JP2015165807A - 食道がんを検出するための方法およびプローブ - Google Patents
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Abstract
Description
び/または前駆体病変の存在または不在と相関させられる。
んを含むことが意図される。用語「前駆体病変(precusor lesion)」は、組織学的分析によって決定されるような、低度および高度の異形成を含むことga意図される。用語「標的領域」または「核酸標的」は、特定の染色体の場所の喪失または獲得が食道がん腫および/または前駆体病変の存在の指標である場所に存在するヌクレオチド配列を指す。「標的領域」または「核酸標的」は、本発明のプローブによって特異的に認識され、そして本発明の方法において同プローブにハイブリダイズしなければならない。
本発明のプローブは、インサイチューハイブリダイゼーション技術、またはより好ましくは蛍光インサイチューハイブリダイゼーション(FISH)技術とともに使用されるべきであり、この方法は当該技術分野において周知である。この技術では、標識された核酸プローブは、食道がん腫および/または前駆体病変の存在または不在の同定が望まれる生物サンプルにおいて、それらのそれぞれ相補的核酸標的にインサイチューでハイブリダイズされる。次いで、サンプル中のプローブの続いての検出が、被験者における異形成またはがんの臨床的診断と相関される。
し、かつ結合する。動原体領域の喪失は、ほとんど常に完全な動原体の喪失をもたらすので、この場合には染色体の列挙が可能である。特定の染色体領域の欠失または増幅は、それが正常には内在している染色体全体の喪失または獲得(異数染色体性(aneusomy))から、特定の座に対応するシグナル数(コピー数)を対応する動原体のFISHシグナル数に対して較べることによって判別することができる。この比較を実施する1つの方法は、動原体を表すシグナル数によって座を表すシグナル数を割ることである。1未満の比率は座の欠失を示し、そして1を超える比率は座の獲得を示す。同様に、比較は、同じ染色体における2つの異なる座の間で、例えば、その染色体の2つの異なる腕において実施されて、染色体内の不均衡な獲得または喪失を指示することができる。染色体の動原体プローブの代わりに、当業者は、染色体の腕プローブが、染色体全体の喪失または獲得を推測するために替わりに使用されてもよいことを認識できる。しかしながら、そのようなプローブのシグナルの喪失が完全な染色体の喪失を必ずしも示さないかもしれないので、そのようなプローブは染色体の列挙において正確ではない。染色体列挙プローブの例は、Vysis,Inc.,Downers Grove,ILから市販されているCEP(R)プローブ(例えば、CEP12およびX/Yプローブ)を含む。
特異的プローブ;およびc)染色体7の染色体列挙プローブを含んでもよい。このセットは、a)8q24.12−13座特異的プローブ;b)9p21座特異的プローブ;およびc)染色体7の染色体列挙プローブを含んでもよい。IMからLGDを検出し、そして/またはLGDを区別することができるセットのいずれも、Y染色体の染色体列挙プローブをさらに含んでもよい。
d)5p15座特異的プローブを含んでもよい。このセットは、a)20q13座特異的プローブ;b)17q11.2−12座特異的プローブ;およびc)5p15座特異的プローブを含んでもよい。このセットは、a)20q13座特異的プローブ;b)17q11.2−12座特異的プローブ;c)5p15座特異的プローブ;およびd)Y染色体の染色体列挙プローブを含んでもよい。このセットは、a)20q13座特異的プローブ;b)17q11.2−12座特異的プローブ;c)染色体17の染色体列挙プローブ;およびd)9p21座特異的プローブを含んでもよい。このセットは、a)20q13座特異的プローブ;b)17q11.2−12座特異的プローブ;c)9p21座特異的プローブ;およびd)染色体9の染色体列挙プローブを含んでもよい。このセットは、a)20q13座特異的プローブ;b)17q11.2−12座特異的プローブ;c)9p21座特異的プローブ;およびd)5q21−22座特異的プローブを含んでもよい。このセットは、a)17p13.1座特異的プローブ;b)20q13座特異的プローブ;c)染色体17の染色体列挙プローブ;およびd)5p15座特異的プローブを含んでもよい。このセットは、a)20q13座特異的プローブ;b)17q11.2−12座特異的プローブ;c)染色体17の染色体列挙プローブ;およびd)5p15座特異的プローブを含んでもよい。このセットは、a)20q13座特異的プローブ;b)17q11.2−12座特異的プローブ;c)5q21−22座特異的プローブ;およびd)5p15座特異的プローブを含んでもよい。このセットは、a)17q11.2−12座特異的プローブ;b)17p13.1座特異的プローブ;c)染色体17の染色体列挙プローブ;d)9p21座特異的プローブ;およびe)8q24.12−13座特異的プローブを含んでもよい。このセットは、a)17q11.2−12座特異的プローブ;b)染色体9の染色体列挙プローブ;c)5q21−22座特異的プローブ;およびd)5p15座特異的プローブを含んでもよい。このセットは、a)染色体17の染色体列挙プローブ;b)17q11.2−12座特異的プローブ;およびc)5p15座特異的プローブを含んでもよい。このセットは、a)染色体17の染色体列挙プローブ;b)17q11.2−12座特異的プローブ;c)5p15座特異的プローブ;およびd)Y染色体の染色体列挙プローブを含んでもよい。
