JP2015163113A - 歩行支援装置、及び情報処理装置 - Google Patents

歩行支援装置、及び情報処理装置 Download PDF

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Abstract

【課題】歩行支援対象者の上腿長や下腿長の取得をより容易にする。【解決手段】画像解析システム500では、携帯端末200が、歩行支援装置1を装着した装着者100の脚部を歩行支援装置1に設置されたマーカー15とともに撮影して、その画像データを画像解析サーバ300に送信する。画像解析サーバ300は、画像データを受信すると、マーカー15の形状から撮影時の携帯端末200の傾きなどを補正し、股関節、膝関節、足首関節を認識する。そして、画像解析サーバ300は、上腿長と下腿長を計算して歩行支援装置1に送信する。歩行支援装置1は、画像解析サーバ300から受信した上腿長と下腿長を用いて関節モーメントを計算する。【選択図】図1

Description

本発明は、歩行支援装置、及び情報処理装置に関し、例えば、脚部の運動を支援するものである。
近年、歩行者に装着させ、歩行者の歩行動作をアクチュエータなどで支援(アシスト)する装着型の歩行支援装置(ウェアラブルモビリティ)が盛んに研究され、例えば、特許文献1の体重支持型の歩行補助装置が提案されている。
特許文献1の歩行支援装置は、歩行支援対象者の両脚の内側に装着され、上腿フレームと下腿フレームの接合部分に設けた歩行支援対象者の膝関節に対応するアクチュエータを駆動して着座部を上方に付勢し、これによって、歩行支援対象者の脚部に作用する体重を軽減するものである。
ところで、特許文献1の技術は、着座部が歩行支援対象者を上方向に付勢する付勢力を制御対象とするものであり、より細やかな歩行支援を行う場合、歩行支援対象者の脚部の関節に発生する関節モーメントを制御対象とし、モーメントアシストする必要がある。
そして、関節モーメントを制御対象とする場合、歩行支援対象者の上腿長と下腿長の長さを用いて関節モーメントを計算する必要がある。
しかし、これらの長さの計測は、歩行支援対象者にとって負担となるという問題があった。
また、統計データによる標準的な上腿長と下腿長を予め設定して用いることも考えられるが、上腿長と下腿長に個人差があるため、これが出力トルクの個人差となって現れてしまうため、歩行支援対象者の上腿長と下腿長を個別に実測するのが望ましい。
特開2007−616号公報
本発明は、歩行支援対象者の上腿長や下腿長の取得をより容易にすることを目的とする。
(1)上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、歩行支援対象者が跨いで着座する着座部と、左右一対の足装着部と、前記歩行支援対象者の両脚の内側に配設され、前記足装着部と前記着座部を連結し、前記歩行支援対象者の動作に合わせて屈伸する脚連結部と、前記着座部に対して前記脚連結部を駆動して前記歩行支援対象者の脚部の運動をアシストするアシスト手段と、前記着座部に着座した前記歩行支援対象者の脚部を撮影した画像から求めた、前記脚部の上腿部分と下腿部分のうちの少なくとも一方の長さを取得する長さ取得手段と、前記取得した長さを用いて前記アシスト手段のアシスト力を調節する調節手段と、を具備したことを特徴とする歩行支援装置を提供する。
(2)請求項2に記載の発明では、前記着座部に着座した前記歩行支援対象者の脚部を撮影した画像を取得する画像取得手段を備え、前記長さ取得手段は、前記画像取得手段で取得した前記画像から求めた、前記脚部の上腿部分と下腿部分のうちの少なくとも一方の長さを取得する、ことを特徴とする請求項1に記載の歩行支援装置を提供する。
(3)請求項3に記載の発明では、前記着座部に着座した前記歩行支援対象者の脚部を撮影する撮影装置を備え、前記画像取得手段は、前記撮影装置で撮影した画像を取得する、ことを特徴とする請求項2に記載の歩行支援装置を提供する。
(4)請求項4に記載の発明では、撮影装置との間でデータ通信を行う通信手段を備え、前記画像取得手段は、前記着座部に着座した前記歩行支援対象者の脚部を撮影した前記撮影装置から送信される画像を前記通信手段で受信することで取得する、ことを特徴とする請求項2に記載の歩行支援装置を提供する。
(5)請求項5に記載の発明では、前記画像取得手段は、前記脚部とともに前記歩行支援装置の所定部分の形状を撮影した画像を取得し、前記長さ取得手段は、前記取得した所定部分を基準にして得られた前記長さを取得する、ことを特徴とする請求項2、請求項3、又は、請求項4に記載の歩行支援装置を提供する。
(6)請求項6に記載の発明では、前記長さ取得手段は、歩行支援装置の着座部に着座した歩行支援対象者の脚部を撮影した画像を取得し、当該取得した画像から前記歩行支援対象者の脚部の上腿部分と下腿部分のうちの少なくとも一方の長さを算出する情報処理装置から、前記脚部の上腿部分と下腿部分のうちの少なくとも一方の長さを取得する、ことを特徴とする請求項1に記載の歩行支援装置を提供する。
(7)請求項7に記載の発明では、脚部の長さを取得する脚部長取得手段を備え、前記長さ取得手段は、前記上腿部分と前記下腿部分の何れか一方の長さを取得した場合に、前記脚部の長さと前記取得した長さを用いて他方の長さを取得し、前記調節手段は、前記取得した上腿部分と下腿部分の長さを用いて前記アシスト力を調節する、ことを特徴とする請求項1から請求項6のうちのいずれか1の請求項に記載の歩行支援装置を提供する。
(8)請求項8に記載の発明では、請求項1に記載した歩行支援装置に着座した前記歩行支援対象者の脚部を撮影した画像を受信する画像受信手段と、前記受信した画像に記録された脚部を用いて、当該脚部の上腿部分と下腿部分のうちの少なくとも一方の長さを算出する長さ算出手段と、前記算出した長さを前記歩行支援装置に送信する送信手段と、を具備したことを特徴とする情報処理装置を提供する。
(9)請求項9に記載の発明では、前記画像受信手段は、前記歩行支援装置に設置された撮影装置、又は、それ以外の撮影装置を用いて撮影した画像を受信する、ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置を提供する。
本発明によれば、歩行支援対象者の脚部のデジタル画像を撮影して画像解析することにより、上腿長、下腿長を容易に取得することができる。
画像解析システムを説明するための図である。 歩行支援装置の構成を説明するための図である。 歩行支援装置のシステム構成を示した図である。 携帯端末と画像解析サーバの構成の一例を説明するための図である。 携帯端末で撮影した画像を模式的に表した図である。 画像解析システムの動作を説明するためのフローチャートである。 歩行支援手順を説明するためのフローチャートである。 第2の実施の形態を説明するための図である。
