JP2015160626A - 液体充填ノズル用多孔板および液体充填装置 - Google Patents

液体充填ノズル用多孔板および液体充填装置 Download PDF

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Abstract

【課題】液面の泡立ちが防止され、かつ、液切れ性に優れた液体充填ノズルを可能とする多孔板と、容器への液体充填を高い効率で行える液体充填装置を提供する。【解決手段】液体充填ノズルの吐出口近傍に設けられ、充填停止時の液体の落下を抑制する多孔板を、基材の一方の面から他方の面に貫通する複数の貫通孔を有するものとし、基材の表面粗さ(Ra)を0.1μm以上、貫通孔の深さ方向における内径の最大値と最小値との差の半分をBとしたときの基材の厚みTとの比(B/T)を0.15以下とする。【選択図】 図3

Description

本発明は、所望の液体を高速で容器に充填する際に使用する液体充填ノズルに用いられる多孔板と、液体充填装置に関する。
定量の液体を容器に高速で充填する液体充填装置では、下端側に吐出口を有する液体充填ノズルが使用されている。この液体充填ノズルは、容器に定量の液体が充填され、液体充填が停止した後に容器内に液体が落下するのを防止するために、吐出口に液体の流下方向に沿って多段となるように複数枚のメッシュが装着されている。従来、このようなメッシュとして、金属細線の絡まりを有し、液体の落下防止に優れる金網が使用されていた。しかし、金網は、液体の高速充填が繰り返されることにより変形や損傷を生じ易いという問題があった。
このため、金網に代えて、金属薄板をエッチング加工して複数の貫通孔を形成した多孔板がメッシュとして使用されている。このような多孔板は、環状スペーサを介して積層された状態で液体充填ノズルに装着され用いられている(特許文献1)。
特開平9−99914号公報
上記のような多孔板は、金属細線の絡まりがなく、また、隣接する貫通孔間に存在する部位が金属細線よりも広く、耐久性の点で金網に比べて優れたものである。しかし、このような多孔板を使用した液体充填ノズルは、液体が多孔板の貫通孔を通過する際に気泡を噛みやすく、容器に充填された液体の液面が泡立ち、直ぐに容器を封止することができず、液体充填工程の効率が悪いという問題があった。また、容器に定量の液体が充填された後の液切れ性が不十分であり、液体充填ノズルの吐出口から容器内に液体が落下するのを防止できないという問題もあった。
本発明は上述のような実情に鑑みてなされたものであり、液面の泡立ちが防止され、かつ、液切れ性に優れた液体充填ノズルを可能とする多孔板と、容器への液体充填を高い効率で行える液体充填装置を提供することを目的とする。
このような課題を解決するために、本発明の液体充填ノズル用多孔板は、体充填ノズルの吐出口近傍に設けられ、充填停止時の液体の落下を抑制する多孔板であって、基材の一方の面から他方の面に貫通する複数の貫通孔を有し、前記基材の表面粗さ(Ra)が0.1μm以上、貫通孔の深さ方向における内径の最大値と最小値との差の半分をBとしたときの前記基材の厚みTとの比(B/T)が0.15以下であるような構成とした。
本発明の他の態様として、前記基材の表面における貫通孔の開口径が400〜2400μmの範囲であるような構成とした。
本発明の他の態様として、多孔板の厚みが100〜1000μmの範囲であるような構成とした。
本発明の他の態様として、多孔板の開口率が40〜80%の範囲であるような構成とした。
本発明の液体充填装置は、定量貯槽と、液体充填ノズルと、前記定量貯槽と前記液体充填ノズルを接続する接続配管と、を少なくとも備え、前記液体充填ノズルは、前記接続配管と接続される筒状本体と、該筒状本体の下流側に位置する筒状吐出部と、を有し、該筒状吐出部には複数のメッシュが環状スペーサを介して多段に装着されており、少なくとも前記筒状吐出部の最も下流側に位置する前記メッシュは、上述の本発明の液体充填ノズル用多孔板であるような構成とした。
