JP2015161628A - 渦電流探傷プローブ、渦電流探傷装置および渦電流探傷方法 - Google Patents

渦電流探傷プローブ、渦電流探傷装置および渦電流探傷方法 Download PDF

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Abstract

【課題】探傷対象に局所的な欠陥と、欠陥の深さがなだらかに変化する広域的な欠陥とが混在する場合でも、両方の欠陥の深さを、より精度よく測定できるようにする。【解決手段】渦電流プローブが、互いに交差する異なる軸線回りに巻回された複数のコイルを組み合わせたクロスコイルを、複数配置したプローブ本体と、各クロスコイルを構成する前記複数のコイルのそれぞれに電流を供給可能な電流供給部と、各クロスコイルを構成する前記複数のコイルのうち少なくとも一つのコイルに電流が供給されるように、前記電流供給部と前記コイルとの接続を切り替えるスイッチと、を具備する。【選択図】図1

Description

本発明は、渦電流探傷プローブ、渦電流探傷装置および渦電流探傷方法に関する。
配管等における傷や減肉などの欠陥を非破壊で検査する方法として渦電流探傷方法が知られている。この渦電流探傷方法に関連して幾つかの技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、渦電流探傷コイルに光を送受信する非接触かつ非磁性の距離センサを併設し、距離センサより得られる信号を渦電流探傷信号と同時計測することにより、リフトオフに起因する渦電流探傷信号を補正し、きずや材質の変化に起因する渦電流探傷信号とを分離することが記載されている。また、特許文献1では、渦電流探傷コイルに併設する距離センサを複数にした場合、各距離センサで得られる信号の演算でコイルの傾き7を算出することができ、高精度な渦電流探傷信号の補正が可能である、とされている。
特開2006−138784号公報
従来の渦電流探傷では、探傷対象に局所的な欠陥と広域的な欠陥とが混在する場合、両方の欠陥の深さを精度よく測定することが困難であった。特に、探傷対象に局所的な欠陥と、欠陥の深さがなだらかに変化する広域的な欠陥とが混在する場合、両方の欠陥の深さを精度よく測定することが困難であった。
例えば、ディファレンシャル(Differential)方式では、隣接する2つのコイルにおける信号の差分をとる。信号の差分をとることで、ディファレンシャル方式では、温度等の影響をキャンセルして局所的な欠陥の深さを高精度に測定することができる。一方、欠陥の深さがなだらかに変化する広域的な欠陥にディファレンシャル方式を適用した場合、2つのコイルの信号の差が小さくなり、欠陥の深さを高精度に測定することは困難である。
本発明は、探傷対象に局所的な欠陥と、欠陥の深さがなだらかに変化する広域的な欠陥とが混在する場合でも、両方の欠陥の深さを、より精度よく測定することのできる、渦電流探傷プローブ、渦電流探傷装置および渦電流探傷方法を提供する。
本発明の第1の態様による渦電流探傷プローブは、互いに交差する異なる軸線回りに巻回された複数のコイルを組み合わせたクロスコイルを、複数配置したプローブ本体と、各クロスコイルを構成する前記複数のコイルのそれぞれに電流を供給可能な電流供給部と、各クロスコイルを構成する前記複数のコイルのうち少なくとも一つのコイルに電流が供給されるように、前記電流供給部と前記コイルとの接続を切り替えるスイッチと、を具備する。
本発明の第2の態様による渦電流探傷装置は、互いに交差する異なる軸線回りに巻回された複数のコイルを組み合わせたクロスコイルを、複数配置したプローブ本体と、各クロスコイルを構成する前記複数のコイルのそれぞれに電流を供給可能な電流供給部と、各クロスコイルを構成する前記複数のコイルのうち少なくとも一つのコイルに電流が供給されるように、前記電流供給部と前記コイルとの接続を切り替えるスイッチと、各クロスコイルにおけるコイルのインピーダンスを検出する検出部と、を具備する。
前記電流供給部が1つのクロスコイルにつき複数のコイルに電流を供給する状態での前記検出部の検出結果が所定の条件を満たす場合、前記スイッチの接続関係を、前記電流供給部が1つのクロスコイルにつき1つのコイルに電流を供給するように切り替える探傷方式切替部を具備するようにしてもよい。
前記検出部が検出する前記インピーダンスの大きさと、探傷対象における欠陥の深さとの関係を示す深さ取得用情報を複数記憶する記憶部と、前記電流供給部が1つのクロスコイルにつき1つのコイルに電流を供給する状態での前記検出部の検出結果に応じて、前記記憶部が記憶する深さ取得用情報のいずれかを選択する深さ取得用情報選択部と、前記深さ取得用情報選択部が選択した深さ取得用情報を用いて、前記検出部の検出結果から探傷対象における欠陥の深さを求める深さ取得部と、を具備するようにしてもよい。
本発明の第3の態様による渦電流探傷方法は、互いに交差する異なる軸線回りに巻回された複数のコイルを組み合わせたクロスコイルを、複数配置したプローブ本体と、各クロスコイルを構成する前記複数のコイルのそれぞれに電流を供給可能な電流供給部と、各クロスコイルを構成する前記複数のコイルのうち少なくとも一つのコイルに電流が供給されるように、前記電流供給部と前記コイルとの接続を切り替えるスイッチと、各クロスコイルにおけるコイルのインピーダンスを検出する検出部と、を具備する渦電流探傷装置を用いる渦電流探傷方法であって、前記電流供給部が1つのクロスコイルにつき複数のコイルに電流を供給する状態での前記検出部の検出結果が所定の条件を満たす場合、前記スイッチの接続関係を、前記電流供給部が1つのクロスコイルにつき1つのコイルに電流を供給するように切り替える探傷方式切替ステップを有する。
