JP2015161145A - 擬似天然材 - Google Patents
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Abstract
【課題】擬木、擬石、擬岩などの天然材に模して作られ、衝撃吸収性に優れて高い安全性を備えるとともに、軽量で取り扱い性に優れた擬似天然材を提供することを目的としている。
【解決手段】ラジアルタイヤ、玄関用ゴムマット、ベルトコンベヤーのベルト、タイミングベルト等のゴム製品の使用済み廃棄物やこれらのゴム製品の製造時に発生する裁断くずや不良品等の端材を粉砕して得たゴムチップ1と、廃棄物や端材を粉砕するときに生じるゴム製品中に含まれる綿状の繊維くず2と、バインダーとの混合物を成形するようにした。
【選択図】 図2
【解決手段】ラジアルタイヤ、玄関用ゴムマット、ベルトコンベヤーのベルト、タイミングベルト等のゴム製品の使用済み廃棄物やこれらのゴム製品の製造時に発生する裁断くずや不良品等の端材を粉砕して得たゴムチップ1と、廃棄物や端材を粉砕するときに生じるゴム製品中に含まれる綿状の繊維くず2と、バインダーとの混合物を成形するようにした。
【選択図】 図2
Description
本発明は、天然物を模した擬似天然材、すなわち、擬木、擬石、擬岩に関する。
遊歩道や山道等の坂道に設けられる階段状の土留め、柵、車止め等に、天然木より耐久性があり、径や長さを均一にできることから天然木を模したコンクリート製擬木やプラスチック製擬木が用いられている(たとえば、特許文献1〜4参照)。
しかし、コンクリート製やプラスチック製のものは、重く搬送や施工性に問題があるとともに、表面が硬く、転倒等により衝突したときに怪我をしやすいという問題がある。
そこで、本発明の発明者は、廃タイヤ等のゴム製品の廃棄物を粉砕するとともに、スチール製のタイヤコードや、有機繊維等の補強材として含まれた不純物を概ね除去して得た再生ゴムチップを原料としてゴム材料からなる擬木を作製するようにすれば、表面が弾性があるとともに、撓みやすく、衝撃吸収性が確保できて安全性の高い擬木がえられるのではないかと考えた。
しかし、コンクリート製やプラスチック製のものは、重く搬送や施工性に問題があるとともに、表面が硬く、転倒等により衝突したときに怪我をしやすいという問題がある。
そこで、本発明の発明者は、廃タイヤ等のゴム製品の廃棄物を粉砕するとともに、スチール製のタイヤコードや、有機繊維等の補強材として含まれた不純物を概ね除去して得た再生ゴムチップを原料としてゴム材料からなる擬木を作製するようにすれば、表面が弾性があるとともに、撓みやすく、衝撃吸収性が確保できて安全性の高い擬木がえられるのではないかと考えた。
しかし、再生ゴムチップとバインダーとを混合してプレス成形して擬木を得たところ、まだ、重量的に問題があるということがわかった。
本発明は、上記事情に鑑みて、衝撃吸収性に優れて高い安全性を備えるとともに、軽量で取り扱い性に優れた擬似天然材を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明にかかる擬似天然材は、ゴムチップと、天然繊維および合成繊維の少なくともいずれかの繊維材料と、バインダーとの混合物が成形されてなることを特徴としている。
本発明において、擬似天然材とは、主に擬木であるが、擬石、擬岩でも構わない。
本発明において、擬似天然材とは、主に擬木であるが、擬石、擬岩でも構わない。
成形方法としては、特に限定されないが、前記混合物を金型に入れてプレスする、あるいは、熱プレスする方法が挙げられる。
上記ゴムチップとしては、特に限定されないが、ゴム製品の廃棄物やゴム製品の端材を粉砕するとともに、ある程度、不純物を取り除いて得られる再生ゴムチップを用いることが好ましい。なお、端材とは、製品の製造段階での裁断屑や不良品等を意味する。
再生ゴムチップの使用によって資源の有効利用を図ることができるとともに、焼却によるCO2や硫黄酸化物等の発生を抑え、環境汚染の問題も解決できる。
上記再生ゴムチップとなるゴム製品としては、特に限定されないが、例えば、自動車等のタイヤや、店舗等の出入口等に用いられているゴム製玄関マットなどのゴムマット、ベルトコンベヤーのベルト、タイミングベルト等が挙げられる。