(1)実施形態の概要
画像解析システム500(図1)では、携帯端末200が、歩行支援装置1を装着した装着者100の脚部を歩行支援装置1に設置されたマーカー15とともに撮影して、その画像データ(画像ファイル)を画像解析サーバ300に送信する。
なお、装着者100は、屈んだ状態で(進行方向に対して)側方から撮影することにより、股関節、膝関節、足首関節の屈曲が画像に記録されるようにする。
画像解析サーバ300は、画像データを受信すると、マーカー15の形状から撮影時の携帯端末200の傾きや距離などを補正し、股関節、膝関節、足首関節を認識する。
そして、画像解析サーバ300は、これらから上腿長と下腿長を計算して歩行支援装置1に送信する。
歩行支援装置1は、画像解析サーバ300から受信した上腿長と下腿長を人体パラメータとして記憶する。以後、歩行支援装置1は、記憶した上腿長と下腿長を用いて関節モーメントを計算する。
(2)実施形態の詳細
(第1の実施の形態)
図1は、画像解析により上腿長と下腿長を算出して歩行支援装置1に提供する画像解析システム500を説明するための図である。
画像解析システム500は、歩行支援装置1、携帯端末200、画像解析サーバ300などから構成されている。
以下、図に括弧で示した番号に従って説明する。
(a)まず、携帯端末200が歩行支援装置1を装着した装着者100(歩行支援対象者)の脚部を撮影する。
この撮影は、装着者100とは別の第三者(例えば、友人)が行ってもよいし、あるいは、装着者100が自身を鏡に映してこれを撮影してもよいし、更には、タイマーを用いたり、無線や有線による遠隔操作により撮影してもよい。
(b)携帯端末200は、脚部を撮影すると、その画像データを画像解析サーバ300に送信する。これは、自動で送信してもよいし、あるいは、ユーザが携帯端末200を操作して送信してもよい。
(c)画像解析サーバ300は、画像データを受信すると、以下の画像処理を行う。
まず、画像解析サーバ300は、歩行支援装置1に設置されているマーカー15の画像の歪みを用いて、撮影時における携帯端末200の傾き、歩行支援装置1からの距離や方位(方向)などを解析し、被写体に対する所定の基準位置から被写体に向かう基準方向に向けて当該被写体を撮影した画像に補正する。この補正した画像におけるマーカー15のサイズsと、マーカー15の実際のサイズSとから、画像の縮尺(s/S)が求まる。
そして、画像解析サーバ300は、補正後の画像から装着者100の脚部の股関節、膝関節、足首関節を認識し、股関節から膝関節までの画像上の距離を縮尺で除することで上腿長(上腿部分の長さ)を算出し、膝関節から足首関節までの画像上の距離を縮尺で除することで下腿長(下腿部分の長さ)を算出する。
(d)画像解析サーバ300は、以上の画像解析を行うと解析結果(上腿長と下腿長)を歩行支援装置1に送信する。
(e)歩行支援装置1では、制御装置2が解析結果を受信し、これを人体パラメータとして記憶する。
なお、歩行支援装置1には、解析結果による上腿長と下腿長の設定前でもある程度機能するように統計データに基づく上腿長と下腿長のデフォルト値が記憶されており、制御装置2は、これを解析結果による上腿長と下腿長に書き換える。
以後、制御装置2は、新たに記憶した(書き換え後の)人体パラメータを用いて関節モーメントを計算し、当該関節モーメントに応じた出力となるように各アクチュエータを制御する。
なお、制御装置2は、人体パラメータとして上腿長、下腿長の解析結果を取得して書き換えるまでの間は、デフォルト値として記憶されている上腿長、下腿長を使用して各アクチュエータを制御する。
次づいて、携帯端末200が歩行支援装置1の脚部の撮影と画像解析サーバ300への送信を行い、画像解析サーバ300が撮影画像から上腿長等の算出を行う場合の詳細について説明するが、後述するように、次の場合のように撮影、送信、算出等を他が行うようにしてもよい。
(a)携帯端末200が撮像した画像を歩行支援装置1が受信し、歩行支援装置1が画像解析サーバ300に撮影画像を送信し、画像解析サーバ300が撮影画像から上腿長、下腿長を算出し、画像解析サーバ300で算出した上腿長等を歩行支援装置1が取得する場合。
(b)歩行支援装置1が、自身に配設された撮像装置で脚部等を撮影し、歩行支援装置1が撮影した画像を画像解析サーバ300に送信し、受信した撮影画像から画像解析サーバ300が上腿長、下腿長を算出し、画像解析サーバ300で算出した上腿長等を歩行支援装置1が取得する場合。
(c)携帯端末200が撮像した画像を歩行支援装置1が受信し、受信した撮影画像から歩行支援装置1が上腿長、下腿長を算出する場合。
(d)歩行支援装置1が、自身に配設された撮像装置で脚部等を撮影し、撮影した画像から歩行支援装置1が上腿長、下腿長を算出する場合。
図2は、歩行支援装置1の構成を説明するための図である。
図2(a)は、歩行支援装置1の構成を側面(進行方向に対して横方向)から見たところを示している。
図2(b)は、図2(a)で示した状態の歩行支援装置1を正面(進行方向)から見た状態と、装着者100の下半身部分を点線で表している。
図2(b)に示したように、歩行支援装置1は、装着者100が跨って乗ることにより、装着者100の体重の一部を支持(負担)し、装着者100の脚部の関節に発生する負荷(関節モーメント)を軽減するものである。
このように、歩行支援装置1では、装着者100は、腰部、上腿部、下腿部を固定する必要がないので、着脱が容易である。
なお、図2(a)(b)に示すように、点線で示した装着者100が脚を伸ばした状態(直立状態)において、歩行支援装置1が膝関節部分で屈曲している。これにより、直立状態においても、サドル部61に上方の力を発生させて、体重の一部を負担するとともに、サドル部61を装着者100の股間に固定することができる。
図2(a)に戻り、歩行支援装置1は、サドル部61、連結部材63、プレート62、ガイドレール64、65、荷重センサ67、股関節アクチュエータ17、膝関節アクチュエータ18、足首関節アクチュエータ19、上腿連結部材26、下腿連結部材27、足連結部材28、足装着部24、床反力センサ241などから構成されている。
なお、股関節アクチュエータ17、膝関節アクチュエータ18、足首関節アクチュエータ19、上腿連結部材26、下腿連結部材27、足連結部材28、足装着部24、床反力センサ241については、図2(b)に示すように、右脚用と左脚用の各部材が存在するが、一方の脚用を指定して説明する場合には、部材名の頭に左右を付け、符号の後にLRを付けて区別して説明する。