本発明の第4の態様による渦電流探傷方法は、互いに交差する異なる軸線回りに巻回された複数のコイルを組み合わせたクロスコイルを、複数配置したプローブ本体と、各クロスコイルを構成する前記複数のコイルのそれぞれに電流を供給可能な電流供給部と、各クロスコイルを構成する前記複数のコイルのうち少なくとも一つのコイルに電流が供給されるように、前記電流供給部と前記コイルとの接続を切り替えるスイッチと、各クロスコイルにおけるコイルのインピーダンスを検出する検出部と、を具備する渦電流探傷装置を用いる渦電流探傷方法であって、前記電流供給部が1つのクロスコイルにつき1つのコイルに電流を供給する状態での前記検出部の検出結果に応じて、前記検出部が検出する前記インピーダンスの大きさと、探傷対象における欠陥の深さとの関係を示す、複数の深さ取得用情報のうちいずれかを選択する判定情報選択ステップと、前記深さ取得用情報選択ステップにて選択した深さ取得用情報を用いて、前記検出部の検出結果から探傷対象における欠陥の深さを求める深さ取得ステップと、を有する。
上記した渦電流探傷プローブ、渦電流探傷装置および渦電流探傷方法によれば、探傷対象に局所的な欠陥と、欠陥の深さがなだらかに変化する広域的な欠陥とが混在する場合でも、両方の欠陥の深さを、より精度よく測定することができる。
本発明の一実施形態における渦電流探傷装置の機能構成を示す概略ブロック図である。 プローブ本体におけるクロスコイルの配置例を示す説明図である。 クロスコイルと電流供給部との接続状態の第1の例を示す説明図である。 配管の横断面における局所的な欠陥の例を示す説明図である。 配管の縦断面における局所的な欠陥の例を示す説明図である。 配管の横断面における広域的な欠陥の例を示す説明図である。 配管の縦断面における広域的な欠陥の例を示す説明図である。 広域的な欠陥におけるディファレンシャル方式での検出値の例を示す説明図である。 クロスコイルと電流供給部との接続状態の第2の例を示す説明図である。 記憶部が記憶する、アブソリュートモードにおける深さ取得用情報の例を示す説明図である。 渦電流探傷装置が渦電流探傷を行う処理手順を示すフローチャートである。 ディファレンシャルモードにおいて渦電流探傷装置がサンプリング毎に行う処理の手順を示すフローチャートである。 アブソリュートモードにおいて渦電流探傷装置がサンプリング毎に行う処理の手順を示すフローチャートである。
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本発明の一実施形態における渦電流探傷装置の機能構成を示す概略ブロック図である。同図において、渦電流探傷装置1は、渦電流探傷プローブ100と、渦電流探傷装置本体200とを具備する。渦電流探傷プローブ100は、複数のクロスコイル111が配置されたプローブ本体110と、スイッチ120と、電流供給部130とを具備する。クロスコイル111の各々は、周コイル112と、軸コイル113とを具備する。渦電流探傷装置本体200は、表示部210と、操作入力部220と、記憶部280と、制御部290とを具備する。制御部290は、検出部291と、探傷方式切替部292と、深さ取得用情報選択部293と、深さ取得部294とを具備する。
渦電流探傷装置1は、渦電流探傷にて探傷対象の傷や減肉を検出する。以下では、傷や減肉を総称して「欠陥」と表記する。
なお、本実施形態では、円筒状の配管内部の欠陥の検出に渦電流探傷装置1を用いる場合を例に説明するが、渦電流探傷装置1の適用範囲はこれに限らない。渦電流探傷を実施可能な様々な探傷対象に渦電流探傷装置1を用いることができる。
渦電流探傷プローブ100は、クロスコイル111を用いて磁界を発生させ、当該磁界にて探傷対象に発生する渦電流を、クロスコイル111におけるコイルのインピーダンスの変化にて検出する。
クロスコイル111は、互いに交差する異なる軸線回りに巻回された複数のコイル(周コイル112および軸コイル113)を組み合わせて構成されている。
周コイル112は、コイルの周の方向を配管の周の方向に合わせて配置されている。従って、周コイル112は、コイルの軸の方向を配管の長手方向(軸方向)に合わせて配置されている。
軸コイル113は、コイルの周の方向を配管の長手方向に合わせて配置されている。従って、軸コイル113では、コイルの軸の方向が配管の長手方向と直交している。
図2は、プローブ本体110におけるクロスコイル111の配置例を示す説明図である。同図は、検査対象(探傷対象)である配管900の内部に挿入されたプローブ本体110を配管900の軸方向から見た場合の配置例を示している。
同図において、配管900の円筒形状に対応して、プローブ本体110にクロスコイル111が環状に配置されている。そして、クロスコイル111の各々は、周コイル112と軸コイル113とを含んで構成されている。
なお、クロスコイル111の構成は、同図に示す2つのコイル(周コイル112および軸コイル113)を組み合わせた構成に限らない。クロスコイル111が、互いに交差する異なる軸線回りに巻回された3つ以上のコイルを組み合わせて構成されていてもよい。
