JP2015165090A - 駐車設備 - Google Patents
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Abstract
【課題】車両への給電に際して給電線の着脱を必要としない駐車設備を提供する。
【解決手段】自動車Mをパレット2に搭載して格納スペースSに格納する駐車設備であって、自動車Mの充電コイルに符合する部位が磁界透過性であるパレット2と、パレット2の下方磁界透過性の部位に対峙して設けられる給電コイル3とを具備する構成とした。
【選択図】図1
【解決手段】自動車Mをパレット2に搭載して格納スペースSに格納する駐車設備であって、自動車Mの充電コイルに符合する部位が磁界透過性であるパレット2と、パレット2の下方磁界透過性の部位に対峙して設けられる給電コイル3とを具備する構成とした。
【選択図】図1
Description
本発明は、駐車設備に関する。
下記特許文献1、2には、車両を移動式のパレットに搭載した状態で格納する機械式の駐車設備において、駐車中の時間を利用して車両の蓄電池に充電を行う技術が開示されている。また、下記特許文献3には、コイルの電磁誘導を利用することにより電力を非接触で伝送する技術が開示されている。
ところで、特許文献1に開示された技術では、車両への給電のために電線の着脱を必要とするので、複雑な自動装置あるいは人手による作業が必要になる。また、特許文献2に開示された技術では、パレットへの給電を非接触で行うものであるが、パレットから車両への給電には電線の着脱を必要とするので、特許文献1と同様に複雑な自動装置あるいは人手による作業が必要になる。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、車両への給電に際して給電線の着脱を必要としない駐車設備の提供を目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明では、第1の解決手段として、車両をパレットに搭載して格納スペースに格納する駐車設備であって、車両の充電コイルに符合する部位が磁界透過性であるパレットと、パレットの下方に磁界透過性の部位に対峙して設けられる給電コイルとを具備する、という手段を採用する。
第2の解決手段として、上記第1の解決手段において、磁界透過性の部位は開口である、という手段を採用する。
本発明によれば、パレットを介した給電コイルと充電コイルとの間の非接触伝送によって車両に給電するので、車両への給電に際して給電線の着脱を必要としない。電線の着脱に人手を要しないので省人化が可能であり、もしくは電線の自動着脱のための機構が不要となり装置の保守が簡易化される。また、不完全な着脱による電気的な接触不良が防止される。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
本実施形態に係る機械式駐車場(駐車設備)は、図1及び図2に示すように、車両格納棚1、パレット2、給電コイル3、給電回路4、駐車場制御装置5及び操作装置6によって構成されている。これら構成要素のうち、給電回路4、駐車場制御装置5及び操作装置6は、設備制御駆動手段を構成している。なお、図1において、(a)では車両格納棚1を正面から見た状態を示し、(b)では車両格納棚1を上から見た状態を示している。
本実施形態に係る機械式駐車場(駐車設備)は、図1及び図2に示すように、車両格納棚1、パレット2、給電コイル3、給電回路4、駐車場制御装置5及び操作装置6によって構成されている。これら構成要素のうち、給電回路4、駐車場制御装置5及び操作装置6は、設備制御駆動手段を構成している。なお、図1において、(a)では車両格納棚1を正面から見た状態を示し、(b)では車両格納棚1を上から見た状態を示している。
車両格納棚1は、図1に示すように、前後左右及び上下に各々3つ並ぶ複数(合計27個)の格納スペースSを備える。このような車両格納棚1は、説明の都合上格納スペースSを限定したものであり、実際にはさらに多くの格納スペースSを備えている。格納スペースSは、図1(a)、(b)において、前後方向、左右方向及び上下方向に各々3つ並ぶ長方形領域であり、それらのうち一部にはパレット2が収納されている。
