JP2015159778A - 光学的測定用細胞培養担体、光学的測定用ウェルプレート、及び細胞の光学的測定方法 - Google Patents

光学的測定用細胞培養担体、光学的測定用ウェルプレート、及び細胞の光学的測定方法 Download PDF

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皓平 佐々木
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Abstract

【課題】 培養した細胞の状態、機能等の信頼性の高い測定を実施することのできる光学的測定用細胞培養担体、光学的測定用ウェルプレート、及び細胞の光学的測定方法を提供すること。
【解決手段】 本発明の光学的測定用細胞培養担体は、自家蛍光を示さない素材からなる白色繊維の繊維集合体からなる。白色繊維の平均繊維径は200nm以上であるのが好ましい。また、光学的測定用ウェルプレートは、前記光学的測定用細胞培養担体が、ウェルプレートのウェル底面に配置されている。本発明の細胞の光学的測定方法は、前記光学的測定用細胞培養担体に細胞を培養した後、光学的測定を行う方法である。
【選択図】 図1

Description

本発明は光学的測定用細胞培養担体、光学的測定用ウェルプレート、及び細胞の光学的測定方法に関する。
従来から、プラスチック製のウェルプレートを用いて単層培養を行った後に、培養した細胞の状態、機能等を測定するために、マルチプレートリーダーを用いて、吸光度、蛍光又は発光測定、つまり、光学的測定を実施している。このように、ウェルプレートを使用するのは、多検体処理による測定の高速化および信頼性を高めるためである。しかしながら、このようなウェルプレートに単層培養する場合に、いずれのウェルプレートに対しても、均一に細胞を播種することが困難である傾向があった。特に、ウェルサイズが小さくなるにつれて、均一に細胞を播種することが困難になる傾向があった。このように、均一に細胞を播種できず、結果として、ウェル内における細胞密度にバラツキが生じると、細胞溶解を行うことなく細胞を測定する場合、このバラツキがマルチプレートリーダーによる測定データに影響を及ぼすため、信頼性の高い測定を実施することが困難であった。
特表2011−524167号公報(特許文献1)には、「薬剤に対する組織の応答を検出する方法であって、(a)生体人工組織は細胞および細胞外マトリックスを含み、生体人工組織は組織接着を促進する留め具なしのスキャフォールド支持体上に形成され、スキャフォールド支持体はウェルの底部の上方に位置決めされて、薬剤と生体人工組織を接触させる段階と、(b)生体人工組織を使用してアッセイを行ない、アッセイでインディケーターを産生する段階と、(c)薬剤に対する生体人工組織の応答を表す、ウェル中のインディケーターのレベルを検出する段階と、を含む方法。」が提案されている。この方法によれば、感度及びシグナル強度を強くすることができるが、ウェル内における細胞密度のバラツキによる、マルチプレートリーダーによる測定データへの影響を低減させることができないため、依然として、信頼性の高い測定を実施することが困難であった。
前記マルチプレートリーダーには、多点測定という、同一ウェル内の複数点を測定することにより、測定ばらつきを低減することが可能になっているため、信頼性の高い測定を実施することが期待された。しかしながら、測定点が増えることによって測定に時間が掛かってしまい、各測定時における、細胞と試薬との反応時間が異なるため、測定データの信頼性に問題があった。
なお、本願出願人は、「平均繊維径3μm以下の無機系ナノファイバーからなる無機系繊維構造体であり、内部を含む全体が無機系接着剤で接着した、空隙率が90%以上の無機系繊維構造体。」(特許文献2)、及び「平均繊維径3μm以下の無機系繊維からなる、空隙率が90%以上の無機系繊維構造体であり、部分的に融着していることを特徴とする、無機系繊維構造体。」(特許文献3)を提案し、これら無機系繊維構造体を「細胞培養を用いた分析ツール」として使用できることを開示している。しかしながら、通常、「細胞培養を用いた分析ツール」とは蛍光顕微鏡、共焦点レーザー顕微鏡又はハイコンテントアナリシスシステムなどの観察を主とする分析や、細胞溶解により、たんぱく質、RNA、DNAなどの細胞構成物を評価することを意味しているため、本発明のような光学的測定により分析することを意図していない。
特表2011−524167号公報 国際公開2010/082603号パンフレット 特開2013−194341号公報
本発明は上述のような問題点を解決するためになされたものであり、培養した細胞の状態、機能等の信頼性の高い測定を実施することのできる光学的測定用細胞培養担体、光学的測定用ウェルプレート、及び細胞の光学的測定方法を提供することを目的とする。
