JP2015160145A - 水処理装置及び水処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】処理対象水に界面活性剤等の発泡性物質が含まれる場合に発生する泡を効率的に消泡できる水処理装置及び水処理方法を提供することである。
【解決手段】実施形態の水処理装置は、オゾン接触槽と、オゾン供給部と、オゾン供給制御弁と、排出部と、圧力制御弁と、制御部と、を持つ。オゾン接触槽は、処理対象水とオゾンとを接触させる。オゾン供給部は、オゾン接触槽内にオゾンガスを供給する。オゾン供給制御弁は、オゾン供給部によるオゾンガスの供給を制御する。排出部は、オゾン接触槽内の上部から排ガスを排出する。圧力制御弁は、排出部による排ガスの排出量を制御する。また、圧力制御弁は、オゾン接触槽内の圧力を制御する。制御部は、オゾン接触槽内の処理対象水の水面上に発生した泡の高さに基づきオゾン供給制御弁と圧力制御弁とを制御する。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、水処理装置及び水処理方法に関する。
従来、上水、下水、産業排水、プールなどの分野で、水中の有機物の酸化分解、殺菌、脱臭等の処理のためにオゾンが用いられている。オゾンを用いた水処理では、オゾン接触槽にて処理対象水とオゾンを接触させて反応させる。オゾン処理の効率を上げる方法として、処理対象水にオゾンガスを散気して注入する方法がある。この方法では、オゾンガスの気泡を用いることにより、処理対象水へのオゾンの溶解効率を上げることができる。
処理対象水に界面活性剤等の発泡性物質が含まれている場合、オゾンガスのオゾンの気泡を処理対象水に発生させる際に処理対象水が発泡する。さらに、水面に発泡した泡が集まり、徐々に水面の上部の空間を泡が滞留するという現象が生じる。大量に発生した泡は、排ガスを排出する配管から流出し、排ガス中に残留するオゾンガスを処理する処理装置等の機器の故障原因となる虞がある。
特開2002−66577号公報 特開平8−132100号公報
本発明が解決しようとする課題は、処理対象水に界面活性剤等の発泡性物質が含まれる場合に発生する泡を効率的に消泡できる水処理装置及び水処理方法を提供することである。
実施形態の水処理装置は、オゾン接触槽と、オゾン供給部と、オゾン供給制御弁と、排出部と、圧力制御弁と、制御部と、を持つ。オゾン接触槽は、処理対象水とオゾンとを接触させる。オゾン供給部は、オゾン接触槽内にオゾンガスを供給する。オゾン供給制御弁は、オゾン供給部によるオゾンガスの供給を制御する。排出部は、オゾン接触槽内の上部から排ガスを排出する。圧力制御弁は、排出部による排ガスの排出量を制御する。また、圧力制御弁は、オゾン接触槽内の圧力を制御する。制御部は、オゾン接触槽内の処理対象水の水面上に発生した泡の高さに基づきオゾン供給制御弁と圧力制御弁とを制御する。
第1の実施形態の水処理装置の全体構成を示す概略図であり、処理対象水をオゾン接触槽に流入させた状態を示す。 図1に示す水処理装置であり、第1供給部からオゾンガスを供給する様子を示す。 図1に示す水処理装置であり、泡が泡の上限高さに達した状態を示す。 図1に示す水処理装置であり、第2供給部からオゾンガスを救急する様子を示す。 図1に示す水処理装置であり、泡が泡の下限高さ以下となった状態を示す。 第2の実施形態の水処理装置の全体構成を示す概略図である。
以下、実施形態の水処理装置及び水処理方法を、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1に第1の実施形態に係る水処理装置1を示す。水処理装置1は、オゾン接触槽3に貯留された処理対象水16にオゾンガスを供給し、オゾンによる回文式(バッチ式)の水処理を行うものである。
水処理装置1は、処理対象水16を貯留するオゾン接触槽3と、このオゾン接触槽3にオゾンガスを供給するオゾン供給部21と、オゾン接触槽3の頂部3a(上部)から排ガスを排出する排出部8と、各部を制御する制御部15と、を有し概略構成されている。
