図1Aは、1または複数の開示された実施例が実装される通信システム100の例を示す図である。通信システム100は、音声、データ、映像、メッセージングおよび放送等のコンテンツを、複数の無線ユーザに提供する多元接続システムであってもよい。通信システム100により、複数の無線ユーザは無線帯域幅を含むシステムリソースの共有を通じて、かかるコンテンツにアクセスすることができる。例えば、通信システム100は、1または複数のチャネルアクセス手法(例えば、符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、直交周波数分割多元接続(OFDMA)およびシングルキャリア周波数分割多元接続(SC−FDMA)など)を採用してもよい。
図1Aで示すように、通信システム100は無線送信/受信ユニット(WTRU)102a、102b、102c、102d、無線アクセスネットワーク(RAN)104、コアネットワーク106、公衆交換電話網(PSTN)108、インターネット110およびその他のネットワーク112を含んでもよいが、開示された実施例では任意の数のWTRU、基地局、ネットワークおよび/またはネットワーク要素を想定できることが理解されるであろう。WTRU102a、102b、102cおよび102dのそれぞれは、無線環境において動作し、および/または通信するように構成された任意のタイプの装置であってもよい。例によると、WTRU102a、102b、102cおよび102dは、無線信号を送信し、および/または受信するように構成されてもよく、かつ、ユーザ機器(UE)、移動局、固定または移動加入者ユニット、ページャ、携帯電話、携帯情報端末(PDA)、スマートフォン、ラップトップ、ネットブック、パーソナルコンピュータ、無線センサ、および家庭用電化製品などを含んでもよい。
通信システム100はまた、基地局114aおよび114bを含んでもよい。基地局114aおよび114bのそれぞれは、コアネットワーク106、インターネット110、およびその他のネットワーク112のような1または複数の通信ネットワークへのアクセスを円滑にするために、WTRU102a、102b、102cおよび102dのうちの少なくとも1つと無線インターフェースで接続するように構成される任意の装置であってもよい。例によると、基地局114aおよび114bは、BTS(ベーストランシーバ基地局)、NodeB、eNodeB、Home−NodeB、Home−eNodeB、サイトコントローラ、アクセスポイント(AP)および無線ルータなどであってもよい。基地局114aおよび114bは、それぞれが単一の要素として記載されているが、基地局114aおよび114bは、任意の数の相互接続された基地局および/またはネットワーク要素を含んでもよいことが理解されるであろう。
基地局114aは、RAN104の一部であってもよく、当該RAN104は、基地局制御装置(BSC)、無線ネットワーク制御装置(RNC)、中継ノードなどのその他の基地局および/またはネットワーク要素(図示せず)を含んでもよい。基地局114aおよび/または基地局114bは、セル(図示せず)と称される特定の地理的領域内で無線信号を送信し、および/または受信するように構成されてもよい。さらに、セルはセルセクタに分割されてもよい。例えば、基地局114aに関連するセルは、3つのセクタに分割されてもよい。したがって1の実施例では、基地局114aは3つのトランシーバを含んでもよい(すなわち、セルのそれぞれのセクタごとに1つのトランシーバ)。別の実施例では、基地局114aはMIMO(multiple-input multiple output)技術を採用してもよく、したがって、セルのそれぞれのセクタごとに複数のトランシーバを利用してもよい。
基地局114aおよび114bは、エアインターフェース116上でWTRU102a、102b、102cおよび102dのうちの1つまたは複数と通信してもよい。当該エアインターフェースは、任意の適切な無線通信リンク(例えば、ラジオ周波数(RF)、マイクロ波、赤外線(IR)、紫外線(UV)、および可視光線など)であってもよい。エアインターフェース116は、任意の適切な無線アクセス技術(RAT)を使用して確立されてもよい。
上述したように、特に通信システム100は多元接続システムであってもよく、CDMA、TDMA、FDMA、OFDMA、およびSC−FDMAなどのような1または複数のチャネルアクセススキームを採用してもよい。例えば、RAN104における基地局114a、ならびにWTRU102a、102b、102c、および102dは、UTRA(Universal Mobile Telecommunications System (UMTS) Terrestrial Radio Access)のような無線技術を実装してもよい。UTRAは、広帯域CDMA(WCDMA(登録商標))を使用してエアインターフェース116を確立することができる。WCDMAは、HSPA(High-Speed Packet Access)および/またはHSPA+(Evolved HSPA)のような通信プロトコルを含むことができる。HSPAは、HSDPA(High-Speed Downlink Packet Access)および/またはHSUPA(High-Speed Uplink Packet Access)を含むことができる。
別の実施例では、基地局114a、ならびにWTRU102a、102b、および102cは、E−UTRA(Evolved UMTS Terrestrial Radio Access)のような無線技術を実装してもよい。E−UTRAは、ロングタームエボリューション(LTE)および/またはLTE−A(LTE-Advance)を使用して、エアインターフェース116を確立することができる。
その他の実施例では、基地局114a、ならびにWTRU102a、102b、および102cは、IEEE802.16(すなわち、WiMAX(Worldwide Interoperability for Microwave Access)、CDMA2000、CDMA2000−1X、CDMA2000EV−DO、IS−2000(Interim Standard 2000)IS−95(Interim Standard 95)、IS−856(Interim Standard 856)、GSM(Global System for Mobile communications:登録商標)、EDGE(Enhanced Data rates for GSM Evolution)、およびGERAN(GSM EDGE)などのような無線技術を実装してもよい。
図1Aの基地局114bは、例えば、無線ルータ、Home−NodeB、Home−eNodeB、またはアクセスポイントであってもよく、例えば、事業所、家庭、自動車およびキャンパスなどの局所エリアにおいて無線接続性を円滑にするのに適切な任意のRATを利用してもよい。1の実施例では、基地局114b、ならびにWTRU102c、および112dは、IEEE802.11などの無線技術を実装して、無線LAN(WLAN)を確立してもよい。別の実施例では、基地局114b、ならびにWTRU102c、および112dは、IEEE802.15などの無線技術を実装して、無線PAN(WPAN)を確立してもよい。さらなる別の実施例では、基地局114b、ならびにWTRU102c、および112dは、セルラベースのRAT(例えば、WCDMA、CDMA2000、GSM、LTE、LTE-A)を利用して、ピコセルまたはフェムトセルを確立してもよい。図1Aで示すように、基地局114bはインターネット110との直接接続を有してもよく、したがって、基地局114bは、コアネットワーク106を介してインターネット110にアクセスする必要はない。