パレット2は、車両を搭載するための金属製の矩形板状部材であり、格納スペースSの大きさよりも若干小さく形成されている。このパレット2は、駐車場制御装置5によって制御される駆動機構(図示略)の動力に基づいて前後及び左右の水平方向及び垂直方向に移動する。また、このパレット2には、略中央部に開口2aが形成されている。この開口2aの位置及び大きさは、図2に示すように当該開口2aに対峙する給電コイル3の位置に符合すると共に給電コイル3の大きさよりも若干大きめである。
このような開口2aは、給電コイル3から放出する磁界を遮らないことを主目的としてパレット2に設けられたものである。すなわち、パレット2は、給電コイル3に符合する部位が磁界透過性である。このようなパレット2については、例えばパレット2の機械的強度を補強する目的で、上記磁界を遮らない樹脂等の磁界透過性材料を開口2aに充填してもよい。
給電コイル3は、このようなパレット2の開口2aに対峙するように、各格納スペースSに備えられた誘導コイルである。この給電コイル3は、給電回路4から通電されることにより誘導磁界を発生する。すなわち、この給電コイル3は、導電線が垂直軸周りに巻回されたものであり、よって給電回路4からの通電によって発生する磁界の向きは、図2に点線矢印で示すように垂直方向である。
ここで、パレット2の上には図示するように車両が搭載される。本機械式駐車場に格納される車両には、エンジンによって駆動される通常自動車の他に、エンジンとモータとによって駆動されるハイブリッド自動車、またはモータで駆動される電気自動車等がある。すなわち、パレット2の上にはこれら種々の車両が搭載され得るが、本機械式駐車場が給電対象とする車両は、図2に示すように受電コイルm1、受電回路m2及び蓄電池m3等を少なくとも備えた自動車Mであり、受電コイルm1、受電回路m2、蓄電池m3及び電池制御装置m4を備えていない自動車Rは対象外である。
受電コイルm1は、自動車Mがパレット2上の規定位置に搭載された場合に、上記給電コイル3と対向する誘導コイルである。この受電コイルm1は、上記給電コイル3が発生する磁界に基づく電磁誘導によって給電コイル3から電力を非接触受電して受電回路m2に出力する。この受電コイルm1は、上記給電コイル3と同様に導電線が垂直軸周りに巻回されたものであり、よって給電コイル3との磁気的な結合係数が高い。
受電回路m2は、受電コイルm1から入力される電力(交流電力)を直流電力に変換するコンバータ、かつ、上記直流電力を蓄電池m3に供給する充電回路である。なお、受電回路m2の動作は、電池制御装置m4によって制御される。蓄電池m3は、リチウムイオン電池、あるいは鉛蓄電池等の二次電池である。蓄電池m3は、上記受電回路m2から供給された直流電力を充電する一方、自動車Mの必要に応じて電力を放電して各部に供給する。電池制御装置m4は、受電回路m2の動作を制御することにより蓄電池m3への充電を制御する。
給電回路4は、動力系の商用電力である三相交流を所望周波数の交流電力に電力変換して給電コイル3に供給する電力変換器である。給電回路4における給電コイル3への給電動作は、駐車場制御装置5によって制御される。
駐車場制御装置5は、本機械式駐車場を全体的に統括制御する制御装置であり、上記給電回路4を含む各種制御対象と電気的に接続されると共に操作装置6とも電気的に接続されている。この駐車場制御装置5は、例えば内部の不揮発性記憶装置に記憶された制御プログラムと操作装置6から入力される操作指示情報とに基づいて各種制御対象を統括制御する。
また、駐車場制御装置5は、給電制御信号を給電回路4を介して給電コイル3に送信する機能をも備える。上記給電制御信号は、給電に関する制御情報を上述した電池制御装置m4と送受信するための信号である。駐車場制御装置5は、電池制御装置m4との間で給電制御信号を送受信することにより、例えばパレット2上に搭載された自動車が受電コイルm1を備えた自動車Mであるか否か、また蓄電池m3への充電を必要としている自動車Mであるか否かを認定し、当該認定に基づいて給電回路4から給電コイル3への給電を制御する。なお、給電コイル3及び受電コイルm1は、磁気的に相互結合するものなので、交流信号であれば相互に伝送することが可能である。