また、図示しないが、本実施形態では、制御装置2やバッテリがサドル部61内、またはサドル部61の下側などに配設されるが、他の位置例えば、上腿連結部材26などに配設するようにしてもよい。
なお、図2(a)は、図面に向かって右側(足装着部24のつま先側)が前方である。
サドル部61は、装着者100が跨いで腰掛ける着座部である。サドル部61は、歩行支援対象者が跨いで着座する着座部として機能している。
サドル部61の上面には、装着者100からサドル部61が受ける圧力を検出する荷重センサ67が配設されている。
サドル部61は、装着者100の体重の少なくとも一部を下方から支える。サドル部61は、下方から装着者100の股間部に押圧されるため、これにより、歩行支援装置1の上部が直立状態、及び歩行状態の何れでも装着者100の腰部に対して固定される。
なお、特許文献1の技術では、装着者が支えるべき体重の一部を装置が負担することでアシストするもので、荷重センサの検出値が一定値となるように各アクチュエータを駆動している。即ち、荷重センサの検出値を制御対象としている。
これに対し、本実施形態の歩行支援装置1では、加重センサ67の検出値が一定値となるように制御することで装着者が支えるべき体重の一部を装置が負担するだけでなく、更に、歩行時に必要となる脚の上げ下げの動作に対してもアシストを行うものであり、そのために関節モーメントも制御対象としている。例えば、各関節に発生する関節モーメントの一定割合を補助するように各アクチュエータを制御する。この関節モーメントの計算のために装着者100の上腿長と下腿長が必要となる。
連結部材63は、サドル部61の後方に延設されており、この延設部分には左右用2枚のプレート62が固定されている。連結部材63は、プレート62に対するサドル部61の位置を固定している。
2枚のプレート62は、連結部材63の軸心を中心に回転自在に配設されることで、連結部材63が2枚のプレート62に対する開閉軸として機能している。これにより、装着者100の脚の開閉に伴い、2枚のプレート62も連結部材63の軸心を中心に開閉する。
プレート62は、サドル部61の後端側からサドル部61の前端側の下部まで形成され、下肢側に凸となった扇形の部材である。プレート62は、下肢の運動に対してサドル部61を保持する部材であり、それに耐えうる剛性を有している。
プレート62の表面にはガイドレール64、65(以下代表してガイドレール65という)が、サドル部61の上方に位置する装着者100の股関節Kを中心とする同心円状に形成されている。股関節Kの位置は、サドル部61に着座した際の股関節位置の統計データを用いて既定の位置が設定されている。
ガイドレール65は、股関節アクチュエータ17が装着者100の歩行運動に伴って前後方向に移動する軌道を規定している。
股関節アクチュエータ17は、ガイドレール65による軌道上を股関節アクチュエータ17の発揮する駆動力で移動するように構成されており、装着者100の歩行運動に伴って股関節アクチュエータ17がガイドレール64、65による軌道上を移動する。
例えば、装着者100が右脚を前に出すことで重心が前方に移動した状態では、右股関節アクチュエータ17Rは脚の動きに連動して軌道上を前方に移動し、立脚側の左脚は重心よりも後方への移動に連動して左股関節アクチュエータ17Lは軌道上を後方に移動する。
股関節アクチュエータ17には、剛性を有する部材(例えば、柱状部材)で構成された上腿連結部材26の一端が固定され、上腿連結部材26の他端には膝関節アクチュエータ18が接続されている。
上腿連結部材26の一端は股関節アクチュエータ17に対して固定されているため、股関節アクチュエータ17に対する角度は変わらないが、股関節アクチュエータ17が円弧上のガイドレール65上を移動することにより、上腿連結部材26は、ガイドレール65の接線との角度を一定に保ちながら、水平面に対する角度が変化する。
即ち、装着者100の膝を上げる動作に伴い股関節アクチュエータ17がガイドレール65上を前方に移動するため、上腿連結部材26は水平面との角度が小さくなる(水平に近づく)。
そして、上腿連結部材26の他端側に位置する膝関節アクチュエータ18は、ガイドレール65の中心軸である股関節Kを中心とする円弧上を前後に移動する。即ち、膝関節アクチュエータ18は、股関節アクチュエータ17の移動に伴い、股関節Kから一定距離を保ちながら円弧運動をする。これにより装着者100の股関節の関節モーメントを補助することができる。
また、上腿連結部材26の膝関節アクチュエータ18側の側面には、マーカー15が設置されている。
詳細は後述するが、マーカー15は、装着者100の脚部とともに画像に記録され、画像を解析する際に用いられる。
マーカー15の基準形状(大きさ、外形)は予め決まっており(図の例では長方形)、画像に記録されたマーカー15の形状と基準形状を対比することにより、カメラと被写体(歩行支援装置1、及びこれを装着した装着者100の脚部)の相対位置関係(方位・距離・カメラの傾きなど)が求まる。これにより、同じ画像に記録された装着者100の脚部の形状を解析し、上腿長と下腿長を算出することができる。
このため、マーカー15は、装着者100が歩行支援装置1を装着した際に、撮影方向から見て脚部に遮られない位置に設置されている。
本実施の形態では、装着者100が歩行支援装置1を装着した状態で側方から撮影することを想定しており、上腿連結部材26の膝関節アクチュエータ18側の側面は、装着者100が歩行支援装置1を装着した状態で装着者100の膝部分から前方に突出して側方から見えるため、この位置に設置した。
上腿連結部材26の他端側は、回転軸を介して下腿連結部材27が接続されている。
膝関節アクチュエータ18は、装着者100の膝関節Lに対応する回転軸を軸心として、上腿連結部材26と下腿連結部材27との膝関節角度を前後方向に変えるように構成されている。なお、この回転軸は股関節Kよりも前方に位置している。
膝関節アクチュエータ18は、膝関節角度を大きくする(直線に近づける)ことで、上腿連結部材26にプレート62等を介して接続されているサドル部61に対する上方の付勢力を発生させるようになっており、この上付勢力により装着者100の体重の一部が支持され、これにより装着者100の膝関節の関節モーメントを補助することができる。
なお、本実施形態の膝関節アクチュエータ18は、回転軸(上腿連結部材26と下腿連結部材27の接続点)の位置に配設される場合について説明するが、例えば、連結部材63やサドル部61内、サドル部61下、股関節アクチュエータ17の後方等の他の位置に配置するようにしてもよい。