オゾン接触槽3は、密閉可能な反応槽であり、その内部で貯留された処理対象水16とオゾンとを接触させ、処理対象水16の有機成分を分解する。
オゾン接触槽3には、処理対象水導入管4、処理対象水排出管5、圧力計11、第1泡検知部9、第2泡検知部10、水質計測器12が設けられている。
処理対象水導入管4は、オゾン接触槽3の側部3bに設けられている。また、処理対象水排出管5は、オゾン接触槽3の側部3b下方に設けられている。処理対象水導入管4及び処理対象水排出管5には、それぞれ電磁弁4a、5aが備えられている。
処理対象水導入管4の電磁弁4aは、制御部15からの指令に従い、処理対象水導入管4から所定量の処理対象水16をオゾン接触槽3に流入させる。処理対象水16の流入量を一定とするために、処理対象水導入管4の経路中に流量計を設けてもよい。また、オゾン接触槽3に水位計を設けてもよい。
処理対象水排出管5の電磁弁5aは、水処理終了後に処理対象水16をオゾン接触槽3から排出させる。
圧力計11は、オゾン接触槽3の頂部3aに設けられ、オゾン接触槽3内の圧力を計測する。圧力計11は、制御部15と接続されており、圧力計11による計測結果は、オゾン接触槽3の内部の圧力制御に利用される。
オゾン接触槽3には、泡の下限高さH1と、泡の上限高さH2が、設定されている。
泡の下限高さH1とは、処理対象水16の水面上に発生した泡が消泡していき泡の高さが水面に近づいた際の泡の高さが、再びオゾンガスを処理対象水16に吹き込んで泡が急激に発生しても直ちにオゾン接触槽3の上端(排出部8)から泡が溢れないと見込まれる高さである。泡の下限高さH1は、接触槽内の処理対象水16の基準高さよりもやや高い位置に設定される。
また、泡の上限高さH2とは、処理対象水16中にオゾンガスを吹き込んで処理対象水16の水面上に泡が発生し、当該泡がオゾン接触槽内の処理対象水16の上方空間に充満した場合に、オゾン接触槽3の上端(排出部8)から泡が溢れないようにするために設定された泡の上限の高さである。泡の上限高さH2は、接触槽内の処理対象水16の上端よりもやや低い位置であって、泡の下限高さH1より高い位置に設定される。
第1泡検知部9、及び第2泡検知部10は、オゾン接触槽3の側部3bに設けられている。これらの泡検知部9、10は、オゾンガスによる水処理において発生する泡13(例えば図3参照)の有無を検知する。泡検知部9、10が、それぞれ設置された位置における泡13の有無を判定することで泡13の高さを知ることができる。泡13の成分は、処理対象水と略同じであるため、例えば電極式の水位計を用いてもよい。
第1泡検知部9は、泡の下限高さH1に設けられている。第1泡検知部9は、泡13が泡の下限高さH1以下となった時に泡13を検知しなくなり、これにより泡13の高さが泡の下限高さH1より下回ったことを検出する。
また、第2泡検知部10は、泡の上限高さH2に設けられている。泡の上限高さH2は泡の下限高さH1より高い位置である。したがって、第2泡検知部10は、第1泡検知部9に対して上方に設けられている。第2泡検知部10は、泡13の高さが泡の上限高さH2に達した泡13を検知し、泡13の高さが泡の上限高さH2以上となったことを検出する。
変形例として第1泡検知部9と第2泡検知部10とを包含した機能を有する泡検知部を備えていても良い。このような泡検知部の例として、オゾン接触槽3の頂部3aに設けることで、泡13の高さを測定できる汚泥界面計が挙げられる。
水質計測器12は、オゾン接触槽3の側部3bの下方に設けられ、処理対象水16の水質が目標の水質となっているかを判定する。水質計測器12としては、全有機炭素濃度(TOC)、紫外線吸光度、蛍光強度を指標として水質を評価する全有機炭素濃度計、吸光光度計、蛍光強度計等を採用できる。また、予め処理対象物質が特定されている場合は、係る処理対象物質の濃度計を用いることができる。
