JP2015160194A - コーヒー豆のシルバースキン除去装置 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1に示すシルバースキン除去装置は、円筒状の容器内に旋回する空気流を形成し、挽いたコーヒー豆とシルバースキンとの比重差を利用して、コーヒー豆からシルバースキンを分離するものである。
このような装置では、挽いたコーヒー豆が空気流で旋回することになるため、コーヒー豆の表面が酸化しやすく、却って風味を落としてしまうこともあった。
この装置は、図5に示すベルトコンベア1で搬送される被処理物体2中に混入した毛髪等の異物を帯電させ、この帯電した異物をクーロン力によって吸引して取り除くための装置である。ベルトコンベア1の上方に配置した異物除去装置は、異物をクーロン力で吸引するために帯電電極板3を備えている。この帯電電極板3はベルトコンベア1の幅方向に長く、ベルトコンベア1の長さ方向に所定の長さをもった長方形の金属板で、ベルトコンベア1の表面に平行に対向配置されている。
さらに、上記帯電電極板3より被処理物体2の搬送方向上流側には、異物を含んだ被処理物体2を帯電させるための帯電器9を設けている。この帯電器9は、上記帯電電極板3とは逆極性のイオンを生成するものである。
具体的には、まず、ベルトコンベア1上の被処理物2は帯電器9によってイオンが照射され、表面が帯電させられる。この帯電させられた極性は上記帯電電極板3とは逆極性になる。
このクーロン力が重力より強い場合、つまり、質量が小さい毛髪等の異物は、帯電電極板3に向かって浮き上がっていき、その間にある粘着テープ4に付着して回収される。逆に、重力がクーロン力より強い場合、つまり、質量が大きい物体は、そのままベルトコンベア1に乗って流れていく。
そして、被処理物体2が帯電電極板3を通り過ぎたら、除電器10によってベルトコンベア1の表面を除電する。無端状のベルトコンベア1が、上記帯電器9によって帯電蓄積していき、クーロン力を調整することが出来なくなることを防止するためである。
また、搬送経路を挟んで一対の電極板を設けているので、形成される電場を必要な強さに制御することができ、クーロン力による確実な分離が可能になる。特に、下方に位置する接地電極板を搬送経路に接触させているため、分極したシルバースキンの下方の電荷を逃がすことができ、コーヒー豆を酸化させるような帯電を行なわなくても、高電位の電極板の方向にクーロン力を作用させることができる。
さらに、シルバースキンはクーロン力によって絶縁帯に付着しているだけで、絶縁帯から分離して収容するので、絶縁帯の廃棄の必要がない。また、絶縁帯を無端にして繰り返し使用することもでき、経済的である。
この装置は、コーヒー豆を搬送する導電性の搬送板11を水平面L(図2参照)に対して角度θだけ傾斜させて設けるとともに、この搬送板11を接地している。この搬送板11の両脇には、幅方向端部から所定の間隔を保った位置に、一対の仕切り部材12,13を設置し、コーヒー豆の落下を防止している。そして、処理時には、これら一対の仕切り部材12,13間に、上記搬送板11の上端からコーヒー豆を供給して斜面の下方に向かって移動させるようにする。具体的には、シルバースキンを含んだ粗挽きのコーヒー豆を、図示しないホッパーから搬送板11上に落下するようにする。つまり、上記搬送板11の上面であって上記仕切り部材12,13間が、コーヒー豆の搬送経路となるとともに、搬送板11が、上記搬送経路の下方に設置された接地電極板を兼ねている。
そして、上記第1ローラー15を矢印方向に回転させることによって、上記絶縁フィルム14が、上記搬送板11に対向する側において上記矢印αで示すコーヒー豆の搬送方向に直交する矢印β方向に移動するようにしている。
このシルバースキン収容容器20と対向して上記絶縁フィルム14を挟む位置には、絶縁フィルム14とともに、この絶縁フィルム14に付着しているシルバースキンを除電するための除電器22を設けている。この除電器22は上記絶縁フィルム14の全幅分の長さ以上の長さを備え、上記絶縁フィルム14のシルバースキンが付着している面の裏面に対向している。
さらに、除電器22よりも上記絶縁フィルム14の移動方向下流側には絶縁フィルム14の全幅分の長さ以上に対応する吸引ノズル23を設け、これを吸引ホース24によって吸引装置25に接続している。
上記第1電極板17、第2電極板18にそれぞれ直流の高電位にした状態で、搬送板11上にシルバースキンが混在した粗挽きコーヒー豆を供給する。
この時、搬送板11には上記加振装置21によって振動を与え、コーヒー豆及びシルバースキンは搬送板11上を跳ねながら斜面下方へ移動して行く。
なお、以下では、コーヒー豆とシルバースキンとの混合物を「豆など」といい、コーヒー豆と区別することにする。
このクーロン力F[N]が重力m・g[N]より強く作用する場合、豆などは第1電板17に向かって移動する。質量が小さいシルバースキンは第1電極板17で吸引され、絶縁フィルム14に付着するが、質量が大きいコーヒー豆は重力m・g[N]がクーロン力F[N]より強く作用するため、浮き上がらずに、絶縁フィルム14には付着しない。
なお、図4では第1電極板17、第2電極板18と搬送板11との間に介在する絶縁フィルム14を省略している。また、上記mは質量、gは重力加速度である。
このようにして、質量が小さいシルバースキンのみが絶縁フィルム14に付着し、搬送板11上に残されたコーヒー豆は搬送板11に沿って移動し、その下端から豆収容容器19内に落下して収容される(図2参照)。
また、上記第1電極板17、第2電極板18の下を通過する豆などが分極した場合、質量が小さいシルバースキンは上昇して絶縁フィルム14に付着するが、質量が大きいコーヒー豆は浮き上がらないように、上記第1電極板17、第2電極板18の電位を調整することによって、クーロン力の強さを調整することができる。