また、本発明の液体充填装置は、定量貯槽と、液体充填ノズルと、前記定量貯槽と前記液体充填ノズルを接続する接続配管と、を少なくとも備え、前記液体充填ノズルは、前記接続配管と接続される筒状本体と、該筒状本体の下流側に位置する筒状吐出部と、を有し、該筒状吐出部には複数のメッシュが環状スペーサを介して多段に装着されており、前記筒状吐出部の最も上流側、および/または、中間に位置する前記メッシュは、上述の本発明の液体充填ノズル用多孔板であり、前記筒状吐出部の最も下流側に位置する前記メッシュは金網であるような構成とした。
本発明の多孔板は、液体充填ノズルに用いることにより、容器への液体充填時の液面の泡立ちが防止され、また、容器に定量の液体が充填され、液体充填が停止した後における液体の落下を抑制することができる。
本発明の液体充填装置は、容器への液体充填を高い効率で行うことができる。
図1は、本発明の多孔板の一実施形態を示す部分平面図である。 図2は、図1に示される多孔板のI−I線における縦断面図である。 図3は、図2に示される多孔板において鎖線円で囲まれた部位の拡大断面図である。 図4は、本発明の多孔板の他の実施形態を示す図3相当の断面図である。 図5は、本発明の多孔板における開口率を説明するための図である。 図6は、本発明の多孔板の隅部の構造の一例を示す部分平面図である。 図7は、本発明の多孔板の製造例を説明するための図3相当の断面図である。 図8は、本発明の多孔板の他の製造例を説明するための図4相当の断面図である。 図9は、本発明の液体充填装置の一実施形態を示す概略構成図である。 図10は、本発明の液体充填装置の一実施形態を示す概略構成図である。 図11は、本発明の液体充填装置を構成する液体充填ノズルの筒状吐出部の一例を示す概略断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
尚、図面は模式的または概念的なものであり、各部材の寸法、部材間の大きさの比等は、必ずしも現実のものと同一とは限らず、また、同じ部材等を表す場合であっても、図面により互いの寸法や比が異なって表される場合もある。
[液体充填ノズル用多孔板]
図1は、本発明の液体充填ノズル用多孔板の一実施形態を説明するための部分平面図であり、図2は、図1に示される多孔板のI−I線における縦断面図であり、図3は、図2に示される多孔板において鎖線円で囲まれた部位の拡大断面図である。図1、図2および図3において、多孔板11は、基材12の一方の面12aから他方の面12bに貫通する複数の貫通孔13を有しており、面12aおよび面12bの表面粗さ(Ra)は、0.1μm以上、好ましくは0.15〜0.3μmの範囲である。基材12の面12aおよび面12bの表面粗さ(Ra)が0.1μm未満であると、多孔板11を液体充填ノズルに用いたときに、液体充填が停止した後における液体の落下を抑制できないことがある。尚、表面粗さ(Ra)は三次元粗さパラメータであり、JIS B0601−2001に準拠して測定することができる。
多孔板11の貫通孔13の開口形状は、図示例では正六角形であるが、これに限定されるものではなく、例えば、円形、正多角形、長方形、台形、楕円形等であってもよい。
このような貫通孔13は、その内壁14に凹凸が少なく、深さ方向における内径のバラツキが小さいことが好ましく、図3に示すように、貫通孔13の深さ方向における内径の最大値D1と最小値D2との差の半分[(D1−D2)/2]をバラツキ量Bとしたときに、このバラツキ量Bと基材12の厚みTとの比(B/T)が0.15以下、好ましくは0.1以下である。内径の最大値D1と最小値D2との差が大きく、B/Tが0.15を超えると、液体が多孔板11の貫通孔13を通過する際に気泡を噛みやすく、容器に充填された液体の液面に泡立ちが生じやすくなる。このような貫通孔13の深さ方向の内径の測定は、透過型三次元測定器を用いて行うことができる。
尚、図示例では、内径が最大値D1となる部位は、貫通孔13の開口端13a、13bであり、内径が最小値D2となる部位は、貫通孔13の深さ方向の略中央の内壁14に位置する突出部14aとなっているが、内径が最大値D1となる部位、最小値D2となる部位は、これに限定されるものではない。