る蛍光団の全くの数が、同じサンプル内の多数の異なるプローブの可視化を容易にさせる。多数の蛍光団が、脂肪族アミン基を含有するDNAの標識を容易に受け入れる反応性形態物において市販されている。
用語「インサイチュー」は、生物サンプル由来の細胞の染色体が、互いに関して染色体の実質的な崩壊または移転なしに、核から露出され、そして標識された染色体プローブに接近可能になることを意味すると意図される。「ハイブリダイゼーション」または「ハイブリダイズする」は、プローブと標的領域との間の特異的なハイブリッドの形成を指すことを意図している。典型的には、ハイブリッドは、一方が核酸標的を含み、他方がプローブの標識されたDNA核酸配列である、相補的な相対する一本鎖からなる二本鎖のらせん状形態部分を含む分子である。用語「インサイチュー・ハイブリダイゼーション」は、細胞学的または組織学的調製物または標本を含んでなる生物サンプル内に存在する標的に対するプローブのハイブリダイゼーションを意味すると意図される。インサイチュー・ハイブリダイゼーションにおいて、ハイブリッドはプローブと標的との間に形成される。「インサイチュー・ハイブリダイゼーション」は、ハイブリダイゼーション前および標的へのプローブのハイブリダイゼーション後のハイブリッドまたはプローブの検出前の変性を含んでもよい。生物学的標本は、スライド表面上に層として接着することができ、そして生物サンプルは、例えば、変性条件下、またはプローブ検出手順において典型的に遭遇されるような条件下で、それらの形態を維持するように処理される個々の染色体または染色体領域を含んでもよい。
本発明の方法における使用のためのプローブセットは、実施例に記述される原理を用いて選ぶことができる。プローブセット内の染色体プローブの組み合わせ物は、関心のある食道がん腫および異形成に関する感受性、特異性および検出性について選ばれる。
のためのセット内の特定のプローブまたはプローブの組み合わせ物について、遺伝的異常(すなわち、標的領域の喪失または獲得)を有する集団における細胞の絶対数またはパーセンテージのいずれかを意味すると意図される。特定のプローブについて喪失または獲得を担持している標本における細胞の数がカットオフ値よりも高い場合には、サンプルは、評価しうる病状(例えば、LGD、HGDまたはEA)について陽性であると決定される。
この方法は、最初に、食道がん腫または前駆体病変を有すると疑われる被験者から食道細胞を含む生物サンプルを得ることを含む。次いで、サンプルが、サンプルに存在するそれらの核酸標的にプローブを特異的にハイブリダイズさせる条件下で、染色体プローブのセットと接触されて、何かあれば、サンプルにおける食道がん腫または前駆体病変が選択的に検出される。本セットのプローブは、画像化された(imaged)各ハイブリダイゼーションの結果、取り去られた(stripped)プローブ、および残っているプローブとその後にハイブリダイズされるサンプルにより、一回にまたは連続的にハイブリダイズされてもよい。また、多数のプローブセットがこの方式でサンプルにハイブリダイズされてもよい。染色体プローブのセットは、該セットが、生物サンプルにおける食道がん腫または前駆体病変を選択的に検出できるように選ばれる。本発明のすべてのプローブセットが本方法とともに使用することができる。本方法は、生物サンプルに対する染色体プローブのセットのハイブリダイゼーションパターンを検出することを含み、この場合、ハイブリダイゼーションパターンが被験者における食道がん腫または前駆体病変の存在または不在について指示する。好適な実施態様では、ハイブリダイゼーションパターンは先に記述されたようなFISHを介して検出される。
ハイブリッドを生成するための特定のハイブリダイゼーション手法において使用できる条件の組み合わせ物を含み、この条件は当業者によって容易に決定することができる。そのような条件は、典型的には、制御された温度、液相および染色体プローブと標的との接触を必要とする。ハイブリダイゼーション条件は、プローブ濃度、標的の長さ、標的とプローブのG−C含量、ハイブリダイゼーションバッファーの塩濃度、溶媒組成、温度、およびインキュベーション時間を含む、多くのファクターに依存して変わる。少なくとも1つの変性段階は、標的とプローブの接触を進めるであろう。あるいはまた、プローブと核酸標的の両方が、生物サンプルとプローブのその後の接触とともに、変性条件にかけられてもよい。ハイブリダイゼーションは、例えば、2〜4x食塩クエン酸ナトリウム(SSC)とホルムアルデヒドの約50:50容量比の混合液の液相において、範囲約25〜約55℃の温度で、具体的には範囲約0.5〜約96時間である時間、またはより好ましくは、範囲約32〜約40℃の温度で、範囲約2〜約16時間の間、プローブ/サンプルの続いてのインキュベーションにより達成されてもよい。特異性を増大するために、ブロッキング作用物、例えば、内容が引用によって本明細書に組み入れられている米国特許第5,756,696号に記述される無標識のブロッキング核酸の使用が、本発明の方法とともに使用されてもよい。他の条件は、当業者にとって容易に明らかであるように、サンプル中に存在する核酸標的へのプローブの特異的なハイブリダイゼーションのために容易に使用することができる。