再生ゴムチップの使用によって資源の有効利用を図ることができるとともに、焼却によるCO2や硫黄酸化物等の発生を抑え、環境汚染の問題も解決できる。
上記再生ゴムチップとなるゴム製品としては、特に限定されないが、例えば、自動車等のタイヤや、店舗等の出入口等に用いられているゴム製玄関マットなどのゴムマット、ベルトコンベヤーのベルト、タイミングベルト等が挙げられる。
ゴムチップの大きさは、特に限定されないが、6.5メッシュの篩を通過するものを用いることが好ましい。
すなわち、余り大きなゴムチップでは、得られる擬似天然材内に大きな空洞が発生し、特に擬木の場合、十分な強度が得られなくなるおそれがあり、余り細かいものであると、成形性に問題がでるおそれがある。
使用されるゴムチップは、単一色に統一しても、複数の色の異なるゴムチップを用いるようにしても構わない。例えば、表面側の一部のみに異なるゴムチップが配置されるように成形して一部色の異なる擬木、擬石、擬岩とすることができる。
すなわち、余り大きなゴムチップでは、得られる擬似天然材内に大きな空洞が発生し、特に擬木の場合、十分な強度が得られなくなるおそれがあり、余り細かいものであると、成形性に問題がでるおそれがある。
使用されるゴムチップは、単一色に統一しても、複数の色の異なるゴムチップを用いるようにしても構わない。例えば、表面側の一部のみに異なるゴムチップが配置されるように成形して一部色の異なる擬木、擬石、擬岩とすることができる。
ゴムチップと繊維材料の混合比は、特に限定されないが、重量比で、
ゴムチップ:繊維材料=90:10〜70:30とすることが好ましい。
すなわち、繊維材料が少なすぎると、繊維材料の配合効果が十分でなくなるおそれがあり、繊維材料が多すぎると、擬似天然材としての十分な強度が得られなくなるおそれがある。
ゴムチップ:繊維材料=90:10〜70:30とすることが好ましい。
すなわち、繊維材料が少なすぎると、繊維材料の配合効果が十分でなくなるおそれがあり、繊維材料が多すぎると、擬似天然材としての十分な強度が得られなくなるおそれがある。
繊維材料としては、特に限定されないが、環境保護や資源の有効利用を考慮すると、有機繊維を製品中に含むゴム製品、例えば、ラジアルタイヤや玄関マットなどのゴムマットの廃棄物や端材を粉砕時に発生する綿状繊維くずのように、従来焼却や廃棄されていたものが好ましい。
バインダーとしては、特に限定されないが、ウレタン樹脂系バインダー、エポキシ樹脂系バインダー、液状ポリブテンゴム等の液状ゴムなどが挙げられる。
上記混合物は、ニーダー等の混合装置を用いて得ることができる。また、全ての材料を同時に混合してもよいし、予めゴムチップと繊維材料とを混合しておき、成形前にバインダーを混合してもよい。
また、擬似天然材の表面には、より天然材に近づけるように化粧層を積層するようにしても構わない。
化粧層は、擬似天然材の成形後に塗料を吹き付け塗装あるいはインクで印刷して形成する方法が挙げられる。塗料やインクとしては、擬似天然材との接着性に優れていれば特に限定されないが、例えば、発泡ウレタン樹脂塗料が挙げられる。
化粧層は、擬似天然材の成形後に塗料を吹き付け塗装あるいはインクで印刷して形成する方法が挙げられる。塗料やインクとしては、擬似天然材との接着性に優れていれば特に限定されないが、例えば、発泡ウレタン樹脂塗料が挙げられる。
また、本発明にかかる擬似天然材は、特に限定されないが、たとえば、夜間に光って安全性を高めることができるように、プレート状や棒状の蓄光材をその表面が擬似天然材の表面の一部に露出するように埋め込んでも構わない。
蓄光材を埋め込む方法としては、特に限定されないが、成形型中に蓄光材をセットしておき、擬似天然材を成形すると同時に埋め込む方法、擬似天然材にあらかじめ蓄光材をはめ込む凹部を成形しておき、この凹部に蓄光材をはめ込むとともに接着剤で接着固定する方法などが挙げられる。
蓄光材を埋め込む方法としては、特に限定されないが、成形型中に蓄光材をセットしておき、擬似天然材を成形すると同時に埋め込む方法、擬似天然材にあらかじめ蓄光材をはめ込む凹部を成形しておき、この凹部に蓄光材をはめ込むとともに接着剤で接着固定する方法などが挙げられる。
また、プレート状の成形体に蓄光塗料等で案内文や標識を印刷し、この成形体を擬似天然材に埋め込むようにしても構わない。