RAN104はコアネットワーク106と通信してもよく、当該コアネットワーク106は音声、データ、アプリケーションおよび/またはVoIP(voice over internet protocol)サービスを、1または複数のWTRU102a、102b、102cおよび102dに提供するように構成される任意のタイプのネットワークでよい。例えば、コアネットワーク106は、呼制御、請求サービス、モバイル位置情報サービス、プリペイドコーリング、インターネット接続性、映像配信などのサービスを提供してもよく、および/またはユーザ認証などのハイレベルなセキュリティ機能を実行してもよい。図1Aでは示されないが、RAN104および/またはコアネットワーク106は、RAN104と同一のRATを採用するその他のRAN、または異なるRATを採用するその他のRANと直接的に、または間接的に通信してもよいことが理解されるであろう。例えば、E−UTRA無線技術を利用しているRAN104に接続されることに加え、コアネットワーク106はまた、GSM無線技術を採用する別のRAN(図示せず)と通信してもよい。
コアネットワーク106はまた、PSTN108、インターネット110、および/またはその他のネットワーク112にアクセスするために、WTRU102a、102b、102cおよび102dに対するゲートウェイとしての役割を担ってもよい。PSTN108は、旧来の電話サービス(アナログ回線のみの)(POTS:plain old telephone service)を提供する回線交換電話ネットワークを含んでもよい。インターネット110は、相互接続されたコンピュータネットワークおよび装置のグローバルシステムを含んでもよく、当該コンピュータネットワークおよび装置は、TCP/IPインターネットプロトコル群におけるTCP(transmission control protocol)、UDP(user datagram protocol)およびIP(internet protocol)などの共通通信プロトコルを使用する。ネットワーク112は、その他のサービスプロバイダにより所有および/または運営される有線および/または無線通信ネットワークを含んでもよい。例えば、ネットワーク112は、1または複数のRANに接続された別のコアネットワークを含んでもよく、前記RANはRAN104と同一のRATまたは異なるRATを採用してもよい。
通信システム100におけるWTRU102a、102b、102c、および102dの一部または全ては、マルチモードケイパビリティを含んでもよく、すなわち、WTRU102a、102b、102c、および102dは、異なる無線リンク上で異なる無線ネットワークと通信するための複数のトランシーバを含んでもよい。例えば、図1Aに示すWTRU102cは、セルラベースの無線技術を採用することができる基地局114aと通信し、IEEE802無線技術を採用することができる基地局114bと通信するように構成されてもよい。
図1BはWTRU102の例を示すシステム図である。図1Bに示すように、WTRU102は、プロセッサ118、トランシーバ120、送受信素子122、スピーカ/マイクロフォン124、キーパッド126、ディスプレイ/タッチパッド128、着脱不能メモリ130、着脱可能メモリ132、電源134、全地球測位システム(GPS)チップセット136、およびその他の周辺機器138を含んでもよい。本発明の実施形態との一貫性を維持したまま、WTRU102は上述した要素の任意の組み合わせを含んでもよいことが理解されるであろう。
プロセッサ118は、汎用プロセッサ、専用プロセッサ、従来型プロセッサ、デジタルシグナルプロセッサ(DSP)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアに関連した1または複数のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)回路、その他の任意のタイプの集積回路(IC)、およびステートマシンなどであってもよい。プロセッサ118は、信号符号化、データ処理、電力制御、入出力処理、および/または無線環境においてWTRU102が動作することを可能とするその他の任意の機能を実行してもよい。プロセッサ118は、トランシーバ120と結合されてもよく、当該トランシーバ120は送受信素子122と結合されてもよい。図1Bは、プロセッサ118とトランシーバ120とを別々のコンポーネントとして表現しているが、プロセッサ118およびトランシーバ120は、1つの電子パッケージまたは電子チップ内に統合されてもよいことが理解されるであろう。
送受信素子122は、エアインターフェース116上で基地局(例えば、基地局114a)へ信号を送信し、または当該基地局から信号を受信するように構成されてもよい。例えば1の実施例では、送受信素子122はRF信号を送信し、および/または受信するように構成されたアンテナでもよい。別の実施例では、送受信素子122は、例えばIR、UVまたは可視光線などを送信し、および/またはそれらを受信するように構成されたエミッタ/ディテクタであってもよい。さらなる別の実施例では、送受信素子122はRFおよび光信号の双方を送受信するように構成されてもよい。送受信素子122が無線信号の任意の組み合わせを送信し、および/またはそれらを受信するように構成されてもよいことが理解されるであろう。
さらに、送受信素子122は、図1Bにおいては単一の要素として表現されているが、WTRU102は任意の数の送受信素子122を含んでもよい。特に、WTRU102は、MIMO技術を採用してもよい。したがって1の実施例では、WTRU102はエアインターフェース116上で無線信号を送受信するための2以上の送受信素子122(例えば、複数のアンテナ)を含んでもよい。
トランシーバ120は、送受信素子122により送信される信号を変調し、かつ送受信素子122により受信される信号を復調するように構成されてもよい。上述したように、WTRU102はマルチモードケイパビリティを有してもよい。したがって、トランシーバ120は、WTRU102が、例えば、UTRAおよびIEEE802.11などの複数のRATを介して通信することを可能にする複数のトランシーバを含んでもよい。
WTRU102のプロセッサ118は、スピーカ/マイクロフォン124、キーパッド126および/またはディスプレイ/タッチパッド128(例えば、液晶ディスプレイ(LCD)ディスプレイ装置、または有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ装置)に結合され、かつ当該スピーカ/マイクロフォン124、キーパッド126および/またはディスプレイ/タッチパッド128からユーザ入力データを受信してもよい。また、プロセッサ118は、スピーカ/マイクロフォン124、キーパッド126および/またはディスプレイ/タッチパッド128へユーザデータを出力してもよい。さらに、プロセッサ118は、着脱不能メモリ130および着脱可能メモリ132などの任意のタイプの適切なメモリから情報にアクセスし、当該メモリにデータを格納してもよい。着脱不能メモリ130は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、ハードディスク、またはその他の任意のタイプのメモリ記憶デバイスを含んでもよい。着脱可能メモリ132は、加入者識別モジュール(SIM)カード、メモリスティック、セキュアディジタル(SD)メモリカードなどを含んでもよい。その他の実施例では、プロセッサ118は、WTRU102上に物理的に位置しないメモリ(例えば、サーバまたはホームコンピュータ(図示せず))から情報にアクセスし、当該メモリにデータを格納してもよい。
プロセッサ118は、電源134から電力を受信してもよく、WTRU102におけるその他のコンポーネントに電力を分配し、および/または当該コンポーネントへの電力を制御するように構成されてもよい。電源134は、WTRU102に電源供給を行うための任意の適切な装置であってもよい。例えば、電源134は1または複数の乾電池(例えば、ニッケル−カドミウム(NiCd)、ニッケル−亜鉛(NiZn)、ニッケル水素(NiMH)、リチウムイオン(Li−ion)など)、太陽電池、および燃料電池などを含んでもよい。
プロセッサ118はまた、GPSチップセット136に結合されてもよく、当該GPSチップセット136は、WTRU102の現在位置に関する位置情報(例えば、経度および緯度)を提供するように構成される。GPSチップセットからの情報に加えて、または当該情報の代わりに、WTRU102は、エアインターフェース上で基地局102(例えば、基地局114aおよび114b)から位置情報を受信し、近隣の2以上の基地局から受信する信号のタイミングに基づいて、自身の位置を判定してもよい。本発明の実施形態との一貫性を維持したまま、WTRU102は任意の適切な位置判定手法により位置情報を取得してもよいことが理解されるであろう。