、細胞の総数の非常に小部分のみが実際に腫瘍細胞であることである。結果的に、第1の技術を用いることによって、限定されたサンプリングによる偽陰性結果の危険性がある。
獲得を示す細胞)が、異常性について陽性である事例と確信をもって呼ぶのに十分であることを例証した(参照、Sokolova IA,et al.,J.Molecular Diagnostics,2000)。
・ 細胞の≧13%が半接合体および/または同型接合体9p21喪失を示す(低度の異形成の診断とほとんど一致)。
・ 細胞の≧4%が8q24の獲得を示す(高度の異形成/腺がんの診断とほとんど一致)。
・ 細胞の≧8%が17q11の獲得を示す(高度の異形成/腺がんの診断とほとんど一致)。
・ 細胞の≧12%が20q13の獲得を示す(高度の異形成/腺がんの診断とほとんど一致)。より好適な実施態様では、細胞の≧16%が20q13の獲得を示す(高度の異形成/腺がんの診断とほとんど一致)。
・ 細胞の≧3%が多染色体性を示す(高度の異形成/腺がんの診断とほとんど一致)。
実施例
FISHプローブセット
FISHは3種のユニーク・プローブセットを用いて実施された。各プローブセットは、BE関連の新形成を有する患者においてしばしば変化されることが示されている染色体の動原体または特定の座に対する、4種の染色体列挙プローブ(CEP(R))または座特異的同定物(identifier)(LSI(R))を含有した(表1)。CEP7、CEP9およびCEP17プローブは、それらの染色体(例えば、染色体9における9p21)における対応するLSIプローブの対立遺伝子の獲得または喪失またはそれらの染色体の異数染色体性(aneusomy)を決定するために包含された。
インスチチューショナル・レビュー・ボード(Institutional review Board(IRB))の承認がこの研究のために得られ、そしてインフォームド・コンセントがすべての登録された患者から得られた。研究は、2002年から2003年までにthe Mayo Clinic,Rochesterにおいて遭遇された174人の患者を含んだ。患者が、既に同定された病変の証明されたBEか、または研究に入る時点で病変の証明されたBEを有する場合に、彼らは研究に登録された。年令31〜87才にわたる17人の女性および153人の男性が研究された。
細胞擦過標本は、n−アセチル−システインの噴霧により最初に粘膜層を除去した後、IM、BE関連新形成の疑われる場所、または既に診断されたBEの場所の表面上を胃腸シース・ブラシ(Hobbs Medical Inc.,Stafford Springs,Connecticut)で掃くことによって得られた。ブラシは直ちにPreservCyt(R) Solution(Cytyc Corporation,Boxborough,MA)を含有するビンに容れられ、そして処理のためにFISH研究所に送付された。
織学的類目のもっとも進行した類目にしたがって類別された(例えば、患者が、1つはIMであり、他方はHGDであった2つの生検を有した場合は、標本はHGD類に入れられた)。
標本は収集の72時間内に処理された。3:1メタノール:氷酢酸固定液の10mlを用いて4回、ブラシを洗浄し、そしてこの混合液を50ml三角遠心チューブに移すことによって、細胞がブラシから除去された。次いで、細胞は800xgで8分間の遠心によって沈降された。上澄液を除き、細胞ペレットは3:1メタノール:氷酢酸溶液の10ml中に再懸濁された。細胞懸濁液は次いで300xgで8分間遠心された。次いで、細胞ペレットの量に応じて、上澄液のすべてだが約50〜150μlが除去された。次いで、細胞ペレットは弱く回転することによって再懸濁され、そしてさらなる使用のために−4℃で保存された。
細胞懸濁液の一部(通常約10〜50μl)がミクロピペッターを用いて3個のウェル(3種のプローブセットの各々について1ウェル)上に滴下された。セルラリティ(cellularity)(すなわち、ウェル中の細胞密度)は位相差顕微鏡を用いて調査された。セルラリティが低すぎる場合は、細胞ペレットのさらなる部分が、所望のセルラリティ(すなわち、最小の細胞重複をもつ1スポット当たり最大数の細胞)が達成されるまでウェルに添加されるか、または細胞ペレットが排出された。
FISHは次の様式で実施された:スライドが2X標準食塩クエン酸塩(SSC)において37℃13分間、10mMHCl中0.05mg/mlペプシンにおいて37℃14分間、リン酸塩緩衝食塩水(PBS)において室温(RT)で5分間、1%ホルムアルデヒドにおいてRTで5分間、そしてPBSにおいてRTで5分間インキュベートされた。次いで、スライドは、RTの70%、85%および100%エタノール溶液中に各2分間置かれ、そして風乾された。この前処理後、適当なプローブ混合液の5μl(1.5μlプローブ、3.5μl LSI/WCPハイブリダイゼーションバッファー)が指定された場所に適用された。次いで、スライドはカバースリップを施され、カバースリップの端がゴムセメントで密封され、そしてVysis HYBriteTM Denaturation/Hybridization Systemに置かれ、ここで、プローブと標的DNAが73℃で3分間同時に変性され、次いで、37℃で約15時間インキュベートされた。一夜のハイブリダイゼーション後、スライドは2XSSC/0.1%NP−40中で73℃40秒間洗浄され、そして2XSSC/0.1%NP−40中室温で数分間洗浄された。次いで、DAPIIの10μl対比染色が各ハイブリダイズされた場所に適用され、そしてスライドがカバースリップを施された。