なお、本実施形態では、磁界発生用のコイルとインピーダンス測定用のコイルが同一である場合を例に説明するが、周コイル112や軸コイル113において、磁界発生用のコイルとインピーダンス測定用のコイルとが別々に設けられていてもよい。
電流供給部130は、各クロスコイル111を構成する複数のコイルのそれぞれに交流電流を供給可能である。より具体的には、電流供給部130は、スイッチ120の状態に応じて周コイル112または軸コイル113のいずれか一方、あるいは周コイル112および軸コイル113の両方に接続され、接続されたコイルに交流電流を供給可能である。
なお、電流供給部130が用いる電源は、渦電流探傷装置1の外部に位置していてもよいし、渦電流探傷装置1の内部に位置していてもよい。例えば、電流供給部130が、商用電源など外部電源から電力の供給を受けて探傷用の電圧に変圧する変圧回路を含んで構成されていてもよい。あるいは、電流供給部130が、直流電力を出力する電池と、当該直流電力を交流電力に変換する直流/交流変換回路とを含んで構成されていてもよい。
スイッチ120は、各クロスコイル111を構成する複数のコイル(周コイル112および軸コイル113)のうち少なくとも一つのコイルに電流が供給されるように、電流供給部130とコイルとの接続を切り替える。
図3は、クロスコイル111と電流供給部130との接続状態の第1の例を示す説明図である。同図では、1つのクロスコイル111と、電流供給部130と、スイッチ120のうち、当該クロスコイル111と電流供給部130との接続状態を切り替えるスイッチとが示されている。
図3に示すように、周コイル112、軸コイル113のそれぞれと電流供給部130とが、スイッチ120を介して配線されている。当該配線により、電流供給部130は、スイッチ120の状態に応じて、各クロスコイル111を構成する複数のコイル(周コイル112および軸コイル113)のそれぞれに交流電流を供給可能となっている。
図3の例では、周コイル112と電流供給部130との間のスイッチと、軸コイル113と電流供給部130との間のスイッチとのいずれも接続状態(ON)となっている。この状態では、電流供給部130は周コイル112と軸コイル113との両方に電流を供給する。これにより、渦電流探傷装置1はディファレンシャル方式による探傷を行う。
以下では、渦電流探傷装置1がディファレンシャル方式で探傷を行うモードを「ディファレンシャルモード」と称する。
ディファレンシャル方式では、周コイル112におけるインピーダンスと軸コイル113におけるインピーダンスとの差をとる。差をとることで、温度等の影響(例えば、温度変化によるコイルの導線の抵抗値の変化の影響)をキャンセルすることができ、欠陥の深さをより高精度に求めることができる。
一方、欠陥の深さがなだらかに変化する広域的な欠陥にディファレンシャル方式を適用した場合、2つのコイルの信号の差が小さくなり、欠陥の深さを高精度に測定することが困難である。この点について、図4〜8を参照して説明する。
図4は、配管900の横断面における局所的な欠陥の例を示す説明図である。同図では、配管900の横断面(配管900の軸方向に直角な断面)が示されており、領域A11が局所的な欠陥となっている。ここでいう局所的な欠陥とは、面積または幅が比較的小さい欠陥である。
図5は、配管900の縦断面における局所的な欠陥の例を示す説明図である。同図では、配管900の縦断面(配管900の軸方向に平行な断面)が示されており、領域A12が局所的な欠陥となっている。
図6は、配管900の横断面における広域的な欠陥の例を示す説明図である。同図では、配管900の横断面が示されており、領域A21が広域的な欠陥となっている。ここでいう広域的な欠陥とは、面積または幅が比較的大きい欠陥である。
図7は、配管900の縦断面における広域的な欠陥の例を示す説明図である。同図では、配管900の縦断面が示されており、領域A22が広域的な欠陥となっている。
図8は、広域的な欠陥におけるディファレンシャル方式での検出値の例を示す説明図である。同図では、配管900の縦断面が示されており、領域A31が広域的な欠陥となっている。特に、領域A31における欠陥の深さは、なだらかに変化している。
また、同図のグラフは、クロスコイル(例えば、クロスコイル111)を配管900の軸方向に移動させながらディファレンシャル方式で探傷を行った場合の、各位置における信号振幅検出値の例が示されている。この場合、例えば周コイル112の両端電圧と軸コイル113の両端電圧との差を信号振幅として用いる。当該信号振幅により、周コイル112におけるインピーダンスと軸コイル113におけるインピーダンスとの差が示される。
図8に示す欠陥の端部(領域A31の端部)では、欠陥の深さの変化(欠陥の深さの微分)が比較的大きくなっている。このように欠陥の深さの変化が比較的大きい箇所では、周コイル112におけるインピーダンスと軸コイル113におけるインピーダンスとの差が大きくなり易く、信号振幅が大きくなり易い。
一方、図8に示す欠陥自体は、欠陥の深さがなだらかに変化している。すなわち、欠陥の深さの変化が比較的小さくなっている。このように欠陥の深さの変化が比較的小さい箇所では、周コイル112におけるインピーダンスと軸コイル113におけるインピーダンスとの差が小さく、信号振幅が小さくなる。信号振幅が小さくなることでノイズの影響を受け易くなるなど、欠陥の深さを高精度に測定することが困難になる。