プロセッサ118さらに、その他周辺機器138に結合されてもよく、当該周辺機器は追加的な特徴、機能、および/または有線もしくは無線接続性を提供する1または複数のソフトウェアおよび/またはハードウェアモジュールを含んでもよい。例えば、周辺機器138は、加速度計、電子コンパス、衛星トランシーバ、ディジタルカメラ(写真または映像向け)、USB(universal serial bus)ポート、振動デバイス、テレビトランシーバ、ハンズフリーヘッドセット、Bluetooth(登録商標)モジュール、周波数変調(FM)無線ユニット、ディジタルミュージックプレイヤ、メディアプレイヤ、ビデオゲームプレイヤモジュール、およびインターネットブラウザなどを含んでもよい。
図1Cは、1の実施例にしたがって、RAN104およびコアネットワーク106を示すシステム図である。上述したように、RAN104は、UTRA無線技術を採用して、エアインターフェース116上でWTRU102a、102b、および102cと通信してもよい。RAN104はまた、コアネットワーク106と通信してもよい。図1Cで示すように、RAN104は、NodeB140a、140b、および140cを含んでもよく、当該NodeBの各々は、エアインターフェース116上でWTRU102a、102b、および102cと通信するための1または複数のトランシーバを含んでもよい。NodeB140a、140b、および140cの各々は、RAN104内で特定のセル(図示せず)に関連付けられる。RAN104はまた、RNC142a、および142bを含んでもよい。本発明の実施形態との一貫性を維持したまま、RAN104は任意の数のNodeBおよびRNCを含んでもよいことができることが理解されるであろう。
図1Cに示すように、NodeB140a、および140bは、RNC142aと通信してもよい。また、NodeB140cは、RNC142bと通信してもよい。NodeB140a、140b、および140cは、Iubインターフェースを介して、それぞれのRNC142a、および142bと通信してもよい。RNC142a、および142bは、Iurインターフェースを介して互いに通信してもよい。RNC142a、および142bの各々は、接続されるそれぞれのNodeB140a、140b、および140cを制御するように構成されてもよい。さらに、RNC142aおよび142bの各々は、アウターループ電力制御、負荷制御、受付制御、パケットスケジューリング、ハンドオーバ制御、マクロダイバーシティ、セキュリティ機能およびデータ暗号化などのその他の機能を遂行し、またはサポートするよう構成されてもよい。
図1Cに示すコアネットワーク106は、メディアゲートウェイ(MGW)144、移動通信交換局(MSC)146、加入者パケット交換機(SGSN;serving GPRS support node)148、および/または中継パケット交換機(GGSN;gateway GPRS support node)150を含んでもよい。上記要素の各々は、コアネットワーク106の一部として表現されるが、それら要素のうちの任意の1つは、コアネットワークのオペレータとは別の集団により所有および/または運営されてもよいことが理解されるであろう。
RAN104におけるRNC142aは、IuCSインターフェースを介してコアネットワーク106におけるMSC146に接続されてもよい。MSC146は、MGW144に接続されてもよい。MSC146およびMGW144は、WTRU102a、102b、および102cに、PSTN108などの回線交換ネットワークへのアクセスを提供して、WTRU102a、102b、および102cと、従来の固定電話通信装置との間の通信を円滑にすることができる。
RAN104におけるRNC142aはまた、IuPSインターフェースを介してコアネットワーク106におけるSGSN148に接続されてもよい。SGSN148はまた、GGSN150に接続されてもよい。SGSN148、およびGGSN150は、WTRU102a、102b、および102cに、インターネット110などのパケット交換ネットワークへのアクセスを提供して、WTRU102a、102b、および102cと、IP通信可能な装置との間の通信を円滑にすることができる。
上述したように、コアネットワーク106はまた、ネットワーク112に接続されてもよく、当該ネットワークはその他のサービスプロバイダにより所有および/または運営されるその他の有線または無線ネットワークを含んでもよい。
低移動度または移動度無しの装置にとって、通常の移動度の装置に対して定義されたモビリティプロシージャの一部は不要であり、リソースの無駄になる場合がある。したがって、低移動度または移動度無しのタイプの装置が全てのモビリティプロシージャを実行するときは、不必要にネットワークリソースを無駄にし、かつ装置電力を不必要に消費する結果となる。もしM2Mデバイスに電力的な制約がある場合は(例えば、限られたバッテリ電力で装置が稼動する、および/または容易にアクセスできないか、またはまったくアクセスできない場所に装置が配置される場合)、このことは重大な結果となる場合がある。このような低移動度または移動度無しの装置を最適化するための開示された様々な方法は、新規のUEの移動度状態を定義するステップと、当該状態におけるモビリティプロシージャを最適化するステップと、当該状態において装置を構成するステップと、移動度状態の間をトリガが遷移するステップと、を含むがこれらに限定されない。
本明細書で使用される専門用語は、UMTSおよび/またはロングタームエボリューション(LTE)の専門用語になるが、全ての概念がその他の無線技術(例えば、LTE−A(LTE-Advances)、GSM(Global System for Mobile Communications)、またはその他の任意の無線技術)に同等に適用できることを留意する。例として、用語PSCがUMTS(universal mobile telecommunications system)に対して使用される場合は、当該用語はLTEにおいてはPCIと同格となることが理解される。放送制御チャネル(BCCH)、SI(System Information)要素/部分およびマスタ情報ブロック(MIB)が、UMTS、LTE、GSM、または類似のSIブロードキャスト(System Information broadcast)手段を使用するその他の無線技術に適用されることも理解される。
用語セルは、任意の無線基地局(例えば、NB(Node B)、eNB(evolved Node B)、HNB(Home Node B)、HeNB(Home evolved NodeB)、ベーストランシーバ基地局(BTS)、無線基地局(RBS)、およびアクセスポイントなど)に対して同格になることも理解される。したがって、セルの概念はまた、周波数と任意の無線アクセス技術(RAT)とに対応する。すなわち、異なるセルの間でのUEのスイッチングは、異なる周波数および/または異なるRATの間でのUEのスイッチングをも意味する。以降の「リソース」は、通信するためにUEまたはネットワーク(NW)が使用する任意のリソースを意味する。また、用語「ホームセル」は、UEが最初に留まるセル、もしくはこのUEに対して望ましい任意のセルを指すために使用され、または、サービングセルを指すために使用される。1の例では、当該ホームセルはマクロレイヤ/周波数、および/またはRATにおける任意のサービングセルであってもよい。代わりに、当該ホームセルは、UMTSにおけるHNB、またはLTEにおけるHeNBであってもよい。