スライドは、FITC/Texas Redのための二重通過フィルターとともに、DAPI対比染色、Spectrum Aqua(R)およびSpectrum Gold(R)のための単帯通過フィルターを備えたエピ蛍光(epi−fluorescence)顕微鏡により分析された。FISHシグナルの列挙は、患者の臨床学的または組織学的知見の知識なしに実施された。標本は、50〜100個の連続する非炎症性、非偏平上皮細胞における各プローブについてのシグナル数をカウントし、記録することによって分析された。偏平上皮細胞は、他の細胞タイプが存在しなかった副次的場合についてのみ列挙された。細胞を重複して数えないように注意が払われた。可能であれば1ハイブリダイゼーション当たり100個の細胞が列挙された。少なくとも50個の細胞の列挙が、データ分析に含まれる事例について要求された。
1標本当たり分析される50〜100細胞の各々が、常染色体における11の座に関して、座の正常な相補物(complement)(2つのFISHシグナル)、座の獲得(2つを超えるFISHシグナル)または座の喪失(2つ未満のFISHシグナル)を有するとして分類された。CEP Yでは、動原体配列の1つのコピーは正常であり、2つ以上のシグナルは獲得を示し、そしてゼロシグナルは喪失を示した。同じ染色体における多数の座(例えば、CEP17、17p13.1および17q11.2−12)では、また、その他に関して1つの座の相対的な獲得または喪失が、各細胞について記録された。1つの座の相対的な獲得は、1つを超える第2の座のFISHシグナルに対するその座におけるFISHシグナルの比によって指示された。相対的な喪失では、比は1未満であった。獲得および喪失をもつ細胞のパーセンテージは、各標本における各座について一覧表にされ、そして細胞パーセンテージの平均値(x)および標準偏差(s)が、列挙のために不十分なシグナル特性の標本を除いて、各診断群(正常、IM、LGD、HGD、EA;参照、表2および3)について計算された。
、陽性であった群における標本の分数(fraction)に等しい。カウントするために十分な性質のFISHシグナルをもつ少なくとも50個の細胞を提供しない標本は計算から除外された。対照群に対する特異性は、1マイナス同じ基準を用いて陽性であった対照群の標本(偽陽性)の分数として計算された。プローブの組み合わせ物では、カットオフは各標的化された座に対して独立に適用された。プローブ組み合わせ物によって標的化された座のいずれかがそれぞれのカットオフについて陽性であった場合は、標本は陽性とみなされた。パラメーター「理想からの距離(DFI)」は、両感受性および特異性を組み入れており、各プローブまたはプローブの組み合わせ物の相対性能を調査するために使用された。DFIは[(1−感受性)2+(1−特異性)2]1/2として定義される。DFIは、100%感受性および100%特異性の性能をもつアッセイでは0であり、そして0%特異性および0%感受性をもつアッセイでは1.414に増加する。
FI値に関連する細胞カットオフ値は、次に、より低いDFI値が、感受性および特異性の相対的な臨床的重要性を考慮した後に選ばれてもよいあるものをもつ、ROC曲線上の点を通じる最適カットオフを設定するための基礎として使用することができる。例えば、若干高い感受性であるがより低い特異性をもつ曲線上の点は、医学的必要性に応じて、より低い感受性およびより高い特異性を有する曲線上のその他の点の上に選ばれてもよい。
判別分析
LGD、HGDおよびEAを有する患者の群とこれらの異常性有しない患者(すなわち、「正常」またはIMの診断を有する患者)とを判別する各FISHプローブの能力は、各組織学的類目内の異常(非二染色体性)細胞の度数を比較することによって最初に試験された。表2は、評価された標本数(N)、獲得または喪失をもつ細胞の平均パーセントおよび正常な標本群内の各座および座の比について獲得または喪失をもつ細胞のパーセンテージの標準偏差を列挙している。平均値および標準偏差は、組織学的類目の各々について計算されたが、簡潔のために、HGDについての値のみが表3では列挙されている。また、表3は、DVおよびp−値、HGDと正常標本とを区別する特定のプローブまたはプローブ比率の能力を反映する量を列挙している。組織学的群のすべてについてのDVおよびp−値が正常標本群に対して比較され、そして表4に列挙されている。DVおよびp−値は、より低いp−値がより高いDVを伴った点で一致した。DVおよびp−値についての表4におけるNAの記入は、診断群の平均値が正常群のそれよりも低かったことを示す。