この場合、膝関節アクチュエータ18の出力は、プーリを必要箇所に配置しワイヤーやベルトによる伝達機構、その他の力伝達機構により、上腿連結部材26と下腿連結部材27に作用させるようにしてもよい。また、上に述べた股関節アクチュエータ17や、下に述べる足首関節アクチュエータ19も同様である。
下腿連結部材27は、剛性を有する部材(例えば、柱状部材)で構成され、膝関節アクチュエータ18と反対の他端側には、足首関節アクチュエータ19が取り付けられている。
足首関節アクチュエータ19には、剛性を有する部材(例えば、柱状部材)で構成された足連結部材28が取り付けられている。
足連結部材28には、足首関節アクチュエータ19の位置が装着者100の足首関節と略同じ高さとなるように、装着者100の足が挿入される左右一対の足装着部24が固定されている。
足首関節アクチュエータ19は、下腿連結部材27に対して、足連結部材28と足装着部24を足首関節Mの回りに駆動する。これにより装着者100の足首関節の関節モーメントを補助することができる。
足装着部24は、対向する一対の足連結部材28の外側に配置されることで、図2(b)に示されるように、足装着部24以外の各部材は両脚の間に収まることになる。足装着部24は、左右一対の足装着部として機能している。
足装着部24の底面には、歩行面からの床反力を検出する右床反力センサ241R、左床反力センサ241Lが配置されている。この床反力は、関節モーメントを計算するのに用いられる。
本実施形態では、各足装着部24の底面略中央部に1つずつの床反力センサ241が配置されているが、立脚、遊脚の状態をより正確に判定するために、前後方向の複数箇所(例えば、つま先と踵の2箇所)に床反力センサを配置するようにしてもよい。
また、図示しないが、膝関節アクチュエータ18と足首関節アクチュエータ19にはエンコーダ(回転角度センサ)が設置されており、これらの角度を検出することができる。
更に、股関節アクチュエータ17には位置センサが設置されており、ガイドレール64、ガイドレール65での位置を検出することができる。
制御装置2は、これらのセンサ値から装着者100の脚部の関節角度(股関節角度、膝関節角度、足首関節角度)を計算することができる。このため、これらセンサは関節角度センサとして機能している。
更に、制御装置2は、脚部の関節角度、上腿長と下腿長、荷重センサ67の圧力と床反力センサ241による床反力などを用いて各関節の関節モーメントを計算し、これら関節モーメントを補助するように各アクチュエータを出力させる。
足連結部材28から連結部材63に至る構成は、歩行支援対象者の両脚の内側に配設され、足装着部と着座部を連結し、歩行支援対象者の動作に合わせて屈伸する脚連結部として機能すると共に、着座部に対して脚連結部を駆動して歩行支援対象者の脚部の運動をアシストするアシスト手段として機能している。
また、制御装置2は、上腿長、下腿長を用いて計算した関節モーメントを制御対象とするため、上腿長や下腿長を用いて前記アシスト手段のアシスト力を調節する調節手段として機能している。
図3は、歩行支援装置1のシステム構成を示した図である。
制御装置2は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、記憶部、各種インターフェースなどを備えた電子制御ユニットであり、歩行支援装置1の各部を電子制御する。
制御装置2は、CPUで記憶部に記憶された歩行支援プログラム等の各種プログラムを実行することにより構成され、センサ情報取得部3、関節モーメント演算部4、アクチュエータ出力決定部8、デバイスパラメータ記憶部5、人体パラメータ記憶部6、通信制御部7などを備えている。
センサ情報取得部3は、関節角度センサ9(各エンコーダなど)から各関節の角度を取得し、床反力センサ241から床反力を取得し、荷重センサ67から荷重を取得する。
関節モーメント演算部4は、各関節角度や、床反力センサ241の検出値や、デバイスパラメータ記憶部5や人体パラメータ記憶部6が記憶した各パラメータを用いて装着者100の股関節、膝関節、足首関節の関節モーメントを演算する。
アクチュエータ出力決定部8は、関節モーメント演算部4の算出した各関節モーメントに例えばアシスト率を乗じてアシスト力を算出し、更に、当該アシスト力を発揮させるために必要な各アクチュエータの出力トルクを算出して、股関節アクチュエータ17、膝関節アクチュエータ18、足首関節アクチュエータ19を駆動する。
デバイスパラメータ記憶部5は、歩行支援装置1の各関節間の長さ、各部の重量や重心位置、股関節Kの位置など、関節モーメントを計算するのに必要なパラメータを記憶している。
人体パラメータ記憶部6は、装着者の身長、体重、上腿長、下腿長などの身体的特徴を表すデータを記憶している。
このように、デバイスパラメータ記憶部5と人体パラメータ記憶部6には、関節モーメントなどを計算するのに必要な各種パラメータを記憶している。
通信制御部7は、外部機器と通信する手段であって、例えば、無線LAN(Local Area Network)通信規格を満たす無線モジュールを備え、インターネットなどの通信ネットワークを介して画像解析サーバ300と通信し、画像解析サーバ300から解析結果として上腿長と下腿長を受信して人体パラメータ記憶部6に記憶する。
通信制御部7は、撮影した画像を所定の情報処理装置(画像解析サーバ300)に送信する画像送信手段、及び撮影した画像に記録された脚部の上腿部分と下腿部分のうちの少なくとも一方の長さを画像解析サーバ300からの受信により取得する長さ取得手段として機能している。
図4(a)は、携帯端末200の構成の一例を説明するための図である。
携帯端末200は、CPU201、ROM202、RAM203、記憶装置204、通信制御装置205、撮像装置206、入力装置207、出力装置208などから構成されている。
携帯端末200は、カメラ機能、及び画像解析サーバ300との通信機能を備えた携帯端末であって、例えば、スマートフォン、携帯電話、デジタルカメラ、携帯型ゲーム機などの一般的な携帯端末を用いて構成することができ、撮影した画像をデジタル化する手段として機能している。
CPU201は、記憶装置204などに記憶されたプログラムに従って各種の情報処理を行う中央処理装置である。
本実施の形態では、CPU201は、記憶装置204に記憶されたアプリケーションプログラムを実行することにより、画像を撮影する撮影アプリケーション、撮影した画像の画像データを画像解析サーバ300に送信する画像転送アプリケーションなどを実現することができる。
ROM202は、携帯端末200を動作させる基本的なパラメータやプログラムなどを記憶した読み取り専用の記憶装置である。