以下で説明する解決手法は、移動度無しまたは低移動度状態に及ぶが、当該解決手法は高移動度状態(high mobility state)にも同等に適用できる。さらに、以下で定義され、かつ使用される状態、構成、プロシージャ、およびトリガは、移動度最適化に必要とされるMTCデバイスに関係して説明され、当該状態、構成、プロシージャおよびトリガは、その他の装置や、より多くの従来からのユーザ機器(例えば、携帯電話)にも拡大される。本明細書で説明する実施例はまた、MTC機能/要件に対して適用できる。当該MTC機能は、Extra Low Power Consumption(例えば、アクセスが困難な遠隔地に配置される装置)、Time Controlled(例えば、所定の時間間隔でデータを送受信する装置)、およびMobile Originated-Only(例えば、移動性に起因するデータが存在するときにネットワークと通信する装置)を含むが、これらに限定されない。
新規の移動度状態と、当該新規の状態および状態遷移におけるアイドルモードプロシージャとを定義することができる。UEの状態は、当該UEについてのアイドルモードにおける1つ、2つまたは複数の新規の移動度状態を含めることができる。通常移動度状態は、UEがネットワーク内のセル全体を自由に移動する状態とすることができる。通常移動度状態にある装置は、UEが規則的または準規則的にネットワークのセルの間を移動することを可能にするモビリティプロシージャを含めることができる。例えば、装置がセルの間を移動し、またはセルとの間を移動する可能性があるときに、当該装置は通常移動度状態にあるとして構成されてもよい。別の例では、装置がセルの間を移動するかが不明の場合に、当該装置は通常移動度状態にあるとして構成されてもよい。例示的な実施例では、通常移動度状態はデフォルトの移動度状態としてもよい。
低移動度状態は、装置が通常移動度状態にあるときよりも少ない頻度で、当該装置がネットワークのセルの間を移動する状態として定義することができる。例えば低移動度状態は、UEが単一のネットワークのセルに限定される状態、またはセルの間の移動がまれである状態(例えば、装置が限定された地理的領域内で移動するとき)であってもよい。移動度無し状態は、装置が単一のネットワークのセル内に残存する状態とすることができる。例えば、移動度無し状態は、装置による移動がないことに対応する。移動度無し状態は、UEが装置の静止時(例えば、一定時間)へ遷移する状態であってもよい。移動度無し状態は、UEがある物理的な位置に固定される状況に対応してもよい。したがって、移動度無し状態は、低移動度状態のサブセットとなることを理解されるべきである。高移動度状態は、装置が通常移動度状態にあるときよりも高い頻度でセルの間を移動する状態とすることができる。例えば、装置が頻繁に移動しているとき、または大幅な数のセルもしくは領域にわたって装置が頻繁に移動しているときに、当該装置は高移動度状態へ遷移する。
例えばUEの移動度状態は、異なる機能的側面により特徴付けてもよい。当該機能的側面は、測定の設定の頻度、対応するページング(呼び出し)発生のモニタリングに伴う拡張不連続受信(DRX)の長さ、位置更新の頻度、および/またはSIの取得頻度などである。例えば、移動度無し状態にあるUEは、測定を全く実行しなくてもよい。低移動度状態にあるUEは、通常移動度状態にあるときよりも測定が少なくてよい。同様に、一部のタイマ、DRXサイクル長、およびその他の構成パラメータがスケールダウン(scaled down)されてもよく、移動度状態へのパラメータを調整する。これらの状態にあるUEの特徴および振る舞いは、以下の細部で詳細に説明する。
いくつかの異なるメカニズムを使用して、移動度無し状態または低移動度状態にあるUEを構成してもよい。1の実施例では、ネットワークは移動度状態に固有なパラメータに対する絶対値を提供してもよい。当該ネットワークは、移動度状態に固有な値を算出するために、UEが使用しうるスケーリングファクタ(scaling factor)を提供してもよい。当該パラメータは、MTCデバイスに固有であってもよく、または全てのUEに適用可能であってもよい。例えば、MTCデバイスは、サービングセルのSIから構成パラメータを得てもよい。当該パラメータは、ネットワークへの登録中に構成されてもよく、またはその他の任意の専用シグナル伝達の形式で構成されてもよい。UEは、配置中に値とともに構成されてもよい。パラメータは、任意のMTCサービスへの加入中にUEに提供されてもよく、またはMTCサーバにより提供されてもよい。またUEのユーザは、装置上で利用可能なインターフェースを介して値を構成してもよい。
様々な移動度状態にあるUEデバイス(例えば、MTCデバイス)を最適化するのに、本明細書で技術が開示され、UEはそれぞれの移動度状態における軽減した測定のセットを実行することができる。本明細書における測定またはチャネル品質の用語への言及は、受信信号コード電力(RSCP)、搬送波対雑音比(Ec/NO)、共通パイロットチャネル(CPICH)、基準信号受信電力(RSRP)、および/または基準信号受信品質(RSRQ)を含むことができる。以下で説明するように、UEは移動度無し状態または低移動度状態において動作を実行してもよい。これらの動作は互いに独立して、または任意の組み合わせで実行されてもよい。
軽減した測定についての実施例では、UEはその他の状態よりもサービングセルおよび/または隣接セルの測定の実行頻度を少なくすることができる。当該測定頻度を様々な形式で判定してもよい。例えば、サービングセルの測定は、N回のDRXサイクルごとに実行され、隣接セルの測定は、M回のDRXサイクルごとに実行されてもよい。「M」および「N」の値は、UEに提供してもよく、またはUEで予め構成されてもよい。「M」および「N」は、互いに等しいか、または異なる値を有していてもよい。これらの値は。移動度状態に固有の絶対数であってもよい。UEは、移動度状態固有のスケーリングファクタを使用して、単一の所定の数からこれらの値を導いてもよい。
別の実施例では、UEはタイマに基づいて、サービングセルまたは隣接セルの測定を定期的に行ってもよい。タイマは、サービングセルおよび隣接セルに対して同一でもよく、または第1のタイマがサービングセルに使用され、異なるタイマが隣接セルに使用されてもよい。タイマは状態固有であってもよく、または各状態に対するタイマ値は、状態固有のスケーリングファクタを使用した共通タイマから導かれてもよい。移動度無しタイマに対する値と、低移動度タイマに対する値は異なってもよい。例えば、移動度無し状態のUEは測定を実行しなくてもよい。別の実施例では、移動度無し状態のUEは測定を実行するが、当該測定は低移動度状態にあるUEよりも少ない頻度で実行されてよい。
軽減した測定についての別の実施例では、UEはサービングセルをモニタリングし、サービングセルが所定の閾値を下回るときに、隣接セルの測定をトリガ(始動)してもよい。このシナリオでは、UEはサービングセルの測定値が所定の閾値を上回っている間は、隣接セルの測定を行わなくてもよく、または、UEはサービングセルの測定値が所定の閾値を上回っている間は、通常移動度状態にあるときよりも少ない頻度で隣接セルの測定を実行してもよい。当該閾値は多くの方法で判定されてもよい。例えば、UEがMTCデバイスである場合、当該閾値はネットワークにより構成されたMTC固有の閾値としてもよい。当該閾値は、移動度無し状態および/または低移動度状態にある全ての装置に対して、ネットワークにより構成されてもよい。ネットワークは、異なる移動度状態ごとに異なる閾値を構成するオプションを有していてもよい。
別の実施例では、ネットワークは単一の所定の閾値、および移動度状態に応じて当該閾値に適用されうるスケーリングファクタを提供してもよい。例えば、スケーリングファクタは、ネットワークにより信号伝達されてもよい。それに応じて、UEはこのスケーリングファクタにより共通閾値(例えば、Sintrasearch)を増減させてもよい。異なるスケーリングファクタを移動度無し状態または低移動度状態に適用してもよく、または、同一のスケーリングファクタを適用してもよい。
別の例では、サービングセルの測定値が所定の閾値を下回るときに、UEはある所定の時間待ってから、隣接セルの測定をトリガ(始動)してもよい。このシナリオでは、所定時間を経過する前に、サービングセルの測定値が戻って所定の閾値を上回る場合は、UEは隣接セルの測定を実行しないままにし、または通常移動度状態にあるときよりも少ない頻度で隣接セルの測定を実行してもよい。