いて生じる。LGD標本では、1細胞当たりのシグナル数によるか、またはCEP9シグナルの数に対する比によるかいずれかによって測定される9p21座の喪失は有意であった。IM標本に較べてLGD標本のより低いp−値および高いDVは、9p21座の喪失が、IM標本よりもLGD標本を、より良好に正常標本と区別できることを示している。5p15座の獲得は、正常標本群よりもLGD標本群において、有意に、より共通していた。
図1Aおよび1Bは、各組織学的類目について各座または座の比で獲得または喪失をそれぞれ表す細胞の平均パーセンテージを示す。特定の座または座の比では、座の獲得をもつ細胞の平均パーセンテージは、通常、正常からEAへの進行とともに増加し、最大の増加はLGDからHGDへ、およびHGDからEAへの移行において起きた。この傾向からの唯一の明らかな解離は、CEP Yおよび比9p/CEP9と17p/CEP17の獲得であった。CEP Yの獲得を示す細胞数の最大の増加は、正常からIMへの移行において起きたが、獲得のレベルは、9p/CEP9と17p/CEP17比の組織ステージに対してはかなり鈍感であった。
感受性、特異性およびDFI値が、カットオフ値の範囲にわたって個々のプローブについて計算された。組み合わされたEAとHGD群対正常〜LGD群では、最良のDFI値(すなわち、最低のDFI値)は、CEP Yの喪失ならびに8q24.12−13、17q11.2−12、CEP17、7p12および20q13の獲得について得られた。これらのプローブでは、CEP Yの喪失、ならびに8q24.12−13、7p12お
よび20q13の獲得は、それがLGDからHGDへの移行に関係しているように、単一プローブの性能を調査する種々の方法によって首尾一貫して同定された。さらに、17q11.2−12、17q11.2−12/CEP17および17q11.2−12/17p12の獲得はすべて、種々の分析方法によって高く位置付けられた。
どのプローブが組み合わせにおいて最良に働くかを決定するために、補足分析が実施された。感受性、特異性およびDFI値が、診断類目の各々についてすべての可能なプローブ組み合わせ物について計算された。4種のプローブが、顕微鏡をとおして観察するために適当な多色プローブセット(可視光線放出標識)に容易に組み合わされるので、4プローブまでの組み合わせ物が分析された。最初の分析では、カットオフ値が、比較される2種の標本群の異常性の低い標本(例えば、LGD標本に較べられる場合の正常+IM)の獲得または喪失をもつ細胞のパーセンテージの平均プラス標準偏差の倍数として生成された。表5Aは、n、DFI、感受性および特異性の関連値とともに正常+IM+LGD群に対する腺がん+HGD群のDFIに基づく4プローブの最高性能組み合わせ物を列挙している。表6Aは、正常+IM群に対するLGD群のDFIに基づく4プローブの最高性能組み合わせ物を列挙している。表5Cおよび6Cは、LGD対正常+IM(メタ)、HGD対正常+IM+LGD、EA対正常+IM+LGD+HGDおよびEA+HGD対正常+IM+LGDについて、4プローブ組み合わせ物およびそれらのそれぞれDFI値を挙げている。
ROCプロットは、補足分析から選ばれた多数の4プローブ組み合わせ物を用いて生成された。比較的低いDFI値によって判定されるように、少数のより良好な性能の4プローブ組み合わせ物のためのROC曲線が図2および3においてプロットされる。図2のROC曲線は、正常、IMおよびLGD標本の集合群に対してEAプラスHGD標本を検出するための感受性と特異性との間の関係を図示している。(0,1)の理想点にもっとも密接する各々これらの曲線の領域は、等しい感受性および特異性の値の近くに生じる。感受性および特異性が等しいこれらの曲線における点は、約77%〜80%の範囲(DFI=0.32〜0.28)である。したがって、ファンクショナル・ベース(functional base)において、最高性能のプローブ組み合わせ物は、0.33未満のDFI値を与えることができるプローブのそれらの組み合わせ物であるとみなすことができる。しかしながら、DFI値>0.33をもつプローブ組み合わせ物もなお価値があるかもしれない。生検とともに最近の内視鏡の感受性および特異性は、生検+IM+LGDからEA+HGDを区別することでは約70%であると評価されている。これは0.42の
DFI値に対応する。したがって、0.42未満のDFI値を提供するプローブ組み合わせ物は、現存する方法を超える性能改善を提供するが、同時に、内視鏡検査において一層単純かつ迅速なサンプリングを提供するであろう。EA+HGD対正常〜LGDを検出するために種々の組み合わせ物において有用であることが見出されたプローブは、5p15、8q24.12−13、7p12、5q21−22、9p21、CEP17、17p13.1、17q11.2−12および20q13.2(各座における獲得)を含む。