RAM203は、装着者100の脚部を画像撮影したり、画像データを画像解析サーバ300に送信したりする際に、CPU201が使用するメモリ空間を提供する読み書き可能な記憶装置である。
記憶装置204は、例えば、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)などの大容量の記憶媒体を用いて構成されており、画像撮影するアプリケーションプログラムや、画像解析サーバ300に画像データを送信するアプリケーションプログラムなどの各種のプログラムを記憶するほか、撮影した画像データやその他のデータを記憶したりする。
通信制御装置205は、例えば、図示しないがCPU201に接続したSIM(Subscriber Identity Module Card)カードを用いることにより携帯電話網を介してインターネットに接続したり、無線LANモジュールを用いてインターネットに接続するなどして画像解析サーバ300と通信し、画像解析サーバ300に画像データを送信する。
撮像装置206は、被写体を投影面に結像するレンズなどの光学系や、結像した画像を電子データである画像データに変換するCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)センサなどの撮像素子を用いて構成されている。
入力装置207は、タッチパネルやキーボードなどの操作入力デバイスやマイクロフォンなどの音声入力デバイスを備えており、例えば、撮影操作や画像データの画像解析サーバ300への転送命令の入力を利用者から受け付ける。
出力装置208は、液晶ディスプレイなどの画面表示デバイスやスピーカなどの音声出力デバイスを備えており、例えば、画像撮影するための撮影操作画面や、画像データを画像解析サーバ300に転送するための転送命令入力画面などを表示する。
図4(b)は、画像解析サーバ300の構成の一例を説明するための図である。
画像解析サーバ300は、歩行支援装置1を製造した会社が自社で構築し、予め作成した画像解析(画像認識)アルゴリズムを用いて画像データから、上腿長と下腿長を算出する。また、画像解析サーバ300の運営は他社としてもよい。
画像解析サーバ300は、CPU301、ROM302、RAM303、記憶装置304、通信制御装置305などから構成されている。
CPU301は、記憶装置304などに記憶されたプログラムに従って各種の情報処理を行う中央処理装置である。
本実施の形態では、CPU301は、携帯端末200から画像データを受信して画像解析し、装着者100の上腿長、下腿長を算出して歩行支援装置1に送信する。
ROM302は、画像解析サーバ300を動作させる基本的なパラメータやプログラムなどを記憶した読み取り専用の記憶装置である。
RAM303は、CPU301が携帯端末200や歩行支援装置1と通信したり、画像解析を行う際のメモリ空間を提供する読み書き可能な記憶装置である。
記憶装置304は、例えば、ハードディスクなどの大容量の記憶媒体を用いて構成されており、CPU301が画像解析処理を行うための画像解析プログラムを記憶するほか、携帯端末200から受信した画像データを記憶したりする。
通信制御装置305は、例えば、インターネットなどの通信ネットワークに接続しており、携帯端末200と通信して画像データを受信したり、歩行支援装置1と通信して解析結果を送信したりする。
CPU301は、通信制御装置305を用いて携帯端末200から歩行支援装置1に跨った装着者100の画像データを受信するため、歩行支援装置に着座した歩行支援対象者の脚部を撮影した画像を取得する画像取得手段として機能している。
また、CPU301は、画像解析により上腿長と下腿長を算出して取得するため、画像に記録された脚部を用いて、当該脚部の上腿部分と下腿部分のうちの少なくとも一方の長さを取得する長さ取得手段として機能している。
そして、CPU301は、通信制御装置305を用いて算出した長さを制御装置2に送信して提供するため、長さを前記調節手段に提供する提供手段として機能している。
更に、画像取得手段は、通信ネットワークを介して画像データを取得し、提供手段は、通信ネットワークを介して調節手段(制御装置2)に取得した長さを提供している。
図5は、携帯端末200で撮影した画像を模式的に表した図である。
画像解析サーバ300は、当該画像の画像データを以下のように解析して上腿長と下腿長を求める。
まず、装着者100は、歩行支援装置1を装着し、膝を曲げた状態(即ち、少し屈んだ状態)で、装着者100の体側面方向(前方に向かって横方向)から画像を撮影する。
このように膝を曲げた状態で横から画像を撮影することにより、股関節K、膝関節L、足首関節Mの位置が屈曲し、画像解析により認識・抽出しやすくなる。
また、画像には、装着者100の脚部とともにマーカー15が撮影されている。
このため、画像取得手段、または、撮影手段は、脚部とともに画像に記録された歩行支援装置の所定部分の形状(マーカー15)を取得、または、撮影している。
マーカー15の基準形状は、予め決まっているので、マーカー15の形状と、基準形状を比較することにより、被写体(装着者100の脚部やマーカー15)に対するカメラ(携帯端末200)の方位、距離、傾きなどを算出することができる。
そこで、画像解析サーバ300は、画像に記録されたマーカー15が基準形状となるように画像を変換して、カメラの方向、距離、傾きなどを補正する。
即ち、画像を装着者100の真横の所定の基準位置からカメラをマーカー15方向に向けて撮影した画像に変換する。これにより、補正後の画像におけるマーカ15のサイズsと実際のマーカ15のサイズS(既知)とから、被写体の縮尺(s/S)が定まり、被写体上の2点間の距離を実際の距離に変換できるようになる。
なお、脚部はマーカー15よりも脚部の厚さだけカメラ寄りになるため、脚部の縮尺はマーカー15の縮尺と若干異なるが、変換で用いる縮尺は、この差異を考慮した値となっている。
画像解析サーバ300は、このようにマーカー15を用いて補正した補正後の画像に対して画像解析を行って装着者100の股関節K、膝関節L、足首関節Mを認識・抽出し、画像上での上腿長A(股関節Kと膝関節Lの間の距離)、下腿長B(膝関節Lと足首関節Mの距離)を計算し、更に、画像における長さA、Bを縮尺(s/S)で除することで実際の上腿長A、下腿長Bを算出する。
このように、画像解析サーバ300の画像取得手段は、脚部とともに画像に記録された歩行支援装置の所定部分(マーカー15)の形状を取得し、長さ取得手段は、所定部分(マーカー15)を基準にして上腿長Aや下腿長Bの長さを取得している。
図6は、画像解析システム500の動作を説明するためのフローチャートである。