このように、欠陥の深さがなだらかに変化する広域的な欠陥の場合、ディファレンシャル方式で欠陥の深さを高精度に測定することは困難である。そこで、渦電流探傷装置1では、周コイル112と軸コイル113との両方を用いた探傷(ディファレンシャル方式)と、周コイル112または軸コイル113のいずれか一方のみを用いた探傷(アブソリュート方式)とを切替可能になっている。
図9は、クロスコイル111と電流供給部130との接続状態の第2の例を示す説明図である。図3の場合と同様、図9では、クロスコイル111のうちの1つと、電流供給部130と、スイッチ120のうち、当該クロスコイル111と電流供給部130との接続状態を切り替えるスイッチとが示されている。
図9の例では、軸コイル113と電流供給部130との間のスイッチが接続状態となっているのに対し、周コイル112と電流供給部130との間のスイッチは切断状態(OFF)となっている。この状態では、電流供給部130は、軸コイル113に電流を供給するが周コイル112には電流を供給しない。これにより、渦電流探傷装置1はアブソリュート方式による探傷を行う。
上記のように、ディファレンシャル方式では、周コイル112におけるインピーダンスと軸コイル113におけるインピーダンスとの差を示す信号振幅から欠陥の深さを求める。これに対し、アブソリュート方式では、周コイル112または軸コイル113のいずれか一方のみを用いて、当該コイルにおけるインピーダンスを示す信号振幅から欠陥の深さを求める。
アブソリュート方式では、コイルと探傷対象との距離(リフトオフ)に応じた信号振幅を得られるので、欠陥の深さがなだらかに変化する場合も、当該欠陥の深さを測定可能である。
以下では、渦電流探傷装置1がディファレンシャル方式で探傷を行うモードを「ディファレンシャルモード」と称する。
図1に戻って、渦電流探傷装置本体200は、ディファレンシャルモードとアブソリュートモードとの切替を行い、渦電流探傷プローブ100における信号振幅に基づいて探傷対象における欠陥の深さを求める。
渦電流探傷装置本体200は、例えば、パーソナルコンピュータ(Personal Computer;PC)などの情報処理装置によって実現される。
なお、渦電流探傷装置本体200の機能の全部または一部を、渦電流探傷装置本体200に代わって人(ユーザ)が行うようにしてもよい。例えば、ユーザが、渦電流探傷プローブ100における信号振幅を参照して、スイッチ120の状態を切り替えることでディファレンシャルモードとアブソリュートモードとの切替を行うようにしてもよい。また、ユーザが、渦電流探傷プローブ100における信号振幅を欠陥の深さに換算するようにしてもよい。
表示部210は、例えば液晶パネルなどの表示画面を有し、各種情報を表示する。特に、表示部210は、渦電流探傷プローブ100における信号振幅に基づいて深さ取得部294が求める、探傷対象における欠陥の深さを表示する。
操作入力部220は、例えば押ボタンなどの入力デバイスを具備しユーザ操作を受け付ける。特に、操作入力部220は、探傷開始や探傷終了を指示するユーザ操作を受け付ける。
記憶部280は、渦電流探傷装置本体200が具備する記憶デバイスにて実現され、各種情報を記憶する。特に、記憶部280は、アブソリュートモードにおける深さ取得用情報を予め複数記憶している。さらに、記憶部280は、ディファレンシャルモードにおける深さ取得用情報を予め記憶している。
記憶部280が記憶する深さ取得用情報の各々は、検出部291が検出するインピーダンスの大きさと、探傷対象における欠陥の深さとの関係を示す情報(較正曲線)である。この深さ取得用情報は、渦電流探傷プローブ100の検出する信号振幅に基づいて、深さ取得部294が探傷対象における欠陥の深さを求めるために用いられる。
図10は、記憶部280が記憶する、アブソリュートモードにおける深さ取得用情報の例を示す説明図である。同図のグラフの横軸は、欠陥の深さを示す。縦軸は、渦電流探傷プローブ100における信号振幅を示す。図10の例では、コイルのインピーダンスを示す信号振幅の一例として、コイルの両端電圧の信号振幅が用いられている。
また、線L11は、広域的な欠陥用の深さ取得用情報を示す。線L12は、局所的な欠陥用の深さ取得用情報を示す。アブソリュートモードにおいて、これら複数の深さ取得用情報のいずれかを深さ取得用情報選択部293が選択する。そして、深さ取得部294は、渦電流探傷プローブ100における信号振幅を、深さ取得用情報選択部293が選択した深さ取得用情報に適用して、欠陥の深さを求める。
ここで、本願発明者は、欠陥の面積が広い場合のほうが欠陥の面積が狭い場合よりも、欠陥の深さに対する信号振幅の大きさの比が大きくなり易いことを経験的に知得している。そこで、記憶部280には、広域的な欠陥用の深さ取得用情報と、局所的な欠陥用の深さ取得用情報とが設定されている。
なお、欠陥の面積が広い場合のほうが欠陥の面積が狭い場合よりも、欠陥の深さに対する信号振幅の大きさの比が大きくなり易い原因としては、欠陥の深さのみならず欠陥の面積も信号振幅の大きさに影響することが考えられる。例えば、局所的な欠陥では、渦電流検出対象範囲が健全部分(欠陥のない部分)にもかかることで、実質的に渦電流検出対象範囲が欠陥部分のみとなる広域的な欠陥の場合との比較において、信号振幅が小さくなることが考えられる。