このような貫通孔13の開口径は、充填対象の液体の粘度、充填速度等を考慮して設定することができ、例えば、400〜2400μm、好ましくは、600〜1500μmの範囲である。尚、貫通孔13の開口径は、基材12の面12a側における貫通孔13の開口端13a、および、基材12の面12b側における貫通孔13の開口端13bにおける開口径である。また、正多角形の開口形状のように、開口端13a、開口端13bにおける開口径が測定箇所において異なる場合、図1に矢印で示すように、最小値を開口径とする。
本発明の多孔板11の基材12の材質は、例えば、オーステナイト系、フェライト系、マルテンサイト系のステンレス鋼、チタン、チタン合金、ニッケル、ニッケル合金、ニオブ、タンタル、ジルコニウム、コバルト合金、クロム合金、モリブデン合金、タングステン合金等であってよい。また、多孔板11の厚みは、例えば、100〜1000μm、好ましくは200〜600μmの範囲であることが好適である。また、基材12の外形形状は、多孔板11を使用する液体充填ノズルの形状に応じて適宜設定することができ、例えば、多角形、角部が丸められた多角形、円形、楕円形等であってよい。
また、本発明の多孔板11は、図4に示すように、複数(図示例では3枚)の単位多孔板11′が接合されたものであってもよい。この場合、各単位多孔板11′において、上記の比(B/T)が0.15以下、好ましくは0.1となる。尚、図4は、図3相当の断面図である。単位多孔板11′の接合は、例えば、焼結接合、拡散接合、アーク溶接、抵抗溶接、ロウ付け等により行うことができる。
本発明の多孔板11における開口率は、貫通孔13の開口径、基材12の材質、充填する液体の物性等を考慮して適宜設定することができ、例えば、40〜80%の範囲、好ましくは55〜75%の範囲とすることができる。開口率は、図5に示すように、多孔板11を液体充填装置に装着した際の有効な液体吐出面11Aに占める貫通孔13の開口面積の総和の百分率で表される。尚、図5では、液体吐出面11Aに斜線を付して示し、液体吐出面11Aに位置する貫通孔13の記載を省略している。また、本発明の多孔板11は、上記の液体吐出面11Aに存在する貫通孔13の開口形状が同じであることが、液体充填の安定性の点から好ましい。例えば、図6に示すように、液体吐出面11Aの隅部においても、他の部位における貫通孔13と同様に、開口形状が六角形であり、当該六角形よりも小さい開口寸法の貫通孔が存在しないことが好ましい。
このような本発明の多孔板11は、液体充填ノズルに用いることにより、容器への液体充填時の液面の泡立ちが防止され、また、容器に定量の液体が充填され、液体充填が停止した後における液体の落下を抑制することができる。
次に、本発明の多孔板の製造例について、上述の多孔板11を例に説明する。
本発明の多孔板11の製造では、まず、上述のような材質の基材12の両面12a,12bに所望のエッチングマスクを形成し、基材12の両面からウエットエッチング、あるいは、ドライエッチングにより貫通孔13を形成する。図7は、エッチングにより貫通孔13を形成した状態を示す図3相当の断面図である。図7に示されるように、この段階の貫通孔13は、開口端13a、13bにバリのような突出部が存在し、また、貫通孔13の深さ方向の略中央の内壁14に突出部14aが存在している。また、基材12の面12a、面12bは、使用した基材12の表面が維持された平坦な状態となっている。
次に、貫通孔13を形成した基材12に対して、粗化処理を施す。粗化処理は、例えば、基材12の材質がステンレス鋼である場合、塩化第二鉄溶液中に基材12を浸漬することにより行うことができる。この粗化処理により、基材12の面12a、面12bは粗化されて、表面粗さ(Ra)は、0.1μm以上、好ましくは0.15〜0.3μmの範囲となる。また、この粗化処理により、貫通孔13の内壁14が粗化されるとともに、貫通孔13に存在する突出部が溶解されて、突出量の低減、突出部の消滅が生じる。図3に示す多孔板11の例では、貫通孔13の開口端13a、13bに存在したバリのような突出部が消滅し、貫通孔13の内壁14に存在した突出部14aの突出量が低減され、貫通孔13の深さ方向における内径の最大値D1と最小値D2との差の半分[(D1−D2)/2]をバラツキ量Bとしたときに、このバラツキ量Bと基材12の厚みTとの比(B/T)が0.15以下、好ましくは0.1以下となる。これにより、図1〜図3に示されるような本発明の多孔板11が得られる。