操作装置6は、本機械式駐車場を管理・操作する管理者が操作指示を手動入力するためのものであり、例えば複数のハードウエアキーが備えられた操作盤あるいはタッチパネルである。管理者の操作によって操作装置6に手動入力された操作指示は、操作指示情報として操作装置6から駐車場制御装置5に伝送される。操作装置6には、例えば入庫口の車両の格納を指示するための操作ボタン(入庫指示ボタン)が設けられており、駐車場制御装置5は、この操作ボタンが操作されると、入庫口の車両をパレット2とともに空いている格納スペースSに格納する。
次に、このように構成された本機械式駐車場の動作について詳しく説明する。
本機械式駐車場に車両を駐車させる場合、当該車両は、例えば運転手が運転することによって、予め入庫口に規定されている格納スペースS(例えば図1(b)の左下に位置する格納スペースS)のパレット2上に載置される。
本機械式駐車場に車両を駐車させる場合、当該車両は、例えば運転手が運転することによって、予め入庫口に規定されている格納スペースS(例えば図1(b)の左下に位置する格納スペースS)のパレット2上に載置される。
そして、本機械式駐車場の管理者が操作装置6の入庫指示ボタンを操作することによって入庫指示を駐車場制御装置5に入力する。この入庫に際して、管理者は、運転手から蓄電池m3の充電要求を受け付けた場合には、入庫指示ボタンに加えて充電指示ボタンを操作することにより、充電指示を駐車場制御装置5に入力する。
そして、駐車場制御装置5は、入庫指示及び充電指示が操作装置6から入力されると、給電制御信号を給電回路4を介して給電コイル3に送信することによって、入庫口の車両が自動車Mであるか否かを念のために確認する。給電コイル3に給電制御信号が入力されると、当該給電制御信号に基づく磁界が給電コイル3から周囲の空間に放射されるので、受電コイルm1等を備える自動車Mがパレット2上に搭載されている場合は、当該自動車Mの電池制御装置は、上記給電制御信号に対する応答信号を受電回路m2を介して受電コイルm1に供給するので、上記応答信号は、給電コイル3及び給電回路4を介して駐車場制御装置5に入力される。
一方、自動車Rがパレット2上に搭載されている場合には、当該自動車Rは受電コイルm1等を備えていないので、応答信号を発信することができない。したがって、駐車場制御装置5は、自動車Mであるか否かを問い合わせる給電制御信号を給電回路4を介して給電コイル3に送信した後、一定の時間しきい値内に上記応答信号を受信した場合は、入庫口の車両が自動車Mであると判断し、上記時間しきい値内に応答信号を受信しなかった場合には、入庫口の車両が自動車Rであると判断する。
そして、駐車場制御装置5は、このような車両識別処理が完了すると、入庫口の車両をパレット2とともに空いている格納スペースS(空格納スペース)に格納させる。そして、駐車場制御装置5は、上記車両識別処理において車両が自動車Mであることを判定した場合は、自動車Mの空格納スペースへの移動が完了すると、蓄電池m3の充電状態を問い合わせる給電制御信号を給電回路4を介して給電コイル3に送信する。そして、この給電制御信号に対する電池制御装置m4の応答信号を給電コイル3及び給電回路4を介して受信することにより、蓄電池m3がフル充電状態でないと判断すると、給電回路4に交流電力の給電コイル3への給電を開始させる。
給電回路4から給電コイル3に交流電力が供給されると、当該交流電力に基づいて磁界が給電コイル3の周囲の空間に発生し、当該磁界に基づく電磁誘導によって受電コイルm1に起電力が発生することにより、上記交流電力が受電コイルm1に非接触伝送される。上記起電力の発生に基づいて受電コイルm1に発生した交流電力は、受電コイルm1から受電回路m2を経由して直流電力として蓄電池m3に充電される。このような充電の結果、蓄電池m3がフル充電状態になると、この旨を示す応答信号を電池制御装置m4が受電回路m2を介して受電コイルm1に出力する。駐車場制御装置5は、上記応答信号を給電コイル3及び給電回路4を介して受信すると、給電回路4に給電コイル3への給電を終了させる。
本機械式駐車場によれば、このようにして自動車Mの蓄電池m3に対する充電処理が行われるが、このような充電処理に際して自動装置や人手による給電線の着脱を何ら必要としない。したがって、本機械式駐車場によれば、自動車Mに対する極めて簡便な給電を実現することができる。