なお、記憶部280が、3つ以上の深さ取得用情報を予め記憶していてもよい。例えば、記憶部280が、広域的な欠陥用の深さ取得用情報と、局所的な欠陥用の深さ取得用情報に加えて、中間的な面積の欠陥用の深さ取得用情報を予め記憶しておくようにしてもよい。この場合、深さ取得用情報選択部293は、欠陥の面積を広域的/中間/局所的の3段階で判定し、判定結果に応じた深さ取得用情報を選択する。
制御部290は、渦電流探傷装置1の各部を制御して各種機能を実行する。制御部290は、例えば、渦電流探傷装置本体200の具備するCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)が、記憶部280からプログラムを読み出して実行することで実現される。
検出部291は、各クロスコイルにおけるコイルのインピーダンスを検出する。具体的には、ディファレンシャルモードにおいて検出部291は、周コイル112におけるインピーダンスと軸コイル113におけるインピーダンスとの差を示す信号振幅を検出する。また、アブソリュートモードにおいて検出部291は、周コイル112または軸コイル113のいずれか一方(電流の供給を受けるほう)のインピーダンスを示す信号振幅を検出する。
検出部291が検出する、コイルにおけるインピーダンスを示す信号振幅として、例えば、コイルの両端電圧の信号振幅を用いることができる。
探傷方式切替部292は、ディファレンシャルモードからアブソリュートモードへの切替を行う。より具体的には、探傷方式切替部292は、ディファレンシャルモードでの検出部291の検出結果が所定の条件(以下、「探傷方式切替条件」と称する)を満たす場合に、スイッチ120の接続関係をアブソリュートモードに切り替える。
ここで、ディファレンシャルモードは、電流供給部130が1つのクロスコイル111につき複数のコイルに電流を供給する状態の一例に該当する。また、アブソリュートモードは、電流供給部130が1つのクロスコイルにつき1つのコイルに電流を供給する状態の一例に該当ずる。
また、探傷方式切替部292が探傷方式切替条件として、例えば、いずれかのクロスコイル111において欠陥が検出されたか否かという条件を用いることができる。すなわち、ディファレンシャルモードにて探傷範囲内に欠陥が検出された場合、探傷方式切替部292は、スイッチ120の状態を切り替えることでディファレンシャルモードからアブソリュートモードへの切替を行う。そして、渦電流探傷装置1は、アブソリュートモードにて配管900内の探傷を再度行う。
深さ取得用情報選択部293は、アブソリュートモードでの検出部291の検出結果に応じて、記憶部280が記憶する複数の深さ取得用情報のうちいずれかを選択する。
より具体的には、深さ取得用情報選択部293は、検出結果が広域的な欠陥の存在を示唆する場合に、広域的な欠陥用の深さ取得用情報を選択し、それ以外の場合は局所的な欠陥用の深さ取得用情報を選択する。
例えば、深さ取得用情報選択部293は、n個(nは2以上の正整数)以上のクロスコイル111において欠陥が検出された場合、広域的な欠陥用の深さ取得用情報を選択する。一方、深さ取得用情報選択部293は、欠陥が検出されたクロスコイル111の数がn個未満である場合、局所的な欠陥用の深さ取得用情報を選択する。
あるいは、深さ取得用情報選択部293が用いる条件は、欠陥の検出位置に依存するものであってもよい。例えば、深さ取得用情報選択部293は、連続(隣接)するn個(nは2以上の正整数)以上のクロスコイル111において欠陥が検出された場合、広域的な欠陥用の深さ取得用情報を選択する。さらに例えばn=3のとき、深さ取得用情報選択部293は、いずれかのクロスコイル111および両隣のクロスコイル111において欠陥が検出された場合、広域的な欠陥用の深さ取得用情報を選択する。それ以外の場合は、深さ取得用情報選択部293は、局所的な欠陥用の深さ取得用情報を選択する。
このように、深さ取得用情報選択部293が、欠陥の検出位置に依存する条件を用いることで、局所的な欠陥が複数存在する場合に広域的な欠陥であると誤判定する可能性を低減させることができる。これにより、適切な深さ取得用情報を選択できる可能性が高まり、この点において、欠陥の深さの測定精度を高めることができる。
さらに、深さ取得用情報選択部293が用いる条件は、連続する欠陥における信号振幅の大小関係に依存するものであってもよい。例えば、深さ取得用情報選択部293は、いずれかのクロスコイル111および両隣のクロスコイル111において欠陥が検出され、かつ、両隣のクロスコイル111における信号振幅が、中央のクロスコイル111における信号振幅の50パーセント(%)以上である場合、広域的な欠陥用の深さ取得用情報を選択する。それ以外の場合は、深さ取得用情報選択部293は、局所的な欠陥用の深さ取得用情報を選択する。
深さ取得部294は、深さ取得用情報選択部293が選択した深さ取得用情報を用いて、検出部291の検出結果(渦電流探傷プローブ100における信号振幅)から探傷対象における欠陥の深さを求める。より具体的には、深さ取得部294は、深さ取得用情報選択部293が選択した深さ取得用情報を用いて、渦電流探傷プローブ100における信号振幅を欠陥の深さに換算する。
次に、図11を参照して渦電流探傷装置1の動作について説明する。