このように、本発明の多孔板は、貫通孔の内壁に存在するバリを粗化処理によって除去しており、これにより、液体が多孔板の貫通孔を通過する際に気泡を噛みにくくなり、容器に充填された液体の表面が泡立ちにくく、直ぐに容器を封止することができるため、液体充填工程の効率が向上する。また、粗化処理により基材の表面が親水性になるため、容器に定量の液体が充填された後の液切れ性が向上し、液体充填ノズルの吐出口から容器内に液体が落下するのを防止することができる。
また、上述のように、多孔板11が、複数の単位多孔板11′が接合されたものである場合、まず、基材12をエッチングして貫通孔13を備えた単位多孔板11′を作製し、所望の枚数の単位多孔板11′を接合した後、粗化処理を施す。図8は、粗化処理を施す前の状態を示す図4相当の断面図である。図8に示されるように、この段階では、各単位多孔板11′の貫通孔13において、その開口端と、深さ方向の略中央の内壁14に突出部が存在している。また、最外層側に位置する単位多孔板11′の基材12の面12a、および、面12bは、使用した基材12の表面が維持された平坦な状態となっている。そして、粗化処理を施すことにより、面12a、面12bは粗化されて、表面粗さ(Ra)は、0.1μm以上、好ましくは0.15〜0.3μmの範囲となる。また、貫通孔13の内壁が粗化されるとともに、貫通孔13に存在する突出部が溶解されて、突出量の低減、突出部の消滅が生じ、各単位多孔板11′において、貫通孔13の深さ方向における内径の最大値D1と最小値D2との差の半分[(D1−D2)/2]をバラツキ量Bとしたときに、このバラツキ量Bと基材12の厚みTとの比(B/T)が0.15以下、好ましくは0.1以下となる。これにより、図4に示されるような本発明の多孔板11が得られる。図4に示す多孔板11の例では、粗化処理によって、各単位多孔板11′の貫通孔13の開口端に存在したバリのような突出部が消滅し、貫通孔13の内壁14に存在した突出部の突出量が低減されている。
尚、上記のように、粗化処理を行う前に所望の枚数の単位多孔板11′を接合するのは、粗化処理を施した後の基材12の表面は、表面粗さ(Ra)が0.1μm以上であり、接合に支障を来すおそれがあるからである。
上述の実施形態は例示であり、本発明の液体充填ノズル用多孔板はこれらの実施形態に限定されるものではない。
[液体充填装置]
図9および図10は、本発明の液体充填装置の一実施形態を示す概略構成図である。図9および図10において、本発明の液体充填装置51は、定量貯槽52、この定量貯槽52に液体を供給する供給管53、液体充填ノズル55、定量貯槽52と液体充填ノズル55を接続する接続配管54を備えている。また、液体充填ノズル55は接続配管54と接続している筒状本体56と、この筒状本体の下流側に位置する筒状吐出部57とを有している。
図11は、本発明の液体充填装置51を構成する液体充填ノズル55の筒状吐出部57の一例を示す概略断面図である。図11に示されるように、筒状吐出部57の先端部には、吐出口58を囲むように係止部57aが設けられており、この係止部57aに複数のメッシュ21が環状スペーサ31を介して多段に装着されている。この筒状吐出部57の外形形状、および、吐出口58の開口形状は、液体を充填する対象の容器の形状に応じて適宜設定することができ、例えば、矩形、円形等であってよい。
このような筒状吐出部57は、筒状本体56の下流側に嵌着されており、筒状本体56の先端部56aは環状スペーサ31を介して複数のメッシュ21を係止部57aとの間に固定する作用をなしている。そして、筒状吐出部57の吐出口58の下方の所定位置に口部が位置するように容器を配置した状態で液体充填が行われる。
尚、本発明において、メッシュとは、多孔板および金網を包含する用語として用いる。