オゾン接触槽3には、オゾン接触槽3内にオゾンガスを供給するオゾン供給部21が接続されている。オゾン供給部21は、オゾンガス発生器20と、第1供給部6と、第2供給部7とを有する。
オゾン供給部21により供給されるオゾンガスの濃度は、高くすることで処理効率を高めることができ好ましい。より具体的には、50gO/m程度とすることが望ましい。しかしながら、これに限定されるものではなく、これより低くても良い。
オゾンガス発生器20としては、空気又は酸素を原料として前記オゾンガスを生成するものを採用できる。
このようなオゾンガス発生器20は、0.2MPaの圧力のオゾンガスを効率的に生成する。したがって、オゾン供給部21の供給圧力を0.2MPaとすることで、安価な供給システムを構成できる。
オゾン供給部21からのオゾンガスの供給圧力を高める場合は、オゾンガス発生器20により、発生させたオゾンガスを圧縮機により圧縮して供給する。
第1供給部6は、オゾン接触槽3の下方に接続され、オゾンガス発生器20において生成されたオゾンガスを処理対象水16に直接供給する。
第1供給部6は、その先端に散気管6bを有しており、オゾン接触槽3に貯留された処理対象水16に対しオゾンガスをバブリングさせる。なお、ここでは、散気方式によるオゾンガスの注入を例として説明するが、他の方法であっても良い。
第1供給部6には、第1オゾン供給制御弁6a(オゾン供給制御弁)が備えられている。第1オゾン供給制御弁6aは、制御部15に接続され、制御部15の指令に従い第1供給部6からのオゾンガスの供給を制御する。
第2供給部7は、オゾン接触槽3の上方に接続され、オゾンガス発生器20において生成されたオゾンガスを、処理対象水16の水面より上方から供給する。
第2供給部7には、第2オゾン供給制御弁7a(オゾン供給制御弁)が備えられている。第2オゾン供給制御弁7aは、制御部15に接続され、制御部15の指令に従い第2供給部7からのオゾンガスの供給を制御する。
排出部8は、オゾン接触槽3の頂部3aに設けられている。排出部8には、圧力制御弁8aが備えられている。圧力制御弁8aは、制御部15に接続され、制御部15の指令に従い開閉する。圧力制御弁8aは、オゾン供給部21からオゾン接触槽3にオゾンガスが供給されている場合は、開閉することで、オゾン接触槽3の内部の圧力を制御する。
排出部8は、排ガス中の残留オゾンガスを処分するための排オゾンガス処分装置、排オゾンガス濃度計(ともに図示略)に接続されている。
制御部15は、計測手段である第1泡検知部9、第2泡検知部10、圧力計11、水質計測器12に接続され、各計測手段の検知結果及び計測結果を監視する。
また、制御部15は、電磁弁4a、5a、第1オゾン供給制御弁6a、第2オゾン供給制御弁7a、圧力制御弁8aに接続され、上述した各計測手段による検知結果及び計測結果を基にこれらを制御する。
第1の実施形態の水処理装置1による水処理方法を説明する。
図1〜図5は、この水処理方法の各段階における水処理装置1の様子を示したものである。これらを基に、第1の実施形態の水処理装置1による水処理方法について説明する。
なお、図2〜図5においては、煩雑となることを避けるために、オゾンガス発生器20、並びに各部と制御部15との接続構成を示す破線を省略している。
初めに、処理対象水導入管4の電磁弁4aを開放状態として、所定量の処理対象水16をオゾン接触槽3に流入させたのちに、電磁弁4aを閉塞状態とする。これにより、図1に示す状態とする。
次に、第1泡検知部9において、泡13が検知されていないかを確認する。図1に示す状態では、処理対象水16がオゾン接触槽3に流入しただけなので、泡13の発生はほとんど見られず第1泡検知部9は泡13を検知しない。このように、泡13が第1泡検知部9によって検知されず、泡13が泡の下限高さH1より低い時に、制御部15は、第2の動作を実行させる。以下、便宜上、第2の動作から説明する。