本発明の請求項1にかかる発明は、「自家蛍光を示さない素材からなる白色繊維の繊維集合体からなることを特徴とする、光学的測定用細胞培養担体。」である。
本発明の請求項2にかかる発明は、「白色繊維の平均繊維径が200nm以上であることを特徴とする、請求項1記載の光学的測定用細胞培養担体。」である。
本発明の請求項3にかかる発明は、「請求項1又は請求項2記載の光学的測定用細胞培養担体が、ウェルプレートのウェル底面に配置されていることを特徴とする、光学的測定用ウェルプレート。」である。
本発明の請求項4にかかる発明は、「請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の光学的測定用細胞培養担体に細胞を培養した後、光学的測定を行うことを特徴とする、細胞の光学的測定方法。」である。
本発明の請求項1にかかる光学的測定用細胞培養担体は、自家蛍光を示さない素材からなる白色繊維からなり、しかも白色繊維の集合体であることによって、均一に光を散乱することができ、細胞密度に関係なく、光のシグナル強度のバラツキが小さいため、信頼性の高い測定を実施することができる。このように、信頼性の高い測定を実施でき、測定点数を少なくすることができるため、測定に時間が掛からず、測定時間を短縮化できるばかりでなく、各測定時における、細胞と試薬との反応時間の差を小さくすることができるため、更に信頼性の高い測定を実施することができる。
本発明の請求項2にかかる光学的測定用細胞培養担体は、白色繊維の平均繊維径が200nm以上であるため、細胞密度に関係なく、可視光域の光を均一に散乱することができ、光のシグナル強度のバラツキが小さいため、信頼性の高い測定を実施することができる。
本発明の請求項3にかかる光学的測定用ウェルプレートは、前記光学的測定用細胞培養担体が、ウェルプレートのウェル底面に配置されているため、信頼性の高い測定を実施することができる。また、測定時間を短縮化できる。
本発明の請求項4にかかる細胞の光学的測定方法は、前記光学的測定用細胞培養担体を使用する方法であるため、信頼性の高い測定方法である。また、測定時間を短縮化できる測定方法である。
本発明の細胞培養担体を使用して細胞培養した時の、細胞播種数と蛍光強度との関係を示すグラフ 単層培養した時の、細胞播種数と蛍光強度との関係を示すグラフ
本発明の光学的測定用細胞培養担体(以下、単に「培養担体」と表記することがある)は、自家蛍光を示さない素材からなる白色繊維の繊維集合体からなる。このように、白色繊維の繊維集合体からなるのは、細胞密度に関係なく、均一に光を散乱することができ、光のシグナル強度を均一化できるようにするためである。ここで、「白色繊維」は明度が9以上の有機繊維又は無機繊維を意味する。なお、「明度」はCIE1976L*a*b*表色系で表される明度であり、例えば、積分球分光光度計(エックスライト(株)製、Color i5)を用いて測定することができる。
この白色繊維は、繊維自体の蛍光によって、培養細胞の測定に悪影響を及ぼさないように、自家蛍光を示さない素材からなる。この「自家蛍光を示さない」とは、光学的測定時の使用波長において、白色繊維のシグナルノイズ比(S/N比)が2以上であることを意味する。このシグナルノイズ比は、ウェルプレートに、白色繊維の繊維集合体(培養担体)を設置したウェルと、白色繊維の繊維集合体(培養担体)を設置していないブランクウェルを形成した後、実際に行う細胞評価試験で用いる試薬をそれぞれのウェルに添加し、励起光等の光を照射し、蛍光等の発生した光を検出して、培養担体を設置したウェルからは検量線(S)を導き出すとともに、ブランクウェルからはブランク値(N)を導き出す。この時、前記検量線(S)の下限値が、ブランク値(N)の2倍以上であれば、S/N比が2以上であると判断できる。
このような自家蛍光を示さない素材は使用波長によって異なるため、特に限定するものではないが、可視光域において、SiOは大きな吸収、自家蛍光を示さないため、好適な素材である。
本発明の白色繊維の平均繊維径は特に限定するものではないが、三次元模倣組織であるように細胞を培養しやすいように、3μm以下であるのが好ましく、2μm以下であるのがより好ましく、1.5μm以下であるのがより好ましい。一方で、白色繊維によって可視光域の光を均一に散乱し、光のシグナル強度を均一化できるように、白色繊維の平均繊維径は200nm以上であるのが好ましい。
本発明における「平均繊維径」は繊維50点における繊維径の算術平均値を意味し、「繊維径」は白色繊維を撮影した5000倍の電子顕微鏡写真をもとに測定した、繊維の長さ方向に対して直交する方向における長さを意味する。
本発明の白色繊維の繊維長は、使用時に培養担体の形状を維持できる形態安定性があれば良く、特に限定するものではない。しかしながら、連続した白色繊維であると、形態安定性に優れているため好適である。