図11は、渦電流探傷装置1が渦電流探傷を行う処理手順を示すフローチャートである。同図の処理において、渦電流探傷装置1は、ディファレンシャルモードで探傷を行う(ステップS101)。
より具体的には、探傷方式切替部292が、スイッチ120における、周コイル112と電流供給部130との間のスイッチと、軸コイル113と電流供給部130との間のスイッチとの両方を接続状態とする。これにより、探傷方式切替部292は、渦電流探傷装置1のモードをディファレンシャルモードにする。
そして、渦電流探傷プローブ100が、配管900内の探傷範囲を移動し、渦電流探傷装置1は、サンプリング毎に図12の処理を行う。
図12は、ディファレンシャルモードにおいて渦電流探傷装置1がサンプリング毎に行う処理の手順を示すフローチャートである。同図の処理において、検出部291は、渦電流探傷プローブ100における信号振幅を検出する(ステップS201)。
次に、深さ取得部294は、ステップS101で検出部291が検出した信号振幅に基づいて、欠陥の深さを取得する(ステップS202)。
より具体的には、ディファレンシャルモードでは、深さ取得用情報選択部293はディファレンシャルモード用の深さ取得用情報を選択する。そして、深さ取得部294は、深さ取得用情報選択部293が選択したディファレンシャルモード用の深さ取得用情報を用いて、検出部291が検出した信号振幅を欠陥の深さに換算する。
そして、表示部210は、ステップS202で深さ取得部294が取得した欠陥の深さを表示する(ステップS203)。
その後、図12の処理を終了する。
渦電流探傷プローブ100が配管900内の探傷範囲全体を移動し、渦電流探傷装置1がサンプリング毎に図12の処理を行うことで、渦電流探傷装置1は、探傷範囲の各位置についてディファレンシャルモードにて探傷を行う。
探傷範囲全体を探傷するために、渦電流探傷プローブ100が自走式で配管900内を移動するようにしてもよいし、人力で渦電流探傷プローブ100を移動させるようにしてもよい。
なお、深さ取得部294が、ステップS202における欠陥の深さの取得を、複数回分纏めて行うようにしてもよい。例えば、サンプリングタイミング毎に検出部291がステップS201における信号振幅の検出を行い、記憶部280が検出結果を記憶しておくようにしてもよい。そして、探傷範囲全体について信号振幅の検出が完了した後、深さ取得部294がステップS202における欠陥の深さの取得を行うようにしてもよい。
なお、深さ取得部294の機能をユーザが実行する場合は、検出部291が検出した信号振幅を表示部210が表示する。そして、ユーザは、表示部210が表示している信号振幅を、所定の較正曲線を用いて欠陥の深さに換算する。
図11に戻って、ステップS101の後、探傷方式切替部292は、ステップS101(図12のステップS202)で深さ取得部294が取得した欠陥の深さについて、探傷方式切替条件が成立しているか否かを判定する(ステップS102)。
例えば、上述したように探傷範囲内に欠陥が検出された場合、探傷方式切替部292は、探傷方式切替条件が成立していると判定する。ここで、欠陥の有無の判定において、欠陥の深さが所定の閾値以上か否かという判定条件を用いることができる。例えば、探傷範囲におけるいずれかの位置で欠陥の深さが所定の閾値以上となっている場合、探傷方式切替部292は、探傷方式切替条件が成立していると判定する。
なお、モードの切り替えをユーザが行う場合は、ステップS102における探傷方式切替条件として、アブソリュートモードでの探傷を指示するユーザ操作の有無を用いる。
ステップS102において、探傷方式切替条件が成立していないと判定した場合(ステップS102:NO)、図11の処理を終了する。
一方、ステップS102において、探傷方式切替条件が成立していると判定した場合(ステップS102:YES)、渦電流探傷装置1は、アブソリュートモードで探傷を行う(ステップS103)。
より具体的には、探傷方式切替部292は、スイッチ120における、周コイル112と電流供給部130との間のスイッチと、軸コイル113と電流供給部130との間のスイッチとのいずれか一方を接続状態とし、他方を切断状態とする。これにより、探傷方式切替部292は、渦電流探傷装置1のモードをディファレンシャルモードからアブソリュートモードへと切り替える。
そして、渦電流探傷プローブ100が、配管900内の探傷範囲を移動し、渦電流探傷装置1は、サンプリング毎に図13の処理を行う。
図13は、アブソリュートモードにおいて渦電流探傷装置1がサンプリング毎に行う処理の手順を示すフローチャートである。同図の処理において、検出部291は、渦電流探傷プローブ100における信号振幅を検出する(ステップS301)。
次に、深さ取得用情報選択部293は、ステップS111で検出部291が検出した信号振幅について、広域的な欠陥用の深さ取得用情報を選択するための条件(以下、「広域条件」と称する)が成立しているか否かを判定する(ステップS302)。
上述したように、広域条件として、例えば、n個以上のクロスコイル111において欠陥が検出されたか否かという条件を用いる。あるいは、広域条件として、連続するn個以上のクロスコイル111において欠陥が検出されたか否かという条件を用いるようにしてもよい。あるいは、広域条件として、いずれかのクロスコイル111および両隣のクロスコイル111において欠陥が検出され、かつ、両隣のクロスコイル111における信号振幅が中央のクロスコイル111における信号振幅の50パーセント以上か否かという条件を用いるようにしてもよい。