以下の動作は、携帯端末200のCPU201、画像解析サーバ300のCPU301、及び制御装置2のCPUが所定のプログラムに従って行うものである。
まず、装着者100が歩行支援装置1を装着し、膝を曲げたポーズをとる。
携帯端末200は、撮像装置206によって、このような状態で静止した装着者100の脚部を被写体として側方面からマーカー15とともに撮影する(ステップ5)。
この撮影処理は、携帯端末200の利用者が出力装置208に表示された撮影操作画面を参照しながら入力装置207から(アイコンをタッチするなどして)撮影命令を入力することにより撮像装置206などが実行するものである。
次に、携帯端末200は、撮影した画像データを画像解析サーバ300に送信する(ステップ10)。
この画像データ送信処理は、利用者が出力装置208に表示された画像データ転送画面に対して入力装置207から転送命令(アイコンをタッチするなど)を入力することにより通信制御装置205などが実行するものである。
携帯端末200が画像データを送信すると、画像解析サーバ300が当該画像データを受信して(ステップ15)、記憶装置304に記憶する。
次に、画像解析サーバ300は、記憶した画像データから画像をRAM303に展開し、マーカー15を認識する。
そして、画像解析サーバ300は、認識したマーカー15が基準形状となるような画像補正パラメータを算出し、当該補正パラメータに従って画像を補正して補正後の画像をRAM303に展開する(ステップ20)。
次に、画像解析サーバ300は、RAM303に展開した補正後の画像において装着者100の脚部を画像解析し、股関節K、膝関節L、足首関節Mを認識する(ステップ25)。
そして、画像解析サーバ300は、補正語の画像におけるマーカー15のサイズsと、実際のマーカーサイズSとから、画像の縮尺(s/S)を求める。また、画像解析サーバ300は、補正後の画像上での股関節Kと膝関節Lの距離、及び、膝関節Lと足首関節Mの距離を、画像の縮尺(s/S)で除することで装着者100の上腿長A、下腿長Bの実際の値を算出し(ステップ30)、歩行支援装置1に送信する(ステップ35)。
歩行支援装置1では、制御装置2が通信制御部7を用いて画像解析サーバ300から上腿長、下腿長を受信する(ステップ40)。
そして、制御装置2のCPUは、人体パラメータ記憶部6に記憶されている上腿長と下腿長のデフォルト値のそれぞれを、画像解析サーバ300から受信した上腿長Aと下腿長Bに書き換えることにより人体パラメータを設定する(ステップ45)。
人体パラメータの書き換えは、歩行支援装置1と画像解析サーバ300が通信を行いながら行ってもよいし、あるいは、歩行支援装置1が上腿長Aと下腿長Bを制御装置2のRAMなどに一時記憶しておき、通信終了後に行ってもよい。
以上のようにして、画像解析システム500は、携帯端末200で装着者100の脚部を撮影することにより、装着者100に固有な上腿長と下腿長を人体パラメータとして歩行支援装置1に容易に設定することができる。
図7は、歩行支援装置1が行う歩行支援手順を説明するためのフローチャートである。
以下の処理は、制御装置2のCPUが所定のプログラムに従って行うものである。
まず、制御装置2は、各センサからセンサ値を取得する(ステップ105)。
次に、制御装置2は、これらセンサ値、デバイスパラメータ、及び、装着者100の上腿長Aと下腿長Bに書き換え後の人体パラメータを用いて、装着者100の脚部の各関節に発生する関節モーメントを算出する(ステップ110)。
次に、制御装置2は、算出した各関節モーメントの一定割合をアシストするために各アクチュエータに出力させる出力値を算出する(ステップ115)。
更に、制御装置2は、算出した出力値のトルクを各アクチュエータに出力させる(ステップ120)。
そして、制御装置2は、電源スイッチがオフされたか否かを確認するなどして(電源オフの場合は歩行支援処理を終了し、オンの場合は歩行支援処理を継続する)歩行支援を継続するか否かを判断し(ステップ125)、歩行支援を継続する場合は(ステップ125;Y)、ステップ105に戻り、継続しない場合は(ステップ125;N)、支援を終了する。
以上、実施の形態の一例について説明したが、これには各種の変形が可能である。以下、これら変形例について説明する。
画像解析システム500では、マーカー15を上腿連結部材26の膝関節アクチュエータ18側に設定したが、例えば、膝関節アクチュエータ18の表面、下腿連結部材27の膝関節アクチュエータ18側の側面、あるいは、足装着部24の側面など他の位置にマーカー15を設置してもよい。
また、本実施の形態では、単一のマーカー15を用いたが複数のマーカー15を組み合わせることも可能である。
例えば、直線上にないお互いの相対位置が固定された3点(例えば、一体となって動作する股関節アクチュエータ17と上腿連結部材26の上など歩行支援装置1が動くことにより位置関係が変化しない箇所)にそれぞれマーカー15、15、15を設置し、これらマーカー15、15、15が画像上で形成する三角形の大きさ、及び外形の歪みから画像補正パラメータを算出するようにしてもよい。
ここで補正パラメータは、任意の角度から撮影された画像を、歪みの無い、適正位置から撮像した場合の画像に修正するためのパラメータである。
また、プレート62、上腿連結部材26、下腿連結部材27のそれぞれにマーカー15、15、15を配置し、画像撮影時のこれらの位置関係をエンコーダなどのセンサ値で検出して撮影時におけるこれらマーカー15、15、15の位置関係を特定してもよい。
この場合は、歩行支援装置1と携帯端末200を通信可能としておき、携帯端末200が撮影と同時に撮影した旨の信号を歩行支援装置1に送信する。
これに対して、歩行支援装置1は、マーカー15、15、15の位置関係を携帯端末200に送信する。
そして、携帯端末200は、画像データとともにマーカー15、15、15の位置関係を画像解析サーバ300に送信する。
画像解析サーバ300は、携帯端末200から送信されてきたマーカー15、15、15による三角形(これが基準形状となる)と、画像に記録されているマーカー15、15、15の三角形を対比して画像補正パラメータを算出する。
更には、歩行支援装置1にマーカー15を設けずに、例えば、連結部材63や足装着部24など、歩行支援装置1の一部を、その実寸が既知であるマーカーとして使用することも可能である。
例えば、画像解析サーバ300は、股関節アクチュエータ17を画像データから抽出し、股関節アクチュエータ17の画像の歪みを用いて画像データを補正すると共に、マーカー部分の画像サイズと実寸値とから縮尺を求める。
また、画像解析サーバ300は、画像解析に静止画を用いたがこれを動画とすることも可能である。