本発明の培養担体は上述のような白色繊維の繊維集合体からなるため、三次元模擬組織であるように細胞を培養できるとともに、均一に光を散乱して、光のシグナル強度のバラツキが小さいため、信頼性の高い測定を実施することができる。
この培養担体の形態はどのような形態からなっていても良いが、例えば、不織布、織物、編物、白色繊維と粒子とを押し固めた成形体、又はこれらの複合体であることができる。これらの中でも、三次元模擬組織である細胞を培養しやすいように、嵩高で、比表面積の広い不織布形態であるのが好ましい。なお、培養担体は不織布のような二次元的形態であっても、円筒形などの三次元的形態であっても良い。三次元的形態の培養担体は、例えば、二次元的形態の不織布等を成形することによって、又は白色繊維と粒子とを三次元的形態に成形することによって作製することができる。
本発明の培養担体は平均流量孔径が1〜100μmであるのが好ましい。このような平均流量孔径は一般的な細胞の大きさ(1〜50μm)のほぼ1〜2倍であることから、細胞の保持に優れ、細胞へダメージを与えにくく、しかも培養細胞間の剥離が生じにくいためである。より一般的な細胞の大きさは3〜25μmであるため、平均流量孔径は3〜50μmであるのがより好ましく、更に一般的な細胞の大きさは5〜10μmであるため、平均流量孔径は5〜20μmであるのが更に好ましい。
この「平均流量孔径」は、ASTM−F316に規定されている方法により得られる値をいい、例えば、ポロメータ(Polometer、コールター(Coulter)社製)を用いて、ミーンフローポイント法により測定される値をいう。
本発明の培養担体は白色繊維の繊維集合体である限り、前述のような無機物からなる白色繊維のみから構成されていても、有機物からなる白色繊維のみから構成されていても、或いは無機物からなる白色繊維と有機物からなる白色繊維が混在していても良い。しかしながら、無機物からなる白色繊維を含んでいると、繊維自体が剛性に優れており、細胞培養時の保形性に優れているため好適である。このような好適である無機物からなる白色繊維は培養担体の30mass%以上を占めているのが好ましく、50mass%以上を占めているのがより好ましく、70mass%以上を占めているのが更に好ましく、100mass%を占めているのが最も好ましい。
また、培養担体は空隙率が90%以上であると、細胞と白色繊維との接着効率が向上し、また、白色繊維の密度が低いため細胞が培養担体の内部まで広がりやすく、更に、細胞に必要不可欠な栄養素や酸素などを供給しやすく細胞増殖能に優れていることから、高密度培養することができ、三次元模擬組織であるように細胞を培養することができるため好適である。好ましい空隙率は91%以上であり、より好ましくは92%以上であり、更に好ましくは93%以上であり、更に好ましくは94%以上である。上限は特に限定するものではないが、保形性の点から99.9%以下であるのが好ましい。
なお、「空隙率」は次の式から算出することができる。
P=[1−Mf/(V×SG)]×100
ここで、Pは培養担体の空隙率(%)、Mfは培養担体の質量(g)、Vは培養担体の体積(cm)、SGは培養担体構成材料の比重(g/cm)をそれぞれ表す。
例えば、培養担体が不織布のように、厚さが均一である場合、次の式から算出することができる。
P=[1−Mn/(t×SG)]×100
ここで、Pは不織布(培養担体)の空隙率(%)、Mnは不織布(培養担体)の目付(g/m)、tは不織布(培養担体)の厚さ(μm)、SGは白色繊維の比重(g/cm)をそれぞれ表す。
なお、目付は、最も面積の広い面の面積と質量を測定し、1m当たりの質量に換算した値であり、厚さは、最も面積の広い面に対する荷重が30g/cmとなるように設定したマイクロメーターで測定した値である。
本発明の培養担体は細胞培養時における保形性に優れているように、部分的に融着した状態にあるのが好ましい。部分的に融着している場合、ドット状又はライン状であることができ、前者のドット状である場合、その形状は、例えば、長方形などの矩形、円形、楕円形、長円形などの丸形、又はこれらの組合せであることができ、後者のライン状である場合、直線、曲線又はこれらの組合せであることができる。特に、培養担体の外縁がライン状又はドット状に融着していると、培養担体の保形性に優れ、細胞培養時に変形しにくいため好適である。
このように外縁が融着している場合、保形性に優れているように、外縁部における培養担体の厚さ方向における内部においても、白色繊維が融着しているのが好ましい。具体的には、外縁部における培養担体の融着部を含む厚さ方向断面の電子顕微鏡写真において、粒状の塊(融着部)の占める面積が、培養担体の断面積の5%以上を占めているのが好ましく、より好ましくは10%以上占めており、更に好ましくは15%以上占めており、更に好ましくは20%以上占めている。なお、前記粒状の塊(融着部)の占める面積が5%未満であっても、融着部の数が5ヶ所以上であるように融着していれば、保形性に優れている。
