させ、さらにこれを真空排気することにより反応液中の溶存酸素及び窒素を除いたものを使用することができる。このとき、光触媒の含有量は、純水の全質量を基準として、0.05〜0.5質量%が好ましく、0.1〜0.2質量%がより好ましい。これにより、撹拌されたときに、光が透過しない程度の分散状態にある懸濁液(評価用サンプル)を得ることが可能である。なお、測定にあたっては、評価用サンプルの温度は20〜35℃であることが好ましく、またpHは酸性から中性近辺(3〜7)であることが好ましい。
また、懸濁液の撹拌には、反応装置内に設けたマグネットスターラー等を用い、光照射には、Xeランプ(例えば、イーグルエンジニアリング株式会社製 CX−04E)等を用いることができる。この際、照射される光の波長は、本実施形態の光触媒が可視光領域での水の分解反応において高い水素生成活性を示すという観点から、300〜700nmであることが好ましく、400〜550nmであることがより好ましい。すなわち、本実施形態の光触媒は、この範囲から選択される波長を有する光を照射することにより励起状態となることが好ましい。本光触媒粒子は粒子のまま使用できるが、基板等に固着させて成膜状態でも使用できる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、これは本発明をより理解しやすくすることを目的とするものであり、これにより本発明を限定的に解釈されないことは当然である。
(実施例1)
1)ZnO添加GaN(p型GaN)の作製
出発物質として、ZnO及びGaの原料粉末を、4:1のモル比で調製し、石英ガラス管に導入した。これを、回転式電気炉内で、800℃で15時間加熱することにより、粉末を得た。この粉末について、リガク社製の粉末X線回折装置(RINT2000HF)を用いてXRD(CuKα線)測定を行った。得られたX線回折パターンと、これまでに報告されている粉末X線回折のためのデータベースICDD−PDFのデータとを対比したところ、得られた粉末がGaNの構造を有することが分かり、目的とするZnO添加GaNがほぼ単一相で合成できたことを確認した。
2)p型GaNのリン化処理
作製したZnO添加GaNにP(赤リン)を1:0.07のモル比で混合した後に、石英ガラス管に導入し、真空封入し、これを電気炉内で、550℃で21時間加熱し、リン化処理した。リン化処理する前のZnO添加GaNおよびリン化処理したZnO添加GaNのX線回折パターンを図1(a)および(b)にそれぞれ示す。
3)助触媒(RuO)の担持
Ruのカルボニル錯体であるRu(CO)12のTHF(テトラヒドロフラン)溶液へ、リン化処理したZnO添加GaNを浸漬させた。これを真空乾固後、大気雰囲気下、350℃で1.5時間酸化処理して、Ru(CO)12をRuOに変換することにより、RuOを担持したリン化処理化合物光触媒を得た。
4)水素生成活性評価
得られた光触媒を含む測定用サンプルを作製し、上述の閉鎖循環系反応装置を用いて、水からの水素生成反応の活性の評価を行った。この際、光触媒の量は、純水の全質量を基準として0.1質量%とし、評価用サンプルの温度を25℃、pHを7として評価を行った。また、光照射にはXeランプ(イーグルエンジニアリング株式会社製 CX−04E)を用いて、外部照射法により250〜850nmの波長の光を照射した。
(比較例1)
実施例1において、2)p型GaNのリン化処理、を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして光触媒を得て、水素生成活性評価を行った。
図2は、比較例1のリン化処理をしていないZnO添加GaN光触媒と、実施例1のリンモル比0.07、温度550℃、時間21時間の条件でリン化処理したZnO添加GaN光触媒とにおける、水分解反応の経過時間と水素及び酸素生成量との関係を示すグラフである。比較例1及び実施例1は、それぞれ(a)及び(b)に対応している。
リン化処理したZnO添加GaN光触媒においては、光照射により水素がほぼ一定速度で定常的に生成し、水素生成に高い活性を示した。また、酸素もほぼ化学量論比で生成した。さらに、気相を排気した後、再度反応を繰り返した場合に、水素及び酸素はほぼ同様の生成を示し、水素及び酸素生成活性は安定であった。また、窒素の生成はほとんど見られなかった(図示せず)。これに対し、リン化処理をしていないZnO添加GaN光触媒においては、実施例1程の水素生成活性を示さなかった。
これまでの説明から明らかなように、例えば400nmより長波長の可視光領域において、水の分解による水素生成がリン化処理化合物を用いて可能であるという発見は、新規な光触媒の開発に対して充分に貢献するものである。そして、可視光領域での水の分解反応において高い水素生成活性を示す本発明の光触媒は、無尽蔵に供給される太陽エネルギーを有効に活用できることから産業上の利用性が極めて高いものである。

Claims (5)

  1. Zn、ZnO、Mg及びBeからなる群より選択される少なくとも1種が添加されたp型GaNに、リン化処理を行う工程と、
    リン化処理された前記p型GaNに助触媒を担持させる工程と、
    を備える、水からの水素生成に用いられる光触媒の製造方法。
  2. 前記助触媒が貴金属及び貴金属酸化物からなる群より選択される少なくとも1種である、請求項1記載の製造方法。
  3. 請求項1又は2記載の製造方法により得られ、平均粒子径が0.1〜10μmである光触媒。
  4. 300〜700nmの範囲から選択される波長を有する光を照射することにより励起状態となる、請求項3記載の光触媒。
  5. 請求項3又は4記載の光触媒を用いて水からの水素生成を行う、水素生成方法。

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