両、図2および3における最高性能のプローブセットの1つが、8q24.12−13、9p21、17q11.2−12および20q13のセットである。まさにこのプローブ組み合わせ物のROC曲線が図4に示される。これらのROC曲線は、個々にEA、HGDおよびLGD対正常標本、ならびにEA+HGD対正常標本を検出するための特異性および感受性を含む。等しい感受性と特異性は、EA+HGD対正常+IM+LGD標本では約80%(DFI=0.29)、そしてLGD対正常+IM標本では約70%(DFI=0.42)において生じる。これらのDFI値を達成するために使用されるカットオフが、表5および6において列挙される(改良されたカットオフ値)。EA対正常標本を検出するためのROC曲線は、HGD対正常標本についての同様な曲線よりも良好な性能を示し、そしてHGD対正常標本のためのROC曲線は、LGD対正常標本についての曲線よりも良好な性能を示した。このことは、平均してEA標本が、HGD標本よりも高い異常細胞のパーセンテージを有し、そしてHGD標本が、LGD標本よりも高い異常細胞のパーセンテージを有する(図1Aおよび1B,参照)ので、その結果、より高いカットオフの使用を可能にして特異性を改良し、一方感受性を最少限度に減少させることが期待される。性能は、EA+HGD対正常標本単独についての性能よりもEA+HGD対正常+IM+LGD標本について低い。このことは驚くべきことではない、何故ならば、LGD群の若干の患者は、特に、生検を受けなかったがFISHによってサンプリングされたHGD病変を有したからである。これらの事例は、FISHによっては偽陽性結果とみられるであろうし、その結果、本研究者らの分析において偽陽性と思われた(以下参照)。
「偽陽性(false positive)」のFISH結果(すなわち、陰性の病理結果をもつ患者についての陽性FISH結果)が、本研究の経過を通じて予期され、そして観察された。「偽陽性」FISH結果に関する可能な説明は、次のこと含む:1)FISH結果が異常性についての真に誤った陽性である、2)FISHが内視鏡による不完全なサンプリングのために生検されなかった病変を検出している、3)生検が病理学者によって不正確に正常と解釈された、または4)組織学的変化が同定できる前に遺伝的変化を検出している。「偽陽性」FISH結果の有意な部分が、真に誤った陽性結果とは信じられず、むしろ、FISHが、「金の基準」(すなわち、生検)によって検出されなかった異常性を検出した事例を表すと信じられる。この現象は、腫瘍の再発をモニターされている患者において再発性乳がんを検出するためにFISHを用いた場合に、既に、観察されていた。これらの患者の長期の追跡は、明らかな偽陽性FISH結果を有するこれらの患者の高い割合が、最後には生検で証明される腫瘍を発生することを示した。この理由のために、「偽陽性」の結果は、それらが、腫瘍が他の手段によって同定できる前に検出された事例をしばしば表すので、時には予期される陽性FISH結果と呼ばれる。バレット食道のプローブセットにより観察された「偽陽性」FISH結果が、実際に予期される陽性であるか否を、追跡データは決定する必要がある。
限定されない本発明の例として、先の実施例1において記述された4色のプローブセット8q24.12−13、9p21、17q11.2−12および20q13は、LGD、HGDまたはEAの診断と一致する染色体異常を有する細胞の存在について食道擦過サンプルを調査するために使用された。サンプルはFISHハイブリダイゼーションのために調製され、そしてプローブ選択研究(先の実施例1)に記述され、かつ以下に記述されるプローブセットを用いるハイブリダイゼーションにかけられた。最初の100細胞の列挙が多染色体性について陰性であった事例では、残りのスライドが、形態的に異常な細胞
(例えば、核の伸長、核の不規則性およびまだらなクロマチン染色)について走査され、そしてこれらの細胞のFISHハイブリダイゼーションパターンがまた記録された。
50ml遠心チューブおよび1.8mlミクロ遠心チューブが適当な患者の確認符号で標識された。標本容器(食道ブラシを含有するPreservCytTM液容器)が細胞を再懸濁するために激しく振盪された。標本容器中の溶液は、標本容器中に細胞ブラシを確実に残して、50ml遠心チューブに移された。3:1メタノール:酢酸固定液20mlが標本容器に添加された。次いで、標本容器の内容物(固定液およびブラシ)がペトリ皿に移された。ブラシは固定液中にメスを用いて手でこすり取られ、次いでペトリ皿中の溶液が標本容器中に戻された。ブラシは廃棄された。次いで、標本容器中の溶液が標識を付された50mlチューブに移された。3:1メタノール:酢酸固定液10mlが標本容器に添加された。標本容器は手で激しく振盪されて何か残っている細胞を分離し、50mlチューブに移した。標本容器は廃棄された。
所望の標本を含有する1.8mlミクロ遠心チューブがバランスされた遠心機中に置かれ、800gで2分間回転された。使い捨てピペットが使用されて固定液の上層の大部分、通常0.25mlラインまで除去された。適当な患者の確認符号を付されたスライドが45℃のホットプレート上に置かれた。ピペットが使用されて細胞ペレットを再懸濁し、その溶液の10μlがスライドの10mmの刻まれたリングの上にピペットで添加された。次いで、スライドは位相差顕微鏡下で検査されてセルラリティ(cellularity)(すなわち、細胞の密度)が調査された。セルラリティが不十分であった場合は、さらなる量のペレットが、十分なセルラリティ(最小の細胞重複をもつ1リング当たり最大数の細胞)が達成されるまで1度に10μlづつスライド上に滴下された。セルラリティが高すぎる場合は、標本ペレットが3:1メタノール:酢酸固定液により希釈され、そして上記方法が新しい刻まれたリングにおいて繰り返された。