第2の動作とは、オゾン接触槽3の密閉状態を開放させて大気圧とするとともに、処理対象水16中にオゾンガスを供給する動作である。第2の動作について、より具体的に以下に説明する。
まず、制御部15は、第1供給部6に設けられた第1オゾン供給制御弁6aを開放する。これにより、第1供給部6が、散気管6bを介した処理対象水16へのオゾンガス供給を開始する。また、供給されたオゾンによって処理対象水16に含まれる有機物の酸化分解反応がおこる。供給されたオゾンガスは、処理対象水16に含まれる有機物を酸化分解することで排ガスとして水面から放出される。
第1供給部6からのオゾンガスの供給ガス流量は、供給されたオゾンガスができるだけ多く処理対象水16に吸収されるように(即ち、排ガスとして排出部8から排出されるオゾンガスの割合が小さくなるように)設定する。高度浄水処理で採用されているガス空塔速度5m/h前後となるような条件が一般的である。
図2に示すように、制御部15が第2の動作を実行すると、処理対象水16には、泡13が発生する。この泡13は処理対象水16の水面より上部たまり始め、泡13の体積は次第に増加し泡13の上面は上昇する。
この間、排出部8の圧力制御弁8aは開放されている。したがって、水面の上方空間に滞留する排ガスは、排出部8から排出される。排ガスは、排出部8を介して排オゾンガス処分装置(図示略)に導入されて残留オゾンガスが処分される。これにより、系外にオゾンガスが排出されることはない。
図3に示すように、第1供給部6からのオゾンガスの供給を続けると、発泡が進み、泡13が、泡の上限高さH2に達する。泡13が泡の上限高さH2に達すると、第2泡検知部10が泡13を検知し、検知結果は制御部15に出力される。このように、泡13が泡の上限高さH2より高い場合に、制御部15は、第1の動作を実行させる。
第1の動作とは、オゾン接触槽3を密閉させるとともに前記オゾンガスを供給してオゾン接触槽3内の圧力を大気圧より高い圧力とさせる動作である。第1の動作について、より具体的に以下に説明する。
まず、制御部15は、圧力制御弁8aが閉塞してオゾン接触槽3を密閉する。さらに制御部15は、第1オゾン供給制御弁6aを閉塞して第1供給部6からのオゾンガスの供給を停止させる。
次に、図4に示すように、制御部15は、第2供給部7に設けられた第2オゾン供給制御弁7aを開放する。これにより、第2供給部7からのオゾンガスの供給が開始される。
排出部8の圧力制御弁8aは閉塞されており、オゾン接触槽3は密閉状態であるため、第2供給部7からのオゾンガスの供給によって、オゾン接触槽3の内部が加圧される。
第2供給部7からのオゾンガスの供給は、オゾン接触槽3の内部の圧力が予め設定された所定の圧力となった時点で終了する。
第2供給部7から供給するオゾンガスの流量は、第1供給部6から注入するオゾンガスの流量よりも大きくしても良い。上述したように、第1供給部6から供給するオゾンガスの流量は、オゾンガスができるだけ多く処理対象水16に吸収されるように設定されており、流量が絞られている。これに対し、第2供給部7から供給するオゾンガスは、オゾン接触槽3の内部をオゾンガスで満たし加圧することが目的である。したがって、オゾンガスの流量を大きくして、所定の圧力となるまでの時間を短縮することが望ましい。これによって、消泡に要する時間を短くできる。
第1の動作を実行させると、オゾン接触槽3の内部の圧力が高まり処理対象水16へのオゾンの溶解が進む。これにより、泡13の発生原因である界面活性剤等の有機物の分解が促進され、消泡を速める。
この時のオゾン接触槽3の内部の圧力は、高ければ高いほど消泡効果が増す。しかしながら、圧力を高める場合には、オゾンガスの漏えいを防止するためにオゾン接触槽3の躯体強度を高くする必要があり、コスト高となる。また、オゾンガス発生器20(図1参照)においても、オゾンガスを高い圧力で供給するための装置(一例として圧縮機)を別途設ける必要が生じる。システム全体のコストバランスから、オゾン接触槽3の内部の圧力は、オゾンガス発生器20において効率的に生成できるオゾンガスの圧力である0.2MPaとすることが好ましい。