本発明の液体充填装置51では、上記の複数のメッシュ21の少なくとも1枚が、本発明の液体充填ノズル用多孔板である。図11では、3枚のメッシュ21が本発明の液体充填ノズル用多孔板11となっている。これにより、容器への液体充填時の液面の泡立ちが防止され、また、容器に定量の液体が充填され、液体充填が停止した後における液体の落下が抑制され、容器への液体充填を高い効率で行うことができる。さらに、メッシュ21の耐久性が高く、メッシュ交換の間隔を長くすることができる。尚、図11では、メッシュ21である本発明の液体充填ノズル用多孔板11の貫通孔13は省略している。
また、筒状吐出部57の最も下流側に位置するメッシュ21は、液体充填時の液面の泡立ち防止や、液体充填停止後の液体落下の抑制の点で重要であるので、この位置のメッシュ21が本発明の液体充填ノズル用多孔板11である場合、他のメッシュ21は、従来の液体充填ノズル用の多孔板、あるいは、金網であってもよい。このように、筒状吐出部57の最も下流側に位置するメッシュ21を本発明の液体充填ノズル用多孔板11とすることにより、液体充填時の液面の泡立ち防止や液体充填停止後の液体落下の抑制の効果が奏され、容器への液体充填を高い効率で行うことができる。尚、他のメッシュ21として金網を使用する場合、耐久性の点で図11に示す例に比べて劣ることになる。
さらに、筒状吐出部57の最も上流側、あるいは、中間に位置するメッシュ21が本発明の液体充填ノズル用多孔板11である場合、筒状吐出部57の最も下流側に位置するメッシュ21が金網であってもよい。これは、上記のように筒状吐出部57の最も下流側に位置するメッシュ21は、液体充填時の液面の泡立ち防止や、液体充填停止後の液体落下の抑制の点で重要であり、最も下流側に位置するメッシュ21として従来の液体充填ノズル用の多孔板を使用することはできないからである。この態様では、液体充填時の液面の泡立ち防止や液体充填停止後の液体落下の抑制の効果が奏され、容器への液体充填を高い効率で行うことができる。但し、この態様では金網を使用するので、耐久性の点で図11に示す例に比べて劣ることになる。
本発明の液体充填装置51を構成する液体充填ノズル55の筒状吐出部57に装着するメッシュ21の数は3枚に限定されるものではない。
本発明の液体充填装置51では、定量貯槽52の供給管53側に逆止弁61が位置しており、定量貯槽52内にはピストン63が上下動可能に設けられている。また、接続配管54にも逆止弁65が設けられている。
次に、図9および図10を参照しながら本発明の液体充填装置51の動作を説明する。まず、図9に示されるように、定量貯槽52内において上昇終点に位置するピストン63が下降することにより、逆止弁61が開状態となって供給管53から液体が定量貯槽52内に流入し、ピストン63が下降終点に到達することにより、定量貯槽52内での液体貯留が終了し、逆止弁61が閉状態となる。この間、逆止弁65は閉状態となっている。
次に、図10に示されるように、定量貯槽52内において下降終点に位置するピストン63が上昇することにより、逆止弁65が開状態となり、接続配管54を通って液体が液体充填ノズル55に供給され、筒状吐出部57から容器(図示せず)内への液体充填が開始される。そして、ピストン63が上昇終点に到達した時点で逆止弁65が閉状態となり、液体の充填が停止される。これにより、容器(図示せず)内に定量の液体が充填される。この間、逆止弁61は閉状態となっている。
このような本発明の液体充填装置は、容器への液体充填時の液面の泡立ちが防止され、また、容器に定量の液体が充填され、液体充填が停止した後における液体の落下が抑制され、容器への液体充填を高い効率で行うことができる。
また、本発明の液体充填装置により液体を充填する対象の容器の形状、材質には特に制限はなく、例えば、種々の形状の紙製容器、樹脂製容器、ガラス製容器、金属製容器等が挙げられる。
上述の実施形態は例示であり、本発明の液体充填装置はこの実施形態に限定されるものではない。
次に、具体的な実施例を示して本発明を更に詳細に説明する。
[実施例1]