この場合、携帯端末200は、装着者100が歩行支援装置1を装着して歩行する様子を動画撮影し、画像解析サーバ300は、動画解析により股関節、膝関節、及び足首関節を認識する。
更に、以上に説明した実施の形態では、画像解析サーバ300が画像解析を行うため、歩行支援装置1に高性能なコンピュータを搭載する必要がないという利点があるが、例えば、歩行支援装置1や携帯端末200で画像解析を行うように構成することもできる。
この場合は、歩行支援装置1や携帯端末200が上腿長や下腿長を取得する情報処理装置として機能している。
例えば、歩行支援装置1の制御装置2で画像解析を行う場合、携帯端末200は、撮影した画像データを歩行支援装置1に送信し、歩行支援装置1が画像解析を自ら行って、上腿長と下腿長を算出し、人体パラメータ記憶部6に記憶する。
また、携帯端末200が画像解析アプリケーションを搭載している場合、携帯端末200は、撮影、及び画像解析を行って上腿長と下腿長を算出し、これを歩行支援装置1に送信する。歩行支援装置1は、これを受信し、人体パラメータ記憶部6に記憶する。
更に、携帯端末200が撮影後、画像データを歩行支援装置1に送信し、歩行支援装置1がこれを画像解析サーバ300に送信するように構成することもできる。
この場合、画像解析サーバ300は、画像解析後に上腿長と下腿長を歩行支援装置1に送信し、歩行支援装置1は、これを人体パラメータ記憶部6に記憶する。
また、以上に説明した実施の形態では、画像解析により上腿長と下腿長の両方を算出したが、脚部の長さは装着者100が直立した際に歩行支援装置1の各種センサ値から計算できるため(足装着部24の裏面から足首関節Mまでの距離は統計値などを用いて補正する)、上腿長と下腿長のうち、何れか一方が分かれば、他方は脚部の長さから当該一方の長さを減じることにより算出することができる。
そのため、画像解析サーバ300で、上腿長と下腿長の何れか一方を計算し、他方を歩行支援装置1で計算するように構成することもできる。
このように、脚部の長さ、上腿長、下腿長のうちの何れか2つが分かれば残りの1つも定まる。
この場合、長さ取得手段は、上腿部分と下腿部分の何れか一方の長さを取得した場合に、脚部の長さと取得した長さを用いて他方の長さを取得し、調節手段は、取得した上腿部分と下腿部分の長さを用いて前記アシスト力を調節している。
また、本実施の形態では、装着者100は、屈んだ状態で画像を撮影したが、直立状態の画像から上腿長と下腿長を画像認識できる場合、直立状態の画像を用いてもよい。
更に、本実施の形態では、制御装置2が歩行支援装置1の制御を行ったが、制御装置2を携帯端末200などのハンディタイプの機器と連携して動作するように構成することもできる。
例えば、制御装置2の機能を全て携帯端末200に搭載して携帯端末200が歩行支援装置1を制御するように構成することもできるし、あるいは、制御装置2の機能の一部(例えば人体パラメータの記憶)を携帯端末200に搭載して制御装置2と携帯端末200を連携させることも可能である。
以上に説明した実施の形態により、次のような効果を得ることができる。
(1)画像解析システム500は、画像を撮影することにより上腿長と下腿長を正確、迅速、容易に計測することができる。
(2)歩行支援装置1は、装着者100に固有な上腿長と下腿長を用いて関節モーメントを計算するため、上腿長と下腿長の個人差による制御のばらつきを防ぐことができる。
(3)筋電センサを取り付けたり、歩行支援装置1を腰部、大腿部、下腿部に固定する必要がないため、容易に着脱でき、装着に要する時間と手間を省くことができる。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態では、携帯端末200で装着者100の脚部を撮影したが、本実施の形態では、歩行支援装置1にカメラを備え、装着者100が自身で脚部の撮影を手軽に行えるようにする。
この場合、画像解析サーバ300の画像取得手段は、歩行支援装置に設置されたカメラを用いて画像を取得している。
図8(a)は、サドル部61の前部中央の斜め下にカメラ16を設置した例である。カメラ16は、制御装置2によって制御されている。
カメラ16は、例えば、魚眼レンズを用いるなどして前方から下方まで、また、左右方向の画像を一度に撮影することができる。
カメラ16は、着座部に着座した前記歩行支援対象者の脚部を撮影する撮影手段として機能している。
マーカー15は、カメラ16によって撮影されるように上腿連結部材26の内側に設置されている。マーカー15は、少なくとも片方の上腿連結部材26に配設されていればよい。
装着者100は、歩行支援装置1を装着後、膝を屈曲した状態で、図示しないシャッターボタンを押すことにより(あるいは、歩行を検知して自動的に)、カメラ16によって画像を撮影する。
制御装置2(図示せず)は、このように脚部をマーカー15とともに撮影すると、その画像データから脚部とマーカー15の撮影されている領域を側方からの平面画像(即ち、マーカー15とともに内股側から撮影した平面画像)に変換し、更に、マーカー15が基準形状となるように画像を補正する。
そして、制御装置2は、平面画像の脚部から膝関節と足首関節を認識し、これらにそれぞれ膝関節Lと足首関節Mを抽出する。
その後、制御装置2は、膝関節Lと足首関節Mの画像上での距離を縮尺で除することで下腿長Bを算出する。
そして、更に、脚部の長さ(上腿と下腿の長さ)から下腿長Bを減算して上腿長Aを算出して、上腿長Aと下腿長Bを人体パラメータ記憶部6に記憶する。
なお、脚部の長さについては、直立時に各センサ値を用いて計測することで可能である。すなわち、図2(a)に示すように、装着者100が直立した状態における、既知の長さ(上腿連結部材26、下腿連結部材27の長さ)と、各アクチュエータで求まる各部材26、27の角度、及び、座面から股関節までの距離から求めることができる。
また、装着者100がサドル部61に着座した状態で、股関節Kの位置が定まるので、装着者100の膝関節を認識して膝関節Lの位置を抽出した後、股関節Kの位置と膝関節Lの位置の距離を算出して上腿長Aとすることもできる。
この場合、脚部の長さから上腿長Aを減算して下腿長Bを算出するか、あるいは、上に説明したようにして画像解析により下腿長Bを算出する。
この例では、制御装置2が画像解析を行ったが(即ち、歩行支援装置1が、撮影した画像に記録された脚部の上腿部分と下腿部分のうちの少なくとも一方の長さを取得する長さ取得手段を備えている)、画像データを制御装置2から画像解析サーバ300に送信して解析結果を画像解析サーバ300から受信したり、あるいは、携帯端末200に画像解析アプリケーションをインストールしておき、制御装置2から携帯端末200に画像データを送信して解析結果を携帯端末200から受信するように構成することもできる。