なお、外縁部における培養担体の厚さ方向断面における、粒状の塊(融着部)の占める面積の比率及び融着部の数は、次の操作により得られる値をいう。
(1)培養担体の融着部を含む厚さ方向断面の電子顕微鏡写真を撮影する。
(2)前記電子顕微鏡写真において、融着部分における厚さを一辺(短辺)とし、前記厚さの5倍の長さを一辺(長辺)とする長方形の枠を任意の箇所に設定し、測定領域を確定する。
(3)前記測定領域内における粒状の塊(融着部)の占める面積、又は融着部の数を測定する。なお、粒状の塊(融着部)の占める面積の比率(Arc)は、次の式から算出する。
Arc=(Atc/Amc)×100
ここで、Atcは測定した融着部の面積の総和、Amcは測定領域の面積、をそれぞれ意味する。
なお、培養担体を構成する白色繊維が接着剤で接着していない場合には、保形性に優れるように、培養担体の外縁がライン状又はドット状に融着しているとともに、培養担体の主面における融着した外縁よりも内側においても、ドット状又はライン状に部分的に融着しているのが好ましい。このように培養担体の主面における融着した外縁よりも内側においても融着している場合、融着した外縁よりも内側における融着部の総面積が、主面における融着した外縁に囲まれた面積の5%以上を占めるように融着しているのが好ましく、10%以上を占めるように融着しているのがより好ましい。なお、培養担体の主面における融着部が1点以上で融着しているのが好ましく、5点以上で融着しているのがより好ましい。また、主面における融着した外縁に囲まれた領域に2点以上融着している場合、任意の箇所で融着していることができるが、融着部が分散して融着していると、より保形性に優れている。
なお、培養担体の主面における融着した外縁よりも内側において、粒状の塊(融着部)の占める面積の比率及び融着部の数は、次の操作により得られる値をいう。
(1) 培養担体の主面全体の電子顕微鏡写真を撮影する。
(2) 培養担体の主面における外縁の粒状の塊(融着部)により囲まれた領域の面積を測定する。
(3) 培養担体の主面における外縁の粒状の塊(融着部)により囲まれた領域における、粒状の塊(融着部)の占める面積、又は融着部の数を測定する。なお、粒状の塊(融着部)の占める面積の比率(Ars)は、次の式から算出する。
Ars=(Ats/Ams)×100
ここで、Atsは培養担体の主面における融着部の占める面積の総和、Amsは培養担体の主面における外縁の粒状の塊(融着部)により囲まれた領域の面積、をそれぞれ意味する。
本発明における「融着」とは、白色繊維が溶融して繊維形状を喪失し、繊維横断面積の2倍以上の大きさを有する粒状の塊の状態で固着し、白色繊維間に介在していることをいう。このような状態は、培養担体の厚さ方向における断面電子顕微鏡写真、及び/又は培養担体の主面における電子顕微鏡写真から確認することができる。なお、「繊維横断面積」は粒状の塊に隣接する箇所における繊維横断面積をいう。また、「白色繊維が溶融して粒状の塊の状態で固着している」ことは、EDX(エネルギー分散型X線分析:Energy dispersive X-ray spectrometry)などの微小領域を分析可能な元素分析により、白色繊維を構成する元素と粒状の塊を構成する元素とが同じであることによって確認できる。
本発明の培養担体である繊維集合体は接着剤で接着されているのが好ましい。保形性に優れ、細胞培養時に変形しにくいためである。特に、繊維集合体の内部を含む全体において、白色繊維間に被膜を形成することなく、接着剤で接着していると、繊維集合体の内部構造を損なうことなく、三次元模擬組織であるように細胞を培養することができるため好適である。つまり、細胞培養に必要な足場が多く、高密度培養できるとともに、細胞に必要不可欠な栄養素や酸素などを効率的に供給しやすく、また、培養状態を観察しやすいためである。
この接着剤は有機系接着剤であっても、無機系接着剤であっても、或いは有機系接着剤と無機系接着剤とを併用しても良いが、白色繊維が有機分からなる場合には、培養担体が変形しにくいように、無機系接着剤を含む接着剤で接着されているのが好ましい。白色繊維が無機分から構成されている場合であっても、培養担体が更に変形しにくくなるため、無機系接着剤を含む接着剤で接着されているのが好ましい。
なお、培養担体が機能性に優れているように、金属イオン含有化合物を含有していると、細胞機能誘導因子を奏する。例えば、細胞の分裂・増殖・分化、血液の凝固、筋肉の収縮、神経感覚細胞の興奮、貪食、抗原認識、抗体分泌など免疫反応、各種ホルモン分泌など広範囲な生体反応に関与し、また、リンと共にヒドロキシアパタイト結晶を形作って骨や歯牙のマトリクス構造に沈着して強度を与えるカルシウム、細胞外液の浸透圧維持のために働くナトリウム、酸素の運搬作用、及びエネルギー代謝における電子伝達体(チトクロムC)の必須部位である鉄、骨と歯牙の主要な無機成分であるマグネシウム、神経興奮性の維持、筋肉の収縮、細胞内の浸透圧維持のために働くカリウム、或いは銅、ヨウ素、セレン、クロム、亜鉛又はモリブデンなどの金属を含んでいると、細胞機能を向上させることができる。