単位多孔板用の基材としてステンレス鋼(SUS316L、68mm×68mm、厚み200μm)を準備した。
この基材の両主面に感光性ドライフィルム(旭化成イーマテリアルズ(株)製) SUNFORT)をラミネートした後、所望のマスクを介して露光し、現像することにより基材の両面にエッチングマスクを形成した。このように形成したエッチングマスクは、図1に示されるように、開口径が850μmである正六角形の開口部が、ピッチ1050μmで配列されたものであり、表裏のエッチングマスクの開口部が一致するものであった。
次に、下記のエッチング条件のスプレーエッチングにより、基材を両面からエッチングして貫通孔を形成し、その後、エッチングマスクを除去し、洗浄した。
(エッチング条件)
・エッチング液 : 塩化第二鉄溶液
・比重 : 45ボーメ(Be)
・温度 : 55℃
・スプレー圧 : 0.3MPa
このようなスプレーエッチングにより、開口形状が正六角形の貫通孔を複数有する単位多孔板が得られた。
次に、この単位多孔板3枚を焼結接合(焼結温度1250℃、焼結時間4時間)して、多孔板(未処理試料)を作製した(図8参照)。この多孔板(未処理試料)の両面の表面粗さ(Ra)を測定し、結果を下記の表1に示した。尚、表面粗さ(Ra)は、菱化システム(株)製) Vert Scan2.0を用いて測定した。
また、この多孔板(未処理試料)の貫通孔を透過型三次元測定器を用いて観察して、深さ方向における内径の最大値と最小値との差の半分をバラツキ量Bとして算出し、このバラツキ量Bと基材の厚みT(200μm)との比B/Tを算出して、結果を下記の表1に示した。
次に、液温45℃の塩化第二鉄溶液に多孔板(未処理試料)を浸漬して、粗化処理を施し、本発明の多孔板(試料A〜試料D)を作製した(図4参照)。この試料A〜試料Dは、塩化第二鉄溶液への浸漬時間を調整して粗化の程度を調節したものとした。このような多孔板(試料A〜試料D)の両面の表面粗さ(Ra)を上記と同様にして測定し、結果を下記の表1に示した。また、この多孔板(試料A〜試料D)の貫通孔について、上記と同様にバラツキ量B、比B/Tを算出して、結果を下記の表1に示した。
Figure 2015160626
次に、3枚のメッシュとして上記の多孔板(試料A〜試料D、未処理試料)を用い、下記の表2に示される組み合わせで、図9〜図11に示されるような液体充填装置の液体充填ノズルの筒状吐出部に、環状のスペーサを介して多段に装着(試料1〜試料13)した。使用した環状のスペーサは、外形形状、寸法が多孔板を同じあるステンレス鋼(SUS304)の中央に、64mm×64mmの正方形状の開口部を設けたものとした。このように液体充填装置に装着した多孔板の開口率(有効な液体吐出面に占める貫通孔の開口面積の総和の百分率)は、約63%であった。
また、ステンレス製の金網(メッシュ数:24)を準備し、多孔板に代えて3枚のメッシュとして金網を同様に装着(試料14)した。
次いで、3枚のメッシュが上記の組み合わせである各液体充填装置において、それぞれ液体として液温80℃の純水を使用し、液体充填ノズルから1000mlの液体を1秒間で吐出する操作を3秒間隔で繰り返し、液切れ性、透明性、耐久性の各項目を評価した。
<液切れ性>
液体の吐出が止められた後の液体充填ノズルからの液体落下の有無を観察して、下記の基準で液切れ性を評価した。
○:液体落下がみられず良好
×:液体落下がみられ液切れ性が悪い
<透明性>
液体充填ノズルから吐出される液体の透明性を下記の基準で評価した。透明性が良好なほど、液体に混入している気泡の量が少なく、容器に充填した場合の液面の泡立ちが防止される。
○:液体が白濁しておらず透明性が良好
△:液体がやや白濁しているが透明性はほぼ良好
×:液体が白濁しており透明性が悪い
<耐久性>
上記の条件による液体充填ノズルからの液体吐出を72時間行った後に、メッシュの変形量を観察して、下記の基準で耐久性を評価した。
○:3枚のメッシュに変形がみられず良好
△:1枚のメッシュに変形がみられるものの、2枚のメッシュに変形が
みられず実用上問題ない
×:3枚のメッシュに変形がみられる
Figure 2015160626