図5に示すように、オゾン接触槽3の内部の圧力を高めた状態を保ち、待機させると、泡13の体積が減少して泡13の高さが泡の下限高さH1以下となる。泡13の高さが泡の下限高さH1を下回った時に、第1泡検知部9は、泡13を検知しなくなる。この検知結果は、制御部15に伝えられる。制御部15は、第1泡検知部9が泡13を検知していないため、泡13は泡の下限高さH1より下方にあると判断する。制御部15は、泡13が泡の下限高さH1より下方にあると判断すると、圧力制御弁8aを開放してオゾン接触槽3の内部を大気圧とする。オゾン接触槽3の内部で加圧されて滞留していた排オゾンガスは、排出部8、排オゾンガス処分装置(図示略)を介し系外に排出される。
続いて、第1供給部6に設けられた第1オゾン供給制御弁6aを開放する。これにより、第1供給部6から処理対象水16へのオゾンガス供給が再開される(図2参照)。処理対象水16が再度発泡した場合は、図2〜図5を基に説明した第1の動作及び第2の動作を順次繰り返し行う。
第1の動作及び第2の動作を順次繰り返し行うことで、処理対象水16に含まれる界面活性剤の分解が進み、第1供給部6からオゾンガスを供給しても、発泡が起こらなくなる。この間、処理対象水はオゾンにより酸化分解が進んでいるが、さらに目標の水質となるまで、第1供給部6からのオゾンガスの供給を継続する。処理対象水16の水質は、水質計測器12により監視されている。処理対象水16が目標の水質になった場合には、処理対象水排出管5の電磁弁5aを開放状態として、処理対象水16をオゾン接触槽3から排出する。さらに、電磁弁5aを閉塞状態とした後に、オゾン接触槽3に次の処理対象水16を流入させてこの処理対象水16の水処理を行う。
第1の実施形態の水処理装置1によれば、処理対象水16に対しオゾンガスのバブリングを行うことでオゾンの溶解効率を高め、効率的にオゾンによる有機成分の酸化分解を行うことができる。
また、処理対象水16が、界面活性剤などの発泡性物質を含む場合においては、バブリングを行うことで、泡13が発生した後に、オゾン接触槽3を密閉し、オゾンガスにより内部を加圧させることで、特別な消泡機構を設けることなく、かつ自動で効率的な消泡を行うことができる。
第1の実施形態の水処理装置1においては、密閉状態としたオゾン接触槽3に対して、第1供給部6からのオゾンガスの供給を停止し、上方からオゾンガスを供給して、オゾン接触槽3の内部を加圧する。このような構成を有することで、第1供給部6からの供給を停止させることで発泡を停止させつつ、第2供給部7から供給することで、所定の圧力に達するまでの時間を短縮することできる。
加えて、泡検知部9、10により、泡13の高さを監視しながら、自動的に水処理と消泡を交互に行うために、泡13が排出部8から流出することを確実に防ぐことができる。
(第2の実施形態)
図6に第2の実施形態に係る水処理装置2を示す。なお、上述の第1の実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付しその説明を省略する。
この水処理装置2は、上述の第1の実施形態の水処理装置1と比較して、泡検知部9、10、圧力計11、及び第2供給部7を備えておらず制御部17による制御方法が異なる。
水処理装置2のオゾン供給部22は、第2供給部7を備えていない。即ち、オゾン供給部22は、オゾンガス発生器20と、供給部6とから構成されている。
制御部17は、計測手段である水質計測器12に接続されている。また、制御部17は、電磁弁4a、5a、オゾン供給制御弁6a、圧力制御弁8aに接続されている。
水処理装置2による水処理方法は、第1の実施形態の水処理方法と同様に、第1の動作と第2の動作を繰り返して行う。