この金属イオン含有化合物は、例えば、金属塩であることができ、金属塩としては、例えば、塩化物、硫酸塩、リン酸塩、炭酸塩、リン酸水素塩、炭酸水素塩、硝酸塩、水酸化物などを挙げることができる。特に、カルシウムイオン含有塩、マグネシウムイオン含有塩、アパタイト(りん灰石)を含有する培養担体は、細胞機能を高めた細胞培養を行うことができる。
以上のように、本発明の培養担体は自家蛍光を示さない素材からなる白色繊維からなり、しかも白色繊維の集合体であることによって、細胞密度に関係なく、均一に光を散乱することができ、光のシグナル強度のバラツキが小さいため、信頼性の高い測定を実施することができるものである。このように、信頼性の高い測定を実施でき、測定点数を少なくすることができるため、測定に時間が掛からず、測定時間を短縮化できるばかりでなく、各測定時における、細胞と試薬との反応時間の差を小さくすることができるため、更に信頼性の高い測定を実施することができるものである。特に、白色繊維の平均繊維径が200nm以上であると、可視光域の光を均一に散乱することができ、光のシグナル強度のバラツキが小さいため、信頼性の高い測定を実施することができる。
このような本発明の白色繊維の繊維集合体からなる培養担体は、例えば、国際公開2010/082603号パンフレットに開示の方法により製造することができる。つまり、(1)自家蛍光を示さない無機分を主体とする化合物を含む紡糸用無機系ゾル溶液を用いて、静電紡糸法により無機系白色繊維を紡糸する工程、(2)前記無機系白色繊維とは反対極性のイオンを照射し、集積させ、無機系白色繊維ウエブを形成する工程、(3)前記無機系白色繊維ウエブを結合して繊維集合体(培養担体)とする工程、により製造することができる。
この結合工程は接着剤により接着して実施することができるが、無機分を主体とする化合物を含む無機系ゾル溶液に由来する無機系接着剤、特には、金属アルコキシド加水分解縮合物で接着するのが好ましい。繊維集合体(培養担体)が変形しにくく、無機系白色繊維の離脱防止性に優れているためである。なお、無機系接着剤で接着する場合には、無機系白色繊維ウエブを無機系接着剤溶液中に浸漬するなどして付与した後、余剰の無機系接着剤溶液を通気(吸引及び/又は加圧)により除去した後に、焼結するのが好ましい。無機系白色繊維ウエブは無機系白色繊維から構成されているため、厚さが潰れにくく、また、繊維間に被膜を形成することなく、無機系接着剤で接着することができるためである。
なお、(2)の集積工程の後に、熱処理する工程を更に含むことによって、無機系白色繊維同士が交点で点状に接着するため、形態安定性を向上させることができる。特に、無機系白色繊維ウエブを無機系接着剤溶液中に浸漬する場合には、(2)の集積工程の後に、熱処理を実施するのが好ましい。なお、無機系白色繊維が水酸基を有する場合、500℃以下の温度で熱処理すると、繊維単位重量あたりの水酸基量を50μmol/gよりも多くすることができ、繊維集合体の親水性を高めることができるため、スフェロイド形態の細胞を培養しやすく、500℃よりも高い温度で熱処理すると、繊維単位重量あたりの水酸基量を50μmol/g以下とすることができ、繊維集合体の疎水性を高めることができるため、細胞の接着性を高めることができ、連続した三次元模擬組織であるように細胞を培養しやすい。無機系白色繊維ウエブに無機系接着剤を付与し、焼結する場合にも、同様の温度で処理すると、同程度の水酸基量とすることができ、同様に細胞を培養することができる。
なお、部分的に融着した培養担体とする場合には、(3)の結合として、部分的に融着すれば良い。このように部分的に融着する場合、特開2013−194341号公報に開示されている方法により実施することができる。例えば、集光した光やレーザーを照射する方法、ガスバーナーを使用する方法、放電を使用する方法、電子ビームを使用する方法により実施することができる。これらの中でもレーザーによる方法は、熱源が広範囲に広がらず、所望箇所のみを融着させるのが容易で、また、非接触であることから小さい歪で融着させることができるため、嵩高性を損なうことがなく、更には、瞬時に伝送・投下が可能な熱源であるため、好適である。
また、金属イオン含有化合物含有溶液を繊維集合体に付与することによって、培養担体に金属イオン含有化合物を含有させることができる。金属イオン含有化合物含有溶液を付与することに替えて、又は加えて、紡糸工程(1)で使用する紡糸用無機系ゾル溶液に金属イオン含有化合物を添加しても良い。また、結合工程(3)が接着用無機系ゾル溶液に由来する無機系接着剤で無機系白色繊維ウエブを接着する工程である場合、又は結合工程(3)とは別に接着用無機系ゾル溶液に由来する無機系接着剤で接着する工程を含む場合には、金属イオン含有化合物含有溶液を付与するのに替えて、又は加えて、接着用無機系ゾル溶液に金属イオン含有化合物を添加することもできる。