何れの場合も歩行支援装置1の長さ取得手段は、取得した所定部分(マーカー15)を基準にして得られた長さを取得している。
なお、カメラ16は、脚部の計測のみならず、例えば、列車のホームの縁など危険箇所を検出して装着者100が危険箇所の方向に行かないように制御したりなど、より高度な歩行支援にも用いることができる。
図8(b)は、上腿連結部材26にカメラ16を設置した例である。
カメラ16は、一方の側の上腿連結部材26の内側に設置してあり、他方の上腿連結部材26の内側には、装着者100の脚部に隠れない位置にマーカー15が設置してある。
そして、制御装置2(図示せず)は、他方の脚部が屈曲した状態の時(例えば、他方の脚部を歩行のために持ち上げている時点を各センサ値から検出する)に当該脚部の膝と足首関節をマーカー15とともに自動的に撮影し、画像処理にて膝関節Lと足首関節Mを抽出する。
図の例では、右上腿連結部材26Rに設置したカメラ16によって、右上腿連結部材26R、及び右下腿連結部材27Rの側から、左上腿連結部材26L、及び左下腿連結部材27Lの側を撮影している。
その後、制御装置2は、膝関節Lと足首関節Mの距離を下腿長Bとした後、脚部の長さから下腿長Bを減じて上腿長Aを算出する。
あるいは、膝関節Lの位置を検出して股関節K位置との距離を上腿長Aとし、脚部の長さから上腿長Aを減じて下腿長Bとしてもよい。
また、画像データを画像解析サーバ300や携帯端末200に送信し、これらに解析を分担してもらってもよい。
以上に説明した第2の実施の形態によれば、歩行支援装置1にカメラ16が設置されているため、装着者100が自身で脚部の撮影を行うことができる。
そのため、携帯端末200による撮影を第三者に依頼する必要がなく、より容易に画像による上腿長と下腿長の設定を行うことができる。
1 歩行支援装置
2 制御装置
3 センサ情報取得部
4 関節モーメント演算部
5 デバイスパラメータ記憶部
6 人体パラメータ記憶部
7 通信制御部
8 アクチュエータ出力決定部
9 関節角度センサ
15 マーカー
16 カメラ
17 股関節アクチュエータ
18 膝関節アクチュエータ
19 足首関節アクチュエータ
24 足装着部
241 床反力センサ
26 上腿連結部材
27 下腿連結部材
28 足連結部材
61 サドル部
62 プレート
63 連結部材
64 ガイドレール
65 ガイドレール
67 荷重センサ
100 装着者
200 携帯端末
201 CPU
202 ROM
203 RAM
204 記憶装置
205 通信制御装置
206 撮像装置
207 入力装置
208 出力装置
300 画像解析サーバ
301 CPU
302 ROM
303 RAM
304 記憶装置
305 通信制御装置
K 股関節
L 膝関節
M 足首関節

Claims (9)

  1. 歩行支援対象者が跨いで着座する着座部と、
    左右一対の足装着部と、
    前記歩行支援対象者の両脚の内側に配設され、前記足装着部と前記着座部を連結し、前記歩行支援対象者の動作に合わせて屈伸する脚連結部と、
    前記着座部に対して前記脚連結部を駆動して前記歩行支援対象者の脚部の運動をアシストするアシスト手段と、
    前記着座部に着座した前記歩行支援対象者の脚部を撮影した画像から求めた、前記脚部の上腿部分と下腿部分のうちの少なくとも一方の長さを取得する長さ取得手段と、
    前記取得した長さを用いて前記アシスト手段のアシスト力を調節する調節手段と、
    を具備したことを特徴とする歩行支援装置。
  2. 前記着座部に着座した前記歩行支援対象者の脚部を撮影した画像を取得する画像取得手段を備え、
    前記長さ取得手段は、前記画像取得手段で取得した前記画像から求めた、前記脚部の上腿部分と下腿部分のうちの少なくとも一方の長さを取得する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の歩行支援装置。
  3. 前記着座部に着座した前記歩行支援対象者の脚部を撮影する撮影装置を備え、
    前記画像取得手段は、前記撮影装置で撮影した画像を取得する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の歩行支援装置。
  4. 撮影装置との間でデータ通信を行う通信手段を備え、
    前記画像取得手段は、前記着座部に着座した前記歩行支援対象者の脚部を撮影した前記撮影装置から送信される画像を前記通信手段で受信することで取得する、
    ことを特徴とする請求項2に記載の歩行支援装置。
  5. 前記画像取得手段は、前記脚部とともに前記歩行支援装置の所定部分の形状を撮影した画像を取得し、
    前記長さ取得手段は、前記取得した所定部分を基準にして得られた前記長さを取得する、
    ことを特徴とする請求項2、請求項3、又は、請求項4に記載の歩行支援装置。
  6. 前記長さ取得手段は、歩行支援装置の着座部に着座した歩行支援対象者の脚部を撮影した画像を取得し、当該取得した画像から前記歩行支援対象者の脚部の上腿部分と下腿部分のうちの少なくとも一方の長さを算出する情報処理装置から、前記脚部の上腿部分と下腿部分のうちの少なくとも一方の長さを取得する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の歩行支援装置。
  7. 脚部の長さを取得する脚部長取得手段を備え、
    前記長さ取得手段は、前記上腿部分と前記下腿部分の何れか一方の長さを取得した場合に、前記脚部の長さと前記取得した長さを用いて他方の長さを取得し、
    前記調節手段は、前記取得した上腿部分と下腿部分の長さを用いて前記アシスト力を調節する、
    ことを特徴とする請求項1から請求項6のうちのいずれか1の請求項に記載の歩行支援装置。
  8. 請求項1に記載した歩行支援装置に着座した前記歩行支援対象者の脚部を撮影した画像を受信する画像受信手段と、
    前記受信した画像に記録された脚部を用いて、当該脚部の上腿部分と下腿部分のうちの少なくとも一方の長さを算出する長さ算出手段と、
    前記算出した長さを前記歩行支援装置に送信する送信手段と、
    を具備したことを特徴とする情報処理装置。
  9. 前記画像受信手段は、前記歩行支援装置に設置された撮影装置、又は、それ以外の撮影装置を用いて撮影した画像を受信する、
    ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
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