すなわち、上記のようにすれば、擬似天然材を夜間の案内標識として用いることができるようになる。
すなわち、上記のようにすれば、擬似天然材を夜間の案内標識として用いることができるようになる。
本発明にかかる擬似天然材は、できるだけゴムチップと、天然繊維および合成繊維の少なくともいずれかの繊維材料と、バインダーとのみから形成されていることが好ましいが、施工性に影響を与えない範囲であれば、用途に応じて、金属等の芯材を内部に設けるようにしても構わない。
また、必要に応じて顔料や紫外線吸収剤などの添加物を加えるようにしても構わない。
また、必要に応じて顔料や紫外線吸収剤などの添加物を加えるようにしても構わない。
本発明にかかる擬似天然材である擬木は、特に限定されないが、例えば、遊歩道や山道等の坂道に設けられる階段状の土留め、柵、車止め等に用いることができる。
本発明にかかる擬似天然材は、以上のように、ゴムチップと、天然繊維および合成繊維の少なくともいずれかの繊維材料と、バインダーとの混合物が成形されてなるので、コンクリート製やプラスチック製の擬木等の擬似天然材に比べ、軽量化を図ることができる。また、表面が柔らかくなり、衝突時に衝撃を吸収しやすく、安全性が高い。
また、繊維材料がバインダーを含みやすいため、ゴムチップとゴムチップとがバインダーによってしっかりと接着され、ゴムチップとバインダーのみに比べ、強固な擬木が得られる。
しかも、繊維材料を含んでいるので、ゴムチップのみの擬木に比べても、軽量化を図れるとともに、衝撃吸収されやすいものとなる。
しかも、繊維材料を含んでいるので、ゴムチップのみの擬木に比べても、軽量化を図れるとともに、衝撃吸収されやすいものとなる。
以下に、本発明を、その実施の形態をあらわす図面を参照しつつ詳しく説明する。
図1は、本発明にかかる擬似天然材の第1の実施の形態である擬木の第1例をあらわしている。
図1は、本発明にかかる擬似天然材の第1の実施の形態である擬木の第1例をあらわしている。
図1に示すように、この擬木Aは、1本の丸太形状をしている。
そして、この擬木Aは、図2に示すように、ゴムチップ1と、繊維材料2と、バインダー(図示せず)がニーダー等の混合装置を用いて分散混合された混合物を熱プレス成形して得られる。
そして、この擬木Aは、図2に示すように、ゴムチップ1と、繊維材料2と、バインダー(図示せず)がニーダー等の混合装置を用いて分散混合された混合物を熱プレス成形して得られる。
ゴムチップ1としては、タイヤやゴムマットの廃棄物や端材を粉砕して得られた6.5メッシュの篩をパスした再生ゴムチップ(株式会社ヒカリワールド製)が用いられている。
繊維材料2としては、繊維を含むラジアルタイヤやゴムマットなどのゴム製品の廃棄物や端材を粉砕処理時に発生したラジアルタイヤやゴムマットの廃棄物や端材中に使用された有機繊維の綿くず状のものが用いられている。
繊維材料2としては、繊維を含むラジアルタイヤやゴムマットなどのゴム製品の廃棄物や端材を粉砕処理時に発生したラジアルタイヤやゴムマットの廃棄物や端材中に使用された有機繊維の綿くず状のものが用いられている。
ゴムチップ1と繊維材料2との混合比は、重量比で80:20となっている。
バインダーとしては、ウレタン樹脂プレポリマー、エポキシ樹脂プレポリマーあるいは液状ポリブテンゴムが用いられている。
バインダーとしては、ウレタン樹脂プレポリマー、エポキシ樹脂プレポリマーあるいは液状ポリブテンゴムが用いられている。
この擬木Aは、上記のように、ゴムチップ1と、繊維材料2と、バインダーの混合物を熱プレス成形して得られるので、軽量で取り扱い性に優れているとともに、弾力性に富み、衝撃吸収性に富んでいるので、安全性が高い。
しかも、ゴムチップ1としてタイヤやゴムマットの廃棄物や端材を粉砕して得られる再生ゴムチップが用いられているとともに、繊維材料2として、タイヤやゴムマットの廃棄物や端材を粉砕処理時に発生したタイヤやゴムマットの廃棄物や端材中に使用された有機繊維の綿くず状のものを用いるようにしたので、焼却による環境汚染がなく、また、資源の有効利用を図ることができる。