また、本機械式駐車場によれば、パレット2に開口2aが形成されているので、パレット2によって給電コイル3と受電コイルm1との結合係数が低下することが殆どないので、給電効率のよい自動車Mへの給電を実現することができる。仮に開口2aが形成されない場合には、パレット2が透磁率の高い鋼材によって構成されているので、給電コイル3から発生した磁界の多くがパレット2に吸収されてしまう。この結果として、受電コイルm1に作用する磁界が弱くなるので、給電効率が著しく低下する。
さらに、駐車場制御装置5は、充電指示が操作装置6から入力されても、蓄電池m3の充電状態を電池制御装置m4に問い合わせた結果、フル充電状態である旨の応答信号を受信した場合には、自動車Mへの給電処理を行わないので、本機械式駐車場によれば、蓄電池m3の過充電の危険性をより確実に回避することができ、不必要に給電回路が動作することによるエネルギーロス(回路の発熱)を低減できる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば以下のような変形例が考えられる。
(1)上記実施形態では、車両格納棚1を構成する全ての格納スペースSに給電コイル3を設け、全ての格納スペースSでの給電が可能となるようにしたが、本発明はこれに限定されない。格納スペースSの一部に給電コイル3を設け、運転手が充電要求をした自動車Mについては、入庫口から給電コイル3を備えた空格納スペースに選択て移動させて充電させればよい。
(1)上記実施形態では、車両格納棚1を構成する全ての格納スペースSに給電コイル3を設け、全ての格納スペースSでの給電が可能となるようにしたが、本発明はこれに限定されない。格納スペースSの一部に給電コイル3を設け、運転手が充電要求をした自動車Mについては、入庫口から給電コイル3を備えた空格納スペースに選択て移動させて充電させればよい。
(2)上記実施形態では、給電効率を高めるために鋼製のパレット2に開口2aを設けたが、本発明はこれに限定されない。例えばパレットを剛性の高い樹脂材つまり剛性を有しかつ透磁率の低い材料で形成することにより、開口を設けることなく給電効率を高めることが可能である。
(3)上記実施形態では、給電コイル3及び受電コイルm1を利用することにより駐車場制御装置5と電池制御装置m4との間の通信を実現したが、本発明はこれに限定されない。例えば、自動車Mとの通信用の無線通信装置を駐車場制御装置5に別途設けると共に自動車Mにも駐車場制御装置5と無線通信を行うための無線通信装置を別途設け、両無線通信装置間で通信を行ってもよい。
(4)上記実施形態では、給電回路4へは三相交流が供給されるものとしたが、必要な電力を供給することが可能であれば単相交流でも直流でもよい。
(5)給電コイル3と受電コイルm1を用いた非接触給電には、上記実施形態のように電磁誘導を利用したものの他に、給電コイル3にコンデンサを並列接続して共振回路を構成すると共に受電コイルm1にもコンデンサを並列接続して共振回路を構成し、両共振回路の共振周波数を一致させる方式がある。本発明にこのような非接触給電方式を採用してもよい。
(6)給電コイル3の導電線の巻回、給電回路4からの通電によって発生する磁界の向きは、それぞれ垂直軸周りおよび垂直方向に限定されるものではなく、給電コイル3と受電コイルm1が上下方向に正対するときに高効率の非接触給電が可能であり、かつ、磁界がパレット2の開口2aに集中するような巻回および磁界の向きであればよい。
1…車両格納棚、2…パレット、2a…開口、3…給電コイル、4…給電回路、5…駐車場制御装置、6…操作装置、M…車両、m1…受電コイル、m2…受電回路、m3…蓄電池、m4…電池制御装置
Claims (2)
- 車両をパレットに搭載して格納スペースに格納する駐車設備であって、
車両の充電コイルに符合する部位が磁界透過性である前記パレットと、
前記パレットの下方に前記磁界透過性の部位に対峙して設けられる給電コイルと
を具備する駐車設備。 - 前記磁界透過性の部位は開口である請求項1に記載の駐車設備。
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Citations (4)
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