なお、上述の方法は、無機系白色繊維からなる繊維集合体の培養担体の製造方法であるが、紡糸用無機系ゾル溶液に替えて、白色繊維を構成する自家蛍光を示さない有機物を溶媒に溶解させた紡糸液、又は白色繊維を構成する自家蛍光を示さない有機物を溶融させた紡糸液を使用して、有機物からなる白色繊維からなる、又は有機物からなる白色繊維を含む繊維集合体からなる培養担体を製造できる。
また、国際公開2010/082603号パンフレットの図6に開示されているように、第1紡糸ノズルに紡糸用無機系ゾル溶液又は自家蛍光を示さない有機分を主体とする化合物を含む紡糸液を供給し、第2紡糸ノズルに自家蛍光を示さない有機分を主体とする化合物を含む紡糸液又は紡糸用無機系ゾル溶液を供給することによって、無機分からなる白色繊維と有機分からなる白色繊維とからなる繊維集合体(培養担体)を製造することができる。なお、無機分からなる白色繊維と有機分からなる白色繊維を、それぞれ紡糸した後に、湿式法等の常法によって、無機分からなる白色繊維と有機分からなる白色繊維とからなる繊維集合体(培養担体)を製造することもできる。
前述のような、国際公開2010/082603号パンフレットに記載のように、(2)無機系白色繊維とは反対極性のイオンを照射し、集積させて、無機系白色繊維ウエブを形成すれば、嵩高で、空隙率の高い(90%以上)の繊維集合体(培養担体)とすることができる。
更に、以上は無機系白色繊維又は有機系白色繊維を静電紡糸法により紡糸する方法であるが、静電紡糸法である必要はなく、特開2009−287138号公報に開示されているような、液吐出部から吐出された紡糸液に対して、ガスおよび随伴気流による剪断力が1本の直線状となるように作用させる方法により紡糸することもできる。
本発明の光学的測定用ウェルプレート(以下、「測定ウェルプレート」と表記することがある)は上述のような培養担体がウェルプレートのウェル底面に配置されたものであり、前述の細胞培養担体がウェルプレートのウェル底面に配置されているため、信頼性の高い測定を実施することができ、また、測定点数を少なくすることができるため、測定に時間が掛からず、測定時間を短縮化できるばかりでなく、各測定時における、細胞と試薬との反応時間の差を小さくすることができるため、更に信頼性の高い測定を実施することができる。特に、測定ウェルプレートを、プレートリーダーを用いて、吸光度、蛍光又は発光測定を同時に多検体に対して実施することができるため、信頼性の高い測定を実施することができる。また、反応容量を小スケール化できるという特長もある。
本発明の測定ウェルプレートを構成するウェルプレートは従来から公知の2〜4000のウェルを有するウェルプレートを使用することができる。例えば、4ウェル、6ウェル、8ウェル、12ウェル、24ウェル、48ウェル、96ウェル、384ウェル、1536ウェル、3456ウェルのプレートを使用することができる。
本発明の測定ウェルプレートにおいては、培養担体がウェルプレートのウェル底面に配置されているが、培養担体はウェル底面の全面を占めるように配置されているのが好ましい。測定時において、繊維集合体の有無による測定値のばらつきを低減することができるためである。また、同様の理由で、培養担体はウェル内壁面と当接するように配置されているのが好ましい。
本発明の細胞の光学的測定方法は、前記測定ウェルプレートの培養担体、又は測定ウェルプレートにない培養担体に細胞を培養した後、光学的測定を行う方法である。このように、前記培養担体を使用しているため、信頼性の高い測定方法であり、また、測定点数を少なくすることができるため、測定に時間が掛からず、測定時間を短縮化できるばかりでなく、各測定時における、細胞と試薬との反応時間の差を小さくできるため、更に信頼性の高い測定方法である。また、本発明の光学的測定方法は、従来通りに細胞培養した後に、従来通りにプレートリーダーによって測定することができ、従来の手法を何ら変更する必要がないため、簡便な方法である。更に、本発明の光学的測定方法を実施する場合に、たんぱく質を使用する必要がないため、たんぱく質の吸収波長である280nm前後の波長域を使用して測定したとしても、たんぱく質由来のシグナルを検出することがないため、汎用性に優れている。
なお、光学的測定としては、例えば、吸光度、蛍光又は発光測定を挙げることができ、プレートリーダーを用いて実施することができる。このようにプレートリーダーを使用すると、同時に多検体に対して実施することができ、また、反応容量を小スケール化できるという特長がある。