しかも、ゴムチップ1としてタイヤやゴムマットの廃棄物や端材を粉砕して得られる再生ゴムチップが用いられているとともに、繊維材料2として、タイヤやゴムマットの廃棄物や端材を粉砕処理時に発生したタイヤやゴムマットの廃棄物や端材中に使用された有機繊維の綿くず状のものを用いるようにしたので、焼却による環境汚染がなく、また、資源の有効利用を図ることができる。
図3は、本発明にかかる擬似天然材の第2の実施の形態である擬木の第2例をあらわしている。
図3に示すように、この擬木Bは、丸太を5本連設したような形状をしている以外は、上記の擬木Aと同様になっている。
図3に示すように、この擬木Bは、丸太を5本連設したような形状をしている以外は、上記の擬木Aと同様になっている。
この擬木Bは、上記擬木Aと同様の効果を備えているとともに、丸太を5本連設したような形状をしているので、例えば、花壇等の縁石代わりに用いる際に有効である。
図4は、本発明にかかる擬似天然材の第3の実施の形態である擬木の第3例をあらわしている。
図4に示すように、この擬木Cは、長手方向の一端部に中心軸に沿って支柱挿通用の丸穴3が設けられている以外は、上記擬木Aと同様になっている。
図4に示すように、この擬木Cは、長手方向の一端部に中心軸に沿って支柱挿通用の丸穴3が設けられている以外は、上記擬木Aと同様になっている。
この擬木Cは、上記のように、支柱挿通用の丸穴3を備えているので、ステンレス鋼やアルミニウム、アルミニウム合金製の金属パイプ等の地中埋設材の地上の露出する上端部にこの丸穴3を嵌合させれば、車止めや柵の支柱として容易かつしっかりと立設した状態に施工することができる。
勿論、金属パイプが外部に露出しないので、支柱として用いても安全である。
なお、上記地中埋設材は、擬木Cの成形時に一体成形するようにしても構わない。
勿論、金属パイプが外部に露出しないので、支柱として用いても安全である。
なお、上記地中埋設材は、擬木Cの成形時に一体成形するようにしても構わない。
本発明は、上記の実施の形態に限定されない。例えば、図4に示す擬木Cは、丸穴3が設けられていたが、地中埋設材が角パイプであれば、角穴でも構わない。
上記擬木Bは、丸太を5本連設したような形状をしていたが、4本以下でも6本以上でも構わない。
上記擬木Bは、丸太を5本連設したような形状をしていたが、4本以下でも6本以上でも構わない。
上記擬木Cは、一端側のみに丸穴を備えていたが両端に設けられていても構わないし、貫通孔でも構わない。
また、本発明の擬似天然材は、軽量化や表面の軟質性を損なわない範囲で表面に耐候性塗料層などの保護層を設けるようにしても構わない。
また、本発明の擬似天然材は、軽量化や表面の軟質性を損なわない範囲で表面に耐候性塗料層などの保護層を設けるようにしても構わない。
A、B,C 擬木(擬似天然材)
1 ゴムチップ
2 繊維材料
3 丸穴
1 ゴムチップ
2 繊維材料
3 丸穴
Claims (7)
- ゴムチップと、天然繊維および合成繊維の少なくともいずれかの繊維材料と、バインダーとの混合物が成形されてなることを特徴とする擬似天然材。
- 擬似天然材が、擬木である請求項1に記載の擬似天然材。
- ゴムチップが6.5メッシュの篩を通過する大きさである請求項1または請求項2に記載の擬似天然材。
- ゴムチップがゴム製品の廃棄物およびゴム製品の端材の少なくともいずれかを粉砕して得られる請求項1〜請求項3のいずれかに記載の擬似天然材
- ゴムチップと、繊維材料の混合比が、重量比で90:10〜70:30である請求項1〜請求項4のいずれかに記載の擬似天然材。
- 繊維材料が、繊維を含むゴム製品の廃棄物およびゴム製品の端材の少なくともいずれかを粉砕時にゴムチップとともに発生する綿状繊維くずである請求項1〜請求項5のいずれかに記載の擬似天然材。
- バインダーが、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、液状ゴムからなる群より選ばれた一種である請求項1〜請求項6のいずれかに記載の擬似天然材。
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- 2014-02-28 JP JP2014038251A patent/JP2015161145A/ja active Pending
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