表2に示されるように、試料1〜試料8の液体充填装置は、本発明の効果が奏されており、十分に実用レベルにある。
しかし、筒状吐出部の最も下流側に位置するメッシュが未処理試料の多孔板である試料9〜試料13の液体充填装置、および、メッシュが全て金網である試料14の液体充填装置では、本発明の効果が奏されないことが確認された。
[実施例2]
実施例1において作製した多孔板(試料C、未処理試料)と、金網を使用し、液体充填装置を構成する液体充填ノズルの筒状吐出部に装着する3枚のメッシュとして、下記の表3に示される組み合わせで、環状のスペーサを介して多段に装着(試料15〜試料22)した他は、実施例1と同様に、液体充填ノズルから1000mlの液体を1秒間で吐出する操作を3秒間隔で繰り返し、液切れ性、透明性、耐久性の各項目を評価した。
Figure 2015160626
表3に示されるように、試料15、試料17〜試料19、試料21の液体充填装置は、本発明の効果が奏されており、十分に実用レベルにある。
しかし、最下流に位置するメッシュが金網であっても、試料Cの多孔板を使用していない試料20の液体充填装置、および、試料Cの多孔板を使用していない試料16、試料22の液体充填装置では、本発明の効果が奏されないことが確認された。
容器への液体の充填工程を有する種々の分野において利用することができる。
11…多孔板
11′…単位多孔板
12…基材
13…貫通孔
13a,13b…貫通孔の開口部
14…内壁
21…メッシュ
51…充填装置
53…定量貯槽
54…接続配管
55…液体充填ノズル
56…筒状本体
57…筒状吐出部

Claims (6)

  1. 液体充填ノズルの吐出口近傍に設けられ、充填停止時の液体の落下を抑制する多孔板において、
    基材の一方の面から他方の面に貫通する複数の貫通孔を有し、前記基材の表面粗さ(Ra)が0.1μm以上、貫通孔の深さ方向における内径の最大値と最小値との差の半分をBとしたときの前記基材の厚みTとの比(B/T)が0.15以下であることを特徴とする液体充填ノズル用多孔板。
  2. 前記基材の表面における貫通孔の開口径が400〜2400μmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の液体充填ノズル用多孔板。
  3. 多孔板の厚みが100〜1000μmの範囲であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液体充填ノズル用多孔板。
  4. 多孔板の開口率が40〜80%の範囲であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の液体充填ノズル用多孔板。
  5. 定量貯槽と、液体充填ノズルと、前記定量貯槽と前記液体充填ノズルを接続する接続配管と、を少なくとも備え、前記液体充填ノズルは、前記接続配管と接続される筒状本体と、該筒状本体の下流側に位置する筒状吐出部と、を有し、該筒状吐出部には複数のメッシュが環状スペーサを介して多段に装着されており、少なくとも前記筒状吐出部の最も下流側に位置する前記メッシュは、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の液体充填ノズル用多孔板であることを特徴とする液体充填装置。
  6. 定量貯槽と、液体充填ノズルと、前記定量貯槽と前記液体充填ノズルを接続する接続配管と、を少なくとも備え、前記液体充填ノズルは、前記接続配管と接続される筒状本体と、該筒状本体の下流側に位置する筒状吐出部と、を有し、該筒状吐出部には複数のメッシュが環状スペーサを介して多段に装着されており、前記筒状吐出部の最も上流側、および/または、中間に位置する前記メッシュは、請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の液体充填ノズル用多孔板であり、前記筒状吐出部の最も下流側に位置する前記メッシュは金網であることを特徴とする液体充填装置。
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