スライドがハイブリダイゼーションの当日に調製される場合は、スライドは15分間45℃ホットプレート上に置かれるか;さもなくば、スライドはこの段階を必要としなかった。化学薬品およびスライドがVP2000プロセッサー中に装填され、そしてスライドは次の溶液を通過された:1)10分間37℃、2.0xSSC(食塩クエン酸塩);2)13分間37℃、0.005%ペプシン作用溶液(pH2.0);3)各5分間室温で、PBS、1%ホルムアルデヒド溶液、次いで新鮮な室温PBS;4)各2分間室温で、70%エタノール、85%エタノール、次いで100%エタノール。スライドは風乾された。
プローブ混合液の4μlが、プローブがハイブリダイズされる細胞を含有するスライドの刻まれたリング上に置かれた。12mmの円板カバースリップがハイブリダイゼーショ
ン領域をおおって置かれ、次いでカバースリップの端がゴムセメントの連続するビーズにより密封された。スライドは、HYBriteTM変性/ハイブリダイゼーションシステムに置かれ、そして管(canal)が水で満たされた。スライドは73℃で3分間加熱され、次いで、37℃で最小8時間維持された。
スライドがHYBriteTMから取り出され、ラバーセメントが除去された。カバースリップがゴムセメントの除去によって離れない場合、スライドは、カバースリップがひとりでに落ちるまで、室温の0.1%NP−40/2.0XSSC中に浸された。次いで、スライドは、73℃0.1%NP−40/2.0XSSCを含有するCoplinジャー中に最小2分間置かれた。次いで、スライドは室温の0.1%NP−40/2.0xSSC中に最小5分間置かれた。ピペットを使用して、DAPI−1対比染色液(antifade封入液中1000ngDAPI/ml)の10μlがハイブリダイゼーションリングに適用された。24x50カバースリップが各スライドの上に置かれた。ペーパータオルがカバースリップの上部に置かれて、余分の液体が除去された。ピペットのプラスティック末端がカバースリップに十文字に軽く押し付けられて、気泡が除去された。各スライドの背面がペーパータオルで拭われ、そして分析用トレーに置かれた。
浸油の1滴がハイブリダイズされたリングの直接上のカバースリップに置かれた。スライドは、DAPI対比染色を観察するためのフィルター、Spectrum−Red/Spectrum−GreenTM、Spectrum−RedTM、Spectrum−GreenTM、Spectrum−AquaTMおよびSpectrum−GoldTM蛍光団を備えたエピ蛍光(epi−fluorescence)顕微鏡により調査された。スライドの迅速な初期走査が実施されて、シグナル品質が調査され、そしてハイブリダイゼーションが成功したか否かが決定された。次いで、スライドは、40xまたは63x対物レンズを用いて、ハイブリダイゼーションリングの1つの端から開始し、リングの反対の端に向かって規則的な方式で進めることによって、顕微鏡により分析された(図5)。次いで、4プローブ(例えば、8q24、9p21、17q11、20q13)の各々のシグナルパターンが、100個の連続する非偏平上皮、非炎症性細胞について記録された。偏平上皮細胞のみが観察された事例では、シグナルパターンはこれらの細胞において列挙され、偏平上皮細胞のみが見られたことを確実に注意させた。多染色体性(すなわち、4プローブの2個以上の獲得)をもつ5個以上の細胞が最初の100細胞のカウントにおいて見られた場合、さらなる分析は必要とされない。しかしながら、多染色体性をもつ5個未満の細胞が観察される場合は、スライドの残りが、新形成の疑われる核の形態学的特徴(例えば、核の伸長、核の不規則性、まだらなクロマチン染色)をもつ細胞について走査することができ、そしてこれらの細胞のシグナルパターンが、それらが走査によって観察され、そして100細胞の列挙の一部として観察されたものではないことに注目して記録された。この走査方法は、引用によって本明細書に組み入れられている米国特許第6,376,188号および同第6,17468号に記述された方法と本質的に同じである。
標本が次に示す基準を満たせば、それらは陽性とみなされた:
・ 細胞の≧13%が半接合体および/または同型接合体9p21喪失を示す(低度の
異形成の診断とほとんど一致)。
・ 細胞の≧4%が8q24の獲得を示す(高度の異形成/腺がんの診断とほとんど一致)。
・ 細胞の≧8%が17q11の獲得を示す(高度の異形成/腺がんの診断とほとんど一致)。
・ 細胞の≧16%が20q13の獲得を示す(高度の異形成/腺がんの診断とほとんど一致)。
・ 細胞の≧3%が多染色体性を示す(高度の異形成/腺がんの診断とほとんど一致)。
この患者についての1つの100細胞列挙結果が以下に示される(表7)。異常シグナルパターンをもつ細胞(すなわち、シグナルパターンが4プローブの各々について2個のコピーを示さなかった細胞)が初めに示されている。列挙結果は、細胞の41個(表において示される初めの41個)が多染色体性(すなわち、4プローブの2個以上の獲得)を表したことを示している。残りの59個の細胞は正常とみなされた。1つの座について2つのシグナルの期待される正常パターンを有しない2個の細胞(細胞42および43)は、このタイプの異常性についてのカットオフが達成されなかったので、異常とみなされなかった。この患者の標本は、腫瘍について陽性とみなされ、そしてこの結果はHGD/EAの診断とほとんど一致している。