UEは、自身の隣接セルの全てよりも少ない頻度で測定してもよい。むしろ、隣接セルのサブセットは、測定用とみなされてもよい。測定される隣接セルは、様々な要因に基づいて判定されてもよい。例えば、ネットワークは、測定するUEの隣接セルのサブセット(すなわち、軽減した隣接セルリスト)をUEへ提供してもよい。別の例では、ネットワークはUEに全隣接セルリストを提供してもよいが、それらのセルの中でN個を最良の隣接セルとみなしてUEを構成してもよい。別の例では、UEは領域にあるN個の最良の隣接セルを検出してもよく、当該N個の最良のセル上で測定を実行してもよい。隣接セルリストが提供されないときに、および/またはその他のセルが隣接セルリストにないことをUEが検出したときに、UEは測定するN個の最良の隣接セルを検出してもよい。
隣接セルリストおよびN個の最良の隣接セルのランキングは、多くの方法で蓄積されてもよい。例えば、UEは受信信号強度、受信信号品質、またはそれら両方の組み合わせにしたがって、全ての隣接セルを測定し、およびランク付けをしてもよい。このシナリオでは、リストからのN個の最良の隣接セルは、後の測定の一部としてもよく、N個はネットワークの構成値、または所定値としてもよい。少なくともN個の隣接セルの測定値のうちの1つ、一部または全てが、ある所定の閾値を下回る場合は、UEは当該隣接セルを再測定し、ランク付けの実行または修正をしてもよい。
UEは、タイマに基づいて隣接セルの測定、およびランク付けを定期的に行ってもよい。このタイマは状態に固有な絶対値を有してもよく、または共通タイマ値および状態固有なスケーリングファクタから導かれてもよい。別の実施例では、UEは隣接セルのチャネル品質に基づいて、測定する隣接セルの軽減したセットを判定してもよい。特に、特定の状態に進入するときに、UEは閾値(例えば、ネットワーク構成された閾値、または所定の閾値)を上回るセルを、当該状態にある測定目的の隣接セルとみなしてもよい。
UEは、固有のトリガ条件が満たされるまでは、測定を実施しないように設計されてもよい。トリガ条件の例を以下に示す。トリガ条件を満たすときに、UEは通常移動度状態に対するタイミングおよび要件を使用して、またはそれとは別に、低移動度状態もしくは移動度無し状態に対して定義されたタイミングおよび要件を使用して、測定を実行してもよい。例えば、サービングセルの品質が閾値を下回るときに、UEは隣接セルを測定してもよい。
様々な移動度状態にあるUEを最適化する技術の別の例では、セルの再選択プロシージャのための、スケーリングファクタを組み込む技術が本明細書で開示される。したがって、セルの再選択プロシージャのために、各移動度状態に対してスケーリングファクタを実装してもよい。例えば、UEはセルの再選択プロシージャのために、状態固有のセル再選択タイマ値を使用してもよい。タイマ値は各状態に対する絶対値(例えば、通常移動度状態に対する第1の値、低移動度状態に対する第2の値、移動度無し状態に対する第3の値、および高移動度状態に対する第4の値)であってもよく、または各状態に固有なスケーリングファクタを使用して、共通タイマ(例えば、Treselection)から導かれてもよい。スケーリングファクタ情報要素は、「低移動度速度係数」または「移動度無し度速度係数」と称されてもよい。低移動度装置についての実施例では、例えば、絶対タイマを適用してもよい。移動度無しの場合は、低移動度タイマまたは通常低移動度タイマに適用されるスケーリングファクタが提供されてもよい。
多くの方法で、セル再選択タイマ値、またはスケーリングファクタを判定することができる。例示的な実施例では、UEは初期配置がされている間に、セル再選択タイマにより事前設定されてもよい。代わりに、当該タイマ値またはスケーリングファクタは、SIの一部であってもよいし、また無線リソース制御(RRC)メッセージでネットワークにより信号伝達されてもよい。別の実施例では、UEはタイマ値またはスケーリングファクタを判定し、当該判定は、所定の期間に実行されたセルの再選択回数に基づいてもよい。タイマ値、およびスケーリングファクタは、所定の期間に実行されたセルの再選択回数に基づいて、動的に調整されてもよい。例示的な実施例では、タイマ値および/またはスケーリングファクタは、異なるUEのクラス対して異なってもよい。例えば、タイマ値および/またはスケーリングファクタは、ユーザの携帯電話などの装置よりも、MTCデバイスに対して異なってもよい。当該タイマ値および/またはスケーリングファクタは、異なるMTCデバイスの異なるクラスに対して異なってもよい。
例えば、UEは移動度無し状態または低移動度状態にあってもよく、周波数内測定のための以下のスケーリングルールを適用してもよい。一般に、変数Treselectionは、通常移動度状態にあるUEの再選択タイマの長さであり、それから低移動度状態における再選択タイマ値の長さを判定し、UEは「低移動度速度係数」で、変数Treselectionを乗算してもよい。移動度無し状態における再選択タイマの長さを判定するには、UEは「移動度無し速度係数」で、変数Treselectionを乗算してもよい。代わりに、移動度無し状態における再選択タイマの長さを判定するには、UEは「移動度無し速度係数」および「低移動度速度係数」で、変数Treselectionを乗算してもよい。また、類似のルールを、周波数内測定および/またはRAT内測定に適用してもよい。移動度無し速度係数または低移動度速度係数に加えて、「Treselectionに対する周波数内スケーリングファクタ」または「Treselectionに対するRAT内スケーリングファクタ」を変数Treselectionに適用してもよい。
様々な移動度状態にあるUEを最適化する別の例では、軽減した更新プロシージャにより、異なる移動度状態を特徴付けてもよい。技術に応じて、軽減したエリア更新プロシージャは、位置エリア、位置登録エリア、および/またはルーティングエリアに及んでもよいが、これらに限定されない。例えば、低移動度状態、または移動度無し状態にあるUEは、通常移動度状態または高移動度状態にあるよりも少ない頻度で、定期的なエリア更新を実行してもよい。このような更新の周期を減じるために、多くの方法を使用することができる。
例示的な実施例では、構成されたNAS(non-access stratum)周期タイマに、スケーリングファクタを適用してもよい。当該NAS周期タイマを使用して、UEがどのくらいの頻度で更新プロシージャを実行するかを判定してもよい。例えば、UEが状態を変更するときに、NASはUEの調整の一部として通知を受け取ってもよい。当該スケーリングファクタは当初のNAS構成メッセージにおいて事前に提供されてもよく、UEで事前設定されてもよく、またはRRCサブレイヤにより構成されてもよい。
別の実施例では、様々な移動度状態において新規の周期タイマを使用してもよい。このようなタイマをNASシグナリングで再設定することを避けるために、UEの当初のNAS設定メッセージで各タイマを事前設定してもよい。例えば、当初のNAS構成は、各適用可能な状態に固有なタイマを提供してもよい(例えば、通常移動度状態に第1の値、低移動度状態に第2の値、移動度無し状態に第3の値、および高移動度状態に第4の値)。UEが新規の状態に入るときに、UEはNAS周期タイマを、新規の移動度状態に対応する値にまで再設定してもよい。代わりに、当該タイマはRRCにより構成されてもよい。値は、ブロードキャストされてもよく、またはRRCにより明示的に構成されてもよい。周期タイマ、またはスケーリングファクタは、任意の組み合わせに依存する状態であってもよく、および任意の組み合わせで使用されてもよい。例えば、2以上のタイマおよびスケーリングファクタが、発生する可能性のあるUEの状態に応じて存在してもよい。
様々な移動度状態にあるUEを最適化する別の例では、異なる移動度状態にあるUEは、異なるDRXサイクル長を使用して、ページングの発生をモニタリングしてもよい。例えば、低移動度状態または移動度無し状態にある装置は、通常移動度状態にある装置と比較して、拡張DRXサイクル長を使用してもよい。拡張DRXサイクルは、低移動度状態または移動度無し状態にある全てのUEデバイスに対し同等に適用可能であるが、当該拡張DRXサイクルは、MTC機能(例えば、Time Controlled、Mobile Originated-OnlyまたはExtra Low Power Consumption)にとって都合がよい場合がある。