ステップS302において、広域条件が成立していると判定した場合(ステップS302:YES)、深さ取得用情報選択部293は、記憶部280が記憶している深さ取得用情報のうち、広域的な欠陥用の深さ取得用情報を選択する(ステップS311)。
そして、深さ取得部294は、ステップS301で検出部291が検出した信号振幅に基づいて、欠陥の深さを取得する(ステップS331)。より具体的には、深さ取得部294は、深さ取得用情報選択部293が選択した広域的な欠陥用の深さ取得用情報を用いて、検出部291が検出した信号振幅を欠陥の深さに換算する。
そして、表示部210は、ステップS331で深さ取得部294が取得した欠陥の深さを表示する(ステップS332)。
その後、図13の処理を終了する。
一方、ステップS302において、広域条件が成立していないと判定した場合(ステップS302:NO)、深さ取得用情報選択部293は、記憶部280が記憶している深さ取得用情報のうち、局所用の深さ取得用情報を選択する(ステップS321)。
その後、ステップS331へ遷移する。
渦電流探傷プローブ100が配管900内の探傷範囲全体を移動し、渦電流探傷装置1がサンプリング毎に図13の処理を行うことで、渦電流探傷装置1は、探傷範囲の各位置についてアブソリュートモードにて探傷を行う。
ディファレンシャルモードの場合と同様、渦電流探傷プローブ100が自走式で配管900内を移動するようにしてもよいし、人力で渦電流探傷プローブ100を移動させるようにしてもよい。
なお、深さ取得部294がステップS331における欠陥の深さの取得を、複数回分纏めて行うようにしてもよい。例えば、サンプリングタイミング毎に検出部291がステップS301における信号振幅の検出を行い、記憶部280が検出結果を記憶しておくようにしてもよい。そして、探傷範囲全体について信号振幅の検出が完了した後、深さ取得用情報選択部293が、サンプリングタイミング毎の各信号振幅検出結果に対して、ステップS302における判定を行って深さ取得用情報を選択するようにしてもよい。そして、深さ取得部294が、深さ取得用情報選択部293が選択した深さ取得用情報を用いて、ステップS311における欠陥の深さの取得を行うようにしてもよい。
なお、深さ取得部294の機能をユーザが実行する場合は、検出部291が検出した信号振幅を表示部210が表示する。そして、ユーザは、表示部210が表示している信号振幅に基づいて、広域的な欠陥用の深さ取得情報、または、局所的な欠陥用の深さ取得情報のいずれかを選択し、選択した深さ取得情報を用いて信号振幅を欠陥の深さに換算する。
なお、周コイル112用いて探傷を行う場合、配管900の軸方向(配管900の軸に平行な方向)に長い欠陥を検出し易い。一方、軸コイル113を用いて探傷を行う場合、配管900の周方向(配管900の軸に直角な方向)に長い欠陥を検出し易い。
配管内においては、一般的には軸方向の欠陥が発生し易い。渦電流探傷装置1がアブソリュートモードにおいて周コイル112を用いるようにすることで、かかる軸方向の欠陥を検出し易くなる。
図11に戻って、ステップS103の後、図11の処理を終了する。
以上のように、プローブ本体110には、クロスコイルが複数配置されており、各クロスコイルは、互いに交差する異なる軸線回りに巻回された周コイル112と軸コイル113とを組み合わせて構成されている。
そして、スイッチ120は、各クロスコイル111を構成する周コイル112と軸コイル113とのうち少なくとも一つのコイルに電流が供給されるように、電流供給部130と周コイル112との接続や、電流供給部130と軸コイル113との接続を切り替える。
これにより、ユーザは、1つの渦電流探傷プローブ100を用いてディファレンシャル方式による渦電流探傷とアブソリュート方式による渦電流探傷との両方を行うことができる。特に、局所的な欠陥など、欠陥の深さの変化が比較的急な欠陥については、ディファレンシャル方式にて渦電流探傷を行うことで、温度変化などのノイズの影響を低減させることができる。また、広域的な欠陥で、欠陥の深さの変化が比較的緩やかな欠陥については、アブソリュート方式にて渦電流探傷を行うことで、欠陥の深さを求めることができる。
このように、渦電流探傷プローブ100がディファレンシャル方式とアブソリュート方式との切替を行うことで、探傷対象に局所的な欠陥と、欠陥の深さがなだらかに変化する広域的な欠陥とが混在する場合でも、両方の欠陥の深さを、より精度よく得ることができる。
また、探傷方式切替部292は、ディファレンシャルモードでの検出部291の検出結果が探傷方式切替条件を満たす場合、スイッチ120の接続関係を、電流供給部130が1つのクロスコイル111につき周コイル112または軸コイル113のいずれか一方に電流を供給するように切り替える。
これにより、渦電流探傷装置1は、ディファレンシャルモードにて欠陥が検出された場合にアブソリュートモードへの切替を行うなど、ディファレンシャルモードでの検出部291の検出結果に応じて自動的にアブソリュートモードへの切替を行うことができる。