この患者についての1つの100細胞列挙結果が以下に示される(表8)。異常シグナルパターンをもつ細胞(すなわち、シグナルパターンが4プローブの各々について2個のコピーを示さなかった細胞)が初めに示されている。列挙結果は、8q24の獲得をもつ23個の細胞を示している。残りの77個の細胞は正常とみなされた。この患者標本は陽性とみなされ、そしてこの結果はHGD/EAの診断とほとんど一致している。
この患者についての1つの100細胞列挙結果が以下に示される(表9)。異常シグナルパターンをもつ細胞(すなわち、シグナルパターンが4プローブの各々について2個のコピーを示さなかった細胞)が初めに示されている。列挙結果は、細胞の52個(表において示される初めの52個)が同型接合体または半接合体9p21喪失のいずれかを表したことを示している。残りの48個の細胞は正常とみなされた。2,2,1,2のシグナルパターンを有する細胞53は、1つの座について2つのシグナルの期待される正常パターンを有しないが、このタイプの異常性(すなわち、一染色体性8q24)についてのカットオフが達成されなかったので、正常とみなされた。この患者の標本は陽性とみなされ、そしてこの結果はLGDの診断とほとんど一致している。
この患者についての1つの100細胞列挙結果が以下に示される(表10)。異常シグナルパターンをもつ細胞(すなわち、シグナルパターンが4プローブの各々について2個のコピーを示さなかった細胞)が初めに示されている。列挙結果は、1つの座について2つのシグナルの期待される正常パターンを有しない3個の細胞(細胞1〜3)を示してい
るが、しかし、これらの細胞は、何らかの異常性についてのカットオフが達成されなかったので、異常とみなされなかった。この患者の標本は陰性とみなされた。
本発明は、その詳細な記述とともに説明されたが、前記記述は本発明の範囲を具体的に説明するものであって、限定するものではないことを意図していると理解されるべきである。
a.食道がん腫を有すると疑われる被験者から食道細胞を含む生物サンプルを得て;
b.サンプルに存在するプローブの核酸標的にプローブを特異的にハイブリダイズさせる条件下で、サンプルを染色体プローブのセットと接触させて、もしあれば、サンプルにおける食道がん腫または前駆体病変を選択的に検出し;そして
c.ハイブリダイゼーションパターンが被験者における食道がん腫または前駆体病変の存在または不在を示す、生物サンプルに対する染色体プローブのセットについてのハイブリダイゼーションパターンを検出すること:
を含んでなる、被験者における食道がん腫または前駆体病変についてスクリーニングする方法。
色体プローブを含む、1.の方法。
Claims (15)
- a.食道がん腫に関する状態が未知であるヒト被験者からの食道細胞を含む生物サンプルを、該サンプルにおける食道がん腫または前駆体病変を検出するために、該サンプルに存在するプローブの核酸標的にプローブを特異的にハイブリダイズさせる条件下で、20q13座特異的プローブ、17q11.2−12座特異的プローブ、9p21座特異的プローブおよび8q24.12−13座特異的プローブからなるプローブセットと接触させること;そして
b.生物サンプルに対する染色体プローブのセットについての増減を評価してハイブリダイゼーションパターンが被験者における食道がん腫または前駆体病変の存在または不在の指標であるハイブリダイゼーションパターンを検出すること:
を含んでなる、方法。 - 検出されるがん腫前駆体病変が低度の異形成(LGD)である、請求項1の方法。
- 検出されるがん腫または前駆体病変が高度の異形成(HGD)および食道腺がん(EA)からなる群から選ばれる、請求項1の方法。
- 生物サンプルが、生検、細胞学的標本および切除標本からなる群から選ばれる標本から得られる細胞を含む、請求項1の方法。
- 染色体プローブが蛍光により標識される、請求項1の方法。
- 生物サンプルが細胞学的擦過標本を含む、請求項4の方法。
- 被験者が、慢性胃食道逆流疾患およびバレット食道からなる群から選ばれる症状を有する、請求項1の方法。
- 染色体プローブのセットが、該前駆体病変について0.7以下のDFIを特徴とする、請求項2の方法。
- 染色体プローブのセットが、該前駆体病変について0.35以下のDFIを特徴とする、請求項8の方法。
- 染色体プローブのセットが、該食道がん腫または前駆体病変について0.5以下のDFIを特徴とする、請求項3の方法。
- 染色体プローブのセットが、該前駆体病変について0.35以下のDFIを特徴とする、請求項10の方法。
- 該セットが、Y染色体の染色体列挙プローブをさらに含む、請求項1の方法。
- 該セットが、少なくとも1種の染色体列挙プローブを含む、請求項1の方法。
- ハイブリダイゼーションパターンが、核の大きさ、核の形または核の染色における異常に基づいて予め選ばれる生物サンプルからの細胞において検出される、請求項1の方法。
- 生物サンプルがパラフィンに包埋される、請求項1の方法。
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