多くの方法で、DRXサイクル長を判定することができる。例えば、当該DRXサイクル長は、SIまたは別の専用シグナル伝達(signaling)の形式を介して、ネットワークによりUEに提供されてもよい。代わりに、UEの初期配置中に、この情報(DRXサイクル長)でUEを構成してもよい。別の例では、MTCサーバはブロードキャストサービスを介して、またはページングを使用して、この情報(DRXサイクル長)でMTCデバイスを構成してもよい。DRX長は、MTCデバイスグループ固有であってもよく、MTC機能固有であってもよく、および/または移動度状態固有であってもよい。使用されるDRX値は、状態固有な絶対値であってもよく、または状態固有なスケーリングファクタを使用して、共通値から導かれてもよい。UEが低移動度状態もしくは移動度無し状態へ、またはそれらの状態から遷移するときは、DRX値がネットワークとの通信に適用されてもよいが、これらは以下でより詳細に説明する。
様々な移動度状態にあるMTCデバイスを最適化する別の例では、UEはSIの取得の仕方を改正してもよい。例えば、移動度無し状態または低移動度状態においては、UEはネットワークによりブロードキャストされる全てのSIを必要としない。UEはそれから、修正されたSIのサブセットをモニタリングしてもよい。例えば、UEは現在の移動度状態に関係するSIを取得し、現在の移動度状態に関係しないSIを無視してもよい。別の例では、低移動度状態もしくは移動度無し状態にあるUEは、通常移動度状態にあるよりも遅れて、または少ない頻度で、あるSIを取得してもよい。
多くの異なる方法で、修正されたSIの取得を実現することができる。例えばネットワークは、SI変更インジケーションメッセージで、移動度無し状態または低移動度状態のUEにページングをしてもよい。当該メッセージは、どのSIB(System Information block)がUEの現在移動度状態に関係するかを示す。ネットワークはUEに、どのSIBを取得する必要があるかの情報提供をしてもよい。新規な情報要素(IE)を既存のページングメッセージに導入することにより、ページングを実現することができる。この新規のIEを使用して、通常移動度状態とは異なる移動状態にあるUEを特定してもよく、および/または関係する状態の各々のために、UEにより取得する必要があるSIBを特定してもよい。
代わりに、各状態に対して関係するSIBでUEを事前設定してもよい。例えば、移動度無し状態または低移動度状態にあるUEが、SIの修正を示すページングを受信するときに、当該UEは最後に取得してから修正されている現在の移動度状態に関係する固有のSIBを取得することを試み、一方で現在の移動度状態に関係しないSIBは無視してもよい。
UEに対してページングを行い、状態固有SIを取得するときに、ネットワークはまた、SIBのためのスケジューリング情報を含めてもよく、UEがUMTSにおけるMIB、またはLTEにおけるSIB1を取得しなければならないことを避けて、スケジューリング情報を取得してもよい。追加的なIEがページングメッセージに加えられて、スケジューリング情報がページに含まれることを可能にする。ネットワークからUEにより、その他の修正されたSIを取得してもよい。例えば、UEが接続を確立するときに、ネットワークはUEにSIを提供してもよい。別の実施例では、UEが低移動度状態または移動度無し状態から移動するときに、当該UEはSIを取得してもよい。
図2は、UEがアイドルモードにある間に、2つの移動度状態で動作するUEの例を表す。状態遷移のために使用されるトリガを以下、説明する。例えば、UEは通常移動度状態204にあってもよい。移動度無し/低移動度トリガ208を検出すると、UEは移動度無し/低移動度状態202へ遷移することができる。移動度無し/低移動度状態202にある間は、UEが移動度無し/低移動度状態からの移動トリガ210を検出する場合に、UEは通常移動度状態204へ遷移することができる。通常移動度状態204にある間は、UEがRRC接続確立212を検出する場合に、UEはRRC接続モード206へ遷移することができる。RRC接続モード206にある間は、UEがRRC接続解放214を検出する場合に、UEは通常移動度状態204へ遷移することができる。移動度無し/低移動度状態202および通常移動度状態204は、アイドルモードにあるUEに対応してもよい。図2では示されていないが、別の実施例では、移動度無し/低移動度状態202とRRC接続モード206との間の遷移は、RRC接続確立、および/または移動度無し/低移動度状態202の特性に関するトリガに基づいて有効となってもよい。
図3は、UEがアイドルモードにある間に、3つの移動度状態で動作するUEの例を表す。UEは様々な要因(例えば、UEのケイパビリティ、配置シナリオ、サポートされるMTC特徴などがあるが、これらに限定されない)に応じて、複数の移動度状態で動作してもよい。示すように、UEは複数の移動度状態と、状態間の遷移をサポートすることができる。
例えば、UEは通常移動度状態304にあってもよい。低移動度トリガ314を検出すると、UEは低移動度状態302へ遷移することができる。低移動度状態302にある間は、UEが低移動度状態からの移動トリガ316を検出する場合に、UEは通常移動度状態304へ遷移することができる。通常移動度状態304にある間は、UEがRRC接続確立324を検出する場合に、UEはRRC接続モード308へ遷移することができる。RRC接続モード308にある間は、UEがRRC接続解放322を検出する場合に、UEは通常移動度状態304へ遷移することができる。移動度無しトリガ318を検出すると、UEは移動度無し状態306へ遷移することができる。移動度無し状態306にある間は、UEが移動度無し状態からの移動トリガ320を検出する場合に、UEは通常移動度状態304へ遷移することができる。移動度無し状態306にある間は、UEが低移動度トリガ312を検出する場合に、UEは低移動度状態302へ遷移することができる。低移動度状態302にある間は、UEが移動度無しトリガ310を検出する場合に、UEは移動度無し状態306へ遷移することができる。
低移動度状態302、通常移動度状態304、および移動度無し状態306は、アイドルモードにUEに対応してもよい。図3では示さないが、別の実施例では低移動度状態302とRRC接続モード308との間の遷移は、RRC接続確立、および/または低移動度状態302の特性に関するトリガに基づいて有効となってもよい。図3では示さないが、別の実施例では、移動度無し状態306とRRC接続モード308との間の遷移は、RRC接続確立、および/または移動度無し状態306の特性に関するトリガに基づいて有効となってもよい。
図2および図3の両方は、UEが、移動度無し状態もしくは低移動度状態からの遷移すること、またはそれらの状態へ遷移することをトリガすることができるメカニズムを表す。状態の構成は、初期の配置の間、またはその後の段階で行ってもよい。当該状態はUEにより、ネットワークにより、および/またはユーザにより自発的に構成されてもよい。例えば、状態遷移はUEにより暗黙に実行されてもよく、および/またはネットワークにより命令されてもよい。これらのトリガは個々に使用されてもよく、または任意の組み合わせで使用されてもよい。構成もまたいつでも動的に修正されてもよい。以下で説明するトリガは、移動度無し/低移動度トリガ208、移動度無し/低移動度状態からの移動トリガ210、移動度無しトリガ310、低移動度トリガ312、低移動度トリガ314、低移動度からの移動トリガ316、移動度無しトリガ318、および/または移動度無し状態からの移動トリガ320などに対応してもよい。
例えば、UEへの電源が電源出力からであると検出される場合に、UEは移動度無し、または低移動度状態へ遷移し、電源出力への接続が、静止位置または低移動度位置にあることを示すことを認識することができる。代わりに、電源の変更が検出されるときに(例えば、電源をバッテリに変更する)、UEは移動度無しまたは低移動度状態から移動することができる。例示的な実施例では、UEの初期配置の間に、特定の状態にあるようにUEを構成してもよく、または事前設定してもよい。例えば、UEは、常にかかる状態で動作するMTC加入者グループまたはクラスに属してもよい。