本発明の細胞培養担体に使用できる細胞は特に限定されるものではないが、例えば、各種不死化細胞株、小型肝細胞などの正常細胞などのin vitroで増殖能を有する細胞であることができる。また、間葉系幹細胞、iPS細胞又はES細胞であっても良い。更に、細胞種は一種類である必要はなく、目的の擬似生体組織を構成する上で必要な細胞種の複数種類から構成されていても良い。
なお、細胞培養する際の播種濃度は細胞種によって異なり、細胞培養できる播種濃度、好ましくは三次元模擬組織を形成できる播種濃度を、実験的に適宜設定する。例えば、細胞種がヒト肝癌由来細胞株HepG2である場合には、培養担体の上面(例えば、測定ウェルプレートの場合、ウェル開口側から目視できる面)の面積に対して、2×10〜5×10cells/cm の濃度で播種するのが好ましい。
また、細胞培養は、例えば、培地に懸濁した細胞を、培養担体に静かに播種し、適宜(例えば、毎日)、培地交換を行うことによって実施できる。例えば、倍加増殖時間が24〜48時間程度の細胞を上記濃度で播種した場合、一週間程度で三層程度の三次元模擬組織を有する細胞層を形成することができる。
以下、本発明の細胞培養担体について具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
(実施例1)
紡糸工程(1)及び集積工程(2)
金属化合物としてのテトラエトキシシラン、溶媒としてのエタノール、加水分解のための水、及び触媒として1規定の塩酸を、1:5:2:0.003のモル比で混合し、温度78℃で10時間の還流操作を行い、次いで、溶媒をロータリーエバポレーターにより除去して濃縮した後、温度60℃に加熱して、粘度が2ポイズのゾル溶液を形成した。得られたゾル溶液を紡糸用無機系ゾル溶液として用い、中和紡糸法によりゲル状シリカ白色繊維ウエブを作製した。
なお、中和紡糸法は、特開2005−264374号公報の実施例8と同じ紡糸条件で実施した。つまり、対向電極として、沿面放電素子を紡糸容器室内に収納した紡糸装置を使用し、次の条件で紡糸した。
紡糸ノズル:内径0.4mmの金属製注射針(先端カット)
紡糸ノズルと対向電極との距離:200mm
対向電極及びイオン発生電極(両電極を兼ねる):ステンレス板(誘起電極)上に厚さ1mmのアルミナ膜(誘電体基板)を溶射し、その上に直径30μmのタングステンワイヤ(放電電極)を10mmの等間隔で張った沿面放電素子(タングステンワイヤ面を紡糸ノズルと対向させると共に接地し、ステンレス板とタングステンワイヤ間に交流高電圧電源により50Hzの交流高電圧を印加)
第1高電圧電源:−16kV
第2高電圧電源:±5kV(交流沿面のピーク電圧:5kV、50Hz)
気流:水平方向=25cm/sec.、鉛直方向=15cm/sec.
紡糸容器内の雰囲気:温度25℃、湿度40%RH以下
連続紡糸時間:30分以上
集積後熱処理
次に、前記工程で得られたゲル状シリカ白色繊維ウエブを、温度800℃で3時間の熱処理を実施することにより、乾燥シリカ白色繊維ウエブ(目付:8g/m)を作製した。
接着用無機系ゾル溶液付与工程
金属化合物としてテトラエトキシシラン、溶媒としてエタノール、加水分解のための水、及び触媒として硝酸を、1:7.2:7:0.0039のモル比で混合し、温度25℃、攪拌条件300rpmで15時間反応させた。反応後、酸化ケイ素の固形分濃度が0.25%となるようにエタノールで希釈し、シリカゾル希薄溶液(接着用無機系ゾル溶液)とした。
次いで、乾燥シリカ白色繊維ウエブを前記シリカゾル希薄溶液に浸漬した後、吸引により余剰のシリカゾル希薄溶液を除去することにより、シリカゾル希薄溶液含有シリカ白色繊維ウエブを作製した。
接着用熱処理工程
次いで、繊維交点の接着のために、シリカゾル希薄溶液含有シリカ白色繊維ウエブを無荷重下、温度500℃で3時間焼成(接着用熱処理)して、内部を含む全体をシリカで接着したシリカ白色繊維不織布を作製した。このシリカ白色繊維不織布には、シリカゾル希薄溶液(接着剤溶液)に由来する被膜は形成されていなかった。
融着工程
次いで、前記シリカ白色繊維不織布に対して、パルス状炭酸ガスレーザー(波長:10.6μm、出力:3W、レーザー径:127μm、レーザー照射数:1000パルス/インチ)を走査速度2cm/secで照射し、直径6.25mmの円形状となるように融着するとともに切断して、外縁をライン状に融着したシリカ白色繊維融着不織布(目付:8g/m、厚さ:0.15mm、空隙率:95%、平均流量孔径:7μm、水酸基量:50μmol/g)を作製した。
このシリカ白色繊維融着不織布(=培養担体、シリカの比重=2g/cm)は波長350nmの光を当てた際に、460nmの波長域に自家蛍光を示さないシリカ白色繊維のみから構成されており、このシリカ白色繊維の平均繊維径は1μmであり、融着部を含む厚さ方向断面の電子顕微鏡写真において、粒状の塊(融着部)の占める面積が、培養担体の断面積の23.6%を占めていた。
測定ウェルプレート作製工程