第1の動作は、泡の上限高さH2に泡13が達した場合に、オゾン接触槽3を密閉させるとともにオゾンガスを供給してオゾン接触槽3内の圧力を大気圧より高い圧力とさせる動作である。
第2の動作は、泡の下限高さH1よりも泡13が低くなった場合に、オゾン接触槽3の密閉状態を開放させて大気圧とするとともに処理対象水16中にオゾンガスを供給する動作である。
第2の実施形態に係る水処理方法では、第1の動作及び、第2の動作におけるオゾンガスの供給は、ともに供給部6から行う。
以下に、第2の実施形態の水処理装置2による水処理方法を具体的に説明する。
初めに、処理対象水導入管4から所定量の処理対象水16をオゾン接触槽3に流入させる。この状態では、泡13は発生していない。したがって、泡の下限高さH1よりも泡が低くなった場合に行う、第2の動作が実行される。
第2の動作では、供給部6に設けられたオゾン供給制御弁6aを開放して処理対象水16へのオゾンガス供給を開始する。なお、このとき排出部8の圧力制御弁8aは開放されている。供給部6から処理対象水16にオゾンガスを供給すると、処理対象水16から泡13が発生する。
供給部6からのオゾンガスの供給を開始してから、予め決められた時間(第1待機時間)が経過したら、圧力制御弁8aを閉塞する。
第1待機時間は、事前実験により予め決定する。例えば、平均的な濃度の発泡物質(例えば界面活性剤)が含まれる処理対象水にオゾンガスを供給した場合の、泡13の上面が泡の下限高さH1から泡の上限高さH2に達するまでの時間を事前実験で測定し、この時間を基に決定する。
制御部17は、オゾン供給制御弁6aを開放し供給部6からのオゾンガスの供給を開始してから経過した時間(開放時間)を監視し、この開放時間が予め決められた第1待機時間に達した場合に、泡13の上面が泡の上限高さH2に達したと推定する。
泡13が泡の上限高さH2に達したと推定された時は、第1の動作が実行される。
第1の動作において、制御部17は、泡13の上面が泡の上限高さH2の上方にあると推定すると、圧力制御弁8aが閉塞してオゾン接触槽3を密閉する。
オゾン接触槽3を密閉された後も、供給部6からのオゾンガスの供給を継続して行う。これにより、オゾン接触槽3の内部を加圧することができる。
供給部6からのオゾンガスの供給は、オゾン接触槽3の内部の圧力が、オゾン供給部22の供給圧力と平衡となることで自然と停止する。
圧力制御弁8aを閉塞しオゾン接触槽3を密閉してから、予め決められた時間(第2待機時間)が経過したら、圧力制御弁8aを開放する。
第2待機時間は、第1待機時間と同様に事前実験により予め決定する。即ち、平均的な濃度の発泡物質(例えば界面活性剤)が含まれる処理対象水にオゾンガスを供給した場合の、泡13の上面が泡の上限高さH2に達しオゾン接触槽3が密閉されてから、泡13の上面が泡の下限高さH1となるまでの時間を事前実験で測定し、この時間を基に決定することができる。
制御部17は、圧力制御弁8aを閉塞しオゾン接触槽3を密閉してから経過した時間(閉塞時間)を監視し、この閉塞時間が予め決められた第2待機時間に達した場合に、泡13の上面が泡の下限高さH1以下となったと推定する。
泡13が泡の下限高さH1より低くなったと推定された場合には、第2の動作が実行される。
第2の動作では、まず、圧力制御弁8aを開放してオゾン接触槽3の内部を大気圧とする。続いて、供給部6から処理対象水16へのオゾンガス供給を再開する。このように、上述した第1の動作と第2の動作とを順次繰り返し行う。
この間、処理対象水16の水質は、水質計測器12により監視されている。処理対象水16が目標の水質になった場合には、処理対象水排出管5の電磁弁5aを開放状態として、処理対象水16をオゾン接触槽3から排出する。さらに、電磁弁5aを閉塞状態とした後に、オゾン接触槽3に次の処理対象水16を流入させてこの処理対象水16の水処理を行う。
第2の実施形態の水処理装置2によれば、処理対象水16に対しオゾンガスのバブリングを行うことでオゾンの溶解効率を高め、効率的にオゾンによる有機成分の酸化分解を行うことができる。