別の実施例では、状態を選択するために、マンマシンインターフェース(MMI)入力がユーザに利用可能となってもよい。モバイル機器は、ユーザが選択するのに利用可能な異なるプロファイルを有していてもよい。これらのプロファイルは、着信音、アラート(呼び出し/ショートメッセージサービス(SMS)、およびタスクなどの様々なパラメータを構成するのに使用されてもよい。同様に、UEの移動度状態は、ユーザがUEの移動度状態を設定するのに使用することができる、構成可能なオプションとして追加されてもよい。
別の実施例では、トリガはMTCサーバから生じてもよく、当該トリガはMTCデバイスに伝達されてもよい。例えば、MTCサーバ/セルブロードキャストエンティティ(CBE)は、UEの状態を、コアネットワーク(CN)におけるセルブロードキャストセンタ(CBC)へ提供してもよい。当該CNは、対応する無線ネットワーク制御装置(RNC)へ、UEの状態を転送してもよく、最終的にeNBへ転送してもよい。eNBはそれから、それぞれのUEに状態変更のトリガを行ってもよい。
別の実施例では、ネットワークがMTCサーバ/CBEから情報を受信するときに、当該ネットワークは標準ページングメカニズムを使用して、装置を移動度無しもしくは低移動度状態へ移動するか、またはそれらの状態から移動してもよい。新規のページング原因および/または新規のIEを、既存のページングメッセージに追加してもよい。代わりに、既存のページング原因、または既存のIEを修正して、トリガを組み込んでもよい。
別の実施例では、送信するULデータがあるときに、UEは移動度無しまたは低移動度状態から移動してもよい。RRC接続が解放されるときに、UEは前の状態に再入してもよい。多くの方法で、移動度無しまたは低移動度状態への再入を実現することができる。例えばUEは、RRC接続が解放された後、または所定時間の後、すぐに前の状態に戻ってもよい。この継続時間はネットワークにより提供されてもよく、またはUEで事前設定されてもよい。ネットワークはUEに対して、RRC接続解放メッセージにより特定の状態に進むよう明確に示してもよい。別の実施例では、UEは移動度無し状態へ戻る前に、低移動度状態へ遷移してもよい。例えば、UEは移動度無し状態へ戻る前の所定の時間、低移動度状態に残存してもよい。移動度無し状態へ遷移する前に、UEが低移動度状態に滞在しうるトータル時間は、ネットワークにより提供されてもよく、またはこの目的のために事前設定されたタイマを有しうるUEにより提供されてもよい。移動度無しまたは低移動度状態へ再入するためのこれらの方式に加えて、遷移トリガが満たされるときに当該再入が発生してもよい。
図4は、ULデータが、UEの移動度無しまたは低移動度状態からの遷移へのトリガとなる例を表す。UEは移動度無しまたは低移動度状態402から開始してよい。送信するULデータ408を検出すると、UEは通常移動度状態404へ遷移することができる。送信するULデータの検出410に基づいて、UEはRRC接続モード406へ遷移することができる。図4では示さないが、例示的な実施例では、UEは、送信するULデータ408を検出すると、移動度無し/低移動度状態402からRRC接続モード406に直接遷移してもよい。RRC接続モード406にある間は、UEはRRC接続解放(通常移動状態)412のためのトリガを検出して、通常移動度状態404へ遷移することができる。別の実施例では、RRC接続モード406にある間は、UEはRRC接続解放(移動度無し/低移動度状態)414のためのトリガを検出し、移動度無し/低移動度状態402へ遷移することができる。ネットワークはUEに対し、RRC接続モード406から移動度無し/低移動度状態402、または通常移動度状態404へ遷移するよう命令してもよい。別の実施例では、ネットワークはUEに対し、RRC接続モード406から最初に通常移動度状態404へ遷移し、後のある時点で(例えば、所定期間の後)、移動度無し/低移動度状態402へ遷移するよう命令してもよい。
別の実施例では、UEはその他の技術(例えば、全地球測位システム(GPS)などがあるがこれに限定されない)からの入力を使用して、UEの移動度を検出してもよい。この入力を使用して、UEは移動度無しもしくは低移動度状態へ移動するか、またはそれらの状態から移動してもよい。UEの速度についての異なる閾値を定義して、UEの状態を決定してもよい。速度についての閾値は任意の適切な手法で定義してもよい。例えば、MTC固有の閾値は、ネットワークにより構成されてもよい。当該ネットワークは、異なる移動度状態に対し異なる閾値を構成するオプションを有してもよい。当該ネットワークは単一の閾値、または移動度状態に応じてこの閾値に適用されうるスケーリングファクタを提供してもよい。
別の例では、サービングセルのチャネル品質の変化を、UEがこれらの状態(移動度無しもしくは低移動度状態)へ、またはこれらの状態から遷移するトリガとしてもよい。サービングセルのチャネル品質が不変のままであるか、または変化するが所定時間、所定の閾値内(例えば、最大チャネル品質閾値および最小チャネル品質閾値)のままである場合に、UEは移動度無しもしくは低移動度状態へ、またはそれらの状態から遷移してもよい。代わりに、チャネル品質が当初のチャネル品質測定値から、所定の閾値よりも多少なりとも変化する場合は、UEは移動度無しもしくは低移動度状態へ、またはそれらの状態から遷移してもよい。適宜、当該変化は遷移のトリガとなるよりも前に、所定の時間に発生してもよい。当初の測定時間のインスタンスは、選択の時間、登録の時間、前のセルの選択の時間、および現在の移動度状態へ進入する時間などとして定義されてもよい。閾値および継続時間は、ネットワークにより提供されるか、またはUEで事前設定される設定可能なパラメータであってもよい。これらのパラメータは、状態固有な絶対値、または状態固有なスケーリングファクタを使用して、共通閾値から各状態のために導かれてもよい。別の例では、サービングセルのチャネル品質が、所定のウインドウの外側にあるか、または特定の量を上回って変化する場合に、UEは移動度無しもしくは低移動度状態から移動してもよい。同様に、サービングセルのチャネル品質を使用せずに、UEは隣接セルのチャネル品質をモニタリングして、移動度無しもしくは低移動度状態への遷移、またはそれらの状態からの遷移を判定してもよい。
別の状態遷移トリガは、UEの位置の変更であってもよく、当該変更はUEが移動度無しもしくは低移動度状態への遷移、またはそれらの状態からの遷移のトリガとなってもよい。トリガは、UEの隣接セルにおける変更であってもよく、またはUEが移動度無しもしくは低移動度状態へ遷移するか、またはそれらの状態から遷移することをもたらしうる、検出された隣接セルにおける変更であってもよい。隣接セルのチャネル品質における変更がトリガとなってもよい。例えば、検出された隣接セル、および/またはN個の最良の隣接セルの品質がウインドウ内に残存していた場合、または所定の時間に閾値による変化がなかった場合に、UEは移動度無しもしくは低移動度状態へ遷移してもよい。UEが移動度無しもしくは低移動度状態にあり、かつかかる変化が起こったことを検出する場合に、UEはこれらの状態から移動してもよい。
UEの移動度無しもしくは低移動度状態への遷移、またはそれらの状態からの遷移をもたらしうるトリガの別の例は、UEが、所定の時間に所定回数未満のセルの再選択を実行するときであってもよい。例えば、所定の時間に、セルの再選択の回数が所定の回数を上回る場合に、UEは移動度無しもしくは低移動度状態から移動してもよい。同様に、所定の時間に、セルの再選択の回数が所定の回数を下回る場合に、UEは移動度無しもしくは低移動度状態へ移動してもよい。考慮するセルの再選択の回数および継続時間は、構成可能であってもよい。このトリガのためのパラメータは、ネットワークにより提供されてもよく、またはUEが事前設定してもよい。当該パラメータは移動度状態固有であってもよい。
状態遷移のためのトリガの別の例は、フィンガープリント情報に基づいてもよい。例えば、UEがユーザのHeNB(Home eNB)、例えば、ユーザの自宅を含む領域についてのeNodeBに登録される場合、当該HeNBを検出することが、UEが移動度無しまたは低移動度状態へ移動するためのトリガとして振舞ってもよい。代わりに、UEが異なるeNBにスイッチするときに、当該UEはこれらの状態から移動してもよい。