また、記憶部280は、検出部291が検出するインピーダンスの大きさ(信号振幅の大きさ)と、探傷対象における欠陥の深さとの関係を示す深さ取得用情報を複数記憶する。そして、深さ取得用情報選択部293は、アブソリュートモードでの検出部291の検出結果に応じて、記憶部280が記憶する深さ取得用情報のいずれかを選択する。そして、深さ取得部294は、深さ取得用情報選択部293が選択した深さ取得用情報を用いて、検出部291の検出結果から探傷対象における欠陥の深さを求める。
これにより、深さ取得部294は、欠陥の大きさに応じた深さ取得用情報を用いて欠陥の深さを求めることができる。この点において、渦電流探傷装置1では、探傷対象に局所的な欠陥と広域的な欠陥とが混在する場合でも、両方の欠陥の深さを、より精度よく得ることができる。
なお、渦電流探傷装置本体200の全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
1 渦電流探傷装置
100 渦電流探傷プローブ
110 プローブ本体
111 クロスコイル
112 周コイル
113 軸コイル
120 スイッチ
130 電流供給部
200 渦電流探傷装置本体
210 表示部
220 操作入力部
280 記憶部
290 制御部
291 検出部
292 探傷方式切替部
293 深さ取得用情報選択部
294 深さ取得部

Claims (6)

  1. 互いに交差する異なる軸線回りに巻回された複数のコイルを組み合わせたクロスコイルを、複数配置したプローブ本体と、
    各クロスコイルを構成する前記複数のコイルのそれぞれに電流を供給可能な電流供給部と、
    各クロスコイルを構成する前記複数のコイルのうち少なくとも一つのコイルに電流が供給されるように、前記電流供給部と前記コイルとの接続を切り替えるスイッチと、
    を具備する渦電流探傷プローブ。
  2. 互いに交差する異なる軸線回りに巻回された複数のコイルを組み合わせたクロスコイルを、複数配置したプローブ本体と、
    各クロスコイルを構成する前記複数のコイルのそれぞれに電流を供給可能な電流供給部と、
    各クロスコイルを構成する前記複数のコイルのうち少なくとも一つのコイルに電流が供給されるように、前記電流供給部と前記コイルとの接続を切り替えるスイッチと、
    各クロスコイルにおけるコイルのインピーダンスを検出する検出部と、
    を具備する渦電流探傷装置。
  3. 前記電流供給部が1つのクロスコイルにつき複数のコイルに電流を供給する状態での前記検出部の検出結果が所定の条件を満たす場合、前記スイッチの接続関係を、前記電流供給部が1つのクロスコイルにつき1つのコイルに電流を供給するように切り替える探傷方式切替部を具備する請求項2に記載の渦電流探傷装置。
  4. 前記検出部が検出する前記インピーダンスの大きさと、探傷対象における欠陥の深さとの関係を示す深さ取得用情報を複数記憶する記憶部と、
    前記電流供給部が1つのクロスコイルにつき1つのコイルに電流を供給する状態での前記検出部の検出結果に応じて、前記記憶部が記憶する深さ取得用情報のいずれかを選択する深さ取得用情報選択部と、
    前記深さ取得用情報選択部が選択した深さ取得用情報を用いて、前記検出部の検出結果から探傷対象における欠陥の深さを求める深さ取得部と、
    を具備する請求項2または請求項3に記載の渦電流探傷装置。
  5. 互いに交差する異なる軸線回りに巻回された複数のコイルを組み合わせたクロスコイルを、複数配置したプローブ本体と、
    各クロスコイルを構成する前記複数のコイルのそれぞれに電流を供給可能な電流供給部と、
    各クロスコイルを構成する前記複数のコイルのうち少なくとも一つのコイルに電流が供給されるように、前記電流供給部と前記コイルとの接続を切り替えるスイッチと、
    各クロスコイルにおけるコイルのインピーダンスを検出する検出部と、
    を具備する渦電流探傷装置を用いる渦電流探傷方法であって、
    前記電流供給部が1つのクロスコイルにつき複数のコイルに電流を供給する状態での前記検出部の検出結果が所定の条件を満たす場合、前記スイッチの接続関係を、前記電流供給部が1つのクロスコイルにつき1つのコイルに電流を供給するように切り替える探傷方式切替ステップを有する渦電流探傷方法。
  6. 互いに交差する異なる軸線回りに巻回された複数のコイルを組み合わせたクロスコイルを、複数配置したプローブ本体と、
    各クロスコイルを構成する前記複数のコイルのそれぞれに電流を供給可能な電流供給部と、
    各クロスコイルを構成する前記複数のコイルのうち少なくとも一つのコイルに電流が供給されるように、前記電流供給部と前記コイルとの接続を切り替えるスイッチと、
    各クロスコイルにおけるコイルのインピーダンスを検出する検出部と、
    を具備する渦電流探傷装置を用いる渦電流探傷方法であって、
    前記電流供給部が1つのクロスコイルにつき1つのコイルに電流を供給する状態での前記検出部の検出結果に応じて、
    前記検出部が検出する前記インピーダンスの大きさと、探傷対象における欠陥の深さとの関係を示す、複数の深さ取得用情報のうちいずれかを選択する判定情報選択ステップと、
    前記深さ取得用情報選択ステップにて選択した深さ取得用情報を用いて、前記検出部の検出結果から探傷対象における欠陥の深さを求める深さ取得ステップと、
    を有する渦電流探傷方法。
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