また、処理対象水16が、界面活性剤などの発泡性物質を含む場合においては、バブリングを行うことで、泡13が発生した後に、オゾン接触槽3を密閉し、オゾンガスにより内部を加圧させることで、特別な消泡機構を設けることなく、かつ自動で効率的な消泡を行うことができる。
第2の実施形態の水処理装置2は、泡検知部9、10、圧力計11、及び第2供給部7を備えていない。また、この水処理装置2は、供給部6を複数設けて、それぞれを制御する必要がない。したがって、安価なシステムを構成できる。
上記各実施形態の水処理装置1、2のオゾン接触槽3には、紫外線照射手段18、又は過酸化水素供給手段19の一方又は両方が備えられていてもよい(図1、図6に二点鎖線として示す)。
紫外線照射手段18による紫外線照射、及び過酸化水素供給手段19による過酸化水素の添加のうち、どちらか一方、又は両方を同時に実施することで、酸化力の強いOHラジカルを生成できる。したがって、処理対象水16に含まれる物質が、オゾン単独で処理できない物質であっても酸化を促進させることができる。
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、オゾン接触槽を密閉する圧力制御弁と、オゾン接触槽にオゾンガスを供給するオゾン供給部と、を持つことにより、処理対象水に界面活性剤等の発泡性物質が含まれる場合に発生する泡を、オゾン接触槽3の内部をオゾンガスにより加圧させて効率的に消泡することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1、2…水処理装置、3…オゾン接触槽、3a…頂部(上部)、4…処理対象水導入管、5…処理対象水排出管、6…(供給部)第1供給部、6a…オゾン供給制御弁(第1オゾン供給制御弁)、7…第2供給部、7a…第2オゾン供給制御弁、8…排出部、8a…圧力制御弁、9、10…泡検知部、11…圧力計、12…水質計測器、13…泡、15、17…制御部、16…処理対象水、18…紫外線照射手段、19…過酸化水素供給手段、20…オゾンガス発生器、21、22…オゾン供給部、H1…泡の下限高さ、H2…泡の上限高さ

Claims (17)

  1. 処理対象水とオゾンとを接触させるオゾン接触槽と、
    前記オゾン接触槽内にオゾンガスを供給するオゾン供給部と、
    前記オゾン供給部による前記オゾンガスの供給を制御するオゾン供給制御弁と、
    前記オゾン接触槽内の上部から排ガスを排出する排出部と、
    前記排出部による前記排ガスの排出量を制御することにより前記オゾン接触槽内の圧力を制御する圧力制御弁と、
    前記オゾン接触槽内の前記処理対象水の水面上に発生した泡の高さに基づき前記オゾン供給制御弁と前記圧力制御弁とを制御する制御部と、
    を有する水処理装置。
  2. 前記制御部は、
    前記オゾン接触槽の前記処理対象水の水面上に設定された泡の上限高さに前記泡が達した場合に、前記オゾン接触槽を密閉させるとともに前記オゾンガスを供給して前記オゾン接触槽内の圧力を大気圧より高い圧力とさせる第1の動作と、
    前記オゾン接触槽の前記処理対象水の水面上であって前記泡の上限高さより低い位置に設定された泡の下限高さよりも前記泡が低くなった場合に、前記オゾン接触槽の密閉状態を開放させて大気圧とするとともに前記処理対象水中に前記オゾンガスを供給する第2の動作と、
    を順次繰り返させる請求項1に記載の水処理装置。
  3. 前記オゾン供給部が、前記第2の動作時に前記オゾン接触槽の下部からオゾンガスを供給する第1供給部と、前記第1の動作時に前記オゾン接触槽の上部からオゾンガスを供給する第2供給部とを有し、
    前記オゾン供給制御弁が、前記第1供給部に備えられた第1オゾン供給制御弁と、前記第2供給部に備えられた第2オゾン供給制御弁と、を有する請求項2に記載の水処理装置。