状態遷移トリガは、マニュアルCSG−ID(closed subscriber group identification)の選択がされるときであってもよい。例えば、マニュアルCSG−IDの選択がされるときに、UEはユーザにより選択された1つと同一のCSG−IDを有するCSGセルを明確に探してもよい。このことは、UEが特定のセルに限定されることを示し、したがってUEは移動度無しまたは低移動度状態へ移動してもよい。UEは、例えばユーザが別のCSG−IDを手動で選択し、または自動でCSG−ID選択モードにスイッチする場合に、これらの状態から出てもよい。
別の例では、移動度状態情報は、UEが属するアクセスクラスに対するSIBで示されてもよい。例えば、UEが移動度無しまたは低移動度状態のUEとしてみなしうるアクセスクラスについて、SIBで当該移動度状態が示されてもよい。別の実施例では、ネットワークは明確にUEを構成し、またはUEを設定して、RRC接続解放、ページングメッセージ、RRC接続セットアップ中、またはRRC再設定メッセージなどを介して、UEをかかる状態へ移動させてもよい。
上記説明したトリガは、異なる移動度状態の間(例えば、低移動度もしくは移動度無し状態と通常移動度状態との間)を遷移するために使用されてもよい。例えば、最初は、UEは通常移動度状態から低移動度へ移動してもよい。それから低移動度状態から、UEは状態をモニタリングして、通常移動度状態または移動度無し状態へ戻ってもよい。代わりに、UEは通常移動度状態から移動度無し状態に直接移動してもよく、その逆でもよい。
状態遷移のサポートにおいて、UEとネットワークとの間で、ある調整がされてもよい。例えば、UEが移動度無し状態もしくは低移動度状態から移動するとき、または通常移動度状態へ移動するときに、通常状態にある典型的な装置の移動度状態固有な特性、プロシージャ、およびパラメータにしたがって動作を開始してもよい。DRX期間、定期的な更新タイマなどのいくつかのパラメータについて、ネットワークおよびUEは同期される必要がある場合がある。かかる調整を可能とする手法を以下に説明する。
状態遷移基準が満たされる状態を考える。ネットワークとUEとの間の調整が望ましい場合がある。第1の例では、UEは自発的に状態遷移を実行し、ネットワークの更新を行わなくてもよい。代わりに、UEは自発的に状態遷移を実行し、ネットワークに対して状態遷移を指示してもよい。別の例では、UEはネットワークに対してトリガが満たされたことを指示し、当該ネットワークによる明確なインジケーションを待って、構成された状態のうちの1つへ移動してもよい。
UEがネットワークを更新することを必要とする自発的な状態遷移のイベント、またはUEが状態遷移をネットワークに要求するイベントを考える。UEが移動度状態を変更することを要求する場合に、ネットワークはUEに対し、遷移を許可するか否かを指示するアクセプトメッセージまたはリジェクトメッセージを送ってもよい。アイドルモードでは、UEはRRC接続要求を送ってもよい。要求された状態遷移の目的のための新規の原因を定義してもよい。代わりに、UEは既存の原因とともに接続要求を送ってもよく、いったん接続されると、NAS「移動度状態更新」を送ってもよく、または新規のIEで更新された既存のNASメッセージを再使用してもよい。別の例では、UEは、状態を移動したことをRRCに指示する新規のIEを追加してもよく、UEはどの状態がいずれかへ移動したかを指示してもよい。
接続モードでは、ネットワークがUEの状態遷移を命令するのに使用する新規のRRCメッセージを定義してもよい。代わりに、新規の測定レポート種別をその目的のために使用してもよく、または更新情報要素とともに既存のメッセージを導入してもよい。
例えば、UEから移動度状態変更要求/インジケーションを受信するイベントを考える。ネットワークとUEとの間の調整は、アイドルモードまたは接続モードにあるUEからのインジケーション/要求を、ネットワークが肯定、許可、または拒絶する結果となってもよい。アイドルモードでは、RRC接続セットアップメッセージまたは新規のRRCメッセージに追加されうる新規のIEを定義してもよい。代わりに、UEは、RRC接続拒絶メッセージを、ネットワークがメッセージを受け取ったとの暗黙のインジケーションとして予想する。適宜、ネットワークはまた、UEがいずれの状態へ移動すべきかを指示する新規の原因を提供してもよい。代わりに、新規のNASメッセージを定義してもよく、または新規のIEを既存のNASメッセージに定義することもできる。接続モードでは、新規のRRCメッセージを定義してもよい。代わりに、新規のIEを、測定コントロールメッセージに追加してもよい。新規のIEを、RRC接続解放メッセージを介してUEに指示してもよい。
UEに状態遷移の実行を命令するときに、ネットワークは、当該UEがこの状態のままでいるべき期間を当該UEに提供することによって、UEと調整してもよい。ネットワークはこの継続時間を動的に修正してもよく、後の状態遷移の間に、UEに最新の値を提供してもよい。接続モードでは、この調整は、測定コントロールメッセージまたは既存のその他のRRCメッセージ、もしくは新規のRRCメッセージを介して実現されてもよい。
上記説明した調整された状態遷移では、UEとネットワークとの双方がUEの稼働状況を把握することができる。したがって、UEとネットワークとの双方が、各状態で使用される状態固有の特性およびパラメータを知ることができる。あるシナリオでは、例えばNASが異なる状態に対しエリア更新タイマを事前設定するとき、またはRRCが当該エリア更新タイマを構成するときに、RRCと、NASのサブレイヤとの間での追加的な調整が必要となる場合がある。NASがUEを再設定することを可能とするために、NASに通知することが有益となる場合がある。
したがって、RRCが遷移を把握しているときに、UEが状態を変更したことを指示する追加インジケーションが、RRCによりNASに対して提供されてもよい。当該インジケーションは、UEが使用することを予測する新規のタイマ値を備えてもよい。当該インジケーションは、ネットワーク内部(例えば、ネットワークサイド上でRNCおよびeNodeBからNAS)、およびNASからNASへのUE内部で実現されてもよい。代わりに、UEは、UL初期転送またはNAS固有メッセージを開始し、かかる遷移が発生したこと、またはUEが固有の値もしくはパラメータを使用していることをネットワークに対して指示してもよい。別の例では、NASはこのインジケーションを、ネットワークサイド上でRRCにより受信し、次にNAS更新プロシージャを開始して、新規の状態にしたがってUEの構成を更新してもよい。UEはネットワークと情報を交換してもよい(例えば、使用しているDRX値、タイマ値が何であるかなど)。ネットワークがUEを新規の状態へ移動させるときに、当該ネットワークは、使用のためのパラメータおよび構成をUEに提供してもよい。
特定の組み合わせで、特徴や要素を上記詳述したが、当業者であればそれぞれの特徴および要素を、その他の特徴および要素とともに単独でまたは任意の組み合わせで使用できることが理解されるであろう。さらに、本明細書で詳述する方法は、コンピュータもしくはプロセッサにより実行されるコンピュータ可読記憶媒体に組み込まれたコンピュータプログラム、ソフトウェア、またはファームウェアにより実装されてもよい。コンピュータ可読記憶媒体の例は、電子信号(有線または無線接続により送信された)およびコンピュータ可読記憶媒体を含む。コンピュータ可読記憶媒体の例は、リードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリデバイス、内蔵ハードディスクやリムーバブルディスクのような磁気媒体、光磁気媒体、およびCD−ROMディスクやディジタル多用途ディスク(DVD)などの光学媒体を含むがこれらに限定されない。ソフトウェアに関連するプロセッサを使用して、WTRUで使用される無線周波数トランシーバ、UE、端末、基地局、RNCまたは任意のホストコンピュータを実装してもよい。