前記培養担体をオートクレーブによる滅菌処理(気圧:2atm、温度:121℃、時間:20分)を行った後、96ウェルプレート(NUNC 161093)の各ウェルに挿入し、各培養担体をウェル底面及びウェル内壁面と接触するように配置して、測定ウェルプレートを作製した。
培養工程
ヒト肝ガン由来細胞株であるHepG2細胞を用いた細胞培養を、前記測定ウェルプレートの各培養担体で実施した。
まず、前培養として、Dulbecco’s Modified Eagle’s Medium(Wako 044−29765)に対して、10% Fetal bovine serum、1% penicillin-streptomycinを添加した培地を用いて、温度37℃、5%CO条件にて、10cmdish上でHepG2細胞を培養した。
次いで、HepG2細胞の培養担体での培養を、Williams’s Medium E(購入会社名:シグマ社、フェノールレッド不含)に対して、10% Fetal bovine serum(FBS)、1% penicillin-streptomycin、L−グルタミンを添加した完全培地を用いて、培地容量100μL/ウェル、0、1万、2万、3万、4万、5万、7.5万、10万cells/ウェルとなるように細胞播種して行った。
光学的測定工程
培養1日後に、培地を除去し、Williams’medium E(フェノールレッド不含)に対して、10% Fetal bovine serum、1% penicillin−streptomycin、L−グルタミンを添加した完全培地を用いて、終濃度5μg/mLに調製したHoechst3342(DOJINDO H342)溶液を100μL/ウェル添加した。1時間、37℃、5% CO条件にてインキュベートした後、培地を除去し、PBS(Wako 166-23555)にて3回洗浄した。PBSを100μL/ウェル添加した後、光学的測定を実施した。
この光学的測定は、マルチプレートリーダーSH−9000(コロナ電気)を用いて行った。Exitation 350nm、Emission 460nmにて蛍光強度測定を行い、1ウェルあたりの細胞数を求めた。測定モードとして多点測定とし、エンドポイント、9点及び25点測定を実施した。なお、多点測定時のウェル内における測定ポイントは中心部から1mmの範囲として実施した。この結果は図1に示す通りであった。
(比較例1)
次いで、培養担体を用いることなく、96ウェルプレート(NUNC 161093)を用い、実施例1と同様にしてHepG2細胞を培養した後、実施例1と同様にして光学的測定を実施し、1ウェルあたりの細胞数を求めた。この結果は図2に示す通りであった。
(考察)
図1、2の結果から、本発明の培養担体を使用して細胞培養した場合における測定データ(実施例1)は、培養担体を使用することなく細胞培養した場合における測定データ(比較例1)と比較して、バラツキが小さいことがわかった。これは、自家蛍光を示さない素材からなる白色繊維の繊維集合体を培養担体として使用した光の散乱によって、シグナルの均一化が達成されているものと推測できた。また、細胞接着が細胞培養担体に対して均一であり、測定ポイントごとの細胞密度差がないことも示唆された。
このように、測定データにバラツキのない信頼性の高い培養担体及び測定方法であるため、測定点数を少なくすることができ、測定時間を短縮化できることが示唆された。更には、各測定時における、細胞と試薬との反応時間の差を小さくできるため、更に信頼性の高い測定を実施できることが示唆された。
本発明の光学的測定用細胞培養担体は、信頼性の高い培養担体及び測定方法であるため、例えば、細胞生死判定(MTT assay、WST−8 assay、ATP assay、Hoechst assay、alamer blue assay)、細胞増殖活性評価(BrdU assay)、酵素活性評価(Lactate assay、CYP活性測定、Glucose oxidase assay、Phosphatase assay)などの測定に好適に使用することができる。

Claims (4)

  1. 自家蛍光を示さない素材からなる白色繊維の繊維集合体からなることを特徴とする、光学的測定用細胞培養担体。
  2. 白色繊維の平均繊維径が200nm以上であることを特徴とする、請求項1記載の光学的測定用細胞培養担体。
  3. 請求項1又は請求項2記載の光学的測定用細胞培養担体が、ウェルプレートのウェル底面に配置されていることを特徴とする、光学的測定用ウェルプレート。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の光学的測定用細胞培養担体に細胞を培養した後、光学的測定を行うことを特徴とする、細胞の光学的測定方法。
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