図3に示すように、上記絶縁フィルム14が矢印β方向へ移動し、付着したシルバースキンが第1電極板17及び第2電極板18と搬送板11との対向間隔から外れると、上記の電場によるクーロン力の作用が弱くなるため、シルバースキンは絶縁フィルム14から自然落下してシルバースキン収容容器20内に収容される。
なお、上記したように上記搬送板11の幅方向両脇には、一対の仕切り部材12,13を設置しているため、クーロン力が弱まり、絶縁フィルム14から搬送板11に落下してしまったシルバースキンが搬送経路内に再混入してしまうことを防止できる。
このようなシルバースキンは、絶縁フィルム14とともに除電器22で除電されることで摩擦帯電によるクーロン力が弱まり、シルバースキン収容容器20内に落下する。
なお、上記絶縁フィルム14はその厚みが薄いので、シルバースキンが付着している面の裏面に上記除電器22を対向させていても、その除電機能は反対側の面にも作用し、シルバースキンを落とすことができる。
また、絶縁フィルム14が第2ローラー16に沿って方向転換する部分では、シルバースキンに遠心力が作用するので、この部分でシルバースキンは絶縁フィルム14から脱落しやすくなる。特に、第1ローラー15及び第2ローラー16の回転速度が速いほど、遠心力が強くなるので、シルバースキンは脱落しやすくなる。
なお、この実施形態では上記吸引ノズル23、吸引ホース24及び吸引装置25が、この発明の物理的な力を作用させる除去手段を構成している。
上記除去手段は、絶縁フィルム14上を掃くブラシや、拭うパッド、スクレーパなどでもよいが、移動する絶縁フィルム14に部材を接触させる手段では、ブラシの穂先がロールに絡まり千切れたり、摩擦によってパットやスクレーパが消耗したり、それらの一部が搬送路に紛れ込む心配があるため、非接触でシルバースキンを除去できるものが好ましい。
したがって、この実施形態のシルバースキン除去装置は、コーヒー豆に空気を吹き付けたり、オゾン下に晒したりすることがないので、シルバースキンの除去工程においてコーヒー豆が酸化して風味を損なうようなことがない。
但し、この発明の一方の電極板は、正あるいは負のいずれかを印加する一枚の電極板のみで構成してもよい。
このように第1電極板17と第2電極板18との間で、一旦、移動速度が遅くなると、第2電極板18と搬送板11間を通過する豆などの通過時間が長くなり、シルバースキンがクーロン力によって絶縁フィルム14に引き付けられるために必要な時間を稼げるので、シルバースキン除去の処理効率を上げることができる。
シルバースキンがコーヒー豆の下敷きになっていたのでは、いくらシルバースキンの質量が小さくても、それをクーロン力で浮き上がらせることはできない。
そのため、上記加振装置21などを用いない場合には、豆などが多層にならないように、ガイドなどを用いてコーヒー豆の層を薄くし、搬送板11への供給量を少なくしなければならない。しかし、この実施形態のように上記加振装置21を用いて搬送板11を振動させれば、豆などの処理量を多くすることができ、シルバースキン除去の処理効率を上げることができる。
ベルトコンベアを用いる場合には、ベルト上の電荷を接地に逃がすことができるように、上記ベルトと接地電極板とを接触させるようにする。
さらに、上記実施形態では一方の電極板として金属板製の第1電極板17及び第2電極板18を用いているが、一方の電極板は、例えばメッシュやパンチングボードなど貫通孔を形成した板状の部材を用いてもよい。その場合には、絶縁帯を透明フィルムにすれば、装置の上方からシルバースキンの除去状態を観察することができる。
但し、貫通孔を有する電極板を用いた場合には、貫通孔の周囲に電場の乱れができることもあるので、一定の範囲の電場を均一にするためには孔のない電極板を用いることが好ましい。
また、上記実施形態では、コーヒー豆を粗挽きにしているが、コーヒーの挽き方は粗挽きに限らない。挽いたコーヒー豆が細かくなればなるほど、シルバースキンとの質量差が小さくなってしまうため、除去の処理効率が下がってしまうこともあるが、シルバースキンとコーヒー豆との比重差によってシルバースキンの除去処理は可能である。
14 絶縁フィルム
17 第1電極板
18 第2電極板
20 シルバースキン収容容器
22 除電器
23 吸引ノズル
24 吸引ホース
25 吸引装置
Claims (1)
- シルバースキンを含んだ挽いたコーヒー豆の搬送経路と、
この搬送経路に対して上方に位置するとともに直流高電圧電源に接続した一方の電極板と、
上記搬送経路の下方において上記搬送経路に接触し、上記一方の電極板と対向する接地電極板と、
上記一方の電極板と搬送経路との間において上記コーヒー豆の搬送方向と交差する方向に移動するとともに、上記一対の電極板間に形成された電場によって発生したクーロン力で上記一方の電極板に向かって移動するシルバースキンを付着させる無端状の絶縁帯と、
上記一方の電極板から外れた位置において上記絶縁帯から自重によって落下したシルバースキンを収容するシルバースキン収容容器と、
上記移動する絶縁帯が上記一方の電極板から外れる位置よりも上記絶縁帯の移動方向下流側に対応する位置において上記絶縁帯及びシルバースキンを除電する除電器と、
この除電器よりもさらに上記絶縁帯の移動方向下流側に対応する位置に絶縁帯に付着しているシルバースキンに物理的な力を作用させてシルバースキンを絶縁帯から除去する除去手段を備えたコーヒー豆のシルバースキン除去装置。
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