  4. 前記オゾン供給部が、前記第1の動作及び前記第2の動作時に、前記オゾン接触槽の下部からオゾンガスを供給する供給部を有し、
    前記オゾン供給制御弁が、前記供給部に備えられている請求項2に記載の水処理装置。
  5. 前記制御部は、
    前記泡の高さが前記泡の下限高さより低い場合に、前記圧力制御弁により前記オゾン接触槽を開放させるとともに、前記第1供給部から前記処理対象水へのオゾンガスの供給を開始させ、
    前記泡の高さが前記泡の上限高さに達した時に、前記圧力制御弁により前記オゾン接触槽を密閉させるとともに、前記第1供給部からのオゾンガスの供給を停止させ、さらに前記第2供給部からオゾンガスを供給して前記オゾン接触槽内を加圧させる請求項3に記載の水処理装置。
  6. 前記制御部は、
    前記泡の高さが前記泡の下限高さより低い場合に、前記圧力制御弁により前記オゾン接触槽を開放させるとともに、前記供給部から前記処理対象水への前記オゾンガスの供給を開始させ、
    前記泡の高さが前記泡の上限高さに達した時に、前記圧力制御弁により前記オゾン接触槽を密閉させるとともに、前記供給部からのオゾンガスの供給を継続させて前記オゾン接触槽内を加圧させる請求項4に記載の水処理装置。
  7. さらに、
    前記オゾン接触槽内の前記泡の高さを検知しその結果を制御部に出力する泡検知部を有する請求項1〜6の何れか一項に記載の水処理装置。
  8. 前記制御部が、前記オゾン供給制御弁の開放時間、及び前記圧力制御弁の閉塞時間に基づき前記泡の高さを推定する請求項1〜6の何れか一項に記載の水処理装置。
  9. 前記オゾン接触槽に、紫外線照射手段又は過酸化水素供給手段の一方又は両方が備えられている請求項1〜8の何れか一項に記載の水処理装置。
  10. 前記オゾン供給部が、空気を原料として前記オゾンガスを生成するオゾンガス発生器を有する請求項1〜9の何れか一項に記載の水処理装置。
  11. 前記オゾン供給部が、酸素を原料として前記オゾンガスを生成するオゾンガス発生器を有する請求項1〜9の何れか一項に記載の水処理装置。
  12. 前記処理対象水の水質を判定する水質計測器を有し、
    前記制御部が、前記水質計測器による計測結果を基に前記処理対象水の水質改善を判断しオゾンによる水処理を終了させる請求項1〜11の何れか一項に記載の水処理装置。
  13. 前記水質計測器における水質評価の指標が、全有機炭素濃度(TOC)である請求項12に記載の水処理装置。
  14. 前記水質計測器における水質評価の指標が、紫外線吸光度である請求項12に記載の水処理装置。
  15. 前記水質計測器における水質評価の指標が、蛍光強度である請求項12に記載の水処理装置。
  16. オゾン接触槽内に貯留された処理対象水の水面上に発生する泡の高さが泡の下限高さより低い時に、前記オゾン接触槽を開放させるとともに、前記オゾン接触槽の下部に設けられた第1供給部から前記処理対象水にオゾンガスを供給する動作と、
    前記泡の高さが前記泡の下限高さより上方の泡の上限高さに達した時に、前記オゾン接触槽を密閉するとともに、前記第1供給部からのオゾンガスの供給を停止し、さらに前記オゾン接触槽の上部に設けられた第2供給部からオゾンガスを供給して前記オゾン接触槽内を加圧する動作と、
    を順次繰り返し行う水処理方法。
  17. オゾン接触槽内に貯留された処理対象水の水面上に発生する泡の高さが、泡の下限高さより低い時に、前記オゾン接触槽を開放させるとともに、前記オゾン接触槽の下部に設けられた供給部からオゾンガスを供給する動作と、
    前記泡の高さが前記泡の下限高さより上方の泡の上限高さに達した時に、前記オゾン接触槽を密閉するとともに、前記供給部からのオゾンガスの供給を継続して前記オゾン接触槽内を加圧する動作と、
    を順次繰り返し行う水処理方法。
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